(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-08
(45)【発行日】2023-09-19
(54)【発明の名称】機械可読グラフィック識別子を有する電気コネクタ
(51)【国際特許分類】
H01R 13/641 20060101AFI20230911BHJP
H01R 13/639 20060101ALI20230911BHJP
【FI】
H01R13/641
H01R13/639 Z
(21)【出願番号】P 2020566213
(86)(22)【出願日】2019-05-20
(86)【国際出願番号】 IB2019054147
(87)【国際公開番号】W WO2019229578
(87)【国際公開日】2019-12-05
【審査請求日】2022-02-28
(32)【優先日】2018-06-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】399132320
【氏名又は名称】ティーイー・コネクティビティ・コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】TE Connectivity Corporation
(73)【特許権者】
【識別番号】505100333
【氏名又は名称】タイコ・エレクトロニクス・カナダ・ユーエルシー
(73)【特許権者】
【識別番号】518327408
【氏名又は名称】ティーイー・コネクティビティ・ブラジル・インダストリア・デ・エレクトロニコス・リミテーダ
(74)【代理人】
【識別番号】100100077
【氏名又は名称】大場 充
(74)【代理人】
【識別番号】100136010
【氏名又は名称】堀川 美夕紀
(74)【代理人】
【識別番号】100130030
【氏名又は名称】大竹 夕香子
(74)【代理人】
【識別番号】100203046
【氏名又は名称】山下 聖子
(72)【発明者】
【氏名】クリスティアーノ,ファビオ フォルトゥナート
(72)【発明者】
【氏名】クーネティック,ゾラン
(72)【発明者】
【氏名】パターソン,ジェレミー クリスティアン
【審査官】高橋 裕一
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/091500(WO,A1)
【文献】実開昭56-107678(JP,U)
【文献】韓国公開特許第10-2015-0008295(KR,A)
【文献】独国実用新案第202009003250(DE,U1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R13/56-13/72
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外側表面(204)を有するハウジング(118)と、
前記ハウジング上に前記外側表面に沿って取付けられている提示ブロック(140)と、を備え、
前記提示ブロックは、前記提示ブロックが取付けられている前記ハウジングの前記外側表面のエリアを横断するように角度付けられている表示面(302)を有する3次元形状を有し、前記提示ブロックは前記表示面上に配設されているコンピュータ可読のグラフィック識別子(112)を含む
とともに、
前記提示ブロック(140)の前記表示面(302)は第1の表示面(302a)であり、前記提示ブロックは、前記提示ブロックが取付けられている前記ハウジング(118)の前記外側表面(204)の前記エリアを横断するように角度付けられている第2の表示面(302b)を含み、前記第1の表示面および第2の表示面は互いを横断するように角度付けられている、
電気コネクタ(102)。
【請求項2】
前記表示面(302)は、前記提示ブロック(140)が取付けられている前記外側表面(204)の前記エリアに対して傾斜した角度で方向付けされている、
請求項1に記載の電気コネクタ(102)。
【請求項3】
前記表示面(302)は、前記提示ブロック(140)が取付けられている前記外側表面(204)の前記エリアに対して垂直に方向付けされている、
請求項1に記載の電気コネクタ(102)。
【請求項4】
前記グラフィック識別子(112)は1次元バーコードまたは2次元バーコードの一方である、
請求項1に記載の電気コネクタ(102)。
【請求項5】
前記グラフィック識別子(112)は、リーダデバイス(114)によって読み取り可能なように構成されている、
請求項1~4のいずれか一項に記載の電気コネクタ(102)。
【請求項6】
前記提示ブロック(140)における前記第1の表示面(302a
)および前記第2の表示面(302b)
には、同じ情報を含むグラフィック識別子
(112)がそれぞれ表示される、
請求項
1~5のいずれか一項に記載の電気コネクタ(102)。
【請求項7】
前記第1の表示面(302a)は、前記提示ブロック(140)が取付けられている前記外側表面(204)の前記エリアに対して垂直に方向付けされており、前記第2の表示面(302b)は、前記外側表面の前記エリアに対して傾斜した角度で方向付けされている、
請求項5に記載の電気コネクタ(102)。
【請求項8】
前記ハウジング(118)上に取付けられており、前記ハウジングに対してロック位置とロック解除位置の間で移動可能な、コネクタ位置保証(CPA)デバイス(206)を更に備え、
前記コネクタ位置保証(CPA)デバイス(206)は、前記ロック解除位置では、前記提示ブロック(140)の前記グラフィック識別子(112)を少なくとも部分的に隠して、リーダデバイス(114)が前記グラフィック識別子を読み取れないようにし、
前記コネクタ位置保証(CPA)デバイス(206)が前記ロック位置にあるとき、前記グラフィック識別子は露出している、
請求項1に記載の電気コネクタ(102)。
【請求項9】
前記コネクタ位置保証(CPA)デバイス(206)は、主本体(602)と、前記主本体から前記主本体の平面の外に出るように突出している付属部(604)と、を含み、
前記付属部(604)は、前記コネクタ位置保証(CPA)デバイス(206)が前記ロック解除位置にあるときは前記提示ブロック(140)の前記表示面(302)上の前記グラフィック識別子(112)を少なくとも部分的に隠し、前記コネクタ位置保証(CPA)デバイス(206)が前記ロック位置にあるときは前記グラフィック識別子を隠さない、
請求項8に記載の電気コネクタ(102)。
【請求項10】
前記ハウジング(118)は前記外側表面(204)に沿って
、前記提示ブロック(140)が前記ハウジングに取付けられるクレードル(310)を含み、
前記提示ブロックは、前記ハウジングに対して少なくとも2つの異なる向きで前記クレードル内に取付けられるように構成されている、
請求項1に記載の電気コネクタ(102)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書の主題は一般に電気コネクタシステムに関し、より詳細には、追跡および記録のために機械可読グラフィック識別子を有する電気コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
電気コネクタには、製造工程または組み付け工程中にその電気コネクタの存在、位置、特徴などを記録しログを残すために使用される、機械可読グラフィック識別子を含むものがある。例えば、自動車の組立てにおいて、スキャナまたはイメージャなどのリーダデバイスを使用し、自動車に設置される様々な電気コネクタ上のグラフィック識別子を「読み取る」ことが操作者に課される場合がある。特定の電気コネクタ上での有効な読み取りにより、記録されログが残されるある種の情報を得ることができる。例えば、有効な読み取りは、コネクタの存在および場所を示すとともに、コネクタが相補的な相手側コネクタに完全に嵌合していることの確認となる場合がある。自動車などの大型のおよび/または複雑な製品の場合、ある作業が完了したことを確認し記録することは、組立て工程中の誤りを減らすために、ならびに、後段の組立て工程中および製品の販売後に生じる問題を特定および修正するために、有用な場合がある。
【0003】
機械可読グラフィック識別子を有する、知られている電気コネクタについての1つの問題は、グラフィック識別子に対するリーダデバイスの物理的な位置および向きに起因して、リーダデバイスがグラフィック識別子を読み取れずに、読み取り無しの結果をもたらす場合のあることである。リーダデバイスによっては、リーダデバイスに対してグラフィック識別子が特定の範囲の焦点距離、角度、および向きとなっている場合にしか、グラフィック識別子の復号または読み取りのできないものがある。しかし、組み付け環境内で器具のクリアランスが制限されることに起因して、操作者がリーダデバイスがグラフィック識別子を読み取ることができるようにリーダデバイスを位置決めすることが困難または不可能な場合がある。
リーダデバイスがグラフィック識別子を読み取ることができない場合には、グラフィック識別子によって提供される情報のログを残すことおよび情報を記録することができない。コネクタが完全に嵌合していることを確認するために多数のコネクタのグラフィック識別子が読み取られる状況では、完全に嵌合したコネクタ上のグラフィック識別子の読み取りができないことにより、コネクタが完全に嵌合していないものとして不適正に解釈される偽陰性の結果が生じる可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
解決すべき問題は、器具のクリアランスの限られている組み付け環境内で読み取り無しの結果の発生を低減するために、知られているコネクタよりも大きい角度範囲に沿ってリーダデバイスが読み取り可能なグラフィック識別子を有する電気コネクタを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この問題は、ハウジングおよび提示ブロックを含む電気コネクタによって解決される。提示ブロックは、ハウジングにハウジングの外側表面に沿って取付けられている。提示ブロックは、提示ブロックが取付けられているハウジングの外側表面のエリアを横断するように角度付けられた表示面を有する、3次元形状を有する。提示ブロックは、表示面上に配設されたコンピュータ可読のグラフィック識別子を含む。
【0006】
少なくとも1つの実施形態において、ハウジングと提示ブロックとコネクタ位置保証(CPA;connector position assurance)デバイスとを含む、電気コネクタが提供される。提示ブロックは、ハウジング上にハウジングの外側表面に沿って取付けられている。提示ブロックは、提示ブロックが取付けられているハウジングの外側表面のエリアを横断するように角度付けられた表示面を有する、3次元形状を有する。提示ブロックは、表示面上に配設されたコンピュータ可読のグラフィック識別子を含む。CPAデバイスは、ハウジング上に取付けられており、ハウジングに対してロック位置とロック解除位置の間で移動可能である。CPAデバイスはロック解除位置では、提示ブロックのグラフィック識別子を少なくとも部分的に隠して、リーダデバイスがグラフィック識別子を読み取れないようにする。
CPAデバイスがロック位置にあるとき、グラフィック識別子は露出している。CPAデバイスは、ハウジングが相手側コネクタに対して完全に嵌合した位置にあるときだけ、ロック解除位置からロック位置へと移動可能となるように、構成されている。
【0007】
ここで本発明について、以下の添付の図面を参照して、例示により記載する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】一実施形態に係る、組み付け環境内にある電気コネクタシステムの概略図である。
【
図2】一実施形態に係る、コネクタシステムの一方のコネクタの斜視図である。
【
図3】
図2に示すコネクタの提示ブロックを含む部分の拡大斜視図である。
【
図4】一実施形態に係る提示ブロックの、その傾斜した(oblique)表示面を示す第1の斜視図である。
【
図5】
図4の提示ブロックの、その直角表示面を示す第2の斜視図である。
【
図6】
図4および
図5の提示ブロックの、提示ブロックの取付取付端部を示す第3の斜視図である。
【
図7】提示ブロックが
図3の提示ブロックの向きとは異なる向きで取付けられている、
図3に示すコネクタの部分の拡大斜視図である。
【
図8】一実施形態に係る、コネクタのハウジングに対してロック解除位置にあるコネクタ位置保証(CPA)デバイスを示す、コネクタを上から見下ろした図である。
【
図9】ハウジングに対してロック位置にあるCPAデバイスを示す、コネクタを上から見下ろした図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は、一実施形態に係る、組み付け環境130内にある電気コネクタシステム100の概略図である。電気コネクタシステム100は、第1のコネクタ102と第2のコネクタ104とを含む。
図1では、第1のコネクタ102は第2のコネクタ104と嵌合している。第1のコネクタ102は、少なくとも1つのケーブルまたはワイヤ103が第1のコネクタ102から突出している、ケーブル取付コネクタとして示されている。
図1の第2のコネクタ104は、構造105に取付けられたヘッダコネクタである。構造105は、電気デバイス(例えば、サーバ、コンピュータ、回路基板など)、機械的なハウジングまたはケース、などであり得る。代替の実施形態では、両方のコネクタ102、104はケーブルに取付けられている、または、両方のコネクタ102、104は構造に取付けられている。
【0010】
第1のコネクタ102は、嵌合端部120とケーブル端部122とを含む、ハウジング118を有する。ハウジング118の嵌合端部120は、第2のコネクタ104のハウジング124に係合して、嵌合インターフェース126を画定する。1つまたは複数のケーブル103は、ハウジング118のケーブル端部122から突出している。ハウジング118は、図示した実施形態では、ケーブル端部122が嵌合端部120と対置されないような、直角の構成を有する。嵌合端部120は、ケーブル端部122に沿った平面を横断する(例えば垂直な)平面に沿って方向付けされている。代替の実施形態では、ハウジング118は、直線状のまたは一列になった構成を有し得る。図示されていないが、ハウジング118は、1本または複数本のケーブル103内の導電ワイヤに電気的に終端(例えば接続)された、1つまたは複数の電気コンタクトを保持している。
第1のコネクタ102のコンタクトは、第2のコネクタ104の相手側のコンタクト(図示せず)に電気接続して、嵌合インターフェース126を通る導電信号経路を確立する。
【0011】
図示した実施形態では、第1のコネクタ102は、ハウジング118上に取付けられている複数の機械可読グラフィック識別子112を有する。グラフィック識別子112は情報を表すコード化された表示である。例えば、
図1には示されていないが、グラフィック識別子112は、1次元(例えば線形)バーコードまたは2次元(例えばマトリクス状)バーコードなどの、バーコードであってもよい。グラフィック識別子112は第1のコネクタ102についての情報を提供する。例えば、グラフィック識別子112は、製造番号、部品番号などを提供することによって、第1のコネクタ102を識別することができる。グラフィック識別子112は任意選択的に、第1のコネクタ102の設置を意図する製品、例えば自動車のモデルもしくは自動車の特定の構成要素を識別することもでき、および/または、第1のコネクタ102が適合する相手側コネクタのタイプもしくはモデルを特定することができる。
【0012】
第1のコネクタ102と第2のコネクタ104は組み付け環境130内で互いに嵌合している。組み付け環境130は様々なデバイスおよび構造、例えば構造105および隣り合う構造132を含む。組み付け工程における進捗を追跡するために、および第1のコネクタ102と第2のコネクタ104が嵌合していたかどうかに関して後から疑義または問題が生じた場合の確認のために、第1のコネクタ102および第2のコネクタ104が嵌合していることを記録することが有用であり得る。
【0013】
操作者またはロボットに、第1のコネクタ102上の少なくとも1つのグラフィック識別子112を読み取るようにリーダデバイス114を操作することが課される場合がある。本明細書で使用する場合、リーダデバイス114は、グラフィック識別子112に含まれている情報を復号および解読することによって、グラフィック識別子を「読み取る」。リーダデバイス114は、スキャナ、センサ、イメージャなどであり得る。例えば、リーダデバイス114は、光源(例えばレーザ出射器)と、グラフィック識別子114のうちの1つから反射された光を解釈できる光検出器と、を有し得る。任意選択的に、リーダデバイス114はカメラを含み得る。
【0014】
リーダデバイス114は、有線導電経路またはワイヤレス通信リンクを介してデータベース116に通信可能に接続されていてもよい。リーダデバイス114がグラフィック識別子112から取得した情報は、格納するためにデータベース116に、および/またはリモート送信のために通信デバイスに、送信することができる。データベース116は、有形の非一時的コンピュータ可読ストレージデバイス上に位置決めすることができる。ストレージデバイスは、ランダムアクセスメモリ(RAM)もしくはハードディスクドライブなどのコンピュータメモリであってもよく、または、ストレージデバイスは、ソリッドステートデバイス、光学ドライブ、外部ハードドライブ、フラッシュドライブなどの取り外し可能なストレージドライブであってもよい。
【0015】
組み付け環境130は比較的密集しているかまたは込み合っており、リーダデバイス114を第1のコネクタ102上にグラフィック識別子112に近接させて配置するためのクリアランスが限られている場合がある。例えば、第1のコネクタ102と隣り合う構造132の間に、狭いクリアランス間隙134が画定されている。狭いクリアランス間隙134は、グラフィック識別子112の読み取りのためにリーダデバイス114を収容するのに十分な広さではない。
【0016】
第1のコネクタ102は、第1のグラフィック識別子112aと、第2のグラフィック識別子112bと、第3のグラフィック識別子112cと、を有する。第1のグラフィック識別子112a、第2のグラフィック識別子112b、および第3のグラフィック識別子112cは互いの複製(全く同じもの)であってもよく、この場合3つの識別子112a、112b、112cの全てが、同じ情報を表す。第1のグラフィック識別子112aは、ハウジング118の背面136に沿って、ハウジング118上に直接配設される。ハウジング118の背面136は嵌合端部120の反対側にあり、嵌合端部120から離れる方に面している。
【0017】
第1のグラフィック識別子112aは、ハウジング118の背面136上に平坦に敷設されている。
図1ではリーダデバイス114はクリアランス間隙134の外側にあるが、その理由は、クリアランス間隙134内のリーダデバイス114を収めるための空間が不十分であるからである。
図1の位置では、第1のグラフィック識別子112aに直交する線に対する入射角が、リーダデバイス114が第1のグラフィック識別子112aを読み取り可能となるには、大き過ぎる可能性がある。リーダデバイス114は、
図1に示す位置では第1の識別子112aを読み取ることができず、また、リーダデバイス114をケーブル103と隣り合う構造105、132の他方の端部まで移動させたとしても、第1の識別子112aを読み取ることはおそらくできないであろう。
図示した実施形態には当てはまらないが、第1のグラフィック識別子112aが第1のコネクタ102上で唯一の識別子である場合には、リーダデバイス114は、第1のコネクタ102からの情報の読み取りおよび記録ができない可能性があるであろう。例えば、グラフィック識別子112aの読み取りが、第1のコネクタ102が第2のコネクタ104に嵌合していることを確認しそのログを残すために使用される場合には、確認は行われないことになる。
【0018】
第1の電気コネクタ102は、ハウジング118に取付けられた提示ブロック140を含む。提示ブロック140は3次元形状を有し、ハウジング118の背面136から外向きに(例えば嵌合端部120から離れる方に)突出している。第2のグラフィック識別子112bおよび第3のグラフィック識別子112cは、提示ブロック140の異なる表面上に配設されている。提示ブロック140上の第2のグラフィック識別子112bおよび第3のグラフィック識別子112cは、第1のグラフィック識別子112aに対して角度が付けられている。
図1のリーダデバイス114の位置では、リーダデバイス114は、第3のグラフィック識別子112cを読み取ることができる。例えば、リーダデバイス114と第3のグラフィック識別子112cの間の入射角は、リーダデバイス114が第3のグラフィック識別子112cを解読するのに十分な程度に小さい(例えば45度未満など)。
【0019】
3つのグラフィック識別子112a~112cは、リーダデバイス114がグラフィック識別子112a~112c内でコード化されている情報を読み取ることのできる視認窓の対象領域または範囲が大きくなるように、異なる向きに沿って互いに対して角度が付けられている。視認窓は、第1のコネクタ102の周囲の角度の対象領域または範囲を表す。リーダデバイス114は、リーダデバイス114が視認窓内にあるとき、識別子112a~112cのうちの少なくとも1つから情報を読み取ることができる。仮想的な例では、第1のコネクタ102が第1のグラフィック識別子112aしか有さない場合、視認窓は第1の識別子112aに近接するエリア内で第1のコネクタ102の周囲90度に延在し得る。しかし、3つ全てのグラフィック識別子112a~112cの向きが異なっていれば、視認窓を第1のコネクタ102の周囲180度まで拡大することができる。
例えば、リーダデバイス114をケーブル103と隣り合う
図1の構造105、132の他方側まで移動させても、リーダデバイス114は依然として、第2のグラフィック識別子112bを読み取って情報を取得することが可能であり得る。視認窓の対象領域が大きいほど、第1のコネクタ102に対するリーダデバイス114の配置に起因して読み取り無しの結果となるリスクが低減される。
【0020】
本明細書に記載する1つまたは複数の実施形態では、記録可能位置の保証のために、グラフィック識別子112が利用され得る。例えば、第1のコネクタ102は、グラフィック識別子112が、第1のコネクタ102が第2のコネクタ104に嵌合していないときには隠され、第1のコネクタ102と第2のコネクタ104が1つに嵌合しているときには露出される(または少なくとも露出可能となる)ように、構成および設計され得る。
図1では、第1のコネクタ102と第2のコネクタ104が嵌合し、グラフィック識別子112は露出しており、この結果、(リーダデバイス114が視認窓内にある場合に)リーダデバイス114が識別子112を読み取ることができる。本明細書で使用する場合、「露出可能な」は、その物品が、1つまたは複数の構成要素を損傷し得る過度の力を必要とすることなく、通常の操作で露出され得ることを意味する。
コネクタ102、104が嵌合していないときは、リーダデバイス114がグラフィック識別子112のいずれかをグラフィック識別子112に含まれる情報を読み取って解読するのに十分な量だけ「見ること(viewing)」が、第1のコネクタ102上の障害物によって阻止されるように、グラフィック識別子112を隠すことができる。この機構により記録可能位置の保証が実現されるが、その理由は、コネクタ102が嵌合されているときにだけ、リーダデバイス114による第1のコネクタ102上のグラフィック識別子112の読み取りおよび記録が可能となり、したがってグラフィック識別子112の読み取りは、嵌合した状態または位置と関連付けられるからである。逆に、読み取り無しの結果は、コネクタ102の嵌合していない状態または位置と関連付けられる。
第1のコネクタ102は、図示した実施形態では、実際にはコネクタ102、104が嵌合しているのにコネクタ102、104が接続解除されていると誤って示す、読み取り無しの結果の発生を、排除または少なくとも低減するための、3次元の提示ブロック140を含む。
【0021】
図2は、一実施形態に係るコネクタシステム100の第1のコネクタ102の斜視図である。第1のコネクタ102は本明細書では「コネクタ」とも呼ばれ、第2のコネクタ104(
図1に示す)は「相手側コネクタ」とも呼ばれる。コネクタ102のケーブル端部122から延在する1つまたは複数のケーブル103は、
図2では省略されている。ハウジング118は、嵌合端部120からケーブル端部122まで延在する、直角形状を有する。ハウジング118は、嵌合時に相手側コネクタ104の一部を中に受け入れるための、嵌合端部120に開口した空洞202を画定している。ハウジング118は外側表面204を有する。ハウジング118の嵌合端部120の反対側にある背面136は、外側表面204の一部を画定している。ハウジング118は任意選択的に、成形プロセスを介して形成される単体で一体型の構成要素であり得る。
【0022】
図示した実施形態では、コネクタ102はCPAデバイス206を含む。CPAデバイス206は、コネクタ102が相手側コネクタ104(
図1)に完全に嵌合しているとの保証を提供するように構成されている。例えば、CPAデバイス206は、ロック位置とロック解除位置の間で移動可能である。CPAデバイス206は、コネクタ102が相手側コネクタ104に完全に嵌合していないときに、例えば、コネクタ102が相手側コネクタ104から機械的に離間されている場合、およびコネクタ102が相手側コネクタ104に一部だけ嵌合している場合に、ロック解除位置に配設されるように構成されている。本明細書により詳細に記載するように、CPAデバイス206は、コネクタ102が相手側コネクタ104に完全に嵌合するまで、ロック解除位置からロック位置まで移動するのを制約され得る。
コネクタ102、104が完全に嵌合すると、機械的な阻止要因が取り除かれ、このことにより、操作者またはロボット機械がCPAデバイス206をロック位置へと移動させることが可能になる。
【0023】
図2では、CPAデバイス206はロック位置にある。ロック位置は、コネクタ102が相手側コネクタ104に完全に嵌合した状態と関連しているが、
図2では相手側コネクタ104は省略してある。CPAデバイス206がロック位置にあるとき、グラフィック識別子112a~112cは露出しており、リーダデバイス114(
図1)によって読み取り可能である。
【0024】
コネクタ102は任意選択的に、コネクタ102、104を嵌合させるために必要な力の投入量を小さくするための嵌合補助を提供する、レバー208を含む。レバー208は、突起または柱体210を介して、ハウジング118に枢動可能に結合されている。レバー208は、突起210に結合する2つのアーム212と、アーム212同士の間に延在しこれらに接続しているハンドル214と、を有する。嵌合中、レバー208は相手側コネクタ104に係合し、レバー208が枢動する際に、相手側コネクタ104をハウジング118の空洞202内へと引き込む。例えば、レバー208のアーム212は、突起210への近接度がカムスロット216の長さに沿って変化する、湾曲したカムスロット216を画定する。例えば、カムスロット216の各々は、カムスロット216の対応する開放端218から対応する閉鎖端220まで延在する。
開放端218は、突起210から閉鎖端220よりも遠い場所である。開放端218は、相手側コネクタ104の柱体(図示せず)がカムスロット216内に受け入れられる際に通る入口を画定している。レバー208が枢動される方向に基づいて、カムスロット216の湾曲した軌道は、相手側コネクタ104の柱体を突起210に向けて引く(嵌合補助)か、または柱体を突起210から離れるように押す(嵌合解除補助)。レバー208のハンドル214は、本明細書に記載するようなCPAデバイス206と相互作用し得る。
【0025】
提示ブロック140は、ハウジング118上に外側表面204に沿って取付けられている。提示ブロック140は3次元形状を有し、外側表面204から外向きに突出している。少なくとも1つの実施形態において、提示ブロック140は、ハウジング118に対して別個の構成要素である。例えば、提示ブロック140は、ハウジング118に取り外し可能に取付けられる、固定されていない部片であってもよい。代替の実施形態では、提示ブロック140は、ハウジング118に、接着剤、溶着、はんだ付けなどを介して取り外し不可能に取付けられ得る。提示ブロック140はハウジング118の背面136上に位置決めされるが、代替の実施形態では、ハウジング118の他の部分の外側表面204、例えば空洞202を包囲し画定している1つまたは複数の側壁222に沿って、取付けられてもよい。
【0026】
図3は、
図2に示すコネクタ102の提示ブロック140を含む部分の拡大斜視図である。提示ブロック140は、ハウジング118の外側表面204を横断するように角度付けられている、少なくとも1つの表示面302を有する。本明細書で使用する場合、提示ブロック140の表面とハウジング118の外側表面204の間の相対的な比較は、提示ブロック140が取付けられている外側表面204のエリアを参照する。例えば、少なくとも1つの表示面302は、外側表面204の、提示ブロック140よりも下にあって(例えばこれによって覆われており)提示ブロック140の外周を直接包囲しているエリアを横断するように角度付けられている。図示した実施形態では、このエリアは、比較的平坦かつ平面状であり得る、ハウジング118の背面136に沿っている。
提示ブロック140の各表示面302は、機械可読グラフィック識別子112を表示するのに十分な表面積を有することを特徴としている。表示面302は、正方形または矩形のグラフィック識別子112を支持するのに十分な表面積を有し得る。非限定的な例として、グラフィック識別子112は、各辺が1cmの正方形であってもよい。各表示面302は図示した実施形態では平面状であるが、代替の実施形態では、1つまたは複数の表示面302は、凸曲面または凹曲面を有し得る。
【0027】
図示した実施形態では、提示ブロック140は、2つの表示面302、すなわち第1の表示面302aと第2の表示面302bとを有する。提示ブロック140がハウジング118に取付けられているとき、両方の表示面302a、302bは、ハウジング118の外側表面204を横断するように方向付けされている。表示面302a、302bは、互いから離れるように外方に面している。表示面302a、302bは任意選択的に、互いを横断するように方向付けされている。本明細書で使用する場合、2つの表面の間の「横断する(transverse)」方向付けとは、2つの表面が平行ではないことを示す(例えば、2つの表面の間の相対角度は180度以外の任意の角度である)。両方の表示面302a、302bの表面には、別個のグラフィック識別子112が配設されている。
例えば、第3のグラフィック識別子112cは第1の表示面302a上に配設されており、第2のグラフィック識別子112bは第2の表示面302b上に配設されている。代替の実施形態では、両方の表示面302a、302bの代わりに、表示面302a、302bのうちの一方のみが、グラフィック識別子112を有し得る。
【0028】
図示した実施形態では、第1の表示面302aは、ハウジング118の外側表面204に対して垂直に方向付けされており、第2の表示面302bは、外側表面204に対して傾斜した角度で方向付けされている。本明細書で使用する場合、用語「垂直な(perpendicular)」は、直角(例えば、90度)、ならびに、5度または10度などの90度未満および90度超の指定される角度範囲を含む。例えば、指定される範囲が10度である場合、本明細書で使用される用語「垂直な(perpendicular)」は、80度から100度までの角度を含む。本明細書で使用する場合、2つの表面の間の「傾斜した(oblique)」向きとは、2つの表面が平行でも垂直でもないことを示す。上記したように、ハウジング118上でのグラフィック識別子112a~112cの向きおよび位置が異なることにより、リーダデバイス114がコネクタ102上のグラフィック識別子112のうちの1つを読み取ることのできる角度範囲が大きくなる。
第1の表示面302aは本明細書では「直角表示面(right angle display surface)」とも呼ばれ、第2の表示面302bは本明細書では「傾斜表示面(oblique display surface)」とも呼ばれる。1つまたは複数の代替の実施形態では、第1の表示面302aおよび第2の表示面302bの両方を、ハウジング118の外側表面204に対して垂直に方向付けしてもよく、または、両方の面302a、302bが、外側表面204に対して傾斜した方向付けを有してもよい。
【0029】
ハウジング118は、外側表面204に沿って、提示ブロック140をハウジング118に固定するためのクレードル310を有し得る。クレードル310は提示ブロック140の外周の少なくとも一部を包囲しており、提示ブロック140はクレードル310内でハウジング118に取付けられる。図示した実施形態では、クレードル310は、ハウジング118の背面136上の外側表面204から外向きに突出している、壁またはレールである。
【0030】
図4~
図6は、一実施形態に係るコネクタ102の提示ブロック140の異なる斜視図を示す。例えば、
図4は、傾斜表示面302bを示す第1の斜視図である。
図5は、直角表示面302aを示す第2の斜視図である。
図6は、提示ブロック140の取付取付端部402(または側部)を示す、第3の斜視図である。取付取付端部402はハウジング118の外側表面204に面しており、ハウジング118に取付けられるとそこに係合し得る。
【0031】
直角表示面302aおよび傾斜表示面302bは各々、別個のグラフィック識別子112(例えば、
図1および
図3に示すような識別子112bおよび識別子112c)が、表面に配設されている。グラフィック識別子112は、グラフィック識別子112の各々に同じ情報が含まれるように、互いの複製コピー(duplicate copies)であってもよい。直角表示面302a上のグラフィック識別子112は、傾斜表示面302b上のグラフィック識別子112とは別個で分離されており、2つのグラフィック識別子112は互いから離間されるようになっている。
【0032】
図2~
図5に示すグラフィック識別子112は、正方形および/または矩形403などの2次元のシンボルおよび形状を用いて情報またはデータを表す、2次元(マトリクス式)バーコードである。代替の実施形態では、グラフィック識別子112の一方または両方は、情報またはデータを表すための様々な幅および間隔の一連の平行な線を含む、1次元バーコードであってもよい。更に別の代替の実施形態では、グラフィック識別子112の一方または両方は、長さおよび幅の次元に加えて深さまたは高さの次元も有する、3次元バーコードであってもよい。他の実施形態では、グラフィック識別子112はバーコード以外、例えば、文字、形状、色、シンボルなどであってもよい。
【0033】
グラフィック識別子112は、グラフィック識別子112が提示ブロック140上に一体に形成されるように、それぞれの表示面302a、302b上に刻設されてもよい。例えば、グラフィック識別子112の線を、提示ブロック140の材料に直接エッチングしてもよい。別法として、グラフィック識別子112は、提示ブロック140とは別個に形成され、その後接着剤、透明な積層材、溶着、クリップ、または他の固定具などを介して表示面302上に貼り付けられる、ラベル、ステッカーなどであってもよい。
【0034】
図示した実施形態では、提示ブロック140は、2つの表示面302a、302bを通る線の両側に、互いに鏡像となっている2つの側壁404、406を含む。側壁404は、直角表示面302aの第1の縁部408、および傾斜表示面302bの第1の縁部410に接続している。側壁406は、直角表示面302aの第2の縁部412、および傾斜表示面302bの第2の縁部414に接続している。側壁404は両方とも、提示ブロック140の取付取付端部402まで延在する。図示した実施形態では、側壁404、406の各々は、それぞれの片持ち梁式のラッチ機構416を含む。ラッチ機構416は各々、取付取付端部402から延在する、それぞれの側壁404、406にある2つのスロット418によって画定されている。ラッチ機構416はそれぞれの側壁404、406と共に全体に平面状であるが、例外として、各ラッチ機構416のフック先端部420が、それぞれの側壁404、406の平面から外向きに突出している。
【0035】
図3を更に参照すると、ラッチ機構416のフック先端部420は、クレードル310上の相補的な捕捉機構422に係合して、ハウジング118上に提示ブロック140を取り外し可能に確実に取付けられるように構成されている。クレードル310は開口424を画定しており、捕捉機構422はクレードル310のレール428の縁部である。縁部はハウジング118の外側表面204の方に面しており、開口424の一部を画定している。例えば、提示ブロック140がハウジング118に取付けられるとき、ラッチ機構416は、フック先端部420がレール428とハウジング118の外側表面204の間の開口424内に受け入れられるまで、レール428の周囲で偏向する。ラッチ機構416のフック先端部420は、レール428の捕捉機構422(例えば縁部)に係合して、提示ブロック140がハウジング118から意図せず脱離するのを阻止する。
【0036】
図6に示すように、提示ブロック140は任意選択的に中空であり、取付取付端部402には壁を有さない。取付取付端部402は、側壁404、406、直角表示面302a、および傾斜表示面302bから取付端部402まで延在する中間壁430の、対応する縁部によって画定されている。提示ブロック140は任意選択的に、取付端部402において、提示ブロック140の異なるそれぞれのコーナーに沿って配設された、リブ432も含む。リブ432は、提示ブロック140から離れる方へと側方外向きに延在する。リブ432は、例えばハウジング118のクレードル310内での、ハウジング118に対する提示ブロック140の位置合わせおよび配置のために使用され得る。
【0037】
1つまたは複数の実施形態において、提示ブロック140は、2つ以上の向きで、ハウジング118に取り外し可能に取付可能である。例えば、提示ブロック140は、クレードル310内に、ハウジング118に対して少なくとも2つの異なる向きで取付可能であり得る。
【0038】
図7は、
図3に示す提示ブロック140の向きとは異なる向きでハウジング118に取付けられた提示ブロック140を示す、コネクタ102の一部の拡大斜視図である。例えば、
図3では、直角表示面302aは概ね、ケーブル端部122(
図2)の反対側にあるハウジング118の遠位端502の方に面しており、傾斜表示面302bは概ね、ケーブル端部122の方に(例えば、第1のグラフィック識別子112aおよびレバー208のハンドル214の方に)面している。
図7では、提示ブロック140はクレードル310内で反転されており、直角表示面302aは概ねケーブル端部122の方に面しており、傾斜表示面302bは概ね遠位端502の方に面している。提示ブロック140は両方の向きにおいてクレードル310に同じ方法で取付けられるが、唯一の違いは、各向きに関して、個々の各ラッチ機構416がクレードル310の対応する異なるレール428に係合することである。
図示した実施形態では、提示ブロック140は、提示ブロック140が互いから180度離れた2つの向きでハウジング118に取付可能となるように、反転可能である。代替の実施形態では、提示ブロック140および/またはクレードル310は、提示ブロック140を3つ以上の異なる向き、例えば90度離れている4つの異なる向きで、ハウジング118に取付けできるように設計され得る。
【0039】
図8は、ハウジング118に対してロック解除位置にあるCPAデバイス206を示す、第1のコネクタ102を上から見下ろした図である。
図9は、ハウジング118に対してロック位置にあるCPAデバイス206を示す、第1のコネクタ102を上から見下ろした図である。CPAデバイス206は、主本体602と、主本体602から突出している付属部604と、を含む。主本体602は、比較的平坦かつ平面状であってもよく、ロック位置とロック解除位置の間で作動されるときに、ハウジング118の外側表面204に沿って摺動してもよい。付属部604は、
図7により詳細に示すように、付属部604が提示ブロック140の上に架かるように、主本体602の平面から延在し得る。
【0040】
CPAデバイス206は、ロック解除位置とロック位置の間を直線状の作動軸線606に沿って移動する。CPAデバイス206の移動は、主本体602に係合する、ハウジング118上のCPAクレードル608によって案内される。主本体602は、ロック位置およびロック解除位置の両方において、提示ブロック140から離間されている。
図8に示すような、CPAデバイス206のロック解除位置では、付属部604は少なくとも部分的に、提示ブロック140上のグラフィック識別子112を覆い、隠す。例えば、付属部604は、リーダデバイス114(
図1)が(リーダデバイス114の配置に関わらず)識別子112を読み取ることのできないような、識別子112の十分なパーセンテージを覆う。
非限定的な例として、付属部604は、グラフィック識別子112の少なくとも60%または少なくとも70%を覆い、リーダデバイス114は、識別子112の見えている部分を見ることによって識別子112に含まれている情報を解読することができない。CPAデバイス206の主本体602は、ハウジング118の外側表面204上に直接取付けられている第1のグラフィック識別子112aを覆い、隠すことができる。CPAデバイス206は、作動軸線606に沿ったロック方向612へと、
図8に示すロック解除位置から
図9に示すロック位置まで移動される。
【0041】
図9に示すロック位置では、付属部604は提示ブロック140から側方に離間されており、提示ブロック140上のグラフィック識別子112を隠さない。主本体602もまた、第1のグラフィック識別子112aから離間されている。この結果、コネクタ102上の全てのグラフィック識別子112は露出しており、リーダデバイス114によって読み取り可能である。
【0042】
一実施形態では、コネクタ102は、コネクタ102が相手側コネクタ104(
図1)に完全に嵌合しているときにだけ、CPAデバイス206が
図8に示すロック解除位置から
図9に示すロック位置まで移動可能となるように、設計される。この結果、グラフィック識別子112は、コネクタ102が完全に嵌合しているときにだけ露出され、リーダデバイス114によって読み取り可能となる。図示した実施形態では、レバー208はハウジング118に対して閉位置に示されているが、これは、コネクタ102が相手側コネクタ104に完全に嵌合しているときのレバー208の位置である。一実施形態では、レバー208が閉位置にない場合は、CPAデバイス206は、
図8に示すロック解除位置から
図9に示すロック位置へと作動してこの結果グラフィック識別子112を露出させないように制約される。
例えば、CPAデバイス206は、CPAデバイス206の偏向可能なラッチ(図示せず)がCPAクレードル608に当接することにより、レバー208が閉位置にないときにロック位置へと移動しないように制約され得る。レバー208が閉位置を達成すると、レバー208のハンドル214から突出しているタブ614が、CPAデバイス206のラッチを、ラッチおよびCPAデバイス206がCPAクレードル608に対してロック方向612に移動可能となるクリアランス位置まで偏向させる。