(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-08
(45)【発行日】2023-09-19
(54)【発明の名称】複数のノズルおよびベンチュリを含む高温ガス経路構成要素
(51)【国際特許分類】
F02C 7/18 20060101AFI20230911BHJP
F02C 7/28 20060101ALI20230911BHJP
F01D 25/12 20060101ALI20230911BHJP
F01D 11/02 20060101ALI20230911BHJP
F01D 9/04 20060101ALI20230911BHJP
【FI】
F02C7/18 E
F02C7/28 A
F01D25/12 E
F01D11/02
F01D9/04
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019204543
(22)【出願日】2019-11-12
【審査請求日】2022-11-04
(32)【優先日】2018-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390041542
【氏名又は名称】ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【氏名又は名称】小倉 博
(72)【発明者】
【氏名】スタンレー・ケビン・ワイドナー
【審査官】北村 一
(56)【参考文献】
【文献】特開昭58-065901(JP,A)
【文献】特表2007-516375(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02C 1/00- 9/58
F23R 3/00- 7/00
F01D 1/00-11/24
F01D 13/00-15/12;23/00-25/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タービンシステム(10)の高温ガス経路(HGP)構成要素(100、200)であって、前記HGP構成要素(100、200)は、
本体(110、210)であり、
前端(120、220)と、
前記前端(120、220)の反対側に位置決めされた後端(122、222)と、
前記タービンシステム(10)の高温ガス流路に隣接して位置決めされた内側部分(132、232)であって、前記内側部分(132、232)は、前記前端(120、220)と前記後端(122、222)との間に延伸する、内側部分(132、232)と、
半径方向において前記内側部分(132、232)の反対側に形成され、前記前端(120、220)と前記後端(122、222)との間に延伸する外側部分(134、234)と、
前記外側部分(134、234)を通じて延伸する複数のノズル(146、246)と、
前記内側部分(132、232)と前記外側部分(134、234)との間に形成された中間部分(136、236)と、
前記中間部分(136、236)を通じて延伸する複数のベンチュリ(148、248)であり、前記複数のベンチュリ(148、248)は、前記複数のノズル(146、246)と流体連通している、複数のベンチュリ(148、248)と
を含む、本体(110、210)
を備える、高温ガス経路(HGP)構成要素(100、200)。
【請求項2】
前記複数のノズル(146、246)の各々は第1の寸法を含み、
前記複数のベンチュリ(148、248)の各々は、前記第1の寸法よりも大きい第2の寸法を含む、
請求項1に記載のHGP構成要素(100、200)。
【請求項3】
前記本体(110、210)は、
複数のディフューザ(152)をさらに含み、前記複数のディフューザ(152)の各々は、前記本体(110、210)の前記内側部分(132、232)に隣接して、前記複数のベンチュリ(148、248)のうちの対応するベンチュリ(248)と一体に形成される、請求項2に記載のHGP構成要素(100、200)。
【請求項4】
前記複数のディフューザ(152)の各々が、前記複数のベンチュリ(148、248)の前記第2の寸法よりも大きい第3の寸法を含む、請求項3に記載のHGP構成要素(100、200)。
【請求項5】
前記本体(110、210)は、
前記中間部分(136、236)と前記外側部分(134、234)との間に形成された低圧流体チャネル(138、238)であって、前記低圧流体チャネル(138、238)は、低圧流体を受け入れ、前記低圧流体を前記複数のベンチュリ(148、248)に提供する、低圧流体チャネル(138、238)と、
前記中間部分(136、236)と前記内側部分(132、232)との間に形成された冷却チャネル(142、242)であって、前記冷却チャネル(142、242)は、高圧流体および前記低圧流体を受け入れる、冷却チャネル(142、242)と
をさらに含む、請求項1に記載のHGP構成要素(100、200)。
【請求項6】
前記本体(110、210)は、
前記外側部分(134、234)から半径方向外側に形成された高圧流体チャネル(160、260)をさらに含み、前記高圧流体チャネル(160、260)は前記高圧流体を受け入れ、前記高圧流体を前記複数のノズル(146、246)に提供する、請求項5に記載のHGP構成要素(100、200)。
【請求項7】
前記外側部分(134、234)の前記複数のノズル(146、246)の各々の区画(150)は、前記中間部分(136、236)の対応するベンチュリ(248)内に延伸する、請求項1に記載のHGP構成要素(100、200)。
【請求項8】
前記本体(110、210)は、
前記中間部分(136、236)と前記外側部分(134、234)との間に形成された高圧流体チャネル(160、260)であって、前記高圧流体チャネル(160、260)は、高圧流体を受け入れ、前記高圧流体を前記複数のベンチュリ(148、248)に提供する、高圧流体チャネル(160、260)と、
前記中間部分(136、236)と前記内側部分(132、232)との間に形成された冷却チャネル(142、242)であって、前記冷却チャネル(142、242)は、低圧流体および前記高圧流体を受け入れる、冷却チャネル(142、242)と
をさらに含む、請求項1に記載のHGP構成要素(100、200)。
【請求項9】
前記本体(110、210)は、
前記外側部分(134、234)から半径方向外側に形成された低圧流体チャネル(138、238)をさらに含み、前記低圧流体チャネル(138、238)は前記低圧流体を受け入れ、前記低圧流体を前記複数のノズル(146、246)に提供する、請求項8に記載のHGP構成要素(100、200)。
【請求項10】
タービンシステム(10)であって、
タービンケーシング(36)と、
前記タービンケーシング(36)内でロータ(30)の周りに円周方向に位置決めされた複数のタービンブレード(38)と、
前記タービンケーシング(36)の周りに円周方向に配置され、前記複数のタービンブレード(38)に半径方向に隣接して位置決めされた複数の支持体(102)であり、前記複数の支持体(102)の各々は、
前記支持体(102)に隣接して前記支持体(102)の上流を流れる高圧流体と流体連通する少なくとも1つの高圧供給導管(106)、および
前記支持体(102)に隣接して前記支持体(102)の下流を流れる低圧流体と流体連通する少なくとも1つの低圧供給導管(108)
を含む、複数の支持体(102)と、
前記複数の支持体(102)に結合され、前記複数の支持体(102)と前記複数のタービンブレード(38)との間で半径方向に延伸する複数の高温ガス経路(HGP)構成要素(100)であり、前記複数のHGP構成要素(100)の各々は、
本体(110)を含み、前記本体(110)は、
前端(120)と、
前記前端(120)の反対側に位置決めされた後端(122)と、
前記複数のタービンブレード(38)に隣接して位置決めされた内側部分(132)であって、前記内側部分(132)は、前記前端(120)と前記後端(122)との間に延伸する、内側部分(132)と、
半径方向において前記内側部分(132)の反対側に形成され、前記前端(120)と前記後端(122)との間に延伸する外側部分(134)と、
前記外側部分(134)を通じて延伸する複数のノズル(146)と、
前記内側部分(132)と前記外側部分(134)との間に形成された中間部分(136)と、
前記中間部分(136)を通じて延伸する複数のベンチュリ(148)であって、前記複数のベンチュリ(148)は、前記複数のノズル(146)と流体連通している、複数のベンチュリ(148)と
を含む、複数の高温ガス経路(HGP)構成要素(100)と
を備える、タービンシステム(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、タービンシステムのための高温ガス経路構成要素に関し、より詳細には、その中に形成された複数のノズルおよびベンチュリを含む高温ガス経路構成要素に関する。
【背景技術】
【0002】
ガスタービンシステムなどの従来のターボ機械は、発電機のための動力を生成する。一般に、ガスタービンシステムは、ガスタービンシステムのタービン構成要素に流体(例えば、高温ガス)を通すことによって動力を生成する。より具体的には、吸入空気が、圧縮機に引き込まれて圧縮される。圧縮されると、吸入空気は燃料と混合されて燃焼生成物を形成し、燃焼生成物はガスタービンシステムの燃焼器によって反応させられてガスタービンシステムの動作流体(例えば、高温ガス)を形成することができる。次に流体は、動力を生成するために、タービン構成要素の複数の回転ブレードおよびロータまたはシャフトを回転させるために流体流路を通じて流れることができる。流体は、複数の回転ブレードと、回転ブレードの間に位置決めされた複数の静止ノズルまたはベーンを介して、タービン構成要素を通して導くことができる。複数の回転ブレードがガスタービンシステムのロータを回転させると、ロータに結合された発電機は、ロータの回転から動力を生成することができる。
【0003】
動作効率を改善するために、タービン構成要素は、タービンシュラウドおよび/またはノズルバンドのような高温ガス経路構成要素を含み、動作流体の流路をさらに画定することができる。タービンシュラウドは、例えば、タービン構成要素の回転ブレードに半径方向に隣接して位置決めすることができ、タービン構成要素内に動作流体を導き、かつ/または動作流体の流体流路の外側境界を画定することができる。動作中、タービンシュラウドは、タービン構成要素を通じて流れる高温の動作流体に曝される場合がある。時間の経過および/または曝露中、タービンシュラウドは、望ましくない熱膨張を受ける可能性がある。タービンシュラウドの熱膨張により、シュラウドが損傷する可能性があり、かつ/またはシュラウドが動作流体の流体流路を画定するためにタービン構成要素内でシールを維持することができない場合がある。タービンシュラウドが損傷したり、タービン構成要素内で十分なシールが形成されなくなったりすると、動作流体が流路から漏れることがあり、したがってタービン構成要素およびタービンシステム全体の動作効率が低下する。
【0004】
熱膨張および劣化を最小限に抑えるため、タービンシュラウドは典型的には冷却される。タービンシュラウドを冷却するための従来のプロセスは、フィルム冷却および衝突冷却を含む。フィルム冷却は、タービン構成要素の動作中にタービンシュラウドの高温の表面にわたって冷却空気を流すプロセスを伴う。衝突冷却は、タービンシュラウドを通して形成された孔または開口を利用して、動作中にタービンシュラウドの様々な部分の低温側に冷却空気を提供する。通常、従来のシステムでは、高圧の冷却空気のみが、冷却のためにタービンシュラウドに供給され、タービンシュラウドによって利用され得る。これは、冷却のために従来のタービンシュラウドに供給される冷却空気がタービン高温作動流体の内圧を克服して、高温流体が流路を出て、高温流体から損傷を受ける可能性のある構成要素空間に入らないことを保証しなければならないためである。その結果、従来のガスタービン静止構成要素を通じて流れる実質的にすべてまたはほとんどの冷却空気は、高圧源から供給されなければならず、高圧源はより大量の圧縮機のポンプ仕事を受ける。圧力が低すぎる場合、そうでなければ構成要素を冷却するために利用できる可能性のある低圧源からの冷却空気を使用することができない。これにより、ガスタービンシステムの運転効率が低下する可能性があり、および/または、ガスタービンシステム内に補助的な高圧空気発生システムを組み込む必要がある場合がある。このように、補助的な高圧空気発生システムを使用してシステムに追加の高圧空気を供給すると、ガスタービンシステムに望ましくない構築、設置、保守、および/または運用費用が追加される。
【発明の概要】
【0005】
本開示の第1の態様は、タービンシステムの高温ガス経路(HGP)構成要素を提供する。HGP構成要素は、本体を含み、本体は、前端と、前端の反対側に位置決めされた後端と、タービンシステムの高温ガス流路に隣接して位置決めされた内側部分であって、内側部分は、前端と後端との間に延伸する、内側部分と、半径方向において内側部分の反対側に形成され、前端と後端との間に延伸する外側部分と、外側部分を通じて延伸する複数のノズルと、内側部分と外側部分との間に形成された中間部分と、中間部分を通じて延伸する複数のベンチュリであって、複数のベンチュリは、複数のノズルと流体連通している、複数のベンチュリとを含む。
【0006】
本開示の第2の態様は、タービンシステムであって、タービンケーシングと、タービンケーシング内でロータの周りに円周方向に位置決めされた複数のタービンブレードと、タービンケーシングの周りに円周方向に配置され、複数のタービンブレードに半径方向に隣接して位置決めされた複数の支持体であり、複数の支持体の各々は、支持体に隣接して支持体の上流を流れる高圧流体と流体連通する少なくとも1つの高圧供給導管、および、支持体に隣接して支持体の下流を流れる低圧流体と流体連通する少なくとも1つの低圧供給導管を含む、複数の支持体と、複数の支持体に結合され、複数の支持体と複数のタービンブレードとの間で半径方向に延伸する複数の高温ガス経路(HGP)構成要素であり、複数のHGP構成要素の各々は、本体を含み、本体は、前端と、前端の反対側に位置決めされた後端と、複数のタービンブレードに隣接して位置決めされた内側部分であって、内側部分は、前端と後端との間に延伸する、内側部分と、半径方向において内側部分の反対側に形成され、前端と後端との間に延伸する外側部分と、外側部分を通じて延伸する複数のノズルと、内側部分と外側部分との間に形成された中間部分と、中間部分を通じて延伸する複数のベンチュリであって、複数のベンチュリは、複数のノズルと流体連通している、複数のベンチュリとを含む、複数の高温ガス経路(HGP)構成要素とを含む、タービンシステムを提供する。
【0007】
本開示の第3の態様は、タービンシステムであって、タービンケーシングと、タービンケーシングの周りに円周方向に配置されている複数の支持体であり、複数の支持体の各々は、支持体に隣接して支持体の下流を流れる高圧流体と流体連通する少なくとも1つの高圧供給導管、および、支持体に隣接して支持体の上流を流れる低圧流体と流体連通する少なくとも1つの低圧供給導管を含む、複数の支持体と、複数の支持体に結合されている複数のステータベーンであり、複数のステータベーンは、タービンケーシングの周りに円周方向に位置決めされており、複数のステータベーンの各ステータベーンは、翼形部、および翼形部に結合されている高温ガス経路(HGP)構成要素を含み、HGP構成要素は、本体を含み、本体は、前端と、前端の反対側に位置決めされた後端と、複数のタービンブレードに隣接して位置決めされた内側部分であって、内側部分は、前端と後端との間に延伸する、内側部分と、半径方向において内側部分の反対側に形成され、前端と後端との間に延伸する外側部分と、外側部分を通じて延伸する複数のノズルと、内側部分と外側部分との間に形成された中間部分と、中間部分を通じて延伸する複数のベンチュリであって、複数のベンチュリは、複数のノズルと流体連通している、複数のベンチュリとを含む、複数のステータベーンとを含む、タービンシステムを提供する。
【0008】
本開示の例示的な態様は、本明細書において説明される問題および/または検討されていない他の問題を解決するように設計される。
【0009】
本開示のこれらおよび他の特徴は、本開示の様々な実施形態を示す添付の図面と併せて、本開示の様々な態様の以下の詳細な説明から、より容易に理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本開示の実施形態による、ガスタービンシステムの概略図である。
【
図2】本開示の実施形態による、タービンブレード、ステータベーン、ロータ、ケーシング、高温ガス経路構成要素、および支持体を含む
図1のガスタービンシステムのタービンの一部の側面図である。
【
図3】本開示の実施形態による、
図2のガスタービンシステムの一部の拡大側面図である。
【
図4】本開示の実施形態による、
図2および
図3の高温ガス経路構成要素の等角図である。
【
図5】本開示の実施形態による、
図4の線CS-CSに沿った高温ガス経路構成要素の側面断面図である。
【
図6】本開示の実施形態による、
図5の高温ガス経路構成要素の拡大側面断面図である。
【
図7】本開示の追加の実施形態による、
図2のガスタービンシステムの一部の拡大側面図である。
【
図8】本開示の実施形態による、
図7に示す高温ガス経路構成要素の側面断面図である。
【
図9】本開示のさらなる実施形態による、
図2のガスタービンシステムの一部の拡大側面図である。
【
図10】本開示の追加の実施形態による、
図1のガスタービンシステムの一部の拡大側面図である。
【
図11】本開示の実施形態による、
図10の高温ガス経路構成要素の側面断面図である。
【
図12】本開示の別の実施形態による、
図1のガスタービンシステムの一部の拡大側面図である。
【
図13】本開示の実施形態による、
図12の高温ガス経路構成要素の側面断面図である。
【
図14】本開示の追加の実施形態による、2つのタービンブレード、高温ガス経路構成要素を含むステータベーン、ロータ、ケーシング、および支持体を含む
図1のガスタービンシステムのタービンの一部の側面図である。
【
図15】本開示の追加の実施形態による、
図14のガスタービンシステムの一部の拡大側面図である。
【
図16】本開示の実施形態による高温ガス経路構成要素を表すコードを記憶する非一時的コンピュータ可読記憶媒体を含む積層造形プロセスのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示の図面は原寸に比例していないことに留意されたい。図面は、本開示の典型的な態様だけを示すことを目的としており、したがって、本開示の範囲を限定するものとみなすべきではない。図面では、図面間で類似する符号は、類似する要素を表す。
【0012】
最初の問題として、本開示を明確に説明するために、本開示の範囲内の関連する機械構成要素を参照して説明するときに、特定の専門用語を選択することが必要になる。これを行う場合、可能な限り、一般的な工業専門用語が、その受け入れられた意味と同じ意味で使用および利用される。別途記載のない限り、このような専門用語は、本出願の文脈および添付の特許請求の範囲と一致する広義の解釈を与えられるべきである。当業者であれば、多くの場合、特定の構成要素がいくつかの異なるまたは重複する用語を使用して参照されることがあることを理解するであろう。単一の部品であるとして本明細書に記載され得るものは、複数の構成要素からなるものとして別の文脈を含み、かつ別の文脈で参照されてもよい。代替的に、複数の構成要素を含むものとして本明細書に記載することができるものは、単一の部品として他の場所で参照されてもよい。
【0013】
さらに、本明細書においてはいくつかの記述上の用語を定常的に使用する場合があり、この点についてこれらの用語を定義することが有用であることが証明されるはずである。これらの用語およびその定義は、別途記載のない限り、以下の通りである。本明細書において使用する場合、「下流」および「上流」とは、タービンエンジンを通る作動流体または、例えば、燃焼器を通る空気の流れ、またはタービンの構成要素システムの1つを通る冷却剤などの流体の流れに対する方向を示す用語である。「下流」という用語は、流体の流れの方向に相当し、「上流」という用語は、流れの反対の方向を指す。「前方」および「後方」という用語は、別途指定のない限り、方向を指し、「前方」はエンジンの前方または圧縮機端部を指し、「後方」はエンジンの後方またはタービン端部を指す。加えて、「先行する」および「後続する」という用語は、それぞれ、「前方」および「後方」という用語と同様の記述で使用され、および/または理解することができる。多くの場合、異なる半径方向、軸方向および/または円周方向の位置にある部分を記述することが要求される。「A」軸は、軸方向を表す。本明細書において使用する場合、「軸方向の」および/または「軸方向に」という用語は、タービンシステム(特に、ロータ区画)の回転軸と実質的に平行な軸Aに沿った物体の相対的な位置/方向を指す。さらに本明細書において使用する場合、「半径方向の」および/または「半径方向に」という用語は、軸Aと実質的に垂直でありかつただ1つの場所において軸Aと交差する方向「R」(
図1参照)に沿った物体の相対的な位置/方向を指す。最後に、「円周方向の」という用語は、軸Aの周りの移動または位置を指す(例えば、方向「C」)。
【0014】
上記で示したように、本開示は、タービンシステムのための高温ガス経路構成要素を提供し、より詳細には、その中に形成された複数のノズルおよびベンチュリを含む高温ガス経路構成要素を提供する。
【0015】
これらおよび他の実施形態は、
図1~
図16を参照して以下に説明される。しかし、当業者であれば、これらの図に関して本明細書に与えられた詳細な説明は例示のためのものであり、限定するものとして解釈すべきではないことを容易に理解するであろう。
【0016】
図1は、例示的なガスタービンシステム10の概略図を示す。ガスタービンシステム10は、圧縮機12を含むことができる。圧縮機12は、流入する空気18の流れを圧縮する。圧縮機12は、圧縮空気20の流れを燃焼器22に送達する。燃焼器22は、圧縮空気20の流れを加圧された燃料24の流れと混合し、この混合物に点火して燃焼ガス26の流れを生成する。単一の燃焼器22のみが示されているが、ガスタービンシステム10は、任意の数の燃焼器22を含むことができる。次いで、燃焼ガス26の流れは、典型的には翼形部(
図2参照)およびステータベーン(
図2参照)を含む複数のタービンブレードを含むタービン28に送達される。燃焼ガス26の流れは、タービン28、より具体的にはタービン28の複数のタービンブレードを駆動し、機械的仕事を発生させる。タービン28で発生された機械的仕事は、タービン28を通じて延伸するロータ30を介して圧縮機12を駆動し、発電機などの外部負荷32を駆動するために使用することができる。
【0017】
ガスタービンシステム10はまた、排気フレーム34を含むことができる。
図1に示すように、排気フレーム34は、ガスタービンシステム10のタービン28に隣接して位置決めすることができる。より具体的には、排気フレーム34は、タービン28に隣接して位置決めすることができ、タービン28の、および/または燃焼器22からタービン28に流れる燃焼ガス26の流れの実質的に下流に位置決めすることができる。本明細書において論じられているように、排気フレーム34の一部(例えば、外側ケーシング)は、タービン28のエンクロージャ、シェル、またはケーシング36に直接結合することができる。
【0018】
燃焼ガス26が流れてタービン28を駆動した後、燃焼ガス26は、排気フレーム34を通じて流れ方向(D)に排気、流入および/または排出され得る。
図1に示す非限定的な例では、燃焼ガス26は、流れ方向(D)に排気フレーム34を通じて流れることができ、ガスタービンシステム10から(例えば、大気に)排出され得る。ガスタービンシステム10が複合サイクル発電プラント(例えば、ガスタービンシステムおよび蒸気タービンシステムを含む)の一部である別の非限定的な例では、燃焼ガス26は、排気フレーム34から排出され得、流れ方向(D)で複合サイクル発電プラントの排熱回収ボイラに流入してもよい。
【0019】
図2を参照すると、タービン28の一部が示されている。具体的には、
図2は、タービン28のケーシング36内に位置決めされたタービンブレード38(1つを示す)の段、およびステータベーン40(1つを示す)の段を含むタービン28の一部の側面図を示す。本明細書において論じられているように、タービンブレード38の各段(例えば、第1の段、第2の段(図示せず)、第3の段(図示せず))は、ロータ30に結合されてその周囲に円周方向に位置決めされ得、かつ燃焼ガス26によって駆動されてロータ30を回転させることができる複数のタービンブレード38を含んでもよい。加えて、ステータベーン40の各段(例えば、第1の段、第2の段(図示せず)、第3の段(図示せず))は、タービン28のケーシング36に結合され、かつ/または、その周りに円周方向に位置決めされ得る複数のステータベーンを含んでもよい。
図2に示される非限定的な例では、ステータベーン40は、複数の高温ガス経路(HGP)構成要素200を含むことができる。例えば、ステータベーン40のHGP構成要素200は、タービン28のケーシング36に隣接して位置決めされ、かつ/またはステータベーン40をタービン28のケーシング36に結合する外側プラットフォーム200A、および外側プラットフォーム200Aの反対側に位置決めされる内側プラットフォーム200Bを含み、かつ/または、それらとして形成することができる。タービン28のステータベーン40はまた、外側プラットフォーム200Aと内側プラットフォーム200Bとの間に位決めされた翼形部42をも含むことができる。ステータベーン40の外側プラットフォーム200Aおよび内側プラットフォーム200Bは、ステータベーン40を介して流れる燃焼ガス26の流路(FP)を画定することができる。
【0020】
ステータベーン40は、支持体202を介してケーシング36に結合することができる。支持体202は、タービン28のケーシング36から半径方向内向きに延伸することができ、ステータベーン40の外側プラットフォーム200Aとして形成されたHGP構成要素に結合されかつ/またはHGP構成要素を受け入れて、ステータベーン40をケーシング36におよび/またはケーシング36内に結合、位置決め、および/または固定するように構成され得る。非限定的な例では、支持体202は、タービン28のケーシング36に結合および/または固定されてもよい。より具体的には、支持体202は、ケーシング36の周りに円周方向に配置することができ、タービンブレード38に隣接して軸方向に位置決めすることができる。別の非限定的な例(図示せず)では、支持体202は、ステータベーン40をケーシング36に、かつ/またはケーシング36内に結合、位置決め、および/または固定するために、ケーシング36と一体に形成され得る。別の非限定的な例(図示せず)では、本明細書において論じられているように、タービンブレード38に関連付けられたHGP構成要素の支持体に支持体202を直接的に結合および/または固定することができる。
【0021】
タービン28の各タービンブレード38は、ロータ30から半径方向に延伸し、タービン28を通じて流れる燃焼ガス26の流路(FP)内に位置決めされた翼形部46を含むことができる。各翼形部46は、ロータ30の半径方向反対側に位置決めされた先端部分48を含むことができる。タービンブレード38およびステータベーン40はまた、ケーシング36内で互いに軸方向に隣接して位置決めすることもできる。
図2に示す非限定的な例では、ステータベーン40は、タービンブレード38の軸方向に隣接して下流に位置決めされてもよい。明確化のために、タービン28のすべてのタービンブレード38、ステータベーン40および/またはロータ30のすべてが示されているわけではない。加えて、タービン28の単一の段のタービンブレード38およびステータベーン40の一部のみが
図2に示されているが、タービン28は、タービン28のケーシング36全体にわたって軸方向に位置決めされた、複数の段のタービンブレードおよびステータベーンを含むことができる。
【0022】
ガスタービンシステム10のタービン28(
図1を参照)はまた、複数の高温ガス経路(HGP)構成要素100を含むことができる。
図2に示される非限定的な例では、HGP構成要素100は、タービン28内に含まれるタービンシュラウドであり得る。
図2~
図13に関して本明細書において論じられているこの非限定的な例では、HGP構成要素100およびタービンシュラウドを交換可能に使用することができる。タービン28は、HGP構成要素100(1つが示されている)の段を含むことができる。HGP構成要素100は、タービンブレード38の段および/またはステータベーン40の段に対応し得る。すなわち、本明細書において論じられているように、HGP構成要素100の段は、タービンブレード38の段および/またはステータベーン40の段に隣接するタービン28内に位置決めされ、タービン28を通じて流れる燃焼ガス26の流路(FP)と相互作用してシールを提供することができる。
図2に示す非限定的な例では、HGP構成要素100の段は、タービンブレード38の段に半径方向に隣接して位置決めすることができ、かつ/または実質的に包囲もしくは取り囲むことができる。HGP構成要素100は、タービンブレード38の翼形部46の先端部分48に半径方向に隣接して位置決めすることができる。加えて、HGP構成要素100は、タービン28のステータベーン40に軸方向に隣接しておよび/または上流に位置決めすることもできる。
【0023】
ステータベーン40と同様に、HGP構成要素100の段は、タービン28のケーシング36に結合され、その周りに円周方向に位置決めされ得る複数のHGP構成要素100を含むことができる。
図2に示す非限定的な例では、HGP構成要素100は、タービン28のケーシング36から半径方向内向きに延伸する支持体102を介してケーシング36に結合されてもよい。支持体102は、HGP構成要素100の締結具またはフック(
図4参照)に結合されおよび/またはそれらを受け入れ、HGP構成要素100をタービン28のケーシング36に結合、位置決め、および/または固着するように構成することができる。非限定的な例では、支持体102は、タービン28のケーシング36に結合および/または固定されてもよい。より具体的には、支持体102は、ケーシング36の周りに円周方向に配置することができ、半径方向においてタービンブレード38に隣接して位置決めすることができる。別の非限定的な例(図示せず)では、支持体102は、HGP構成要素100をケーシング36に結合、位置決め、および/または固着するためにケーシング36と一体に形成されてもよい。タービンブレード38および/またはステータベーン40と同様に、タービン28のHGP構成要素100の段の一部のみが
図2に示されているが、タービン28は、タービン28のケーシング36全体にわたって軸方向に位置決めされ、支持体102を使用してケーシング36に結合されている、HGP構成要素100の複数の段を含むことができる。
【0024】
図3を参照すると、HGP構成要素100および支持体102を含むタービン28の拡大部分が示されている。本明細書において論じられているように、タービン28のHGP構成要素100および支持体102は、タービン28の動作中にHGP構成要素100を冷却するために、高圧流体(HPF)とともに低圧流体(LPF)の使用を可能にする様々な追加の特徴を含むことができる。HGP構成要素100および/または支持体102にこれらの特徴を含めることにより、HGP構成要素100を冷却するのに必要な高圧流体の量を減らすことができ、これにより、タービンシステム10(
図1を参照)内の燃料消費および/または発熱率を減らすことができる。
【0025】
図2および
図3に示されるように、支持体102は、高圧流体チャンバ104を含み得る。高圧流体チャンバ104は、HGP構成要素100に半径方向に隣接して、および/または半径方向外側に、支持体102内に形成されてもよい。さらに、本明細書において論じられているように、高圧流体チャンバ104は、HGP構成要素100の特徴(例えば、ノズル)と流体的に結合し、かつ/または流体連通し得る。高圧流体チャンバ104は、ガスタービンシステム10(
図1参照)の作動中にHGP構成要素100に後に提供され得るタービン28を通じておよび/またはタービン28の中を流れる高圧流体(HPF)を受け入れるために支持体102内に形成され得る。
図2および
図3に示される非限定的な例では、高圧流体(HPF)がタービン28および/またはタービンケーシング36内を流れていてもよい。具体的には、HPFは、支持体102に実質的に隣接し、かつ/またはその上流にあるタービン28の領域50内を、および/または領域50を通じて流れていてもよい。HPFは、タービンシステム10(
図1を参照)の作動中にHGP構成要素100を冷却するのに適したタービン28内を流れる任意の適切な流体(例えば、空気)とすることができる。非限定的な例では、HPFは、タービン28の圧縮機吐出チャンバ(CDC)から流れる流体であってもよい。
【0026】
支持体102は、その中に形成された少なくとも1つの高圧供給導管106を含むこともできる。高圧供給導管106は、高圧流体チャンバ104と流体連通し、かつ/または流体的に結合されていてもよい。すなわち、高圧供給導管106は、HPFを含む領域50および高圧流体チャンバ104と流体連通することができる。その結果、高圧供給導管106は、領域50を通じて流れるHPFを受け入れることができ、支持体102の高圧流体チャンバ104にHPFを提供することができる。高圧供給導管106から受け入れられると、高圧流体チャンバ104は、本明細書において論じられているように、HGP構成要素100にHPFを提供することができる。非限定的な例では、単一の高圧供給導管106のみを含むものとして示されているが、支持体102は、HGP構成要素100にHPFを提供するための複数の高圧供給導管106(例えば、
図7)を含み得ることが理解される。
【0027】
図2および
図3に示すように、支持体102は、少なくとも1つの低圧供給導管108を含むこともできる。低圧供給導管(複数可)108は、低圧流体(LPF)を含み得るタービンケーシング36内の領域52と流体連通し、かつ/または流体的に結合することができる。LPFは、タービン28の支持体102に実質的に隣接して、かつ/またはその下流に流れていてもよい。したがって、LPFを含む領域52は、支持体102とステータベーン40の外側プラットフォーム200Aとの間に形成され得る。さらに、
図2および
図3に示され、本明細書において論じられているように、低圧供給導管(複数可)108は、タービンシステム10(
図1を参照)の動作中に領域52からHGP構成要素100にLPFを提供するために、HGP構成要素100に流体的に結合し、かつ/または流体連通することができる。本明細書において論じられているように、LPFは、HGP構成要素100を冷却するためにタービン28内を流れる任意の適切な流体(例えば、空気)であってもよい。非限定的な例では、LPFは、タービンブレード38とステータベーン40との間を流れるタービン28の圧縮機抽出流体であってもよい。
【0028】
図2および
図3に示される非限定的な例では、支持体102は、単一の、連続的な、かつ/または分離されていない構成要素または部品を含み、かつ/またはそれとして形成され得る。非限定的な例では、支持体102が単一の、連続的な、かつ/または分離されていない構成要素または部品から形成されるため、支持体102は、支持体102を完全に形成するための様々な部分の構築、接合、結合、および/または組み立てを必要としなくてもよく、および/または支持体102がタービンシステム10(
図1参照)内に設置および/または実装され得る前に様々な部分の構築、接合、結合、および/または組み立てを必要としなくてもよい。むしろ、単一の、連続的な、かつ/または分離されていない支持体102が、様々な特徴(例えば、高圧供給導管106、低圧供給導管108)を含むように構築されると、支持体102はタービンシステム10および/またはタービンケーシング36内に直ちに設置され得る。
【0029】
非限定的な例では、支持体102、およびその中に形成される様々な特徴(例えば高圧流体チャンバ104、高圧供給導管106、低圧供給導管108)は、任意の適切な積層造形プロセス(複数可)および/または方法を使用して形成されてもよい。例えば、支持体102は、直接金属レーザ溶融(DMLM)(選択的レーザ溶融(SLM)とも呼ばれる)、直接金属レーザ焼結(DMLS)、電子ビーム溶融(EBM)、ステレオリソグラフィ(SLA)、バインダ噴射、または任意の他の適切な積層造形プロセスによって形成されてもよい。加えて、支持体102は、積層造形プロセス(複数可)によって利用され得る、および/または動作中にガスタービンシステム10内の支持体102が経験する動作特性(例えば、曝露温度、曝露圧力など)に耐えることが可能であり得る任意の材料から形成することができる。
【0030】
別の非限定的な例では、支持体102は、複数のおよび/または別個の部分または構成要素として形成されてもよい。例えば、支持体102は、支持体102の様々な特徴の少なくとも一部を含む2つの別個の構成要素または部品から形成されてもよい。支持体102を形成する2つの構成要素は、支持体102がガスタービンシステム10内のタービン28に設置される前に、互いに接合、結合、および/または固定することができる。支持体102を形成する各構成要素、および支持体102の様々な特徴は、任意の適切な製造プロセス(複数可)および/または方法を使用して形成され得る。例えば、2つの別個の構成要素を含む支持体102は、フライス加工、旋削、切削、鋳造、成形、穿孔などによって形成されてもよい。さらなる非限定的な例では、支持体102は、フライス加工、旋削加工、切削加工、穿孔加工などを含むがこれらに限定されない適切な材料削除または除去プロセスを実行することにより、単一の材料片から形成されてもよい。
【0031】
図4~
図6は、
図1のガスタービンシステム10のタービン28のHGP構成要素100の様々な図を示す。具体的には、
図4はHGP構成要素100の等角図を示し、
図5は
図4の線CS-CSに沿ったHGP構成要素100の側面断面図を示し、
図6は
図5のHGP構成要素100の一部の拡大側面断面図を示す。
【0032】
HGP構成要素100は、本体110を含み得る。
図4および
図5に示される非限定的な例では、HGP構成要素100は単一本体110を含み、かつ/またはそれとして形成され、結果、HGP構成要素100は、単一の、連続的な、かつ/または分離されていない構成要素または部品になる。
図4および
図5に示す非限定的な例では、HGP構成要素100が単一本体を含むため、HGP構成要素100は、HGP構成要素100を完全に形成するための様々な部分の構築、接合、結合、および/または組み立てを必要としなくてもよく、および/またはHGP構成要素100がタービンシステム10(
図1参照)内に設置および/または実装され得る前に様々な部分の構築、接合、結合、および/または組み立てを必要としなくてもよい。むしろ、本明細書において論じられているように、HGP構成要素100の単一の、連続した、および/または分離されていない単一本体110が構築されると、HGP構成要素100は、タービンシステム10内に直ちに設置することができる。
【0033】
非限定的な例において、HGP構成要素100の単一本体110、ならびにHGP構成要素100の様々な構成要素および/または特徴は、任意の適切な積層造形プロセス(複数可)および/または方法を使用して形成することができる。例えば、単一本体110を含むHGP構成要素100は、直接金属レーザ溶融(DMLM)(選択的レーザ溶融(SLM)とも呼ばれる)、直接金属レーザ焼結(DMLS)、電子ビーム溶融(EBM)、ステレオリソグラフィ(SLA)、バインダ噴射、または任意の他の適切な積層造形プロセスによって形成されてもよい。加えて、HGP構成要素100の単一本体110は、HGP構成要素100を形成するために積層造形プロセスによって利用され得る、および/または動作中にガスタービンシステム10内のHGP構成要素100が経験する動作特性(例えば、曝露温度、曝露圧力など)に耐えることが可能であり得る任意の材料から形成することができる。
【0034】
別の非限定的な例では、HGP構成要素100の本体110は、複数のおよび/または別個の部分または構成要素(
図7および
図8参照)として形成されてもよい。例えば、本明細書において論じられているように、HGP構成要素100の本体110は、フック112、118および内面を含むことができる第1の部分と、HGP構成要素100の外面(および内部特徴の一部)を含むことができる第2の部分とから形成することができる。HGP構成要素100の本体110を形成する2つの構成要素は、ガスタービンシステム10内のタービン28に設置される前に、HGP構成要素100を形成するために互いに接合、結合、および/または固定することができる。本体110を形成する各構成要素、ならびにHGP構成要素100の様々な構成要素および/または特徴は、任意の適切な製造プロセス(複数可)および/または方法を使用して形成され得る。例えば、2つの別個の構成要素を含む本体110を含むHGP構成要素100は、フライス加工、旋削、切削、鋳造、成形、穿孔などによって形成されてもよい。
【0035】
HGP構成要素100はまた、様々な端部、側面、および/または表面を含むことができる。例えば、
図4および
図5に示すように、HGP構成要素100の本体110は、前端120と、前端120の反対側に位置決めされた後端122とを含むことができる。前端120は、タービン28内に画定された流路(FP)を通じて流れる燃焼ガス26が、HGP構成要素100の本体110の後端122に隣接して流れる前に前端120に隣接して流れることができるように、後端122の上流に位置決めすることができる。
図3および
図4に示すように、前端120は、ケーシング36(
図2参照)内でHGP構成要素100を結合、位置決め、および/または固着するようにするために、タービン28のケーシング36の支持体102に結合および/または係合するように構成された第1のフック112を含むことができる。加えて、後端122は、第1のフック112の反対側の本体110に位置決めおよび/または形成された第2のフック118を含むことができる。第1のフック112と同様に、第2のフック118は、ケーシング36(
図2参照)内でHGP構成要素100を結合、位置決め、および/または固着するようにするために、タービン28のケーシング36の支持体102に結合および/または係合するように構成され得る。
【0036】
加えて、HGP構成要素100の本体110はまた、第1の側面124と、第1の側面124の反対側に位置決めされた第2の側面126とを含むことができる。
図4に示すように、第1の側面124および第2の側面126は、前端120と後端122との間に延伸および/または形成され得る。本体110の第1の側面124および第2の側面126は、実質的に閉じていてもよく、かつ/または中実端壁もしくはキャップを含んでもよい。したがって、本明細書において論じられているように、第1の側面124および第2の側面126の中実端壁は、タービン28内の流体(例えば、燃焼ガス26、冷却流体)がHGP構成要素100に入ること、ならびに/または冷却流体が第1の側面124および/もしくは第2の側面126を介してHGP構成要素100内に形成された内側部分(例えば、通路、プレナム)から出るのを実質的に防止することができる。
【0037】
図4および
図5に示されるように、HGP構成要素100の本体110はまた、外面128も含み得る。非限定的な例では、外面128は、HGP構成要素100の本体110と支持体102との間に形成された高圧流体チャンバ104に面し得る(
図2を参照)。より具体的には、外面128は、支持体102内に形成された高圧流体チャンバ104内に位置決め、形成、対面、および/または直接露出させることができる。本明細書において論じられているように、支持体102の高圧流体チャンバ104は、タービン28の動作中にHPFを受け入れ、および/またはHGP構成要素100に提供することができる。高圧流体チャンバ104に面することに加えて、HGP構成要素100の本体110の外面128はまた、それぞれ前端120と後端122との間、ならびに第1の側面124と第2の側面126との間に形成、延伸、および/または位置決めされ得る。
【0038】
HGP構成要素100の本体110はまた、外面128の反対側に形成された内面130も含むことができる。すなわち、
図4および
図5の非限定的な例に示すように、HGP構成要素100の本体110の内面130は、外面128から半径方向反対側および/または半径方向内側に形成されてもよい。
図2に戻って簡単に参照し、
図4および
図5を引き続き参照すると、内面130は、タービン28を通って流れる燃焼ガス26の高温ガス流路(FP)に面することができる(
図2参照)。より具体的には、内面130は、ガスタービンシステム10のタービン28のタービンケーシング36を通って流れる燃焼ガス26の高温ガス流路(FP)に位置決め、形成、対面、および/または直接露出することができる。加えて、
図2に示すように、HGP構成要素100の本体110の内面130は、翼形部46の先端部分48に半径方向に隣接して位置決めすることができる。燃焼ガス26の高温ガス流路(FP)に面することに加えて、外面128と同様に、HGP構成要素100の本体110の内面130はまた、それぞれ前端120と後端122との間、ならびに第1の側面124と第2の側面126との間に形成および/または位置決めされ得る。
【0039】
図5および
図6を参照し、かつ
図2~
図4を引き続き参照して、HGP構成要素100の追加の特徴をここで説明する。HGP構成要素100は、内側部分132を含むことができる。
図5に示すように、内側部分132は、HGP構成要素100の単一本体110の一体部分として形成することができる。加えて、内側部分132は、内面130を含むことができ、かつ/または内面130は、HGP構成要素100の本体110の内側部分132上に形成することができる。HGP構成要素100の本体110の内側部分132は、それぞれ前端120と後端122との間、ならびに第1の側面124と第2の側面126との間に形成され、位置決めされ、および/または延伸し得る。加えて、内側部分132は、本体110の第1の側面124および第2の側面126上に形成された中実側壁と一体に形成されてもよい(
図4参照)。
図2および
図3に戻って簡単に参照すると、HGP構成要素100の内側部分132はまた、タービンシステム10のタービン28の高温ガス流路(FP)に隣接して位置決めすることもでき、および/または、翼形部46の先端部分48に半径方向に隣接しておよび/またはそこから半径方向外側に位置決めすることもできる。本明細書において論じられているように、HGP構成要素100の内側部分132は、HGP構成要素100内に少なくとも1つの冷却チャネルを少なくとも部分的に形成および/または画定することができる。
【0040】
HGP構成要素100は、内側部分132の半径方向反対側に形成された外側部分134を含むことができる。内側部分132と同様に、
図5に示すように、外側部分134は、HGP構成要素100の単一本体110の一体部分として形成することができる。外側部分134は、外面128を含むことができ、かつ/または外面128は、HGP構成要素100の本体110の外側部分134上に形成することができる。HGP構成要素100の本体110の外側部分134は、それぞれ前端120と後端122との間、ならびに第1の側面124と第2の側面126との間に形成され、位置決めされ、および/または延伸し得る。加えて、また内側部分132と同様に、外側部分134は、本体110の第1の側面124および第2の側面126に形成された中実側壁と一体に形成されてもよい。
図3および
図5に示されるように、外側部分134は、支持体102の高圧流体チャンバ104に(半径方向に)隣接して形成されてもよい。HGP構成要素100の外側部分134は、本明細書において論じられているように、HGP構成要素100内に低圧流体チャネルを少なくとも部分的に形成および/または画定することができる。
【0041】
図5の非限定的な例に示されるように、HGP構成要素100は、中間部分136も含み得る。中間部分136は、(半径方向において)HGP構成要素100の単一本体110の内側部分132と外側部分134との間に形成され得る。内側部分132および外側部分134と同様に、また
図5に示されるように、HGP構成要素100の中間部分136は、HGP構成要素100の本体110の一体部分として形成されてもよい。HGP構成要素100の本体110の中間部分136は、それぞれ前端120と後端122との間、ならびに第1の側面124と第2の側面126との間に形成、位置決め、および/または延伸することができ、本体110の第1の側面124および第2の側面126上に形成される中実側壁と一体に形成することができる(
図4を参照)。
【0042】
内側部分132、外側部分134、および/または中間部分136は、HGP構成要素100内のチャネルを少なくとも部分的に形成および/または画定することができる。例えば、中間部分136および外側部分134は、HGP構成要素100内に低圧流体チャネル138を画定および/または形成することができる。より具体的には、低圧流体チャネル138は、HGP構成要素100の単一本体110の中間部分136と外側部分134との間に形成することができる。低圧流体チャネル138は、単一本体110のそれぞれ前端120と後端122との間、ならびに第1の側面124と第2の側面126との間に実質的に延伸することができる。本明細書において論じられているように、低圧流体チャネル138は、HGP構成要素100を通して形成され、支持体102の低圧供給導管(複数可)108(仮想線で示される部分)と流体連通する開口(複数可)140を介してLPFを受け入れることができる。
【0043】
図5に示される非限定的な例では、中間部分136および内側部分132はまた、HGP構成要素100内に冷却チャネル142を画定および/または形成することもできる。すなわち、冷却チャネル142は、HGP構成要素100の単一本体110の中間部分136と内側部分132との間に形成することができる。冷却チャネル142は、本体110のそれぞれ前端120と後端122との間、ならびに第1の側面124と第2の側面126との間に実質的に延伸することができる。本明細書において論じられているように、冷却チャネル142は、ガスタービンシステム10(
図1参照)の動作中にHPFおよび低圧流体(LPF)を受け入れてHGP構成要素100を冷却することができ、その後、排出孔144を介してHGP構成要素100からHPFおよびLPFを吐出または排出することができる。
【0044】
HGP構成要素100の様々な部分(例えば、チャネル138、142)内にHPFおよびLPFを提供して構成要素を冷却するために、HGP構成要素100および/または本体110は、その中に形成された複数のおよび/または配列を成す開口を含むことができる。例えば、HGP構成要素100の外側部分134および中間部分136は各々、その中に形成され、かつ/またはそこを通じて延伸する複数のおよび/または配列を成す開口、ノズル、および/またはベンチュリを含むことができる。
図4~
図6に示される非限定的な例では、外側部分134は、その中に形成されるか、またはそれを通じて延伸する複数の高圧開口またはノズル146(以下、「ノズル146」)を含むことができる。複数のノズル146の各々は、HGP構成要素100の単一本体110の外面128および外側部分134を通して形成されてもよい。外側部分134を貫通して形成された複数のノズル146は、支持体102の高圧流体チャンバ104と流体連通し、かつ/または流体的に結合することができる。高圧流体チャンバ104に流体的に結合された結果として、複数のノズル146の各々はまた、タービン28および/または支持体102の高圧供給導管(複数可)106を通じて流れるHPFとも流体連通することができる(
図3参照)。さらに、
図5に示すように、外側部分134を通じて形成された複数のノズル146は、支持体102の高圧流体チャンバ104とHGP構成要素100の低圧流体チャネル138とを流体的に結合することができる。本明細書において論じられているように、外側部分134を通じて形成された複数のノズル146の各々は、支持体102の高圧供給導管106および/または高圧流体チャンバ104からHPFを受け入れ、その後、HGP構成要素100の低圧流体チャネル138にHPFを提供しまたは流すことができる。
【0045】
また、
図4~
図6に示される非限定的な例に示すように、中間部分136は、その中に形成されるか、またはそれを通じて延伸する複数の低圧開口またはベンチュリ148(以下、「ベンチュリ148」)を含むことができる。複数のベンチュリ148の各々は、HGP構成要素100の単一本体110の中間部分136を通して形成されまたは延伸してもよい。中間部分136を通じて形成された複数のベンチュリ148は、HGP構成要素100の単一本体110内に形成された低圧流体チャネル138および冷却チャネル142と流体連通し、かつ/または流体的に結合することができる。さらに、かつベンチュリ148は低圧流体チャネル138と流体連通しているため、HGP構成要素100のベンチュリ148はまた、低圧流体チャネル138を通じて流れるLPFとも流体連通することができ、および/または、低圧流体チャネル138にLPFを提供する支持体102の低圧供給導管(複数可)108と流体連通することができる。本明細書において論じられているように、中間部分136を通じて形成された複数のベンチュリ148の各々は、低圧流体チャネル138からLPFを受け入れ、続いてLPFを冷却チャネル142に提供しまたは流すことができる。さらに、本明細書において論じられているように、複数のベンチュリ148の各々は、複数のノズル146を介して低圧流体チャネル138を通じて流れる高圧流体(HPF)を受け入れ、続いてHPFを冷却チャネル142に提供しまたは流すことができる。本明細書において論じられているように、HGP構成要素100のノズル146は、サイズ、形状、および/または構成(例えば、ディフューザを含むこと)に基づいて、HGP構成要素100のベンチュリ148とは異なり得る。
【0046】
図6を参照し、引き続き
図5を参照すると、単一のノズル146および単一のベンチュリ148を含むHGP構成要素100の拡大断面図が示されている。
図5および
図6に示す非限定的な例では、HGP構成要素100の外側部分134内に形成された複数のノズル146および中間部分136内に形成された複数のベンチュリ148は、半径方向にかつ/または同心に位置整合され得る。すなわち、複数のノズル146の各々は、対応するベンチュリ148と位置整合し得、かつ/または実質的に同心であり得る。加えて、かつ
図6の非限定的な例に示されるように、外側部分134内に形成された複数のノズル146の各々は、中間部分136内に形成された対応するベンチュリ148に延伸する区画150を含むことができる。具体的には、区画150は、HGP構成要素100の半径方向にかつ/または同心に位置整合された対応するベンチュリ148内に延伸することができ、ならびに/または部分的にその中に位置決めすることができ、および/もしくはそれに包囲され得る。本明細書において論じられているように、各ノズル146の区画150は、対応するベンチュリ148内に延伸して、ベンチュリ148を通してHPFを導くことができる。付加的にまたは代替的に、各ノズル146の区画150は、低圧流体チャネル138を通じて流れる低圧流体(LPF)をベンチュリ148へと誘導し、および/またはLPFがノズル146を通じて半径方向外向きに流れるのを防ぐために、対応するベンチュリ148内に延伸することができる。
【0047】
図6に示すように、複数のノズル146の各々は、異なるサイズにすることができ、および/または複数のベンチュリ148とは異なる寸法を含むことができる。すなわち、複数のノズル146の寸法(例えば、直径)は、複数のベンチュリ148の寸法とは異なっていてもよい。非限定的な例では、外側部分134に形成された複数のノズル146の各々は、ノズル開口または構成のスロートまたはネック(例えば、最も狭い部分)において第1の直径(D
1)を含むことができる。加えて、中間部分136内に形成された複数のベンチュリ148の各々は、ベンチュリ開口または構成のスロート(例えば、最も狭い部分)において第2の直径(D
2)を含むことができる。
図6の非限定的な例に示されるように、各ベンチュリ148の第2の直径(D
2)は、ノズル146の第1の直径(D
1)より大きくてもよい。非限定的な例では、ベンチュリ148の第2の直径は、ノズル146の第1の直径(D
1)の少なくとも2倍の大きさ(例えば、2:1以上の比率)であり得る。他の非限定的な例では、ベンチュリ148の第2の直径は、ノズル146の第1の直径(D
1)よりもわずかに大きい(例えば、10%大きい)ものであり得る。第1の直径(D
1)および第2の直径(D
2)の各々のサイズまたは寸法、ならびに第1の直径(D
1)と第2の直径(D
2)との差は、本明細書において論じられているように、HGP構成要素100を流れるHPFおよびLPFの速度および/または圧力を改善することができる。
【0048】
図5および
図6に示すような、HGP構成要素100内に形成されたノズル146およびベンチュリ148のサイズおよび/または数は単なる例示であることが理解される。そのため、HGP構成要素100は、より大きいもしくはより小さいノズル146およびベンチュリ148を含んでもよく、かつ/またはその中に形成されるより多くのもしくはより少ないノズル146およびベンチュリ148を含んでもよい。加えて、ノズル146およびベンチュリ148は両方ともサイズおよび/または形状が実質的に均一であるように示されているが、HGP構成要素100内に形成された複数のノズル146およびベンチュリ148の各々は、別個のサイズおよび/または形状を含み得ることが理解される。HGP構成要素100内に形成されるノズル146およびベンチュリ148のサイズ、形状、および/または数は、動作中のガスタービンシステム10の様々なパラメータ(例えば、露出温度、露出圧力、タービンケーシング36内の位置、HPF動作圧力/温度、LPF運転圧力/温度など)に、少なくとも部分的に依存し得る。付加的に、または代替的に、HGP構成要素100内に形成されるノズル146およびベンチュリ148のサイズ、形状、および/または数は、HGP構成要素100の特性(例えば、内側部分132の厚さ、外側部分134の厚さ、冷却チャネル142の容積など)に少なくとも部分的に依存し得る。
【0049】
加えて、
図6に示されるように、HGP構成要素100の単一本体110の中間部分136はまた、複数のディフューザ152を含むことができる。複数のディフューザ152の各々は、中間部分136を通して形成された対応するベンチュリ148と一体に形成されてもよい。すなわち、かつ
図6に示すように、ディフューザ152は、各ベンチュリ148と一体に形成されてもよく、半径方向においてベンチュリ148に、より具体的には各ベンチュリ148のスロート(例えば、最も狭い部分)に隣接して位置決めされてもよい。ディフューザ152はまた、HGP構成要素100の本体110の内側部分132に隣接して形成されてもよく、かつ/またはそれに向かって半径方向に延伸してもよい。非限定的な例では、ディフューザ152は、ディフューザ152がHGP構成要素100の内側部分132に向かって(半径方向に)より近く延伸するにつれて大きくまたは広くなる、発散する形状、幾何学的形状、および/または構成を含むことができる。非限定的な例では、ディフューザ152の最大寸法(例えば、直径)は、内側部分132に半径方向に隣接する端部154に形成されてもよい。ディフューザ152の端部154は、ノズル146の第1の直径(D
1)およびベンチュリ148の第2の直径(D
2)よりも大きくてもよい第3の直径(D
3)を含んでもよい。第1の直径(D
1)および第2の直径(D
2)の各々のサイズまたは寸法に加えて、HGP構成要素100の各ディフューザ152の第3の直径(D
3)のサイズは、本明細書において論じられているように、HGP構成要素100を流れるHPFおよびLPFの静圧を増大させ得る。
【0050】
さらに、本明細書においては実質的に円形であり、かつ/または異なる直径(例えば、第1の直径(D1)、第2の直径(D2)など)を含むものとして論じられているが、ノズル146、ベンチュリ148、および/またはディフューザ152は、別個の形状または構成から形成されてもよいことが理解される。したがって、ノズル146、ベンチュリ148、およびディフューザ152の各々の寸法は、直径を含まなくてもよい。すなわち、例えば、ノズル146、ベンチュリ148、および/またはディフューザ152は、実質的に正方形または多角形であってもよい。これらの非限定的な例では、ノズル146、ベンチュリ148、およびディフューザ152の各々は、一意のおよび/または別個の領域(例えば、寸法)を含むことができる。より具体的には、ノズル146のスロートは第1の領域(A1)を含むことができ、ベンチュリ148のスロートはノズル146の第1の領域(A1)よりも大きい第2の領域(A2)を含むことができ、ディフューザ152は、それぞれ第1の領域(A1)と第2の領域(A2)の両方よりも大きい第3の領域(A3)を含むことができる。
【0051】
加えて、
図4~
図6に示されるように、HGP構成要素100は、複数の支持ピン156も含むことができる。具体的には、HGP構成要素100の本体110は、内側部分132と中間部分136との間、ならびに中間部分136と外側部分134との間に位置決めされ/延伸し、それらと一体に形成された複数の支持ピン156を含むことができる。
図5および
図6に示すように、内側部分132と中間部分136との間に延伸する複数の支持ピン156はまた冷却チャネル142内に位置決めされてもよく、中間部分136と外側部分134との間に延伸する複数の支持ピン156は低圧流体チャネル138内に位置決めされてもよい。複数の支持ピン156は、内側部分132、外側部分134、および/または中間部分136に支持、構造、および/または剛性を提供するために、HGP構成要素100の本体110全体を通じて位置決めすることができる。内側部分132、外側部分134、および/または中間部分136の間に延伸し、かつ/またはそれらと一体に形成される複数の支持ピン156を含むことにより、追加の支持、構造、および/または剛性がHGP構成要素100の様々な部分に提供され、ガスタービンシステム10の動作中にそれらの振動を実質的に防止することができる。内側部分132、外側部分134、および/または中間部分136に支持、構造、および/または剛性を提供することに加えて、低圧流体チャネル138および/または冷却チャネル142内に位置決めされた複数の支持ピン156はまた、本明細書において論じられているように、ガスタービンシステム10(
図1参照)の動作中にHGP構成要素100の熱伝達および/または冷却を支援することができる。複数の支持ピン156は、任意の適切な積層造形プロセス(複数可)および/または方法を使用してHGP構成要素100の単一本体110を形成するとき、内側部分132、外側部分134、および/または中間部分136と一体に形成することができる。
【0052】
図4~
図6に示すような、HGP構成要素100内に位置決めされた支持ピン156のサイズ、形状、および/または数は、単なる例示である。したがって、HGP構成要素100は、より大きいまたはより小さい支持ピン156、様々なサイズの支持ピン156を含むことができ、および/または内部に形成されたより多くのまたはより少ない支持ピン156を含むことができる。HGP構成要素100内に形成された支持ピン156のサイズ、形状、および/または数は、動作中のガスタービンシステム10の動作特性(例えば、曝露温度、曝露圧力、タービンケーシング36内の位置など)に少なくとも部分的に依存し得る。付加的に、または代替的に、HGP構成要素100内に形成される支持ピン156のサイズ、形状、および/または数は、HGP構成要素100の特性(例えば、内側部分132の厚さ、外側部分134の厚さ、チャネル138、142の高さなど)に少なくとも部分的に依存し得る。
【0053】
図3~
図6を参照して、HGP構成要素100を通るHPFおよびLPFの例示的な流路が説明される。具体的には、
図3、
図5、および
図6では、流体の流れ方向を矢印で表すことができ、「HPF」および「LPF」とラベル付けすることができる。
【0054】
非限定的な例では、HPFは、領域50から高圧供給導管106(
図3参照)を通じて、支持体102の高圧流体チャンバ104へと流れることができる。高圧流体チャンバ104から、HPFは、外側部分134を通じて形成された複数のノズル146を通じて流れることができる。ノズル146がベンチュリ148と半径方向に位置整合されかつ/または同心である非限定的な例では、HPFは、中間部分136を通じて形成されたベンチュリ148へと直接的におよび/またはそれを通じて流れ得る。HPFは、同じくベンチュリ148を流れるLPFと混合し、LPFに実質的にエネルギーを与え、またはLPFの速度を増加させることができる。HPFは、ベンチュリ148を通じて流れ得、中間部分136のディフューザ152によって拡散され得、HGP構成要素100の冷却チャネル142へ流れ得る。冷却チャネル142内に入ると、HPFとLPFとの混合物は、HGP構成要素100の内側部分132を実質的に冷却し、冷却チャネル142を通じて前端120または後端122に向かって流れた後、冷却チャネル142の排出孔144を介してHGP構成要素から排出され得る。
【0055】
HGP構成要素100を流れるHPFと同時におよび/または独立して、LPFもHGP構成要素100に提供され、HGP構成要素100を流れることができる。LPFは、領域52から、支持体102の低圧供給導管(複数可)108を通じて流れ得る(
図3を参照)。非限定的な例では、低圧供給導管108は、HGP構成要素100の後端122を通して形成された低圧流体チャネル138の開口140と直接的に流体連通することができる。加えて、かつ仮想線に示すように、別個の低圧供給導管108が、HGP構成要素100の前端120を通して形成された低圧流体チャネル138の別個の開口140と直接的に流体連通することができる。したがって、低圧流体チャネル138の両側または両端にLPFを提供することができる。低圧流体チャネル138に提供されると、LPFは、中間部分136を通じて形成された複数のベンチュリ148を通じて流れることができる。ノズル146の区画150(
図6を参照)がベンチュリ148内に延伸する非限定的な例では、ノズル146はベンチュリ148を通してLPFを誘導することができる。加えて、ノズル146がベンチュリ148と半径方向に位置整合しおよび/または同心である場合、LPFはベンチュリ148へと直接的に流れ、HPFと混合し、ベンチュリ148を流れるときに実質的に活性化されるか、または速度の増加を経験し得る。HPFと同様に、LPFは、ベンチュリ148を通じて流れ得、中間部分136のディフューザ152によって拡散され得、HGP構成要素100の冷却チャネル142へ流れ得る。冷却チャネル142内に入ると、LPFは、HPFと共に、HGP構成要素100の内側部分132を実質的に冷却し、冷却チャネル142を通じて前端120または後端122に向かって流れた後、冷却チャネル142の排出孔144および145を介してHGP構成要素から排出され得る(
図5参照)。
【0056】
図7および
図8は、HGP構成要素100および支持体102を含むタービン28の別の非限定的な例の様々な図を示している。具体的には、
図7は、支持体102に結合されたHGP構成要素100を含むガスタービンシステム10(
図1を参照)のタービン28の一部の非限定的な例の拡大側面図を示し、
図8は、
図7に示されるHGP構成要素100の別の非限定的な例の側面断面図を示す。同様の符号を付したおよび/または名前をつけた構成要素は、実質的に同様の様式で機能し得ることが理解される。これらの構成要素の冗長な説明は、明確化のために省略されている。
【0057】
図7に示すように、また
図3に関して本明細書において論じられている非限定的な例と比較すると、支持体102は高圧流体チャンバ104(
図3を参照)を含まなくてもよい。むしろ、支持体102は、HGP構成要素100の外面128に当接または接触し得る実質的に中実かつ/または連続的な構成要素または部品として形成され得、その中に形成された複数の供給導管を含み得る。
図7に示す非限定的な例では、支持体102は、その中に形成された複数の高圧供給導管106と、単一の低圧供給導管108とを含むことができる。複数の高圧供給導管106は、支持体102を通じて、例えば、HGP構成要素100の前端120または後端122まで延伸することができる。加えて、複数の高圧供給導管106の各々は、HGP構成要素100に直接的に流体連通し、かつ/または直接流体的に結合することができる。すなわち、支持体102の複数の高圧供給導管106の各々は、領域50およびHGP構成要素100のチャネル(例えば、高圧流体チャネル)(
図8を参照)に流体連通し、かつ/または流体的に結合され得る。本明細書において論じられているように、高圧供給導管106は、ガスタービンシステム10(
図1を参照)の動作中に領域50からHGP構成要素100に高圧流体(HPF)を提供することができる。
【0058】
図8を参照し、また引き続き
図7を参照すると、HGP構成要素100は、タービン28内で利用されるときに追加の特徴および/または構成要素を含むことができる。例えば、本明細書において論じられているように、HGP構成要素100は、単一本体110から形成されなくてもよい。むしろ、HGP構成要素100は、第1の部分157、および別個の第2の部分158から形成され得る。より具体的には、HGP構成要素100は、第1の部分157、ならびに、第1の部分157に接合、結合、および/または固定することができる第2の部分158から形成され、および/または、これらを含んでもよい。
図8に示すように、HGP構成要素100の第1の部分157は、HGP構成要素100のフック112、118、内面130、および内側部分132を含むことができる。加えて、非限定的な例では、HGP構成要素100の第1の部分157は、本明細書において論じられているように、低圧流体チャネル(複数可)138の開口(複数可)140を含む一部分と、高圧流体チャネル(複数可)160の開口(複数可)162を含む一部分とを含むことができる。
【0059】
第2の部分158は、HGP構成要素100の、第1の部分157とは異なる特徴および/または部分を含むことができる。例えば、本明細書において論じられているように、第2の部分158は、外側部分134、中間部分136、およびHGP構成要素100の外面128を含む上部プレート159を含むことができる。加えて、非限定的な例では、第2の部分158は、外側部分134を通じて形成されたノズル146、中間部分136を通じて形成されたベンチュリ148、ならびに、外側部分134、中間部分136、および上部プレート159の間でおよび/またはそれらから延伸する複数の支持ピン156も含むことができる。
図8に示すように、第2の部分158はまた、低圧流体チャネル138の、外側部分134と中間部分136との間に形成された一部分、ならびに、高圧流体チャネル160の、外側部分134と上部プレート159と外側との間に形成された一部分も含み得る。冷却チャネル142は、第1の部分157と第2の部分158との間、より具体的には、第2の部分158の中間部分136と第1の部分157の内側部分132との間に形成され得る。
【0060】
図8に示される非限定的な例では、第1の部分157および第2の部分158は、別個の材料から形成され得る。例えば、フック112、118および内側部分132を含む第1の部分157は、材料特性および/または特徴性(例えば、融点、熱伝達特性、硬度、延性など)の第1のセットを有する第1の金属または合金から形成され得、一方、第2の部分158は、材料特性および/または特徴性の第2のセットを有する第2の金属または合金から形成され得る。代替的に、第1の部分157および第2の部分158は、同一の材料から形成されてもよい。第1の部分157および第2の部分158の各々は、フライス加工、旋削、切削、鋳造、成形、穿孔などを含むがこれらに限定されない任意の適切な製造プロセスを使用して個々におよび/または別個に形成されてもよい。さらに、第1の部分157および第2の部分158は、溶接、締結、溶融、焼結、ろう付けなどを含むがこれらに限定されない任意の適切な接合プロセスまたは技術を使用して、HGP構成要素100を形成するために互いに接合、結合、および/または固定されてもよい。
【0061】
図8に示される非限定的な例では、HGP構成要素100は、第2の部分158の外側部分134の半径方向外側に、半径方向に隣接して、かつ/または半径方向上方に形成される上部プレート159も含み得る。さらに、
図7および
図8に示されるように、上部プレート159は、支持体102の一部分から半径方向内側に位置決めすることができ、かつ/または支持体102の一部に実質的に接触もしくは当接することができる。上部プレート159は、実質的にそれぞれ前端120と後端122との間、ならびに第1の側面124と第2の側面126との間に形成、延伸、および/または位置決めされ得る実質的に中実のまたは連続的な(例えば、開口またはベンチュリのない)構成要素から形成され得る。本明細書において論じられている非限定的な例では、上部プレート159は、HGP構成要素100を形成する第2の部分158の一部であるか、またはその中に形成され得る。他の非限定的な例(図示せず)では、上部プレート159は、HGP構成要素100を形成するために第1の部分157および/または第2の部分158に接合、結合、および/または固定され得るHGP構成要素100の別個の構成要素または部分であり得る。
【0062】
加えて、
図8に示されるように、HGP構成要素100は、高圧流体チャネル160も含み得る。高圧流体チャネル160は、外側部分134と上部プレート159との間に形成することができる。すなわち、HGP構成要素100の上部プレート159および外側部分134は、HGP構成要素100内に高圧流体チャネル160を画定および/または形成することができる。高圧流体チャネル160は、HGP構成要素100のそれぞれ前端120と後端122との間、ならびに第1の側面124と第2の側面126との間に実質的に延伸することができる。高圧流体チャネル160は、HGP構成要素100の第1の部分157を通じて延伸し、かつ/またはHGP構成要素100の前端120または後端122に隣接して形成される開口162を含むことができる。開口162は、支持体102の高圧供給導管106からHPFを受け入れ、続いて高圧流体チャネル160にHPFを供給するために、それぞれの高圧供給導管106(仮想線で示される部分)に流体的に結合され得る。高圧流体チャネル160は、外側部分134を通じて形成された複数のノズル146にHPFを供給または提供することができる。本明細書において同様に論じられているように、HPFは、ノズル146を通じて流れ、ベンチュリ148を通じて流れるときにLPFと混合し、LPFに実質的にエネルギーを与え、またはその速度を増加させることができる。HPFは、HGP構成要素100の冷却チャネル142に提供され、その後、開口145のアレイを介してHGP構成要素100から排出され得る。
【0063】
図9は、支持体102に結合されたHGP構成要素100を含むガスタービンシステム10(
図1参照)のタービン28の一部の拡大側面図の別の非限定的な例を示す。非限定的な例では、HGP構成要素100は、
図3~
図5に関して本明細書において同様に論じられているように、単一本体110として形成されてもよい。さらに、非限定的な例では、支持体102は、単一の高圧供給導管106のみを含んでもよい。高圧供給導管106は、支持体102を通じて領域50からHGP構成要素100の単一本体110の隣接する前端120まで形成および/または延伸することができる。本明細書において同様に論じられているように、ガスタービンシステム10(
図1を参照)の動作中に、領域50からHGP構成要素100に高圧流体(HPF)を提供するために、支持体102の高圧供給導管106は、領域50およびHGP構成要素100(例えば、高圧流体チャネル160)(
図8を参照)に流体連通し、かつ/または流体的に結合することができる。
【0064】
さらに、
図9に示される非限定的な例では、支持体102は低圧流体チャンバ164を含むことができる。低圧流体チャンバ164は、HGP構成要素100に半径方向に隣接して、および/または半径方向外側に、支持体102内に形成されてもよい。低圧流体チャンバ164は、ガスタービンシステム10(
図1参照)の作動中にHGP構成要素100に後に提供され得るタービン28の領域52を通じておよび/またはタービン28の領域52の中を流れる低圧流体(LPF)を受け入れるために支持体102内に形成され得る。例えば、低圧流体チャンバ164は、支持体102内に形成された少なくとも1つの低圧入口166および少なくとも1つの低圧供給導管108に流体的に結合し、かつ/または流体連通してもよい。非限定的な例では、低圧入口166は、LPFを含み得るタービンケーシング36内の領域52と流体連通し、かつ/または流体的に結合してもよく、低圧流体チャンバ164と流体連通し、かつ/または流体的に結合してもよい。低圧入口166は、領域52からLPFを受け入れ、低圧流体チャンバ164にLPFを提供することができる。低圧流体チャンバ164に受け入れられると、本明細書において同様に論じられているように、LPFは少なくとも1つの低圧供給導管108に提供され、続いて低圧供給導管108を介してHGP構成要素100の低圧流体チャネル138(
図5を参照)に提供され得る。
【0065】
図10および
図11は、HGP構成要素100および支持体102を含むタービン28の別の非限定的な例の様々な図を示している。具体的には、
図10は、支持体102に結合されたHGP構成要素100を含むガスタービンシステム10(
図1を参照)のタービン28の一部の非限定的な例の拡大側面図を示し、
図11は、
図10に示されるHGP構成要素100の別の非限定的な例の側面断面図を示す。同様の符号を付したおよび/または名前をつけた構成要素は、実質的に同様の様式で機能し得ることが理解される。これらの構成要素の冗長な説明は、明確化のために省略されている。
【0066】
図9に示される非限定的な例と同様に、支持体102は低圧流体チャンバ164を含むことができる。低圧流体チャンバ164は、HGP構成要素100に半径方向に隣接して、および/または半径方向外側に、支持体102内に形成されてもよい。本明細書において論じられているように、低圧流体チャンバ164は、タービン28の領域52を通じておよび/または領域52内を流れる低圧流体(LPF)を受け入れることができる。非限定的な例において、低圧流体チャンバ164は、支持体102内に形成された少なくとも1つの低圧供給導管108に流体的に結合し、かつ/または直接的に流体連通することができる。低圧供給導管108は、LPFを含み得るタービンケーシング36内の領域52と流体連通し、かつ/または流体的に結合することができ、LPFを低圧流体チャンバ164に提供することができる。
【0067】
しかし、
図10および
図11に示される非限定的な例は、本明細書において論じられるHGP構成要素100および/または支持体102の他の非限定的な例とは異なる構成を有するHGP構成要素100および/または支持体102を含む。例えば、
図9に示される非限定的な例とは異なり、低圧流体チャンバ164は、HGP構成要素100の特徴と流体的に結合し、かつ/または直接的に流体連通することができる。より具体的には、
図10および
図11に示すように、低圧流体チャンバ164は、(半径方向において)HGP構成要素100の外側部分134に隣接して形成され得、結果、HGP構成要素100の外側部分134は、HGP構成要素100内の低圧流体チャンバ164を少なくとも部分的に形成および/または画定することができる。加えて、低圧流体チャンバ164は、HGP構成要素100の外側部分134を通じて形成されまたは延伸する複数のノズル146と流体的に結合し、かつ/または直接的に流体連通することができる。外側部分134を通じて延伸する複数のノズル146に半径方向に隣接して形成され、直接的に流体連通する結果として、低圧流体チャンバ164は、本明細書において論じられているように、HGP構成要素100を冷却するときに複数のノズル146の各々にLPFを提供することができる。
【0068】
支持体102は、その中に形成された少なくとも1つの高圧供給導管106を含むこともできる。高圧供給導管106は、HPFを含む領域50およびHGP構成要素100と直接的に流体連通し、かつ/または流体的に結合することができる。より具体的には、
図10および
図11に示すように、高圧供給導管106は、領域50からHGP構成要素100の高圧流体チャネル160にHPFを提供するために、タービン28の領域50(
図10を参照)およびHGP構成要素100の高圧流体チャネル160(
図11を参照)と流体連通することができ、かつ/または流体的に結合することができる。
図11に示す非限定的な例では、高圧供給導管106は、HGP構成要素100の前端120を通して形成された開口162を介して高圧流体チャネル160と流体連通することができる。低圧流体チャンバ164がノズル146と直接的に流体連通し、本明細書において論じる非限定的な例(例えば、
図9)とは異なる結果として、高圧流体チャネル160は、HGP構成要素100の本体110の外側部分134と中間部分136との間に形成され、かつ/またはそれらによって画定され得る。中間部分136を通して形成されまたは延伸する複数のベンチュリ148の各々は、高圧流体チャネル160と流体的に結合し、かつ/または直接的に流体連通することができ、本明細書において論じられているように、HGP構成要素100を冷却するときにHPFを受け入れることができる。
【0069】
図10および
図11を参照して、HGP構成要素100を通るLPFおよびHPFの例示的な流路が説明される。非限定的な例では、LPFは、領域52から、支持体102の低圧供給導管(複数可)108(
図10を参照)を通じて低圧流体チャンバ164に流れることができる。低圧流体チャンバ164から、LPFは、外側部分134を通じて形成された複数のノズル146を通じて流れることができる。ノズル146がベンチュリ148と半径方向に位置整合されかつ/または同心である非限定的な例では、LPFは、中間部分136を通じて形成されたベンチュリ148へと直接的におよび/またはそれを通じて流れ得る。付加的にまたは代替的に、LPFは、複数のノズル146の各々から、
図11に示すHGP構成要素100の外側部分134と中間部分136との間に形成された高圧流体チャネル160へと流れることができる。本明細書において論じられているように、LPFは、同じくベンチュリ148を通じて流れるHPFと混合し、HPFによって実質的にエネルギーを与えられまたはその速度を増加され得る。LPFは、ベンチュリ148を通じて流れ得、中間部分136のディフューザ152によって拡散され得、HGP構成要素100の冷却チャネル142へ流れ得る。冷却チャネル142内に入ると、LPFとHPFとの混合物は、HGP構成要素100の内側部分132を実質的に冷却し、冷却チャネル142を通じて前端120または後端122に向かって流れた後、冷却チャネル142の排出孔144を介してHGP構成要素から排出され得る。
【0070】
HGP構成要素100を流れるLPFと同時におよび/または独立して、HPFは、領域50から、支持体102内に形成された高圧供給導管106を通じて流れることができる(
図10を参照)。高圧供給導管106は、HGP構成要素100の前端120を通して形成された高圧流体チャネル160の開口162と直接的に流体連通することができる。高圧流体チャネル160に提供されると、HPFは、中間部分136を通じて形成された複数のベンチュリ148を通じて流れることができる。ノズル146の区画(例えば、区画150、
図6を参照)がベンチュリ148内に延伸する非限定的な例では、ノズル146はベンチュリ148を通してHPFを誘導することができる。加えて、ノズル146がベンチュリ148と半径方向に位置整合しおよび/または同心である場合、HPFはベンチュリ148へと直接的に流れることができ、LPFと混合することができる。高圧流体チャネル160および/またはベンチュリ148を流れるHPFは、ノズル146からベンチュリ148を通じて流れるLPFを実質的に活性化するか、またはその速度を増加させ得る。LPFと同様に、HPFは、ベンチュリ148を通じて流れ得、中間部分136のディフューザ152によって拡散され得、HGP構成要素100の冷却チャネル142へ流れ得る。冷却チャネル142内に入ると、HPFは、LPFと共に、HGP構成要素100の内側部分132を実質的に冷却し、冷却チャネル142を通じて前端120または後端122に向かって流れた後、冷却チャネル142の排出孔144および145を介してHGP構成要素から排出され得る(
図11参照)。
【0071】
図12および
図13は、HGP構成要素100および支持体102を含むタービン28の別の非限定的な例の様々な図を示している。具体的には、
図12は、支持体102に結合されたHGP構成要素100を含むガスタービンシステム10(
図1を参照)のタービン28の一部の非限定的な例の拡大側面図を示し、
図13は、
図12に示されるHGP構成要素100の別の非限定的な例の側面断面図を示す。同様の符号を付したおよび/または名前をつけた構成要素は、実質的に同様の様式で機能し得ることが理解される。これらの構成要素の冗長な説明は、明確化のために省略されている。
【0072】
図7に示される非限定的な例と同様に、
図12の非限定的な例に示される支持体102は、内部圧力チャンバ(例えば、高圧流体チャンバ104、低圧流体チャンバ164)を含まなくてもよい。そのため、また
図7および
図8と同様に、HGP構成要素100は、HGP構成要素100の外側部分134の半径方向外側に、半径方向に隣接して、かつ/または半径方向上方に形成される上部プレート159を含み得る。上部プレート159は、
図12に示すように、支持体102の一部分から半径方向内側に位置決めすることができ、かつ/または支持体102の一部に実質的に接触もしくは当接することができる。
【0073】
しかし、
図12および
図13に示される非限定的な例は、本明細書において論じられるHGP構成要素100および/または支持体102の他の非限定的な例(例えば、
図7および
図8)とは異なる構成を有するHGP構成要素100および/または支持体102を含む。例えば、支持体102は、高圧供給導管106および低圧供給導管108を含むが、各供給導管106、108は、
図7および
図8に関して本明細書において論じられている非限定的な例とは異なる領域内で支持体102を通して形成され得、および/または、HGP構成要素100の、上記非限定的な例とは異なる部分に流体的に結合され得る。具体的には、支持体102は、その中に形成された単一の高圧供給導管106を含むことができる。高圧供給導管106は、支持体102を通じて、HGP構成要素100の隣接する前端120まで延伸することができる。高圧供給導管106は、ガスタービンシステム10(
図1を参照)の動作中に領域50からHGP構成要素100にHPFを提供するために、それぞれHGP構成要素100および領域50に直接的に流体連通し、かつ/または直接流体的に結合することができる。非限定的な例では、高圧供給導管106は、HGP構成要素100の前端120を通して形成された開口162(
図13参照)を介して高圧流体チャネル160に流体的に結合し、かつ/または直接的に流体連通することができる。
図12および
図13に示されるように、また
図10および
図11に示される非限定的な例と同様に、高圧流体チャネル160は、HGP構成要素100の本体110の外側部分134と中間部分136との間に形成することができ、および/またはそれらによって画定することができる。中間部分136を通して形成されまたは延伸する複数のベンチュリ148の各々は、高圧流体チャネル160と流体的に結合し、かつ/または直接的に流体連通することができ、HGP構成要素100を冷却するときにHPFを受け入れることができる。すなわち、HPFは、高圧供給導管106から高圧流体チャネル160に直接的に流れ、その後、中間部分136を通じて延伸する複数のベンチュリ148を通じて流れることができる。
図10および
図11に関して本明細書において同様に論じられているように、複数のベンチュリ148を通じて流れるHPFは、複数のノズル146によって提供されるLPFと混合して冷却チャネル142に入り、その後、HGP構成要素100から放出される。
【0074】
加えて、
図12の非限定的な例に示されるように、支持体102は、複数の低圧供給導管108を含むことができる。複数の低圧供給導管108は、支持体102を通じて、それぞれ、HGP構成要素100の前端120および後端122に向かって延伸することができる。加えて、複数の低圧供給導管108の各々は、HGP構成要素100に直接的に流体連通し、かつ/または直接流体的に結合することができる。すなわち、支持体102の複数の低圧供給導管108の各々は、領域50、および、開口140(
図13参照)を介してHGP構成要素100の低圧流体チャネル138に流体連通し、かつ/または流体的に結合することができる。
図12および
図13に示すように、低圧流体チャネル138は、HGP構成要素100の本体110の外側部分134と上部プレート159との間に形成し、かつ/またはそれらによって画定することができる。外側部分134を通して形成されまたは延伸する複数のノズル146の各々は、低圧流体チャネル138と流体的に結合し、かつ/または直接的に流体連通することができ、HGP構成要素100を冷却するときにLPFを受け入れることができる。すなわち、LPFは、複数の低圧供給導管108の各々から低圧流体チャネル138に直接的に流れ、その後、外側部分134を通じて延伸する複数のノズル146を通じて流れることができる。複数のノズル146から、また
図10および
図11に関して本明細書において同様に論じられているように、複数のノズル146を通じて流れるLPFは、複数のベンチュリ148へと流れることができ、HPFと混合し、その後、冷却チャネル142へと流れ、HGP構成要素100から放出され得る。
【0075】
図14および
図15は、ガスタービンシステム10のタービン28に含まれるHGP構成要素200の別の非限定的な例の追加の図を示す。具体的には、
図14は、タービン28のケーシング36内に位置決めされた2段のタービンブレード38と、HGP構成要素200A、200Bを含むステータベーン40の段とを含むタービン28の一部の側面図を示し、
図15は、HGP構成要素200Aおよび支持体202を含むタービン28の拡大部分を示す。同様の符号を付したおよび/または名前をつけた構成要素は、実質的に同様の様式で機能し得ることが理解される。これらの構成要素の冗長な説明は、明確化のために省略されている。
【0076】
図14および
図15に示される非限定的な例では、
図2に関して本明細書において論じられているように、HGP構成要素200A、200Bは、それぞれステータベーン40の外側プラットフォームおよび内側プラットフォームとして形成することができ、ステータベーン40の翼形部42に結合および/または固定することができる。加えて、本明細書において論じられているように、支持体202は、タービン28のケーシング36から半径方向内向きに延伸することができ、ステータベーン40のHGP構成要素200A(例えば、外側プラットフォーム)に結合されかつ/またはそれを受け入れて、ステータベーン40をケーシング36におよび/またはケーシング36内に結合、位置決め、および/または固定するように構成され得る。
図14および
図15に示されるこの非限定的な例において、また、本明細書において論じられているHGP構成要素100およびタービンシュラウド(
図2~
図13を参照)と同様に、ステータベーン40のHGP構成要素200Aおよび外側プラットフォームは交換可能に使用されてもよく、HGP構成要素200Bおよび内側プラットフォームは、交換可能に使用されてもよい。
【0077】
図14および
図15に示されるように、HGP構成要素200A、200Bおよび支持体202は、タービン28内を流れる高圧流体(HPF)および低圧流体(LPF)によって包囲することができる。具体的には、HGP構成要素200Aおよび支持体202の上流に位置決めされる領域52はLPFを含むことができ、一方、HGP構成要素200Aおよび支持体202の下流に位置決めされる領域50はHPFを含むことができる。さらに、HGP構成要素200Bの上流に位置決めされる領域52はLPFを含むことができ、HGP構成要素200Bの下流に位置決めされる領域50はHPFを含むことができる。
【0078】
本明細書において論じられているHGP構成要素100(例えばタービンシュラウド)および支持体102と同様に、HGP構成要素200Aおよび支持体202は、HPFおよびLPFを使用してHGP構成要素200Aが冷却されることを可能にするように構成することができ、かつ/または、これを行う特徴を含むことができる。例えば、
図15に示されるように、支持体202は、その中に形成された少なくとも1つの高圧供給導管206を含むことができる。高圧供給導管206は、HPFを含む領域50およびHGP構成要素200Aと流体連通し、かつ/または流体的に結合することができる。高圧供給導管206は、本明細書において論じられているように、領域50を通じて流れるHPFを受け入れることができ、HGP構成要素200AにHPFを直接的に提供することができる。非限定的な例では、単一の高圧供給導管206のみを含むものとして示されているが、支持体202は、HGP構成要素200AにHPFを提供するための複数の高圧供給導管206を含み得ることが理解される。
【0079】
支持体202は、少なくとも1つの低圧供給導管208を含むこともできる。低圧供給導管(複数可)208は、LPFを含む領域52と流体連通し、かつ/または流体的に結合することができる。
図15に示され、本明細書において論じられているように、低圧供給導管(複数可)208は、タービンシステム10(
図1を参照)の動作中に領域52からHGP構成要素200AにLPFを提供するために、HGP構成要素200Aに流体的に結合し、かつ/または流体連通することができる。
【0080】
HGP構成要素200A(例えば、外側プラットフォーム)はまた、タービン28を通じて流れるHPFおよびLPFを使用してHGP構成要素200Aを冷却するために使用することができる複数の表面、部分、流体チャネル、ノズル、およびベンチュリを含む本体をも含むことができる。例えば、
図15に示されるように、HGP構成要素200Aは本体210を含むことができる。
図15に示される非限定的な例では、HGP構成要素200Aは単一本体210を含み、かつ/またはそれとして形成され、結果、HGP構成要素200Aは、単一の、連続的な、かつ/または分離されていない構成要素または部品になる。非限定的な例において、HGP構成要素200Aの単一本体210、ならびにHGP構成要素200Aの様々な構成要素および/または特徴は、本明細書において同様に論じられているように、任意の適切な積層造形プロセス(複数可)および/または方法を使用して形成することができる。別の非限定的な例では、HGP構成要素200Aの本体210は、本明細書において同様に論じられているように(
図7および
図8参照)、複数のおよび/または別個の部分または構成要素(図示せず)として形成されてもよい。
【0081】
HGP構成要素200Aはまた、ガスタービンシステム10のタービン28のタービンケーシング36を通って流れる燃焼ガス26の高温ガス流路(FP)に位置決め、形成、対面、直接露出され、かつ/またはこれを部分的に画定する内面230をも含むことができる。HGP構成要素200Aの本体210の内面230は、ステータベーン40の翼形部42に半径方向に隣接して位置決めすることができる。燃焼ガス26の高温ガス流路(FP)に面することに加えて、本体210の内面230はまた、HGP構成要素200Aの前端220と後端222との間に形成および/または位置決めすることもできる。
【0082】
図15に示されるように、HGP構成要素200Aはまた、内側部分232をも含むことができる。内側部分232は、HGP構成要素200Aの(単一)本体210の一体部分として形成することができる。加えて、内側部分232は、内面230を含むことができ、かつ/または内面230は、HGP構成要素200Aの本体210の内側部分232上に形成することができる。HGP構成要素200Aの本体210の内側部分232は、前端220と後端222との間、ならびにHGP構成要素200Aの対向する両側面(図示せず)の間に形成され、位置決めされ、および/または延伸し得る。加えて、内側部分232は、本体210の両側面上に形成された中実側壁と一体に形成されてもよい(図示せず)。HGP構成要素200Aの内側部分232はまた、タービンシステム10のタービン28の高温ガス流路(FP)に隣接して位置決めすることができる。
【0083】
HGP構成要素200Aはまた、内側部分232の半径方向反対側に形成された外側部分234を含むことができる。内側部分232と同様に、外側部分234は、HGP構成要素200Aの単一本体210の一体部分として形成することができる。HGP構成要素200Aの本体210の外側部分234は、それぞれ、前端220と後端222との間、ならびに本体210の対向する両側面(図示せず)の間に形成され、位置決めされ、および/または延伸し得る。HGP構成要素200Aの外側部分234は、本明細書において論じられているように、HGP構成要素200A内に様々な流体チャネルを少なくとも部分的に形成および/または画定することができる。
【0084】
図15の非限定的な例に示されるように、HGP構成要素200Aは、中間部分236も含み得る。中間部分236は、(半径方向において)HGP構成要素200Aの単一本体210の内側部分232と外側部分234との間に形成され得る。内側部分232および外側部分234と同様に、また
図15に示されるように、HGP構成要素200Aの中間部分236は、HGP構成要素200Aの本体210の一体部分として形成されてもよい。HGP構成要素200Aの本体210の中間部分236は、前端220と後端222との間、ならびに本体210の対向する両側面の間に形成、位置決め、および/または延伸することができ、対向する両側面上に形成される中実側壁と一体に形成することができる(図示せず)。
【0085】
HGP構成要素200Aは、本体210の外側部分234の半径方向外側に、半径方向に隣接して、かつ/または半径方向上方に形成される上部プレート259も含み得る。上部プレート259は、支持体202の一部分から半径方向内側に位置決めすることができ、かつ/または支持体202の一部に実質的に接触もしくは当接することができる。上部プレート259は、実質的にそれぞれ前端220と後端222との間、ならびに本体210の対向する両側面の間に形成、延伸、および/または位置決めされ得る実質的に中実のまたは連続的な(例えば、開口またはベンチュリのない)構成要素から形成され得る。非限定的な例では、上部プレート259は、HGP構成要素200Aの外面228を形成および/または画定することができる。
【0086】
内側部分232、外側部分234、中間部分236、および/または上部プレート259は、HGP構成要素200A内のチャネルを少なくとも部分的に形成および/または画定することができる。例えば、中間部分236および外側部分234は、HGP構成要素200A内に低圧流体チャネル238を画定および/または形成することができる。より具体的には、低圧流体チャネル238は、HGP構成要素200Aの単一本体210の中間部分236と外側部分234との間に形成することができる。低圧流体チャネル238は、前端220と後端222との間、ならびに単一本体210の対向する両側面の間に実質的に延伸することができる。本明細書において論じられているように、低圧流体チャネル238は、HGP構成要素200Aを通して形成され、支持体202の低圧供給導管(複数可)208と流体連通する開口(複数可)を介してLPFを受け入れることができる。
【0087】
図15に示される非限定的な例では、中間部分236および内側部分232はまた、HGP構成要素200A内に冷却チャネル242を画定および/または形成することもできる。すなわち、冷却チャネル242は、HGP構成要素200Aの単一本体210の中間部分236と内側部分232との間に形成することができる。冷却チャネル242は、それぞれ前端220と後端222との間、ならびに本体210の対向する両側面(図示せず)の間に実質的に延伸することができる。冷却チャネル242は、ガスタービンシステム10(
図1参照)の動作中にHPFおよび低圧流体(LPF)を受け入れてHGP構成要素200Aを冷却することができ、その後、排出孔244、245を介してHGP構成要素200AからHPFおよびLPFを吐出または排出することができる。
【0088】
HGP構成要素200Aは、高圧流体チャネル260も含むことができる。高圧流体チャネル260は、外側部分234と上部プレート259との間に形成することができる。すなわち、HGP構成要素200Aの上部プレート259および外側部分234は、HGP構成要素200A内に高圧流体チャネル260を画定および/または形成することができる。高圧流体チャネル260は、前端220と後端222との間、ならびに本体210の対向する両側面の間に実質的に延伸することができる。高圧流体チャネル260は、支持体202の高圧供給導管206からHPFを受け入れ、続いて高圧流体チャネル260にHPFを供給するために、高圧供給導管206に流体的に結合される開口(複数可)を含むことができる。別の非限定的な例(図示せず)では、HGP構成要素200Aは上部プレート259を含まなくてもよい。したがって、高圧流体チャネル260は、外側部分234と支持体202との間に形成することができ、本明細書において論じられているように、HPFを受け入れるために高圧供給導管206と直接的に流体連通することができる。
【0089】
さらに、
図2~
図9に関して本明細書において論じられているHGP構成要素100と同様に、HGP構成要素200Aは、その中に形成された複数のノズル246およびベンチュリ248を含むことができる。例えば、HGP構成要素200Aの外側部分234は、その中またはそれを通じて形成された複数の開口またはノズル246(以下、「ノズル246」)を含むことができる。複数のノズル246の各々は、HGP構成要素200Aの単一本体210の外側部分234を通して形成されてもよい。外側部分234を貫通して形成された複数のノズル246は、HGP構成要素200Aの高圧流体チャネル260と流体連通し、かつ/または流体的に結合することができる。さらに、
図15に示すように、外側部分234を通じて形成された複数のノズル246は、HGP構成要素200Aの高圧流体チャネル260および低圧流体チャネル238を流体的に結合することができる。本明細書において論じられているように、外側部分234を通じて形成された複数のノズル246の各々は、高圧供給導管206および/または高圧流体チャネル260からHPFを受け入れ、その後、HGP構成要素200Aの低圧流体チャネル238にHPFを提供しまたは流すことができる。
【0090】
また、
図15に示される非限定的な例に示すように、中間部分236は、その中にまたはそれを通じて形成される複数の開口またはベンチュリ248(以下、「ベンチュリ248」)を含むことができる。複数のベンチュリ248の各々は、HGP構成要素200Aの本体210の中間部分236を通じて形成することができる。中間部分236を通じて形成された複数のベンチュリ248は、HGP構成要素200Aの本体210内に形成された低圧流体チャネル238および冷却チャネル242と流体連通し、かつ/または流体的に結合することができる。さらに、かつベンチュリ248は低圧流体チャネル238と流体連通しているため、HGP構成要素200Aのベンチュリ248はまた、低圧流体チャネル238を通じて流れるLPFとも流体連通することができ、および/または、低圧流体チャネル238にLPFを提供する支持体202の低圧供給導管(複数可)208と流体連通することができる。本明細書において論じられているように、中間部分236を通じて形成された複数のベンチュリ248の各々は、低圧流体チャネル238からLPFを受け入れ、続いてLPFを冷却チャネル242に提供しまたは流すことができる。さらに、本明細書において論じられているように、複数のベンチュリ248の各々は、複数のノズル246を介して低圧流体チャネル238を通じて流れるHPFを受け入れ、続いてHPFを冷却チャネル242に提供しまたは流すことができる。
【0091】
HGP構成要素200A内に形成された複数のノズル246およびベンチュリ248は、
図5および
図6に関して本明細書において論じられているHGP構成要素100の複数のノズル146およびベンチュリ148と実質的に同様の特徴を含むことができる。例えば、
図15に示すように、HGP構成要素200Aの外側部分234内に形成された複数のノズル246および中間部分236内に形成された複数のベンチュリ248は、半径方向にかつ/または同心に位置整合され得る。すなわち、複数のノズル246の各々は、対応するベンチュリ248と位置整合し得、かつ/または実質的に同心であり得る。さらに、ノズル246は、ベンチュリ248のスロートにおける各ベンチュリ248の第2の寸法または直径(例えば
図6を参照)よりも小さい、第1の寸法、例えばスロートにおける第1の直径(例えば
図6を参照)を含むことができる。さらに、各ベンチュリ248は、ノズル246の第1の寸法または直径およびベンチュリ248の第2の寸法または直径よりも大きくてもよい第3の寸法または直径(例えば
図6を参照)を有するディフューザ(例えば
図6を参照)も含むことができる。HGP構成要素200Aのノズル246およびベンチュリ248の様々な特徴は、HPFおよびLPFの混合を支援し、本明細書において同様に論じられているように、ガスタービンシステム10のタービン28の動作中に実質的にLPFにエネルギーを与え、その速度を増加させてHGP構成要素200Aを冷却することができる。
【0092】
ステータベーン40の内側プラットフォームとして形成されたHGP構成要素200Bは、
図14および
図15に関して本明細書において論じられているHGP構成要素200Aと同様の特徴を含むことができることが理解される。より具体的には、ステータベーン40のHGP構成要素200Bは、HGP構成要素200Aのものと実質的に同一であり得る複数の表面、部分、流体チャネル、ノズル、およびベンチュリを含む本体を含むことができる。しかしながら、HGP構成要素200Aとは異なり、HGP構成要素200Bは、タービン28のロータ30に隣接して位置決めされた領域52と直接的に流体連通する低圧流体チャネル(例えば、低圧流体チャネル238)と、ロータ30に隣接して位置決めされた領域50と直接的に流体連通する高圧流体チャネル(例えば、高圧流体チャネル260)とを含むことができる。本明細書において同様に論じられているように、領域52はLPFを含むことができ、領域50はHPFを含むことができ、これらはタービン28の動作中にHGP構成要素200Bを冷却するために使用することができる。別の非限定的な例(図示せず)では、HPFおよびLPFは、ケーシング36に隣接して位置決めされた領域50、52から供給され、その後、翼形部46を通じて形成された導管を介してHGP構成要素200Bに供給されてもよい。
【0093】
図10~
図13に関して本明細書に示され論じられている非限定的な例と同様に、HGP構成要素200A、200Bの特徴および/または構成要素は、
図15に示される非限定的な例とは異なる部分に位置決めされ、かつ/または異なるように構成されてもよい。例えば、低圧供給導管208と流体連通する低圧流体チャネル238は、上部プレート259と複数のノズル246を含む外側プレート234との間に形成、位置決め、および/または画定されてもよい。加えて、高圧供給導管206と流体連通する高圧流体チャネル260は、外側プレート234と複数のベンチュリ248を含む中間プレート236との間に形成、位置決め、および/または画定されてもよい。
図12および
図13に関して本明細書において同様に論じられているように、HGP構成要素200A、200B内の複数のノズル246を通じて流れるLPFは、複数のベンチュリ248へと流れることができ、複数のベンチュリ248を通じて流れるHPFと混合し、その後、冷却チャネル242へと流れ、HGP構成要素200A、200Bから放出され得る。
【0094】
図2~
図15に関して本明細書において論じられているように、支持体102、202およびHGP構成要素100、200を利用することにより、ガスタービンシステム10のタービン28は、タービン28内に見られるHPFとLPFの両方を利用してHGP構成要素100、200を冷却することができる。加えて、HGP構成要素100、200を冷却するために使用され得るHPFとLPFとの比は、HPFよりも多量のLPFを含み得る。
【0095】
高温ガス経路(HGP)構成要素100、200および支持体102、202(それぞれ
図2~
図11を参照)は、いくつかの方法で形成することができる。一実施形態では、HGP構成要素100、200および支持体102、202は、鋳造によって作製され得る。しかし、本明細書において述べるように、積層造形が、単一本体110(および支持体102、202)を含むHGP構成要素100、200を製造するために特に適している。本明細書において使用する場合、積層造形(AM)は、従来のプロセスの場合である材料の除去ではなく、材料の連続した層形成を介して物体を製造する任意のプロセスを含み得る。積層造形は、あらゆる種類の工具、金型または器具を使用することなく、かつ廃棄材料をほとんどまたは全く伴わずに複雑な幾何学的形状を形成することができる。その多くは切り取られて廃棄されるプラスチックまたは金属の固体ビレットから構成要素を機械加工する代わりに、積層造形に使用される唯一の材料が部品を成形するために要求される材料である。積層造形プロセスは、これらに限定されないが、3D印刷、ラピッドプロトタイピング(RP)、直接デジタル製造(DDM)、バインダジェッティング、選択的レーザ溶融(SLM)および直接金属レーザ溶融(DMLM)を含むことができる。現在の設定では、DMLMまたはSLMが有利であることがわかっている。
【0096】
積層造形プロセスの例を説明するために、
図16は、物体902を生成するための例示のコンピュータ化された積層造形システム900の概略/ブロック図を示す。この例では、システム900は、DMLM用に構成される。本開示の一般的な教示は、他の形態の積層造形に同様に適用可能であることが理解される。物体902は、HGP構成要素100(
図2~
図13を参照)として示されているが、HGP構成要素200(
図14および
図15を参照)も含むことができる。AMシステム900は、一般に、コンピュータ化された積層造形(AM)制御システム904と、AMプリンタ906とを含む。AMシステム900は、説明するように、AMプリンタ906を使用して物体902を物理的に生成するためにHGP構成要素100を定義するコンピュータ実行可能命令のセットを含むコード920を実行する。各AMプロセスは、例えば、細粒粉末、液体(例えば、ポリマー)、シートなどの形態の異なる原材料を使用することができ、そのストックは、AMプリンタ906のチャンバ910に保持することができる。この場合、HGP構成要素100は、ガスタービンシステム10(
図1参照)の環境に耐えることが可能な金属または金属化合物から作製することができる。図示されているように、アプリケータ912は、空白キャンバスとして広がる原材料914の薄層を形成することができ、これから最終物体の各連続スライスが形成される。他の場合では、アプリケータ912は、例えば金属バインダジェッティングプロセスが使用される場合、コード920によって定義されるように先の層上に次の層を直接適用または印刷することができる。示されている例では、レーザまたは電子ビーム916は、コード920によって定義されるように、各スライスの粒子を融合するが、これは迅速に硬化する液体プラスチック/ポリマーが採用される場合には必要ではない。AMプリンタ906の様々な部品は、各新しい層の追加に対応するように移動することができ、例えば、各層の後で、構築プラットフォーム918は降下することができ、ならびに/またはチャンバ910および/もしくはアプリケータ912が上昇することができる。
【0097】
AM制御システム904は、コンピュータプログラムコードとしてコンピュータ930に実装されて示されている。この点に関して、コンピュータ930は、メモリ932、プロセッサ934、入力/出力(I/O)インターフェース936、およびバス938を含むものとして示されている。さらに、コンピュータ930は、外部I/Oデバイス/リソース940および記憶システム942と通信するように示されている。一般に、プロセッサ934は、本明細書に記載のHGP構成要素100を表すコード920からの命令の下で、メモリ932および/または記憶システム942に記憶されるAM制御システム904などのコンピュータプログラムコードを実行する。コンピュータプログラムコードの実行時に、プロセッサ934は、メモリ932、記憶システム942、I/Oデバイス940および/またはAMプリンタ906からデータを読み出すことおよび/またはこれらにデータを書き込むことができる。バス938は、コンピュータ930の構成部品のそれぞれの間の通信リンクを供給し、I/Oデバイス940は、ユーザがコンピュータと対話できるようにする任意のデバイス(例えば、キーボード、ポインティングデバイス、ディスプレイなど)を含むことができる。
コンピュータ930は、ハードウェアおよびソフトウェアの考えられる種々の組合せの代表にすぎない。例えば、プロセッサ934は、単一の処理ユニットを備えることができ、あるいはプロセッサ934を、例えばクライアントおよびサーバ上など、1つまたは複数の場所の1つまたは複数のプロセッシングユニットに分散させることができる。同様に、メモリ932および/または記憶システム942は、1つまたは複数の物理的な場所に存在することができる。メモリ932および/または記憶システム942は、磁気媒体、光学媒体、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、などを含む様々な種類の非一時的コンピュータ可読記憶媒体の任意の組合せを備えることができる。コンピュータ930は、ネットワークサーバ、デスクトップコンピュータ、ラップトップ、携帯デバイス、携帯電話機、ポケットベル、携帯情報端末などの任意の種類のコンピューティングデバイスを備えることができる。
【0098】
積層造形プロセスは、非一時的コンピュータ可読記憶媒体(例えば、メモリ932、記憶システム942など)にHGP構成要素100を表すコード920を記憶することによって始まる。前述のように、コード920は、外側電極を定義する一組のコンピュータ実行可能命令を含み、これはシステム900によるコードの実行時に、先端を物理的に生成するために使用することができる。例えば、コード920は、HGP構成要素100の正確に定められた3Dモデルを含むことができ、AutoCAD(登録商標)、TurboCAD(登録商標)、DesignCAD 3D Maxなどの多様な周知のコンピュータ支援設計(CAD)ソフトウェアシステムのいずれかから生成することができる。この点において、コード920は、任意の現在知られているまたは後に開発されるファイルフォーマットとすることができる。例えば、コード920は、3DシステムのステレオリソグラフィCADプログラム用に生成された標準テッセレーション言語(STL)、または積層造形ファイル(AMF)とすることができ、積層造形ファイルは、アメリカ機械学会(ASME)規格であり、これは拡張可能なマークアップ言語(XML)ベースのフォーマットであり、任意のCADソフトウェアが、AMプリンタで製造されることになる任意の三次元物体の形状および構成を表現できるように設計されている。コード920は、必要に応じて、異なるフォーマット間で変換すること、セットのデータ信号に変換すること、セットのデータ信号として送受信してコードに変換して記憶することなどができる。コード920は、システム900への入力とすることができ、かつ部品設計者、知的財産(IP)プロバイダ、設計会社、システム900のオペレータもしくは所有者から、または他のソースから到来することができる。いずれにしても、AM制御システム904は、コード920を実行して、HGP構成要素100を連続した薄いスライスに分割し、HGP構成要素100は、液体、粉末、シートまたは他の材料の連続した層でAMプリンタ906を使用して組み立てられる。DMLMの例では、各層は、コード920によって定義された正確な幾何学的形状に溶融されて前の層に融合される。その後、HGP構成要素100は、任意の様々な仕上げプロセス、例えば、再輪郭加工または他の小規模の機械加工、シーリング、研磨などのための本明細書に記載される仕上げプロセスを受けることができる。
【0099】
本開示の技術的効果は、例えば、その中に形成された複数のベンチュリを含む高温ガス経路構成要素を提供することを含む。高温ガス経路構成要素の単一本体(積層造形を使用して形成される)により、ベンチュリの様々な層を形成し、構成要素の冷却に低圧流体を利用することが可能になる。これにより、高温ガス経路構成要素を冷却するのに必要な流体の量が減少し、タービンシステム内の燃料消費量および/または発熱率が減少する。
【0100】
本明細書において使用される専門用語は、単に特定の実施形態を説明するためのものに過ぎず、本開示を限定するものではない。本明細書において使用する場合、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」および「この(the)」は、特に明示しない限り、複数形も含むことが意図される。「含む(comprise)」および/または「含んでいる(comprising)」という用語は、本明細書において使用する場合、記載した特徴、整数、ステップ、動作、要素、および/または構成要素が存在することを明示するが、1つまたは複数の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、構成要素、および/またはそれらの組が存在することまたは追加することを除外しないことがさらに理解されよう。「任意の」または「任意に」は、後で述べられる事象または状況が、起こる場合も起こらない場合もあることを意味し、この記述は、その事象が起こる事例と、起こらない事例とを含むことを意味する。
【0101】
本明細書および特許請求の範囲を通してここで使用される、近似を表す文言は、関連する基本的機能に変化をもたらすことなく、差し支えない程度に変動できる任意の量的表現を修飾するために適用することができる。したがって、「およそ」、「約」および「実質的に」などの用語で修飾された値は、明記された厳密な値に限定されるものではない。少なくともいくつかの例では、近似を表す文言は、値を測定するための機器の精度に対応することができる。ここで、ならびに本明細書および特許請求の範囲を通して、範囲の限定は組合せおよび/または置き換えが可能であり、文脈および文言が特に指示しない限り、このような範囲は識別され、それに包含されるすべての部分範囲を含む。範囲の特定の値に適用される「約」は、両方の値に適用され、値を測定する機器の精度に特に依存しない限り、記載された値の+/-10%を示すことができる。
【0102】
添付の特許請求の範囲におけるミーンズプラスファンクションまたはステッププラスファンクションの要素すべての、対応する構造、材料、動作および均等物は、具体的に請求された他の請求要素と組み合わせてその機能を遂行するための、一切の構造、材料または動作を包含することが意図されている。本開示の記述は、例示および説明の目的で提示されたもので、網羅的であることも、または本開示を開示した形態に限定することも意図していない。多くの変更および変形は、本開示の範囲および趣旨から逸脱することなく、当業者には明らかであろう。本開示の原理および実際の応用を最もよく説明し、想定される特定の使用に適するように様々な変更を伴う様々な実施形態の開示を他の当業者が理解できるようにするために、実施形態を選択し説明した。
【符号の説明】
【0103】
10 ガスタービンシステム
12 圧縮機
18 空気
20 圧縮空気
22 燃焼器
24 燃料
26 燃焼ガス
28 タービン
30 ロータ
32 外部負荷
34 排気フレーム
36 タービンケーシング
38 タービンブレード
40 ステータベーン
42 翼形部
46 翼形部
48 先端部分
50 領域
52 領域
100 HGP構成要素
102 支持体
104 高圧流体チャンバ
106 高圧供給導管
108 低圧供給導管
110 本体
112 第1のフック
118 第2のフック
120 前端
122 後端
124 第1の側面
126 第2の側面
128 外面
130 内面
132 内側部分
134 外側部分
136 中間部分
138 低圧流体チャネル
140 開口
142 冷却チャネル
144 排出孔
145 排出孔、開口
146 ノズル
148 ベンチュリ
150 区画
152 ディフューザ
154 端部
156 支持ピン
157 第1の部分
158 第2の部分
159 上部プレート
160 高圧流体チャネル
162 開口
164 低圧流体チャンバ
166 低圧入口
200 HGP構成要素
200A 外側プラットフォーム、HGP構成要素
200B 内側プラットフォーム、HGP構成要素
202 支持体
206 高圧供給導管
208 低圧供給導管
210 本体
220 前端
222 後端
228 外面
230 内面
232 内側部分
234 外側部分、外側プレート
236 中間部分、中間プレート
238 低圧流体チャネル
242 冷却チャネル
244 排出孔
245 排出孔
246 ノズル
248 ベンチュリ
259 上部プレート
260 高圧流体チャネル
900 積層造形(AM)システム
902 物体
904 AM制御システム
906 AMプリンタ
910 チャンバ
912 アプリケータ
914 原材料
916 電子ビーム
918 構築プラットフォーム
920 コード
930 コンピュータ
932 メモリ
934 プロセッサ
936 インターフェース
938 バス
940 I/Oデバイス
942 記憶システム