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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-07
(45)【発行日】2023-09-15
(54)【発明の名称】アライメントマーク付き基板
(51)【国際特許分類】
   G03F 9/00 20060101AFI20230908BHJP
   G02B 6/26 20060101ALI20230908BHJP
   G02B 3/00 20060101ALI20230908BHJP
【FI】
G03F9/00 Z
G02B6/26
G02B3/00 A
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020548184
(86)(22)【出願日】2019-08-23
(86)【国際出願番号】 JP2019033049
(87)【国際公開番号】W WO2020059422
(87)【国際公開日】2020-03-26
【審査請求日】2022-03-22
(31)【優先権主張番号】P 2018175320
(32)【優先日】2018-09-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000004008
【氏名又は名称】日本板硝子株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 史郎
(72)【発明者】
【氏名】梶本 孝夫
【審査官】田中 秀直
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-352468(JP,A)
【文献】特開2005-091891(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03F 7/20
G03F 9/00
G02B 6/26
G02B 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板の主面に形成されたアライメントマークと、
を備えるアライメントマーク付き基板であって、
前記アライメントマークは、複数の線状の凹部または凸部を有し、
前記凹部または凸部は、
前記主面と平行な平坦部と、
前記主面に対して傾斜した傾斜部と、
を備え、
前記基板は、第1主面と、前記第1主面と対向する第2主面と、を有し、
前記第1主面に配列ピッチがPの複数の前記アライメントマークが形成され、
前記アライメントマークの断面において、前記アライメントマークの前記平坦部の長さをLw、前記第1主面と前記アライメントマークの前記平坦部との厚さ方向の長さをHeとしたとき、
|Lw+He×2―P|≦10[μm]であることを特徴とするアライメントマーク付き基板。
【請求項2】
前記傾斜部は、曲面を含むことを特徴とする請求項1に記載のアライメントマーク付き基板。
【請求項3】
前記傾斜部は、平面を含むことを特徴とする請求項1に記載のアライメントマーク付き基板。
【請求項4】
前記基板を形成する材料の屈折率nsは、560nmの波長において、1.2≦ns≦2.7を満たすことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のアライメントマーク付き基板。
【請求項5】
前記基板を形成する材料の消衰係数ksは、ks<1を満たすことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のアライメントマーク付き基板。
【請求項6】
前記平坦部の表面粗さRaは、0.001μm≦Ra≦50μmを満たすことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のアライメントマーク付き基板。
【請求項7】
前記平坦部の空気に対する反射率Rsは、560nmの波長において、0.01%≦Rs≦30%を満たすことを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のアライメントマーク付き基板。
【請求項8】
前記平坦部の可視光線透過率は、30%以上であることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載のアライメントマーク付き基板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アライメントマークを備えた基板に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、基板上に配列されたアレイ状の光学素子が、液晶パネルや光通信用部品として多用されている。これらの光学素子は一般的に他の部品と積層状態で使用するため、光軸等を合致させる必要がある。
【0003】
このようなアレイ状の光学素子を光軸等を合わせて積層するにあたり、各光学素子が実装された基板上に設けられたアライメントマークを手掛かりにして、位置合わせを行うという技法が用いられている。
【0004】
アライメントマークには、視覚的に基板の他の部位と判別できるような構成が用いられる。特許文献1には、クロム等の金属で形成されたアライメントマークを備える基板が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2000-235105号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、クロム等の金属で形成されたアライメントマークは、光吸収性が高いため、例えばアライメントマークを顕微鏡等で観察する際に、アライメントマークが形成された基板の表面と反対側の裏面の一部がアライメントマークに隠れ、基板の裏面の視認性が低下するという課題がある。
【0007】
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、基板を透過して観察した場合の視認性に優れたアライメントマーク付き基板を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明のある態様のアライメントマーク付き基板は、基板と、基板の主面に形成されたアライメントマークと、を備える。アライメントマークは、複数の線状の凹部または凸部を有する。凹部または凸部は、主面と平行な平坦部と、主面に対して傾斜した傾斜部と、を備える。
【0009】
本発明の別の態様も、アライメントマーク付き基板である。このアライメントマーク付き基板は、基板と、基板の主面上に設けられたアライメントマーク形成層と、アライメントマーク層に形成されたアライメントマークと、を備える。アライメントマークは、複数の線状の凹部または凸部を有する。凹部または凸部は、主面と平行な平坦部と、主面に対して傾斜した傾斜部と、を備える。
【0010】
上記態様において、平坦部は、主面の法線方向から照射された光を主面の法線方向に反射し、傾斜部は、主面の法線方向から照射された光を主面の法線方向に対して傾斜した方向に反射してもよい。
【0011】
上記態様において、傾斜部は、曲面を含んでもよい。傾斜部は、平面を含んでもよい。
【0012】
上記態様において、基板またはアライメントマーク形成層を形成する材料の屈折率は、560nmの波長において、1.2~2.7の範囲であってもよい。
【0013】
上記態様において、基板またはアライメントマーク形成層を形成する材料の消衰係数は、1未満であってもよい。
【0014】
上記態様において、平坦部の表面粗さは、0.001μm~50μmの範囲であってもよい。
【0015】
上記態様において、平坦部の空気に対する反射率は、560nmの波長において、0.01%~30%の範囲であってもよい。
【0016】
上記態様において、平坦部の可視光線透過率は、30%以上であってもよい。
【0017】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法、装置、システム、などの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、基板を透過して観察した場合の視認性に優れたアライメントマーク付き基板を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の実施形態に係るアライメントマーク付き基板の概略平面図である。
図2図1に示すアライメントマーク付き基板のA-A概略断面図である。
図3】アライメントマークの概略斜視図と、アライメントマークを垂直落射照明装置を有する顕微鏡で観察した場合に形成される像を示す図である。
図4】曲面を含む傾斜部の形成条件を説明するための図である。
図5】変形例に係るアライメントマーク付き基板を示す図である。
図6】別の変形例に係るアライメントマーク付き基板を示す図である。
図7】さらに別の変形例に係るアライメントマーク付き基板を示す図である。
図8】さらに別の変形例に係るアライメントマーク付き基板を示す図である。
図9】さらに別の変形例に係るアライメントマーク付き基板を示す図である。
図10図7図9に示すような平面を含む傾斜部の形成条件を説明するための図である。
図11】アライメントマークのパラメータを説明するための図である。
図12】本発明の別の実施形態に係るアライメントマーク付き基板の概略断面図である。
図13】本発明のさらに別の実施形態に係るアライメントマーク付き基板の概略断面図である。
図14図14(a)~(c)は、アライメントマークの像を示す図である。
図15】アライメントマークの像を示す図である。
図16図16(a)~(d)は、ガラス光導波路基板を示す図である。
図17図17(a)~(d)は、シリコン光導波路基板を示す図である。
図18図18(a)および(b)は、アライメントマークを垂直落射照明装置を有する顕微鏡で観察した場合に形成される像を示す図である。
図19図19(a)および(b)は、ガラス光導波路基板とシリコン光導波路基板とを積層した状態を示す図である。
図20図20(a)および(b)は、ガラス光導波路基板とシリコン光導波路基板とを接着した状態を示す図である。
図21図21(a)~(c)は、マイクロレンズアレイ基板を示す図である。
図22図22(a)および(b)は、面発光レーザアレイ基板を示す図である。
図23図23(a)~(c)は、マイクロレンズアレイ基板と面発光レーザアレイ基板とを積層した状態を示す図である。
図24図24(a)および(b)は、マイクロレンズアレイ基板と面発光レーザアレイ基板とを接着した状態を示す図である。
図25図25(a)~(f)は、本発明の実施形態に係るアライメントマーク付きマイクロレンズ基板の6面図である。
図26】マイクロレンズ基板のアライメントマーク部分(A-B部分)の拡大平面図である。
図27図26に示すアライメントマーク部分のC-C断面図である。
図28】マイクロレンズ基板のアライメントマーク部分(A-B部分)の拡大斜視図である。
図29】マイクロレンズ基板のアライメントマーク部分(A-B部分)の第1変形例の拡大平面図である。
図30図29に示すアライメントマーク部分のC-C断面図である。
図31】マイクロレンズ基板のアライメントマーク部分(A-B部分)の第1変形例の拡大斜視図である。
図32】マイクロレンズ基板のアライメントマーク部分(A-B部分)の第2変形例の拡大平面図である。
図33図32に示すアライメントマーク部分のC-C断面図である。
図34】マイクロレンズ基板のアライメントマーク部分(A-B部分)の第2変形例の拡大斜視図である。
図35】マイクロレンズ基板のアライメントマーク部分(A-B部分)の第3変形例の拡大平面図である。
図36図35に示すアライメントマーク部分のC-C断面図である。
図37】マイクロレンズ基板のアライメントマーク部分(A-B部分)の第3変形例の拡大斜視図である。
図38】マイクロレンズ基板のアライメントマーク部分(A-B部分)の第4変形例の拡大平面図である。
図39図38に示すアライメントマーク部分のC-C断面図である。
図40】マイクロレンズ基板のアライメントマーク部分(A-B部分)の第4変形例の拡大斜視図である。
図41図41(a)~(f)は、本発明の実施形態に係るアライメントマーク付き光導波路基板の6面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態に係るアライメントマーク付き基板について説明する。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、実施の形態は、発明を限定するものではなく例示であって、実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
【0021】
図1は、本発明の実施形態に係るアライメントマーク付き基板10の概略平面図である。図2は、図1に示すアライメントマーク付き基板10のA-A概略断面図である。アライメントマーク付き基板10は、基板12の一部にアライメントマーク14を形成したものである。
【0022】
基板12は、第1主面12aと、第1主面12aとは反対側の第2主面12bとを有する板状体である。第1主面12aと第2主面12bは平行である。基板12を構成する材料としては、可視光に対して透明な材料、例えば、ガラス、無機酸化物、有機無機複合材料、プラスチックなどの有機材料を使用できる。
【0023】
ガラスとしては、1価のアルカリイオンを含む多成分系ガラス、ホウケイ酸塩ガラス(例えばSCHOTT製 D263 Teco、屈折率n=1.53、消衰係数k<0.1、線膨張係数:7.2ppm/K)、石英基板(n=1.46、k<0.1、線膨張係数:0.55ppm/K)、フロートガラス(n=1.52、k<0.1、線膨張係数:9ppm/K)を例示できる。ゼロ膨張ガラスとしては、ZERODUR(0.02ppm/K)、NEOCERAM(0.00ppm/K)、CLEARCERAM(0.00±0.01ppm/K)を例示できる(ZERODURおよびNEOCERAMはショット アクチエンゲゼルシャフトの登録商標であり、CLEARCERAMは株式会社オハラの登録商標である)。
【0024】
無機酸化物としては、シリカ(n=1.46、k<0.1)、チタニア(n=2.6、k<0.1)、ジルコニア(n=2.1、k<0.1)、酸化ニオブ(n=2.1、k<0.1)、酸化タンタル(n=2.1、k<0.1)、ポリシラン(n=1.5~2.5、k=0.2~0.6)を例示できる。
【0025】
有機無機複合材料としては、オルガノポリシロキサン化合物、シルセスキオキサン化合物、ゾルゲル材料を例示できる。有機材料としては、ポリイミド、フッ素化ポリイミド、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、シリコーンなどを例示できる。
【0026】
上記の基板12の材料のうち、耐熱性、耐薬品性という観点で望ましい材料としては、ガラス、シリカ、ポリシラン、オルガノポリシロキサン化合物、を例示できる。
【0027】
基板12は、その一部に、導波路、回折格子、レンズ、回折光学素子などの光学素子(図示せず)を有していてもよい。例えば、基板12が1価のアルカリイオンを含む多成分系ガラスから成る基板である場合、このガラス母材に含まれる1価のアルカリイオンを、ガラス母材の光屈折率を増大させる別イオンに選択的に交換することで、埋め込み型の光導波路が形成されたガラス基板を形成できる。1価のアルカリイオンは、KイオンまたはNaイオンであってよく、ガラス母材の屈折率を増大させる別イオンはAgイオン及びタリウムであってよい。
【0028】
本実施形態では、アライメントマーク14は、基板12の第1主面12aに形成されている。アライメントマーク14は、基板12の第1主面12aに形成された複数の直線状の凹部16を備える。複数の凹部16は、凹部16の長手方向(延在方向)に垂直な方向に配列されている。複数の線状の凹部16は、ウェットエッチング、ドライエッチング、転写法、インプリント法、レーザ加工法等の周知の方法により形成できる。例えば、ガラス基板上にマスクを形成後にウェットエッチングによってガラス基板上に凹部を形成する方法は、特開2000-235105号公報や特開2000-235178号公報記載の技術を用いることができる。なお、エッチングは、等方性エッチングでも、異方性エッチングであってもよい。等方性エッチングの場合については、基板12の主面から面内方向と深さ方向のエッチング速度が同じであり、異方性エッチングの場合については、面内方向と深さ方向のエッチング速度が異なる。
【0029】
各凹部16は、図2に示すように、断面視において略U字状の凹部(溝)である。各凹部16は、平坦部18と、平坦部18の両端に形成された傾斜部20とを備える。平坦部18は、図2に示すように基板12の第1主面12aと平行な面である。傾斜部20は、基板12の第1主面12aに対して傾斜した面であり、本実施形態では、図2に示すように断面視において円弧状の曲面(凹曲面)に形成されている。本実施形態では、隣り合う凹部16における隣接する傾斜部20間の稜部21は線状となっている。また本実施形態では、稜部21の高さは、基板12の第1主面12aよりも低くなっている。
【0030】
図3は、アライメントマーク14の概略斜視図と、アライメントマーク14を垂直落射照明装置を有する顕微鏡で観察した場合に形成される像30を示す。
【0031】
図3に示すように、アライメントマーク14における凹部16の平坦部18は、基板12の第1主面12aの法線方向から照射された光を該法線方向に反射する。平坦部18で反射した光は、顕微鏡の対物レンズに入射し、顕微鏡により形成される像30において明領域32として観察される。
【0032】
一方、アライメントマーク14における凹部16の傾斜部20は、基板12の第1主面12a法線方向から照射された光を該法線方向に対して傾斜した方向に反射する。したがって、傾斜部20で反射した光の一部は、顕微鏡の対物レンズに入射しないので、顕微鏡により形成される像30においていわゆる暗領域34として観察される。
【0033】
各凹部16により上述したような明領域32と暗領域34の像が形成されることにより、アライメントマーク14全体を顕微鏡で観察すると、明領域32と暗領域34が交互に繰り返された縞模様の像30が観察される。このような像30を利用して、他の基板とのアライメントを行うことができる。なお、本実施形態では、隣り合う凹部16の隣接する傾斜部20により、1つの暗領域34が形成される点に留意されたい。
【0034】
上記のアライメントマーク付き基板10においては、基板12に形成した線状の凹部16によりアライメントマーク14を構成している。アライメントマーク14が設けられた第1主面12aと反対側の第2主面12bを観察する場合には、アライメントマーク14の凹部16に基板12の材料と略同じ屈折率の物質(例えば屈折率調整剤や接着剤など)を充填する。これにより、凹部16の傾斜部20での反射(フレネル反射)が実質的に無くなる又は大幅に低減されるので、図3に示すような明確な縞模様の像30は観察されず、あたかも基板12にアライメントマーク14が形成されていないかのように、基板12を透過して第2主面12b(例えば第2主面12b上に実装された光学素子等)を良好に観察することができる。このように本実施形態によれば、基板を透過して観察した場合の視認性に優れたアライメントマーク付き基板10を実現できる。
【0035】
上記のような本実施形態に係るアライメントマーク付き基板10の効果は、アライメントマーク14が実質的に光を吸収しないことに因る。クロム等の金属を用いたアライメントマークの場合、アライメントマークに供される材料自体によって光が吸収されるので、アライメントマークに屈折率調整剤を適用したとしても顕微鏡で観察した場合に明確な縞模様の像が観察され、したがって、基板の裏面側の視認性は低い。
【0036】
また、クロム等の金属を用いたアライメントマークの場合、耐薬品性の点で使用範囲が限定される可能性がある。例えばクロム(屈折率n=3.18、消衰係数k=4.4)で形成されたアライメントマークを備える基板に、このアライメントマークと位置決めしながら導波路を形成するためにイオン交換処理を行う場合、イオン交換のために基板を硝酸塩化合物と高温で接触させると事前に形成しておいたアライメントマークに供されるクロムが溶解するおそれがある。一方、本実施形態に係るアライメントマーク付き基板10では、アライメントマーク14の形成にクロム等の金属は使用していないので、イオン交換処理において上記のような事態が生じることはない。
【0037】
図4は、曲面を含む傾斜部20の形成条件を説明するための図である。図4に示すように、対物レンズOLを備える顕微鏡を用いて、アライメントマークを観察する場合を考える。
【0038】
傾斜部20が断面視において曲面を含む場合、対物レンズOLの光軸ALと傾斜部20との交点IPにおける接平面TLと、光軸ALに垂直な平面HLとのなす角度をαとしたとき、αが以下の(1)式を満たすようなスロープを含むように傾斜部20を形成する。
α>θ0/2=0.5×arcsin(NA/n) ・・・(1)
(1)式において、θ0は対物レンズOLの開口角、NAは対物レンズの開口数、nは、対物レンズOLとアライメントマークの間の媒質(通常は空気)の屈折率である。
【0039】
(1)式に示すように、αが、対物レンズOLの開口角θ0の1/2より大きい場合、入射光線a(対物レンズOLから照射される照明光のうち、光軸ALと平行であり、光軸ALと傾斜部20との交点IPを通る光線)と反射光線b(入射光線aが交点IPにおいて反射される光線)とのなす角は、対物レンズOLの開口角θ0よりも大きくなる。そのため、反射光線bは対物レンズOLによって実質的に集光されず、顕微鏡による像の形成に寄与しない光線となる。したがって、αが(1)式を満たすように傾斜部20が形成された場合、傾斜部20の(1)式を満たす領域は暗領域として視認される。この場合、平坦部18からの反射光により形成される明領域と合わせて、明確な縞模様の像が形成される。
【0040】
一方、αが(1)式を満たさないように傾斜部20が形成された場合(すなわち、αが対物レンズOLの開口角θ0の1/2以下である場合)、反射光線bが対物レンズOLによって集光されうる範囲内に入るため、傾斜部20は明領域として視認される。この場合、平坦部18からの反射光により形成される明領域との境界が不明瞭となるので、明確な縞模様の像を形成できないおそれがある。
【0041】
本実施形態において、基板12を形成する材料の屈折率が低すぎる(例えば空気と同じ屈折率(n=1.0))場合、平坦部18からの光の反射が十分に得られず、明確な縞模様の像が観察できない。一方、基板12を形成する材料の屈折率が高すぎる場合は、平坦部18からの光の反射が大きくなりすぎて、必然的に基板12の透過率が低くなり、基板12の第2主面12bの視認性が低下する。その結果、他の基板とのアライメントが難しくなるおそれがある。そこで、560nmの波長における基板12を形成する材料の屈折率をnsとしたとき、屈折率nsは、1.2≦ns≦2.7を満たすことが望ましく、1.46≦ns≦2.10を満たすことがより望ましく、1.48≦ns≦1.70を満たすことがさらに望ましい。
【0042】
また、本実施形態において、基板12の吸収が小さい場合、反射による透過率の損失が低減又は極小化されるので、上述したような適切な屈折率を有する物質を充填した際の基板12の第2主面12bの視認性を向上できる。そこで、基板12を形成する材料の560nmの波長における消衰係数をksとしたとき、消衰係数ksは、ks<1を満たすことが望ましく、ks<0.1を満たすことがより望ましい。
【0043】
また、本実施形態において、凹部16の平坦部18の表面が粗い場合は、平坦部18において照射光が散乱して顕微鏡の対物レンズで充分に集光されず、明確な縞模様の像を観察できなくなるおそれがある。そこで、平坦部18の表面粗さをRaとしたとき、Raは、0.001μm≦Ra≦50μmを満たすことが望ましい。
【0044】
また、本実施形態において、平坦部18の空気に対する反射率Rsは、560nmの波長において、0.01%≦Rs≦30%を満たし、平坦部18の可視光線透過率は、30%以上であることが望ましい。このような条件を満たすことにより、他の基板とのアライメントにおいて、優れた位置精度を実現できる。
【0045】
図5は、変形例に係るアライメントマーク付き基板50を示す。このアライメントマーク付き基板50は、稜部21の高さが基板12の第1主面12aと同じになっている点が図2に示すアライメントマーク付き基板10と異なる。本変形例においても、顕微鏡でアライメントマーク14全体を観察したときに明領域と暗領域とが交互に繰り返される縞模様の像を観察できる。
【0046】
図6は、別の変形例に係るアライメントマーク付き基板60を示す。このアライメントマーク付き基板60は、傾斜部20間の稜部21が第1主面12aと平行な平面状となっている点が図2に示すアライメントマーク付き基板10と異なる。このように稜部21を平面状とした場合、稜部21で反射した光は顕微鏡の対物レンズに入射するので、顕微鏡により形成される像において明領域として観察される。本変形例においても、顕微鏡でアライメントマーク14全体を観察したときに明領域と暗領域とが交互に繰り返される縞模様の像を観察できる。
【0047】
図7は、さらに別の変形例に係るアライメントマーク付き基板70を示す。このアライメントマーク付き基板70は、凹部16が断面視において略台形状の凹部(溝)に形成されており、従って傾斜部20が平面となっている点が図2に示すアライメントマーク付き基板10と異なる。本変形例において、隣接する傾斜部20間の稜部21は線状となっている。また本変形例では、稜部21の高さは、基板12の第1主面12aよりも低くなっている。
【0048】
本変形例において、凹部16の平坦部18は、基板12の第1主面12aの法線方向から照射された光を該法線方向に反射する。平坦部18で反射した光は、顕微鏡の対物レンズに入射し、顕微鏡により形成される像30において明領域として観察される。一方、平面とされた傾斜部20は、基板12の第1主面12aの法線方向から照射された光を該法線方向に対して傾斜した方向に反射する。したがって、傾斜部20で反射した光の多くは、顕微鏡の対物レンズに入射しないので、顕微鏡により形成される像30において暗領域として観察される。
【0049】
このように傾斜部20を平面とした場合も、明領域と暗領域が交互に繰り返される縞模様の像を顕微鏡で観察できる。なお、本実施形態では、隣り合う凹部16の隣接する傾斜部20により、1つの暗領域が形成される点に留意されたい。
【0050】
図8は、さらに別の変形例に係るアライメントマーク付き基板80を示す。このアライメントマーク付き基板80は、稜部21の高さが基板12の第1主面12aと同じになっている点が図7に示すアライメントマーク付き基板70と異なる。本変形例においても、顕微鏡でアライメントマーク14全体を観察したときに明領域と暗領域とが交互に繰り返される縞模様の像を観察できる。
【0051】
図9は、さらに別の変形例に係るアライメントマーク付き基板90を示す。このアライメントマーク付き基板90は、傾斜部20間の稜部21が第1主面12aと平行な平面状となっている点が図7に示すアライメントマーク付き基板70と異なる。このように稜部21を平面状とした場合、稜部21で反射した光は顕微鏡の対物レンズに入射するので、顕微鏡により形成される像において明領域として観察される。本変形例においても、顕微鏡でアライメントマーク14全体を観察したときに明領域と暗領域とが交互に繰り返される縞模様の像を観察できる。なお、図2、5、6、7、8、および9に示すアライメントマークは、後述する図12、13に示すように、基板112の第1主面112a上に形成されていてもよい。
【0052】
図10は、図7図9に示すような平面を含む傾斜部20の形成条件を説明するための図である。図10に示すように、対物レンズOLを備える顕微鏡を用いて、アライメントマークを観察する場合を考える。
【0053】
傾斜部20が断面視において平面を含む場合、傾斜部20と光軸ALに垂直な平面HLとのなす角度をβとしたとき、βが以下の(2)式を満たすように傾斜部20を形成する。
β>θ0/2=0.5×arcsin(NA/n) ・・・(2)
(2)式において、θ0は対物レンズOLの開口角、NAは対物レンズの開口数、nは、対物レンズOLとアライメントマークの間の媒質(通常は空気)の屈折率である。
【0054】
(2)式に示すように、βが、対物レンズOLの開口角θ0の1/2より大きい場合、入射光線a(対物レンズOLから照射される照明光のうち、光軸ALと平行であり、光軸ALと傾斜部20との交点IPを通る光線)と反射光線b(入射光線aが交点IPにおいて反射される光線)とのなす角は、対物レンズOLの開口角θ0よりも大きくなる。そのため、反射光線bは対物レンズOLによって実質的に集光されず、顕微鏡による像の形成に寄与しない光線となる。したがって、βが(2)式を満たすように傾斜部20が形成された場合、傾斜部20は暗領域として視認される。この場合、平坦部18からの反射光により形成される明領域と合わせて、明確な縞模様の像が形成される。
【0055】
一方、βが(2)式を満たさないように傾斜部20が形成された場合(すなわち、βが対物レンズOLの開口角θ0の1/2以下である場合)、反射光線bが対物レンズOLによって集光されうる範囲内に入るため、傾斜部20は明領域として視認される。この場合、平坦部18からの反射光により形成される明領域との境界が不明瞭となるので、明確な縞模様の像を形成できないおそれがある。なお凹部の傾斜部はその断面において、上述のように曲面や平面のみで構成されてもよく、曲面と平面とが組み合わされて構成されてもよく、異なる複数のβを示す平面から構成されてもよい。アライメントマークを平面視したうえで縞模様の像が得ることで、部品の位置決め等に活用できるものであればよい。
【0056】
図11は、アライメントマーク14のパラメータを説明するための図である。図11に示すように、凹部16の配列ピッチをP、顕微鏡で観察した場合に形成される像30における暗領域34の幅をLb、平坦部18の長さをLw、平坦部18の基板表面(第1主面)からの深さをHe、平坦部18から稜部21までの高さをHrとする。
Pは、0.01μm以上であり、0.1μm以上が望ましく、1μm以上がさらに望ましい。また、Pは1000μm以下であり、500μm以下が望ましい。
Lbは、0.001μm以上であり、0.01μm以上が望ましく、0.1μm以上がさらに望ましい。また、Lbは1000μm以下であり、800μm以下が望ましく、500μm以下がさらに望ましい。
Lwは、0μm以上であり、0.01μm以上が望ましく、0.1μm以上さらに望ましい。またLwは、1000μm以下であり、800μm以下が望ましく、500μm以下がさらに望ましい。
He-Hrは、0μm以上であり、0.01μm以上が望ましく、0.1μm以上がさらに望ましい。またHe-Hrは、1000μm以下であり、800μm以下が望ましく、500μm以下がさらに望ましい。
さらに、Lw+He×2-Pの値は、-10μm以下であり、-5μm以下であることが望ましい。また、Lw+He×2-Pの値は、10μm以下であり、5μm以下であることが望ましい。
なお、これらのパラメータの測定は、後述の測定顕微鏡(OLYMPUS STM7)で測定することができ、1μmまたは0.1μm未満の寸法の測定は、例えば超高精度三次元測定機(パナソニックプロダクションエンジニアリング社製UA-3P)や段差計(Bruker社製Dektak XT)を用いて測定することができる。また、図11の構造は、ウェットエッチングによって形成されてもよい。ウェットエッチングは、等方性ウェットエッチングでも、異方性ウェットエッチングであってもよい。等方性ウェットエッチングの場合については、基板の主面から面内方向と深さ方向のエッチング速度が同じであり、異方性エッチングの場合については、面内方向と深さ方向のエッチング速度が異なる。
【0057】
上述の実施形態では、基板12の第1主面12aに複数の直線状の凹部16を形成することにより、アライメントマーク14を構成したが、基板12の第1主面12aに複数の直線状の凸部を形成することにより、アライメントマークを構成してもよい。各凸部は、平坦部と、平坦部の両端に形成された傾斜部とを備える。凸部の平坦部は、基板12の主面の法線方向から照射された光を主面の法線方向に反射する。平坦部で反射した光は、顕微鏡の対物レンズに入射し、顕微鏡により形成される像において明領域として観察される。一方、凸部の傾斜部は、基板12の主面の法線方向から照射された光を主面の法線方向に対して傾斜した方向に反射する。したがって、傾斜部で反射した光の多くは、顕微鏡の対物レンズに入射しないので、顕微鏡により形成される像において暗領域として観察される。各凸部により上述したような明領域と暗領域の像が形成されることにより、アライメントマーク全体を顕微鏡で観察すると、明領域と暗領域が交互に繰り返された縞模様の像が観察される。
【0058】
図12は、本発明の別の実施形態に係るアライメントマーク付き基板110の概略断面図である。アライメントマーク付き基板110は、基板112の第1主面112a上にアライメントマーク形成層100を設け、該アライメントマーク形成層100にアライメントマーク114を形成したものである。
【0059】
基板112は、第1主面112aと、第1主面112aとは反対側の第2主面112bとを有する板状体である。第1主面112aと第2主面112bは平行である。基板112を構成する材料としては、可視光に対して透明な材料、例えば、ガラス、無機酸化物、有機無機複合材料、プラスチックなどの有機材料を使用できる。
【0060】
アライメントマーク形成層100は、基板112の第1主面112a上に形成された厚みが数十μm(例えば40μm)の膜である。アライメントマーク形成層100を構成する材料としては、可視光に対して透明な材料、例えば、ガラス、無機酸化物、有機無機複合材料、プラスチックなどの有機材料を使用できる。耐熱性、耐薬品性という観点で望ましい材料としては、オルガノポリシロキサン化合物、シリカ、チタニアなどを例示できる。
【0061】
本実施形態では、アライメントマーク114は、アライメントマーク形成層100に形成されている。アライメントマーク114は、アライメントマーク形成層100の表面に形成された複数の直線状の凸部116を備える。複数の凸部116は、長手方向(延在方向)に垂直な方向に配列されている。複数の凸部116は、例えばゾルゲルナノインプリント法のほか転写法などにより形成することができる。
【0062】
各凸部116は、平坦部118と、平坦部118の両端に形成された傾斜部120とを備える。平坦部118は、図12に示すように基板112の第1主面112aと平行な面である。傾斜部120は、基板112の第1主面112aに対して傾斜した面であり、本実施形態では、図12に示すように断面視において円弧状の曲面(凸曲面)に形成されている。変形例では、傾斜部120は、第1主面112aに対して傾斜した平面に形成されてもよい。
【0063】
以上のように構成されたアライメントマーク付き基板110において、凸部116の平坦部118は、基板112の第1主面12aの法線方向から照射された光を該法線方向に反射する。平坦部118で反射した光は、顕微鏡の対物レンズに入射し、顕微鏡により形成される像において明領域として観察される。
【0064】
一方、凸部116の傾斜部120は、基板112の第1主面12aの法線方向から照射された光を該法線方向に対して傾斜した方向に反射する。したがって、傾斜部120で反射した光の多くは、顕微鏡の対物レンズに入射しないので、顕微鏡により形成される像において暗領域として観察される。
【0065】
各凸部116により上述したような明領域と暗領域の像が形成されることにより、アライメントマーク114全体を顕微鏡で観察すると、明領域と暗領域が交互に繰り返された縞模様の像が観察される。このような像を利用して、他の基板とのアライメントを行うことができる。
【0066】
本実施形態においても、アライメントマーク114の表面にアライメントマーク形成層100の材料と略同じ屈折率の物質(例えば屈折率調整剤や接着剤など)を滴下することにより、凸部116の傾斜部120での反射(フレネル反射)が大幅に低減されるので、基板112を透過して第2主面112bを良好に観察することができる。このように本実施形態によっても、基板を透過して観察した場合の視認性に優れたアライメントマーク付き基板110を実現できる。
【0067】
上述したアライメントマーク付き基板10と同様の理由により、560nmの波長におけるアライメントマーク形成層100を形成する材料の屈折率をnaとしたとき、屈折率naは、1.2≦na≦2.7を満たすことが望ましく、1.46≦na≦2.10を満たすことがより望ましく、1.48≦na≦1.70を満たすことがさらに望ましい。
【0068】
また、アライメントマーク形成層100を形成する材料の560nmの波長における消衰係数をkaとしたとき、消衰係数kaは、ka<1を満たすことが望ましく、ka<0.1を満たすことがより望ましい。
【0069】
また、平坦部118の表面粗さをRaとしたとき、Raは、0.001μm≦Ra≦50μmを満たすことが望ましい。
【0070】
また、平坦部118の空気に対する反射率Rsは、560nmの波長において、0.01%≦Rs≦30%を満たし、平坦部118の可視光線透過率は、30%以上であることが望ましい。
【0071】
本実施形態において、基板112の第1主面112aからアライメントマーク114の頂部(すなわち平坦部118)までの高さHは、H≦0.5μmであることが望ましい。イオン交換処理により導波路が形成された基板の主面に他の光学部品を貼り合わせて光結合を行う場合、10μm~500μmの凹凸によりギャップが生じ、光結合損失が大きくなるおそれがある。基板112の表面からアライメントマーク114の頂部までの高さを0.5μm未満とすることにより、導波路が形成された基板と光学部品を密着させて組み立てることができるので、光学部品との光結合損失を低減することができる。
【0072】
図13は、本発明のさらに別の実施形態に係るアライメントマーク付き基板130の概略断面図である。本実施形態に係るアライメントマーク付き基板130も、上述のアライメントマーク付き基板110と同様に基板112上にアライメントマーク形成層100を設け、該アライメントマーク形成層100にアライメントマーク131を形成したものである。
【0073】
アライメントマーク131は、アライメントマーク形成層100の表面に形成された複数の直線状の凹部132を備える。複数の凹部132は、凹部132の長手方向(延在方向)に垂直な方向に配列されている。複数の凹部132は、例えばゾルゲルナノインプリント法のほか転写法などにより形成することができる。
【0074】
凹部132の形状は、図8に示したアライメントマーク付き基板80の凹部16と同様であってよい。凹部132は、平坦部133と、平坦部133の両端に形成された傾斜部134とを備える。本実施形態では、傾斜部134は、平面に形成されてもよい。変形例では、傾斜部134は曲面に形成されてもよい。
【0075】
以上のように構成されたアライメントマーク付き基板130において、凹部132の平坦部133は、基板112の主面の法線方向から照射された光を主面の法線方向に反射する。平坦部133で反射した光は、顕微鏡の対物レンズに入射し、顕微鏡により形成される像において明領域として観察される。
【0076】
一方、凹部132の傾斜部134は、基板112の主面の法線方向から照射された光を主面の法線方向に対して傾斜した方向に反射する。したがって、傾斜部134で反射した光の一部は、顕微鏡の対物レンズに入射しないので、顕微鏡により形成される像において暗領域として観察される。
【0077】
各凹部132により上述したような明領域と暗領域の像が形成されることにより、アライメントマーク131全体を顕微鏡で観察すると、明領域と暗領域が交互に繰り返された縞模様の像が観察される。このような像を利用して、他の基板とのアライメントを行うことができる。
【0078】
本実施形態においても、アライメントマーク131の表面にアライメントマーク形成層100の材料と略同じ屈折率の物質(例えば屈折率調整剤や接着剤など)を滴下することにより、凹部132の傾斜部134での反射(フレネル反射)が大幅に低減されるので、基板112を透過して第2主面112bを良好に観察することができる。このように本実施形態によっても、基板を透過して観察した場合の視認性に優れたアライメントマーク付き基板130を実現できる。
【0079】
次に、本発明の実施例を説明する。
【0080】
まず、アライメントマークの評価方法について説明する。アライメントマークの観察は、垂直落射照明装置を有する測定顕微鏡(OLYMPUS、STM7)と光源(OLYMPUS、LG-PS2)を用いて行った。対物レンズは、OLYMPUS製LMPlanFLN 20×/0.4BD(倍率=20)、OLYMPUS製LMPlanFLN 50×/0.5BD(倍率=50)及びOLYMPUS製LMPlanFI 100×/0.80BD(倍率=100)を用いた。
【0081】
図2図5図6に示すアライメントマーク付き基板を作製し、倍率が20の対物レンズを備える顕微鏡でアライメントマークを観察した。アライメントマークの形成には、所定のピッチ(20μm)、開口幅(3μm)を有するスリット状の開口部を有するクロムマスク付ガラス基板(イオン交換用ガラス、屈折率:1.53、消衰係数:<0.1)を用意し、フッ酸系エッチャントでエッチングを行った。エッチング時間を変えて、図2図5図6に示す形状を有するアライメントマークを形成した。
【0082】
図14(a)は、図2に示す形状を有するアライメントマークの像を示す。図14(b)は、図5に示す形状を有するアライメントマークの像を示す。図14(c)は、図6に示す形状を有するアライメントマークの像を示す。図14(a)~(c)から分かるように、それぞれ明領域および暗領域の幅は異なるものの、明瞭な縞模様の像が観察された。
【0083】
以下の表1は、顕微鏡の対物レンズの開口数(NA)と倍率を変えてアライメントマークを観察したときの暗領域の幅(Lb、図11参照)を示す。表1に示すいずれの例においても、アライメントマークの周りの媒質は空気(屈折率=1.0)である。
【表1】
【0084】
表1から、平坦部18および傾斜部20を有する凹部16から構成されるアライメントマーク14において、対物レンズの開口数NAを大きくすると、対物レンズの光軸に対して比較的大きな角度で反射される反射光も対物レンズに入射するようになるので、暗領域の幅(Lb)が小さくなることが分かる。すなわち、上記の(1)式において開口角θ/2の値が大きくなり、より大きな角度αの反射光も明領域として観察されるようになるため、暗領域の幅(Lb)が小さくなる。
【0085】
図14(c)は、図6に示すように、隣り合う凹部16の間の稜部21に基板12の第1主面12aと平行な平面が形成されたアライメントマークの像である。図14(c)に示すように、平坦部18と稜部21が明領域として観察され、上記の(1)式を満たす傾斜部20が暗領域として観察される。したがって、アライメントマーク14を形成するために用いたマスクのピッチの1/2のピッチを有する縞模様の像が観察される。
【0086】
(実施例1)
諸種のピッチ、幅を有するスリット状の開口部を有するクロムマスク付ガラス基板(イオン交換用ガラス、ns=1.53、ks<0.1、線膨張係数:0.55ppm/K)を用意し、フッ酸系エッチャントでエッチングを行い、図2に示す形状を有するアライメントマーク(ns=1.53、ks<0.1)形成した。ここでは、アライメントマークのパラメータ(図11参照)が異なる17個の実施例(実施例1-1~1-17)を作製した。実施例1-1~1-17の各パラメータを以下の表2に示す。
【表2】
【0087】
垂直落射照明装置を有する測定顕微鏡(OLYMPUS、STM7、対物レンズ:NA=0.4、倍率20倍)と光源(OLYMPUS、LG-PS2)を用いて、アライメントマークを観察した。その結果、図15に示すような、明領域と暗領域が明瞭に分かれたアライメントマークが観察された。次いで、同様の観察系において、屈折率標準液(n=1.51)をアライメントマーク上に滴下して凹部全体に行き渡るように満たした。その結果、凹部の傾斜部での反射が大幅に低減され、顕微鏡により観察される像において暗領域がなくなった。基板全体を光が透過するようになり、基板の裏面(第2主面)まで見通すことができることを確認した。
【0088】
屈折率と消衰係数は、分光エリプソメータ(HORIBA製、UVISEL2)を用いて測定した。測定光の入射角度は60度、波長は560nmとし、スポット径は、1mm×約2mm(楕円形)であった。
【0089】
(比較例1)
ここで、実施例1の比較例について説明する。フッ酸系エッチャントでエッチングする前のニッケルマスク付ガラス基板を光学顕微鏡で観察したところ、ニッケルマスクの領域は暗く、開口部の領域は明るく観察された。ニッケルマスク部分の透過率はゼロであった。この状態で、屈折率標準液(n=1.8)をアライメントマーク上に滴下しても、ニッケルマスクの領域の透過率はゼロで、アライメントマークの外観は暗いままであり、基板の裏面(第2主面)は観察できなかった。
【0090】
(実施例2)
実施例2では、転写法によるアライメントマークの形成について説明する。実施例2は、図13に示すアライメントマーク付き基板130に対応する。ここでは、オルガノポリシロキサン溶液を基板上に硬化させてアライメントマーク形成層とし、該アライメントマーク形成層にアライメントマークを形成した。
【0091】
まず、オルガノポリシロキサン溶液の調製について説明する。フェニルトリエトキシシラン0.1モルとジメチルジエトキシシラン0.15モルをビーカーに入れ攪拌した。この液にエタノール0.25モルを加え攪拌し、水1.75モル(31.5g)に蟻酸を0.1重量%になるように溶解した水溶液を、さらにこれに加え、2時間攪拌した。攪拌初期には液は2層に分離したが、2時間攪拌すると透明均質な溶液となった。この溶液をオーブン内にて80℃で12時間、加熱したところ、エタノール、蟻酸水溶液および重縮合反応で生じた水などが揮発した。その結果、当初約91.2gの重量および約100cmの体積を有していた溶液はその重量および体積は約30%に減少して重量が約27g、体積約30cmになっていた。こうして得られた液を「転写用液組成物A」とする。
【0092】
次に、転写法によるアライメントマークの形成について説明する。成形用の型として、図8に示すアライメントマークの形状に対応する型を用意した。また、厚み1.0mmで25mm角の板状のソーダライムガラスを基板(ガラス基板)として用意した(屈折率:ns=1.52、ks<0.1、線膨張率:10ppm/K)。このガラス基板を超音波アルカリ洗浄、純水洗浄して乾燥させた。
【0093】
上記の基板、成形型および転写用液組成物Aを用いて、アライメントマークが形成されない部分の膜厚が約40μmとなるように、「基材注ぎ法」を用いてアライメントマークを形成した。「基材注ぎ法」とは、硬化性の組成物を含む液を、基板表面に直接に注いで加熱し、その塗膜が可塑性を持った状態(これに限られるものではないが、液の粘度は10~10ポイズになった状態)で、成形用型を押圧して、さらにその状態で加熱し、転写完了後(液が硬化もしくは液の流動がない状態)に成形型を離型し、最終加熱により硬化せしめる(ポストキュアする)方法である。ここでは、転写用液組成物Aを上記ガラス基板に塗布後、160℃程度に加熱して可塑性を維持した状態であることを確認して、上記成形型によって押圧した。押圧の時の圧力は2kg/cmであり、加熱温度は160℃から20分で180℃まで昇温しそのまま40分間保持した。その後成形型を離型した後に、350℃、15分間の加熱を行い、オルガノポリシロキサン膜からなるアライメントマークが形成されたガラス基板を得た。
【0094】
以上のようにして作製したオルガノポリシロキサン膜は透明であり、膜厚は約40μmであった。膜中にはメチル基およびフェニル基がそれぞれ18重量%および31重量%含まれる。また膜中には、シロキサン全体のうちジメチルシロキサンが60モル%およびフェニルシロキサンが40モル%含有されていた。また、アライメントマーク形成層(オルガノポリシロキサン膜)の屈折率naは1.51であり、消衰係数kaは0.1未満であった。
【0095】
本実施例2のアライメントマークの凹部の形状は、図13に示す形状に略等しく、断面状の高低差(P-V値)は、10点の測定により平均で20.2μm、標準偏差が0.05μmであった。傾斜部の傾斜角β(図10参照)は54.7°であった。このように形成されたアライメントマークを光学顕微鏡で観察したところ、明領域と暗領域の明瞭な縞模様の像が確認できた。さらに、屈折率標準液(n=1.50)をアライメントマーク上に滴下して、傾斜部での界面反射を低減させることにより、基板全体を光が透過するようになり、基板の裏面(第2主面)まで見通すことができることを確認した。
【0096】
(実施例3)
実施例3でも、転写法によるアライメントマークの形成について説明する。実施例3は、図12に示すアライメントマーク付き基板110に対応する。ここでは、ゾルゲル法によって形成されたシリカ層をアライメントマーク形成層とし、該アライメントマーク形成層にアライメントマークを形成した。
【0097】
まず、シリコンテトラエトキシド0.05モルを秤量し、これにモル比で5倍のエタノールと6倍の水(1wt%のHClを含む)を加え、室温で30分間撹拌した。この溶液に体積で2倍のエタノールを加えて希釈し、さらに平均分子量600のポリエチレングリコール(PEG)を、最終生成物であるSiOに対する重量比で(PEG)/(SiO)=0.1加え均一に溶かしたものを「転写用液組成物B」とした。
【0098】
次に、成形用の型として、図12に示すアライメントマークの形状に対応する型を用意した。また、厚み1.0mmで25mm角の板状のイオン交換が可能なボロシリケートガラスを基板(ガラス基板)として用意した(屈折率ns=1.53、ks<0.1、線膨張率:10ppm/K)。このガラス基板を超音波アルカリ洗浄、純水洗浄して乾燥させた。スピンコート法により、転写用液組成物Bをガラス基板の一方の主面上に塗布し、厚さが0.3μmのアライメントマーク形成層を形成した。次いでこのガラス基板を、減圧が可能な閉鎖された空間内で押圧が可能なプレス装置のステージ上に置き、アライメントマーク成形用の型を、ガラス基板のアライメントマーク形成層上に設置した。
【0099】
次いで、プレス装置の基板は設置された空間を約1×10-5Torrまで減圧した後、プレス圧力50kgf/cmで押圧し、そのままの状態で100℃、10分の熱処理を行い、アライメントマーク形成層を硬化させた。その後、大気圧に戻し、離型を行った。離型後のアライメントマーク付基板を大気中でクリーンオーブンを用いて350℃で15分間の焼成を行った。このポストキュアにより、アライメントマーク形成層はエタノール及び水分等が蒸発して、厚みが約0.2μmのガラス性の非晶質膜となっていた。当該膜はシリカを主な成分として含むものと考えられる。
【0100】
上記操作により作製されたガラス基板上のアライメントマークの断面をSEMで観察したところ、図12に示す形状を含むアライメントマークが形成されていた。凸部のピッチP:1μm、シリカ層の厚み:0.25μm、凸部の最頂部までの高さ:0.18μm、暗領域の幅Lb:0.5μm、平坦部の長さLw:0.5μmであった。また、アライメントマーク形成層(シリカ層)の屈折率はna=1.46、消衰係数ka<0.1であった。また、アライメントマーク形成層の可視光線反射率(片面)は、約4%であった。
【0101】
可視光線反射率は、次のように求めた。アライメントマークが形成されたガラス基板のアライメントマークが形成されていない部位について、波長380~780nmの範囲における分光反射率を計測した。分光反射率は分光光度計(日立ハイテクノロジー社製 製品名:U-4000)を用いて、反射角が12°の配置によって測定した。次に得られた分光反射率に基づいて、JIS R3106(1998)に従って、可視光線反射率を算出した。
【0102】
このようにアライメントマークが形成されたガラス基板を光学顕微鏡で観察したところ、明領域と暗領域の縞模様の像が明確に確認できた。屈折率標準液(n=1.48)をアライメントマーク上に滴下して、傾斜部での界面反射を低減させることにより、基板全体を光が透過するようになり、基板の裏面(第2主面)まで見通すことができることを確認した。
【0103】
また、上記実施例3と同様の方法で、図13に示す形状のアライメントマークを有するガラス基板を得た。このようにアライメントマークが形成されたガラス基板を光学顕微鏡で観察したところ、明領域と暗領域の縞模様の像が明確に確認できた。屈折率標準液(n=1.48)をアライメントマーク上に滴下して、傾斜部での界面反射を低減させることにより、基板全体を光が透過するようになり、基板の裏面(第2主面)まで見通すことができることを確認した。
【0104】
(実施例4)
実施例4では、アライメントマーク形成層としてシリコンテトラエトキシドに代えてチタン(ジ-i-プロポキシド)ビス(アセチルアセトナート)(75% in isopropanol)を用いた点以外は実施例3と同様にして、図12で表される凸部形状を含むアライメントマークが形成されたガラス基板を作製した。
【0105】
実施例4のアライメントマーク形成層は、チタニアを主な成分として含むものと考えられる。凸部のピッチP:1μm、チタニア層の厚み:0.20μm、凸部の最頂部までの高さ:0.15μm、暗領域の幅Lb:0.5μm、平坦部の長さLw:0.5μmであった。また、アライメントマーク形成層(チタニア層)の屈折率はna=2.10、消衰係数ka<0.1であった。アライメントマーク形成層の可視光線反射率(片面)は約12%であった。
【0106】
このようにアライメントマークが形成されたガラス基板を光学顕微鏡で観察したところ、明領域と暗領域の縞模様の像が明確に確認できた。屈折率標準液(n=1.68)をアライメントマーク上に滴下して、傾斜部での界面反射を低減させることにより、基板全体を光が透過するようになり、基板の裏面(第2主面)まで見通すことができることを確認した。
【0107】
(実施例5)
本実施例5では、アライメントマーク付きガラス基板にイオン交換処理を行ってガラス基板内に他の部位より高い屈折率を与え、光導波路を形成した。ここでは、光導波路と、ガラス基板との屈折率差を0.0074(光導波路を構成する部位の屈折率が他の部位の屈折率より高い)に設定した。
【0108】
まず、一価のアルカリ金属成分としてNaを含む多成分ガラス基板に、所定の光導波路パターンを形成した。このパターニングは、スパッタリングによって成膜したTi膜を、アンモニア加水(アンモニア水と過酸化水素水の混合液)でリフトオフ法で加工する周知の方法で行った。
【0109】
次に、一段階目のイオン交換処理では、硝酸銀を含む溶融塩中に上記ガラス基板を浸漬させることによって、ガラス基板表面のNaイオンをAgイオンに交換した。これによってガラス基板表面に所定の光導波路パターンを形成した。
【0110】
二段階目のイオン交換処理では、一段階目のイオン交換処理を施したガラス基板を第2の溶融塩中に浸漬し、ガラス基板の厚さ方向に電界を印加した。これにより、一段階目のイオン交換によって形成された光導波路がガラス基板中に移動し、埋込型の光導波路が形成された。このような二段階イオン交換法によって導波路をアライメント付基板上に作製した後でも、アライメントマークは、導波路形成前と同じ形状を保っていた。可視光線反射率(片面)は、約12%であった。光学顕微鏡で観察したところ、明領域と暗領域の縞模様の像が明確に確認できた。屈折率標準液(n=1.51)をアライメントマーク上に滴下して、傾斜部での界面反射を低減させることにより、基板全体を光が透過するようになり、基板の裏面(第2主面)まで見通すことができることを確認した。また、導波路の波長に対する挿入損失を測定した。導波路の波長特性(波長1.48μmと1.58μmの挿入損失差)は0.34dBであった。
【0111】
(実施例6)
本実施例6では、硝酸銀に代えて硝酸タリウムを用い、ナトリウムイオン及びカリウムイオンを有するガラスを用いた点以外は実施例5と同様にして、埋込型の光導波路を形成した。
【0112】
硝酸タリウムを用いて2段階イオン交換法によって導波路をアライメントマーク付き基板上に作製した後でも、アライメントマークは、導波路形成前と同じ形状を保っていた。また、波長に対する挿入損失を測定した。導波路の波長特性(波長1.48μmと1.58μmの挿入損失差)は0.32dBであった。
また、イオン交換法によるガラス内部に光導波路を形成する方法は、例えば特開平06-3555号公報や特開昭63-206709号公報記載の技術などを用いることができる。
【0113】
(比較例2)
実施例5における導波路形成イオン交換工程のためのマスクのTi膜(アライメントマーク部)については、イオン交換後もパターン形状を保っていた。Ti膜のパターンを光学顕微鏡で観察したところ、明領域と暗領域の縞模様が明確に確認できたが、Tiマスク部分の透過率はゼロであった。この状態で、屈折率標準液(n=1.8)をアライメントマーク上に滴下しても、Ti膜の領域の透過率はゼロで、アライメントマークの外観は暗いままであり、基板の裏面(第2主面)は観察できなかった。
【0114】
アライメントマークをクロム膜で形成したアライメントマーク付き基板を用いて導波路を形成した場合については、実施例5と同様の条件の第1のイオン交換処理中に、クロムが溶解して、アライメントマークの構造は認められなかった。また、実施例6と同様の条件の第1のイオン交換処理中にもクロムが溶解して、アライメントマークの構造は認められなかった。
【0115】
(実施例7)
本実施例7では、アライメントマーク付きガラス基板とシリコン基板のアライメントについて説明する。内部に光導波路が形成されたガラス光導波路基板と、主面上に光導波路が形成されたシリコン(Si)光導波路基板とを積層し、光導波路同士を結合した光導波路デバイスを作製した。なお本明細書では、アライメントマークを用いた場合のアライメントの方法を説明するものであり、その対象は実施例7に係るガラス光導波路基板とシリコン光導波路基板とのアライメントと組立、さらには後述の実施例8に係るマイクロレンズアレイ基板と面発光レーザアレイ基板とのアライメントと組立に限定されるものではない。
【0116】
シリコン光導波路基板は、その基板上に例えば光電変換素子などの能動素子や受動素子を形成しやすいので、それらの光を導いたりするうえで、シリコン基板に直接形成された導波路との組合せがしやすいという利点がある。しかしながら、シリコン製の光導波は、その屈折率が高いために、モードフィールド径が小さくなる傾向にある。
【0117】
他方、ある程度の距離の伝送を担うライトガイドとしては光ファイバやガラス光導波路が適しているが、多くは石英や多成分ガラスなどから形成されており、モードフィールド径が比較的大きい。したがって、シリコン製の光導波路からガラス製の光導波路への光学的な結合を好適に行うことのできる光導波路デバイスを提供することが望ましい。
【0118】
図16(a)~(d)は、ガラス光導波路基板160を示す図である。図16(a)は、ガラス光導波路基板160の概略左側面図である。図16(b)は、ガラス光導波路基板160の概略平面図である。図16(c)は、ガラス光導波路基板160の概略右側面図である。図16(d)は、ガラス光導波路基板160の概略正面図である。このガラス光導波路基板160は、屈折率ns=1.54、消衰係数ks<0.1である。
【0119】
ガラス光導波路基板160は、ガラス基板161と、ガラス基板161の内部に形成された4つの光導波路162と、ガラス基板161の第2主面161bに形成された4つのアライメントマーク163a~163dとを備える。以下、4つのアライメントマーク163a~163dを総称する場合は、「アライメントマーク163」とする。
【0120】
ガラス基板161は、外形が2mm×5mmであり、厚みが0.2mmである。光導波路162は、ガラス基板161の第1主面161aに近接して、かつ第1主面161aに平行に設けられている。光導波路162のモードフィールド径は、5~15μmであり、モードフィールドの中心から最も近接したガラス基板161の第1主面161aまでの距離は5μmである。光導波路162は、上述の二段階イオン交換法によりガラス基板161内に作製した。
【0121】
本実施例7では、アライメントマーク163の凹部の形状を図5に示す形状とした。アライメントマーク163は、第1のスケールを有する。すなわち、アライメントマーク163の外形寸法は0.05mm×0.25mmであり、凹部の配列ピッチP1=1μm、像における暗領域の幅Lb1=0.2μmである。
【0122】
4個のアライメントマーク163は、図16(b)に示すように、四角形の4個の角に配置されている。アライメントマーク163は、光導波路162と厳密に位置合わせがなされている。2個のアライメントマーク163aおよび163dは、四角形の対向する角(左上と右下)に配置されている。アライメントマーク163aおよび163dは、光導波路162の長手方向に垂直な方向に、凹部の長手方向が一致するように設けられている。残りの2個のアライメントマーク163bおよび163cは、四角形の別の対向する角(右上と左下)に配置されている。アライメントマーク163bおよび163cは、光導波路162の長手方向に平行な方向に、凹部の長手方向が一致するように設けられている。
【0123】
図17(a)~(d)は、シリコン光導波路基板170を示す図である。図17(a)は、シリコン光導波路基板170の概略左側面図である。図17(b)は、シリコン光導波路基板170の概略平面図である。図17(c)は、シリコン光導波路基板170の概略右側面図である。図17(d)は、シリコン光導波路基板170の概略正面図である。
【0124】
シリコン光導波路基板170は、シリコン(Si)基板171と、シリコン基板171の一方の主面上に設けられた酸化シリコン(SiO)層174と、酸化シリコン層174上に形成された光導波路172と、シリコン基板171上に形成された4つのアライメントマーク173a~173dとを備える。以下、4つのアライメントマーク173a~173dを総称する場合は、「アライメントマーク173」とする。
【0125】
シリコン基板171は、外形が2mm×10mmであり、厚みが0.1mm/0.3mmである。光導波路172は、シリコン(Si)から成る。光導波路172の断面は略四角形であり、光の伝搬する方向と光導波路172の長手方向とが同じである。光導波路172は、幅が0.5μmであり高さが0.3μmである。シリコン光導波路基板170は、ここで説明した細線導波路のほか、リブ型導波路やMOS型導波路を備える光導波路基板であってもよい。
【0126】
図17(d)に示すように、シリコン基板171の一部には、酸化シリコン層174が設けられた部分よりも低い段差部175が設けられている。そして、この段差部175に4個のアライメントマーク173が設けられている。
【0127】
アライメントマーク173の凹部の形状も、アライメントマーク163と同様に、図5に示す形状とした。アライメントマーク173は、アライメントマーク163の第1のスケールとは異なる第2のスケールを有する。すなわち、アライメントマーク173の外形寸法は0.05mm×0.25mmであり、凹部の配列ピッチP2=0.9μm、像における暗領域の幅Lb2=0.2μmである。
【0128】
4個のアライメントマーク173の位置および溝部の方向は、積層を予定しているガラス光導波路基板160に設けられたアライメントマーク163と対応するように決められている。4個のアライメントマーク173は、図17(b)に示すように、四角形の4個の角に配置されている。アライメントマーク173は光導波路172と厳密に位置合わせがなされている。2個のアライメントマーク173aおよび173dは、四角形の対向する角(左上と右下)に配置されている。アライメントマーク173aおよび173dは、光導波路172の長手方向に垂直な方向に、凹部の長手方向が一致するように設けられている。残りの2個のアライメントマーク173bおよび173cは、四角形の別の対向する角(右上と左下)に配置されている。アライメントマーク173bおよび173cは、光導波路172の長手方向に平行な方向に、凹部の長手方向が一致するように設けられている。
【0129】
上述したように、本実施例7に係るガラス光導波路基板160およびシリコン光導波路基板170はそれぞれ、基板に形成された導波路の長手方向に対して垂直な方向に凹部の長手方向が一致するアライメントマークと、基板に形成された導波路の長手方向に対して平行な方向に凹部の長手方向が一致するアライメントマークとを備えている。これにより、2次元平面内でのアライメント精度の向上を図ることができる。
【0130】
図18(a)および(b)は、アライメントマークを垂直落射照明装置を有する顕微鏡で観察した場合に形成される概略的な像を示す。図18(a)は、ガラス光導波路基板160のアライメントマーク163の概略的な像を示す。図18(b)は、シリコン光導波路基板170のアライメントマーク173の概略的な像を示す。ガラス光導波路基板160とシリコン光導波路基板170を積層して光導波路デバイスを作製する際には、図18(a)に示すアライメントマーク163の像と図18(b)に示すアライメントマーク173の像とが横に並ぶように両者の位置を調整する。なお、逆の組み合わせのパターンで、ガラス光導波路基板160のアライメントマーク163が図18(b)、シリコン光導波路基板170のアライメントマーク173が図18(a)に示したものだとしても差支えない。
【0131】
本実施例7では、上述したように、ガラス光導波路基板160のアライメントマーク163における凹部の配列ピッチP1は1μmであり、シリコン光導波路基板170のアライメントマーク173における凹部の配列ピッチP2は0.9μmである。すなわち、ガラス光導波路基板160のアライメントマーク163のピッチP1と、シリコン光導波路基板170のアライメントマーク173のピッチP2は異なっている(P1≠P2)。このようにピッチP1とP2に0.1μmの差を持たせることにより、ノギス(キャリパー)における目盛読取作法と同じように、0.1μmの精度で位置決め又は固定すべき位置の同定が可能である。別の実施例では、P1=1μm且つP2=0.95μmとしてもよい。この場合、0.05μmの精度で位置決め又は固定すべき位置の同定が可能である。
【0132】
ガラス光導波路基板160のアライメントマーク163の像における暗領域の幅Lb1と、シリコン光導波路基板170のアライメントマーク173の像における暗領域の幅Lb2は、アライメントマーク観察時及び目盛合わせの作業の簡便性から、略等しいほうが好ましい。
【0133】
上記のように、本実施例7では、P1≠P2としたが、例えばアライメント精度がそれほど必要とされない場合には、P1=P2を満たすアライメントマークをガラス光導波路基板160とシリコン光導波路基板170に形成してもよい。この場合、アライメントマークを形成するための型を同一にできるため、コスト的に有利である。
【0134】
ガラス光導波路基板160とシリコン光導波路基板170とを積層して光導波路デバイスを作製する際には、光導波路同士の相対的な位置関係を厳密に調整する必要がある。光導波路同士がずれていると、光学損失が増大し、品質が低下するからである。各光導波路基板において、光導波路と、アライメントマークとの位置関係が厳密に規定されているとすると、導波路の直接的な視覚情報や光学損失をモニタリングしながら調整するよりも、視覚で認識しながらアライメントマーク同士を調整するほうが効率的である。光導波路とアライメントマークとの位置関係は、サブミクロンかそれ未満の精度に達する半導体技術における(フォト)リソグラフィ技術などを駆使することにより、満足する精度が得られる。
【0135】
図19(a)および(b)は、ガラス光導波路基板160とシリコン光導波路基板170とを積層した状態を示す。図19(a)は概略平面図であり、図19(b)は概略正面図である。図19(a)および(b)に示すように、ガラス光導波路基板160とシリコン光導波路基板170は、シリコン光導波路基板170の段差部175上にガラス光導波路基板160が位置するように積層される。このとき、ガラス光導波路基板160の光導波路162の端面とシリコン光導波路基板170の光導波路172の端面とを正確に対向させ、光導波路162と光導波路172を光学的に結合する必要がある。
【0136】
ガラス光導波路基板160とシリコン光導波路基板170との位置合わせは、それぞれの基板に設けられたアライメントマークを顕微鏡で拡大しながら観察し、対応するアライメントマーク同士が横に並ぶようにそれらの相対位置や傾きを調整する。予め各光導波路基板における光導波路とアライメントマークとは高精度でその相対的な位置関係を有しているので、相互のアライメントマーク同士を位置決めすることにより、相互の光導波路の位置関係の調整をすることができる。
【0137】
図20(a)および(b)は、ガラス光導波路基板160とシリコン光導波路基板170とを接着した状態を示す。位置調整が完了したガラス光導波路基板160とシリコン光導波路基板170との間に、接着剤190(n=1.53、k<0.1)を流し込み、アライメントマーク163、173を含む部分で硬化させた。接着剤としては、光硬化型や熱硬化型などを例示できるが、これらに限定されない。
【0138】
所定の屈折率を有する接着剤190が、アライメントマーク163、173の凹部に接着剤190が充填されることにより、凹部の傾斜部での反射が実質的に無くなる又は大幅に低減されるので、ガラス光導波路基板160の第1主面161a側から顕微鏡で観察した場合、明確な縞模様が見えなくなり、あたかもガラス光導波路基板160、シリコン光導波路基板170にアライメントマークなどなかったように、素通しでシリコン光導波路基板170を観察できる(図20(a)では、顕微鏡で観察した状態を示すために、アライメントマーク163、173の図示を省略している)。
【0139】
(実施例8)
本実施例8では、アライメントマーク付きマイクロレンズアレイ基板と面発光レーザアレイ基板とのアライメントについて説明する。
【0140】
図21(a)~(c)は、マイクロレンズアレイ基板210を示す図である。図21(a)は、マイクロレンズアレイ基板210の概略平面図である。図21(b)は、マイクロレンズアレイ基板210の概略正面図である。
【0141】
マイクロレンズアレイ基板210はガラスから成る。マイクロレンズアレイ基板210の外形は0.5mm×2.2mmであり、厚みは0.2mmである。図示のように、マイクロレンズアレイ基板210の一方の主面(第1主面210a)には、軸対称の8個のマイクロレンズ212が一列に形成されている。マイクロレンズ212の焦点距離は0.2mmであり、有効径は200μmである。また、8個のマイクロレンズ212の配列ピッチは250μmである。マイクロレンズ212は、イオン交換等によりガラス内部に周辺より高い屈折率を有する領域を作り出すことで形成されてもよいし、ガラス基板上に前述の「基材注ぎ法」で形成されてもよいし、あるいはレンズ形成層を形成したうえで転写法により形成されてもよい。
【0142】
マイクロレンズアレイ基板210には、所定の位置に4個のアライメントマーク214a~214dが直接に形成されている。以下、4つのアライメントマーク214a~214dを総称する場合は、「アライメントマーク214」とする。アライメントマーク214は、8個のマイクロレンズ212と厳密に位置合わせがなされている。
【0143】
本実施例8では、アライメントマーク214の凹部の形状を図5に示す形状とした。アライメントマーク214は、第1のスケールを有する。すなわち、アライメントマーク214の外形寸法は0.5mm×0.25mmであり、凹部の配列ピッチP1=1μm、像における暗領域の幅Lb1=0.2μmである。
【0144】
図22(a)および(b)は、アライメントマーク付き面発光レーザアレイ基板220を示す図である。図22(a)は、面発光レーザアレイ基板220の概略平面図である。図22(b)は、面発光レーザアレイ基板220の概略正面図である。
【0145】
面発光レーザアレイ基板220はシリコンなどの半導体材料から成る。面発光レーザアレイ基板220の外形は0.7mm×2.5mmであり、厚みは0.2mmである。図示のように、面発光レーザアレイ基板220の一方の主面(第1主面220a)には、第1主面220aの法線と略平行な方向に光軸を有する8個の面発光レーザ222が一列に配置されている。8個の面発光レーザ222は、積層が予定されている上述のマイクロレンズアレイ基板210における8個のマイクロレンズ212と対応する位置に配置される。面発光レーザ222はアレイ状に構成しやすく、他の光学部品と積層が比較的容易である。例えば上述のようなマイクロレンズアレイと一体化することにより、効率よく光ファイバなどの他の伝送部品との光学的結合を行うことができる。なお簡単のために面発光レーザアレイ基板220上の電気回路や配線等の記載を省略している。
【0146】
面発光レーザアレイ基板220には、所定の位置に4個のアライメントマーク224a~224dが直接に形成されている。以下、4つのアライメントマーク224a~224dを総称する場合は、「アライメントマーク224」とする。アライメントマーク224は、8個の面発光レーザ222と厳密に位置合わせがなされている。
【0147】
アライメントマーク224の凹部の形状も、アライメントマーク214と同様に、図5に示す形状とした。アライメントマーク224は、アライメントマーク214の第1のスケールとは異なる第2のスケールを有する。すなわち、アライメントマーク224の外形寸法は0.05mm×0.25mmであり、凹部の配列ピッチP2=0.9μm、像における暗領域の幅Lb2=0.2μmである。
【0148】
図23(a)~(c)は、マイクロレンズアレイ基板210と面発光レーザアレイ基板220とを積層した状態を示す。図23(a)は概略平面図であり、図23(b)は概略正面図であり、図23(c)は概略右側面図である。
【0149】
マイクロレンズアレイ基板210と面発光レーザアレイ基板220は、マイクロレンズアレイ基板210に配置された各マイクロレンズ212の光軸と、面発光レーザアレイ基板220に配置された各面発光レーザ222の光軸とが一致するように位置合わせされる。この位置合わせの際に、アライメントマーク214、224が利用される。すなわち、上記の実施例7と同様に、図23(a)に示すように、対応するアライメントマーク214および224が横に並ぶように、マイクロレンズアレイ基板210と面発光レーザアレイ基板220の相対位置や傾きが調整される。
【0150】
図24(a)および(b)は、マイクロレンズアレイ基板210と面発光レーザアレイ基板220とを接着した状態を示す。位置調整が完了したマイクロレンズアレイ基板210と面発光レーザアレイ基板220との間に、接着剤230(n=1.53、k<0.1)を流し込み、アライメントマーク163、173を含む部分で硬化させ、光モジュールを作製した。なお、本実施例8では、マイクロレンズアレイ基板210の下面に長尺凹部215が形成されている。この長尺凹部215は、8個のマイクロレンズ212の下方の領域にわたって延在している。マイクロレンズアレイ基板210にこのような長尺凹部215を設けることにより、マイクロレンズアレイ基板210と面発光レーザアレイ基板220を積層した際に、スペース216が形成されるので、面発光レーザ222とマイクロレンズ212との間に接着剤230が侵入するのを防止できる。
【0151】
図25(a)~(f)は、本発明の実施形態に係るアライメントマーク付きマイクロレンズ基板の6面図である。図25(a)は、アライメントマーク付きマイクロレンズ基板の背面図である。図25(b)は、アライメントマーク付きマイクロレンズ基板の平面図である。図25(c)は、アライメントマーク付きマイクロレンズ基板の正面図である。図25(d)は、アライメントマーク付きマイクロレンズ基板の底面図である。図25(e)は、アライメントマーク付きマイクロレンズ基板の左側面図である。図25(f)は、アライメントマーク付きマイクロレンズ基板の右側面図である。
【0152】
図26は、マイクロレンズ基板のアライメントマーク部分(A-B部分)の拡大平面図である。図27は、図26に示すアライメントマーク部分のC-C断面図である。図28は、マイクロレンズ基板のアライメントマーク部分(A-B部分)の拡大斜視図である。
【0153】
図29は、マイクロレンズ基板のアライメントマーク部分(A-B部分)の第1変形例の拡大平面図である。図30は、図29に示すアライメントマーク部分のC-C断面図である。図31は、マイクロレンズ基板のアライメントマーク部分(A-B部分)の第1変形例の拡大斜視図である。
【0154】
図32は、マイクロレンズ基板のアライメントマーク部分(A-B部分)の第2変形例の拡大平面図である。図33は、図32に示すアライメントマーク部分のC-C断面図である。図34は、マイクロレンズ基板のアライメントマーク部分(A-B部分)の第2変形例の拡大斜視図である。
【0155】
図35は、マイクロレンズ基板のアライメントマーク部分(A-B部分)の第3変形例の拡大平面図である。図36は、図35に示すアライメントマーク部分のC-C断面図である。図37は、マイクロレンズ基板のアライメントマーク部分(A-B部分)の第3変形例の拡大斜視図である。
【0156】
図38は、マイクロレンズ基板のアライメントマーク部分(A-B部分)の第4変形例の拡大平面図である。図39は、図38に示すアライメントマーク部分のC-C断面図である。図40は、マイクロレンズ基板のアライメントマーク部分(A-B部分)の第4変形例の拡大斜視図である。
【0157】
図41(a)~(f)は、本発明の実施形態に係るアライメントマーク付き光導波路基板の6面図である。図41(a)は、アライメントマーク付き光導波路基板の背面図である。図41(b)は、アライメントマーク付き光導波路基板の平面図である。図41(c)は、アライメントマーク付き光導波路基板の正面図である。図41(d)は、アライメントマーク付き光導波路基板の底面図である。図41(e)は、アライメントマーク付き光導波路基板の左側面図である。図41(f)は、アライメントマーク付き光導波路基板の右側面図である。この光導波路基板において、アライメントマーク部分(A-B部分)の形状は、図26図40に示すアライメントマーク部分と同様であってよい。
【0158】
以上、本発明を実施の形態をもとに説明した。この実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【産業上の利用可能性】
【0159】
本発明は、光学素子の位置合わせに利用できる。
【符号の説明】
【0160】
10,50,60,70,80,90,110,130 アライメントマーク付き基板、 12,112 基板、 14,114,131 アライメントマーク、 16,132 凹部、 18,118,133 平坦部、 20,120,134 傾斜部、 21 稜部、 30 像、 32 明領域、 34 暗領域、 100 アライメントマーク形成層、 116 凸部、 160 ガラス光導波路基板、 161 ガラス基板、 162,172 光導波路、 163,173,214,224 アライメントマーク、 170 シリコン光導波路基板、 171 シリコン基板、 174 酸化シリコン層、 175 段差部、 190,230 接着剤、 210 マイクロレンズアレイ基板、 212 マイクロレンズ、 215 長尺凹部、 216 スペース、 220 面発光レーザアレイ基板、 222 面発光レーザ。
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