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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-08
(45)【発行日】2023-09-19
(54)【発明の名称】医用情報処理システム
(51)【国際特許分類】
   G16H 10/60 20180101AFI20230911BHJP
【FI】
G16H10/60
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2019018753
(22)【出願日】2019-02-05
(65)【公開番号】P2020126462
(43)【公開日】2020-08-20
【審査請求日】2021-12-24
(73)【特許権者】
【識別番号】594164542
【氏名又は名称】キヤノンメディカルシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】保田 裕貴
(72)【発明者】
【氏名】宇都宮 和樹
(72)【発明者】
【氏名】狩野 佑介
【審査官】木村 慎太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-060239(JP,A)
【文献】特開2009-176023(JP,A)
【文献】特開2012-247879(JP,A)
【文献】特開2012-022374(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00-80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検体を検査又は測定することで得られた測定値と、前記測定値が取得された日時と、前記測定値を取得した医療機関を示す情報とを対応付けた測定データを記憶する記憶部と、
前記医療機関の何れかから指定された被検体に係る前記測定データを、前記記憶部から取得する取得部と、
前記取得部が取得した前記測定データに含まれる前記測定値を、当該測定値が取得された医療機関を識別可能な状態で時系列順に配列して表示させるとともに、配列した前記測定値に対応付けて、当該測定値を取得した前記医療機関の特性を表す特性値に基づく情報を前記医療機関間で識別可能に表示させる表示制御部と、
を有し、
前記特性値は、前記医療機関の各々で使用されている前記測定値の判定に係る基準範囲であり、
前記表示制御部は、配列した測定値の各々に対し、当該測定値を取得した前記医療機関の基準範囲を付加して表示させるとともに、前記取得部が取得した前記測定データに係る医療機関のうち、基準とする特定の医療機関の基準範囲に基づく前記測定値の各々の判定結果と、前記特定の医療機関以外の他の医療機関の基準範囲に基づく前記測定値の判定結果とが相違する測定値を識別可能に表示させる、医用情報処理システム。
【請求項2】
前記特性値は、前記医療機関の各々で取得された前記測定値の統計上の代表値であり、
前記表示制御部は、前記取得部が取得した前記測定データに係る医療機関のうち、基準とする特定の医療機関の特性値と、当該特定の医療機関以外の他の医療機関の特性値との差分に基づき補正した補正後の前記測定値を、配列した前記測定値に付加して表示させる、請求項1に記載の医用情報処理システム。
【請求項3】
前記表示制御部は、前記取得部が取得した前記測定データに含まれる測定値のうち、基準とする特定の医療機関で取得された測定値と、当該特定の医療機関以外の他の医療機関で取得された測定値とを識別可能に表示させる、請求項1又は2に記載の医用情報処理システム。
【請求項4】
前記表示制御部は、配列した前記測定値の各々を時系列順に線分で繋ぐとともに、前記特定の医療機関で取得された測定値を表示する表示色を用いて前記線分を表示させる、請求項3に記載の医用情報処理システム。
【請求項5】
前記表示制御部は、前記特性値が存在しない医療機関で取得された測定値に繋がる線種を、当該測定値以外の他の測定値間を繋ぐ線種と相違させる、請求項4に記載の医用情報処理システム。
【請求項6】
前記表示制御部は、前記特性値が存在しない医療機関で取得された測定値を、他の測定値と識別可能に表示する、請求項2~5の何れか一項に記載の医用情報処理システム。
【請求項7】
前記被検体を指定した前記医療機関を判定する判定部を更に有し、
前記表示制御部は、前記判定部が判定した前記医療機関を基準とする、請求項2~6の何れか一項に記載の医用情報処理システム。
【請求項8】
前記表示制御部は、基準とする特定の医療機関の基準範囲を、当該特定の医療機関以外の他の医療機関の基準範囲と識別可能に表示させる、請求項に記載の医用情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、医用情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、医療の分野では、医師による診断や治療方針の検討を支援するため、複数の時点で取得された被検体の測定値等を時系列順に表示することが行われている。また、近年では、医療機関同士が相互に連携を図る地域医療連携が進められており、複数の医療機関で取得された検査値を相互に参照することが可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2013-242745号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、複数の医療機関で測定された測定結果の表示に係る利便性を向上させることができる医用情報処理システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態に係る医用情報処理システムは、被検体を検査又は測定することで得られた測定値と、前記測定値が取得された日時と、前記測定値を取得した医療機関を示す情報とを対応付けた測定データを記憶する記憶部と、前記医療機関の何れかから指定された被検体に係る前記測定データを、前記記憶部から取得する取得部と、前記取得部が取得した前記測定データに含まれる前記測定値を、当該測定値が取得された医療機関を識別可能な状態で時系列順に配列して表示させるとともに、配列した前記測定値に対応付けて、当該測定値を取得した前記医療機関の特性を表す特性値に基づく情報を前記医療機関間で識別可能に表示させる表示制御部と、を有する。また、特性値は、前記医療機関の各々で使用されている前記測定値の判定に係る基準範囲であり、表示制御部は、配列した測定値の各々に対し、当該測定値を取得した前記医療機関の基準範囲を付加して表示させるとともに、前記取得部が取得した前記測定データに係る医療機関のうち、基準とする特定の医療機関の基準範囲に基づく前記測定値の各々の判定結果と、前記特定の医療機関以外の他の医療機関の基準範囲に基づく前記測定値の判定結果とが相違する測定値を識別可能に表示させる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1図1は、実施形態に係る医用情報処理システムの構成例を示す図である。
図2図2は、実施形態に係る情報提供サーバの構成の一例を示す図である。
図3図3は、実施形態の検査結果DBに格納された診療データのデータ構成の一例を示す図である。
図4図4は、実施形態に係る検出機能の動作を説明するための図である。
図5図5は、実施形態に係る検査値推移画面の表示形態の一例を示す図である。
図6図6は、図5に示した検査値推移画面の変形例を示す図である。
図7図7は、実施形態に係る検査値推移画面の表示形態の一例を示す図である。
図8図8は、図7に示した検査値推移画面の変形例を示す図である。
図9図9は、実施形態に係る検査値推移画面の表示形態の一例を示す図である。
図10図10は、実施形態に係る検査値推移画面の表示形態の一例を示す図である。
図11図11は、実施形態の情報提供サーバで実行される特性値検出処理の一例を示すフローチャートである。
図12図12は、実施形態の情報提供サーバで実行される情報提供処理の一例を示すフローチャートである。
図13図13は、変形例1に係る情報提供サーバの構成の一例を示す図である。
図14図14は、変形例1に係る基準範囲DBのデータ構成の一例を示す図である。
図15図15は、変形例3に係る検査値推移画面の表示形態の一例を示す図である。
図16図16は、変形例4に係る検査値推移画面の表示形態の一例を示す図である。
図17図17は、変形例5に係る検査値推移画面の表示形態の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、図面を参照しながら、医用情報処理システムの実施形態について説明する。
【0008】
図1は、本実施形態に係る医用情報処理システムの構成例を示す図である。図1に示すように、本実施形態に係る医用情報システム1は、複数の医療機関システム10(10a~10c)と、情報提供サーバ20とを有し、ネットワークN1を介して通信可能に接続される。なお、ネットワークN1に接続される医療機関システム10の個数は特に問わないものとする。
【0009】
医療機関システム10は、病院等の医療機関や検査機関(以下、総称して医療機関)の各々が備えるシステムである。図1に示す例では、医療機関システム10aは、病院Aの医療機関システムであり、医療機関システム10bは、病院Bの医療機関システムであり、医療機関システム10cは、病院Cの医療機関システムであり、医療機関システム10dは、病院Dの医療機関システムである。これら各病院(医療機関システム10a~10d)は、例えば地域医療連携の関係にあり、患者等の被検体の診療データを相互に参照することが可能となっている。
【0010】
医療機関システム10の各々は、例えば、検体検査システム11、画像診断システム12、電子カルテシステム13、端末装置14等を有している。検体検査システム11、画像診断システム12、電子カルテシステム13及び端末装置14は、院内ネットワークN2を介して通信可能に接続される。また、院内ネットワークN2は、ルータ等のネットワーク機器を介して、ネットワークN1に接続される。
【0011】
検体検査システム11は、被検体に対して実施された検体検査に関する診療データを生成し、システム内の記憶回路に記憶する。例えば、検体検査システム11は、被検体に対して実施された血液学的検査や生化学的検査の結果を示す検査値(数値データ)を含んだ診療データを生成する。また、検体検査システム11は、記憶回路に記憶されている診療データを情報提供サーバ20に提供する。
【0012】
画像診断システム12は、被検体に対して実施された画像診断に関する診療データを生成し、システム内の記憶回路に記憶する。ここで、画像診断は、X線CT(Computed Tomography)装置によって撮像されたCT画像を用いた検査や、MRI(Magnetic Resonance Imaging)装置によって撮像されたMR画像を用いた検査、超音波診断装置によって撮像された超音波画像を用いた検査、X線診断装置によって撮像されたX線画像を用いた検査等が含まれる。例えば、画像診断システム12は、画像診断によって得られた血管径や血流量等の検査値(数値データ)を含んだ診療データを生成する。また、画像診断システム12は、記憶回路に記憶されている診療データを情報提供サーバ20に提供する。
【0013】
電子カルテシステム13は、被検体に対して実施された処方や看護記録に関する診療データを生成して、システム内の記憶回路に記憶する。例えば、電子カルテシステム13は、被検体のバイタル(脈拍、心拍数、呼吸数、血圧、体温等)等の検査値(数値データ)を含んだ診療データを生成する。また、電子カルテシステム13は、記憶回路に記憶されている診療データを情報提供サーバ20に提供する。
【0014】
上述した検体検査システム11、画像診断システム12及び電子カルテシステム13の各システムで生成される診療データには、測定値に対応する検査値の他、以下のような情報が含まれている。例えば、診療データには、検査が行われた日時(測定日時)、検査の種別(検査種別)、検査値の単位、正常又は異常を示す異常フラグ等の情報が含まれる。
【0015】
また、診療データには、被検体を一意に識別することが可能な患者IDが含まれる。患者IDは、各医療機関で共通のものであってもよいし、各医療機関で相違するものであってもよい。但し、後者の場合には、例えば、同一人物に関する各医用期間の患者IDを相互に関連付け等することで、各医療機関の患者IDから同一人物の被検体を特定できるよう構成されているものとする。
【0016】
また、診療データには、被検体の検査が行われた環境(検査環境)を示す情報として、検査が行われた医療機関を一意に識別することが可能な情報が含まれる。
【0017】
なお、診療データに含まれる情報は、上述した例に限らないものとする。例えば、診療データは、被検体に関する情報として、被検体の性別や年齢、BMI(Body Mass Index)、喫煙/飲酒習慣の有無等の情報を含んでもよい。また、診療データは、検査環境として、検査に使用された装置を識別可能な情報や、検査に使用された試薬を識別可能な情報等を含んでもよい。また、診療データは、検体の採取日時を含んでもよい。
【0018】
端末装置14は、医師、看護師、検査技師等の医療従事者が使用するPC(Personal Computer)やタブレット端末等のコンピュータ機器である。端末装置14は、図1に示すように、入力回路141及びディスプレイ142を有する。入力回路141は、操作者からの入力操作を受け付ける。例えば、入力回路141は、トラックボール、スイッチボタン、マウス、キーボード、タッチパネル等によって実現される。ディスプレイ142は、各種のデータを表示する。例えば、ディスプレイ142は、液晶モニタやCRT(Cathode Ray Tube)モニタ、タッチパネル等によって実現される。なお、入力回路141とディスプレイ142とは統合してもよい。例えば、入力回路141及びディスプレイ142は、タッチパネル構成であってもよい。
【0019】
医療従事者は、端末装置14を介して、自己の医療機関内の各システムにアクセスすることができる。また、医療従事者は、端末装置14を介して、情報提供サーバ20にアクセスすることができる。なお、情報提供サーバ20へのアクセス時には、端末装置14が設置された医療機関の医療機関ID、端末装置14を操作するユーザ(医療従事者)を識別可能な情報が、情報提供サーバ20に送信されるものとする。
【0020】
情報提供サーバ20は、ネットワークN1を介して、医療機関システム10の各々から各種の診療データを取得し、取得した診療データを用いて各種の情報処理を行う。例えば、情報提供サーバ20は、サーバ装置やワークステーション等のコンピュータ機器によって実現される。なお、情報提供サーバ20は、単一の装置に限らず、ネットワーク接続された複数のコンピュータ機器の協働(例えばクラウドコンピューティング)により実現される形態としてもよい。
【0021】
図2は、情報提供サーバ20の構成の一例を示す図である。図2に示すように、情報提供サーバ20は、通信インタフェース210と、記憶回路220と、処理回路230とを有する。
【0022】
通信インタフェース210は、処理回路230に接続されており、情報提供サーバ20と各医療機関システム10との間で行われる各種データの伝送及び通信を制御する。具体
的には、通信インタフェース210は、各医療機関システム10から診療データを受信し、受信した診療データを処理回路230に出力する。通信インタフェース210は、例えば、ネットワークカードやネットワークアダプタ、NIC(Network Interface Controller)等によって実現される。
【0023】
記憶回路220は、処理回路230に接続されており、各種データを記憶する。具体的には、記憶回路220は、処理回路230が実行する各種のプログラムや、情報提供サーバ20の動作に関する各種の設定情報を記憶する。また、記憶回路220は、本実施形態の記憶部に対応する、各医療機関システム10から受信した診療データを記憶するための検査結果DB221を保持する。記憶回路220は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子や、ハードディスク、光ディスク等によって実現される。なお、検査結果DB221は、記憶回路220が保持する形態に限らず、情報提供サーバ20がアクセス可能な外部装置が保持する形態としてもよい。
【0024】
処理回路230は、情報提供サーバ20の動作を統括的に制御する。処理回路230は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサによって実現される。
【0025】
また、処理回路230は、収集機能231、検出機能232、判定機能233、取得機能234及び表示制御機能235を備える。なお、判定機能233は、判定部の一例である。また、取得機能234は、取得部の一例である。また、表示制御機能235は、表示制御部の一例である。
【0026】
収集機能231は、医療機関システム10の各々から診療データを収集する。具体的には、収集機能231は、各医療機関システム10の検体検査システム11、画像診断システム12及び電子カルテシステム13の各々から提供される診療データを収集する。そして、収集機能231は、収集した診療データを記憶回路220の検査結果DB221に格納する。
【0027】
図3は、検査結果DB221に格納された診療データのデータ構成の一例を示す図である。図3に示すように、診療データは、患者ID、測定日時、検査種別、検査値、単位、異常フラグ及び検査環境IDをデータ項目として有する。なお、図3に示す診療データは、各医療機関システム10の検体検査システム11から収集された診療データの一例を示している。
【0028】
図3において、患者IDは、被検体を一意に識別することが可能な情報である。測定日時は、被検体の検査が行われた日時である。検査種別は、被検体に対して行われた検査の種別を示す。検査値は、検査によって得られた被検体の検査値(数値データ)である。単位は、検査値の数量を表す物理単位である。異常フラグは、医療機関で設定された情報であり、検査値が正常か否かを示す情報である。なお、図3では、異常フラグの空欄は、正常と判定されたことを意味している。また、検査環境IDには、検査が行われた医療機関を識別可能な情報が格納される。なお、図3では、検査環境IDとして、病院名を格納した例を示している。
【0029】
図2に戻り、検出機能232は、検査結果DB221に格納された診療データに基づいて、検査環境IDに登録された検査環境(医療機関)、及び検査種別毎に特性値を検出する。ここで、特性値は、検査結果の傾向を表すものである。以下では、検査環境を単に医療機関ともいう。
【0030】
具体的には、検出機能232は、診療データに含まれた検査値及び異常フラグの状態に基づき、検査結果の傾向を表す特性値を医療機関(検査環境ID)及び検査種別毎に検出
する。ここで、検出機能232は、医療機関及び検査種別毎に検査値の度数分布を算出し、当該度数分布から得られる平均値、中央値、最頻値等の代表値を第1の特性値として検出する。また、検出機能232は、診療データに含まれた検査値と異常フラグとの関係に基づき、各医療機関での被検体の状態判定に係る基準範囲又は当該基準範囲を特定可能な検査値の範囲を第2の特性値として検出する。例えば、検出機能232は、正常/異常の判定や、要注意・要経過観察等の判定等の各種の状態判定に係る第2の特性値を検出する。以下、上述した第1の特性値及び第2の特性値の検出方法について説明する。なお、本実施形態では、説明の簡略化のため、正常/異常の判定に係る第2の特性値の検出方法について説明する。
【0031】
第1の特性値を検出する場合、検出機能232は、検査結果DB221に格納された診療データを医療環境及び検査環境毎に区分する。次いで、検出機能232は、区分した診療データに基づき、当該診療データに含まれる検査値と当該検査値が登場する頻度との関係を表した度数分布を生成する。
【0032】
図4は、検出機能232の動作を説明するための図であり、検査値と頻度との関係を表した度数分布を示している。ここで、図4(a)は、医療機関「病院A」に係る検査値の度数分布を示すものであり、図4(b)は、医療機関「病院B」に係る検査値の度数分布を示すものであるとする。なお、図4では、検査種別がHDL-コレステロール(HDL-C)の検査値を分析の対象としている。
【0033】
次いで、検出機能232は、度数分布を統計的に解析することで算出した平均値や中央値等の代表値を、第1の特性値として検出する。例えば、検出機能232は、図4(a)で示した度数分布から中央値「49」を算出すると、この中央値「49」を、医療機関「病院A」及び検査種別「HDL-C」係る第1の特性値として検出する。また、検出機能232は、図4(b)で示した度数分布から中央値「45」を算出すると、この中央値「49」を、医療機関「病院B」及び検査種別「HDL-C」係る第1の特性値として検出する。検出された第1の特性値は、対応する医療機関及び検査種別に対応付けて記憶回路220等に記憶される。
【0034】
一方、第2の特性値を検出する場合、検出機能232は、上述した第1の特性値と同様に、検査結果DB221に格納された診療データを医療環境及び検査環境毎に区分する。次いで、検出機能232は、区分した診療データのうち、異常(又は正常)を示すフラグがセットされた検査値の上限値と下限値とを特定する。そして、検出機能232は、特定した上限値と下限値との各々を、検査値の正常/異常の判定に係る基準範囲を特定可能な第2の特性値として検出する。
【0035】
ここで、図4(a)、(b)を用いて説明すると、検出機能232は、図4(a)の度数分布に係る各診療データから、異常を示すフラグがセットされた検査値の上限値「121」と下限値「44」とを特定する。また、図4(b)の度数分布に係る各診療データから、異常を示すフラグがセットされた検査値の上限値「120」と下限値「29」とを特定する。
【0036】
そして、検出機能232は、図4(a)の上限値及び下限値の値を、基準範囲R1(44<R1<121)を特定可能な、医療機関「病院A」及び検査種別「HDL-C」に係る第2の特性値として検出する。また、また、検出機能232は、図4(b)の上限値及び下限値の値を、基準範囲R2(29<R1<120)を特定可能な、医療機関「病院B」及び検査種別「HDL-C」に係る第2の特性値として検出する。検出された第2の特性値は、対応する医療機関及び検査種別に対応付けて記憶回路220等に記憶される。
【0037】
なお、上記例では、医療機関及び検査種別の単位で特性値を検出したが、より詳細に検査環境(検査環境ID)が設定されている場合には、その詳細な単位で特性値を検出してもよい。例えば、医療機関を識別可能な情報とともに、検査に使用された装置や試薬を識別可能な情報が診療データに含まれる場合には、それら装置や試薬の単位で特性値を検出してもよい。
【0038】
また、検出機能232が特性値の検出を行うタイミングは特に問わず、任意に設定すること可能である。例えば、検出機能232は、予め設定されたタイミングで特性値の検出を行ってもよい。また、例えば、検出機能232は、端末装置14等の外部装置から診療データの参照要求を受け付けたタイミングで特性値の検出を行ってもよい。
【0039】
また、統計的な解析を行う上で診療データの個数(サンプル数)が不足するような場合には、特性値を検出することができず、又は特性値を検出できたとしても精度が低い可能性がある。そのため、検出機能232は、区分した診療データの個数が閾値未満となる場合には、該当する医療機関及び検査種別に対応付けて、特性値が不明であることを示す情報を記憶することが好ましい。
【0040】
図2に戻り、判定機能233は、通信インタフェース210を介して自装置(情報提供サーバ20)に対するアクセスを受け付けると、アクセス元の端末装置14が所属する医療機関を判定する。具体的には、判定機能233は、何れかの端末装置14から、診療データの参照要求を受け付けると、要求元の端末装置14が所属する医療機関を判定する。以下、要求元の端末装置14が所属する医療機関をアクセス元の医療機関という。また、アクセス元の医療機関以外の他の医療機関を、非アクセス元の医療機関という。
【0041】
ここで、参照要求には、参照を要求する診療データを指定するための患者IDや検査種別等の絞り込み条件が含まれる。また、例えば、参照要求には、要求元のユーザや医療機関を識別可能な情報が含まれてもよい。
【0042】
例えば、参照要求に医療機関を識別可能な情報が含まれる場合、判定機能233は、参照要求に含まれた情報により特定される医療機関を、アクセス元の医療機関と判定する。また、例えば、判定機能233は、自装置にアクセスした端末装置14のIPアドレスやドメインに基づき、アクセス元の医療機関を判定してもよい。
【0043】
また、例えば、判定機能233は、ユーザ名及びパスワードを入力させるためのログイン画面を端末装置14に提供し、ログイン画面に入力された情報に基づきアクセス元の医療機関を判定する形態としてもよい。この場合、例えば、判定機能233は、ログイン画面に入力されたユーザ名及びパスワードに基づいてユーザ認証を行い、ユーザ名と医療機関とを対応付けたデータテーブル等に基づいて、ログインを許可したユーザ名に対応する医療機関を特定することができる。
【0044】
取得機能234は、医療機関(医療機関システム10)の何れかから指定された被検体に係る診療データを検査結果DB221から取得する。具体的には、取得機能234は、参照要求に含まれた絞り込み条件に基づき、当該絞り込み条件に該当する診療データを、検査結果DB221から取得する。
【0045】
例えば、絞り込み条件として患者ID及び検査種別が指定されていた場合、取得機能234は、指定された患者ID及び検査種別を含む診療データを、検査結果DB221から取得する。また、例えば、絞り込み条件として患者IDが指定された場合、表示制御機能235は、指定された患者IDを含む診療データを検査結果DB221から取得する。
【0046】
表示制御機能235は、取得機能234が取得した診療データに基づき、当該診療データに含まれた検査値を時系列順に配列した表示用データを生成する。そして、表示制御機能235は、生成した表示用データを要求元の端末装置14に提供することで、表示用データに応じた画面を端末装置14のディスプレイ142に表示させる。
【0047】
具体的には、表示制御機能235は、取得機能234が取得した診療データを検査種別毎に区分し、区分した診療データの各々に含まれる検査値を時系列順に配列する。ここで、複数の医療機関に亘って検査が行われていた場合には、複数の医療機関で取得された検査値が混在した状態で時系列順に配列されることになる。そして、表示制御機能235は、時系列順に配列した検査値をグラフ形式で表した表示用データを生成する。
【0048】
また、表示制御機能235は、上述した表示用データの生成に関して、時系列順に配列した検査値に対し、当該検査値を取得した医療機関の特性値に基づく情報を対応付けて付加する。ここで、検査値に付加される情報は、種々の形態を採用することが可能である。
【0049】
以下、図5図10を参照しながら、表示制御機能235が生成する表示用データによって表示される画面(以下、検査値推移画面)の表示形態について説明する。
【0050】
図5は、検査値推移画面の表示形態の一例を示す図である。ここで、検査値推移画面G1の横軸は検査が行われた日付を、縦軸は検査値を表している。また、検査値推移画面G1は、図3に示した診療データのうち、患者ID「P0001」及び検査種別「HDL-C」の絞り込み条件に該当する診療データの検査値を時系列順に配列(プロット)した結果を表している。
【0051】
この、検査値推移画面G1では、アクセス元の医療機関に係る第1の特性値と、非アクセス元の医療機関に係る第1の特性値との差分に基づき、非アクセス元の医療機関で取得された検査値を補正した値を、上述した特性値に基づく情報として表示した例を示している。
【0052】
例えば、判定機能233によりアクセス元の医療機関が「病院B」と判定されると、表示制御機能235は、その医療機関「病院B」及び検査種別「HDL-C」に係る第1の特性値を補正の基準値に設定する。次いで、表示制御機能235は、設定した基準値と、非アクセス元の医療機関「病院A、病院C、病院D」の各々について検出された検査種別「HDL-C」に係る第1の特性値との差分を算出し、算出した差分値を補正量に設定する。例えば、病院Bの第1の特性値(基準値)が「45」、病院Aの第1の特性値が「49」であったとすると、表示制御機能235は、両特性値の差分「-4」を補正量に設定する。
【0053】
次いで、表示制御機能235は、時系列順にプロットした検査値のうち、アクセス元の医療機関「病院B」以外の、他の医療機関「病院A、病院C、病院D」で取得された検査値を先に設定した補正量でそれぞれ補正し、補正後の検査値を補正前の検査値と識別可能な状態で付加する。例えば、病院Aの検査値が「44」であったとすると、表示制御機能235は、検査値が「44」に補正量「-4」を加算し、補正後の検査値「40」をプロットする。そして、表示制御機能235は、アクセス元の医療機関「病院A」で取得された検査値及び補正後の検査値を線分(実線)で時系列順に繋ぐ。
【0054】
図5の点P11、P12、P13は、病院Aの検査で取得された補正前の検査値44mg/dL、58mg/dL、50mg/dLにそれぞれ対応し、点P11’、P12’、P13’は、点P11~P13の検査値を補正量「-4」で補正した補正後の検査値40mg/dL、54mg/dL、46mg/dLにそれぞれ対応する。また、点P14は、
アクセス元の病院Bの検査で取得された検査値65mg/dLに対応する。また、点P15は、病院Cの検査で取得された補正前の検査値111mg/dLに対応し、点P15’は、点P15の検査値を補正量「+3」で補正した補正後の検査値114mg/dLに対応する。また、点P16は、病院Dの検査で取得された検査値65mg/dLに対応する。
【0055】
ここで、補正前の点(P11、P12、P13、P15)と、補正後の点(P11’、P12’、P13’、P15’)とは表示色が異なり、補正後の検査値と補正前の検査値とを識別することが可能となっている。より詳細には、補正後の点(P11、P12、P13、P15)は、アクセス元の病院Bに係る点P14と同一の表示色で表示されている。
【0056】
これにより、検査値推移画面G1を観察するユーザは、自己の医療機関の検査で取得された検査値と、他の医療機関の検査で取得された検査値とを容易に識別することができる。また、ユーザは、他の医療機関の検査で取得された検査値の表示色等の相違から、その検査値が補正前のものか補正後のものかを容易に識別することができる。また、ユーザは、補正前後の検査値の状態から、自己の医療機関での検査結果との違いを直観的に把握できるため、検査環境の比較を容易に行うことができる。
【0057】
なお、図5において、点P16は、検査環境の特性値(第1の特徴量)が不明の検査値の表示例である。図5に示すように、点P16は、他の点とは異なる表示色で表示されている。このように、特性値が不明の検査値については、他の検査値とは異なる形態で表示することで、ユーザの注意を促すことができる。また、特性値が不明の検査値については、例えば図6に示すように、特性値が検出済の検査値間を繋ぐ線分とは異なる線種で繋ぐ形態としてもよい。
【0058】
ここで、図6は、図5に示した検査値推移画面の変形例を示す図であり、図5と同様の表示内容を示している。図6の検査値推移画面G2では、検査値推移画面G1との相違点として、特性値が不明の検査値(点P16)に繋がる線分を破線で表している。これにより、特性値が不明の検査値を強調することができるため、ユーザの注意を促すことができる。
【0059】
また、検査値推移画面は、第1の特性値に基づくものに限らず、第2の特性値を用いたものであってもよい。例えば、図7に示すように、時系列順にプロットした各検査値に対し、第2の特性値で特定される基準範囲を、上述した特性値に基づく情報として付加する形態としてもよい。
【0060】
ここで、図7は、検査値推移画面の表示形態の一例を示す図である。なお、図7に示す検査値推移画面G3は、図5と同様の条件(患者ID「P0001」、検査種別「HDL-C」、アクセス元「病院B」)に基づくものである。
【0061】
本表示形態の場合、表示制御機能235は、時系列順にプロットした検査値の各々に対し、当該検査値が取得された医療機関及び検査種別に係る第2の特性値を対応付けて表示させる。また、表示制御機能235は、アクセス元の医療機関に係る第2の特性値と、非アクセス元の医療機関に係る第2の特性値とを識別可能な状態で表示させる。
【0062】
具体的には、図7に示すように、時系列順にプロットされた点P11~P16の検査値に対し、対応する第2の特性値で特定される基準範囲を表した範囲バーB11~B15を対応付けて表示させる。ここで、点P11~P15及び範囲バーB11~B15の表示色は、医療機関毎に異なっている。
【0063】
例えば、病院Aに係る検査値(点P11~P13)及び第2の特性値(B11~B13)と、アクセス元の病院Bに係る検査値(点P14)及び第2の特性値(B14)とは、異なる表示色で表示される。また、アクセス元の病院Bに係る検査値(点P14)及び第2の特性値(B14)と、病院Cに係る検査値(点P15)及び第2の特性値(B15)とは、異なる表示色で表示されている。一方、各検査値を繋ぐ線分の表示色は、アクセス元の医療機関(病院B)の検査値(P14)と同じ表示色に統一されている。なお、図7の点P16は、図5の点P16と同様、特性値が不明の検査値の表示例である。
【0064】
これにより、検査値推移画面G3を観察するユーザは、自己の医療機関の検査で取得された検査値と、他の医療機関の検査で取得された検査値とを容易に識別することができる。また、ユーザは、検査値推移画面G3に表示された基準範囲(範囲バー)状態から、自己の医療機関での基準範囲との違いを直観的に把握できるため、検査環境間の比較を容易に行うことができる。
【0065】
また、例えば、図7に示した検査値推移画面G3の変形例として、アクセス元の医療機関に係る第2の特性値(基準範囲)の表示形態を、非アクセス元の医療機関に係る第2特性値とは異なる形態で表示させてもよい。
【0066】
例えば、図8の検査値推移画面G4示すように、アクセス元の医療機関に係る範囲バーB14を全期間に亘って表示することで、アクセス元の医療機関に係る第2の特性値をより強調して表示することができるここで、図8は、図7に示した検査値推移画面の変形例を示す図であり、図7と同様の表示内容を示している。
【0067】
このように、アクセス元の医療機関と非アクセス元の医療機関とで第2の特性値の表示形態を変えることで、アクセス元の医療機関に係る第2の特性値を強調させることができる。また、アクセス元の医療機関で使用されている基準範囲と、非アクセス元の医療機関で使用されている基準範囲との比較が用意となるため、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0068】
また、他の表示形態として、アクセス元の医療機関に係る第2の特性値(基準範囲)を基準に判定した、非アクセス元の医療機関の検査値の正常/異常の判定結果を、検査値推移画面に付加して表示させてもよい。
【0069】
本表示形態を実現する場合、表示制御機能235は、時系列順にプロットした検査値の各々が、アクセス元の医療機関に係る第2の特性値の基準範囲に含まれるか否かを判定することで、正常/異常の判定(第1の判定)を行う。また、表示制御機能235は、時系列順にプロットした各検査値の各々が、当該検査値が取得された医療機関に係る第2の特性値の基準範囲に含まれるか否かを判定することで、正常/異常の判定(第2の判定)を行う。なお、第2の判定は行わず、診療データに記録された異常フラグの値を利用しても。
【0070】
表示制御機能235は、第1の判定と第2の判定との判定結果を比較し、例えば、第1の判定と第2の判定とで判定結果が相違する検査値、第1の判定及び第2の判定で共に異常と判定された検査値等を抽出する。そして、表示制御機能235は、図9に示すように、抽出した検査値を他の検査値と異なる表示方法で表示させる。
【0071】
ここで、図9は、検査値推移画面の表示形態の一例を示す図である。なお、図9に示す検査値推移画面G5は、図5と同様の条件(患者ID「P0001」、検査種別「HDL-C」、アクセス元「病院B」)に基づくものである。
【0072】
図9において、例えば、点P13の検査値は、当該検査値に対応付けられた範囲バーB13を基準にすると、範囲バーB13内に含まれるため正常となる。一方、点P13の検査値は、アクセス元の医療機関の検査値(P14)に対応付けられた範囲バーB14を基準にすると、範囲バーB14の外となるため異常となる。このような場合、表示制御機能235は、図9に示すように、点P13の表示色を他の点の表示色と相違させることで、強調表示を行う。
【0073】
また、例えば、点P11aの検査値は、当該検査値に対応付けられた範囲バーB11を基準にすると、範囲バーB11の外となるため異常となる。また、点P11aの検査値は、アクセス元の医療機関の検査値(P14)に対応付けられた範囲バーB14を基準にすると、範囲バーB14の外となるため異常となる。このような場合、表示制御機能235は、図9に示すように、点P13の表示色を他の点の表示色と相違させることで、強調表示を行う。
【0074】
これにより、検査値推移画面G9を観察するユーザは、自己の医療機関と他の医療機関との基準範囲の相違により判定結果が相違する検査値や、両医療機関で共に判定結果が異常となった検査値を容易に識別することができる。
【0075】
また、他の表示形態として、第1の特性値及び第2の特性値の両方を用いた検査値推移画面に表示させてもよい。この場合、例えば、表示制御機能235は、アクセス元の医療施設に係る第1の特性値に基づいた検査値の補正と、第2の特性値の表示とを実行することで、図10に示すような検査値推移画面G6を表示させることができる。
【0076】
図10は、検査値推移画面の表示形態の一例を示す図である。なお、図10に示す検査値推移画面G6は、図5と同様の条件(患者ID「P0001」、検査種別「HDL-C」、アクセス元「病院B」)に基づくものである。
【0077】
図10に示すように、検査値推移画面G6では、図5で説明した検査値推移画面G1の表示形態と、図7で説明した検査値推移画面G3の表示形態とを混合したものとなっている。なお、図10では、アクセス元の医療機関に係る第2の特性値(範囲バーB14)のみを表示した例を示しているが、図7と同様に、非アクセス元の医療機関に係る第2の特性値を表示させてもよい。
【0078】
以上、検査値推移画面の表示形態を説明したが、上述した検査値推移画面G1~G6の例に限定されないものとする。なお、上述した検査値推移画面G1~G6の表示形態は、選択的に指定できるよう構成されてもよい。例えば、ユーザからの指示に応じて、検査値推移画面G1~G6の何れか一つを選択的に表示させる形態としてもよい。
【0079】
次に、図11及び図12を参照して、情報提供サーバ20の動作について説明する。
【0080】
ここで、図11は、情報提供サーバ20で実行される特性値検出処理の一例を示すフローチャートである。
【0081】
まず、検出機能232は、検査結果DB221に格納された検査環境(検査環境ID:医用期間)の中から、何れか一つを処理対象に選択する(ステップS11)。次いで、検出機能232は、選択した検査環境を含む診療データを読み出し(ステップS12)、検査種別毎に区分けする(ステップS13)。
【0082】
続いて、検出機能232は、区分けした検査種別の中から、何れか一つを処理対象に選
択する(ステップS14)。次いで、検出機能232は、選択した検査種別を含む診療データの個数(サンプル数)が所定値以上か否かを判定する(ステップS15)。ここで、サンプル数が所定値以上の場合には(ステップS15;Yes)、検出機能232は、その診療データ群に含まれた検査値の傾向に基づき特性値(第1の特性値及び第2の特性値)を検出する(ステップS16)。そして、検出機能232は、検出した特性値を、処理対象の検査環境及び検査種別に対応付けて記憶し(ステップS17)、ステップS19に移行する。
【0083】
一方、サンプル数が所定値未満の場合(ステップS15;No)、検出機能232は、特性値が不明であることを示す情報を、処理対象の検査環境及び検査種別に対応付けて記憶し(ステップS18)、ステップS19に移行する。
【0084】
次いで、検出機能232は、全ての検査種別を処理対象に選択したか否かを判定し、未処理の検査種別が存在する場合には(ステップS19;No)、ステップS14に再び戻る。また、全ての検査種別を処理対象とした場合には(ステップS19;Yes)、検出機能232は、ステップS20に移行する。
【0085】
続いて、検出機能232は、全ての検査環境を処理対象に選択したか否かを判定し、未処理の検査環境が存在する場合には(ステップS20;No)、ステップS11に再び戻る。また、全ての検査環境を処理対象とした場合には(ステップS20;Yes)、検出機能232は、本処理を終了する。
【0086】
以上の処理により、検査結果DB221に格納された検査環境(医療機関)及び検査種別毎に、その検査環境の特性を表す特性値が取得される。なお、図11では、検査結果DB221に格納された全ての診療データを処理の対象としたが、これに限らないものとする。例えば、各医療機関について所定数分の診療データが検査結果DB221に格納される毎に、当該医療機関に係る診療データから特性値の検出を行う形態としてもよい。
【0087】
図12は、情報提供サーバ20で実行される情報提供処理の一例を示すフローチャートである。なお、本処理の前提として、図11で説明した処理等により、医療機関及び検査種別毎の特性値が格納済であるとする。
【0088】
まず、判定機能233は、端末装置14の何れかから参照要求があるまで待機する(ステップS31;No)。判定機能233は、端末装置14から参照要求を受け付けると(ステップS31;Yes)、この端末装置14が所属する医療機関をアクセス元の医療機関として判定する(ステップS32)。
【0089】
続いて、取得機能234は、参照要求に含まれた絞り込み条件に基づき、当該参照要求で要求された診療データを検査結果DB221から取得する(ステップS33)。
【0090】
次いで、表示制御機能235は、ステップS33で取得された診療データに含まれる検査値を時系列順に読み出す(ステップS34)。なお、表示制御機能235は、ステップS33で取得された診療データに複数の検査種別が混在している場合には、以下の処理を検査種別毎に行うものとする。
【0091】
表示制御機能235は、読み出した検査値がアクセス元の医療機関で取得されたものか否かを判定する(ステップS35)。読み出した検査値がアクセス元の医療機関で取得されたものである場合(ステップS35;Yes)、表示制御機能235は、アクセス元の医療機関用に設定された第1の表示方法で検査値をプロットし(ステップS36)、ステップS40に移行する。なお、第2の特性値を付加する場合には、ステップS36でプロ
ットした検査値に対応付けて、第2の特性値の基準範囲に対応する範囲バーを追加する。
【0092】
また、読み出した検査値が非アクセス元の医療機関で取得されたものである場合(ステップS35;No)、表示制御機能235は、その検査値が取得された非アクセス元の医療機関に係る特性値が記憶されているか否かを判定する(ステップS37)。
【0093】
特性値が記憶されている場合(ステップS37;Yes)、表示制御機能235は、アクセス元及び非アクセス元の医療機関に係る特性値(第1の特性値)の差分に基づき補正した検査値と、補正前の検査値とを、第1の表示方法とか異なる第2の表示方法でプロットし(ステップS38)、ステップS40に移行する。なお、第2の表示方法では、補正前後の検査値が識別可能に表示されるものとする。また、第2の特性値を付加する場合には、ステップS38でプロットした検査値に対応付けて、第2の特性値に対応する範囲バーを追加する。
【0094】
一方、ステップS37で特性値が記憶されていないと判定した場合(ステップS17;No)、表示制御機能235は、第1の表示方法及び第2の表示方法とは異なる第3の表示方法で検査値をプロットし(ステップS39)、ステップS40に移行する。
【0095】
続いて、表示制御機能235は、前回読み出した検査値と今回読み出した検査値との両検査値が、第1の表示方法又は第2の表示方法でプロットされているか否かを判定する(ステップS40)。ここで、両検査値の特性値が共に第1の表示方法又は第2の表示方法でプロットされている場合(ステップS40;Yes)、表示制御機能235は、両検査値を実線で接続し(ステップS41)、ステップS43に移行する。
【0096】
また、両検査値の少なくとも一方が、第3の表示方法でプロットされている場合(ステップS40;No)、表示制御機能235は、実線以外の他の線種を用いて両検査値を接続し(ステップS42)、ステップS43に移行する。
【0097】
続いて、表示制御機能235は、全ての検査値をプロットしたか否かを判定し、未プロットの検査値が存在する場合には(ステップS43;No)、ステップS34に戻る。一方、全ての検査値をプロットしたと判定した場合には(ステップS43;Yes)、表示制御機能235は、プロット結果を表す表示用データを端末装置14に送信することで、端末装置14のディスプレイ142に検査値推移画面を表示させ(ステップS44)、本処理を終了する。
【0098】
上述したように、本実施形態では、被検体から取得された検査値と、検査値が取得された日時と、検査値を取得した医療機関を示す情報とを対応付けた診療データを記憶する検査結果DB221から、ユーザにより指定された被検体に係る診療データを取得する。そして、本実施形態では、取得した診療データの各々に含まれる検査値を時系列順に配列して表示させるとともに、配列した検査値に対し当該検査値の取得に係る医療機関の特性を表した特性値に基づく情報を付加して表示させる。
【0099】
これにより、ユーザは、各検査値に付加された特性値に基づく情報に基づき、各医療機関での検査値の取得に係る特性の違いを認識することができるため、検査環境の相違による検査値又は基準範囲のばらつきを容易に比較することができる。したがって、本実施形態では、複数の医療機関で測定された測定結果の表示に係る利便性を向上させることができる。
【0100】
なお、上述した実施形態は、情報提供サーバ20が有する構成又は機能の一部を変更することで、適宜に変形して実施することも可能である。そこで、以下では、上述した実施
形態に係るいくつかの変形例を他の実施形態として説明する。なお、以下では、上述した実施形態と異なる点を主に説明することとし、既に説明した内容と共通する点については詳細な説明を省略する。また、以下で説明する変形例は、個別に実施されてもよいし、適宜組み合わせて実施されてもよい。
【0101】
(変形例1)
上述した実施形態では、検査結果DB221に格納された診療データから第2の特性値(基準範囲)を検出する例を説明したが、基準範囲を予め保持する形態としてもよい。
【0102】
本変形例を適用する場合、例えば、情報提供サーバ20は、図11に示すように、検査環境及び検査項目毎の基準範囲を格納した基準範囲DB222を記憶回路220に保持する。図13は、変形例1に係る情報提供サーバ20の構成の一例を示す図である。なお、基準範囲DB222は、記憶回路220が保持する形態に限らず、情報提供サーバ20がアクセス可能な外部装置が保持する形態としてもよい。
【0103】
基準範囲DB222は、検査環境(医療機関)及び検査項目毎に基準範囲を対応付けて格納する。例えば、基準範囲DB222は、図14に示すように、検査環境、検査種別、基準範囲、単位等のデータ項目を対応付けて格納する。図14は、基準範囲DB222のデータ構成の一例を示す図である。
【0104】
ここで、検査環境、検査種別及び単位のデータ項目は、検査結果DB221に含まれた同名のデータ項目と同様である。また、基準範囲は、上述した実施形態の第2の特性値で特定される基準範囲に対応するものであり、検査環境及び検査項目毎に予め設定されている。なお、基準範囲DB222に格納される基準範囲は、検査環境及び検査項目毎に設定するものに限らず、ガイドライン等で規定された共通の基準範囲であってもよい。
【0105】
また、本変形例では、情報提供サーバ20(表示制御機能235)は、上述した実施形態の第2の特性値に基づく範囲バーの表示に代えて、基準範囲DB222に格納された基準範囲に基づいて範囲バーを表示する。
【0106】
このような構成によれば、上述した実施形態と同様の検査値推移画面を表示させることができるため、上述した実施形態を同様の効果を奏することができる。また、ガイドライン等で規定された共通の基準範囲を用いることで、各医療機関での検査結果のどの程度のばらつきがあるのかを、共通の基準範囲を基準に把握することができるため、複数の医療機関で測定された測定結果の表示に係る利便性を向上させることができる。
【0107】
(変形例2)
上述した実施形態では、検体検査によって得られた検査値(数値データ)を表示の対象としたが、これに限らず、他の検査で得られた検査値(数値データ)を表示の対象としてもよい。例えば、心電図や脳波等の生理機能検査によって得られた検査値(数値データ)を表示の対象としてもよい。また、表示の対象は、検査によって得られた検査値に限らず、測定値に拡張することも可能である。例えば、被検体の食事の摂取量が測定値(数値データ)として記録される場合、当該測定値の推移を上述した方法で表示することも可能である。
【0108】
(変形例3)
上述した実施形態では、検査環境及び検査項目毎に特性値を検出する形態としたが、更なる細分化として、被検体の特性毎に特性値を検出する形態としてもよい。ここで、被検体の特性は、例えば、性別や年齢、BMI(Body Mass Index)、喫煙/飲酒習慣の有無等が挙げられる。被検体の特性は、診療データに含まれていてもよいし、患者ID等の
被検体識別子に対応付けて外部のデータベース等に格納されていてもよい。
【0109】
本変形例では、情報提供サーバ20(検出機能232)は、検査環境及び検査項目に加え、被検体の特性毎に特性値を検出する。例えば、検出機能232は、被検体の年代毎に特性値を検出する。この場合、例えば、第2の特性値は、被検体の年代に応じて基準範囲が変化する可能性があるため、本変形例の形態に適した表示方法で検査値推移画面を表示させることが好ましい。
【0110】
図15は、本変形例に係る検査値推移画面の表示形態の一例を示す図である。図15の検査値推移画面G7は、特定の小児の心拍数の推移を表している。横軸は検査が行われた時の小児の月齢(年齢)を、縦軸は心拍数(回/分)を表している。
【0111】
また、点P21は、小児が1ヶ月の時に病院Aで取得された検査値に対応し、点P22は、小児が6ヶ月の時に病院Bで取得された検査値に対応し、点P23は、小児が2歳の時に病院Aで取得された検査値に対応する。そして、図15では、点P21~P23の各々に対応付けて、各医療機関の第2の特性値に対応する範囲バーB21~B23が表示されている。
【0112】
ここで、範囲バーB21は、新生児(0ヶ月~1ヶ月)の年代について検出された病院Aに係る第2の特性値に対応し、範囲バーB22は、1ヶ月~12ヶ月の年代について検出された病院Bに係る第2の特性値に対応し、範囲バーB23は、1歳~3歳の年代について検出された病院Cに係る第2の特性値に対応する。つまり、検査値推移画面G7では、小児の検査が行われた年齢(月例)に基づき、該当する年代の第2の特性値に対応する範囲バーを検査値に対応付けて表示している。
【0113】
また、図15では、アクセス元の医療機関を病院Bとした例を示しており、病院Bの診療データから検出された新生児の年代に係る第2の特性値を、範囲バーB22a~B22aとして、点P21に対応付けて表示している。また、同様に、病院Bの診療データから検出された1歳~3歳の年代に係る第2の特性値を、範囲バーB22b~B22bとして、点P23に対応付けて表示している。
【0114】
このような構成によれば、被検体の年齢等、被検体の特性に対応する基準範囲を検査値に対応付けて表示させることができるため、被検体の特性に適した基準範囲を指標として用いることができる。また、基準となる医療機関の基準範囲と、他の医療機関の基準範囲とを比較可能な状態で表示することで、被検体の特性毎に、各医療機関での検査結果のどの程度のばらつきがあるのかを容易に把握することができる。したがって、複数の医療機関で測定された測定結果の表示に係る利便性を向上させることができる。
【0115】
(変形例4)
上述した実施形態では、上限値及び下限値の2値で特定される範囲を基準範囲としたが、これに限らず、3値以上の値で特定される各範囲を基準範囲としてもよい。
【0116】
図16は、本変形例に係る検査値推移画面の表示形態の一例を示す図である。ここで、図16の検査値推移画面G8は、特定の被検体に対して行われた病理検査の結果の推移を表している。横軸は検査が行われた日付を、縦軸は検査値を表している。
【0117】
図16に示すように、検査値推移画面G8では、陰性、陽性(低発現)及び陽性(高発現)の3段階の基準範囲を定義した例を示している。この場合、情報提供サーバ20(検出機能232)は、診療データに含まれる病理検査の結果等から、各段階の閾値B32をそれぞれ特定することで、第2の特性値として検出することができる。
【0118】
なお、検査値推移画面G8では、アクセス元の医療機関を「病院B」とした例をしており、点P32が病院Bで取得された検査値に対応する。また、非アクセス元の医療機関「病院A」、「病院C」の補正前の検査値を点P31、点P33で表し、補正後の値を、点P31’、点P33’で表している。
【0119】
このような構成によれば、基準範囲が多段階で定義されるような検査であっても、上述した実施形態と同様の検査値推移画面を表示させることができるため、上述した実施形態を同様の効果を奏することができる。
【0120】
(変形例5)
上述した実施形態では、特性値が検出済の検査値間については実線を用いて繋ぐ形態を説明したが、この形態に限らないものとする。例えば、特性値が検出済の検査値であっても、その検査値が統計上の外れ値に該当する場合には、異なる線種や表示色を用いて繋ぐことで、その検査値が外れ値であることを識別可能に表示させてもよい。
【0121】
図17は、本変形例に係る検査値推移画面の表示形態の一例を示す図である。検査値推移画面G9の横軸は検査が行われた日付を、縦軸は検査値を表している。また、点P41~点P45の各点は、複数の医療機関で取得された検査値に対応し、範囲バーB41~B45の各々は、各検査値が取得された医療機関に係る第2の特性値に対応する。なお、何れの検査値も特性値が検出済であるとする。
【0122】
ここで、点P41~点P45のうち、例えば、点P43が外れ値に該当するような場合、情報提供サーバ20(表示制御機能235)は、点P43に繋がる線分を、他の線分とは異なる線種とすることで、点P43が外れ値であることを識別可能に表示する。なお、外れ値か否かを判定する方法は特に問わず、統計等の分野における公知の技術を用いてもよい。
【0123】
このような構成によれば、各医療機関で検査された検査値のうち、外れ値に該当する検査値については、外れ値であることを識別可能に表示することで、ユーザの注意を促すことができる。したがって、ユーザは、信頼性の低い検査結果を分析対象から容易に除外することができるため、利便性を向上させることができる。
【0124】
(変形例6)
上述した実施形態では、アクセス元の医療機関を基準に検査値の補正等を行う形態を説明したが、基準とする医療機関はこれに限らないものとする。例えば、ユーザから、基準とする医療機関が指定された場合には、この指定された医療機関を基準に検査値の補正等を行う形態としてもよい。
【0125】
(変形例7)
上述した実施形態では、情報提供サーバ20が、各医療機関の特性値を検出する形態としたが、これに限らないものとする。例えば、医療機関システム10の各々が、自己の医療機関で取得された診療データから特性値を検出する形態としてもよい。また、例えば、医用情報処理システムの外部の装置が、各医療機関の特性値を検出する形態としてもよい。なお、情報提供サーバ20の外で特性値が検出される場合には、情報提供サーバ20は、外部装置で検出された特性値を用いて、上述した処理を実行する。
【0126】
(変形例8)
上述した実施形態では、医療機関システム10の各々から独立したネットワークN1上に情報提供サーバ20を設けた形態を説明したが、情報提供サーバ20の設置位置はこれ
に限らないものとする。例えば、情報提供サーバ20は、医療機関システム10の各々に設置されてもよい。また、情報提供サーバ20が有する各機能(収集機能231、検出機能232、判定機能233、取得機能234及び表示制御機能235)の一部又は全ては、例えば、端末装置14等、医用情報処理システム内の何れかの装置が備えてもよい。
【0127】
なお、上述した各実施形態では、本明細書における判定部、取得部及び表示制御部を、それぞれ、処理回路230の判定機能233、取得機能234及び表示制御機能235によって実現する場合の例を説明したが、実施形態はこれに限られない。例えば、本明細書における判定部、取得部及び表示制御部は、実施形態で述べた表判定機能233、取得機能234及び表示制御機能235によって実現する他にも、ハードウェアのみ、又は、ハードウェアとソフトウェアとの混合によって同機能を実現するものであっても構わない。
【0128】
また、上述した説明で用いた「プロセッサ」という文言は、例えば、CPU(Central
Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、或いは、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等の回路を意味する。プロセッサは、記憶回路220に保存されたプログラムを読み出して実行することで、機能を実現する。なお、記憶回路220にプログラムを保存する代わりに、プロセッサの回路内にプログラムを直接組み込むように構成しても構わない。この場合は、プロセッサは回路内に組み込まれたプログラムを読み出して実行することで機能を実現する。また、本実施形態のプロセッサは、単一の回路として構成される場合に限らず、複数の独立した回路を組み合わせて一つのプロセッサとして構成され、その機能を実現するようにしてもよい。
【0129】
ここで、プロセッサによって実行されるプログラムは、ROM(Read Only Memory)や記憶回路等に予め組み込まれて提供される。なお、このプログラムは、これらの装置にインストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD(Compact Disk)-ROM、FD(Flexible Disk)、CD-R(Recordable)、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記憶媒体に記録されて提供されてもよい。また、このプログラムは、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納され、ネットワーク経由でダウンロードされることにより提供又は配布されてもよい。例えば、このプログラムは、上述した各機能部を含むモジュールで構成される。実際のハードウェアとしては、CPUが、ROM等の記憶媒体からプログラムを読み出して実行することにより、各モジュールが主記憶装置上にロードされて、主記憶装置上に生成される。
【0130】
以上説明した少なくとも1つの実施形態によれば、複数の医療機関で測定された測定結果の表示に係る利便性を向上させることができる。
【0131】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0132】
10 医療機関システム
20 情報提供サーバ
231 収集機能
232 検出機能
233 判定機能
234 取得機能
235 表示制御機能
図1
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図3
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図5
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図17