(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-08
(45)【発行日】2023-09-19
(54)【発明の名称】ロールペーパ供給装置
(51)【国際特許分類】
A47K 10/38 20060101AFI20230911BHJP
A47K 10/22 20060101ALI20230911BHJP
【FI】
A47K10/38 H
A47K10/22 A
(21)【出願番号】P 2019153685
(22)【出願日】2019-08-26
【審査請求日】2022-08-10
(73)【特許権者】
【識別番号】506182309
【氏名又は名称】株式会社エスミー
(74)【代理人】
【識別番号】100090273
【氏名又は名称】國分 孝悦
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 誠
【審査官】神尾 寧
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-118776(JP,A)
【文献】実開昭63-127485(JP,U)
【文献】特開2017-121575(JP,A)
【文献】登録実用新案第3208747(JP,U)
【文献】米国特許第08651003(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47K 10/38
A47K 10/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
左右方向に沿って配置される基台部と、
前記基台部の左右方向のうち右側に配置される右側ロールペーパホルダ部と、
前記基台部の左右方向のうち左側に配置される左側ロールペーパホルダ部と、
前記右側ロールペーパホルダ部と前記左側ロールペーパホルダ部とは少なくとも水平方向に離して配置
され、前記右側ロールペーパホルダ部と前記左側ロールペーパホルダ部との間にロールペーパを左右方向に並列して待機させる待機部と、を備えたロールペーパ供給装置であって、
前記右側ロールペーパホルダ部は、
ロールペーパの孔に挿入されてロールペーパを回転自在に保持する右側の芯棒を有し、
前記左側ロールペーパホルダ部は、
ロールペーパの孔に挿入されてロールペーパを回転自在に保持する左側の芯棒を有し、
前記右側の芯棒の先端部と前記左側の芯棒の先端部とが互いに対向して配置されており、
前記右側の芯棒および前記左側の芯棒の何れにもロールペーパが保持されておらず、前記待機部に1つのロールペーパのみが待機している場合に、前記待機部に待機する前記1つのロールペーパを前記待機部から右側に移動させることにより前記1つのロールペーパが前記右側ロールペーパホルダ部の前記右側の芯棒に回転自在に保持され、前記1つのロールペーパを前記待機部から左側に移動させることにより前記1つのロールペーパが前記左側ロールペーパホルダ部の前記左側の芯棒に回転自在に保持されることを特徴とするロールペーパ供給装置。
【請求項2】
前記右側の芯棒の先端部と前記左側の芯棒の先端部との間の距離は、ロールペーパ2つ分の幅寸法よりも長く、ロールペーパ3つ分の幅寸法よりも短いことを特徴とする請求項1に記載のロールペーパ供給装置。
【請求項3】
前記右側の芯棒および前記左側の芯棒はそれぞれ、前記待機部まで連続して延出され、
前記右側の芯棒の先端部と前記左側の芯棒の先端部との間の距離は、ロールペーパ1つ分の幅寸法よりも長く、ロールペーパ2つ分の幅寸法よりも短いことを特徴とする請求項1に記載のロールペーパ供給装置。
【請求項4】
前記右側の芯棒および前記左側の芯棒は
それぞれ、前記待機部まで連続して延出
され、
前記右側の芯棒は、前記待機部に待機する
ロールペーパのうち右側に位置するロールペーパの孔
の途中まで挿入され、
前記左側の芯棒は、前記待機部に待機するロールペーパのうち左側に位置するロールペーパの孔の途中まで挿入されることを特徴とする請求項
1または3
に記載のロールペーパ供給装置。
【請求項5】
前記待機部は、該ロールペーパ供給装置が取り付けられる壁面の反対側からロールペーパを補充できることを特徴とする請求項
1ないし4の何れか1項に記載のロールペーパ供給装置。
【請求項6】
前記右側ロールペーパホルダ部と前記左側ロールペーパホルダ部とは水平方向かつ上下方向に離して配置されることを特徴とする請求項1ないし5の何れか1項に記載のロールペーパ供給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロールペーパ供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
高速道路のサービスエリアあるいはパーキングエリア、または駅や公園等に設置される公共トイレではロールペーパ供給装置が使用されている。
このような公共トイレのロールペーパ供給装置は通常壁面に取り付けられており、利用者が便座に着座したときに最も使い易い位置に取り付けられていることが一般的である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ロールペーパ供給装置は取り付けられる位置は、あくまで平均的な利用者が使い易い位置であるために、平均から離れた利用者、例えば子供の場合や身体上の障害により通常と違う姿勢で着座する者の場合では、ペーパが取り出しにくいという問題がある。
【0005】
本発明は、上述したような問題点に鑑みてなされたものであり、利用者によらずペーパを取り出し易くすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、左右方向に沿って配置される基台部と、前記基台部の左右方向のうち右側に配置される右側ロールペーパホルダ部と、前記基台部の左右方向のうち左側に配置される左側ロールペーパホルダ部と、前記右側ロールペーパホルダ部と前記左側ロールペーパホルダ部とは少なくとも水平方向に離して配置され、前記右側ロールペーパホルダ部と前記左側ロールペーパホルダ部との間にロールペーパを左右方向に並列して待機させる待機部と、を備えたロールペーパ供給装置であって、前記右側ロールペーパホルダ部は、ロールペーパの孔に挿入されてロールペーパを回転自在に保持する右側の芯棒を有し、前記左側ロールペーパホルダ部は、ロールペーパの孔に挿入されてロールペーパを回転自在に保持する左側の芯棒を有し、前記右側の芯棒の先端部と前記左側の芯棒の先端部とが互いに対向して配置されており、前記右側の芯棒および前記左側の芯棒の何れにもロールペーパが保持されておらず、前記待機部に1つのロールペーパのみが待機している場合に、前記待機部に待機する前記1つのロールペーパを前記待機部から右側に移動させることにより前記1つのロールペーパが前記右側ロールペーパホルダ部の前記右側の芯棒に回転自在に保持され、前記1つのロールペーパを前記待機部から左側に移動させることにより前記1つのロールペーパが前記左側ロールペーパホルダ部の前記左側の芯棒に回転自在に保持されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、利用者によらずペーパを取り出し易くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】第1実施形態のロールペーパ供給装置の外観の構成の一例を示す図である。
【
図2】ロールペーパ供給装置のロールペーパホルダ部の構成の一例を示す図である。
【
図3】ロールペーパ供給装置の待機部の構成の一例を示す図である。
【
図4】第2実施形態のロールペーパ供給装置の外観の構成の一例を示す図である。
【
図5】第3実施形態のロールペーパ供給装置の外観の構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、実施形態に係るロールペーパ供給装置について図面を参照して説明する。なお、説明を容易にするために、各図には必要に応じて、上側をUp、下側をLo、右側をR、左側をL、前側をFr、後側をRrとして示している。
【0010】
(第1実施形態)
第1実施形態に示すロールペーパ供給装置100は、2つのロールペーパホルダ部121R、121Lを少なくとも水平方向に離して配置する。また、2つのロールペーパホルダ部121R、121Lの間における水平方向の距離を、使用するロールペーパPの幅以上にする。
【0011】
図1は、ロールペーパ供給装置100の外観の構成の一例を示す正面図である。
図1を含めた各図には、ロールペーパPを二点鎖線で示している。
ロールペーパ供給装置100は、トイレブースの壁面に取り付けられ、筐体110と、2つのロールペーパホルダ部121R、121Lと、待機部131とを備える。
【0012】
まず、筐体110について説明する。
筐体110は、ロールペーパ供給装置100のロールペーパホルダ部121R、121Lと、待機部131と一体的に接続するための基台部として機能する。筐体110は、天板111と、裏板112とを有する。
天板111は、左右方向に長い略矩形状である。天板111は、上面が略水平な平らな面である。裏板112は、左右方向に長い略矩形状である。裏板112の後面は、ロールペーパ供給装置100をトイレブースの壁面に取り付けたときに壁面が対向する。一方、裏板112の前面は、ロールペーパホルダ部121R、121Lと、待機部131とが接続される。また、天板111と裏板112は、天板111の後端部と裏板112の上端部とが直交した状態で結合される。
【0013】
次に、ロールペーパホルダ部121R、121Lについて説明する。
ロールペーパホルダ部121R、121Lは、ロールペーパPを保持し、利用者がロールペーパPのペーパを取り出して利用する長さに切断する機能を有する。
本実施形態では、ロールペーパホルダ部121Rと、ロールペーパホルダ部121Lとは、ロールペーパ供給装置100の左右方向における中心線Cに対して対称な構成である。そのため、以下では、ロールペーパホルダ部121Rについて主に説明し、ロールペーパホルダ部121Lについては適宜、説明を省略する。
【0014】
図2は、ロールペーパホルダ部121Rの構成の一例を示す図である。具体的に、
図2(a)は、
図1に示すI-I線に沿って切断して矢印方向から見たロールペーパホルダ部121Rの側面図であり、
図2(b)はロールペーパホルダ部121Rの正面図である。
ロールペーパホルダ部121Rは、芯棒141Rと、紙切り部151Rと、台座152Rと、側板113Rとを有する。
【0015】
芯棒141Rは、ロールペーパPの孔に挿入することで、ロールペーパPを回転自在に保持する。芯棒141Rは、基端部にねじ穴があり、ロールペーパホルダ部121Rの側板113Rにねじを介して取り付けられる。
本実施形態の芯棒141Rは、断面視で円形であり、ロールペーパPの孔に挿入できるように軸状である。また、芯棒141Rは、先端部が平面状で、長手方向に沿って同一の直径である。また、芯棒141Rには例えばステンレス鋼等の金属が用いられる。
【0016】
紙切り部151Rは、ロールペーパPの引き出されたペーパを切断する。紙切り部151Rは湾曲した板状であり、先端部に切断部を有する。また、紙切り部151Rは後端部が台座152Rと接続されている。紙切り部151Rは、台座152Rに対して上下方向に回転自在であり、自重により常にロールペーパPの外周面と接する。
【0017】
台座152Rは、紙切り部151Rと裏板112とを接続する。
図2(a)に示すように、台座152Rは後端が裏板112に接続され、紙切り部151Rを回転自在に支持する。なお、利用者がロールペーパPを交換するときに紙切り部151Rが邪魔にならないように、台座152Rは紙切り部151Rを上側の位置に停止させる機構を有していてもよい。
【0018】
本実施形態では、ロールペーパホルダ部121Rが筐体110の右側に位置し、ロールペーパホルダ部121Lが筐体110の左側に位置しており、ロールペーパホルダ部121Rとロールペーパホルダ部121Lとが左右方向(水平方向)に離れて配置されている。したがって、利用者は、自ら選択して取り出し易いロールペーパホルダ部121R、121Lを選択することができる。
【0019】
ここで、
図1に示すように、ロールペーパホルダ部121Rとロールペーパホルダ部121Lとの間における水平方向の距離L1は、使用するロールペーパPの幅以上である。ここで、水平方向の距離L1は、ロールペーパホルダ部121Rの紙切り部151Rの左端と、ロールペーパホルダ部121Lの紙切り部151Lの右端との間の距離である。また、ロールペーパPの幅は、ロールペーパPの一方側の端面から他方側の端面までの距離であり、
図2(b)に示す幅Wである。
【0020】
距離L1をロールペーパPの幅以上にするのは、利用者が取り出し易いロールペーパホルダ部121R、121Lを選択できるようにするのに加えて、後述するようにロールペーパホルダ部121Rとロールペーパホルダ部121Lとの間に予備のロールペーパPを待機させるためである。
具体的に、距離L1は10.5cm~50cmであることが好ましい。距離L1を10.5cm以上にするのは、一般的な幅10.5cmのロールペーパPをロールペーパホルダ部121Rとロールペーパホルダ部121Lとの間に待機させるためである。一方、距離L1を50cm以下にするのは、距離L1が50cmよりも大きいと、ロールペーパホルダ部121Rとロールペーパホルダ部121Lとが離れすぎてしまい、利用者が取り出し易いロールペーパホルダ部を選択することができないためである。
なお、距離L1は、紙切り部151Rの左端と紙切り部151Lの右端との間の距離である場合に限られず、芯棒141Rの先端部と芯棒141Lの先端部との間の距離であってもよい。
【0021】
次に待機部131について説明する。
待機部131は、ロールペーパホルダ部121R、121Lで保持されたロールペーパPが使い切った場合に交換する予備のロールペーパPを待機させる。待機部131は、ロールペーパホルダ部121Rとロールペーパホルダ部121Lとの間に配置される。
図3は、待機部131の構成の一例を示す図である。具体的に、
図3(a)は
図1に示すII-II線に沿って切断して矢印方向から見た待機部131の側面図であり、
図3(b)は待機部131の正面図である。
待機部131は、前板161と、底板164と、錠170とを有する。待機部131は、前板161と底板164とで囲まれた空間S内に予備のロールペーパPを待機させる。
【0022】
前板161は、空間Sを前側から覆う略板状である。前板161は、待機部131に予備のロールペーパPがあるか否かを確認できる確認窓162を有する。また、前板161は、右端部および左端部に切欠き部163R、163Lを有する。利用者は切欠き部163R、163Lを通してアクセスすることで、待機部131のロールペーパPをロールペーパホルダ部121R、121Lの方向に移動させることができる。また、前板161は、下端部が底板164の前端部と接続されており、底板164に対して上下方向(矢印A方向)に回転することで開閉する。
底板164は、空間Sを下側から覆う略板状である。
図3(a)に示すように、底板164は後端が裏板112に接続され、前板161を回転自在に支持する。
【0023】
錠170は、前板161を開閉できないように施錠する。錠170は、前板161に取り付けられる。錠170は天板111の前端部と係合する係合部171を有し、天板111の前端部と係合することで施錠され、天板111の前端部との係合が解除されることで解錠される。錠170が解錠されることで、前板161は底板164に対して回転でき、待機部131が開口するので待機部131に予備のロールペーパPを補充することができる。ここでは、待機部131の前側が開口するので、ロールペーパ供給装置100が取り付けられる壁面の反対側、すなわち待機部131の前側から予備のロールペーパPを補充することができる。なお、錠170は通常シリンダー錠を用いるが、前板161を開閉できないように施錠できるのであれば他の部品、方法を用いてもよい。
【0024】
本実施形態の待機部131は、予備のロールペーパPを左右方向に2つ並列して待機できるように構成される。このように、2つの予備のロールペーパPを待機させることで、2つのロールペーパホルダ部121R、121Lに保持されたロールペーパPを使い切った場合でもそれぞれ予備のロールペーパPを交換することができる。なお、一般的な幅10.5cmのロールペーパPを2つ並列させるためには、待機部131の左右の長さL2は21cm以上であることが好ましい。また、50cmよりも大きいとロールペーパホルダ部121Rとロールペーパホルダ部121Lとが離れすぎてしまうために、待機部131の左右の長さL2は50cm以下であることが好ましい。
【0025】
以上のように構成されるロールペーパ供給装置100において、補充者により待機部131にロールペーパPを補充する方法について説明する。なお、補充者とは、利用者とは異なり、ロールペーパPを主に補充する者をいう。
ロールペーパPの補充はロールペーパホルダ部121Rとロールペーパホルダ部121Lに対して行われるが、ロールペーパホルダ部121Rと、ロールペーパホルダ部121Lとは、ロールペーパ供給装置100の左右方向における中心線Cに対して対称な構成である。したがって、以下では、ロールペーパホルダ部121Rについて主に説明する。
【0026】
ここでは、芯棒141RにロールペーパPが挿入されておらず、かつ待機部131にもロールペーパPが待機していない状態とする。まず、補充者は、待機部131の錠170を解錠し、前板161を底板164に対して回転させて、待機部131の前側を開いた状態とする。
【0027】
次に、補充者は、待機部131の底板164上にロールペーパPを置き、ロールペーパホルダ部121Rの方向に移動させることで、ロールペーパPの孔に芯棒141Rが挿入される。このとき、芯棒141Rの先端部は待機部131と近接しているため、補充者はロールペーパPの孔に芯棒141Rの先端部を容易に挿入させることができる。
続いて、補充者は、待機部131の底板164上に新たなロールペーパPを置くことでロールペーパPを待機させることができる。最後に、補充者は、前板161を底板164に対して回転させて、待機部131の前側を閉じた状態にして、待機部131の錠170を施錠する。
【0028】
このように、本実施形態のロールペーパ供給装置100によれば、利用者がロールペーパPのペーパを取り出す際、水平方向に離して配置された2つのロールペーパホルダ部121R、121Lのうち、取り出し易いロールペーパホルダ部121R、121Lを選択することができる。したがって、利用者によらずペーパを取り出し易くすることができる。
なお、本実施形態ではロールペーパPは芯なしのものを想定しているが、芯ありのロールペーパPであってもよい。芯ありのロールペーパPの場合には、補充の際に、芯棒141R、141Lに残った芯を補充とは逆の方法で取り出すことで対応することができる。
【0029】
(第2実施形態)
第2実施形態に示すロールペーパ供給装置200は、芯棒241R、241Lが待機部131まで連続して延出する。また、芯棒241R、241Lは細軸状であり、孔の内径が小さいロールペーパPに用いることができる。ロールペーパPの孔の内径は、例えば略13mmである。なお、第1実施形態と同様の構成は同一符号を付して適宜、説明を省略する。
図4は、ロールペーパ供給装置200の外観の構成の一例を示す正面図である。
ロールペーパ供給装置200は、トイレブースの壁面に取り付けられ、筐体110と、2つのロールペーパホルダ部221R、221Lと、待機部131とを備える。
【0030】
本実施形態では、ロールペーパホルダ部221Rと、ロールペーパホルダ部221Lとは、ロールペーパ供給装置200の左右方向における中心線に対して対称な構成である。したがって、以下では、ロールペーパホルダ部221Rについて主に説明し、ロールペーパホルダ部221Lについては適宜、説明を省略する。
ロールペーパホルダ部221Rは、芯棒241Rと、紙切り部151Rと、台座152Rと、側板113Rとを有する。
【0031】
本実施形態の芯棒241Rは、断面視で円形であり、ロールペーパPの小径な孔に挿入できるように細軸状である。具体的には、芯棒241RはロールペーパPの内径13mmの孔に挿入できるように、直径が11mm~5mmであり、更に10mm~8mmであることが好ましい。また、芯棒241Rは、先端部が先細りの略半球状である。
【0032】
ここで、芯棒241Rと、芯棒241Lとはそれぞれ中心軸線が一致し、互いに対向して配置される。芯棒241Rの先端部と、芯棒241Lの先端部との間の水平方向の距離L3は、使用するロールペーパPの幅以上とする。具体的に、距離L3は10.5cm~50cmであることが好ましい。
また、本実施形態の芯棒241R、241Lは、待機部131まで連続して延出している。すなわち、
図4に示すように正面視において、芯棒241R、241Lは、少なくとも先端部が待機部131と重なり合うように配置されている。このように、芯棒241R、241Lを待機部131まで連続して延出させることで、待機部131に待機するロールペーパPの孔に芯棒241R、241Lを挿入した状態にすることができる。
なお、本実施形態の待機部131でも、予備のロールペーパPが左右方向に2つ並列して待機できるように構成されることから、待機部131の左右の長さは第1の実施形態と同様であることが好ましい。
【0033】
以上のように構成されるロールペーパ供給装置200において、補充者により待機部131にロールペーパPを補充する方法について説明する。ロールペーパPの補充はロールペーパホルダ部221Rとロールペーパホルダ部221Lに対して行われるが、ロールペーパホルダ部221Rと、ロールペーパホルダ部221Lとは、ロールペーパ供給装置200の左右方向における中心線に対して対称な構成である。したがって、以下では、ロールペーパホルダ部221Rについて主に説明する。
【0034】
ここでは、芯棒241RにロールペーパPが挿入されておらず、かつ待機部131にもロールペーパPが待機していない状態とする。まず、補充者は、待機部131の錠170を解錠し、前板161を底板164に対して回転させて、待機部131の前側を開いた状態とする。
【0035】
次に、補充者は、待機部131の底板164上であって芯棒241Rの先端部と芯棒241Lの先端部との間にロールペーパPを置き、ロールペーパホルダ部221Rの方向に移動させることで、ロールペーパPの孔に芯棒241Rが挿入される。このとき、芯棒241Rの先端部は待機部131に延出しているため、補充者はロールペーパPの孔に芯棒241Rの先端部を容易に挿入させることができる。
【0036】
続いて、補充者は、待機部131の底板164上であって芯棒241Rの先端部と芯棒241Lの先端部との間に新たなロールペーパPを置き、ロールペーパホルダ部221Rの方向に移動させることで、ロールペーパPの孔に芯棒241Rが挿入される。したがって、待機部131に位置するロールペーパPは、少なくとも芯棒241Rの先端部がロールペーパPの孔に挿入された状態で待機させることができる。なお、芯棒241Lが挿入されたロールペーパPが既に待機部131に待機している場合には、補充者は一度、芯棒241Lが挿入されたロールペーパPをロールペーパホルダ部221L側に移動させることで、芯棒241Rの先端部と芯棒241Lの先端部との間に、新たなロールペーパPを置くための空間を確保することができる。
【0037】
このように、本実施形態のロールペーパ供給装置200によれば、芯棒241R、241Lが待機部131まで連続して延出しているので、待機部131に位置するロールペーパPは、少なくとも芯棒241R、241Lの先端部がロールペーパPの孔に挿入された状態で待機させることができる。したがって、利用者がロールペーパPを使い切った場合に待機部131に待機している予備のロールペーパPに交換する場合に、芯棒241R、241Lが挿入されたロールペーパPをロールペーパホルダ部221R、221Lに移動させるだけでロールペーパPの交換をすることができる。すなわち、利用者はロールペーパPの孔に芯棒241R、241Lを挿入する作業を行うことなく、ロールペーパPを交換することができる。
【0038】
なお、本実施形態ではロールペーパPは芯なしであって孔の内径が小さいものを想定しているが、芯ありのロールペーパPあるいは通常の内径の場合であっても対応することができる。例えば、芯ありのロールペーパPの場合には、補充あるいは交換の際に、芯棒241R、241Lに残った芯を補充とは逆の方法で取り出すことで対応することができる。
【0039】
(第3実施形態)
第3実施形態に示すロールペーパ供給装置300は、2つのロールペーパホルダ部321R、321Lを水平方向に加えて、上下方向に離して配置する。また、芯棒341R、341Lが待機部131まで連続して延出する。また、芯棒341R、341Lは細軸状であり、孔の内径が小さいロールペーパPに用いることができる。なお、第1実施形態と同様の構成は同一符号を付して適宜、説明を省略する。
図5は、ロールペーパ供給装置300の外観の構成の一例を示す正面図である。
ロールペーパ供給装置300は、トイレブースの壁面に取り付けられ、筐体310と、2つのロールペーパホルダ部321R、321Lと、待機部131とを備える。
【0040】
本実施形態の筐体310は、天板311と、裏板312とを有する。
天板311は、左右の高さの位置が異なり、中央が傾斜している。具体的に、天板311は、中央から右側に向かうにしたがって高く、左側に向かうにしたがって低くなるように傾斜する。また、天板311の右側および左側は、上面が略水平な平らな面である。また、裏板312も、天板311に形状に合せて、左右の高さの位置が異なり、中央が傾斜している。
【0041】
本実施形態のロールペーパホルダ部321R、321Lは、水平方向に離して配置されると共に、それぞれ配置される高さが異なる。具体的に、ロールペーパホルダ部321Rが上側に配置され、ロールペーパホルダ部321Lが下側に配置される。したがって、利用者は、高さ方向において取り出し易いロールペーパホルダ部321R、321Lを選択することができる。
また、ロールペーパホルダ部321Rは、芯棒341Rと、紙切り部151Rと、台座152Rと、側板113Rとを有する。ロールペーパホルダ部321Lは、芯棒341Lと、紙切り部151Lと、台座152Lと、側板113Lとを有する。
【0042】
本実施形態の芯棒341R、341Lは、断面視で円形であり、ロールペーパPの小径な孔に挿入できるように細軸状である。
芯棒341Rは、基端部と先端部との間に曲部361Rを有する。芯棒341Rは、基端部から曲部361Rまで左右方向に沿って直線状に延出し、曲部361Rで曲がることにより曲部361Rから先端部に向かうにしたがって下側に傾斜する。
芯棒341Lは、基端部と先端部との間に曲部361Lを有する。芯棒341Lは、基端部から曲部361Lまで左右方向に沿って直線状に延出し、曲部361Lで曲がることにより曲部361Lから先端部に向かうにしたがって上側に傾斜する。
【0043】
ここで、芯棒341Rにおける曲部361Rの水平面に対する角度、芯棒341Lにおける曲部361Lの水平面に対する角度をαとすると、αは0°以上90°以下の鋭角であり、より好ましくは10°~30°である。ここで、角度αを10°以上にするのは、10°よりも小さい場合にロールペーパホルダ部321Rとロールペーパホルダ部321Lとの高さ方向の距離が短いために、利用者の体の大きさ等により取り出し易いロールペーパホルダ部を選択する意義が少なくなるためである。一方、角度αを30°以下にするのは、30°よりも大きい場合に自重により全てのロールペーパPが下側のロールペーパホルダ部321Lに移動してしまうためである。
【0044】
また、芯棒341Rの先端部と、芯棒341Lの先端部とはそれぞれ中心軸線が一致し、互いに対向して配置される。芯棒341Rの先端部と、芯棒341Lの先端部との間の距離L4は、使用するロールペーパPの幅以上とする。具体的に、距離L4は10.5cm~50cmであることが好ましい。
【0045】
また、本実施形態の芯棒341R、341Lは、待機部131まで連続して延出している。すなわち、
図5に示すように正面視において、芯棒341R、341Lは、少なくとも先端部が待機部131と重なり合うように配置されている。
なお、本実施形態の待機部131でも、予備のロールペーパPが2つ並列して待機できるように構成されることから、待機部131の長さは第1の実施形態と同様であることが好ましい。
【0046】
また、本実施形態の待機部131は第1の実施形態と同一の構成であるが、天板311および裏板312のうち傾斜した中央に接続されているために、天板311および裏板312の傾斜方向と同方向に傾斜して配置される。待機部131が水平面に対する傾斜して配置される角度は、曲部361R、361Lの角度αと略同一の角度である。
【0047】
以上のように構成されるロールペーパ供給装置300において、補充者により待機部131にロールペーパPを補充する方法について説明する。
ロールペーパPの補充はロールペーパホルダ部321Rとロールペーパホルダ部321Lに対して行われるが、ロールペーパホルダ部321Rと、ロールペーパホルダ部321Lとは、芯棒341Rと芯棒341Lとが異なる以外は同様の構成である。したがって、以下では、ロールペーパホルダ部321Rについて主に説明する。
【0048】
ここでは、芯棒341RにロールペーパPが挿入されておらず、かつ待機部131にもロールペーパPが待機していない状態とする。まず、補充者は、待機部131の錠170を解錠し、前板161を底板164に対して回転させて、待機部131の前側を開いた状態とする。
【0049】
次に、補充者は、待機部131の底板164上であって芯棒341Rの先端部と芯棒341Lの先端部との間にロールペーパPを置き、ロールペーパホルダ部321Rの方向に移動させることで、ロールペーパPの孔に芯棒341Rが挿入される。したがって、待機部131に位置するロールペーパPは、少なくとも芯棒341Rの先端部がロールペーパPの孔に挿入された状態で待機させることができる。なお、芯棒341Lが挿入されたロールペーパPが既に待機部131に待機している場合には、補充者は一度、芯棒341Lが挿入されたロールペーパPをロールペーパホルダ部321L側に移動させることで、芯棒341Rの先端部と芯棒341Lの先端部との間に、新たなロールペーパPを置くための空間を確保することができる。待機部131に待機しているロールペーパPは、ロールペーパホルダ部321Lの方向に自重で移動しないように、待機部131の底板164との摩擦で規制してもよく、曲部361LとロールペーパPの孔の内周部とが接する摩擦で規制してもよく、紙切り部151LとロールペーパPとが接することで規制してもよい。
【0050】
なお、本実施形態ではロールペーパPは芯なしのもので孔の内径が小さいものを想定しているが、芯ありのロールペーパPあるいは通常の内径の場合であっても対応することができる。例えば、芯ありのロールペーパPの場合には、補充あるいは交換の際に、芯棒341R、341Lに残った芯を補充とは逆の方法で取り出すことで対応することができる。
【0051】
このように、本実施形態のロールペーパ供給装置300によれば、利用者はロールペーパPのペーパを取り出す際、水平方向に加えて、上下方向に離して配置された2つのロールペーパホルダ部321R、321Lのうち、取り出し易いロールペーパホルダ部321R、321Lを選択することができる。したがって、利用者によらずペーパを取り出し易くすることができる。また、トイレブースが狭い場所であっても、高さを利用することで、距離の離れたロールペーパホルダ部321R、321Lを配置することができる。
【0052】
また、本実施形態のロールペーパ供給装置300によれば、芯棒341R、341Lが待機部131まで連続して延出しているので、待機部131に位置するロールペーパPは、少なくとも芯棒341R、341Lの先端部がロールペーパPの孔に挿入された状態で待機させることができる。したがって、利用者がロールペーパPを使い切った場合に待機部131に待機している予備のロールペーパPに交換する場合に、芯棒341R、341Lが挿入されたロールペーパPをロールペーパホルダ部321R、321Lに移動させるだけでロールペーパPの交換をすることができる。
【0053】
以上、本発明を種々の実施形態を用いて説明したが、本発明は上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲内で変更等が可能であり、上述した実施形態および変形例を適宜、組み合わせてもよい。
第1実施形態~第3実施形態では、ロールペーパ供給装置100、200、300が2つのロールペーパホルダ部121R、221R、321R、121L、221L、321Lを備える場合について説明したが、この場合に限られず、3つ以上のロールペーパホルダ部を備えていてもよい。この場合、3つ以上のロールペーパホルダ部のうち2つのロールペーパホルダ部を、少なくとも水平方向に離して配置することで、利用者によらずペーパを取り出し易くすることができる。
【0054】
例えば、第1実施形態で説明した、芯棒141R、141Lを、第3実施形態で利用する芯棒341R、341Lと置き換えてもよい。
また、第3実施形態ではロールペーパホルダ部321Rを上側にロールペーパホルダ部321Lを下側に配置した場合について説明したが、この場合に限られない。例えば、ロールペーパホルダ部321Rを下側に、ロールペーパホルダ部321Lを上側にそれぞれ配置してもよい。
【符号の説明】
【0055】
110:筐体 131:待機部 141R、141L、241R、242R、341R、341L:芯棒 121R、121L、221R、221L、321R、321L:ロールペーパホルダ部 111:天板 162:底板 112:裏板 113R、113L:側板 161:前板 151R、151L:紙切り部 170:鍵 100、200、300:ロールペーパ供給装置