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特許7346437電圧オーバーシュート事象を緩和するための装置、方法及びシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-08
(45)【発行日】2023-09-19
(54)【発明の名称】電圧オーバーシュート事象を緩和するための装置、方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
   H02M 3/155 20060101AFI20230911BHJP
【FI】
H02M3/155 C
H02M3/155 W
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2020552024
(86)(22)【出願日】2019-05-28
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-10-21
(86)【国際出願番号】 US2019034101
(87)【国際公開番号】W WO2020005433
(87)【国際公開日】2020-01-02
【審査請求日】2022-05-23
(31)【優先権主張番号】16/021,712
(32)【優先日】2018-06-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】593096712
【氏名又は名称】インテル コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ジャイン,アミット クマール
(72)【発明者】
【氏名】シェカール,サミール
(72)【発明者】
【氏名】リヤコフ,アレグザンダー
(72)【発明者】
【氏名】ダグラス,ジョナサン ピー.
(72)【発明者】
【氏名】サクセナ,ヴィヴェク
【審査官】川口 貴裕
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-114996(JP,A)
【文献】特開2017-069523(JP,A)
【文献】特開2015-166870(JP,A)
【文献】米国特許第06943535(US,B1)
【文献】AI Suite 3ユーザーマニュアル 200 series DJ172/初版[online],2016年11月,https://dlsvr04.asus.com.cn/pub/ASUS/mb/LGA1151/PRIME_Z270-K/DJ172_200_Series_AI_Suite_3_Guide_WEB.pdf
【文献】ASUSマザーのAdvanced Modeを徹底解説~Ai Tweakerメニュー詳細編~[online],2016年06月08日,https://web.archive.org/web/20160608113158/https://akiba-pc.watch.impress.co.jp/docs/dosv/741257.html
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 3/00 - 3/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
供給電圧を提供するための装置であって:
第1ノードを介して第1電圧を受信し、前記第1電圧に基づいて、第2電圧を第2ノードを介して負荷回路に供給するための電圧レギュレータ回路であり、インダクタL1及びL2並びにスイッチ回路S1、S2、S3及びS4を含み、前記インダクタL1及びL2は前記スイッチ回路S1及びS3を介してそれぞれ前記第1ノードに結合され、前記第2ノードは前記インダクタL1及びL2を介してそれぞれ前記スイッチ回路S1及びS3に結合され、前記インダクタL1及びL2は前記スイッチ回路S2及びS4を介してそれぞれ第3ノードにさらに結合され、前記第3ノードは基準電位を提供するために結合される、電圧レギュレータ回路;及び
電圧オーバーシュート状態の指示に応答して、前記第2ノード及び前記インダクタL2を介して前記インダクタL1と前記第1ノード又は前記第3ノードのうちの1つとの間の電流経路を可能にする制御回路であり、前記スイッチ回路S2、及び前記スイッチ回路S3又はS4のうちの1つのそれぞれのオン状態を提供するように前記電圧レギュレータ回路に信号を送る制御回路;
を含む装置であり、
前記制御回路は、
前記指示に応答して、前記電圧レギュレータ回路にさらに信号を送り、
前記スイッチ回路S2及びS4のそれぞれのオン状態の間、前記スイッチ回路S3のオフ状態を含む第1構成と、
前記スイッチ回路S2及びS3のそれぞれのオン状態の間、前記スイッチ回路S4のオフ状態を含む第2構成と、
の間で遷移させ;
電圧オーバーシュート緩和状態を検出し;かつ
前記電圧オーバーシュート緩和状態に応答して、前記電圧レギュレータ回路に信号を送り、前記スイッチ回路S1のオン状態並びに前記スイッチ回路S2、S3及びS4のそれぞれのオフ状態を提供する;
装置
【請求項2】
前記指示に応答して、前記制御回路が、前記電圧レギュレータ回路にさらに信号を送り、前記第1構成と前記第2構成との間で複数回遷移させる、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記スイッチ回路S3及びS4のうちの1つのオン状態の最大持続時間を示す閾値パラメータに基づいて、前記電圧レギュレータ回路に信号を送り、前記第1構成と前記第2構成との間で遷移させる、請求項1に記載の前記装置。
【請求項4】
前記制御回路は、前記スイッチ回路S3、S4の一方による状態遷移と、前記スイッチ回路S3、S4の他方による状態遷移との間の最小時間を示す閾値パラメータに基づいて、前記電圧レギュレータ回路に信号を送り、前記第1構成と前記第2構成との間で遷移させる、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記電圧オーバーシュート状態は、第1電圧閾値よりも大きい前記第2電圧を含み、前記電圧オーバーシュート緩和状態は、前記第1電圧閾値より小さい第2電圧閾値よりも小さい前記第2電圧を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
集積回路チップが、前記スイッチ回路S1、S2、S3及びS4と、前記負荷回路とを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記集積回路チップはパッケージモールド内にあり、前記インダクタL1及びL2はそれぞれ、前記パッケージモールド内又は前記パッケージモールド上にあり、前記集積回路チップに電気的に結合されている、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
供給電圧を提供するための方法であって:
第1ノードを介して第1電圧を電圧レギュレータ回路に供給するステップであり、前記電圧レギュレータ回路が、インダクタL1及びL2並びにスイッチ回路S1、S2、S3及びS4を含み、前記インダクタL1及びL2が前記スイッチ回路S1及びS3を介してそれぞれ前記第1ノードに結合され、第2ノードが、前記インダクタL1及びL2を介してそれぞれ前記スイッチ回路S1及びS3に結合され、前記インダクタL1及びL2は前記スイッチ回路S2及びS4を介してそれぞれ第3ノードにさらに結合される、ステップ;
前記電圧レギュレータ回路を用いて、前記第1電圧に基づく第2電圧を前記第2ノードを介して負荷回路に供給するステップであり、前記スイッチ回路S2、S3及びS4のオフ状態の期間中に前記インダクタL1に電流を導電することを含むステップ;
電圧オーバーシュート状態の指示を検出するステップ;並びに
制御回路が、前記指示に応答して、前記第2ノード及び前記インダクタL2を介して、前記インダクタL1と前記第1ノード又は前記第3ノードのうちの1つとの間に導電経路を可能にするステップであり、前記スイッチ回路S2及び前記スイッチ回路S3又はS4のうちの1つのそれぞれのオン状態をもたらすことを含むステップであり、
前記指示に応答して、前記電圧レギュレータ回路にさらに信号を送り、
前記スイッチ回路S2及びS4のそれぞれのオン状態の間、前記スイッチ回路S3のオフ状態を含む第1構成と、
前記スイッチ回路S2及びS3のそれぞれのオン状態の間、前記スイッチ回路S4のオフ状態を含む第2構成と、
の間で遷移させることを含む、ステップ;
電圧オーバーシュート緩和状態を検出するステップ;並びに
前記電圧オーバーシュート緩和状態に応答して、前記電圧レギュレータ回路に信号を送り、前記スイッチ回路S1のオン状態並びに前記スイッチ回路S2、S3及びS4のそれぞれのオフ状態を提供するステップ;
を含む方法。
【請求項9】
前記指示に応答して、前記電圧レギュレータ回路が、前記第1構成と前記第2構成との間で複数回遷移する、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記スイッチ回路S3及びS4のうちの1つのオン状態の最大持続時間を示す閾値パラメータに基づいて、前記制御回路が前記電圧レギュレータ回路に信号を送り、前記第1構成と前記第2構成との間で遷移させる、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記スイッチ回路S3、S4の一方による状態遷移と、前記スイッチ回路S3、S4の他方による状態遷移との間の最小時間を示す閾値パラメータに基づいて、前記電圧レギュレータ回路に信号が送られて前記第1構成と前記第2構成との間で遷移させる、請求項8に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、供給電圧の調整に関し、より詳細には、電圧オーバーシュート状態を緩和するための回路に関するが、これに限定されるものではない。
【背景技術】
【0002】
DC-DC電圧レギュレータは、典型的には、DC入力電圧をより高い又はより低いDC出力電圧のいずれかに変換するために使用される。種々のタイプのスイッチング電圧レギュレータが、それらの小型及び効率のために、集積回路(IC)用途においてしばしば使用される。スイッチングレギュレータは、典型的には、インダクタ(例として、スタンドアロンインダクタ又はトランス)と入力電圧ソースとの間で、出力電圧を調整するように、エネルギーを伝達するために、急速に開閉される1つ以上のスイッチを含む。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
次世代のICアーキテクチャは、より低い動作電圧でより良い電力効率に向かう傾向が続いている。残念ながら、これらのアーキテクチャは、回路構成要素の許容可能な信頼性及び寿命を可能にするものよりもはるかに高いレベル(例えば、1.5Vから2.0Vの範囲)までオーバーシュート(overshooting)する電圧を供給する傾向がある。半導体製造プロセスは、より多くのパワー密度ソリューションを可能にし続けるので、電圧オーバーシュート事象は、IC性能への影響が増大すると予想される。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本明細書で説明する実施形態は、電圧オーバーシュート状態の持続時間又は大きさを緩和するために電圧レギュレータのスイッチ回路を構成するための技術及びメカニズムを様々に提供する。一実施形態では、VRの第1回路が、定電圧電源を出力するためのバックコンバータ機能を提供するように動作可能である。出力電圧のオーバーシュート状態の検出に応答して、VRの制御回路が、VRの第1回路及び第2回路の両方のそれぞれのスイッチ状態を構成するための信号を生成することができる。このようなスイッチ状態は、第1回路及び第2回路のそれぞれのインダクタを使用してエネルギーを散逸させる導電経路を可能にする。いくつかの実施形態では、電圧オーバーシュートを緩和することは、VRが、それぞれ異なるそれぞれの導電経路を可能にするために、2つの構成の間で交互にトグルされることを含む。
【0005】
以下の説明では、本開示の実施形態のより詳細な説明を提供するために、多数の詳細が議論される。しかしながら、本開示の実施形態は、これらの特定の詳細なしに実施され得ることは、当業者には明らかであろう。他の例では、本開示の実施形態を曖昧にしてしまうことを回避するために、周知の構造及びデバイスは、詳細にではなくブロック図の形態で示される。
【0006】
本発明の様々な実施形態は、添付の図面に例として示されており、限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】一実施形態に従って電圧オーバーシュートの緩和を提供するための装置の要素を示すハイブリッド回路及び機能ブロック図である。
図2】一実施形態に従った電圧オーバーシュートを緩和する方法の要素を示すフロー図である。
図3】一実施形態に従った電圧オーバーシュート事象の緩和中の回路の様々な状態を示すタイミング図である。
図4】一実施形態に従った電圧オーバーシュートの緩和を提供するためのパッケージ化された装置の要素を示すハイブリッド回路及び機能ブロック図である。
図5】一実施形態に従って電圧オーバーシュートの緩和を容易にするための制御回路の要素を示すハイブリッド回路及び機能ブロック図である。
図6】一実施形態に従った電圧オーバーシュートの緩和を容易にするための制御回路の要素を示すハイブリッド回路及び機能ブロック図である。
図7】一実施形態に従った電圧オーバーシュート緩和のための回路を選択するためのパッケージ化された装置の要素を示す機能ブロック図である。
図8】一実施形態に従った計算装置を示す機能ブロック図である。
図9】一実施形態に従った、例示的なコンピュータ・システムを示す機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
実施形態の対応する図面では、信号を実線で表している。いくつかの線は、より多くの構成要素信号パスを示すために太くすることができ、及び/又は情報フローの方向を指示するために、1つ以上の端部に矢印を有することができる。このような指示は、限定することを意図していない。むしろ、線は、回路又は論理ユニットの理解を容易にするために、1つ又は複数の例示的な実施形態に関連して使用される。設計の必要性又は嗜好によって規定される任意に表現される信号は、実際には、何れかの方向に進行し得る1つ又は複数の信号を含んでもよく、任意の適切なタイプの信号方式で実装することができる。
【0009】
明細書及び特許請求の範囲を通じて、「接続される」という用語は、中間装置を介さずに接続される物間の直接的な接続、例えば電気的、機械的、磁気的な接続を意味する。「結合される」という用語は、接続される物間の直接的な電気的、機械的、磁気的な接続、又は1つ以上の受動的又は能動的な中間装置を介した間接的な接続を意味する。「回路」又は「モジュール」という用語は、所望の機能を提供するために互いに協働するように配置された1つ以上の受動的及び/又は能動的な構成要素を指す。「信号」という用語は、少なくとも1つの電流信号、電圧信号、磁気信号又はデータクロック信号を指す。「a」、「an」及び「the」の意味は、複数の参照を含む。「in」の意味は、「in」及び「on」を含む。
【0010】
用語「装置」又は「デバイス」は、一般に、その用語の用法の文脈に従った装置を指すことができる。例えば、デバイスは、層又は構造の積み重ね、単一の構造又は層、能動及び/又は受動素子を有する種々の構造の接続などを参照することができる。一般に、デバイスは、x-y方向に沿った平面及びx-y-zカーテシアン座標系のz方向に沿った高さを有する三次元構造である。装置の平面はまた、装置を構成する装置の平面であってもよい。
【0011】
「スケーリング」という用語は、一般に、設計(概略図及びレイアウト)をあるプロセス技術から別のプロセス技術に変換し、その後、レイアウト領域を縮小することを意味する。また、「スケーリング」という用語は、一般に、同じ技術ノード内のレイアウト及びデバイスを縮小することを意味する。また、「スケーリング」という用語は、例えば、電源レベルなどの他のパラメータに対する信号周波数の調整(例えば、減速又は高速化、すなわち、それぞれ縮小又は拡大)を意味する。
【0012】
用語「実質的に」、「近い」、「ほぼ」、「付近」、及び「大体」は、一般に、目標値の+/-10%以内であることを意味する。例えば、それらの使用の明示的な文脈において別段の指定がない限り、「実質的に等しい」、「大体等しい」、及び「ほぼ等しい」という用語は、そのように記載されたものの間には、単に偶発的な変動しかないことを意味する。当技術分野では、このような変動は、典型的には、所定の目標値の+/-10%以下である。
【0013】
このように使用される用語は、本明細書に記載される本発明の実施形態が、例えば、本明細書に図示され或いは他の方法で記載されるものとは別の配向で動作可能であるような適切な状況下で交換可能であることが理解されるべきである。
【0014】
共通のオブジェクトを記述するための順序形容詞「第1」、「第2」及び「第3」等の使用は、特に指定しない限り、単に、類似のオブジェクトの異なる例(instances)が参照されていることを示すだけであり、そのように記述されたオブジェクトが、時間的に、空間的に、ランク付けにおいて、又は他の方法で、所与のシーケンスになければならないことを意味するものではない。
【0015】
本開示の目的のために、「A及び/又はB」及び「A又はB」という用語は、(A)、(B)又は(A及びB)を意味する。本開示の目的のために、「A、B及び/又はC」という用語は、(A)、(B)、(C)、(A及びB)、(A及びC)、(B及びC)又は(A、B及びC)を意味する。
【0016】
本明細書及び特許請求の範囲内における用語「左」、「右」、「前」、「後」、「頂部」、「底部」、「上方」、「下方」その他の用語は、説明のために使用され、必ずしも永久的な相対的位置を記述するために使用されるわけではない。例えば、本明細書で使用される用語「上方」、「下方」、「前側」、「後ろ側」、「頂部」、「底部」、「上方」、「下方」及び「に付いて」は、デバイス内の他の参照された構成要素、構造又は材料に関する1つの構成要素、構造、又は材料の相対的位置を指し、このような物理的関係は注目に値する。これらの用語は、本明細書で説明目的のために、及び主としてデバイスz軸の文脈の範囲内でのみ使用され、したがって、デバイスの配向に関連して使用される。故に、本明細書で提供される図の文脈において第2材料の「上方」にある第1材料は、デバイスがもし提供される図の文脈に対して逆向きに配向されている場合には、第2材料の「下方」にもあり得る。材料の文脈において、他の材料の上方又は下方に配置される1つの材料は、直接接触していてもよく、或いは1つ以上の介在材料を有していてもよい。さらに、2つの材料の間に配置される1つの材料は、2つの層と直接接触していてもよく、或いは1つ以上の介在層を有していてもよい。対照的に、第2材料「に付いて」いる第1材料は、第2材料と直接接触している。同様の区別は、構成要素組立体でもなされる。
【0017】
用語「(と)の間」は、デバイスのz軸、x軸、又はy軸の文脈で使用されてもよい。他の2つの材料の間にある1つの材料は、これらの他の材料の一方又は両方と接触していてもよく、或いは1つ以上の介在材料によって他の2つの材料の両方から分離されていてもよい。従って、他の2つの材料の「間」にある1つの材料は、他の2つの材料のいずれかと接触していてもよく、或いは介在材料を介して他の2つの材料に結合されていてもよい。他の2つの装置の間にある1つの装置は、それらの他の装置の1つ又は両方に直接接続されてもよく、或いは1つ又は複数の介在装置によって他の2つの装置の両方から分離されてもよい。
【0018】
本明細書を通して、また、特許請求の範囲において使用されるように、用語「の少なくとも1つ」又は「の1つ以上」によって接合される項目のリストは、列挙された用語の任意の組み合わせを意味することができる。例えば、「A、B又はCの少なくとも1つ」という用語は、A、B、C、A及びB、A及びC、B及びC、又はA、B及びCを意味し得る。他の図の要素と同一の参照番号(又は名称)を有する図の要素は、他の図で記載されたものと同様の方法で作動又は機能することができるが、これらに限定されないことを指摘する。
【0019】
加えて、本開示において議論される組み合わせ論理及び順序論理の種々の要素は、物理構造(ANDゲート、ORゲート、又はXORゲートなど)と、又は議論下の論理のブール等価物である論理構造を実行するデバイスの合成された又はその他の方法で最適化されたコレクションとの両方に関連し得る。
【0020】
他の図の要素と同一の参照番号(又は名称)を有する図の要素は、他の図で記載されたものと同様の方法で作動又は機能することができるが、これらに限定されないことを指摘する。
【0021】
図1は、一実施形態に従った電圧オーバーシュート状態を緩和又は軽減(mitigate)するための装置100の各特徴を示す。装置100は、一実施形態の一例であり、スイッチ回路が、出力電圧のオーバーシュート(overshoot)に応答して、電圧レギュレータへの導電経路(conducive
path)を動作選択的に提供することができる。そのような導電経路は、調整された(regulated)出力電圧を提供するために使用される1つ以上の回路素子からエネルギーを散逸又は他の方法で伝達することを可能にすることによって、電圧オーバーシュートの持続時間又は大きさを緩和又は軽減するのを助けることができる。
【0022】
図1に示すように、装置100は、負荷回路120、及びノード112を介して負荷回路120に電圧を供給するように結合された及び電圧レギュレータ(VR)110を含む。例えば、VR110の回路130は、VR110に供給される入力電圧VINに基づいて、ノード112に調整出力電圧(regulated output voltage)VOを供給するように構成することができる。回路130は、インダクタL1と、インダクタL1に様々に結合されたスイッチ回路S1、S2とを備える。一実施形態では、スイッチ回路S1は、インダクタL1と第1ノードとの間に結合される。第1ノードによって、VR 110が、例えば入力電圧VINを受け取る。スイッチ回路S2は、インダクタL1と他のノードとの間に結合される。他のノードによって、基準電位(例えば、接地電圧)を提供する。いくつかの実施形態では、回路130の1つ以上の他の回路素子(図示せず)が、ノード112を用いてインダクタL1に結合されてもよい。そのような1つ以上の他の回路要素、例えば、キャパシタ、抵抗器、電流源、及び/又は類似のものを含めることにより、回路130のバック(buck)回路機能を容易にすることができる。
【0023】
VR110の通常動作の間、制御回路150が、いつスイッチ回路S1、S2を選択的にオン及び/又はオフするかを制御する。例えば図示の例示的な制御信号152のような1つ以上の制御信号を使用して、いつオン及び/又はオフにするかを制御する。本明細書では、用語「通常動作」は、負荷回路120による安定した電圧及び電流の引き込み、すなわち、出力電圧VOがオーバーシュートしない場合を指す。通常の動作は、負荷回路120が突然より少ない電流を引き込み、電圧Voutをオーバーシュートさせる場合の電圧オーバーシュート状態とは異なる。
【0024】
回路130による出力電圧VOの調整(regulation)は、様々な時刻でスイッチ回路S1、S2を選択的にオン/オフする信号152を供給する制御回路150を含んでもよい。例えば、メインインダクタL1を通る電流のスイッチング及び回路130によるキャパシタ(図示せず)の充放電は、出力電圧VOの安定性を容易にし得る。出力電圧VOを調整するための制御回路150によるスイッチ回路S1、S2のこのような制御は、例えば、従来のバック回路技術(種々の実施形態の特定の特徴を不明瞭にすることを回避するために本明細書には詳述しない)から適合された1つ以上の動作を含むことができる。
【0025】
電圧オーバーシュート事象の緩和を可能にするために、VR110は、別のインダクタL2と、インダクタL2に様々に結合されたスイッチ回路S3、S4とを含む回路140をさらに備える。一実施形態では、スイッチ回路S3は、インダクタL2と第1ノードとの間に結合される。第1ノードは、例えば、入力電圧VINを提供する。スイッチ回路S4は、インダクタL2と基準電位(例えば、接地)との間に結合される。従って、インダクタL1及びL2は、スイッチ回路S1及びS3を介してそれぞれ第1ノードに結合されることができ、例えば、第2ノード112は、インダクタL1及びL2を介してそれぞれスイッチ回路S1及びS3に結合されることができる。このような一実施形態では、インダクタL1及びL2は、それぞれスイッチ回路S2及びS4を介して基準電位ノードにさらに結合される。いくつかの実施形態は、この点に関して限定されないが、回路140は、インダクタL2とノード112との間に結合された1つ以上の他の回路素子(図示せず)をさらに含んでもよい。
【0026】
制御回路150は、電圧オーバーシュート状態を検出し、これに応答して、回路130及び回路140の一方又は両方を動作させ、電圧オーバーシュート状態の持続時間又は大きさの一方又は両方を緩和する助けをする機能を提供することができる。一実施形態では、制御回路150は、サンプル出力電圧VOに結合されているか、さもなければ出力電圧VOに基づくフィードバックを受信する。回路140を使用する電圧オーバーシュートの緩和または軽減は、そのようなフィードバックに基づくことができる。例えば、制御回路150は、電圧VOと閾値電圧VTH(電圧オーバーシュート状態を示す)に基づいて比較を行う比較器回路を含むか、或いは比較器回路にアクセスすることができる。ある時点で、そのような比較の結果が、出力電圧VOのオーバーシュートを示すことがある。これに応答して、制御回路150は、スイッチ回路S1、S2、S3、S4の種々のスイッチを選択的にオン/オフするかどうか、及び/又はいつオン/オフするかを信号送信することができる。スイッチ回路S3、S4の動作は、図示の例示的な制御信号154のような1つ以上の制御信号を使用して提供することができる。
【0027】
一実施形態では、制御信号152、154を使用した電圧オーバーシュートの緩和は、各々の時点で、回路130及び回路140の1つ以上の構成に信号送信することを含む。そのような1つ以上の構成は、各々、回路130と回路140との間にノード112を介して電流を伝導することによって、それぞれの導電経路が、回路130からエネルギーを散逸させるか、又は他の方法でエネルギーを伝達することを可能にし得る。
【0028】
例えば、第1構成によって、インダクタL1、ノード112、インダクタL2及びスイッチ回路S4の各々を通って、基準電位(例えば、接地)を提供するノードへ至る導電経路160を可能にすることができる。この第1構成は、スイッチ回路S2及びS4のそれぞれのオン状態の間、スイッチ回路S3のオフ状態を含んでもよい。例えば、スイッチ回路S2のオン状態は、接地電位とインダクタL1との間の帰還電流経路(return current path)を可能にする。一実施形態では、そのような第1構成は、インダクタL1を入力電圧VINから少なくとも部分的に分離するために、スイッチ回路S1のオフ状態をさらに含んでもよい。
【0029】
或いは、又は、加えて、第2構成によって、インダクタL1、ノード112、インダクタL2及びスイッチ回路S3の各々を通って、入力電圧VINを提供するノードへ至る導電経路162を可能にすることができる。この第2構成は、スイッチ回路S2及びS3のそれぞれのオン状態の間、スイッチ回路S4のオフ状態を含んでもよい。一実施形態において、そのような第2構成は、インダクタL1を入力電圧VINから少なくとも部分的に分離するために、スイッチ回路S1のオフ状態をさらに含んでもよい。このような一実施形態では、電圧オーバーシュートの緩和は、上述の第1構成と第2構成との間で複数回交互に行う制御回路150を含んでもよい。この構成間の交互の構成は、出力電圧VOの減少を容易にするために、インダクタL1と共にエネルギーを消散させるか、又は他の方法で伝達する(例えば、エネルギーを回路130のキャパシタから消散するか、又は他の方法で伝達することを含む)ことを可能にする。
【0030】
様々な実施形態では、負荷回路120は、調節された供給電圧を使用して動作する、例えば、1つ以上のプロセッサコア、メモリ、グラフィックスプロセッサ、及び/又は類似のものを含む様々な集積回路のいずれかを含む。いくつかの実施形態は、負荷回路120によって提供される特定の機能に限定されない。負荷回路120、制御回路150、又はスイッチ回路S1、S2、S3及びS4の一部又は全部は、装置100の集積回路(IC)チップを用いて実装されてもよい。そのような、集積回路(IC)チップでは、例えば、インダクタL1及び/又はインダクタL2がそのICチップに結合(しかし、異なる)されている。例えば、そのようなICチップは、装置100のパッケージ材料内に配置されてもよく、インダクタL1及び/又はインダクタL2は、パッケージ材料内又はその上に様々に配置される。様々な代替実施形態では、装置100は、負荷回路120を省略するが、負荷回路120に結合すべきである。
【0031】
図2は、一実施形態に従って、電圧オーバーシュート事象の持続時間又は大きさを緩和するための方法200の特徴を示す。方法200は、例えば装置100のような回路によって実行される動作を含んでもよい。種々の実施形態の特定の特徴を例示するために、図3のタイミング図300によって示される回路状態を参照して、方法200を本明細書に記載する。しかしながら、方法200の動作は、他の実施形態において、種々の追加の、又は代替の回路条件のいずれかを生じ得る。
【0032】
図2に示すように、方法200は、(210において)第1ノードを介して第1電圧を電圧レギュレータ(VR)に供給するステップを含み、この電圧レギュレータは、それぞれスイッチ回路S1及びS3を介して第1ノードに結合されたインダクタL1及びL2を含む。このような一実施形態では、第2ノードは、それぞれインダクタL1及びL2を介してスイッチ回路S1及びS3に結合され、インダクタL1及びL2は、それぞれスイッチ回路S2及びS4を介して第3ノードに結合される。第3ノードは、接地電圧のような基準電位を提供する。装置100によって示される実施形態を参照すると、210における提供は、入力電圧VINをVR 110へと提供することを含むことができる。
【0033】
方法200は、(220において)さらに、VRが、第2ノードを介して第2電圧を負荷回路に供給することを含むことができ、第2電圧は、第1電圧に基づいている。第2電圧を220において供給することは、少なくともある期間にわたって、スイッチ回路S2、S3及びS4のそれぞれのオフ状態の間に、インダクタL1に電流を流すことを含むことができる。一実施形態では、集積回路(IC)チップは、スイッチ回路S1、S2、S3及びS4と、負荷回路とを備える。例えば、ICチップがパッケージ金型内にあり、インダクタL1及びL2がそれぞれパッケージ金型内又はその上にあり、ICチップに電気的に結合されている。220における提供は、VR 110が出力電圧VOUTをノード112へと提供することを含んでもよい。次に、図3を参照すると、タイミング図300は、一実施形態による電圧緩和プロセスの間の様々な回路条件を示す。タイミング図300によって示される条件は、例えば、装置100における条件の一部を含んでもよい。図3に示すように、タイミング図300は、VRによって負荷回路に供給される出力電圧VO(例えば、220において供給される第2電圧)の、時間領域302にわたるプロット320を示す。
【0034】
一実施形態によると、方法200は、(230において)電圧オーバーシュート状態の指示を検出するステップをさらに含む。230における検出は、第2電圧、又は第2電圧に基づく様々な他のフィードバック信号のいずれかのサンプリングに基づくことができる。一実施形態では、230における検出は、制御回路150が、第2電圧がオーバーシュート状態の所定の閾値電圧レベルを超えるかどうかを判定するために比較を実行することを含んでもよい。
【0035】
例えば、再び図3を参照すると、出力電圧VOは、緩和されるべき電圧オーバーシュート状態の閾値として予め定義された電圧レベル(例示的なレベルVTHHのような)を上回り始めることがある。タイミング図300は、さらに、所与の時刻に、VRから出力電圧VOを受信する負荷回路の高電流モード又は低電流モードのうちの1つを制御するか、又は他の方法で指示する信号SLのプロット310を示す。示された例示的な実施形態では、時刻taにおける高論理状態「1」から低論理状態「0」への信号SLの遷移は、高電流モードから低電流モードへの負荷回路の遷移を示すことができる。このような実施形態では、出力電圧VOは、信号SLの時刻taにおける遷移に応答して、ある一定のベースライン電圧VBLからある時刻tbにおいて上昇し始めることができる。230における検出は、制御回路150又は他のそのようなロジックが、例えば示された例示的な時刻tcにおいて、出力電圧VOが過去のレベルVTHHに移行したことを示す指示を受信することを含んでもよい。
【0036】
方法200は、さらに、230において検出された指示に応答して、第2ノード及びインダクタL2を介して、インダクタL1と第1ノード又は第3ノードのうちの1つとの間の導電経路を可能(イネーブル)にする(240において)ことを含んでもよい。一実施形態によると、240におけるイネーブルは、スイッチ回路S2、及びスイッチ回路S3又はS4のうちの1つのそれぞれのオン状態を提供することを含む。240におけるイネーブルは、制御回路150が、導電経路160、162のうちの1つをイネーブルするように回路130(一部の実施形態では回路140)を構成することを含んでもよい。
【0037】
再び図3を参照すると、タイミング図300は、スイッチ回路S2、S3及びS4を(それぞれ)動作させる制御信号MN、MBN及びMBPのプロット330、340、350をさらに示す。VTHHを通過する出力電圧VO遷移に応答して、スイッチ回路は、インダクタL1を使用して、導電性経路が1つ以上の回路素子からエネルギーを消散させることを可能にするように構成されてもよい。限定ではなく例示として、回路経路を可能にすることは、出力電圧VOのレベルを下げるために、例えば、少なくとも時間304の間に、MNをアサートすることによってスイッチS2のオン状態を構成することを含むことができる。回路経路をイネーブルすることは、MBPをアサートすることによってスイッチS3のオン状態を構成すること、又はMBNをアサートすることによってスイッチS4のオン状態を構成することをさらに含んでもよい。
【0038】
いくつかの実施形態では、230において検出に応答することは、第1構成と第2構成との間で遷移することを含み、各構成は、それぞれの導電経路が、インダクタL1でエネルギーを消散させることを可能にする。例えば、第1構成は、スイッチ回路S2及びS4のそれぞれのオン状態と同時に起こるスイッチ回路S3のオフ状態を含んでもよい。このような第1構成は、例えば、導電経路160を可能にすることができる。第2構成は、スイッチ回路S2及びS3のそれぞれのオン状態の間(例えば、導電経路162を有効にするため)、スイッチ回路S4のオフ状態を含んでもよい。第1構成と第2構成との間の遷移は、例えば、スイッチ回路S3及びS4のうちの1つのオン状態の最長持続時間を示す閾値パラメータに基づくことができる。或いは、又は、加えて、第1構成と第2構成との間の遷移は、スイッチ回路S3及びS4の一方による状態遷移と、スイッチ回路S3及びS4の他方による状態遷移との間の最小時間を示す閾値パラメータに基づいてもよい。いくつかの実施形態では、方法200は、230における検出に応答して、第1構成と第2構成との間で複数回トグル(toggle)する。
【0039】
再び図3を参照すると、タイミング図300は、インダクタL2を通る電流IL2のプロット360と、インダクタL1を通る電流IL1のプロット370との両方をさらに示す。時間期間304の間に、MBN及び MBPは、スイッチ回路S3又はスイッチ回路S4を通して交互に直流IL2を流すように、異なるそれぞれの時間に様々にアサートされ得る。このような実施形態では、電流IL2は、S4のオン状態の期間に増加してもよく、例えば、電流IL2がスイッチ回路S4を通って接地電位ノードに向かって方向付けられ、スイッチ回路S3のオン状態が構成されている他の期間の間に減少してもよい。その結果、電流IL2は、時間周期304の間、2つの電流レベルI2a、I2bの間で変化することができ、その間、エネルギーは、VRの1つ以上のキャパシタ(及び/又は負荷回路の1つ以上のキャパシタ)から消散され得る。結果として、電流IL1は、あるレベルI1bから、あるより低いレベルI1aに向かって減少し得る。
【0040】
いくつかの実施形態では、方法200は、電圧オーバーシュートを緩和する1つのモードから別のモードにVRを移行するための他の動作(図示せず)をさらに含み、それによってVRは、負荷回路に再び安定した第2電圧を提供するようになる。そのような他の動作は、240における導電経路のイネーブル後の状態(本明細書では「電圧オーバーシュート緩和状態」と呼ばれる)を検出することを含んでもよい。電圧オーバーシュート緩和状態は、例えば、230において検出される電圧オーバーシュート状態の閾値電圧と同じ(或いはそれと異なる)所定の閾値電圧を下回る第2電圧を含んでもよい。このような一実施形態では、電圧オーバーシュート状態は、第1電圧閾値よりも大きい第2電圧を含み、電圧オーバーシュート緩和状態は、第1電圧閾値よりも小さい第2電圧閾値よりも小さい第2電圧を含む。電圧オーバーシュート緩和状態の検出に応答して、VRの制御回路(例えば、制御回路150)は、スイッチ回路S2、S3及びS4のそれぞれのオフ状態を構成し、スイッチ回路S1のオン状態をイネーブルにすることができる。
【0041】
再び図3を参照すると、出力電圧VOは、電圧オーバーシュート状態の緩和に対応する閾値として予め定義された第2レベルVTHLに減少することができる。VTHL以下に下がる出力電圧VOに応答して(例えば、例示的な時刻tdに示される)、スイッチ回路S2、S3及びS4のそれぞれのオフ状態は、MN、MBN及びMBPを使用して構成されてもよい。このような実施形態では、スイッチ回路S1のオン状態は、期間306の間にVRの通常の動作モードを再開するように構成されてもよい。
【0042】
図4は、一実施形態に従って調整供給電圧を提供するためのパッケージ化された装置400の特徴を示す。パッケージ化された装置400は、回路が、電圧レギュレータのキャパシタからエネルギーを消散させる導電経路を可能にすることによって、電圧オーバーシュートを緩和するように構成される実施形態の一例である。パッケージ化された装置400は、例えば、装置100の特徴の一部又は全部を含んでもよく、方法200の特徴のような動作を実行してもよい。
【0043】
図4に示すように、パッケージ化された装置400は、負荷回路420と、ノード412を介して負荷回路420に電圧を供給するように結合された電圧レギュレータ410とを備える。例えば、VR 400のバック(buck)コンバータ回路(例えば、回路130の特徴を有するバックコンバータ回路)は、インダクタ432、PMOSトランジスタ434及びNMOSトランジスタ436を含んで良く、これらにより、VR 410に供給される入力電圧VINに基づいて、調整電圧VOを供給する。一実施形態では、インダクタ432、トランジスタ434及びトランジスタ436は、装置100のインダクタL1、スイッチ回路S1及びスイッチ回路S2(それぞれ)に機能的に対応する。そのようなバックコンバータ回路は、抵抗438、キャパシタ460及び電圧VOの安定性を容易にする電流源462をさらに含むことができる。しかしながら、他の実施形態では、種々の追加的又は代替的なバックコンバータ回路アーキテクチャのいずれも、VR 410に適合させることができる。
【0044】
ノード412における電圧オーバーシュート事象の緩和を可能にするために、VRは、インダクタ442、PMOSトランジスタ444及びNMOSトランジスタ446を含むブーストコンバータ回路(例えば、回路140の特徴を有する)をさらに含むことができる。このような一実施形態では、インダクタ442、トランジスタ444及びトランジスタ446は、装置100のインダクタL2、スイッチ回路S3及びスイッチ回路S4(それぞれ)に機能的に対応する。
【0045】
(例えば、制御回路150の特徴を有する)VR410の制御回路は、1つ以上の閾値電圧レベルに基づいて電圧VOの評価を行うための検出器回路450を含んでもよい。例えば、検出器回路450は、電圧VOのサンプルを、閾値電圧レベルVTHH又は閾値電圧レベルVTHLのうちの1つ又は各々と(例えば、タイミング図300を参照して本明細書に記載されるように)比較するように結合されてもよい。VR410のこのような制御回路は、さらに、バック制御回路452とブースト制御回路454とを含んでもよく、これらは、検出器回路450による評価に基づいて、トランジスタ434、436、444、446のそれぞれのオン/オフ状態を様々に構成する。
【0046】
一実施形態では、トランジスタ434、436のそれぞれの状態を制御するバック制御回路452による信号送信は、さらに、周期的信号(図示の例示的な周期的ランプ信号Vramp)及び制御電圧信号Vc(例えば、電圧VOと所定の基準電圧との間の差を示す)に基づいている。限定ではなく例示として、バック制御回路452は、信号Vramp及び Vcに基づいて、例えば、従来の電力管理技術から適合されるパルス幅変調機能を提供することができる。
【0047】
図5は、一実施形態に従って電圧レギュレータのスイッチ回路を構成するための制御回路500の特徴を示す。制御回路500は、スイッチ回路が、電圧オーバーシュート状態に応答してバック回路からエネルギーを消散するように構成されている実施形態の一例である。制御回路500は、例えば、制御回路150の特徴の一部又は全部を含んでもよい。
【0048】
図5に示すように、制御回路500は、検出器回路510と、ブースト制御回路540と、パルス幅変調器回路520と、組み合わせ論理530とを含む。検出器回路510及びブースト制御回路540の機能性は、例えば、検出器回路450及びブースト制御回路454(それぞれ)の機能性に対応してもよく、例えば、バック制御回路452の機能性は、パルス幅変調器回路520及び組み合わせ論理530で提供される。
【0049】
VRのバックコンバータ回路(図示せず)、例えば回路130の特徴を有するバックコンバータ回路による動作は、パルス幅変調器回路520及び組み合わせ論理530で生成されるスイッチ制御信号MP、及びMNに応答することができる。例えば、制御信号MP、MNは、装置100のスイッチS1、S2、又は(別の実施形態では)パッケージ装置400のトランジスタ434、436をそれぞれ制御するために提供されてもよい。そのような一実施形態では、パルス幅変調器回路520で生成される信号522、524の一方又は両方に基づいて、制御信号MP、MNが組み合わせ論理530によって生成される。次に、パルス幅変調回路520は、周期的ランプ信号Vramp、及び電圧VOと所定の基準電圧との差を示す制御電圧信号Vcに基づいて、信号522、524を生成することができる。信号522、524の生成は、例えば、従来のパルス幅変調技術(様々な実施形態の特定の特徴を不明瞭にすることを回避するために本明細書では詳述しない)から適合された動作を含んでもよい。
【0050】
検出器回路450又は510は、VRによって出力される調整された供給電圧VOが、ある閾値電圧レベルを上回る(又は下回る)か否かを指示するように動作可能な種々の回路のいずれかを含んでもよい。例示的な実施形態では、検出器回路510の第1差動増幅器は、電圧VOが閾値レベルVTHHを超えることに応答して信号をアサートすることであり、例えば、検出器回路510の第2差動増幅器は、電圧VOが別の閾値レベルVTHLを下回る場合に信号をアサートすることである。そのような一実施形態では、検出器回路510のSRラッチが、これらの差動増幅器からのそれぞれの出力に基づいて様々にセット又はリセットされる。例えば、SRラッチは、電圧VOがレベルVTHHを超える場合には、信号512をブール高値(「1」)に設定してもよい。電圧VOがレベルVTHLを下回る場合には、信号512をブール低値(「0」)にリセットしてもよい。SRラッチによって出力される別の信号514は、信号512のものとは反対のブール論理状態を表すことができる。
【0051】
ブースト制御回路540は、検出器回路からの信号512、514に基づいてスイッチ信号MBP、MBNを提供するように結合されてもよい。例えば、制御信号MBP、MBNは、装置100のスイッチS3、S4、又は(別の実施形態では)パッケージ装置400のトランジスタ444、446をそれぞれ制御するために提供されてもよい。このような一実施形態では、制御信号MBP、MBNの一方又は両方が、例えば、スイッチ回路S3及びS4の一方のオン状態の最大許容継続時間を示す閾値タイミングパラメータに基づいて生成される。或いは、又は、これに加えて、制御信号MBP、MBNの一方又は両方は、スイッチ回路S3、S4の一方による状態遷移とスイッチ回路S3、S4の他方による状態遷移との間の最小所要時間を示す閾値パラメータに基づいて、生成されてもよい。従って、スイッチの第1構成と前記スイッチの第2構成との間の遷移(例えば、導電経路160、162のそれぞれの異なる1つを可能にする構成の各々)は、様々な実施形態において、1つ又は両方のそのような閾値タイミングパラメータに基づくことができる。他の実施形態では、ブースト制御回路540は、単なるパススルー回路、バッファでよく、或いは、例えば、信号512、514がそれぞれスイッチ信号MBN、MBPである場合には、制御回路500から完全に省略される。
【0052】
いくつかの実施形態では、信号512、514の一方又は両方が、組み合わせ論理530に供給され、例えば、組み合わせ論理530が、スイッチ制御信号MP、MNの所与の1つをアサート(或いはデアサート(アサート解除))するかどうか及び/又はいつアサートするかのイネーブル/ディスエーブルのアサート/アサート解除を選択的に有効/無効にする。例えば、信号512のアサーション(電圧オーバーシュート事象の表示に応答して)は、組み合わせ論理530がスイッチ制御信号MPをアサート解除し、スイッチ制御信号MNをアサートする結果となり得る。スイッチ制御信号MPがアサート解除されスイッチ制御信号MNがアサートされる一方、ブースト制御回路540は、スイッチ信号MBP、MBNの論理状態を様々にトグルして、VRのバック回路からのエネルギーの散逸を容易にするスイッチ状態を提供することができる。
【0053】
図6は、一実施形態に従って電圧レギュレータのスイッチ回路を構成するための制御回路600のいくつかの特徴を示す。制御回路600は、例えば、制御回路150の特徴の一部又は全部を含んでもよい。図6に示すように、制御回路600は、電圧レギュレータによって出力される電圧VO、第1閾値VTH及び第2閾値VTHLの各々を受信するように結合されている。受信された第1閾値VTHHは、電圧VOのオーバーシュート状態が存在するかどうかを判断するための基準レベルとして予め定義されてもよく、第2閾値VTHLは、そのようなオーバーシュート状態が十分に緩和されるかどうかを判断するための基準レベルとして予め定義されてもよい。いくつかの実施形態は、この点に関して限定されないが、閾値VTHH及び VTHLは、例えば閾値VTHLが閾値VTHHよりも小さい場合には、互いに異なる場合がある。
【0054】
例示的な実施形態では、制御回路600の第1差動増幅器は、電圧VOが例えば閾値VTHHよりも高いことに応答して信号612をアサートすることであり、制御回路600の第2差動増幅器は、電圧VOが閾値VTHLよりも低い場合に信号614をアサートすることである。信号612のアサーションに基づいて、制御回路600のSRラッチ620が、例えば、信号512に機能的に対応する出力信号622をアサートすることができる。信号622は、スイッチ回路S4のようなスイッチ回路(図示せず)、又は、代替的に、例えばトランジスタ446に供給されてもよく、信号622がプロット340内で制御信号MBNとして機能する。そのような一実施形態では、SRラッチ620は、さらに、信号622の論理状態とは反対のブール論理状態を表す別の信号(図示せず)、例えばプロット350内で制御信号MBPとして機能する他の信号を出力する。
【0055】
異なるスイッチ構成間の連続的なトグリングを提供するために、例えば、タイミング図300において時間304の間に示されるようなトグリングを提供するために、信号622を、SRラッチ620へ戻るフィードバック経路にさらに提供することができ、そのフィードバック経路は遅延回路630を含む。一実施形態では、遅延回路630は、出力632として、何らかの所定のタイミングパラメータによって遅延されるバージョンの信号622を提供する。タイミングパラメータは、特定の1つ又は複数のスイッチ(例えば、回路140のスイッチ回路S3及びS4の1つ)のオン状態の最大許容継続時間を表すことができる。結果として、出力632及び信号614に基づいて生成された信号616が、時間遅延が終了した後にSRラッチ620(したがって、アサート解除信号612)をリセットすることができる。しかしながら、時間遅延の別の期間が満了した後も信号612が電圧VOのオーバーシュートを示し続ける場合には、信号622が再びアサートされることがある。
【0056】
図7は、一実施形態に従って電圧レギュレータによる電圧オーバーシュートを緩和するように動作する回路装置700の特徴を示す。回路装置700は、装置100の特徴の一部又は全部を含んでもよく、及び/又は、例えば、方法200に従って動作されてもよい。回路装置700は、あるコンバータ回路の(再)構成が、別のコンバータ回路の(再)構成を越えて選択されて、電圧オーバーシュートの緩和を容易にする一実施形態の一例である。このような選択的構成は、一方の変換器回路の所定の基準位置への近接性、例えば、他方の変換器回路の近接性に比較した近接性に基づいている。
【0057】
図7に示すように、回路装置700は、負荷回路710と、それに結合された複数の電圧レギュレータ回路(例示的なVR720a、720b、...、720nなど)とを備える。VR720a、720b、...、720nは、図示の例示的なx-y座標系のx次元のような所与の次元に沿って配置されてもよい。例えば、VR720a、720b、...、720nからのそれぞれの出力相互接続712a、712b、...、712nは、負荷回路710をさらに備えるICチップの側面に沿ってライン状に配置されてもよい。まとめて、VR720a、720b、・・・、720nは、安定した出力電圧を負荷回路710の電圧供給ノードに提供するように動作されてもよく、例えば、相互接続712a、712b、・・・、712nは、電圧供給ノードを形成するか、或いは、各々電圧供給ノードに直接接続される。
【0058】
2つ以上のVR720a、720b、...、720nが、それぞれ、VR 110の特徴を有するそれぞれのアーキテクチャを含むことができる。例えば、そのようなVRの各々が、回路130及び回路140にそれぞれ機能的に対応する第1回路及び第2回路を有する。図7において、回路130の機能を提供する回路は記号「Bk」で表され、回路140の機能を提供する回路は記号「Bt」で表される。このような一実施形態では、制御回路730は、様々なBt回路及びBk回路のそれぞれのスイッチ回路(図示せず)を選択的に動作させるように結合される。VR720a、720b、...、720nのうちの所与の1つに対して、そのような選択的動作は、導電経路が、それぞれのBk回路のキャパシタ(例えば)からのエネルギー散逸を容易にすることを可能にし得る。
【0059】
さらに、電圧オーバーシュート緩和をさらに容易にするため、制御回路730は、電圧オーバーシュート状態を緩和する際に使用するために、VR720a、720b、...、720nのうちの1つを、VR720a、720b、...、720nのうちの他のものを越えて選択することができる。このような選択は、所与のVRの位置と、電圧オーバーシュートのソース(実際の又は予想される)の負荷回路710内の位置との間の第1距離に基づいて実行されてもよい。変形的には、あるいは、追加的に、そのような選択は、所与のVR相対位置と制御回路730の位置との間の第2距離に基づいて実行されてもよい。いくつかの実施形態は、これらの距離の一方又は両方が電圧オーバーシュート緩和における遅延源となり得ること、及び出力電圧を低減するためにエネルギーを散逸させる際に使用する代替VRを選択することによってそのような遅延を回避し得ることを、本発明者らが理解したことに部分的に基づいている。
【0060】
図示された例示的な実施形態では、制御回路730は、参照情報734を提供するメモリリソース又は他のロジックへのアクセスを含むか、或いはそれに他の方法で接続されている。参照情報734は、VR720a、720b、...、720nにそれぞれ1つ以上の距離を対応させることができ、例えば、参照情報734は、回路装置700の初期構成の一部として演繹的に事前に定義される。例えば、参照情報734は、VR720a、720b、...、720nのそれぞれの識別子BB1、BB2、...、BBNのテーブル750を含んでもよい。識別子BB1、BB2、...、BBNの各々について、テーブル750は、対応する距離値ΔXa及び/又は対応する距離値ΔXbを識別することができる。距離値ΔXaは、所与のVRの位置と制御回路730の位置との間の(x次元に沿った)オフセット距離に等しいか、又はそれに基づいてもよい。距離値ΔXbは、所与のVRの位置と電圧オーバーシュートの潜在的なソースの位置との間の(x次元に沿った)オフセット距離に等しいか、又はそれに基づいてもよい。本明細書において、「電圧オーバーシュートの潜在的なソース」は、比較的高い負荷電流動作モードと比較的低い負荷電流動作モードとの間で遷移(このような遷移は電圧オーバーシュートに寄与し得る)することができる負荷回路710の特定の構成要素を指す。
【0061】
このような実施形態では、検出器回路732は、実際の(又は代替的に、予想される来るべき)電圧オーバーシュート状態のソースの位置を示す信号736を受信することができる。信号736は、例えば、種々の従来の電力管理技術のいずれかから適合された動作に基づいて生成されてもよい。信号736に応答して、制御回路730は参照情報734にアクセスして、VR720a、720b、...、720nのうちの1つの相対的優先度をVR720a、720b、...、720nのうちの他の1つ又は複数の優先度に対して識別することができる。この優先度に基づいて、制御回路730は、例えば、方法200の240でのイネーブル化に従って、選択されたVRのスイッチを再構成するための制御信号を生成することができる。
【0062】
図8は、一実施形態に従った計算装置800を示す。計算装置800は、ボード802を収容する。ボード802は、プロセッサ804及び少なくとも1つの通信チップ806を非限定的に含む、多数の構成要素を含んでもよい。プロセッサ804は、物理的及び電気的にボード802に結合される。いくつかの実施態様では、少なくとも1つの通信チップ806は、また、物理的及び電気的にボード802に結合される。さらなる実装では、通信チップ806は、プロセッサ804の一部である。
【0063】
その用途に応じて、計算装置800は、物理的及び電気的にボード802に結合されていても結合されてなくてもよい他の構成要素を含んでもよい。これらの他の構成要素には、揮発性メモリ(例えばDRAM)、不揮発性メモリ(例えばROM)、フラッシュメモリ、グラフィックスプロセッサ(CPU)、デジタルシグナルプロセッサ、暗号プロセッサ、チップセット、アンテナ、ディスプレイ、タッチスクリーンディスプレイ、タッチスクリーンコントローラ、バッテリ、オーディオコーデック、ビデオコーデック、電力増幅器(AMP)、グローバルポジショニングシステム(GPS)デバイス、コンパス、加速度計、ジャイロスコープ、スピーカ、カメラ及び大容量記憶装置(ハードディスクドライブ、コンパクトディスク(CD)、デジタル汎用ディスク(DVD)など)が含まれるが、これらに限定されない。
【0064】
通信チップ806は、コンピュータ装置800へのまたそこからのデータを転送するための無線通信を可能にする。用語「無線」及びその派生語は、非固体媒体を通じた変調された電磁放射の使用を介してデータを通信することができる回路、装置、システム、方法、技術、通信チャネルなどを記述するために使用することができる。この用語は、いくつかの実施形態では関連するデバイスがワイヤを含まない可能性があっても、関連するデバイスがワイヤを含まないことを意味しない。通信チップ806は、Wi-Fi (IEEE 802.11ファミリー)、WiMAX (IEEE 802.16ファミリー)、IEEE 802.20、長期進化(LTE)、Ev-DO、HSPA+、HSDPA+、HSUPA+、EDGE、GSM、GPRS、CDMA、TDMA、DECT、Bluetooth、それらの派生物、ならびに3G、4G、5G及びそれを超えるものとして指定される任意の他の無線プロトコルを含むが、これらに限定されない無線標準又はプロトコルのいずれかを実装することができる。計算装置800は、複数の通信チップ806を含んでもよい。例えば、第1通信チップ806は、Wi-Fi及びBluetoothのようなより短い範囲の無線通信に専用とすることができ、第2通信チップ806は、GPS、EDGE、GPRS、CDMA、WiMAX、LTE、Ev-DOその他のような、より長い範囲の無線通信に専用とすることができる。
【0065】
計算装置800のプロセッサ804は、プロセッサ804内にパッケージされた集積回路ダイを含む。用語「プロセッサ」は、レジスタ及び/又はメモリからの電子データを、レジスタ及び/又はメモリに記憶することができる他の電子データに変換するために、電子データを処理する任意のデバイス又はデバイスの一部を指すことができる。通信チップ806はまた、通信チップ806内にパッケージされた集積回路ダイを含む。
【0066】
種々の実装において、計算装置800は、ラップトップ、ネットブック、ノートブック、ウルトラブック、スマートフォン、タブレット、パーソナル・デジタル・アシスタント(PDA)、ウルトラモバイルPC、携帯電話、デスクトップ・コンピュータ、サーバ、プリンタ、スキャナ、モニタ、セットトップ・ボックス、娯楽制御ユニット、デジタルカメラ、ポータブル・ミュージック・プレーヤ、又はデジタル・ビデオ・レコーダであり得る。さらなる実装では、計算装置800は、データを処理する任意の他の電子装置であってもよい。
【0067】
いくつかの実施形態は、コンピュータ・プログラム製品又はソフトウェアとして提供され得、このソフトウェアは、命令を記憶した機械読み取り可能媒体を含み得、この媒体は、一実施形態に従ってプロセスを実行するためにコンピュータ・システム(又は他の電子デバイス)をプログラムするために使用され得る。機械読み取り可能媒体は、機械(例えば、コンピュータ)によって読み取り可能な形態で情報を記憶又は送信するための任意の機構を含む。例えば、機械読取可能(例えば、コンピュータ読取可能)媒体は、機械(例えば、コンピュータ)読取可能記憶媒体(例えば、読取専用メモリ(「ROM」)、ランダムアクセスメモリ(「RAM」)、磁気ディスク記憶媒体、光記憶媒体、フラッシュメモリデバイス等)、機械(例えば、コンピュータ)読取可能伝送媒体(例えば、電気、光、音響その他の形態の伝搬信号(例えば、赤外線信号、デジタル信号等))等を含む。
【0068】
図9は、コンピュータ・システム900の例示的形態のマシンの概略図を示し、その中で、マシンに本明細書に記載された方法のうちのいずれか1つ又は複数の方法を実行させるための一組の命令が実行され得る。別の実施形態では、マシンは、ローカルエリアネットワーク(LAN)、イントラネット、エクストラネット又はインターネット内の他のマシンに接続され得る(例えば、ネットワーク化され得る)。このマシンは、クライアント-サーバネットワーク環境内のサーバ又はクライアントマシンの容量で動作する場合もあれば、ピア・ツー・ピア(又は分散)ネットワーク環境内のピアマシンとして動作する場合もある。この機械は、パーソナルコンピュータ(PC)、タブレットPC、セットトップボックス(STB)、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、セルラー電話、ウェブアプライアンス、サーバ、ネットワークルータ、スイッチ又はブリッジ、又はそのマシンがとるべき行動を指定する一連の命令を(順次的にまたはその他の方法で)実行することができる任意のマシンであってもよい。さらに、単一のマシンのみが図示されているが、用語「マシン」は、本明細書に記載された方法のいずれか1つ以上を実行するための命令のセット(又は複数のセット)を個別に又は共同で実行する任意のマシン(例えば、コンピュータ)の集合も含むと解釈される。
【0069】
例示的なコンピュータ・システム900は、バス930を介して互いに通信するプロセッサ902、メインメモリ904(例えば、読み出し専用メモリ(ROM)、フラッシュメモリ、同期DRAM(SDRAM)又はラムバス DRAM (RDRAM)などのダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、スタティックメモリ906(例えば、フラッシュメモリ、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)など)、及びセカンダリメモリ918を含む。
【0070】
プロセッサ902は、マイクロプロセッサ、中央処理装置等の1つ以上の汎用処理装置を表す。より詳細には、プロセッサ902は、複雑な命令セット計算(CISC)マイクロプロセッサ、縮小命令セット計算(RISC)マイクロプロセッサ、超長命令ワード(VLIM)マイクロプロセッサ、他の命令セットを実装するプロセッサ、又は命令セットの組み合わせを実装するプロセッサであってもよい。プロセッサ902はまた、アプリケーション特有の集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、ネットワークプロセッサなどの1つ以上の特殊目的の処理デバイスであってもよい。プロセッサ902は、本明細書に記載される動作を実施するために、処理ロジック926を実行するように構成される。
【0071】
コンピュータ・システム900は、ネットワーク・インターフェース装置908をさらに含むことができる。コンピュータ・システム900はまた、ビデオ表示ユニット910(例えば、液晶ディスプレイ(LCD)、発光ダイオードディスプレイ(LED)、又は陰極線管(CRT))、英数字入力装置912(例えば、キーボード)、カーソル制御装置914(例えば、マウス)、及び信号発生装置916(例えば、スピーカ)を含んでもよい。
【0072】
二次メモリ918は、機械アクセス可能な記憶媒体(又は、より具体的には、コンピュータ読取可能な記憶媒体)932を含んでもよく、該記憶媒体の上に、本明細書に記載される方法又は機能のうちの任意の1つ又は複数を具体化する1つ又は複数の命令セット(例えば、ソフトウェア922)が記憶される。ソフトウェア922はまた、コンピュータ・システム900によって実行される間に、メインメモリ904及び/又はプロセッサ902の完全に又は少なくとも部分的に内部に、存在してもよい。メインメモリ904及び/又はプロセッサ902もまた、機械読み取り可能記憶媒体を構成する。ソフトウェア922はさらに、ネットワークインターフェース装置908を介してネットワーク920に亘り送受信されてもよい。
【0073】
機械アクセス可能な記憶媒体932は、例示的な実施形態では単一の媒体であるとして示されているが、用語「機械可読記憶媒体」は、1つ以上の命令セットを記憶する単一の媒体又は複数の媒体(例えば、集中化もしくは分散されたデータベース、及び/又は関連するキャッシュ及びサーバ)を含むと解釈されるべきである。「機械可読記憶媒体」という用語はまた、機械による実行のための命令セットを記憶又は符号化することができ、かつ、機械に1つ以上の実施形態のいずれかを実施させる媒体を含むと解釈されるべきである。「機械可読記憶媒体」という用語は、固体メモリ、光学及び磁気媒体を非限定的に含むものと解釈されるべきである。
【0074】
集積回路に電圧を提供するための技術及びアーキテクチャが、本明細書に記述される。上述の記述では、説明の目的で、特定の実施形態の完全な理解を提供するために、多数の特定の詳細が記載されている。しかしながら、特定の実施形態が、これらの特定の詳細なしに実施され得ることは、当業者には明らかであろう。他の例では、構造及び装置が、説明を不明瞭にすることを避けるために、ブロック図の形式で示されている。
【0075】
本明細書中における「一実施形態」又は「実施形態」への言及は、本発明の少なくとも一実施形態には、当該実施形態に関連して記載された特定の特徴、構造、又は特徴が含まれていることを意味する。本明細書中の様々な箇所における「一実施形態において」という文言の登場は、必ずしも同一の実施形態を参照するものではない。
【0076】
本明細書の詳細な説明の一部は、コンピュータメモリ内のデータビット上の演算のアルゴリズム及び記号表現で示される。これらのアルゴリズム的記述及び表現は、コンピュータ技術の当業者が、その研究の内容を当業者に最も効果的に伝達するために使用する手段である。アルゴリズムは、本明細書において、かつ一般的に、所望の結果につながる首尾一貫した一連のステップと考えられている。ステップとは、物理量の物理的操作を必要とするステップである。必ずしもというわけではないが、通常、これらの量は、格納され、移送され、組み合わされ、比較され、また他の方法で処理されることができる、電気信号又は磁気信号の形態を取る。主に共通の利用に供するという理由で、これらの信号を、ビット、値、要素、記号、文字、用語、数字などとして参照すれば、時として利便性が高いことが知られている。
【0077】
しかしながら、上記の全用語ならびに類似の用語は、適切な物理量に関連しており、この物理量に適用される簡便な標識に過ぎないという点を留意すべきである。本明細書の説明から明らかであり、別途明示されていない限り、本明細書を通じて、「処理」又は「コンピューティング」又は「計算」又は「決定」又は「表示」などの用語を使用する議論は、コンピュータ・システム又は類似の電子計算装置の動作及びプロセスを意味することが理解される。そのようなコンピュータ・システム又は類似の電子計算装置は、コンピュータ・システムのレジスタ及びメモリ内の物理的(電子的)量として表現されるデータを操作しかつ変換して、コンピュータ・システムのメモリ若しくはレジスタ又は他のこのような情報記憶、送信若しくは表示装置内の物理的量として同様に表現される他のデータへと変換する。
【0078】
また、特定の実施形態は、本明細書の操作を実行するための装置に関する。この装置は、必要とされる目的のために特別に構成され得るか、或いはコンピュータに格納されたコンピュータプログラムによって選択的に作動させられるか、又は再構成される汎用コンピュータを備え得る。このようなコンピュータプログラムは、フロッピーディスク、光ディスク、CD-ROM及び磁気光ディスク含む任意の種類のディスク、読取り専用メモリ(ROM)、例えばダイナミックRAMなどのランダムアクセスメモリ(RAM)、EPROM、EEPROM、磁気若しくは光学カード、又は電子命令を記憶するのに適した任意の種類の媒体などを非限定的に含むコンピュータ可読記憶媒体に記憶され、コンピュータシステムバスに結合される。
【0079】
本明細書に提示されるアルゴリズム及び表示は本来的に、何らかの特定のコンピュータ又は他の装置に関連するというものではない。様々な汎用システムが、本明細書における教示に従うプログラムと共に使用され得るか、或いは必要とされる方法ステップを実行するために、さらに専用化された装置を構成することが便利であることが判明し得る。種々のこれらのシステムに必要な構造は、本明細書の説明から明らかになる。加えて、特定の実施形態は、特定のプログラミング言語を参照して記載されてはいない。様々なプログラミング言語が、本明細書に記載されるような実施形態の教示を実施するために使用され得ることが理解されるであろう。
【0080】
本明細書に記載されているものに加えて、開示された実施形態及びその実装に対して、それらの範囲から逸脱することなく、種々の修正を行うことができる。したがって、本明細書における説明及び実例は、限定的な意味ではなく、例示的な意味に解釈されるべきである。本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲を参照することによってのみ評価されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9