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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-08
(45)【発行日】2023-09-19
(54)【発明の名称】個人向け広告を提供する装置
(51)【国際特許分類】
   H04N 21/458 20110101AFI20230911BHJP
【FI】
H04N21/458
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2022513997
(86)(22)【出願日】2020-08-18
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-31
(86)【国際出願番号】 KR2020010939
(87)【国際公開番号】W WO2021045407
(87)【国際公開日】2021-03-11
【審査請求日】2022-04-28
(31)【優先権主張番号】10-2019-0107901
(32)【優先日】2019-09-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】520202315
【氏名又は名称】エニーポイント メディア 株式会社
【住所又は居所原語表記】ANYPOINT MEDIA CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100166372
【弁理士】
【氏名又は名称】山内 博明
(74)【代理人】
【識別番号】100115451
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 武史
(72)【発明者】
【氏名】パク ウォンジャン
(72)【発明者】
【氏名】イ ドゥファン
【審査官】大西 宏
(56)【参考文献】
【文献】特表2014-523581(JP,A)
【文献】特表2019-511181(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0040026(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0149210(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0182923(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 21/00 -21/858
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信部と、
(a)コンテンツをストリーミングによって提供するシステムから前記コンテンツに対するプレイリストを前記通信部によって受信する処理と、(b)前記プレイリストを基に個人向け広告コンテンツのURI(Uniform Resource Identifier)を有する個人向けプレイリストを生成する処理とを行う個人向けプレイリスト処理部と、
前記個人向けプレイリストを用いて前記コンテンツ及び前記個人向け広告コンテンツを前記通信部によって受信及び信号処理して提供するコンテンツ処理部と、
前記通信部、前記個人向けプレイリスト処理部及び前記コンテンツ処理部の動作を制御する制御部と、
を有する個人向け広告を提供する装置であって、
前記制御部は、予め指定された条件を満たす場合にのみ、前記個人向けプレイリスト処理部が前記処理(a)及び前記処理(b)を行うよう前記個人向けプレイリスト処理部の動作を制御し、
前記条件は、前記コンテンツを選択するユーザ入力イベントを受信する第1条件、前記個人向けプレイリストの生成指示を受信する第2条件及び個人向け広告を提供せよとの装置情報が設定された第3条件のうちいずれか一つである、個人向け広告を提供する装置。
【請求項2】
前記コンテンツは、HLS規格及びMPEG-DASH規格のうちいずれか一つに従ってリアルタイム・ストリーミングされるものである、請求項1に記載の個人向け広告を提供する装置。
【請求項3】
前記プレイリストは、必須コンテンツのURI及び代替可能コンテンツのURIを有するものであり、
前記処理(b)は、
(b-1)前記プレイリストから前記代替可能コンテンツのURIを除去する処理と、
(b-2)前記プレイリストのうち、前記代替可能コンテンツの前記URIに該当する部分に前記個人向け広告コンテンツの前記URIを挿入して前記個人向けプレイリストを生成する処理と、
を有する、請求項1に記載の個人
向け広告を提供する装置。
【請求項4】
前記プレイリストは、前記代替可能コンテンツを提供するための代替可能コンテンツ提供時間情報を示すマーカ(marker)を有するものであり、
前記プレイリストを通じて前記代替可能コンテンツが提供される時間は、前記個人向けプレイリストを通じて前記個人向け広告コンテンツが提供される時間と同一である、請求項3に記載の個人向け広告を提供する装置。
【請求項5】
前記マーカは、SCTE-35規格に従うマーカを有するものである、請求項4に記載の個人向け広告を提供する装置。
【請求項6】
装置識別情報、装置類型情報、性別又は年齢のうち少なくとも一つを有するユーザ情報、ユーザ選好度情報、地域情報、コンテンツ視聴内訳情報及び購買内訳情報を有するグループから選択された少なくとも一つの情報を有する個人向け情報を保存する個人向け情報保存部を更に有し、
前記制御部は、前記個人向け情報を広告コンテンツを提供するサーバへ転送するよう前記個人向け情報保存部を制御するものである、請求項1に記載の個人向け広告を提供する装置。
【請求項7】
前記個人向けプレイリスト処理部は、(c)装置識別情報、装置類型情報、性別又は年齢のうち少なくとも一つを有するユーザ情報、ユーザ選好度情報、地域情報、コンテンツ視聴内訳情報及び購買内訳情報を有するグループから選択された少なくとも一つの情報を有する個人向け情報を広告コンテンツを提供するサーバへ転送し、前記サーバから前記個人向け広告コンテンツの前記URIを受信する処理を更に行うものである、請求項1に記載の個人向け広告を提供する装置。
【請求項8】
前記個人向け情報を保存する個人向け情報保存部を更に有し、
前記処理(c)は、(c-1)前記個人向け情報保存部から前記個人向け情報を読み取る処理を更に有するものである、請求項7に記載の個人向け広告を提供する装置。
【請求項9】
前記プレイリストは必須コンテンツのURI及び代替可能コンテンツのURIを有するものであり、
前記処理(c)は、(c-2)前記プレイリストから抽出される前記代替可能コンテンツを提供するための代替可能コンテンツ提供時間情報を前記サーバへ転送する処理を更に有するものである、請求項7に記載の個人向け広告を提供する装置。
【請求項10】
前記個人向けプレイリスト処理部は、(d)前記個人向けプレイリストの内部URIを生成する処理を更に行うものであり、
前記コンテンツ処理部は、前記個人向けプレイリストの前記内部URIを基に前記コンテンツ及び前記個人向け広告コンテンツを受信及び信号処理して提供するものである、請求項1に記載の個人向け広告を提供する装置。
【請求項11】
前記制御部は、前記個人向けプレイリストを生成せよとの前記生成指示を予め指定された周期毎に生成するものである、請求項に記載の個人向け広告を提供する装置。
【請求項12】
前記個人向けプレイリストは複数のチャンクファイルに対するURIを有するものであり、
前記制御部は、前記コンテンツ処理部が前記複数のチャンクファイルを受信する状態、前記複数のチャンクファイルを一時保存する状態、又は、前記複数のチャンクファイルを信号処理する状態を基に前記個人向けプレイリストを生成せよとの前記生成指示を生成するものである、請求項に記載の個人向け広告を提供する装置。
【請求項13】
前記装置情報は、ユーザ入力を通じて予め設定されるか、前記システムから転送される設定指示によって設定されるものである、請求項に記載の個人向け広告を提供する装置。
【請求項14】
前記設定指示は、前記システムにおいて提供可能なチャンネル又はコンテンツ別に設定されるものである、請求項13に記載の個人向け広告を提供する装置。
【請求項15】
前記設定指示は前記システムの負荷を基に生成されるものである、請求項13に記載の個人向け広告を提供する装置。
【請求項16】
前記コンテンツ処理部によって提供された前記個人向け広告コンテンツに対する執行情報を生成し、前記執行情報を予め指定された装置へ転送する執行情報処理部、
を更に有するものである、請求項1に記載の個人向け広告を提供する装置。
【請求項17】
前記予め指定された装置は前記システム又は前記個人向け広告コンテンツを提供するサーバのうち少なくとも一つを有するものである、請求項16に記載の個人向け広告を提供する装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、個人向け広告を提供する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
コンテンツをストリーミングによって提供するサービスとして、例えば、OTT(Over-the-top)サービスのようなものが普及している。例えば、株式会社KTにより出願され、2015年7月9日付で公開された「広告コンテンツ及びビデオコンテンツを提供する装置及び方法」という名称の韓国公開特許公報第10-2015-0080278号(特許文献1)や、ソニー株式会社により出願され、2017年2月24日付で公開された「受信装置、受信方法、送信装置及び送信方法」という名称の韓国公開特許公報第10-2017-0020745号(特許文献2)や、株式会社LGユープラスにより出願され、2015年9月18日付で登録された「マルチメディア・チャンク(chunk)を受信する通信端末の制御方法と、その制御方法を実行するためのプログラムを記録した記録媒体」という名称の韓国公開特許公報第10-2017-0020745号(特許文献3)によれば、コンテンツをストリーミングによって提供するサービスが開始されている。
【0003】
より具体的には、コンテンツをストリーミングによって提供するために、例えばHLS(HTTP Live Streaming)及びMPEG-DASH(Moving Picture Expert Group-Dynamic Adaptive Streaming over HTTP)などの技術が用いられている。
【0004】
コンテンツをストリーミングによって提供する方法をより具体的に説明すれば下記のとおりである。コンテンツをストリーミングによって提供するシステムは、例えばコンテンツを複数のチャンクファイルに分離し、複数のチャンクファイルの各々のURI(Uniform Resource Identifier)などのコンテンツ識別情報を含むプレイリストを生成した後、プレイリストをユーザ端末転送する。ユーザ端末は、プレイリストを受信した後、プレイリストに含まれている複数のチャンクファイルの各々のURIなどのコンテンツ識別情報を基にコンテンツを受信及び信号処理して提供する。本願におけるユーザ端末とは、受信機、個人用コンピューティング装置、セットトップボックス及び移動通信端末と共に、コンテンツを受信及び信号処理して提供するコンピューティング装置を指し示す。
【0005】
広告コンテンツを提供するために、例えば、SCTE-35などのマーカ(marker)が使用され得る。SCTE-35は、コンテンツ内に広告又は代替コンテンツを挿入するために使用される技術を示す標準である。コンテンツをストリーミングによって提供するシステムは、マーカ(「デジタルキュートーン信号」又は「デジタルキュー」とも称する)によって識別される時間(以下、「代替可能コンテンツ提供時間」とも称する)内に広告コンテンツ又は代替コンテンツを挿入することができる。以下、広告コンテンツ及び代替コンテンツをまとめて「代替可能コンテンツ」とも称する。
【0006】
代替可能コンテンツ提供時間には、予め指定されたポリシーに従って代替可能コンテンツが挿入される。例えば、コンテンツをストリーミングによって提供するシステムは、予め指定された広告編成表に従って、複数のチャンクファイルの各々のURI及び代替可能コンテンツのURIを挿入してプレイリストを生成し、ユーザ端末はプレイリストを受信してコンテンツ及び代替可能コンテンツを提供することができる。
【0007】
一方、代替可能コンテンツとしてユーザ端末の各々に適した個人向け広告を提供するために、コンテンツをストリーミングによって提供するシステムは、ユーザ端末の各々のプレイリストを別々に生成しなければならない。例えば、コンテンツをストリーミングによって提供するシステムのうち個人向け広告を処理するサーバは、コンテンツ及び第1ユーザ端末に適した個人向け広告コンテンツのURIを各々含む第1プレイリストを生成して第1ユーザ端末で転送し、コンテンツ及び第2ユーザ端末に適した個人向け広告コンテンツのURIを各々含む第2プレイリストを生成して第2ユーザ端末で転送する。第1ユーザ端末は第1プレイリストを受信及び信号処理し、コンテンツ及び第1ユーザ端末に適した個人向け広告コンテンツを提供する。第2ユーザ端末は第2プレイリストを受信及び信号処理し、コンテンツ及び第2ユーザ端末に適した個人向け広告コンテンツを提供する。
【0008】
したがって、ユーザ端末に個人向け広告を提供するためには、コンテンツをストリーミングによって提供するシステム側の負荷が増加する。例えば、個人向け広告を処理するサーバなどの追加的な装置を要する。また、ユーザ端末に個人向け広告を正常に提供するためには、コンテンツをストリーミングによって提供するシステムに接続されてコンテンツを受信するユーザ端末の個数が増えるほど、コンテンツをストリーミングによって提供するシステム中の個人向け広告を処理するサーバの個数も増えなければならない。例えば、個人向け広告を処理するサーバ1台が10,000台のユーザ端末に個人向け広告を提供することができるとすれば、100,000台のユーザ端末に個人向け広告を提供するためには10台の個人向け広告を処理するサーバが求められる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】韓国公開特許公報第10-2015-0080278号
【文献】韓国公開特許公報第10-2017-0020745号
【文献】韓国登録特許公報第10-1555792号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本技術の目的は、コンテンツをリアルタイム・ストリーミングによって提供するシステムの負荷を最小化しつつ、ユーザに個人向け広告コンテンツを提供することができる個人向け広告を提供する装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記技術的課題を達成するために、本技術の一態様によれば、通信部と、(a)コンテンツをストリーミングによって提供するシステムから前記コンテンツに対するプレイリストを前記通信部によって受信する処理と、(b)前記プレイリストを基に個人向け広告コンテンツのURI(Uniform Resource Identifier)を含む個人向けプレイリストを生成する処理とを行う個人向けプレイリスト処理部と、前記個人向けプレイリストを用いて前記コンテンツ及び前記個人向け広告コンテンツを前記通信部によって受信及び信号処理して提供するコンテンツ処理部と、前記通信部、前記個人向けプレイリスト処理部及び前記コンテンツ処理部の動作を制御する制御部と、を有する個人向け広告を提供する装置が提供される。
【発明の効果】
【0012】
本技術によれば、コンテンツをリアルタイム・ストリーミングによって提供するシステムの負荷を最小化しつつも、個人向け広告を提供する装置(すなわち、ユーザ端末)はユーザに個人向け広告を提供することができる。また、コンテンツをストリーミングによって提供するシステムが個人向け広告を処理するサーバを有する場合においても、個人向け広告を処理するサーバの負荷に従ってユーザ端末が動的にプレイリストを変更することができるため、コンテンツをストリーミングによって提供するシステムの負荷を最小化しつつも、ユーザ端末はユーザに個人向け広告を効率的に提供することができる。また、既存のOTTサービスのようなリアルタイム・コンテンツをストリーミングするサービスにおいても、既存のユーザ端末に設置された構成、例えばメディアプレイヤのようにコンテンツを処理する構成を変更しなくてもプレイリストのURIを個人向けプレイリストの内部URIに変更するだけで、ユーザ端末は本実施例によってユーザに個人向け広告を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本技術の実施例に係る個人向け広告を提供する装置の例示的な構成を示す図面である。
図2】実施例に係る個人向け広告を提供する装置を有するシステム環境を例示的に示す図面である。
図3】本実施例に係る個人向け広告を提供する装置の個人向けプレイリスト処理部が行う処理を例示的に示す図面である。
図4】個人向けプレイリスト処理部がプレイリストを基に個人向けプレイリストを生成する例を模式的に示す図面である。
図5】実施例に係る個人向け広告を提供する装置の個人向けプレイリスト処理部が個人向け広告コンテンツのURIを取得するために行う処理を例示的に示す図面である。
図6】実施例に係る個人向け広告を提供する装置の個人向けプレイリスト処理部が個人向けプレイリストの内部URIを生成する処理を例示的に示す図面である。
図7】実施例に係る個人向け広告を提供する装置の演算処理部が個人向けプレイリストの内部URIを生成する例を模式的に示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本技術に係る個人向け広告を提供する装置の実施例を、添付した図面を参照しながらより具体的に説明する。一方、本技術の実施例を説明するための図面において、説明の便宜上、実際の構成の一部のみを図示したり、一部を省略して図示したり、変形して図示したり、又は、縮尺が異なって図示されることもある。
【0015】
<実施例>
図1は、本技術の実施例に係る個人向け広告を提供する装置の例示的な構成を示す図面である。
【0016】
図1を参照すれば、個人向け広告を提供する装置100は、通信部110と、個人向けプレイリスト処理部120と、コンテンツ処理部130と、制御部140とを有する。また、図1を参照すれば、個人向け広告を提供する装置100は、個人向け情報保存部150又は執行情報処理部160のうち少なくとも一つを更に有することができる。
【0017】
本実施例に係る個人向け広告を提供する装置100は、例えば、受信機、個人用コンピューティング装置、セットトップボックス及び移動通信端末と共にコンテンツを受信及び信号処理して提供するコンピューティング装置を用いて実現され得る。以下、本願明細書において、個人向け広告を提供する装置100はユーザ端末100とも称する。
【0018】
通信部110は、ユーザ端末100と後述のコンテンツをストリーミングによって提供するシステム200及び広告コンテンツを提供するサーバ300との通信インターフェースである。通信部100は、有無線通信を行う半導体チップを用いて実現され得る。本明細書において、コンテンツをストリーミングによって提供するシステム200は、以下単純に「システム200」と称し、広告コンテンツを提供するサーバ300は、以下単純に「サーバ300」とも称する。
【0019】
個人向けプレイリスト処理部120は、個人向けプレイリストを生成する。個人向けプレイリスト処理部120の詳細の構成は後述する。
【0020】
コンテンツ処理部130は、個人向けプレイリスト処理部120により生成された個人向けプレイリストを用いてコンテンツ及び個人向け広告コンテンツを通信部110によって受信及び信号処理して提供する。より具体的には、コンテンツ処理部130は、個人向けプレイリストを用いてコンテンツ及び個人向け広告コンテンツを通信部110によって受信して信号処理し、例えばユーザ端末100のディスプレイ(図示せず)及びスピーカ(図示せず)を通じて提供する。
【0021】
制御部140は、通信部110、個人向けプレイリスト処理部120及びコンテンツ処理部130の動作を制御する。制御部140の詳細な構成は後述する。
【0022】
個人向けプレイリスト処理部120、コンテンツ処理部130及び制御部140は、例えばCPU(central processing unit)などの半導体素子によって実現され得る。個人向けプレイリスト処理部120、コンテンツ処理部130及び制御部140は、同一のCPUによって実現され得る。すなわち、同一のCPUが個人向けプレイリスト処理部120として動作し、コンテンツ処理部130として動作し、制御部140として動作することができる。或いは、例えばコンテンツ処理部130は、CPUではない別途の信号処理チップなどの半導体素子によっても実現され得る。
【0023】
図2は、本実施例に係る個人向け広告を提供する装置100を有するシステム環境を例示的に示す図面である。
【0024】
図2を参照すれば、システム環境は、個人向け広告を提供する装置100、コンテンツをストリーミングによって提供するシステム200及び広告コンテンツを提供するサーバ300を有する。
【0025】
システム200は、コンテンツをストリーミングによって提供するように構成されたシステムである。例えば、システム200は、HLS規格及びMPEG-DASH規格のうちいずれか一つに従ってコンテンツをリアルタイム・ストリーミングによって提供することができる。リアルタイム・ストリーミングされるコンテンツは、例えば、スポーツ競技などのリアルタイム・コンテンツであり得る。リアルタイム・ストリーミングされるコンテンツの場合においても、本実施例によれば、個人向け広告を提供することができる。例えば、後述のように、個人向けプレイリスト処理部120は制御部140の制御に従って個人向けプレイリストを生成し、コンテンツ処理部130は個人向けプレイリストを用いてコンテンツ及び個人向け広告コンテンツを通信部110によって受信及び信号処理して提供することができる。
【0026】
以下、個人向けプレイリスト処理部120の構成をより具体的に説明する。
【0027】
図3は本実施例に係る個人向け広告を提供する装置の個人向けプレイリスト処理部が行う処理を例示的に示す図面である。
【0028】
図3を参照すれば、システム200からコンテンツに対するプレイリストを通信部110によって受信する処理S110、及び、処理S110を通じて受信したプレイリストを基に個人向け広告コンテンツのURIを有する個人向けプレイリストを生成する処理S120を行う。
【0029】
図4は、個人向けプレイリスト処理部がプレイリストを基に個人向けプレイリストを生成する例を模式的に示す図面である。
【0030】
図4のプレイリスト及び個人向けプレイリストは単純化して表示されているが、実際には、例えばHLS規格及びMPEG-DASH規格と同じ規格に従ってURI形式で実現され得る。すなわち、説明の便宜上、単純化して表示したが、図4に図示されたchunk-1.ts~chunk-7.tsは、例えばシステム200内に又はシステム200外に、各々のファイルが保存されたURIを示す。例えば、chunk-1.ts~chunk-3.ts、chunk-6.ts及びchunk-7.tsはシステム200内に保存され、chunk-4.ts及びchunk-5.tsはシステム200外に、例えば、サーバ300内に保存され得る。per-ad-1.ts及びper-ad-2.tsは、例えばシステム200の外に(例えばサーバ300内に)各々のファイルが保存されたURIを示す。
【0031】
図4を参照すれば、プレイリストはchunk-1.ts、chunk-2.ts、chunk-3.ts、chunk-4.ts、chunk-5.ts、chunk-6.ts及びchunk-7.tsの順にコンテンツをストリーミングして提供することを示す。プレイリストは必須コンテンツのURI及び代替可能コンテンツのURIを有する。例えば、chunk-1.ts、chunk-2.ts、chunk-3.ts、chunk-6.ts及びchunk-7.tsは必須コンテンツのURIを示し、chunk-4.ts及びchunk-5.tsは代替可能コンテンツのURIを示す。処理S120は、プレイリストから代替可能コンテンツのURIを除去する処理と、プレイリストのうち代替可能コンテンツのURIが除去された部分に、個人向け広告コンテンツのURIを挿入して個人向けプレイリストを生成する処理とを有することができる。
【0032】
すなわち、個人向けプレイリスト処理部120はプレイリストからchunk-4.ts及びchunk-5.tsのURIを除去する。その後、個人向けプレイリスト処理部120は、プレイリストのうち代替可能コンテンツのURIが除去された部分に、個人向け広告コンテンツのURIを挿入して個人向けプレイリストを生成する。例えば、図4に図示されるように、chunk-4.ts及びchunk-5.tsのURIの代わりに、per-ad-1.ts及びper-ad-2.tsのURIを挿入することによって、個人向けプレイリスト処理部120は個人向けプレイリストを生成する。
【0033】
一方、プレイリストは代替可能コンテンツを提供するための代替可能コンテンツ提供時間情報を示すマーカを有することができる。代替可能コンテンツ提供時間情報によって識別される時間は、個人向け広告コンテンツが提供される時間と実質的に同一である。すなわち、既存のプレイリストを通じて代替可能コンテンツが提供される時間(持続時間)は個人向けプレイリストを通じて個人向け広告コンテンツが提供される時間(持続時間)と実質的に同一である。したがって、代替可能コンテンツが個人向け広告コンテンツに代替されても、ユーザ端末100のユーザはコンテンツを自然に視聴することができる。マーカは、例えばSCTE-35規格に係るマーカを有することができるが、他の規格を用いて実現されたマーカ(「デジタルキュートーン信号」又は「デジタルキュー」とも称する)を有することもできる。例えば、図4を参照すれば、マーカによって代替可能コンテンツ、即ちchunk-4.ts及びchunk-5.tsを提供するために設定された時間に個人向け広告コンテンツ、即ちper-ad-1.ts及びper-ad-2.tsが提供され得る。
【0034】
次に、個人向けプレイリストに挿入される個人向け広告コンテンツのURIを取得する過程をより具体的に説明する。
【0035】
図5は、実施例に係る個人向け広告を提供する装置の個人向けプレイリスト処理部が個人向け広告コンテンツのURIを取得するために行う処理を例示的に示す図面である。
【0036】
図5を参照すれば、個人向けプレイリスト処理部120は、個人向け情報を広告コンテンツを提供するサーバ300へ転送して、サーバ300から個人向け広告コンテンツのURIを受信する処理S130を更に行うことができる。
【0037】
個人向け情報は、サーバ300が個人向け広告コンテンツを選択するための基準となる情報である。個人向け情報は、装置識別情報(すなわち、ユーザ端末100の識別情報)、装置類型情報、性別又は年齢のうち少なくとも一つを有するユーザ情報、ユーザ選好度情報、地域情報、コンテンツ視聴内訳情報及び購買内訳情報を有するグループから選択された少なくとも一つの情報を有することができる。
【0038】
装置類型情報は、例えばユーザ端末100のメーカ、運営体制(OS)、運営体制バージョン、画面解像度、ユーザ端末100に設置されたアプリケーション現況などの情報を有することができる。ユーザ情報は、例えばユーザ入力を通じて予め入力され得る。ユーザ選好度情報は、例えばユーザ端末100のユーザが設定した事項を基に生成され得る。例えば、ユーザがユーザ端末100を通じて商品を検索した事項などを基に生成され得る。地域情報は、ユーザ端末100が配置された地域を表し、例えば移動通信端末の場合、GPS信号を基に生成され、受信機、個人用コンピューティング装置及びセットトップボックスの場合、加入者情報、又はネットワーク情報を用いて生成され得る。例えば、ユーザ端末100が移動通信端末である場合、地域情報は特に現在の位置情報を有することができる。コンテンツ視聴内訳情報は、例えばユーザ端末100のユーザが視聴したコンテンツを基に生成され得る。購買内訳情報は、例えばユーザがユーザ端末100を通じて購入した商品、又はサービスの内訳を基に生成され得る。すなわち、前述の情報はコンテンツを視聴することとは独立的なユーザの行動を基に生成され得る。
【0039】
サーバ300は、個人向けプレイリスト処理部120から個人向け情報を受信したら、予め保存された複数の広告コンテンツのうちユーザ端末100のユーザに適すると判断される広告コンテンツを個人向け広告コンテンツとして選択する。その後、サーバ300は個人向け広告コンテンツのURIを通信部110によって個人向けプレイリスト処理部120へ転送し、個人向けプレイリスト処理部120は個人向け広告コンテンツのURIを受信する。したがって、個人向けプレイリスト処理部120は、個人向け広告コンテンツのURIを取得し、その後、前述のように処理S120を通じて個人向けリストを生成する。
【0040】
再び図3を参照すれば、本実施例に係る個人向け広告を提供する装置100は、個人向け情報保存部150を更に有することができる。個人向け情報保存部150は、個人向け情報を保存する。個人向け情報保存部150は、例えば半導体メモリーなどの半導体素子によって実現され得る。
【0041】
一方、処理S130は、個人向け情報保存部150に予め保存された個人向け情報を読み取る処理を更に有することができる。すなわち、個人向けプレイリスト処理部120は、個人向け情報保存部150に予め保存された個人向け情報を読み取り、読み取った個人向け情報をサーバ300へ転送することができる。個人向けプレイリスト処理部120が直接個人向け情報を管理するより、個人向け情報保存部150に予め保存された個人向け情報を読み取る方がより望ましい。
【0042】
制御部140は、個人向け情報をサーバ300へ転送するよう個人向け情報保存部150を制御することができる。例えば、個人向け情報保存部150に保存された個人向け情報が、装置識別情報、装置類型情報、性別又は年齢のうち少なくとも一つを有するユーザ情報、ユーザ選好度情報、地域情報、コンテンツ視聴内訳情報及び購買内訳情報を全て有する場合、個人向けプレイリスト処理部120が当該情報を全てサーバ300へ転送することは望ましくない。すなわち、個人向けプレイリスト処理部120は、例えば装置識別情報のみを個人向け情報としてサーバ300へ転送することができる。しかし、サーバ300が個人向け広告を選択するための基準として使用するためには前述の情報が必要とされ得る。したがって、制御部140は、個人向けプレイリスト処理部120とは独立的に個人向け情報保存部150に保存された個人向け情報をサーバ300へ転送するよう個人向け情報保存部150を制御することができる。
【0043】
一方、処理S130は、プレイリストから抽出される代替可能コンテンツ提供時間情報をサーバ300へ転送する処理を更に有することができる。すなわち、個人向けプレイリスト処理部120は代替可能コンテンツ提供時間情報をサーバ300へ転送することができる。サーバ300は、代替可能コンテンツ提供時間情報及び個人向け情報を基に、代替可能コンテンツ提供時間情報を通じて識別される時間(持続時間)の間にユーザ端末100を通じて提供する個人向け広告コンテンツを選択することができる。
【0044】
次に、個人向けプレイリスト処理部120が個人向けプレイリストの内部URIを生成する処理をより具体的に説明する。
【0045】
図6は、本実施例に係る個人向け広告を提供する装置の個人向けプレイリスト処理部が個人向けプレイリストの内部URIを生成する処理を例示的に示す図面である。図7は、本実施例に係る個人向け広告を提供する装置の演算処理部が個人向けプレイリストの内部URIを生成する例を模式的に示す図面である。
【0046】
図6及び図7を参照すれば、個人向けプレイリスト処理部120は、個人向けプレイリストの内部URIを生成する処理S140を更に行うことができる。
【0047】
例えば、チャンネル「ABC-1」に対するプレイリストのURIが、図7に図示されるように「https://www.playlist.com/?channel=ABC_1」である場合を仮定しよう。また、例えばplayer.prepare(URI)は、ユーザ端末100がプレイリストを受信するために準備する機能を示すと仮定しよう。
【0048】
例えば、player.prepare(https://www.playlist.com/?channel=ABC_1)を通じてユーザ端末100、より具体的にコンテンツ処理部130はプレイリストを受信するために準備する。しかし、本実施例によれば、具体的にコンテンツ処理部130は、個人向けプレイリストを用いてコンテンツ及び個人向け広告を提供する。したがって、個人向けプレイリスト処理部120は、個人向けプレイリストの内部URIを、例えば図7に図示されるように「http://localhost:3817?channel=ABC_1」のように生成する。その後、ユーザ端末100、すなわち、コンテンツ処理部130は、既存のプレイリストのURIの代わりに個人向けプレイリストのURI、即ち個人向けプレイリスト処理部120を通じて生成された内部URIを用いて、即ちplayer.prepare(http://localhost:3817?channel=ABC_1)を用いて個人向けプレイリストを受信するために準備する。その後、コンテンツ処理部130は、個人向けプレイリストの内部URIを用いてコンテンツ及び個人向け広告を受信及び信号処理して提供することができる。したがって、本実施例によれば、ユーザ端末100の構成を完全に新しく変更しなくても、プレイリストのURIを個人向けプレイリストの内部URIに変更することだけで、ユーザ端末100はユーザに個人向け広告を提供することができる。すなわち、本実施例によれば、個人向け広告を提供するために既存のユーザ端末に設置された構成(例えばメディアプレイヤなどのコンテンツを処理する構成)を変更する必要がない。したがって、既存のリアルタイム・コンテンツをストリーミングするサービス、例えば、OTTサービスにおいても、既存のユーザ端末を新たに変更しなくても、本実施例に従って個人向け広告を提供することができる。
【0049】
一方、制御部140は個人向けプレイリスト処理部120の動作を制御することができる。例えば、制御部140は予め指定された条件を満たす場合にのみ、個人向けプレイリスト処理部120が処理S110及び処理S120を行うよう前記個人向けプレイリスト処理部120の動作を制御することができる。また、制御部140は予め指定された条件を満たす場合にのみ、個人向けプレイリスト処理部120が処理S110~処理S140を行うよう個人向けプレイリスト処理部の動作を制御することができる。
【0050】
予め指定された条件は、コンテンツを選択するユーザ入力イベントを受信する第1条件、個人向けプレイリストの生成指示を受信する第2条件、及び、個人向け広告を提供するよう装置情報が設定された第3条件のうちいずれか一つを有することができる。
【0051】
ユーザ入力イベントは、例えばシステム200を通じて提供可能な複数のコンテンツのうち、視聴を所望するコンテンツを選択するユーザ入力イベントを有することができる。すなわち、ユーザ端末100のユーザは、視聴を所望するコンテンツを、例えばユーザ端末100のディスプレイ(図示せず)を通じて表示されるユーザインタフェース(図示せず)を通じて選択し、システム200はそれに対応して選択されたコンテンツをユーザ端末100で提供する。ユーザ入力イベントを受信したら、制御部140は、個人向けプレイリスト処理部120が処理S110及び処理S120を行うよう個人向けプレイリスト処理部120の動作を制御する。
【0052】
制御部140は、個人向けプレイリストの生成指示を生成することができる。制御部140は、例えば予め指定された周期毎に個人向けプレイリストの生成指示を生成することができ、個人向けプレイリストの生成指示を生成した後、個人向けプレイリスト処理部120が処理S110及び処理S120を行うよう個人向けプレイリスト処理部120の動作を制御する。
【0053】
制御部140は、例えばコンテンツ処理部130が個人向けプレイリストを基に複数のチャンクファイルを受信する状態、受信された複数のチャンクファイルを信号処理するためにユーザ端末100のバッファ(図示せず)に一時保存する状態、又は、一時保存された複数のチャンクファイルを信号処理する状態を基に個人向けプレイリストの生成指示を生成することもできる。或いは、コンテンツ処理部130が個人向けプレイリストの生成指示を生成することもできる。
【0054】
例えば、チャンクファイルの受信状態が円滑でない場合、バッファ部に一時保存されたチャンクファイルの個数が予め指定された基準に満たしていない場合、信号処理速度を考慮する際にチャンクファイルを受信する必要がある場合となれば、制御部140又はコンテンツ処理部130は個人向けプレイリストの生成指示を生成することができる。前述のように、制御部140及びコンテンツ処理部130が同一のCPUを用いて実現される場合、例えば制御部140が個人向けプレイリストの生成指示を生成することができる。或いは、制御部140とコンテンツ処理部130とが別々の構成によって実現される場合、コンテンツ処理部130が個人向けプレイリストの生成指示を生成し、制御部140が個人向けプレイリストの生成指示を受信することもできる。制御部140とコンテンツ処理部130とが別々の構成によって実現される場合においても、制御部140が個人向けプレイリストの生成指示を生成することができる。
【0055】
装置情報は、ユーザ入力を通じて予め設定され、又は、システム200から転送される設定指示によって設定され得る。
【0056】
すなわち、ユーザ端末100のユーザが予め個人向け広告を提供されることに同意するユーザ入力を、ユーザ端末100のディスプレイに表示されるユーザインタフェースを通じて入力したら、ユーザ端末100は当該ユーザ入力を基に装置情報を設定及び保存する。制御部140は個人向け広告を提供せよとの装置情報を確認したら、個人向けプレイリスト処理部120が処理S110及び処理S120を行うよう個人向けプレイリスト処理部120の動作を制御する。
【0057】
設定指示は、システム200から転送される。即ちシステム200は、個人向け広告を提供せよという旨を表す設定指示をユーザ端末100へ転送し、ユーザ端末100は、当該設定指示を基に個人向け広告を提供せよとの装置情報を設定及び保存する。制御部140は、個人向け広告を提供せよとの装置情報を確認したら、個人向けプレイリスト処理部120が処理S110及び処理S120を行うよう個人向けプレイリスト処理部120の動作を制御する。
【0058】
設定指示は、例えばシステム100において提供可能なチャンネル又はコンテンツ別に設定され、特定時間にのみ個人向け広告を提供せよという旨を示すこともできる。すなわち、設定指示は、特定チャンネル、特定コンテンツ及び特定時間などの具体的な条件に従って個人向け広告を提供せよという旨を示すこともできる。
【0059】
設定指示は、システム200の負荷を基に生成されることもできる。例えば、前述のようにシステム200が個人向け広告を処理するサーバを有し、個人向け広告を処理するサーバを用いてユーザ端末100で個人向け広告を提供する場合を仮定しよう。システム200の個人向け広告を処理するサーバの処理能力に余裕があって、ユーザ端末100で個人向け広告を提供することができるのであれば、システム200は個人向け広告を処理するサーバを通じてユーザ端末100で個人向け広告を提供する。しかし、個人向け広告を処理するサーバの処理能力が限界に到達すれば、システム200は個人向け広告を処理するサーバを通じてユーザ端末100で個人向け広告を提供することが困難となる。個人向け広告を処理するサーバの処理能力が限界に到達すれば、システム200はユーザ端末100で本実施例に従って個人向け広告を提供するよう設定指示を転送する。制御部140は個人向け広告を提供せよとの装置情報を確認したら、個人向けプレイリスト処理部120が処理S110及び処理S120を行うよう個人向けプレイリスト処理部120の動作を制御する。
【0060】
再び図3を参照すれば、本実施例に係る個人向け広告を提供する装置100は執行情報処理部160を更に有することができる。執行情報処理部160は、コンテンツ処理部130によって提供された個人向け広告コンテンツに対する執行情報を生成し、執行情報を予め指定された装置へ転送する。執行情報は、個人向け広告コンテンツの識別情報、提供時間、ユーザ端末100の識別情報などの情報を有することができる。予め指定された装置は、例えばシステム200を有し、又はサーバ300を有することもできる。システム200又はサーバ300は、個人向け広告コンテンツに対する執行情報を基に、個人向け広告コンテンツが提供された内訳を容易に確認することができる。特に多数の受信機がシステム200に接続された場合、システム200は各々の受信機でどのような広告が執行されたのかを容易に確認することができる。
【0061】
執行情報処理部160は、例えばCPUなどの半導体素子によって実現される。例えば、同一のCPUが、個人向けプレイリスト処理部120として動作し、コンテンツ処理部130として動作し、制御部140として動作し、執行情報処理部160として動作することができる。
【0062】
<その他の実施例>
本技術の実施例が具体的に説明されたが、これは単に本技術を例示的に説明したに過ぎず、本技術が属する技術分野において通常の知識を有する者であれば、本技術の本質的な特性から逸しない範囲内で様々な変形が可能である。
【0063】
例えば、プレイリストの形式、個人向けプレイリストの形式及びマーカの形式などの具体的な構成は本技術の本質的な特性から逸しない範囲内で様々な変形が可能である。
【0064】
したがって、本明細書に説明される実施例は、本技術を限定するためのものでなく説明するためのものであって、このような実施例によって本技術の思想と範囲とが限定されるわけではない。本技術の権利範囲は、特許請求の範囲によって解釈されるべきであり、それ同等の範囲内にある全ての技術は、本願技術の権利範囲に含まれるものとして解釈されるべきである。
【産業上の利用可能性】
【0065】
本技術によれば、コンテンツをリアルタイム・ストリーミングによって提供するシステムの負荷を最小化しつつも、個人向け広告を提供する装置(即ちユーザ端末)は、ユーザに個人向け広告を提供することができる。また、コンテンツをストリーミングによって提供するシステムが個人向け広告を処理するサーバを有する場合においても、個人向け広告を処理するサーバの負荷に従ってユーザ端末が動的にプレイリストを変更することができるため、コンテンツをストリーミングによって提供するシステムの負荷を最小化しつつも、ユーザ端末はユーザに個人向け広告を効率的に提供することができる。また、既存のOTTサービスのようにリアルタイム・コンテンツをストリーミングするサービスにおいても、既存のユーザ端末に設置された構成、例えばメディアプレイヤのようにコンテンツを処理する構成を変更しなくても、プレイリストのURIを個人向けプレイリストの内部URIに変更することだけで、ユーザ端末は本実施例に従ってユーザに個人向け広告を提供することができる。
【符号の説明】
【0066】
100 個人向け広告を提供する装置(ユーザ端末)
110 通信部
120 個人向けプレイリスト処理部
130 コンテンツ処理部
140 制御部
150 個人向け情報保存部
160 執行情報処理部
200 コンテンツをストリーミングによって提供するシステム
300 広告コンテンツを提供するサーバ

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図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7