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特許7345523容積型エアロゾル送達機構を含むエアロゾル送達デバイス
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-07
(45)【発行日】2023-09-15
(54)【発明の名称】容積型エアロゾル送達機構を含むエアロゾル送達デバイス
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/48 20200101AFI20230908BHJP
   A24F 40/46 20200101ALI20230908BHJP
   A24F 40/485 20200101ALI20230908BHJP
   A24F 40/42 20200101ALI20230908BHJP
   A24F 40/40 20200101ALI20230908BHJP
【FI】
A24F40/48
A24F40/46
A24F40/485
A24F40/42
A24F40/40
【請求項の数】 21
(21)【出願番号】P 2021123079
(22)【出願日】2021-07-28
(62)【分割の表示】P 2019114371の分割
【原出願日】2014-10-29
(65)【公開番号】P2022000014
(43)【公開日】2022-01-04
【審査請求日】2021-08-13
(31)【優先権主張番号】61/897,917
(32)【優先日】2013-10-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】14/309,282
(32)【優先日】2014-06-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516097871
【氏名又は名称】アール・エイ・アイ・ストラテジック・ホールディングス・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】デイビッド・アラン・ブラマー
(72)【発明者】
【氏名】デイビッド・ジャクソン
(72)【発明者】
【氏名】ナイジェル・ジョン・フリン
(72)【発明者】
【氏名】エリック・ティー・ハント
(72)【発明者】
【氏名】スティーブン・ベンソン・シアーズ
(72)【発明者】
【氏名】デニス・リー・ポッター
【審査官】吉澤 伸幸
(56)【参考文献】
【文献】特表2013-524835(JP,A)
【文献】国際公開第2009/069519(WO,A1)
【文献】米国特許第06196218(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/00 - 47/00
A61M 11/00 - 19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル送達デバイスであって、
制御体と、
エアロゾル前駆体組成物で少なくとも部分的に充填された貯蔵部を備え、前記制御体から気流を受容するように構成された、カートリッジと、
前記貯蔵部から前記エアロゾル前駆体組成物を分注するように構成された容積型装置であって、前記容積型装置が、アクチュエータ、ピストン、及びポンプ筐体を備え、前記アクチュエータが、前記ピストンを前記ポンプ筐体内で移動させて、前記貯蔵部から前記エアロゾル前駆体組成物を分注するように構成されている、容積型装置と、
前記貯蔵部から前記エアロゾル前駆体組成物を受容して、前記気流に添加するためのエアロゾルを形成するように構成された噴霧器と、
前記ポンプ筐体と前記貯蔵部との間に配置された一方向バルブ組立体と、を備え、
前記噴霧器は、加熱器ディスク及びキャップのうちの少なくとも1つを備え、前記噴霧器は、前記加熱器ディスクまたはキャップに埋め込まれるか、またはその上に印刷されており、
前記一方向バルブ組立体は、前記エアロゾル前駆体組成物が前記貯蔵部から前記噴霧器へ流入することを可能にするように構成されている、エアロゾル送達デバイス。
【請求項2】
前記噴霧器は加熱要素を備え、前記噴霧器が、チャンバを画定し、前記加熱要素は、前記チャンバ内に位置付けられる、請求項1に記載のエアロゾル送達デバイス。
【請求項3】
前記貯蔵部が、前記ポンプ筐体を備える、請求項1に記載のエアロゾル送達デバイス。
【請求項4】
前記ピストンは、流体を前記ポンプ筐体から前記貯蔵部内に移動させるように構成されている、請求項1に記載のエアロゾル送達デバイス。
【請求項5】
前記貯蔵部が、エアロゾル前駆体袋を備える、請求項4に記載のエアロゾル送達デバイス。
【請求項6】
前記アクチュエータが、前記ピストンを第1の方向に動かして、前記エアロゾル前駆体組成物を前記貯蔵部から前記ポンプ筐体内に引き込むように構成され、前記ピストンを反対の第2の方向に動かして、前記エアロゾル前駆体組成物を前記ポンプ筐体から前記噴霧器に方向付けるように構成される、請求項1に記載のエアロゾル送達デバイス。
【請求項7】
前記噴霧器が、前記エアロゾル前駆体組成物を前記加熱要素に送達するように構成される流体送達管を更に備える、請求項2に記載のエアロゾル送達デバイス。
【請求項8】
前記流体送達管の端部内に画定された溝が、前記エアロゾル前駆体組成物を受容するように構成され、
前記加熱要素が、前記溝に実質的に一致する大きさ、形状、及びパターンのうちの少なくとも1つを画定する、請求項7に記載のエアロゾル送達デバイス。
【請求項9】
前記加熱要素が、管状構成を画定する、請求項2に記載のエアロゾル送達デバイス。
【請求項10】
前記噴霧器が、前記加熱要素に隣接し、かつ前記加熱要素と同一線上にある流体送達管を更に備える、請求項9に記載のエアロゾル送達デバイス。
【請求項11】
前記カートリッジが、基部を更に備え、前記制御体が、連結器を更に備え、
前記基部及び前記連結器が、前記エアロゾル前駆体組成物を、前記貯蔵部からそれらを通して前記噴霧器に方向付けるように構成されている、請求項1または2に記載のエアロゾル送達デバイス。
【請求項12】
前記制御体が、電力源を更に備え、前記基部及び前記連結器が、それらの間の電気接続を形成するように構成される、請求項11に記載のエアロゾル送達デバイス。
【請求項13】
前記カートリッジが、前記制御体から前記連結器及び前記基部を通して前記気流を受容するように構成される、請求項11及び12のいずれか一項に記載のエアロゾル送達デバイス。
【請求項14】
エアロゾル送達デバイスにおけるエアロゾル化のための方法であって、
制御体からエアロゾル前駆体組成物で少なくとも部分的に充填された貯蔵部を備えるカートリッジを通る気流を方向付けることと、
前記エアロゾル前駆体組成物を、容積型装置で前記貯蔵部から噴霧器に分注することであって、前記噴霧器が、加熱器ディスク及びキャップのうちの少なくとも1つを含み、前記噴霧器は、前記加熱器ディスクまたはキャップに埋め込まれるか、またはその上に印刷される、分注することと、
前記容積型装置のポンプ筐体と前記貯蔵部との間に配置された一方向バルブ組立体であって、前記エアロゾル前駆体組成物が前記貯蔵部から前記噴霧器へ流入することを可能にするように構成されている前記一方向バルブ組立体で前記噴霧器から前記貯蔵部への前記エアロゾル前駆体組成物の流入を防止すること
前記貯蔵部から前記エアロゾル前駆体組成物を受容するように構成された前記噴霧器によって気流に追加するためのエアロゾルを形成することと、を含み、
前記エアロゾル前駆体組成物を分注することは、アクチュエータで前記ポンプ筐体内のピストンを移動させることを含む、方法。
【請求項15】
前記エアロゾルを形成することが、前記エアロゾル前駆体組成物をチャンバ内で加熱することを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記ピストンを前記ポンプ筐体内で移動させることは、前記ピストンを前記貯蔵部内で移動させることを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記ピストンを前記ポンプ筐体内で移動させることは、流体を前記ポンプ筐体から前記貯蔵部内に移動させることを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項18】
前記流体を前記ポンプ筐体から前記貯蔵部内に移動させることは、前記エアロゾル前駆体組成物を前記貯蔵部内のエアロゾル前駆体袋から移動させることを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記ピストンを前記ポンプ筐体内で移動させることは、前記ピストンを第1の方向に動かして、前記エアロゾル前駆体組成物を前記貯蔵部から前記ポンプ筐体内に引き込むことと、前記ピストンを反対の第2の方向に動かして、前記エアロゾル前駆体組成物を前記ポンプ筐体から前記噴霧器に方向付けることと、を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項20】
前記エアロゾル前駆体組成物を前記貯蔵部から前記噴霧器に分注することが、前記エアロゾル前駆体組成物を、流体送達管を通して前記噴霧器の加熱要素に送達することを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項21】
前記エアロゾル前駆体組成物を、前記流体送達管を通して前記加熱要素に送達することが、前記エアロゾル前駆体組成物を、前記流体送達管の端部内に画定された溝に送達することを含み、
前記エアロゾルを形成することが、前記溝内の前記エアロゾル前駆体組成物を加熱することを含む、請求項20に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、喫煙物品などのエアロゾル送達デバイスに関し、より具体的には、エアロゾルの産出のために電気的に生成された熱を利用するエアロゾル送達デバイス(例えば、一般に電子タバコと称される喫煙物品)に関する。エアロゾル前駆体組成物を噴霧器に送達するための機構を含むエアロゾル送達デバイスが提供される。喫煙物品は、気化して人間が消費するための吸入可能な物質を形成することができる、タバコから作製され得るかまたはタバコに由来し得るか、あるいはさもなければタバコを組み込み得る材料を組み込むエアロゾル前駆体を加熱するように構成され得る。
【背景技術】
【0002】
多くの喫煙デバイスが、使用のためにタバコを燃やすことを必要とする喫煙製品の改良品または代替品として、長年の間提案されている。これらのデバイスの多くは、紙巻きタバコ、葉巻、またはパイプ喫煙と関連付けられる知覚を提供するが、タバコの燃焼から生じる不完全燃焼及び熱分解による相当量の生成物を送達しないように意図的に設計されている。そのために、数多くの喫煙製品、風味生成器、及び薬用吸入器の提案がなされているが、これらは、電気エネルギーを利用して揮発性材料を気化または加熱するか、またはタバコをかなりの程度燃焼させることなく、紙巻きタバコ、葉巻、もしくはパイプ喫煙の知覚を、提供することを試みるものである。例えば、参照により本明細書に組み込まれる、Robinsonらの米国特許第7,726,320号、ならびにGriffith,Jr.らの米国特許公開第2013/0255702号及びSearsらの同第2014/0096781号に記載されている背景技術に示されている、様々な代替的な喫煙物品、エアロゾル送達デバイス、及び発熱源を参照されたい。また、例えば、参照により本明細書に組み込まれる2014年2月3日出願のBlessらの米国特許出願第14/170,838号において商標名及び販売元によって参照されている、様々な種類の喫煙物品、エアロゾル送達デバイス、及び電動発熱源も参照されたい。
【0003】
しかしながら、向上した機能を有するエアロゾル送達デバイスを提供することが望ましくあり得る。この点で、エアロゾル前駆体組成物の噴霧器への送達を改善することが望ましくあり得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】米国特許第7,726,320号明細書
【文献】米国特許出願公開第2013/0255702号明細書
【文献】米国特許出願公開第2014/0096781号明細書
【文献】米国特許出願第14/170,838号
【発明の概要】
【0005】
本開示は、エアロゾル送達システムに関する。かかるシステムは、電力源によって生成される熱の結果としてエアロゾルを生成し、かつ使用者の口内に吸い込まれるよう意図されるエアロゾルを送達する能力を有する。電子タバコとして一般に知られているか、または電子タバコであることを特徴とするデバイスによって喫煙者に提供されるものなどのエアロゾル形態のタバコ成分を提供するエアロゾル送達システムが特に注目される。本明細書で使用する場合、「エアロゾル」という用語は、可視であるか否か、かつ「煙様」であると見なされ得る形態のものであるか否かにかかわらず、ヒトの吸引に好適な形態または種類の蒸気、ガス、及びエアロゾルを含むよう意図されている。
【0006】
エアロゾル前駆体組成物を噴霧器に送達するための機構の様々な実施形態が提供される。これらの機構は、ポンプ、エアロゾル前駆体組成物の受動的な吸入によって誘発される送達、加圧型エアロゾル前駆体貯蔵部、バブルジェットヘッド、及び以下に記載される他の機構を含み得る。
【0007】
一態様では、エアロゾル送達デバイスが提供される。エアロゾル送達デバイスは、制御体と、エアロゾル前駆体組成物で少なくとも部分的に充填された貯蔵部を含むカートリッジであって、制御体から気流を受容するように構成される、カートリッジと、貯蔵部からエアロゾル前駆体組成物を分注するように構成される容積型装置と、貯蔵部から受容したエアロゾル前駆体組成物を加熱して、気流に蒸気を添加し、エアロゾルを形成するように構成される加熱要素を含む噴霧器とを含んでもよい。
【0008】
いくつかの実施形態では、容積型装置は、アクチュエータ、ピストン、及びポンプ筐体を含み得る。アクチュエータは、ピストンをポンプ筐体内で移動させて、貯蔵部からエアロゾル前駆体組成物を分注するように構成され得る。いくつかの実施形態では、貯蔵部は、ポンプ筐体を画定し得る。他の実施形態では、ポンプ筐体は、貯蔵部に加えて別個の構成要素として提供されてもよい。ピストンは、流体をポンプ筐体から貯蔵部内に移動させるように構成され得る。貯蔵部は、エアロゾル前駆体袋を含み得る。
【0009】
いくつかの実施形態では、アクチュエータは、ピストンを第1の方向に動かして、エアロゾル前駆体組成物を貯蔵部からポンプ筐体内に引き込むように構成され得る。更に、アクチュエータは、ピストンを反対の第2の方向に動かして、エアロゾル前駆体組成物をポンプ筐体から噴霧器に方向付けるように構成され得る。エアロゾル送達デバイスは、ポンプ筐体と貯蔵部との間に位置付けられるように構成される弁組立体を追加で含んでもよい。
【0010】
いくつかの実施形態では、噴霧器は、エアロゾル前駆体組成物を加熱要素に送達するように構成される流体送達管を追加で含んでもよい。溝が、この流体送達管の端部内に画定され得る。この溝は、エアロゾル前駆体組成物を受容するように構成され得る。加熱要素は、溝に実質的に一致する大きさ、形状、及びパターンのうちの少なくとも1つを画定し得る。
【0011】
いくつかの実施形態では、噴霧器は、加熱器ディスク及びキャップのうちの少なくとも1つを更に備えてもよい。加熱要素は、加熱器ディスクまたはキャップに連結されるか、その中に埋め込まれるか、またはその上に印刷され得る。加熱要素は、管状構成を画定し得る。噴霧器は、管状加熱要素に隣接し、かつそれと同一線上にある流体送達管を更に備えてもよい。噴霧器は、チャンバを画定してもよく、加熱要素は、このチャンバ内に位置付けられ得る。エアロゾル送達デバイスは、エアロゾル前駆体組成物が貯蔵部から出て噴霧器に入ることを交互に可能にするように反対方向に開く少なくとも2つの一方向弁を含み得る。
【0012】
更なる態様では、エアロゾル送達デバイスが提供される。エアロゾル送達デバイスは、基部、及びエアロゾル前駆体組成物で少なくとも部分的に充填された貯蔵部を含むカートリッジと、連結器を含む制御体とを含み得る。基部及び連結器は、エアロゾル前駆体組成物を、貯蔵部からそれらを通して噴霧器に方向付けるように構成されてもよく、この噴霧器は、貯蔵部から受容されたエアロゾル前駆体組成物を加熱して、蒸気を形成するように構成される加熱要素を備える。
【0013】
いくつかの実施形態では、制御体は、電力源を追加で含んでもよい。更に、基部及び連結器は、それらの間の電気接続を形成するように構成されてもよい。カートリッジは、制御体から連結器及び基部を通して気流を受容するように構成され得る。エアロゾル送達デバイスは、エアロゾル前駆体組成物を貯蔵部から基部及び連結器を通して噴霧器に分注するように構成される容積型装置を追加で含んでもよい。
【0014】
追加の態様では、エアロゾル送達デバイスにおけるエアロゾル化のための方法が提供される。本方法は、制御体から、エアロゾル前駆体組成物で少なくとも部分的に充填された貯蔵部を備えるカートリッジを通る気流を方向付けることと、エアロゾル前駆体組成物を、貯蔵部から加熱要素を備える噴霧器に容積型装置で分注することと、貯蔵部から分注されたエアロゾル前駆体組成物を加熱要素で加熱してエアロゾルを産出することとを含み得る。
【0015】
いくつかの実施形態では、エアロゾル前駆体組成物を分注することは、アクチュエータでピストンをポンプ筐体内で移動させることを含み得る。ピストンをポンプ筐体内で移動させることは、貯蔵部がポンプ筐体を画定する実施形態では、ピストンを貯蔵部内で移動させることを含み得る。他の実施形態では、ポンプ筐体内でピストンを移動させることは、流体をポンプ筐体から貯蔵部に移動させることを含んでもよい。流体をポンプ筐体から貯蔵部に移動させることは、エアロゾル前駆体組成物を貯蔵部内のエアロゾル前駆体袋から移動させることを含み得る。ピストンをポンプ筐体内で移動させることは、ピストンを第1の方向に動かして、エアロゾル前駆体組成物を貯蔵部からポンプ筐体内に引き込むことと、ピストンを反対の第2の方向に動かして、エアロゾル前駆体組成物をポンプ筐体から噴霧器に方向付けることとを含み得る。本方法は、噴霧器からポンプ筐体へのエアロゾル前駆体組成物の流入を防止することと、弁組立体でポンプ筐体から貯蔵部へのエアロゾル前駆体組成物の流入を防止することとを更に含んでもよい。
【0016】
いくつかの実施形態では、エアロゾル前駆体組成物を貯蔵部から噴霧器に分注することは、エアロゾル前駆体組成物を、流体送達管を通して加熱要素に送達することを含み得る。エアロゾル前駆体組成物を、流体送達管を通して加熱要素に送達することは、エアロゾル前駆体組成物を、流体送達管の端部内に画定される溝に送達することを含み得る。エアロゾル前駆体組成物を加熱することは、溝内のエアロゾル前駆体組成物を加熱することを含み得る。加えて、エアロゾル前駆体組成物を加熱することは、エアロゾル前駆体組成物をチャンバにおいて加熱することを含んでもよい。
【0017】
本発明は、以下の実施形態を含むが、これらに限定されない。
【0018】
実施形態1:
制御体と、
エアロゾル前駆体組成物で少なくとも部分的に充填された貯蔵部を備え、該制御体から気流を受容するように構成される、カートリッジと、
該貯蔵部から該エアロゾル前駆体組成物を分注するように構成される容積型装置と、
該貯蔵部から受容された該エアロゾル前駆体組成物を加熱して、該気流に蒸気を添加し、エアロゾルを形成するように構成される加熱要素を備える噴霧器と、を備える、エアロゾル送達デバイス。
【0019】
実施形態2:容積型装置が、アクチュエータ、ピストン、及びポンプ筐体を備え、該アクチュエータが、該ピストンを該ポンプ筐体内で移動させて、該貯蔵部から該エアロゾル前駆体組成物を分注するように構成される、前述または後述の実施形態のいずれかに記載のエアロゾル送達デバイス。
【0020】
実施形態3:該貯蔵部が、該ポンプ筐体を備える、前述または後述の実施形態のいずれかに記載のエアロゾル送達デバイス。
【0021】
実施形態4:該ピストンが、流体を該ポンプ筐体から該貯蔵部内に移動させるように構成される、前述または後述の実施形態のいずれかに記載のエアロゾル送達デバイス。
【0022】
実施形態5:該貯蔵部が、エアロゾル前駆体袋を備える、前述または後述の実施形態のいずれかに記載のエアロゾル送達デバイス。
【0023】
実施形態6:該アクチュエータが、該ピストンを第1の方向に動かして、該エアロゾル前駆体組成物を該貯蔵部から該ポンプ筐体内に引き込むように構成され、該ピストンを反対の第2の方向に動かして、エアロゾル前駆体組成物を該ポンプ筐体から該噴霧器に方向付けるように構成される、前述または後述の実施形態のいずれかに記載のエアロゾル送達デバイス。
【0024】
実施形態7:該ポンプ筐体と該貯蔵部との間に位置付けられるように構成される弁組立体を更に備える、前述または後述の実施形態のいずれかに記載のエアロゾル送達デバイス。
【0025】
実施形態8:該噴霧器が、該エアロゾル前駆体組成物を該加熱要素に送達するように構成される流体送達管を更に備える、前述または後述の実施形態のいずれかに記載のエアロゾル送達デバイス。
【0026】
実施形態9:該流体送達管の端部内に画定される溝が、該エアロゾル前駆体組成物を受容するように構成され、
該加熱要素が、該溝に実質的に一致する大きさ、形状、及びパターンのうちの少なくとも1つを画定する、前述または後述の実施形態のいずれかに記載のエアロゾル送達デバイス。
【0027】
実施形態10:該噴霧器が、加熱器ディスク及びキャップのうちの少なくとも1つを更に備え、該加熱要素が、該加熱器ディスクまたは該キャップに連結されるか、その中に埋め込まれるか、またはその上に印刷される、前述または後述の実施形態のいずれかに記載のエアロゾル送達デバイス。
【0028】
実施形態11:該加熱要素が、管状構成を画定する、前述または後述の実施形態のいずれかに記載のエアロゾル送達デバイス。
【0029】
実施形態12:該噴霧器が、該加熱要素に隣接し、かつそれと同一線上にある流体送達管を更に備える、前述または後述の実施形態のいずれかに記載のエアロゾル送達デバイス。
【0030】
実施形態13:該噴霧器が、チャンバを画定し、該加熱要素が、該チャンバ内に位置付けられる、前述または後述の実施形態のいずれかに記載のエアロゾル送達デバイス。
【0031】
実施形態14:該エアロゾル前駆体組成物が該貯蔵部から出て該噴霧器に入ることを交互に可能にするように反対方向に開く少なくとも2つの一方向弁を備える、前述または後述の実施形態のいずれかに記載のエアロゾル送達デバイス。
【0032】
実施形態15:
基部、及びエアロゾル前駆体組成物で少なくとも部分的に充填された貯蔵部を備えるカートリッジと、
連結器を備える制御体と、
該エアロゾル前駆体組成物を、該貯蔵部からそれらを通して噴霧器に方向付けるように構成され、該噴霧器が、該貯蔵部から受容された該エアロゾル前駆体組成物を加熱して、蒸気を形成するように構成される加熱要素を備える、該基部及び該連結器と、を備える、エアロゾル送達デバイス。
【0033】
実施形態16:該制御体が、電力源を更に備え、該基部及び該連結器が、それらの間の電気接続を形成するように構成される、前述または後述の実施形態のいずれかに記載のエアロゾル送達デバイス。
【0034】
実施形態17:該制御体から該連結器及び該基部を通して気流を受容するように構成される、前述または後述の実施形態のいずれかに記載のエアロゾル送達デバイス。
【0035】
実施形態18:該エアロゾル前駆体組成物を該貯蔵部から該基部及び該連結器を通して該噴霧器に分注するように構成される容積型装置を更に備える、前述または後述の実施形態のいずれかに記載のエアロゾル送達デバイス。
【0036】
実施形態19:エアロゾル送達デバイスにおけるエアロゾル化のための方法であって、
制御体からエアロゾル前駆体組成物で少なくとも部分的に充填された貯蔵部を備えるカートリッジを通る気流を方向付けることと、
該エアロゾル前駆体組成物を、該貯蔵部から加熱要素を備える噴霧器に容積型装置で分注することと、
該貯蔵部から分注された該エアロゾル前駆体組成物を該加熱要素で加熱して、エアロゾルを産出することと、を含む、方法。
【0037】
実施形態20:該エアロゾル前駆体組成物を分注することが、アクチュエータでピストンをポンプ筐体内で移動させることを含む、前述または後述の実施形態のいずれかに記載の方法。
【0038】
実施形態21:該ピストンを該ポンプ筐体内で移動させることが、該ピストンを該貯蔵部内で移動させることを含む、前述または後述の実施形態のいずれかに記載の方法。
【0039】
実施形態22:該ピストンを該ポンプ筐体内で移動させることが、流体を該ポンプ筐体から該貯蔵部内に移動させることを含む、前述または後述の実施形態のいずれかに記載の方法。
【0040】
実施形態23:該流体を該ポンプ筐体から該貯蔵部内に移動させることが、該エアロゾル前駆体組成物を該貯蔵部内のエアロゾル前駆体袋から移動させることを含む、前述または後述の実施形態のいずれかに記載の方法。
【0041】
実施形態24:該ピストンを該ポンプ筐体内で移動させることが、該ピストンを第1の方向に動かして、該エアロゾル前駆体組成物を該貯蔵部から該ポンプ筐体内に引き込むことと、該ピストンを反対の第2の方向に動かして、該エアロゾル前駆体組成物を該ポンプ筐体から該噴霧器に方向付けることと、を含む、前述または後述の実施形態のいずれかに記載の方法。
【0042】
実施形態25:該噴霧器から該ポンプ筐体への該エアロゾル前駆体組成物の流入を防止することと、弁組立体で該ポンプ筐体から該貯蔵部への該エアロゾル前駆体組成物の流入を防止することと、を更に含む、前述または後述の実施形態のいずれかに記載の方法。
【0043】
実施形態26:該エアロゾル前駆体組成物を該貯蔵部から該噴霧器に分注することが、該エアロゾル前駆体組成物を、流体送達管を通して該加熱要素に送達することを含む、前述または後述の実施形態のいずれかに記載の方法。
【0044】
実施形態27:該エアロゾル前駆体組成物を、該流体送達管を通して該加熱要素に送達することが、該エアロゾル前駆体組成物を、該流体送達管の端部内に画定される溝に送達することを含み、
該エアロゾル前駆体組成物を加熱することが、該溝内の該エアロゾル前駆体組成物を加熱することを含む、前述または後述の実施形態のいずれかに記載の方法。
【0045】
実施形態28:該エアロゾル前駆体組成物を加熱することが、該エアロゾル前駆体組成物をチャンバ内で加熱することを含む、前述または後述の実施形態のいずれかに記載の方法。
【0046】
本開示のこれら及び他の特徴、態様、及び利点は、以下の発明を実施するための形態を、下で簡潔に説明する添付の図面と併せて読むことで明らかとなるであろう。本発明は、上述の実施形態のうちの2つ、3つ、4つ、またはそれ以上の任意の組み合わせ、及び本開示に記載する任意の2つ、3つ、4つ、またはそれ以上の特徴または要素の組み合わせを、かかる特徴または要素が本明細書の特定の実施形態の説明において明白に組み合わされているか否かにかかわらず、含む。本開示は、総合的に読まれることにより、開示される発明のいずれの分離可能な特徴または要素も、その様々な態様及び実施形態のうちのいずれにおいても、文脈上そうでないとする明確な指示がない限り、組み合わせ可能であるよう意図されると見なされるべきであるよう意図される。
【図面の簡単な説明】
【0047】
本開示をこのように以上の一般用語で説明したので、ここで添付の図面を参照するが、これらは必ずしも正確な縮尺ではない。
【0048】
図1】本開示の例示的実施形態に従う制御体の分解図を示す。
図2】本開示の例示的実施形態に従う、リニアモーターを動力とし、貯蔵部と同じ側でエアロゾル前駆体組成物を噴霧器に送達するように構成されるポンプを含むエアロゾル送達デバイスの分解図を示す。
図3】本開示の例示的実施形態に従う、エアロゾル送達デバイスを通る気流を示す、図2のエアロゾル送達デバイスの改訂断面図を示す。
図4】本開示の例示的実施形態に従う、図2のエアロゾル送達デバイスのリニアモーターの拡大分解図を示す。
図5】本開示の例示的実施形態に従う、ポンプの動作を示す、図2のエアロゾル送達デバイスの改訂断面図を示す。
図6】本開示の例示的実施形態に従う、図2のエアロゾル送達デバイスの噴霧器の拡大分解斜視図を示す。
図7】本開示の例示的実施形態に従う、図2のエアロゾル送達デバイスの噴霧器の反対側の拡大分解斜視図を示す。
図8図2のエアロゾル送達デバイスの貯蔵部の改訂断面図を示す。
図9】蒸気産出中の図2のエアロゾル送達デバイスの改訂断面図を示す。
図10】本開示の例示的実施形態に従う、リニアモーターを動力とし、貯蔵部と同じ側でエアロゾル前駆体組成物を噴霧器に送達するように構成されるポンプを含むエアロゾル送達デバイスの断面図を示す。
図11】本開示の例示的実施形態に従う、エアロゾル送達デバイスを通る気流を示す、図10のエアロゾル送達デバイスの断面図を示す。
図12】本開示の例示的実施形態に従う、貯蔵部からエアロゾル前駆体組成物を引き込んでいるポンプを示す、図10のエアロゾル送達デバイスの拡大断面図を示す。
図13】本開示の例示的実施形態に従う、エアロゾル前駆体組成物を噴霧器に送り出しているポンプを示す、図10のエアロゾル送達デバイスの拡大断面図を示す。
図14】本開示の例示的実施形態に従う、リニアモーターを動力とし、貯蔵部に対するその反対側でエアロゾル前駆体組成物を噴霧器に送達するように構成されるポンプを含むエアロゾル送達デバイスの断面図を示す。
図15】本開示の例示的実施形態に従う、エアロゾル送達デバイスを通る気流を示す、図14のエアロゾル送達デバイスの断面図を示す。
図16】本開示の例示的実施形態に従う、貯蔵部からエアロゾル前駆体組成物を引き込んでいるポンプを示す、図14のエアロゾル送達デバイスの拡大断面図を示す。
図17】本開示の例示的実施形態に従う、エアロゾル前駆体組成物を噴霧器に送り出しているポンプを示す、図14のエアロゾル送達デバイスの拡大断面図を示す。
図18】本開示の例示的実施形態に従う、エアロゾル前駆体組成物を袋から分注するように構成されるポンプを含むエアロゾル送達デバイスの断面図を示す。
図19】本開示の例示的実施形態に従う、エアロゾル送達デバイスを通る気流を示す、図18のエアロゾル送達デバイスの拡大断面図を示す。
図20】本開示の例示的実施形態に従う、エアロゾル前駆体組成物を袋から噴霧器に送り出しているポンプを示す、図18のエアロゾル送達デバイスの拡大断面図を示す。
図21】本開示の例示的実施形態に従う、エアロゾル送達デバイスの端部が貯蔵部に挿入されるように構成されるポンプを含む、エアロゾル送達デバイスの分解図を示す。
図22】本開示の例示的実施形態に従う、エアロゾル送達デバイスを通る気流を示す、図21のエアロゾル送達デバイスの改訂断面図を示す。
図23】本開示の例示的実施形態に従う、蒸気の産出を示す、図21のエアロゾル送達デバイスの断面図を示す。
図24】本開示の例示的実施形態に従う、図21のエアロゾル送達デバイスの噴霧器の拡大分解図を示す。
図25】本開示の例示的実施形態に従う、図21のエアロゾル送達デバイスの噴霧器の反対側の拡大部分斜視図を示す。
図26】本開示の例示的実施形態に従う、マイクロポンプを含むエアロゾル送達デバイスの断面図を示す。
図27】本開示の例示的実施形態に従う、エアロゾル送達デバイスを通る気流を示す、図26のエアロゾル送達デバイスの断面図を示す。
図28】本開示の例示的実施形態に従う、エアロゾル前駆体組成物を噴霧器に分注しているマイクロポンプを示す、図26のエアロゾル送達デバイスの拡大断面図を示す。
図29】エアロゾル前駆体組成物を容積型装置で分注することを含む、エアロゾル送達デバイスを用いたエアロゾル化のための方法を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0049】
これより、本開示を、その例示的実施形態を参照してより十分に以下に説明する。これらの例示的実施形態は、本開示が、徹底的かつ完全であり、本開示の範囲を当業者に十分に伝えることとなるように、記載される。確かに、本開示は、多くの異なる形態で具体化され得るが、本明細書に記載する実施形態に限定されるように解釈されるべきではなく、むしろ、これらの実施形態は、本開示が適用可能な法的要件を満たすことになるように、提供されている。本明細書、及び添付の特許請求の範囲において使用する場合、単数形「一つの(a)」、「一つの(an)」、「その(the)」は、文脈上明らかにそれ以外を指定するのでなければ、複数変化形も含む。
【0050】
以下に記載されるように、本開示の実施形態は、エアロゾル送達システム、デバイス、及びそれらのための構成要素に関する。本開示に従うエアロゾル送達システムは、材料を加熱して(好ましくは、材料をかなりの程度燃焼させることなく)、吸入可能な物質を形成するために、電気エネルギーを使用し、かかる構成要素は、手持ち式デバイスと見なすのに十分に小型であることが最も好ましい物品の形態を有する。つまり、好ましいエアロゾル送達システムの構成要素の使用は、タバコの燃焼または熱分解の副生成物に主に起因するエアロゾルという意味の煙を産出するのではなく、むしろ、これらの好ましいシステムの使用は、それらに組み込まれるある特定の構成要素の揮発または気化に起因する蒸気をもたらす。好ましい実施形態では、エアロゾル送達システムの構成要素は、電子タバコであることを特徴としてもよく、これらの電子タバコは、タバコ及び/またはタバコ由来の成分を組み込むことによって、エアロゾル形態でタバコ由来の成分を送達することが最も好ましい。
【0051】
ある特定の好ましいエアロゾル送達システムのエアロゾル生成部品は、それらのいかなる構成要素もかなりの程度燃焼させることなく、タバコの着火及び燃焼(及びそれによるタバコ煙の吸入)によって用いられる紙巻きタバコ、葉巻、またはパイプを喫煙することの知覚(例えば、吸入及び発散習慣、味または風味の種類、感覚刺激性効果、身体的感覚、使用習慣、可視のエアロゾルによって提供されるものなどの視覚的刺激など)の多くを提供し得る。例えば、本開示のエアロゾル生成部品の使用者は、使用者が伝統的な種類の喫煙物品を用いるのとほぼ同じように、その部品を持って使用すること、その部品によって産出されるエアロゾルを吸引するためにその部品の一端を吸うこと、選択された間隔で吹かすまたは吸うことなどが可能である。
【0052】
本開示のエアロゾル送達システムはまた、好適な蒸気産出物品または薬剤送達物品であることを特徴とし得る。故に、かかる物品またはデバイスは、1つ以上の物質(例えば、風味及び/または薬学的活性成分)を、吸入可能な形態または状態で提供するように適合させることができる。例えば、吸入可能な物質は、実質的に蒸気の形態(即ち、その臨界点を下回る温度にて気相である物質)であり得る。あるいは、吸入可能な物質は、エアロゾルの形態(即ち、ガス中の細かい固形粒子または液滴の懸濁剤)であり得る。
【0053】
本開示のエアロゾル送達システムは、電源(即ち、電力源)、少なくとも1つの制御構成要素(例えば、電力放出ユニットからエアロゾル生成部品の他の構成要素への電流を制御することなどによる、発熱のために供給される電力の始動、制御、調節、及び/または停止のための手段)、加熱器または発熱構成要素(例えば、「噴霧器」を提供するものとして一般に称される電気抵抗加熱要素及び関連する構成要素)、及びエアロゾル前駆体(例えば、一般的には、「スモークジュース(smoke juice)」、「Eリキッド(e-liquid)」、及び「Eジュース(e-juice)」として一般に称される成分などの、十分な熱が適用されるとエアロゾルを生む能力のある液体である組成物)、及びエアロゾル吸入のためにエアロゾル送達デバイスを吸うことを可能にする吸い口領域または先端(例えば、吸う際に、生成されたエアロゾルがそこから引き出されるようにエアロゾル生成部品を通過する、画定された気流路)のある組み合わせを備えることが最も好ましい。本開示に従って使用し得るエアロゾル前駆体材料のための例示的配合は、Zhengらの米国特許公開第2013/0008457号に記載され、その開示は全体が参照により本明細書に組み込まれる。本開示のエアロゾル送達システムにおける構成要素のより具体的な形式、構成、及び配列は、以下に提供される更なる開示を踏まえれば明確となる。
【0054】
エアロゾル送達デバイス内の構成要素の整列は様々であり得る。特定の実施形態では、エアロゾル前駆体組成物は、使用者へのエアロゾルの送達を最大化するように使用者の口元に近接して位置付けられるように構成され得る物品の端部の近傍に(例えば、ある特定の状況では、交換可能及び使い捨てであり得るカートリッジ内に)位置し得る。しかしながら、他の構成例が排除されるわけではない。概して、加熱要素は、加熱要素からの熱がエアロゾル前駆体組成物(ならびに使用者に送達するために同様に提供され得る1つ以上の風味剤、薬剤など)を揮発させて、使用者に送達するためのエアロゾルを形成し得るように、エアロゾル前駆体組成物の十分に近傍に位置付けられ得る。加熱要素がエアロゾル前駆体組成物を加熱すると、消費者による吸入に好適な物理的形態でエアロゾルが形成、放出、または生成される。前述の用語は、放出する(release)、放出している(releasing)、放出する(releases)、または放出された(released)への言及が、形成する(form)または生成する(generate)、形成している(forming)または生成している(generating)、及び放出された(formed)または生成された(generated)を含むように、置き換え可能であることを意味することに留意すべきである。具体的には、吸収可能な物質は、蒸気もしくはエアロゾルまたはこれらの混合物の形態で放出される。加えて、様々なエアロゾル送達デバイスの構成要素の選択は、本開示の背景技術の節に列挙した代表的な製品などの市販されている電子エアロゾル送達デバイスを考慮した上で理解することができる。
【0055】
エアロゾル送達デバイスは、電池または他の電力源を組み込んで、例えば、加熱器への電力供給、制御システムへの電力供給、インジケータへの電力供給など、物品に様々な機能性を提供するのに十分な電流を提供する。電源は様々な実施形態を呈し得る。好ましくは、電源は、加熱要素を迅速に加熱してエアロゾル形成を提供し、所望の期間の使用中、物品に電力供給するのに十分な電力を送達することができる。電源は、エアロゾル送達デバイスを容易に取り扱うことができるように、エアロゾル送達デバイス内に簡便に納まるように寸法決定されることが好ましく、加えて、好ましい電源は、望ましい喫煙体験を損なうことがないように、十分に軽量なものである。
【0056】
エアロゾル送達デバイスは、機能する関係で永久的または着脱可能に整列させることができるカートリッジ及び制御体を含み得る。例えば、ねじ式係合、圧入係合、締まりばめ、磁気係合などの、カートリッジと制御体との間の係合の様々な実施形態を用いてもよい。エアロゾル送達デバイスは、カートリッジ及び制御体が組立構成にあるとき、いくつかの実施形態において、実質的に棒状、実質的に管形状、または実質的に円筒形状であってもよい。しかしながら、種々の他の形状及び構成を他の実施形態において用いてもよい。
【0057】
特定の実施形態では、カートリッジ及び制御体の一方または両方は、使い捨てであるとして、または再利用可能であるとして言及され得る。例えば、制御体は、交換可能な電池または再充電可能な電池を有してもよく、故に、典型的な交流電気コンセントへの接続、車の充電器(即ち、シガーソケットレセプタクル)への接続、及びユニバーサルシリアルバス(USB)ケーブルなどを介したコンピュータへの接続を含む、任意の種類の再充電技術と組み合わせてもよい。更に、いくつかの実施形態では、カートリッジは単回使用カートリッジを備えてもよく、これは、全体が参照により本明細書に組み込まれる、Changらの米国特許公開第2014/0060555号に開示されている。
【0058】
いくつかの実施形態では、カートリッジは、カートリッジと制御体との間の相対的回転を実質的に防ぐ回転防止特徴を備え得る基部を含んでもよく、これは、全体が参照により本明細書に組み込まれる2013年3月15日出願のNovakらの米国特許出願第13/840,264号で提供されている。
【0059】
エアロゾル送達デバイスは、エアロゾル前駆体組成物を保持するように構成される構成要素を含み得る。蒸気前駆体組成物とも称されるエアロゾル前駆体組成物は、例として、多価アルコール(例えば、グリセリン、プロピレングリコール、またはこれらの混合物)、ニコチン、タバコ、タバコ抽出物、及び/または風味剤を含む様々な成分を含んでもよい。エアロゾル前駆体組成物に含まれ得る様々な成分は、全体が参照により本明細書に組み込まれる、Robinsonらの米国特許第7,726,320号に記載されている。更なる代表的な種類のエアロゾル前駆体組成物は、Sensabaugh,Jr.らの米国特許第4,793,365号、Jakobらの米国特許第5,101,839号、BiggsらのPCT国際公開第98/57556号、2014年4月4日出願のHenry,Jr.の米国特許出願第14/245,105号、及びChemical and Biological Studies on New Cigarette Prototypes that Heat Instead of Burn Tobacco,R.J.Reynolds Tobacco Company Monograph(1988)に記載されており、これらの開示は、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0060】
様々な加熱器構成要素を本エアロゾル送達デバイス中で使用し得る。様々な実施形態では、1つ以上のマイクロヒータまたは同様の固体ヒータを使用してもよい。利用し得るマイクロヒータの実施形態を本明細書で更に説明する。本開示のデバイスにおける使用に好適なマイクロヒータを組み込む更なるマイクロヒータ及び噴霧器は、全体が参照により本明細書に組み込まれるCollettらの米国特許公開第2014/0060554号に記載されている。いくつかの実施形態では、加熱要素は、全体が参照により本明細書に組み込まれる2012年12月7日出願の米国特許出願第13/708,381号に記載されているように、液体輸送要素の周りにワイヤを巻き付けることによって形成され得る。更に、いくつかの実施形態では、ワイヤは、全体が参照により本明細書に組み込まれる2013年3月14日出願のDePianoらの米国特許出願第13/827,994号に記載されているように、可変のコイル間隔を画定し得る。電流がそれを通して適用されるときに熱を生み出すように構成される材料の様々な実施形態を用いて、抵抗加熱要素を形成してもよい。ワイヤコイルを形成し得る例示的材料としては、Kanthal(FeCrAl)、Nichrome、二珪化モリブデン(MoSi)、珪化モリブデン(MoSi)、アルミニウムでドープした二珪化モリブデン(Mo(Si,Al))、黒鉛及び黒鉛系材料、ならびにセラミック(例えば、正または負の温度係数を有するセラミック)が挙げられる。更なる実施形態では、全体が参照により本明細書に組み込まれる2013年3月15日出願のDePianoらの米国特許出願第13/842,125号に記載されているように、型打ちした加熱要素を噴霧器中で用いてもよい。上記に加えて、更なる代表的な加熱要素、及びその中で使用するための材料は、Countsらの米国特許第5,060,671号、Deeviらの米国特許第5,093,894号、Deeviらの米国特許第5,224,498号、Sprinkel Jr.らの米国特許第5,228,460号、Deeviらの米国特許第5,322,075号、Deeviらの米国特許第5,353,813号、Deeviらの米国特許第5,468,936号、Dasの米国特許第5,498,850号、Dasの米国特許第5,659,656号、Deeviらの米国特許第5,498,855号、Hajaligolの米国特許第5,530,225号、Hajaligolの米国特許第5,665,262号、Dasらの米国特許第5,573,692号、及びFleischhauerらの米国特許第5,591,368号に記載されており、これらの開示は、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。更に、化学的加熱を他の実施形態において用いてもよい。加熱器及び加熱器を形成するために用いる材料の様々な更なる例は、上述のように、参照により本明細書に組み込まれるCollettらの米国特許公開第2014/0060554号に開示されている。
【0061】
いくつかの実施形態では、本開示のエアロゾル送達デバイスは、制御体及びカートリッジを含み得る。制御体がカートリッジに連結するとき、カートリッジ中の電気制御構成要素は、制御体との電気接続を形成し得る。制御体は、故に、電気制御構成要素を用いて、カートリッジが本物であるか、かつ/または他の機能を行うかを決定し得る。更に、電子制御構成要素及びそれによって行われる機能の様々な例は、全体が参照により本明細書に組み込まれるSearsらの米国特許出願公開第2014/0096781号に記載されている。
【0062】
使用中、使用者は、エアロゾル送達デバイスのカートリッジの吸い口を吸引し得る。これは、制御体中またはカートリッジ中の開口部を通して空気を吸い入れ得る。例えば、一実施形態では、開口部は、全体が参照により本明細書に組み込まれる2013年3月15日出願のDePianoらの米国特許出願第13/841,233号に記載されているように、連結器と制御体の外側胴体との間に画定されてもよい。しかしながら、空気の流れは、他の実施形態では、エアロゾル送達デバイスの他の部分を通して受容されてもよい。
【0063】
エアロゾル送達デバイス中のセンサ(例えば、制御体中の吸引またはフローセンサ)は、吸引を感知し得る。吸引が感知されると、制御体は、回路を介して電流を加熱器に方向付け得る。このようにして、加熱器は、エアロゾル前駆体組成物を気化させ、吸い口は、空気及び同伴蒸気(即ち、吸入可能な形態のエアロゾル前駆体組成物の成分)がカートリッジからそれを吸引する消費者へと通ることを可能にする。
【0064】
カートリッジに含めることができる構成要素に関する様々な他の詳細は、例えば、全体が参照により本明細書に組み込まれる2013年3月15日出願のNovakらの米国特許出願第13/840,264号で提供されている。これに関連して、その図7は、基部及び制御構成要素端子の拡大分解図を示し、その図8は、組立構成にある基部及び制御構成要素端子の拡大斜視図を示し、その図9は、組立構成にある、基部、制御構成要素端子、電子制御構成要素、及び噴霧器の加熱器端子の拡大斜視図を示し、その図10は、組立構成にある、基部、噴霧器、及び制御構成要素の拡大斜視図を示し、その図11は、その図10の組立体の反対側の斜視図を示し、その図12は、組立構成にある、基部、噴霧器、流管、及び液溜め基材の拡大斜視図を示し、その図13は、組立構成にある基部及び外側胴体の斜視図を示し、その図14は、組立構成にあるカートリッジの斜視図を示し、その図15は、その図14のカートリッジ及び制御体のための連結器の第1の部分斜視図を示し、その図16は、その図14のカートリッジ及びその図11の連結器の反対側の第2の部分斜視図を示し、その図17は、回転防止機構を持つ基部を含むカートリッジの斜視図を示し、その図18は、回転防止機構を持つ連結器を含む制御体の斜視図を示し、その図19は、図18の制御体を持つ図17のカートリッジの整列を示し、その図3は、その図17のカートリッジ及びその図18の制御体を備えるエアロゾル送達デバイスを示し、これには、カートリッジの回転防止機構の接続器本体の回転防止機構との係合を示す、エアロゾル送達デバイスを通した改訂図が伴い、その図4は、回転防止機構を持つ基部の斜視図を示し、その図5は、回転防止機構を持つ連結器の斜視図を示し、その図6は、拡大構成にあるその図4の基部及びその図5の連結器を通した断面図を示す。
【0065】
本開示に従うエアロゾル送達デバイスの様々な構成要素は、当該技術分野で説明され、市販されている構成要素から選択することができる。例えば、全体が参照により本明細書に組み込まれるSebastianらの米国特許公開第2014/0000638号に開示されている、電子喫煙物品において複数のエアロゾル化可能な材料を制御可能に送達するための貯蔵部及び加熱器システムを参照する。
【0066】
図1は、本開示の例示的実施形態に従うエアロゾル送達デバイスの制御体の分解図を示す。示すように、制御体300は、連結器302、外側胴体304、密封部材306、接着部材308(例えば、KAPTON(登録商標)テープ)、フローセンサ310(例えば、吸引センサまたは圧力スイッチ)、制御構成要素312、スペーサ314、電力源316(例えば、再充電可能な電池)、インジケータ318(例えば、発光ダイオード(LED))を持つ回路基板、接続器回路320、及び端部キャップ322を備え得る。電力源の例は、Peckerarらの米国特許出願第2010/0028766号に記載されており、この開示はその全体が参照により本明細書に組み込まれる。吸入作動能力を提供し得る例示的機構としては、MicroSwitch division of Honeywell,Inc.,Freeport,Ill製造のModel 163PC01D36のシリコンセンサが挙げられる。本開示に従う加熱回路に使用され得るデマンド作動式電気スイッチの更なる例は、全体が参照により本明細書に組み込まれる、Gerthらの米国特許第4,735,217号に記載されている。本エアロゾル送達デバイスにおいて有用であり得るマイクロコントローラを含む電流調節回路及び他の制御構成要素の更なる説明は、全てBrooksらの米国特許第4,922,901号、同第4,947,874号、及び同第4,947,875号、McCaffertyらの米国特許第5,372,148号、Fleischhauerらの米国特許第6,040,560号、ならびにNguyenらの米国特許第7,040,314号で提供されており、これらの全てはそれらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。全体が参照により本明細書に組み込まれる2013年3月15日出願のAmpoliniらの米国出願第13/837,542号に記載の制御スキームも参照する。
【0067】
一実施形態では、インジケータ318は、1つ以上の発光ダイオードを含んでもよい。インジケータ318は、接続器回路320を介して制御構成要素312と通信し、例えば、フローセンサ310によって検出されるように、使用者が連結器302に連結したカートリッジを吸引している間に、照明し得る。端部キャップ322は、インジケータ318によってその下に提供される照明を可視にするように適合され得る。このように、インジケータ318は、エアロゾル送達デバイスの使用中に照明して、喫煙物品の火の付いた端部を模倣し得る。しかしながら、他の実施形態では、インジケータ318は、様々な数で提供され得、異なる形状をとることができ、更には外部胴体中の開口部であってもよい(かかるインジケータが存在する場合に音を放つためなど)。
【0068】
また更なる構成要素を本開示のエアロゾル送達デバイスにおいて利用し得る。例えば、Sprinkelらの米国特許第5,154,192号は喫煙物品のためのインジケータを開示し、Sprinkel,Jr.の米国特許第5,261,424号はデバイスの吸い口と関連付けられ、一吸いすることと関連付けられた使用者の唇の働きを検出し、次いで加熱を誘発し得る圧電センサを開示し、McCaffertyらの米国特許第5,372,148号は、吸い口を介した圧力降下に応答して加熱負荷アレイへのエネルギー流を制御するための吸入センサを開示し、Harrisらの米国特許第5,967,148号は、挿入された構成要素の赤外線透過率の非均一性を検出する識別装置、及び構成要素がレセプタクルに挿入されると検出ルーチンを実行する制御器を含む喫煙デバイス内のレセプタクルを開示し、Fleischhauerらの米国特許第6,040,560号は、複数の差動移相を持つ規定の実行可能な電力サイクルを説明し、Watkinsらの米国特許第5,934,289号は、フォトニックオプトロニック構成要素を開示し、Countsらの米国特許第5,954,979号は、喫煙デバイスを通る吸引抵抗を改変するための手段を開示し、Blakeらの米国特許第6,803,545号は、喫煙デバイス内で使用するための特定の電池構成を開示し、Griffenらの米国特許第7,293,565号は、喫煙デバイスと共に使用するための様々な充電システムを開示し、Fernandoらの米国特許第8,402,976号は、充電を促進し、デバイスのコンピュータ制御を可能にする喫煙デバイスのためのコンピュータインターフェーシング手段を開示し、Fernandoらの米国特許第8,689,804号は、喫煙デバイスのための識別システムを開示し、Flickによる国際公開第2010/003480号は、エアロゾル生成システム内での吸入を表示する流体流感知システムを開示し、以上の開示の全ては、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。電子エアロゾル送達物品に関連し、本物品に使用され得る材料または構成要素を開示する、構成要素の更なる例としては、Gerthらの米国特許第4,735,217号、Morganらの米国特許第5,249,586号、Higginsらの米国特許第5,666,977号、Adamsらの米国特許第6,053,176号、Whiteの米国第6,164,287号、Vogesの米国特許第6,196,218号、Felterらの米国特許第6,810,883号、Nicholsの米国特許第6,854,461号、Honの米国特許第7,832,410号、Kobayashiの米国特許第7,513,253号、Hamanoの米国特許第7,896,006号、Shayanの米国特許第6,772,756号、Honの米国特許第8,156,944号及び同第8,375,957号、Honの米国特許出願公開第2006/0196518号及び同第2009/0188490号、Thorensらの米国特許出願公開第2009/0272379号、Monseesらの米国特許出願公開第2009/0260641号及び同第2009/0260642号、Oglesbyらの米国特許出願公開第2008/0149118号及び同第2010/0024834号、Wangの米国特許出願公開第2010/0307518号、Honの国際公開第2010/091593号、Fooの国際公開第2013/089551号、ならびに2013年3月15日出願のDePianoらの米国特許出願第13/841,233号が挙げられ、これらの各々は、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。上述の文書により開示された様々な材料は、様々な実施形態での本デバイスに組み込まれ、上述の開示の全てはそれらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0069】
このように、エアロゾル送達デバイスの例示的実施形態を上に記載する。しかしながら、本開示は、エアロゾル送達デバイスの様々な他の実施形態を提供する。以下に記載されるように、かかるエアロゾル送達デバイスは、エアロゾル前駆体組成物を貯蔵、送達、及び/または気化するための構成要素の異なる構成を含み得る。
【0070】
これに関連して、図2は、本開示の例示的実施形態に従うエアロゾル送達デバイス400の分解図を示す。示すように、エアロゾル送達デバイス400は、制御体402及びカートリッジ404を含み得る。制御体402は、インジケータ406(例えば、LED)、回路基板408、電力源410(例えば、再充電可能な電池)、フローセンサ412、モーター組立体414、配線416、連結器418、及び外側胴体420を含み得る。カートリッジ404は、基部422、ピストン424、貯蔵部426、噴霧器428、吸い口430、及び外側胴体432を含み得る。カートリッジ404の基部422は、制御体402の連結器418に解放可能に係合して、それらの間の機械的及び電気的接続を形成するように構成され得る。
【0071】
図3は、組立てたエアロゾル送達デバイス400の改訂断面図を示す。より具体的には、図3は、使用者が吸い口430を吸うときのエアロゾル送達デバイスを通した空気の流路を示す。示すように、気流または周囲空気434の流れは、エアロゾル送達デバイス400に進入し、フローセンサ412を通過して移動し得る。本明細書に開示の実施形態では、フローセンサは、吸引を検出するために空気がセンサに直接接触する必要がないように、圧力センサを備えてもよいことに留意されたい。空気434は、その後、連結器418を通り、1つ以上の孔436(図4を参照されたい)を通り、基部422を通り、貯蔵部426及び噴霧器428の周りを移動し、吸い口430から出てもよい。
【0072】
図3に示すように、一実施形態では、空気434は、外側胴体420を通して(例えば、その中に画定される1つ以上の孔を通して)エアロゾル送達デバイス400に進入し得る。しかしながら、他の実施形態では、空気は、代替的な場所でエアロゾル送達デバイスに進入してもよい。例えば、空気は、吸い口と反対側のエアロゾル送達デバイスの長手方向の端部を通して、連結器もしくは基部を通して、または基部と吸い口との間の場所で、進入してもよい。このように、本明細書に記載の特定の気流パターンは、例示目的のみで提供されることが理解される。
【0073】
フローセンサ412が吸引を検出すると、モーター組立体414が始動し得る。これに関連して、図4は、モーター組立体414及び連結器418の拡大分解部分図を示す。示すように、モーター組立体414は、アクチュエータ438及びロッド440を含み得る。図4に更に示すように、連結器418は、モーター組立体414のアクチュエータ438を定位置に受容し保持するように構成されるレセプタクル442を含み得る。アクチュエータ438は、ロッド440を直線的に移動させるように構成され得る。このように、モーター組立体414は、いくつかの実施形態ではリニアモーターを備えてもよい。更なる例として、一実施形態では、モーター組立体414は、New Scale Technologies,Inc.of Victor,New Yorkによって販売されているSQUIGGLEモーターを備えてもよい。かかるモーターは、ロッド440の直線運動及び回転運動の両方を生み出し得る。
【0074】
図5に示すように、モーター組立体414が始動すると、アクチュエータ438は、ロッド440をカートリッジ404中に直線的に移動させて、ピストン424が、貯蔵部426内のエアロゾル前駆体組成物444を押すようにする。これに関連して、貯蔵部426は、ポンプ筐体を画定し得、アクチュエータ438は、ピストン424をポンプ筐体内で移動させて、そこからエアロゾル前駆体組成物426を分注するように構成され得る。このように、エアロゾル前駆体組成物が噴霧器428に方向付けられ得る。
【0075】
図6は、噴霧器428の拡大部分斜視図を示す。示すように、噴霧器428は、流体送達管446、加熱器ディスク448、キャップ450、加熱要素452、ならびに第1及び第2の端子454a、bを含み得る。加熱要素452ならびに/または第1及び第2の端子454a、bは、いくつかの実施形態ではプリント回路を備えてもよい。これに関連して、加熱要素452は、いくつかの実施形態では、加熱器ディスク448に連結されるか、その中に埋め込まれるか、またはその上に印刷され得る。同様に、第1及び第2の端子454a、bは、いくつかの実施形態では、加熱器ディスク448に連結されるか、その中に埋め込まれるか、またはその上に印刷され得る。
【0076】
図7は、噴霧器428及び貯蔵部426の反対側の拡大部分斜視図を示す。図7及び8に示すように、流体送達管446は、貯蔵部426から加熱要素452に向かって伸長している孔456を含み得る。孔456は、流体送達管446中でその端部にて画定される溝458に接続し得る。示すように、加熱要素452の大きさ、形状、及び/またはパターンは、溝458のものと少なくとも部分的に一致し得る。一実施形態では、流体送達管446及びキャップ450は、加熱要素452が位置付けられ、エアロゾル前駆体組成物444が送達される、チャンバ461(例えば、図3を参照されたい)を共同で画定し得る。故に、エアロゾル前駆体組成物444が、空気434中に方向付けられること、及び気化せずに使用者に方向付けられることに関する問題を回避することができる。これに関連して、エアロゾル前駆体組成物444は、チャンバ461にて加熱要素452と接触するように方向付けられて、その気化を確実にし得る。
【0077】
これに関連して、フローセンサ412がエアロゾル送達デバイス400上の吸引を検出すると、電力源410からの電流が、端子454a、bを通して検出されて、加熱要素452に熱を産出させ得る。このように、孔456を通して溝458に方向付けられるエアロゾル前駆体組成物は、溝において加熱要素452によって加熱され気化し得る。エアロゾル前駆体組成物444は、加熱器ディスク448及び/または加熱要素452によって溝内に保持され得る。これにより、エアロゾル前駆体組成物444及び加熱要素452によって産出された蒸気は、円形の溝462にて終結する溝458によって画定される経路を辿ることを余儀なくされ得る。結果として得られる蒸気460は、その後、図6~9に示すように、円形の溝462、及び流体送達管446内に画定される放射状に伸長している溝464、及び貯蔵部426中の重複している溝466を通って、噴霧器428のチャンバ461を出てもよい。
【0078】
チャンバ461(例えば、図9を参照されたい)は、そこから空気434への蒸気460の最適な放出速度を提供するように構成され得る。これに関連して、流体送達管446内に画定される放射状に伸長している溝464及び貯蔵部426中の重複している溝466は、チャンバ461からの蒸気の選択された流量を提供するように特に寸法決定され配向され得る。溝はチャンバからの蒸気の流出を可能にするために用いるものとして上に記載するが、他の実施形態では、1つ以上の丸穴などの流出孔の様々な他の実施形態を用いてもよい。
【0079】
更に、一実施形態では、筐体は、チャンバと連通している1つ以上の流入孔を追加で画定してもよい。流入孔は、そこからチャンバに空気を流すように構成され得る。故に、使用者がエアロゾル送達デバイスを吸う際に、流入孔を通して進入する空気は、蒸気と混合され、流出孔(例えば、溝)を通して出てもよい。これに関連して、流入孔は、エアロゾル送達デバイスを通して流れる空気が流入孔に付帯する(例えば、流入孔は、エアロゾル送達デバイスの長手軸に実質的に平行に伸長し、よって、それを通る気流に実質的に平行であり得る)ように位置付けられ得る。故に、流入孔は、蒸気のチャンバからの除去を助け得る。空気をチャンバに方向付けるために、かつ/または蒸気をチャンバの外に方向付けるために、バッフルがチャンバ内及び/またはチャンバ周辺に追加で位置付けられてもよい。
【0080】
更に、いくつかの実施形態では、弁が流入孔及び流出孔の一方または両方に提供されてもよい。かかる弁は、受動的または能動的に開閉して、空気をチャンバ内に流し、かつ/または蒸気をチャンバの外に流し得る。あるいはまたは加えて、流入孔及び/または流出孔は、チャンバからの蒸気の所望の流れを提供すると同時に、エアロゾル前駆体組成物の実質的に完全な気化を確実にするように、特に寸法決定され得る。
【0081】
図10は、本開示の更なる例示的実施形態に従うエアロゾル送達デバイス500の断面図を示す。示すように、エアロゾル送達デバイス500は、制御体502及びカートリッジ504を含み得る。制御体502は、インジケータ506(例えば、LED)、電力源508(例えば、再充電可能な電池)、フローセンサ510、アクチュエータ514及びロッド516を備えるモーター組立体512、ピストン518、弁組立体520、ポンプ筐体522、連結器524、ならびに外側胴体526を含み得る。カートリッジ504は、基部528、貯蔵部530、加熱要素532及び流体送達管536を備える噴霧器531、吸い口534、ならびに外側胴体538を含み得る。カートリッジ504の基部528は、制御体502の連結器524に解放可能に係合して、それらの間の機械的及び電気的接続を形成するように構成され得る。
【0082】
図11は、エアロゾル送達デバイス500の更なる断面図を示す。より具体的には、図11は、使用者が吸い口534を吸うときのエアロゾル送達デバイス500を通した空気の流路を示す。示すように、気流または周囲空気540の流れは、エアロゾル送達デバイス500に進入し、フローセンサ510を通過して移動する。周囲空気540は電力源508を通過して流れるように示すが、他の実施形態では、空気は電力源を通過して流れない場合があり、かつ/またはフローセンサは代替的な場所に位置付けられてもよい。空気540は、その後、それを通して画定される1つ以上の孔542を通って連結器524を通り、基部528を通り、貯蔵部530及び噴霧器531の周りを移動し、吸い口534から出てもよい。
【0083】
図11に示すように、一実施形態では、空気540は、エアロゾル送達デバイス500に吸い口534の反対側のその長手方向の端部を通して進入し得る。しかしながら、他の実施形態では、空気は、代替的な場所でエアロゾル送達デバイスに進入してもよい。例えば、空気は、連結器もしくは基部を通して、または基部と吸い口との間の場所で進入してもよい。このように、本明細書に記載の特定の気流パターンは、例示目的のみで提供されることが理解される。
【0084】
フローセンサ510が吸引を検出すると、モーター組立体512が始動し得る。これに関連して、図12は、エアロゾル送達デバイス500の拡大部分断面図を示す。アクチュエータ514は、ロッド516を直線的に移動させるように構成され得る。このように、モーター組立体512は、いくつかの実施形態ではリニアモーターを備えてもよい。更なる例として、一実施形態では、モーター組立体512は、New Scale Technologies,Inc.of Victor,New Yorkによって販売されているSQUIGGLEモーターを備えてもよい。かかるモーターは、ロッド516の直線運動及び回転運動の両方を生み出し得る。
【0085】
モーター組立体512が始動すると、アクチュエータ514は、ロッド516を第1の方向(例えば、図12に示す配向で見ると左)に直線的に移動させて、ピストン518がカートリッジ504から離れてポンプ筐体522の更に中に引っ込むようにし得る。図12に示すように、この運動により、エアロゾル前駆体組成物544は、貯蔵部530から弁組立体520の1つ以上の一方向弁546を通してポンプ筐体522に引き込まれ得る。
【0086】
その後、モーター組立体512が始動して、アクチュエータ514がロッド516を第1の方向と反対側の第2の方向(例えば、図12に示す配向で見ると右)に直線的に移動させて、ピストン518がカートリッジ504に向けて方向付けられるようにし得る。これにより、図13に示すように、既にポンプ筐体522内に引き込まれたエアロゾル前駆体組成物544は、弁組立体520の1つ以上の第2の一方向弁548を通して放出され得る。これに関連して、第1の一方向弁546は、ポンプ筐体522に入る流れのみを可能にし得るのに対し、第2の一方向弁548は、ポンプ筐体から出る流れのみを可能にし得る。故に、本デバイスは、エアロゾル前駆体組成物が貯蔵部から出て噴霧器に入ることを交互に可能にするように反対方向に開く少なくとも2つの一方向弁を備え得る。
【0087】
故に、図13に更に示すように、エアロゾル前駆体組成物544は、噴霧器531に方向付けられ得る。具体的には、エアロゾル前駆体組成物544は、流体送達管536を通って加熱要素532に方向付けられ得る。示すように、一実施形態では、加熱要素532は管状構成を画定してもよく、そうであることで、エアロゾル前駆体組成物544がそれを通して方向付けられ、その中で気化し得る。具体的には、加熱要素532は、流体送達管536と整列するか、あるいは流体連通して、流体送達管を通して方向付けられるエアロゾル前駆体組成物544が、加熱要素を通しても方向付けられるようにし得る。いくつかの実施形態では、噴霧器531は、実質的に管状の加熱要素532に隣接し、かつそれと同一線上にある流体送達管536(毛細管であってもよい)を備えてもよい。このように、管状構成を有する加熱要素532を提供することで、噴霧器531は、エアロゾル前駆体組成物544が送達されるチャンバ549(図12を参照)を画定し得る。故に、エアロゾル前駆体組成物544が、空気540中に方向付けられること、及び気化せずに使用者に方向付けられることに関する問題を回避することができる。これに関連して、エアロゾル前駆体組成物544は、チャンバ549にて加熱要素532と接触するように方向付けられて、その気化を確実にし得る。いくつかの実施形態では、選択的透過性カバーを、加熱要素532の末端またはその付近の流出孔551にて含めて、形成された蒸気550を出し、液体エアロゾル前駆体組成物544を実質的に出さないようにしてもよい。このように、気化していないエアロゾル前駆体組成物のいかなる漏出も回避することができる。
【0088】
これに関連して、フローセンサ510がエアロゾル送達デバイス500上の吸引を検出すると、電力源508からの電流が加熱要素532に方向付けられて、熱を産出し得る。このように、そこに方向付けられたエアロゾル前駆体組成物544は、加熱されて気化し、エアロゾルまたは蒸気550を画定し得る。蒸気550は、その後、流出孔551を通してチャンバ549を出て、空気540と混合され、吸い口534を通して出てもよい。
【0089】
チャンバ549(例えば、図12を参照されたい)は、そこから空気540への蒸気550の最適な放出速度を提供するように構成され得る。これに関連して、流出孔551は、チャンバ549からの蒸気550の選択された流量を提供するように特に寸法決定され配向され得る。流出孔551は円形構成を画定するものとして示すが、他の実施形態では、複数の孔及び/または非円形孔などの流出孔の様々な他の実施形態を用いてもよい。
【0090】
更に、一実施形態では、噴霧器は、チャンバと連通している1つ以上の流入孔を追加で画定してもよい。流入孔は、そこからチャンバに空気を流すように構成され得る。故に、使用者がエアロゾル送達デバイスを吸う際に、流入孔を通して進入する空気は、蒸気と混合され、流出孔(複数可)を通して出てもよい。これに関連して、流入孔は、エアロゾル送達デバイスを通して流れる空気が流入孔に付帯する(例えば、流入孔は、エアロゾル送達デバイスの長手軸に実質的に平行に伸長し、よって、それを通る気流に実質的に平行であり得る)ように位置付けられ得る。故に、流入孔は、蒸気のチャンバからの除去を助け得る。空気をチャンバに方向付けるために、かつ/または蒸気をチャンバの外に方向付けるために、バッフルがチャンバ内及び/またはチャンバ周辺に追加で位置付けられてもよい。
【0091】
更に、いくつかの実施形態では、弁を流入孔及び流出孔の一方または両方で提供してもよい。かかる弁は、受動的または能動的に開閉して、空気をチャンバ内に流し、かつ/または蒸気をチャンバの外に流し得る。あるいはまたは加えて、流入孔及び/または流出孔は、チャンバからの蒸気の所望の流れを提供すると同時に、エアロゾル前駆体組成物の実質的に完全な気化を確実にするように、特に寸法決定され得る。
【0092】
いくつかの実施形態では、図12及び13に示すように、噴霧器531は、支持部材533を追加で含んでもよい。支持部材533は、加熱要素532を、流体送達管536の端部に隣接し、例えばそれと同一線上にある位置で支持して、円滑な流路を提供するように構成され得る。更に、支持部材533は、カートリッジ504の更なる構成要素(例えば、外側胴体538)を加熱要素によって産出される熱から絶縁する絶縁体または絶縁材料を備えて、それへの損傷を実質的に防止してもよい。
【0093】
図14は、本開示の更なる例示的実施形態に従うエアロゾル送達デバイス600の断面図を示す。示すように、エアロゾル送達デバイス600は、制御体602及びカートリッジ604を含み得る。制御体602は、インジケータ606(例えば、LED)、電力源608(例えば、再充電可能な電池)、フローセンサ610、アクチュエータ614及びロッド616を備えるモーター組立体612、ピストン618、弁組立体620、ポンプ筐体622、連結器624、加熱要素627を備える噴霧器626、ならびに外側胴体628を含み得る。カートリッジ604は、基部630、貯蔵部632、吸い口634、及び外側胴体636を含み得る。カートリッジ604の基部630は、制御体602の連結器624に解放可能に係合して、それらの間の機械的及び電気的接続を形成するように構成され得る。
【0094】
図15は、エアロゾル送達デバイス600の更なる断面図を示す。より具体的には、図15は、使用者が吸い口634を吸うときのエアロゾル送達デバイス600を通した空気の流路を示す。示すように、気流または周囲空気638の流れは、エアロゾル送達デバイス600に進入し、フローセンサ610を通過して移動する。周囲空気638は電力源608を通過して流れるように示すが、他の実施形態では、空気は電力源を通過して流れない場合があり、かつ/またはフローセンサは代替的な場所に位置付けられてもよい。空気638は、その後、それを通して画定される1つ以上の孔640を通って連結器624を通り、基部630を通り、貯蔵部632の周りを移動し、吸い口634から出てもよい。
【0095】
図15に示すように、一実施形態では、空気638は、エアロゾル送達デバイス600に吸い口634の反対側のその長手方向の端部を通して進入し得る。しかしながら、他の実施形態では、空気は、代替的な場所でエアロゾル送達デバイスに進入してもよい。例えば、空気は、連結器もしくは基部を通して、または基部と吸い口との間の場所で進入してもよい。このように、本明細書に記載の特定の気流パターンが例示目的のみのために提供されることを理解されたい。
【0096】
フローセンサ610が吸引を検出すると、モーター組立体612が始動し得る。これに関連して、図16は、エアロゾル送達デバイス600の拡大部分断面図を示す。アクチュエータ614は、ロッド616を直線的に移動させるように構成され得る。このように、モーター組立体612は、いくつかの実施形態ではリニアモーターを備えてもよい。更なる例として、一実施形態では、モーター組立体612は、New Scale Technologies,Inc.of Victor,New Yorkによって販売されているSQUIGGLEモーターを備えてもよい。かかるモーターは、ロッド616の直線運動及び回転運動の両方を生み出し得る。
【0097】
モーター組立体612が始動すると、アクチュエータ614は、ロッド616を第1の方向(例えば、図16に示す配向で見ると左)に直線的に移動させて、ピストン618がカートリッジ604から離れてポンプ筐体622の更に中に引っ込むようにし得る。図16に示すように、この運動により、エアロゾル前駆体組成物642は、弁組立体620の1つ以上の一方向弁644を通してポンプ筐体622に引き込まれ得る。
【0098】
その後、モーター組立体612が始動して、アクチュエータ614がロッド616を第1の方向と反対側の第2の方向(例えば、図16に示す配向で見ると右)に直線的に移動させて、ピストン618がカートリッジ604に向けて方向付けられるようにし得る。これにより、図17に示すように、既にポンプ筐体622内に引き込まれたエアロゾル前駆体組成物642は、噴霧器626に放出され得る。これに関連して、噴霧器626は、流体送達管646を更に備えてもよい。故に、エアロゾル前駆体組成物642は、流体送達管646を通って加熱要素627に方向付けられ得る。示すように、一実施形態では、流体送達管646は、ポンプ筐体622によって少なくとも部分的に画定され得る。更に、噴霧器626は、加熱要素627が位置付けられ、エアロゾル前駆体組成物642が送達されるチャンバ649を画定する筐体647を備えてもよい。故に、エアロゾル前駆体組成物642が、空気638中に方向付けられること、及び気化せずに使用者に方向付けられることに関する問題を回避することができる。これに関連して、エアロゾル前駆体組成物642は、チャンバ649にて加熱要素627と接触するように方向付けられて、その気化を確実にし得る。
【0099】
これに関連して、フローセンサ610がエアロゾル送達デバイス600上の吸引を検出すると、電力源608からの電流が加熱要素627に方向付けられて、熱を産出し得る。このように、そこに方向付けられたエアロゾル前駆体組成物642は、加熱されて気化し、筐体647内に画定される1つ以上の流出孔651を通ってチャンバ649を出るエアロゾルまたは蒸気648を画定し得る。蒸気648は、その後、空気638と混合され、吸い口634を通して出てもよい。
【0100】
チャンバ649(例えば、図16を参照されたい)は、そこから空気638への蒸気648(例えば、図17を参照されたい)の最適な放出速度を提供するように構成され得る。これに関連して、流出孔651は、チャンバ649からの蒸気648の選択された流量を提供するように特に寸法決定され配向され得る。流出孔651は円形構成を画定するものとして示すが、他の実施形態では、非円形孔及び/または単独の孔などの流出孔の様々な他の実施形態を用いてもよい。
【0101】
更に、図16に示すように、一実施形態では、筐体647は、チャンバ649と連通している1つ以上の流入孔653を追加で画定してもよい。流入孔653は、そこからチャンバ649に空気を流すように構成され得る。故に、使用者がエアロゾル送達デバイスを吸う際に、流入孔653を通して進入する空気は、蒸気648(例えば、図17を参照されたい)と混合され、流出孔651を通して出てもよい。これに関連して、流入孔653は、エアロゾル送達デバイス600を通して流れる空気が流入孔に付帯する(例えば、流入孔は、エアロゾル送達デバイスの長手軸に実質的に平行に伸長し、よって、それを通る気流に実質的に平行であり得る)ように位置付けられ得る。故に、流入孔653は、蒸気648のチャンバ649からの除去を助け得る。空気をチャンバに方向付けるために、かつ/または蒸気をチャンバの外に方向付けるために、バッフルがチャンバ内及び/またはチャンバ周辺に追加で位置付けられてもよい。
【0102】
更に、いくつかの実施形態では、弁を流入孔及び流出孔の一方または両方で提供してもよい。かかる弁は、受動的または能動的に開閉して、空気をチャンバ内に流し、かつ/または蒸気をチャンバの外に流し得る。あるいはまたは加えて、流入孔及び/または流出孔は、チャンバからの蒸気の所望の流れを提供すると同時に、エアロゾル前駆体組成物の実質的に完全な気化を確実にするように、特に寸法決定され得る。
【0103】
図18は、本開示の更なる例示的実施形態に従うエアロゾル送達デバイス700の断面図を示す。示すように、エアロゾル送達デバイス700は、制御体702及びカートリッジ704を含み得る。制御体702は、インジケータ706(例えば、LED)、電力源708(例えば、再充電可能な電池)、フローセンサ710、アクチュエータ714及びロッド716を備えるモーター組立体712、ピストン718、弁組立体720、ポンプ筐体722、連結器724、ならびに外側動態726を含み得る。カートリッジ704は、基部728、中に受容されるエアロゾル前駆体袋732を含み得る貯蔵部730、加熱要素734及び流体送達管735を備える噴霧器733、吸い口736、ならびに外側胴体738を含み得る。カートリッジ704の基部728は、制御体702の連結器724に解放可能に係合して、それらの間の機械的及び電気的接続を形成するように構成され得る。
【0104】
図19は、エアロゾル送達デバイス700の更なる断面図を示す。より具体的には、図19は、使用者が吸い口736を吸うときのエアロゾル送達デバイス700を通した空気の流路を示す。示すように、気流または周囲空気740の流れは、エアロゾル送達デバイス700に進入し、フローセンサ710を通過して移動する。周囲空気740は電力源708を通過して流れるように示すが、他の実施形態では、空気は電力源を通過して流れない場合があり、かつ/またはフローセンサは代替的な場所に位置付けられてもよい。空気740は、その後、それを通して画定される1つ以上の孔742を通って連結器724を通り、基部728を通り、貯蔵部730の周りを移動し、吸い口736から出てもよい。
【0105】
図19に示すように、一実施形態では、空気740は、エアロゾル送達デバイス700に吸い口736の反対側のその長手方向の端部を通して進入し得る。しかしながら、他の実施形態では、空気は、代替的な場所でエアロゾル送達デバイスに進入してもよい。例えば、空気は、連結器もしくは基部を通して、または基部と吸い口との間の場所で進入してもよい。このように、本明細書に記載の特定の気流パターンは、例示目的のみで提供されることが理解される。
【0106】
フローセンサ710が吸引を検出すると、モーター組立体712が始動し得る。これに関連して、図20は、エアロゾル送達デバイス700の拡大部分断面図を示す。アクチュエータ714は、ロッド716を直線的に移動させるように構成され得る。このように、モーター組立体712は、いくつかの実施形態ではリニアモーターを備えてもよい。更なる例として、一実施形態では、モーター組立体712は、New Scale Technologies,Inc.of Victor,New Yorkによって販売されているSQUIGGLEモーターを備えてもよい。かかるモーターは、ロッド714の直線運動及び回転運動の両方を生み出し得る。
【0107】
モーター組立体712が始動すると、アクチュエータ714がロッド716を第1の方向(例えば、図20に示す配向で見ると右)に直線的に移動させて、ピストン718がカートリッジ704に向けて方向付けられるようにし得る。ピストン718は、ポンプ筐体722から弁組立体720を通して空気(または別の流体)を移動させ得る。故に、空気は、貯蔵部730に進入し、エアロゾル前駆体袋732に圧力を適用して、以下で考察するようにエアロゾル前駆体組成物744を分注し得る。
【0108】
剛性の容器に対してエアロゾル前駆体袋732を使用することは、エアロゾル前駆体組成物744を貯蔵部730から分注するのを助け得る。これに関連して、エアロゾル前駆体袋732は、エアロゾル前駆体組成物744がそこから分注されると収縮または変形するのに対して、剛性の容器の使用は、変形に抵抗することによりエアロゾル前駆体組成物を分注しない場合がある。一実施形態では、エアロゾル前駆体袋732は、エラストマー材料(例えば、ゴム)を含んでもよい。
【0109】
用いる貯蔵部の特定の実施形態にかかわらず、図20に示すように、エアロゾル前駆体袋732内に保持されるエアロゾル前駆体組成物744は、噴霧器733に放出され得る。具体的には、エアロゾル前駆体組成物744は、流体送達管735を通って加熱要素734に方向付けられ得る。更に、噴霧器733は、加熱要素734が位置付けられ、エアロゾル前駆体組成物744が送達されるチャンバ747を画定する筐体745を備えてもよい。故に、エアロゾル前駆体組成物744が、空気740中に方向付けられること、及び気化せずに使用者に方向付けられることに関する問題を回避することができる。これに関連して、エアロゾル前駆体組成物744は、チャンバ747にて加熱要素734と接触するように方向付けられて、その気化を確実にし得る。
【0110】
これに関連して、フローセンサ710がエアロゾル送達デバイス700上の吸引を検出すると、電力源708からの電流が加熱要素734に方向付けられて、熱を産出し得る。このように、そこに方向付けられたエアロゾル前駆体組成物744は、加熱されて気化し、筐体745内に画定される1つ以上の流出孔749を通ってチャンバ747を出るエアロゾルまたは蒸気748を画定し得る。蒸気748は、その後、空気740と混合され、吸い口736を通して出てもよい。
【0111】
チャンバ747(例えば、図20を参照されたい)は、そこから空気740への蒸気748の最適な放出速度を提供するように構成され得る。これに関連して、流出孔749は、チャンバ747からの蒸気748の選択された流量を提供するように特に寸法決定され配向され得る。流出孔749は円形構成を画定するものとして示すが、他の実施形態では、非円形孔及び/または単独の孔などの流出孔の様々な他の実施形態を用いてもよい。
【0112】
更に、一実施形態では、噴霧器は、チャンバと連通している1つ以上の流入孔を追加で画定してもよい。流入孔は、そこからチャンバに空気を流すように構成され得る。故に、使用者がエアロゾル送達デバイスを吸う際に、流入孔を通して進入する空気は、蒸気と混合され、流出孔(複数可)を通して出てもよい。これに関連して、流入孔は、エアロゾル送達デバイスを通して流れる空気が流入孔に付帯する(例えば、流入孔は、エアロゾル送達デバイスの長手軸に実質的に平行に伸長し、よって、それを通る気流に実質的に平行であり得る)ように位置付けられ得る。故に、流入孔は、蒸気のチャンバからの除去を助け得る。空気をチャンバに方向付けるために、かつ/または蒸気をチャンバの外に方向付けるために、バッフルがチャンバ内及び/またはチャンバ周辺に追加で位置付けられてもよい。
【0113】
更に、いくつかの実施形態では、弁を流入孔及び流出孔の一方または両方で提供してもよい。かかる弁は、受動的または能動的に開閉して、空気をチャンバ内に流し、かつ/または蒸気をチャンバの外に流し得る。あるいはまたは加えて、流入孔及び/または流出孔は、チャンバからの蒸気の所望の流れを提供すると同時に、エアロゾル前駆体組成物の実質的に完全な気化を確実にするように、特に寸法決定され得る。
【0114】
分注後、モーター組立体712のアクチュエータ714は、ピストン718を、カートリッジ704から離れてポンプ筐体722の更に中へと、第1の方向と反対側の第2の方向(例えば、図20に示す配向で見ると左)に引っ込め得る。弁組立体720の1つ以上の一方向弁750は、この運動中に空気が貯蔵部730から引き出されるのを防止し得る。このように、ピストン718は、引っ込んだ位置に戻り得、エアロゾル送達デバイス700上の別の吸引がフローセンサ710によって検出されるまで、そこに留まり得る。エアロゾル送達デバイス700の代替的実施形態では、モーター組立体は、機械力を用いて(例えば、エアロゾル前駆体袋をロッドまたはピストンに接触させることにより)、エアロゾル前駆体組成物をエアロゾル前駆体袋から直接的に放出してもよい。
【0115】
図21は、本開示の更なる例示的実施形態に従うエアロゾル送達デバイス1000の分解図を示す。示すように、エアロゾル送達デバイス1000は、制御体1002及びカートリッジ1004を含み得る。制御体1002は、インジケータ1006(例えば、LED)、回路または回路基板1008、電力源1010(例えば、再充電可能な電池)、フローセンサ1012、噴霧器1014、配線1016、ポンプ筐体1018、ポンプ1020(例えば、MicroFab Technologies,Inc.of Plano,Texasによって販売されている圧電ポンプ)、連結器1022、及び外側胴体1024を含み得る。カートリッジ1004は、基部1026、貯蔵部1028、貯蔵部を封止する蓋1030、吸い口1032、及び外側胴体1034を含み得る。カートリッジ1004の基部1026は、制御体1002の連結器1022に解放可能に係合して、それらの間の機械的及び電気的接続を形成するように構成され得る。
【0116】
図22は、エアロゾル送達デバイス1000の改訂断面図を示す。より具体的には、図22は、使用者が吸い口1032を吸うときのエアロゾル送達デバイス1000を通した空気の流路を示す。示すように、気流または周囲空気1036の流れは、エアロゾル送達デバイス1000に進入し、フローセンサ1012を通過して移動する。空気1036は、その後、噴霧器1014及びポンプ筐体1018の周りを移動し、それを通して画定される1つ以上の孔1038を通して連結器1022を通り、基部1026を通り、貯蔵部1028の周りを移動し、吸い口1032から出てもよい。
【0117】
図22に示すように、一実施形態では、空気1036は、外側胴体1024を通して(例えば、その中に画定される1つ以上の孔を通して)エアロゾル送達デバイス1000に進入し得る。しかしながら、他の実施形態では、空気は、代替的な場所でエアロゾル送達デバイスに進入してもよい。例えば、空気は、吸い口と反対側のエアロゾル送達デバイスの長手方向の端部を通して、連結器もしくは基部を通して、または基部と吸い口との間の場所で、進入してもよい。このように、本明細書に記載の特定の気流パターンは、例示目的のみで提供されることが理解される。
【0118】
フローセンサ1012が吸引を検出すると、ポンプ1020が始動し得る。これに関連して、図22に示すように、連結器1022は、ポンプ1020を受容し保持するように構成されるレセプタクル1040を含み得る。これにより、図22に示すように、制御体1002は、カートリッジ1004に連結され、ポンプ1020は、貯蔵部1028に係合し得る。
【0119】
図23に示すように、ポンプ1020が始動すると、貯蔵部1028内のエアロゾル前駆体組成物1042が噴霧器1014に向けて送り出され得る。これに関連して、ポンプ1020は、それにエアロゾル前駆体組成物1042を押し通す圧力波を産出するように構成されるドライバーデバイスを含み得る。これに関連して、いくつかの実施形態では、ドライバーデバイスは、例として、全体が参照により本明細書に組み込まれるHayesらの米国特許第5,053,100号に記載されている圧電アクチュエータを備えてもよい。図24は、噴霧器1014の拡大した改訂断面図を示す。示すように、噴霧器1014は、流体送達管1044、加熱要素1046、及びキャップ1048を含み得る。流体送達管1044は、エアロゾル前駆体組成物1042をポンプ1020から受容し、エアロゾル前駆体組成物を加熱要素1046に方向付けるように構成される孔1050を含み得る。
【0120】
図25は、加熱要素1046及びキャップ1048の反対側の拡大部分斜視図を示す。フローセンサ1012がエアロゾル送達デバイス1000上の吸引を検出すると、電力源1008からの電流が加熱要素1046に方向付けられて、熱を産出し得る。例えば、電流は、加熱要素1046に直接的に送達されてもよく、あるいは電流は、加熱要素に連結された端子に方向付けられてもよい。このように、流体送達管1044中の孔1050を通して方向付けられたエアロゾル前駆体組成物1042は、加熱要素1046によって加熱されて気化し、エアロゾルまたは蒸気1052を画定し得る。一実施形態では、流体送達管1044及びキャップ1048は、加熱要素1046が位置付けられ、エアロゾル前駆体組成物1042が送達される、チャンバ1051(図22を参照されたい)を共同で画定し得る。故に、エアロゾル前駆体組成物1042が、空気1036中に方向付けられること、及び気化せずに使用者に方向付けられることに関する問題を回避することができる。これに関連して、エアロゾル前駆体組成物1042は、チャンバ1051にて加熱要素1046と接触するように方向付けられて、その気化を確実にし得る。蒸気1052(図23を参照されたい)は、その後、キャップ1048内の放射状に伸長している溝1054を通って噴霧器1014を出て(図25を参照されたい)、空気1036と混ざり、吸い口1032に移動し得る。
【0121】
チャンバ1051(図22を参照されたい)は、そこから空気1036への蒸気1052の最適な放出速度を提供するように構成され得る。これに関連して、キャップ内に画定される放射状に伸長している溝1054は、チャンバ1051からの蒸気1052(図23を参照されたい)の選択された流量を提供するように特に寸法決定され配向され得る。溝はチャンバからの蒸気の流出を可能にするために用いるものとして上に記載するが、他の実施形態では、1つ以上の丸穴などの流出孔の様々な他の実施形態を用いてもよい。
【0122】
更に、一実施形態では、筐体は、チャンバと連通している1つ以上の流入孔を追加で画定してもよい。流入孔は、そこからチャンバに空気を流すように構成され得る。故に、使用者がエアロゾル送達デバイスを吸う際に、流入孔を通して進入する空気は、蒸気と混合され、流出孔(例えば、溝)を通して出てもよい。これに関連して、流入孔は、エアロゾル送達デバイスを通して流れる空気が流入孔に付帯する(例えば、流入孔は、エアロゾル送達デバイスの長手軸に実質的に平行に伸長し、よって、それを通る気流に実質的に平行であり得る)ように位置付けられ得る。故に、流入孔は、蒸気のチャンバからの除去を助け得る。空気をチャンバに方向付けるために、かつ/または蒸気をチャンバの外に方向付けるために、バッフルがチャンバ内及び/またはチャンバ周辺に追加で位置付けてもよい。
【0123】
更に、いくつかの実施形態では、弁を流入孔及び流出孔の一方または両方で提供してもよい。かかる弁は、受動的または能動的に開閉して、空気をチャンバ内に流し、かつ/または蒸気をチャンバの外に流し得る。あるいはまたは加えて、流入孔及び/または流出孔は、チャンバからの蒸気の所望の流れを提供すると同時に、エアロゾル前駆体組成物の実質的に完全な気化を確実にするように、特に寸法決定され得る。
【0124】
図26は、本開示の更なる例示的実施形態に従うエアロゾル送達デバイス1100の断面図を示す。示すように、エアロゾル送達デバイス1100は、制御体1102及びカートリッジ1104を含み得る。制御体1102は、インジケータ1106(例えば、LED)、電力源1108(例えば、再充電可能な電池)、フローセンサ1110、連結器1112、及び外側胴体1114を含み得る。カートリッジ1104は、基部1116、噴霧器1118(例えば、加熱要素1119を備える)、ポンプ1120(例えば、Debiotech of Lausanne,Switzerlandによって販売されているシリコンチップ上のマイクロポンプ)、貯蔵部1122、貯蔵部を封止する蓋1124、吸い口1126、及び外側胴体1128を含み得る。カートリッジ1104の基部1116は、制御体1102の連結器1112に解放可能に係合して、それらの間の機械的及び電気的接続を形成するように構成され得る。
【0125】
図27は、エアロゾル送達デバイス1100の更なる断面図を示す。より具体的には、図27は、使用者が吸い口1126を吸うときのエアロゾル送達デバイス1100を通した空気の流路を示す。示すように、気流または周囲空気1130の流れは、エアロゾル送達デバイス1100に進入し、フローセンサ1110を通過して移動する。周囲空気1130は電力源1108を通過して流れるように示すが、他の実施形態では、空気は電力源を通過して流れない場合があり、かつ/またはフローセンサは代替的な場所に位置付けられてもよい。空気1130は、その後、それを通して画定される1つ以上の孔1132を通って連結器1112を通り、基部1116通り、噴霧器1118及び貯蔵部1122の周りを移動し、吸い口1126から出てもよい。
【0126】
図27に示すように、一実施形態では、空気1130は、エアロゾル送達デバイス1100に吸い口1126の反対側のその長手方向の端部を通して進入し得る。しかしながら、他の実施形態では、空気は、代替的な場所でエアロゾル送達デバイスに進入してもよい。例えば、空気は、連結器もしくは基部を通して、または基部と吸い口との間の場所で進入してもよい。このように、本明細書に記載の特定の気流パターンは、例示目的のみで提供されることが理解される。
【0127】
図28は、エアロゾル送達デバイス1100の拡大部分断面図を示す。フローセンサ1110が吸引を検出すると、電流がポンプ1120に適用され得る。これにより、貯蔵部1122内に保持されたエアロゾル前駆体組成物1134は、噴霧器1118に向けて放出され得る。噴霧器1118は、加熱要素1119が位置付けられ、エアロゾル前駆体組成物1134が送達されるチャンバ1135を画定する筐体1133を更に備えてもよい。故に、エアロゾル前駆体組成物1134が、空気1130中に方向付けられること、及び気化せずに使用者に方向付けられることに関する問題を回避することができる。これに関連して、エアロゾル前駆体組成物1134は、チャンバ1135にて加熱要素1119と接触するように方向付けられて、その気化を確実にし得る。
【0128】
これに関連して、フローセンサ1110がエアロゾル送達デバイス1100上の吸引を検出すると、電力源1108からの電流が加熱要素1119に方向付けられて、熱を産出し得る。このように、そこに方向付けられたエアロゾル前駆体組成物1134は、加熱されて気化し、エアロゾルまたは蒸気1136を画定し得る。結果として得られる蒸気1136は、その後、1つ以上の流出孔1137を通してチャンバ1135を出て、空気1130と混合され、吸い口1126を通して出てもよい。
【0129】
チャンバ1135(例えば、図28を参照されたい)は、そこから空気1130への蒸気1136の最適な放出速度を提供するように構成され得る。これに関連して、流出孔1137は、チャンバ1135からの蒸気1136の選択された流量を提供するように特に寸法決定され配向され得る。流出孔1137は円形構成を画定するものとして示すが、他の実施形態では、非円形孔及び/または単独の孔などの流出孔の様々な他の実施形態を用いてもよい。
【0130】
更に、一実施形態では、噴霧器は、チャンバと連通している1つ以上の流入孔を追加で画定してもよい。流入孔は、そこからチャンバに空気を流すように構成され得る。故に、使用者がエアロゾル送達デバイスを吸う際に、流入孔を通して進入する空気は、蒸気と混合され、流出孔(複数可)を通して出てもよい。これに関連して、流入孔は、エアロゾル送達デバイスを通して流れる空気が流入孔に付帯する(例えば、流入孔は、エアロゾル送達デバイスの長手軸に実質的に平行に伸長し、よって、それを通る気流に実質的に平行であり得る)ように位置付けられ得る。故に、流入孔は、蒸気のチャンバからの除去を助け得る。空気をチャンバに方向付けるために、かつ/または蒸気をチャンバの外に方向付けるために、バッフルがチャンバ内及び/またはチャンバ周辺に追加で位置付けられてもよい。
【0131】
更に、いくつかの実施形態では、弁を流入孔及び流出孔の一方または両方で提供してもよい。かかる弁は、受動的または能動的に開閉して、空気をチャンバ内に流し、かつ/または蒸気をチャンバの外に流し得る。あるいはまたは加えて、流入孔及び/または流出孔は、チャンバからの蒸気の所望の流れを提供すると同時に、エアロゾル前駆体組成物の実質的に完全な気化を確実にするように、特に寸法決定され得る。
【0132】
上記のエアロゾル送達デバイスの種々の実施形態では、カートリッジと制御体との間の接続器は、噴霧器への流体分注を可能にし、更に、例えば、電力源からの電力が噴霧器に提供され得るように、それらの間の電気的接続を提供する。例えば、図2~9に示すエアロゾル送達デバイス400では、基部及び連結器は、ロッドが制御体から連結器及び基部を通して伸長して、カートリッジ内でピストンを移動させるように構成される。更に、図10~28に示すエアロゾル送達デバイス500、600、700、1000、1100は、エアロゾル前駆体組成物を、それを通して方向付けるように構成される。具体的には、エアロゾル前駆体組成物は、カートリッジから基部を通り、連結器を通して制御体中に方向付けられる。接続器はまた、それを通る気流を可能にするように構成され得る。例えば、カートリッジは、制御体から連結器及び基部を通して気流を受容するように構成され得る。
【0133】
上記のエアロゾル送達デバイスの実施形態では、噴霧器の様々な実施形態を用いて、エアロゾル前駆体組成物を気化させることができることに留意されたい。かかる噴霧器としては、面状加熱器、巻線表面、マイクロヒータ(例えば、チップ上に埋め込まれた)ガラス板、レーザー、抵抗加熱器、ならびに任意の他の形状及び実施形態の加熱器を挙げることができる。更に、第1の加熱要素及び第2の加熱要素において用いる材料は異なってもよい。例えば、ワイヤコイル加熱要素に関して上に記載した材料を用いてもよい。本明細書に記載の加熱要素において用いてもよい様々な他の材料としては、プラチナまたはプラチナコーティングした材料、及び抵抗性インク(例えば、セラミック材料上に印刷されたもの)を挙げることができる。
【0134】
本明細書に記載のある特定のエアロゾル送達デバイスは、ウィックを用いる従来のエアロゾル送達デバイスに伴うある特定の問題を回避し得る。これに関連して、ウィックの使用は、エアロゾル前駆体組成物の成分の分離を引き起こし得る。更に、ウィックを使用してエアロゾル前駆体組成物を基材から加熱要素に輸送することは、漏出に繋がり得る。このように、本明細書に開示のエアロゾル送達デバイスの実施形態は、これら及び/または他の利点を提供し得る。
【0135】
本明細書に開示のエアロゾル送達デバイスは、概して、カートリッジ(例えば、交換可能なカートリッジ)及び制御体(例えば、再利用可能な制御体)を含むものとして説明するが、様々な他の実施形態を用いてもよいことに留意されたい。例えば、他の実施形態では、エアロゾル送達デバイスは、3つ以上の部品を含んでもよい。追加の実施形態では、エアロゾル送達デバイスは、一体型の1部品構成を画定してもよい。
【0136】
本開示は、概して別々に記載した様々な例示的実施形態を含むが、本明細書に開示の様々な実施形態の各々の要素及び構成要素が置き換え可能であることを理解されたい。故に、本開示は、総合的に読まれることにより、開示される発明のいずれの分離可能な特徴または要素も、その様々な態様及び実施形態のうちのいずれにおいても、文脈上そうでないとする明確な指示がない限り、組み合わせ可能であるよう意図されると見なされるべきであるよう意図される。
【0137】
追加の実施形態では、エアロゾル送達デバイスにおけるエアロゾル化のための方法が提供される。図29に示すように、本方法は、操作1402にて、制御体からエアロゾル前駆体組成物で少なくとも部分的に充填された貯蔵部を備えるカートリッジを通した気流を方向付けることを含み得る。更に、本方法は、操作1404にて、エアロゾル前駆体組成物を貯蔵部から加熱要素を備える噴霧器に容積型装置で分注することを含み得る。本方法は、操作1406にて、貯蔵部から分注されたエアロゾル前駆体組成物を加熱要素で加熱して、エアロゾルを産出することを追加で含んでもよい。
【0138】
いくつかの実施形態では、操作1404にてエアロゾル前駆体組成物を移動させることは、アクチュエータでピストンをポンプ筐体内で移動させることを含み得る。これに関連して、例えばアクチュエータ及びロッドを含むモーター組立体が、ピストンを移動させてもよい。いくつかの実施形態では、アクチュエータは、いくつかの実施形態では、リニアモーターを備えてもよい。更なる例として、一実施形態では、モーター組立体は、New Scale Technologies,Inc.of Victor,New Yorkによって販売されているSQUIGGLEモーターを備えてもよい。かかるモーターは、ロッドの直線運動及び回転運動の両方を生み出し得る。更に、ポンプ筐体内でピストンを移動させることは、ピストンを貯蔵部内で移動させることを含み得る。換言すると、貯蔵部は、ポンプ筐体を画定し得る。
【0139】
追加の実施形態では、ポンプ筐体内でピストンを移動させることは、流体をポンプ筐体から貯蔵部に移動させることを含んでもよい。流体をポンプ筐体から貯蔵部に移動させることは、エアロゾル前駆体組成物を貯蔵部内のエアロゾル前駆体袋から移動させることを含み得る。更に、ピストンをポンプ筐体内で移動させることは、ピストンを第1の方向に動かして、エアロゾル前駆体組成物を貯蔵部からポンプ筐体内に引き込むことと、ピストンを反対の第2の方向に動かして、エアロゾル前駆体組成物をポンプ筐体から噴霧器に方向付けることとを含み得る。加えて、本方法は、噴霧器からポンプ筐体へのエアロゾル前駆体組成物の流入を防止することと、弁組立体でポンプ筐体から貯蔵部へのエアロゾル前駆体組成物の流入を防止することとを含んでもよい。
【0140】
いくつかの実施形態では、操作1404にてエアロゾル前駆体組成物を貯蔵部から噴霧器に分注することは、エアロゾル前駆体組成物を、流体送達管を通して加熱要素に送達することを含み得る。エアロゾル前駆体組成物を、流体送達管を通して加熱要素に送達することは、エアロゾル前駆体組成物を、流体送達管の端部内に画定される溝に送達することを含み得る。更に、操作1406にてエアロゾル前駆体組成物を加熱することは、溝内のエアロゾル前駆体組成物を加熱することを含み得る。加えて、操作1406にてエアロゾル前駆体組成物を加熱することは、エアロゾル前駆体組成物をチャンバにおいて加熱することを含んでもよい。
【0141】
本開示が関連する分野の当業者であれば、これまでの説明及び関連する図面に提示された教示を利用して、本開示の多数の改変及び他の実施形態を思いつくことになるであろう。したがって、本開示は、本明細書に開示した特定の実施形態に限定されず、改変及び他の実施形態が添付の特許請求の範囲の適用範囲内に含まれるよう意図される。特定の用語を本明細書に用いたが、それらは一般的かつ説明的な意味でのみ使用され、限定を目的とするものではない。
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