(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-08
(45)【発行日】2023-09-19
(54)【発明の名称】グリストラップの排液処理方法及び排液処理装置
(51)【国際特許分類】
C02F 1/58 20230101AFI20230911BHJP
E03F 5/16 20060101ALI20230911BHJP
【FI】
C02F1/58 B
E03F5/16
(21)【出願番号】P 2020081908
(22)【出願日】2020-05-07
(62)【分割の表示】P 2019129920の分割
【原出願日】2019-07-12
【審査請求日】2022-07-11
(73)【特許権者】
【識別番号】504233362
【氏名又は名称】株式会社日本エコシス
(74)【代理人】
【識別番号】100144749
【氏名又は名称】小林 正英
(74)【代理人】
【識別番号】100076369
【氏名又は名称】小林 正治
(72)【発明者】
【氏名】深町 五一
【審査官】山崎 直也
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-187573(JP,A)
【文献】特開2012-050918(JP,A)
【文献】特開2012-106247(JP,A)
【文献】特開2002-001324(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C02F 1/58- 1/64
1/40
E03F 5/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
グリストラップ内の排液を鹸化剤と攪拌混合して石鹸液にすることのできる排液処理方法において、
グリストラップ内に
筒状の回収容器を配置し、当該回収容器内にグリストラップ内の上部の排液を流入させ、
グリストラップ内の排液又は回収容器
内又は水中ポンプに鹸化剤を入れ、
回収容器内の排液を、
回収容器内に配置した水中ポンプで汲み上
げて排液と鹸化剤を攪拌混合させて排液を石鹸液にし、石鹸液をグリストラップ内の排液又はグリストラップの外部に排出する、
ことを特徴とするグリストラップの排液処理方法。
【請求項2】
請求項1記載のグリストラップの排液処理方法において、
水中ポンプからグリストラップ内へ
の石鹸液の吐出、水中ポンプによる回収容器内の排液の汲み上げ、水中ポンプによる排液と鹸化剤の攪拌混合、水中ポンプからグリストラップ内
の排液への石鹸液の吐出を繰り返す、
ことを特徴とするグリストラップの排液処理方法。
【請求項3】
請求項1又は請求項2記載のグリストラップの排液処理方法において、
水中ポンプの稼働タイミング及び稼働時間、鹸化剤の投入タイミング及び投入量を自動的に制御して、水中ポンプによる回収容器内の排液の汲み上げ、汲み上げた排液と鹸化剤との攪拌混合
、水中ポンプからの石鹸液の吐出を繰り返して、
グリストラップ内の排液を石鹸液にする、
ことを特徴とするグリストラップの排液処理方法。
【請求項4】
グリストラップ内の排液を鹸化剤と攪拌混合して石鹸液にすることのできる排液処理装置において、
グリストラップ内に配置する回収容器と水中ポンプ
と、鹸化剤を備え、
回収容器は周壁を備えており、グリストラップ内に設置でき、
水中ポンプは回収容器内に設置され、
水中ポンプは、グリストラップから回収容器に流入する排液を汲み上げることができ、汲み上げ中に排液と鹸化剤を攪拌混合して排液を石鹸液にすることができる、
ことを特徴とするグリストラップの排液処理装置。
【請求項5】
請求項4記載のグリストラップの排液処理装置において、
回収容器
は上面開口部を備えた筒状
であり、上面開口部からグリストラップ内の上部の排液が流入できる、
ことを特徴とするグリストラップの排液処理装置。
【請求項6】
請求項4又は請求項5記載のグリストラップの排液処理装置において、
回収容器の周壁
の上部に、グリストラップ内の上部の排液が流入できる流入口がある、
ことを特徴とするグリストラップの排液処理装置。
【請求項7】
請求項4から請求項6のいずれか1項に記載のグリストラップの排液処理装置において、
鹸化剤容器内の鹸化剤を、グリストラップ内の排液、又は回収容器内に流入した排液、又は水中ポンプ内に供給できる、
ことを特徴とするグリストラップの排液処理装置。
【請求項8】
請求項4から請求項7のいずれか1項に記載のグリストラップの排液処理装置において、
少なくとも、水中ポンプの稼働タイミング及び稼働時間、鹸化剤の投入タイミング及び投入量、水中ポンプによる排液の汲み上げ、鹸化剤の攪拌混合の繰り返しを制御することができる制御部を備えた、
ことを特徴とするグリストラップの排液処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、給食センタ-、レストラン、ホテル、食物加工所、スーパー、デパート、病院といった各種施設の厨房、その他の調理場等の内部又は屋外に設置されているグリストラップや排液タンク内の排液を処理する排液処理方法とその排液処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
給食センタ-、飲食店、ホテル、食物加工所、スーパー、デパート、病院、外食店などの厨房においては、調理油、生ごみ、食べ残しの食物類、箸、爪楊枝、紙屑、ビニール屑、その他の塵芥、それらに伴う液体等(以下、これらを「排液」という。)が日常的に発生する。わが国では前記排液を下水管、排水管に排水することは禁止されているため、現在は厨房内又は外に設置されている貯液槽(グリストラップ)に前記排液を溜めておき、グリストラップ内の排液を、例えば、週に一度、月に一度といったように定期的に清掃業者に依頼して清掃しているのが実情である。グリストラップ以外にも排液を貯める簡易型グリストラップや、他の構成の排液タンクが使用されることもある。
【0003】
グリストラップ、簡易型グリストラップ、排液タンク等(以下、これらをまとめて「グリストラップ」という。)は定期的に処理されている。現在の定期的な排液処理方法では、清掃業者が排液処理した後に、排液を中和剤で中和してから下水道や浄化槽に排出する必要があるため二次的な作業や費用がかかり、コスト高になる。また、次回の定期清掃日前にグリストラップ内が排液で満杯になり、その排液が排水管や下水管に未処理のまま流れ出てしまうことがあり、環境汚染や厨房内の悪臭の原因となっていた。
【0004】
本願発明者は先に特許文献1~6に示すグリストラップの排液処理装置を開発した。これはグリストラップ内の排液をポンプで吸引し、ポンプ内で排液と鹸化剤を攪拌混合して石鹸液にするものである。
【0005】
特許文献1~6の排液処理装置によれば、グリストラップ内の排液を石鹸液にしてグリストラップに戻したり、排水管や下水管に流したりすることができるので、それら管が詰まりにくい、石鹸液でグリストラップを清掃することができるといった利点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2010-149101号公報
【文献】特開2012-050918号公報
【文献】特開2012-106247号公報
【文献】特開2012-223767号公報
【文献】特開2013-146686号公報
【文献】特開2013-208616号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
排液には油脂分があり、油脂分は比重の関係で水分の上に浮く。しかし、上記特許文献1~6記載の排液処理装置は、グリストラップ内の排液にホース入れてポンプで汲み上げるため、どうしても排液中の下方にある水分が多く汲み上げられる。このため、ポンプで攪拌混合する排液量が多くなり、排液中の油脂分を効率良く石鹸液にしにくかった。ポンプに陸上用のポンプ、例えばベーンポンプを使用していたため、油脂分を含む排液を処理することにより稼働が不調になることがあった。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明はグリストラップ内の排液、特に油脂分を効率良く石鹸液(乳化液状態を含む)にすることができる排液処理方法及び排液処理装置を提供するものである。
【0009】
本発明のグリストラップの排液処理方法は、グリストラップ内の排液内に鹸化剤を投入し、鹸化剤入りの排液を、当該排液内の水中ポンプで汲み上げて排液と鹸化剤とを攪拌混合して排液を石鹸液にする方法である。この場合、攪拌混合された排液をグリストラップ内に吐出し、前記汲み上げ、攪拌混合、吐出を繰り返し行ってグリストラップ内の排液を石鹸液にすることもできる。汲み上げ、攪拌混合、吐出の繰り返し時間は任意の時間に設定することができる。水中ポンプで汲み上げるのは主として排液の上方に浮上している油脂分が望ましい。鹸化剤は水中ポンプで攪拌混合中の排液に投入することもできる。
【0010】
本発明のグリストラップの排液処理方法は、グリストラップ内の排液の油脂分(水分を含む)を、当該排液内に入れた回収容器内に回収し、回収した油脂分を回収容器内に設置した水中ポンプで汲み上げ、攪拌混合して石鹸液にすることもできる。
【0011】
本発明のグリストラップの排液処理装置は、グリストラップ内の排液内に入れた水中ポンプと、鹸化剤容器に収容された鹸化剤と、制御部を備える。水中ポンプはグリストラップ内の排液を汲み上げて鹸化剤と攪拌混合し、混合液を排液内に吐出し、この汲み上げ、攪拌混合、吐出を繰り返し行ってグリストラップ内の排液を石鹸液にすることができるものである。
【0012】
水中ポンプは主として排液の上方に浮上する油脂分を汲み上げて、油脂分を効率良く石鹸液にすることができるようにするのが望ましい。そのため、水中ポンプをグリストラップ内の排液内の上部(油脂分が浮上しやすい箇所)に設置するのが望ましい。水中ポンプが縦型の場合は横向きにして排液内の上部に配置するのが望ましい。排液内に回収容器を設置して、その回収容器に主として排液中の油脂分が回収されるようにし、回収された油脂分を、回収容器内に配置した水中ポンプで汲み上げて鹸化剤と攪拌混合できるようにすることもできる。
【0013】
制御部は少なくとも水中ポンプの稼働タイミング及び稼働時間を制御可能である。鹸化剤の投入タイミング及び投入量を制御可能とすることもできる。制御部は前記制御だけでなく、前記稼働タイミング及び稼働時間、前記投入タイミング及び投入量の設定、調整等をすることもできる。
【発明の効果】
【0014】
本発明のグリストラップの排液処理方法は次のような効果がある。
(1)グリストラップ内の排液、主として油脂分を効率良く、迅速に石鹸液にすることができる。
(2)排液を石鹸液にするため、下水道や浄化槽に流しても、油脂分を含んだ排液をそのまま流す場合のように油脂分による下水道の詰まり、環境汚染の問題がない。
(3)石鹸液によりグリストラップや浄化槽内の汚れが落ちて清浄化され易く、石鹸液の排出により下水管、下水道内の油脂分も清浄化され易く、グリストラップや厨房を衛生的に維持することができる。
【0015】
本発明のグリストラップの排液処理装置は次のような効果がある。
(1)水中ポンプで攪拌混合するため、陸上用のポンプ、例えばベーンポンプで排液を処理する場合に生じがちな故障、その他のトラブルが生じにくい。
(2)制御部で水中ポンプの稼働タイミング及び稼働時間、鹸化剤の投入タイミング及び投入量等を設定、調整、制御等ができるので、排液を自動的に効率良く石鹸液にすることができる。
(3)水中ポンプをグリストラップの排液内に入れたままにしておく設置タイプであるため、グリストラップの周りにポンプを設置するスペースを確保する必要がなく、狭いスペースでも排液処理ができる。
(4)グリストラップの排液内に回収容器を入れて排液の油脂分を回収し、回収された油脂分を回収容器内の水中ポンプで処理するため、油脂分を効率良く石鹸液にすることができる。
(5)縦置き型の水中ポンプを、横向きにして、排液内の上部に配置するので、グリストラップ内の排液中の主として油脂分を効率良く石鹸液にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明のグリストラップの排液処理方法及び排液処理装置の実施形態の一例を示す説明図。
【
図2】本発明のグリストラップの排液処理方法及び排液処理装置の実施形態の他例を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
[汎用のグリストラップ]
通常、グリストラップA(
図4)内には厨房などから排液(通常、塵芥が含まれている)Bが排出され、排液Bに含まれる塵芥はバスケットCで回収され、油脂分を含む排液BがグリストラップA内に滞留する。グリストラップA内は数枚の仕切りDで水速が減速され、油脂分Eが比重で水分(通常、汚泥を含む)Fの上に滞留し、水分FがトラップGを経て徐々に下水道や浄化槽に排出される。グリストラップA内の水分Fの上部に溜まった油脂分Eは主としてグリセリンと脂肪酸が結合したものである。
【0018】
(グリストラップの排液処理方法の実施形態)
本発明のグリストラップの排液処理方法は、グリストラップ(タンク等を含む)内の排液、主として油脂分を効率良く石鹸液にする方法である。その排液処理方法の実施形態を以下に説明する。この実施形態はグリストラップA内の排液Bに鹸化剤容器1内の鹸化剤Hを入れ、グリストラップA内の水中ポンプ2で排液Bと鹸化剤Hを攪拌混合して排液Bを石鹸液にする場合である。より詳しくは、グリストラップA内の油脂分Eと水分Fを化学反応で脂肪酸に変化させて(グリセリンと切り離して)石鹸液にする場合である。油脂を脂肪酸とすることで、油脂分Eそのものより生分解性がはるかに高まる。本発明における石鹸液は必ずしも十分に石鹸化されて石鹸液ではなく、乳化状態のものも含む。鹸化剤Hは排液Bに入れるのではなく、水中ポンプ2に投入して、水中ポンプ2内の排液に入れることもできる。水中ポンプ2には汎用の水中ポンプを使用することができる。
【0019】
本発明における鹸化剤Hは油脂分Eと攪拌混合することにより化学反応で油脂分を脂肪酸に変化させて(グリセリンと切り離して)石鹸液にすることができるものであり、汎用の鹸化剤であり、乳化剤、洗剤、界面活性剤といった各種処理剤を含む。排液Bへの鹸化剤Hの投入量はグリストラップA内の排液Bの量や油脂分Eの過多、油脂の成分等(排液の質)等に応じて任意に設定可能である。
【0020】
水中ポンプ2の稼働タイミングや稼働時間、鹸化剤Hの投入タイミングや投入量等もグリストラップA内の排液Bの量や質、鹸化剤Hの種類や質等に応じて任意に設定、調節、制御可能である。水中ポンプ2の稼働タイミングは、例えば、1日1回あるいは1日数回、所定時になると自動的に稼働を開始するタイミングであり、稼働時間は1回の連続稼働時間である。鹸化剤の投入タイミングは、例えば、1日1回あるいは1日数回、所定時になると自動的に投入を開始するタイミングであり、投入量は1回の投入量である。これらタイミングや回数は他のタイミングや回数とすることもできる。
【0021】
水中ポンプ2で攪拌混合されて石鹸液となった排液は水中ポンプ2から外部に吐出して、下水道や浄化槽等に排出(強制排出)させることができるが、一度の攪拌混合では十分に石鹸液にすることができない場合は、水中ポンプ2で攪拌混合された混合液をグリストラップA内の排液Bに吐出し、グリストラップA内の排液Bを水中ポンプ2で汲み上げて攪拌混合を繰り返すことにより確実に石鹸液にすることができる。
【0022】
水中ポンプ2で汲み上げる排液Bは、主として油脂分Eとするのが望ましく、そのようにすると、油脂分Eを効率良く石鹸液にすることができる。そのためには、
図1のように、水中ポンプ2を、油脂分Eが浮上する排液Bの上部に配置するとか、
図2のように、グリストラップA内に回収容器3を入れ、その回収容器3内に水中ポンプ2を入れて、回収容器3内に回収された油脂分Eを水中ポンプ2で汲み上げて鹸化剤Hと攪拌混合することができる。
【0023】
(グリストラップの排液処理装置の実施形態1)
本発明のグリストラップの排液処理装置の第1の実施形態を
図1に示す。この排液処理装置は水中ポンプ2と、鹸化剤容器1内に収容された鹸化剤Hと、制御部4を備える。水中ポンプ2は市販されている汎用の水中ポンプであり、縦長であり、下方に汲み上げ口があり、水中に縦向きに配置して使用する縦型である。縦型の水中ポンプ2をグリストラップAの排液B内に縦向きに配置すると、汲み上げ口が排液Bの下方に位置し、主として排液B中の水分Fを汲み上げることになり、水分Fが鹸化剤Hと攪拌混合されるが、排液B中の油脂分Eは攪拌混合されにくくなる。そこで、本発明では、縦型の水中ポンプ2を
図1のように横向きに配置して、汲み上げ口を排液B内の上部の油脂分Eの位置に配置して、主として油脂分Eを汲み上げて鹸化剤Hと攪拌混合して石鹸液にすることができるようにしてある。この場合、排液B内に支持台5を設置して、その上に水中ポンプ2を横向きに設置するとか、水中ポンプ2を横向きにして排液B内に吊り下げたりすることができる。横型の水中ポンプ2があれば、それを横向きにして排液B中に配置することができる。
【0024】
水中ポンプ2は攪拌混合して石鹸液となった排液を外部に吐出して、下水道や浄化槽等に排出させることができるが、一度の攪拌混合では十分に石鹸液にすることができない場合は、水中ポンプ2で攪拌混合された排液をグリストラップA内の排液Bに吐出し、グリストラップA内の排液Bを水中ポンプ2で汲み上げて攪拌混合を繰り返すことにより確実に石鹸液にすることができる。この場合は、グリストラップA内の排液(石鹸液)Bがオーバーフローして外部に自然排出されるようにしたり、開閉弁6(
図1)を開閉して外部に排出したりすることもできる。
【0025】
石鹸液を排出する場合は、石鹸液に混入している塵芥を回収してから排出することが望ましい。塵芥の除去にはバスケット7とか、その他の通気性のある穴あき容器等を使用することができる。塵芥が少ない場合は塵芥を回収せずに排出することもできる。塵芥除去後に、フィルタ(図示せず)を通して外部に排出するのが望ましい。フィルタは石鹸液内の異物を除去する濾過機能を有するのは勿論であるが、その他に、脱色、脱臭、脱油、塩素除去、全酸化除去等の各種機能を備えたものが望ましい。フィルタは石鹸化液の排出経路に二段或いは二層以上設けることができる。
【0026】
排液Bと鹸化剤Hの混合比率は、石鹸化効率やコスト等の面から、5:1程度が好ましいが、この比率は排液Bの汚れ具合によって変えることができ、汚れが著しい場合は鹸化剤Hを前記割合よりも多くし、汚れが少ない場合は鹸化剤Hを少なくすることができる。前記フィルタを使用すること、前記混合比率は以下の実施形態でも同じである。
【0027】
制御部4は、少なくとも、水中ポンプ2の稼働タイミング及び稼働時間、鹸化剤の投入タイミング及び投入量等を設定したり、調節したり、制御したりすることができるものである。水中ポンプ2の稼働タイミングは、例えば、1日1回あるいは1日数回、所定時になると自動的に稼働を開始するタイミングであり、稼働時間は1回の連続稼働時間である。鹸化剤の投入タイミングは、例えば、1日1回あるいは1日数回、所定時になると自動的に投入を開始するタイミングであり、投入量は1回の投入量である。これらタイミングは数日ごとの定時にするとか、グリストラップの排液Bが所定量になったことがセンサーで検知されたとき、といったタイミングとすることができる。制御部4は所望とする他の諸条件の設定、調節、制御が可能である。
【0028】
(グリストラップの排液処理理装置の実施形態2)
本発明のグリストラップの排液処理方法の第2の実施形態を
図2に基づいて以下に説明する。この実施形態は、基本的には実施形態1(
図1)と同じであり、異なるのは、
図2のようにグリストラップA内に回収容器3を入れ、その回収容器3内にグリストラップA内の排液Bを流入させ、回収容器3内の排液を、回収容器3内に入れてある水中ポンプ2で汲み上げて鹸化剤Hと攪拌混合して石鹸液にすることである。
【0029】
回収容器3は上面開口で有底の筒状であり、上面開口部を排液Bが流入口とすることも、回収容器3の周壁に穴を開けて流入口とすることもできる。いずれにしても流入口は回収容器3の上部に設けて、主として、排液Bの上部の油脂分Eが流入するようにする。
【0030】
この実施形態でも、排液を繰り返し汲み上げて攪拌混合して石鹸液にすること、石鹸化液に含まれる塵芥をフィルタで回収除去(濾過)すること、フィルタで脱色、脱臭などしてからグリストラップAの内部又は外部に排出することは実施形態1の場合と同様である。
【産業上の利用可能性】
【0031】
前記実施形態は本発明の課題解決のための主な例である。本発明は課題を解決可能な限りにおいて設計変更することができるし、他の機器を付加することも、他の機器に変更することもできる。
【符号の説明】
【0032】
1 鹸化剤容器
2 水中ポンプ
3 回収容器
4 制御部
5 支持台
6 開閉弁
7 バスケット
A グリストラップ
B 排液
C バスケット
D 仕切り
E 油脂分
F 水分
G トラップ
H 鹸化剤