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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-08
(45)【発行日】2023-09-19
(54)【発明の名称】自動壁紙糊付機
(51)【国際特許分類】
   B44C 7/04 20060101AFI20230911BHJP
【FI】
B44C7/04
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2018247447
(22)【出願日】2018-12-28
(65)【公開番号】P2020104468
(43)【公開日】2020-07-09
【審査請求日】2021-12-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000163121
【氏名又は名称】極東産機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085291
【弁理士】
【氏名又は名称】鳥巣 実
(74)【代理人】
【識別番号】100117798
【弁理士】
【氏名又は名称】中嶋 慎一
(74)【代理人】
【識別番号】100166899
【弁理士】
【氏名又は名称】鳥巣 慶太
(74)【代理人】
【識別番号】100221006
【弁理士】
【氏名又は名称】金澤 一磨
(74)【代理人】
【識別番号】100103218
【弁理士】
【氏名又は名称】牧村 浩次
(72)【発明者】
【氏名】井口 泰彦
【審査官】黒石 孝志
(56)【参考文献】
【文献】特許第4947629(JP,B2)
【文献】特開2005-095372(JP,A)
【文献】実開平06-017528(JP,U)
【文献】実開昭57-93223(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B44C 7/04
A47B 3/00 - 3/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
壁紙の裏面に、糊を自動的に塗布するように構成した壁紙糊付機本体と、
前記壁紙糊付機本体に対して、開閉可能に軸支された脚部フレームと、
前記壁紙糊付機本体を支持する基台フレームと、を備え、
前記基台フレームが、前記壁紙糊付機本体を支持する略矩形状の水平支持フレームと、前記水平支持フレームに対して、開閉可能に軸支された脚部フレームと、を有し、
前記脚部フレームの水平支持フレームに対する開閉を制御する開閉制御装置をさらに備え、
前記開閉制御装置が、水平支持フレームと脚部フレームとの間に連結されたアーム部材と、前記アーム部材が、水平支持フレームと脚部フレームのいずれか一方に、その一方の連結端が回動可能に連結されるとともに、前記アーム部材の他方の端部が連結される開閉付勢機構と、を備え、
前記開閉付勢機構が、前記アーム部材の他方の端部を付勢して、前記脚部フレームを水平支持フレームに対して閉じる方向に付勢する付勢部材を備え、
前記付勢部材の付勢力が、脚部フレームがその自重によってゆっくりと閉脚状態から開脚状態となるように付勢されていることを特徴とする、自動壁紙糊付機。
【請求項2】
壁紙の裏面に、糊を自動的に塗布するように構成した壁紙糊付機本体と、
前記壁紙糊付機本体に対して、開閉可能に軸支された脚部フレームと、
前記壁紙糊付機本体を支持する基台フレームと、を備え、
前記基台フレームが、前記壁紙糊付機本体を支持する略矩形状の水平支持フレームと、前記水平支持フレームに対して、開閉可能に軸支された脚部フレームと、を有し、
前記脚部フレームの水平支持フレームに対する開閉を制御する開閉制御装置をさらに備え、
前記開閉制御装置が、
水平支持フレームと脚部フレームとの間に連結されたアーム部材と、
前記アーム部材が水平支持フレームと脚部フレームのいずれかに一方の端部が回動可能に連結されるとともに、前記アーム部材の他方の端部が連結される開閉付勢機構と、を有し、
前記開閉付勢機構が、
前記アーム部材の他方の端部が案内される軸方向案内部材と、
前記アーム部材の他方の端部が、前記軸方向案内部材に沿って、前記脚部フレームを水平支持フレームに対して閉じる方向に付勢する付勢部材と、を有し、
前記付勢部材の付勢力が、脚部フレームがその自重によってゆっくりと閉脚状態から開脚状態となるように付勢されていることを特徴とする、自動壁紙糊付機。
【請求項3】
前記開閉制御装置が、水平支持フレームの少なくとも1つの角部に設けられていることを特徴とする請求項1から2のいずれかに記載の自動壁紙糊付機。
【請求項4】
前記開閉制御装置が、水平支持フレームまたは脚部フレームのいずれか一方の内部に設けられていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の自動壁紙糊付機。
【請求項5】
前記開閉制御装置が、水平支持フレームまたは脚部フレームのいずれか一方の外部に設けられていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の自動壁紙糊付機。
【請求項6】
前記開閉制御装置の前記開閉付勢機構が、前記水平支持フレームの長手方向に沿って設けられ、
脚部フレームをロックするロック制御装置をさらに備え、
前記ロック制御装置は、
水平支持フレームと脚部フレームとの間に連結されたリンク機構と、
前記脚部フレームの長手方向に沿って設けられ、第2の付勢部材を内部に具備するシリンダー部材とを有する、請求項1または2に記載の自動壁紙糊付機。
【請求項7】
前記開閉制御装置の前記開閉付勢機構が、前記水平支持フレームの長手方向に沿って設けられ、前記付勢部材が前記軸方向案内部材の外側に配され、前記軸方向案内部材の内側に別の付勢部材が配され、前記付勢部材が別の付勢部材よりも付勢力が大きく構成され、これらの付勢部材によって、前記脚部フレームが閉じる方向に付勢されていて、
脚部フレームをロックするロック制御装置をさらに備え、
前記ロック制御装置は、
水平支持フレームと脚部フレームとの間に連結されたリンク機構と、
前記脚部フレームの長手方向に沿って設けられ、第2の付勢部材を内部に具備するシリンダー部材とを有する、請求項4に記載の自動壁紙糊付機。
【請求項8】
前記開閉制御装置の付勢力が、調整自在に構成されていることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の自動壁紙糊付機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、壁紙(クロス)の裏面に、例えば、天井、壁面に貼着するための糊を、自動的に塗布するめの自動壁紙糊付機であって、壁紙糊付機本体を支持する略矩形状の水平支持フレームと、水平支持フレームに対して、開閉可能に軸支された脚部フレームとを備えた自動壁紙糊付機において、運搬時、設置時において、不用意に水平支持フレームに対して、脚部フレームが開いた状態(開脚状態)となることのない自動壁紙糊付機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、内装の施工において、壁紙施工については、新築、リフォームなどの場合に、専門の内装施工業者が、施工現場に専用の自動壁紙糊付機を持ち込んで、自動壁紙糊付機を用いて壁紙の裏面に糊付けをして、施工する場合が多い。
【0003】
図17は、このような壁紙施工に使用される従来の自動壁紙糊付機200の斜視図である。
【0004】
従来の自動壁紙糊付機200は、図17に示したように、壁紙糊付機本体202を備えている。また、壁紙糊付機本体202は、上部が開放して糊付される壁紙の搬送を見ることができる状態の略箱体形状の本体フレーム204を備えている。
【0005】
さらに、本体フレーム204の下方には、基台フレーム201を備えており、この基台フレーム201は、図示しないが、壁紙糊付機本体202(本体フレーム204)を支持する略矩形状の水平支持フレームを備えている。
【0006】
そして、本体フレーム204の左右の側部の両端の下方には、図17の矢印Jで示したように、水平支持フレームに対して開閉可能に装着された一対の脚部フレーム206を備えている。
【0007】
なお、基台フレーム201と壁紙糊付機本体202(本体フレーム204)とは、運搬性を考慮して、図示しないが、例えば、いわゆる「パチン錠」などの締結部材によって、脱着自在な構成となっている。
【0008】
この本体フレーム204は、図17に示したように、上部フレーム208と、下部フレーム210とから構成されている。そして、上部フレーム208の上部には、左右方向に離間して配置された一対の把手208cを備えている。
【0009】
この把手208cを把持して操作することによって、後述するように、壁紙Gを壁紙糊付機本体202に配置したり、メンテナンスのために、下部フレーム210に対して、図示しないピボット軸を回動中心として、図17の矢印Iで示したように、開閉可能なように構成されている。
【0010】
なお、図示しないが、上部フレーム208と、下部フレーム210には、上部フレーム208を下部フレーム210に対して閉じた状態で固定するために、例えば、いわゆる「パチン錠」などの係止具が設けられている。
【0011】
また、上部フレーム208は、左右の側部を構成する、側板部208a、208bを備えている。
【0012】
一方、図17に示したように、脚部フレーム206の下端には、係止可能なローラー214が設けられており、これにより、自動壁紙糊付機200を所望の位置に移動、配置することが可能になっている。
【0013】
さらに、図17に示したように、下部フレーム210は、左右の側部を構成する、側板部210a、210bを備えている。この下部フレーム210の一方の側板部210aには、歯車連結機構などの駆動装置を内蔵するとともに、自動壁紙糊付機200を制御するための制御装置や駆動モーターが内蔵された駆動部216が設けられている。
【0014】
また、この駆動部216の下流側、すなわち、図17において手前側には、測定された壁紙の長さ(測長結果)を表示したり、駆動モーターを駆動制御したり、壁紙Gの種類などの情報を入力するための表示・操作パネル部218が設けられている。なお、この駆動部216は、下部フレーム210の一方の側板部210aに脱着自在に構成されているか、または、固着されている。
【0015】
さらに、図17に示したように、一対の脚部フレーム206には、壁紙Gが巻かれた壁紙原反ロール222を回転可能に、かつ、脱着自在に装着するための原反装着架台224が設けられている。
【0016】
そして、図示しないが、従来公知の壁紙糊付機本体202の糊付け機構によって、原反装着架台224の壁紙原反ロール222から送り出された壁紙壁紙Gは、自動壁紙糊付機200の壁紙糊付機本体202を通過することによって、壁紙Gの裏面GBに糊が塗布される。
【0017】
そして、必要に応じて、適宜、乾燥防止用フィルムB、カットテープCが、壁紙Gの裏面GBの糊付け面に貼着された壁紙Gが、手動または自動で、別途図示しない巻取り装置で巻き取られるようになっている。
【0018】
または、図17の点線で示したように、一対の脚部フレーム206の間に設けられた傾斜した略板形状の壁紙受け部220、または、そのまま床上において、図17において手前側の壁紙排出部219から排出された糊付けされた壁紙Gを受ける壁紙糊付機本体202の下方に手動で折り畳むように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0019】
【文献】特許第4947629号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
ところで、施工現場に専用の自動壁紙糊付機を持ち込んで、自動壁紙糊付機を用いて壁紙の裏面に糊付けをして施工する場合、施工現場への搬入時などには、図示しないが、例えば、いわゆる「パチン錠」などの締結部材による締結状態を解除して、基台フレーム201と壁紙糊付機本体202(本体フレーム204)とを別々に、トラックなどに積み込んで搬送している。
【0021】
この際、基台フレーム201は、図17の矢印Jで示したように、水平支持フレームに対して、一対の脚部フレーム206は閉じた状態(閉脚状態)にしている。
【0022】
そして、トラックなどから降ろして、施工現場まで搬送する際には、基台フレーム201は、図17の矢印Jで示したように、水平支持フレームに対して、一対の脚部フレーム206は開いた状態(開脚状態)にしている。
【0023】
そして、いわゆる「パチン錠」などの締結部材による締結状態にして、基台フレーム201上に、壁紙糊付機本体202(本体フレーム204)を固定して、自動壁紙糊付機200を組み立てている。
【0024】
この状態で、脚部フレーム206の下端に設けられた係止可能なローラー214を利用して、自動壁紙糊付機200を施工現場まで運搬している。
【0025】
ところで、この際には、水平支持フレームに対して、一対の脚部フレーム206を、開いた状態(開脚状態)、閉じた状態(閉脚状態)で、確実にロックできるように構成した壁紙糊付機が、特許文献1(特許第4947629号公報)に開示されている。
【0026】
この特許文献1の壁紙糊付機により、脚の開閉作業が容易で、かつ、脚を開脚状態および閉脚状態で、水平支持フレームに対して、脚部フレーム206を、それぞれ確実にロックできるようになっている。
【0027】
しかしながら、特許文献1の自動壁紙糊付機200では、水平支持フレームに対して、脚部フレーム206を、閉じた状態(閉脚状態)でロックした状態から、そのロックを解除した場合には、水平支持フレームに対して、脚部フレーム206がフリーの状態となる。
【0028】
これにより、脚部フレーム206が、その自重によって、振り子運動で90度開いた状態となってしまうことになる。このように、脚部フレーム206が、閉じた状態(閉脚状態)から、急激に開いた状態(開脚状態)になってしまうと、開く際に強い衝撃があり、足に当たったり、指などを詰め、ゲガをするおそれがある。
【0029】
本発明は、このような現状に鑑み、脚部フレームを閉じた状態(閉脚状態)でロックした状態から、そのロックを解除した場合にも、脚部フレームが、その自重によって、振り子運動で90度開いた状態となることがなく、ゆっくりと、閉じた状態(閉脚状態)から開いた状態(開脚状態)となる自動壁紙糊付機を提供することを目的とする。
【0030】
これにより、脚部フレームが、閉じた状態(閉脚状態)から、急激に開いた状態(開脚状態)になることがなく、開く際にも強い衝撃が発生することなく、脚部フレームが、足に当たることなく、指などを詰めず、ゲガをするおそれのない安全で便利な自動壁紙糊付機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0031】
本発明は、前述したような従来技術における課題及び目的を達成するために発明されたものであって、本発明の自動壁紙糊付機は、壁紙の裏面に、糊を自動的に塗布するように構成した壁紙糊付機本体と、前記壁紙糊付機本体に対して、開閉可能に軸支された脚部フレームと、を備えた自動壁紙糊付機であって、
前記脚部フレームの壁紙糊付機本体に対する開閉を制御する開閉制御装置を備え、前記開閉制御装置が、脚部フレームを壁紙糊付機本体に対して閉じる方向に付勢するように構成されていて、その付勢力が、前記脚部フレームがその自重によってゆっくりと閉脚状態から開脚状態となるように付勢されていることを特徴とする。
【0032】
このように構成することによって、脚部フレームの壁紙糊付機本体に対する開閉を制御する開閉制御装置を備えており、開閉制御装置が、脚部フレームを壁紙糊付機本体に対して閉じる方向に付勢するように構成されている。
【0033】
従って、この開閉制御装置の脚部フレームを壁紙糊付機本体に対して閉じる方向に付勢する付勢力によって、脚部フレームを閉じた状態(閉脚状態)でロックした状態から、そのロックを解除した場合にも、脚部フレームが、その自重によって、振り子運動で90度開いた状態となることがなく、ゆっくりと、閉じた状態(閉脚状態)から開いた状態(開脚状態)となる。
【0034】
これにより、脚部フレームが、閉じた状態(閉脚状態)から、急激に開いた状態(開脚状態)になることがなく、開く際にも強い衝撃が発生することなく、脚部フレームが、足に当たることなく、指などを詰めず、ゲガをするおそれのない安全で便利な自動壁紙糊付機を提供することができる。
【0035】
また、本発明の自動壁紙糊付機は、壁紙の裏面に、糊を自動的に塗布するように構成した壁紙糊付機本体と、前記壁紙糊付機本体に対して、開閉可能に軸支された脚部フレームと、前記壁紙糊付機本体を支持する基台フレームと、を備え、
前記基台フレームが、前記壁紙糊付機本体を支持する略矩形状の水平支持フレームと、前記水平支持フレームに対して、開閉可能に軸支された脚部フレームとを有し、前記脚部フレームの水平支持フレームに対する開閉を制御する開閉制御装置をさらに備え、
前記開閉制御装置が、脚部フレームを水平支持フレームに対して閉じる方向に付勢するように構成されていて、その付勢力が、前記脚部フレームがその自重によってゆっくりと閉脚状態から開脚状態となるように付勢されていることを特徴とする。
【0036】
このように構成することによって、脚部フレームの水平支持フレームに対する開閉を制御する開閉制御装置を備えており、開閉制御装置が、脚部フレームを水平支持フレームに対して閉じる方向に付勢するように構成されている。
【0037】
従って、この開閉制御装置の脚部フレームを水平支持フレームに対して閉じる方向に付勢する付勢力によって、脚部フレームを閉じた状態(閉脚状態)でロックした状態から、そのロックを解除した場合にも、脚部フレームが、その自重によって、振り子運動で90度開いた状態となることがなく、ゆっくりと、閉じた状態(閉脚状態)から開いた状態(開脚状態)となる。
【0038】
これにより、脚部フレームが、閉じた状態(閉脚状態)から、急激に開いた状態(開脚状態)になることがなく、開く際にも強い衝撃が発生することなく、脚部フレームが、足に当たることなく、指などを詰めず、ゲガをするおそれのない安全で便利な自動壁紙糊付機を提供することができる。
【0039】
また、本発明の自動壁紙糊付機は、前紙の裏面に、糊を自動的に塗布するように構成した壁紙糊付機本体と、前記壁紙糊付機本体に対して、開閉可能に軸支された脚部フレームと、前記壁紙糊付機本体を支持する基台フレームと、を備え、
前記基台フレームが、前記壁紙糊付機本体を支持する略矩形状の水平支持フレームと、前記水平支持フレームに対して、開閉可能に軸支された脚部フレームとを有し、前記脚部フレームの水平支持フレームに対する開閉を制御する開閉制御装置をさらに備え、
前記開閉制御装置が、水平支持フレームと脚部フレームとの間に連結されたアーム部材と、前記アーム部材が、水平支持フレームと脚部フレームのいずれか一方に、その一方の連結端が回動可能に連結されるとともに、前記アーム部材の他方の端部が連結される開閉付勢機構とを備え、
前記開閉付勢機構が、前記アーム部材の他方の端部を付勢して、前記脚部フレームを水平支持フレームに対して閉じる方向に付勢する付勢部材を備え、前記付勢部材の付勢力が、脚部フレームがその自重によってゆっくりと閉脚状態から開脚状態となるように付勢されていることを特徴とする。
【0040】
このように構成することによって、アーム部材が、水平支持フレームと脚部フレームのいずれか一方に、その一方の連結端が回動可能に連結され、アーム部材の他方の端部が連結される開閉付勢機構とを備えている。
【0041】
また、開閉付勢機構が、前記アーム部材の他方の端部を付勢して、前記脚部フレームを水平支持フレームに対して閉じる方向に付勢する付勢部材を備えている。
【0042】
従って、開閉付勢機構の付勢部材によって、アーム部材の他方の端部が、脚部フレームを水平支持フレームに対して閉じる方向に付勢する方向に付勢されることになる。
【0043】
この付勢部材の脚部フレームを水平支持フレームに対して閉じる方向に付勢する付勢力によって、脚部フレームを閉じた状態(閉脚状態)でロックした状態から、そのロックを解除した場合にも、脚部フレームが、その自重によって、振り子運動で90度開いた状態となることがなく、ゆっくりと、閉じた状態(閉脚状態)から開いた状態(開脚状態)となる。
【0044】
これにより、脚部フレームが、閉じた状態(閉脚状態)から、急激に開いた状態(開脚状態)になることがなく、開く際にも強い衝撃が発生することなく、脚部フレームが、足に当たることなく、指などを詰めず、ゲガをするおそれのない安全で便利な自動壁紙糊付機を提供することができる。
【0045】
また、本発明の自動壁紙糊付機は、壁紙の裏面に、糊を自動的に塗布するように構成した壁紙糊付機本体と、前記壁紙糊付機本体に対して、開閉可能に軸支された脚部フレームと、前記壁紙糊付機本体を支持する基台フレームと、を備え、
前記基台フレームが、前記壁紙糊付機本体を支持する略矩形状の水平支持フレームと、前記水平支持フレームに対して、開閉可能に軸支された脚部フレームとを有し、前記脚部フレームの水平支持フレームに対する開閉を制御する開閉制御装置をさらに備え、
前記開閉制御装置が、水平支持フレームと脚部フレームとの間に連結されたアーム部材と、前記アーム部材が水平支持フレームと脚部フレームのいずれかに一方の端部が回動可能に連結されるとともに、前記アーム部材の他方の端部が連結される開閉付勢機構と、を有し、
前記開閉付勢機構が、前記アーム部材の他方の端部が案内される軸方向案内部材と、前記アーム部材の他方の端部が、前記軸方向案内部材に沿って、前記脚部フレームを水平支持フレームに対して閉じる方向に付勢する付勢部材とを有し、
前記付勢部材の付勢力が、脚部フレームがその自重によってゆっくりと閉脚状態から開脚状態となるように付勢されていることを特徴とする。
【0046】
このように構成することによって、アーム部材の他方の端部が、軸方向案内部材に沿って、付勢部材の付勢力によって、脚部フレームを水平支持フレームに対して閉じる方向に付勢されるようになっている。
【0047】
従って、アーム部材の他方の端部が、軸方向案内部材に沿って、付勢部材の付勢力によって、アーム部材の他方の端部が、脚部フレームを水平支持フレームに対して閉じる方向に付勢する方向に付勢されることになる。
【0048】
この付勢部材の脚部フレームを水平支持フレームに対して閉じる方向に付勢する付勢力によって、脚部フレームを閉じた状態(閉脚状態)でロックした状態から、そのロックを解除した場合にも、脚部フレームが、その自重によって、振り子運動で90度開いた状態となることがなく、ゆっくりと、閉じた状態(閉脚状態)から開いた状態(開脚状態)とすることができる。
【0049】
また、本発明の自動壁紙糊付機は、前記開閉制御装置が、水平支持フレームの少なくとも1つの角部に設けられていることを特徴とする。
【0050】
このように、開閉制御装置が、水平支持フレームの少なくとも1つの角部に設けられているのが望ましい。
【0051】
また、本発明の自動壁紙糊付機は、前記開閉制御装置が、水平支持フレームまたは脚部フレームのいずれか一方の内部に設けられていることを特徴とする。
【0052】
このように、開閉制御装置が、水平支持フレームまたは脚部フレームのいずれか一方の内部に設けられているので、脚部フレームを水平支持フレームに対して、閉じた状態(閉脚状態)と開いた状態(開脚状態)との間で開閉操作する際に邪魔にならず、また、運搬、壁紙施工の際にも邪魔にならず便利である。
【0053】
また、本発明の自動壁紙糊付機は、前記開閉制御装置が、水平支持フレームまたは脚部フレームのいずれか一方の外部に設けられていることを特徴とする。
【0054】
このように、開閉制御装置が、水平支持フレームまたは脚部フレームのいずれか一方の外部に設けられていても良い。
【0055】
この場合には、開閉制御装置が故障などした場合にも、部品などの交換が容易であって便利である。
【0056】
また、本発明の自動壁紙糊付機は、前記開閉制御装置の付勢力が、調整自在に構成されていることを特徴とする。
【0057】
このように、開閉制御装置の付勢力が、調整自在に構成されていれば、例えば、開閉制御装置による、脚部フレームを壁紙糊付機本体に対して閉じる方向に付勢する付勢力が大きいと、脚部フレームを開いた状態の途中で止まってしまい、さらに、作業者が手などで、脚部フレームを、脚部フレームを完全に開いた状態(開脚状態)のロック位置まで開く必要がある。
【0058】
これに対して、開閉制御装置の付勢力が、調整自在に構成されていれば、脚部フレームを完全に開いた状態(開脚状態)のロック位置まで自動で開き、ロックする状態とすることができ、便利である。
【0059】
また、作業者の好みに応じて、ゆっくり開いたり、迅速に開いたりするように調整することができ便利である。
【発明の効果】
【0060】
本発明によれば、脚部フレームの壁紙糊付機本体に対する開閉を制御する開閉制御装置を備えており、開閉制御装置が、脚部フレームを壁紙糊付機本体に対して閉じる方向に付勢するように構成されている。
【0061】
従って、この開閉制御装置の脚部フレームを壁紙糊付機本体に対して閉じる方向に付勢する付勢力によって、脚部フレームを閉じた状態(閉脚状態)でロックした状態から、そのロックを解除した場合にも、脚部フレームが、その自重によって、振り子運動で90度開いた状態となることがなく、ゆっくりと、閉じた状態(閉脚状態)から開いた状態(開脚状態)となる。
【0062】
これにより、脚部フレームが、閉じた状態(閉脚状態)から、急激に開いた状態(開脚状態)になることがなく、開く際にも強い衝撃が発生することなく、脚部フレームが、足に当たることなく、指などを詰めず、ゲガをするおそれのない安全で便利な自動壁紙糊付機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0063】
図1図1は、本発明の自動壁紙糊付機10の斜視図である。
図2図2は、図1の自動壁紙糊付機のA方向の概略側面図である。
図3図3は、図2の部分拡大図である。
図4図4は、基台フレーム11において、水平支持フレーム13に対して、脚部フレーム16を開いた状態(開脚状態)とした状態を説明する図2のB方向の矢視図である。
図5図5は、基台フレーム11において、水平支持フレーム13に対して、脚部フレーム16を閉じた状態(閉脚状態)とした状態を説明する図2のB方向の矢視図である。
図6図6は、図4のC方向の矢視図である。
図7図7は、図4の部分拡大図である。
図8図8は、図5の部分拡大図である。
図9図9は、水平支持フレーム13に対して、脚部フレーム16を開いた状態(開脚状態)でロックした状態を説明する部分拡大図である。
図10図10は、水平支持フレーム13に対して、脚部フレーム16を開いた状態(開脚状態)のロックを解除した状態を説明する部分拡大図である。
図11図11は、水平支持フレーム13に対して、閉じた状態(閉脚状態)でロックした状態を説明する部分拡大図である。
図12図12は、本発明の別の実施例の自動壁紙糊付機10の図2と同様な概略側面図である。
図13図13は、図12の部分拡大図である。
図14図14は、基台フレーム11において、水平支持フレーム13に対して、脚部フレーム16を開いた状態(開脚状態)とした状態を説明する図12のB方向の矢視図である。
図15図15は、基台フレーム11において、水平支持フレーム13に対して、脚部フレーム16を閉じた状態(閉脚状態)とした状態を説明する図12のB方向の矢視図である。
図16図16は、図16は、図14の上面図である。
図17図17は、特許文献1の自動壁紙糊付機200の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0064】
以下、本発明の実施の形態(実施例)を図面に基づいてより詳細に説明する。
(実施例1)
【0065】
図1は、本発明の自動壁紙糊付機10の斜視図、図2は、図1の自動壁紙糊付機のA方向の概略側面図、図3は、図2の部分拡大図、図4は、基台フレーム11において、水平支持フレーム13に対して、脚部フレーム16を開いた状態(開脚状態)とした状態を説明する図2のB方向の矢視図、図5は、基台フレーム11において、水平支持フレーム13に対して、脚部フレーム16を閉じた状態(閉脚状態)とした状態を説明する図2のB方向の矢視図、図6は、図4のC方向の矢視図、図7は、図4の部分拡大図、図8は、図5の部分拡大図、図9は、水平支持フレーム13に対して、脚部フレーム16を開いた状態(開脚状態)でロックした状態を説明する部分拡大図、図10は、水平支持フレーム13に対して、脚部フレーム16を開いた状態(開脚状態)のロックを解除した状態を説明する部分拡大図、図11は、水平支持フレーム13に対して、閉じた状態(閉脚状態)でロックした状態を説明する部分拡大図である。
【0066】
図1図11において、符号10は、全体で本発明の自動壁紙糊付機を示している。
【0067】
図1図2に示したように、自動壁紙糊付機10は、壁紙糊付機本体12を備えている。
【0068】
また、壁紙糊付機本体12は、上部が開放して糊付される壁紙の搬送を見ることができる状態の略箱体形状の本体フレーム14を備えている。
【0069】
さらに、本体フレーム14の下方には、基台フレーム11を備えており、この基台フレーム11は、図2に示したように、壁紙糊付機本体12(本体フレーム14)を支持する略矩形状の水平支持フレーム13を備えている。
【0070】
そして、本体フレーム14の左右の側部の両端の下方には、図1の矢印Jで示したように、水平支持フレーム13に対して開閉可能に装着された一対の脚部フレーム16を備えている。
【0071】
なお、基台フレーム11と壁紙糊付機本体12(本体フレーム14)とは、運搬性を考慮して、図2に示したように、例えば、いわゆる「パチン錠」などの締結部材15によって、脱着自在な構成となっている。
【0072】
この本体フレーム14は、図1に示したように、上部フレーム18と、下部フレーム20とから構成されている。そして、上部フレーム18の上部には、左右方向に離間して配置された一対の把手18cを備えている。
【0073】
この把手18cを把持して操作することによって、後述するように、壁紙Gを壁紙糊付機本体12に配置したり、メンテナンスのために、下部フレーム20に対して、図示しないピボット軸を回動中心として、図1の矢印Iで示したように、開閉可能なように構成されている。
【0074】
なお、図示しないが、上部フレーム18と、下部フレーム20には、上部フレーム18を下部フレーム20に対して閉じた状態で固定するために、例えば、いわゆる「パチン錠」などの係止具が設けられている。
【0075】
また、上部フレーム18は、左右の側部を構成する、側板部18a、18bを備えている。
【0076】
一方、図1に示したように、脚部フレーム16の下端には、係止可能なローラー24が設けられており、これにより、自動壁紙糊付機10を所望の位置に移動、配置することが可能になっている。
【0077】
さらに、図1に示したように、下部フレーム20は、左右の側部を構成する、側板部20a、20bを備えている。この下部フレーム20の一方の側板部20aには、歯車連結機構などの駆動装置を内蔵するとともに、自動壁紙糊付機10を制御するための制御装置や駆動モーターが内蔵された駆動部26が設けられている。
【0078】
また、この駆動部26の下流側、すなわち、図1において手前側には、測定された壁紙の長さ(測長結果)を表示したり、駆動モーターを駆動制御したり、壁紙Gの種類などの情報を入力するための表示・操作パネル部28が設けられている。なお、この駆動部26は、下部フレーム20の一方の側板部20aに脱着自在に構成されているか、または、固着されている。
【0079】
さらに、図1図2に示したように、一対の脚部フレーム16には、壁紙Gが巻かれた壁紙原反ロール32を回転可能に、かつ、脱着自在に装着するための原反装着架台34が設けられている。
【0080】
そして、図2に示したように、壁紙原反ロール32から送り出された壁紙Gは、下部フレーム20の上流側に送り出されるようになっている。
【0081】
そして、図示しないが、従来公知の壁紙糊付機本体12の糊付け機構によって、原反装着架台34の壁紙原反ロール32から送り出された壁紙壁紙Gは、自動壁紙糊付機10の壁紙糊付機本体12を通過することによって、壁紙Gの裏面GBに糊が塗布される。
なお、原反装着架台34は、図1においては、側面視で、略三角形状、図2においては、略L字形状としているが、この形状は、特に限定されるものではない。
【0082】
そして、必要に応じて、適宜、乾燥防止用フィルムB、カットテープCが、壁紙Gの裏面GBの糊付け面に貼着された壁紙Gが、手動または自動で、別途図示しない巻取り装置で巻き取られるようになっている。
【0083】
または、図1の点線で示したように、一対の脚部フレーム16の間に設けられた傾斜した略板形状の壁紙受け部30、または、そのまま床上において、図1において手前側の壁紙排出部29から排出された糊付けされた壁紙Gを受ける壁紙糊付機本体12の下方に手動で折り畳むように構成されている。
【0084】
ところで、施工現場に専用の自動壁紙糊付機10を持ち込んで、自動壁紙糊付機10を用いて壁紙の裏面に糊付けをして施工する場合、施工現場への搬入時などには、例えば、いわゆる「パチン錠」などの締結部材15による締結状態を解除して、基台フレーム11と壁紙糊付機本体12(本体フレーム14)とを別々に、トラックなどに積み込んで搬送している。
【0085】
または、施工現場において壁紙施工が終了した後、現場からトラックまで、上記の「パチン錠」などの締結部材15による締結状態を解除して、基台フレーム11と壁紙糊付機本体12(本体フレーム14)とを別々に搬送している。
そして、トラックに積み込む際には、基台フレーム11と壁紙糊付機本体12(本体フレーム14)とを、上記「パチン錠」などの締結部材15により締結して、トラックなどに積み込んで搬送している。
【0086】
この際、基台フレーム11は、図1の矢印Jで示したように、水平支持フレーム13に対して、一対の脚部フレーム16は閉じた状態(閉脚状態)にしている。
【0087】
そして、トラックなどから降ろして、施工現場まで搬送する際には、基台フレーム11は、図1の矢印Jで示したように、水平支持フレーム13に対して、一対の脚部フレーム16は開いた状態(開脚状態)にしている。
【0088】
そして、別々に、トラックなどに積み込んで搬送した場合においては、いわゆる「パチン錠」などの締結部材による締結状態にして、基台フレーム11上に、壁紙糊付機本体12(本体フレーム14)を固定して、自動壁紙糊付機10を組み立てている。
【0089】
この状態で、脚部フレーム16の下端に設けられた係止可能なローラー24を利用して、自動壁紙糊付機10を施工現場まで運搬している。
【0090】
ところで、この際には、特許文献1(特許第4947629号公報)に開示される構成と同様に、水平支持フレーム13に対して、一対の脚部フレーム16を、開いた状態(開脚状態)、閉じた状態(閉脚状態)で、確実にロックできるように構成となっている。
【0091】
具体的には、図2図9図11に示したように、脚部フレーム16の前方脚部フレーム16aと、後方脚部フレーム16bには、それぞれ内側に、脚部フレームロック制御装置31が備えられている。
【0092】
そして、これらの脚部フレームロック制御装置31は、シリンダー部材33を備えており、シリンダー部材33の内部には、上下動移動自在なピストン部材35が上下移動可能に装着されている。
【0093】
このピストン部材35のピストン棒37の基端部37aには、図2に示したように、前方脚部フレーム16aと、後方脚部フレーム16bとの間に架け渡すように、ピストン棒37の基端部37aに固定された操作棒部材36が固定されている。
【0094】
一方、シリンダー部材33の内部には、ピストン部材35の先端の拡径部38との間に、圧縮状態でバネ部材などの付勢部材40が介装されている。
【0095】
これにより、ピストン部材35の先端の拡径部38は、下方向(脚部フレーム16の下端方向)に付勢されるようになっている。また、ピストン部材35の先端の拡径部38には、ピボット軸42、44によって、ロックリンク機構46の第1のリンク部材48が回動自在に装着されている。
【0096】
また、ロックリンク機構46の第1のリンク部材48の上方には、長穴53が形成されており、この長穴53内をスライドできるように、ロックリンク機構46の第2のリンク部材50の下端に形成された支持軸部材52が装着されている。
【0097】
さらに、ロックリンク機構46の第2のリンク部材50の上端は、ピボット軸51を介して、それぞれ、水平支持フレーム13に回動可能に装着されている。
【0098】
また、脚部フレーム16(前方脚部フレーム16aと後方脚部フレーム16b)には、それぞれ、ストッパー棒部材54が固着されており、このストッパー棒部材54が、ロックリンク機構46の第1のリンク部材48に形成された第1のストッパー切り欠き56、ロックリンク機構46の第2のリンク部材50に形成された第2のストッパー切り欠き58と、それぞれ係止されることによって、開いた状態(開脚状態)、閉じた状態(閉脚状態)で、確実にロックできるように構成となっている。
【0099】
すなわち、図9に示したように、開いた状態(開脚状態)では、ロックリンク機構46の第1のリンク部材48に形成された第1のストッパー切り欠き56内に、脚部フレーム16に固着されたストッパー棒部材54が係止された状態となっており、開いた状態(開脚状態)でロックされた状態となっている。
【0100】
この状態から、閉じた状態(閉脚状態)とするには、操作棒部材36を、手で把持して、付勢部材40の付勢力に抗して上方へと移動させる。
【0101】
これにより、操作棒部材36に連結されたピストン棒37、ピストン部材35の先端の拡径部38が、付勢部材40の付勢力に抗して上方へと移動する。
【0102】
この操作によって、図10の矢印Dに示したように、ロックリンク機構46の第1のリンク部材48と第2のリンク部材50とが回動して、第1のリンク部材48に形成された第1のストッパー切り欠き56と、脚部フレーム16に固着されたストッパー棒部材54との係止状態が解除されるようになっている。
【0103】
この際には、図9図10に示したように、ロックリンク機構46の第2のリンク部材50の下端に形成された支持軸部材52が、ロックリンク機構46の第1のリンク部材48の長穴53内を上方から、下方へと移動するようになっている。
【0104】
そして、手などで、図10図11に示したように、脚部フレーム16を、図10図11の矢印Eに示したように、開いた状態(開脚状態)から閉じた状態(閉脚状態)へと移動させる。
【0105】
図11に示したように、閉じた状態(閉脚状態)では、手で把持していた操作棒部材36を離すことによって、操作棒部材36に連結されたピストン棒37、ピストン部材35の先端の拡径部38が、付勢部材40の付勢力によって下方へと移動する。
【0106】
これにより、図11の矢印Fに示したように、ロックリンク機構46の第1のリンク部材48と第2のリンク部材50とが回動して、第2のリンク部材50に形成された第2のストッパー切り欠き58と、脚部フレーム16に固着されたストッパー棒部材54とが係止状態となり、閉じた状態(閉脚状態)でロックされた状態となっている。
【0107】
ところで、図17に示したように、従来の自動壁紙糊付機200では、では、水平支持フレームに対して、脚部フレーム206を、閉じた状態(閉脚状態)でロックした状態から、そのロックを解除した場合には、水平支持フレームに対して、脚部フレーム206がフリーの状態となる。
【0108】
これにより、脚部フレーム206が、その自重によって、振り子運動で90度開いた状態となってしまうことになる。このように、脚部フレーム206が、閉じた状態(閉脚状態)から、急激に開いた状態(開脚状態)になってしまうと、開く際に強い衝撃があり、足に当たったり、指などを詰め、ゲガをするおそれがある。
【0109】
このため、本発明の自動壁紙糊付機10では、脚部フレーム16を閉じた状態(閉脚状態)でロックした状態から、そのロックを解除した場合にも、脚部フレーム16が、その自重によって、振り子運動で90度開いた状態となることがなく、ゆっくりと、閉じた状態(閉脚状態)から開いた状態(開脚状態)となるように、脚部フレーム16の壁紙糊付機本体12に対する開閉を制御する開閉制御装置100を備えている。
【0110】
そして、開閉制御装置100が、脚部フレーム16を壁紙糊付機本体12に対して閉じる方向に付勢するように構成されている。
【0111】
具体的には、開閉制御装置100は、図3図8に示したような構成となっている。
【0112】
すなわち、開閉制御装置100は、脚部フレーム16の水平支持フレーム13に対する開閉を制御する開閉制御装置100を構成している。すなわち、開閉制御装置100が、脚部フレーム16を水平支持フレーム13に対して閉じる方向に付勢するように構成されている。
【0113】
図3図8に示したように、開閉制御装置100は、水平支持フレーム13と脚部フレーム16との間に連結されたアーム部材102を備えている。すなわち、図4図8に示したように、この実施例では、脚部フレーム16のストッパー棒部材54の下方に、固定ブラケット104が固定されている。
【0114】
そして、この固定ブラケット104に、ピボット軸106を介して、アーム部材102の一方の連結端108が回動可能に連結されている。
【0115】
また、この実施例では、水平支持フレーム13の内部に、アーム部材102の他方の端部110が連結される開閉付勢機構112を備えている。
【0116】
この開閉付勢機構112は、水平支持フレーム13の内部に、固定状態で設けられたアーム部材102の他方の端部110を水平方向に案内する案内部材を構成するスライドシャフト114が固定されている。
すなわち、図6に示したように、水平支持フレーム13に固定した固定用フランジ101、101の間に、スライドシャフト114が固定されている。
【0117】
このスライドシャフト114には、アーム部材102の他方の端部110にピボット軸116を介して回動可能に連結されたスライド部材117が挿通され、スライド部材117が、スライドシャフト114に案内されて水平方向に移動できるように構成されている。
【0118】
なお、水平支持フレーム13の下端には、スライド用開口部115が形成されており、このスライド用開口部115を介して、アーム部材102の他方の端部110(スライド部材117)が、スライドシャフト114に案内されて水平方向に移動できるように構成されている。
【0119】
また、スライドシャフト114には、付勢機構118を備えている。この付勢機構118は、アーム部材102の他方の端部110(スライド部材117)を、図3図8の矢印H方向に付勢して、脚部フレーム16を水平支持フレーム13に対して閉じる方向に付勢するように構成されている。
【0120】
具体的には、この実施例では、付勢機構118は、スライド部材117の外側(左側)に配置された圧縮状態で介装された付勢部材120から構成されている。
【0121】
この実施例の場合には、付勢部材120は、スライドシャフト114の外周に、圧縮状態で介装されたバネ部材から構成されている。これにより、アーム部材102の他方の端部110(スライド部材117)を、図4図8の矢印H方向に付勢して、脚部フレーム16を水平支持フレーム13に対して閉じる方向に付勢するように構成されている。
【0122】
なお、図示しないが、スライド部材117の、図3図8において、スライド部材117の内側(右側)に配置された付勢部材と、図3図8において、外側(左側)に配置された別の付勢部材とから構成しても良い。
【0123】
そして、この場合には、外側の別の付勢部材の付勢力(バネ力)の方が、内側の付勢部材の付勢力(バネ力)よりも大きく構成されており、これにより、アーム部材102の他方の端部110(スライド部材117)を、図4図8の矢印H方向に付勢して、脚部フレーム16を水平支持フレーム13に対して閉じる方向に付勢するように構成しても良い。
【0124】
また、この実施例では、付勢機構118は、スライド部材117の外側(左側)に配置され圧縮状態で介装された付勢部材120から構成したが、スライド部材117の内側(右側)に配置され引っ張り状態で介装された付勢部材120から構成することも可能である。


【0125】
また、付勢機構118は、この実施例の場合には、バネ部材を採用したが、例えば、ゴム部材、油圧シリンダー、液圧シリンダー、空気圧シリンダー、その他の公知の付勢部材を採用することが可能である。
【0126】
また、この実施例では、アーム部材102の一方の連結端108を、脚部フレーム16に連結して、アーム部材102の他方の端部110を連結する開閉付勢機構112を、水平支持フレーム13の内部に形成した。
【0127】
しかしながら、図示しないが、これとは逆に、アーム部材102の一方の連結端108を、水平支持フレーム13に連結して、アーム部材102の他方の端部110を連結する開閉付勢機構112を、脚部フレーム16の内部に形成することも勿論可能である。
【0128】
また、開閉制御装置100が、水平支持フレーム13の少なくとも1つの角部に設けられていれば良い。
【0129】
さらに、開閉制御装置100の付勢力が、調整自在に構成されていても良い。
【0130】
このように、開閉制御装置100の付勢力が、調整自在に構成されていれば、例えば、開閉制御装置100による、脚部フレーム16を壁紙糊付機本体12に対して閉じる方向に付勢する付勢力が大きいと、脚部フレーム16を開いた状態の途中で止まってしまい、さらに、作業者が手などで、脚部フレーム16を、脚部フレーム16を完全に開いた状態(開脚状態)のロック位置まで開く必要がある。
【0131】
これに対して、開閉制御装置100の付勢力が、調整自在に構成されていれば、脚部フレーム16を完全に開いた状態(開脚状態)のロック位置まで自動で開き、ロックする状態とすることができ、便利である。
【0132】
また、作業者の好みに応じて、ゆっくり開いたり、迅速に開いたりするように調整することができ便利である。
【0133】
このように構成することによって、本発明の自動壁紙糊付機10によれば、脚部フレーム16の水平支持フレーム13に対する開閉を制御する開閉制御装置100を備えており、開閉制御装置100が、脚部フレーム16を水平支持フレーム13に対して閉じる方向に付勢するように構成されている。
【0134】
従って、この開閉制御装置100の脚部フレーム16を水平支持フレーム13に対して閉じる方向に付勢する付勢力(開閉付勢機構112の付勢機構118の付勢力)によって、脚部フレーム16を閉じた状態(閉脚状態)でロックした状態から、そのロックを解除した場合にも、脚部フレーム16が、その自重によって、振り子運動で90度開いた状態となることがなく、ゆっくりと、閉じた状態(閉脚状態)から開いた状態(開脚状態)となる。
【0135】
これにより、脚部フレーム16が、閉じた状態(閉脚状態)から、急激に開いた状態(開脚状態)になることがなく、開く際にも強い衝撃が発生することなく、脚部フレーム16が、足に当たることなく、指などを詰めず、ゲガをするおそれのない安全で便利な自動壁紙糊付機を提供することができる。
(実施例2)
【0136】
図12は、本発明の別の実施例の自動壁紙糊付機10の図2と同様な概略側面図、図13は、図12の部分拡大図、図14は、基台フレーム11において、水平支持フレーム13に対して、脚部フレーム16を開いた状態(開脚状態)とした状態を説明する図12のB方向の矢視図、図15は、基台フレーム11において、水平支持フレーム13に対して、脚部フレーム16を閉じた状態(閉脚状態)とした状態を説明する図12のB方向の矢視図、図16は、図14の上面図である。
【0137】
この実施例の自動壁紙糊付機10は、図1図11に示した自動壁紙糊付機10と基本的には同様な構成であり、同一の構成部材には、同一の参照番号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0138】
上記の実施例1では、水平支持フレーム13の内部に、アーム部材102の他方の端部110が連結される開閉制御装置100の開閉付勢機構112を備えている。
【0139】
これに対して、この実施例の自動壁紙糊付機10では、開閉制御装置100の開閉付勢機構112が、水平支持フレーム13の外部に設けられている。
【0140】
すなわち、この実施例の自動壁紙糊付機10では、開閉制御装置100の開閉付勢機構112が、水平支持フレーム13の外部の内側の側部に設けられている。
なお、開閉制御装置100の開閉付勢機構112が、水平支持フレーム13の外部の外側の側部、外側の上側、外側の下側などいずれの箇所に設けられていても良い。
【0141】
このように、開閉制御装置100の開閉付勢機構112が、水平支持フレーム13の外部に設けられていても良い。
【0142】
また、実施例1と同様に、開閉制御装置100の開閉付勢機構112が、脚部フレーム16の外部に設けられていても良い。
【0143】
このように構成することによって、開閉制御装置100(開閉付勢機構112)が故障などした場合にも、部品などの交換が容易であって便利である。
【0144】
以上、本発明の好ましい実施の態様を説明してきたが、本発明はこれに限定されることはなく、この実施例では、基台フレーム11が、壁紙糊付機本体12(本体フレーム14)を支持する略矩形状の水平支持フレーム13と、水平支持フレーム13に対して開閉可能に装着された一対の脚部フレーム16備えるように構成されているが、水平支持フレーム13を省略して、直接、一対の脚部フレーム16が、壁紙糊付機本体12(本体フレーム14)に開閉自在に装着されているタイプの自動壁紙糊付機10に適用することが可能であるなど本発明の目的を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0145】
本発明は、壁紙(クロス)の裏面に、例えば、天井、壁面に貼着するための糊を、自動的に塗布するめの自動壁紙糊付機であって、壁紙糊付機本体を支持する略矩形状の水平支持フレームと、水平支持フレームに対して、開閉可能に軸支された脚部フレームとを備えた自動壁紙糊付機において、運搬時、設置時において、不用意に水平支持フレームに対して、脚部フレームが開いた状態(開脚状態)となることのない自動壁紙糊付機に適用することができる。
【符号の説明】
【0146】
10 自動壁紙糊付機
11 基台フレーム
12 壁紙糊付機本体
13 水平支持フレーム
14 本体フレーム
15 締結部材
16 脚部フレーム
16a 前方脚部フレーム
16b 後方脚部フレーム
18 上部フレーム
18a、18b 側板部
18c 把手
20 下部フレーム
20a、20b 側板部
24 ローラー
26 駆動部
28 表示・操作パネル部
29 壁紙排出部
30 壁紙受け部
31 脚部フレームロック制御装置
32 壁紙原反ロール
33 シリンダー部材
35 ピストン部材
34 原反装着架台
36 操作棒部材
37 ピストン棒
37a 基端部
38 拡径部
40 付勢部材
42、44 ピボット軸
46 ロックリンク機構
48 第1のリンク部材
50 第2のリンク部材
51 ピボット軸
52 支持軸部材
53 長穴
54 ストッパー棒部材
56 第1のストッパー切り欠きー切り欠き
58 第2のストッパー切り欠き
100 開閉制御装置
101 固定用フランジ
102 アーム部材
104 固定ブラケット
106 ピボット軸
108 連結端
110 他方の端部
112 開閉付勢機構
114 スライドシャフト
115 スライド用開口部
116 ピボット軸
117 スライド部材
118 付勢機構
120 付勢部材
200 自動壁紙糊付機
201 基台フレーム
202 壁紙糊付機本体
204 本体フレーム
206 脚部フレーム
208 上部フレーム
208a、208b 側板部
208c 把手
210 下部フレーム
210a、210b 側板部
214 ローラー
216 駆動部
218 表示・操作パネル部
219 壁紙排出部
220 壁紙受け部
222 壁紙原反ロール
224 原反装着架台
B 乾燥防止用フィルム
C カットテープ
D 矢印
E 矢印
F 矢印
G 壁紙
G 壁紙壁紙
GB 裏面
H 矢印
I 矢印
J 矢印
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17