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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-08
(45)【発行日】2023-09-19
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20230911BHJP
【FI】
A63F7/02 334
A63F7/02 304D
A63F7/02 320
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2022092428
(22)【出願日】2022-06-07
(62)【分割の表示】P 2019131503の分割
【原出願日】2019-07-16
(65)【公開番号】P2022116333
(43)【公開日】2022-08-09
【審査請求日】2022-06-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000135210
【氏名又は名称】株式会社ニューギン
(74)【代理人】
【識別番号】100141645
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100076048
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 喜幾
(72)【発明者】
【氏名】山本 恵輝
(72)【発明者】
【氏名】土師 正樹
(72)【発明者】
【氏名】齊藤 龍平
(72)【発明者】
【氏名】宮内 智弘
(72)【発明者】
【氏名】杉崎 正範
(72)【発明者】
【氏名】川北 雄大
(72)【発明者】
【氏名】塚本 匠
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 臣
(72)【発明者】
【氏名】石塚 千花
(72)【発明者】
【氏名】松本 泰明
(72)【発明者】
【氏名】竹内 修
【審査官】下村 輝秋
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-166964(JP,A)
【文献】特開2006-075224(JP,A)
【文献】特開2017-104620(JP,A)
【文献】特開2012-223217(JP,A)
【文献】特開2013-132533(JP,A)
【文献】特開2015-097680(JP,A)
【文献】特開2018-042670(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技演出を行う遊技演出部を備えた基体と、前記基体の前側に位置すると共に当該基体の一側部に設けたヒンジ部により開閉可能に支持され、前記遊技演出部を前側から透視可能に覆う透視保護部を有する前面部材とを備えた遊技機において、
前記前面部材の前面側に位置する第1位置および第2位置に移動可能な装飾部材と、
前記前面部材が閉鎖状態であるか否かを判別可能な第1判別手段と、
前記装飾部材の位置を判別可能な第2判別手段と、
所定の報知を実行可能な報知手段と、を備え、
前記報知手段は、前記前面部材が閉鎖状態でない際に、前記装飾部材が第1位置にある場合と、前記装飾部材が第1位置にない場合とで異なる報知を可能に構成されると共に、
前記報知手段は、前記前面部材が閉鎖状態でないと共に前記装飾部材が第1位置にない特定の状態で報知を行っているときに、前記前面部材が閉鎖状態となった場合は、前記特定の状態で行っていた複数種類の報知の内、前記前面部材が閉鎖状態でないことを報知する態様の報知を行うことなく、前記装飾部材が第1位置にないことを報知する態様の報知を行うよう構成した
ことを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、遊技演出部を備えた基体の前側に開閉可能な前面部材を備えた遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、所定の遊技媒体を用いて遊技を行うパチンコ機やパチスロ機といった遊技機が広く知られている。このような遊技機は、遊技店の設置枠台に固定される固定枠に対して図柄変動等の各種演出を行う演出装置(遊技演出部)が配設されると共に、該固定枠に対して開閉可能に支持されて遊技機前面を装飾する前面部材を備えており、固定枠に対して前面部材を閉じた状態で、当該前面部材に設けたガラス等を介して演出装置を視認可能に構成されている。例えばパチンコ機は、前後に開口する矩形枠状に形成されて遊技店の設置枠台に固定される固定枠としての外枠に、パチンコ球が流下可能な遊技領域が画成された遊技盤を備えた本体枠としての中枠が支持されると共に、当該遊技盤を前側から視認可能に保護するガラス板を備えた前面部材が中枠の前側に開閉可能に支持されて、遊技領域に打ち出されたパチンコ球が遊技領域内に植設された遊技釘等との接触により跳ね返りながら次第に自重により流下し、該遊技領域を流下する過程で各種の入賞部に入賞する様子をパチンコ機の前側から目視しながら遊技を行い得るよう構成されている。
【0003】
前記遊技機では、球詰まり等のトラブルや部品の交換、部品調整などに対処するために前記前面部材を開放した場合に、該前面部材の開放を検知して報知するよう構成されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2011-229561号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、遊技機では、前面部材の前面に位置するように立体的で大型の装飾部材を設けて、その装飾性を高めることにより訴求力を向上させることが行われる。この構成では、前面部材を開放した際に、装飾部材の嵩高さにより隣接する遊技機に干渉して前面部材の開放に支障を来たすおそれがある。そこで、前面部材を支障なく開放し得る退避位置に装飾部材を移動可能とする構成を採用することで、前面部材の開放に際して遊技機に装飾部材が干渉するのを防ぐことができる。しかし、装飾部材を移動可能に構成した場合、該装飾部材が退避位置のままでは正常な遊技や演出を行うことができないことから、装飾部材の位置を如何にして適正に報知するかが課題となる。
【0006】
そこで本発明は、従来の技術に係る遊技機に内在する前記課題に鑑み、これを好適に解決するべく提案されたものであって、装飾部材の位置を適正に報知することができる遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決し、所期の目的を達成するため、本願の請求項1に係る発明は、
遊技演出を行う遊技演出部(15)を備えた基体(12)と、前記基体(12)の前側に位置すると共に当該基体(12)の一側部に設けたヒンジ部(25)により開閉可能に支持され、前記遊技演出部(15)を前側から透視可能に覆う透視保護部(13a)を有する前面部材(13)とを備えた遊技機において、
前記前面部材(13)の前面側に位置する第1位置および第2位置に移動可能な装飾部材(31)と、
前記前面部材(13)が閉鎖状態であるか否かを判別可能な第1判別手段(29,60a)と、
前記装飾部材(31)の位置を判別可能な第2判別手段(38,65a)と、
所定の報知を実行可能な報知手段(26,27)と、を備え、
前記報知手段(26,27)は、前記前面部材(13)が閉鎖状態でない際に、前記装飾部材(31)が第1位置にある場合と、前記装飾部材(31)が第1位置にない場合とで異なる報知を可能に構成されると共に、
前記報知手段(26,27)は、前記前面部材(13)が閉鎖状態でないと共に前記装飾部材(31)が第1位置にない特定の状態で報知を行っているときに、前記前面部材(13)が閉鎖状態となった場合は、前記特定の状態で行っていた複数種類の報知の内、前記前面部材(13)が閉鎖状態でないことを報知する態様の報知を行うことなく、前記装飾部材(31)が第1位置にないことを報知する態様の報知を行うよう構成したことを要旨とする。
この構成によれば、装飾部材を第1位置に戻すことで、報知の種類が切り替わるので、装飾部材が第1位置に戻ったことを効果的に認識することができる。従って、装飾部材を第2位置に移動したまま遊技を開始してしまうのを防いで、適正に遊技を行うことができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る遊技機によれば、装飾部材の位置を適正に報知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の好適な実施例に係るパチンコ機を示す正面図である。
図2】実施例に係るパチンコ機を前側から見た概略斜視図である。
図3】実施例に係るパチンコ機を、中枠に対して前枠を操作許容角度で開放している状態を後側から見た概略斜視図である。
図4】遊技店において実施例に係るパチンコ機が並べて配置されている状態を示す正面図であって、中枠に対して前枠を操作許容角度で開放すると共に第2装飾部材を退避位置に移動した状態を示している。
図5図4の状態の平面図である。
図6図5の状態から前枠を更に開放した状態を示す平面図である。
図7】実施例に係るパチンコ機の主要な制御構成を示すブロック図である。
図8】エラー報知開始処理の流れを示すフローチャートである。
図9】エラー報知終了処理の流れを示すフローチャートである。
図10】別実施例のエラー報知終了処理の流れを示すフローチャートである。
図11】別の実施例の前枠が閉鎖状態から開放状態に切り替わる場合におけるエラー報知処理の流れを示すフローチャートである。
図12】別の実施例の前枠が開放状態から閉鎖状態に切り替わる場合におけるエラー報知処理の流れを示すフローチャートである。
図13】別の実施例の前枠が閉鎖中のエラー報知処理の流れを示すフローチャートである。
図14】別の実施例の前枠が開放中のエラー報知処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
次に、本発明に係る遊技機につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下詳細に説明する。なお、実施例では、遊技球としてパチンコ球を用いて遊技を行うパチンコ機を例に挙げて説明する。また、以下の説明では、「前」、「後」、「左」、「右」とは、特に断りのない限り、図1に示すように、外枠11、中枠12および前枠13を相互に閉成した状態でパチンコ機10を正面側(遊技者側)から見た状態で指称するものとする。
【実施例
【0011】
(パチンコ機10について)
図1図3に示す如く、実施例に係るパチンコ機10は、前後に開口する矩形枠状に形成されて遊技店の設置枠台M(図4図6参照)に縦置き姿勢で設置される固定枠としての外枠11の開口前面側に、遊技盤14を着脱可能に保持する本体枠としての中枠(基体)12が開閉および着脱可能に組み付けられて、該遊技盤14の裏側に、所定条件の成立(後述する始動入賞口へのパチンコ球の入賞等)を契機として演出用の演出図柄(飾図)を変動表示させて図柄組合せ演出を表示する演出実行手段としての表示装置15が着脱可能に配設されている。また、前記中枠12の前面側には、前記遊技盤14を透視保護するガラス板や透明な合成樹脂材により形成された透視保護部13aで前後に開口する窓部13bを覆うよう構成された装飾枠としての前枠(前面部材)13が開閉可能に組み付けられる。前枠13の下部位置には、パチンコ球を貯留する上球受け皿16および下球受け皿17が上下に離間して前枠13と一体的に開閉可能に設けられている。また前枠13には、下球受け皿17の側方に、前記中枠12に配設された図示しない打球発射装置を作動する操作ハンドル18が設けられる。この操作ハンドル18は、左回転方向に付勢された操作レバー18aを備え、該操作レバー18aを右回転するよう遊技者が回動操作することで打球発射装置が作動されて、前記上球受け皿16に貯留されたパチンコ球が前記遊技盤14に向けて発射される。前記表示装置15は、表示により遊技演出を行う遊技演出部として機能しており、該表示装置15としては、各種図柄を表示可能な液晶パネルを収容ケースに収容した液晶表示装置や、ドラム式の図柄表示装置やドットマトリックス式の図柄表示装置等の各種図柄を停止および変動表示可能な従来公知の各種の表示装置を採用し得る。
【0012】
(外枠11について)
前記外枠11は、図3に示す如く、上縁を構成する外上枠部19aと、下縁を構成する外下枠部19bと、左縁を構成する外第1側枠部19cと、右縁を構成する外第2側枠部19dとから基本的に構成され、これら上下左右の枠部19a,19b,19c,19dを組み付けることで外枠11が縦長の矩形枠体として構成される。そして、外枠11に対して中枠12は、後述する中第1側枠部21c側(一方の側部)が、第1ヒンジ機構20を介して開閉および着脱自在に支持(ヒンジ接続)され、外枠11に対して中枠12を閉成することで、該外枠11の内側に中枠12が収容されるよう構成される。また、外枠11に対して中枠12は、第1ヒンジ機構20による枢支側とは反対の側縁側(他方の側部)が、中枠12の後述する中第2側枠部21dおよび前枠13の前第2側枠部24dに設けた施錠装置28によって、該中枠12は外枠11に対して閉鎖状態に保持されるようになっている。
【0013】
(中枠12について)
前記中枠12は、図3に示す如く、上縁をなす中上枠部21aと、下縁をなし、打球発射装置や各種制御装置等を設置する設置部として機能する中下枠部21bと、左縁(一方の側縁)をなす中第1側枠部21cと、右縁(他方の側縁)をなす中第2側枠部21dとから構成されて、これら上下左右の枠部21a,21b,21c,21dを組み付けた際に、全体が外枠11の開口領域に整合する大きさに形成される。そして、前述したように外枠11に対して中枠12の中第1側枠部21c側が、第1ヒンジ機構20を介して回動自在に支持されて、中第2側枠部21d側が施錠装置28により施錠される。また、中枠12には、上下左右の枠部21a,21b,21c,21dを組み付けることで前後に開口する遊技盤保持部22が画成され、該遊技盤保持部22に遊技盤14が着脱自在にセット保持される。
【0014】
(遊技盤14について)
前記遊技盤14は、合板等の木製板部材の表面にセル板を配設したもの、あるいはアクリル板等の透明な合成樹脂材等からなる平板状の板部材で構成される。遊技盤14の前面には、案内レール23によって遊技領域14aが画成され(図1参照)、前記中枠12に配設された打球発射装置から発射されたパチンコ球が遊技領域14a内に打ち出され、該遊技領域14a内をパチンコ球が流下して遊技が行われる。また遊技盤14の前面には、図示しないが、遊技領域14a内に枠状装飾部材、パチンコ球が入賞可能な始動入賞装置、特別入賞装置、普通入賞装置等の各種入賞装置および多数本の遊技釘や風車等の各種遊技部品が配設されている。遊技盤14の裏側には、表示装置15、可動演出装置および発光装置等の各種の遊技部品が配設される合成樹脂材で形成された図示しない設置部材が配設される。そして、設置部材に形成された前後に開口する開口部および枠状装飾部材に形成した窓口を介して表示装置15の表示部を前面側から視認し得るよう構成される。
【0015】
前記始動入賞装置には、遊技領域14aを流下するパチンコ球が入賞可能な始動入賞口が設けられると共に、該始動入賞口へ入賞したパチンコ球を検出する始動入賞センサが設けられる。そして、始動入賞検出センサによるパチンコ球の検出を契機として後述するメイン制御基板60から演出制御基板65に制御信号(制御コマンド)が出力され、該演出制御基板65の制御下に前記表示装置15の表示部で図柄変動が開始されるようになっている。また、前記特別入賞装置には、遊技領域14aを流下するパチンコ球が入賞可能な特別入賞口、該特別入賞口を常には閉鎖する開閉可能な開閉扉および特別入賞口へ入賞したパチンコ球を検出する特別入賞センサが設けられる。特別入賞装置は、前記表示装置15での図柄変動の結果、表示装置15に所定の図柄組み合わせ(例えば同一図柄の三つ揃い等)で図柄が停止表示されることで所謂「大当り」が発生し、これにより開閉扉が開放するよう作動制御されて、遊技者が賞球を獲得し得る機会が与えられるよう構成されている。メイン制御基板60は、始動入賞センサや特別入賞センサから出力されたパチンコ球の検出信号が入力されると、払出し制御装置に制御信号を出力し、該払出し制御装置の制御下に球払出し装置に対応するセンサ(入賞口)毎に予め設定された数の賞球を払い出させるようになっている。
【0016】
(前枠13について)
図1図3に示す如く、前記前枠13は、全体が合成樹脂により前記中枠12の外形サイズに成形されると共に、前記遊技盤14の遊技領域14aを前側から視認し得る前記窓部(可視部)13bが開設されており、該前枠13の裏側に保持した透視保護部13aによって遊技盤14の遊技領域14aおよび前記表示装置15の表示部を透視可能に保護するよう構成される。前枠13は、上縁をなす前上枠部24aと、下縁をなす前下枠部24bと、左縁(一方の側縁)をなす前第1側枠部24cと、右縁(他方の側縁)をなす前第2側枠部24dが一体的に成形され、前下枠部24bの前面に前記上下の球受け皿16,17が設けられている。そして、中枠12に対して前枠13は、前第1側枠部24c(一方の側部)が第2ヒンジ機構(ヒンジ部)25を介して回動自在に支持(ヒンジ接続)され、前枠13を前第1側枠部24c側を中心として回動することで中枠12に対して開閉される。中枠12に対して前枠13を閉成することで、中枠12の前側が前枠13で覆われ、中枠12に対して前枠13を開放することで、中枠12の前側から前枠13が退避して該中枠12の前側が開放する(図6参照)。また、中枠12に対して前枠13を閉成した閉鎖状態で、前記施錠装置28を利用して前第2側枠部24d(他方の側部)が中枠12に対して施錠される。なお、実施例では前枠13に上下の球受け皿16,17を一体的に設けるようにしたが、下球受け皿17を中枠12に対して開閉自在に配設する構成を採用し得る。
【0017】
前記前枠13には、窓部13bを囲繞するようランプ装置としての枠ランプ(発光手段)26が配設されると共に、前枠13の前上枠部24aおよび前下枠部24bに、音声や効果音を出力可能なスピーカ(音出力手段)27が配設されている。すなわち、前記枠ランプ26に設けられたLED等の発光体(図示せず)を点灯・点滅したり、前記スピーカ27から適宜の音声を出力することで、前記表示装置15で行われる各種の表示演出(図柄組合せ演出)に合わせて光による演出や音による演出を行い得るよう構成されている。すなわち、前記枠ランプ26や前記スピーカ27も演出実行手段として機能する。枠ランプ26およびスピーカ27は、後述する演出制御基板65に電気的に接続されており、該演出制御基板65の制御信号に基づいて枠ランプ26やスピーカ27が制御されて、枠ランプ26を発光させたりスピーカ27から効果音を出力するよう構成される。また、枠ランプ26やスピーカ27は、前枠13の状態や後述する第2装飾部材31の位置に関する報知(エラー報知)を実行し得るよう構成されており、該枠ランプ26およびスピーカ27は報知手段としての機能を有している。
【0018】
(施錠装置28について)
前記外枠11に対して中枠12を開錠可能に施錠すると共に、中枠12に対して前枠13を開錠可能に施錠する施錠装置28として、実施例では「ダブル錠型式」と呼ばれる型式の施錠装置が用いられている。この施錠装置28は、図1に示す如く、前枠13における前第2側枠部24dの前面に鍵穴を露出させた錠操作部28aと、鍵穴から差し込んだ鍵の回動操作によって作動する作動機構28bとを備える(図3参照)。作動機構36bは、外枠11に設けた外枠被係合部に係脱する外枠係合部(何れも図示せず)および中枠12に設けた中枠係合部に係脱する中枠係合部(何れも図示せず)を備える。そして、錠操作部28aの鍵穴から差し込んだ鍵を一方へ回転させる操作に基づき、作動機構28bが作動して外枠被係合部に対する外枠係合部の係合が解除されることで、中枠12と外枠11とが開錠される。また、錠操作部28aの鍵穴に差し込んだ鍵を他方へ回転させる操作に基づき、作動機構28bが作動して中枠被係合部に対する中枠係合部の係合が解除されることで、前枠13と中枠12とが開錠される。
【0019】
前記中枠12には、前枠13が閉鎖状態から変化して開放されたことを検出する扉開放検出スイッチ(開放検出手段)29が設けられ、該扉開放検出スイッチ29はメイン制御基板60に電気的に接続される(図7参照)。扉開放検出スイッチ29は、中枠12の中上枠部21aに設けられ、該扉開放検出スイッチ29は、中枠12に対する前枠13の閉鎖状態において該前枠13が接触してON状態となることで、前枠13の閉鎖状態を検出可能に構成される。また、中枠12に対して前枠13が開放されると、扉開放検出スイッチ29から前枠13が離間してOFF状態となることで、該扉開放検出スイッチ29は前枠13が閉鎖状態から変化(開放)したことを検出可能に構成される。
【0020】
図1図2に示す如く、前記前枠13の前面側に、複数の装飾部材30,31が配設される。実施例では、前記前第2側枠部24dの前面側に、第1装飾部材30が配設されると共に、前記前上枠部24aの前面側に、第2装飾部材31が配設される。第1装飾部材30は、前第2側枠部24dから前側に大きく突出すると共に、上下方向に延在する大型の装飾部材であって、内部にはLED等のランプ装置(図示せず)が配設されて、前記表示装置15の表示演出に合わせて光による演出を行い得るよう構成される。また、第2装飾部材31は、前上枠部24aから前側に大きく突出すると共に、左右方向に延在する大型の装飾部材であって、内部にはLED等のランプ装置(図示せず)が配設されて、前記表示装置15の表示演出に合わせて光による演出を行い得るよう構成される。第2装飾部材31は、前上枠部24aに対して回動可能に支持されて、前上枠部24aの前面側に全体が重なるように位置する原位置(第1位置、図1図2参照)と、該原位置から変化した退避位置(第2位置、図4参照)との間を移動可能に支持される。実施例では、第2装飾部材31における中枠12に対する前枠13の第2ヒンジ機構25による支持側から離間する右端部側に偏った位置において、前上枠部24aに対して支軸32を介して回動可能に支持され、第2装飾部材31は、後述する係止部33,34の係合状態を解除することによって原位置から退避位置に移動可能となるよう構成される。第2装飾部材31は、原位置において長手が左右方向に延在する姿勢で左端が前上枠部24aの左端と略同じ位置に位置するのに対し、退避位置においては長手が上下方向に延在すると共に前上枠部24aから垂れ下がって左端が下向きの姿勢となって、該左端が、前記透視保護部13aの前面側に位置する。これにより、第2装飾部材31を退避位置に移動することで、前枠13の左端部前面に、当該第2装飾部材31の前後厚み分の空間Sが空くよう構成される(図5参照)。
【0021】
図3に示す如く、前記第2装飾部材31の裏側に第1の係止部33が設けられると共に、前記前上枠部24aの前側に、第1の係止部33に係合可能な第2の係止部34を設けた係止部材35が、第1の係止部33に第2の係止部34が係合可能な係合位置と、第1の係止部33および第2の係止部34の係合が解除される解除位置に移動可能に配設され、両係止部33,34が係合することで第2装飾部材31は原位置に保持される。また、前上枠部24aに、両係止部33,34の係合を解除可能な解除手段36が設けられる。解除手段36は、店員等の作業者による操作が可能な操作部36aと、該操作部36aを係止部材35に連繋する連繋部36bとを備え、操作部36aの操作によって連繋部36bを介して係止部材35を係合位置から解除位置に移動可能に構成される。実施例では、中枠12に対して開錠された前枠13を、所定角度だけ開放することで、前記操作部36aの操作が可能に構成されている。操作部36aの操作が可能となる前枠13の操作許容角度は、原位置の第2装飾部材31が隣接する別のパチンコ機10の構成部材(例えば第1装飾部材30等)に干渉しない角度であって、例えば閉鎖状態から20度開いた角度に設定される(図5参照)。
【0022】
図3に示す如く、実施例では、前記第1の係止部33は、前記第2装飾部材31の後方に突出するピンから構成されると共に、前記第2の係止部34は、前記係止部材35に形成された前後方向および下方に開放する溝部35aに突出する爪状部材から構成され、係止部材35は、第1の係止部33と第2の係止部34との係合状態において、図示しない引張りバネ等の付勢手段37によって解除位置から係合位置に向かう方向に付勢されている。また、第2の係止部34の下面には、溝部35aの下側開口が下側に向かうにつれて拡開するように傾斜する傾斜面34aが形成されており、前枠13に対して第2装飾部材31を退避位置から持ち上げるようにして原位置に移動する際には、第1の係止部33が傾斜面34aに下側から当接することで係止部材35が前記付勢手段37の付勢力に抗して解除位置に向けて移動し、傾斜面34aから第1の係止部33が離脱することで、係止部材35が付勢手段37の付勢力によって係合位置に移動して第2の係止部34と第1の係止部33とが係合するよう構成される。すなわち、前枠13に対して第2装飾部材31を退避位置から原位置に戻す際には、前記操作部36aを操作することなく第2の係止部34に対して第1の係止部33を係合させ得るよう構成される。
【0023】
図3に示す如く、前記前枠13の前上枠部24aに、前記第2装飾部材31が原位置に位置することを検出可能なフォトセンサ等の位置検出センサ(位置検出手段)38が設けられ、該位置検出センサ38は演出制御基板65に電気的に接続される。また、前上枠部24aに、位置検出センサ38で検出可能な検出片39aを備えた検出部材39が回動可能に配設され、該検出部材39は、第2装飾部材31の原位置では該第2装飾部材31に設けた突部に当接して、検出片39aが位置検出センサ38で検出される検出位置に保持され、第2装飾部材31が原位置から退避位置に向けて移動することで突部が離間して検出片39aが位置検出センサ38で検出されない非検出位置に変位するよう構成される。位置検出センサ38は、検出片39aの検出位置でON状態となり、検出片39aの非検出位置でOFF状態となって、該状態の変化によって第2装飾部材31が原位置から移動したこと、および原位置に移動したことを検出可能に構成される。
【0024】
(パチンコ機の制御構成について)
次に、パチンコ機10の制御構成について説明する。実施例のパチンコ機10には、図7に示す如く、パチンコ機10を全体的に制御する制御手段としてのメイン制御基板(メイン制御手段)60と、該メイン制御基板60からの制御信号に基づいて各制御対象を制御する制御手段としてのサブ制御基板(サブ制御手段)65,70とが設けられている。すなわち、メイン制御基板60では、パチンコ機10に備えられた各種センサやスイッチ29等の検出手段からの検出信号に基づいて各種処理が実行され、その処理結果に応じた各種の制御信号(制御コマンド)がサブ制御基板65,70に出力されるようになっている。
【0025】
実施例のパチンコ機10には、サブ制御基板として、遊技演出を全体的に制御する演出制御基板65と、表示装置15での表示内容を制御する表示制御基板70と、パチンコ機10が備える各種ランプ装置(枠ランプ26等)の発光制御を行うランプ制御基板72と、パチンコ機10が備えるスピーカ27の音出力制御を行う音制御基板73とを備えている。すなわち、メイン制御基板60が出力した制御信号(制御コマンド)に基づいて、前記演出制御基板65が表示制御基板70、ランプ制御基板72および音制御基板73を制御するよう構成されており、パチンコ機10で実行される各種遊技演出(図柄変動演出(図柄組合せ演出)や発光演出、音声演出)を統括的にコントロールし得るようになっている。ここで、表示制御基板70は、演出制御基板65から出力された制御信号(制御コマンド)に基づいて、表示装置15に表示される図柄(飾図)や背景画像等の図柄変動演出の表示内容を制御するよう構成される。また、ランプ制御基板72は、演出制御基板65から出力された制御信号(制御コマンド)に基づいて、パチンコ機10が備える各種ランプ装置(枠ランプ26等)の点灯・消灯のタイミングや、発光強度等を制御するものである。そして、音制御基板73は、演出制御基板65から出力された制御信号(制御コマンド)に基づき、パチンコ機10が備える各種スピーカ27からの音声出力のタイミングや出力内容等を制御する。
【0026】
(メイン制御基板60について)
前記メイン制御基板60は、図7に示に如く、制御処理を実行するメイン制御CPU60a、該メイン制御CPU60aが実行する制御プログラムを記憶するメイン制御ROM60b、当該メイン制御CPU60aの処理に必要なデータの書込み・読出しが可能なメイン制御RAM60c等が備えられている。そして、前記メイン制御CPU60aに、前記入賞センサや扉開放検出スイッチ29等の各種の検出手段が接続されている。メイン制御CPU60aは、扉開放検出スイッチ29がON状態からOFF状態に切り替わった際(前枠13が閉鎖状態から変化した際)に、演出制御基板65に、扉開放コマンドを送信すると共に、扉開放検出スイッチ29がOFF状態からON状態に切り替わった際(前枠13が閉鎖状態となった際)に、演出制御基板65に、扉閉鎖コマンドを送信する。メイン制御CPU60aは、前記扉開放検出スイッチ29が前枠13を検出するON状態で該前枠13が閉鎖状態であると判別すると共に、扉開放検出スイッチ29が前枠13を検出しなくなるOFF状態に切り替わることで該前枠13が閉鎖状態から変化した(すなわち閉鎖状態ではない)と判別する。実施例では、扉開放検出スイッチ29およびメイン制御CPU60aから、前枠(前面部材)13が閉鎖状態であるか否かを判別可能な前面用判別手段または第1判別手段が構成される。
【0027】
(演出制御基板について)
前記演出制御基板65には、演出制御CPU65aが備えられている。該演出制御CPU65aには、図7に示す如く、演出制御ROM65bおよび演出制御RAM65cが接続されている。また、演出制御CPU65aは、各種乱数の値を所定の周期毎に更新し、更新後の値を演出制御RAM65cの設定領域に記憶(設定)して更新前の値を書き換えている。演出制御ROM65bには、表示制御基板70、ランプ制御基板72および音制御基板73を統括的に制御するための演出制御プログラムが記憶されている。演出制御CPU65aは、各種制御コマンドを入力すると、当該演出制御プログラムに基づき各種制御を実行する。演出制御CPU65aは、前記扉開放コマンドを入力すると、演出制御RAM65cの記憶領域に設定された扉開放フラグに「1」を設定し、前記扉閉鎖コマンドを入力すると扉開放フラグに「0」を設定するよう構成されており、該演出制御CPU65aは、扉開放フラグを参照することで前枠13の状態(閉鎖状態または開放状態)を認識し得るようになっている。また、演出制御CPU65aは、前記前枠13の状態および前記第2装飾部材31の位置に応じた後述するエラー報知を、枠ランプ26やスピーカ27で行わせているエラー報知中は、演出制御RAM65cの記憶領域に設定されたエラー報知中フラグに「1」を設定し、エラー報知中でない場合はエラー報知中フラグに「0」を設定するよう構成されており、該演出制御CPU65aは、エラー報知中フラグを参照することでエラー報知中であるか否かを認識し得るようになっている。また、演出制御CPU65aに、前記位置検出センサ38が接続されている。そして、演出制御CPU65aは、位置検出センサ38が検出片39aを検出するON状態で前記第2装飾部材31が原位置に位置すると判別すると共に、位置検出センサ38が検出片39aを検出しなくなるOFF状態に切り替わることで第2装飾部材31が原位置から移動したと判別する。実施例では、位置検出センサ38および演出制御CPU65aから、第2装飾部材(装飾部材)31の位置を判別可能な判別手段または第2判別手段が構成される。なお、図7には、別実施例に係るパチンコ機が備える報知継続タイマ50を二点鎖線で示している。
【0028】
(表示制御基板70について)
次に、図7に基づき表示制御基板70について説明する。表示制御基板(表示制御手段)70には、表示制御CPU70aが備えられている。該表示制御CPU70aには、表示制御ROM70bおよび表示制御RAM70cが接続されている。また、表示制御基板70(表示制御CPU70a)には、表示装置15が接続されている。表示制御ROM70bには、表示装置15の表示内容を制御するための表示制御プログラムが記憶されている。また、表示制御ROM70bには、各種の画像データ(図柄、各種背景画像、文字、キャラクタなどの画像データ)が記憶されている。更に、表示制御RAM70cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種の情報が記憶(設定)されるようになっている。
【0029】
実施例のパチンコ機10では、前記中枠12に対する前記前枠13の状態に応じたエラー報知を行うと共に、前記第2装飾部材31の位置に応じたエラー報知を行うことによって、前枠13の状態および第2装飾部材31の位置を認識させ得るよう構成される。実施例では、前枠13に設けた枠ランプ26およびスピーカ27を報知手段として、これら報知手段26,27による光および音のエラー報知を行うよう設定される。枠ランプ26による前枠13および第2装飾部材31に関するエラー報知の発光態様として、実施例では第1発光態様と第2発光態様との2種類が設定される。具体的に、第1発光態様は、枠ランプ26を赤色で点滅する態様に設定され、第2発光態様は、枠ランプ26を白色で点滅する態様に設定される。また、スピーカ27による前枠13および第2装飾部材31に関するエラー報知の発音態様として、実施例では第1発音態様と第2発音態様との2種類が設定される。具体的に、第1発音態様は、スピーカ27から、前枠13が閉鎖状態から変化したことを知らせる「扉が開いています」と音声出力する態様に設定され、第2発音態様は、スピーカ27から、第2装飾部材31を退避位置に移動することを促す「装飾部材を下げてください」と音声出力する態様に設定される。なお、上記発光態様および発音態様の種類や数は一例であって、これに限られるものでないことは勿論である。
【0030】
実施例のパチンコ機10では、前記メイン制御CPU60aが、複数のタイミングにおいて前枠13の状態を判別すると共に、前記演出制御CPU65aが第2装飾部材31の位置を判別して、その時の状況に応じたエラー報知を枠ランプ26およびスピーカ27で行うように、該枠ランプ26およびスピーカ27を、ランプ制御基板72および音制御基板73を介して制御する。なお、以後のエラー報知に関する説明では、単にメイン制御CPU60aまたは演出制御CPU65aが枠ランプ26およびスピーカ27を制御する、というものとする。
【0031】
実施例では、以下の4つのタイミングで、前枠13の状態および第2装飾部材31の位置を判別する。
1.扉開放検出スイッチ29が、前枠13の閉鎖状態を検出している状態(ON状態)から検出しなくなった状態(OFF状態)への切り替わりの第1のタイミング
2.扉開放検出スイッチ29が、前枠13の閉鎖状態を検出していない状態(OFF状態)から検出するようになった状態(ON状態)への切り替わりの第2のタイミング
3.扉開放検出スイッチ29が前枠13の閉鎖状態を検出している状態(ON状態)で、位置検出センサ38による検出の状態が(ON状態からOFF状態またはOFF状態からON状態)に切り替わった第3のタイミング
4.扉開放検出スイッチ29が前枠13の閉鎖状態を検出していない状態(OFF状態)で、位置検出センサ38による検出の状態が(ON状態からOFF状態またはOFF状態からON状態に)切り替わった第4のタイミング
【0032】
前記メイン制御CPU60aおよび演出制御CPU65aは、前記第1~第4のタイミングで判別した判別結果に基づいて、枠ランプ26およびスピーカ27で以下の態様のエラー報知を行うように制御する。
前記第1のタイミング(前枠13の閉鎖状態→開放)において、前記位置検出センサ38が第2装飾部材31の原位置を検出している(ON状態の)場合(第2装飾部材31が原位置にあることを判別手段(第2判別手段)が判別した場合)は、枠ランプ26で第2発光態様(白色点滅)のエラー報知を行うと共に、スピーカ27で第2発音態様(装飾部材を下げてください)のエラー報知を行う。また、第1のタイミング(前枠13の閉鎖状態→開放)において、前記位置検出センサ38が第2装飾部材31の原位置を検出していない(OFF状態の)場合(第2装飾部材31が原位置にないことを判別手段(第2判別手段)が判別した場合)は、枠ランプ26で第1発光態様(赤色点滅)のエラー報知を行うと共に、スピーカ27で第1発音態様(扉が開いています)のエラー報知を行う。なお、実施例では、第1のタイミングにおけるスピーカ27によるエラー報知は、前記発音態様を1回のみ行うよう設定されているが、複数回、あるいはエラー報知を終了する条件(位置検出センサ38が検出片39aを検出する条件、扉開放検出センサ29が前枠13を検出する条件、予め設定された報知終了時間が経過した条件等)が成立するまでの間に亘って繰り返すようにしてもよい。
【0033】
前記第2のタイミング(前枠13の開放状態→閉鎖状態)において、前記位置検出センサ38が第2装飾部材31の原位置を検出している(ON状態の)場合(第2装飾部材31が原位置にあることを判別手段(第2判別手段)が判別した場合)は、当該第2のタイミング以前に行っているエラー報知を終了する。また、第2のタイミング(前枠13の開放状態→閉鎖状態)において、位置検出センサ38が第2装飾部材31の原位置を検出していない(OFF状態の)場合(第2装飾部材31が原位置にないことを判別手段(第2判別手段)が判別した場合)は、枠ランプ26で第1発光態様(赤色点滅)のエラー報知を行う。なお、第2のタイミングでの判別結果に基づいては、前記スピーカ27によるエラー報知は行わない。
【0034】
前記第3のタイミング(前枠閉鎖中)において、前記位置検出センサ38が第2装飾部材31の原位置を検出している状態(ON状態)から検出しなくなった(OFF状態に切り替わった)場合(第2装飾部材31が原位置にないことを判別手段(第2判別手段)が判別した場合)は、枠ランプ26で第1発光態様(赤色点滅)のエラー報知を行う。また、第3のタイミング(前枠閉鎖中)において、位置検出センサ38が第2装飾部材31の原位置を検出していない状態(OFF状態)から検出するようになった(ON状態に切り替わった)場合(第2装飾部材31が原位置にあることを判別手段(第2判別手段)が判別した場合)は、当該第3のタイミング以前に行っているエラー報知を終了する。なお、第3のタイミングでの判別結果に基づいては、前記スピーカ27によるエラー報知は行わない。
【0035】
前記第4のタイミング(前枠開放中)において、前記位置検出センサ38が第2装飾部材31の原位置を検出している状態(ON状態)から検出しなくなった(OFF状態に切り替わった)場合(第2装飾部材31が原位置にないことを判別手段(第2判別手段)が判別した場合)は、枠ランプ26で第1発光態様(赤色点滅)のエラー報知を行う。また、第4のタイミング(前枠開放中)において、位置検出センサ38が第2装飾部材31の原位置を検出していない状態(OFF状態)から検出するようになった(ON状態に切り替わった)場合(第2装飾部材31が原位置にあることを判別手段(第2判別手段)が判別した場合)は、枠ランプ26で第2発光態様(白色点滅)のエラー報知を行う。なお、第4のタイミングでの判別結果に基づいては、前記スピーカ27によるエラー報知は行わない。
【0036】
ここで、前記各タイミングで判別された状況に応じて実行されるエラー報知は、時系列で後のタイミングでの判別結果に基づくエラー報知を優先するよう構成されている。すなわち、直前の判別結果によるエラー報知の種類と、その直後の判別結果によるエラー報知の種類が異なる場合は、前のエラー報知の種類を終了して後の判別結果によるエラー報知の種類を実行するように報知手段(枠ランプ26およびスピーカ27)が制御される。なお、前のエラー報知の種類と後のエラー報知の種類とが同じ場合は、前のエラー報知の種類を継続するように報知手段(枠ランプ26およびスピーカ27)が制御される。また、演出制御CPU65aは、前記枠ランプ26により開始したエラー報知(第1発光態様、第2発光態様)を、該エラー報知の開始から所定時間(例えば、数秒)が経過する第1報知終了条件または前枠13の状態および第2装飾部材31の位置に関するエラーが解消される第2報知終了条件の何れか一方が成立することで終了するよう設定される。実施例では、前枠13が閉鎖状態(扉開放検出スイッチ29がON状態)で、第2装飾部材31が退避位置から原位置へ移動した条件(位置検出センサ38がOFF状態からON状態に切り替わった条件)、または第2装飾部材31が原位置(位置検出センサ38がON状態)で、前枠13が開放状態から閉鎖状態に変化した条件(扉開放検出スイッチ29がOFF状態からON状態に切り替わった条件)が、第2報知終了条件として設定される。
【0037】
実施例では、前記枠ランプ26によるエラー報知について、第2装飾部材31が原位置にある場合には第2発光態様(白色点滅)で発光し、第2装飾部材31が原位置にない場合には第1発光態様(赤色点滅)で発光するよう構成されて、該枠ランプ26のエラー報知態様の違いによって、第2装飾部材31が原位置にあるのかないのかを報知可能になっている。また、枠ランプ26とは種類が異なるスピーカ27では、前記第1発音態様と第2発音態様との態様の違いによって、第2装飾部材31が原位置にあるのかないのかを報知可能になっている。すなわち、第2発音態様は、「装飾部材を下げてください」の音声によって、第2装飾部材31が原位置にあって退避位置に移動する必要があることを直接的に報知するのに対し、第1発音態様は、「扉が開いています」の音声によって、第2装飾部材31を退避位置に移動する必要がないことを間接的に示唆することで第2装飾部材31が原位置にないことを報知している。
【0038】
ここで、前記スピーカ27は、第2装飾部材31が原位置にある場合およびない場合の何れの場合も、前枠13が閉鎖状態から変化した場合には、音声によるエラー報知(第1発音態様、第2発音態様)を行うようになっており、該エラー報知によって前枠13が開いたことを店員に認識させることができ、当該音声によるエラー報知が、前枠13が開いたことを知らせる開放報知である。すなわち、実施例では、枠ランプ26とは種類が異なるスピーカ27が前面用報知手段として機能し、該スピーカ27によって前枠13が閉鎖状態でないことを報知するよう構成される。
【0039】
次に、前記メイン制御CPU60aおよび演出制御CPU65aが、制御プログラムに基づき実行するエラー報知処理について、図8図9を参照して説明する。
【0040】
図8は、エラー報知処理におけるエラー報知開始処理を示すものであって、該エラー報知開始処理では、前枠13が開放したか否かを、前記扉開放検出スイッチ29の状態によってメイン制御CPU60aが判定する(ステップA11)。ステップA11の判定結果が肯定の場合、すなわち前枠13が開放された場合、メイン制御CPU60aは、演出制御基板65に、報知開始コマンドを送信する。演出制御基板65が報知開始コマンドを受信すると、演出制御CPU65aは、第2装飾部材31が原位置にあるか否かを、前記位置検出センサ38の状態によって判定する(ステップA12)。ステップA12の判定結果が肯定の場合、すなわち第2装飾部材31が原位置にある場合、ステップA13に移行して第2発光態様(白色点滅)および第2発音態様(装飾部材を下げてください)のエラー報知中であるか否かを判定する。ステップA13が肯定の場合は、ステップA21に移行する。また、ステップA13が否定の場合、すなわちエラー報知中でない場合、演出制御CPU65aは、第2発光態様(白色点滅)および第2発音態様(装飾部材を下げてください)のエラー報知を開始するように、枠ランプ26およびスピーカ27を制御し(ステップA14)、ステップA21に移行する。
【0041】
前記ステップA12の判定結果が否定の場合、すなわち第2装飾部材31が原位置にない場合、ステップA15に移行して第1発光態様(赤色点滅)および第1発音態様(扉が開いています)のエラー報知中であるか否かを判定する。ステップA15が肯定の場合は、ステップA21に移行する。また、ステップA15が否定の場合、すなわちエラー報知中でない場合、演出制御CPU65aは、前記第1発光態様(赤色点滅)および第1発音態様(扉が開いています)のエラー報知を開始するように、枠ランプ26およびスピーカ27を制御し(ステップA16)、ステップA21に移行する。すなわち、前枠13を閉鎖状態から変化させた際(前枠13を開放した際)に、第2装飾部材31が原位置にある場合は、第2発光態様および第2発音態様でエラー報知を行う一方で、第2装飾部材31が原位置にない場合は、第2発光態様および第2発音態様とは異なる態様の第1発光態様および第1発音態様でエラー報知を行うように枠ランプ26およびスピーカ27が制御される。言い替えると、前枠13が閉鎖状態でないと扉開放検出スイッチ29およびメイン制御CPU60aからなる第1判別手段が判別した際に、第2装飾部材31が原位置にあると位置検出センサ38および演出制御CPU65aが判別している場合と、第2装飾部材31が原位置にないと第2判別手段38,65aが判別している場合とで、異なる報知を行うよう構成される。
【0042】
前記ステップA11の判定結果が否定の場合、メイン制御CPU60aは、ステップA17において前枠13が閉鎖されたか否かを、前記扉開放検出スイッチ29の状態によって判定する。ステップA17の判定結果が肯定の場合は、ステップA21に移行する。また、ステップA17の判定結果が肯定の場合、すなわち前枠13が閉鎖状態となった場合、メイン制御CPU60aは、演出制御基板65に、報知開始コマンドを送信する。演出制御基板65が報知開始コマンドを受信すると、演出制御CPU65aは、第2装飾部材31が原位置にあるか否かを、前記位置検出センサ38の状態によって判定する(ステップA18)。ステップA18の判定結果が肯定の場合、すなわち第2装飾部材31が原位置にある場合はステップA21に移行する。また、ステップA18の判定結果が否定の場合、すなわち第2装飾部材31が原位置にない場合、ステップA19に移行して第1発光態様(赤色点滅)のエラー報知中であるか否かを判定する。ステップA19が肯定の場合は、ステップA21に移行する。また、ステップA19が否定の場合、すなわちエラー報知中でない場合、演出制御CPU65aは、第1発光態様(赤色点滅)のエラー報知を開始するように、枠ランプ26を制御し(ステップA20)、ステップA21に移行する。
【0043】
図8に示すステップA21では、第2装飾部材31が原位置から移動したか否かを、前記位置検出センサ38の状態によって演出制御CPU65aが判定する。ステップA21の判定結果が肯定の場合、すなわち第2装飾部材31が原位置から移動された場合、演出制御CPU65aは、前記扉開放フラグの値によって前枠13が閉放状態か否かを判定する(ステップA22)。ステップA22の判定結果が肯定の場合、すなわち前枠13が閉放状態である場合、ステップA23に移行して第1発光態様(赤色点滅)のエラー報知中であるか否かを判定する。ステップA23が肯定の場合は、エラー報知開始処理を終了する。また、ステップA23が否定の場合、すなわちエラー報知中でない場合、演出制御CPU65aは、第1発光態様(赤色点滅)のエラー報知を開始するように、枠ランプ26を制御し(ステップA24)、エラー報知開始処理を終了する。
【0044】
前記ステップA22の判定結果が否定の場合、すなわち前枠13が開放状態でない(閉鎖状態の)場合、ステップA25に移行して第1発光態様(赤色点滅)のエラー報知中であるか否かを判定する。ステップA25が肯定の場合は、エラー報知開始処理を終了する。また、ステップA25が否定の場合、すなわちエラー報知中でない場合、演出制御CPU65aは、第1発光態様(赤色点滅)のエラー報知を開始するように、枠ランプ26を制御し(ステップA26)、エラー報知開始処理を終了する。
【0045】
前記ステップA21の判定結果が否定の場合、演出制御CPU65aは、ステップA27において第2装飾部材31が原位置へ移動したか否かを、前記位置検出センサ38の状態によって判定する。ステップA27の判定結果が否定の場合は、エラー報知開始処理を終了する。また、ステップA27の判定結果が肯定の場合、すなわち第2装飾部材31が原位置へ移動した場合、演出制御CPU65aは、前記扉開放フラグの値によって前枠13が開放状態か否かを判定する(ステップA28)。ステップA28の判定結果が肯定の場合、すなわち前枠13が開放状態である場合、ステップA29に移行して第2発光態様(白色点滅)のエラー報知中であるか否かを判定する。ステップA29が肯定の場合は、エラー報知開始処理を終了する。また、ステップA29が否定の場合、すなわちエラー報知中でない場合、演出制御CPU65aは、第2発光態様(白色点滅)のエラー報知を開始するように、枠ランプ26を制御し(ステップA30)、エラー報知開始処理を終了する。
すなわち、前枠13が閉鎖状態でない場合に行っている第1発光態様のエラー報知(ステップA16)を、第2装飾部材31を退避位置から原位置に戻すことで終了して別の第2発光態様(白色点滅)によるエラー報知(ステップA30)を行う。また、ステップA28の判定結果が否定の場合、エラー報知開始処理を終了する。
【0046】
図9は、エラー報知処理におけるエラー報知終了処理を示すものであって、該エラー報知終了処理では、演出制御CPU65aは、前記エラー報知中フラグの値によってエラー報知中か否かを判定する(ステップB11)。ステップB11の判定結果が否定の場合、エラー報知終了処理を終了する。ステップB11の判定結果が肯定の場合、すなわちエラー報知中の場合、ステップB12において、前記第1報知終了条件が成立したか否かを判定し、該第1報知終了条件が成立していれば(ステップB12が肯定の場合)、ステップB13でエラー報知を終了するよう枠ランプ26を制御してエラー報知終了処理を終了する。また、ステップB12の判定結果が否定の場合、ステップB14に移行して前記第2報知終了条件が成立したか否かを判定し、該第2報知終了条件が成立していれば(ステップB14が肯定の場合)、ステップB13でエラー報知を終了するよう枠ランプ26を制御してエラー報知終了処理を終了する。なお、ステップB14の判定結果が否定の場合はエラー報知終了処理を終了する。
【0047】
(実施例の作用)
次に、実施例に係るパチンコ機10の作用について説明する。
【0048】
実施例のパチンコ機10では、前記前枠13の前面側に立体的で大型の第1装飾部材30および第2装飾部材31を配設しているので、装飾性を高めることにより訴求力を向上することができ、パチンコ機10の稼働率を高めることができる。また、前記前上枠部24aの前面側に位置して左右方向に延在する第2装飾部材31は、その略全体が前上枠部24aに重なる原位置から透視保護部13aの前側に重なるように前上枠部24aから垂れ下がる退避位置に移動可能に構成している。そして、図4図5に示す如く、原位置において前枠13の前面側に位置する第2装飾部材31を退避位置へ移動させた際に、原位置にある場合よりも前枠13の第2ヒンジ機構側の前面に空間Sが空くようにしたので、図6に示す如く、前枠13を開放した際に隣接する他のパチンコ機10の構成部材に干渉し難くして、前枠13の開放可能角度を拡大することができる。このように、前枠13の前面側で第2装飾部材31を原位置および退避位置に移動可能にすることで前枠13の開放可能角度を拡大することができるから、前枠13の前面側に配置する第2装飾部材31の形態や大きさ、デザインなどの自由度を高めることができ、所望の装飾効果を実現することが可能になる。
【0049】
前記パチンコ機10において、球詰まり等のトラブルや部品の交換、部品調整などに対処するために前記前枠13を開放する場合は、前記施錠装置28の錠操作部28aの鍵穴から差し込んだ鍵を他方へ回転させて、前記中枠被係合部に対する中枠係合部の係合を解除することで、前枠13と中枠12とを開錠する。そして、前枠13を、前記前第1側枠部24c側を中心として手前側に回動して中枠12に対して操作許容角度だけ開放する。この状態で、図3に示す如く、前記前枠13の裏側に位置する前記解除手段36の操作部36aへのアクセスが可能となるので、該操作部36aを操作して前記係止部材35を解除位置に移動することで、前記第1の係止部33と第2の係止部34との係合が解除され、前記第2装飾部材31を原位置から退避位置へ移動することができる。
【0050】
前記中枠12に対して前枠13を開放することで、前記扉開放検出スイッチ29から前枠13が離間し、該扉開放検出スイッチ29が前枠13の閉鎖状態からの変化を検出することを契機として、前記メイン制御CPU60aおよび演出制御CPU65aは、前枠13の状態および第2装飾部材31の位置の状況を判別する。このとき、前記位置検出センサ38が前記第2装飾部材31の検出片39aを検出している場合、演出制御CPU65aは、前記枠ランプ26で第2発光態様のエラー報知を行うと共に、前記スピーカ27で第2発音態様のエラー報知を行うように枠ランプ26およびスピーカ27を制御する。すなわち、枠ランプ26が白色で点滅すると共に、スピーカ27から「装飾部材を下げてください」の音声が出力されるので、前枠13を開放している店員に、第2装飾部材31が原位置にあることを報知すると共に、該第2装飾部材31を退避位置に移動することを促すことができる。従って、第2装飾部材31が原位置のまま前枠13を大きく開放してしまうことで、隣接するパチンコ機10の構成部材に第2装飾部材31が干渉するのを防ぐことができる(図6参照)。
【0051】
また、前記扉開放検出スイッチ29が前枠13の閉鎖状態からの変化を検出した際に、前記位置検出センサ38が前記第2装飾部材31の検出片39aを検出していない場合、演出制御CPU65aは、前記枠ランプ26で第1発光態様のエラー報知を行うと共に、前記スピーカ27で第1発音態様のエラー報知を行うように枠ランプ26およびスピーカ27を制御する(ステップA16)。すなわち、枠ランプ26が赤色で点滅すると共に、スピーカ27から「扉が開いています」の音声が出力されるので、前枠13を開放している店員に、第2装飾部材31が原位置にないことを報知することができる。
【0052】
前記第2発光態様および第2発音態様に基づくエラー報知(ステップA14)により第2装飾部材31を原位置から退避位置へ移動することを促された店員が、前述したように前記操作部36aを操作して第2装飾部材31を原位置から退避位置に移動すると、前記位置検出センサ38が第2装飾部材31の検出片39aを検出しなくなり、該位置検出センサ38における検出の状態の切り替わりを契機として、前記演出制御CPU65aは、第2装飾部材31の位置の状況を判別する。このとき、前記位置検出センサ38は第2装飾部材31の検出片39aを検出しなくなって第2装飾部材31の原位置からの移動を検出するので、演出制御CPU65aは、枠ランプ26でのエラー報知を、第2発光態様(白色点滅)から第1発光態様(赤色点滅)に変更する(ステップA24)。すなわち、枠ランプ26が白色で点滅する状態から赤色で点滅する状態に変化するので、店員は第2装飾部材31が原位置から退避位置に向けて移動したことを認識することができる。なお、枠ランプ26による発光色は異なるものの(白色→赤色)点滅によりエラー報知が継続するので、前枠13が開放していることを店員に認識させることができる。また、第2発光態様(白色点滅)のエラー報知が開始した後、第2装飾部材31を原位置から移動する前に第1報知終了条件が成立した場合は、第2発光態様(白色点滅)のエラー報知は終了するが、位置検出センサ38における検出の状態の切り替わり(ON状態→OFF状態)によって枠ランプ26が赤色で点滅するエラー報知が開始されるので、第2装飾部材31の原位置からの移動を認識することができる。
【0053】
前記球詰まり等のトラブルや部品の交換、部品調整などの作業が終了した後、前記前枠13を閉成する際に、前記第2装飾部材31を退避位置から原位置に移動すると、前記位置検出センサ38が検出片39aを検出しない状態から検出する状態となり、該位置検出センサ38における検出の状態の切り替わりを契機として、前記演出制御CPU65aは、第2装飾部材31の位置の状況を判別する。このとき、前記位置検出センサ38は検出片39aを検出して第2装飾部材31が原位置に戻ったことを検出するので、演出制御CPU65aは、枠ランプ26でのエラー報知を、第1発光態様(赤色点滅)から第2発光態様(白色点滅)に変更する(ステップA30)。すなわち、枠ランプ26が赤色で点滅する状態から白色で点滅する状態に変化するので、店員は第2装飾部材31が原位置に戻ったことを認識することができる。なお、第2装飾部材31の原位置からの移動による第1発光態様(赤色点滅)のエラー報知が開始した後、第2装飾部材31を原位置に戻す前に第1報知終了条件が成立した場合は、第1発光態様(赤色点滅)のエラー報知は終了するが、位置検出センサ38における検出の状態の切り替わり(OFF状態→ON状態)によって枠ランプ26が白色で点滅するエラー報知が開始されるので、第2装飾部材31が原位置に戻ったことを認識することができる。そして、前記前枠13を閉鎖状態まで閉めると、前記扉開放検出スイッチ29が該前枠13を検出する状態に切り替わり、当該切り替わりを契機として、前記メイン制御CPU60aおよび演出制御CPU65aは、前枠13の状態および第2装飾部材31の位置の状況を判別する。このとき、前記位置検出センサ38が検出片39aを検出し、かつ扉開放検出スイッチ29が前枠13を検出しているので(第2報知終了条件が成立して)、メイン制御CPU60aおよび演出制御CPU65aは、前枠13が閉鎖状態で第2装飾部材31が原位置にある、遊技可能な正常な状況になったと判断して、枠ランプ26でのエラー報知を終了する。
【0054】
また、前記前枠13が開放状態で、前記第1報知終了条件の成立によってエラー報知が終了している場合に、前記前枠13を閉鎖状態まで閉めて前記扉開放検出スイッチ29が該前枠13を検出する状態に切り替わった際に、前記位置検出センサ38が検出片39aを検出していない状態、すなわち第2装飾部材31が原位置にない場合は、演出制御CPU65aは、枠ランプ26による第1発光態様(赤色点滅)でのエラー報知が開始される(ステップA20)。すなわち、枠ランプ26が赤色で点滅するので、店員は第2装飾部材31が原位置に戻っていないことを認識することができる。また、前枠13が閉鎖状態で、前記第1報知終了条件の成立によってエラー報知が終了している場合に、何らかの原因によって前記位置検出センサ38が検出片39aを検出しない状態に切り替わった場合は、演出制御CPU65aは、枠ランプ26による第1発光態様(赤色点滅)でのエラー報知が開始される(ステップA26)。すなわち、位置検出センサ38の故障、あるいは振動等により第2装飾部材31が原位置から移動してしまった不具合の発生を、店員に報知することができる。
【0055】
実施例のパチンコ機10では、前記前枠13の閉鎖状態において前記第2装飾部材31が原位置から移動することで開始した前記枠ランプ26によるエラー報知(第1発光態様)を、前枠13を閉鎖状態から開放状態に変化し、再び閉鎖状態に戻しても継続させ、該第2装飾部材31が原位置に戻ることで終了するよう構成したので、エラー報知の終了によって第2装飾部材31が原位置にあることを認識させることができる。すなわち、第2装飾部材31を原位置に戻すことなく前枠13を閉鎖状態にしたとしても、前記枠ランプ26によるエラー報知は継続するので、該エラー報知によって第2装飾部材31を原位置に戻すことを促すことができ、第2装飾部材31が退避位置のままで遊技を開始してしまうのを防いで、適正に遊技を行うことができる。
【0056】
また、前記第2装飾部材31が原位置にない状態で前枠13を閉鎖状態から変化させた場合は、第1発音態様(「扉が開いています」)のエラー報知をスピーカ27で実行するので、前枠13が開放状態であることを認識させることができる。すなわち、枠ランプ26のエラー報知(第1発光態様(赤色点滅))によって第2装飾部材31が原位置にない(退避位置に移動している)ことを認識させると共に、該光によるエラー報知とは異なる音によるエラー報知によって前枠13が開放状態であることを好適に認識させることができる。
【0057】
前記前枠13を閉鎖状態から変化させた際(前枠13を開放した際)に、第2装飾部材31が原位置にある場合には、スピーカ27では第2発音態様(「装飾部材を下げてください」)でエラー報知を行う一方で、第2装飾部材31が原位置にない場合には、第1発音態様(「扉が開いています」)でエラー報知を行うよう構成したので、スピーカ27によるエラー報知の態様の違いによって、第2装飾部材31が原位置にあるのかないのかを認識させることができ、前枠13を不用意に開放して第2装飾部材31が隣接する別のパチンコ機10の構成部材に干渉してしまうのを防ぐことができる。特に、前枠13を開放した際に第2装飾部材31が原位置にある場合は、スピーカ27から「装飾部材を下げてください」という、第2装飾部材31を退避位置に移動することを促す音声が出力されるので、店員に対して発光のみのでなく音声によっても第2装飾部材31を退避位置に移動することを強く促すことができる。すなわち、前枠13を開放する場合は、隣接するパチンコ機10の構成部材に第2装飾部材31を干渉させないために該第2装飾部材31を退避位置に移動する必要があることを店員が失念していたとしても、音声によるエラー報知(第2発音態様)によって注意喚起することができる。
【0058】
実施例のパチンコ機10では、前記前枠13が閉鎖状態でない場合に、前記第2装飾部材31を退避位置から原位置に戻すことで、前記枠ランプ26によるエラー報知の種類が、第1発光態様(赤色点滅)から第2発光態様(白色点滅)に切り替わるよう構成したので、第2装飾部材31が原位置に戻ったことを効果的に認識させることができる。従って、第2装飾部材31が退避位置のまま遊技を開始してしまうのを防いで、適正に遊技を行うことができる。また、第2装飾部材31を原位置に戻す作業を行っても、エラー報知の種類が切り替わらなければ、前記位置検出センサ38の故障、あるいは前記検出片39aが位置検出センサ38で検出可能な位置まで移動しない不具合が発生していることを認識させることができ、迅速な対応が可能となる。
【0059】
実施例のパチンコ機10では、前記前枠13を閉鎖状態に戻した際に、前記第2装飾部材31が原位置にない場合には、前記枠ランプ26によりエラー報知(第1発光態様)が行われるので、該エラー報知によって第2装飾部材31が原位置にないことを認識させることができる。
【0060】
(別実施例について)
図10は、別実施例のパチンコ機で行われるエラー報知処理を示すフローチャートであって、該別実施例については、前記実施例と異なる部分についてのみ説明する。すなわち、別実施例は、エラー報知処理におけるエラー報知終了処理が異なっている。
【0061】
別実施例では、前記演出制御基板65に、報知継続タイマ50(図7に二点鎖線で示す)が設けられる。演出制御CPU65aは、前記第2報知終了条件が成立してから、予め報知継続タイマ50に設定されている報知継続時間だけエラー報知を継続した後に、エラー報知を終了するように前記枠ランプ26を制御する。詳しく説明すると、図10に示す如く、前記ステップB14の判定結果が肯定の場合、演出制御CPU65aは報知継続タイマ50の計時を開始し、該報知継続タイマ50が報知継続時間を計時するまでエラー報知を継続(ステップB15)した後に、ステップB13に移行する処理を行う。報知継続時間としては、例えば30秒が設定される。別実施例では、報知継続時間が経過することが、エラー報知の終了条件として設定される。なお、別実施例では、ステップB12を省略することができる。
【0062】
別実施例のパチンコ機10では、前記枠ランプ26は、第2装飾部材31が原位置から移動した場合に開始したエラー報知(第1発光態様)を、第2装飾部材31が原位置に戻った場合に、予め設定された報知継続時間が経過(終了条件が成立)するまで継続し、該報知継続時間の経過に基づいて終了するよう構成した。これにより、第2装飾部材31を原位置から移動した後に原位置に戻しても、報知継続時間が経過(終了条件が成立)するまでは継続してエラー報知が行われるので、第2装飾部材31が原位置に戻ったことを効果的に認識させることができる。すなわち、第2装飾部材31が原位置に戻ったか否かに対する注意を惹くことができるので、第2装飾部材31が退避位置のまま遊技を開始してしまうのを防いで、適正に遊技を行うことができる。
【0063】
図11図14は、更に別の実施例のパチンコ機で行われるエラー報知処理を示すフローチャートを示すものであって、前記第1~第4のタイミングで判別された状況に応じたエラー報知を、時間条件によっては終了しないよう構成されている。
【0064】
図11は、前記前枠13が閉鎖状態から変化した場合(枠開放時)におけるエラー報知処理を示すものである。このエラー報知処理では、前枠13が開放したか否かをメイン制御CPU60aが判定する(ステップC11)。ステップC11では、メイン制御CPU60aは、前記扉開放検出スイッチ29が前枠13を検出しなくなったか否か(ON状態→OFF状態)を判定する。そして、ステップC11の判定結果が肯定の場合、すなわち前枠13が開放された場合、メイン制御CPU60aは、演出制御基板65に、報知開始コマンドを送信する。演出制御基板65が報知開始コマンドを受信すると、演出制御CPU65aは、第2装飾部材31が原位置にあるか否かを、前記位置検出センサ38の状態によって判定する(ステップC12)。なお、前記ステップC11の判定結果が否定の場合(前枠13が閉鎖状態の場合)は、メイン制御CPU60aはエラー報知処理を終了する。
【0065】
前記ステップC12の判定結果が肯定の場合、演出制御CPU65aは、第2装飾部材31が原位置にあると判別し、前記第2発光態様(白色点滅)および第2発音態様(装飾部材を下げてください)のエラー報知を行うように、枠ランプ26およびスピーカ27を制御する(ステップA13)。続いて、ステップC14において第2装飾部材31が原位置から移動したか否かを演出制御CPU65aが判定し、該ステップA14の判定結果が否定の場合(第2装飾部材31が原位置にある場合)は、演出制御CPU65aは、枠ランプ26による第2発光態様(白色点滅)のエラー報知を継続(ステップC15)し、ステップC16に移行して前枠13が閉鎖状態か否かを判定する。そして、ステップC16の判定結果が否定の場合(前枠13が開放している場合)は、ステップC14に戻り、第2装飾部材31が原位置から移動していない場合は、ステップC16の判定結果が肯定されるまで(前枠13が閉鎖状態となるまで)第2発光態様(白色点滅)でのエラー報知を継続するように演出制御CPU65aが枠ランプ26を制御する。これに対し、前記ステップC14の判定結果が肯定の場合(第2装飾部材31が原位置から移動した場合)は、演出制御CPU65aは、ステップC17において第1発光態様(赤色点滅)でエラー報知するように枠ランプ26を制御する。すなわち、枠ランプ26のエラー報知が、第2発光態様(白色点滅)から第1発光態様(赤色点滅)に変更されることで、第2装飾部材31が原位置から移動したことが報知される。そして、前記ステップC16の判定結果が肯定の場合(前枠13が閉鎖状態となった場合)は、ステップC18において枠ランプ26によるエラー報知を終了した後、エラー報知処理を終了する。
【0066】
前記ステップC12の判定結果が否定の場合、演出制御CPU65aは、第2装飾部材31が原位置にないと判別し、前記第1発光態様(赤色点滅)および第1発音態様(扉が開いています)のエラー報知を行うように、枠ランプ26およびスピーカ27を制御する(ステップC19)。続いて、ステップC20において第2装飾部材31が原位置へ移動したか否かを演出制御CPU65aが判定し、該ステップC20の判定結果が否定の場合(第2装飾部材31が原位置にない場合)は、演出制御CPU65aは、枠ランプ26による第1発光態様(赤色点滅)のエラー報知を、ステップC20の判定結果が肯定されるまで(第2装飾部材31が原位置に戻るまで)継続する(ステップC21)。そして、ステップC20の判定結果が肯定の場合(第2装飾部材31が原位置へ移動した場合)は、演出制御CPU65aは、ステップC22において第2発光態様(白色点滅)でエラー報知するように枠ランプ26を制御する。すなわち、枠ランプ26のエラー報知が、第1発光態様(赤色点滅)から第2発光態様(白色点滅)に変更されることで、第2装飾部材31が原位置へ移動したことが報知される。続いて、ステップC23において前枠13が閉鎖状態か否かを判定し、該ステップC23の判定結果が肯定されるまで(前枠13が閉鎖状態となるまで)第2発光態様(白色点滅)でのエラー報知を継続するように演出制御CPU65aが枠ランプ26を制御する。そして、ステップC23の判定結果が肯定の場合(前枠13が閉鎖状態となった場合)は、ステップC18において枠ランプ26によるエラー報知を終了した後、エラー報知処理を終了する。
【0067】
図12は、前記前枠13が開放状態から閉鎖状態へ戻った場合(枠閉鎖時)におけるエラー報知処理を示すものである。このエラー報知処理では、前枠13が閉鎖したか否かをメイン制御CPU60aが判定する(ステップD11)。ステップD11では、メイン制御CPU60aは、前記扉開放検出スイッチ29が前枠13を検出したか否かを判定する。そして、ステップD11の判定結果が肯定の場合、すなわち前枠13が閉鎖状態へ戻った場合は、メイン制御CPU60aは、演出制御基板65に、報知開始コマンドを送信する。演出制御基板65が報知開始コマンドを受信すると、演出制御CPU65aは、第2装飾部材31が原位置にあるか否かを、前記位置検出センサ38の状態によって判定する(ステップD12)。ステップD12の判定結果が肯定の場合(第2装飾部材31が原位置にある場合)は、ステップD13においてエラー報知を終了した後、エラー報知処理を終了する。すなわち、前枠13が開放状態から閉鎖状態へ戻った際に、第2装飾部材31が原位置にある場合は、前枠13が開放状態において実行されている枠ランプ26のエラー報知を終了する。
【0068】
前記ステップD12の判定結果が否定の場合、演出制御CPU65aは、第2装飾部材31が原位置にないと判別し、前記第1発光態様(赤色点滅)のエラー報知を行うように、枠ランプ26を制御する(ステップD14)。続いて、ステップD15において第2装飾部材31が原位置へ移動したか否かを演出制御CPU65aが判定し、該ステップD15の判定結果が否定の場合(第2装飾部材31が原位置にない場合)は、演出制御CPU65aは、枠ランプ26による第1発光態様(赤色点滅)のエラー報知を、ステップD15の判定結果が肯定されるまで(第2装飾部材31が原位置に戻るまで)継続する(ステップD16)。そして、ステップD15の判定結果が肯定の場合(第2装飾部材31が原位置へ移動した場合)は、メイン制御CPU60aは、ステップD13において枠ランプ26によるエラー報知を終了した後、エラー報知処理を終了する。
【0069】
図13は、前記前枠13が閉鎖中(閉鎖状態)におけるエラー報知処理を示すものである。前記扉開放検出スイッチ29がON状態である場合(扉開放フラグが「0」の場合)に、演出制御CPU65aは、ステップE11において第2装飾部材31が原位置から移動したか否かを判定する。該ステップE11の判定結果が肯定の場合(第2装飾部材31が原位置から移動した場合)は、演出制御CPU65aは、第1発光態様(赤色点滅)でエラー報知するように枠ランプ26を制御する(ステップE12)。また、ステップE11の判定結果が否定の場合(第2装飾部材31が原位置にある場合)は、メイン制御CPU60aは、ステップE13において第2装飾部材31が原位置へ移動したか否かを判定する。そして、該ステップE13の判定結果が肯定されると(第2装飾部材31が原位置へ移動した場合)は、ステップE14において枠ランプ26によるエラー報知を終了した後、エラー報知処理を終了する。なお、ステップE12で開始された枠ランプ26による第1発光態様(赤色点滅)でのエラー報知は、前枠13が閉鎖状態から開放状態となり、再び閉鎖状態に戻っても継続するように演出制御CPU65aが枠ランプ26を制御し、第2装飾部材31が原位置へ戻った場合に終了する。すなわち、前枠13の閉鎖状態で第2装飾部材31が原位置から移動した場合に開始した第1発光態様の終了条件は、第2装飾部材31が原位置に戻ったこと(位置検出センサ38がON状態になったこと)に設定される。
【0070】
図14は、前記前枠13が開放中(開放状態)におけるエラー報知処理を示すものである。前記扉開閉検出スイッチ29がOFF状態である場合(扉開放フラグが「1」の場合)に、演出制御CPU65aは、ステップF11において第2装飾部材31が原位置から移動したか否かを判定する。該ステップF11の判定結果が肯定の場合(第2装飾部材31が原位置から移動した場合)は、演出制御CPU65aは、第1発光態様(赤色点滅)でエラー報知するように枠ランプ26を制御し(ステップF12)する。また、ステップF11の判定結果が否定の場合(第2装飾部材31が原位置にある場合)は、演出制御CPU65aは、ステップF13において第2装飾部材31が原位置へ移動したか否かを判定する。そして、該ステップF13の判定結果が肯定されると(第2装飾部材31が原位置へ移動した場合)は、演出制御CPU65aは、ステップF14において第2発光態様(白色点滅)でエラー報知するように枠ランプ26を制御する。すなわち、枠ランプ26のエラー報知が、第1発光態様(赤色点滅)から第2発光態様(白色点滅)に変更されることで、第2装飾部材31が原位置へ移動したことが報知される。続いて、ステップF15において前枠13が閉鎖状態か否かを判定し、該ステップF15の判定結果が肯定されるまで(前枠13が閉鎖状態となるまで)第2発光態様(白色点滅)でのエラー報知を継続するように演出制御CPU65aが枠ランプ26を制御する。そして、ステップF15の判定結果が肯定の場合(前枠13が閉鎖状態となった場合)は、ステップF16において枠ランプ26によるエラー報知を終了した後、エラー報知処理を終了する。
【0071】
別の実施例のパチンコ機では、前記実施例のパチンコ機10と同じ作用効果を奏する他に、前枠13が閉鎖状態で、かつ第2装飾部材31が原位置にある条件となるまでは、エラー報知を継続するので、球詰まり等のトラブルや部品の交換、部品調整などの作業が長引いた場合であっても、エラー報知によって前枠13の状態や第2装飾部材31の位置を認識することができ、作業終了に際しては前枠13および第2装飾部材31を、適正な遊技を行う状態に復帰させることができる。
【0072】
(変更例)
遊技機としては、前述したものに限らず、種々の変更が可能である。
(1) 実施例等では、第2装飾部材を、前枠に対して移動可能に支持する構成で説明したが、該第2装飾部材は、中枠や外枠に移動可能に支持される構成であってもよい。例えば、第2装飾部材を中枠に対して水平方向の軸回りに回転可能に支持し、原位置では前枠の前面側に位置する第2装飾部材を、水平方向の軸回りに回転して前枠の前面側から上方に離間する退避位置に移動する構成を採用することができる。この構成によれば、原位置では前枠の前面側に第2装飾部材が位置して装飾性を高めることができると共に、退避位置では前枠を支障なく開放することができると共に、前枠を隣接する他の遊技機に干渉することなく大きく開放することができる。
(2) (1)の変更例において、中枠と前枠とを施錠装置により開錠した際に、第2装飾部材が移動可能な状態となる(例えばロックが解除される)よう構成し、該移動可能な状態となったことを判定手段が判定した場合に、第2発光態様や第2発光態様のエラー報知を行うことで、第2装飾部材を退避位置に移動することを促し、当該エラー報知を、開放した前枠を閉鎖状態とし、退避位置の第2装飾部材が原位置に移動したことを判定手段が判別した際に停止する構成を採用することができる。この場合に、前枠が閉鎖状態で第2装飾部材が原位置に戻ってから所定時間後にエラー報知を停止するようにしてもよい。
(3) 実施例等のパチンコ機では、第2装飾部材を、第2ヒンジ機構側の端部が下向きとなるように回動して退避位置に移動したが、第2ヒンジ機構側の端部が上向きとなるように回動して退避位置に移動する構成を採用できる。この構成においても、前枠における第2ヒンジ機構側の前面側に第2装飾部材の厚み分の空間が空くので、第2装飾部材が隣接するパチンコ機に干渉することなく前枠を開放することができる。なお、退避位置において第2ヒンジ機構側の端部が上向きとなるよう第2装飾部材を移動する構成では、中枠や前枠に、第2装飾部材を退避位置にロック可能なロック手段を設ければ、第2装飾部材を支え持ったまま前枠を開閉する必要はなくなる。
(4) 実施例等のパチンコ機では、前枠を中枠に対する閉鎖状態に保持したまま、中枠を外枠に対して第1ヒンジ機構によって開閉するよう構成されているので、前枠および中枠を合わせて前面部材として、該前面部材の外枠(基体)に対する開閉状態と、前面部材(前枠または中枠)に支持した装飾部材(第2装飾部材)の位置との関係に応じたエラー報知を行う構成を採用することができる。この場合に、実施例において説明した扉開放検出スイッチと同様の構成のスイッチを中枠または外枠に設け、外枠(基体)に対して中枠(前面部材)を閉鎖状態とすることで該スイッチが外枠(基体)または中枠(前面部材)に当接して閉鎖状態を検出すると共に、該スイッチから外枠(基体)または中枠(前面部材)から離間することで該外枠(基体)または中枠(前面部材)の閉鎖状態からの変化を検出するようにすればよい。
(5) 実施例等では、報知手段として枠ランプ(ランプ装置)およびスピーカを挙げたが、表示装置を報知手段として用いることができ、表示によってエラー報知を行う構成を採用し得る。また、報知手段として用いるランプ装置は、前枠に設けた枠ランプに限られるものではなく、遊技盤や外枠に設けたランプ装置を用いることができる。なお、ランプ装置、スピーカ、表示装置等の複数を報知手段とした場合に、判別タイミングでの状況に応じて1つあるいは複数を組み合わせてエラー報知を行う構成を採用することができる。
(6) 実施例等のパチンコ機では、中枠に対して前枠を操作許容角度で開放した状態で、操作部を操作可能に構成しているので、当該操作許容角度となったことを検出するセンサを設け、該センサにより前枠が操作許容角度まで開放したことを検出した際に、該操作許容角度まで開放したことを認識させ得る報知を枠ランプやスピーカ等の報知手段で実行させる構成を採用することができる。
【0073】
(7) 実施例等のパチンコ機では、中枠に対して前枠を操作許容角度で開放した状態で第1の係止部と第2の係止部との係合を解除可能に構成したが、施錠装置の開錠に連動して作動する作動機構を係止部材に連繋し、施錠装置による中枠に対する前枠の開錠に連動して第1の係止部と第2の係止部との係合を解除し得る構成を採用することができる。
(8) 前枠が閉鎖状態で、かつ第2装飾部材が原位置にある状態において、前枠を閉鎖状態から変化した際に、該前枠の開放を認識可能なエラー報知(例えば第1発光態様)を開始し、該エラー報知(第1発光態様)を所定時間後に終了し、その後に第2発光態様および第2発音態様のエラー報知を行う構成を採用することができる。すなわち、実施例のパチンコ機では、第2装飾部材を原位置から移動するためには、前枠を操作許容角度まで開放する必要があるので、一旦第1発光態様により前枠の開放を報知した後に、第2装飾部材を原位置から移動することを促す第2発光態様および第2発音態様を行う。
(9) 第2装飾部材の位置の変化と、前枠の状態の変化とを、異なるランプ装置(報知手段)により実行するよう構成すると共に、夫々の変化を異なる発光色で報知する構成を採用することができる。
(10) 別実施例では、扉開放検出スイッチが前枠の閉鎖状態を検出している状態で、第2装飾部材が原位置から移動することで枠ランプで行われる第1発光態様のエラー報知(装飾部材が原位置にないことを報知するエラー報知)を、該第2装飾部材が原位置に戻ったときから報知継続時間が経過(終了条件が成立)するまで継続するよう構成したが、第2装飾部材が原位置に戻った場合に枠ランプで行われる第2発光態様のエラー報知(装飾部材が原位置にあることを報知するエラー報知)を、報知継続時間が経過(終了条件が成立)するまで継続する構成を採用することができる。
(11) 別の実施例において、別実施例のように、エラー報知終了条件(第2報知終了条件)が成立した後、報知継続時間だけエラー報知を延長して終了する構成を採用することができる。
(12) 実施例、別実施例、別の実施例および変更例の各構成は、適宜に組み合わせて構成することができる。
【0074】
(13) 実施例等においてメイン制御手段(メイン制御基板)が備える機能の全部または一部をサブ制御手段(演出制御基板)が備えるようにしてもよく、反対にサブ制御手段が備える機能の全部または一部をメイン制御手段が備えるようにしてもよい。そして、実施例等では、メイン制御基板とサブ制御基板(演出制御基板)とを分けて設けるようにしたが、単一の制御基板とすることもできる。すなわち、実施例等におけるメイン制御手段およびサブ制御手段の機能を、単一の制御基板に設けた制御手段(CPU)が備えるようにしてもよい。更に、別途制御基板を備えて、実施例等のメイン制御手段やサブ制御手段が備える機能の全部または一部を、別の制御手段に備えさせてもよい。
(14) 実施例等において演出制御手段(演出制御基板)が備える機能の全部または一部を表示制御手段(表示制御基板)が備えるようにしてもよく、反対に表示制御手段が備える機能の全部または一部を演出制御手段が備えるようにしてもよい。そして、実施例等では、演出制御基板(演出制御CPU)と表示制御基板(表示制御CPU)とを分けて設けるようにしたが、単一の制御基板とすることもできる。すなわち、実施例等における演出制御手段および表示制御手段の機能を、単一の制御基板に設けた制御手段(CPU)が備えるようにしてもよい。また、発光制御を行うランプ制御基板(ランプ制御手段)や音出力制御を行う音制御基板(音制御手段)に関しても同様に、演出制御手段が兼用することができる。
(15) 遊技機としては、パチンコ機に限られるものではなく、アレンジボール機やパチンコ球を用いたスロットマシン等、その他各種の遊技機であってもよい。
【符号の説明】
【0075】
12 中枠(基体)
13 前枠(前面部材)
13a 透視保護部
15 表示装置(遊技演出部)
25 第2ヒンジ機構(ヒンジ部)
26 枠ランプ(報知手段)
27 スピーカ(報知手段)
29 扉開放検出スイッチ(第1判別手段)
31 第2装飾部材(装飾部材)
38 位置検出センサ(第2判別手段)
60a メイン制御CPU(第1判別手段)
65a 演出制御CPU(第2判別手段)
図1
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