(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-08
(45)【発行日】2023-09-19
(54)【発明の名称】内装検査装置
(51)【国際特許分類】
G01M 17/007 20060101AFI20230911BHJP
【FI】
G01M17/007 Z
(21)【出願番号】P 2021204153
(22)【出願日】2021-12-16
【審査請求日】2021-12-16
(73)【特許権者】
【識別番号】598156675
【氏名又は名称】グリーン フィクス株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】521550633
【氏名又は名称】蘇州緑創汽車設計有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110000648
【氏名又は名称】弁理士法人あいち国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】見付 太
(72)【発明者】
【氏名】阿部 真人
(72)【発明者】
【氏名】中村 誠
(72)【発明者】
【氏名】夏 海涛
【審査官】岩永 寛道
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-094989(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-0619257(KR,B1)
【文献】特開2005-126045(JP,A)
【文献】特開2000-142511(JP,A)
【文献】特開平06-087476(JP,A)
【文献】実開昭59-091978(JP,U)
【文献】特開平02-006723(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62D 65/00
B60R 13/00
B23P 19/00
G01M 17/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1モデル(21)と第2モデル(22)とを含む複数のモデルが互いに所定の位置関係にて配設されることにより構成されるダミー車体(2)
における上記第2モデル(22)に、車両の
複数の内装材(3)を仮組付けして、該内装材
(3)の各部と上記ダミー車体
(2)の各部との間の相対位置関係、及び複数の上記内装材
(3)の各部の間の相対位置関
係を検査するための、内装検査装置(1)であって、
上記第1モデル
(21)を配設する定盤(11)と、
上記定盤
(11)に取り付けられた保持搬送機(12)と、を有し、
上記保持搬送機
(12)は、上記第2モデル
(22)を保持する保持機構(121)と、上記第2モデル
(22)を上記第1モデル
(21)に対して進退させる進退機構(122)と、後退位置において上記第2モデル
(22)を鉛直軸を中心に回動させる回動機構(123)とを有
し、
上記第2モデル(22)の車内側面(221)を、上記第1モデル(21)と異なる側に向けた状態において、複数の上記内装材(3)の各部の間の相対位置関係を検査し、
上記内装材(3)が仮組付けされた上記第2モデル(22)を上記第1モデル(21)に組み合わせた状態において、上記内装材(3)の各部と上記ダミー車体(2)の各部又は上記ダミー車体(2)に仮組付けされた部品との間の相対位置関係を検査することができるよう構成されている、内装検査装置
(1)。
【請求項2】
上記第1モデル
(21)は、車両本体を模した本体モデルであり、上記第2モデル
(22)は、ダッシュパネルを模したダッシュパネルモデルである、請求項1に記載の内装検査装置
(1)。
【請求項3】
上記ダミー車体
(2)の一部である第3モデル(23)を上記定盤
(11)に着脱可能に取り付けられるよう構成されており、上記第2モデル
(22)の
上記車内側面(221)を、上記第1モデル
(21)と異なる側に向けた状態において、上記第2モデル
(22)の
上記車内側面
(221)に上記第3モデル
(23)が対向配置されるよう構成されている、請求項1又は2に記載の内装検査装置
(1)。
【請求項4】
上記第3モデル
(23)は、センターコンソール(31)の取付座部を模した座部モデルである、請求項3に記載の内装検査装置
(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内装検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明は、計器パネル等の内装材をダミー車体に仮組付けして、各部の間の相対位置関係を検査するための、内装検査装置に関する。
【0003】
例えば、特許文献1には、車両の計器パネル等の内装材やドアミラー等の外装材を、ダミー車体に仮組付けして、内装材等の各部とダミー車体の各部との間の相対位置関係、複数の内装材等の各部の間の相対位置関係等を検査するための、内外装検査装置が開示されている。そして、ダミー車体は、車両本体モデル、ダッシュパネルモデル等、複数のモデルを組み合わせて構成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記内外装検査装置においては、以下の課題がある。
すなわち、上記内外装検査装置を用いる場合、例えば、ダッシュパネルに、計器類、エアコン部品、グローブボックス等の内装材を組み付けたり、相対位置関係の計測を行ったりする際、ダミー車体の内側から作業を行う必要がある。したがって、ダミー車体に乗り込んだりするなど、狭いスペースにて作業を行う必要がある。そうすると、これらの作業が行い難い場合がある。
【0006】
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、組付け作業及び計測作業の作業性を向上させることができる内装検査装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様は、第1モデル(21)と第2モデル(22)とを含む複数のモデルが互いに所定の位置関係にて配設されることにより構成されるダミー車体(2)における上記第2モデル(22)に、車両の複数の内装材(3)を仮組付けして、該内装材(3)の各部と上記ダミー車体(2)の各部との間の相対位置関係、及び複数の上記内装材(3)の各部の間の相対位置関係を検査するための、内装検査装置(1)であって、
上記第1モデル(21)を配設する定盤(11)と、
上記定盤(11)に取り付けられた保持搬送機(12)と、を有し、
上記保持搬送機(12)は、上記第2モデル(22)を保持する保持機構(121)と、上記第2モデル(22)を上記第1モデル(21)に対して進退させる進退機構(122)と、後退位置において上記第2モデル(22)を鉛直軸を中心に回動させる回動機構(123)とを有し、
上記第2モデル(22)の車内側面(221)を、上記第1モデル(21)と異なる側に向けた状態において、複数の上記内装材(3)の各部の間の相対位置関係を検査し、
上記内装材(3)が仮組付けされた上記第2モデル(22)を上記第1モデル(21)に組み合わせた状態において、上記内装材(3)の各部と上記ダミー車体(2)の各部又は上記ダミー車体(2)に仮組付けされた部品との間の相対位置関係を検査することができるよう構成されている、内装検査装置(1)にある。
【発明の効果】
【0008】
上記内装検査装置において、上記保持搬送機は、上記保持機構と、上記進退機構と、上記回動機構とを有する。これにより、第2モデルの車内側面を、第1モデル側と異なる側に向けることができる。この状態で、第2モデルの車内側面に、内装材を仮組付けすることが可能となる。また、第2モデルに組付けた複数の内装材の各部の間の相対位置関係や、内装材の各部と第2モデルの各部との相対位置関係を計測することができる。そのため、ダミー車体の外側から、内装材の組付け作業や、計測作業を行うことができる。
【0009】
また、回動機構は、第2モデルを鉛直軸を中心に回動させるよう構成されている。それゆえ、第2モデルの鉛直方向の向きは、組付け作業時や計測作業時において、ダミー車体を構成している状態と同じ向き、すなわち実際の車両に組付けたときと同じ向きとすることができる。それゆえ、上述の組付け作業や計測作業を、容易かつ正確に行うことができる。
【0010】
以上のごとく、上記態様によれば、組付け作業及び計測作業の作業性を向上させることができる内装検査装置を提供することができる。
なお、特許請求の範囲及び課題を解決する手段に記載した括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであり、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】実施形態1における、ダミー車体を取り付けた内装検査装置の説明図。
【
図3】実施形態1における、第2モデルを第1モデルから離した状態を示す説明図。
【
図5】実施形態1における、第2モデルを回動させる様子を示す説明図。
【
図6】実施形態1における、第2モデルを反転させた状態の説明図。
【
図7】
図6のVII-VII線矢視断面相当の説明図。
【
図8】実施形態1における、第2モデルに内装材を仮組付けした状態の説明図。
【
図10】実施形態1における、内装材を仮組付けした第2モデルの車内側面を第1モデル側に向けた状態の説明図。
【
図11】実施形態1における、内装材を仮組付けした第2モデルの車内側面を第1モデルに組み合わせた状態の説明図。
【
図13】実施形態2における、内装材を仮組付けした第2モデルを第1モデル側に移動させた状態の説明図。
【
図15】実施形態2における、第3モデルを定盤に固定した状態の説明図。
【
図17】実施形態2における、第3モデルにセンターコンソールを仮組付けした状態の説明図。
【
図18】
図17のXVIII-XVIII線矢視断面相当の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
上記態様の内装検査装置を用いて組立てたダミー車体に仮組付けされる内装材は、車体の内部に取り付けられる内装部品等である。内装材としては、例えば、インストルメントアッパーパネル、インストルメントロワーパネル、計器パネル、エアコン、ステアリング、インパネリンフォース、センターコンソール等が挙げられる。
【0013】
また、上記第1モデルは、車両本体を模した本体モデルであり、上記第2モデルは、ダッシュパネルを模したダッシュパネルモデルであるものとすることができる。この場合には、上記作用効果を充分に発揮することができる。すなわち、ダッシュパネルには、通常、多数の内装材が組付けられるため、当該内装材の組付け作業や、内装材の各部同士の間の相対位置関係の計測作業が多くなる。かかる作業を、ダミー車体の外側から行うことができるため、特に作業性を向上させることができる。
なお、「ダッシュパネルを模した」とは、実際の車両のダッシュパネルの形状のうち少なくとも一部の形状を再現したことを意味し、特に、内装材を取り付ける部位や、内装材との相対位置関係の検査に必要な部位を再現したものであることを意味する。その他の「模した」の表現も、同様である。
【0014】
また、上記内装検査装置は、上記ダミー車体の一部である第3モデルを上記定盤に着脱可能に取り付けられるよう構成されており、上記第2モデルの上記車内側面を、上記第1モデルと異なる側に向けた状態において、上記第2モデルの上記車内側面に上記第3モデルが対向配置されるよう構成されているものとすることができる。この場合には、第2モデルに組付けた内装材の各部と、第3モデルとの間の相対位置関係の計測作業、第2モデルに組付けた内装材の各部と、第3モデルに組付けた内装材の各部との間の相対位置関係の計測作業、或いは、第2モデルの各部と第3モデルに組付けた内装材の各部との間の相対位置関係の計測作業、を、ダミー車体の外側から行うことができる。それゆえ、これらの計測作業を容易かつ正確に行うことができる。
【0015】
また、上記第3モデルは、センターコンソールの取付座部であるものとすることができる。この場合には、センターコンソールと第2モデルに組付けた内装材の各部との間の相対位置関係の計測作業、及び、センターコンソールと第2モデルの各部との間の相対位置関係の計測作業を、容易かつ正確に行うことができる。
【0016】
(実施形態1)
内装検査装置の実施形態につき、
図1~
図12を参照して説明する。
本形態の内装検査装置1は、ダミー車体2に、車両の内装材3を仮組付けして、内装材3の各部とダミー車体2の各部との間の相対位置関係、及び複数の内装材3の各部の間の相対位置関係の少なくとも一方を検査するための装置である。ダミー車体2は、第1モデル21と第2モデル22とを含む複数のモデルが互いに所定の位置関係にて配設されることにより構成される。
【0017】
内装検査装置1は、第1モデル21を配設する定盤11と、定盤11に取り付けられた保持搬送機12と、を有する。
保持搬送機12は、保持機構121と、進退機構122と、回動機構123とを有する。保持機構121は、第2モデル22を保持する。進退機構122は、第2モデル22を第1モデル21に対して進退させる。回動機構123は、後退位置において第2モデル22を鉛直軸を中心に回動させる。
【0018】
より具体的には、保持搬送機12は、
図1~
図12に示すごとく、スライドレール12aと、スライドテーブル12bと、ターンテーブル12cとを有する。スライドレール12aは、定盤11上に、一対、互いに平行に固定されている。スライドテーブル12bは、2本のスライドレール12aの上を、水平方向にスライド移動するよう設けられている。ターンテーブル12cは、スライドテーブル12bに対して、鉛直軸を中心に回動自在に配置されている。
【0019】
2本のスライドレール12aとスライドテーブル12bとによって、進退機構122が構成されている。スライドテーブル12bとターンテーブル12cとによって回動機構123が構成されている。また、ターンテーブル12cに保持機構121が設けてある。保持機構121は、例えば、第2モデル22を、ネジ止め、クランプ等によって、ターンテーブル12cに保持固定するよう構成したものとすることができる。
【0020】
本形態において、第1モデル21は、車両本体を模した本体モデルであり、第2モデル22は、ダッシュパネルを模したダッシュパネルモデルである。
また、第2モデル22に仮組付けする内装材3としては、例えば、インストルメントアッパーパネル、インストルメントロワーパネル、計器パネル、エアコン、ステアリング、インパネリンフォース等がある。
【0021】
次に、本例の内装検査装置1の使用方法の一例につき、
図1~
図12を参照して説明する。
まず、
図1、
図2に示すごとく、定盤11の上の所定の位置に、第1モデル21(本体モデル)を配置し、固定する。また、保持搬送機12に、第2モデル22(ダッシュパネルモデル)を、保持させる。すなわち、保持搬送機12における保持機構121に、第2モデル22を固定する。この状態で、第1モデル21と第2モデル22とを互いに組み合わせることで、
図1、
図2に示すごとく、ダミー車体2が形成される。
【0022】
この状態から、
図3、
図4に示すごとく、保持搬送機12の進退機構122によって、第2モデル22を第1モデル21から遠ざかるように後退させる。その後、
図5~
図7に示すごとく、保持搬送機12の回動機構123によって、第2モデル22を反転させる。このとき、第2モデル22は、鉛直軸を中心に回動することとなる。また、本形態においては、回動角度が180°であり、
図6、
図7に示すごとく、第2モデル22の車内側面221を、第1モデル21と反対側に向ける。
【0023】
この状態において、
図8、
図9に示すごとく、第2モデル22の車内側面221に、内装材3を仮組付けする。第2モデル22へは、複数の内装材3を仮組付けする。そして、複数の内装材3を仮組付けした状態において、内装材3の各部同士の相対位置関係の計測を行う。例えば、ノギス等の計測器を用いて、内装材3の各部同士の隙間や、段差等、相対位置関係を計測する。これにより、これらの寸法が、設計値通り、もしくは設計値から許容範囲内の値にあるか否かを、検査する。
【0024】
このように、第2モデル22への内装材3の仮組付け、及び、内装材3の各部同士の相対位置関係の計測を、車内側面221が第1モデル21と反対側を向いた状態にて行うことができる。
【0025】
次いで、
図10に示すごとく、内装材3を仮組付けした状態で、第2モデル22を再度反転させる。つまり、第2モデル22の車内側面221を、第1モデル21側に向ける。そして、第2モデル22を第1モデル21へ向かってスライド移動させて、
図11、
図12に示すごとく、第1モデル21に第2モデル22を組み合わせる。これにより、ダミー車体2を構成する。この状態において、第2モデル22に仮組付けした内装材3の各部と、第1モデル21の各部との間の相対位置関係の計測作業を行う。また、第2モデル22に仮組付けした内装材3の各部と、第1モデル21に仮組付けした他の内装材(図示略)との間の相対位置関係の計測作業を行う。第1モデル21に仮組付けする内装材としては、例えば、シート、ドアトリム等がある。
【0026】
また、場合によっては、第2モデル22に仮組付けした外装材(図示略)の各部と、第1モデル21の各部、もしくは第1モデル21に仮組付けした外装材(図示略)の各部との相対位置関係の計測を行う。第2モデル22に仮組付けする外装材としては、例えば、カウルルーバー、ワイパーモーター等がある。また、第1モデル21に仮組付けする外装材としては、例えば、ドアミラー、フロントガラス等がある。このように、内装材同士あるいは内装材とダミー車体の各部との間の相対位置関係の検査に加えて、外装材同士あるいは外装材とダミー車体の各部との間の相対位置関係の検査を行う際に、本形態の内装検査装置1を用いることもできる。すなわち、この場合、本形態の内装検査装置1は、いわゆる「内外装検査装置」として用いられることとなる。
【0027】
次に、本形態の作用効果につき説明する。
上記内装検査装置1において、保持搬送機12は、保持機構121と進退機構122と回動機構123とを有する。これにより、第2モデル22の車内側面221を、第1モデル21側と異なる側に向けることができる。この状態で、第2モデル22の車内側面221に、内装材3を仮組付けすることが可能となる。また、第2モデル22に組付けた複数の内装材33の各部の間の相対位置関係や、内装材3の各部と第2モデル22の各部との相対位置関係を計測することができる。それゆえ、ダミー車体2の外側(すなわち、第1モデル21の外側)から、内装材3の組付け作業や、計測作業を行うことができる。
【0028】
仮に、ダミー車体2を構成した状態、すなわち車内側面221を第1モデル21側に向けて第2モデル22を第1モデル21に組付けた状態(
図1、
図2に示す状態)において、内装材3の組付け作業や計測作業を行う場合、ダミー車体2の内側から、これらの作業を行う必要がある。それゆえ、ダミー車体2に作業者が乗り込んで作業を行うこととなる場合もある。かかる場合、作業スペースが狭くなるなど、作業性が悪くなる。そこで、本形態のように、第2モデル22の車内側面221を第1モデル21側と異なる側に向けた状態にて作業を行うことができれば、作業性を向上させることができる。
【0029】
また、回動機構123は、第2モデル22を鉛直軸を中心に回動させるよう構成されている。そのため、第2モデル22の鉛直方向の向きは、組付け作業時や計測作業時において、ダミー車体2を構成している状態と同じ向きとすることができる。それゆえ、上述の組付け作業や計測作業を、容易かつ正確に行うことができる。
【0030】
また、第1モデル21は、車両本体を模した本体モデルであり、第2モデル22は、ダッシュパネルを模したダッシュパネルモデルである。これにより、上記作用効果を充分に発揮することができる。すなわち、ダッシュパネルには、通常、多数の内装材3が組付けられるため、当該内装材3の仮組付け作業や、内装材3の各部同士の間の相対位置関係の計測作業が多くなる。かかる作業を、ダミー車体2の外側から行うことができるため、特に作業性を向上させることができる。
【0031】
以上のごとく、本形態によれば、組付け作業及び計測作業の作業性を向上させることができる内装検査装置を提供することができる。
【0032】
(実施形態2)
本形態の内装検査装置1は、
図13~
図18に示すごとく、ダミー車体2の一部である第3モデル23を定盤11に着脱可能に取り付けられるよう構成されている。
そして、本形態の内装検査装置1は、
図15、
図16に示すごとく、第2モデル22の車内側面221を、第1モデル21と異なる側に向けた状態において、第2モデル22の車内側面221に第3モデル23が対向配置されるよう構成されている。
【0033】
また、本形態において、第3モデル23は、センターコンソール31の取付座部を模した座部モデルである。第3モデル23は、上部の複数個所に、センターコンソール31をネジ止め等にて固定する固定部を有する(図示略)。センターコンソール31は、車両の内装材3の一種である。
【0034】
本形態においても、第2モデル22への内装材3の仮組付けや、第2モデル22に仮組付けした内装材3の各部同士の間の相対位置関係の計測については、実施形態1と同様に行うことができる(
図8、
図9参照)。
【0035】
その後、
図13、
図14に示すごとく、内装材3を仮組付けしたままの第2モデル22を、第1モデル21側にスライド移動させる。そして、この状態にて、第2モデル22を定盤11における所定位置に固定する。
【0036】
次いで、
図15、
図16に示すごとく、第3モデル23を、第2モデル22に対して、第1モデル21と反対側の位置に配置し、定盤11における所定位置に固定する。第2モデル22と第3モデル23との相対位置関係は、実際のダッシュパネルと取付座部との相対位置関係と同じになるような位置関係となるようにする。
【0037】
次いで、
図17、
図18に示すごとく、第3モデル23に、センターコンソール31を仮組付けする。この状態において、第2モデル22に仮組付けした内装材3の各部と、第3モデル23に仮組付けしたセンターコンソール31の各部との間の相対位置関係の計測を行う。この計測作業も、ダミー車体2の外側において、行うこととなる。
【0038】
計測作業後、第3モデル23を定盤11から取り外す。その後、第2モデル22を第1モデル21から離し(
図8、
図9参照)、第2モデル22を回動して、車内側面221を第1モデル21側に向ける(
図10参照)。そして、第1モデル21に第2モデル22を組み合わせる(
図11、
図12参照)。この状態において、第2モデル22に仮組付けした内装材3の各部と、第1モデル21の各部との間の相対位置関係の計測作業を行う。また、第2モデル22に仮組付けした内装材3の各部と、第1モデル21に仮組付けした他の内装材(図示略)との間の相対位置関係の計測作業を行う。この点は、実施形態1と同様である。
その他は、実施形態1と同様である。
【0039】
本形態においては、センターコンソール31と、ダッシュパネルにおける内装材3との間の相対位置関係の計測作業を、ダミー車体2の外側において、容易に行うことができる。その他、実施形態1と同様の作用効果を有する。
【0040】
本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の実施形態に適用することが可能である。
【符号の説明】
【0041】
1 内装検査装置
11 定盤
12 保持搬送機
121 保持機構
122 進退機構
123 回動機構
21 第1モデル
22 第2モデル
3 内装材