(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-07
(45)【発行日】2023-09-15
(54)【発明の名称】照明器具
(51)【国際特許分類】
F21V 19/00 20060101AFI20230908BHJP
F21S 8/00 20060101ALI20230908BHJP
F21V 7/05 20060101ALI20230908BHJP
F21V 3/02 20060101ALI20230908BHJP
F21V 3/10 20180101ALI20230908BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20230908BHJP
【FI】
F21V19/00 450
F21S8/00 100
F21V7/05
F21V3/02 400
F21V3/10 370
F21Y115:10
(21)【出願番号】P 2019187490
(22)【出願日】2019-10-11
【審査請求日】2022-08-19
(73)【特許権者】
【識別番号】505455945
【氏名又は名称】コイズミ照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】幅多 洋次郎
(72)【発明者】
【氏名】山田 尚之
【審査官】安食 泰秀
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-091828(JP,A)
【文献】特表2019-515473(JP,A)
【文献】特開2012-028124(JP,A)
【文献】特開2013-080686(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21V 19/00
F21S 8/00
F21V 7/05
F21V 3/02
F21V 3/10
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
前記筐体の内部に配置された光源部と
を備える、照明器具であって、
前記筐体は、前記光源部から出射された光を透過する透光部を有し、
前記光源部は、前記透光部に対して斜めに向いて配置され
、
前記筐体は、前記光源部から出射された光を遮蔽する遮蔽部を有し、
前記透光部は、前記光源部から出射された光を透過させる透光面を有し、
前記光源部は、前記透光面の法線方向において前記筐体の遮蔽部と重なる位置に配置され、
前記光源部は、前記光源部から出射される光の光軸が前記透光面を斜めに通過するように前記透光部に対して配置される、照明器具。
【請求項2】
前記筐体は、地面に配置される、請求項1に記載の照明器具。
【請求項3】
前記光源部は、前記法線方向に沿って前記透光部を投影させた投影領域に隣接して配置される、請求項
1または2に記載の照明器具。
【請求項4】
前記光源部は、前記法線方向に沿って前記透光部を投影させた投影領域の一部に隣接して配置される、請求項3に記載の照明器具。
【請求項5】
前記透光部は、4つの外縁で規定される矩形状であり、
前記光源部は、第1光源と、第2光源と、第3光源とを含み、
前記第1光源、前記第2光源および前記第3光源は、前記透光部の4つの外縁のうちの3つの外縁を前記法線方向に沿って投影した投影部分に沿って配置される、請求項4に記載の照明器具。
【請求項6】
前記筐体の内部に配置された反射部材をさらに備える、請求項
1から5のいずれかに記載の照明器具。
【請求項7】
前記反射部材は、前記法線方向に沿って前記透光部を投影させた投影領域に配置される、請求項6に記載の照明器具。
【請求項8】
前記光源部は、発光素子の設けられた光源基板と、前記光源基板を覆うカバー部材とを含み、
前記光源基板は、長手方向に延びており、
前記カバー部材は、前記長手方向に延びた複数の溝が設けられた溝部を含む、請求項
1から7のいずれかに記載の照明器具。
【請求項9】
前記カバー部材の前記溝部は、前記法線方向に沿って前記透光面を投影させた投影領域に対して対向する位置に設けられる、請求項8に記載の照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
照明装置は、人に向けて光を照射するだけでなく、いわゆる間接照明のように壁等を照射対象として光を照射する用途でも用いられる。照射対象として壁面を照射する照明装置は、ウォールウォッシャーとも呼ばれる。ウォールウォッシャー型の照明装置では、反射部材を介して光源から出射された光を拡散させて壁面を照射することがある(特許文献1参照)。特許文献1の照明装置では、光源から出射された光を反射部材で異なる角度に反射することによって壁面を広範囲に照射する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の照明装置は、光を広範囲に照射できるが、壁面に所望の光を照射するには、LED及びリフレクタの位置を考慮しながら、リフレクタの複雑な反射面形状を設計することが必要であり、作製が困難であった。また、特許文献1の照明装置では、光源からの光をリフレクタで反射する際に光の損失が生じ、光を特定の照射範囲に効率的に照射できなかった。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、光の損失を抑制して光を広い照射範囲に効率的に照射可能な照明器具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明による照明器具は、筐体と、前記筐体の内部に配置された光源部とを備える。前記筐体は、前記光源部から出射された光を透過する透光部を有する。前記光源部は、前記透光部に対して斜めに向いて配置される。前記筐体は、前記光源部から出射された光を遮蔽する遮蔽部を有する。前記透光部は、前記光源部から出射された光を透過させる透光面を有する。前記光源部は、前記透光面の法線方向において前記筐体の遮蔽部と重なる位置に配置される。前記光源部は、前記光源部から出射される光の光軸が前記透光面を斜めに通過するように前記透光部に対して配置される。
【0007】
ある実施形態において、前記筐体は、地面に配置される。
【0008】
ある実施形態において、前記光源部は、前記法線方向に沿って前記透光部を投影させた投影領域に隣接して配置される。
【0009】
ある実施形態において、前記光源部は、前記法線方向に沿って前記透光部を投影させた投影領域の一部に隣接して配置される。
【0010】
ある実施形態において、前記透光部は、4つの外縁で規定される矩形状であり、前記光源部は、第1光源と、第2光源と、第3光源とを含み、前記第1光源、前記第2光源および前記第3光源は、前記透光部の4つの外縁のうちの3つの外縁を前記法線方向に沿って投影した投影部分に沿って配置される。
【0011】
ある実施形態において、前記照明器具は、前記筐体の内部に配置された反射部材をさらに備える。
【0012】
ある実施形態において、前記反射部材は、前記法線方向に沿って前記透光部を投影させた投影領域に配置される。
【0013】
ある実施形態において、前記光源部は、発光素子の設けられた光源基板と、前記光源基板を覆うカバー部材とを含む。前記光源基板は、長手方向に延びており、前記カバー部材は、前記長手方向に延びた複数の溝が設けられた溝部を含む。
【0014】
ある実施形態において、前記カバー部材の前記溝部は、前記法線方向に沿って前記透光面を投影させた投影領域に対して対向する位置に設けられる。
【発明の効果】
【0015】
本発明の照明器具によれば、光の損失を抑制して広い照射範囲に光を効率的に照射できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】(a)は、本実施形態の照明器具の模式的な斜視図であり、(b)は、(a)の照明器具の使用態様を示す模式的な斜視図である。
【
図2】本実施形態の照明器具の模式的な分解斜視図である。
【
図3】(a)は、本実施形態の照明器具の模式的な正面図であり、(b)は、(a)のIIIB-IIIB線に沿った断面図であり、(c)は、(a)のIIIC-IIIC線に沿った断面図である。
【
図4】(a)は、本実施形態の照明器具の第1光源および第2光源からの出射光を示す模式図であり、(b)は、比較のために、第1光源および第2光源と同じ光源を透光部に対して正対して配置した場合の出射光を示す模式図であり、(c)は、本実施形態の照明器具の第3光源からの出射光を示す模式図である。
【
図5】本実施形態の照明器具の模式的な分解斜視図である。
【
図6】(a)は、本実施形態の照明器具における光源部の模式的な斜視図であり、(b)は、(a)の光源部のカバー部材の模式的な裏面図である。
【
図7】
図6(a)のVII-VII線に沿った模式的な断面図である。
【
図8】(a)は、本実施形態の照明器具の光源部における発光素子からの出射光を示す模式図であり、(b)は、本実施形態の照明器具の光源部からの出射光を示す模式図である。
【
図9】本実施形態の照明器具の模式的な分解斜視図である。
【
図10】(a)は、本実施形態の照明器具のX方向に沿った模式的な断面図であり、(b)は、本実施形態の照明器具のZ方向に沿った模式的な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して、本発明による照明器具の実施形態を説明する。図中、同一または相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。なお、本願明細書では、発明の理解を容易にするため、互いに直交するX軸、Y軸およびZ軸を記載することがある。典型的には、X軸およびY軸は水平方向に平行であり、Z軸は鉛直方向に平行である。また、本願明細書では、発明の理解を容易にするため、互いに直交するx軸、y軸およびz軸を記載することがある。典型的には、x軸は、光源部の長手方向と平行に延びており、y軸およびz軸は光源部の長手方向に対して垂直な方向に延びる。
【0018】
図1を参照して、本実施形態の照明器具100を説明する。
図1(a)は、本実施形態の照明器具100の模式的な斜視図である。照明器具100は、筐体110と、光源部120とを備える。筐体110は、内部に空間を有する。光源部120は、光を出射する。光源部120は、筐体110の内部に配置される。
【0019】
筐体110は、遮蔽部110sと、透光部110tとを有する。遮蔽部110sは光を遮る一方で、透光部110tは光を透過する。透光部110tは、遮蔽部110sに囲まれる。光源部120から出射された光は、遮蔽部110sによって遮られる一方で、透光部110tを介して筐体110から選択的に出射される。
【0020】
ここでは、筐体110の外面は、略直方体形状である。筐体110は、正面110aと、裏面110bと、上面110cと、底面110dと、右側面110eと、左側面110fとを有する。透光部110tは、筐体110の正面110aの一部に設けられる。例えば、透光部110tは、筐体110の正面110aにおいて鉛直方向上方に配置される。
【0021】
透光部110tは、XZ平面に広がる透光面を有する。透光面の法線方向はY方向に平行である。
【0022】
一例では、透光部110tは、略矩形状である。透光部110tの外縁は、上部と、下部と、2つの側部を有する。透光部110tの上部および下部はそれぞれX方向に平行に延び、2つの側部はZ方向に平行に延びる。
【0023】
透光部110tは、透光材から形成されてもよい。例えば、透光材は、透明樹脂またはガラスを含む。あるいは、透光部110tは、開口してもよい。
【0024】
上述したように、光源部120は、光を出射する。光源部120から出射された光は、筐体110の内部から透光部110tを介して筐体110の外部に出射される。
【0025】
光源部120は、光軸に沿って光を出射する。光源部120から出射された光は、出射角の範囲内で光源部120から離れるように進行する。典型的には、光源部120の光軸は、出射角の中心に位置する。このため、光源部120からの距離が一定である場合、光源部120の光軸上の光強度は、光軸周辺の光強度よりも大きい。例えば、光源部120は、複数の発光素子を含む。発光素子は、発光ダイオードを含む。
【0026】
本実施形態の照明器具100では、光源部120は、透光部110tに対して斜めに向いて配置される。これにより、照明器具100は、照明器具100に対向する照射対象を、光損失を抑制して広範囲に効率的に照射できる。
【0027】
また、透光部110tにおける透光面の法線方向(y方向)から透光面を見た場合に、光源部120は、Y軸方向において遮蔽部110sと重なる位置に配置される。このため、筐体110の外部から透光面の法線方向に沿って正面視した場合に光源部120は見えない。これにより、光源部120は、透光面の法線方向から直接見えないため、光源部120からの照射光のグレア(眩しさ)を抑制できる。
【0028】
なお、光源部120は、透光部110tにおける透光面の法線方向(y方向)に沿って透光部110tを投影させた投影領域に対して、隣接して配置されることが好ましい。これにより、光源部120からの光は、少ない損失で筐体110から出射される。
【0029】
ここでは、光源部120は、第1光源120Aと、第2光源120Bと、第3光源120Cとを含む。第1光源120A、第2光源120Bおよび第3光源120Cは、それぞれ透光部110tを投影させた投影領域に隣接して配置される。
【0030】
例えば、第1光源120Aは、Z方向に延びており、透光部110tに対して+X方向側に位置する。第2光源120Bは、Z方向に延びており、透光部110tに対して-X方向側に位置する。また、第3光源120Cは、X方向に延びており、透光部110tに対して-Z方向側に位置する。
【0031】
第1光源120A、第2光源120Bおよび第3光源120Cは、それぞれ、透光部110tに対して斜めに向いている。このため、第1光源120Aから出射されて透光部110tを通過した光は、透光部110tに対して-X方向側に位置する領域を照射する。また、第2光源120Bから出射されて透光部110tを通過した光は、透光部110tに対して+X方向側に位置する領域を照射する。さらに、第3光源120Cから出射されて透光部110tを通過した光は、透光部110tに対して+Z方向側に位置する領域を照射する。
【0032】
なお、上述したように、透光部110tは、開口してもよい。ただし、開口した透光部110tは、透光材で覆われることが好ましい。この場合、透光材は、筐体110の内部に配置されてもよく、筐体110の外部に配置されてもよい。また、透光材は、光を拡散させる拡散部材であってもよい。これにより、照明器具100は、光源部120からの出射光の照射範囲を効率的に広くできる。
【0033】
照明器具100は、反射部材130をさらに備えることが好ましい。反射部材130は、光を反射する。反射部材130は、筐体110内に配置される。
【0034】
典型的には、反射部材130は、白色である。例えば、反射部材130は、金属板を白色塗料で塗布することによって形成される。
【0035】
例えば、反射部材130は、平坦状の板である。あるいは、反射部材130は、Z方向に沿って-Y方向に折れ曲がった板部材であってもよい。
【0036】
反射部材130は、透光部110tに対応して配置される。反射部材130の少なくとも一部は、透光部110tを正面視した場合に、透光部110tと重なるように配置される。この場合、反射部材130は、透光部110tにおいて透光面の法線方向に沿って投影した投影領域に位置する。
【0037】
なお、反射部材130の全体が、透光部110tと重なるように配置されることが好ましい。光源部120から出射された光が、透光部110tを通過するまでの間に反射等によって筐体110の内部に一時的に戻ったとしても、反射部材130がこの光を反射すると、透光部110tを介して筐体110の外部に光を出射できる。このため、反射部材130により、光源部120から出射された光をさらに有効に利用できる。
【0038】
第1光源120A、第2光源120B、第3光源120Cおよび反射部材130の少なくとも1つは、筐体110の内部で固定される。例えば、第1光源120A、第2光源120B、第3光源120Cおよび反射部材130の少なくとも1つは、同一部材に支持されて筐体110の内部で固定されてもよい。
【0039】
本実施形態の照明器具100は、壁等を照射するために好適に用いられる。
図1(b)は、本実施形態の照明器具100の使用態様を示す模式的な斜視図である。ここでは、照明器具100は、壁Wを照射する。
【0040】
照明器具100は、全体として+Y方向に向かって光を照射する。照明器具100は、壁Wに対して-Y方向側に配置される。
図1(a)および
図1(b)から理解されるように、照明器具100は、透光部110tよりも広い範囲にわたって壁Wを照らすことができる。
【0041】
ここでは、照明器具100の一部は地面に埋め込まれる。ただし、筐体110の透光部110tは、地面の上に配置される。なお、照明器具100は、部分的に埋め込まれることなく全体が露出するように配置されてもよい。例えば、照明器具100は、支持部材を介して空中に設置されてもよい。
【0042】
照明器具100は、壁面を照射するウォールウォッシャーとして用いられてもよい。あるいは、照明器具100は、地面を照射するグランドウォッシャーとして用いられてもよい。
【0043】
次に、
図1および
図2を参照して、本実施形態の照明器具100を説明する。
図2は、本実施形態の照明器具100の模式的な分解斜視図である。なお、ここでは、図面が過度に複雑になることを避ける目的で、右側面110eの一部を省略して示している。
【0044】
図2に示すように、筐体110は、カバー112と、容器114とを有する。カバー112を容器114に取り付けることにより、筐体110が形成される。
【0045】
ここでは、カバー112は、透光部110tとして開口の設けられた板形状である。カバー112は、筐体110の正面110aを構成する。また、容器114は、筐体110の裏面110b、上面110c、底面110d、右側面110eおよび左側面110fを構成する。
【0046】
容器114は、一面の開口した箱形状である。容器114の開口面の外縁形状は、カバー112の外縁形状と整合する。容器114には、第1光源120A、第2光源120Bおよび第3光源120Cが収容される。また、容器114には、反射部材130が収容されてもよい。容器114の外周面は、遮蔽部110sとして形成される。一方、カバー112には、遮蔽部110sおよび透光部110tが設けられる。
【0047】
カバー112を容器114に取り付けることにより、第1光源120A、第2光源120B、第3光源120Cおよび反射部材130を収容した筐体110を形成できる。
【0048】
照明器具100は、支持部材140をさらに備えることが好ましい。支持部材140は、筐体110に収容される。支持部材140は、第1光源120A、第2光源120B、第3光源120Cおよび反射部材130の少なくとも1つを支持する。例えば、支持部材140は、第1光源120A、第2光源120B、第3光源120Cおよび反射部材130を支持して筐体110の内部で固定する。第1光源120A、第2光源120B、第3光源120Cおよび反射部材130は、支持部材140の+Y方向側に取り付けられる。
【0049】
図2では、支持部材140は、筐体110の上面110cに取り付けられる。ただし、支持部材140は、筐体110の裏面110bに取り付けられてもよい。
【0050】
次に、
図1~
図3を参照して、本実施形態の照明器具100を説明する。
図3(a)は、本実施形態の照明器具100の模式的な正面図であり、
図3(b)は、
図3(a)のIIIB-IIIB線に沿った断面図であり、
図3(c)は、
図3(a)のIIIC-IIIC線に沿った断面図である。なお、
図3(a)では、筐体110の内部に収容された第1光源120A、第2光源120B、第3光源120Cおよび反射部材130を破線で示している。
【0051】
透光部110tは、XY平面に広がる透光面を有する。透光面の法線方向はY方向に平行である。第1光源120A、第2光源120Bおよび第3光源120Cは、それぞれ透光部110tに対して斜めに向いている。
【0052】
第1光源120Aは、光軸Laに沿って光を出射する。第1光源120Aから出射された光は、出射角の範囲内で第1光源120Aから離れるように進行する。第1光源120Aの光軸Laは、出射角の中心に位置する。例えば、第1光源120Aは、複数の発光素子を含む。発光素子は、発光ダイオードを含む。
【0053】
第2光源120Bは、光軸Lbに沿って光を出射する。また、第3光源120Cは、光軸Lcに沿って光を出射する。ここでは、第2光源120Bおよび第3光源120Cは、第1光源120Aと同様の構成を有している。
【0054】
第1光源120Aは、透光部110tに対して+X方向側および-Y方向側に配置される。第1光源120Aは、透光部110tを向くよう配置される。このため、第1光源120Aは、+Y方向に対して-X方向側に傾いて配置される。第1光源120Aの光軸Laは、透光部110tのX方向における中心を通過する。
【0055】
第2光源120Bは、透光部110tに対して-X方向側および-Y方向側に配置される。第2光源120Bは、透光部110tを向くよう配置される。このため、第2光源120Bは、+Y方向に対して+X方向側に傾いて配置される。第2光源120Bの光軸Lbは、透光部110tのX方向における中心を通過する。
【0056】
第3光源120Cは、透光部110tに対して-Z方向側および-Y方向側に配置される。第3光源120Cは、透光部110tを向くよう配置される。このため、第3光源120Cは、+Y方向に対して+Z方向側に傾いて配置される。第3光源120Cの光軸Lcは、透光部110tのZ方向における中心を通過する。
【0057】
以上により、第1光源120A、第2光源120Bおよび第3光源120Cの光軸La、Lb、Lcは、透光部110tを斜めに通過する。また、第1光源120A、第2光源120Bおよび第3光源120Cの光軸La、Lb、Lcは、透光部110tのX方向およびZ方向における中心を通過する。これにより、第1光源120A、第2光源120Bおよび第3光源120Cの出射角が比較的大きくても、第1光源120A、第2光源120Bおよび第3光源120Cの出射光の大部分を用いて照射対象を照射できる。
【0058】
図3(a)に示すように、第1光源120Aは、透光部110tを投影させた投影領域に対して-X方向側に配置されている。第1光源120Aの光軸Laは、透光部110tのX方向における中心を通る。このため、第1光源120Aから出射された光は、透光部110tを通過して筐体110の外部に出射される。
【0059】
なお、第1光源120Aの光軸Laと透光部110tの透光面とのなす角度は45°以下であることが好ましい。この角度は、10°以上45°以下であってもよく、15°以上40°以下であってもよい。ただし、第1光源120Aの光軸Laと透光部110tの透光面とのなす角度は45°を超えてもよい。
【0060】
同様に、第2光源120Bは、透光部110tを投影させた投影領域に対して+X方向側に配置されている。第2光源120Bの光軸Lbは、透光部110tのX方向における中心を通る。このため、第2光源120Bから出射された光は、透光部110tを通過して筐体110の外部に出射される。
【0061】
第2光源120Bの光軸Lbと透光部110tの透光面とのなす角度は45°以下であることが好ましい。この角度は、10°以上45°以下であってもよく、15°以上40°以下であってもよい。ただし、第2光源120Bの光軸Lbと透光部110tの透光面とのなす角度は45°を超えてもよい。
【0062】
また、第3光源120Cは、透光部110tを投影させた投影領域に対して-Z方向側に配置されている。第3光源120Cの光軸Lcは、透光部110tのZ方向における中心を通る。このため、第3光源120Cから出射された光は、透光部110tを通過して筐体110の外部に出射される。
【0063】
第3光源120Cの光軸Laと透光部110tの透光面とのなす角度は45°以下であることが好ましい。この角度は、10°以上45°以下であってもよく、15°以上40°以下であってもよい。ただし、第3光源120Cの光軸Lcと透光部110tの透光面とのなす角度は45°を超えてもよい。
【0064】
次に、
図4を参照して本実施形態の照明器具100の照射光を説明する。
図4(a)は、本実施形態の照明器具100の第1光源120Aおよび第2光源120Bからの出射光を示す模式図である。ここでは、照明器具100は、照射対象である壁Wに対して正対するように配置される。
【0065】
図4(a)に示すように、第1光源120Aから出射された光は、透光部110tを通過して筐体110の外部に出射される。第1光源120Aの光軸Laに対して特定範囲の出射角で出射された光は、壁Wに対して照射範囲LAで照射される。本実施形態の照明器具100では、第1光源120Aが透光部110tに対して斜めに向いている。このため、光反射による損失を抑制して高効率かつ広い照射範囲LAで壁Wを照射できる。
【0066】
同様に、第2光源120Bから出射された光は、透光部110tを通過して筐体110の外部に出射される。第2光源120Bの光軸Lbに対して特定範囲の出射角で出射された光は、壁Wに対して照射範囲LBで照射される。本実施形態の照明器具100では、第2光源120Bが透光部110tに対して斜めに向いているため、光反射による損失を抑制して高効率かつ広い照射範囲LBで壁Wを照射できる。
【0067】
ただし、本実施形態の照明器具100は、反射された光を外部に出射してもよい。例えば、第1光源120Aまたは第2光源120Bから出射された光の一部が筐体110の正面110aの遮蔽部110sによって反射されることがある。しかしながら、第1光源120Aと第2光源120Bとの間に反射部材130を配置することにより、筐体110の遮蔽部110sで反射された光も筐体110の外部に出射できる。照明器具100は、反射部材130により、第1光源120Aと第2光源120Bからの光を照射範囲LAと照射範囲LBとの間の領域に出射できる。
【0068】
図4(a)を参照して上述したように、本実施形態の照明器具100は、第1光源120Aおよび第2光源120Bは、それぞれ透光部110tに対して斜めに向いている。このため、第1光源120Aおよび第2光源120Bから出射された光は、壁Wに対して広い照射範囲LAおよびLBで照射される。
【0069】
ここで、比較のために、照明器具800の出射光を説明する。
図4(b)は、筐体810と光源820とを備える照明器具800の出射光を示す模式図である。筐体810は、筐体110と同様に、遮蔽部810sおよび透光部810tを有する。光源820は、第1光源120Aおよび第2光源120Bと同様の光学特性を有する。ただし、光源820は、透光部810tに正対して配置される。ここでは、照明器具800と壁Wとの間の距離は、照明器具100と壁Wとの間の距離と等しい。
【0070】
図4(b)に示すように、光源820を透光部810tに対して正対して配置される。この場合、光源820から出射された光は、透光部810tに向かって進行する。その後、光源820からの光は、透光部810tを通過して筐体810の外部に出射される。光源820の光軸Lxに対して特定範囲の出射角で出射された光は、壁Wに対して照射範囲LXで照射される。
【0071】
照明器具800では、光源820が透光部810tに向いており、光反射による損失が抑制される。また、光源820が透光部810tに正対しているため、光源820の光軸Lxに対して特定範囲の出射角で出射された光は、照射範囲LXで壁Wを照射する。
【0072】
図4(a)と
図4(b)との比較から理解されるように、照明器具800では、光源820が透光部810tに対して正対しており、照明器具800による照射範囲LXは比較的狭い。これに対して、本実施形態の照明器具100では、第1光源120Aおよび第2光源120Bが透光部110tに対して斜めに向いている。このため、光反射による損失を抑制するだけでなく、広い照射範囲LA、LBで壁Wを照射できる。
【0073】
図4(c)は、本実施形態の照明器具100の第3光源120Cからの出射光を示す模式図である。
図4(c)に示すように、第3光源120Cからの光は、透光部110tを通過して筐体110の外部に出射される。第3光源120Cの光軸Lcに対して特定範囲の出射角で出射された光は、壁Wに対して照射範囲LCで照射される。本実施形態の照明器具100では、第3光源120Cが透光部110tに対して斜めに向いているため、光反射による損失を抑制して高効率かつ広い照射範囲LCで壁Wを照射できる。
【0074】
なお、
図3および
図4を参照した上述の説明では、第1光源120A、第2光源120Bおよび第3光源120Cの光軸La、Lb、Lcは、透光部110tのX方向およびZ方向における中心を通過したが、本実施形態はこれに限定されない。第1光源120A、第2光源120Bおよび第3光源120Cの光軸La、Lb、Lcは、透光部110tのX方向およびZ方向における中心を通過しなくてもよい。ただし、第1光源120A、第2光源120Bおよび第3光源120Cの光軸La、Lb、Lcは、透光部110tのX方向およびZ方向における中心の比較的近くを通過することが好ましい。
【0075】
例えば、第1光源120Aの光軸Laを透光部110tのX方向における中心よりも-X方向側を通過するようにずらすと、第1光源120Aからの光の一部が筐体110の遮蔽部110sによって反射されて筐体110の外部に充分に出射されないことがある。このため、第1光源120Aの光軸Laは、透光部110tのX方向における中心よりも-X方向側にずらしすぎないことが好ましい。
【0076】
あるいは、第1光源120Aの光軸Laを透光部110tのX方向における中心よりも+X方向側を通過するようにずらすと、照射範囲LAの面積が小さくなる。このため、第1光源120Aの光軸Laは、透光部110tのX方向における中心よりも+X方向側にずらしすぎないことが好ましい。
【0077】
なお、
図2を参照して上述した説明では、筐体110は、容器114およびカバー112から構成されたが、本実施形態はこれに限定されない。筐体110は、3以上の部材から構成されてもよい。
【0078】
次に、
図1および
図5を参照して本実施形態の照明器具100を説明する。
図5は、本実施形態の照明器具100の模式的な分解斜視図である。
【0079】
図5に示すように、筐体110は、カバー112aと、本体部114aと、枠体114bとを含む。本体部114aと枠体114bとの組み合わせにより、容器114が形成される。典型的には、枠体114bとカバー112aとを組み合わせた後で、本体部114aが嵌められる。ただし、枠体114bに対して先に本体部114aを嵌めた後で、カバー112aを組み合わせてもよい。これにより、筐体110を形成できる。
【0080】
ここでは、カバー112aは、筐体110の正面110aと、右側面110eの一部と、左側面110fの一部とを構成する。正面110aと右側面110eの一部と左側面110fの一部とは連結している。筐体110の正面110aには、透光部110tが設けられる。
【0081】
本体部114aは、筐体110の上面110cを構成する。上面110cには、反射部材130が連結される。ここでは、反射部材130の+Y方向側に第1光源120A、第2光源120Bおよび第3光源120Cが取り付けられており、反射部材130は、第1光源120A、第2光源120Bおよび第3光源120Cを支持する。反射部材130は、支持部材として機能する。
【0082】
また、上面110cの-Y方向端部には、反射部材130に対向して裏面対向部111bが連結される。上面110cの+X方向端部には、左側面対向部111fが連結される。
【0083】
枠体114bは、筐体110の裏面110b、底面110d、右側面110eの一部および左側面110fの一部を構成する。枠体114bの裏面110bは、底面110d、右側面110eの一部および左側面110fの一部とそれぞれ連結する。
【0084】
枠体114bの裏面110b、右側面110eの一部および左側面110fの一部は、本体部114aの上面110cが嵌るように構成される。本体部114aを枠体114bに嵌めることにより、枠体114bの裏面110bは、本体部114aの裏面対向部111bと対向し、また、枠体114bの左側面110fの一部は、本体部114aの左側面対向部111fと対向する。
【0085】
以上のように、本体部114aと、枠体114bと、カバー112aとを組み合わせて照明器具100を作製してもよい。
【0086】
なお、筐体110の内部に配置された光源部120から出射される出射光の出射角が大きすぎると、出射光の一部は、透光部110tを通過せずに遮蔽部110sによって筐体110の内部に反射されてしまい、筐体110の内部から外部に出射されないことがある。このため、光源部120からの出射光の出射角の範囲は比較的狭いことが好ましい。一方で、コスト等の観点から、光源部120において比較的狭い出射角の発光素子を使用できないことがある。この場合、比較的広い出射角の発光素子の出射光を制御することが好ましい。
【0087】
次に、
図6~
図8を参照して本実施形態の照明器具100における光源部120を説明する。
図6(a)は、本実施形態の照明器具100において好適に用いられる光源部120の模式的な分解斜視図である。
【0088】
図6(a)に示すように、光源部120は、光源基板122と、カバー部材124とを含む。光源基板122は、長手方向(x方向)に延びる。
【0089】
光源基板122は、基板122aと、発光素子122bとを含む。基板122aは、光源基板122のx方向およびy方向に沿った外縁を規定する。発光素子122bは、基板122aの主面に配置される。ここでは、複数の発光素子122bは、基板122aの主面において、x方向に沿って所定の間隔で配置される。
【0090】
カバー部材124は、中空形状の容器である。カバー部材124は、透明または透光性を有する。
【0091】
カバー部材124の開口部は、基板122aの外縁に対応する。カバー部材124は、発光素子122bとともに基板122aを覆う。
【0092】
図6(b)は、カバー部材124の模式的な底面図である。カバー部材124の開口底面には平坦部124aおよび溝部124bが設けられる。平坦部124aは、平坦面を有する。平坦部124aは、カバー部材124の開口底面のうちの-y方向側の略半分に設けられる。溝部124bには複数の溝が設けられる。溝部124bは、カバー部材124の開口底面のうちの+y方向側の略半分に設けられる。溝部124bは、基板122aと同様にx方向に延びる。溝部124bは、入射した光を大きく偏向して出射する。溝部124bは、回折格子として機能する。
【0093】
図7は、
図6(a)のIVC-IVC線に沿った模式的な断面図である。発光素子122bは、基板122aのy方向中央に配置される。
【0094】
カバー部材124は、一方面の空いた箱形状である。カバー部材124は、外周面124pと、内周面124qとを有する。
図7に示すように、内周面124qは、側面124q1と、主面124q2と、側面124q3とを含む。主面124q2は、カバー部材124の開口底面である。側面124q1は、主面124q2に対して-y方向側に位置し、側面124q3は、主面124q2に対して+y方向側に位置する。
【0095】
カバー部材124の主面124q2のうち、-y方向側には平坦部124aが設けられる。平坦部124aは平坦状である。
【0096】
カバー部材124の主面124q2のうち、+y方向側には溝部124bが設けられる。溝部124bには、複数列の溝124vがy方向に沿って交互に設けられる。溝124vはx方向に延びる。ここでは、カバー部材124の溝部124bには、9列の溝124vがx方向に沿って交互に設けられる。
【0097】
溝124vは、外側面d1と、内側面d2とを含む。溝部124bでは、複数の外側面d1および複数の内側面d2はy方向に交互に配列されることにより、複数の溝124vが形成される。
【0098】
外側面d1および内側面d2のz方向下部および上部から、それぞれ仮想的な第1基準面ds1と第2基準面ds2を規定できる。第1基準面ds1は、第2基準面ds2に対して-z方向側に位置する。
【0099】
図7に示すように、溝124vは、カバー部材124の中心から外側に向かって窪む。この場合、第2基準面ds2に対する外側面d1の角度は、第2基準面ds2に対する内側面d2の角度よりも大きい。
【0100】
また、溝124vを規定する深さ(z方向の長さ)Hは、溝124vを規定する幅(y方向の長さ)Wよりも小さい。例えば、幅Wは、深さHよりも1.1倍以上5.0倍以下である。
【0101】
発光素子122bから出射されて外側面d1に到達した光は、外側面d1によって反射された後、内側面d2を通過して+z方向および-y方向に進行する。また、発光素子122bから出射されて内側面d2に到達した光は、内側面d2によって外側面d1に向かって反射された後、外側面d1によって反射され、その後、内側面d2を通過して+z方向および-y方向に進行する。このように、カバー部材124のy方向中心よりも+y方向側に位置する溝部124bは、入射した光を-y方向に向かうように偏向する。
【0102】
次に、
図6~
図8を参照して、光源部120の出射光を説明する。
図8(a)は、本実施形態の照明器具100における光源基板122の模式図である。
【0103】
上述したように、光源基板122は、基板122aと、発光素子122bとを含む。発光素子122bは、基板122aに設けられる。
【0104】
基板122aは薄板形状である。基板122aの2つの主面のうち一方の主面の法線は+z方向を向いており、他方の主面の法線は-z方向を向いている。発光素子122bは、基板122aの+z方向を向く主面において、y方向中央に配置される。発光素子122bは、+z方向に向けて光を出射する。
【0105】
図8(a)において、発光素子122bから+z方向を向いた破線は、発光素子122bの光軸L0を示す。また、
図8(a)では、発光素子122bから+z方向に対して-y方向および+y方向に傾いて延びた破線は、発光素子122bの出射角の広がりを示す。
図8(a)に示すように、発光素子122bは、等角状に広がる光を出射する。
【0106】
なお、上述したように、発光素子122bは、カバー部材124で覆われる。カバー部材124に溝部124bが設けられている場合、溝部124bは、発光素子122bからの光を特定の方向に偏向する。
【0107】
次に、
図8(b)を参照して、光源部120の出射光を説明する。
図8(b)は、光源部120を示す模式図である。光源部120は、光源基板122と、カバー部材124とを含む。カバー部材124は、光源基板122を覆う。詳細には、カバー部材124は、基板122aとともに発光素子122bを覆う。
【0108】
カバー部材124において、-y方向側には平坦部124aが設けられ、+y方向側には溝部124bが設けられる。
【0109】
図8(b)に示すように、発光素子122bから+z方向に対して-y方向側に傾いて進む光は、平坦部124aを通過して外部に出射される。なお、厳密には、光は、平坦部124aに入射する際および平坦部124aから出射する際にそれぞれ屈折するが、
図8(b)では、この光の一部を直線状に進行する透過光L1として示している。
【0110】
これに対して、発光素子122bから+z方向に対して+y方向側に傾いて進む光は、溝部124bにおいて大きく偏向されて外部に出射される。
図8(b)では、この光の一部を、偏向して進行する偏向光L2として示している。なお、発光素子122bの光軸L0と透過光L1とのなす角は、発光素子122bの光軸L0と偏向光L2とのなす角よりも大きい。このため、偏向光L2が進行すると、偏向光L2は、透過光L1と交差する。
【0111】
発光素子122bの出射角が大きい場合、発光素子122bから出射された光のうちの光軸L0から離れた角度で進む成分は、筐体110の透光部110tを通過できず、遮蔽部110sによって反射されることがある。しかしながら、溝部124bの設けられたカバー部材124により、発光素子122bから出射された光のうちの光軸L0から離れた角度で進む成分も筐体110の透光部110tを通過するように偏向できるため、発光素子122bの出射光を有効に利用できる。なお、
図6(b)~
図8(b)を参照して上述した溝部124bの設けられたカバー部材124を備えた光源部120を照明器具100の第1光源120A、第2光源120Bおよび第3光源120Cとして用いる場合、溝部124bは、透光部110tを投影させた投影領域に対して対向する位置に配置されることが好ましい。透光部110tを投影させた投影領域に対して、カバー部材124の溝部124bは内側に配置され、平坦部124aは外側に配置される。
【0112】
以下、
図6~
図10を参照して本実施形態の照明器具100を説明する。
図9は、本実施形態の照明器具100の模式的な分解斜視図である。
図10(a)は、本実施形態の照明器具100のX方向に沿った模式的な断面図であり、
図10(b)は、本実施形態の照明器具100のZ方向に沿った模式的な断面図である。
図9および
図10の照明器具100は、光源部120のカバー部材124に平坦部124aとともに溝部124bが設けられている点を除いて、
図2、
図3(b)よび
図3(c)に示した照明器具100と同様の構成を有しており、冗長を避けるために重複する記載を省略する。なお、
図9および
図10では、
図6(a)とは異なり、光源部120のカバー部材124から溝部124bが見えるように示していることに留意されたい。
【0113】
図9および
図10(a)に示すように、第1光源120Aにおいて、カバー部材124の溝部124bは-X方向側に配置され、平坦部124aは+X方向側に配置される。このように、第1光源120Aの溝部124bを筐体110の内側に配置することにより、発光素子122bから出射されて透光部110tから外れて進行する光を偏向光La2として透光部110tに偏向できるため、発光素子122bから出射される光を有効に利用できる。
【0114】
また、
図10(a)に示すように、第2光源120Bにおいて、カバー部材124の溝部124bは+X方向側に配置され、平坦部124aは-X方向側に配置される。このように、第2光源120Bの溝部124bを筐体110の内側に配置することにより、発光素子122bから出射されて透光部110tから外れて進行する光を偏向光Lb2として透光部110tに偏向できるため、発光素子122bから出射される光を有効に利用できる。
【0115】
さらに、
図10(b)に示すように、第3光源120Cにおいて、カバー部材124の溝部124bは+Z方向側に配置され、平坦部124aは-Z方向側に配置される。このように、第3光源120Cの溝部124bを筐体110の内側に配置することにより、発光素子122bから出射されて透光部110tから外れて進行する光を偏向光Lc2として透光部110tに偏向できるため、発光素子122bから出射される光を有効に利用できる。
【0116】
なお、第1光源120Aにおいてカバー部材124の内側に溝部124bを設ける場合、第1光源120Aにおける発光素子122bの光軸La0は、透光部110tのX方向における中心よりも-X方向側に位置する部分を通過することが好ましい。溝部124bにより、発光素子122bから出射されて透光部110tから外れて進行する光を透光部110tに偏向できるため、発光素子122bからの出射光をさらに有効に利用できる。また、発光素子122bの光軸La0に対して+y方向側に傾いた方向に進む光の大部分が透過光La1として透光部110tを通過できる。このため、発光素子122bからの出射光をさらに有効に利用できる。
【0117】
同様に、第2光源120Bにおいてカバー部材124の内側に溝部124bを設ける場合、第2光源120Bにおける発光素子122bの光軸Lb0は、透光部110tのX方向における中心よりも+X方向側に位置する部分を通過することが好ましい。また、発光素子122bの光軸Lb0に対して+y方向側に傾いた方向に進む光の大部分が透過光Lb1として透光部110tを通過できる。このため、発光素子122bからの出射光をさらに有効に利用できる。
【0118】
さらに、第3光源120Cにおいてカバー部材124の内側に溝部124bを設ける場合、第3光源120Cにおける発光素子122bの光軸Lc0は、透光部110tのZ方向における中心よりも+Z方向側に位置する部分を通過することが好ましい。また、発光素子122bの光軸Lc0に対して+y方向側に傾いた方向に進む光の大部分が透過光Lc1として透光部110tを通過できる。このため、発光素子122bからの出射光をさらに有効に利用できる。
【0119】
なお、
図1~
図10を参照した上述の説明では、第1光源120A、第2光源120Bおよび第3光源120Cは、透光部110tの外縁における2つの側部および下部に対応して配置されたが、本実施形態はこれに限定されない。第1光源120A、第2光源120Bおよび第3光源120Cのいずれかは透光部110tの外縁における上部に対応して配置されてもよい。
【0120】
また、
図1~
図10を参照した上述の説明では、光源部120は、3つの光源を含んだが、本実施形態はこれに限定されない。光源部120は、1つまたは2つの光源を含んでもよい。あるいは、光源部120は、4以上の光源を含んでもよい。なお、光源部120が4つの光源を含む場合、光源は、透光部110tの矩形状の外縁となる上部、下部および2つの側部のすべてに隣接して配置されてもよい。
【0121】
以上、図面を参照して本発明の実施形態を説明した。ただし、本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施形態として実施することが可能である。また、上記の実施形態に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることによって、種々の発明の形成が可能である。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。図面は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の個数等は、図面作成の都合から実際とは異なる場合もある。また、上記の実施形態で示す各構成要素は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の効果を実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0122】
本発明は、照明器具に有用である。
【符号の説明】
【0123】
100 照明器具
110 筐体
110t 透光部
120 光源部
120A 第1光源
120B 第2光源
120C 第3光源