(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-07
(45)【発行日】2023-09-15
(54)【発明の名称】セラミックス棚組
(51)【国際特許分類】
C04B 35/64 20060101AFI20230908BHJP
A47B 47/00 20060101ALI20230908BHJP
F27D 3/12 20060101ALI20230908BHJP
【FI】
C04B35/64
A47B47/00
F27D3/12 S
(21)【出願番号】P 2019146799
(22)【出願日】2019-08-08
【審査請求日】2022-06-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000006183
【氏名又は名称】三井金属鉱業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100150717
【氏名又は名称】山下 和也
(72)【発明者】
【氏名】内野 哲也
(72)【発明者】
【氏名】堤 英気
(72)【発明者】
【氏名】友清 正宏
【審査官】小川 武
(56)【参考文献】
【文献】実開昭60-133400(JP,U)
【文献】特開2007-010235(JP,A)
【文献】特開平08-110176(JP,A)
【文献】特開2014-094818(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C04B 35/00-35/84
F27D 3/12
A47B 47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
焼成炉内で被支持物を支持するセラミックス棚組であって、
横方向に延びる上支持枠と、
上下方向に延びて、前記上支持枠を下から支持する複数の支柱と、を備え、
前記上支持枠は、第1上支持棒と、前記第1上支持棒から荷重を受ける第2上支持棒と、前記第1上支持棒と前記第2上支持棒とを連結した上連結部と、を有し、
前記上連結部は、前記第1上支持棒において前記第2上支持棒の側の端部が下方から切り欠かれるように形成された第1上支持端面と、前記第2上支持棒において前記第1上支持棒の側の端部が上方から切り欠かれるように形成された第2上支持端面と、を有し、
前記第1上支持端面が、前記第2上支持端面に当接し
、
前記第1上支持端面から前記第1上支持棒の下面に第1上壁が延び、
前記第2上支持端面から前記第2上支持棒の上面に第2上壁が延びている、セラミックス棚組。
【請求項2】
前記第1上支持棒と前記第2上支持棒は、同一高さ位置に配置されている、請求項1に記載のセラミックス棚組。
【請求項3】
前記第1上支持棒および前記第2上支持棒は、下方に開口する上凹部をそれぞれ有し、
前記上凹部に、前記支柱が挿入されている、請求項1または2に記載のセラミックス棚組。
【請求項4】
横方向に延びる、複数の前記支柱を下から支持する下支持枠を更に備えた、請求項1~3のいずれか一項に記載のセラミックス棚組。
【請求項5】
前記下支持枠は、前記第1上支持棒の下方に配置された第1下支持棒と、前記第2上支持棒の下方に配置された第2下支持棒と、前記第1下支持棒と前記第2下支持棒とを連結した下連結部と、を有し、
前記下連結部は、前記第1下支持棒において前記第2下支持棒の側の端部が上方から切り欠かれるように形成された第1下支持端面と、前記第2下支持棒において前記第1下支持棒の側の端部が下方から切り欠かれるように形成された第2下支持端面と、を有し、
前記第1下支持端面が、前記第2下支持端面に当接している、請求項4に記載のセラミックス棚組。
【請求項6】
前記第1下支持棒と前記第2下支持棒は、同一高さ位置に配置されている、請求項5に記載のセラミックス棚組。
【請求項7】
前記第1下支持棒および前記第2下支持棒は、上方に開口する下凹部をそれぞれ有し、
前記下凹部に、前記支柱が挿入されている、請求項5または6に記載のセラミックス棚組。
【請求項8】
前記第2上支持棒の両端部に、前記上連結部を介して前記第1上支持棒がそれぞれ連結され、
前記第2下支持棒の両端部に、前記下連結部を介して前記第1下支持棒がそれぞれ連結され、
前記第2上支持棒と前記第2下支持棒とが前記支柱によって連結されて第1扉部が構成され、
一方の前記第1上支持棒と、当該第1上支持棒の下方に配置された前記第1下支持棒とが、前記支柱によって連結されて第1固定部が構成され、
前記第1扉部は、前記第1固定部に対して回動可能になっている、請求項5~7のいずれか一項に記載のセラミックス棚組。
【請求項9】
前記第1固定部を構成する前記第1上支持棒および前記第1下支持棒の前記第1扉部の側の端部、並びに、前記第1扉部を構成する前記第2上支持棒および前記第2下支持棒の前記第1固定部の側の端部が、上方から見たときにR形状の輪郭を有している、請求項8に記載のセラミックス棚組。
【請求項10】
前記上連結部は、前記第1固定部を構成する前記第1上支持棒とは異なる他の前記第1上支持棒と前記第1扉部を構成する前記第2上支持棒とを係止する上係止棒部分を更に有し、
前記下連結部は、前記第1固定部を構成する前記第1下支持棒とは異なる他の前記第1下支持棒と前記第1扉部を構成する前記第2下支持棒とを係止する下係止棒部分を更に有し、
前記上係止棒部分と前記下係止棒部分は、互いに一体化されて連続状の係止棒をなし、
前記係止棒は、上方に引き抜き可能になっている、請求項8または9に記載のセラミックス棚組。
【請求項11】
前記第1固定部を構成する前記第1上支持棒とは異なる他の前記第1上支持棒のうち前記第1扉部の側とは反対側の端部に、前記第1扉部を構成する前記第2上支持棒とは異なる他の前記第2上支持棒が前記上連結部を介して連結され、
前記第1固定部を構成する前記第1下支持棒とは異なる他の前記第1下支持棒のうち前記第1扉部の側とは反対側の端部に、前記第1扉部を構成する前記第2下支持棒とは異なる他の前記第2下支持棒が前記下連結部を介して連結され、
前記第1固定部を構成する前記第1上支持棒とは異なる他の前記第1上支持棒と、当該第1上支持棒の下方に配置された前記第1下支持棒とが、前記支柱によって連結されて第2扉部が構成され、
前記第1扉部を構成する前記第2上支持棒とは異なる他の前記第2上支持棒と、当該第2上支持棒の下方に配置された前記第2下支持棒とが、前記支柱によって連結されて第2固定部が構成され、
前記第2扉部は、前記第2固定部に対して回動可能になっている、請求項8~10のいずれか一項に記載のセラミックス棚組。
【請求項12】
前記第2扉部を構成する前記第1上支持棒および前記第1下支持棒の前記第2固定部の側の端部、並びに、前記第2固定部を構成する前記第2上支持棒および前記第2下支持棒の前記第2扉部の側の端部が、上方から見たときにR形状の輪郭を有している、請求項11に記載のセラミックス棚組。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セラミックス棚組に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、焼成炉内においてセラミックス材料で作製された被焼成物を焼成する場合に用いられる窯道具として、セラミックス棚組が知られている。セラミックス棚組は、複数の支柱を備えており、各支柱に載置台が設けられている(例えば、特許文献1参照)。載置台には棚板が載置される。被焼成物は棚板上に載置されて、この状態で焼成炉内で焼成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
セラミックス棚組には、被焼成物の焼成時の高温環境下で歪みが生じたり、破損したりしないような強度が求められる。このため、セラミックス棚組は、高温耐火材料であるセラミックス材料で作製される。しかしながら、セラミックス棚組の構造としても、高温時の強度を確保できるような構造が望まれる。
【0005】
本発明はこのような点を考慮してなされたものであり、焼成時の高温環境下での強度を向上させることができるセラミックス棚組を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、
焼成炉内で被支持物を支持するセラミックス棚組であって、
横方向に延びる上支持枠と、
上下方向に延びて、前記上支持枠を下から支持する複数の支柱と、を備え、
前記上支持枠は、第1上支持棒と、前記第1上支持棒から荷重を受ける第2上支持棒と、前記第1上支持棒と前記第2上支持棒とを連結した上連結部と、を有し、
前記上連結部は、前記第1上支持棒において前記第2上支持棒の側の端部が下方から切り欠かれるように形成された第1上支持端面と、前記第2上支持棒において前記第1上支持棒の側の端部が上方から切り欠かれるように形成された第2上支持端面と、を有し、
前記第1上支持端面が、前記第2上支持端面に当接している、セラミックス棚組、
を提供する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、焼成時の高温環境下での強度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、本発明の実施の形態におけるセラミックス棚組の一例を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態に係るセラミックス棚組について説明する。セラミックス棚組は、焼成炉内で被支持物を支持するための窯道具である。被支持物の例としては、被焼成物や、被焼成物が載置される棚板、被焼成物の形状を矯正するための焼成治具等が挙げられる。
【0010】
図1および
図2に示すように、本実施の形態によるセラミックス棚組1は、上支持枠10と、上下方向に延びて上支持枠10を下から支持する複数の支柱30と、複数の支柱30を下方から支持する下支持枠40と、を備えている。
図1では、焼成炉100内で、被支持物101がセラミックス棚組1の上部で支持されている例が示されている。
【0011】
まず、支柱30について説明する。
図2および
図3に示すように、支柱30は、上下方向に直線状に延びるように円筒状に形成されており、リング状の横断面を有していてもよい。このことにより、支柱30の質量を低減することができ、セラミックス棚組1の熱容量を低減することができる。
図3に示すように、支柱30は、支柱本体部30aと、支柱本体部30aの上方の端部に設けられた支柱上端嵌合部30bと、支柱本体部30aの下方の端部に設けられた支柱下端嵌合部30cと、を含んでいてもよい。支柱上端嵌合部30bの直径および支柱下端嵌合部30cの直径は、支柱本体部30aの直径よりも小さくなっている。支柱上端嵌合部30bの直径と支柱下端嵌合部30cの直径は同一であってもよい。支柱30はセラミックス材料を焼成することにより形成されており、支柱上端嵌合部30bおよび支柱下端嵌合部30cは、焼成後に機械加工されることによって形成されるようにしてもよい。
【0012】
次に、上支持枠10について説明する。
【0013】
図2に示すように、上支持枠10は、第1上支持棒11と、第1上支持棒11から荷重を受ける第2上支持棒12と、第1上支持棒11と第2上支持棒12とを連結した上連結部13と、を有している。第1上支持棒11および第2上支持棒12はそれぞれ横方向に延びている。このため、上支持枠10も横方向に延びるように形成されており、水平面に沿うように形成されている。
【0014】
本実施の形態においては、上支持枠10は、2つの第1上支持棒11と、2つの第2上支持棒12と、4つの上連結部13と、を有している。上方から見たときに、2つの第1上支持棒11は互いに対向するとともに、2つの第2上支持棒12は互いに対向しており、第1上支持棒11と第2上支持棒12とは、互いに垂直な方向に延びている。第1上支持棒11の各々と対応する第2上支持棒12とが、上連結部13によって連結されている。すなわち、第2上支持棒12の両端部に、対応する上連結部13を介して第1上支持棒11がそれぞれ連結されている。また、第1上支持棒11の両端部に、対応する上連結部13を介して第2上支持棒12が連結されている。上連結部13の各々が、対応する第1上支持棒11と対応する第2上支持棒12とを連結している。このようにして、本実施の形態においては、上支持枠10は、上方から見たときに矩形状に形成されており、セラミックス棚組1は直方体状に形成されている。上述した被支持物101は、例えば、上支持枠10のうち2つの第1上支持棒11に載置され、被支持物101からの荷重は、2つの第1上支持棒11で受けるようになっている。
【0015】
図3に示すように、第1上支持棒11は、第1上支持棒本体部11aと、第1上支持棒11の長手方向において第1上支持棒本体部11aの両端部に設けられた第1上支持棒端部11bと、を含んでいる。第1上支持棒端部11bは、後述する第1上支持端面14が設けられている部分である。なお、第1上支持棒11の長手方向とは、上方から見たときにセラミックス棚組1の外縁に沿う方向に相当している。
図1では紙面に垂直な方向が第1上支持棒11の長手方向に相当し、
図3では左右方向が第1上支持棒11の長手方向に相当する。
【0016】
図1に示すように、第2上支持棒12は、第2上支持棒本体部12aと、第2上支持棒12の長手方向において第2上支持棒本体部12aの両端部に設けられた第2上支持棒端部12bと、を含んでいる。第2上支持棒端部12bは、後述する第2上支持端面15が設けられている部分である。なお、第2上支持棒12の長手方向とは、上方から見たときにセラミックス棚組1の外縁に沿う方向に相当している。
図1では左右方向が第2上支持棒12の長手方向に相当し、
図3では紙面に垂直な方向が第2上支持棒12の長手方向に相当する。
【0017】
図3~
図5に示すように、第1上支持棒11と第2上支持棒12とを連結する上連結部13は、第1上支持棒11に設けられた第1上支持端面14と、第2上支持棒12に設けられた第2上支持端面15と、第1上貫通孔18と、第2上貫通孔19と、上係止棒部分20と、を有している。このうち第1上貫通孔18は、第1上支持端面14に設けられて第1上支持棒11の第1上支持棒端部11bを貫通する孔である。第2上貫通孔19は、第2上支持端面15に設けられて第2上支持棒12の第2上支持棒端部12bを貫通する孔である。上係止棒部分20は、第1上貫通孔18および第2上貫通孔19に挿入されて第1上支持棒11および第2上支持棒12を係止している。
【0018】
図4に示すように、第1上支持端面14は、第1上支持棒11において第2上支持棒12の側の端部が下方から切り欠かれるように形成されている。すなわち、第1上支持棒11の第1上支持棒端部11bの各々に、下方を向く第1上支持端面14が設けられている。第1上支持端面14の第1上支持棒本体部11aの側の縁から第1上壁16が下方に延びていてもよい。すなわち、第1上支持端面14は横方向に延び、第1上壁16は、上下方向に延びており、第1上支持端面14に対して垂直になっていてもよい。しかしながら、第1上壁16は上下方向に延びていなくてもよい。すなわち、後述する第2扉部72を構成する第1上支持棒11が回動可能であり、かつ第1上支持端面14と第2上支持端面15とが当接可能であれば、第1上壁16は、第1上支持端面14に対して垂直になっていなくてもよい。
【0019】
第1上支持棒11は、矩形状の横断面(長手方向に垂直な断面)を有していてもよい。第1上支持棒11の第1上支持棒本体部11aの厚み(上面と下面との間の高さ寸法)は、長手方向において一定になっていてもよい。第1上支持棒端部11bの厚み(上面と第1上支持端面14との間の高さ寸法)は、第1上支持棒本体部11aの厚みの半分程度になっていてもよい。
【0020】
図5に示すように、第2上支持端面15は、第2上支持棒12において第1上支持棒11の側の端部が上方から切り欠かれるように形成されている。すなわち、第2上支持棒12の第2上支持棒端部12bの各々に、上方を向く第2上支持端面15が設けられている。第2上支持端面15の第2上支持棒本体部12aの側の縁から第2上壁17が上方に延びていてもよい。すなわち、第2上支持端面15は横方向に延び、第2上壁17は、上下方向に延びており、第2上支持端面15に対して垂直になっていてもよい。しかしながら、第2上壁17は上下方向に延びていなくてもよい。すなわち、後述する第1扉部71を構成する第2上支持棒12が回動可能であり、かつ第1上支持端面14と第2上支持端面15とが当接可能であれば、第2上壁17は、第2上支持端面15に対して垂直になっていなくてもよい。
【0021】
第2上支持棒12は、矩形状の横断面を有していてもよい。第2上支持棒12の第2上支持棒本体部12aの厚み(上面と下面との間の高さ寸法)は、長手方向において一定になっていてもよい。第2上支持棒端部12bの厚み(下面と第2上支持端面15との間の高さ寸法)は、第2上支持棒本体部12aの厚みの半分程度になっていてもよい。
【0022】
図4および
図5に示すように、第1上支持棒11の第1上支持棒本体部11aの厚みと、第2上支持棒12の第2支持棒本体部の厚みは、等しくてもよい。第1上支持棒端部11bの厚みと、第2上支持棒端部12bの厚みは、等しくてもよい。また、
図2に示すように、第1上支持棒11の長手方向の長さは、第2上支持棒12の長手方向の長さよりも長くてもよいが、等しくてもよい。
【0023】
第1上支持棒11と第2上支持棒12は、同一高さ位置に配置されていてもよい。より具体的には、第1上支持棒11の上面と第2上支持棒12の上面とが同一高さ位置に配置されるようにしてもよい。この場合、第1上支持棒11の上面と第2上支持棒12の上面とで、段差が形成されることを抑制できる。
【0024】
第1上支持端面14は、第2上支持端面15に当接している。第1上支持棒端部11bと第2上支持棒端部12bとは重なり合っている。この重なり合った部分の厚み(第1上支持棒11の上面と第2上支持棒12の下面との間の高さ寸法)は、第1上支持棒本体部11aの厚みに等しくてもよく、第2上支持棒本体部12aの厚みに等しくてもよい。すなわち、上支持枠10は、全体的に一定の厚みで形成されていてもよい。
【0025】
図4および
図5に示すように、第1上支持端面14に設けられた第1上貫通孔18は、第1上支持棒11の第1上支持棒端部11bを上下方向に延びて貫通している。また、第1上貫通孔18は、円筒状に形成されている。同様に、第2上支持端面15に設けられた第2上貫通孔19は、第2上支持棒12の第2上支持棒端部12bを上下方向に延びて貫通している。また、第2上貫通孔19は、円筒状に形成されている。第1上貫通孔18の直径と第2上貫通孔19の直径は等しくてもよい。第1上貫通孔18と第2上貫通孔19は、第1上支持棒11と第2上支持棒12とが連結されている状態においては、上方から見たときに重なり合っている。
【0026】
上係止棒部分20は、上述した第1上貫通孔18および第2上貫通孔19に挿入されて嵌合している。これにより、第1上支持棒11と、対応する第2上支持棒12とが、上係止棒部分20によって係止されている。なお、本実施の形態においては、上係止棒部分20は、後述する下係止棒部分50と一体化されて連続状の係止棒60をなしている。係止棒60の詳細は後述する。
【0027】
図3および
図6に示すように、第1上支持棒11および第2上支持棒12は、下方に開口する上凹部21をそれぞれ有していてもよい。上凹部21は、第1上支持棒本体部11aおよび第2上支持棒本体部12aに設けられていてもよい。本実施の形態では、第1上支持棒本体部11aには2つの上凹部21が設けられており、第2上支持棒本体部12aには1つの上凹部21が設けられている。本実施の形態においては、第1上支持棒端部11bに上凹部21は設けられておらず、第2上支持棒端部12bに上凹部21は設けられていない。
【0028】
上凹部21は、円筒状に形成されており、上述した支柱30の支柱上端嵌合部30bが挿入されて嵌合するように構成されている。
図6に示すように、上凹部21は、支柱30の支柱上端嵌合部30bの側の上端面30dと当接可能な上凹部当接面21aを含んでいてもよい。この上凹部当接面21aに、支柱30の上端面30dが当接することで、第1上支持棒11および第2上支持棒12が支柱30に支持される。
【0029】
各上凹部21を上方に連通する上連通孔22が設けられていてもよい。上連通孔22は、上凹部当接面21aから上支持棒11、12の上面まで延びており、上方に開口している。このような上連通孔22を設けることにより、上凹部21が閉じられた空間となることを防止できる。上連通孔22は、円筒状に形成されており、対応する上凹部21と同芯状に形成されていてもよい。上連通孔22の直径は、上凹部21の直径よりも小さくなっており、上述した上凹部当接面21aは、下方から見たときにリング状に形成されていてもよい。
【0030】
上支持棒11、12はセラミックス材料を焼成することにより形成されている。上述した上支持端面14、15、上壁16、17、上貫通孔18、19、上凹部21および上連通孔22は、焼成後に機械加工されることによって形成されるようにしてもよい。
【0031】
次に、下支持枠40について説明する。
【0032】
図2に示すように、下支持枠40は、第1下支持棒41と、第1下支持棒41から荷重を受ける第2下支持棒42と、第1下支持棒41と第2下支持棒42とを連結した下連結部43と、を有している。第1下支持棒41は、対応する第1上支持棒11の下方に配置されており、上方から見たときに当該第1上支持棒11と重なっている。第2下支持棒42は、対応する第2上支持棒12の下方に配置されており、上方から見たときに当該第2上支持棒12と重なっている。第1下支持棒41および第2下支持棒42はそれぞれ横方向に延びている。このため、下支持枠40も横方向に延びるように形成されており、水平面に沿うように形成されている。
【0033】
本実施の形態においては、下支持枠40は、2つの第1下支持棒41と、2つの第2下支持棒42と、4つの下連結部43と、を有している。上方から見たときに、2つの第1下支持棒41は互いに対向するとともに、2つの第2下支持棒42は互いに対向しており、第1下支持棒41と第2下支持棒42とは、互いに垂直な方向に延びている。第1下支持棒41の各々と対応する第2下支持棒42とが、下連結部43によって連結されている。すなわち、下連結部43の各々が、対応する第1下支持棒41と対応する第2下支持棒42とを連結している。このようにして、本実施の形態においては、下支持枠40は、上方から見たときに、上支持枠10と同様に矩形状に形成されている。
【0034】
図3に示すように、第1下支持棒41は、第1下支持棒本体部41aと、第1下支持棒41の長手方向において第1下支持棒本体部41aの両端部に設けられた第1下支持棒端部41bと、を含んでいる。第1下支持棒端部41bは、後述する第1下支持端面44が設けられている部分である。なお、第1下支持棒41の長手方向とは、上方から見たときにセラミックス棚組1の外縁に沿う方向に相当している。上述した第1上支持棒11の長手方向と同様に、
図1では紙面に垂直な方向が第1下支持棒41の長手方向に相当し、
図3では左右方向が第1上支持棒11の長手方向に相当する。
【0035】
図1に示すように、第2下支持棒42は、第2下支持棒本体部42aと、第2下支持棒42の長手方向において第2下支持棒本体部42aの両端部に設けられた第2下支持棒端部42bと、を含んでいる。第2下支持棒端部42bは、後述する第2下支持端面45が設けられている部分である。なお、第2下支持棒42の長手方向とは、上方から見たときにセラミックス棚組1の外縁に沿う方向に相当している。上述した第2上支持棒12の長手方向と同様に、
図1では左右方向が第2下支持棒42の長手方向に相当し、
図3では紙面に垂直な方向が第2下支持棒42の長手方向に相当する。
【0036】
図3、
図7および
図8に示すように、第1下支持棒41と第2下支持棒42とを連結する下連結部43は、第1下支持棒41に設けられた第1下支持端面44と、第2下支持棒42に設けられた第2下支持端面45と、第1下貫通孔48、第2下貫通孔49と、下係止棒部分50と、を有している。このうち第1下貫通孔48は、第1下支持端面44に設けられて第1下支持棒41の第1下支持棒端部41bを貫通する孔である。第2下貫通孔49は、第2下支持端面45に設けられて第2下支持棒42の第2下支持棒端部42bを貫通する孔である。下係止棒部分50は、第1下貫通孔48および第2下貫通孔49に挿入されて第1上支持棒11および第2上支持棒12を係止している。
【0037】
図7に示すように、第1下支持端面44は、第1下支持棒41において第2下支持棒42の側の端部が上方から切り欠かれるように形成されている。すなわち、第1下支持棒41の第1下支持棒端部41bの各々に、上方を向く第1下支持端面44が設けられている。第1下支持端面44の第1下支持棒本体部41aの側の縁から第1下壁46が上方に延びていてもよい。すなわち、第1下支持端面44は横方向に延び、第1下壁46は上下方向に延びており、第1下支持端面44に対して垂直になっていてもよい。しかしながら、第1下壁46は上下方向に延びていなくてもよい。すなわち、後述する第2扉部72を構成する第1下支持棒41が回動可能であり、かつ第1下支持端面44と第2下支持端面45とが当接可能であれば、第1下壁46は、第1下支持端面44に対して垂直になっていなくてもよい。
【0038】
第1下支持棒41は、矩形状の横断面(長手方向に垂直な断面)を有していてもよい。第1下支持棒41の第1下支持棒本体部41aの厚み(上面と下面との間の高さ寸法)は、長手方向において一定になっていてもよい。第1下支持棒端部41bの厚み(下面と第1下支持端面44との間の高さ寸法)は、第1下支持棒本体部41aの厚みの半分程度になっていてもよい。
【0039】
図8に示すように、第2下支持端面45は、第2下支持棒42において第1下支持棒41の側の端部が下方から切り欠かれるように形成されている。すなわち、第2下支持棒42の第2下支持棒端部42bの各々に、下方を向く第2下支持端面45が設けられている。第2下支持端面45の第2下支持棒本体部42aの側の縁から第2下壁47が下方に延びている。すなわち、第2下支持端面45は横方向に延び、第2下壁47は、上下方向に延びており、第2下支持端面45に対して垂直になっていてもよい。しかしながら、第2下壁47は上下方向に延びていなくてもよい。すなわち、後述する第1扉部71を構成する第2下支持棒42が回動可能であり、かつ第1下支持端面44と第2下支持端面45とが当接可能であれば、第2下壁47は、第2下支持端面45に対して垂直になっていなくてもよい。
【0040】
第2下支持棒42は、矩形状の横断面を有していてもよい。第2下支持棒42の第2下支持棒本体部42aの厚み(上面と下面との間の高さ寸法)は、長手方向において一定になっていてもよい。第2下支持棒端部42bの厚み(上面と第2下支持端面45との間の高さ寸法)は、第2下支持棒本体部42aの厚みの半分程度になっていてもよい。
【0041】
図7および
図8に示すように、第1下支持棒41の第1下支持棒本体部41aの厚みと、第2下支持棒42の第2下支持棒本体部42aの厚みは、等しくてもよい。第1下支持棒端部41bの厚みと、第2下支持棒端部42bの厚みは、等しくてもよい。また、
図2に示すように、第1下支持棒41の長手方向の長さは、第2下支持棒42の長手方向の長さよりも長くてもよいが、等しくてもよい。
【0042】
第1下支持棒41と第2下支持棒42は、同一高さ位置に配置されていてもよい。より具体的には、第1下支持棒41の下面と第2下支持棒42の下面とが同一高さ位置に配置されるようにしてもよい。この場合、第1下支持棒41の下面と第2下支持棒42の下面とで、段差が形成されることを抑制できる。
【0043】
第1下支持端面44は、第2下支持端面45に当接している。第1下支持棒端部41bと第2下支持棒端部42bとは重なり合っている。この重なり合った部分の厚み(第1下支持棒41の下面と第2上支持棒12の上面との間の高さ寸法)は、第1下支持棒本体部41aの厚みに等しくてもよく、第2下支持棒本体部42aの厚みに等しくてもよい。すなわち、下支持枠40は、全体的に一定の厚みで形成されていてもよい。
【0044】
図7および
図8に示すように、第1下支持端面44に設けられた第1下貫通孔48は、第1下支持棒41の第1下支持棒端部41bを上下方向に延びて貫通している。また、第1下貫通孔48は、円筒状に形成されている。同様に、第2下支持端面45に設けられた第2下貫通孔49は、第2下支持棒42の第2下支持棒端部42bを上下方向に延びて貫通している。また、第2下貫通孔49は、円筒状に形成されている。第1下貫通孔48の直径と第2下貫通孔49の直径は等しくてもよい。第1下貫通孔48と第2下貫通孔49は、第1下支持棒41と第2下支持棒42とが連結されている状態においては、上方から見たときに重なり合っている。また、第1下貫通孔48の直径と第2下貫通孔49の直径は、上述した第1上貫通孔18の直径よりも小さくてもよく、第2上貫通孔19の直径よりも小さくてもよい。しかしながら、このことに限られることはなく、後述するように係止棒60の係止棒上端嵌合部60bの直径と係止棒下端嵌合部60cの直径とが同一であるときには、第1下貫通孔48の直径と第2下貫通孔49の直径は、上述した第1上貫通孔18の直径と同一であってもよく、第2上貫通孔19の直径と同一であってもよい。
【0045】
下係止棒部分50は、上述した第1下貫通孔48および第2下貫通孔49に挿入されて嵌合している。これにより、第1下支持棒41と、対応する第2下支持棒42とが、下係止棒部分50によって係止されている。なお、本実施の形態においては、下係止棒部分50は、上述した上係止棒部分20と一体化されて連続状の係止棒60をなしている。係止棒60の詳細は後述する。
【0046】
図3および
図6に示すように、第1下支持棒41および第2下支持棒42は、上方に開口する下凹部51をそれぞれ有していてもよい。下凹部51は、第1下支持棒本体部41aおよび第2下支持棒本体部42aに設けられていてもよい。本実施の形態では、第1下支持棒本体部41aには2つの下凹部51が設けられており、第2下支持棒本体部42aには1つの下凹部51が設けられている。本実施の形態においては、第1下支持棒端部41bに下凹部51は設けられておらず、第2下支持棒端部42bに下凹部51は設けられていない。
【0047】
下凹部51は、円筒状に形成されており、上述した支柱30の支柱下端嵌合部30cが挿入されて嵌合するように構成されている。
図6に示すように、下凹部51は、支柱30の支柱下端嵌合部30cの側の下端面30eと当接可能な下凹部当接面51aを含んでいてもよい。この下凹部当接面51aに、支柱30の下端面30eが当接することで、第1下支持棒41および第2下支持棒42が支柱30に支持される。
【0048】
各下凹部51を下方に連通する下連通孔52が設けられていてもよい。下連通孔52は、下凹部当接面51aから下支持棒41、42の下面まで延びており、下方に開口している。このような下連通孔52を設けることにより、下凹部51が閉じられた空間となることを防止できる。下連通孔52は、円筒状に形成されており、対応する下凹部51と同芯状に形成されていてもよい。下連通孔52の直径は、下凹部51の直径よりも小さくなっており、上述した下凹部当接面51aは、上方から見たときにリング状に形成されている。また、下凹部51の直径は、上述した上凹部21の直径と等しくてもよい。下連通孔52の直径は、上述した上連通孔22の直径と等しくてもよい。
【0049】
第1下支持棒41および第2下支持棒42は、セラミックス材料を焼成することにより形成されている。上述した下支持端面44、45、下壁46、47、下貫通孔48、49、下凹部51および下連通孔52は、焼成後に機械加工されることによって形成されるようにしてもよい。
【0050】
次に、係止棒60について説明する。
【0051】
本実施の形態においては、
図3に示すように、上述した上係止棒部分20と対応する下係止棒部分50は、互いに一体化されて1つの連続状の係止棒60をなしている。本実施の形態におけるセラミックス棚組1は、4つの係止棒60を有しており、各係止棒60が、対応する第1上支持棒11と第2上支持棒12とを係止しているとともに、対応する第1下支持棒41と第2下支持棒42とを係止している。より具体的には、係止棒60は、第1上貫通孔18および第2上貫通孔19に挿入されて嵌合しているとともに、第1下貫通孔48および第2下貫通孔49に挿入されて嵌合している。なお、上述した支柱30を上凹部21に嵌合させるとともに下凹部51に嵌合させることにより、セラミックス棚組1の強度を確保することができれば、係止棒60は、各貫通孔18、19、48、49に対して比較的緩く嵌合するようにしてもよい。
【0052】
係止棒60は、上下方向に直線状に延びるように円筒状に形成されており、リング状の横断面を有していてもよい。このことにより、係止棒60の質量を低減することができ、セラミックス棚組1の熱容量を低減することができる。
図4、
図5、
図7および
図8に示すように、係止棒60は、係止棒本体部60aと、係止棒本体部60aの上方の端部に設けられた係止棒上端嵌合部60bと、係止棒本体部60aの下方の端部に設けられた係止棒下端嵌合部60cと、を含んでいる。係止棒上端嵌合部60bは、上係止棒部分20に対応する部分であり、第1上貫通孔18および第2上貫通孔19に挿入されて嵌合している。係止棒下端嵌合部60cは、下係止棒部分50に対応する部分であり、第1下貫通孔48および第2下貫通孔49に挿入されて嵌合している。係止棒上端嵌合部60bの直径は、係止棒本体部60aの直径よりも大きくてもよい。係止棒下端嵌合部60cの直径は、係止棒本体部60aの直径よりも小さくてもよい。このようにして、各係止棒60は、第1上貫通孔18および第2上貫通孔19並びに第1下貫通孔48および第2下貫通孔49から上方に引き抜き可能になっている。係止棒60はセラミックス材料を焼成することにより形成されており、係止棒上端嵌合部60bおよび係止棒下端嵌合部60cは、焼成後に機械加工されることによって形成されるようにしてもよい。なお、係止棒上端嵌合部60bは、機械加工後の直径よりも機械加工前の直径が大きくなるように、鋳込み成形されていてもよい。また、係止棒上端嵌合部60bの直径および係止棒下端嵌合部60cの直径は、係止棒本体部60aの直径と同一であってもよい。この場合、係止棒60は、焼成後に全体的に機械加工されることによって形成されるようにしてもよい。
【0053】
そして、係止棒60の下端面60eは、自重により、焼成炉100の床面100aに当接している。このことにより、係止棒60が、第1上貫通孔18および第2上貫通孔19並びに第1下貫通孔48および第2下貫通孔49から取り外されることが防止されている。
【0054】
係止棒60の上端面は60d、上支持棒11、12の上面と同一高さ位置に配置されていてもよく、または上支持棒11、12の上面よりも低い位置に配置されていてもよい。係止棒60の軸方向(上下方向)の長さは、セラミックス棚組1の高さと同程度の長さであってもよい。
【0055】
上支持棒11、12、支柱30、下支持棒41、41および係止棒60に用いられるセラミックス材料としては、例えば、アルミナ、ムライト、ジルコニア、炭化ケイ素、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、コージライト等が挙げられる。上支持棒11、12、支柱30、下支持棒41、42および係止棒60は、セラミックス材料の微粉体をバインダーと混練して成形した後、焼成炉100内で焼成することにより得られる。焼成された上支持棒11、12、支柱30、下支持棒41、42および係止棒60は、少なくとも部分的に機械加工される。上支持棒11、12、支柱30、下支持棒41、42および係止棒60に用いられるセラミックス材料は、同一であってもよい。
【0056】
上支持棒11、12と支柱30は、接着剤(例えば、セメント材)によって接着されていてもよい。同様に、下支持棒41、42と支柱30も、接着剤によって接着されていてもよい。このように接着剤を用いることにより、セラミックス棚組1の強度を向上させることができる。
【0057】
ところで、本実施の形態におけるセラミックス棚組1は、扉開閉式の構成を有している。このことについて、
図2を用いて説明する。
【0058】
図2に示すように、一方の第2上支持棒12と、対応する(当該第2上支持棒12の下方に配置された)第2下支持棒42とは、支柱30によって連結されており、これらの第2上支持棒12、第2下支持棒42および対応する支柱30(
図2に示す形態では1つの支柱30)によって、第1扉部71が構成されている。また、一方の第1上支持棒11と、対応する(当該第1上支持棒11の下方に配置された)第1下支持棒41とは、支柱30によって連結されており、これらの第1上支持棒11、第1下支持棒41および対応する支柱30(
図2に示す形態では2つの支柱30)によって、第1固定部81が構成されている。
【0059】
また、他方の第1上支持棒11と、対応する(当該第1上支持棒11の下方に配置された)第1下支持棒41とは、支柱30によって連結されており、これらの第1上支持棒11、第1下支持棒41および対応する支柱30(
図2に示す形態では2つの支柱30)によって、第2扉部72が構成されている。第2扉部72を構成する第1上支持棒11および第2上支持棒12は、第1固定部81を構成する第1上支持棒11および第2上支持棒12とは異なっている。また、他方の第2上支持棒12と、対応する(当該第2上支持棒12の下方に配置された)第2下支持棒42とは、支柱30によって連結されており、これらの第2上支持棒12、第2下支持棒42および対応する支柱30(
図2に示す形態では1つの支柱30)によって、第2固定部82が構成されている。第2固定部82を構成する第2上支持棒12および第2下支持棒42は、第1扉部71を構成する第2上支持棒12および第2下支持棒42とは異なっている。
【0060】
第1扉部71は、第1固定部81に対して回動可能になっている。第1扉部71は、第1扉部71と第1固定部81とを係止している係止棒60を中心として回動可能になっている。当該係止棒60は、上係止棒部分20として第1固定部81を構成する第1上支持棒11と第1扉部71を構成する第2上支持棒12とを係止するとともに、下係止棒部分50として第1固定部81を構成する第1下支持棒41と第1扉部71を構成する第2下支持棒42とを係止している棒である。このようにして、第1扉部71を構成する第2上支持棒12のうち第1固定部81の側の端部に、第1固定部81を構成する第1上支持棒11が上連結部13を介して連結されて、当該第2上支持棒12が当該第1上支持棒11に対して回動可能になっている。同様に、第1扉部71を構成する第2下支持棒42のうち第1固定部81の側の端部に、第1固定部81を構成する第1下支持棒41が下連結部43を介して連結されて、当該第2下支持棒42が当該第1下支持棒41に対して回動可能になっている。
【0061】
第1扉部71と第2扉部72とを係止している係止棒60を、第1扉部71および第2扉部72から上方に引き抜くことにより、第1扉部71が回動可能になっている。
図9および
図10に示すように、第1扉部71は、第1扉部71と第2扉部72とが係止された閉状態から、外側に回動することができる。当該係止棒60は、上係止棒部分20として第2扉部72を構成する(第1固定部81を構成する第1上支持棒11とは異なる)第1上支持棒11と第1扉部71を構成する第2上支持棒12とを係止するとともに、下係止棒部分50として第2扉部72を構成する(第1固定部81を構成する第1下支持棒41とは異なる9第1下支持棒41と第1扉部71を構成する第2下支持棒42とを係止している棒である。
【0062】
閉状態では、
図9に示すように、第1扉部71を構成する第2上支持棒12のうち第1固定部81の側の第2上支持棒端部12bに形成された第2上壁17が、第1固定部81を構成する第1上支持棒11の側面に当接している。また、第1固定部81を構成する第1上支持棒11のうち第1扉部71の側の第1上支持棒端部11bに形成された第1上壁16が、第1扉部71を構成する第2上支持棒12の側面に当接している。このように、第1上壁16および第2上壁17が、第1扉部71の内側への回動を防止するストッパとして機能している。
【0063】
同様に、閉状態では、
図10に示すように、閉状態では、第1扉部71を構成する第2下支持棒42のうち第1固定部81の側の第2下支持棒端部42bに形成された第2下壁47が、第1固定部81を構成する第1下支持棒41の側面に当接している。また、第1固定部81を構成する第1下支持棒41のうち第1扉部71の側の第1下支持棒端部41bに形成された第1下壁46が、第1扉部71を構成する第2下支持棒42の側面に当接している。このように、第1下壁46および第2下壁47が、第1扉部71の内側への回動を防止するストッパとして機能している。
【0064】
図9に示すように、第1固定部81を構成する第1上支持棒11の第1扉部71の側の第1上支持棒端部11bが、上方から見たときにR形状の輪郭を有している。このR形状の輪郭は、第1扉部71の回動支点(係止棒60の中心)を中心としたR形状となっている。また、第1扉部71を構成する第2上支持棒12の第1固定部81の側の第2上支持棒端部12bが、同様のR形状の輪郭を有している。
図10に示すように、第1固定部81を構成する第1下支持棒41の第1扉部71の側の第1下支持棒端部41bが、同様のR形状の輪郭を有している。また、第1扉部71を構成する第2下支持棒42の第1固定部81の側の第2下支持棒端部42bが、同様のR形状の輪郭を有している。R形状の輪郭は、いずれも半円状に形成されていてもよく、同一の半径を有していてもよい。R形状の輪郭の半径は、上方から見たときの各支持棒11、12、41、42の幅(長手方向に直交する方向の寸法)の半分程度になっていてもよい。
【0065】
第2扉部72は、第2固定部82に対して回動可能になっている。第2扉部72は、第2扉部72と第2固定部82とを係止している係止棒60を中心として回動可能になっている。当該係止棒60は、上係止棒部分20として第2固定部82を構成する第2上支持棒12と第2扉部72を構成する第1上支持棒11とを係止するとともに、下係止棒部分50として第2固定部82を構成する第2下支持棒42と第2扉部72を構成する第1下支持棒41とを係止している棒である。このようにして、第2扉部72を構成する第1上支持棒11のうち第1扉部71の側とは反対側の端部に、第2固定部82を構成する第2上支持棒12が上連結部13を介して連結されて、当該第1上支持棒11が当該第2上支持棒12に対して回動可能になっている。同様に、第2扉部72を構成する第1下支持棒41のうち第1扉部71の側とは反対側の端部に、第2固定部82を構成する第2下支持棒42が下連結部43を介して連結されて、当該第1下支持棒41が当該第2下支持棒42に対して回動可能になっている。
【0066】
第2扉部72と第1扉部71を係止している係止棒60を、第1扉部71および第2扉部72から上方に引き抜くことにより、第2扉部72が回動可能になっている。
図9および
図10に示すように、第2扉部72は、第1扉部71と第2扉部72とが係止された閉状態から、外側に回動することができる。当該係止棒60は、上係止棒部分20として第2扉部72を構成する第1上支持棒11と第1扉部71を構成する第2上支持棒12とを係止するとともに、下係止棒部分50として第2扉部72を構成する第1下支持棒41と第1扉部71を構成する第2下支持棒42とを係止している棒である。
【0067】
閉状態では、
図9に示すように、第2固定部82を構成する第2上支持棒12のうち第2扉部72の側の第2上支持棒端部12bに形成された第2上壁17が、第2扉部72を構成する第1上支持棒11の側面に当接している。また、第2扉部72を構成する第1上支持棒11のうち第2固定部82の側の第1上支持棒端部11bに形成された第1上壁16が、第2固定部82を構成する第2上支持棒12の側面に当接している。このように、第1上壁16および第2上壁17が、第2扉部72の内側への回動を防止するストッパとして機能している。
【0068】
同様に、閉状態では、
図10に示すように、第2扉部72を構成する第1下支持棒41の第2固定部82の側の第1下支持棒端部41bに形成された第1下壁46が、第2固定部82を構成する第2下支持棒42の側面に当接している。また、第2固定部82を構成する第2下支持棒42のうち第2固定部82の側の第2下支持棒端部42bに形成された第2下壁47が、第2扉部72を構成する第1下支持棒41の側面に当接している。このように、第1下壁46および第2下壁47が、第2扉部72の内側への回動を防止するストッパとして機能している。
【0069】
図9に示すように、第2扉部72を構成する第1上支持棒11の第2固定部82の側の第1上支持棒端部11bが、上方から見たときにR形状の輪郭を有している。このR形状の輪郭は、第2扉部72の回動支点(係止棒60の中心)を中心としたR形状となっている。また、第2固定部82を構成する第2上支持棒12の第2扉部72の側の第2上支持棒端部12bが、同様のR形状の輪郭を有している。
図10に示すように、第2扉部72を構成する第1下支持棒41の第2固定部82の側の第1下支持棒端部41bが、同様のR形状の輪郭を有している。また、第2固定部82を構成する第2下支持棒42の第2扉部72の側の第2下支持棒端部42bが、同様のR形状の輪郭を有している。R形状の輪郭は、いずれも半円状に形成されていてもよく、同一の半径を有していてもよい。R形状の輪郭の半径は、上方から見たときの各支持棒11、12、41、42の幅(長手方向に直交する方向の寸法)の半分程度になっていてもよい。
【0070】
本実施の形態による棚組においては、例えば、
図1に示すように、セラミックス棚組1の上部(例えば、2つの第1上支持棒11)に被支持物101が載置されてもよい。例えば、被支持物101は、上支持枠10の2つの第1上支持棒11に掛け渡された棚板と、棚板上に載置された被焼成物(いずれも図示せず)と、で構成されていてもよい。あるいは、被支持物101は、2つの第1上支持棒11に掛け渡された支持治具棒と、支持治具棒に吊り下げられる吊下治具(いずれも図示せず)と、で構成されていてもよい。この場合、被焼成物は、セラミックス棚組1の内側で、焼成炉100の床面100aに載置されるようにしてもよい。
【0071】
本実施の形態によるセラミックス棚組1を用いて被焼成物を焼成する場合、まず、焼成炉100の外部で、セラミックス棚組1が組み立てられる。続いて、組み立てられたセラミックス棚組1の上部に、被焼成物を含む被支持物101が載置される。被支持物101が載置された状態で、セラミックス棚組1が焼成炉100の内部に搬入される。続いて、焼成炉100内の被焼成物が焼成される。この際、セラミックス棚組1にも熱が与えられて上支持棒11、12、支柱30、下支持棒41、42および係止棒60の温度が上昇する。しかしながら、上支持棒11、12、支柱30、下支持棒41、42および係止棒60は、セラミックス材料で形成されているため、焼成炉100内の温度が、被焼成物の焼成のために高温になったとしても、セラミックス棚組1の強度を確保することができる。このため、被支持物101を安定して支持し続けることができる。被焼成物の焼成が終了すると、焼成後の被焼成物が載置された状態で、セラミックス棚組1が焼成炉100から搬出される。被焼成物を冷却した後、被焼成物がセラミックス棚組1から持ち出される。
【0072】
一方、被焼成物を焼成炉100の床面100aに載置して焼成する場合には、まず、セラミックス棚組1が焼成炉100の内部に搬入される。この際、第1扉部71が焼成炉100の出入口に向くように、セラミックス棚組1は焼成炉100の内部に配置される。続いて、焼成炉100の内部において、第1扉部71と第2扉部72とを係止する係止棒60を上方に引き抜き、第1扉部71を外側に回動させて開ける。このことにより、第1扉部71と第2扉部72との間に形成された搬入開口を通って、被焼成物をセラミックス棚組1の内側に搬入することができる。その後、第1扉部71を閉じて、係止棒60を上貫通孔18、19および下貫通孔48、49に挿入して、第1扉部71と第2扉部72とを係止する。このようにして、セラミックス棚組1の内側で焼成炉100の床面100aに被焼成物を載置して焼成することができる。次に、セラミックス棚組1の上部に、被支持物101としての上述した支持治具棒が第1上支持棒11に載置され、吊下治具が支持治具棒から吊り下げられる。その後、被焼成物が焼成される。なお、被焼成物が比較的大きい場合には、第2扉部が焼成炉100の出入口に向くようにセラミックス棚組1を焼成炉100の内部に配置し、第2扉部72を外側に回動させて被焼成物を搬入してもよい。第2扉部72も、第1扉部71と第2扉部72とを係止している係止棒60を上方に引き抜くことにより、外側に回動させて開けることができる。
【0073】
セラミックス棚組1に被支持物101が載置されている間、被支持物101の重さによる荷重は、2つの第1上支持棒11で受けられる。第1上支持棒11で受けた荷重は、第1上支持棒11を下から支持する支柱30と、第2上支持棒12とで受けられる。すなわち、第1上支持棒11と第2上支持棒12とを連結している上連結部13において、第1上支持棒11の下方を向く第1上支持端面14が、第2上支持棒12の上方を向く第2上支持端面15に当接している。このことにより、第1上支持棒11の荷重の一部は第2上支持棒12に伝達される。第2上支持棒12で受けた荷重は、第2上支持棒12を下から支持する支柱30で受けられる。そして、各支柱30で受けた荷重は、下支持枠40で受けられる。このようにして、被支持物101の荷重は、セラミックス棚組1内で分散され、被支持物101の支持が安定化され得る。
【0074】
被焼成物の焼成が完了した後、セラミックス棚組1は分解されてもよい。分解された上支持棒11、12、支柱30、下支持棒41、42および係止棒60は、保管されてもよい。再びセラミックス棚組1を組み立てる場合には、保管していた上支持棒11、12、支柱30、下支持棒41、42および係止棒60を用いて組み立てることができ、上支持棒11、12、支柱30、下支持棒41、42および係止棒60を再利用することができる。
【0075】
このように本実施の形態によれば、上支持枠10の第1上支持棒11に下方から切り欠かれるように形成された第1上支持端面14が、第2上支持棒12に上方から切り欠かれるように形成された第2上支持端面15に当接している。このことにより、被支持物101から受けた第1上支持棒11の荷重を、第1上支持棒11を支持する支柱30だけでなく第2上支持棒12でも受けることができる。このため、被支持物101の荷重をセラミックス棚組1内で分散させることができ、焼成時の高温環境下でのセラミックス棚組1の強度を向上させることができる。
【0076】
また、本実施の形態によれば、第1上支持棒11と第2上支持棒12は、同一高さ位置に配置されている。このことにより、第1上支持棒11を下から支持する支柱30と、第2上支持棒12を下から支持する支柱30を共通化させることができ、セラミックス棚組1の構成を簡素化させることができる。また、第1上支持棒11の上面と第2上支持棒12の上面とを同一高さ位置に配置することができ、第1上支持棒11の上面と第2上支持棒12の上面とで段差が形成されることを抑制できる。この場合、例えば、セラミックス棚組1を複数段積み重ねることができる。
【0077】
また、本実施の形態によれば、第1上支持棒11および第2上支持棒12の上凹部21に、支柱30が挿入されている。このことにより、第1上支持棒11と支柱30とを強固に連結することができるとともに、第2上支持棒12と支柱30とを強固に連結することができる。このため、支柱30による第1上支持棒11および第2上支持棒12の支持を安定化させることができ、セラミックス棚組1の強度を向上させることができる。
【0078】
また、本実施の形態によれば、複数の支柱30が下支持枠40によって下から支持されている。このことにより、複数の支柱30の下端部を下支持枠40によって連結することができる。このため、セラミックス棚組1の強度を向上させることができる。
【0079】
また、本実施の形態によれば、下支持枠40の第1下支持棒41に下方から切り欠かれるように形成された第1下支持端面44が、第2下支持棒42に上方から切り欠かれるように形成された第2下支持端面45に当接している。このことにより、第1上支持棒11および第2上支持棒12に負荷される荷重を、分散させることができ、セラミックス棚組1の強度をより一層向上させることができる。
【0080】
また、本実施の形態によれば、第1下支持棒41と第2下支持棒42は、同一高さ位置に配置されている。このことにより、第1下支持棒41の下面と第2下支持棒42の下面とを同一高さ位置に配置することができ、第1下支持棒41の下面と第2下支持棒42の下面とで段差が形成されることを抑制できる。この場合、セラミックス棚組1を焼成炉100の床面100aに安定して載置することができる。
【0081】
また、本実施の形態によれば、第1下支持棒41および第2下支持棒42の凹部21に、支柱30が挿入されている。このことにより、第1下支持棒41と支柱30とを強固に連結することができるとともに、第2下支持棒42と支柱30とを強固に連結することができる。このため、第1下支持棒41および第2下支持棒42による支柱30の支持を安定化させることができ、セラミックス棚組1の強度を向上させることができる。
【0082】
また、本実施の形態によれば、第2上支持棒12と第2下支持棒42とが支柱30によって連結されて第1扉部71が構成され、第1上支持棒11と第1下支持棒41とが支柱30によって連結されて第1固定部81が構成されている。そして、第1扉部71が第1固定部81に対して回動可能になっている。このことにより、第1扉部71を第1固定部81に対して外側に回動させて開けることができる。このため、被焼成物を焼成炉100の床面100aに載置して焼成する場合には、セラミックス棚組1の内側への被焼成物の搬入出を容易化させることができる。
【0083】
また、本実施の形態によれば、第1固定部81を構成する第1上支持棒11および第1下支持棒41の第1扉部71の側の端部、および、第1扉部71を構成する第2上支持棒12および第2下支持棒42の第1固定部81の側の端部が、上方から見たときにR形状の輪郭を有している。このことにより、第1扉部71を第1固定部81に対して回動させる際に、第1上支持棒11と第2上支持棒12とが干渉することを防止できるとともに、第1下支持棒41と第2下支持棒42とが干渉することを防止できる。このため、第1扉部71を第1固定部81に対してスムースに回動させることができる。
【0084】
また、本実施の形態によれば、第1固定部81の第1上支持棒11および第1下支持棒41とは異なる第1上支持棒11と第1下支持棒41とが支柱30によって連結されて第2扉部72が構成され、第1扉部71の第2上支持棒12および第2下支持棒42とは異なる第2上支持棒12と第2下支持棒42とが支柱30によって連結されて第2扉部72が構成されている。そして、第2扉部72が第2固定部82に対して回動可能になっている。このことにより、第2扉部72を第2固定部82に対して外側に回動させて開けることができる。このため、被焼成物を焼成炉100の床面100aに載置して焼成する場合には、セラミックス棚組1の内側への被焼成物の搬入出を容易化させることができる。
【0085】
また、本実施の形態によれば、第2扉部72を構成する第1上支持棒11および第1下支持棒41の第2固定部82の側の端部、および、第2固定部82を構成する第2上支持棒12および第2下支持棒42の第2扉部72の側の端部が、上方から見たときにR形状の輪郭を有している。このことにより、第2扉部72を第2固定部82に対して回動させる際に、第1上支持棒11と第2上支持棒12とが干渉することを防止できるとともに、第1下支持棒41と第2下支持棒42とが干渉することを防止できる。このため、第2扉部72を第2固定部82に対してスムースに回動させることができる。
【0086】
また、本実施の形態によれば、第1扉部71と第2扉部72とが、上方に引き抜き可能な係止棒60によって係止されている。このことにより、第1扉部71および第2扉部72の閉状態においては、第1扉部71および第2扉部72を係止棒60で係止させることができ、セラミックス棚組1の強度を確保することができる。また、係止棒60を上方に引き抜くことにより、第1扉部71を第1固定部81に対して外側に回動させて開けることができるとともに、第2扉部72を第2固定部82に対して外側に回動させて開けることができる。このため、第1扉部71を容易に開閉させることができるとともに、第2扉部72を容易に開閉させることができる。
【0087】
なお、上述した本実施の形態においては、第2扉部72が第2固定部82に対して回動可能になっている例について説明した。しかしながら、このことに限られることはなく、第2扉部72は、第2固定部82に対して回動可能になっていなくてもよい。すなわち、第2扉部72を構成する第1上支持棒11および第1下支持棒41は、第2固定部82を構成する第2上支持棒12および第2下支持棒42に対して回動可能になっていなくてもよい。
【0088】
また、上述した本実施の形態においては、第1扉部71が第1固定部81に対して回動可能になっている例について説明した。しかしながら、このことに限られることはなく、第1扉部71は、第1固定部81に対して回動可能になっていなくてもよい。すなわち、第1扉部71を構成する第2上支持棒12および第2下支持棒42は、第1固定部81を構成する第1上支持棒11および第1下支持棒41に対して回動可能になっていなくてもよい。更には、上述したように、第2扉部72が第2固定部82対して回動可能になっていなくてもよい。すなわち、セラミックス棚組1が、扉開閉式の構成を有していなくてもよい。
【0089】
また、上述した本実施の形態においては、複数の支柱30が下支持枠40によって下方から支持されている例について説明した。しかしながら、このことに限られることはなく、下支持枠40は、セラミックス棚組1の強度を確保することができれば、用いられていなくてもよい。
【0090】
また、上述した本実施の形態においては、上連結部13が第1上支持端面14と第2上支持端面15とを有しているとともに、下連結部43が第1下支持端面44と第2下支持端面45とを有している例について説明した。しかしながら、このことに限られることはない。例えば、被焼成物を焼成炉100の床面100aに載置して焼成する場合にセラミックス棚組1の内側への被焼成物の搬入出を容易化させるという点では、セラミックス棚組1が、上述したような扉開閉式の構成を有していればよい。すなわち、上述した第1扉部71が第1固定部81に対して回動可能になっていてもよい。また、第2扉部72が第2固定部82に対して回動可能になっていてもよい。この場合、上連結部13は、第1上支持端面14や第2上支持端面15を有していなくてもよく、下連結部43は、第1下支持端面44や第2下支持端面45を有していなくてもよい。
【0091】
また、上述した本実施の形態においては、上支持枠10および下支持枠40が上方から見たときに矩形状に形成されている例について説明した。しかしながら、このことに限られることはなく、上方から見たときの上支持枠10および下支持枠40の形状は、任意である。
【0092】
本発明は上記実施の形態および変形例そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施の形態および変形例に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせ(変形例同士の組み合わせも含む)により、種々の発明を形成できる。
【符号の説明】
【0093】
1 セラミックス棚組
10 上支持枠
11 第1上支持棒
12 第2上支持棒
13 上連結部
14 第1上支持端面
15 第2上支持端面
20 上係止棒部分
21 上凹部
30 支柱
40 下支持枠
41 第1下支持棒
42 第2下支持棒
43 下連結部
44 第1下支持端面
45 第2下支持端面
50 下係止棒部分
51 下凹部
60 係止棒
71 第1扉部
72 第2扉部
81 第1固定部
82 第2固定部
100 焼成炉
101 被支持物