(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-08
(45)【発行日】2023-09-19
(54)【発明の名称】起立部材の支持構造
(51)【国際特許分類】
B60P 1/44 20060101AFI20230911BHJP
F16C 11/04 20060101ALI20230911BHJP
【FI】
B60P1/44 Z
F16C11/04 F
(21)【出願番号】P 2020008855
(22)【出願日】2020-01-23
【審査請求日】2022-01-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000229900
【氏名又は名称】日本フルハーフ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003524
【氏名又は名称】弁理士法人愛宕綜合特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100075177
【氏名又は名称】小野 尚純
(74)【代理人】
【識別番号】100102417
【氏名又は名称】飯田 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100113217
【氏名又は名称】奥貫 佐知子
(74)【代理人】
【識別番号】100202496
【氏名又は名称】鹿角 剛二
(74)【代理人】
【識別番号】100194629
【氏名又は名称】小嶋 俊之
(72)【発明者】
【氏名】丸山 正雄
【審査官】塚本 英隆
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-159038(JP,A)
【文献】特許第6514527(JP,B2)
【文献】特開平08-020277(JP,A)
【文献】特開2011-214378(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60P 1/44
F16C 11/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
起立部材の姿勢を起立状態と折り畳み状態との間で変化させる起立部材の支持構造であって、
該支持構造は、起立部材と、該起立部材を支持する支持基台とを備え、
該起立部材は、回転軸と、該回転軸中心から一方側に延び起立状態と折り畳み状態との間で姿勢が変化する起立部と、該起立部とは他方側に延び支持基台と当接する固定用当接部と、を備え、
該支持基台には、該回転軸を支持し該回転軸が移動可能に形成された長穴と、該起立部を起立状態で固定する位置である該長穴の固定側端部に該回転軸を位置付けることにより該固定用当接部と当接して該起立部が折り畳み方向に回転することを規制する固定用被当接部とが形成され、
該長穴は、該回転軸を該長穴の該固定側端部から離反する方向に移動させた際に該起立部が折り畳み方向に回転することが許容されるように該固定用当接部を該固定用被当接部から離反させるコーナー部を備え
、
該長穴は、該固定側端部に加え、該起立部材が折り畳まれたときに該回転軸が位置付けられる折り畳み側端部を備え、該折り畳み側端部は、該固定側端部に対し、折り畳み方向に位置付けられている起立部材の支持構造。
【請求項2】
該支持基台は、平板状のプレート部材と、該プレート部材上で対向して立設され該起立部材の回転軸の両端部を支持する一対の回転軸支持部材と、該一対の回転軸支持部材の端部を連結すると共に該固定用被当接部が形成された連結部材とを備え、該長孔は、該一対の回転軸支持部材に形成されている
請求項1に記載の起立部材の支持構造。
【請求項3】
該長穴は、該固定側端部から該固定用被当接部と平行に形成された第一直線部と、該第一直線部に接続された該コーナー部と、該コーナー部に接続され該起立部を折り畳む方向で延長された延長部と、を備えている、請求項2に記載の起立部材の支持構造。
【請求項4】
該長穴の該延長部には、該起立部が折り畳まれる際に該回転軸が位置付けられる折り畳み側端部が形成され、該延長部は、該第一直線部と平行に形成された第二直線部である、請求項3に記載の起立部材の支持構造。
【請求項5】
該起立部材の該固定用当接部が形成された側の先端には凸部が形成されており、該支持基台を構成する該プレート部材には、該起立部が折り畳まれる方向に沿った直線凹部が形成され、該起立部材の該回転軸を該折り畳み側端部に位置付けた状態で該起立部を起立させたときに、該凸部が該直線凹部に進入して該直線凹部の端部に当接し、該起立部がそれ以上折り畳み方向とは反対側に倒れないように規制される請求項4に記載の起立部材の支持構造。
【請求項6】
該起立部材の該起立部には、該起立部を折り畳み状態で固定する第一ロック機構が配設され、該第一ロック機構は、該起立部の長手方向に沿って移動可能に形成された固定ロッドを備え、該支持基台には、該起立部が折り畳まれた状態においてのみ該固定ロッドが挿入可能に形成された挿入孔が形成され、該起立部が折り畳まれた状態で該固定ロッドが該挿入孔に挿入されることで該起立部材が固定される請求項1乃至5のいずれかに記載の起立部材の支持構造。
【請求項7】
該支持基台には、該回転軸が該長穴の固定側端部に位置付けられた際に、該回転軸が該固定側端部から離反しないように固定する第二ロック機構が設けられている、請求項1乃至6のいずれかに記載の起立部材の支持構造。
【請求項8】
該起立部材、又は該支持基台が配設された側のいずれか一方に磁石が配設され、他方に強磁性体が配設され、該起立部材が折り畳み状態にあるときに、該強磁性体が該磁石に吸着される請求項1乃至7のいずれかに記載の起立部材の支持構造。
【請求項9】
該起立部材は安全柵であり、該支持基台は、車両の後方の荷室開口で地上面と荷室の床面との間で昇降されるテールゲートの車幅方向端縁部に設置される請求項1乃至8のいずれかに記載された起立部材の支持構造。
【請求項10】
該安全柵は、高さ調整機構を備えている請求項9に記載の起立部材の支持構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、起立部材の姿勢を起立状態と折り畳み状態との間で変化させる起立部材の支持構造に関する。
【背景技術】
【0002】
貨物輸送用の車両であるトラックの荷台は、車輪、はしご型フレーム、サスペンション機構等からなるシャシーフレーム上に架装されるため、荷台の床面と地面との間に相当の高低差が存在し、貨物の積み下ろしに際して支障となる。
【0003】
上記した貨物の積み下ろしの荷役作業における作業性を向上し、作業者の負担を軽減するため、貨物を積載する際に使用されるフロアプレートを地面と荷台の床面との間で昇降されるテールゲートが知られている。このようなテールゲートは、通常、トラックの後端部分に装着され、フロアプレート上の貨物等の落下を防止するため、これを水平状態に保ったまま昇降される構成を備えている。
【0004】
近年においては、作業中の貨物が誤ってフロアプレートの両側側縁から脱落したり、転落したりするのを防止するために、サイドガードを設けることが提案されている(例えば特許文献1を参照)。
【0005】
また、本出願人によって、夜間、又は暗所において作業する際に、フロアプレートの側縁を目視しやすいように、フロアプレートの側縁に発光体を配設して、作業者がフロアプレートの幅方向における端縁を容易に認知することができる技術が提案されている(特許文献2を参照)。
【0006】
ところで、フロアプレート上で荷役作業を実施する際に、作業者がバランスを崩すことがあり、その際に作業者が手で掴むことができる安全柵が配設されていると作業者は安心して作業に臨むことができることから、フロアプレートの幅方向の端部に安全柵を設置することが考えられる。しかし、テールゲートのフロアプレートは、荷役作業が行われない走行時には、車両の後方に立てられて格納されることから、フロアプレート上の安全柵もフロアプレートに対して折り畳むことができるように構成される必要がある。このような技術課題に対し、例えば、車いす等を載せて車両の後方から車内に誘導するフロアプレートに安全柵を配設し、フロアプレートの開閉に連動して開閉作動する安全柵の機構が提案されている(例えば特許文献3を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2017-030628号公報
【文献】特開2019-006246号公報
【文献】特開平08-020277号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記した特許文献3に記載された技術によれば、フロアプレートの開閉に合わせて安全柵を開閉することはできるが、安全柵の開閉をフロアプレートの格納時と使用時との変化に連動させるために、極めて複雑な機構を必要とする。また、安全柵が付いていないフロアプレートにこのような安全柵を増設する場合は、テールゲート機構全体を交換し、且つ車両に大掛かりな改造を加える必要があり、相当高額な費用が必要になる。また、機構が複雑であることから、故障した場合にはすぐに修理することができず、貨物輸送に用いられる車両のテールゲートのフロアプレートに適切な構造であるとは言い難い。
【0009】
本発明は、上記事実に鑑みなされたものであり、その主たる技術課題は、構造がシンプルで堅牢であり、また、安全柵等の起立部材が配設されていない既存の構造にも容易に設置することができる起立部材の支持構造を提供することにある。このような起立部材の支持構造は、トラックのテールゲートのフロアプレートに設置される安全柵に限定されず、起立状態と折り畳み状態の間で変化する起立部材を備える構造、例えば、台車のハンドルの支持構造や、折り畳み式のテーブルの脚の支持構造にも適用することが可能である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記主たる技術課題を解決するため、本発明によれば、起立部材の姿勢を起立状態と折り畳み状態との間で変化させる起立部材の支持構造であって、該支持構造は、起立部材と、該起立部材を支持する支持基台とを備え、該起立部材は、回転軸と、該回転軸中心から一方側に延び起立状態と折り畳み状態との間で姿勢が変化する起立部と、該起立部とは他方側に延び支持基台と当接する固定用当接部と、を備え、該支持基台には、該回転軸を支持し該回転軸が移動可能に形成された長穴と、該起立部を起立状態で固定する位置である該長穴の固定側端部に該回転軸を位置付けることにより該固定用当接部と当接して該起立部が折り畳み方向に回転することを規制する固定用被当接部とが形成され、該長穴は、該回転軸を該長穴の該固定側端部から離反する方向に移動させた際に該起立部が折り畳み方向に回転することが許容されるように該固定用当接部を該固定用被当接部から離反させるコーナー部を備え、該長穴は、該固定側端部に加え、該起立部材が折り畳まれたときに該回転軸が位置付けられる折り畳み側端部を備え、該折り畳み側端部は、該固定側端部に対し、折り畳み方向に位置付けられている起立部材の支持構造が提供される。
【0011】
該支持基台は、平板状のプレート部材と、該プレート部材上で対向して立設され該起立部材の回転軸の両端部を支持する一対の回転軸支持部材と、該一対の回転軸支持部材の端部を連結すると共に該固定用被当接部が形成された連結部材とを備え、該長孔は、該一対の回転軸支持部材に形成されていることが好ましい。また、該長穴は、該固定側端部から該固定用被当接部と平行に形成された第一直線部と、該第一直線部に接続された該コーナー部と、該コーナー部に接続され該起立部を折り畳む方向で延長された延長部と、を備えるようにしてもよく、該長穴の該延長部には、該起立部が折り畳まれる際に該回転軸が位置付けられる折り畳み側端部が形成され、該延長部は、該第一直線部と平行に形成された第二直線部であってもよい。
【0012】
該起立部材の該固定用当接部が形成された側の先端には凸部が形成されており、該支持基台を構成する該プレート部材には、該起立部が折り畳まれる方向に沿った直線凹部が形成され、該起立部材の該回転軸を該折り畳み側端部に位置付けた状態で該起立部を起立させたときに、該凸部が該直線凹部に進入して該直線凹部の端部に当接し、該起立部がそれ以上折り畳み方向とは反対側に倒れないように規制されるようにすることができる。また、該起立部材の該起立部には、該起立部を折り畳み状態で固定する第一ロック機構が配設され、該第一ロック機構は、該起立部の長手方向に沿って移動可能に形成された固定ロッドを備え、該支持基台には、該起立部が折り畳まれた状態においてのみ該固定ロッドが挿入可能に形成された挿入孔が形成され、該起立部が折り畳まれた状態で該固定ロッドが該挿入孔に挿入されることで該起立部材が固定される構成とすることができる。
【0013】
該起立部材、又は該支持基台が配設された側のいずれか一方に磁石が配設され、他方に強磁性体が配設され、該起立部材が折り畳み状態にあるときに、該強磁性体が該磁石に吸着されるように構成することができる。
【0014】
該起立部材は安全柵であり、該支持基台は、車両の後方の荷室開口で地上面と荷室の床面との間で昇降されるテールゲートの車幅方向端縁部に設置されるようにしてもよい。また、該安全柵は、高さ調整機構を備えていることが好ましい。
【発明の効果】
【0015】
本発明の起立部材の支持構造は、起立部材の姿勢を起立状態と折り畳み状態との間で変化させる起立部材の支持構造であって、該支持構造は、起立部材と、該起立部材を支持する支持基台とを備え、該起立部材は、回転軸と、該回転軸中心から一方側に延び起立状態と折り畳み状態との間で姿勢が変化する起立部と、該起立部とは他方側に延び支持基台と当接する固定用当接部と、を備え、該支持基台には、該回転軸を支持し該回転軸が移動可能に形成された長穴と、該起立部を起立状態で固定する位置である該長穴の固定側端部に該回転軸を位置付けることにより該固定用当接部と当接して該起立部が折り畳み方向に回転することを規制する固定用被当接部とが形成され、該長穴は、該回転軸を該長穴の該固定側端部から離反する方向に移動させた際に該起立部が折り畳み方向に回転することが許容されるように該固定用当接部を該固定用被当接部から離反させるコーナー部を備え、該長穴は、該固定側端部に加え、該起立部材が折り畳まれたときに該回転軸が位置付けられる折り畳み側端部を備え、該折り畳み側端部は、該固定側端部に対し、折り畳み方向に位置付けられていることから、構造がシンプルで堅牢な支持構造が提供され、また、安全柵等の起立部材が配設されていない既存の構造にも容易に設置することができる。さらに、本発明の構成によって実現される起立部材の支持構造によれば、上記したようなテールゲートのフロアプレートに採用される安全柵に限定されず、折り畳みテーブルの脚の支持構造や、折り畳み可能なハンドルを備えた台車のハンドルの支持構造に適用することも可能であり、起立部材の姿勢を起立状態と折り畳み状態との間で変化させる起立部材の支持構造を備える幅広い技術分野に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】(a)本実施形態の安全柵が適用された車両であって、フロアプレートに設置された安全柵が折り畳み状態にある図、(b)安全柵が起立状態にある斜視図である。
【
図2】(a)安全柵を構成する支柱と支持基台とが組付けられた支持構造を示す斜視図、(b)(a)に示す支持構造の一部を分解して示す斜視図である。
【
図3】(a)支柱が折り畳み状態にあり、第一ロック機構のロック状態を解除する態様を示す斜視図、(b)(a)に示す態様を側方から見た側面図である。
【
図4】(a)
図3に示す折り畳み状態から、支柱を起立させる態様を示す斜視図、(b)(a)に示す態様を側方から見た側面図である。
【
図5】(a)
図4に示す状態から、支柱を上方に移動させる態様を示す斜視図、(b)(a)に示す態様を側方から見た側面図である。
【
図6】(a)
図5に示す状態から、支柱をフロアプレートの右方端縁部方向に移動させる態様を示す斜視図、(b)(a)に示す態様を側方から見た側面図である。
【
図7】
図6に示す状態から、支柱をフロアプレート側に降下させる態様を示す斜視図、(b)(a)に示す態様を側方から見た側面図である。
【
図8】本実施形態の第二ロック機構を示す斜視図であり、(a)回転軸支持部材の長孔の第一直線部に沿って支柱を降下させる態様を示す斜視図、(b)回転軸の締結ネジを第二ロック機構の係合部92bによって固定する状態とする態様を示す斜視図、(c)係合部92bによって固定された締結ネジのロック状態を解除する態様を示す斜視図である。
【
図9】(a)安全柵の平面図、(b)安全柵の一部を拡大して示す斜視図、(c)高さ調整機構により手摺部の高さを変更した状態を示す安全柵の一部を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明に基づいて構成される起立部材の支持構造の実施形態について添付図面を参照しながら、詳細に説明する。
【0018】
図1には、本発明が適用される箱型荷台110を有する車両100(点線で示している)が示されている。
図1(a)には、箱型荷台110の後方に配設されたテールゲートの一部を構成するフロアプレート2が示されている。フロアプレート2は、荷役作業が行われない場合は、後端部120の開閉扉に沿って立てられて格納状態とされ、荷役作業を実施する際に、矢印R1で示す方向に開かれ、箱型荷台110の床面に対して水平な状態とされる。フロアプレート2は、図示しないテールゲートの作動機構により、箱型荷台110の床面の高さと、地面の高さとの間で昇降可能に構成されている。なお、
図1に矢印で示すX方向が車両の前後方向であり、Y方向が車両の幅方向であり、Z方向が上下方向であり、以降の図面においても、このXYZ方向は共通の方向を示すものとする。また、図示の実施形態では、箱型荷台110の後端部120が観音開きの開閉扉で構成されている例を示すが、本発明はこれに限定されず、該フロアプレート2によって箱型荷台110の後端部120の開口を開閉する扉として機能する構成であってもよい。
【0019】
フロアプレート2は、全体が略矩形状で構成され、荷受け面4と、前方端縁部6と、後方端縁部8と、右方端縁部10と、左方端縁部12とを備えている。荷受け面4上の右方端縁部10、及び左方端縁部12に、本実施形態の起立部材である安全柵20、30が配設されている。安全柵20、30は、例えば、合金鋼によって構成されている。安全柵20は、右方端縁部10に沿って2ヶ所に配置された支持基台40、50によって支持され、安全柵30は、左方端縁部12に沿って2ヶ所に配置された支持基台60、70によって支持されている。安全柵20は、支持基台40、50を起点とし、安全柵30は支持基台60、70を起点として回動が可能であり、
図1(a)に示す折り畳み状態から、
図1(b)に示す起立状態とされる。なお、安全柵20、30が起立状態とされた
図1(b)では、箱型荷台110の後端部120の開閉扉は開かれた状態である(図示は省略している)。また、安全柵20、30を起立状態、又は折り畳み状態とする作業は、フロアプレート2を地上に接する程度に降下させた状態で実施される。
【0020】
安全柵20は、
図1に示すように、手摺部22と、本発明の起立部を構成する一対の支柱24A、24Bと、支柱24Aと24Bとを連結する2本の枠部材26A、26Bとを備えている。手摺部22は、支柱24A、24Bに挿入され手摺部22の高さを調整する機能を奏する調整部材22a、22bを備えている。安全柵30も、安全柵20と同様の構成を備えており、調整部材32a、32bを備えた手摺部32と、本発明の起立部を構成する一対の支柱34A、34Bと、支柱34Aと34Bとを連結する一対の枠部材36A、36Bとを備えている。
【0021】
安全柵20を支持する支持基台の支持構造について、
図2を参照しながら、説明する。
図2(a)には、
図1にAで示す領域に記載された安全柵20の支柱24Aと、該支柱24Aの下端側を支持する支持基台40とを拡大して示し、フロアプレート2に対して安全柵20が折り畳まれた状態を示している。
図2(b)には、
図2(a)に示す支柱24A及び支持基台40の支持構造を説明すべく、その一部を分解した状態で示している。
【0022】
図2(b)に示すように、支持基台40は、フロアプレート2の荷受け面4上に固定される矩形状の平板状のプレート部材41と、プレート部材41に対して垂直に、且つ、互いに対向する位置に立設される一対の回転軸支持部材43、44と、一対の回転軸支持部材43、44の端部をフロアプレート2の右方端縁部10側において連結するように形成された連結部材45と、連結部材45と対向する位置に立設された第一ガイドプレート46と、を備えている。プレート部材41は、フロアプレート2の荷受け面4とは反対側の下面に配設されるプレート支持部材42の平板部42aとでフロアプレート2を挟み、平板部42aの四隅に立設されフロアプレート2内部に挿入される円筒部42bに、プレート部材41の上方からボルトBが挿入され、円筒部42bのそれぞれに対応して位置付けられたナットNで締結されて固定される。このような固定構造により、フロアプレート2に対する支持基台40の取り付け強度が確保されると共に、起立状態となった安全柵20に横荷重がかかった際のフロアプレート2の強度も担保される。回転軸支持部材43には、本実施形態においては略U字形状をなす長孔43aが、回転軸支持部材44には長孔43aと同一形状の長孔44aが形成されており、長孔43a、44aによって支柱24Aの回転軸47の両端が支持される。連結部材45の略中央には孔45aが形成され、第一ガイドプレート46側と対向する平坦面は後述する固定用被当接部45bであり、上端には、凹部45cが形成されている。
【0023】
支柱24Aの下端側には、一対の延長部材28、28が配設されている。延長部材28、28には孔28aが形成されており、支柱24Aが起立状態と折り畳み状態との間で姿勢が変化する際の回転中心となる回転軸47が挿入されて支持される。延長部材28の先端であって、支柱24Aが折り畳み状態とされるときに下面側になる側の角部には円弧状の曲線部28bが形成され、さらにその先端側には、この曲線部28bに段差を介して凸部28cが形成されている。また、支柱24Aが折り畳み状態とされたときに上面側となる側には、後述する固定用当接部28dを構成する平坦面が形成されている。回転軸47は、延長部材28の孔28aに挿入された状態で、その両端部が回転軸支持部材43、44の長孔43a、44aに支持される。回転軸47の両端部には、回転軸47が長孔43a、44aに支持された状態で、回転軸47の抜け止めとして機能するワッシャーリング47bを備えた締結ネジ47aが締結される。長孔43a、44aは、その幅が、回転軸47の直径よりも広くワッシャーリング47bの直径よりも小さい寸法で形成されていることから、回転軸47が長孔43a、44aから抜けることなく、長孔43a、44aに沿って回転軸47を移動させることができる。プレート部材41の回転軸支持部材43、44が立設された位置の内側に、支柱24Aが回転軸47を中心に回転して起立される際に延長部材28の凸部28cが進入する直線凹部41a、41a(点線で示している)が形成されている。なお、図に示す実施形態では、延長部材28が、支柱24Aとは別の部材として配設されているが、本発明はこれに限定されず、支柱24Aと一体的に形成されたものであってもよい。
【0024】
図に示すように、本実施形態の安全柵20を構成する支柱24Aの側面には、安全柵20がフロアプレート2に対して折り畳まれた状態で支柱24Aをロック(固定)するための第一ロック機構80が配設されている。第一ロック機構80は、支柱24Aの長手方向に沿って配設された略L字形状の支持プレート81と、支柱24Aの下端側に形成された第二ガイドプレート25と、支持プレート81と第二ガイドプレート25とにより支持される固定ロッド82と、固定ロッド82を支持プレート81に対して付勢するコイルスプリング83と、を備えている。固定ロッド82は、先端82bが支持プレート81の端部に形成された貫通孔81aに挿通され、下端82cが第二ガイドプレート25に形成された貫通孔25aに挿通されて保持されており、支柱24Aの長手方向に移動可能である。固定ロッド82の中腹部には、支持プレート81の長手方向に沿って形成された長孔81bを介して固定ロッド82に対して垂直に固定された操作レバー82aが配設されている。長孔81bの端部には、長孔81bと直角をなす折れ曲がり部81cが形成されており、長孔81bと折れ曲がり部81cとでL字形状が形成されている。コイルスプリング83は、固定ロッド82が内部に挿通され、支持プレート81と、操作レバー82aとの間で支持されている。操作レバー82aを掴み、長孔81aに沿って移動させることで固定ロッド82をスプリング83に抗って移動させることができる。また、折れ曲がり部81cに沿って操作レバー82aを操作して固定ロッド82を回転させることで、固定ロッド82の移動を規制することができる。
【0025】
図2(a)に示すように、支持基台40に安全柵20の支柱24Aを組付け、安全柵20を折り畳んだ状態で、第一ロック機構80の固定ロッド82の下端82cを第一ガイドプレート46の挿入孔46aに挿入することで、支柱24Aが起立状態へと移動することが規制されたロック状態とされる。なお、本実施形態では、固定ロッド82の下端82cを連結部材45の孔45aにも挿入していることから、該ロック状態がより確実に維持される。
【0026】
安全柵20の支柱24Aと支持基台40との支持構造は、概ね上記したとおりであり、安全柵20の他方の支柱24Bと支持基台50との支持構造、安全柵30の支柱34Aと支持基台60との支持構造、及び安全柵30の支柱34Bと支持基台70との支持構造も、上記した支柱24Aと支持基台40との支持構造と同様であり、詳細な説明については、省略する。
【0027】
図1、
図2に加えて、
図3~
図7を参照しながら、安全柵20の支柱24Aの姿勢を折り畳み状態と起立状態との間で変化させる際の動作について説明する。なお、
図3(a)~
図7(a)は、
図2(a)と同一の視点からみた斜視図であり、
図3(b)~
図7(b)は、支柱24Aと支持基台40の支持構造を側方からみた側面図であるが、
図3(b)~
図7(b)においては、両者の位置関係を説明するために適宜内側の構造を点線で示している。なお、安全柵20、30の姿勢を折り畳み状態と起立状態との間で変化させる場合は、上記したように、必ずフロアプレート2を地上まで降下させた状態で実施する。
【0028】
フロアプレート2が車両100の後方において開かれる際には、安全柵20はフロアプレート2に対して折り畳まれており(
図1(a)を参照)、
図2(a)に基づいて説明したように、第一ロック機構80の固定ロッド82が、第一ガイドプレート46の挿入孔46aと、連結部材45の孔45aとに挿入されたロック状態とされている。このようにロック状態とされていることにより、走行時に安全柵20が開いたりガタついて箱型荷台110の後端部120を構成する開閉扉に衝突して破壊したり、騒音が発生したりすることを防止する。なお、安全柵20が折り畳まれた状態では、荷役作業を実施することはできず、起立状態とする必要がある。
【0029】
この状態から、安全柵20をフロアプレート2の荷受け面4に対して起立状態とする場合は、
図3(a)に矢印R2で示すように、支柱24Aに配設された第一ロック機構80の操作レバー82aを、長孔81b、折れ曲がり部81cに沿って操作して、固定ロッド82を移動して固定する。これにより、固定ロッド82の下端82cが、連結部材45の孔45aと、第一ガイドプレート46の挿入孔46aとから抜けて、第一ロック機構80によるロック状態が解除される。
【0030】
ここで、
図3(b)を参照しながら、回転軸支持部材43に形成された長孔43aについて、さらに詳細に説明する。長孔43aは、第一直線部431と、第一直線部431に接続されたコーナー部432と、コーナー部432に接続され支柱24Aを折り畳む方向で延長された延長部として機能する第二直線部433とを備えている。支柱24Aが折り畳まれた状態で回転軸47が位置付けられるのが、第二直線部433の折り畳み側端部433aである。第一直線部431のうち、支柱24Aが起立状態とされて支持基台40に対して固定される際に回転軸47が位置付けられる位置(追って詳述する)は、固定側端部431aである。なお、回転軸支持部材44の長孔44aも同様に形成されている(説明は省略する)。
【0031】
支柱24Aの回転軸47が長孔43aの折り畳み側端部433aに位置付けられている状態から、作業者は、安全柵20の手摺部22を掴み、
図4(a)に矢印R3で示す方向に起こす。このとき、支柱24Aは、
図4(b)に示すように、回転軸47が折り畳み側端部433aに位置付けられた状態で、延長部材28に形成された円弧状の曲線部28bがプレート部材41の表面を滑りながら回転して延長部材28の凸部28cが、プレート部材41の直線凹部41aに進入して、支柱24Aが90度回転したところで、直線凹部41aの端部に当接し、それ以上折り畳み方向とは反対側に倒れることが規制された状態とされる。
【0032】
次いで、安全柵20の支柱24Aを、
図5(a)に矢印R4で示す方向(上方)に引き上げて、
図5(b)に示すように、回転軸47を、長孔43aの第二直線部433の折り畳み側端部433aから離反させて第二直線部433とコーナー部432との接続部まで移動させる。このとき、延長部材28の凸部28cもプレート部材41の直線凹部41aから離反させられる。
【0033】
次いで、
図6(a)に示すように、支柱24Aを矢印R5で示す方向、すなわち、フロアプレート2の右方端縁部10側に移動させ、
図6(b)に示すように、支柱24Aの回転軸47を長孔43aのコーナー部432と第一直線部431との接続部に移動させる。これにより、延長部材28の固定用当接部28dが、連結部材45の固定用被当接部45bに当接する。
【0034】
図6(b)から理解されるように、回転軸支持部材43に形成された長孔43aの第一直線部431は、連結部材45の表面を構成する固定用被当接部45bと平行に形成されている。この状態で、
図7(a)に示す矢印R6で示す方向に支柱24Aを移動させて
図7(b)に示す状態とする。なお、
図7(b)は、説明の都合上、回転軸支持部材43の図中右側下方の一部を切り欠いた状態で示し、プレート部材41の一部を断面で示している。この
図7(b)から理解されるように、延長部材28の固定用当接部28dと連結部材45の固定用被当接部45bとをスライドさせながら支柱24Aを降下させることにより、回転軸47が第一直線部431の固定側端部431aに位置付けられ、支柱24Aが支持基台40に対して起立した状態、すなわち、安全柵20が、フロアプレート2に対して起立した状態となる。なお、連結部材45には、
図3(a)から理解されるように上端の中央に凹部45cが形成されており、支柱24Aを
図7(b)のように起立状態とした場合、固定ロッド82の先端が、この凹部45cに収容される。
【0035】
ここで、
図7に示す状態では、回転軸47が矢印Yで示す方向に移動することが規制されている。さらに、回転軸47を基準に考えると、回転軸47よりも下端側の固定用当接部28dが連結部材45の固定用被当接部45bに当接していることから、矢印R7で示す方向に回転すること、すなわち、支柱24Aがフロアプレート2の内側に倒れることが規制される。これに加えて、延長部材28の下方側の先端に形成された凸部28cが、直線凹部41aに進入する構造となっていることから、固定用当接部28dをより長く設定することが可能となっており、凸部28c側の固定用当接部28dが直線凹部41aの端部に位置付けられて、支柱24Aがフロアプレート2の内側に倒れることがより確実に防止される。さらにいえば、本実施形態では、延長部材28において回転軸47よりも上方側の平坦面も、連結部材45の固定用被当接部45bに当接しており、矢印R8で示す方向に回転すること、すなわち、フロアプレート2の外側に安全柵20が倒れることもより確実に規制される。このように、安全柵20を構成する支柱24Aの回転軸47が、長孔43aの固定側端部431aに位置付けられることで、安全柵20が起立状態で固定される。なお、本実施形態においては、長孔43aを形成する第一直線部431と、第二直線部433とは、略平行になるように形成したが、本発明はこれに限定されず、第二直線部433が、第一直線部433と平行でなく角度を有していてもよい。また、長孔43aのコーナー部432に接続される延長部を、上記第二直線部433とせずに、曲線によって形成することも可能である。
【0036】
支柱24Aを起立状態で固定された状態から、支柱24Aを折り畳み状態とする場合は、上記した動作と逆の動作を実施する。より具体的には、安全柵20を掴み上方に引き上げ、支柱24Aの回転軸47を第一直線部431の固定側端部431aから離反させて、第一直線部431を経てコーナー部432に沿って回転軸47を移動させることにより、支柱24Aの延長部材28の固定用当接部28dが連結部材45の固定用被当接部45bから離反させられ、支柱24Aが折り畳み方向に回転することが許容される状態となる。回転軸47がコーナー部432と第二直線部433との接続部に移動させられたならば(
図5(b)に示す状態)、回転軸47を降下させて第二直線部433の端部である折り畳み側端部433aに移動させる。その後、支柱24Aをフロアプレート2に対して倒して折り畳み状態とし、第一ロック機構80の固定ロッド82を第一ガイドプレート46側に移動して挿入孔46aに挿入し支柱24Aを固定する。
【0037】
本実施形態に示した起立部材である安全柵20を支持基台40に支持する支持構造によれば、安全柵20の姿勢を折り畳み状態と起立状態との間で変化させることができるシンプルで堅牢な支持構造が提供され、また、安全柵等の起立部材が配設されていない既存の構造にも容易に設置することができる支持構造が実現される。
【0038】
上記したように、安全柵20は、合金鋼等から構成された重量物であることから、本実施形態では、起立状態で固定された支柱24Aの回転軸47が、長孔43aの固定側端部431aから意図せず離反し、安全柵20が倒れる可能性は低いと考えられる。しかし、より安全性を高めるために、支柱24Aの回転軸47が長孔43aの第一直線部431の固定側端部431aから意図せず離反しないように固定するロック機構を配設してもよい。
図8を参照しながら該ロック機構の一例である第二ロック機構90について説明する。なお、
図8は、上記した支柱24Aと支持基台40との支持構造を、フロアプレート2の右方外側斜め後方から見た斜視図である。
【0039】
図8に示す第二ロック機構90は、支柱24Aの回転軸47が長孔43aの固定側端部431aから意図せず離反することを防止すべく回転軸47に締結された締結ネジ47aを固定する機構である。
【0040】
図8(a)に示すように、第二ロック機構90は、支持基台40のプレート部材41にL字型板部材91を介して固定されている。L字型板部材91上には、図中L1で示す軸を有する軸受93を中心に回動するロックプレート92が支持されている。ロックプレート92は、ロックプレート92の姿勢を操作するための平坦部92aと、平坦部92aに対して略90度の角度をなす係合部92bとを備えている。係合部92bには、支柱24Aの回転軸47に締結された締結ネジ47aが係合される段差部92cが形成されている。係合部92bの上方端部は、回転軸支持部材43から離反する方向に折り曲げられている。ロックプレート92は、スプリング(図示は省略する)によって、回転軸支持部材43側に常時付勢されている。
【0041】
さらに、第二ロック機構90は、フットレバー96を備えている。図に示すように、フットレバー96の端部96aは、回動部材95に固定されている。回動部材95は、上記した上記した軸受93の軸L1に対して直交する軸L2を中心として回動する軸受94によって支持されている。回動部材95は、図示しないスプリングによって開く方向に付勢され、ストッパ91aによってその位置が規制されている。フットレバー96の端部96aは、ロックプレート92の平坦部92a上に位置付けられている。第二ロック機構90は、概ね上記したとおりの構成を備えており、その機能について以下に説明する。
【0042】
図8(a)は、
図6(a)に示す状態に対応しており、支柱24Aの回転軸47が長孔43aのコーナー部432と第一直線部431との接続部に移動させられた状態である。支柱24Aの回転軸47を長孔43aにおける固定側端部431aに移動させるべく、支柱24Aを矢印R9で示す方向に下降させる。上記したように、ロックプレート92の係合部92bは、回転軸支持部材43側に付勢されているが、係合部92bの上方端部が回転軸支持部材43から離反する方向に折り曲げられていることから、回転軸47の締結ネジ47aが係合部92bの上方端部に当たり、係合部92bを押しのけて固定側端部431aまで下降することができる。そして、
図8(b)に示すように、締結ネジ47aがロックプレート92の係合部92bの段差部92cに係合されて回転軸47の上昇が規制されてロックされた状態となる。これにより、支柱24Aの回転軸47が、長孔43aの固定側端部431aから意図しない状況で離反して、安全柵20が上昇して倒れてしまうことがより確実に防止される。
【0043】
図8(b)に示すように、支柱24Aの回転軸47の締結ネジ47aが係合部92bによってロックされた状態、すなわち、安全柵20が起立状態でロックされた状態から、折り畳み状態に変化させる場合は、
図8(c)に示すように、作業者の足Fでフットレバー96を踏み込む。これにより、フットレバー96の端部96aによってロックプレート92の平坦部92aが押し込まれ、ロックプレート92の係合部92bが、軸受93を中心に矢印R10で示す方向に回動して、係合部92bの段差部92cと回転軸47の締結ネジ47aとの係合が解かれる。なお、本実施形態では図示を省略しているが、安全柵20を構成するもう一方の支柱24Bを支持する支持基台50にも全く同じ構造の第二ロック機構90が配設されており、フットレバー96の端部96aと反対側の端部が支持基台50に配設された第二ロック機構90のロックプレート92を回動させる。よって、上記したようにフットレバー96を足で操作することにより、支柱24Aを支持する支持基台40に配設された第二ロック機構90と同時に、支柱24Bを支持する支持基台50側の第二ロック機構90のロック状態も解除することができ、安全柵20を矢印R11で示す方向に上昇させることができる。そして、回転軸47を長孔43aに沿って移動させることにより、安全柵20をフロアプレート2に対して折り畳むことができる位置まで移動させることができる。そして、安全柵20をフロアプレート2に対して折り畳み状態としたならば、上記した第一ロック機構80を操作して、折り畳み状態で固定する。なお、安全柵30に対しても同様の第二ロック機構90を配設して同様の動作をさせることができる(詳細な説明は省略する)。
【0044】
本実施形態の安全柵20、30は、高さ調整機能を備えている。
図9を参照しながら、該高さ調整機能について説明する。
【0045】
図9(a)に、安全柵20の全体側面図を示す。なお、
図9では、上記した第一ロック機構80の記載は省略している。安全柵20は、上記したように、手摺部22と、一対の支柱24A、24Bと、支柱24Aと支柱24Bとを連結する2本の枠部材26A、26Bとを備え、手摺部22は、支柱24A、24Bに挿入され手摺部22の高さを調整するための調整部材22a、22bを備えている。
図9(b)に示すように、調整部材22aには、固定用の雌ネジ部を構成するナット221が溶接等により所定間隔で複数配設され、支柱24A側には、ボルト221の間隔に対応した2つの孔241、241が形成されている。調整部材22b、支柱24Bにも同様の構成が形成されている。安全柵20の手摺部22の高さを調整する場合は、
図9(c)に示すように手摺部22を矢印R12に示す方向に引き出して所望の高さとして、締結ボルトBによって調整部材22a、22bを支柱24A、24Bに固定する。
【0046】
本実施形態においては、安全柵20、30に対して磁石を配設し、フロアプレート2に強磁性体4a、4aを配設している。より具体的には、
図1(a)、
図1(b)に示すように、安全柵20の枠部材26Aの中央に磁石26Cを、安全柵30の枠部材36Aの中央に磁石36Cを配設し、且つ、安全柵20、30を折り畳み状態とした際に、磁石26C、磁石36Cと当接するフロアプレート2の所定位置に強磁性体(例えば鉄、コバルト、ニッケル、又はそれらの合金)を配設している。これにより、安全柵20、30を折り畳み状態とすると、強磁性体4a、4aが、磁石26C、36Cに吸着され、折り畳み状態における安全柵20、30のガタツキを防止することができる。なお、安全柵20、30が軽量である場合は、上記した第一ロック機構80を廃し、当該磁石26C、36Cと、強磁性体4a、4aを設置することで、安全柵20、30を折り畳み状態で固定するようにしてもよい。また、磁石26C、36Cをフロアプレート2上に配設し、安全柵20側に強磁性体4a、4aを配設してもよい。
【0047】
上記した実施形態では、本発明の起立部材の支持構造を、車両の後端に配設されたテールゲートを構成するフロアプレートに設置される安全柵に適用した例を示したが、本発明はこれに限定されない。本発明の起立部材の支持構造は、例えば、折り畳み式のテーブルの脚の支持構造や、台車の折り畳み式ハンドルの支持構造にも適用することも可能である。
【符号の説明】
【0048】
2:フロアプレート
4:荷受け面
6:前方端縁部
8:後方端縁部
10:右方端縁部
12:左方端縁部
20:安全柵
22:手摺部
22a、22b:調整部材
24A、24B:支柱
25:第二ガイドプレート
25a:貫通孔
26A、26B:枠部材
26C:磁石
28:延長部材
28a:孔
28b:曲線部
28c:凸部
28d:固定用当接部
30:安全柵
32a、32b:調整部材
34A、34B:支柱
36A、36B:枠部材
36C:磁石
40、50、60、70:支持基台
41:プレート部材
41a:直線凹部
43、44:回転軸支持部材
43a、44a:長孔
431:第一直線部
431a:固定側端部
432:コーナー部
433:第二直線部(延長部)
433a:折り畳み側端部
45:連結部材
45a:孔
45b:固定用被当接部
45c:凹部
46:第一ガイドプレート
46a:挿入孔
47:回転軸
47a:締結ネジ
80:第一ロック機構
81:支持プレート
81a:貫通孔
81b:長孔
81c:折れ曲がり部
82:固定ロッド
82a:操作レバー
82b:先端
82c:下端
83:コイルスプリング
90:第二ロック機構
91:L字型板部材
92:ロックプレート
92a:平坦部
92b:係合部
92c:段差部
93:軸受
94:軸受
95:回動部材
96:フットレバー
100:車両(トラック)
110:箱型荷台
120:後端部