(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-07
(45)【発行日】2023-09-15
(54)【発明の名称】補充補助ロボット、及び、補充補助システム
(51)【国際特許分類】
B65G 1/137 20060101AFI20230908BHJP
B65G 1/00 20060101ALI20230908BHJP
【FI】
B65G1/137 G
B65G1/00 501C
(21)【出願番号】P 2020143906
(22)【出願日】2020-08-27
【審査請求日】2022-07-07
(73)【特許権者】
【識別番号】390029148
【氏名又は名称】大王製紙株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】井川 太郎
(72)【発明者】
【氏名】嶋田 卓朗
(72)【発明者】
【氏名】大西 誠人
【審査官】森林 宏和
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-128319(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0186003(US,A1)
【文献】特開2016-004289(JP,A)
【文献】特開2007-015775(JP,A)
【文献】特開2015-110481(JP,A)
【文献】特開2019-112231(JP,A)
【文献】特開平11-236107(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2015-0121276(KR,A)
【文献】特開2003-292125(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 1/00 - 1/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を収容する収容部と、
棚にある物品に付されたRFIDタグを読み取り可能であるとともに、作業者によって前記物品が前記収容部に収容される際に前記RFIDタグを読み取り可能なアンテナを有するRFIDリーダと、
前記棚にある前記物品の補充の指示を受信する端末機と、
前記収容部及び前記RFIDリーダが搭載され、前記補充の指示に含まれる前記物品の位置に関する情報に基づき、前記物品の在庫が配置される位置に移動する移動体と
を含
み、
前記RFIDリーダは、前記アンテナとして、
前記移動体の前方又は側方に設けられ、前記棚にある物品に付されたRFIDタグを読み取り可能な第1アンテナと、
前記収容部に収容される際に前記RFIDタグを読み取り可能な位置に設けられる第2アンテナと
を有し、
前記収容部の入口は前記収容部の上側にあり、
前記第2アンテナは、前記入口の上側に設けられ、
前記収容部を複数含むとともに、前記第2アンテナは前記複数の収容部の各々に設けられており、
前記複数の収容部の間に、複数の前記第2アンテナが読み取り可能な領域が重複しないように分ける遮蔽部材をさらに含む、補充補助ロボット。
【請求項2】
前記端末機は、前記収容部に前記物品が収容される際に前記RFIDリーダによって前記RFIDタグが読み取られたことを認識すると、当該認識したことを表す応答音を出力する、又は、応答表示を表示する、請求項1に記載の補充補助ロボット。
【請求項3】
前記収容部に前記物品が収容される際に前記RFIDリーダによって前記RFIDタグが読み取られたことが前記端末機によって認識されると、前記作業者の認証を行う認証部をさらに含む、請求項2に記載の補充補助ロボット。
【請求項4】
前記移動体は、前記収容部に前記物品が収容される際に前記RFIDリーダによって前記RFIDタグが読み取られてから、前記端末機に対して作業の完了を表す操作が前記作業者によって行われるまで、移動せずに待機する、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の補充補助ロボット。
【請求項5】
前記収容部に前記物品が収容される際に前記RFIDリーダによって前記RFIDタグが読み取られてから、前記端末機に対して作業の完了を表す操作が前記作業者によって行われると、前記移動体は、移動指示に含まれる位置に関する情報に基づき、当該位置に移動する、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の補充補助ロボット。
【請求項6】
前記移動指示は、前記収容部に前記物品を収容する作業が行われる第1位置から、前記収容部に収容された前記物品を取り出す作業が行われる第2位置への移動の指示であり、
前記移動体は、前記移動の指示に含まれる位置に関する情報に基づき、前記第2位置に移動する、請求項5に記載の補充補助ロボット。
【請求項7】
前記第2位置は、前記棚がある位置であり、前記棚は陳列棚である、請求項6に記載の補充補助ロボット。
【請求項8】
前記第2アンテナは、前記収容部の入口に設けられる、請求項
1乃至7のいずれか1項に記載の補充補助ロボット。
【請求項9】
アラームを発報するアラーム発報部をさらに含み、
前記端末機は、前記移動体が前記物品の在庫が配置される位置に移動すると、前記アラーム発報部に前記アラームを発報させる、請求項1乃至
8のいずれか1項に記載の補充補助ロボット。
【請求項10】
サーバと、請求項1乃至
9のいずれか1項に記載の補充補助ロボットと、を含む補充補助システムであって、
前記補充の指示を送信する補充指示管理部と、
前記RFIDリーダが読み取った物品に付されているRFIDタグに書き込まれているID情報を受信するID情報受信部と、
前記ID情報に基づいて、前記収容部に入れられている物品の個数をカウントするカウント部と、
前記カウントされた物品の個数に基づいて、前記補充の状況を送信する補充状況管理部と
を含む補充補助システム。
【請求項11】
前記カウント部は、前記補充の指示に基づいて算出される前記棚において不足している個数に対する、前記収容部に入れられている個数の過不足を判断し、
前記補充状況管理部は、前記物品が不足していることと、前記補充が完了していることと、前記物品が過剰であることとのうちのいずれかを前記端末機に表示させる、請求項
10に記載の補充補助システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、補充補助ロボット、及び、補充補助システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、物流センタ等に保管されている物品を注文に応じて出荷する際に、人が物流センタ等内の物品の中から出荷する物品を選んで取り出す補充作業が知られている。例えば、特許文献1には、作業者が、補充台車に備えられた表示器に表示される補充オーダーを見て補充することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の補充台車は自走式ではないため、作業を行いたい場所に作業者が移動させる必要がある。このため、このような補充台車を物品の棚卸しのような物品の補充作業に用いた場合にも作業を行いたい場所に作業者が移動させる必要があり、作業者が補充作業を効率的に行うことができない。
【0005】
そこで、本発明の一実施形態では、作業者が物品の補充作業を効率的に行えるように補助可能な補充補助ロボット、及び、補充補助システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施形態の一態様に係る補充補助ロボットは、物品を収容する収容部と、棚にある物品に付されたRFIDタグを読み取り可能であるとともに、作業者によって前記物品が前記収容部に収容される際に前記RFIDタグを読み取り可能なアンテナを有するRFIDリーダと、前記棚にある前記物品の補充の指示を受信する端末機と、前記収容部及び前記RFIDリーダが搭載され、前記補充の指示に含まれる前記物品の位置に関する情報に基づき、前記物品の在庫が配置される位置に移動する移動体とを含み、前記RFIDリーダは、前記アンテナとして、前記移動体の前方又は側方に設けられ、前記棚にある物品に付されたRFIDタグを読み取り可能な第1アンテナと、前記収容部に収容される際に前記RFIDタグを読み取り可能な位置に設けられる第2アンテナとを有し、前記収容部の入口は前記収容部の上側にあり、前記第2アンテナは、前記入口の上側に設けられ、前記収容部を複数含むとともに、前記第2アンテナは前記複数の収容部の各々に設けられており、前記複数の収容部の間に、複数の前記第2アンテナが読み取り可能な領域が重複しないように分ける遮蔽部材をさらに含む。
【0007】
この態様によれば、補充の指示に含まれる物品の在庫が配置される位置に移動するため、作業者は在庫を収容部に収容する作業(棚卸しの作業)に集中できる。したがって、作業者が物品の補充を効率的に行えるように補助可能な補充補助ロボットを提供することができる。また、棚にある物品に付されたRFIDタグの読み取りと、収容部に収容される際にRFIDタグの読み取りとを別々のアンテナで行うことができるため、読み取りの精度が向上し、作業効率の向上を図ることができる。また、収容部の入口の上側の第2アンテナで物品に付されたRFIDタグをより確実に読み取ることができるため、RFIDタグを読み取ることができない確率をより低減し、読み取りの精度のさらなる向上によって作業効率のさらなる向上を図ることができる。また、複数の収容部の間において、重複した読み取りを抑制することができ、より多くの物品を収容可能な複数の収容部を利用して、作業効率の大幅な向上を図ることができる。
【0008】
本発明の実施形態の他の観点に係る補充補助ロボットでは、前記端末機は、前記収容部に前記物品が収容される際に前記RFIDリーダによって前記RFIDタグが読み取られたことを認識すると、当該認識したことを表す応答音を出力してもよい、又は、応答表示を表示してもよい。
【0009】
この態様によれば、作業者は、応答音又は応答表示によって、RFIDタグがRFIDリーダによって読み取られたことを確認することができ、次の作業に取りかかることができるため、作業効率が向上する。
【0010】
本発明の実施形態の他の観点に係る補充補助ロボットでは、前記収容部に前記物品が収容される際に前記RFIDリーダによって前記RFIDタグが読み取られたことが前記端末機によって認識されると、前記作業者の認証を行う認証部をさらに含んでもよい。
【0011】
この態様によれば、収容部に物品を収容した作業者を特定できるので、作業者の作業量や作業効率を把握することができる。
【0012】
本発明の実施形態の他の観点に係る補充補助ロボットでは、前記移動体は、前記収容部に前記物品が収容される際に前記RFIDリーダによって前記RFIDタグが読み取られてから、前記端末機に対して作業の完了を表す操作が前記作業者によって行われるまで、移動せずに待機してもよい。
【0013】
この態様によれば、作業者が完了の操作を行うまでは補充補助ロボットは移動せず、完了の操作を行ったときに移動させることができるので、作業者の意図に沿った移動を行うことにより、作業効率の向上を図ることができる。
【0014】
本発明の実施形態の他の観点に係る補充補助ロボットでは、前記収容部に前記物品が収容される際に前記RFIDリーダによって前記RFIDタグが読み取られてから、前記端末機に対して作業の完了を表す操作が前記作業者によって行われると、前記移動体は、移動指示に含まれる位置に関する情報に基づき、当該位置に移動してもよい。
【0015】
この態様によれば、作業者が完了の操作を行ったときに補充補助ロボットを移動させることができるので、作業者の意図に沿った移動を行うことにより、作業効率の向上を図ることができる。
【0016】
本発明の実施形態の他の観点に係る補充補助ロボットでは、前記移動指示は、前記収容部に前記物品を収容する作業が行われる第1位置から、前記収容部に収容された前記物品を取り出す作業が行われる第2位置への移動の指示であり、前記移動体は、前記移動の指示に含まれる位置に関する情報に基づき、前記第2位置に移動してもよい。
【0017】
この態様によれば、作業者が完了の操作を行ったときに、物品を取り出す作業が行われる第2位置に補充補助ロボットを移動させることができるので、作業者の意図に沿った移動を行うことにより、作業効率の向上を図ることができる。
【0018】
本発明の実施形態の他の観点に係る補充補助ロボットでは、前記第2位置は、前記棚がある位置であり、前記棚は陳列棚であってもよい。
【0019】
この態様によれば、作業者が完了の操作を行ったときに、棚がある第2位置に補充補助ロボットを移動させることができるので、第2位置において作業者が物品を取り出して棚に配置すれば、棚に物品を補充する作業を効率的に行うことができる。
【0020】
本発明の実施形態の他の観点に係る補充補助ロボットでは、前記RFIDリーダは、前記アンテナとして、前記移動体の前方又は側方に設けられ、棚にある物品に付されたRFIDタグを読み取り可能な第1アンテナと、前記収容部に収容される際に前記RFIDタグを読み取り可能な位置に設けられる第2アンテナとを有してもよい。
【0021】
この態様によれば、棚にある物品に付されたRFIDタグの読み取りと、収容部に収容される際にRFIDタグの読み取りとを別々のアンテナで行うことができるため、読み取りの精度が向上し、作業効率の向上を図ることができる。
【0022】
本発明の実施形態の他の観点に係る補充補助ロボットでは、前記第2アンテナは、前記収容部の入口に設けられてもよい。
【0023】
この態様によれば、収容部の入口で物品に付されたRFIDタグを確実に読み取ることができるため、RFIDタグを読み取ることができない確率を低減し、読み取りの精度の向上によって作業効率の向上を図ることができる。
【0024】
本発明の実施形態の他の観点に係る補充補助ロボットでは、前記収容部の入口は前記収容部の上側にあり、前記第2アンテナは、前記入口の上側に設けられてもよい。
【0025】
この態様によれば、収容部の入口の上側の第2アンテナで物品に付されたRFIDタグをより確実に読み取ることができるため、RFIDタグを読み取ることができない確率をより低減し、読み取りの精度のさらなる向上によって作業効率のさらなる向上を図ることができる。
【0026】
本発明の実施形態の他の観点に係る補充補助ロボットでは、前記収容部を複数含むとともに、前記第2アンテナは前記複数の収容部の各々に設けられており、前記複数の収容部の間に、複数の前記第2アンテナが読み取り可能な領域が重複しないように分ける遮蔽部材をさらに含んでもよい。
【0027】
この態様によれば、複数の収容部の間において、重複した読み取りを抑制することができ、より多くの物品を収容可能な複数の収容部を利用して、作業効率の大幅な向上を図ることができる。
【0028】
本発明の実施形態の他の観点に係る補充補助ロボットでは、アラームを発報するアラーム発報部をさらに含み、前記端末機は、前記移動体が前記物品の在庫が配置される位置に移動すると、前記アラーム発報部に前記アラームを発報させてもよい。
【0029】
この態様によれば、物品の在庫が配置される位置に移動したときにアラームを発報するので、補充補助ロボットが物品の在庫が配置される位置に移動したことを作業者に報知でき、作業者は棚卸しの作業が必要であることを認識できる。このため、効率的に棚卸の作業を行うことができる。
【0030】
本発明の実施形態の一態様に係る補充補助システムは、サーバと、前記いずれかに記載の補充補助ロボットと、を含む補充補助システムであって、前記補充の指示を送信する補充指示管理部と、前記RFIDリーダが読み取った物品に付されているRFIDタグに書き込まれているID情報を受信するID情報受信部と、前記ID情報に基づいて、前記収容部に入れられている物品の個数をカウントするカウント部と、前記カウントされた物品の個数に基づいて、前記補充の状況を送信する補充状況管理部とを含む。
【0031】
この態様によれば、補充の指示に含まれる物品が配置される棚に移動するため、作業者は物品を補充する作業に集中できる。したがって、作業者が物品の補充作業を効率的に行えるように補助可能な補充補助ロボットを含む補充補助システムを提供することができる。
【0032】
本発明の実施形態の他の観点に係る補充補助システムでは、前記カウント部は、前記補充の指示に基づいて算出される前記棚において不足している個数に対する、前記収容部に入れられている個数の過不足を判断し、前記補充状況管理部は、前記物品が不足していることと、前記補充が完了していることと、前記物品が過剰であることとのうちのいずれかを前記端末機に表示させてもよい。
【0033】
この態様によれば、作業者が、物品が不足していることと、補充が完了していることと、物品が過剰であることとを、容易に識別できる。
【発明の効果】
【0034】
本発明の一実施形態によれば、作業者が物品の補充作業を効率的に行えるように補助可能な補充補助ロボット、及び、補充補助システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【
図1】実施形態の補充補助ロボット100を示す側面図である。
【
図2】実施形態の補充補助ロボット100を概略的に示す平面図である。
【
図3】実施形態の補充補助システム1の全体の構成図である。
【
図4】実施形態の補充補助システム1の全体の処理を示すシーケンス図である。
【
図7】タブレットコンピュータ150の表示画面の一例である。
【
図9】補充補助ロボット100の作業効率を説明する図である。
【
図10】補充補助ロボット100の作業効率を説明する図である。
【
図11】管理サーバ10における補充処理のフローチャートである。
【
図12】補充数カウント処理(
図11のS14)のフローチャートである。
【
図13】実施形態のマップ作成処理(
図11のS11)のフローチャートである。
【
図14】タブレットコンピュータ150の制御部151が実行する処理を示すフローチャートである。
【
図15】実施形態の管理サーバ10、タブレットコンピュータ150のハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、本発明の補充補助ロボット、及び、補充補助システムを適用した実施形態について説明する。
【0037】
図1は、実施形態の補充補助ロボット100を示す側面図である。補充補助ロボット100は、搬送車110、フレーム120、ボックス130A、130B、RFID(Radio Frequency Identifier)リーダ140、タブレットコンピュータ150、顔認証部160、遮蔽部170、及びアラーム発報部180を含む。
【0038】
補充補助ロボット100は、一例として、店舗、物流センタ、倉庫等の建物内で用いられ、自走式の搬送車110で自動的に走行しながら、作業者が物品の補充を行う作業を補助するロボット(装置)である。物品の補充を行う作業は、例えば、店舗のバックヤードに保管されている在庫の物品を売り場の棚に補充する作業である。補充補助ロボット100は、このように、第1の位置(例えばバックヤード)に保管されている物品を第2の位置(例えば売り場の棚)に補充する作業を補助するロボットである。この場合に、補充補助ロボット100は、店舗の売り場で個数が少なくなった物品を検出して、店舗のバックヤードの在庫の物品が配置された棚の前に移動してもよいし、また、バックヤードに定期的に物品の入荷がある場合には、入荷の時期に合わせて店舗のバックヤードに移動してもよい。
【0039】
図1において矢印で示す左方が補充補助ロボット100の前方であり、
図1における右方は補充補助ロボット100の後方である。以下では、補充補助ロボット100の進行方向における前方及び後方を用いて前後方向と称す。搬送車110は、前方、右前方、及び左前方に走行可能である。
【0040】
ここで、物品とは、店舗、物流センタ、倉庫等の建物内の棚等に配置される様々な商品等であり、例えば、洋服や日用品等の様々な商品等であってよい。また、物品は、飲み薬、注射薬、又は外用治療薬等の医薬品、マスク、又はその他の医療用の衣服や器具等であってもよい。
【0041】
搬送車110は、移動体の一例であり、一例として所謂AGV(Automatic Guided Vehicle)で実現される。搬送車110は、コンピュータで構成される制御部を有する。搬送車110の制御部は、タブレットコンピュータ150と有線通信又は無線通信でデータ通信可能である。搬送車110の制御部は、建物内に配置された棚等の間の通路等について作成された電子マップに従って、タブレットコンピュータ150から伝送される位置情報が表す所定の位置に搬送車110を移動させる。搬送車110の制御部は、位置情報が表す所定の位置への移動が完了すると、所定の位置に到着したことを表す到着通知をタブレットコンピュータ150に伝送する。なお、ここでは、タブレットコンピュータ150が管理サーバから受信する補充の指示に含まれる位置情報を用いて搬送車110が移動する形態について説明するが、搬送車110が管理サーバと直接的に無線通信可能な無線通信機能を有していて、管理サーバから直接的に位置情報を無線通信で入手してもよい。
【0042】
フレーム120は、搬送車110に取り付けられ、ボックス130A、130B、RFIDリーダ140、タブレットコンピュータ150、及び顔認証部160を保持する。フレーム120は、フレーム本体121とステー122A、122Bとを有する。フレーム本体121は、一例としてアルミニウム製の棒状の部材であり、一例として鉄製のステー122A、122Bが取り付けられている。また、フレーム本体121の前面側には、RFIDリーダ140のアンテナ143A、143Bが取り付けられている。
【0043】
ステー122Aは、フレーム本体121の上端に取り付けられて後方に延在しており、RFIDリーダ140の本体部141及びアンテナ142Aと、タブレットコンピュータ150と、顔認証部160と、アラーム発報部180とを保持している。より具体的には、RFIDリーダ140の本体部141は、ステー122Aの前端の上面に取り付けられており、アンテナ142は、ステー122Aの前後方向における中央の下面に取り付けられており、タブレットコンピュータ150と顔認証部160は、ステー122Aの後端に取り付けられている。タブレットコンピュータ150と顔認証部160は、後方に向けて取り付けられている。補充補助ロボット100は、後方には走行しないため、補充補助ロボット100を利用する作業者の安全性を確保するためである。なお、作業者の安全性が確実に確認できる場合は、自動または手動で後方に走行可能としてよい。
【0044】
ステー122Bは、フレーム本体121の上下方向の中間付近に取り付けられている。このため、ステー122Bは、ステー122Aよりも下側に位置する。ステー122Bの上面にはボックス130Aが取り付けられ、ステー122Bの下面にはRFIDリーダ140のアンテナ142Bが取り付けられる。
【0045】
ボックス130A、130Bは、収容部の一例であり、バックヤードのような第1の位置において作業者によって棚等から取り出された物品が収容される。ボックス130A、130Bは、一例として直方体状の箱であり、上面が開口された入口131A、131Bを有する。入口131A、131Bは、ボックス130A、130B内に物品を入れる際に、物品が必ず通るところである。ここでは、ボックス130A、130Bから物品を取り出す際にも作業者が入口131A、131Bを通じて取り出す形態について説明する。このため、入口131A、131Bは出入り口として用いられる開口部である。しかしながら、ボックス130A、130Bは、取り出すときにのみ利用する専用の取り出し口を有していてもよい。
【0046】
ボックス130Aは、上述のようにステー122Bの上面に取り付けられ、ボックス130Bは、搬送車110の上面に取り付けられる。ボックス130Aは上段に位置し、ボックス130Bは下段に位置する。ここではボックス130Aがステー122Aでフレーム本体121に取り付けられて、ボックス130Bが搬送車110の上面に取り付けられる形態について説明する。しかしながら、ボックス130Aがボックス130Bよりも上に位置していればよく、ボックス130A、130Bの取り付け方は、どのような形態であってもよい。また、ここでは、補充補助ロボット100が2つのボックス130A、130Bを含む形態について説明するが、ボックスの数が1つであってもよく、3つ以上であってもよい。
【0047】
RFIDリーダ140は、本体部141、アンテナ142A、142B、及びアンテナ143A、143Bを有する。アンテナ142A、142Bは、第2アンテナの一例であり、アンテナ143A、143Bは、第1アンテナの一例である。ここで、アンテナ143A、143Bについては、
図1に加えて
図2を用いて説明する。
図2は、実施形態の補充補助ロボット100を概略的に示す平面図である。
図2には、搬送車110、フレーム120のフレーム本体121、及びアンテナ143A、143Bの平面視における位置関係を示す。
【0048】
本体部141は、アンテナ142A及び142Bと、アンテナ143A及び143Bとのいずれか一方を選択してRFIDタグの読み取りを行うことができる。
【0049】
アンテナ143A、143Bは、フレーム本体121の前面側に取り付けられており、前向きの指向性を有する。アンテナ143A、143Bは、補充補助ロボット100が店舗の売り場のような第2位置で個数が少なくなった物品の種類と個数を特定するとともに、バックヤードのような第1の位置において棚等に配置されている物品に付されたRFIDタグを読み取って、物品の種類と個数を特定するために設けられている。
【0050】
なお、アンテナ143A、143Bは、必ずしもフレーム本体121の前面側に取り付けられて前向きの指向性を有する構成ではなくてもよい。例えば、フレーム本体121の側面側に取り付けられて、横向きの指向性を有する構成であってもよい。ただし、アンテナ143A、143Bをフレーム本体121の前面側に取り付けて前向きの指向性を有する構成にしておけば、アンテナ143A、143Bの指向性の向きと補充補助ロボット100の進行方向とが同一になるため、補充補助ロボット100がバックヤードのような第1位置や売り場のような第2位置において棚等に置かれた物品に付されたRFIDタグを読み取ってから、その物品に近づく際に、より素早く近づくことができ、作業効率の向上を図ることができる。
【0051】
アンテナ142A、142Bは、下向きの指向性を有する。本体部141は、アンテナ142A、142Bに接続されており、アンテナ142A、142BからRFIDタグの読み取り用の周波数の電波を放射し、RFIDタグが送り返す電波を受信する。RFIDタグは、一例としてパッシブ型であり、バッテリを持たない。各RFIDタグのIC(Integrated Circuit)のメモリには固有の物品ID(Identifier)が格納されており、各RFIDタグは、RFIDリーダ140から電波を受信すると、受信した電波の電力で起動して固有の物品IDを含む信号を放射する。本体部141は、アンテナ142A、142Bが受信した電波に含まれる物品IDを読み取り、各RFIDタグを識別する。
【0052】
アンテナ142Aは、ボックス130Aの入口131Aの真上に位置し、入口131Aを通ってボックス130A内に収容される物品に付されるRFIDタグを確実に読み取ることができる位置に配置されている。また、アンテナ142Bは、ボックス130Bの入口131Bの真上に位置し、入口131Bを通ってボックス130B内に収容される物品に付されるRFIDタグを確実に読み取ることができる位置に配置されている。このようにアンテナ142A、142Bを配置することにより、バックヤードのような第1の位置において作業者が棚等から取り出してボックス130A、130Bに収容する物品に付されたRFIDタグを確実に読み取ることができ、読み取り漏れ(読み抜け)を抑制することができる。ボックス130A、130Bに物品を収容した補充補助ロボット100は、売り場のような第2位置に移動し、物品を陳列する棚の前に移動する。作業者は、ボックス130A、130Bから物品を取り出し、棚に物品を補充することができる。このため、所望の物品を所望の個数だけ正確に補充することができる。
【0053】
また、例えば物品にバーコードを付してバーコードリーダで読み取る場合は、バーコードを1つずつ読み取ることになり、複数のバーコードを同時に読み取ることはできない。これに対して、物品にRFIDタグを付している場合には複数のRFIDタグを同時に読み取ることができるため、アンテナ142A、142Bの各々で複数の物品にそれぞれ付された複数のRFIDタグを一括的に読み取ることができ、作業者は補充作業を効率的に、かつ、素早く短時間で行うことができる。
【0054】
また、アンテナ142A、142Bがボックス130A、130Bの下側に設けられていると、物品がアルミニウム製のフィルム等のように金属製の包装を有する場合に、既にボックス130A、130Bに収容されている物品の金属製の包装等によってアンテナ142A、142Bが放射する読み取り用の電波が遮られてしまい、ボックス130A、130Bの入口131A、131Bを通過する物品のRFIDタグを読み取れないおそれがある。また、物体が液体を含む場合に、アンテナ142A、142Bがボックス130A、130Bの下側に設けられていると、既にボックス130A、130Bに収容されている物品の液体によってアンテナ142A、142Bが放射する読み取り用の電波の放射分布が変化して、ボックス130A、130Bの入口131A、131Bを通過する物品のRFIDタグを読み取れないおそれがある。
【0055】
これに対して、本実施形態では、ボックス130A、130Bの真上にアンテナ142A、142Bをそれぞれ配置しているので、既にボックス130A、130B内に金属製の包装等を有する物品や液体を含む物品が収容されていても、アンテナ142A、142Bで入口131A、131Bを通ってボックス130A、130Bに収容される物品のRFIDタグを確実に読み取ることができる。また、読み取り漏れの発生を抑制することができる。
【0056】
なお、ここでは、RFIDリーダ140がアンテナ142A及び142Bと、アンテナ143A及び143Bとを有する形態について説明するが、バックヤードのような第1位置や売り場のような第2位置において棚等にある物品を読み取るアンテナと、ボックス130A、130Bの入口131A、131Bを通る物品を読み取るアンテナとは、共通のアンテナであってもよい。例えば、補充補助ロボット100が1つのボックス130Aのみを含む構成である場合には、第1位置や第2位置において棚等にある物品を読み取るアンテナと、ボックス130Aの入口131Aを通る物品を読み取るアンテナとは、1つの共通のアンテナで構成されていてもよい。
【0057】
タブレットコンピュータ150は、ディスプレイとタッチパネルを有し、ディスプレイに表示されるGUI(Graphic User Interface)等の画像に触れることで操作可能な端末機である。タブレットコンピュータ150は、補充の指示及び補充の状況を管理サーバから受信してディスプレイに表示するとともに、補充の指示に含まれる物品の位置情報を搬送車110の制御部に伝送する。例えば、タブレットコンピュータ150は、アプリケーションソフトウェアを用いて、補充の指示を表示し、位置情報を搬送車110の制御部に伝送することができる。
【0058】
また、タブレットコンピュータ150は、RFIDリーダ140から、RFIDリーダ140がアンテナ142A、142BでRFIDタグから読み取った物品ID情報を受信する。タブレットコンピュータ150は、RFIDリーダ140から受信した物品ID情報を管理サーバへ送信する。また、タブレットコンピュータ150は、顔認証部160によって取得された作業者を特定する情報をボックス130A、130Bに収容された物品に付されたRFIDタグから読み取った物品ID情報と関連付けて管理サーバに送信する。どの作業者がどの物品を収容したかを管理サーバで管理可能にすることにより、各作業者の仕事効率を把握するためである。
【0059】
なお、ここでは、補充補助ロボット100がタブレットコンピュータ150を含む形態について説明するが、スマートフォンやノート型パーソナルコンピュータ等の任意のコンピュータ端末を用いることができる。
【0060】
顔認証部160は、作業者の顔認証を行うことによって、作業者を特定する作業者ID情報を取得する。一例として各作業者の作業効率を管理サーバで把握するために補充補助ロボット100が顔認証部160を含む形態について説明するが、顔認証部160の代わりに、その他の手法によって作業者の生体を識別する認証部を用いてもよいし、各作業者に割り当てたIDカード等を読み取る読み取り装置を用いてもよい。また、作業効率等の管理を特に行わない場合には、補充補助ロボット100は顔認証部160等のような作業者を識別する認証部を含まなくてもよい。また、ボックス130A、130Bに収容された物品に付されたRFIDタグから読み取った物品ID情報と関連付けることなく、例えば、ピッキング補助ロボットに触れた場合だけでも、顔認証部160によって取得された作業者を特定する情報をサーバで管理可能としてもよい。
【0061】
遮蔽部170は、導体製で電波を遮蔽する部材である。遮蔽部170は、ボックス130Aとアンテナ142Bとの間に設けられており、アンテナ142Aがボックス130Bに収容される物品に付されたRFIDタグを読み取らないようにする。なお、アンテナ142Bが上方向にも指向性を有する場合には、遮蔽部170でアンテナ142Bが上側に位置するRFIDタグを読み取らないように遮蔽すればよい。
【0062】
アラーム発報部180は、フレーム120のステー122Aに取り付けられており、顔認証部160の隣に位置する。アラーム発報部180は、搬送車110の制御部からバックヤードのような第1位置に移動したことを表す通知を受けると、アラーム音を発報する。例えば、作業者が店舗等の売り場のような第2位置にいることを基本としているような場合に、アラーム音を発報すれば、作業者は補充補助ロボット100がバックヤードで作業を行っていることを知ることができるので、売り場からバックヤードに移動して、在庫の物品を棚等から取り出す作業を行うことができる。例えば、店舗のバックヤードに作業者を配備せずに、売り場の店員がバックヤードでの在庫の物品の取り出しを行うような場合には、店員が売り場から離れる時間を最小限にすることができ、店舗をトータルで見た場合の作業効率の向上を図ることができる。また、バックヤードに専用の作業者を配備しなくて済むため、店舗で働く人員数を減らして効率的な運営が可能になり、人件費の大幅な削減を図ることができる。また、補充補助ロボット100が来客の少ない時間帯や夜間等にバックヤードに行くように設定しておけば、より効率的な補充作業が可能になる。
【0063】
<システム構成>
図3は、実施形態の補充補助システム1の全体の構成図である。
図3に示されるように、補充補助システム1は、管理サーバ10と、補充補助ロボット100とを含む。
図3には、タブレットコンピュータ150の制御部151を示す。制御部151は、タブレットコンピュータ150の動作に関するすべての制御を行う制御部であり、CPU(Central Processing Unit)やメモリ等を含む。
【0064】
補充作業を実施する作業者は、一例として、次のような前提の下で作業を行う。前提として、補充補助ロボット100は、店舗等の売り場のような第2位置で、RFIDリーダ140のアンテナ143A、143Bを通じて棚の物品40の種類と個数を読み取り、個数が少なくなった物品を特定する。そして、物品40の在庫があるバックヤードのような第1位置に移動し、RFIDリーダ140のアンテナ143A、143Bを通じて在庫として保管されている物品40の種類と個数を読み取り、補充対象の物品40が配置されている棚等の前に移動し、取得すべき物品40の種類と個数をディスプレイに表示して待機している。補充作業を実施する作業者は、タブレットコンピュータ150の表示で物品40の種類と必要な個数を確認してから、補充補助ロボット100の前にある棚等に配置されている物品40をボックス130A又は130Bに入れる。各物品40にはRFIDタグ41が1つずつ付されているため、ボックス130A、130Bに物品40が入れられる際に、アンテナ142A、142Bによって物品40に付されたRFIDタグ41の物品IDが読み取られる。物品40をボックス130A又は130Bに入れる作業が完了すると、補充補助ロボット100は、売り場のような第2位置において物品40が陳列される棚の前に移動して待機する。作業者(店員)は、売り場での接客の合間に、ボックス130A、130Bから物品を取り出し、棚に陳列すればよい。
【0065】
なお、ここでは一例として、補充補助ロボット100は、店舗等の売り場のような第2位置で、RFIDリーダ140のアンテナ143A、143Bを通じて棚の物品40の種類と個数を読み取り、個数が少なくなった物品を特定する形態について説明する。しかしながら、補充補助ロボット100がRFIDリーダ140のアンテナ143A、143Bを通じて棚の物品40の種類と個数を読み取って個数が少なくなった物品を特定する代わりに、定期的に在庫から決まった個数の物品を取得する構成であってもよい。
【0066】
管理サーバ10は、補充の指示をタブレットコンピュータ150へ送信する。補充の指示は、補充補助ロボット100が移動すべき位置と、作業者がボックス130A又は130Bに入れるべき物品40と、陳列棚に並べる各物品40の種類及び個数との情報を含みうる。補充補助ロボット100が移動すべき位置は、物品40が配置又は保管等されている位置である。また、管理サーバ10は、補充の状況をタブレットコンピュータ150へ送信する。補充の状況は、既にボックス130A又は130Bに入れられている各物品40の個数の情報を含みうる。具体的には、管理サーバ10は、RFIDリーダ140がアンテナ142A、142Bを通じてRFIDタグ41から読み取った物品ID情報に基づいて、ボックス130A又は130Bに入れられている各物品40の個数をカウントする。
【0067】
管理サーバ10は、1つまたは複数のコンピュータで構成される。また、管理サーバ10は、任意のネットワーク50を介して、タブレットコンピュータ150とデータを送受信することができる。管理サーバ10の詳細については後述する。
【0068】
タブレットコンピュータ150は、補充の指示および補充の状況を管理サーバ10から受信してディスプレイ上に表示するとともに、補充の指示に含まれる位置情報を搬送車110の制御部に伝送する。搬送車110は、位置情報が表す位置に移動する。例えば、タブレットコンピュータ150は、アプリケーションソフトウェアを用いて、補充の指示を表示するとともに、補充の指示に含まれる位置情報を搬送車110の制御部に伝送することができる。作業者は、補充補助ロボット100がいる位置に歩いて行き、タブレットコンピュータ150に表示されている物品40の種類と棚等の位置とを確認し、物品40を補充してボックス130A、130Bに入れる。
【0069】
RFIDリーダ140は、RFIDタグ41に書き込まれている物品ID情報を読み取る。RFIDリーダ140は、RFIDタグ41から読み取った物品ID情報をタブレットコンピュータ150へ伝送する。
【0070】
また、タブレットコンピュータ150は、アンテナ142A、142B、143A、143Bを通じて読み取られた物品ID情報をRFIDリーダ140から受け取る。タブレットコンピュータ150は、RFIDリーダ140から受信した物品ID情報を管理サーバ10へ送信する。また、タブレットコンピュータ150は、物品ID情報を受け取り、補充の指示の通りの正しい物品40であると判定すると、正しい物品40であることを表す応答音を出力する。一方。タブレットコンピュータ150は、物品ID情報を受け取り、補充の指示の通りの正しい物品40ではないと判定すると、正しい物品40ではないことを表す応答音を出力する。作業者は、自分の行っている補充作業が正しいかどうかを応答音で確認することができる。なお、タブレットコンピュータ150は、応答音の代わりに、又は、応答音に加えて、正しい物品40であること、又は、正しい物品40ではないことを表す応答表示をディスプレイに表示してもよい。
【0071】
補充補助ロボット100は、タブレットコンピュータ150と、RFIDリーダ140とを含む。ここでは一例として補充補助ロボット100が2つのボックス130A、130Bを含み、RFIDリーダ140がアンテナ142A、142Bと、アンテナ143A、143Bとを有し、ボックス130A、130Bにそれぞれアンテナ142A、142Bが配置される形態について説明する。作業者は、補充した物品40を2つのボックス130A、130Bのいずれに入れてもよいが、例えば、発送先等に応じて2つのボックス130A、130Bのいずれに入れるようにしてもよい。また、発送先等が2つある場合に、2つのボックス130A、130Bを2つの発送先に分けて利用してもよい。
【0072】
物品40は、上述したように、店舗、物流センタ、倉庫等の建物内の棚等に配置される様々な商品等である。物品40には、RFIDタグ41が付されている。RFIDタグ41は、物品ID情報が書き込まれているメモリを内蔵するICチップを有する。RFIDタグ41は、各物品40に1つずつ付されている。RFIDタグ41を物品40に付すとは、RFIDタグ41を物品40に取り付けることをいい、具体的には、例えば、RFIDタグ41を物品40に貼り付ける、縫い付ける、又は、ストラップ等で固定すること等を意味する。
【0073】
管理サーバ10は、物品40が物流センタ等に入荷すると、RFIDタグ41に書き込まれている物品ID情報と、そのRFIDタグ41が付されている物品40の情報とを紐付けて管理する。また、管理サーバ10は、RFIDリーダ140が補充補助ロボット100のボックス130A、130Bのどちらに収容されているかを表す情報を管理する。
【0074】
<全体の処理>
図4は、実施形態の補充補助システム1の全体の処理を示すシーケンス図である。
【0075】
管理サーバ10は、補充補助ロボット100を誘導するためのマップを作成する(ステップS1)。
【0076】
管理サーバ10は、補充の指示のデータをタブレットコンピュータ150へ送信する(ステップS2)。上述したとおり、補充の指示は、補充補助ロボット100が移動すべき位置(物品40が保管されている位置)と、作業者がその位置でボックス130A又は130Bに入れるべき物品40と、陳列棚に並べる各物品40の種類及び個数との情報を含みうる。
【0077】
タブレットコンピュータ150は、補充の指示に含まれる位置情報を搬送車110に伝送する(ステップS2A)。
【0078】
これにより、補充補助ロボット100は、売り場のような第2位置に移動する(ステップS2B)。
【0079】
搬送車110は、到着通知をタブレットコンピュータ150に伝送する(ステップS2C)。
【0080】
タブレットコンピュータ150は、売り場のような第2位置にある陳列棚の物品40のRFIDタグ41を読み取るようにRFIDリーダ140に指示を伝送する(ステップS2D)。
【0081】
RFIDリーダ140は、アンテナ143A、143Bで陳列棚の物品40に付されているRFIDタグ41に書き込まれている物品ID情報を読み取る(ステップS2E)。これにより、陳列棚の物品40の種類及び個数が読み取られる。
【0082】
RFIDリーダ140は、ステップS2Eで読み取った物品ID情報、RFIDリーダ140を識別するための情報をタブレットコンピュータ150へ送信する(ステップS2F)。
【0083】
タブレットコンピュータ150は、ステップS2で受信した補充の指示に含まれる陳列棚に並べる各物品40の種類及び個数と、ステップS2Fで受信した物品ID情報とに基づいて、陳列棚において不足している物品40の種類及び個数を算出する(ステップS2G)。なお、タブレットコンピュータ150は、補充の指示に基づいて算出した不足している物品40の種類及び個数を表すデータを管理サーバ10に送信する。
【0084】
タブレットコンピュータ150は、補充の指示に含まれる位置情報を搬送車110に伝送する(ステップS2H)。補充補助ロボット100をバックヤードのような第1位置に移動させるためである。
【0085】
これにより、補充補助ロボット100は、バックヤードのような第1位置に移動する(ステップS2I)。このとき、タブレットコンピュータ150は、RFIDリーダ140にアンテナ143A、143Bで物品40の在庫のRFIDタグ41を読み取らせ、不足している物品40(補充の対象となる物品40)の前に補充補助ロボット100を移動させる。
【0086】
搬送車110は、到着通知をタブレットコンピュータ150に伝送する(ステップS2J)。この状態で、補充補助ロボット100は、補充の対象となる物品40の前で待機している。
【0087】
タブレットコンピュータ150は、アラーム発報部180にアラームを発報させる(ステップS2K)。売り場のような第2位置にいる店員に、補充補助ロボット100がバックヤードのような第1位置に移動したことを報知するためである。
【0088】
タブレットコンピュータ150は、ステップS2Jで搬送車110の制御部から第1位置に到着したことを表す通知を受けると、ステップ2Gで算出した陳列棚において不足している物品40の種類及び個数をディスプレイ上に表示する(ステップS3)。作業者は、補充補助ロボット100が待機している場所に歩いて行き、補充補助ロボット100のタブレットコンピュータ150に表示されている物品40の種類及び個数を見ながら、バックヤードのような第1位置に配置されている物品40をボックス130A、130Bに入れる作業を実施することができる。
【0089】
RFIDリーダ140は、作業者がボックス130A又は130Bに入れた各物品40に付されているRFIDタグ41に書き込まれている物品ID情報を読み取る(ステップS4)。RFIDリーダ140は、アンテナ142A、142Bでボックス130A、130Bの入口131A、131Bを通過する物品40に付されたRFIDタグ41を読み取る。ステップS4の処理により、作業者によってボックス130A、130Bに入れられた物品40に付されたRFIDタグ41の物品IDを取得することができる。
【0090】
RFIDリーダ140は、ステップS4で読み取った物品ID情報、RFIDリーダ140を識別するための情報をタブレットコンピュータ150へ送信する(ステップS5)。
【0091】
タブレットコンピュータ150は、ステップS5で受信した物品ID情報、RFIDリーダ140を識別するための情報を管理サーバ10へ送信する(ステップS6)。
【0092】
管理サーバ10は、ステップS6で受信した物品ID情報に基づいて、ボックス130A又は130Bに入れられている各物品40の個数をカウントする(ステップS7)。すなわち、管理サーバ10は、ボックス130A、130Bに入れられている物品40のカウント処理を行う。
【0093】
管理サーバ10は、ステップS7でカウントした各物品40の個数に基づいて、補充の状況のデータをタブレットコンピュータ150へ送信する(ステップS8)。上述したとおり、補充の状況は、既にボックス130A又は130Bに入れられている各物品40の個数の情報を含みうる。
【0094】
タブレットコンピュータ150は、ステップS8で受信した補充の状況をディスプレイ上に表示する(ステップS9)。作業者は、このような補充の状況を見ながら、バックヤードのような第1位置において物品40をボックス130A、130Bにさらに入れるべきか否かを判断することができる。
【0095】
タブレットコンピュータ150は、作業者によって完了操作が行われると、ステップS2で受信した補充の指示に含まれる位置情報を搬送車110に伝送する(ステップS9A)。完了操作は、ディスプレイの表示を見た作業員が、不足している各物品40について所望の個数をボックス130A、130Bに入れたことを確認した際に、タブレットコンピュータ150のディスプレイに表示される完了ボタンをタップする操作である。
【0096】
これにより、補充補助ロボット100は、売り場のような第2位置に移動する(ステップS2B)。売り場のような第2位置に戻った補充補助ロボット100のボックス130A、130Bには、陳列棚において不足している各物品40が所望の個数だけ入っている。店員は、接客の合間にボックス130A、130Bから物品40を取り出し、陳列棚に陳列すればよい。
【0097】
<機能ブロック>
図5は、管理サーバ10の機能ブロック図である。
図5に示されるように、管理サーバ10は、補充指示管理部101、補充指示格納部102、マップ作成部103、ID情報受信部104、カウント部105、補充状況管理部106を備えることができる。また、管理サーバ10は、プログラムを実行することで、補充指示管理部101、マップ作成部103、ID情報受信部104、カウント部105、補充状況管理部106として機能することができる。以下、それぞれについて説明する。
【0098】
なお、タブレットコンピュータ150が、管理サーバ10の一部または全部の機能を有するようにしてもよい。例えば、タブレットコンピュータ150は、補充の指示を受信する手段(補充指示受信部ともいう)と、ID情報受信部104と、カウント部105と、補充状況管理部106とを備えることができる。
【0099】
補充指示管理部101は、補充の指示のデータをタブレットコンピュータ150へ送信する。例えば、作業者がタブレットコンピュータ150に表示される補充作業を開始するための画面をタップすることに応じて、補充指示管理部101は、補充の指示のデータの送信を開始する。上述したとおり、補充の指示は、補充補助ロボット100が移動すべき位置(物品40が保管されている棚等の位置)と、作業者がその位置でボックス130A又は130Bに入れるべき物品40と、陳列棚に並べる各物品40の種類及び個数との情報を含みうる。また、補充指示管理部101は、補充の指示のデータを補充指示格納部102に格納する。
【0100】
補充指示格納部102には、タブレットコンピュータ150へ送信された補充の指示のデータが格納されている。
【0101】
以下、
図6を参照しながら、タブレットコンピュータ150に表示される補充の指示を示す画面について説明する。
【0102】
図6は、実施形態の表示される画面の一例である。
図6に示されるように、補充補助ロボット100が移動すべき位置(物品40が保管されている棚等の位置、「補充場所」とも呼ぶ)が表示されうる。また、
図6に示されるように、補充の指示に基づいて算出された不足している物品40の種類及び個数を表す情報として、作業者がその場所でボックス130A又は130Bに入れるべき物品40(補充対象)の品名や物品40の画像(例えば、物流センタ等で保管されているときの物品40の画像)が表示されうる。また、
図6に示されるように、補充の指示に基づいて算出された不足している物品40の種類及び個数を表す情報として、作業者がボックス130A又は130Bに入れるべきその物品40の個数(
図6の例では、ボックス130A、130Bに入れるべき個数)が表示されうる。また、
図6に示されるように、作業を実施している日(作業日)、作業者の識別子(作業者ID)、作業者の氏名(作業者名)、取得すべき物品40の総数のうち取得が完了した個数(完了数/総アイテム数)、取得を完了するまでの目標の時間のうち経過した時間(経過時間/目標時間)などが表示されてもよい。作業者は、
図6のような画面を見て、どの場所でどの物品40を何個ずつ取得すべきかを知ることができる。なお、物品40によってボックス130A、130Bのどちらに入れるかが指定されている場合には、作業者は、
図6のような画面を見て、指示とは異なるボックス130A、130Bへの入れ間違いを直ちに知ることができる。
【0103】
なお、ボックス130A、130Bごとに、作業者がボックス130A、130Bに入れるべき1つまたは複数の物品40、作業者がボックス130A、130Bに入れるべき各物品40の個数を示すリストを表示してもよい。以下、
図7を参照しながら、タブレットコンピュータ150に表示されるボックス130A、130Bごとの補充の指示に基づいて算出された不足している物品40の種類及び個数を表す情報を示す画面について説明する。
【0104】
図7は、タブレットコンピュータ150の表示画面の一例である。
図7には、一例として、ボックス130Aに入れるべき物品40に関する表示内容を示す。例えば、
図6の画面がタップされると、
図7の画面へ遷移しうる。
図7に示されるように、作業者がボックス130Aに入れるべき1つまたは複数の物品40が表示されうる。また、
図7に示されるように、作業者がボックス130Aに入れるべき各物品40の個数が表示されうる。また、
図7に示されるように、物品40が発送される先(行先)、ボックス130Aに入れるべき物品40の総数(アイテム数)、出荷日などが表示されてもよい。作業者は、
図7のような画面を見て、ボックス130A、130Bごとに、どの物品40を何個ずつ取得すべきかを知ることができる。
【0105】
図5に戻る。ID情報受信部104は、タブレットコンピュータ150から、RFIDリーダ140がアンテナ142A、142Bを通じてRFIDタグ41から読み取った物品ID情報、RFIDリーダ140を識別するための情報を受信する。ID情報受信部104は、物品ID情報、RFIDリーダ140を識別するための情報を受信すると、マップ作成部103およびカウント部105に通知する。
【0106】
マップ作成部103は、マップ作成処理を行う。具体的には、マップ作成部103は、補充補助ロボット100を誘導するためのマップを作成する。以下、補充の実施を開始する時のマップ作成と、補充の実施中のマップ作成とに分けて説明する。
【0107】
<補充実施開始時>
マップ作成部103は、バックヤードのような第1位置においてボックス130A又は130Bに入れるよう作業者へ指示される物品40が保管されている全ての場所を経由する最短距離のルート(経路)を生成する。このルートは、バックヤードのような第1位置と、売り場のような第2位置との両方を含むエリアについて作成されるものであるが、ここではバックヤードのような第1位置におけるマップについて説明する。マップ作成部103は、バックヤード内の各棚の配置図上に、生成したルートと、次の補充場所(つまり、補充補助ロボット100が次に向かうべき補充場所)と、全ての補充場所と、を明示したマップを作成する。補充補助ロボット100は、タブレットコンピュータ150が管理サーバ10から受信する補充の指示に含まれる位置情報と、マップ作成部103によって作成されたマップとに従って、各補充場所に移動する。
【0108】
<補充実施中>
マップ作成部103は、物流センタ等内の各棚の配置図上に、補充実施開始時に生成したルートと、次の補充場所(つまり、補充が完了した補充場所の次の補充場所)と、全ての補充場所と、を明示したマップを作成する。なお、マップ作成部103は、補充実施開始時に生成したルートを用いず、新たにルートを生成し直すこともできる。
【0109】
補充補助ロボット100が複数ある場合には、補充実施開始時、及び、補充実施中のいずれにおいても、マップ作成部103は、複数の補充補助ロボット100の補充の状況に基づいて、複数の補充補助ロボット100が衝突しない(例えば、複数の補充補助ロボット100が、同一の通路を同一方向または逆方向に同時にまたは所定の時間内に通らない)ようにルートを生成すればよい。また、複数の補充補助ロボット100の現在地やルート(経路)が、マップに明示されてもよい。マップ作成部103は、他の補充補助ロボット100によって混んでいる棚を避けるルート(経路)を生成することができる。
【0110】
以下、
図8を参照しながら、タブレットコンピュータ150に表示されるマップを示す画面について説明する。
【0111】
図8は、実施形態の表示される画面の一例である。ここではバックヤードのような第1位置におけるマップについて説明する。例えば、
図6の画面がタップされると
図8の画面へ遷移しうる。
図8に示されるように、物流センタ等内の各棚の配置図上に、ルートと、次の補充場所と、全ての補充場所と、が明示されたマップが表示されうる。
【0112】
図5に戻る。カウント部105は、補充数カウント処理を行う。具体的には、カウント部105は、補充の指示に基づいて算出された不足している物品40の種類及び個数を参照して、ボックス130A又は130Bに入れるよう作業者へ指示された各物品40の個数を特定する。また、カウント部105は、ID情報受信部104から受信した物品ID情報に基づいて、ボックス130A又は130Bに入れられている各物品40の個数をカウントする。具体的には、カウント部105は、ID情報受信部104から物品ID情報を受信すると、その物品ID情報が書き込まれているRFIDタグ41が付されている物品40がボックス130A又は130Bに入れられていると判断する。また、カウント部105は、指示された個数とカウントした個数とに基づいて、各物品40の、補充の指示に基づいて算出された不足している個数に対する、既にボックス130A又は130Bに入れられている個数の過不足を判断する。具体的には、カウント部105は、指示された個数がカウントした個数より多いときには物品40が不足していると判断し、指示された個数がカウントした個数と同一であるときには取得が完了したと判断し、指示された個数がカウントした個数より少ないときには物品40が過剰であると判断する。
【0113】
なお、カウント部105は、物品ID情報と、RFIDリーダ140を識別するための情報と、RFIDリーダ140がアンテナ142A、142Bのどちらで物品ID情報を読み取ったかを表す情報と、に基づいて、物品40がボックス130B、130Bのいずれに入れられているかを判断することができる。
【0114】
補充状況管理部106は、カウント部105がカウントした各物品40の個数に基づいて、補充の状況のデータをタブレットコンピュータ150へ送信する。上述したとおり、補充の状況は、既にボックス130A又は130Bに入れられている各物品40の個数の情報を含みうる。以下、
図6および
図7を参照しながら、補充の指示を示す画面上での補充の状況の表示について説明する。
【0115】
図6に示されるように、補充の指示に基づいて算出された不足している物品40の種類及び個数として、作業者がボックス130A又は130Bに入れるべき物品40の個数が表示されうる(分数の分母を参照)。このような作業者がボックス130A又は130Bに入れるべき物品40の個数の表示とともに、ボックス130A又は130Bに既に入れられている物品40の個数が表示されうる(分数の分子を参照)。さらに、補充の指示に基づいて算出された不足している物品40の個数に対する、既にボックス130A又は130Bに入れられている個数の過不足が表示されうる。例えば、作業者が、物品40が不足していることと、補充が完了していることと、物品40が過剰であることとを、容易に識別できるように表示されうる。例えば、物品40が不足している場合にはチェックを付さず、補充が完了している場合にはチェックを付し、物品40が過剰である場合には×印を付すようにしてもよい。
【0116】
図7に示されるように、作業者がボックス130Aに入れるべき1つまたは複数の物品40の個数が表示されうる。このような作業者がボックス130Aに入れるべき各物品40の個数の表示とともに、既にボックス130Aに入れられている各物品40の個数が表示されうる。さらに、補充の指示に基づいて算出された不足している物品40の個数に対する、既にボックス130Aに入れられている個数の過不足が表示されうる。例えば、作業者が、物品40が不足していることと、補充が完了していることと、物品40が過剰であることとを作業者が容易に識別できるように表示されうる。例えば、物品40が不足している場合にはチェックを付さず、補充が完了している場合にはチェックを付し、物品40が過剰である場合には×印を付すようにしてもよい。なお、このような表示は、ボックス130Bについても同様に表示可能である。
【0117】
図9は、補充補助ロボット100の作業効率を説明する図である。ここではバックヤードのような第1位置における作業について説明する。例えば、
図9(A)に示すように手押し式のカートを用いて物品40の取得を行う場合には、作業者は、カートを押しながら(1)~(4)の物品40が配置されている棚を探して物品40の取得を行うことになる。
【0118】
これに対して、
図9(B)には、3台の補充補助ロボット100A~100Cを使って、(1A)~(4A)の物品40を補充補助ロボット100Aで取得し、(1B)~(4B)の物品40を補充補助ロボット100Bで取得し、(1C)~(4C)の物品40を補充補助ロボット100Cで取得する様子を示す。補充補助ロボット100A~100Cは、
図1に示す補充補助ロボット100と同一である。
【0119】
一例として、補充補助ロボット100A~100Cは、同じ通路に位置している。補充補助ロボット100A~100Cは、補充の指示に含まれる位置情報が表す棚の前の位置で待機しているため、作業者は補充補助ロボット100A~100Cの位置に歩いて行き、タブレットコンピュータ150の表示の見ながら、補充の指示に含まれる物品40を取得すればよい。完了操作が行われた補充補助ロボット(100A~100Cのいずれか)は、次の補充の指示に従って自動的に移動して棚の前で待機するため、作業者は、移動した補充補助ロボット(100A~100Cのいずれか)に近づき、取得作業を行えばよい。このため、補充補助ロボット100を用いれば、取得の作業効率を大幅に向上させることができる。特に、複数の補充補助ロボット100を用いれば、作業効率をさらに向上できる。
【0120】
図10は、補充補助ロボット100の作業効率を説明する図である。
図10には、左半分にバックヤード(第1位置の一例)を示し、右半分に売り場(第2位置の一例)を示す。バックヤードの棚6には、物品40の在庫が配置されている。バックヤードの棚6の前には補充補助ロボット100A及び100Bが待機している。物品40は、一例として衣類である。
【0121】
売り場では、店員8Aが客8Bの接客を行っている。また、売り場では、陳列棚7に陳列された物品40の種類と個数を補充補助ロボット100Cがアンテナ143A、143Bを通じて読み取っている。補充補助ロボット100Cは、読み取りが完了するとマップに従って自動的にバックヤードに移動し、補充対象となる物品40の種類と個数をアンテナ143A、143Bを通じて読み取っている。補充補助ロボット100は、補充対象となる物品40の前で停止し、到着通知を管理サーバ10に送信してからアラームを発報する。
【0122】
アラームは売り場にも聞こえるため、店員8Aは、接客中であっても補充補助ロボット100Cがバックヤードで待機していることを認識することができる。店員8Aは、接客の合間にバックヤードの補充補助ロボット100Cのところまで歩いて行き、補充補助ロボット100Cの前にある棚6からタブレットコンピュータ150に表示された物品を所望の個数だけ取得してボックス130A、130Bに入れればよい。
【0123】
店員8Aがタブレットコンピュータ150に完了操作を行うと、補充補助ロボット100Cは売り場に戻り、補充対象の物品40を陳列する棚の前に移動して待機する。店員8Aは、接客の合間にボックス130A、130Bから物品40を取り出し、陳列棚7に陳列すれば、効率的に物品40の補充を行うことができる。このため、作業効率を大幅に向上させることができる。
【0124】
図11は、管理サーバ10における補充処理のフローチャートである。
【0125】
マップ作成部103は、マップ作成処理を行う(ステップS11)。補充実施開始時には、マップ作成部103は、ボックス130A又は130Bに入れるよう作業者へ指示される物品40が保管されている全ての場所を経由する最短距離のルート(経路)を生成する。次に、マップ作成部103は、物流センタ等内の各棚の配置図上に、生成したルートと、次の補充場所(つまり、作業者が最初に向かうべき補充場所)と、全ての補充場所と、を明示したマップを作成する。
【0126】
補充指示管理部101は、補充の指示のデータをタブレットコンピュータ150へ送信する(ステップS12)。上述したとおり、補充の指示は、補充補助ロボット100が移動すべき位置(つまり、補充補助ロボット100が移動すべき補充場所)と、作業者がその場所でボックス130A又は130Bに入れるべき物品40と、陳列棚に並べる各物品40の種類及び個数との情報を含みうる。
【0127】
タブレットコンピュータ150は、S12で補充指示管理部101が送信した補充の指示に基づいて算出された不足している物品40の種類及び個数をディスプレイ上に表示する。また、搬送車110は、補充の指示に含まれる位置情報に従って所定の位置に移動する。作業者は、所定の位置に移動した補充補助ロボット100のタブレットコンピュータ150の表示を見ながら、取得作業を実施することができる。なお、作業者は、補充の指示に基づいて算出された不足している物品40の種類及び個数を示す画面からS11のマップへ遷移させることができる。
【0128】
ID情報受信部104は、タブレットコンピュータ150から、物品ID情報、RFIDリーダ140を識別するための情報を受信する(ステップS13)。具体的には、ID情報受信部104は、作業者がボックス130A又は130Bに入れた各物品40に付されているRFIDタグ41に書き込まれている物品ID情報を受信する。
【0129】
カウント部105は、S13で受信された物品ID情報、RFIDリーダ140を識別するための情報に基づいて、補充数カウント処理を行う(ステップS14)。詳細は、
図12を参照しながら説明する。
【0130】
補充状況管理部106は、S14で行われた補充数カウント処理に基づいて、補充の状況のデータをタブレットコンピュータ150へ送信する(ステップS15)。
【0131】
補充状況管理部106は、現在の補充場所でボックス130A又は130Bに入れられるべき全ての物品40が入れられているか否かを判断する(ステップS16)。入れられている場合には、ステップS17へ進む。入れられていない場合には、ステップS13へ戻る。
【0132】
ステップS13へ戻ると、ID情報受信部104は、タブレットコンピュータ150からの物品ID情報を待つ。
【0133】
ステップS17において、補充状況管理部106は、ボックス130A又は130Bに入れられるべき全ての物品40(つまり、全ての補充場所でボックス130A又は130Bに入れられるべき全ての物品40)が入れられているか否かを判断する(ステップS17)。入れられている場合には、ステップ18へ進む。入れられていない場合には、ステップS11へ戻る。
【0134】
ステップS11へ戻ると、マップ作成部103は、補充補助ロボット100が次に向かうべき補充場所が明示されたマップを作成する。具体的には、マップ作成部103は、物流センタ等内の各棚の配置図上に、補充実施開始時に生成したルート(あるいは、新たに生成し直したルート)と、次の補充場所(つまり、補充補助ロボット100が次に移動すべき補充場所)と、全ての補充場所と、売り場のような第2位置において移動すべき場所とを明示したマップを作成する。その後、ステップS12において、補充指示管理部101は、補充の指示のデータをタブレットコンピュータ150へ送信する。補充の指示は、補充補助ロボット100が移動すべき位置(補充補助ロボット100が次に移動すべき補充場所)と、作業者がその場所でボックス130A又は130Bに入れるべき物品40と、陳列棚に並べる各物品40の種類及び個数との情報を含みうる。
【0135】
ステップS18において、補充状況管理部106は、タブレットコンピュータ150へ、補充作業が完了した旨を通知する(ステップS18)。
【0136】
図12は、補充数カウント処理(
図11のS14)のフローチャートである。
【0137】
カウント部105は、補充の指示に基づいて算出された不足している物品40の種類及び個数を表す情報を参照して、ボックス130A又は130Bに入れるよう作業者へ指示された各物品40の個数を特定する(ステップS21)。
【0138】
カウント部105は、ID情報受信部104から受信した物品ID情報に基づいて、ボックス130A又は130Bに入れられている各物品40の個数をカウントする(ステップS22)。具体的には、カウント部105は、ID情報受信部104から物品ID情報を受信すると、その物品ID情報が書き込まれているRFIDタグ41が付されている物品40がボックス130A又は130Bに入れられていると判断する。
【0139】
カウント部105は、ステップS21で特定した指示された個数とステップS22でカウントした個数とに基づいて、各物品40の、ボックス130A又は130Bに入れるよう作業者へ指示された個数に対する、既にボックス130A又は130Bに入れられている個数の過不足を判断する(ステップS23)。具体的には、カウント部105は、ステップS21で特定した指示された個数がステップS22でカウントした個数より多いときには物品40が不足していると判断し、ステップS21で特定した指示された個数がステップS22でカウントした個数と同一であるときには補充が完了したと判断し、ステップS21で特定した指示された個数がステップS22でカウントした個数より少ないときには物品40が過剰であると判断する。
【0140】
図13は、実施形態のマップ作成処理(
図11のS11)のフローチャートである。
【0141】
マップ作成部103は、ボックス130A又は130Bに入れるよう作業者へ指示される物品40が保管されている全ての場所を経由する最短距離のルート(経路)を生成する(ステップS31)。
【0142】
マップ作成部103は、次の補充場所を特定する(ステップS32)。
【0143】
マップ作成部103は、物流センタ等内の各棚の配置図上に、S31で生成したルートと、S32で特定した次の補充場所と、全ての補充場所と、売り場のような第2位置において移動すべき場所とを明示したマップを作成する(ステップS32)。
【0144】
図14は、タブレットコンピュータ150の制御部151が実行する処理を示すフローチャートである。
【0145】
前提条件として、タブレットコンピュータ150は、管理サーバ10から補充の指示を受信しており、メモリに格納していることとする。
【0146】
制御部151は、補充の指示に含まれる第2位置についての位置情報を搬送車110の制御部に伝送する(ステップS41)。これにより、補充補助ロボット100は位置情報が表す第2位置に移動する。第2位置は、例えば売り場である。
【0147】
制御部151は、到着通知を受け取ったかどうかを判定する(ステップS42)。制御部151は、到着通知を受け取っていないと判定すると、ステップS42の処理を繰り返し実行する。
【0148】
制御部151は、到着通知を受け取った(S42:YES)と判定すると、RFIDリーダ140に陳列棚7の物品40の読み取りを指示する(ステップS43)。これにより、RFIDリーダ140は、アンテナ143A、143Bで物品40のRFIDタグ41を読み取る。この処理により、陳列棚7の各位置に陳列されている物品40毎の個数が分かる。
【0149】
制御部151は、物品IDを受け取ったかどうかを判定する(ステップS44)。ステップS44の処理は、物品IDを受け取るまで繰り返し実行される。
【0150】
制御部151は、物品IDを受け取った(S44:YES)と判定すると、陳列棚で不足している各物品40の種類及び個数を算出する(ステップS45)。ステップS45は、
図4におけるステップS2Gに相当する処理である。
【0151】
制御部151は、補充の指示に含まれる第1位置についての位置情報を搬送車110の制御部に伝送するとともに、物品40の読み取りを指示する(ステップS46)。補充の指示に含まれる第1位置についての位置情報に基づいて搬送車110をバックヤードに移動させるとともに、アンテナ143A、143Bで補充補助ロボット100の前方にある物品40の在庫のRFIDタグ41を読み取らせて、補充対象の物品40であるかどうかを判定させ、補充対象の物品40の前まで補充補助ロボット100を移動させるためである。
【0152】
制御部151は、到着通知を受け取ったかどうかを判定する(ステップS47)。制御部151は、到着通知を受け取っていないと判定すると、ステップS47の処理を繰り返し実行する。
【0153】
制御部151は、到着通知を受け取った(S47:YES)と判定すると、アラーム発報部180にアラームを発報させる(ステップS48)。これにより、売り場の店員8Aに補充補助ロボット100がバックヤードに移動して待機していることを知らせることができる。
【0154】
制御部151は、陳列棚7で不足している各物品40の種類及び個数等をディスプレイに表示する(ステップS49)。
【0155】
制御部151は、RFIDリーダ140から物品ID情報を受け取ったかどうかを判定する(ステップS50)。制御部151は、物品ID情報を受け取っていないと判定すると、ステップS50の処理を繰り返し実行する。
【0156】
制御部151は、物品ID情報を受け取った(S50:YES)と判定した場合は、受け取った物品ID情報と、補充の指示に含まれる物品40の種類とを照合し、補充すべき正しい物品40であるかどうかを判定する(ステップS51)。
【0157】
制御部151は、正しい物品40である(S51:YES)と判定すると、正しい物品40であることを表す応答音を出力する(ステップS52A)。
【0158】
制御部151は、正しい物品40ではない(S51:NO)と判定すると、正しい物品40ではないことを表す応答音を出力する(ステップS52B)。ステップS52Bで出力する応答音は、ステップS52Aで出力する応答音とは異なる。このため、作業者は、応答音で判定結果を確認することができる。
【0159】
制御部151は、完了操作があったかどうかを判定する(ステップS53)。完了操作は、作業者がタブレットコンピュータ150の表示を見て、その場所において取得すべき物品40をすべて取得し終えたことを確認した際に、タブレットコンピュータ150を操作することによって行われる。完了操作は、例えば、OKボタンを押す操作である。また、ステップS53の判定は、ステップS52A又はS52Bの処理を終えてから所定時間以内に完了操作があったかどうかを判定する処理である。所定時間は一例として5秒である。
【0160】
制御部151は、完了操作があった(S53:YES)と判定すると、顔認証部160によって顔認証が行われて作業者ID情報が取得されたかどうかを判定する(ステップS54)。制御部151は、作業者ID情報を取得するまでステップS54の処理を繰り返し実行する。
【0161】
制御部151は、作業者ID情報を取得した(S54:YES)と判定すると、ステップS51で正しい物品40と判断した物品40についての物品ID情報と、ステップS54で認証した作業者を特定する作業者ID情報とを関連付けて管理サーバ10に送信する(ステップS55)。物品40についての物品ID情報と、作業者ID情報とを関連付けて管理サーバ10に送信するので、管理サーバ10では、作業者毎の作業量や作業効率を把握することができる。
【0162】
制御部151は、補充の指示に含まれる第2位置についての位置情報を搬送車110の制御部に伝送する(ステップS56)。これにより、補充補助ロボット100は、ボックス130A、130Bに物品40が収容された状態で、位置情報が表す第2位置に移動する。第2位置は、例えば売り場である。店員8Aは、接客の合間にボックス130A、130Bから物品40を取り出して陳列棚7に陳列することができ、効率的に物品40の補充を行うことができる。このため、陳列棚7への物品40の補充作業を効率的に行うことができる。
【0163】
制御部151は、ステップS56の処理を終えると、一連の処理を終了する(エンド)。制御部151は、
図14に示す処理を繰り返し実行する。制御部151が再びステップS41の処理を実行して補充の指示を読み取ることにより、補充補助ロボット100は次の補充場所へと移動し、ステップS49において陳列棚7で不足している各物品40の種類及び個数等をディスプレイに表示して待機することになる。そして、ステップS53で完了操作が行われてステップS54で顔認証によって作業者ID情報が取得されると、ステップS56で売り場に戻ることになる。
【0164】
なお、制御部151は、ステップS53において完了操作がない(S53:NO)と判定すると、フローをステップS50にリターンさせる。物品40を取得する作業が完了していないため、他の物品40についての物品ID情報を受け取るためである。
【0165】
また、制御部151は、ステップS42、S44、S47、S50、S54の処理においてNOと判定してステップS42、S44、S47、S50、S54の処理を繰り返す回数が所定回数(例えば5回)に達した場合には、エラー処理を行えばよい。エラー処理は、エラーであることを表す音の出力や、
図14に示す処理の停止等である。
【0166】
<効果>
以上のように、作業者は、補充補助ロボット100が待機している場所に歩いて行き、タブレットコンピュータ150に表示される陳列棚7で不足している各物品40の種類及び個数を見ながら物品40をボックス130A又は130Bに入れることで、第1位置における物品40の取得作業を完了することができる。第1位置で取得する物品40は、第2位置の陳列棚に補充する補充対象の物品40である。したがって、作業者が物品40の補充作業を効率的に行えるように補助可能な補充補助ロボット100、及び、補充補助システム1を提供することができる。
【0167】
また、RFIDリーダ140のアンテナ142A、142Bで複数のRFIDタグ41を一括的に読み取ることができ、作業者は補充作業を効率的に、かつ、素早く短時間で行うことができる。特に、同じ種類の物品40の数が多い場合には、一括的に読み取ることができることで、作業効率が大幅に向上する。このような物品40の一例は、飲み薬、注射薬、又は外用治療薬等の医薬品、マスク、又はその他の医療用の衣服や器具等である。
【0168】
また、物品40をボックス130A又は130Bに入れる際に、応答音によって正しい物品40であるかどうかを把握することができる。そのため、作業者は、物品40を正確に補充することができ、作業効率を向上させることができる。
【0169】
また、顔認証部160で作業者の認証を行うので、作業者毎の作業量や作業効率を把握することができる。
【0170】
また、補充補助ロボット100は、完了操作が行われて顔認証によって作業者ID情報が取得されるまでは、棚の前で移動せずに待機するため、作業者の意図に沿った移動を行うことにより、作業効率の向上を図ることができる。
【0171】
また、補充補助ロボット100は、完了操作が行われて顔認証によって作業者ID情報が取得されると移動するので、作業者の意図に沿った移動を行うことにより、作業効率の向上を図ることができる。
【0172】
また、補充補助ロボット100は、現在の位置とは異なる位置にある物品40についての補充の指示に従って、その物品40が配置されている棚等の前に移動するので、作業者の意図に沿った移動を行うことにより、作業効率の向上を図ることができる。
【0173】
また、ボックス130A、130Bの真上にアンテナ142A、142Bをそれぞれ配置しているので、既にボックス130A、130B内に金属製の包装等を有する物品や液体を含む物品が収容されていても、アンテナ142A、142Bで入口131A、131Bを通ってボックス130A、130Bに収容される物品のRFIDタグを確実に読み取ることができる。また、読み取り漏れの発生を抑制することができる。
【0174】
また、ボックス130A、130Bの入口131A、131Bにアンテナ142A、142Bを設けたことによって、RFIDタグ41を読み取った物品40が確実にボックス130A、130Bに入れられるので、ボックス130A、130Bに入れたことを確認する作業が不要であり、作業効率を向上させることができる。また、ボックス130A、130Bの上側からRFIDタグ41を読むことにより、ボックス130A、130Bの内部に沢山の他の物品40が収容されている状態でも、ボックス130A、130Bに入れる物品40のRFIDタグ41を確実に読み取ることができる。
【0175】
また、ボックス130Aとアンテナ142Bとの間に遮蔽部170を設けているので、アンテナ142Aがボックス130Bに収容される物品に付されたRFIDタグを読み取らないようにすることができる。換言すれば、ボックス130A、130Bに入れられる物品40をアンテナ142A、142Bで正確に読み取ることができ、読み取りのミスを抑制することができる。
【0176】
<ハードウェア構成>
図15は、実施形態の管理サーバ10、及び、タブレットコンピュータ150のハードウェア構成図である。管理サーバ10、及び、タブレットコンピュータ150は、CPU(Central Processing Unit)1001、ROM(Read Only Memory)1002、RAM(Random Access Memory)1003を有する。CPU1001、ROM1002、RAM1003は、いわゆるコンピュータを形成する。
【0177】
また、管理サーバ10、タブレットコンピュータ150は、補助記憶装置1004、表示装置1005、操作装置1006、I/F(Interface)装置1007、ドライブ装置1008を有する。なお、管理サーバ10、タブレットコンピュータ150の各ハードウェアは、バス1009を介して相互に接続されている。
【0178】
CPU1001は、補助記憶装置1004にインストールされている各種プログラムを実行する演算デバイスである。
【0179】
ROM1002は、不揮発性メモリである。ROM1002は、補助記憶装置1004にインストールされている各種プログラムをCPU1001が実行するために必要な各種プログラム、データ等を格納する主記憶デバイスとして機能する。具体的には、ROM1002はBIOS(Basic Input/Output System)やEFI(Extensible Firmware Interface)等のブートプログラム等を格納する、主記憶デバイスとして機能する。
【0180】
RAM1003は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)やSRAM(Static Random Access Memory)等の揮発性メモリである。RAM1003は、補助記憶装置1004にインストールされている各種プログラムがCPU1001によって実行される際に展開される作業領域を提供する、主記憶デバイスとして機能する。
【0181】
補助記憶装置1004は、各種プログラムや、各種プログラムが実行される際に用いられる情報を格納する補助記憶デバイスである。
【0182】
表示装置1005は、管理サーバ10、及び、タブレットコンピュータ150の内部状態等を表示する表示デバイスである。
【0183】
操作装置1006は、管理サーバ10、及び、タブレットコンピュータ150の管理者が管理サーバ10、及び、タブレットコンピュータ150に対して各種指示を入力する入力デバイスである。
【0184】
I/F装置1007は、ネットワーク50に接続し、管理サーバ10、及び、タブレットコンピュータ150と通信を行うための通信デバイスである。
【0185】
ドライブ装置1008は記憶媒体1010をセットするためのデバイスである。ここでいう記憶媒体1010には、CD-ROM、フレキシブルディスク、光磁気ディスク等のように情報を光学的、電気的あるいは磁気的に記録する媒体が含まれる。また、記憶媒体1010には、EPROM (Erasable Programmable Read Only Memory)、フラッシュメモリ等のように情報を電気的に記録する半導体メモリ等が含まれていてもよい。
【0186】
なお、補助記憶装置1004にインストールされる各種プログラムは、例えば、配布された記憶媒体1010がドライブ装置1008にセットされ、該記憶媒体1010に記録された各種プログラムがドライブ装置1008により読み出されることでインストールされる。あるいは、補助記憶装置1004にインストールされる各種プログラムは、I/F装置1007を介して、ネットワーク50とは異なる他のネットワークよりダウンロードされることでインストールされてもよい。
【0187】
以上、本発明の例示的な実施形態の補充補助ロボット及び補充補助システム1について説明したが、本発明は、具体的に開示された実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形や変更が可能である。
【符号の説明】
【0188】
1 補充補助システム
10 管理サーバ
40 物品
41 RFIDタグ
50 ネットワーク
100、100A、100B、100C 補充補助ロボット
101 補充指示管理部
102 補充指示格納部
103 マップ作成部
104 ID情報受信部
105 カウント部
106 補充状況管理部
110 搬送車
120 フレーム
130A、130B ボックス
140 RFIDリーダ
141 本体部
142A、142B、143A、143B アンテナ
150 タブレットコンピュータ
160 顔認証部
170 遮蔽部
1001 CPU
1002 ROM
1003 RAM
1004 補助記憶装置
1005 表示装置
1006 操作装置
1007 I/F装置
1008 ドライブ装置
1009 バス
1010 記憶媒体