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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-07
(45)【発行日】2023-09-15
(54)【発明の名称】表示モジュール及び移動端末
(51)【国際特許分類】
   H01Q 1/44 20060101AFI20230908BHJP
   H01Q 9/16 20060101ALI20230908BHJP
   H01Q 21/08 20060101ALI20230908BHJP
   H01Q 21/28 20060101ALI20230908BHJP
   H01Q 1/24 20060101ALN20230908BHJP
   H04M 1/02 20060101ALN20230908BHJP
【FI】
H01Q1/44
H01Q9/16
H01Q21/08
H01Q21/28
H01Q1/24 Z
H04M1/02 C
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2021574993
(86)(22)【出願日】2020-06-11
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-25
(86)【国際出願番号】 CN2020095548
(87)【国際公開番号】W WO2020259300
(87)【国際公開日】2020-12-30
【審査請求日】2021-12-16
(31)【優先権主張番号】201910562658.4
(32)【優先日】2019-06-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】517372494
【氏名又は名称】維沃移動通信有限公司
【氏名又は名称原語表記】VIVO MOBILE COMMUNICATION CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No.1, vivo Road, Chang’an, Dongguan,Guangdong 523863, China
(74)【代理人】
【識別番号】110002871
【氏名又は名称】弁理士法人坂本国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】簡 憲靜
(72)【発明者】
【氏名】祝 利軍
(72)【発明者】
【氏名】王 義金
【審査官】白井 亮
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2019/113609(US,A1)
【文献】特開2016-100794(JP,A)
【文献】特開2003-110329(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/203562(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第106229626(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01Q 1/44
H01Q 9/16
H01Q 21/08
H01Q 21/28
H01Q 1/24
H04M 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動端末に用いられる表示モジュールであって、
スクリーンカバーと、第一のアンテナアレイと、第一のフレキシブル回路基板と、第一の無線周波数集積回路とを含み、そのうち、
前記第一のアンテナアレイは、前記スクリーンカバーの第一の領域内に設けられ、
前記第一の無線周波数集積回路は、前記第一のフレキシブル回路基板上に設けられ、且つ前記第一のフレキシブル回路基板によって前記第一のアンテナアレイに電気的に接続され
前記第一のアンテナアレイは、少なくとも二つの第一のダイポールアンテナユニットを含み、前記第一のダイポールアンテナユニットは、並設された二つの第一のダイポールアンテナを含み、
前記スクリーンカバー上に第一のボンディング領域と第一の給電線が各前記第一のダイポールアンテナユニットに対応して設けられ、前記第一の給電線の一端は、対応する第一のダイポールアンテナユニットに電気的に接続され、他端は、対応する第一のボンディング領域に電気的に接続され、前記第一のボンディング領域は、前記第一のフレキシブル回路基板に電気的に接続される、表示モジュール。
【請求項2】
前記第一のフレキシブル回路基板上に第一のコネクタが設けられ、前記第一の無線周波数集積回路は、前記第一のコネクタによって前記移動端末のメインボードに電気的に接続される、請求項1に記載の表示モジュール。
【請求項3】
前記第一のフレキシブル回路基板上にスクリーンドライバチップとタッチ検出チップがさらに設けられ、前記スクリーンドライバチップとタッチ検出チップは、前記第一のコネクタによって前記メインボードに接続される、請求項2に記載の表示モジュール。
【請求項4】
前記表示モジュールは、第二のアンテナアレイと、第二のフレキシブル回路基板と、第二の無線周波数集積回路とをさらに含み、そのうち、
前記第二のアンテナアレイは、前記スクリーンカバーの第二の領域内に設けられ、前記第二の領域と前記第一の領域は、前記スクリーンカバーの二つの対向端に位置し、
前記第二の無線周波数集積回路は、前記第二のフレキシブル回路基板上に設けられ、且つ前記第二のフレキシブル回路基板によって前記第二のアンテナアレイに電気的に接続される、請求項1~のいずれか1項に記載の表示モジュール。
【請求項5】
前記第二のフレキシブル回路基板上に第二のコネクタが設けられ、前記第二の無線周波数集積回路は、前記第二のコネクタによって前記移動端末のメインボードに電気的に接続される、請求項に記載の表示モジュール。
【請求項6】
前記第二のアンテナアレイは、少なくとも二つの第二のダイポールアンテナユニットを含み、前記第二のダイポールアンテナユニットは、並設された二つの第二のダイポールアンテナを含む、請求項に記載の表示モジュール。
【請求項7】
前記スクリーンカバー上に第二のボンディング領域と第二の給電線が各前記第二のダイポールアンテナユニットに対応して設けられ、前記第二の給電線の一端は、対応する第二のダイポールアンテナユニットに電気的に接続され、他端は、対応する第二のボンディング領域に電気的に接続され、前記第二のボンディング領域は、前記第二のフレキシブル回路基板に電気的に接続される、請求項に記載の表示モジュール。
【請求項8】
前記第二のアンテナアレイは、ミリ波アンテナアレイである、請求項に記載の表示モジュール。
【請求項9】
前記第一のアンテナアレイは、ミリ波アンテナアレイである、請求項1に記載の表示モジュール。
【請求項10】
請求項1~のいずれか1項に記載の表示モジュールと、前記表示モジュールを搭載する搭載部材とを含む、移動端末。
【請求項11】
前記搭載部材は、金属搭載部材であり、前記金属搭載部材は、前記表示モジュールのアンテナアレイのリフレクタとして使用される、請求項10に記載の移動端末。
【請求項12】
前記表示モジュールが第一のアンテナアレイと、第一の無線周波数集積回路と、第二のアンテナアレイと、第二の無線周波数集積回路とを含む場合、
前記移動端末は、前記第一の無線周波数集積回路と前記第二の無線周波数集積回路にそれぞれ電気的に接続される制御チップをさらに含み、
そのうち、第一の領域がタッチされる場合、前記制御チップは、前記第二のアンテナアレイを介してデータの送受信を行うように前記第二の無線周波数集積回路を制御し、
第二の領域がタッチされる場合、前記制御チップは、前記第一のアンテナアレイを介してデータの送受信を行うように前記第一の無線周波数集積回路を制御する、請求項10に記載の移動端末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2019年6月26日に中国で提出された中国特許出願番号No.201910562658.4の優先権を主張しており、同出願の内容の全ては、ここに参照として取り込まれる。
本開示は、通信機器技術分野に関し、特に表示モジュール及び移動端末に関する。
【背景技術】
【0002】
無線通信技術の急速な発展に伴い、特に今後の5Gの商業化に伴い、無線通信システムの応用シーンは、ますます豊富になり、その結果、無線通信システムの主要な部品のうちの一つであるアンテナに対する要求はますます高まっている。
【0003】
一方では、いくつかの応用シーンでは、アンテナは、自動車、スマートウェアラブル及びスマートホームなどの無線製品上に集積されるために、コンフォーマル性、隠蔽性及び安全性を有する必要があり、他方では、無線通信システムの伝送速度がますます高くなり、通信容量がますます大きくなるにつれて、搬送波周波数はますます高くなり、搬送波周波数がますます高くなることにより、パス損失はますます大きくなり、パス損失の影響を解消するために、アレイアンテナを使用して利得を上げる必要があり、高利得とビーム走査又はビームフォーミング(beamforming)を同時に実現するために、フェーズドアンテナアレイ(phased antenna array)技術を採用する必要があり、それにより、限られた空間内にますます多くのアンテナを集積する必要があり、その結果、従来のアンテナ設計方法を基礎として、他のアンテナ空間を開く必要がある。特に5G及び携帯電話(又は他の無線通信製品)のフルスクリーンの台頭に伴い、アンテナの数はますます多くなるが、究極のフルスクリーン効果の追求により、アンテナの空間は継続的に圧縮されている。
【0004】
現在、主流のミリ波のアンテナ設計案は、主にアンテナ・イン・パッケージ(Antenna in package、AIP)の技術及び工程を採用し、即ち、ミリ波のアレイアンテナ、無線周波数集積回路(Radio Frquency Intergarted Circuit、RFIC)及び電源管理集積回路(Power Management Intergarted Circuit、PMIC)を一つのモジュール内に集積する。実際の応用では、このモジュールが携帯電話に組み込まれると、現在の他のアンテナの空間を占有することにより、アンテナの性能が低下する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示の実施例は、アンテナアレイが現在の他のアンテナの空間を占有することにより、アンテナ性能が低下するという問題を解決するための表示モジュール及び移動端末を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第一の方面によれば、本開示の実施例は、移動端末に用いられる表示モジュールを提供する。この表示モジュールは、スクリーンカバーと、第一のアンテナアレイと、第一のフレキシブル回路基板と、第一の無線周波数集積回路とを含み、そのうち、
前記第一のアンテナアレイは、前記スクリーンカバーの第一の領域内に設けられ、
前記第一の無線周波数集積回路は、前記第一のフレキシブル回路基板上に設けられ、且つ前記第一のフレキシブル回路基板によって前記第一のアンテナアレイに電気的に接続される。
【0007】
第二の方面によれば、本開示の実施例は、移動端末をさらに提供する。この移動端末は、表示モジュールと、前記表示モジュールを搭載する搭載部材とを含み、この表示モジュールは、スクリーンカバーと、第一のアンテナアレイと、第一のフレキシブル回路基板と、第一の無線周波数集積回路とを含み、そのうち、
前記第一のアンテナアレイは、前記スクリーンカバーの第一の領域内に設けられ、
前記第一の無線周波数集積回路は、前記第一のフレキシブル回路基板上に設けられ、且つ前記第一のフレキシブル回路基板によって前記第一のアンテナアレイに電気的に接続される。
【発明の効果】
【0008】
本開示の実施例は、スクリーンカバーの第一の領域に第一のアンテナアレイを設けることにより、第一のアンテナアレイを介してスクリーンの上方の領域に対してビーム走査又はビームフォーミングを行う。本開示の実施例で設計されたアンテナアレイは、移動端末のリアカバーに設けられた他のアンテナの空間を占有する必要がないことにより、アンテナの性能を向上させた。なお、スクリーンのガラス基板上にアンテナアレイを設計することにより、スクリーンカバーの媒体基板を再利用し、ガラス基板の誘電率が高いため、アンテナのサイズをさらに小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本開示の実施例による表示モジュールの構造図のその一である。
図2図1におけるAの拡大構造概略図である。
図3】本開示の実施例による表示モジュールの構造図のその二である。
図4図3におけるBの拡大構造概略図である。
図5】本開示の実施例による移動端末の構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下は、本開示の実施例における添付図面を結び付けながら、本開示の実施例における技術案を明瞭且つ完全に記述する。明らかに、記述された実施例は、本開示の一部の実施例であり、全部の実施例ではない。本開示における実施例に基づき、当業者が創造的な労力を払わない前提で得られたすべての他の実施例は、いずれも本開示の保護範囲に属する。
【0011】
別の定義がない限り、本開示で使用された専門用語又は学術用語は、当業者に理解される通常の意味を有するものであるべきである。本開示で使用された「第一の」、「第二の」及び類似した用語は、特定の順序、数又は重要性を表すものではなく、異なる構成要素を区別するためのものだけである。同様に、「一つ」又は「一」などの類似した用語は、数の制限を表すものではなく、少なくとも一つ存在することを表すものである。「接続」又は「連結」などの類似した用語は、物理的又は機械的接続に限定されるものではなく、直接又は間接を問わず、電気的接続を含んでもよいものである。「上」、「下」、「左」、「右」などは、相対位置関係を表すためのものだけであり、記述された対象の絶対位置が変化すると、それに応じて、この相対位置関係も変化する。
【0012】
図1図2を参照すると、本開示の実施例は、移動端末に用いられる表示モジュールを提供する。この表示モジュールは、スクリーンカバー11と、第一のアンテナアレイ12と、第一のフレキシブル回路基板13と、第一の無線周波数集積回路14とを含み、そのうち、
前記第一のアンテナアレイ12は、前記スクリーンカバー11の第一の領域111内に設けられ、
前記第一の無線周波数集積回路14は、前記第一のフレキシブル回路基板13上に設けられ、且つ前記第一のフレキシブル回路基板13によって前記第一のアンテナアレイ12に電気的に接続される。
【0013】
一般的には、上記スクリーンカバーは、ガラスカバーであり、当然のことながら、実際の応用では、他の透明な非金属材料で製造されるものであってもよい。上記第一の領域は、何の金属成分も有さず、ガラス媒体又はプラスチック媒体のみを有する領域であり、例えば、移動端末では、クリアランス領域と通称される。具体的には、上記第一の領域111の位置は、実際の必要に応じて設けられてもよく、スクリーンカバー11の上端又は下端に設けられてもよく、このスクリーンカバー11の上端と下端は、移動端末の構造全体に対するものであり、一般的には、移動端末の上端にはフロントカメラが設けられ、移動端末の下端にはマイクロホンが設けられる。図1に示すように、本開示の実施例では、上記第一の領域111は、スクリーンカバー11の下端に位置する。
【0014】
この第一の領域の幅は、実際の必要に応じて設けられてもよく、例えば、本実施例では、上記第一のアンテナアレイ12は、幅が1mm以内の領域内に設けられてもよい。
【0015】
理解すべきことは、上記第一のアンテナアレイ12がビームを送受信する周波数は、実際の必要に応じて設けられてもよく、例えば、本開示の実施例では、この第一のアンテナアレイ12が送受信する周波数は、60Gであってもよい。理解すべきことは、波長に応じて、上記第一のアンテナアレイは、ミリ波アンテナアレイと呼ばれてもよい。
【0016】
本開示の実施例では、第一のフレキシブル回路基板13上に接続点が設けられてもよく、第一のフレキシブル回路基板13とスクリーンカバー11とを貼り合わせた後、この接続点に基づき、第一のフレキシブル回路基板13とスクリーンカバー11上の導電線との電気的接続関係を実現できるとともに、第一のフレキシブル回路基板13と第一のアンテナアレイ12との電気的接続を実現できる。第一のフレキシブル回路基板13上に、導電線路が設けられ、第一の無線周波数集積回路14は、導電線路、接続点によって第一のアンテナアレイ12に電気的に接続されてもよい。なお、接続の安定性を向上させるために、第一のフレキシブル回路基板13は、接続点によってスクリーンカバー11に溶接及び固定されるように設けられてもよい。
【0017】
本開示の実施例は、スクリーンカバー11の第一の領域111に第一のアンテナアレイ12を設けることにより、第一のアンテナアレイ12を介してスクリーンの上方の領域に対してビーム走査又はビームフォーミングを行う。本開示の実施例で設計されたアンテナアレイは、移動端末のリアカバーに設けられた他のアンテナの空間を占有する必要がないことにより、アンテナの性能を向上させた。なお、スクリーンのガラス基板上にアンテナアレイを設計することにより、スクリーンカバーの媒体基板を再利用し、ガラス基板の誘電率が高いため、アンテナのサイズをさらに小さくすることができる。
【0018】
上記移動端末は、携帯電話、タブレットコンピュータ、電子書籍リーダー、MP3プレーヤー、MP4プレーヤー、デジタルカメラ、ラップトップコンピュータ、車載コンピュータ、デスクトップコンピュータ、セットトップボックス、スマートテレビ、ウェアラブルデバイスのうちの少なくとも一つを含んでもよい。
【0019】
さらに、上記第一のフレキシブル回路基板13上に第一のコネクタ131が設けられ、前記第一の無線周波数集積回路14は、前記第一のコネクタ131によって前記移動端末のメインボードに電気的に接続される。
【0020】
本開示の実施例では、上記第一のコネクタ131は、ボード・ツー・ボード(Board to Board、BTB)コネクタであってもよい。第一のコネクタ131を用いて第一のフレキシブル回路基板13とメインボードとの間の電気的接続を実現するため、第一のフレキシブル回路基板13とメインボードとの間の独立性を確保できるとともに、容易に着脱できる。
【0021】
さらに、上記実施例に基づき、本開示の実施例では、上記第一のフレキシブル回路基板13上にスクリーンドライバチップ132とタッチ検出チップ133がさらに設けられ、前記スクリーンドライバチップ132とタッチ検出チップ133は、前記第一のコネクタ131によって前記メインボードに接続される。
【0022】
上記スクリーンドライバチップ132は、表示スクリーンのドライバチップであってもよく、表示スクリーンの表示を駆動するためのものであり、上記タッチ検出チップ133は、スクリーンカバー11に電気的に接続され、スクリーンカバー11がタッチされた情報を検出するためのものである。本開示の実施例では、スクリーンドライバチップ132とタッチ検出チップ133が第一のフレキシブル回路基板13上に設けられ、且つ第一の無線周波数集積回路14と第一のコネクタ131を共有してメインボードとの間の接続を実現するため、空間を効果的に節約でき、移動端末の小型化設計に役立つ。
【0023】
具体的には、上記第一のアンテナアレイ12の構造は、実際の必要に応じて設けられてもよく、図2に示すように、本開示の実施例では、上記第一のアンテナアレイ12は、少なくとも二つの第一のダイポールアンテナユニット121を含み、前記第一のダイポールアンテナユニット121は、並設された二つの第一のダイポールアンテナ1211を含む。
【0024】
本開示の実施例では、上記第一のダイポールアンテナユニット121は、四つ設けられてもよく、そのうち、各第一のダイポールアンテナユニット121はいずれも、二つの第一のダイポールアンテナ1211を含む。そのうち、第一のダイポールアンテナユニット121内の二つの第一のダイポールアンテナ1211は、第一のダイポールアンテナ1211の長さ方向に間隔を置いて設けられ、二つの第一のダイポールアンテナ1211の形状及びサイズは、同じであってもよく、具体的には、第一のダイポールアンテナ1211の長さは、0.55mmに設けられてもよく、幅は、0.2mmに設けられてもよく、二つの第一のダイポールアンテナ1211の間隔は、0.1mmであってもよい。
【0025】
選択的に、前記スクリーンカバー11上に第一のボンディング(bonding)領域(図示せず)と第一の給電線1212が各前記第一のダイポールアンテナユニット1211に対応して設けられ、前記第一の給電線1212の一端は、対応する第一のダイポールアンテナユニット1211に電気的に接続され、他端は、対応する第一のボンディング領域に電気的に接続され、前記第一のボンディング領域は、前記第一のフレキシブル回路基板13に電気的に接続される。
【0026】
本開示の実施例では、第一のフレキシブル回路基板13の接続点と第一のボンディング領域とは、熱的接続のプロセスによって電気的接続を実現でき、具体な接続方式は、関連技術を参照してもよい。ここではさらに限定しない。図2に示すように、第一の給電線1212は、二つの第一のダイポールアンテナ1211の対向する二つのアームの末端(即ち、対向端)から引き出され、スクリーンカバー11の第一のボンディング領域まで延びる。選択的に、上記第一のダイポールアンテナユニット121の二つの第一のダイポールアンテナ1211は、差動給電を採用してもよく、即ち、第一の無線周波数集積回路14のpinピンからの信号は、振幅が同じであり、位相差が180°である。差動給電の方式を採用するため、第一のダイポールアンテナユニット121の二つの第一の給電線1212の長さは、可能な限り同じである必要があり、差がある場合、第一の無線周波数集積回路14の出力信号の位相を補償してもよい。
【0027】
さらに、図3図4に示すように、表示モジュールは、第二のアンテナアレイ15と、第二のフレキシブル回路基板16と、第二の無線周波数集積回路17とをさらに含み、そのうち、
前記第二のアンテナアレイ15は、前記スクリーンカバー11の第二の領域112内に設けられ、前記第二の領域112と前記第一の領域111は、前記スクリーンカバー11の二つの対向端に位置し、
前記第二の無線周波数集積回路17は、前記第二のフレキシブル回路基板16上に設けられ、且つ前記第二のフレキシブル回路基板16によって前記第二のアンテナアレイ15に電気的に接続される。
【0028】
本開示の実施例では、上記第二の領域112は、スクリーンカバー11の上端に位置し、この第二の領域の構造は、第一の領域111と同じであり、ただ位置が異なる。この第二のアンテナアレイ15の構造は、第一のアンテナアレイ12の構造と同じであってもよい。例えば、この第二のアンテナアレイ15は、少なくとも二つの第二のダイポールアンテナユニット151を含み、前記第二のダイポールアンテナユニット151は、並設された二つの第二のダイポールアンテナ1511を含む。第二のダイポールアンテナユニット151内の二つの第二のダイポールアンテナ1511は、第二のダイポールアンテナ1511の長さ方向に間隔を置いて設けられ、二つの第二のダイポールアンテナ1511の形状及びサイズは、同じであってもよく、具体的には、第二のダイポールアンテナ1511の長さは、0.55mmに設けられてもよく、幅は、0.2mmに設けられてもよく、二つの第二のダイポールアンテナ1511の間隔は、0.1mmであってもよい。
【0029】
説明すべきことは、第二のアンテナアレイが送受信するビームの波長に応じて、この第二のアンテナアレイは、ミリ波アンテナアレイと呼ばれてもよい。
【0030】
本開示の実施例では、第二のアンテナアレイ15を設けることにより、アンテナの空間の被覆範囲を拡大できる。なお、第一のアンテナアレイ12と第二のアンテナアレイ15を切り替えて使用してもよく、例えば、ユーザが第一の領域111をタッチする場合、第二のアンテナアレイ15を介してデータの送受信を行ってもよく、ユーザが第二の領域112をタッチする場合、第一のアンテナアレイ12を介してデータの送受信を行ってもよく、それにより、無線通信の品質を向上させた。
【0031】
選択的に、前記スクリーンカバー11上に第二のボンディング領域(図示せず)と第二の給電線1512が各前記第二のダイポールアンテナユニット1511に対応して設けられ、前記第二の給電線1512の一端は、対応する第二のダイポールアンテナユニット1511に電気的に接続され、他端は、対応する第二のボンディング領域に電気的に接続され、前記第二のボンディング領域は、前記第二のフレキシブル回路基板16に電気的に接続される。
【0032】
本開示の実施例では、第二のフレキシブル回路基板16の接続点と第二のボンディング領域とは、熱的接続のプロセスによって電気的接続を実現でき、具体な接続方式は、関連技術を参照してもよい。ここではさらに限定しない。図4に示すように、第二の給電線1512は、二つの第一のダイポールアンテナ1211の対向する二つのアームの末端(即ち、対向端)から引き出され、スクリーンカバー11の第二のボンディング領域まで延びる。選択的に、上記第二のダイポールアンテナユニット151の二つの第二のダイポールアンテナ1511は、差動給電を採用してもよく、即ち、第二の無線周波数集積回路17のpinピンからの信号は、振幅が同じであり、位相差が180°である。差動給電の方式を採用するため、第二のダイポールアンテナユニット151の二つの第二の給電線1512の長さは、可能な限り同じである必要があり、差がある場合、第二の無線周波数集積回路17の出力信号の位相を補償してもよい。
【0033】
さらに、上記第二のフレキシブル回路基板16上に第二のコネクタ161が設けられ、前記第二の無線周波数集積回路17は、前記第二のコネクタ161によって前記移動端末のメインボードに電気的に接続される。
【0034】
本開示の実施例では、上記第二のコネクタ161は、ボード・ツー・ボード(Board to Board、BTB)コネクタであってもよい。第二のコネクタ161を用いて第二のフレキシブル回路基板16とメインボードとの間の電気的接続を実現するため、第二のフレキシブル回路基板16とメインボードとの間の独立性を確保できるとともに、容易に着脱できる。
【0035】
さらに、図1図5に示すように、本開示の実施例は、移動端末をさらに提供する。この移動端末は、表示モジュールと、表示モジュールを搭載する搭載部材18とを含む。この搭載部材18は、フロントケース又はミドルベゼルであってもよく、上記表示モジュールは、上記実施例における表示モジュールであり、この表示モジュールの構造は、上記実施例の記述を参照してもよい。ここでは説明を省略する。上記実施例における表示モジュールを採用するため、本実施例による移動端末は、上記実施例における表示モジュールのすべての有益な効果を有する。
【0036】
さらに、前記搭載部材18は、金属搭載部材であり、前記金属搭載部材は、前記表示モジュールのアンテナアレイのリフレクタとして使用される。
【0037】
本開示の実施例では、上記金属搭載部材とアンテナアレイは、移動端末の厚さ方向に一定の間隔を有してもよい。
【0038】
この間隔は、移動端末の厚さ方向に第一のアンテナアレイ12における各第一のダイポールアンテナユニット121から搭載部材18までの垂直距離、及び移動端末の厚さ方向に第二のアンテナアレイ15における各第二のダイポールアンテナユニット151から搭載部材18までの垂直距離として理解されてもよく、この間隔のサイズは、実際の必要に応じて設けられてもよい。
【0039】
上記搭載部材18は、厚さ方向に第一のアンテナアレイ12と第二のアンテナアレイ15の位置に対応して金属材料で製造されるものであってもよく、全体的に金属材料で製造されるものであってもよい。ここではさらに限定しない。搭載部材18は、金属搭載部材であるため、アンテナアレイのリフレクタとして使用されてもよく、アンテナアレイの最大輻射方向をスクリーン側に向けてもよく、それにより、第一のアンテナアレイ12と第二のアンテナアレイ15の利得を上げ、無線通信の品質を向上させた。
【0040】
上記間隔のサイズによって、アンテナユニットのSパラメータに対する影響が異なるため、本実施例では、各第一のダイポールアンテナユニット121から搭載部材18までの垂直距離をいずれも0.37mmに、各第二のダイポールアンテナユニット151から搭載部材18までの垂直距離をいずれも0.37mmに設定することにより、周波数60Gのビームに対して通信品質を最大限に向上させることができる。
【0041】
さらに、上記実施例に基づき、本実施例では、前記表示モジュールが第一のアンテナアレイ12と、第一の無線周波数集積回路14と、第二のアンテナアレイ15と、第二の無線周波数集積回路17とを含む場合、
前記移動端末は、前記第一の無線周波数集積回路14と前記第二の無線周波数集積回路17にそれぞれ電気的に接続される制御チップをさらに含み、
そのうち、第一の領域111がタッチされる場合、前記制御チップは、前記第二のアンテナアレイ15を介してデータの送受信を行うように前記第二の無線周波数集積回路17を制御し、
第二の領域112がタッチされる場合、前記制御チップは、前記第一のアンテナアレイ12を介してデータの送受信を行うように前記第一の無線周波数集積回路14を制御する。
【0042】
本開示の実施例では、上記制御チップは、メインボード上に設けられてもよく、第一の無線周波数集積回路14と第二の無線周波数集積回路17の作動状態を制御するためのものである。制御チップはさらに、タッチ検出チップ133に電気的に接続されてもよく、タッチ検出チップ133によって検出されたユーザのタッチ位置に従って第一の領域111と第二の領域112のタッチ状態を決定し、さらに、第一の無線周波数集積回路14と第二の無線周波数集積回路17の作動状態を制御する。
【0043】
ユーザが第一の領域111をタッチする場合、第二のアンテナアレイ15を介してデータの送受信を行い、ユーザが第二の領域112をタッチする場合、第一のアンテナアレイ12を介してデータの送受信を行い、それにより、移動端末の無線通信の品質を向上させた。
【0044】
以上は、本開示の具体的な実施の形態に過ぎず、本開示の保護範囲は、それに限らない。いかなる当業者が、本開示に掲示される技術的範囲内に、容易に想到できる変形又は置換は、いずれも、本開示の保護範囲内に含まれるべきである。そのため、本開示の保護範囲は、特許請求の範囲の保護範囲を基準とすべきである。
図1
図2
図3
図4
図5