(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-08
(45)【発行日】2023-09-19
(54)【発明の名称】半導体装置及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/52 20060101AFI20230911BHJP
【FI】
H01L21/52 B
H01L21/52 E
H01L21/52 D
(21)【出願番号】P 2019159281
(22)【出願日】2019-09-02
【審査請求日】2021-09-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】317011920
【氏名又は名称】東芝デバイス&ストレージ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100119035
【氏名又は名称】池上 徹真
(74)【代理人】
【識別番号】100141036
【氏名又は名称】須藤 章
(74)【代理人】
【識別番号】100178984
【氏名又は名称】高下 雅弘
(72)【発明者】
【氏名】小池 大輔
(72)【発明者】
【氏名】川城 史義
【審査官】今井 聖和
(56)【参考文献】
【文献】特開平04-336435(JP,A)
【文献】特開2017-022033(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0181710(US,A1)
【文献】特開2000-058564(JP,A)
【文献】特開2019-029662(JP,A)
【文献】特開2017-071826(JP,A)
【文献】特開平05-182997(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/52
H01L 23/12
H01L 25/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
平坦な第1面を有するリードフレームと、
前記
第1面の上に設けられた半導体チップと、
所定の金属材料を含む焼結材と、所定の樹脂と、を含み、前記
第1面と前記半導体チップの間に設けられた第1部分と、
前記半導体チップの周囲における前記
第1面の上に設けられ前記第1部分より高
く前記第1部分より厚い第2部分と
、
前記第1面に接して設けられた、前記第1部分及び前記第2部分の底面と、
を有し、前記リードフレームと前記半導体チップを接合している接合材であって、
前記半導体チップの下面と、前記下面に隣接する前記第2部分の上面がなす角の角度は80度以下である半導体装置。
【請求項2】
前記所定の樹脂はエポキシ系樹脂である請求項1記載の半導体装置。
【請求項3】
前記半導体チップのチップ厚は200μm未満である請求項1又は請求項2記載の半導体装置。
【請求項4】
前記第2部分は前記半導体チップの側面から離間している請求項1乃至請求項3いずれか一項記載の半導体装置。
【請求項5】
前記下面に隣接する前記第2部分の前記上面は、前記半導体チップの側面に対向している請求項1乃至請求項4いずれか一項記載の半導体装置。
【請求項6】
半導体チップの側面を、所定の樹脂をはじく絶縁材料で被覆し、
平坦な第1面を有するリードフレームの
前記第1面の上に設けられた、所定の金属材料を含む金属粒子と、前記所定の樹脂と、を含むペーストの上に、前記半導体チップを載置し、
前記半導体チップ、前記ペースト及び前記リードフレームの熱処理を行い、前記所定の金属材料を含む焼結材と、前記所定の樹脂と、を含み、前記
第1面と前記半導体チップの間に設けられた第1部分と、前記半導体チップの周囲における前記
第1面の上に設けられ前記第1部分より高
く前記第1部分より厚い第2部分と、
前記第1面に接して設けられた、前記第1部分及び前記第2部分の底面と、を有し、前記リードフレームと前記半導体チップを接合する接合材であって、前記半導体チップの下面と、前記下面に隣接する前記第2部分の上面がなす角は80度以下である接合材を形成する、
半導体装置の製造方法。
【請求項7】
被覆された前記絶縁材料の膜厚は0.1μm以上2μm以下である請求項6記載の半導体装置の製造方法。
【請求項8】
前記所定の樹脂はエポキシ系樹脂である請求項6又は請求項7記載の半導体装置の製造方法。
【請求項9】
前記ペーストは前記所定の樹脂を5wt%以上30wt%以下含む請求項6乃至請求項8いずれか一項記載の半導体装置の製造方法。
【請求項10】
前記絶縁材料はエポキシブリードアウト防止剤である請求項6乃至請求項9いずれか一項記載の半導体装置の製造方法。
【請求項11】
前記半導体チップのチップ厚は200μm未満である請求項6乃至請求項10いずれか一項記載の半導体装置の製造方法。
【請求項12】
前記第2部分は前記半導体チップの前記側面から離間している請求項6乃至請求項11いずれか一項記載の半導体装置の製造方法。
【請求項13】
前記下面に隣接する前記第2部分の前記上面は、前記半導体チップの前記側面に対向している請求項6乃至請求項12いずれか一項記載の半導体装置の製造方法。
【請求項14】
前記半導体チップの側面を、前記所定の樹脂をはじく前記絶縁材料で被覆する際に、
前記第1面は前記絶縁材料で被覆されない請求項6乃至請求項13いずれか一項記載の半導体装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、半導体装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
発電や送電、ポンプやブロアなどの回転機、通信システムや工場などの電源装置、交流モータによる鉄道、電気自動車、家庭用電化製品等の幅広い分野に向けた、MOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect-Transistor)やIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)等の、電力制御用に設計されたパワー半導体チップの開発が行われている。
【0003】
また、かかるパワー半導体チップを用いた、パワーモジュールとしての半導体装置の開発が行われている。このような半導体装置には、高電流密度化、低損失化、高放熱化等のスペックが要求されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、電力損失の抑制された半導体装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の半導体装置は、平坦な第1面を有するリードフレームと、第1面の上に設けられた半導体チップと、所定の金属材料を含む焼結材と、所定の樹脂と、を含み、第1面と半導体チップの間に設けられた第1部分と、半導体チップの周囲における第1面の上に設けられ第1部分より高く第1部分より厚い第2部分と、第1面に接して設けられた、第1部分及び第2部分の底面と、を有し、リードフレームと半導体チップを接合している接合材であって、半導体チップの下面と、下面に隣接する第2部分の上面がなす角の角度は80度以下である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図2】実施形態の半導体装置の製造方法のフローチャートである。
【
図3】実施形態の半導体装置の製造方法において、製造途中の半導体装置を示す模式断面図である。
【
図4】比較形態となる半導体装置の製造方法において、製造途中の半導体装置を示す模式断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態を説明する。なお、以下の説明では、同一又は類似の部材には同一の符号を付す場合がある。また、一度説明した部材等については適宜その説明を省略する場合がある。
【0009】
本明細書中、部品等の位置関係を示すために、図面の上方向を「上」、図面の下方向を「下」と記述する。本明細書中、「上」、「下」の概念は、必ずしも重力の向きとの関係を示す用語ではない。
【0010】
(実施形態)
実施形態の半導体装置は、リードフレームと、リードフレームの上に設けられた半導体チップと、所定の金属材料を含む焼結材と、所定の樹脂と、を含み、リードフレームと半導体チップの間に設けられた第1部分と、半導体チップの周囲におけるリードフレームの上に設けられた第2部分と、を有し、リードフレームと半導体チップを接合している接合材であって、半導体チップの下面と、下面に隣接する第2部分の上面がなす角は80度以下である。
【0011】
図1は、実施形態の半導体装置100の模式断面図である。
【0012】
図1(a)は、実施形態の一態様の半導体装置100の模式断面図である。
【0013】
半導体装置100は、リードフレーム10と、半導体チップ20と、接合材30と、を備える。
【0014】
リードフレーム10は、例えばCu(銅)等の金属又は合金で形成されている。なおリードフレーム10の表面には、例えば、Au(金)、Pt(白金)、Pd(パラジウム)、Ag(銀)、Cu(銅)、Sn(錫)又はNi(ニッケル)等を含む薄膜が設けられていても良い。リードフレーム10を介して、後述する半導体チップ20と半導体装置100外部の電気回路が接続される。
【0015】
半導体チップ20は、上面22と、下面24と、側面26と、を有する。
【0016】
半導体チップ20は、例えば、Si(シリコン)を用いた縦型のSi-IGBTである。なお、半導体チップ20は、Si-MOSFET、Si-FRD(Fast Recovery Diode)、SiC(炭化珪素)を用いたSiC-IGBT、SiC-MOSFET又はSiC-SBD(Schottky Barrier Diode)、又はIII-V族半導体においてV族元素が窒素である窒化物半導体を用いたGaN-MOSFET等であってもかまわない。また、半導体チップ20は、いわゆるパワー半導体チップでなくてもかまわない。
【0017】
半導体チップ20のチップ厚は、200μm未満であることが好ましい。
【0018】
接合材30は、所定の金属材料を含む焼結材と、所定の樹脂と、を含む。接合材30は、リードフレーム10と半導体チップ20を接合している。接合材30は、いわゆるダイアタッチ(DA)材である。接合材30は、上記の所定の金属材料を含む金属粒子と、上記の所定の樹脂と、極性溶剤等の所定の溶剤と、を含むペースト70(
図3、
図4)を熱処理して、所定の溶剤を蒸発させ、上記の金属粒子を焼結することにより形成されるものである。
【0019】
所定の金属材料は特に限定されるものではないが、例えば、Au、Pt、Pd、Ru(ルテニウム)、Rh(ロジウム)、Ir(イリジウム)、Ag(銀)、Cu(銅)、Ni(ニッケル)、Zn(亜鉛)、Bi(ビスマス)、Fe(鉄)、Mo(モリブデン)、Al(アルミニウム)、Cr(クロム)又はV(バナジウム)等が好ましく用いられる。所定の金属材料としては、Ag、Cu又はAuが、熱伝導性及び電気伝導性が高いため特に好ましく用いられる。
【0020】
所定の樹脂は、特に限定されるものではないが、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリルスチレン樹脂、ABS樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、メタクリル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、アセタール樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、フッ素樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ系樹脂、又は不飽和ポリエステル樹脂等が好ましく用いられる。所定の樹脂としては、エポキシ系樹脂が特に好ましく用いられる。
【0021】
ペースト70は、所定の樹脂を5wt%以上30wt%以下含むことが好ましい。
【0022】
接合材30は、リードフレーム10と半導体チップ20の間に設けられた第1部分32と、半導体チップ20の周囲におけるリードフレーム10の上に設けられた第2部分34と、を有する。接合材30は、半導体チップ20の周囲において、
図1(a)に示すような、丸みを有した形状となっている。
図1(a)に示した半導体装置100において、第2部分34の高さは第1部分32の高さより高い。なお第2部分34の高さは半導体チップ20の周囲において等しくなくてもよく、部分的に高さの低いところがあっても構わない。
【0023】
半導体チップ20の下面24と、半導体チップ20の下面24に隣接する第2部分34の上面22がなす角θは、80度以下である。ここで、「なす角θ」とは、半導体チップ20の下面24の延長線と、半導体チップ20の下面に隣接する第2部分34の上面22に対する接線38のなす角である。
図1(a)の「なす角θ」は、正の角度であるものとする。
【0024】
図1(b)は、実施形態の他の態様の半導体装置110の模式断面図である。半導体装置110において、第2部分34の高さは第1部分32の高さより低い。接線38は、
図1(b)に示すように、半導体チップ20から遠ざかるに従って、高さが低くなるような線となる。
図1(b)の「なす角θ」は、負の角度であるものとする。
図1(a)と
図1(b)いずれにおいても、「なす角θ」は80度以下という条件を満たすものである。
【0025】
図2は、実施形態の半導体装置100の製造方法のフローチャートである。
【0026】
図3は、実施形態の半導体装置100の製造方法において、製造途中の半導体装置を示す模式断面図である。
【0027】
図2と
図3を用いて、実施形態の半導体装置の製造方法について説明をする。
【0028】
実施形態の半導体装置の製造方法は、半導体チップの側面を、所定の樹脂をはじく絶縁材料で被覆し、リードフレームの上に設けられた、所定の金属材料を含む金属粒子と、所定の樹脂と、を含むペーストの上に、半導体チップを載置し、半導体チップ、ペースト及びリードフレームの熱処理を行い、所定の金属材料を含む焼結材と、所定の樹脂と、を含み、リードフレームと半導体チップの間に設けられた第1部分と、半導体チップの周囲におけるリードフレームの上に設けられた第2部分と、を有し、リードフレームと半導体チップを接合する接合材であって、半導体チップの下面と、下面に隣接する第2部分の上面がなす角は80度以下である接合材を形成する。
【0029】
まず、シート50上の半導体チップ20に対し、スプレー40を用いて、半導体チップ20の側面26及び上面22を、ペースト70に含まれている所定の樹脂をはじく絶縁材料60で被覆する(
図2の(S10)、
図3(a))。
【0030】
少なくとも半導体チップ20の側面26が絶縁材料60で被覆されていることが好ましいが、上面22が絶縁材料60で被覆されていても構わない。
【0031】
絶縁材料60で半導体チップ20の側面26及び上面22を被覆するために用いる手段はスプレー40に限定されるものではなく、例えば印刷法、スピンコート法又は蒸着法等を用いてもかまわない。
【0032】
絶縁材料60としては、特に限定されるものではないが、所定の樹脂がエポキシ系樹脂である場合には、エポキシブリードアウト(EBO)防止剤であることが好ましい。
【0033】
次に、例えば吸着コレット80を用いて、シート50上の半導体チップ20を、リードフレーム10上に設けられたペースト70の上に載置する(
図2の(S20)、
図3(b))。
【0034】
次に、半導体チップ20、ペースト70、リードフレーム10、絶縁材料60を、例えば空気中又は窒素ガス中で、例えば200度以上350度以下の温度において、熱処理を行う。こうして、ペースト70を硬化させることにより、所定の金属材料を含む焼結材と、所定の樹脂と、を含み、リードフレーム10と半導体チップ20の間に設けられた第1部分32と、半導体チップ20の周囲におけるリードフレーム10の上に設けられた第2部分34と、を有し、リードフレーム10と半導体チップ20を接合する接合材30であって、半導体チップ20の下面24と、下面24に隣接する第2部分34の上面22がなす角は80度以下である接合材30を形成する(
図2の(S30))。なお、絶縁材料60は熱処理により揮発(昇華)する。
【0035】
次に、実施形態の半導体装置及び半導体装置の製造方法の作用効果について記載する。
【0036】
接合材またはダイアタッチ(DA)材としては、これまではんだが用いられていた。はんだについては環境保護の観点から鉛フリー化が進んでいる。しかし、パワーモジュールの接合部には大きな電流に伴い大きな発熱が生じるため、鉛フリー化は困難であった。さらに、近年では、シリコンよりも高温での動作が可能なワイドバンドギャップ半導体(SiC、窒化物半導体)を用いたパワーモジュールの開発が進んでいる。ワイドバンドギャップ半導体を使用したパワーモジュールの動作温度は300℃程度に達することが予想されている。このため、接合材には、一般的なはんだで達成可能な耐熱性と比較して、より高い耐熱性が求められている。
【0037】
この問題を解決し得る接合材として、所定の金属材料を含む金属粒子と、所定の樹脂と、極性溶剤等の所定の溶剤と、を含むペーストを用いた接合材を使用することが考えられる。耐熱性が確保され、さらに所定の樹脂を含むことにより接合される部分に圧力を加えなくても容易に焼結をさせることが出来るためである。
【0038】
しかし、上記のペーストを用いて接合をおこなう場合には、ペーストが半導体チップ20の側面26や上面22に這い上がってしまい、半導体チップ20の下面24に設けられた電極と上面22に設けられた電極が短絡してしまうという問題があった。また、この問題は、半導体チップ20の低抵抗化のため、半導体チップ20のチップ厚が200μm未満となったときに、特に起こりやすくなっていた。
【0039】
図4は、比較形態となる半導体装置800の製造方法において、製造途中の半導体装置を示す模式断面図である。
【0040】
図4(a)においては、絶縁材料60を用いていない。このような半導体チップ20を
図4(b)のようにペースト70の上に載置して熱処理すると、
図4(c)のように、半導体チップ20の側面26に、ペースト70が這い上がってしまい、結果として接合材30の第2部分34が這い上がった形状になってしまうという問題があった。
【0041】
そこで、実施形態の半導体装置100の製造方法においては、半導体チップ20の側面26及び上面22を、ペースト70に含まれる所定の樹脂をはじく絶縁材料60で被覆する。これにより、ペースト70は半導体チップ20の側面26を這い上がることなく硬化する。そのため、半導体チップ20の下面24に設けられた電極と上面22に設けられた電極が短絡してしまうという問題の発生を抑制することが出来る。よって、電力損失の抑制された半導体装置の提供が可能となる。なお、上記の通り、絶縁材料60は熱処理により揮発(昇華)する。そのため、この後の工程におけるボンディングワイヤの接続性や、モールド樹脂と半導体チップ20の間の密着性には影響しない。
【0042】
半導体チップ20のチップ厚が200μm未満である場合、ペースト70が半導体チップ20の側面26を這い上がり、半導体チップ20の下面24に設けられた電極と上面22に設けられた電極が短絡してしまうという問題が特に発生しやすい。そのため、半導体チップ20のチップ厚が200μm未満である場合、実施形態の半導体装置及び半導体装置の製造方法の適用は特に好ましい。
【0043】
被覆された絶縁材料60の膜厚は0.1μm以上2μm以下であることが好ましい。0.1μm未満である場合、膜厚が十分でないためにペースト70が半導体チップ20の側面26を這い上がってしまうことがある。一方2μmを超える場合には、熱処理により完全に揮発(昇華)せずに一部が残ってしまい、ボンディングワイヤの接続性や、モールド樹脂と半導体チップ20の間の密着性に影響を及ぼす可能性がある
【0044】
絶縁材料60を用いた場合、接合材30の形状は、
図4(c)に示したものと異なり、
図1(a)又は
図1(b)に示したように、リードフレーム10と半導体チップ20の間に設けられた第1部分32と、半導体チップ20の周囲におけるリードフレーム10の上に設けられた第2部分34と、を有し、半導体チップ20の下面24と、下面24に隣接する第2部分34の上面22がなす角の角度は80度以下となる。
【0045】
ペースト70は所定の樹脂を5wt%以上30wt%以下含むことが好ましい。良好に半導体チップ20とリードフレーム10の接合をおこなうことが出来るためである。
【0046】
所定の樹脂はエポキシ系樹脂であり、絶縁材料60はエポキシブリードアウト防止剤であることが特に好ましい。接合される部分に圧力を加えなくても容易に焼結をさせることが出来るためであり、さらにエポキシブリードアウト防止剤によりペースト70の這い上がりが良好に抑制できるためである。
【0047】
本実施形態の半導体装置100によれば、電力損失の抑制された半導体装置の提供が可能となる。
【0048】
本発明のいくつかの実施形態及び実施例を説明したが、これらの実施形態及び実施例は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことが出来る。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0049】
10 リードフレーム
20 半導体チップ
22 半導体チップの上面
24 半導体チップの下面
26 半導体チップの側面
30 接合材
32 接合材の第1部分
34 接合材の第2部分
36 接合材の第2部分の上面
38 接合材の第2部分の上面に対する接線
40 スプレー
50 シート
60 絶縁材料
70 ペースト
80 吸着コレット
100 半導体装置
110 半導体装置