(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-08
(45)【発行日】2023-09-19
(54)【発明の名称】キャビテーションが低減された相互作用チャンバ
(51)【国際特許分類】
B01F 23/50 20220101AFI20230911BHJP
B01F 23/41 20220101ALI20230911BHJP
B01J 19/00 20060101ALI20230911BHJP
B01F 35/71 20220101ALI20230911BHJP
【FI】
B01F23/50
B01F23/41
B01J19/00 321
B01J19/00 N
B01F35/71
(21)【出願番号】P 2021029381
(22)【出願日】2021-02-26
(62)【分割の表示】P 2017515030の分割
【原出願日】2015-05-29
【審査請求日】2021-03-26
(32)【優先日】2014-05-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】510102339
【氏名又は名称】マイクロフルーイディクス インターナショナル コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100148633
【氏名又は名称】桜田 圭
(74)【代理人】
【識別番号】100147924
【氏名又は名称】美恵 英樹
(72)【発明者】
【氏名】パナギオトウ、トメイ
(72)【発明者】
【氏名】ス、ヤン
【審査官】小久保 勝伊
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2012/0263013(US,A1)
【文献】特表2009-534179(JP,A)
【文献】特開2000-235954(JP,A)
【文献】特開昭57-190820(JP,A)
【文献】米国特許第07520661(US,B1)
【文献】特表平10-503884(JP,A)
【文献】特表2011-509173(JP,A)
【文献】特表2013-512891(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0276729(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01F 23/50
B01F 23/41
B01F 25/00
B01F 35/71
B01J 19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
高圧、高せん断の流体処理装置用の相互作用チャンバであって、
上端の入口孔と下端部とを有する入口シリンダと、
下端の出口孔と上端部とを有する出口チャンバと、
前記入口孔を前記出口孔と流体連通するマイクロチャネルであって、前記入口シリンダから前記マイクロチャネルへの流入部は前記入口シリンダの前記下端部からある距離だけオフセットされており、前記マイクロチャネルの上壁及び底壁は、前記マイクロチャネルへの前記流入部において前記入口シリンダに対面して外側に向かって拡がりを有する、マイクロチャネルと、
を備え、
前記マイクロチャネルへの前記流入部における前記拡がりは、入口チャンバの径の周りに延びる上部フィレットを含む、
相互作用チャンバ。
【請求項2】
前記マイクロチャネルから前記出口チャンバへの排出部は、前記出口チャンバの前記上端部からある距離だけオフセットされている、
請求項1に記載の相互作用チャンバ。
【請求項3】
前記マイクロチャネルの側壁は、前記マイクロチャネルへの前記流入部において前記入口シリンダに対面して外側に向かって拡がっている、
請求項1に記載の相互作用チャンバ。
【請求項4】
前記マイクロチャネルから前記出口チャンバへの排出部は、前記出口チャンバに対面して外側に向かって拡がっている、
請求項1に記載の相互作用チャンバ。
【請求項5】
HIJ型相互作用チャンバである、
請求項1に記載の相互作用チャンバ。
【請求項6】
前記出口チャンバは、出口シリンダである、
請求項1に記載の相互作用チャンバ。
【請求項7】
高圧、高せん断の流体処理装置用の相互作用チャンバであって、
上端の入口孔と下端部とを有する入口チャンバと、
下端の出口孔と上端部とを有する出口チャンバと、
前記入口孔を前記出口孔と流体連通するマイクロチャネルであって、前記入口チャンバから前記マイクロチャネルへの流入部は前記入口チャンバの前記下端部からある距離だけオフセットされている、マイクロチャネルと、
を備え、
前記マイクロチャネルの側壁、上壁及び底壁は、前記マイクロチャネルへの前記流入部において前記入口チャンバに対面して外側に向かって拡がりを有し、
前記マイクロチャネルから前記出口チャンバへの排出部は、前記出口チャンバの前記上端部からある距離だけオフセットされて
おり、
前記マイクロチャネルへの前記流入部における前記拡がりは、前記マイクロチャネルへの前記流入部における前記マイクロチャネルの前記側壁に位置するテーパ状フィレットを含み、
前記上壁及び前記底壁の両方が前記入口チャンバから前記出口チャンバに向かって収束し、
前記マイクロチャネルへの前記流入部における前記拡がりは、前記入口チャンバの径の周りに延びる上部フィレットを含む、
相互作用チャンバ。
【請求項8】
高圧、高せん断の流体処理装置用の相互作用チャンバであって、
上端の入口孔と下端部とを有する入口チャンバと、
下端の出口孔と上端部とを有する出口チャンバと、
前記入口孔を前記出口孔と流体連通するマイクロチャネルであって、前記入口チャンバから前記マイクロチャネルへの流入部は前記入口チャンバの前記下端部からある距離だけオフセットされている、マイクロチャネルと、
を備え、
前記マイクロチャネルの側壁、上壁及び底壁は、前記マイクロチャネルへの前記流入部において前記入口チャンバに対面して外側に向かって拡がりを有し、
前記マイクロチャネルから前記出口チャンバへの排出部は、前記出口チャンバの前記上端部からある距離だけオフセットされており、
前記マイクロチャネルへの前記流入部における前記拡がりは、前記マイクロチャネルへの前記流入部における前記マイクロチャネルの前記側壁に位置するテーパ状フィレットを含み、
前記マイクロチャネルへの前記流入部における前記拡がりは、前記入口チャンバの径の周りに延びる上部フィレットを含む、
相互作用チャンバ。
【請求項9】
高圧、高せん断の流体処理装置用の相互作用チャンバであって、
上端の入口孔と下端部とを有する入口チャンバと、
下端の出口孔と上端部とを有する出口チャンバと、
前記入口孔を前記出口孔と流体連通するマイクロチャネルであって、前記入口チャンバから前記マイクロチャネルへの流入部は前記入口チャンバの前記下端部からある距離だけオフセットされている、マイクロチャネルと、
を備え、
前記マイクロチャネルの側壁、上壁及び底壁は、前記マイクロチャネルへの前記流入部において前記入口チャンバに対面して外側に向かって拡がりを有し、
前記マイクロチャネルから前記出口チャンバへの排出部は、前記出口チャンバの前記上端部からある距離だけオフセットされており、
前記マイクロチャネルへの前記流入部における前記拡がりは、前記入口チャンバの径の周りに延びる上部フィレットを含む、
相互作用チャンバ。
【請求項10】
前記マイクロチャネルから前記出口チャンバへの前記排出部は、前記出口チャンバに対面して外側に向かって拡がっている、
請求項7
~9のいずれか1項に記載の相互作用チャンバ。
【請求項11】
H型相互作用チャンバである、
請求項7
~9のいずれか1項に記載の相互作用チャンバ。
【請求項12】
Y型又はHIJ型の作用ジェット相互作用チャンバである、
請求項7
~9のいずれか1項に記載の相互作用チャンバ。
【請求項13】
前記マイクロチャネルへの前記流入部における前記拡がりは、前記マイクロチャネルの少なくとも1つの壁部が前記マイクロチャネルへの前記流入部から前記マイクロチャネルからの前記排出部へ向かって角度がつけられていることを含む、
請求項7~
11のいずれか1項に記載の相互作用チャンバ。
【請求項14】
両方の前記側壁が前記入口チャンバから前記出口チャンバに向かって収束する、
請求項
7~11のいずれか1項に記載の相互作用チャンバ。
【請求項15】
前記入口チャンバは、入口シリンダである、
請求項7~
11のいずれか1項に記載の相互作用チャンバ。
【請求項16】
前記マイクロチャネルへの前記流入部と前記入口チャンバの前記下端部との間の距離は、0.001~1インチの範囲内である、
請求項7~
11のいずれか1項に記載の相互作用チャンバ。
【請求項17】
前記マイクロチャネルへの前記流入部と前記入口チャンバの前記下端部との間の距離は、0.01~0.03インチの範囲内である、
請求項7~
11のいずれか1項に記載の相互作用チャンバ。
【請求項18】
前記出口チャンバは、出口シリンダである、
請求項7~
11のいずれか1項に記載の相互作用チャンバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して相互作用チャンバ内のキャビテーションを低減する装置及び方法に関し、より具体的には、流体処理装置及びホモジナイザ、例えば高せん断流体処理装置及び高圧ホモジナイザ、において用いられる相互作用チャンバ内のキャビテーションを低減する装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
相互作用チャンバは、典型的には、1つ以上の入口チャンバから1つ以上のマイクロチャネルを通って1つ以上の出口シリンダで排出される流体が流れることによって動作する。マイクロチャネルへ流れ込む流体の遷移は、キャビテーション、即ち液体内の蒸気キャビティ(泡)を形成する物理的挙動、をもたらし得る。キャビテーションは、圧力下での急速な変化の結果である。圧力が蒸気圧より下まで低下すると、液体が沸騰し蒸気の泡が形成される。
【0003】
マイクロチャネル内のキャビテーションに関していくつかの不利益がある。第1に、キャビテーションは、流体圧力が下流で回復した場合に内破することがあり、強い衝撃波を生成する可能性がある。これは、相互作用チャンバ及び下流配管の内面に重大なダメージを与える可能性がある(例えば、チャンバの性能及び寿命を大きく低下させる、構成要素の摩耗)。キャビテーションはまた、局所的な高温点をもたらし、特定の感熱性材料を損傷させる可能性がある。第2に、形成されたキャビティは、マイクロチャネル内に留まり特定の体積を占めるので、高アスペクト比を有する特定の固体分散物又は材料を処理する場合に、マイクロチャネルを通る流れがせき止められる可能性があり、目詰まりの問題が起こり得る。第3に、マイクロチャネル流入部の付近で有効断面積が低下することで、最も深刻なキャビテーションを有する場所では、流量が制限され、その結果、チャネル排出部での平均流速がより低くなってしまう。これは、マイクロチャネル排出部での流体のエネルギーを低下させ、特定の用途のための処理効率の低下させることにつながる可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、キャビテーションを減少させ、マイクロチャネルを通過する流速を増大させる、相互作用チャンバを提供する。本明細書に記載された相互作用チャンバは、(i)キャビテーションの減少/除去による、目詰まりの減少、(ii)マイクロチャネル前のより高いエネルギーによる、より高い処理効率、(iii)種々の感熱材料の取扱い能力をもたらす、マイクロチャネル内におけるより低い局所温度、(iv)より長寿命のチャンバをもたらす、マイクロチャネル内のより少ない摩耗、の1つ以上を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
包括的な実施形態では、相互作用チャンバは、好ましくは高せん断処理装置又は高圧ホモジナイザである、流体処理装置用又は流体ホモジナイザ用の相互作用チャンバであって、入口孔及び下端部を有し好ましくは入口シリンダである入口チャンバと、出口孔及び上端部を有し好ましくは出口シリンダである出口チャンバと、前記入口孔を前記出口孔と流体連通するマイクロチャネルであって、前記入口チャンバから前記マイクロチャネルへの流入部は前記入口チャンバの前記下端部からある距離だけオフセットされている、マイクロチャネルと、(i)マイクロチャネル流入部において前記マイクロチャネルの少なくとも1つの側壁に位置する少なくとも1つのテーパ状フィレット、(ii)前記入口チャンバから前記出口チャンバに向かって内側に収束する前記マイクロチャネルの少なくとも1つの側壁、(iii)前記入口チャンバから前記出口チャンバに向かって角度が付けられた前記マイクロチャネルの少なくとも1つの上壁及び底壁、及び、(iv)前記入口チャンバの径の周りに延びる上部フィレット、の内の少なくとも1つと、を備える。
【0006】
他の包括的な実施形態では、相互作用チャンバは、好ましくは高せん断処理装置又は高圧ホモジナイザである、流体処理装置用又は流体ホモジナイザ用の複数スロットの相互作用チャンバであって、入口孔及び下端部を有し好ましくは入口シリンダである入口チャンバと、前記入口孔と流体連通する入口プレナムと、出口孔及び上端部を有し好ましくは出口シリンダである出口チャンバと、前記出口孔と流体連通する出口プレナムと、前記入口プレナムを前記出口プレナムに連結することによって前記入口孔と前記出口孔とを流体的に連結する複数のマイクロチャネルであって、前記複数のマイクロチャネルのそれぞれは、前記入口チャンバの前記下端部からある距離だけオフセットされている、マイクロチャネル流入部を含む、複数のマイクロチャネルと、を備え、(i)前記入口プレナムの幅が前記入口チャンバの直径より小さい、及び、(ii)前記入口プレナムの高さが前記入口チャンバの直径に割り込んでいる、の内の少なくとも1つである。
【0007】
他の包括的な実施形態では、相互作用チャンバは、好ましくは高せん断処理装置又は高圧ホモジナイザである、流体処理装置用又は流体ホモジナイザ用の相互作用チャンバであって、入口孔及び下端部を有し好ましくは入口シリンダである入口チャンバと、出口孔及び上端部を有し好ましくは出口シリンダである出口チャンバと、前記入口孔を前記出口孔と流体連通するマイクロチャネルと、流体が前記入口チャンバから前記マイクロチャネルに入るときのキャビテーションを低減させる手段と、を備える。
【0008】
他の包括的な実施形態では、相互作用チャンバは、好ましくは高せん断処理装置又は高圧ホモジナイザである、流体処理装置用又は流体ホモジナイザ用の相互作用チャンバであって、好ましくは流入シリンダである流入チャンバと、好ましくは出口シリンダである出口チャンバと、入口及び出口を有し前記流入チャンバ及び前記出口チャンバと流体連通するマイクロチャネルと、を備え、前記流入チャンバは、前記流入チャンバの上部に又はその付近に入口孔を有し、前記流入チャンバの底部の上方の位置でマイクロチャネル入口を受ける。
【0009】
他の包括的な実施形態では、相互作用チャンバは、好ましくは高せん断処理装置又は高圧ホモジナイザである、流体処理装置用又は流体ホモジナイザ用の相互作用チャンバであって、入口孔及び下端部を有し好ましくは入口シリンダである入口チャンバと、出口孔及び上端部を有し好ましくは出口シリンダである出口チャンバと、前記入口孔を前記出口孔と流体連通するマイクロチャネルであって、前記マイクロチャネルから前記出口チャンバへの排出部は前記出口チャンバの前記上端部からある距離だけオフセットされている、マイクロチャネルと、(i)マイクロチャネル排出部において前記マイクロチャネルの少なくとも1つの側壁に位置する少なくとも1つのテーパ状フィレット、(ii)前記入口チャンバから前記出口チャンバに向かって内側に収束する前記マイクロチャネルの少なくとも1つの側壁、(iii)前記入口チャンバから前記出口チャンバに向かって角度が付けられた、前記マイクロチャネルの少なくとも1つの上壁及び底壁、及び(iv)前記入口チャンバの径の周りに延びる上部フィレット、の内の少なくとも1つと、を備える。
【0010】
他の包括的な実施形態では、流体処理システムは、本明細書に記載の相互作用チャンバの上流又は下流に位置する副処理モジュール(APM)を含む。
【0011】
他の包括的な実施形態では、乳剤の製造方法は、本明細書に記載の相互作用チャンバに流体を通過させること、を備える。
【0012】
他の包括的な実施形態では、小径粒子の製造方法は、本明細書に記載の相互作用チャンバに粒子の流れを通過させること、を備える。
【0013】
他の包括的な実施形態では、流体処理システムは、本明細書に記載の相互作用チャンバを含み、前記相互作用チャンバの前記マイクロチャネル内で流体を0kpsi超40kpsi未満で流れさせる。
【0014】
本開示の実施形態は、添付の図面を参照し、一例に過ぎないがさらに詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】
図1は、相互作用チャンバの実施形態の上部斜視図を示す。
【
図3】
図3は、
図1の相互作用チャンバのキャビテーション効果の図を示す。
【
図4】
図4は、
図1の相互作用チャンバのキャビテーション効果の図を示す。
【
図5】
図5は、
図1の相互作用チャンバ内の速度分布図を示す。
【
図6】
図6は、相互作用チャンバの実施形態の上部斜視図を示す。
【
図8】
図8は、相互作用チャンバの実施形態の下部斜視図を示す。
【
図10】
図10は、相互作用チャンバの実施形態の上部斜視図を示す。
【
図13】
図13は、相互作用チャンバの実施形態の上部斜視図を示す。
【
図21】
図21は、相互作用チャンバの実施形態の上部斜視図を示す。
【
図29】
図29は、相互作用チャンバの実施形態の上部斜視図を示す。
【
図32】
図32は、相互作用チャンバの実施形態の上部斜視図を示す。
【
図37】
図37は、相互作用チャンバの実施形態の上部斜視図を示す。
【
図39】
図39は、相互作用チャンバの実施形態の上部斜視図を示す。
【
図43】
図43は、相互作用チャンバの実施形態の上部斜視図を示す。
【
図44】
図44は、相互作用チャンバの実施形態の上部斜視図を示す。
【
図46】
図46は、相互作用チャンバの実施形態の上部斜視図を示す。
【
図47】
図47は、相互作用チャンバの実施形態の上部斜視図を示す。
【
図48】
図48は、相互作用チャンバの実施形態の上部斜視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本開示の説明の前に、本開示は記載された特定の装置及び方法に限定されないことが理解されるべきである。本明細書で用いられた用語は、特定の実施形態のみの説明のためであり、本開示の範囲が添付の特許請求の範囲にのみ限定されるので、限定を意図するものではない。
【0017】
本開示及び添付の特許請求の範囲に用いられるように、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」及び「その(the)」は、文脈上明確な指示がなければ複数の指示対象を含む。本明細書に記載された方法及び装置は、本明細書に具体的に記載されない要素を欠いていてもよい。
【0018】
図1及び
図2は、相互作用チャンバ1の作用部分の全体の形状及び概略を示す。相互作用チャンバ1は、入口孔4を備える入口チャンバ2と、出口孔8を備える出口チャンバ6と、出口チャンバ6に入口チャンバ2を接合させるとともに入口孔4を出口孔8と流体連通するマイクロチャネル10と、を含む。入口チャンバ2及び出口チャンバ6は、好ましくはシリンダである。
図1及び
図2では、マイクロチャネル10は、入口チャンバ4の下端部12及び出口チャンバ6の上端部14において、出口チャンバ6に入口チャンバ2を接合させる。即ち、下端部12及び上端部14はマイクロチャネル10を越えて延びていない。入口チャンバ2がマイクロチャネル10と合う場所にある開口部がマイクロチャネル流入部13であり、マイクロチャネル10が出口チャンバ6と合う場所にある開口部がマイクロチャネル排出部15である。以下により詳細に記載されるように、マイクロチャネル流入部13においてキャビテーションはしばしば発生する。
【0019】
図1及び
図2の相互作用チャンバ1は、単一の入口及び単一の出口によって形成されるZ形状のため、本明細書では概してZ型の相互作用チャンバと呼ぶ。相互作用チャンバ1等のZ型チャンバは、マイクロチャネル内の高せん断の生成により粒径を小さくすることと、外側チャンバ壁に流体を作用させることと、において有益である。
【0020】
使用中、流入する流体は、入口孔4に入り、入口チャンバ2を通過し、その後、マイクロチャネル流入部13の近くで90°曲がってマイクロチャネル10に入る。流体は、その後、マイクロチャネル10から出て、マイクロチャネル排出部15の近くでさらに90°曲がって出口チャンバ6に入り、出口チャンバ6を通過し、出口孔8を通って排出される。マイクロチャネル10から排出された後、流体流は、出口チャンバ6の上端部14により1つの側に制限されたジェットを形成する。
【0021】
マイクロチャネル流入部13での鋭い曲がりを備えるマイクロチャネル10への流体流の移行は、通常はキャビテーションをもたらす。
図3及び
図4は、計算流体力学シミュレーションを用いたキャビテーション効果の図を示す。
図3では、蒸気体積率(VVF)は、マイクロチャネルの内部並びにマイクロチャネルの流入部及び排出部という種々の断面位置におけるコンター図としてプロットされている。
図3のVVFプロットでは、本明細書に記載された他のVVFプロットと同様に、0は純粋な液相を表し、1は純粋な蒸気相を表す。慣例により、VVF≧0.5は、通常蒸気相を示す。概して0.5を超えるものは、マイクロチャネルの断面積が減少した場合に、マイクロチャネルを通過する流量を減少させる蒸気ポケット示すので、望ましくないと考えられる。入口チャンバ2からマイクロチャネル10を通過して出口チャンバ6への流体通路全体を示す
図4から分かるように、キャビテーションは、相互作用チャンバ内の2つの場所でしばしば発生する。(i)マイクロチャネル流入部の領域、及び、(ii)排出孔、である。
【0022】
図5は、マイクロチャネル10内の速度分布の例を示す。図示されるように、流速は、最初はキャビティが存在するためマイクロチャネル流入部の付近で不均等である。速度は、その後チャネルの下流端部で次第により均等になり、大きさも減少する。より低いチャネル排出速度は、出口領域における散逸又は衝突のために流体が持つ運動エネルギーがより低いことを意味する。エネルギー散逸は、乳化処理等の多くのプロセスの最終粒径に直接関係しており、エネルギー散逸が大きいほど通常は粒径が小さくなる。エネルギー散逸は、適切な微粒径を作り出すシステムの能力を損なう可能性がある。しかし、衝撃波によって生成される力/圧力スパイクは、粒子を均質化し、又は混合・崩壊を助け、より小さな粒径及び分布を達成することができる。従って、マイクロチャネル流入部のキャビテーションは通常望ましくない現象である一方、マイクロチャネル出口のキャビテーションはある用途にとっては好ましい現象である。概して、キャビテーションが制御されると、システムの性能を向上させることができる。
【0023】
図6及び
図7は、本開示により改良されたH型の相互作用チャンバ30の作用部分の実施形態を示す。相互作用チャンバ30は、入口孔34を備える入口チャンバ32と、出口孔38を備える出口チャンバ36と、出口チャンバ36に入口チャンバ32を接合させるとともに入口孔34を出口孔38と流体連通するマイクロチャネル40と、を含む。入口チャンバ32及び出口チャンバ36は、好ましくはシリンダである。マイクロチャネル40は、マイクロチャネル40が入口チャンバ32と合う場所にあるマイクロチャネル流入部43と、マイクロチャネル40が出口チャンバ36と合う場所にあるマイクロチャネル排出部45と、を含む。図示されるように、マイクロチャネル40は、入口チャンバ32の下端部42から距離D1であり出口チャンバ36の上端部44から距離D2である位置に位置する。D1及びD2は、同一の又は異なる距離であることができる。一実施形態では、D1及びD2は、0.001~1インチ、好ましくは0.01~0.03インチ、の範囲内とすることができる。流れがマイクロチャネル40に入ってマイクロチャネル流入部43及びマイクロチャネル排出部45でのキャビテーションのレベルを低減させるときに、相互作用チャンバ30のマイクロチャネル40と下端部42及び/又は上端部44との間に距離D1及びD2を設けることで、流れが効率化することが見出された。即ち、マイクロチャネル40を下端部42の上方に配置することで、下端部42に流体のプールが形成され、これによりキャビテーションが抑止される。
【0024】
図6及び
図7の相互作用チャンバ30は、単一の入口及び単一の出口によって形成されるH形状のため、本明細書では概してH型の相互作用チャンバと呼ぶ。HチャンバとZチャンバとの違いは、マイクロチャネル流入部から入口チャンバの下端部までの距離、及び/又は、マイクロチャネル排出部から出口チャンバの上端部までの距離、である。Z型のチャンバのように、相互作用チャンバ30等のH型のチャンバは、マイクロチャネル内の高せん断の生成により粒径を低減させることと、外側チャンバ壁に流体を作用させることと、において有益である。
【0025】
図8及び
図9は、本開示により改良されたH型の相互作用チャンバ50の作用部分の他の実施形態を示す。相互作用チャンバ50は、入口孔54を備える入口チャンバ52と、出口孔58を備える出口チャンバ56と、出口チャンバ56に入口チャンバ52を接合させるとともに入口孔54を出口孔58と流体連通するマイクロチャネル60と、を含む。入口チャンバ52及び出口チャンバ56は、好ましくはシリンダである。マイクロチャネル60は、マイクロチャネル60が入口チャンバ52と合う場所にあるマイクロチャネル流入部63と、マイクロチャネル60が出口チャンバ56と合う場所にあるマイクロチャネル排出部65と、を含む。マイクロチャネル40のように、マイクロチャネル60は入口チャンバ52の下端部62から距離D1に位置する。相互作用チャンバ50は、さらに、好ましくは丸みが付いたテーパ状フィレット66,68の追加によって、マイクロチャネル流入部63の周りの鋭い縁部が取り除かれている。一実施形態では、テーパ状フィレット66,68は、0.001~1インチ、又は、好ましくは0.003~0.01インチ、の範囲内とすることができる。示された実施形態では、上部フィレット68が入口チャンバ52の直径全体を取り囲んでいるのに対し、下部フィレット66はマイクロチャネル60にのみ位置している(即ち、マイクロチャネルと同程度の広さである)。この構成は、(上部フィレット68をマイクロチャネル60の幅と同等な幅に製造するのではなく)入口チャンバ52の直径全体を取り囲むように上部フィレット68を製造する方が容易であり、当該構成が同等の効果を奏するので、有益である。入口チャンバ52を製造するために、上部フィレット68がマイクロチャネル60の直上に配置されるように、上部フィレット68を含む第1の入口チャンバ部を第2の入口チャンバ部に加えることができる。一実施形態では、第1の入口チャンバ部は、
図8及び
図9において上部フィレット68を含みその上方にある入口チャンバ52の一部であり、第2の入口チャンバ部は、
図8及び
図9において上部フィレット68の下方にある入口チャンバ52の一部である。
【0026】
下部フィレット66若しくは上部フィレット68のいずれかは、入口チャンバ52の直径全体を取り囲むように製造することができ、又は、いずれかのフィレットはマイクロチャネル流入部63にのみ配置させることができる。マイクロチャネル50は、マイクロチャネル流入部63の2つの側壁において側部フィレット69をさらに含むことができる。マイクロチャネル排出部65は、マイクロチャネル流入部63と同様に、即ち、上部、下部及び/又は側部のフィレットを備え、並びに、出口チャンバ56の上端部64及びマイクロチャネル排出部65の間に距離を設けて、形成することもできる。相互作用チャンバ50が効率化された流れのパターンを提供し、キャビテーションを完全に排除することが見出された。
【0027】
図10~
図12は、本開示により改良されたH型の相互作用チャンバ70の作用部分の他の実施形態を示す。相互作用チャンバ70は、入口孔74を備える入口チャンバ72と、出口孔78を備える出口チャンバ76と、出口チャンバ76に入口チャンバ72を接合させるとともに入口孔74を出口孔78と流体連通するマイクロチャネル80と、を含む。入口チャンバ72及び出口チャンバ76は、好ましくはシリンダである。マイクロチャネル80は、マイクロチャネル80が入口チャンバ72と合う場所にあるマイクロチャネル流入部83と、マイクロチャネル80が出口チャンバ76と合う場所にあるマイクロチャネル排出部85と、を含む。マイクロチャネル40のように、マイクロチャネル80は入口チャンバ72の下端部82から距離D1に位置する。マイクロチャネル80は、出口チャンバ76の上端部84からある距離に形成することもできる。相互作用チャンバ70は、マイクロチャネル80の傾斜状の複数の側壁86をさらに備え、側壁は入口チャンバ72から出口チャンバ76に向かって収束している。また、相互作用チャンバ70は、傾斜状の底壁87を備え、底壁87は入口チャンバ72から出口チャンバ76に向かって収束している。
図10~
図12において傾斜していない上壁88は、入口チャンバ72から出口チャンバ76に向かって収束するように設けることもできる。種々の実施形態において、側壁86、底壁87及び上壁88の1つ以上は、入口チャンバ72から出口チャンバ76に向かってコンスタントに収束することができ、又は、マイクロチャネル80の長さの一部のみにおいて収束することができる。種々の実施形態において、側壁86、底壁87及び上壁88の傾斜角は、1°と30°との間とすることができる。他の実施形態では、マイクロチャネル80は、入口チャンバ72と出口チャンバ76とについて傾斜(下り又は上り)させることができ、及び/又は、マイクロチャネル流入部83はマイクロチャネル排出部85の上方若しくは下方のある距離に位置することができ、それは、マイクロチャネル流入部83における90°の鋭い曲がりの排除とマイクロチャネル排出部85からの排出とを助ける。相互作用チャンバ70が、与えられた寸法のチャネル排出部において最も高い流体エネルギーを提供することが見出された。
【0028】
図13及び
図14は、本開示により改良されたH型の相互作用チャンバ100の作用部分の他の実施形態を示す。相互作用チャンバ100は、入口孔104を備える入口チャンバ102と、出口孔108を備える出口チャンバ106と、出口チャンバ106に入口チャンバ102を接合させるとともに入口孔104を出口孔108と流体連通するマイクロチャネル110と、を含む。入口チャンバ102及び出口チャンバ106は、好ましくはシリンダである。マイクロチャネル110は、マイクロチャネル110が入口チャンバ102と合う場所にあるマイクロチャネル流入部113と、マイクロチャネル110が出口チャンバ106と合う場所にあるマイクロチャネル排出部115と、を含む。図示されるように、マイクロチャネル110は、入口チャンバ102の下端部112から距離D1である位置に位置する。一実施形態では、D1は、0.001~1インチ、好ましくは0.01~0.03インチ、の範囲内とすることができる。マイクロチャネル110は、出口チャンバ106の上端部114からある距離に形成することもできる。
【0029】
図15及び
図16は、それぞれ計算流体力学シミュレーションを用いた、相互作用チャンバ1及び相互作用チャンバ100のキャビテーションの図を示す。
図15及び
図16は、マイクロチャネル内の蒸気体積率(VVF)を示す。両方のチャンバは、基本的に同じマイクロチャネル寸法を有するが、相互作用チャンバ100はチャネル流入部のキャビテーション効果を低減させる。相互作用チャンバ100は、それゆえ、ある材料についてチャネル流入部での材料の目詰まりを低減させることができる。
【0030】
図17及び
図18は、それぞれ計算流体力学シミュレーションを用いた、相互作用チャンバ1(IXC-1)及び相互作用チャンバ100(IXC-100)についての速度分布図である。
図17及び
図18は、相互作用チャンバ100のマイクロチャネル内で速度がより均等であり、相互作用チャンバ100のチャネル排出速度がより高い、ことを示す。具体的には、相互作用チャンバ100の平均チャネル排出速度は約11%増加している。これは、相互作用チャンバ100を通過する流体がチャネル通過後に散逸する運動エネルギーをより多く持っており、特定の用途に対しより小さい粒子を生産する可能性があることを意味する。
【0031】
相互作用チャンバ100は、固体分散体(目詰まり試験)であって3つの異なる乳剤を用いて実験室において試験された。目詰まり試験の結果を表1に示し、乳化の結果を表2、表3及び表4に示す。3つの分散体は、水中に大豆ミールを分散させることによって作られた。分散体1は5%の大豆ミール懸濁液であり、分散体2は5.5%の大豆ミール懸濁液であり、分散体3は6%の大豆ミール懸濁液であった。
【0032】
【0033】
表1に、相互作用チャンバ1と相互作用チャンバ100との両方について、各乳化の各実験の過程における目詰まりの発生数を示す。「部分的」な目詰まりは、機械が目詰まりしたがそのストロークを完遂することができたことを意味する。「完全」な目詰まりは、ピストンが相互作用チャンバを通過する流体を押し続けることができなかったことを意味する。上記のように、相互作用チャンバ100は、相互作用チャンバ1と比べて、部分的な目詰まりを排除し、完全な目詰まりを低減させる。表1は、同じマイクロチャネル寸法の相互作用チャンバ1の排出チャンバを目詰まりさせる可能性がある特定の条件において、相互作用チャンバ100が目詰まりを低減又は排除できることを示す。
【0034】
以下の表では、前向き及び逆向きの両方の構成で種々の相互作用チャンバが試験された。逆向きの構成は、入口チャンバを出口チャンバとし出口チャンバを入口チャンバとして入れ替えることだと理解されるべきである。従って、本明細書において実施された逆向きの試験は、本質的に、入口、出口及び1又は複数のマイクロチャネルが逆の構成に位置する、相互作用チャンバの追加実施形態の試験である。本明細書に記載された相互作用チャンバの実施形態のいずれも逆の構成でも構成することができ、入口チャンバは出口チャンバであり、出口チャンバは入口チャンバである、と考えられる。
【0035】
【0036】
表2は、実験時の相互作用チャンバ1及び相互作用チャンバ100のそれぞれについての平均粒径及び多分散指数(“PDI”)を示す。示されるように、相互作用チャンバ100は、相互作用チャンバ1に比べて粒径を小さくさせる。表2は、相互作用チャンバ1と比較して相互作用チャンバ100の乳剤1の乳化特性がわずかに良いことを示しており、相互作用チャンバ100は前向き又は逆向きのいずれかの方向で作動する。Z平均径は、第1回通過及び第2回通過の両方について約10nm小さい。
【0037】
【0038】
表3は、相互作用チャンバ1並びに相互作用チャンバ100(前向き及び逆向き)の両方と、2つの異なるY型の相互作用チャンバ(例えば、
図43)と、について、実験時の分布に基づき体積の10%未満(D10)、50%未満(D50)、90%未満(D90)及び95%未満(D95)にある粒子の直径を示す。即ち、D10は直径を参照し粒子の10%がこの径未満であり、D50は直径を参照し粒子の50%がこの径未満であり、D90は直径を指し粒子の90%がこの径未満であり、D95は直径を参照し粒子の95%がこの径未満である。上記のように、95%での結果は、10%での結果に比べてはるかに特徴的である。
【0039】
相互作用チャンバ100は、Yチャンバ1及びYチャンバ2と比べられた。2つのYチャンバは、下流APMと異なるサイズのマイクロチャネルを備えた。Yチャンバ2のマイクロチャネルは、Yチャンバ1のマイクロチャネルより大きい断面積を有していた。Zチャンバと同様、Yチャンバは乳化処理について有益である。この場合、比較のためにこの例ではYチャンバが用いられる。表3は、乳剤2について相互作用チャンバ100がより良好な乳化の結果を提供することを示す。表3は、第1回通過及び第2回通過の両方について相互作用チャンバ100がYチャンバ1より優れていることも示している。
【0040】
図19及び
図20は、1回通過(
図19)及び2回通過(
図20)後の表3のチャンバについての粒径分布を示す。
図19及び
図20は、第1回通過後のすべての結果及び第2回通過後の2つの結果について、粒径分布が二峰性であることを示している。第2のピークは、処理された試料中に残る、より大きな粒子を表し、当該粒子は、しばしば乳剤の不安定性の原因となり、後で行う滅菌濾過時にフィルタの詰まりを招く。乳化処理の1つの目標は、大きな粒子の存在を低減/除去することである。
図20に示すように、第2回通過後の相互作用チャンバ1について第2のピークは依然として存在する。相互作用チャンバ100について、第2のピークは大きく低減されたか又は完全に排除されている。逆方向で作動する相互作用チャンバ100もまた、当該処理剤及び処理条件の下でY型チャンバより優れている。
【0041】
【0042】
表3と同様に、表4は、相互作用チャンバ1並びに相互作用チャンバ100(前向き及び逆向き)の両方と、2つの異なるY型の相互作用チャンバと、について、実験時の分布に基づき体積の10%未満(D10)、50%未満(D50)、90%未満(D90)及び95%未満(D95)にある粒子の直径を示す。表4は、乳剤3について、逆方向の構成を用いて相互作用チャンバ100によって製造された乳剤は、相互作用チャンバ1と類似していることを示す。しかしながら、結果として得られた粒径は、前向きの構成において作動する場合においてより小さい。第2回通過後の相互作用チャンバ100についての粒径は、相互作用チャンバ1又はY型チャンバについてのものより約40nm~90nm小さい。
【0043】
図21及び
図22は、本開示により改良されたH型の相互作用チャンバ120の作用部分の他の実施形態を示す。相互作用チャンバ120は、入口孔124を備える入口チャンバ122と、出口孔128を備える出口チャンバ126と、出口チャンバ126に入口チャンバ122を接合させるとともに入口孔124を出口孔128と流体連通するマイクロチャネル130と、を含む。入口チャンバ122及び出口チャンバ126は、好ましくはシリンダである。マイクロチャネル130は、マイクロチャネル130が入口チャンバ122と合う場所にあるマイクロチャネル流入部133と、マイクロチャネル130が出口チャンバ126と合う場所にあるマイクロチャネル排出部135と、を含む。図示されるように、マイクロチャネル130は、入口チャンバ122の下端部132から距離D1であり出口チャンバ126の上端部134から距離D2である位置に位置する。D1及びD2は、同一の又は異なる寸法であることができる。相互作用チャンバ120は、さらに、マイクロチャネル流入部133の上部、下部及び側部における丸みの付いたフィレット136の追加によって、マイクロチャネル流入部133の周りの鋭い縁部が取り除かれている。この設計は、チャネル流入部に面取り又はフィレットを追加することにより、さらにマイクロチャネル流入部のキャビテーション効果を低減又は排除し流れを効率化させる、ことが意図されている。丸みの付いたフィレットは、マイクロチャネル排出部135の1つ以上の側部に追加することもできる。
【0044】
図23及び
図24は、それぞれ計算流体力学シミュレーションを用いた、相互作用チャンバ1及び相互作用チャンバ120のキャビテーションの図を示す。
図23及び
図24は、マイクロチャネル内の蒸気体積率を示す。両方のチャンバは、基本的に同じマイクロチャネル寸法を有するが、相互作用チャンバ120はチャネル流入部でのキャビテーション効果が完全に排除されている。相互作用チャンバ120は、それゆえ、ある材料についてチャネル流入部での材料の目詰まりを低減させることができる。
【0045】
図25及び
図26は、それぞれ計算流体力学シミュレーションを用いた、相互作用チャンバ1及び相互作用チャンバ120についての速度分布図である。
図25及び
図26は、相互作用チャンバ120のマイクロチャネル内で速度がより均等であり、相互作用チャンバ120のチャネル排出速度がより高い、ことを示す。具体的には、相互作用チャンバ120の平均チャネル排出速度は約10%増加している。これは、相互作用チャンバ120を通過する流体がチャネル通過後に散逸する運動エネルギーをより多く持っており、特定の用途に対しより小さい粒子を生産する可能性があることを意味する。キャビテーション効果の排除に関して他に有益なことは、マイクロチャネル流入部の付近のキャビテーションについてのピーク温度の低下である。チャネル内の最大予測温度は、85℃から68℃まで約17℃と大きく低下する。
【0046】
相互作用チャンバ50(IXC-50)は、3つの異なる乳剤を用いて実験室において試験された。
図5~
図7は、相互作用チャンバ1に対する相互作用チャンバ50の乳化の結果を示す。
【0047】
【0048】
【0049】
【0050】
表5は、実験時の相互作用チャンバ1及び相互作用チャンバ50のそれぞれについての平均粒径及び多分散指数(“PDI”)を示す。表6及び表7は、実験時の分布に基づき体積の10%未満(D10)、50%未満(D50)、90%未満(D90)及び95%未満(D95)にある粒子の直径を示す。表5は、相互作用チャンバ1に比べて、乳剤1について相互作用チャンバ50の乳化特性がわずかに良いことを示す。Z平均径は、第1回通過及び第2回通過について約7~10nm小さい。表6は、前向き及び逆向きの両方の構成において作動する場合に、相互作用チャンバ50は乳剤2についてより良好な乳化の結果をもたらすことを示している。D50は、第1回通過及び第2回通過のそれぞれについて、相互作用チャンバ1に比べて約20nm及び30nm小さい。表6は、第1回通過及び第2回通過の両方について相互作用チャンバ50がYチャンバ1より優れていることも示している。表7は、前向きの構成において作動する場合に、相互作用チャンバ50は乳剤3についてより良好な乳化の結果をもたらすことを示している。第2回通過後の相互作用チャンバ50についての粒径は、相互作用チャンバ1又はY型チャンバについてのものより約50nm~100nm小さい。
【0051】
図27及び
図28は、1回通過(
図27)及び2回通過(
図28)後の表6のチャンバについての粒径分布を示す。
図27及び
図28は、第1回通過後のすべての結果及び第2回通過後の2つの結果について、粒径分布が二峰性であることを示している。第2のピークは、処理された試料中に残る、より大きな粒子を表し、当該粒子は、しばしば乳剤の不安定性の原因となる。従って、乳化処理の1つの目標は、大きな粒子の存在を低減/除去することである。
図28に示すように、第2回通過後の相互作用チャンバ1について第2のピークは依然として存在する。相互作用チャンバ50について、前向き及び逆向きの両方の構成において第2のピークは完全に除去されている。逆方向で作動する相互作用チャンバ50もまた、当該処理剤及び処理条件の下でYチャンバ1より優れている。
【0052】
図29~
図31は、本開示により改良されたH型の相互作用チャンバ140の作用部分の他の実施形態を示す。相互作用チャンバ140は、入口孔144を備える入口チャンバ142と、出口孔148を備える出口チャンバ146と、出口チャンバ146に入口チャンバ142を接合させるとともに入口孔144を出口孔148と流体連通するマイクロチャネル150と、を含む。入口チャンバ142及び出口チャンバ146は、好ましくはシリンダである。マイクロチャネル150は、マイクロチャネル150が入口チャンバ142と合う場所にあるマイクロチャネル流入部153と、マイクロチャネル150が出口チャンバ146と合う場所にあるマイクロチャネル排出部155と、を含む。マイクロチャネル40のように、マイクロチャネル150は入口チャンバ142の下端部152から距離D1に位置する。マイクロチャネル150は、出口チャンバ146の上端部154からある距離に形成することもできる。相互作用チャンバ140は、マイクロチャネル150の傾斜状の複数の側壁156をさらに備え、側壁156は入口チャンバ142から出口チャンバ146に向かって収束している。種々の実施形態において、側壁156は入口チャンバ142から出口チャンバ146に向かってコンスタントに収束することができ、又は、側壁156はマイクロチャネル150の長さの一部のみにおいて収束することができる。種々の実施形態において、傾斜は、4つ全てのチャネル表面、1対のチャネル表面(上下若しくは左右のいずれか)、又は、単一のチャネル表面、に追加することができる。種々の実施形態において、側壁156及び/又は上壁及び/又は底壁の傾斜角は、1°と30°との間とすることができる。1又は複数のチャネル表面に傾斜を追加する場合、チャネル排出部における断面積及び寸法は、好ましくは同一に維持される。即ち、既存の相互作用チャンバを修正する場合、マイクロチャネル排出部を同一の断面寸法に維持し、マイクロチャネル流入部で断面積を増加させる。
【0053】
図32~
図34は、本開示により改良されたH型の相互作用チャンバ160の作用部分の他の実施形態を示す。相互作用チャンバ160は、入口孔164を備える入口チャンバ162と、出口孔168を備える出口チャンバ166と、出口チャンバ166に入口チャンバ162を接合させるとともに入口孔164を出口孔168と流体連通するマイクロチャネル170と、を含む。入口チャンバ162及び出口チャンバ166は、好ましくはシリンダである。マイクロチャネル170は、マイクロチャネル170が入口チャンバ162と合う場所にあるマイクロチャネル流入部173と、マイクロチャネル170が出口チャンバ166と合う場所にあるマイクロチャネル排出部175と、を含む。マイクロチャネル40のように、マイクロチャネル170は入口チャンバ162の下端部172から距離D1に位置する。マイクロチャネル170は、出口チャンバ166の上端部174からある距離に形成することもできる。相互作用チャンバ160は、マイクロチャネル170の傾斜状の上壁176及び底壁178をさらに備え、上壁及び底壁は入口チャンバ162から出口チャンバ166に向かって収束している。種々の実施形態において、上壁及び底壁の一方のみが傾斜状であってもよく、又は、マイクロチャネル流入部173における断面積がマイクロチャネル排出部175における断面積と同一となるように、上壁及び底壁の両方が平行に傾斜状となっていてもよい。
【0054】
図35及び
図36は、それぞれ計算流体力学シミュレーションを用いた、相互作用チャンバ160についての蒸気体積率の図及び速度プロファイル図である。示されるように、相互作用チャンバ160は、チャネル流入部のキャビテーション効果を大幅に排除している。相互作用チャンバ160は、それゆえ、ある材料についてこの位置での材料の目詰まりを低減させる。さらに、チャネル壁部に傾斜を追加することによって、マイクロチャネル排出部において最大限の速度が達成される。予測される平均チャネル排出速度は相互作用チャンバ160について約21%増加し、それは、流体が散逸ための運動エネルギーをより多く持ち、より小さな粒径をもたらすことができることを意味する。相互作用チャンバ140及び相互作用チャンバ160が、与えられた寸法のチャネル排出部において最も高い流体エネルギーを提供することが見出された。キャビテーション効果の低減についての他の利点は、マイクロチャネル流入部の付近のキャビテーションについてのピーク温度の低下である。チャネル内の最大予測温度は、84℃から70℃まで約14℃と大きく低下する。
【0055】
別の実施形態では、相互作用チャンバ30、相互作用チャンバ50、相互作用チャンバ70、相互作用チャンバ100、相互作用チャンバ120、相互作用チャンバ140及び相互作用チャンバ160の任意の特徴を組み合わせることができる。例えば、マイクロチャネルは、収束する壁部、テーパ状フィレット、及び、マイクロチャネルと入口チャンバの底壁との間の距離D1、のうち1つ以上を備えて製造されることができる。入口チャンバ及び出口チャンバは、各実施形態と逆であってもよく、図示された入口チャンバは出口チャンバとなり、図示された出口チャンバは入口チャンバとなる。さらに、同様の概念を、複数スロットのH型相互作用チャンバ及びY型相互作用チャンバ等、他の種類の相互作用チャンバに用いることができる。他の実施形態では、マイクロチャネルは、種々の形状、例えば、長方形、正方形、台形、三角形又は円形、を有することができる。マイクロチャネルは、入口チャンバと出口チャンバとについて傾斜(下り又は上り)させることができ、及び/又は、マイクロチャネル流入部はマイクロチャネル排出部の上方若しくは下方のある距離に位置することができ、それは、マイクロチャネル流入部における90°の曲がりの排除とマイクロチャネル排出部からの排出とを助ける。
【0056】
図37及び
図38は、複数スロットの相互作用チャンバ200の作用部分の実施形態を示す。相互作用チャンバ200は、入口孔204を備える入口チャンバ202と、出口孔208を備える出口チャンバ206と、入口プレナム210と、出口プレナム212と、出口プレナム212に入口プレナム210を連結させる複数のマイクロチャネル214と、を含む。入口チャンバ202及び出口チャンバ206は、好ましくはシリンダである。各マイクロチャネル214は、マイクロチャネル214が入口プレナム210と合う場所にあるマイクロチャネル流入部216と、マイクロチャネル214が出口プレナム212と合う場所にあるマイクロチャネル排出部217と、を含む。使用中、流入する流体は、入口孔204に入り、入口チャンバ202及び入口プレナム210を通過し、その後、マイクロチャネル流入部216において複数のマイクロチャネル214に入る。流体は、その後、マイクロチャネル排出部217から複数のマイクロチャネル214を出て、出口プレナム212に入り、出口チャンバ206を通過し、出口孔208を通って排出される。
【0057】
図39及び
図40は、本開示により改良された複数スロットの相互作用チャンバ220の作用部分の実施形態を示す。相互作用チャンバ220は、入口孔224を備える入口チャンバ222と、出口孔228を備える出口チャンバ226と、入口プレナム230と、出口プレナム232と、出口プレナム232に入口プレナム230を連結させる複数のマイクロチャネル234と、を含む。入口チャンバ222及び出口チャンバ226は、好ましくはシリンダである。各マイクロチャネル234は、マイクロチャネル234が入口プレナム230と合う場所にあるマイクロチャネル流入部236と、マイクロチャネル234が出口プレナム232と合う場所にあるマイクロチャネル排出部237と、を含む。
【0058】
図39及び
図40に示すように、入口プレナム230の幅Wは入口チャンバ226の直径より小さくなるように狭くされており、入口プレナム230の高さHは、入口プレナム230の高さHが入口チャンバ226の直径の中まで延び、又は、入口チャンバ226の直径に割り込むように、高くされている。即ち、入口チャンバ226と入口プレナム230とは共通の下端部238を共有し、入口チャンバ226のテーパ状の直径の一部は、下端部238の端まで又は下端部238寸前まで下がるように延びている。マイクロチャネル234は、入口チャンバ226及び入口プレナム230の下端部238から距離D1に位置する。マイクロチャネル234は入口プレナム230から延びるが、マイクロチャネル234の当該位置により、入口プレナム230に割り込む入口チャンバ222の丸みが付けられた部分と同じ高さにマイクロチャネル流入部236が配置される。
【0059】
図39及び
図40に示された設計は、入口チャンバ222を通って流れる流体が入口チャンバ222の下端部238に到達する前に入口プレナム230へ入ることができるようにする。この設計は、プレナム230内の望ましくない流れの再循環領域、及び、複数のマイクロチャネル234間の不十分な流れの分配を回避することが見出された。示された実施形態では、入口プレナム230の幅は、入口チャンバ226の直径の約半分まで狭くされている。別の実施形態では、入口プレナム230の幅は0.001~1インチの範囲内とすることができ、入口プレナム230の高さは0.001~1インチの範囲内とすることができる。
図39及び
図40に示されていないが、出口プレナム130の幅が出口チャンバ126の直径より狭くされ、出口プレナム132の高さが高くされるように、出口プレナム132を同様に構成することができる。複数のマイクロチャネルは、同一又は異なる断面積及び寸法を有することができる。
【0060】
図41及び
図42は、それぞれ計算流体力学シミュレーションを用いた、相互作用チャンバ200及び相互作用チャンバ220についての速度プロファイルを示す。
図41に示すように、相互作用チャンバ200の速度プロファイルは、チャネル間で均等に分布していない。この不均等は、マイクロチャネル間で処理された材料のばらつきと特定の材料の目詰まりとをもたらす可能性がある。相互作用チャンバ220は、
図42の全てのチャネルに亘り、均等な速度プロファイルによってマイクロチャネル間の流れの特性のばらつきを低減させる。これにより、特定の材料を処理する場合の目詰まりの発生が少なくなる。さらに、相互作用チャンバ220のチャネル内の最大予測温度は、84℃から69℃まで約15℃と大きく低下する。
【0061】
図43は、Y型の相互作用チャンバ250の作用部分の実施形態を示す。相互作用チャンバ250は、入口孔254を備える2つの入口チャンバ252と、出口孔258を備える2つの出口チャンバ256と、2つの出口チャンバ256に連結された出口プレナム260と、出口プレナム260に2つの入口チャンバ252を連結させる複数のマイクロチャネル262と、を含む。入口チャンバ252及び出口チャンバ256は、好ましくはシリンダである。使用中、流入する流体は、入口孔254に入り、2つの入口チャンバ252を通過し、その後、マイクロチャネル262に入る。流体は、その後、マイクロチャネル262を出て、出口プレナム260に入り、2つの出口チャンバ256を通過し、出口孔258を通って排出される。マイクロチャネルの出口はまた、面取りを有することで、発散ジェット又は収束ジェットを形成してもよい。
【0062】
図43の相互作用チャンバ250は、2つの入口及び2つの出口によって形成されるY形状のため、本明細書では概してY型の相互作用チャンバと呼ぶ。相互作用チャンバ250等のY型の相互作用チャンバは、対向するマイクロチャネルからの2つのジェット流を用いて、出口プレナムで2つの流体を作用させる。即ち、2つのジェット流は、出口プレナム内で互いに衝突する。
【0063】
図44は、本開示により改良されたH作用ジェット(HIJ型)の相互作用チャンバ300の作用部分の実施形態を示す。相互作用チャンバ300は、入口孔304を備える2つの入口チャンバ302と、出口孔308を備える2つの出口チャンバ306と、2つの出口チャンバ306に連結された出口プレナム310と、出口プレナム310に2つの入口チャンバ302を連結させる複数のマイクロチャネル312と、を含む。入口チャンバ302及び出口チャンバ306は、好ましくはシリンダである。図示されるように、マイクロチャネル312は、入口チャンバ302の下端部314から距離D1に位置する。一実施形態では、D1は、0.001~1インチ、好ましくは0.01~0.03インチ、の範囲内とすることができる。流れがマイクロチャネル312に入ってキャビテーションのレベルを低下させるときに、マイクロチャネル312と入口チャンバ302の下端部314との間に距離D1を設けることで、流れが効率化することが見出された。
【0064】
図44の相互作用チャンバ300は、H形状、及び、出口プレナム内で作用ジェットを形成する少なくとも2つのマイクロチャネルの使用により、本明細書では概してHIJ型の相互作用チャンバと呼ぶ。Y型チャンバとHIJ型チャンバとの違いは、マイクロチャネル流入部から入口チャンバの下端部までの距離である。Y型チャンバのように、相互作用チャンバ300等のHIJ型チャンバは、出口プレナム内の2つの対向するジェットの作用による粒径の低減において有益である。
【0065】
表8は、上記のYチャンバ1及びYチャンバ2と比較した、相互作用チャンバ300についての乳化の結果を示す。
【0066】
【0067】
計算流体力学(“CFD”)は、相互作用チャンバ300についての平均チャネル排出速度が約4%増加することを予測し、それは、流体がその後のジェット作用のためのより多くの運動エネルギーを持つことを意味する。2つの液体ジェットの衝突により得られるエネルギー散逸がより高くなる場合、より小さい液滴が形成され安定を維持することができる。表8は、相互作用チャンバ300が乳剤2についてより良好な乳化の結果をもたらすことを示している。全ての通過について、特にD90及びD95値について例えば第2回通過では16nm~70nm、粒径が小さくなっている。さらに、しばしば乳化の不安定をもたらす大粒子の存在を示す第2ピークの体積率は、第2回通過について、Yチャンバ1に比べて約88%低く(0.21%対1.82%)、Yチャンバ2に比べて約90%低い(0.21%対2.05%)。
図45は、相互作用チャンバ300における第2回通過後の乳剤2について、粒径分布及び第2ピークの領域を図示する。
【0068】
図46は、本開示により改良されたHIJ型の相互作用チャンバ320の作用部分の実施形態を示す。H作用型のジェットチャンバ320は、入口孔324を備える2つの入口チャンバ322と、出口孔328を備える2つの出口チャンバ326と、2つの出口チャンバ326に連結された出口プレナム330と、出口プレナム330に2つの入口チャンバ322を連結させる複数のマイクロチャネル332と、を含む。入口チャンバ322及び出口チャンバ326は、好ましくはシリンダである。マイクロチャネル332は、入口チャンバ302の下端部314から距離D1に位置する。相互作用チャンバ320は、さらに、マイクロチャネル332の長さを短くする。一実施形態では、マイクロチャネルの長さは約45%短くなり、予測される平均チャネル排出速度は約9%増加する。これは、2つの作用ジェットに散逸のためのより大きなエネルギーを持たせ、より小さい安定粒子を形成させる。
【0069】
図47は、本開示により改良されたHIJ型の相互作用チャンバ340の作用部分の実施形態を示す。H作用型のジェットチャンバ340は、入口孔344を備える2つの入口チャンバ342と、出口孔348を備える2つの出口チャンバ346と、2つの出口チャンバ346に連結された出口プレナム350と、出口プレナム350に2つの入口チャンバ342を連結させる複数のマイクロチャネル352と、を含む。入口チャンバ342及び出口チャンバ346は、好ましくはシリンダである。マイクロチャネル352は、入口チャンバ352の下端部344から距離D1に位置する。相互作用チャンバ340は、さらに、マイクロチャネル流入部の上壁、下壁及び側壁におけるテーパ状フィレット354の追加によって、マイクロチャネル352の流入部の周りの鋭い縁部が取り除かれている。一実施形態では、テーパ状フィレット354は、0.001~1インチの範囲内とすることができる。さらに、フィレット354の上側部分356は、2つの入口チャンバ342の外周部の全周に延びている。相互作用チャンバ340が、効率化した流れのパターンを提供し、キャビテーションを完全に取り除くことが見出された。この実施形態では、予測される平均チャネル排出速度は相互作用チャンバ250に比べて約11%増加しており、それは、2つの作用ジェットが散逸のためのエネルギーをより多く持ち、より小さい安定粒子を形成することを可能にする。
【0070】
図48は、本開示により改良されたHIJ型の相互作用チャンバ360の作用部分の実施形態を示す。H作用型のジェットチャンバ360は、入口孔364を備える2つの入口チャンバ362と、出口孔368を備える2つの出口チャンバ366と、2つの出口チャンバ366に連結された出口プレナム370と、出口プレナム370に2つの入口チャンバ362を連結させる複数のマイクロチャネル372と、を含む。入口チャンバ362及び出口チャンバ366は、好ましくはシリンダである。マイクロチャネル372は、入口チャンバ362の下端部374から距離D1に位置する。相互作用チャンバ360は、マイクロチャネル372の傾斜状の複数の側壁376をさらに備え、側壁は入口チャンバ362から出口プレナム370に向かって収束している。マイクロチャネル372の上壁及び側壁は、同様に、入口チャンバ362から出口プレナム370に向かって収束する傾斜状とすることができる。種々の実施形態において、側壁376、底壁及び/又は上壁は、入口チャンバ362から出口プレナム370に向かってコンスタントに収束することができ、又は、マイクロチャネル372の長さの一部のみにおいて収束することができる。一実施形態では、側壁376、底壁及び/又は上壁の傾斜角は、1°と30°との間とすることができる。相互作用チャンバ360が、与えられた寸法のチャネル排出部において最も高い流体エネルギーを提供することが見出された。
【0071】
別の実施形態では、上述の相互作用チャンバの任意の特徴を組み合わせることができる。さらに、上記の全ての実施形態を、本明細書に記載された相互作用チャンバの上流又は下流に位置する副処理モジュール(APM)を備えて使用することができる。APMは、上流又は下流に配置された場合に相互作用チャンバ全域で圧力降下を約5%~30%減少させることができる、単一スロット又は多数スロットの、特大のZ型のH型チャンバである。一実施形態では、APMが相互作用チャンバの上流又は下流のいずれかに位置するように、APMを本明細書に記載された相互作用チャンバと直列に配置することができる。
【0072】
本明細書に記載された好適な実施形態に対する様々な変更及び修正が、当業者には明らかであることが理解されるべきである。そのような変更及び修正は、本発明の主題の精神及び範囲から逸脱することなく、また、意図される利点を損なうことなく、行うことができる。それゆえ、そのような変更及び修正が添付の特許請求の範囲によってカバーされることが意図される。
【0073】
本開示の追加的な観点
【0074】
本明細書に記載された発明の主題は、単独で、又は、本明細書に記載された他の任意の1つ以上の観点との組み合わせで、有用となり得る。前述の説明を制限することなく、本開示の第1の観点において、相互作用チャンバは、好ましくは高せん断処理装置又は高圧ホモジナイザである、流体処理装置用又は流体ホモジナイザ用の相互作用チャンバであって、入口(inlet)孔及び下端部を有し好ましくは入口シリンダである入口チャンバと、出口(outlet)孔及び上端部を有し好ましくは出口シリンダである出口チャンバと、前記入口孔を前記出口孔と流体連通するマイクロチャネルであって、前記入口チャンバから前記マイクロチャネルへの流入部(entrance)は前記入口チャンバの前記下端部からある距離だけオフセットされている、マイクロチャネルと、(i)マイクロチャネル流入部において前記マイクロチャネルの少なくとも1つの側壁に位置する少なくとも1つのテーパ状フィレット、(ii)前記入口チャンバから前記出口チャンバに向かって内側に収束する前記マイクロチャネルの少なくとも1つの側壁、(iii)前記入口チャンバから前記出口チャンバに向かって角度が付けられた前記マイクロチャネルの少なくとも1つの上壁及び底壁、及び、(iv)前記入口チャンバの径の周りに延びる上部フィレット、の内の少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ又は4つ全てと、を備える。
【0075】
本明細書に列挙されたいずれかの他の観点又は観点の組合せと組み合わせて用いられ得る、本開示の第2の観点によれば、前記相互作用チャンバは、H型相互作用チャンバ、Y型相互作用チャンバ、Z型相互作用チャンバ及びHIJ型相互作用チャンバの内の少なくとも1つである。
【0076】
本明細書に列挙されたいずれかの他の観点又は観点の組合せと組み合わせて用いられ得る、本開示の第3の観点によれば、前記マイクロチャネルから前記出口チャンバまでの排出部(exit)は、(i)前記出口チャンバの前記上端部からある距離だけオフセットされている、及び、(ii)少なくとも1つの第2のテーパ状フィレットを含む、の内の少なくとも1つ又はその両方である。
【0077】
本明細書に列挙されたいずれかの他の観点又は観点の組合せと組み合わせて用いられ得る、本開示の第4の観点によれば、前記マイクロチャネル流入部と前記入口チャンバの前記下端部との間の前記距離は、0.001~1インチ、好ましくは0.01~0.03インチ、の範囲内である。
【0078】
本明細書に列挙されたいずれかの他の観点又は観点の組合せと組み合わせて用いられ得る、本開示の第5の観点によれば、前記少なくとも1つのテーパ状フィレットは、(i)丸みが付けられたフィレットである、及び、(ii)前記マイクロチャネル流入部において前記マイクロチャネルの複数の側部に位置する、の内の少なくとも1つ又はその両方である。
【0079】
本明細書に列挙されたいずれかの他の観点又は観点の組合せと組み合わせて用いられ得る、本開示の第6の観点によれば、(i)両方の側壁が前記入口チャンバから前記出口チャンバに向かって収束する、及び、(ii)前記上壁及び前記底壁の両方が前記入口チャンバから前記出口チャンバに向かって収束する、の内の少なくとも1つ又はその両方である。
【0080】
本明細書に列挙されたいずれかの他の観点又は観点の組合せと組み合わせて用いられ得る、本開示の第7の観点によれば、相互作用チャンバは、好ましくは高せん断処理装置又は高圧ホモジナイザである、流体処理装置用又は流体ホモジナイザ用の複数スロットの相互作用チャンバであって、入口孔及び下端部を有し好ましくは入口シリンダである入口チャンバと、前記入口孔と流体連通する入口プレナムと、出口孔及び上端部を有し好ましくは出口シリンダである出口チャンバと、前記出口孔と流体連通する出口プレナムと、前記入口プレナムを前記出口プレナムに連結することによって前記入口孔と前記出口孔とを流体的に連結する複数のマイクロチャネルであって、前記複数のマイクロチャネルのそれぞれは、前記入口チャンバの前記下端部からある距離だけオフセットされている、マイクロチャネル流入部を含む、複数のマイクロチャネルと、を備え、(i)前記入口プレナムの幅が前記入口チャンバの直径より小さい、及び、(ii)前記入口プレナムの高さが前記入口チャンバの直径に割り込んでいる、の内の少なくとも1つ又はその両方である。
【0081】
本明細書に列挙されたいずれかの他の観点又は観点の組合せと組み合わせて用いられ得る、本開示の第8の観点によれば、前記相互作用チャンバは、H型相互作用チャンバ、Y型相互作用チャンバ、Z型相互作用チャンバ及びHIJ型相互作用チャンバの内の少なくとも1つである。
【0082】
本明細書に列挙されたいずれかの他の観点又は観点の組合せと組み合わせて用いられ得る、本開示の第9の観点によれば、(i)前記出口プレナムの幅が前記出口チャンバの直径より小さく、前記出口プレナムの高さが前記出口チャンバに割り込んでいる、(ii)少なくとも1つのマイクロチャネルが前記出口チャンバの前記上端部からある距離だけオフセットされている、及び、(iii)前記入口プレナムが前記入口チャンバと前記下端部を共有している、の内の少なくとも1つ又はその両方である。
【0083】
本明細書に列挙されたいずれかの他の観点又は観点の組合せと組み合わせて用いられ得る、本開示の第10の観点によれば、前記相互作用チャンバは、前記マイクロチャネル流入部の1つに位置する少なくとも1つのテーパ状フィレットを含む。
【0084】
本明細書に列挙されたいずれかの他の観点又は観点の組合せと組み合わせて用いられ得る、本開示の第11の観点によれば、前記少なくとも1つのテーパ状フィレットは、前記マイクロチャネル流入部において前記マイクロチャネルの複数の側部に位置する。
【0085】
本明細書に列挙されたいずれかの他の観点又は観点の組合せと組み合わせて用いられ得る、本開示の第12の観点によれば、相互作用チャンバは、好ましくは高せん断処理装置又は高圧ホモジナイザである、流体処理装置用又は流体ホモジナイザ用の相互作用チャンバであって、入口孔及び下端部を有し好ましくは入口シリンダである入口チャンバと、出口孔及び上端部を有し好ましくは出口シリンダである出口チャンバと、前記入口孔を前記出口孔と流体連通するマイクロチャネルと、流体が前記入口チャンバから前記マイクロチャネルに入るときのキャビテーションを低減させる手段と、を備える。
【0086】
本明細書に列挙されたいずれかの他の観点又は観点の組合せと組み合わせて用いられ得る、本開示の第13の観点によれば、前記相互作用チャンバは、流体が前記出口チャンバに向かって前記マイクロチャネルから排出されるときのキャビテーションを低減させる手段を含む。
【0087】
本明細書に列挙されたいずれかの他の観点又は観点の組合せと組み合わせて用いられ得る、本開示の第14の観点によれば、流体が前記入口チャンバから前記マイクロチャネルに入るときのキャビテーションを低減させる前記手段は、(i)テーパ状フィレット、(ii)前記下端部と前記入口孔との間のオフセット距離、(iii)前記入口チャンバから前記出口チャンバに向かって収束するマイクロチャネル壁部、及び、(iv)前記入口チャンバの径の周りに延びるフィレット、の内の少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ又は4つ全てを含む。
【0088】
本明細書に列挙されたいずれかの他の観点又は観点の組合せと組み合わせて用いられ得る、本開示の第15の観点によれば、流体が前記出口チャンバに向かって前記マイクロチャネルから排出されるときのキャビテーションを低減させる前記手段は、(i)テーパ状フィレット、(ii)前記上端部と前記出口孔との間のオフセット距離、(iii)前記入口チャンバから前記出口チャンバに向かって収束するマイクロチャネル壁部、及び、(iv)前記出口チャンバの径の周りに延びるフィレット、の内の少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ又は4つ全てを含む。
【0089】
本明細書に列挙されたいずれかの他の観点又は観点の組合せと組み合わせて用いられ得る、本開示の第16の観点によれば、相互作用チャンバは、好ましくは高せん断処理装置又は高圧ホモジナイザである、流体処理装置用又は流体ホモジナイザ用の相互作用チャンバであって、好ましくは流入(entry)シリンダである流入チャンバと、好ましくは出口シリンダである出口チャンバと、入口及び出口を有し前記流入チャンバ及び前記出口チャンバと流体連通するマイクロチャネルと、を備え、前記流入チャンバは、前記流入チャンバの上部に又はその付近に入口孔を有し、前記流入チャンバの底部の上方の位置でマイクロチャネル入口を受ける。
【0090】
本明細書に列挙されたいずれかの他の観点又は観点の組合せと組み合わせて用いられ得る、本開示の第17の観点によれば、前記マイクロチャネルは、前記入口が前記出口とは異なる高さとなるように位置する。
【0091】
本明細書に列挙されたいずれかの他の観点又は観点の組合せと組み合わせて用いられ得る、本開示の第18の観点によれば、前記入口は、前記出口より高い位置にある。
【0092】
本明細書に列挙されたいずれかの他の観点又は観点の組合せと組み合わせて用いられ得る、本開示の第19の観点によれば、前記マイクロチャネルは、テーパ状、傾斜状又はその両方である。
【0093】
本明細書に列挙されたいずれかの他の観点又は観点の組合せと組み合わせて用いられ得る、本開示の第20の観点によれば、前記マイクロチャネルの前記出口は、前記出口チャンバの上部の位置又は前記出口チャンバの上部の下方の位置において、前記出口チャンバと接合する。
【0094】
本明細書に列挙されたいずれかの他の観点又は観点の組合せと組み合わせて用いられ得る、本開示の第21の観点によれば、マイクロチャネル出口は、前記出口チャンバの前記上部の下方に位置する。
【0095】
本明細書に列挙されたいずれかの他の観点又は観点の組合せと組み合わせて用いられ得る、本開示の第22の観点によれば、前記マイクロチャネル入口は入口チャンバの底部の上方に配置され、マイクロチャネル出口は前記出口チャンバの上部の下方に配置される。
【0096】
本明細書に列挙されたいずれかの他の観点又は観点の組合せと組み合わせて用いられ得る、本開示の第23の観点によれば、前記マイクロチャネルは、複数のマイクロチャネルを含む。
【0097】
本明細書に列挙されたいずれかの他の観点又は観点の組合せと組み合わせて用いられ得る、本開示の第24の観点によれば、複数のマイクロチャネルは、前記流入チャンバと前記複数のマイクロチャネルへの前記入口との間に配置される、第1の中間プレナム又はリザーバと接続する。
【0098】
本明細書に列挙されたいずれかの他の観点又は観点の組合せと組み合わせて用いられ得る、本開示の第25の観点によれば、前記プレナムは、前記マイクロチャネル入口の下方に延びている。
【0099】
本明細書に列挙されたいずれかの他の観点又は観点の組合せと組み合わせて用いられ得る、本開示の第26の観点によれば、前記相互作用チャンバは、前記マイクロチャネルからの前記出口と前記出口チャンバとの間に配置される第2の中間プレナムを含む。
【0100】
本明細書に列挙されたいずれかの他の観点又は観点の組合せと組み合わせて用いられ得る、本開示の第27の観点によれば、前記相互作用チャンバは、H型相互作用チャンバ、Y型相互作用チャンバ、Z型相互作用チャンバ及びZ型相互作用チャンバの内の少なくとも1つである。
【0101】
本明細書に列挙されたいずれかの他の観点又は観点の組合せと組み合わせて用いられ得る、本開示の第28の観点によれば、少なくとも1つのマイクロチャネルは、長方形、正方形、台形、三角形又は円形の断面形状を有する。
【0102】
本明細書に列挙されたいずれかの他の観点又は観点の組合せと組み合わせて用いられ得る、本開示の第29の観点によれば、流体処理システムは、本明細書に記載の相互作用チャンバの上流又は下流に位置する副処理モジュール(APM)を含む。
【0103】
本明細書に列挙されたいずれかの他の観点又は観点の組合せと組み合わせて用いられ得る、本開示の第30の観点によれば、前記流体処理システムは、複数の相互作用チャンバを含み、前記複数の相互作用チャンバの内の少なくとも1つは、本明細書に記載の相互作用チャンバである。
【0104】
本明細書に列挙されたいずれかの他の観点又は観点の組合せと組み合わせて用いられ得る、本開示の第31の観点によれば、前記流体処理システムは、直列又は並列に位置する複数の相互作用チャンバを含む。
【0105】
本明細書に列挙されたいずれかの他の観点又は観点の組合せと組み合わせて用いられ得る、本開示の第32の観点によれば、前記流体処理システムは、本明細書に記載の少なくとも1つの相互作用チャンバの上流に位置するAPM、及び/又は、本明細書に記載の少なくとも1つの相互作用チャンバの下流に位置するAPMを含む。
【0106】
本明細書に列挙されたいずれかの他の観点又は観点の組合せと組み合わせて用いられ得る、本開示の第33の観点によれば、乳剤の製造方法は、本明細書に記載の相互作用チャンバに流体を通過させること、を備える。
【0107】
本明細書に列挙されたいずれかの他の観点又は観点の組合せと組み合わせて用いられ得る、本開示の第34の観点によれば、小径粒子の製造方法は、本明細書に記載の相互作用チャンバに粒子の流れを通過させること、を備える。
【0108】
本明細書に列挙されたいずれかの他の観点又は観点の組合せと組み合わせて用いられ得る、本開示の第35の観点によれば、流体処理システムは、本明細書に記載の相互作用チャンバを含み、前記相互作用チャンバの前記マイクロチャネル内で流体を0kpsi超40kpsi未満で流れさせる。
【0109】
本明細書に列挙されたいずれかの他の観点又は観点の組合せと組み合わせて用いられ得る、本開示の第36の観点によれば、相互作用チャンバは、好ましくは高せん断処理装置又は高圧ホモジナイザである、流体処理装置用又は流体ホモジナイザ用の相互作用チャンバであって、入口孔及び下端部を有し好ましくは入口シリンダである入口チャンバと、出口孔及び上端部を有し好ましくは出口シリンダである出口チャンバと、前記入口孔を前記出口孔と流体連通するマイクロチャネルであって、前記マイクロチャネルから前記出口チャンバへの排出部は前記出口チャンバの前記上端部からある距離だけオフセットされている、マイクロチャネルと、(i)マイクロチャネル排出部において前記マイクロチャネルの少なくとも1つの側壁に位置する少なくとも1つのテーパ状フィレット、(ii)前記入口チャンバから前記出口チャンバに向かって内側に収束する前記マイクロチャネルの少なくとも1つの側壁、(iii)前記入口チャンバから前記出口チャンバに向かって角度が付けられた、前記マイクロチャネルの少なくとも1つの上壁及び底壁、及び(iv)前記入口チャンバの径の周りに延びる上部フィレット、の内の少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ又は4つ全てと、を備える。
【0110】
本明細書に列挙されたいずれかの他の観点又は観点の組合せと組み合わせて用いられ得る、本開示の第37の観点によれば、前記相互作用チャンバは、H型相互作用チャンバ、Y型相互作用チャンバ、Z型相互作用チャンバ、Z型相互作用チャンバ及びHIJ型相互作用チャンバの内の少なくとも1つである。
【0111】
本明細書に列挙されたいずれかの他の観点又は観点の組合せと組み合わせて用いられ得る、本開示の第38の観点によれば、前記少なくとも1つのテーパ状フィレットは、(i)丸みが付けられたフィレットである、及び、(ii)マイクロチャネル流入部において前記マイクロチャネルの複数の側部に位置する、の内の少なくとも1つ又はその両方である。
【0112】
本出願は、2014年5月30日に出願された米国仮特許出願第62/005,783号の優先権を主張し、上記出願内容の全体が本出願に取り込まれる。