(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-08
(45)【発行日】2023-09-19
(54)【発明の名称】摩擦を利用したナノバブル生成システム
(51)【国際特許分類】
B01F 23/233 20220101AFI20230911BHJP
B01F 23/2375 20220101ALI20230911BHJP
B01F 25/60 20220101ALI20230911BHJP
B01F 23/232 20220101ALI20230911BHJP
B01F 27/1151 20220101ALI20230911BHJP
B01F 27/191 20220101ALI20230911BHJP
B01F 27/192 20220101ALI20230911BHJP
B01F 27/27 20220101ALI20230911BHJP
B01F 27/93 20220101ALI20230911BHJP
B01F 27/808 20220101ALI20230911BHJP
B01F 27/091 20220101ALI20230911BHJP
【FI】
B01F23/233
B01F23/2375
B01F25/60
B01F23/232
B01F27/1151
B01F27/191
B01F27/192
B01F27/27
B01F27/93
B01F27/808
B01F27/091
(21)【出願番号】P 2022521595
(86)(22)【出願日】2020-07-30
(86)【国際出願番号】 KR2020010033
(87)【国際公開番号】W WO2021071072
(87)【国際公開日】2021-04-15
【審査請求日】2022-04-07
(31)【優先権主張番号】10-2019-0126340
(32)【優先日】2019-10-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】522142419
【氏名又は名称】ユ、ヨン ホ
(73)【特許権者】
【識別番号】522142394
【氏名又は名称】ファウ ナノテック カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ユ、ヨン ホ
(72)【発明者】
【氏名】ユ、テ クン
(72)【発明者】
【氏名】ユ、ア ラム
【審査官】石岡 隆
(56)【参考文献】
【文献】特表2018-516753(JP,A)
【文献】特開2015-080771(JP,A)
【文献】特開2009-039600(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-1015477(KR,B1)
【文献】韓国登録特許第10-1969772(KR,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01F21/00-35/95
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
気液混合流体に含まれた気泡を微細化させるための内部空間及び流入口と吐出口を備え、駆動軸が設けられるチャンバ、
上記チャンバ内に流入する気液混合流体に衝撃を加えると共に流体を回転させて上記チャンバの内壁に摩擦させるための複数の突出部を胴体に備え、上記駆動軸に設けられる一つ以上の打撃子、
上記気液混合流体に摩擦力を印加するために駆動軸に設けられる複数の摩擦子、及び
上記駆動軸を含み、上記打撃子及び摩擦子を回転させるための駆動手段を含み、
上記摩擦子は、上記駆動軸に任意の間隔で
所定の空間をおいて配列され、
前記摩擦子の胴体の周面が上記チャンバの内壁と
所定の空間をおいて直接向かい合い、
上記摩擦子のうちいずれか一つ以上は、胴体における軸線との直交方向最先端の線速度が8m/sec以上とされ、
上記一つ以上の打撃子と複数の摩擦子のうちいずれか一つ以上は、気液混合流体の流動を軸線に対する直交面に誘導するための分配孔又は切開型通路のうちいずれか一方以上が形成されることを特徴とする摩擦を利用したナノバブル生成システム。
【請求項2】
上記駆動軸には上記チャンバに流入する気液混合流体に含まれた気泡をマイクロバブル段階に微細化させるために流体の流動方向に沿って上記打撃子が一つ以上配列されるマイクロ微細化領域と、
流動の流れにおいて上記マイクロ微細化領域以降に備えられ、マイクロ段階に微細化された気泡をナノバブルに極微細化させるために上記摩擦子が一つ以上配列されるナノ微細化領域とが順に備えられることを特徴とする請求項
1に記載の摩擦を利用したナノバブル生成システム。
【請求項3】
上記マイクロ微細化領域には上記打撃子に対向してチャンバの内壁に設けられる
単一の環状の固定子が備えられ、
上記固定子は、環状の内面周りに複数の突出部が形成されることを特徴とする請求項
2に記載の摩擦を利用したナノバブル生成システム。
【請求項4】
上記摩擦子のうちいずれか一つ以上は、複数の羽根を有するインペラ型摩擦子とされることを特徴とする請求項
1に記載の摩擦を利用したナノバブル生成システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固定子を排除することにより、気液混合流体に含まれた気泡に摩擦力を効率的に印加して気泡の微細化を誘導しナノバブルを生成するようにする摩擦を利用したナノバブル生成システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に微細気泡は、サイズによって直径が50μm以下のマイクロバブルと数百nm以下のナノバブルとに分けられる。
【0003】
マイクロバブルは、50μm以下の極めて微細な気泡であり、水面に0.1cm/secという非常に遅い速度で上昇して生成後2~3分内に消滅し、水中では濁った牛乳色を帯びる。
【0004】
ナノバブルは、マイクロバブルがさらに微細化された数百nm以下の極めて小さな極微細気泡であり、通常の気泡及びマイクロバブルとは色々異なる特性を有し、透明で水中に浮遊していても一般環境では肉眼識別が不可能である。
【0005】
水中で、マイクロバブルは上記のように安定状態を一時的に維持した後、消滅するのに対して、ナノバブルは濃縮されたイオン流が厚く周りを包み込むことで数十日以上まで長期間安定的に維持されることができる。
【0006】
このようなナノバブルは、消滅時に多様なエネルギを発生させることから、漁業、農業分野において各種養殖、水耕栽培に利用され、医療分野においては精密検査、物理治療、生活分野においては汚廃水、汚廃油の高純度浄水/浄油処理、殺菌、消毒、脱臭、洗浄など産業全般の多様な分野で使用されている。
【0007】
例えば、上水処理の場合、水中に空気を効果的に注入することにより水質を高める処理時間の短縮を可能にし、廃水又は廃油処理の場合、例えばオゾンなど酸化性の強い気体を効果的に注入することにより廃水又は廃油に含まれた多様な悪臭物質を効果的に取り除くことができる。
【0008】
気泡の微細化のための従来技術は、大概、流動する気液混合流体に剪断力が加えられながら気泡が割れるようにする原理を利用したものであり、境界層効果、流体の乱流及びキャビテーション(Cavitation)などを利用する構成を有し、このような技術によっては主にマイクロバブルが生成されるだけで、ナノバブルの生成は極めて僅かで実際に利用可能な程度の水準には至らない。
【0009】
従来技術の一つである韓国登録特許第10-1969772号(2019.04.17.、以下「先行技術1」と言う)は、ミキシング部(チャンバ)の流入口と吐出口に誘導羽根が配置されて流体の流れを案内し、ハウジング内にモータ軸を中心として噛合構造を有する回転子と固定子が連続積層される構成であり、固定子に対する回転子の相対回転により、固定子と回転子にそれぞれ相互対応形成された歯車が流体に反復的な打撃を加え、流体に乱流及びキャビテーション圧力を上昇させることで気泡に剪断力が加えられるようにしてマイクロバブルを生成する構造と要約することができる。
【0010】
このような構成の上記先行技術1は、大部分の気泡がマイクロバブルとして生成されるだけであるため、生成気泡の微細化品質に劣り、消滅時間が短く、流動が噛合隙間を通したジグザグ形態で流体を強制迂回させる構造からなることにより流動抗力係数が大きくなって電力消耗が大きいだけでなく、処理流量が十分ではなくて生産性が追い付かないという問題がある。
【0011】
また、チャンバ内の圧力を高圧に維持させ、複雑な構造の回転子及び固定子が多数設置されなければならないことにより、これを駆動させるために莫大な電力が浪費され、運用コストの負担を増加させるという問題点がある。
【0012】
上記先行技術1と異なる方式の従来技術として、日本国特開2009-142442号 (2009.7.2.、以下「先行技術2」と言う)は、チャンバ内に設けられる回転軸に剪断部が形成された回転円盤が複数列設される構造である。
【0013】
上記先行技術2は、回転円盤が相対回転ではなく単独回転されることにより、流動を自由にして流体の吐出量を高め、電力及び運用コストを著しく減らすことができるという長所を有するが、剪断力の印加を主要機能とする回転円盤だけで構成されることにより、マイクロバブルのみ生成されるだけであって、気泡生成の効率性に劣るという短所がある。
【0014】
以上のように、現在までの微細気泡生成技術は、マイクロバブルの生成に留まり、ナノバブルはその効用性が卓越しているにもかかわらず産業分野において実質的に利用できていないのが実情である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明は、上記の問題点を解消するためのものであり、本発明の目的は、固定子を排除することにより、気液混合流体に含まれた気泡に摩擦力を効率的に印加して気泡の微細化を誘導しナノバブルを生成するようにする摩擦を利用したナノバブル生成システムを提供することにある。
【0016】
本発明の他の目的は、気液混合流体に含まれた気泡を先制的にマイクロバブル段階に微細化した後、摩擦による気泡の微細化原理を利用してナノバブルが生成されるようにすることにより、ナノバブルを効率的に生成するようにする摩擦を利用したナノバブル生成システムを提供することにある。
【0017】
本発明のまた他の目的は、流体の流動過程でより広い有効摩擦面を有するようにして摩擦によるナノバブルの微細化品質及び機器の効率性が顕著に向上するようにする摩擦を利用したナノバブル生成システムを提供することにある。
【0018】
本発明のまた他の目的は、ナノバブルの生成が質的、量的に良好であるようにして、効用性に優れたナノバブルを、特に大容量を要する産業分野においても容易に利用可能とする摩擦を利用したナノバブル生成システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0019】
上記の目的を達成する本発明による一実施例の摩擦を利用したナノバブル生成システムは、
【0020】
気液混合流体に含まれた気泡を微細化させるための内部空間及び流入口と吐出口を備え、駆動軸が設けられるチャンバ、
上記チャンバ内に流入する気液混合流体に衝撃を加えると共に流体を回転させて上記チャンバの内壁に摩擦させるための複数の突出部を胴体に備え、上記駆動軸に設けられる一つ以上の打撃子、
上記気液混合流体に摩擦力を印加するために駆動軸に設けられる複数の摩擦子、及び
上記駆動軸を含み、上記打撃子及び摩擦子を回転させるための駆動手段を含み、
上記摩擦子は、
上記駆動軸に任意の間隔で空間をおいて配列され、
胴体の周面が上記チャンバの内壁と任意の間隔をおいて直接向かい合い、
上記摩擦子のうちいずれか一つ以上は、胴体における軸線との直交方向最先端の線速度が8m/sec以上とされ、
上記一つ以上の打撃子と複数の摩擦子のうちいずれか一つ以上は、気液混合流体の流動を軸線に対する直交面に誘導するための分配孔又は切開型通路のうちいずれか一方以上が形成されることを特徴とする。
【0021】
本発明による一実施例の摩擦を利用したナノバブル生成システムは、
気液混合流体に含まれた気泡を微細化させるための内部空間及び流入口と吐出口を備え、駆動軸が設けられるチャンバ、
上記チャンバ内に流入する気液混合流体に衝撃を加えると共に流体を回転させて上記チャンバの内壁に摩擦させるための複数の突出部を胴体に備え、上記駆動軸に設けられる一つ以上の打撃子、
上記気液混合流体に摩擦力を印加するために駆動軸に設けられる複数の摩擦子、及び
上記駆動軸を含み、上記打撃子及び摩擦子を回転させるための駆動手段を含み、
上記複数の摩擦子は、駆動軸に任意の間隔で空間をおいて配列され、胴体の周面が上記チャンバの内壁と任意の間隔をおいて直接向かい合い、
一つ以上の小径摩擦子と、上記小径摩擦子と対比して相対的に半径が大きく形成される一つ以上の大径摩擦子とが任意の間隔で空間をおいて配列されることを特徴とする。
【0022】
上記駆動軸には上記チャンバに流入する気液混合流体に含まれた気泡をマイクロバブル段階に微細化させるために流体の流動方向に沿って上記打撃子が一つ以上配列されるマイクロ微細化領域と、
流動の流れにおいて上記剪断部以降に備えられ、マイクロ段階に微細化された気泡をナノバブルに極微細化させるために上記摩擦子が一つ以上配列されるナノ微細化領域とが順に備えられることができる。
【0023】
上記マイクロ微細化領域には上記打撃子に対向してチャンバの内壁に設けられる環状の固定子が備えられ、
上記固定子は環状の内面周りに複数の突出部が形成されることができる。
【0024】
本発明による一実施例の摩擦を利用したナノバブル生成システムは、
気液混合流体に衝撃及び剪断力を印加して気泡をマイクロ段階に微細化させる一つ以上のマイクロ段階微細化装置、及び
上記マイクロ段階微細化装置を経由した気液混合流体に摩擦力を印加して気泡をナノバブルに微細化させるナノバブル生成装置を含み、
上記ナノバブル生成装置は、
気液混合流体を収容する空間を構成すると共に流体に摩擦力を印加するための内壁を備え、流体の流入口及び吐出口を含んでなる第1チャンバ、
上記第1チャンバ内に駆動軸を用いて回転自在に設けられ、遠心力を発生させて流体を上記内壁に押し付けると共に自体が流体の摩擦手段として機能する一つ以上の摩擦子、及び
上記摩擦子の回転のために上記駆動軸を含んでなる第1駆動手段を含んでなり、
上記マイクロ段階微細化装置は、
気液混合流体に含まれた気泡を微細化させるための内部空間及び流入口と吐出口を備え、駆動軸が設けられる第2チャンバ、
上記駆動軸に設けられ、流体に衝撃を印加するための複数の突出部が備えられる一つ以上の打撃子又はインペラ、及び
上記駆動軸を含み、上記打撃子又はインペラを駆動させるための第2駆動手段を含んでなることを特徴とする。
【0025】
上記摩擦子及び打撃子のうちいずれか一方以上の一つ以上は、気液混合流体の流動を軸線に対する直交面に誘導するための分配孔又は切開型通路のうちいずれか一方以上が形成されることができる。
【0026】
上記摩擦子のうちいずれか一つ以上は、複数の羽根を有するインペラ型摩擦子とされることができる。
【0027】
上記ナノバブル生成装置の駆動軸には上記一つ以上の摩擦子と共に上記マイクロ段階微細化装置の打撃子が一つ以上設けられることができる。
【0028】
上記マイクロ段階微細化装置で、
上記打撃子のうち一つ以上は、上記突出部が少なくとも胴体の周りに複数形成され、
上記第2チャンバは、内壁の一部以上に直接又は間接的に突出部が複数形成されることができる。
【0029】
上記マイクロ段階微細化装置は、駆動軸に上記インペラが設けられ、
上記インペラの流入口は、チャンバの流入口と流入管で連結され、
上記第2チャンバの内壁には突出部が放射状に形成されるポンプ型マイクロ段階微細化装置とされることができる。
【0030】
上記ポンプ型マイクロ段階微細化装置のインペラと第2チャンバの内壁との間には気液混合流体を収集して第2チャンバの内壁に誘導するボリュート型ダクトが備えられることができる。
【0031】
本発明による一実施例の摩擦を利用したナノバブル生成システムは、
気液混合流体に含まれた気泡を微細化させるための内部空間及び流入口と吐出口を備え、駆動軸が設けられるチャンバ、
上記チャンバ内に流入する気液混合流体に衝撃を加え流体を回転させて上記チャンバの内壁に摩擦させるための複数の突出部と共に摩擦力の印加のための摩擦部を備え、上記駆動軸に設けられる一つ以上の打撃兼用摩擦子、及び
上記駆動軸を含み、上記打撃兼用摩擦子を回転させるための駆動手段を含み、
上記打撃兼用摩擦子は、上記駆動軸に任意の間隔で空間をおいて配列され、胴体の周面が上記チャンバの内壁と任意の間隔をおいて直接向かい合うことを特徴とする。
【0032】
上記打撃兼用摩擦子のうちいずれか一つ以上は、気液混合流体の流動を軸線に対する直交面に誘導するための分配孔又は切開型通路のうちいずれか一方以上が形成されることができる。
【発明の効果】
【0033】
上記構成を有する本発明による摩擦を利用したナノバブル生成システムによれば、固定子を排除することにより、気液混合流体に含まれた気泡に摩擦力を効率的に印加して気泡の微細化を誘導しナノバブルを生成することができる。
【0034】
また、気液混合流体に含まれた気泡を先制的にマイクロバブル段階に微細化した後、摩擦による気泡の微細化原理を利用してナノバブルが生成されるようにすることにより、ナノバブルを著しく効率的に生成することができる。
【0035】
また、摩擦子の線速度、摩擦面、摩擦子とチャンバの内壁との間の適切な間隔、特に固定子を排除することにより、摩擦子だけでなく、より広い面積のチャンバの内壁が摩擦面として機能する一方、摩擦子は分配孔などを通して胴体全体の表面が有効摩擦面として機能することにより、気泡の微細化品質、溶存酸素量及び機器のナノバブル生成能力が既存技術と対比して著しく上昇し、大容量のナノバブルを生成することができる。
【0036】
また、質的、量的に良好なナノバブルの生成が可能になることにより、特に大容量を要する産業分野全般において効用性に優れたナノバブルを容易に利用可能とする。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【
図1】摩擦を利用したナノバブル生成原理を示した図面であり、(a)は流体(気泡)の流動摩擦による微細化を示した図面であり、(b)は摩擦子の回転摩擦による流体(気泡)の微細化を示した図面である。
【
図2】本発明による一実施例の構成を概略的に示した縦断面図である。
【
図3】
図2の流体の流動の流れを示した図面であり、(a)は
図2のA部抜粋拡大図であり、(b)は(a)のB-B線断面図である。
【
図4】本発明による一実施例の構成を示した縦断面図である。
【
図5】(a)は本発明による一実施例の構成を示した一部省略断面図であり、(b)は(a)のC-C線一部省略断面図である。
【
図6】本発明による一実施例の配列構成を概略的に示した図面である。
【
図7】(a)は本発明による一実施例のナノバブル生成装置の縦断面図であり、(b)は(a)のD-D線断面図であり、(c)は(b)と対比される他の構成の断面図である。
【
図8】本発明による一実施例のナノバブル生成装置の縦断面図である。
【
図9】(a)は本発明による一実施例のマイクロ段階微細化装置の縦断面図であり、(b)は(a)のE-E線一部省略断面図である。
【
図10】(a)は本発明による一実施例の摩擦子の一部省略平面図であり、(b)は(a)の縦断面図である。
【
図11】(a)は本発明による一実施例の摩擦子の平面図であり、(b)は(a)の縦断面図である。
【
図12】(a)、(b)、(c)は本発明による一実施例の摩擦子の平面図である。
【
図13】
(a)は本発明による一実施例の摩擦子の一部省略平面図であり、(b)は(a)の縦断面図である。
【
図14】
(a)は本発明による一実施例の多重摩擦子の一部省略平面図であり、(b)は(a)の縦断面図である。
【
図15】
(a)は本発明による一実施例のインペラ型摩擦子の一部省略平面図であり、(b)は(a)の縦断面図であり、(c)は(b)に相応する他の実施例の縦断面図である。
【
図16】
(a)は本発明による一実施例の打撃子の平面図であり、(b)は(a)の縦断面図であり、(c)は(a)に相応する他の例の平面図である。
【
図17】
(a)は本発明による一実施例の打撃子の一部省略平面図であり、(b)は(a)の縦断面図である。
【
図18】
(a)は本発明による一実施例の打撃子の一部省略平面図であり、(b)は(a)の縦断面図である。
【
図19】
(a)は本発明による一実施例のマイクロ段階微細化装置の縦断面図であり、(b)は(a)のF-F線一部省略断面図である。
【
図20】
(a)は本発明による一実施例のマイクロ段階微細化装置の縦断面図であり、(b)は(a)のG-G線一部省略断面図である。
【
図21】
(a)は本発明による一実施例のマイクロ段階微細化装置の縦断面図であり、(b)は(a)のH-H線断面図である。
【
図22】
(a)は本発明による一実施例のマイクロ段階微細化装置の縦断面図であり、(b)は(a)のJ-J線断面図である。
【
図23】
本発明による一実施例の構成を示した縦断面図である。
【
図24】
(a)は図23のK部抜粋拡大図であり、(b)は(a)のL-L線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、本発明の摩擦力を利用したナノバブル生成システムに対する実施例を添付図面を参考としながらより詳しく説明する。
【0039】
あらゆる物体は、速度を伴う圧力を受ける場合、熱が発生し、速度と圧力が臨界点に至る時点から摩擦面が熱を伴いながら細かく砕けて摩擦力を減らそうとする現象が現われる。
【0040】
このような現象は、氷上でスケートブレードが通る所に熱が発生して氷が溶け滑らかになる現象からも容易に見ることができる。
【0041】
例えば、水に酸素等の気体が混合された気液混合流体に摩擦力が印加される場合、流体に含まれた気泡は、
図1(a)に示されているように、長く延びる引張変形が生じた後、細かく分かれ、細かく分かれた個別の気泡一つ一つは再び微細化を繰り返してナノサイズに極微細化される(以下「摩擦による気泡の微細化原理」という)。
【0042】
本出願人は、このような「摩擦による気泡の微細化原理」を利用した「微細気泡生成用流路部材」(韓国特許登録第10-2100074号、以下「先登録技術」という)を開示した。
【0043】
上記先登録技術は、チューブ形態の流路部材に摩擦面が稠密に形成され、摩擦長さが数m乃至数十mと長く形成される場合、ナノバブルを生成することができる技術であり、静止状態の摩擦面に気液混合流体が臨界圧力以上の圧力及び速度で移動しながら摩擦を発生させることでナノバブルを生成する技術である。
【0044】
しかし、上記先登録技術は、中小規模のナノバブル生成には無難であるが、大容量の出力を要する場合には一般ポンプではなく大容量の圧力ポンプを使用しなければならず、大きくなるチューブの直径に対応して摩擦面の稠密形成に困難を伴う。
【0045】
本出願人は、上記問題点を解決するために、先登録技術の逆発想で、流体が静止状態にあり、流体に摩擦力を印加する摩擦面が高速移動する方式に着眼することに至った。
【0046】
ナノバブルの生成において、気液混合流体にマイクロバブル段階までは微細化できなかったとしても微細気泡が生成されていたら、
図1(b)に示されているように、回転する摩擦力を強制的に印加する場合、気液混合流体に含まれた気泡は、回転する摩擦面に沿って円弧状に引張変形され細かく分かれて極微細化に至る現象が現れることと判断した。
【0047】
本発明は、上記摩擦による気泡の微細化及びナノバブル生成原理に上記回転摩擦力を適用したものである。
【0048】
本発明による第1実施例の摩擦を利用したナノバブル生成システム1Aは、
図2及び
図3に示されているように、気液混合流体に含まれた気泡を微細化させるための内部空間S及び流入口31と吐出口32を備え、駆動軸41が設けられるチャンバ30、上記チャンバ30内に流入する気液混合流体に衝撃を加えると共に流体を回転させて上記チャンバの内壁33に摩擦させるための複数の突出部21を胴体に備え、上記駆動軸41に設けられる一つ以上の打撃子20、上記気液混合流体に摩擦力を印加するために駆動軸41に設けられる複数の摩擦子10、及び上記駆動軸41を含み、上記打撃子20及び摩擦子10を回転させるための駆動手段40を含んでなるものである。
【0049】
上記摩擦子10は、駆動軸回転時、気液混合流体が摩擦子の胴体における周面及び軸線と直交する両面に摩擦されると共に上記チャンバ30の内壁33と摩擦して、気液混合流体に含まれた気泡が引張変形及び微細化されるように上記駆動軸41に任意の間隔で空間をおいて配列され、胴体の周面11が上記チャンバの内壁33と任意の間隔をおいて直接向かい合い、上記摩擦子10のうちいずれか一つ以上は胴体における軸線との直交方向最先端の線速度が8m/sec以上とされ、
【0050】
上記一つ以上の打撃子20と複数の摩擦子10のうちいずれか一つ以上は、気液混合流体の流動を軸線に対する直交面に誘導するための分配孔14a、24a又は切開型通路14bのうちいずれか一方以上が形成される。
【0051】
上記気液混合流体は、水と空気とが混合された混合水、水と異なる液体と空気とが混合された混合水、水と空気と例えば酸素(O2)、オゾン(O3)、水素(H2)等のような付加気体とが混合された混合水、産業用オイルと酸素(O2)、オゾン(O3)、水素(H2)等のような付加気体とが混合された混合油など多様に構成されてよい。
【0052】
上記気液混合流体は、給水過程で生成された気泡が含まれている水道水、地下水、河川水、淡水などを含んでよい。
【0053】
上記打撃子20は、
図5、16等に示されているように、回転時、周りに鋸歯状などに配列形成される突出部21が気液混合流体に含まれた気泡に衝撃及び剪断力を印加して気泡をマイクロサイズに微細化し、上記摩擦子10は、打撃子を用いてマイクロサイズに微細化された気泡に摩擦力を印加して気泡を引張変形及び極微細ナノサイズに微細化させることになる。
【0054】
上記打撃子20と摩擦子10の回転動作、特に打撃子20の回転動作は、遠心力によって流体をチャンバの内壁33に強力に押し付けることによりチャンバの内壁33を利用して流体に摩擦力を印加する一方で、流体は打撃子20及び摩擦子10からなる回転体とチャンバの内壁33との間の空間を行き来して螺旋状に旋回する流動が発生する(
図4参照)。
【0055】
ここで、上記打撃子20及び摩擦子10の回転によってチャンバ内に遠心力が作動することにより、流動がチャンバの内壁33側に偏重して、特に摩擦子10において軸線と直交する両面12は流体摩擦機能が大部分失われる可能性がある。
【0056】
上記複数の摩擦子10は、間隔をおいて配列され、駆動軸回転時、流体が螺旋状に旋回する流動が発生し(
図2乃至4参照)、気液混合流体に含まれた気泡は、
図1(b)に示されているように、摩擦子10の周面11及び軸線と直交する両面12、特に面積が広い
チャンバ30の内壁33で円弧状に引張変形されて細かく分かれ微細化が進んでナノバブルが生成される。
【0057】
このとき、ナノバブルの生成に必要な条件として十分な摩擦面、流速を誘導する摩擦子10の線速度及び摩擦子10と第1チャンバの内壁33との間の適切な間隔が有機的に満たされていなければならない。
【0058】
上記摩擦子10に関する説明のうち「胴体の周面11がチャンバの内壁33と任意の間隔をおいて直接向かい合い」で「直接向かい合う」とは、図2乃至4に示されているように、摩擦子とチャンバの内壁との間を隔てる如何なる構成もないことにより、チャンバの内壁が完全に流体の流動通路に露出するようにするという意味である。
【0059】
これは、従来技術からチャンバの内壁に設けられていた固定子を排除したという意味でもある。
【0060】
また、上記摩擦子10に形成された分配孔14a又は切開型通路14bは、上記のように、遠心力の作用する流動がチャンバの内壁33側に偏重することを防止し、摩擦子10において軸線と直交する両面12が摩擦面として機能できるようにする(
図2乃至4、10乃至12参照)。
【0061】
より詳しく説明すると、摩擦子10に形成される上記分配孔14a又は切開型通路14bは、流体が摩擦子10の胴体を貫通してそれぞれの胴体において軸線と直交する両面12に沿って流動することができる通路として機能することにより、摩擦子の軸線と直交する両面12において駆動軸41と近い領域までも流体の摩擦機能を行えるようにして摩擦子の有効摩擦面積の拡張に寄与することができる。
【0062】
また、摩擦子10に上記分配孔14a又は切開型通路14bが形成されることにより、流体の螺旋状回転流動を増幅及び加速させて、気泡の微細化に影響を及ぼす摩擦力を増大させることができる。
【0063】
したがって、摩擦子10に形成される分配孔14a及び切開型通路14bは、その軸孔13と隣接した位置になるべく大きく形成されることが望ましいが、これに限定されない(
図10他参照)。
【0064】
上記切開型通路14bは、円盤型の基本形胴体(
図12(a)参照)の周りの端部から胴体の内側に形成され、胴体内側の中心部に向かって形成されることができるが(
図11、12(b)参照)、これに限定されず、半径方向に対して斜めに形成されるなど多様に形成されることができる。
【0065】
上記摩擦子10は、上記切開型通路14bによって区画された領域が任意の角度で曲がった羽根形態で形成されることができ(
図12(c)参照)、このような構成の摩擦子は、流体に対する摩擦機能と共に配置方向によって流速を加速または抑制することができ、流体の摩擦がチャンバの内壁に偏ることを抑制することができる。
【0066】
本発明による第2実施例の摩擦を利用したナノバブル生成システム1Bは、
図2乃至
図5に示されているように、気液混合流体に含まれた気泡を微細化させるための内部空間S及び流入口31と吐出口32を備え、駆動軸41が設けられるチャンバ30、上記チャンバ30内に流入する気液混合流体に衝撃を加えると共に流体を回転させて上記チャンバ30の内壁に摩擦させるための複数の突出部21を胴体に備え、上記駆動軸に設けられる一つ以上の打撃子20、上記気液混合流体に摩擦力を印加するために駆動軸41に設けられる複数の摩擦子10、及び上記駆動軸41を含み、上記打撃子20及び摩擦子10を回転させるための駆動手段40を含み、
【0067】
上記複数の摩擦子20は、駆動軸回転時、気液混合流体が摩擦子の胴体における周面及び軸線と直交する両面に摩擦されると共に上記チャンバの内壁と摩擦して、気液混合流体に含まれた気泡が引張変形及び微細化されるように任意の間隔で空間をおいて配列され、胴体の周面11が上記チャンバの内壁33と任意の間隔をおいて直接向かい合い、
【0068】
一つ以上の小径摩擦子10Sと、上記小径摩擦子10Sと対比して相対的に半径が大きく形成される一つ以上の大径摩擦子10Lとが任意の間隔で空間をおいて配列されるものである。
【0069】
上記駆動軸に流動の流れにおいて小径摩擦子10Sが先に配置されることが望ましいが、これに限定されない。
【0070】
上記小径摩擦子10Sと大径摩擦子10Lとは、交互配列されることができる。
【0071】
上記第2実施例の摩擦を利用したナノバブル生成システム1Bは、摩擦子10の構成及び配列が小径摩擦子10Sと大径摩擦子10Lとが任意の間隔をおいて配列されることにより、限定されたチャンバ空間内で大径摩擦子10L間の間隔を広げ、その間に小径摩擦子10Sが位置するようになることから、流体の摩擦空間及び摩擦面積を効果的に利用することができる。
【0072】
付言すれば、摩擦子10が同一半径規格でのみ連続配列され、摩擦子間の間隔が大きくない場合、遠心力によって上記のように流動の流れがチャンバの内壁33側に偏重することにより、摩擦子において軸線と直交する両面12の効用が大部分失われる可能性があるが、摩擦子が半径差によりでこぼこに配列される場合、摩擦子10間の間隔が相対的に大きくなくても摩擦子10の胴体の全体面が有効摩擦面として機能することができる(
図2乃至4他参照)。
【0073】
一方、気液混合流体にマイクロバブル微細化段階なしに初めから摩擦力を印加して微細化させる場合、機器の効率性及び気泡の微細化品質が落ちる。
【0074】
したがって、
図4及び5に示されているように、上記第1実施例1A及び第2実施例1Bの上記駆動軸41には、上記チャンバ30に流入する気液混合流体に含まれた気泡を先制的にマイクロバブル段階に微細化させるために流体の流動方向に沿って上記打撃子20が一つ以上配列されるマイクロ微細化領域S1と、流動の流れにおいて上記マイクロ微細化領域S1以降に備えられ、マイクロ段階に微細化された気泡をナノバブルに極微細化させるために上記摩擦子10が一つ以上配列されるナノ微細化領域S2とが順に備えられることができる。
【0075】
上記ナノ微細化領域S2内にも強力な遠心力発生のために一つ以上の打撃子20が設けられることができる(
図4他参照)。
【0076】
また、
図5に示されているように、上記マイクロ微細化領域S1には上記打撃子20に対向してチャンバの内壁に設けられる環状の固定子60が備えられ、上記固定子60は環状の内面周りに複数の突出部61が形成されることができる。
【0077】
上記マイクロ微細化領域S1は、ナノ微細化領域S2の1/3以下の短い区間として形成されることが望ましいが、これに限定されない。
【0078】
上記打撃子20の数量が多いほど流体は螺旋状回転流動が強力になり、これによって流動抵抗が大きくなって吐出量は減少する。
【0079】
上記構成により、任意の設定流速でチャンバの流入口31を通して流入する気液混合流体は、先制的に上記打撃子20及び隣接するチャンバの内壁33からなるマイクロ微細化領域S1で打撃子20によって印加される衝撃及び剪断力によりマイクロバブル段階に微細化され、次いで螺旋状旋回流動において上記摩擦子10及び隣接するチャンバの内壁33からなるナノ微細化領域S2で摩擦による引張変形及び極微細化が段階的に進んでナノバブルが効果的に生成されることができる。
【0080】
一方、上記のように、マイクロ微細化領域S1とナノ微細化領域S2とが一つのチャンバ内で、一つの駆動手段を用いて駆動され、規模が大きくなる場合、駆動手段の負荷が過度になるという問題がある。
【0081】
このような点に留意して、本発明による第3実施例の摩擦を利用したナノバブル生成システム1Cは、打撃子20を用いるマイクロ段階微細化装置20A、20Bと、摩擦子10を用いるナノバブル生成装置10Aとがそれぞれ別個のチャンバと駆動手段を有する独立した装置に分離させて駆動負荷を分散し、気液混合流体が先ずマイクロ段階微細化装置20A、20Bを経由した後にナノバブル生成装置10Aに流入するようにするものである(
図6参照)。
【0082】
上記第3実施例の摩擦を利用したナノバブル生成システム1Cは、
図6乃至9に示されているように、気液混合流体に衝撃及び剪断力を印加して気泡をマイクロ段階に微細化させる一つ以上のマイクロ段階微細化装置20A、20B及び上記
マイクロ段階微細化装置20A、20Bを経由した気液混合流体に摩擦力を印加して気泡をナノバブルに微細化させるナノバブル生成装置10Aを含んでなる。
【0083】
上記ナノバブル生成装置10Aは、
図7及び図8に示されているように、気液混合流体を収容する空間Sを構成すると共に流体に摩擦力を印加するための内壁33を備え、流体の流入口31と吐出口32を含んでなる第1チャンバ30A、上記第1チャンバ30A内に駆動軸41を用いて回転自在に設けられ、遠心力を発生させて流体を上記内壁に押し付けると共に自体が流体の摩擦手段として機能する一つ以上の摩擦子10、及び上記摩擦子10の回転のために上記駆動軸41を含んでなる第1駆動手段40Aを含んでなる。
【0084】
上記マイクロ段階微細化装置20Aは、
図9に示されているように、気液混合流体に含まれた気泡を微細化させるための内部空間S及び流入口31と吐出口32を備え、駆動軸41が設けられる第2チャンバ30B、上記駆動軸41に設けられ、流体に衝撃を印加するための複数の突出部21が備えられる一つ以上の打撃子20又はインペラ20f、及び上記駆動軸41を含み、上記打撃子20又はインペラ20fを駆動させるための第2駆動手段40Bを含んでなる。
【0085】
上記マイクロ段階微細化装置20Aで上記打撃子20は、回転時、周りに鋸歯状などに配列形成される上記突出部21が気液混合流体に含まれた気泡に衝撃及び剪断力を印加して気泡をマイクロサイズに微細化し、以後進行される摩擦によるナノバブルの生成が効率的になされるように準備する。
【0086】
上記第2実施例1B及び第3実施例1Cでも、第1実施例1Aの場合のように、上記摩擦子10及び打撃子20のうちいずれか一方以上の一つ以上は、気液混合流体の流動を軸線に対する直交面に誘導するための分配孔14a、24a又は切開型通路14bのうちいずれか一方以上が形成されることができる。
【0087】
上記第2実施例1B及び第3実施例1Cでも、第1実施例1Aの場合と同様に、上記摩擦子10のうちいずれか一つ以上は、胴体における軸線との直交方向最先端の線速度が8m/sec以上とされることが望ましい。
【0088】
また、上記第1実施例1Aをはじめとして第2実施例1B、第3実施例1Cの上記摩擦子10のうちいずれか一つ以上は、気液混合流体にチャンバの内壁33を用いた摩擦力を印加するために軸線に対する直交面の端部と摩擦子10が設けられるチャンバの内壁33との間隔Iが摩擦子の半径の1/2以下とされることができる(
図3、7参照)。
【0089】
上記線速度及び間隔Iは、摩擦子10のうち半径が最大のものを基準とする。
【0090】
また、上記摩擦子10のうちチャンバの吐出口32に最も近くに配置される摩擦子は、胴体の周面においてチャンバの吐出口に向かう角が傾斜面17で形成されることができる(
図2、4、8参照)。
【0091】
上記のように、摩擦子10の角が吐出口に向かって傾斜面17で形成される構成は、流体のはく離点を遅延させて摩擦効率を増大させることができる。
【0092】
また、上記複数の摩擦子10のうちいずれか一つ以上は、円盤型胴体の周面11に環状又は螺旋状の凹溝16が形成されることができる(図13参照)。
【0093】
上記摩擦子の周面11に形成される上記凹溝16は、流体の摩擦面積を拡張することができる。
【0094】
また、上記摩擦子10及び打撃子20のうちいずれか一つ以上は、摩擦面積増加のために胴体において軸線と直交する両面12のうちいずれか一面以上に一つ以上の凹段15が形成されることができる(図13参照)。
【0095】
また、上記摩擦子10及び打撃子20のうちいずれか一つ以上は、摩擦面積拡張のために胴体の表面一部以上に微細凹凸が形成されることができ(図示せず)、上記微細凹凸は、表面粗さ、サンディング、スクラッチなど多様な方式で形成されることができる。
【0096】
また、上記摩擦子10又は打撃子20は、二個以上が連結部18を介して単一体とされる多重摩擦子10m又は多重打撃子で形成されることができる(図14参照)。
【0097】
上記多重摩擦子10mは、円盤型胴体が半径差のある二段以上で形成されることができる。
【0098】
また、上記一つ以上の摩擦子10と上記一つ以上の打撃子20とが単一体として形成されてもよい(図示せず)。
【0099】
また、上記摩擦子10のうちいずれか一つ以上は、複数の羽根112を有するインペラ型摩擦子10cからなることができる(図15参照)。
【0100】
上記インペラ型摩擦子10cは、羽根112が胴体において軸線と直交する両面の間に備えられる形態(図15(a)、(b)参照)をはじめとして、片面が開放されて一方に羽根が露出する形態(図15(c)参照)など多様な形態であってよい。
【0101】
上記インペラ型摩擦子10cは、回転流速を高めると共に流動の流れを中心部に誘導して摩擦がチャンバの内壁に偏ることを抑制し、摩擦面積を拡張することができる。
【0102】
また、上記第1実施例1Aをはじめとして第2実施例1B、第3実施例1Cの上記打撃子20のうちいずれか一つ以上は、上記突出部21が円盤型胴体の周面及び軸線と直交する両面のうちいずれか一面以上に形成されることができる(図17参照)。
【0103】
また、上記打撃子20のうちいずれか一つ以上は、円盤型胴体において軸線と直交する両面のうちいずれか一面以上に一つ以上の凹段25と複数の分配孔が形成され、胴体の外郭周りと上記凹段25の内側又は外側周りのうちいずれか一方以上に上記複数の突出部21が備えられることができる(図18参照)。
【0104】
上記打撃子20のうちいずれか一つ以上は、上記突出部が送風ファンの羽根のような羽根型突出部で構成されることができ、このような構成により、打撃子本来の機能と共に流速を高めることができる(図示せず)。
【0105】
また、上記ナノバブル生成装置10Aでも摩擦子10は、上記第2実施例2Bの場合のように、駆動軸41に任意の間隔で空間をおいて配列され、一つ以上の小径摩擦子10Sと、上記小径摩擦子10Sと対比して相対的に半径が大きく形成される一つ以上の大径摩擦子10Lとが任意の間隔で空間をおいて混合配列されることができる。
【0106】
また、上記ナノバブル生成装置10Aの駆動軸41には上記一つ以上の摩擦子10と共に上記マイクロ段階微細化装置20Aの打撃子20が一つ以上設けられることができる(
図8参照)。
【0107】
上記のようにナノバブル生成装置10Aに、胴体周りに突出部21を有する打撃子20が、特に、流動の流れの始まりに配置される場合、流体に対する衝撃印加及び強力な遠心力を発生させて第1チャンバの内壁33を用いた摩擦力を強化させることができる。
【0108】
一方、上記マイクロ段階微細化装置20Aで、上記打撃子20のうち一つ以上は、上記複数の突出部21が少なくとも胴体の周りに複数形成され、上記第2チャンバ30Bは、内壁33の一部以上に直接又は間接的に突出部37が複数形成されることができる(図19、20参照)。
【0109】
上記マイクロ段階微細化装置20Aでチャンバの内壁に突出部37が形成される場合、打撃子の突出部21と共に流体により強力な衝撃及び剪断力を印加することができる。
【0110】
また、上記マイクロ段階微細化装置は、駆動軸41に上記インペラ20fが設けられ、上記インペラ20fの流入口はチャンバの流入口と流入管31aで連結され、上記第2チャンバ30Bの内壁33には突出部37が放射状に形成されるポンプ型マイクロ段階微細化装置20Bとされることができる(
図21、22参照)。
【0111】
上記第2チャンバ30Bの内壁の突出部37はリブ形態であってよいが、これに限定されない。
【0112】
上記ポンプ型マイクロ段階微細化装置20Bは、インペラ20fを通して流入する流体が第2チャンバの内壁33及び突出部37に衝突すると共に第2チャンバの内部空間で流体間の衝突が発生しながらキャビテーションが生じ、これにより流体に衝撃及び剪断力が印加されてマイクロバブルを生成させる。
【0113】
上記ポンプ型マイクロ段階微細化装置20Bのインペラ20fと第2チャンバ30Bの内壁33との間には気液混合流体を吸入して第2チャンバの内壁33に誘導するボリュート型ダクト27が備えられることができる(
図22参照)。
【0114】
上記のように、インペラ20fと第2チャンバ30Bの内壁33との間にボリュート型ダクト27が備えられる場合には流体が集められて第2チャンバの内壁33b及び突出部37にさらに強い水圧で衝突するようになることにより、衝撃及び剪断力を強化させ、より強力なキャビテーションを発生させることができる。
【0115】
上記構成の第3実施例のナノバブル生成システム1Cは、
図6に示されているように、多様に配列構成されることができる。
【0116】
その一実施例として、気液混合流体の流動ラインにポンプP、一つのマイクロ段階微細化装置20A、20B、一つのナノバブル生成装置10Aが順に連結設置されることができる(
図6(a)参照)。
【0117】
また、ポンプPと対をなしてマイクロ段階微細化装置20A、20Bが複数並列設置され、複数のマイクロ段階微細化装置20A、20B以降に一つのナノバブル生成装置10Aが連結されて、複数のマイクロ段階微細化装置20A、20Bから吐出された流体が集められて一つのナノバブル生成装置10Aを通して処理されることができる(
図6(b)参照)。
【0118】
また、気液混合流体の流動ラインにポンプP、複数のマイクロ段階微細化装置20A、20Bが直列設置され、以降、ナノバブル生成装置10Aが順に連結設置されることができる(
図6(c)、(d)参照)。
【0119】
また、気液混合流体の流動ラインで一度に多量の例えば酸素などの気体を注入する場合、気体が一時的過飽和によりあふれる現象が発生する。
【0120】
本発明の一実施例では気体注入が上記流体流動ラインの複数箇所でなされることができ、これによって、過飽和により気体があふれることを防止しながら気液混合流体に多量の気体が含まれるようにしてナノバブルの生成効率を増大させることができる(
図6(c)参照)。
【0121】
また、上記実施例(
図6(a)、(b)、(c)、(d)参照)におけるポンプPは排除されてもよい(
図6(e)参照)。
【0122】
例えば、上記マイクロ段階微細化装置がポンプ型20Bからなるか打撃子が羽根型突出部21aを備える場合、上記ポンプPが排除されても構わない。
【0123】
上記のように、本発明による第3実施例のナノバブル生成システム1Cは、マイクロ段階微細化装置20A、20Bとナノバブル生成装置10Aとがそれぞれ別途のチャンバと駆動手段を備え独立して駆動されることにより、気泡が段階的に微細化されてナノバブルを効率的に生成すると共に大容量のナノバブル生成システムの場合にも駆動負荷が分散されて一般のモータを用いて無理なく運用されることができる。
【0124】
本発明による第4実施例の摩擦を利用したナノバブル生成システム1Dは、
図23及び24に示されているように、気液混合流体に含まれた気泡を微細化させるための内部空間S及び流入口31と吐出口32を備え、駆動軸41が設けられるチャンバ30、上記チャンバ30内に流入する気液混合流体に衝撃を加え流体を回転させて上記チャンバの内壁33に摩擦させるための複数の突出部11bと共に摩擦力の印加のための摩擦部12bを備え、上記駆動軸41に設けられる一つ以上の打撃兼用摩擦子10b、及び上記駆動軸41を含み、上記打撃兼用摩擦子10bを回転させるための駆動手段40を含み、
【0125】
上記打撃兼用摩擦子10bは、上記駆動軸41に任意の間隔で空間をおいて配列され、胴体の周面が上記チャンバの内壁33と任意の間隔Iをおいて直接向かい合うものである。
【0126】
上記打撃兼用摩擦子10bで摩擦部12bは、軸線と直交する面であり、上記摩擦子の場合のように、回転時に流体の摩擦がなされる。
【0127】
上記打撃兼用摩擦子10bは、打撃と摩擦が同時になされるものであり、回転時、胴体に形成された突出部11bが気液混合流体に含まれた気泡に衝撃及び剪断力を印加して気泡をマイクロバブルに微細化させ、マイクロバブルに微細化された気泡に上記摩擦部12bが強力な摩擦力を印加することによりマイクロバブルが再び引張変形及び極微細化されてナノバブルを生成することになる。
【0128】
上記打撃兼用摩擦子10bの回転動作時、特に上記突出部11bが遠心力を発生させて流体をチャンバの内壁33に強力に押し付けることにより、チャンバの内壁33を利用して流体に摩擦力を印加する一方、気液混合流体は打撃兼用摩擦子10bとチャンバの内壁33との間の空間を行き来して螺旋状に旋回する流動が発生する(
図23、24参照)。
【0129】
上記打撃兼用摩擦子10bのうちいずれか一つ以上は、気液混合流体の流動を軸線に対する直交面に誘導するための分配孔14a又は切開型通路14bのうちいずれか一方以上が形成されることができる。
【0130】
また、上記打撃兼用摩擦子10bは、上記駆動軸41に任意の間隔で空間をおいて複数配列され、気液混合流体に含まれた気泡をマイクロバブル段階からナノバブル段階に順次微細化させるために流動の流れ方向の配列順に沿って上記突出部11bの突出サイズ11aが相対的に徐々に小さくなることができる(
図24参照)。
【0131】
上記第4実施例1Dの駆動軸には上記打撃兼用摩擦子10bが設けられ、駆動軸の後尾には上記摩擦子10が一つ以上設けられることができる(図示せず)。
【0132】
上記打撃兼用摩擦子10bのうちいずれか一つ以上は、上記突出部11bが胴体の周面及び軸線と直交する両面のうちいずれか一面以上に形成されることができる(図示せず)。
【0133】
上記打撃兼用摩擦子10bも、線速度が8m/sec以上とされ、上記チャンバの内壁33との任意の間隔Iが打撃兼用摩擦子の半径の1/2以下とされることが望ましい。
【0134】
上記摩擦子10及び打撃子20の軸孔13、23は、駆動軸41の回転時、一体として回転自在となるように駆動軸の断面に対応する多角形形態又はキー溝構造で形成されることができる(
図3、5他参照)。
【0135】
また、上記チャンバ30、30A、30Bは、吐出口32側に漏斗部34が備えられ、上記吐出口32は上記漏斗部34に続いて形成され、チャンバに設けられる駆動軸の中心線の延長線上に形成されることができる(図2、7他参照)。
【0136】
上記チャンバで漏斗部34及び吐出口32が駆動軸41の中心線の延長線上に形成されることにより、チャンバの内壁33を旋回しながら出る流体の吐出が円滑になされ、チャンバの内部圧力を高圧にしなくても大量吐出が円滑になされることができる。
【0137】
上記チャンバ30、30A、30Bは、内壁33の一部以上に微細凹凸35が形成されることができる(
図2、7参照)。
【0138】
上記微細凹凸35は、スクラッチ、サンディング凹凸などで形成されることができる。
【0139】
上記微細凹凸35は、例えば、上記マイクロ微細化領域S1のようにチャンバの流入領域に形成して流体衝突時の衝撃及び摩擦を増大させることができるが、これに限定されない。
【0140】
一方、本発明による第1実施例1A乃至第4実施例1Dのうちいずれか一実施例の上記駆動軸41にはチャンバ30、30A、30Bの流入口31に隣接して一つ以上のインペラがさらに設けられることができる(図示せず)。
【0141】
このように、チャンバ30内にインペラが設けられる場合、気液混合流体のチャンバ流入が自吸によってなされることができる。
【0142】
一方、酸素(O2)、オゾン(O3)、水素(H2)などの注入気体はチャンバ30を通過する処理過程で全量が液体に溶存できず大体40%内外の多くの量が非溶存状態で排出され、チャンバから排出された後、液体から浮上して空気中に消滅するため損失が大きい。
【0143】
このような損失を防止するために気液混合流体から浮上する非溶存気体を回収して再投入する気体捕集槽が管路を通して連結設置されることができる(図示せず)。
【0144】
上記構成を有する本発明による第1実施例乃至第4実施例の摩擦を利用したナノバブル生成システム1A、1B、1C、1Dの作用状態を下記表1、2を参考として考察する。
【0145】
【0146】
上記表1、2でIは摩擦子10の軸線に対する直交方向最先端とチャンバの内壁33との間の間隔、Rは摩擦子10の半径を意味し、すべての実験実施例はそれぞれ次のような条件で実施された。
【0147】
1.試料:水道水(DO:8.5ppm)
2.実験温度:24±0.5℃
3.注入気体及び注入方法:酸素(O2 100%)、自吸
4.DO測定時間:ナノバブル生成システムから吐出20秒後
5.ナノバブル生成判定方法:実験実施後に試料を採取して5秒間振り3分間静止してマイクロバブルが消滅可能な時間経過後、暗室でグリーンレーザービーム(波長532nm)を透過して肉眼で確認する方法で判定した。
【0148】
水中で牛乳色を帯びるマイクロバブルとは異なりナノバブルは透明であるため一般照明状態では生成有無を確認できないことから、試料を透明容器に採取した後、暗室で波長の短いグリーンレーザービームを透過させて見た。
【0149】
このとき、水中にナノバブルが浮遊する場合にはレーザービームが散乱して光が発生し、ナノバブルが存在しない場合には光が発生しない。
【0150】
上記実験過程を経た試料にグリーンレーザービームを透過したとき、帯状にぎっしり並んだ散乱光が見られ、ナノバブルが生成されたことを確認することができた。
【0151】
上記表1、2の実験表から分かるように、概して摩擦子の線速度が速いほど溶存酸素量(Dissolved Oxygen,DO)が増加し、摩擦子の線速度が同一条件において摩擦子の軸線方向最先端と第1チャンバの内壁との間の間隔Iが広く設定された実施例の実験1に比べて狭く設定された実施例の実験2でDOの増加量がより良好なことが確認された。
【0152】
また、DOの増加がナノバブルの生成と必ずしも比例して示されていない。
【0153】
これは、DO測定がナノバブル生成装置吐出から20秒後になされることにより吐出後2~3分で消滅するマイクロバブルがDO数値を一時的に高めたことと判断される。
【0154】
上記実施例の実験結果を整理すると下記の通りである。
【0155】
第一に、摩擦子の線速度が少なくとも8m/sec以上で微細気泡が急激に極微細化されてナノバブルが生成される。
【0156】
摩擦子の線速度が8m/sec以下に減速された実施例では有意味なナノバブルの生成が示されておらず(実験1の実施例5、実験2の実施例5)、8m/sec以上に線速度が高くなるほどナノバブル生成が急速に増加することが確認できた。
【0157】
上記第1実施例1Aをはじめとする多様な実施例で摩擦子の線速度が8m/sec以上とされることは、このような経験則によるものである。
【0158】
第二に、摩擦子10の軸線に対する直交面の端部とチャンバの内壁33との間の間隔Iが摩擦子の半径Rの1/2以下(I<1/2R)と近く構成されることが望ましい(
図7(b)、(c)対比参照)。
【0159】
摩擦子の軸線に対する直交面の端部とチャンバの内壁33との間の間隔Iが実験1の実施例のように摩擦子の半径の1/2以上(I>1/2R)と遠く形成される場合(
図7(c)参照)は、実験2の実施例のように上記間隔Iが摩擦子10の半径Rの12/100程度と狭く形成される場合(
図7(b)参照)に比べてDO及びナノバブル生成効率が著しく低く示されている。
【0160】
このような現象は、摩擦子10の回転による遠心力と流動速度がチャンバの内壁33に達する前に徐々に弱くなってチャンバの内壁を利用する摩擦力が弱くなるためであり、実験2の実施例のように上記間隔Iが摩擦子の半径Rの1/2以下と狭く形成される場合、DO増加及びナノバブル生成が効率的になされることが分かる。
【0161】
また、上記複数の摩擦子10が間隔をおいて配列され、駆動軸の回転時に流体が螺旋状に旋回する流動が発生し(
図4、7(a)、8参照)、気液混合流体に含まれた気泡は、
図1(b)に示されているように、回転する摩擦子10の周面11及び軸線と直交する両面12、特に面積の広いチャンバ30、30Aの内壁33で円弧状に引張変形されて細かく分かれ微細化が進んでナノバブルが生成される。
【0162】
このとき、上記のように、ナノバブル生成に必要な条件として、十分な摩擦面、流速を誘導する摩擦子10の線速度及び摩擦子10とチャンバの内壁33との間の適切な間隔が有機的に満たされなければならない。
【0163】
上記で摩擦子10が直接向かい合うチャンバの内壁33は、摩擦子10及び打撃子の回転時に遠心力によって流体が摩擦される面を意味するものであり、チャンバ30自体の内壁に限定されず、チャンバの内壁に結合される別途部品の内壁を含む。
【0164】
すなわち、チャンバの内壁33は、チャンバ30自体の内壁の他に、ある理由でチャンバの内壁に結合される別途部品が代わってもよい。
【0165】
本願の第1実施例乃至第4実施例の摩擦を利用したナノバブル生成システム1A、1B、1C、1Dの構成で共通した特徴は、摩擦子が設けられるナノバブル生成装置から従来技術の主要構成要素である固定子を排除したという点である。
【0166】
もし、チャンバの内壁に固定子が設けられたら、チャンバの内壁を摩擦面として利用することができず、これにより、気液混合流体の流動の流れが円滑ではなく、螺旋状に旋回する流動が発生し得ないため、より広い有効摩擦面を有するようにして摩擦によるナノバブルの微細化品質及び機器の効率性が顕著に向上するようにし、大容量生成を可能にするという本発明の目的を達成することができない。
【0167】
付言すれば、本発明は、下記例の発電機技術に比喩することができる。
【0168】
従来技術の発電機は、ケーシング、固定子及び回転子を含んでなり、力学的仕事を電気エネルギに変える機械装置である。
【0169】
ここで、もし新たな技術的思想に基づいて固定子を排除しケーシングと新たな回転子の有機的構成によって電気エネルギを生成し、これに加えて従来技術で全く予測し得なかった高品質、大容量のエネルギを著しく低廉なコストで生成することができる、顕著に向上した作用・効果を有する技術が新たに開示されていると仮定すれば、この新たな技術は当然として進歩性が認められるべきものである。
【0170】
本発明は、上で例えた新たな発電機技術と同様の事案と言える。
【0171】
以上、本発明の望ましい実施例を添付図面を参照して説明した。
【0172】
ここで、本明細書及び請求範囲に使われた用語や単語は、通常的又は辞書的な意味に限定して解釈されてはならず、本発明の技術的思想に符合する意味と概念で解釈されなければならない。したがって、本明細書に記載の実施例と図面に示されている構成は、本発明の一実施例に過ぎず、本発明の技術的思想を全て代弁するものではないため、本出願時点においてこれらを代替できる多様な均等物と変形例があり得ることを理解しなければならない。
【産業上の利用可能性】
【0173】
本発明によって、質的、量的に良好なナノバブル生成が可能になることにより、特に大容量を要する産業分野全般において効用性に優れたナノバブルを低コストで容易に利用可能とする。