IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ミネラル アース サイエンシズ エルエルシーの特許一覧

<>
  • 特許-画像における作物タイプ分類 図1
  • 特許-画像における作物タイプ分類 図2
  • 特許-画像における作物タイプ分類 図3A
  • 特許-画像における作物タイプ分類 図3B
  • 特許-画像における作物タイプ分類 図4
  • 特許-画像における作物タイプ分類 図5
  • 特許-画像における作物タイプ分類 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-07
(45)【発行日】2023-09-15
(54)【発明の名称】画像における作物タイプ分類
(51)【国際特許分類】
   G06F 16/54 20190101AFI20230908BHJP
【FI】
G06F16/54
【請求項の数】 19
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022030570
(22)【出願日】2022-03-01
(62)【分割の表示】P 2020539853の分割
【原出願日】2019-01-15
(65)【公開番号】P2022084655
(43)【公開日】2022-06-07
【審査請求日】2022-03-25
(31)【優先権主張番号】62/620,939
(32)【優先日】2018-01-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/218,305
(32)【優先日】2018-12-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】523241221
【氏名又は名称】ミネラル アース サイエンシズ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100126480
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 睦
(72)【発明者】
【氏名】グオ,チェン-エン
(72)【発明者】
【氏名】ヤン,ジエ
(72)【発明者】
【氏名】グラント,エリオット
【審査官】三橋 竜太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-102542(JP,A)
【文献】国際公開第2017/164009(WO,A1)
【文献】特開2003-006612(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0041407(US,A1)
【文献】特開2008-148565(JP,A)
【文献】国際公開第2012/124066(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 16/00-16/958
G06T 7/00- 7/90
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピューティングデバイスによって、1つ以上の検索パラメータを含む入力を受信することと
前記コンピューティングデバイスによって、地理的地域の一部分を描写する作物表示画像を提示することであって、前記地理的地域の前記一部分は、前記1つ以上の検索パラメータに基づいて選択され、前記作物表示画像は、特定の位置に対して判定された作物タイプ分類の表示がオーバーレイされた、前記地理的地域と関連付けられた画像セットのうちの少なくとも1つの画像を含み、前記特定の位置は、前記少なくとも1つの画像に描写されている、提示することと
を含む方法であって、前記少なくとも1つの画像に描写されている前記特定の位置に対して判定される前記作物タイプ分類は、
前記地理的地域及び期間と関連付けられた複数の画像セットを取得することであって、前記複数の画像セットの各画像セットは、前記期間中の前記地理的地域のそれぞれの特定の部分を描写する多スペクトル及び時系列の画像を含む、取得することと、
前記複数の画像セットのうちのある画像セットと関連付けられた前記地理的地域の前記特定の部分内の特定の位置の各々で生育する1つ以上の作物タイプを予測することと、
前記それぞれの特定の位置に対して前記予測された1つ以上の作物タイプに基づいて、前記特定の位置の各々に対する作物タイプ分類を判定することと
によって判定され、前記特定の位置の各々に対する前記作物タイプ分類を判定することは、
前記それぞれの特定の位置に対して予測された前記作物タイプが、優位な多数であると予測された作物タイプを含むとの判定に応答して、前記優位な多数であると予測された作物タイプを前記作物タイプ分類として選択することと、
前記それぞれの特定の位置に対して予測された前記作物タイプが、優位な多数であると予測された作物タイプを含まないとの判定に応答して、
前記それぞれの特定の位置を複数のサブ特定の位置に分割することと、
各それぞれのサブ特定の位置を、前記特定の位置に対して予測された前記作物タイプのそれぞれの作物タイプとして分類することと
を含む、方法。
【請求項2】
ユーザインターフェースを提供することであって、前記ユーザインターフェースを介して、ユーザにより手動で作物タイプ分類を変更することが可能である、提供することと、
前記ユーザから、作物タイプ分類の変更を受信することと、
前記作物タイプ分類の変更を用いて、前記少なくとも1つの画像及び前記作物タイプ分類を格納するデータベースを更新することと
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記特定の位置の各々で生育する前記1つ以上の作物タイプを予測することは、
前記特定の位置における作物の存在を予測することと、
前記特定の位置における前記作物の前記予測された存在に基づいて、前記地理的地域の前記特定の部分内の作物境界位置を判定することと、
前記判定された作物境界位置の各々内で生育する前記1つ以上の作物タイプを予測することと、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記コンピューティングデバイスによって、前記それぞれの特定の位置に対して判定された前記作物タイプ分類に基づいて、前記特定の位置の各々に対する作物収量の推定値を提示することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記コンピューティングデバイスによって、前記それぞれの特定の位置に対して判定された前記作物タイプ分類に基づいて、前記特定の位置の各々に対する作物管理手法に関する案内を提示することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記特定の位置の各々に対して前記作物タイプ分類を判定することは、前記特定の位置の各々に対して、サブメートル地上分解能で前記作物タイプ分類を判定することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記特定の位置の各々で生育する前記1つ以上の作物タイプを予測することは、前記画像セットを1つ以上の機械学習システム又は畳み込みニューラルネットワーク(CNN)に適用することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記1つ以上の機械学習システム又はCNNは、グラウンドトゥルースデータにおける教師あり学習の後に、前記特定の位置の各々で生育する前記1つ以上の作物タイプを予測するように構成されている、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記グラウンドトゥルースデータは、政府の作物データ、公的に入手可能な作物データ、低地上分解能で識別された作物エリアを伴う画像、低地上分解能で識別された作物タイプを伴う画像、手動で識別された作物境界を伴う画像、手動で識別された作物境界及び作物タイプを伴う画像、作物調査データ、サンプリングされた作物データ、並びに農家のレポートのうちの1つ以上を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記特定の位置の各々で生育する前記1つ以上の作物タイプを予測することは、前記特定の位置の各々に対して、前記それぞれの特定の位置と関連付けられた画素の経時変化について前記時系列の画像を分析することを含み、前記画素の特定の変化パターンは、少なくとも1つの作物タイプと関連付けられている、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
1つ以上の非一時的コンピュータ可読記憶媒体であって、装置の1つ以上のプロセッサによる実行に応答して、前記装置に
1つ以上の検索パラメータを含む入力を受信することと
地理的地域の一部分を描写する作物表示画像を提示することであって、前記地理的地域の前記一部分は、前記1つ以上の検索パラメータに基づいて選択され、前記作物表示画像は、特定の位置に対して判定された作物タイプ分類の表示がオーバーレイされた、前記地理的地域と関連付けられた画像セットのうちの少なくとも1つの画像を含み、前記特定の位置は、前記少なくとも1つの画像に描写されている、提示することと
を実行させる複数の命令を備え、前記少なくとも1つの画像に描写されている前記特定の位置に対して判定された前記作物タイプ分類は、
前記地理的地域及び期間と関連付けられた複数の画像セットを取得することであって、前記複数の画像セットの各画像セットは、前記期間中の前記地理的地域のそれぞれの特定の部分を描写する多スペクトル及び時系列の画像を含む、取得することと、
前記複数の画像セットのうちのある画像セットと関連付けられた前記地理的地域の前記特定の部分内の特定の位置の各々で生育する1つ以上の作物タイプを予測することと、
前記それぞれの特定の位置に対して前記予測された1つ以上の作物タイプに基づいて、前記特定の位置の各々に対する作物タイプ分類を判定することと
によって判定され、
前記特定の位置の各々で生育する前記1つ以上の作物タイプを予測することは、前記画像セットを1つ以上の機械学習システムに適用することを含み、前記1つ以上の機械学習システムは、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)を含み、
前記1つ以上の機械学習システムは、グラウンドトゥルースデータにおける教師あり学習の後に、前記特定の位置の各々で生育する前記1つ以上の作物タイプを予測するように構成され、
前記特定の位置の各々に対する前記作物タイプ分類を判定することは、
前記特定の位置の各々に対して、優位な多数であると予測された作物タイプが存在しない場合、前記それぞれの特定の位置を複数のサブ特定の位置に分割し、かつ前記複数のサブ特定の位置の前記それぞれのサブ特定の位置の各々を、前記特定の位置に対して予測された前記作物タイプのそれぞれの作物タイプとして分類することを含む、コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項12】
前記命令はさらに、前記装置に、
ユーザインターフェースを提供することであって、前記ユーザインターフェースを介して、ユーザにより手動で作物タイプ分類を変更することが可能である、提供することと、
前記ユーザから、作物タイプ分類の変更を受信することと、
前記作物タイプ分類の変更を用いて、前記少なくとも1つの画像及び前記作物タイプ分類を格納するデータベースを更新することと
を実行させる、請求項11に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項13】
前記特定の位置の各々で生育する前記1つ以上の作物タイプを予測することは、
前記特定の位置における作物の存在を予測することと、
前記特定の位置における前記作物の前記予測された存在に基づいて、前記地理的地域の前記特定の部分内の作物境界位置を判定することと、
前記判定された作物境界位置の各々内で生育する前記1つ以上の作物タイプを予測することと、を含む、請求項11に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項14】
前記特定の位置の各々に対する前記作物タイプ分類を判定することは、前記特定の位置の各々に対して、前記それぞれの特定の位置に対して予測された前記作物タイプから、前記優位な多数であると予測された作物タイプを選択することを含み、前記優位な多数であると予測された作物タイプは、前記作物タイプ分類である、請求項11に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項15】
前記特定の位置の各々に対して前記作物タイプ分類を判定することは、前記特定の位置の各々に対して、サブメートル地上分解能で前記作物タイプ分類を判定することを含む、請求項11に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項16】
前記グラウンドトゥルースデータは、政府の作物データ、公的に入手可能な作物データ、低地上分解能で識別された作物エリアを伴う画像、低地上分解能で識別された作物タイプを伴う画像、手動で識別された作物境界を伴う画像、手動で識別された作物境界及び作物タイプを伴う画像、作物調査データ、サンプリングされた作物データ、並びに農家のレポートのうちの1つ以上を含む、請求項11に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項17】
1つ以上の非一時的コンピュータ可読記憶媒体であって、装置の1つ以上のプロセッサによる実行に応答して、前記装置に
1つ以上の検索パラメータを含む入力を受信することと、
地理的地域の一部分を描写する作物表示画像を提示することであって、前記地理的地域の前記一部分は、前記1つ以上の検索パラメータに基づいて選択され、前記作物表示画像は、特定の位置に対して判定された作物タイプ分類の表示がオーバーレイされた、前記地理的地域と関連付けられた画像セットのうちの少なくとも1つの画像を含み、前記特定の位置は、前記少なくとも1つの画像に描写されている、提示することと
を実行させる複数の命令を備え、前記少なくとも1つの画像に描写されている前記特定の位置に対して判定された前記作物タイプ分類は、
前記地理的地域及び期間と関連付けられた複数の画像セットを取得することであって、前記複数の画像セットの各画像セットは、前記期間中の前記地理的地域のそれぞれの特定の部分を描写する多スペクトル及び時系列の画像を含む、取得することと、
前記複数の画像セットのうちのある画像セットと関連付けられた前記地理的地域の前記特定の部分内の特定の位置の各々で生育する1つ以上の作物タイプを予測することと、
前記それぞれの特定の位置に対して前記予測された1つ以上の作物タイプに基づいて、前記特定の位置の各々に対する作物タイプ分類を判定することと
によって判定され、
前記特定の位置の各々で生育する前記1つ以上の作物タイプを予測することは、前記画像セットを1つ以上の機械学習システムに適用することを含み、前記1つ以上の機械学習システムは、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)を含み、
前記1つ以上の機械学習システムは、グラウンドトゥルースデータにおける教師あり学習の後に、前記特定の位置の各々で生育する前記1つ以上の作物タイプを予測するように構成され、
前記画像セットのうちの第1の画像の第1の分解能は、前記画像セットのうちの第2の画像の第2の分解能とは異なり、前記第1の分解能は、前記作物表示画像の第3の分解能よりも低く、前記グラウンドトゥルースデータの少なくとも一部分の第4の分解能は、前記作物表示画像の前記第3の分解能よりも低い、コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項18】
前記特定の位置の各々で生育する前記1つ以上の作物タイプを予測することは、前記特定の位置の各々に対して、前記それぞれの特定の位置と関連付けられた画素の経時変化について前記時系列の画像を分析することを含み、前記画素の特定の変化パターンは、少なくとも1つの作物タイプと関連付けられている、請求項11に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項19】
前記命令はさらに、前記装置に、前記それぞれの特定の位置に対して判定された前記作物タイプ分類に基づいて、前記特定の位置の各々に対する作物収量の推定値を提示すること、又は、前記それぞれの特定の位置に対して判定された前記作物タイプ分類に基づいて、前記特定の位置の各々に対する作物管理手法に関する案内を提示することを実行させる、請求項11に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001] 本出願は、2018年1月23日に出願された米国仮特許出願第62/620,939号に対する優先権を主張し、その開示は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
[0002] 本開示は、概して、画像特徴検出に関し、具体的には、画像特徴検出における機械学習の使用に関するが、それに限定されない。
【背景技術】
【0003】
[0003] 現在、地球の陸地表面の約11%が作物生産に使用されている。人間の生存、環境への影響、国の関わり、営利企業、市場などにとっての農業の重要性にもかかわらず、地理的地域、郡、州、国、大陸、惑星全体、又は上記のうちのいずれかの一部分内でどの作物が生育されているかについて、一貫した、信頼のおける、及び/又は正確な知識は存在しない。農業分野に関するより多くの情報が既知である場合、例えば、種子及び肥料の会社は、異なる地理的地域における自社製品の利用可能な市場をより良好に判断し得、作物保険会社は、保険料をより正確かつコスト効率よく査定し得、銀行は、より正確に農業ローンを提供し得、及び/又は政府は、より良好に税金を査定し、補助金を配分し、地域の食料生産能力を判断し、インフラストラクチャを計画することなどを行うことができる。
【0004】
[0004] ある程度は農地に関するマッピングデータが存在し得る限りにおいて、そのようなデータは、一貫性がなく、不正確で、古く、及び/又はさもなければ多くの実際の用途には不完全である傾向がある。例えば、政府機関は、地理的地域内の農地及び/又は農場全体のごく一部分を調査又はサンプリングし、その小さなデータセットを推定して、地理的地域内に実際に存在するすべての農地の用地位置、サイズ、形状、作物タイプ、数などを概算し得る。このようなデータの収集は労働集約型でなされるため、農地データは、まれにしか(又は多くの商業目的上、ごくまれにしか)更新されない傾向がある。
【0005】
[0005] 農地の使用は、地域毎に、又は経時的に変化する傾向がある。農場は、先進国よりも発展途上国において、規模が著しく小さい傾向がある。また、作物は、同じ用地で季節毎に、又は1年毎に変わることがある。農地は、非農業用途(例えば、住宅開発)に転用される場合がある。したがって、1つ以上の特定の地理的地域に対する十分な粒状レベルにおける農地、及びその農地で生育する作物(複数可)を、安価、正確、かつ頻繁に識別することは有益であろう。
【図面の簡単な説明】
【0006】
[0006] 本発明の非限定的かつ非網羅的な実施形態を以下の図を参照して説明するが、ここで、特に指定されない限り、同様の参照番号は、様々な図全体を通して同様の部分を指す。必要に応じて、図面が煩雑にならないように、要素のすべての事例が必ずしも標識されているわけではない。図面は必ずしも縮尺通りではなく、説明されている原理を示すことに重点が置かれている。
図1】いくつかの実施形態による、本開示の作物タイプ分類技術を組み込んだ例示的なシステムのネットワーク図を示すブロック図である。
図2】いくつかの実施形態による、図1のシステムによって実装され得る例示的なプロセスを示すフローチャートである。
図3A】いくつかの実施形態による、本開示の作物タイプ分類技術に従った例示的な画像を示す図である。
図3B】いくつかの実施形態による、本開示の作物タイプ分類技術に従った例示的な画像を示す図である。
図4】いくつかの実施形態による、図1のシステムによって実装され得る別の例示的なプロセスを示すフローチャートである。
図5】いくつかの実施形態による、図1のシステムによって実装され得るさらに別の例示的なプロセスを示すフローチャートである。
図6】いくつかの実施形態による、本開示の図1のシステムで実装され得る例示的なデバイスを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
[0013] ここでは、画像における作物タイプ分類のためのシステム、装置、及び方法の実施形態を説明する。いくつかの実施形態では、方法は、地理的地域及び期間と関連付けられた複数の画像セットを取得することであって、複数の画像セットの各画像セットは、期間中の地理的地域のそれぞれの特定の部分を描写する多スペクトル及び時系列の画像を含む、取得することと、複数の画像セットのうちのある画像セットと関連付けられた地理的地域の特定の部分内で、特定の位置の各々で生育する1つ以上の作物タイプを予測することと、それぞれの特定の位置に対して予測された1つ以上の作物タイプに基づいて、特定の位置の各々に対して作物タイプ分類を判定することと、それぞれの特定の位置に対して判定された作物タイプ分類の表示がオーバーレイされた画像セットのうちの多スペクトル及び時系列画像の少なくとも1つの画像を生成することと、を含み得る。
【0008】
[0014] 以下の説明では、多くの具体的な詳細は、実施形態の徹底的な理解を提供するために、記載されている。しかしながら、関連技術の当業者は、本明細書に記載された技術が、1つ以上の特定の詳細を用いずに、又は他の方法、構成要素、材料などを用いて実施され得ることを認識するであろう。他の例では、特定の態様を不明瞭にしないために、周知の構造、材料、又は操作は、詳細に図示又は説明しない。
【0009】
[0015] 本明細書全体を通した「一実施形態」又は「実施形態」への言及は、実施形態に関連して記載された特定の特徴、構造、又は特性が、本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。このように、本明細書全体を通して、様々な場所での「一実施形態では」又は「実施形態では」という句の出現は、必ずしもすべてが同じ実施形態を指しているわけではない。さらに、特定の特徴、構造、又は特性は、1つ以上の実施形態において、任意の好適な様式で組み合わされ得る。
【0010】
[0016] 図1は、いくつかの実施形態による、本開示の作物タイプ分類技術を組み込んだ例示的なシステム100のネットワーク図を示すブロック図である。システム100は、ネットワーク102と、サーバ104と、データベース106と、サーバ108と、データベース110と、デバイス112と、空中画像捕捉デバイス116と、を含み得る。サーバ104、データベース106、サーバ108、データベース110、デバイス112、及び空中画像捕捉デバイス116のうちの1つ以上は、ネットワーク102と通信することができる。少なくともサーバ108は、本開示の作物タイプ分類技術を含み、以下でより完全に説明するように、サブメートル分解能での画像における作物タイプ(複数可)の自動識別を容易にすることができる。
【0011】
[0017] ネットワーク102は、1つ以上の有線及び/又は無線通信ネットワークを備え得る。ネットワーク102は、コンピュータデバイスを物理的及び/又はロジック的に接続して互いにデータを交換するための1つ以上のネットワーク要素(図示せず)を含み得る。いくつかの実施形態では、ネットワーク102は、インターネット、広域ネットワーク(WAN)、パーソナルエリアネットワーク(PAN)、ローカルエリアネットワーク(LAN)、キャンパスエリアネットワーク(CAN)、メトロポリタンエリアネットワーク(MAN)、仮想ローカルエリアネットワーク(VLAN)、セルラーネットワーク、キャリアネットワーク、WiFiネットワーク、WiMaxネットワークなどであってもよい。さらに、いくつかの実施形態では、ネットワーク102は、単一のエンティティ(例えば、企業、学校、政府機関、家庭、人など)によって使用され得る、私的、公的、及び/又はセキュリティ保護されたネットワークであってもよい。図示していないが、ネットワーク102は、サーバ、データベース、スイッチ、ルータ、ゲートウェイ、基地局、中継器、ソフトウェア、ファームウェア、中間サーバ、及び/又は通信を容易にする他のコンポーネントを含み得るが、それらに限定されない。
【0012】
[0018] サーバ104は、1つ以上の分解能で地表面の空中画像(地表面画像、陸地画像、イメージ、又は画像とも称される)の収集、管理、及び/又は保存を容易にするように構成されている、1つ以上のコンピュータ、プロセッサ、携帯電話インフラストラクチャ、ネットワークインフラストラクチャ、バックホールインフラストラクチャ、ホスティングサーバ、サーバ、ワークステーション、パーソナルコンピュータ、汎用コンピュータ、ラップトップ、インターネット家電、ハンドヘルドデバイス、ワイヤレスデバイス、インターネット・オブ・シングス(IoT)デバイス、ポータブルデバイスなどを含み得る。例えば、サーバ104は、デバイス116に、1つ以上の特定の地理的地域の画像を取得すること、特定の軌道を通ること、特定の分解能で画像を取得すること、特定の頻度で画像を取得すること、特定の期間に特定の地理的地域の画像を取得することなどを命令することができる。別の例として、サーバ104は、デバイス116と通信して、デバイス116によって取得された画像を受信することができる。さらに別の例として、サーバ104は、政府筋、ユーザ(例えば、ユーザ114など)などから、関連付けられた作物関連情報(例えば、作物タイプ識別、作物境界、識別された道路の位置、及び/又は他の注釈付き情報)が含まれた画像を取得/受信するように構成されてもよい。以下で詳細に説明するように、関連付けられた作物関連情報が含まれた画像は、人間がラベル付けした画像、米国農務省(USDA)の農地データレイヤ(CDL)データ、米国農業局(FSA)の共有地ユニット(CLU)データ、グラウンドトゥルースデータなどを含んでいてもよい。
【0013】
[0019] サーバ104は、互いに直接及び/又はネットワーク102を介してデバイス116と通信することができる。いくつかの実施形態では、サーバ104は、1つ以上のウェブサーバ、1つ以上のアプリケーションサーバ、1つ以上の中間サーバなどを含み得る。
【0014】
[0020] データベース106は、サーバ104、デバイス112、サーバ108、及び/又はデータベース110によって使用されるデータ及び/又は命令を格納する1つ以上のストレージデバイスを備え得る。例えば、データベース106は、デバイス116によって提供される画像及び関連するメタデータを含み得る。データベース106のコンテンツは、ネットワーク102を介して、及び/又はサーバ104によって直接アクセスすることができる。データベース106のコンテンツは、選択的な検索を容易にするために構造化されたフォーマットで配置されてもよい。いくつかの実施形態では、データベース106は、1つ以上のデータベースを含み得る。いくつかの実施形態では、データベース106は、サーバ104内に含まれてもよい。
【0015】
[0021] サーバ108は、いくつかの実施形態による、本開示の作物タイプ分類の1つ以上の特徴を実現するように構成されている、1つ以上のコンピュータ、プロセッサ、携帯電話インフラストラクチャ、ネットワークインフラストラクチャ、バックホールインフラストラクチャ、ホスティングサーバ、サーバ、ワークステーション、パーソナルコンピュータ、汎用コンピュータ、ラップトップ、インターネット家電、ハンドヘルドデバイス、ワイヤレスデバイス、インターネット・オブ・シングス(IoT)デバイス、ポータブルデバイスなどを含み得る。サーバ108は、サーバ104/データベース106によって提供される画像及び可能な関連付けられたデータを使用して、作物境界を自動的に検出し、かつ地表面の複数の画像における作物境界内の作物タイプ(複数可)を分類することができる機械学習ベースのモデルをトレーニング及び生成するように構成されてもよい。作物タイプ分類は、サブメートルレベルの粒度又は地上分解能で行うことができる。「トレーニング済み」機械学習ベースのモデルは、作物境界を識別し、かつ人間が管理していない画像において作物タイプを分類するように構成されてもよい。本モデルは、教師あり機械学習技術を実装することによって、トレーニングすることができる。サーバ108はまた、作物タイプ分類を伴う画像へのアクセス及び/又は使用を容易にし得る。
【0016】
[0022] サーバ108は、サーバ104、データベース106、データベース110、及び/又はデバイス112のうちの1つ以上と直接又はネットワーク102を介して通信することができる。いくつかの実施形態では、サーバ108はまた、デバイス116と通信して、サーバ104に関連して上記で説明したように1つ以上の機能を容易にすることができる。いくつかの実施形態では、サーバ108は、1つ以上のウェブサーバ、1つ以上のアプリケーションサーバ、1つ以上の中間サーバなどを含み得る。
【0017】
[0023] サーバ108は、本明細書で説明する技術の様々な態様を容易にするための、ハードウェア、ファームウェア、回路、ソフトウェア、及び/又はそれらの組み合わせを含み得る。いくつかの実施形態では、サーバ108は、画像フィルタリングロジック120と、作物タイプ予測ロジック122と、トレーニングロジック124と、作物タイプ分類ロジック126と、ポスト検出ロジック128と、作物境界検出ロジック130とを含み得るが、これらに限定されない。以下で詳細に説明するように、画像フィルタリングロジック120は、1つ以上のフィルタリング、「クリーニング」、又はノイズ除去技術を画像に適用して、画像からアーチファクト及び他の望ましくないデータを除去するように構成されてもよい。作物タイプ予測ロジック122は、作物境界によって定義された作物エリアの各々の内で生育する作物タイプ(複数可)を予測するように構成されてもよい。作物タイプ予測ロジック122は、「トレーニング済み」機械学習ベースのモデルの少なくとも一部分を備え得る。トレーニングロジック124は、作物タイプ予測ロジック122を生成/構成するための1つ以上の機械学習技術の教師あり学習、トレーニング、及び/又は改良を容易にするように構成されてもよい。代替的に、トレーニングロジック124は、教師なし学習、半教師あり学習、強化学習、コンピュータビジョン技術などをサポートするように構成されてもよい。
【0018】
[0024] 作物タイプ分類ロジック126は、作物タイプ予測ロジック122によって予測された作物タイプ(複数可)に基づいて、作物境界と関連付けられた各作物エリア内の作物タイプ(複数可)を分類又は識別するように構成されてもよい。ポスト検出ロジック128は、異なる作物タイプの作物収量の判定、作物管理の手法/戦略の判定、検出された作物境界と関連付けられた各作物フィールド(又は作物サブフィールド)への一意の識別子の割り当て、作物フィールド(又はサブフィールド)検索機能の提供などを実施するように構成されてもよいが、これらに限定されない。
【0019】
[0025] 作物境界検出ロジック130は、画像内の作物境界を検出するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、作物境界検出ロジック130を使用して、グラウンドトゥルースデータの少なくとも一部分を生成することができる。加えて、又は代替的に、作物境界検出ロジック130は、作物タイプ分類を実施するための「トレーニング済み」機械学習ベースのモデルの一部分を備えていてもよく、「トレーニング済み」モデルは、(作物エリア/フィールド/サブフィールドを識別するために)作物境界を検出し、次にそれらの作物エリア/フィールド/サブフィールド内にある作物は、その作物タイプ(複数可)によって分類される。作物タイプ予測ロジック122と同様に、トレーニングロジック124は、作物境界検出ロジック130を生成/構成するための1つ以上の機械学習技術のうちの教師あり学習、トレーニング、及び/又は改良を容易にするように構成されてもよい。
【0020】
[0026] いくつかの実施形態では、ロジック120~130のうちの1つ以上の(又はその一部分)は、サーバ108に含まれる1つ以上のプロセッサによって実行される1つ以上の命令を備えるソフトウェアとして実装されてもよい。代替的な実施形態では、ロジック120~130のうちの1つ以上(又はその一部分)は、サーバ108に含まれる特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラマブルアレイロジック(PAL)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)などのファームウェア又はハードウェアとして実装されてもよいが、これらに限定されない。他の実施形態では、ロジック120~130のうちの1つ以上(又はその一部分)は、ソフトウェアとして実装されてもよく、一方でロジック120~130のうちの他(又はその一部分)は、ファームウェア及び/又はハードウェアとして実装されてもよい。
【0021】
[0027] 図1ではサーバ108を単一のデバイスとして図示し得るが、サーバ108は、1つ以上のサーバを備えていてもよく、及び/又はロジック120~130のうちの1つ以上は、複数のデバイスに分散されてもよいと考えられる。いくつかの実施形態では、コンピューティング資源又は制限に応じて、ロジック120~130のうちの1つ以上は、複数のインスタンスで実装されてもよい。
【0022】
[0028] データベース110は、サーバ108、デバイス112、サーバ104、及び/又はデータベース110によって使用されるデータ及び/又は命令を格納する1つ以上のストレージデバイスを備え得る。例えば、データベース110は、サーバ104/データベース106/デバイス116によって提供される画像、作物タイプ予測ロジック122を構築及び/又はトレーニングするために使用されるグラウンドトゥルースデータ、作物タイプ予測ロジック122によって生成された作物タイプヒートマップ、作物タイプ分類ロジック126によって生成された作物タイプ分類、識別子及び他の関連付けられた画像及び/又は作物タイプ情報、ロジック120~130のいずれかによって使用されるデータ、ロジック120~130のいずれかによって生成されたデータ、デバイス112を介してユーザ114によってアクセスされるデータ、及び/又はデバイス112を介してユーザ114によって提供されるデータを含み得る。データベース110のコンテンツは、ネットワーク102を介して、及び/又はサーバ108によって直接アクセスすることができる。データベース110のコンテンツは、選択的な検索を容易にするために構造化されたフォーマットで配置されてもよい。いくつかの実施形態では、データベース110は、1つ以上のデータベースを含み得る。いくつかの実施形態では、データベース110は、サーバ108内に含まれてもよい。
【0023】
[0029] デバイス112は、1つ以上のコンピュータ、ワークステーション、パーソナルコンピュータ、汎用コンピュータ、ラップトップ、インターネット家電、ハンドヘルドデバイス、ワイヤレスデバイス、インターネット・オブ・シングス(IoT)デバイス、ポータブルデバイス、スマートフォン、タブレットなどを含み得る。いくつかの実施形態では、ユーザ114は、デバイス112に接続して、ロジック120~130のうちの1つ以上によって使用されるデータを提供し(例えば、グラウンドトゥルースデータとして機能する選択画像上の作物境界及び作物タイプの手動識別)、及び/又は分類された作物タイプと関連付けられたデータを要求することができる(例えば、特定の作物フィールド(又はサブフィールド)の検索、作物タイプ情報がオーバーレイされた特定の画像の視覚表示の要求)。少なくともトレーニングロジック124及び/又はポスト検出ロジック128は、デバイス112と関連付けられた機能を容易にすることができる。作物タイプ分類で使用するためのデータを提供するユーザ114は、作物タイプ分類モデルの性能に従って生成されたデータを要求するユーザと同じであっても異なっていてもよい。
【0024】
[0030] デバイス116は、衛星、飛行機、ドローン、熱気球、及び/又は地表面の複数の空中写真又は俯瞰写真を捕捉することができる他のデバイスのうちの1つ以上を含み得る。複数の空中写真は、複数の多スペクトル及び時系列の画像を含み得る。デバイス116は、1つ以上の位置追跡メカニズム(例えば、全地球測位システム(GPS))、多スペクトル画像化メカニズム(全周波数帯域)、気象条件検出メカニズム、日時スタンプ生成メカニズム、地表面からの距離を検出するメカニズム、及び/又は捕捉された複数の画像の各画像について関連付けられた画像情報を提供する関連画像メタデータ生成機能を含み得る。デバイス116は、手動及び/又は自動で操作することができ、捕捉された画像は、有線又は無線接続を介してサーバ104、サーバ108、又は他のデバイスに提供することができる。デバイス116はまた、同じ場所の時系列画像を捕捉するために、特定の期間にわたって複数回同じ場所に配備されてもよい。デバイス116によって提供された、又はデバイス116から提供された画像から生成された(グラウンドトゥルースデータと関連付けられた、又は自動作物タイプ分類が望まれ得る)画像の例には、Landsat7衛星画像、Landsat8衛星画像、Google Earth画像などが含まれるが、これらに限定されない。
【0025】
[0031] 個別の構成要素は、図1に関連して上記で説明されているが、構成要素は組み合わされてもよい。例えば、サーバ104及び108は単一のコンポーネントを含んでいてもよく、データベース106及び110は単一のコンポーネントを含んでいてもよく、及び/又はデバイス112はサーバ108と組み合わされてもよい。
【0026】
[0032] 図2は、いくつかの実施形態による、作物タイプ分類モデルを生成し、生成された作物タイプ分類モデルを使用して作物タイプ分類を実行し、作物タイプ分類情報を様々に使用するためにシステム100によって実施することのできる例示的なプロセス200を示すフローチャートである。
【0027】
[0033] ブロック202で、トレーニングロジック124は、識別された作物境界(又は対応する作物エリア)及びその中で分類された作物タイプの複数の地表面画像を含むグラウンドトゥルースデータを取得又は受信するように構成されてもよい。グラウンドトゥルースデータを構成する複数の画像は、分類対象の未知の画像に表示され得る様々な地勢、作物境界、又は作物タイプを扱うことのできる検出モデルをトレーニング/生成できるようにするため、様々な地勢、作物境界、又は作物タイプを表す画像を含むように選択されてもよい。
【0028】
[0034] いくつかの実施形態では、複数の画像は、多スペクトルデータ(例えば、赤、緑、青(RGB)スペクトル、可視スペクトル、近赤外(NIR)、正規化差植生指数(NDVI)、赤外(IR)、全スペクトル帯など)を含む画像を含み得る(多スペクトル画像又はイメージとも称される)。複数の画像は、時系列画像を含むこともでき、同じ地理的位置が特定の期間にわたって複数回画像化されてもよい。特定の期間は、作物の生育期(例えば、5月~10月)、1年、複数年、2008年~2016年、及び/又は他の所定の期間を含み得るが、これらに限定されない。撮像頻度は、毎時、毎日、毎週、隔週、毎月、季節毎、年毎などであってもよい。特定の地理的位置と関連付けられた画像、及び任意選択的に特定の期間の画像は、画像セットと称され得る。グラウンドトゥルースデータには、複数の画像セットが含まれていてもよい。
【0029】
[0035] グラウンドトゥルースデータは、以下を含み得るが、これらに限定されない。(1)作物境界(又は作物エリア)が識別された画像。このような画像は、ユーザが手動で識別してもよく、自動作物境界検出の結果(その例を図3に図示)であってもよい。(2)作物タイプが分類/識別/特定された画像。このような画像は、ユーザが手動で識別してもよく、政府又は公的に利用可能な情報源から取得してもよい。(3)作物境界と作物タイプの両方が識別された画像。このような画像は、ユーザが手動で識別してもよく、政府又は公的に利用可能な情報源から取得してもよい。
【0030】
[0036] ユーザが手動で識別した画像の特徴は、人間がラベル付けしたデータ又は人間がラベル付けした画像とも称され得る。ユーザ114などの1人以上のユーザは、例えば、デバイス112上に提供されたグラフィカルユーザインターフェース(GUI)メカニズムを介して選択画像に注釈を付けることができる。政府又は公的に利用可能な情報源から取得した、作物境界及び/又は作物タイプが識別された画像は、本開示の作物タイプ分類スキームによって提供されるよりも低い地上分解能又は精度でそのような識別を提供する場合がある。例えば、地上分解能は、30メートルの分解能、1メートル以上の分解能などであってもよい。政府又は公的に利用可能な情報源からの作物境界及び/又はタイプの識別は、農家のレポート、サンプルベースのデータ、調査ベースのデータ、外挿などとして提供されてもよい。政府/公的に利用可能な地理的に識別された作物境界とタイプのデータの例として、2008~2016年の30メートル/画素(地上)分解能でのUSDA CDLデータが挙げられる。
【0031】
[0037] トレーニングロジック124は、画像の選択、人間によるラベル付けのための選択された画像の提示、人間によってラベル付けされた画像の使用、政府/公的に利用可能な作物境界及び/又は作物タイプ識別データの取得などを容易にし得る。グラウンドトゥルースデータは、トレーニングデータ、モデル構築データ、モデルトレーニングデータなどとも称され得る。
【0032】
[0038] いくつかの実施形態では、グラウンドトゥルースデータと関連付けられた期間及び/又は地理的地域(複数可)は、作物タイプを識別すべき画像と関連付けられた期間及び/又は地理的地域(複数可)と同じ(又はほぼ同じ)であってもよい(ブロック216)。例えば、2008~2016年の間に撮影された画像がブロック216で処理される場合、2008年のCLUデータを使用することができ、2008~2016年のCDLデータを使用することができ、人間がラベル付けしたデータは2008~2016年の間に撮影された画像を含んでいてもよい。CLU及びCDLデータは、米国の画像データを含んでいてもよく、人間がラベル付けしたデータにおける画像もまた、米国の画像を含んでいてもよい。
【0033】
[0039] 次に、ブロック204で、画像フィルタリングロジック120は、グラウンドトゥルースデータを構成する1つ以上の画像の予備フィルタリングを実行するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、予備フィルタリングは、画素毎に画像に収められた雲、影、もや、霧、大気障害物、及び/又は他の地表面障害物を監視することを含み得る。そのような障害が検出された場合、画像フィルタリングロジック120は、ブロック206で、画素毎に、障害に対処するかどうか、障害をどのように補正するか、モデルの構築において対象の画素と関連付けられた画像情報を省略するかどうかを決定するように構成されてもよい。例えば、第1の画素は雲のために地表面情報を含まないが、第1の画素に隣接する第2の画素と関連付けられた地理的位置は雲によって遮られないために画像化されている場合、画像フィルタリングロジック120は、第1の画素値を第2の画素値に変更するように構成されてもよい。別の例として、所与の画像における既知の不正確な画素値は、同じ画像セット内の別の画像(例えば、同じ地理的位置の同じ時系列における異なる画像から)の対応する画素の画素値で置き換えることができる。他の実施形態では、例えば、画像に雲がなく、そうでなければ大気の障害のないことが分かっている場合、ブロック204は任意選択的であってもよい。
【0034】
[0040] ブロック206で、グラウンドトゥルースデータを取得し、かつ任意選択的に、予備的にフィルタリング又は修正した結果のグラウンドトゥルースデータを、1つ以上の機械学習技術/システムに適用して、作物タイプモデルを生成又は構築することができる。いくつかの実施形態では、作物タイプモデルは、作物タイプ予測ロジック122を含み得る。機械学習技術/システムは、例えば、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)又は教師あり学習システムを含み得る。作物タイプモデルは、入力として提供された画像セットと関連付けられた特定の地理的位置に対応する各画素について、1つ以上の作物タイプ分類の確率的予測を提供するように構成されてもよい。作物タイプは、米、小麦、トウモロコシ、大豆、モロコシ、豆類、果物、野菜、油糧種子、ナッツ、牧草などを含み得るが、これらに限定されない。
【0035】
[0041] グラウンドトゥルースデータは、作物境界及び作物タイプが正確に識別された画像で構成されているため、機械学習技術/システムは、画像における作物エリアを示す地表面の特徴、及びそれらの作物エリア内で生育されている作物のタイプ(複数可)を学習することができる。そのような知識は、十分に詳細かつ正確である場合、作物タイプが不明である可能性のある画像内の作物タイプを自動的に識別するために使用することができる。
【0036】
[0042] 作物エリア内の作物タイプ(複数可)の予測を行うために、作物エリアの存在の予測を伴う場合があり、それによって、少なくとも、作物タイプの予測のために分析される画像の部分を縮小又は最小化することができる。したがって、いくつかの実施形態では、作物境界検出ロジック130は、作物タイプ予測ロジック122と共に、作物タイプモデルの一部分であるとみなされ得る。作物境界検出ロジック130については、図3に関連して説明する。作物タイプモデルは、作物タイプ分類モデルとも称され得る。
【0037】
[0043] いくつかの実施形態では、作物タイプモデルは特定の地理的地域に関連付けられてもよく、同じ地理的地域はグラウンドトゥルースデータを構成する画像に捕捉される。例えば、作物タイプモデルは、米国内の特定の郡に特有であってもよい。同様に、作物タイプモデルは特定の期間と関連付けられてもよく、同じ期間がグラウンドトゥルースデータを構成する画像と関連付けられてもよい。地理的地域が大きくなると、データの不整合又は地域差が生じ、その結果、作物タイプモデルの精度が低下する可能性がある。
【0038】
[0044] 次に、トレーニングロジック124は、作物タイプモデルの精度が所定の閾値以上かどうかを判定するように構成されてもよい。所定の閾値は、70%、80%、85%、90%などであってもよい。モデルの精度が所定の閾値未満である場合(ブロック208の分岐なし)、プロセス200はブロック202に戻り、追加のグラウンドトゥルースデータを取得/受信して、機械学習技術/システムに適用し、現在の作物タイプモデルを精緻化する。機械学習技術/システムに追加のグラウンドトゥルースデータを提供することは、追加の教師あり学習データを提供することを含む。これにより、作物のタイプモデルは、どの作物のタイプ(複数可)が作物エリアで生育している/生育したかを予測するようにより適切に構成することができる。ブロック202~208は、十分に正確な作物タイプモデルが構築されるまで1回以上反復することができる。
【0039】
[0045] モデルの精度が所定の閾値以上である場合(ブロック208でyes分岐)、作物タイプモデルは、作物タイプ(及び作物境界)が不明である画像に対する教師なし又は自動の作物タイプ分類における使用に容認可能とみなすことができる。ブロック210で、自動分類のための作物タイプモデルに適用される複数の画像を取得又は受信することができる。複数の画像は、デバイス116によって捕捉されたものであってよい。
【0040】
[0046] いくつかの実施形態では、複数の画像は、複数の画像セットを含んでいてもよく、複数の画像セットの各画像セットは、内部に位置するすべての作物フィールド/サブフィールドの作物タイプを分類することが望まれる地理的地域(例えば、米国)を集合的に構成する複数の部分/エリア(例えば、米国のすべての郡)のそれぞれの部分/エリア(例えば、米国のひとつの郡)と関連付けることができる。複数の部分/エリアの各部分/エリアについて、関連付けられた画像セットは、以下を含み得る。(1)複数の時点の各々(例えば、5月1日、6月1日、7月1日、8月1日、9月1日、10月1日)についての少なくとも1つの画像。(2)複数の時点のそれぞれの時点について、1つ以上の画像が存在してもよい。各画像は、同じ時点で撮影された別の画像から特定/異なるスペクトル情報を提供することができる(例えば、5月1日に撮影された第1の画像はRGB画像、5月1日に撮影された第2の画像はNIR画像、5月1日に撮影された第3の画像はNDVI画像など)。
【0041】
[0047] 複数の画像によって対象とされる全体的な地理的地域は、ブロック202で作物タイプモデルを生成するために使用される画像と関連付けられた同じ(又はほぼ同じ)地理的地域であってもよい。言い換えれば、ブロック206で生成された作物タイプモデルは、ブロック210の画像で使用するために特別に開発されたものであってもよい。そのような作物タイプモデルは、ローカル又はローカライズされた作物タイプモデルとも称され得る。ブロック210で取得された複数の画像はまた、作物タイプモデルの期間と同じ期間に関連付けられてもよい。上記の例を続けると、ブロック206で生成された作物タイプモデルは、米国及び2008~2016年と関連付けられてもよく(モデルのトレーニング及び構築に使用された画像は、2008~2016年の間に撮影された米国の画像であるため)、ブロック210の複数の画像は、同様に、2008~2016年の間に撮影された米国の画像であってもよい。
【0042】
[0048] 画像セット内の各画像は、多スペクトル及び/又は時系列のコンテンツが互いに異なることを除いて、(同じ向きで、表面から同じ距離にある)同じ土地の位置を示していてもよい。したがって、画像セット内の各画像は、地表面の特徴が異なる時間及び/又は異なるスペクトル/色合成スキームにより異なる場合があることを除いて、「同じ」画像であってもよい。いくつかの実施形態では、ブロック202のグラウンドトゥルースデータを構成する画像セット内の画像は、同様の特性を有していてもよい。
【0043】
[0049] 次に、ブロック212で、ブロック210の画像は、画像フィルタリングロジック120によって予備的にフィルタリングされてもよい。いくつかの実施形態では、ブロック212は、処理された画像がブロック202の画像ではなくブロック210の画像であることを除いて、ブロック204と同様であってもよい。他の実施形態では、雲及び他の障害物が画像内に存在しないように確実に画像が取得された(又は必要に応じて再取得された)場合、ブロック212は任意選択的であってもよい。
【0044】
[0050] 次に、ブロック214で、(いくつかの実施形態では、作物境界検出ロジック130の支援により)作物タイプ予測ロジック122は、ブロック210で取得された複数の画像セットの各(フィルタリングされた)画像セットに対して作物タイプヒートマップを判定するように構成されてもよい。複数の画像セットの各画像セットについて、画像セットは、ブロック206で生成された作物タイプモデルへの入力として提供されてもよく、それに応答して、作物タイプモデルは、画素毎又は作物エリア毎に各作物エリア内の作物タイプ(複数可)を予測/判定することができる。ヒートマップの各画素(又は作物エリア)は、特定の作物タイプ(複数可)の相対又は絶対確率を示していてもよい。いくつかの実施形態では、ヒートマップは、ラスターフォーマットからベクトル化されてもよい。
【0045】
[0051] 単一の作物エリアにおいて、1つ以上の作物タイプが予測される場合がある。作物タイプヒートマップが視覚的に表示される場合、例えば、複数の作物タイプの各作物タイプには、互いに異なる色が割り当てられてもよく、画像にオーバーレイされた特定の色の強度/濃淡は、作物タイプの予測精度の統計的確率を示していてもよい。別の例として、作物タイプ及び/又は予測の強さ/精度は、画像内のテキストとして表すことができる。
【0046】
[0052] 同じ地理的地域についての画像セットを構成する多スペクトル及び時系列の画像により、特定の地表面の特徴の経時的な変化を検出することができる。これにより、特定のエリアが作物エリアである可能性が高いかどうか、かつどの作物(複数可)が作物エリア内で生育している可能性があるかを判定することが容易になる。例えば、作物の色は生育期の過程で変化する可能性がある。作物フィールドは、植え付け前、生育期、及び収穫後で各々異なって見える場合もある。時間の経過に伴う作物の色の変化の特定のパターンは、生育されている作物のタイプを示している場合がある(例えば、小麦、大豆、トウモロコシなど)。作物の植え付け及び/又は収穫の時期は、生育されている作物の種類を示している場合がある。第1のタイプの作物が一年目に所与の作物フィールドで生育され、次に第1のタイプの作物とは異なる第2のタイプの作物が二年目に同じ作物フィールドで生育された場合、二年の間に検出された変化は、その作物フィールドと関連付けられた地理的な場所が作物エリアであり得ることを示す場合がある。異なる作物タイプは、異なる植え付けパターン特性を有する場合がある(例えば、隣接する植え付けの列の間の距離は、作物タイプによって異なる場合がある)。
【0047】
[0053] 次に、ブロック216で、作物タイプ分類ロジック126は、ブロック210の複数の画像セットの各画像セットに対して、作物タイプヒートマップに基づいて作物エリアの作物タイプを分類するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、所与の作物エリアに対して1つ以上の作物タイプが予測された場合、多数決原理を適用して、予測された作物タイプの中から確率が最も高い作物タイプを所与の作物エリアについての作物タイプとして選択することができる。予測された優位な多数の作物タイプ(例えば、70%以上の確率で予測された作物タイプ)がない場合、所与の作物エリアは、所与の作物エリアに対して予測された複数の作物タイプのそれぞれの作物タイプが割り当てられた作物サブエリアの各々を有する複数の作物サブエリアに分割される。例えば、所与の作物エリアに対して30%の確率で第1の作物タイプが予測され、40%の確率で第2の作物タイプが予測され、30%の確率で第3の作物タイプが予測された場合、それらの確率の誤差範囲は、優位な作物タイプの予測が存在し得ないとしてもよい。この場合、所与の作物エリアは、第1、第2、及び第3の作物サブエリアに分割され、それぞれ第1、第2、及び第3の作物タイプが割り当てられる。
【0048】
[0054] 代替的な実施形態では、作物タイプヒートマップと共に補足知識を使用して、作物エリアに対する作物タイプの最終分類を行うことができる。例えば、一定の作物タイプ同士が同じ地理的位置で同時に生育しない、又は生育できない場合、次いで、そのような両立しない作物タイプが同じ作物エリアに対して予測された場合、その地理的位置で生育された可能性が低い又は最も低い1つ以上の作物タイプは無視することができる。
【0049】
[0055] 各作物エリア/フィールド/サブフィールドと関連付けられた作物境界は、サブメートル(地上)分解能、約0.15~0.2メートルの分解能、0.5メートル未満の分解能、約0.2メートル未満の分解能などで判定又は識別できる。ひいては、各作物エリア/フィールド/サブフィールドの作物タイプ分類も、サブメートル地上分解能、約0.15~0.2メートルの分解能、0.5メートル未満の分解能、約0.2メートル未満の分解能などで分類されるとみなすことができる。
【0050】
[0056] いくつかの実施形態では、対象となる地理的地域全体の特定の部分と関連付けられた、画像セットのうちの画像の少なくともいくつか(例えば、ブロック210で取得された画像)は、互いに異なる分解能及び/又は作物タイプ分類ロジック126によって出力された作物タイプ分類と関連付けられた分解能よりも低い分解能であってもよい。例えば、作物タイプを含む出力は、入力として提供された画像の少なくとも一部分が5メートルの地上分解能であったとしても、1メートル未満(1画素あたり1メートル未満)の地上分解能又は0.1メートル(1画素あたり0.1メートル)の地上分解能で分類されてもよい。
【0051】
[0057] 作物境界は、近い形状のエリアを定義してもよい。作物境界は、作物フィールド境界、又は、画像セット及び/又は予備知識情報に十分な情報が存在する場合、作物サブフィールド境界を含み得る。作物フィールド境界は、フェンス、恒久的な水路、森林、道路などによって線引きされた物理的エリアを含み得る作物フィールドを定義することができる。作物サブフィールドは、作物フィールドのサブセットを含んでいてもよく、作物フィールドの物理的エリアの一部分には、作物フィールドの物理的エリアの別の一部分における主要な作物タイプとは異なる特定の作物タイプが主として含まれる。物理的エリアの異なる作物タイプの部分の各々は、作物サブフィールドとみなすことができる。したがって、作物フィールドは、1つ以上の作物サブフィールドを含み得る。例えば、作物フィールドは、トウモロコシの第1の作物サブフィールド及び大豆の第2の作物サブフィールドを含み得る。
【0052】
[0058] いくつかの実施形態では、作物タイプ予測ロジック122によって提供された作物タイプヒートマップは、各作物エリアに対して作物タイプ(複数可)の尤度を示し得る一方で、作物タイプ分類ロジック126は、ある作物エリアに対して予測された作物タイプ(複数可)のうちのどの作物タイプに、作物エリアと関連付けられたどの画素を割り当てるかについて、最終判定するように構成されてもよい。
【0053】
[0059] すべての画像セットに対して作物タイプが作物サブフィールドレベルに分類されると、プロセス200はブロック218に進むことができる。ブロック218では、ポスト検出ロジック128は、画像セットのすべてに対して(例えば、地理的地域全体に対して)分類された作物/耕作地のサブフィールドに応じて1つ以上のポスト検出アクティビティを実行するように構成されてもよい。作物タイプが分類された各作物フィールド/サブフィールドについて、ポスト検出アクティビティは、作物フィールド/サブフィールドの面積の計算、作物フィールド/サブフィールドへの一意の識別子の割り当て(例えば、別の作物フィールド/サブフィールドには再利用されない一意のコンピュータ生成識別番号(GUID)、分類システム内の作物フィールド/サブフィールドの分類(例えば、作物フィールド/サブフィールドは、特定の大陸、国、州、郡などで分類、割り当て、ラベル付け、又は関連付けがなされてもよい)、及び/又は保管、抽出、検索、及び/又は更新アクティビティで使用するための関連メタデータの生成を含み得るが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、ポスト検出アクティビティは、識別された作物フィールド/サブフィールド及び作物タイプの表示を元の画像にオーバーレイすること、作物タイプ分類結果を視覚的に提示すること、並びにさもなければ元の画像を検出された情報で視覚的に増強することと、をさらに含み得る。ポスト検出アクティビティから得られたデータは、データベース110に保持されてもよい。
【0054】
[0060] いくつかの実施形態では、ポスト検出ロジック128は、判定された作物タイプ(複数可)の表示がオーバーレイされた元の画像(例えば、画像セットを構成する複数の画像の少なくとも1つの画像)を表す新しい画像(作物表示画像とも称される)を生成するように構成されてもよい。図3Aに示す画像340は、新しい画像の例である。
【0055】
[0061] 図3Aは、いくつかの実施形態による、本開示の作物タイプ分類の過程で使用又は生成され得る様々な画像を示す。画像300は、低分解能グラウンドトゥルースデータの例を含み得る。画像300は、30メートル/画素の分解能での、USDA CDLデータ画像の例などであってもよい。画像300は、作物エリアの位置を示す指標302及び304を含んでいてもよく、任意選択的に、作物エリアに対する作物タイプ(複数可)を含み得る。画像300は低分解能画像を含むので、作物エリア位置及び特定の位置に対する作物タイプ分類は、最高でも概算であってよい。
【0056】
[0062] 画像310は、複数の画像セットのうちのある画像セットの画像の例(例えば、ブロック210で取得/受信された画像)を含み得る。画像310は、例えば0.15メートル/画素の分解能を有し、年毎などに取得された高分解能画像を含み得る。いくつかの実施形態では、画像300及び310は、同じ地理的位置と関連付けられてもよい。画像330はまた、複数の画像セットのうちの画像セットの画像の例を含み得る。画像310及び330は、同じ画像セットのうちの画像を含み得る。画像330は、月毎などに取得された、低分解能の時系列画像の例を含み得る。
【0057】
[0063] 上述のように、作物タイプ分類を実行する過程で、作物境界が識別されてもよい。画像320は、画像310で識別され得る作物境界の視覚的図解を示す。画像320は、識別された作物境界322、324、326、及び328の表示がオーバーレイされた画像310を含み得る。画像320は、例えば、0.15メートル/画素の分解能の高分解能画像を含み得る。
【0058】
[0064] 画像セットに対して作物境界が識別されている場合、画像セットの画像を追加で使用して、識別された作物境界の各々の作物タイプ(複数可)を判定することができる。画像340は、それぞれの作物境界に対する作物タイプ分類の表示が含まれた画像310又は320を含み得る。作物境界322、324、326、328に対する作物タイプは、それぞれ「ブドウ」、「トウモロコシ」、「大豆」、及び「ブドウ」である。画像340は、高分解能(例えば、0.15メートル/画素)の画像を含み得る。
【0059】
[0065] 特定の作物フィールド/サブフィールド又は作物タイプに関わる表示、検索、又は他のアクティビティが実行される場合、そのような生成された新しい画像がユーザに対して表示されてもよい。
【0060】
[0066] 次にブロック220で、ポスト検出ロジック128は、作物タイプ分類が更新されるべきかどうかを決定するように構成されてもよい。更新は、(例えば、1つ以上の作物境界、新しい生育期などの潜在的な変化に対するほぼリアルタイムでの)新しい画像の可用性、日/時イベント(例えば、新しい年、新しい生育期)、最後の更新からの十分な時間の経過、あらかじめ設定された期間(定期的、毎週、隔週、毎月、季節毎、毎年など)などに基づくきっかけによって実行されてもよい。更新が実行される場合(ブロック220でyes分岐)、プロセス200はブロック210に戻ることができる。更新が実行されない場合(ブロック220で分岐なし)、プロセス200はブロック222、224、及び226に進むことができる。
【0061】
[0067] ブロック222で、ポスト検出ロジック128は、作物タイプのデータ表示及び検索機能を提供するように構成されてもよい。アプリケーションプログラミングインターフェース(API)、ウェブサイト、アプリなどは、ユーザが作物タイプのデータに様々にアクセスするように実装することができる。例えば、ユーザは、特定の作物タイプに分類されたすべての作物エリア、特定の作物タイプに分類された特定の国の内部の作物エリア、作物タイプ別の作物エリアのサイズ、異なる作物タイプの作物収量、異なる作物タイプの作物管理手法、又は任意の他の検索パラメータを検索することができる。作物境界と作物タイプの表示がオーバーレイされた画像が、ユーザに表示されてもよい。ユーザは、例えば、デバイス112を介して検索を実行し、作物タイプデータを閲覧することができる。
【0062】
[0068] ブロック224で、ポスト検出ロジック128は、認証されたユーザによる、自動的に識別された特定の作物フィールド/サブフィールドの作物タイプ分類の変更の受け入れを容易にするように構成されてもよい。特定の作物フィールド/サブフィールドに作物を作付けした農家は、データベース内のその作物フィールド/サブフィールドの作物タイプが間違っているか不完全であることに気づき、画像に正しい作物タイプ(複数可)を手動でラベル付けする場合がある。修正機能は、ブロック202で人間によってラベル付けされた画像を生成することと同様であってもよい。加えられた修正は、承認を受けることでき、その後、データベース110を更新するために使用することができる。加えられた変更は、作物タイプモデルを改良するためのグラウンドトゥルースデータとしても使用することができる。
【0063】
[0069] 判定された作物タイプ分類は、様々な用途に拡張できる。ブロック226で、ポスト検出ロジック128は、作物タイプ分類を実行する過程で検出された作物タイプ分類及び/又は作物特性に基づいて、以下の1つ以上を実行するように構成されてもよい。作物タイプ毎の作物収量の推定(例えば、作物タイプ毎、郡毎、作物タイプ及び郡毎、作物タイプ及び国毎など)、作物タイプ毎の作物管理手法の決定(例えば、収穫日の推定、いつ肥料を施用するかの決定、施用する肥料のタイプの決定)、菌核病の診断、作物の病害の抑制又は治療、作物タイプ内の異なる品種の識別、作物の属性の判定(例えば、作付けした作物の方向に基づいて)など。
【0064】
[0070] 図3Bは、いくつかの実施形態による、作物タイプ分類データから計算された作物収量の推定値の例を示す。画像350は、各作物フィールド/サブフィールドに対する作物収量の推定値でさらに補足された画像340と同じ画像を含み得る。図示の通り、トウモロコシの収量はエーカーあたりのブドウ又は大豆の収量よりも大きい。地理的地域(例えば、米国)内のすべての作物フィールド/サブフィールドに対する異なる作物タイプの各々に対して同様の推定値が計算される場合、各作物タイプの総作物生産量が分かる。
【0065】
[0071] このようにして、所与の地理的地域(例えば、郡、州、国、大陸、惑星)に対して分類された作物タイプを含む作物フィールド/サブフィールド(又は作物境界)の完全なデータベースが自動的に生成される。このデータベースは、サブメートル分解能の粒状であり、かつ最小限の監視で長期にわたって最新に保つことができる。複数の地理的地域について、複数の地理的地域のそれぞれの地理的地域のグラウンドトゥルースデータが存在すると仮定すると、プロセス200は、複数の地理的地域の各々に対して実行してもよい。
【0066】
[0072] 図4は、いくつかの実施形態による、画像内の作物境界(及びそれに対応する、作物エリア/フィールド/サブフィールド)を自動的に検出するためにシステム100によって実施され得る例示的なプロセス400を示すフロー図である。図4のブロック416で検出された作物境界は、図2のブロック202のグラウンドトゥルースデータに対して上述した作物境界検出結果を含み得る。いくつかの実施形態では、作物タイプヒートマップを生成する過程で作物タイプモデルによって実行される作物境界検出は、少なくとも図4のブロック414及び416を含み得る。
【0067】
[0073] ブロック402で、トレーニングロジック124は、識別された作物境界及びその中で分類された作物タイプの複数の地表面画像を含むグラウンドトゥルースデータを取得又は受信するように構成されてもよい。グラウンドトゥルースデータを構成する複数の画像は、検出対象の画像に表示され得る異なる地勢及び作物境界を扱うことのできる検出モデルをトレーニング/生成できるようにするため、異なる地勢及び作物境界などを表す画像を含むように選択されてもよい。いくつかの実施形態では、複数の画像は、分類された作物タイプの代わりに作物境界が識別されることを除いて、図2のブロック202について上述したものと同様であってもよい。
【0068】
[0074] いくつかの実施形態では、作物境界検出のためのグラウンドトゥルースデータは、作物境界(又は作物エリア)が識別された既存の画像を含んでいてもよく、作物境界(又は作物エリア)は、低(地上)分解能(例えば、1メートル以上の分解能、3~250メートルの分解能、30メートルの分解能など)で識別されていてもよい。このような画像は、毎日~隔週など、高頻度で更新されてもよい。作物境界の識別は低分解能であるため、そのような識別は「ノイズが多い」、概算、又は不正確であるとみなされる場合がある。低分解能で識別された作物境界の既存の画像の例には、USDA CDLデータ、FSA CLUデータ、政府が収集したデータ、サンプリング又は調査ベースのデータ、農家のレポートなどが含まれるが、これらに限定されない。識別された作物境界の既存の画像は、サーバ104によって取得され、データベース106に格納され、及び/又はサーバ108に提供され得る。
【0069】
[0075] いくつかの実施形態では、グラウンドトゥルースデータは、(上記で説明したように)CDL及びCLUデータ及び/又は人間がラベル付けしたデータを含み得る。人間がラベル付けしたデータは、デバイス112上に設けられたグラフィカルユーザインターフェース(GUI)メカニズムを介して、例えばユーザ114によって手動で識別、ラベル付け、又は注釈が付けられた画像における作物境界を含み得る。そのような手動の注釈は、CDL及び/又はCLUデータと関連付けられている場合よりも高い(地上)分解能である場合がある。手動でラベル付けされた画像は、例えば、デバイス116から取得されてもよい。トレーニングロジック124は、画像の選択、選択された画像の提示、人間がラベル付けした画像の使用などを容易にすることができる。グラウンドトゥルースデータは、トレーニングデータ、モデル構築データ、モデルトレーニングデータなどとも称され得る。
【0070】
[0076] いくつかの実施形態では、グラウンドトゥルースデータと関連付けられた期間及び/又は地理的地域(複数可)は、作物境界を検出すべき画像と関連付けられた期間及び/又は地理的地域(複数可)と同じ(又はほぼ同じ)であってもよい(ブロック216)。例えば、2008~2016年の間に撮影された画像がブロック216で処理される場合、2008年のCLUデータを使用することができ、2008~2016年のCDLデータを使用することができ、人間がラベル付けしたデータは2008~2016年の間に撮影された画像を含んでいてもよい。CLU及びCDLデータは、米国の画像データを含んでいてもよく、人間がラベル付けしたデータもまた、米国の画像データを含んでいてもよい。
【0071】
[0077] 次に、ブロック404で、画像フィルタリングロジック120は、グラウンドトゥルースデータを構成する1つ以上の画像の予備フィルタリングを実行するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、予備フィルタリングは、画素毎に画像に収められた雲、影、もや、霧、大気障害物、及び/又は他の地表面障害物を監視することを含み得る。ブロック404は、フィルタリングされた画像がブロック402のグラウンドトゥルースデータを構成する画像であることを除いて、ブロック204と同様であってもよい。
【0072】
[0078] ブロック406で、グラウンドトゥルースデータを取得し、かつ任意選択的に、予備的にフィルタリング又は修正した結果のグラウンドトゥルースデータを、1つ以上の機械学習技術/システムに適用して、作物/非作物モデルを生成又は構築することができる。機械学習技術/システムは、例えば、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)又は教師あり学習システムを含み得る。作物/非作物モデルは、入力として提供された画像セットと関連付けられた特定の地理的位置に対応する各画素について、作物又は非作物の確率的予測を提供するように構成されてもよい。作物/非作物モデルは、作物境界検出ロジック130の一部分を含み得る。グラウンドトゥルースデータは、作物境界が正確に識別された画像で構成されているため、機械学習技術/システムは、画像におけるどの地表の特徴が作物又は非作物を示しているかを学習することができる。そのような知識は、十分に詳細かつ正確である場合、作物境界が不明である可能性のある画像内の作物境界を自動的に識別するために使用することができる。
【0073】
[0079] いくつかの実施形態では、作物/非作物モデルは特定の地理的地域に関連付けられてもよく、同じ地理的地域はグラウンドトゥルースデータを構成する画像に捕捉される。例えば、作物/非作物モデルは、米国内の特定の郡に特有であってもよい。同様に、作物/非作物モデルは特定の期間と関連付けられてもよく、同じ期間がグラウンドトゥルースデータを構成する画像と関連付けられてもよい。地理的地域が大きくなると、データの不整合又は地域差が生じ、その結果、作物/非作物モデルの精度が低下する可能性がある。
【0074】
[0080] 次に、トレーニングロジック124は、作物/非作物モデルの精度が所定の閾値以上かどうかを判定するように構成されてもよい。所定の閾値は、70%、80%、85%、90%などであってもよい。モデルの精度が所定の閾値未満である場合(ブロック408の分岐なし)、プロセス400はブロック402に戻り、追加のグラウンドトゥルースデータを取得/受信して、機械学習技術/システムに適用し、現在の作物/非作物モデルを精緻化する。機械学習技術/システムにグラウンドトゥルースデータを追加することは、教師あり学習データを追加することを含み、それによって作物/非作物モデルを、画素が作物を表す(又は作物フィールド内にある)か否か(又は作物フィールド内にない)を予測するようにより適切に構成することができる。ブロック402~408は、十分に正確な作物/非作物モデルが構築されるまで1回以上反復することができる。
【0075】
[0081] モデルの精度が所定の閾値以上である場合(ブロック408でyes分岐)、作物/非作物モデルは、作物境界(又は作物フィールド)が不明である画像に対する教師なし又は自動の作物/非作物検出における使用に容認可能とみなすことができる。ブロック410で、自動検出のための作物/非作物モデルに適用される複数の画像を取得又は受信することができる。複数の画像セットを取得することができ、複数の画像セットの各画像セットは、ブロック402の画像と同じ(又はほぼ同じ)地理的位置及び期間と関連付けられている。作物境界検出結果がブロック202でグラウンドトゥルースデータとして使用される場合、ブロック410で取得された画像、ブロック402の画像、及びブロック202の画像はすべて、同じ(又はほぼ同じ)地理的位置及び期間と関連付けられてもよい。複数の画像は、デバイス116によって捕捉された画像、Landsat7からの画像、Landsat8からの画像、Google Earthの画像、1つ以上の異なる分解能の画像、及び/又は1つ以上の異なる頻度で取得された画像であってもよい。
【0076】
[0082] 次に、ブロック410の画像は、ブロック412で、画像フィルタリングロジック120によって予備的にフィルタリングされてもよい。いくつかの実施形態では、ブロック412は、処理された画像がブロック402の画像ではなくブロック410の画像であることを除いて、ブロック404と同様であってもよい。他の実施形態では、雲及び他の障害物が画像内に存在しないように確実に画像が取得された(又は必要に応じて再取得された)場合、ブロック412は任意選択的であってもよい。
【0077】
[0083] 次にブロック414で、作物境界検出ロジック130は、ブロック410で得られた複数の画像セットの各(フィルタリングされた)画像セットに対する作物/非作物ヒートマップを判定するように構成されてもよい。複数の画像セットの各画像セットについて、画像セットは、ブロック406で生成された作物/非作物モデルへの入力として提供されてもよく、それに応答して、作物/非作物モデルは、画素毎に作物が示されているどうかを予測/判定することができる。言い換えれば、それぞれの画像セットと関連付けられた地理的地域の特定の部分内の特定の位置での作物(又は非作物)の存在を予測する。ヒートマップの各画素は、作物又は非作物の相対確率又は絶対確率を示していてもよい。いくつかの実施形態では、ヒートマップによって提供される作物/非作物の確率的予測は、元の画像上にオーバーレイされた特定の色、パターン、シェーディング、トーン、又は他の指標の使用によって示されてもよい。例えば、作物ゼロの確率は指標がないことで示してもよく、作物の最も高い確率は最も暗い又は最も明るい色合いの赤で示してもよく、その中間の確率は、表示なしと最も暗い/最も明るい赤色との間で色、明暗、トーン、パターンを適切に変化させてもよい。
【0078】
[0084] ブロック416で、作物境界検出ロジック130は、ブロック410の複数の画像セットの各画像セットに対して、作物/非作物ヒートマップに基づいて作物境界を判定するように構成されてもよい。作物/非作物ヒートマップの使用に加えて、作物境界位置の判定は、予備知識情報、ノイズ除去技術の適用、クラスタリング及び領域拡張技術の適用などに応じたものであってもよい。
【0079】
[0085] いくつかの実施形態では、作物境界検出ロジック130は、作物境界を判定する際に予備知識情報を使用するように構成されてもよい。予備知識情報には、道路、水路、森林、建物、駐車場、フェンス、壁、及び他の物理的構造の既知の位置、画像セットと関連付けられた地理的位置に隣接する特定の農業/栽培手法から生じる特定の境界形状などの農業又は栽培手法に関する既知の情報(例えば、既知の回転散水の使用の場合における直線境界又は円形境界)、作物タイプなどを含み得るが、これらに限定されない。ノイズ除去又はフィルタリング技術を実施して、作物境界を判定し、及び/又は作物境界を精緻化することができる。適用可能なノイズ除去又はフィルタリング技術は、事前に判定された作物境界を平滑化する技術(例えば、物理的なバリアがない場合、境界は線形になるか、又は幾何学的形状に従う傾向があるため)を含み得るが、これに限定されない。同様に、クラスタリング及び領域拡張の技術を使用して、作物境界を判定又は調整することができる。教師なしクラスタリング及び領域拡張の手法を使用して、少数の画素が周囲のより大多数の画素から逸脱している地域で、浮遊画素を非作物から作物に、又はその逆に再分類することができる。例えば、作物として分類されているより大きな地域内で、少数の画素が非作物として分類されている場合、それらの少数の画素は作物として再分類される。
【0080】
[0086] 作物境界は、サブメートル(地上)分解能、約0.15~0.2メートルの分解能、0.5メートル未満の分解能、約0.2メートル未満の分解能などで判定又は識別できる。作物境界は、近い形状のエリアを定義してもよい。作物境界は、作物フィールド境界、又は、画像セット及び/又は予備知識情報に十分な情報が存在する場合、作物サブフィールド境界を含み得る。作物フィールド境界は、フェンス、恒久的な水路、森林、道路などによって線引きされた物理的エリアを含み得る作物フィールドを定義することができる。作物サブフィールドは、作物フィールドのサブセットを含んでいてもよく、作物フィールドの物理的エリアの一部分には、作物フィールドの物理的エリアの別の一部分における主要な作物タイプとは異なる特定の作物タイプが主として含まれる。物理的エリアの異なる作物タイプの部分の各々は、作物サブフィールドとみなすことができる。したがって、作物フィールドは、1つ以上の作物サブフィールドを含み得る。例えば、作物フィールドは、トウモロコシの第1の作物サブフィールド及び大豆の第2の作物サブフィールドを含み得る。
【0081】
[0087] いくつかの実施形態では、作物/非作物ヒートマップは、作物エリアの尤度を示すことができる一方で、作物境界検出ロジック130は、作物/非作物ヒートマップにおいて作物を描写している可能性があると示された画素のいずれが作物フィールド(複数可)又は作物サブフィールド(複数可)を構成しているかについて、最終判定するように構成してもよい。作物フィールド又はサブフィールドの周囲は、関連付けられた作物フィールド又はサブフィールド境界を定義する。
【0082】
[0088] このようにして、作物サブフィールドレベルに対する作物境界が自動的に検出され得る。そのような作物境界検出結果は、ブロック202でグラウンドトゥルースデータとして使用されてもよい。本明細書で説明する作物境界検出技術(又はその一部分)は、いくつかの実施形態では、ブロック206で生成された作物タイプモデルに含めることができる。
【0083】
[0089] 図5は、いくつかの実施形態による、既存の作物タイプ分類モデルを使用し、かつ必要に応じて作物タイプ分類モデルを修正して作物タイプ分類を実行するシステム100によって実施され得る例示的なプロセス500を示すフロー図である。いくつかの実施形態では、ブロック502、504、506、508は、作物タイプ分類が実行された画像セットは、ブロック506で使用された作物タイプモデルと関連付けられた地理的地域及び/又は期間とは異なる地理的地域及び/又は期間と関連付けられ得ることを除いて、図2のそれぞれのブロック210、212、214、216と同様であってもよい。
【0084】
[0090] 上記の例を続けると、ブロック506で使用された作物タイプモデルは、2008~2016年の間に撮影された米国の画像に基づいて生成されたものである一方、ブロック502の画像セットは、2000~2007年の間に撮影された米国の画像であってもよい。別の例として、ブロック502の画像セットは、米国以外の地理的地域(例えば、外国、中国、メキシコ、カナダ、アフリカ、東ヨーロッパなど)の画像であってもよい。さらに別の例として、ブロック502の画像セットは、2008~2016年以外の年の間に撮影された特定の地理的地域の画像であってもよい。作物タイプモデルは、処理される画像に合わせて正確に調整されていなくても、そのようなモデルはすでに存在するため、開始点として使用することができる。米国以外の国については、作物タイプモデルを容易に生成するための、公的に利用可能なグラウンドトゥルースデータが存在しないか、不十分である。
【0085】
[0091] いくつかの実施形態では、ブロック510~512は、ブロック502~508と同時に、その前に、又はその後に実行されてもよい。ブロック510、512は、図2のそれぞれのブロック202、204と同様であってもよい。ブロック510で取得されたグラウンドトゥルースデータは、ブロック502の画像セットと同じ(又はほぼ同じ)地理的地域及び/又は期間と関連付けられてもよい。いくつかの実施形態では、ブロック510のグラウンドトゥルースデータの量は、ブロック202のグラウンドトゥルースデータの量とは異なっていてもよい。米国外の国又は以前の年について政府/公的に利用可能な作物データがほとんど又はまったく存在しない可能性があるため、より少ない量のグラウンドトゥルースデータが利用可能である場合がある。
【0086】
[0092] ブロック514で、トレーニングロジック124は、ブロック510、512で提供された(フィルタリングされた)グラウンドトゥルースデータにおいて識別された作物タイプと比較することにより、ブロック508で既存の作物タイプモデルを使用して予測された作物タイプの少なくともサブセットの精度を評価するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、識別された作物タイプデータの2つのセット内の同じ(又はほぼ同じ)地理的地域に対して分類された作物タイプを互いに比較することができる。
【0087】
[0093] 予測された作物タイプの精度が閾値以上である場合(ブロック514のyes分岐)、プロセス500はブロック516~522に進むことができる。閾値は、75%、80%、85%、90%などの事前設定された閾値を含み得る。既存の作物タイプモデルは、ブロック502の対象の画像と関連付けられた特定の地理的地域及び期間に好適である(又は十分に正確である)とみなすことができる。いくつかの実施形態では、ブロック516、518、520、522、524は、対象の作物タイプ分類がブロック508で判定されたものであることを除いて、図2のそれぞれのブロック218、220、222、224、226と同様であってもよい。ブロック518において、作物タイプ分類が更新される場合(ブロック518のyes分岐)、プロセス500はブロック502に戻ることができる。作物タイプ分類の更新について、モデルの好適性/精度が最初に一旦確認されたら、ブロック510、512、及び514を繰り返す必要はない。
【0088】
[0094] 予測された作物境界の精度が閾値未満である場合(ブロック514の分岐なし)、プロセス500はブロック524に進むことができる。ブロック502で取得された画像と同じ(又はほぼ同じ)地理的地域及び期間と関連付けられた新しい作物タイプモデルを生成することができる。新しい作物タイプモデルは、既存の作物タイプモデルの修正、又は対象の画像と一致する地理的地域及び期間に対応するデータのみでトレーニング済みのモデルを含み得る。ブロック524で、トレーニングロジック124は、1つ以上の機械学習技術/システムに適用されたブロック512の(フィルタリングされた)グラウンドトゥルースデータに基づいて新しい作物タイプモデルを生成するように構成されてもよい。ブロック524は、図2のブロック206と同様であってもよい。
【0089】
[0095] 次に、ブロック526で、新しい作物/非作物モデルの精度を評価することができる。精度が閾値未満である場合(ブロック526の分岐なし)、ブロック528で追加のグラウンドトゥルースデータを取得又は受信することができ、ブロック524に戻ることにより、新しい作物タイプモデルのトレーニング/精緻化/構築を継続することができる。精度が閾値以上である場合(ブロック526のyes分岐)、プロセス500はブロック506に進み、ブロック504からの(フィルタリングされた)画像セットと共に新しい作物タイプモデルを使用して、(フィルタリングされた)画像セットと関連付けられた作物タイプヒートマップを生成することができる。既存の作物タイプモデルの不十分な精度のために新しい作物タイプモデルが生成された場合、ブロック510、512、514を繰り返す必要がない場合がある。
【0090】
[0096] このようにして、米国外の国に位置する作物フィールド/サブフィールドに対する作物タイプ分類、及び/又は近年以外の期間に対する作物タイプ分類も、安価に、正確に、及び自動的に判定することができる。現在と過去(空中画像データが利用可能な範囲)の惑星全体の作物フィールド/サブフィールドは、作物タイプによって分類することができる。空中画像の可用性に応じて20~40年前に遡る可能性がある歴史的な空中画像を作物タイプモデルに適用して、それらの画像における作物タイプを遡及的に分類してもよい。歴史的な画像を遡及的に分類する機能は、様々な傾向(例えば、耕作地の使用、収穫量など)の判定を容易にし得る。
【0091】
[0097] 図6は、いくつかの実施形態による、本開示のシステム100において実装し得る例示的なデバイスを示す。図6のデバイスは、サーバ104、データベース106、サーバ108、データベース110、デバイス112、及び/又はデバイス116のいずれかの少なくとも一部分を含み得る。図示のプラットフォーム600は、情報を通信するためのバス又は他の内部通信手段615と、情報を処理するためにバス615に結合されたプロセッサ610とを備える。プラットフォームは、プロセッサ610によって実行される情報及び命令を格納するために、バス615に結合されたランダムアクセスメモリ(RAM)又は他の揮発性記憶デバイス650(本明細書では代替的にメインメモリとも称される)をさらに備える。メインメモリ650はまた、プロセッサ610による命令の実行中に一時変数又は他の中間情報を格納するために使用されてもよい。プラットフォーム600はまた、プロセッサ610のための静的情報及び命令を格納するためにバス615に結合された読み取り専用メモリ(ROM)及び/又は静的記憶デバイス620と、磁気ディスク、光ディスク、及びその対応するディスクドライブ、又はポータブル記憶デバイス(例えば、ユニバーサルシリアルバス(USB)フラッシュドライブ、セキュアデジタル(SD)カードなどのデータ記憶デバイス625とを備える。データ記憶デバイス625は、情報及び命令を格納するためにバス615に結合される。
【0092】
[0098] プラットフォーム600はさらに、コンピュータユーザに情報を表示するためにバス665を経由してバス615に結合された陰極線管(CRT)又は液晶ディスプレイ(LCD)などの表示デバイス670に結合されてもよい。プラットフォーム600が、コンピューティング能力、及び作成され、かつインストールされた表示デバイスへの接続性を提供する実施形態では、表示デバイス670は、上述のように作物フィールド/サブフィールド情報がオーバーレイされた画像を表示することができる。英数字及び他のキーを含む英数字入力デバイス675は、プロセッサ610に情報及びコマンド選択を通信するために、バス665を経由して(例えば、赤外線(IR)又は無線周波数(RF)信号を介して)バス615に結合されてもよい。追加のユーザ入力デバイスは、方向情報とコマンド選択をプロセッサ610に通知するために、かつ表示デバイス670上のカーソルの動きを制御するために、バス665を経由してバス615に結合された、マウス、トラックボール、スタイラス、又はカーソル方向キーなどのカーソル制御デバイス680である。タッチスクリーンインターフェースを利用する実施形態では、ディスプレイ670、入力デバイス675、及びカーソル制御デバイス680はすべて、タッチスクリーンユニットに統合され得ることが理解される。
【0093】
[0099] 任意選択的にプラットフォーム600に結合することができる別の構成要素は、ネットワークを介して分散システムの他のノードにアクセスするための通信デバイス690である。通信デバイス690は、イーサネット、トークンリング、インターネット、又は広域ネットワークに結合するために使用されるものなど、市販のネットワーキング周辺デバイスのいずれかを含み得る。通信デバイス690はさらに、ヌルモデム接続、又はプラットフォーム600と外界との間の接続性を提供する任意の他のメカニズムであってもよい。図6に示す本システムの構成要素のいずれか又はすべて、及び関連付けられたハードウェアが、本開示の様々な実施形態で使用され得ることに留意されたい。
【0094】
[0100] 上記で説明したプロセスは、コンピュータソフトウェア及びハードウェアの観点から説明されている。説明された技法は、機械によって実行されると、説明された動作を機械に実行させる、有形の又は非一時的な機械(例えば、コンピュータ)可読記憶媒体内で具現化される機械実行可能命令を構成し得る。さらに、プロセスは、特定用途向け集積回路(「ASIC」:Application Specific Integrated Circuit)などのハードウェア内で具現化され得る。
【0095】
[0101] 有形の機械可読記憶媒体は、機械(例えば、コンピュータ、ネットワークデバイス、電子手帳、製造ツール、1つ以上のプロセッサのセットを備える任意のデバイスなど)によってアクセス可能な非一時的形態で情報を提供(例えば、記憶)する任意の機構を含む。例えば、機械可読記憶媒体は、記録可能/記録不可能な媒体(例えば、読み取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、磁気ディスク記憶媒体、光学記憶媒体、フラッシュメモリデバイスなど)を含む。
【0096】
[0102] 要約中に記載されているものを含む、本発明の図示された実施形態の上記の記載は、網羅的であること、又は本発明を開示された正確な形態に限定することを意図していない。本発明の特定の実施形態、及びそのための実施例は、例示的目的のために本明細書に記載されているが、当業者が認識するように、本発明の範囲内で様々な修正が可能である。
【0097】
[0103] これらの修正は、上記の詳細な説明に照らして、本発明に対して行うことができる。以下の特許請求の範囲で使用される用語は、本発明を明細書に開示された特定の実施形態に限定するものと解釈されるべきではない。むしろ、本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲によって完全に決定されるべきであり、それらは、特許請求項解釈の確立された原則に従って解釈されるべきである。
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6