(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-07
(45)【発行日】2023-09-15
(54)【発明の名称】セル固有基準信号の構成方法及び装置、記憶媒体、基地局、及びユーザ機器
(51)【国際特許分類】
H04W 72/0457 20230101AFI20230908BHJP
H04W 72/23 20230101ALI20230908BHJP
H04W 56/00 20090101ALI20230908BHJP
H04W 52/18 20090101ALI20230908BHJP
H04W 28/18 20090101ALI20230908BHJP
【FI】
H04W72/0457
H04W72/23
H04W56/00 130
H04W52/18
H04W28/18 110
(21)【出願番号】P 2022512397
(86)(22)【出願日】2020-08-20
(86)【国際出願番号】 CN2020110127
(87)【国際公開番号】W WO2021036889
(87)【国際公開日】2021-03-04
【審査請求日】2022-04-20
(31)【優先権主張番号】201910788520.6
(32)【優先日】2019-08-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】522068441
【氏名又は名称】展訊半導体(南京)有限公司
【氏名又は名称原語表記】SPREADTRUM SEMICONDUCTOR (NANJING) CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】Room 501, Block C, Fuying Building, No.99 Tuanjie Road, Research & Innovation Park, High-tech Development Zone, Nanjing, Jiangsu 211899, China
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100135703
【氏名又は名称】岡部 英隆
(72)【発明者】
【氏名】苗 潤泉
(72)【発明者】
【氏名】王 化磊
【審査官】新井 寛
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-143605(JP,A)
【文献】3GPP TS 36.211 V15.6.0,3rd Generation Partnership Project; Technical Specification Group Radio Access Network; Evolved Universal Terrestrial Radio Access (E-UTRA); Physical channels and modulation (Release 15),2019年06月24日
【文献】Qualcomm Incorporated,Lower PAPR reference signals,3GPP TSG RAN WG1 #96 R1- 1903468,Internet<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_96/Docs/R1-1903468.zip>,2019年02月27日
【文献】Samsung,View on Low PAPR RS,3GPP TSG RAN WG1 #96b R1-1904452,Internet<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_96b/Docs/R1-1904452.zip>,2019年03月29日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24 - 7/26
H04W 4/00 - 99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
セル固有基準信号の構成方法であって、
現在の時間スロットにおいて通常のセル固有基準信号を構成することを決定することと、
上記現在の時間スロットに存在する同期信号ブロック(SSB)に基づいて上記現在の時間スロットにおけるSSBを決定するか、又は、上記現在の時間スロットに存在しないSSBに基づいて上記現在の時間スロットの前の先行SSB時間スロットにおけるSSBを決定することと、
上記決定されたSSBにおける変調モード表示情報を用いて上記現在の時間スロットにおける上記通常のセル固有基準信号の変調モードを示すか、又は、上記通常のセル固有基準信号の変調モードを予め設定された変調モードに決定することとを含み、
上記通常のセル固有基準信号の変調モードのピーク対平均比は、上記通常のセル固有基準信号を用いて復調されるデータの変調モードのピーク対平均比以下である、
方法。
【請求項2】
上記決定されたSSBにおける変調モード表示情報を用いて上記現在の時間スロットにおける上記通常のセル固有基準信号の変調モードを示すことは、上記決定されたSSBのマスタ情報ブロック(MIB)における変調モード表示情報を用いて上記現在の時間スロットにおける上記通常のセル固有基準信号の変調モードを示すことを含む、
請求項1記載の方法。
【請求項3】
上記決定されたSSBのMIBにおける変調モード表示情報を用いて上記現在の時間スロットにおける上記通常のセル固有基準信号の変調モードを示すことは、上記MIBに新たなフィールドを追加し、上記現在の時間スロットにおける上記通常のセル固有基準信号の変調モードを示すように、上記新たに追加されたフィールドにおいて上記変調モード表示情報を伝送することを含む、
請求項2記載の方法。
【請求項4】
上記変調モード表示情報は、上記決定されたSSBにおけるプライマリ同期信号(PSS)及びセカンダリ同期信号(SSS)の間の相対的な時間領域位置関係を含み、
上記決定されたSSBにおける変調モード表示情報を用いて上記現在の時間スロットにおける上記通常のセル固有基準信号の変調モードを示すことは、上記決定されたSSBにおける上記PSS及び上記SSSの間の相対的な時間領域位置関係を用いて、上記現在の時間スロットにおける上記通常のセル固有基準信号の変調モードを示すことを含む、
請求項1記載の方法。
【請求項5】
上記決定されたSSBにおける変調モード表示情報を用いて上記現在の時間スロットにおける上記通常のセル固有基準信号の変調モードを示す前に、上記方法は、
現在のチャネル状態を決定することと、
上記現在のチャネル状態に基づいて、追加のセル固有基準信号を構成するか否かを決定することとを含む、
請求項1記載の方法。
【請求項6】
上記決定されたSSBにおける変調モード表示情報を用いて上記現在の時間スロットにおける上記通常のセル固有基準信号の変調モードを示すことは、
上記追加のセル固有基準信号を構成することに基づいて、上記決定されたSSBにおける変調モード表示情報を用いて、上記現在の時間スロットにおける上記通常のセル固有基準信号の変調モード及び上記追加のセル固有基準信号の変調モードを示すこと、又は、
上記追加のセル固有基準信号を構成することに基づいて、上記通常のセル固有基準信号の変調モードを予め設定された変調モードに決定し、上記決定されたSSBにおける上記追加のセル固有基準信号の表示フィールドにおける変調モード表示情報を用いて、上記追加のセル固有基準信号の変調モードを示すことを含む、
請求項5記載の方法。
【請求項7】
上記通常のセル固有基準信号の変調モードは、π/2-BPSK及びQPSKから成るグループから選択される、
請求項1~6のうちの1つに記載の方法。
【請求項8】
セル固有基準信号の決定方法であって、
現在の時間スロットに存在する同期信号ブロック(SSB)に基づいて上記現在の時間スロットにおけるSSBを受信するか、又は、上記現在の時間スロットに存在しないSSBに基づいて上記現在の時間スロットの前の先行SSB時間スロットにおけるSSBを受信することと、
上記受信されたSSBにおける変調モード表示情報に基づいて上記現在の時間スロットにおけ
る通常のセル固有基準信号の変調モードを決定するか、又は、上記通常のセル固有基準信号の変調モードを予め設定された変調モードに決定することとを含み、
上記通常のセル固有基準信号の変調モードのピーク対平均比は、上記通常のセル固有基準信号を用いて復調されるデータの変調モードのピーク対平均比以下である、
方法。
【請求項9】
現在の時間スロットにおいて通常のセル固有基準信号を構成することを決定するように構成された基準信号決定回路と、
上記現在の時間スロットに存在する同期信号ブロック(SSB)に基づいて上記現在の時間スロットにおけるSSBを決定するか、又は、上記現在の時間スロットに存在しないSSBに基づいて上記現在の時間スロットの前の先行SSB時間スロットにおけるSSBを決定するように構成された同期信号ブロック(SSB)決定回路と、
上記決定されたSSBにおける変調モード表示情報を用いて上記現在の時間スロットにおける上記通常のセル固有基準信号の変調モードを示すか、又は、上記通常のセル固有基準信号の変調モードを予め設定された変調モードに決定するように構成された変調モード表示回路とを備え、
上記通常のセル固有基準信号の変調モードのピーク対平均比は、上記通常のセル固有基準信号を用いて復調されるデータの変調モードのピーク対平均比以下である、
セル固有基準信号の構成装置。
【請求項10】
コンピュータ命令が実行されたときに、請求項1~7のうちの1つに記載の方法が実行される、
上記コンピュータ命令を格納した記憶媒体。
【請求項11】
メモリ及びプロセッサを備える基地局であって、
上記メモリは、そこに格納されたコンピュータ命令を有し、
上記プロセッサが上記コンピュータ命令をしたときに、請求項1~7のうちの1つに記載の方法が実行される、
基地局。
【請求項12】
メモリ及びプロセッサを備えるユーザ機器(UE)であって、
上記メモリは、そこに格納されたコンピュータ命令を有し、
上記プロセッサが上記コンピュータ命令をしたときに、請求項8記載の方法が実行される、
ユーザ機器(UE)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本願は、2019年8月23日に出願され、「セル固有基準信号の構成方法及び装置、記憶媒体、基地局、及びユーザ機器」の名称を有する、中国出願第2019107885206号の優先権を主張し、その内容の全体は本願に援用される。
【0002】
技術分野
本開示は、概して、通信技術分野に関し、より詳しくは、セル固有基準信号の構成方法及び装置、記憶媒体、基地局、及びユーザ機器(UE)に関する。
【背景技術】
【0003】
物理ダウンリンク共用チャネル(Physical Downlink Shared Channel:PDSCH)のための変調方式は、π/2-2位相偏移変調(Binary Phase Shift Keying:BPSK)、直交位相偏移変調(Quadrature Phase Shift Keying:QPSK)、8位相偏移変調(Phase Shift Keying:PSK)、及び16振幅位相偏移変調(Amplitude Phase Shift Keying:APSK)を含む。単一キャリアの波形は、変換プレコーディング(すなわち離散フーリエ変換(Discrete Fourier Transform:DFT))によって周波数領域にマッピングされることが可能である。π/2-BPSKは、他の変調方式より小さなピーク対平均電力比(Peak-to-Average Power Ratio:PAPR)を有し、また、DFTを用いて周波数領域にマッピングされた変調されたシンボルは、周波数領域に直接的にマッピングされたものより小さなPAPRを有する。
【0004】
セル固有基準信号(Cell-Specific Reference Signal:CRS)は、通常CRS及び追加CRSを含んでもよく、この場合、通常CRSが確かに含まれ、追加CRSが利用可能であっても利用可能ではなくてもよい(基地局は、追加CRSが構成されているか否かをブロードキャストによって端末に通知する)。通常CRS及び追加CRSは、周波数領域において同じ位置を有し、また、各々は、時間領域において固有のシンボルを占有する。CRSは、擬似雑音コード(Pseudo-Noise Code:PN)シーケンスによって生成されてQPSKによって変調され、生成された変調シンボルシーケンスは次式のとおりである。
【0005】
【0006】
CRSシンボルのマッピングは、周波数領域において直接的にマッピングされ、DFT変換は必要とされない。
【0007】
LTE(Long Term Evolution)システムでは、セルが周波数分割二重(Frequency Division Duplex :FDD)モードで動作するか、それとも時分割二重(Time Division Duplex:TDD)モードで動作するかは、プライマリ同期信号(Primary Synchronization Signal :PSS)及びセカンダリ同期信号(Secondary Synchronization Signal:SSS)の間の相対位置に従って決定することができ、セルのサイクリックプレフィックス(Cyclic Prefix:CP)の構成は、SSSの正確な位置に基づいてさらに決定することができる。新たな無線技術(New Radio:NR)では、PSS、SSS、及び物理ブロードキャストチャネル(Physical Broadcast Channel:PBCH)は送信のために互いに連結され、それは同期信号ブロック(Synchronization Signal Block:SSB)と呼ばれる。SSBは、SSBスロットと呼ばれるいくつかのスロットにのみ現れ、一方、SSBを含まないスロットは、非SSBスロットと呼ばれる。マスタ情報ブロック(Master Information Block:MIB)は、PBCHを介して伝送される。
【0008】
国内の衛星通信システムにおいて、CRSは、PDSCH、PDCCH、及びPBCHの復調のために使用される。CRSについては、MIBは、追加CRSを構成するか否かを示す追加CRS表示を含む。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、現在のCRSは、QPSK変調方式を固定的に採用し、また、復調されたCRSが、PDSCH復調のために使用される。いくつかの構成(例えば、PDSCHは、単一キャリアの波形及びπ/2-BPSK変調を採用する)では、PDSCHのPAPRは、CRSのそれよりも小さい可能性があり、また、CRSの受信電力は、PDSCHのそれ以下であり、このことは、PDSCHの復調性能を低下させる。
【0010】
本開示は、セル固有基準信号の構成方法及び装置、記憶媒体、基地局、及びユーザ機器を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本開示の実施形態は、セル固有基準信号を用いてデータ復調の性能を改善しうる。
【0012】
本開示の一実施形態では、セル固有基準信号の構成方法が提供され、本方法は、
現在の時間スロットにおいて通常のセル固有基準信号を構成することを決定することと、
現在の時間スロットに存在するSSBに基づいて現在の時間スロットにおけるSSBを決定するか、又は、現在の時間スロットに存在しないSSBに基づいて現在の時間スロットの前の先行SSB時間スロットにおけるSSBを決定することと、
決定されたSSBにおける変調モード表示情報を用いて現在の時間スロットにおける通常のセル固有基準信号の変調モードを示すか、又は、通常のセル固有基準信号の変調モードが予め設定された変調モードであると決定することとを含み、
通常のセル固有基準信号の変調モードのピーク対平均比は、通常のセル固有基準信号を用いて復調されるデータの変調モードのピーク対平均比以下である。
【0013】
オプションで、決定されたSSBにおける変調モード表示情報を用いて現在の時間スロットにおける通常のセル固有基準信号の変調モードを示すことは、決定されたSSBのMIBにおける変調モード表示情報を用いて現在の時間スロットにおける通常のセル固有基準信号の変調モードを示すことを含む。
【0014】
オプションで、決定されたSSBのMIBにおける変調モード表示情報を用いて現在の時間スロットにおける通常のセル固有基準信号の変調モードを示すことは、MIBに新たなフィールドを追加し、現在の時間スロットにおける通常のセル固有基準信号の変調モードを示すように、新たに追加されたフィールドにおいて変調モード表示情報を伝送することを含む。
【0015】
オプションで、変調モード表示情報は、決定されたSSBにおけるPSS及びSSSの相対的な時間領域位置関係を含み、
決定されたSSBにおける変調モード表示情報を用いて現在の時間スロットにおける通常のセル固有基準信号の変調モードを示すことは、決定されたSSBにおけるPSS及びSSSの間の相対的な時間領域位置関係を用いて、現在の時間スロットにおける通常のセル固有基準信号の変調モードを示すことを含む。
【0016】
オプションで、決定されたSSBにおける変調モード表示情報を用いて現在の時間スロットにおける通常のセル固有基準信号の変調モードを示す前に、本方法は、
現在のチャネル状態を決定することと、
現在のチャネル状態に基づいて、追加のセル固有基準信号を構成するか否かを決定することとを含む。
【0017】
オプションで、決定されたSSBにおける変調モード表示情報を用いて現在の時間スロットにおける通常のセル固有基準信号の変調モードを示すことは、
追加のセル固有基準信号を構成することに基づいて、決定されたSSBにおける変調モード表示情報を用いて、現在の時間スロットにおける通常のセル固有基準信号の変調モード及び追加のセル固有基準信号の変調モードを示すこと、又は、
追加のセル固有基準信号を構成することに基づいて、通常のセル固有基準信号の変調モードを予め設定された変調モードに決定し、決定されたSSBにおける追加のセル固有基準信号の表示フィールドにおける変調モード表示情報を用いて、追加のセル固有基準信号の変調モードを示すことを含む。
【0018】
オプションで、通常のセル固有基準信号の変調モードは、π/2-BPSK及びQPSKから成るグループから選択される。
【0019】
本開示の一実施形態では、セル固有基準信号の決定方法が提供され、本方法は、
現在の時間スロットに存在するSSBに基づいて現在の時間スロットにおけるSSBを受信するか、又は、現在の時間スロットに存在しないSSBに基づいて現在の時間スロットの前の先行SSB時間スロットにおけるSSBを受信することと、
受信されたSSBにおける変調モード表示情報に基づいて現在の時間スロットにおける通常のセル固有基準信号の変調モードを決定するか、又は、通常のセル固有基準信号の変調モードを予め設定された変調モードに決定することとを含み、
通常のセル固有基準信号の変調モードのピーク対平均比は、通常のセル固有基準信号を用いて復調されるデータの変調モードのピーク対平均比以下である。
【0020】
本開示の一実施形態では、セル固有基準信号の構成装置が提供され、本装置は、
現在の時間スロットにおいて通常のセル固有基準信号を構成することを決定するように構成された基準信号決定回路と、
現在の時間スロットに存在するSSBに基づいて現在の時間スロットにおけるSSBを決定するか、又は、現在の時間スロットに存在しないSSBに基づいて現在の時間スロットの前の先行SSB時間スロットにおけるSSBを決定するように構成されたSSB決定回路と、
決定されたSSBにおける変調モード表示情報を用いて現在の時間スロットにおける通常のセル固有基準信号の変調モードを示すか、又は、通常のセル固有基準信号の変調モードを予め設定された変調モードに決定するように構成された変調モード表示回路とを備え、
通常のセル固有基準信号の変調モードのピーク対平均比は、通常のセル固有基準信号を用いて復調されるデータの変調モードのピーク対平均比以下である。
【0021】
本開示の一実施形態では、コンピュータ命令を格納した記憶媒体が提供され、コンピュータ命令が実行される場合、上述したセル固有基準信号の構成方法が実行される。
【0022】
本開示の一実施形態では、メモリ及びプロセッサを含む基地局が提供され、
メモリは、そこに格納されたコンピュータ命令を有し、
プロセッサがコンピュータ命令を実行する場合、上述したセル固有基準信号の構成方法が実行される。
【発明の効果】
【0023】
本開示の実施形態は下記の利点を提供しうる。
【0024】
本開示の実施形態では、現在の時間スロットにおける通常のセル固有基準信号を構成すると決定され、現在の時間スロットの前の先行SSB時間スロットにおけるSSBが決定され、現在の時間スロットにおける通常のセル固有基準信号の変調モードが、決定されたSSBにおける変調モード表示情報を用いて示されるか、又は、通常のセル固有基準信号の変調モードが、予め設定された変調モードであると決定される。通常のセル固有基準信号の変調モードを構成することによって、また、通常のセル固有基準信号の変調モードのピーク対平均比を、通常のセル固有基準信号を用いて復調されるデータの変調モードのピーク対平均比以下に設定することによって、通常のセル固有基準信号の変調モードの構成はより柔軟になる可能性があり、セル固有基準信号のピーク対平均比は、通常のセル固有基準信号の受信電力が、復調されるデータのそれよりも大きいこと、例えばPDSCHよりも大きいことを保証するように低減され、これにより、セル固有基準信号を用いたデータ復調の性能を改善する。
【0025】
さらに、決定されたSSBのMIBにおける変調モード表示情報を用いて、又は、決定されたSSBにおけるPSS及びSSSの間の相対的な時間領域位置関係を用いて、現在の時間スロットにおける通常のセル固有基準信号の変調モードが示される。本開示の実施形態では、MIBは、すべてのUEにブロードキャストされることが可能であり、また、通常のセル固有基準信号の変調モードを直接的に示すために、MIBに変調モード表示情報が新たに追加されてもよい。代替として、通常のセル固有基準信号の変調モードが、PSS及びSSSの間の相対的な時間領域位置関係を用いて間接的に示される。このように、変調モードは、SSBの復調性能及び機能に影響することなく示されうる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】実施形態に係るセル固有基準信号の構成方法のフローチャートである。
【
図3】実施形態に係るセル固有基準信号の構成方法の部分的なフローチャートである。
【
図4】実施形態に係るセル固有基準の信号構成装置の構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
現在のCRSは、QPSK変調方式を固定的に採用し、また、復調されたCRSが、PDSCH復調のために使用される。いくつかの構成(例えば、PDSCHは、単一キャリアの波形及びπ/2-BPSK変調を採用する)では、PDSCHのPAPRは、CRSのそれよりも小さい可能性があり、また、CRSの受信電力は、PDSCHのそれ以下であり、このことは、PDSCHの復調性能を低下させる。
【0028】
本開示の実施形態では、通常のセル固有基準信号の変調モードを構成することによって、また、通常のセル固有基準信号の変調モードのピーク対平均比を、通常のセル固有基準信号を用いて復調されるデータの変調モードのピーク対平均比以下に設定することによって、通常のセル固有基準信号の変調モードの構成はより柔軟になる可能性があり、セル固有基準信号のピーク対平均比は、通常のセル固有基準信号の受信電力が、復調されるデータのそれよりも大きいこと、例えばPDSCHよりも大きいことを保証するように低減され、これにより、セル固有基準信号を用いたデータ復調の性能を改善する。
【0029】
本開示の目的、特性、及び利点を明確化するために、添付図面に関連して本開示の実施形態を詳細に説明する。
【0030】
図1は、実施形態に係るセル固有基準信号の構成方法のフローチャートである。
【0031】
本方法は、基地局側に適用される、すなわち、基地局によって実行されてもよい。
【0032】
本方法は、S101~S103を含んでもよい。
【0033】
S101において、基地局は、現在の時間スロットにおいて通常のセル固有基準信号を構成することを決定する。
【0034】
S102において、基地局は、現在の時間スロットに存在するSSBに基づいて現在の時間スロットにおけるSSBを決定するか、又は、現在の時間スロットに存在しないSSBに基づいて現在の時間スロットの前の先行SSB時間スロットにおけるSSBを決定する。
【0035】
S103において、基地局は、決定されたSSBにおける変調モード表示情報を用いて現在の時間スロットにおける通常のセル固有基準信号の変調モードを示すか、又は、通常のセル固有基準信号の変調モードを予め設定された変調モードに決定する。通常のセル固有基準信号の変調モードのピーク対平均比は、通常のセル固有基準信号を用いて復調されるデータの変調モードのピーク対平均比以下である。
【0036】
実施形態における各ステップの連続番号がステップの実行順序を制限しないことに注意すべきである。
【0037】
いくつかの実施形態では、S101において、各時間スロット中に通常CRSが構成されてもよい。現在の時間スロットは、SSBスロット、すなわちSSBを含む時間スロットであってもよく、又は、非SSB時間スロット、すなわちSSBを含まない時間スロットであってもよい。
【0038】
具体的には、通常CRSは、後続のデータ、例えばPDSCH又はPBCHを復調するために使用可能である。
【0039】
いくつかの実施形態では、S102において、基地局は、現在の時間スロットに存在するSSBに基づいて現在の時間スロットにおけるSSBを決定するか(すなわち、現在の時間スロットはSSBスロットである)、又は、現在の時間スロットに存在しないSSBに基づいて現在の時間スロットの前の先行SSB時間スロットにおけるSSBを決定する(すなわち、現在の時間スロットは非SSBスロットである)。
【0040】
図2にSSBの固有構造を示す。SSBは、PSS、SSS、及びMIBを伝送するPBCHを含んでもよい。
【0041】
いくつかの実施形態では、S103において、基地局は、SSBにおいて変調モード表示情報を伝送してもよく、ここで、変調モード表示情報は、通常CRSの変調モードを示してもよい。代替として、基地局は、通常CRSの変調モードが予め設定された変調モードであると決定してもよい。
【0042】
いくつかの実施形態では、通常のセル固有基準信号の変調モードは、π/2-BPSK及びQPSKから成るグループから選択される。すなわち、予め設定された変調モードは、π/2-BPSK及びQPSKから成るグループから選択されてもよい。
【0043】
いくつかの実施形態では、単一キャリアの波形及びπ/2-BPSK変調モードを採用するPDSCHに基づいて、基地局は、通常のCRS変調モードをπ/2-BPSKに構成してもよく、したがって、CRSの受信電力はPDSCHのそれよりも高くなり、このことは、PDSCHの復調性能を改善する。
【0044】
通常CRSの変調モードをUEに示すことに続いて、基地局が、変調モードを用いて通常CRSを変調し、変調された通常CRSを送ってもよいということが理解されるであろう。基地局から変調モード表示情報を受信することに応答して、UEは、通常CRSの変調モードを決定してもよい。基地局から変調された通常CRSを受信することに応答して、UEは、通常CRSの決定された変調モードを用いて、変調された通常CRSに対して復調を実行し、通常CRSを取得する。UEは、通常CRSを用いてPBCH及び/又はPDSCHを復調してもよい。
【0045】
本開示の実施形態では、通常のセル固有基準信号の変調モードを構成することによって、また、通常のセル固有基準信号の変調モードのピーク対平均比を、通常のセル固有基準信号を用いて復調されるデータの変調モードのピーク対平均比以下に設定することによって、通常のセル固有基準信号の変調モードの構成はより柔軟になる可能性があり、セル固有基準信号のピーク対平均比は、通常のセル固有基準信号の受信電力が、復調されるデータのそれよりも大きいこと、例えばPDSCHよりも大きいことを保証するように低減され、これにより、セル固有基準信号を用いたデータ復調の性能を改善する。
【0046】
いくつかの実施形態では、
図1に示すS103は、決定されたSSBのMIBにおける変調モード表示情報を用いて、現在の時間スロットにおける通常のセル固有基準信号の変調モードを示すことを含んでもよい。
【0047】
いくつかの実施形態では、変調モード表示情報は、MIBにおいて伝送され、現在の時間スロットにおける通常CRSの変調モードを示す。MIBは、すべてのUEにブロードキャストされることが可能であり、また、通常のセル固有基準信号の変調モードを直接的に示すために、MIBに変調モード表示情報が追加されてもよい。
【0048】
MIBを受信することに応答して、UEは、MIBからの変調モード表示情報の内容を直接的に決定し、通常CRSの変調モードを決定してもよい。
【0049】
いくつかの実施形態では、MIBに新たなフィールドが追加され、現在の時間スロットにおける通常のセル固有基準信号の変調モードを示すように、新たに追加されたフィールドにおいて変調モード表示情報が伝送される。
【0050】
MIBにおける元のフィールドは、追加CRSが構成されるか否かを示すために使用されるので、通常CRSの関連情報を示すために新たなフィールドが追加されてもよい。このフィールドの値は、通常CRSの変調モードを表してもよい。例えば、新たに追加された0のフィールドは、通常CRSの変調方式がπ/2-BPSKであることを示し、新たに追加された1のフィールドは、通常CRSの変調方式がQPSKであることを示す。
【0051】
実施形態における現在の時間スロットが、SSBスロットではなく非SSBスロットであってもよいことに注意すべきである。最初のアクセスの第1の時間スロットの場合、第1の時間スロットはSSBスロットである。第1のSSBスロットにおいてSSBを受信する場合、以前の利用可能なMIB情報は存在せず、したがって、通常CRSの変調方式を示すためにMIBを使用することができない。
【0052】
いくつかの実施形態では、変調モード表示情報は、決定されたSSBにおけるPSS及びSSSの間の相対的な時間領域位置関係を含む。
図1に示すS103は、決定されたSSBにおけるPSS及びSSSの間の相対的な時間領域位置関係を用いて、現在の時間スロットにおける通常のセル固有基準信号の変調モードを示すことを含む。
【0053】
図2を参照すると、
図2は、実施形態に係るSSBの構造図である。SSBにおけるPSS及びSSSの位置が時間領域において異なることを示す2つ場合a及びbが存在する。
図2の場合aに示すように、PSSの時間領域位置は、SSSの時間領域位置の前にある。
図2の場合bに示すように、SSSの時間領域位置は、PSSの時間領域位置の前にある。言いかえると、PSS及びSSSの間の時間領域位置関係は、上述した2つの場合を有する。
【0054】
従って、PSS及びSSSの間の時間領域位置関係は、現在の時間スロットにおける通常CRSの変調モードを示してもよい。例えば、場合aにおけるPSS及びSSSの間の時間領域位置関係は、π/2-BPSKを示してもよく、場合bにおけるPSS及びSSSの間の時間領域位置関係は、QPSKを示してもよい。
【0055】
いくつかの実施形態では、
図3を参照すると、
図1に示すS103の前に、本方法はさらにS301及びS302を含む。
【0056】
S301において、基地局は現在のチャネル状態を決定する。
【0057】
S302において、基地局は、現在のチャネル状態に基づいて、追加のセル固有基準信号を構成するか否かを決定する。
【0058】
いくつかの実施形態では、基地局は、現在のチャネル状態に従って、UEのための追加CRSを構成するか否かを決定してもよい。具体的には、チャネル状態が悪いこと、例えば、チャネル品質が予め設定された値以下であることに基づいて、基地局は、UEのための追加CRSを構成してもよい。
【0059】
追加CRSを構成する具体的な実装方法は、基地局の製造業者の実装上の解決方法に属し、既存の解決方法とも呼ばれうることを当業者は理解するであろう。それらは、ここでは詳述しない。
【0060】
図1に示すS103は、S303及びS304を含んでもよい。
【0061】
S303において、追加のセル固有基準信号を構成することに基づいて、基地局は、決定されたSSBにおける変調モード表示情報を用いて、現在の時間スロットにおける通常のセル固有基準信号の変調モード及び追加のセル固有基準信号の変調モードを示す。
【0062】
S304において、追加のセル固有基準信号を構成することに基づいて、基地局は、通常のセル固有基準信号の変調モードを予め設定された変調モードに決定し、決定されたSSBにおける追加のセル固有基準信号の表示フィールドにおける変調モード表示情報を用いて、追加のセル固有基準信号の変調モードを示す。
【0063】
いくつかの実施形態では、オプションで、S303及びS304の一方が実行される。
【0064】
通常CRSの変調モードが追加CRSの変調モードと同じである上述の実施形態と比較して、いくつかの実施形態では、通常CRSの変調モードは、追加CRSの変調モードとは異なっていてもよく、このことは、CRSの変調モードの構成をより柔軟にする。
【0065】
いくつかの実施形態では、S303において、基地局は、SSBにおける変調モード表示情報を用いて、現在の時間スロットにおける通常CRSの変調モード及び追加CRSの変調モードを示してもよい。具体的な実装方法は、MIBにおける新たな追加の領域、又は、PSS及びSSSの間の相対的な時間領域位置関係を使用することを含んでもよい。詳細については上述の実施形態を参照可能であり、ここでは繰り返さない。
【0066】
いくつかの実施形態では、S304において、通常CRSの変調モードは、固定調整モードであると決定されてもよく、追加CRSの変調モードは、SSBにおける追加CRS表示領域の変調モード表示情報を用いて示されてもよい。具体的には、追加CRSの変調モードは、MIBにおける追加のセル固有基準信号表示フィールドの値を用いて示されてもよい。
【0067】
例えば、00の追加CRS表示フィールドは、基地局が追加CRSを用いて構成されていないことを示し、10の追加CRS表示フィールドは、基地局が追加CRSを用いて構成され、追加CRSの変調モードがπ/2-BPSKであることを示し、11の追加CRS表示フィールドは、基地局が追加CRSを用いて構成され、追加CRSの変調モードがQPSKであることを示す。
【0068】
ある実施形態では、セル固有基準信号の決定方法が提供される。本方法はUE側に適用される、すなわち、UEによって実行されてもよい。
【0069】
本方法は、
現在の時間スロットに存在するSSBに基づいて現在の時間スロットにおけるSSBを受信するか、又は、現在の時間スロットに存在しないSSBに基づいて現在の時間スロットの前の先行SSB時間スロットにおけるSSBを受信することと、
受信されたSSBにおける変調モード表示情報に基づいて現在の時間スロットにおける通常のセル固有基準信号の変調モードを決定するか、又は、通常のセル固有基準信号の変調モードを予め設定された変調モードに決定することとを含み、
通常のセル固有基準信号の変調モードのピーク対平均比は、通常のセル固有基準信号を用いて復調されるデータの変調モードのピーク対平均比以下である。
【0070】
いくつかの実施形態では、SSBが存在する現在の時間スロット、すなわちSSBスロットの場合、UEは、現在の時間スロットにおけるSSBを用いて、通常CRSの変調モードを決定してもよく、SSBが存在しない現在の時間スロット、すなわち非SSBスロットの場合、UEは、先行SSBスロットにおけるSSBを用いて、通常CRSの変調モードを決定してもよい。
【0071】
通常CRSの変調モードを決定する具体的な実装方法は、MIBにおける新たな追加のフィールド、又は、PSS及びSSSの間の相対的な時間領域位置関係を用いて示されてもよく、これらについては上述した実施形態を参照可能であり、ここでは詳述しない。
【0072】
図4を参照すると、
図4は、実施形態に係るセル固有基準の信号構成装置の構造図である。
【0073】
装置40は、
現在の時間スロットにおいて通常のセル固有基準信号を構成することを決定するように構成された基準信号決定回路401と、
現在の時間スロットに存在するSSBに基づいて現在の時間スロットにおけるSSBを決定するか、又は、現在の時間スロットに存在しないSSBに基づいて現在の時間スロットの前の先行SSB時間スロットにおけるSSBを決定するように構成されたSSB決定回路402と、
決定されたSSBにおける変調モード表示情報を用いて現在の時間スロットにおける通常のセル固有基準信号の変調モードを示すか、又は、通常のセル固有基準信号の変調モードを予め設定された変調モードに決定するように構成された変調モード表示回路403とを含み、
通常のセル固有基準信号の変調モードのピーク対平均比は、通常のセル固有基準信号を用いて復調されるデータの変調モードのピーク対平均比以下である。
【0074】
本開示の実施形態では、通常のセル固有基準信号の変調モードを構成することによって、また、通常のセル固有基準信号の変調モードのピーク対平均比を、通常のセル固有基準信号を用いて復調されるデータの変調モードのピーク対平均比以下に設定することによって、通常のセル固有基準信号の変調モードの構成はより柔軟になる可能性があり、セル固有基準信号のピーク対平均比は、通常のセル固有基準信号の受信電力が、復調されるデータのそれよりも大きいこと、例えばPDSCHよりも大きいことを保証するように低減され、これにより、セル固有基準信号を用いたデータ復調の性能を改善する。
【0075】
装置40の動作原理及び動作モードについてのさらなる詳細事項は、
図1~
図3について先に説明した通りであり、ここでは説明しない。
【0076】
本開示の一実施形態では、コンピュータ命令を格納した記憶媒体が提供され、コンピュータ命令が実行されるとき、
図1、
図2、又は
図3に示す上述した方法のうちの任意の1つが実行される。記憶媒体は、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、磁気ディスク、又は光ディスクを含んでもよい。いくつかの実施形態では、記憶媒体は、不揮発性メモリ又は非一時的メモリのようなコンピュータ可読記憶媒体であってもよい。
【0077】
本開示の一実施形態では、メモリ及びプロセッサを備える基地局が提供され、メモリは、そこに格納されたコンピュータ命令を有し、プロセッサがコンピュータ命令を実行するとき、
図1、
図2、又は
図3に示す方法が実行される。
【0078】
本開示は、その好ましい実施形態を参照して上に開示されたが、本開示が限定ではなく例示としてのみ提示されることは理解されるべきである。
当業者は、本開示の精神及び範囲から外れることなく、実施形態を変更及び変形することができる。