(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-07
(45)【発行日】2023-09-15
(54)【発明の名称】監視装置、および監視システム
(51)【国際特許分類】
G05B 23/02 20060101AFI20230908BHJP
【FI】
G05B23/02 301Y
(21)【出願番号】P 2019102003
(22)【出願日】2019-05-31
【審査請求日】2022-03-08
(73)【特許権者】
【識別番号】502129933
【氏名又は名称】株式会社日立産機システム
(74)【代理人】
【識別番号】110001689
【氏名又は名称】青稜弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】光野 正志
(72)【発明者】
【氏名】鳥取 伸宏
(72)【発明者】
【氏名】中川 雄介
【審査官】影山 直洋
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-169989(JP,A)
【文献】特開2019-082941(JP,A)
【文献】特開2017-220053(JP,A)
【文献】特開2016-095610(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05B 23/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
拠点に配置された機器に関する情報、故障に関する情報と、前記機器の位置情報とを取得する拠点情報取得部と、
自然環境情報を取得する自然環境情報取得部と、
前記拠点情報取得部で取得した情報から、故障が生じた前記機器の位置を特定し、前記位置と前記自然環境情報の地域とを関連付け、故障が生じた前記機器と前記自然環境情報とを関係付け
、
故障と地域および季節との関係の指示を受けた場合、
前記故障が生じた前記機器に対応した前記地域の情報と、前記地域についての天候情報を抽出する分析部と
、
前記故障が発生した前記機器が配置された前記地域の情報と前記天候情報とを出力し、
前記自然環境情報として気温の指定を受けた場合、前記故障が生じた前記機器について、気温を抽出し、抽出した前記気温に対応する前記地域を抽出し、
抽出した前記地域の情報に基づいて、前記故障した前記機器の分布を地図に出力する
可視化部と
を有することを特徴とする監視装置。
【請求項2】
請求項1に記載の監視装置において、
前記分析部は、
前記機器に関する前記位置情報を、顧客情報から抽出することを特徴とする監視装置。
【請求項3】
請求項1に記載の監視装置において、
前記拠点情報取得部は、
前記機器から前記位置情報をネットワーク経由で、取得することを特徴とする監視装置。
【請求項4】
請求項1に記載の監視装置において、
前記拠点情報取得部は、
前記拠点に関する情報について、顧客情報、機器情報、稼働情報であるかを判断することを特徴とする監視装置。
【請求項5】
請求項1に記載の監視装置において、
前記自然環境情報取得部は、
外部システムから取得した前記自然環境情報が、天候情報であるか、地域情報であるかを判断することを特徴とする監視装置。
【請求項6】
請求項1に記載の監視装置において、
前記拠点情報取得部は、
前記機器の情報と、前記機器の故障情報と、前記機器の稼働状況を示す稼働情報と、顧客情報とを記録し、
前記自然環境情報取得部は、
天候情報と、地域情報とを記録することを特徴とする監視装置。
【請求項7】
請求項1に記載の監視装置において、
前記分析部は、
前記故障もしくは警報の発生割合を分析する指示を受けた場合、
前記発生割合を求める前記機器を識別する識別番号に基づいて、
機器情報と顧客情報、故障情報を抽出することを特徴とする監視装置。
【請求項8】
請求項1に記載の監視装置において、
可視化部が、前記故障もしくは警報の発生時間帯を可視化する指示を受けた場合には、
前記分析部から取得した故障情報に基づいて、前記発生時間帯を抽出することを特徴とする監視装置。
【請求項9】
第1の拠点に備え付けた第1の機器と、
第2の拠点に備え付けた第2の機器と、
前記第1の機器および第2の機器とネットワークを介して接続した請求項1に記載の監視装置と、
外部システムから天候情報および地域情報を取得する取得部と、前記監視装置に対して前記天候情報と前記地域情報を提供する提供部とを有する外部装置と、を有することを特徴とする監視システム。
【請求項10】
請求項9に記載の監視システムにおいて、
前記外部装置は、前記外部システムのフォーマットを変換する第1のフォーマット変換処理部を有することを特徴とする監視システム。
【請求項11】
第1の拠点に備え付けた第1の機器と、
第1の拠点に備え付けた第1のデータ収集装置と、
第2の拠点に備え付けた第2の機器と、
第2の拠点に備え付けた第2のデータ収集装置と、
前記第1の機器および第2の機器とネットワークを介して接続した請求項1に記載の監視装置と、
外部システムから天候情報および地域情報を取得する第1の取得部と前記監視装置に対して前記天候情報と前記地域情報を提供する第1の提供部と、を有する外部サーバとを有し、
前記第1のデータ収集装置と、前記第2のデータ収集装置は、それぞれ、前記第1の機器もしくは前記第2の機器から顧客情報、機器情報、故障情報、稼働情報を繰り返し取得する第2の取得部と、
前記取得した情報を、前記監視装置に繰り返し提供する第2の提供部とを有することを特徴とする監視システム。
【請求項12】
請求項11に記載の監視システムにおいて、
前記第1のデータ収集装置と、前記第2のデータ収集装置は、それぞれ、
前記機器から取得したデータをフォーマット変換する第2のフォーマット変換処理部を有することを特徴とする監視システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の監視対象機器の稼働状態を監視する監視装置および監視システムに関する。
【背景技術】
【0002】
機器メンテナンスのあり方が、定期的にメンテナンスをする時間基準保全から機器毎の状態に合わせてメンテナンスを行う状態基準保全へと移行している。状態基準保全をするためには、常に状態を監視する必要があり、IoTクラウドを用いた遠隔監視サービスの普及が進んでいる。
【0003】
機器の故障を監視する監視装置に関する技術としては特許文献1が知られている。特許文献1は、「ショベルから、稼働条件に依存する複数の変数の検出値が入力装置に入力される。処理装置、入力装置から入力された複数の変数の検出値を処理する。処理装置は、複数の変数の検出値の組を1つのサンプルとし、入力装置から入力された複数のサンプルから、変数の検出値に基づいて稼働条件が類似する一部のサンプルを抽出して標準サンプル群とする。さらに、対象サンプルを、標準サンプル群に基づいて評価する。」である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1には、異常の発生の検出精度を高めることができるショベルの管理装置を提供する技術は開示されている。しかしながら、ショベルの位置と異常との関係についてはなんら考慮されてはいない。
【0006】
複数のサービス拠点に配置された産業用機器の故障は、各サービス拠点の位置における自然環境に依存する場合があり、産業機器を配置した位置における自然環境と故障との関係を、分析し、分析結果に基づいて、メンテナンスをすることが求められる。
【0007】
本発明の目的は、機器毎の状態に合わせてメンテナンスを行う状態基準保全のため、機器の故障と自然環境との関係を分析する監視装置および監視システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の好ましい一例は、拠点に配置された機器に関する情報、故障に関する情報と、前記機器の位置情報とを取得する拠点情報取得部と、
自然環境情報を取得する自然環境情報取得部と、
前記拠点情報取得部で取得した情報から、故障が生じた前記機器の位置を特定し、前記位置と前記自然環境情報の地域とを関連付け、故障が生じた前記機器と前記自然環境情報とを関係付け、故障と地域および季節との関係の指示を受けた場合、前記故障が生じた前記機器に対応した前記地域の情報と、前記地域についての天候情報を抽出する分析部と、前記故障が発生した前記機器が配置された前記地域の情報と前記天候情報とを出力し、前記自然環境情報として気温の指定を受けた場合、前記故障が生じた前記機器について、気温を抽出し、抽出した前記気温に対応する前記地域を抽出し、抽出した前記地域の情報に基づいて、前記故障した前記機器の分布を地図に出力する可視化部とを有することを特徴とする監視装置である。
【0009】
本発明の好ましい他の例は、第1の拠点に備え付けた第1の機器と、第2の拠点に備え付けた第2の機器と、前記第1の機器および第2の機器とネットワークを介して接続した前記監視装置と、外部システムから天候情報および地域情報を取得する取得部と、前記監視装置に対して前記天候情報と前記地域情報を提供する提供部とを有する外部装置と、を有する監視システムである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、機器毎の状態に合わせてメンテナンスを行う状態基準保全のため、機器の故障と自然環境との関係を分析することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】実施例1の監視システムを示す構成図である。
【
図6】分析プログラムの処理フローを示す図である。
【
図7】可視化プログラムの処理フローを示す図である。
【
図8】外部サーバの受信プログラムの処理フローを示す図である。
【
図9】外部サーバの送信プログラムの処理フローを示す図である。
【
図10】実施例2の監視システムを示す構成図である。
【
図11】データ収集サーバの機能ブロックを示す図である。
【
図12】データ収集サーバの受信プログラムの処理フローを示す図である。
【
図13】データ収集サーバの送信プログラムの処理フローを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
実施例について、図面を用いて、以下に説明する。
【実施例1】
【0013】
図1は、実施例1の監視システムの構成の例を示す図である。実施例1の監視システムは、サービスを提供する場であるサービス拠点1 1000-1、サービス拠点N 1000-Nなどの複数のサービス拠点と、複数のサービス拠点を監視する遠隔監視センタ110と、外部のWebサイトなどの外部システム120からなる。
【0014】
サービス拠点1 1000-1などの複数のサービス拠点と遠隔監視センタ110と外部システム120とはネットワーク130を介して接続される。
【0015】
サービスを提供する場であるサービス拠点1 1000-1などの各サービス拠点は、機器1 10-1などの機器を有する。
【0016】
遠隔監視センタ110は、機器の登録情報、機器の稼働状態の情報を管理し、外部システムから取得した情報を管理する管理サーバ20を有する。
【0017】
外部システム120は、外部の天気情報や、気候情報、地域情報などを管理する外部サーバ30を有する。
【0018】
図2は、管理サーバ20の構成の例を示す図である。管理サーバ20の処理内容は、一般的なコンピュータの補助記憶装置204にプログラム(ソフトウェア)の形で格納(記録)され、CPU(Central Processing Unit)202が、補助記憶装置204から読み出したプログラムをメモリ201上に展開して、実行する。管理サーバ20は、ネットワークI/F205を介して他のサーバや機器と通信する。
【0019】
I/O(入出力インタフェース)203は、ユーザが管理サーバ20に指示を入力し、プログラムの実行結果などをユーザに提示するためのユーザインタフェースである。I/O203には、入出力デバイス(例えば、キーボード、マウス、タッチパネル、ディスプレイ、プリンタなど)が接続される。I/O203は、ネットワークを経由して接続された管理端末によって提供されるユーザインタフェースが接続されてもよい。
【0020】
CPU202は、メモリ201に格納されたプログラムを実行するプロセッサである。メモリ201は、不揮発性の記憶素子であるROM(Read Only Memory)及び揮発性の記憶素子であるRAM(Random Access Memory)を含む。
【0021】
ROMは、不変のプログラム(例えば、BIOS:Basic Input Output System)などが格納される。RAMは、DRAM(Dynamic Random Access Memory)のような高速かつ揮発性の記憶素子であり、補助記憶装置204に格納されたプログラム及びプログラムの実行時に使用されるデータが一時的に格納される。
【0022】
メモリ201には、登録プログラム211と、分析プログラム212、可視化プログラム213が格納される。
【0023】
また、メモリ201には、顧客情報DB(DataBase)221、機器情報DB222、故障情報DB223、稼働情報DB224、天候情報DB225、地域情報DB226が格納される。
【0024】
補助記憶装置204は、例えば、磁気記憶装置(HDD:Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ(SSD:Solid State Drive)などの大容量かつ不揮発性の記憶装置である。また、補助記憶装置204は、CPU202により実行されるプログラム及びプログラムの実行時に使用されるデータが格納される。すなわち、プログラムは、補助記憶装置204から読み出されて、メモリ201にロードされ、CPU202によって実行される。
【0025】
管理サーバ20は、物理的に一つの計算機上で、又は、論理的又は物理的な複数の計算機上で構成される計算機システムであり、メモリ201に格納されたプログラムが、同一の計算機上で別個のスレッドで動作してもよく、複数の物理的計算機資源上に構築された仮想計算機上で動作してもよい。また、管理サーバ20と他の装置が一つの物理的又は論理的計算機に収容されてもよい。なお、プログラムの実行によって実現される処理の全部又は一部の処理をハードウェア(例えば、Field-Programmable Gate Array)によって実現してもよい。
【0026】
図3は、外部サーバ30の構成の例を示す図である。
図2のサーバと同じ内容については、説明を省略する。
【0027】
メモリ301には、受信プログラム311と、送信プログラム312が格納される。
【0028】
また、メモリ301には、天候情報DB321、地域情報DB322が格納される。
【0029】
図4は、管理サーバ20のメモリ201、および外部サーバ30のメモリ301に記録されたデータベースを示す図である。
図4(A)は、顧客情報DB221を示す。顧客情報DB221は、顧客社名50、顧客事業所名51、顧客住所52、顧客電話番号53、識別番号54を記録するデータベースである。
【0030】
図4(B)は、機器情報DB222を示す。機器情報DB222は、識別番号60、製品分類61、製品型式62、製品番号63、スペック64、契約種別65、位置66を記録するデータベースである。
【0031】
図4(C)は、故障情報DB223を示す。故障情報データベースDBは、発生日時70、復旧日時71、識別番号72、警報/故障種別73、警報/故障内容74を記録するデータベースである。
【0032】
図4(D)は、稼働情報DB224を示す。稼働情報DB224は、送信日時80、識別番号81、稼働情報82を記録するデータベースであり、稼働情報82には、状態、内部気温、外部気温、圧力、電流、電圧、運転時間、起動時間、停止時間が含まれる。
【0033】
図4(E)は、天候情報DB225を示す。天候情報DB225は、晴れ90、曇り91、雨92、雪93、気温94、湿度95など、日時96、県97、市区町村98を記録するデータベースである。
【0034】
図4(F)は、地域情報DB226を示す。地域情報DB226は、山間部101、平野部102、県103、市区町村104を記録するデータベースである。
【0035】
データベースによって、実施例における情報について説明するが、これら情報は必ずしもデータベースによるデータ構造で表現されていなくても良く、リスト、テーブル等のデータ構造やそれ以外で表現されていても良い。そのため、「テーブル」、「リスト」、「DB」等について単に「情報」と呼ぶことがある。
【0036】
図5は、管理サーバ20における登録プログラム211の処理フローを示す図である。
【0037】
ユーザは、入出力デバイスなどを使い、登録プログラムを起動させる(S301)。
【0038】
管理サーバ20のCPUは、管理サーバ20外からネットワークを経由してデータの受信を開始する(S302)。
【0039】
送信場所がサービス拠点であるのか、外部システム120であるのかを判断する(S303)。
【0040】
図5の説明で、サービス拠点からの情報をDBに格納する処理部を、拠点情報取得部と呼び、外部システムからの情報をDBに格納する処理部を、自然環境情報取得部と呼ぶ。
【0041】
データを取得した場所(例えば送信場所)がサービス拠点である場合には、取得した情報の種類が、顧客情報であるか、機器情報であるか、稼働情報であるかを判断する(S307)。
【0042】
取得したデータが顧客情報に関する場合には、新規な顧客情報であるかどうかを判断する(S308)。新規な場合には、顧客情報を顧客情報DBに格納する(S310)。
【0043】
取得した顧客情報が新規で無い場合には、顧客情報DBに記録された情報を変更する情報かどうかを判断する(S309)。
【0044】
顧客情報を変更する情報である場合には、顧客情報DBを更新する(S310)。顧客情報が変更の無い情報の場合には、廃棄する(S309のNo)。
【0045】
取得したデータが機器情報に関する場合には、新規な機器情報であるかを判断する(S311)。
【0046】
新規な機器情報である場合には、その情報を機器情報DBに格納する(S313)。
【0047】
新規でない機器情報である場合には、機器情報DBの内容を変更する情報であるかを判断する(S312)。
【0048】
変更する機器情報の場合には、その情報を機器情報DBに格納する(S313)。
【0049】
変更しない機器情報の場合には、廃棄する(S312のNo)。
【0050】
取得したデータが稼動情報に関する場合には、その情報を稼働情報DBに格納する(S314)。そして、稼働情報から故障情報を抽出する(S315)。抽出した故障情報を故障情報DBに格納する(S316)。
【0051】
送信場所が外部システムである場合には、取得した情報が天候情報であるか地域情報であるかの種類を判断する(S304)。
【0052】
天候情報の場合には、その情報を天候情報DBに格納する(S305)。地域情報の場合には、その情報を地域情報DBに格納する(S306)。
【0053】
S310、S313、S316、S305、S306のいずれか、もしくは複数のステップが実行された後、ユーザの指示を受けることで登録プログラムは終了する(S317)。
【0054】
登録プログラム211においてS302からS316の各処理は、一定の周期で、機器10-1などからの稼働データを受ける度に繰り返し処理してもよいし、故障もしくは警報といったイベントが発生した場合に、その稼働データや故障データを受け取るように、繰り返し処理するようにしてもよい。
【0055】
図6は、管理サーバ20における分析プログラム212の処理フローを示す図である。
【0056】
ユーザからの入出力デバイスの指示により分析プログラムが起動される(S401)。
【0057】
顧客情報DB221からデータ取得(S402)し、機器情報DB222からデータ取得(S403)する。故障情報DB223からデータ取得(S404)する。稼働情報DB224からデータ取得(S405)する。天候情報DB225からデータ取得(S406)する。地域情報DB226からデータ取得(S407)をする。S402からS407の処理を、並行もしくは順次に実行する。
【0058】
取得したデータのうち、故障情報DB223から警報/故障種別73を抽出する(S408)。故障と警報は、いずれも通常と異なる異常の状態を表し、予め、稼働状態に基づいて区別する。
【0059】
そして、故障情報DB223から警報/故障内容74を抽出する(S409)。
【0060】
次に、ユーザからの入出力デバイスなどを使った指示が、警報/故障の発生割合、もしくはその他の項目であるかを判断する(S410)。ここで、ユーザからの指示には監視対象の機器、例えば、圧縮機を特定する指定が含まれる。
【0061】
項目指示が「発生割合」の場合には、特定した圧縮機に対応した識別番号を抽出する(S411)。
【0062】
S411で抽出した識別番号に対応した機器情報および稼働情報を抽出する(S412)。
【0063】
S411で抽出した識別番号に対応した顧客情報を抽出する(S413)。
そして、抽出した機器情報、顧客情報を可視化プログラムへ送信する(S421)。
【0064】
項目指示が「その他」である場合には、故障情報DBから取得した警報/故障発生日時を抽出する(S414)。
【0065】
S414で抽出した警報/故障が発生した故障情報から故障/警報が発生した識別番号を抽出する(S415)。
【0066】
S415で取得した識別番号に対応する機器情報および稼働情報を抽出する(S416)。
【0067】
S415で取得した識別番号に対応する顧客情報を抽出する(S417)。
【0068】
そして、ユーザから指示を受けた項目が、「発生日時」であるか、「地域・季節」に関する指示であるかを、判断する(S418)。
【0069】
「発生日時」の項目指示を受けた場合には、その「発生日時」に故障もしくは警報が発生した機器情報、警報/故障種別、警報/故障内容、稼働情報、顧客情報を可視化プログラムに送信する(S421)。
【0070】
そして、ユーザから指示を受けた項目が、「地域・季節」と警報/故障との関係である場合には、故障もしくは警報が発生した日時で、故障もしくは警報が発生した機器を配置した地域の天気情報を抽出する(S419)。
【0071】
具体的には、S417で抽出した顧客情報の顧客住所52もしくは、S416で抽出した機器情報のうち位置66から、故障もしくは警報が発生した機器の位置を特定する。特定した位置と故障もしくは警報が発生した日時と、天候情報の日時96と県97、市区町村98の情報とを対応させ関連するレコードを絞込み、絞り込んだ天候情報の気温94、湿度95などの自然環境のレコードを抽出する。
【0072】
そして、故障もしくは警報が発生した機器が配置された地域の情報を抽出する(S420)。具体的には、S419で特定した県97や市区町村98の情報と対応した地域情報を特定し、特定した地域の情報(山間部101など)を抽出する。
【0073】
抽出した機器情報、稼働情報、顧客情報、天候情報、地域情報を可視化プログラムへ送信する(S421)。
【0074】
そして、ユーザからの分析プログラムの指示を受けて分析プログラムの処理は終了する(S422)。
【0075】
図7は、管理サーバ20における可視化プログラム213の処理フローを示す図である。
【0076】
ユーザからの入出力デバイスを経由した指示に基づいて、可視化プログラム213が起動される(S501)。
【0077】
分析プログラム212から送信された、メモリ201などに記録されたプログラムの情報を取得する(S502)。
【0078】
ユーザから、警報/故障の発生割合、警報/故障の時間帯、もしくは警報/故障の地域・季節といった項目の指示を受ける(S504)。ここで、分析対象の圧縮機の指示を受けるようにしてもよい。
【0079】
項目が、警報/故障の発生割合の場合には、分析プログラム212から送信された警報/故障種別、警報/故障内容、機器情報、顧客情報から警報/故障の発生割合に関する処理を実行する(S505)。
【0080】
項目が、故障/警報の発生時間帯の場合には、分析プログラム212から送信された警報/故障の発生日時、警報/故障種別、警報/故障内容、機器情報、顧客情報から警報/故障の発生時間帯に関する処理を実行する(S506)。
【0081】
項目が、警報/故障の地域・季節の場合には、分析プログラム212から送信された警報/故障に対応した天候情報、地域情報、警報/故障の発生日時、警報/故障種別、警報/故障内容、機器情報、顧客情報から、警報/故障の発生した機器の地域に関する処理を実行する(S507)。
【0082】
季節の指示が、夏の場合には、警報/故障の発生日時が夏の場合に故障した機器の識別番号を特定し、特定した機器の位置を、顧客情報もしくは機器情報から特定する。そして、特定した位置についての天候情報や地域情報を抽出し、夏に故障が生じた機器がどのような自然環境の下で故障したかについて、関連情報を絞り込むことができる。
【0083】
S504の項目指示に、分析プログラム212で抽出した情報以外の情報の可視化の指示を受けた場合には、その指示内容に従い、警報/故障に関する天候情報DBから情報を抽出(S508)、および警報/故障に関する地域情報DBから情報を抽出する(S509)。例えば、S418では故障発生日時に基づいて、夏などの季節との関係を指定したが、S504では、温度の範囲を指定して警報/故障を発生した機器を可視化する場合がある。その場合には、分析プログラム212から送信された情報から警報/故障を発生した機器と、その機器に対応した地域の気温の情報を抽出し、その気温の温度が、指定の温度範囲に含まれる場合には、温度と機器の故障とが関連する可能性があるとして可視化する。
【0084】
S505、S506、S509で取得した情報に基づいて、グラフもしくは表を表示する(S510)。例えば、ユーザが指定した温度以上の気温の地域にある故障した圧縮機の分布を地図に表示することができる。
【0085】
ユーザからの指示を受けて、可視化プログラムを停止する(S511)。
【0086】
図8は、外部サーバ30における受信プログラム311の処理フローを示す図である。
【0087】
ユーザからの入出力デバイスを経由した指示に基づいて、受信プログラム311が起動される(S601)。
【0088】
ユーザからの指示に基づいて、外部システムからの天候情報、地域情報の取得頻度の設定を受ける(S602)。
【0089】
外部システムからネットワーク130経由で情報を取得する(S603)。外部システムから取得した情報を、外部サーバ30におけるフォーマットに変換する(S604)。
【0090】
S604で変換した情報のうち、天候情報に関する情報を天候情報DBに格納する(S605)。
【0091】
S604で変換した情報のうち、地域情報に関する情報を地域情報DBに格納する(S606)。
【0092】
ユーザから、受信プログラム311の処理を終了する指示があったかどうかを判断する(S607)。
【0093】
ユーザから、受信プログラム311の処理を終了する指示が無い場合には(S607のNo)は、S602に設定した取得頻度に従い待機し(S608)、その後S603に戻る。
【0094】
ユーザから、受信プログラム311の処理を終了する指示があった場合には(S607のYes)は、受信プログラム311の処理を終了する(エンド)。
【0095】
図9は、外部サーバ30における送信プログラム312の処理フローを示す図である。
【0096】
ユーザからの入出力デバイスを経由した指示に基づいて、送信プログラム312が起動される(S701)。
【0097】
ユーザからの指示に基づいて、管理サーバ20への天候情報、地域情報の送信頻度の設定を受ける(S702)。
【0098】
メモリ301に記録した天候情報DB321から管理サーバ20に未送信の天候情報を取得する(S703)。
【0099】
メモリ301に記録した地域情報DB322から管理サーバ20に未送信の地域情報を取得する(S704)。
S703およびS704で取得した天候情報および地域情報を管理サーバ20に送信する(S705)。
【0100】
ユーザから、送信プログラム312の処理を終了する指示があったかどうかを判断する(S706)。
【0101】
ユーザから、送信プログラム312の処理を終了する指示が無い場合には(S706のNo)は、S702に設定した取得頻度に従い待機し(S707)、その後S703に戻る。
【0102】
ユーザから、送信プログラム312の処理を終了する指示があった場合には(S706のYes)は、送信プログラム312の処理を終了する(エンド)。
【0103】
実施例1によれば、機器毎の状態に合わせてメンテナンスを行う状態基準保全のため、機器の故障もしくは警報と、季節、温度など自然環境との関係を分析、ならびに可視化することができる。
【実施例2】
【0104】
図10は、実施例2の監視システムを示す構成図である。
【0105】
実施例2の監視システムは、サービスを提供する場であるサービス拠点1 1000-1、サービス拠点N 1000-Nなどの複数のサービス拠点と、複数のサービス拠点を監視する遠隔監視センタ110と、外部のWebサイトなどの外部システム120からなる。
【0106】
サービス拠点1 1000-1などの複数のサービス拠点と遠隔監視センタ110と外部システム120とはネットワーク130を介して接続される。
【0107】
サービスを提供する場であるサービス拠点1 1000-1などの各サービス拠点は、機器1 10-1などの複数の機器を有する。
【0108】
遠隔監視センタ110は、機器の登録情報、機器の稼働状態の情報を管理し、外部システムから取得した情報を管理する管理サーバ20を有する。
【0109】
外部システム120は、外部の天気情報や、気候情報、地域情報などを管理する外部サーバ30を有する。
【0110】
実施例1と同じ内容については、説明は省略する。実施例1と異なる点は、サービス拠点1などの各サービス拠点には、データ収集サーバ40-1などデータ収集サーバを有していることである。
【0111】
管理サーバ20、外部サーバ30の構成や、顧客情報DBなどのDBの構成は、実施例1と同じである。
【0112】
図11は、データ収集サーバ40の機能ブロックを示す図である。データ収集サーバ40は、管理サーバ20と同様に、メモリ401、CPU402、I/O403、補助記憶装置404、ネットワークIF405を有する。
【0113】
メモリ401には、受信プログラム411と、送信プログラム412が格納される。また、メモリ401には、顧客情報DB421、機器情報DB422、故障情報DB423、稼働情報DB424が格納される。これらDBの内容は、実施例1の
図4で示した構成と同じである。
【0114】
図12は、データ収集サーバ40の受信プログラム411の処理フローを示す図である。
【0115】
ユーザからの入出力デバイスを経由した指示に基づいて、受信プログラム411が起動される(S801)。
【0116】
ユーザからの指示に基づいて、サービス拠点に配置された機器1 10-1などの機器からの取得頻度の設定を受ける(S802)。
【0117】
機器からネットワーク130経由で情報を取得する(S803)。
【0118】
機器から取得した情報を、データ収集サーバ40におけるフォーマットに変換する(S804)。
【0119】
S804で変換した情報のうち、顧客情報に関する情報を顧客情報DB421に格納する(S805)。
【0120】
S804で変換した情報のうち、機器情報に関する情報を機器情報DB422に格納する(S806)。
【0121】
S804で変換した情報のうち、故障情報に関する情報を故障情報DB423に格納する(S807)。
【0122】
S804で変換した情報のうち、稼働情報に関する情報を稼働情報DB424に格納する(S808)。
【0123】
ユーザから、受信プログラム411の処理を終了する指示があったかどうかを判断する(S809)。
【0124】
ユーザから、受信プログラム411の処理を終了する指示が無い場合には(S809のNo)は、S802に設定した取得頻度に従い待機し(S810)、その後S803に戻る。
【0125】
ユーザから、受信プログラム411の処理を終了する指示があった場合には(S809のYes)は、受信プログラム411の処理を終了する(エンド)。
【0126】
図13は、データ収集サーバ40の送信プログラム412の処理フローを示す図である。
【0127】
ユーザからの入出力デバイスを経由した指示に基づいて、送信プログラム412が起動される(S901)。
【0128】
ユーザからの指示に基づいて、データ収集サーバ40から管理サーバ20への顧客情報、機器情報、故障情報、稼働情報の送信頻度の設定を受ける(S902)。
【0129】
メモリ401に記録した顧客情報DB421から管理サーバ20に未送信の顧客情報を取得する(S903)。
【0130】
メモリ401に記録した機器情報DB422から管理サーバ20に未送信の機器情報を取得する(S904)。
【0131】
メモリ401に記録した故障情報DB423から管理サーバ20に未送信の故障情報を取得する(S905)。
【0132】
メモリ401に記録した稼働情報DB424から管理サーバ20に未送信の稼働情報を取得する(S906)。
S903、S904、S905、S906のステップで取得した情報を、管理サーバ20に送信する(S907)。
【0133】
ユーザから、送信プログラム412の処理を終了する指示があったかどうかを判断する(S908)。
【0134】
ユーザから、送信プログラム412の処理を終了する指示が無い場合には(S908のNo)は、S902に設定した送信頻度に従い待機し(S909)、その後S903に戻る。
【0135】
ユーザから、送信プログラム412の処理を終了する指示があった場合には(S908のYes)は、送信プログラム412の処理を終了する(エンド)。
【0136】
実施例2によれば、実施例1と同様な効果を有するとともに、機器からの稼働情報を、データ収集サーバ40が登録するので、管理サーバ20における処理の負荷を軽減することができる。
【0137】
上記の例では、位置情報は、住所を用いたが、圧縮機などの機器からGPSの位置情報を管理サーバ20もしくはデータ収集サーバ40が受け取り、その位置情報に基づいて、外部システムからの情報を特定する構成にしてもよい。
【0138】
また、上記の例では、機器は、圧縮機を例に説明したが、変圧器などの別の産業用機器であってもよい。
【0139】
なお、本発明を実施するための形態は、以上で説明した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例及び同等の構成が含まれる。例えば、前述した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えてもよい。また、ある実施例の構成に他の実施例の構成の一部を加えてもよい。
【0140】
また、前述したプログラムによる処理などは、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計するなどにより、ハードウェアで実現してもよく、ハードウェアによる処理とプログラムによる処理を組み合わせてもよい。プログラムやテーブルなどの情報は、メモリ、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)などの記憶装置、又は、ICカード、SDカード、DVDなどの記録媒体に格納することができる。また、制御線や情報線は説明上必要なものを示しており、示した以外の制御線や情報線があってもよい。
【符号の説明】
【0141】
20:管理サーバ、30:外部サーバ、110:遠隔監視センタ、120:外部システム