(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-08
(45)【発行日】2023-09-19
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20230911BHJP
【FI】
A63F7/02 320
A63F7/02 326C
A63F7/02 304D
(21)【出願番号】P 2022063801
(22)【出願日】2022-04-07
(62)【分割の表示】P 2019184632の分割
【原出願日】2019-10-07
【審査請求日】2022-04-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000135210
【氏名又は名称】株式会社ニューギン
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100148563
【氏名又は名称】山本 実
(72)【発明者】
【氏名】杉崎 正範
(72)【発明者】
【氏名】種田 希望
【審査官】佐藤 洋允
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-063272(JP,A)
【文献】特開2007-202590(JP,A)
【文献】特開2013-132533(JP,A)
【文献】特開2018-130185(JP,A)
【文献】特開2022-082743(JP,A)
【文献】特開2022-082744(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
A63F 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
扉部材と、
前記扉部材に設けられており、手動により動作させることが可能な可動体と、
前記扉部材の開放を検知する扉開放検知手段と、
演出を実行可能な演出実行手段と、
前記演出実行手段を制御する演出制御手段と、を備え、
前記扉部材は、正面視したときの一側方を起点として開放可能であり、
前記演出制御手段は、前記扉部材が開放されている期間のうち少なくとも一部の期間において、前記扉部材が開放されていることを報知する開放報知演出を実行させることが可能であり、
前記扉部材が開放されたときに前記可動体が所定位置に位置する状況では、前記可動体に関する特定演出が実行され、
前記所定位置に位置するときの前記可動体における前記起点側の側方は、前記可動体が前記所定位置に位置するときに遊技機外部の物体に接触可能であり、前記可動体が前記所定位置とは異なる特定位置に位置するときに遊技機外部の物体に接触せず、
前記特定演出は、前記可動体を前記所定位置から
前記特定位置に移動させることを促す演出であり、
前記可動体は、手動により前記所定位置から前記特定位置に移動させることができ、
前記扉部材が開放している状態において前記可動体が前記所定位置から移動したとき、前記特定演出は終了する一方で、前記開放報知演出は終了せず、
前記扉部材が開放している状態において前記特定演出が実行されているとき、手動により前記可動体を前記所定位置から移動させなくても前記特定演出を終了させることができることを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技機の一種であるパチンコ遊技機の中には、例えば、特許文献1に記載された遊技機のように、画像表示装置の表示画面の周囲に可動装飾部材(例えば可動体)を有するものがある。そして、このような可動装飾部材により演出を行うことで興趣の向上を図っているものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、可動体を有している遊技機では、扉部材を開放させたときに可動体が隣の遊技機などに接触する虞があり、遊技機の取り扱いに注意する必要があった。このような状況である場合には、状況に応じた報知が行われることが望まれていた。
【0005】
本発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものであり、その目的は、状況に応じて適した情報を報知することができる遊技機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決する遊技機は、扉部材と、前記扉部材に設けられており、手動により動作させることが可能な可動体と、前記扉部材の開放を検知する扉開放検知手段と、演出を実行可能な演出実行手段と、前記演出実行手段を制御する演出制御手段と、を備え、前記扉部材は、正面視したときの一側方を起点として開放可能であり、前記演出制御手段は、前記扉部材が開放されている期間のうち少なくとも一部の期間において、前記扉部材が開放されていることを報知する開放報知演出を実行させることが可能であり、前記扉部材が開放されたときに前記可動体が所定位置に位置する状況では、前記可動体に関する特定演出が実行され、前記所定位置に位置するときの前記可動体における前記起点側の側方は、前記可動体が前記所定位置に位置するときに遊技機外部の物体に接触可能であり、前記可動体が前記所定位置とは異なる特定位置に位置するときに遊技機外部の物体に接触せず、前記特定演出は、前記可動体を前記所定位置から前記特定位置に移動させることを促す演出であり、前記可動体は、手動により前記所定位置から前記特定位置に移動させることができ、前記扉部材が開放している状態において前記可動体が前記所定位置から移動したとき、前記特定演出は終了する一方で、前記開放報知演出は終了せず、前記扉部材が開放している状態において前記特定演出が実行されているとき、手動により前記可動体を前記所定位置から移動させなくても前記特定演出を終了させることができることを要旨とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、状況に応じて適した情報を報知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図2】(a)及び(b)は、パチンコ遊技機を模式的に示す斜視図。
【
図3】(a)及び(b)は、可動体の動作態様を示す模式図。
【
図5】パチンコ遊技機の電気的構成を示すブロック図。
【
図6】遊技機設置設備に設置されたパチンコ遊技機の扉部材の開閉を示す平面図。
【
図7】(a)~(e)は、パチンコ遊技機の扉部材を開放したときの可動体の位置に応じた演出表示装置の表示内容の一例を示す説明図。
【
図8】(a)~(e)は、パチンコ遊技機の扉部材を開放したときの可動体の位置に応じた演出表示装置の表示内容の一例を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(第1実施形態)
以下、パチンコ遊技機の第1実施形態について説明する。
以下の説明において、上、下、左、右、前(表)、及び後(裏)は、遊技者から見たときの各方向を示すものとする。
【0010】
図1に示すように、遊技機としてのパチンコ遊技機10は、枠体11を備える。枠体11は、機台の設置枠11aと、各種の遊技部材を搭載する搭載枠11bとして中枠11ba及び前枠11bbと、を含んで構成される。設置枠11aは、遊技場などの遊技機設置設備(所謂、島設備)に固定される。また、中枠11baは、設置枠11aの開口前面側に開閉可能に支持されている。前枠11bbには、中枠11baに搭載されている遊技盤20を保護するガラス35が支持されている。
図1において、ガラス35は、一部を残して図示が省略されているが、実際には前枠11bbの開口部24の全体を覆っている。ガラス35の支持部(図示しない)は、前枠11bbの後面側に設けられている。本実施形態では、搭載枠11bとして中枠11ba及び前枠11bbが、支持部材としての設置枠11aに開閉可能に支持される扉部材に相当する。
【0011】
図2(a)及び
図2(b)に示すように、設置枠11aは、前面に略矩形の開口部36を備えている。設置枠11aの輪郭には、設置枠11aの外形を形作っている略矩形の輪郭37と、開口部36の輪郭であり設置枠11aの内形を形作っている略矩形の輪郭38とが含まれる。中枠11baの輪郭には、中枠11baの外形を形作っている略矩形の輪郭39が含まれる。前枠11bbは、前面に略円形の開口部24を備える。前枠11bbの輪郭には、前枠11bbの外形を形作っている略矩形の輪郭42と、開口部24の輪郭であり前枠11bbの内形を形作っている略円形の輪郭43とが含まれる。
【0012】
図1の説明に戻り、パチンコ遊技機10は、施錠部SSを備えている。パチンコ遊技機10では、施錠部SSによって中枠11ba及び前枠11bbの開放が規制されており、遊技場の管理者が管理する枠キー(鍵)を用いて施錠部SSを操作することで解錠されて中枠11ba及び前枠11bbを開放させることができる。このように、パチンコ遊技機10は、枠キーを用いて、中枠11ba及び前枠11bbの開放を許容する操作を行うことが可能に構成されている。つまり、パチンコ遊技機10は、扉部材としての中枠11ba及び前枠11bbの開放を許容する操作を所定の枠キーを用いて行うことが可能に構成されている。本実施形態では、施錠部SSが、所定の鍵を用いて操作可能な施錠部に相当する。
【0013】
パチンコ遊技機10は、扉部材としての中枠11ba及び前枠11bbの開放を検知する扉開放センサKS(
図5に示す)を備えている。扉開放センサKSでは、中枠11ba及び前枠11bbのうち少なくとも一方が開放されたことを検知することが可能である。以下の説明において、扉部材が開放された場合とは、中枠11ba及び前枠11bbのうち少なくとも一方が開放された場合に相当し、扉部材が閉鎖された場合とは、中枠11ba及び前枠11bbが閉鎖された場合に相当する。本実施形態では、扉開放センサKSが、扉部材の開放を検知する扉開放検知手段としての機能を実現する。以下の説明において、扉部材が開放された場合とは、中枠11ba及び前枠11bbのうち少なくとも一方が開放されて扉開放センサKSの検知信号(オン信号)が出力された場合に相当し、扉部材が閉鎖された場合とは、中枠11ba及び前枠11bbが閉鎖されて扉開放センサKSの検知信号(オン信号)が出力されていない場合に相当する。つまり、扉開放センサKSが検知信号を出力した状態において搭載枠11bを構成する中枠11ba及び前枠11bbは設置枠11aに対して開放されていることになり、扉開放センサKSが検知信号を出力していない状態において搭載枠11bを構成する中枠11ba及び前枠11bbは設置枠11aに対して閉鎖されていることになる。本実施形態では、扉開放センサKSが、扉部材の開放を検知する扉開放検知手段としての機能を実現する。
【0014】
パチンコ遊技機10は、前枠11bbの前面側であって遊技者が操作可能な位置に操作部19を備える。一例として、操作部19は、押下操作を可能に構成されたボタンである。操作部19は、ボタン式であることに限らず、レバー式であってもよい。また、操作部19は、操作部19自体が飛び出すような構成であってもよく、振動を発生可能な手段として振動モータを備えてもよい。本実施形態の操作部19は、発光体(不図示)を内蔵しているが、これに限らず、発光体を内蔵していない構成であってもよい。こうした操作部は、遊技中の操作演出などに用いられる。
【0015】
遊技中の操作演出は、操作部19を操作することを促し、当該操作部19の操作態様に応じて結果を導出させる演出である。操作演出では、例えば、操作部19の操作を促す画像を表示する演出や、操作部19自体が飛び出す演出などにより、操作部19を操作することを遊技者に要求する。なお、操作部19の操作を促す画像を表示する演出は、例えば、液晶ディスプレイに操作部19を模した画像と、「押せ」の文字列とを表示する演出である。また、操作部19自体が飛び出す演出は、例えば、操作部19の内部に設けられたアクチュエータを作動させて、操作部19を飛び出させるように可動させる演出である。そして、操作演出において導出される結果は、一例として、セリフ及びキャラクタを液晶ディスプレイなどの表示装置により表示される。操作演出において導出される結果には、遊技者にとって有利な結果と、当該有利な結果に比して有利ではない結果とが含まれる。
【0016】
パチンコ遊技機10は、前枠11bbの前面側に、発射ハンドル16を備えている。パチンコ遊技機10では、発射ハンドル16の操作量(回動量)に応じた強度にて、遊技媒体としての遊技球が発射される。即ち、パチンコ遊技機10は、例えば遊技者が発射ハンドル16を操作することにより、遊技球の発射強度を調整可能に構成されている。また、パチンコ遊技機10は、内蔵された発光体を発光(点灯)、点滅、及び消灯させる演出(以下、発光演出と示す)を実行する枠ランプ17を備えている。パチンコ遊技機10は、音を出力するスピーカ18(
図5に示す)を備えている。スピーカ18は、各種の音を出力する演出(以下、音演出と示す)を実行する。
【0017】
パチンコ遊技機10は、可動体50を備えている。可動体50は、前枠11bbの前面側に設けられており、常時、遊技場の管理者や遊技者などの人が直接触れることが可能であり、手動により動作させることが可能である。可動体50を配置させることができる位置には、所定位置としての原位置と、特定位置としての退避位置とが含まれる。また、可動体50は、装飾が施されており、発光演出を実行する装飾ランプ50a(
図5に示す)を備えている。
【0018】
図3に示すように、可動体50は、原位置から退避位置へ変位するように動作させることが可能に構成されている。
図3(a)に示すように、可動体50の原位置は、当該可動体50が前枠11bbの上部において平面視略矩形の可動体50の長辺がパチンコ遊技機10の左右方向に沿うように配置された位置である。可動体50の位置が原位置であるときには、正面視において、可動体50の一部が設置枠11aの外形を形作る輪郭37部分よりも外側に突出している。具体的には、設置枠11aの輪郭37の形状は、正面視において略矩形であり、可動体50の位置が原位置であるときには、正面視において、設置枠11aの輪郭37の左上部から可動体50の一部が突出している。即ち、可動体50の位置が原位置であるときには、正面視において、可動体50と、設置枠11aの輪郭37部分とが重なることとなる。
図3(b)に示すように、可動体50の退避位置は、原位置から回転軸Zを中心として、下方向に向かって反時計回りに回動させ、平面視略矩形の可動体50の長辺がパチンコ遊技機10の上下方向に沿うように配置された位置である。可動体50の位置が退避位置であるときには、可動体50と、設置枠11aを左右に二等分する中心線C(センターライン)とが重なった状態となる。
【0019】
パチンコ遊技機10は、前枠11bbの裏側にあるロック機構(図示しない)によって、可動体50を原位置から動作させること、及び可動体50を退避位置から動作させることが禁止されている。このため、可動体50を原位置及び退避位置から動作させるためには、扉部材を開放してロック機構を解除する必要がある。そして、ロック機構を解除した後に可動体50を動作させ、可動体50が原位置又は退避位置に位置したときには、ロック機構によって可動体50を動作させることが禁止される。
【0020】
パチンコ遊技機10は、可動体50の位置が原位置であることを検知するフォトセンサPS(
図5に示す)を備えている。フォトセンサPSでは、可動体50の位置が原位置であることを検知することが可能である。即ち、フォトセンサPSでは、可動体50の位置が原位置であること、及び可動体50の位置が原位置とは異なる位置であることを特定することが可能である。
【0021】
図4に示すように、遊技盤20の前面側には、正面視において略円形の遊技領域21が画成されている。遊技盤20は、発射された遊技球を遊技領域21へ案内する案内路21aを備えている。遊技盤20は、遊技領域21へ打ち出された遊技球が案内路21aへ逆戻りすることを防止する防止弁21bを備えている。発射された遊技球は、案内路21aで案内され、案内路21aの最下流に位置する防止弁21bを通過して遊技領域21に到達する。遊技領域21に到達した遊技球は、遊技領域21を流下する。
【0022】
パチンコ遊技機10は、情報表示パネル22を備えている。情報表示パネル22では、パチンコ遊技機10の制御状態を示す各種の情報が報知される。情報表示パネル22は、第1特別図柄表示部22aを備えている。第1特別図柄表示部22aは、所定の図柄を変動表示させるとともに、最終的に第1特別図柄を確定停止表示させる第1特別図柄変動ゲーム(以下、第1特別ゲームと示す)を表示する。情報表示パネル22は、第2特別図柄表示部22bを備えている。第2特別図柄表示部22bは、所定の図柄を変動表示させるとともに、最終的に第2特別図柄を確定停止表示させる第2特別図柄変動ゲーム(以下、第2特別ゲームと示す)を表示する。以下の説明では、第1特別ゲームと第2特別ゲームを纏めて、「特別ゲーム」又は「特別図柄変動ゲーム」と示す場合がある。特別図柄は、後述する内部抽選(大当り抽選)の結果を報知するための図柄である。このように、パチンコ遊技機10は、特別ゲームを実行可能に構成されている。パチンコ遊技機10において、第1特別ゲーム及び第2特別ゲームは、同時に実行されることがなく、且つ第2特別ゲームが第1特別ゲームに優先して実行される。
【0023】
本明細書において「変動表示」とは、表示されている図柄の種類が時間の経過とともに変化している状態を意味する。本明細書において「確定停止表示」とは、図柄が確定的に停止表示されており、表示されている図柄の種類が変化しない状態を意味する。特別図柄表示部22a,22bにおいて確定停止表示可能な特別図柄には、大当り表示結果としての大当り図柄と、はずれ表示結果としてのはずれ図柄と、が少なくともある。遊技者は、特別ゲームにおいて大当り図柄が確定停止表示された場合に大当りを認識可能であり、特別ゲームにおいてはずれ図柄が確定停止表示された場合にはずれを認識可能である。本実施形態では、大当りに当選すると、当該当選の対象となる特別ゲームの終了後、大当り遊技が付与される。大当り遊技は、遊技者が多数の賞球やその他の特典を獲得し得るため、遊技者にとって有利な状態である。
【0024】
情報表示パネル22は、第1特別保留表示部22cを備えている。第1特別保留表示部22cは、始動条件が成立したが未だ実行条件が成立していないことで、その実行が保留されている第1特別ゲームの回数(以下、第1特別保留数と示す)を認識可能に表示する。情報表示パネル22は、第2特別保留表示部22dを備えている。第2特別保留表示部22dは、始動条件が成立したが未だ実行条件が成立していないことで、その実行が保留されている第2特別ゲームの回数(以下、第2特別保留数と示す)を認識可能に表示する。例えば、第1特別保留数及び第2特別保留数の上限数は、それぞれ4である。
【0025】
情報表示パネル22は、普通図柄表示部22eを備えている。普通図柄表示部22eは、所定の図柄を変動表示させるとともに、最終的に普通図柄を確定停止表示させる普通図柄変動ゲーム(以下、普通ゲームと示す)を表示する。普通図柄表示部22eに確定停止表示可能な普通図柄には、普通当り図柄と、普通はずれ図柄と、が少なくともある。遊技者は、普通ゲームにおいて普通当り図柄が確定停止表示された場合に普通当りを認識可能であり、普通ゲームにおいて普通はずれ図柄が確定停止表示された場合に普通はずれを認識可能である。本実施形態では、普通当り抽選に当選すると、当該当選の対象となる普通ゲームの終了後、普通当り遊技が付与される。また、情報表示パネル22は、普通保留表示部22fを備えている。普通保留表示部22fは、始動条件が成立したが未だ実行条件が成立していないことで、その実行が保留されている普通ゲームの回数(以下、普通保留数と示す)を認識可能に表示する。例えば、普通保留数の上限数は、4である。
【0026】
パチンコ遊技機10は、遊技盤20のうち、遊技領域21の略中央に、各種の装飾が施されたセンター枠23を備えている。センター枠23は、開口部23aを備えている。センター枠は、センター役やセンター役物ともいわれる。
【0027】
パチンコ遊技機10は、演出表示装置25を備えている。例えば、演出表示装置25は、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどの表示装置であってもよい。演出表示装置25は、画像が表示される表示領域を備えている。演出表示装置25は、センター枠23の開口部23aを介して、遊技者が表示領域を視認可能となるように、遊技盤20に組み付けられている。演出表示装置25は、所定の画像を表示する演出(以下、表示演出と示す)を実行する。
【0028】
本実施形態における演出表示装置25が実行可能な表示演出には、演出用の図柄(以下、演出図柄と示す)が複数列で変動表示され、最終的に演出図柄の組み合わせが確定停止表示される演出図柄ゲーム(以下、演出ゲームと示す)がある。演出ゲームは、複数列の演出図柄が変動して実行される。演出図柄は、キャラクタや模様などの装飾が施された図柄であって、表示演出を多様化させるためのものであり、「装飾図柄」や「飾り図柄」ともいわれる。本実施形態における演出ゲームは、第1列、第2列及び第3列の図柄列(演出図柄列)をそれぞれ縦方向に変動表示(スクロール表示)させて行われる。以下の説明では、「第1列」を「左列」と示すとともに「第1図柄」を「左図柄」と示し、「第2列」を「中列」と示すとともに「第2図柄」を「中図柄」と示し、「第3列」を「右列」と示すとともに「第3図柄」を「右図柄」と示す。各列では、原則、「1」~「8」の数字を模した演出図柄が所定の順序で変動表示される。
【0029】
演出ゲームは、特別ゲームと連動して行われる。具体的に、演出ゲームは、特別ゲームの開始に伴って開始され、特別ゲームの終了に伴って終了される。このように、パチンコ遊技機10は、特別ゲームの実行中に演出ゲームを実行可能に構成されている。そして、演出ゲームでは、特別ゲームにて確定停止表示された特別図柄に応じた演出図柄の組み合わせが確定停止表示される。特別ゲームにおいて大当り図柄が確定停止表示される場合には、演出ゲームにおいて演出図柄による大当り図柄が確定停止表示される。例えば、演出図柄による大当り図柄は、「777」などのように、全列の演出図柄が同一となる図柄組み合わせである。また、特別ゲームにおいて、はずれ図柄が確定停止表示される場合には、演出ゲームにおいて、演出図柄によるはずれ図柄が確定停止表示される。例えば、演出図柄によるはずれ図柄は、「323」や「112」、「426」などのように、少なくとも一部列の演出図柄が他列の演出図柄とは異なる図柄組み合わせである。なお、演出ゲームにおいては、演出図柄が確定停止表示される前に一旦停止表示される。本明細書において「一旦停止表示」とは、例えば「ゆれ変動状態」など、図柄が再び変動表示される可能性があることを示す状態や、確定停止表示とは異なることを示す状態を意味する。
【0030】
演出ゲームでは、リーチが形成され、リーチ演出が行われる場合がある。本実施形態では、複数列のうち特定の列(本実施形態では、左列と右列)に同一の数字を模した演出図柄が一旦停止表示されており、且つ、特定の列とは異なる列(本実施形態では、中列)の演出図柄が引き続き変動表示されている状態が、リーチが形成された状態に相当する。リーチ演出には、例えば、登場させるキャラクタや演出図柄の動作が異なる複数種類のリーチ演出があってもよい。本実施形態におけるリーチ演出には、ノーマルリーチ演出と、ノーマルリーチ演出の開始後に行われるスーパーリーチ演出と、がある。スーパーリーチ演出は、例えば、ノーマルリーチ演出の演出内容を発展させる内容で実行される。なお、パチンコ遊技機10では、スーパーリーチ演出が実行される場合、ノーマルリーチ演出のみが実行される場合に比して、実行中の特別ゲームの大当り期待度が高い。
【0031】
パチンコ遊技機10は、第1始動口26を備えている。始動口としての第1始動口26は、遊技領域21のうちセンター枠23の下方に位置している。第1始動口26は、常時、遊技球を入球させることができるように開口されている。パチンコ遊技機10は、第1始動口26に入球した遊技球を検知する第1始動センサSE1(
図5に示す)を備えている。例えば、第1始動口26には入球した遊技球を遊技盤20の裏側に導く(遊技盤20から外部へ排出する)図示しない球通路が連設されており、その球通路に第1始動センサSE1が配設されている。本実施形態では、第1始動センサSE1により遊技球が検知されると、第1特別ゲームの始動条件が成立し得るとともに、賞球の払出条件が成立する。
【0032】
パチンコ遊技機10は、第2始動口27を備えている。始動口としての第2始動口27は、遊技領域21のうちセンター枠23の右下方に位置している。パチンコ遊技機10は、第2始動口27に入球した遊技球を検知する第2始動センサSE2(
図5に示す)を備えている。例えば、第2始動口27には入球した遊技球を遊技盤20の裏側に導く(遊技盤20から外部へ排出する)図示しない球通路が連設されており、その球通路に第2始動センサSE2が配設されている。本実施形態では、第2始動センサSE2により遊技球が検知されると、第2特別ゲームの始動条件が成立し得るとともに、賞球の払出条件が成立する。また、第2始動口27は、第1可変部材28を有する。第1可変部材28は、遊技球を第2始動口27へ入球させ易い、又は入球させることができる開状態と、遊技球を第2始動口27へ入球させ難い、又は入球させることができない閉状態と、に動作可能である。第1可変部材28は、第1アクチュエータA1(
図5に示す)から動力を受けて動作する。第1可変部材28は、普通当り抽選に当選したことを契機に、開状態に動作される。
【0033】
パチンコ遊技機10は、大入賞口29を備えている。大入賞口29は、遊技領域21のうちセンター枠23の右方に位置している。パチンコ遊技機10は、大入賞口29に入球した遊技球を検知するカウントセンサSE3(
図5に示す)を備えている。例えば、大入賞口29には、入球した遊技球を遊技盤20の裏側に導く(遊技盤20から外部へ排出する)図示しない球通路が連設されており、その球通路にカウントセンサSE3が配設されている。本実施形態では、カウントセンサSE3により遊技球が検知されると、賞球の払出条件が成立する。大入賞口29は、第2可変部材30を有する。第2可変部材30は、遊技球を大入賞口29へ入球させ易い、又は入球させることができる開状態と、遊技球を大入賞口29へ入球させ難い、又は入球させることができない閉状態と、に動作可能である。第2可変部材30は、第2アクチュエータA2(
図5に示す)から動力を受けて動作する。第2可変部材30は、大当りに当選したことを契機に、開状態に動作される。第2可変部材30が開状態となる場合には、大入賞口29への遊技球の入球が許容される。第2可変部材30が閉状態となる場合には、大入賞口29への遊技球の入球が許容されない。以下の説明では、第2可変部材30が開状態となることを「大入賞口29が開放される」と示し、第2可変部材30が閉状態となることを「大入賞口29が閉鎖される」と示す場合がある。
【0034】
パチンコ遊技機10は、作動口31を備えている。作動口31は、遊技領域21のうちセンター枠23の右方に位置している。作動口31には、常時、遊技球を入球させることができるように開口されている。パチンコ遊技機10は、作動口31に入球した遊技球を検知する作動センサSE4(
図5に示す)を備えている。例えば、作動口31には、入球した遊技球を遊技盤20の裏側に導く(遊技盤20から外部へ排出する)図示しない球通路が連設されており、その球通路に作動センサSE4が配設されている。本実施形態では、作動センサSE4により遊技球が検知されると、普通ゲームの始動条件が成立し得るとともに、賞球の払出条件が成立する。
【0035】
パチンコ遊技機10は、アウト口34を備えている。本実施形態において、第1始動口26や第2始動口27、大入賞口29、作動口31へ入球しなかった遊技球は、アウト口34から機外へと排出される(遊技盤20から外部へ排出される)。なお、パチンコ遊技機10は、釘(遊技釘)や風車など、遊技領域21を流下する遊技球の挙動に変化を与えるための遊技構成部材を備えている。その他、パチンコ遊技機10は、特別ゲームの始動条件及び普通ゲームの始動条件が成立しない一方で、賞球の払出条件が成立する一般入賞口を備えてもよい。一般入賞口は、普通入賞口ともいわれる。
【0036】
本実施形態において、演出表示装置25、スピーカ18、枠ランプ17、及び可動体50に設けられた装飾ランプ50aは、それぞれ演出を実行可能な演出装置であるとともに、これらは演出実行手段の一例である演出装置群を構成する。演出実行手段は、演出表示装置25、スピーカ18、枠ランプ17、及び可動体50に設けられた装飾ランプ50aの全てを含むことに限らず、これら演出装置の中から任意に選択可能な1又は複数の演出装置によって構成されていてもよい。
【0037】
次に、パチンコ遊技機10の遊技状態について説明する。
パチンコ遊技機10は、大当り確率が異なる遊技状態として、低確率状態及び高確率状態を備えている。大当り確率は、大当り抽選において大当りに当選する確率である。高確率状態は、低確率状態に比して、大当り確率が高い遊技状態である。高確率状態は、所謂「確率変動状態(確変状態)」であり、低確率状態は、「非確率変動状態(非確変状態)」である。以下の説明では、高確率状態を「確変状態」、低確率状態を「非確変状態」と示す。また、パチンコ遊技機10は、遊技球の発射個数に対する賞球個数の割合が異なる遊技状態として、低ベース状態及び高ベース状態を備えている。高ベース状態は、低ベース状態に比して、遊技球が第2始動口27に入球する確率が高い遊技状態である。高ベース状態は、所謂「電サポ状態」であり、低ベース状態は、「非電サポ状態」である。
【0038】
高ベース状態は、例えば、次に説明する3つの制御のうち任意に選択された1の制御を行うことにより、又は、複数の制御を組み合わせて行うことにより実現できる。第1の制御は、普通ゲームの変動時間を、低ベース状態のときよりも短くする普通図柄の変動時間短縮制御である。第2の制御は、普通当り抽選に当選する確率(普通当り確率)を、低ベース状態のときよりも高確率に変動させる普通図柄の確率変動制御である。第3の制御は、1回の普通当り遊技における第1可変部材28の合計開放時間を、低ベース状態のときよりも長くする開放時間延長制御である。なお、開放時間延長制御としては、1回の普通当り遊技における第1可変部材28の開放回数を低ベース状態のときよりも多くする制御、及び、普通当り遊技における第1可変部材28の1回の開放時間を低ベース状態のときよりも長くする制御のうち、少なくとも一方の制御を行うとよい。また、高ベース状態は、次に説明する第4の制御を組み合わせて実現してもよい。第4の制御は、特別ゲームの変動時間(例えば、平均の変動時間)を、低ベース状態のときよりも短くなり易くする特別図柄の変動時間短縮制御である。特別図柄の変動時間短縮制御を行う場合、高ベース状態は、所謂「変動時間短縮状態(変短状態)」となる。
【0039】
遊技状態には、非確変状態であって低ベース状態である遊技状態と、非確変状態であって高ベース状態である遊技状態と、確変状態であって低ベース状態である遊技状態と、確変状態であって高ベース状態である遊技状態と、がある。そして、パチンコ遊技機10では、複数種類の遊技状態のうち1つの遊技状態に制御される。なお、本実施形態では、原則として、非確変状態であって低ベース状態である遊技状態と、非確変状態であって高ベース状態である遊技状態と、確変状態であって高ベース状態である遊技状態と、のうち1つの遊技状態に制御される。
【0040】
次に、パチンコ遊技機10における大当りについて説明する。
パチンコ遊技機10は、特別図柄の大当り図柄として、複数種類の大当り図柄を備えている。複数種類の大当り図柄は、第1大当り図柄と、第2大当り図柄と、に分類されている。複数種類の大当り図柄には、それぞれ大当りの種類が定められている。大当り図柄には、大当り遊技の終了後の遊技状態が定められていてもよい。大当り遊技では、最初に、予め定めたオープニング期間にわたって、大当り遊技の開始を報知するオープニング演出が行われる。大当り遊技では、オープニング演出の終了後に、大入賞口29が開放されるラウンド遊技が行われる。ラウンド遊技は、予め定めた上限回数を上限として行われる。1回のラウンド遊技において、大入賞口29は、予め定めた上限個数の遊技球が入球する第1ラウンド終了条件、又は予め定めた上限時間が経過する第2ラウンド終了条件が成立する迄の間、開放される。ラウンド遊技では、ラウンド演出が行われる。そして、大当り遊技では、最終回のラウンド遊技が終了すると、予め定めたエンディング期間にわたって、大当り遊技の終了を報知するエンディング演出が行われる。大当り遊技は、エンディング演出の終了に伴って終了される。
【0041】
第1大当り図柄に分類される大当り図柄には、大当りの種類として「第1大当り」が定められている。第1大当り図柄に分類される大当り図柄には、ラウンド遊技の上限回数として「10回」が定められている。第1大当り図柄に分類される大当り図柄には、大当り遊技の終了後の遊技状態として、確変状態とすることが定められている。第1大当り図柄に分類される大当り図柄には、大当り遊技の終了後の遊技状態として、高ベース状態とすることが定められている。第2大当り図柄に分類される大当り図柄には、大当りの種類として「第2大当り」が定められている。第2大当り図柄に分類される大当り図柄には、ラウンド遊技の上限回数として「8回」が定められている。第2大当り図柄に分類される大当り図柄には、大当り遊技の終了後の遊技状態として、非確変状態とすることが定められている。また、第2大当り図柄に分類される大当り図柄には、大当り遊技の終了後の遊技状態として、100回の特別ゲームが終了する迄の間、又は、100回の特別ゲームが終了する前に大当り遊技が付与される迄の間、高ベース状態とすることが定められている。パチンコ遊技機10では、例えば、第1特別ゲームが大当りとなったときと、第2特別ゲームが大当りとなったときと、を比較した場合、決定される大当りの種類及び各種大当りの決定率を異ならせてもよい。
【0042】
次に、パチンコ遊技機10の電気的構成について説明する。
図5に示すように、パチンコ遊技機10は、主制御部としての主基板40を備えている。主基板40は、各種の処理を行い、該処理の結果に応じて制御信号(制御コマンド)などの制御情報を出力する。パチンコ遊技機10は、副制御部としての副基板41を備えている。副基板41は、主基板40が出力する制御情報に基づき所定の処理を行う。例えば、副基板41は、枠ランプ17及び可動体50に設けられた装飾ランプ50aによる発光演出、スピーカ18による音演出及び演出表示装置25による表示演出を実行させるための処理を行う。このように、本実施形態において、副制御部は、主制御部からの制御情報に基づく処理を実行可能である。パチンコ遊技機10において主基板40及び副基板41は、遊技盤20の裏側に配設されている。遊技盤ユニットには、主基板40及び副基板41が含まれる。遊技盤ユニットは、中枠11baに固定される。したがって、パチンコ遊技機10において主基板40及び副基板41は、機内部に配設されているともいえる。主基板40は、副基板41と接続されている。
【0043】
まず、主基板40について説明する。
主基板40は、主制御CPU40aと、主制御ROM40bと、主制御RAM40cと、を備えている。主制御CPU40aは、主制御CPU40aの制御プログラム(主制御プログラム)を実行することにより、各種の処理を行う。主制御ROM40bは、主制御プログラムや、所定の抽選に用いられる抽選テーブルを記憶している。主制御ROM40bは、大当り抽選に用いられる大当り判定値を記憶している。大当り判定値には、高確値と、共通値と、がある。本実施形態において、非確変状態であるときの大当り抽選では共通値と高確値のうち共通値のみが用いられる一方、確変状態であるときの大当り抽選では共通値と高確値の両方が用いられる。また、主制御ROM40bは、演出抽選に用いられる演出判定値を記憶している。演出抽選は、大当り抽選に非当選した場合にリーチ演出を実行するかを決める抽選であり、リーチ抽選に相当する。
【0044】
また、主制御ROM40bは、複数種類の変動パターンを記憶している。複数種類の変動パターンは、特別ゲームが開始されてから特別ゲームが終了されるまでの変動時間が対応付けられている。即ち、変動パターンには、特別ゲームの変動時間が対応付けられている。このため、変動パターンは、特別ゲームの変動時間を特定可能な情報といえる。パチンコ遊技機10では、変動パターンが決定されることにより、特別ゲームの変動時間が決定されることとなる。また、変動パターンは、特別ゲームが開始されてから特別ゲームが終了されるまでの間に行われる演出ゲームの演出内容のうち一部又は全てを特定可能な情報であってもよい。変動パターンには、例えば、大当り変動パターンと、はずれ変動パターンと、がある。大当り変動パターンには、演出ゲームの演出内容として、リーチ演出を経て最終的に演出図柄による大当り図柄を確定停止表示させる演出内容が対応付けられている。はずれ変動パターンには、はずれリーチなし変動パターンと、はずれリーチあり変動パターンと、がある。はずれリーチなし変動パターンには、演出ゲームの演出内容として、リーチ演出を経ないで最終的にはずれの図柄組み合わせを確定停止表示させる演出内容が対応付けられている。はずれリーチあり変動パターンには、演出ゲームの演出内容として、リーチ演出を経て最終的にはずれの図柄組み合わせを確定停止表示させる演出内容が対応付けられている。また、大当り変動パターンには、ノーマルリーチ演出とスーパーリーチ演出のうちノーマルリーチ演出のみの実行が対応付けられた大当り変動パターンと、スーパーリーチ演出の実行が対応付けられた大当り変動パターンと、がある。また、はずれリーチあり変動パターンには、ノーマルリーチ演出とスーパーリーチ演出のうちノーマルリーチ演出のみの実行が対応付けられたはずれリーチあり変動パターンと、スーパーリーチ演出の実行が対応付けられたはずれリーチあり変動パターンと、がある。
【0045】
主制御RAM40cは、パチンコ遊技機10の動作中に適宜書き換えられる様々な情報を記憶可能に構成されている。主制御RAM40cが記憶する情報には、例えば、フラグ、カウンタ及びタイマなどがある。主基板40は、乱数を生成可能に構成されている。例えば、乱数は、ハードウェア乱数であってもよいし、ソフトウェア乱数であってもよい。
【0046】
主基板40には、第1始動センサSE1、第2始動センサSE2、カウントセンサSE3及び作動センサSE4が接続されている。また、主基板40には、扉開放センサKSが接続されている。主制御CPU40aは、図示しないポートを介して、各種のセンサSE1~SE4,KSが出力する検知信号を入力可能に構成されている。また、主基板40には、情報表示パネル22が接続されている。主制御CPU40aは、図示しない駆動回路を介して、情報表示パネル22の表示内容を制御可能となっている。また、主基板40には、第1アクチュエータA1及び第2アクチュエータA2が接続されている。主制御CPU40aは、図示しない駆動回路を介して、第1アクチュエータA1の動作、第2アクチュエータA2の動作を制御可能となっている。
【0047】
次に、副基板41について説明する。
副基板41は、副制御CPU41aと、副制御ROM41bと、副制御RAM41cと、を備えている。例えば、副制御CPU41aは、副制御CPU41aの制御プログラム(副制御プログラム)を実行することにより、各種の処理(例えば、演出に関する処理)を行う。本実施形態では、副制御CPU41aが演出に関する処理を実行することによって、演出の実行(演出実行手段)を制御する演出制御手段の一例が構成されている。副制御ROM41bは、副制御プログラムや、抽選に用いられる抽選テーブルや判定値などを記憶している。副制御ROM41bは、演出表示装置25における表示演出の態様(内容)を特定可能な表示演出データを記憶している。また、副制御ROM41bは、枠ランプ17及び装飾ランプ50aにおける発光演出の態様(内容)を特定可能な発光演出データを記憶している。副制御ROM41bは、スピーカ18における音演出の態様(内容)を特定可能な音演出データを記憶している。
【0048】
副基板41には、枠ランプ17、スピーカ18、及び演出表示装置25が接続されている。副制御CPU41aは、図示しない駆動回路を介して、枠ランプ17、スピーカ18、及び演出表示装置25を制御可能となっている。副基板41には、可動体50が接続されている。副制御CPU41aは、図示しない駆動回路を介して、可動体50に設けられた装飾ランプ50aを制御可能となっている。
【0049】
副基板41には、フォトセンサPSが接続されている。副制御CPU41aは、図示しないポートを介して、可動体50の位置が原位置であるときにフォトセンサPSが出力する検知信号(オン信号)を入力可能に構成されている。副基板41には、操作部19が接続されている。副制御CPU41aは、操作部19が操作されたときに出力する操作信号(オン信号)を入力可能に構成されている。
【0050】
副制御RAM41cは、パチンコ遊技機10の動作中に適宜書き換えられる様々な情報を記憶可能に構成されている。副制御RAM41cが記憶する情報には、例えば、フラグ、カウンタ及びタイマなどがある。副基板41は、乱数を生成可能に構成されている。例えば、乱数は、ハードウェア乱数であってもよいし、ソフトウェア乱数であってもよい。
【0051】
以下、主制御CPU40aが制御プログラムに基づき実行する各種処理について説明する。
最初に、主制御CPU40aが行う特別図柄入力処理について説明する。
【0052】
特別図柄入力処理において主制御CPU40aは、第1特別図柄入力処理を行う。また、主制御CPU40aは、第1特別図柄入力処理を終えると、第2特別図柄入力処理を行う。そして、特別図柄入力処理において主制御CPU40aは、第2特別図柄入力処理を終えると、特別図柄入力処理を終了する。
【0053】
第1特別図柄入力処理において主制御CPU40aは、第1始動センサSE1からの検知信号を入力したか否かに基づいて、第1始動口26に遊技球が入球したかを判定する(以下、第1入力判定と示す)。第1入力判定の判定結果が否定の場合、主制御CPU40aは、第1特別図柄入力処理を終了する。一方、第1入力判定の判定結果が肯定の場合、主制御CPU40aは、主制御RAM40cに記憶されている第1特別保留数が上限数未満であるかを判定する(以下、第1保留判定と示す)。第1保留判定の判定結果が否定の場合、主制御CPU40aは、第1特別図柄入力処理を終了する。また、第1保留判定の判定結果が肯定の場合、主制御CPU40aは、第1特別保留数に1加算して更新する。また、主制御CPU40aは、更新後の第1特別保留数を表示するように情報表示パネル22を制御する。主制御CPU40aは、更新後の第1特別保留数を特定可能な制御情報(以下、第1保留数コマンドと示す)を出力バッファに格納する。
【0054】
第1保留判定の判定結果が肯定の場合、主制御CPU40aは、主基板40内で生成している乱数を取得し、取得した乱数に基づく乱数情報を主制御RAM40cに記憶させる。このとき、主制御CPU40aは、第1特別ゲーム用の乱数情報であること、及び乱数情報の記憶順序が特定可能となるように記憶させる。本実施形態では、第1特別ゲーム用の乱数情報を主制御RAM40cに記憶させておくことで、第1特別ゲームの実行条件が成立するまで、その実行を保留する。即ち、パチンコ遊技機10は、第1特別ゲームの実行を保留可能に構成されている。乱数情報は、取得した乱数そのものであってもよく、乱数を所定の手法により加工した情報であってもよい。なお、例えば、乱数は、大当り抽選に用いる乱数(以下、大当り判定乱数と示す)、特別図柄の決定に用いる乱数(以下、特別図柄乱数と示す)、変動パターンの決定に用いる乱数(以下、変動パターン乱数と示す)、演出抽選に用いる乱数(以下、演出判定乱数と示す)などである。その後、第1特別図柄入力処理において主制御CPU40aは、第1特別図柄入力処理を終了する。
【0055】
次に、第2特別図柄入力処理について説明する。
第2特別図柄入力処理において主制御CPU40aは、第2始動センサSE2からの検知信号を入力したか否かに基づいて、第2始動口27に遊技球が入球したかを判定する(以下、第2入力判定と示す)。第2入力判定の判定結果が否定の場合、主制御CPU40aは、第2特別図柄入力処理を終了する。一方、第2入力判定の判定結果が肯定の場合、主制御CPU40aは、主制御RAM40cに記憶されている第2特別保留数が上限数未満であるかを判定する(以下、第2保留判定と示す)。第2保留判定の判定結果が否定の場合、主制御CPU40aは、第2特別図柄入力処理を終了する。また、第2保留判定の判定結果が肯定の場合、主制御CPU40aは、第2特別保留数に1加算して更新する。また、主制御CPU40aは、更新後の第2特別保留数を表示するように情報表示パネル22を制御する。主制御CPU40aは、更新後の第2特別保留数を特定可能な制御情報(以下、第2保留数コマンドと示す)を出力バッファに格納する。
【0056】
次に、主制御CPU40aが行う特別図柄開始処理について説明する。
主制御CPU40aは、特別ゲームの実行条件が成立しているかを判定する(以下、実行判定と示す)。実行判定において主制御CPU40aは、大当り遊技中ではなく、且つ特別ゲーム中ではなく、変動間インターバル中でもない場合に肯定判定する。一方、実行判定において主制御CPU40aは、大当り遊技中、特別ゲーム中及び変動間インターバル中のうち何れかである場合に否定判定する。実行判定の判定結果が否定の場合(特別ゲームの実行条件が成立していない場合)、主制御CPU40aは、待機状態であることを特定可能な待機コマンドを出力バッファに格納し、特別図柄開始処理を終了する。
【0057】
一方、実行判定の判定結果が肯定の場合(特別ゲームの実行条件が成立している場合)、主制御CPU40aは、主制御RAM40cに記憶されている第2特別保留数が1以上であるかを判定する。そして、第2特別保留数が1以上である場合、主制御CPU40aは、第2特別ゲームの実行に係る第2特別図柄開始処理を行った後、特別図柄開始処理を終了する。一方、第2特別保留数が1以上でない場合、主制御CPU40aは、主制御RAM40cに記憶されている第1特別保留数が1以上であるかを判定する。第1特別保留数が1以上でない場合、主制御CPU40aは、特別図柄開始処理を終了する。一方、第1特別保留数が1以上である場合、主制御CPU40aは、第1特別ゲームの実行に係る第1特別図柄開始処理を行った後、特別図柄開始処理を終了する。
【0058】
第1特別図柄開始処理において主制御CPU40aは、主制御RAM40cに記憶されている第1特別保留数を1減算して更新する。主制御CPU40aは、更新後の第1特別保留数が表示されるように、情報表示パネル22を制御する。また、主制御CPU40aは、更新後の第1特別保留数を特定可能な第1保留数コマンドを出力バッファに格納する。続いて、主制御CPU40aは、第1特別ゲーム用の乱数情報のうち、最先に記憶された乱数情報を主制御RAM40cから読み出す。なお、主制御CPU40aは、最先の乱数情報を読み出すと、最先に記憶された乱数情報を主制御RAM40cから消去する。そして、主制御CPU40aは、読み出した乱数情報及び主制御ROM40bに記憶されている大当り判定値を基に、大当り抽選を行う。なお、大当り抽選に用いられる大当り判定値は、確変状態であるときと非確変状態であるときで少なくとも一部が異なる。大当り抽選を終えた後、主制御CPU40aは、第1特別ゲームで確定停止表示させる特別図柄と、第1特別ゲームの変動パターンと、を決定する。具体的に、大当り抽選に当選した場合、主制御CPU40aは、特別図柄乱数の値に基づいて大当り図柄を決定し、変動パターン決定乱数の値に基づいて大当り変動パターンを決定する。一方、大当り抽選に非当選した場合、主制御CPU40aは、演出判定乱数の値に基づき、演出抽選を行う。演出抽選に当選した場合、主制御CPU40aは、はずれ図柄を決定し、変動パターン決定乱数の値に基づいてはずれリーチあり変動パターンを決定する。一方、演出抽選に非当選した場合、主制御CPU40aは、はずれ図柄を決定し、変動パターン決定乱数の値に基づいてはずれリーチなし変動パターンを決定する。特別図柄や変動パターンを決定した後、主制御CPU40aは、決定した特別図柄を特定可能な制御情報(以下、図柄コマンドと示す)及び変動パターンを特定可能な制御情報(以下、変動パターン指定コマンドと示す)を出力バッファに格納し、第1特別図柄開始処理を終了する。第1特別図柄開始処理において主制御CPU40aは、第1特別ゲームに対応する変動パターン指定コマンドを出力バッファに格納する。
【0059】
第2特別図柄開始処理において主制御CPU40aは、第2特別ゲームの実行に係る処理を行う。第2特別図柄開始処理は、第1特別図柄開始処理について、「第1特別ゲーム」を「第2特別ゲーム」に、「第1特別保留数」を「第2特別保留数」に、それぞれ読み替えた処理であるため、その詳細な説明を省略する。
【0060】
そして、特別図柄開始処理を終了すると、主制御CPU40aは、特別図柄開始処理とは別の処理を行い、特別ゲームを実行させる。具体的に、主制御CPU40aは、特別ゲームが開始されるように、情報表示パネル22を制御する。主制御CPU40aは、特別図柄開始処理において決定した変動パターンに対応付けられた変動時間を計時する。そして、主制御CPU40aは、変動パターンに対応付けられた変動時間が経過すると、特別図柄開始処理において決定した特別図柄が確定停止表示されるように、情報表示パネル22を制御する。また、主制御CPU40aは、特別図柄開始処理において決定した変動パターンに対応付けられた変動時間が経過すると、演出図柄による図柄組み合わせを確定停止表示させるための終了コマンドを出力バッファに格納する。また、主制御CPU40aは、特別図柄を確定停止表示させた後、つまり、特別ゲームの終了後、変動間インターバル(例えば、2秒)を設定する。変動間インターバルにおいて、特別ゲームの終了に伴って確定停止表示された特別図柄は確定停止表示され続ける。
【0061】
次に、主制御CPU40aが行う大当り処理について説明する。
主制御CPU40aは、特別図柄開始処理で決定した大当り図柄に基づいて、大当り遊技の種類を特定する。そして、主制御CPU40aは、大当りの特別ゲームの終了後、特定した大当り遊技を付与する制御を開始する。具体的に、主制御CPU40aは、大当りの特別ゲームの終了後であって、変動間インターバルが経過した後、大当り遊技を付与する制御を開始する。主制御CPU40aは、大当り処理を実行することにより、大当り遊技を付与する。このように、パチンコ遊技機10では、大当りに当選した後に大当り遊技が付与される。
【0062】
主制御CPU40aは、大当りの特別ゲームが終了すると、オープニングコマンドを出力バッファに格納する。また、主制御CPU40aは、オープニングコマンドを出力バッファに格納すると、オープニング時間を計時する。また、主制御CPU40aは、オープニング時間が経過すると、ラウンド遊技を実行させるための処理を行う。即ち、主制御CPU40aは、大当り遊技に設定された開放態様(開放パターン)にしたがって、大入賞口29を開放するように第2アクチュエータA2を制御し、ラウンド遊技を開始させる。主制御CPU40aは、ラウンド遊技を開始させた後、第1ラウンド終了条件又は第2ラウンド終了条件が成立すると、大入賞口29が閉鎖されるように第2アクチュエータA2を制御し、ラウンド遊技を終了させる。主制御CPU40aは、ラウンド遊技を実行させるための処理を、大当り遊技に定められた上限回数のラウンド遊技が終了するまで繰り返し行う。また、主制御CPU40aは、ラウンド遊技を開始する毎に、ラウンドコマンドを出力バッファに格納する。また、主制御CPU40aは、最終回のラウンド遊技が終了すると、エンディングコマンドを出力バッファに格納する。主制御CPU40aは、エンディングコマンドを出力バッファに格納すると、エンディング時間を計時する。そして、主制御CPU40aは、エンディング時間が経過すると、大当り遊技を終了する。
【0063】
次に、主制御CPU40aが行う遊技状態処理について説明する。
主制御CPU40aは、特別図柄開始処理で決定した大当り図柄(即ち、大当りの種類)に基づいて、大当り遊技終了後の遊技状態を特定する。主制御CPU40aは、非確変状態に制御することを特定した場合、大当り遊技の終了に伴い、非確変状態に制御することを特定可能な値を、主制御RAM40cに記憶されている確率状態フラグに設定する。また、主制御CPU40aは、非確変状態であることを特定可能な制御情報(以下、低確率状態コマンドと示す)を出力バッファに格納する。また、主制御CPU40aは、確変状態に制御することを特定した場合、大当り遊技の終了に伴い、確変状態に制御することを特定可能な値を確率状態フラグに設定する。また、主制御CPU40aは、確変状態であることを特定可能な制御情報(以下、高確率状態コマンドと示す)を出力バッファに格納する。
【0064】
なお、主制御CPU40aは、大当り遊技が付与された場合、非確変状態に制御することを特定可能な値を確率状態フラグに設定するとともに、低ベース状態に制御することを特定可能な値をベース状態フラグに設定する。更に、主制御CPU40aは、低確率状態コマンドを出力バッファに格納するとともに、低ベース状態コマンドを出力バッファに格納する。
【0065】
次に、主制御CPU40aが行う扉開放処理について説明する。
主制御CPU40aは、扉開放センサKSから検知信号を入力したかに基づき、扉部材が開放されているかを判定する。主制御CPU40aは、扉開放センサKSから検知信号(オン信号)を入力した場合、扉部材が開放されていると判定する。主制御CPU40aは、扉開放センサKSから検知信号を入力しなかった場合、扉部材が開放されていないと判定する。扉部材が開放されていない場合、主制御CPU40aは、扉開放処理を終了する。一方、扉部材が開放されている場合、主制御CPU40aは、扉部材が開放されていることを特定可能な制御情報(以下、扉開放コマンドと示す)を出力バッファに格納し、扉開放処理を終了する。なお、主制御CPU40aは、前回の扉開放処理において扉開放コマンドを出力バッファに格納した場合において、今回の扉開放処理において扉部材が開放されていないと判定した場合、扉が閉鎖されたことを特定可能な制御情報(以下、扉閉鎖コマンドと示す)を出力バッファに格納する。
【0066】
次に、副制御CPU41aが制御プログラムに基づき実行する各種処理について説明する。
副制御CPU41aは、低確率状態コマンドを入力すると、副制御RAM41cに記憶されている確率状態フラグに、非確変状態であることを特定可能な値を設定する。副制御CPU41aは、高確率状態コマンドを入力すると、副制御RAM41cに記憶されている確率状態フラグに、確変状態であることを特定可能な値を設定する。副制御CPU41aは、副制御RAM41cの確率状態フラグを参照することにより、確変状態であるかを特定できる。また、副制御CPU41aは、低ベース状態コマンドを入力すると、副制御RAM41cに記憶されているベース状態フラグに、低ベース状態であることを特定可能な値を設定する。副制御CPU41aは、高ベース状態コマンドを入力すると、副制御RAM41cに記憶されているベース状態フラグに、高ベース状態であることを特定可能な値を設定する。副制御CPU41aは、副制御RAM41cのベース状態フラグを参照することにより、高ベース状態であるかを特定できる。
【0067】
副制御CPU41aは、大当り遊技中、大当り演出が行われるように、枠ランプ17、スピーカ18、演出表示装置25及び可動体50に設けられた装飾ランプ50aなどの各種の演出装置のうち少なくとも一部を制御する。具体的に、副制御CPU41aは、オープニングコマンドを入力すると、オープニング演出が行われるように、各種の演出装置のうち少なくとも一部を制御する。また、副制御CPU41aは、ラウンドコマンドを入力すると、ラウンド演出が行われるように、各種の演出装置のうち少なくとも一部を制御する。また、副制御CPU41aは、エンディングコマンドを入力すると、エンディング演出が行われるように、各種の演出装置のうち少なくとも一部を制御する。大当り演出の演出内容は、大当りの種類に応じて異ならせてもよい。
【0068】
副制御CPU41aは、演出ゲームが行われるように、演出表示装置25を制御する。具体的に、副制御CPU41aは、図柄コマンド及び変動パターン指定コマンドを入力すると、演出ゲームを実行させる制御を行う。副制御CPU41aは、変動パターン指定コマンド及び図柄コマンドに基づいて、演出ゲームにおいて最終的に確定停止表示させる演出図柄による図柄組み合わせを決定する。副制御CPU41aは、入力した図柄コマンドから大当り図柄を特定する場合、演出図柄による大当りの図柄組み合わせを決定する。副制御CPU41aは、入力した図柄コマンドからはずれ図柄を特定する場合、演出図柄によるはずれの図柄組み合わせを決定する。例えば、副制御CPU41aは、入力した変動パターン指定コマンドからリーチあり変動パターンを特定する場合、リーチを含むはずれの図柄組み合わせを決定する。一方、副制御CPU41aは、入力した変動パターン指定コマンドからリーチなし変動パターンを特定する場合、リーチを含まないはずれの図柄組み合わせを決定する。
【0069】
副制御CPU41aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、演出図柄を変動表示させるように、演出表示装置25を制御する。つまり、副制御CPU41aは、演出ゲームを開始させる。そして、副制御CPU41aは、所定のタイミングにおいて、決定した演出図柄による図柄組み合わせを一旦停止表示させる。その後、副制御CPU41aは、終了コマンドの入力を契機に、演出図柄による図柄組み合わせを確定停止表示させる。なお、副制御CPU41aは、終了コマンドとは関係なく、変動パターンから特定可能な変動時間を計時し、該変動時間の経過を契機に図柄組み合わせを確定停止表示させてもよい。この場合、終了コマンドを省略してもよい。
【0070】
副制御CPU41aは、扉開放コマンドを入力した場合、扉部材が開放されていることを示す画像TGを表示するように、演出表示装置25を制御する。本実施形態において、画像TGは、「扉が開放されています」という文字情報を含む画像としている。本実施形態では、扉部材が開放されていることを示す画像TGを演出表示装置25に表示することが、扉部材の開放が検知されていることに基づく開放報知演出を行うことに相当する。本実施形態では、扉部材が開放されている期間のうち少なくとも一部の期間において、扉部材が開放されていることを報知する開放報知演出を実行させることが可能である。そして、副制御CPU41aは、扉閉鎖コマンドを入力したとき、開放報知演出を終了させる。本実施形態では、開放報知演出は、開放報知演出が開始してから終了するまでの期間において連続的に行われる。即ち、副制御CPU41aは、扉開放コマンドを入力してから扉閉鎖コマンドを入力するまでの期間において、扉部材が開放されていることを示す画像TGを表示するように、演出表示装置25を制御する。
【0071】
副制御CPU41aは、扉開放コマンドを入力し、且つ、フォトセンサPSの検知信号(オン信号)を入力した場合、可動体50を原位置から退避位置に移動させることを促すことを示す画像EGを表示するように、演出表示装置25を制御する。本実施形態において、画像EGは、「可動体を移動させてください」という文字情報を含む画像としている。本実施形態では、可動体50を原位置から退避位置に移動させることを促すことを示す画像EGを演出表示装置25に表示することが、扉部材の開放が検知されていること、及び可動体50の位置が原位置であることを検知されていることに基づく特定演出を行うことに相当する。そして、副制御CPU41aは、扉部材が開放されている状態において可動体50が原位置から移動したとき、即ち、フォトセンサPSの検知信号を入力しなくなったとき、特定演出を終了させる。副制御CPU41aは、扉部材が開放されている状態において可動体50の位置が原位置であっても、特定演出を実行させてから所定の時間(例えば10秒)が経過したときには、特定演出を終了させる。また、副制御CPU41aは、扉部材が閉鎖されたとき、即ち、扉閉鎖コマンドを入力したとき、特定演出を終了させる。
【0072】
上述したように、副制御CPU41aは、扉開放コマンドを入力したとき、扉部材が開放されていることを報知する開放報知演出と、可動体50を原位置から退避位置に移動させることを促す特定演出とを実行させることが可能である。副制御CPU41aは、開放報知演出と、特定演出とが行われている状況において、フォトセンサPSの検知信号を入力しなくなったとき、即ち、可動体50が原位置から移動したとき、特定演出を終了させる一方で、開放報知演出を終了させない。また、副制御CPU41aは、開放報知演出と、特定演出とが行われている状況において、特定演出を実行させてから所定の時間が経過したとき特定演出を終了させる一方で、開放報知演出を終了させない。そして、副制御CPU41aは、特定演出が行われておらず、開放報知演出が行われている状況において、扉閉鎖コマンドを入力したとき、開放報知演出を終了させる。なお、副制御CPU41aは、開放報知演出と、特定演出とが行われている状況において、扉閉鎖コマンドを入力したとき、開放報知演出と、特定演出とを終了させる。
【0073】
副制御CPU41aは、可動体50の位置が原位置であるときと、可動体50の位置が原位置とは異なる位置であるときとで異なる態様の発光演出を実行する。具体的に、副制御CPU41aは、扉部材が閉鎖している状態において可動体50の位置が原位置であるときには、例えば、可動体50に設けられた装飾ランプ50aを青色に発光(点灯)させる演出を実行させる。副制御CPU41aは、扉部材が閉鎖している状態において可動体50の位置が原位置とは異なる位置であるときには、例えば、可動体50に設けられた装飾ランプ50aを赤色に発光(点灯)させる演出を実行させる。このように、副制御CPU41aは、扉部材が閉鎖している状態において、可動体50が原位置であるときと、可動体50が原位置とは異なる位置であるときとで異なる態様の演出を実行させる。即ち、副制御CPU41aは、扉部材が閉鎖している状態において、可動体50が原位置であるときと、可動体50が原位置とは異なる位置であるときとで異なる態様の演出を実行させる。
【0074】
また、副制御CPU41aは、扉部材が開放している状態において可動体50の位置が原位置であるときには、例えば、可動体50に設けられた装飾ランプ50aを赤色に点滅させる演出を実行させる。副制御CPU41aは、扉部材が開放している状態において可動体50の位置が原位置とは異なる位置であるときには、例えば、可動体50に設けられた装飾ランプ50aを白色に点滅させる演出を実行させる。このように、副制御CPU41aは、扉部材が開放している状態において、可動体50が原位置であるときと、可動体50が原位置とは異なる位置であるときとで異なる態様の演出を実行させる。
【0075】
上述したように、副制御CPU41aは、可動体50が原位置であるとき、扉部材が開放している状態と、扉部材が閉鎖している状態とで異なる態様の演出を実行させる。また、副制御CPU41aは、可動体50が原位置とは異なる位置であるとき、扉部材が開放している状態と、扉部材が閉鎖している状態とで異なる態様の演出を実行させる。
【0076】
次に、パチンコ遊技機10が遊技場などの遊技機設置設備に固定されている状態で扉部材が開放されたときの態様について説明する。
図6は、4台の遊技機を上から見た場合の平面図である。
【0077】
図6に示すように、遊技場には、遊技機設置設備に固定された複数のパチンコ遊技機が隣接している状態で設置されている。遊技機GM1及び遊技機GM3は、可動体50の位置が原位置であり扉部材が閉鎖している状態である。遊技機GM2は、可動体50の位置が原位置であり扉部材が開放している状態である。遊技機GM4は、可動体50の位置が退避位置であり扉部材が開放している状態である。なお、遊技機GM2と、遊技機GM4との扉部材の開き角度は、同じ角度であるものとする。
【0078】
遊技機GM2の扉部材が開放された場合、遊技機GM2の扉部材の開き角度が所定の角度(例えば20°)になると、遊技機GM2の左隣に設置されている遊技機GM1の搭載枠11bに遊技機GM2の可動体50の一部が接触する。このため、遊技機GM2の扉部材は、扉部材の開き角度を所定の角度より大きくし難い。これにより、例えば、遊技機の扉を開放して遊技機や遊技場の設備などの点検を行うとき、点検し難くなる虞がある。また、遊技機GM1の搭載枠11bと、遊技機GM2の可動体50とが接触する虞がある。
【0079】
一方で、遊技機GM4の扉部材が開放された場合、遊技機GM4の扉部材の開き角度が所定の角度になっても、遊技機GM4の左隣に設置されている遊技機GM3に遊技機GM4の可動体50が接触しない。このため、遊技機GM4の扉部材は、扉部材の開き角度を所定の角度より大きくすることが可能である。これにより、例えば、遊技機の扉を開放して遊技機や遊技場の設備などの点検を行うとき、点検し易くなる。また、遊技機GM3の搭載枠11bと、遊技機GM4の可動体50とが接触し難くすることが可能である。即ち、本実施形態では、可動体50の位置が原位置であるときに扉部材が開放された場合、可動体50を退避位置に移動させることにより、扉部材の開き角度を所定の角度より大きくすることが可能である。
【0080】
次に、扉部材が開放され、開放報知演出、及び特定演出が実行されたときにおける演出表示装置25の表示態様の一例について
図7に基づき説明する。
図7は、演出ゲームが行われていない状況において、扉部材が開放されたときに可動体50の位置が原位置である場合を図示している。
【0081】
図7(a)に示すように、演出表示装置25では、演出ゲームが行われていないため左図柄、中図柄及び右図柄が変動表示されておらず、はずれ図柄「426」が確定停止表示されている。
【0082】
そして、
図7(b)に示すように、演出表示装置25では、扉部材の開放に伴い、扉部材が開放されていることを示す画像TGと、可動体50を原位置から退避位置に移動させることを促すことを示す画像EGとが表示される。本実施形態では、特定演出の画像に関する優先度(レイヤー)は、演出ゲームの画像(例えば演出図柄)の優先度に比して上位に設定されている。したがって、特定演出の画像と、演出ゲームの画像とが重なった状態で表示されるとき、特定演出の画像が演出ゲームの画像よりも手前側にあるかのように表示される。このため、演出表示装置25では、画像EGの表示に伴って、はずれ図柄「426」の表示が隠れる。本実施形態の画像TGは、「扉が開放されています」という文字情報の画像によって構成されている。本実施形態の画像EGは、可動体50を含む搭載枠11bを模した画像と「可動体を移動させてください」という文字情報の画像とを含んで構成されている。画像EGには、可動体50の位置が原位置である搭載枠11bを模した画像SGと、可動体50の位置が退避位置である搭載枠11bを模した画像VGとが含まれる。さらに、画像TGには、可動体50の位置が原位置である搭載枠11bを模した画像から可動体50の位置が退避位置である搭載枠11bを模した画像へと向う矢印の画像YGが含まれる。
【0083】
次に、可動体50が原位置から移動されると、演出表示装置25では、
図7(c)に示すように、可動体50を原位置から退避位置に移動させることを促すことを示す画像EGが消去される一方、扉部材が開放されていることを示す画像TGは表示され続ける。また、演出表示装置25では、画像EGの消去に伴って、画像EGによって隠れていたはずれ図柄「426」が現れる。
【0084】
その後、可動体50が元の位置である原位置に戻された後に扉部材を閉鎖されたものとする。
可動体50が退避位置から原位置に移動されると、演出表示装置25では、
図7(d)に示すように、可動体50を退避位置に移動させることを促すことを示す画像EGが再度、表示される。このため、演出表示装置25では、扉部材が開放されていることを示す画像TGと、可動体50を退避位置に移動させることを促すことを示す画像EGとが表示される。また、演出表示装置25では、画像EGの表示に伴って、はずれ図柄「426」の表示が隠れる。
【0085】
そして、扉部材が閉鎖されると、演出表示装置25では、
図7(e)に示すように、扉部材が開放されていることを示す画像TGと、可動体50を退避位置に移動させることを促すことを示す画像EGとが消去される。また、演出表示装置25では、画像EGの消去に伴って、画像EGによって隠れていたはずれ図柄「426」が現れる。
【0086】
図8は、演出ゲームが行われている状況において、扉部材が開放されたときに可動体50の位置が原位置である場合を図示している。
図8(a)に示すように、演出表示装置25では、演出ゲームにより左図柄、中図柄及び右図柄が変動表示されている。
【0087】
図8(b)に示すように、演出表示装置25では、扉部材の開放に伴い、扉部材が開放されていることを示す画像TGと、可動体50を原位置から退避位置に移動させることを促すことを示す画像EGとが表示される。また、演出表示装置25では、画像EGの表示に伴って、左図柄、中図柄及び右図柄の表示が隠れる。このように、演出表示装置25では、演出ゲームが行われている状況において、画像EGが表示されると演出ゲームの展開が表示されなくなる。
【0088】
次に、可動体50が原位置から移動されると、演出表示装置25では、
図8(c)に示すように、可動体50を原位置から退避位置に移動させることを促すことを示す画像EGが消去される一方、扉部材が開放されていることを示す画像TGは表示され続ける。また、演出表示装置25では、画像EGの消去に伴って、画像EGによって隠れていた、一旦停止表示している左図柄「4」と、変動表示している中図柄と、変動表示している右図柄とが現れる。このように、演出表示装置25では、演出ゲームが行われている状況において、画像EGが消去されると演出ゲームの展開が表示される。
【0089】
その後、可動体50が元の位置である原位置に戻された後に扉部材を閉鎖されたものとする。
可動体50が退避位置から原位置に移動されると、演出表示装置25では、
図8(d)に示すように、可動体50を退避位置に移動させることを促すことを示す画像EGが再度、表示される。このため、演出表示装置25では、扉部材が開放されていることを示す画像TGと、可動体50を退避位置に移動させることを促すことを示す画像EGとが表示される。また、演出表示装置25では、画像EGの表示に伴って、左図柄、中図柄及び右図柄の表示が隠れる。
【0090】
そして、扉部材が閉鎖されると、演出表示装置25では、
図8(e)に示すように、扉部材が開放されていることを示す画像TGと、可動体50を退避位置に移動させることを促すことを示す画像EGとが消去される。また、演出表示装置25では、画像EGの消去に伴って、画像EGによって隠れていた、一旦停止表示している左図柄「4」と、変動表示している中図柄と、一旦停止表示している右図柄「6」とが現れる。
【0091】
したがって、第1実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)本実施形態によれば、扉部材が開放されているとき、扉部材が開放されていることを報知する開放報知演出を実行することが可能である。また、扉部材が開放されたとき、可動体50の位置が原位置である場合には可動体50に関する特定演出を実行する。そして、扉部材が開放されている状態において可動体50の位置が原位置から移動したときには特定演出を終了する一方、開放報知演出を終了しない。これにより、扉部材が開放しているときには、扉部材が開放されていることを報知することが可能であり、可動体50の位置に応じて特定演出を実行することが可能であるため、状況に応じて適した情報を報知することができる。
【0092】
(2)本実施形態によれば、扉部材が開放されたとき、可動体50の位置が原位置である場合には可動体50に関する特定演出が実行され、扉部材が閉鎖されたとき、特定演出が終了する。よって、可動体50の位置が同じであっても、扉部材の状態により特定演出を実行させることが可能であるため、状況に応じて適した情報を報知することができる。
【0093】
(3)本実施形態によれば、扉部材が開放されたとき、可動体50の位置が原位置である場合には可動体50に関する特定演出が実行され、可動体50の位置が原位置から移動したときには特定演出が終了する。また、特定演出が実行されてから所定の時間が経過したとき、又は、扉部材が閉鎖したときにも特定演出が終了する。このように、特定演出の終了条件は複数あるため、状況に応じて特定演出を実行することができる。
【0094】
(4)本実施形態によれば、可動体50の位置が原位置である場合、可動体50が設置枠11aの輪郭37部分と重なっており可動体50の一部が突出している。このため、扉部材を開放させたときに、例えば、周囲の物などに可動体50がぶつかる虞がある。本実施形態によれば、特定演出が実行されることで可動体50の位置を把握させ易くすることが可能であるため、遊技機の取り扱いについて注意させることが可能である。このように、本実施形態によれば、扉部材を開放させたときに周囲の物などに可動体50がぶつかる虞があり、遊技機の取り扱いについて注意する必要があるという状況に応じて可動体50に関する特定演出を実行することができる。
【0095】
(5)本実施形態によれば、特定演出は、可動体50を原位置から退避位置に移動させることを促す演出であるため、可動体50をどのように移動させればよいか理解し易くすることができる。このため、扉部材が開放されたとき、可動体50の位置が原位置である場合に、より適切に可動体50を移動させることができるように報知することができる。
【0096】
(6)本実施形態によれば、扉部材が閉鎖している状態において、可動体50が原位置に位置しているときと、可動体50が退避位置に位置しているときと、で異なる態様の演出が実行されるため、扉部材が開放される前の可動体50の位置を理解し易くすることができる。よって、扉部材が開放されたとき、可動体50の位置が原位置であることと、可動体50の位置を移動させる必要があることを理解し易くすることができる。
【0097】
(7)本実施形態によれば、可動体が原位置に位置する状況において、扉部材が開放しているときと、扉部材が閉鎖しているときとで異なる態様の演出が実行される。このため、可動体が原位置に位置する状況において扉部材が開放されたことをより理解し易くすることができる。
【0098】
(8)本実施形態によれば、可動体50の位置が退避位置であるとき、可動体50と、設置枠11aの中心線(センターライン)とが重なった状態であるため、退避位置であるときの可動体50を視認し易くすることができる。
【0099】
(9)本実施形態によれば、扉部材が閉鎖しているときには、可動体50を退避位置から原位置に移動させることができない。しかしながら、可動体50は常時、人が触れることができる構成となっており、且つ、可動体50が退避位置であることが視認し易いため、扉部材を閉鎖する前に可動体50を移動させることができる。
【0100】
(10)本実施形態によれば、演出ゲームが行われている状況において、扉部材が開放されたときに可動体50の位置が原位置であれば、演出ゲームよりも特定演出を優先させて実行する。そして、可動体50の位置が原位置から移動したときには特定演出を終了し、演出ゲームを再開する。よって、扉部材が開放されたときに可動体50の位置が原位置である場合には、特定演出を実行することが可能であり、特定演出が終了したときには演出ゲームを再開することが可能であるため、状況に応じて適した情報を報知することができる。
【0101】
上述した実施形態は、以下のように変更して実施することができる。なお、上述した各実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0102】
・扉部材の開放を検知する検知手段は、1つでなくてもよく、例えば、複数の検知手段を備えてもよい。複数の検知手段を備える場合、全ての検知手段が開放を検知していないときに「扉部材が閉鎖されているとき」とし、少なくとも1つの検知手段が開放を検知しているときに「扉部材が開放されているとき」としてもよい。
【0103】
・施錠部SSに枠キーが挿入されていることを検知可能な検知手段(鍵挿入検知手段)を備えてもよい。そして、扉開放センサKSによって扉部材が閉鎖されたことを検知し、且つ、施錠部SSに枠キーが挿入されていないことが検知された状況を、扉部材が閉鎖された状況として扱うこともできる。また、扉部材の閉鎖に基づく所定タイミングは、扉部材が閉鎖されて、施錠部SSから枠キーが抜かれたタイミングとしてもよい。
【0104】
・操作部19は、その構造として例えば平面視円形の押圧部を備えた単なる押しボタンの構造部ではなく、例えば拳銃や操縦桿などを模した構造物としてもよい。
・可動体50は、自動で動作することが可能な構成にしてもよい。例えば、可動体50は、移動させる手段として、ステッピングモータを備えてもよい。そして、ステッピングモータにより可動体50の位置を移動させる演出を実行させてもよい。この場合、可動体50の位置を移動させる契機として、例えば、扉部材が開放されている状態において、操作部19が操作されたときにしてもよい。
【0105】
・可動体50の位置が原位置であることを検知するフォトセンサPSに代えて又は加えて、可動体50の位置が退避位置であることを検知するフォトセンサを備えてもよい。この場合、副制御CPU41aは、特定演出の実行中に可動体50の位置が退避位置であることを検知するフォトセンサの検知信号(オン信号)を入力した場合、特定演出を終了させてもよい。
【0106】
・上記別例において、副制御CPU41aは、扉部材が閉鎖している状態において、可動体50が原位置であるときと、可動体50が退避位置であるときとで異なる態様の演出を実行させてもよい。
【0107】
・上記別例において、副制御CPU41aは、扉部材が開放している状態において、可動体50が原位置であるときと、可動体50が退避位置であるときとで異なる態様の演出を実行させてもよい。
【0108】
・本実施形態において、扉部材の開放が検知されていることに基づく開放報知演出では、演出表示装置25による表示演出(画像TGの表示)を行っているが、これに限らない。例えば、開放報知演出では、演出表示装置25による表示演出に代えて又は加えて、スピーカ18による音演出や枠ランプ17による発光演出を行ってもよい。例えば、エラー報知の専用ランプを設け、開放報知演出では、演出表示装置25による表示演出に代えて又は加えて、エラー報知の専用ランプによる発光演出を行ってもよい。この場合、専用ランプによる発光演出は、扉部材が閉鎖されるまで行われる一方、演出表示装置25による表示演出は、例えば、開放報知演出の画像の優先度に比して上位に設定された画像が表示されたときには非表示にしてもよい。
【0109】
・本実施形態において、扉部材の開放が検知されていること、及び可動体50の位置が原位置であることを検知されていることに基づく特定演出は、演出表示装置25による表示演出(画像EGの表示)を行っているが、これに限らない。例えば、特定演出は、演出表示装置25による表示演出に代えて又は加えて、スピーカ18による音演出や枠ランプ17による発光演出を行ってもよい。例えば、エラー報知の専用ランプを設け、特定演出では、演出表示装置25による表示演出に代えて又は加えて、エラー報知の専用ランプによる発光演出を行ってもよい。この場合、専用ランプによる発光演出は、特定演出の終了条件が成立するまで行われる一方、演出表示装置25による表示演出は、例えば、特定演出の画像の優先度に比して上位に設定された画像が表示されたときには非表示にしてもよい。
【0110】
・開放報知演出が実行されている状態において、副制御CPU41aは、扉閉鎖コマンドを入力する前に開放報知演出を終了させる操作(例えばエラー解除スイッチの操作)が行われた場合には、開放報知演出を終了させてもよい。
【0111】
・開放報知演出が実行されている状態において、副制御CPU41aは、扉閉鎖コマンドを入力する前に開放報知演出を実行させてから予め定められた時間が経過したときには開放報知演出を終了させてもよい。この場合、開放報知演出を実行させてから予め定められた時間が経過する前に開放報知演出を終了させる操作(例えばエラー解除スイッチの操作)が行われた場合には、開放報知演出を終了させてもよい。
【0112】
・各種演出(報知)は、予め定めた優先順位(優先度)にしたがって行われてもよい。例えば、演出ゲームに係る演出は、開放報知演出に比して優先順位が低くてもよい。例えば、開放報知演出は、特定演出に比して優先順位が低くてもよい。例えば、特定演出は、その他のエラー報知(例えば磁気エラー報知)に比して優先順位が低くてもよい。このように予め定めた優先順位に基づき演出が実行されてもよい。
【0113】
・可動体50を原位置から退避位置に移動させることを促すことを示す画像EGは、静止画でもよく、動画であってもよい。動画の場合、可動体50が原位置から退避位置に時間の経過によって移動する動画にしてもよい。
【0114】
・特定演出の画像と、演出ゲームの画像とが重なった状態で表示されるとき、演出表示装置25では、特定演出の画像の表示に伴って、演出ゲームの画像の表示が隠れていたが、これに限らない。例えば、特定演出の画像と、演出ゲームの画像とが交互に切り替わるように表示してもよい。例えば、演出ゲームの画像を小さくして特定演出の画像の手前側に表示してもよい。
【0115】
・特別ゲームは、演出表示装置25にて表示してもよい。この場合、演出ゲームを表示しないようにしてもよい。第1特別ゲームと第2特別ゲームとは、保留順に実行してもよく、同時に並行して実行してもよい。
【0116】
・パチンコ遊技機10の機械的な構成は適宜変更してもよい。例えば、演出表示装置25を複数の表示手段から構成してもよく、そのうちの一部の表示手段を変位可能に構成してもよい。例えば、演出表示装置25とは別の演出表示装置を備えてもよい。例えば、操作手段は単数又は複数(3つ以上)であってもよく、複数の操作部が複合したものであってもよい。
【0117】
・主基板40の機能は、複数の基板に分割して実現してもよい。主基板40は、単一の基板上に実装された複数のCPUから構成してもよい。副基板41の機能は、複数の基板に分割して実現されていてもよい。例えば、パチンコ遊技機10は、演出表示装置25を専門に制御する表示基板、枠ランプ17及び装飾ランプ50aを専門に制御するランプ基板、及びスピーカ18を専門に制御する音声基板を備えていてもよく、これらの基板群を統括的に制御する統括基板をさらに備えていてもよい。また、副制御CPU41aは、単一の基板上に実装された複数のCPUから構成されていてもよい。
【0118】
・本実施形態において、遊技機は、パチンコ遊技機であったが、これに限らず、スロットマシンとして構成されていてもよい。
本実施形態及び変更例から把握できる技術的思想について記載する。
【0119】
(イ)機台の設置枠及び各種の遊技部材を有する搭載枠を含む複数の枠体を備え、前記搭載枠にはガラスの支持部を有するとともに開閉可能な扉部材を含み、当該扉部材に可動体を設けた遊技機において、前記扉部材の開放を検知する扉開放検知手段と、演出を実行可能な演出実行手段と、前記演出実行手段を制御する演出制御手段と、を備え、前記演出制御手段は、前記扉部材が開放されている期間のうち少なくとも一部の期間において、前記扉部材が開放されていることを報知する開放報知演出を実行させることが可能であり、前記扉部材が開放されたときに前記可動体が所定位置に位置する状況では、前記可動体に関する特定演出が実行され、前記扉部材が開放している状態において前記可動体が前記所定位置から移動したとき、前記特定演出は終了する一方で、前記開放報知演出は終了しないことを特徴とする遊技機。
【0120】
(ロ)機台の設置枠及び各種の遊技部材を有する搭載枠を含む複数の枠体を備え、前記搭載枠にはガラスの支持部を有するとともに開閉可能な扉部材を含み、当該扉部材に可動体を設けた遊技機において、前記扉部材の開放を検知する扉開放検知手段と、演出を実行可能な演出実行手段と、前記演出実行手段を制御する演出制御手段と、を備え、前記演出制御手段は、前記扉部材が開放されている期間のうち少なくとも一部の期間において、前記扉部材が開放されていることを報知する開放報知演出を実行させることが可能であり、前記可動体には装飾が施されており、前記可動体の位置が少なくとも所定位置であるときには、前記遊技機を正面視したときにおいて、前記可動体と、前記枠体の輪郭部分とが重なり、前記扉部材が開放されたときに前記可動体が前記所定位置に位置する状況では、前記可動体に関する特定演出が実行され、前記扉部材が開放している状態において前記可動体が前記所定位置から移動したとき、前記特定演出は終了する一方で、前記開放報知演出は終了しないことを特徴とする遊技機。
【0121】
(ハ)機台の設置枠及び各種の遊技部材を有する搭載枠を含む複数の枠体を備え、前記搭載枠にはガラスの支持部を有するとともに開閉可能な扉部材を含み、当該扉部材に可動体を設けた遊技機において、前記扉部材の開放を検知する扉開放検知手段と、演出を実行可能な演出実行手段と、前記演出実行手段を制御する演出制御手段と、を備え、前記演出制御手段は、前記扉部材が開放されている期間のうち少なくとも一部の期間において、前記扉部材が開放されていることを報知する開放報知演出を実行させることが可能であり、前記扉部材が開放されたときに前記可動体が所定位置に位置する状況では、前記可動体に関する特定演出が実行され、前記特定演出の終了条件は、複数あり、前記特定演出の終了条件には、前記可動体が前記所定位置から移動したことが少なくとも含まれ、前記扉部材が開放している状態において前記可動体が前記所定位置から移動したとき、前記特定演出は終了する一方で、前記開放報知演出は終了しないことを特徴とする遊技機。
【0122】
(ニ)前記特定演出の終了条件には、所定の時間が経過したことが含まれる前記(ハ)に記載の遊技機。
(ホ)前記特定演出の終了条件には、前記扉部材が閉鎖したことが含まれる前記(ハ)又は前記(ニ)に記載の遊技機。
【0123】
(ヘ)機台の設置枠及び各種の遊技部材を有する搭載枠を含む複数の枠体を備え、前記搭載枠にはガラスの支持部を有するとともに開閉可能な扉部材を含み、当該扉部材に可動体を設けた遊技機において、前記扉部材の開放を検知する扉開放検知手段と、演出を実行可能な演出実行手段と、前記演出実行手段を制御する演出制御手段と、を備え、前記演出制御手段は、前記扉部材が閉鎖している状態において、前記可動体が所定位置に位置しているときと、前記可動体が前記所定位置とは異なる特定位置に位置しているときとで異なる態様の演出を実行させることが可能であり、前記演出制御手段は、前記扉部材が開放されている期間のうち少なくとも一部の期間において、前記扉部材が開放されていることを報知する開放報知演出を実行させることが可能であり、前記扉部材が開放されたときに前記可動体が前記所定位置に位置する状況では、前記可動体に関する特定演出が実行され、前記扉部材が開放している状態において前記可動体が前記所定位置から移動したとき、前記特定演出は終了する一方で、前記開放報知演出は終了しないことを特徴とする遊技機。
【0124】
(ト)前記演出制御手段は、前記可動体が前記所定位置に位置する状況において、前記扉部材が開放しているときと、前記扉部材が閉鎖しているときとで異なる態様の演出を実行させることが可能である前記(ヘ)に記載の遊技機。
【0125】
(チ)機台の設置枠及び各種の遊技部材を有する搭載枠を含む複数の枠体を備え、前記搭載枠にはガラスの支持部を有するとともに開閉可能な扉部材を含み、当該扉部材に可動体を設けた遊技機において、前記扉部材の開放を検知する扉開放検知手段と、演出を実行可能な演出実行手段と、前記演出実行手段を制御する演出制御手段と、を備え、前記演出制御手段は、前記扉部材が開放されている期間のうち少なくとも一部の期間において、前記扉部材が開放されていることを報知する開放報知演出を実行させることが可能であり、前記可動体には装飾が施されており、前記可動体の位置が少なくとも所定位置であるときには、前記遊技機を正面視したときにおいて、前記可動体と、前記枠体の輪郭部分とが重なり、前記扉部材が開放されたときに前記可動体が所定位置に位置する状況では、前記可動体に関する特定演出が実行され、前記特定演出は、前記可動体を前記所定位置から当該所定位置とは異なる特定位置に移動させることを促す演出であり、前記可動体は、手動により前記所定位置から前記特定位置に移動させることができ、前記扉部材が開放している状態において前記可動体が前記所定位置から移動したとき、前記特定演出は終了する一方で、前記開放報知演出は終了せず、前記可動体は、前記可動体の位置が前記特定位置であるとき、前記枠体のセンターライン上に位置し、前記遊技機は、前記可動体を常時、触れることができるように構成されており、前記扉部材が閉鎖している状態において、前記可動体を前記特定位置から前記所定位置に移動させることができないことを特徴とする遊技機。
【符号の説明】
【0126】
10…パチンコ遊技機、11…枠体、11a…設置枠、11b…搭載枠、11ba…中枠、11bb…前枠、25…演出表示装置、50…可動体、50a…装飾ランプ、KS…扉開放センサ、PS…フォトセンサ、Z…回転軸、C…中心線、40…主基板、41…副基板、40a…主制御CPU、41a…副制御CPU。