特許7345777IP Force 特許公報全文掲載

技術分野

ケトン化合物の製造方法、カルボン酸誘導体の製造方法に関し、特に酸性条件下でヨウ化水素酸を利用するα,β-不飽和カルボニル化合物のオレフィン部位が還元され、簡便で、塩基性条件下で不安定な基質に使用でき、選択的な還元が可能なケトン化合物、カルボン酸誘導体の製造方法に関するものである。

発明が解決しようとする課題[発明の詳細な説明]から抜粋

ところで、還元反応で汎用に利用される水素化リチウムアルミニウムや水素化ホウ素ナトリウムといった試薬は多くは反応系が塩基性条件となることから、塩基に対して不安定な化合物には適用できなかった。また、中性条件で適用可能な金属触媒を用いた水素添加反応は、金属は触媒量でよいものの、希少金属であるため利用が限定される。さらに、酸性条件での反応として報告されている亜鉛を用いた反応については、反応後の亜鉛由来の残留物の除去が煩雑になり、副反応による副生成物が形成する場合がある。

課題を解決するための手段[発明の詳細な説明]から抜粋

本発明に係るケトン化合物の製造方法、カルボン酸誘導体の製造方法は、ヨウ化水素酸のヨウ化物イオンによる求核能とヨウ化水素酸の還元能を利用し、α,β-不飽和カルボニル化合物へのヨウ化物イオンの付加によるヨウ素化体の形成と、加熱による還元によりケトン化合物やカルボン酸誘導体を製造するものである。ヨウ化水素酸は、酸性の試薬であり、従来の塩基性で不安定な基質や希少金属を用いて還元反応を行う必要が無くな・・・ 続きを知財ポータルサイト IP Force にログインして見る

発明の効果[発明の詳細な説明]から抜粋

上述した構成からなる本発明は、ヨウ化水素酸を添加することにより、酸性下で反応を行うことができるため、塩基性条件で不安定な基質に対しても適用可能である。また、市販の57 wt% HI水溶液からなるヨウ化水素酸を使用することができるため、汎用性を高めることが可能となる。さらに、ヨウ素化反応と還元反応とを同一容器にて行うことができるため、中間体の単離や精製が不要であり、後処理も1回でよい。ヨウ化水素酸による反応には、ケトン化合物に対して還元とヨウ素化が併発してヨウ素化物を生成する反応があるが、本手法ではオレフィンの還元のみが進行してケトン官能基が保たれる手法であり、選択的な還元反応を進行させることができる。

また、上述した構成からなる本発明によれば、ヨウ化水素酸を用いたα,β-不飽和カルボニル化合物の還元反応を行わせる上で、添加剤としてリンを共存させる必要もなく、より簡便な方法で実現することができる。このため、本発明はより汎用性の高いα,β-不飽和カルボニル化合物から酸性条件下で、ケトン化合物、カルボン酸誘導体を合成することができる。また、本発明は、比較的に入手しやすいヨウ化水素酸を用いることで反応を行わせることができ、しかも希少金属を使用しないで選択的な還元反応が可能となる。

この特許の権利範囲[特許請求の範囲]

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