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特許7345473流体から不純物を除去するための組成物および方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-07
(45)【発行日】2023-09-15
(54)【発明の名称】流体から不純物を除去するための組成物および方法
(51)【国際特許分類】
   C02F 1/58 20230101AFI20230908BHJP
【FI】
C02F1/58 H
C02F1/58 A
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2020533880
(86)(22)【出願日】2018-09-03
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-11-26
(86)【国際出願番号】 IB2018056707
(87)【国際公開番号】W WO2019043654
(87)【国際公開日】2019-03-07
【審査請求日】2021-08-24
(31)【優先権主張番号】20171426
(32)【優先日】2017-09-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NO
(73)【特許権者】
【識別番号】520073988
【氏名又は名称】エム ヴェスト ウォーター アクティーゼルスカブ
(74)【代理人】
【識別番号】100077838
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 憲保
(74)【代理人】
【識別番号】100129023
【弁理士】
【氏名又は名称】佐々木 敬
(72)【発明者】
【氏名】ムンハイム,アットレ
【審査官】山崎 直也
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-029964(JP,A)
【文献】米国特許第04317735(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0256235(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C02F 1/52- 1/64
B01D 21/01
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
溶解したおよび/または溶解しない有機および/または無機の汚染物質を液体流から除去するために汚染水流に投入される製品であって、
a.アルコール又はアルコール/水の混合物、又は水からなる基液、
b.前記基液に分散、部分的に溶解、または溶解され、三価の陽イオンと架橋結合する能力を有するタイプの1つ以上の粉末状の天然陰イオン多糖類/親水コロイド、及び
c.前記基液中に溶解され、すべての多糖類/親水コロイド鎖を架橋結合するのに十分な三価の陽イオンを含み、
d.前記製品は、pH閾値以下のpH値を有し、前記pH閾値は、前記pH閾値以下では架橋結合は起きず、もし前記製品のpH値が前記pH閾値を超えた値に調整された場合には架橋結合が起こり得るような値であり、
e.前記陽イオンは三価のアルミニウム又は三価のクロム又は三価の鉄である、製品。
【請求項2】
前記基液はモノエチレングリコール(MEG)であることを特徴とする請求項1に記載の製品。
【請求項3】
前記粉末状多糖類/親水コロイドは、キサンタンである請求項1又は2記載の製品。
【請求項4】
前記架橋結合陽イオンが、液体可溶性三価のアルミニウムおよび/または三価の鉄および/または三価のクロムのうちの少なくとも一つからなり、前記架橋結合陽イオンが三価のアルミニウムの場合、前記pH閾値が4未満であり、前記架橋結合陽イオンが三価の鉄の場合、前記pH値は1.5未満であり、前記架橋結合陽イオンが三価のクロムの場合、前記pH値は5未満である請求項1乃至3のいずれか一項に記載の製品。
【請求項5】
前記製品は少なくとも同等に低いpHを有する凝固剤を含む請求項1乃至4のいずれか一項に記載の製品。
【請求項6】
前記凝固剤が予備重合されたアルミニウムであることを特徴とする請求項5記載の製品。
【請求項7】
溶解したおよび/または溶解しない有機および/または無機の汚染物質を液体流から除去するために汚染水流に投入される製品を準備する方法において、
三価の陽イオンと架橋できるタイプの陰イオン多糖類および/または親水コロイドが、液体または液体の混合物に混合され、前記液体または液体の混合物中で前記多糖類および/または親水コロイドが未溶解、部分的に溶解、または溶解したままで存在し、
前記液体または液体の混合物のpHがpH閾値以下に調整され、前記pH閾値は、前記pH閾値以下では意図する三価の架橋結合用陽イオンが前記多糖類および/または親水コロイドと架橋できず、前記pH閾値を超えると意図する三価の架橋結合用陽イオンが前記多糖類および/または親水コロイドと架橋できるような値であり、
その後、意図する三価の架橋結合用陽イオンが前記液体または液体の混合物に混合され、それによって、前記陰イオン多糖類および/または親水コロイドが、不活性の安定状態で、前記液体又は液体の混合物中に前記三価の陽イオンとともに存在し、前記陽イオンは三価のアルミニウム又は三価のクロム又は三価の鉄であることを特徴とする方法。
【請求項8】
前記製品に、前記pH閾値以下のpHを有する凝固剤を添加することを含むことを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
溶解したおよび/または溶解しない有機および/または無機汚染物質を液体流から除去する方法において、
請求項1~6の何れか1項に係る製品、又は請求項7によって製造された製品を、前記多糖類/親水コロイドと、前記製品の三価の陽イオン間架橋結合の前記pH閾値を超えるpHを有する汚染された水性液体に加え、それによって、第1の期間において、前記多糖類および/または親水コロイドは前記液体中の汚染物質に結合、または溶解して前記液体中の汚染物質に付着し、第2の期間において、前記製品のpHは前記pH閾値を超え、前記製品の架橋結合用陽イオンは前記多糖類および/または前記親水コロイドと架橋結合し、これによって、前記汚染物質は凝集され塊になって、その後、前記液体から分離されることを特徴とする方法。
【請求項10】
前記製品の1-1000ppmが前記汚染された液体に投入及び混合される、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記製品の1~50ppmが前記汚染された液体に投入及び混合される、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記製品の1~20ppmが前記汚染された液体に投入及び混合される、請求項10に記載の方法
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製品、製品組成物を調製するための製法、および後述する請求項1の序文に記載されるような製品を混合することによって液体から不所望の不純物を除去するために当該製品を適用することに関する。
【0002】
本発明は、液体に溶解したときに多価の陽イオンと架橋結合することのできる天然の多糖類/親水コロイドの製品に関し、製品は溶解した形態でかかる架橋結合のために充分な多価の陽イオンを含むが、清浄化されるべき汚染液内に投与し混合する際に当該多価の陽イオンがまず活性化せしめられるような形態で多価の陽イオンを含む。
【0003】
本発明は、液体中に溶解せずに分散するかコロイドの液体製品に関し、製品は、溶解した多価の陽イオン、好ましくは三価の、アルミニウム、鉄、および/またはクロムのうちの一つまたはそれより多い陽イオンを含み、必要に応じて任意で、pH調整のために酸を、当初からあるいは混入させてのいずれかで含む。本製品はまた、予備重合済のアルミニウム(PAX/PAC)または他の凝固剤を含んでいてもよい。
【0004】
より詳細には、本発明は、プロセス液体中の不所望の汚染物質を除去するための製品の組成物に関し、本製品組成物は基液を含む。基液は、例えば、但しそれに限定されないが、アルコールまたはアルコール/水の混合体または純水ベースでアルコールを含まない基液であり、粉末状の多糖類/親水コロイドまたは多糖類/親水コロイドの混合体と干渉し当該粉末は膨張して完全にまたは部分的に溶解したままで残りまたは混合体中に完全にまたは部分的に溶解しまたは純水中に完全に溶解して強粘液/ゲルを形成し、三価のアルミニウムが架橋結合のために使われる場合はpHが4より少なく調整され、三価のクロムが架橋結合のために使われる場合は5より少なく調整され、三価の鉄が架橋結合のために使われる場合はpHが1.5より少なくなるように調整され、しかるのち疎架橋結合する陽イオン、好ましくは三価のアルミニウム、鉄またはクロムまたはこれらの混合物、の陽イオンを含む液体であって、pHが、アルミニウム、鉄またはクロムに対してそれぞれ4、または1.5または5(以後、閾値として引用する)よりそれぞれ小さい陽イオン溶液を有する液体が混合される。
【0005】
本発明は、また、上述したようなpH条件のもと、予備重合したアルミニウム(PAX/PAC)、三価の鉄および/または三価のアルミニウム、または三価のクロムのような酸性の凝固剤が製品に含まれてもよいような組み合わせに関し、そこでは多糖類を含む基液が、イオンの形態で溶解した三価の陽イオンを含む重合したアルミニウム(PAX/PAC)と、均質に混合される。凝固剤および基液は、混入されるべき三価の各陽イオンに対して定められた閾値よりも小さいpHを持たなければならない。
【0006】
かくして、本発明は、たとえ一つ以上の架橋結合用陽イオンおよび多糖類が同一の液体に溶解していたとしても当該製品中では架橋結合が起きないような液体において、不完全または部分的に溶解するか、一部溶解するか、または溶解するかのいずれかの多糖類/親水コロイドおよび完全に溶解した架橋結合する陽イオンであるような製品に関する。
【0007】
本発明はまた、溶解した架橋結合用陽イオンおよび溶解していないか、完全にまたは部分的に溶解している多糖類/親水コロイドが同一液体中に存在し、そこには凝固剤も存在し、これらの副成分のいずれもが、所与の閾値よりも下のpHでは相互に反応しないような製品に関する。
【0008】
本発明は、汚染された液体中の製品の混合体に関し、製品の成分(単数)成分(複数)に対する閾値をpHが越えて相互に反応がおこり、その結果多糖類/親水コロイド鎖が汚染物を結び付けて、凝固剤が含まれていれば、3価の陽イオンと多糖類鎖との間を架橋結合することによって付着した多糖類鎖で、凝固した汚染物の粒子を凝集させる。
【0009】
本発明はまた、本製品の適用形態および特定のプロセスのための方法に関する。
【0010】
本発明は、プロセス水流中の汚染物質を除去する製品の製造に基づく技術に関係づけられ、そこで製品は水中の汚染物質を包み込む一つまたはそれより多い天然の多糖類を含み、また本製品は好ましくは、ただしそれを条件とはしないが、同時に不純物を凝固させる凝固剤(好ましくはポリ塩化アルミニウム)を含み、また本製品は、多糖類鎖を架橋結合してゲルの形態をとり水中の凝固した有機および無機の不純物を凝集して大きな、容易に分離できる塊にするような多価の陽イオンを含む。本発明によればこれは、溶解していない、部分的に溶解したまたは溶解した多糖類からなり、水を含みまたは含まずあるいは水のみの基液中に一緒に混合された凝固剤(予備重合した塩化アルミニウム(PAX/PAC)および溶解した三価の陽イオンをも含んで良いような製品の同時注入によって達成される。
【0011】
本発明はまた、三価の陽イオンと多糖類との間を架橋結合するための活性化pH(閾値)より下にpHを低くすることによって架橋結合を起こすことなく、溶解した/溶かされた/部分的に溶かされた多糖類と溶解した架橋結合3価陽イオンとを混合することが出来ることに関する。
【0012】
本発明はまた、多糖類がプロセス水流中に溶かされプロセス水流中で汚染物を包み込み凝固させる前に架橋結合が起こること無く、本発明による一つかつ同一の製品において単一の投入で未溶解の形態、部分的に溶かされたまたは溶解した形態で分散している多糖類を、凝固用の予備重合したアルミニウム(PAX/PAC)および架橋結合する溶かされた陽イオンと共に同時に注入することに関し、これによって、多糖類及びPAX/PACによって生じるプロセス水流中の汚染物質のこのような水との水和反応、包み込み作用及び凝固作用が、同時に投入された架橋結合する陽イオンが汚染物に付着した凝固多糖類と架橋結合する前に発生する。
【0013】
本発明はまた、プロセス水流中の不所望の汚染物の分離を改善するために本発明の製品および方法を用いることが検討される。
【背景技術】
【0014】
[現在使用されている既知の製品および方法:]
多価の陽イオンと架橋結合する種々の多糖類/親水コロイドがあることが知られている。それは海洋植物、陸上植物、微生物多糖類および多糖類誘導体からなるグループからの製品を含む。その例としては、寒天、グアーガム、デキストラン、カルボキシ・メチル・セルロース、アルギン酸塩、アラビアガム、ジェランガム、メチル・ヒドロキシプロピル・セルロース、カラギーナン・ガム・トラガカント、ラムサンガム、ヒドロキシプロピル・セルロース、ファーセルラン、カラヤガム、ウェランガム、ヒドロキシエチル・セルロース、ローカストビーンガム、キサンタンガム、アルギン酸プロピレングリコール、ペクチン、カードラン、ヒドロキシプロピルグァー、タマリンド種子ガムおよびプルランがある。
【0015】
食品産業、化粧品産業、石油産業において、また様々な一般の産業適用分野において、種々の製品における粘度および乳濁の安定性を得るためにこれらの多数の製品が使用されていることが知られている。
【0016】
水中に多糖類を溶かした際の凝集を避ける方法として、多糖類を石油中またはアルコールもしくはグリセリン中に分散させる方法があることも、よく知られている。
さらに、前記多糖類は、多価の陽イオンを含んで、ゲル化剤を用いることによって、架橋結合してゲルを形成することができることも、知られている。
【0017】
石油産業からは、多糖類が、破砕流体、掘削流体および補助流体において粘度促進添加物として使用されることができることが知られている。掘削流体においては、多糖類はまた、石油ベースの掘削液の乳濁安定剤として機能し、その揺変特性のために固体物を静置時に懸濁状態に保つ能力を有している。
石油産業における適用例は、多糖類が掘削、仕上げおよび破砕流体において予め溶解しており、架橋結合によって安定化していることを意味している。
【0018】
陰イオン性の多糖類/親水コロイドが汚染物質の分離を改善するためにプロセス水の処理に使用されることができることも知られており、その処理はそれらを希釈溶液で水和化してプロセス水流中に加え、その後それらは多価の陽イオンと反応して架橋結合し、その結果、汚染物質と多糖類との大きな容易に分離できる集塊体への凝集が起きる。
強力な水希釈および即座の混合によって早発のゲル化を避けることが出来ることが知られており、すなわち活性の多価陽イオンが存在する水において多糖類鎖がプロセス水中の汚染物質に接触する前に架橋結合が起きる。特にこれは、二価の陽イオンと架橋結合するアルギン酸、カラギーネンおよびペクチンを使用することから知られている。石油/ガス/水の混合体の石油貯蔵製造に関する大部分の製造された水組成物中にこのような二価の陽イオンが存在することも知られている。
このような早発のゲル化は投入と組み合わせた反応抑制用の化学物質を使用することで避けることが出来ること、および活性化化学物質を使用してもよくそこでは汚染された製造水流中に不活性化された多価の陽イオンが存在することも知られている。
多量の陽イオンおよび塩類を有する水において高度な水希釈およびあらかじめ高度に無水化した多糖類が投入によって使われることも知られている。
様々な多糖類を、汚染物質を取り囲むために水から隔離された状態にし、それから溶解したまたは溶解しない水溶性の多価の陽イオンの新規投入および混合による架橋結合によって汚染物質を凝集させることが知られている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
石油貯蔵体からの製造された水中に存在する多くの成分は天然のまたは添加された物質を含んでおり、それらは二価の陽イオンによる水に溶けた多糖類の架橋結合を抑制することも知られている。典型的な天然の抑制物質は炭酸水素塩であり、典型的な添加抑制物質はスケール抑制剤である。これらは両方共陽イオンの一つまたはそれ以上の自由原子価を結束する。多糖類に結合するためには例えばCa2+におけるような陽イオンにおける1つの自由原子価で十分であるが、二つの多糖類を架橋結合するためには少なくとも二つの原子価が架橋結合のために自由になっていなくてはならない。
【0020】
ポリ塩化アルミニウムは水の浄化において最も普通に使われる凝固剤の一つである。それは、固体形状および液体形状の両方において異なる濃度で使用される。予備重合したアルミニウムは多糖類を架橋結合しない。それにもかかわらず多糖類を、ポリ塩化アルミニウムと共に、補助凝固剤として使用することが知られている。多糖類鎖は粒子に接着し、凝固剤が何かと結合するのを助ける。
【課題を解決するための手段】
【0021】
遊離し部分的に溶解した、または遊離した天然の多糖類をPAX/PACとともに液体中に混合すること、および汚染されたプロセス水流中に混入する前に多糖類と架橋結合することなしに液溶性の三価の陽イオンを架橋結合すること、は知られていない。
【0022】
溶液のpHを三価のアルミニウムについては4より下に、三価の鉄については1.5より下に、そして三価のクロムについては5より下に、飽和溶液まで下げて、これを基液中の高濃度の溶解した/部分的に溶解したまたは溶解しない多糖類と混合するが、混合中pHはこれらの値を超えないこと、も知られていない。驚くべきことに、低いpHで、通常はより高いpHで起こる架橋結合が起きることなく前記の三価の溶解した架橋結合用陽イオンを多糖類と混合させうることが見出された。このような混合を低いpHで作ることができること、および少量を汚染された液体に混ぜて混合し、それにより、汚染された液体のpHが架橋結合の不活性化の閾値を超えると多糖類が汚染物質および三価の陽イオンに接着しそのすべてを架橋結合して大きな凝集粒子および集塊体にすること、は知られていない。閾値の値は、三価のアルミニウム溶液ではpH4、三価の鉄溶液ではpH1.5、三価のクロム溶液ではpH5と規定される。
【発明を実施するための形態】
【0023】
[発明の詳細な説明]
溶解したおよび/または溶解しない有機のおよび/または無機の汚染物質を液体から除去するために汚染された水流に投入するための製品を提供することが本発明の目的であり、当該製品は、その中に当該製品が分散され、部分的に溶解されまたは溶解される、アルコールまたはアルコール/水の混合、または水からなる基液と、三価の陽イオンと架橋結合する特性を有する一つまたはそれより多い粉末状の天然多糖類とを含み、pHが、三価のアルミニウムの添加前には4より少さいように低くされ、三価の鉄の添加前には1.5より少さいように低くされ、または水に溶解した三価のクロムの添加前には5より少さくされ、あるいはポリ塩化アルミニウム(PAX/PAC)が添加されることによって低くされる。このようなpHの低減は、分散した/全部が/部分的に溶解した多糖類を有する基液に、充分な量の、高度に酸性であるポリ塩化アルミニウムを加えることによって行われうる。このようにして製品は多糖類における凝固補助剤となり、PAX/PACとともに凝固し、多糖類は架橋結合して強力な集塊体となる。
【0024】
溶解したおよび/または溶解しない有機のおよび/または無機の不純物を液流から除去するために汚染された水流に投入するための製品を提供することが本発明の目的であり、そこでは、粉末化された多糖類は、寒天、グアーガム、デキストラン、カルボキシ・メチル・セルロース、アルギン酸塩、アラビアガム、ジェランガム、メチル・ヒドロキシプロピル・セルロース、カラギーナン・ガム・トラガカント、ラムサンガム、ヒドロキシプロピル・セルロース、ファーセルラン、カラヤガム、ウェランガム、ヒドロキシエチル・セルロース、ローカストビーンガム、キサンタンガム、アルギン酸プロピレングリコール、ペクチン、カードラン、ヒドロキシプロピルグァー、タマリンド種子ガムおよび/またはプルランのうちの一つまたはそれより多くからなり、その中で好ましい多糖類はキサンタンである。
【0025】
溶解したおよび/または溶解しない有機のおよび/または無機の汚染物質を液体流から除去するために汚染された水流に投入するための製品を提供することが本発明の目的であり、当該製品は、架橋結合するための閾値より上のpHを有する汚染された水に混合される一つまたはそれより多い液に可溶の三価の陽イオンを含み、好ましい陽イオンは、それに限定されないが、アルミニウム、鉄またはクロムの三価陽イオン化合物である。
【0026】
溶解したおよび/または溶解しない有機のおよび/または無機の汚染物質を液流から除去するための製品を提供することが本発明の目的であり、本発明による製品は汚染された水液流に投入され混合されるもので、それによって、第1の期間で、必要とされる比率の水溶した多糖類が水中の汚染物質に接合し、その後の第2の期間では、PAX/PACとの凝固作用が起き、その後製品の架橋結合用陽イオンが架橋結合し、引き続いて汚染物質および架橋結合した多糖類の集塊化が起きる。
【0027】
溶解したおよび/または溶解しない有機のおよび/または無機の不純物を液体流から除去するための製品を提供することが本発明の目的であり、当該製品はその1-1000ppmが汚染された液体流に投入され混合される。好ましい投入割合は1-50ppmであり、さらに他の、より好ましい投入割合は1-20ppmである。
【0028】
本発明による製品および方法を、汚染された水流に対して石油/水/粒子の分離促進剤として適用することの提供も目的であり、そこでの水は石油製造貯蔵体から来るもので、海に放流するために浄化すべきものあるいは貯蔵体への再投入のために浄化すべきものである。
【0029】
本発明による製品および方法を、汚染された水流に対する石油/水/粒子の分離促進剤への適用に提供することも目的であり、そこでの水は、石油およびガス製造または石油もしくはガスの掘削に関連して井戸作業から来るものである。
【0030】
本発明による製品および方法を、石油およびガスの製造に関連して、油相中の水を除去するための油濁処理剤として適用することの提供も目的である。
【0031】
本発明による製品および方法を、汚染された水流からの石油/水/粒子の分離促進剤への適用に提供することも目的であり、そこでの水は、掘削および/または船舶、浮遊もしくは固定の構造基台の製造からの、または石油関連の陸地ベースの作業からの廃水である。
【0032】
本発明の製品および方法を、汚染された水流における石油/水/粒子の分離促進剤への適用に提供することも目的であり、そこでの水は、精製工場または石油化学産業における/からの廃水またはプロセス水である。
【0033】
本発明の製品および方法を、産業廃水または都市廃水からの汚染された水流において、また飲用水の浄化において、有機および無機の汚染物質の分離のための分離剤へ適用することの提供も目的である。
【0034】
本発明の製品および方法を、水流中の有機および無機の汚染物質の改良された分離のための分離剤へ適用することの提供も目的であり、分離に先立って当該製品は、流体サイクロン、浮遊装着/プロセス、沈殿装置/プロセス、機械的濾過装置/プロセス、メディアタイプフィルタ装置/プロセス、膜濾過装置/プロセス、逆浸透装置/プロセス、遠心分離装置/プロセスおよび/またはデカンター装置/プロセス、UV処理装置/プロセス、蒸発装置/プロセス、電解装置/プロセスの一つ以上に使用される。
【0035】
本発明の製品、方法および適用は、付随する従属請求項において明白な特長によって特徴づけられる。
【0036】
本発明の更なる特長は、独立請求項に記載されている。
【0037】
したがって、本発明によれば、溶解したおよび/または溶解しない有機のおよび/または無機の不純物を液体から除去するために汚染された水流に投入するための製品が提供され、当該製品は、その中に当該製品が分散され、部分的に溶解されまたは溶解される基液と、三価の陽イオンと架橋結合する特性を有する一つまたはそれより多い粉末状の天然多糖類とを含み、pHを、三価のアルミニウムの添加前には4より少さいように、三価の鉄の添加前には1.5より少さいように、または水に溶解した三価のクロムの添加前には5より少さいように低減し、あるいはポリ塩化アルミニウム(PAX/PAC)が添加される。このようなpHの低減は、分散した/全部が/部分的に溶解した多糖類を有する基液に、充分な量の、高度に酸性であるポリ塩化アルミニウムを加えることによって行われうる。このようにして製品は多糖類における凝固補助剤となり、PAX/PACとともに凝固し、多糖類は架橋結合して強力な集塊体となる。
【0038】
本発明によれば、溶解したおよび/または溶解しない有機のおよび/または無機の不純物を液流から除去するために、汚染された水流に投入するための新規かつ改良された製品がかくして提供され、そこでは、粉末化された多糖類は、寒天、グアーガム、デキストラン、カルボキシ・メチル・セルロース、アルギン酸塩、アラビアガム、ジェランガム、メチル・ヒドロキシプロピル・セルロース、カラギーナン・ガム・トラガカント、ラムサンガム、ヒドロキシプロピル・セルロース、ファーセルラン、カラヤガム、ウェランガム、ヒドロキシエチル・セルロース、ローカストビーンガム、キサンタンガム、アルギン酸プロピレングリコール、ペクチン、カードラン、ヒドロキシプロピルグァー、タマリンド種子ガムおよび/またはプルランのうちの一つまたはそれより多くからなり、その中で多糖類はキサンタンである。
【0039】
本発明によれば、溶解したおよび/または溶解しない有機のおよび/または無機の不純物を液体流から除去するために、汚染された水流に混ぜるための製品がかくして得られ、当該製品は、多糖類と架橋結合するための閾値より下のpHを有する汚染された水における三価陽イオン、架橋結合するための閾値より上のpHを有する汚染水に混合されたときに溶解した多糖類と架橋結合することになる一つまたはそれより多い液に可溶の三価の陽イオンを含み、好ましい陽イオンは、それに限定されないが、アルミニウム、鉄またはクロムの三価陽イオン化合物である。
【0040】
本発明によれば、溶解したおよび/または溶解しない有機のおよび/または無機の汚染物質を液流から除去するための製品が提供され、本発明の製品は汚染された水液流に投入され混合されるもので、それによって、第1の期間で、必要とされる比率の水溶した多糖類が水中の汚染物質に接合し、第2の期間では、PAX/PACとの凝固作用が起き、製品の架橋結合用陽イオンが架橋結合し、引き続いて汚染物質および架橋結合した多糖類の集塊化が起きる。
【0041】
本発明によれば、溶解したおよび/または溶解しない有機のおよび/または無機の汚染物質を液体流から除去するための製品であり、当該製品はその1-1000ppmが汚染された液体流に投入され混合され、好ましい投入は1-50ppmであり、さらにより好ましい投入率は1-20ppmである。
【0042】
したがって、本発明によれば、本発明の製品および方法を、汚染された水流からの石油/水/粒子の分離促進剤として適用することが提供され、そこでの水は石油製造貯蔵体から来るもので、海に放流するために浄化すべきものあるいは貯蔵体への再投入のために浄化すべきものである。
【0043】
本発明によれば、本発明の製品および方法を、汚染された水流に対する石油/水/粒子の分離促進剤に適用することが得られ、そこでの水は、石油およびガス製造または石油もしくはガスの掘削に関連した井戸作業から来るものである。
【0044】
本発明によれば、本発明の製品および方法を、石油およびガスの製造に関連して、油相中の水を除去するための油濁処理剤として適用することが提供される。
【0045】
本発明によれば、本発明による製品および方法を、汚染された水流からの石油/水/粒子の分離促進剤のために適用することが提供され、そこでの水は、掘削および/または船舶、浮遊もしくは固定の構造基台の製造からの、または石油関連の陸地ベースの作業からの廃水である。
【0046】
本発明によれば、本発明の製品および方法を、汚染された水流からの石油/水/粒子の分離促進剤に適用することが得られ、そこでの水は、精製工場または石油化学産業における/からの廃水またはプロセス水である。
【0047】
本発明によれば、本発明の製品および方法を、産業廃水または都市廃水からの汚染された水流からの、および飲用水の浄化のための、有機および無機の汚染物質の分離のための分離剤として適用することが提供される。
【0048】
本発明によれば、本発明の製品および方法を、水流中の有機および無機の汚染物質の改良された分離のための分離剤として適用することが提供され、本製品は、サイクロン、浮遊装着/プロセス、沈殿装置/プロセス、機械的濾過装置/プロセス、メディアタイプフィルタ装置/プロセス、膜濾過装置/プロセス、逆浸透装置/プロセス、遠心分離装置/プロセスおよび/またはデカンター装置/プロセス、UV処理装置/プロセス、蒸発装置/プロセス、電解装置/プロセスの一つ以上において分離に先立って使用される。
【0049】
本発明による製品は、その中に本製品が分散され、部分的に溶解されまたは溶解される基液と、多価の陽イオンと架橋結合することができる一つまたはそれより多い粉末状の天然多糖類/親水コロイドとからなり、すべての多糖類/親水コロイド鎖と架橋結合するのに充分な溶解した多価の陽イオンと本製品は混合され、基液および溶解した陽イオン流体の両方が、架橋結合の起きる閾値より小さいように、酸でpH調整される、ことを特徴とする。
【0050】
さらに本製品は、粉末状の多糖類/親水コロイドが、寒天、グアーガム、デキストラン、カルボキシ・メチル・セルロース、アルギン酸塩、アラビアガム、ジェランガム、メチル・ヒドロキシプロピル・セルロース、カラギーナン・ガム・トラガカント、ラムサンガム、ヒドロキシプロピル・セルロース、ファーセルラン、カラヤガム、ウェランガム、ヒドロキシエチル・セルロース、ローカストビーンガム、キサンタンガム、アルギン酸プロピレングリコール、ペクチン、カードラン、ヒドロキシプロピルグァー、タマリンド種子ガムおよび/またはプルランのうちの一つまたはそれより多くからなり、その中で多糖類はキサンタンであることを特徴とする。
【0051】
本発明による製品はまた、架橋結合する陽イオンが、液に溶解した三価のアルミニウムおよび/または三価の鉄および/または三価のクロムのうちの少なくとも一つからなり、溶液中のpHが、溶解した三価のアルミニウムの添加前には/により4より小さく、溶解した三価の鉄の添加前には/により1.5より下に、そして溶解した三価のクロムの添加前には/により5より小さくなるように低減されることを特徴とする。
【0052】
さらに、本発明による製品は、あるいはまた、少なくとも同等に低いpHを有する凝固剤を、添加の前に多価の陽イオンを溶解するために添加しまたは使用することを特徴とする。
【0053】
最後に、本発明による製品は、凝固剤が予備重合したアルミニウムであってもよいことを特徴とする。
【0054】
本発明による製品を調製するためのプロセスは、多糖類/親水コロイドが溶けずに、部分的に溶けてまたは溶解してその中に存在することになる液体または液体の混合物に多糖類/親水コロイドを混合し、その後、意図する多価の架橋結合陽イオンが架橋結合のためには不活性化されるような高い方の閾値にまたはそれより低く、当該混合物のpHを調整し、その後、陽イオンが多糖類/親水コロイドを架橋結合することができるような高い方の閾値より小さいpHを有する液体中に架橋結合陽イオンを溶解させ、その後、多糖類/親水コロイドを含むpH調整された液体と架橋結合用の溶解した陽イオンを含むpH調整された液体とが均質に混合されることを特徴とする。
【0055】
さらに、本発明による製品の調製のためのプロセスは、多価の陽イオンの架橋結合活性化のための閾値と等しいかそれよりも低いpHを有する凝固剤が添加物として製品に添加されること、または凝固剤が、多価の陽イオンを溶解するための溶剤として使われること、を特徴とする。
【0056】
本発明による製品を使用する方法は、多糖類/親水コロイドと多価の陽イオンとの間の架橋結合のための不活性化pHよりも上のpHを有する汚染された水液体に本発明の製品が投入され混合され、第1の期間内に必要な比率の水溶した多糖類が液体中の汚染物質に結び付き、または溶解して液体中の汚染物質に結合し、その後、第1および第2の期間において、凝固作用が起きて、電荷中和によって適用される凝固剤が、多糖類鎖が付着して、粒子に結合し、その後、陽イオンと架橋結合する製品が架橋結合して汚染物質の凝集および凝結および分離がなされることを特徴とする。
【0057】
本発明による製品を使用する方法はさらに、当該製品の1-1000ppmが汚染された液体に投入され混合され、投入は好ましくは1-50ppmであり、さらにより好ましくは1-20ppmの投入であることを特徴とする。
【0058】
本発明による製品およびプロセスの使用は、汚染された水流からの石油/水/粒子の分離のための分離剤とすること、そこでの水は石油製造貯蔵体から来るもので、海に放流するために浄化すべきものあるいは貯蔵体への再投入のために浄化すべきものであることを特徴とする。
【0059】
本発明による製品およびプロセスの使用は、汚染された水流からの石油/水/粒子の分離促進剤とすること、そこでの水は、石油およびガス製造または石油もしくはガスの掘削に関連した井戸作業から来るものであることを特徴とする。
【0060】
本発明による製品およびプロセスの使用は、汚染された水流からの石油/水/粒子の分離促進分離剤とすること、そこでの水は、掘削および/または船舶、浮遊もしくは固定の構造基台の製造からの、または石油関連の陸地ベースの作業からの廃水であることを特徴とする。
【0061】
本発明による製品およびプロセスの使用は、汚染された液体からの石油/水/粒子の分離促進剤とすること、そこでの液体は、貯蔵体、精製工場または石油化学からの石油およびガス製造における/からの廃液またはプロセス流体であることを特徴とする。
【0062】
本発明による製品およびプロセスの使用は、産業廃水または都市廃水からの汚染された水流からの、または飲用水の浄化のための、有機および無機の汚染物質の分離のための分離剤とすることを特徴とする。
[請求項16]
【0063】
本発明による製品およびプロセスの使用は、の一つ以上において分離前に適用される水流中の有機および無機の汚染物質の改良された分離のための分離増強物質とすることを特徴とする。
[新規な本方法の利点]
【0064】
本製品は、大規模製造水流またはプロセス水流に分散されて高度に濃縮されて投入されることができるという利点を有する。分散液に加えた溶解形態における分散した多糖類、PAX/PACおよび三価陽イオンのスラリーは、たとえば、アルコール分散における乾燥物質の重量で25%含むことができる。ここにおいて、三価陽イオンの濃縮され飽和した混合物は、閾値より小さいpHを有する水中に混錬混合されることができる。同様に、濃縮された凝固剤が混入されることができる。
油性の製造水の浄化のためにプラットフォームに供給される一つの単一のスラリー投与点および2m3の製品は、100,000m3の水を処理することになることが理解されよう。
同様に、アルギン酸塩のような水溶性の多糖類を使用することは、これが既知の技術によれば普通は0.05%の淡水の溶液になるまで希釈されなければならないことから、大量の淡水を使用することになる。このような場合、1000m3の淡水が毎日希釈のために消費されることになる。これは、石油プラットフォームにとっては非常に膨大な水消費であり、多くの国では想像もできない淡水の消費である。本発明は、淡水は使用しない。
【0065】
さらに既知の技術によれば、二つの投与システムと投与点および二つの混合装置が必要とされる。石油産業においてこれは非常に大規模で 変更 物流的には、もし可能であれば2つの化学物質を用いるのでほとんど所望されることがない。1.本発明は、反応物質と多糖類の両方が一つの同じ分散液に存在するので、1つの投与および投入システムに対する必要性を低減し、物流を極めて簡素化する。本製品組成物においては、多糖類を濃縮して溶解することができ、多価の陽イオン成分を同一混合物中で高度に濃縮しうる。たとえば、キサンタンは製造水中の二価の陽イオンと反応せず、高度に塩分を含んだ水に溶解することができるので、キサンタンが使用されても良い。8-10%溶液まで、水中または水およびアルコールまたは油の混合物に溶解させることができる。本発明によってアルミニウム、鉄またはクロムの三価陽イオンを同じ混合物に加えることによって、キサンタンと陽イオンとは、この混合物がより高いpHの水に投与される前は反応的に反応することがなく、その後の架橋結合で粒子および油滴の結合と反応することになる。キサンタンが石油産業において水の浄化のために使用されたということは知られていない。これは、本発明者自身の未公開の特許出願のために除外される。
【0066】
すべての天然多糖類のなかで、キサンタンは石油産業において最も広く使用されているが、水の浄化のような他の目的のためにもっぱら使われる。しかしながら、水の浄化のために使われる既知の多糖類よりもそれは10倍も安く、かくして本発明はまた、産業界に主要な経済的節約をもたらすという意義がある。
天然多糖類は水中に溶解したとき、生物活性により寿命期間が短い。天然多糖類を凝結させるためには、最長で2-3週間の貯蔵寿命が一般的である。本発明においては、多糖類は水和されず、耐久性は乾燥状態と同じまたはそれより良い。すなわち2年よりも長い貯蔵寿命である。酸性溶液においても耐久性は同じである。
【0067】
本発明により、従来技術を凌駕する大きな経済的、実用的、物流的、および環境的な利点を有する製品および方法が作られる。
【0068】
本発明は、製品が海洋環境に悪影響を及ぼすことが無いという利点を有する。
【0069】
さらに本発明は、すべての投入された製品が多糖類と架橋結合陽イオン反応物質との正確な化学量論的公式化によって反応し分離されるという利点を有する。すなわち、海洋環境への排出もないし、水が石油貯蔵体の下に/中に再注入される場合に貯蔵体への余剰凝集剤の供給もない。従来の凝集剤は余剰を生じて、水相で海へまたは貯蔵体へ流れ、潜在的に大きな悪影響をもたらす。
【0070】
好ましいキサンタンおよび三価陽イオンとの架橋結合は、先行技術に対して有利なものであり、それは、架橋結合三価陽イオンが石油貯蔵体からの製造水には存在しないので、溶解せずに分散している状態でのキサンタンが当該製造水に直接溶解するという点においてである。本発明による三価陽イオンは、既知の製造水化学添加物または水の天然の化学的組成物によって抑制されないということは大きな利点である。このような水において存在する他の陽イオンは、貯蔵体からの製造水では絶対に起きないpHが9.5を超えるという事態が起きる前には、キサンタンへの架橋結合効果は有していない。
【0071】
本発明は、スラリーとして溶解しないままでいることのできる、溶解していない多糖類、部分的に液体中に溶解した多糖類または液体中に完全に溶解した多糖類に液体が加えられることを特徴とする。適切なpHより下の液体に、架橋結合特性が無効化されるようなpH管理のもとで、溶解した架橋結合用多価陽イオンが加えられる。当該陽イオンは、PAX/PACのような酸性凝固剤とともに加えられるのが効果的であり得るし、この、または他の凝固剤は本製品に含まれていてもよい。本製品はそれから混合されて、汚染された水流中の汚染物質に接触させられる。
【0072】
本発明の製品および方法は、以下の実例を参照して、次の記述においてさらに説明される。
[実験のための製品の製造]
【0073】
[製品A]
250mlのモノエチレングリコール(MEG)を100mlの水と混合し、次いで25グラムのキサンタン微粉末を加え、混錬混合して完全に溶解させた。次にこの粘性の混合物に、希薄した塩酸をpH3になるまで加えた。それから、50gの塩化アルミニウムをpH3より下の650mmlの水に混合した。この溶液は次いでキサンタン/MEG/水の混合物と混錬混合機によって混合された。これで、投与ポンプでポンプ吸い上げ可能な、均質でわずかに粘性の混合物が、いかなる種類の架橋結合もなしに、得られた。その製品は次いで、pHが7の、石油産業からの製造水1リットル中10ppmでテストされた。30秒後に目に見える強い凝集が観察され、そして1分後には水は澄み切って、凝集した材料は水頂にあった。
【0074】
製品Aは、塩分、炭酸水素成分、水中のスケール防止薬品等々に関して異なる化学組成物を含む10の異なる水でテストされたが、いかなる低減効果も観察されなかった。
【0075】
[製品B]
実験Aと同じ混合物を作ったが、どの溶液についてもpH調整はしなかった。結果は、多糖類を三価の陽イオンと混合することを試みるなかで全面的な架橋結合であった。
【0076】
[製品C]
Aと同じ混合物を作ったが、キサンタン/MEG/水の混合物のpH調整だけを行い、遊離した三価の陽イオンはpH7であった。
混合したところ、部分的な架橋結合を見ることが出来、混合物は不安定で液体が排出された。石油産業からの1リットルの製造水中で凝結を得ようと努力したところ、投入前に製品は完全に架橋結合したことを確認した。10ppmの投入した製品は、ほとんどいかなる凝結をも生じなかった。
【0077】
[製品D]
250mlのMEGおよび100mlの水を25gのキサンタンと混合した。それからpHを3に調整した。50gの塩化アルミニウムをpH2.5のポリ塩化アルミニウム(PAX)650ml中に溶解した。次いでこれらの全てを混ぜ合わせて、均質な粘性の混合物とした。1リットルの製造水に10mgを投与したところ、極めて迅速な凝結と架橋結合が達成され、30秒内で澄んだ水が得られた。これを、実験Aにおけると同様に、10の異なる水で繰り返した。
【0078】
[製品E]
キサンタン/MEG/水の混合物のpHを調整せずに、実験Dを繰り返した。繰り返し努力したところ、10の異なる水で凝結/凝固および架橋結合が達成されたが、柔らかい雲状の凝集粒子の凝固体のみで、それは明らかに、PAXからの凝固が起きただけであることを示すものだった。これらの凝集粒子は実験Dで架橋結合が達成されたときに比べて非常に弱いものであった。