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特許7346032コンピュータプログラム、監視画像作成装置及び監視画像作成方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-08
(45)【発行日】2023-09-19
(54)【発明の名称】コンピュータプログラム、監視画像作成装置及び監視画像作成方法
(51)【国際特許分類】
   G05B 23/02 20060101AFI20230911BHJP
【FI】
G05B23/02 301T
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019006105
(22)【出願日】2019-01-17
(65)【公開番号】P2020115253
(43)【公開日】2020-07-30
【審査請求日】2021-11-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001634
【氏名又は名称】弁理士法人志賀国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】地島 卓央
(72)【発明者】
【氏名】杉崎 周子
(72)【発明者】
【氏名】牧野 直樹
(72)【発明者】
【氏名】朝倉 啓
【審査官】田中 友章
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-098972(JP,A)
【文献】特開2010-183775(JP,A)
【文献】特開平08-278808(JP,A)
【文献】特開2019-174946(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05B 23/02
G06F 30/00
H02J 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
監視対象となる設備に対応付けられた第1シンボルと前記監視対象となる設備同士の接続に用いられる系統線に対応付けられ、かつ前記系統線の通電状態に関わらず一定の態様で表される第2シンボルとを複数組み合わせて描画された監視画像から選択された少なくとも1つの第2シンボルと少なくとも1つの第1シンボルとに基づいて、
前記系統線の通電状態に応じて表示態様を変化させ、かつ前記系統線に対応付けられた第3シンボルに、選択された前記第2シンボルを変換する変換ステップと、
変換された前記第3シンボルが描画される領域を表す第1の領域情報と選択された前記第1シンボルが描画される領域を表す第2の領域情報とが隣接している場合、前記第3シンボルと前記第1シンボルとを対応付けて記憶装置に記憶する記憶ステップと、
をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラム。
【請求項2】
前記変換ステップにおいて、選択された前記第2シンボルが描画される領域を表す第3の領域情報と前記第2の領域情報とが一致する領域を、前記第3の領域情報から消去する請求項1に記載のコンピュータプログラム。
【請求項3】
前記変換ステップにおいて、前記消去によって前記第3の領域情報が不連続な領域を有することになった場合、前記不連続な領域に第3シンボルを示す識別子をそれぞれ付与することで第3シンボルに変換する請求項2に記載のコンピュータプログラム。
【請求項4】
前記記憶ステップにおいて、選択された2つ以上の前記第2シンボルが描画されるそれぞれの領域が隣接している場合におけるユーザからの指示を受け付けて、隣接する前記第2シンボル同士を対応付けて前記記憶装置に記憶する請求項1から3のいずれか一項に記載のコンピュータプログラム。
【請求項5】
監視対象となる設備に対応付けられた第1シンボルと前記監視対象となる設備同士の接続に用いられる系統線に対応付けられ、かつ前記系統線の通電状態に関わらず一定の態様で表される第2シンボルとを複数組み合わせて描画された監視画像から選択された少なくとも1つの第2シンボルと少なくとも1つの第1シンボルとに基づいて、前記系統線の通電状態に応じて表示態様を変化させ、かつ前記系統線に対応付けられた第3シンボルに、選択された前記第2シンボルを変換する変換部と、
変換された前記第3シンボルが描画される領域を表す第1の領域情報と選択された前記第1シンボルが描画される領域を表す第2の領域情報とが隣接している場合、前記第3シンボルと前記第1シンボルとを対応付けて記憶装置に記憶する記憶部と、
を備える、監視画像作成装置。
【請求項6】
監視画像作成装置が、監視対象となる設備に対応付けられた第1シンボルと前記監視対象となる設備同士の接続に用いられる系統線に対応付けられ、かつ前記系統線の通電状態に関わらず一定の態様で表される第2シンボルとを複数組み合わせて描画された監視画像から選択された少なくとも1つの第2シンボルと少なくとも1つの第1シンボルとに基づいて、前記系統線の通電状態に応じて表示態様を変化させ、かつ前記系統線に対応付けられた第3シンボルに、選択された前記第2シンボルを変換する変換ステップと、
監視画像作成装置が、変換された前記第3シンボルが描画される領域を表す第1の領域情報と選択された前記第1シンボルが描画される領域を表す第2の領域情報とが隣接している場合、前記第3シンボルと前記第1シンボルとを対応付けて記憶装置に記憶する記憶ステップと、
を有する、監視画像作成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、コンピュータプログラム、監視画像作成装置及び監視画像作成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
監視制御システムは、設備の運転状態の監視及び制御を行うために用いられる。以下、監視制御システムの一例について説明する。監視制御システムは、監視画像を表示装置に表示する。監視画像は、監視対象となる設備単位又は設備の設けられたフロア単位で表示される。監視画像では、設備同士の接続関係を表す固定線シンボル又は活線シンボルと、設備と対応付けられた可変シンボルと、で表される場合がある。このような監視画像では、設備の運転状態の監視及び制御を行う者は、可変シンボルに基づいて、設備の運転状態を把握することができる。固定線シンボルは、監視対象となる設備の通電状態に関わらず一定の表示態様で表示される。活線シンボルは、監視対象となる設備の通電状態に応じて表示態様を変えて表示される。監視画像の作成者は、活線シンボルを用いて監視画像を作成する場合、描画された固定線シンボルを一本ずつ活線シンボルに変換することで監視画像を作成していた。しかし、監視対象となる施設に応じて、監視画像は複雑な構成を有する場合がある。このような場合、監視画像の作成者は、監視画像の作成に長い時間をかけることがあり、効率的に監視画像を作成することができない場合があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-142637号公報
【文献】特開平1-148008号公報
【文献】特開2014-109806号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、より効率的に監視画像を作成することができるコンピュータプログラム、監視画像作成装置及び監視画像作成方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態のコンピュータプログラムは、変換ステップと、記憶ステップとを持つ。変換ステップは、監視対象となる設備に対応付けられた第1シンボルと前記設備同士の接続に用いられる系統線に対応付けられ、かつ前記系統線の通電状態に関わらず所定の態様で表される第2シンボルとを複数組み合わせて描画された監視画像から選択された少なくとも1つの第2シンボルと少なくとも1つの第1シンボルとに基づいて、前記系統線の通電状態に応じて表示態様を変化させ、かつ前記系統線に対応付けられた第3シンボルに、選択された前記第2シンボルを変換する。記憶ステップは、変換された前記第3シンボルが描画される領域を表す第1の領域情報と選択された前記第1シンボルが描画される領域を表す第2の領域情報とが所定の条件を満たす場合、前記第3シンボルと前記第1シンボルとを対応付けて記憶装置に記憶する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】実施形態の監視画像作成装置100の機能構成を表す機能ブロック図。
図2】実施形態の可変シンボルテーブルの具体例を示す図。
図3】実施形態の接続情報と接続情報によって表される監視画像との一具体例を示す図。
図4】実施形態の活線シンボルへの変換の第1の具体例を示す図。
図5】実施形態の活線シンボルへの変換の第2の具体例を示す図。
図6】実施形態の固定線シンボル同士の接続処理の一具体例を示す図。
図7】実施形態の可変シンボルと固定線シンボルとの接続処理の流れを示すフローチャート。
図8】実施形態の固定シンボル同士の接続処理の流れを示すフローチャート。
図9】実施形態の接続部111の接続処理の一具体例を示す図。
図10】実施形態の変形例の接続情報テーブルと接続情報テーブルによって表される監視画像との一具体例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、実施形態のコンピュータプログラム、監視画像作成装置及び監視画像作成方法を、図面を参照して説明する。
【0008】
図1は、実施形態の監視画像作成装置100の機能構成を表す機能ブロック図である。監視画像作成装置100は、パーソナルコンピュータ又はサーバ等の情報処理装置である。監視画像作成装置100は、バスで接続されたCPU(Central Processing Unit)やメモリや補助記憶装置などを備える。監視画像作成装置100は、監視画像作成プログラムを実行することによって通信部101、入力部102、表示部103、プログラム記憶部104、可変シンボル記憶部105、接続情報記憶部106及び制御部107を備える装置として機能する。監視画像作成プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記憶媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置である。監視画像作成プログラムは、電気通信回線を介して送信されてもよい。
【0009】
監視画像作成装置100は、ユーザからの操作に基づいて監視画像を作成する。監視画像は、監視制御システムの監視対象となる設備の運転状態を表す画像である。監視画像は、監視対象となる設備単位又は設備の設けられたフロア単位で表される。監視画像は、平面図で表される。監視画像は、固定線シンボル又は活線シンボルと可変シンボルとを複数組み合わせて描画される。監視画像には、可変シンボル同士の繋がり及び位置関係が表される。監視画像は、監視対象となる設備の運転状態を表す値がデジタルで表示される。
【0010】
可変シンボルは、監視対象となる設備と対応付けされたシンボルである。可変シンボルは、表示態様を変化させることで対応付けされた設備の運転状態又は警報の発報を表す。可変シンボル同士の繋がりは、系統線に対応付けされた固定線シンボル又は活線シンボルで表される。監視者は、監視画像上に表される可変シンボルを操作することで、可変シンボルに対応付けされた設備の発停操作又は設定値出力操作を行う。可変シンボルは、第1シンボルの一態様である。監視者は、例えば、監視制御システムを用いて設備の運転状態の監視及び制御を行う者であってもよい。監視者はユーザの一態様である。
【0011】
固定線シンボルは系統線に対応付けられる。系統線は、監視対象の設備同士の接続に用いられる線である。固定線シンボルは、監視画像において監視対象となる設備の通電状態に関わらず一定の態様(例えば、黒色)で表示される。固定線シンボルは、第2シンボルの一態様である。
【0012】
活線シンボルは系統線に対応付けされる。活線シンボルは、系統線の通電状態に応じて表示態様を変化させる。例えば、活線シンボルは、監視対象となる設備の通電状態に応じて色を変えて表示されてもよいし、点滅して表示されてもよい。活線シンボルは、第3シンボルの一態様である。
【0013】
通信部101は、ネットワークインタフェースである。通信部101はネットワークを介して、外部の通信装置と通信する。通信部101は、例えば無線LAN(Local Area Network)、有線LAN、Bluetooth(登録商標)又はLTE(Long Term Evolution)(登録商標)等の通信方式で通信してもよい。
【0014】
入力部102は、タッチパネル、マウス及びキーボード等の入力装置を用いて構成される。入力部102は、入力装置を監視画像作成装置100に接続するためのインタフェースであってもよい。この場合、入力部102は、入力装置において入力された入力信号から入力データ(例えば、監視画像作成装置100に対する指示を示す指示情報)を作成し、監視画像作成装置100に入力する。
【0015】
表示部103は、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等の出力装置である。表示部103は、出力装置を監視画像作成装置100に接続するためのインタフェースであってもよい。この場合、表示部103は、映像データから映像信号を生成し自身に接続されている映像出力装置に映像信号を出力する。
【0016】
プログラム記憶部104は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置等の記憶装置を用いて構成される。プログラム記憶部104は、監視画像作成プログラムを記憶する。
【0017】
可変シンボル記憶部105は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置等の記憶装置を用いて構成される。可変シンボル記憶部105は、可変シンボルテーブルを記憶する。可変シンボルテーブルは、監視画像に表される可変シンボルに関する情報を記憶する。
【0018】
図2は、実施形態の可変シンボルテーブルの具体例を示す図である。可変シンボルテーブルは、可変シンボルレコードを有する。可変シンボルレコードは、可変シンボル画像、設備名称、表示(オン)及び表示(オフ)の各値を有する。可変シンボル画像は、監視画像上に表される可変シンボルの画像を表す。設備名称は、可変シンボルに対応付けされた設備の名前を表す。表示(オン)は、可変シンボルに対応付けされた設備が稼働している場合における可変シンボル画像の色を表す。表示(オフ)は、可変シンボルに対応付けされた設備が稼働していない場合における可変シンボル画像の色を表す。
【0019】
図2に示される例では、可変シンボルテーブルの最上段の可変シンボルレコードは、可変シンボル画像の値が“三角形のアイコン”、設備名称の値が“電圧検出器”、表示(オン)の値が“緑”、表示(オフ)の値が“白”である。従って、可変シンボルテーブルの最上段のレコードによると、監視画像において、三角形のアイコンで表される可変シンボル画像は、電圧検出器であることがわかる。可変シンボル画像が緑で表示されている場合、可変シンボルに対応付けられた電圧検出器は稼働していることがわかる。可変シンボル画像が白で表示されている場合、可変シンボルに対応付けられた電圧検出器は稼働していないことがわかる。なお、図2に示される可変シンボルテーブルは一具体例に過ぎない。そのため、図2とは異なる態様で可変シンボルテーブルが構成されてもよい。例えば、可変シンボルテーブルは、可変シンボルに対応付けされた設備に障害が発生している場合における、可変シンボル画像の色を表すカラムを有していてもよい。
【0020】
接続情報記憶部106は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置等の記憶装置を用いて構成される。接続情報記憶部106は、監視画像に関する接続情報を記憶する。接続情報は、監視画像における活線シンボル又は固定線シンボルと可変シンボルとの接続状態を表す。接続情報は、予め接続情報記憶部106に記憶されていてもよいし、通信部101を介して外部から取得されてきてもよい。
【0021】
図3は、実施形態の接続情報と接続情報によって表される監視画像との一具体例を示す図である。図3(a)は、監視画像に含まれる可変シンボルに関する接続情報である。接続情報は、可変シンボル毎に、可変シンボルに対応付けて記憶される。接続情報は、管理識別子、シンボル種類、状態及び領域情報の各値を有する。可変シンボルの接続情報の各値は、監視画像に応じて監視画像作成装置100によって予め指定される。管理識別子は、監視画像における可変シンボルを一意に識別可能な識別子である。管理識別子は、他の管理識別子と重複しない情報であればどのような情報であってもよい。シンボル種類は、管理識別子によって識別される可変シンボルに対応付けされた設備の名称を表す。設備の名称は、可変シンボルテーブルに保持される値である。状態は、可変シンボルの状態を表す。状態はオン又はオフ等の2値で表される。オンとは、設備が稼働状態であることを表す。状態がオンである場合、可変シンボルは、可変シンボルテーブルにおける表示(オン)の態様で表示される。オフとは、設備が稼働状態でないことを表す。状態がオフである場合、可変シンボルは、可変シンボルテーブルにおける表示(オフ)の態様で表示される。領域情報は、例えば座標等によって、監視画像上におけるシンボルが描画される領域を表す情報である。
【0022】
図3(a)に示される例では、可変シンボルの接続情報は、管理識別子の値が“200”、シンボル種類の値が“電圧検出器”、状態の値が“オン”、領域情報の値が“A”である。従って、接続情報によると、監視画面に表示された可変シンボルのうち、管理識別子“200”によって識別される可変シンボルのシンボル種類は“電圧検出器”であり、状態は稼働状態を示す“オン”であり、監視画像上の領域“A”に描画されていることがわかる。なお、図3(a)に示される接続情報は一具体例に過ぎない。そのため、図3(a)とは異なる態様で接続情報が構成されてもよい。
【0023】
図3(b)は、監視画像に含まれる活線シンボルに関する接続情報である。接続情報は、活線シンボル毎に、活線シンボルに対応付けて記憶される。接続情報は、管理識別子、接続及び領域情報の各値を有する。活線シンボルの接続情報の各値は、監視画像に応じて監視画像作成装置100によって予め指定される。管理識別子は、監視画像における活線シンボルを一意に識別可能な識別子である。管理識別子は、他の管理識別子と重複しない情報であればどのような情報であってもよい。接続とは、管理識別子によって識別される活線シンボルが、他のいずれの可変シンボル又は活線シンボルと接続されているかを表す。接続には、例えば、管理識別子の値が保持される。活線シンボルは、接続された可変シンボルの状態に応じて、その態様が変化する。例えば、活線シンボルは、可変シンボルの状態が“オン”である場合は、通電されていることを示す態様で描画されてもよい。活線シンボルは、可変シンボルの状態が“オフ”である場合は、通電されていないことを示す態様で描画されてもよい。通電されていることを示す態様と通電されていないことを示す態様とは、例えば、色が異なっていてもよいし、点滅の有無で表示されてもよい。領域情報は、例えば座標等によって、監視画像上における可変シンボルが描画される領域を表す情報である。
【0024】
図3(b)に示される例では、活線シンボルの接続情報は、管理識別子の値が“11”、接続の値が“200、300”、領域情報の値が“B”である。従って、接続情報によると、管理識別子“11”によって識別される活線シンボルは、管理識別子“200”及び“300”によって識別される可変シンボルに接続されており、監視画像上の領域“B”に描画されていることがわかる。また、管理識別子“200”及び“300”によって識別される可変シンボルは、いずれも状態が“オン”である。したがって、活線シンボルは、通電していることを示す態様で描画される。なお、図3(b)に示される接続情報は一具体例に過ぎない。そのため、図3(b)とは異なる態様で接続情報が構成されてもよい。例えば、接続情報は、固定シンボルの接続情報を記憶していてもよい。なお、固定線シンボルの場合、接続のカラムには、“-”等のように、いずれのシンボルと接続されているか特定できないことを示す情報が保持される。図3(c)は、図3(a)及び図3(b)の接続情報によって表される監視画像の一具体例を示す図である。
【0025】
制御部107は、監視画像作成装置100の各部の動作を制御する。制御部107は、例えばCPU等のプロセッサ及びRAM(Random Access Memory)を備えた装置により実行される。制御部107は、監視画像作成プログラムを実行することによって、監視画像作成部108、選択部109、変換部110及び接続部111として機能する。
【0026】
監視画像作成部108は、接続情報記憶部106に記憶された接続情報に基づいて、監視画像を作成する。監視画像作成部108は、接続情報記憶部106に記憶された可変シンボルのシンボル種類に基づいて、可変シンボル記憶部105から可変シンボル画像を取得する。監視画像作成部108は、接続情報記憶部106に記憶された可変シンボルの接続情報の状態に基づいて、可変シンボル画像の色を決定する。監視画像作成部108は、接続情報記憶部106に記憶された領域情報に基づいて、監視画像上に可変シンボル画像を描画する。監視画像作成部108は、接続情報記憶部106に記憶された活線シンボルの接続に基づいて、活線シンボルと可変シンボルとの接続、又は活線シンボルと活線シンボルとの接続によるシンボル同士の接続を行う。監視画像作成部108は、作成された監視画像を表示部103に表示させる。
【0027】
選択部109は、監視画像に対する可変シンボル及び固定線シンボルの選択を入力部102を介してユーザから受け付ける。固定線シンボルと可変シンボルとは、それぞれ少なくとも1つ選択される。また、選択部109は、選択された2つ以上の固定線シンボル同士が描画されるそれぞれの領域が隣接している場合における処理の選択を受け付ける。選択部109は、例えば、監視画像において、隣接している固定線シンボル同士にそれぞれ対応付けられた系統線が互いに接続している状態であるか、接続していない状態であるかを選択する指示を受け付ける。以下、系統線が互いに接続している状態であることを「接続」という。以下、系統線が互いに接続していない状態であることを「交差」という。
【0028】
変換部110は、選択部109によって選択された固定線シンボルを、活線シンボルに変換する。具体的には、変換部110は、選択された固定線シンボルの接続情報を接続情報記憶部106から取得する。変換部110は、取得された固定線シンボルの接続情報を活線シンボルに関する接続情報に変換する。例えば、変換部110は、固定線シンボルの接続情報を削除して、活線シンボルの接続情報を新しく生成してもよいし、変換部110は、固定線シンボルの管理識別子を活線シンボルの管理識別子に変更してもよい。
【0029】
変換部110は、固定線シンボルを活線シンボルに変換する際に、選択部109によって選択された固定線シンボルと、選択部109によって選択された可変シンボルとの重なる領域を、選択された固定線シンボルから消去する。具体的には、変換部110は、選択部109によって選択された可変シンボルから1つの可変シンボルを選択する。変換部110は、選択された可変シンボルに重なった固定線シンボルがあるか否かを判定する。変換部110は、可変シンボル及び固定線シンボルの接続情報を接続情報記憶部106から取得する。変換部110は、可変シンボルに関する接続情報が保持する領域情報と、固定線シンボルに関する接続情報が保持する領域情報と、に重複する領域が含まれる場合、当該領域において可変シンボルと固定線シンボルとが重なっていると判定する。変換部110は、可変シンボルに関する接続情報が保持する領域情報と、固定線シンボルに関する接続情報が保持する領域情報と、に重複する領域が含まれない場合、可変シンボルと固定線シンボルとが重なっていないと判断する。変換部110は、可変シンボルに重なった固定線シンボルがあると判断した場合、可変シンボルに重なった固定線シンボルの領域を消去する。例えば、変換部110は、固定線シンボルに関する接続情報が保持する領域情報から、可変シンボルに関する接続情報の領域情報と重なっている領域情報を消去する。
【0030】
変換部110は、固定線シンボルに関する接続情報から領域情報を消去したことによって、固定線シンボルの描画される領域が不連続な領域を有することになった場合、不連続な領域に管理識別子をそれぞれ付与する。変換部110は、不連続な領域をそれぞれ固定線シンボルに変換する。例えば、監視画像において、固定線シンボルが可変シンボルを貫通して描画されているような場合、変換部110は、固定線シンボルの領域情報から可変シンボルと重なっている領域の領域情報を消去することで、固定線シンボルは、不連続な領域を有することになる。変換部110は、固定線シンボルが可変シンボルを貫通して描画されているか否かを、可変シンボルの輪郭を示す領域情報のうち、2カ所以上と重なっているか否かによって判定してもよい。この場合、変換部110は、可変シンボルの輪郭を示す領域情報のうち、2か所以上と重なっている場合、貫通して描画されていると判定する。変換部110は、可変シンボルの輪郭を示す領域情報のうち、2か所以上と重なっていない場合、貫通していないと判定する。
【0031】
なお、変換部110は、固定線シンボルの端部からもう一方の端部に向かって、他の可変シンボルと重なっているか否かを走査していくように構成されてもよい。この場合、変換部110は、固定線シンボルと他の可変シンボルと重なっている場合、固定線シンボルから重なっている領域を順次消去する。
【0032】
接続部111は、変換部110によって変換された活線シンボルと選択部109によって選択された可変シンボルとが所定の条件を満たす場合、監視画像における活線シンボルと可変シンボルとを接続状態にする。活線シンボルと可変シンボルとの接続状態とは、活線シンボルに対応付けられた系統線と可変シンボルに対応付けられた設備とが接続されていることを示す状態である。所定の条件とは、例えば、可変シンボルが描画される領域を表す領域情報と、活線シンボルが描画される領域を表す領域情報とが、隣接している場合であってもよい。接続部111は、所定の条件を満たした場合、変換部110によって変換された活線シンボルと選択部109によって選択された可変シンボルとを対応付けて接続情報記憶部106に記憶する。具体的には、接続部111は、接続状態にされた可変シンボル及び活線シンボルの接続情報を取得する。接続部111は、取得されたそれぞれの可変シンボルの接続情報の接続に、他方の活線シンボルの管理識別子を記憶する。
【0033】
接続部111は、隣接している固定線シンボル同士が互いに接続している状態であることを選択する指示を選択部109を介して受け付けた場合、選択された固定線シンボル同士を接続状態にする。具体的には、接続部111は、選択部109によって選択された固定線シンボルから1つの固定線シンボルを選択する。接続部111は、選択された固定線シンボルの接続情報を接続情報記憶部106から取得する。接続部111は、選択された固定線シンボルに関する接続情報が保持する領域情報に、他の固定線シンボルに関する接続情報が保持する領域情報あるか否かを判定する。具体的には、接続部111は、他の固定線シンボルの接続情報を接続情報記憶部106から取得する。接続部111は、固定線シンボルに関する接続情報が保持する領域情報と、もう一方の固定線シンボルに関する接続情報が保持する領域情報と、が所定の条件を満たす場合、重複する領域において重なっていると判断する。接続部111は、固定線シンボルが保持する領域情報と、もう一方の固定線シンボルが保持する領域情報と、が所定の条件を満たさない場合、固定線シンボル同士は重なっていないと判断する。所定の条件とは、例えば、固定線シンボルが保持する領域情報と、一方の固定線シンボルが保持する領域情報とが、隣接又は重なっている場合であってもよい。接続部111は、固定線シンボル同士がに重なっていると判断した場合、固定線シンボル同士を対応付けて接続情報記憶部106に記憶する。具体的には、接続部111は、取得された固定線シンボルの接続情報の接続のカラムに、他方の固定線シンボルの管理識別子を記憶する。
【0034】
図4は、実施形態の活線シンボルへの変換の第1の具体例を示す図である。図4(a)は、変換前の監視画像を表す。図4(b)は、変換後の監視画像を表す。監視画像は、監視画像作成部108によって作成される。図4(a)の変換前の監視画像は、可変シンボル200、可変シンボル300、可変シンボル400及び固定線シンボル10を持つ。可変シンボル200は、頂点201、頂点202、頂点203及び頂点204を持つ。可変シンボル300は、頂点301、頂点302、頂点303及び頂点304を持つ。可変シンボル400は、頂点401、頂点402、頂点403及び頂点404を持つ。固定線シンボル10は、端部10a及び端部10bを持つ。図4(b)の変換後の監視画像は、可変シンボル200、可変シンボル300、可変シンボル400、活線シンボル11及び活線シンボル12を持つ。変換部110は、固定線シンボル10を活線シンボル11及び活線シンボル12に変換する。
【0035】
可変シンボル200は、頂点201から頂点204で表される4角形で描画される。可変シンボル200の領域情報は、例えば頂点201から頂点204によって囲まれた領域を示す座標群である。可変シンボル300は、頂点301から頂点304で表される4角形で描画される。可変シンボル300の領域情報は、例えば頂点301から頂点304によって囲まれた領域を示す座標群である。可変シンボル400は、頂点401から頂点404で表される4角形で描画される。可変シンボル400の領域情報は、例えば頂点401から頂点404によって囲まれた領域を示す座標群である。固定線シンボル10の端部10a及び端部10a近傍は、可変シンボル200と重なっている。固定線シンボル10の領域情報は、例えば端部10aから端部10bまでの領域を示す座標群である。したがって、変換部110は、固定線シンボル10を活線シンボル11及び活線シンボル12に変換するにあたって、可変シンボル200と固定線シンボル10との重なった領域を消去する。固定線シンボル10の中央近傍は、可変シンボル300と重なっている。したがって、変換部110は、固定線シンボル10を活線シンボル11及び活線シンボル12に変換するにあたって、可変シンボル300と固定線シンボル10との重なった領域を消去する。固定線シンボル10の端部10b及び端部10b近傍は、可変シンボル400と重なっている。したがって、変換部110は、固定線シンボル10を活線シンボル11及び活線シンボル12に変換するにあたって、可変シンボル400と固定線シンボル10との重なった領域を消去する。
【0036】
固定線シンボル10について、可変シンボル200、可変シンボル300及び可変シンボル400に重なった領域が削除された場合、固定線シンボル10は、2つの不連続な領域に分割される。したがって、変換部110は、活線シンボルへの変換に当たって、2つに分割された不連続な領域に管理識別子をそれぞれ付与する。図4(b)によると、付与された管理識別子は11及び12であることがわかる。
【0037】
接続部111は、図4(b)に基づいて、接続情報を管理する。例えば、接続部111は、可変シンボル200の接続情報として、シンボル種類“電圧検出器”、状態“オン”及び領域情報“A”を接続情報記憶部106に記憶させる。
【0038】
図5は、実施形態の活線シンボルへの変換の第2の具体例を示す図である。図5(a)は、変換前の監視画像を表す。図5(b)は、変換後の監視画像を表す。図5(a)の変換前の監視画像は、可変シンボル700、可変シンボル800、可変シンボル900、可変シンボル1000、固定線シンボル40、固定線シンボル50、固定線シンボル60、固定線シンボル70、固定線シンボル80及び固定線シンボル90を持つ。なお、頂点及び端部については説明を省略する。図5(b)の変換後の監視画像は、可変シンボル700、可変シンボル800、可変シンボル900、可変シンボル1000、活線シンボル41、活線シンボル51、活線シンボル61、活線シンボル71、活線シンボル81及び活線シンボル91を持つ。変換部110は、固定線シンボル40を活線シンボル41に変換する。変換部110は、固定線シンボル50を活線シンボル51に変換する。変換部110は、固定線シンボル60を活線シンボル61に変換する。変換部110は、固定線シンボル70を活線シンボル71に変換する。変換部110は、固定線シンボル80を活線シンボル81に変換する。変換部110は、固定線シンボル90を活線シンボル91に変換する。
【0039】
接続部111は、図5(b)に基づいて、接続情報を管理する。例えば、接続部111は、可変シンボル700の接続情報として、シンボル種類“電圧検出器”、状態“オン”及び領域情報“A”を接続情報記憶部106に記憶させる。
【0040】
図6は、実施形態の固定線シンボル同士の接続処理の一具体例を示す図である。図6(a)は、2本の固定線シンボルが交差して描画されている場合における接続処理の一具体例を示す図である。図6(b)は、2本の固定線シンボルがT字で描画されている場合における接続処理の一具体例を示す図である。図6に示される接続処理は、選択部109が「接続」を受け付けた場合に実行される。
【0041】
図6(a)において、接続部111は、交差点で固定線シンボルを4本に分割する。接続部111は、分割された4本の固定線シンボルを接続する。具体的には、接続部111は、図6(a)に表される2本の固定線シンボルの接続情報を取得する。接続部111は、取得された接続情報の接続に、取得された他方の固定線シンボルの管理識別子を記憶する。
【0042】
図6(b)において、接続部111は、交差点で固定線シンボルを3本に分割する。接続部111は、分割された3本の固定線シンボルを接続する。具体的には、接続部111は、図6(b)に表される2本の固定線シンボルの接続情報を取得する。接続部111は、取得された接続情報の接続に、取得された他方の固定線シンボルの管理識別子を記憶する。
【0043】
図7は、実施形態の可変シンボルと固定線シンボルとの接続処理の流れを示すフローチャートである。監視画像作成部108は、接続情報記憶部106に記憶された接続情報に基づいて、監視画像を作成する(ステップS101)。選択部109は、監視画像に対する可変シンボル及び固定線シンボルの選択を入力部102を介してユーザから受け付ける(ステップS102)。変換部110は、選択部109によって選択された可変シンボルから1つの可変シンボルを選択する(ステップS103)。変換部110は、選択された可変シンボルに重なった固定線シンボルがあるか否かを判定する(ステップS104)。変換部110は、重なった固定シンボルがない場合(ステップS104:NO)、ステップS103に遷移する。
【0044】
変換部110は、重なった固定シンボルがある場合(ステップS104:YES)、重なった固定シンボルが、可変シンボルを貫通しているか否かを判定する(ステップS105)。変換部110は、固定線シンボルが可変シンボルを貫通していない場合(ステップS105:NO)、固定線シンボルのうち、可変シンボルに重なった領域を消去する(ステップS106)。変換部110は、固定線シンボルが可変シンボルを貫通している場合(ステップS105:YES)、固定線シンボルのうち、可変シンボルに重なった領域を消去する(ステップS107)。変換部110は、消去によって生じた不連続な領域に管理識別子を付与する(ステップS108)。変換部110は、選択された固定線シンボル及び不連続な領域を活線シンボルに変換する(ステップS109)。接続部111は、変換部110によって変換された活線シンボルと選択部109によって選択された可変シンボルとを対応付けて接続情報記憶部106に記憶する(ステップS110)。変換部110は、選択された全ての可変シンボルで処理を行ったか否かを判定する(ステップS111)。変換部110は、全ての可変シンボルで処理を行った場合(ステップS111:YES)、処理を終了する。変換部110は、全ての可変シンボルで処理を行っていない場合(ステップS111:NO)、ステップS103に遷移する。
【0045】
図8は、実施形態の固定シンボル同士の接続処理の流れを示すフローチャートである。監視画像作成部108は、接続情報記憶部106に記憶された接続情報に基づいて、監視画像を作成する(ステップS201)。選択部109は、監視画像に対する2つ以上の固定線シンボルの選択を入力部102を介してユーザから受け付ける(ステップS202)。選択部109は、選択された2つ以上の固定線シンボル同士が隣接している場合における処理の選択(交差又は接続)を受け付ける(ステップS203)。接続部111は、処理として接続を受け付けたか否かを判定する(ステップS204)。接続部111は、処理として接続を受け付けていない場合(ステップS204:NO)、ステップS209に遷移する。
【0046】
接続部111は、処理として接続を受け付けた場合(ステップS204:YES)、選択部109によって選択された固定線シンボルから1つの固定線シンボルを選択する(ステップS205)。接続部111は、ステップS202において選択された固定線シンボルのうち、ステップS205において選択された固定線シンボルと重なった固定線シンボルがあるか否かを判定する(ステップS206)。接続部111は、重なった固定線シンボルがない場合(ステップS206:NO)、ステップS208に遷移する。接続部111は、重なった固定線シンボルがある場合(ステップS206:YES)、固定線シンボル同士を対応付けて接続情報記憶部106に記憶する(ステップS207)。
【0047】
接続部111は、ステップS202において選択された全ての固定線シンボルで処理を行ったか否かを判定する(ステップS208)。変換部110は、全ての固定線シンボルで処理を行った場合(ステップS208:YES)、選択された固定線シンボルを活線シンボルに変換する(ステップS209)。接続部111は、処理を行っていない固定線シンボルがある場合(ステップS208:NO)、ステップS205に遷移する。
【0048】
このように構成された監視画像作成装置100では、選択部109が可変シンボルと固定線シンボルとの選択を受け付ける。変換部110は、選択された可変シンボルと固定線シンボルとにおいて重なった領域がある場合、重なった領域を固定線シンボルに関する接続情報の領域情報から消去する。変換部110は、固定線シンボルを活線シンボルに変換する。接続部111は、活線シンボルと可変シンボルとが隣接している場合に、活線シンボルと可変シンボルとを対応付けて接続情報に記憶する。このように構成されることで、固定線シンボルを一本ずつ可変シンボルに置き換える必要がなくなり、一括して可変シンボルに変換することが可能になる。したがって、監視画像作成装置100は、より効率よく監視画像を作成することが可能になる。また、変換部110は、選択された可変シンボルと固定線シンボルとにおいて重なった領域がある場合、重なった領域を固定線シンボルに関する接続情報の領域情報から消去する。したがって、監視画像の作成者は、監視画像における固定線シンボルの長さを監視画像に合わせて調整する必要がなくなる。監視画像作成装置100は、より効率的に監視画像を作成することが可能になる。
【0049】
図9は、実施形態の接続部111の接続処理の一具体例を示す図である。上述の実施形態では、固定線シンボル又は活線シンボルと可変シンボルとは、隣接している場合に接続するものとして説明したが、これに限定されない。例えば、接続部111は、固定線シンボル又は活線シンボルと可変シンボルの輪郭とが隣接している場合に、固定線シンボル又は活線シンボルと可変シンボルとを対応付けて記憶するように構成されてもよい。
【0050】
図9(a)は、可変シンボルを表す。図9(a)の点線で表される四角形は、可変シンボルの輪郭を表す。図9(b)は、可変シンボルと固定線シンボルとの重なっている態様と、接続後の態様とを表す。図9(b)のように、固定線シンボルと可変シンボルの輪郭とが隣接していれば、接続部111は、固定線シンボルと可変シンボルとを対応付けて接続情報記憶部106に記憶するように構成されてもよい。この場合、図9(b)の中段及び下段のように、固定線シンボルと可変シンボルとが離れているように見えたとしても、監視画像作成装置100は、両シンボルが接続されているものとして処理する。このように構成されることで、監視対象の設備が複雑な構成を有する場合であったとしても、監視画像の作成者は、細かな接続作業を行う必要がなくなり、より効率的に監視画像を作成することが可能になる。
【0051】
上述の実施形態では、接続情報記憶部106は、活線シンボルが可変シンボルの管理識別子を保持するように構成されたが、接続情報記憶部106は、接続情報テーブルを記憶するように構成されてもよい。接続情報テーブルは、監視画像における活線シンボル又は固定線シンボルと可変シンボルとの接続状態を記憶する。接続情報テーブルは、予め接続情報記憶部106に記憶されていてもよいし、通信部101を介して外部から取得されてきてもよい。
【0052】
図10は、実施形態の変形例の接続情報テーブルと接続情報テーブルによって表される監視画像との一具体例を示す図である。図10(a)は、接続情報テーブルである。接続情報テーブルは、接続情報レコードを有する。接続情報レコードは、管理識別子、シンボル種類、状態、接続及び領域情報の各値を有する。管理識別子及び領域情報については、上述の実施形態と同じであるため説明を省略する。接続情報レコードの各値は、監視画像に応じて監視画像作成装置100によって予め指定される。シンボル種類は、管理識別子によって識別される可変シンボル、活線シンボル又は固定線シンボルに対応付けされた設備の名称を表す。例えば、管理識別子によって識別されるシンボルが活線シンボルである場合、シンボル種類は活線である。管理識別子によって識別されるシンボルが固定線シンボルである場合、シンボル種類は固定線である。管理識別子によって識別されるシンボルが可変シンボルである場合、シンボル種類は設備名称の値である。設備名称の値は、可変シンボルテーブルに保持される値である。状態は、可変シンボル又は活線シンボルの状態を表す。可変シンボルの場合、状態はオン又はオフ等の2値で表される。オンとは、設備が稼働状態であることを表す。状態がオンである場合、可変シンボルは、可変シンボルテーブルにおける表示(オン)の態様で表示される。オフとは、設備が稼働状態でないことを表す。状態がオフである場合、可変シンボルは、可変シンボルテーブルにおける表示(オフ)の態様で表示される。活線シンボルの場合、状態は通電又は非通電等の2値で表される。通電とは、系統線に電気が通っている状態を表す。状態が通電である場合、活線シンボルは実線で表示される。非通電とは、系統線に電気が通っていない状態を表す。状態が非通電である場合、活線シンボルは点線で表示される。なお、接続情報レコードが固定線シンボルに関するレコードである場合、“-”等のように、状態が特定できないことを示す情報が保持される。接続とは、管理識別子によって識別されるシンボルが、他のいずれのシンボルと接続されているかを表す。接続には、例えば、管理識別子の値が保持される。なお、固定線シンボルの場合、“-”等のように、いずれのシンボルと接続されているか特定できないことを示す情報が保持される。
【0053】
図10(a)に示される例では、接続情報テーブルの最上段の接続情報レコードは、管理識別子の値が“200”、シンボル種類の値が“電圧検出器”、状態の値が“オン”、接続の値が“11”、領域情報の値が“A”である。従って、接続情報テーブルの最上段のレコードによると、管理識別子“200”によって識別されるシンボルのシンボル種類は“電圧検出器”であり、状態は稼働状態を示す“オン”であり、活線シンボルである“11”が接続されており、監視画像上の領域“A”に描画されていることがわかる。なお、図10(a)に示される接続情報テーブルは一具体例に過ぎない。そのため、図10(a)とは異なる態様で接続情報テーブルが構成されてもよい。図10(b)は、図10(a)の接続情報テーブルによって表される監視画像の一具体例を示す図である。
【0054】
監視画像作成装置は、ネットワークを介して通信可能に接続された複数台の情報処理装置を用いて実装されてもよい。この場合、監視画像作成装置が備える各機能部は、複数の情報処理装置に分散して実装されてもよい。例えば、変換部110と接続部111とはそれぞれ異なる情報処理装置に実装されてもよい。
【0055】
上記各実施形態では、監視画像作成部108、選択部109、変換部110及び接続部111はソフトウェア機能部であるものとしたが、LSI等のハードウェア機能部であってもよい。
【0056】
以上説明した少なくともひとつの実施形態によれば、選択部109、変換部110及び接続部111を持つことにより、より効率的に監視画像を作成することができる。
【0057】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0058】
100…監視画像作成装置、101…通信部、102…入力部、103…表示部、104…プログラム記憶部、105…可変シンボル記憶部、106…接続情報記憶部、107…制御部、108…監視画像作成部、109…選択部、110…変換部、111…接続部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10