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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-08
(45)【発行日】2023-09-19
(54)【発明の名称】振れ補正機能付き光学ユニット
(51)【国際特許分類】
   G03B 5/00 20210101AFI20230911BHJP
   G03B 30/00 20210101ALI20230911BHJP
   H04N 23/55 20230101ALI20230911BHJP
   H04N 23/68 20230101ALI20230911BHJP
【FI】
G03B5/00 J
G03B30/00
H04N23/55
H04N23/68
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2019232777
(22)【出願日】2019-12-24
(65)【公開番号】P2021101217
(43)【公開日】2021-07-08
【審査請求日】2022-11-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000002233
【氏名又は名称】ニデックインスツルメンツ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100142619
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100125690
【弁理士】
【氏名又は名称】小平 晋
(74)【代理人】
【識別番号】100153316
【弁理士】
【氏名又は名称】河口 伸子
(72)【発明者】
【氏名】南澤 伸司
【審査官】門田 宏
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/221038(WO,A1)
【文献】特開2011-039113(JP,A)
【文献】特開2009-044856(JP,A)
【文献】特開2014-092598(JP,A)
【文献】特開2010-156814(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03B 5/00
H04N 23/55
H04N 23/68
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カメラモジュールを備える可動体と、
前記可動体を前記カメラモジュールの光軸と交差する第1軸回りに揺動可能に支持すると共に、前記可動体を前記光軸および前記第1軸と交差する第2軸回りに揺動可能に支持するジンバル機構と、
前記ジンバル機構を介して前記可動体を支持する固定体と、を有し、
前記ジンバル機構は、ジンバルフレームと、前記ジンバルフレームおよび前記固定体を前記第2軸回りに回転可能に接続する固定体接続機構を備え、
前記固定体接続機構は、球体および当該球体が固定された金属製のスラスト受け部材を備える固定体側ジンバルフレーム受け部材と、前記ジンバルフレームにおいて前記球体と接触する凹曲面を有する固定体側支持部と、を備え、
前記光軸に沿った方向を光軸方向とし、前記光軸方向の一方を第1方向とし、前記光軸方向の他方を第2方向とし、前記光軸回りを周方向とし、前記第2軸に沿った方向を第2軸方向とした場合に、
前記スラスト受け部材は、前記球体が固定された球体固定部を備え当該球体を介して前記固定体側支持部と前記第2軸方向で対向する板部と、前記板部の前記球体固定部よりも前記第2方向における前記周方向の両端から前記固定体側支持部が位置する側に突出して前記周方向で対向する一対の腕部と、前記板部の前記第1方向の端から前記固定体側支持部が位置する側に突出する足部と、を備え、
前記固定体は、前記可動体の外周側を囲む金属製のケースを備え、
前記固定体側ジンバルフレーム受け部材は、前記一対の腕部および前記足部が前記ケースの外周面に固定されて前記球体の中心を前記第2軸が通過する位置に保持され、
前記固定体側支持部は、前記第2軸方向で前記板部と前記ケースとの間に配置されることを特徴とする振れ補正機能付き光学ユニット。
【請求項2】
前記固定体側支持部は、前記光軸方向で前記腕部と前記足部との間に配置され、
前記固定体側支持部の前記周方向の幅は、前記一対の腕部の前記周方向の間隔よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の振れ補正機能付き光学ユニット。
【請求項3】
前記ジンバルフレームは、前記一対の腕部の間を経由して前記光軸方向に延びる第2ジンバルフレーム延設部を備え、
前記第2ジンバルフレーム延設部は、前記第1方向の先端に前記固定体側支持部を備えるとともに、前記固定体側支持部の前記第2方向に前記一対の腕部の間に位置する通過部を備え、
前記ケースは、前記第2方向の縁の前記第2軸上の位置を切り欠いた切欠き部を備えることを特徴とする請求項2に記載の振れ補正機能付き光学ユニット。
【請求項4】
前記一対の腕部および前記足部が前記ケースに溶接されていることを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載の振れ補正機能付き光学ユニット。
【請求項5】
前記ジンバル機構は、前記ジンバルフレームおよび前記可動体を前記第1軸回りに回転可能に接続する可動体接続機構を備え、
前記可動体接続機構は、前記球体および当該球体が固定された金属製の前記スラスト受け部材を備える可動体側ジンバルフレーム受け部材と、前記ジンバルフレームにおいて前記球体と接触する凹曲面を有する可動体側支持部と、を備え、
前記可動体は、前記カメラモジュールの外周側を囲む金属製のホルダを備え、
前記可動体側ジンバルフレーム受け部材は、前記一対の腕部および前記足部が前記ホルダの外周面に固定されて前記球体の中心を前記第1軸が通過する位置に保持され、
前記可動体側支持部は、前記第1軸方向で前記板部と前記ホルダとの間に配置されるこ
とを特徴とする請求項1から4の何れか一項に記載の振れ補正機能付き光学ユニット。
【請求項6】
前記一対の腕部および前記足部が前記ホルダに溶接されていることを特徴とする請求項5に記載の振れ補正機能付き光学ユニット。
【請求項7】
前記ジンバル機構は、前記ジンバルフレームおよび前記可動体を前記第1軸回りに回転可能に接続する可動体接続機構を備え、
前記可動体接続機構は、前記球体および当該球体が固定された金属製の前記スラスト受け部材を備える可動体側ジンバルフレーム受け部材と、前記ジンバルフレームにおいて前記球体と接触する凹曲面を有する可動体側支持部と、を備え、
前記カメラモジュールは、金属製のハウジングを備え、
前記可動体側ジンバルフレーム受け部材は、前記一対の腕部および前記足部が前記ハウジングの外周面に固定されて前記球体の中心を前記第1軸が通過する位置に保持され、
前記可動体側支持部は、前記第1軸方向で前記板部と前記ハウジングとの間に配置されることを特徴とする請求項1から4の何れか一項に記載の振れ補正機能付き光学ユニット。
【請求項8】
前記一対の腕部および前記足部が前記ハウジングに溶接されていることを特徴とする請求項7に記載の振れ補正機能付き光学ユニット。
【請求項9】
前記可動体側支持部は、前記光軸方向で前記可動体側ジンバルフレーム受け部材の前記腕部と前記足部との間に配置され、
前記可動体側支持部の前記周方向の幅は、前記一対の腕部の前記周方向の間隔よりも大きいことを特徴とする請求項5から8の何れか一項に記載の振れ補正機能付き光学ユニット。
【請求項10】
前記可動体側支持部および前記固定体側支持部は、それぞれ、前記凹曲面が形成された凸部と、前記凸部から前記周方向の両側へ延びる縁部を備え、
前記縁部は、前記凸部を中心として同心円状に形成されていることを特徴とする請求項5から9の何れか一項に記載の振れ補正機能付き光学ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ジンバル機構により可動体と固定体とを接続する振れ補正機能付き光学ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
携帯端末や移動体に搭載される光学ユニットには、携帯端末や移動体の移動時の撮影画像の乱れを抑制するために、カメラモジュールが搭載される可動体を所定の軸回りに回転させて振れを補正する機構を備えるものがある。特許文献1には、この種の振れ補正機能付き光学ユニットが開示される。
【0003】
特許文献1の振れ補正機能付き光学ユニットは、可動体と、固定体と、可動体と固定体とを接続するジンバル機構を備える。ジンバル機構は、可動体を第1軸回りおよび第1軸と直交する第2軸回りに回転可能に支持する。ジンバル機構は、金属製の矩形枠状のジンバルフレーム(バネ部材)と、ジンバルフレームと可動体および固定体とを接続する接続機構と、を備える。接続機構は、金属製の球体と、球体が固定された球体固定部(接合部)と、球体が接触する半球状凹部を備える球体支持部と、を備える。
【0004】
ジンバル機構において、球体固定部と球体支持部の一方はジンバルフレームの第1軸上の対角位置および第2軸上の対角位置に設けられ、他方は、可動体の第1軸上の対角位置、および、固定体の第2軸上の対角位置に設けられている。球体支持部は、例えば、半球状凹部が形成された金属製の支持部材(スラスト受け部材)を可動体および固定体に固定することによって構成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2015-217432号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
振れ補正機能付き光学ユニットを搭載する携帯端末や移動体が外部から衝撃を受けた場合には、接続機構には、可動体の重量など起因して回転軸線(第1軸および第2軸)と交差する方向の負荷がかかる場合がある。すなわち、接続機構には、光軸方向の負荷がかかる場合がある。従って、外部からの衝撃を受けると、ジンバルフレームが撓んで、球体固定部に固定された球体が球体支持部に設けられた半球状凹部から外れるおそれがある。その結果、ジンバルフレームが可動体および固定体から外れて、ジンバルフレームと可動体および固定体との接続状態が解除されるおそれがある。
【0007】
本発明者は、ジンバルフレームおよび可動体を回転可能に接続する接続機構を備えた振れ補正機能付き光学ユニットにおいて、ジンバルフレームが可動体および固定体から外れることを規制する抜け防止構造を提案している。すなわち、特願2019-197808の振れ補正機能付き光学ユニットは、可動体が樹脂製のホルダを備え、固定体が樹脂製のケースを備える。ホルダおよびケースには、半球状凹部を備えたスラスト受け部材を保持する保持部が設けられている。保持部は、スラスト受け部材が配置される凹部と、凹部に配置されるスラスト受け部材と対向する対向壁部を備えている。保持部は、半球状凹部が設けられたジンバルフレームの端部がスラスト受け部材と対向壁部との隙間を通過できないように対向壁部の配置を設定している。
【0008】
しかしながら、特願2019-197808で提案したジンバルフレームの抜け防止構造は、保持部に凹部および対向壁部を設ける必要があり、保持部の形状が複雑である。従って、保持部が設けられたホルダおよびケースを薄型化することが難しい。また、樹脂部品であるホルダおよびケースにジンバルフレームの抜け防止用の対向壁部を形成する構造では、強度確保のため薄型化に限界がある。従って、振れ補正機能付き光学ユニットの小型化に不利である。また、樹脂部品であるホルダおよびケースにジンバルフレームの抜け防止用の対向壁部を形成する構造では、樹脂部品に金属製のジンバルフレームが衝突することにより樹脂部品から異物(コンタミ)が飛散する。従って、異物が振れ補正機能付き光学ユニットの動作に悪影響を与えるおそれがある。
【0009】
本発明の課題は、このような点に鑑みて、ジンバルフレームの抜け防止を図るとともに、振れ補正機能付き光学ユニットの小型化を図り、さらに、ジンバルフレームと樹脂部品との衝突により異物が発生することを抑制することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するために、本発明の振れ補正機能付き光学ユニットは、カメラモジュールを備える可動体と、前記可動体を前記カメラモジュールの光軸と交差する第1軸回りに揺動可能に支持すると共に、前記可動体を前記光軸および前記第1軸と交差する第2軸回りに揺動可能に支持するジンバル機構と、前記ジンバル機構を介して前記可動体を支持する固定体と、を有し、前記ジンバル機構は、ジンバルフレームと、前記ジンバルフレームおよび前記固定体を前記第2軸回りに回転可能に接続する固定体接続機構を備え、前記固定体接続機構は、球体および当該球体が固定された金属製のスラスト受け部材を備える固定体側ジンバルフレーム受け部材と、前記ジンバルフレームにおいて前記球体と接触する凹曲面を有する固定体側支持部と、を備え、前記光軸に沿った方向を光軸方向とし、前記光軸方向の一方を第1方向とし、前記光軸方向の他方を第2方向とし、前記光軸回りを周方向とし、前記第2軸に沿った方向を第2軸方向とした場合に、前記スラスト受け部材は、前記球体が固定された球体固定部を備え当該球体を介して前記固定体側支持部と前記第2軸方向で対向する板部と、前記板部の前記球体固定部よりも前記第2方向における前記周方向の両端から前記固定体側支持部が位置する側に突出して前記周方向で対向する一対の腕部と、前記板部の前記第1方向の端から前記固定体側支持部が位置する側に突出する足部と、を備え、前記固定体は、前記可動体の外周側を囲む金属製のケースを備え、前記固定体側ジンバルフレーム受け部材は、前記一対の腕部および前記足部が前記ケースの外周面に固定されて前記球体の中心を前記第2軸が通過する位置に保持され、前記固定体側支持部は、前記第2軸方向で前記板部と前記ケースとの間に配置されることを特徴とする。
【0011】
本発明によれば、固定体とジンバルフレームとを第2軸回りに回転可能に接続する固定体接続機構は、固定体側ジンバルフレーム受け部材に設けられた球体と、ジンバルフレームの固定体側支持部に設けられた凹曲面とを備えている。従って、凹曲面に球体を点接触させることによって固定体とジンバルフレームとを接続できる。ここで、固定体側ジンバルフレーム受け部材は、球体が固定された板部と、板部から突出してケースの外周面に固定される一対の腕部と足部を備えており、固定体側支持部は、第2軸方向で板部とケースとの間に配置される。このように、固定体側ジンバルフレーム受け部材の腕部と足部を直接金属製のケースに固定することにより、板部とケースとの間に固定体側支持部を保持でき、ジンバルフレームの抜け防止を図ることができる。また、樹脂部材に固定体側ジンバルフレーム受け部材を保持する保持部を形成する場合と比較して、ケースの薄型化を図ることができる。従って、振れ補正機能付き光学ユニットの小型化を図ることができる。さらに、ジンバルフレームの固定体側支持部は金属製のケースとスラスト受け部材との間に保持されるので、ジンバルフレームと樹脂部品との衝突によって異物(コンタミ)が発生することを防止あるいは抑制できる。
【0012】
本発明において、前記固定体側支持部は、前記光軸方向で前記腕部と前記足部との間に配置され、前記固定体側支持部の前記周方向の幅は、前記一対の腕部の前記周方向の間隔よりも大きいことが好ましい。このようにすると、一対の腕部によって固定体側支持部の抜け防止を図ることができる。
【0013】
本発明において、前記ジンバルフレームは、前記一対の腕部の間を経由して前記光軸方向に延びる第2ジンバルフレーム延設部を備え、前記第2ジンバルフレーム延設部は、前記第1方向の先端に前記固定体側支持部を備えるとともに、前記固定体側支持部の前記第2方向に前記一対の腕部の間に位置する通過部を備え、前記ケースは、前記第2方向の縁の前記第2軸上の位置を切り欠いた切欠き部を備えることが好ましい。このようにすると、切欠き部に第2ジンバルフレーム延設部を配置できるので、ケースの外周面に固定側接続機構を配置する構成であっても、第2ジンバルフレーム延設部とケースとの干渉を避けることができる。
【0014】
本発明において、前記一対の腕部および前記足部が前記ケースに溶接されていることが好ましい。このようにすると、固定強度を高めることができる。また、組立時間を短縮できる。
【0015】
本発明において、前記ジンバル機構は、前記ジンバルフレームおよび前記可動体を前記第1軸回りに回転可能に接続する可動体接続機構を備え、前記可動体接続機構は、前記球体および当該球体が固定された金属製の前記スラスト受け部材を備える可動体側ジンバルフレーム受け部材と、前記ジンバルフレームにおいて前記球体と接触する凹曲面を有する可動体側支持部と、を備え、前記可動体は、前記カメラモジュールの外周側を囲む金属製のホルダを備え、前記可動体側ジンバルフレーム受け部材は、前記一対の腕部および前記足部が前記ホルダの外周面に固定されて前記球体の中心を前記第1軸が通過する位置に保持され、前記可動体側支持部は、前記第1軸方向で前記板部と前記ホルダとの間に配置されることが好ましい。このようにすると、可動体接続機構においても、可動体側ジンバルフレーム受け部材の腕部と足部を直接金属製のホルダに固定することにより、可動体側ジンバルフレーム受け部材とホルダとの間に可動体側支持部を保持でき、ジンバルフレームの抜け防止を図ることができる。また、樹脂部材のホルダに可動体側ジンバルフレーム受け部材を保持する保持部を形成する場合と比較して、ホルダの薄型化を図ることができる。従って、振れ補正機能付き光学ユニットの小型化を図ることができる。さらに、ジンバルフレームの可動体側支持部は金属製のホルダとスラスト受け部材との間に保持されるので、ジンバルフレームと樹脂部品との衝突によって異物(コンタミ)が発生することを抑制できる。また、固定体側ジンバルフレーム受け部材と同一の可動体側ジンバルフレーム受け部材を用いることができるので、固定体接続機構と可動体接続機構で部品の共通化を図ることができる。
【0016】
この場合に、前記一対の腕部および前記足部が前記ホルダに溶接されていることが好ましい。このようにすると、固定強度を高めることができる。また、組立時間を短縮できる。
【0017】
本発明において、前記ジンバル機構は、前記ジンバルフレームおよび前記可動体を前記第1軸回りに回転可能に接続する可動体接続機構を備え、前記可動体接続機構は、前記球体および当該球体が固定された金属製の前記スラスト受け部材を備える可動体側ジンバルフレーム受け部材と、前記ジンバルフレームにおいて前記球体と接触する凹曲面を有する可動体側支持部と、を備え、前記カメラモジュールは、金属製のハウジングを備え、前記可動体側ジンバルフレーム受け部材は、前記一対の腕部および前記足部が前記ハウジングの外周面に固定されて前記球体の中心を前記第1軸が通過する位置に保持され、前記可動
体側支持部は、前記第1軸方向で前記板部と前記ハウジングとの間に配置されることが好ましい。このようにすると、可動体接続機構においても、可動体側ジンバルフレーム受け部材の腕部と足部を直接金属製のハウジングに固定することにより、可動体側ジンバルフレーム受け部材とカメラモジュールのハウジングとの間に可動体側支持部を保持でき、ジンバルフレームの抜け防止を図ることができる。また、カメラモジュールのハウジングに直接、可動体側ジンバルフレーム受け部材を固定するので、可動体の小型化を図ることができる。従って、振れ補正機能付き光学ユニットの小型化を図ることができる。さらに、ジンバルフレームの可動体側支持部は金属製のハウジングとスラスト受け部材との間に保持されるので、ジンバルフレームと樹脂部品との衝突によって異物が発生することを抑制できる。また、固定体側ジンバルフレーム受け部材と同一の可動体側ジンバルフレーム受け部材を用いることができるので、固定体接続機構と可動体接続機構で部品の共通化を図ることができる。
【0018】
この場合に、前記一対の腕部および前記足部が前記ハウジングに溶接されていることが好ましい。このようにすると、固定強度を高めることができる。また、組立時間を短縮できる。
【0019】
本発明において、前記可動体側支持部は、前記光軸方向で前記可動体側ジンバルフレーム受け部材の前記腕部と前記足部との間に配置され、前記可動体側支持部の前記周方向の幅は、前記一対の腕部の前記周方向の間隔よりも大きいことが好ましい。このようにすると、一対の腕部によって可動体側支持部の抜け防止を図ることができる。
【0020】
本発明において、前記可動体側支持部および前記固定体側支持部は、それぞれ、前記凹曲面が形成された凸部と、前記凸部から前記周方向の両側へ延びる縁部を備え、前記縁部は、前記凸部を中心として同心円状に形成されていることが好ましい。このように、同心円状の縁部を設けることにより、ジンバルフレームが第2軸回りもしくは第1軸回りに傾いて組み立てられたとしても、縁部の周方向への突出寸法が変化しない。従って、ジンバルフレームが第2軸回りに傾いたことによって固定体側支持部がスラスト受け部材から抜けてしまうことを防止できるとともに、ジンバルフレームが第1軸回りに傾いたことによって可動体側支持部がスラスト受け部材から抜けてしまうことを防止できる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、固定体とジンバルフレームとを第2軸回りに回転可能に接続する固定体接続機構は、固定体側ジンバルフレーム受け部材に設けられた球体と、ジンバルフレームの固定体側支持部に設けられた凹曲面とを備えている。従って、凹曲面に球体を点接触させることによって固定体とジンバルフレームとを接続できる。ここで、固定体側ジンバルフレーム受け部材は、球体が固定された板部と、板部から突出してケースの外周面に固定される一対の腕部と足部を備えており、固定体側支持部は、第2軸方向で板部とケースとの間に配置される。このように、固定体側ジンバルフレーム受け部材の腕部と足部を直接金属製のケースに固定することにより、固定体側ジンバルフレーム受け部材とケースとの間に固定体側支持部を保持でき、ジンバルフレームの抜け防止を図ることができる。また、樹脂部材のケースに固定体側ジンバルフレーム受け部材を保持する保持部を形成する場合と比較して、ケースの薄型化を図ることができる。従って、振れ補正機能付き光学ユニットの小型化を図ることができる。さらに、ジンバルフレームの固定体側支持部は金属製のケースとスラスト受け部材との間に保持されるので、ジンバルフレームと樹脂部品との衝突によって異物が発生することを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明を適用した振れ補正機能付き光学ユニットの斜視図である。
図2】振れ補正機能付き光学ユニットの分解斜視図である。
図3】第1カバーおよび第2カバーを外した振れ補正機能付き光学ユニットの平面図である。
図4】第1カバーを外した振れ補正機能付き光学ユニットの斜視図である。
図5】第1カバーを外した振れ補正機能付き光学ユニットの分解斜視図である。
図6】ジンバルフレーム受け部材の分解斜視図である。
図7】ジンバルフレームの側面図と、ジンバルフレームおよびジンバルフレーム受け部材の側面図である。
図8】カメラモジュール、可動体接続機構、およびジンバルフレームの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に図面を参照して、本発明を適用した振れ補正機能付き光学ユニットの実施形態を説明する。
【0024】
(全体構成)
図1は、振れ補正機能付き光学ユニット1の斜視図である。図2は、振れ補正機能付き光学ユニット1の分解斜視図である。図3は、第1カバー8および第2カバー9を外した振れ補正機能付き光学ユニット1の平面図である。図4は、第1カバー8を外した振れ補正機能付き光学ユニット1の斜視図である。図5は、第1カバー8を外した振れ補正機能付き光学ユニット1の分解斜視図である。
【0025】
図1図2に示すように、振れ補正機能付き光学ユニット1は、レンズ2などの光学素子を備えたカメラモジュール3を有する。振れ補正機能付き光学ユニット1は、例えば、カメラ付き携帯電話機、ドライブレコーダー等の撮影機器、或いは、ヘルメット、自転車、ラジコンヘリコプター等の移動体に搭載されるアクションカメラやウエアラブルカメラに搭載される。これらの光学機器では、撮影時に光学機器が傾くと、カメラモジュール3が傾いて、撮影画像が乱れる。振れ補正機能付き光学ユニット1は、撮影画像の乱れを回避するために、ジャイロスコープ等の検出手段によって検出された加速度や角速度、振れ量等に基づいて、カメラモジュール3の傾きを補正する。
【0026】
以下の説明では、互いに直交する3軸をX軸、Y軸、Z軸とする。また、X軸に沿った方向をX軸方向、X軸方向の一方側を-X方向、他方側を+X方向とする。Y軸に沿った方向をY軸方向、Y軸方向の一方側を-Y方向、他方側を+Y方向とする。Z軸に沿った方向をZ軸方向、Z軸方向の一方側を-Z方向、他方側を+Z方向とする。Z軸方向は、カメラモジュール3の光軸Lに沿った光軸方向である。-Z方向は、光軸方向の一方であり、第1方向である。+Z方向は、光軸方向の他方であり、第2方向である。また、-Z方向(第1方向)は、カメラモジュール3の像側であり、+Z方向(第2方向)は、カメラモジュール3の被写体側である。
【0027】
図1図2に示すように、振れ補正機能付き光学ユニット1は、カメラモジュール3を備えた可動体4と、可動体4を回転可能に支持するジンバル機構5と、ジンバル機構5を介して可動体4を支持する固定体6と、固定体6に対して可動体4を揺動させる振れ補正用駆動機構7を備える。振れ補正機能付き光学ユニット1は、カメラモジュール3の光軸Lと交差し、且つ、互いに交差する2軸回りに可動体4を揺動させて振れ補正を行う。本形態では、振れ補正機能付き光学ユニット1は、カメラモジュール3の光軸Lと直交し、且つ、互いに直交する2軸回りに可動体4を揺動させて振れ補正を行う。すなわち、振れ補正機能付き光学ユニット1では、X軸回りの振れ補正と、Y軸回りの振れ補正と、を行うことにより、ピッチング方向の振れ補正、および、ヨーイング方向の振れ補正を行う。
【0028】
可動体4は、ジンバル機構5により、光軸Lと直交する第1軸R1回りに回転可能に支
持されるとともに、光軸Lおよび第1軸R1と直交する第2軸R2回りに回転可能に支持される。第1軸R1および第2軸R2は、X軸およびY軸に対して45度傾斜する。第1軸R1回りの回転および第2軸R2回りの回転を合成することにより、可動体4は、X軸回りおよびY軸回りに回転する。以下、第1軸R1と一致する軸方向を第1軸方向とし、第2軸R2と一致する軸方向を第2軸方向とする。
【0029】
図2図3図4に示すように、ジンバル機構5は、ジンバルフレーム10と、可動体4の第1軸R1上の対角位置に設けられる可動体接続機構11と、固定体6の第2軸R2上の対角位置に設けられる固定体接続機構12と、を備える。ジンバルフレーム10は、金属製の板ばねである。可動体接続機構11は、ジンバルフレーム10および可動体4を第1軸R1回りに回転可能に接続する。固定体接続機構12は、ジンバルフレーム10および固定体6を第2軸R2回りに回転可能に接続する。
【0030】
図6は、ジンバルフレーム受け部材17の分解斜視図である。図6(a)は、径方向外側から見た分解斜視図であり、図6(b)は、径方向内側から見た分解斜視図である。可動体接続機構11および固定体接続機構12は、金属製の球体15および当該球体15が固定された金属製のスラスト受け部材16を備えるジンバルフレーム受け部材17と、ジンバルフレーム10において球体15と接触する凹曲面19を有する支持部20と、を備える。図2に示すように、可動体接続機構11のジンバルフレーム受け部材17は、カメラモジュール3に固定される。また、固定体接続機構12のジンバルフレーム受け部材17は、固定体6を構成する金属製のケース50に固定される。
【0031】
ここで、可動体4に固定されるジンバルフレーム受け部材17を可動体側ジンバルフレーム受け部材とし、固定体6に固定されるジンバルフレーム受け部材17を固定体側ジンバルフレーム受け部材とする場合に、可動体側ジンバルフレーム受け部材と固定体側ジンバルフレーム受け部材とは同一の部材なので、同一の符号17を付して説明する。また、ジンバルフレーム10において、可動体4に固定されたジンバルフレーム受け部材17(可動体側ジンバルフレーム受け部材)と接触する凹曲面19を有する支持部20を可動体側支持部とし、固定体6に固定されたジンバルフレーム受け部材17(固定体側ジンバルフレーム受け部材)と接触する凹曲面19を有する支持部20を固定体側支持部とする場合に、可動体側支持部と固定体側支持部とは同一の構成を備えるので、同一の符号20を付して説明する。
【0032】
図2図3に示すように、振れ補正用駆動機構7は、可動体4をX軸回りに回転させる駆動力を発生させる第1磁気駆動機構7Xと、可動体4をY軸回りに回転させる駆動力を発生させる第2磁気駆動機構7Yを備える。第1磁気駆動機構7Xは、可動体4の-Y方向側に配置される。第2磁気駆動機構7Yは、可動体4の-X方向側に配置される。図3に示すように、第1磁気駆動機構7Xは、1組の磁石25Xおよびコイル26Xを備える。第2磁気駆動機構7Yは、1組の磁石25Yおよびコイル26Yを備える。第1磁気駆動機構7Xの磁石25Xおよびコイル26Xは、Y軸方向で対向する。第2磁気駆動機構7Yの磁石25Yおよびコイル26Yは、X軸方向で対向する。本例では、磁石25X、25Yは可動体4に配置され、コイル26X、26Yは固定体6に配置される。なお、磁石25X、25Yを固定体6に配置し、コイル26X、26Yを可動体4に配置することもできる。
【0033】
(可動体)
図2に示すように、可動体4は、カメラモジュール3からなる。カメラモジュール3は、Z軸方向から見た場合の形状が8角形のハウジング32と、ハウジング32の中央部分から第2方向に突出する鏡筒部33と、ハウジング32の-Z方向の端部に配置される基板34を備える。カメラモジュール3は、鏡筒部33に保持されるレンズ2と、基板34
に搭載される撮像素子(不図示)を備える。撮像素子はハウジング32に収容され、レンズ2の光軸L上に配置される。
【0034】
図2図3に示すように、ハウジング32は、鏡筒部33の-X方向でY軸方向に延びる第1側板部35、および鏡筒部33の+X方向でハウジング32の側面に沿ってY軸方向に延びる第2側板部36を備える。また、ハウジング32は、鏡筒部33の-Y方向でハウジング32の側面に沿ってX軸方向に延びる第3側板部37、および鏡筒部33の+Y方向でハウジング32の側面に沿ってX軸方向に延びる第4側板部38を備える。
【0035】
図3に示すように、第1側板部35には、第2磁気駆動機構7Yの磁石25Yが固定される。第3側板部37には、磁石25Xが固定される。ハウジング32は磁性材料からなり、磁石25X、25Yに対するヨークとして機能する。磁石25X、25Yは、径方向外側を向く面の磁極が、Z軸方向の中央を周方向に延びる着磁分極線を境にして異なるように着磁されている。
【0036】
図2図3に示すように、ハウジング32において、第1側板部35と第3側板部37との間には、第1側板部35と第3側板部37に対して45°傾斜した第5側板部39が形成されている。第2側板部36と第4側板部38との間には、第2側板部36と第4側板部38に対して45°傾斜した第6側板部40が形成されている。第1側板部35と第4側板部38との間には、第1側板部35と第4側板部38に対して45°傾斜した第7側板部41が形成されている。第2側板部36と第3側板部37との間には、第2側板部36と第3側板部37に対して45°傾斜した第8側板部42が形成されている。ハウジング32の第1軸方向の対角位置に配置される第5側板部39および第6側板部40には、それぞれ、可動体接続機構11のジンバルフレーム受け部材17(可動体側ジンバルフレーム受け部材)が固定される。
【0037】
(固定体)
図1図2に示すように、固定体6は、金属製のケース50と、ケース50に+Z方向の側から被せられた第1カバー8と、ケース50を-Z方向の側から覆う第2カバー9と、を備える。固定体6には、フレキシブルプリント基板60に固定されたコイル26X、26Yが保持される。ケース50は、可動体4の外周側を囲む枠状である。ケース50、第1カバー8、および第2カバー9は非磁性の金属からなる。ケース50、第1カバー8、および第2カバー9は、溶接により互いに固定される。第1カバー8は、略矩形の開口部を備えている。図1に示すように、振れ補正機能付き光学ユニット1は、ジンバルフレーム10の一部が、第1カバー8の開口部から+Z方向に突出する。また、ジンバルフレーム10の径方向の中央に設けられた中央穴73からは、カメラモジュール3の鏡筒部33が+Z方向に突出する。
【0038】
ケース50は、可動体4の-X方向でY軸方向に延びる第1枠部51、可動体4の+X方向でY軸方向に延びる第2枠部52、可動体4の-Y方向でX軸方向に延びる第3枠部53、および可動体4の+Y方向でX軸方向に延びる第4枠部54を備える。ケース50において、第1枠部51と第4枠部54との間には、第1枠部51および第4枠部54に対して45°傾斜した第1傾斜枠部55が形成されている。また、第2枠部52と第3枠部53との間には、第2枠部52および第3枠部53に対して45°傾斜した第2傾斜枠部56が形成されている。さらに、第1枠部51と第3枠部53との間には、第1枠部51および第3枠部53に対して45°傾斜した第3傾斜枠部57が形成されている。
【0039】
図2図3に示すように、第1傾斜枠部55および第2傾斜枠部56には、それぞれ、固定体接続機構12のジンバルフレーム受け部材17(固定体側ジンバルフレーム受け部材)が固定される。図3図4図5に示すように、第1傾斜枠部55および第2傾斜枠
部56は、+Z方向の縁から-Z方向へ切り欠いた切欠き部14を備えており、ジンバルフレーム受け部材17は、切欠き部14の-Z方向に配置される。
【0040】
第1枠部51および第3枠部53には、コイル配置穴58が設けられている。各コイル配置穴58は、貫通穴であり、それぞれ第1磁気駆動機構7Xのコイル26X、および、第2磁気駆動機構7Yのコイル26Yが配置される。コイル26X、26Yは、周方向に長い長円形の空芯コイルであり、+Z方向側および-Z方向側に位置する2本の長辺が有効辺として利用される。第1枠部51および第3枠部53の径方向外側には、フレキシブルプリント基板60が固定されている。フレキシブルプリント基板60は、第3枠部53のコイル配置穴58に対して径方向外側から重なる第1基板部分61、および、第1枠部51のコイル配置穴58に対して径方向外側から重なる第2基板部分62を備える。第1基板部分61には、コイル26Xが固定され、第2基板部分62にコイル26Yが固定される。コイル26Xおよびコイル26Yは、フレキシブルプリント基板60に電気的に接続されている。
【0041】
第1基板部分61および第2基板部分62には、それぞれ、矩形の磁性板64が配置される。第1基板部分61に配置された磁性板64は、磁石25Xと対向しており、可動体4をX軸回りの回転方向における基準回転位置に復帰させるための磁気バネを構成する。また、第2基板部分62に配置された磁性板64は、磁石25Yと対向しており、可動体4をY軸回りの回転方向における基準回転位置に復帰させるための磁気バネを構成する。また、コイル26X、26Yの中心穴と重なる位置には、磁気センサ65が配置される。磁気センサ65は、例えば、ホール素子である。振れ補正機能付き光学ユニット1は、コイル26Xの中心に配置される磁気センサ65の出力から、可動体4のX軸回りの揺動角度を検出する。また、コイル26Yの中心に配置される磁気センサ65の出力から、可動体4のY軸回りの揺動角度を検出する。
【0042】
(ジンバルフレーム)
図2図3に示すように、ジンバルフレーム10は、Z軸方向から見て略正方形のジンバルフレーム本体部70と、ジンバルフレーム本体部70における第1軸方向の対角位置から径方向外側に向かって-Z方向に屈曲してZ軸方向に延びる第1ジンバルフレーム延設部71と、ジンバルフレーム本体部70における第2軸方向の対角位置から径方向外側に向かって-Z方向に屈曲してZ軸方向に延びる第2ジンバルフレーム延設部72と、を備える。ジンバルフレーム本体部70の中央には、ジンバルフレーム本体部70を貫通する中央穴73が設けられている。図2に示すように、ジンバルフレーム本体部70は、Z軸方向から見た場合にカメラモジュール3のハウジング32と重なる。
【0043】
図7(a)は、ジンバルフレーム10の側面図であり、第1軸方向から見た図である。図7(b)は、ジンバルフレーム10およびジンバルフレーム受け部材17の側面図であり、第2軸方向から見た図である。図5図7に示すように、ジンバルフレーム本体部70は、第2軸方向の中央で第1軸方向に延びる長方形形状の中央板部分75と、中央板部分75から第2軸方向の両側に向かって+Z方向に傾斜する台形形状の一対の角板部分76を備える。ジンバルフレーム本体部70は、第2軸方向の角板部分76が中央板部分75よりも可動体4から離間している。従って、ジンバルフレーム10の-Z方向側で可動体4が第1軸R1回りに回転して可動体4の第2軸方向の両端がZ軸方向に移動した場合においても、可動体4とジンバルフレーム10とが衝突することを回避できる。
【0044】
図5図7に示すように、第1ジンバルフレーム延設部71は、ジンバルフレーム本体部70の中央板部分75から第1軸方向に向かって-Z方向に傾斜する第1ジンバルフレーム延設部第1延設部分81と、第1ジンバルフレーム延設部第1延設部分81の-Z方向でZ軸方向に延びる第1ジンバルフレーム延設部第2延設部分82とを備える。第1ジ
ンバルフレーム延設部71は、第1ジンバルフレーム延設部第2延設部分82の-Z方向の先端に、可動体接続機構11を構成する支持部20(可動体側支持部)を備える。支持部20は、径方向外側の端面の周方向の中央部分に、径方向内側に窪む凹曲面19を備える。
【0045】
第1ジンバルフレーム延設部71の先端に設けられた支持部20(可動体側支持部)は、周方向の中央部分に、径方向内側に突出する凸部21を備える。凸部21は、第1ジンバルフレーム延設部第2延設部分82にプレス加工によって形成されている。凹曲面19は、凸部21に形成されている。また、支持部20(可動体側支持部)は、凸部21から周方向の両側へ延びる縁部22を備える。縁部22は、凸部21の周方向の両側において、凸部21を中心として同心円状に形成されている。ここで、凹曲面19の曲率半径は、可動体接続機構11を構成する球体15の曲率半径よりも大きい。また、第1ジンバルフレーム延設部第2延設部分82は、支持部20の+Z方向に、周方向の幅が支持部20よりも狭い通過部84を備える。
【0046】
図5図7に示すように、第2ジンバルフレーム延設部72は、ジンバルフレーム本体部70の一対の角板部分76のそれぞれから第2軸方向に向かって-Z方向に傾斜する第2ジンバルフレーム延設部第1延設部分85と、第2ジンバルフレーム延設部第1延設部分85の-Z方向の端からZ軸方向に延びる第2ジンバルフレーム延設部第2延設部分86とを備える。第2ジンバルフレーム延設部72は、第2ジンバルフレーム延設部72第2延設部の第1方向の先端に、固定体接続機構12を構成する支持部20(固定体側支持部)を備える。支持部20は、径方向外側の端面の周方向の中央部分に、径方向内側に窪む凹曲面19を備える。
【0047】
第2ジンバルフレーム延設部72の先端に設けられた支持部20(固定体側支持部)は、第1ジンバルフレーム延設部71の先端に設けられた支持部20(可動体側支持部)と同一形状である。また、第2ジンバルフレーム延設部第2延設部分86は、支持部20の+Z方向に、周方向の幅が支持部20よりも狭い通過部84を備える。
【0048】
(可動体接続機構および固定体接続機構の共通部分の構成)
次に、可動体接続機構11および固定体接続機構12をより詳細に説明する。本形態では、可動体接続機構11および。固定体接続機構12は、共通する構成を備える。すなわち、カメラモジュール3のハウジング32、および、ケース50に固定されたジンバルフレーム受け部材17は、同一の部材である。また、ジンバルフレーム10には、第1軸R1上の対角位置、および第2軸R2上の対角位置に、同一形状の支持部20が設けられ、各支持部20には、ジンバルフレーム受け部材17の球体15に点接触する凹曲面19が形成されている。
【0049】
(ジンバルフレーム受け部材)
図6に示すように、ジンバルフレーム受け部材17は、金属製の球体15および当該球体15が固定された金属製のスラスト受け部材16を備える。スラスト受け部材16は、球体15が固定された球体固定部90を備える板部91と、板部91の-Z方向(第1方向)の端から第1軸方向に直角に屈曲する足部92を備える。
【0050】
板部91は、全体としてZ軸方向(光軸方向)に長い長方形形状である。球体固定部90は、板部91に設けられた円形の貫通穴である。貫通穴の内径寸法は、球体15の直径よりも小さい。球体15は、球体固定部90に部分的に挿入された状態で、溶接によってスラスト受け部材16に固定される。
【0051】
さらに、スラスト受け部材16は、板部91の球体固定部90よりも+Z方向(第2方
向)における周方向の両端から第1軸方向もしくは第2軸方向を支持部20が位置する側に突出する一対の腕部94を備える。可動体接続機構11では、腕部94が第1軸方向へ突出し、固定体接続機構12では、腕部94が第2軸方向へ突出する。一対の腕部94は、周方向で対向する。図6に示すように、一対の腕部94のそれぞれは、板部91の周方向の端から第1軸方向もしくは第2軸方向に屈曲する突出板部分95と、突出板部分95の板部91とは反対側の端から周方向を板部91とは反対側に屈曲する延設板部分96と、を備える。
【0052】
足部92は、板部91の-Z方向(第1方向)の端から第1軸方向に直角に屈曲する足部突出板部分97と、足部突出板部分97における板部91とは反対側の端から-Z方向(第1方向)に直角に屈曲する足部延設板部分98を備える。足部延設板部分98と板部91との距離は、一対の腕部94に設けられた延設板部分96と板部91との距離と同一である。また、足部突出板部分97は、足部延設板部分98と繋がる先端部分の周方向の幅が、板部91の周方向の幅よりも狭くなっている。
【0053】
図7(b)に示すように、可動体接続機構11では、スラスト受け部材16の板部91は、球体15を介して第1ジンバルフレーム延設部71の支持部20と第1軸方向で対向する。同様に、固定体接続機構12では、スラスト受け部材16の板部91は、球体15を介して第2ジンバルフレーム延設部72の支持部20と第2軸方向で対向する。足部92は、支持部20の-Z方向に位置し、Z軸方向で支持部20と対向する。
【0054】
(可動体接続機構)
図8は、カメラモジュール3、可動体接続機構11、およびジンバルフレーム10の斜視図である。図3図8に示すように、カメラモジュール3の第1軸方向の外周面が設けられた第5側板部39および第6側板部40には、それぞれ、ジンバルフレーム受け部材17(可動体側ジンバルフレーム受け部材)が固定される。ジンバルフレーム受け部材17(可動体側ジンバルフレーム受け部材)は、第1軸R1が球体15の中心を通過する位置に固定されるので、第1ジンバルフレーム延設部71の支持部20の凹曲面19と球体15とが第1軸R1線上で点接触する。これにより、図3図4に示すように、ジンバルフレーム10と可動体4とを第1軸R1回りに回転可能に接続する可動体接続機構11が構成される。可動体接続機構11を組み立てる際には、第1ジンバルフレーム延設部71の先端に設けられた支持部20を足部92と腕部94の間に挿入してから、スラスト受け部材16を第5側板部39および第6側板部40に固定する。
【0055】
図8に示すように、ハウジング32の第6側板部40は、スラスト受け部材16の板部91と第1軸方向に対向する対向壁部を形成している。支持部20は、第1軸方向で板部91と第5側板部39との間に配置される。スラスト受け部材16は、一対の腕部94の先端に設けられた延設板部分96、および、足部92の先端に設けられた足部延設板部分98が第5側板部39に当接する。本形態では、カメラモジュール3のハウジング32は金属製であり、スラスト受け部材16は溶接により第5側板部39に固定される。そのため、一対の延設板部分96および足部延設板部分98は溶接痕を備える。第5側板部39に対するスラスト受け部材16の固定構造は同一であるため、説明は省略する。
【0056】
第1ジンバルフレーム延設部71は、ジンバルフレーム10の第1軸方向の対角位置の2箇所に設けられている。2箇所の第1ジンバルフレーム延設部71は、内周側へ撓んだ状態とされ、ハウジング32の第1軸方向の対角位置に設けられた第5側板部39とスラスト受け部材16との間、および、第6側板部40とスラスト受け部材16との間に配置される。これにより、第1ジンバルフレーム延設部71は外周側へ付勢されるので、支持部20は球体15に向けて付勢される。従って、凹曲面19と球体15とが確実に接触する。
【0057】
第1ジンバルフレーム延設部71の支持部20に設けられた凹曲面19と球体15とを接触させた状態では、第1ジンバルフレーム延設部第2延設部分82は、一対の腕部94の間を経由してZ軸方向に延びる。より具体的には、図8に示すように、第1ジンバルフレーム延設部第2延設部分82の-Z方向の先端に設けられた支持部20(可動体側支持部)は、一対の腕部94の-Z方向に位置し、通過部84は、一対の腕部94の間に位置する。また、支持部20の-Z方向には、足部92が配置される。
【0058】
図5に示すように、支持部20の周方向の幅H1は、通過部84の周方向の幅H2よりも長く、かつ、一対の腕部94の周方向の間隔H3よりも長い。なお、図5に示す寸法H1、H2、H3は固定体接続機構12における支持部20とスラスト受け部材16の寸法であるが、可動体接続機構11においても支持部20およびスラスト受け部材16の寸法は同一である。支持部20は、凹曲面19が設けられた凸部21が一対の腕部94の間に配置され、凸部21の周方向の両側へ延びる縁部22は、Z軸方向(光軸方向)から見た場合に、一対の腕部94と重なる。従って、一対の腕部94は、支持部20が+Z方向へ抜けることを規制している。
【0059】
(固定体接続機構)
図4に示すように、ケース50の第2軸方向の外周面が設けられた第1傾斜枠部55および第2傾斜枠部56には、それぞれ、ジンバルフレーム受け部材17(可動体側ジンバルフレーム受け部材)が固定される。ジンバルフレーム受け部材17(固定体側ジンバルフレーム受け部材)は、第2軸R2が球体15の中心を通過する位置に固定されるので、第2ジンバルフレーム延設部72の支持部20の凹曲面19と球体15とが第2軸R2線上で点接触する状態となる。これにより、図3図4に示すように、ジンバルフレーム10と固定体6とを第2軸R2回りに回転可能に接続する固定体接続機構12が構成される固定体接続機構12を組み立てる際には、第2ジンバルフレーム延設部72の先端に設けられた支持部20を足部92と腕部94の間に挿入してから、スラスト受け部材16を第1傾斜枠部55および第2傾斜枠部56に固定する。
【0060】
図4に示すように、ケース50の第2傾斜枠部56は、スラスト受け部材16の板部91と第1軸方向に対向する対向壁部を形成している。支持部20は、第1軸方向で板部91と第2傾斜枠部56との間に配置される。スラスト受け部材16は、一対の腕部94の先端に設けられた延設板部分96、および、足部92の先端に設けられた足部延設板部分98が第2傾斜枠部56に当接する。本形態では、固定体6のケース50は金属製であるため、スラスト受け部材16は溶接により第2傾斜枠部56に固定される。そのため、一対の延設板部分96および足部延設板部分98は溶接痕を備える。第1傾斜枠部55に対するスラスト受け部材16の固定構造は同一であるため、説明は省略する。
【0061】
第2ジンバルフレーム延設部72は、ジンバルフレーム10の第2軸方向の対角位置の2箇所に設けられている。2箇所の第2ジンバルフレーム延設部72は、内周側へ撓んだ状態とされ、ケース50の第2軸方向の対角位置に設けられた第1傾斜枠部55とスラスト受け部材16との間、および、第2傾斜枠部56とスラスト受け部材16との間に配置される。これにより、第2ジンバルフレーム延設部72は外周側へ付勢されるので、支持部20は球体15に向けて付勢される。従って、凹曲面19と球体15とが確実に接触する。
【0062】
図5に示すように、ケース50は、第2軸R2上に位置する第1傾斜枠部55および第2傾斜枠部56の+Z方向の縁を切り欠いた切欠き部14を備える。切欠き部14の周方向の幅寸法は、第2ジンバルフレーム延設部第1延設部分85の周方向の幅よりも大きい。図4に示すように、第2ジンバルフレーム延設部第1延設部分85は、Z軸方向に対し
て傾斜した方向へ延びており、切欠き部14を通過して第1傾斜枠部55および第2傾斜枠部56の外周側に配置される固定体接続機構12に接続される。
【0063】
第2ジンバルフレーム延設部72における支持部20の凹曲面19と球体15とを接触させた状態では、第2ジンバルフレーム延設部第2延設部分86は、一対の腕部94の間を経由してZ軸方向に延びる。より具体的には、図4に示すように、第2ジンバルフレーム延設部第2延設部分86の-Z方向の先端に設けられた支持部20(固定体側支持部)は、一対の腕部94の-Z方向に位置し、通過部84は、一対の腕部94の間に位置する。また、支持部20の-Z方向には、足部92が配置される
【0064】
図5に示すように、固定体接続機構12の支持部20の周方向の幅H1は、通過部84の周方向の幅H2よりも長く、かつ、一対の腕部94の周方向の間隔H3よりも長い。支持部20は、凹曲面19が設けられた凸部21が一対の腕部94の間に配置されるとともに、凸部21の周方向の両側へ延びる縁部22は、Z軸方向(光軸方向)から見た場合に、一対の腕部94と重なる。従って、一対の腕部94は、支持部20が+Z方向へ抜けることを規制している。
【0065】
(本形態の主な作用効果)
以上のように、本形態の振れ補正機能付き光学ユニットは、カメラモジュール3を備える可動体4と、可動体4をカメラモジュール3の光軸Lと交差する第1軸R1回りに揺動可能に支持すると共に、可動体4を光軸Lおよび第1軸R1と交差する第2軸R2回りに揺動可能に支持するジンバル機構5と、ジンバル機構5を介して可動体4を支持する固定体6と、を有する。ジンバル機構5は、ジンバルフレーム10と、ジンバルフレーム10および固定体6を第2軸R2回りに回転可能に接続する固定体接続機構12を備え、固定体接続機構12は、球体15および当該球体15が固定された金属製のスラスト受け部材16を備えるジンバルフレーム受け部材17(固定体側ジンバルフレーム受け部材)と、ジンバルフレーム10において球体15と接触する凹曲面19を有する支持部20(固定体側支持部)を備える。光軸Lに沿った方向を光軸方向とし、光軸方向の一方を-Z方向(第1方向)とし、光軸方向の他方を+Z方向(第2方向)とし、光軸L回りを周方向とし、第2軸R2に沿った方向を第2軸方向とした場合に、スラスト受け部材16は、球体15が固定された球体固定部90を備え当該球体15を介して支持部20(固定体側支持部)と第2軸方向で対向する板部91と、板部91の球体固定部90よりも第2方向における周方向の両端から支持部20(固定体側支持部)が位置する側に突出して周方向で対向する一対の腕部94と、板部91の第1方向の端から支持部20(固定体側支持部)が位置する側に突出する足部92と、を備え、固定体6は、可動体4の外周側を囲む金属製のケース50を備える。ジンバルフレーム受け部材17(固定体側ジンバルフレーム受け部材)は、一対の腕部94および足部92がケース50の外周面に固定されて球体15の中心を第2軸R2が通過する位置に保持され、支持部20(固定体側支持部)は、第2軸方向で板部91とケース50との間に配置される。
【0066】
本形態の固定体接続機構12は、ジンバルフレーム受け部材17に設けられた球体15と、ジンバルフレーム10の支持部20に設けられた凹曲面19とを点接触させることによって固定体6とジンバルフレーム10とを接続できる。ここで、ジンバルフレーム受け部材17は、球体15が固定された板部91と、板部91から突出してケース50の外周面に固定される一対の腕部94と足部92を備えており、支持部20は、第2軸方向で板部91とケース50との間に配置される。従って、ジンバルフレーム受け部材17とケース50との間に支持部20を保持でき、ジンバルフレーム10の抜け防止を図ることができる。また、ジンバルフレーム受け部材17を直接金属製のケース50に固定するので、樹脂部材にジンバルフレーム受け部材17を保持する保持部を形成する場合と比較して、ケース50の薄型化を図ることができる。従って、振れ補正機能付き光学ユニットの小型
化を図ることができる。さらに、固定体接続機構12が金属部品によって構成されるので、ジンバルフレーム10と樹脂部品との衝突によって異物(コンタミ)が発生することを防止あるいは抑制できる。
【0067】
本形態の固定体接続機構12は、支持部20が光軸方向で腕部94と足部92との間に配置され、支持部20の周方向の幅寸法H1は、一対の腕部94の周方向の間隔H3よりも大きい。従って、一対の腕部94によって支持部20の抜け防止を図ることができる。
【0068】
本形態のジンバルフレーム10は、一対の腕部94の間を経由して光軸方向に延びる第2ジンバルフレーム延設部72を備える。第2ジンバルフレーム延設部72は、-Z方向(第1方向)の先端に支持部20を備えるとともに、支持部20の+Z方向(第2方向)に一対の腕部94の間に位置する通過部84を備え、ケース50は、+Z方向(第2方向)の縁の第2軸R2上の位置を切り欠いた切欠き部14を備える。従って、切欠き部14に第2ジンバルフレーム延設部72の第2ジンバルフレーム延設部第1延設部分85を配置できるので、ケース50の外周面に固定体接続機構12が配置される構造であっても、第2ジンバルフレーム延設部72とケース50との干渉を避けることができる。
【0069】
本形態の固定体接続機構12は、ジンバルフレーム受け部材17の一対の腕部94および足部92がケース50に溶接されている。従って、接着剤により固定する場合と比較して固定強度を高めることができる。また、組立時間を短縮できる。
【0070】
本形態のジンバル機構5は、ジンバルフレーム10と、ジンバルフレーム10および可動体4を第1軸R1回りに回転可能に接続する可動体接続機構11を備える。可動体接続機構11は、球体15および当該球体15が固定された金属製のスラスト受け部材16を備えるジンバルフレーム受け部材17(可動体側ジンバルフレーム受け部材)と、ジンバルフレーム10において球体15と接触する凹曲面19を有する支持部20(可動体側支持部)と、を備える。カメラモジュール3は、金属製のハウジング32を備え、ジンバルフレーム受け部材17(可動体側ジンバルフレーム受け部材)は、一対の腕部94および足部92がハウジング32の外周面に固定されて球体15の中心を第1軸R1が通過する位置に保持され、支持部20(可動体側支持部)は、第1軸方向で板部91とハウジング32との間に配置される。
【0071】
このように、本形態では、可動体接続機構11においても、カメラモジュール3のハウジング32に直接ジンバルフレーム受け部材17を固定し、ジンバルフレーム受け部材17とカメラモジュール3のハウジング32との間に支持部20を保持する。従って、ジンバルフレーム10の抜け防止を図ることができる。また、可動体4の小型化を図ることができるので、振れ補正機能付き光学ユニットの小型化を図ることができる。さらに、可動体接続機構11が金属部品によって構成されるので、ジンバルフレーム10と樹脂部品との衝突によって異物が発生することを抑制できる。また、可動体接続機構11においても、固定体接続機構12で使用されるジンバルフレーム受け部材17と同一のジンバルフレーム受け部材17を使用するので、固定体接続機構12と可動体接続機構11で部品の共通化を図ることができる。
【0072】
本形態の可動体接続機構11は、固定体接続機構12と同様に、ジンバルフレーム受け部材17の一対の腕部94および足部92がケース50に溶接されている。従って、接着剤により固定する場合と比較して固定強度を高めることができる。また、組立時間を短縮できる。
【0073】
本形態の可動体接続機構11では、支持部20は、光軸方向でジンバルフレーム受け部材17の腕部94と足部92との間に配置され、支持部20の周方向の幅は、一対の腕部
94の周方向の間隔よりも大きい。従って、一対の腕部94によって支持部20の抜け防止を図ることができる。
【0074】
本形態の可動体接続機構11および固定体接続機構12において、支持部20(可動体側支持部および固定体側支持部)は、それぞれ、凹曲面19が形成された凸部21と、凸部21から周方向の両側へ延びる縁部22を備え、縁部22は、凸部21を中心として同心円状に形成されている。このように、同心円状の縁部22を設けることにより、ジンバルフレーム10が第2軸R2回りもしくは第1軸R1回りに傾いて組み立てられたとしても、縁部22の周方向への突出寸法が変化しない。従って、ジンバルフレーム10が第2軸R2回りに傾いたことによって支持部20(固定体側支持部)がスラスト受け部材16から抜けてしまうことを防止できるとともに、ジンバルフレーム10が第1軸R1回りに傾いたことによって支持部20(可動体側支持部)がスラスト受け部材16から抜けてしまうことを防止できる。
【0075】
(変形例)
上記形態は、カメラモジュール3のハウジング32に直接ジンバルフレーム受け部材17を固定することによって可動体接続機構11を構成しているが、本発明は、可動体がカメラモジュール3と、カメラモジュール3の外周側を囲む金属製のホルダを備えている構成に適用することができる。例えば、変形例の可動体接続機構では、ジンバルフレーム受け部材17(可動体側ジンバルフレーム受け部材)は、一対の腕部94および足部92がカメラモジュール3の外周側を囲む金属製のホルダの外周面に固定されて球体15の中心を第1軸R1が通過する位置に保持される。そして、支持部20(可動体側支持部)は、第1軸方向で板部91とホルダとの間に配置される。
【0076】
変形例の可動体接続機構11では、ジンバルフレーム受け部材17(可動体側ジンバルフレーム受け部材)の腕部94と足部92を直接金属製のホルダに固定することにより、ジンバルフレーム受け部材17(可動体側ジンバルフレーム受け部材)とホルダとの間に支持部20(可動体側支持部)を保持できる。従って、上記形態と同様に、ジンバルフレーム10の抜け防止を図ることができる。また、樹脂部材にジンバルフレーム受け部材17(可動体側ジンバルフレーム受け部材)を保持する保持部を形成する場合と比較して、ホルダの薄型化を図ることができる。従って、振れ補正機能付き光学ユニットの小型化を図ることができる。さらに、ジンバルフレーム10の支持部20(可動体側支持部)は金属製のホルダとスラスト受け部材16との間に保持されるので、ジンバルフレーム10と樹脂部品との衝突によって異物(コンタミ)が発生することを抑制できる。さらに、固定体接続機構12と可動体接続機構11で部品の共通化を図ることができる。
【0077】
この場合も、ジンバルフレーム受け部材17(可動体側ジンバルフレーム受け部材)の一対の腕部94および足部92をホルダに溶接することができる。従って、接着剤により固定する場合と比較して固定強度を高めることができる。また、組立時間を短縮できる。
【符号の説明】
【0078】
1…振れ補正機能付き光学ユニット、2…レンズ、3…カメラモジュール、4…可動体、5…ジンバル機構、6…固定体、7…振れ補正用駆動機構、7X…第1磁気駆動機構、7Y…第2磁気駆動機構、8…第1カバー、9…第2カバー、10…ジンバルフレーム、11…可動体接続機構、12…固定体接続機構、14…切欠き部、15…球体、16…スラスト受け部材、17…ジンバルフレーム受け部材、19…凹曲面、20…支持部、21…凸部、22…縁部、25X、25Y…磁石、26X、26Y…コイル、30…突出部、31…ホルダ、32…本体部、33…鏡筒部、34…基板、35…第1側板部、36…第2側板部、37…第3側板部、38…第4側板部、39…第5側板部、40…第6側板部、41…第7側板部、42…第8側板部、50…ケース、51…第1枠部、52…第2枠部
、53…第3枠部、54…第4枠部、55…第1傾斜枠部、56…第2傾斜枠部、57…第3傾斜枠部、58…コイル配置穴、60…フレキシブルプリント基板、61…第1基板部分、62…第2基板部分、64…磁性板、65…磁気センサ、70…ジンバルフレーム本体部、71…第1ジンバルフレーム延設部、72…第2ジンバルフレーム延設部、73…中央穴、75…中央板部分、76…角板部分、81…第1ジンバルフレーム延設部第1延設部分、82…第1ジンバルフレーム延設部第2延設部分、84…通過部、85…第2ジンバルフレーム延設部第1延設部分、86…第2ジンバルフレーム延設部第2延設部分、90…球体固定部、91…板部、92…足部、94…腕部、95…突出板部分、96…延設板部分、97…足部突出板部分、98…足部延設板部分、99…足部通過部、H1…支持部の周方向の幅、H2…通過部の周方向の幅、H3…一対の腕部の周方向の間隔、L…光軸、R1…第1軸、R2…第2軸
図1
図2
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図6
図7
図8