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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-07
(45)【発行日】2023-09-15
(54)【発明の名称】リズム学習用教材
(51)【国際特許分類】
   G09B 15/00 20060101AFI20230908BHJP
   G10G 1/00 20060101ALI20230908BHJP
【FI】
G09B15/00 E
G10G1/00
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2022088455
(22)【出願日】2022-05-31
【審査請求日】2023-02-01
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】522217175
【氏名又は名称】福島 優子
(74)【代理人】
【識別番号】100181630
【弁理士】
【氏名又は名称】原 晶子
(72)【発明者】
【氏名】福島 優子
【審査官】早川 貴之
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-090999(JP,A)
【文献】登録実用新案第3199477(JP,U)
【文献】登録実用新案第3192510(JP,U)
【文献】特開2012-078698(JP,A)
【文献】特開2010-175870(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B42D 1/00-15/00
15/04-19/00
G09B 11/00-15/08
G10G 1/00-7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
拍子を表示する拍子表示部と、
拍の長さを1拍ごとに区切って示す枠体、及び、前記拍の長さに相当する音符を一括して表示する音符表示部と、
前記音符が有するリズムに対応した言語を表示する言語表示部と、を備え、
前記音符表示部は、前記拍子で基本となる基本リズムの数だけ設けられ、
前記言語は、前記拍が1拍の場合には、前記音符の符頭の数ごとに一の言語が設定され前記拍が2拍の場合には、前記音符の音価に対応して一の言語が設定され前記拍が3拍以上の場合には、前記拍の数ごとに一の言語が設定され
前記言語は、前記拍が1拍の場合には、前記符頭の数及び前記音符の音価に対応した一の前記言語であり、前記拍が2拍の場合には、前記音符の音価に対応した一の前記言語であり、前記拍が3拍以上の場合には、前記拍の数に対応した一の前記言語であり、
前記音符表示部は、当該音符表示部が表示する前記基本リズムの拍子と対応する前記拍子表示部と関連付けて表示され、且つ、前記拍が1拍の場合には、前記符頭の数が共通する複数の前記音符表示部は、前記音符の符頭の数ごとに設定された一の前記言語を表示する前記言語表示部と関連付けて表示され、前記拍が2拍の場合には、前記音符の音価が共通する複数の前記音符表示部は、前記音符の音価に対応して設定された一の前記言語を表示する前記言語表示部と関連付けて表示され、前記拍が3拍以上の場合には、前記拍の数が共通する複数の前記音符表示部は、前記拍の数ごとに設定された一の前記言語を表示する前記言語表示部と関連付けて表示されるリズム学習用教材。
【請求項2】
前記拍子表示部は、1拍の長さを表す基準音符が4分音符である拍子を表示し、
前記基準音符が4分音符である前記拍子のとき、1拍の基本リズムとして、4分音符1個からなる第1の基本リズム、8分音符2個からなる第2の基本リズム、8分音符の三連符からなる第3の基本リズム、及び、16分音符4個からなる第4の基本リズムを有し、2拍の基本リズムとして、2分音符1個からなる第5の基本リズム、付点4分音符と8分音符とが順に表示される第6の基本リズム、8分音符と付点4分音符が順に表示される第7の基本リズム、及び、8分音符と4分音符と8分音符とが順に表示される第8の基本リズムを有し、
前記言語表示部は、前記第1の基本リズム乃至前記第8の基本リズムに対してそれぞれの前記言語を表示し、
前記言語は、前記第1の基本リズムでは前記符頭の数に対応した1文字の言語に前記音符の音価に対応させて語尾に「ん」を付けた2文字の言語であり、前記第2の基本リズムでは前記符頭の数に対応した2文字の言語であり、前記第3の基本リズムでは前記符頭の数に対応した3文字の言語であり、前記第4の基本リズムでは前記符頭の数に対応した4文字の言語であり、前記第5の基本リズムでは前記音符の音価に対応した語尾が長音の2文字の言語であり、前記第6の基本リズムでは前記音符の音価に対応した中央が長音の3文字の言語であり、前記第7の基本リズムでは前記音符の音価に対応した語尾が長音の3文字の言語であり、前記第8の基本リズムでは前記音符の音価に対応した3文字目が長音の4文字の言語である請求項1に記載のリズム学習用教材。
【請求項3】
前記拍子表示部は、1拍の長さを表す基準音符が8分音符である拍子を表示し、
前記基準音符が8分音符である前記拍子のとき、3拍の基本リズムとして、8分音符3個からなる第9の基本リズムを有し、
前記言語表示部は、前記第9の基本リズムに対して前記言語を表示し、
前記言語は、前記第9の基本リズムでは前記拍の数に対応した3文字の言語である請求項1又は2に記載のリズム学習用教材。
【請求項4】
前記基準音符が4分音符である前記拍子のとき、3拍の基本リズムとして、付点2分音符1個からなる第10の基本リズムをさらに有し、4拍の基本リズムとして、全音符1個からなる第11の基本リズムをさらに有し、
前記言語表示部は、前記第10の基本リズム及び前記第11の基本リズムに対して前記言語を表示し、
前記言語は、前記第10の基本リズムでは前記拍の数に対応した3文字の言語であり、前記第11の基本リズムでは前記拍の数に対応した4文字の言語である請求項2に記載のリズム学習用教材。
【請求項5】
前記基準音符が4分音符である前記拍子のとき、1拍の基本リズムとして、付点8分音符と16分音符とが順に表示される基本リズム、16分音符と付点8分音符とが順に表示される基本リズム、8分音符と16分音符と16分音符とが順に表示される基本リズム、16分音符と16分音符と8分音符とが順に表示される基本リズム、及び、16分音符と8分音符と16分音符とが順に表示される基本リズムをさらに有し、
付点8分音符と16分音符とが順に表示される前記基本リズム、及び、16分音符と付点8分音符とが順に表示される前記基本リズムは、前記符頭の数が同じ前記第2の基本リズム、及び、前記第2の基本リズムに対応する前記言語を表示する前記言語表示部と関連付けて表示され、
8分音符と16分音符と16分音符とが順に表示される前記基本リズム、16分音符と16分音符と8分音符とが順に表示される前記基本リズム、及び、16分音符と8分音符と16分音符とが順に表示される前記基本リズムは、前記符頭の数が同じ前記第3の基本リズム、及び、前記第3の基本リズムに対応する前記言語を表示する前記言語表示部と関連付けて表示される請求項2に記載のリズム学習用教材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、正確なリズムを刻めるようにするためのリズム学習用教材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
演奏する音楽のリズムは、基本的には楽譜に書かれた音符及び休符から読み取る。しかしながら、楽譜から正確にリズムを読み取ることは難しく、楽譜からリズムを読み取って正確に演奏することができないことが多々ある。このような場合に、お手本となる演奏を聴いてリズムを覚えることも多く行われている。しかしながら、耳で聴くだけではリズムを正確に覚えられず、実際に演奏するとリズムが微妙にズレてしまうことがある。
【0003】
このような問題を解消し、リズムを学習できる教材として、特許文献1の音価とリズムの教材が知られている。特許文献1の音価とリズムの教材は、1拍の複数のリズム、2拍の複数のリズムなどといった複数のリズムを、リズムごとに音符及び/又は休符で表示した構成単位を一覧にして表示している。各構成単位は、音符を表示する音符表示部と、音符の音価に対応する長さを表す言語が記載できる言語表示部とを備えている。特許文献1の音価とリズムの教材では、基本として学習するリズムの数だけ構成単位が設けられ、それぞれのリズムを表示する音符の音価に対応する長さを表す言語がリズムごとに設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2019-090999号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
実際に特定の楽曲を演奏するとき、その楽曲のリズムを学習しなければならない。しかしながら、特許文献1の音価とリズムの教材では、複数のリズムそれぞれに、そのリズムを表示する音符の音価に対応する言語が設定されている。そのため、覚える言語が多くなり、実際に演奏する楽曲のリズムを学習しようとすると、楽曲のリズムを言語に置き換えることが容易ではないという問題があった。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、楽曲のリズムを学習する際に利用しやすいリズム学習用教材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のリズム学習用教材は、拍子を表示する拍子表示部と、拍の長さを1拍ごとに区切って示す枠体、及び、拍の長さに相当する音符を一括して表示する音符表示部と、音符が有するリズムに対応した言語を表示する言語表示部とを備える。音符表示部は、拍子で基本となる基本リズムの数だけ設けられる。言語は、拍が1拍の場合には、音符の符頭の数ごとに設定されて符頭の数及び音符の音価に対応した言語であり、拍が2拍の場合には、音符の音価に対応して設定されて音符の音価に対応した言語であり、拍が3拍以上の場合には、拍の数ごとに設定されて拍の数に対応した言語である。音符表示部は、音符表示部が表示する基本リズムの拍子と対応する拍子表示部と関連付け、且つ、言語ごとに整列して言語を表示する言語表示部と関連付けて表示される。
【0008】
好ましい実施形態のリズム学習用教材では、拍子表示部は、1拍の長さを表す基準音符が4分音符である拍子を表示する。基準音符が4分音符である拍子のとき、1拍の基本リズムとして、4分音符1個からなる第1の基本リズム、8分音符2個からなる第2の基本リズム、8分音符の三連符からなる第3の基本リズム、及び、16分音符4個からなる第4の基本リズムを有し、2拍の基本リズムとして、2分音符1個からなる第5の基本リズム、付点4分音符と8分音符とが順に表示される第6の基本リズム、8分音符と付点4分音符が順に表示される第7の基本リズム、及び、8分音符と4分音符と8分音符とが順に表示される第8の基本リズムを有する。言語表示部は、第1の基本リズム乃至第8の基本リズムに対してそれぞれの言語を表示する。言語は、第1の基本リズムでは符頭の数に対応した1文字の言語に音符の音価に対応させて語尾に「ん」を付けた2文字の言語であり、第2の基本リズムでは符頭の数に対応した2文字の言語であり、第3の基本リズムでは符頭の数に対応した3文字の言語であり、第4の基本リズムでは符頭の数に対応した4文字の言語であり、第5の基本リズムでは音符の音価に対応した語尾が長音の2文字の言語であり、第6の基本リズムでは音符の音価に対応した中央が長音の3文字の言語であり、第7の基本リズムでは音符の音価に対応した語尾が長音の3文字の言語であり、第8の基本リズムでは音符の音価に対応した3文字目が長音の4文字の言語である。
【0009】
また、好ましい実施形態のリズム学習用教材では、拍子表示部は、1拍の長さを表す基準音符が8分音符である拍子を表示する。基準音符が8分音符である拍子のとき、3拍の基本リズムとして、8分音符3個からなる第9の基本リズムを有する。言語表示部は、第9の基本リズムに対して言語を表示する。言語は、第9の基本リズムでは拍の数に対応した3文字の言語である。
【0010】
また、好ましい実施形態のリズム学習用教材では、基準音符が4分音符である拍子のとき、3拍の基本リズムとして、付点2分音符1個からなる第10の基本リズムをさらに有し、4拍の基本リズムとして、全音符1個からなる第11の基本リズムをさらに有する。言語表示部は、第10の基本リズム及び第11の基本リズムに対して前記言語を表示する。言語は、第10の基本リズムでは拍の数に対応した3文字の言語であり、第11の基本リズムでは拍の数に対応した4文字の言語である。
【0011】
さらに好ましい実施形態のリズム学習用教材では、基準音符が4分音符である拍子のとき、1拍の基本リズムとして、付点8分音符と16分音符とが順に表示される基本リズム、16分音符と付点8分音符とが順に表示される基本リズム、8分音符と16分音符と16分音符とが順に表示される基本リズム、16分音符と16分音符と8分音符とが順に表示される基本リズム、及び、16分音符と8分音符と16分音符とが順に表示される基本リズムをさらに有する。付点8分音符と16分音符とが順に表示される基本リズム、及び、16分音符と付点8分音符とが順に表示される基本リズムは、符頭の数が同じ第2の基本リズム、及び、第2の基本リズムに対応する言語を表示する言語表示部と関連付けて表示される。8分音符と16分音符と16分音符とが順に表示される基本リズム、16分音符と16分音符と8分音符とが順に表示される基本リズム、及び、16分音符と8分音符と16分音符とが順に表示される基本リズムは、符頭の数が同じ第3の基本リズム、及び、第3の基本リズムに対応する言語を表示する言語表示部と関連付けて表示される。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、リズム学習用教材で学習したリズムを楽曲のリズムを学習する際に容易に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施形態に係るリズム学習用教材を示す図である。
図2図1のリズム学習用教材の基準音符を4分音符とする基本リズムを抜き出して示す図である。
図3図1のリズム学習用教材の基準音符を8分音符とする基本リズムを抜き出して示す図である。
図4図1のリズム学習用教材の基準音符を4分音符とする基本リズムを抜き出して示す図である。
図5】本発明のリズム学習用教材を用いて楽曲のリズムを学習するときのイメージを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して説明する。本発明に係るリズム学習用教材は、拍子の基本となる基本リズムを、拍子、拍及び音符を互いに関連付けて学習するための教材である。
【0015】
図1図4を参照して、本実施形態に係るリズム学習用教材1について説明する。図1は、本実施形態に係るリズム学習用教材1を示す図である。図2図4は、本実施形態に係るリズム学習用教材1の一部分を抜き出して示す図である。理解を容易にするために、図4では各基本リズムの間隔を開けて表示している。以下では、図1の紙面に向かって左側を左と呼び、図1の紙面に向かって右側を右と呼ぶ。また、左右方向を横方向、図1の紙面の上下方向を上下方向とする。
【0016】
図1図4に示すように、リズム学習用教材1は、拍子表示部10と、音符表示部20と、言語表示部30とを備える。
【0017】
拍子表示部10は、拍子を表示する。拍子は、1拍の長さを表す基準音符と1小節に含まれる基準音符の数とを示す。本実施形態では、拍子表示部10は、1拍の長さを表示する基準音符が4分音符である拍子と、1拍の長さを表示する基準音符が8分音符である拍子とを備える。すなわち、リズム学習用教材1は、基準音符が4分音符である拍子と、基準音符が8分音符である拍子の2種類の拍子を表示する。拍子は、「2/4拍子」、「3/8拍子」などのように、楽譜の最初に記載される拍子記号で表示してもよいし、「2分の4拍子」、「3分の8拍子」などのように、拍子記号の読み方で表示してもよい。
【0018】
音符表示部20は、拍の長さを1拍ごとに区切って示す枠体21、及び、拍の長さに相当する音符22を一括して表示する。音符表示部20は、2拍以上の場合には、1拍ごとに区切る区切り線23を有する。ここで、「拍」とは、リズムを構成する単位である。
【0019】
枠体21は、矩形状に形成される。1拍のときの枠体21を基準枠体とすると、1拍の場合は、枠体21は、基準枠体1個で構成される。2拍以上の場合は、枠体21は、基準枠体を拍数だけ横方向に繋げた形状、すなわち、2拍の場合は基準枠体を横方向に2個繋げた形状、3拍の場合は基準枠体を横方向に3個繋げた形状、4拍の場合は基準枠体を4個繋げた形状を有する。これにより、枠体21は、拍の長さを視覚的に示す。2拍以上の場合、枠体21は、基準枠体の繋ぎ目を1拍ごとの区切りとして区切り線23で示す。すなわち、枠体21は、区切り線23によって1拍ごとに拍の数だけ区画される。区切り線23は、枠体21を示す線とは異なる線、例えば図1~4のような破線、枠体21を示す線より細い線、枠体21を示す線と異なる色の線などで示す。
【0020】
音符22は、枠体21が示す拍の長さに相当する音符22が枠体21の内部に記載される。1拍の場合は、拍子表示部10で表示される拍子の1拍の長さに相当する音符22が枠体21の内部に記載される。2拍、3拍、4拍の場合も、それぞれ、拍子表示部10で表示される拍子の2拍の長さ、3拍の長さ、4拍の長さに相当する音符22が枠体21の内部に記載される。2拍以上の場合、音符22は、区切り線23で区画された枠体21の中で、当該音符22が刻まれる拍数目の枠体21の内部に記載される。すなわち、1拍目に刻む音符22は、枠体21の左から1番目の区画の内部に記載され、2拍目に刻む音符22は、枠体21の左から2番目の区画の内部に記載され、3拍目に刻む音符22は、枠体21の左から3番目の区画の内部に記載される。
【0021】
音符表示部20は、拍子表示部10で示した拍子で基本となる基本リズム40の数だけ設けられる。基本リズム40については、あとで具体的に説明する。
【0022】
言語表示部30は、音符22が有するリズムに対応した言語31を表示する。拍が1拍の場合、言語31は、音符22の符頭221の数ごとに設定されて、符頭221の数及び音符22の音価に対応した言語である。また、拍が2拍の場合、言語31は、音符22の音価に対応して設定されて、音符22の音価に対応した言語である。また、拍が3拍以上の場合、言語31は、拍の数ごとに設定されて拍の数に対応した言語である。
【0023】
リズム学習用教材1では、音符表示部20は、音符表示部20が表示する基本リズム40の拍子と対応する拍子表示部10と関連付け、且つ、言語31ごとに整列して言語31を表示する言語表示部30と関連付けて表示される。
【0024】
本実施形態のリズム学習用教材1について、より具体的に説明する。最初に、基本リズム40について説明する。
【0025】
まず、基準音符が4分音符である拍子について説明する。図2に示すように、基準音符が4分音符である拍子、すなわち、拍子が「2/4拍子・3/4拍子・4/4拍子」の場合、基本リズム40は、1拍の基本リズム40、2拍の基本リズム40、3拍の基本リズム40及び4拍の基本リズム40がある。
【0026】
1拍の基本リズム40は、4分音符1個からなる第1の基本リズム41、8分音符2個からなる第2の基本リズム42、8分音符の三連符からなる第3の基本リズム43、及び、16分音符4個からなる第4の基本リズム44である。2拍の基本リズム40は、2分音符1個からなる第5の基本リズム45、付点4分音符と8分音符とが順に表示される第6の基本リズム46、8分音符と付点4分音符が順に表示される第7の基本リズム47、及び、8分音符と4分音符と8分音符とが順に表示される第8の基本リズム48である。3拍の基本リズム40は、付点2分音符1個からなる第10の基本リズム50である。4拍の基本リズム40は、全音符1個からなる第11の基本リズム51である。
【0027】
第1の基本リズム41では、音符表示部20は、基準枠体1個からなる枠体21に、4分音符が1個記載されて構成される。同様に、第2の基本リズム42では、音符表示部20は、基準枠体1個からなる枠体21に、8分音符が2個記載されて構成される。また、第3の基本リズム43では、音符表示部20は、基準枠体1個からなる枠体21に、8分音符の三連符が記載されて構成される。さらに、第4の基本リズム44では、音符表示部20は、基準枠体1個からなる枠体21に、16分音符が4個記載されて構成される。
【0028】
また、第5の基本リズム45では、音符表示部20は、基準枠体を横方向に2個繋げた外形を有し中央を区切り線23で区切った枠体21に、2分音符が1個記載されて構成される。2分音符は1拍目に刻まれるため枠体21の左側の区画に記載される。第6の基本リズム46では、音符表示部20は、基準枠体を横方向に2個繋げた外形を有し中央を区切り線23で区切った枠体21に、付点4分音符と8分音符とが順に記載されて構成される。付点4分音符は1拍目に刻まれるため枠体21の左側の区画に記載され、8分音符は2拍目に刻まれるため枠体21の右側の区画に記載される。第7の基本リズム47では、音符表示部20は、基準枠体を横方向に2個繋げた外形を有し中央を区切り線23で区切った枠体21に、8分音符と付点4分音符が順に記載されて構成される。8分音符及び付点4分音符はともに1拍目に刻まれるため枠体21の左側の区画に記載される。第8の基本リズム48では、音符表示部20は、基準枠体を横方向に2個繋げた外形を有し中央を区切り線23で区切った枠体21に、8分音符と4分音符と8分音符とが順に記載されて構成される。1個目の8分音符及び4分音符はともに1拍目に刻まれるため枠体21の左側の区画に記載され、2個目の8分音符は2拍目に刻まれるため枠体21の右側の区画に記載される。
【0029】
また、第10の基本リズム50では、音符表示部20は、基準枠体を横方向に3個繋げた外形を有し2本の区切り線23で三等分に区切った枠体21に、付点2分音符が1個記載されて構成される。付点2分音符は1拍目に刻まれるため枠体21の左から1番目の区画に記載される。また、第11の基本リズム51では、音符表示部20は、基準枠体を横方向に4個繋げた外形を有し3本の区切り線23で四等分に区切った枠体21に、全音符が1個記載されて構成される。全音符は1拍目に刻まれるため枠体21の左から1番目の区画に記載される。
【0030】
さらに、1拍の基本リズム40には、付点8分音符と16分音符とが順に表示される基本リズム40、16分音符と付点8分音符とが順に表示される基本リズム40、8分音符と16分音符と16分音符とが順に表示される基本リズム40、16分音符と16分音符と8分音符とが順に表示される基本リズム40、及び、16分音符と8分音符と16分音符とが順に表示される基本リズム40が加わってもよい。これらの基本リズム40では、各音符表示部20は、基準枠体1個からなる枠体21に、上記した2個又は3個の音符22が順に記載されて構成される。
【0031】
この1拍の基本リズム40は、音符22の符頭221の数によってグループ分けされる。符頭221は、一般に「たま」とも呼ばれる音符22の頭のことであり、楕円形を有し、五線譜上に配置される場所によって音符22の音程を示す白又は黒の卵形の部分である。
【0032】
付点8分音符と16分音符とが順に表示される基本リズム40、及び、16分音符と付点8分音符とが順に表示される基本リズム40は、符頭221の数が2個となる。よって、符頭221の数が同じ2個である8分音符2個からなる第2の基本リズム42にグループ分けされる。すなわち、付点8分音符と16分音符とが順に表示される基本リズム40、及び、16分音符と付点8分音符とが順に表示される基本リズム40は、第2の基本リズム42の変則形となる。
【0033】
また、8分音符と16分音符と16分音符とが順に表示される基本リズム40、16分音符と16分音符と8分音符とが順に表示される基本リズム40、及び、16分音符と8分音符と16分音符とが順に表示される基本リズム40は、符頭221の数が3個となる。よって、符頭221の数が同じ3個である8分音符の三連符からなる第3の基本リズム43にグループ分けされる。すなわち、8分音符と16分音符と16分音符とが順に表示される基本リズム40、16分音符と16分音符と8分音符とが順に表示される基本リズム40、及び、16分音符と8分音符と16分音符とが順に表示される基本リズム40は、第3の基本リズム43の変則形となる。
【0034】
さらに、1拍の基本リズム40及び2拍の基本リズム40には、2分休符、付点4分休符、4分休符、付点8分休符、8分休符又は16分休符を含めた基本リズム40が加わってもよい。図1及び図4に示すように、例えば、1拍の基本リズム40では、4分休符1個からなる基本リズム40、8分休符と8分音符とが順に表示される基本リズム40、8分音符と8分休符と8分音符とからなる三連符の基本リズム40、16分休符と16分音符3個とが順に表示される基本リズム40などがある。これらの基本リズム40では、各音符表示部20は、基準枠体1個からなる枠体21に、上記した1個~4個の音符22又は休符24が順に記載されて構成される。
【0035】
これらの1拍の基本リズム40は、休符24が有する音価と同じ音価の音符22に休符24を置き換えたときに符頭221の数が同じになるグループに区分される。すなわち、4分休符1個からなる基本リズム40は、4分音符1個からなる第1の基本リズム41に区分され、第1の基本リズム41の変則形となる。同様に、8分休符と8分音符とが順に表示される基本リズム40は、8分音符2個からなる第2の基本リズム42に区分され、第2の基本リズム42の変則形となる。8分音符と8分休符と8分音符とからなる三連符の基本リズム40は、8分音符の三連符からなる第3の基本リズム43に区分され、第3の基本リズム43の変則形となる。16分休符と16分音符3個とが順に表示される基本リズム40は、16分音符4個からなる第4の基本リズム44に区分され、第4の基本リズム44の変則形となる。
【0036】
また、2拍の基本リズム40では、2分休符1個からなる基本リズム40、付点4分音符と8分休符とが順に表示される基本リズム40、8分休符と付点4分音符が順に表示される基本リズム40、8分音符と4分音符と8分休符とが順に表示される基本リズム40などがある。これらの基本リズム40では、各音符表示部20は、基準枠体を横方向に2個繋げた外形を有し中央を区切り線23で区切った枠体21に、上記した1個~3個の音符22又は休符24が順に、刻まれる拍の位置に応じた区画に記載されて構成される。
【0037】
これらの2拍の基本リズム40は、休符24が有する音価と同じ音価の音符22に休符24を置き換えたときにリズムが同じになるグループに区分される。すなわち、2分休符1個からなる基本リズム40は、2分音符1個からなる第5の基本リズム45に区分され、第5の基本リズム45の変則形となる。同様に、付点4分音符と8分休符とが順に表示される基本リズム40は、付点4分音符と8分音符とが順に表示される第6の基本リズム46に区分され、第6の基本リズム46の変則形となる。8分休符と付点4分音符が順に表示される基本リズム40は、8分音符と付点4分音符が順に表示される第7の基本リズム47に区分され、第7の基本リズム47の変則形となる。8分音符と4分音符と8分休符とが順に表示される基本リズム40は、8分音符と4分音符と8分音符とが順に表示される第8の基本リズム48に区分され、第8の基本リズム48の変則形となる。
【0038】
次に、基準音符が8分音符である拍子について説明する。図3に示すように、基準音符が8分音符である拍子、すなわち、拍子が「3/8拍子・6/8拍子」の場合、基本リズム40は、3拍の基本リズム40がある。
【0039】
3拍の基本リズム40は、8分音符3個からなる第9の基本リズム49である。第9の基本リズム49では、音符表示部20は、基準枠体を横方向に3個繋げた外形を有し2本の区切り線23で三等分に区切った枠体21に、8分音符が3個記載されて構成される。1個目の8分音符は1拍目に刻まれるため枠体21の左から1番目の区画に記載され、2個目の8分音符は2拍目に刻まれるため枠体21の左から2番目の区画に記載され、3個目の8分音符は3拍目に刻まれるため枠体21の左から3番目の区画に記載される。
【0040】
さらに、3拍の基本リズム40には、16分音符6個からなる基本リズム40、4分音符と8分音符とが順に表示される基本リズム40、8分音符と4分音符とが順に表示される基本リズム40、付点8分音符と16分音符と8分音符とが順に表示される基本リズム40、8分音符と付点8分音符と16分音符とが順に表示される基本リズム40、及び、付点4分音符1個からなる基本リズム40が加わってもよい。
【0041】
これらの基本リズム40では、各音符表示部20は、基準枠体を横方向に3個繋げた外形を有し2本の区切り線23で三等分に区切った枠体21に、上記した1個~3個の音符が順に記載されて構成される。
【0042】
具体的には、16分音符6個からなる基本リズム40では、1個目及び2個目の16分音符は1拍目に刻まれるため枠体21の左から1番目の区画に記載され、3個目及び4個目の16分音符は2拍目に刻まれるため枠体21の左から2番目の区画に記載され、5個目及び6個目の16分音符は3拍目に刻まれるため枠体21の左から3番目の区画に記載される。4分音符と8分音符とが順に表示される基本リズム40では、4分音符は1拍目に刻まれるため枠体21の左から1番目の区画に記載され、8分音符は3拍目に刻まれるため枠体21の左から3番目の区画に記載される。8分音符と4分音符とが順に表示される基本リズム40では、8分音符は1拍目に刻まれるため枠体21の左から1番目の区画に記載され、4分音符は2拍目に刻まれるため枠体21の左から2番目の区画に記載される。
【0043】
付点8分音符と16分音符と8分音符とが順に表示される基本リズム40では、付点8分音符は1拍目に刻まれるため枠体21の左から1番目の区画に記載され、16分音符は2拍目に刻まれるため枠体21の左から2番目の区画に記載され、8分音符は3拍目に刻まれるため枠体21の左から3番目の区画に記載される。このとき、16分音符は裏拍(拍を前半と後半とに分けたうちの後半の部分)となるため、区画の右寄りに記載されてもよい。8分音符と付点8分音符と16分音符とが順に表示される基本リズム40では、8分音符は1拍目に刻まれるため枠体21の左から1番目の区画に記載され、付点8分音符は2拍目に刻まれるため枠体21の左から2番目の区画に記載され、16分音符は3拍目に刻まれるため枠体21の左から3番目の区画に記載される。このときも、16分音符は裏拍となるため、区画の右寄りに記載されてもよい。付点4分音符1個からなる基本リズム40では、付点4分音符は1拍目に刻まれるため枠体21の左から1番目の区画に記載され。
【0044】
この3拍の基本リズム40は、拍の数によってグループ分けされる。すなわち、上記した基本リズム40は全て、8分音符3個からなる第9の基本リズム49に区分され、第9の基本リズム49の変則形となる。
【0045】
さらに、3拍の基本リズム40には、付点4分休符、4分休符、付点8分休符、8分休符又は16分休符を含めた基本リズム40が加わってもよい。図1に示すように、例えば、8分音符と8分休符と8分音符とが順に表示される基本リズム40、8分休符と16分音符4個とが順に表示される基本リズム40、4分音符と8分休符とが順に表示される基本リズム40、8分休符と4分音符とが順に表示される基本リズム40、付点8分音符と16分休符と8分音符とが順に表示される基本リズム40、8分音符と付点8分音符と16分休符とが順に表示される基本リズム40、8分音符2個と8分休符とが順に表示される基本リズム40などがある。
【0046】
これらの3拍の基本リズム40は、拍の数によってグループ分けされるため、全て8分音符3個からなる第9の基本リズム49に区分され、第9の基本リズム49の変則形となる。
【0047】
次に、言語31について説明する。言語表示部30は、第1の基本リズム41乃至第11の基本リズム51に対してそれぞれの言語31を表示する。上記した第1の基本リズム41乃至第9の基本リズム51の変則形については、第1の基本リズム41乃至第9の基本リズム51を同じ言語31となる。
【0048】
以下では、言語31の文字数は、長音「ー」は1文字としてカウントする。一方、拗音「ゃ、ゅ、ょ」及び促音「っ」は前の文字と一体で1文字としてカウントする。すなわち、「ジュース」は、「ジュ」で1文字、「ー」で1文字、「ス」で1文字の3文字となる。
【0049】
第1の基本リズム41乃至第4の基本リズム44は、1拍の基本リズム40である。第1の基本リズム41乃至第4の基本リズム44は音符22の符頭221の数ごとにグループ分けされた基本リズム40となっているため、言語31は第1の基本リズム41乃至第4の基本リズム44のそれぞれに設定される。第1の基本リズム41乃至第4の基本リズム44の言語31は、音符22の符頭221の数及び音符22の音価に対応して設定される。
【0050】
具体的には、第1の基本リズム41では、言語31は、符頭221の数に対応した1文字の言語に、音符22の音価に対応させて語尾に「ん」を付けた2文字の言語である。例えば、言語31は、「ちゃん」、「たん」、「うん」などである。第2の基本リズム42では、言語31は、符頭221の数に対応した2文字の言語である。例えば、言語31は、「ねこ」、「いぬ」などである。第3の基本リズム43では、言語31は、符頭221の数に対応した3文字の言語である。例えば、言語31は、「たぬき」、「きつね」などである。第4の基本リズム44では、言語31は、符頭221の数に対応した4文字の言語である。例えば、言語31は、「しまうま」、「あざらし」、「しろくま」、「ドナルド」などである。第2の基本リズム42乃至第4の基本リズム44の音符221の音価は第1の基本リズム41の音符221の音価より短いため、第2の基本リズム42乃至第4の基本リズム44の言語31は、音符22の音価に対応させて、語尾に何も付けず、符頭221の数に対応した文字数の言語となる。
【0051】
第5の基本リズム45乃至第8の基本リズム48は、2拍の基本リズム40である。第5の基本リズム45乃至第8の基本リズム48は、音符22の音価に対応して設定されているため、言語31は第5の基本リズム45乃至第8の基本リズム48のそれぞれに設定される。第5の基本リズム45乃至第8の基本リズム48の言語31は、音符22の音価に対応して設定される。
【0052】
具体的には、第5の基本リズム45では、言語31は、音符22が2拍にわたって延びる音価を有しているため、音符22の音価に対応した語尾が長音の2文字の言語である。例えば、「ぞー」、「カー」などである。第6の基本リズム46では、言語31は、1音目の音符22の音価が長く、2音目の音符22の音価が短いため、音符22の音価に対応した中央が長音の3文字の言語である。例えば、「ジュース」、「ボート」などである。第7の基本リズム47では、言語31は、1音目の音符22の音価が短く、2音目の音符の音価が長いため、音符22の音価に対応した語尾が長音の3文字の言語である。例えば、「カレー」、「シチュー」などである。第8の基本リズム48では、言語31は、1音目と3音目の音符22の音価が短く、2音目の音符22の音価が長いため、音符22の音価に対応した3文字目が長音の4文字の言語である。例えば、「ステーキ」、「スカート」、「ヒコーキ」などである。
【0053】
第9の基本リズム49乃至第11の基本リズム51は、3拍以上の基本リズム40である。第9の基本リズム49乃至第11の基本リズム51は、拍の数ごとに設定されているため、言語31は第9の基本リズム49乃至第11の基本リズム51のそれぞれに設定される。
【0054】
具体的には、第9の基本リズム49では、言語31は、拍の数に対応した3文字の言語である。例えば、「トマト」、「なすび」などである。第10の基本リズム50では、言語31は、拍の数に対応した3文字の言語である。例えば、「パンダ」、「コアラ」などである。第11の基本リズム51では、言語31は、拍の数に対応した4文字の言語である。例えば、「ライオン」、「ペンギン」などである。
【0055】
なお、第9の基本リズム49と第10の基本リズム50とは同じ拍数であるが、第9の基本リズム49は基準音符が8分音符であり、第10の基本リズム50は基準音符が4分音符である。リズム学習用教材1において、各基本リズム40は、拍子と関連付けて表示されることから、第9の基本リズム49及び第10の基本リズム50はそれぞれに言語31が設定される。なお、第9の基本リズム49と第10の基本リズム50とは、同じ言語31でもよい。
【0056】
第1の基本リズム41乃至第11の基本リズム51に設けられる言語31は、上記の通りに設けられればよく、リズム学習用教材1を使用する使用者が好きな任意の言語とすることができる。言語31は、例えば、人名であってもよい。
【0057】
図1に示すように、リズム学習用教材1では、まず、「2/4・3/4・4/4拍子」及び「3/8・6/8拍子」と拍子表示部10を表示し、その拍子表示部10の下に、拍子表示部10に関連付けて、拍子表示部10が表示する拍子の基本リズム40を表示した音符表示部20を表示する。第1の基本リズム41乃至第8の基本リズム48、第10の基本リズム50及び第11の基本リズム51は、「2/4・3/4・4/4拍子」の基本リズム40である。よって、第1の基本リズム41乃至第8の基本リズム48、第10の基本リズム50及び第11の基本リズム51を表示する音符表示部20は、「2/4・3/4・4/4拍子」の表示の下側に、第1の基本リズム41の音符表示部20、第2の基本リズム42の音符表示部20、第3の基本リズム43の音符表示部20、第4の基本リズム44の音符表示部20、第5の基本リズム45の音符表示部20、第6の基本リズム46の音符表示部20、第7の基本リズム47の音符表示部20、第8の基本リズム48の音符表示部20、第10の基本リズム50の音符表示部20、第11の基本リズム51の音符表示部20と順に縦方向に並べて表示する。一方、第9の基本リズム49は、「3/8・6/8拍子」の基本リズム40である。よって、第9の基本リズム49を表示する音符表示部20は、「3/8・6/8拍子」の表示の下側に表示する。
【0058】
このとき、音符表示部20は、基本リズム40ごとに互いに関連付けて、縦方向及び/又は横方向に並べて表示する。例えば、第2の基本リズム42では、第2の基本リズム42である8分音符2個を表示した音符表示部20、第2の基本リズム42の変則形である付点8分音符と16分音符とを順に表示した音符表示部20、第2の基本リズム42の変則形である16分音符と付点8分音符とを順に表示した音符表示部20、及び、第2の基本リズム42の変則形である8分休符と8分音符とを順に表示した音符表示部20を、横方向に並べて表示する。第1の基本リズム41及び第3の基本リズム43乃至第8の基本リズム48についても、各基本リズム41,43~48の変則形がある場合は、第2の基本リズム42と同様に横方向に並べて表示する。
【0059】
また、第9の基本リズム49では、第9の基本リズム49である8分音符3個を表示した音符表示部20、第9の基本リズム49の変則形である16分音符6個を表示した音符表示部20、第9の基本リズム49の変則形である4分音符と8分音符とを順に表示した音符表示部20、第9の基本リズム49の変則形である8分音符と4分音符とを順に表示した音符表示部20、第9の基本リズム49の変則形である付点8分音符と16分音符と8分音符とを順に表示した音符表示部20、第9の基本リズム49の変則形である8分音符と付点8分音符と16分音符とを順に表示した音符表示部20、及び、第9の基本リズム49の変則形である付点4分音符1個を表示した音符表示部20を、縦方向に並べて表示する。同時に、第9の基本リズム49の変則形である、8分音符と8分休符と8分音符とを順に表示した音符表示部20、8分休符と16分音符4個とを順に表示した音符表示部20、4分音符と8分休符とを順に表示した音符表示部20、8分休符と4分音符とを順に表示した音符表示部20、付点8分音符と16分休符と8分音符とを順に表示した音符表示部20、8分音符と付点8分音符と16分休符とを順に表示した音符表示部20、8分音符2個と8分休符とを順に表示した音符表示部20を、休符24を音符22に置き換えたときに対応する音符表示部20の横などに並べて表示する。
【0060】
第1の基本リズム41乃至第11の基本リズム51に対応する言語31を表示する言語表示部30は、第1の基本リズム41乃至第11の基本リズム51を表示する音符表示部20の横方向に各基本リズム41~51に関連付けて表示する。
【0061】
また、リズム学習用教材1にスペースがあるときは、基本リズム40に合わせた読み方32を表示してもよい。読み方32は、基本の言語は言語31と同じである。図3に示すように、例えば、第9の基本リズム49において、基本の言語31が「トマト」で1拍ずつ「ト」、「マ」、「ト」が当てはまる場合に、16分音符6個からなる基本リズム40では、1拍に2音の音符があるため「ト」と2音ずつ同じ言語を繰り返す読み方32を表示してもよい。4分音符と8分音符とが順に表示される基本リズム40では、2拍目を刻まないため、2拍目の言語「マ」を「(マ)」として刻まないことを意識付ける読み方32を表示してもよい。付点8分音符と16分音符と8分音符とが順に表示される基本リズム40では、1拍目の言語「ト」の音価が長くなるため、「ト-」として伸ばすことを意識付ける読み方32を表示してもよい。
【0062】
また、図4では、リズム学習用教材1に分かりやすいように読み方32を追記したが、休符24についても、休符24であり刻まないことを意識付けるために、休符24の言語を「()」を付けて読み方32を表示してもよい。このとき、第1の基本リズム41のように基本リズム40が1個の音符22で表示されるリズムの場合、音符22と休符24とを区別するために、休符24は音符22とは別の言語31としてもよい。図4では、第1の基本リズム41について、音符22の場合は、「ちゃん」と言語31を表示し、休符24の場合は、音符22と区別するために「(うん)」と読み方32を表示している。読み方32は、リズム学習用教材1に予め表示されていてもよいし、使用者が自分で書き込んでもよい。
【0063】
このようにして構成されるリズム学習用教材1は、テキスト、ポスター、台紙、マットなどの形で形成することができる。
【0064】
次に、図5も参照して、リズム学習用教材1の使用方法について説明する。図5は、本実施形態のリズム学習用教材1を用いて楽曲のリズムを学習するときのイメージを示す図である。図5(a)~図5(c)に3曲の楽曲を示している。
【0065】
使用者は、初めに基本リズム40を覚えるときは、リズム学習用教材1で1拍を意識しながら様々な基本リズム40の言語31を声に出して言う。すなわち、頭又は足などで一定のテンポで拍を刻みながら、様々な基本リズム40の言語31を声に出して言う。これにより、拍を意識しながらリズムを学習することができる。
【0066】
実際に演奏する楽曲のリズムは、次のようにして学習する。例えば図5(a)~図5(c)に示すような楽譜60がある場合、初めにリズム学習用教材1から楽譜60に表示される楽曲のリズムに合う言語31を探し出し、楽曲のリズムに言語31を当てはめる。このとき、楽譜60に言語31を書き込んでもよい。言語31を書き込むときは、休符24や音符22の音価が1拍以上で刻まない言語には「()」を付けて刻まないことを意識する読み方32で記載することが好ましい。そして、楽譜60の先頭に表示されている拍子を意識して、頭又は足などで一定のテンポで拍を刻みながら、楽譜60の楽曲のリズムに相当する言語31を声に出して言う。このとき、休符24や音符22の音価が1拍以上で刻まない言語31は、声を出さずに頭の中で言語31を唱える。これにより、楽曲のリズムを学習することができる。
【0067】
以上のように、本発明のリズム学習用教材1では、基本リズム40の言語31が、1拍の場合は音符22の符頭221の数ごと、2拍の場合は音符22の音価ごと、3拍以上の場合は拍数ごとに定められる。そのため、基本リズム40が複数あったとしても、音符22を置き換える言語31の数を少なくすることができる。これにより、実際に演奏する楽曲のリズムを学習する際に、置き換える言語31の数が少ないために容易に言語31に置き換えて練習することができる。
【0068】
また、本発明のリズム学習用教材1では、基本リズム40は、1拍の場合は音符22の符頭221の数ごと、2拍の場合は音符22の音価ごと、3拍以上の場合は拍数ごとに整列されている。これにより、似たような基本リズム40をまとめて学習することができ、学習者は整理して覚えやすく、教える者も教えやすくなる。
【0069】
また、本発明のリズム学習用教材1は、拍子表示部10を設け、拍子とその拍子で基本となる基本リズム40とを関連付けて表示しているため、拍子を意識しながらリズムを学習することができる。特に、1拍の長さを表す基準音符が8分音符である拍子では、3拍すなわち3/8拍子における1小節を1まとまりと考え、6/8拍子は2まとまりの大きな流れで捉える方がリズムを学習しやすい。このように、拍子によっては、1拍ではなく3拍のリズムが基本となる場合、3拍の基本リズム40のみを表示することができ、拍子に応じて必要な基本リズム40を的確に学習することができる。
【0070】
また、本発明のリズム学習用教材1を用いると、作曲を行いやすくなる。すなわち、作曲を行う際、先に歌詞を作り、歌詞からリズム学習用教材1の言語31を参考にして音符22をイメージし、リズム及び拍子を考えることで、作曲することができる。
【0071】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、種々の変更が可能である。
【0072】
例えば、上記実施形態では、リズム学習用教材1は、第1の基本リズム41の音符表示部20、第2の基本リズム42の音符表示部20、第3の基本リズム43の音符表示部20と順に縦方向に並べて表示しているが、必ずしもこの構成でなくてもよい。例えば、リズム学習用教材1は、第1の基本リズム41の音符表示部20、第2の基本リズム42の音符表示部20、第3の基本リズム43の音符表示部20と順に横方向に並べて表示してもよい。この場合は、各基本リズム41~48の変則形の音符表示部20は、縦方向に並べて表示され、各基本リズム41~48に対応する言語31を表示する言語表示部30は、音符表示部20の上方向に表示される。その他、同じグループに区分される基本リズム40をまとめて整列して表示し、その基本リズム40に対応する言語31をその基本リズム40に関連付けて表示すれば、リズム学習用教材1は、音符表示部20及び言語表示部30を任意の形態で表示することができる。
【0073】
また、上記実施形態では、リズム学習用教材1は、第1の基本リズム41乃至第11の基本リズム51のそれぞれの音符表示部20を有しているが、必ずしもこの構成でなくてもよい。例えば、「3/8・6/8拍子」をまだ学習しない初学者向けには、第9の基本リズム49を表示しないリズム学習用教材としてもよい。また、第10の基本リズム50及び第11の基本リズム51は、所定の拍数だけ音を伸ばすリズムであるため、当然に理解できている学習者向けの場合には、第10の基本リズム50及び第11の基本リズム51を表示しないリズム学習用教材としてもよい。
【0074】
また、各基本リズム41~51の変則形も、上記実施形態で示した変則形をすべて表示する必要はない。リズム学習用教材1は、学習者にとって必要な各基本リズム41~51の変則形のみに絞って表示してもよい。さらには、リズム学習用教材1は、上記実施形態で示した以外にも基本リズム40があれば、その基本リズム40を上記実施形態で示した通りにグループ分けして各基本リズム41~51の変則形として表示してもよい。
【0075】
また、上記実施形態では、リズム学習用教材1は、基準音符が4分音符である拍子と、基準音符が8分音符である拍子の2種類の拍子を表示しているが、必ずしもこの構成でなくてもよい。例えば、リズム学習用教材1は、基準音符が4分音符である拍子のみ、又は、基準音符が8分音符である拍子のみを表示してもよい。また、リズム学習用教材1は、基準音符が4分音符である拍子、及び/又は、基準音符が8分音符である拍子に加えて、基準音符が2分音符である拍子を併せて表示してもよい。さらに、変拍子などで基準音符が8分音符などであっても特定の拍子(例えば、「5/8拍子」など)でよく出てくるリズムを学習したい場合、拍子表示部10に特定の拍子を表示し、特定の拍子で基本となる基本リズム40の音符表示部20を拍子表示部10と関連付けて表示したリズム学習用教材1を作成してもよい。
【符号の説明】
【0076】
1 リズム学習用教材
10 拍子表示部
20 音符表示部
21 枠体
22 音符
221 符頭
30 言語表示部
31 言語
40 基本リズム
41 第1の基本リズム
42 第2の基本リズム
43 第3の基本リズム
44 第4の基本リズム
45 第5の基本リズム
46 第6の基本リズム
47 第7の基本リズム
48 第8の基本リズム
49 第9の基本リズム
50 第10の基本リズム
51 第11の基本リズム

【要約】      (修正有)
【課題】楽曲のリズムを学習する際に利用しやすいリズム学習用教材を提供する。
【解決手段】本発明のリズム学習用教材1は、拍子を表示する拍子表示部10と、拍の長さを1拍ごとに区切って示す枠体21及び拍の長さに相当する音符22を一括して表示する音符表示部20と、音符22が有するリズムに対応した言語31を表示する言語表示部30とを備える。音符表示部20は、拍子で基本となる基本リズム40の数だけ設けられる。言語31は、拍数に応じて、音符22の符頭221の数ごと、音符22の音価に対応して又は拍の数ごとに設定されて、符頭221の数及び音符22の音価に対応した言語、音符22の音価に対応した言語又は拍の数に対応した言語である。音符表示部20は、音符表示部20が表示する基本リズム40の拍子と対応する拍子表示部10と関連付け、且つ、言語31ごとに整列して言語31を表示する言語表示部30と関連付けて表示される。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5