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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-08
(45)【発行日】2023-09-19
(54)【発明の名称】パイプと継手との接続構造
(51)【国際特許分類】
   F16L 13/14 20060101AFI20230911BHJP
【FI】
F16L13/14
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2019113710
(22)【出願日】2019-06-19
(65)【公開番号】P2020204391
(43)【公開日】2020-12-24
【審査請求日】2022-05-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000233619
【氏名又は名称】株式会社ニチリン
(74)【代理人】
【識別番号】110001841
【氏名又は名称】弁理士法人ATEN
(72)【発明者】
【氏名】桝野 哲朗
【審査官】伊藤 紀史
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-009466(JP,A)
【文献】実開平04-088794(JP,U)
【文献】特開平07-035271(JP,A)
【文献】特開2011-102605(JP,A)
【文献】実開昭62-052390(JP,U)
【文献】特開2014-149071(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16L 13/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状部を有する継手と、前記筒状部に接続されたパイプとを備えた、パイプと継手との接続構造であって、
前記パイプは、
パイプ本体と、
前記パイプの一端部に形成され、前記パイプ本体の外径より幅広なフレア部と、
を有し、
前記筒状部は、
前記筒状部の軸方向の一端部に形成され、前記フレア部の最大幅より大きい内径を有する第1筒部と、
前記筒状部の軸方向の他端部に形成された第2筒部と、
を有し、
前記第2筒部は、
前記第1筒部に隣接し、前記フレア部の最大幅より小さい内径を有する第1壁部と、
前記筒状部の軸方向において、前記第1壁部の反対側に形成され、前記フレア部の最大幅より小さい内径を有する第2壁部とを有し、
前記第1壁部と前記第2壁部との間に、前記フレア部が配置され、
前記フレア部が前記第2壁部に接した状態で、前記第1壁部が、前記フレア部に向かって、前記パイプの軸方向に加締め固定され、
前記パイプ本体は、前記第1筒部の内側に配置され、
前記パイプ本体と前記第1筒部との間に筒状の弾性部材が配置され
前記弾性部材は、ゴムチューブであり、
前記ゴムチューブは、軸方向に沿って、一端から他端まで切れている
ことを特徴とする、パイプと継手との接続構造。
【請求項2】
前記第1筒部の一端に開口が形成され、
前記第1筒部の他端は前記第2筒部に接続され、
前記第1筒部は、前記第1筒部の軸方向の中央より前記開口に近い位置で、前記第1筒部の径方向に加締め固定されていることを特徴とする、請求項1に記載のパイプと継手との接続構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、継手にパイプが接続された、パイプと継手との接続構造に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、目玉継手にパイプが接続された構造が開示されている。特許文献1では、目玉継手の筒部にパイプを挿入し、筒部を径方向に加締めている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平4-302796号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の構造では、目玉継手の外部から筒部とパイプとの固定部の内部に液体が浸入するおそれがある。筒部とパイプとの固定部の内部に浸入した液体により、固定部の内部が腐食するおそれがある。
【0005】
本発明は、パイプと継手との固定部の内部の腐食を抑制可能な、パイプと継手との接続構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のパイプと継手との接続構造は、筒状部を有する継手と、前記筒状部に接続されたパイプとを備えた、パイプと継手との接続構造であって、前記パイプは、パイプ本体と、前記パイプの一端部に形成され、前記パイプ本体の外径より幅広なフレア部と、を有し、前記筒状部は、前記筒状部の軸方向の一端部に形成され、前記フレア部の最大幅より大きい内径を有する第1筒部と、前記筒状部の軸方向の他端部に形成された第2筒部と、を有し、前記第2筒部は、前記第1筒部に隣接し、前記フレア部の最大幅より小さい内径を有する第1壁部と、前記筒状部の軸方向において、前記第1壁部の反対側に形成され、前記フレア部の最大幅より小さい内径を有する第2壁部とを有し、前記第1壁部と前記第2壁部との間に、前記フレア部が配置され、前記フレア部が前記第2壁部に接した状態で、前記第1壁部が、前記フレア部に向かって、前記パイプの軸方向に加締め固定され、前記パイプ本体は、前記第1筒部の内側に配置され、前記パイプ本体と前記第1筒部との間に筒状の弾性部材が配置されている。
ここで、前記弾性部材は、ゴムチューブであり、前記ゴムチューブは、軸方向に沿って、一端から他端まで切れている。
【発明の効果】
【0007】
本発明によると、パイプと継手との固定部の内部の腐食を抑制可能な、パイプと継手との接続構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の第1実施形態に係るパイプと継手との接続構造の平面図である。
図2】本発明の第1実施形態に係るパイプと継手との接続構造の断面図であり、図1のII-II線に沿った図である。
図3】(a)は、パイプおよびパイプを接続する前の継手の断面図であり、(b)は、パイプを継手に接続する工程を示す断面図である。
図4】(a)および(b)は、パイプを継手に接続する工程を順に示す(弾性部材を配置する前の)断面図である。
図5】(a)および(b)は、パイプを継手に接続する工程を順に示す(弾性部材を配置した後の)断面図である。
図6】本発明の第2実施形態に係るパイプと継手との接続構造の断面図である。
図7】(a)は、パイプおよびパイプを接続する前の継手の断面図であり、(b)は、パイプを継手に接続する工程を示す断面図である。
図8】(a)および(b)は、パイプを継手に接続する工程を順に示す(弾性部材を配置する前の)断面図である。
図9】(a)および(b)は、パイプを継手に接続する工程を順に示す(弾性部材を配置した後の)断面図である。
図10】変形例1に係るパイプと継手との接続構造の断面図である。
図11】変形例2に係るパイプと継手との接続構造の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
〔第1実施形態〕
図1に、パイプとアイジョイント(継手)との接続構造1を示している。パイプとアイジョイント(継手)との接続構造1は、アイジョイント(継手)2と、パイプ3とを備える。
【0010】
アイジョイント2は、アイジョイント本体11と、アイジョイント本体11の側部から突出した筒状部12とを有する。アイジョイント本体11は、図1および図2に示すように、略円筒形状である。アイジョイント本体11には、ボルトなどが挿通する挿通孔11aが形成されている。筒状部12には、筒状部12の軸方向に貫通した貫通孔12xが形成されている。挿通孔11aと貫通孔12xとは連通している。筒状部12は、例えば、角筒状でもよく、円筒状でもよい。
【0011】
パイプ3は、筒状部12の内側に配置されている。パイプ3の中心軸と筒状部12の中心軸は、略一致している。パイプ3の軸方向と筒状部12の軸方向とは、略同じ方向である。
【0012】
パイプ3は、図2に示すように、筒状のパイプ本体21と、フレア部22とを有する。フレア部22は、パイプ3の一端部に形成されている。フレア部22の幅は、パイプ本体の外径R1より大きい。フレア部22の幅とは、パイプ3の軸方向に直交する方向の長さである。フレア部22の幅は、パイプ3の軸方向において、パイプ本体21から遠ざかるほど広い。パイプ3には、鍍金などの表面処理が施されている。
【0013】
アイジョイント2の筒状部12の一端には、開口12aが形成されている。アイジョイント2の筒状部12の他端は、アイジョイント本体11に接続されている。アイジョイント2の筒状部12は、第1筒部31と、第2筒部32とを有する。第1筒部31は、筒状部12の開口12a側の一端部に形成されている。第2筒部32は、筒状部12のアイジョイント本体11側の他端部に形成されている。第2筒部32は、アイジョイント本体11に接続されている。
【0014】
第1筒部31の内径は、パイプ本体21の外径R1より大きい。第1筒部31の内径は、フレア部22の最大幅W1より大きい。本実施形態では、第1筒部31の内径が、第1筒部31の軸方向の全ての位置で、フレア部22の最大幅W1より大きい。
【0015】
第1筒部31の内側に、パイプ本体21が配置されている。第1筒部31とパイプ本体21との間に、筒状の弾性部材4が配置されている。
【0016】
第1筒部31の軸方向の中央付近で、第1筒部31は、径方向に加締め固定されている。そのため、第1筒部31の軸方向の中央付近で、第1筒部31および弾性部材4は、パイプ本体21に向かって凹んでいる。
【0017】
弾性部材4の材質は、例えば、ゴム、樹脂、エラストマーなどである。弾性部材4は、第1筒部31とパイプ本体21との間に配置される前から、筒状でもよい。弾性部材4は、第1筒部31とパイプ本体21との間に配置される前は筒状ではないが、第1筒部31とパイプ本体21との間に配置されることにより、筒状になるものでもよい。弾性部材4は、例えば、樹脂チューブでもよく、ゴムチューブでもよい。
【0018】
第1筒部31と弾性部材4との間には、隙間が殆ど形成されていない。弾性部材4とパイプ本体21との間にも、隙間が殆ど形成されていない。
【0019】
第2筒部32は、第1壁部41と、第2壁部42とを有する。第1壁部41と第2壁部42との間に、空間43が形成されている。空間43に、フレア部22が配置されている。第1壁部41と第2壁部42とは、空間43およびフレア部22を挟んで、筒状部12の軸方向において、互いに反対側に形成されている。第1壁部41は、第1筒部31に隣接している。第2壁部42は、アイジョイント本体11に接続されている。
【0020】
第2壁部42の内径R2は、パイプ3のフレア部22の最大幅W1より小さい。第2壁部42の内径R2は、パイプ本体21の外径R1より小さい。
【0021】
フレア部22は、第2壁部42の面42Aに接している。フレア部22が、第2壁部42の面42Aに接した状態で、第1壁部41が、フレア部22に向かって、筒状部12の軸方向に加締め固定されている。フレア部22は、筒状部12の軸方向において、第1壁部41と第2壁部42とに挟まれている。これにより、パイプ3が、筒状部12に接続されている。第2壁部42の面42Aは、筒状部12の軸方向に対して傾斜している。面42Aは、フレア部22の延在方向に延在している。
【0022】
次に、図3図5を参照しつつ、アイジョイント2にパイプ3を接続する方法を説明する。
【0023】
図3(a)に、パイプ3と、パイプ3が接続される前のアイジョイント102とを示している。パイプ3が接続される前のアイジョイント102は、パイプ3が接続されたアイジョイント2(図2参照)と異なる。以下、パイプ3が接続される前のアイジョイント102の説明において、パイプ3が接続されたアイジョイント2と同一の構成については同一の符号を用い、その説明を適宜省略する。
【0024】
パイプ3が接続される前のアイジョイント102は、図3(a)に示すように、筒状部112を有する。筒状部112の一端に、開口12aが形成されている。筒状部112の他端は、アイジョイント本体11に接続されている。筒状部112の内面には、鍍金などの表面処理が施されている。筒状部112は、第1筒部131と、第2筒部132とを有する。第1筒部131は、筒状部112の開口12a側の一端部に形成されている。第2筒部132は、筒状部112のアイジョイント本体11側の他端部に形成されている。第2筒部132は、アイジョイント本体11に接続されている。
【0025】
第1筒部131の内径r1は、フレア部22の最大幅W1より大きい。第1筒部131の内径は、第1筒部131の軸方向のどの位置でも同じr1である。第1筒部131の軸方向の長さは、l1である。
【0026】
第2筒部132は、第1壁部141と、第2壁部42とを有する。第2筒部132の第1壁部141の内径r2は、第1筒部131の内径r1より小さく、且つ、第2筒部132の第2壁部42の内径R2より大きい。本実施形態では、第1壁部141の内径r2は、パイプ3のフレア部22の最大幅W1よりわずかに大きい。
【0027】
先ず、筒状部112の一端の開口12aから、パイプ3のフレア部22を前にして、パイプ3を筒状部112に挿入する(第1工程)。
【0028】
図3(b)に示すように、パイプ3のフレア部22を、第2筒部132の第1壁部141の内側に配置する。また、フレア部22を、第2壁部42の面42Aに当接させる(第2工程)。このとき、パイプ本体21は、第1筒部131の内側および第2筒部132の第1壁部141の内側に配置されている。パイプ本体21と第1筒部131との間に、空間S1が存在する。
【0029】
次に、パイプ本体21と第1筒部131との間に、治具5を挿入する(図4(a)参照)。治具5に、アイジョイント本体11に向けて、筒状部112の軸方向の力を加えると、治具5を介して、第1壁部141に、筒状部112の軸方向の力が加えられる。この力により、第1壁部141の一部X1が塑性変形し、フレア部22に沿った第1壁部41が形成される(図4(b)参照)。第1壁部41は、フレア部22に向かって、筒状部12の軸方向に加締め固定されている。フレア部22は、筒状部12の軸方向において、第1壁部41と第2壁部42とに挟まれている。これにより、フレア部22が、第2筒部32に接続される。
【0030】
第1壁部141の一部X1が塑性変形したことにより、第1壁部141の一部X1が存在した部分は空間となる(図4(b)参照)。この空間を画定する壁は、パイプ3が接続された後の第1筒部31の一部となる。図4(b)に示すように、第1筒部31の軸方向の長さL1は、第1壁部141の一部X1が塑性変形する前の第1筒部131の軸方向の長さl1より長い。第1筒部31の軸方向の長さL1は、第1壁部141の一部X1が塑性変形する前の第1筒部131の軸方向の長さl1と、塑性変形した第1壁部141の一部X1の軸方向長さとの合計である。
【0031】
次に、弾性部材4を準備する。弾性部材4は、図4(b)に示すように、筒状の部材が、軸方向に沿って、一端から他端まで切られた部材である。図5(a)に示すように、弾性部材4を、パイプ本体21と第1筒部31との間に配置する。弾性部材4が、パイプ本体21と第1筒部31との間に配置されているとき、弾性部材4の切れた部分が塞がることにより、弾性部材4は筒状になっている。この状態で、第1筒部31を径方向に加締め固定する(図5(b)参照)。これにより、パイプ本体21が第1筒部31に接続される。
【0032】
以上のように、本実施形態のパイプと継手との接続構造1によると、以下の効果が得られる。
【0033】
本実施形態のパイプと継手との接続構造1では、図2に示すように、パイプ3が、アイジョイント2の筒状部12に接続されている。具体的には、パイプ本体21が筒状部12の第1筒部31に接続され、フレア部22が筒状部12の第2筒部32に接続されている。第1筒部31とパイプ本体21との間に、筒状の弾性部材4が配置されている。これにより、パイプ本体21と第1筒部31とが密封されている。そのため、筒状部12の開口12aから筒状部12の内側へ、燃料や水などの液体が浸入しにくい。これにより、パイプ3とアイジョイント2との固定部の内部の腐食を抑制することができる。例えば、塑性変形部である第1壁部41の腐食を抑制することができる。
【0034】
また、本実施形態では、パイプ3とアイジョイント2とを接続する工程において、図4(a)に示すように、治具5を用いて、第2筒部132の第1壁部141の一部X1を塑性変形させる。これにより、図4(b)に示すように、第1壁部41がフレア部22に向かって、筒状部12の軸方向に加締め固定される。
第1壁部141の一部X1を塑性変形させたとき、第1壁部141の一部X1に施された鍍金などが剥がれることがある。これにより、塑性変形した第1壁部41には、鍍金などによる金属膜が形成されていないことがある(図4(b))。第1壁部41において鍍金などによる金属膜が形成されていない部分は、燃料や水に対して腐食しやすい。そのため、本実施形態の構造では、アイジョイント2において塑性変形した第1壁部41が腐食しやすい。しかし、本実施形態では、図2に示すように、パイプ本体21と第1筒部31との間に弾性部材4が配置されていることにより、パイプ本体21と第1筒部31とが密封されている。これにより、筒状部12の外部から開口12aを通って筒状部12の内側へ、燃料や水などの液体が浸入しにくい。そのため、本実施形態では、アイジョイント2において塑性変形した第1壁部41が腐食しやすいにもかかわらず、第1壁部41が腐食しにくい。
【0035】
また、アイジョイント2の第1筒部31とパイプ本体21との間に配置される弾性部材4として、例えば、ゴムチューブを用いることにより、第1筒部31とパイプ本体21との間に、弾性部材4を簡易に配置することができる。
【0036】
また、弾性部材4は、軸方向に沿って、一端から他端まで切れている。そのため、パイプ本体21と第1筒部31との間に弾性部材4を配置し、第1筒部31を径方向に加締め固定するとき、弾性部材4が、第1筒部31の変形に追随して変形しやすい。これにより、パイプ本体21と第1筒部31との密封性が向上する。
【0037】
また、本実施形態のパイプとアイジョイントとの接続構造1は、例えば、自動車などに搭載されることがある。自動車は、走行時などに振動する。振動が生じた場合、弾性部材4により振動が吸収される。これにより、パイプ本体21と第1筒部31との接続、および、フレア部22と第2筒部32との接続が緩むことが抑制される。そのため、振動が生じても、パイプ3と筒状部12との接続が、強固な状態で維持される。
【0038】
また、図2に示すように、パイプ3とアイジョイント2の筒状部12との接続が、1)パイプ本体21と第1筒部31、および、2)フレア部22と第2筒部32という2箇所の接続である。これにより、パイプ3とアイジョイント2とが1箇所で接続されている場合に比べ、パイプ3とアイジョイント2との接続が強固である。そのため、振動が生じても、アイジョイント2とパイプ3との強固な接続を維持できる。
【0039】
また、図2に示すように、第1筒部31が径方向に加締め固定されていることにより、振動が生じた場合、パイプ3の振動の支点を、フレア部22と第2筒部32との接続箇所から遠ざけることができる。これにより、フレア部22と第2筒部32との接続が緩むことを、より抑制することができる。
【0040】
また、パイプ3とアイジョイント2とを接続するとき、図4(a)および図4(b)に示すように、治具5を用いて、第2筒部132の第1壁部141の一部X1を塑性変形させる。このとき、フレア部22が第2壁部42の面42Aに接した状態で、第1壁部41が筒状部12の軸方向に加締め固定されている。これにより、仮に、アイジョイント本体11又はパイプ3の内側から液体が浸入しても、フレア部22と第2壁部42の面42Aとの間に液体が浸入しにくい。そのため、塑性変形部である第1壁部41に液体が触れにくい。したがって、第1壁部41に、鍍金などによる金属膜が形成されていない部分が存在しても、第1壁部41が腐食しにくい。
【0041】
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態について、図6図9を参照しつつ説明する。第2実施形態において、第1実施形態と異なる点は、パイプの形状および筒状部の形状である。なお、上述した第1実施形態と同一の構成については同一の符号を用い、その説明を適宜省略する。
【0042】
図6に、パイプとアイジョイント(継手)との接続構造201を示している。パイプとアイジョイント(継手)との接続構造201は、アイジョイント(継手)202と、パイプ203とを備える。
【0043】
パイプ203は、パイプ本体21と、フレア部222とを有する。フレア部222は、パイプ203の一端部に形成されている。フレア部222の幅は、パイプ203の軸方向において、パイプ本体21に近付くにつれて広くなっている。フレア部222の最大幅W21は、パイプ本体の外径R1より大きい。パイプ203には、鍍金などの表面処理が施されている。
【0044】
アイジョイント202の筒状部212の一端には、開口212aが形成されている。アイジョイント202の筒状部212の他端は、アイジョイント本体11に接続されている。アイジョイント202の筒状部212は、第1筒部231と、第2筒部232とを有する。第1筒部231は、筒状部212の開口212a側の一端部に形成されている。第2筒部232は、筒状部212のアイジョイント本体11側の他端部に形成されている。第2筒部232は、アイジョイント本体11に接続されている。
【0045】
第1筒部231の内径は、パイプ本体21の外径R1より大きい。第1筒部231の内径は、フレア部222の最大幅W21より大きい。本実施形態では、第1筒部231の内径が、第1筒部231の軸方向の全ての位置で、フレア部222の最大幅W21より大きい。
【0046】
第1筒部231の内側に、パイプ本体21が配置されている。第1筒部231とパイプ本体21との間に、筒状の弾性部材204が配置されている。弾性部材204の材質は、第1実施形態の弾性部材4と同様な材質である。弾性部材204の形状は、第1実施形態の弾性部材4と同様な形状である。
【0047】
第1筒部231の軸方向の中央付近で、第1筒部231は、径方向に加締め固定されている。そのため、第1筒部231の軸方向の中央付近で、第1筒部231および弾性部材204は、パイプ本体21に向かって凹んでいる。
【0048】
第1筒部231と弾性部材204との間には、隙間が殆ど形成されていない。弾性部材204とパイプ本体21との間にも、隙間が殆ど形成されていない。
【0049】
第2筒部232は、第1壁部241と、第2壁部242とを有する。第1壁部241と第2壁部242との間に、空間243が形成されている。空間243に、フレア部222が配置されている。第1壁部241と第2壁部242とは、空間243およびフレア部222を挟んで、筒状部212の軸方向において、互いに反対側に形成されている。第1壁部241は、第1筒部231に隣接している。第2壁部242は、アイジョイント本体11に接続されている。
【0050】
第2壁部242の内径R2は、パイプ203のフレア部222の最大幅W21より小さい。第2壁部242の内径R2は、パイプ本体21の外径R1より小さい。
【0051】
フレア部222は、第2壁部242の面242Aに接している。フレア部222が、第2壁部242の面242Aに接した状態で、第1壁部241が、フレア部222に向かって、筒状部212の軸方向に加締め固定されている。フレア部222は、筒状部212の軸方向において、第1壁部241と第2壁部242とに挟まれている。これにより、パイプ203が、筒状部212に接続されている。第2壁部242の面242Aは、筒状部212の軸方向に対して傾斜している。面242Aは、フレア部222の延在方向に延在している。
【0052】
次に、図7図9を参照しつつ、アイジョイント202にパイプ203を接続する方法を説明する。
【0053】
図7(a)に、パイプ203と、パイプ203が接続される前のアイジョイント302とを示している。パイプ203が接続される前のアイジョイント302は、パイプ203が接続されたアイジョイント202(図6参照)と異なる。以下、パイプ203が接続される前のアイジョイント302の説明において、パイプ203が接続される前のアイジョイント302と同一の構成については同一の符号を用い、その説明を適宜省略する。
【0054】
パイプ203が接続される前のアイジョイント302は、図7(a)に示すように、筒状部312を有する。筒状部312の一端に、開口212aが形成されている。筒状部312の他端は、アイジョイント本体11に接続されている。筒状部312の内面には、鍍金などの表面処理が施されている。筒状部312は、第1筒部331と、第2筒部332とを有する。第1筒部331は、筒状部312の開口212a側の一端部に形成されている。第2筒部332は、筒状部312のアイジョイント本体11側の他端部に形成されている。第2筒部332は、アイジョイント本体11に接続されている。
【0055】
第1筒部331の内径r21は、フレア部222の最大幅W21より大きい。第1筒部331の内径は、第1筒部331の軸方向のどの位置でも同じr21である。第1筒部331の軸方向の長さは、l21である。
【0056】
第2筒部332は、第1壁部341と、第2壁部242とを有する。第2筒部332の第1壁部341の内径r22は、第1筒部331の内径r21より小さく、且つ、第2筒部332の第2壁部242の内径R2より大きい。本実施形態では、第1壁部341の内径r22は、パイプ203のフレア部222の最大幅W21よりわずかに大きい。
【0057】
先ず、筒状部312の一端の開口212aから、パイプ203のフレア部222を前にして、パイプ203を筒状部312に挿入する(第1工程)。
【0058】
図7(b)に示すように、パイプ203のフレア部222を、第2筒部332の第1壁部341の内側に配置する。また、フレア部222を、第2壁部242の面242Aに当接させる(第2工程)。このとき、パイプ本体21は、第1筒部331の内側および第2筒部332の第1壁部341の内側に配置される。パイプ本体21と第1筒部331との間に、空間が形成される。パイプ本体21と第1壁部341との間には、空間S21が存在する。
【0059】
次に、パイプ本体21と第1筒部331との間に、治具5を挿入する(図8(a)参照)。治具5に、アイジョイント本体11に向けて、筒状部312の軸方向の力を加えると、治具5を介して、第1壁部341に、筒状部312の軸方向の力が加えられる。この力により、第1壁部341の一部X21が塑性変形し、フレア部222に沿った第1壁部241が形成される(図8(b)参照)。第1壁部241は、フレア部222に向かって、筒状部212の軸方向に加締め固定される。フレア部222は、筒状部212の軸方向において、第1壁部241と第2壁部242とに挟まれている。これにより、フレア部222が第2筒部232に接続される。
【0060】
第1壁部341の一部X21が塑性変形したことにより、第1壁部341の一部X21が存在した部分は空間となる(図8(b)参照)。この空間を画定する壁は、パイプ203が接続された後の第1筒部231の一部となる。図8(b)に示すように、第1筒部231の軸方向の長さL21は、第1壁部341の一部X21が塑性変形する前の第1筒部331の軸方向の長さl21より長い。第1筒部231の軸方向の長さL21は、第1壁部341の一部X21が塑性変形する前の第1筒部331の軸方向の長さl21と、塑性変形した第1壁部341の一部X21の軸方向長さとの合計である。
【0061】
次に、弾性部材204を準備する。弾性部材204は、図8(b)に示すように、筒状の部材が、軸方向に沿って、一端から他端まで切られた部材である。図9(a)に示すように、弾性部材204を、パイプ本体21と第1筒部231との間に配置する。弾性部材204が、パイプ本体21と第1筒部231との間に配置されているとき、弾性部材204の切れた部分が塞がることにより、弾性部材204は筒状になっている。この状態で、第1筒部231を径方向に加締め固定する(図9(b)参照)。これにより、パイプ本体21が第1筒部231に接続される。
【0062】
以上のように、第2実施形態のパイプとアイジョイントとの接続構造201は、第1実施形態のパイプとアイジョイントとの接続構造1と同様に、以下の効果が得られる。
【0063】
弾性部材204によって、パイプ本体21と第1筒部231とが密封されている。これにより、筒状部212の開口212aから筒状部212の内側へ、燃料や水などの液体が浸入しにくい。これにより、パイプ203とアイジョイント202との固定部の内部の腐食を抑制することができる。例えば、塑性変形部である第1壁部241の腐食を抑制することができる。
【0064】
また、本実施形態では、図8(a)および図8(b)に示すように、第1壁部341の一部X21を塑性変形させる。これにより、第1壁部241がフレア部222に向かって加締め固定される。
第1壁部341の一部X21を塑性変形させたとき、第1壁部341の一部X21に施された鍍金などが剥がれることがある。これにより、塑性変形した第1壁部241には、鍍金などによる金属膜が形成されていないことがある。第1壁部241において、鍍金などによる金属膜が存在しない部分は、燃料や水に対して腐食しやすい。そのため、第2実施形態の構造では、アイジョイント202において塑性変形した第1壁部241が腐食しやすい。しかし、図6に示すように、パイプ本体21と第1筒部231との間に弾性部材204が配置されていることにより、パイプ本体21と第1筒部231とが密封されている。そのため、筒状部212の外部から開口212aを通って筒状部212の内側へ、燃料や水などの液体が浸入しにくい。したがって、本実施形態では、アイジョイント202において、塑性変形した第1壁部241が腐食しやすいにもかかわらず、第1壁部241が腐食しにくい。
【0065】
また、弾性部材204として、例えば、ゴムチューブを用いることにより、第1筒部231とパイプ本体21との間に、弾性部材204を簡易に配置することができる。
【0066】
また、弾性部材204は、軸方向に沿って、一端から他端まで切れている。そのため、パイプ本体21と第1筒部231との間に弾性部材204を配置し、第1筒部231を径方向に加締め固定するとき、弾性部材204が、第1筒部231の変形に追随して変形しやすい。これにより、パイプ本体21と第1筒部231との密封性が向上する。
【0067】
また、振動が生じた場合、弾性部材204により振動が吸収される。これにより、パイプ本体21と第1筒部231との接続、および、フレア部222と第2筒部232との接続が緩むことが抑制される。そのため、振動が生じても、パイプ203と筒状部212との接続が、強固な状態で維持される。
【0068】
また、図6に示すように、パイプ203とアイジョイント202の筒状部212との接続が、1)パイプ本体21と第1筒部231、および、2)フレア部222と第2筒部232という2箇所の接続である。これにより、パイプ203とアイジョイント202とが1箇所で接続されている場合に比べ、パイプ203とアイジョイント202との接続が強固である。そのため、振動が生じても、アイジョイント202とパイプ203との強固な接続を維持できる。
【0069】
また、図6に示すように、第1筒部231が径方向に加締め固定されていることにより、振動が生じた場合、パイプ203の振動の支点を、フレア部222と第2筒部232との接続箇所から遠ざけることができる。これにより、フレア部222と第2筒部232との接続が緩むことを、より抑制することができる。
【0070】
また、パイプ203とアイジョイント202とを接続するとき、図8(a)および図8(b)に示すように、フレア部222が第2壁部242の面242Aに接した状態で、第1壁部241が筒状部212の軸方向に加締め固定されている。これにより、仮に、アイジョイント本体11又はパイプ203の内側から液体が浸入しても、フレア部222と第2壁部242の面242Aとの間から液体が浸入しにくい。そのため、塑性変形部である第1壁部241に液体が触れにくい。したがって、第1壁部241に、鍍金による金属膜が形成されていない部分が存在しても、第1壁部241が腐食しにくい。
【0071】
〔変形例1〕
次に、本発明の第1実施形態の変形例について、図10を参照しつつ説明する。変形例1において、第1実施形態と異なる点は、アイジョイント402の第1筒部431の長さである。なお、上述した第1実施形態と同一の構成については同一の符号を用い、その説明を適宜省略する。
【0072】
図10に示すように、アイジョイント402の筒状部412の一端に、開口412aが形成されている。アイジョイント402の筒状部412の他端は、アイジョイント本体11に接続されている。アイジョイント402の筒状部412は、第1筒部431と、第2筒部32とを有する。
【0073】
第1筒部431は、第1実施形態の第1筒部31(図2参照)より、軸方向に長い。第1筒部431の内径は、パイプ本体21の外径R1より大きい。第1筒部431の内径は、フレア部22の最大幅W1より大きい。第1筒部431とパイプ本体21との間に、弾性部材404が配置されている。弾性部材404は、第1実施形態の弾性部材4(図2参照)より、第1筒部431の軸方向に長い。弾性部材404は、筒状である。
【0074】
第1筒部431は、軸方向の中央C1と開口412aとの間の領域G1において、開口412aに近い位置で加締め固定されている。
【0075】
パイプ3とアイジョイント402とを接続する方法は、第1実施形態のパイプ3とアイジョイント2とを接続する方法と同様な方法で製造される。
【0076】
以上のように、変形例1のパイプとアイジョイント(継手)との接続構造401は、第1実施形態のパイプとアイジョイント(継手)との接続構造1と同様な効果が得られる。
【0077】
また、変形例1では、弾性部材404が筒状部412の軸方向に長い。そのため、弾性部材404によって、より多くの振動を吸収することができる。
【0078】
また、第1筒部431の加締め位置を、第1筒部431の軸方向の中央C1より開口412aに近い位置にすることにより、第1筒部431の加締め位置を、フレア部22と第2筒部32との接続箇所から遠ざけることができる。これにより、振動が生じた場合、パイプ3の振動の支点を、フレア部22と第2筒部32との接続箇所から遠ざけることができる。そのため、フレア部22と第2筒部32との接続が緩むことを、より抑制することができる。
【0079】
特に、変形例1では、開口412aの近くで、第1筒部431が加締め固定されている。開口412aは、フレア部22と第2筒部32との接続箇所から最も遠い。また、第1筒部431が軸方向に長いことにより、第1筒部431の加締め位置を、フレア部22と第2筒部32との接続箇所から、より遠ざけることができる。これにより、振動が生じた場合、パイプ3の振動の支点を、フレア部22と第2筒部32との接続箇所から、より遠ざけることができる。そのため、フレア部22と第2筒部32との接続が緩むことを、さらに抑制することができる。
【0080】
〔変形例2〕
次に、本発明の第2実施形態の変形例について、図11を参照しつつ説明する。変形例2において、第2実施形態と異なる点は、アイジョイント502の第1筒部531の長さである。なお、上述した第2実施形態と同一の構成については同一の符号を用い、その説明を適宜省略する。
【0081】
図11に示すように、アイジョイント502の筒状部512の一端に、開口512aが形成されている。アイジョイント502の筒状部512の他端は、アイジョイント本体11に接続されている。アイジョイント502の筒状部512は、第1筒部531と、第2筒部232とを有する。
【0082】
第1筒部531は、第2実施形態の第1筒部231(図6参照)より、軸方向に長い。第1筒部531の内径は、パイプ本体21の外径R1より大きい。第1筒部531の内径は、フレア部22の最大幅W21より大きい。第1筒部531とパイプ本体21との間に、弾性部材504が配置されている。弾性部材504は、第2実施形態の弾性部材204(図6参照)より、第1筒部531の軸方向に長い。弾性部材504は、筒状である。
【0083】
第1筒部531は、軸方向の中央C2と開口512aとの間の領域G2において、開口512aに近い位置で加締め固定されている。
【0084】
パイプ203とアイジョイント502とを接続する方法は、第2実施形態のパイプ203とアイジョイント202とを接続する方法と同様な方法で製造される。
【0085】
以上のように、変形例2のパイプとアイジョイント(継手)との接続構造501は、第2実施形態のパイプとアイジョイント(継手)との接続構造201と同様な効果が得られる。
【0086】
また、変形例2では、弾性部材504が筒状部512の軸方向に長い。そのため、弾性部材504によって、より多くの振動を吸収することができる。
【0087】
また、第1筒部531の加締め位置を、第1筒部531の軸方向の中央C2より開口512aに近い位置にすることにより、第1筒部531の加締め位置を、フレア部222と第2筒部232との接続箇所から遠ざけることができる。これにより、振動が生じた場合、パイプ203の振動の支点を、フレア部222と第2筒部232との接続箇所から遠ざけることができる。そのため、フレア部222と第2筒部232との接続が緩むことを、より抑制することができる。
【0088】
特に、変形例2では、開口512aの近くで、第1筒部531が加締め固定されている。開口512aは、フレア部222と第2筒部232との接続箇所から最も遠い。また、第1筒部531が軸方向に長いことにより、第1筒部531の加締め位置を、フレア部222と第2筒部232との接続箇所から、より遠ざけることができる。これにより、振動が生じた場合、パイプ203の振動の支点を、フレア部222と第2筒部232との接続箇所から、より遠ざけることができる。そのため、フレア部222と第2筒部232との接続が緩むことを、さらに抑制することができる。
【0089】
以上、本発明の実施形態について図面に基づいて説明したが、具体的な構成は、これらの実施形態に限定されるものでないと考えられるべきである。そして、本発明の範囲は、上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0090】
例えば、上記第1実施形態、第2実施形態、変形例1および変形例2では、継手がアイジョイントであるが、継手はアイジョイントでなくてもよい。
【0091】
また、上記第1実施形態では、弾性部材4は、軸方向に沿って、一端から他端まで切れている。上記第2実施形態では、弾性部材204は、軸方向に沿って、一端から他端まで切れている。しかし、弾性部材は、軸方向に沿って、一端から他端まで切れていなくてもよい。
【0092】
上記第1実施形態では、図2に示すように、第1筒部31の内径が、第1筒部31の軸方向の全ての位置で、フレア部22の最大幅W1より大きい。第2実施形態では、図6に示すように、第1筒部231の内径が、第1筒部231の軸方向の全ての位置で、フレア部222の最大幅W21より大きい。変形例1では、図10に示すように、第1筒部431の内径が、第1筒部431の軸方向の全ての位置で、フレア部22の最大幅W1より大きい。変形例2では、図11に示すように、第1筒部531の内径が、第1筒部531の軸方向の全ての位置で、フレア部222の最大幅W21より大きい。しかし、第1筒部を径方向に加締め固定することにより、第1筒部の内径が、第1筒部の軸方向のいずれかの位置で、フレア部の最大幅と同じ又はフレア部の最大幅より小さくてもよい。
【0093】
また、継手に接続されるパイプの形状は、上記第1実施形態、第2実施形態、変形例1および変形例2のパイプの形状に限定されない。
【0094】
例えば、パイプのフレア部の形状は、上記第1実施形態、第2実施形態、変形例1および変形例2のパイプのフレア部の形状に限定されない。第1実施形態および変形例1では、図2に示すように、パイプ3のフレア部22の幅が、パイプ3の軸方向において、パイプ本体21から遠ざかるほど広い。第2実施形態および変形例2では、図6に示すように、パイプ203のフレア部222の幅が、パイプ203の軸方向において、パイプ本体21に近づくほど広い。しかし、フレア部の幅は、パイプの軸方向において、一定であってもよい。
【0095】
また、第1実施形態では、図2に示すように、第1筒部31が、軸方向の中央付近で、第1筒部31の径方向に加締め固定されている。第2実施形態では、図6に示すように、第1筒部231が、軸方向の中央付近で、第1筒部231の径方向に加締め固定されている。変形例1では、図10に示すように、第1筒部431が、開口412aの近くで、第1筒部431の径方向に加締め固定されている。変形例2では、図11に示すように、第1筒部531が、開口512aの近くで、第1筒部531の径方向に加締め固定されている。しかし、第1筒部が径方向に加締め固定される位置は、上述した位置に限定されない。例えば、第1筒部が、軸方向の中央と第2筒部の第1壁部との間で、径方向に加締め固定されていてもよい。
【0096】
また、第1実施形態では、図3(a)に示すように、パイプ3を接続する前のアイジョイント102の第2筒部132において、第1壁部141の内径r2が、パイプ3のフレア部22の最大幅W1よりわずかに大きい。しかし、第1壁部141の内径は、最大幅W1と同じでもよい。また、第1壁部141の内径は、図3(a)に示すr2より大きくてもよい。変形例1についても、同様である。
【0097】
また、第2実施形態では、図7(a)に示すように、パイプ203を接続する前のアイジョイント302の第2筒部332において、第1壁部341の内径r22が、パイプ203のフレア部222の最大幅W21よりわずかに大きい。しかし、第1壁部341の内径r22は、最大幅W21と同じでもよい。また、第1壁部341の内径は、図7(a)に示すr22より大きくてもよい。変形例2についても、同様である。
【0098】
また、第1実施形態、第2実施形態、変形例1および変形例2では、パイプに鍍金などの表面処理が施されている。また、パイプを接続する前のアイジョイントの筒状部の内面に鍍金などの表面処理が施されている。しかし、これらの部材に、鍍金などの表面処理が施されていなくてもよい。また、これらの部材に、鍍金以外の表面処理が施されていてもよい。例えば、これらの部材に、樹脂コーティングが施されていてもよい。また、これらの部材に、鍍金と鍍金以外の表面処理とが施されていてもよい。
【符号の説明】
【0099】
1、201、401、501 パイプとアイジョイント(継手)との接続構造
2、202、402、502 アイジョイント(継手)
3、203 パイプ
4、204 弾性部材
5 冶具
11 アイジョイント本体
12、112、212、312、412、512 筒状部
21 パイプ本体
22、222 フレア部
31、131、231、331、431、531 第1筒部
32、132、232、332 第2筒部
41、141、241、341 第1壁部
42、242 第2壁部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11