(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-07
(45)【発行日】2023-09-15
(54)【発明の名称】DCIブラインド検出時のマルチモード・ブロック弁別のためのスクランブル系列設計
(51)【国際特許分類】
H04L 1/18 20230101AFI20230908BHJP
H04L 1/16 20230101ALI20230908BHJP
H04L 27/26 20060101ALI20230908BHJP
H04W 28/04 20090101ALI20230908BHJP
H04W 72/044 20230101ALI20230908BHJP
【FI】
H04L1/18
H04L1/16
H04L27/26 310
H04L27/26 410
H04W28/04 110
H04W72/044 110
(21)【出願番号】P 2020530419
(86)(22)【出願日】2018-08-06
(86)【国際出願番号】 US2018045355
(87)【国際公開番号】W WO2019032444
(87)【国際公開日】2019-02-14
【審査請求日】2021-07-29
(32)【優先日】2017-08-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-08-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-09-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-09-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-10-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】505000815
【氏名又は名称】コーヒレント・ロジックス・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【氏名又は名称】山川 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】シェルビー,ケヴィン・エイ
(72)【発明者】
【氏名】リウ,フェン
(72)【発明者】
【氏名】スタークス,デイヴィッド・アール
(72)【発明者】
【氏名】アーンショウ,マーク
【審査官】北村 智彦
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0192402(US,A1)
【文献】CATT,UL control signaling design for CBG-based operation[online],3GPP TSG RAN WG1 adhoc_NR_AH_1706 R1-1710097,2017年06月17日,[検索日:2018.01.11],Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_AH/NR_AH_1706/Docs/R1-1710097.zip>
【文献】AT & T,Polar code construction for control channels[online],3GPP TSG RAN WG1 #89 R1-1707747,2017年05月07日,[検索日:2018.02.05],Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_89/Docs/R1-1707747.zip>
【文献】Coherent Logix Inc.,Early Block Discrimination on DCI Blind Detection[online],3GPP TSG RAN WG1 adhoc_NR_AH_1706 R1-1711573,2017年06月28日,[検索日:2017.06.28],Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_AH/NR_AH_1706/Docs/R1-1711573.zip>
【文献】AT & T,On setting the values of Frozen bit locations for Polar codes[online],3GPP TSG RAN WG1 #90b R1-1718407,2017年10月03日,[検索日:2018.07.20],Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_90b/Docs/R1-1718407.zip>
【文献】Coherent Logix Inc.,Linear Codeword Scrambling for Early Termination on DCI Blind Detection[online],3GPP TSG RAN WG1 adhoc_NR_AH_1709 R1-1716534,2017年09月12日,[検索日:2018.07.09],Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_AH/NR_AH_1709/Docs/R1-1716534.zip>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 1/18
H04L 1/16
H04L 27/26
H04W 28/04
H04W 72/044
IEEE Xplore
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1,4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基地局とワイヤレスに通信するように構成したユーザ機器UEであって、前記UEは、
無線器;及び
前記無線器に動作可能に結合したプロセッサ
を備え、前記UEは、
下りリンクメッセージが、前記基地局から正常に受信されたかどうかを決定し(2102);
下りリンクメッセージが正常に受信されたかどうかという前記決定に基づき、複数の変調凍結ビットを生成するため、ハイブリッド自動再送要求HARQ確認応答メッセージに基づき、Polar符号の複数の凍結ビットを変調し(2104);
符号化HARQ確認応答メッセージを得るため、Polar符号を使用して、前記複数の変調凍結ビット及び複数の情報ビットを符号化し(2106);
前記符号化HARQ確認応答メッセージを前記基地局にワイヤレスに送信する(2108)
ように構成する、ユーザ機器UE。
【請求項2】
前記HARQ確認応答メッセージに基づく前記複数の凍結ビットの前記変調は、
前記HARQ確認応答メッセージに対して拡散マッピングを実施して前記凍結ビットと同じ長さを有する擬似ランダム2
値系列を得る
こと、及び、前記複数の凍結ビットを前記擬似ランダム2
値系列で変調すること
、を含む、請求項1に記載のUE。
【請求項3】
前記UEは、
前記複数の凍結ビットを変調するため、複数の確認応答/否定確認応答ACK/NACKビットに基づき、前記拡散マッピングの実施とブロック符号化とを組み合わせる
ように更に構成する、請求項2に記載のUE。
【請求項4】
前記複数の情報ビットは、複数の変調情報ビットを含み、
前記UEは、前記下りリンクメッセージが正常に受信されたかどうかの決定に応じて、前記HARQ確認応答メッセージに基づき、情報ビットを変調するように更に構成する、請求項1に記載のUE。
【請求項5】
前記符号化HARQ確認応答メッセージは、超高信頼低遅延通信URLLCサービスに関連付けてワイヤレスに送信する、請求項1に記載のUE。
【請求項6】
前記ワイヤレス
に送信
することは、前記基地局によってスケジュール設定した無線リソースを使用して実施する、請求項1に記載のUE。
【請求項7】
前記符号化HARQ確認応答メッセージを前記基地局にワイヤレスに送信することに応じて、前記UEは、
前記下りリンクメッセージの早期再送信を受信する
ように更に構成する、請求項1に記載のUE。
【請求項8】
下りリンクメッセージの早期再送信を実施する方法であって、前記方法は、
基地局によって、
ユーザ機器UEに下りリンクメッセージを送信すること;
前記UEへの前記下りリンクメッセージの送信に応じて、前記UEからPolar符号化ハイブリッド自動再送要求HARQ確認応答メッセージを受信すること(2202);
凍結ビット系列を得るため、前記Polar符号化HARQ確認応答メッセージに対する復号工程を開始すること(2204);
前記凍結ビット系列と、否定確認応答NACKメッセージに関連付けた参照ビット系列との間の一致が、所定の閾値を上回ることを決定すること(2206);及び
前記凍結ビット系列と、前記NACKメッセージに関連付けた参照ビット系列との間の一致が、所定の閾値を上回るという前記決定に基づき、前記UEに対する前記下りリンクメッセージの早期再送信をスケジュール設定すること(2208)
を含む、方法。
【請求項9】
前記凍結ビット系列と、前記NACKメッセージに関連付けた参照ビット系列との間の一致が、所定の閾値を上回るという前記決定に基づき、前記復号工程の早期終了を実施すること
を更に含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記凍結ビット系列は、前記UEによって、
PRBS(擬似ランダム2
値系列
)で変調してあり、前記PRBSは、未符号化HARQ確認応答メッセージに対する拡散マッピングの実施によって得られ、前記PRBSは、前記Polar符号内で利用される凍結ビットの総数と同じ長さである、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
複数のACK/NACKビットを変調、符号化するため、
前記拡散マッピングの実施を、ブロック符号化と組み合わせる、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記Polar符号化HARQ確認応答メッセージの複数の情報ビットは、複数の変調情報ビットを含み、前記変調情報ビットは、
前記UEによる前記下りリンクメッセージの受信に応じて、
前記UEによって、前記
Polar符号化HARQ確認応答メッセージでも変調
されている、請求項8に記載の方法。
【請求項13】
前記Polar符号化HARQ確認応答メッセージは、超高信頼低遅延通信URLLCサービスの一部として送信する、請求項8に記載の方法。
【請求項14】
前記Polar符号化HARQ確認応答メッセージを前記UEから受信する前に、
前記UEによって前記Polar符号化HARQ確認応答メッセージを送信するため、
前記基地局によって前記UEに向けた無線リソースをスケジュール設定すること
を更に含み、前記Polar符号化メッセージは、前記スケジュール設定した無線リソースを通じ、前記基地局によって受信される、請求項8に記載の方法。
【請求項15】
下りリンクメッセージの早期再送信を実施するように構成した基地局であって、前記基地局は、
無線器;
前記無線器に結合したプロセッサ
を備え、前記基地局は、
ユーザ機器UEに下りリンクメッセージを送信し;
前記UEへの前記下りリンクメッセージの送信に応じて、前記UEからPolar符号化ハイブリッド自動再送要求HARQ確認応答メッセージを受信し(2202);
凍結ビット系列を得るため、前記Polar符号化HARQ確認応答メッセージに対する復号工程を開始し(2204);
前記凍結ビット系列と、否定確認応答NACKメッセージに関連付けた参照ビット系列との間の一致が、所定の閾値を上回ることを決定し(2206);
前記凍結ビット系列と、前記NACKメッセージに関連付けた参照ビット系列との間の一致が、所定の閾値を上回るという前記決定に基づき、前記UEに対する前記下りリンクメッセージの早期再送信をスケジュール設定する(2208)
ように構成する、基地局。
【請求項16】
前記基地局は、
前記凍結ビット系列と、前記NACKメッセージに関連付けた参照ビット系列との間の一致が、所定の閾値を上回るという前記決定に基づき、前記復号工程の早期終了を実施する
ように更に構成する、請求項15に記載の基地局。
【請求項17】
前記凍結ビット系列は、前記UEによって、
PRBS(擬似ランダム2
値系列
)で変調してあり、前記PRBSは、未符号化HARQ確認応答メッセージに対する拡散マッピングの実施によって得られ、前記PRBSは、前記Polar符号内で利用される凍結ビットの総数と同じ長さである、請求項15に記載の基地局。
【請求項18】
複数の確認応答/否定確認応答ACK/NACKビットを変調、符号化するため、
前記拡散マッピングの実施を、ブロック符号化と組み合わせる、請求項17に記載の基地局。
【請求項19】
前記Polar符号化HARQ確認応答メッセージの複数の情報ビットは、複数の変調情報ビットを含み、前記変調情報ビットは、
前記UEによる前記下りリンクメッセージの受信に応じて、
前記UEによって、前記
Polar符号化HARQ確認応答メッセージでも変調
されている、請求項15に記載の基地局。
【請求項20】
前記基地局は、
前記Polar符号化HARQ確認応答メッセージを前記UEから受信する前に、
前記UEによって前記Polar符号化HARQ確認応答メッセージを送信するため、
前記基地局によって前記UEに向けた無線リソースをスケジュール設定する
ように更に構成し、前記基地局は、前記スケジュール設定した無線リソースを通じ、前記Polar符号化メッセージを受信するように更に構成する、請求項15に記載の基地局。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の分野は、一般に、ワイヤレス通信で使用される復号器に関する。
【背景技術】
【0002】
復号器は、多くのワイヤレス通信の分野で使用されている。送信器は、特定の受信器による受信を意図するメッセージを符号化することができる。意図する受信器が、符号化メッセージを探すべき場所(例えば時間及び/又は頻度の点での場所)の先験的知識を有さない場合、受信器は、ブラインド復号手順を受け、意図したメッセージに関する候補位置のセットを探索することができる。
【0003】
ブラインド復号は、相当な時間及び計算リソースを必要とすることがある。というのは、受信器は、正確なメッセージを復号する前、多数の候補位置で、メッセージに対するブラインド復号を実施しなければならないことがあるためである。したがって、この分野における改善が望ましい。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
送信器及び/又は受信器の1つ又は複数の識別子に基づき変調されている制御情報をPolar符号化し、復号するシステム及び方法の様々な実施形態を説明する。送信器又は受信器のそれぞれは、ユーザ機器(UE)若しくは基地局であるか、又は別の種類の送信器若しくは受信器とすることができる。いくつかの実施形態は、制御情報ブラインド検出及び復号時のマルチモード・ブロック弁別のためのスクランブル系列設計を説明する。個別のスクランブル・マスクは、符号化制御メッセージ内の異種のビット・フィールドに適用することができ、スクランブル・マスクのそれぞれは、ユーザ機器(UE)固有の識別子、UEグループ識別子又は基地局識別子に基づき得ることができる。他の実施形態では、スクランブル・マスクは、ペイロード・メッセージ、制御メッセージ、又は送信器及び受信器の両方に既知の参照ビット系列に基づき得ることができる。
【0005】
いくつかの実施形態では、Polar符号の凍結ビットを使用して、ハイブリッド自動再送要求(HARQ)確認応答メッセージを符号化、送信し、不成功の下りリンク・メッセージを早期に再送信することができる。
【0006】
いくつかの実施形態では、UE識別階層化工程を用いて、復号工程の早期終了とUE識別工程の成功との間の平衡を改善することができる。
【0007】
本概要は、本文書で説明する主題の一部に関する短い概要を提供することを意図する。したがって、上記で説明した特徴は、例にすぎず、本明細書で説明する主題の範囲又は趣旨を決して狭めるものではないと解釈すべきであることは了解されよう。本明細書で説明する主題の他の特徴、態様及び利点は、以下の詳細な説明、図面及び特許請求の範囲から明らかになろう。
【0008】
本発明のより良好な理解は、以下の図と共に、好ましい実施形態の以下の詳細な説明を考慮すれば得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】いくつかの実施形態によるワイヤレス通信環境を示す図である。
【
図2】いくつかの実施形態による、基地局の有効範囲が重複するワイヤレス通信環境を示す図である。
【
図3】いくつかの実施形態による例示的基地局を示すブロック図である。
【
図4】いくつかの実施形態による例示的UEを示すブロック図である。
【
図5】いくつかの実施形態による、ビット系列を変調し、符号化する方法を示す流れ図である。
【
図6】いくつかの実施形態による、受信したメッセージを復号し、復調する方法を示す流れ図である。
【
図7】n=11であるチャネル分極の一例の図である。
【
図8】n=3である例示的Polar符号器の図である。
【
図9】n=3である例示的Polar復号器の図である。
【
図10】LTEに対し規定したDCI符号化を示すフローチャート・ブロック図である。
【
図11】いくつかの実施形態による、Polar符号を組み込むように適合したDCI符号化を示すフローチャート・ブロック図である。
【
図12】いくつかの実施形態による、後にLTEによって使用されるパターン化したビットマスクの割り当ての図である。
【
図13】いくつかの実施形態による、提案するNRビットマスクの割り当ての図である。
【
図14】いくつかの実施形態による、逐次ビットマスクの割り当ての図である。
【
図15】いくつかの実施形態による、不一致(上)及び一致(下)に対する早期のブロック弁別を得るために移動平均を使用するデータの図である。
【
図16】いくつかの実施形態による、不一致(上)及び一致(下)に対する早期のブロック弁別を得るために移動平均を使用する更なるデータの図である。
【
図17】いくつかの実施形態による、不一致(上)及び一致(下)に対する早期のブロック弁別を得るために移動平均を使用するデータの図である。
【
図18】いくつかの実施形態による階層化UE識別を示すフローチャートである。
【
図19】いくつかの実施形態による、Polar符号の凍結ビット及び/又は情報ビットにHARQ ACK/NACKメッセージを挿入する方法を示すフローチャート図である。
【
図20】
図19に関連して説明する方法の受信器側からの継続を示すフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明は、様々な修正及び代替形態が可能であるが、図の例として本発明の特定の実施形態を示し、本明細書で詳細に説明する。しかし、図面及び詳細な説明は、開示する特定の形態に対する本発明の限定を意図するものではなく、反対に、本発明は、添付の特許請求の範囲によって定義する本発明の趣旨及び範囲内にある全ての修正形態、等価物及び代替形態に及ぶことを理解されたい。
【0011】
参照による組み込み
以下の引用文献は、引用文献の全体が本明細書内に十分に完全に記載されるかのように、参照により本明細書に組み込まれる。
1.「Polar Code Construction for NR」、Huawei、HiSilicon、3GPP TSG RAN WG1 Meeting #86bis、2016年10月。
2.Alexios Balatsoukas-Stimming、Mani Bastani Parizi及びAndreas Burg、「LLR-Based Successive Cancellation List Decoding of Polar Codes」、IEEE Transactions on Signal Processing、2015年10月。
3.3GPP TS 36.211:「Evolved Universal Terrestrial Radio Access (E-UTRA); Physical Channels and Modulation」。
4.米国仮特許出願第62/455,448号、発明の名称「Early Block Discrimination with Polar Codes to Further Accelerate DCI Blind Detection」
5.米国仮特許出願第62/501,493号、発明の名称「Early Block Discrimination with Polar Codes to Further Accelerate DCI Blind Detection」
【0012】
用語
以下は、本出願で使用する用語の解説である。
【0013】
メモリ媒体-様々な種類のメモリ・デバイス又は記憶デバイスのいずれか。用語「メモリ媒体」は、インストール媒体、例えば、CD-ROM、フロッピー・ディスク若しくはテープ・デバイス;DRAM、DDR RAM、SRAM、EDO RAM、Rambus RAM等のコンピュータ・システム・メモリ若しくはランダム・アクセス・メモリ;又は磁気媒体、例えば、ハード・ドライブ、光記憶装置、若しくはROM、EPROM、FLASH等の不揮発性メモリを含むことを意図する。メモリ媒体は、他の種類のメモリ又はそれらの組合せを備えることもできる。更に、メモリ媒体は、プログラムを実行する第1のコンピュータ内に位置し得る、及び/又はインターネット等のネットワーク上で第1のコンピュータに接続する第2の異なるコンピュータ内に位置し得る。第2のコンピュータの場合、第2のコンピュータは、実行のためのプログラム命令を第1のコンピュータに提供することができる。用語「メモリ媒体」は、異なる場所、例えば、ネットワーク上で接続した異なるコンピュータに常駐し得る2つ以上のメモリ媒体を含むことができる。
【0014】
搬送波媒体-上記のメモリ媒体、並びにバス、ネットワーク等の物理伝送媒体、及び/又は電気信号若しくは光信号等の信号を伝達する他の物理伝送媒体。
【0015】
プログラム可能ハードウェア要素-複数のプログラム可能機能ブロックを備える様々なハードウェア・デバイスを含む。機能ブロックは、プログラム可能な相互接続又は配線接続した相互接続を介して接続する。例には、FPGA(フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ)、PLD(プログラマブル論理デバイス)、FPOA(フィールド・プログラマブル・オブジェクト・アレイ)及びCPLD(コンプレックスPLD)を含む。プログラム可能機能ブロックは、細粒度(組合せ論理又はルックアップ・テーブル)から粗粒度(論理演算ユニット又はプロセッサ・コア)に及ぶことができる。プログラム可能ハードウェア要素を「再構成可能論理要素」と呼ぶこともできる。
【0016】
特定用途向け集積回路(ASIC)-この用語は、その通常の意味の完全な範囲を有することを意図する。用語ASICは、汎用プログラム可能デバイスではなく、特定用途向けにカスタマイズした集積回路を含むことを意図するが、ASICは、基本構成要素としてプログラム可能プロセッサ・コアを含み得る。携帯電話プロセッサ、MP3プレーヤ・チップ及び多くの他の単一機能ICは、ASICの例である。ASICは、通常、Verilog又はVHDL等のハードウェア記述言語で記載される。
【0017】
プログラム-用語「プログラム」は、その通常の意味の完全な範囲を有することを意図する。用語「プログラム」は、1)メモリ内に保存することができ、プロセッサによって実行可能なソフトウェア・プログラム、又は2)プログラム可能ハードウェア要素若しくはASICの構成に使用可能なハードウェア構成プログラムを含む。
【0018】
ソフトウェア・プログラム-用語「ソフトウェア・プログラム」は、その通常の意味の完全な範囲を有することを意図し、メモリ媒体内に保存することができ、プロセッサによって実行されるあらゆる種類のプログラム命令、符号、スクリプト及び/若しくはデータ、又はそれらの組合せを含む。例示的なソフトウェア・プログラムは、テキストベースのプログラミング言語、例えば、C、C++、PASCAL、FORTRAN、COBOL、JAVA(登録商標)、アセンブリ言語等の命令型言語又は手続型言語で書かれたプログラム;グラフィカル・プログラム(グラフィカル・プログラミング言語で書かれたプログラム);アセンブリ言語プログラム;機械語にコンパイルしてあるプログラム;スクリプト;及び他の種類の実行可能ソフトウェアを含む。ソフトウェア・プログラムは、何らかの様式で組み込む2つ以上のソフトウェア・プログラムを備えることができる。
【0019】
ハードウェア構成プログラム-プログラム、例えば、プログラム可能ハードウェア要素若しくはASICをプログラムする又は構成するのに使用することができるネットリスト又はビット・ファイル。
【0020】
コンピュータ・システム-様々な種類の計算又は処理システムのいずれかであり、パーソナル・コンピュータ・システム(PC)、汎用コンピュータ・システム、ワークステーション、ネットワーク機器、インターネット機器、携帯情報端末(PDA)、グリッド計算システム、又は他のデバイス、又は他のデバイスの組合せを含む。一般に、用語「コンピュータ・システム」は、メモリ媒体からの命令を実行する少なくとも1つのプロセッサを有するあらゆるデバイス(又はデバイスの組合せ)を包含するように広く定義することができる。
【0021】
自動的-ある行為若しくは動作を直接的に指定又は実施するユーザ入力を伴わずに、コンピュータ・システム(例えばコンピュータ・システムによって実行するソフトウェア)、又はデバイス(例えば回路、プログラム可能ハードウェア要素、ASIC等)によって実行される当該行為若しくは動作を指す。したがって、用語「自動的」は、ユーザによって手動で実施又は指定され、ユーザが動作を直接実施するために入力を与える動作とは対照的である。自動的な手順は、ユーザが与える入力によって開始することができるが、「自動的に」実施される後続の行為は、ユーザによって指定されない、即ち、ユーザが各行為の実施を指定するように「手動」で実施されない。例えば、コンピュータ・システムは、ユーザの行為に応じてフォームを更新しなければならないものの、ユーザは、各フィールドを選択し、指定情報の入力をもたらすことによって(例えば情報をタイプする、チェック・ボックスを選択する、無線器を選択する等によって)、電子フォームに記入し、フォームを手動記入する。フォームは、コンピュータ・システムによって自動的に記入してもよく、この場合、コンピュータ・システム(例えば、コンピュータ・システム上で実行するソフトウェア)は、フォームのフィールドを分析し、フィールドへの回答を指定するユーザ入力を伴わずにフォームに記入する。上記のように、ユーザは、フォームの自動記入を呼び出すことができるが、実際のフォーム記入に関与しない(例えば、ユーザは、フィールドへの回答を手動で指定するのではなく、回答は、自動的に完成する)。本明細書は、ユーザが取った行為に応じて自動的に実施される動作の様々な例を提供する。
【0022】
詳細な説明
図1-ワイヤレス通信環境
図1は、複数の通信システムを含む例示的(及び簡略化した)ワイヤレス環境を示す。
図1は、複数のユーザ機器デバイス(UE)106A~Cと通信する基地局(BS)102を含む例示的通信システムを示す。基地局102は、複数のワイヤレス通信デバイスとのセルラー通信を実施するセルラー基地局とすることができる。代替的に、基地局102は、802.11規格又は関連規格に従うもの等、Wi-Fi通信を実施するワイヤレス・アクセス・ポイントとすることができる。UE106は、スマートフォン、タブレット・デバイス、コンピュータ・システム等、様々なデバイスのいずれかとすることができる。基地局102及びワイヤレス通信デバイス106の一方又は両方は、本明細書で説明する復号器論理を含むことができる。
【0023】
図示の実施形態では、異なるUE及び基地局は、同報ネットワーク及び/又はパケット交換セルラー・ネットワークを介して通信するように構成される。
図1のシステムは、可能なシステムの単なる一例であり、実施形態は、必要に応じて、様々なシステムのいずれかで実施し得ることに留意されたい。
【0024】
セルラー基地局102は、無線基地局(BTS)又はセル・サイトとすることができ、UE106A~Cとのワイヤレス通信を可能にするハードウェアを含むことができる。基地局102は、コア・ネットワークと通信するように構成することもできる。コア・ネットワークは、1つ又は複数の外部ネットワークに結合することができ、1つ又は複数の外部ネットワークは、インターネット、公衆交換電話網(PSTN)及び/又はあらゆる他のネットワークを含むことができる。したがって、基地局102は、UEデバイス106A~Cとネットワークとの間の通信を促進することができる。
【0025】
同じ又は異なる無線アクセス技術(RAT)又はセルラー通信規格に従って動作する基地局102及び他の基地局は、セル・ネットワークとして提供することができ、セル・ネットワークは、1つ又は複数のRATを介して幅広い地理領域にわたりUE106A~C及び同様のデバイスに対し、重複するサービスを連続又はほぼ連続して提供することができる。
【0026】
基地局102は、UE106A~Cに同報通信するように構成することができる。本明細書の用語「同報」は、特定のデバイスに宛てるのではなく、1から多数への送信を指すことができ、複数の受信デバイスに向けて同報領域内で送信されるものである。更に、同報送信は、典型的には、(送信器から受信器への)単方向性である。いくつかの状況では、制御信号方式(例えば視聴率情報)は、受信器から同報送信器に送信し返すことができるが、成分データは、一方向のみで送信される。対照的に、セルラー通信は、典型的には、双方向性である。セルラー通信は、セル間のハンドオフを含むこともできる。例えば、UE106A(及び/又はUE106B~C)が、セルラー基地局102によってサービスされるセルから出た際、セルラー通信は、別のセルラー基地局に引き継ぐことができる(この引き継ぎは、基地局102及び他のセルラー基地局が実施する動作を含むネットワークによって処理することができる)。対照的に、ユーザが第1の同報基地局によって含まれる範囲から第2の同報基地局によって含まれる範囲に移動すると、第2の同報基地局からの成分を受信するように切り替えることができるが、基地局は、引き継ぎを促進する必要はない(例えば、第1の同報基地局及び第2の同報基地局は、単に同報を継続するにすぎず、特定のUEが使用しているのはどちらの基地局であるかを考慮しない)。
【0027】
従来、ブロードキャスト送信は、セルラー送信とは異なる周波数リソースを使用して実施される。しかし、いくつかの実施形態では、周波数リソースは、これら異なる種類の送信の間で共有される。例えば、いくつかの実施形態では、ブロードキャスト基地局は、予定した時間間隔の間、セルラー基地局がパケット交換通信で使用するために、1つ又は複数の周波数帯域を放棄するように構成される。
【0028】
いくつかの実施形態では、ブロードキャスト基地局又はセルラー基地局が送信する制御信号方式は、エンド・ユーザ・デバイスが、(ネットワークの混乱をなくすことができる)完全な信号接続を維持し、(例えば、基地局が送信していない際に低電力モードに留まる時間を決定することによって)バッテリー寿命を延長する、及び/又は(例えば、不規則な有効範囲若しくは一時的なネットワーク停止としてスペクトル共有期間を知覚するのではなく)有効範囲の検出を能動的に管理することを可能にする。
【0029】
基地局102並びにUE106A、106B及び106Cは、伝送媒体上で通信するように構成することができ、この通信は、UMTS、LTE-A、CDMA2000(例えば1xRTT、1xEV-DO、HRPD、eHRPD)、新型テレビジョン・システム委員会(ATSC)規格、デジタル・ビデオ放送(DVB)、衛星通信規格等の他の可能なものの中でも、LTE、5G New Radio(NR)、次世代放送プラットフォーム(NGBP)、W-CDMA、TDS-CDMA及びGSM(登録商標)等、様々なRAT(ワイヤレス通信技術又は電気通信規格とも呼ばれる)のいずれかを使用することによる。
【0030】
本明細書では、同報ネットワーク及びセルラー・ネットワークは、例示を容易にするように説明するが、これらの技術は、本開示の範囲の限定を意図するものではなく、他の実施形態では、開示する方法及び技法は、いずれかの様々な種類のワイヤレス・ネットワークの間で使用することができる。
【0031】
図2-複数の基地局を有するワイヤレス通信環境
図2は、基地局102A及び102Bを含む例示的ワイヤレス通信システムを示し、基地局102A及び102Bは、伝送媒体上で、UE106A~106Cとして表す1つ又は複数のユーザ機器(UE)デバイスと通信する。
図2の通信環境は、上記の
図1で説明したものと同様に機能することができる。しかし、
図2は、中心UE106Bが、基地局102A及び102Bの両方の範囲内で動作することができることを示す。これらの実施形態では、UE106Bは、基地局102Aからの通信の受信を意図した場合に基地局102Bからの通信を誤って受信することがある。この影響をセル間干渉と呼ぶことができ、本明細書の実施形態は、セル有効範囲重複領域内でセル間干渉を効率的に回避する新規な方法を説明する。
【0032】
図3-基地局
図3は、基地局102の例示的ブロック図を示す。いくつかの実施形態では、基地局102は、
図2の基地局102A等の同報基地局及び/又は
図2の基地局102B等のセルラー基地局とすることができる。
図3の基地局は、可能な基地局の一例にすぎないことに留意されたい。図示のように、基地局102は、基地局102のためのプログラム命令を実行し得るプロセッサ(複数可)304を含むことができる。プロセッサ(複数可)は、メモリ管理ユニット(MMU)340にも結合することができ、メモリ管理ユニット(MMU)340は、プロセッサ(複数可)304からアドレスを受信し、メモリ内の場所(例えばメモリ360及び読取り専用メモリ(ROM)350)又は他の回路若しくはデバイスにこれらのアドレスを伝達するように構成することができる。
【0033】
基地局102は、少なくとも1つのネットワーク・ポート370を含むことができる。ネットワーク・ポート370は、電話ネットワークに結合し、上記のUEデバイス106等の複数のデバイスに電話ネットワークへのアクセスを提供するように構成することができる。いくつかの実施形態では、ネットワーク・ポート370(又は更なるネットワーク・ポート)は、テレビ・ネットワークに結合し、同報用成分を受信するように構成することができる。ネットワーク・ポート370(又は更なるネットワーク・ポート)は、同じく又は代替的に、セルラー・ネットワーク、例えば、セルラー・サービス・プロバイダのコア・ネットワークに結合するように構成することができる。コア・ネットワークは、UEデバイス106等の複数のデバイスにモビリティ関連サービス及び/又は他のサービスを提供することができる。場合によっては、ネットワーク・ポート370は、コア・ネットワークを介して電話ネットワークに結合することができる、及び/又はコア・ネットワークは、(例えば、セルラー・サービス・プロバイダによってサービスされる他のUEデバイス106の間に)電話ネットワークを提供することができる。
【0034】
基地局102は、少なくとも1つのアンテナ334を含むことができる。無線器330及び通信チェーン332は、ワイヤレス送受信器として動作するように構成することができ、無線器330を介してUEデバイス106と通信するように更に構成することができる。アンテナ334は、図示の実施形態では、通信チェーン332を介して無線330と通信する。通信チェーン332は、受信チェーン、送信チェーン又はこれらの両方とすることができる。無線330は、様々なRATを介して通信するように構成することができる。
【0035】
基地局102のプロセッサ(複数可)304は、例えば、メモリ媒体(例えば非一時的コンピュータ可読メモリ媒体)上に保存したプログラム命令を実行することによって、本明細書で説明する方法の一部又は全てを実施するように構成することができる。代替的に、プロセッサ304は、FPGA(フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ)若しくはASIC(特定用途向け集積回路)等のプログラム可能ハードウェア要素又はそれらの組合せとして構成することができる。いくつかの実施形態では、プロセッサ、MMU及びメモリは、分散マルチプロセッサ・システムとすることができる。例えば、プロセッサ・システムは、複数の点在プロセッサ及びメモリを備えることができ、処理要素(機能ユニットとも呼ばれる)はそれぞれ、データ・メモリ・ルータとも呼ばれる複数のメモリに接続される。プロセッサ・システムは、本明細書で説明する方法を実施するようにプログラムすることができる。
【0036】
いくつかの実施形態では、基地局102は、同報通信及び双方向パケット交換通信の両方を実施するように構成される。これらの実施形態では、基地局102は、例えば、複数の無線器330、通信チェーン332及び/又はアンテナ334を含むことができる。他の実施形態では、開示するスペクトル共有技法は、同報送信のみ又はパケット交換通信のみを実施するように構成する異なる基地局によって実施することができる。
【0037】
図4-ユーザ機器(UE)
図4は、UE106の例示的簡略ブロック図を示す。UE106という用語は、上記で定義した様々なデバイスのいずれかとすることができる。UEデバイス106は、様々な材料のいずれかから構成し得る筐体を含むことができる。
【0038】
図示のように、UE106は、様々な目的の部分を含み得るシステム・オン・チップ(SOC)400を含むことができる。SOC400は、UE106の様々な他の回路に結合することができる。例えば、UE106は、(例えばNANDフラッシュ410を含む)様々な種類のメモリ、(例えばコンピュータ・システム、ドック、充電ステーション等に結合する)コネクタ・インターフェース420、表示器460、LTE、5G New Radio(NR)、GSM、Bluetooth(登録商標)(BT)、WLAN、地上波放送及び/又は衛星放送等のためのワイヤレス通信回路430を含むことができる。UE106は、SIM(加入者識別モジュール)機能を実装する1つ又は複数のスマート・カードを更に備えることができる。ワイヤレス通信回路430は、アンテナ435等の1つ又は複数のアンテナに結合することができる。
【0039】
図示のように、SOC400は、UE106のためのプログラム命令を実行し得るプロセッサ(複数可)402、及びグラフィックス処理を実施し、表示信号を表示器460に供給し得る表示回路404を含むことができる。プロセッサ(複数可)402は、メモリ管理ユニット(MMU)440にも結合することができ、メモリ管理ユニット(MMU)440は、プロセッサ(複数可)402からアドレスを受信し、メモリ内の場所(例えばメモリ406、NANDフラッシュ・メモリ410)及び/又は表示回路404、ワイヤレス通信回路430、コネクタI/F420及び/又は表示器460等の他の回路若しくはデバイスにこれらのアドレスを伝達するように構成することができる。MMU440は、メモリ保護及びページ・テーブル変換又はセットアップを実施するように構成することができる。いくつかの実施形態では、MMU440は、プロセッサ(複数可)402の一部分として含むことができる。いくつかの実施形態では、プロセッサ、MMU及びメモリは、分散マルチプロセッサ・システムとすることができる。例えば、プロセッサ・システムは、複数の点在プロセッサ及びメモリを備えることができ、処理要素(機能ユニットとも呼ばれる)はそれぞれ、データ・メモリ・ルータとも呼ばれる複数のメモリに接続される。プロセッサ・システムは、本明細書で説明する方法を実施するようにプログラムすることができる。
【0040】
いくつかの実施形態(図示せず)では、UE106は、例えば
図2の同報基地局102Aからワイヤレス同報を受信するように構成する。これらの実施形態では、106は、同報無線受信器を含むことができる。いくつかの実施形態では、UE106は、異なる時間スライスの間、同報データを受信し、同時に、異なる周波数帯域及び/又は同じ周波数リソースを使用してパケット交換セルラー通信(例えばLTE)を実施するように構成する。このことは、ユーザが、TV同報を視聴する一方で、(例えば分割画面モードで)インターネットを閲覧する、ウェブ・アプリケーションを使用する、又はストリーミング・オーディオを聴く等、他のタスクを実施することを可能にする。他の実施形態では、開示する技法は、同報受信器として構成したデバイス、又はセルラー通信用デバイスと共にシステム内で使用することができるが、両方のデバイスと共に使用しなくてもよい。
【0041】
UEデバイス106のプロセッサ402は、例えば、メモリ媒体(例えば非一時的コンピュータ可読メモリ媒体)上に保存したプログラム命令を実行することによって、本明細書で説明する特徴の一部又は全てを実施するように構成することができる。代替的に(又は更に)、プロセッサ402は、FPGA(フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ)若しくはASIC(特定用途向け集積回路)等のプログラム可能ハードウェア要素として構成することができる。代替的に(又は更に)、UEデバイス106のプロセッサ402は、他の構成要素400、404、406、410、420、430、435、440、460の1つ又は複数と連携して、本明細書で説明する特徴の一部又は全てを実施するように構成することができる。
【0042】
UE106は、表示器460を有することができ、表示器460は、静電容量性接触電極を組み込むタッチ・スクリーンとすることができる。表示器460は、様々な表示技術のいずれかに基づくことができる。UE106の筐体は、ボタン、スピーカ・ポート等の様々な要素、及びマイクロフォン、データ・ポート等の他の要素(図示せず)、並びに可能性としては様々な種類のボタン、例えば音量ボタン、呼び出しボタン等のいずれかのための開口を含む又は備えることができる。
【0043】
UE106は、複数の無線アクセス技術(RAT)を支持することができる。例えば、UE106は、Global System for Mobile Communications(GSM)、ユニバーサル移動通信システム(UMTS)、符号分割多元接続(CDMA)(例えばCDMA2000 1XRTT又は他のCDMA無線アクセス技術)、ロング・ターム・エボリューション(LTE)、LTE Advanced(LTE-A)、5G NR及び/又は他のRATの2つ以上等、様々なRATのいずれかを使用して通信するように構成することができる。例えば、UE106は、LTE及びGSM等の少なくとも2つの無線アクセス技術を支持することができる。様々な異なるRAT又は他のRATを必要に応じて支持することができる。
【0044】
いくつかの実施形態では、UE106は、音声及び/又は映像成分を搬送し得る同報無線送信を受信するようにも構成される。また他の実施形態では、UE106は、同報無線送信を受信するように構成することができ、基地局との双方向通信を実施するように構成しなくてもよい(例えば、UE106は、メディア再生デバイスとすることができる)。
【0045】
UE固有制御メッセージ
現在のセルラー通信システムでは、基地局は、それぞれ、特定のユーザ機器デバイス(UE)による受信を意図した複数の制御メッセージ(例えば下りリンク制御情報メッセージ)を同報することができる。いくつかの実施形態では、正確なUEが特定のメッセージを受信することを保証するため、基地局は、制御メッセージの末尾に巡回冗長検査(CRC)を付加することができ、巡回冗長検査(CRC)は、最終CRCと呼ばれることがある。追加又は代替として、分散CRCを用いることができ、これにより、CRCビットは、制御メッセージの情報ビット及び/又は凍結ビット全体を通じて分散される。いくつかの実施形態では、基地局は、ユーザ機器識別子(UE_ID)に従って、特定の下りリンク制御情報(DCI)メッセージに付したCRCにスクランブルをかけることができる。特定のUE_IDは、単一のUE又は1つ若しくは複数のUEのグループと関連付けることができる。これらの実施形態では、誤ったUE(例えばCRCにスクランブルをかけるのに使用したUE_IDとは異なるUE_IDを有するUE)がCRCのスクランブルを解除しようとすると、CRCエラーがもたらされ、このメッセージを放棄することができる。したがって、UE_IDが一致するUEのみが、CRCのスクランブルを正確に解除し、DCIメッセージを承認することができる。UEが、リソース・ブロック内でCRCが不成功であるというメッセージを受信した場合、UEは、このメッセージがそのUEに向けられたものではないとみなし、このメッセージを放棄することができる。
【0046】
スクランブルをかけた最終CRCを制御メッセージに付加することは、メッセージが正確なUEによって受信されることを検証するのに効果的な方法であり得るが、本方法は、この検査を実施し得る前に、制御メッセージ全体を復号することを必要とすることが多い。本明細書で説明する実施形態は、この復号プロセスの間、不一致のUE_IDに対する早期終了を実施する様々な方法を可能にすることによって、この方法に改善を加える。本明細書の実施形態は、CELL_IDに基づき、制御メッセージのサブセットにスクランブルをかけることによってセル間干渉を軽減することにより、この方法に更に改善を加える。
【0047】
本明細書で説明するいくつかの実施形態によれば、提案する方法は、Polar符号の特性を活用し、これにより、送信器及び受信器に既知である情報を凍結ビット及び/又は情報ビットに挿入し、送信器及び/又は受信器のID検証を促進することができる。例えば、典型的なCRC方法の欠点は、UEが、メッセージ全体を復号する後までCRC検査を実施できないことである。Polar符号の特性を活用することによって、本明細書に記載の実施形態は、復号工程が完了する前に、メッセージがUEに向けたものであるかどうかをUEが決定することを可能にする。これらの実施形態では、UE_IDに基づき生成した擬似ランダム系列を凍結ビットに埋め込み、受信器が、受信器のためのブロックと、別のユーザに向けたブロックとを識別するのを助けることができる。有利には、このことは、符号レート、ユーザ・スループット又は復号信頼性に影響を与えずに行うことができる。典型的な数の有用凍結ビットに対するUE_IDの有限範囲を考慮すると、方法は、擬似ランダム・ビット系列を得ることができ、この擬似ランダム・ビット系列は、凍結ビット・フィールド範囲に一致し、UE_IDに基づく。
【0048】
現在のセルラー通信システム(例えば、LTE、及び可能性としてはNR)において、基地局(即ち、LTE内のeNodeB又はeNB又はNR内のgNB)は、予め定義した候補位置セット内の多数のUEに向けてDCIを多重化することができる。このことは、当該UEに向けたDCIを他のユーザのためのDCIに対して識別するため、ブラインド検出手順を利用し、各候補位置に問い合わせ得るという特定の負担をUEにかける。
【0049】
本明細書の実施形態は、ブラインド検出手順を促進する。というのは、gNBは、UE固有マスクによりPolar符号の凍結ビットにスクランブルをかけ、ユーザ識別を促進することができるためである。いくつかの実施形態では、セル固有マスクに従ってDCIの情報ビットに更にスクランブルをかけ、隣接セルの干渉を軽減することができる。
【0050】
本明細書の実施形態は、UEデバイスと通信する基地局に関して説明し得るが、説明する方法を、一般に、多くの異なる種類の送信器及び受信器に適用し得ることは容易に理解できよう。特に、送信器が特定の受信器へ通信を送信しようとする場合、また、受信器が、以下の両方又はいずれか:a)送信器の識別、及び/又はb)送信が特定の受信器に向けたものであったことを検証する必要がある場合、あらゆる送信器/受信器の対は、本明細書に記載の実施形態の実施から利益を得ることができる。更に、いくつかの実施形態をLTE又は5G NR無線アクセス技術に関して説明するが、記載する実施形態は、他の種類の無線アクセス技術により広く適用することができる。
【0051】
本明細書の実施形態は、スクランブル系列設計を説明するものであり、スクランブル系列設計は、LTEによって示される目標を基礎とし、Polar符号に一意である属性の活用により、マルチモード・ブロック弁別を含む設計の可能性を拡張し、統一フレームワーク内で早期終了を可能にする。いくつかの実施形態では、Polar符号構成のそれぞれの部分に、異なる目的で個別のマスクが割り当てられ、異なる目的とは、UE識別、現在のユーザに向けたものではないブロックに対して消費されるエネルギーを最小化するブラインド復号の早期終了、及び/又は隣接セルの干渉軽減である。ブラインド復号の早期終了は、有利には、携帯デバイスの全体的なエネルギー消費量を低減することができる。
【0052】
いくつかの実施形態では、LTEが使用するCRCスクランブルを保持する方法を提示する。いくつかの実施形態では、CRCは、LTEが使用する様式とは異なる様式でスクランブルをかけることができる。いくつかの実施形態では、Polar符号凍結ビット・フィールドに挿入されるUE固有擬似ランダム2値系列(PRBS)は、早期終了を可能にする。これらの実施形態は、CRCを実施し得る前にメッセージ全体を復号する必要がある以前の実装形態に改善を加えることができる。優れた相互相関特性を考慮して、PRBSは、単独のCRCスクランブルがもたらす符号分離以上に改良された符号分離をもたらすことができる。
【0053】
いくつかの実施形態では、CELL_IDから得られる第2のPRBSマスクを情報ビット・フィールドに適用し、LTEで有用なセル分離に類似するセル分離をもたらす。いくつかの実施形態では、第1のPRBSマスク及び第2のPRBSマスクのそれぞれは、統一弁別マスク集合体として一緒に適用することができ、ユーザ識別、及び早期終了、並びに隣接セルの干渉軽減を同時に可能にする。
【0054】
早期終了(ET)のメトリック
いくつかの実施形態では、早期のブロック弁別は、最終CRCのより十分前の、規定の凍結ビット符号化に基づく早期の識別情報検証に依拠する。受信器は、復号工程における任意の点で、現在の受信器に向けたものとみなされないブロックを終了することを選択することができる。効果的なETメトリックは、有利には、別のユーザのためのブロックの調査に費やすエネルギーを低減する一方で、受信器に向けたブロックが不一致であると誤って解釈する可能性も低減することができる。
【0055】
様々なメトリックを埋め込み型UE_IDから得、早期終了を促進することができる。効果的なETメトリックの必要条件は、限定はしないが、(i)メトリックが、復号器内でビット単位ごとにアクセス可能なパラメータのみを用い;(ii)代表的なクラスの複合器アルゴリズムに既に一体化している可能な活用計算程度までとし;(iii)それ以外の場合、計算負荷及び有限精度要件を、ベースライン複合器によって使用されるものに整合することを含み得る。
【0056】
様々な実施形態では、異なる早期終了メトリックを用いることができる。いくつかの実施形態では、閾値を適用し、一致ケースにおけるパス・メトリック(PM)成長を、不一致ケースにおけるパス・メトリック(PM)成長から弁別することができる。いくつかの実施形態では、ETメトリックは、直接的系列検出、及びPM成長と比較した、各ビット位置における平均値についてのPM分散を含むことができる。当業者には明らかであるように、不一致から一致を弁別する他のETメトリックも可能である。
【0057】
階層化UE識別
以下で更に詳細に説明するように、いくつかの実施形態では、割り当てたUE_IDにおける不一致に基づきブロックを終了するため、多数の基準を使用することができる。第1の利用可能なET決定は、凍結ビットへのUE_IDの挿入に関して行うことができる。対応するETメトリックにおける合格(PASS)を使用し、最初に、分散CRC検査に基づき推定したUE_IDの有効性に更にアクセスする必要性を示すことができる。次に、分散CRC検査に合格した場合、UE_ID検証は、最終CRC検査を受けることができる。最後に、全ての3つのメトリックに合格することにより、有効なDCI復号をもたらすことができる。凍結ビットの挿入又はCRCの分散に関する失敗は、処理時間/エネルギーの正味の節約が生じることが意図される。最終CRCに関する失敗は、誤った復号が更なる処理に渡されるのを防止することができる。
【0058】
例示的EUTRA DCIフォーマットの概要
本明細書における実施形態は、様々なDCIフォーマットに従って使用される下りリンク制御情報(DCI)メッセージに関して利用することができる。例えば、以下の表1で詳述するように、3GPP EUTRA(進化型汎用地上波無線アクセス)は、一連のDCIフォーマットを以下のように指定する。
【0059】
フォーマット0は、物理上りリンク共有チャネル(PUSCH)上で上りリンク(UL)リソースをスケジュール設定する。
【0060】
フォーマット1、1A、1B、1C、1D、2、2Aは、物理下りリンク共有チャネル(PDSCH)上で下りリンク(DL)リソースをスケジュール設定する。
【0061】
フォーマット3及び3Aは、PUSCH及び物理上りリンク制御チャネル(PUCCH)のための送信電力制御(TPC)命令信号を送る。
【0062】
【0063】
DCIフォーマット0、1A、3及び3Aは全て、所与のシステム帯域幅に関して同じビット長を有することに留意されたい。このことは、受信器が、このグループのDCIフォーマットのいずれかを、唯一のブラインド復号試行により検査することを可能にし得る(このブラインド復号は、予期されるビット長に基づく)。正常な復号の場合、DCIのCRC及び/又はDCIペイロード内部ビット・フラグにスクランブルをかけるのに使用される無線ネットワーク一時識別子(RNTI)等の更なる情報を使用し、どのDCIフォーマットが存在するかを正確に決定することができる。
【0064】
表1は、現行の3GPP EUTRA実装形態で使用されるDCIフォーマットの特定のセットを示すが、(例えば、5G NR又は他の無線アクセス技術における)他のDCIフォーマットも可能である。
【0065】
図5-情報の変調及び符号化
図5は、いくつかの実施形態による、送信器によってメッセージを変調、符号化する際のマルチモード・ブロック弁別を実施する方法のためのフローチャート図を示す。いくつかの実施形態では、個別のスクランブル・マスクは、符号化メッセージ内の複数の異なるブロックのそれぞれに適用することができる。個別のスクランブル・マスクのそれぞれは、受信器によって、送信器又は受信器いずれかの識別情報を検証するように働くことができる。例えば、以下でより詳細に説明するように、送信器及び受信器の両方は、送信器及び/又は受信器の識別情報に関する知識により事前構成することができ、受信器が、スクランブルをかけたメッセージのそれぞれのブロックを選択的に外すことができるようにする。いくつかの実施形態では、送信器は、基地局であり、受信器は、ユーザ機器デバイス(UE)とすることができる。代替的に、送信器及び受信器の両方がUEであっても、送信器がUEであって受信器が基地局であってもよい。
【0066】
いくつかの実施形態では、送信器は、Polar符号化方式を用い、特定の受信器に向けたメッセージを符号化することができる。いくつかの実施形態では、符号化メッセージは、下りリンク制御情報(DCI)メッセージとすることができるが、本明細書で説明する実施形態に従って、他の種類の制御メッセージ、及びあらゆる種類の送信されるメッセージ全般を使用することができる。本明細書の実施形態は、DCIメッセージに関して説明することができるが、記載する実施形態は、他の種類の送信制御メッセージ及び他の種類のメッセージ(例えば、上りリンク制御メッセージ、ペイロード・メッセージ等)に一般化し得ることを当業者は了解することができる。
【0067】
Polar符号とは、以下でより詳細に説明するように、複数の通信チャネルを、より信頼できるチャネルとあまり信頼できないチャネルとに分割(又は分極)するものである。より信頼できるチャネルは、通信ペイロード情報の搬送に使用されることが多く、これらの通信ビットを「情報ビット」と呼ぶことが多い。いくつかの実施形態では、送信器は、情報ビットの末尾に巡回冗長検査(CRC)ビット系列を付加することができる。あまり信頼できないチャネルは、典型的には、送信器及び受信器の両方に既知である参照ビットを含み、一般に、「凍結ビット」と呼ばれる。凍結ビットは、復号工程を促進するため、受信器によって利用することができる。
【0068】
本明細書の実施形態は、Polar符号に関して説明するが、説明する方法は、様々な他の符号化方式にも適用し得ることは理解できよう。例えば、本明細書の実施形態は、他の種類の前方エラー訂正(FEC)符号、より一般的には、あらゆる種類の符号化メッセージに適用することができる。
【0069】
図5で説明する方法では、送信器は、ビットの複数のサブセットから符号化メッセージを生成することができる。様々な実施形態では、ビットのサブセットは、連続していても、不連続であっても、部分的に重複していてもよい。いくつかの実施形態では、送信器は、Polar符号を使用して符号化メッセージを生成することができ、符号化メッセージの生成に使用されるビットの複数のサブセットは、凍結ビット及び情報ビットを含むことができる。いくつかの実施形態では、情報ビットは、ペイロード情報ビット及び/又は巡回冗長検査(CRC)ビットを含むことができる。
【0070】
502において、擬似ランダム系列(PRS)は、送信器及び受信器の両方に既知である識別子から又はこの識別子に基づき得ることができる。いくつかの実施形態では、識別子は、送信器(例えば、CELL_ID又は基地局ID)又は受信器(例えば、UE_ID)を識別することができる。以下で更に詳細に説明するように、1つ又は複数の識別子のそれぞれを使用し、それぞれの擬似ランダム系列を生成することができ、それぞれの擬似ランダム系列は、擬似ランダム系列をスクランブル・マスクとして適用する符号化ビットのそれぞれのサブセットと同じ長さであるように生成される。
【0071】
いくつかの実施形態では、以下でより詳細に説明するように、第1の擬似ランダム系列は、UEグループ識別子に基づき生成し、第2の擬似ランダム系列は、UE固有識別子に基づき生成することができる。例えば、UEグループ識別子は、基地局がサービスする1つ又は複数のUEを含むUEグループに包括的な識別子とすることができ、UE固有識別子は、特定のUEに固有のものとすることができる。これらの実施形態では、UE固有識別子に基づき変調されるメッセージの一部は、UE固有識別子に対応する固有UEによって復号可能とすることができる。
【0072】
いくつかの実施形態では、UEグループ識別子は、複数の凍結ビットを復調するため、基地局と通信するUEが使用可能である同報無線ネットワーク一時識別子(RNTI)である。他の実施形態では、UEグループ識別子は、複数の凍結ビットを復調するため、基地局と通信する少なくとも1つのUEグループが使用可能であるグループRNTIである。
【0073】
いくつかの実施形態では、グループ識別子は、多重識別子であり、グループ識別子を使用して変調してあるビットのサブセットの復調に使用し得る単一の復調アルゴリズムを更に使用し、1つ又は複数の更なる識別子によって変調してあるビットの1つ又は複数の更なるサブセットを復調することができる。言い換えれば、グループ識別子は、「多対1」識別子とすることができ、グループ識別子は、それぞれ変調ビットの生成に使用し得る1つ又は複数の更なる関連識別子のファミリー内にあり、これらの変調ビットは、単一の復調アルゴリズムによって復調することができる。
【0074】
504において、送信器は、個別のスクランブル「マスク」を適用し、ビットの複数のサブセットの1つ又は複数を変調することができる。スクランブル・マスクの適用は、ビットの各サブセットを、それぞれのビットのPRSにより変調することを伴う。
【0075】
例えば、意図する受信器に対応するUE_IDを使用し、Polar符号内の凍結ビット系列と同じ長さである第1のPRSを生成することができる。第1のPRSは、Polar符号の凍結ビットの変調に使用することができる。他の実施形態では、第1のPRSは、凍結ビットのサブセットと同じ長さとすることができ、凍結ビットのサブセットのみを変調するのに使用することができる。代替又は追加として、送信器のCELL_IDを使用し、第2のPRSを生成することができ、第2のPRSは、Polar符号の情報ビット系列と同じ長さであるか、又は情報ビットのサブセットと同じ長さを有する。第2のPRSは、Polar符号の情報ビットの変調に使用することができる。代替又は追加として、意図する受信器に対応するUE_IDを使用し、情報ビットの最終系列として付加されるCRCビットと同じ長さである第3のPRSを生成することができる。第3のPRSは、CRCビットの変調に使用することができる。
【0076】
第1の識別子(又は第1の識別子に基づき生成したPRS)に基づき、凍結ビットのサブセットのみを変調するケースでは、変調される凍結ビットのサブセットは、これらの凍結ビットが、制御情報内で、所定の信頼性閾値レベルを有する情報ビットの後に生じるように選択することができる。例えば、Polar符号内では、より後のビットであるほど、より信頼でき、変調される凍結ビットのサブセットは、ビットのサブセットが所定の信頼性閾値レベルを有するように十分に遅く生じるように選択することができる。変調のための凍結ビットのサブセットを制御情報内で後に生じるように選択すると、更なる待ち時間も復号手順に導入される。いくつかの実施形態では、凍結ビットのサブセットは、UEによる符号化変調制御情報の復号に関連する信頼性と待ち時間との平衡を保つように選択することができる。
【0077】
いくつかの実施形態では、UEグループ識別子に基づき生成した第1の擬似ランダム系列を使用し、凍結ビットの少なくとも1つのサブセット(即ち、凍結ビットの全て又は一部のいずれか)を変調することができ、UE固有識別子に基づき生成した第2の擬似ランダム系列を使用し、情報ビットの少なくとも1つのサブセット(即ち、情報ビットの全て又は一部のいずれか)を変調することができる。いくつかの実施形態では、第2の擬似ランダム系列に基づき変調される情報ビットの少なくとも1つのサブセットは、CRCビットを含むことができ、第2の擬似ランダム系列による情報ビットの少なくとも1つのサブセットを変調して複数の変調情報ビットを生成することは、制御情報に対するCRCマスクの実施を含むことができる。
【0078】
いくつかの実施形態では、CRCマスクの実施は、ローリング・セキュリティ・コードの実施を含むことができ、ローリング・セキュリティ・コードは、UE固有識別子に基づき初期化され、第2の擬似ランダム系列は、ローリング・セキュリティ・コードに基づき周期的に更新される。いくつかの実施形態では、ローリング・セキュリティ・コードに加えて又はその代替として、更なる暗号化を使用し、CRCマスクの安全性を増大させることができる。
【0079】
506において、送信器は、Polar符号を使用して、Polar符号化メッセージを得るため、変調ビットのサブセットの少なくともそれぞれを符号化することができる。例えば、いくつかの実施形態では、送信器は、符号化変調制御情報を得るため、少なくとも変調凍結ビット及び変調情報ビットを符号化することができ、符号化変調制御情報は、UE固有制御情報を含む。
【0080】
いくつかの実施形態では、符号化変調制御情報を得るための、少なくとも複数の変調凍結ビット及び複数の変調情報ビットの前記符号化は、Polar符号を使用して、符号化変調制御情報を得るため、凍結ビットの未変調サブセット及び情報ビットの未変調サブセットの少なくとも1つ又は複数を符号化することを更に含むことができる。他の実施形態では、凍結ビット及び/又は情報ビットの全セットを変調することができ、未変調凍結ビット及び/又は情報ビットを符号化しないようにする。いずれの場合も、凍結ビット及び情報ビットの全セットは、概して、Polar符号化メッセージを生成するために符号化される。
【0081】
508において、送信器は、受信器に符号化メッセージをワイヤレスに送信することができる。送信は、本開示で様々に説明するように、様々なワイヤレス通信技術のいずれかを使用して行うことができる。
【0082】
図6-符号化メッセージの復調及び復号
図6は、いくつかの実施形態による、受信器によって符号化メッセージ(例えば、遠隔送信器から受信する符号化データ、Polar符号化データ)を復号、変調する方法を示すフローチャート図である。受信器は、(例えば、
図4に関して上記で説明した)無線器、非一時的コンピュータ可読メモリ媒体及びプロセッサを備えるユーザ機器デバイス(UE)であっても、基地局であっても、別の種類の受信器であってもよい。
【0083】
602において、受信器は、送信器から符号化メッセージをワイヤレスに受信することができる。符号化メッセージは、1つ又は複数のビット系列(例えば、第1のビット系列、並びに可能性としては第2のビット系列及び第3のビット系列)の符号化を含む符号化データを含むことができる。受信器は、符号化メッセージのビットのそれぞれのサブセットを変調するために送信器が使用する識別子のそれぞれに対する知識を有することができる。符号化メッセージは、Polar符号化メッセージとすることができ、1つ又は複数のビット系列は、凍結ビット系列、情報ビット系列、及び/又は巡回冗長検査(CRC)ビット系列を含むことができる。符号化メッセージは、(例えば、以下で詳細に説明するように)下りリンク制御情報(DCI)ブラインド検出手順の一部として受信し、復号することができる。
【0084】
受信器は、ステップ604~614に関して以下で更に詳細に説明するように、符号化データに対する復号手順の実施に進むことができる。復号手順は、逐次除去リスト復号手順、又は様々な他の復号手順のいずれかとすることができる。
【0085】
604において、受信器は、符号化メッセージの復号を開始し、第1のビット系列のサブセットを生成することができる。第1のビット系列は、Polar符号の凍結ビットとすることができ、例えば、復号手順が、凍結ビットのサブセットの復号によって開始されるようにする。
【0086】
(例えば、ステップ606~610に関し以下でより詳細に説明するように)復号したビットのサブセットを使用し、符号化メッセージがその受信器に向けたものであったかどうかを検証することができる。いくつかの実施形態では、この後続のID検証で使用するビットの特定のサブセットは、復号手順に関連する信頼性と待ち時間との平衡を保つように選択することができる。例えば、符号化メッセージがPolar符号化メッセージであり、第1のビット系列がPolar符号の凍結ビットを含む実施形態では、復号したメッセージ内でより後に生じる凍結ビットは、より早期の凍結ビットよりもより高い信頼性を有することができるが、これらより後の凍結ビットは、復号工程のより後まで復号されない。ID検証に使用する凍結ビットの特定のサブセットは、復号メッセージのより後に生じる凍結ビットに関連する、望ましい信頼性の増大と、望ましくない待ち時間の増大との平衡を保つように選択することができる。
【0087】
606において、受信器は、第1の識別子に基づき生成した第1の擬似ランダム系列(PRS)により、第1のビット系列の復号したサブセットを復調することができる。例えば、受信器は、UEのIDから生成した第1のPRSを使用し得るUEであり、Polar符号化メッセージの凍結ビットの復号したサブセットを復調することができる。受信器は、第1のPRSを生成することができ、この第1のPRSは、送信器が既に生成したものと同じPRSであってもよい。これらの実施形態では、送信器は、同じPRSを使用して凍結ビットに前もってスクランブルをかけることができ、受信器が、PRSに基づき凍結ビットの復号したサブセットを復調することによって、スクランブル・マスクのスクランブルを解除することができるようにする。PRSは、凍結ビット・フィールド全体と同じ長さとすることができるが、復調は、凍結ビットの復号したサブセットに対応するPRSのサブセットを使用して実施することができる。
【0088】
いくつかの実施形態では、第1の識別子は、基地局がサービスする1つ又は複数のUEの包括的識別子であるUEグループ識別子とすることができる。
【0089】
608において、受信器は、復号してあるビットのサブセットとそれぞれの参照ビット系列との間の相互相関計算を実施することができる。例えば、送信器及び受信器は、どの値が復調した凍結ビットを有するはずであるかを知るように事前構成することができ(例えば、送信器及び受信器は、凍結ビットが一連のゼロ又は別の系列の値であると知ることができる)、これらの値は、受信器のメモリ上に参照ビット系列として保存することができる。これらの実施形態では、復号した凍結ビットとそれぞれの参照ビット系列との間の強力な相互相関により、受信器に、凍結ビットの復調が正確なUE_IDにより実施されたことを示すことができる。いくつかの実施形態では、相互相関計算は、復号した凍結ビットのサブセット及び参照ビットの対応するサブセットに関連付けたパス・メトリックに対する逸脱の計算を伴うことができる。
【0090】
いくつかの実施形態では、相互相関は、PRSの使用による復調の後に実施することができるが、他の実施形態では、参照ビット系列は、第1の識別子に基づくことができ、復調ステップ606を省略することができる。言い換えれば、第1の識別子に基づき(又は第1の識別子から生成したPRSに基づき)復号したビットのサブセットを復調する代わりに、相互相関は、第1の識別子に基づき生成した参照ビットにより実施することができ、復号が、相互相関計算を通じて暗示的に達成されるようにする。PRSは、凍結ビット・フィールド全体と同じ長さとすることができるが、相互相関は、凍結ビットの復号したサブセットに対応するPRSのサブセットを使用して実施することができる。
【0091】
610において、受信器は、相互相関計算結果を相関閾値に対して比較することができる。相関閾値は、所定の相関度とすることができ、この相関度は、相互相関計算で使用したビットの数に応じて変更しても、変更しなくてもよい。
【0092】
612において、相互相関計算結果が所定の相関閾値を下回る場合、受信器は、(例えば、メッセージが、異なるUE_IDを有する異なる受信器、又は異なるグループIDを有する異なるUEグループに向けたものであったので)マスク解除手順が不成功であったことを決定することができ、受信器は、復号手順を中止することができる。いくつかの実施形態では、以下で更に詳細に説明するように、受信器は、より多くの凍結ビットを復号するため、相互相関の移動平均計算を維持することができ、受信器は、相互相関計算結果が所定の相関閾値を下回るのでない限り、復号手順を継続することができる。いくつかの実施形態では、復号手順を中止した後、受信器は、第2の符号化メッセージを受信することができ(例えば、受信器は、第2のPolar符号化メッセージを基地局からワイヤレスに受信することができ)、受信器は、第2のPolar符号化メッセージに対し復号手順を実施する(例えば、ステップ604~610を繰り返す)ことができる。
【0093】
614において、相互相関計算結果が所定の相関閾値を上回る場合、受信器は、復号手順を継続することができる。例えば、受信器は、第1のビット系列(例えば凍結ビット)の復号を完了させる及び/又は第2のビット系列(例えば情報ビット)の復号を継続することができる。
【0094】
第2のビット系列を復号した後、受信器は、第2の識別子から生成した第2の擬似ランダム系列で第2のビット系列を復調することができる。例えば、第2のビット系列がPolar符号の情報ビットを含む場合、情報ビットに、この送信器に一意の識別子(例えば基地局ID)から生成した第2のPRSを使用してスクランブルをかけることができる。これらの実施形態では、受信器は、同じ第2のPRSを使用して、復号した情報ビットを復調する(例えばスクランブルを解除する)ことができる。次に、受信器は、復号メッセージとして、復調した第2のビット系列をメモリ媒体内に保存することができる。
【0095】
第1の識別子がUEグループ識別子であるいくつかの実施形態では、第2の識別子は、UE固有識別子とすることができる。言い換えれば、第1の識別子は、1つ又は複数のUEのグループによって包括的に復号可能である一方で、第2の識別子は、特定のUEに固有のものとすることができる。
【0096】
受信器が第2のビット系列(例えば情報ビット)の復号、復調を終了すると、受信器は、巡回冗長検査(CRC)を実施し、復号工程の間にエラーが発生したかどうかを決定することができる。いくつかの実施形態では、巡回冗長検査は、情報ビットの末尾に付加したCRCビットを使用して実施することができる。CRCビットには、意図する受信器に一意の識別子(例えば、受信器のUE_ID)から得たPRSを使用してスクランブルをかけることができ、受信器は、この受信器識別子に基づき生成した第3のPRSを使用して、CRCビットのスクランブルを解除することができる。代替的に、CRCビットには、意図する受信器に一意の識別子(例えば、受信器のUE_ID)により直接的にスクランブルをかけることができ、受信器は、この受信器識別子を使用して、CRCビットのスクランブルを解除することができる。これらの実施形態では、複数の識別情報検証層を利用し、セル間干渉を軽減し、受信器が意図するメッセージを受信することを保証することができる。例えば、受信器によってそれぞれのPRSを生成するために使用されたUE_ID又はCELL_IDのいずれかが、送信器によってメッセージを変調するために使用されたUE_ID又はCELL_IDとは異なる場合、巡回冗長検査によりエラーをもたらすことができ、メッセージを放棄することができる。CRCが、エラーが発生したことを示す場合、受信器は、メッセージが、受信器が使用した送信器識別子とは異なる識別子を有する送信器から受信されていることを決定し得る。この場合、受信器は、メッセージを放棄し、別のチャネル又はネットワーク・リソース(異なる制御要素)を監視し、後続のメッセージに対しブラインド復号を実施することができる。
【0097】
この工程を更に詳細に説明すると、検査ビットが、UEに割り当てたブロックと一致するブロックを受信した後、復号器内部のメトリックは、対応する凍結ビットの代わりに検査ビット値を使用する際、一貫して増える。そうではなく、検査ビットが値に一致しない場合、復号器は、対応する検査ビットの代わりに凍結ビットを使用することを決定し、このメトリックは予期したように成長しない。この観察に基づき、この復号インスタンスは、意図するDCI符号化と一致しないことが推定されるため、この復号インスタンスを終了させることができる。
【0098】
Polar符号
本項は、様々な実施形態によるPolar符号の機能及び構造を更に詳細に説明する。無記憶2値対称チャネル容量を達成する符号を構成する方法は、当技術分野で公知である。得られたPolar符号は、再帰的工程から得られるチャネル分極(
図7を参照)として公知である現象を活用し、このチャネル分極により、チャネル容量、即ち、最大相互情報量が1(完全に利用可能)に向かう傾向があるか又は0(利用不可能)に向かう傾向がある。符号長N=2
nが増大するにつれて、それぞれ1及び0.5である対応するビット確率が限界に近づき、nは正の整数値である。データは、最も信頼できるチャネル上にビットに関する情報を置くことによって転送することができる(こうしたビットを情報ビットと呼ぶことができる)一方で、最も信頼のできないチャネル上に置いたビットは、固定値、例えば、0、又は別の既知の値、又は値セットに設定することができる。これらのビットを凍結ビットと呼ぶことができる。凍結ビット、及び符号行列への凍結ビットのマッピングは、送信器及び受信器の両方によって既知とすることができる。したがって、凍結ビットは、復号アルゴリズムによって参照として使用し、通信チャネル内の雑音からエラーが生じたか又はそれ以外であるかを決定することができる。例えば、凍結ビットの既知の値は、復号アルゴリズムを通じて決定した値と比較し、エラーが生じたかどうかを決定することができる。
【0099】
逐次除去アルゴリズム
逐次除去(SC)復号器は、Polar符号化方法の実行可能性を実証するのに使用されている。復号器は、複雑さの低い復号を提供する一方で、対抗するターボ符号又は低密度パリティ検査(LDPC)符号と競合するため、100万(即ち220)ビットに達する長いブロック・サイズを必要とする。SC復号器の逐次性は、復号器のスループットに著しい制限を更に課す。
【0100】
逐次除去リストのアルゴリズム
逐次除去リスト(SCL)復号と呼ばれる、改善されたPolar符号復号方法が確立されている。SCL復号は、各非凍結ビットに対し、各復号器段階で並列に2つの可能性:
【0101】
【0102】
を検査する。復号器は、各段で可能性が最も高い経路を保持しながら、多数の経路を並列に追跡することができる。符号器は、巡回冗長検査(CRC)を付加することもでき、巡回冗長検査(CRC)は、最終的に、利用可能なL個の経路から適切なビット判断を決定する際に使用される。上記引用文献2のBalatsoukas-Stimming等を参照。
【0103】
Polar符号
Polar符号は、生成行列Gによって記述される一種の線形ブロック符号を形成する。ブロック長さNのPolar符号は、
【0104】
【0105】
に従って生成することができ、式中、FNは、他の可能性の中でも、
【0106】
【0107】
のクロネッカー積を示す。
【0108】
Polar符号は、長さNのブロックにおけるk個の情報ビット及び(N-k)個の凍結ビットの位置によって定義される。符号レート、
【0109】
【0110】
は、非凍結ビット対ブロック長さの比率として表される。符号レートは、ブロックごとに非凍結ビットの数を変動させることによって線形に調節することができる。典型的には、ブロック長さNは、N=2nであるように2の累乗であるように選択し、nは自然数である。
【0111】
図8-例示的Polar符号器
図8は、ブロック長さN=2
3に対するサンプルPolar符号構成を示す。符号器は、入力u
iで開始し、入力u
iは、出力x
iに符号化される。情報ビットは太字で示す。残りの入力は、割り当てられた凍結ビット値0とすることができる。各段sにおいて、符号器は、右に示す符号化ツリーに従ってビット対を組み合わせ、
【0112】
【0113】
は、排他的OR(XOR)演算を示す。
【0114】
SC復号器
SCL復号器は、SC復号器の集合として見ることができ、それぞれ、累積対数尤度比(LLR)統計列上で、独立したmin-sum計算を利用する。いくつかの実施形態では、SC復号器は、以下のように進行することができる。
【0115】
各ビット位置iにおいて、SC復号器は、以下:
【0116】
【0117】
のようにビットuiを推定することを目標とし、式中、
【0118】
【0119】
は、ビット位置iにおいて、推定した情報ベクトル、
【0120】
【0121】
、所与の受信記号y、及び前もって復号したビット
【0122】
【0123】
に対する対数尤度比(LLR)を計算する。
【0124】
図9は、n=3である例示的復号器を示し、ブロック長さがN=2
3であるようにする。
【0125】
復号器アルゴリズムは、以下:
【0126】
【0127】
に従って、
図9に示す多段図に対し再帰的に適用し、式中、λ
l,iは、列iのLLR及びSC復号器グラフの段lを示す。関連するカーネル計算は、min-sumアルゴリズム:
【0128】
【0129】
を構成する。
【0130】
SCL復号器
リスト復号器は、基準SC復号器から離れ、パス・メトリックの更新を導入することができる。各ビット復号段の完了時、パス・メトリックは、両方の可能なビット値:
【0131】
【0132】
の可能性を取ることによって更新することができる。いくつかの実施形態では、分類演算を実施し、正確に復号した列の尤度によってリスト内の経路をランク付けすることができる。この場合、L個の可能性が最も高い経路のみを保持することにより、可能な経路の「ツリー」を剪定することができる。LLR計算、経路拡張及び剪定のサイクルは、送信ブロックにおいて各ビットに対して繰り返すことができ、この送信ブロックの点で、可能性が最も高い経路を選択し、ペイロード・データ・ビットに対する最良の推定を明らかにする。
【0133】
上記引用文献2のSCL復号器は、分類演算結果を使用し、処理オーバーヘッドを追加することによって、複数のメモリ・コピー(memcpy)を誘導する。というのは、LLR更新は、memcpy演算が完了するまで再開することができないためである。
【0134】
DCIブラインド検出
いくつかの実施形態では、ユーザ識別は、割り当てたC-RNTI(セル無線ネットワーク一時識別子)に基づく。本明細書の実施形態は、ブロック復号過程の早期に、別のユーザに向けたブロックに対し、現在のユーザに向けたブロックを弁別する方法を説明する。以下で更に詳細に説明するように、擬似ランダム2値系列(PRBS)は、C-RNTIに従って種を置くことができる。他の実施形態では、C-RNTIは、グループRNTI、共有RNTI、及び/又は特定のUEに明示的に割り当てなくてもよいRNTIを含むことができる。そのようなRNTIは、限定はしないが、一時的C-RNTI、SI-RNTI(システム情報)、P-RNTI(ページング)、RA-RNTI(ランダム・アクセス)、TPC-PUCCH-RNTI(送信電力制御-物理上りリンク制御チャネル)、及びTPC-PUSCH-RNTI(送信電力制御-物理上りリンク共有チャネル)を含むことができる。本明細書において、用語C-RNTI、RNTI及びUE_IDは、総称して、単一UE又は単一受信器、又はUE若しくは受信器のグループに関連する識別情報を表すために使用され、そのようなUEは、その識別情報に直接的又は間接的に関連付けられる。しかし、本明細書で説明する実施形態に従って、他の種類の識別子も使用し得ることを理解されたい。
【0135】
いくつかの実施形態は、拡散マッピングを用いることができ、凍結ビットの大部分又は全てが、UE識別子又は別の識別子に従って種を置いたPRBSにより変調される。拡散マッピングの場合、PRBSは、UE識別子よりも長くても、又は更にかなり長くてもよい。拡散マッピングは、識別子に長さが等しいPRBSを使用して選択凍結ビット位置を変調する直接マッピングとは対照的であると説明することができ、凍結ビット位置は、様々な手段(例えば、最も信頼できる凍結ビット位置、クロネッカー行列において最も高いハミング重み(最大数1)に対応するビット位置等)によって決定することができる。いくつかの実施形態では、拡散マッピングは、直接マッピングで使用されるビット位置と重複させることができ、その場合、受信器は、早期終了に関する判定を行う際、直接マッピングに使用するビット位置に対応する選択ビット位置の監視することを選択することができる。他の受信器の実装形態は、代わりに、早期終了の判定を行う際、完全拡散マッピングを利用することを選択することができ、ここで、拡散マッピングとは、実質的にUE識別子よりも長いPRBSを使用する、凍結ビットの挿入を指し、直接マッピングは、UE識別子に長さが等しい系列を使用する(又は可能性としては、UE識別子を直接使用する)、凍結ビットの挿入に対応する。
【0136】
いくつかの実施形態では、セル固有スクランブルを使用し、隣接セルの干渉の影響を軽減する。
【0137】
いくつかの実施形態では、本明細書で説明する方法は、付随する共有データ・チャネルの信号対雑音比(SNR)を下回る信号対雑音比(SNR)で機能することができる。更に、いくつかの実施形態は、以前の実装形態と比較してフォールス・アラーム率(FAR)を低減することができる。
【0138】
より広範な適用範囲
本明細書で説明する実施形態は、Polar符号へのUE_IDの挿入を用いて、DCIブラインド検出時の早期終了を促進するものであるが、他の実施形態では、UE_ID挿入は、Polar符号の他の使用のために用いることができる。例えば、UE_ID挿入は、mMTC(大量端末接続)用途若しくはURLLC(超高信頼低遅延通信)用途のためのPolar符号及び/又はチャネル符号化で用いることができる。
【0139】
例えば、いくつかの実施形態は、先進運転支援システム(ADAS)のために本明細書で説明する技法を用いることができる。これらの実施形態では、車両若しくは車両グループの範囲を定めるID又はID表現を凍結ビット・フィールドに埋め込み、車両間通信又は車両対インフラストラクチャ通信のブロック弁別を可能にすることができる。
【0140】
いくつかの実施形態は、遠隔システム監視のために本明細書で説明する技法を用いることができる。例えば、mMTCは、ID挿入からの恩恵を得ることができる。凍結ビットへのID挿入は、アドレス情報を個別に送信する必要性をなくし、これにより、通信間接費を低減することができる。
【0141】
いくつかの実施形態は、識別子(例えば、UE固有識別子、UEグループ識別子又は基地局識別子等)を、Polar符号の凍結ビット及び/又は情報ビットに埋め込むが、他の実施形態は、凍結ビット及び/又は情報ビットに、他の種類のビット系列及び/若しくはメッセージを埋め込むことができる。例えば、以下でより詳細に説明するように、ハイブリッド自動再送要求(HARQ)確認応答を、Polar符号の凍結ビット及び/又は情報ビットに埋め込むことができる。代替的に、本明細書に記載の実施形態に従って、送信器及び受信器の両方に既知の他の種類の参照系列を、Polar符号の凍結ビット及び/又は情報ビットに埋め込むことができる。
【0142】
いくつかの実施形態は、同報チャネルのために本明細書で説明する技法を用いることができる。例えば、NR内の物理ブロードキャスト・チャネル(PBCH)は、システム・フレーム番号(SFN)及び/又はスロット指数(スロット指数は現在の無線フレーム内での現在位置の表示である)を表すCELL_ID及び/又はビットのサブセットを凍結ビット内で携行することから恩恵を受け、セル及びシステム・タイミング情報の区別を助けることができる。CELL_IDは、凍結ビットの一部若しくは全てに直接挿入することができるか、又はCELL_IDを使用し、PRBSに種を置き、次に、PRBSを凍結ビットの一部若しくは全てに挿入することができる。同様に、SFN関連情報を凍結ビットの一部若しくは全てに直接挿入し、次に、凍結ビットの一部若しくは全てに挿入するPRBSに種を置くために使用することができるか、又は相対的な巡回変化若しくは回転を決定するために使用することができ、相対的な巡回変化若しくは回転は、凍結ビットの一部若しくは全てに挿入するPRBS成分に適用される。
【0143】
いくつかの実施形態は、本明細書において、安全な上りリンク制御情報(UCI)スクランブル技法を用いることができる。例えば、PRBSは、ローリング・セキュリティ・コードに基づき初期化することができ、ローリング・セキュリティ・コードのスケジュールは、gNB及びUE又はUEグループの間で依然として非公開である。これらの実施形態では、CRCスクランブルは、不一致に対するUE_IDの最終検証を回避することができる。CRCスクランブルは、不正な視聴者がメッセージ成分の復号を試みることを防止できないことがある。というのは、不正な視聴者が最終CRC検査の妥当性を無視する可能性があるためである。(例えば、LTEにおいて定義されている)いくつかの現在の実装形態では、UCIは、UE_IDスクランブルを含まない。不正なユーザは、誤った制御チャネル・データを挿入し、これにより、有効なユーザと見せかけてだますことができる。しかし、不正なユーザは、ローリング・セキュリティ・コードに気付くことができず、したがって、CRCに適切にスクランブルをかけることができない。これらの実施形態では、安全鍵に基づくPRBS拡散スクランブルは、不正なユーザからの傍受を阻止することができる。
【0144】
いくつかの実施形態は、UL/DLプライバシを改善する技法を用いることができる。例えば、UL又はDLユーザ・データ通信への安全なスクランブルの使用を拡大すると、送信器の識別情報の保証に更なる恩恵を加え、同様に、不正な傍受の攻撃を軽減する。これらの実施形態は、有利には、物理層に近接するプライバシを保証し、これにより、mMTC又はURLLC通信に関する待ち時間を低減することができる。PRBS拡散手段を含む凍結ビットの挿入は、下りリンク制御情報(DCI)で提案するものと同様に動作させることができる。いくつかの実施形態では、凍結ビットの挿入は、下りリンク制御情報(DCI)で提案するものから、PRBS系列を初期化する様式で逸脱することができる。例えば、固定された種に基づき系列生成を初期化するのではなく、種は、共有される(例えば、送信器と受信器との間で独立して共有される)被動スケジュール鍵に従って、回転させることができ、被動スケジュール鍵の更新パターンは、送信器と受信器との間で依然として秘密とすることができる。ADAS、又は不正な妨害が有害であることを証明し得る他のミッション・クリティカル通信は、安全な拡散スクランブルから恩恵を得ることができる。
【0145】
いくつかの実施形態は、基地局(gNB)への追加の確認として、本明細書で説明する上りリンク制御メッセージ上でUE_IDを符号化する技法を用いることができ、リソースの所与のセット内で受信したメッセージが、リソースを割り当てたユーザから実際に発信されたものであることを確認する。例えば、上りリンク制御メッセージの凍結ビットに挿入されるPRBSの成分は、追加の安全尺度として、UE及びgNBに既知のスケジュール上で回転させることができる。
【0146】
いくつかの実施形態は、特定のUEデバイスに対し複数のRNTIを用いることができる。いくつかの実施形態では、ユーザは、同じ長さの複数のDCIフォーマットからのDCIメッセージを予期することができ、DCIフォーマットのそれぞれは、異なる活動中のRNTIに関連付けることができる。例えば、共通探索領域(CSS)は、ページング・メッセージのためのP-RNTI、システム情報メッセージのためのSI-RNTI、及びグループ送信電力制御のためのTPC-RNTIのそれぞれを用いることができる。別の例として、UE固有探索空間(USS)は、動的スケジューリングのためのC-RNTI、及び半永続的スケジューリング(SPS)起動、起動停止のためのSPS-RNTI、並びに/又は適合ハイブリッド自動再送要求(HARQ)再送信のそれぞれを用いることができる。これら多重RNTIケースでは、UEは、RNTI固有CRCスクランブルに基づき、所与のDCI符号化に対してどのRNTIを適用可能であるかを区別することができる。これらの実施形態では、RNTI固有成分に基づくUE_ID凍結ビット挿入は、物事を複雑にする場合があり、可能性として、所与のDCIインスタンスに対してどのRNTIを適用可能か評価するために複数の復号試行を必要とする場合がある。例えば、UEは、DCIメッセージが、使用する固有RNTIと関連する適切なDCIフォーマットであったかどうかを決定する前に、固有RNTIを使用して凍結ビット・フィールド全体を復号し、その後、CRCのスクランブルを解除する必要がある場合がある。この更なる復号は、更なる望ましくない時間及び計算リソースを必要とする場合がある。
【0147】
いくつかの実施形態では、これらの望ましくない更なる復号手順は、多重RNTI関連付けを規定することによって回避することができ、多重RNTI関連付けは、gNBにおいて、DCIフォーマット固有RNTIに基づくCRCスクランブルと共に、凍結ビット挿入のための多重RNTIを割り当てるものである。例えば、所与のUEは、凍結ビットの復号に多重RNTIを用いることができ、多重RNTIは、所与のUEに固有であるが、可能性のあるDCIフォーマットのそれぞれに対して包括的である。この場合、所与のUEは、特定のDCIフォーマットに固有のRNTIに基づき、CRCのスクランブル解除を実施することができる。これらの実施形態では、多重RNTIは、UEが、DCIメッセージがそのUEに向けたものであったかどうかを決定するために使用し得る一方で、計算的により単純でより短いCRCスクランブル解除手順を異なるDCIフォーマット固有RNTIで使用し、DCIメッセージのDCIフォーマットを決定することができる。
【0148】
いくつかの実施形態では、多重RNTIは、凍結ビット・フィールドにおいて使用するために割り当て、所与のUEに割り当てた2つ以上のDCIフォーマット固有RNTIとの関連付けを指定することができる。多重RNTIは、凍結ビット・フィールドにマッピングし、現在のUEに関するこれら多重RNTIとの関連付けに属さないあらゆるRNTIに対する早期終了を可能にすることができる。この後、DCIフォーマット固有RNTI CRCスクランブル解除が続き、UEが、どのDCIフォーマットが送信されたかを決定することを可能にする。
【0149】
様々な実施形態では、多重RNTIを割り当てる方法は、2つの形態のうち1つを取ることができる。
【0150】
一実施形態では、所与のUEに割り当てたDCIフォーマット固有RNTIとは別個である新たな多重RNTIを特定することができる。
【0151】
別の実施形態では、多重RNTIは、現在のUEに既に割り当てられているDCIフォーマット固有RNTIのセットから指定することができる。このことは、予期される多重RNTI使用のケースで既に表示したもの以外に、更なるRNTI割り当てを一切負わないという点で有利であり得る。プロトコルを使用し、割り当てられたどちらのRNTIを多重RNTIとして指定するかを決定することができる。共通探索領域(CSS)の場合、TPC-RNTIは、多数のユーザにわたって更に共有されることを仮定すれば、良好な候補であり得る。UE固有探索空間(USS)の場合、個々のUEのためのSPS-RNTIとは別個であるため、C-RNTIが好ましい場合がある。他の割り当てられたRNTI、及び他の複数のDCIフォーマットも可能である。
【0152】
最終的な考慮事項は、重複するグループをどのように扱うかである。いくつかの実施形態では、2つのUE(例えば、UEA及びUEB)は、それぞれのUE固有C-RNTIに加えて、グループRNTIに割り当てることができる。対応する多重RNTIは、例えば、{C-RNTIA, C-RNTIB及びグループのためのG-RNTIA,B}と関連付けることができる。多重RNTIは、別個のグループRNTIとして明示的に割り当てることができるか、又はTPC-RNTI等の、既存の既に割り当てたグループRNTIを再利用することができる。例えば、単一の多重RNTIを使用し、UEAに向けたUE固有メッセージ、UEBに向けたUE固有メッセージ、並びにUEA及びUEBの両方に向けたグループ・メッセージのそれぞれのための凍結ビットを符号化することができる。多重RNTIスクランブルを取り除いた後、Polar復号を通常通りに進めることができる。その後、受信器Aは、C-RNTIA及びG-RNTIA,Bのそれぞれを使用してCRCマスクの評価に進む。なお、受信器Bは、C-RNTIB及びG-RNTIA,Bのそれぞれを使用してCRCマスクを評価する。このことは、一方のUEが、もう一方のUEに向けたブロック完了への復号を終了し得る可能性を認めるが、DCIインスタンスごとの単一の復号試行を与えられた早期終了の可能性は、UEがそのグループ内の別のユーザに向けたブロックを時々復号する犠牲を上回る。なお、多重RNTIグループに関連しないあらゆるDCIに対する早期終了の可能性は、UEA及びUEBによって保たれる。
【0153】
列挙した上記のケースそれぞれにおいて、PRBS(又は他の)拡散を初期化し、適切な系列長さが何であるかを決定し、符号化をマッピングすべき凍結ビットの範囲を決定するには、特別仕様の適用が望ましい場合がある。更に、凍結ビットが正確なACK/NACK決定を保証するのに必要とされる程度は、用途にわたり変更することができる。更に、UL HARQ ACK/NACKは、Polar符号化下りリンク制御チャネルの凍結ビット上に信号で伝えることができる。
【0154】
候補探索空間
LTEは、意図するPHY下りリンク制御チャネル(PDCCH)通信の探索を問い合わせるため、UEのための制御チャネル要素(CCE)位置のセットを定義する。CCE位置のセットは、表2に示すように、UE固有探索空間(USS)及び共通探索空間(CSS)に分割される。
【0155】
【0156】
LTEの場合、各UEは、送信時間間隔(TTI)につきUSSから2つのDCIフォーマットを受信することができる。1つの参照DCIフォーマット、例えば、フォーマット0/1Aは、典型的には、UEのために構成した送信モードとは無関係に予想される。同じペイロード・サイズを有するように定義すると、参照DCIフォーマットは、基礎をなすフォーマット型とは無関係に、候補位置につき1回の復号試行を要求することができる。各UEは、構成した送信モードに応じて、TTIごとにDCIフォーマット1、1B、1D、2、2A、2Bの1つに対し、USS候補位置につき1回の更なる復号試行を要求することができる。次に、UEは、16×2=32のブラインド復号試行を要求し、2つの異なる可能なDCIフォーマットに対し、TTIごとに全てのUSS候補位置を監視することができる。
【0157】
同じペイロード・サイズを有するように指定したDCIフォーマット0/1A及び3/3A(TPC-PUCCH-RNTI又はTPC-PUSCH-RNTIを構成する場合)は、CSS内の候補PDCCH位置につき1回のブラインド復号試行を要求することができる。UEがSI-RNTI(システム情報)、P-RNTI(ページング)又はRA-RNTI(ランダム・アクセス)でスクランブルをかけたPDCCHの受信を必要とする場合、DCIフォーマット1Cに対し、CSS内の候補位置につき更なる復号試行が必要であり、利用可能なCSS候補位置にわたり6×2=12のブラインド復号試行をもたらす。合計、TTIにつき最大12+32=44回のブラインド復号試行を必要とし、割り当てたDCIフォーマットに対し、CSS及びUSSの両方を監視することができる。最大44回のブラインド復号試行のそれぞれは、相当な時間及び計算リソースを必要とするため、ブラインド復号試行工程の間に早期終了を可能にすることにより、ユーザ・エクスペリエンスを著しく向上させることができる。
【0158】
図10-ブロック弁別
図10は、LTEに対し規定したDCI符号化を示す。LTEは、
図10に示すように、DCI検出時、2つのブロック弁別方法を利用し、DCI検出は、Polar符号構造に重畳することができる。このブロック弁別方法は、LTEによって使用されるテイルバイティング畳み込み符号器の代わりに行うことができる。
【0159】
第1に、ユーザ固有CRCマスクを各PDCCHの末尾に適用し、UE_IDに基づくブロック分離をもたらすことができる。第2に、符号器出力時、セル固有スクランブル・マスクを適用し、CELL_IDに基づく出力メッセージを変調することができ、符号器は、n番目のクロネッカー累乗行列のアイコンGnによって
図12で表す。
【0160】
PDCCHのためのPolar符号構成
基礎をなすPolar符号構成を考慮し、本明細書で説明する実施形態は、下りリンク制御チャネルに適合し得るマルチモード弁別マスクを実施する。
【0161】
提案する系列設計は、従来のPolar符号構成により開始し、長さN=2nの符号は、k個の情報ビット(CRC及び/又はパリティ検査(PC)ビットを含む)、A⊂[N]、及びN-k個の凍結ビット、F=[N]\Aを割り当て、これらの割り当てた値は、受信器に先験的に既知である。符号レート、R=k/Nは、ブロック・サイズに対するユーザ・データ従属情報ビットの数によって決定することができる。
【0162】
いくつかの実施形態では、以下の3つの方法の一部又は全てに従って、基礎をなすPolar符号の個々のフィールドを割り当て、ブロック弁別を促進することができる。
【0163】
まず、上記で説明したように、エラー検出のため、16ビットのCRCを各PDCCHに付加することができる。16ビットのCRCの長さは、例にすぎず、限定を意図するものではない。CRCの長さは、16ビットより少なくても、16ビットより多くてもよい。CRCには、UE固有マスクによりスクランブルをかけ、候補PDCCH位置リストに問い合わせる際、どのPDCCH(複数可)が所与のUEに向けられているかという識別を可能にする。
【0164】
第2に、上記で説明したように、UE_ID、又はUE_IDの関数から得たビット値を凍結ビット・フィールドに挿入し、UEが、当該UEに向けたPDCCH(複数可)ブロック復号の過程で、別のユーザに向けたPDCCHから早期に弁別することを更に可能にする。早期終了の一形態として、UE_ID挿入は、現在のUEのためのものではないブロックの復号に費やされるエネルギーの低減を意図する。
【0165】
第3に、上記で説明したように、情報ビットは、セル固有マスク(CELL_IDマスク)によりマスクし、隣接セルの干渉の影響を軽減することができる。
【0166】
図11~
図12-ビット・マスクの割り当て
図11は、いくつかの実施形態による、Polar符号を(可能性としてはNR内に)組み込むように適合したDCIを示す。
図11は、Polar符号化メッセージ内で凍結ビット、情報ビット及びCRCビットのそれぞれに対しビット・マスクを個別に適用することを示す。図示のように、マルチモード・マスク割り当ては、個別の識別目的で、ビット・フィールドの異なるサブセットを個別に使用する。
【0167】
線形変換を仮定して、クロネッカー行列の適用を分散し、割り当てたビット・マスク(複数可)を符号器出力:
(w+u)G=wG+uG (6)
に関連付けることができる。ここで、プラス(+)は、DCIインスタンスごとに1回計算して得られるスクランブル・マスクwGのビット単位のXORを表し、uGは、元の符号器出力である。
図12に示すように、符号器入力で連続して適用したビット・マスクs
0:F-1、r
0:D-1、x
rnti,0:15は、符号器出力で適用したスクランブル・マスクwGに相当し、0
0:M-1は、長さMの全てのゼロ・ベクトルを表し、yG=Yは、符号器入力のベクトル(小文字ベクトルy)と出力のベクトル(大文字ベクトルY)との間の関係を反映する。組み合わせたマスクは、同様に、復号前に受信器で外すことができる。符号器入力でマスクに割り当てた特性は、符号器出力で適用される、対応するマスク内で同等に現れる。個々の属性は、各マスクが、符号器入力での構成に参照される、意図する効果をもたらすように割り当てることができる。この場合、マスクの寄与は、効力を失うことなく、組み合わせ、符号化し、次に、符号器出力で適用することができる。
【0168】
図13~
図14逐次ビットマスクの割り当て
図13~
図14は、いくつかの実施形態による、後にLTEによって使用されるパターン化したビットマスクの割り当てを示す。従来のLTEにおいて、擬似ランダム系列の生成は、様々な目的で適合される(引用文献3を参照)。本明細書では、擬似ランダム系列を生成する例示的な方法を示し、本方法又はある同様の方法を凍結ビット成分を満たすために適用し得ることを示し、凍結ビット成分の初期化は、UE_IDの表現に基づく。LTEによって指定される擬似ランダム系列を生成する方法を適合させ、C-RNTIによって初期化した凍結ビット成分を形成し、DCIブラインド検出による早期の識別を促進することができる。いくつかの実施形態では、第2の適用は、CELL_IDに対し初期化した情報ビット・マスクを形成することができる。
【0169】
【0170】
ここで、Nc=1600であり、MPNは、影響を受ける凍結ビットの数によって決定する。
【0171】
系列
【0172】
【0173】
は、以下:
【0174】
【0175】
のように生成することができる。
【0176】
ここで、
【0177】
【0178】
は、以下:
【0179】
【0180】
のように初期化することができる。
【0181】
凍結ビット成分は、fM+n=cnに従って満たし、Mは、使用される第1の凍結ビットの指数である(例えば、パンクチャリングを適用した後の第1の凍結ビット、又は第1の情報ビットの後の第1の凍結ビット等)。
【0182】
利用可能な凍結ビット数まで擬似ランダム系列の長さを拡張すること(例えば上記で説明した拡散マッピング)により、決定的で確実な早期のユーザの分離をもたらす。UE_IDにより得た擬似ランダム系列により凍結ビット成分全体をポピュレートするする場合、早期ブロック弁別の確実で効率的な手段を得ることができる。同様に、擬似ランダム系列は、CELL_IDから得られ、ブロックの情報部分に対するビットマスクとして適用することができる。更に又は代替的に、LTEで行ったように、割り当てたC-RNTIに基づきCRCをマスクすることができる。適切なゼロ・パディングを適用し、次に、マスクを加算した後、符号器出力において、これらの組み合わせた効果を単一のスクランブル系列で適用することができる。
【0183】
上記で説明した実施形態は、利用可能な凍結ビットの完全フィールドに擬似ランダム系列を割り当てるが、他の実施形態では、擬似ランダム系列は、凍結ビットのサブセットに割り当て、例えば、パンクチャリング後の第1の凍結ビットにより開始するか、又は第1の情報ビットに続く第1の凍結ビットにより開始することができる。凍結ビットの割り当ては、ある数の情報ビットを消費した後、例えば、残存する作業負荷が、ある省エネルギー最小閾値を超えた後、中断することができる。これら特定の凍結ビットのサブセットは、例示的にすぎず、限定を意図しない。というのは、擬似ランダム系列を凍結ビット・フィールドの他のサブセットに割り当てることも可能であるためである。
【0184】
いくつかの実施形態では、擬似ランダム系列は、UE_ID又はCELL_IDと同じ長さであってもよく、直接マッピングをもたらす。いくつかの実施形態では、拡散マッピングと直接マッピングとの組合せを単一の送信で利用することができる。これらの実施形態では、直接マッピングで選択した凍結ビットの位置は、拡散マッピングで選択したビット位置のサブセットとすることができる。言い換えれば、拡散マッピングで選択した凍結ビットは、直接マッピングで選択した凍結ビットのスーパーセットとすることができ、凍結ビットのスーパーセットにより、拡散マッピング手順から復号した関連するビットを、直接マッピング・アルゴリズムでの処理のために渡すことを可能にする。言い換えれば、拡散マッピングは、直接マッピングの機能に干渉せずに、拡散マッピングの凍結ビット・フィールド内で用いることができる。いくつかの実施形態は、拡散マッピングに、直接マッピングに関連する性能の利点をもたらすことができるが、更に、受信器製造業者に許容範囲をもたらし、例えば、最大ハミング距離又はビット信頼性に基づき、早期終了判定を行う際に望ましいと考えられるビット位置のみを含めることができる。
【0185】
図15-UE_ID凍結ビットの割り当てに基づく早期ブロック弁別
図15は、UE_IDの符号化と復号との間の一致及び不一致の両方の場合の、凍結ビット復号の早期終了手順に関するデータを示す。
【0186】
UE_IDを凍結ビットの割り当てから得たとすると、早期ブロック弁別は、最尤(ML)系列検出と同然とすることができる。仮定される凍結ビット位置の一致は、正の蓄積をもたらす一方で、不一致は、負の蓄積をもたらす。移動平均(MA)によって見られる圧倒的な正の蓄積は、別のユーザに向けたブロックから、現在のユーザに向けたブロックを弁別する確実な手段をもたらす。この傾向は、
図15に示すように、低SNRでさえ持続する。
【0187】
ブロック弁別の目的で、最良経路、即ち、最小パス・メトリックを呈する経路に属するものとして、各ビット位置で見られるセットであるように最良LLRを選択する。ブロック復号過程の間に知覚される最良経路が、残存する最良経路として残るという主張はしない。しかし、知覚される最良経路の指標は、早期弁別を促進するメトリックを得るのに有用であることを証明することができる。
【0188】
図15に示すように、最良LLRの移動平均は、凍結ビット割り当てに一致する際、増大する傾向、及び予測したビット割り当てに不一致がある場合、下向きの傾向を呈する。再度
図15を参照すると、上位2つのプロットは、符号器と復号器との間の凍結ビット割り当ての不一致に対応する。予想されるように、LLRの蓄積は、負の一致数が蓄積し始めるにつれて、急激な下向き傾向を呈する。この下降の開始は、適用した移動平均長さの関数である。この下降の開始は、より短い移動平均でより早く生じ、より長い移動平均でより後に生じる。
【0189】
本発明者等は、符号器/復号器の凍結ビットの割り当ての一致を調査した際、LLRの蓄積が大部分は正であることを観察している。やはり、この観察は、適用した移動平均(MA)の長さの関数である。
図15の下の2つのプロットに示すように、比較的短い移動平均、例えば、MA[8]、MA[16]は、短期間の変動を受けやすく、ブロック弁別に対するメトリックをあまり信頼できないものにしている。最終的に、早期のブロック弁別による省電力化と、この決定を行うのに使用する機構の信頼性との平衡を保つ相殺は、MAサイズ内に発見することができる。
【0190】
図16-一致識別に対するビット・フィードバックの影響
図16は、一致識別手順に対する誤ったフィードバックの影響を示す。凍結ビット割り当ての不一致は、復号器の動作予想に関連する二次的影響を及ぼす。SC及びSCL復号器は、一連のf演算子及びg演算子によって特徴付けられる。f演算子が入力LLRのみに依存する一方で、g演算子出力は、先行するビット推定値:
【0191】
【0192】
を条件とする。
【0193】
部分和の形態でg演算子にフィードバックされた、前もって推定したビットの一部分が、凍結ビット割り当ての不一致のために誤りである場合、下流のLLRも同様に、チャネル自体のため妨害が増分する様態で影響を受けることがある。
図16のデータは、比較的高いSNRで選択し、図示のように、右下のプロットのLLRは、主に正の方向の傾向を見せる一方で、右上のプロットのLLRは、g演算子内で誤ったフィードバックと結合したチャネルの混乱を伴う影響を示す。g演算子内の誤ったフィードバックは、下流のビット復号、凍結、及び情報ビットに同様に伝播し、意図しないPDCCHによってFARが更に低減すると、早期終了を履行せず、最終CRC検査に向かって進むはずである。特に、凍結ビット不一致の影響は、復号開始前にスクランブル・マスクを外した場合でさえ持続する。
【0194】
図17-系列不一致と誤りの伝播との複合的な影響
図17は、g演算子フィードバックによる系列不一致と誤りの伝播との複合的な影響が、どのようにヒューリスティックスを生じさせるかを示し、このヒューリスティックスは、早期のブロック弁別に有用であることを証明することができる。
【0195】
図17の図示の実施形態では、最尤度系列検出は、復号器出力におけるLLR(対数尤度比)を調査することによって、凍結ビットの成分における一致対不一致の決定を目的とする。一致シナリオのスクランブルを解除した後、出力LLRは、大部分が、全ゼロのビット・フィールドの推定を示す正方向に向かうことが観察される。得られたLLR蓄積は、大部分は正の勾配、同じく、スクランブル系列を正確に除いたという根拠を呈することができ、これにより、相加性雑音効果にも関わらず、凍結ビット・フィールドに全ゼロを戻す(
図17-下部の2つのグラフ)。反対に、符号値のランダムな分布は、gNBに埋め込んだ凍結ビットと比較して、受信器における凍結ビット割り当ての不一致を示すことがある。蓄積されたLLRは、正と負との間を変動する勾配を呈し、ビット割り当てにおける不一致の可能性を反映する(
図17-上部の2つのグラフを参照)。
【0196】
LLR蓄積に関する責任は、主に、最も信頼できないビット位置に凍結ビットを配置したことに起因する。得られたLLR蓄積は、符号化が一致又は不一致を表すかどうかに関わらず、かなりの変動を起こしやすく、したがって、直接系列検出を早期終了のメトリックとして使用不可能にする。
【0197】
図18-階層化UE識別のフローチャート
図18は、いくつかの実施形態による階層化UE識別を示すフローチャート図である。いくつかの実施形態では、受信器は、ブロック弁別を実施する際、階層化手法を取ることができ、これにより、受信器は、受信したメッセージが、受信器のUE_IDに対して一致するか又は不一致であるUE_IDに基づき符号化されているかどうかを決定する。代替的に、ブロック弁別は、基地局ID若しくはグループIDの1つ又は複数に基づき実施してもよい。ブロック弁別は、復号されるUE_IDの一致/不一致を決定することを含むことができ、1つの早期終了基準に対するsoft failは、今度は、第2の基準に対する評価、可能性としては、その後、第3の基準に対する評価を受けることができる。
図18において、まばらな点陰影でマークされたタイムラインは、(第1の一致/不一致決定のために使用される)凍結ビット内に含まれるETメトリックの利用可能度を示し、より密な点陰影は、(第2の一致/不一致決定のために使用される)Polar符号の情報ビット内に分散した巡回冗長検査(CRC)の位置を示す。情報ビットの末尾で付加される最終CRC検査は、一致/不一致決定のための第3の基準として使用することができる。
【0198】
DCI検出時における一致/不一致決定への階層化手法において、いくつかの実施形態では、早期終了メトリックに関して非2値尺度(即ち、2つ以上の値を取り得る尺度)を提供することが望ましい場合がある。非2値尺度は、凍結ビットの位置が異なるがそれ以外は同じUE_IDを伝達する異なる長さの2つの符号化を区別するのにも有益であることがあり、この場合、2つの異なる符号化のそれぞれに対して評価される非2値尺度の相対的な大きさは、2つの復号試行のうち、分散巡回冗長検査(CRC)又は最終CRCビットの検査を遂行するのにどちらが最高に適しているかを区別するのに役立てることができる。
【0199】
いくつかの実施形態では、非2値尺度は、早期終了メトリックの評価に基づき復号工程を終了する判断に関して、UE_ID復号の一致/不一致決定に対する信頼度レベルを割り当てる尺度である。非2値尺度は、strong pass(かなり可能性が高い一致を示す)から、soft fail(規定の閾値に対する中程度の違反を示す)、strong fail(既定の閾値に対する著しい違反を示す)までの範囲に及ぶことができる。非2値尺度を使用すると、分散CRCビットを評価して一致/不一致を決定する手続きを、既定の早期終了閾値に対する(2値)違反にも関わらず保証し得るインスタンスを示すことができる。
【0200】
いくつかの実施形態では、非2値尺度は、以下のように得ることができる。
【0201】
まず、復号工程の間、一致閾値に違反する早期終了メトリックの任意の観測値から記録を作製することができる。早期終了(ET)メトリックを計算する、それぞれの復号ビット位置は、観測値を作製し得る(即ち、ETメトリックを閾値と比較する)インスタンスを構成することができる。
【0202】
いくつかの実施形態では、一致閾値に違反するETメトリックの観測値の数を計数することができ、ETメトリック違反に対する非2値尺度は、違反の数に基づき決定することができ、strong failは、何らかの最大許容数で生じるように決定することができる。使用する特定のETメトリックは、上記で説明した様々な種類のうちの1つとすることができる。概して、違反は、復号される凍結ビットが、受信器に既知の参照ビットに対して一貫していない(即ち、不一致を呈する)場合に生じ得る。他の実施形態では、合計観測値の稼働回数に対し、一致閾値に違反する観測値の数の比率を計算することができる。これらの実施形態では、非2値尺度は、比率に基づき決定することができる。この非2値メトリックを使用し、特に、UE_IDの一致/不一致決定に対する階層化手法の場合、厳密な閾値評価を増強することができる。
【0203】
いくつかの実施形態では、非2値尺度の値は、ゼロと1との間で計算することができ、ゼロは、完全な一致を示し、1は、完全な不一致を示す。例えば、非2値尺度は、非2値尺度の値がゼロと1との間にあるように正規化することができる。いくつかの実施形態では、非2値尺度は、量子化することができる(即ち、正確な計算値を、3つ以上の値の個別のセットに量子化することができる)。例えば、いくつかの実施形態では、計算値は、3つの異なる値のうち1つに量子化することができる。これらの実施形態では、(例えば、ゼロから離れた所定の閾値の範囲内の)十分にゼロに近い計算値は、ゼロに切り捨て(即ち、ゼロに量子化し)、strong passを示すことができる。ゼロに近いが所定の閾値よりも遠い値は、中間値に量子化し、中程度の違反(即ち、soft fail)を示し、分散CRCビットに、終了に必要な更なる証拠を求める必要性を示唆することができる。第3に、(例えば、第2の所定の閾値の範囲内で)1に十分に近い値又は1に等しい値は、1に切り上げ、著しい違反を示し、終了するための強力な証拠(即ち、strong fail)を提供することができる。言い換えれば、0から1までの値の範囲は、以下のように3つの範囲に分割することができる:xが0よりも大きく、1よりも小さい、0とxとの間の値は、strong passであると決定することができる。yがxよりも大きいが、1よりも小さい、xとyとの間の値は、soft failであると決定することができる。yと1との間の値は、strong failであると決定することができる。x及びyの固有の値は、様々な要因に基づき決定することができる。例えば、strong pass、soft fail及びstrong failの決定をもたらす値の範囲を調節することによって、値を経験的又は理論的に決定し、復号工程の待ち時間の低減と、フォルス・ポジティブ及びフォルス・ネガティブの出現の低減との間に望ましい平衡をもたらすことができる。
【0204】
他の実施形態では、非2値尺度は、より多数のカテゴリ(例えば、4つ以上)に量子化し、より多数の階層を有するブロック弁別手法をもたらすことができる。
【0205】
いくつかの実施形態では、UE_IDを凍結ビットに挿入することにより、第1のブロック弁別手段を提供することができる。
図18に示すように、ETメトリックに従ったstrong failの決定は、ブロック復号の終了をもたらし、後続の復号ステップに進行することができない。strong passは、観測されたメトリックを示すことができ、このメトリックは、規定の閾値(A)に対して、分散CRCの可用度(B)まで、依然として良好に挙動する。この表示が与えられると、いくつかの実施形態では、受信器は、分散CRCビットに基づくCRCの迂回を選択し、これにより、待ち時間及びエネルギー消費の追加を回避することができ、判定点(C)においてUE_IDの妥当性を評価する最終CRCに依存する。一方、soft failは、strong failとstrong passとの間の中間である非2値メトリックに対応し(即ち、ETメトリック閾値を上回る最小偏位、又はいくつかの孤立ビット位置において閾値を上回る偏位を有する)、分散CRCに基づき、終了を選択する前に判定点(B)において更なる違反を保証することができる。
【0206】
いくつかの実施形態では、2008における分散CRCビットに基づくCRCパリティ検査の実施は、推定UE_IDを検証する第2の手段を提供することができる。UE_ID挿入閾値がこの点に違反していない場合、CRCがfailであると、分散CRCビットに基づき、依然として早期ブロック終了をもたらすことができる。限られた数の利用可能なビット位置が与えられると、分散CRCは、可能性のあるブロック割り当ての一部分のみをなくすのに効果的である場合があり、ブロックのサブセットは、可能性のある一致に対して同等に復号することができる。分散CRCビットに基づくCRCがfailであることを決定されると、ブロック復号工程を終了することができる。ブロック復号を終了すると、方法は、後続のブロックを復号すべきかどうかの決定を継続することができ、この場合、方法は、後続のブロックのための新たな復号工程により、再度開始することができる。更なるブロックが復号のために利用可能ではない場合、下りリンク制御情報(DCI)復号工程を終了することができる。逆に、passが決定されると、復号工程は、Polar符号化メッセージの情報ビットの復号を継続することができ、最終CRCビットを検査し、受信器が、Polar符号化メッセージの意図する受信者であることを最終的に検証することができる。
【0207】
いくつかの実施形態では、各ブロック符号化で情報ビットフィールドに付加する最終CRCは、ユーザ/グループIDに対する最終検証を提供する。最終CRC検査は、省エネルギーの余裕がない。というのは、最終CRC検査は、ブロック復号工程の終局で生じるためである。最終CRCがfailであると、UEは、ブロックの不一致が生じたことを決定することができる。言い換えれば、最終CRCは、ブロックが不一致ではないことを検証する最終検査を提供することができる。
【0208】
DCI凍結ビット・スクランブルのための多重RNTIの処理
以下の段落は、いくつかの実施形態に従って、DCI凍結ビット・スクランブルのための多重RNTIを処理する特定の実装形態の詳細を説明する。
【0209】
LTEにおいて、UEは、DCIを探索する(ブラインド復号する)必要があることがあり、DCIのCRCは、以下のRNTI値の1つ又は複数に基づき、スクランブルがかけられる。PDCCH領域において、UEが探索する2つの領域:共有探査空間(CSS)及びUE固有探索空間(USS)がある。特定のサブフレームの構成に応じて、CSS及びUSSは、異なる個別の探索空間を表すことができるか、又は互いに部分的若しくは完全に重複することができる。3GPP 5G NRにおいて同等の機能は完全に定義されていないが、LTEにおける対応する機能にいくぶん同様であることが予期される。
【0210】
以下の段落は、様々なRNTI型、並びにCSS及び/又はUSSにおけるそれらの対応するDCI位置を説明する。
【0211】
SI-RNTI(システム情報)-CSS内のDCI 1A及び1C
【0212】
P-RNTI(ページング)-CSS内のDCI 1A及び1C
【0213】
RA-RNTI(ランダム・アクセス)-CSS内のDCI 1A及び1C
【0214】
一時C-RNTI-CSS内のDCI 0/1A(DCI 0及びDCI 1Aは、互いに同じビット長さを有する。ペイロード内の内部フラグを使用し、正常に復号したDCI候補がDCI 0であるかDCI 1Aであるかどうかを決定することができる)、並びにUSS内のDCI 1及び1A
【0215】
C-RNTI-CSS内のDCI 0/1A、DCI 0/1A、並びに(構成される送信モードに応じて)USS内のDCI{1,1B,1D,2,2A,2B}のうち1つ。いくつかの実施形態では、作動中のUEは、C-RNTIを用いて常に構成することができる。
【0216】
SPS C-RNTI(半永続的スケジューリング)-CSS内のDCI 0/1A、並びにUSS内のDCI 0/1A及び(例えば、構成される送信モードに応じて)DCI{1,2,2A,2B}のうち1つ。いくつかの実施形態では、作動中のUEは、任意選択でSPS C-RNTIを用いて構成することができる。例えば、作動中のUEの全てをSPS C-RNTIを用いて構成する必要はない。
【0217】
TPC-PUCCH-RNTI(PUCCHのための送信電力制御)-CSS内のDCI 3/3A。DCI 3/3Aは、DCI 0/1Aと同じビット長さを有することに留意されたい。作動中のUEは、任意選択で、電力制御の目的でTPC-PUCCH-RNTIを用いて構成することができる。
【0218】
TPC-PUSCH-RNTI(PUSCHのための送信電力制御)-CSS内のDCI 3/3A。DCI 3/3Aは、DCI 0/1Aと同じビット長さを有することに留意されたい。作動中のUEは、任意選択で、電力制御の目的でTPC-PUSCH-RNTIを用いて構成することができる。
【0219】
【0220】
上記表3は、いくつかの実施形態による、基地局での50個のリソース・ブロック及び4つのアンテナのシステム帯域幅のための、LTEにおける候補DCIフォーマットを列挙する。わかるように、DCI 0、1A、3及び3Aは全て、同じビット長さを有する一方で、全ての他のDCIは、一意のビット長を有する。ペイロードにおける内部フラグを使用し、所与のRNTIのための正常に復号されたDCI候補がDCI 0又はDCI 1Aであるかどうかを決定することができる。特定のDCI 0/1Aには、いくつかの異なるRNTI値の1つでスクランブルをかけることができ、UEは、どのスクランブルをかけたRNTIに基づくかを決定することによって、このDCI 0/1Aの状況を決定することができる。DCI 3又は3Aは、DCIの上記リストで示すように、スクランブルに使用し得るRNTI値を介して、DCI 0/1Aから区別することができる。特定のセルは、補足的な電力制御の目的で、DCI 3又はDCI 3Aの(両方ではなく)いずれかを使用するように構成される、即ち、DCI 3及びDCI 3Aは、相互に排他的であることにも留意されたい。
【0221】
RNTIカテゴリ
いくつかの実施形態によれば、上記で説明した異なるRNTIを3つの異なる型:同報RNTI、グループRNTI及び単独RNTIにカテゴリ化することができる。新たな更なるRNTIを5G NRに導入することができるが、これらのRNTIは、以下で説明する3つのカテゴリの1つに割り当てることができる。
【0222】
同報RNTI
同報RNTIは、考えられる限りセル内のあらゆるUEに向けられ得る送信に関連付けることができる。同報RNTIは、CSS内で見つけることができる。同報RNTIは、他の可能性の中でも、SI-RNTI、P-RNTI、RA-RNTI及び一時C-RNTIを含むことができる。同報RNTIは、全ての時間の間で探索しなくてもよいが、むしろ、特定のタスクを実施する際(例えば、他の可能性の中でも、UEがシステム情報を取得する、ページング・メッセージを検査する、又はランダム・アクセスを実施する間)に探索される。したがって、同報RNTIが関与する際、早期終了を介する節電の可能性はより低い可能性がある。しかし、同報RNTIに関連付けたDCIは、CSS内に存在することができ、非同報RNTIに関連付けたDCIを探索するUEが、同報RNTIを関連付けたDCIをマッピングしてある候補DCI空間をブラインド復号する際、早期終了を実施できることが望ましい場合がある。
【0223】
グループRNTI
グループRNTIは、セル内のUEのサブセット又はグループに向けられる送信に関連付けることができる。グループRNTIは、CSS内で見つけることができる。グループRNTIは、他の可能性の中でも、TPC-PUCCH-RNTI及びTPC-PUSCH-RNTIを含むことができる。グループRNTIは、典型的には、(構成される際)作動中のサブフレームごとにUEによって探索することができる。
【0224】
単独RNTI
単独RNTIは、セル内の特定のUEに向けられる送信に関連付けることができる。単独RNTIは、正確なDCIフォーマットに応じて、CSS又はUSS内で見つけることができる。単独RNTIは、他の可能性の中でも、C-RNTI及びSPS C-RNTIを含むことができる。単独RNTIは、典型的には、(構成される際)作動中のサブフレームごとに探索することができる。
【0225】
DCI候補カテゴリ
いくつかの実施形態では、重複するDCI候補の2つのカテゴリを説明することができ、異なるRNTIは、以下のように考慮される。
【0226】
カテゴリ1:同報RNTI、グループRNTI又は単独RNTIを用いるCSS内のDCI 0/1A/3/3A(すべてが同じ長さ)
【0227】
本明細書では解決策1-Aと呼ぶ、カテゴリ1のための第1の解決策は、以下のように説明することができる。同報RNTI(例えば、SI-RNTI、P-RNTI,、RA-RNTI、一時C-RNTI)を使用するCSS内のDCI(例えば、DCI 1A、1C)は、どのRNTIを使用中であるかに関わらず、全ゼロ系列又は固定の既知系列でスクランブルをかけた凍結ビットを有することができる。CRCには、適切な同報RNTIに基づき、差異化する目的でスクランブルをかけることができる。DCI 1Cは、同報RNTIの場合にのみ使用し得ることに留意されたい。
【0228】
様々な実施形態によれば、グループRNTI(例えば、TPC-PUCCH-RNTI、TPC-PUSCH-RNTI)を使用するCSS内のDCI(例えば、DCI 3又は3A)には、解決策1-Aによる3つの様式のうち1つでスクランブルをかけることができる。
【0229】
一実施形態(解決策1-A-i)では、そのようなDCIは、全ゼロ系列又は固定の既知系列でスクランブルをかけた凍結ビットを有することができる。CRCには、適切なグループRNTIに基づき、最終的なUEを識別するためにスクランブルをかけることができる。
【0230】
別の実施形態(解決策1-A-ii)では、TPC-PUCCHグループを特定のTPC-PUCCH-RNTIを共有するUEグループとして定義することができる。TPC-PUSCHグループは、特定のTPC-PUSCH-RNTIを共有するUEグループとして定義することができる。この特定の選択の場合、セル内でグループRNTIにより構成される各UEは、以下の条件のうち1つを満たすことを要求することができる。UEは、TPC-PUCCH-RNTIを用いて構成するが、TPC-PUSCH-RNTIを用いて構成しないことを要求することができ、また、このUEのTPC-PUSCHグループ内の全ての他のUEも、TPC-PUSCH-RNTIを用いて構成すべきではなく、UEは、TPC-PUSCH-RNTIを用いて構成するが、TPC-PUCCH-RNTIを用いて構成しないことを要求することができ、また、このUEのTPC-PUSCHグループ内の全ての他のUEも、TPC-PUCCH-RNTIを用いて構成すべきではない、又はUEは、TPC-PUCCH-RNTI及びTPC-PUSCH-RNTIの両方を用いて構成することを要求することができ、また、このUEのTPC-PUCCHグループ及びTPC-PUSCHグループのメンバーは、同一でなければならない。
【0231】
UEをTPC-PUSCH-RNTIを用いて構成してある場合、DCIの凍結ビットは、このTPC-PUSCH-RNTIに基づきスクランブルをかけることができ、CRCは、適宜、(TPC-PUSCH-RNTI又はTPC-PUCCH-RNTIにより構成される場合)TPC-PUSCH-RNTI又はTPC-PUCCH-RNTIに基づきスクランブルをかけることができる。UEをTPC-PUCCH-RNTIにより構成してあるが、TPC-PUSCH-RNTIにより構成していない場合、DCIの凍結ビット及びCRCは、このTPC-PUCCH-RNTIに基づきスクランブルをかけることができる。
【0232】
更に別の実施形態(解決策1-A-iii)では、TPC-PUCCH-RNTIに関連付けたDCI 3又は3Aの凍結ビット及びCRCは、このTPC-PUCCH-RNTIに基づきスクランブルをかけることができる。TPC-PUSCH-RNTIに関連付けたDCI 3又は3Aの凍結ビット及びCRCは、このTPC-PUSCH-RNTIに基づきスクランブルをかけることができる。この解決策は、UEが実施するブラインド復号の数を増大し得ることに留意されたい。というのは、個別のブラインド復号は、(両方のRNTIを構成する場合)UEのTPC-PUCCH-RNTI及びTPC-PUSCH-RNTIのそれぞれに対して実施する必要がある可能性があるためである。しかし、このことは、UEのTPC-PUCCHグループ及びTPC-PUSCHグループのメンバーが同一である必要があるという要件を除くことができる。
【0233】
単独RNTI(例えば、C-RNTI、SPS C-RNTI)を使用するCSS内のDCI(例えば、DCI 0/1A)は、以下のようにスクランブルをかけることができる。対応するUEが、任意のグループのRNTIを用いて構成していない(TPC-PUCCH-RNTIでも、TPC-PUSCH-RNTIでもない)場合、DCIの凍結ビットは、UEのC-RNTIに基づきスクランブルをかけることができ、CRCは、適宜、UEのC-RNTI又はSPS C-RNTIに基づきスクランブルをかけることができる。
【0234】
対応するUEが、TPC-PUSCH-RNTIにより構成してある場合、DCIの凍結ビットは、このTPC-PUSCH-RNTIに基づきスクランブルをかけ、CRCは、適宜、UEのC-RNTI又はSPS C-RNTIに基づきスクランブルをかけられる。
【0235】
対応するUEが、TPC-PUSCH-RNTIを用いて構成していないが、TPC-PUCCH-RNTIを用いて構成してある場合、DCIの凍結ビットは、TPC-PUCCH-RNTIに基づきスクランブルをかけることができ、CRCは、適宜、UEのC-RNTI又はSPS C-RNTIに基づきスクランブルをかけることができる。
【0236】
本明細書では解決策1-Bと呼ぶ、カテゴリ1のための第2の解決策は、以下のように説明することができる。CSS内に位置するあらゆるDCIは、どのRNTIがDCIに関連付けられるかに関わらず、全ゼロ系列又は固定の既知系列によりスクランブルをかけた凍結ビットを有することができる。それぞれのそのようなDCIのCRCは、適切な同報RNTI、グループRNTI又は単独RNTIに基づきスクランブルをかけることができる。このことは、CSS内に位置する任意のDCI候補に対する早期終了を実施できないことを犠牲にして、候補DCIフォーマット及び候補位置につきただ1つのブラインド復号を実施することを保証することができる。
【0237】
解決策1-Bの場合、(全ゼロ系列又は固定の既知系列によるスクランブルではなく)固有RNTI値に基づく凍結ビットのスクランブルは、厳密にUSS内に位置するDCIでのみ使用することができ、これにより、厳密にUSS内に位置するDCI候補に対してのみ早期終了を可能にする。
【0238】
DCI候補の第2のカテゴリは、2つのサブカテゴリ、カテゴリ2のA部及びB部に分割することができる。
【0239】
カテゴリ2(A部):複数の単独RNTIを用いるUSS内のDCI 0/1A及びDCI{1,2,2A,2B}のうち1つ(即ち、UEは、C-RNTI及びSPS C-RNTIの両方を用いて構成されている)。単独RNTIのみが、典型的には、USSで使用されることに留意されたい。同報RNTI及びグループRNTIは、一般に、USS内で使用されない。
【0240】
いくつかの実施形態では、カテゴリ2のA部は、以下のように対処することができる。SPS C-RNTIを用いて構成したUEは、必ず、C-RNTIも有することができる。USS内のあらゆるUE固有DCIの凍結ビットは、UEのC-RNTIに基づきスクランブルをかけることができる。そのようなDCIのCRCは、適宜、UEのC-RNTI又はSPS C-RNTIに基づきスクランブルをかけることができる。
【0241】
CSSとUSSとの間に重複する候補探索空間がある場合、gNBは、任意のDCI 0/1Aを処理することができ、このDCI 0/1Aは、単独RNTIに関連付けられ、USS内ではなくCSS内に位置する重複候補探索空間にある。(代替実施形態では、gNBは、CSS内ではなくUSS内に位置するDCI 0/1Aを処理することができる)。
【0242】
カテゴリ2(B部):単一の単独RNTIを用いるUSS内のUE固有DCI候補(DCI 0/1A及びDCI{1,2,2A,2B}のうち1つ)(即ち、UEは、C-RNTIのみを用いて構成されており、SPS C-RNTIを有さない)。このことは、UEがSPS C-RNTIを用いて構成されている場合でさえ、USS内のDCI{1B,1D}のうち1つのケースも含むことができる。というのは、これら特定のDCIフォーマットは、C-RNTIのみを用いて使用され、SPS C-RNTIを用いて使用されないためである。
【0243】
いくつかの実施形態では、カテゴリ2のB部は、以下のように対処することができる。USS内の任意のUE固有DCIの凍結ビットは、UEのC-RNTIに基づきスクランブルをかけることができ、そのようなDCIのCRCは、UEのC-RNTIに基づきスクランブルをかけることができる。
【0244】
CSSとUSSとの間に重複する候補探索空間がある場合、gNBは、任意のDCI 0/1Aを処理することができ、このDCI 0/1Aは、単独RNTI(C-RNTI)に関連付けられ、USS内ではなくCSS内に位置する重複候補探索空間にある。(代替実施形態では、gNBは、CSS内ではなくUSSに位置するDCI 0/1Aを処理することができる)。
【0245】
【0246】
いくつかの実施形態では、符号語スクランブルは、表4で要約したRNTIマッピングの範囲を考慮に入れることができる。提案するマッピングは、ブロック弁別の複数のモードを可能にする。
【0247】
例えば、いくつかの実施形態では、1対1のマッピングを用いることができ、これにより、凍結ビット・フィールド内で割り当てられたC-RNTIの拡散は、候補探査空間内で遭遇するあらゆる空き(vacancy)(即ちAWGN)を含む、現在のユーザに向けられていないブロックを弁別する手段を提供することができる。凍結ビットのマッピングは、更に、予期されるDCIサイズ/符号レートの不一致を表す復号試行に対する早期終了を可能にし得る。これらの実施形態では、情報ビットのスクランブルは、隣接セルとはいえ、正確なRNTIが割り当てられる場合でさえ、CRCにfailをもたらすことができる。CRCマスクは、受信したRNTI、即ち、C-RNTI又はSPS-RNTIを検証する手段を提供することができる。
【0248】
1対1のマッピングを用いるいくつかの実施形態では、別個のRNTIは、同じUEに向けた異なる長さ及び/又は符号レートのブロックを弁別する助けになることができる。例えば、C-RNTI+0及びC-RNTI+1を使用し、長さ0、長さ1・・・それぞれのブロックへの凍結ビット挿入のためのPRS拡散を初期化することができる。なお、CRCスクランブルは、割り当てたC-RNTIの使用を保つことができる。
【0249】
いくつかの実施形態では、1対多のマッピングを用いることができ、これにより、凍結ビット・フィールド内での同報RNTIの割り当ては、RNTI固有CRCマスクに基づく最終ブロック弁別に対するCSSの探索を促進することができる。これらの実施形態は、UE固有符号化及びあらゆる空きの探査空間候補を弁別する手段を提供することができる。グループRNTIは、共有探索空間を占めるそれぞれのサブグループを区別する手段を提供することができる。複数の重複しないサブグループに対処する一方で、早期終了の利益を保つ能力は、例えば、NRに有益であることを証明することができる。
【0250】
1対多のマッピングを用いるいくつかの実施形態では、グループRNTIの割り当てと等しく、同報RNTIは、CSS内で必要とされる復号試行を低減することができる。更に、別個のグループRNTIを割り当てると、重複しないサブグループ、即ち、グループi、グループj、グループk・・・等に別々に対処する手段を提供することができる。
【0251】
いくつかの実施形態では、多対1のマッピングを用いることができ、これにより、UEが所与のサブフレーム内で2つ以上のDCI型を予期しているケースでは、多重RNTIを導入し、複数の復号試行の必要性をなくす(例えば、参照により組み込まれる上記引用文献3を参照)。単独RNTIは、最終DCI検証のため、CRCマスク内で使用することができる。
【0252】
いくつかの実施形態では、マッピングを用いない場合がある(即ち、空きマッピング)。これらの実施形態では、UE_IDの不一致と同様に、候補探索空間におけるAWGNは、スクランブルを解除した凍結ビット成分内で不一致をもたらし、可能性として早期終了をもたらすことができる。CRCマスクは、候補探索空間内で空きに遭遇すると、最終弁別を提供することができる。
【0253】
Polar符号におけるHARQ ACK/NACKの符号化
いくつかの実施形態は、ハイブリッド自動再送要求(HARQ)適用例のための本明細書で説明する技法を用いることができる。これらの実施形態では、下りリンク制御情報(DCI)及び/又は上りリンク制御情報(UCI)チャネル上での下りリンク(DL)及び/又は上りリンク(UL)のHARQ確認応答/否定確認応答ACK/NACKメッセージは、(例えば、URLLC又は他の適用例のための)Polar符号を選択した場合、凍結ビットを通じて遂行することができる。特定の実装形態の詳細はNRでは未判定であるにも関わらず、定義上は、URLLCは、高い信頼性及び低い待ち時間を必要とすることが予期される。このことは、凍結ビットへのACK/NACK挿入に関し有利な機会を提示することができる。例えば、データ・チャネル通信上に重畳されるのとは反対に、ACK/NACKを制御チャネル上で明示的に運ぶインスタンスと同様に、制御チャネル上のDL HARQに信号を送信することができる。拡散が1つ又は複数のACK/NACKビット(複数可)の強固な符号化を表し得るDL HARQの場合を除いて、上記で説明したのと同じ符号拡散機構を適用することができる。例えば、拡散マッピングは、擬似ランダム系列でACK/NACKビット(複数可)を変調することによって、ACK/NACKビット(複数可)上で実施し、凍結ビット・フィールドの程度と同じ長さであるPRBSを得ることができる。いくつかの実施形態では、拡散とブロック符号化とを組み合わせ、複数のACK/NACKビットを符号化することができる。凍結ビットにおけるACK/NACKの早期決定は、HARQ工程を起動する際、gNBにおいてより低い待ち時間をもたらすことができる。
【0254】
いくつかの実施形態では、信頼性は、Polar符号化制御チャネルにおける凍結ビット及び情報ビットの両方の上でDL/UL HARQ ACK/NACK等の情報の信号を送ることによって増大することができる。閾値に対する凍結ビットのメトリックの評価は、HARQ工程を開始する際、又は情報ビットにおけるACK/NACKに対する復号の完了を待機する際に高い信頼度があるかどうかを示すことができる。
【0255】
本明細書で説明する実施形態は、HARQ機能に適合する様式でDCI早期終了を用いることができる。例えば、SNRを伴うUE_ID挿入に固有の拡張性は、拡散マッピングによるUE_ID挿入を、DCI上のHARQ再送信での使用に有利に適したものにする。特定のUE(例えば、UE106A又はUEA)は、低いSNRで動作することができ、このUEに向けたメッセージの再送信を必要とする可能性がある。UEAの場合、早期終了の利得は、低減することがある。というのは、このUEは、メッセージを正常に受信するために再送信を依然として待機する必要があるためである。
【0256】
この場合、再送信は、UEAによる正確な復号の尤度の改善に役立てることができる。しかし、周囲のユーザ、特に、より高いSNRでのユーザ(例えば、他のユーザがgNBにより近接する場合がある)は、UEAのための元の送信及びあらゆる再送信を終了する可能性から利益を得ることができる。UEAは、個々に、それぞれ後続の再送信で意図されるDCIの復号を試行し続けることができる。セル全体の観点から、周囲のUEは、ブロックが再送信を構成するか否かに関わらず、別のユーザのためのあらゆるブロックを終了することを目的とすることができる。周囲のUEの省エネルギーは、あらゆる再送信を含め、UEAに送信される任意のブロック及び全てのブロックを無視する能力に部分的に依存し得る。これらの実施形態では、周囲のUEのうちの1つのためではない再送信の早期終了は、これら周囲のUEに対して著しい省エネルギーをもたらすことができる。
【0257】
図19-Polar符号へのHARQ ACK/NACK挿入のフローチャート
図19は、いくつかの実施形態による、Polar符号の凍結ビット及び/又は情報ビットにHARQ ACK/NACKメッセージを挿入する方法を示すフローチャート図である。
図19に示す方法は、他のデバイスの中でも、上記図面に示すシステム又はデバイスのいずれかと共に使用することができる。様々な実施形態では、図示する方法要素のいくつかは、同時に実施するか、図示する以外の異なる順序で実施することができるか、又は省くことができる。更なる方法要素は、必要に応じて実施することもできる。図示のように、この方法は、以下のように動作させることができる。
【0258】
2102において、ユーザ機器(UE)は、下りリンクメッセージを基地局から正常に受信したかどうかを決定することができる。例えば、UEは、下りリンクメッセージに関する要求を基地局に前もって送信しておくことができる、及び/又は基地局から下りリンクメッセージを受信するように前もってスケジュール設定しておくことができ、UEは、下りリンクメッセージのための特定の時間で特定の無線リソースを監視することができる。下りリンクメッセージの受信に続いて、UEは、メッセージを復号し、メッセージを正常に受信したかどうか、又はメッセージの再送信が望ましいかどうかを決定することができる。下りリンクメッセージを正常に受信したかどうか、受信が不成功であったか、又は全く受信していないかどうかに応じて、UEは、ハイブリッド自動再送要求(HARQ)確認応答又は否定確認応答メッセージを基地局に送信することを希望することができる。
【0259】
2104において、下りリンクメッセージが正常に受信されたかどうかという決定に基づき、UEは、HARQ確認応答メッセージに基づき、Polar符号の複数の凍結ビットを変調し、複数の変調凍結ビットを生成することができる。HARQ確認応答メッセージは、肯定確認応答メッセージ(ACK)又は否定確認応答メッセージ(NACK)のいずれかとすることができる。例えば、UEが下りリンクメッセージを正常に受信した場合、UEは、HARQ ACKメッセージに基づき複数の凍結ビットを変調することができる一方で、UEが下りリンクメッセージの受信に不成功であった場合、UEは、HARQ NACKメッセージに基づき複数の凍結ビットを変調することができる。
【0260】
いくつかの実施形態では、HARQ確認応答メッセージによる複数の凍結ビットの前記変調は、凍結ビットと同じ長さを有する擬似ランダム2値系列を得るため、HARQ確認応答メッセージに対して拡散マッピングを実施することを伴うことができる。この場合、UEは、擬似ランダム2値系列で複数の凍結ビットを変調することができる。Polar符号の凍結ビット・フィールドの範囲は、ACK/NACKメッセージの範囲よりも実質的に長くてもよいため、拡散マッピングは、符号化されるACK/NACKメッセージ内に大規模な冗長性を導入することができる。Polar符号内で凍結ビットは情報ビットほど信頼できないため、この冗長性は、基地局が、凍結ビットを正常に復号するのを支援することができる一方で、依然として、基地局が、ACK/NACKメッセージを情報ビットのみの中で符号化する場合よりも早期にACK/NACKメッセージを復号するのを可能にする。
【0261】
いくつかの実施形態では、Polar符号の情報ビットは、代替又は追加として、下りリンクメッセージを正常に受信したかどうかという決定に基づき、HARQ ACK/NACKメッセージに基づき変調することができる。例えば、情報ビットは、HARQ ACK/NACKメッセージの第2の符号化で利用することができる。基地局が、凍結ビット内で符号化されたHARQ ACK/NACKメッセージを正常に復号できなかった場合(例えば、符号化メッセージが、かなり不良な無線状態を通じて送信される場合)、情報ビットは、HARQ ACK/NACKメッセージの第2の復号で利用することができる。
【0262】
いくつかの実施形態では、拡散マッピングの実施をブロック符号化とを組み合わせ、複数のACK/NACKビットを符号化することができる。例えば、UEが、UEが基地局から受信するようにスケジュール設定した複数のメッセージ及び/又は複数のメッセージ部分に関連付けた複数のACK/NACKビットを送信することが望ましい場合がある。
【0263】
2106において、UEは、Polar符号を使用して、符号化HARQ ACK/NACKメッセージを得るため、複数の変調凍結ビット及び複数の情報ビットを符号化することができる。
【0264】
2108において、UEは、符号化HARQ ACK/NACKメッセージを基地局にワイヤレスに送信することができる。いくつかの実施形態では、符号化HARQ ACK/NACKメッセージは、超高信頼低遅延通信(URLLC)サービスに関連付けて送信される。いくつかの実施形態では、符号化HARQ ACK/NACKメッセージは、基地局が前もってスケジュール設定していた無線リソースを使用してワイヤレスに送信することができる。例えば、基地局とUEとの間のより早期の通信により、UEが上りリンクACK/NACKメッセージングを送信するのに特定の無線リソース(例えば、特定の時間及び/又は周波数リソース)をスケジュール設定しておくことができ、ワイヤレス送信は、この無線リソースを利用して実施することができる。
【0265】
図20-Polar符号化HARQメッセージングのフローチャートの続き
図20は、
図19に関連して説明する方法の受信器側からの継続を示すフローチャート図である。例えば、
図20で説明する方法は、
図19のステップ2108の完了後に開始することができる。
図19に示す方法は、他のデバイスの中でも、上記図面に示すシステム又はデバイスのいずれかと共に使用することができる。様々な実施形態では、図示する方法要素のいくつかは、同時に実施するか、図示する以外の異なる順序で実施することができるか、又は省くことができる。更なる方法要素は、必要に応じて実施することもできる。図示のように、この方法は、以下のように動作させることができる。
【0266】
2202において、基地局は、UEから符号化HARQ確認応答メッセージを受信することができる。例えば、基地局は、
図19のステップ2108において送信される符号化HARQメッセージを受信することができる。符号化HARQ ACK/NACKメッセージは、UEに下りリンクメッセージを送信する基地局に応じて、基地局が受信することができる。例えば、基地局は、下りリンクメッセージをUEに送信することができ、符号化HARQ ACK/NACKメッセージに特定の無線リソース(例えば、基地局がUEにHARQ確認応答フィードバックを送信することをスケジュール設定していた無線リソース)を監視し、UEが下りリンクメッセージを正常に受信したかどうかを決定することができる。
【0267】
2204において、基地局は、符号化HARQ確認応答メッセージに対する復号工程を開始することができる。復号工程は、Polar復号工程を含むことができ、Polar復号工程は、Polar符号の情報ビットを復号する前、最初に、Polar符号の凍結ビットを復号する。
【0268】
2206において、基地局は、凍結ビットの復号したサブセットと、否定確認応答(NACK)メッセージに関連付けた参照ビット系列との間の一致が、所定の閾値を上回ることを決定することができる。例えば、早期終了に関して上記でより詳細に説明したように、基地局は、復号された凍結ビットのサブセットと、対応する参照ビット系列との移動比較を保つことができ、参照ビット系列は、HARQ ACK/NACKメッセージがNACKメッセージである場合に得られるはずのものである。凍結ビットの復号されたサブセット及び参照ビット系列が、所定の閾値を超える度合いまで一致する場合、基地局は、符号化HARQ ACK/NACKメッセージがNACKメッセージであることを決定することができる。有利には、基地局は、前もってUEに符号化HARQ ACK/NACKメッセージを特定の無線リソース内で送信することをスケジュール設定してあるため、基地局は、符号化HARQ ACK/NACKメッセージがACKメッセージであるか若しくはNACKメッセージであるかどうかの決定に加えて、符号化HARQ ACK/NACKメッセージからUE識別子を復号しなくてもよく、基地局によって単独決定を行い、符号化HARQ ACK/NACKメッセージがACKメッセージであるか若しくはNACKメッセージであるかどうかの結論を出すことができる。
【0269】
いくつかの実施形態では、基地局は、符号化HARQ ACK/NACKメッセージがNACKメッセージであるか又はACKメッセージであるかという決定を行わずに、凍結ビットの全ての復号を完了することができる。これらの実施形態では、ACK/NACKビットは、Polar符号の情報ビット内で更に符号化することができ、基地局は、情報ビットの復号を継続し、符号化HARQ ACK/NACKメッセージがACKメッセージであるか又はNACKメッセージであるかどうかを識別することができる。
【0270】
2208において、基地局は、凍結ビット系列と、否定確認応答(NACK)メッセージに関連付けた参照ビット系列との間の一致が、所定の閾値を上回るという決定に基づき、UEに対する下りリンクメッセージの早期再送信をスケジュール設定することができる。言い換えれば、基地局が符号化HARQ ACK/NACKメッセージがNACKメッセージであることを決定した場合、基地局は、下りリンクメッセージの早期再送信をスケジュール設定することができる。例えば、基地局は、UEでの下りリンクメッセージの早期再送信をスケジュール設定することができ、基地局は、早期再送信をスケジュール設定するより前に完全なHARQ ACK/NACKメッセージを復号した場合に可能であるよりも早期の送信を予定することができる。次に、基地局は、再送信スケジュールに従って下りリンクメッセージを再送信することができ、UEは、再送信された下りリンクメッセージを受信することができる。
【0271】
いくつかの実施形態では、符号化HARQ ACK/NACKメッセージがACKメッセージである(又はNACKメッセージではない)ことが決定された場合、基地局は、方法を終了することができ、下りリンクメッセージを再送信しなくてよい。
【0272】
基地局は、情報ビットを復号する前に凍結ビットを復号するため、凍結ビットにおけるNACKメッセージの符号化は、基地局が、NACKメッセージを情報ビット内のみで符号化するよりも前に再送信が必要であることを決定することを可能にし得る。これにより、UEは、再送信をより早期に受信し、待ち時間の影響を受けやすいワイヤレス適用例(例えば、URLLC適用例)におけるユーザ・エクスペリエンスを改善することができる。
【0273】
結び
本明細書の実施形態は、DCIブラインド検出時、早期のブロック弁別を促進するため、Polar符号構成に一体である凍結ビットを割り当てる方法を説明する。この提案は、ユーザIDを伝達する凍結ビット成分の使用を可能にするという、Polar符号に一意の特性を活用する。この構成は、LTEの目標セットに合うようなセル分離をもたらすため、更に活用される。最終結果は、CELL_ID及びUE_IDの両方を可能にするスクランブル系列であり、早期終了という利益が追加される。復号器で再現すると、この刷り込みは、設計によって大部分が何らかの他のユーザに向けられたものである多数の候補PDCCHの中で、特定の受信器に向けたブロックを見分けるのに有用である。
【0274】
復号中断の判断を含むブロック決定の信頼性は、基礎をなすチャネルの信頼性に従って、ビット位置に応じて改善される。この手法は、依然として考慮中の符号構成に対するPC、CRC又は複合方法に適合する。UE_IDを埋め込むという、提案する方法において、推定される符号器及び復号器の実装形態に加えられる変化は最小である。提案する方法は、アルゴリズム設計に広い許容範囲を更にもたらし、受信器製造業者が早期終了の省電力化と信頼性とを相殺することを可能にする。
【0275】
早期ブロック弁別は、ブラインドDCI検出時、UEにおけるエネルギー消費の低減にかなり重要な影響を及ぼす。UE_ID表現を凍結ビット・フィールドに挿入すると、現在のユーザのためのブロック復号・符号化の過程で、別のユーザに向けたブロックから早期に区別する効果的な手段を受信器にもたらす。本開示は、弁別マスクを説明し、弁別マスクは、複数の目的の役割:凍結ビット成分内に埋め込まれたUE_IDに基づく早期のブロック弁別、情報ビット・スクランブルに基づく隣接セルの干渉の軽減、及びCRCスクランブルに基づくユーザIDの最終検証を果たすことを意図する。本明細書で説明する実施形態は、早期終了のために提案されるメトリックを詳述する。凍結ビット内のUE_ID挿入の使用は、DCIブラインド検出を促進するために既に提案した使用以外に説明される。
【0276】
番号を付した以下の段落は、更なる実施形態を説明する。
【0277】
1.方法であって、
ユーザ機器(UE)固有制御情報を送信するように構成した基地局によって、
基地局の第1の識別子に基づき、第1の擬似ランダム系列を生成すること;
複数の変調情報ビットを生成するため、第1の擬似ランダム系列で複数の変調情報ビットを変調すること;
符号化変調制御情報を生成するため、複数の変調情報ビット及び複数の凍結ビットを、Polar符号を使用して符号化することであって、符号化変調制御情報は、UE固有制御情報を含み、複数の凍結ビットは、第1の擬似ランダム系列で変調されていない、符号化すること;並びに
符号化変調制御情報をワイヤレスに送信すること
を含む方法。
【0278】
2.複数の情報ビットを変調する前、複数の情報ビットに、CRCマスクによって変調した巡回冗長検査(CRC)を付加すること
を更に含む、請求項1に記載の方法。
【0279】
3.UE固有識別子に基づき生成した第2の擬似ランダム系列に基づき、CRCマスクを生成すること
を更に含む、請求項2に記載の方法。
【0280】
4.UE固有識別子に基づき生成した第2の擬似ランダム系列で複数の凍結ビットを変調すること
を更に含む、請求項1に記載の方法。
【0281】
5.方法であって、
ユーザ機器(UE)固有制御情報を送信するように構成した基地局によって、
第1のUE固有識別子に基づき、第1の擬似ランダム系列を生成すること;
複数の変調凍結ビットを生成するため、第1の擬似ランダム系列で複数の凍結ビットを変調すること;
符号化変調制御情報を得るため、複数の変調凍結ビット及び複数の情報ビットを、Polar符号を使用して符号化することであって、符号化変調制御情報は、UE固有制御情報を含み、複数の情報ビットは、第1の擬似ランダム系列で変調されていない、符号化すること;並びに
符号化変調制御情報をワイヤレスに送信すること
を含む方法。
【0282】
6.基地局の識別子に基づき生成した第2の擬似ランダム系列で複数の情報ビットを変調すること
を更に含む、請求項5に記載の方法。
【0283】
7.制御情報を復号する方法であって、
ユーザ機器デバイス(UE)によって、
基地局からPolar符号化データをワイヤレスに受信することであって、Polar符号化データは、複数の凍結ビット及び複数の情報ビットから符号化されている、受信すること;
複数の凍結ビットを復号するため、Polar符号化データに対して復号手順を開始すること;
複数の凍結ビットのサブセットを復号した後、復号した凍結ビットのサブセットと、UEに既知である参照凍結ビットの対応するサブセットとの間の相互相関計算を実施すること;
相互相関計算の結果が相互相関閾値を下回るという決定に基づき、復号手順を中止すること
を含む方法。
【0284】
8.参照凍結ビットは、UE識別子に基づき生成した擬似ランダム系列に基づき変調する、請求項7に記載の方法。
【0285】
9.基地局の識別子に基づく擬似ランダム系列を使用して、複数の情報ビットを復調すること;及び
複数の復調情報ビットのサブセットに対し、巡回冗長検査(CRC)を実施すること
を更に含む、請求項7に記載の方法。
【0286】
10.制御情報を復号する方法であって、
ユーザ機器デバイス(UE)によって、
基地局からPolar符号化データをワイヤレスに受信することであって、Polar符号化データは、複数の凍結ビット及び複数の情報ビットから符号化されている、受信すること;
復調行列を使用して、Polar符号化データの復調を実施することであって、復調行列は、UE識別子に基づく第1の擬似ランダム系列及び基地局識別子に基づく第2の擬似ランダム系列のそれぞれから得られる、実施すること;
複数の凍結ビットを復号するため、Polar符号化データに対して復号手順を開始すること;
複数の凍結ビットのサブセットを復号した後、復号した凍結ビットのサブセットと、UEに既知である参照凍結ビットの対応するサブセットとの間の相互相関計算を実施すること;並びに
相互相関計算結果が相互相関閾値を下回るという決定に基づき、復号手順を中止すること
を含む方法。
【0287】
11.情報ビットに対し、巡回冗長検査(CRC)を実施すること
を更に含む、請求項10に記載の方法。
【0288】
12.方法であって、
送信器によって
複数のそれぞれの識別子に基づき、複数の擬似ランダム系列を生成すること;
複数の擬似ランダム系列のそれぞれで、ビット系列の複数のサブセットのそれぞれを変調すること;
符号化メッセージを生成するため、変調ビット系列を符号化すること;
符号化メッセージをワイヤレスに送信すること
を含む方法。
【0289】
13.ビット系列の複数のサブセットは、Polar符号の凍結ビット及び情報ビットを含む、請求項12に記載の方法。
【0290】
14.ビット系列の複数のサブセットは、巡回冗長検査(CRC)ビットを更に含む、請求項13に記載の方法。
【0291】
15.複数の識別子は、ユーザ機器(UE)識別子及び基地局識別子を含む、請求項12に記載の方法。
【0292】
16.ビット系列の複数のサブセットは、連続している、請求項12に記載の方法。
【0293】
17.ビット系列の複数のサブセットは、連続していない、請求項12に記載の方法。
【0294】
18.ビット系列の複数のサブセットは、部分的に重複している、請求項12に記載の方法。
【0295】
19.メッセージを復号する方法であって、
受信器によって、
ビット系列を含む、未符号化メッセージから符号化した符号化メッセージをワイヤレスに受信すること;
受信器上に保存した第1の識別子に基づき、第1の擬似ランダム系列を生成すること;
ビット系列の第1のサブセットを復号するため、符号化したメッセージ上で復号工程を開始すること;
第1の擬似ランダム系列を使用して、ビット系列の第1のサブセットを復調すること;
復調したビット系列の復号した第1のサブセットと、参照ビット系列の対応するサブセットとの間の相互相関計算を実施すること;及び
相互相関計算結果が相関閾値を下回るという結果に基づき、復号手順を中止すること
を含む方法。
【0296】
20.ビット系列は、Polar符号の凍結ビット及び情報ビットを含み、復号工程は、最初に、凍結ビットのサブセットに対して実施する、請求項19に記載の方法。
【0297】
21.ビット系列は、巡回冗長検査(CRC)ビットを更に含む、請求項20に記載の方法。
【0298】
22.識別子は、ユーザ機器(UE)識別子を含む、請求項19に記載の方法。
【0299】
23.受信器上に保存した第2の識別子に基づき、第2の擬似ランダム系列を生成すること;
ビット系列の第2のサブセットを復号すること;及び
第2の擬似ランダム系列を使用して、ビット系列の第2のサブセットを復調すること
を更に含む、請求項19に記載の方法。
【0300】
24.第2の識別子は、送信器識別子である、請求項23に記載の方法。
【0301】
25.ビット系列の第2のサブセットを復号した後、復号メッセージに対して巡回冗長検査(CRC)を実施すること
を更に含む、請求項23に記載の方法。
【0302】
26.第1の擬似ランダム系列又は第2の擬似ランダム系列の少なくとも1つは、ローリング・セキュリティ・コードに基づき初期化する、請求項1から25のいずれか一項に記載の方法。
【0303】
27.凍結ビットを復号するために使用する第1の識別子は、複数の下りリンク制御情報(DCI)フォーマットに包括的であり、
CRCマスクのスクランブルを解除するために使用する第2の識別子は、特定のDCIフォーマットに固有である、請求項1から26のいずれか一項に記載の方法。
【0304】
マルチ識別子/グループ識別子/同報識別子
1.方法であって、
凍結ビット及び情報ビットを含む制御情報を符号化し、送信するように構成した基地局によって、
ユーザ機器(UE)グループ識別子に基づき、第1の擬似ランダム系列を生成すること;
複数の変調凍結ビットを生成するため、第1の擬似ランダム系列で凍結ビットの少なくとも1つのサブセットを変調すること;
UE固有識別子に基づき、第2の擬似ランダム系列を生成すること;
複数の変調情報ビットを生成するため、第2の擬似ランダム系列で情報ビットの少なくとも1つのサブセットを変調すること;
符号化変調制御情報を得るため、少なくとも複数の変調凍結ビット及び複数の変調情報ビットを、Polar符号を使用して符号化することであって、符号化変調制御情報は、UE固有制御情報を含む、符号化すること;並びに
符号化変調制御情報をワイヤレスに送信すること
を含む方法。
【0305】
2.符号化した変調制御情報は、UE固有識別子に対応するUEによって復号可能である、請求項1に記載の方法。
【0306】
3.情報ビットの少なくとも1つのサブセットは、複数の巡回冗長検査(CRC)ビットを含み、複数の変調情報ビットを生成するための、第2の擬似ランダム系列による情報ビットの少なくとも1つのサブセットの変調は、制御情報に対するCRCマスクを実施することを含む、請求項1に記載の方法。
【0307】
4.CRCマスクの実施は、ローリング・セキュリティ・コードの実施を含み、ローリング・セキュリティ・コードは、UE固有識別子に基づき初期化し、第2の擬似ランダム系列は、ローリング・セキュリティ・コードに基づき周期的に更新する、請求項3に記載の方法。
【0308】
5.UEグループ識別子は、基地局がサービスする1つ又は複数のUEの包括的識別子であり、
UE固有識別子は、特定のUEに固有である、請求項1に記載の方法。
【0309】
6.UEグループ識別子は、同報無線ネットワーク一時識別子(RNTI)であり、同報無線ネットワーク一時識別子(RNTI)は、複数の凍結ビットを復号するため、基地局と通信するUEが使用可能である、請求項1に記載の方法。
【0310】
7.UEグループ識別子は、グループ無線ネットワーク一時識別子(RTNI)であり、グループ無線ネットワーク一時識別子(RTNI)は、複数の凍結ビットを復調するため、基地局と通信する少なくとも1つのUEグループが使用可能である、請求項1に記載の方法。
【0311】
8.1つ若しくは複数の更なるそれぞれの識別子に基づき生成した第1の擬似ランダム系列及び1つ又は複数の更なる擬似ランダム系列は、単一の復調工程を使用して復調するように構成する、請求項1に記載の方法。
【0312】
9.符号化変調制御情報を得るための、少なくとも複数の変調凍結ビット及び複数の変調情報ビットの前記符号化は、符号化変調制御情報を得るため、Polar符号を使用して、凍結ビットの未変調サブセット及び情報ビットの未変調サブセットの1つ又は複数を符号化することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【0313】
10.請求項1から9のいずれか一項に実質的に記載した、あらゆる動作又は動作の組合せを実施するように構成した基地局。
【0314】
11.請求項1から10のいずれか一項に実質的に記載した、あらゆる動作又は動作の組合せを実施するように構成したユーザ機器(UE)。
【0315】
12.請求項1から11のいずれか一項に記載の基地局内に含めるように構成した装置。
【0316】
13.請求項1から12のいずれか一項に記載のUE内に含めるように構成した装置。
【0317】
階層化UE識別
1.無線器;及び
無線器に動作可能に結合し、Polar復号工程における階層化初期終了を実施するように構成したプロセッサ
を備えるユーザ機器(UE)であって、
前記UEは、
ワイヤレス媒体上で、Polar符号化メッセージを受信し;
復号メッセージの凍結ビットのサブセットを得るため、Polar符号化メッセージに対する復号工程を開始し;
凍結ビットのサブセットと、UEに既知の参照ビットとの比較に基づく早期終了メトリックに基づき、非2値尺度を決定し;
非2値尺度がsoft failを含むという決定に基づき、復号分散巡回冗長検査(CRC)ビットを得るための復号工程を継続し;
復号分散CRCビットが有効であるかどうかを決定し、
復号分散CRCビットが無効であるという決定に基づき、復号工程を終了する
ように構成する、ユーザ機器(UE)。
【0318】
2.UEは、
復号分散CRCビットが有効であるという決定に基づき:
復号メッセージの複数の情報ビットを得るため復号工程を継続し;
UEが、Polar符号化メッセージの意図した受信者であることを検証するため、最終CRC検査を実施する
ように更に構成する、請求項1に記載のUE。
【0319】
3.UEは、
非2値尺度がstrong failを含むという決定に基づき、分散CRCビットを復号せずに復号工程を終了する
ように更に構成する、請求項1に記載のUE。
【0320】
4.UEは、
非2値尺度がstrong passを含むという決定に基づき:
復号メッセージの複数の情報ビットを得るため復号工程を継続し;
UEが、Polar符号化メッセージの意図した受信者であることを検証するため、情報ビットに対する最終CRC検査を実施する
ように更に構成し、分散CRCビットは、複数の情報ビットを得る前に検証しない、請求項1に記載のUE。
【0321】
5.非2値尺度は、strong fail、soft fail又はstrong passの1つとして分類し得る計算値を含む、請求項1に記載のUE。
【0322】
6.非2値尺度は、凍結ビットのサブセットと参照ビットとの間の不一致回数を含む、請求項1に記載のUE。
【0323】
7.早期終了メトリックは、凍結ビットのサブセットと参照ビットとの間の不一致数と、復号凍結ビット数の稼働回数との比率を含む、請求項1に記載のUE。
【0324】
8.請求項1から7のいずれか一項に記載のUEを動作させる方法。
【0325】
9.請求項1から8のいずれか一項に記載のUE内に含めるように構成する装置。
【0326】
本開示の実施形態は、様々な形態のいずれかで実現することができる。例えば、いくつかの実施形態では、本発明は、コンピュータ実装方法、コンピュータ可読メモリ媒体、又はコンピュータ・システムとして実現することができる。他の実施形態では、本発明は、ASIC等の1つ又は複数の特別設計のハードウェア・デバイスを使用して実現することができる。他の実施形態では、本発明は、FPGA等の1つ又は複数のプログラム可能ハードウェア要素を使用して実現することができる。
【0327】
いくつかの実施形態では、非一時的コンピュータ可読メモリ媒体は、プログラム命令及び/又はデータを保存するように構成することができ、プログラム命令は、コンピュータ・システムによって実行する場合、コンピュータ・システムに方法、例えば、本明細書に記載の方法実施形態のいずれか、又は本明細書に記載の方法実施形態のあらゆる組合せ、又は本明細書に記載の方法実施形態のいずれかのあらゆるサブセット、又はそのようなサブセットのあらゆる組合せを実施させる。
【0328】
いくつかの実施形態では、計算デバイスは、プロセッサ(プロセッサ・セット)及びメモリ媒体を含むように構成することができ、メモリ媒体は、プログラム命令を保存し、プロセッサは、メモリ媒体からプログラム命令を読み取り、実行するように構成し、プログラム命令は、本明細書に記載の様々な方法実施形態のいずれか(又は本明細書に記載の方法実施形態ののあらゆる組合せ、又は本明細書に記載の方法実施形態のいずれかのあらゆるサブセット、又はそのようなサブセットのあらゆる組合せ)を実施するように実行可能である。デバイスは、様々な形態のいずれかで実現することができる。
【0329】
特定の実施形態を上記で説明してきたが、これらの実施形態は、単一の実施形態を特定の特徴に対して説明する場合でさえ、本開示の範囲を制限することを意図しない。本開示で提供する特徴の例は、別段に記載されていない限り、制限的ではなく、例示的であることを意図する。上記の説明は、そのような代替形態、修正形態及び等価物を含むことを意図し、本開示の恩恵を有する当業者には明らかであろう。
【0330】
本開示の範囲は、本明細書で(明示的若しくは暗示的に)開示するあらゆる特徴若しくは特徴の組合せ、又は本明細書で対処する問題のいずれか若しくは全てを軽減するか否かに関わらず、これらのあらゆる一般化を含む。したがって、特徴のあらゆるそのような組合せに対する新たな特許請求の範囲が、本出願(又は本出願に対する優先権を主張する出願)の手続き中に考案される可能性がある。特に、添付の特許請求の範囲を参照すると、従属請求項からの特徴は、独立請求項の特徴と組み合わせることができ、それぞれの独立請求項からの特徴は、添付の特許請求の範囲において列挙する特定の組合せだけでなく、あらゆる適切な様式で組み合わせることができる。