(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-07
(45)【発行日】2023-09-15
(54)【発明の名称】ソフトコンタクトレンズ収納ケース
(51)【国際特許分類】
A45C 11/04 20060101AFI20230908BHJP
【FI】
A45C11/04 B
(21)【出願番号】P 2020151840
(22)【出願日】2020-09-10
【審査請求日】2022-04-19
(73)【特許権者】
【識別番号】514205274
【氏名又は名称】株式会社トーメーポート
(73)【特許権者】
【識別番号】000138082
【氏名又は名称】株式会社メニコン
(74)【代理人】
【識別番号】100078190
【氏名又は名称】中島 三千雄
(74)【代理人】
【識別番号】100115174
【氏名又は名称】中島 正博
(72)【発明者】
【氏名】宮脇 健
【審査官】粟倉 裕二
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/211902(WO,A1)
【文献】特開平06-205706(JP,A)
【文献】特開2004-121645(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45C 11/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上方に開口する有底円筒形状を呈し、筒内がレンズ収納部とされて、そこに収容される液体中において、ソフトコンタクトレンズがレンズ内面を上向きとなるようにして保持される容器本体と、該容器本体の開口部に液密に取り付けられる蓋本体の内面から下方に向かって突出する下方突部を有し、この下方突部の下端部に、前記ソフトコンタクトレンズを吸着保持するドーム状のレンズ保持部を備えた蓋体とを有するソフトコンタクトレンズ収納ケースであって、
前記容器本体の円筒形状の筒壁部の内面に、所定高さで上下方向に延び、該容器本体の底部に至る複数の縦リブが、放射状に配設されて
いると共に、該底部の内面に、複数の横リブが放射状に配設されており、且つ
該複数の横リブが、前記底部の径方向において、
それら横リブ同士を比較した際に異なる長さにおいて設けられていることを特徴とするソフトコンタクトレンズ収納ケース。
【請求項2】
上方に開口する有底円筒形状を呈し、筒内がレンズ収納部とされて、そこに収容される液体中において、ソフトコンタクトレンズがレンズ内面を上向きとなるようにして保持される容器本体と、該容器本体の開口部に液密に取り付けられる蓋本体の内面から下方に向かって突出する下方突部を有し、この下方突部の下端部に、前記ソフトコンタクトレンズを吸着保持するドーム状のレンズ保持部を備えた蓋体とを有するソフトコンタクトレンズ収納ケースであって、
前記容器本体の円筒形状の筒壁部の内面に、所定高さで上下方向に延び、該容器本体の底部に至る複数の縦リブが、放射状に配設されていると共に、該底部の内面に、前記筒壁部から底部中心に向かって漸次高さを低下しつつ延びる複数の横リブが、放射状に配設されており、且つ該複数の横リブが、前記底部の径方向
における長さ及び該底部の内面からの高さ方向における高さが、それぞれ異なる長さ及び高さにおいて設けられていることを特徴とするソフトコンタクトレンズ収納ケース。
【請求項3】
前記縦リブと前記横リブとが、一体的に形成されて、前記筒壁部の周方向において同一位相で位置して、該筒壁部の内面から前記底部の内面に連続的に延びていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のソフトコンタクトレンズ収納ケース。
【請求項4】
前記複数の横リブが、前記底部の径方向における長さが長く且つ高さの高い第一のリブと、該第一のリブよりも前記底部の径方向における長さが短く且つ高さの低い第二のリブとから構成されていると共に、それら第一及び第二のリブが、前記底部の周方向に交互に配設されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載のソフトコンタクトレンズ収納ケース。
【請求項5】
前記容器本体の筒壁部の上端の全周に亘って、嵌合凸部が環状に設けられている一方、前記蓋体の蓋本体の周縁部に嵌合凹部が環状に設けられ、それら嵌合凸部と嵌合凹部とをスナップ嵌合せしめることによって、該容器本体に該蓋体が液密に取り付けられるようになっていることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載のソフトコンタクトレンズ収納ケース。
【請求項6】
前記容器本体と前記蓋体とが一体成形により一体物として形成されていると共に、それら容器本体と蓋体との間の連結部が薄肉化されて、ヒンジ部が形成され、該蓋体が、該ヒンジ部の屈曲にて回動せしめられることにより、該容器本体の開口部に液密に嵌合せしめられ得るように構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載のソフトコンタクトレンズ収納ケース。
【請求項7】
前記容器本体と前記蓋体との連結部に対向し、該連結部とは反対側となる該容器本体の筒壁部内面部位に位置する前記縦リブが、該筒壁部の前記連結部側に位置する内面部位に設けられている縦リブよりも低い高さにおいて、形成されていることを特徴とする請求項6に記載のソフトコンタクトレンズ収納ケース。
【請求項8】
前記蓋体を前記ヒンジ部の周りに回動せしめて、前記容器本体の開口部に対する脱着を行なうに際して把持される把持片が、かかる蓋体の周縁部の所定位置に一体的に形成されていることを特徴とする請求項6又は請求項7に記載のソフトコンタクトレンズ収納ケース。
【請求項9】
前記容器本体の二つが、屈曲の困難な本体連結部を介して一体的に連結されて、それら二つの容器本体に対して、右眼用及び左眼用のソフトコンタクトレンズが個別に収容され得るようになっている一方、前記蓋体の二つが、それら二つの容器本体に対してそれぞれ一体的に取り付けられていることを特徴とする請求項6乃至請求項8の何れか1項に記載のソフトコンタクトレンズ収納ケース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ソフトコンタクトレンズ収納ケースに係り、特に、ソフトコンタクトレンズの後面(内側)に触れることなく、レンズ収納部からの取り出しを安定的に行ない得るようにした収納ケースに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、コンタクトレンズ(以下、CLという)は、その装用中を除けば、容器内に収容された液体中に浸漬されて、保存されるようになっている。そして、CLは、かかる容器内において、そこに収容された専用の液剤により、洗浄、消毒、表面濡れ性の改善等の作用(処理)を受け、次回の装用までの間に、レンズとしての機能の維持や回復が行なわれるようになっている。
【0003】
ところで、そのようなCLを収容する容器内の液体中から、CLを取り出して、装用者の眼に装着するに際しては、かかるCLが、装用者の指にて取り扱われることとなるところから、その際に、CLの後面(内面)に装用者の指が触れたりすると、指の汚れや指に付着する細菌がCLの後面に付着し、それによって、レンズとしての機能を低下させたり、装用者の眼に炎症を惹起させたりする等の恐れが内在している。特に、CLの中でも、剛性が低く、変形作用を受け易いソフトコンタクトレンズ(以下、SCLという)にあっては、その取扱いに細心の注意を払っても、眼に対するSCLの脱着に際して、SCLの後面に装用者の指が触れ易くなっているのである。
【0004】
そこで、そのようなSCLの後面に指が触れるのを極力回避し得るようにした、SCLを収容保持する各種の容器乃至はケースが提案されてきており、本願出願人の一人においても、国際公開(WO)第2013/140452号において、収容凹所からのCLの取り出しの際の汚染付着防止性や操作性の向上を図ることの出来る、新規な構造のCL保存ケースを、明らかにした。
【0005】
すなわち、かかるCL保存ケースは、CLが、その内面(後面)を上方に向けた状態において、保存液中に浸漬、保持される収容凹所を備えた容器本体と、そのような収容凹所を覆蓋する蓋体とを備え、そして蓋体には、下方に延びる下方突部を設けると共に、この下方突部の下面に球殻凸面形状の吸着保持部を設けて、この吸着保持部に、CLが吸着保持され得るように構成されており、これによって、下方突部の吸着保持部にCLの内面を吸着保持した状態で、容器本体から蓋体を離脱させることが出来ることとなり、以て、CLを収容凹所から取り出す際に、CLの内面に指が触れることがなく、指の接触によるCL内面の汚染が有利に防止され得ることとなるのである。
【0006】
しかしながら、かくの如き構成のCL保存ケースにおいて、その蓋体に設けた下方突部の吸着保持部に、CLの内面を吸着保持させるには、かかるCLを正確に保存ケースの中央に沈ませて、蓋体にて閉塞する必要があり、仮にCLが、ケース中央ではなく、横にズレた状態で収容されたりすると、閉塞したときに、CLが吸着保持部に吸着されずに、その取出しを行なうことが出来なくなる問題があった。
【0007】
しかも、そのようなCLの吸着保持のためには、かかる吸着保持部にCLが近接位置するように、吸着保持部の下面とCLの収容凹所の底面との間の距離を狭く、維持する必要があるが、そうすると、CLの収容凹所に保持される保存液の液量が、必然的に少なくなる結果、CLの洗浄や消毒等の処理効果が充分に達成され得ない問題を内在していることに加えて、吸着保持部の下面と収容凹所の底面との間の間隙が狭くなると、そのような間隙内に位置せしめられるCLの移動が拘束されて、かかる収容凹所の中心からCLが偏った形態において収容されたりすると、蓋体の下方突部の吸着保持部に対するCLの吸着保持が困難となる問題も内在することとなる。尤も、保存ケースにおける収容凹所の内径を小さくして、吸着保持部との間の間隙を狭くすることにより、CLを収容凹所の中心に位置せしめ易くなるのであるが、そうすると、かかる収容凹所における保存液の液量が必然的に少なくなる結果となり、これによっても、CLの保存液による処理効果が低下するという問題が惹起されるようになることに加えて、かかる小さな内径の収容凹所内へのCLの収容操作も困難となる問題の他、CLの長時間の保存により、物理的な干渉に基づくところのCLの変形が惹起されることも危惧される問題を内在することとなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ここにおいて、本発明は、上述の如き事情を背景にして為されたものであって、その解決課題とするところは、容器本体内のレンズ収納部への液体の収容量を効果的に増大せしめ得ると共に、かかるレンズ収納部内の液体中に浸漬されるSCLの移動も容易に実現して、レンズ保持部に対して、SCLを安定的に吸着保持して取り出し得るようにしたSCL収納ケースを提供することにあり、また他の課題とするところは、SCLをレンズ収納部から取り出して装用するに際して、SCLの内面側に指が触れることなく、従って、指の汚れや細菌がSCL内面に付着する問題を惹起することなく、SCLの装用が安心して出来るようにしたSCL収納ケースを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
そして、本発明は、上記した課題を解決するために、以下に列挙せる如き各種の態様において、好適に実施され得るものであるが、また、以下に記載の各態様は、任意の組み合わせにおいて、採用可能である。なお、本発明の態様乃至は技術的特徴は、以下に記載のものに何等限定されることなく、明細書全体の記載及び図面に開示の発明思想に基づいて、認識され得るものであることが、理解されるべきである。
【0011】
そこで、本発明は、先ず、前記せる如き課題を解決するべく、上方に開口する有底円筒形状を呈し、筒内がレンズ収納部とされて、そこに収容される液体中において、SCL内面を上向きとなるようにして保持される容器本体と、該容器本体の開口部に液密に取り付けられる蓋本体の内面から下方に向かって突出する下方突部を有し、この下方突部の下端部に、前記SCLを吸着保持するドーム状のレンズ保持部を備えた蓋体とを有するSCL収納ケースであって、前記容器本体の円筒形状の筒壁部の内面に、所定高さで上下方向に延び、該容器本体の底部に至る複数の縦リブが、放射状に配設されていると共に、該底部の内面に、前記筒壁部から底部中心に向かって漸次高さを低下しつつ延びる複数の横リブが、放射状に配設されていることを特徴とするSCL収納ケースを、その要旨とするものである。
【0012】
なお、かかる本発明に従うSCL収納ケースの好ましい態様の一つによれば、前記縦リブと前記横リブとが、一体的に形成されて、前記筒壁部の周方向において同一位相で位置して、該筒壁部の内面から前記底部の内面に連続的に延びている構造が、有利に採用されることとなる。
【0013】
また、本発明に従うSCL収納ケースの好ましい態様の他の一つによれば、前記複数の横リブは、前記底部の径方向における異なる長さと高さにおいて、該底部の周方向に所定間隔で設けられている。
【0014】
さらに、本発明に従うSCL収納ケースの望ましい別の態様の一つによれば、前記複数の横リブは、前記底部の径方向における長さが長く且つ高さの高い第一のリブと、該第一のリブよりも前記底部の径方向における長さが短く且つ高さの低い第二のリブとから構成されていると共に、それら第一及び第二のリブが、前記底部の周方向に交互に配設されている。
【0015】
加えて、本発明に従うSCL収納ケースにあっては、有利には、前記容器本体の筒壁部の上端の全周に亘って、嵌合凸部が環状に設けられている一方、前記蓋体の蓋本体の周縁部に嵌合凹部が環状に設けられ、それら嵌合凸部と嵌合凹部とをスナップ嵌合せしめることによって、該容器本体に該蓋体が液密に取り付けられるようになっている。
【0016】
そして、本発明の有利な態様の一つによれば、前記容器本体と前記蓋体とが一体成形により一体物として形成されていると共に、それら容器本体と蓋体との間の連結部が薄肉化されて、ヒンジ部が形成され、該蓋体が、該ヒンジ部の屈曲にて回動せしめられることにより、該容器本体の開口部に液密に嵌合せしめられ得るように構成されている。
【0017】
また、本発明にあっては、前記容器本体と前記蓋体との連結部に対向し、該連結部とは反対側となる該容器本体の筒壁部内面部位に位置する前記縦リブが、該筒壁部の前記連結部側に位置する内面部位に設けられている縦リブよりも低い高さにおいて、形成されている構成が、有利に採用されることとなる。
【0018】
さらに、本発明の望ましい態様にあっては、前記蓋体を前記ヒンジ部の周りに回動せしめて、前記容器本体の開口部に対する脱着を行なうに際して把持される把持片が、かかる蓋体の周縁部の所定位置に一体的に形成されている。
【0019】
更にまた、本発明の望ましい態様の他の一つによれば、前記容器本体の二つが、屈曲の困難な本体連結部を介して一体的に連結されて、それら二つの容器本体に対して、右眼用及び左眼用のSCLが個別に収容され得るようになっている一方、前記蓋体の二つが、それら二つの容器本体に対してそれぞれ一体的に取り付けられている。
【発明の効果】
【0020】
このように、本発明に従うSCL収納ケースにあっては、有底円筒形状を呈する容器本体の円筒形状の筒壁部の内面に、所定高さで上下方向に延びる複数の縦リブが、周方向に所定間隔を隔てて、放射状に配設されていることによって、かかる容器本体の筒内に形成されるレンズ収納部のより中央部位に、収容されたSCLを位置せしめることが可能となることに加えて、容器本体の底部の内面には、底部中心に向かって、漸次高さを低下しつつ延びる複数の横リブが、放射状に配設されていることによって、それら横リブの頂部(先端部)とドーム状のレンズ保持部の下面との間に形成されるレンズ収容間隙を適正に規制して、SCLがドーム状のレンズ保持部に近接位置せしめられ得るようになるところから、容器本体内のレンズ収納部に収容された液体中のSCLが、レンズ保持部に効果的に吸着保持され、かかるSCLの吸着ミスを有利に回避しつつ、容器本体から安定的に取り出され得ることとなるのである。
【0021】
しかも、本発明にあっては、容器本体の筒壁部内面や底部内面には、縦リブや横リブが形成されているものの、それら内面とドーム状のレンズ保持部との間には、充分な間隙が確保され得ることとなるところから、そこには、収容液体が充分な量において存在せしめられ得ることとなり、それによって、SCLの消毒や洗浄等の処理効果が有効に発揮させられ得ることとなると共に、充填液体の流動によって、SCLがレンズ収納部の隅に偏るように収容されていても、かかるSCLを効果的に移動させ得て、レンズ収納部の中央にSCLを位置せしめるようにすることも可能となったのである。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明に従うSCL収納ケースの一例を示す説明図であって、(a)は、その平面説明図であり、(b)は、その正面説明図であり、(c)は、その底面説明図である。
【
図2】
図1に示されるSCL収納ケースの斜視説明図である。
【
図3】
図1に示されるSCL収納ケースの断面説明図であって、(a),(b)及び(c)は、ぞれぞれ、
図1(a)におけるA-A断面,B-B断面及びC-C断面の拡大説明図である。
【
図4】
図1に示されるSCL収納ケースの断面説明図であって、(a)及び(b)は、それぞれ、
図1(b)におけるD-D断面及びE-E断面の拡大説明図である。
【
図5】
図3(a)における容器本体部分の更なる拡大説明図である。
【
図6】
図5に示される容器本体内に液体とSCLとを収容して、蓋体としてのキャップをスナップ嵌合せしめてなる状態を示す断面説明図である。
【
図7】
図1に示されるSCL収納ケースにおいて、SCLを収容した後、キャップを容器本体にスナップ嵌合せしめてなる形態を示す斜視説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に、本発明の構成を更に具体的に明らかにするために、本発明の代表的な実施形態について、図面に基づいて、詳細に説明することとする。
【0024】
先ず、
図1には、本発明に従うSCL収納ケースの一例に係るものが、平面図、正面図及び底面図の形態において、それぞれ、概略的に示されている。また、
図2には、そのようなSCL収納ケースが、斜視図の形態において、示されている。そこにおいて、SCL収納ケース10は、所定の液体が収容される有底円筒形状の容器本体12と、この容器本体12の上方に開口する開口部にスナップ嵌合せしめられて、液密に且つ着脱可能に取り付けられることにより、かかる容器本体12の内部に、レンズ収納部としての密閉空間を形成し得るキャップ(蓋体)14とを、有している。そして、SCL収納ケース10は、ここでは、右眼用SCL及び左眼用SCLをそれぞれ収納、保持するために、二つの容器本体12,12と二つのキャップ14,14とを有し、それらが、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート等の合成樹脂を用いた、射出成形等による公知の一体成形操作にて、樹脂製の一体物として形成されている。
【0025】
ところで、それら二つの容器本体12,12は、それらの上部において、板状の本体連結部16にて連結されていると共に、
図1(b),(c)や
図4(b)から明らかな如く、二つの補強リブ18,18にて補強されて、二つの容器本体12,12が、それらの間で屈曲させることが困難となる構造とされている。また、
図1(a)に示されるように、本体連結部16の二つの容器本体12,12に近接する部位には、L及びRの文字が浮彫形態において形成されて、それぞれ、左眼用及び右眼用のSCLが収容されるべき容器本体12が、指定されている。更に、二つの容器本体12,12の開口部の対向側とは反対側の周縁部には、それぞれ、キャップ14の上部周縁部が連結され、そして、その連結部位が薄肉化されることによって、そこに、
図1や
図3(a)に示される如く、容器本体12とキャップ14との連結方向に対して直交する方向に、薄肉のヒンジ部20が形成されているのである。従って、このヒンジ部20において、屈曲されて、キャップ14が回動せしめられることによって、
図6や
図7に示されるように、容器本体12の開口部がキャップ14にて覆蓋されて、密閉せしめられ得ることとなる。
【0026】
かくの如く、キャップ14は、ヒンジ部20における屈曲により回動せしめられて、容器本体12の開口部にスナップ嵌合せしめられるものであるところから、
図1や
図2、
図3(a)等においては、上下が逆の形態において示されているのである。そして、そのようなキャップ14におけるキャップ本体(蓋本体)14aには、その内面から下方に向かって突出する円筒状の下方突部14bが一体的に設けられており、更に、この下方突部14bの下端部を閉塞するように、SCLを吸着保持するドーム状のレンズ保持部22が、下方に突出する形態において、下方突部14bの下端部に一体的に設けられている。また、容器本体12の開口部に対するキャップ14の脱着を容易と為すべく、キャップ14のキャップ本体14aの周縁部から側方に突出する舌片状の把持片14cが、ヒンジ部20とは反対側に位置するように、一体的に設けられており、この把持片14cを指で挟持して、キャップ14の脱着を行ない得るようになっている。なお、ドーム状のレンズ保持部22は、SCLの吸着保持のために、滑らかな外表面とされていると共に、かかるSCLの後面(内面)の曲率半径よりも大なる曲率半径を有する球状の外表面(下面)を備えており、特に、通常の大きさのSCLに対して、かかるレンズ保持部22の外表面(下面)の曲率半径を9.0~10mm程度とすることで、SCLがレンズ保持部22の中央ではなく、端に寄っていた場合においても安定的に吸着可能となり、後述の如き縦リブ24及び横リブ26の存在によって、SCLの吸着保持作用は有利に発揮され得るのである。
【0027】
また、容器本体12においては、
図1(a)及び(b)、
図2、
図3(a)~(c)、
図4(a)及び(b)に示され、更に、
図5に拡大して示されている如く、容器本体12の円筒形状の筒壁部12aの内面に、所定高さの複数の縦リブ24が、周方向に所定距離(ここでは、30°の位相差)をもって、筒壁部12aの中心に向かう方向に放射状に設けられている。この縦リブ24は、容器本体12の筒壁部12aの上下方向に延びるように配設されており、その上部の角部が円弧状の湾曲形状とされて、容器本体12の底部12bに至る長さにおいて形成されている。一方、複数の横リブ26は、拡大された
図5より明確に把握され得るように、容器本体12の底部12bの内面に、筒壁部12aの内面から底部12bの中心に向かって漸次高さを低下しつつ延びる(ここでは、直線的に高さが漸次低下する)形態において、底部12bの周方向に所定間隔(ここでは、30°の位相差)をもって放射状に配設されている。そして、それら複数の縦リブ24と複数の横リブ26とは、ここでは、一体のリブとして、容器本体12の筒内に配設されているのである。
【0028】
より詳しくは、複数の縦リブ24は、容器本体12とキャップ14との連結部(20)に対向し、かかる連結部とは反対側となる容器本体12の筒壁部12a内面部位に位置する5個の縦リブ24aと、かかる連結部(20)側の容器本体12の筒壁部12a内面部位に位置する7個の縦リブ24bとから構成されている。そして、キャップ14とは反対側に位置する5個の縦リブ24aは、キャップ14側に位置する7個の縦リブ24bよりも低い高さにおいて設けられており、これによって、キャップ14がヒンジ部20の屈曲にて回動させられて、その下方突部14bが容器本体12内に挿入せしめられたときに、かかる下方突部14bが干渉するのが回避され得るようになっている。このように、キャップ14の内面に設けられた円筒形状の下方突部14bが、容器本体12内に挿入配置せしめられるものであるところから、複数(12個)の縦リブ24(24a+24b)の頂部乃至は上端にて形成される略円形形状の大きさは、下方突部14bの外形形状よりも大きく、従って、レンズ保持部22に吸着保持されるSCLの外径よりも大きくなるように構成されている。そして、そのような縦リブ24(24a,24b)と下方突部14bの外周面との間の距離は、レンズ保持部22に対するSCLの吸着保持を有効に行なう上において、一般に、0.5mm~1.5mm程度とされることとなる。
【0029】
また、容器本体12の底部12bに配設される複数の横リブ26は、ここでは、上記の複数の縦リブ24(24a+24b)の対応するものの下端部から連続して底部12b上に延びるように設けられて、
図1(a)や
図3(a)~(c)、
図4(a)等から明らかなように、容器本体12の底部12bの径方向における長さが異なる2種類のリブ、即ち、長い横リブ26aと短い横リブ26bとから構成されると共に、それら横リブ26a及び26bが、周方向に交互に位置するように、30°の間隔を隔てて、容器本体12の筒壁部12aから底部12bの中心に向かって延びる形態において、放射状に配設せしめられている。そして、それら2種類の横リブ26a,26bは、容器本体12の底部12bの中心に向かって直線的に高さが低下するように、設けられているのである。即ち、
図5に拡大して示される如く、2種類の横リブ26のうち、一方の横リブ26aは、他方の横リブ26bよりも高さの高い状態において、容器本体12の底部12bの中心に近く延びて、消失するように、配設されているのである。このように、長さ及び高さの異なる2種類の横リブ26a,26bの存在によって、偏って収容されるSCL32(
図6参照)の入り込みを許容して、より中央にSCL32を誘導し易くなっているのである。
【0030】
さらに、それら二つの横リブ26a,26bが設けられてなる状態において、容器本体12の底部12b内面の中央部と、かかる容器本体12にスナップ嵌合せしめられたキャップ14の下方突部16bに設けられたレンズ保持部22の最下面との間に形成されるSCL32の収容間隙:a(
図6参照)は、SCL32の有効な吸着保持のために、一般に、0.25mm~0.78mm程度とされると共に、底部12b中心から筒壁部12aに向かうに従って、そのようなSCL32収容間隙は、横リブ26(26a,26b)とレンズ保持部22の下面との間において漸次大となるように、構成されている。
【0031】
そして、ここでは、容器本体12の開口部に対して、キャップ14を液密に取り付けるために、容器本体12の筒壁部12aの上端部に、その全周に亘って、所定高さの嵌合凸部(環状突条)28が一体的に設けられている一方、キャップ14におけるキャップ本体14aの周縁部には、下方に開口する所定深さの嵌合凹部(嵌合溝)30が環状に設けられている。また、そこにおいて、嵌合凸部28は、その上端外周部が外方に突出するように膨らみをもって形成されている一方、キャップ本体14aの外周部に設けられた環状の嵌合凹部30の外側の内周面が、内方に膨出するように設けられて、かかる嵌合凸部28の先端の膨出部が、嵌合凹部30の入口部に形成された膨出部を乗り越えて、嵌入せしめられることにより、それら嵌合凸部28と嵌合凹部30とがしっかりと且つ液密に嵌合せしめられ得るようになっている。即ち、容器本体12とキャップ14との連結部に設けられたヒンジ部20を屈曲せしめることにより、キャップ14を回動させて、その下方突部14bを容器本体12の筒壁部12a内に入り込ませる一方、かかる筒壁部12aの上端部に設けられた嵌合凸部28を、キャップ本体14aの周縁部に設けられた嵌合凹部30内に、スナップ嵌合させることによって、容器本体12に対して、キャップ14が液密に取り付けられ得るようになっているのである。
【0032】
従って、かくの如き構成のSCL収納ケース10にあっては、容器本体12の筒壁部12aの内面に複数の縦リブ24が放射状に配設されて、収容されるSCL32の水平方向の大きな動きが規制されると共に、底部12b内面に放射状に設けられた、底部12bの中心に向かって漸次高さが低くなる複数の横リブ26によって、ドーム状のレンズ保持部22の下面との間に形成されるレンズ収容間隙を規制して、SCL32がレンズ保持部22に近接位置せしめられ得るようになっているところから、かかるレンズ保持部22に対するSCL32の吸着保持が安定的に行なわれ得るようにした状態下において、容器本体12内の複数の縦リブ24の相互の間隙内や複数の横リブ26の相互の間隙内にも、所定の液体を収容することが可能となるのであり、以て、容器本体12内における収容液体量を効果的に増大せしめ得て、SCL32を保持(処理)するための充分な液量が確保され得ることとなるのである。
【0033】
そして、SCL収納ケース10の二つの容器本体12,12には、
図6に示される如く、浸漬されるSCL32の保存処理のために、洗浄、消毒、表面濡れ性の改善等の作用を為す、従来と同様な液体34が収容されてなる状態において、装用者の眼から取り外された右眼用SCL32や左眼用SCL32が、それぞれ、そのレンズ内面(後面)が上向きとなるようにして、指定の容器本体12内に収容された液体に浸漬された後、キャップ14がスナップ嵌合せしめられることにより、SCL32は、収容液体34中に浸漬、保持されることとなる。なお、
図7には、SCL収納ケース10の二つの容器本体12,12内に、右眼用及び左眼用のSCL32を収納せしめて、それぞれ、キャップ14をスナップ嵌合させることにより、密封してなる形態が、斜視図において、示されている。
【0034】
かくして、このようなSCL32の収納操作において、SCL32は、容器本体12の筒壁部12aの内面に放射状に設けた複数の縦リブ24の存在によって、筒壁部12aの内径を小さくした場合と同様に、筒壁部12aの中央側に寄るようになるのであり、しかも、底部12bの内面に放射状に設けられた、かかる底部12bの中心に向かって下方に傾斜する横リブ26によって、レンズ保持部22との間に、有効なレンズ収容間隙が形成されることとなるところから、SCL32を、レンズ保持部22の外面に安定的に吸着保持せしめることが可能となるのである。また、仮に、SCL32が、レンズ保持部22の吸着面の中央ではなく、端に寄って収容されていても、吸着可能となるのであって、そのような収容形態においては、多くの場合、SCL32は、吸着面から筒壁部12a側にズレた状態で吸着されて、取り出されることとなる。
【0035】
また、複数の縦リブ24間における多くの間隙と共に、複数の横リブ26間における多くの間隙、特に長い横リブ26aと短い横リブ26bの組合せからなる間隙の存在によって、収容液体34の液量も充分に確保され得ることとなり、これにより、SCL収納ケース10内においてSCL32が保持されている間に、かかるSCL32の収容液体34による処理、例えば洗浄、消毒、表面濡れ性の改善等の処理が効果的に実現され得ることに加えて、SCL収納ケース10内における収容液体34の流動(対流)も効果的に促進され得ることとなり、これによって、SCL32が筒壁部12aの中央側に移動せしめられて、レンズ保持部22の中央部に有利に吸着され得るようになるのである。
【0036】
さらに、収納されるSCL32が、液面に浮いた状態であっても、キャップ14を容器本体12の開口部にスナップ嵌合せしめて、下方突部14bを突入させることにより、かかる下方突部14bの先端に設けられたレンズ保持部22に、SCL32を吸着させるようにすることも可能となると共に、SCL32が、レンズ保持部22の吸着面の中央ではなく、端に寄っている場合において、キャップ14をスナップ嵌合した容器本体12を遥動させたり、振る等して、容器本体12内の収容液体34を流動させることによって、SCL32をレンズ保持部22の吸着面の中央よりに移動させて、その位置を修正することが容易に可能となるのであり、更に、SCL32の長時間の浸漬放置によって、自然にレンズ保持部22の中央部よりに移動することも、期待することが出来るのである。
【0037】
加えて、上述の如き構成のSCL収納ケース10においては、容器本体12が、連結部(20)を介して、キャップ14と一体に構成されて、樹脂を用いた一体成形操作にて形成され得るものであるところから、部品点数が一点となる構造となり、低コストでの生産が可能となるものであると共に、キャップ14がスナップ嵌合により容器本体12の密封を行なうものであるところから、かかるキャップ14の下方突部14bの下端に設けられたレンズ保持部22の容器本体12内における下端位置が常に一定となり、レンズ保持部22の下面と容器本体12の底部12bの内面/横リブ26の頂部との間の距離が変動することがないところから、それら底部12b/横リブ26とレンズ保持部22との間に形成されるレンズ収容間隙を、常に、SCL32の吸着に有効な間隙に維持することが出来ることとなり、以て、SCL32の安定的な吸着保持に寄与して、吸着ミスの発生が効果的に回避され得ることとなるのである。
【0038】
このように、図面に示される本発明の実施形態に係るSCL収納ケース10は、装用者の眼から取り外されたSCL32を、次回の装用機会まで保持乃至は保存し得る容器として、数々の有用な特徴を発揮するものであるが、そのようなSCL収納ケース10は、あくまでも、本発明の代表的な実施形態の一つとしての例示に過ぎないものであって、本発明は、そのような実施形態に係る具体的な記述によって、何等限定的に解釈されるものではないことが、理解されるべきである。
【0039】
例えば、上記の実施形態においては、左眼用及び右眼用の二つのSCL32,32を収容すべく、容器本体12とキャップ14の組合せの二つが一体的に設けられているが、勿論、一つのSCL32の収容を目的として、単に一つの容器本体12とキャップ14とを組み合わせてなる構成のSCL収納ケースとすることも可能である。なお、上記の実施形態では、生産性や経済性を考慮して、容器本体12とキャップ14とが一体化物として構成されているが、また、それら容器本体12とキャップ14とは、別体にて構成されていても、何等差し支えなく、その場合において、容器本体12とキャップ14とは、別個に成形されることとなる。
【0040】
また、容器本体12に対して、キャップ14を相対的に回動可能とするために、ここでは、容器本体12に対して、キャップ14が薄肉のヒンジ部20にて一体的に連結されてなる構造が、採用されているのであるが、これに代えて、従来から公知の各種の回動構造が、任意に採用可能である。なお、キャップ14の回動は、操作性の観点からして、望ましいものではあるが、必ずしも回動可能な構造とされている必要もないのである。
【0041】
さらに、容器本体12の開口部をキャップ14にて液密に閉塞する構造にあっても、例示の如きスナップ嵌合方式を採用する他、公知の各種の密封方式を採用することが可能であり、例えば、従来と同様な螺合方式を採用して、容器本体12の開口部にキャップ14を螺合することによって、脱着可能な構造において、液密に閉塞する構成を採用することも可能である。
【0042】
更にまた、キャップ14のキャップ本体14aから垂下する下方突部14bは、ここでは、軽量化のために、円筒形状とされているが、中実の円柱形状であっても、何等差支えなく、またその垂下する長さにあっても、容器本体12の軸方向(上下方向)の長さに応じて、適宜に選定されることとなる。
【0043】
加えて、容器本体12の筒壁部12aや底部12bの内面に、ぞれぞれ、設けられる縦リブ24や横リブ26にあっても、それら縦リブ24と横リブ26とを一体化してなる構造において、周方向に同一位相をもって、放射状に配設されているが、これに代えて、縦リブ24と横リブ26とを別体にて配設したり、或いはそのような別体にての配設と共に、それぞれの位相が異なるように、構成することも可能であり、更には、複数の縦リブ24の個数と複数の横リブ26の個数とを異ならしめることも可能である。
【0044】
なお、それら縦リブ24と横リブ26の配設個数は、それらリブ24,26の配設目的に応じて適宜に決定されるところであるが、それぞれ、一般に8~16程度、好ましくは11~13程度の個数が採用され、それら複数の縦リブ24や複数の横リブ26は、等間隔において配設される他、異なる間隔において、不規則に配設されるようにすることも、可能である。
【0045】
そして、例示の実施形態においては、複数の縦リブ24のうち、キャップ14の配設部位よりも遠い側に位置する5個の縦リブ24aの高さが、キャップ14の配設部位に近い方の側に位置する7個の縦リブ24bよりも低い高さにおいて設けられているが、それら縦リブ24aと24bの高さを同一とすることも可能であることは、言うまでもないところである。また、容器本体12の底部12b内面に配設される横リブ26にあっても、それらの底部12b径方向の長さや底部12b内面からの高さは、キャップ14におけるレンズ保持部22との間に形成されるレンズ収容間隙の大きさに応じて、適宜に選定されるところであり、長さの長い横リブ26aを、底部12bの中心に至るように延設することも可能である。更にまた、横リブ26の高さが直線的に変化する場合の他、曲線的に高さを変化させることも可能であり、更には、高さの異なる横リブ26aと26bにおいて、高さの低い横リブ26bは、
図6に示される如く、SCL32が浸漬される液体34が、容器本体12内において良好に流動して、SCL32がレンズ保持部22の中心に移動し得るように、その高さは適宜に選定されることとなる。なお、それら高さの異なる横リブ26a,26bは、例示の実施形態の如く、交互に配設されていることが望ましいのであるが、また、それら横リブ26aと26bとが不規則に配列されるように構成することも可能である。
【0046】
また、例示の実施形態では、容器本体12とキャップ14とのスナップ嵌合のために、容器本体12側に嵌合凸部28を設ける一方、キャップ14側には、そのような嵌合凸部28に嵌合する嵌合凹部30を設けているが、かかる嵌合凸部28をキャップ14側に設ける一方、容器本体12側に嵌合凹部(30)を設けるようにすることが出来る他、それら容器本体12とキャップ14との嵌合方式にあっても、公知の各種の嵌合構造が、適宜に採用され得るものである。
【0047】
その他、一々列挙はしないが、本発明は、当業者の知識に基づいて、種々なる変更、修正、改良等を加えた態様において実施され得るものであり、更に、そのような実施の態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、何れも、本発明の範疇に属するものであることは、言うまでもないところである。
【符号の説明】
【0048】
10 SCL収納ケース 12 容器本体 14 キャップ 14a キャップ本体 14b 下方突部 16 本体連結部 18 補強リブ 20 ヒンジ部 22 レンズ保持部 24 縦リブ 26 横リブ 28 嵌合凸部 30 嵌合凹部 32 SCL 34 液体