(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-08
(45)【発行日】2023-09-19
(54)【発明の名称】片面圧力感受性接着テープ
(51)【国際特許分類】
C09J 7/38 20180101AFI20230911BHJP
B32B 15/08 20060101ALI20230911BHJP
B32B 27/00 20060101ALI20230911BHJP
C09J 7/29 20180101ALI20230911BHJP
C09J 201/00 20060101ALI20230911BHJP
【FI】
C09J7/38
B32B15/08 A
B32B27/00 M
C09J7/29
C09J201/00
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019206616
(22)【出願日】2019-11-15
【審査請求日】2022-11-11
(32)【優先日】2018-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】596024851
【氏名又は名称】ロジャーズ コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【氏名又は名称】本田 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100152489
【氏名又は名称】中村 美樹
(72)【発明者】
【氏名】ソン ジンスー
(72)【発明者】
【氏名】イ ドンジン
(72)【発明者】
【氏名】ハン ドンウ
【審査官】橋本 栄和
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-060435(JP,A)
【文献】特開2008-250309(JP,A)
【文献】特開2009-197041(JP,A)
【文献】特開2008-286907(JP,A)
【文献】特開2004-053759(JP,A)
【文献】特開2008-052074(JP,A)
【文献】特開2016-023278(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09J 7/38
B32B 15/08
B32B 27/00
C09J 7/29
C09J 201/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基体と、
前記基体の表面に配置された反射性金属層と、
前記反射性金属層の上に配置された圧力感受性接着層と、
熱可塑性ポリマー層と、
前記熱可塑性ポリマー層の表面に配置された光遮断層と、を備え、
前記光遮断層は、前記反射性金属層が配置された前記表面とは反対の前記基体の表面にドライラミネートされている、片面圧力感受性接着テープ。
【請求項2】
前記基体は、ポリエチレンテレフタラート、ポリエチレンナフタラート、ポリメチレンメタクリレート、およびそれらの組み合わせのうちの少なくともいずれか1つである、請求項1に記載のテープ。
【請求項3】
前記圧力感受性接着層は、アクリル酸接着剤、ゴム接着剤、シリコーン接着剤、ウレタン接着剤、及びそれらの組み合わせのうちの少なくともいずれか1つである、請求項1または2に記載のテープ。
【請求項4】
前記反射性金属層は、アルミニウム、銀、銅、白金、ニッケル、およびそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つである、請求項1~3のいずれか一項に記載のテープ。
【請求項5】
前記反射性金属層は、物理蒸着、スパッタリング、熱蒸発、化学蒸着、およびそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つである、請求項1~4のいずれか一項に記載のテープ。
【請求項6】
前記反射性金属層は、1nm~100nmの厚みを有する、請求項1~5のいずれか一項に記載のテープ。
【請求項7】
前記光遮断層は、黒色のコーティング、または白色のコーティングからなる、請求項1~6のいずれか一項に記載のテープ。
【請求項8】
前記熱可塑性ポリマー層は、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリエステル、またはそれらの組み合わせであり、好適には、熱可塑性ポリマー層は、ポリウレタンからなる、請求項1~7のいずれか一項に記載のテープ。
【請求項9】
前記圧力感受性接着層に配置された除去可能なリリース層をさらに備える、請求項1~8のいずれか一項に記載のテープ。
【請求項10】
前記圧力感受性接着層は、光ガイドパネルの外周の少なくとも一部に直接的に接している、請求項1~9のいずれか一項に記載のテープ。
【請求項11】
前記テープは、0.1%以下の透過率および80%以上の少なくとも1つの表面の反射率のうちの少なくともいずれか一方を有する、請求項1~10のいずれか一項に記載のテープ。
【請求項12】
請求項1~11のいずれか一項に記載のテープからなる物品。
【請求項13】
前記物品は、光ガイドパネル、液晶ディスプレイ、テレビ、携帯電話、コンピューターのモニター、またはタブレットである、請求項12に記載の物品。
【請求項14】
前記物品は、低ベゼルの物品である、請求項12または13に記載の物品。
【請求項15】
フレームを形成するために、請求項1~11のいずれか一項に記載の前記テープの前記圧力感受性接着層を光ガイドパネルの外周の少なくとも一部に接着する工程を備える、液晶ディスプレイ用光ガイドパネルの製造方法。
【請求項16】
前記光ガイドパネルを液晶ディスプレイに取り付ける工程、または、前記片面圧力感受性接着テープからリリース
層を除去する工程をさらに備える、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
取り付け後、前記熱可塑性ポリマー層は、前記液晶ディスプレイに直接的に接触しない、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記熱可塑性ポリマー層は、ポリウレタンからなる、請求項15~17のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、片面圧力感受性接着テープと、片面圧力感受性接着テープを製造し使用する為の方法と、片面圧力感受性接着テープからなる物品に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶ディスプレイ(LCDs:Liquid crystal displays)は、コンピューターのモニターや、携帯電話や、液晶テレビなどの家庭用電子機器を含む、様々な装置で使用されている。多くの家庭用電子機器の液晶ディスプレイ周囲のベゼルの幅は、機能的な理由や視覚上の審美性の観点から更に狭くなってきている。しかしながら、ベゼルが狭くなるとディスプレイの縁から光の漏れがより大きな問題になる。光が漏れる量を最小限にする様々な取り組みがなされているが完璧に成功しているものはない。
【0003】
加えて、従来は、液晶ディスプレイの光ガイドパネルは、剛性のフレーム内に固定され、続いて、液晶ディスプレイパネルに取り付けられていた。しかしながら、低いベゼルやベゼルの無いディスプレイとともにより薄型の装置が望まれる状況では、製造者は、剛体のフレームから光ガイドパネルを組み立てる代替的な手段に、例えば、全体的により薄型の装置デザインが可能な接着テープに移行してきている。
【0004】
光ガイドパネルを組み立てる際に使用されるテープではいくつかの性質が重要である。テープの光遮断性能は、光の漏れを最小限にするテープの能力を決める。テープの反射性能は、液晶ディスプレイの輝度を向上するテープの能力を決める。加えて、テレビのディスプレイでは、低い表面エネルギーのポリカーボネートで製造されたフレームで必要とされるようなフレーミングテープの前処理をしなくても、光ガイドパネルを液晶ディスプレイパネルに結合する発泡テープに結合する高い表面エネルギーを備えることが、テープが光ガイドフレームの基体として機能する為に特に有利となると考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】米国特許出願公開番号2004/0028895号明細書
【文献】米国特許第8,673,443号明細書
【文献】韓国登録特許第10-1170023号公報
【文献】韓国登録特許第10-1563245号公報
【文献】特開2007-084830号公報
【文献】国際公開第2017/109927号
【文献】中国実用新案第202808683号明細書
【発明の概要】
【0006】
本明細書では、片面圧力感受性接着テープ、同テープを製造する方法、および使用する方法について開示する。
片面圧力感受性テープは、基体と、基体の表面に配置された反射性金属層と、反射性金属層の上に配置された圧力感受性接着層と、熱可塑性ポリマー層と、熱可塑性ポリマー層の表面に配置された光遮断層とを備え、光遮断層は、反射性金属層が配置された基体表面とは反対の基体表面にドライラミネートされる。
【0007】
テープを備える物品が開示される。
液晶ディスプレイ用の光ガイドパネルの製造方法は、片面圧力感受性接着テープを光ガイドパネルの外周の少なくとも一部に接着する工程を含む。
【0008】
上記の要素及びその他の要素は、以下の図面、詳細な説明、及び請求項で例示する。
以下は、図面の簡単な説明であり、図面は、本明細書で説明する例示的な実施形態を示すことを目的とし、限定することを目的としていない。類似する要素は、添付の図面において同様に参照符号が付されている。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】次の7つの層、1:熱
可塑性ポリマー層、2:光遮断層、3:ドライラミネーション層、4:基体、5:反射性金属層、6:圧力感受性接着層、7:除去可能なリリース
層、を備える片面圧力感受性接着テープ9の実施形態を示す断面図。
【
図2】テレビディスプレイ(100)の実施形態を示す断面図であって、片面圧力感受性接着テープ(20)を使用して光ガイドパネル(40)のフレームが形成され、フレームを付けた光ガイドパネルは液晶ディスプレイパネル(30)を結合するフォーム接着テープ(10)と片面圧力感受性接着テープ(20)とを介して液晶ディスプレイパネル(30)に取り付けられている、テレビディスプレイ(100)の実施形態を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本願の発明者は、優れた光遮断性能と光反射性能とを備える片面圧力感受性接着テープを開発した。このテープは、さらに優れていることに、高い表面エネルギーを有する。このような特性により、本願の片面圧力感受性接着テープは、低ベゼル、またはベゼルの無い液晶ディスプレイの光ガイドパネルを組み立てる用途に特に好適である。
【0011】
片面圧力感受性接着テープは、基体と、基体表面に配置された反射性金属層と、反射性金属層の上に配置された圧力感受性層と、熱可塑性ポリマー層と、熱可塑性ポリマー層表面に配置された光遮断層とを備え、光遮断層は、反射性金属層が配置された基体表面とは反対の基体表面にドライラミネートされる。
【0012】
片面圧力感受性接着テープは、実施例1に記載した方法により550nmで判定したところ、選択された表面で80%以上(80%~100%)、好適には85%以上、さらに好適には90%以上の反射性を備える。片面圧力感受性接着テープは、実施例1に記載の方法により550nmで判定したところ、0.1%以下、より好適には0.05%以下の透過性を備える。
【0013】
図1は、熱可塑性ポリマー層1と、光遮断層2と、ドライラミネーション層3と、基体4と、反射性金属層5と、圧力感受性層6と、除去可能なリリース層7とからなる片面圧力感受性接着テープ9の例を示す断面図である。本明細書で説明する実施形態の全てにおいて、複数の層は全体的にまたは部分的に相互にカバーできることが理解できる。さらに、複数の層は、隣接する層(直接的に)と直接的に物理的な接触状態にあるか、または、任意の介在する層、例えば、接着層が存在できることも理解できる。
【0014】
図1のテープ9は、自身および別の層との関係において一定の視覚的な次元を有する個別の層1~7のそれぞれを示しているが、これは例示を意図したものであり本発明の範囲を限定することを意図したものではない。テープ9の各層は、テープ9に所望の特性を付与する為に適した厚みを有する。
【0015】
基体4の組成物は、本発明のテープに良好な引張強度を付与するように選択される。基体に適したポリマー材料の例には、ポリエステル(ポリエチレンテレフタラート、ポリエチレンナフタラート、ポリブチレンテレフタラート、またはポリブチレンナフタラートなど)、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、またはエチレン-プロピレンコポリマー)、ポリビニルアルコール、ポリビニリデンクロリド、ポリビニルクロリド、ビニルクロリド-ビニルアセタートコポリマー、ポリビニルアセタート、ポリアミド、ポリイミド、セルロース、フッ素化樹脂、ポリエーテル、ポリスチレン樹脂(ポリスチレンなど)、ポリカルボナート、ポリエーテルスルホン、および上記ポリマーの組み合わせが含まれる。いくつかの実施形態では、基体は、ポリエチレンテレフタラート、ポリエチレンナフタラート、ポリメチルメタクリラート、またはそれらの組み合わせからなる。より好適には、基体は、ポリエチレンテレフタラートから構成される。
【0016】
基体の厚みは、特に限定されない。基体の厚みは、例えば、1~150μmの範囲であり、好適には、2~100μmの範囲、より好適には4~75μmの範囲であってよい。
基体の材料は、所望する特性を実現するために添加物を更に含んでもよい。添加物の例には、充填剤、難燃剤、劣化防止剤、帯電防止剤、軟化剤、紫外線吸収剤、抗酸化剤、可塑剤、界面活性剤、およびそれらの組み合わせが含まれる。
【0017】
基体は、任意の好適な方法で形成されてよい。例えば、基体は、選択されたポリマー材料をフィルムとして成形すること、または選択されたポリマー材料からなる樹脂組成物を押出成形、射出成形、カレンダー成形などの成形方法でシート状に成形することにより、形成される。
【0018】
基体上に配置される反射性金属層は、アルミニウム、銀、銅、白金、ニッケル、またはそれらの組み合わせであってよい。反射性金属層は、任意の好適な方法により、0.5nm~200nm、1nm~100nm、2nm~75nm、2.5~50nm、3~40nmの厚みで基体の上に配置され得る。例えば、金属層は、物理蒸着、化学蒸着、またはそれらの組み合わせで配置され得る。物理蒸着法には、電子ビーム蒸発法、スッパッタリング法、熱蒸発法などが含まれる。
【0019】
反射性金属層は、片面圧力感受性接着テープの選択した表面に80%以上の反射率を付与できる反射性を有する。したがって、反射性層自体の反射率は、80%以上(80~100%)、好適には85%以上、さらに好適には90%以上である。
【0020】
反射性金属層の上に配置される圧力感受性接着剤(PSA)の厚みや種類は、テープの所望される用途に応じて好適なレベルの接着性と除去可能性とを備えるテープを形成するように選択される。ある用途では、接着層は、テープが光ガイドパネルの外周に接着可能なように、十分な接着性を必要とする。接着層の厚みは、例えば10~150μm、20~100μm、25~80μmであり得る。
【0021】
圧力感受性接着剤の例には、アクリル酸圧力感受性接着剤、ゴム圧力感受性接着剤、ウレタン圧力感受性接着剤、シリコーン圧力感受性接着剤、ポリエステル型圧力感受性接着剤、ポリアミド圧力感受性接着剤、エポキシ圧力感受性接着剤、ビニルアルキルエーテル圧力感受性接着剤、フッ素化圧力感受性接着剤、及びそれらの組み合わせが含まれる。いくつかの実施形態では、PSAは、アクリル酸圧力感受性接着剤、ゴム圧力感受性接着剤、ウレタン圧力感受性接着剤、シリコーン圧力感受性接着剤、またはそれらの組み合わせからなる。
【0022】
アクリル酸圧力感受性接着剤は、主剤、またはベースのポリマーとしてアクリル酸ポリマーを含む。アクリル酸ポリマーは、特に限定されないが、主要な構成モノマー組成物として、好適には(メタ)アクリル酸アルキルエステル(アクリル酸アルキルエステルまたはメタクリル酸アルキルエステル)を使用する。(メタ)アクリル酸アルキルエステルの具体的な例には、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、s-ブチル(メタ)アクリレート、t-ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、ネオペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、およびドデシル(メタ)アクリレートが含まれる。(メタ)アクリル酸アルキルエステルは、単一または組み合わせて使用され得る。
【0023】
アクリル酸ポリマーを構成するモノマー成分について、(メタ)アクリル酸アルキルエステルが主要なモノマー成分として使用される限り、(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共重合可能な別のモノマー成分(共重合可能なモノマー成分とも呼ばれる)も使用されてよい。(メタ)アクリル酸アルキルエステルは、アクリル酸ポリマーを構成する全モノマー成分に対して50重量%以上の割合で好適には使用される。(メタ)アクリル酸アルキルエステルの量がアクリル酸ポリマーを構成する全モノマー成分に対して50重量%以下である場合には、アクリル酸ポリマーの特性(圧力感受性の接着特性など)を示すことは困難である可能性がある。
【0024】
共重合可能なモノマー成分は、アクリル酸ポリマーに架橋部位を導入するため、またはアクリル酸ポリマーの凝集力(cohesive power)を高めるために使用され得る。共重合可能なモノマー成分は、単一または複数の共重合可能なモノマー成分の組み合わせで使用され得る。
【0025】
例えば、アクリル酸ポリマーに架橋部位を導入する目的で、官能基を含むモノマー成分(具体的には、アクリル酸ポリマーに熱架橋部位を導入する為に、熱架橋する官能基を含むモノマー成分)が使用され得る。そのような官能基を含むモノマー成分は、特に限定ではないが、(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共重合可能であり、かつ、架橋部位を提供する官能基を有する任意のモノマー成分であり、例としては、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、およびイソクロトン酸などのカルボキシル基を含むモノマーおよびそれらの無水物(マレイン酸無水物、イタコン酸無水物など)と、;2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ビニルアルコール、アリルアルコールなどのヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートなどのヒドロキシ基を含むモノマーと、;(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド、N-ブチル(メタ)アクリルアミド、N-メチロール(メタ)アクリルアミド、N-メチロールプロパン(メタ)アクリルアミド、N-メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N-ブトキシメチル(メタ)アクリルアミドなどのアミド型モノマーと、;アミノエチル(メタ)アクリレート、N,N-ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、t-ブチルアミノエチル(メタ)アクリレートなどのアミノ基を含むモノマーと、;グリシジル(メタ)アクリレート、メチルグリシジル(メタ)アクリレートなどのエポキシ基を含むモノマーと、;アクリロニトリルおよびメタクリロニトリルなどのシアノ基を含むモノマーと、;N-ビニル-2-ピロリドン、N-メチルビニルピロリドン、N-ビニルピリジン、N-ビニルピペリドン、N-ビニルピリミジン、N-ビニルピペラジン、N-ビニルピラジン、N-ビニルピロール、N-ビニルイミダゾール、N-ビニルオキサゾール、N-ビニルモルホリン、N-ビニルカプロラクタム、N-(メタ)アクリロイルモルホリンなどの窒素原子を含むリングを有するモリマーと、などが含まれる。官能基を含むモノマーとして、アクリル酸、またはその酸無水物などのカルボキシル基を含むモノマーが有利に使用され得る。
【0026】
さらに、別の共重合可能なモノマー成分は、アクリル酸ポリマーの凝集力を増大する目的で使用され得る。そのような別の共重合可能なモノマー成分の例には、ビニルアセテートやビニルプロピオナートなどのビニルエステル型モノマーと、;スチレン、置換型スチレン(α-メチルスチレンなど)、ビニルトルエンなどのスチレン型モノマーと、;(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステル(シクロヘキシル(メタ)アクリレートまたはシクロペンチルジ(メタ)アクリレートなど)、ボルニル(メタ)アクリレートおよびイソボルニル(メタ)アクリレートなどの非芳香環を含む(メタ)アクリル酸エステルと、;(メタ)アクリル酸アリールエステル(フェニル(メタ)アクリレートなど)、(メタ)アクリル酸アリールオキシアルキルエステル(フェノキシエチル(メタ)アクリレートなど)、(メタ)アクリル酸アリールアルキルエステル(ベンジル(メタ)アクリレートなど)などの芳香環を含む(メタ)アクリル酸エステルと、;エチレン、プロピレン、イソプレン、ブタジエンおよびイソブチレンなどのオレフィン系モノマーと、;ビニルクロリド、ビニリデンクロリドと、;2-(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアナートなどのイソシアナート基を含むモノマーと、;メトキシエチル(メタ)アクリレートおよびエトキシエチル(メタ)アクリレートなどのアルコキシ基を含むモノマーと、;メチルビニルエーテルおよびエチルビニルエーテルなどのビニルエーテル型モノマーと、;1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリトリトールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリトリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリトリトールヘキサ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレート、ジビニルベンゼン、ブチルジ(メタ)アクリレート、およびヘキシルジ(メタ)アクリレートなどの多官能基性モノマーとが含まれる。
【0027】
ゴム圧力感受性接着剤の例は、天然ゴム、スチレン-イソプレン-スチレンブロックコポリマー(SISブロックコポリマー)、スチレン-ブタジエン-スチレンブロックコポリマー(SBSブロックコポリマー)、スチレン-エチレン/ブチレン-スチレンブロックコポリマー(SEBSコポリマー)、スチレン-ブタジエンゴム、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリイソブチレン、ブチルゴム、クロロプレンゴム、シリコーンゴム、アクリロニトリル-ブタジエンゴム、エチレン-プロピレンテルポリマー(ethylene-propylene terpolymer)およびそのようなゴムの様々な組み合わせを含む。
【0028】
シリコーン圧力感受性接着剤も使用され得る。シリコーン接着剤は、一般的な意味では、ポリジオルガノシロキサンユニット(シリコーンガムとも呼ばれ、一般的には約5000~約10,000,000Da、好適には約50,000~1,000,000Daの平均分子量を有する)と、トリオルガノシロキシユニットとSiO4/2ユニットとからなるコポリマー性シリコーン樹脂(一般に、約100~約1000,000Da、好適には、約500~約50,000Daの平均分子量を備える)とのブレンドである。好適には、シリコーン接着剤は、約20~60重量%のシリコーンゴムを含有し、対応して、約40~約80重量%のコポリマー性シリコーン樹脂を含有する。接着性を高める意味では、ポリオルガノシロキサンとコポリマー性シリコーン樹脂とを反応させる化学的手段を設けることが有効である。
【0029】
シリコーン圧力感受性接着剤のブレンドも有用である。例として、2つの異なるジメチルシロキサンをベースとする圧力感受性接着剤のブレンド、または、ジメチルシロキサンをベースとする圧力感受性接着剤とジメチルシロキサン/ジフェニルシロキサンをベースとする圧力感受性接着剤とのブレンドとがあげられる。
【0030】
シリコーン圧力感受性接着剤も様々な製造業者から入手可能である。市場で入手可能なシリコーン圧力感受性接着剤の例には、ダウコーニング社(Dow Corning)から、280A,282,Q2-7406,及びQ2-7566という名称で入手可能な手可能な製品、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社(Momentive Performance Materials)からSILGRIP PSA590、PSA600、PSA595、PSA610、PSA518、PSA6574、およびPSA529という名称で入手可能な製品、オハイオ州アクロンのシンエツ社(Shin-Etsu)からKR-100P、KR-100、KR-101-10の名称で入手可能な製品などが含まれる。
【0031】
圧力感受性接着剤は、微量の添加剤も含有し得る。そのような添加剤には、例えば、架橋剤、架橋結合剤、充填剤、難燃剤、劣化防止剤、帯電剤、軟化剤、紫外線吸収剤、抗酸化剤、可塑剤、界面活性剤などが含まれる。使用される添加剤の量は、所望する用途に応じて、圧力感受性材料の0.1~49重量%の範囲で変更できる。
【0032】
圧力感受性接着層は、任意の好適な方法で形成できる。例えば、圧力感受性接着層(PSA)は、反射性金属層の表面の上に圧力感受性接着剤をコーティングして、続いて、任意に乾燥または硬化することにより形成することができ、または、圧力感受性接着層は、リリースライナーなどの支持体の上に圧力感受性接着剤をコーティングして、続いて、任意に乾燥または硬化することによりリリースライナー上に圧力感受性接着層を形成して、次に、圧力感受性接着層を反射性金属層の表面に接着することにより形成することができる。圧力感受性接着層の組成物をコーティングする為に、任意の好適なコーティング装置、例えば、グラビア(gravure)ロールコーター、リバースロールコーター、キスロールコーター、ディップロールコーター、バーコーター、ナイフコーター、またはスプレイコーターを使用することができる。
【0033】
テープ9は、少なくとも1つの除去可能なリリース層7を任意に備える。リリース層7の厚みは、5~150μm、10~125μm、20~100μm、40~85μm、または50~75μmであり得る。
【0034】
「リリース層」は、リリースコーティングからなる単一の層または複合的な層を意味し、リリースライナーを含む1つ以上の追加の層によって任意に支持される。両面リリース層は、1つ以上の追加の層によって離間された2つの外側のリリース層を備える複合的な層である。一実施形態では、テープは、両面にリリース層を備える。両面リリース層により、テープ全体、またはテープ材料からなるシートは、使用のためにロール状に巻き取り可能になる。
【0035】
リリース層は、透明または着色されたプラスチック材料であり得るが、それに限定されない。特には、リリース層は、支持体または「ライナー」、例えば、紙またはプラスチックをベースとするキャリアまたは網素材を備えることができる。例えば、具体的なライナーは、Kraft Paperであり、特定の中間のコーティングは、高密度ポリエチレン(HDPE)である。リリースライナーは、例えば、ポリエチレンテレフタラート(PET),ポリエチレンナフタラート(PEN)ポリエステルポリアミド、ポリカーボネート、エチレンビニルアセテートコポリマー、エチレン-エチルアクリレートコポリマー、エチレン-プロピレンコポリマー、ポリビニルクロライドからなる一群から選択される材料を含有し得る。特には、シリコーン樹脂またはオリゴマーは、PETまたはポリオレフィンコートされた紙の上にコーティングされる。接着剤は、リリースライナーに連続的、又はコヒーレントな層を形成するために必要ではない。
【0036】
特には、リリース層は、リリース剤で一方または双方をコートされたライナーからなり、ライナーは、接着剤などの任意の種類の粘着性材料に対してリリース効果を付与する。リリースは、接着材料からのライナーの分離からなる。
【0037】
様々なリリース層が当該技術分野で周知であり、一実施形態では、ライナーと、中間のコーティングと、リリースコーティングとを備えることができる。例示のリリース層は、Rexam Grade16043という名称でイリノイ州ベルフォードパークのレクサム・リリース社(Rexam Release)から入手可能である。
【0038】
リリース層は、ライナーの両面に、中間コーティングとリリースコーティングとを任意に備えることができ、つまり、ライナーの一方に第1の中間コーティングと第1のリリースコーティングとを備えライナーの他方に第2の中間コーティングと第2のリリースコーティングとを備える。これにより、いわゆる差動リリース(differential release)が可能になり、ロールから剥がされるフォームテープは、テープの一方の層と接しているリリースコーティングと、テープの下位層の第1の接着層との間で好ましくは分離する。したがって、両面リリース層は、対向する両側にリリースコーティングを備える。特には、リリースコーティングは、シリコーンポリマーからなる。
【0039】
一実施形態では、テープ9は、テープの片側にだけ両面リリース層になり得るリリース層を備える。代替的には、テープは、両側に両面リリース層を備えるか、または一方に両面リリース層を備え、他方に片面リリース層を備え得る。
【0040】
リリース層7を含むテープ9の全体の厚みは、20μm~600μm、25μm~500μm、30μm~400μm、35μm~350μm、38μm~300μmであることができる。
【0041】
熱可塑性ポリマー層の組成物は、表面エネルギーを達成するために中間処理を必要とすることなく他方の材料に結合する良好な基体とするために適切な表面エネルギーを付与するように選択される。例えば、
図2に示すように、液晶ディスプレイの製造では、テープ20を使用して光ガイドパネル40を構成した後、次に、構成された光ガイドパネル40は、フォーム接着テープ10を用いて液晶ディスプレイパネル30に取り付けられる。そのような用途では、テープのフレームの外面である、熱可塑性ポリマー層1は、フォーム接着テープ10と結合する良好な基体となる為に、少なくとも40ミリニュートンパーメートル(mN/m)、または42mN/mの表面エネルギーを有することが望ましい。熱可塑性ポリマー層1も、湾曲した、または均一でない表面において出来上がったテープを使用可能にするために十分な可撓性を有していなければならない。
【0042】
本明細書で使用されているように、「熱可塑性」とは、可塑性、または変形可能であり、加熱されると液体状に溶け、十分に冷却されると、もろいガラス状態に固まる物質を指す。使用可能な熱可塑性ポリマーの例には、環状オレフィンポリマー(ポリノルボルネンやノルボルネニルユニットを含むコポリマー、例えば、ノボルネンなどの環状ポリマーとエチレンまたはプロピレンなどのアクリル酸オレフィンのコポリマーなど)、フルオロポリマー(例えば、ポリビニルフルオリド(PVF)、ポリビニリデンフルオリド(PVDF)、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリ(エチレン-テトラフルオロエチレン(PETFE)、ペルフルオロアルコキシ(PFA))、ポリアセタール(例えば、ポリオキシエチレンおよびポリオキシメチレン)、ポリ(C1-6アルキル)アクリレート、ポリアクリルアミド(非置換型およびモノ-N-およびジ-N-(C1-8アルキル)アクリルアミドを含む)、ポリアクリロニトリル、ポリアミド(例えば、脂肪族ポリアミド、ポリフタルアミド、及びポリアラミド(polyaramides))、ポリアミドイミド、ポリ無水物、ポリアリーレンエーテル(例えば、ポリフェニレンエーテル)、ポリアリーレンエーテルケトン(例えば、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、およびポリエーテルケトンケトン(PEKK))、ポリアリーレンケトン、ポリアリーレンスルフィド(例えば、ポリフェニレンスルフィド(PPS))、ポリアリーレンスルフォン(例えば、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリフェニレンスルフォン(PPS)など)、ポリベンゾチアゾール、ポリベンゾオキサゾール、ポリベンゾイミダゾール、ポリカーボネート(ホモポリカーボネート、およびポリカーボネートシロキサンなどのポリカーボネートコポリマー、ポリカーボネート-エステル、およびポリカーボネート-エステル-シロキサン)、ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタラート、ポリブチレンテレフタラート、ポリアリレート、ポリエステル-エーテルなどのポリエステルコポリマーなど)、ポリエーテルイミド(ポリエーテルイミド-シロキサンコポリマーなどのコポリマーを含む)、ポリイミド(ポリイミド-シロキサンコポリマーなどのコポリマーを含む)、ポリ(C1-6アルキル)メタクリレート、ポリアルキルアクリルアミド(例えば、非置換型およびモノ-N-およびジ-N-(C1-8アルキル)アクリルアミド)、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、高密度ポリエチレン(HDPE),低密度ポリエチレン(LDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、ポリプロピレン、およびそれらのハロゲン化誘導体(ポリテトラフルオロエチレンなど)、およびそれらのコポリマー、例えば、エチレン-アルファ-オレフィンコポリマー、ポリオキサジアゾール、ポリオキシメチレン、ポリフタリド(polyphthalides)、ポリシラザン、ポリシロキサン(シリコーン)、ポリスチレン(アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン(ABS)およびメチルメタクリレート-ブタジエン-スチレン(MBS)などのコポリマーなど)、ポリスルフィド、ポリスルホンアミド、ポリスルホナート、ポリスルホン、ポリチオエステル、ポリトリアジン、ポリウレア、ポリウレタン、ビニルポリマー(ポリビニルアルコール、ポリビニルエステル、ポリビニルエーテル、ポリビニルハライド(例えば、ポリ塩化ビニル)、ポリビニルケトン、ポリビニルニトリル、ポリビニルチオエーテル)などが含まれる。上記の熱可塑性ポリマーは組み合わせても使用することができる。
【0043】
ある実施形態では、熱可塑性ポリマー層は、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリエステル、又はそれらの組み合わせからなり、好適には、熱可塑性ポリマー層は、ポリウレタンからなる。ポリウレタンからなる熱可塑性ポリマー層は、42mN/mの表面エネルギーを有することができる。熱可塑性ポリマー層は、任意の好適な方法で得られる。例えば、熱可塑性ポリマー層は、除去可能な支持体またはリリース層上に成形することができる。
【0044】
熱可塑性ポリマー層の厚みは、例えば、1~150μmの範囲であり、好適には、2~100μmの範囲内、より好適には4~75μmの範囲内である。
熱可塑性ポリマー層の表面に配置された光遮断層は、光遮断性能を示す任意の層であってよい。つまり、低い光透過性を備える。光遮断層は、黒色で着色された層、または白色で着色された層であり、任意の好適な方法で形成され得る。
【0045】
光遮断層は、圧力感受性接着組成物、レジン組成物、インク組成物、又はそれらの組み合わせなど、光遮断特性を示す様々な物質を含有することができる。光遮断層は、好適にはインク層であり、より好適には印刷された層である。
【0046】
ある実施形態では、光遮断層は、黒色で着色された層である。光遮断層が、黒色に着色された層である場合には、層は、黒色の着色剤を含有する。
光遮断層が黒色を示すインク層、より好適には黒色を示す印刷された層である場合には、黒色に着色されたインク層は、黒色の着色剤を含む黒色インク組成物で形成される。
【0047】
さらに、光遮断層は、黒色を示すレジン層(黒色レジン層)であり得る。光遮断層が黒色レジン層である場合には、黒色レジン層は、例えば黒色の着色剤を含む黒色に着色されたレジン組成物で形成できる。
【0048】
黒の着色剤は、任意の好適な色素または染料であり得る。黒色の着色剤の具体的な例は、カーボンブラック(例えば、ファーネスブラック(furnace black)、チャンネルブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック(thermal black)、または、ランプブラック)、グラファイト、酸化銅、二酸化マンガン、アニリンブラック、ペリレンブラック、チタンブラック、シアニンブラック、活性炭、フェライト、マグネタイト、酸化クロム、酸化鉄、二酸化モリブデン、クロム錯体、ブラック染料酸化物複合材料(composite oxide type black dye)、アントラキノン型有機ブラック染料、およびそれらの組み合わせを含む。
【0049】
黒色の印刷層は、インク組成物を用いて任意の印刷方法によって形成できる。インク組成物は、例えば、着色成分(インク成分)、バインダーレジン、硬化剤などを含有する。
黒色の印刷層に使用される着色成分の例には、カーボンブラック、アセチレンブラック、グラファイト、酸化鉄、酸化銅、アニリンブラック、活性炭、及びそれらの組み合わせが含まれる。バインダーレジンの例には、ポリウレタンレジン、フェノールレジン、エポキシレジン、アクリル酸レジン、ポリエステルレジン、ポリオレフィンレジン、天然ゴム、スチレン-ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、エチレン-プロピレンゴム、及びそれらの組み合わせが含まれる。いくつかの実施形態では、ポリウレタンレジンが好ましい。硬化剤の例には、イソシアナート硬化剤、エポキシ硬化剤、メラミン硬化剤、アジリジン硬化剤、およびそれらの組み合わせが含まれる。インク組成物の各成分の割合は、必要に応じて決めることができる。
【0050】
黒色印刷層の厚みは、0.5~10μm、0.5~6μm、1~5μm、または2~4μmであってよい。
インク組成物とともに使用される印刷方法の例には、グラビア印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、凸版印刷法(relief printing method)、スクリーン印刷法、ステンシル印刷法、活版印刷法(letterpress printing method)、などが含まれる。
【0051】
ラミネート工程により、2つの重ねた層の基体と光遮断層との間に任意の中間層を備えた層構造を形成するために、熱可塑性ポリマー層に接する光遮断層の表面とは反対の光遮断層の表面を、反射性金属層とは反対の基体の表面に、ラミネートすることができる。光遮断層は、中間層を介することなく、基体に直接的に接することができる。代替的には、中間層が存在してもよい。中間層は、反射性金属層とは反対の基体表面、または熱可塑性ポリマー層とは反対の光遮断層の表面にコートされた好適な液状接着剤からなる乾燥した層であり得る。接着層の厚みは、存在する場合には、0.5~10μm、1~8μm、3~7μmであり得る。好適な液状接着剤は、アクリル酸接着剤である。次に、層状構造は、層を結合して積層構造を形成するために好適な圧力と温度と持続時間の下で、プレス加工、例えば真空プレス加工で配置され得る。ラミネート工程および任意の硬化工程は、例えば、真空プレス工程を用いて一工程からなるプロセス、または複数の工程からなるプロセスでなされる。一工程からなるプロセスでは、層構造は、ニップローラーシステム(nip roller system)に配置され、例えば、50~150psi(345~1034キロパスカル(kPa))、または60~100psi(414~698kPa)のラミネート圧力と、50~70℃、または55~65℃、または60℃に加熱されたニップローラーを用いて約60~140℃、または80℃~120℃のラミネート温度で配置され得る。
【0052】
図1に示す1~5層からなる多層の積層を得るためにドライラミネーション工程の後、説明した多層の片面接着テープ9を得るために、任意のリリース層を備えるPSA層6が、上記の任意の好適な方法で反射性の金属層表面に形成される。
【0053】
存在する場合には任意のリリース層7を
図1のテープ9から除去した後に、テープの圧力感受性接着層6は、光ガイドパネル40用のフレームを形成するために、
図2に模式的に示した光ガイドパネル40の外周の少なくとも一部に直接的に接着される。
【0054】
片面圧力感受性接着テープは、例えば、プレミアムテレビや携帯電話で使用されるなど、液晶ディスプレイ装置の光ガイドパネル、特には低ベゼルのコンパクトな液晶ディスプレイ装置を構成する際に、光反射性/光遮断圧力感受性接着テープとして有用である。
【0055】
片面圧力感受性接着テープからなる物品も開示される。例示の物品として、光ガイドパネルと、液晶ディスプレイと、テレビと、携帯電話と、コンピューターのモニターと、またはタブレットがある。ある実施形態では、物品は、低ベゼルの物品である。
【0056】
液晶ディスプレイの為の光ガイドパネルを製造する為の方法も開示される。方法は、フレームを形成するために、本明細書で説明したテープの片面圧力感受性接着層を光ガイドパネルの外周の少なくとも一部に接着する工程を備える。方法は、片面圧力感受性接着テープからリリース層を除去する工程、または光ガイドパネルを液晶ディスプレイに取り付ける工程をさらに備えることができる。テープを光ガイドパネルに取り付けた後、光可塑性ポリマー層は、液晶ディスプレイパネルに直接的に接触しない。
【0057】
説明した片面圧力感受性接着テープは、550nmで80%以上の非常に優れた反射性能と、当業者の予測を超える優れた光遮断性能(550nmで0.1%以下の透過率)とを兼ね備える。このような特性により、本願のテープは、低ベゼルまたはベゼルのない液晶でディスプレイの光ガイドパネルのフレーミング材料として特に優れる。さらに、そのような用途では、テープの露出面は、十分に高い表面エネルギー(≧40mN/m)を有し、フォームテープを用いて液晶ディスプレイパネルに結合する前に前処理する必要がないため、ディスプレイモジュールの生産において時間やコストを削減し得る。
【0058】
以下の実施例は、本発明を例示する為に提供されている。実施例は、単なる例示であって、本明細書で説明した材料、条件、工程パラメーターに本発明に従って製造された装置を限定することを意図していない。
(実施例)
テープの光透過性と反射性は、以下のテスト方法により判定した。360~740nmの波長範囲で10nm毎にサンプルの透過性と反射性とを判定する為に、50平方mmの多層テープのテストサンプルをスペクトロメーターに配置した。スペクトロメーターは、光源としてキセノンランプを搭載し10度の視野角を用いるコニカミノルタ社(KONICA MINOLTA (日本))のCM-5であった。測定は、各サンプルについて3回行った。
【0059】
表面エネルギーは、ASTM D-2578に従って計測した。
(実施例1)片面圧力感受性接着テープ
図1に示すように、多層の片面圧力感受性接着層を調整した。
【0060】
ポリエチレンテレフタラートからなる12μmの厚さの基体の一方の面に電子ビーム蒸着法で20μmの厚さでアルミニウムの層を配置した。10重量%のカーボンブラックと、10重量%のポリウレタンレジンとからなるブラックコーティングをMICROGRAVUREコーティングを用いて熱可塑性ポリウレタン層の表面に3μmの厚みで配置した。アルミニウム層とは反対の基体表面と、熱可塑性ポリウレタン層(20μm厚み)のブラックコートされた表面とを、5μmのアクリル酸接着剤の層を用いてともにドライラミネートした。ドライラミネート終了後、逆の面に50μmのリリース層を有する30μmの厚みのアクリル酸圧力感受性接着層の表面を、ポリエチレンテレフタラート基体がある表面とは逆のアルミニウム表面に接着した。
【0061】
550nmにおける平均透過率と平均反射率と計測した表面エネルギーを表1に示す。表1.テープの特性
【0062】
【0063】
(実施例2)光ガイドパネルフレームとしての片面圧力感受性テープ
図2に模式的に示したように、実施例1に従って製造された片面圧力感受性テープは、光ガイドパテルの外周に接着され、液晶ディスプレイに接着された。
【0064】
本発明の非限定的な態様について以下で説明する。
態様1では、片面圧力感受性接着テープは、基体と、基体表面に配置された反射性金属層と、反射性金属層の上に配置された圧力感受性接着層と、熱可塑性ポリマー層と、熱可塑性ポリマー層の表面に配置された光遮断層と、光遮断層が、反射性金属層が配置されている基体表面とは逆の基体表面にドライラミネートされていることとからなる。
【0065】
態様2では、態様1のテープにおいて、基体は、ポリエチレンテレフタラート、ポリエチレンナフタレート、ポリメチルメタクリレート、またはそれらの組み合わせである。
態様3では、態様1または2のテープにおいて、圧力感受性接着剤は、アクリル酸接着剤、ゴム接着剤、シリコーン接着剤、ウレタン接着剤、またはそれらの組みあわせである。
【0066】
態様4では、態様1~3のいずれか1つのテープにおいて、反射性金属層は、アルミニウム、銀、銅、白金、ニッケル、またはそれらの組み合わせである。
態様5では、態様1~4のいずれか1つのテープにおいて、反射性金属層は、物理蒸着、スパッタリング、熱蒸着、化学蒸着、又はそれらの組み合わせによって配置される。
【0067】
態様6では、態様1~5のいずれか1つのテープにおいて、反射性金属層は、1nm~100nmの厚みを有する。
態様7では、光遮断層は、黒色コーティングまたは白色コーティングを備える。
【0068】
態様8では、態様1~7のいずれか1つのテープにおいて、熱可塑性ポリマー層は、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリエステル、またはそれらの組み合わせからなり、好適には熱可塑性ポリマー層は、ポリウレタンからなる。
【0069】
態様9では、態様1~8のいずれか1つのテープにおいて、圧力感受性接着層に配置された除去可能なリリース層をさらに備える。
態様10では、態様1~9のいずれか1つのテープにおいて、圧力感受性接着層は、光ガイドパネルの外周の少なくとも一部に直接的に接触する。
【0070】
態様11では、態様1~10のいずれか1つのテープにおいて、テープは、0.1%以下の透過率および80%以上の少なくとも1つの表面の反射率のうちの少なくともいずれか一方を備える。
【0071】
態様12は、態様1~11のいずれか1つのテープからなる物品である。
態様13は、態様12の物品において、物品は、光ガイドパネル、液晶ディスプレイ、テレビ、携帯電話、コンピューターのモニター、またはタブレットである。
【0072】
態様14は、態様12または13の物品において、物品は、低ベゼルの物品である。
態様15は、フレームを形成するために、態様1~11のいずれか1つのテープの片面圧力感受性接着層を光ガイドパネルの外周の少なくとも一部に接着する工程を備える液晶ディスプレイ用光ガイドパネルの製造方法である。
【0073】
態様16は、態様15の方法において、方法は、光ガイドパネルを液晶ディスプレイに取り付ける工程、または、リリース層を片面圧力感受性接着テープから除去する工程をさらに備える。
【0074】
態様17は、態様16の方法において、取り付け後、熱可塑性ポリマーライナーは液晶ディスプレイに直接的に接触しない。
態様18は、態様15~17のいずれか1つの方法において、熱可塑性ポリマー層は、ポリウレタンからなる。
【0075】
組成物、方法、物品は、任意の適切な材料、工程、または本明細書に説明した構成要素を代替的に備え、からなり、または本質的に含むことができる。組成物、方法、及び物品は、追加的にまたは代替的に、組成物の機能や目的や、方法や、物品を達成するために必ずしも必要でない場合には、任意の材料(または種類)、工程、又は成分を欠くように、または実質的に欠くように組成されてもよい。
【0076】
「ひとつ(a)」および「ひとつ(an)」という用語は、数量の限定を示すのではなく、参照される要素の少なくとも1つが存在することを示す。「または(or)」という用語は、文脈で明示されない限り、「および/または(and/or)」を意味する。明細書全体にわたって「態様」、「実施形態」、「別の実施形態」、「いくつかの実施形態」などへの言及は、関連して説明される特定の要素(例えば、特徴、構造、工程、または特性)が、本明細書に記載される少なくとも1つの実施形態に含まれ、かつ、他の実施形態に存在してもよいし存在しなくてもよいことを意味する。加えて、説明された要素は、様々な実施形態において任意の好適な方法で組み合わされてもよいことを理解すべきである。
【0077】
層、フィルム、領域、または基体などの要素が別の要素の「上に」あると説明されている場合には、それは、別の要素の上に直接的にあっておよいし、または介在する要素が存在していてもよい。逆に、要素が別の要素の「直接上に」あると説明されている場合には、介在する要素は存在しない。
【0078】
本明細書で、否定されていない限り、全てのテスト基準は、本願の出願日、または、優先権が主張されている場合には、テスト基準が生じる最先の先願の出願日、に有効な最新の基準である。
【0079】
同一の成分又は特性に関する全ての範囲の終点は、独立して組み合わせることができ、全ての中間点または範囲を含む。例えば、最大25重量%、または5~20重量%の範囲には、終点と5~25重量%の範囲に入る全ての中間の数値、例えば、10~23重量%など、が含まれる。
【0080】
「組み合わせ」という用語は、ブレンド、混合、合金、反応産物等を含む。また、「少なくとも1つの」という用語は、各要素を個別に含むだけではなく、一覧の複数の要素の組み合わせや、一覧の少なくとも1つの要素と名前が付けられていない類似の要素との組み合わせも含むことを意味する。代替的に使用可能な種類の一覧では、「それらの組み合わせ」という言い回しは、一覧の少なくとも1つと名前が付けられていない1つ以上の類似する要素との組み合わせを含みうることを意味する。
【0081】
別段定義されていない場合には、本明細書で使用されている技術用語及び科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者が一般に理解する同一の意味を有する。
引用されている特許文献、特許出願、およびその他の引例は、引用することによりここにその全てを援用する。しかしながら、本願の用語と組み込んだ引例の用語とが一致しない場合、または矛盾する場合には、本願の用語が、援用する引例の矛盾する用語に対して優先される。
【0082】
特定の実施形態について説明したが、出願人や別の当業者であれば、代替形態、変更形態、バリエーション、改善形態、及び均等物を理解し得る。したがって、出願時のおよび補正され得る添付の請求項は、そのような代替形態、変更形態、バリエーション、改善形態、及び均等物の全てを包含することが意図されている。