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特許7346520通信の促進方法、プラント無線アクセスポイント、及び非一時的有形コンピュータ可読媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-08
(45)【発行日】2023-09-19
(54)【発明の名称】通信の促進方法、プラント無線アクセスポイント、及び非一時的有形コンピュータ可読媒体
(51)【国際特許分類】
   H04Q 9/00 20060101AFI20230911BHJP
   H04M 11/00 20060101ALI20230911BHJP
   G05B 23/02 20060101ALI20230911BHJP
【FI】
H04Q9/00 301Z
H04M11/00 301
G05B23/02 T
【請求項の数】 22
(21)【出願番号】P 2021181331
(22)【出願日】2021-11-05
(62)【分割の表示】P 2015196400の分割
【原出願日】2015-10-02
(65)【公開番号】P2022028747
(43)【公開日】2022-02-16
【審査請求日】2021-12-06
(31)【優先権主張番号】14/504,711
(32)【優先日】2014-10-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】512132022
【氏名又は名称】フィッシャー-ローズマウント システムズ,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳
(72)【発明者】
【氏名】ステファン アームストロング
(72)【発明者】
【氏名】ダンカン シュレイス
【審査官】谷岡 佳彦
(56)【参考文献】
【文献】特表2012-516649(JP,A)
【文献】特開2011-223576(JP,A)
【文献】国際公開第2014/094982(WO,A1)
【文献】特表2014-514635(JP,A)
【文献】特開2011-103520(JP,A)
【文献】特開2014-170552(JP,A)
【文献】国際公開第2013/012475(WO,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04Q 9/00
H04M 11/00
G05B 23/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラント無線アクセスポイント(PWAP)における、プロセスプラント内のプラントデバイスとフィールドコミュニケータとの間の通信の促進方法であって、
プラントネットワークの無線ゲートウェイに連結された前記プラント無線アクセスポイント(PWAP)の一つ以上のプロセッサによって、標準無線通信プロトコルに準拠した通信信号のデータパケットであって、フィールドコミュニケータから通信信号の前記データパケットの一部として受信したデータを、前記プラントデバイスをプロビジョニングするための認証手順を規定する無線工業オートメーションプロトコルに準拠した通信信号内のデータ信号にエンコードすることによって、プラントデバイス用のエンコードされたデータをもたらすことと、
前記プラント無線アクセスポイント(PWAP)の一つ以上のプロセッサによって、プラントデバイスから受信した前記無線工業オートメーションプロトコルに準拠したデータ信号を、前記標準無線通信プロトコルに準拠した通信信号のデータパケットを生成するようにエンコードすることによって、フィールドコミュニケータ用のエンコードされたデータをもたらすことと、
前記プラント無線アクセスポイント(PWAP)の一つ以上のプロセッサによって、前記プラントデバイス用のエンコードされたデータ及び前記フィールドコミュニケータ用のエンコードされたデータを、それぞれ、前記プラントデバイス及び前記フィールドコミュニケータに送信することによって、前記プラントデバイスと前記フィールドコミュニケータとの間の通信を促進することと、
前記一つ以上のプロセッサによって、第二のプラントデバイスのためのプロビジョニング命令および認証情報を含む前記標準無線通信プロトコルに従い前記フィールドコミュニケータからデータを受信することと、
前記一つ以上のプロセッサによって、前記標準無線通信プロトコルに従い前記フィールドコミュニケータと通信することにより、前記第二のプラントデバイスを前記PWAP及び前記第二のプラントデバイスを含む無線ネットワーク内にプロビジョニングすることと、
を含み、
前記PWAP及び前記第二のプラントデバイスが、前記無線工業オートメーションプロトコルに従い前記無線ネットワークを通じて通信するように設定され、
前記プラントデバイスおよび前記第二のプラントデバイスは、前記無線工業オートメーションプロトコルにより規定される前記認証手順を使用し、
前記標準無線通信プロトコルと前記無線工業オートメーションプロトコルとが異なるプロトコルである、通信の促進方法。
【請求項2】
一つ以上のプロセッサによって、(i)前記フィールドコミュニケータと(ii)前記第二のプラントデバイスとの間の通信を促進することをさらに含む、請求項に記載の通信の促進方法。
【請求項3】
一つ以上のプロセッサによって、(i)前記フィールドコミュニケータと(ii)プラントオートメーションネットワークとの間の通信を促進することをさらに含む、請求項1又は請求項2に記載の通信の促進方法。
【請求項4】
前記無線工業オートメーションプロトコルが、
ハイウェイアドレス可能遠隔トランスデューサ(HART)プロトコルを含み、
前記標準無線通信プロトコルが、
無線パーソナルエリアネットワーク(PAN)プロトコル、及び
無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)プロトコルの一つ以上を含む、請求項1~請求項の何れか1項に記載の通信の促進方法。
【請求項5】
前記プラント無線アクセスポイント(PWAP)の一つ以上のプロセッサによって、前記プラントデバイス用のエンコードされたデータ及び前記フィールドコミュニケータ用のエンコードされたデータを、それぞれ、前記プラントデバイス及び前記フィールドコミュニケータに送信することが、
前記プラントデバイスを較正することと、
前記プラントデバイスを設定することと、
前記プラントデバイスにおいて診断を実行することと、
前記プラントデバイスに対応するソフトウェアをアップデートすることと、
前記プラントデバイスに対応するファームウェアをアップデートすることとの一つ以上を実行するために、前記プラントデバイス用のエンコードされたデータと前記フィールドコミュニケータ用のエンコードされたデータとを、前記プラントデバイスと前記フィールドコミュニケータとの間で交換することを含む、請求項1に記載の通信の促進方法。
【請求項6】
前記プラントデバイスが、プロセス制御動作を実行するようにプラントオートメーションネットワークによって制御される制御ループの一部であり、前記フィールドコミュニケータと前記プラントオートメーションネットワークとの間の通信を促進することが、
前記フィールドコミュニケータが、ループ点検を実行するためプロセス制御装置と通信することを含む、請求項に記載の通信の促進方法。
【請求項7】
一つ以上のプロセッサによって、前記PWAPと相対的な前記フィールドコミュニケータの位置を決定することをさらに含む、請求項1~請求項の何れか1項に記載の通信の促進方法。
【請求項8】
前記プラント無線アクセスポイント(PWAP)の一つ以上のプロセッサによって、前記プラントデバイス用のエンコードされたデータ及び前記フィールドコミュニケータ用のエンコードされたデータを、それぞれ、前記プラントデバイス及び前記フィールドコミュニケータに送信することが、
前記プラントデバイス用のエンコードされたデータ及び前記フィールドコミュニケータ用のエンコードされたデータを、無線ゲートウェイを介して送信する、
請求項1~請求項の何れか1項に記載の通信の促進方法。
【請求項9】
前記第二のプラントデバイスを前記無線ネットワーク内にプロビジョニングすることが、前記フィールドコミュニケータ、前記PWAP及び前記第二のプラントデバイスの間の無線通信のみを通じて実行される、
請求項1~8の何れか1項に記載の通信の促進方法。
【請求項10】
前記一つ以上のプロセッサによって、前記プロセスプラントに関連する1以上のコンポーネントと無線通信することによってインターネットに接続することにより、前記フィールドコミュニケータによる前記PWAPを通じての前記インターネットからのデータのダウンロードを促進し、
前記プロセスプラントに関連する前記1以上のコンポーネントは、前記フィールドコミュニケータ、前記プラントデバイス及び前記第二のプラントデバイスとは異なり、
前記インターネットからダウンロードされたデータは、前記プラントデバイス及び前記第二のプラントデバイスの設定及び動作に関するドキュメンテーション、ビデオ又はヘルプ目次を含む、
請求項1~請求項9の何れか1項に記載の通信の促進方法。
【請求項11】
プロセスプラントに関連するプラント無線アクセスポイント(PWAP)であって、
データを含むデータパケットを含み、それぞれが標準無線通信プロトコルに準拠した通信信号を含む第一及び第二のデータをフィールドコミュニケータから受信するように設定された第一のネットワークインターフェースと、
プラントデバイス及び第二のプラントデバイスをプロビジョニングするための認証手順を規定する無線工業オートメーションプロトコルに準拠したデータ信号を、前記プラントデバイス及び前記第二のプラントデバイスから受信するように設定された第二のネットワークインターフェースと、
前記フィールドコミュニケータから受信した前記第一及び前記第二のデータを前記無線工業オートメーションプロトコルに準拠したデータ信号にそれぞれエンコードして、前記プラントデバイス及び前記第二のプラントデバイス用のエンコードされたそれぞれのデータをもたらし、かつ
前記プラントデバイスから受信した前記データ信号を前記標準無線通信プロトコルに準拠した通信信号のデータパケットにエンコードして、フィールドコミュニケータ用のエンコードされたデータをもたらすように設定されたプロセッサと、を備えており、
前記第一のネットワークインターフェースが、前記フィールドコミュニケータ用のエンコードされたデータを前記フィールドコミュニケータに送信するようにさらに設定されており、
前記標準無線通信プロトコルに従い前記フィールドコミュニケータから受信された前記第二のデータが、前記第二のプラントデバイス用のプロビジョニング命令および認証情報を含み、
前記プロセッサが、前記第二のプラントデバイスと通信することにより、前記無線工業オートメーションプロトコルにより規定された前記認証手順を使用して、前記第二のプラントデバイスを、前記PWAP、前記プラントデバイス及び前記第二のプラントデバイスを含む無線ネットワーク内にプロビジョニングするようにさらに設定され、
前記第二のネットワークインターフェースが、前記プラントデバイス用のエンコードされたデータを前記プラントデバイスに送信するようにさらに設定されており、
前記標準無線通信プロトコルと前記無線工業オートメーションプロトコルとが異なるプロトコルである、プラント無線アクセスポイント。
【請求項12】
前記無線工業オートメーションプロトコルが、
ハイウェイアドレス可能遠隔トランスデューサ(HART)プロトコルを含み、
前記標準無線通信プロトコルが、
無線パーソナルエリアネットワーク(PAN)プロトコル、及び
無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)プロトコルの一つ以上を含む、請求項11に記載のプラント無線アクセスポイント。
【請求項13】
前記プロセッサが、(i)前記フィールドコミュニケータと(ii)プラントオートメーションネットワークとの間の通信を促進するように前記第一及び第二のネットワークインターフェースを制御するようにさらに設定された、請求項11又は請求項12に記載のプラント無線アクセスポイント。
【請求項14】
前記プロセッサが、
前記プラントデバイスを較正することと、
前記プラントデバイスを設定することと、
前記プラントデバイスにおいて診断を実行することと、
前記プラントデバイスに対応するソフトウェアをアップデートすることと、
前記プラントデバイスに対応するファームウェアをアップデートすることとの一つ以上の前記フィールドコミュニケータによる実行を促進するように前記第一及び第二のネットワークインターフェースを制御するようにさらに設定された、請求項11~請求項13の何れか1項に記載のプラント無線アクセスポイント。
【請求項15】
前記プラントデバイスが、プロセス制御動作を実行するようにプラントオートメーションネットワークによって制御される制御ループの一部であり、
前記プロセッサが、前記フィールドコミュニケータがループ点検を実行するためプロセス制御装置と通信することができるように前記第一及び第二のネットワークインターフェースを制御するようにさらに設定された、請求項11~請求項14の何れか1項に記載のプラント無線アクセスポイント。
【請求項16】
前記プロセッサが、標準無線通信プロトコルに従う前記フィールドコミュニケータからの命令の受信時に、第二のプラントデバイスを、前記プラント無線アクセスポイント(PWAP)及び前記第二のプラントデバイスを含む無線ネットワーク内にプロビジョニングするようにさらに設定されており、
前記第二のネットワークインターフェースが、前記無線工業オートメーションプロトコルに従う前記プラント無線アクセスポイント(PWAP)と前記第二のプラントデバイス
との間の通信を提供するように設定された、請求項11~請求項15の何れか1項に記載のプラント無線アクセスポイント。
【請求項17】
前記プロセッサが、前記フィールドコミュニケータ、前記PWAP及び前記第二のプラントデバイスの間の無線通信のみを通じて、前記第二のプラントデバイスを前記無線ネットワーク内にプロビジョニングするようにさらに設定された、
請求項11~請求項16の何れか1項に記載のプラント無線アクセスポイント。
【請求項18】
前記プロセッサは、前記プロセスプラントに関連する1以上のコンポーネントと無線通信することによってインターネットに接続することにより、前記フィールドコミュニケータによる前記PWAPを通じての前記インターネットからのデータのダウンロードを促進するようにさらに設定され、
前記プロセスプラントに関連する前記1以上のコンポーネントは、前記フィールドコミュニケータ、前記プラントデバイス及び前記第二のプラントデバイスとは異なり、
前記インターネットからダウンロードされたデータは、前記プラントデバイス及び前記第二のプラントデバイスの設定及び動作に関するドキュメンテーション、ビデオ又はヘルプ目次を含む、
請求項11~17の何れか1項に記載のプラント無線アクセスポイント。
【請求項19】
プロセスプラントに関連するプラント無線アクセスポイント(PWAP)における、前記プロセスプラント内のプラントデバイスとフィールドコミュニケータとの間の通信を促進するための機械可読命令を記憶する非一時的有形コンピュータ可読媒体であって
プロセッサによって実行されたときに、前記プロセッサに、
標準無線通信プロトコルに準拠した通信信号のデータパケット内の第一のデータ、及び第二のプラントデバイス用のプロビジョニング命令および認証情報を含む第二のデータをフィールドコミュニケータから受信させ、
前記プラントデバイス及び前記第二のプラントデバイスをプロビジョニングするための認証手順を規定する無線工業オートメーションプロトコルに準拠したデータ信号内の前記第一及び前記第二のデータを前記プラントデバイス及び前記第二のプラントデバイスのそれぞれから受信させ、
前記フィールドコミュニケータから受信した前記第一及び前記第二のデータを、前記無線工業オートメーションプロトコルに準拠したデータ信号を形成するようにそれぞれエンコードして、前記プラントデバイス用及び前記第二のプラントデバイス用それぞれのエンコードされたデータをもたらさせ、
前記プラントデバイスから受信した前記データを、前記標準無線通信プロトコルに準拠した通信信号のデータパケットを形成するようにエンコードして、フィールドコミュニケータ用のエンコードされたデータをもたらさせ、ここで、前記標準無線通信プロトコルと前記無線工業オートメーションプロトコルとが異なるプロトコルであり、
前記フィールドコミュニケータ用のエンコードされたデータを前記フィールドコミュニケータに送信させ、
前記プラントデバイス用のエンコードされたデータを前記プラントデバイスに送信させ
前記第二のプラントデバイスと通信することにより、前記無線工業オートメーションプロトコルにより規定された前記認証手順を使用して、前記第二のプラントデバイスを前記PWAP、前記プラントデバイス及び前記第二のプラントデバイスを含む無線ネットワーク内にプロビジョニングさせる、非一時的有形コンピュータ可読媒体。
【請求項20】
前記プロセッサによって実行されたときに、前記プロセッサに、
標準無線通信プロトコルに従う前記フィールドコミュニケータからの命令の受信時に、前記第二のプラントデバイスを、プラント無線アクセスポイント及び前記第二のプラントデバイスを含む無線ネットワーク内にプロビジョニングさせ、
前記無線工業オートメーションプロトコルに従う前記プラント無線アクセスポイントと前記第二のプラントデバイスとの間の通信を提供させる命令をさらに含む、請求項19に記載の非一時的有形コンピュータ可読媒体。
【請求項21】
前記プロセッサによって実行されたときに、前記プロセッサに、
前記フィールドコミュニケータ、前記PWAP及び前記第二のプラントデバイスの間の無線通信のみを通じて、前記第二のプラントデバイスを前記無線ネットワーク内にプロビジョニングさせる命令をさらに含む、請求項19又は請求項20に記載の非一時的有形コンピュータ可読媒体。
【請求項22】
前記プロセッサによって実行されたときに、前記プロセッサに、
前記プロセスプラントに関連する1以上のコンポーネントと無線通信することによってインターネットに接続することにより、前記フィールドコミュニケータによる前記PWAPを通じての前記インターネットからのデータのダウンロードを促進させる命令をさらに含み、
前記プロセスプラントに関連する前記1以上のコンポーネントは、前記フィールドコミュニケータ、前記プラントデバイス及び前記第二のプラントデバイスとは異なり、
前記インターネットからダウンロードされたデータは、前記プラントデバイス及び前記第二のプラントデバイスの設定及び動作に関するドキュメンテーション、ビデオ又はヘルプ目次を含む、
請求項19~請求項21の何れか1項に記載の非一時的有形コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般的に無線アクセスポイントに関し、より詳細には、プロセスプラント環境において使用される無線アクセスポイントに関する。
【背景技術】
【0002】
プロセス制御システム、例えば、商用電源、水道、石油精製、廃水または他の処理に使用されるような、分散型またはスケーラブルプロセス制御システムは、通常、アナログバス、デジタルバスまたはそれらを組み合わせたバスを通じて、相互に、少なくとも一つのホストまたはオペレータワークステーションに、かつ一つ以上のプラントデバイスに通信可能に連結された一つ以上のプロセス制御装置を含む。プラントデバイスは、例えば、バルブ、バルブポジショナ、スイッチ、トランスミッタ(例えば、温度、圧力及び流量センサ)であり得、バルブの開閉及びプロセスパラメータの測定などの、プロセス内の機能を実行する。
【0003】
プロセス制御装置は、通常、フィールドデバイス(プラントデバイス)によって為されたプロセス測定及び/またはフィールドデバイスに関する他の情報を示す信号を受信し、この情報を使用して制御ルーチンを実施し、そしてプロセス動作を制御するためにフィールドデバイスに送信される制御信号を生成する。フィールドデバイス及びプロセス制御装置からの情報は、通常、プロセスの現在の状態の視認、プロセス動作の修正などの、プロセスに関する所望の機能を実行するために、ワークステーションオペレータによって実行される一つ以上のアプリケーションを通して使用可能になる。制御ループは、通常、プロセスパラメータの測定及び温度、圧力、流量などの調整といった、一つ以上の制御プロセスを遂行するためのプロセスパラメータの操作の修正を含む制御プロセス全体を指す。プロセスプラントは、制御プロセスの適切な調整に必要なさまざまなフィールドデバイス間の相互作用に基づいて、任意の適切な数の制御ループを有してもよい。その結果、フィールドデバイスは、プロセス制御装置に加えて、効率的なプロセス制御を保証するために、相互にも通信してもよい。
【0004】
従来、フィールドデバイス間の信号及び/または通信の制御は、一つ以上の配線またはバスを使用して実施されてきた。最近になって、これらの通信を促進するために、無線工業オートメーションプロトコルが導入された。プロセス制御工業において使用される一つのそのような無線工業オートメーションプロトコルには、一般的にWirelessHARTプロトコルと呼ばれる無線ハイウェイアドレス可能遠隔トランスミッタ(HART)通信基本プロトコルが挙げられる。一般的に言えば、WirelessHARTプロトコルは、時間同期された、自己組織化の、かつ自己回復のメッシュアーキテクチャを使用し、IEEE802.15.4標準無線通信を使用して2.4GHzIndustrial,Scientific&Medical(ISM)バンドにおける動作をサポートする。新規のフィールドデバイスを、WirelessHARTプロトコルと互換性があるように設計してもよいし、または既存の有線フィールドデバイスを、WirelessHART通信機能をもたらすようにアダプタに組み込んでもよい。
【0005】
WirelessHARTプロトコルを使用して、プロセス制御装置と一つ以上のフィールドデバイスとの間の制御プロセスを無線で実行することができる。しかしながら、例えば、ファームウェアのアップデート、ソフトウェアのアップデート、較正、設定などのいくつかの機能は、通常、ケーブルを用いてフィールドデバイスと接続するフィールドコミュニケータを用いて実行することができるように、フィールドデバイスとの物理的な有線接続を使用する。有線通信を促進するのに使用される電子コネクタは、プラント環境における状況から保護する必要があるため、多くの場合に、例えば、有線接続のための適切なアクセスをユーザに与えるために取り外すことができるエンドキャップなどの覆いによって保護される。
【0006】
フィールドデバイスとの直接的かつ物理的な接続をユーザに要求することには、いくつかの問題がある。第一に、エンドキャップまたは他の覆いは、タスクの終了時に直ぐに適切に密封し直すことができず、その結果、コネクタをプラントの厳しい環境条件にさらしてしまう可能性がある。第二に、有線接続では、動作している機器にユーザが危険なほど近づく必要が生じ得るため、フィールドデバイスにアクセスするために、いくつかのプラントプロセスを停止させる必要が生じ得る。
【0007】
さらに、フィールドデバイスと接続する場合に、フィールドコミュニケータ及びフィールドデバイスは、通常、例えば有線HARTプロトコルなどの、フィールドデバイスによって実施されるのと同一の工業オートメーションプロトコルを使用して通信する。その結果、フィールドコミュニケータは、多くの場合に、工業オートメーションプロトコル通信用に特別に設計されたハードウェア及びソフトウェアコンポーネントを使用するため、複雑性及びコストが増大する。フィールドコミュニケータは、通常、工業オートメーションプロトコルのみを使用して通信するため、プラントオートメーションネットワークが提供する他のデータにアクセスする能力も限定される。
【0008】
最後に、無線フィールドデバイスは、制御信号、初期の設定またはプロビジョニングを伝達するための配線を除去することによってプロセス制御を促進するためのより便利な手段を提供するが、既存のプラントネットワークへの新規のフィールドデバイスの導入は、困難なタスクであり得る。なぜならば、大抵のフィールドデバイスは、プラントに関連するオートメーションタスクを実行するために設計されており、それ故に、通常、必須のネットワーク認証情報をユーザが容易に入力できるユーザインターフェースを実装していないからである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
その結果、フィールドコミュニケータとフィールドデバイスとを接続する必要性を除去しつつ、無線プラント制御の利便性を維持することには、いくつかの課題がある。
【0010】
以下の図面は、本明細書に開示したシステム及び方法のさまざまな態様を描写する。各々の図面が、開示したシステム及び方法の特定の態様のうちの一つの態様を描写し、その実行可能な態様に合うように意図されていることが理解されるはずである。さらに、可能な限り、以下の記述は、以下の図面に含まれる参照数字を参照し、複数の図面において描写される特徴が、その一貫性のある参照数字によって指定される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】当技術分野において公知のようなプラント通信ネットワーク100を図示するブロック図である。
図2】一実施形態に従うプラント通信ネットワーク200を図示する例示的なブロック図である。
図3】一実施形態に従うプラント無線アクセスポイント(PWAP)300を図示する例示的なブロック図である。
図4】一実施形態に従う方法400を例証するフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
一つ以上のプラントデバイス及び一つ以上のフィールドコミュニケータを含むことができるプラントオートメーションネットワーク内のデバイス間の無線通信を可能にするための方法、システム、装置及び非一時的なコンピュータ可読媒体が開示される。さまざまな実施形態において、フィールドコミュニケータとプラントオートメーションネットワークとの間の通信をブリッジするプラント無線アクセスポイント(PWAP)が記述される。さまざまな実施形態に従い、PWAPは、デバイスごとのそれぞれの無線通信プロトコルに従い、プラントオートメーションネットワーク及び/またはフィールドコミュニケータに接続された一つ以上のデバイスからの通信を受信する。さまざまな実施形態において、PWAPは、例えば、Wi-Fi、BLUETOOTH、無線周波数識別(RFID)、近距離無線通信(NFC)、赤外線通信などの任意の適切なタイプの無線通信を使用して、フィールドコミュニケータと通信し、その上、WirelessHART及び/または国際計測制御学会(ISA)100.11a標準などの工業プラントオートメーション通信プロトコルを使用して、プラントオートメーションネットワーク内の一つ以上のデバイスと通信するように設定できる。
【0013】
さらに、本開示のさまざまな実施形態は、フィールドコミュニケータを使用して、プラントオートメーション無線ネットワーク内において新規のプラントデバイスのプロビジョニングを可能にするPWAPを記述する。さまざまな実施形態において、PWAPは、フィールドコミュニケータによる、例えば、プラントデバイスファームウェア及び/またはソフトウェアのアップデート、較正の実行、診断、ループ点検などの、プラントオートメーションネットワークに接続された一つ以上のプラントデバイスに関するさまざまな機能の実行も促進することができる。さまざまな実施形態において、PWAPは、フィールドコミュニケータに、プラントオートメーションネットワーク及び/またはインターネットなどの、プラントオートメーションネットワークを通した他のソースからの情報にアクセスさせることができる。
【0014】
さらに、本開示のさまざまな実施形態は、PWAP及び/またはプラントオートメーションネットワークに接続された他のデバイスと相対的な一つ以上のフィールドコミュニケータの位置を決定するように設定されたPWAPを記述する。
【0015】
以下の文章は、多くの異なる態様の詳細な記述を説明するが、この記述の法的範囲が、本特許の最後に説明される特許請求の範囲の言葉によって定義されることが理解されるはずである。すべての実行可能な態様を記述することが、不可能ではないにしても、非現実的であろうため、詳細な記述は、単なる例示として解釈されるはずであり、すべての実行可能な態様は記述しない。現在の技術または本特許の出願日以降に開発された技術のいずれかを使用して、多くの代替的な態様を実施することができ、これらもまた特許請求の範囲内に含まれるであろう。
【0016】
「本明細書に使用されるこの用語は、本明細書中で特定のこのことを意味するように定義される」というセンテンスまたは同様のセンテンスを使用してその用語が本特許中で明確に定義されていない限り、その明白なまたは通常の意味を超えて、明確にまたは暗示的にその用語の意味を限定することは意図しないことも理解されるはずであり、かつそのような用語は、(特許請求の範囲の言葉以外の)本特許の任意のセクションにおいて為された任意の記述に基づく範囲に限定されるようには解釈されないはずである。本特許の最後における特許請求の範囲に列挙される任意の用語が、唯一の意味に一致するように本特許中に参照される限りにおいて、単に読者を混乱させない明瞭さのためにそのように参照され、そのような特許請求の範囲の用語が、暗示的にまたは別なようにその唯一の意味に限定されることは意図されない。最後に、特許請求の範囲の要素が、任意の構造を詳述せずに「手段」という用語及び機能を詳述することによって定義されない限り、任意の特許請求の範囲の要素の範囲は、35U.S.C.§112の第6段落の規定に基づいて解釈されることは意図されない。
【0017】
図1は、当技術分野において公知のようなプラント通信ネットワーク100を図示するブロック図である。プラント通信ネットワーク100は、無線ゲートウェイ112を通して相互通信するように構成された有線ネットワーク140及び無線ネットワーク150を含む。有線ネットワーク140は、プロセス制御装置102、ワークステーション104及びヒストリアン106を含む。無線ネットワーク150は、i個のフィールドデバイス114.1~114.iを含む。プラント通信ネットワーク100は、ユーザ118が操作できるフィールドコミュニケータ116も含む。
【0018】
有線ネットワーク140を構成するコンポーネントは、有線リンク120を使用して、相互にかつ無線ゲートウェイ112と通信することができる。同様に、無線ネットワーク150を構成するコンポーネントは、無線リンク103.1~103.7を通じて、相互にかつ無線ゲートウェイ112と通信することができる。フィールドコミュニケータ116は、有線リンク105を通じて、任意のフィールドデバイス114.1~114.iと直接的に通信することができる。
【0019】
当技術分野において公知のように、有線リンク105及び120は有線HART通信プロトコルをサポートし、一方で、無線リンク103.1~103.7は無線HARTプロトコルをサポートする。無線ゲートウェイ112は、有線ネットワークと無線ネットワークとの間のブリッジとしての機能を果たし、これにより有線ネットワーク140内のコンポーネントが無線ネットワーク150内のコンポーネントと通信し、逆もまた同様に通信することができる。しかしながら、フィールドコミュニケータ116は、有線ネットワーク140または無線ネットワーク150の一部ではない。むしろ、フィールドコミュニケータ116は、通常、それぞれのフィールドデバイス114のみとの直接接続を形成するように、それぞれのフィールドデバイス114に接続する。
【0020】
プロセス制御装置102は、ゲートウェイ112を通じて適切な無線プロトコルに変換できる有線HARTプロトコルを使用して、フィールドデバイス114.1~114.iの一つ以上と通信することができる。適切な無線プロトコルの実施例は、WirelessHARTプロトコル、ISA100.11a標準などを含むことができる。ゲートウェイ112は、フィールドデバイス114.1~114.iの一つ以上から受信した無線通信を、プロセス制御装置102に送信される有線HARTプロトコルに変換することもできる。プロセス制御装置102は、この機能性を促進するためのプロセッサ、制御装置、メモリなどを含むことができる。プロセス制御装置102は、任意の適切な数のプロセス制御ループを含み得る、一つ以上のプロセス制御システムの一部としての一つ以上のプロセス制御ルーチンを実施及び/または監視することができる。プロセス制御装置102は、一つ以上のプロセス制御動作を促進するために、フィールドデバイス114.1~114.iの一つ以上、ワークステーション104及びデータヒストリアン106と通信することができる。
【0021】
一つ以上のフィールドデバイス114.1~114.i及びプロセス制御装置102からの情報は、通常、ワークステーション104においてワークステーションオペレータによって実行される一つ以上のアプリケーションを通して使用可能になる。ワークステーションオペレータは、ワークステーション104を使用して、制御プロセスの一つ以上に関する所望の機能を実行できる。オペレータは、ワークステーション104を使用して、プロセスの現在の状態の視認、プロセス動作の修正などを行うことができる。標準的なプラントでは、技術者は、ワークステーション104上で作動する設定システムを使用して、プロセス制御方法を特徴づけ、設定することができる。ワークステーション104は、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータなどとして実施することができる。ワークステーション104は、例えば、イーサネットなどの、HARTプロトコルとは異なる有線通信プロトコルを使用して、データヒストリアン106及びプロセス制御装置102と通信することができる。しかしながら、そのような通信では、例えば、別個の専用イーサネット及びHARTケーブル配線などの、リンク120に実装される別個の配線セットが必要となる。
【0022】
データヒストリアン106は、データを記憶するためのメモリ及び適切なハードウェアを有するデータストレージとして機能することができる。データヒストリアン106は、(図1に図示するように)ワークステーション104と分離していてもよいし、ワークステーション104の一部としてそれと一体化されていてもよい。データヒストリアン106は、通常、プロセスデータのログまたはヒストリを記憶する。オペレータは、ワークステーション104と併せてソフトウェアアプリケーションを使用して、将来の参照のために、プラントプロセスについての記録された傾向及び履歴情報を視認することができる。
【0023】
フィールドデバイス114.1~114.iは、通常、例えば、センサ、バルブ、トランスミッタ、ポジショナなどのデバイスとして実施される。図1に図示する標準的なプラント通信ネットワーク100では、フィールドデバイス114.1~114.iは、WirelessHART及び/またはISA100.11aに準拠する一つ以上のフィールドデバイスを示す。WirelessHARTプロトコルが自己組織化メッシュネットワークをサポートするため、一つ以上のフィールドデバイス114.1~114.iは、WirelessHARTプロトコルに従う自己組織化メッシュネットワークを使用して、一つ以上のそれぞれの無線リンク103.3~103.7を通じて相互通信することができる。さらに、フィールドデバイス114.1~114.iの一つ以上は、無線リンク103.1~103.2によって示されるように無線ゲートウェイ112と通信することができる。
【0024】
しかしながら、一部の動作では、通常、フィールドコミュニケータ116は、フィールドデバイス114に接続するための有線リンク105を実装する必要がある。背景技術セクションにおいて前述したように、フィールドコミュニケータ116は、ソフトウェア及び/またはファームウェアのアップデート、較正並びに手動設定などのタスクを実行するために、フィールドデバイス114との有線接続を実装する必要が生じ得る。個々のフィールドデバイスと物理的に接続するという要求は、時間を消費し、個々のフィールドデバイスにアクセスするために、ユーザがキャップまたは他の物理的な保護物を取り外す必要が生じる。さらに、フィールドコミュニケータ116は、通常、各々の別々に接続されたフィールドデバイス114からの基本データのみにしかアクセスできない。フィールドコミュニケータ116は、通常、限定的かつ特殊な機能性しか有さないため、有線リンク105を通じたフィールドデバイス114との接続を通じて有線ネットワーク140からのデータにはアクセスできない。フィールドコミュニケータ116は、通常、有線HART通信プロトコルを使用してフィールドデバイス114と通信するため、通常、その費用を増し、かつその有用性が限定される特殊デバイスとして実施される。
【0025】
図2は、一実施形態に従うプラント通信ネットワーク200を図示する例示的なブロック図である。プラント通信ネットワーク200は、無線ゲートウェイ212を通して相互通信するように構成された有線ネットワーク240及び無線ネットワーク250を含む。プラント通信ネットワーク200は、無線ゲートウェイ212を通じた、(ユーザ218によって操作される)フィールドコミュニケータ216と有線ネットワーク240との間の無線通信を促進するプラント無線アクセスポイント(PWAP)224も含む。PWAPは、フィールドコミュニケータ216と一つ以上のフィールドデバイス214.1~214.iとの間の無線通信も促進し、無線ゲートウェイ212を使用しても使用しなくても、有線ネットワーク240と通信することができる。
【0026】
有線ネットワーク240は、プロセス制御装置202、ワークステーション204、ヒストリアン206、資産管理及び制御システム208、レガシープロセス制御システム210、並びにネットワーク211を含むことができる。無線ネットワーク250は、i個のフィールドデバイス214.1~214.i、PWAP224を含み、そしてフィールドコミュニケータ216を含むことができる。プロセス制御装置202、ワークステーション204、ヒストリアン206、及びフィールドデバイス214.1~214.iは、図1を参照して前述したようなプロセス制御装置102、ワークステーション104、データヒストリアン106、及びフィールドデバイス114.1~114.iと実質的に同様のアーキテクチャを有し、実質的に同じ機能を実行することができる。それ故に、これらのコンポーネント間の差異のみをさらに記述する。
【0027】
いくつかの実施形態では、プロセス制御装置202は、プラントまたは他の適切なタイプの環境におけるプロセス制御機能を促進することができる。他の実施形態では、プロセス制御装置202が存在しなくてもよい。例えば、無線ネットワークを機能の監視のみに使用し、プロセス制御を必要としないまたは所望しない場合には、これは存在しなくてもよい。さらに下記するように、プロセス制御装置202によって実行される一つ以上の機能を、代替的に、資産管理及び制御システム208、レガシープロセス制御システム210などの一つ以上などの、有線ネットワーク240の他のコンポーネントによって実行することができる。その結果、プロセス制御装置202が存在しない実施形態では、有線ネットワーク240の一つ以上の他のコンポーネントが、代替的に、PWAP224、ゲートウェイ212、フィールドコミュニケータ216及び/またはフィールドデバイス214間の通信機能を促進することができる。
【0028】
資産管理及び制御システム208は、一つ以上のソフトウェアアプリケーションを実行するように設定することができ、そのようなアプリケーションとして、Fisher-Rosemount Systems,Incによって販売されているAsset Management System(AMS)アプリケーション及び/またはAMSDevice Managerが挙げられる。さまざまな実施形態に従い、有線ネットワーク140に接続された任意の適切なデバイスが、これらのアプリケーションを実行するように、資産管理及び制御システム208と通信することができる。例えば、オペレータは、ワークステーション204を使用して、保守及び/または監視活動を実行するために、資産管理及び制御システム208に記憶された適切なアプリケーションを実行することができる。さらに、資産管理及び制御システム208は、有線リンク220を通じてプロセス制御装置202に接続し、プロセス制御パラメータを受信するように設定できる。資産管理及び制御システム208は、任意の適切な資産管理システムとともにこの情報を使用することができる。
【0029】
別の実施例を提供するために、資産管理及び制御システム208は、ゲートウェイ212及び/または無線ゲートウェイ212とPWAP224との組み合わせを通じて、一つ以上のフィールドデバイス214.1~214.iと接続するように設定できる。資産管理及び制御システム208は、これらの接続を使用してそれらと通信し、場合によっては、動作状態に関連するデータを収集し、受信したフィールドデバイス214の設定と順序付けられたフィールドデバイスの設定とを比較し、そして例えば、ワークステーション204を通じたオペレータからのリクエストの受信時に、一つ以上のフィールドデバイス214.1~214.iについての他の保守活動を再設定及び/または実行することができる。
【0030】
さまざまな実施形態において、レガシープロセス制御システム210は、フィールドデバイス214.1~214.iの一つ以上のためにプロセス制御装置202によって実行されるタスクに類似する任意の適切な制御プロセスタスクを実行するように設定できる。レガシープロセス制御システム210は、例えば、第三者プロセス制御装置並びに/または有線ネットワーク240及び/もしくは無線ネットワーク250を通じて他のデバイスと通信するように組み込まれた、移動かつ/または再プログラムされたプロセス制御装置を含むことができる。さまざまな実施形態において、レガシープロセス制御システム210は、一つ以上のフィールドデバイス214.1~214.iにおいて制御プロセス技術を直接に実行してもよいし、プロセス制御装置202及び/またはレガシープロセス制御システム210がプロセス制御動作を実行するようにプロセス制御装置202と通信してもよい。換言すれば、開示したシステム及び技術は、レガシープロセス制御システム210を「支配して」実施することができる。
【0031】
ネットワーク211は、有線及び/または無線通信ネットワークの任意の適切な組み合わせを含むことができる。例えば、ネットワーク211は、ローカルエリアネットワーク(LAN)、メトロポリタンエリアネットワーク(MAN)、広域ネットワーク(WAN)、公衆交換電話網(PSTN)の任意の組み合わせを含むことができ、リンク222を通じてインターネットまたは他のネットワークとの接続を促進することができる。さらなる実施例を提供するために、ネットワーク211は、有線電話及びケーブルハードウェア、衛星、携帯電話通信ネットワークなどを含むことができる。
【0032】
ネットワーク211及びリンク222は、単一の要素として図2に図示するが、(一人以上の)当業者は、ネットワーク211が、同一のまたは様々なタイプの有線及び/または無線ネットワークであってもよいいくつかのネットワークの集合または集団を含むことができることを認識する。例えば、有線リンク220を通じたインターネットとの接続は、いくつかのファイアウォール、ルータ、ドメインネームサーバ(DNS)、サブネットワーク、有線リンク、無線リンクなどによって促進することができる。別の実施例を提供するために、プロセスプラントは、ともに結合され、いくつかのネットワークリンクにわたって相互通信するいくつかの有線ネットワーク240を有してもよい。簡潔さのために、任意のそのような適切なネットワークトポロジの集合を、ネットワーク211及びリンク222として図2に図示する。
【0033】
有線ネットワーク240は、有線リンク220を通じて接続された少数のネットワーク及び/またはデバイスを有するものとして図2に示すが、(一人以上の)当業者は、特定のプロセスプラントのプロセス制御条件に基づいて、任意の適切な数の接続されたネットワーク及び/またはデバイスを有する有線ネットワーク240をプラント通信ネットワーク200が含むことができることを認識する。
【0034】
さまざまな実施形態において、ゲートウェイ212は、有線工業オートメーションプロトコルと無線工業オートメーションプロトコルとの間で通信を変換するように設定できる。例えば、ゲートウェイ212は、有線ネットワーク240に接続された一つ以上のデバイスから受信したパケットを、無線ネットワーク250に接続された一つ以上のデバイスに転送し、かつ逆にも同様に転送するように設定できる。このように、ゲートウェイ212は、ルーティングデバイスとして機能することができる。例えば、さまざまな実施形態において、フィールドデバイス214.1~214.iは、例えば、WirelessHARTパケット及び/またはISA100.11aパケットなどの適切な無線工業オートメーションプロトコルに従いデータパケットを送受信するように設定できる。ゲートウェイ212は、例えば、無線リンク203.1などの無線リンクを通じてフィールドデバイス214.1~214.iから無線で受信したパケットを、例えば、有線リンク220などの有線リンクを通じて有線ネットワーク240に接続された一つ以上のデバイスに送るように設定できる。別の実施例を提供するために、ゲートウェイ212は、有線リンク220を通じて有線ネットワーク240に接続されたデバイスから受信したパケットを、一つ以上の無線リンク203を通じてフィールドデバイス214.1~214.iに送るように設定できる。
【0035】
ゲートウェイ212は、一つ以上のプラントネットワーク及び/または有線ネットワーク240との固定された接続としての機能を果たすことができる。したがって、ゲートウェイ212は、任意の適切な数のハードウェア及び/またはソフトウェアファイアウォールを実装でき、有線ネットワーク240に接続されたデバイス間の通信を促進することができる。例えば、ゲートウェイ212は、有線ネットワーク240に接続された一つ以上のコンポーネント間でデータパケットを転送するルータ及び/またはアービトレータとしての機能を果たすことができる。さらに、さまざまな実施形態において、ゲートウェイ212は、(有線ネットワーク240または無線ネットワーク250の一部であり得る)どのネットワークデバイスがパケットを転送するかを決定するためのルーティングテーブルを実装するように構成できる。
【0036】
さまざまな実施形態において、ゲートウェイ212は、ホストアプリケーションアクセスを、有線ネットワーク240または無線ネットワーク250の一部であり得る一つ以上のネットワークデバイスに提供することができる。ゲートウェイ212は、あるプロトコルを別のプロトコルに変換することによって、同一のプロトコルを使用する二つ以上のネットワーク間のブリッジとしての機能を果たす、またはコマンド及びデータをあるフォーマットから別のフォーマットに変換することができる。WirelessHARTネットワークが無線ネットワーク250によって実施される実施形態では、ゲートウェイ212は、タイムスロット及びスーパーフレームを生成するために使用される同期クロックに、WirelessHARTプロトコルに従いソースを提供することができる。(一人以上の)当業者に認識されるように、プラントネットワークは、二つ以上のゲートウェイを実装できるが、簡潔さのために、図2にはゲートウェイを一つのみ示す。しかしながら、複数のゲートウェイを使用する場合には、実施形態は、無線ネットワーク250と有線ネットワーク240との間のデータ転送のための追加の帯域幅を提供することによってプラント通信ネットワーク200の実効スループット及び信頼性を改善するためにこれらの複数のゲートウェイを使用することを含む。複数のゲートウェイを有する実施形態では、ゲートウェイの一つが、帯域幅ニーズに従い、ネットワークマネージャから帯域幅を動的にリクエストすることができる。簡潔さのために、ネットワークマネージャは図2には示さない。
【0037】
さまざまな実施形態において、ゲートウェイ212は、有線ネットワーク240と無線ネットワーク250との間の通信を促進するための任意の適切な通信プロトコルを使用することができる。例えば、ゲートウェイ212は、有線ネットワーク240に接続された一つ以上のデバイスと通信するためにイーサネット及びシリアル通信プロトコルを実装し、その一方で、フィールドデバイス214.1~214.iと通信するためにWirelessHART及び/またはISA100.11a通信プロトコルを実装することができる。
【0038】
PWAP224は、プラント通信ネットワーク200の一つ以上のコンポーネント間の通信を促進するように設定できる。(一人以上の)当業者に認識されるように、PWAP224は、本開示の全体を通して記述されるようなさまざまな機能を促進するために、任意の適切な数のプロセッサ、レシーバ、トランスミッタ、トランシーバなどを実装することができる。PWAP224の実施に関する追加の詳細を、図3を参照してさらに議論する。
【0039】
例えば、図2に示すように、PWAP224は、無線リンク205及び203.7などによって、フィールドコミュニケータ216と一つ以上のフィールドデバイス214.1~214.iとの間の通信を促進することができる。そのような実施形態に従えば、PWAP224は、任意の適切な無線通信プロトコルに従いフィールドコミュニケータ216からデータを受信することができる。さまざまな実施形態において、PWAP224は、WirelessHART及び/またはISA100.11a通信プロトコル以外の、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)通信プロトコル、パーソナルエリアネットワーク(PAN)通信プロトコル(例えば、BLUETOOTH)、Wi-Fi直接通信プロトコル、RFID通信プロトコル、NFC通信プロトコル、赤外線通信プロトコルなどの任意の適切な無線通信プロトコルに従い、フィールドコミュニケータ216から通信を受信するように設定できる。
【0040】
一実施形態では、第二の無線通信プロトコルは、WirelessHART通信プロトコルまたはISA100.11a通信プロトコルを含むことができる。そのような実施形態に従い、PWAP224は、これらの通信機能を双方向で実行するように設定できる。すなわち、PWAP224は、第一の無線通信プロトコル(例えば、WirelessHARTまたはISA100.11a)に従い一つ以上のフィールドデバイス214.1~214.iからデータを受信し、第一の無線通信プロトコルに従いデータをデコードし、第二の異なる無線通信プロトコル(この場合は、例えば、WLAN、BLUETOOTHなど)に従いデータを再エンコードし、そして第二の無線通信プロトコルに従いフィールド通信216にデータを伝送することができる。
【0041】
そのような実施形態に従い、PWAP224は、フィールドコミュニケータ216からデータを受信し、このデータを第一の無線通信プロトコルに従いデコードし、第二の無線通信プロトコルに従いデータを再エンコードし、そして再エンコードしたデータを第二の無線通信プロトコルに従い一つ以上のフィールドデバイス214.1~214.iに伝送するように設定できる。例えば、フィールドコミュニケータ216は、データが例えば、Wi-FiまたはBLUETOOTHデータユニットの一部となるように、例えば一つ以上の命令、コマンドなどのデータを別の通信プロトコルデータユニット内に埋め込む及び/またはカプセル化するように設定できる。このデータは、例えば、一つ以上のHARTコマンド、ISA100.11aコマンドなどを含むことができる。
【0042】
PWAP224は、第一の通信プロトコル(例えば、Wi-Fi、BLUETOOTHなど)に従いフィールドコミュニケータ216からデータを受信し、データユニットをデコードして埋め込まれたデータを検索することができる。次に、PWAP224は、例えばWirelessHARTなどの第二の通信プロトコルの一部として、検索されたデータを再エンコードし、第二の無線通信プロトコル(例えば、WirelessHART通信プロトコル)に従い一つ以上のフィールドデバイス214.1~214.iにデータを伝送することができる。
【0043】
追加的または代替的に、図2に示すように、PWAP224は、例えば無線リンク205、203.6及び203.7によって、フィールドコミュニケータ216と、有線ネットワーク240を通じた一つ以上のフィールドデバイス214.1~214.iとの間の通信を促進することができる。そのような実施形態に従い、PWAP224は、フィールドコミュニケータ216からデータを受信し、このデータを第一の無線通信プロトコルに従いデコードし、第二の無線通信プロトコルに従いデータを再エンコードし、再エンコードしたデータをゲートウェイ212に伝送し、ゲートウェイ212を通じて有線ネットワーク240の一つ以上のコンポーネントからデータを受信し、そして第二の無線通信プロトコルに従い一つ以上のフィールドデバイス214.1~214.iにデータを伝送することができる。
【0044】
例えば、前述したように、フィールドコミュニケータ216は、データが例えば、Wi-FiまたはBLUETOOTHデータユニットの一部となるように、例えば一つ以上の命令、コマンドなどのデータを別の通信プロトコルデータユニット内に埋め込む及び/またはカプセル化するように設定できる。このデータは、一つ以上のフィールドデバイス214.1~214.i用に意図されたものでもよいし、この実施形態において議論するように有線ネットワーク240の一つ以上のコンポーネント用に意図されたものでもよい。ここでもまた、このデータは、例えば、一つ以上のHARTコマンド、ISA100.11aコマンドなどを含むことができる。
【0045】
PWAP224を通じて有線ネットワーク240の一つ以上のコンポーネントにデータを送信することが意図される実施形態では、PWAP224は、第一の通信プロトコル(例えば、Wi-Fi、BLUETOOTHなど)に従いフィールドコミュニケータ216からデータを受信し、データユニットをデコードして埋め込まれたデータを検索することができる。次に、PWAP224は、例えばWirelessHARTなどの第二の通信プロトコルの一部として、検索されたデータを再エンコードし、ゲートウェイ212にデータを伝送し、立ち代わってゲートウェイ212が、無線通信プロトコルを有線通信プロトコルに変換することによって、有線リンク220を通じてデータを有線ネットワーク240の一つ以上のコンポーネントに転送することができる。
【0046】
有線ネットワーク240の一つ以上のコンポーネントは、有線リンク220を通じてデータを受信すると、有線リンク220を通じてゲートウェイ212にデータを返送することによって、適切なコマンドに応答することができる。次に、ゲートウェイ212は、有線リンク220を通じて受信した有線通信プロトコルが提供するデータを適切な無線通信プロトコルに変換することによって、有線リンク220を通じて受信したデータを、PWAP224及び/またはそれ以上のフィールドデバイス214.1~214.iの一つ以上に、第二の無線通信プロトコル(例えば、WirelessHART通信プロトコル)に従い伝送することができる。ゲートウェイ212が一つ以上のフィールドデバイス214.1~214.iではなくPWAP224にデータを伝送する場合には、PWAP224は、適切なフィールドデバイス214にデータを転向、転送及び/または別なように送ることができる。
【0047】
このように、PWAP224は、直接的または(例えば、有線ネットワーク240及びゲートウェイ212を通じた)間接的のいずれかにおいて、フィールドコミュニケータ216と一つ以上のフィールドデバイス214.1~214.iとの間の通信を促進することができる。(一人以上の)当業者に認識されるように、PWAP224は、例えば、ネットワーク帯域幅最適化、所望の速度、プラント通信ネットワーク200の性能要件、PWAP224に使用可能な入手可能な処理リソースなどの任意の適切な数のファクタに基づいて、フィールドコミュニケータ216と一つ以上のフィールドデバイス214.1~214.iとの間の直接及び/または中継通信を実施することができる。例えば、より複雑なまたは時間を要する動作は、中継通信を使用してフィールドコミュニケータ216から受信する場合に、PWAP224によってプロセス制御装置202にオフロードすることができる。
【0048】
故に、実施形態は、PWAP224とフィールドコミュニケータ216との間の通信用のあるタイプの無線通信プロトコル、及びPWAP224と一つ以上の通信デバイス214.1~214.iとの間の通信用の別のタイプの無線通信プロトコルを使用して、フィールドコミュニケータ216と一つ以上の通信デバイス214.1~214.iとの間の通信を促進するブリッジとしての機能を果たすPWAP224を含む。WirelessHART及び/またはISA100.11a通信プロトコルに従う一つ以上の通信デバイス214.1~214.iとの通信を維持するようにPWAP224を設定できるため、ユーザ218は、フィールドコミュニケータ216を使用してPWAP224と通信することによって、さもなければ個々のフィールドデバイス214.1~214.iへの直接有線アクセスが必要となるのと同じ機能(例えば、設定、較正、ソフトウェア及び/またはファームウェアのアップデートなど)を実行することができる。
【0049】
フィールドコミュニケータ216は、無線LAN及び/またはBLUETOOTHなどのより一般的な通信プロトコルを実装できるため、例えば、有利にも、これらのタイプの通信プロトコル用のハードウェアを既に使用しているデバイスとして実施することができる。例えば、さまざまな実施形態において、フィールドコミュニケータ216は、スマートフォン、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、またはこの機能を実行するように設定できる任意の適切なデバイスとして実施することができる。PWAP224との通信を通じて、フィールドコミュニケータ216から一つ以上のフィールドデバイス214.1~214.iにコマンドを送信できるため、フィールドコミュニケータ216を、デバイスの既存の実装されたハードウェアとともに、一つ以上のソフトウェアアプリケーション、プログラムなどを使用するデバイスとして実施することができる。これにより、さもなければより多くの専用ハードウェアを使用するフィールドコミュニケータデバイスが必要となるのと同じ機能を実現することができる。
【0050】
別の実施例を提供するために、図2に示すように、PWAP224は、例えば無線リンク203.3及び203.7によって、一つ以上のフィールドデバイス214.1~214.iとの間の通信を促進することができる。そのような実施形態に従い、PWAP224は、例えばWirelessHART及び/またはISA100.11a通信プロトコルなどの無線通信プロトコルに従い一つ以上のフィールドデバイス214.1~214.iからデータを受信し、このデータを同じ無線通信プロトコルを使用して一つ以上のフィールドデバイス214.1~214.iに伝送することができる。このように、実施形態は、無線中継デバイスとしての機能を果たすように設定されたPWAP224を含み、これによりプラント要員が、ゲートウェイ212とフィールドデバイス214.1~214.iの各々との間の通信の維持を保証するように、プラントフロアの至るところにいくつかのPWAP224を戦略的に配置することができる。一実施形態では、PWAP224は、一つ以上の適切なフィールドデバイス214.1~214.iへのデータの供給を保証するように、適切な通信プロトコルに従いルーティングテーブルシステムを実装するように設定できる。
【0051】
なおも別の実施例を提供するために、図2に示すように、PWAP224は、例えば無線リンク205及び203.6によって、フィールドコミュニケータ216と、有線ネットワーク240の一部である一つ以上のコンポーネントとの間の通信を促進することができる。ここでもまた、実施形態は、フィールドコミュニケータ216と一つ以上のフィールドデバイス214.1~214.iとの間の通信を促進するために、一つ以上の通信プロトコルを変換するように設定されたPWAP224を含む。同様に、実施形態は、フィールドコミュニケータ216と、ゲートウェイ212を通じた有線ネットワーク240に付随する一つ以上のコンポーネントとの間の通信を促進するように設定されたPWAP224を含む。例えば、フィールドコミュニケータ216は、PWAP224及びゲートウェイ212を通じて、プロセス制御装置202、ワークステーション204、ヒストリアン206、資産管理及び制御システム208、レガシープロセス制御システム210、及び/またはネットワーク211の一つ以上からデータを受信することができる。
【0052】
ゲートウェイ212は、それぞれ、有線及び無線通信プロトコルを使用して、有線ネットワーク240と無線ネットワーク250との間の通信を提供するように設定できる。その結果、PWAP224は、有利にも、ゲートウェイ212によって有線HART通信プロトコルからWirelessHART通信プロトコルに既に変換された通信間にプロトコル変換を提供することによって、有線ネットワーク240とフィールドコミュニケータ216との間の通信を促進することができる。すなわち、PWAP224は、ゲートウェイ212から無線リンク203.6を通じて受信した既に変換されたWirelessHART通信プロトコルデータを、無線リンク205を通じてフィールドコミュニケータ216に実装された適用可能な通信プロトコルに変換することができる。
【0053】
このように、フィールドコミュニケータ216は、フィールドコミュニケータ216の視点から見て、同一の通信プロトコルを使用して有線ネットワーク240及び無線ネットワーク250の両方のコンポーネントと通信することができる。フィールドコミュニケータ216がフィールドデバイス214と通信することによって、ユーザ218は、例えば、一つ以上のフィールドデバイス214.1~214.iに適用可能なコンフィギュレーションデータ、較正データ及び診断データなどのデータにアクセスすることができる。フィールドデバイス214がそのソフトウェア及び/またはファームウェアを遠隔でアップデートできるコマンドセットをWirelessHART通信プロトコルが含むため、さまざまな実施形態は、一つ以上のフィールドデバイス214.1~214.iのソフトウェア及び/またはファームウェアをアップデートするための適用可能なコマンドを送信するためにPWAP224を使用するフィールドコミュニケータ216を含む。
【0054】
さらに、有線ネットワーク240に接続されたコンポーネントとの通信にPWAP224を使用することによって、フィールドコミュニケータ216は、一つ以上のフィールドデバイス214.1~214.iから受信したデータのほかにも、多量の有益な情報にアクセスすることができる。例えば、さまざまな実施形態において、フィールドコミュニケータ216は、例えば、ワークステーション204に記憶されたデータ、またはネットワーク211を通じたインターネット接続からのデータをダウンロードすることができる。このようにダウンロードできる情報のいくつかの実施例は、ドキュメンテーション、ビデオ、またはフィールドデバイス214.1~214.iもしくは特定のプラントに固有のニーズに基づく任意の他のデバイスなどのプラント通信ネットワーク200内の一つ以上のデバイスの設定及び動作に関するヘルプ目次を含むことができる。
【0055】
さらなる実施例を提供するために、フィールドコミュニケータ216は、例えば、資産及びプロセス履歴、最新のプロセス条件、較正情報、オーディットトレールデータなどの、資産管理及び制御システム208に記憶された情報をダウンロードすることができる。なおも別の実施例を提供するために、フィールドコミュニケータ216は、プラントプロセス制御システム全体ととともに、ループ点検などのタスクを実行するために、PWAP224を通じてプロセス制御装置202と通信することができる。
【0056】
フィールドコミュニケータ216を特殊化されていないデバイスとして実施できるため、実施形態は、無線ネットワーク250上に、新規のデバイス214をプロビジョニングするためのPWAP224、または追加のPWAPと通信するフィールドコミュニケータ216を含む。すなわち、標準的なフィールドコミュニケータは、前述したように機能性が限定されており、その結果、従来のプラントネットワークは、例えばワークステーションなどの有線デバイスから新規の無線デバイスをプロビジョニングするオペレータに頼っている。さらに、例えばWirelessHARTなどのいくつかの無線通信プロトコルは、既存のWirelessHARTネットワークにおける新規の無線デバイスの一時的なプロビジョニングをサポートしない。既存の無線ネットワークにおいてフィールドコミュニケータをプロビジョニングしなければ、従来のプラントネットワークでは、フィールドコミュニケータとフィールドデバイスとの間の接続は、局所的な配線接続に限定される。
【0057】
故に、プロビジョニングを実行するために、従来のプラントネットワークでは、オペレータは、新規のフィールドデバイスをプロビジョニングして新規のフィールドデバイスを無線ネットワーク150内に入れるために、適切なグラフィカルユーザインターフェースを有し得るワークステーション104の使用を要求される場合がある。デバイスのプロビジョニングは、通常、新規のフィールドデバイス114のメディアアクセスコントローラ(MAC)アドレス、ネットワークパスワード、または新規のフィールドデバイスを無線ゲートウェイと通信させ、故に、新規のフィールドデバイスと有線ネットワーク140との間の通信を可能にするための他の情報を含み得る適切なネットワーク認証情報を、ワークステーション104において入力することを含む。
【0058】
PWAP224をいくつかの通信プロトコルに従いデータを識別、受信及び伝送するように設定できるため、プロビジョニング機能(例えば、新規のフィールドデバイス114の一時的なプロビジョニング)は、例えばフィールドコミュニケータ216などの、PWAP224と通信する別のデバイスによって利用することができる。フィールドコミュニケータ216は、適切なグラフィカルユーザインターフェース(GUI)、またはフィールドデバイス214に関連するプラントプロセスタスクを実行するための他のタイプのユーザインターフェースを実装することができる。その結果、フィールドコミュニケータ216がPWAP224と通信するように設定されているため、ユーザ218は、フィールドコミュニケータ216を使用して新規のフィールドデバイスをプロビジョニングすることができる。このように、PWAP224は、プラントフロアの好都合な位置にいる、他のタスクを実行中であり得るユーザ218による新規のフィールドデバイスのプロビジョニングを促進する。これによって、ユーザ218はその動作のためにワークステーションを見つける必要が無く、生産性が改善される。
【0059】
さまざまな実施形態において、PWAP224は、例えばワークステーション204などの他のワークステーションにおいてプラント要員によって視認できるフィールドコミュニケータ216の位置を決定することができる。これにより、プラント要員がユーザ218を追跡可能になり、そしてユーザ218に近接している機器を先制的にシャットダウン、さもなければ監視して安全上の懸念に対処することによって、安全上の事項に対処することができる。
【0060】
例えば、実施形態は、(任意の他の追加のPWAPを含む)PWAP224及び/またはフィールドデバイス214.1~214.iの位置を決定できる一つ以上のインストールされたアプリケーションを有する、例えばワークステーション204などの一つ以上のワークステーションを含む。さらに、アプリケーションは、どのフィールドデバイス214がPWAP224(及び、他のPWAP)に接続されているかに加えて、所定の時間にフィールドコミュニケータ216が接続されている特定のPWAPも決定することができる。ユーザ218は、そのようなアプリケーションを実行するワークステーションを使用して、プラントビットマップに基づく、プラント内の各フィールドデバイス214及びPWAP224の位置を決定することができる。
【0061】
一実施形態では、このアプリケーションは、Emerson Process Management,Incによって開発された、WirelessHART SNAP-ONプラニングアプリケーションを含むことができる。フィールドコミュニケータ216が現在接続しているPWAP、プラント内のPWAP224の物理的な位置、及びPWAPの無線範囲に基づく情報を使用して、フィールドコミュニケータ216の位置を、PWAPの無線範囲に対応する半径に限定することができ、そしてこの情報に基づいて(ほぼ全方向性の無線カバレッジエリアと仮定して)その位置をPWAPの周囲のおおよそ中心に合わせることができる。この概算の精度は、例えば、標準的な最大通信範囲が約30フィートであるBLUETOOTHなどのより狭い通信範囲を有する通信プロトコルを使用してPWAP224がフィールドコミュニケータ216と通信する実施形態では改善することができる。
【0062】
フィールドコミュニケータ216の位置を決定する別の実施例を提供するために、PWAP224は、PWAP224とフィールドコミュニケータ216との間の通信に使用される適切なIEEE802.11通信標準に基づいて位置情報を決定することができる。(一人以上の)当業者に認識されるように、IEEE802.11n及び802.11ac標準は、多重入出力(MIMO)アンテナビームステアリング技術を使用する。MIMOビームステアリング技術は、ビームステアリング目的のために他のデバイスの向きを決定するため、この情報を無線測距情報と組み合わせて、PWAP224の位置に対してフィールドコミュニケータ216を位置付けることができる。
【0063】
ここでもまた、(一人以上の)当業者に認識されるように、IEEE802.11標準間の測距情報は、PWAP224とフィールドコミュニケータ216との間の距離を決定するための、到達時刻(ToA)及び出発時刻(ToD)タイムスタンプ、並びに信号減衰計算を含むことができる。さまざまな実施形態は、フィールドコミュニケータ216の決定された位置を、例えばワークステーション204などの適切なネットワークデバイスに通知するPWAP224を含む。これにより、適切なプラント要員が、この位置を視認することができる。
【0064】
フィールドコミュニケータ216の位置を決定するなおも別の実施例を提供するために、図2にはPWAP224を一つのみしか図示しないが、プラントネットワーク200の実施形態は、任意の適切な数のPWAPを含むことができる。一実施形態に従い、例えばワークステーション204などの適切なワークステーションのユーザは、フィールドコミュニケータ216に接続された複数のPWAPの位置に基づいて、フィールドコミュニケータ216の位置を決定することができる。さまざまな実施形態において、フィールドコミュニケータ216の位置を提供するために、前述の任意の実施例を組み合わせることができる。例えば、前述したような802.11標準に従いフィールドコミュニケータ216と通信するいくつかのPWAPによって通知された位置を使用して、ワークステーション204は、適切な三角測量計算を実施するアプリケーションを使用することによって、さもなければ単一のPWAPから決定されたフィールドコミュニケータ216の位置の精度を改善することができる。
【0065】
図3は、一実施形態に従うプラント無線アクセスポイント(PWAP)300を図示する例示的なブロック図である。PWAP300は、ホストプロセッサ304及びメモリ306を含む通信エンジン302、i個のネットワークインターフェース314.1~314.i、及びk個のアンテナ322.1~322.kを含む。一実施形態では、PWAP300は、図2に示すようなPWAP224の例示的な実施である。
【0066】
ホストプロセッサ304は、i個のネットワークインターフェース314.1~314.iと通信するように設定できる。ネットワークインターフェース314.1~314.iの各々は、メディアアクセス制御(MAC)ユニット316、及び物理層(PHY)ユニット318を含むことができる。PHYユニット318は、j個のトランシーバ320.1~320.jを含むことができる。トランシーバ320は、k個のそれぞれのアンテナ322.1~322.kに連結することができる。三個のトランシーバ320.1~320.j及び三個のアンテナ322.3~322.kを図3に図示するが、(一人以上の)当業者に認識されるように、PWAP300のさまざまな実施形態は、任意の適切な数(例えば、1、2、4、5など)のトランシーバ320、及び任意の適切な数(例えば、1、2、4、5など)のアンテナ322を含む。さらに、さまざまな実施形態に従い、一つ以上のアンテナが適切なトランシーバ間で共用されるように、そして逆にもまた同様に共用されるように、任意の数のトランシーバ320が任意の数のアンテナ322に連結することができる。
【0067】
一実施形態では、ネットワークインターフェース314.1~314.iの各々は、同様の構造、すなわち対応するMACユニット、PHYユニット、一つ以上のトランシーバ及び一つ以上のアンテナを有する。いくつかの実施形態では、一つ以上のアンテナが、二つ以上のネットワークインターフェース314.1~314.i間で共用される。いくつかの実施形態では、ネットワークインターフェース314.1~314.iは、種々の無線アクセス技術(RAT)に対応する。さらに、そのような実施形態に従い、ネットワークインターフェース314.1が、例えば、WirelessHARTまたはISA100.11aなどの無線工業オートメーション通信プロトコルに対応し、その一方で、ネットワークインターフェース314.2が、例えばWLAN、BLUETOOTHなどの別の無線通信プロトコルに対応することができる。
【0068】
さまざまな実施形態において、PWAP300は、一つ以上のネットワークインターフェース314.1~314.iを通じて、一つ以上の無線IEEE標準、BLUETOOTH(登録商標)、WiMAXなどによって特定される、WirelessHART通信プロトコル、ISA100.11a通信プロトコル、セルラープロトコル、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)通信プロトコルなどの任意の数の適切な通信プロトコルに従い、通信を伝送及び受信することができる。適切な無線IEEE標準の実施例は、802.11a、802.11、g、802.11n、802.11ac、802.11ad、802.11af、802.11v及び/または802.11ah標準を含む。
【0069】
そのような実施形態に従い、PWAP300は、第一のタイプの通信プロトコルに従い、例えばネットワークインターフェース314.1などの、ネットワークインターフェース314の一つを通じてデータを受信するように設定できる。このデータは、順々に、第一の通信プロトコルに従い通信エンジン302によってデコードすることができる。さらに、そのような実施形態に従い、PWAP300は、予めデコードされたデータを、第二の通信プロトコルに従いエンコードするように設定できる。PWAP300は、次に、このエンコードしたデータを、例えばネットワークインターフェース314.2などの別のネットワークインターフェース314から伝送するように設定できる。
【0070】
通信エンジン302は、ネットワークインターフェース314.1~314.iの一つ以上とともに、PWAP300と一つ以上の他の無線通信デバイスとの間のデータ通信を可能にするように設定できる。例えば、さまざまな実施形態は、PWAP300と、一つ以上の無線フィールドデバイス(例えば、図2に示すようなフィールドデバイス214.1~214.i)、ゲートウェイ(例えば、図2に示すようなゲートウェイ212)、有線ネットワークコンポーネント(例えば、図2に示すような、有線ネットワーク240に接続されたコンポーネント)、及び/またはフィールドコミュニケータ(例えば、図2に示すようなフィールドコミュニケータ216)との間の通信を促進するように設定された通信エンジン302を含む。
【0071】
一実施形態では、通信エンジン302は、一つ以上のネットワークインターフェース314の一つから受信したデータを処理し、例えばWLAN、BLUETOOTHなどの適切な通信プロトコルに従いこのデータをデコードするように設定できる。(一人以上の)当業者に認識されるように、通信エンジン302及び/またはネットワークインターフェース314.1~314.iの一つ以上は、この機能を促進するための、任意の適切な数の復調器、局部発振器、ベースバンドプロセッサ、ミキサ、フィルタ、増幅器などを含むことができる。
【0072】
同様に、実施形態は、一つ以上のネットワークインターフェース314の一つを通じて伝送されるデータを処理し、例えばWirelessHARTまたはISA100.11a通信プロトコルなどの適切な通信プロトコルに従いこのデータをエンコードするように設定できる通信エンジン302を含む。ここでもまた、(一人以上の)当業者に認識されるように、通信エンジン302及び/またはネットワークインターフェース314.1~314.iの一つ以上は、この機能を促進するための、任意の適切な数の変調器、局部発振器、ベースバンドプロセッサ、ミキサ、フィルタ、増幅器などを含むことができる。
【0073】
さまざまな実施形態に従い、通信エンジン302は、一つの通信プロトコルに従いデータを受信し、別の通信プロトコルに従いこのデータを伝送することができる。
【0074】
図3には単一のエンジンとして図示するが、さまざまな実施形態において、通信エンジン302は、任意の数または群の一つ以上の通信エンジンからなることができる。そのような実施形態に従い、各通信エンジンは、一つ以上のプロセッサを含み、他の通信エンジンと独立して動作するよう設定できる。群として動作する通信エンジンは、一つ以上の他の無線通信デバイスからのリクエストを(例えば、それらの有用性に基づいて)個別に、かつ/または同時に(例えば、パラレルプロセッシングで)処理することができる。群として動作する通信エンジンは、無線通信デバイスからのリクエストを、優先順位をつけたかつ/または分散した方法で処理することができる。例えば、リクエストの処理に関連する動作をある通信エンジンにおいて実行し、それと同時に、同一のリクエスト(または、異なるリクエスト)の処理に関連する別の動作を、別の通信エンジンにおいて実行することができる。
【0075】
プロセッサ304は、メモリ306と通信して、メモリ306にデータを記憶し、かつメモリ306からデータを読み出すように設定できる。さまざまな実施形態に従い、メモリ306は、揮発性(例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、または不揮発性メモリ(例えば、バッテリバックアップRAM、FLASHなど)の任意の組み合わせを含み得るコンピュータ可読非一時的記憶装置である。メモリ306は、プロセッサ304において実行可能な命令を記憶するように設定できる。これらの命令は、プロセッサ304によって実行されたときに、プロセッサ304にさまざまな行為を実行させる機械可読命令を含むことができる。
【0076】
通信モジュール308は、メモリ306の一部であり、プロセッサ304によって実行されたときに、プロセッサ304に、それぞれの通信プロトコルに従いネットワークインターフェース314.1~314.iの一つ以上からデータを受信させ、このデータをデコードさせ、デコードしたデータを、ネットワークインターフェース314.1~314.iの一つ以上を通じた伝送のために、第二の通信プロトコルに従いエンコードさせ、そしてネットワークインターフェース314.1~314.iの一つ以上に、エンコードしたデータを伝送させる命令を記憶するように設定される。
【0077】
プロトコルハンドリングモジュール310は、メモリ306の一部であり、プロセッサ304によって実行されたときに、プロセッサ304に受信したデータに対応する通信プロトコルのタイプを決定させる命令を記憶するように設定される。例えば、プロトコルハンドリングモジュール310は、複数個のさまざまな通信プロトコルに従いデータを識別、デコード及び/またはエンコードさせるための命令を含むことができる。さまざまな実施形態において、プロセッサ304は、通信モジュール308及びプロトコルハンドリングモジュール310の両方に記憶された命令を使用して、これらの機能を実行することができる。実例となる実施例を提供するために、プロトコルハンドリングモジュール310は、パケットサイズ、ヘッダプリアンブル及び/またはヘッダ長、フレーム及び/またはパケットレート、コーディングレート、変調及び/または復調スキーム、並びに任意の適切な無線通信プロトコルに従い受信または伝送されるデータを処理するための任意の他の適切な情報に関する命令を含むことができる。
【0078】
さまざまな実施形態において、プロトコルハンドリングモジュール310は、プロセッサ304に特定の無線通信デバイスに従うデータを識別させることが可能な命令を含むことができる。(一人以上の)当業者に認識されるように、プロトコルハンドリングモジュール310は、エンコードしたデータが、対象となる受信通信デバイスに受信されるような適切なアドレス可能情報を含むように、プロセッサ304に一つ以上の無線通信デバイスのアイデンティティ及び/またはアドレスを決定させることが可能な命令を含むことができる。
【0079】
例えば、プロトコルハンドリングモジュール310は、プロセッサ304に、図2に示すような例えばフィールドコミュニケータ216などのフィールドコミュニケータから受信した通信から、ターゲットデバイス(例えば、フィールドデバイス、有線ネットワークコンポーネントなど)を識別させることが可能な命令を含むことができる。プロトコルハンドリングモジュール310に記憶されている命令は、プロセッサ304に、フィールドコミュニケータによって伝送されたデータを、識別された通信プロトコルに従いデコードさせ、ターゲット受信デバイスを決定させ、そして別の通信プロトコルの一部として再エンコードしたデータを、その対象となるターゲット受信デバイスに伝送させることができる。プロトコルハンドリングモジュール310は、アドレステーブル、ルーティングテーブル、またはプロセッサ304に対象となるデバイスからデータを受信させかつそこにデータを伝送させることができる任意の他の適切なルーティングシステムを示す命令を含むことができる。
【0080】
認証モジュール312は、プロセッサ304に新規のデバイスを既存の無線ネットワーク内にプロビジョニング及び/または認証させることが可能な命令を含むことができる。例えば、図2に関連して前述したように、ユーザは、フィールドコミュニケータなどの別のデバイスを使用して、例えば、新規のフィールドデバイスなどの新規のデバイスを、例えば、既存の無線ネットワーク内にプロビジョニングすることができる。さまざまな実施形態において、認証モジュール312に記憶されている命令は、プロセッサ304に、ユーザによって入力されたデバイスクレデンシャルが、無線ネットワークのそれらにマッチするか否かを決定させることができる。実例となる実施例を提供するために、ユーザは、フィールドコミュニケータを使用して、最初にPWAP300にアクセスして新規のフィールドデバイスのプロビジョニングをリクエストすることができる。プロセッサ304は、認証モジュール312に記憶されている命令にアクセスして、暗号化、さもなければメモリ306の安全な部分に記憶することができる、適切な安全ネットワーク認証クレデンシャルを決定することができる。クレデンシャルがマッチした場合には、その結果、プロセッサ304は、PWAP300に、プロビジョニングされる新規のフィールドデバイスと通信させることができる。(一人以上の)当業者に認識されるように、WirelessHART通信プロトコルは、認証モジュール314に記憶されている命令の一部であってもよい、新規に追加されたフィールドデバイスを確認するためのハンドシェイク認証手順を含む。
【0081】
実施形態は、このハンドシェイク手順を使用し、そしてフィールドコミュニケータなどの別のデバイスからの手順も起動するPWAP300を含む。このように、PWAP300は、有利にも、例えば、WirelessHART通信プロトコルに規定されているものなどの公知のプロビジョニング通信プロトコル方法を使用してプロビジョニング手順を実行し、その一方で、例えばWLANまたはBLUEOOTHなどの別の無線通信プロトコルに従い、フィールドコミュニケータから命令及び認証情報を受信することができる。PWAP300が二つ以上の通信プロトコルを使用して通信できるため、これによりユーザは、有線ワークステーションではなく無線フィールドコミュニケータを使用して、新規のフィールドデバイスをプロビジョニングすることができる。
【0082】
位置取得モジュール314は、プロセッサ304に、一つ以上の他のPWAP、フィールドコミュニケータ及び/またはフィールドデバイスの位置を決定させることが可能な命令を含むことができる。図2に関連して前述したように、位置取得モジュール314に含まれる命令は、プロセッサ304に、一つ以上の無線標準または任意の適切な技術に従い、測距及び方向解析を実行させることができる。例えば、位置取得モジュール314は、プロセッサ304に、そのような802.11n、802.11acなどの、無線IEEE通信プロトコルの802.11シリーズに従いPWAP300が一つ以上のフィールドコミュニケータと通信しているときの、ToA及びToDタイムスタンプを使用させることができる。
【0083】
別の実施例を提供するために、位置取得モジュール314に含まれる命令は、プロセッサ204に、導かれたビームの向きに基づいてPWAP300とフィールドコミュニケータとの間の向きを決定するためのMIMOビーム形成情報を使用させることができる。プロセッサ304によって計算された向き及び/または測距情報は、メモリ306に記憶し、そしてネットワーク化されたデバイス(例えば、ワークステーション)に伝送することができる。このように、PWAP300は、ユーザが操作するフィールドコミュニケータの取得位置に基づいて、それぞれのフィールドコミュニケータを操作するユーザを位置付けるための手段をプラント要員に与えることができる。
【0084】
図4は、一実施形態に従う方法400を例証するフロー図である。一実施形態では、方法400は、一つ以上のプロセッサ及び/または図3に示すような例えばPWAP300の通信エンジン302などのPWAPの他のコンポーネントによって実施することができる。
【0085】
方法400は、一つ以上のプロセッサが、第一の通信プロトコルに準拠して第一のデバイスからデータを受信することから始まる(ブロック402)。これは例えば、PWAP224が、標準無線通信プロトコルに準拠して、図2に示すようなフィールドコミュニケータ216からデータを受信することを含むことができる(ブロック402)。標準無線通信プロトコルは、例えば、WLANまたはBLUETOOTHプロトコルを含むことができる。これは例えば、PWAP224が、無線工業オートメーションプロトコルに準拠して、図2に示すような例えばワークステーション204などのプラントネットワークデバイスからデータを受信することも含むことができる(ブロック402)。無線工業オートメーションプロトコルは、例えば、WirelessHARTまたはISA100.11a通信プロトコルを含むことができる。
【0086】
方法400は、一つ以上のプロセッサが、第一の無線通信プロトコルに従いデータをデコードすることを含むことができる(ブロック404)。これは例えば、PWAP224が、標準無線通信プロトコルに従いフィールドコミュニケータ216から受信したデータ(ブロック402)をデコードすることを含むことができる(ブロック404)。これは例えば、PWAP224が、WirelessHARTまたはISA100.11a通信プロトコルに従い例えばワークステーション204などのプラントネットワークデバイスから受信したデータ(ブロック402)をデコードすることも含むことができる(ブロック404)。
【0087】
方法400は、一つ以上のプロセッサが、デコードされたデータ(ブロック404)を、第二の無線通信プロトコルに準拠してエンコードすることを含むことができる(ブロック406)。これは例えば、PWAP224が、WirelessHARTまたはISA100.11a通信プロトコルに従いフィールドコミュニケータ216からデコードされたデータ(ブロック404)をエンコードすることを含むことができる(ブロック406)。これは例えば、PWAP224が、例えばWLANまたはBLUETOOTH通信プロトコルに従いワークステーション204からデコードしたデータ(ブロック404)をエンコードすることも含むことができる(ブロック406)。
【0088】
方法400は、一つ以上のプロセッサが、第二の無線通信プロトコルに従いエンコードした(ブロック406)データを第二のデバイスに送信することを含むことができる(ブロック408)。これは例えば、PWAP224が、フィールドコミュニケータ216から受信(ブロック402)及びデコード(ブロック404)され、エンコードされた(ブロック406)データを、例えばWirelessHARTまたはISA100.11a通信プロトコルに準拠して、ワークステーション204などのプラントネットワークデバイスに送信することを含むことができる(ブロック408)。これは例えば、PWAP224が、例えばワークステーション204などのプラントネットワークデバイスから受信(ブロック402)及びデコード(ブロック404)され、エンコードされた(ブロック406)データを、例えばWLANまたはBLUETOOTH通信プロトコルに準拠してフィールドコミュニケータ216に送信することも含むことができる(ブロック408)。
【0089】
本開示は、プラント無線アクセスポイントがプラント環境において使用されるいくつかの実施形態を図示するが、さまざまな実施形態は、無線プロトコル変換が実用的である任意の適切な位置に実装されるプラント無線アクセスポイントを含む。例えば、プラント無線アクセスポイントは、プラント環境から離れた及び/またはその外部の環境に実装されるフィールドデバイスまたは他のタイプのデバイスを制御するように実施することができる。そのようなフィールドデバイスの実施例は、パイプライン、ポンプ場、水源、石油掘削装置などを含むことができる。(一人以上の)当業者に認識されるように、本明細書に議論されるようなプラント無線アクセスポイントは、それぞれのアプリケーションに基づいて、これらのフィールドデバイスを制御、それらにコマンド及び/またはそれらと通信する適切なデバイスと通信するように修正することができる。すなわち、PWAP224とインターフェースする図2に記述するプロセス制御システムは、他のタイプのフィールドデバイスとBluetoothで通信するような、各々の関連するアプリケーションにおいて使用される適切な制御要素と置き換えることができる。
【0090】
以下の追加の考慮事項は、前述の議論に応用できる。本明細書全体を通して、複数の例は、単一の例として記述したコンポーネント、動作または構造を実装することができる。一つ以上のルーチンまたは方法の個々の動作を別個の動作として例証して記述したが、個々の動作の一つ以上は、同時に実行することができ、それらの動作は、必ずしも例証した順序で実行される必要はない。実施例の構成において別個のコンポーネントとして提示した構造及び機能性は、組み合わされた構造またはコンポーネントとして実施することができる。同様に、単一のコンポーネントとして提示した構造及び機能性を、別個のコンポーネントとして実施することができる。これらの及び他の変化、変更、追加及び改善は、本開示の主題の範囲内に含まれる。
【0091】
さらに、論理または多くのコンポーネント、モジュール、もしくはメカニズムもしくはユニットを含むものとして特定の実施形態が本明細書に記述される。モジュール及びユニットは、ソフトウェアモジュール(例えば、非一時的機械可読媒体に記憶されているコード)、またはハードウェアモジュールのいずれかを構成することができる。ハードウェアモジュールは、特定の動作を実行可能な有形ユニットであり、特定の様式で構成または配置することができる。実施例の実施形態では、一つ以上のコンピュータシステム(例えば、スタンドアロン、クライアントまたはサーバコンピュータシステム)、またはコンピュータシステムの一つ以上のハードウェアモジュール(例えば、プロセッサまたはプロセッサの群)は、本明細書に記述されるような特定の動作を実行するように動作するハードウェアモジュールとして、ソフトウェア(例えば、アプリケーションまたはアプリケーション部)によって構成することができる。
【0092】
ハードウェアモジュールは、特定の動作を実行するように(例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)または特定用途向け集積回路(ASIC)などの専用プロセッサとして)不変に構成された専用回路または論理を含むことができる。ハードウェアモジュールは、特定の動作を実行するようにソフトウェアによって一時的に構成された(例えば、汎用プロセッサまたは他のプログラマブルプロセッサ内に含まれる)プログラマブル論理または回路も含むことができる。専用かつ不変に構成された回路、または(例えば、ソフトウェアによって構成される)一時的に構成された回路内にハードウェアモジュールを実装するか否かは、コスト及び期間に関する考慮事項によって決定できることが認識される。
【0093】
したがって、本明細書に使用されるハードウェア用語は、本明細書に記述される特定の様式において動作する、または特定の動作を実行するように、物理的に構成された、不変に構成された(例えば、配線された)、または一時的に構成された(例えば、プログラムされた)実在物である有体物を含むように理解されるはずである。ハードウェアモジュールが一時的に構成される(例えば、プログラムされる)実施形態の検討では、ハードウェアモジュールの各々を、任意の一つの例においてそのうちに構成または例示する必要はない。例えば、ハードウェアモジュールが、ソフトウェアを使用して構成された汎用プロセッサを含む場合には、汎用プロセッサは、異なる時にそれぞれ異なるハードウェアモジュールとして構成することができる。したがって、ソフトウェアは、例えば、時のある例において特定のハードウェアモジュールを構成し、時の異なる例において異なるハードウェアモジュールを構成するようにプロセッサを構成することができる。
【0094】
ハードウェア及びソフトウェアモジュールは、他のハードウェア及び/またはソフトウェアモジュールに情報を提供し、かつそれらから情報を受信することができる。したがって、記述したハードウェアモジュールは、通信可能に連結されたものとみなすことができる。複数のそのようなハードウェアまたはソフトウェアモジュールが同時に存在する場合には、通信は、ハードウェアまたはソフトウェアモジュールに接続する(例えば、適切な回路、線及びバスを通じた)信号伝送を通して達成することができる。複数のハードウェアモジュールまたはソフトウェアが異なる時に構成または例示される実施形態では、そのようなハードウェアまたはソフトウェアモジュール間の通信は、例えば、複数のハードウェアまたはソフトウェアモジュールがアクセスを有するメモリ構造内の情報の記憶及び検索を通じて達成することができる。例えば、一つのハードウェアまたはソフトウェアモジュールは、動作を実行し、その動作の出力を、通信可能に連結されたメモリデバイスに記憶することができる。次に、さらなるハードウェアまたはソフトウェアモジュールが、その後、メモリデバイスにアクセスして記憶された出力を検索及び処理することができる。ハードウェア及びソフトウェアモジュールは、入力または出力デバイスとの通信を起動し、リソースにおいて動作(例えば、情報を収集)することもできる。
【0095】
本明細書に記述される実施例の方法のさまざまな動作は、関連する動作を実行するように(例えば、ソフトウェアによって)一時的に構成または不変に構成された一つ以上のプロセッサによって、少なくとも部分的に実行することができる。そのようなプロセッサは、一時的にまたは不変に構成されたかに関わらず、一つ以上の動作または機能を実行するように動作するプロセッサ実装モジュールを構成することができる。本明細書に参照されるモジュールは、いくつかの実施例の実施形態では、プロセッサ実装モジュールを含むことができる。
【0096】
同様に、本明細書に記述される方法またはルーチンは、少なくとも部分的にプロセッサで実施することができる。例えば、方法の動作の少なくともいくつかは、一つ以上のプロセッサ、またはプロセッサ実装ハードウェアモジュールによって実行することができる。特定の動作の実行は、単一の機械内に存在するのみならず、多くの機械にわたって配置される一つ以上のプロセッサ間で分配することができる。いくつかの実施例の実施形態では、一つ以上のプロセッサを、(例えば、住居環境内、オフィス環境内、またはサーバファームとして)単一の位置に位置付けてもよいし、他の実施形態では、プロセッサを多くの位置にわたって分配してもよい。
【0097】
本明細書のいくつかの部分は、機械メモリ(例えば、コンピュータメモリ)内のビットまたは2値デジタル信号として記憶されたデータにおける操作のアルゴリズムまたは記号的表現として提示される。これらのアルゴリズムまたは記号的表現は、それらの研究における本質を当業者に伝えるために、データ処理分野の当業者によって使用される技術の実施例である。本明細書に使用されるような「アプリケーション」、「アルゴリズム」または「ルーチン」は、所望の結果に至る動作または同様の処理の自己無撞着シーケンスである。この文脈において、アプリケーション、アルゴリズム、ルーチン及び動作は、物理量の物理的処理を伴う。そのような物理量は、必ずではないが、通常、機械によって記憶、アクセス、転送、結合、比較、さもなければ処理できる電気、磁気または光信号の形態をとることができる。場合によっては、主に共通使用の理由のために、例えば、「データ」、「コンテンツ」、「ビット」、「値」、「要素」、「記号」、「文字」、「用語」、「数字」、「数詞」などの言葉を使用してそのような信号に言及することが好都合である。しかしながら、これらの言葉は、単に便利な名称であり、適切な物理量に関連し得る。
【0098】
他に明確に記載されていない限り、例えば、「処理」、「算出」、「計算」、「決定」、「提示」、「表示」などの言葉を使用する本明細書の議論は、一つ以上のメモリ(例えば、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、またはそれらの組み合わせ)、レジスタ、または情報を受信、記憶、伝送または表示する他の機械コンポーネントにおける物理量を示すデータ(例えば、電子、磁気または光学)を操作または変換する機械(例えば、コンピュータ)の機能または処理を意味し得る。
【0099】
本明細書に使用されるような「一つの実施形態」または「一実施形態」といった言及は、その実施形態に関連して記述された特定の要素、特徴、構造または特性が、少なくとも一つの実施形態に含まれることを意味する。本明細書内のさまざまな箇所に記載する「一つの実施形態では」という句は、全て同一の実施形態を必ずしも意味する訳ではない。
【0100】
いくつかの実施形態は、「連結された」及び「接続された」という表現をそれらの派生語とともに使用して記述され得る。例えば、いくつかの実施形態では、二つ以上の要素が直接的な物理的接触または電気接触されていることを示すために、「連結された」という用語を使用して記述され得る。しかしながら、「連結された」という用語は、二つ以上の要素が相互に直接には接触していないが、共に動作するまたは相互作用することも意味することがある。実施形態はこの文脈により限定されない。
【0101】
本明細書に使用されるような「備える」、「備えている」、「含む」、「含んでいる」、「有する」、「有している」という用語またはそれらのあらゆる変形語は、包括的な含有を含むことが意図される。例えば、要素の列挙を含む処理、方法、物品または装置は、必ずしもそれらの要素のみに限定されず、明確に列挙されていない、またはそのような処理、方法、物品または装置に元々備えられている他の要素を含み得る。さらに、明確に逆に規定しない限り、「または」は、包含的な「または」を意味し、排他的な「または」は意味しない。例えば、条件「AまたはB」は、以下のいずれかの条件を満たす。すなわち、「Aが真であり(または、存在している)かつBが偽である(または、存在してしない)」、「Aが偽であり(または、存在していない)かつBが真である(または、存在している)」、または「A及びBが共に真である(または、存在している)」。
【0102】
さらに、本明細書の実施形態の要素及びコンポーネントを記述するために、不定冠詞「a」または「an」が使用される。これは単に便宜上のためであり、記述の一般的な意味を与えるためである。この記述は、「一つの」または「少なくとも一つの」を含むように読まれるはずであり、単数形は、複数を含意しないことが明らかに意味されていない限り、複数も含む。
【0103】
当業者は、本開示読了後、本明細書に開示するようなモデルを構成及び実行するデータモデリングスタジオを実装するようななおも追加の代替的な構造及び機能設計を認識する。故に、特定の実施形態及びアプリケーションを本明細書に図示して記述したが、開示した実施形態が、本明細書に開示したのと寸分違わない構造及びコンポーネントに限定されないことが理解されるはずである。当業者に明らかなさまざまな修正、変更及び変化を、特許請求の範囲に定義された真意及び範囲から逸脱することなく、本明細書に開示した方法及び構造の配置、動作及び詳細に為すことができる。
以下、本願の付記項を示す。
(付記項1)
プラント無線アクセスポイント(PWAP)における、プロセスプラント内のプラントデバイスとフィールドコミュニケータとの間の通信の促進方法であって、
一つ以上のプロセッサによって、標準無線通信プロトコルに準拠してフィールドコミュニケータから受信したデータを、無線工業オートメーションプロトコルに準拠してエンコードすることによって、プラントデバイス用のエンコードされたデータをもたらすことと、
一つ以上のプロセッサによって、前記無線工業オートメーションプロトコルに準拠してプラントデバイスから受信したデータを、前記標準無線通信プロトコルに準拠してエンコードすることによって、フィールドコミュニケータ用のエンコードされたデータをもたらすことと、
一つ以上のプロセッサによって、前記プラントデバイス用のエンコードされたデータ及び前記フィールドコミュニケータ用のエンコードされたデータを、それぞれ、前記プラントデバイス及び前記フィールドコミュニケータに送信することによって、前記プラントデバイスと前記フィールドコミュニケータとの間の通信を促進することと、を含み、
前記標準無線通信プロトコルと前記無線工業オートメーションプロトコルとが異なるプロトコルである、通信の促進方法。
(付記項2)
前記無線工業オートメーションプロトコルが、
ハイウェイアドレス可能遠隔トランスデューサ(HART)プロトコルを含み、
前記標準無線通信プロトコルが、
無線パーソナルエリアネットワーク(PAN)プロトコル、及び
無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)プロトコルの一つ以上を含む、付記項1の通信の促進方法。
(付記項3)
一つ以上のプロセッサによって、(i)前記フィールドコミュニケータと(ii)プラントオートメーションネットワークとの間の通信を促進することをさらに含む、付記項1の通信の促進方法。
(付記項4)
前記プラントデバイス用のエンコードされたデータ及び前記フィールドコミュニケータ用のエンコードされたデータを、それぞれ、前記プラントデバイス及び前記フィールドコミュニケータに送信する前記の行為が、
前記プラントデバイスを較正することと、
前記プラントデバイスを設定することと、
前記プラントデバイスにおいて診断を実行することと、
前記プラントデバイスに対応するソフトウェアをアップデートすることと、
前記プラントデバイスに対応するファームウェアをアップデートすることとの一つ以上を実行するために、前記プラントデバイス用のエンコードされたデータと前記フィールドコミュニケータ用のエンコードされたデータとを、前記プラントデバイスと前記フィールドコミュニケータとの間で交換することを含む、付記項1の通信の促進方法。
(付記項5)
前記プラントデバイスが、プロセス制御動作を実行するように前記プラントオートメーションネットワークによって制御される制御ループの一部であり、前記フィールドコミュニケータと前記プラントオートメーションネットワークとの間の通信を促進する前記の行為が、
前記フィールドコミュニケータによる、ループ点検機能の一部として一つ以上の制御ループパラメータへのアクセスを促進することを含む、付記項3の通信の促進方法。
(付記項6)
一つ以上のプロセッサによって、前記標準無線通信プロトコルに従い前記フィールドコミュニケータと通信し、第二のプラントデバイスを、前記PWAP及び前記第二のプラントデバイスを含む無線ネットワーク内にプロビジョニングすることをさらに含み、
前記PWAP及び前記第二のプラントデバイスが、前記無線工業オートメーションプロトコルに従い前記無線ネットワークを通じて通信するように設定された、付記項1の通信の促進方法。
(付記項7)
一つ以上のプロセッサによって、(i)前記フィールドコミュニケータと(ii)前記第二のプラントデバイスとの間の通信を促進することをさらに含む、付記項6の通信の促進方法。
(付記項8)
一つ以上のプロセッサによって、前記PWAPと相対的な前記フィールドコミュニケータの位置を決定することをさらに含む、付記項1の通信の促進方法。
(付記項9)
標準無線通信プロトコルに準拠してフィールドコミュニケータからデータを受信するように設定された第一のネットワークインターフェースと、
無線工業オートメーションプロトコルに準拠してプラントデバイスからデータを受信するように設定された第二のネットワークインターフェースと、
無線工業オートメーションプロトコルに準拠して前記フィールドコミュニケータから受信した前記データをエンコードして、プラントデバイス用のエンコードされたデータをもたらし、かつ
前記標準無線通信プロトコルに準拠して前記プラントデバイスから前記受信した受信した前記データをエンコードして、フィールドコミュニケータ用のエンコードされたデータをもたらすように設定されたプロセッサと、を備えており、
前記第一のネットワークインターフェースが、前記フィールドコミュニケータ用のエンコードされたデータを前記フィールドコミュニケータに送信するようにさらに設定されており、
前記第二のネットワークインターフェースが、前記プラントデバイス用のエンコードされたデータを前記プラントデバイスに送信するようにさらに設定されており、
前記標準無線通信プロトコルと前記標準無線通信プロトコルとが異なるプロトコルである、プラント無線アクセスポイント。
(付記項10)
前記無線工業オートメーションプロトコルが、
ハイウェイアドレス可能遠隔トランスデューサ(HART)プロトコルを含み、
前記標準無線通信プロトコルが、
無線パーソナルエリアネットワーク(PAN)プロトコル、及び
無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)プロトコルの一つ以上を含む、付記項9のプラント無線アクセスポイント。
(付記項11)
前記プロセッサが、(i)前記フィールドコミュニケータと(ii)プラントオートメーションネットワークとの間の通信を促進するように前記第一及び第二のネットワークインターフェースを制御するようにさらに設定された、付記項9のプラント無線アクセスポイント。
(付記項12)
前記プロセッサが、
前記プラントデバイスを較正することと、
前記プラントデバイスを設定することと、
前記プラントデバイスにおいて診断を実行することと、
前記プラントデバイスに対応するソフトウェアをアップデートすることと、
前記プラントデバイスに対応するファームウェアをアップデートすることとの一つ以上の前記フィールドコミュニケータによる実行を促進するように前記第一及び第二のネットワークインターフェースを制御するようにさらに設定された、付記項9のプラント無線アクセスポイント。
(付記項13)
前記プラントデバイスが、プロセス制御動作を実行するように前記プラントオートメーションネットワークによって制御される制御ループの一部であり、
前記プロセッサが、前記フィールドコミュニケータがループ点検機能の一部として一つ以上の制御ループパラメータにアクセスできるように前記第一及び第二のネットワークインターフェースを制御するようにさらに設定された、付記項11のプラント無線アクセスポイント。
(付記項14)
前記プロセッサが、標準無線通信プロトコルに従う前記フィールドコミュニケータからの命令の受信時に、第二のプラントデバイスを、前記プラント無線アクセスポイント(PWAP)及び前記第二のプラントデバイスを含む無線ネットワーク内にプロビジョニングするようにさらに設定されており、
前記第二のネットワークインターフェースが、前記無線工業オートメーションプロトコルに従う前記プラント無線アクセスポイント(PWAP)と前記第二のプラントデバイスとの間の通信を提供するように設定された、付記項9のプラント無線アクセスポイント。
(付記項15)
前記プロセッサが、(i)前記フィールドコミュニケータと(ii)前記第二のプラントデバイスとの間の通信を促進するように前記第一及び第二のネットワークインターフェースを制御するようにさらに設定された、付記項14のプラント無線アクセスポイント。
(付記項16)
前記プロセッサが、前記プラント無線アクセスポイント(PWAP)と相対的な前記フィールドコミュニケータの位置を決定するようにさらに設定されていることをさらに含む、付記項9のプラント無線アクセスポイント。
(付記項17)
プロセッサによって実行されたときに、前記プロセッサに、
標準無線通信プロトコルに準拠してフィールドコミュニケータからデータを受信させ、
無線工業オートメーションプロトコルに準拠してプラントデバイスからデータを受信させ、
無線工業オートメーションプロトコルに準拠して前記フィールドコミュニケータから受信した前記データをエンコードして、プラントデバイス用のエンコードされたデータをもたらさせ、
前記標準無線通信プロトコルに準拠して前記プラントデバイスから前記受信した受信した前記データをエンコードして、フィールドコミュニケータ用のエンコードされたデータをもたらさせ、ここで、前記標準無線通信プロトコルと前記標準無線通信プロトコルとが異なるプロトコルであり、
前記フィールドコミュニケータ用のエンコードされたデータを前記フィールドコミュニケータに送信させ、
前記プラントデバイス用のエンコードされたデータを前記プラントデバイスに送信させる、プロセスプラント内の前記プラントデバイスと前記フィールドコミュニケータとの間の通信を促進するための機械可読命令を記憶する非一時的有形コンピュータ可読媒体。
(付記項18)
前記無線工業オートメーションプロトコルが、
ハイウェイアドレス可能遠隔トランスデューサ(HART)プロトコルを含み、
前記標準無線通信プロトコルが、
無線パーソナルエリアネットワーク(PAN)プロトコル、及び
無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)プロトコルの一つ以上を含む、付記項17の非一時的有形コンピュータ可読媒体。
(付記項19)
前記プロセッサによって実行されたときに、前記プロセッサに、
(i)前記フィールドコミュニケータと(ii)プラントオートメーションネットワークとの間の通信を促進するように第一及び第二のネットワークインターフェースを制御させる命令をさらに含む、付記項17の非一時的有形コンピュータ可読媒体。
(付記項20)
前記プロセッサによって実行されたときに、前記プロセッサに、
前記プラントデバイスを較正することと、
前記プラントデバイスを設定することと、
前記プラントデバイスにおいて診断を実行することと、
前記プラントデバイスに対応するソフトウェアをアップデートすることと、
前記プラントデバイスに対応するファームウェアをアップデートすることとの一つ以上の前記フィールドコミュニケータによる実行を促進させる命令をさらに含む、付記項17の非一時的有形コンピュータ可読媒体。
(付記項21)
前記プラントデバイスが、プロセス制御動作を実行するように前記プラントオートメーションネットワークによって制御される制御ループの一部であり、
前記プロセッサによって実行されたときに、前記プロセッサに、
前記フィールドコミュニケータがループ点検機能の一部として一つ以上の制御ループパラメータにアクセスできるように前記第一及び第二のネットワークインターフェースを制御させる命令をさらに含む、付記項19の非一時的有形コンピュータ可読媒体。
(付記項22)
前記プロセッサによって実行されたときに、前記プロセッサに、
標準無線通信プロトコルに従う前記フィールドコミュニケータからの命令の受信時に、第二のプラントデバイスを、プラント無線アクセスポイント及び前記第二のプラントデバイスを含む無線ネットワーク内にプロビジョニングさせ、
前記無線工業オートメーションプロトコルに従う前記プラント無線アクセスポイントと前記第二のプラントデバイスとの間の通信を提供させる命令をさらに含む、付記項17の非一時的有形コンピュータ可読媒体。
(付記項23)
前記プロセッサによって実行されたときに、前記プロセッサに、
(i)前記フィールドコミュニケータと(ii)前記第二のプラントデバイスとの間の通信を促進するように第一及び第二のネットワークインターフェースを制御させる命令をさらに含む、付記項22の非一時的有形コンピュータ可読媒体。
(付記項24)
前記プロセッサによって実行されたときに、前記プロセッサに、
プラント無線アクセスポイントと相対的な前記フィールドコミュニケータの位置を決定させる命令をさらに含む、付記項17の非一時的有形コンピュータ可読媒体。
図1
図2
図3
図4