(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-08
(45)【発行日】2023-09-19
(54)【発明の名称】生検装置
(51)【国際特許分類】
A61B 10/02 20060101AFI20230911BHJP
【FI】
A61B10/02 110H
A61B10/02 110Z
(21)【出願番号】P 2020565036
(86)(22)【出願日】2019-02-07
(86)【国際出願番号】 IL2019050156
(87)【国際公開番号】W WO2019155472
(87)【国際公開日】2019-08-15
【審査請求日】2022-02-04
(32)【優先日】2018-02-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-08-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-01-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】520297573
【氏名又は名称】リマカ メディカル リミテッド
【氏名又は名称原語表記】LIMACA MEDICAL LTD.
【住所又は居所原語表記】3rd Ha Rimon Street, 2nd floor, Mevo-Carmel Science and Industry Park, Ein HaEmek, Israel
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】クレイン アッサーフ
(72)【発明者】
【氏名】カメイシ イヤド
(72)【発明者】
【氏名】シャチュルール セフィ
【審査官】外山 未琴
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0056040(US,A1)
【文献】特表2008-528207(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第01923004(EP,A2)
【文献】米国特許出願公開第2015/0057566(US,A1)
【文献】特開2000-312679(JP,A)
【文献】特表2012-524618(JP,A)
【文献】特開2005-199044(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 10/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
把持部材を有する細長いハンドルと、
内部管腔と軟組織に面する遠位開口部とを有する中空の遠位のサンプリング部分
を備える細長い可撓性のシャフトであって、
前記中空の遠位のサンプリング部分は、軟組織への貫入、前記軟組織の部分の、前記中空の遠位のサンプリング部分の前記内部管腔への導入、および、前記内部管腔における組織サンプルの前記軟組織の部分からの分離のために使用される、細長い可撓性のシャフトと、
前記細長い可撓性のシャフトに結合され、前記サンプリング部分を前記軟組織内に軸方向に前進させる間に、前記細長い可撓性のシャフトおよび前記サンプリング部分を100回転/分(RPM)から10,000RPMの範囲の速度で回転させるように構成された、駆動部と、を備え、
前記中空の遠位のサンプリング部分は、
組織サンプルを前記軟組織から分離するための前記駆動部による前記細長い可撓性のシャフトの回転の間に、前記中空の遠位のサンプリング部分の
少なくとも部分的に内側に配置された
軟組織に力を加えるように構成さ
れ、
前記中空の遠位のサンプリング部分は、前記遠位開口部を取り囲
む鋭利な切断縁
および内周テーパ領域をさらに備え、前
記鋭利な切断縁は、
前記サンプリング部分の軸方向の前進および回転の間に、前記軟組織を切断するための形状およびサイズであり、前記内周テーパ領域は、前記遠位開口部を通って前記サンプリング部分内に貫通する
軟組織
の部分を凝縮し、前記凝縮された組織と前記中空の遠位のサンプリング部分の内面との間の摩擦を増大させるように構成された
、軟組織
の生検装置。
【請求項2】
前記細長い可撓性のシャフトは、前記中空の遠位のサンプリング部分が前記軟組織に貫入するとき、可撓性の内視鏡の作業チャネル内で軸方向に前進および回転させられるように構成された、
請求項1に記載の生検装置。
【請求項3】
前記中空の遠位のサンプリング部分により、前記中空の遠位のサンプリング部分の少なくとも部分的に内側に配置された前記軟組織に加えられた前記力は、剪断力である、
請求項1または2に記載の生検装置。
【請求項4】
前記駆動部による前記サンプリング部分の回転速度と軸方向の前進速度との間の比は、前記中空の遠位のサンプリング部分の組織
サンプルを前記軟組織から分離するのに十分な前記
中空の遠位のサンプリング部分による
前記剪断力を生成するように選択される、または予め決定される、
請求項
3に記載の生検装置。
【請求項5】
前記駆動部は、回転速度と軸方向の前進速度との間の選択された前記比に従って、前記細長い可撓性のシャフト
および前記中空の遠位のサンプリング部分を回転させ、軸方向に前進させるように構成されたギアモータを備える、
請求項
4に記載の生検装置。
【請求項6】
前記比は、組織のタイプおよび/または組織の特性に従って予め決定される、
請求項
5に記載の生検装置。
【請求項7】
前記サンプリング部分の外径は、0.5mmから2mmの範囲である、
請求項1から
6のいずれか一項に記載の生検装置。
【請求項8】
前記中空の遠位のサンプリング部分の壁の厚さは、0.04mmから0.3mmの範囲である、
請求項1から
7のいずれか一項に記載の生検装置。
【請求項9】
前記中空の遠位のサンプリング部分は、ニチノール管またはニチノール針を備える、
請求項1から
8のいずれか一項に記載の生検装置。
【請求項10】
前記細長い可撓性のシャフトは、少なくとも1つのツイストワイヤから形成される中空伝達トルクコルクを備える、
請求項1から
8のいずれか一項に記載の生検装置。
【請求項11】
前記中空の遠位のサンプリング部分は、前記少なくとも1つのツイストワイヤから形成される、
請求項
10に記載の生検装置。
【請求項12】
前記中空の遠位のサンプリング部分は、交換可能な針である、
請求項1から
10のいずれか一項に記載の生検装置。
【請求項13】
前記駆動部は、前記細長い可撓性のシャフトおよび前記中空の遠位のサンプリング部分を、前記軟組織内に、5mm/秒から15mm/秒の範囲の軸方向の速度で軸方向に前進させる、
請求項1から
12のいずれか一項に記載の生検装置。
【請求項14】
前記駆動部は、前記細長い可撓性のシャフトを、前記軸方向の前進の間、400RPMから1000RPMの範囲の速度で回転させる、
請求項
13に記載の生検装置。
【請求項15】
前記細長い可撓性のシャフトの前記内部管腔内で前方に前進し、および後退するような形状および大きさのスタイレットを備える、
請求項1から
14のいずれか一項に記載の生検装置。
【請求項16】
スタイレット解放ボタンを備え、前記スタイレット解放ボタンは、前記スタイレットを遠位位置から近位位置に解放するように構成される、
請求項
15に記載の生検装置。
【請求項17】
前記スタイレットの少なくとも一部の断面は、非対称断面である、
請求項
15または
16に記載の生検装置。
【請求項18】
前記スタイレットは、前記細長い可撓性のシャフトを通って前記中空の遠位のサンプリング部分と前記ハンドルとの間を移動する可動のスタイレットであり、前記スタイレットは、前記スタイレットが前記中空の遠位のサンプリング部分の管腔を少なくとも部分的に占める遠位位置と、前記スタイレットが前記中空の遠位のサンプリング部分の管腔から後退する近位位置との間で移動する、
請求項
15から
17のいずれか一項に記載の生検装置。
【請求項19】
前記ハンドル内に配置されたスタイレットロッカーを備え、前記スタイレットロッカーは、前記細長い可撓性のシャフトが選択されたサンプリング部位に向かってナビゲートされるときに、前記スタイレットを遠位位置にロックする、
請求項
18に記載の生検装置。
【請求項20】
スタイレットロッカーに接続されたスタイレット解放ボタンを備え、前記スタイレット解放ボタンは、前記中空の遠位のサンプリング部分が前記軟組織内に貫入する前に、前記スタイレットを前記遠位位置から解放するように構成される、
請求項
18または
19に記載の生検装置。
【請求項21】
前記中空の遠位のサンプリング部分の外面はシーリングチューブで少なくとも部分的に覆われ、前記シーリングチューブは、前記サンプリング部分の壁を通る前記サンプリング部分内の組織サンプルおよび/または液体の解放を防止する、
請求項1から
20のいずれか一項に記載の生検装置。
【請求項22】
前記中空の遠位のサンプリング部分の外面は、前記中空の遠位のサンプリング部分の移動中に周囲組織との摩擦を低減するように構成された低摩擦層によって少なくとも部分的に覆われている、
請求項1から
21のいずれか一項に記載の生検装置。
【請求項23】
前記低摩擦層は、コーティング、チューブまたは収縮チューブを含む、
請求項
22に記載の生検装置。
【請求項24】
前記低摩擦層は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、パリレン(PARYLENE)のうちの1つまたは複数を含む、
請求項
22または
23に記載の生検装置。
【請求項25】
前記低摩擦層は隔離層であり、前記中空の遠位のサンプリング部分の壁を液体および/または組織の通過から隔離するように構成される、
請求項
22から
24のいずれか一項に記載の生検装置。
【請求項26】
前記細長い可撓性のシャフトの外面の少なくとも一部は、異なる方向に超音波を反射するような形状および大きさの1つまたは複数の軸方向および円周方向に離間した溝および/または窪みを備える、
請求項1から
25のいずれか一項に記載の生検装置。
【請求項27】
前記駆動部は、前記サンプリング部分を間欠的に回転パルスで回転させる、
請求項1から
26のいずれか一項に記載の生検装置。
【請求項28】
前記駆動部は、前記サンプリング部分を可変回転速度で回転させる、
請求項1から
27のいずれか一項に記載の生検装置。
【請求項29】
前記駆動部は、前記サンプリング部分を反対方向に回転させる、
請求項1から
28のいずれか一項に記載の生検装置。
【請求項30】
前記駆動部は、前記サンプリング部分を360度未満の回転角度で回転させる、
請求項1から
29のいずれか一項に記載の生検装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、米国特許法第119条(e)の下で、2018年2月8日に出願された米国仮特許出願第62/627,786号、2018年8月26日に出願された米国仮特許出願第62/722,907号、および2019年1月3日に出願された米国仮特許出願第62/787,783の優先権の利益を主張するものであり、その内容は、全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
本発明はそのいくつかの実施形態では生検装置に関し、より詳細には軟組織生検装置に関するが、これに限定されるものではない。回転サンプリング要素を有する生検装置は、硬組織、例えば骨をサンプリングするために使用される。他の生検装置は、軟組織、例えば皮膚組織の生検をサンプリングするためのサンプリング要素を使用する。
【0003】
米国特許第8,685,635B2号は、「皮膚微小器官(DMO)を提供する本発明の実施形態」、その製造方法および装置を記載している。本発明のいくつかの実施形態はDMO中の不十分な栄養および老廃物の蓄積による細胞毒性および付随する死を最小限にするために、DMOの細胞への適切な栄養および気体の受動的拡散、ならびに細胞老廃物の細胞外への拡散を可能にするように選択された寸法を有する、それらが由来する真皮組織の微細構造および三次元構造を実質的に保持する、複数の真皮成分を含むDMOを提供する。本発明のいくつかの実施形態は、DMOを採取するための方法および装置を提供する。DMOを採取するための装置は、いくつかの例示的な実施形態によれば、DMOが採取される皮膚関連組織構造を支持するための支持形状と、皮膚関連組織構造からDMOを分離することができる切断ツールとを含むことができる。他の実施形態が記載され、特許請求される。
【発明の概要】
【0004】
本発明のいくつかの実施形態のいくつかの例を以下に列挙する:
【0005】
実施例1.把持部材を有する細長いハンドルと、
内部管腔を有する中空の遠位のサンプリング部分と、軟組織に面する遠位開口部とを機械的に備える細長い可撓性のシャフトと、
サンプリング部分が軟組織内に軸方向に前進する間に、サンプリング部分を100回転/分(RPM)から10,000RPMの範囲の速度で回転させるように構成された駆動部と、を備える軟組織生検装置。
実施例2.サンプリング部分は、外周および/または内周テーパ領域を有する遠位開口部を取り囲む切断縁を備え、切断縁は、軟組織を切断するための形状およびサイズである、実施例1に記載の生検装置。
実施例3.駆動部は、回転速度と軸方向の前進速度との間の選択された比に従って、サンプリング部分を回転させ、軸方向に前進させるように構成されたギアモータを備える、実施例1または2に記載の生検装置。
実施例4.比は、組織のタイプおよび/または組織の特性に従って予め決定される、実施例3に記載の生検装置。
実施例5.サンプリング部分は、サンプリング部分の内部管腔を取り囲む内面に接続された少なくとも1つの内部突起および/または隆起部を含む、実施例1から4のいずれか一例に記載の生検装置。
【0006】
実施例6.サンプリング部分は、サンプリング部分の内部管腔を少なくとも部分的に取り囲む少なくとも1つの内部ねじ山を備える、実施例1から5のいずれか一例に記載の生検装置。
実施例7.サンプリング部分は、サンプリング部分の内部管腔を少なくとも部分的に取り囲む少なくとも1つの螺旋状突起を備える、実施例1から6のいずれか一例に記載の生検装置。
実施例8.遠位開口部から少なくとも2mmの距離にあるサンプリング部分の内径は遠位開口部の直径よりも小さい、実施例1から7のいずれか一例に記載の生検装置。
実施例9.遠位開口部から少なくとも2mmの距離にあるサンプリング部分の内径は遠位開口部の直径よりも広い、実施例1から8のいずれか一例に記載の生検装置。
実施例10.遠位開口部の直径は0.3mmから5mmの範囲である、実施例8または9に記載の生検装置。
【0007】
実施例11.サンプリング部分は交換可能な針である、実施例1から10のいずれか一例に記載の生検装置。
実施例12.交換可能な針のゲージ値は18から25ゲージの範囲にある、実施例11に記載の生検装置。
実施例13.シャフトは編組トルクコイルを備える、実施例1から12のいずれか一例に記載の生検装置。
実施例14.前方に前進し、シャフトの内部管腔内に後退するような形状および大きさのスタイレットを備える、実施例1から13のいずれか一例に記載の生検装置。
実施例15.軟組織に面する遠位開口部を有する細長いシャフトの遠位端に中空サンプリング部分を有する細長い可撓性のシャフトを備え、中空サンプリング部分は前記軟組織に摩擦力で係合し、剪断力および/または引張力で軟組織から組織サンプルを分離するような形状および大きさである、軟組織生検装置。
【0008】
実施例16.サンプリング部分は、外周および/または内周テーパ面を有するサンプリング部分の遠位開口部を取り囲む切断縁を備える、実施例15に記載の装置。
実施例17.サンプリング部分は鋸歯状切断縁を備える、実施例15に記載の装置。
実施例18.サンプリング部分は、サンプリング部分の内部表面に接続された少なくとも1つの短い突起および/または隆起部を備える、実施例15から17のいずれか一例に記載の装置。
実施例19.サンプリング部分はサンプリング部分の内部表面に接続された少なくとも1つの円弧状突起を備え、円弧状突起はサンプリング部分の内部管腔を少なくとも部分的に包囲する、実施例15から17のいずれか一例に記載の装置。
実施例20.サンプリング部分は、サンプリング部分の内部表面上に内部ねじ山および/または少なくとも1つの切欠きを備える、実施例15から19のいずれか一例に記載の装置。
【0009】
実施例21.遠位開口部から少なくとも2mm離れた位置にあるサンプリング部分の内径はサンプリング部分の開口部の直径よりも小さい、実施例15から20のいずれか一例に記載の装置。
実施例22.遠位開口部から少なくとも2mm離れた位置にあるサンプリング部分の内径はサンプリング部分の開口部の直径よりも大きい、実施例15から20のいずれか一例に記載の装置。
実施例23.サンプリング部分の外径は0.5から4mmの範囲である、実施例15から22のいずれか一例に記載の装置。
実施例24.遠位開口部の直径は0.3から1mmの範囲である、実施例21または22のいずれか一例に記載の装置。
実施例25.サンプリング部分は針を備える、実施例15から24のいずれか一例に記載の装置。
【0010】
実施例26.針のゲージ値は18から25ゲージの範囲にある、実施例25に記載の装置。
実施例27.柔軟なシャフトのサンプリング部分を回転させることであって、柔軟なシャフトは少なくとも部分的に中空である、回転させることと、
軟組織内に回転させる間に、サンプリング部分を軸方向に前進させることと、を含む、軟組織をサンプリングする方法。
実施例28.軟組織のタイプに従って、サンプリング部分の回転速度および/または軸方向の前進速度を調整することを含む、実施例27に記載の方法。
実施例29.調整することが、軟組織の特性に従って、サンプリング部分の回転速度および/または軸方向の前進速度を調整することを含む、実施例28に記載の方法。
実施例30.軟組織の特性は、組織組成、組織サイズおよび/または組織密度を含む、実施例29に記載の方法。
【0011】
実施例31.回転させることに先立って、回転速度と軸方向の前進速度との間の比が固定された駆動部を有する生検装置を選択することを含む、実施例27に記載の方法。
実施例32.回転させることは、サンプリング部分を100RPMから10,000RPMの範囲の回転速度で回転させることを含む、実施例27から31のいずれか一例に記載の方法。
実施例33.軸方向に前進させることは、0.4mm/秒から50mm/秒の範囲の軸方向の前進速度で前記サンプリング部分を軸方向に前進させることを含む、実施例37から39のいずれか一例に記載の方法。
実施例34.軟組織から組織サンプルを分離することを含み、組織サンプルは、サンプリング部分の管腔内に配置される、実施例37から41のいずれか一例に記載の方法。
実施例35.組織サンプルを内部管腔内に保持するのに十分なサンプリング部分の内部管腔内に吸引力を加えることを含む、実施例34に記載の方法。
【0012】
実施例36.内部管腔から組織サンプルを抽出することを含む、実施例34または35のいずれか一例に記載の方法。
実施例37.抽出することは、管腔内でスタイレットを前進させて、組織サンプルと接触して解放することを含む、実施例36に記載の方法。
実施例38.抽出することは、管腔内の流体を適用して、組織サンプルを解放することを含む、実施例36に記載の方法。
実施例39.抽出することは、管腔内に吸引力を加えて、組織サンプルを解放し、引き寄せることを含む、実施例36に記載の方法。
実施例40.サンプリング部分を軟組織から後退させることを含む、実施例27から39のいずれか一例に記載の方法。
実施例41.後退させることは、回転が停止されている間にサンプリング部分を軟組織から後退させることを含む、実施例40に記載の方法。
【0013】
以下は、本発明のいくつかの実施形態のいくつかの追加の実施例である:
【0014】
実施例1.把持部材を有する細長いハンドルと、
内部管腔を有する中空の遠位のサンプリング部分と、軟組織に面する遠位開口部とを機械的に備える細長い可撓性のシャフトと、
サンプリング部分が軟組織内に軸方向に前進する間に、サンプリング部分を100回転/分(RPM)から10,000RPMの範囲の速度で回転させるように構成された駆動部と、を備える軟組織生検装置。
実施例2.サンプリング部分は、外周および/または内周テーパ領域を有する遠位開口部を取り囲む切断縁を備え、切断縁は、軟組織を切削するための形状および大きさである、実施例1に記載の生検装置。
実施例3.駆動部は、回転速度と軸方向の前進速度との間の選択された比に従って、サンプリング部分を回転させ、軸方向に前進させるように構成されたギアモータを備える、実施例1または2に記載の生検装置。
実施例4.比は、組織のタイプおよび/または組織の特性に従って予め決定される、実施例3に記載の生検装置。
実施例5.サンプリング部分は、サンプリング部分の内部管腔を取り囲む内面に接続された少なくとも1つの内部突起および/または隆起部を備える、実施例1から4のいずれか一例に記載の生検装置。
【0015】
実施例6.サンプリング部分は、サンプリング部分の内部管腔を少なくとも部分的に取り囲む少なくとも1つの内部ねじ山を備える、実施例1から5のいずれか一例に記載の生検装置。
実施例7.サンプリング部分は、サンプリング部分の内部管腔を少なくとも部分的に取り囲む少なくとも1つの螺旋状突起を備える、実施例1から6のいずれか一例に記載の生検装置。
実施例8.遠位開口部から少なくとも1mmの距離にあるサンプリング部分の内径は遠位開口部の直径よりも小さい、実施例1から7のいずれか一例に記載の生検装置。
実施例9.遠位開口部から少なくとも1mmの距離にあるサンプリング部分の内径は遠位開口部の直径よりも広い、実施例1から7のいずれか一例に記載の生検装置。
実施例10.遠位開口部の直径は0.3mmから5mmの範囲である、実施例8または9のいずれか一項に記載の生検装置。
【0016】
実施例11.サンプリング部分は交換可能な針である、実施例1から10のいずれか一例に記載の生検装置。
実施例12.サンプリング部分のゲージ値は16から25ゲージの範囲内である、実施例1から11のいずれか一例に記載の生検装置。
実施例13.シャフトは少なくとも1つのワイヤから形成されたトルクコイルを備える、実施例1から12のいずれか一例に記載の生検装置。
実施例14.サンプリング部分は少なくとも1つのワイヤによって形成される、実施例13に記載の生検装置。
実施例15.サンプリング部分の壁の厚さが少なくとも0.04mmである、実施例14に記載の生検装置。
【0017】
実施例16.前方に前進し、シャフトの内部管腔内に後退するような形状および大きさのスタイレットを備える、実施例1から15のいずれか一例に記載の生検装置
実施例17.スタイレット解放ボタンを備え、スタイレット解放ボタンはスタイレットを遠位位置から近位位置に解放するように構成される、実施例10に記載の生検装置。
実施例18.スタイレットの少なくとも一部の断面は非対称断面である、実施例16または17のいずれか一例に記載の生検装置。
実施例19.スタイレットの少なくとも一部の断面は非円形断面である、実施例16または17のいずれか一例に記載の生検装置。
実施例20.サンプリング部分の外面はシーリングチューブで少なくとも部分的に覆われ、シーリングチューブはサンプリング部分の壁を通るサンプリング部分内の組織サンプルおよび/または液体の解放を防止する、実施例1から12のいずれか一例に記載の生検装置。
【0018】
実施例21.サンプリング部分の外面は、サンプリング部分の移動中に周囲組織との摩擦を低減するように構成された低摩擦層によって少なくとも部分的に覆われている、実施例1から13のいずれか一例に記載の生検装置。
実施例22.細長い可撓性のシャフトの外面の少なくとも一部は、異なる方向に超音波を反射するような形状および大きさの1つまたは複数の軸方向および円周方向に離間した溝および/または窪みを備える、実施例1から14のいずれか一例に記載の生検装置。
実施例23.駆動部はサンプリング部分を間欠的に回転パルスで回転させる、実施例1から15のいずれか一例に記載の生検装置。
実施例24.駆動部はサンプリング部分を可変回転速度で回転させる、実施例1から16のいずれか一例に記載の生検装置。
実施例25.駆動部はサンプリング部分を反対方向に回転させる、実施例1から17のいずれか一例に記載の生検装置。
【0019】
実施例26.駆動部はサンプリング部分を360度未満の回転角度で回転させる、実施例1から18のいずれか一例に記載の生検装置。
実施例27.把持部材を有する細長いハンドルと、
内部管腔を有する中空の遠位のサンプリング部分と、軟組織に面する遠位開口部とを機械的に備える細長い可撓性のシャフトと、
サンプリング部分が軟組織内に軸方向に前進する間に、サンプリング部分を100回転/分(RPM)から10,000RPMの範囲の速度で回転させるように構成された少なくとも1つの予荷重エネルギー源と、を備える軟組織生検装置。
実施例28.少なくとも1つの予荷重エネルギー源はばねおよび/またはフライホイールを備える、実施例20に記載の軟組織生検装置。
実施例29.少なくとも1つの予荷重エネルギー源は交換可能なエネルギー源である、実施例20または21に記載の軟組織生検装置。
実施例30.把持部材を有する細長いハンドルと、
内部管腔を有する中空の遠位のサンプリング部分と、軟組織に面する遠位開口部とを機械的に備える細長い可撓性のシャフトと、
細長い可撓性のシャフトを通ってサンプリング部分とハンドルとの間を移動する可動のスタイレットであって、スタイレットがサンプリング部分の管腔を少なくとも部分的に占める遠位位置と、スタイレットがサンプリング部分の管腔から後退する近位位置との間で移動する、可動のスタイレットと、
ハンドル内に配置されたスタイレットロッカーであって、スタイレットロッカーが細長い可撓性のシャフトが選択されたサンプリング部位に向かってナビゲートされるときに、スタイレットを遠位位置にロックする、スタイレットロッカーと、を備える軟組織生検装置。
【0020】
実施例31.スタイレットロッカーに接続されたスタイレット解放ボタンを備え、スタイレット解放ボタンは、サンプリング部分が組織内に貫入する前に、スタイレットを遠位位置から解放するように構成される、実施例23に記載の軟組織生検装置。
実施例32.スタイレットに接続された少なくとも1つのばねを備え、ばねは、スタイレットを遠位位置から選択された後退距離まで後退させることによって、スタイレットを近位位置に押す、実施例24に記載の軟組織生検装置。
実施例33.後退距離が予め定められている、実施例25に記載の軟組織生検装置。
実施例34.後退距離が、組織タイプ、組織サンプルの所望の数、および/または所望の組織サンプル容量のうちの1つまたは複数に従って調整される、実施例32に記載の軟組織生検装置。
実施例35.スタイレットの位置を感知するように構成された少なくとも1つのセンサを備える、実施例24から26のいずれか一例に記載の軟組織生検装置。
【0021】
実施例36.可動のスタイレットの少なくとも一部の断面が非対称断面である、実施例30から35のいずれか一例に記載の軟組織生検装置。
実施例37.可動のスタイレットの少なくとも一部の断面が非円形断面である、実施例30から36のいずれか一例に記載の軟組織生検装置。
実施例38.軟組織に面する遠位開口部を有する前記細長いシャフトの遠位端に中空サンプリング部分を有する細長い可撓性のシャフトを備え、
中空サンプリング部分は、摩擦力で軟組織に係合し、剪断力および/または引張力で軟組織から組織サンプルを分離するような形状および大きさである、軟組織生検装置。
実施例39.サンプリング部分は、外周および/または内周テーパ面を有するサンプリング部分の遠位開口部を取り囲む切断縁を備える、実施例38に記載の装置。
実施例40.サンプリング部分は鋸歯状切断縁を備える、実施例38に記載の装置。
【0022】
実施例41.サンプリング部分は、サンプリング部分の内面に接続された少なくとも1つの短い突起および/または隆起部を備える、実施例38から40のいずれか一例に記載の装置。
実施例42.サンプリング部分はサンプリング部分の内面に接続された少なくとも1つの円弧状突起を備え、円弧状突起はサンプリング部分の内部管腔を少なくとも部分的に囲んでいる、実施例38から40のいずれか一例に記載の装置。
実施例43.サンプリング部分は、サンプリング部分の内面上に内部ねじ山および/または少なくとも1つの切欠きを備える、実施例38から42のいずれか一例に記載の装置。
実施例44.遠位開口部から少なくとも1mm離間したサンプリング部分の内径はサンプリング部分の開口部の直径よりも小さい、実施例38から43のいずれか一例に記載の装置。
実施例45.遠位開口部から少なくとも1mm離間したサンプリング部分の内径はサンプリング部分の開口部の直径よりも大きい、実施例38から43のいずれか一例に記載の装置。
【0023】
実施例46.サンプリング部分の外径は0.5から4mmの範囲にある、実施例38から45のいずれか一例に記載の装置。
実施例47.遠位開口部の直径が0.3から1mmの範囲にある、実施例44または45のいずれか一例に記載の装置。
実施例48.サンプリング部分は針を備える、実施例38から47のいずれか一例に記載の装置。
実施例49.針のゲージ値は18から25ゲージの範囲にある、実施例48に記載の装置。
実施例50.内部管腔と、近位端と、遠位端とを有する可撓性のチューブであって、遠位端は組織に貫入するような形状および大きさである可撓性のチューブを備え、チューブの壁は内部管腔の周りに少なくとも1本のワイヤをねじることによって形成される、生検針。
【0024】
実施例51.チューブの外面は、生検針の長手方向軸に沿って表面上で軸方向および回転方向に変位する少なくとも1つの連続した溝を備える、実施例50に記載の生検針。
実施例52.チューブの外面は、生検装置の長手方向軸に沿って延びる少なくとも1つの螺旋状溝を備える、実施例50に記載の生検針。
実施例53.チューブの外面は、軸方向および円周方向に離間された複数の窪みを備える、50から52のいずれか一例に記載の生検針。
実施例54.柔軟なシャフトのサンプリング部分を回転させることであって、柔軟なシャフトは少なくとも部分的に中空である、回連させることと、
前記軟組織内に前記回転させる間に、前記サンプリング部分を軸方向に前進させることと、を含む、軟組織をサンプリングする方法。
実施例55.軟組織のタイプおよび/または特性に従って、サンプリング部分の回転速度および/または軸方向の前進速度を調整すること、を含む、実施例54に記載の方法。
【0025】
実施例56.調整することが、軟組織の特性に従ってサンプリング部分の回転速度および/または軸方向の前進速度を調整することを含む、実施例55に記載の方法。
実施例57.軟組織の特性は、組織組成、組織サイズおよび/または組織密度を含む、実施例56に記載の方法。
実施例58.回転させることに先立って、回転速度と軸方向の前進速度との間の比が固定された駆動部を有する生検装置を選択することを含む、実施例54に記載の方法。
実施例59.回転させることは、サンプリング部分を100RPMから10,000RPMの範囲の回転速度で回転させることを含む、実施例37から39のいずれか一例に記載の方法。
実施例60.軸方向に前進させることは、0.4mm/秒から50mm/秒の範囲の軸方向の前進速度でサンプリング部分を軸方向に前進させることを含む、実施例54から58のいずれか一例に記載の方法。
【0026】
実施例61.軟組織から組織サンプルを分離することを含み、組織サンプルは、サンプリング部分の管腔内に配置される、実施例54から60のいずれか一例に記載の方法。
実施例62.サンプリング部分の管腔内に組織サンプルを管腔内に保持するのに十分な吸引力を加えることを含む、実施例61に記載の方法。
実施例63.管腔から組織サンプルを抽出すること、を含む、実施例61または62のいずれか一例に記載の方法。
実施例64.抽出することは、管腔内でスタイレットを前進させて、組織サンプルと接触して組織サンプルを解放することを含む、実施例63に記載の方法。
実施例65.抽出することは、管腔内の流体を適用して、組織サンプルを解放することを含む、実施例63に記載の方法。
【0027】
実施例66.抽出することは、管腔内に吸引力を加えて、組織サンプルを解放して引き寄せることを含む、実施例63に記載の方法。
実施例67.サンプリング部分を軟組織から後退させることを含む、実施例54から66のいずれか一例に記載の方法。
実施例68.後退させることは、回転させることが停止されている間にサンプリング部分を軟組織から後退させることを含む、実施例67に記載の方法。
実施例69.回転させることは、サンプリング部分を360度より小さい角度で回転させることを含む、実施例37から43のいずれか一例に記載の方法。
実施例70.回転させることは、サンプリング部分を第1の方向および反対方向に回転させること、を含む、実施例37から44のいずれか一例に記載の方法。
【0028】
実施例71.回転することは、サンプリング部分を2つ以上の回転パルスの列で間欠的に回転させることを含む、実施例54から70のいずれか一例に記載の方法。
実施例72.2つ以上の回転パルスは2つの反対方向の回転パルスである、実施例71に記載の方法。
実施例73.2つ以上の回転パルスは、変化する回転角度および/または回転持続時間を有する、71または72のいずれか一例に記載の方法。
実施例74.把持部材を有する細長いハンドルと、
細長いハンドルに機械的に接続され、内部管腔を有する中空の遠位のサンプリング部分と、軟組織に面する遠位開口部とを有する細長い可撓性のシャフトと、を備え、
中空の遠位のサンプリング部分の壁は、内部管腔の周りに少なくとも1つのワイヤをねじることによって形成される、軟組織生検装置。
実施例75.中空の遠位のサンプリング部分の外面は、サンプリング部分の移動中にサンプリング部分を取り囲む組織との摩擦を低減するように構成された低摩擦層によって少なくとも部分的に覆われる、実施例46に記載の装置。
【0029】
実施例76.低摩擦層は、コーティング、チューブまたは収縮チューブを含む、実施例47に記載の装置。
実施例77.低摩擦層は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、パリレン(PARYLENE)のうちの1つまたは複数を含む、実施例47または48のいずれか一例に記載の装置。
実施例78.低摩擦層は隔離層であり、サンプリング部分の壁を液体および/または組織の通過から隔離することを含む、実施例47から49のいずれか一例に記載の装置。
【0030】
別段の定義がない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および/または科学用語は、本発明が関係する技術分野の当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書に記載されるものと類似または同等の方法および材料を、本発明の実施形態の実施または試験において使用することができるが、例示的な方法および/または材料を以下に記載する。矛盾する場合には、定義を含む特許明細書が優先する。さらに、材料、方法、および実施例は、例示にすぎず、必ずしも限定することを意図するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0031】
本発明のいくつかの実施形態は、添付の図面を参照して、単に例として本明細書に記載される。ここで図面を詳細に明確に参照すると、示される詳細は、例として、および本発明の実施形態の例示的な議論の目的のためであることが強調される。この点に関して、図面を参照した説明は、本発明の実施形態がどのように実施され得るかを当業者に明らかにする。
【
図1A】本発明のいくつかの実施形態による、生検装置のブロック図である。
【
図1B】本発明のいくつかの実施形態による、生検装置の画像である。
【
図2】本発明のいくつかの実施形態による、組織サンプリングプロセスの一般的なフローチャートである。
【
図3A】本発明のいくつかの実施形態による、軸方向の前進速度と回転速度との関係を示すグラフである。
【
図3B】本発明のいくつかの実施形態による、異なる回転速度における15mm/秒の固定された前進速度における筋肉組織サンプルの体積の変化を示すグラフである。
【
図3C-3D】本発明のいくつかの実施形態による、生検装置のサンプリング部分の回転タイプを示すグラフである。
【
図4A】本発明のいくつかの実施形態による、組織サンプリングプロセスの詳細なフローチャートである。
【
図4B-4C】本発明のいくつかの実施形態による、回転中空シャフトを有する生検装置を使用する組織サンプリングプロセスの概略図である。
【
図4D-4E】本発明のいくつかの実施形態による、回転中空シャフトを有する生検装置を使用する組織サンプリングプロセスの概略図である。
【
図4F】本発明のいくつかの実施形態による、生検装置のハンドルおよび制御部の概略図である。
【
図4G-4H】本発明のいくつかの実施形態による、生検装置のハンドルおよび制御部の概略図である。
【
図5A-5C】本発明のいくつかの実施形態による、組織サンプリングプロセス中の生検装置の部分の概略図である。
【
図5D】本発明のいくつかの実施形態による、組織サンプリングプロセス中の生検装置の部分の概略図である。
【
図5E-5G】本発明のいくつかの実施形態による、組織サンプリングプロセス中の生検装置の部分の概略図である。
【
図5H-5I】本発明のいくつかの実施形態による、組織サンプリングプロセス中の生検装置の部分の概略図である。
【
図5J-5M】本発明のいくつかの実施形態による、組織サンプリングプロセス中の生検装置の部分の概略図である。
【
図5N-5P】本発明のいくつかの実施形態による、組織サンプリングプロセス中の生検装置の部分の概略図である。
【
図5Q】本発明のいくつかの実施形態による、ユーザインターフェースを有するハンドルおよび制御部の概略図である。
【
図5R-5S】本発明のいくつかの実施形態による、ユーザインターフェースを有するハンドルおよび制御部の概略図である。
【
図6A-6C】本発明のいくつかの実施形態による、中空シャフトのサンプリング部分の概略図である。
【
図6D-6E】本発明のいくつかの実施形態による、中空シャフトのサンプリング部分の概略図である。
【
図6F-6I】本発明のいくつかの実施形態による、中空シャフトのサンプリング部分の概略図である。
【
図6J-6M】本発明のいくつかの実施形態による、中空シャフトのサンプリング部分の概略図である。
【
図6N】本発明のいくつかの実施形態による、中空シャフトのサンプリング部分の概略図である。
【
図7】本発明のいくつかの実施形態による、組織サンプリングのために吸引力を使用する生検装置の概略図である。
【
図8A】本発明のいくつかの実施形態による、生検装置のスリーブ内のシャフトの画像である。
【
図8B-8C】本発明のいくつかの実施形態による、生検装置のシャフト内のスタイレットの概略図である。
【
図8D-8G】
図8Dは本発明のいくつかの実施形態による、生検装置のシャフト内のスタイレットの概略図であり、
図8E-8Gは本発明のいくつかの実施形態による、少なくとも1つの平坦な表面を有するスタイレットの遠位端の概略上面図である。
【
図8H-8K】
図8H-8Jは本発明のいくつかの実施形態による、少なくとも1つの平坦な表面を有するスタイレットの遠位端の概略側面図であり、
図8Kは本発明のいくつかの実施形態による、傾斜縁部を備えるスタイレットの遠位端の概略図である。
【
図9A】本発明のいくつかの実施形態による、生検装置の制御部のブロック図である。
【
図9B】本発明のいくつかの実施形態による、生検装置の起動プロセスのフローチャートである。
【
図10A-10B】本発明のいくつかの実施形態による、サンプリング部分アセンブリの概略図である。
【
図10C-10E】本発明のいくつかの実施形態による、サンプリング部分アセンブリの概略図である。
【
図10F-10H】本発明のいくつかの実施形態による、トルクコイルに接続されたサンプリング部分の画像である。
【
図11】本発明のいくつかの実施形態による、サンプリング部分アセンブリと他のサンプリング針との間のエコー輝度の比較を示す画像である。
【
図12A】本発明のいくつかの実施形態による、および他のサンプリング針と比較したサンプリング部分アセンブリの屈曲を示す画像である。
【
図12B】本発明のいくつかの実施形態による、および他のサンプリング針と比較したサンプリング部分アセンブリの屈曲を示す画像である。
【
図13A-13B】本発明のいくつかの実施形態による、スタイレット移動制御機構の概略図である。
【
図13C-13D】本発明のいくつかの実施形態による、スタイレット移動制御機構の概略図である。
【
図14A-14C】本発明のいくつかの実施形態による、シース長調整器ロックの概略図である。
【
図15】本発明のいくつかの実施形態による、サンプリング装置の予め装填されたバネの概略図である。
【
図16A】本発明のいくつかの実施形態による、生検ガイドの概略図である。
【
図16B】本発明のいくつかの実施形態による、非回転サンプリング装置を使用する組織サンプリングのための詳細なプロセスのフローチャートである。
【
図17A-17B】本発明のいくつかの実施形態による、組織サンプリングプロセス中の生検ガイドの概略図である。
【
図17C-17D】本発明のいくつかの実施形態による、組織サンプリングプロセス中の生検ガイドの概略図である。
【
図17E-17F】本発明のいくつかの実施形態による、組織サンプリングプロセス中の生検ガイドの概略図である。
【
図17G-17H】本発明のいくつかの実施形態による、組織サンプリングプロセス中の生検ガイドの概略図である。
【
図17I-17J】本発明のいくつかの実施形態による、組織サンプリングプロセス中の生検ガイドの概略図である。
【
図17K-17L】本発明のいくつかの実施形態による、組織サンプリングプロセス中の生検ガイドの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
本発明は、そのいくつかの実施形態では生検装置に関し、より詳細には軟組織生検装置に関するが、これに限定されるものではない。
【0033】
いくつかの実施形態の態様は、ターゲット組織から組織サンプルを分離するための分離力の適用によるターゲット組織のサンプリングに関する。いくつかの実施形態では、分離力は、剪断力、引き裂き力、および/または引張力のうちの1つまたは複数を含む。いくつかの実施形態では、ターゲット組織に加えられる力は組織の引っ張り強度よりも大きく、任意選択で、ターゲット組織からの組織サンプルの分離を引き起こす。いくつかの実施形態では、可撓性のシャフトのサンプリング部分は、シャフトの移動中に組織を切断するために、シャフトの遠位端の内面上に切断縁を備える。いくつかの実施形態では、サンプリング部分管腔の内面がシャフトの内側に配置された組織サンプルに摩擦力を印加し、例えば、組織サンプルをターゲット組織から分離させる。いくつかの実施形態では、サンプリング部分をターゲット組織内に軸方向に前進させながら回転させると、中空シャフト管腔内に少なくとも部分的に位置する組織サンプルに剪断力および/または引張力が加わり、任意選択で、ターゲット組織から組織サンプルを分離させる。
【0034】
いくつかの例示的な実施形態によれば、ターゲット組織は、可撓性のシャフトの高速回転サンプリング部分によってサンプリングされる。いくつかの実施形態では、シャフトは少なくとも100回転/分(RPM)の速度で回転する。任意選択的に、シャフトは、ターゲット組織内に軸方向に前進する間に回転する。いくつかの実施形態では、シャフトの遠位セクション、例えば、ターゲット組織により近いシャフトのセクションにおけるサンプリング部分は、少なくとも300回転/分(RPM)の速度で回転する。任意選択的に、サンプリング部分は針である。いくつかの実施形態では、針は18から25G針、例えば、18G、19G、22G、25G、または任意の中間の、より小さい、もしくはより大きい値である。
【0035】
いくつかの実施形態によれば、シャフトの軸方向の前進速度とシャフト回転速度との間の比は、任意選択で、ターゲット組織タイプおよび/またはターゲット組織特性に従って固定される。いくつかの実施形態では、ターゲット組織特性は、ターゲット組織組成、ターゲット組織密度、および/またはターゲット組織サイズを含む。代替的にまたは追加的に、比率は、ターゲット組織の近傍における血管および/または神経の存在または位置に従って決定される。いくつかの実施形態では、この比は、例えば、周囲の組織に損傷、例えば、組織のウォームアップおよび/または圧縮による損傷を引き起こすことなく、ターゲット組織の効率的な切断を可能にするように決定される。いくつかの実施形態では、ユーザは、特定のターゲット組織当たりの所望のおよび/または所定の比率を有する生検装置モデルまたはタイプを選択する。代替的に、回転速度と軸方向の前進速度との間の比は、任意選択で組織のタイプおよび/または組織の特性に基づいて選択される。いくつかの実施形態では、比率がユーザによって選択される。代替的に、比率は、任意選択で少なくとも1つのテーブル、および/または生検装置のメモリに記憶された少なくとも1つのアルゴリズムに従って、生検装置の制御回路によって自動的に選択される。いくつかの実施形態では、ユーザは回転速度と軸方向の前進速度とを独立して選択し、任意選択的に、所望の比または範囲の比になるようにする。
【0036】
いくつかの実施形態によれば、シャフト回転速度は、任意選択で組織のタイプに応じて、所望の軸方向の前進速度に調整される。代替的または付加的に、軸方向の前進速度は、所望の回転速度に従って調整される。代替的に、回転速度と軸方向速度とを別々に決定する。
【0037】
いくつかの実施形態によれば、中空シャフト遠位セクションの内面の少なくとも一部は、任意選択で組織サンプルと機械的に干渉することによって、中空シャフト管腔からの組織サンプルの解放を防止するように成形される。いくつかの実施形態では、中空シャフト遠位セクションの内面は、中空シャフト内部の組織サンプルと機械的に相互作用する少なくとも1つの隆起部および/または少なくとも1つの突起を備える。任意選択的に、少なくとも1つの突起は、中空シャフト遠位セクションの内面を少なくとも部分的に取り囲む螺旋状突起である。代替的にまたは追加的に、中空シャフトのより近位のセクションの内径は、例えば中空シャフトからの組織サンプルの解放を妨げるために、身体組織により近い遠位セクションの内径よりも大きい。
【0038】
いくつかの実施形態によれば、2つ以上の別個の組織サンプルは、ターゲット組織の単一の穿刺においてサンプリングされる。いくつかの実施形態によれば、サンプリング部分の回転および/または軸方向の前進を修正することによって、例えば、2つ以上の組織サンプルをサンプリングすることが可能になる。追加的および/または代替的に、サンプリング部分の形状、例えばサンプリング部分の内面および/または外面は、例えば、2つ以上の組織サンプルをサンプリングすることを可能にする。
【0039】
いくつかの実施形態の一態様は、生検装置のサンプリング部分、例えば針の回転および軸方向の前進によって組織をサンプリングすることに関する。いくつかの実施形態では、サンプリング部分の回転速度と軸方向の前進速度との間の比が固定される。代替的に、回転速度および/または軸方向の前進速度は、任意選択で組織のタイプおよび/または組織の特性に従って、調整される。いくつかの実施形態では、サンプリング部分は、回転することなくターゲット組織内に軸方向に前進する。
【0040】
いくつかの実施形態によれば、回転速度および/または軸方向の前進速度の比率および/または調整は、組織位置、所望の貫入深さおよび/または所望のサンプル体積に従って決定される。いくつかの実施形態では、ターゲット組織への最大貫入深さは、例えば、周囲組織(例えば、血管または神経)への損傷を防ぐために制限される。代替的にまたは追加的に、最大貫入深さは、例えば、望ましくない組織のサンプリングを防ぐために、および/またはターゲット組織内の血管および/または神経への損傷を防ぐために、制限される。
【0041】
いくつかの実施形態によれば、組織サンプリング位置は、細長いシャフトの遠位端におけるサンプリング部分を所望のサンプリング位置にナビゲートすることによって選択される。いくつかの実施形態では、追加の組織サンプルは、サンプリング部分を異なる組織サンプリング位置にナビゲートすることによって分離される。代替的にまたは追加的に、サンプリング部分は、所望のサンプリング位置に到達するために、50度の最大仰角、例えば、40度、30度、20度、または任意の中間、より低いまたはより高い仰角まで上昇される。任意選択的に、サンプリング部分は、サンプリング部分が位置決めされる内視鏡の高さ、および/またはサンプリング部分を囲む、本明細書ではシースとも呼ばれるスリーブの高さによって上昇される。
【0042】
いくつかの実施形態によれば、サンプリング部分、例えば針は、傾斜縁部を有する。いくつかの実施形態では、針は複数のセグメントを含む。いくつかの実施形態では、サンプリング部分は、コイルドコイル、編組コイル、または複数のワイヤを撚ったり交互に織り合わせたりして形成される任意の他のコイルを含む。いくつかの実施形態では、サンプリング部分は、例えば、組織サンプリングプロセス中に組織サンプルをサンプリング部分に挿入することを可能にするために、中空である。いくつかの実施形態では、針は、ステンレス鋼、ニチノール、コバルトクロムから形成される。
【0043】
セグメント化された針(例えば、コイルドコイル針、編組針の形態において)を使用する潜在的な利点は、複数のセグメント、コイルのコイル部分または編組の間の界面が針の弾性を改善し、スタビングの精度を潜在的に改善し、加えて、コイルのコイル部分または外面上の編組が、固体の外面を有する針と比較して、より高い効率で超音波を反射することである。いくつかの実施形態によれば、サンプリング部分の外面に形成されたパターンは、送信器に向かって戻る超音波のより良い反射を可能にし得る。超音波反射効率を増大させることにより、例えば組織サンプリングプロセス中に、改善されたエコー輝度および可視化が可能になる。
【0044】
MedtronicのSharkCore(登録商標)システム、Boston ScientificのAcquire(登録商標)システム、および/またはCook MedicalのProCore(登録商標)システム、または任意の他の市販のEUS/FNA針における微細針吸引(FNA)または微細針生検(FNB)針を、セグメント化された針で置き換えることにより、本明細書に記載されるようなサンプリング部分を有するコイルドコイルまたはトルクコイルは、所望の組織に対するセグメント化された針またはサンプリング部分の改善されたエコー輝度および改善された弾性を可能にし、例えば、回転および/または軸方向スタビングによる組織サンプリングを可能にする。いくつかの実施形態の一態様は、テクスチャ加工または粗面化された内面を有する生検装置のサンプリング部分の管腔内で組織サンプルを把持することに関する。いくつかの実施形態では、サンプリング部分は、少なくとも1つの隆起部または少なくとも1つの突起部、任意選択で内面に接続された短い突起部を含む。代替的にまたは追加的に、内面は、ねじ山および/または少なくとも1つのノッチを含む。いくつかの実施形態によれば、ねじ山および/または少なくとも1つのノッチは、サンプリング部分の管腔の内径を少なくとも部分的に取り囲む。
【0045】
いくつかの実施形態では、テクスチャ加工または粗面化された内面は、サンプリング部分の管腔内に配置された組織サンプルと内面との間の摩擦力を増大させるように成形される。いくつかの実施形態では、摩擦力の増加は、例えば組織サンプルのより良好な把持を可能にする。
【0046】
いくつかの実施形態では、サンプリング部分の内面上の少なくとも1つの隆起部および/または少なくとも1つの突起部は、サンプリング部分の管腔内の組織サンプルと隆起部または突起部との間の接触面積を増大させるように成形される。いくつかの実施形態では、接触面積の増加は、例えば、サンプリング部分開口部からの組織サンプルの出口を防ぐことを可能にする。
【0047】
いくつかの実施形態では、サンプリング部分の内部管腔は、サンプリング部分の遠位開口部からサンプリング部分管腔内のより近位の位置まで前進するとき、徐々に狭くなる。いくつかの実施形態では、サンプリング部分管腔の狭小化は、例えば組織サンプルの把持を増加させるために、より大きな摩擦力を組織サンプルに加えながら、狭小空間内で組織サンプルを圧縮する。
【0048】
いくつかの実施形態の一態様は、シャフトを回転させる生検装置のサンプリング部分、例えばシャフトの遠位端にあるサンプリング針の疲労破損を低減することに関する。いくつかの実施形態では、シャフトの移動および/またはシャフトの特性を制御することによって、疲労破損が低減される。いくつかの実施形態では、疲労破損は回転軸上の比較的高い歪みに起因して生じる。代替的または付加的に、疲労破損は、摩擦力および/またはシャフトの繰返し曲げによって、シャフト、例えばニチノールから作られたシャフトの加熱による。いくつかの実施形態では、疲労破損はシャフトの内部または外部表面形状によって引き起こされる。
【0049】
いくつかの実施形態によれば、シャフト、任意選択でニチノール管シャフトの疲労破損は、カバー、スリーブまたは針のコーティングを使用することによって、シャフトのサンプリング部分、例えば針の間の摩擦を低減することによって低減される。任意選択的に、針の外面は、針と周囲の組織との間の摩擦面を低減するために潤滑される。任意選択的に、スリーブは、熱伝導率を増加させ、熱容量を減少させる材料から作られる。代替的に、摩擦および/または屈曲による針の加熱を減少させるために、冷却剤フラッシング(例えば、生理食塩水フラッシング)がシャフトおよび/または針の内部管腔に適用される。
【0050】
いくつかの実施形態によれば、シャフトの回転および/または軸方向の前進を制御することによって、シャフトの疲労破損が低減される。いくつかの実施形態では、生検装置の制御部のコントローラはシャフトの連続回転を制限する。いくつかの実施形態では、コントローラは、選択された時間期間、任意選択に0から1分の範囲の短い時間、例えば2秒、10秒、20秒、30秒、40秒、または任意の中間の、より小さいかまたはより大きな値の間でシャフトを回転させるようにロータに信号を送る。代替的または付加的に、コントローラは、軸を反対方向に回転させるようにモータに信号を送る。いくつかの実施形態では、コントローラは選択された回転数に達すると、シャフトの回転を停止する。
【0051】
いくつかの実施形態によれば、各針の最大歪み値は、針の外径(OD)および曲げ半径(BR)に基づいて決定され、式:最大歪み=OD/2BR2を使用して計算される。例えば、OD=0.73mm、曲げ半径=23mmの場合、計算された最大歪み値は(0.73/2×23)×100=1.587%である。いくつかの実施形態では、コントローラは針の回転が最大回転値、例えば特定の疲労特性グラフ/計算上の針上の特定のひずみにおいて、計算された最大サイクルに至る最大ラウンド値を超えないように監視する。任意選択的に、コントローラは、最大回転値の90%まで、例えば、90%最大回転値、80%最大回転値、70%最大回転値、または任意の中間、より小さい、またはより大きい最大回転値パーセンテージでの回転を可能にする。いくつかの実施形態では、コントローラは、例えばモータの電流の変化を測定することによって、針の曲がりとサイクル数との間の比を監視する。
【0052】
いくつかの実施形態では、疲労破損を低減するために、例えば、針応力およびウォームアップを分散させるために、針を軸方向に前進させる。
【0053】
いくつかの実施形態によれば、針の疲労破損のリスクを低減するために、針は中空トルクコイルシャフトに置き換えられ、任意選択で、シャフトの近位セクションと同様であるがより小さな直径で、例えば、より低い応力値および任意選択でより良い疲労耐久性を可能にする。
【0054】
いくつかの実施形態によれば、中空トルクコイルシャフトから作製されるサンプリング部分の厚さと比較して、針壁の厚さはより小さい。いくつかの実施形態では、針壁、例えばニチノール針壁の厚さは0.05から0.5mmの範囲、例えば0.05から0.2mm、0.1から0.4mm、0.2から0.5mm、または任意の中間の、より小さいもしくはより大きい値の範囲である。いくつかの実施態様では、中空トルクコイル軸壁の厚さは、0.1から1mmの範囲であり、例えば0.1から0.3mm、0.2から0.7mm、0.5から1mm、または任意の中間の、より小さいまたはより大きい範囲の値である。
【0055】
いくつかの実施形態によれば、中空トルクコイルシャフトは、組織に面する遠位開口部を有する遠位セクションを備える。いくつかの実施形態では、中空トルクコイルシャフトの遠位セクションは、外部遠位テーパ端を有する。任意選択的に、外部遠位テーパ端は遠位開口部を取り囲む。いくつかの実施形態では、遠位テーパ端の遠位開口部は中空シャフトの内部管腔の直径と同様の直径を有する。
【0056】
いくつかの実施形態によれば、遠位テーパ端は、中空トルクコイルシャフト遠位セクションの外部先鋭化によって形成される。代替的に、外部遠位テーパ端を有する鋭利にされた遠位セクションは、例えば溶接によって中空コイル状のトルクシャフトに接続される。
【0057】
いくつかの実施形態によれば、中空トルクコイルシャフトの遠位開口部は、例えば中空シャフト管腔の内部鋭利化によって形成された中空シャフトの内部管腔の直径よりも大きい直径を有する。シャフトの内径よりも広い開口部を有する中空トルクコイルシャフトの潜在的な利点は、外部遠位テーパ端を有する中空シャフトと比較して、より大きな組織サンプルをサンプリングすることを可能にすることである。さらに、狭くなっている内部管腔は、サンプルが中空シャフト管腔に浸透することにつれて、組織サンプルを凝縮させる。任意選択的に、組織サンプルを凝縮させることは、中空シャフトの内面とサンプルとの間の摩擦を増大させ、組織からの組織サンプルのより良好な分離を可能にする。
【0058】
いくつかの実施形態によれば、組織サンプリングのための形状および大きさである中空シャフト遠位セクションの内面は粗面化される。任意選択的に、中空シャフト遠位セクションの内面は、中空シャフトの内部管腔を取り囲む螺旋状テクスチャを含む。粗面化および/またはテクスチャ加工された内面を有することの潜在的な利点は、組織サンプルと内面との間の摩擦を増加させ、それが、任意選択的に、中空シャフトが回転するときに組織からの組織サンプルのより容易な切断を可能にすることである。
【0059】
いくつかの実施形態によれば、中空トルクコイルシャフトの少なくとも一部は、チューブ、例えば、収縮可能なチューブ、任意選択で熱収縮可能なチューブによって覆われる。いくつかの実施形態では、チューブは、中空トルクコイルシャフトの一部分、例えば組織サンプリングに使用される遠位部分を外部環境から封止する。いくつかの実施形態では、チューブは、10から100μmの範囲の厚さ、例えば、10から60μm、13から50μm、30から100μmの範囲の厚さ、または任意の中間の、より小さいもしくはより大きい値の範囲として覆う。
【0060】
いくつかの実施形態の一態様は、内部管腔を有する管状構造を形成するようにねじられた少なくとも1つのワイヤから作製された生検針に関する。いくつかの実施形態では、内部管腔は組織サンプルを保持するような形状および大きさである。いくつかの実施形態では、生検針の遠位セクションは、テーパ端を形成するように外部から鋭利にされる。任意選択的に、テーパ端は、例えば生検針が組織内に軸方向に前進するときに組織を押しのけることによって、組織を貫入するように構成される。代替的にまたは追加的に、生検針は、針の内部管腔を狭めるために内部が鋭利にされる。いくつかの実施形態では、生検針の内部管腔を狭くすることにより、内部管腔内の組織サンプルと生検針の内面との間の摩擦力を増大させることができる。任意選択的に、摩擦力を増大させることにより、生検針を取り囲む組織から組織サンプルを容易に分離することができる。
【0061】
いくつかの実施形態によれば、生検針は、サンプリング装置のトルクコイルのサンプリング部分である。いくつかの実施形態では、トルクコイルは、例えば上述のように、少なくとも1つのワイヤをねじることによって形成される。いくつかの実施形態では、トルクコイルは、例えば組織内へのサンプリング部分のより良好な貫入、および/または組織からのサンプリング部分内の組織サンプルのより良好な分離を可能にするために、外部および/または内部で鋭利にされる。
【0062】
いくつかの実施形態によれば、生検針の外面は、生検針の長手方向軸に沿って軸方向および半径方向に分布された少なくとも1つの連続溝および/または複数の窪みを備える。いくつかの実施態様では、例えば生検針が尖ったトルクコイルから形成される場合、連続溝および/または複数の窪みは、トルクコイルの少なくとも一部分の外面に沿って軸方向および半径方向に分布する。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの連続溝は、トルクコイルおよび/または生検針の外面の少なくとも一部に螺旋状パターンを形成する。
【0063】
いくつかの実施形態によれば、生検針および/またはトルクコイルの外面の少なくとも一部は、カバー、例えばメッシュまたはチューブ、例えば収縮チューブによって覆われる。いくつかの実施形態では、カバーは、例えば組織サンプルおよび/または液体がサンプリング部分の内部管腔から漏出するのを防止するために、生検針壁内のギャップおよび/または空隙を封止する。代替的にまたは追加的に、カバーは、トルクコイルのギャップおよび/または空隙、例えばトルクコイルシャフトを封止して、トルクコイル内部管腔からの組織サンプルおよび/または液体の漏出を防止する。任意選択的に、カバーは、少なくとも1つの連続溝および/または複数の窪みを含む。
【0064】
いくつかの実施形態によれば、カバーは、例えば収縮可能なカバーまたは収縮可能なチューブであり、トルクコイルの少なくとも一部、例えばトルクコイルが選択されたターゲット部位に向かって体内を通り抜けるときに曲がるトルクコイルの一部を封止する。いくつかの実施形態では、カバーは、1つまたは複数の連続溝および/または複数の窪みを含む。任意選択的に、複数の窪みは、カバーの外面に軸方向および/または円周方向に分布される。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の連続溝および/または複数の窪みによって形成されるパターンは、カバーのエコー輝度を増大させるように構成される。
【0065】
いくつかの実施形態の態様は、サンプリング部分、例えば、生検針の長手方向軸に沿って軸方向におよび円周方向に変位された少なくとも1つの連続溝を有する外面の少なくとも一部を有する生検針に関する。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの連続溝は、生検針を取り囲む少なくとも部分的な螺旋状パターンを形成する。いくつかの実施態様では、少なくとも1つの連続溝は、トルクコイル、例えば伝達トルクコイルを形成するために少なくとも1つのワイヤを撚ることによって形成される。追加的にまたは代替的に、外面の少なくとも一部は、軸方向におよび半径方向に離間した複数の窪みおよび/または溝を含む。いくつかの実施例では、サンプリング部分および/またはトルクコイルの外面上のパターンは、サンプリング部分および/またはトルクコイルのエコー輝度をそれぞれ改善するような形状および大きさである。
【0066】
いくつかの実施形態によれば、少なくとも1つの溝および/または複数の窪みは、サンプリング部分および/またはトルクコイルの外面上にパターンを形成する。いくつかの実施形態では、パターンは、例えば針のエコー輝度を改善するために、異なる角度方向に超音波を反射する。代替的または付加的に、パターンはより多くの超音波を反射し、および/または送信器に向かってより良好な効率で戻る。いくつかの実施態様では、パターンは、超音波反射器、例えばコーナー反射器として作用するような形状および大きさである。任意選択的に、サンプリング部分およびトルクコイルは、エコー輝度を増加させる選択された速度で回転される。
【0067】
いくつかの実施形態の一態様は、サンプリング前に生検針内にスタイレットを後退させることに関する。いくつかの実施形態では、スタイレットは所定の距離まで後退させられる。代替的に、後退距離は、例えば1つまたは複数の組織タイプ、所望の組織サンプルの数、および/または所望のサンプル体積に従って、サンプリングの前に生検装置のユーザによって調整される。代替的に、スタイレットは針が前進している間は静止しており、例えば、サンプリング部分内に開いた管腔を有し、これにより、生検サンプルのために必要な空間が形成される。
【0068】
いくつかの実施形態の一態様は、非対称断面、例えば非円形断面を有するスタイレットに関する。いくつかの実施形態では、スタイレットの近位端、例えばハンドルにより近いスタイレット部分は非対称断面を有する。代替的にまたは追加的に、スタイレット遠位セクション、例えばサンプリング部分により近いスタイレット端は、非対称断面を有する。任意選択的に、スタイレットの一部、例えばスタイレット本体の一部は、非対称断面を有する。
【0069】
いくつかの実施形態によれば、スタイレット近位端は、非対称断面、例えば非円形断面を有する。いくつかの実施形態では、非対称断面が「D」字形断面を含む。いくつかの実施形態では、非対称断面を有する遠位端は、遠位端の非対称断面と相補的な断面を有するハンドルの一部と相互作用し、例えば嵌合する。いくつかの実施形態では、非対称断面を有する遠位端部分とハンドル部分の相補的断面との相互作用によって、例えば、サンプリング部分および/またはトルクコイルが回転するときのスタイレットの回転が妨げられる。スタイレットの回転を防止または制限する潜在的な利点は、例えばスタイレットがねじれているか曲がっている間のスタイレットの回転による、曲がった形状でのスタイレットの回転によるスタイレットの疲労破損の確率を減少させることである。
【0070】
いくつかの実施形態の一態様は、サンプリング部分の管腔が占有されている場合に、組織サンプリングを防止することに関する。いくつかの実施形態では、遠位位置にあるスタイレットはサンプリング部分の内部管腔を少なくとも部分的に占める。いくつかの実施形態では、内部管腔からのスタイレットの後退は、例えば組織のサンプリング部分への貫入を可能にする。いくつかの実施形態では、スタイレットがサンプリング部分の管腔を占有するときに、サンプリングが防止される。いくつかの実施形態では、スタイレットが後退されたときにのみ、サンプリングプロセス、例えば生検針の組織への貫入が開始する。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのセンサ、例えば、光学センサ、磁気センサ、または電気センサがスタイレットの位置を感知する。
【0071】
いくつかの実施形態の態様は、少なくとも1つの予荷重エネルギー源を使用して、生検サンプリング装置、例えば生検針のサンプリング部分を前進させることに関する。いくつかの実施形態では、生検針は、少なくとも1つの予荷重エネルギー源を使用して軸方向に前進および/または回転される。任意選択的に、少なくとも1つの予荷重エネルギー源は、交換可能な予荷重エネルギー源である。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの予荷重エネルギー源は、サンプリングプロセス中に、例えば組織の各スタビングの間に、交換される。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの予荷重エネルギー源はばねおよび/またはフライホイールを含む。任意選択的に、サンプリング部分またはトルクシャフトの回転またはねじれは、予荷重エネルギー源として機能する。
【0072】
いくつかの実施形態の一態様は、サンプリング部分、例えば針への組織の付着を防止することに関する。いくつかの実施形態では、サンプリング部分は、例えば針の移動中の周囲組織への熱損傷を低減するために、低摩擦層で覆われる。代替的にまたは追加的に、低摩擦層は、サンプリング部分の外面への組織の付着を防止するように構成される。
【0073】
いくつかの実施形態によれば、低摩擦層は、チューブ、収縮チューブ、コーティング、またはサンプリング部分の外面への組織の付着を防止するように構成された任意の他の低摩擦外層を含む。いくつかの実施形態では、低摩擦外層は、1つまたは複数の疎水性材料、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、パリレン(PARYLENE)、または任意の他の疎水性材料を含む。代替的に、低摩擦外層は、例えば親水性材料を含む。
【0074】
いくつかの実施形態の一態様は、組織内に軸方向に前進する間に組織サンプルを分離する編組サンプリング部分に関する。いくつかの実施形態では、編組サンプリング部分は、短い時間期間、例えば0.02から0.1秒または0.5から3秒の範囲の回転期間、例えば0.5から1.5秒、1から2.5秒、1.2から3秒、または任意の中間の、より小さいまたはより大きい範囲の値の間、第1の方向および/または反対の方向に回転する。
【0075】
いくつかの実施形態によれば、編組サンプリング部分は、360度よりも小さい回転角度で、例えば270度、180度、90度、45度よりも小さい回転角度で、または任意の他のより小さいまたはより大きい回転角度で回転する。任意選択的に、編組サンプリング部分は、時計回り方向および反時計回り方向の両方において、360度より小さい回転角で回転する。
【0076】
いくつかの例示的な実施形態によれば、編組サンプリング部分は、回転シーケンス、例えば、時計回り方向と反時計回り方向の両方の回転トレインで回転する。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の回転トレイン中の編組サンプリング部分の回転は、可変回転角および/または変動時間期間で、任意選択で異なる方向である。
【0077】
編組されたサンプリング部分を回転列および/または反対方向および/または短いパルスで回転させることの潜在的な利点は、異なる組織タイプ、例えば、筋肉組織、線維性組織、壊死組織からの組織サンプルのより容易な分離を可能にし得ることである。編組されたサンプリング部分を回転列内および/または反対方向および/または短パルス内で回転させることのさらなる潜在的利点は、疲労耐久性、例えば、トルクコイルおよび/またはサンプリング部分の疲労耐久性を改善することを可能にし得ることである。
【0078】
いくつかの実施形態によれば、編組サンプリング部分は、例えば編組サンプリング部分が組織に対して移動する間に組織との摩擦を低減するために、サンプリング部分の外面上に低摩擦層を備える。いくつかの実施形態では、低摩擦層は、チューブ、収縮チューブ、またはサンプリング部分の外面への組織の付着を防止するように構成された任意の他の低摩擦外層を含む。いくつかの実施形態では、低摩擦外層は、疎水性材料、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、パリレン(PARYLENE)、または任意の他の疎水性材料を含む。いくつかの実施形態では、編組サンプリング部分上の外部層、例えば低摩擦層は、サンプリング部分の壁を通る組織および/または液体の通過を防止するように構成される。
【0079】
本発明の少なくとも1つの実施形態を詳細に説明する前に、本発明は、その適用において、以下の説明に記載され、および/または図面および/または実施例に示される構成要素および/または方法の構成および配置の詳細に必ずしも限定されないことを理解されたい。本発明は他の実施形態が可能であり、または様々な方法で実施または実行されることが可能である。
【0080】
例示的な生検装置
いくつかの例示的な実施形態によれば、生検装置は、所望の解剖学的ターゲット、例えば選択された組織に到達するために、身体管腔を通して少なくとも部分的に導入されるような形状および大きさである。任意選択的に、生検装置の少なくとも一部は、可撓性の内視鏡または内視鏡超音波の作業チャネルを介して体内に導入される。いくつかの実施形態では、装置のサンプリング部分、例えば針および任意選択で取り外し可能な針は、選択された組織内に前進させられて、組織の少なくとも一部をサンプリングする。ここで
図1Bを参照すると、本発明のいくつかの例示的な実施形態による生検装置を示す。
【0081】
いくつかの例示的な実施形態によれば、生検装置102は、ハンドル104に接続された細長いスリーブ118を備える。いくつかの実施形態では、スリーブ118は、例えばスリーブの少なくとも一部を体内に導入しながらスリーブを曲げることを可能にするために、弾性であり、曲げることができる。任意選択的に、スリーブ118の直径は、解剖学的開口部を通して、または身体に作製された人工開口部を通して、身体内へのスリーブの導入を可能にするようなサイズである。いくつかの実施形態では、スリーブ118の直径は、0.60mmから4mmの範囲、例えば、0.6mmから1.5mm、1mmから2.5mm、2mmから4mm、または任意の中間の、より小さいもしくはより大きい範囲の値である。
【0082】
いくつかの実施形態によれば、スリーブ118は、スリーブの内部管腔の内側にそれに沿って配置された細長い可撓性のシャフト106を備える。いくつかの実施形態では、可撓性のシャフト106はスリーブ118内を軸方向に移動する。任意選択的に、シャフト106は、例えば組織サンプリング中にスリーブから遠位開口部から延びるように、スリーブ118内で軸方向に移動する。いくつかの実施形態では、スリーブ118は、スリーブを所望の解剖学的ターゲットに前進させる間、シャフト106を身体組織から分離するのに十分な強度を有する。いくつかの実施態様では、シャフト106は、鋼、ステンレス鋼、トルクコイル、ニチノールまたは化合物材料から作られる。いくつかの実施態様では、シャフトの長さは、800から2000mmの範囲、例えば、1000mm、1200mm、1250mm、1500mmまたは任意の中間の、より小さいまたはより大きい値である。いくつかの実施態様では、シャフト106の外径は0.5から4mmの範囲であり、例えば、1.5mm、2mm、2.5mm、3mm、3.5mm、または任意の中間の、より小さいまたはより大きい値である。いくつかの実施形態では、シャフト106は編組コイル、例えば編組トルクコイルを含む。いくつかの実施形態では、シャフトはトルクコイル、例えば伝達トルクコイルを含む。いくつかの実施態様では、シャフトは、複数のワイヤを織り合わせることによって形成される。代替的または付加的に、シャフトは、交互配置されたメッシュによって形成される。
【0083】
いくつかの例示的な実施形態によれば、編組された、および/または織り合わされたワイヤまたは交互配置されたメッシュによって形成されたシャフトは、例えば外部コーティングを加えることによって、シャフト壁を通る流体および組織の通過を防止するように処理される。代替的にまたは追加的に、シャフトは、不透過性層、例えばチューブまたは収縮チューブによって覆われる。いくつかの実施形態では、シャフトは、シャフト移動中の周囲組織との摩擦を低減するように、および/またはシャフトの外層への組織の付着を防止するように構成された低摩擦外層によって覆われる。いくつかの実施形態では、低摩擦外層は疎水性材料を含む。
【0084】
いくつかの例示的な実施形態によれば、シャフト106は、遠位端にサンプリング部分108を備える。いくつかの実施形態では、サンプリング部分108はシャフト106の一部である。代替的に、サンプリング部分108は針であり、任意選択で、取り外し可能な針である。いくつかの実施形態では、サンプリング部分のゲージ値、例えば、針のゲージ値は、14から25Gの範囲、例えば、14から18G、16から20G、19から25G、または任意の中間の、より小さい、またはより大きいゲージ値の範囲である。いくつかの実施形態では、シャフト106またはサンプリング部分108の遠位端の最大仰角は、50度、例えば、40度、30度、20度、または任意の中間の、より小さい、またはより大きい仰角である。いくつかの実施態様において、上昇させたシャフトまたは上昇させたサンプリング部分の回転は、最大半径が40mm、例えば35mm、30mm、23mm、または任意の中間の、より小さいまたはより大きな値を有する円を形成する。
【0085】
いくつかの例示的な実施形態によれば、駆動部110は、シャフト106またはサンプリング部分108を、0.5mm/秒から50mm/秒、例えば1mm/秒から10mm/秒、5mm/秒から20mm/秒、15mm/秒から30mm/秒、25mm/秒から50mm/秒、または任意の中間の、より小さいかまたはより大きい範囲の値での範囲の軸方向の前進速度で、軸方向に前進させる。
【0086】
いくつかの例示的な実施形態によれば、サンプリング部分の軸方向長さは、40から150mmの範囲、例えば、50mm、60mm、80mm、100mm、または任意の中間の、より小さい、もしくはより大きい値である。いくつかの実施形態では、サンプリング部分108は、サンプリング部分108の遠位端に剪断セクション122を備える。いくつかの実施形態では、剪断部分は、サンプリング部分の内側に配置された組織サンプルに剪断力を加える。代替的または追加的に、サンプリング部分は、サンプリング部分の内側に配置された組織サンプルに張力を加える。いくつかの実施形態では、サンプリング部分の外径は、0.5から2mmの範囲、例えば、0.5mm、0.7mm、1mm、1.5mm、または任意の中間の、より小さい、もしくはより大きい値である。いくつかの実施形態では、サンプリング部分108の最大遠位高さは、180度、例えば、50度、40度、30度、または任意の中間のより小さいまたはより大きい値である。任意選択的に、上昇機構は、内視鏡の上昇機構に基づく。いくつかの実施形態では、最大遠位高度におけるサンプリング部分108の最大回転半径は、40mm、例えば、35mm、30mm、25mm、または任意の中間の、より小さい、もしくはより大きい値である。
【0087】
いくつかの例示的な実施形態によれば、シャフト106の少なくとも一部は中空であり、シャフト106の軸方向長さに沿って延在する内部管腔を有する。いくつかの実施形態では、シャフト106は、シャフト106の管腔内に配置され、シャフトの軸方向長さに沿って延在する内部可動スタイレット120を備える。いくつかの実施形態では、スタイレット120はシャフトの遠位端まで延在する。いくつかの実施形態では、スタイレット120は、サンプリング部分108および剪断セクション122の遠位端まで、またはそれを越えて延びる。
【0088】
いくつかの例示的な実施形態によれば、スタイレット120は、シャフト106が所望の解剖学的ターゲットまで前進するときにシャフト106の構造を機械的に支持するのに十分な剛性を有する。いくつかの実施形態では、スタイレットは、シャフト106に加えられる外力、例えば、身体内部でのシャフト106の前進中に身体組織および/または器官によってシャフトに加えられる外力に対して、シャフトの中空構造を補強する。代替的または追加的に、スタイレット120は、シャフトの曲げ中にシャフトを機械的に支持し、任意選択でシャフトを真っ直ぐにすることができる。いくつかの実施形態では、スタイレット120は、サンプリングプロセス中にサンプリング部分が組織内に貫入するときに、サンプリング部分108から後退する。任意選択的に、スタイレット120は、サンプリング部分が回転し、および/または組織内に軸方向に前進するとき、後退する。いくつかの実施形態では、スタイレットは、力、例えば、組織サンプリング中の回転および/または前進するシャフトと周囲組織との間の摩擦力を低減するために、後退させられる。
【0089】
いくつかの例示的な実施形態によれば、スリーブ118、シャフト106および/またはスタイレット120は移動可能であり、制御部112の制御下で軸方向に移動する。いくつかの実施形態では、制御部112はハンドル104の一部である。代替的に、制御部112はハンドル104の外側に配置される。任意選択的に、制御部は、少なくとも1つのロック機構、例えば、スリーブ118、シャフト106および/またはスタイレット120の軸方向および/または回転運動をロックするための干渉ロック機構を備える。
【0090】
いくつかの例示的な実施形態によれば、ハンドル104は、例えばモータおよび/またはシャフト106に機能的に接続されたギアのような駆動部110を備える。任意選択的に、モータは、電気モータまたは空気圧モータである。任意選択的に、駆動部10は、ハンドル104の外側に位置決めされる。任意選択的に、駆動部10は、ギアモータを備える。いくつかの実施形態では、駆動部10は、シャフト106および/またはシャフト106のサンプリング部分108を回転させる。代替的にまたは追加的に、駆動部10は、例えばサンプリングプロセス中に、シャフト106および/またはシャフト106のサンプリング部分108を組織内に軸方向に前進させる。
【0091】
いくつかの例示的な実施形態によれば、駆動部110は、機能的に接続され、任意選択的に制御部112に電気的に接続され、例えば本明細書ではコントローラとしても呼ばれる制御回路を備える。いくつかの実施形態では、制御部112は、駆動部110の電気モータの電流を監視することによって、シャフト106のトルクを監視および/または制御する。代替的または追加的に、制御部112は、トルクリミッタおよび/またはトルクメータを使用してシャフト106のトルクを制御および/または監視する。
【0092】
いくつかの例示的な実施形態によれば、駆動部110は、シャフト106および/またはサンプリング部分を、例えば300RPM、600RPM、800RPM、または任意の中間の、より小さいまたはより大きい速度の、100から12,000RPMの固定された回転速度で回転させる。いくつかの実施形態では、駆動部10は、100から12,000RPMの範囲の可変回転速度でシャフト106および/またはサンプリング部分108を回転させる。いくつかの実施形態では、駆動部10は、シャフト106および/またはサンプリング部分108を、軸方向の前進速度0.5から50mm/秒、例えば5mm/秒、10mm/秒、15mm/秒、または任意の中間の、より小さいかまたはより大きい前進速度の範囲で、軸方向に前進させる。いくつかの実施形態では、駆動部110は、回転速度と軸方向の前進速度との間の所定の比率に従って、シャフトを回転させ、軸方向に前進させる。
【0093】
いくつかの例示的な実施形態によれば、駆動部110は、少なくとも1つのモータ、任意選択でシャフトに機能的に接続されたトランスミッションによってシャフトを回転および軸方向に前進させるように構成された電気モータ、を備える。いくつかの実施形態では、トランスミッションは回転速度と軸方向の前進速度との間の固定比トランスミッションを含む。代替的に、回転距離と軸方向の前進距離との間の比は、組織をサンプリングする前に、任意選択で組織タイプおよび/または組織特性に基づいて、ユーザによって事前に決定される。任意選択的に、駆動部は、少なくとも2つのモータ、シャフトを回転させるための1つのモータ、およびシャフトを軸方向に前進させるための1つのモータ、を備える。いくつかの実施形態では、ユーザは、任意選択で組織のタイプおよび/または組織の特性に従って、回転速度および軸方向の前進速度を独立して選択する。
【0094】
いくつかの例示的な実施形態によれば、駆動部110は、少なくとも1つの電源116、例えば少なくとも1つのバッテリに電気的に接続される。いくつかの実施形態では、バッテリは、リチウムイオンバッテリ、例えば、6Vリチウムイオンバッテリである。任意選択的に、少なくとも1つのバッテリは、例えば生検装置内の充電ソケットに充電器を差し込むことによって再充電可能なバッテリである。いくつかの実施形態では、生検装置の電源は、ハンドル104の外側に配置され、電線によって駆動部110に接続される。
【0095】
いくつかの実施形態では、6Vにおいて、電気モータは負荷なしで1300RPMおよび40mAで回転する。いくつかの実施形態では、失速時に、2Ncmの力がモータに印加され、電流は0.36Aに低下する。
【0096】
いくつかの例示的な実施形態によれば、生検装置102は、ユーザインターフェース、例えばハンドル内に配置され、制御部112および/または駆動部110および/または電源116に接続されたユーザインターフェース114、を備える。いくつかの実施形態では、インターフェースは、スリーブ118の軸方向の前進距離および/またはシャフト106の軸方向の前進距離を設定するための少なくとも1つのボタンおよび/または少なくとも1つのセレクタおよび/または少なくとも1つのノブを備える。いくつかの実施形態では、ユーザインターフェース114は、シャフトの回転速度および/またはサンプリング部分の回転速度を設定するために使用される。代替的にまたは付加的に、ユーザインターフェース114は、回転速度とシャフト106および/またはサンプリング部分108の軸方向の前進速度との間の比を設定するために使用される。
【0097】
いくつかの例示的な実施形態によれば、ユーザインターフェース114は、人間が検出可能な表示、例えば可視表示および/または音声表示を生成するように構成される。いくつかの実施形態では、ユーザインターフェース114は、最大貫入深さに達したときに、少なくとも1つの人間が検出可能な表示を生成する。任意選択的に、ユーザインターフェース114は、最大所望浸透深さを超えたときに少なくとも1つの警告信号を生成する。いくつかの実施形態では、ユーザインターフェース114は、サンプリング部分またはシャフトの回転速度および/または軸の軸方向の前進速度が所望の値の範囲、すなわち回転サイクル数の表示にないときに、少なくとも1つの人間が検出可能な表示を生成する。
【0098】
いくつかの例示的な実施形態によれば、ハンドル104は、例えばシャフト106の移動および/またはサンプリング部分108の移動中に、ユーザの手によってハンドル104を把持できるような形状およびサイズの少なくとも1つの把持部材を備える。
【0099】
ここで、
図1Bを参照すると、本発明のいくつかの例示的な実施形態による生検装置の画像を示す。
【0100】
いくつかの例示的な実施形態によれば、生検装置、例えば生検装置150は、少なくとも1つの把持部材を有する細長いハンドル152と、ハンドル152に接続され、ハンドルハウジングの外側に位置する制御部154とを備える。いくつかの実施形態では、生検装置150は、制御部154に機械的に接続された細長い可撓性のシャフト156を備える。追加的または代替的に、可撓性のシャフト156はハンドル152に機械的に接続される。いくつかの実施態様において、可撓性のシャフトは、制御部154に接続された細長いスリーブ158の内側に配置される。いくつかの実施形態では、可撓性のシャフト156の少なくとも一部、例えばサンプリング部分160は細長いスリーブ158の遠位開口部162を通って外に延びる。いくつかの実施形態では、サンプリング部分160は、組織のサンプリングプロセス中に、例えばサンプリング部分160が組織内に貫入するときに、スリーブ158から外に延びる。
【0101】
いくつかの例示的な実施形態によれば、生検装置は、駆動部110および制御部112に機能的に接続された回転式エンコーダまたはカウンタを備える。いくつかの実施形態では、回転式エンコーダまたはカウンタは、最大回転値に達したときに駆動部の回転を停止させるように制御部112に信号を送る。
【0102】
典型的な一般的サンプリングプロセス
ここで
図2を参照すると、本発明のいくつかの例示的な実施形態による、組織をサンプリングするための一般的なプロセスを示す。
【0103】
いくつかの例示的な実施形態によれば、サンプリングのためのターゲット組織は、202において、任意選択で専門家、例えば医師によって決定される。いくつかの実施形態では、専門家はサンプルの数、および/または各サンプルの深さを決定する。いくつかの実施形態では、専門家は、例えば可撓性の内視鏡または超音波内視鏡などの内視鏡のナビゲーション経路を、例えばターゲット組織への良好なサンプリングアクセスで、決定された診断および介入位置まで決定する。いくつかの実施形態では、専門家は、決定されたターゲット組織および決定されたナビゲーション経路に基づいて、内視鏡、例えば特定の直径および/または長さを有する内視鏡を選択する。いくつかの実施形態では、生検装置、例えば生検装置102または150のタイプは、任意選択で専門家によって、決定されたターゲット組織に基づいて、および/またはターゲット組織への決定された経路に基づいて、例えば特定の直径のシャフトおよび/または特定のシャフト長および/または特定のサンプリング部分直径を有する生検装置に基づいて選択される。いくつかの実施形態では、特定のタイプのサンプリング部分、例えばサンプリング部分108または156が202において、任意選択で決定されたターゲット組織のタイプに基づいて、および/または各サンプルの必要なサンプル体積に基づいて選択される。
【0104】
いくつかの例示的な実施形態によれば、204において、生検装置の少なくとも1つの起動パラメータが決定される。いくつかの実施形態では、軸方向移動距離は204において、任意選択で幾何学的関係、例えばサンプリング部分とターゲット組織との間の距離および/または角度に基づいて決定される。いくつかの実施形態では、軸方向の移動距離は、サンプリング部分の軸方向の前進を機械的に制限するように構成された、生検装置のストッパを調整することによって決定される。いくつかの実施形態では、軸方向の前進距離は、例えば組織への深すぎる貫入による組織損傷を防止するために制限される。いくつかの実施形態では、組織サンプリング中のサンプリング部分の回転速度は204で、任意選択で、決定されたターゲット組織に基づいて、および/または選択された生検装置に基づいて決定される。代替的にまたは追加的に、組織サンプリング中のサンプリング部分の軸方向の前進速度は204において、任意選択的に、決定されたターゲット組織に基づいて、および/または選択された生検装置に基づいて決定される。いくつかの実施形態では、サンプリング部分の回転速度とサンプリング部分の軸方向の前進速度との比は204で決定される。代替的に、生検装置のユーザは、複数の所定の比率から所定の比率の回転速度/軸方向の前進速度を選択する。
【0105】
いくつかの例示的な実施形態によれば、生検装置のシャフト、例えばシャフト106または156は、206でターゲット組織に向かって前進させられる。いくつかの実施形態では、シャフトは、選択的に決定されたナビゲーション経路に従って、スリーブ、例えばスリーブ118またはスリーブ158内で前進させられる。代替的に、スリーブは、サンプリング部分、例えば針が任意選択で胃腸(GI)壁を貫入することによって、ターゲット組織に向かって前進する間、胃腸(GI)管内に留まる。いくつかの実施形態では、シャフトの遠位端は、ターゲット組織から近い距離に、例えばターゲット組織から少なくとも0.5mmの距離に、例えばターゲット組織から0.5mm、1mm、5mm、10mm、20mm、100mmの距離に、またはターゲット組織からの任意の中間の、より小さい、もしくはより大きい距離に配置される。任意選択的に、シャフトの遠位端は、ターゲット組織から100mmまでの距離、例えば、90mm、80mm、70mm、または任意の中間の、より小さい、もしくはより大きい値の距離で配置される。
【0106】
いくつかの例示的な実施形態によれば、組織に面するシャフトの遠位端、例えばサンプリング部分は、208で回転する。いくつかの実施形態では、サンプリング部分は204で選択された起動パラメータに従って回転する。いくつかの実施形態では、シャフトのサンプリング部分は、少なくとも100RPM、例えば、300RPM、600RPM、1000RPM、または任意の中間値の、より小さい値またはより大きい値で回転する。
【0107】
いくつかの例示的な実施形態によれば、ターゲット組織は、210でサンプリングされ、任意選択で、208で説明されるように回転している間にサンプリングされる。いくつかの実施形態では、ターゲット組織は、回転しているサンプリング部分をターゲット組織内に軸方向に前進させることによってサンプリングされる。いくつかの実施形態では、サンプリング部分は、ターゲット組織のタイプおよび/またはサンプリング部分の回転速度に調整された速度で、ターゲット組織内に軸方向に前進する。いくつかの実施形態では、サンプリング部分は、選択された、および任意選択で予め決定された距離まで、所望のターゲット組織に貫入する。いくつかの実施態様において、サンプリング部分の貫入距離は、少なくとも1mm、例えば、5mm、10mm、15mm、20mm、または任意の中間の、より小さいまたはより大きい値である。いくつかの実施形態では、貫入距離は所望のサンプル体積に基づいて決定される。代替的にまたは追加的に、貫入距離は、ターゲット組織の形状、組織のタイプ、および周辺組織、例えばターゲット組織の近傍の血管および/または神経に基づいて決定される。いくつかの実施形態では、所望のサンプル体積は、任意選択で分析タイプ、例えば組織学的分析および/または組織サンプルの遺伝子分析に基づいて、専門家によって決定される。
【0108】
いくつかの例示的な実施形態によれば、シャフトは212で後退させられる。任意選択的に、サンプリング部分は212で後退させられる。いくつかの実施形態では、シャフトは所望の貫入深さに達した後に後退させられる。いくつかの実施形態では、シャフトは、シャフト内に捕捉された所望のサンプル体積に到達した後に後退させられる。いくつかの実施形態では、サンプリング部分はスリーブ内に後退させられる。代替的に、サンプリング部分は後退されるが、依然としてスリーブの外側に残る。
【0109】
いくつかの例示的な実施形態によれば、例えばターゲット組織の異なる領域をサンプリングするために、サンプリングが繰り返される。いくつかの実施形態では、異なる領域に到達するために、シャフトの少なくとも一部、例えばサンプリング部分は異なる領域に向けられる。いくつかの実施形態では、繰り返されるサンプリングステップは、以前に定義された起動および/またはサンプリングパラメータに従って実行される。代替的に、繰り返されるサンプリングステップは、修正された起動および/またはサンプリングパラメータに従って実行される。
【0110】
いくつかの例示的な実施形態によれば、サンプルは214において生検装置から除去される。いくつかの実施形態では、サンプルは、スタイレットまたはシャフト管腔内のより小さい直径を有するシャフトを、任意選択でシャフトのサンプリング部分の管腔を通過させることによって、生検装置のシャフトから除去される。代替的に、生理食塩水または空気をシャフトに押し込んで、サンプルを除去する。任意選択的に、ポンプ、例えば真空ポンプは、サンプルに吸引力を加えて、サンプルを生検装置から取り出すことを可能にする。いくつかの実施形態では、例えばサンプリング部分が針、任意選択で取り外し可能な針を含む場合、捕捉されたサンプルを有する針は、例えばサンプルの取り外しを可能にするために、シャフトから取り外される。
【0111】
回転速度と軸方向の前進速度との間の例示的な比
いくつかの例示的な実施形態によれば、生検装置のシャフトは、組織内に軸方向に前進する間に回転される。いくつかの実施形態では、回転速度と軸方向の前進速度との間の比は、例えば周囲組織に損傷、例えば移動シャフトの運動エネルギーからの損傷を引き起こすことなく、効率的なサンプリングを可能にするように設定される。ここで、
図3Aを参照すると、本発明のいくつかの例示的な実施形態による、シャフトの回転速度と軸方向の前進速度との間の所望の比率を示すグラフを示す。
【0112】
いくつかの例示的な実施形態によれば、組織内へのシャフトの軸方向の前進速度値は、最小軸方向の前進速度値A1よりも高く設定される。一部の実施形態では、A1よりも小さい速度値は、サンプリング処理の持続時間を延長し、したがって、ユーザの観点から(例えば、集中したままにするために)最適ではないか、または時間がかかりすぎる。いくつかの実施形態では、シャフトの最大軸方向の前進速度値は、最大速度値A2よりも小さく設定される。いくつかの実施形態では、回転速度が遅すぎる場合、A2より大きい速度値は移動シャフトに切断することなく組織を圧縮させ、したがって、それらは組織の効率的な切断を可能にしない。さらに、軸方向速度が速すぎると、針の正確な位置を制御する能力が損なわれ、特に重要な敏感な器官、例えば血管および/または神経の付近で患者が危険にさらされることになる。いくつかの実施形態では、シャフトの軸方向の前進速度値は、A1とA2との間に設定される。
【0113】
いくつかの例示的な実施形態によれば、所望の軸方向の前進速度値は、シャフトまたはシャフトのサンプリング部分の少なくとも1つのパラメータ、例えば、サンプリング部分の直径、サンプリング部分の切断縁の形状および/または幅に基づいて決定される。代替的にまたは追加的に、軸方向の前進速度値は、組織の少なくとも1つのパラメータ、例えば、組織のタイプおよび/または組織密度に基づいて決定される。
【0114】
いくつかの例示的な実施形態によれば、最小回転速度値は、R1よりも大きく設定される。いくつかの実施形態では、R1より小さい回転速度値は、例えば、シャフトによって、任意選択でシャフトの切断縁によって組織に加えられる弱い切断力および/または剪断力および/または張力のために、組織の効率的な切断を可能にしない。いくつかの実施形態では、最大回転速度はR4よりも小さく設定される。いくつかの実施形態では、R4よりも大きい回転速度値は組織のウォームアップに損傷を引き起こす過剰な熱を生成する。
【0115】
いくつかの例示的な実施形態によれば、最小および最大回転速度値は、軸方向の前進速度値ごとに決定される。いくつかの実施形態では、最小の軸方向の前進速度値A1に対して、所望の回転速度値はR1とR3との間の範囲になるように設定される。いくつかの実施形態では、最大軸方向前進値A2に対して、所望の回転速度値がR2とR4との間の範囲になるように設定される。
【0116】
いくつかの例示的な実施形態によれば、回転速度値は、シャフトまたはシャフトのサンプリング部分の少なくとも1つのパラメータ、例えば、サンプリング部分の直径、サンプリング部分の形状および/または切断縁の幅に基づいて決定される。代替的にまたは追加的に、軸方向の前進速度値は、組織の少なくとも1つのパラメータ、例えば組織のタイプおよび/または組織密度に基づいて決定される。いくつかの実施形態では、回転速度は選択された軸方向速度に従って決定され、および/または、軸方向速度は選択された回転速度に従って決定される。
【0117】
いくつかの例示的な実施形態によれば、軸方向の前進速度および/または回転速度は、生検装置の安全パラメータ、例えば、シャフトの最大許容回転速度に従って決定される。代替的にまたは追加的に、軸方向の前進速度および/または回転速度は、臨床処置またはターゲット領域に関連する安全パラメータ、例えば、サンプリングプロセス中に回避される必要がある血管、神経または他の組織タイプの近傍における最大許容軸方向の前進速度に従って決定される。
【0118】
いくつかの例示的な実施形態によれば、例えば、RPM値を増加させる場合に表1に示されるように、15mm/秒の固定軸方向の前進速度および様々な回転速度で異なる組織のサンプリング体積を比較する場合、筋肉組織の組織サンプル体積は増加する。
【表1】
【0119】
いくつかの例示的な実施形態によれば、例えば、表2に示され、
図3Bに示されるように、RPM値が増加することにつれて15mm/秒の軸方向の前進速度は、1mm/秒および5mm/秒の軸方向速度と比較して、筋肉組織サンプル体積の増加をもたらす。
【表2】
【0120】
例示的なサンプリング針の回転
いくつかの例示的な実施形態によれば、サンプリング針、例えば、編組針、サンプリング部分、編組コイルのサンプリング部分、または編組サンプリング部分は、組織サンプリングプロセス中に回転する。いくつかの実施形態では、サンプリング針は、針が組織に貫入する間、および/またはサンプリング針が組織から後退するときに回転する。
【0121】
いくつかの例示的な実施形態によれば、サンプリング針は、異なる速度および/または異なる回転角度で、例えば、360°未満の回転角度、例えば、90°未満の回転角度、180°未満の回転角度、270°未満の回転角度、または任意の中間の、より小さいもしくはより大きい回転角度で回転する。追加的または代替的に、サンプリング針は、例えば時計回り方向および反時計回り方向に、異なる方向に回転する。任意選択的に、サンプリング針の回転は、時計回り方向と反時計回り方向との間で交互になる。いくつかの実施形態では、サンプリング針は、例えばパルスで断続的に回転する。代替的に、サンプリング針は連続的に回転する。任意選択的に、サンプリング針は固定または可変速度で回転する。ここで
図3Cおよび3Dを参照すると、本発明のいくつかの例示的な実施形態による、サンプリング針、例えばサンプリング部分の回転角度および/または回転シーケンスを示す。
【0122】
いくつかの例示的な実施形態によれば、サンプリング針は、0.01秒から10秒の範囲、例えば、0.01秒から2秒、1秒から5秒、2秒から10秒、または任意の中間の、より小さいもしくはより大きい回転持続時間範囲で、選択された期間にわたって回転する。
【0123】
いくつかの例示的な実施形態によれば、例えば、
図3Cに示されるように、サンプリング針は、最大回転角度、例えば、10°、45°、90°、180°、270°または任意の中間、より小さいまたはより大きな回転角度である、0から360°の範囲である最大回転角度320まで回転する。いくつかの実施形態では、サンプリング針は、20秒までの時間の間、最大回転角度320まで回転する。いくつかの実施形態では、サンプリング部分は、第1の方向に最大回転角度320まで回転し、次いで、ベースライン回転角度に戻る。例えば、ベースライン回転角度は、回転が開始するときの回転角度である。いくつかの実施形態では、サンプリング部分は最大回転角度320まで回転し、期間321の間、ベースライン回転角度に戻る。いくつかの実施形態では、期間321は、1から40秒の範囲、例えば、1から20秒、5から30秒、25から40秒、または任意の中間の、より小さいもしくはより大きい範囲の値である。
【0124】
いくつかの実施形態によれば、サンプリング針は、360°以上である最大回転角度、例えば、最大回転角度322、例えば、360°、720°、1440°または任意の中間の、より小さいまたはより大きい最大回転角度に回転する。いくつかの実施形態では、サンプリング針は、任意選択で期間321または任意のより短いまたはより長い期間中に、一方向に最大回転角度322まで回転し、ベースライン回転角度に戻る。いくつかの実施形態では、サンプリング針は、期間321よりも長い期間324の間、例えば1から60秒、例えば1から20秒、15から50秒、40秒から60秒、または任意の中間の、より小さいまたはより大きい値の範囲の期間の間、最大回転角度320まで回転し、ベースライン回転角度に戻る。
【0125】
いくつかの例示的な実施形態によれば、サンプリング針は、一連の回転パルス、例えば、回転パルス列326内で回転する。いくつかの実施形態では、回転パルス列は、2つ以上の連続した回転パルス、例えば回転パルス328および330を含む。いくつかの実施形態では、各パルスにおいて、サンプリング針は最大回転角度、例えば最大回転角度320または322まで回転し、ベースライン回転角度に戻る。任意選択的に、最大回転角度は、2つ以上の連続するパルスの間で変化する。代替的または追加的に、各パルスの持続時間は、列内の全てのパルス間で同様であるか、または列のパルスの少なくともいくつかの間で変化する。
【0126】
いくつかの例示的な実施形態によれば、回転パルス列は、それらの間の時間隔、例えば、パルス330とパルス332との間の時間隔331を有する2つ以上の回転パルスを含む。いくつかの実施形態では、時間隔は、0.1秒から10秒の範囲、例えば、0.1秒から2秒、1秒から7秒、6秒から10秒、または任意の中間の、より小さいもしくはより大きい値、もしくは値の範囲の最大持続時間を有する時間隔を含む。いくつかの実施形態では、列内のすべての回転パルスは、同様の回転角度、同様の回転速度、および/または同様の回転持続時間を有する。代替的に、回転パルス列の2つ以上の回転パルスの間で、回転角度、回転速度、回転持続時間の少なくとも1つが異なる。
【0127】
いくつかの例示的な実施形態によれば、回転パルス列は2つ以上の回転パルスを含み、各回転パルス列は、例えば回転パルス列326によって示されるように、360°より小さい最大回転角を含む。代替的に、2つ以上の回転パルスの各々は、360°より大きい回転角度、例えば、回転パルス列334の回転パルス336、338、および340を有する。任意選択的に、回転パルス列内の回転パルスの幾つかは360°よりも大きい最大回転角度を含み、任意選択的に、回転パルス列内の回転パルスの幾つかは360°よりも小さい最大回転角度を含む。
【0128】
いくつかの例示的な実施形態によれば、例えば
図3Dに示されるように、サンプリング針は、第1の方向において第1の最大回転角度まで、および反対方向において第2の最大回転角度まで回転する。いくつかの実施形態では、第1の最大回転角度は第2の最大方向と同様である。代替的に、第1の最大回転角度が異なり、例えば、第2の回転角度よりも小さいかまたは大きい。任意選択的に、第1の方向における回転持続時間は、第2の持続時間における回転持続時間と同様であるか、または異なる。いくつかの実施形態では、例えば反対方向の回転が回転パルス列の一部である場合、第1の方向におけるサンプリング針の回転は、反対方向におけるサンプリング針の回転と類似しているか、または異なる。
【0129】
いくつかの例示的な実施形態によれば、例えば、
図3Dに示されるように、回転パルス列は、2つの異なる方向における最大回転角度、例えば、回転パルス列340の最大回転角度342、344および346を有する2つ以上の回転パルスを含む。いくつかの実施形態では、2つ以上の連続した回転パルスは、2つの反対方向での回転を含み、例えば、1つの回転パルスは時計回り方向に回転し、第2の回転パルスは反時計回り方向に回転する。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの回転パルスは、サンプリング針を0°よりも小さい回転角度で最大に回転させることを含む。本明細書で使用されるように、0°よりも小さい1つまたは複数の回転角度は、0°よりも大きい1つまたは複数の回転角度とは反対方向の回転角度である。
【0130】
いくつかの例示的な実施形態によれば、1つまたは複数の回転パルスは、第1の方向に360°より大きい最大回転角度までサンプリング針を回転させ、その後、反対方向に360°より大きい最大回転角度、例えば、
図3Dに示す最大回転角度348および350までサンプリング針を回転させることを含む。
【0131】
いくつかの例示的な実施形態によれば、生検装置の制御部、例えば、
図1Aに示される装置102の制御部112は、回転パルス列内の各回転パルスの回転角度、最大回転角度、回転方向、回転速度、および/または回転数および回転パラメータのうちの1つまたは複数を制御する。いくつかの実施形態では、制御部は、生検装置のメモリに記憶された値に基づいて、および/または装置のユーザインターフェース、例えば、
図1Aに示されるユーザインターフェース114から受信された信号に基づいて、1つまたは複数の回転パラメータを制御する。
【0132】
小さい角度の回転、回転パルス、および/または変化する速度でサンプリング針を回転させることの潜在的な利点は、それが、種々の密度および/または異なる細胞組成を有する異なる組織タイプからの効率的な組織分離を可能にし得ることである。
【0133】
例示的な詳細なサンプリングプロセス
ここで
図4Aを参照すると、本発明のいくつかの例示的な実施形態による、詳細な組織サンプリングプロセスを示す。
【0134】
いくつかの例示的な実施形態によれば、内視鏡、例えば可撓性の内視鏡、任意選択で超音波内視鏡は体内に導入され、402において所望の位置に位置決めされる。いくつかの実施形態では、内視鏡の遠位端、例えば組織に面する内視鏡の先端はターゲット組織の近くに配置される。
【0135】
いくつかの例示的な実施形態によれば、404において、生検装置モデルが選択される。いくつかの実施形態では、生検装置は、生検装置シャフトの軸方向の前進速度とシャフトの回転速度との間の所望の比率に基づいて選択される。任意選択的に、所望の比率は、組織タイプおよび/または組織特性、例えば組織密度に基づいて決定される。いくつかの実施形態では、生検装置はターゲット組織のタイプに従って選択され、例えば、筋肉組織をサンプリングするように設計された生検装置は、ターゲット組織が筋肉である場合に選択される。いくつかの実施形態では、ターゲット組織が膵臓組織である場合、404において、膵臓組織をサンプリングするために設計された生検装置が選択される。
【0136】
いくつかの例示的な実施形態によれば、生検装置モデルは、内視鏡タイプに基づいて選択される。代替的または追加的に、生検装置はサイズ、例えば、内視鏡の作業チャネルの内幅または内径に基づいて選択される。いくつかの実施形態では、選択された生検装置は、内視鏡の作業チャネルの直径よりも小さい外径を有するスリーブによって囲まれたシャフトを備える。
【0137】
いくつかの例示的な実施形態によれば、404において、生検装置は、体内の内視鏡の遠位端の位置に基づいて選択される。代替的にまたは追加的に、生検装置は、ターゲット組織から内視鏡の遠位端間の距離および/または内視鏡の遠位端とターゲット組織との間の角度に基づいて選択される。
【0138】
いくつかの例示的な実施形態によれば、406において、生検装置スリーブ、例えば、スリーブ118またはスリーブ158の長さは、調整される。いくつかの実施形態では、スリーブは内視鏡の作業チャネルの長さに従って調整される。代替的または追加的に、スリーブ長さは、内視鏡遠位端とターゲット組織との間の距離に従って調整される。
【0139】
いくつかの例示的な実施形態によれば、408において、スリーブは内視鏡に挿入される。いくつかの実施形態では、スリーブが内視鏡の作業チャネルに挿入され、任意選択でねじ込まれる。
【0140】
いくつかの例示的な実施形態によれば、410において、例えばスリーブの位置を作業チャネル内の所望の位置にロックするために、ロック機構が作動される。いくつかの実施態様において、スリーブロッキング機構は、干渉嵌め込みロック機構、例えば、圧入機構、テーパ嵌めおよび/または焼き嵌め機構を含む。いくつかの実施形態では、テーパ嵌め機構はルアーロックを含む。任意選択的に、ルアーロックは410で締め付けられる。
【0141】
いくつかの例示的な実施形態によれば、412において、ターゲット組織が識別される。いくつかの実施形態では、ターゲット組織は、胃腸管内または胃腸管に隣接する腫瘍、例えば粘膜下病変、縦隔腫瘤、リンパ節および腹腔内腫瘤を含む。いくつかの実施形態では、腫瘍は固形腫瘍である。いくつかの実施形態では、腫瘍は視覚化手段、例えば、内視鏡に接続されたカメラによって識別される。代替的または追加的に、腫瘍は撮像手段、例えば、内視鏡に接続された撮像部または外部撮像装置によって識別される。いくつかの実施形態では、撮像手段は超音波撮像を含む。いくつかの実施形態では、超音波撮像は体内に配置され、任意選択で内視鏡に接続された超音波プローブによって、または体外に配置された超音波プローブによって実行される。
【0142】
いくつかの例示的な実施形態によれば、414において、ターゲット組織までの距離が測定される。いくつかの実施形態では、ターゲット組織までの距離は、カメラまたは超音波装置を使用して測定される。任意選択的に、ターゲット組織までの距離は、例えば、スリーブ内のシャフトのサンプリング部分、例えば針の軸方向の前進を制限するために測定される。
【0143】
いくつかの例示的な実施形態によれば、416において、ストッパが調整される。いくつかの実施形態では、ストッパ例えば機械的ストッパの位置は任意選択で、414で測定された距離に基づいて調整される。いくつかの実施形態では、ストッパの位置はシャフトのサンプリング部分の軸方向の前進距離を制限するように調整される。任意選択的に、軸の前進距離は、シャフトの回転数を制限することによって、またはシャフトの軸方向の前進を制御する任意の他のパラメータを制限することによって決定される。
【0144】
いくつかの例示的な実施形態によれば、418において、貫入角度が調整される。いくつかの実施形態では、貫入角度はシャフトのサンプリング部分とターゲット組織の外面との間の角度である。
【0145】
いくつかの例示的な実施形態によれば、420において、生検装置の少なくとも1つの起動パラメータが選択される。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの起動パラメータは、シャフト回転速度、シャフト軸方向の前進速度、および/またはサンプリング持続時間および/またはサイクル数および/または軸方向の前進距離を含む。
【0146】
いくつかの例示的な実施形態によれば、422において、シャフトのサンプリング部分は、ターゲット組織に向かって前進させられる。いくつかの実施形態では、サンプリング部分は、身体管腔および空洞を通ってターゲット組織に向かって前進させられる。いくつかの実施形態では、サンプリング部分は、胃および/または十二指腸壁を通ってターゲット組織に向かって前進させられる。
【0147】
いくつかの例示的な実施形態によれば、424において、シャフト内に配置された細長いスタイレットは、引き抜かれるか、または後退させられる。いくつかの実施態様において、シャフトのサンプリング部分内に位置決めされた細長いスタイレットは引き出される。いくつかの実施形態では、スタイレットは、シャフトの遠位端から少なくとも20mmの距離、例えば、30mm、50mm、80mm、100mm、または任意の中間の、より小さいもしくはより大きい距離まで引き抜かれる。
【0148】
いくつかの例示的な実施形態によれば、426において、ターゲット組織はサンプリングされる。いくつかの実施形態では、組織はシャフトのサンプリング部分をターゲット組織に貫入させることによってサンプリングされる。いくつかの実施形態では、サンプリング部分はターゲット組織に貫入しながら回転される。任意選択的に、サンプリング部分は、少なくとも100RPMで回転する。いくつかの実施形態では、サンプリング部分は、任意選択で回転速度と軸方向の前進速度との間の固定比に従って、モータによってターゲット組織内に移動される。いくつかの実施形態では、サンプリング部分は、異なる位置で、任意選択で異なる貫入角度でターゲット組織に貫入する。
【0149】
いくつかの例示的な実施形態によれば、ターゲット組織は、サンプリング部分の管腔内に配置されたターゲット組織の一部に摩擦力を加え、サンプリング部分の遠位開口部により近くに位置するターゲット組織の異なる部分に加えられる剪断力および/または切断力および/または引張力を加えることによってサンプリングされる。いくつかの実施形態では、適用された剪断力および/または引裂力および/または引張力がサンプリング部分の管腔の内側に位置する組織の部分を、サンプリング部分の外側に位置するターゲット組織から分離させる。いくつかの実施形態では、ターゲット組織サンプルをサンプリング部分の内側および/またはシャフトの管腔の内側に維持するために、吸引力が適用される。
【0150】
いくつかの例示的な実施形態によれば、428において、サンプリング部分は後退させられる。いくつかの実施形態では、シャフトのサンプリング部分は、ターゲット組織から、任意選択でスリーブ内に後退させられる。いくつかの実施形態では、サンプリング部分は、回転が停止されている間後退される。
【0151】
いくつかの例示的な実施形態によれば、430において、生検装置は内視鏡から解放される。いくつかの実施形態では、生検装置は410で作動された締まり嵌めロック機構を不作動にすることによって内視鏡から解放される。いくつかの実施形態では、410でロックされたプレスフィット、テーパフィット、および/または焼き嵌め機構をアンロックすることによって、生検装置が内視鏡から解放される。任意選択的に、430においてルアーロックを解除することによって、生検装置が内視鏡から解放される。
【0152】
いくつかの例示的な実施形態によれば、432において、組織サンプルが除去される。いくつかの実施形態では、組織サンプルは、例えば組織サンプルをシャフトから押し出すために、スタイレットを前方に前進させることによって除去される。代替的または追加的に、生理食塩水または空気がシャフト管腔を通して吹き込まれ、組織サンプルをシャフトから押し出す。いくつかの実施形態では、組織サンプルを保持するサンプリング部分および/またはシャフトの一部は組織サンプルを解放するために除去される。代替的に、流体は、組織サンプルを解放するためにシャフト管腔にポンプで送り込まれる。いくつかの実施形態では、例えば吸引によって、組織サンプルを除去するために、シャフトの少なくとも1つの開口部から真空力が加えられる。
【0153】
いくつかの例示的な実施形態によれば、組織サンプルは、生検装置内にある間に分析される。いくつかの実施形態では、組織サンプルは顕微鏡および/または撮像装置によって分析される。代替的または追加的に、組織サンプルは、少なくとも1つのセンサ、例えば、ターゲット組織が近接照射療法または任意の他のタイプの放射性治療によって治療される場合に、例えば、組織サンプルからの放射性エネルギーの解放を測定するセンサによって分析される。
【0154】
例示的な組織サンプリング
いくつかの例示的な実施形態によれば、可撓性のシャフトのサンプリング部分、例えば針は、ターゲット組織と係合される。いくつかの実施形態では、サンプリング部分は、例えば、ターゲット組織への損傷を引き起こすことなくターゲット組織から組織サンプルを除去するために、ターゲット組織と係合する。ここで
図4B-4Eを参照すると、本発明のいくつかの例示的な実施形態による、ターゲット組織のサンプリングプロセスを示す。
【0155】
いくつかの例示的な実施形態によれば、例えば
図4Bに示されるように、サンプリング部分450は、サンプリング部分の遠位開口部453がターゲット組織458に面するターゲット組織458の近くまたはその中に配置される。いくつかの実施形態では、サンプリング部分450はシャフトの遠位端に位置し、サンプリング部分450の遠位開口部453から延びる管腔452を含む。いくつかの実施形態では、サンプリング部分の内径、例えば、直径457は少なくとも0.2mm、例えば、0.3mm、0.5mm、0.7mm、1mm、または任意の中間の、より小さいもしくはより大きい直径である。
【0156】
いくつかの例示的な実施形態によれば、サンプリング部分450は、サンプリング部分450の遠位端に円周前縁455を備える。いくつかの実施形態では、前縁455は、サンプリング部分450がターゲット組織458内に前進したときにターゲット組織を切断するような形状および大きさである。いくつかの実施態様において、前縁455は、テーパまたは角度を付けた縁である。
【0157】
いくつかの例示的な実施形態によれば、サンプリング部分450の外面454は、サンプリング部分450とターゲット組織との間の摩擦力を低減するように成形される。追加的または代替的に、サンプリング部分450の外面454は、例えば、滑らかな表面積または平坦な表面積を有することによって、組織の引き裂きおよび/またはウォームアップを低減するように成形される。任意選択的に、サンプリング部分の外面は、低摩擦材料の層で覆われる。
【0158】
いくつかの例示的な実施形態によれば、サンプリング部分450の内面451の少なくとも一部は、例えば、組織の把持を可能にするために、管腔452内に見られる内部組織に十分な摩擦力を加えるように成形される。いくつかの実施形態では、内側表面は内側組織との接触面積を増大させるように成形された少なくとも1つの幾何学的要素を含む。いくつかの実施形態では、幾何学的要素は、少なくとも1つの隆起部および/または少なくとも1つの突起部、例えば、軸方向突起部または円周方向突起部を含む。いくつかの実施形態では、円周方向突起は管腔452を少なくとも部分的に取り囲む螺旋状突起を含む。
【0159】
いくつかの例示的な実施形態によれば、例えば、
図4Cに示されるように、サンプリング部分450は、ターゲット組織458内に前方に軸方向に前進しながら、時計回りまたは反時計回りに回転する。いくつかの実施形態では、サンプリング部分450がターゲット組織458内に前進すると、前縁455がターゲット組織458を切断する。いくつかの実施形態では、前縁455はターゲット組織458に円形の切断を行い、一方、円形の切断の中心にあるターゲット組織の切断されていない領域は、遠位開口部453を通ってサンプリング部分450の内部管腔452に入る。
【0160】
いくつかの例示的な実施形態によれば、サンプリング部分450の内面451は、サンプリング部分の内側に見られる切断されていない組織(本明細書では内側組織、例えば、管腔の内側に見られる組織462とも呼ばれる)に摩擦力を加える。いくつかの実施形態では、サンプリング部分の内面451によって加えられる摩擦力が、サンプリング部分の移動速度に対して内部組織の移動速度を低下させる。いくつかの実施形態では、サンプリング部分450の内部管腔452の外側に、または部分的に管腔内に位置する、内部組織とターゲット組織との相対移動速度の差は剪断領域456を生成し、剪断力および/または切断力および/または引張力が内部組織に印加される。いくつかの実施形態では、剪断領域456における剪断力および/または張力が内側組織をターゲット組織から分離する。
【0161】
いくつかの例示的な実施形態によれば、サンプリング部分450の回転速度と軸方向の前進速度との間の比は、例えば、前縁455によるターゲット組織の効率的な切断を可能にするために、および/または組織サンプル、例えば、ターゲット組織458から内部組織を分離するために十分な剪断力および/または引張力を生成するために、予め決定される。いくつかの実施形態では、先に
図3Aに記載したように、比率はターゲット組織のタイプ、ターゲット組織の組成および/またはターゲット組織の特性、例えば、ターゲット組織のサイズおよび/または密度に従って予め決定されるか、または調整される。
【0162】
いくつかの例示的な実施形態によれば、サンプリング部分がターゲット組織458を通って前進することにつれて、サンプリング部分の外面454は、サンプリング部分458を取り囲むターゲット組織の一部に摩擦力を加える。いくつかの実施形態では、上述のように、外面454は摩擦力を低減するように、例えば、任意選択で組織損傷につながる組織加熱を低減するように成形される。
【0163】
いくつかの例示的な実施形態によれば、サンプリングされた組織の量が十分である場合、および/または最大の所定の貫入深さに達する場合、サンプリング部分450は遡及される。いくつかの実施形態では、後退中に、サンプリング部分450の回転は、例えば、サンプリング部分の外面によって周囲のターゲット組織に加えられる摩擦力を低減するために停止される。
【0164】
いくつかの例示的な実施形態によれば、サンプリング部分450はターゲット組織458内に、任意選択的に、ターゲット組織458の異なる領域に再び進み、ターゲット組織458から少なくとも1つの追加の組織サンプルを除去する。いくつかの実施形態では、ターゲット組織458の異なる領域に到達するために、サンプリング部分は50度までの角度、例えば、10度、20度、40度、または任意の中間の、より小さいもしくはより大きい角度で曲げられる。
【0165】
いくつかの例示的な実施形態によれば、例えば、
図4Eに示されるように、サンプリング部分450はターゲット組織から後退させられ、少なくとも1つの組織サンプル、例えば、2、3、4、または任意のより多数の組織サンプルを含む。いくつかの実施形態では、サンプリング部分450は少なくとも1つの組織サンプル、例えば、組織サンプル460および462に十分な摩擦力を加えて、収縮中にサンプリング部分管腔内に組織サンプルを保持する。
【0166】
操作制御を有する例示的な生検装置
いくつかの例示的な実施形態によれば、生検装置は、サンプリング部分を有する細長いシャフトに接続されたハンドルを備える。いくつかの実施形態では、ハンドルは、細長いシャフトの移動、例えばターゲット組織に向かう回転および/または軸方向の移動を少なくとも部分的に制御する。代替的または追加的に、制御部は、サンプリング部分と共にシャフトに接続される。いくつかの実施形態では、制御部は、細長いシャフトの移動、例えばターゲット組織に向かうシャフトの回転および/または軸方向の移動を少なくとも部分的に制御する。ここで
図4F-4Hを参照すると、本発明のいくつかの例示的な実施形態による、生検装置の制御部を有するハンドルを示す。
【0167】
いくつかの例示的な実施形態によれば、生検装置は、ハンドル、例えば細長いシャフト474に接続されたハンドル470を備える。いくつかの実施形態では、シャフトは、スリーブ、例えばスリーブ475内に配置される。いくつかの実施形態では、ハンドル470は、シャフトがターゲット組織に向かって体内に導入されるときに、生検装置のユーザによってハンドルを保持するための少なくとも1つの把持部材を備える。代替的または追加的に、ハンドルの少なくとも1つの把持部材は、組織サンプリングプロセス中に、例えばシャフト474の回転および/または軸方向に前進中に、生検装置のユーザによってハンドル470を保持するために使用される。いくつかの実施形態では、ハンドル470はシャフト474の軸方向の前進を制御する。代替的または追加的に、ハンドル470は、スリーブ475の長さを調整するために使用される。
【0168】
いくつかの例示的な実施形態によれば、生検装置は、スリーブ475および/またはシャフト474に機能的に接続された制御部472を備える。いくつかの実施形態では、制御部472は、スリーブ475の長さを調整するために、例えばターゲット組織までの距離に従って、または内視鏡の作業チャネルの長さに従って、スリーブの長さを調整するために使用される。いくつかの実施態様において、制御部472は、スリーブ475、および任意選択でスリーブに結合されたコネクタ、例えばコネクタ480を軸方向に移動させるために使用される。任意選択的に、コネクタは、スリーブ475の長さを所望の長さに固定するためのロック機構の一部である。代替的に、ロック機構は制御部472の一部である。
【0169】
いくつかの例示的な実施形態によれば、ハンドル470は、細長い管485、任意選択で中空管によって制御部472に接続される。いくつかの実施形態では、ストッパ、例えば、任意に管に接続されたストッパ476は、ハンドル470と制御部472との間の前進距離478を制限する。いくつかの実施形態では、シャフトがターゲット組織に向かって前進すると、ハンドルが制御部に向かって移動する。いくつかの実施形態では、ストッパ476はハンドル470の移動範囲を制限する。いくつかの実施態様において、ストッパ476は、管485の長さに沿って軸方向に移動し、任意選択で所望の位置で管485の周囲で締め付けまたはロックされるように構成された可動ストッパである。任意選択的に、ストッパ476は、ボタン、例えばボタン473を押すことによって移動する。いくつかの実施形態では、ボタン473が押されると、ロック機構、例えば干渉ロック機構が解除され、ストッパ476の移動が可能になる。いくつかの実施形態では、ボタン473が弛緩状態にあるとき、ロック機構は、例えばストッパ476の移動を防止するために、係合される。
【0170】
いくつかの例示的な実施形態によれば、スタイレット、例えばスタイレット486はシャフトの管腔に沿って、制御部472を通り、任意選択でハンドル470を通る。いくつかの実施形態では、スタイレット486は可動スタイレットであり、例えばシャフトの回転および/またはシャフトの少なくとも一部のターゲット組織への貫入の前に、シャフト474内で軸方向に移動する。いくつかの実施形態では、スタイレットは、サンプリングボタン、例えば起動ボタン560を押し、それを後退させることを忘れることを防止することによって、自動的に軸方向に後退させられる。代替的または任意選択的に、スタイレットが遠位位置にある場合、スタイレットは、機械的機構によって、または制御部に接続されたセンサによって、サンプリングの作動を不能にする。
【0171】
いくつかの例示的な実施形態によれば、ハンドル470、例えば制御機構484、および/または制御部に配置された移動制御機構は、スタイレット486の前進および/または後退を制御する。いくつかの実施形態では、制御機構は、例えば組織サンプルを保持するための大きさの管腔をシャフト内に形成するために、サンプリングの前にスタイレット486を後退させる。いくつかの実施形態では、制御機構は、スタイレット486を前方に押して、例えば、シャフトの内側またはシャフトのサンプリング部分の内側に捕捉された組織サンプルを解放する。いくつかの実施形態では、スタイレット486が引っ込められると、制御機構はスタイレット486を引っ込められた位置にロックする。
【0172】
ここで
図5Aから5Cを参照すると、本発明のいくつかの例示的な実施形態による、スリーブ長さを調整するためのプロセスを示す。
【0173】
いくつかの例示的な実施形態によれば、生検装置は、細長いアダプタ506を介してスリーブコネクタ508に接続された制御部502を備える。いくつかの実施形態では、アダプタ506は、例えば制御部から少なくとも部分的に延びる摺動ボタン504を移動させることによって、制御部502内で摺動するように構成され、および動作可能である。いくつかの実施形態では、ボタン504は、スリットまたはノッチ、例えばアダプタの外表面のノッチ514の内側に配置された突起513に接続される。
【0174】
いくつかの例示的な実施形態によれば、ユーザは、例えばスリーブ512の長さを調整するために、摺動ボタン504を摺動させる。いくつかの実施形態では、スリーブ512の所望の長さに達すると、スリーブコネクタは、例えばスリーブの任意の軸方向の移動を防止するために、ロックされる。いくつかの実施形態では、例えば
図5Dに示されるように、スリーブコネクタは干渉嵌合ロック機構を備える。いくつかの実施態様において、干渉嵌合ロック機構は、圧入機構、テーパ嵌合機構または焼き嵌め機構を含む。いくつかの実施形態では、テーパ嵌め機構はルアーロックを含む。任意選択的に、ルアーロックが締め付けられ、スリーブのさらなる軸方向の移動を防止する。代替的に、干渉嵌合ロック機構は制御部502内に位置決めされ、任意選択で摺動ボタン504に接続される。
【0175】
ここで
図5E-5Gを参照すると、本発明のいくつかの例示的な実施形態による、ストッパ位置の調整を示す。
【0176】
いくつかの例示的な実施形態によれば、ストッパ520は、ハンドル510と制御部502とを接続する、シャフトと接触するか、またはシャフトの周囲に位置決めされる。任意選択的に、シャフトは管状シャフト、例えば管状シャフト522である。いくつかの実施形態では、ストッパ520は、ストッパボタン、例えばストッパ520から少なくとも部分的に延在する隆起部524を備える。いくつかの実施形態では、隆起部524を、任意でストッパ520内のバネによって加えられる力に抗して押圧することにより、ボタン524に機械的に接続された突起526を、管状シャフト522の外面上のスリット、例えばスリット528から遠ざける。いくつかの実施態様において、ボタン524が緩和状態にあるとき、突起526は、管状シャフト522の外面上のスリットと機械的に干渉する。
【0177】
いくつかの例示的な実施形態によれば、ストッパ520と管状シャフト522との間の機械的干渉を非起動することにより、例えば、
図5Fに示されるように、管状シャフト522に沿ってストッパ520を軸方向に摺動させることが可能になる。いくつかの実施形態では、ストッパ520は、例えば
図4Aの414に記載されるように、シャフトの遠位端に位置するシャフトのサンプリング部分とターゲット組織との間の測定された距離に従って、管状シャフト522に沿って移動される。代替的に、ストッパ520は、シャフトのサンプリング部分とスリーブの遠位開口部または内視鏡作業チャネルの遠位開口部との間の測定された距離に従って、管状シャフト522に沿って移動する。
【0178】
いくつかの例示的な実施形態によれば、測定された距離に従って所望の位置に到達すると、ボタン524は解放され、突起526は、管状シャフト528上のスリットと機械的に干渉する。いくつかの実施形態では、ストッパ520は、スリーブ内のシャフトの移動距離を制限する。
【0179】
いくつかの例示的な実施形態によれば、例えば
図5Hおよび5Iに示されるように、シャフトは、例えばハンドル510をストッパ520に向かって方向530に移動させることによって、スリーブ512内でターゲット組織に向かって前進させられる。いくつかの実施形態では、シャフトは、シャフトの遠位端におけるサンプリング部分、例えば
図4Bに示されるサンプリング部分450が本質的な器官または組織、例えば血管から所望の距離に配置されるまで、前進する。
【0180】
いくつかの例示的な実施形態によれば、例えば
図5J-5Mに示されるように、スタイレット、例えばスタイレット550は、ターゲット組織をサンプリングする前に後退させられる。任意選択的に、スタイレット550は、シャフトのサンプリング部分をターゲット組織内に挿入する前に後退させられる。いくつかの実施形態では、スタイレットは、少なくとも30mm、例えば、30mm、40mm、50mm、100mm、または任意の中間の、より小さいもしくはより大きい値で後退させられる。いくつかの実施形態では、スタイレットは、スタイレット550に機械的に接続されたボタン552を引くことによって後退させられる。いくつかの実施形態では、ボタン552は、スタイレット550上のピン、例えばピン554によって加えられる圧力が解放されると、引っ張られる。いくつかの実施形態では、ピン554が動かされ、任意選択でスタイレット550から切り離されると、スタイレット550を移動させることができる。いくつかの実施形態では、スタイレットは、サンプリングボタン、例えば起動ボタン560を、任意選択で例えばスタイレットの後退を強制するばねによって加えられる後退力に逆らって押すことによって、自動的に、または少なくとも部分的に手動で軸方向に後退させられる。代替的または任意選択的に、スタイレットが遠位位置にある場合、スタイレットは、機械的機構によって、または制御部に接続されたセンサによって、サンプリングの作動を不能にする。
【0181】
いくつかの例示的な実施形態によれば、ピン554が静止状態にあるとき、ばね、例えばハンドル510内のばね556は、ピンをスタイレットに押し付ける。任意選択的に、スタイレット550が所望の距離まで後退させられると、ピン554は解放され、例えば、後退前の前の位置へのスタイレットの戻りを防止するために、スタイレット550に対して押される。任意選択的に、スタイレット550は所望の距離まで後退させられると、スタイレットは、例えば、後退前の前の位置へのスタイレットの戻りを防止するために、その軸の周りを回転する。任意選択的に、スタイレットは後退させられ、スタイレットの前方への前進を防止するロック機構を解除する。
【0182】
いくつかの例示的な実施形態によれば、例えば
図5N-5Pに示されるように、シャフトは、シャフトのサンプリング部分を回転させ、およびターゲット組織内に軸方向に前進させながら、回転させられる。いくつかの実施形態では、ハンドル510に含まれる少なくとも1つの作動ボタン、例えばやはり
図5Eおよび5Fに示されるボタン560を押すことにより、モータを作動させ、少なくとも100RPMでシャフトを回転させる。代替的に、少なくとも1つのボタンを押すと、ギア部を介してモータがシャフトに係合する。いくつかの実施形態では、モータはシャフトのサンプリング部分をターゲット組織内に軸方向に前進させる。代替的に、サンプリング部分の軸方向の前進が手動で行われる。
【0183】
いくつかの例示的な実施形態によれば、サンプリング部分が軸方向にシャフト内に前進するとき、ハンドル510は、同じ方向に軸方向に、そして任意選択でサンプリング部分の前進と同様の比率で、前進する。代替的に、ハンドルは、サンプリング部分と同じ方向に、しかしサンプリング部分の前進とは異なる比率で、軸方向に前進する。いくつかの実施形態では、ハンドルがサンプリング部分の軸方向の前進と同様の比率で軸方向に移動する場合、ハンドルの移動距離はサンプリングの移動距離と同様である。任意選択的に、比が類似している場合、装置のユーザ、例えば、専門家、任意選択的に技術者または医師は、ハンドルの移動距離を感知および/または視覚化することによって、サンプリング部分の移動距離の感覚的および/または視覚的表示を受け取る。いくつかの実施形態では、感覚表示は、ユーザの視力が撮像スクリーン(例えば、超音波、蛍光透視法、または他のもの)に焦点を合わせられるときの処置において重要である。
【0184】
いくつかの例示的な実施形態によれば、サンプリング部分は、ハンドル510を、任意選択的に手動で、ストッパ520に向かって軸方向に前進させることによって、ターゲット組織内に軸方向に前進する。いくつかの実施形態では、ストッパ520は、ターゲット組織内のサンプリング部分の軸方向の前進を、選択された、任意選択で所定のサンプリング深さに制限する。
【0185】
いくつかの例示的な実施形態によれば、例えば
図5Pに示されるように、所望のサンプリング深さに到達すると、サンプリング部分は、例えばハンドルをストッパ520から離れるように後退させることによって、ターゲット組織から後退する。任意選択的に、サンプリング部分をターゲット組織から後退させるとき、サンプリング部分の回転は、例えば周囲組織との摩擦を低減するために、停止される。いくつかの実施形態では、ボタン560を押すか、またはハンドル内の別のボタンを押すことによって、モータはシャフトから停止または係脱される。いくつかの実施形態では、ターゲット組織に対するサンプリング部分の位置および/または角度が、例えばターゲット組織内の異なる領域のサンプリングを可能にするように、変更される。いくつかの実施形態では、サンプリング部分の位置および/または角度が変更されると、サンプリング部分は、上述のように、ターゲット組織内に再び前進させられる。
【0186】
ここで、
図5Q-5Sを参照すると、本発明のいくつかの例示的な実施形態による、ユーザインターフェースを有する制御部を有する生検サンプリング装置を示す。
【0187】
いくつかの例示的な実施形態によれば、生検サンプリング装置、例えば
図5Qに示されるサンプリング装置570、
図5R-5Sに示されるおよびサンプリング装置584は、内視鏡、例えば身体組織の微細針生検(FNB)のための超音波内視鏡と共に使用されるように構成される。任意選択的に、身体組織は、胃腸管内または胃腸管に隣接して位置する。いくつかの実施形態では、身体組織は、胃腸管内またはそれに隣接する、粘膜下病変、縦隔腫瘤、リンパ節および/または腹腔内腫瘤のうちの1つまたは複数を含む。
【0188】
いくつかの例示的な実施形態によれば、生検サンプリング装置は、エコー輝度サンプリング部分、例えば超音波画像化内視鏡の器具チャネルを通して使用される生検針、を備え、制御する、内視鏡超音波誘導微細針生検システムの一部である。いくつかの実施形態では、このシステムは、超音波内視鏡のアクセサリチャンネルを介して、針がその軸周りに回動することによって、ターゲット粘膜下(sub‐mucosal)および壁外胃腸病変をサンプリングするために使用される。
【0189】
いくつかの例示的な実施形態によれば、サンプリング装置は、例えば指定された場所で医者が制御するサンプリングを可能にするために、電池作動式(内部給電式)である。代替的に、サンプリング装置は外部電源に電気的に接続される。任意選択的に、サンプリング装置は、少なくとも1つの予荷重エネルギー源、例えば予荷重機械的エネルギー源を備える。任意選択的に、予荷重機械的エネルギー源はばねを含む。
【0190】
いくつかの例示的な実施形態によれば、サンプリング装置は、ハンドル、例えばハンドル571または585を備える。いくつかの実施形態では、ハンドルは、ユーザの片手によって保持されるような形状およびサイズである。任意選択的に、例えばハンドル585に示すように、ハンドルは、把持領域、例えば窪んだ把持領域585を含む。いくつかの実施形態では、把持領域は、手の少なくとも一部、例えば手のひらおよび/または1または複数の指に適合するような形状および大きさである。
【0191】
いくつかの例示的な実施形態によれば、ハンドルは、本体と、装置構成要素を含むカバーとを備える。いくつかの実施形態では、ハンドルは、3D印刷されたSomos(登録商標)XC WaterShed 11122から作製される。任意選択的に、Somos(登録商標)WaterShed XC 11122は、優れた透明度および耐水性および/または耐久性を有する非常に詳細な部品の製造を可能にする。代替的または追加的に、ハンドルおよび/またはサンプリング装置の他の部分は、金型またはテンプレートへのポリマー射出、例えばプラスチック射出を使用して作製される。いくつかの実施形態では、ハンドルは基部およびステムに対する針の軸方向の前進を制御する。
【0192】
いくつかの例示的な実施形態によれば、サンプリング装置は、ハンドルを通過するスタイレットを備える。いくつかの実施形態では、スタイレットの近位端はスタイレットノブ572、例えば
図5J-5Oに示されるボタン552に接続される。いくつかの実施形態では、スタイレットノブ572は、例えば、スタイレットが針内の最も遠位の位置に配置されるときに、ハンドル内に配置される。代替的に、スタイレットノブ572はハンドル、例えばハンドル571またはハンドル585から押し出される。いくつかの実施形態では、スタイレットが装置のサンプリング部分、例えばサンプリング針から少なくとも部分的に後退させられるとき、スタイレットノブ572はハンドルから押し出される。
【0193】
いくつかの例示的な実施形態によれば、ハンドル、例えばハンドル585は、手の一部、例えば手のひらによって把持されるような形状およびサイズの把持部材を備える。
【0194】
いくつかの例示的な実施形態によれば、サンプリング装置は、例えばスタイレットの軸方向の運動および/または回転運動を制御するために、スタイレット制御ボタンを備える。いくつかの実施形態では、スタイレット制御ボタン、例えばスタイレット解放ボタン573またはスタイレット解放ボタン588はハンドル内に配置される。例えば、スタイレット解放ボタン572はハンドル571内に配置され、スタイレット解放ボタン588はハンドル585内に配置される。いくつかの実施形態では、スタイレット制御ボタンは、任意選択でスタイレットノブ572の近くの、ハンドルの上部分または近位部分の近くに配置される。
【0195】
いくつかの実施形態によれば、スタイレット解放ボタンは、例えば針管腔の少なくとも一部からのスタイレットの後退を可能にするために、押される。いくつかの実施形態では、針管腔を通すことにより、組織が管腔内に貫入することが可能になる。いくつかの実施形態では、スタイレット解放ボタンは安全機構として使用され、例えば、スタイレットを後退位置にロックすることによって、サンプルの意図しない排出を防止する。
【0196】
いくつかの例示的な実施形態によれば、スタイレットノブ572は、例えば、スタイレットを針の中に前進させ、サンプリングされた組織部分を針の外側に、例えば、外部サンプル容器の中に押すように押される。
【0197】
いくつかの例示的な実施形態によれば、サンプリング装置は、起動ボタン、例えば、ハンドル571内に配置されたサンプリングボタン560、またはハンドル585内に配置されたサンプリングボタン590を備える。一部の実施形態では、サンプリングボタンを押すか、ボタンを起動モードに回すと、例えば、針を前進させて回転させることによって、サンプリングプロセスが開始される。
【0198】
いくつかの例示的な実施形態によれば、ハンドルは、シャフト、例えばシャフト576または管状シャフト522に接続される。いくつかの実施態様において、シャフトは細長いシャフトであり、任意選択的に管状シャフトである。いくつかの実施形態では、ストッパロック、例えばシャフト576の周りに配置されたストッパ520がある。いくつかの実施形態では、ストッパロックは、例えば針の穿刺または貫入深さを調整するために、シャフト576に沿って移動する。いくつかの実施形態では、ストッパロックは干渉ストッパロックである。
【0199】
いくつかの例示的な実施形態によれば、ストッパロックは、ストッパボタン、例えばストッパボタン577を備える。いくつかの実施形態では、ストッパボタン577を押す、および/または回すことによって、例えば、ストッパロックを解除することができ、ストッパロックの移動が可能になる。いくつかの実施形態では、ストッパボタン577の解放は、シャフト576に沿った選択された軸方向位置でストッパロック520をロックする。いくつかの実施形態では、選択された位置がサンプリングプロセス中に、例えばターゲット組織内への針貫入深さを決定する。
【0200】
いくつかの例示的な実施形態によれば、サンプリング装置は、シャフトの近位端に接続された制御部を備える。いくつかの実施形態では、例えば、サンプリング装置570の制御部575は、ハンドル571から離れて位置するシャフト576の遠位端に接続される。いくつかの実施形態では、制御部はインターフェース、例えばインターフェース578を備える。いくつかの実施形態では、インターフェースは、サンプリング装置の動作に関連するインジケータまたは警告信号をユーザに送達するように構成される。
【0201】
いくつかの実施形態では、インターフェース578はディスプレイ、例えばLCDディスプレイを含む。代替的または追加的に、インターフェース578は、1つまたは複数のインジケータ、例えばLED光インジケータを含む。いくつかの実施形態では、LEDライトインジケータはカラーインジケータであり、装置の動作に関連する表示を送達するように構成される。いくつかの実施形態では、各LEDライトは装置の異なるステータスを示し、例えば、緑色ライトは装置が待機状態であることを示し、緑色ライトの点滅は装置がサンプリング状態であることを示し、黄色ライトの点滅は注意ステータスを示し、赤色ライトは装置の寿命が完了したことを示し、赤色信号の点滅は警告を示す。任意選択的に、インターフェース578は少なくとも1つのオーディオジェネレータ、例えば人間が検出可能な振動を生成するように構成されたスピーカまたはバイブレータ、を備える。
【0202】
いくつかの例示的な実施形態によれば、制御部、例えば制御部575は、シース長調整器ロック、例えばシース長調整器ロック579を備える。いくつかの実施形態では、シース長調整器ロック579は、シース長調整器、例えば調整器580をロックする。いくつかの実施形態では、シース長調整器、例えば調整器580は、操作時にシース長の調整を可能にする回転可能な構成要素である。
【0203】
いくつかの例示的な実施形態によれば、シース長調整器ロック579は、調整器580を軸方向にロックするように構成される。任意選択的に、シース長調整器ロックは、調整器580を円周方向にロックしないように構成され、例えば、調整器580およびシース582が内視鏡の作業チャネルに対して円周方向に回転することを可能にする。
【0204】
いくつかの例示的な実施形態によれば、
図5Rおよび5Sに示されるサンプリング装置584の制御部594は、制御部カバーの外面に位置する窓595を備えている。いくつかの実施形態では、窓595、例えば透明な窓は、ディスプレイまたは1つまたは複数のインジケータ、例えば制御部594の内側に配置されたLED光インジケータの視覚化を可能にするような形状および大きさである。任意選択的に、ディスプレイ、例えばLCDディスプレイおよび/またはLEDライトインジケータは、窓595の下に配置される。
【0205】
いくつかの例示的な実施形態によれば、サンプリング装置584の制御部594は、シース長調整器ロック597を備える。いくつかの実施形態では、シース長調整器ロック597はレバーロックである。いくつかの実施形態では、シース長調整器ロック597は、シース長調整器、例えば調整器598をロックする。いくつかの実施形態では、シース長調整器、例えば調整器598は、操作時にシース長の調整を可能にする回転可能な構成要素である。
【0206】
いくつかの例示的な実施形態によれば、シース長調整器ロック597は、調整器598を軸方向にロックするように構成される。任意選択的に、シース長調整器ロック597は、例えば、内視鏡の作業チャネルに対して周方向に調整器598およびシース582の回転を可能にするために、周方向に調整器598をロックしないように構成される。
【0207】
いくつかの例示的な実施形態によれば、制御部、例えば制御部594は、サンプリング装置を動作させるための少なくとも1つのバッテリを備える。いくつかの実施形態では、制御部594から少なくとも部分的に外側に延びるラッチ596は、少なくとも1つのバッテリの電気接続部と、制御部内に位置するサンプリング装置の電気回路との間を分離する。一部の実施形態では、ラッチを取り外したり引っ張ったりすることで、少なくとも1つのバッテリとサンプリング装置の電気回路との間の電気的接続が可能になる。
【0208】
いくつかの例示的な実施形態によれば、ハンドル、例えばハンドル585は、ユーザの片手によって保持され、任意選択で機能的に起動されるような形状およびサイズである。
【0209】
生検装置のサンプリング部分の例示
いくつかの例示的な実施形態によれば、サンプリング部分、例えば、サンプリング部分はターゲット組織に面するシャフトの遠位端に位置し、組織をサンプリングするための形状および大きさである中空部分である。いくつかの実施形態では、サンプリング部分は中空針、任意選択で交換可能な針である。いくつかの実施形態では、サンプリング部分の長さは0から300mmの範囲、例えば、30mm、50mm、80mm、100mm、または任意の中間の、より小さいもしくはより大きい値である。いくつかの実施態様において、サンプリング部分は0.5から5mmの範囲、例えば、0.5mm、1mm、2mm、2.5mm、3mmまたは任意の中間の、より小さいまたはより大きな値の外径を有する中空円筒状のサンプリング部分である。いくつかの実施形態では、サンプリング部分は外部研磨を含む。いくつかの実施形態では、例えば、ターゲット組織の切断を可能にするために、サンプリング部分の内面のおよび/または外面の少なくとも一部が研磨される。
【0210】
ここで、
図6Aを参照すると、本発明のいくつかの例示的な実施形態による、円周方向に鋭利なセクションを有する生検装置のサンプリング部分を示す。
【0211】
いくつかの例示的な実施形態によれば、サンプリング部分602は、遠位開口部604および内部管腔606を備える円筒形の中空サンプリング部分である。いくつかの実施形態では、サンプリング部分602の外径は0.5から5mm、例えば、0.6mm、0.7mm、0.72mm、1mm、または任意の中間の、より小さいもしくはより大きい値である。いくつかの実施形態では、サンプリング部分602は0.3から4mmの範囲、例えば、0.5mm、0.6mm、0.9mm、または任意の中間の、より小さいもしくはより大きい値を有する内径を有する。いくつかの実施形態では、サンプリング部分602は円周方向のテーパ状の外面608、任意選択で遠位開口部604を取り囲む外部研磨面を有する。いくつかの実施形態では、円周方向のテーパ状の外面608は、例えばサンプリング部分602がターゲット組織内に貫入するときに、ターゲット組織の円形部分を切断するような形状および大きさにされる。いくつかの実施形態では、サンプリング部分602は、例えば管腔606内に配置されたターゲット組織のサンプルを切断するための形状および大きさにされた、円周方向の内部研磨面610を備える。
【0212】
いくつかの例示的な実施形態によれば、例えば
図6Bに示されるように、サンプリング部分612は、遠位開口部614および内部管腔618を備える円筒形の中空サンプリング部分である。いくつかの実施形態では、サンプリング部分612の外径は0.5から5mm、例えば、0.6mm、0.7mm、0.72mm、1mm、または任意の中間の、より小さいもしくはより大きい値である。いくつかの実施形態では、サンプリング部分612は0.3から4mmの範囲、例えば、0.5mm、0.6mm、0.9mm、または任意の中間もしくはより小さい値の内径を有する。いくつかの実施形態では、サンプリング部分612は円周方向のテーパ状の外側表面616、任意選択で遠位開口部614を囲む外部研磨面を有する。いくつかの実施形態では、円周方向のテーパ状の外側表面616は、例えばサンプリング部分612がターゲット組織内に貫入するときに、ターゲット組織の円形部分を切断するための形状および大きさである。
【0213】
いくつかの例示的な実施形態によれば、例えば
図6Cに示されるように、サンプリング部分620は、遠位開口部622および内部管腔624を備える円筒形の中空サンプリング部分である。いくつかの実施形態では、サンプリング部分620の外径は0.5から5mmの範囲、例えば、0.6mm、0.7mm、0.72mm、1mm、または任意の中間の、より小さいもしくはより大きい値である。いくつかの実施形態では、サンプリング部分620の遠位開口部622は0.5から5mmの範囲、例えば、0.6mm、0.7mm、0.72mm、1mm、または任意の中間の、より小さいもしくはより大きい値の直径を有する。いくつかの実施形態では、サンプリングの内径は、例えば管腔624内の組織を圧縮するために、遠位開口部の直径よりも小さい。いくつかの実施形態では、開口部の直径よりも小さい内径は、例えば組織の把持を増加させるために、管腔624内に配置された組織にサンプリング部分620の内面によって加えられる摩擦力を増加させる。いくつかの実施形態では、サンプリング部分620は0.4から4mmの範囲、例えば、0.5mm、0.6mm、0.9mm、または任意の中間もしくはより小さい値の内径を有する。いくつかの実施形態では、サンプリング部分620は、例えば管腔624内に配置されたターゲット組織のサンプルを切断するための形状および大きさである、円周方向の内部研磨表面626を備える。
【0214】
いくつかの例示的な実施形態によれば、例えば
図6Dに示されるように、サンプリング部分630は、遠位開口部632および内部管腔634を備える円筒形の中空サンプリング部分である。いくつかの実施形態では、サンプリング部分620の外径は0.5から5mmの範囲、例えば、0.6mm、0.7mm、0.72mm、1mm、または任意の中間の、より小さいもしくはより大きい値である。いくつかの実施形態では、サンプリング部分620の遠位開口部622は0.3から4mmの範囲、例えば、0.3mm、0.5mm、0.72mm、0.8mm、または任意の中間の、より小さいもしくはより大きい値の直径を有する。いくつかの実施形態では、遠位開口部により近いサンプリング部分の遠位セクション、例えば遠位セクション636の内径は、遠位開口部の直径と同じ直径を有する。いくつかの実施形態では、サンプリング部分は、内部管腔のより狭いセクションから内部管腔のより広いセクションまで、少なくとも1つのステップまたはグラデーション、例えばステム638を含む。いくつかの実施形態では、サンプリング部分630は0.4から4mmの範囲、例えば、0.5mm、0.6mm、0.9mm、または任意の中間の、もしくはより小さい値の内径を有する。いくつかの実施形態では、ステップまたはグラデーションは、例えば遠位開口部632に向かう通路を少なくとも部分的に塞ぐことによって、管腔634内に配置された組織サンプルを保持するような形状および大きさにされる。いくつかの実施形態では、遠位セクション636は、遠位開口部632を通ってサンプリング部分630の内部管腔に入るターゲット組織のサンプルを切断するための形状および大きさの、円周方向の内部研磨面を備える。
【0215】
いくつかの例示的な実施形態によれば、例えば
図6Eに示されるように、サンプリング部分640は、遠位開口部642および内部管腔644を備える円筒形の中空サンプリング部分である。いくつかの実施形態では、サンプリング部分640の外径は0.5から5mmの範囲、例えば、0.6mm、0.7mm、0.72mm、1mm、または任意の中間の、より小さいもしくはより大きい値である。いくつかの実施形態では、サンプリング部分640の遠位開口部642は0.2から1mmの範囲、例えば、0.3mm、0.5mm、0.72mm、0.8mm、または任意の中間の、より小さいもしくはより大きい値の直径を有する。いくつかの実施形態では、遠位開口部により近いサンプリング部分の遠位セクション、例えば、遠位セクション646の内径は、例えば遠位開口部の直径値から0.5から2mmの範囲の内径、例えば、0.5mm、0.6mm、0.9mm、または任意の中間の、もしくはより小さい値まで、徐々に増加する内径を有する。いくつかの実施形態では、内径の漸進的な増加は、例えば、遠位開口部632に向かう通路を少なくとも部分的に狭めることによって、管腔634内に配置された組織サンプルを保持するような形状およびサイズにされる。いくつかの実施形態では、遠位セクション646は、遠位開口部642を通ってサンプリング部分640の内部管腔に入るターゲット組織のサンプルを切断するための形状および大きさの、円周方向の内部研磨表面を備える。
【0216】
ここで
図6Fから6Nを参照すると、本発明のいくつかの例示的な実施形態による、内部突起を有する生検装置のサンプリング部分を示す。いくつかの例示的な実施形態によれば、例えば
図6Fおよび6Gに示されるように、サンプリング部分650は内部螺旋状突起654を含む。任意選択的に、内部螺旋状突起は、サンプリング部分650の内部管腔652を少なくとも部分的に取り囲む。いくつかの実施形態では、例えば
図6Hおよび6Iに示されるように、サンプリング部分、例えばサンプリング部分660は、幅広の内部螺旋状突起662を備え、任意選択でサンプリング部分660の内部管腔664を少なくとも部分的に取り囲む。いくつかの実施態様において、内部螺旋状突起の幅は0.03mmから1mmの範囲内であり、例えば、0.05mm、0.08mm.0.1mm、0.5mmまたは任意の中間の、より小さいまたはより大きい値である。
【0217】
いくつかの例示的な実施形態によれば、例えば
図6Jおよび6Kに示されるように、サンプリング部、例えばサンプリング部670は、サンプリング部の内面に位置する少なくとも1つの内部突起、例えば突起672を備える。いくつかの実施形態では、突起はサンプリング部分の長軸に沿って整列され、例えば突起672である。代替的に、突起はサンプリング部分の長軸に対してある角度で配置され、例えば
図6Lおよび6Mに示されるサンプリング部分680の突起682である。
【0218】
いくつかの例示的な実施形態によれば、突起は半円形または湾曲した突起、例えば突起672または682である。代替的に、突起は半長方形の突起、例えばサンプリング部690の長方形の突起692である。
【0219】
真空による例示的なサンプリング
いくつかの例示的な実施形態によれば、生検装置の細長いシャフトは少なくとも部分的に中空であり、ポンプまたはシリンジ、任意選択で真空ポンプに接続される。いくつかの実施形態では、真空ポンプはサンプリングプロセス中にシャフトの管腔内にターゲット組織のサンプル組織を維持するために真空圧を印加する。
【0220】
ここで
図7を参照すると、いくつかの例示的な実施形態による、ターゲット組織のサンプリングプロセス中の真空圧の使用を示す。
【0221】
いくつかの例示的な実施形態によれば、生検装置のサンプリング部分702は、ターゲット組織704に貫入する。いくつかの実施形態では、サンプリング部分702の遠位開口部707を取り囲む、円周状の外部切断縁706、任意選択でテーパ状の切断縁がターゲット組織704の一セクションを切断する。いくつかの実施形態では、組織セクション708は、サンプリング部分がターゲット組織704内に前進することにつれて、サンプリング部分の管腔706内に押し込まれる。いくつかの実施形態では、組織内へのサンプリング部分の前進中に、例えば、方向710で組織セクション708を管腔706内に強制的に進入させるために、管腔に接続されたポンプによって真空圧714が印加される。代替的に、例えば、ターゲット組織をサンプリング部分702の管腔706内に維持するために、サンプリング部分がターゲット組織704から離れるように後退させられるとき、真空圧714が適用される。いくつかの実施形態では、サンプリング部分は、管腔706内に配置され、組織セクション708の一部がシャフトの管腔を通って真空ポンプ内に入るのを防止するような形状および大きさにされたフィルタ716を備える。
【0222】
例示的なシャフト
ここで
図8Aを参照すると、本発明のいくつかの例示的な実施形態による、生検装置のシャフトを示す。
【0223】
いくつかの例示的な実施形態によれば、シャフトは、高いトルク可撓性または範囲、および疲労抵抗の送達を可能にするような形状およびサイズの近位セクションと、トルク伝達を可能にするような形状およびサイズの遠位セクションと、シャフトおよび/またはシャフトのサンプリング部分の角度調整中の可撓性、および/または疲労抵抗の改善などの可撓性とを備える。任意選択的に、遠位セクションは、例えば組織を通るより良好な貫入を可能にするために、より小さい直径を有する。いくつかの実施形態では、シャフトの近位セクションは、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)および/またはPEBAXおよび/または他の材料で作製され、任意選択でポリテトラフルオロエチレン(PTFE)および/またはHDPEおよび/または他の材料でコーティングされて、例えば、安定性を維持し、および/または周囲組織との摩擦を低減する、スリーブ801を備える。いくつかの実施形態では、シャフトの遠位セクションは、例えば、角度調整、例えば、隆起領域での最適な半径を可能にし、周囲組織への損傷を防止するために、熱収縮で覆われたばね803を備える。
【0224】
いくつかの例示的な実施形態によれば、シャフトの近位セクションにおいて、シャフトは、編組中空ケーブル805、例えばトルク伝達ケーブル、または1つ以上のワイヤをねじることから形成されるセクションを備える。いくつかの実施形態では、トルク伝達ケーブルはActOne編組および/またはコイル状ケーブルである。いくつかの実施形態では、シャフトの遠位セクションは中空管807、例えばニチノール管、または小さい直径を有するコイル状中空ストランドを備える。任意選択的に、中空管は針である。いくつかの実施形態では、鋭利なスタイレットは、例えば貫入特性、例えば胃壁または十二指腸壁および/または他の組織を通る貫入を改善するために、シャフト内を通過する。任意選択的に、スタイレットはまた、ターゲット組織に到達する前に、針の閉塞またはサンプルの汚染を防止するために使用される。
【0225】
例示的なスタイレット
ここで
図8Bおよび8Cを参照すると、本発明のいくつかの例示的な実施形態による、生検装置の中空シャフト802内のスタイレットを示す。
【0226】
いくつかの例示的な実施形態によれば、可撓性のスタイレット806は、シャフトの軸方向内部管腔808内で移動可能である。いくつかの実施形態では、スタイレット806は遠位端810と、任意に選択で遠位端がシャフトの遠位開口部809から外に延びるときに組織を貫入するように形状およびサイズが決められた鋭利な遠位端とを備える。いくつかの実施形態では、スタイレットはニチノールまたはステンレス鋼から作製される。いくつかの実施形態では、組織をサンプリングするために、スタイレットは、例えば管腔808内への組織の進入を可能にするために、遠位開口部809から離れるように後退させられる。
【0227】
いくつかの例示的な実施形態によれば、スタイレット806の遠位端810は、シャフト802の近位セクションの内径よりも大きい直径を有する。代替的に、シャフトは、遠位開口部809から距離をおいて管腔808と共に配置された少なくとも1つの突起を備え、この突起は、管腔の直径をスタイレットの遠位端810の直径よりも小さい直径に狭める。いくつかの実施形態では、シャフト管腔の内径と比較してスタイレットの遠位端810の直径が大きいことにより、スタイレット806の後退距離が制限される。
【0228】
いくつかの例示的な実施形態によれば、例えば
図8Cに示されるように、スタイレットは、シャフト内で5から70mmの範囲の距離820、例えば、5から40mm、10から50mm、25から70mm、または任意の中間の、より小さいまたはより大きい値または値の範囲の距離まで後退させられる。いくつかの実施形態では、後退距離は予め決められる。代替的に、後退距離は、例えば所望のサンプル体積、組織型、および/または所望のサンプル数に従って、ユーザによって選択される。代替的に、スタイルは静的であり、針の前進は針の前進ストロークに従ってサンプルのための空間を作る。いくつかの実施形態では、スタイレットはスタイレット解放ボタンが押されると後退する。任意選択的に、スタイレットは、予荷重エネルギー源、例えばばねの作動によって後退させられる。
【0229】
いくつかの例示的な実施形態によれば、例えば
図8Dに示されるように、スタイレットの遠位端810は円錐形であり、シャフト806の遠位開口部809に面する先端811を有する。代替的に、スタイレットの遠位端は、組織をより良好に切断するために、ピラミッド形状に鋭利化される。
【0230】
いくつかの例示的な実施形態によれば、スタイレットの遠位端は、少なくとも1つの平坦な表面、例えば、2、3、4、または任意のより多数の平坦な表面を備える。いくつかの実施形態では、スタイレットの遠位端の1つの平坦な表面は傾斜縁部である。任意選択的に、スタイレットの遠位端は少なくとも1つの曲面を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの平坦面および/または少なくとも1つの湾曲面は、スタイレットの遠位端を鋭利化することによって形成される。代替的に、少なくとも1つの平坦な表面および/または少なくとも1つの湾曲した表面は、スタイレットの遠位端を、所望の形状の少なくとも一部のテンプレートまたは鋳型に対して押し付けることによって形成される。
【0231】
ここで
図8E-8Jを参照すると、本発明のいくつかの例示的な実施形態による、少なくとも1つの平坦な表面を有するスタイレットの遠位端を示す。いくつかの例示的な実施形態によれば、例えば
図8Eに示されるように、スタイレットの遠位端820は、少なくとも1つの平坦な表面、例えば平坦な表面822を含む。追加的に、遠位端820は、少なくとも1つの曲面、例えば曲面824を含む。いくつかの実施形態では、例えば
図8Fに示されるように、スタイレットの遠位端、例えば遠位端826は、少なくとも2つの平坦な表面、例えば表面828および830を含む。追加的に、遠位端826は、少なくとも1つの曲面、例えば表面832を含む。いくつかの実施形態では、例えば
図8Gに示されるように、スタイレットの遠位端、例えば遠位端834のすべての表面は、平坦な表面、例えば表面836、838、840および842である。いくつかの実施形態では、表面は同様の表面積を有し、および/またはスタイレットの長手方向軸に対して同様の角度を有する。任意選択的に、1つまたは複数の表面は、遠位端の他の表面と比較して、異なる表面積を有し、および/またはスタイレットの長手方向軸に対して異なる角度を有する。
【0232】
いくつかの例示的な実施形態によれば、例えば
図8Hから8Jに示され、および
図8E-8G示されるように、スタイレットの遠位端、例えば遠位端850、852、および854は、少なくとも1つの平坦な表面を備える。追加的または任意選択的に、スタイレットの遠位端は、少なくとも1つの曲面を備える。
【0233】
いくつかの例示的な実施形態によれば、例えば
図8Kに示されるように、シャフトの遠位端、例えば遠位端858は、少なくとも1つの傾斜縁、例えば傾斜縁858を含む。
【0234】
いくつかの例示的な実施形態によれば、シャフトは、サンプリングセクション、例えば針で、および/または狭められたシャフト管腔または突起とシャフトの近位端との間の点で、少なくとも部分的に破壊される場合、スタイレットは、例えば、少なくとも部分的に破壊されたサンプリング部分、例えば、針を生検装置のスリーブ内に回収するために、後退させられる。
【0235】
いくつかの例示的な実施形態によれば、少なくとも部分的に破損したサンプリング部分、例えば針をスリーブに戻して回収することを可能にするために、サンプリング部分は、カバー、例えばカバー管、ポリマー管、収縮管、および/または任意のコーティングによって少なくとも部分的に覆われる。いくつかの実施形態では、カバーは少なくとも部分的に破壊されたサンプリング部分をスリーブ内に後退させることを可能にする。
【0236】
いくつかの実施態様において、カバーは、ステンレス鋼、鋼、ニチノール、コバルト、クロム鋼または任意の他の材料から製造される任意選択的に丸いおよび/または平坦なワイヤから編組される。代替的または追加的に、カバーは、カバー層の厚さを減少させるために、アラミド(例えば、ケブラー)、カーボン、ガラスまたは他の繊維、任意の平坦な繊維で作られた繊維を有する複合材料から作られる。
【0237】
具体的な制御部
いくつかの例示的な実施形態によれば、シャフトの遠位端にサンプリング部分を備えるシャフトは、シャフトの近位端を介して制御部に接続される。いくつかの実施形態では、シャフトは駆動部に接続され、任意選択的に、コントローラに接続されたモータを備える。いくつかの実施形態では、コントローラがモータを調整することによって、シャフトの移動を制御する。ここで
図9Aを参照すると、本発明のいくつかの例示的な実施形態による、生検装置の制御部を示す。
【0238】
いくつかの例示的な実施形態によれば、制御部902はコントローラ904を備える。いくつかの実施形態では、コントローラはドライバ910に接続される。いくつかの実施形態では、ドライバ910はモータ912、例えば電気モータに接続される。任意選択的に、電気モータは、6VDCモータである。いくつかの実施形態では、コントローラ904はドライバ910を制御することによって、モータ912の少なくとも1つの起動パラメータ、例えば、回転持続時間、回転速度および/または回転方向を制御する。
【0239】
いくつかの例示的な実施形態によれば、モータ912は、モータ912の回転速度、回転持続時間、および/または回転方向のうちの1つまたは複数を測定するように構成された磁気エンコーダ914に接続される。いくつかの実施形態では、コントローラ904は磁気エンコーダ914に接続される。いくつかの実施形態では、コントローラ904は、磁気エンコーダ914から受信された信号に基づいて、ロータの起動を監視する。
【0240】
いくつかの例示的な実施形態によれば、コントローラ904は、起動回路910に電気的に接続される。いくつかの実施形態では、起動回路は、任意選択でインターフェース、例えば起動ボタンまたは起動選択ボタンを介して、生検装置のユーザから起動コマンドを受信するように構成される。いくつかの実施形態では、起動コマンドが受信されると、起動回路910はモータ912を起動するようにコントローラ904に信号を送る。
【0241】
いくつかの例示的な実施形態によれば、制御部は、コントローラ904に電気的に接続された少なくとも1つの人間が検出可能な表示を提供するように構成されたインターフェースを備える。いくつかの実施形態では、インターフェースは、例えばコントローラ904に接続されたブザー908を介して、人間が検出可能な音の表示を送達するように構成される。代替的または付加的に、インターフェースは、例えばコントローラ904に接続された発光ダイオード(LED)906を使用して、人間が検出可能な視覚的表示を送達するように構成される。任意選択的に、インターフェースは、生検装置、例えばLEDバー905の軸方向の前進および/または回転を提示するためのインジケータを備える。
【0242】
いくつかの例示的な実施形態によれば、制御部は、少なくとも1つの電源、例えば、任意選択で充電可能バッテリおよび/または交換可能バッテリであるバッテリ918を含む。任意選択的に、バッテリ918は2X3V(CR2)バッテリである。いくつかの実施形態では、バッテリ918は、電気レギュレータ、例えば昇圧電圧レギュレータ、任意選択で12V昇圧電圧レギュレータ916に電気的に接続される。いくつかの実施形態では、電圧レギュレータはドライバ910またはモータ912に電気的に接続される。代替的に、バッテリ918はドライバ910またはモータ912に直接電気的に接続される。
【0243】
いくつかの例示的な実施形態によれば、バッテリ918および/または電圧レギュレータは、ハードウェアシャットダウン回路、例えば制御部902のシャットダウン回路920に接続される。いくつかの実施形態では、シャットダウン回路920は、例えば、モータから電源を切断することによって、および/または制御部内のモータまたは他の要素の動作を停止するようにコントローラに信号を送ることによって、生検装置の動作を少なくとも部分的に停止するように構成される。いくつかの実施形態では、シャットダウン回路は、タイマー、例えば独立タイマー922に電気的に接続される。いくつかの実施形態では、タイマーは、生検装置の起動持続時間および/またはモータの起動持続時間を設定するように構成される。任意選択的に、タイマーは、予め設定された動作時間が経過したときに、モータの動作および/または生検装置の動作を停止するように、コントローラおよび/またはシャットダウン回路に信号を送る。
【0244】
例示的な動作プログラム
ここで
図9Bを参照すると、本発明のいくつかの例示的な実施形態による、生検装置の動作プロセスを示す。
【0245】
いくつかの例示的な実施形態によれば、950において、生検装置が起動されると、コントローラ、例えば
図9Aに示されるコントローラ904が、いくつかの起動パラメータの値を設定する。いくつかの実施形態では、起動パラメータは、RPM値、サイクル間隔の数、各回転サイクルの持続時間、および/または生検装置の起動または生検サンプリングプロセスに関連する任意の起動パラメータを含む。任意選択的に、コントローラは、生検装置のハードウェア構成要素の少なくともいくつかが無傷であること、および/または装置の選択された構成要素に接続されていることを確認するためにチェックを開始する。任意選択的に、コントローラが設定を終了し、チェックすると、コントローラは、装置動作を待機モードに移行させる。いくつかの実施形態では、装置がスタンバイモードにあるとき、制御部のインターフェースによって、視覚的表示(例えばLEDライトが常時オンである)がユーザに伝達される。任意選択的に、950における値設定および/またはハードウェアチェック中に、エラーに遭遇したとき、および/または970において受信値が値の所望の範囲にないとき、972において装置はシャットダウンする。
【0246】
いくつかの例示的な実施形態によれば、952において、生検装置は起動コマンドを待つ。いくつかの実施形態では、コントローラは起動回路910からの起動信号を待つ。
【0247】
いくつかの例示的な実施形態によれば、956において起動信号が受信されると、モータは回転を開始する。いくつかの実施形態では、モータが回転すると、974において、視覚的表示が例えば点滅するLEDによって、生検装置のユーザに送達される。任意選択的に、モータが回転すると、ロータサイクルの数、例えば、976においてモータの回転数がカウントされ、例えば、978においてLEDバーによって視覚的表示によって任意選択でユーザに提示される。
【0248】
いくつかの例示的な実施形態によれば、958において、モータが選択されたまたは所定のサイクル数の間、および/または選択されたまたは所定の期間の間、たとえば15分間回転した後、959において、たとえばビープ音によって、視覚的および/または音響的表示がユーザに送達される。
【0249】
いくつかの例示的な実施形態によれば、960において、モータが最大の所定のまたは選択されたサイクル数の間、または最大の所定の期間の間、回転した後、966においてモータは停止する。いくつかの実施形態では、所定の最大起動期間に達する前、および/または最大サイクル数に達する前に起動ボタンが解放される場合、モータは停止する。
【0250】
いくつかの例示的な実施形態によれば、962においてモータの回転が所定のRPM範囲にない場合、モータは966で停止する。いくつかの実施形態では、964においてトルクの変化が高温をもたらす場合、966においてモータは停止する。いくつかの実施形態では、サイクル数が出たとき、および/またはウォッチドッグタイマによってコントローラ障害が検出されたとき、および/または装置が所定の時間値を超えて電力供給されたときに、装置はシャットダウンする。
【0251】
例示的なサンプリング部分アセンブリ
いくつかの例示的な実施形態によれば、サンプリング部分、例えば、生検装置のトルクコイルのサンプリング針またはサンプリング部分は、少なくとも1つの長手方向に延びるワイヤ、例えば、トルクコイルを形成する少なくとも1つのワイヤから形成される。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの長手方向に延びるワイヤがねじられて、組織サンプルを収容するのに十分な幅の内側管腔を有する管状サンプリング針を形成する。ここで
図10Aおよび10Hを参照すると、本発明のいくつかの例示的な実施形態によるサンプリング針アセンブリを示す。
【0252】
いくつかの例示的な実施形態によれば、サンプリング部分1002は、少なくとも1つのワイヤ、例えばワイヤ1004および1006を備える。任意選択的に、少なくとも1つのワイヤは、長手方向に延在するワイヤである。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのワイヤ、例えば、ワイヤ1004および1006が一緒にねじられて、内側管腔1005を有する管状中空構造を形成する。いくつかの実施形態では、内側管腔1005は、サンプリング部分が組織内に貫入するときに、組織サンプルを収容するような形状および大きさにされる。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのツイストワイヤは中空トルクコイルシャフトの一部である。
【0253】
いくつかの例示的な実施形態によれば、サンプリング部分、例えばサンプリング部分1002の外径(OD)は、0.5mmから3mmの範囲、例えば、0.5mmから2mm、1mmから2.5mm、1.8mmから3mm、または任意の中間の、より小さいもしくはより大きい範囲の値である。いくつかの実施態様において、サンプリング部分、例えば、サンプリング部分1002の内径(ID)は、0.1mmから1.5mmの範囲内であり、例えば、0.1mmから0.8mm、0.5mmから1.2mm、0.7mmから1.5mm、または任意の中間の、より小さいまたはより大きい範囲の値である。いくつかの実施態様において、サンプリング部分、例えば、サンプリング部分1002の壁の厚さは、0.04mmから1.5mmの範囲内であり、例えば、0.04mm0.3mm、0.1mmから0.5mm、0.3mmから0.8mm、0.7mmから1.2mm、0.9mmから1.5mm、または任意の中間の、より小さいまたはより大きい範囲の値である。
【0254】
いくつかの例示的な実施形態によれば、少なくとも1つのツイストワイヤ、例えばワイヤ1004および1006は、サンプリング部分の外面、例えば外面1008上に溝および/または窪みを有するサンプリング部分を形成する。代替的または追加的に、少なくとも1つのツイストワイヤは、サンプリング部分の内面、例えば内面1010に溝および/または窪みを有するサンプリング部分を形成する。任意選択的に、外面1008および/または内面1010は、長手方向軸、例えば、サンプリング部分1002の軸1007に沿って延在する1つまたは複数の螺旋状溝、を含む。いくつかの実施態様において、溝および/または窪みは、サンプリング部分の外面にパターンを形成する。任意選択的に、溝および/または窪みは、ランダム化されたパターンを形成する。
【0255】
いくつかの例示的な実施形態によれば、サンプリング部分アセンブリは、例えば、組織サンプルのより良好な把持および/または収集を可能にするために、少なくとも部分的に鋭利化される。代替的または追加的に、サンプリング部分アセンブリは、例えば、組織からの組織サンプルのより容易な分離を可能にするために、外部および/または内部切断縁を形成するように、少なくとも部分的に鋭利化される。ここで
図10Cから10Eを参照すると、本発明のいくつかの例示的な実施形態による、サンプリング部分アセンブリの鋭利化を示す。
【0256】
いくつかの例示的な実施形態によれば、例えば
図10Dに示されるように、内部サンプリング部アッセンブリは、例えば内部的に鋭利にすることによって、内部的に改造される。代替的または追加的に、サンプリング部分は、サンプリング部分の管腔内に挿入された要素に対してサンプリング部分を押圧することによって改造される。いくつかの実施形態では、遠位開口部1016付近のサンプリング部分1014の内径は、サンプリング部分アセンブリ1014の近位セクション1019の直径よりも大きい。いくつかの実施形態では、遠位開口部1016を通ってサンプリング部分1014内に貫入する組織は、サンプリング部分1014が組織内に軸方向に前進する間に、サンプリング部分の内部逆テーパセクション1018によって凝縮される。組織凝縮の潜在的な利点は、凝縮された組織とサンプリング部分の内面との間の摩擦を増大させ、これにより、任意選択で、組織からの組織サンプルの分離がより容易になることである。
【0257】
いくつかの例示的な実施形態によれば、例えば
図10Eに示されるように、サンプリング部分アセンブリ、例えばサンプリング部分アセンブリ1022は、外部で改造される。いくつかの実施形態では、サンプリング部分アセンブリ1002は、より近位のセクション、例えば、サンプリング部分アセンブリの近位セクション1025の外径と比較して、サンプリング部分の遠位開口部1024の近くに狭い外径を有するように、外的に改造される。いくつかの実施形態では、外部的に改造されたサンプリング部分アセンブリ1022は、遠位開口部1024に向かってテーパセクション1026を備える。
【0258】
いくつかの例示的な実施形態によれば、サンプリング部分アセンブリ1022は、テーパセクション1026を形成するために、サンプリング部分の外部先鋭化によって、外部で改造される。代替的または追加的に、テーパセクション1026は、サンプリング部分1022の内面に押し付けられた成形金型を使用して形成される。
【0259】
いくつかの例示的な実施形態によれば、ニチノールから形成されるサンプリング針、例えばサンプリング針1011と比較して、中空トルクコイルシャフトから任意選択に作製されるサンプリング部分アセンブリは、より厚い壁、例えば、サンプリング部分1014および1022のそれぞれの壁1020および1025を有する。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのツイストワイヤ、例えばトルクコイルから形成される針から作製される針アセンブリの壁の厚さは、少なくとも0.10mm、例えば、0.12mm、0.15mm、0.2mm、または任意の中間の、より小さいかまたはより大きい値である。
【0260】
いくつかの例示的な実施形態によれば、例えば
図10F-10Hに示されるように、サンプリング部分は、中空トルクコイルシャフトに溶接またはんだ付けされる。いくつかの実施態様において、2から40mmの範囲の長さ、例えば、2から30mm、10から35mm、25から40mm、または任意の中間の、より小さいまたはより大きい範囲の値を有するサンプリング部分1032は、中空トルクコイル、例えばコイル1034の遠位端に溶接される。いくつかの実施形態では、例えば
図10Gおよび10Hに示されるように、サンプリング部分1032は、任意選択的に、サンプリング部分1032の外面を鋭利化することによって、外的に改造される。いくつかの実施形態では、遠位開口部1036付近のサンプリング部分1032の壁厚はコイル1034の壁と比較してより狭い。いくつかの実施形態では、サンプリング部分は予め形成される。任意選択的に、サンプリング部分は、ステンレス部品、例えばステンレス鋼から作られる。
【0261】
いくつかの例示的な実施形態によれば、サンプリング部分1002の少なくとも一部は、10から100μmの範囲の厚さ、例えば、10から20μm、10から30μm、25から50μm、または任意の中間の、より小さいもしくはより大きい値、もしくは値の範囲の厚さを有する、任意選択的に熱収縮PETで被覆管、例えば、熱収縮管によって覆われる。
【0262】
いくつかの例示的な実施形態によれば、サンプリング部分、例えば、サンプリング部分1032は、複数のワイヤを織り合わせることによって、例えば、2、3、4、5、6、7、8本、または任意のより多数のワイヤを織り合わせることによって形成される。いくつかの実施形態では、サンプリング部分は編組される。
【0263】
いくつかの例示的な実施形態によれば、サンプリング部分、例えば、トルクコイルの一部であるか、またはトルクコイルに取り付けられているか、またはニチノールサンプリング針であるサンプリング部分は、例えばターゲット組織のサンプリングプロセス中に、回転することなく、ターゲット組織内に軸方向に前進する。
【0264】
例示的なサンプリング部分アセンブリエコー輝度
いくつかの例示的な実施形態によれば、例えば
図10Aおよび10Bに示されるように、少なくとも1つのワイヤから形成されるサンプリング部分は、例えば
図11に示されるように、他のサンプリング針と比較して、より良好なエコー輝度を有する。
【0265】
いくつかの例示的な実施形態によれば、0から90度の間の角度、例えば45度の角度で挿入されるサンプリング部分アセンブリの実施形態の針1106は、Acquire(登録商標)針1104および/またはSharkCore(登録商標)針1102と比較して、より良好なエコー輝度を有する。いくつかの実施形態では、いかなる理論にも束縛されることなく、サンプリング部分の長手方向軸と比較して、異なる方向の溝および/または窪み、例えば、螺旋状溝および/または角度溝を備えるサンプリング部分アセンブリのパターン化された外面は、滑らかな外面または一方向溝を有する外面と比較して、超音波をより効率的に反射する。
【0266】
例示的なサンプリング部分アセンブリ曲げ
ここで
図12Aおよび12Bを参照すると、本発明のいくつかの例示的な実施形態による、サンプリング部分アセンブリの曲げを示す。
【0267】
いくつかの例示的な実施形態によれば、少なくとも1つのツイストワイヤ、例えばトルクコイルシャフトから作製されるサンプリング部分を備えるサンプリング部分アセンブリを使用することは、単一ユニットサンプリング針、例えば、ニチノール針と比較して、より少ない抵抗で、サンプリング部分を内視鏡に対して上昇させることを可能にする。いくつかの実施形態では、例えば
図12Aに示されるように、サンプリング部分を含むトルクコイルシャフト1404は、内視鏡1402と比較して約45度曲がっている。いくつかの実施形態では、曲げられたセクションは完全な整列から5%未満の偏差で整列される。
【0268】
いくつかの例示的な実施形態によれば、例えば
図12Bに示されるように、標準的な生検針、例えば、SharkCore(登録商標)針1406およびAcquire(登録商標)針の曲げは、針の10回以上のスタブ後に、曲げられたセクションに沿って、完全な整列から少なくとも20mmの偏差を生じる。一方、サンプリング部分アセンブリ1404の曲げは、10スタブ後に完全な整列から5%未満の偏差を生じる。
【0269】
いくつかのスタブの後に、より少ない偏差でサンプリング部分を曲げることの潜在的な利点は、それが、組織サンプリングプロセスの間、サンプリング精度および/または安全性を維持することを可能にすることである。
【0270】
例示的なスタイレット移動制御機構
ここで
図13Aから13Dを参照すると、本発明のいくつかの例示的な実施形態によるスタイレット移動制御機構を示す。
【0271】
いくつかの例示的な実施形態によれば、組織サンプリング装置、例えばサンプリング装置1302は、内側管腔内をサンプリング装置1302の長手方向軸に沿って移動するスタイレット1304を備える。いくつかの実施形態では、スタイレット1304は、スタイレットがサンプリング装置のサンプリング部分を占める遠位位置と、例えば組織サンプリングを可能にするためにスタイレットがサンプリング部分から後退させられる近位位置との間で移動するように構成される。
【0272】
いくつかの例示的な実施形態によれば、装置は、ハンドル内に配置された少なくとも1つのセンサ、例えばスタイレット位置センサ1310を備える。いくつかの実施形態では、スタイレットの位置は、スタイレットが遠位位置にあるか、または近位位置に後退させられているかを感知する。任意選択的に、装置は少なくとも2つのスタイレット位置決めセンサを備え、1つのセンサはスタイレットが遠位位置にあるかどうかを感知し、第2のセンサはスタイレットが近位位置にあるかどうかを感知する。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のスタイレット位置決めセンサは、例えば、スタイレットが近位位置に後退したときに、光の変化を感知するように構成された光学センサを備える。代替的に、1つまたは複数のスタイレット位置決めセンサは、スタイレットが移動するときに、電流、電圧、および/または電気インピーダンスのうちの1つまたは複数の変化を感知するように構成された電気センサを備える。
【0273】
いくつかの例示的な実施形態によれば、スタイレット1304は、スタイレットノブ、例えば
図5Q-5Sに示されるスタイレットノブ572に機械的に接続される。いくつかの実施形態では、スタイレット1304が遠位位置にあるとき、スタイレットノブ572はハンドルの近位端の近く、任意選択でハンドルの外面の近くに配置される。いくつかの実施形態では、スタイレット移動制御ボタン、例えばスタイレット解放ボタン1306は、接続シャフト、例えばプレート1308によってスタイレット1304に機械的に接続される。いくつかの実施形態では、スタイレット1304が遠位位置にあるとき、スタイレット解放ボタンは、ハンドル表面から、任意選択でハンドルの側壁を通って延びる。
【0274】
いくつかの例示的な実施形態によれば、スタイレットは2つの異なる軸方向位置に少なくとも2つの窪み、例えば近位窪みおよび遠位窪みを含む。いくつかの実施形態では、プレート1308は、例えば、近位窪みと相互作用することによって遠位位置でスタイレットをロックするために、または、例えば、遠位窪みと相互作用することによって近位位置でスタイレットをロックするために、窪みと相互作用するように構成される。任意選択的に、プレート1308は、スタイレットの窪みの干渉ロックのために、例えば、板内の少なくとも1つの溝によって構成される。
【0275】
いくつかの例示的な実施形態によれば、例えば
図13Cおよび13Dに示されるように、スタイレット解放ボタンが押されると、プレート1308が移動し、スタイレットを解放し、例えば、スタイレット上の窪みを解放する。いくつかの実施形態では、スタイレット1304が解放されると、スタイレットは近位位置に引っ込められる。いくつかの実施形態では、スタイレット1304は所定の距離まで後退させられる。代替的に、スタイレットの後退距離は、例えば組織タイプおよび/または所望のサンプル組織体積に従って、ユーザによって調整される。任意選択的に、スタイレットは、例えばスタイレットに機械的に接続されたばねなどの、予荷重エネルギー源によって後退させられる。いくつかの実施形態では、スタイレット1304が後退させられると、スタイレットノブ572はハンドルから外に延びる。
【0276】
いくつかの例示的な実施形態によれば、スタイレット1304が近位位置にあるとき、プレート1308は、例えば、前述のように、スタイレットの窪みとの干渉ロックによってスタイレットをロックする。いくつかの実施形態では、スタイレットが近位位置にあるときにのみ、例えば、1つまたは複数のスタイレット位置決めセンサからの信号に基づいて、装置の制御部はモータに信号を送って、サンプリング部分を組織内に軸方向に前進させる。
【0277】
例示的なシース長調整器ロック
いくつかの例示的な実施形態によれば、ユーザはサンプリングプロセスの前に、例えば、内視鏡の作業チャネルの長さに従って、シースの長さを調整する。いくつかの実施形態では、一旦調整されると、シースは、例えば、サンプリングプロセス中のスリーブの伸長または短縮を防止するために、軸方向にロックされる。いくつかの実施形態では、シース移動を軸方向にロックすることによって、スリーブの回転が可能になる。ここで
図14Aから14Cを参照すると、本発明のいくつかの例示的な実施形態による、本明細書ではスリーブとも呼ばれるシース長調整器ロック機構を示す。
【0278】
いくつかの例示的な実施形態によれば、スリーブ長さ調整器ロックは、スリーブ1404に機械的に接続されたロックハンドル、例えばレバーまたはノブ1402を備える。いくつかの実施態様において、ロックは、スリーブの外部の平坦な表面に適合するように形状およびサイズが決められた平坦な表面を有する締め付けインターフェースを備える。任意選択的に、締め付けインターフェースはスリーブを少なくとも部分的に取り囲む。いくつかの実施態様において、締め付けインターフェース、例えば、円弧またはリング、例えば、リング1402は、スリーブ1404の平坦な湾曲した外面に適合する湾曲した平坦面を有する。いくつかの実施形態では、例えば
図14Cに示すように、湾曲インターフェースの平坦面、例えばリング1406をスリーブ1404の外部湾曲面に押し付け、スリーブの回転を可能にしながら、スリーブの移動を軸方向にロックする。
【0279】
いくつかの例示的な実施形態によれば、インターフェースは少なくとも1つの隆起部、例えば、ノブ1402と反対方向の隆起部1408を備える。いくつかの実施形態では、インターフェース、例えばリング1406に対してノブ1402を押し付けると、隆起部1408がバネ1410に押し付けられ、バネ1410が収縮する。いくつかの実施形態では、バネ1410の収縮によって、バネは締め付けインターフェース上のノブ1402によって加えられる力とは反対方向に、締め付けインターフェース上に力を加える。いくつかの実施形態では、2つの反対の力が同時に、インターフェース、例えばリング1406をスリーブ1404に締め付ける。
【0280】
典型的な予荷重エネルギー源
いくつかの例示的な実施形態によれば、サンプリング装置は、少なくとも1つの予荷重エネルギー源、例えば、少なくとも1つのばね、例えば
図15に示されるばね1502を備える。いくつかの実施形態では、ばねは定力ばねである。いくつかの実施形態では、サンプリングプロセス中に、少なくとも1つの予荷重エネルギー源は、サンプリング部分、例えばサンプリング針を旋回および/または軸方向に前進させる。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの予荷重エネルギー源は電気エネルギーを置き換える。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの予荷重エネルギー源が例えば、少なくとも1つの予荷重エネルギー源は、少なくとも1つの予荷重エネルギー源に機械的に接続されたレバーまたはシャフトを回すことによって、ユーザによって装荷される。
【0281】
いくつかの例示的な実施形態によれば、少なくとも1つの予荷重エネルギー源、例えばばね1502は、生検装置のハンドル内に配置される。いくつかの実施形態では、トルクコイル、例えば、トルクコイル1504は内側チャネル、例えばチャネル1506を通過する。いくつかの実施態様において、チャネル1506は、バネ1502の回転軸に垂直である。
【0282】
いくつかの例示的な実施形態によれば、少なくとも1つの予荷重エネルギー源は交換可能である。いくつかの実施形態では、予荷重エネルギー源は、生検装置の開口部を通して、例えば、生検装置のハンドルの開口部を通して交換される。いくつかの実施形態では、予荷重エネルギー源は、サンプリングプロセスの間、例えば、組織の各スタビングの間に交換される。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの予荷重エネルギーは電気モータの動作と組み合わされる。いくつかの実施形態では、電気モータは生検針を組織内に軸方向に前進させるためのエネルギーを提供し、予荷重エネルギー源は生検針を回転させる。
【0283】
例示的な生検ガイド
いくつかの例示的な実施形態によれば、生検ガイドは、細長いハンドルと、ハンドルの内部管腔を通過する細長いシャフトとを備える。いくつかの実施形態では、細長いシャフトは、組織に面するシャフトの遠位端にサンプリング部分、例えば生検針を備える。いくつかの実施形態では、シャフトは、編組コイルまたは編組チューブ、例えば
図8Aに示す編組チューブ805を備える。
【0284】
いくつかの例示的な実施形態によれば、サンプリング部分、例えば
図10Aおよび10Bに示されるサンプリング部分1002は、編組コイルである。いくつかの実施形態では、例えば、
図10Gに示されるように、サンプリング部は、編組コイル、例えばコイル1034の遠位端を鋭利化することによって形成される。代替的に、鋭利化されたサンプリング部分は編組コイルに溶接されるか、または取り付けられる。
【0285】
いくつかの例示的な実施形態によれば、生検ガイドは、
図4F-4Hおよび/または
図5A-5Sに記載される生検装置の構成要素を備え、サンプリング部を備えたシャフトを回転させるように構成された駆動部およびモータを備えず、サンプリング部の回転を制御するように構成された制御部を備えていない。いくつかの実施形態では、生検ガイドは、1つまたは複数の生検ガイド構成要素に電力を送達するための電源、例えばバッテリを含まない。
【0286】
いくつかの例示的な実施形態によれば、生検ガイドはモータ駆動の生検ガイドであり、サンプリング部分を組織内に軸方向に移動させ、および/またはサンプリング部分を組織から軸方向に後退させるように構成されたモータを有する駆動部を備える。いくつかの実施形態では、モータ駆動の生検ガイドは、サンプリング部分の軸方向の移動を制御するように構成された制御部を備える。
【0287】
ここで
図16Aを参照すると、本発明のいくつかの例示的な実施形態による、生検ガイドを示す。
【0288】
いくつかの例示的な実施形態によれば、生検ガイドは、例えば編組サンプリング針を形成するために、互いに織り合わされた2つ以上のセグメント、例えば2つ以上のケーブルまたはワイヤから形成されるサンプリング針を備える。いくつかの実施形態では、サンプリング針は、2つ以上のセグメントの併合によって形成されるサンプリング針の外面上のパターンを含む。任意選択的に、外部表面上のパターンは、超音波をより効率的に反射して超音波トランスデューサに向かって戻す。
【0289】
いくつかの例示的な実施形態によれば、生検ガイド、例えば生検ガイド1602は少なくとも1つの内側チャネル、例えば内側長手方向チャネルを有するハンドル1604を備える。いくつかの実施形態では、細長いシャフト、例えば、細長いシャフトの遠位端にサンプリング部分1622、例えば、生検針を備える編組コイルは、内側長手方向チャネルを少なくとも部分的に通過する。任意選択的に、長形シャフトは中空シャフト、例えば、中空編組コイルである。いくつかの実施形態では、ハンドル1604は、例えば、サンプリング部分1622の軸方向の移動を制御するために、シャフトに固定的に取り付けられる。いくつかの実施形態では、ハンドルはサンプリング部分の軸方向の前進を手動で制御する。代替的に、生検ガイドはモータ駆動の生検ガイドであり、モータはサンプリング部分の軸方向の前進を制御する。
【0290】
いくつかの例示的な実施形態によれば、ハンドル1604は、管状生検ガイド本体1609の上を摺動するか、またはその中を摺動するように構成される。いくつかの実施形態では、ハンドル1604は、管状生検ガイド本体1609の上または内部を入れ子式に摺動する。
【0291】
いくつかの例示的な実施形態によれば、生検ガイドは、スタイレット、例えばスタイレット1616を含む。いくつかの実施形態では、スタイレットは、可撓性のスタイレット、例えば、
図8Bおよび8Dに示す可撓性のスタイレット806である。いくつかの実施形態では、スタイレット1616は、例えば
図8Bに示されるように、中空編組コイルおよびサンプリング部分を通過する。いくつかの実施形態では、可撓性のスタイレット1616は、例えば編組コイルの剛性を増大させるために、サンプリング部分を通過する。
【0292】
いくつかの例示的な実施形態によれば、スタイレット1616は、例えばスタイレット1616を手動で後退させることを可能にするために、スタイレットノブ1618を備える。いくつかの実施形態では、スタイレットノブ1618は身体の外側に位置するスタイレット1616の近位端に位置する。
【0293】
いくつかの例示的な実施形態によれば、生検ガイド1602は、ハンドル1604の軸方向の移動範囲、例えば生検ガイド本体1609に対するハンドル1604の摺動を制限するように構成されたストッパ、例えばストッパ1610を備える。いくつかの実施形態では、ストッパ1610は、生検ガイド本体1609上のストッパ1610の移動を制御するように構成されたストッパロック、例えばストッパノブ1612を備える。いくつかの実施形態では、弛緩状態では、ストッパノブ1612はストッパ1610と生検ガイド本体1609との間に摩擦力を加える。いくつかの実施形態では、ストッパノブ1612に外力を加えることは摩擦力を低減し、本体1609上のストッパ1610の再位置決めを可能にする。
【0294】
いくつかの例示的な実施形態によれば、生検ガイド1602は、スリーブ長調整器1606を備える。いくつかの実施形態では、編組コイルは、本明細書ではシースとも呼ばれるスリーブで少なくとも部分的に覆われる。いくつかの実施形態では、スリーブは、編組コイルが体内に、任意選択で選択された組織ターゲットに向かって前進するときに、編組コイルおよび/またはサンプリング部分に接触することから身体組織を保護するような形状および大きさにされる。いくつかの実施形態では、スリーブの長さは、内視鏡の作業チャネルの長さに適合するように調整される。
【0295】
いくつかの例示的な実施形態によれば、スリーブ長調整器は、スリーブ1614に接続され、任意選択で固定的に接続される。いくつかの実施形態では、スリーブ長調整器は、本体1609の内部管腔内で軸方向に摺動するように構成される。いくつかの実施形態では、スリーブ調整ロック、例えば、スリーブ調整ノブ1608は本体1609上に配置される。任意選択的に、スリーブ調整ノブは、本体1609の少なくとも一部の周囲に配置される。
【0296】
いくつかの例示的な実施形態によれば、スリーブ調整ノブ1608は、本体1609に対するスリーブ調整器1606の摺動運動を制限するように構成される。いくつかの実施態様において、スリーブ調整ノブ1608は本体1609に外力を加え、例えば、本体1609の内面をスリーブ調整器1606の外面に押し付ける。いくつかの実施形態では、本体1609をスリーブ調整器1606に押し付けることによって、スリーブ調整器1606に摩擦力が加えられ、これは移動、例えば、スリーブ調整器1606の摺動を制限するのに十分である。
【0297】
いくつかの例示的な実施形態によれば、生検ガイド本体1609の遠位端は、内視鏡ロック1604、例えばルアーロックを備える。いくつかの実施形態では、内視鏡ロックは生検ガイド1602を内視鏡にロックするように構成され、例えば、内視鏡と生検ガイド本体1609との間の境界点で身体組織および液体が出るのを防止する。
【0298】
いくつかの例示的な実施形態によれば、生検ガイド1602は、外部流体ラインコネクタ1620を備える。いくつかの実施態様において、コネクタ1620は、中空編組コイル内の流路への外部流体流路の接続を可能にするように構成される。いくつかの実施形態では、編組コイルに外部流体流路を接続することによって、中空編組コイルおよびサンプリング部分を通って体内に流体を通すことができる。いくつかの実施形態では、コネクタ1620は、シリンジ出口を編組コイルに接続することを可能にするような形状およびサイズである。任意選択的に、コネクタ1620はルアーコネクタである。
【0299】
生検ガイドを用いた例示的な組織サンプリング
いくつかの例示的な実施形態によれば、生検ガイドは、サンプリング部分、例えば生検針を組織内に案内するために使用される。いくつかの実施形態では、サンプリング部分は組織内に軸方向に前進する。追加的または任意選択的に、サンプリング部分は90度未満の回転角度で、例えば、5度未満の回転角度で、10度未満の回転角度で、20度未満の回転角度で、30度未満の回転角度で、または任意の中間の、より小さいもしくはより大きい回転角度で回転する。ここで
図16Bおよび
図17Aから17Lを参照すると、本発明のいくつかの例示的な実施形態による、生検ガイドを使用する組織サンプリングプロセスを示す。
【0300】
いくつかの例示的な実施形態によれば、1652において、内視鏡が体内に導入され、選択された位置に配置される。いくつかの実施形態では、内視鏡の作業チャネルの遠位開口部はターゲット組織から所望の距離に配置される。
【0301】
いくつかの例示的な実施形態によれば、1653において、生検ガイドが内視鏡に取り付けられる。いくつかの実施形態では、生検ガイド、例えば
図17Aおよび17Bに示される生検ガイド1062は、内視鏡の作業チャネルの近位開口部に取り付けられる。
【0302】
いくつかの例示的な実施形態によれば、1654において、生検ガイドスリーブの長さが調整される。いくつかの実施形態では、スリーブの長さ、例えばスリーブ1614の長さは、内視鏡の作業チャネルの内側長さに従って調整される。いくつかの実施形態では、例えば
図17Cおよび17Dに示されるように、スリーブ長さは、スリーブ長調整器1606を生検ガイド本体1609の内部管腔内で摺動させることによって調整される。いくつかの実施形態では、スリーブ長さ調整器は、スリーブの長さを短縮および/または延長する。
【0303】
いくつかの例示的な実施形態によれば、1656で、所望のスリーブ長さに達すると、スリーブ調整ロック、例えばスリーブ調整ノブ1608は、スリーブ位置をロックする。いくつかの実施形態では、スリーブ調整ロックは、本体1609内に位置決めされたスリーブ調整の一部に直接または間接的に力を加えることによって、スリーブ調整器1606の位置をロックする。
【0304】
いくつかの例示的な実施形態によれば、1658において、体内の生検ガイドの一部と選択されたターゲット組織との間の距離が測定される。いくつかの実施形態では、1658において、スリーブの遠位端またはサンプリング部分の遠位端と選択されたターゲット組織との間の距離が測定される。
【0305】
いくつかの例示的な実施形態によれば、1660において、ターゲット組織へのサンプリング部分の貫入深さが調整される。いくつかの実施形態では、貫入深さは、ターゲット組織のタイプに従って、またはターゲット組織における組織タイプの混合に従って調整される。代替的または追加的に、貫入深さは所望の組織サンプル体積に従って調整される。代替的または追加的に、貫入深さは、臨床用途に従って調整される。いくつかの実施形態では、例えば
図17Eおよび17Fに示すように、貫入深さは、生検ガイド本体1609上のストッパ、例えばストッパ1610の位置を調整することによって調整される。いくつかの実施形態では、ストッパロック1612は本体1609上の選択された位置でストッパ1610をロックする。
【0306】
いくつかの例示的な実施形態によれば、1662において、編組シャフト、例えばサンプリング部分を備える編組コイルは、ターゲット組織に向かって前進させられる。いくつかの実施形態では、サンプリング部分、例えば編組シャフトの生検針は、ターゲット組織の外面から選択された距離に達するまで前進させられる。いくつかの実施形態では、例えば
図17Gおよび17Hに示されるように、サンプリング部分はハンドル1604の移動、例えばハンドルの回転移動またはハンドル1604の軸方向の移動によって手動で進められる。任意選択的に、ハンドルの移動は手動の移動である。いくつかの実施形態では、サンプリング部分はハンドル1604を手動で前進させることによって前進する。
【0307】
いくつかの例示的な実施形態によれば、1664において、サンプリング部分の内側管腔に少なくとも部分的に沿って通過する内側スタイレットは、後退させられる。いくつかの実施形態では、スタイレットノブ、例えばスタイレット、例えばスタイレット1618に機械的に接続されたスタイレットノブ1618、が引っ込められる。いくつかの実施形態では、スタイレットはユーザによって手動で後退させられる。代替的に、スタイレットは装置のアクチュエータによって自動的に後退させられる。いくつかの実施形態では、スタイレットは、所望の組織サンプル体積または量、および/または組織タイプのうちの1つまたは複数に基づいて、選択された距離まで後退させられる。いくつかの実施形態では、選択された後退距離に到達すると、スタイレット位置は、例えば組織をサンプリングするときのスタイレットの移動を防止するために、固定される。
【0308】
いくつかの例示的な実施形態によれば、1668において、組織がサンプリングされる。いくつかの実施形態では、組織はサンプリング部分1622で組織をスタビングすることによってサンプリングされる。いくつかの実施形態では、スタビング中に、サンプリング部分は組織内に軸方向に進められる。任意選択的に、サンプリング部分は、繰り返し組織内に前進させられ、組織から後退させられる。いくつかの実施形態では、スタビング中に、サンプリング部分は90°より小さい回転角度で、例えば、80°、40°、30°、10°の回転角度で、または任意の中間の、より小さいもしくはより大きい回転角度で回転される。いくつかの実施形態では、サンプリング部分は組織からの組織サンプルの分離を改善するために回転する。いくつかの実施形態では、スタビング中、サンプリング部分は反対方向に回転する。
【0309】
いくつかの例示的な実施形態によれば、1668において、組織サンプリングは視覚化される。いくつかの実施形態では、サンプリング部分、例えば、本明細書ではサンプリング針とも呼ばれる針は、中空編組コイル、中空編組ケーブル、または複数のワイヤから形成されたツイストケーブルを備える。いくつかの実施形態では、針はサンプリング部分のより良好なエコー輝度を可能にするような形状および大きさである。いくつかの実施形態では、針を形成する編組またはケーブルのねじれの外部パターンは、超音波装置から伝送される超音波を反射するように構成される。いくつかの実施形態では、超音波を反射することにより、サンプリングされる組織に対する、および/または装置の他の部分に対する、サンプリング部分の視覚化が可能になる。
【0310】
本出願からの特許の存続期間中に、多くの関連する生検装置が開発されることが予想され、生検装置のサンプリング部分という用語の範囲は、このような新しい技術の全てを先験的に含むことが意図される。量および値に関して本明細書で使用される「約」という用語は±10%を意味する。
【0311】
用語「備える(comprises)」、「備える(comprising)」、「含む(includes)」、「含む(including)」、「有する(having)」、およびそれらの複合体は「含むが、これに限定されない」を意味する。
【0312】
「からなる(consisting of)」という用語は、「含む、およびそれに限定される」という手段である。
【0313】
「から本質的になる(consisting essentially of)」という用語は組成物、方法または構造が追加の成分、工程および/または部分を含んでもよいことを意味するが、追加の成分、工程および/または部分が特許請求される組成物、方法または構造の基本的および新規な特徴を実質的に変更しない場合に限る。
【0314】
本明細書で使用されるように、単数形「a」、「an」および「the」は文脈が明確に別段の表示をしない限り、複数の参照を含む。例えば、「化合物」または「少なくとも1つの化合物」という用語は、それらの混合物を含む複数の化合物を含むことができる。
【0315】
本出願を通して、本発明の実施形態は、範囲形式に関連して提示されてもよい。範囲形式での説明は単に便宜および簡潔さのためであり、本発明の範囲に対する柔軟性のない限定として解釈されるべきではないことを理解されたい。したがって、範囲の説明は、その範囲内のすべての可能な部分範囲ならびに個々の数値を具体的に開示したものとみなされるべきである。例えば、1-6などの範囲の記載は、1-3、1-4、1-5、2-4、2-6、3-6などの具体的に開示されたサブ範囲、ならびに、例えば1、2、3、4、5、および6などのその範囲内の個々の数を有すると考えるべきである。これは、範囲の幅に関係なく適用される。
【0316】
数値範囲が本明細書で示されるときはいつでも(例えば、「10-15」、「10to15」、またはこれらの別のそのような範囲表示によって連結された任意の数のペア)、文脈上明確に表示されない限り、範囲制限を含む表示された範囲制限内の任意の数(分数または整数)を含むことを意味する。語句「範囲(range)/範囲(ranging)/範囲(ranging between)」第1の示された数および第2の示された数、「範囲(range)/範囲(ranging)/範囲(ranging from)」第1の示された数「to」、「up to」、「until」または「through」(または他の「range-indicating」のような用語)第2の示された数は、本明細書では互換的に使用され、第1および第2の示された数、ならびにそれらの間のすべての小数および整数を含むことを意味する。
【0317】
別段の表示がない限り、本明細書で使用される数およびそれに基づく任意の数の範囲は、当業者によって理解されるように、妥当な測定および丸め誤差の精度内の近似値である。
【0318】
明確にするために、別の実施形態の文脈で説明される本発明の特別な特徴は、単一の実施形態において組み合わせて提供されてもよいことが理解される。逆に、簡潔にするために、単一の実施形態の文脈で説明されている本発明の様々な特徴は、別々に、または任意の適切なサブコンビネーションで、または本発明の任意の他の説明された実施形態で適切なものとして提供されてもよい。様々な実施形態の文脈で説明される特別な特徴は、実施形態がそれらの要素なしで動作不能でない限り、それらの実施形態の本質的な特徴と見なされるべきではない。
【0319】
本発明をその特定の実施形態に関連して説明してきたが、多くの代替、修正、および変形が当業者には明らかであろうことは明白である。したがって、本発明は、添付の特許請求の範囲の精神および広い範囲内にある、そのような代替、修正、および変形のすべてを包含することが意図される。
【0320】
本明細書において言及される全ての刊行物、特許および特許出願は、各個々の刊行物、特許または特許出願が参照により本明細書に組み込まれるように具体的および個別に示されたのと同範囲で、参照により本明細書に組み込まれる。さらに、本出願における任意の参考文献の引用または同定は、そのような参考文献が本発明の先行技術として利用可能であることを容認するものとして解釈されるべきではない。節の見出しが使用される範囲において、それらは必ずしも限定するものと解釈されるべきではない。
【0321】
さらに、本出願の任意の優先権書類は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。