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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-08
(45)【発行日】2023-09-19
(54)【発明の名称】車両用気液分離装置
(51)【国際特許分類】
   B60H 1/32 20060101AFI20230911BHJP
   F25B 43/00 20060101ALI20230911BHJP
【FI】
B60H1/32 613A
F25B43/00 A
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2019185451
(22)【出願日】2019-10-08
(65)【公開番号】P2020196424
(43)【公開日】2020-12-10
【審査請求日】2022-05-06
(31)【優先権主張番号】10-2019-0064819
(32)【優先日】2019-05-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】591251636
【氏名又は名称】現代自動車株式会社
【氏名又は名称原語表記】HYUNDAI MOTOR COMPANY
【住所又は居所原語表記】12, Heolleung-ro, Seocho-gu, Seoul, Republic of Korea
(73)【特許権者】
【識別番号】500518050
【氏名又は名称】起亞株式会社
【氏名又は名称原語表記】KIA CORPORATION
【住所又は居所原語表記】12, Heolleung-ro, Seocho-gu, Seoul, Republic of Korea
(73)【特許権者】
【識別番号】511156450
【氏名又は名称】株式会社斗源空調
(73)【特許権者】
【識別番号】516011246
【氏名又は名称】ハンオン システムズ
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100130719
【弁理士】
【氏名又は名称】村越 卓
(72)【発明者】
【氏名】チェ、ワン-ジェ
(72)【発明者】
【氏名】パク、ナム-ホ
(72)【発明者】
【氏名】キム、ジェ-ヨン
(72)【発明者】
【氏名】キム、ヨン-ホ
(72)【発明者】
【氏名】オ、ソ-ヨン
(72)【発明者】
【氏名】キム、チョル-ミン
(72)【発明者】
【氏名】キム、ヨン-チョル
(72)【発明者】
【氏名】イ、ジェ-ミン
【審査官】佐藤 正浩
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-052139(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0041093(US,A1)
【文献】特開2003-285634(JP,A)
【文献】特開2013-113508(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60H 1/32
F25B 43/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
長さ方向を基準に上面が開口され下面が閉鎖されているハウジングと、
前記ハウジングの内部を密閉するように前記ハウジングの開口された上面に取り付けられ、中央と一側に流入口と排出口がそれぞれ形成されるカバーと、
前記排出口に上端が連結される排出パイプと、
前記排出パイプが内部に挿入されるように上面が開口された円筒状に形成され、前記排出パイプの外周面と内周面との間に気体冷媒の流動空間を形成するガイドパイプと、
前記ガイドパイプの閉鎖された下端を固定するように前記ハウジングの閉鎖された下端内側に装着される装着キャップと、
前記流入口に流入した冷媒中、液体冷媒が前記気体冷媒の流動空間に流入することを防止するように前記ハウジングの内部で前記カバー側に配置され、カップ形状に形成されて前記排出パイプに固定される冷媒ガーダと、を含み、
前記ガイドパイプには、
下端中央から前記ハウジングの下面に向かって突出し、内部にオイル溝を備えたオイル捕集部が一体に形成されることを特徴とする、車両用気液分離装置。
【請求項2】
前記ハウジングには、
長さ方向を基準に下端から上部に向かう設定区間に冷媒貯蔵部を形成することを特徴とする、請求項1に記載の車両用気液分離装置。
【請求項3】
前記冷媒貯蔵部は、
前記ハウジングに流入した冷媒中、液体冷媒の貯蔵量が縮小されるようにその直径が前記ハウジングの上部直径より小さい長さに形成されることを特徴とする、請求項2に記載の車両用気液分離装置。
【請求項4】
長さ方向を基準に上面が開口され下面が閉鎖されているハウジングと、
前記ハウジングの内部を密閉するように前記ハウジングの開口された上面に取り付けられ、中央と一側に流入口と排出口がそれぞれ形成されるカバーと、
前記排出口に上端が連結される排出パイプと、
前記排出パイプが内部に挿入されるように上面が開口された円筒状に形成され、前記排出パイプの外周面と内周面との間に気体冷媒の流動空間を形成するガイドパイプと、
前記ガイドパイプの閉鎖された下端を固定するように前記ハウジングの閉鎖された下端内側に装着される装着キャップと、
前記流入口に流入した冷媒中、液体冷媒が前記気体冷媒の流動空間に流入することを防止するように前記ハウジングの内部で前記カバー側に配置され、カップ形状に形成されて前記排出パイプに固定される冷媒ガーダと、を含み、
前記ハウジングには、
長さ方向を基準に下端から上部に向かう設定区間に冷媒貯蔵部を形成し、
前記冷媒貯蔵部の下端部には、
貯蔵された液体冷媒をコンデンサに供給するための冷媒パイプが連結されることを特徴とする、車両用気液分離装置。
【請求項5】
前記ガイドパイプには、
前記排出パイプが前記ガイドパイプの内側下部に固定されるように下部内周面に少なくとも1つの固定リブが前記ガイドパイプの中心に向かって突出形成されることを特徴とする、請求項1に記載の車両用気液分離装置。
【請求項6】
前記オイル溝には、
前記気体冷媒の流動空間で流動する気体冷媒の内部に含まれているオイルが自重により捕集されることを特徴とする、請求項に記載の車両用気液分離装置。
【請求項7】
前記装着キャップは、
前記ガイドパイプの下端が一定部分挿入されるように上面が開口され、下面が閉鎖され、前記ハウジングの内部に貯蔵される液体冷媒が流動するように円周方向に沿って少なくとも1つの開口ホールが形成されることを特徴とする、請求項1に記載の車両用気液分離装置。
【請求項8】
前記排出パイプには、
前記冷媒ガーダが前記ハウジングの内側で上部に位置するように上部外周面に係止段が形成されることを特徴とする、請求項1に記載の車両用気液分離装置。
【請求項9】
前記ハウジングの内部には、
流入する冷媒に含まれている異物および水分を除去するように乾燥剤を取り付けることを特徴とする、請求項1に記載の車両用気液分離装置。
【請求項10】
長さ方向を基準に上面が開口され下面が閉鎖されているハウジングと、
前記ハウジングの内部を密閉するように前記ハウジングの開口された上面に取り付けられ、中央と一側に流入口と排出口がそれぞれ形成されるカバーと、
前記排出口に上端が連結される排出パイプと、
前記排出パイプが内部に挿入されるように上面が開口された円筒状に形成され、前記排出パイプの外周面と内周面との間に気体冷媒の流動空間を形成するガイドパイプと、
前記ガイドパイプの閉鎖された下端を固定するように前記ハウジングの閉鎖された下端内側に装着される装着キャップと、
前記流入口に流入した冷媒中、液体冷媒が前記気体冷媒の流動空間に流入することを防止するように前記ハウジングの内部で前記カバー側に配置され、カップ形状に形成されて前記排出パイプに固定される冷媒ガーダと、を含み、
前記ハウジングの内部には、
流入する冷媒に含まれている異物および水分を除去するように乾燥剤を取り付け、
前記乾燥剤は、
前記ハウジングの内部で前記冷媒ガーダの内側に形成された装着フックを通じて取り付けられることを特徴とする、車両用気液分離装置。
【請求項11】
前記流入口は、冷媒を凝縮または蒸発させる熱交換器に連結され、前記排出口は、圧縮器に連結されることを特徴とする、請求項1に記載の車両用気液分離装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用気液分離装置に関し、より詳しくは、気体と液体冷媒を分離してそれぞれ供給するための車両用気液分離装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、自動車用空気調和システムは、自動車の室内を暖房または冷房するために冷媒を循環させるエアコン装置を含む。
【0003】
このようなエアコン装置は、外部温度の変化に関係なく自動車の室内温度を適正な温度に維持して快適な室内環境を保つためのものであって、圧縮機の駆動によって吐出される冷媒が凝縮器、レシーバードライヤー、膨張バルブ、蒸発器およびアキュムレーターを経て再び圧縮機に循環する過程で蒸発器による熱交換によって自動車の室内を暖房または冷房するように構成される。
【0004】
つまり、エアコン装置は、夏季の冷房モード時には圧縮機から圧縮された高温、高圧の気相冷媒が凝縮器を通して凝縮した後、レシーバードライヤーおよび膨張バルブを経て蒸発器での蒸発により室内の温度および湿度を低くする。
【0005】
しかし、このような従来のエアコン装置において凝縮機で凝縮された冷媒中、水分および異物が除去された液体冷媒を膨張バルブに供給するためのレシーバードライヤーと、蒸発器を通過した冷媒中、気体冷媒を圧縮器に供給するためのアキュムレーターをそれぞれ備えるため、構成要素の増加によって製作コストが上昇するという問題点がある。
【0006】
また、狭いエンジンルーム内部でレシーバードライヤーとアキュムレーターを取り付けるための空間を確保しにくく、連結配管のレイアウトが複雑になる問題点もある。
【0007】
この背景技術部分に記載された事項は、発明の背景に対する理解を増進させるために作成されたものであり、該技術の属する分野における通常の知識を有する者に一般的に既に知られている従来技術でない事項を含むことができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、本発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、その目的は、車両のモードにより冷媒を凝縮または蒸発させる熱交換器から供給された冷媒を気体冷媒と液体冷媒に分離して貯蔵し、分離された気体冷媒と液体冷媒を圧縮器とコンデンサにそれぞれ選択的に供給する車両用気液分離装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するための本発明の実施形態による車両用気液分離装置は、長さ方向を基準に上面が開口され下面が閉鎖されているハウジングと、前記ハウジングの内部を密閉するように前記ハウジングの開口された上面に取り付けられ、中央と一側に流入口と排出口がそれぞれ形成されるカバーと、前記排出口に上端が連結される排出パイプと、前記排出パイプが内部に挿入されるように上面が開口された円筒状に形成され、前記排出パイプの外周面と内周面との間に気体冷媒の流動空間を形成するガイドパイプと、前記ガイドパイプの閉鎖された下端を固定するように前記ハウジングの閉鎖された下端内側に装着される装着キャップと、前記流入口に流入した冷媒中、液体冷媒が前記気体冷媒の流動空間に流入することを防止するように前記ハウジングの内部で前記カバー側に配置され、カップ形状に形成されて前記排出パイプに固定する冷媒ガーダと、を含む。
【0010】
前記ハウジングには、長さ方向を基準に下端から上部に向かう設定区間に冷媒貯蔵部を形成してもよい。
【0011】
前記冷媒貯蔵部は、前記ハウジングに流入した冷媒中、液体冷媒の貯蔵量が縮小されるようにその直径が前記ハウジングの上部直径より小さい長さに形成されていてもよい。
【0012】
前記冷媒貯蔵部の下端部には、貯蔵された液体冷媒をコンデンサに供給するための冷媒パイプが連結されていてもよい。
【0013】
前記ガイドパイプには、前記排出パイプが前記ガイドパイプの内側下部に固定されるように下部内周面に少なくとも1つの固定リブが前記ガイドパイプの中心に向かって突出形成されてもよい。
【0014】
前記ガイドパイプには、下端中央から前記ハウジングの下面に向かって突出し、内部にオイル溝を備えたオイル捕集部が一体に形成されてもよい。
【0015】
前記オイル溝には、前記気体冷媒の流動空間で流動する気体冷媒の内部に含まれているオイルが自重により捕集され得る。
【0016】
前記装着キャップは、前記ガイドパイプの下端が一定部分挿入されるように上面が開口され、下面が閉鎖され、前記ハウジングの内部に貯蔵される液体冷媒が流動するように円周方向に沿って少なくとも1つの開口ホールを形成してもよい。
【0017】
前記排出パイプには、前記冷媒ガーダが前記ハウジングの内側で上部に位置するように上部外周面に係止段を形成してもよい。
【0018】
前記ハウジングの内部には、流入する冷媒に含まれている異物および水分を除去するように乾燥剤を取り付けてもよい。
【0019】
前記乾燥剤は、前記ハウジングの内部で前記冷媒ガーダの内側に形成された装着フックを通じて取り付けてもよい。
【0020】
前記流入口は、冷媒を凝縮または蒸発させる熱交換器に連結され、前記排出口は、圧縮器に連結されていてもよい。
【発明の効果】
【0021】
上述したように、本発明に係る車両用気液分離装置によれば、車両のモードにより冷媒を凝縮または蒸発させる熱交換器から供給された冷媒を気体冷媒と液体冷媒に分離して貯蔵し、分離された気体冷媒と液体冷媒を圧縮器とコンデンサにそれぞれ選択的に供給することによって、エアコン装置の全体構成要素を減らして製作コストを節減する効果がある。
【0022】
また、本発明は、従来のレシーバードライヤーとアキュムレーターの機能を共に行うことによって、エアコン装置の全体構成要素を縮小でき、狭いエンジンルーム内部で装着空間を確保すると同時に、レイアウトを簡素化する効果もある。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の実施形態による車両用気液分離装置の斜視図である。
図2】本発明の実施形態による車両用気液分離装置の分解斜視図である。
図3】本発明の実施形態による車両用気液分離装置の部分切開斜視図である。
図4】本発明の実施形態による車両用気液分離装置の断面図である。
図5】本発明の実施形態による車両用気液分離装置においてオイル捕集部を説明するための部分拡大断面図である。
図6】本発明の実施形態による車両用気液分離装置の使用状態図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の好ましい実施形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。
【0025】
これに先立ち、本明細書に記載された実施形態および図面に示された構成は、本発明の最も好ましい一実施形態に過ぎず、本発明の技術的な思想を全て代弁するものではないので、本出願時点においてこれらを代替できる多様な均等物と変形例があることを理解しなければならない。
【0026】
本発明を明確に説明するために説明上不必要な部分は省略し、明細書全体にわたって同一または類似の構成要素については同一の参照符号を付す。
【0027】
図面に示された各構成の大きさおよび厚さは説明の便宜のために任意に示したので、本発明が必ずしも図面に示されたところに限定されず、様々な部分および領域を明確に表現するために厚さを拡大して示した。
【0028】
そして、明細書全体において、ある部分がある構成要素を“含む”とする時、これは特に反対となる記載がない限り、他の構成要素を除くのではなく、他の構成要素をさらに包含できることを意味する。
【0029】
また、明細書に記載された“...ユニット”、“...手段”、“...部”、“...部材”などの用語は、少なくとも1つの機能や動作をする包括的な構成の単位を意味する。
【0030】
図1および図2は、本発明の実施形態による車両用気液分離装置の斜視図、および分解斜視図であり、図3は、本発明の実施形態による車両用気液分離装置の部分切開斜視図であり、図4は、本発明の実施形態による車両用気液分離装置の断面図であり、図5は、本発明の実施形態による車両用気液分離装置においてオイル捕集部を説明するための部分拡大断面図である。
【0031】
図面を参照すれば、本発明の実施形態による車両用気液分離装置100は、車両のモードにより冷媒を凝縮または蒸発させる熱交換器10から供給された冷媒を気体冷媒と液体冷媒に分離して貯蔵し、分離された気体冷媒と液体冷媒を圧縮器20とコンデンサ30にそれぞれ選択的に供給することができる。
【0032】
ここで、前記熱交換器10は、冷媒を冷却水と熱交換させる水冷式熱交換器であってもよい。
【0033】
このため、本発明の実施形態による車両用気液分離装置100は、図1図4に示したように、ハウジング110、カバー120、排出パイプ130、ガイドパイプ140、装着キャップ150、および冷媒ガーダ160を含むことができる。
【0034】
まず、前記ハウジング110は、円筒状に形成され、長さ方向を基準に上面が開口され下面が閉鎖されている。
【0035】
前記カバー120は円板状に形成され、前記ハウジング110の内部を密閉するように前記ハウジング110の開口された上面に取り付けられ、一側と中央にそれぞれ流入口122と排出口124が形成されている。
【0036】
ここで、前記ハウジング110には、長さ方向を基準に下端から上部に向かう設定区間に冷媒貯蔵部112を形成してもよい。
【0037】
前記冷媒貯蔵部112は、前記ハウジング110の内部に流入した冷媒中、液体冷媒の貯蔵量が縮小されるように、その直径が前記ハウジングの上部直径より小さい長さに形成される。
【0038】
また、前記冷媒貯蔵部112の下端部には、内部に貯蔵された液体冷媒を前記コンデンサ30に供給するための冷媒パイプ114が連結されている。
【0039】
ここで、前記コンデンサ30は、車両の前方に配置される空冷式コンデンサであってもよい。
【0040】
つまり、前記熱交換器10から前記流入口122を通じて前記ハウジング110の内部に流入した冷媒中、液体冷媒は前記冷媒貯蔵部112に貯蔵され、必要に応じて前記冷媒パイプ114を通じて選択的に前記コンデンサ30に供給される。
【0041】
本実施形態において、前記排出パイプ130は、前記ハウジング110の内部で前記排出口124に上端が連結されている。
【0042】
前記ガイドパイプ140は、前記排出パイプ130が内部に挿入されるように上面が開口された円筒状に形成されている。このようなガイドパイプ140の内周面は、前記排出パイプ130の外周面との間に気体冷媒の流動空間142を形成してもよい。
【0043】
前記気体冷媒の流動空間142には気体冷媒が流入し、前記気体冷媒の流動空間142を通過した気体冷媒は、前記排出パイプ130を通じて前記排出口124に排出される。
【0044】
ここで、前記排出パイプ130は、前記ガイドパイプ140の閉鎖された下端から上部に向かって一定間隔で離隔された位置に配置されている。これにより、前記気体冷媒の流動空間142に流入した気体冷媒は、前記ガイドパイプ140の下部から前記排出パイプ130の開口された下端に円滑に流入する。
【0045】
ここで、前記ガイドパイプ140には、前記排出パイプ130が前記ガイドパイプ140の内側下部に固定されるように下部内周面に少なくとも1つの固定リブ144が前記ガイドパイプ140の中心に向かって突出形成されている。
【0046】
本実施形態で、前記固定リブ144は、前記ガイドパイプ140の内周面周りに沿って90度の角度で離隔された位置にそれぞれ形成されている。
【0047】
これによって、前記排出パイプ130が前記ガイドパイプ140の内部に挿入されると、前記排出パイプ130の下部外周面は前記固定リブ144に保持されることで、前記ガイドパイプ140の内部で安定的に固定される。
【0048】
一方、本実施形態では、前記固定リブ144は、前記ガイドパイプ140の内周面に円周方向に沿って90度の角度で離隔され、4つが形成されていることを一実施形態として説明しているが、これに限定されず、前記固定リブ144の位置および個数は変更して適用することができる。
【0049】
本実施形態で、前記装着キャップ150は、前記ガイドパイプ140の閉鎖された下端を前記ハウジング110の内部に固定するように前記ハウジング110の閉鎖された下端内側に装着されている。
【0050】
ここで、前記装着キャップ150は、前記ガイドパイプの下端が一定部分挿入されるように上面が開口され、下面が閉鎖されている。
【0051】
また、前記装着キャップ150には、前記ハウジング110の内側下部に貯蔵される液体冷媒が流動するように円周方向に沿って少なくとも1つの開口ホール152が形成されている。
【0052】
ここで、前記開口ホール152は、前記装着キャップ150の円周方向に沿って4つが設定角度で離隔された位置にそれぞれ形成されている。
【0053】
このような開口ホール152は、前記冷媒貯蔵部112に貯蔵された液体冷媒を円滑に流動させることができる。これによって、前記冷媒貯蔵部112に貯蔵された液体冷媒は、前記装着キャップ150による流動の流れを妨害せずに前記冷媒パイプ114を通じて円滑に排出することができる。
【0054】
本実施形態で、前記冷媒ガーダ160は、前記流入口122に流入した冷媒中、液体冷媒が前記気体冷媒の流動空間142に流入することを防止するように前記ハウジング110の内部で前記カバー120側に近接して配置される。
【0055】
このような冷媒ガーダ160は円形のカップ形状に形成され、前記排出パイプ130の上部に固定されている。
【0056】
ここで、前記排出パイプ130には、前記冷媒ガーダ160が前記ハウジング110の内側で上部に位置するように上部外周面に係止段132を形成してもよい。
【0057】
つまり、前記冷媒ガーダ160は、下面が開口され、上面が閉鎖された円筒状に形成されている。このような冷媒ガーダ160は、中央に形成された嵌合ホール162を通じて前記排出パイプ130の上端部に嵌合設けられる。
【0058】
このとき、前記係止段132は、前記冷媒ガーダ160が前記排出パイプ130の上部に固定されるように前記冷媒ガーダ160の上面下部を保持できる。これによって、前記冷媒ガーダ160は、前記排出パイプ130の上部に固定される。
【0059】
そして、前記ハウジング110の内部には、前記流入口122を通じて流入する冷媒に含まれている異物および水分を除去するように乾燥剤170が取り付けられている。
【0060】
前記乾燥剤170は、前記ハウジングの内部で前記冷媒ガーダ160の内側に形成された装着フック164を通じて取り付けられる。
【0061】
これによって、前記乾燥剤170は、前記冷媒ガーダ160を前記排出パイプ130に設けた後、前記装着フック164に容易に取り付けることができる。
【0062】
また、前記乾燥剤170の交替が必要な場合、作業者が前記装着フック164から前記乾燥剤170を容易に分離および交替が可能で、装着および交替作業性を向上させることができる。
【0063】
一方、本実施形態で、前記ガイドパイプ140には、図5に示すように、下端中央から前記ハウジング110の下面に向かって突出し、内部にオイル溝146を備えたオイル捕集部148が一体に形成されている。
【0064】
前記オイル溝146には、前記気体冷媒の流動空間142で流動する気体冷媒の内部に含まれているオイルが自重により捕集されることができる。
【0065】
以下、上記のように構成される本発明の実施形態による車両用気液分離装置100の作動および作用について詳しく説明する。
【0066】
図6は、本発明の実施形態による車両用気液分離装置の使用状態図である。
【0067】
図6を参照すれば、前記熱交換器10で熱交換された冷媒は、気体と液体が混合した状態で前記流入口122を通じて前記ハウジング110の内部に流入する。
【0068】
前記流入口122に流入した混合冷媒は、上面が閉鎖された前記冷媒ガーダ160によって前記気体冷媒の流動空間142に流入が防止され、前記ハウジング110の内側面に沿って前記ハウジング110の下部に流動する。
【0069】
ここで、前記乾燥剤170は、混合冷媒に含まれている異物および水分を除去すると同時に、液体冷媒に含まれている気体冷媒を分離させる。
【0070】
これによって、重量が軽い気体冷媒は、前記ハウジング110の内側上部に位置し、相対的に重量が重い液体冷媒は、前記ハウジング110の内側下部に位置する。
【0071】
このような状態で、前記圧縮器20に冷媒を供給する場合、重量が軽い気体冷媒が前記ハウジング110の内部で前記ガイドパイプ140の上部から前記気体冷媒の流動空間142に流入する。
【0072】
前記気体冷媒の流動空間142に流入した気体冷媒は、前記気体冷媒の流動空間142の上部から下部に流動しながら、前記排出パイプ130の下部に流入し、前記排出パイプ130の内側下部から前記排出口124に向かって流動する。
【0073】
このとき、前記オイル捕集部148には、気体冷媒に含まれているオイルが自重により前記オイル溝146に捕集されることによって、純粋な気体冷媒が前記排出口124を通じて前記圧縮器20に供給される。
【0074】
一方、気体冷媒に比べて相対的に重量が重い液体冷媒は、前記ハウジング110の内側面に沿って自重により上部から下部に流動し、最終的に前記冷媒貯蔵部112に貯蔵される。
【0075】
前記冷媒貯蔵部112に貯蔵された液体冷媒は、前記コンデンサ30に冷媒を供給する場合、前記冷媒パイプ114を通じて前記コンデンサ30に円滑に供給される。
【0076】
つまり、本発明の実施例による車両用気液分離装置100は、前記圧縮器20には気体冷媒を供給し、前記コンデンサ30には液体冷媒を供給するように前記熱交換器10から供給された冷媒を気体冷媒と液体冷媒に円滑に分離してそれぞれ貯蔵することができる。
【0077】
したがって、上記のように構成される本発明の実施形態による車両用気液分離装置100を適用すれば、車両のモードにより冷媒を凝縮または蒸発させる前記熱交換器10から供給された冷媒を気体冷媒と液体冷媒に分離して貯蔵し、分離された気体冷媒と液体冷媒を前記圧縮器20と前記コンデンサ30に選択的に供給することによって、エアコン装置の全体構成要素を減らし、製作コストを節減できる。
【0078】
また、本発明は、従来のレシーバードライヤーとアキュムレーターの機能をともに行うことによって、エアコン装置の全体構成要素を縮小することができ、狭いエンジンルームの内部で装着空間を確保すると同時に、レイアウトを簡素化することができる。
【0079】
以上、本発明は、たとえ限定された実施形態および図面によって説明されたが、本発明はこれによって限定されず、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者によって本発明の技術思想と以下に記載される特許請求の範囲の均等範囲内で多様な修正および変形が可能であることはもちろんである。
【符号の説明】
【0080】
100:気液分離装置
110:ハウジング
112:冷媒貯蔵部
114:冷媒パイプ
120:カバー
122:流入口
124:排出口
130:排出パイプ
132:係止段
140:ガイドパイプ
142:気体冷媒の流動空間
144:固定リブ
146:オイル溝
148:オイル捕集部
150:装着キャップ
152:開口ホール
160:冷媒ガーダ
162:嵌合ホール
164:装着フック
170:乾燥剤
図1
図2
図3
図4
図5
図6