(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-08
(45)【発行日】2023-09-19
(54)【発明の名称】表面仕上げ材のひび割れの補修方法
(51)【国際特許分類】
E04G 23/02 20060101AFI20230911BHJP
【FI】
E04G23/02 B
(21)【出願番号】P 2018219457
(22)【出願日】2018-11-22
【審査請求日】2021-10-18
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000000549
【氏名又は名称】株式会社大林組
(73)【特許権者】
【識別番号】591122886
【氏名又は名称】デュポン・エムシーシー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】弁理士法人一色国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小川 晴果
(72)【発明者】
【氏名】三谷 一房
(72)【発明者】
【氏名】水上 卓也
(72)【発明者】
【氏名】坂田 尚子
(72)【発明者】
【氏名】松永 成雄
(72)【発明者】
【氏名】柴崎 正明
(72)【発明者】
【氏名】谷内 克治
【審査官】荒井 隆一
(56)【参考文献】
【文献】特開昭63-071312(JP,A)
【文献】特開昭62-012648(JP,A)
【文献】国際公開第96/013469(WO,A1)
【文献】特開2014-020148(JP,A)
【文献】特開2015-040403(JP,A)
【文献】特開2001-123669(JP,A)
【文献】特開2007-245400(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04G 23/00-23/08
E04F 15/00-15/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
合成樹脂製の表面仕上げ材を用いた仕上げ構造の前記表面仕上げ材に発生したひび割れを補修する表面仕上げ材のひび割れの補修方法であって、
前記仕上げ構造は、床、壁、柱、梁、天井、及び、階段の仕上げ構造であり、
前記ひび割れを切削し、前記表面仕上げ材の厚み以下の深さを有する補修溝を形成する切削工程と、
前記補修溝内に前記表面仕上げ材と同一材料でなる合成樹脂材料
のみであって同色をなす補修材を、前記表面仕上げ材の表面より盛り上げて充填する充填工程と、
充填した前記補修材が硬化した後に前記表面仕上げ材の前記表面を平坦に研磨する研磨工程と、
を有することを特徴とする表面仕上げ材のひび割れの補修方法。
【請求項2】
請求項1に記載の表面仕上げ材のひび割れの補修方法であって、
前記補修溝の深さは、前記表面仕上げ材の厚み未満であることを特徴する表面仕上げ材のひび割れの補修方法。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の表面仕上げ材のひび割れの補修方法であって、
前記補修溝は、前記表面仕上げ材の前記表面側の幅が底部側の幅より広いことを特徴とする表面仕上げ材のひび割れの補修方法。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の表面仕上げ材のひび割れの補修方法であって、
前記補修溝は、リューターにより成形されることを特徴とする表面仕上げ材のひび割れの補修方法。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の表面仕上げ材のひび割れの補修方法であって、
前記切削工程後に、前記補修溝内を清掃することを特徴とする表面仕上げ材のひび割れの補修方法。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の表面仕上げ材のひび割れの補修方法であって、
前記仕上げ構造は床面をなしていることを特徴とする表面仕上げ材のひび割れの補修方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表面仕上げ材のひび割れの補修方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から表面仕上げ材としてタイルを用い、複数のタイルを、互いに適宜間隔を隔てて並べ、隣接するタイル間に目地を形成した床が知られている(例えば、特許文献1参照)。このような床のタイルにひび割れが発生した場合には、ひび割れたタイルを周囲の目地と共に斫り取り、露出した下地を均した後に新たなタイルを貼り付け、タイルの周りに目地を形成して補修している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような床等の広い面に用いるタイルはサイズが大きく、タイルのひび割れの補修は、ひび割れたタイルを剥がす工程、下地を均す工程、新たなタイルを貼る工程、目地を形成する工程等いずれの工程にも手間が掛かり作業が煩雑である。また、タイルを斫り取る作業は、粉じんの発生や騒音を伴うので、周囲を囲う等の養生を施さなければならない。このため、さらに手間が掛かる。また、周囲に施す養生や新たなタイル等の材料費、斫り取ったタイルの処分費用等、多大な費用が発生する。
さらに、タイルを貼り付けた場所は、モルタルや接着剤などの張付け材が硬化するまでの間使用することができず、補修場所が通路の床の場合には長時間に亘って通行を制限しなければならない。また、一度ひび割れを補修した場所であっても再びひび割れが発生する虞があり、ひび割れが発生した場合にはその都度、多大な手間と時間及び費用をかけて補修を繰り返す必要があるという課題がある。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、簡単な作業により短時間で安価に補修することができる表面仕上げ材のひび割れの補修方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる目的を達成するために本発明の表面仕上げ材のひび割れの補修方法は、
合成樹脂製の表面仕上げ材を用いた仕上げ構造の前記表面仕上げ材に発生したひび割れを補修する表面仕上げ材のひび割れの補修方法であって、
前記仕上げ構造は、床、壁、柱、梁、天井、及び、階段の仕上げ構造であり、
前記ひび割れを切削し、前記表面仕上げ材の厚み以下の深さを有する補修溝を形成する切削工程と、
前記補修溝内に前記表面仕上げ材と同一材料でなる合成樹脂材料のみであって同色をなす補修材を、前記表面仕上げ材の表面より盛り上げて充填する充填工程と、
充填した前記補修材が硬化した後に前記表面仕上げ材の前記表面を平坦に研磨する研磨工程と、
を有することを特徴とする表面仕上げ材のひび割れの補修方法である。
【0007】
このような表面仕上げ材のひび割れの補修方法によれば、ひび割れた表面仕上げ材を斫り取らないので、粉じんや騒音が発生するような手間が掛かる作業を行わず、また、現場を囲うような養生等も必要としない。このため、より短時間で作業を終了することが可能である。
【0008】
また、補修材を充填する補修溝は、ひび割れを切削して形成するので、補修溝の幅はひび割れの幅よりも広い。このため、補修材を容易に且つ確実に充填することが可能である。このとき、補修溝の深さは、表面仕上げ材の厚み以下なので、コンクリートなどの下地は切削しない。このため、切削作業が容易であるとともに、合成樹脂を切削するための小型の工具だけで切削することが可能である。
【0009】
また、補修の作業は、ひび割れを切削して形成した補修溝内に補修材を充填し、補修材が硬化した後に表面仕上げ材の表面を平坦に研磨するだけなので、作業が簡単であり短時間で仕上げることが可能である。また、補修に使用する補修材は表面仕上げ材の表面より盛り上げて充填する量だけであり、周囲の養生は行わず、不要となったタイルの処分費用等も発生しないので補修費用を抑えることが可能である。さらに、表面仕上げ材が合成樹脂製であり、補修には同一材料でなる補修材を充填するので、補修箇所が目立たず、綺麗に仕上げることが可能である。
【0010】
かかる表面仕上げ材のひび割れの補修方法であって、前記補修溝の深さは、前記表面仕上げ材の厚み未満であることを特徴する。
このような表面仕上げ材のひび割れの補修方法によれば、補修溝の深さは、表面仕上げ材の厚み未満なので、形成された補修溝の下には既存の表面仕上げ材の部位が残存している。このため、表面仕上げ材を切削する際に、工具の刃がコンクリートなどの下地に接触することを確実に防止することが可能である。このため、工具の刃を損傷することなく表面仕上げ材に補修溝を形成することが可能である。
【0011】
かかる表面仕上げ材のひび割れの補修方法であって、
前記補修溝は、前記表面仕上げ材の表面側の幅が底部側の幅より広いことを特徴とする。
このような表面仕上げ材のひび割れの補修方法によれば、補修溝は、表面側の幅が底部側の幅より広いので、補修材を補修溝に充填しやすく、また、より深くまで補修材を充填することが可能である。
【0012】
かかる表面仕上げ材のひび割れの補修方法であって、
前記補修溝は、リューターにより成形されることを特徴とする。
このような表面仕上げ材のひび割れの補修方法によれば、適宜な形状のリューターの刃をなす先端工具を用いて、所望の形状の補修溝を容易に形成することが可能である。
【0013】
かかる表面仕上げ材のひび割れの補修方法であって、
前記切削工程後に、前記補修溝内を清掃することを特徴とする。
【0014】
このような表面仕上げ材のひび割れの補修方法によれば、切削工程後に補修溝内を清掃するので、補修溝内に切削屑が残存しない。このため、より多くの補修材を充填することが可能であり、充填した補修材を既存の表面仕上げ材の部位とより確実に一体化することが可能である。
【0015】
かかる表面仕上げ材のひび割れの補修方法であって、
前記仕上げ構造は床面をなしていることを特徴とする。
【0016】
このような表面仕上げ材のひび割れの補修方法によれば、補修材の硬化に要する時間が、モルタル等の硬化に要する時間より短いので、従来の補修よりも短時間で作業を終了し、仕上げ構造がなす床面を補修作業終了直後から使用することが可能である。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、簡単な作業により短時間で安価に補修することができる表面仕上げ材のひび割れの補修方法を提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本実施形態に係る表面仕上げ材のひび割れの補修方法により補修される仕上げ構造の一例をなす床を示す図である。
【
図2】本実施形態に係る表面仕上げ材のひび割れの補修方法の手順を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の表面仕上げ材のひび割れの補修方法を、図を用いて説明する。
本実施形態においては、例えば、パネル状をなす合成樹脂製の表面仕上げ材としての樹脂パネルが複数並べられて形成された仕上げ構造としての床において、樹脂パネルに発生したひび割れを、本発明の表面仕上げ材のひび割れの補修方法により補修する例について説明する。
【0020】
本実施形態において補修の対象となる床1は、例えば、
図1に示すように、複数の樹脂パネル2が、互いに所定の間隔を隔てて縦横に並べられ、互いに隣り合う樹脂パネル2の間にシーリング材が充填されて目地3が形成されている。樹脂パネル2は、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂などからなり、例えば厚みが約6~12mmであり、一辺の長さが300mm以上の大きさをなしている。各樹脂パネル2は、
図2(a)に示すように、コンクリートの下地4上に、モルタルや有機系接着剤でなる接着層5を介して張り付けられている。樹脂パネル2の例としては、例えばデュポン・MCC株式会社製のコーリアン(登録商標)が挙げられる。コーリアン(登録商標)の物理特性を表1に示す。
【0021】
【0022】
本発明の表面仕上げ材のひび割れの補修方法は、
図2(b)に示すように、床1の樹脂パネル2に発生したひび割れ2aに対し、まず、ひび割れ2aを切削し、ひび割れの内面2b側の汚れ等を落とすとともに、所定の幅を確保する(切削工程S1)。このとき、例えば、V溝用の先端工具が装着され携帯可能な樹脂加工用のリューター等を用いて、ひび割れに沿うようなV字状の溝(以下、V溝という)6を形成することにより、ひび割れ2aを切削する。ここで、V溝6が、切削工程S1により形成される補修溝に相当する。先端工具としては、ダイヤモンドやカーボン等により形成されており、円錐型、円筒型、丸形、台形型などの形状をなす刃や砥石であり、形成する補修溝の形状に基づいて適宜な形状の先端工具を用いて補修溝を形成する。
【0023】
図2(c)に示すように、形成されたV溝6は、樹脂パネル2の厚みtより浅い深さDに形成されている。すなわち、形成されたV溝6の底部6aには、少なくともモルタルや接着剤などの接着層5が露出しない程度に既存の樹脂パネル2が残存している。また、V溝6は、底部6aの幅W1が1~3mm、樹脂パネル2の表面2cにおけるV溝6の幅W2が2~5mmに形成されており、表面側に向かって幅が広がっている。
次に、バキュームやブロワー等により切削屑等を除去するなど、形成したV溝6内を清掃する。
【0024】
次に、既存の樹脂パネル2の材料と同一の合成樹脂材料であって同色をなす補修材7をV溝6内に充填する(充填工程S2)。このとき、
図2(d)に示すように、充填した補修材7がV溝6を埋めるとともに、樹脂パネル2の表面2cよりも盛り上がるように充填する。
【0025】
最後に、充填した補修材7が硬化した後に、盛り上がっている補修材7と樹脂パネル2の表面2cを研磨して、
図2(e)に示すように樹脂パネル2の表面2cを平坦にする(研磨工程S3)。このとき、研磨工程S3は、目の粗さが互いに異なる複数種類のやすり等により、順次目が細かくなるように段階的に研磨することが望ましい。
【0026】
例えば、最初に目が粗いやすりにより研磨して、補修材7の盛り上がり部分を削除し、次に、最初のやすりより目が細かなやすりにより表面2cを均す。最後に2番目のやすりより目が細かなやすりや例えばスリーエムカンパニー製スコッチブライト(登録商標)等により表面2cを研磨して補修部分と既存の床面とを馴染ませて補修が完了する。このとき、ひび割れ2aが目地3に達している場合、或いは、切削工程S1などにより目地3を損傷した場合には、シーリング材を打ち直して目地3を補修する。
【0027】
本実施形態の樹脂パネル2のひび割れ2aの補修方法によれば、ひび割れた樹脂パネル2を樹脂パネル2単位で斫り取らないので、粉じんや騒音が発生するような手間が掛かる作業を行わず、また、現場を囲うような養生等も必要としない。このため、短時間で作業を終了することが可能である。
【0028】
また、V溝6はひび割れ2aを切削して形成するので、V溝6の幅はひび割れの幅よりも広い。このため、ひび割れ2aに補修材7を直接充填する場合よりも容易に且つ確実に充填することが可能である。特に形成した補修溝6は、表面2c側に向かって幅が広くなるV溝6なので、補修材7の充填がより容易である。このとき、V溝6の幅、及び、補修材7の粘度は、補修材7が流入しやすく、且つ、残留して盛り上がりやすいように適宜設定されることが望ましい。例えば、補修材7の粘度は、500-100000mPa・sであり、好ましくは500-40000mPa・s、より好ましくは1000-40000mPa・sであり、より具体的なイメージは、カップに入れた補修材が、カップを逆さまにしても零れない程度の粘度を有している。
【0029】
また、補修の作業は、ひび割れ2aを切削して形成したV溝6内に補修材7を充填し、補修材7が硬化した後に樹脂パネル2の表面2c側を平坦に研磨するだけなので、作業が簡単であり短時間で仕上げることが可能である。また、補修に使用する補修材7は樹脂パネル2の表面2cより盛り上げて充填する量だけであり、周囲の養生は行わず、不要となったタイルの処分費用等も発生しないので補修の費用を抑えることが可能である。さらに、樹脂パネル2は合成樹脂製であり、補修には同色で同一材料の補修材7を充填するので、補修箇所が目立たず、綺麗に仕上げることが可能である。
【0030】
また、表面2cを仕上げた後には、モルタル等により接着されたタイルのような養生を必要としない。このため、補修した床1を補修作業終了直後から使用することが可能である。このとき、補修材7の硬化に要する時間は、モルタル等の硬化に要する時間より短いので、従来の補修よりも短時間で作業を終了することが可能である。
【0031】
また、V溝6の深さDは、樹脂パネル2の厚みtより浅いので、形成されたV溝6の下に既存の樹脂パネル2の部位が残存している。すなわち、切削するのは合成樹脂だけなので、切削作業が容易であるとともに、合成樹脂を切削するための小型の工具だけで切削することが可能である。また、樹脂パネル2を切削する際に、工具の刃としての先端工具がコンクリートなどの下地4に接触しない。このため、先端工具を損傷することなく樹脂パネル2にV溝6を形成することが可能である。また、先端工具が下地4に接触しないように慎重に進める必要はないので、より早く切削作業を進めることが可能である。
【0032】
また、V溝6は、リューターにより成形するので、適宜な形状の先端工具を用いて、容易にV溝6を形成することが可能である。
【0033】
また、切削工程S1後にV溝6内を清掃するので、V溝6内に切削屑が残存することはない。このため、より多くの補修材7をV溝6内に充填することが可能であり、充填した補修材7を既存の樹脂パネル2の部位と、より確実に一体化することが可能である。
【0034】
上記実施形態においては、V溝6の深さDを、樹脂パネル2の厚みtより浅く形成した例について説明したが、V溝6の深さは、樹脂パネル2の厚みtと同じであっても構わない。また、既存の樹脂パネル2が樹脂系の接着剤により接着されていた場合には、V溝6が接着層に至っても構わない。
【0035】
また、上記実施形態においては、切削工程S1においてひび割れ2aを切削してV溝6を形成した例について説明したが、溝は必ずしもV字状でなくとも構わない。例えば、U字状であっても、またその他の形状であっても、補修材7を充填し易く、且つ、溝内に残留して盛り上がり易い形状であれば構わない。また、適宜な形状のリューターの先端工具を用いて、所望の形状の補修溝を容易に形成することが可能である。
【0036】
また、上記実施形態においては、樹脂パネル2が複数並べられて形成されている床1を例に挙げて説明したが、これに限らず、床、壁、柱、梁、天井、階段、及び、それらに付属する部位、例えば手摺りなど、樹脂パネルが用いられている箇所であれば構わない。
【0037】
以上、上記実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることはいうまでもない。
【符号の説明】
【0038】
1 床、2 樹脂パネル(表面仕上げ材)、2a ひび割れ、
2c 樹脂パネルの表面、3 目地、6 V溝(補修溝)、6a V溝の底部、
7 補修材、S1 切削工程、S2 充填工程、S3 研磨工程、
W1 V溝の底部の幅、W2 表面側のV溝の幅、