(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-08
(45)【発行日】2023-09-19
(54)【発明の名称】リン酸塩誘導体およびその用途
(51)【国際特許分類】
C07F 9/38 20060101AFI20230911BHJP
C07F 9/58 20060101ALI20230911BHJP
C07F 9/655 20060101ALI20230911BHJP
C07F 9/6533 20060101ALI20230911BHJP
C07F 9/6509 20060101ALI20230911BHJP
A61K 31/663 20060101ALI20230911BHJP
A61K 31/662 20060101ALI20230911BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20230911BHJP
A61P 35/02 20060101ALI20230911BHJP
A61K 45/00 20060101ALI20230911BHJP
【FI】
C07F9/38 C CSP
C07F9/38 E
C07F9/58 B
C07F9/655
C07F9/38 B
C07F9/6533
C07F9/6509 Z
A61K31/663
A61K31/662
A61P35/00
A61P35/02
A61K45/00
(21)【出願番号】P 2021501068
(86)(22)【出願日】2019-03-25
(86)【国際出願番号】 CN2019079492
(87)【国際公開番号】W WO2019184866
(87)【国際公開日】2019-10-03
【審査請求日】2020-11-05
(31)【優先権主張番号】201810275072.5
(32)【優先日】2018-03-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】521521884
【氏名又は名称】上海昇悦医薬科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】Shanghai Shengyue Pharmaceutical Technology Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】J, building 6, 1288 Yecheng Road, Jiading District, Shanghai 201800, China
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】朱 青
【審査官】高橋 直子
(56)【参考文献】
【文献】特開昭60-208991(JP,A)
【文献】特開平03-109497(JP,A)
【文献】特開2016-224409(JP,A)
【文献】特表平10-506927(JP,A)
【文献】米国特許第04898724(US,A)
【文献】J. Med. Chem.,1990年,33,2916-2924
【文献】J. Med. Chem.,42,1999年,2542-2560
【文献】Journal of the American Chemical Society,1977年,99:17,5785-5795
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07F 9/38
C07F 9/58
C07F 9/655
C07F 9/6533
C07F 9/6509
A61K 31/663
A61K 31/662
A61P 35/00
A61P 35/02
A61K 45/00
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式のいずれかで示される化合物、またはその互変異性体、メソ体、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオマー、またはその混合物形態、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項2】
治療有効量の請求項1に記載の化合物またはその互変異性体、メソ体、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオマー、またはその混合物形態、またはその薬学的に許容される塩、ならびに1つもしくは複数の薬学的に許容される担体、希釈剤または賦形剤を含む医薬組成物。
【請求項3】
がんを予防および/または治療するための薬物
の調製における、請求項1に記載の化合物またはその互変異性体、メソ体、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオマー、またはその混合物形態、またはその薬学的に許容される塩、または請求項2に記載の医薬組成物の使用。
【請求項4】
前記がんは、乳がん、子宮頸がん、結腸がん、肺がん、胃がん、直腸がん、膵臓がん、脳がん、皮膚がん、口腔がん、前立腺がん、骨がん、腎臓がん、卵巣がん、膀胱がん、肝がん、卵管腫瘍、卵巣腫瘍、腹膜腫瘍、IV期黒色腫、神経膠腫、神経膠芽腫、肝細胞がん、乳様突起腎腫瘍、頭頸部腫瘍、白血病、リンパ腫、骨髄腫、非小細胞肺がん、頭頸部がん、子宮がん、精巣がん、卵管がん、子宮内膜がん、膣がん、外陰がん、肛門がん、食道がん、小腸がん、内分泌系がん、甲状腺がん、副甲状腺がん、副腎がん、尿道がん、陰茎がん、移行上皮がん、尿管がん、腎細胞がん、腎盂がん、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫、軟部肉腫、小児固形腫瘍、リンパ球性リンパ腫、中枢神経系(CNS)腫瘍、原発性中枢神経系リンパ腫、腫瘍血管新生(tumor angiogenesis)、脊髄腫瘍、脳幹神経膠腫、下垂体腺腫、黒色腫、カポジ肉腫、類表皮癌、扁平上皮癌(squamous cell carcinoma)、T細胞リンパ腫、慢性または急性白血病、および/または前記様々ながんの組み合わせを含むことを特徴とする
請求項3に記載の使用。
【請求項5】
がん転移を阻害するための薬物の調製における、請求項1に記載の化合物またはその互変異性体、メソ体、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオマー、またはその混合物形態、またはその薬学的に許容される塩、または請求項2に記載の医薬組成物の使用。
【請求項6】
アシドーシス(acidosis)によって引き起こされる疾患を予防および/または治療するための薬物の調製における、請求項1に記載の化合物またはその互変異性体、メソ体、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオマー、またはその混合物形態、またはその薬学的に許容される塩、または請求項2に記載の医薬組成物の使用。
【請求項7】
がんの治療またはがん転移を阻害するための薬物の調製における、請求項1に記載の化合物またはその互変異性体、メソ体、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオマー、またはその混合物形態、またはその薬学的に許容される塩の、少なくとも1つの他の抗癌剤との組み合わせによる使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療技術の分野に関し、具体的には、腫瘍の増殖および転移を阻害するためのリン酸塩誘導体およびその用途に関する。
【背景技術】
【0002】
固形腫瘍の微小環境特性は、細胞外低pH、低酸素濃度、高グルコース吸収率を含む。これらの3つは密接に関連しており、互いに協力して、腫瘍の発生、増殖、浸潤、転移を促進する。糖代謝はミトコンドリアの酸化的リン酸化と解糖の2つの経路がある。正常細胞は好気性循環ミトコンドリアによって酸化的にリン酸化され、がん細胞は解糖(嫌気性および好気性解糖)によって代謝される。研究によると、腫瘍細胞には非常に高いグルコース摂取量があり、PET(陽電子放出断層撮影)はこの原理を使用して、2-18F-2-デオキシグルコースで画像化した。悪性腫瘍は急速に増殖し、同様に大量のグルコースを消費するため、放射性医薬品の蓄積が多くて、撮影できる。がん細胞は非常に速く成長し、成長が速すぎると細胞が無酸素状態になることが多いため、がん細胞はミトコンドリアを必要とする好気性酸化を止め、エネルギーはグルコースの嫌気性解糖によって提供される。グルコースがピルビン酸に代謝された後、ミトコンドリアのトリカルボン酸サイクルによって好気的に酸化されず、乳酸に変換され、乳酸脱水素酵素(LDH)によって細胞を排出する。低酸素症はまた解糖作用を自然に悪化させ、解糖の最終産物は乳酸である。がん細胞の異常な代謝は、腫瘍組織の酸性環境を引き起こす。がん細胞は酸性環境でよりよく繁殖する。解糖によって生成される乳酸は、正常細胞に対するがん細胞の攻撃性を大幅に促進するとともに、がん細胞自体の適応性と調節を促進する。低酸素酸性微小環境は、従来の化学療法に対する腫瘍耐性を媒介し、放射線療法も免疫療法耐性において非常に重要な役割を果たす。
【0003】
悪性腫瘍の末梢微小環境のpH(pHe)は6.5~6.9であり、コアは6.2に達する可能性もあり、正常細胞は7.3~7.5である。正常な人の唾液のpHは6.5~7.4であるが、がん患者は4.5~5.7と低くなることがある。
【0004】
悪性腫瘍の末梢酸性微小環境は、主に次の側面によって生成される:Wargurg効果は乳酸の凝集をもたらし、低酸素は炭酸脱水酵素とプロトン輸送体の機能を駆動し、2つの組み合わせにより、腫瘍細胞の外部環境のpHの低下をもたらし;腫瘍細胞は大量のアフターグルコースを吸収した後、高効率解糖によって生成された大量の乳酸は、モノカルボン酸輸送ポンプ(MCT)によって腫瘍微小環境に輸送することができ;細胞内CO2は拡散により細胞外空間に放出され、腫瘍組織細胞の低酸素症により、低酸素誘導因子1(hypoxia-inducible fac-tor 1、HIF-1)は、腫瘍細胞でCA-IXの高発現を誘導し、CO2とH2Oの反応を触媒して炭酸を形成させる。したがって、解糖と低酸素症は腫瘍細胞の酸性微小環境の主な経路である(Modern Biomedical Progress 2014,Vol.14 NO.19,3775-3777)。
【0005】
乳酸には、L-乳酸とD-乳酸の2種類がある。がん細胞で産生される乳酸のほとんどはD-乳酸である。細胞内のD-乳酸の濃度が高すぎ、メチルグリオキサール(methylglyoxal)の濃度が低すぎると、がんが形成される。以下の見解がある:通常の状況下では、腸粘膜はD-乳酸にバリア機能があり、大量のD-乳酸が糞便から排泄されるため、一般的にはがんを引き起こさず;腸粘膜が損傷し、腸管手術、腸炎の場合のみ、腸炎腸粘膜透過性が増加し、D-乳酸が血流に入り、血液に入ったD-乳酸が癌の第1のステップであるため、癌患者の90%以上が長い間、胃腸の不快感、長期の便秘、長期の腸炎になり;細胞膜にはD-乳酸に対するバリア機能があるため、血液に入ったD-乳酸は必ずしもがんを引き起こすわけではなく、細胞に炎症、膿瘍、潰瘍、手術、外傷などがある場合、細胞膜のバリア機能がなくなり、D-乳酸が細胞に入るが、これは癌の第2のステップであり;細胞に入ったD-乳酸の量が一定量に達すると、インスリンが活性化され、インスリンはまたグリオキサラーゼを活性化し、グリオキサラーゼはまたメチルグリオキサールをD-乳酸に変換し、このときがんが形成される。これは癌の三部作である。ここに形成される悪循環は、化学における自己触媒反応と呼ばれ、誰もそれを制御することはできない。自己触媒反応には1つの特徴があり:原料が供給され、グルコースを継続的に摂取している限り、その反応速度はますます速くなり、自動的に停止することはない。その結果、D-乳酸濃度が非常に高く、メチルグリオキサール濃度が非常に低く、2つの間の不均衡が癌の根本原因である。
【0006】
腫瘍細胞自体は、主にオートファジーと輸送システムのアップレギュレーションなどのメカニズムを介して、酸性の微小環境に適応する。さまざまな発がん物質や成長因子の継続的な刺激により、腫瘍細胞内の水素イオンの動態が著しく阻害され、細胞のpHバランスが異常になり、酸性微小環境の毒性を回避するために、腫瘍細胞は水素イオンを外に排出し、最終的に細胞外の酸性環境と細胞内のアルカリ性環境を作り出す。腫瘍細胞は、ナトリウム水素交換タンパク質(Na/H交換体、NHE)、Na/K ATPase、小胞型H-ATPase(vacuolar-H ATPase、V-ATPase)、H/C1総トランスポーターおよびモノカルボン酸トランスポーター(monocarboxylate transporter、MCT)などの原形質膜の水素イオン関連輸送タンパク質を調節することにより、このメカニズムを実現する。腫瘍細胞が酸性微小環境に適応する他のメカニズムがあり、例えば、VEGFなどの遺伝子の発現をアップレギュレートし、腫瘍の血管新生を促進し;カテプシンBおよび他のタンパク質分解酵素を放出し、細胞外マトリックスの分解を引き起こし、異常な免疫機能を引き起こし;宿主の免疫応答および免疫療法を回避し、腫瘍細胞が放射線療法に敏感ではないようにし、腫瘍細胞に薬剤耐性を産生し、化学療法による薬剤の損傷を回避することである。
【0007】
酸性微小環境は、腫瘍細胞がその侵襲性と転移を達成するための強力な武器であり、腫瘍細胞自体が増殖シグナルを生成し、アポトーシス、不死化増殖、浸潤、転移、免疫回避を起こし、新しい血管を生成するが、酸性環境を誘発するメカニズムによって実現できる。発病メカニズムから治療までの腫瘍研究の全分野は、腫瘍の酸性微小環境と密接に関連している。
【0008】
腫瘍の酸性微小環境は、T細胞の機能に影響を与え、低酸素誘発性腫瘍酸性微小環境は、T細胞が機能するための強力な障害であり、重度の低酸素症と乳酸は、T細胞の活性化、増殖、細胞毒性を強く阻害し;細胞外pH=6.7の場合、IL-2によって誘導されるT細胞の増殖は停止するが、低酸素腫瘍細胞の細胞外pHは5.8~6.5と低くなることがあり、このとき、リンパ球は実際にはアポトーシス状態にあり、腫瘍細胞は耐性があり、増殖し続けることができ;インビトロ実験では、酸性pHはT細胞によるIFN-γとTNF-αの分泌を減らすことができ、酸性微小環境が炎症誘発性サイトカインの産生を広く遮断できることを示している。さらに、特定の酸受容体ファミリーは、細胞外酸性度の変化を細胞内の信号に変えることができる。酸性微小環境は、Gタンパク質、T細胞抑制性受容体、T細胞死関連遺伝子8の発現を促進することができ、後者はリンパ球におけるc-mycの翻訳と発現を媒介する。
【0009】
酸性微小環境は腫瘍の攻撃性に影響を与え、腫瘍細胞外の酸性微小環境は、細胞増殖を刺激し、転写因子を活性化し、標的遺伝子発現を増強し、腫瘍形成を促進し;腫瘍細胞は、転移を促進するために、乳酸を使用してそれ自体の酸性微小環境を維持することができ;細胞外マトリックスのリモデリングを誘発し、腫瘍の浸潤性と転移性を増加させ、発がん性物質の細胞代謝を遅延させ、発がん性物質によるDNA損傷の細胞修復を阻害する。
【0010】
腫瘍細胞自体に対する腫瘍酸性微小環境の影響は次のとおりである。腫瘍細胞の生物活性を変化させ;腫瘍細胞の活発な成長により、腫瘍組織は相対的な血液灌流が極めて現れ易く、異常な酸代謝産物の蓄積を引き起こしたり、VEGFなどの遺伝子発現のアップレギュレーションにより、腫瘍血管新生の形成を促進し、腫瘍転移に適した環境を提供し;DC、MDSC、マクロファージなどの免疫系の他の構成要素を含む、異常な免疫機能を引き起こし;細胞は宿主の免疫応答と免疫療法を回避し;例えば、乳酸アシドーシスは敗血症の強力な陰性予後指標であり;腫瘍細胞が放射線療法に敏感ではないようにし、腫瘍細胞に薬剤耐性を産生し、化学療法による薬剤の損傷を回避する。
【0011】
がんに隣接する正常組織に対する腫瘍酸性微小環境産物の損傷は、主に:末梢正常細胞の壊死とアポトーシスを引き起こし;カテプシンBおよび他のタンパク質分解酵素の放出により、細胞外マトリックスの分解を引き起こす。
【0012】
細胞内と細胞外のpH差によって形成されるpH勾配、組織液の高圧、低酸素圧は、多くの化学療法薬の機能を妨げる。弱酸性環境(pH=6~7)は、mAbに最適な環境である。酸性の微小環境が多すぎると、mAbの分解を引き起こし、最終的にその活性を低下させるため、固形腫瘍組織内の細胞外酸性環境は、mAbの治療効果を低下させる可能性がある。
【0013】
腫瘍における酸性微小環境の上記の重要な役割に基づいて、研究者らは腫瘍微小環境と抗がんとの関係について広範な研究を行った。核磁気共鳴分光分析では、転移性乳癌のマウスにNaHCO3を経口または脾臓内注射すると、腫瘍の細胞外pHを選択的に増加させ、リンパ節と肝転移の形成を低減できることを示した。プロトンポンプ阻害剤(PPI)は、主にパントプラゾール(pantoprazole)、ランソプラゾール(lansoprazole)、オメプラゾール(omeprazole)などの消化性潰瘍の治療のための第一選択薬である。それらはH+/K +-ATP Paseの活性を阻害して酸阻害効果を発揮する。近年、PPIの抗腫瘍効果は徐々に認められ、抗腫瘍治療のホットスポットとなっている。インビトロおよびインビボの実験では、PPI感作腫瘍細胞株は、シスプラチン(cisplatin)、5-フルオロウラシル(5-fluorouracil)、ビンブラスチン(vinblastine)などの化学療法薬に対してより感受性が高く、オメプラゾール(omeprazole)はシスプラチンに対するヌードマウスに接種されたヒト固形腫瘍の感受性を誘発する可能性がある。PPIのこのメカニズムは、主に、薬物がV-ATPaseの活性を阻害することによって細胞外およびリソソームなどの細胞内オルガネラのpH値を高め、細胞内の薬物濃度を高め、抗腫瘍薬に対する多剤耐性(muhidrugresistance、MDR)遺伝子の発現が高い細胞の感受性を逆転させる。PPIが腫瘍細胞を阻害する能力は、培地の酸性度レベルに直接関係して;PPIは、B細胞腫瘍の選択的細胞毒性を誘発でき、それは多数の活性酸素種(reactive oxygen species、ROS)を活性化し、リソソーム膜の構造を破壊することにより、カスパーゼ(caspase)依存性アポトーシスを引き起こす。PPIの使用はまた、化学療法薬の感受性を高め、動物モデルにおけるヒト移植腫瘍の成長を阻害し、PPIは全身性全身反応を引き起こさない。NHE1のダウンレギュレーションも神経膠腫細胞の浸潤と転移を有意に抑制できるこれらはすべて、NHE1発現の標的を絞った介入が腫瘍細胞の内外のpHを調整でき、腫瘍細胞の生物活性を変化させ、したがって腫瘍の成長と転移を妨げることを示唆している。
【0014】
腫瘍転移は、悪性腫瘍の臨床治療の失敗の根本的な原因である。癌による死亡の80%以上は腫瘍転移が原因である。腫瘍における乳酸の蓄積は、腫瘍の悪性度を反映するだけでなく、その遠隔転移と密接に関連している。腫瘍の転移とは、腫瘍細胞が原発部位からリンパ管、血管、体腔に侵入し、他の場所に移動して増殖を続け、原発腫瘍と同じタイプの腫瘍を形成することを意味し、このプロセスは転移と呼ばれる。良性腫瘍は転移せず、悪性腫瘍のみが転移する。一般的な転移経路は次のとおりである:リンパ性転移:上皮組織の悪性腫瘍は主にリンパ管を経て転移する;血行性転移:肉がん、腎臓がん、肝臓がん、甲状腺濾胞がんおよび絨毛がんなどのあらゆる種類の悪性腫瘍が発生する可能性がある;埋め込み型転移:腹部臓器のがんでよく見られる。乳酸はMCT1を介して内皮細胞に入り、IκBαの分解とリン酸化を引き起こし、自己免疫核因子κB/インターロイキン8経路を刺激して、細胞の移動と血管の形成を引き起こす。研究によると、ヒト結腸直腸がんと乳がんマウスの異種移植モデルでは、腫瘍細胞から放出された乳酸がMCT4を介して輸送され、インターロイキン8依存性腫瘍の血管新生と腫瘍成長をさらに刺激し得ることが見出された。それにより腫瘍転移を実現する。乳酸は、がん細胞に対する体の免疫反応に介入し、がん細胞の拡散を助ける。研究によると、乳酸は、存在するだけでなく、癌の増殖のあらゆる段階に関与していることが示されている。
【0015】
ハルビン医科大学の孫学英教授は、免疫学的チェックポイント遮断モノクローナル抗体および抗原受容体T細胞免疫療法細胞療法を代表とする免疫療法が大きな進歩を遂げ、さまざまな悪性腫瘍の臨床治療に適用されていると指摘した。しかし、腫瘍特異的微小環境は免疫療法の有効性に影響を与える。免疫治療に対する腫瘍低酸素酸性微小環境の影響の詳細な理解、免疫監視と攻撃を回避するがん細胞のメカニズムの研究は、新しいアイデアと方法の探索に役立ち、腫瘍免疫治療の有効性の改善する(World Chinese Journal of Digestology 2017年7月28日;25(21):1934-1944)。
【0016】
腫瘍には大量の乳酸が含まれており、乳酸は乳酸アニオンと水素イオンに解離し、がん細胞の2つの「ヘルパー」になり、「食品」の量に応じて「消費」する量を決定できる。グルコースの欠乏または不足を前提として、これらの2つの要因のいずれかが除去されている限り、がん細胞は急速に死亡する。彼らは、重炭酸ナトリウム(重曹)などの塩基を使用して腫瘍内の水素イオンを除去すると、乳酸と水素イオンの相乗効果が失われ、グルコースが欠乏または不足している腫瘍細胞を迅速かつ効果的に殺すことが分かった。「従来の動脈挿管化学塞栓術(cTACE)は、腫瘍の「食物チャネル」を遮断し、重炭酸ナトリウムを使用して腫瘍から水素イオンを除去する。これは、腫瘍に「食事」を与えないだけでなく、ジムに通わせて急速に消費させ、急速に「餓死」させることに相当する。」喜ばしいことに、臨床研究の結果、37人の患者がcTACEで治療を受け、18人が有効であった:40人の患者がTILA-TACEで治療を受け、40人が有効であった。
【0017】
米国フロリダ州H.LEE MOFFITTがん研究センターのRobert Gilliesは、腫瘍の酸性微小環境における重曹、イミダゾールとその誘導体、トリス(Tris)およびリジンなどの緩衝能力を有するバッファについて多くの研究を行い、この緩衝液がマウス腫瘍の成長と転移を効果的に阻害できる明らかな結論を得た。その中で、重炭酸ナトリウムはアリゾナ大学による臨床試験でも使用された。
【0018】
多くの研究により、腫瘍微小環境のpHを上げると、腫瘍の成長と転移を効果的に抑制することができることが示されている。したがって、固形腫瘍の酸性微小環境は、がん治療、特に転移の非常に有望な標的である。
【0019】
したがって、生物医学技術の分野において、腫瘍の酸性微小環境の調節剤、特により高いpH値を有する新規な低分子化合物を効果的に調整することが急務である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
本発明は、腫瘍の酸性微小環境のpH値を効果的に増加させることができる低分子化合物が現在欠如しているという技術的問題を解決し、pH>8.0の単座または多座アルカリ性グループを有する新規リン酸塩誘導体を提供し、腫瘍の微小環境の酸性度を調整することにより、がん細胞の増殖と転移を効果的に抑制できるため、臨床的ながん治療でより良い効果を得ることができる。
【課題を解決するための手段】
【0021】
上記の技術的問題を解決するために、本発明は、以下の技術的解決策を通じて実施される。
本発明の一態様では、一般式(I)を有する化合物、またはその互変異性体、メソ体、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオマー、またはその混合物形態、またはその薬学的に許容される塩、またはそのプロドラッグ(prodrug)分子であって、
Lは、C1-C10のアルキル基(alkyl group)、シクロアルキル基(cycloalkyl group)、シクロアルキルアルキル基(cycloalkylalkyl group)、アルキルシクロアルキル基(alkylcycloalkyl group)、アリール基(aryl group)、アリールアルキル基(arylalkyl group)、アルキルアリール基(alkylaryl group)、ヘテロアリール基(heteroaryl group)、ヘテロアリールアルキル基(heteroarylalkyl group)、アルキルヘテロアリール基(alkyl heteroaryl group)、アルケニル基(alkenyl group)、アルキニル基(alkynyl group)、NまたはOまたはS原子を含む3-15個の炭素原子直鎖または分岐鎖、NまたはOまたはS原子を含む1-15個の炭素原子直鎖または分岐鎖繰り返し単位の直鎖または分岐鎖、タンデムビスアリール基(tandem bisaryl group)、タンデムビスヘテロアリール基(tandem bisheteroaryl group)、タンデムアリール基(tandem aryl group)およびヘテロアリール基(heteroaryl group)、NまたはOまたはSまたは
を介して接続されるビスアリール基(bisaryl group)およびビスヘテロアリール基(bisheteroaryl group)から選択され、前記アルキル基、シクロアルキル基、ヘテロシクリル基(heterocyclic group)、アリール基またはヘテロアリール基は、それぞれ独立にヒドロキシ基(hydroxy group)、ハロゲン(halogen)、アルキル基、アルコキシ基(alkoxy group)、シクロアルキル基、ヘテロシクリル基(heterocyclic group)、アリール基およびヘテロアリール基から選択される1つまたは複数の置換基で置換されることができ、好ましくは、1つまたは複数の置換基を有するフェニル基(phenyl group)、ナフチル基(naphthyl group)であり、
R
1およびR
2は、それぞれ独立に水素、ハロゲン、アルキル基、シクロアルキル基、ヒドロキシアルキルヒドロカルビル基(hydroxyhydrocarbyl group)、アルコキシアルキル基(alkoxyalkyl group)、アルコキシシクロアルキル基(alkoxycycloalkyl group)、シクロアルキルアルキル基、アルキルシクロアルキル基(alkylcycloalkyl group)、アルケニル基、アルキニル基、アミノ基(amino group)、ヒドロキシ基、スルフヒドリル基(sulfhydryl group)、カルボキシ基(carboxy group)、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、ハロアルキル基(haloalkyl group)、シアノ基(cyano group)、チオアルキル基(thioalkyl group)、スルフォ基(sulfo group)、スルホン基(sulfone group)、スルホキシド基(sulfoxide group)、ホスフェート基(phosphate group)、アルキルホスホン酸基(alkyl phosphonic acid group)、アリールホスフェート基(aryl phosphate group group)、アリールホスホン酸基(aryl phosphonic acid group)から選択され、前記アルキル基、シクロアルキル基、ヘテロシクリル基、アリール基またはヘテロアリール基は、それぞれ独立にヒドロキシ基、ハロゲン、アルキル基、アルコキシ基、シクロアルキル基、ヘテロシクリル基、アリール基およびヘテロアリール基から選択される1つまたは複数の置換基で置換されることができ、または空であり、
R
3およびR
4は、それぞれ独立に水素、アルキル基、シクロアルキル基、シクロアルキルアルキル基、アルキルシクロアルキル基、アリール基、アリールアルキル基、アルキルアリール基、ヘテロアリール基、ヘテロアリールアルキル基、アルキルヘテロアリール基、ヘテロシクリル基、ヘテロシクリルアルキル基(heterocyclyl alkyl group)、アルキルヘテロシクリル基(alkyl heterocyclyl group)、アルケニルアルキル基(alkenyl alkyl group)、アルキニルアルキル基(alkynyl alkyl group)から選択され、前記アルキル基、シクロアルキル基、シクロアルキルアルキル基、アルキルシクロアルキル基、アリール基、アリールアルキル基、アルキルアリール基、ヘテロアリール基、ヘテロアリールアルキル基、アルキルヘテロアリール基、ヘテロシクリル基、ヘテロシクリルアルキル基、アルキルヘテロシクリル基、アルケニルアルキル基、アルキニルアルキル基は、任意に非置換または1つまたは複数の置換基で置換され、前記置換基は、それぞれ独立にアルキル基、シクロアルキル基、シクロアルキルアルキル基、アルキルシクロアルキル基、アリール基、アリールアルキル基、アルキルアリール基、ヘテロアリール基、ヘテロアリールアルキル基、アルキルヘテロアリール基、ヘテロシクリル基、ヘテロシクリルアルキル基、アルキルヘテロシクリル基、アルケニル基、アルキニル基、アミノ基、ヒドロキシ基、スルフヒドリル基、カルボキシ基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、ハロアリール基(haloalkyl group)、アルコキシカルボニル基、アシルオキシ基(acyloxy group)、アミド基(amide group)、尿素基(urea group)、アルキルスルホニル基(alkylsulfonyl group)、芳香族スルホニル基、ハロアルキル基、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、ニトロソ基(nitroso group)、チオシアノ基(thiocyano group)、イソチオシアノ基(isothiocyano group)、チオアルキル基、スルフォ基、ホスフェート基、ホスホン酸基、アルキルホスフェート基(alkyl phosphate group)、アルキルホスホン酸基、アリールホスフェート基(aryl phosphate group)、アリールホスホン酸基から選択され、またはR
3およびR
4は、それらが結合しているN原子と一緒になって、単環式、二環式または三環式、または縮合環、架橋環またはスピロ環であるヘテロシクリル基を形成し、前記ヘテロシクリル基は、少なくとも1つのN原子を含み、またはN、SおよびOから任意に選択される1つまたは2つまたは3つのヘテロ原子を含み、前記ヘテロシクリル基は、非置換または1つまたは複数の置換基で置換され、前記置換基は、それぞれ独立にアルキル基、シクロアルキル基、シクロアルキルアルキル基、アルキルシクロアルキル基、アリール基、アリールアルキル基、アルキルアリール基、ヘテロアリール基、ヘテロアリールアルキル基、アルキルヘテロアリール基、ヘテロシクリル基、ヘテロシクリルアルキル基、アルキルヘテロシクリル基、アルケニル基、アルキニル基、アミノ基、ヒドロキシ基、スルフヒドリル基、カルボキシ基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、ハロアリール基、アルコキシカルボニル基、アシルオキシ基、アミド基、尿素基、アルキルスルホニル基、芳香族スルホニル基、ハロアルキル基、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、ニトロソ基、チオシアノ基、イソチオシアノ基、チオアルキル基、スルフォ基、ホスフェート基、ホスホン酸基、アルキルホスフェート基、アルキルホスホン酸基、アリールホスフェート基、アリールホスホン酸基を置換基として単独、または自由に組み合わせて形成された置換基から選択され、
A
1、A
2は、それぞれ独立にH、Li、Na、K、Csおよびそれらの対応するカチオンから選択され、またはA
1、A
2は一緒に、Ca、Mg、Al、Sc、Ti、Cr、Co、Fe、Ni、Cu、Zn、Cd、Hgおよびそれらのそれぞれの対応するカチオンを形成し、
Eは、O原子またはC(R
1R
2)から選択され、
R
5、R
6は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン、アルキル基、アルコキシアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシシクロアルキル基、ヒドロキシアルキル基(hydroxyalkyl group)、ヒドロキシシクロアルキル基(hydroxycycloalkyl group)、ヘテロシクリル基、アリール基およびヘテロアリール基から選択され、前記アルキル基、シクロアルキル基、ヘテロシクリル基、アリール基またはヘテロアリール基は、それぞれ独立にヒドロキシ基、ハロゲン、アルキル基、アルコキシ基、シクロアルキル基、ヘテロシクリル基、アリール基およびヘテロアリール基から選択される1つまたは複数の置換基で置換されることができ、またはR
5、R
6は、3~8員環を形成することができ、前記環は、1~2個のO、N、および/またはSヘテロ原子を含むことができ、
R
7、R
8は、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、ヒドロキシアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシアルキル基、アルコキシシクロアルキル基、ヘテロシクリル基、アリール基およびヘテロアリール基から選択され、前記アルキル基、シクロアルキル基、ヘテロシクリル基、アリール基またはヘテロアリール基は、それぞれ独立にヒドロキシ基、ハロゲン、アルキル基、アルコキシ基、シクロアルキル基、ヘテロシクリル基、アリール基およびヘテロアリール基から選択される1つまたは複数の置換基で置換されることができ、
R
9は、水素原子、ハロゲン、アルキルヒドロカルビル基、アルコキシアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシシクロアルキル基、ヒドロキシアルキル基、ヒドロキシシクロアルキル基、ヘテロシクリル基、アリール基、ヘテロアリール基およびアシル基から選択され、前記アルキル基、アルコキシアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシシクロアルキル基、ヒドロキシアルキル基、ヒドロキシシクロアルキル基、ヘテロシクリル基、アリール基、ヘテロアリール基およびアシル基は、それぞれ独立にヒドロキシ基、ハロゲン、アルキル基、アルコキシ基、シクロアルキル基、ヘテロシクリル基、アリール基およびヘテロアリール基から選択される1つまたは複数の置換基で置換されることができ、
R
10は、水素原子、ハロゲン、アルキルヒドロカルビル基、シクロアルキル基、ヘテロシクリル基、アリール基、ヘテロアリール基から選択され、または空であり、前記アルキル基、シクロアルキル基、ヘテロシクリル基、アリール基またはヘテロアリール基は、それぞれ独立にヒドロキシ基、ハロゲン、アルキル基、アルコキシ基、シクロアルキル基、ヘテロシクリル基、アリール基およびヘテロアリール基から選択される1つまたは複数の置換基で置換されることができ、
R
12は、水素原子、アルキルヒドロカルビル基、アルコキシアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシシクロアルキル基、ヒドロキシアルキル基、ヒドロキシシクロアルキル基、ヘテロシクリル基、アリール基、ヘテロアリール基、ヘテロシクリルアルキル基、アリールアルキル基およびヘテロアリールアルキル基から選択され、前記アルキルヒドロカルビル基、アルコキシアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシシクロアルキル基、ヒドロキシアルキル基、ヒドロキシシクロアルキル基、ヘテロシクリル基、アリール基、ヘテロアリール基、ヘテロシクリルアルキル基、アリールアルキル基およびヘテロアリールアルキル基は、それぞれ独立にヒドロキシ基、ハロゲン、アルキル基、アルコキシ基、シクロアルキル基、ヘテロシクリル基、アリール基およびヘテロアリール基から選択される1つまたは複数の置換基で置換されることができ、
n1は、1、2、3、4、5、6、7、8から選択され、
n2は、1、2、3、4、5、6から選択され、
n3は、1、2、3から選択され、
n4は、0、1、2、3、4から選択され、
n5は、0、1、2、3から選択され、
n6は、1、2、3から選択される、前記化合物を提供する。
【0022】
好ましくは、前記化合物は、式(II)で示される化合物であることができ、またはその互変異性体、メソ体、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオマー、またはその混合物形態、またはその薬学的に許容される塩、またはそのプロドラッグ分子であり、
Lは、C1-C10のアルキル基、シクロアルキル基、シクロアルキルアルキル基、アルキルシクロアルキル基、アリール基、アリールアルキル基、アルキルアリール基、ヘテロアリール基、ヘテロアリールアルキル基、アルキルヘテロアリール基、アルケニル基、アルキニル基、NまたはOまたはS原子を含む3-15個の炭素原子直鎖または分岐鎖、NまたはOまたはS原子を含む1-15個の炭素原子直鎖または分岐鎖繰り返し単位の直鎖または分岐鎖、タンデムビスアリール基、タンデムビスヘテロアリール基、タンデムアリール基およびヘテロアリール基、NまたはOまたはSまたは
を介して接続されるビスアリール基およびビスヘテロアリール基から選択され、前記アルキル基、シクロアルキル基、ヘテロシクリル基、アリール基またはヘテロアリール基は、それぞれ独立にヒドロキシ基、ハロゲン、アルキル基、アルコキシ基、シクロアルキル基、ヘテロシクリル基、アリール基およびヘテロアリール基から選択される1つまたは複数の置換基で置換されることができ、好ましくは1つまたは複数の置換基を有するフェニル基、ナフチル基であり、
R
1およびR
2は、それぞれ独立に水素、ハロゲン、アルキル基、シクロアルキル基、ヒドロキシアルキルヒドロカルビル基、アルコキシアルキル基、アルコキシシクロアルキル基、シクロアルキルアルキル基、アルキルシクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アミノ基、ヒドロキシ基、スルフヒドリル基、カルボキシ基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、ハロアルキル基、シアノ基、チオアルキル基、スルフォ基、スルホン基、スルホキシド基、ホスフェート基、アルキルホスホン酸基、アリールホスフェート基、アリールホスホン酸基から選択され、前記アルキル基、シクロアルキル基、ヘテロシクリル基、アリール基またはヘテロアリール基は、それぞれ独立にヒドロキシ基、ハロゲン、アルキル基、アルコキシ基、シクロアルキル基、ヘテロシクリル基、アリール基およびヘテロアリール基から選択される1つまたは複数の置換基で置換されることができ、
トリメチロールメチル基およびジメチロールアルキルメチル基(dimethylolalkylmethyl group)であり、
A
1、A
2は、それぞれ独立にH、Li、Na、K、Csおよびそれらの対応するカチオンから選択され、またはA
1、A
2は一緒に、Ca、Mg、Al、Sc、Ti、Cr、Co、Fe、Ni、Cu、Zn、Cd、Hgおよびそれらのそれぞれの対応するカチオンを形成し、
Eは、C(R
1R
2)から選択され、
R
5、R
6は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン、アルキル基、アルコキシアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシシクロアルキル基、ヘテロシクリル基、アリール基およびヘテロアリール基から選択され、前記アルキル基、シクロアルキル基、ヘテロシクリル基、アリール基またはヘテロアリール基は、それぞれ独立にヒドロキシ基、ハロゲン、アルキル基、アルコキシ基、シクロアルキル基、ヘテロシクリル基、アリール基およびヘテロアリール基から選択される1つまたは複数の置換基で置換されることができ、またはR
5、R
6は、3~8員環を形成することができ、前記環は、1~2個のO、N、および/またはSヘテロ原子を含むことができ、
R
7、R
8は、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、ヒドロキシアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシアルキル基、アルコキシシクロアルキル基、ヘテロシクリル基、アリール基およびヘテロアリール基から選択され、前記アルキル基、シクロアルキル基、ヘテロシクリル基、アリール基またはヘテロアリール基は、それぞれ独立にヒドロキシ基、ハロゲン、アルキル基、アルコキシ基、シクロアルキル基、ヘテロシクリル基、アリール基およびヘテロアリール基から選択される1つまたは複数の置換基で置換されることができ、
R
9は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、ヘテロシクリル基、アリール基およびヘテロアリール基から選択され、前記アルキル基、シクロアルキル基、ヘテロシクリル基、アリール基またはヘテロアリール基は、それぞれ独立にヒドロキシ基、ハロゲン、アルキル基、アルコキシ基、シクロアルキル基、ヘテロシクリル基、アリール基およびヘテロアリール基から選択される1つまたは複数の置換基で置換されることができ、
R
10は、水素原子、ハロゲン、アルキル基、シクロアルキル基、ヘテロシクリル基、アリール基、ヘテロアリール基から選択され、または空であり、前記アルキル基、シクロアルキル基、ヘテロシクリル基、アリール基またはヘテロアリール基は、それぞれ独立にヒドロキシ基、ハロゲン、アルキル基、アルコキシ基、シクロアルキル基、ヘテロシクリル基、アリール基およびヘテロアリール基から選択される1つまたは複数の置換基で置換されることができ、
n1は、0、1、2、3、4、5、6、7、8から選択され、
n2は、1、2、3、4、5、6から選択され、
n3は、1、2、3から選択され、
n4は、0、1、2、3、4から選択され、
n5は、0、1、2、3から選択され、
n6は、1、2、3から選択される。
【0023】
好ましくは、前記化合物は、式(II)で示される化合物であることができ、またはその互変異性体、メソ体、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオマー、またはその混合物形態、またはその薬学的に許容される塩、またはそのプロドラッグ分子であり、
R
3およびR
4は、それぞれ独立に水素、アルキル基、シクロアルキル基、シクロアルキルアルキル基、アルキルシクロアルキル基、アリール基、アリールアルキル基、アルキルアリール基、ヘテロアリール基、ヘテロアリールアルキル基、アルキルヘテロアリール基、ヘテロシクリル基、ヘテロシクリルアルキル基、アルキルヘテロシクリル基、アルケニル基、アルキニル基から選択され、前記アルキル基、シクロアルキル基、シクロアルキルアルキル基、アルキルシクロアルキル基、アリール基、アリールアルキル基、アルキルアリール基、ヘテロアリール基、ヘテロアリールアルキル基、アルキルヘテロアリール基、ヘテロシクリル基、ヘテロシクリルアルキル基、アルキルヘテロシクリル基、アルケニル基、アルキニル基は、任意に非置換または1つまたは複数の置換基で置換され、前記置換基は、それぞれ独立にアルキル基、シクロアルキル基、シクロアルキルアルキル基、アルキルシクロアルキル基、アリール基、アリールアルキル基、アルキルアリール基、ヘテロアリール基、ヘテロアリールアルキル基、アルキルヘテロアリール基、ヘテロシクリル基、ヘテロシクリルアルキル基、アルキルヘテロシクリル基、アルケニル基、アルキニル基、アミノ基、ヒドロキシ基、スルフヒドリル基、カルボキシ基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、ハロアリール基、アルコキシカルボニル基、アシルオキシ基、アミド基、尿素基、アルキルスルホニル基、芳香族スルホニル基、ハロアルキル基、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、ニトロソ基、チオシアノ基、イソチオシアノ基、チオアルキル基、スルフォ基、ホスフェート基、ホスホン酸基、アルキルホスフェート基、アルキルホスホン酸基、アリールホスフェート基、アリールホスホン酸基から選択され、またはR
3およびR
4は、それらが結合しているN原子と一緒になって、単環式、二環式または三環式、または縮合環、架橋環またはスピロ環であるヘテロシクリル基を形成し、前記ヘテロシクリル基は、少なくとも1つのN原子を含み、またはN、SおよびOから任意に選択される1つまたは2つまたは3つのヘテロ原子を含み、前記ヘテロシクリル基は、非置換または1つまたは複数の置換基で置換され、前記置換基は、それぞれ独立にアルキル基、シクロアルキル基、シクロアルキルアルキル基、アルキルシクロアルキル基、アリール基、アリールアルキル基、アルキルアリール基、ヘテロアリール基、ヘテロアリールアルキル基、アルキルヘテロアリール基、ヘテロシクリル基、ヘテロシクリルアルキル基、アルキルヘテロシクリル基、アルケニル基、アルキニル基、アミノ基、ヒドロキシ基、スルフヒドリル基、カルボキシ基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、ハロアリール基、アルコキシカルボニル基、アシルオキシ基、アミド基、尿素基、アルキルスルホニル基、芳香族スルホニル基、ハロアルキル基、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、ニトロソ基、チオシアノ基、イソチオシアノ基、チオアルキル基、スルフォ基、ホスフェート基、ホスホン酸基、アルキルホスフェート基、アルキルホスホン酸基、アリールホスフェート基、アリールホスホン酸基を置換基として単独、または自由に組み合わせて形成された置換基から選択される。
【0024】
好ましくは、前記化合物は、式(III)で示される化合物であることができ、またはその互変異性体、メソ体、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオマー、またはその混合物形態、またはその薬学的に許容される塩、またはそのプロドラッグ分子であり、
前記R
11は、水素、ハロゲン、C1-C6アルキル基、C3-C8シクロアルキル基、ヒドロキシアルキルヒドロカルビル基、アルコキシアルキル基、アルコキシシクロアルキル基、シクロアルキルアルキル基、アルキルシクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アミノ基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、ハロアルキル基、シアノ基、チオアルキル基、スルフォ基、スルホン基、スルホキシド基、アリール基またはヘテロアリール基から選択され、前記アルキル基、シクロアルキル基、ヘテロシクリル基、アリール基またはヘテロアリール基は、それぞれ独立にヒドロキシ基、ハロゲン、アルキル基、アルコキシ基、シクロアルキル基、ヘテロシクリル基、アリール基およびヘテロアリール基から選択される1つまたは複数の置換基で置換されることができる。
【0025】
好ましくは、前記化合物は、式(IV)で示される化合物であることができ、またはその互変異性体、メソ体、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオマー、またはその混合物形態、またはその薬学的に許容される塩、またはそのプロドラッグ分子であり、
R
11は、水素、ハロゲン、C1-C6アルキル基、C3-C8シクロアルキル基、ヒドロキシアルキルヒドロカルビル基、アルコキシアルキル基、アルコキシシクロアルキル基、シクロアルキルアルキル基、アルキルシクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アミノ基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、ハロアルキル基、シアノ基、チオアルキル基、スルフォ基、スルホン基、スルホキシド基、アリール基またはヘテロアリール基から選択され、前記アルキル基、シクロアルキル基、ヘテロシクリル基、アリール基またはヘテロアリール基は、それぞれ独立にヒドロキシ基、ハロゲン、アルキル基、アルコキシ基、シクロアルキル基、ヘテロシクリル基、アリール基およびヘテロアリール基から選択される1つまたは複数の置換基で置換される。
【0026】
好ましくは、前記一般式(I)化合物は、以下の具体的な構造の化合物を含む
【0027】
本発明の別の態様では、治療有効量の前記一般式(I)で示される化合物またはその互変異性体、メソ体、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオマー、またはその混合物形態、またはその薬学的に許容される塩、またはそのプロドラッグ分子を含む医薬組成物、および1つまたは複数の薬学的に許容される担体、希釈剤または賦形剤をさらに提供する。
【0028】
上記の許容される担体は非毒性であり、投与を補助することができ、化合物の治療効果に悪影響を及ぼさない。そのような担体は、当業者が一般に利用できる任意の固体賦形剤、液体賦形剤、半固体賦形剤、またはエアロゾル組成物中の気体賦形剤であり得る。固体医薬賦形剤には、デンプン、セルロース、タルク、グルコース、ラクトース、スクロース、ゼラチン、麦芽、米、小麦粉、チョーク、シリカゲル、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリルグリセリルエステル、塩化ナトリウム、無水脱脂乳などが含まれる。液体および半固体賦形剤は、グリセリン、プロピレングリコール、水、エタノール、および油から選択することができ、石油、動物、植物、または、例えば、ピーナッツ油、大豆油、鉱油、ゴマ油などの合成油に由来するものを含む。好ましい液体担体、特に注射可能な溶液には、水、生理食塩水、グルコース水溶液、およびグリコールが含まれる。香味剤、甘味料などの他の補助剤を組成物に添加することも可能である。
【0029】
本発明の化合物は、治療的有効量で投与され、その投与方法は、経口、全身投与(例えば、皮膚を通して、経鼻的に、または坐剤)または非経口投与(例えば、筋肉内、静脈内または皮下に)であることができる。好ましい投与方法は、経口または静脈内投与であり、疾患の程度に応じて調整することができる。
【0030】
本発明の化合物の実際の投与量(すなわち、活性成分)は、治療を受ける疾患の重症度、治療を受ける対象の年齢および相対的な健康状態、使用される化合物の有効性、投与経路および投与形態および他の因子などの多くの要因に依存する。
【0031】
本発明の医薬組成物の様々な剤形は、製薬技術における従来の方法に従って調製することができる。例えば、化合物は、1つまたは複数の担体と混合され、次いで、錠剤、丸剤、カプセル、半固体、粉末、徐放剤形、溶液、懸濁液、配合剤、ガスエアロゾルなどの所望の剤形に調製される。
【0032】
本発明の別の態様では、酸性微小環境によって引き起こされ、媒介される疾患を予防および/または治療するための薬物における前記一般式(I)で示される化合物またはその互変異性体、メソ体、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオマー、またはその混合物形態、またはその薬学的に許容される塩、またはそのプロドラッグ分子、または前記医薬組成物の用途をさらに提供する。
【0033】
前記がんは、乳がん、子宮頸がん、結腸がん、肺がん、胃がん、直腸がん、膵臓がん、脳がん、皮膚がん、口腔がん、前立腺がん、骨がん、腎臓がん、卵巣がん、膀胱がん、肝がん、卵管腫瘍、卵巣腫瘍、腹膜腫瘍、IV期黒色腫、神経膠腫、神経膠芽腫、肝細胞がん、乳様突起腎腫瘍、頭頸部腫瘍、白血病、リンパ腫、骨髄腫、非小細胞肺がん、頭頸部がん、子宮がん、精巣がん、卵管がん、子宮内膜がん、膣がん、外陰がん、肛門がん、食道がん、小腸がん、内分泌系がん、甲状腺がん、副甲状腺がん、副腎がん、尿道がん、陰茎がん、移行上皮がん、尿管がん、腎細胞がん、腎盂がん、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫、軟部肉腫、小児固形腫瘍、リンパ球性リンパ腫、中枢神経系(CNS)腫瘍、原発性中枢神経系リンパ腫、腫瘍血管新生(tumor angiogenesis)、脊髄腫瘍、脳幹神経膠腫、下垂体腺腫、黒色腫、カポジ肉腫、類表皮癌、扁平上皮癌(squamous cell carcinoma)、T細胞リンパ腫、慢性または急性白血病、および/または前記様々ながんの組み合わせを含む。
【0034】
本発明の別の態様では、がん転移を阻害するための薬物の調製における前記化合物またはその互変異性体、メソ体、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオマー、またはその混合物形態、またはその薬学的に許容される塩、またはそのプロドラッグ分子、または前記医薬組成物の用途をさらに提供する。
【0035】
本発明の別の態様では、アシドーシスによって引き起こされる疾患を予防および/または治療するための薬物の調製における前記化合物またはその互変異性体、メソ体、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオマー、またはその混合物形態、またはその薬学的に許容される塩、またはそのプロドラッグ分子、または請求項7記載の医薬組成物の用途をさらに提供する。
【0036】
本発明の別の態様では、がんの治療またはがん転移を阻害するための薬物の調製における前記化合物またはその互変異性体、メソ体、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオマー、またはその混合物形態、またはその薬学的に許容される塩、またはそのプロドラッグ分子、少なくとも1つの他の抗癌剤との組み合わせの用途をさらに提供する。
【発明の効果】
【0037】
本発明の化合物は顕著な抗腫瘍活性を有し、実験によりこれらの化合物が様々な癌細胞の増殖に対して阻害効果を有するため、本発明の化合物は様々な癌の治療に適していることが確認された。特に腎臓がん、肝臓がん、前立腺がん、胃がん、卵巣がん、結腸がんに対して、良好な治療効果を有し、上皮内がん(In Situ Cancer)によって引き起こされるがん転移に対して非常に顕著な阻害効果がある。
【0038】
本発明のリン酸塩系誘導体は、腫瘍の酸性微小環境の調節剤として、臨床抗がん薬物と組み合わせて使用することができ、細胞増殖および転移を効果的に阻害することができ、様々ながん、特に腎臓がん、肝臓がん、前立腺がん、胃がん、卵巣がん、結腸がんなどに対して良好な治療効果を有し、毒性副作用が少なく、応用の見通しが非常に広い。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【
図1】本発明の実施例23における肝臓がん細胞 Hep3B2.1-7-Luc同所性異種移植腫瘍モデルに対する実施例7の化合物の腫瘍阻害の結果を示す図である。
【
図2】本発明の実施例23におけるBALB/cヌードマウスの腹腔内に実施例7の化合物を投与した後の薬物-時間曲線図である。
【
図3】本発明の実施例23におけるBALB/cヌードマウスの腹腔に実施例7の化合物を投与して24時間後の各組織および器官の薬物濃度分布のヒストグラムである。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下、図面および特定の実施形態を参照して、本発明をさらに詳細に説明する。
【0041】
実施例1:(4,4’-(1,3-ジヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)プロパン-2-イルアザンジイル)ビス(メチレン)ビス(4,1-フェニレン))ビス(メチレン)ジホスホン酸ナトリウム(sodium(4,4’-(1,3-dihydroxy-2-(hydroxymethyl)propan-2-ylazanediyl)bis(methylene)bis(4,1-phenylene)))sodium bis(methylene)diphosphonate)の合成
【0042】
ステップ(1):ジエチル4-(ブロモメチル)ベンジルホスホネート(diethyl 4-(bromomethyl)benzylphosphonate)の合成。53.0g(0.201mol)の1,4-ビス(ブロモメチル)ベンゼン、33.4g(0.201mol)の亜リン酸トリエチルを容積が250mlの一口丸底フラスコに入れ、油浴で90℃に加熱し、3時間磁気撹拌した。反応液を冷却固化し、固体に50mlのジクロロメタンを加え、十分に分散した懸濁液を100mlの石油エーテルに注ぎ、一晩撹拌し、濾過し、濾液を収集し、残留物を100mlのジクロロメタン:石油エーテル(1:10)混合物で洗浄した。濾液を合わせ、回転蒸発させて、粘稠な液体を得、カラムクロマトグラフィーで精製して、無色の液体ジエチル4-(ブロモメチル)ベンジルホスホネート25.0gを得た。収率は38.7%であった。C12H18BrO3P、MS(ES+)m/z:321.0(M+H)+。
【0043】
ステップ(2):(4,4’-(1,3-ジヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)プロパン-2-イルアザンジイル)ビス(メチレン)ビス(4,1-フェニレン))ビス(メチレン)ジホスホン酸エチルの合成。25.0g(77.9mmol)のジエチル4-(ブロモメチル)ベンジルホスホネート、4.29g(35.4mmol)のトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(tris(hydroxymethyl)aminomethane)、12.2g(88.5mmol)の無水炭酸カリウム、150mlのアセトニトリルを容積が500mlの一口丸底フラスコに入れ、油浴で60℃に加熱し、24時間磁気撹拌した。反応液を冷却し、濾過し、濾液を収集し、残留物を100mlのジクロロメタンで2回洗浄した。濾液を合わせ、回転蒸発させて粘稠な液体を得、カラムクロマトグラフィーで精製して(4,4’-(1,3-ジヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)プロパン-2-イルアザンジイル)ビス(メチレン)ビス(4,1-フェニレン))ビス(メチレン)ジホスホン酸エチルの無色の液体16.1gを得た。収率は75.6%であった。C28H45NO9P2、MS(ES+)m/z:602.2(M+H)+。
【0044】
ステップ(3):(4,4’-(1,3-ジヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)プロパン-2-イルアザンジイル)ビス(メチレン)ビス(4,1-フェニレン))ビス(メチレン)ジホスホン酸ナトリウムの合成。16.1g(26.8mmol)の(4,4’-(1,3-ジヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)プロパン-2-イルアザンジイル)ビス(メチレン)ビス(4,1-フェニレン))ビス(メチレン)ジホスホン酸エチル、150mlの濃塩酸を容積が500mlの一口丸底フラスコに入れ、油浴で105℃に加熱し、42時間磁気撹拌した。反応液を冷却し、回転蒸発させて固体を得、樹脂カラムクロマトグラフィーで精製し、凍結乾燥し、固体を純水に溶解し、2N水酸化ナトリウム水溶液を加え、エタノールで再結晶化して(4,4’-(1,3-ジヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)プロパン-2-イルアザンジイル)ビス(メチレン)ビス(4,1-フェニレン))ビス(メチレン)ジホスホン酸ナトリウム結晶水和物の白色固体16.0gを得た。収率は76.9%であった。1H NMR(500MHz,D2O)δ7.15(s,4H),3.90(s,2H),3.61(s,3H),2.72(d,J = 19.8 Hz,2H);C20H25NNa4O9P2・xH2O,MS(ES+)m/z:490.2(M+H)+。
【0045】
実施例2:2,2’-(5-(((ビス(2-ヒドロキシエチル)アミノ)メチル)-1,3-フェニレン)ビス(2,1-エタンジイル)ジホスホン酸ナトリウム(sodium(2,2’-(5-(((bis(2-hydroxyethyl))amino)methyl)-1,3-phenylene)bis(2,1-ethanediyl)diphosphonate)の合成
【0046】
ステップ(1):2,2’-(5-(ブロモメチル)-1,3-フェニレン)ビス(2,1-エタンジイル)ホスホン酸テトラメチルエステル(2,2’-(5-(bromomethyl)-1,3-phenylene)bis(2,1-ethanediyl)phosphonate tetramethyl)の合成。24.8g(0.200mol)のメチルホスホン酸ジメチル、400mlの乾燥テトラヒドロフランを容積が2000mlの三口丸底フラスコに入れ、磁気撹拌しながらドライアイスアセトン浴で88mlのn-ブチルリチウムn-ヘキサン溶液(0.22mol、2.5M)をゆっくり滴下した。滴下時間は50分間である。この温度で1時間撹拌を続けた。-78℃で、30分以内に35.7g(0.100mol)の1,3,5-トリス(ブロモメチル)ベンゼンの200mlの乾燥テトラヒドロフラン溶液を滴下し、1時間撹拌を続けた。LCMSで製品の主要な比率を検出した。リン酸二水素カリウム溶液(1M、100ml)で直ちに反応を停止させ、室温で一晩放置した。混合物を分液し、水相を50mlのクロロホルム、イソプロパノール(3:1)混合物で4回抽出した。有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、スピン乾燥した。残留物をカラムクロマトグラフィーで精製して11.7gの黄色油状の2,2’-(5-(ブロモメチル)-1,3-フェニレン)ビス(2,1-エタンジイル)ホスホン酸テトラメチルエステルを得た。収率は26.4%であった。C15H25BrO6P2、MS(ES+)m/z:443.0(M+H)+。
【0047】
ステップ(2):2,2’-(5-(((ビス(2-ヒドロキシエチル)アミノ)メチル)-1,3-フェニレン)ビス(2,1-エタンジイル)ジホスホン酸テトラメチルエステル(2,2’-(5-(((bis(2-hydroxyethyl)amino)methyl)-1,3-phenylene)bis(2,1-ethanediyl)diphosphonate tetramethyl ester)の合成。290mg(0.653mmol)の2,2’-(5-(ブロモメチル)-1,3-フェニレン)ビス(2,1-エタンジイル)ホスホン酸テトラメチルエステル、137mg(1.31mmol)のジエタノールアミン、90mg(0.653mmol)の無水炭酸カリウムの10mlのアセトニトリルを容積が50mlの一口丸底フラスコに入れ、40℃の油浴で16時間加熱した。反応液を冷却し、濾過し、濾液を収集し、残留物を10mlのジクロロメタンで2回洗浄した。濾液を合わせ、回転蒸発させて粘稠な液体を得、カラムクロマトグラフィーで精製して無色の液体2,2’-(5-(((ビス(2-ヒドロキシエチル)アミノ)メチル)-1,3-フェニレン)ビス(2,1-エタンジイル)ジホスホン酸テトラメチルエステル240mgを得た。収率は78.6%であった。C19H35NO8P2、MS(ES+)m/z:468.2(M+H)+。
【0048】
ステップ(3):2,2’-(5-(((ビス(2-ヒドロキシエチル)アミノ)メチル)-1,3-フェニレン)ビス(2,1-エタンジイル)ジホスホン酸ナトリウム(sodium(2,2’-(5-(((bis(2-hydroxyethyl)amino)methyl)-1,3-phenylene)bis(2,1-ethanediyl)diphosphonate))の合成。240mg(0.513mmol)の2,2’-(5-(((ビス(2-ヒドロキシエチル)アミノ)メチル)-1,3-フェニレン)ビス(2,1-エタンジイル)ホスホン酸テトラメチルエステル、5mlの濃塩酸を容積が50mlの一口丸底フラスコに入れ、油浴で105℃に加熱し、24時間加熱還流した。反応液を冷却し、回転蒸発させて固体を得、樹脂カラムクロマトグラフィーで精製し、凍結乾燥して得られた固体を純水に溶解し、2N水酸化ナトリウム水溶液を加え、エタノールで再結晶化して2,2’-(5-(((ビス(2-ヒドロキシエチル)アミノ)メチル)-1,3-フェニレン)ビス(2,1-エタンジイル)ジホスホン酸ナトリウム結晶水和物の白色固体250mgを得た。収率は85.8%であった。1H NMR(500MHz,D2O)δ7.08(s,1H),7.01(s,2H),3.66(s,2H),3.59(t,J = 6.2 Hz,4H),2.70-2.53(m,8H),1.60-1.43(m,4H);C15H23NNa4O8P2・xH2O,MS(ES+)m/z:412.1(M+H)+。
【0049】
実施例3:4,4’-(1,3-ジヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)プロパン-2-イルアザンジイル)ビス(4,1-ブタンジイル)ジホスホン酸ナトリウム(sodium(4,4’-(1,3-dihydroxy-2-(hydroxymethyl)propan-2-ylazanediyl)bis(4,1-butandyl)diphosphonate)の合成
【0050】
ステップ(1):tert-ブチル1,3-ジヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)プロパン-2-イルカルバメート(tert-butyl 1,3-dihydroxy-2-(hydroxymethyl)propan-2-ylcarbamate)の合成。12.1g(0.100mol)のトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、100mlのテトラヒドロフランを容積が500mlの一口丸底フラスコに入れ、水浴、15℃で、磁気撹拌しながら30分内で21.8g(0.100mol)のジ-tert-ブチルジカーボネートの80mlのテトラヒドロフラン溶液を滴下した。反応液を15℃で16時間撹拌し、回転蒸発させて1,3-ジヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)プロパン-2-イルtert-ブチルカルバメートの粘稠な液体22.1gを得た。収率は99%であった。C9H19NO5、MS(ES+)m/z:244.0(M+Na)+。
【0051】
ステップ(2):tert-ブチル1,3-ビス(ベンジルオキシ)-2-(ベンジルオキシメチル)プロパン-2-イルカルバメート(tert-butyl 1,3-bis(benzyloxy)-2-(benzyloxymethyl)propan-2-ylcarbamate)の合成。22.1g(0.100mol)の1,3-ジヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)プロパン-2-イルtert-ブチルカルバメート、200mlのジクロロメタンを容積が1000mlの三口丸底フラスコに入れ、氷水浴、0℃で磁気撹拌しながら18.6g(0.32mol)の粉砕した水酸化カリウムおよび53.0g(0.31mol)の臭化ベンジルを加えた。反応液を0-15℃で16時間撹拌し、反応液を濾過して無機塩を除去し、200mlの水で3回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、回転蒸発させて得られた粗生成物にシリカゲルカラムクロマトグラフィーを行ってtert-ブチル1,3-ビス(ベンジルオキシ)-2-(ベンジルオキシメチル)プロパン-2-イルカルバメートの粘稠な液体35.0gを得た。収率は71.2%であった。C30H37NO5、MS(ES+)m/z:514.3(M+Na)+。
【0052】
ステップ(3):1,3-ビス(ベンジルオキシ)-2-(ベンジルオキシメチル)プロパン-2-アミン(1,3-bis(benzyloxy)-2-(benzyloxymethyl)propan-2-amine)の合成。26.0g(52.9mmol)のtert-ブチル1,3-ビス(ベンジルオキシ)-2-(ベンジルオキシメチル)プロパン-2-イルカルバメート、120mlのジクロロメタンを容積が500mlの三口丸底フラスコに入れ、氷水浴、0℃で磁気撹拌しながら40mlのトリフルオロ酢酸を加えた。反応液を0-15℃で16時間撹拌した。反応液を回転蒸発させて粗生成物を得、石油エーテルで洗浄後、200mlの水、5%の重炭酸ナトリウムを加えてpHを9に調節し、200mlのジクロロメタンで2回抽出し、200mlの水で洗浄し、200mlの飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、スピン乾燥して1,3-ビス(ベンジルオキシ)-2-(ベンジルオキシメチル)プロパン-2-アミンの粘稠な液体14.0gを得た。収率は67.5%であった。C30H37NO5、MS(ES+)m/z:392.2(M+H)+。
【0053】
ステップ(4):4-(1,3-ビス(ベンジルオキシ)-2-(ベンジルオキシメチル)プロパン-2-イルアミノ)ブチルホスホン酸ジエチルエステル(4-(1,3-bis(benzyloxy)-2-(benzyloxymethyl)propan-2-ylamino)butylphosphonate diethyl ester)および4,4’-(1,3-ビス(ベンジルオキシ)-2-(ベンジルオキシメチル)プロパン-2-イルアザンジイル)ビス(4,1-ブタンジイル)ジホスホン酸テトラエチルエステル(4,4’-(1,3-bis(benzyloxy)-2-(benzyloxymethyl)propan-2-ylazandyl)bis(4,5-butanediyl)diphosphonatetetraethyl ester)の合成。782mg(2.00mmol)の1,3-ビス(ベンジルオキシ)-2-(ベンジルオキシメチル)プロパン-2-アミン、915mg(4.00mmol)の4-クロロブチルホスホン酸ジエチルエステル、552mg(4.0mmol)の無水炭酸カリウム、20mlのアセトニトリルを容積が100mlの一口丸底フラスコに入れ、油浴で80℃で30時間磁気撹拌した。反応液を濾過し、回転蒸発させて粗生成物を得、カラムクロマトグラフィーにより、4,4’-(1,3-ビス(ベンジルオキシ)-2-(ベンジルオキシメチル)プロパン-2-イルアザンジイル)ビス(4,1-ブタンジイル)ジホスホン酸テトラエチルエステルの粘稠な液体608mgを収率39.2%で得た。C41H63NO9P2、MS(ES+)m/z:776.4(M+H)+。また同時に、4-(1,3-ビス(ベンジルオキシ)-2-(ベンジルオキシメチル)プロパン-2-イルアミノ)ブチルホスホン酸ジエチルエステルの粘稠な液体249mgを収率21.3%で得た。C33H46NO6P、MS(ES+)m/z:584.3(M+H)+。
【0054】
ステップ(5):4,4’-(1,3-ジヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)プロパン-2-イルアザンジイル)ビス(4,1-ブタンジイル)ジホスホン酸ナトリウムの合成。608mg(0.784mmol)の4,4’-(1,3-ビス(ベンジルオキシ)-2-(ベンジルオキシメチル)プロパン-2-イルアザンジイル)ビス(4,1-ブタンジイル)ジホスホン酸テトラエチルエステル、10mlの濃塩酸を容積が100mlの一口丸底フラスコに入れ、油浴で105℃で磁気撹拌しながら18時間還流した。反応液を回転蒸発させて固体を得、樹脂カラムクロマトグラフィーで精製し、凍結乾燥した。固体を純水に溶解し、2N水酸化ナトリウム水溶液でアルカリ化し、エタノールで再結晶化して4,4’-(1,3-ジヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)プロパン-2-イルアザンジイル)ビス(4,1-ブタンジイル)ジホスホン酸ナトリウム結晶水和物の白色固体279mgを得た。収率は62.3%であった。C12H25NNa4O9P2・xH2O,MS(ES+)m/z:394.1(M+H)+。
【0055】
実施例4:2,2’-(4,4’-(2-ヒドロキシエチルアザンジイル)ビス(メチレン)ビス(4,1-フェニレン))ビス(エタン-2,1-ジイル)ジホスホン酸ナトリウム(sodium 2,2’-(4,4’-(2-hydroxyethyl azandyl)bis(methylene)bis(4,1-phenylene))bis(ethane-2,1-diyl)diphosphonate)の合成
【0056】
ステップ(1):4-(ブロモメチル)フェネチルホスホン酸ジメチルの合成。12.4g(0.100mol)のメチルホスホン酸ジメチル、200mlの乾燥テトラヒドロフランを容積が1000mlの三口丸底フラスコに入れ、磁気撹拌しながらドライアイスアセトン浴、-78℃下で40mlのn-ブチルリチウムn-ヘキサン溶液(0.10mol、2.5M)をゆっくり滴下した。滴下時間は30分間である。この温度で1時間撹拌を続けた。-78℃で、30分以内に26.4g(0.100mol)の1,4-ビス(ブロモメチル)ベンゼンの100mlの乾燥テトラヒドロフラン溶液を滴下し、1時間撹拌を続けた。LCMSで製品の主要な比率を検出した。リン酸二水素カリウム溶液(1M、50ml)で直ちに反応を停止させ、室温で一晩放置した。混合物を分液し、水相を50mlのジクロロメタンで2回抽出した。有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、スピン乾燥した。残留物をカラムクロマトグラフィーで精製して11.8gの黄色油状の4-(ブロモメチル)フェネチルホスホン酸ジメチルを得た。収率は38.4%であった。C11H16BrO3P,MS(ES+)m/z:307.0(M+H)+。
【0057】
ステップ(2):2,2’-(4,4’-(2-ヒドロキシエチルアザンジイル)ビス(メチレン)ビス(4,1-フェニレン))ビス(エタン-2,1-ジイル)ジホスホン酸テトラメチルエステル(2,2’-(4,4’-(2-hydroxyethyl azandyl)bis(methylene)bis(4,1-phenylene))bis(ethane-2,1-diyl)diphosphonatetetramethyl ester)の合成。675mg(2.2mmol)の4-(ブロモメチル)フェネチルホスホン酸ジメチル、61mg(1.0mmol)のエタノールアミン、304mg(2.2mmol)の無水炭酸カリウム、10mlのアセトニトリルを容積が50mlの一口丸底フラスコに入れ、油浴で60℃に加熱し、24時間磁気撹拌した。反応液を冷却し、濾過し、濾液を収集し、残留物を10mlのジクロロメタンで2回洗浄した。濾液を合わせ、回転蒸発させて粘稠な液体を得、カラムクロマトグラフィーで精製して2,2’-(4,4’-(2-ヒドロキシエチルアザンジイル)ビス(メチレン)ビス(4,1-フェニレン))ビス(エタン-2、1-ジイル)ジホスホン酸テトラメチルエステルの無色の液体330mgを得た。収率は64.0%であった。C24H37NO7P2、MS(ES+)m/z:514.2(M+H)+。
【0058】
ステップ(3):2,2’-(4,4’-(2-ヒドロキシエチルアザンジイル)ビス(メチレン)ビス(4,1-フェニレン))ビス(エタン-2,1-ジイル)ジホスホン酸ナトリウム(sodium 2,2’-(4,4’-(2-hydroxyethyl azandyl)bis(methylene)bis(4,1-phenylene))bis(ethane-2,1-diyl)diphosphonate)の合成。2,2’-(4,4’-(2-ヒドロキシエチルアザンジイル)ビス(メチレン)ビス(4,1-フェニレン))ビス(エタン-2,1-ジイル)ジホスホン酸テトラメチルエステル328mg(0.638mmol)、10mlの濃塩酸を容積が50mlの一口丸底フラスコに入れ、油浴で105℃に加熱し、24時間磁気撹拌した。反応液を冷却し、回転蒸発させて固体を得、樹脂カラムクロマトグラフィーで精製し、凍結乾燥した。固体を純水に溶解し、2N水酸化ナトリウム水溶液でアルカリ化し、エタノールで再結晶化して2,2’-(4,4’-(2-ヒドロキシエチルアザンジイル)ビス(メチレン)ビス(4,1-フェニレン))ビス(エタン-2,1-ジイル)ジホスホン酸ナトリウム結晶水和物の白色固体200mgを得た。収率は46.1%であった。C20H25NNa4O7P2・xH2O、MS(ES+)m/z:458.1(M+H)+。
【0059】
実施例5:2,2’,2”,2’”-(5,5’-(2-ヒドロキシエチルアザンジイル)ビス(メチレン)ビス(ベンゼンアルキル-5,3,1-トリイル))テトラ(エタン-2,1-ジイル)テトラホスホン酸ナトリウム(sodium 2,2’,2”,2’”-(5,5’-(2-hydroxyethylazandiyl)bis(methylene)bis(benzenealkyl-5,3,1-triyl))tetra(ethane-2,1-diyl)tetraphosphonate)の合成
【0060】
ステップ(1):オクタメチル2,2’,2”,2’”-(5,5’-(2-ヒドロキシエチルアザンジイル)ビス(メチレン)ビス(ベンゼンアルキル-5,3,1-トリイル))テトラ(エタン-2,1-ジイル)テトラホスホネート(octamethyl 2,2’,2”,2’”-(5,5’-(2-hydroxyethylazandiyl)bis(methylene)bis(benzenealkyl-5,3,1-triyl))tetra(ethane-2,1-diyl)tetraphosphonate)の合成。972mg(2.2mmol)の2,2’-(5-(ブロモメチル)-1,3-フェニレン)ビス(2,1-エタンジイル)ホスホン酸テトラメチルエステル、61mg(1.00mmol)のエタノールアミン、304mg(2.2mmol)の無水炭酸カリウム、20mlのアセトニトリルを容積が100mlの一口丸底フラスコに入れ、油浴で60℃に加熱し、24時間磁気撹拌した。反応液を冷却し、濾過し、濾液を収集し、残留物を20mlのジクロロメタンで2回洗浄した。濾液を合わせ、回転蒸発させて粘稠な液体を得、カラムクロマトグラフィーで精製してオクタメチル2,2’,2”,2’”-(5,5’-(2-ヒドロキシエチルアザンジイル)ビス(メチレン)ビス(ベンゼンアルキル-5,3,1-トリイル))テトラ(エタン-2,1-ジイル)テトラホスホネートの無色の液体550mgを得た。収率は70%であった。C32H55NO13P4、MS(ES+)m/z:786.3(M+H)+。
【0061】
ステップ(2):2,2’,2”,2’”-(5,5’-(2-ヒドロキシエチルアザンジイル)ビス(メチレン)ビス(ベンゼンアルキル-5,3,1-トリイル))テトラ(エタン-2,1-ジイル)テトラホスホン酸ナトリウム(sodium 2,2’,2”,2’”-(5,5’-(2-hydroxyethylazandiyl)bis(methylene)bis(benzenealkyl-5,3,1-triyl))tetra(ethane-2,1-diyl)tetraphosphonate)の合成。550mg(0.70mmol)の2,2’,オクタメチル2”,2’”-(5,5’-(2-ヒドロキシエチルアザンジイル)ビス(メチレン)ビス(ベンゼンアルキル-5,3,1-トリイル))テトラ(エタン-2,1-ジイル)テトラホスホネート、10mlの濃塩酸を50mlの一口丸底フラスコに入れ、油浴で105℃に加熱し、42時間磁気撹拌した。反応液を冷却し、回転蒸発させて固体を得、樹脂カラムクロマトグラフィーで精製し、凍結乾燥した。固体を純水に溶解し、2N水酸化ナトリウム水溶液でアルカリ化し、エタノールで再結晶化して2,2’,2”,2’”-(5,5’-(2-ヒドロキシエチルアザンジイル)ビス(メチレン)ビス(ベンゼンアルキル-5,3,1-トリイル))テトラ(エタン-2,1-ジイル)テトラホスホン酸ナトリウム結晶水和物の白色固体390mgを得た。収率は58%であった。C24H31NNa8O13P4・xH2O、MS(ES+)m/z:674.1(M+H)+。
【0062】
実施例6:(5,5’-(1,3-ジヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)プロパン-2-イルアザンジイル)ビス(メチレン)ビス(ベンゼンアルキル-5,3,1-トリイル))テトラ(メチレン)テトラホスホン酸ナトリウム(sodium(5,5’-(1,3-dihydroxy-2-(hydroxymethyl)propan-2-yl-azandyl)bis(methylene)bis(benzenealkyl-5,3,1-triyl))tetra(methylene)tetra phosphonate)の合成
【0063】
ステップ(1):(5-(ブロモメチル)-1,3-フェニレン)ビス(メチレン)ジホスホン酸テトラエチルエステル((5-(bromomethyl)-1,3-phenylene)bis(methylene)diphosphonic acid tetraethyl ester)の合成。7.14g(20.0mol)の1,3,5-トリス(ブロモメチル)ベンゼン、6.68g(40.2mol)の亜リン酸トリエチルを容積が50mlの一口丸底フラスコに入れ、油浴で90℃に加熱し、3時間磁気撹拌した。反応液を冷却固化し、固体に30mlのジクロロメタンを加え、十分に分散した懸濁液を30mlの石油エーテルに注ぎ、一晩撹拌し、濾過し、濾液を収集し、残留物を30mlのジクロロメタン:石油エーテル(1:5)混合物で洗浄した。濾液を合わせ、回転蒸発させて粘稠な液体を得、カラムクロマトグラフィーで精製して淡色の液体(5-(ブロモメチル)-1,3-フェニレン)ビス(メチレン)ジホスホン酸テトラエチルエステル2.45gを得た。収率は26%であった。C17H29BrO6P2,MS(ES+)m/z:493.0(M+Na)+。
【0064】
ステップ(2):(5,5’-(1,3-ジヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)プロパン-2-イルアザンジイル)ビス(メチレン)ビス(ベンゼンアルキル-5,3,1-トリイル))テトラ(メチレン)テトラホスホネートオクタエチルエステルの合成。1.04g(2.2mmol)の(5-(ブロモメチル)-1,3-フェニレン)ビス(メチレン)ジホスホン酸テトラエチルエステル、121mg(1.0mmol)のトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、304mg(2.2mmol)の無水炭酸カリウム、15mlのアセトニトリルを容積が50mlの一口丸底フラスコに入れ、油浴で60℃に加熱し、24時間磁気撹拌した。反応液を冷却し、濾過し、濾液を収集し、残留物を10mlのジクロロメタンで2回洗浄した。濾液を合わせ、回転蒸発させて粘稠な液体を得、カラムクロマトグラフィーで精製して(5,5’-(1,3-ジヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)プロパン-2-イルアザンジイル)ビス(メチレン)ビス(ベンゼンアルキル-5,3,1-トリイル))テトラ(メチレン)テトラホスホネートオクタエチルエステルの無色の液体360mgを得た。収率は40%であった。C38H67NO15P4、MS(ES+)m/z:902.4(M+H)+。
【0065】
ステップ(3):(5,5’-(1,3-ジヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)プロパン-2-イルアザンジイル)ビス(メチレン)ビス(ベンゼンアルキル-5,3,1-トリイル))テトラ(メチレン)テトラホスホン酸ナトリウムの合成。360mg(0.40mmol)の(5,5’-(1,3-ジヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)プロパン-2-イルアザンジイル)ビス(メチレン)ビス(ベンゼンアルキル-5,3,1-トリイル))テトラ(メチレン)テトラホスホネートオクタエチルエステル、10mlの濃塩酸を容積が50mlの一口丸底フラスコに入れ、油浴で105℃に加熱し、42時間磁気撹拌した。反応液を冷却し、回転蒸発させて固体を得、樹脂カラムクロマトグラフィーで精製し、凍結乾燥した。固体を純水に溶解し、2N水酸化ナトリウム水溶液でアルカリ化し、エタノールで再結晶化して(5,5’-(1,3-ジヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)プロパン-2-イルアザンジイル)ビス(メチレン)ビス(ベンゼンアルキル-5,3,1-トリイル))テトラ(メチレン)テトラホスホン酸ナトリウム結晶水和物の白色固体210mgを得た。収率は57%であった。C22H27NNa8O15P4・xH2O、MS(ES+)m/z:678.1(M+H)+。
【0066】
実施例7:2,2’,2”,2’”-(5,5’-(1,3-ジヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)プロパン-2-イルアザンジイル)ビス(メチレン)ビス(ベンゼンアルキル-5,3,1-トリイル))テトラ(エタン-2,1-ジイル)テトラホスホン酸ナトリウム(sodium 2,2’,2”,2’”-(5,5’-(1,3-dihydroxy-2-(hydroxymethyl)propan-2-ylazandiyl)bis(methylene)bis(benzenealkyl-5,3)1-triyl))tetra(ethane-2,1-diyl)tetraphosphonate)の合成
【0067】
ステップ(1):2,2’,2”,2’”-(5,5’-(1,3-ジヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)プロパン-2-イルアザンジイル)ビス(メチレン)ビス(ベンゼンアルキル-5,3,1-トリイル))テトラ(エタン-2,1-ジイル)オクタメチルテトラホスホネートの合成。972mg(2.2mmol)の2,2’-(5-(ブロモメチル)-1,3-フェニレン)ビス(2,1-エタンジイル)ホスホン酸テトラメチルエステル、121mg(1.0mmol)のトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、304mg(2.2mmol)の無水炭酸カリウム、10mlのアセトニトリルを容積が50mlの一口丸底フラスコに入れ、油浴で60℃に加熱し、24時間磁気撹拌した。反応液を冷却し、濾過し、濾液を収集し、残留物を10mlのジクロロメタンで2回洗浄した。濾液を合わせ、回転蒸発させて粘稠な液体を得、カラムクロマトグラフィーで精製して2,2’,2”,2’”-(5,5’-(1,3-ジヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)プロパン-2-イルアザンジイル)ビス(メチレン)ビス(ベンゼンアルキル-5,3,1-トリイル))テトラ(エタン-2,1-ジイル)オクタメチルテトラホスホネートの無色の液体465mgを得た。収率は55%であった。C34H59NO15P4、MS(ES+)m/z:846.3(M+H)+。
【0068】
ステップ(2):2,2’,2”,2’”-(5,5’-(1,3-ジヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)プロパン-2-イルアザンジイル)ビス(メチレン)ビス(ベンゼンアルキル-5,3,1-トリイル))テトラ(エタン-2,1-ジイル)テトラホスホン酸ナトリウムの合成。465mg(0.55mmol)の2,2’,2”,2’”-(5,5’-(1,3-ジヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)プロパン-2-イルアザンジイル)ビス(メチレン)ビス(ベンゼンアルキル-5,3,1-トリイル))テトラ(エタン-2,1-ジイル)オクタメチルテトラホスホネート、10mlの濃塩酸を容積が50mlの一口丸底フラスコに入れ、油浴で105℃に加熱し、42時間磁気撹拌した。反応液を冷却し、回転蒸発させて固体を得、樹脂カラムクロマトグラフィーで精製し、凍結乾燥した。固体を純水に溶解し、2N水酸化ナトリウム水溶液でアルカリ化し、エタノールで再結晶化して2,2’,2”,2’”-(5,5’-(1,3-ジヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)プロパン-2-イルアザンジイル)ビス(メチレン)ビス(ベンゼンアルキル-5,3,1-トリイル))テトラ(エタン-2,1-ジイル)テトラホスホン酸ナトリウム結晶水和物の白色固体360mgを得た。収率は65%であった。C26H35NNa8O15P4・xH2O、MS(ES+)m/z:606.2(M+H)+。
【0069】
実施例8:2,2’-(5-((1,3-ジヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)プロパン-2-イルアミノ)メチル)-1,2-フェニレン)ビス(エタン-2,1-ジイル)ジホスホン酸ナトリウム(sodium 2,2’-(5-((1,3-dihydroxy-2-(hydroxymethyl)propan-2-ylamino)methyl)-1,2-phenylene)bis(ethane-2,1-diyl)diphosphonate)の合成
【0070】
ステップ(1):2,2’-(5-((1,3-ジヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)プロパン-2-イルアミノ)メチル)-1,2-フェニレン)ビス(エタン-2,1-ジイル)ジホスホン酸テトラメチルエステルの合成。663mg(1.5mmol)の2,2’-(5-(ブロモメチル)-1,3-フェニレン)ビス(2,1-エタンジイル)ホスホン酸テトラメチルエステル、363mg(3.0mmol)のトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、207mg(1.5mmol)の無水炭酸カリウム、10mlのアセトニトリルを容積が50mlの一口丸底フラスコに入れ、油浴で60℃に加熱し、16時間磁気撹拌した。反応液を冷却し、濾過し、濾液を収集し、残留物を10mlのジクロロメタンで2回洗浄した。濾液を合わせ、回転蒸発させて粘稠な液体を得、カラムクロマトグラフィーで精製して2,2’-(5-((1,3-ジヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)プロパン-2-イルアミノ)メチル)-1,2-フェニレン)ビス(エタン-2,1-ジイル)ジホスホン酸テトラメチルエステルの無色の液体493mgを得た。収率は68%であった。C19H35NO9P2、MS(ES+)m/z:484.2(M+H)+。
【0071】
ステップ(2):2,2’-(5-((1,3-ジヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)プロパン-2-イルアミノ)メチル)-1,2-フェニレン)ビス(エタン-2,1-ジイル)ジホスホン酸ナトリウムの合成。493mg(1.02mmol)の2,2’-(5-((1,3-ジヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)プロパン-2-イルアミノ)メチル)-1,2-フェニレン)ビス(エタン-2,1-ジイル)ジホスホン酸テトラメチルエステル、10mlの濃塩酸を容積が50mlの一口丸底フラスコに入れ、油浴で105℃に加熱し、24時間磁気撹拌した。反応液を冷却し、回転蒸発させて固体を得、樹脂カラムクロマトグラフィーで精製し、凍結乾燥した。固体を純水に溶解し、2N水酸化ナトリウム水溶液でアルカリ化し、エタノールで再結晶化して2,2’-(5-((1,3-ジヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)プロパン-2-イルアミノ)メチル)-1,2-フェニレン)ビス(エタン-2,1-ジイル)ジホスホン酸ナトリウム結晶水和物の白色固体349mgを得た。収率60%であった。C15H23NNa4O9P2・xH2O、MS(ES+)m/z:428.1(M+H)+。
【0072】
実施例9:2,2’-(5-((1,3-ジヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)プロパン-2-イルメチルアミノ)メチル)-1,2-フェニレン)ビス(エタン-2,1-ジイル)ジホスホン酸ナトリウム(sodium 2,2’-(5-((1,3-dihydroxy-2-(hydroxymethyl)propan-2-ylmethylamino)methyl)-1,2-phenylene)bis(ethane-2,1-diyl)diphosphonate)の合成
【0073】
ステップ(1):2,2’-(5-((1,3-ジヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)プロパン-2-イルメチルアミノ)メチル)-1,2-フェニレン)ビス(エタン-2,1-ジイル)ジホスホン酸テトラメチルエステルの合成。450mg(0.93mmol)の2,2’-(5-((1,3-ジヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)プロパン-2-イルアミノ)メチル)-1,2-フェニレン)ビス(エタン-2,1-ジイル)ジホスホン酸テトラメチルエステル、284mg(2.0mmol)のヨウ化メチル、276mg(2.0mmol)の無水炭酸カリウム、4mlのアセトニトリルを10mlのマイクロ波チューブに入れ、油浴で60℃に加熱し、2時間磁気撹拌した。反応液を冷却し、濾過し、濾液を収集し、残留物を10mlのジクロロメタンで2回洗浄した。濾液を合わせ、回転蒸発させて粘稠な液体を得、カラムクロマトグラフィーで精製して2,2’-(5-((1,3-ジヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)プロパン-2-イルメチルアミノ)メチル)-1,2-フェニレン)ビス(エタン-2,1-ジイル)ジホスホン酸テトラメチルエステルの無色の液体300mgを得た。収率は64%であった。C20H37NO9P2、MS(ES+)m/z:498.2(M+H)+。
【0074】
ステップ(2):2,2’-(5-((1,3-ジヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)プロパン-2-イルメチルアミノ)メチル)-1,2-フェニレン)ビス(エタン-2,1-ジイル)ジホスホン酸ナトリウムの合成。300mg(0.60mmol)の2,2’-(5-((1,3-ジヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)プロパン-2-イルメチルアミノ)メチル)-1,2-フェニレン)ビス(エタン-2,1-ジイル)ジホスホン酸テトラメチルエステル、10mlの濃塩酸を容積が50mlの一口丸底フラスコに入れ、油浴で105℃に加熱し、24時間磁気撹拌した。反応液を冷却し、回転蒸発させて固体を得、樹脂カラムクロマトグラフィーで精製し、凍結乾燥した。固体を純水に溶解し、2N水酸化ナトリウム水溶液でアルカリ化し、エタノールで再結晶化して2,2’-(5-((1,3-ジヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)プロパン-2-イルメチルアミノ)メチル)-1,2-フェニレン)ビス(エタン-2,1-ジイル)ジホスホン酸ナトリウム結晶水和物の白色固体170mgを得た。収率は54%であった。C16H25NNa4O9P2・xH2O、MS(ES+)m/z:442.1(M+H)+。
【0075】
実施例10:2,2’,2”,2’”-(5,5’-(1-ブトキシ-3-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)プロパン-2-イルアザンジイル)ビス(メチレン)ビス(ベンゼンアルキル-5,3,1-トリイル))テトラ(エタン-2,1-ジイル)テトラホスホン酸ナトリウム(sodium 2,2’,2”,2’”-(5,5’-(1-butoxy-3-hydroxy-2-(hydroxymethyl)propan-2-ylazandiyl)bis(methylene)bis(benzenealkyl-5,5 3,1-triyl))tetra(ethane-2,1-diyl)tetraphosphonate)
【0076】
ステップ(1):2-ブトキシメチル-2-ニトロ-1,3-プロパンジオールの合成。15.1gのトリス(ヒドロキシメチル)ニトロメタン(0.100mol)を250mlの一口丸底フラスコに入れ、氷水浴、0℃で磁気撹拌しながら50mlの50%水酸化カリウム水溶液を滴下した。0℃で30分間磁気撹拌した後、6.85g(50mmol)のブロモブタンを滴下した。0-15℃で16時間磁気撹拌した。氷水浴冷却下で、反応液を200mlの飽和塩化アンモニウム水溶液に注ぎ、NaClで飽和させ、ほとんどの生成物が抽出されるまで、ジクロロメタン-イソプロパノール(10:1)を連続的に抽出した。有機相を合わせ、回転蒸発させて粘稠な液体を得、カラムクロマトグラフィーで精製して2-ブトキシメチル-2-ニトロ-1,3-プロパンジオールの淡黄色の液体4.14gを得た。収率は40%であった。C8H17NO5、MS(ES+)m/z:230.1(M+Na)+。
【0077】
ステップ(2):2-アミノ-2-ブトキシメチル-1,3-プロパンジオールの合成。4.14g(40mmol)の2-ブトキシメチル-2-ニトロ-1,3-プロパンジオール、800mgのラネーニッケル(Raney nickel)、4mlの濃アンモニア水、80mlのメタノールを容積が250mlの一口丸底フラスコに入れ、30℃で16時間水素を加えた。濾過し、残留物を30mlのメタノールで2回洗浄し、有機相を合わせ、回転蒸発させて、2-アミノ-2-ブトキシメチル-1,3-プロパンジオールの白色固体3.3gを得た。収率は92%であった。C8H19NO3、MS(ES+)m/z:178.1(M+H)+。
【0078】
ステップ(3):2,2’,2”,2’”-(5,5’-(1-ブトキシ-3-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)プロパン-2-イルアザンジイル)ビス(メチレン)ビス(ベンゼンアルキル-5,3,1-トリイル))テトラ(エタン-2,1-ジイル)オクタメチルテトラホスホネートの合成。972mg(2.2mmol)の2,2’-(5-(ブロモメチル)-1,3-フェニレン)ビス(2,1-エタンジイル)ホスホン酸テトラメチルエステル、178mg(1.0mmol)の2-アミノ-2-ブトキシメチル-1,3-プロパンジオール、304mg(2.2mmol)の無水炭酸カリウム、10mlのアセトニトリルを容積が50mlの一口丸底フラスコに入れ、油浴で60℃に加熱し、24時間磁気撹拌した。反応液を冷却し、濾過し、濾液を収集し、残留物を10mlのジクロロメタンで2回洗浄した。濾液を合わせ、回転蒸発させて粘稠な液体を得、カラムクロマトグラフィーで精製して2,2’,2”,2’”-(5,5’-(1-ブトキシ-3-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)プロパン-2-イルアザンジイル)ビス(メチレン)ビス(ベンゼンアルキル-5,3,1-トリイル))テトラ(エタン-2,1-ジイル)オクタメチルテトラホスホネートの無色の液体380mgを得た。収率は42%であった。C38H67NO15P4、MS(ES+)m/z:902.3(M+H)+。
【0079】
ステップ(4):2,2’,2”,2’”-(5,5’-(1-ブトキシ-3-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)プロパン-2-イルアザンジイル)ビス(メチレン)ビス(ベンゼンアルキル-5,3,1-トリイル))テトラ(エタン-2,1-ジイル)テトラホスホン酸ナトリウムの合成。380mg(0.42mmol)の2,2’,2”,2’”-(5,5’-(1-ブトキシ-3-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)プロパン-2-イルアザンジイル)ビス(メチレン)ビス(ベンゼンアルキル-5,3,1-トリイル))テトラ(エタン-2,1-ジイル)オクタメチルテトラホスホネート、10mlの濃塩酸を容積が50mlの一口丸底フラスコに入れ、油浴で105℃に加熱し、24時間磁気撹拌した。反応液を冷却し、回転蒸発させて固体を得、樹脂カラムクロマトグラフィーで精製し、凍結乾燥した。固体を純水に溶解し、2N水酸化ナトリウム水溶液でアルカリ化し、エタノールで再結晶化して2,2’,2”,2’”-(5,5’-(1-ブトキシ-3-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)プロパン-2-イルアザンジイル)ビス(メチレン)ビス(ベンゼンアルキル-5,3,1-トリイル))テトラ(エタン-2,1-ジイル)テトラホスホン酸ナトリウム結晶水和物の白色固体180mgを得た。収率は41%であった。C30H43NNa8O15P4・xH2O、MS(ES+)m/z:790.2(M+H)+。
【0080】
実施例11:2,2’-(5-((1-ブトキシ-3-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)プロパン-2-イルアミノ)メチル)-1,2-フェニレン)ビス(エタン-2,1-ジイル)ジホスホン酸ナトリウム(sodium 2,2’-(5-((1-butoxy-3-hydroxy-2-(hydroxymethyl)propan-2-ylamino)methyl)-1,2-phenylene)bis(ethane-2,1-diyl)di phosphonate)の合成
【0081】
ステップ(1):2,2’-(5-((1-ブトキシ-3-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)プロパン-2-イルアミノ)メチル)-1,2-フェニレン)ビス(エタン-2,1-ジイル)ジホスホネートメチルエステルの合成。662mg(1.5mmol)の2,2’-(5-(ブロモメチル)-1,3-フェニレン)ビス(2,1-エタンジイル)ホスホン酸テトラメチルエステル、533mg(3.0mmol)の2-アミノ-2-ブトキシメチル-1,3-プロパンジオール、304mg(2.2mmol)の無水炭酸カリウム、10mlのアセトニトリルを容積が50mlの一口丸底フラスコに入れ、油浴で60℃に加熱し、24時間磁気撹拌した。反応液を冷却し、濾過し、濾液を収集し、残留物を10mlのジクロロメタンで2回洗浄した。濾液を合わせ、回転蒸発させて粘稠な液体を得、カラムクロマトグラフィーで精製して2,2’-(5-((1-ブトキシ-3-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)プロパン-2-イルアミノ)メチル)-1,2-フェニレン)ビス(エタン-2,1-ジイル)ジホスホネートメチルエステルの無色の液体567mgを得た。収率は70%であった。C23H43NO9P2、MS(ES+)m/z:540.2(M+H)+。
【0082】
ステップ(2):2,2’-(5-((1-ブトキシ-3-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)プロパン-2-イルアミノ)メチル)-1,2-フェニレン)ビス(エタン-2,1-ジイル)ジホスホン酸ナトリウムの合成。220mg(0.407mmol)の2,2’-(5-((1-ブトキシ-3-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)プロパン-2-イルアミノ)メチル)-1,2-フェニレン)ビス(エタン-2,1-ジイル)ジホスホネートメチルエステル、10mlの濃塩酸を容積が50mlの一口丸底フラスコに入れ、油浴で105℃に加熱し、24時間磁気撹拌した。反応液を冷却し、回転蒸発させて固体を得、樹脂カラムクロマトグラフィーで精製し、凍結乾燥した。固体を純水に溶解し、2N水酸化ナトリウム水溶液でアルカリ化し、エタノールで再結晶化して2,2’-(5-((1-ブトキシ-3-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)プロパン-2-イルアミノ)メチル)-1,2-フェニレン)ビス(エタン-2,1-ジイル)ジホスホン酸ナトリウム結晶水和物の白色固体160mgを得た。収率は62%であった。C19H31NNa4O9P2・xH2O、MS(ES+)m/z:484.2(M+H)+。
【0083】
実施例12:(6,6’-(1,3-ジヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)プロパン-2-イルアザンジイル)ビス(メチレン)ビス(6,3-ピリジリデン))ビス(メチレン)ジホスホン酸ナトリウムの((6,6’-(1,3-dihydroxy-2-(hydroxymethyl)propan-2-yl-azunediyl)bis(methylene)bis(6,3-pyridylidene))bis(methylene)sodium diphosphonate)合成
【0084】
ステップ(1):5-(ブロモメチル)ピコリン酸メチル(Methyl 5-(bromomethyl)picolinate)の合成。7.56g(50.0mmol)の5-(メチル)ピコリン酸メチル、9.79g(55mmol)のN-ブロモスクシンイミド(N-bromosuccinimide)、100mlの四塩化炭素を容積が500mlの一口丸底フラスコに入れ、油浴で90℃に加熱し、10分間磁気撹拌し、650mg(2.5mmol)の過酸化ジベンゾイルを加えた。反応液を2時間還流し続けた。冷却し、100mlのジクロロメタンを加え、100mlの水で洗浄し、100mlの5%重炭酸ナトリウムで2回洗浄し、100mlの水で洗浄し、乾燥させ、濾過し、スピン乾燥して、粗生成物を得た。シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して5-(ブロモメチル)ピコリン酸メチルの粘稠な液体8.05gを得た。収率は70%であった。C8H8BrNO2、MS(ES+)m/z:252(M+Na)+。
【0085】
ステップ(2):5-((ジエトキシホスホリル)メチル)ピコリン酸メチルの合成。8.05g(35.0mol)の5-(ブロモメチル)ピコリン酸メチル、8.35g(50mmol)の亜リン酸トリエチルを容積が100mlの一口丸底フラスコに入れ、油浴で90℃に加熱し、3時間磁気撹拌した。反応液を冷却し、回転蒸発させて粘稠な液体を得、カラムクロマトグラフィーで精製して、粘稠な液体5-((ジエトキシホスホリル)メチル)ピコリン酸メチル4.02gを得た。収率は40%であった。;C12H18NO5P、MS(ES+)m/z:288.1(M+H)+。
【0086】
ステップ(3):(6-(ヒドロキシメチル)ピリジン-3-イル)メチルホスホン酸ジエチルの合成。3.75g(13.1mmol)の5-((ジエトキシホスホリル)メチル)ピコリン酸メチル、50mlの無水テトラヒドロフランを容積が250mlの三口丸底フラスコに入れ、氷水浴で磁気撹拌しながら15.6ml(15.6mmol)の1M水素化アルミニウムリチウムを滴下した。反応液を0℃で2時間反応させた。水冷下で、10gの硫酸ナトリウム十水和物の固体を加えて、反応を停止させ、濾過し、残留物を50mlのテトラヒドロフランで2回洗浄し、有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、スピン乾燥して粗生成物を得た。カラムクロマトグラフィーで精製して、粘稠な液体(6-(ヒドロキシメチル)ピリジン-3-イル)メチルホスホン酸ジエチル2.59gを得た。収率は76%であった。C11H18NO4P、MS(ES+)m/z:260.1(M+H)+。
【0087】
ステップ(4):(6-(ブロモメチル)ピリジン-3-イル)メチルホスホン酸ジエチルの合成。2.25g(8.7mmol)の(6-(ヒドロキシメチル)ピリジン-3-イル)メチルホスホン酸ジエチル、50mlのジクロロメタンを容積が250mlの一口丸底フラスコに入れ、氷水浴、0℃で、磁気撹拌しながら4.72g(17.4mmol)の三臭化リンを加え、反応液を0℃で3時間撹拌した。スピン乾燥させ、30gの氷に加え、5%の重炭酸ナトリウムで中性に調節し、60mlのジクロロメタンで3回抽出し、有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、低温でスピン乾燥して、粘稠な液体を得た。石油エーテルジクロロメタン混合液で洗浄して、粘稠な液体(6-(ブロモメチル)ピリジン-3-イル)メチルホスホン酸ジエチル1.6gを得た。収率は57%であった。C11H17BrNO3P、MS(ES+)m/z:322.0(M+H)+。
【0088】
ステップ(5):(6,6’-(1,3-ジヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)プロパン-2-イルアザンジイル)ビス(メチレン)ビス(6,3-ピリジリデン))ビス(メチレン)ジホスホン酸エチルエステルの合成。1.5g(4.66mmol)の(6-(ブロモメチル)ピリジン-3-イル)メチルホスホン酸ジエチル、257mg(2.12mmol)のトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、645mg(4.66mmol)の無水炭酸カリウム、15mlのアセトニトリルを容積が50mlの一口丸底フラスコに入れ、油浴で40℃に加熱し、16時間磁気撹拌した。反応液を冷却し、濾過し、濾液を収集し、残留物を30mlのジクロロメタンで2回洗浄した。濾液を合わせ、回転蒸発させて粘稠な液体を得、カラムクロマトグラフィーで精製して(6,6’-(1,3-ジヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)プロパン-2-イルアザンジイル)ビス(メチレン)ビス(6,3-ピリジリデン))ビス(メチレン)ジホスホン酸エチルの無色の液体320mgを得た。収率は24%であった。C26H43N3O9P2、MS(ES+)m/z:604.2(M+H)+。
【0089】
ステップ(6):(6,6’-(1,3-ジヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)プロパン-2-イルアザンジイル)ビス(メチレン)ビス(6,3-ピリジリデン))ビス(メチレン)ジホスホン酸ナトリウムの合成。300mg(0.50mmol)の(6,6’-(1,3-ジヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)プロパン-2-イルアザンジイル)ビス(メチレン)ビス(6,3-ピリジリデン))ビス(メチレン)ジホスホン酸エチル、10mlの濃塩酸を容積が50mlの一口丸底フラスコに入れ、油浴で105℃に加熱し、16時間磁気撹拌した。反応液を冷却し、回転蒸発させて固体を得、樹脂カラムクロマトグラフィーで精製し、凍結乾燥した。固体を純水に溶解し、2N水酸化ナトリウム水溶液でアルカリ化し、エタノールで再結晶化して(6,6’-(1,3-ジヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)プロパン-2-イルアザンジイル)ビス(メチレン)ビス(6,3-ピリジリデン))ビス(メチレン)ジホスホン酸ナトリウム結晶水和物の白色固体50mgを得た。収率は15%であった。C18H23N3Na4O9P2・xH2O、MS(ES+)m/z:492.1(M+H)+。
【0090】
実施例13:1,1’-(4,4’-(1,3-ジヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)プロパン-2-イルアザンジイル)ビス(メチレン)ビス(4,1-フェニレン))ビス(プロパン-2,1-ジイル)ジホスホン酸ナトリウム(sodium 1,1’-(4,4’-(1,3-dihydroxy-2-(hydroxymethyl)propan-2-ylazandiyl)bis(methylene)bis(4,1-phenylene))bis(propane-2,1-diyl)diphosphonate)の合成
【0091】
ステップ(1):1-(4-(ブロモメチル)フェニル)プロパン-2-イルホスホン酸ジエチルの合成。1.66g(10.0mol)のジエチルホスホン酸ジエチル(diethyl ethylphosphonate)、40mlの乾燥テトラヒドロフランを容積が250mlの三口丸底フラスコに入れ、磁気撹拌しながらドライアイスアセトン浴で4.0mlのn-ブチルリチウムn-ヘキサン溶液(10.0mmol、2.5M)をゆっくり滴下した。滴下時間は2分である。-45℃で30分間撹拌し続けた。-78℃で、2.64g(10.0mol)の1,4-ビス(ブロモメチル)ベンゼンの10mlの乾燥テトラヒドロフラン溶液を滴下し、-45℃で1時間撹拌を続けた。直ちにリン酸二水素カリウム溶液(1M、40ml)で反応を停止させ、室温で一晩放置した。混合物を分液し、水相を40mlのジクロロメタンで3回抽出した。有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、スピン乾燥した。残留物をカラムクロマトグラフィーで精製して1.2gの黄色油状の1-(4-(ブロモメチル)フェニル)プロパン-2-イルホスホン酸ジエチルを得た。収率は34%であった。C14H22BrO3P、MS(ES+)m/z:349.0(M+H)+。
【0092】
ステップ(2):1,1’-(4,4’-(1,3-ジヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)プロパン-2-イルアザンジイル)ビス(メチレン)ビス(4,1-フェニレン))ビス(プロパン-2,1-ジイル)ジホスホン酸エチルの合成。1.2g(3.45mmol)の1-(4-(ブロモメチル)フェニル)プロパン-2-イルホスホン酸ジエチル、190mg(1.57mmol)のトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、476mg(3.45mmol)の無水炭酸カリウム、10mlのアセトニトリルを容積が50mlの一口丸底フラスコに入れ、油浴で60℃に加熱し、24時間磁気撹拌した。反応液を冷却し、濾過し、濾液を収集し、残留物を10mlのジクロロメタンで2回洗浄した。濾液を合わせ、回転蒸発させて粘稠な液体を得、カラムクロマトグラフィーで精製して1,1’-(4,4’-(1,3-ジヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)プロパン-2-イルアザンジイル)ビス(メチレン)ビス(4,1-フェニレン))ビス(プロパン-2,1-ジイル)ジホスホン酸エチルの無色の液体672mgを得た。収率は65%であった。;C32H53NO9P2、MS(ES+)m/z:658.3(M+H)+。
【0093】
ステップ(3):1,1’-(4,4’-(1,3-ジヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)プロパン-2-イルアザンジイル)ビス(メチレン)ビス(4,1-フェニレン))ビス(プロパン-2,1-ジイル)ジホスホン酸ナトリウムの合成。672mg(1.02mmol)の1,1’-(4,4’-(1,3-ジヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)プロパン-2-イルアザンジイル)ビス(メチレン)ビス(4,1-フェニレン))ビス(プロパン-2,1-ジイル)ジホスホン酸エチル、10mlの濃塩酸を容積が50mlの一口丸底フラスコに入れ、油浴で105℃に加熱し、24時間磁気撹拌した。反応液を冷却し、回転蒸発させて固体を得、樹脂カラムクロマトグラフィーで精製し、凍結乾燥した。固体を純水に溶解し、2N水酸化ナトリウム水溶液でアルカリ化し、エタノールで再結晶化して、1,1’-(4,4’-(1,3-ジヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)プロパン-2-イルアザンジイル)ビス(メチレン)ビス(4,1-フェニレン))ビス(プロパン-2,1-ジイル)ジホスホン酸ナトリウム結晶水和物の白色固体514mgを得た。収率は72%であった。C24H33NNa4O9P2・xH2O、MS(ES+)m/z:546.2(M+H)+。
【0094】
実施例14:1,1’-(4,4’-(1,3-ジヒドロキシ-2-メチルプロパン-2-イルアザンジイル)ビス(メチレン)ビス(4,1-フェニレン))ビス(エタン-2,1-ジイル)ジホスホン酸ナトリウム(sodium 1,1’-(4,4’-(1,3-dihydroxy-2-methylpropane-2-ylazandyl)bis(methylene)bis(4,1-phenylene))bis(ethane-2,1-diyl)diphosphonate)の合成
【0095】
ステップ(1):1,1’-(4,4’-(1,3-ジヒドロキシ-2-メチルプロパン-2-イルアザンジイル)ビス(メチレン)ビス(4,1-フェニレン))ビス(エタン-2,1-ジイル)ジホスホネートメチルエステルの合成。676mg(2.2mmol)の4-(ブロモメチル)フェネチルホスホン酸ジメチル、121mg(1.00mmol)のトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、304mg(2.2mmol)の無水炭酸カリウム、10mlのアセトニトリルを容積が50mlの一口丸底フラスコに入れ、油浴で60℃に加熱し、24時間磁気撹拌した。反応液を冷却し、濾過し、濾液を収集し、残留物を10mlのジクロロメタンで2回洗浄した。濾液を合わせ、回転蒸発させて粘稠な液体を得、カラムクロマトグラフィーで精製して1,1’-(4,4’-(1,3-ジヒドロキシ-2-メチルプロパン-2-イルアザンジイル)ビス(メチレン)ビス(4,1-フェニレン))ビス(エタン-2,1-ジイル)ジホスホネートメチルエステルの無色の液体380mgを得た。収率は68%であった。C26H41NO8P2、MS(ES+)m/z:558.2(M+H)+。
【0096】
ステップ(2):1,1’-(4,4’-(1,3-ジヒドロキシ-2-メチルプロパン-2-イルアザンジイル)ビス(メチレン)ビス(4,1-フェニレン))ビス(エタン-2,1-ジイル)ジホスホン酸ナトリウムの合成。380mg(0.68mmol)の1,1’-(4,4’-(1,3-ジヒドロキシ-2-メチルプロパン-2-イルアザンジイル)ビス(メチレン)ビス(4,1-フェニレン))ビス(エタン-2,1-ジイル)ジホスホネートメチルエステル、10mlの濃塩酸を50mlの一口丸底フラスコに入れ、油浴で105℃に加熱し、24時間磁気撹拌した。反応液を冷却し、回転蒸発させて固体を得、樹脂カラムクロマトグラフィーで精製し、凍結乾燥した。固体を純水に溶解し、2N水酸化ナトリウム水溶液でアルカリ化し、エタノールで再結晶化して1,1’-(4,4’-(1,3-ジヒドロキシ-2-メチルプロパン-2-イルアザンジイル)ビス(メチレン)ビス(4,1-フェニレン))ビス(エタン-2,1-ジイル)ジホスホン酸ナトリウム結晶水和物の白色固体337mgを得た。収率は74%であった。C22H29NNa4O8P2・xH2O、MS(ES+)m/z:502.2(M+H)+。
【0097】
実施例15:2-((1,3-ジヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)プロパン-2-イルアミノ)メチル)プロパン-1,3-ジイルジホスホン酸ナトリウム(sodium 2-((1,3-dihydroxy-2-(hydroxymethyl)propan-2-ylamino)methyl)propane-1,3-diyldiphosphonate)の合成
【0098】
ステップ(1):3-ブロモ-2-(ブロモメチル)プロピオン酸メチルの合成。12.3g(50.0mol)の3-ブロモ-2-(ブロモメチル)プロピオン酸、6.9g(50mmol)の無水炭酸カリウム100mlを容積が250mlの一口丸底フラスコに入れ、10.65g(75mmol)のヨウ化メチルを滴下し、20℃で、3時間磁気撹拌した。反応液を濾過し、残留物を50mlのジクロロメタンで洗浄し、有機相を合わせ、回転蒸発させて、粘稠な液体3-ブロモ-2-(ブロモメチル)プロピオン酸メチル11.7gを得た。収率は90%であった。C5H8Br2O2、MS(ES+)m/z:281.0(M+Na)+。
【0099】
ステップ(2):3-(ジエトキシホスホリル)-2-((ジエトキシホスホリル)メチル)プロピオン酸メチルの合成。11.0g(42.5mol)の3-ブロモ-2-(ブロモメチル)プロピオン酸メチル、21.2g(127mmol)の亜リン酸トリエチルを容積が100mlの一口丸底フラスコに入れ、油浴で120℃に加熱し、3時間磁気撹拌した。反応液を冷却し、回転蒸発させて粘稠な液体を得、カラムクロマトグラフィーで精製して、粘稠な液体3-(ジエトキシホスホリル)-2-((ジエトキシホスホリル)メチル)プロピオン酸メチル7.96gを得た。収率は50%であった。C13H28O8P2、MS(ES+)m/z:375.1(M+H)+。
【0100】
ステップ(3):2-(ヒドロキシメチル)プロパン-1,3-ジイルジホスホン酸テトラエチルエステルの合成。7.5g(20.0mmol)の3-(ジエトキシホスホリル)-2-((ジエトキシホスホリル)メチル)プロピオン酸メチル、100mlの無水テトラヒドロフランを容積が500mlの三口丸底フラスコに入れ、氷水浴で、磁気撹拌しながら24ml(24mmol)の1M水素化アルミニウムリチウムを滴下した。反応液を0℃で2時間反応させた。水冷下で、15gの硫酸ナトリウム十水和物の固体を加えて、反応を停止させ、濾過し、残留物を50mlのテトラヒドロフランで2回洗浄し、有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、スピン乾燥して粗生成物を得た。カラムクロマトグラフィーで精製して、粘稠な液体2-(ヒドロキシメチル)プロパン-1,3-ジイルジホスホン酸テトラエチルエステル4.50gを得た。収率は65%であった。C12H28O7P2、MS(ES+)m/z:347.1(M+H)+。
【0101】
ステップ(4):2-(ブロモメチル)プロパン-1,3-ジイルジホスホン酸テトラエチルエステルの合成。4.3g(12.4mmol)の2-(ヒドロキシメチル)プロパン-1,3-ジイルジホスホン酸テトラエチルエステル、80mlのジクロロメタンを容積が250mlの一口丸底フラスコに入れ、氷水浴、0℃で、磁気撹拌しながら5.04g(18.6mmol)の三臭化リンを加え、反応液を0℃で3時間撹拌した。スピン乾燥させ、40gの氷を加え、5%の重炭酸ナトリウムで中性に調節し、80mlのジクロロメタンで3回抽出し、有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、スピン乾燥し、粗生成物をカラムクロマトグラフィーで精製して、粘稠な液体2-(ブロモメチル)プロパン-1,3-ジイルジホスホン酸テトラエチルエステル3.1gを得た。収率は61%であった。C12H27BrO6P2、MS(ES+)m/z:409.0(M+H)+。
【0102】
ステップ(5):2-((1,3-ジヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)プロパン-2-イルアミノ)メチル)プロパン-1,3-ジイルジホスホン酸テトラエチルエステルの合成。614mg(1.50mmol)の2-(ブロモメチル)プロパン-1,3-ジイルジホスホン酸テトラエチルエステル、363mg(3.00mmol)のトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、207mg(1.5mmol)の無水炭酸カリウム、30mlのアセトニトリルを容積が100mlの一口丸底フラスコに入れ、油浴で80℃に加熱し、16時間磁気撹拌した。反応液を冷却し、濾過し、濾液を収集し、残留物を30mlのジクロロメタンで2回洗浄した。濾液を合わせ、回転蒸発させて粘稠な液体を得、カラムクロマトグラフィーで精製して、2-((1,3-ジヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)プロパン-2-イルアミノ)メチル)プロパン-1,3-ジイルジホスホン酸テトラエチルエステルの無色の液体276mgを得た。収率は41%であった。C16H37NO9P2、MS(ES+)m/z:450.2(M+H)+。
【0103】
ステップ(6):2-((1,3-ジヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)プロパン-2-イルアミノ)メチル)プロパン-1,3-ジイルジホスホン酸ナトリウムの合成。276mg(0.61mmol)の2-((1,3-ジヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)プロパン-2-イルアミノ)メチル)プロパン-1,3-ジイルジホスホン酸テトラエチルエステル、10mlの濃塩酸を容積が50mlの一口丸底フラスコに入れ、油浴で105℃に加熱し、16時間磁気撹拌した。反応液を冷却し、回転蒸発させて固体を得、樹脂カラムクロマトグラフィーで精製し、凍結乾燥した。固体を純水に溶解し、2N水酸化ナトリウム水溶液でアルカリ化し、エタノールで再結晶化して、2-((1,3-ジヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)プロパン-2-イルアミノ)メチル)プロパン-1,3-ジイルジホスホン酸ナトリウム結晶水和物の白色固体220mgを得た。収率は72%であった。C8H17NNa4O9P2・xH2O、MS(ES+)m/z:338.1(M+H)+。
【0104】
実施例16:1-((1,3-ジヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)プロパン-2-イルアミノ)メチル)メタン-1,1,1-トリメチルホスホン酸ナトリウム(1-((1,3-dihydroxy-2-(hydroxymethyl)propan-2-ylamino)methyl)methane-1,1,1-sodium trimethylphosphonate)の合成
【0105】
ステップ(1):1-(ブロモメチル)メタン-1,1,1-トリメチルホスホン酸エチルの合成。7.76g(20.0mol)のテトラブロモペンタペンタノール、13.3g(80.0mmol)の亜リン酸トリエチルを容積が100mlの一口丸底フラスコに入れ、油浴で120℃に加熱し、4時間磁気撹拌した。反応液を冷却し、回転蒸発させて粘稠な液体を得、カラムクロマトグラフィーで精製して、粘稠な液体1-(ブロモメチル)メタン-1,1,1-トリメチルホスホン酸エチル5.60gを得た。収率は50%であった。C17H38BrO9P3、MS(ES+)m/z:559.1(M+H)+。
【0106】
ステップ(2):1-((1,3-ジヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)プロパン-2-イルアミノ)メチル)メタン-1,1,1-トリメチルホスホン酸エチルの合成。2.7g(4.83mmol)の1-(ブロモメチル)メタン-1,1,1-トリメチルホスホン酸エチル、726mg(6.0mmol)のトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、690mg(5.0mmol)の無水炭酸カリウム、80mlのアセトニトリルを容積が250mlの一口丸底フラスコに入れ、油浴で80℃に加熱し、16時間磁気撹拌した。反応液を冷却し、濾過し、濾液を収集し、残留物を60mlのジクロロメタンで2回洗浄した。濾液を合わせ、回転蒸発させて粘稠な液体を得、カラムクロマトグラフィーで精製して、1-((1,3-ジヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)プロパン-2-イルアミノ)メチル)メタン-1,1,1-トリメチルホスホン酸エチルの無色の液体520mgを得た。収率は18%であった。C21H48NO12P3、MS(ES+)m/z:600.2(M+H)+。
【0107】
ステップ(3):1-((1,3-ジヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)プロパン-2-イルアミノ)メチル)メタン-1,1,1-トリメチルホスホネートの合成。500mg(0.83mmol)の1-((1,3-ジヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)プロパン-2-イルアミノ)メチル)メタン-1,1,1-トリメチルホスホン酸エチル、10mlの濃塩酸を容積が50mlの一口丸底フラスコに入れ、油浴で105℃に加熱し、24時間磁気撹拌した。反応液を冷却し、回転蒸発させて固体を得、樹脂カラムクロマトグラフィーで精製し、凍結乾燥した。固体を純水に溶解し、2N水酸化ナトリウム水溶液でアルカリ化し、エタノールで再結晶化して、1-((1,3-ジヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)プロパン-2-イルアミノ)メチル)メタン-1,1,1-トリメチルホスホネート結晶水和物の白色固体210mgを得た。収率は39%であった。C9H18NNa6O12P3・xH2O、MS(ES+)m/z:432.1(M+H)+。
【0108】
実施例17:2,2’-(5-(2-(2-(1,3-ジヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)プロパン-2-イルアミノ)エトキシ)エトキシ)-1,3-フェニレン)ビス(エタン-2,1-ジイル)ジホスホン酸ナトリウム(sodium 2,2’-(5-(2-(2-(1,3-dihydroxy-2-(hydroxymethyl)propan-2-ylamino)ethoxy)ethoxy)-1,3-phenylene)bis(ethane-2,1-diyl)diphosphonate)の合成
【0109】
ステップ(1):5-ベンジルオキシイソフタル酸ジメチルの合成。21.02g(100mol)の5-ヒドロキシイソフタル酸ジメチル、100mlの乾燥N,N-ジメチルホルムアミドを容積が500mlの三口丸底フラスコに入れ、磁気撹拌しながら20.7g(150mmol)の無水炭酸カリウムおよび25.7g(150mmol)の臭化ベンジルを加えた。室温で一晩撹拌した。反応液を500mlの氷水に注ぎ、200mlの酢酸エチルで2回抽出し、有機相を合わせ、200mlの水で洗浄し、200mlの飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、スピン乾燥して、粗生成物を得、カラムクロマトグラフィーで精製して、27gの油状の5-ベンジルオキシイソフタル酸ジメチルを得た。収率は90%であった。C17H16O5、MS(ES+)m/z:323.1(M+Na)+。
【0110】
ステップ(2):(5-(ベンジルオキシ)-1,3-フェニレン)ジメタノールの合成。27g(90.0mmol)の5-ベンジルオキシイソフタル酸ジメチル、200mlの無水テトラヒドロフランを容積が1000mlの三口丸底フラスコに入れ、氷水浴、0℃で198mlの1M水素化アルミニウムリチウムテトラヒドロフラン溶液をゆっくり滴下した。反応液を0-20℃で2時間磁気撹拌した。反応液を氷水浴で冷却し、50gの硫酸ナトリウム十水和物をバッチで加えて反応を停止させた。濾過し、濾液を収集し、残留物を200mlのジクロロメタンで2回洗浄した。濾液を合わせ、乾燥させ、回転蒸発させて、粘稠な液体(5-(ベンジルオキシ)-1,3-フェニレン)ジメタノール20.2gを得た。収率は92%であった。C15H16O3、MS(ES+)m/z:267.1(M+Na)+。
【0111】
ステップ(3):1-(ベンジルオキシ)-3,5-ビス(ブロモメチル)ベンゼンの合成。20.2g(82.7mmol)の(5-(ベンジルオキシ)-1,3-フェニレン)ジメタノール、200mlの無水ジクロロメタンを容積が1000mlの三口丸底フラスコに入れ、氷水浴、0℃で67.2g(248mmol)の三臭化リンをゆっくり滴下した。反応液を0-20℃で2時間磁気撹拌した。反応液を500gの氷に注ぎ、200mlのジクロロメタンで2回抽出し、有機相を合わせ、200mlの水で洗浄し、乾燥させ、回転蒸発させて、淡黄色の固体1-(ベンジルオキシ)-3,5-ビス(ブロモメチル)ベンゼン27.5gを得た。収率は89%であった。C15H14Br2O、MS(ES+)m/z:391.0(M+Na)+。
【0112】
ステップ(4):2,2’-(5-(ベンジルオキシ)-1,3-フェニレン)ビス(エタン-2,1-ジイル)ジホスホン酸テトラメチルエステルの合成。23.06g(186mol)のメチルホスホン酸ジメチル、250mlの乾燥テトラヒドロフランを容積が1000mlの三口丸底フラスコに入れ、磁気撹拌しながらドライアイスアセトン浴で、74.4mlのn-ブチルリチウムn-ヘキサン溶液(186mmol、2.5M)をゆっくり滴下した。滴下時間は30分である。-78℃で30分間撹拌を続けた。-78℃で27.5g(74.3mol)の1-(ベンジルオキシ)-3,5-ビス(ブロモメチル)ベンゼンの100ml乾燥テトラヒドロフラン溶液を滴下し、-78℃で2時間撹拌を続けた。直ちにリン酸二水素カリウム溶液(1M、100ml)で反応を停止させ、室温で一晩放置した。混合物を分液し、水相を200mlのジクロロメタンで3回抽出した。有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、スピン乾燥した。残留物をカラムクロマトグラフィーで精製して、25.4gの無色油状の2,2’-(5-(ベンジルオキシ)-1,3-フェニレン)ビス(エタン-2,1-ジイル)ジホスホン酸テトラメチルエステルを得た。収率は75%であった。C21H30O7P2、MS(ES+)m/z:479.2(M+Na)+。
【0113】
ステップ(5):2,2’-(5-ヒドロキシ-1,3-フェニレン)ビス(エタン-2,1-ジイル)ジホスホン酸テトラメチルエステルの合成。25.4g(55.7mol)の2,2’-(5-(ベンジルオキシ)-1,3-フェニレン)ビス(エタン-2,1-ジイル)ジホスホン酸テトラメチルエステル、1gの10%パラジウムカーボン、250mlのエタノールを容積が1000mlの三口丸底フラスコに入れ、磁気撹拌しながら20℃でH2を加えて18時間反応させた。濾過し、スピン乾燥して、19.4gの黄色の固体2,2’-(5-ヒドロキシ-1,3-フェニレン)ビス(エタン-2,1-ジイル)ジホスホン酸テトラメチルエステルを得た。収率は95%であった。C14H24O7P2、MS(ES+)m/z:389.1(M+Na)+。
【0114】
ステップ(6):2,2’-(5-(2-(2-ブロモエトキシ)エトキシ)-1,3-フェニレン)ビス(エタン-2,1-ジイル)ジホスホン酸テトラメチルエステルの合成。1.83g(5.0mol)の2,2’-(5-ヒドロキシ-1,3-フェニレン)ビス(エタン-2,1-ジイル)ジホスホン酸テトラメチルエステル、2.32g(10.0mmol)の1-ブロモ-2-(2-エトキシ)エタン、1.38g(10.0mmol)の無水炭酸カリウム、20mlの無水N,N-ジメチルホルムアミドを100mlの一口丸底フラスコに入れ、磁気撹拌しながら60℃で18時間反応させた。反応液を120mlの氷水に注ぎ、120mlの酢酸エチルで2回抽出し、有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、スピン乾燥した。粗生成物をカラムクロマトグラフィーにより精製して、1.47gの粘稠な液体の2,2’-(5-(2-(2-ブロモエトキシ)エトキシ)-1,3-フェニレン)ビス(エタン-2,1-ジイル)ジホスホン酸テトラメチルエステルを得た。収率は57%であった。C18H31BrO8P2、MS(ES+)m/z:517.1(M+H)+。
【0115】
ステップ(7):2,2’-(5-(2-(2-(1,3-ジヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)プロパン-2-イルアミノ)エトキシ)エトキシ)-1,3-フェニレン)ビス(エタン-2,1-ジイル)ジホスホン酸テトラメチルエステルの合成。1.35g(2.6mol)の2,2’-(5-(2-(2-ブロモエトキシ)エトキシ)-1,3-フェニレン)ビス(エタン-2,1-ジイル)ジホスホン酸テトラメチルエステル、726mg(6.0mmol)のトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、414mg(3.0mmol)の無水炭酸カリウム、80mlのアセトニトリルを250mlの一口丸底フラスコに入れ、油浴で80℃に加熱し、16時間磁気撹拌した。反応液を冷却し、濾過し、濾液を収集し、残留物を60mlのジクロロメタンで2回洗浄した。濾液を合わせ、回転蒸発させて粘稠な液体を得、カラムクロマトグラフィーで精製して、2,2’-(5-(2-(2-(1,3-ジヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)プロパン-2-イルアミノ)エトキシ)エトキシ)-1,3-フェニレン)ビス(エタン-2,1-ジイル)ジホスホン酸テトラメチルエステルの無色の液体914mgを得た。収率は63%であった。C22H41NO11P2、MS(ES+)m/z:558.2(M+H)+。
【0116】
ステップ(8):2,2’-(5-(2-(2-(1,3-ジヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)プロパン-2-イルアミノ)エトキシ)エトキシ)-1,3-フェニレン)ビス(エタン-2,1-ジイル)ジホスホン酸ナトリウムの合成。860mg(1.54mmol)の2,2’-(5-(2-(2-(1,3-ジヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)プロパン-2-イルアミノ)エトキシ)エトキシ)-1,3-フェニレン)ビス(エタン-2,1-ジイル)ジホスホン酸テトラメチルエステル、10mlの乾燥ジクロロメタンを50mlの一口丸底フラスコに入れ、氷水浴、0℃で磁気撹拌し、窒素保護下で3mlのトリメチルブロモシランを滴下した。1時間以内に反応液をゆっくりと20℃に昇温した。6時間撹拌し続けた。回転蒸発させて粘稠な液体を得、10mlのジクロロメタンおよび5mlのメタノールを加え、20℃で30分間撹拌し、スピン乾燥させ、樹脂カラムクロマトグラフィーで精製し、凍結乾燥した。固体を純水に溶解し、2N水酸化ナトリウム水溶液でアルカリ化し、エタノールで再結晶化して、2,2’-(5-(2-(2-(1,3-ジヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)プロパン-2-イルアミノ)エトキシ)エトキシ)-1,3-フェニレン)ビス(エタン-2,1-ジイル)ジホスホン酸ナトリウム結晶水和物の白色固体236mgを得た。収率は24%であった。C18H29NNa4O11P2・xH2O、MS(ES+)m/z:502.2(M+H)+。
【0117】
実施例18:2,2’-(5-(2-アミノ-3-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)プロポキシ)-1,3-フェニレン)ビス(エタン-2,1-ジイル)ジホスホン酸ナトリウム(sodium 2,2’-(5-(2-amino-3-hydroxy-2-(hydroxymethyl)propoxy)-1,3-phenylene)bis(ethane-2,1-diyl)diphosphonate)の合成
【0118】
ステップ(1):2-メチル-4,4-ジヒドロキシメチル-4,5-ジヒドロオキサゾールの合成。5.0g(41.3mmol)のトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、50mlのN,N-ジメチルホルムアミド、9.1mlのオルト酢酸トリエチル(triethyl orthoacetate)、7.2mlのN,N-ジメチルホルムアミドを容積が250mlの一口丸底フラスコに入れ、120℃で8時間撹拌した。溶媒をスピンオフし、100mlの石油エーテルを加え、固体を析出し、固体を収集して、2-メチル-4,4-ジヒドロキシメチル-4,5-ジヒドロオキサゾールの淡黄色の固体4.31gを得た。収率は72%であった。C6H11NO3、MS(ES+)m/z:146.1(M+H)+。
【0119】
ステップ(2):2,2’-(5-((4-(ヒドロキシメチル)-2-メチル-4,5-ジヒドロオキサゾール4-イル)メトキシ)-1,3-フェニレン)ビス(エタン-2,1-ジイル)ジホスホン酸テトラメチルエステルの合成。576mg(2.2mmol)のトリフェニルホスフィン、40mの乾燥トルエンを250mlの三口丸底フラスコに入れ、氷水浴、0℃で383mg(2.2mmol)アゾジカルボン酸ジエチルをゆっくり滴下した。氷水浴で30分間撹拌し続けた後、732mg(2.0mmol)の2,2’-(5-ヒドロキシ-1,3-フェニレン)ビス(エタン-2,1-ジイル)ジホスホン酸テトラメチルエステルおよび436mg(3.0mmol)の2-メチル-4,4-ジヒドロキシメチル-4,5-ジヒドロオキサゾールを加えた。反応液を16時間加熱還流した。トルエンをスピンオフし、粗生成物をカラムクロマトグラフィーにより精製して、2,2’-(5-((4-(ヒドロキシメチル)-2-メチル-4,5-ジヒドロオキサゾール4-イル)メトキシ)-1,3-フェニレン)ビス(エタン-2,1-ジイル)ジホスホン酸テトラメチルエステルの粘稠な液体325mgを得た。収率は33%であった。C20H33NO9P2、MS(ES+)m/z:494.2(M+H)+。
【0120】
ステップ(3):2,2’-(5-(2-アミノ-3-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)プロポキシ)-1,3-フェニレン)ビス(エタン-2,1-ジイル)ジホスホン酸ナトリウムの合成。325mg(0.67mmol)の2,2’-(5-((4-(ヒドロキシメチル)-2-メチル-4,5-ジヒドロオキサゾール4-イル)メトキシ)-1,3-フェニレン)ビス(エタン-2,1-ジイル)ジホスホン酸テトラメチルエステル、10mlの乾燥ジクロロメタンを50mlの一口丸底フラスコに入れ、氷水浴、0℃で磁気撹拌し、窒素保護下で3mlのトリメチルブロモシランを滴下した。1時間以内に反応液をゆっくりと20℃に昇温した。6時間撹拌し続けた。回転蒸発させて粘稠な液体を得、2mlの無水エタノール、2mlの6N塩酸水溶液を加え、油浴で70℃に加熱し、1時間磁気撹拌した。反応液を冷却し、回転蒸発させて粘稠な液体を得、10mlのジクロロメタンおよび5mlのメタノールを加え、20℃で30分間撹拌し、スピン乾燥させ、樹脂カラムクロマトグラフィーで精製し、凍結乾燥した。固体を純水に溶解し、2N水酸化ナトリウム水溶液でアルカリ化し、エタノールで再結晶化して2,2’-(5-(2-アミノ-3-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)プロポキシ)-1,3-フェニレン)ビス(エタン-2,1-ジイル)ジホスホン酸ナトリウムの結晶水和物の白色固体82mgを得た。収率は22%であった。C14H21NNa4O9P2・xH2O、MS(ES+)m/z:414.1(M+H)+。
【0121】
実施例19:2,2’-(5-(4-((1,3-ジヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)プロパン-2-イルアミノ)メチル)フェノキシ)-1,3-フェニレン)ビス(エタン-2,1-ジイル)ジホスホン酸ナトリウム(sodium 2,2’-(5-(4-((1,3-dihydroxy-2-(hydroxymethyl)propan-2-ylamino)methyl)phenoxy)-1,3-phenylene)bis(ethane-2,1-diyl)diphosphonate)の合成
【0122】
ステップ(1):(3,5-ビス(2-(ジメトキシホスホリル)エチル)フェニル)(2,4,6-トリメチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホナートの合成。759mg(4.4mmol)のm-クロロペルオキシ安息香酸、40mlの無水ジクロロメタンを容積が50mlの乾燥一口丸底フラスコに入れ、1.90g(4.0mmol)の2,2’-(5-ヨード-1,3-フェニレン)ビス(エタン-2,1-ジイル)ジホスホン酸テトラメチルエステルおよび5.29g(4.4mmol)のメシチレン(mesitylene)を加えた。氷水浴下で、1.02g(6.8mmol)のトリフルオロメタンスルホン酸をゆっくり滴下した。反応液を20℃で2時間撹拌した。低温でジクロロメタンをスピンオフし、100mlのエーテルを加え、濾過し、固体を収集して、(3,5-ビス(2-(ジメトキシホスホリル)エチル)フェニル)(2,4,6-トリメチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホナートの黄色の固体2.74gを得た。収率は92%であった。C24H34F3IO9P2S、MS(ES+)m/z:595.1(M+)+。
【0123】
ステップ(2):2,2’-(5-(4-(ヒドロキシメチル)フェノキシ)-1,3-フェニレン)ビス(エタン-2,1-ジイル)ジホスホネートメチルエステルの合成。1.30g(1.75mmol)の(3,5-ビス(2-(ジメトキシホスホリル)エチル)フェニル)(2,4,6-トリメチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホナートの黄色の固体、20mの乾燥ジクロロメタンを容積が100mlの三口丸底フラスコに入れ、20℃で282mg(2.27mmol)の4-(ヒドロキシメチル)フェノールおよびN,N-ジメチルホルムアミド677mg(5.25mmol)の10mlを滴下した。反応液を20℃で16時間撹拌した。ジクロロメタンをスピンオフし、粗生成物をカラムクロマトグラフィーにより精製して、2,2’-(5-(4-(ヒドロキシメチル)フェノキシ)-1,3-フェニレン)ビス(エタン-2,1-ジイル)ジホスホネートメチルエステルの粘稠な液体620mgを得た。収率は75%であった。C21H30O8P2、MS(ES+)m/z:473.1(M+H)+。
【0124】
ステップ(3):2,2’-(5-(4-(ブロモメチル)フェノキシ)-1,3-フェニレン)ビス(エタン-2,1-ジイル)ジホスホネートメチルエステルの合成。620mg(1.31mmol)の2,2’-(5-(4-(ヒドロキシメチル)フェノキシ)-1,3-フェニレン)ビス(エタン-2,1-ジイル)ジホスホネートメチルエステル、10mlの無水ジクロロメタンを容積が50mlの三口丸底フラスコに入れ、氷水浴、0℃で710mg(2.62mmol)の三臭化リンをゆっくり滴下した。反応液を0-20℃で3時間磁気撹拌した。反応液を50gの氷に注ぎ、50mlのジクロロメタンで2回抽出し、有機相を合わせ、100mlの水で洗浄し、乾燥させ、回転蒸発させて、粘稠な液体の2,2’-(5-(4-(ブロモメチル)フェノキシ)-1,3-フェニレン)ビス(エタン-2,1-ジイル)ジホスホネートメチルエステル652mgを得た。収率は93%であった。C21H29BrO7P2、MS(ES+)m/z:535.1(M+H)+。
【0125】
ステップ(4):2,2’-(5-(4-((1,3-ジヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)プロパン-2-イルアミノ)メチル)フェノキシ)-1,3-フェニレン)ビス(エタン-2,1-ジイル)ジホスホネートメチルエステルの合成。652mg(1.22mol)の2,2’-(5-(4-(ブロモメチル)フェノキシ)-1,3-フェニレン)ビス(エタン-2,1-ジイル)ジホスホネートメチルエステル、484mg(4.0mmol)のトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、207mg(1.5mmol)の無水炭酸カリウム、20mlのN,N-ジメチルホルムアミドを50mlの一口丸底フラスコに入れ、20℃で16時間磁気撹拌した。反応液を濾過し、濾液を収集し、残留物を60mlのジクロロメタンで2回洗浄した。濾液を合わせ、回転蒸発させて粘稠な液体を得、カラムクロマトグラフィーで精製して、2,2’-(5-(4-((1,3-ジヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)プロパン-2-イルアミノ)メチル)フェノキシ)-1,3-フェニレン)ビス(エタン-2,1-ジイル)ジホスホネートメチルエステルの無色の液体506mgを得た。収率72%であった。C25H39NO10P2、MS(ES+)m/z:576.2(M+H)+。
【0126】
ステップ(5):2,2’-(5-(4-((1,3-ジヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)プロパン-2-イルアミノ)メチル)フェノキシ)-1,3-フェニレン)ビス(エタン-2,1-ジイル)ジホスホン酸ナトリウムの合成。506mg(0.878mmol)の2,2’-(5-(4-((1,3-ジヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)プロパン-2-イルアミノ)メチル)フェノキシ)-1,3-フェニレン)ビス(エタン-2,1-ジイル)ジホスホネートメチルエステル、10mlの乾燥ジクロロメタンを容積が50mlの一口丸底フラスコに入れ、氷水浴、0℃で磁気撹拌し、窒素保護下で3mlのトリメチルブロモシランを滴下した。1時間以内に反応液をゆっくりと20℃に昇温した。6時間撹拌し続けた。回転蒸発させて粘稠な液体を得、10mlのジクロロメタンおよび5mlのメタノールを加え、20℃で30分間撹拌し、スピン乾燥させ、樹脂カラムクロマトグラフィーで精製し、凍結乾燥した。固体を純水に溶解し、2N水酸化ナトリウム水溶液でアルカリ化し、エタノールで再結晶化して、2,2’-(5-(4-((1,3-ジヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)プロパン-2-イルアミノ)メチル)フェノキシ)-1,3-フェニレン)ビス(エタン-2,1-ジイル)ジホスホン酸ナトリウムの結晶水和物の白色固体215mgを得た。収率は37%であった。C21H27NNa4O10P2・xH2O、MS(ES+)m/z:520.1(M+H)+。
【0127】
実施例20:2,2’-(4’-(2-アミノ-3-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)プロポキシ)ジフェニル-3,5-ジイル)ビス(エタン-2,1-ジイル)ジホスホン酸ナトリウム(sodium 2,2’-(4’-(2-amino-3-hydroxy-2-(hydroxymethyl)propoxy)diphenyl-3,5-diyl)bis(ethane-2,1-diyl)diphosphonate)の合成
【0128】
ステップ(1):2,2’-(4’-ヒドロキシジフェニル-3,5-ジイル)ビス(エタン-2,1-ジイル)ジホスホネートメチルエステルの合成。954mg(2.0mmol)の2,2’-(5-ヨード-1,3-フェニレン)ビス(エタン-2,1-ジイル)ジホスホン酸テトラメチルエステル、146mg(0.20mmol)の[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]二塩化パラジウム、424mg(4.0mmol)の無水炭酸ナトリウム、10mlのアセトニトリル、1mlの水を容積が50mlの一口丸底フラスコに入れ、20℃で5分間撹拌した。413mg(3.2mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド、404mg(3.2mmol)の4-ヒドロキシチオフェノールを加えた。反応液を100℃で8時間撹拌した。溶媒をスピンオフし、粗生成物をカラムクロマトグラフィーにより精製して、2,2’-(4’-ヒドロキシジフェニル-3,5-ジイル)ビス(エタン-2,1-ジイル)ジホスホネートメチルエステルの粘稠な液体567mgを得た。収率は64%であった。C20H28O7P2S、MS(ES+)m/z:443.1(M+H)+。
【0129】
ステップ(2):2,2’-(4’-((4-(ヒドロキシメチル)-2-メチル-4,5-ジヒドロオキサゾール4-イル)メトキシ)ジフェニル-3,5-ジイル)ビス(エタン-2,1-ジイル)ジホスホネートメチルエステルの合成。369mg(1.41mmol)のトリフェニルホスフィン、30mの乾燥トルエンを容積が250mlの三口丸底フラスコに入れ、氷水浴、0℃で245mg(1.41mmol)のアゾジカルボン酸ジエチルをゆっくり滴下した。氷水浴で30分間撹拌し続けた後、567mg(1.28mmol)の2,2’-(4’-ヒドロキシジフェニル-3,5-ジイル)ビス(エタン-2,1-ジイル)ジホスホネートメチルエステルおよび279mg(1.92mmol)の2-メチル-4,4-ジヒドロキシメチル-4,5-ジヒドロオキサゾールを加えた。反応液を16時間加熱還流した。トルエンをスピンオフし、粗生成物をカラムクロマトグラフィーにより精製して、2,2’-(4’-((4-(ヒドロキシメチル)-2-メチル-4,5-ジヒドロオキサゾール4-イル)メトキシ)ジフェニル-3,5-ジイル)ビス(エタン-2,1-ジイル)ジホスホネートメチルエステルの粘稠な液体299mgを得た。収率は41%であった。C26H37NO9P2、MS(ES+)m/z:570.2(M+H)+。
【0130】
ステップ(3):2,2’-(4’-(2-アミノ-3-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)プロポキシ)ジフェニル-3,5-ジイル)ビス(エタン-2,1-ジイル)ジホスホン酸ナトリウムの合成。299mg(0.525mmol)の2,2’-(4’-((4-(ヒドロキシメチル)-2-メチル-4,5-ジヒドロオキサゾール4-イル)メトキシ)ジフェニル-3,5-ジイル)ビス(エタン-2,1-ジイル)ジホスホネートメチルエステル、10mlの乾燥ジクロロメタンを容積が50mlの一口丸底フラスコに入れ、氷水浴、0℃で、磁気撹拌下の窒素保護下で3mlのトリメチルブロモシランを滴下した。1時間以内に反応液をゆっくりと20℃に昇温した。6時間撹拌し続けた。回転蒸発させて粘稠な液体を得、2mlの無水エタノール、2mlの6N塩酸水溶液を加え、油浴で70℃に加熱し、1時間磁気撹拌した。反応液を冷却し、回転蒸発させて粘稠な液体を得、10mlのジクロロメタンおよび5mlのメタノールを加え、20℃で30分間撹拌し、スピン乾燥させ、樹脂カラムクロマトグラフィーで精製し、凍結乾燥した。固体を純水に溶解し、2N水酸化ナトリウム水溶液でアルカリ化し、エタノールで再結晶化して、2,2’-(4’-(2-アミノ-3-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)プロポキシ)ジフェニル-3,5-ジイル)ビス(エタン-2,1-ジイル)ジホスホン酸ナトリウム結晶水和物の白色固体142mgを得た。収率は43%であった。C20H25NNa4O9P2 ・xH2O、MS(ES+)m/z:490.1(M+H)+。
【0131】
実施例21:2,2’-(5-(2,6-ビス(2-(ビスヒドロキシホスホリル)エチル)-4-((1,3-ジヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)プロパン-2-イルアミノ)メチル)フェノキシ)-1,3-フェニレン)ビス(エタン-2,1-ジイル)ジホスホン酸ナトリウム(sodium 2,2’-(5-(2,6-bis(2-(bishydroxyphosphoryl)ethyl)-4-((1,3-dihydroxy-2-(hydroxymethyl)propan-2-ylamino)methyl)phenoxy))-1,3-phenylene)bis(ethane-2,1-diyl)diphosphonate)の合成
【0132】
ステップ(1):4-(ベンジルオキシ)-3,5-ジブロモ安息香酸メチルの合成。6.2g(20.0mmol)の4-ヒドロキシ-3,5-ジブロモ安息香酸メチル、4.14g(30.0mmol)の無水炭酸カリウム、30mlの無水N,N-ジメチルホルムアミドを容積が100mlの一口丸底フラスコに入れた。反応液を20℃で16時間撹拌した。反応液を200mlの氷水に注ぎ、100mlの酢酸エチルで2回抽出し、有機相を合わせ、200mlの水で洗浄し、200mlの飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒をスピンオフし、粗生成物をカラムクロマトグラフィーにより精製して、4-(ベンジルオキシ)-3,5-ジブロモ安息香酸メチルの粘稠な液体6.78gを得た。収率は85%であった。C15H12Br2O3、MS(ES+)m/z:421.0(M+Na)+。
【0133】
ステップ(2):4-(ベンジルオキシ)-3,5-ビス(2-(ビスエトキシホスホリル)ビニル)安息香酸メチルの合成。6.5g(16.3mmol)の4-(ベンジルオキシ)-3,5-ジブロモ安息香酸メチル、8.03g(48.9mmol)のビニルホスホン酸ジエチル、6.59g(65.2mmol)のトリエチルアミン、496mg(1.63mmol)のトリス(o-メチルフェニル)ホスフィン、183mg(0.82mmol)の酢酸パラジウム、100mlのアセトニトリルを容積が250mlの一口丸底フラスコに入れ、80℃、窒素保護下で16時間磁気撹拌した。回転蒸発させて,粗生成物をカラムクロマトグラフィーにより精製して、4-(ベンジルオキシ)-3,5-ビス(2-(ビスエトキシホスホリル)ビニル)安息香酸メチルの粘稠な液体6.18gを得た。収率は67%であった。;C27H36O9P2、MS(ES+)m/z:566.2(M+H)+。
【0134】
ステップ(3):4-ヒドロキシ-3,5-ビス(2-(ビスエトキシホスホリル)エチル)安息香酸メチルの合成。3.0g(5.30mmol)の4-(ベンジルオキシ)-3,5-ビス(2-(ビスエトキシホスホリル)ビニル)安息香酸メチル、300mgの10%パラジウムカーボン、30mlのエタノールを容積が100mlの一口丸底フラスコに入れ、20℃で磁気撹拌しながらH2を加え、16時間反応させた。濾過し、回転蒸発させて、4-ヒドロキシ-3,5-ビス(2-(ビスエトキシホスホリル)エチル)安息香酸メチルの淡赤色の固体2.29gを得た。収率は90%であった。C20H34O9P2、MS(ES+)m/z:481.2(M+H)+。
【0135】
ステップ(4):2,2’-(2-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)-1,3-フェニレン)ビス(エタン-2,1-ジイル)ジホスホン酸エチルの合成。2.7g(4.37mmol)の4-ヒドロキシ-3,5-ビス(2-(ビスエトキシホスホリル)エチル)安息香酸メチル、30mlの無水テトラヒドロフランを100mlの三口丸底フラスコに入れ、0℃で磁気撹拌しながら8.7ml(8.7mmol)の1M水素化リチウムアルミニウムをゆっくり滴下した。0-20℃で2時間反応させた。5gの硫酸ナトリウム十水和物を加えて反応を停止させ、濾過し、残留物を30mlのジクロロメタンで2回洗浄し、有機相を合わせ、回転蒸発させた。粗生成物をカラムクロマトグラフィーにより精製して、2,2’-(2-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)-1,3-フェニレン)ビス(エタン-2,1-ジイル)ジホスホン酸エチルの淡赤色の固体1.34gを得た。収率は68%であった。C19H34O8P2、MS(ES+)m/z:453.2(M+H)+。
【0136】
ステップ(5):2,2’-(5-(2,6-ビス(2-(ビスエトキシホスホリル)エチル)-4-(ヒドロキシメチル)フェノキシ)-1,3-フェニレン)ビス(エタン-2,1-ジイル)ジホスホネートメチルエステルの合成。1.64g(2.21mmol)の(3,5-ビス(2-(ジメトキシホスホリル)エチル)フェニル)(2,4,6-トリメチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホナートの黄色の固体、20mの乾燥ジクロロメタンを容積が100mlの三口丸底フラスコに入れ、20℃で1.20g(2.65mmol)の2,2’-(2-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)-1,3-フェニレン)ビス(エタン-2,1-ジイル)ジホスホン酸エチルおよび685mg(5.3mmol)のN,N-ジメチルホルムアミドの10mlのジクロロメタン溶液を滴下した。反応液を20℃で16時間撹拌した。ジクロロメタンをスピンオフし、粗生成物をカラムクロマトグラフィーにより精製して、2,2’-(5-(2,6-ビス(2-(ビスエトキシホスホリル)エチル)-4-(ヒドロキシメチル)フェノキシ)-1,3-フェニレン)ビス(エタン-2,1-ジイル)ジホスホネートメチルエステルの粘稠な液体815mgを得た。収率は46%であった。C33H56O14P4、MS(ES+)m/z:801.3(M+H)+。
【0137】
ステップ(6):2,2’-(5-(2,6-ビス(2-(ビスエトキシホスホリル)エチル)-4-(ブロモメチル)フェノキシ)-1,3-フェニレン)ビス(エタン-2,1-ジイル)ジホスホネートメチルエステルの合成。815mg(1.02mmol)の2,2’-(5-(2,6-ビス(2-(ビスエトキシホスホリル)エチル)-4-(ヒドロキシメチル)フェノキシ)-1,3-フェニレン)ビス(エタン-2,1-ジイル)ジホスホネートメチルエステル、10mlの無水ジクロロメタンを容積が50mlの三口丸底フラスコに入れ、氷水浴、0℃で551mg(2.03mmol)の三臭化リンをゆっくり滴下した。反応液を0-20℃で3時間磁気撹拌した。反応液を50gの氷に注ぎ、50mlのジクロロメタンで2回抽出し、有機相を合わせ、100mlの水で洗浄し、乾燥させ、回転蒸発させて、粘稠な液体2,2’-(5-(2,6-ビス(2-(ビスエトキシホスホリル)エチル)-4-(ブロモメチル)フェノキシ)-1,3-フェニレン)ビス(エタン-2,1-ジイル)ジホスホネートメチルエステル764mgを得た。収率は87%であった。C33H55BrO13P4、MS(ES+)m/z:863.2(M+H)+。
【0138】
ステップ(7):2,2’-(5-(2,6-ビス(2-(ビスエトキシホスホリル)エチル)-4-((1,3-ジヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)プロパン-2-イルアミノ)メチル)フェノキシ)-1,3-フェニレン)ビス(エタン-2,1-ジイル)ジホスホネートメチルエステルの合成。764mg(0.884mol)の2,2’-(5-(2,6-ビス(2-(ビスエトキシホスホリル)エチル)-4-(ブロモメチル)フェノキシ)-1,3-フェニレン)ビス(エタン-2,1-ジイル)ジホスホネートメチルエステル、424mg(3.5mmol)のトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、138mg(1.0mmol)の無水炭酸カリウム、10mlのN,N-ジメチルホルムアミドを50mlの一口丸底フラスコに入れ、20℃で16時間磁気撹拌した。反応液を濾過し、濾液を収集し、残留物を60mlのジクロロメタンで2回洗浄した。濾液を合わせ、回転蒸発させて粘稠な液体を得、カラムクロマトグラフィーで精製して、2,2’-(5-(2,6-ビス(2-(ビスエトキシホスホリル)エチル)-4-((1,3-ジヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)プロパン-2-イルアミノ)メチル)フェノキシ)-1,3-フェニレン)ビス(エタン-2,1-ジイル)ジホスホネートメチルエステルの無色の液体543mgを得た。収率は68%であった。C37H65NO16P4、MS(ES+)m/z:904.3(M+H)+。
【0139】
ステップ(8):2,2’-(5-(2,6-ビス(2-(ビスヒドロキシホスホリル)エチル)-4-((1,3-ジヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)プロパン-2-イルアミノ)メチル)フェノキシ)-1,3-フェニレン)ビス(エタン-2,1-ジイル)ジホスホン酸ナトリウムの合成。500mg(0.553mmol)の2,2’-(5-(2,6-ビス(2-(ビスエトキシホスホリル)エチル)-4-((1,3-ジヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)プロパン-2-イルアミノ)メチル)フェノキシ)-1,3-フェニレン)ビス(エタン-2,1-ジイル)ジホスホネートメチルエステル、10mlの乾燥ジクロロメタンを50mlの一口丸底フラスコに入れ、氷水浴、0℃で磁気撹拌下の窒素保護下で3mlのトリメチルブロモシランを滴下した。1時間以内に反応液をゆっくりと20℃に昇温した。16時間撹拌し続けた。回転蒸発させて粘稠な液体を得、10mlのジクロロメタンおよび5mlのメタノールを加え、20℃で30分間撹拌し、スピン乾燥させ、樹脂カラムクロマトグラフィーで精製し、凍結乾燥した。固体を純水に溶解し、2N水酸化ナトリウム水溶液でアルカリ化し、エタノールで再結晶化して、2,2’-(5-(2,6-ビス(2-(ビスヒドロキシホスホリル)エチル)-4-((1,3-ジヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)プロパン-2-イルアミノ)メチル)フェノキシ)-1,3-フェニレン)ビス(エタン-2,1-ジイル)ジホスホン酸ナトリウム結晶水和物の白色固体97mgを得た。収率は18%であった。C25H33NNa8O16P4・xH2O、MS(ES+)m/z:736.1(M+H)+。
【0140】
実施例22:2,2’-(5-(3-((1,3-ジヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)プロパン-2-イルアミノ)メチル)-5-(2-(ビスヒドロキシホスホリル)エチル)ベンジル)-1,3-フェニレン)ビス(エタン-2,1-ジイル)ジホスホン酸ナトリウム(sodium 2,2’-(5-(3-((1,3-dihydroxy-2-(hydroxymethyl)propan-2-ylamino)methyl)-5-(2-(bishydroxyphosphoryl)ethyl)benzyl)-1,3-phenylene)bis(ethane-2,1-diyl)diphosphonate)の合成
【0141】
ステップ(1):3-ブロモ-5-(2-(ビスエトキシホスホリル)ビニル)安息香酸メチルの合成。6.82g(20.0mmol)の3-ブロモ-5-ヨード安息香酸メチル、3.28g(20.0mmol)のビニルホスホン酸ジエチル、4.04g(40.0mmol)のトリエチルアミン、608mg(2.0mmol)のトリス(o-メチルフェニル)ホスフィン、223mg(1.0mmol)の酢酸パラジウム、100mlのアセトニトリルを250mlの一口丸底フラスコに入れ、80℃、窒素保護下で4時間磁気撹拌した。回転蒸発させて、粗生成物をカラムクロマトグラフィーにより精製して、3-ブロモ-5-(2-(ビスエトキシホスホリル)ビニル)安息香酸メチルの粘稠な液体2.41gを得た。収率は32%であった。C14H18BrO5P、MS(ES+)m/z:399.0(M+Na)+。
【0142】
ステップ(2):3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-5-(2-(ビスエトキシホスホリル)ビニル)安息香酸メチルの合成。2.2g(5.83mmol)の3-ブロモ-5-(2-(ビスエトキシホスホリル)ビニル)安息香酸メチル、2.22g(8.75mmol)のビス(ピナコラト)ジボロン、1.72g(17.5mmol)の酢酸カリウム、213mg(0.29mmol)の[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]二塩化パラジウム、40mlのジオキサンを容積が100mlの一口丸底フラスコに入れ、85℃、窒素保護下で6時間磁気撹拌した。回転蒸発させて、粗生成物をカラムクロマトグラフィーにより精製して、3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-5-(2-(ビスエトキシホスホリル)ビニル)安息香酸メチル1.86gを得た。収率は75%であった。C20H30BO7P、MS(ES+)m/z:447.2(M+Na)+。
【0143】
ステップ(3):3-(3,5-ビス(2-(ビスメトキシホスホリル)エチル)ベンジル)-5-(2-(ビスエトキシホスホリル)ビニル)安息香酸メチルの合成。1.7g(4.01mmol)の3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-5-(2-(ビスエトキシホスホリル)ビニル)安息香酸メチル、1.95g(4.4mmol)の2,2’-(5-(ブロモメチル)-1,3-フェニレン)ビス(エタン-2,1-ジイル)ジホスホネートメチルエステル、1.11g(8.02mmol)の炭酸カリウム、293mg(0.40mmol)の[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]二塩化パラジウム、30mlのエチレングリコールジメチルエーテルを100mlの一口丸底フラスコに入れ、80℃、窒素保護下で18時間磁気撹拌した。回転蒸発させて、粗生成物をカラムクロマトグラフィーにより精製して、3-(3,5-ビス(2-(ビスメトキシホスホリル)エチル)ベンジル)-5-(2-(ビスエトキシホスホリル)ビニル)安息香酸メチル1.80gを得た。収率は68%であった。C29H43O11P3、MS(ES+)m/z:683.2(M+Na)+。
【0144】
ステップ(4):3-(3,5-ビス(2-(ビスメトキシホスホリル)エチル)ベンジル)-5-(2-(ビスエトキシホスホリル)エチル)安息香酸メチルの合成。1.8g(2.72mmol)の3-(3,5-ビス(2-(ビスメトキシホスホリル)エチル)ベンジル)-5-(2-(ビスエトキシホスホリル)ビニル)安息香酸メチル、180mgの10%パラジウムカーボン、30mlのエタノールを容積が100mlの一口丸底フラスコに入れ、20℃で磁気撹拌しながらH2を加えて16時間反応させた。濾過し、回転蒸発させて、3-(3,5-ビス(2-(ビスメトキシホスホリル)エチル)ベンジル)-5-(2-(ビスエトキシホスホリル)エチル)安息香酸メチルの粘稠な液体1.67gを得た。収率は93%であった。C29H43O11P3、MS(ES+)m/z:685.2(M+H)+。
【0145】
ステップ(5):2,2’-(5-(3-(ヒドロキシメチル)-5-(2-(ビスエトキシホスホリル)エチル)ベンジル)-1,3-フェニレン)ビス(エタン-2,1-ジイル)ジホスホネートメチルエステルの合成。1.67g(2.53mmol)の3-(3,5-ビス(2-(ビスメトキシホスホリル)エチル)ベンジル)-5-(2-(ビスエトキシホスホリル)エチル)安息香酸メチル、30mlの無水テトラヒドロフランを容積が100mlの三口丸底フラスコに入れ、0℃で磁気撹拌しながら5.1ml(5.1mmol)の1M水素化リチウムアルミニウムをゆっくり滴下した。0-20℃で2時間反応させた。5gの硫酸ナトリウム十水和物を加えて反応を停止させ、濾過し、残留物を30mlのジクロロメタンで2回洗浄し、有機相を合わせ、回転蒸発させて。粗生成物をカラムクロマトグラフィーにより精製して、2,2’-(5-(3-(ヒドロキシメチル)-5-(2-(ビスエトキシホスホリル)エチル)ベンジル)-1,3-フェニレン)ビス(エタン-2,1-ジイル)ジホスホネートメチルエステルの粘稠な液体1.22gを得た。収率は76%であった。C28H45O10P3、MS(ES+)m/z:635.2(M+H)+。
【0146】
ステップ(6):2,2’-(5-(3-(ブロモメチル)-5-(2-(ビスエトキシホスホリル)エチル)ベンジル)-1,3-フェニレン)ビス(エタン-2,1-ジイル)ジホスホネートメチルエステルの合成。1.22(1.92mmol)の2,2’-(5-(3-(ヒドロキシメチル)-5-(2-(ビスエトキシホスホリル)エチル)ベンジル)-1,3-フェニレン)ビス(エタン-2,1-ジイル)ジホスホネートメチルエステル、10mlの無水ジクロロメタンを容積が50mlの三口丸底フラスコに入れ、氷水浴、0℃で1.04g(3.84mmol)の三臭化リンをゆっくり滴下した。反応液を0-20℃で3時間磁気撹拌した。反応液を50gの氷に注ぎ、50mlのジクロロメタンで2回抽出し、有機相を合わせ、100mlの水で洗浄し、乾燥させ、回転蒸発させて、粘稠な液体2,2’-(5-(3-(ブロモメチル)-5-(2-(ビスエトキシホスホリル)エチル)ベンジル)-1,3-フェニレン)ビス(エタン-2,1-ジイル)ジホスホネートメチルエステル1.14gを得た。収率は85%であった。C28H44BrO9P3、MS(ES+)m/z:697.2(M+H)+。
【0147】
ステップ(7):2,2’-(5-(3-((1,3-ジヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)プロパン-2-イルアミノ)メチル)-5-(2-(ビスエトキシホスホリル)エチル)ベンジル)-1,3-フェニレン)ビス(エタン-2,1-ジイル)ジホスホネートメチルエステルの合成。1.14g(1.63mol)の2,2’-(5-(3-(ブロモメチル)-5-(2-(ビスエトキシホスホリル)エチル)ベンジル)-1,3-フェニレン)ビス(エタン-2,1-ジイル)ジホスホネートメチルエステル、594mg(4.90mmol)のトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、225mg(1.63mmol)の無水炭酸カリウム、15mlのN,N-ジメチルホルムアミドを容積が50mlの一口丸底フラスコに入れ、20℃で16時間磁気撹拌した。反応液を濾過し、濾液を収集し、残留物を60mlのジクロロメタンで2回洗浄した。濾液を合わせ、回転蒸発させて粘稠な液体を得、カラムクロマトグラフィーで精製して、2,2’-(5-(3-((1,3-ジヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)プロパン-2-イルアミノ)メチル)-5-(2-(ビスエトキシホスホリル)エチル)ベンジル)-1,3-フェニレン)ビス(エタン-2,1-ジイル)ジホスホネートメチルエステルの合成無色の液体842mgを得た。収率は70%であった。C32H54NO12P3、MS(ES+)m/z:738.3(M+H)+。
【0148】
ステップ(8):2,2’-(5-(3-((1,3-ジヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)プロパン-2-イルアミノ)メチル)-5-(2-(ビスヒドロキシホスホリル)エチル)ベンジル)-1,3-フェニレン)ビス(エタン-2,1-ジイル)ジホスホン酸ナトリウムの合成。800mg(1.08mmol)の2,2’-(5-(3-((1,3-ジヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)プロパン-2-イルアミノ)メチル)-5-(2-(ビスエトキシホスホリル)エチル)ベンジル)-1,3-フェニレン)ビス(エタン-2,1-ジイル)ジホスホネートメチルエステル、10mlの乾燥ジクロロメタンを50mlの一口丸底フラスコに入れ、氷水浴、0℃で磁気撹拌しながら、窒素保護下で3mlのトリメチルブロモシランを滴下した。1時間以内に反応液をゆっくりと20℃に昇温した。16時間撹拌し続けた。回転蒸発させて粘稠な液体を得、10mlのジクロロメタンおよび5mlのメタノールを加え、20℃で30分間撹拌し、スピン乾燥させ、樹脂カラムクロマトグラフィーで精製し、凍結乾燥した。固体を純水に溶解し、2N水酸化ナトリウム水溶液でアルカリ化し、エタノールで再結晶化して、2,2’-(5-(3-((1,3-ジヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)プロパン-2-イルアミノ)メチル)-5-(2-(ビスヒドロキシホスホリル)エチル)ベンジル)-1,3-フェニレン)ビス(エタン-2,1-ジイル)ジホスホン酸ナトリウム結晶水和物の白色固体221mgを得た。収率は25%であった。C24H32NNa6O12P3・xH2O、MS(ES+)m/z:626.2(M+H)+。
【0149】
実施例23 肝臓がん細胞Hep3B2.1-7-Luc 同所性異種移植腫瘍モデルにおける本発明の化合物の薬物動態試験
1.細胞培養:Hep3B2.1-7-Luc細胞はインビトロで付着培養し、培養条件は、EMEM培地に1.5g/L重炭酸ナトリウム、10%熱不活化ウシ胎児血清、100U/mlペニシリンおよび100μg/mlストレプトマイシンを加えて、37℃、5%CO2で培養した。週2回の継代処理を行った。細胞が指数増殖期にあるとき、細胞を収集し、カウントし、接種した。
【0150】
2.動物:BALB/cヌードマウス、雌、6-8週齢、体重18-22グラム。腫瘍接種:1.25×106個のHep3B2.1-7-luc細胞の懸濁液を、50%マトリゲル(Matrigel)に加え、各マウスの左肝小葉にin situ接種し、縫合線で縫合した。細胞接種の7日後、マウスをIVIS Lumina XR小動物イメージャーで画像化し、適切な信号強度のマウスを各グループに10匹ずつ、薬物動態実験用に選択した。
【0151】
3.動物画像処理プロセス:
1)適切な量のD-ルシフェリン(luciferin)を秤量し、DPBSで15mg/mlの濃度を調製し、0.2umフィルターで濾過および滅菌し、-20℃の暗所で保存した。
【0152】
2)25×5/8”のシリンジを使用し、マウスの体重10ul/gに応じて、1匹のマウスに150mgのルシフェリン/kgを注射した(例えば、20gのマウス、0.2ml)。
【0153】
3)10-12分後、イソフルランで麻酔した。
【0154】
4)マウスを、腫瘍細胞の検出のために腹部を上に向けた状態でイメージングシステムカートリッジに入れた。
【0155】
5)露光時間は1分から1秒の範囲であり、イメージング結果は、イメージングソフトウェアによってフォトン/秒で表し、バイオイメージングは週に1回、最後のイメージングは実験終了前に行われた。
【0156】
4.実験指標:実験指標とは、腫瘍の成長を抑制、遅延または治癒できるかどうかを調査することである。腫瘍の成長を監視するために、小動物のイメージャーであるIVIS Lumina XRを介してマウスを週に1回イメージングした。腫瘍信号は、1秒あたりの露光光子数によって判断した。
【0157】
5.データ分析:実施例7の化合物のデータを例として、結果を
図1に示す。実施例7の化合物は、腫瘍の増殖を抑制するという顕著な効果を有する。
【0158】
実施例7 化合物の薬物動態実験の結果は、
図2、
図3および表1に示すとおりである。
【0159】
【0160】
図3から、BALB/cヌードマウスに本発明の実施例7の化合物を腹腔内投与した24時間後、薬物化合物は主にマウスの肝臓、腎臓、肺、腸、脾臓、前立腺などの組織および器官に分布し、本発明の化合物は、肝臓がん、腎臓がん、前立腺がん、肺がん、結腸がんなどのがんの治療に特に適していることが分かる。
【0161】
上記の実施例は、本発明の実施形態の単なる例示であり、その説明は、比較的具体的かつ詳細であるが、本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。当業者は、本発明の概念から逸脱することなく、いくつかの修正および改善を行うことができ、これらはすべて本発明の保護範囲に含まれることを指摘しておくべきである。したがって、本発明の特許の保護範囲は、添付の特許請求の範囲に従うべきである。