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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-07
(45)【発行日】2023-09-15
(54)【発明の名称】縦型ブラインド及びスクリーンハンガー
(51)【国際特許分類】
   E06B 9/36 20060101AFI20230908BHJP
   A47H 1/18 20060101ALI20230908BHJP
【FI】
E06B9/36 E
A47H1/18
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019228266
(22)【出願日】2019-12-18
(65)【公開番号】P2021094265
(43)【公開日】2021-06-24
【審査請求日】2022-11-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000250672
【氏名又は名称】立川ブラインド工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 潤一
【審査官】櫻井 茂樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-183551(JP,A)
【文献】米国特許第05954110(US,A)
【文献】特開2008-045285(JP,A)
【文献】特開2008-045318(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 9/36
A47H 1/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハンガーレールに移動自在に設けられているランナーと、
前記ランナーに取り付けられるスクリーンハンガーと、
前記スクリーンハンガーに装着される遮蔽材と、
を備え、
前記スクリーンハンガーは、第1及び第2装着部と、ストッパ部とを有し、
第1及び第2装着部は、前記遮蔽材が装着され、且つ、水平方向に開閉可能に構成され、
前記ストッパ部は、第1及び第2装着部を閉じた状態とするように構成される、縦型ブラインド。
【請求項2】
請求項1に記載の縦型ブラインドであって、
第1及び第2装着部は、互いに連結し、且つ、当該連結されている部分を軸として水平方向に開閉可能に構成されている、縦型ブラインド。
【請求項3】
請求項1に記載の縦型ブラインドであって、
前記スクリーンハンガーは、基部を有し、
前記ランナーは、前記基部に取り付けられ、
第1及び第2装着部は、前記基部に対して水平方向に開閉可能に構成されている、縦型ブラインド。
【請求項4】
ハンガーレールに移動自在に設けられているランナーと、遮蔽材とを備えている縦型ブラインドに取り付けられるスクリーンハンガーであって、
第1及び第2装着部と、ストッパ部とを備え、
第1及び第2装着部は、前記遮蔽材が装着され、且つ、水平方向に開閉可能に構成され、
前記ストッパ部は、第1及び第2装着部を閉じた状態とするように構成される、スクリーンハンガー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、縦型ブラインド及びスクリーンハンガーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の縦型ブラインドには、暗幕カーテン部(遮蔽材)と、暗幕カーテン部を保持可能に構成された連結具(スクリーンハンガー)と、連結具を吊下支持するレールリング(ランナー)とを備えているものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1の縦型ブラインドにおいて、各連結具は互いに連結可能に構成された一対のクリップ板を有し、左右の暗幕カーテン部の上端部が一対のクリップ板に挟み込まれることで、左右の暗幕カーテン部は連結具に保持される。そして、左右の暗幕カーテン部の上端部が一対のクリップ板に挟み込まれることで、左右の暗幕カーテン部が左右方向に離間することを防ぎ、縦型ブラインドの遮光性や意匠性が向上している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特表2018-509190号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の連結具において、ユーザーが左右の暗幕カーテン部を連結具に取り付けるときには、ユーザーは両方の暗幕カーテン部の上端部が重なるように、一対のクリップ板を連結させる必要がある。つまり、特許文献1の連結具の構成は、一対のクリップ板が互いに連結することで左右の暗幕カーテン部が一対のクリップ板の間に挟み込まれるように取り付けられるものとなっている。換言すると、一対のクリップ板のそれぞれが独立して暗幕カーテン部を取付可能であるわけではなく、一対のクリップ板が互いに連結することで、はじめて、暗幕カーテン部が連結具に取り付けられることになる。
【0005】
このように、特許文献1の連結具は、左右の暗幕カーテン部が左右方向に離間することを防ぐことができる構成にはなっている。しかし、特許文献1の連結具は、一対のクリップ板で左右の暗幕カーテン部を挟み込むように連結しないと左右の暗幕カーテン部を連結具に取り付けることができない構成であるため、扱いづらく、暗幕カーテン部の取り付け時の作業性が損なわれる、という課題がある。
【0006】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、遮蔽材の着脱時における作業性が損なわれることを抑制するとともに、複数の独立した遮蔽材を備える形態に適用される場合には隣接する遮蔽材が離間することを防ぐことができる、縦型ブラインド及びスクリーンハンガーを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、ハンガーレールに移動自在に設けられているランナーと、前記ランナーに取り付けられるスクリーンハンガーと、前記スクリーンハンガーに装着される遮蔽材と、を備え、前記スクリーンハンガーは、第1及び第2装着部と、ストッパ部とを有し、第1及び第2装着部は、前記遮蔽材が装着され、且つ、水平方向に開閉可能に構成され、前記ストッパ部は、第1及び第2装着部を閉じた状態とするように構成される、縦型ブラインドが提供される。
【0008】
本発明によれば、水平方向に開閉可能に構成されている第1及び第2装着部を備えており、ユーザーは、遮蔽材を第1及び第2装着部のそれぞれに独立して取り付けることができ、遮蔽材の着脱時における作業性が損なわれることを抑制することができる。
また、本発明によれば、第1及び第2装着部を閉じた状態とするように構成されるストッパ部を備えているので、遮蔽材が第1及び第2装着部に装着されている状態において、遮蔽材が離間することを防ぐことができる。
【0009】
以下、本発明の種々の実施形態を例示する。以下に示す実施形態は互いに組み合わせ可能である。
好ましくは、第1及び第2装着部は、互いに連結し、且つ、当該連結されている部分を軸として水平方向に開閉可能に構成されている、縦型ブラインドが提供される。
好ましくは、前記スクリーンハンガーは、基部を有し、前記ランナーは、前記基部に取り付けられ、
第1及び第2装着部は、前記基部に対して水平方向に開閉可能に構成されている、縦型ブラインドが提供される。
【0010】
本発明の実施形態の別の観点によれば、ハンガーレールに移動自在に設けられているランナーと、遮蔽材とを備えている縦型ブラインドに取り付けられるスクリーンハンガーであって、第1及び第2装着部と、ストッパ部とを備え、第1及び第2装着部は、前記遮蔽材が装着され、且つ、水平方向に開閉可能に構成され、前記ストッパ部は、第1及び第2装着部を閉じた状態とするように構成される、スクリーンハンガーが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1Aは、実施形態に係る縦型ブラインド100の正面図である。図1Bは、図1Aに示す縦型ブラインド100の右側面図である。図1Cは、図1Aに示す縦型ブラインド100の上面図である。図1Dは、図1Cに示す遮蔽材を閉状態としたときの様子を示している。
図2図2Aは、第1及び第2装着部6a,6bが閉じた状態における、ランナー5及びスクリーンハンガー6を示す斜視図である。図2Bは、図2Aに示す領域Bの拡大図である。図2Cは、図2Aに示す第1及び第2装着部6a,6bを開いた状態を示している。
図3図3Aは、実施形態に係る縦型ブラインド100のスクリーンハンガー6の変形例1を示す斜視図である。図3Bは、図3Aに示す連結部6cの垂直断面図である。図3Cは、実施形態に係る縦型ブラインド100のスクリーンハンガー6の変形例2を示す分解斜視図である。図3Dは、図3Cに示すスクリーンハンガー6の第1及び第2装着部6a,6bが開いた状態を示す上面図である。図3Eは、図3Cに示すスクリーンハンガー6の第1及び第2装着部6a,6bが閉じた状態を示す上面図である。
図4図4Aは、実施形態に係る縦型ブラインド100のスクリーンハンガー6の変形例3を示す斜視図である。図4Bは、図4Aに示す基部6fの連結部6c側の部分の拡大図である。図4Cは、図4Aに示すスクリーンハンガー6の第1及び第2装着部6a,6bが開いた状態を示す上面図である。図4Dは、図4Aに示すスクリーンハンガー6の第1及び第2装着部6a,6bが閉じた状態を示す上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。また、各特徴について独立して発明が成立する。
【0013】
1.実施形態
1-1.全体構成
図1A図1C及び図2Aに示すように、縦型ブラインド100は、ハンガーレール1と、チルト軸2と、チルト操作棒3と、操作コード4と、ランナー5と、スクリーンハンガー6と、遮蔽材7と、スペーサー8と、を備えている。
【0014】
図1Aに示すように、ハンガーレール1は、ケース状に構成され、例えば建物の壁面、建物の天井及び窓枠等に据え付けられる。ハンガーレール1内には、チルト軸2及び複数のランナー5等が収容されている。チルト軸2には、複数のランナー5が取り付けられている。チルト軸2が回転すると、各ランナー5は回動する。
【0015】
ハンガーレール1の一端側には、チルト操作棒3及び操作コード4が配置されている。図1A及び図2Aに示すように、チルト操作棒3が操作されることでチルト軸2が回転し、チルト軸2が回転することで各ランナー5の軸部5bが回転し、各スクリーンハンガー6が回動する。
【0016】
操作コード4は、環状に構成されている。図1A及び図1Bに示すように、操作コード4は、ハンガーレール1の一端側においてハンガーレール1から垂下しており、ユーザーが把持可能となっている。操作コード4は、先頭ランナー5A(図1A参照)に連結し、また、各ランナー5はスペーサー8(図2A)を介して連結している。例えば、ユーザーが操作コード4を操作して遮蔽材7を引き出そうとすると、先頭ランナー5Aが操作コード4に引き出されて図1Aにおける左側方向に移動し、その後、後続のランナー5は、スペーサー8を介して等間隔を隔てて順次、左側方向に移動する。逆に、ユーザーが操作コード4を操作して遮蔽材7を畳み込もうとすると、先頭ランナー5Aが操作コード4に引き戻されて図1Aにおける右側方向に移動し、後続のランナー5も右側方向に移動する。このように、ランナー5は、ハンガーレール1に、左右方向に移動自在に設けられている。
【0017】
図1Aに示すように、ランナー5は、チルト軸2に取り付けられ、チルト軸2の回転をスクリーンハンガー6に伝える機能を有する。図2Aに示すように、ランナー5は、ケース部5aと、軸部5bと、ギア機構部5cと、引掛部5dとを有する。
図2Aに示すように、ケース部5aには、ギア機構部5c及び軸部5bが設けられている。ギア機構部5cは、チルト軸2が挿入されるギア及びこのギアの回転を軸部5bに伝えるギア等を有し、チルト軸2が回転すると、ギア機構部5cの各種ギアが回転して、軸部5bが回転する。そして、軸部5bが回転することで、スクリーンハンガー6が回動する。軸部5bはケース部5aから突き出すように設けられており、軸部5bの下端部には、引掛部5dが形成されている。
【0018】
図2Aに示すように、スクリーンハンガー6はランナー5の引掛部5dに引掛可能になっている。スクリーンハンガー6は、隣接する一対の遮蔽材7を装着可能となっている。ランナー5が回動することで、スクリーンハンガー6が回動し、遮蔽材7が、開状態(図1C参照)から閉状態(図1D参照)へ、又は、閉状態から開状態へ遷移する。また、ランナー5が右側方向又は左側方向に移動することで、スクリーンハンガー6が右側方向又は左側方向に移動し、遮蔽材7が引き出される又は畳み込まれる。
【0019】
図1A図1Dに示すように、遮蔽材7は、レース部7aと、一対のドレープ部7bとを有する。レース部7aは、一対のドレープ部7bの間に設けられている。図2Cに示すように、各ドレープ部7bの上部には、被取付部7cが設けられている。被取付部7cは、スクリーンハンガー6に取り付けられる部位であり、実施形態ではドレープ部7bを構成する生地が袋縫いされることで構成される。
【0020】
なお、実施形態では、各遮蔽材7が2つの被取付部7cを備える形態を例に説明しているが、これに限定されるものではなく、各遮蔽材7が例えば3つ以上の被取付部7c(3つ以上のドレープ部7b)を備える形態であっても、本実施形態に係る縦型ブラインド100のスクリーンハンガー6に適用可能である。また、実施形態に係る縦型ブラインド100は、複数の遮蔽材7を備える形態であるがこれに限定されるものではなく、単数の遮蔽材7を備える形態であってもよい。
【0021】
1-2.スクリーンハンガー6について
1-2-1.スクリーンハンガー6の構成
図2A及び図2Bに示すように、スクリーンハンガー6は、第1及び第2装着部6a,6bと、連結部6cと、ストッパ部6dとを備えている。
【0022】
図2Bに示すように、第1及び第2装着部6a,6bは、平板状に形成され、遮蔽材7を装着可能である。第1装着部6aと第2装着部6bとは連結部6cを介して連結している。図2Cに示すように、第1及び第2装着部6a,6bには、ランナー5の引掛部5dを引っ掛けるための開口部6eが形成されている。実施形態において、第1装着部6aの開口部6eが、引掛部5dに引っ掛けられているが、第2装着部6bの開口部6eが、引掛部5dに引っ掛けられていてもよい。図2Bに示すように、第1装着部6aには係合部6a1が形成されている。係合部6a1は、薄肉形成された部分であり、ストッパ部6dを引掛可能に構成されている。
【0023】
図2Cに示すように、連結部6cは、第1装着部6aの長手方向の一方側(奥側)の端部と、第2装着部6bの長手方向の一方側(奥側)の端部とを連結している。実施形態において、スクリーンハンガー6は、第1装着部6aと、第2装着部6bと、連結部6cと、ストッパ部6dとが樹脂で一体成形されて構成されている。なお、スクリーンハンガー6を構成する素材は、樹脂に限定されるものではなく、例えば、金属で構成してもよいし、紙で構成してもよい。
【0024】
図2A及び図2Cに示すように、第1及び第2装着部6a,6bは、水平方向に開閉可能に構成されている。つまり、連結部6cは鉛直方向に平行な軸として機能するので、第1及び第2装着部6a,6bは、連結部6cを軸として水平方向に開閉可能である。
【0025】
図2A及び図2Bに示すように、ストッパ部6dは、第1及び第2装着部6a,6bを閉じた状態とするように構成され、実施形態ではストッパ部6dは第2装着部6bに設けられている。なお、ストッパ部6dは第1装着部6aに設けられていてもよいし、第1及び第2装着部6a,6bの両方に設けられていてもよい。ストッパ部6dは、第2装着部6bの上端部であって第2装着部6bの長手方向の他方側(正面側)に設けられている。なお、ストッパ部6dが第2装着部6bに設けられているので、ストッパ部6dが第1及び第2装着部6a,6bをロックする前の状態において、ストッパ部6dが、第2装着部6bに装着された遮蔽材7と干渉する。これにより、ストッパ部6dが第1及び第2装着部6a,6bをロックする前の状態において、第2装着部6bに装着された遮蔽材7が、第2装着部6bから抜けてしまうことが抑制される。
【0026】
1-2-2.着脱動作説明
ここでは、スクリーンハンガー6がランナー5から外れている状態であるものとする。まず、スクリーンハンガー6及び遮蔽材7をランナー5に取り付けるときの動作について説明する。
ユーザーは、遮蔽材7の被取付部7c内に第2装着部6bを差し込み(図2C参照)、同様に、当該遮蔽材7とは別の遮蔽材7の被取付部7c内に第1装着部6aを差し込む。なお、差し込む順番は、一例であり、逆でもよいし、同時でもよい。このように、ユーザーは、第1及び第2装着部6a,6bのそれぞれに、遮蔽材7を独立して差し込むことができるので、スクリーンハンガー6の構成は、その分扱いやすくなっており、装着時における作業性が損なわれることを抑制できる。他のスクリーンハンガー6も同様に、各遮蔽材7を第1及び第2装着部6a,6bに差し込む。第1装着部6aに差し込まれた遮蔽材7の被取付部7cには、第1装着部6aの開口部6eの形成位置に開口部(不図示)が形成されている。ユーザーは、スクリーンハンガー6と共に隣接する遮蔽材7を持ち上げ、被取付部7cの開口部及び第1装着部6aの開口部6eに、ランナー5の引掛部5dを挿入する。これにより、スクリーンハンガー6及び遮蔽材7がハンガーレール1の下側において垂下支持される。その後、ユーザーは、第1及び第2装着部6a,6bを閉じ、第1及び第2装着部6a,6bをストッパ部6dでロックして束ねる。
【0027】
スクリーンハンガー6及び遮蔽材7をランナー5から取り外すときの動作は、取り付けるときの動作の逆である。つまり、ユーザーは、第1及び第2装着部6a,6bのストッパ部6dのロックを解除して、第1及び第2装着部6a,6bを開き、ランナー5の引掛部5dからスクリーンハンガー6を取り外し、第1及び第2装着部6a,6bから遮蔽材7を引き抜く。このように、ユーザーは、第1及び第2装着部6a,6bのそれぞれから、遮蔽材7を独立して引き抜くことができるので、スクリーンハンガー6の構成は、その分扱いやすくなっており、取り外し時における作業性が損なわれることを抑制できる。
【0028】
また、遮蔽材7に破損や汚れ等が生じ、複数の遮蔽材7のうちの1つだけを交換したい場合もある。このような場合において、2つのスクリーンハンガー6をランナー5から取り外す必要はない。各遮蔽材7の一方のドレープ部7bの被取付部7cは第1装着部6aに差し込まれ、各遮蔽材7の他方のドレープ部7bの被取付部7cは第2装着部6bに差し込まれている。ユーザーが他方のドレープ部7bの被取付部7cを第2装着部6bから引き抜く場合には、ユーザーは、ストッパ部6dによるロックを解除すれば足り、スクリーンハンガー6をランナー5から取り外す必要はない。ユーザーが一方のドレープ部7bの被取付部7cを第1装着部6aから引き抜く場合にだけ、ユーザーは、ストッパ部6dによるロックを解除し、スクリーンハンガー6をランナー5から取り外せばよい。このように、スクリーンハンガー6の構成は、複数の遮蔽材7のうちの1つの交換作業における作業性が損なわれることも抑制することが可能である。
【0029】
1-2-3.スクリーンハンガー6の効果
実施形態に係る縦型ブラインド100のスクリーンハンガー6は、水平方向に開閉可能に構成されている第1及び第2装着部6a,6bを備えている。このため、ユーザーは、互いに隣接する遮蔽材7を第1及び第2装着部のそれぞれに独立して装着することができ、遮蔽材7の着脱時における作業性が損なわれることを抑制することができる。
【0030】
実施形態に係る縦型ブラインド100のスクリーンハンガー6は、第1及び第2装着部6a,6bを閉じた状態とするように構成されるストッパ部6dが設けられている。このため、互いに隣接する遮蔽材7が第1及び第2装着部6a,6bにそれぞれ装着されている状態において、隣接する一対の遮蔽材7が互いに離間することを防ぐことができる。これにより、縦型ブラインド100の遮光性及び意匠性が向上する。
【0031】
第1及び第2装着部6a,6bが鉛直方向に開閉可能に構成されている場合、すなわち、連結部6cの軸方向が水平面に平行である場合について検討する。この場合には、ユーザーが第1及び第2装着部6a,6bを開くと、第1及び第2装着部6a,6bのうちのいずれかが上方向に回動することになる。しかし、スクリーンハンガー6の上部にはハンガーレール1が設けられているので、回動した装着部がハンガーレール1に干渉する可能性がある。第1及び第2装着部6a,6bがハンガーレール1に干渉してしまうと、ユーザーはランナー5からスクリーンハンガー6を取り外さなければスクリーンハンガー6から遮蔽材7を取り外すことができなくなる可能性が高まるし、また、ユーザーはストッパ部6dのロックを解除できなくなる可能性もある。
また、第1及び第2装着部6a,6bが上方向に回動したときに、第1及び第2装着部6a,6bが仮にハンガーレール1に干渉しなかったとしても、回動した第1及び第2装着部6a,6bがハンガーレール1内の狭い空間に入り込んでしまうので、ユーザーはスクリーンハンガー6を取り扱いにくい。つまり、ハンガーレール1は室内の高い位置に配置されるため、第1及び第2装着部6a,6bが上方向に回動してしまうと、それだけで、ユーザーはスクリーンハンガー6を取り扱いにくくなるが、回動した第1及び第2装着部6a,6bがハンガーレール1内の狭い空間に入り込むので、更に、ユーザーはスクリーンハンガー6を取り扱いにくくなる。
【0032】
一方、実施形態において、第1及び第2装着部6a,6bが水平方向に開閉可能に構成されているので、第1及び第2装着部6a,6bがハンガーレール1に干渉することを回避することができる。これにより、スクリーンハンガー6がランナー5に吊るされた状態でも、ユーザーは遮蔽材7の着脱を実施しやすいし、また、ストッパ部6dのロックが解除できなくなることもより確実に回避することが可能である。また、第1及び第2装着部6a,6bが水平方向に開閉可能に構成されているので、第1及び第2装着部6a,6bがハンガーレール1内の狭い空間に入り込むことがなく、スクリーンハンガー6の取り扱いが困難になることを抑制することができる。
【0033】
実施形態において、スクリーンハンガー6は、第1装着部6aと、第2装着部6bと、連結部6cと、ストッパ部6dとが樹脂で一体成形されて構成されている。つまり、スクリーンハンガー6は1部品で構成されている。このため、実施形態に係る縦型ブラインド100は、部品点数を抑制することができる。
【0034】
2.変形例
2-1.変形例1
図3A及び図3Bに示すように、連結部6cはヒンジ構造を有していてもよい。具体的には、変形例1における連結部6cは、抜け防止部6c1と、軸部6c2と、第1及び第2連結部6f1,6f2とを有する。変形例1において、第1及び第2装着部6a,6bには第1及び第2連結部6f1,6f2がそれぞれ一体的に形成されている。軸部6c2には、図3Bに示すように、第1及び第2連結部6f1,6f2が挿入されており、第1及び第2装着部6a,6bは軸部6c2を軸として回動可能となっている。第1及び第2連結部6f1,6f2は上下に隣接するように配置され、変形例1では、第1連結部6f1は第2連結部6f2の下に配置されている。なお、第1及び第2連結部6f1,6f2の上下の配置は逆でもよい。抜け防止部6c1は、軸部6c2の上下の端部にそれぞれ設けられている。抜け防止部6c1は、第1及び第2連結部6f1,6f2が軸部6c2から抜けることを防止する機能を有する。具体的には、抜け防止部6c1の外径は、第1及び第2連結部6f1,6f2の内径よりも大きい。
【0035】
第1及び第2連結部6f1,6f2は、筒状部材で構成されていてもよいし、水平断面がC字状に構成されていてもよい。第1及び第2連結部6f1,6f2が筒状部材で構成される場合には、例えば、抜け防止部6c1は軸部6c2から着脱自在になっていることが好ましい。これにより、製造者は、第1及び第2連結部6f1,6f2を軸部6c2に挿入することで、スクリーンハンガー6を容易に組み立てることができる。また、第1及び第2連結部6f1,6f2の水平断面がC字状に構成されている場合には、製造者は、第1及び第2連結部6f1,6f2の解放部分を軸部6c2に押し込むことで、第1及び第2連結部6f1,6f2と連結部6cとを連結することができる。
【0036】
変形例1の構成では、第1及び第2装着部6a,6bのうちの一方が破損等した場合に、第1及び第2装着部6a,6bの両方を廃棄する必要がなく、当該一方の装着部のみを交換すれば足りる。
【0037】
2-2.変形例2
図3C図3Eに示すように、連結部6cが、受け部6g1と、軸部6g2とを備えていてもよい。変形例2において、第1装着部6aが軸部6g2と一体的に形成され、第2装着部6bが受け部6g1と一体的に形成されている。図3D及び図3Eに示すように、受け部6g1は、水平断面形状が略C字状であるため、受け部6g1の一部は、軸部6g2を押し込むことが可能なように開放されている。軸部6g2が受け部6g1に押し込まれることで、軸部6g2が受け部6g1と嵌合する。
【0038】
変形例2の構成においても、変形例1と同様に、第1及び第2装着部6a,6bのうちの一方が破損等した場合に、第1及び第2装着部6a,6bの両方を廃棄する必要がなく、当該一方の装着部のみを交換すれば足りる。
【0039】
2-3.変形例3
図4A及び図4Bに示すように、スクリーンハンガー6は、第1及び第2装着部6a,6bと、基部6hと、連結部6cと、第1及び第2ストッパ部6d1,6d2とを備えている。なお、変形例3において、基部6hは、遮蔽材7の装着部を取り付けないものとして説明しているが、遮蔽材7の装着部が取り付けられてもよい。
【0040】
図4B図4Dに示すように、連結部6cは、受け部6g1と、2つの軸部6g2とを備えている。変形例3の連結部6cの軸部6g2は、変形例2の連結部6cの軸部6g2(図3C参照)と同じである。変形例3において、第1及び第2装着部6a,6bはそれぞれ連結部6cの軸部6g2と一体的に形成され、基部6hは受け部6g1と一体的に形成されている。図4B及び図4Cに示すように、変形例2の受け部6g1と同様に、受け部6g1の一部は、各軸部6g2を押し込むことが可能なように開放されている。変形例3も変形例2と同様に、軸部6g2が受け部6g1に押し込まれることで、各軸部6g2が受け部6g1と嵌合する。各軸部6g2が受け部6g1と嵌合することで、第1及び第2装着部6a,6bは基部6fに対して水平方向に開閉可能である。
【0041】
図4Aに示すように、第1及び第2装着部6a,6bには、それぞれ、第1及び第2ストッパ部6d1,6d2が設けられている。また、第1及び第2装着部6a,6bには、ランナー5との干渉を避けるための切欠部6e1がそれぞれ形成されている。基部6hは、平板状に形成されており、ランナー5の引掛部5d(図2A参照)を引っ掛けるための開口部6eが形成されている。また、基部6hには係合部6a1が形成されている。係合部6a1は、薄肉形成された部分であり、第1及び第2ストッパ部6d1,6d2を引掛可能に構成されている。
【0042】
変形例3の構成においても、変形例1と同様に、第1及び第2装着部6a,6bと基部6hのうちのいずれかが破損等した場合に、第1及び第2装着部6a,6bと基部6hのすべてを廃棄する必要がなく、破損等したいずれかの部材のみを交換すれば足りる。
【符号の説明】
【0043】
1 :ハンガーレール
2 :チルト軸
3 :チルト操作棒
4 :操作コード
5 :ランナー
5A :先頭ランナー
5a :ケース部
5b :軸部
5c :ギア機構部
5d :引掛部
5e :開口部
6 :スクリーンハンガー
6a :第1装着部
6a1 :係合部
6b :第2装着部
6c :連結部
6c1 :抜け防止部
6c2 :軸部
6d :ストッパ部
6d1 :第1ストッパ部
6d2 :第2ストッパ部
6e :開口部
6e1 :切欠部
6f :基部
6f1 :第1連結部
6f2 :第2連結部
6g1 :受け部
6g2 :軸部
6h :基部
7 :遮蔽材
7a :レース部
7b :ドレープ部
7c :被取付部
8 :スペーサー
100 :縦型ブラインド
図1
図2
図3
図4