(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-08
(45)【発行日】2023-09-19
(54)【発明の名称】インフレータブルマット
(51)【国際特許分類】
A47C 27/08 20060101AFI20230911BHJP
【FI】
A47C27/08 F
(21)【出願番号】P 2023111395
(22)【出願日】2023-07-06
【審査請求日】2023-07-06
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】520225299
【氏名又は名称】株式会社丸栄
(74)【代理人】
【識別番号】100134430
【氏名又は名称】加藤 卓士
(72)【発明者】
【氏名】飯尾 真史
【審査官】杉▲崎▼ 覚
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第05675855(US,A)
【文献】実開昭54-175415(JP,U)
【文献】欧州特許出願公開第02784367(EP,A1)
【文献】実開平04-087097(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47C 27/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
2枚のウレタンと、
前記2枚のウレタンに挟み込まれたアルミ蒸着フィルムと、
前記2枚のウレタンおよび前記アルミ蒸着フィルムを密封状態で包み込む袋体と、
前記袋体に設けられた給排気穴を開閉するバルブと、
を備えたインフレータブルマット
であって、
前記袋体の内部にインフレータブルマットの厚みの方向にウレタン2枚とアルミ蒸着フィルムを積層したインフレータブルマット。
【請求項2】
前記2枚のウレタンは、同材質同じ厚みである請求項1に記載のインフレータブルマット。
【請求項3】
前記アルミ蒸着フィルムは、前記2枚のウレタンに接着固定された請求項1または2に記載のインフレータブルマット。
【請求項4】
前記2枚のウレタンは、同材質異なる厚みである請求項1に記載のインフレータブルマット。
【請求項5】
前記2枚のウレタンは、密度の異なるウレタンである請求項1に記載のインフレータブルマット。
【請求項6】
前記アルミ蒸着フィルムは少なくとも2枚重ねである請求項1に記載のインフレータブルマット。
【請求項7】
前記袋体は、周囲で熱圧着された2枚のシートから構成された請求項1に記載のインフレータブルマット。
【請求項8】
前記2枚のウレタンを前記アルミ蒸着フィルムの両面に対して環状シロキサンを含まない変成シリコーン系弾性接着剤を用いて接着した請求項1に記載のインフレータブルマット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インフレータブルマットに関する。
【背景技術】
【0002】
上記技術分野において、特許文献1には、収納時においてコンパクトにすることができる上、使用時および保管時の操作も簡易に行うことのできる車両シート用補助クッションが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記文献に記載のような従来のインフレータブルマットでは、屋外で使う際に保温機能が十分ではなく、キャンプなどで寒さを感じることが多かった。
【0005】
本発明の目的は、上述の課題を解決する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため本発明にかかるインフレータブルマットは、
2枚のウレタンと、
前記2枚のウレタンに挟み込まれたアルミ蒸着フィルムと、
前記2枚のウレタンおよび前記アルミ蒸着フィルムを密封状態で包み込む袋体と、
前記袋体に設けられた給排気穴を開閉するバルブと、
を備えたインフレータブルマットであって、
前記袋体の内部にインフレータブルマットの厚みの方向にウレタン2枚とアルミ蒸着フィルムを積層したインフレータブルマットである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、保温力の高いインフレータブルマットを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】第1実施形態に係るインフレータブルマットの構成を示す図である。
【
図2】第2実施形態に係るインフレータブルマットの構成を示す図である。
【
図3】第2実施形態に係るインフレータブルマットの使用方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、図面を参照して、本発明の実施の形態について例示的に詳しく説明する。ただし、以下の実施の形態に記載されている構成要素はあくまで例示であり、本発明の技術範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0010】
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態としてのインフレータブルマット100について、
図1を用いて説明する。
図1に示すように、インフレータブルマット100は、2枚のウレタン101、102と、アルミ蒸着フィルム103と、袋体104と、バルブ105とを備えている。
【0011】
アルミ蒸着フィルム103は、2枚のウレタン101,102に挟み込まれている。袋体104は、2枚のウレタン101,102およびアルミ蒸着フィルム103を密封状態で包み込む。バルブ105は、袋体104に設けられた給排気穴を開閉する。
【0012】
本構成によれば、保温力の高いインフレータブルマットを提供できる。
【0013】
[第2実施形態]
次に本発明の第2実施形態に係るインフレータブルマットについて、
図2~
図3を用いて説明する。
【0014】
インフレータブルマット200は、自動膨張式のスリーピングマットであり、シュラフなどの下に敷くことで地面の凹凸を緩和すると共に、地面からの冷気を遮断する役目を担う。インフレーターマット200は、ウレタン201,202を、ポリエステル生地またはナイロン生地の袋体204で密封している。
【0015】
ウレタン201,202は、スポンジ状のウレタンであり、圧縮すると小さくなり、開放すると元の形状に復元する性質を持つ。ウレタン201,202は、空気の層を作るためのエアポケット構造を備えてもよい。
【0016】
図2に示すように、インフレータブルマット200は、2枚のウレタン201、202と、アルミ蒸着フィルム203と、袋体204と、バルブ205とを備えている。
【0017】
アルミ蒸着フィルム203は、同じ厚さおよび同じ材質からなる2枚のウレタン201,202に挟み込まれている。袋体204は、2枚のウレタン201,202およびアルミ蒸着フィルム203を密封状態で包み込む。バルブ205は、袋体204に設けられた給排気穴を開閉する。
【0018】
アルミ蒸着フィルム203は、2枚のウレタン201,202に接着固定されている。2枚のウレタン201,202は、アルミ蒸着フィルム203の両面に対して、例えば、環状シロキサンを含まない変成シリコーン系弾性接着剤を用いて接着されている。
【0019】
2枚のウレタン201,202は、それぞれ密度の異なるウレタンであってもよい。アルミ蒸着フィルム203は2枚重ねであってもよく、3枚重ね以上であってもよい。
【0020】
それぞれ2.5cmのウレタン201,202により0.5mmアルミ蒸着フィルム203を挟み込む構成により、R値(単位面積あたりの熱抵抗)6.9を実現した。従来のインフレータブルマットはR値3程度であるため倍以上の暖かさを実現したことになる。
【0021】
袋体204は、周囲で熱圧着されたポリエステル生地またはナイロン生地の2枚のシートから構成されている。このシート表面は肌触りがよくなるように起毛されている。
【0022】
図3は、本実施形態に係るインフレータブルマット200の収納時の様子を説明するための図である。インフレータブルマット200を収納する際には、内部のウレタン201,202が蓄えた空気を排出しながら圧縮する。そのため、
図3に示すようにバルブ205を開き、バルブ205から離れた端部を内側にして巻き込んでいき、インフレータブルマット200内の空気を絞り出す。この時体重をかけてしっかり空気を抜き圧縮することで、収納時にどれだけコンパクトになるかが決まる。小さく畳み終えたらバルブを閉じ、収納袋に戻す。
【0023】
インフレータブルマット200のセットアップ時は、ウレタン201,202の復元力で自動的に膨張するため、収納袋から取り出し、バルブ205を開いて待てばよい。ほどよい固さまで膨らめば、バルブを閉めて使用を開始する。インフレータブルマット200は空気を含んだウレタン201,202が形状をキープし、アルミ蒸着フィルムが保温力を高めるため、快適な寝心地が得られる。
【0024】
なお、空気の流動性を良くするためにアルミ蒸着フィルム203に穴をあけてもよい。バルブからの距離に応じて穴の密度を変えてもよい。例えば、バルブから遠くなるほど穴の密度を高くすることが考えられる。
【0025】
また、ウレタン201,202の硬さを場所によって変えることも可能である。これにより寝心地をさらに良くすることが可能である。また、ウレタン201,202の硬さまたは厚み、あるいはその両方を変えてもよい。この場合、状況や好みに応じて、インフレータブルマット200のどちらの面を上にして使用するかを変えればよい。
【0026】
さらに、表面のみに複数の突起や凹凸が施された2枚のウレタンを用意し、その両方の裏面でアルミ蒸着フィルム203を挟み込んでインフレータブルマット200を構成しても良い。保温性と形状安定性、耐久性を両立したインフレータブルマットを実現できる。
【0027】
[他の実施形態]
以上、実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明の技術的範囲で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。また、それぞれの実施形態に含まれる別々の特徴を如何様に組み合わせたシステムまたは装置も、本発明の技術的範囲に含まれる。
【要約】
【課題】保温力の高いインフレータブルマットを提供すること。
【解決手段】 保温力の高いインフレータブルマットを提供するため、2枚のウレタンと、その2枚のウレタンに挟み込まれたアルミ蒸着フィルムと、その2枚のウレタンおよびアルミ蒸着フィルムを密封状態で包み込む袋体と、袋体に設けられた給排気穴を開閉するバルブと、をインフレータブルマットに設けた。アルミ蒸着フィルムがウレタンの間に挟まれているため、保温力が段違いに高い。
【選択図】
図1