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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-08
(45)【発行日】2023-09-19
(54)【発明の名称】リモート入出力装置及び管理システム
(51)【国際特許分類】
   G05B 9/02 20060101AFI20230911BHJP
   G05B 9/03 20060101ALI20230911BHJP
【FI】
G05B9/02 A
G05B9/03
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2019234369
(22)【出願日】2019-12-25
(65)【公開番号】P2021103427
(43)【公開日】2021-07-15
【審査請求日】2022-01-14
(73)【特許権者】
【識別番号】501137636
【氏名又は名称】東芝三菱電機産業システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108062
【弁理士】
【氏名又は名称】日向寺 雅彦
(74)【代理人】
【識別番号】100168332
【弁理士】
【氏名又は名称】小崎 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100146592
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100172188
【弁理士】
【氏名又は名称】内田 敬人
(72)【発明者】
【氏名】中井 紀裕
【審査官】田中 友章
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-223201(JP,A)
【文献】特開2005-025479(JP,A)
【文献】特開2011-165058(JP,A)
【文献】国際公開第96/024798(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05B 9/02
G05B 9/03
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
工業施設に設定され、前記工業施設を構成する複数の機械が配置された複数の安全管理エリアのうち、1つの前記安全管理エリアに対応して設けられたリモート入出力装置であって、
前記複数の安全管理エリアを管理するコントローラと通信可能な通信部と、
前記1つの安全管理エリアに設けられ前記1つの安全管理エリアを管理する第1装置に接続され、前記コントローラからの制御信号に応じて前記第1装置を第1状態から第2状態に移行させる第1出力信号を出力する出力部と、
前記第1装置が前記第1状態又は前記第2状態のどちらの状態であるのかを検出可能な第1検出部に接続され、前記第1検出部から前記第1装置が前記第1状態又は前記第2状態のどちらの状態であるのかを示す第1検出信号を取得する入力部と、
前記出力部が前記第1出力信号を出力した場合に、前記第1検出信号に基づいて前記第1装置が前記第2状態であるか否かを判断する判断部と、
前記判断部が前記第1装置が前記第2状態でないと判断した場合に、エラーを報知する報知部と、
を備えたリモート入出力装置。
【請求項2】
前記出力部は、前記1つの安全管理エリアに設けられ前記1つの安全管理エリアを管理する第2装置に接続され、前記コントローラの制御信号に応じて前記第2装置を第3状態から第4状態に移行させる第2出力信号を出力し、
前記入力部は、前記第2装置が前記第3状態又は前記第4状態のどちらの状態であるのかを検出可能な第2検出部に接続され、前記第2検出部から前記第2装置が前記第3状態又は前記第4状態のどちらの状態であるかを示す第2検出信号が入力され、
前記判断部は、前記出力部が前記第2出力信号を出力した場合に、前記第2検出信号に基づいて前記第2装置が前記第4状態であるか否かを判断し、
前記報知部は、前記判断部が前記第2装置が前記第4状態でないと判断した場合に、エラーを報知する請求項1に記載のリモート入出力装置。
【請求項3】
前記報知部は、
前記判断部が前記第1装置が前記第2状態でないと判断した場合に、点灯する第1ランプと、
前記判断部が前記第2装置が前記第4状態でないと判断した場合に、点灯する第2ランプと、
を有する請求項2に記載のリモート入出力装置。
【請求項4】
前記第1装置は、前記1つの安全管理エリアのドアを施錠する施錠装置である請求項1~3のいずれか1つに記載のリモート入出力装置。
【請求項5】
前記第1装置は、シャッターである請求項1~3のいずれか1つに記載のリモート入出力装置。
【請求項6】
前記第1装置は、前記第1状態から前記第2状態に移行することによって、前記1つの安全管理エリアに設けられた第3装置を第5状態から第6状態に移行可能とし、
前記入力部は、前記第3装置が前記第5状態又は前記第6状態のどちらの状態であるのかを検出可能な第3検出部に接続され、前記第3検出部から前記第3装置が前記第5状態又は前記第6状態のどちらの状態であるのかを示す第3検出信号が入力され、
前記判断部は、前記第1装置が前記第2状態であると判断した場合に、前記第3検出信号に基づいて前記第3装置が前記第6状態であるか否かを判断し、
前記報知部は、前記判断部が前記第3装置が前記第6状態でないと判断した場合に、エラーを報知する請求項1~3のいずれか1つに記載のリモート入出力装置。
【請求項7】
前記第1装置は、リレーである請求項6に記載のリモート入出力装置。
【請求項8】
前記第3装置は、前記1つの安全管理エリアのドアを施錠する施錠装置又はシャッターである請求項7に記載のリモート入出力装置。
【請求項9】
工業施設に設定され前記工業施設を構成する複数の機械が配置された複数の安全管理エリアを管理するコントローラと、
前記コントローラと通信可能であり、前記複数の安全管理エリアに対応して設けられた複数のリモート入出力装置と、
を備え、
前記複数のリモート入出力装置のそれぞれは、
対応する前記安全管理エリアに設けられ前記対応する安全管理エリアを管理する装置に接続され、前記コントローラからの制御信号に応じて前記装置を第1状態から第2状態に移行させる出力信号を出力する出力部と、
前記装置が前記第1状態又は前記第2状態のどちらの状態であるかを検出可能な検出部に接続され、前記検出部から前記装置が前記第1状態又は前記第2状態のどちらの状態であるかを示す検出信号を取得する入力部と、
前記出力部が前記出力信号を出力した場合に、前記検出信号に基づいて前記装置が前記第2状態であるか否かを判断する判断部と、
前記判断部が前記装置が前記第2状態でないと判断した場合に、エラーを報知する報知部と、
を有する管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、リモート入出力装置及び管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
プラント等の工業施設では、機械が稼働している際は人が機械に接近しないように人の立ち入りが禁止されており、機械が停止した等の所定の条件下で機械のメンテナンス等のために人の立ち入りが許可される安全管理エリアが設けられている。安全管理エリアには、安全管理エリアを管理するための装置が設けられている。安全管理エリアに設けられた装置は、リモート入出力装置を介してコントローラによって制御される。
しかしながら、リモート入出力装置が出力した出力信号によって装置が動作しない場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2011-165058号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
実施形態は、コントローラへの負荷を抑制しつつ安全管理エリアに設けられた装置の動作を確認できるリモート入出力装置及び管理システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態に係るリモート入出力装置は、安全管理エリアを管理するコントローラと通信可能な通信部と、前記安全管理エリアに設けられる第1装置に接続され、前記コントローラからの制御信号に応じて前記第1装置を第1状態から第2状態に移行させる第1出力信号を出力する出力部と、前記第1装置が前記第1状態又は前記第2状態のどちらの状態であるのかを検出可能な第1検出部に接続され、前記第1検出部から前記第1装置が前記第1状態又は前記第2状態のどちらの状態であるのかを示す第1検出信号を取得する入力部と、前記出力部が前記第1出力信号を出力した場合に、前記第1検出信号に基づいて前記第1装置が前記第2状態であるか否かを判断する判断部と、前記判断部が前記第1装置が前記第2状態でないと判断した場合に、エラーを報知する報知部と、を備える。
【0006】
実施形態に係る管理システムは、複数の安全管理エリアを管理するコントローラと、前記コントローラと通信可能であり、前記複数の安全管理エリアに対応して設けられた複数のリモート入出力装置と、を備える。前記複数のリモート入出力装置のそれぞれは、対応する安全管理エリアに設けられた装置に接続され、前記コントローラからの制御信号に応じて前記装置を第1状態から第2状態に移行させる出力信号を出力する出力部と、前記装置が前記第1状態又は前記第2状態のどちらの状態であるかを検出可能な検出部に接続され、前記検出部から前記装置が前記第1状態又は前記第2状態のどちらの状態であるかを示す検出信号を取得する入力部と、前記出力部が前記出力信号を出力した場合に、前記検出信号に基づいて前記装置が前記第2状態であるか否かを判断する判断部と、前記判断部が前記装置が前記第2状態でないと判断した場合に、エラーを報知する報知部と、を有する。
【発明の効果】
【0007】
本実施形態では、コントローラへの負荷を抑制しつつ安全管理エリアに設けられた装置の動作を確認できるリモート入出力装置及び管理システムが実現される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1実施形態に係る管理システムを示す概略図である。
図2】第1実施形態に係る管理システムの一部を示す模式的なブロック図であって、2つの施錠装置が各ドアを施錠している状態を示す図である。
図3】第1実施形態に係る管理システムの一部を示す模式的なブロック図であって、一方の施錠装置がドアを解錠している状態であり、他方の施錠装置がドアを施錠している状態を示す図である。
図4】第1実施形態に係るリモート入出力装置による施錠装置の動作の確認方法を示すフローチャートである。
図5】第2実施形態に係る管理システムの一部を示す模式的なブロック図であって、シャッターが開いた状態を示す図である。
図6】第2実施形態に係る管理システムの一部を示す模式的なブロック図であって、シャッターが閉じた状態を示す図である。
図7】第2実施形態に係るリモート入出力装置によるリレー及びシャッターの動作の確認方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態について説明する。
なお、図面は模式的または概念的なものであり、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。また、同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
なお、本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して詳細な説明を適宜省略する。
【0010】
(第1実施形態)
<管理システムの構成>
図1は、本実施形態に係る管理システムを示す概略図である。
図1に示すように、本実施形態に係る管理システム100は、複数の安全管理エリアSAを管理するコントローラ110と、コントローラ110と通信可能であり、コントローラ110からの制御信号に応じて安全管理エリアSAに設けられた装置に対して信号を入出力する複数のリモート入出力装置120と、を備える。コントローラ110と各リモート入出力装置120は、バス等の通信線130を介して通信可能である。
【0011】
「安全管理エリアSA」とは、プラント等の工業施設において、機械が稼働している際は人が機械に接近しないように人の立ち入りが禁止されており、機械が停止している等の所定の条件下で人の立ち入りが許可されるエリアを意味する。安全管理エリアSAには、安全管理エリアを管理するための装置が設けられている。安全管理エリアSAに設けられた装置は、リモート入出力装置120を介してコントローラ110によって制御される。
【0012】
図1に示す例では、複数の安全管理エリアSAのうちの一つに、プラントを構成する機械Mが設けられている。安全管理エリアSAは、機械Mが稼働している際に機械Mに人が接近しないように柵140によって囲まれている。柵140には、2つのドア150が設けられている。各ドア150には、各ドア150を施錠する施錠装置160が設けられている。以下、2つの施錠装置160のうちの一方を「第1施錠装置160a」ともいい、他方を「第2施錠装置160b」ともいう。なお、安全管理エリアSAに設けられるドア150の数及び施錠装置160の数は、特に限定されない。
【0013】
以下、施錠装置160及び管理システム100について詳述する。なお以下では、複数の安全管理エリアSAに対応して、複数のリモート入出力装置120が設けられている例を説明する。すなわち、各安全管理エリアSAに対して一つのリモート入出力装置120が設けられている例を説明する。また、以下では、安全管理エリアSAに設けられた装置が2つの施錠装置160であり、リモート入出力装置120が2つの施錠装置160の動作の確認をする例を説明する。ただし、一つの安全管理エリアSAに対して複数のリモート入出力装置120が設けられていてもよい。また、複数の安全管理エリアSAに対して一つのリモート入出力装置120が設けられていてもよい。また、リモート入出力装置120が動作を確認する装置は、施錠装置160でなくてもよい。
【0014】
<施錠装置>
図2は、本実施形態に係る管理システムの一部を示す模式的なブロック図であって、管理システムにおける2つの施錠装置が各ドアを施錠している状態を示す図である。
図3は、本実施形態に係る管理システムの一部を示す模式的なブロック図であって、一方の施錠装置がドアを解錠している状態であり、他方の施錠装置がドアを施錠している状態を示す図である。
図2に示すように、施錠装置160は、例えば電磁式の施錠装置である。施錠装置160は、例えば、ロック部材161と、励磁部162と、プランジャ163と、ばね164と、検出部165と、を有する。
【0015】
ドア150は、例えば、柵140の出入り口を開閉可能な本体部151と、ラッチ152と、を有する。ラッチ152は、先端部が本体部151から施錠装置160に向かって突出した位置と、全体が本体部151内に配置された位置と、に移動可能である。ラッチ152には、孔152aが設けられている。
【0016】
ロック部材161は、例えば、先端部がラッチ152の孔152a内に配置された位置(図2参照)と、ラッチ152から離れた位置(図3参照)と、に移動可能である。ロック部材161の先端部が孔152a内に配置された状態では、ドア150が施錠装置160によって施錠される。また、ロック部材161がラッチ152から離れた状態では、施錠装置160はドア150を解錠している。
【0017】
ロック部材161には、図2に示すように、凹部161aが設けられている。プランジャ163の先端部は、後述する励磁部162が励磁されていない状態では、ばね164に付勢されて、ロック部材161の凹部161aに配置されている。これにより、ロック部材161の先端部がラッチ152の孔152a内に位置した状態が維持される。
【0018】
励磁部162は、例えばソレノイドである。励磁部162は、電圧が付加されることによって励磁される。励磁部162が励磁された状態では、図3に示すように、プランジャ163はロック部材161から離れる。これにより、ロック部材161は、ラッチ152から離れることができる。
【0019】
このように、励磁部162に電圧が付加され、励磁部162が励磁された状態では、施錠装置160がドア150を解錠する。以下、施錠装置160がドア150を解錠した状態を「解錠状態」という。また、図2に示すように、励磁部162への電圧の付加が解除された状態では、施錠装置160がドア150を施錠する。以下、施錠装置160がドア150を施錠した状態を「施錠状態」という。
【0020】
検出部165は、例えば電気接点を含む。検出部165の電気接点は、図2に示すように、ロック部材161の先端部がラッチ152の孔152aに配置された状態では、ONである。検出部165の電気接点は、図3に示すように、ロック部材161がラッチ152から離れた状態では、OFFである。このように、検出部165は、施錠装置160が施錠状態又は解錠状態のどちらの状態であるかを検出可能である。
なお、施錠装置160及びドア150の具体的な構成は上記に限定されない。
【0021】
<コントローラ>
コントローラ110は、例えばPLC(Programmable Logic Controller)である。コントローラ110は、図2に示すように、例えば、制御部111と、通信部112と、を有する。
【0022】
制御部111は、例えばCPU(Central Processing Unit)及びメモリを含む。通信部112は、リモート入出力装置120と通信可能なインターフェースである。
【0023】
制御部111は、通信部112を制御してリモート入出力装置120に制御信号S0を送信する。施錠装置160を施錠状態から解錠状態に移行させる場合、制御部111は、通信部112を制御して、施錠装置160を施錠状態から解錠状態に移行させるように指示する制御信号S0を、リモート入出力装置120に送信する。以下、図3に示すように、施錠装置160を施錠状態から解錠状態に移行させるように指示する制御信号S0を、単に「解錠指示信号S0a」という。また、施錠装置160を解錠状態から施錠状態に移行させる場合、制御部111は、通信部112を制御して、施錠装置160を解錠状態から施錠状態に移行させるように指示する制御信号S0を、リモート入出力装置120に送信する。以下、図2に示すように、施錠装置160を解錠状態から施錠状態に移行させるように指示する制御信号S0を、単に「施錠指示信号S0b」という。
【0024】
なお、コントローラ110の具体的な構成は上記に限定されない。例えば、コントローラ110は、PLCではなく、DCS(Distributed Control System)等であってもよい。
【0025】
<リモート入出力装置>
リモート入出力装置120は、コントローラ110と施錠装置160等の安全管理エリアSAに設けられた機器を接続するインターフェース装置である。リモート入出力装置120は、リモートI/Oステーション等とも呼ばれる。
【0026】
リモート入出力装置120は、通信部121と、出力部122と、入力部123と、判断部124と、報知部125と、を有する。
【0027】
通信部121は、コントローラ110と通信可能なインターフェースである。通信部121は、コントローラ110からの制御信号S0を受信する。また、例えば、通信部121は、後述する判断部124の判断結果をコントローラ110に送信してもよい。
【0028】
出力部122は、第1施錠装置160a及び第2施錠装置160bに接続される。出力部122は、コントローラ110からの制御信号S0に応じて出力信号S1を各施錠装置160に出力する。
【0029】
出力部122は、例えば、複数の出力端子126を有する。例えば、第1施錠装置160aの励磁部162及び第2施錠装置160bの励磁部162は、互いに異なる出力端子126に接続される。なお、出力部122は、3以上の施錠装置160に接続されてもよい。また、出力部122は、施錠装置160以外の他の装置に接続されてもよい。
【0030】
図3に示すように、通信部121がコントローラ110から第1施錠装置160aの解錠指示信号S0aを受信した場合、出力端子126から第1施錠装置160aの励磁部162に、第1施錠装置160aを施錠状態から解錠状態に移行させる出力信号S1が出力される。具体的には、出力端子126は、第1施錠装置160aの励磁部162に電圧を付加する。第2施錠装置160bについても同様である。以下、施錠状態から解錠状態に移行させる出力信号S1を単に「解錠信号S1a」という。
【0031】
また、図2に示すように、通信部121がコントローラ110から第1施錠装置160aの施錠指示信号S0bを受信した場合、出力端子126から第1施錠装置160aの励磁部162に、第1施錠装置160aを解錠状態から施錠状態に移行させる出力信号S1が出力される。具体的には、出力端子126は、第1施錠装置160aの励磁部162への電圧の付加を解除する。第2施錠装置160bについても同様である。以下、解錠状態から施錠状態に移行させる出力信号S1を単に「施錠信号S1b」という。
【0032】
このように、本明細書では、出力部122が施錠装置160等の機器に電圧を付加する場合だけでなく、出力部122が施錠装置160等の機器へ付加する電圧を解除する場合も、「出力信号S1を出力する」という。なお、図2及び図3において、出力信号S1の矢印は、単に出力の方向を示すものであり、電流の方向を示すものではない。
【0033】
入力部123は、第1施錠装置160aの検出部165及び第2施錠装置160bの検出部165に接続されている。入力部123は、各施錠装置160の検出部165から、各施錠装置160が施錠状態又は解錠状態のどちらの状態であるのかを示す検出信号S2を取得する。
【0034】
入力部123は、例えば、複数の入力端子127を有する。第1施錠装置160aの検出部165及び第2施錠装置160bの検出部165は、互いに異なる入力端子127に接続される。更に、例えば、信頼性を向上させる観点から、一つの施錠装置160の検出部165は、2つの入力端子127に接続されてもよい。具体的には、図2に示すように、第1施錠装置160aの検出部165は、2つの入力端子127a、127bに接続されていてもよい。第2施錠装置160bについても同様である。以下、入力端子127aを「第1入力端子127a」ともいい、入力端子127bを「第2入力端子127b」ともいう。このように構成することで、第1入力端子127aと検出部165とを接続する配線又は第2入力端子127bと検出部165との接続する配線のうちの一方が断線したとしても、他方の配線により、検出信号S2を取得できる。
【0035】
各検出部165と各検出部165に接続された入力端子127a、127bとを含む回路には、例えば、図示省略する直流電源が設けられている。図2に示すように、第1施錠装置160aが施錠状態の場合、検出部165の電気接点がONとなっている。そのため、各入力端子127a、127bにおいて取得される検出信号S2の電圧は、0Vより大きい。第2施錠装置160bについても同様である。
【0036】
図3に示すように、第1施錠装置160aが解錠状態である場合、検出部165の接点がOFFとなっている。そのため、各入力端子127a、127bにおいて取得される検出信号S2の電圧は、例えば、0Vである。第2施錠装置160bについても同様である。なお、図2及び図3において、検出信号S2の矢印は、単に入力の方向を示すものであり、電流の方向を示すものではない。
【0037】
判断部124は、例えばCPU(Central Processing Unit)及びメモリを含む。判断部124は、出力部122が出力信号S1を出力した場合に、入力部123に入力された検出信号S2に基づいて、施錠装置160が出力信号S1に応じた状態であるか否かを判断する。判断部124は、入力部123に入力された検出信号S2に基づいて、施錠装置160が出力信号S1に応じた状態でないと判断した場合、報知部125を制御してエラーを報知する。また、判断部124は、施錠装置160が出力信号S1に応じた状態でないと判断した場合、通信部121を制御して、コントローラ110に第1施錠装置160aが出力信号S1に応じた状態でないことを示す信号を送信してもよい。
【0038】
具体的には、判断部124は、図3に示すように、出力部122が第1施錠装置160aに解錠信号S1aを出力した場合、入力部123に入力された検出信号S2に基づいて第1施錠装置160aが解錠状態であるか否かを判断する。判断部124は、第1施錠装置160aが解錠状態でないと判断した場合、報知部125を制御してエラーを報知する。第2施錠装置160bについても同様である。
【0039】
判断部124は、図2に示すように、出力部122が第1施錠装置160aに施錠信号S1bを出力した場合に、入力部123に入力された検出信号S2に基づいて第1施錠装置160aが施錠状態であるか否かを判断する。判断部124は、第1施錠装置160aが施錠状態でないと判断した場合、報知部125を制御してエラーを報知する。第2施錠装置160bについても同様である。
【0040】
なお、第1施錠装置160aの検出部165に2つの入力端子127a、127bが接続されている場合、判断部124は、例えば、第1入力端子127aにおいて取得した検出信号S2及び第2入力端子127bにおいて取得した検出信号S2のそれぞれに基づいて、第1施錠装置160aが出力信号S1に応じた状態であるか否かを判断する。判断部124は、第1入力端子127aにおいて取得した検出信号S2に基づき第1施錠装置160aが出力信号S1に応じた状態でないと判断した場合、又は、第2入力端子127bにおいて取得した検出信号S2に基づき第1施錠装置160aが出力信号S1に応じた状態でないと判断した場合、報知部125を制御してエラーを報知する。第2施錠装置160bについても同様である。
【0041】
更に、判断部124は、第1入力端子127aにおいて取得した検出信号S2が示す状態と第2入力端子127bおいて取得した検出信号S2が示す状態が相違する場合、通信部121を制御して、コントローラ110に、第1入力端子127aにおいて取得した検出信号S2が示す状態と第2入力端子127bにおいて取得した検出信号S2が示す状態が相違することを示す信号を送信してもよい。第2施錠装置160bについても同様である。
【0042】
報知部125は、例えば、判断部124が第1施錠装置160aが出力信号S1に応じた状態でないと判断した場合に点灯するランプ128と、判断部124が第2施錠装置160bが出力信号S1に応じた状態でないと判断した場合に点灯するランプ128と、を有する。これにより、報知部125は、施錠装置160毎に、エラーを報知できる。
【0043】
また、第1施錠装置160aの検出部165に2つの入力端子127a、127bが接続されている場合、報知部125は、例えば、2つの入力端子127a、127bに対応して2つのランプ128a、128bを有していてもよい。また、第2施錠装置160bの検出部165に2つの入力端子127a、127bが接続されている場合、報知部125は、例えば、2つの入力端子127a、127bに対応して2つのランプ128c、128dを有していてもよい。これにより、報知部125は、各施錠装置160について、各入力端子127a、127bにおいて取得した検出信号S2毎に、エラーを報知できる。
【0044】
なお、報知部125の具体的な構成は上記に限定されない。例えば、報知部125は、ディスプレイを有し、ディスプレイによってエラーを報知してもよい。具体的には、リモート入出力装置120にディスプレイを接続し、ディスプレイにどの施錠装置160がエラーであるかを表示してもよい。また、例えば、報知部125は、スピーカを有し、スピーカによってエラーを報知してもよい。具体的には、リモート入出力装置120にスピーカを接続し、スピーカが音声によりどの施錠装置160がエラーであるかを報知してもよい。また、報知部125は、ランプ128、ディスプレイ、及びスピーカ等の異なる報知手段を複数有していてもよい。
【0045】
各リモート入出力装置120は、対応する安全管理エリアSAの近くに設けられていることが好ましい。これにより、例えば、安全管理エリアSAに出入りする作業者は、各施錠装置160のエラーを容易に把握できる。
【0046】
以上、複数のリモート入出力装置120のうちの一のリモート入出力装置120について説明したが、他のリモート入出力装置120についても、同様に、対応する安全管理エリアSAに設けられた施錠装置160等の装置の動作を確認するように構成できる。
【0047】
コントローラ110は、各安全管理エリアSAを統括的に管理している。そのため、コントローラ110に新たな機能を付加する場合、付加する機能が、各安全管理エリアSAを管理する機能に影響を及ぼさないように注意する必要がある。したがって、管理システム100に施錠装置160等の装置の動作を確認する機能を付加する際は、コントローラ110への負荷は少ない方が好ましい。そこで、本実施形態においては、リモート入出力装置120が、施錠装置160等の装置の動作の確認、及びエラーの報知を行う。そのため、コントローラ110への負荷を抑制しつつ、装置の動作を確認できる。また、リモート入出力装置120に報知部125が設けられているため、コントローラ110及びリモート入出力装置120とは別にエラーを報知するための機器を準備する必要がなくなる。
【0048】
<管理システムの動作>
図4は、本実施形態に係るリモート入出力装置による施錠装置の動作の確認方法を示すフローチャートである。
次に、図4を参照して、管理システム100による施錠装置160の動作の確認方法を説明する。なお、以下では、コントローラ110が第1施錠装置160aの解錠指示信号S0aをリモート入出力装置120に送信した場合について説明し、第2施錠装置160bの動作の確認方法については、第1施錠装置160aと同様であるため、詳細な説明は省略する。なお、コントローラ110が各施錠装置160の施錠指示信号S0bをリモート入出力装置120に送信した場合に、各施錠装置160の動作確認が行われてもよい。
【0049】
先ず、リモート入出力装置120の通信部121が、コントローラ110との間で信号を送受信する。そして、リモート入出力装置120は、コントローラ110から第1施錠装置160aの解錠指示信号S0aを受信する。
【0050】
次に、出力部122は、コントローラ110からの解錠指示信号S0aに応じて、第1施錠装置160aに解錠信号S1aを出力する(S11)。具体的には、出力部122は、出力端子126を介して第1施錠装置160aの励磁部162に電圧を付加する。
【0051】
ステップS11により、第1施錠装置160aが正常に動作した場合、第1施錠装置160aは解錠状態になる。具体的には、ステップS11により、励磁部162は励磁される。これにより、図3に示すように、プランジャ163がロック部材161から離れ、ロック部材161がラッチ152から離れる。これにより、検出部165がOFFとなる。
【0052】
ステップS11により、第1施錠装置160aが正常に動作しなかった場合、第1施錠装置160aは施錠状態のままである。具体的には、図2に示すように、プランジャ163の先端部がロック部材161の凹部161aに配置されたままである。これにより、ロック部材161がラッチ152の孔152aに配置された状態が維持される。そのため、検出部165がONのままである。
【0053】
次に、入力部123は、検出部165から第1施錠装置160aが施錠状態又は解錠状態のどちらの状態であるのかを示す検出信号S2を取得する(S12)。なお、第1施錠装置160aの検出部165が2つの入力端子127a、127bに接続されている場合、入力部123は、第1入力端子127a及び第2入力端子127bの両方において検出信号S2取得する。
【0054】
次に、判断部124は、取得した検出信号S2に基づき、第1施錠装置160aが解錠状態であるか否かを判断する(S13)。なお、検出部165が2つの入力端子127a、127bに接続されている場合、判断部124は、第1入力端子127aにおいて取得した検出信号S2及び第2入力端子127bにおいて取得した検出信号S2のそれぞれに基づき、第1施錠装置160aが解錠状態であるか否かを判断する。
【0055】
判断部124が、第1入力端子127aに入力された検出信号S2及び第2入力端子127bに入力された検出信号S2のいずれに基づいても、第1施錠装置160aが解錠状態であると判断した場合(S13;YES)、ドア150の解錠及び第1施錠装置160aの動作確認が終了する。この場合、第1施錠装置160aは正常に動作したため、報知部125はエラーを報知しない。
【0056】
ステップS13において、判断部124が、第1入力端子127aに入力された検出信号S2に基づき第1施錠装置160aが解錠状態でないと判断した場合、又は、第2入力端子127bに入力された検出信号S2に基づき第1施錠装置160aが解錠状態でないと判断した場合(S13;NO)、報知部125は対応するランプ128を点灯させ、エラーを報知する(S14)。これにより、使用者は、報知部125により第1施錠装置160aが故障している可能性があることを把握できる。また、通信部121は、コントローラ110に、第1施錠装置160aが解錠していないと判断されたことを示す信号を送信してもよい。
【0057】
なお、ステップS13において、第1入力端子127aにおいて取得した検出信号S2が示す状態と第2入力端子127bにおいて取得した検出信号S2が示す状態とが相違する場合、報知部125は、通信部121を制御して、第1入力端子127aにおいて取得した検出信号S2が示す状態と第2入力端子127bにおいて取得した検出信号S2が示す状態が相違することを示す信号を、コントローラ110に送信してもよい。
【0058】
例えば、図3に示すように、第1施錠装置160aに、解錠信号S1aが出力され、第1施錠装置160aが解錠状態となった場合、第1施錠装置160aに対応するランプ128a、128bは、点灯しない。一方、第2施錠装置160bに、解錠信号S1aが出力され、第2施錠装置160bが施錠状態のままの場合、第2施錠装置160bに対応するランプ128c、128dが、点灯する。
【0059】
次に、本実施形態の効果について説明する。
本実施形態においては、リモート入出力装置120が、安全管理エリアSAに設けられた施錠装置160の動作を確認し、出力信号S1に応じた状態でない場合にエラーを報知する。そのため、コントローラ110への負荷を抑制しつつ、施錠装置160の動作を確認できる。また、エラーを報知するための機器を別途準備し、コントローラ110に接続する必要がなくなる。
【0060】
また、本実施形態においては、報知部125は、判断部124が第1施錠装置160aが出力信号S1に応じた状態でないと判断した場合に点灯するランプ128a、128bと、判断部124が第2施錠装置160bが出力信号S1に応じた状態でないと判断した場合に点灯するランプ128c、128dと、を有する。そのため、使用者は、第1施錠装置160a及び第2施錠装置160bのそれぞれのエラーを容易に把握できる。
【0061】
また、複数の安全管理エリアSAの信号を一箇所のリモート入出力装置120で入出力した場合、1つの安全管理エリアSAにおける改造が他の全ての安全管理エリアSAにも影響を及ぼすため、改造工事のためには入念な調査が必要である。これに対し、本実施形態においては、複数の安全管理エリアSAに対応して複数のリモート入出力装置120が設けられている。そして、各リモート入出力装置120は、対応する安全管理エリアSAに設けられた施錠装置160等の装置の動作を確認する。このように、各安全管理エリアSAにリモート入出力装置120を設けることで、改造工事を安全管理エリアSA毎に行うことができる。このため、改造工事を簡便に行うことができる。
【0062】
(第2実施形態)
<管理システムの構成>
図5は、本実施形態に係る管理システムの一部を示す模式的なブロック図であって、シャッターが開いた状態を示す図である。
図6は、本実施形態に係る管理システムの一部を示す模式的なブロック図であって、シャッターが閉じた状態を示す図である。
本実施形態に係る管理システム200は、安全管理エリアSAに設けられた装置であるリレー260及びシャッター270の動作を確認する点で、第1実施形態に係る管理システム100と相違する。なお、以下の説明においては、原則として、第1の実施形態との相違点のみを説明する。以下に説明する事項以外は、第1の実施形態と同様である。
【0063】
<リレー>
リレー260は、リモート入出力装置120から出力された出力信号S1に応じて、例えばシャッター270等の安全管理エリアSAに設けられた装置を制御する。リレー260は、例えば、励磁部261と、第1電気接点262と、第2電気接点263と、を有する。
【0064】
励磁部261は、例えばソレノイドである。励磁部261は、リモート入出力装置120の出力部122の出力端子126に接続される。
【0065】
第1電気接点262は、励磁部261に電圧が付加された状態ではONとなり、励磁部261に電圧が付加されていない状態ではOFFとなる。第1電気接点262は、例えばシャッター270の駆動部272に接続される。
【0066】
第2電気接点263は、例えば、第1電気接点262に機械的に連結しており、第1電気接点262がONの状態ではOFFとなり、第1電気接点262がOFFの状態ではONとなる。このように、第2電気接点263は、第1電気接点262がONの状態又はOFFの状態のどちらの状態であるのかを検出可能である。
【0067】
<シャッター>
シャッター270は、例えば、安全管理エリアSA内に配置された機械Mの周辺に設けられる。シャッター270は、開閉可能な本体部271と、駆動部272と、を有する。
【0068】
駆動部272は、リレー260の第1電気接点262に接続されている。駆動部272は、第1電気接点262がONとなることにより、本体部271を開く方向又は閉じる方向に移動させる。なお、駆動部272が本体部271を開く方向又は閉じる方向のどちらに移動させるかは、例えば、コントローラ110がリモート入出力装置120の出力部122を経由してシャッター270に指示する。
【0069】
安全管理エリアSAには、シャッター270の本体部271が開いた状態であるか閉じた状態であるかを検出可能な検出部280が更に設けられている。検出部280は、例えば電気接点を含む。検出部280の電気接点は、図5に示すように、例えば本体部271が開いた状態ではOFFとなる。検出部280の電気接点は、図6に示すように、本体部271が閉じた状態ではONとなる。このように、検出部280は、本体部271が閉じた状態又は開いた状態のどちらの状態であるかを検出可能である。
【0070】
<リモート入出力装置>
出力部122の出力端子126は、リレー260の励磁部261に接続されている。出力部122は、リレー260の励磁部261にコントローラ110からの制御信号S0に応じた出力信号S1を出力する。
【0071】
出力部122は、図6に示すように、通信部121がコントローラ110からリレー260の励磁部261をOFF状態からON状態に移行するように指示する制御信号S0を受信した場合に、リレー260の励磁部261に第1電気接点262をOFF状態からON状態に移行させる出力信号S1を出力する。具体的には、出力部122は、励磁部261に電圧を付加する。以下、第1電気接点262をOFF状態からON状態に移行させる出力信号S1を、単に「ON信号S11a」という。また、出力部122は、通信部121がコントローラ110からリレー260の励磁部261をON状態からOFF状態に移行するように指示する制御信号S0を受信した場合に、図5に示すように、リレー260の励磁部261にON状態からOFF状態に移行させる出力信号S1を出力する。具体的には、出力部122は、励磁部261への電圧の付加を解除する。以下、第1電気接点262をON状態からOFF状態に移行させる出力信号S1を、単に「OFF信号S11b」という。
【0072】
入力部123は、リレー260の第2電気接点263に接続されている。入力部123は、第2電気接点263からリレー260の第1電気接点262がON状態であるかOFF状態であるかを示す検出信号S2aを取得する。第2電気接点263は、例えば、第1入力端子127a及び第2入力端子127bに接続されている。なお、第2電気接点263が接続される入力端子127の数は、1つでもよい。
【0073】
第2電気接点263と第2電気接点263に接続された入力端子127a、127bとを含む回路には、例えば、図示省略する直流電源が設けられている。図5に示すように、第1電気接点262がOFF状態の場合、第2電気接点263はONである。そのため、各入力端子127a、127bにおいて取得される検出信号S2aの電圧は、0Vより大きい。図6に示すように、第1電気接点262がON状態の場合、第2電気接点263はOFFである。そのため、各入力端子127a、127bにおいて取得される検出信号S2aの電圧は、0Vである。
【0074】
入力部123は、シャッター270の検出部280に接続されている。入力部123は、検出部280からシャッター270が開いた状態又は閉じた状態のどちらの状態であるのかを示す検出信号S2bを取得する。検出部280は、リモート入出力装置120の入力部123の第3入力端子127c及び第4入力端子127dに接続される。なお、検出部280が接続される入力端子127の数は、1つでもよい。
【0075】
検出部280と検出部280に接続された入力端子127c、127dとを含む回路には、例えば、図示省略する直流電源が設けられている。図6に示すように、シャッター270が閉じた状態の場合、検出部280はONである。そのため、各入力端子127c、127dにおいて取得される検出信号S2bの電圧は、例えば0Vより大きい。図5に示すように、シャッター270が開いた状態の場合、検出部280はOFFである。そのため、各入力端子127c、127dにおいて取得される検出信号S2bの電圧は、0Vである。
【0076】
判断部124は、リレー260が出力信号S1に応じた状態であるか否かを判断する。具体的には、判断部124は、出力部122がON信号S11aを出力した場合、第2電気接点263からの検出信号S2aに基づいて、第1電気接点262がON状態であるか否かを判断する。
【0077】
判断部124は、第1電気接点262がON状態でないと判断した場合、報知部125を制御して、エラーを報知する。判断部124は、第1電気接点262がON状態であると判断した場合、検出部280からの検出信号S2bに基づいて、シャッター270がコントローラ110からの指示に応じた状態であるか否かを判断する。判断部124は、シャッター270がコントローラ110からの指示に応じた状態でないと判断した場合、報知部125を制御してエラーを報知する。
【0078】
また、判断部124は、出力部122がOFF信号S11bを出力した場合、第2電気接点263からの検出信号S2aに基づいて、第1電気接点262がOFF状態であるか否かを判断する。判断部124は、第1電気接点262がOFF状態でないと判断した場合、報知部125を制御して、エラーを報知する。
【0079】
リモート入出力装置120の報知部125は、例えば、リレー260のエラーを報知する際に点灯するランプ128と、シャッター270のエラーを報知する際に点灯するランプ128と、を有する。これにより、報知部125は、リレー260及びシャッター270のエラーを個別に報知できる。
【0080】
また、リレー260の第2電気接点263に2つの入力端子127a、127bが接続されている場合、報知部125は、例えば、2つの入力端子127a、127bに対応して2つのランプ128a、128bを有していてもよい。また、シャッター270の検出部280に2つの入力端子127c、127dが接続されている場合、報知部125は、例えば、2つの入力端子127a、127bに対応して2つのランプ128c、128dを有していてもよい。これにより、報知部125は、各入力端子127a、127b、127c、127dが取得した検出信号S2a、S2b毎に、エラーを報知できる。
【0081】
<管理システムの動作>
図7は、本実施形態に係るリモート入出力装置によるリレー及びシャッターの動作の確認方法を示すフローチャートである。
次に、図7を参照して、管理システム200によるリレー260及びシャッター270の動作の確認手順を説明する。なお、以下では、コントローラ110がリレー260の第1電気接点262をOFF状態からON状態に移行させる制御信号S0を送信し、シャッター270に本体部271を開いた状態から閉じた状態に移行させるように指示する場合について説明する。ただし、コントローラ110がシャッター270の本体部271を閉じた状態から開いた状態に移行させる制御信号S0を送信する場合に、各施錠装置160の動作確認が行われてもよい。
【0082】
先ず、リモート入出力装置120の通信部121が、コントローラ110との間で信号を送受信する。そして、リモート入出力装置120は、リレー260の第1電気接点262をOFF状態からON状態に移行させるように指示する制御信号S0を受信する。また、コントローラ110は、例えば、リモート入出力装置120を介して、第1電気接点262がONの状態で、シャッター270に本体部271を開いた状態から閉じた状態に移行させるように指示する。
【0083】
次に、出力部122は、ON信号S11aをリレー260の励磁部261に出力する(S21)。すなわち、出力部122は、リレー260の励磁部261に電圧を付加する。
【0084】
ステップS21において、リレー260が正常に動作した場合、第1電気接点262はON状態になる。これにより、第2電気接点263はOFFになる。また、これによりシャッター270が正常に動作した場合、本体部271が閉じる方向に移動する。これにより、検出部280はONになる。一方、第1電気接点262がON状態になったにも関わらずシャッター270が正常に動作しなかった場合、検出部280はOFFのままである。
【0085】
ステップS21において、リレー260が正常に動作しなかった場合、第1電気接点262はOFF状態のままであり、第2電気接点263はONのままである。また、シャッター270も動作しないため、検出部280はOFFのままである。
【0086】
次に、入力部123は、リレー260の第2電気接点263から、第1電気接点がON状態又はOFF状態のどちらの状態であるかを示す検出信号S2aを第1入力端子127a及び第2入力端子127bの両方において取得する(S22)。
【0087】
次に、判断部124は、第1入力端子127aに入力された検出信号S2a及び第2入力端子127bに入力された検出信号S2aのそれぞれに基づいて、第1電気接点262がON状態であるか否かを判断する(S23)。
【0088】
ステップS23において、判断部124が、第1入力端子127aに入力された検出信号S2a及び第2入力端子127bに入力された検出信号S2aのいずれに基づいても、第1電気接点262がON状態であると判断した場合(S23;YES)、入力部123は、シャッター270の本体部271が開いた状態又は閉じた状態のどちらの状態であるかを示す検出信号S2bを、第3入力端子127c及び第4入力端子127dの両方において取得する(S24)。
【0089】
次に、判断部124は、第3入力端子127cに入力された検出信号S2b及び第4入力端子127dに入力された検出信号S2bのそれぞれに基づいて、シャッター270の本体部271が閉じた状態にであるか否かを判断する(S25)。
【0090】
ステップS25において、判断部124が、第3入力端子127cに入力された検出信号S2b及び第4入力端子127dに入力された検出信号S2bのいずれに基づいても、シャッター270の本体部271が閉じた状態であると判断した場合(S25;YES)、シャッター270を閉じる動作とリレー260及びシャッター270の動作の確認が完了する。この場合、報知部125のランプ128は点灯しない。
【0091】
ステップS23において、判断部124が、第1入力端子127aに入力された検出信号S2aに基づいて第1電気接点262がON状態でないと判断した場合、又は、第2入力端子127bに基づいて第1電気接点262がON状態でないと判断した場合(S23;NO)、報知部125は、対応するランプ128を点灯させることによりエラーを報知する(S26)。これにより、使用者は、リレー260が故障している可能性があることを容易に把握できる。また、通信部121は、コントローラ110に、リレー260がON状態でないと判断されたことを示す信号を送信してもよい。
【0092】
なお、ステップS23において、第1入力端子127aにおいて取得した検出信号S2aが示す状態と第2入力端子127bにおいて取得した検出信号S2aが示す状態とが相違する場合、報知部125は、通信部121を制御して、第1入力端子127aにおいて取得した検出信号S2aが示す状態と第2入力端子127bにおいて取得した検出信号S2aが示す状態が相違することを示す信号を、コントローラ110に送信してもよい。
【0093】
ステップS26の後は、ステップS24を実行してシャッター270の動作確認を更に行ってもよいし、シャッター270の動作確認は行わなくてもよい。
【0094】
ステップS25において、判断部124が、第3入力端子127cに入力された検出信号S2bに基づいてシャッター270の本体部271が閉じた状態でないと判断した場合、又は、第4入力端子127dに入力された検出信号S2bに基づいてシャッター270の本体部271が閉じた状態でないと判断した場合(S25;NO)、報知部125は、対応するランプ128を点灯させる。これにより、使用者は、シャッター270が故障している可能性があることを容易に把握できる。また、この際、通信部121は、コントローラ110にシャッター270が閉じた状態でないと判断されたことを示す信号を送信してもよい。
【0095】
次に、本実施形態の効果について説明する。
本実施形態においては、リモート入出力装置120が、安全管理エリアSAに設けられたリレー260及びシャッター270の動作を確認し、エラーを報知する。そのため、コントローラ110への負荷を抑制しつつ、リレー260及びシャッター270の動作を確認できる。また、エラーを報知するための機器を別途準備し、コントローラ110に接続する必要がなくなる。
【0096】
また、判断部124は、リレー260がOFF状態からON状態に移行したと判断した場合に、シャッター270が開いた状態から閉じた状態(又は閉じた状態から開いた状態)に移行したか否かを判断する。そして、報知部125は、判断部124がシャッター270が開いた状態から閉じた状態(又は閉じた状態から開いた状態)に移行していないと判断した場合に、エラーを報知する。このように、リモート入出力装置120は、リレー260等の中継的な機能を備える装置、及び、シャッター270等の最終的に動作する装置の動作確認を効率的に行うことができる。
【0097】
なお、リレー260に接続される装置は、シャッター270に限定されない。例えば、リレー260に接続される装置は、施錠装置160又はライトカーテン等であってもよい。また、シャッター270の駆動部272は、リレー260を介さずにリモート入出力装置120の出力部122に接続されてもよい。また、リモート入出力装置120が動作を確認する装置は、施錠装置160、リレー260、又はシャッター270のいずれでなくてもよい。例えば、リモート入出力装置120が動作を確認する装置は、ライトカーテン等の他の装置であってもよい。
【0098】
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他のさまざまな形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明およびその等価物の範囲に含まれる。また、前述の各実施形態は、相互に組み合わせて実施することができる。
【符号の説明】
【0099】
100、200:管理システム
110:コントローラ
111:制御部
112:通信部
120:リモート入出力装置
121:通信部
122:出力部
123:入力部
124:判断部
125:報知部
126:出力端子
127、127a、127b、127c、127d:入力端子
128、128a、128b、128c、128d:ランプ
130:通信線
140:柵
150:ドア
151:本体部
152:ラッチ
152a:孔
160、160a、160b:施錠装置
161:ロック部材
161a:凹部
162:励磁部
163:プランジャ
164:ばね
165:検出部
260:リレー
261:励磁部
262:第1電気接点
263:第2電気接点
270:シャッター
271:本体部
272:駆動部
273:第2電気接点
280:検出部
M:機械
S0:制御信号
S0a:解錠指示信号
S0b:施錠指示信号
S1:出力信号
S1a:解錠信号
S1b:施錠信号
S11a:ON信号
S11b:OFF信号
S2:検出信号
S2a:リレーの第2接点からの検出信号
S2b:シャッターの検出部からの検出信号
SA:安全管理エリア
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7