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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-07
(45)【発行日】2023-09-15
(54)【発明の名称】支柱用基礎部材
(51)【国際特許分類】
   E02D 27/42 20060101AFI20230908BHJP
   E01F 15/04 20060101ALI20230908BHJP
【FI】
E02D27/42 A
E01F15/04 Z
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020005126
(22)【出願日】2020-01-16
(65)【公開番号】P2021113404
(43)【公開日】2021-08-05
【審査請求日】2022-10-03
(73)【特許権者】
【識別番号】000231110
【氏名又は名称】JFE建材株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001461
【氏名又は名称】弁理士法人きさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】石川 昌克
(72)【発明者】
【氏名】野▲崎▼ 裕介
【審査官】荒井 良子
(56)【参考文献】
【文献】特開昭59-085035(JP,A)
【文献】特開2000-064306(JP,A)
【文献】特開昭61-172925(JP,A)
【文献】実開昭51-106756(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02D 27/42
E01F 15/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
地面に打ち込んで地中に埋め込まれ、支柱を支持する支柱用基礎部材であって、
円筒部材で構成され、内部に前記支柱の下端部が挿入される支柱挿入部と、
前記支柱挿入部の外面に接合され、前記支柱挿入部の径方向において対向する一対の土圧抵抗部材と、を備え、
各前記土圧抵抗部材は、
地中に打ち込む方向から見て中空の三角形状となるように鋼板で形成された構成であり、各前記土圧抵抗部材は、一の頂部が前記支柱挿入部の外面に接合され、前記支柱挿入部の外面から外方に向かうにつれて幅広となるような三角形状で構成されている、支柱用基礎部材。
【請求項2】
各前記土圧抵抗部材は、前記支柱挿入部の外面に一端縁が接合された2枚の側面板と、前記側面板の他端縁を繋ぐ連結板と、を有し、前記側面板と前記連結板とで三角形状となるように構成されている、請求項に記載の支柱用基礎部材。
【請求項3】
地面に打ち込んで地中に埋め込まれ、支柱を支持する支柱用基礎部材であって、
円筒部材で構成され、内部に前記支柱の下端部が挿入される支柱挿入部と、
前記支柱挿入部の外面に接合され、前記支柱挿入部の径方向において対向する一対の土圧抵抗部材と、を備え、
各前記土圧抵抗部材は、
鋼板で構成されており、一端縁が前記支柱挿入部の外面に接合された構成であり、地中に打ち込む方向から見て、前記支柱挿入部の外面から外方に向かうにつれて幅狭となるような中空の三角形状であり、
各前記土圧抵抗部材の中空内部には、前記土圧抵抗部材の変形を防止するための補強部材が設けられ、
前記補強部材は、
一端縁が前記支柱挿入部の外面に接合され、他端縁が前記土圧抵抗部材の三角形状を構成する側面板に接合される、支柱用基礎部材。
【請求項4】
各前記土圧抵抗部材は、前記支柱挿入部の外面に一端縁が接合され、他端縁が互いに接合された2枚の前記側面板を有し、前記支柱挿入部の外面と2枚の前記側面板とで三角形状となるように構成されている、請求項に記載の支柱用基礎部材。
【請求項5】
各前記土圧抵抗部材の下端部は、前記支柱挿入部の外面に接合された一端縁から他端縁に向かって上方に傾斜させた傾斜縁とされている、請求項1~のいずれか一項に記載の支柱用基礎部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地面に打ち込んで地中に埋め込まれ、支柱を支持する支柱用基礎部材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、地面に打ち込んで地中に埋め込まれ、例えば防護柵等の支柱を支持する支柱用基礎部材が知られている。例えば特許文献1に開示された鋼製基礎部材は、中空角形鋼管又は断面略コ字形鋼と、道路延長方向に沿った長さ壁状鋼材と、で支柱の下端部を挿入する中空部が形成された構成である。支柱の下端部と中空部とが形成する隙間には、モルタル等の固化材が詰め込まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-94647号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
防護柵等の支柱には、例えば円形の鋼管が使用されることがある。しかし、特許文献1に開示された鋼製基礎部材では、地中に打ち込む方向から見て中空の四角形状であるため、例えば円形状の支柱とは形状が異なる。つまり、この鋼製基礎部材では、支柱の形状との関係において、無駄な部分が多く存在するため、その分だけ打込機で地面に打ち込む作業に労力を要するし、支柱の下端部と中空部とが形成する隙間に詰める固化材の量が増えて、工期が長引き、コストも余分に掛かるおそれがある。
【0005】
本発明は、上記の課題を解決するものであり、支柱の形状に適合する支柱挿入部を有し、工期の短縮及びコスト削減に寄与できる、支柱用基礎部材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る支柱用基礎部材は、地面に打ち込んで地中に埋め込まれ、支柱を支持する支柱用基礎部材であって、円筒部材で構成され、内部に前記支柱の下端部が挿入される支柱挿入部と、前記支柱挿入部の外面に接合され、前記支柱挿入部の径方向において対向する一対の土圧抵抗部材と、を備え、各前記土圧抵抗部材は、地中に打ち込む方向から見て中空の三角形状となるように鋼板で形成された構成であり、各前記土圧抵抗部材は、一の頂部が前記支柱挿入部の外面に接合され、前記支柱挿入部の外面から外方に向かうにつれて幅広となるような三角形状で構成されているものである。
また、本発明に係る支柱用基礎部材は、地面に打ち込んで地中に埋め込まれ、支柱を支持する支柱用基礎部材であって、円筒部材で構成され、内部に前記支柱の下端部が挿入される支柱挿入部と、前記支柱挿入部の外面に接合され、前記支柱挿入部の径方向において対向する一対の土圧抵抗部材と、を備え、各前記土圧抵抗部材は、鋼板で構成されており、一端縁が前記支柱挿入部の外面に接合された構成であり、地中に打ち込む方向から見て、前記支柱挿入部の外面から外方に向かうにつれて幅狭となるような中空の三角形状であり、各前記土圧抵抗部材の中空内部には、前記土圧抵抗部材の変形を防止するための補強部材が設けられ、前記補強部材は、一端縁が前記支柱挿入部の外面に接合され、他端縁が前記土圧抵抗部材の三角形状を構成する側面板に接合されるものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る支柱用基礎部材は、支柱の形状に適合する円筒部材で構成された支柱挿入部を有する構成なので、支柱との関係において、無駄な部分を限りなく省略することができる。そのため、打込機等で地面に打ち込む作業に労力が軽減され、支柱の下端部と中空部とが形成する隙間に詰めるモルタル等の固化材の量も軽減できるので、工期の短縮及びコスト削減に寄与できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態1に係る支柱用基礎部材を用いた防護柵を示した説明図である。
図2】実施の形態1に係る支柱用基礎部材を示した説明図である。
図3】実施の形態1に係る支柱用基礎部材の変形例を示した説明図である。
図4】実施の形態2に係る支柱用基礎部材を示した説明図である。
図5】実施の形態2に係る支柱用基礎部材の変形例を示した説明図である。
図6】実施の形態3に係る支柱用基礎部材を示した説明図である。
図7】実施の形態4に係る支柱用基礎部材を示した説明図である。
図8図7に示した支柱用基礎部材における土圧抵抗部材と支柱挿入部をそれぞれ示した説明図である。
図9】実施の形態4に係る支柱用基礎部材の変形例を示した説明図である。
図10図9に示した支柱用基礎部材における土圧抵抗部材と支柱挿入部をそれぞれ示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には、同一符号を付して、その説明を適宜省略又は簡略化する。また、各図に記載の構成について、その形状、大きさ、及び配置等は、本発明の範囲内で適宜変更することができる。
【0010】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る支柱用基礎部材を用いた防護柵を示した説明図である。本実施の形態1に係る支柱用基礎部材100は、図1に示すように、打込機等で地面300に打ち込んで地中に埋め込まれ、例えば道路脇に設置される防護柵200等の支柱201を支持するためのものである。防護柵200は、例えば生活道路用柵であり、道路方向に沿って2000mm程度の間隔をあけて立設された複数の支柱201と、隣り合う支柱201間に設けられた梁材202と、を有している。支柱201は、例えば700mm程度の高さを有する円形鋼管で構成されている。梁材202は、一例として丸形鋼管であり、取付部材203を介して支柱201に取り付けられている。梁材202は、一例として、支柱201の上下方向に間隔をあけて4つ設けられている。なお、図1に示した防護柵200の構成は、一例であって、これに限定されるものではない。例えば、支柱201は、円形状に限定されず、角形状又はハット形状等でもよい。
【0011】
図2は、実施の形態1に係る支柱用基礎部材を示した説明図である。図2の(A)は、支柱用基礎部材の斜視図、(B)は支柱用基礎部材の平面図、(C)は支柱用基礎部材の正面図、(D)は支柱用基礎部材の側面図である。
【0012】
本実施の形態1に係る支柱用基礎部材100は、図2(A)~(D)に示すように、円筒部材で構成され、内部に支柱201の下端部が挿入される支柱挿入部1と、支柱挿入部1の外面に接合され、円筒の径方向において対向する一対の土圧抵抗部材2及び2と、を備えている。
【0013】
支柱挿入部1は、一例として外径が114mm程度の円形鋼管で構成されている。支柱挿入部1は、地中に埋設された管渠等との干渉を防止するため、管軸方向の長さを例えば400mm~450mm程度とされている。但し、支柱挿入部1の外径及び長さは、支柱201の寸法及び設置場所の状況に応じて適宜変更するものとする。また、支柱挿入部1の内径は、支柱201の外径よりも少し大きい寸法である。支柱挿入部1の内部に挿入した支柱201の下端部との間に、モルタルを詰めて支柱201を固定させるためである。支柱挿入部1の下端面は、開口面としてもよいし、蓋体等で一部又は全部を塞いでもよい。
【0014】
土圧抵抗部材2は、図2(A)及び(B)に示すように、地中に打ち込む方向から見て中空の三角形状となるように鋼板を組み合わせて形成された構成である。本実施の形態1の土圧抵抗部材2は、一の頂部が支柱挿入部1の外面に接合され、支柱挿入部1の外面から外方に向かうにつれて幅広となるような三角形状で構成されている。具体的には、土圧抵抗部材2は、支柱挿入部1の外面に一端縁が接合された同形同大の2枚の側面板20及び20と、側面板20及び20の他端縁を繋ぐ連結板21とを有し、側面板20及び20と連結板21とで略2等辺三角形状となるように構成されている。土圧抵抗部材2は、道路方向に沿った長さが、例えば200mm程度である。但し、土圧抵抗部材2の道路方向に沿った長さは、支柱201の寸法及び設置場所の状況に応じて適宜変更するものとする。
【0015】
側面板20及び20は、支柱挿入部1の外面に一端縁が溶接等で接合されている。2枚の側面板20の一端縁は、支柱挿入部1の周方向に若干の間隔をあけて配置されている。これは、土圧抵抗部材2の中空内部に補強部材が挿入される場合があり、補強部材を支柱挿入部1の外面に接合させるためである。但し、2枚の側面板20の一端縁は、支柱挿入部1の周方向に間隔を設けることなく互いに接触させた状態で、支柱挿入部1の外面に接合させてもよい。なお、側面板20及び20は、支柱挿入部1の外面に接合できればよく、前記の溶接に限定されず、例えばボルト接合等、どのような接合手段を用いてもよい。
【0016】
側面板20及び20は、上端部を支柱挿入部1の上端部の位置に合わせて設けられている。側面板20及び20の下端部は、支柱挿入部1の外面に接合された一端縁を支柱挿入部1の下端部の位置に合わせ、一端縁から他端縁に向かって上方に例えば10度程度に傾斜させた傾斜縁20aとされている。これは、打込機等により支柱用基礎部材100を地面300に打ち込みやすくし、設置作業の作業性を向上させるためである。なお、側面板20の下端部は、図示した傾斜縁20aとせず、水平縁としてもよい。
【0017】
連結板21は、両端縁がそれぞれ側面板20の他端縁に溶接等で接合されている。連結板21は、側面板20及び20の他端縁側と略同じ高さを有している。なお、連結板21は、両端縁を側面板20の他端縁に接合できればよく、上記の溶接に限定されず、例えばボルト接合等、どのような接合手段を用いてもよい。
【0018】
なお、土圧抵抗部材2は、地中に打ち込む方向から見て中空の三角形状となるように、1枚の鋼板を折り曲げて形成した構成でもよい。つまり、当該構成では、上記したように連結板21の両端縁を側面板20の他端縁に溶接等で接合する必要がない。
【0019】
また、図示することは省略したが、支柱挿入部1又は土圧抵抗部材2に、持ち手用の開口部を設けてもよい。作業者は、例えば運搬時及び設置作業時に、持ち手用の開口部を利用して支柱用基礎部材100を持つことができる。
【0020】
また、図示することは省略したが、土圧抵抗部材2に、打ち込み時における垂直度のガイドとしての機能若しくは補強としての機能を有する溝又は連続突起を設けてもよい。溝又は連続突起は、土圧抵抗部材2の側面板20及び連結板21の双方に設けてもよいし、いずれか一方に設けてもよい。溝又は連続突起は、打ち込み時における垂直度のガイドとしての機能又は補強としての機能を有する構成であれば、どのような形状、大きさ及び配置でもよい。
【0021】
上記構成の支柱用基礎部材100は、支柱201を設置する箇所に配置された後、打込機等で地面300に打ち込まれて地中に埋め込まれる。打込機は、支柱用基礎部材100を地面300に打ち込むことができれば、どのようなものでもよく、専用の打ち込み治具を用いる必要はない。土圧抵抗部材2は、中空の三角形状となるように鋼板を組み合わせて、打込機等の打撃に対する強度を高めているので、形状が大きく変形することがなく、地中に埋設した状態において形状を維持することができる。また、土圧抵抗部材2は、土圧を受けた際に、力が分散されてそれぞれの面が受ける衝撃力が小さくなるので、土圧に対する抵抗力を高めることができる。また、支柱用基礎部材100は、打込機等で打ち込むだけの単純な作業で地中に埋め込むことができるし、残土が発生することもないので、設置作業が容易であり、短工期及びコスト削減に寄与することができる。
【0022】
図3は、実施の形態1に係る支柱用基礎部材の変形例を示した説明図である。図3の(A)は、支柱用基礎部材の斜視図、(B)は支柱用基礎部材の平面図、(C)は支柱用基礎部材の正面図、(D)は支柱用基礎部材の側面図である。
【0023】
図3に示す支柱用基礎部材100Aは、図2に示した支柱用基礎部材100の構成をベースとし、土圧抵抗部材2の中空内部に、該土圧抵抗部材2の変形を防止するための補強部材6を設けたことを特徴としている。補強部材6は、1枚の鋼板で構成されている。補強部材6は、一端縁が支柱挿入部1の外面に溶接又はボルト接合等で接合され、他端縁が連結板21に溶接又はボルト接合等で接合されている。補強部材6は、一例として上端縁及び下端縁を、連結板21の上端縁及び下端縁に合わせて配置されている。
【0024】
なお、補強部材6は、図示した鋼板に限定されない。補強部材6は、例えば鋼材又は鋼管等でもよい。また、補強部材6は、1枚の鋼板に限定されず、2枚以上で構成してもよい。更に、補強部材6は、1枚又は複数枚の鋼板を、連結板21と並行させて配置し、両端縁を側面板20に溶接等で接合した構成でもよい。要するに、補強部材6は、土圧抵抗部材2を補強することができれば、材質、大きさ、形状及び配置等はどのような構成でもよい。
【0025】
以上のように、本実施の形態1に係る支柱用基礎部材100は、円筒部材で構成され、内部に支柱201の下端部が挿入される支柱挿入部1と、支柱挿入部1の外面に接合され、円筒の径方向において対向する一対の土圧抵抗部材2及び2と、を備えている。よって、支柱用基礎部材100は、円形状、角形状又はハット形状等の支柱201の形状に適合する円筒部材で構成された支柱挿入部1を有する構成なので、支柱201との関係において、無駄な部分を限りなく省略することができる。特に、円形状の支柱201との関係においては、無駄な部分が存在しない。そのため、支柱用基礎部材100は、打込機等で地面300に打ち込む作業の労力が軽減され、支柱201の下端部と中空部とが形成する隙間に詰めるモルタル等の固化材の量も軽減できるので、工期の短縮及びコスト削減に寄与できる。また、本実施の形態1に係る支柱用基礎部材100は、支柱挿入部1と土圧抵抗部材2とで簡易な構造としたので、軽量化を図ることができ、運搬及び設置作業の負担が軽減される。
【0026】
また、本実施の形態1に係る支柱用基礎部材100は、支柱挿入部1と土圧抵抗部材2とで簡易な構造としているにも関わらず、支柱挿入部1の外面に接合され、円筒の径方向において対向する一対の土圧抵抗部材2及び2で、土圧を十分に受けることができるので、信頼性の高い防護柵等を実現することができる。
【0027】
また、土圧抵抗部材2は、地中に打ち込む方向から見て中空の三角形状となるように鋼板で形成された構成である。土圧抵抗部材2は、一の頂部が支柱挿入部1の外面に接合され、支柱挿入部1の外面から外方に向かうにつれて幅広となるような三角形状で構成されている。つまり、土圧抵抗部材2は、中空の三角形状となるように鋼板で形成されているので、打込機等の打撃に対する強度を高めることができ、形状が大きく変形することがなく、地中に埋設した状態において形状を維持することができる。また、土圧抵抗部材2は、土圧を受けた際に、力が分散されてそれぞれの面が受ける衝撃力が小さくなるので、土圧に対する抵抗力を高めることができる。
【0028】
また、土圧抵抗部材2は、支柱挿入部1の外面に一端縁が接合された2枚の側面板20及び20と、側面板20の他端縁を繋ぐ連結板21と、を有し、側面板20と連結板21とで三角形状となるように構成されている。つまり、土圧抵抗部材2は、2枚の側面板20及び20と、1枚の連結板21とを組み合わせただけの簡易な構成である。よって、本実施の形態1に係る支柱用基礎部材100は、製造が容易となり、部材点数も少なくて済むので、コストの削減に寄与することができる。
【0029】
また、土圧抵抗部材2の中空内部には、土圧抵抗部材2の変形を防止する補強部材6が設けられている。よって、土圧抵抗部材2は、補強部材6によって強度を高めることができるので、打込機等で地面300に打ち込んだ際に、形状が大きく変形することがなく、地中に埋設した状態において形状を維持でき、土圧に対する抵抗力を高めることができる。
【0030】
また、土圧抵抗部材2の下端部は、支柱挿入部1の外面に接合された一端縁から他端縁に向かって上方に傾斜させた傾斜縁20aとされている。よって、本実施の形態1に係る支柱用基礎部材100は、打込機等により地面300に打ち込みやすくなり、設置作業の作業性を向上させることができる。
【0031】
実施の形態2.
次に、本実施の形態2に係る支柱用基礎部材101を、図4及び図5に基づいて説明する。図4は、実施の形態2に係る支柱用基礎部材を示した説明図である。図4の(A)は、支柱用基礎部材の斜視図、(B)は支柱用基礎部材の平面図、(C)は支柱用基礎部材の正面図、(D)は支柱用基礎部材の側面図である。なお、実施の形態1で説明した支柱用基礎部材100と同一の構成については、同一の符号を付して、その説明を適宜省略する。
【0032】
本実施の形態2に係る支柱用基礎部材101も、図4(A)~(D)に示すように、円筒部材で構成され、内部に支柱201の下端部が挿入される支柱挿入部1と、支柱挿入部1の外面に接合され、円筒の径方向において対向する一対の土圧抵抗部材3及び3と、を備えている。
【0033】
支柱挿入部1の構成は、上記実施の形態1で説明した構成と同じである。
【0034】
土圧抵抗部材3は、図4(A)及び(B)に示すように、地中に打ち込む方向から見て中空の三角形状となるように鋼板を組み合わせて形成された構成である。本実施の形態2の土圧抵抗部材3は、支柱挿入部1の外面から外方に向かうにつれて幅狭となるような三角形状で構成されている。具体的には、土圧抵抗部材3は、支柱挿入部1の外面に一端縁が溶接等で接合され、接触させた他端縁を溶接等で接合された同形同大の2枚の側面板30及び30を有している。土圧抵抗部材3は、支柱挿入部1の外面と2枚の側面板30及び30とで三角形状となるように構成されている。なお、2枚の側面板30及び30は、支柱挿入部1の周方向に例えば1/4円周程度の間隔をあけて配置されている。また、土圧抵抗部材3は、道路方向に沿った長さが、例えば200mm程度である。但し、土圧抵抗部材3の道路方向に沿った長さは、支柱201の寸法及び設置場所の状況に応じて適宜変更するものとする。
【0035】
なお、側面板30及び30の一端縁は、支柱挿入部1の外面に接合できればよく、上記の溶接に限定されず、例えばボルト接合等、どのような接合手段を用いてもよい。また、側面板30及び30の接触させた他端縁も接合できればよく、上記の溶接に限定されず、例えばボルト接合等、どのような接合手段を用いてもよい。
【0036】
側面板30及び30は、上端部を支柱挿入部1の上端部の位置に合わせて設けられている。側面板30及び30の下端部は、支柱挿入部1の外面に接合された一端縁を支柱挿入部1の下端部の位置に合わせ、一端縁から他端縁に向かって上方に例えば10度程度に傾斜させた傾斜縁30aとされている。これは、打込機等により支柱用基礎部材101を地面300に打ち込みやすくし、設置作業の作業性を向上させるためである。なお、側面板30の下端部は、図示した傾斜縁30aとせず、水平縁としてもよい。
【0037】
なお、土圧抵抗部材3は、地中に打ち込む方向から見て中空の三角形状となるように、1枚の鋼板を折り曲げて形成した構成でもよい。つまり、当該構成では、上記したように側面板30及び30の接触させた他端縁を溶接等で接合する必要がない。
【0038】
また、図示することは省略したが、支柱挿入部1又は土圧抵抗部材3に、持ち手用の開口部を設けてもよい。作業者は、例えば運搬時及び設置作業時に、持ち手用の開口部を利用して支柱用基礎部材101を持つことができる。
【0039】
また、図示することは省略したが、土圧抵抗部材3の側面板30に、打ち込み時における垂直度のガイドとしての機能若しくは補強としての機能を有する溝又は連続突起を設けてもよい。溝又は連続突起は、打ち込み時における垂直度のガイドとしての機能又は補強としての機能を有する構成であれば、どのような形状、大きさ及び配置でもよい。
【0040】
上記構成の支柱用基礎部材101は、支柱201を設置する箇所に配置された後、打込機等で地面300に打ち込まれて地中に埋め込まれる。打込機は、支柱用基礎部材101を地面300に打ち込むことができれば、どのようなものでもよく、専用の打ち込み治具を用いる必要はない。土圧抵抗部材3は、中空の三角形状となるように鋼板を組み合わせて、打込機等の打撃に対する強度を高めているので、形状が大きく変形することがなく、地中に埋設した状態において形状を維持することができる。また、土圧抵抗部材3は、土圧を受けた際に、力が分散されてそれぞれの面が受ける衝撃力が小さくなるので、土圧に対する抵抗力を高めることができる。また、支柱用基礎部材101は、打込機等で打ち込むだけの単純な作業で地中に埋め込むことができるし、残土が発生することもないので、設置作業が容易であり、短工期及びコスト削減に寄与することができる。
【0041】
図5は、実施の形態2に係る支柱用基礎部材の変形例を示した説明図である。図5の(A)は、支柱用基礎部材の斜視図、(B)は支柱用基礎部材の平面図、(C)は支柱用基礎部材の正面図、(D)は支柱用基礎部材の側面図である。
【0042】
図5に示す支柱用基礎部材101Aは、図4に示した支柱用基礎部材101の構成をベースとし、土圧抵抗部材3の中空内部に、該土圧抵抗部材3の変形を防止するための補強部材6を設けたことを特徴としている。補強部材6は、1枚の鋼板で構成されている。補強部材6は、一端縁が支柱挿入部1の外面に溶接又はボルト接合等で接合されている。また、補強部材6は、他端縁が側面板30及び30との間に挟まれて、該側面板30及び30に溶接又はボルト接合等で接合されている。補強部材6は、一例として上端縁及び下端縁を、側面板30の他端縁側の上端部及び下端部に合わせて配置されている。
【0043】
なお、補強部材6は、図示した鋼板に限定されない。補強部材6は、例えば鋼材又は鋼管等でもよい。また、補強部材6は、1枚の鋼板に限定されず、2枚以上で構成してもよい。更に、補強部材6は、1枚又は複数枚の鋼板を、側面板30と交差する方向に配置し、両端縁を側面板30に溶接等で接合した構成でもよい。要するに、補強部材6は、土圧抵抗部材3を補強することができれば、材質、大きさ、形状及び配置等は、どのような構成でもよい。
【0044】
以上のように、本実施の形態2に係る支柱用基礎部材101は、円筒部材で構成され、内部に支柱201の下端部が挿入される支柱挿入部1と、支柱挿入部1の外面に接合され、円筒の径方向において対向する一対の土圧抵抗部材3及び3と、を備えている。よって、支柱用基礎部材101は、円形状、角形状又はハット形状等の支柱201の形状に適合する円筒部材で構成された支柱挿入部1を有する構成なので、支柱201との関係において、無駄な部分を限りなく省略することができる。特に、円形状の支柱201との関係においては、無駄な部分が存在しない。そのため、支柱用基礎部材101は、打込機等で地面300に打ち込む作業の労力が軽減され、支柱201の下端部と中空部とが形成する隙間に詰めるモルタル等の固化材の量も軽減できるので、工期の短縮及びコスト削減に寄与できる。また、本実施の形態2に係る支柱用基礎部材101は、支柱挿入部1と土圧抵抗部材3とで簡易な構造としたので、軽量化を図ることができ、運搬及び設置作業の負担が軽減される。
【0045】
また、本実施の形態2に係る支柱用基礎部材101は、支柱挿入部1と土圧抵抗部材3とで簡易な構造としているにも関わらず、支柱挿入部1の外面に接合され、円筒の径方向において対向する一対の土圧抵抗部材3及び3で、土圧を十分に受けることができるので、信頼性の高い防護柵等を実現することができる。
【0046】
また、土圧抵抗部材3は、地中に打ち込む方向から見て中空の三角形状となるように鋼板で形成された構成である。土圧抵抗部材3は、支柱挿入部1の外面から外方に向かうにつれて幅狭となるような三角形状で構成されている。つまり、土圧抵抗部材3は、中空の三角形状となるように鋼板で形成されているので、打込機等の打撃に対する強度を高めることができ、形状が大きく変形することがなく、地中に埋設した状態において形状を維持することができる。また、土圧抵抗部材3は、土圧を受けた際に、力が分散されてそれぞれの面が受ける衝撃力が小さくなるので、土圧に対する抵抗力を高めることができる。
【0047】
また、土圧抵抗部材3は、支柱挿入部1の外面に一端縁が接合され、他端縁が互いに接合された2枚の側面板30及び30を有し、支柱挿入部1の外面と2枚の側面板30及び30とで三角形状となるように構成されている。つまり、土圧抵抗部材3は、2枚の側面板30及び30を組み合わせただけの簡易である。よって、本実施の形態2に係る支柱用基礎部材101は、製造が容易となり、部材点数も少なくて済むので、コストの削減に寄与することができる。
【0048】
また、土圧抵抗部材3の中空内部には、土圧抵抗部材3の変形を防止するための補強部材6が設けられている。よって、土圧抵抗部材3は、補強部材6によって強度を高めることができるので、打込機等で地面300に打ち込んだ際に、形状が大きく変形することがなく、地中に埋設した状態において形状を維持でき、土圧に対する抵抗力を高めることができる。
【0049】
また、土圧抵抗部材3の下端部は、支柱挿入部1の外面に接合された一端縁から他端縁に向かって上方に傾斜させた傾斜縁30aとされている。よって、本実施の形態2に係る支柱用基礎部材101は、打込機等により地面300に打ち込みやすくなり、設置作業の作業性を向上させることができる。
【0050】
実施の形態3.
次に、本実施の形態3に係る支柱用基礎部材102を、図6に基づいて説明する。図6は、実施の形態3に係る支柱用基礎部材を示した説明図である。図6の(A)は、支柱用基礎部材の斜視図、(B)は支柱用基礎部材の平面図、(C)は支柱用基礎部材の正面図、(D)は支柱用基礎部材の側面図である。なお、実施の形態1で説明した支柱用基礎部材100と同一の構成については、同一の符号を付して、その説明を適宜省略する。
【0051】
実施の形態3に係る支柱用基礎部材102は、図6(A)~(D)に示すように、円筒部材で構成され、内部に支柱201の下端部が挿入される支柱挿入部1と、支柱挿入部1の外面に接合され、円筒の径方向において対向する一対の土圧抵抗部材4及び4と、を備えている。
【0052】
支柱挿入部1の構成は、上記実施の形態1で説明した構成と同じである。
【0053】
土圧抵抗部材4は、図6(A)~(D)に示すように、1枚の鋼板で構成されている。土圧抵抗部材4は、支柱挿入部1の外面に一端縁が溶接等で接合されている。なお、土圧抵抗部材4は、支柱挿入部1の外面に接合できればよく、前記の溶接に限定されず、例えばボルト接合等、どのような接合手段を用いてもよい。
【0054】
土圧抵抗部材4は、上端部を支柱挿入部1の上端部の位置に合わせて設けられている。土圧抵抗部材4の下端部は、支柱挿入部1の外面に接合された一端縁を支柱挿入部1の下端部の位置に合わせ、一端縁から他端縁に向かって上方に例えば10度程度に傾斜させた傾斜縁4aとされている。なお、土圧抵抗部材4の下端部は、図示した傾斜縁4aとせず、水平縁としてもよい。また、土圧抵抗部材4は、道路方向に沿った長さが、例えば200mm程度である。但し、土圧抵抗部材4の長さは、支柱201の寸法及び設置場所の状況に応じて適宜変更するものとする。
【0055】
また、図示することは省略したが、支柱挿入部1又は土圧抵抗部材4に、持ち手用の開口部を設けてもよい。作業者は、例えば運搬時及び設置作業時に、持ち手用の開口部を利用して支柱用基礎部材102を持つことができる。
【0056】
また、図示することは省略したが、土圧抵抗部材4に、打ち込み時における垂直度のガイドとしての機能若しくは補強としての機能を有する溝又は連続突起を設けてもよい。溝又は連続突起は、打ち込み時における垂直度のガイドとしての機能又は補強としての機能を有する構成であれば、どのような形状、大きさ及び配置でもよい。
【0057】
以上のように、本実施の形態3に係る支柱用基礎部材102は、円筒部材で構成され、内部に支柱201の下端部が挿入される支柱挿入部1と、支柱挿入部1の外面に接合され、円筒の径方向において対向する一対の土圧抵抗部材4及び4と、を備えている。よって、支柱用基礎部材102は、円形状、角形状又はハット形状等の支柱201の形状に適合する円筒部材で構成された支柱挿入部1を有する構成なので、支柱201との関係において、無駄な部分を限りなく省略することができる。特に、円形状の支柱201との関係においては、無駄な部分が存在しない。そのため、支柱用基礎部材102は、打込機等で地面300に打ち込む作業の労力が軽減され、支柱201の下端部と中空部とが形成する隙間に詰めるモルタル等の固化材の量も軽減できるので、工期の短縮及びコスト削減に寄与できる。また、本実施の形態3に係る支柱用基礎部材102は、支柱挿入部1と土圧抵抗部材4とで簡易な構造としたので、軽量化を図ることができ、運搬及び設置作業の負担が軽減される。
【0058】
また、本実施の形態3に係る支柱用基礎部材102は、支柱挿入部1と土圧抵抗部材4とで簡易な構造としているにも関わらず、支柱挿入部1の外面に接合され、円筒の径方向において対向する一対の土圧抵抗部材4及び4で、土圧を十分に受けることができるので、信頼性の高い防護柵等を実現することができる。
【0059】
また、実施の形態3に係る支柱用基礎部材102は、各土圧抵抗部材4が鋼板で構成されており、一端縁が支柱挿入部1の外面に接合された構成なので、打込機等で地中に埋め込みやすく、施工性がよい。なお、打込機は、支柱用基礎部材102を地面300に打ち込むことができれば、どのようなものでもよく、専用の打ち込み治具を用いる必要はない。
【0060】
実施の形態4.
次に、本実施の形態4に係る支柱用基礎部材103を、図7図10に基づいて説明する。図7は、実施の形態4に係る支柱用基礎部材を示した説明図である。図7の(A)は、支柱用基礎部材の斜視図、(B)は支柱用基礎部材の平面図、(C)は支柱用基礎部材の正面図、(D)は支柱用基礎部材の側面図である。図8は、図7に示した支柱用基礎部材における土圧抵抗部材と支柱挿入部をそれぞれ示した説明図である。図8の(A)は、土圧抵抗部材の正面図、(B)は支柱挿入部の側面図である。なお、実施の形態1及び実施の形態3で説明した支柱用基礎部材100と同一の構成については、同一の符号を付して、その説明を適宜省略する。
【0061】
実施の形態4に係る支柱用基礎部材103は、図7(A)~(D)に示すように、円筒部材で構成され、内部に支柱201の下端部が挿入される支柱挿入部1と、支柱挿入部1の外面に接合され、円筒の径方向において対向する一対の土圧抵抗部材5及び5と、を備えている。
【0062】
支柱挿入部1は、図8(B)に示すように、実施の形態1で説明した支柱挿入部1の構成に加えて、径方向において対向する一対のスリット状の切り欠き10が、上端部から下端部の近傍まで形成されている。切り欠き10は、鋼板からなる土圧抵抗部材5を上端から差し込むために設けられている。切り欠き10の幅は、土圧抵抗部材5の板厚と略同じである。
【0063】
一対の土圧抵抗部材5及び5は、図8(A)に示すように、1枚の共通する鋼板で構成されている。対向する一対の土圧抵抗部材間は、土圧抵抗部材5及び5を繋ぎ、切り欠き10に差し込まれる挿入部50とされている。挿入部50の長さは、支柱挿入部1の長さの1/3程度である。図7(A)~(D)に示すように、一対の土圧抵抗部材5及び5は、挿入部50が切り欠き10の上端から下端に突き当たるまで差し込まれた後、切り欠き10の箇所において支柱挿入部1と溶接等で接合される。なお、対向する一対の土圧抵抗部材5及び5と、挿入部50とは、1枚の共通する鋼板で共通に形成してもよいし、別部材として形成した後、接合してもよい。また、土圧抵抗部材5は、支柱挿入部1の外面に接合できればよく、前記の溶接に限定されず、例えばボルト接合等、どのような接合手段を用いてもよい。
【0064】
土圧抵抗部材5は、上端部を支柱挿入部1の上端部の位置に合わせて設けられている。土圧抵抗部材5の下端部は、一端縁から他端縁に向かって上方に例えば10度程度に傾斜させた傾斜縁5aとされている。なお、土圧抵抗部材5の下端部は、図示した傾斜縁5aとせず、水平縁としてもよい。
【0065】
なお、図示することは省略したが、支柱挿入部1又は土圧抵抗部材5に、持ち手用の開口部を設けてもよい。作業者は、例えば運搬時及び設置作業時に、持ち手用の開口部を利用して支柱用基礎部材103を持つことができる。
【0066】
また、図示することは省略したが、土圧抵抗部材5に、打ち込み時における垂直度のガイドとしての機能若しくは補強としての機能を有する溝又は連続突起を設けてもよい。溝又は連続突起は、打ち込み時における垂直度のガイドとしての機能又は補強としての機能を有する構成であれば、どのような形状、大きさ及び配置でもよい。
【0067】
図9は、実施の形態4に係る支柱用基礎部材の変形例を示した説明図である。図9の(A)は、支柱用基礎部材の斜視図、(B)は支柱用基礎部材の平面図、(C)は支柱用基礎部材の正面図、(D)は支柱用基礎部材の側面図である。図10は、図9に示した支柱用基礎部材における土圧抵抗部材と支柱挿入部をそれぞれ示した説明図である。図10の(A)は、土圧抵抗部材の正面図、(B)は支柱挿入部の側面図である。
【0068】
実施の形態4における支柱挿入部1は、図9及び図10に示すように、径方向において対向する一対のスリット状の切り欠き11を、下端部から中間部まで形成した構成としてもよい。切り欠き11は、鋼板からなる土圧抵抗部材5を下端から差し込むために設けられている。切り欠き11の幅は、土圧抵抗部材5の板厚と略同じである。一対の土圧抵抗部材5及び5は、挿入部50が切り欠き11の下端部から中間部に突き当たるまで差し込まれた後、切り欠き11の箇所において支柱挿入部1と溶接等で接合される。
【0069】
以上のように、本実施の形態4に係る支柱用基礎部材103は、円筒部材で構成され、内部に支柱201の下端部が挿入される支柱挿入部1と、支柱挿入部1の外面に接合され、円筒の径方向において対向する一対の土圧抵抗部材5及び5と、を備えている。よって、支柱用基礎部材103は、円形状、角形状又はハット形状等の支柱201の形状に適合する円筒部材で構成された支柱挿入部1を有する構成なので、円形状の支柱201との関係において、無駄な部分を限りなく省略することができる。特に、円形状の支柱201との関係においては、無駄な部分が存在しない。そのため、支柱用基礎部材103は、打込機等で地面300に打ち込む作業の労力が軽減され、支柱201の下端部と中空部とが形成する隙間に詰めるモルタル等の固化材の量も軽減できるので、工期の短縮及びコスト削減に寄与できる。また、本実施の形態4に係る支柱用基礎部材103は、支柱挿入部1と土圧抵抗部材5とで簡易な構造としたので、軽量化を図ることができ、運搬及び設置作業の負担が軽減される。
【0070】
また、本実施の形態4に係る支柱用基礎部材103は、支柱挿入部1と土圧抵抗部材5とで簡易な構造としているにも関わらず、支柱挿入部1の外面に接合され、円筒の径方向において対向する一対の土圧抵抗部材5及び5で、土圧を十分に受けることができるので、信頼性の高い防護柵等を実現することができる。
【0071】
また、支柱挿入部1の上端部又は下端部には、スリット状の切り欠き10又は11が形成されている。一対の土圧抵抗部材5は、共通の鋼板で形成されている。対向する土圧抵抗部材間は、切り欠き10又は11に差し込まれる挿入部50とされている。よって、支柱用基礎部材103は、土圧抵抗部材5の挿入部50が支柱挿入部1の筒内部でしっかりと固定されているので、土圧に対する抵抗力を高めることができる。また、支柱用基礎部材103は、各土圧抵抗部材5が鋼板で構成されているので、打込機等で地中に埋め込みやすく、施工性がよい。なお、打込機は、支柱用基礎部材103を地面300に打ち込むことができれば、どのようなものでもよく、専用の打ち込み治具を用いる必要はない。
【0072】
以上に、支柱用基礎部材(100~103)を実施の形態に基づいて説明したが、支柱用基礎部材(100~103)は、上述した実施の形態の構成に限定されるものではない。例えば、支柱用基礎部材(100~103)は、防護柵200の支柱201を支持する構成に限定されず、円形の支柱のみで構成された構造物、或いは円形の支柱を有する他の構造物でも同様に実施できる。要するに、支柱用基礎部材(100~103)は、その技術的思想を逸脱しない範囲において、当業者が通常に行う設計変更及び応用のバリエーションの範囲を含むものである。
【符号の説明】
【0073】
1 支柱挿入部、2 土圧抵抗部材、3 土圧抵抗部材、4 土圧抵抗部材、4a 傾斜縁、5 土圧抵抗部材、5a 傾斜縁、6 補強部材、10、11 切り欠き、20 側面板、20a 傾斜縁、21 連結板、30 側面板、30a 傾斜縁、50 挿入部、100、100A、101、101A、102、103 支柱用基礎部材、200 防護柵、201 支柱、202 梁材、203 取付部材、300 地面。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10