(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-08
(45)【発行日】2023-09-19
(54)【発明の名称】船舶
(51)【国際特許分類】
B63B 25/08 20060101AFI20230911BHJP
B63B 25/12 20060101ALI20230911BHJP
F17C 6/00 20060101ALI20230911BHJP
【FI】
B63B25/08 B
B63B25/12
F17C6/00
(21)【出願番号】P 2019228783
(22)【出願日】2019-12-19
【審査請求日】2022-03-09
(73)【特許権者】
【識別番号】518022743
【氏名又は名称】三菱造船株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100162868
【氏名又は名称】伊藤 英輔
(74)【代理人】
【識別番号】100161702
【氏名又は名称】橋本 宏之
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【氏名又は名称】古都 智
(74)【代理人】
【識別番号】100196689
【氏名又は名称】鎌田 康一郎
(72)【発明者】
【氏名】石田 聡成
(72)【発明者】
【氏名】森本 晋介
(72)【発明者】
【氏名】小形 俊夫
【審査官】中島 昭浩
(56)【参考文献】
【文献】特開平04-297392(JP,A)
【文献】国際公開第2010/103260(WO,A1)
【文献】特表2013-505173(JP,A)
【文献】特開2004-125039(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2013-0057068(KR,A)
【文献】特表2012-509224(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B63B 25/08
B63B 25/12 - 25/16
F17C 6/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対の舷側及び甲板を有する船体と、
前記船体に設けられると共に、前記甲板よりも上方の空間と下方の空間とに跨がるように設けられ、液化二酸化炭素を貯留可能なタンクと、
前記タンクの上端よりも下方に設けられ、船外から供給される液化二酸化炭素を前記タンク内に積み込む積込配管と、を備え、
前記積込配管は、
前記甲板上に延び、船外との連結部を有した第一部分と、
前記第一部分から下方に延び、
前記甲板よりも上方の空間から前記甲板よりも下方の空間に至り、前記タンクの下端に接続された第二部分と、
を備える船舶。
【請求項2】
前記第二部分は、前記タンクの下端に対し、下方から接続されている
請求項1に記載の船舶。
【請求項3】
前記タンクの前記下端に接続される前記第二部分の管端は、前記タンクの下端における内周面と上下方向で同じ高さに設けられている
請求項2に記載の船舶。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、船舶に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、タンクの頂部付近からタンク底部付近まで導かれたガス積込配管系統を通してLNG(Liquefied Natural Gas)等の液化ガスをタンク内に積み込むことが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1のようなタンクを用いて液化二酸化炭素を運搬することが要望されている。液化二酸化炭素は、気相、液相、固相が共存する三重点の圧力(以下、三重点圧力と称す)が、LNGやLPGの三重点圧力に比較して高い。そのため、三重点圧力がタンクの運用圧力に近くなる。タンク内に液化二酸化炭素を収容する場合、以下のような理由により、液化二酸化炭素が凝固してドライアイスが生成される可能性がある。
【0005】
特許文献1のような液化ガスを収容するタンクでは、タンク内で開口する積込配管の下端がタンク内の下部に配置されている場合がある。このような配置とすることで、液ヘッドの増加に伴い積込配管の開口付近が加圧される。そのため、積込配管の開口から放出された液化ガスがフラッシュ蒸発することを抑制できる。しかしながら、積込配管のうち最も高い位置に配置された配管頂部では、内部の液化二酸化炭素の圧力が、配管下端における液化二酸化炭素の圧力に対し、タンク内の液化二酸化炭素の液面と配管頂部との高低差に応じた分だけ低くなる。
【0006】
その結果、タンク運用圧力によっては、液化二酸化炭素の圧力が最も低くなる積込配管の配管頂部において、液化二酸化炭素の圧力が三重点圧力以下となり、液化二酸化炭素の蒸発が生じて、その蒸発潜熱により、蒸発せずに残った液化二酸化炭素の温度低下が生じ、積込配管の配管頂部内で液化二酸化炭素が凝固してドライアイスが生成される可能性が有る。
そして、このように、積込配管内でドライアイスが生成されてしまうと、積込配管内における液化二酸化炭素の流れが阻害され、タンクの運用に影響を及ぼす可能性がある。
【0007】
本開示は、上記課題を解決するためになされたものであって、積込配管内でドライアイスが生成されるのを抑え、タンクの運用を円滑に行うことができる船舶を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本開示に係る船舶は、船体と、タンクと、積込配管と、を備える。前記船体は、一対の舷側及び甲板を有する。前記タンクは、前記船体に設けられると共に、前記甲板よりも上方の空間と下方の空間とに跨がるように設けられている。前記タンクは、液化二酸化炭素を貯留可能である。前記積込配管は、前記タンクの上端よりも下方に設けられている。前記積込配管は、船外から供給される液化二酸化炭素を前記タンク内に積み込む。前記積込配管は、第一部分と、第二部分と、を備える。前記第一部分は、前記甲板上に延びている。前記第一部分は、船外との連結部を有している。前記第二部分は、前記甲板よりも上方の空間から前記甲板よりも下方の空間に至っている。前記第二部分は、前記タンクの下端に接続されている。
【発明の効果】
【0009】
本開示の船舶によれば、積込配管内でドライアイスが生成されるのを抑え、タンクの運用を円滑に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本開示の実施形態に係る船舶の平面図である。
【
図2】本開示の実施形態に係る船舶に設けられたタンクおよび積込配管を示す断面図である。
【
図3】本開示の実施形態の変形例に係る船舶に設けられたタンクおよび積込配管を示す側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示の実施形態に係る船舶について、
図1、
図2を参照して説明する。
(船舶の船体構成)
図1、
図2に示す本開示の実施形態の船舶1は、液化二酸化炭素を運搬する。この船舶1は、船体2と、タンク21と、積込配管30と、を少なくとも備えている。
【0012】
(船体の構成)
船体2は、その外殻をなす、一対の舷側3A,3Bと、船底(図示無し)と、甲板5と、を有している。舷側3A,3Bは、左右舷側をそれぞれ形成する一対の舷側外板を備える。船底(図示無し)は、これら舷側3A,3Bを接続する船底外板を備える。これら一対の舷側3A,3B及び船底(図示無し)により、船体2の外殻は、船首尾方向Daに直交する断面において、U字状を成している。この実施形態で例示する甲板5は、外部に露出する全通甲板である。船体2には、船尾2b側の甲板5上に、居住区を有する上部構造7が形成されている。
【0013】
船体2には、上部構造7よりも船首2a側に、貨物搭載区画(ホールド)8が形成されている。貨物搭載区画8は、甲板5に対して下方の船底(図示無し)に向けて凹み、上方に開口している。
【0014】
(タンクの構成)
図1に示すように、タンク21は、貨物搭載区画8内に、複数設けられている。この実施形態におけるタンク21は、貨物搭載区画8内に、例えば計7個が配置されている。貨物搭載区画8内におけるタンク21のレイアウト、設置数は何ら限定するものではない。この実施形態において、各タンク21は、例えば、水平方向(具体的には、船首尾方向)に延びる円筒状である。タンク21は、その内部に液化二酸化炭素Lが収容される。なお、タンク21は、円筒状に限られるものではなく球形であってもよい。
【0015】
図2に示すように、タンク21は、甲板5よりも上方の空間と下方の空間とに跨がるように設けられている。つまり、タンク21の少なくとも一部は、甲板5に形成された開口部5hを通して、甲板5よりも上方に突出して設けられている。この実施形態におけるタンク21では、甲板5よりも上方に上端21tが設けられている。
タンク21は、甲板5の下方に設けられた下部甲板6上に、サドル22を介して支持されている。つまり、タンク21の下端21bは、下部甲板6との間に船高さ方向(以下、単に上下方向Dvと称する)に間隔をあけて設けられている。
【0016】
(積込配管の構成)
積込配管30は、陸上の液化二酸化炭素供給施設やバンカー船等、船外から供給される液化二酸化炭素Lをタンク21内に積み込む。この実施形態における積込配管30は、タンク21の上端21tよりも下方に設けられている。積込配管30は、第一部分31と、第二部分32と、を備えている。
【0017】
第一部分31は、甲板5上を甲板5に沿うように延びている。第一部分31の一端には、バンカーステーション等に設けられて船外と連結される連結部31jが形成されている。連結部31jは、例えば、フランジ等を有し、舷側3A、3Bの少なくとも一方(例えば舷側3A)に設けられている。連結部31jは、例えば、船幅方向外側を向くように開口を有している。連結部31jには、液化二酸化炭素供給施設やバンカー船等の船外から液化二酸化炭素を供給するための供給管100の端部が着脱可能とされている。
【0018】
第二部分32は、第一部分31の他端に連続して設けられている。第二部分32は、下方延伸部32aと、タンク下延伸部32bと、タンク接続部32cと、を有している。
【0019】
下方延伸部32aは、甲板5上に位置する第一部分31から船高さ方向の下方に向かって延びている。下方延伸部32aは、開口部5hとは別に甲板5に形成された挿通孔5g、または開口部5hを通して、甲板5よりも上方の空間から下方の空間に至っている。下方延伸部32aの下端部は、上下方向Dvで、タンク21の下端21bよりも下方に配置されている。
【0020】
タンク下延伸部32bは、下方延伸部32aの下端部に連続して設けられている。タンク下延伸部32bは、下部甲板6上を下部甲板に沿うように延びている。タンク下延伸部32bは、上下方向Dvで、サドル22によって支持されたタンク21の下端21bよりも下方に配置されている。
【0021】
タンク接続部32cは、タンク下延伸部32bに連続して設けられている。タンク接続部32cは、タンク下延伸部32bから上方に立ち上がるように延びている。タンク接続部32cは、タンク21の下端21bに接続されている。タンク接続部32cの管端32tは、タンク21の下端21bに形成された連通開口21hに接続されている。この連通開口21hは、タンク21の下端21bにてタンク21の内部と外部とを連通させている。ここで、第二部分32の管端32tは、タンク21の下端21bにおける内周面21fと上下方向Dvで同じ高さに設けられている。換言すると、第二部分32の管端32tは、タンク21の下端21bにおける内周面21fよりも上方(言い換えれば、タンク21の内側)に向かって突出せず、面一に設けられている。第二部分32の管端32tは、タンク21の下端21bにおける内周面21fにおいて、鉛直上方に向かって開口している。
【0022】
このようにして、第二部分32は、タンク21の下端21bに接続されている。第二部分32は、タンク21の下端21bに対し、鉛直下方から接続されている。このような積込配管30は、船外から供給される液化二酸化炭素Lを、タンク21の下端21bからタンク21内に放出する。
【0023】
(作用効果)
上記実施形態の船舶1は、積込配管30が、タンク21の上端21tよりも下方に設けられている。これにより、タンク21の上部(上端21t)からタンク21内に積込配管30を接続する場合と比較して、タンク21内の液化二酸化炭素Lの液面Lfと、積込配管30の最も高い位置である第一部分31との高低差Δhを抑えることができる。
タンク21内の液化二酸化炭素Lの液面Lfに対する第一部分31の高低差Δhを抑えることで、積込配管30のうち最も高い位置に配置された第一部分31における液化二酸化炭素Lの圧力低下を抑えることができる。その結果、積込配管30の第一部分31における液化二酸化炭素Lの圧力が、三重点圧力に近づくことを抑えられるので、積込配管30内で液化二酸化炭素Lが凝固してドライアイスが生成されることを抑えられる。したがって、タンク21内に液化二酸化炭素Lを収容する場合に、積込配管30内でドライアイスが生成されるのを抑え、タンク21の運用を円滑に行うことが可能となる。
【0024】
上記実施形態の船舶1では、更に、積込配管30の第一部分31が甲板5上に設けられている。
そのため、第一部分31については二重管等を採用する必要がなく、コスト増加を抑制できる。
【0025】
上記実施形態の船舶1では、更に、積込配管30の第二部分32がタンク21の下端21bに対して下方から接続されている。そのため、例えば、積込配管30を用いてタンク21内の液化二酸化炭素Lをタンク21から払い出す際に、液面Lfの位置によっては重力を利用することができる。したがって、液化二酸化炭素を払い出すためのポンプ運転時間を短縮したり、より能力の低いポンプを使用したりすることが可能となり、その結果、省エネルギー化やポンプの小型化を図ることが可能となる。
【0026】
上記実施形態の船舶1は、更に、積込配管30の第二部分32の管端32tを、タンク21の下端21bにおける内周面21fと上下方向Dvで同じ高さに設けている。したがって、タンク21内の液化二酸化炭素Lを払い出す際に、タンク21内に残留する液化二酸化炭素Lの量を抑えることができる。
【0027】
(その他の実施形態)
以上、この実施の形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施の形態に限られるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
なお、上記実施形態では、一本の積込配管30を、船体2に設けられた一つのタンク21に接続する場合について説明した。しかし、積込配管30は、一本の積込配管30に対し、複数のタンク21を接続するようにしてもよい。このように、一本の積込配管30に複数のタンク21を接続する場合は、例えば、積込配管30の第一部分31に、各タンク21に接続される第二部分32を分岐させて設ければよい。つまり、一本の積込配管30に複数のタンク21を接続する場合、積込配管30は、一本の第一部分31と、複数本の第二部分32と、を備えることになる。積込配管30が、一本の第一部分31と、複数本の第二部分32と、を備える場合、第二部分32のそれぞれに、タンク21への液化二酸化炭素Lへの供給を断続するバルブ(図示無し)等を設けてもよい。
【0028】
例えば、
図3に示すように、積込配管30の第一部分31、および第二部分32の下方延伸部32aに対し、各タンク21に接続されるタンク下延伸部32b、およびタンク接続部32cを接続するようにしてもよい。つまり、積込配管30は、一本の積込配管30の第一部分31、および第二部分32の下方延伸部32aに対し、複数本のタンク下延伸部32b、およびタンク接続部32cを分岐接続するようにしてもよい。この場合も、各タンク21に接続されるタンク下延伸部32b、およびタンク接続部32cに、タンク21への液化二酸化炭素Lへの供給を断続するバルブ(図示無し)等を設けてもよい。
【0029】
また、
図3に示す構成では、複数のタンク21同士が、タンク下延伸部32b、およびタンク接続部32cを介して接続されている。このようにタンク下延伸部32b、およびタンク接続部32cを介して複数のタンク21同士が接続されている場合、複数のタンク21間で液化二酸化炭素Lの液面Lfの高さが異なっていれば、タンク下延伸部32b、およびタンク接続部32cを通して、液化二酸化炭素Lのやりとりを行うことができる。つまり、液化二酸化炭素Lの液面Lfが高いタンク21Aから、液化二酸化炭素Lの液面Lfが低いタンク21Bに向かって、例えばポンプを用いずに、重力により液化二酸化炭素Lを送り込むことも可能となる。
【0030】
上記実施形態では、積込配管30の第一部分31を、甲板5(外部に露出する全通甲板)上に延びるように設けたがこれに限らない。積込配管30の第一部分31は、甲板5以外の甲板、例えば、甲板5よりも上方に設けられた上部甲板や、甲板5よりも下方に設けられた乾舷甲板等の下部甲板に沿って設けるようにしてもよい。この場合、タンク21は、積込配管30の第一部分31が設けられた甲板(上部甲板や下部甲板)の上下の両空間に跨がるように設け、少なくとも上端21tが甲板上に突出するようにすればよい。
【0031】
<付記>
実施形態に記載の船舶1は、例えば以下のように把握される。
【0032】
(1)第1の態様に係る船舶1は、一対の舷側3A,3B及び甲板5を有する船体2と、少なくとも一部が前記甲板5よりも上方に突出して設けられ、液化二酸化炭素Lを貯留可能なタンク21と、前記タンク21の上端21tよりも下方に設けられ、船外から供給される液化二酸化炭素Lを前記タンク21内に積み込む積込配管30と、を備え、前記積込配管30は、前記甲板5上に延び、船外との連結部31jを有した第一部分31と、前記第一部分31から下方に延び、前記タンク21の下端21bに接続された第二部分32と、を備える。
甲板5の例としては、曝露甲板や、曝露甲板よりも下方に設けられた乾舷甲板等の下部甲板、曝露甲板よりも上方に設けられた上部甲板板等が挙げられる。
【0033】
この船舶1は、積込配管30が、タンク21の上端21tよりも下方に設けられている。これにより、タンク21の上部からタンク21内に積込配管30を接続する場合に比較し、積込配管30の最も高い位置の高さを抑えることができる。積込配管30の最も高い位置における液化二酸化炭素Lの圧力は、タンク21内に貯留される液化二酸化炭素Lの圧力に対し、高低差に応じたヘッド圧分だけ低くなるが、積込配管30の最も高い位置の高さを抑えることで、積込配管30の最も高い位置における液化二酸化炭素Lの圧力低下を抑えることができる。その結果、積込配管30の最も高い位置における液化二酸化炭素Lの圧力が、三重点圧力に近づくことを抑えられる。これにより、積込配管30内で液化二酸化炭素Lが凝固してドライアイスが生成されることを抑えられる。その結果、タンク21内に液化二酸化炭素Lを収容する場合において、積込配管30内でドライアイスが生成されるのを抑え、タンク21の運用を円滑に行うことが可能となる。
【0034】
(2)第2の態様に係る船舶1は、(1)の船舶1であって、前記第二部分32は、前記タンク21の下端21bに対し、下方から接続されている。
【0035】
この船舶1において、積込配管30の第二部分32がタンク21の下端21bに対して下方から接続されている。そのため、例えば、積込配管30を用いてタンク21内の液化二酸化炭素Lをタンク21から払い出す際に、液面Kfの位置によっては、重力を利用することが可能となる。したがって、液化二酸化炭素を払い出すためのポンプ運転時間を短縮したり、より能力の低いポンプを使用したりすることが可能となり、その結果、省エネルギー化やポンプの小型化を図ることが可能となる。
【0036】
(3)第3の態様に係る船舶1は、(2)の船舶1であって、前記タンク21の前記下端21bに接続される前記第二部分32の管端32tは、前記タンク21の下端21bにおける内周面21fと上下方向で同じ高さに設けられている。
【0037】
この船舶1において、積込配管30の第二部分32の上端21tを、タンク21の下端21bにおける内周面21fと上下方向で同じ高さに設けることで、タンク21内の液化二酸化炭素Lを払い出す際に、タンク21内に残留する液化二酸化炭素Lの量を抑えることができる。
【符号の説明】
【0038】
1…船舶
2…船体
2a…船首
2b…船尾
3A、3B…舷側
5…甲板
5g…挿通孔
5h…開口部
6…下部甲板
7…上部構造
8…貨物搭載区画
21、21A、21B…タンク
21b…下端
21f…内周面
21h…連通開口
21t…上端
22…サドル
30…積込配管
31…第一部分
31j…連結部
32…第二部分
32a…下方延伸部
32b…タンク下延伸部
32c…タンク接続部
32t…管端
100…供給管
Da…船首尾方向
Dv…上下方向
L…液化二酸化炭素
Lf…液面
h…高低差Δ