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特許7346560美容、脳卒中、特発性顔面神経麻痺患者が顔の骨および筋肉を鍛えるための装置および使用方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-08
(45)【発行日】2023-09-19
(54)【発明の名称】美容、脳卒中、特発性顔面神経麻痺患者が顔の骨および筋肉を鍛えるための装置および使用方法
(51)【国際特許分類】
   A61H 1/02 20060101AFI20230911BHJP
   A63B 23/03 20060101ALI20230911BHJP
【FI】
A61H1/02
A63B23/03
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2021517930
(86)(22)【出願日】2019-06-10
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-10-11
(86)【国際出願番号】 US2019036373
(87)【国際公開番号】W WO2019237116
(87)【国際公開日】2019-12-12
【審査請求日】2022-05-02
(31)【優先権主張番号】62/682,556
(32)【優先日】2018-06-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】520480164
【氏名又は名称】マクギー、プレンティス カプリ
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マクギー、プレンティス カプリ
【審査官】山田 裕介
(56)【参考文献】
【文献】特開平08-131578(JP,A)
【文献】特開2006-320692(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0251051(US,A1)
【文献】特開2006-288953(JP,A)
【文献】米国特許第06406405(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61H 1/02
A63B 23/03
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の唇の少なくとも1つの部位の抵抗運動を行うための顔面運動装置であって、
記少なくとも1つの唇部位に対して、少なくとも1つのレベルの抵抗を提供可能な伸縮コンポーネントと、前記少なくとも1つの唇部位を囲うように湾曲し、前記伸縮コンポーネントに垂直に接続される湾曲唇ホルダーとを有する少なくとも1本のフレクサアームと、
前記少なくとも1本のフレクサアームに接続される少なくとも1つのフレクサヘッドと、
マウスピース固定具であって、前記患者が前記マウスピース固定具にして噛み合わせるとき、前記顔面運動装置を前記患者の顔に固定するのに足る大きさと形状を有し、前記フレクサヘッドに接続される、マウスピース固定具と、
を備える顔面運動装置。
【請求項2】
少なくとも4本のフレクサアームをさらに備え、
前記フレクサヘッドは略円筒形で、前記フレクサヘッドに沿って、90度間隔で、径方向に前記少なくとも4本のフレクサアームに接続される、請求項1に記載の顔面運動装置。
【請求項3】
前記伸縮コンポーネントは、前記少なくとも1つの唇部位に対する抵抗を調整可能な調整可能ばねを含む、請求項1または2に記載の顔面運動装置。
【請求項4】
前記湾曲唇ホルダーは、唇ホルダー裏後端および唇ホルダー上前端を有し、
前記伸縮コンポーネントは、
前記唇ホルダー裏後端に固定され、前記調整可能ばねを収容するフレクサアームケースと、
前記フレクサアームケースに設けられ、前記調整可能ばねのばね力を上げる、または下げる機構を提供する抵抗調整ゲージと、
前記調整可能ばねを前記フレクサアームケース内に押し付けるように前記フレクサアームケースに固定されるフレクサアームロックと、
前記フレクサアームロックに移動可能に接続される内部コンプレッサロッドと、
前記内部コンプレッサロッド及び前記少なくとも1つのフレクサヘッドに固定されるベースコネクタとを含む、請求項3に記載の顔面運動装置。
【請求項5】
前記フレクサヘッドは、
円筒形状を形成し、
前記フレクサヘッドの周りに径方向に配置され、それぞれの前記ベースコネクタに固定される第1接続ポートと、第2接続ポートと、第3接続ポートと、第4接続ポートとを有し、
フレクサヘッドコネクタばねと、前記フレクサヘッドコネクタばね内に嵌るフレクサヘッドコネクタロッドと、を収容し、
前記フレクサヘッドは、
一端に設けられ、前記フレクサヘッドコネクタばね及び前記フレクサヘッドコネクタロッドを介して前記マウスピース固定具と接続される端チャンバと、
他端に設けられる端キャップと、
前記マウスピース固定具および前記フレクサヘッドの間の力または圧力を監視し、前記マウスピース固定具および前記フレクサヘッドの間の力または圧力を調整する機構を提供する抵抗調整ゲージパネルとを有する、請求項4に記載の顔面運動装置。
【請求項6】
前記マウスピース固定具は、
前記患者の歯を収容するマウスピース歯溝と、
前記マウスピース歯溝の内側に配置され、前記患者の歯を支持するマウスピース歯支持部と、
前記患者の前歯の前方に位置するマウスピースフロントプレートと、
前記マウスピースフロントプレートの一端から延在して前記マウスピース歯溝の外側に配置される右アームと、
前記マウスピースフロントプレートの他端から延在して前記マウスピース歯溝の外側に配置される左アームと、
前記マウスピースフロントプレートの前面に設けられ、前記フレクサヘッドの前記端チャンバに接続されるマウスピースコネクタとを含む、請求項5に記載の顔面運動装置。
【請求項7】
前記フレクサヘッドは、前記マウスピース固定具への接続部を中心に回転可能である、請求項1からのいずれか一項に記載の顔面運動装置。
【請求項8】
前記マウスピース固定具は、前記患者の歯型から成型される、請求項1からのいずれか一項に記載の顔面運動装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
法によって認められる範囲について、本米国特許本出願は、参照によって本明細書にその全体が組み込まれる、2018年6月8日に出願された米国仮出願第62/682,556号(発明の名称「ISO Device」)の優先権を主張し、これの十分な恩恵にあずかる。
【0002】
本開示は、運動デバイスに関する。特に、脳卒中、ベル麻痺、特発性顔面神経麻痺を患った患者の顔の骨および筋肉を強化する、または顔を鍛えることで、美容的にしわを減らすための装置に関する。より具体的に、本開示は、運動者の歯により把持され、運動者の唇の周りに嵌められ得る調整可能デバイスまたは装置に関する。これにより運動が行われ、日常的運動により顔の骨と筋肉が鍛えられる。装置の抵抗を調整することで、運動者の唇に対する抵抗が増加する。
【背景技術】
【0003】
脳卒中を患った、またはベル麻痺(より適切な名称としては特発性顔面神経麻痺)の状態を患っている患者は多くの場合、自分または他人にとって見た目に好ましくなく、または非対称に感じ得る、顔の見た目の問題を持つことが多い。このような状態は年間何万人もの成人に生じ、多くの場合、その人に一生つきまとうこととなり得る。これら状態のいずれも、多くの場合、壮年期の人に突然生じ得、身体的な障害として残り、対処しなければ永久に顔に問題が残ってしまう。様々な予防およびリハビリ処置または技術が利用でき得るが、これらの状態は、多くの人々の生涯にわたって影を落とし続ける。さらに、年配の個人は、歳をとるにつれ、自身の顔中の様々な場所にできる、見た目に好ましくないしわに悩まされ得る。任意の特定のしわの原因は避けられ得るが、最終的には、誰でも歳をとればこれら顔のしわが自身の顔に刻まれていることに気づき、発生を低減するかなくすかしたいと望み得る。
【0004】
特発性顔面神経麻痺は、患者の顔の筋肉の急激な弱体化を生じ、ほとんどの場合、患者の症状の出ていない顔の半分よりも、症状の出た顔の半分が垂下した見た目となる。そのような患者は片側でしか笑顔が作れなくなり得、口のそちら側からよだれをたらし得、そちら側の目は閉じにくくなり得る。特発性顔面神経麻痺は、どの年齢でも起き得、その名にも示されるように、正確な原因は不明であり得る。多くの研究は、患者の顔の片側の筋肉を司る神経の膨張と炎症の結果であると示唆している。いくつかの場合ではウイルス感染を起因とするまたはそれによって引き起こされる。多くの患者にとって、特発性顔面神経麻痺は一時的であり、症状は数週間以内に改善し始め得、半年から1年で完全に治るものである。しかし一部の患者は、これら症状に生涯悩まされ続けるか、回復後にその症状を再び患う。極めて稀だが、特発性顔面神経麻痺が患者の顔の両側の神経におよぶ場合もある。
【0005】
脳卒中は、脳への血液供給が途切れることで生じる。血液は脳へ4本の大動脈から供給される。これらは、脳の全部位に血液を供給する、より細かい多数の血管に分岐する。脳卒中時に、血液供給が途切れたことで影響を受ける脳の部位に応じて、脳卒中を起こした患者へのダメージの種類および程度が決まる。最も深刻な場合、大動脈への供給停止により、脳の大部分が影響され得、重症化、ひいては死亡もあり得る。分岐動脈が影響されるような、症状がより軽い場合、脳卒中はより軽くなり得、したがって症状も比較的軽くなる。このように血液供給が途切れる主な原因としては、虚血、血栓、出血(hemorrhage)、または血管からの出血(bleeding)のいずれかが挙げられる。脳卒中の一般的かつ比較的軽微な症状の1つとして、顔面脱力および/または麻痺が挙げられる。時に致命的となり得る、脳卒中のその他症状と比べて軽微であるが、これら症状も一般的で、脳卒中生還者が長く患うことが多い。脳卒中患者の部分的顔面神経麻痺、または顔面/脳卒中麻痺は通常、脳内の顔面神経へのダメージの結果である。これは脳卒中の初期兆候から数分以内に生じ得る当該神経への酸素欠乏によるもので、虚血性および出血性脳卒中のいずれでも一般的である。一般的に、患者の顔面の下部のみ、そして片側のみに症状が出る。通常、特発性顔面神経麻痺と異なり、患者の眉および上瞼は完全に機能する。一方で、特に脳卒中後に患者の頬が筋肉の緊張と強度を失った場合に、患者の頬の重みにより下瞼は垂下し得る。一部の患者からは、特発性顔面神経麻痺と同様に顔面垂下が報告されている。顔面下垂の患者は、自発的または無意識に笑顔を作ることが可能ではあり得るが、無意識に笑顔を作ることが困難であると報告されることが多い。患者は症状が出た側で自身の口からよだれを垂らしたり、明瞭に喋るのが困難であったり、飲食が困難であり得る。
【0006】
これら状態について、見た目の好ましくなさ、または変形する症状の治療に、様々な方法が採られてきた。特に特発性顔面神経麻痺について、プレドニゾンなどのコルチコステロイドが顔面神経の腫れを抑えることが知られている。これにより、同神経がそれを囲む骨の経路内により上手く収まるようになる。さらに、根本的な原因に対して、抗ウイルス薬が効果的であり得る。しかし、それが単なるプラシーボ以上の効果があるかはまだ議論されている。処置しない限り神経障害と萎縮により縮むおよび/または短くなり得る麻痺した筋肉に対する理学療法も研究されている。即ち、このようなことになるのを防止する、またはこの症状を緩和するためのマッサージと運動による方法である。一部の患者に対しては、手術の必要もあり得る。しかし、骨の経路を開いて、顔面神経への圧力を軽減する減圧手術は、今や積極的に推奨されるものではない。したがって手術は、顔面神経の継続的な問題に対処するためにのみ、推奨されることもある。特発性顔面神経麻痺患者に対し、市販の鎮痛剤、家での運動、鍼やバイオフィードバックトレーニングなどの代替医療を含むその他療法も研究されているが、確実な成果を上げるに至ってはいない。脳卒中を起こした後に何らかの形の顔面神経麻痺を患った患者にも、同様な治療および技術を使用して治療が施されることが多い。しかし、その場合でもこれら治療は大多数の人々にわたる効果が認められない可能性があり、それぞれがそれぞれのリスクおよび/または欠点を有し得る。
【0007】
しわは人間が年齢を重ねるに当たって自然であると考えられ得るが、様々な要因が、人の顔のしわに寄与、促進、ひいては発生を生じ得る。それは通常、肌のひだ、折り目、隆起として現れ、長時間水に曝されることで、一時的に生じることもある。表面/ちりめんじわと、深いしわという2種類のみ分類されることもある様々なしわが、年配者の顔にでき得、歳を重ねるごとにその数が増え得る。通常、まず人の顔にできるしわは、人の一般的な顔の表情の結果であると考えられている。その他原因としては、日光によるダメージ、喫煙、脱水、薬、環境的要因、および遺伝的/世襲的要因が挙げられるが、これに限定されない。人は自分が若い時の見た目を維持しようとするものであり、顔のしわは通常好ましからざる老化の兆候である。したがって、しわの発生防止および低減のために、全世界で数千億円が投じられている。
【0008】
あらゆる年配の成人に共通の悩みであることからも、特発性、脳卒中による、またはその他顔の麻痺の治療よりも、しわの防止および治療の選択肢がより幅広いことは疑いようもない。健康的な生活と運動で、その他老化の兆候を食い止めるために必死の努力をする人は多い。それでも、結局はそれほどの努力をしない人々と同じように、自身の顔に刻まれた兆候に悩むのである。そのような人たちは、自身の顔に刻まれたこれら老化の兆候を最小限にとどめるため、様々な治療を探り、試み得る。そのような治療は数知れないが、外用療法、内服療法、および大小手術という3つの主要カテゴリーに分類されることが多い。外用療法は通常、患者の顔に定期的に塗布されるクリームまたはジェルという形式を採る。これらは、保湿剤、植物性薬品、ビタミン、またはその他化学薬品を含み得る。外用療法は通常、表面/ちりめんじわの治療に利用されるものであって、深いしわに悩む患者に効果を提供することも、その効果を謳うこともほとんどない、もしくは全くない。多くの外用療法が大きな効果を謳い得るが、その内ある程度の効果、もしくは一時的以上の効果、ましてや大きな、確実な、または長期間続くような効果を呈するものはほとんどない。内服またはピルによる療法についても同様であり得るが、この分野は研究が進んでおり、ある程度の効果も認められる。最後に、削皮術、レーザー治療、およびケミカルピーリングのような軽度の治療および手術、並びにボトックスおよびコラーゲン注射または美容整形手術のようなより積極的な治療は、より劇的かつ即効性のある効果を呈し得る。しかし費用がかかり、時間が経つと効果が薄れるというリスクもある。繰り返し治療を施すことで、顔の見た目に劇的、または醜悪とも思えるような変化が生じることすらも報告されている。このことを最も広く知らしめたのは、一部の極めて高名な、年配有名人のケースであり得る。しわはでき始めると、発生を抑えることが困難となる。そこで、多くの人々は、そもそも最初にできることを予防するための技術または生活を選び得る。日焼け止めのクリームや保護用の衣服で、日光によるダメージを防止、禁煙、禁酒、質の高い睡眠をとることは全て顔のしわ防止策に寄与し得る。
【0009】
一方で、人の顔の下の筋肉の運動により、特発性および脳卒中麻痺による長引く症状を治療し、さらに老化によるしわの発生を治療、最少化、なくする、または防止する方法があり得る。さらに、筋萎縮および骨の劣化を含む、その他老化による顔への影響も、顔の筋肉を日常的に鍛えることで、同様に抑えられ得る。運動および当該運動を補助するいくつかの器具および技術が存在し得るが、筋力トレーニング計画の一部となり得る、顔の骨および筋肉を真に鍛えるために、経時的に抵抗が増加され得るようなものは存在しない。
【0010】
メディアで一般的に骨とは、単に身体を繋ぎとめる無機質な支持構造のように表現されることが多いが、骨は常に変形し続けている、生きた、活性組織である。人間と多くの動物の中で、骨は多くの機能を担い得る。さらに構造的支持を提供し、重要臓器を保護し、運動性の向上を図るため、それらは血液細胞が生まれる骨髄用の環境を提供し、ミネラルに対する貯蔵媒体となる。人間は、主に軟骨である、270本の骨を持って産まれてくる。骨は成長に伴い硬化し、特に頭蓋骨で一部結合する。解剖学的に不足のない成人は、206本の骨を持つ。骨の多くは、プロテインコラーゲンを含む。これそのものは、柔軟な構造を提供するに過ぎない。このコラーゲン構造は、ミネラルリン酸カルシウムと結合すると硬化し、強度を帯びる。健常な人間の骨は、体外からわずかな圧力が加わると、固く感じられる。しかし、骨の内部構造は、蜂の巣と同様である。したがって、頑丈だが比較的軽い。若い、および/または健常な個人の骨が常に再構築、変形プロセスを経る間、骨組織は分解し、その頑丈な構造を保つため、再構築される。人体内の一部の細胞とプロセスが骨組織の構築および強化に寄与する一方、それ以外は骨組織の破壊を担う。破壊の結果、内部に保持されていたミネラルが放出される。成長時、このプロセスは、主に骨形成細胞および生物学的プロセスとなる傾向にあり得る。成人になると、このプロセスはそれぞれが比較的均等な量で生じる、平衡状態に達し得る。年配になると、健常者であれ、これら生物学的プロセスに影響する障害を持つ者であれ、骨組織の構築よりも、骨組織の分解がより進み始める。閉経前の女性に高濃度で存在するエストロゲンというホルモンが、男女ともに重要な骨形成ホルモンとなる。エストロゲンは通常、人間の男性において生涯にわたって健全な水準に保たれる。一方、女性は更年期に同ホルモンが減少することで、骨組織の喪失である骨粗鬆症を患い始め得る。女性にとって、このプロセスを監視し、このプロセスを避けるために健康と食事を意識することが重要なのは間違いないが、年配の男性も骨密度の監視および同様に健康と食事を意識することに有効性を感じ得る。骨粗鬆症を避け、骨密度を増加するのに重要な、健康と食事を意識した行為して考えられることは、ビタミンDとカルシウムを積極的に摂取するかサプリで補うこと、日光を浴びること、運動を含む。その他考えられることとしては、禁煙や酒量を抑えることが挙げられ得る。
【0011】
健康的な食事と定期的な運動が、健康的で見た目に美しい身体に寄与することはよく知られている。さらに、抵抗運動と、ウエイトトレーニングが、筋肉量を増強し、規定することに寄与することが知られている。日々のワークアウト計画において、抵抗またはウェイトを増やすと、筋肉量が増え、より規定される。筋肉量が増加すると、多くの場合、しない場合よりも抵抗運動およびウエイトトレーニングをよりこなせるようになり得る。日常的にこれら運動を行い、計画的に抵抗を増やしていくと、筋肉は自然に成長し続け、鍛えられ、大きくなっていく。したがって、これら成長し、鍛えられた筋肉の見た目は、身体の外見からも見えるようになる。人が鍛える理由にもよるが、これは重要な副産物、または主要な効果でもあり得る。骨も生きた組織として、筋肉と変わらず、強度および抵抗トレーニングの恩恵を受ける。骨を鍛える運動の重要な要素として、強化トレーニングと、耐荷重運動の実行が挙げられる。
【0012】
骨と筋肉(例えば、腕、脚、背中など)の両方を鍛えるための、一般的な身体の運動は、多様に存在する。しかし、顔の骨と筋肉を鍛えるのに一般的な運動はほとんど存在しない。通常の健常な人の顔は、合計43の筋肉と14の骨を含み、これら骨および筋肉を鍛え、強化するのに、様々な運動が寄与できる。上述の状態の治療に特に該当する筋肉としては、左右挙筋上唇挙筋、口角挙筋、小頬骨筋、大頬骨筋、眼輪筋、笑筋、口角下制筋(三角筋)、下唇下制筋、およびオトガイ筋、ならびに口輪筋を含み得るが、これに限定されない。上述の状態の治療に特に該当する骨としては、頬骨、上顎骨、および下顎骨が挙げられ得るが、これに限定されない。これら筋肉および骨を、制御下で強化する運動機械を提供することは、これら筋肉の成長および強化に寄与し得る。これにより、皮下筋肉量増大と、強度上昇の恩恵が得られ得る。したがって、しわに悩む患者の老化による影響の一部軽減、および脳卒中または特発性顔面神経麻痺に苦しむ患者のリハビリが実現される。
【0013】
したがって、患者の顔の特定の筋肉に、正確な抵抗を印加可能であるため、治療する医師が上記抵抗を増加可能である、顔面骨および筋肉強化装置またはデバイスについて、満たされていない知られているニーズがあることは容易に理解可能である。抵抗増加により、患者の筋肉量、筋肉強度、骨量、および骨密度を増加する。したがって、ベルおよび脳卒中麻痺と顔のしわという状態の1または複数に悩む患者について、患者の皮下組織の成長および強化により、麻痺の軽減およびしわの最小化ひいては除去が実現される。本開示は、装置またはデバイスと、本明細書に開示の装置を含む装置またはデバイスを使用した方法とにより、上述の問題の少なくとも一部の態様を解決しながら、このニーズに応えるように設計される。
【発明の概要】
【0014】
簡潔に説明すると、可能な好ましい実施形態において、本開示は、上述の欠点を解消し、当該装置について知られているニーズを満たす。これは、運動者の顔の特定の筋肉に、正確な抵抗を印加可能な顔の骨および筋肉強化装置またはデバイスを提供することで実現される。したがって、運動者またはそれを治療する医師は、運動者の筋肉量、筋肉強度、骨量、骨密度を増やすため上記抵抗を増やすことができる。これにより、特発性および脳卒中麻痺の症状が軽減され、運動者の顔のしわが最小限に抑えられる、ひいては除去される。
【0015】
より具体的には、本顔面骨および筋肉強化装置またはデバイスの例示的実施形態は、少なくとも1本のフレクサアームと、フレクサヘッドと、マウスピース固定具とを備える。少なくとも1本のフレクサアームは様々な大きさ、形状、形態、および構成をとり得るが、好ましくなり得る実施形態では、患者の唇の少なくとも一部を囲うように湾曲した上側コンポーネントを有し得る。本実施形態において、上側コンポーネントは、上記少なくとも1つの唇部位に少なくとも1つのレベルの抵抗を提供可能な屈曲コンポーネントに垂直に接続され得る。屈曲コンポーネントの抵抗レベル調整機能は、患者の唇に対して、可変範囲の抵抗を提供するためのものと想定される。これにより、ある期間にわたって、皮下の筋肉および骨の強化および成長用のルーチンの効率を上げる。好ましくなり得る実施形態において、フレクサヘッドは、組み立てられた装置を患者の顔に固定するのに十分な大きさと形状を有し得る。これは様々な方法で実現され得る。同方法としては、一般的な患者の歯または歯茎(それぞれ、歯のある、またはない患者用)の型の一般的な湾曲に合わせて成形される、または治療中の個別の患者に対し、その個別の歯または歯茎の型に基づいた、カスタム型を作ることが挙げられるが、これに限定されない。本実施形態において、患者がマウスピース固定具に対して噛合わせて、装置が完全に組み立てられていると、マウスピース固定具は、運動ルーチンの間に、装置全体を安定化させるアンカーとして機能する。好ましくなり得る実施形態において、マウスピース固定具と、1または複数のフレクサアームとの間に、フレクサヘッドが存在する。フレクサヘッドは、マウスピース固定具および(1または複数の)フレクサアームの両者に対して、別個のまたは分離不能な部位を形成し得ることが想定され、別個のコンポーネントとして説明したとしても、それは単に便宜上である。例えば、フレクサヘッドは1または複数の部位から構成され得、(1または複数の)フレクサアームと、マウスピース固定具との両方に取り付けられ得るか、単にフレクサアームまたはマウスピース固定具の不分離な延長部として製造され得る。使用時、装置は組み立てられ得、マウスピース固定具部が患者の口内に配置され得る。その後、患者はマウスピース固定具に対して噛み合わせ得、患者の一方または両方の唇が、(1または複数の)フレクサアームの1または複数の湾曲部の周りに嵌められ得る。抵抗は、所望のレベルに設定され得る。患者は、自身の唇を上下左右に、装置のフレクサヘッドに向かってまたは離間するように動かして、運動するように指示され得る。この順序は可変であり得、開示の運動または使用方法の一部となるため、このように定義された順序に限定されるべきではない。
【0016】
例示的実施形態において、装置は4本以上のフレクサアームを備え得る。そのような実施形態において、フレクサヘッドは対応する数のフレクサアーム取付点を有する。さらに、各フレクサアームの湾曲部は、互いに干渉することなく、フレクサヘッドに向かって完全に収縮した状態で、患者の唇を覆うのに十分な大きさおよび形状となる。この実施形態の別の特徴は、患者の唇に押し付け、フレクサヘッドから離間する圧力と増加する、様々な機構であり得る。これは、調整可能ばね、抵抗バンド、材料選択、または油圧を含む、各種付勢方法で実現され得る。これら選択肢の間には、デバイスを稼働または機械部品を交換可能にする要件を含む、トレードオフが存在し得る。使用時、本例示的実施形態は、患者の唇に向かって、そしてフレクサヘッドから離間する圧力および/または抵抗を増加するように調整され得、脳卒中麻痺または特発性顔面神経麻痺を患う患者、または顔の美容向上を図り、しわを減らそうとする患者の顔の筋肉および骨を鍛える運動ルーチンにおいて、必須コンポーネントとなり得る。患者は、治療計画に合わせて、開示の装置およびデバイスを調整し得る医者または医療専門家を訪ね得るか、患者は開示の装置を購入または入手して、医師の推奨計画または自身が設計した計画に応じてそれを調整し得る。構造的および監視下での治療が必要かに応じて、当業者はどの程度の構造および監視が、患者の求める成果を適切に実現するのに必要かを判定し得る。開示の装置の開発時に試されたルーチンでは、顔の骨および筋肉の両方の強化が認められた患者が、脳卒中および/または特発性顔面神経麻痺の症状を克服し、皮下筋肉および骨の量が増大するように成長し、それにより深いしわおよびちりめんじわが低減されたという効果が確認された。これら結果は、限られた訪問回数で実現された。したがって、開示の装置を使用した開示の運動を継続することで、改善および/または所望の成果の維持が期待される。
【0017】
さらなる例示的実施形態において、フレクサアームは、フレクサアーム唇ホルダーまたは湾曲部およびフレクサアーム本体、または湾曲部から垂直に延在し、フレクサヘッドに対する接続または組み付けを可能とするように設計された部位から構成され得る。湾曲部は、装置の前面視で、UまたはC字状、または分割されたUまたはC字状などとなり得る。或いは、配向に応じて、それら各形状の上下または前後反転形状となり得る。装置側から見て、湾曲部は、J字型となり得る。即ち、上唇が湾曲した配置では、湾曲部のより高い部分が患者の歯に面し得、低い部分が患者の反対側に面し得る。したがって、フレクサアームが患者の唇へより確実に固定される。着け心地の良さを上げること、または別の運動が必要であれば、これは逆であってよい。これら湾曲部は、特定の大きさの個人の顔に対応する、様々なトレーニング運動に対応するように様々な形状および大きさに作られ得るか、個人またはトレーニング計画に基づいて、カスタムメイドされ得る。フレクサアーム本体は、フレクサアームの湾曲部と同一、または別個コンポーネントとなる、フレクサアームの部位であり得る。本実施形態において、フレクサアーム本体は湾曲部のベースから垂直に延在し、抵抗がアームを通じて顔の筋肉に伝わるための経路を提供するチューブまたは開口形状を有し得る。フレクサアームはフレクサヘッド周りの任意の角度に配向され得るが、湾曲部が患者の上唇の下に載置されるように配置されると、フレクサアーム本体は、フレクサヘッドに向かって下方に延在し得る。この配向によると、チューブの底端は、フレクサヘッドに様々な方法で固定され得る。同方法としては、螺合、溶着、接着、または一体的接続、および/または装置の単一コンポーネントとして組み立てられることが挙げられるが、これに限定されない。フレクサアームとそのコンポーネントは、様々な材料製であり得、様々な方法で製造され得る。本実施形態において、湾曲部は患者の唇に対して着け心地が良く、適切に配置されるような材料製であり得、フレクサアーム本体は、そのチューブ状設計を維持するのに十分な強度の材料製であり得る。さらに、フレクサアーム本体は、調整による抵抗を増加する特徴に対応するための複数の部位と、この特徴を実現するために必要な任意の構造およびコンポーネントから構成され得る。
【0018】
さらなる例示的実施形態においてフレクサヘッドまたはフレクサヘッドコネクタは、1または複数の構成部位から構成され得る。フレクサヘッドコネクタ本体は、複数のチャンバと、(1または複数の)フレクサヘッドチャンバへの管路を有する円筒形チューブからなり得る。チューブの一端は開放および/またはねじ切りされ得、他端はキャップされるか閉鎖し得る。開放端は、マウスピース固定具部位から外方の抵抗を提供するばねまたは調整可能ばねなどの付勢要素を収容するのに十分な領域を提供し得る。これは、抵抗調整手段を要し得る。したがって、開示の装置を使用して行われ得る運動の範囲および方向を増やし得る。(1または複数の)フレクサヘッドチャンバは、円筒形状となり得るフレクサヘッドコネクタ本体の周りに径方向に配置され得、1または複数のフレクサアームに接続するように設計され得る。接続部は、ねじ切りを含むがこれに限定されない様々な手段で形成され得る。フレクサヘッドコネクタの好ましくなり得る実施形態において、合計4つのフレクサヘッドコネクタチャンバがあり得る。これらはそれぞれ、フレクサアームに接続され、フレクサヘッドコネクタの12時、3時、6時、9時位置において、90度間隔で径方向配置されるように構成される。このような配置および組み立てにより、患者はある範囲の抵抗運動を実行し得る。同運動は、フレクサヘッドコネクタに向かって自身の上下唇を動かすこと、およびフレクサヘッドコネクタに向かって自身の左右頬を動かすことを含むがこれに限定されない。
【0019】
例示的実施形態において、マウスピース固定具は様々な形状および大きさとなり得、様々な材料製であり得る。当該実施形態の全体的形状は、マウスガードまたは透明矯正器具と同様、U字状であり得る。全体として、マウスピース固定具は運動中に装置を固定し安定化するように作用し得る。ベンチプレスのベンチが、運動者の背中と体を安定化させることと、複数の腕の筋肉の運動に集中できるように、カールベンチが運動者の臀部、胸部、および上腕を安定化させることと同様である。マウスピース固定具のコンポーネントおよび領域は、患者の前歯がある前方に存在し得、フロントプレートの形状となり得、フレクサヘッドコネクタに接続されるように構成され得る。あるいは、フレクサヘッドコネクタは、フレクサヘッドコネクタ端チャンバへ接続するため、中空またはねじ切りされたチューブを介して、マウスピース固定具に嵌められ得る。マウスピース固定具の構成は可変であり得、完全なマウスピース固定具を形成するための個別の部位から構成さ得るが、一般的な運動時に抵抗力を受け止めるのに十分な、頑丈且つ高強度でありながら、柔軟性を持つ材料製であり得る。あるいは、より強く噛めることができるように、着け心地の良い材料から設計され、フレクサヘッドコネクタへ固定される個別の接続材料であり得る。使用時に、マウスピース固定具は、抵抗運動時に患者に噛まれ得る。これにより、定位置に保たれ、装置が位置合わせされる。
【0020】
開示の装置は、人間の顔内の複数の筋肉および骨を鍛え、成長させるような運動用に機能し得る。開示の装置を使用した様々な運動を通じて鍛えられ得、それにより特発性および/または脳卒中麻痺の症状が治療され、しわの美容的発生を低減または防止し得る筋肉は、左右挙筋上唇挙筋、口角挙筋、小頬骨筋、大頬骨筋、眼輪筋、笑筋、口角下制筋(三角筋)、下唇下制筋、およびオトガイ筋、ならびに口輪筋を含むが、これに限定されない。開示の装置を使用した様々な運動を通じて鍛えられ得、それにより特発性および/または脳卒中麻痺の症状が治療され、しわの美容的発生を低減または防止し得る骨は、頬骨および上下顎骨対を含むが、これに限定されない。開示の装置を使用した運動の、患者への有益な効果は、老化による筋萎縮抑制または防止、上述の顔の筋肉の強化および引き締め、上述の顔の筋肉の増強および成長、上述の顔の骨の強化および引き締め、上述の顔の骨の増強および成長、顔の総皮下体積の増大、顎が垂下する、および/またはそれに関連した無意識のよだれ防止、顔の筋肉の摂取または内因性アミノ酸吸収機能を促進するホルモンの生成および放出を生じさせる、顔内の脂肪組織確保または低減、筋肉および骨の成長促進、および筋肉と骨の萎縮または破壊抑制を含み得るがこれに限定されない。開示の装置を、強化トレーニング計画において日常的に使用した結果としてあり得る美容効果は、目じりの小じわ、下瞼のたるみ、ほうれい線、マリオネット線、頬の垂下または膨らみ、および唇のしわの発生抑制を含み得る。患者のその他美容効果は、肌を引き締め、滑らかにすること、ほうれい線、あご線、マリオネット線、目じりの小じわ、下瞼のたるみおよび唇のしわの低減/除去/消すことを含み得るが、これに限定されない。さらに、患者は、顔の血流増加による顔の新たな肌細胞の促進、肌の張りの維持、その他環境要因の結果としての肌へのストレスの低減、さらに上述した、またはその他本明細書に記載のない任意の恩恵の組み合わせによる、全体的に健康的で若々しい見た目という、有効な美容効果を享受し得る。
【0021】
美容、脳卒中、特発性顔面神経麻痺患者が顔の骨および筋肉を鍛えるための装置および使用方法のこれらの特徴およびその他の特徴は、添付の図面と合わせて、前述の概要および以下の図面の簡単な説明、例示的実施形態の詳細な説明、および特許請求の範囲を読むことで当業者にはより一層明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
本顔面運動装置および使用方法は、添付の図面を参照して詳細な説明を読むことにより、一層の理解が促される。図面は、必ずしも縮尺どおりではなく、また、図面内の同様の参照符号は全図面を通じて同様の構造を示し、同様の要素を指している。
【0023】
図1】開示の顔面運動装置の好ましい実施形態の斜視図である。
【0024】
図2】例示的な患者の頭蓋骨の右半分と、患者の筋肉の左半分を、透視前面視で示す解剖学的図である。
【0025】
図3a】開示の顔面運動装置の好ましい実施形態を使用する患者の前面視である。
【0026】
図3b】開示の顔面運動装置の好ましい実施形態を使用する患者の側透明図である。
【0027】
図4a】4本のフレクサアームが伸張位置にある状態の、開示の顔面運動装置の好ましい実施形態を使用する患者の前面視である。
【0028】
図4b】4本のフレクサアームが収縮位置にある状態の、開示の顔面運動装置の好ましい実施形態を使用する患者の前面視である。
【0029】
図5a】開示の顔面運動装置のフレクサアームの好ましい実施形態の展開図である。
【0030】
図5b】開示の顔面運動装置のフレクサアームの好ましい実施形態の断面図である。
【0031】
図6a】開示の顔面運動装置のフレクサヘッドコネクタの好ましい実施形態の上斜視図である。
【0032】
図6b】開示の顔面運動装置のマウスピース固定具の好ましい実施形態の上斜視図である。
【0033】
図7】開示の顔面運動装置のフレクサヘッドコネクタから取り外された状態の、マウスピース固定具の好ましい実施形態の展開図である。
【0034】
図8】開示の運動を実行するために、患者に開示の装置を固定する例示的実施形態のフローチャートである。
【0035】
提示されている図面は、例示のみを意図したものであり、よって、示されている構造の厳密な詳細のいずれにも(これらが特許請求された開示に不可欠であるとみなされ得る場合を除いて)本開示を限定する所望も意図もない。
【発明を実施するための形態】
【0036】
図1から7に示す本開示の例示的実施形態の説明において、明瞭さのために、特定の用語が使用される。しかし、本開示は選択された特定の用語に限定される意図はない。各具体的要素は、同様の機能を実現するために同様に動作する、技術的均等物を全て含むものと理解されたい。一方で、請求項の実施形態は、様々な異なる形態で実施され得、本明細書に記載の実施形態に限定されると解されるべきではない。本明細書の記載の例は、非限定的例であって、単に様々な例があり得るなかの、いくつかの例である。具体的には、開示の装置またはデバイスは、1つまたは多数のコンポーネントにより構成され得る。開示の装置の様々な特徴とコンポーネントは、開示の装置と略同等の特性および機能を有するように、1または複数のコンポーネントに組み合わされ得る。ユーザ、患者、および運動者という用語は、本明細書に記載のデバイスまたは装置を利用可能な顔を有する生きた任意の人間を意味するために交換可能に使用され得る。開示のデバイスの使用方法は、入院患者または外来患者用として、あるいは患者の家で使いやすいように、またはその他適宜状況下で使いやすくなるようなものとして説明され得る。さらに、開示のデバイスは多様にカスタマイズ可能で、複雑となるように製造され得、したがって、監督下での運動が適切となり得るか、十分に汎用性が高くシンプルで、非監督下での運動が適切になり得るか、またはその組み合わせとなり得る。
【0037】
ここで図1図3a、図3b、図4a、および図4bを参照する。同図では、顔面運動装置100の例示的実施形態が、例として、非限定的に図示される。本明細書において、顔面運動装置100は単に装置100とも称され得る。装置100は、患者の顔Fの運動に使用され得る。図面に示す患者の顔Fは、健康な若い成人女性の女性的特徴を模したものであるが、本開示はこれに限定されない。装置100は、成人男性および女性、男児および女児、年配の成人男性および女性、または非健常および症状を持つ人、およびその組み合わせを含むがこれに限定されない、あらゆる人間の患者の顔の運動に使用され得る。
【0038】
一実施形態において、装置100は、以下の要素、すなわち、フレクサアーム110(図1図3a、図3b、図4a、図4b、図5a、および図5b参照)、マウスピース固定具120(図1図3b、図4b、図6b、および図7参照)、およびフレクサヘッド130(図1図3a、図3b、図4a、図4b、図6a、および図7参照)を提供し得る。さらなる機能向上のため、装置100はさらに、上フレクサアーム110a、左フレクサアーム110b、下フレクサアーム110c、および右フレクサアーム110d(図1図4a、および図4b参照)を含む、複数のフレクサアームを含み得る。さらに、1または複数のフレクサアーム110は、フレクサアームベースコネクタ112と、フレクサアーム内部コンプレッサロッド114と、フレクサアームロック116と、フレクサアーム内部ばね111と、フレクサアーム開口113と、フレクサアーム抵抗調整ゲージ191と、フレクサアームケース119と、フレクサアーム唇ホルダー裏後端115およびフレクサアーム唇ホルダー上前端117を有するフレクサアーム湾曲唇ホルダー195とを含む複数のコンポーネントまたは部位を備え得る(図5aおよび図5b参照)。マウスピース固定具120は、マウスピース歯溝128、マウスピース歯支持部121、マウスピース右アーム124、マウスピース左アーム126、マウスピースフロントプレート125、およびマウスピースコネクタ122の領域、部位、部分、および/またはコンポーネントを含み得る(図6bおよび図7参照)。フレクサヘッド130は、上フレクサヘッド接続ポート135b、左フレクサヘッド接続ポート135a、右フレクサヘッド接続ポート135c、下フレクサヘッド接続ポート、フレクサヘッド端キャップ139、フレクサヘッド端チャンバ132、およびフレクサヘッド抵抗調整ゲージパネル192を備え得る(図6aおよび図7参照)。以下により詳しく説明する各種運動は、患者の顔Fの骨および顔の筋肉を強化する有効な効果を有し得、これらの骨および筋肉には、左右頬骨対B1、上顎骨B2、下顎骨B3、および左右輪筋対M1、上唇挙筋M2、小頬骨筋M3、大頬骨筋M4、笑筋M5、下唇下制筋M6、口角下制筋M7、オトガイ筋M8ならびに口輪筋M8(図2参照)が含まれ得る。いくつかの実施形態において、装置100のさらなる性能向上のため、その間にフレクサヘッド端チャンバ132およびマウスピースコネクタ122を間に介した、マウスピース固定具120からフレクサヘッド130への組み付けまたは接続は、フレクサヘッドコネクタばね131内に嵌合し得るフレクサヘッドコネクタロッド134を要するか伴い得る(図7参照)。装置100は概して、1または複数のフレクサアーム110およびマウスピース固定具120をそれぞれ、図1に示すようにしてフレクサヘッド130に接続することで組み立てられ得る。これら構成部位およびコンポーネントはそれぞれ、様々な材料製であり得、装置100を生産するために様々な製造方法を必要とし得る。当該構成部位および構成の例が詳しく上述および後述され得るが、開示の装置はそれに限定されない。
【0039】
使用時、開示の方法の例示的実施形態において、装置100はまずマウスピース固定具120が患者の顔Fの口の中に配置され、患者がマウスピース固定具120に対して噛み合わせることでその状態に固定されることで、患者の顔Fに固定され得る(図3a、図3b、図4a、図4b、および図8参照)。このように固定されると、フレクサアーム湾曲唇ホルダー195が、患者の顔Fの唇の部分を部分的に、または略全体的に囲うように、フレクサアーム110の1つまたはそれぞれが配置され得る(図3a、図3b、図4a、図4b、および図8参照)。開示の方法の例示的実施形態では、この時点の前または後に、患者の顔Fの唇に対するフレクサアーム110の抵抗が調整され得るか、フレクサアーム抵抗調整ゲージ191を使用して、患者の顔Fの唇に対する現在の抵抗の測定値が視認され得る。開示の方法の結果として可能となり得る例示的運動は、患者の顔Fの(1または両方の)唇がフレクサアーム湾曲唇ホルダー195(図3a、図3b、図4a、図4b、および図8)に沿って載置/嵌合されて、患者の顔Fの(1または両方の)唇がフレクサヘッド130に向かっておよび離間するように一度または繰り返し動かされることにより、実行され得る。この動きにより、患者の顔Fの(1または両方の)唇が、フレクサアーム110による抵抗に抗して動く(唇の開閉など)。フレクサアーム110は伸縮し(図4aおよび図4b、または図4aおよび図4bを比較されたい)、これにより様々な筋肉、筋肉群、および骨対を伴う強度トレーニング運動が行われる(図3a、図3b、図4a、図4b、および図8参照)。
【0040】
ここで特に図1を参照する。同図には、装置100の好ましい実施形態の、斜視図が示される。1または複数のフレクサアーム110およびマウスピース固定具120は、フレクサヘッド130を介して接続され得る。図1は、上フレクサアーム110a、左フレクサアーム110b、下フレクサアーム110c、および右フレクサアーム110dを示す。1または複数のフレクサアーム110は、略T字状であり得る。T字の横棒部は、人の唇に着け心地良くに嵌るように曲がるか湾曲し得、T字の縦棒部は、略直線的であり得る。フレクサアーム110は、フレクサヘッド130への接続手段を有するベースと、患者の顔Fの唇部位周りに着け心地良く嵌るような設計および材料製の頂部に沿った湾曲部とを有する。マウスピース固定具120は、患者の顔Fの口内で、装置100が着け心地良く、固定的に安定するように、U字状であり得る。フレクサヘッド130への接続手段が、マウスピース固定具120の、患者の顔Fの前部に面する部位に配置され得る。こうして装置100内に組み付けられると、フレクサヘッド130はマウスピース固定具120に対する接続部から、円筒状に外方に延在し得、その円筒部周りに、1または複数のフレクサアーム110が径方向に約90度間隔で設けられるように、1または複数の接続部を含み得る。装置100は、1または複数のフレクサアーム110、マウスピース固定具120、およびフレクサヘッド130から組み立てられ得る。これらはそれぞれ着脱可能に接続され得、またはそれぞれ永久的に溶着されるか、その他方法で分離不能に接続され得る。装置100のこれら構成部位およびコンポーネントのそれぞれは、様々な材料製であり得、装置100を生産するために様々な製造方法を必要とし得る。当該構成部位および構成の例が詳しく上述および後述され得るが、開示の装置はそれに限定されない。可能な好ましい装置100の様々なその他コンポーネント、または、1または複数のフレクサアーム110、マウスピース固定具120、およびフレクサヘッド130の下位構成要素が、図1内に識別可能に図示され得る。これらは、より詳細な図示に応じて、より詳細に後述される。
【0041】
ここで特に図2を参照する。同図は例示的患者の顔Fの解剖図を示す。解剖学的透視前面図として、図の左側は患者の頭蓋骨の右半分を示し、右側は患者の筋肉の左半分を示す。図2の解剖学的図は例示的目的で提供されており、人の顔、およびその筋肉と骨は、装置100の一部として特許請求されないが、方法の段階810から850の実行において関与し得る、または、その運動が必要とされ得る。患者の顔Fにおいて上から、右頬骨B1、右上顎骨B2、および右下顎骨B3が、解剖図の左側、即ち患者の顔Fの右側に確認され得る。これら骨の各々は、一般的な患者の顔Fの頭蓋骨において、一対で設けられる。即ちそれぞれに、略同様の、鏡面対称の左部分が存在する。患者の顔Fにおいて上から、左眼輪筋M1、左上唇挙筋M2、左小頬骨筋M3、左大頬骨筋M4、左笑筋M5、左下唇下制筋M6、左口角下制筋M7、および左オトガイ筋M8ならびに口輪筋M9の各筋肉が、解剖図の右側、即ち患者の顔Fの左側に確認され得る。図2に図示した各左側の筋肉は、一般的な患者の顔Fでは対で存在する。即ち、略同様の、鏡面対称の右側の筋肉が存在する。これら骨と筋肉のそれぞれは、人の顔の構造、支持、強度、見た目を提供するのに重要である。方法の段階810から850を利用した装置100を使用することで、患者は図2に示す様々な筋肉をそれぞれ増強、緊張、規定および成長させられ得る。これにより患者の顔Fの構造を強化し、患者の顔Fの様々な特徴に対する支持を増強し、図2に示す患者の顔Fの骨と筋肉を強化し、患者の顔Fの皮下体積を増強し、緊張させることで、患者の顔Fの外見をより良くする。
【0042】
ここで特に図3aを参照する。同図では、装置100の好ましい実施形態を使用中の、患者の顔Fの前面視を示す。1または複数のフレクサアーム110およびマウスピース固定具120は、フレクサヘッド130を介して接続され得る。図3aは、それぞれ患者の顔Fの唇上部、唇左部、唇底部、および唇右部に載置された上フレクサアーム110a、左フレクサアーム110b、下フレクサアーム110c、および右フレクサアーム110dを示す。1または複数のフレクサアーム110は、略T字状であり得る。T字の横棒部は、人の唇に着け心地良くに嵌るように曲がるか湾曲し得、T字の縦棒部は、略直線的であり得る。フレクサアーム110は、フレクサヘッド130への接続手段を有するベースと、患者の顔Fの唇部位周りに着け心地良く嵌るような設計および材料製の頂部に沿った湾曲部とを有する。マウスピース固定具120は、保護または矯正用のマウスピースの場合と同様、患者の顔Fの口内で、装置100が着け心地良く、固定的に安定するように、U字状であり得る。フレクサヘッド130への接続手段が、マウスピース固定具120の、患者の顔Fの前部に面する部位に配置され得る。こうして装置100内に組み付けられると、フレクサヘッド130はマウスピース固定具120に対する接続部から、円筒状に外方に延在し得、その円筒部周りに径方向に1または複数のフレクサアーム110が設けられるように、1または複数の接続部を含み得る。装置100のこれら構成部位およびコンポーネントのそれぞれは、様々な材料製であり得、装置100を生産するために様々な製造方法を必要とし得る。当該構成部位および構成の例が詳しく上述および後述され得るが、開示の装置はそれに限定されない。可能な好ましい装置100の様々なその他コンポーネント、または、1または複数のフレクサアーム110、マウスピース固定具120、およびフレクサヘッド130の下位構成要素が、図3a内に識別可能に図示され得る。これらは、より詳細な図示に応じて、より詳細に後述される。
【0043】
本明細書において、それぞれ患者の顔Fの唇上部、上唇左部、右上部、唇底部、唇左底部、唇右底部に載置された、6本のフレクサアーム110とフレクサヘッド130など、その他組合せも考えられる。
【0044】
ここで特に図3bを参照する。同図には、装置100の好ましい実施形態の、患者の顔Fの側透明図が示される。1または複数のフレクサアーム110およびマウスピース固定具120は、フレクサヘッド130を介して接続され得る。図3bは、それぞれ患者の顔Fの唇上部および唇左部に載置された上フレクサアーム110aおよび下フレクサアーム110cを示す。1または複数のフレクサアーム110は、略T字状であり得る。T字の横棒部は、人の唇に着け心地良くに嵌るように曲がるか湾曲し得、T字の縦棒部は、略直線的であり得る。フレクサアーム110は、フレクサヘッド130への接続手段を有するベースと、患者の顔Fの唇部位周りに着け心地良く嵌るような設計および材料製の頂部に沿った湾曲部とを有する。マウスピース固定具120は、患者の顔Fの口内で、装置100が着け心地良く、固定的に安定するように、U字状であり得る。フレクサヘッド130への接続手段が、マウスピース固定具120の部位に、マウスピース固定具120から、患者の顔Fの前面から外方に面するように配置され得る。患者は、マウスピース固定具120を噛むことで、患者の顔Fに装置100をさらに固定し得る。その際、自身の上歯T1をマウスピース固定具120に向けて下方に動かし、自身の下歯T2をマウスピース固定具120に向けて上方に動かす。したがって、マウスピース固定具120を挟み込む力が生じ、装置100がより安定する。装置100内に組み付けられると、フレクサヘッド130はマウスピース固定具120に対する接続部から、円筒状に外方に延在し得、その円筒部周りに径方向に1または複数のフレクサアーム110が設けられるように、1または複数の接続部を含み得る。装置100は、1または複数のフレクサアーム110、マウスピース固定具120、およびフレクサヘッド130から組み立てられ得る。これらはそれぞれ着脱可能に接続され得、またはそれぞれ永久的に溶着されるか、その他方法で分離不能に接続され得る。装置100のこれら構成部位およびコンポーネントのそれぞれは、様々な材料製であり得、装置100を生産するために様々な製造方法を必要とし得る。当該構成部位および構成の例が詳しく上述および後述され得るが、開示の装置はそれに限定されない。可能な好ましい装置100の様々なその他コンポーネント、または、1または複数のフレクサアーム110、マウスピース固定具120、およびフレクサヘッド130の下位構成要素が、図3b内に識別可能に図示され得る。これらは、より詳細な図示に応じて、より詳細に後述される。
【0045】
ここで特に図4aおよび図4bを参照する。同図は、患者の顔Fの唇上部、唇左部、唇底部、および唇右部にそれぞれ、フレクサアーム110a、左フレクサアーム110b、下フレクサアーム110c、および右フレクサアーム110dが載置された、装置100の好ましい実施形態が使用された患者の顔Fの前面視を示す。各フレクサアーム110は、図4aにおいて伸張位置にあり、図4bにおいて収縮位置にある。図示のとおり、1または複数のフレクサアーム110は、略T字状であり得る。T字の横棒部は、人の唇に着け心地良くに嵌るように曲がるか湾曲し得、T字の縦棒部は、略直線的であり得る。各フレクサアーム110は、フレクサヘッド130への接続手段を有するベースと、患者の顔Fの唇部位周りに着け心地良く嵌るような設計および材料製の頂部に沿った湾曲部とを有する。T字状のフレクサアーム110の横棒部、即ちフレクサアーム唇ホルダーアセンブリ118がT字状のフレクサアーム110の縦棒部に沿って伸縮し得るように設計され得るため、各フレクサアーム110は、図4aに示すようにフレクサヘッド130から外側に延伸し得、図4bに示すようにフレクサヘッド130に向かって内側に収縮され得る。1または複数のフレクサアーム100をフレクサヘッド130に向かって内側に、そしてフレクサヘッド130から離間するように外側に動かすことで、患者の顔Fは運動を実行し得る。これを反復的に、日常的に、およびプログラムの一環として行うことにより、患者の顔Fの筋肉の強度、大きさ、張り、および構造が増加する。Tの横棒部、即ちフレクサアーム唇ホルダーアセンブリ118と、1または複数のT字状のフレクサアーム110の縦棒部との間で、フレクサヘッド130から外方への抵抗を提供する、および/または増加する機構を提供することで、上述のような繰り返し、または日常的な運動プログラムは、より顕著な結果を呈し得る。装置100を使用した運動を実行するために、患者の顔Fに装置100を固定するのに、装置100のその他コンポーネントと、それらに対応する特徴が重要となり得る。マウスピース固定具120は、患者の顔Fの口内で、装置100が着け心地良く、固定的に安定するように、U字状であり得る。フレクサヘッド130への接続手段が、マウスピース固定具120の、患者の顔Fの前方に面する部位に配置され得る。装置100内に組み付けられると、フレクサヘッド130はマウスピース固定具120に対する接続部から、円筒状に外方に延在し得、その円筒部周りに径方向に1または複数のフレクサアーム110が設けられるように、1または複数の接続部を含み得る。T字状のフレクサアーム110において、Tの縦棒部に沿って、Tの横棒部を移動可能にするため、様々なコンポーネントと材料が使用され得る。これについては、より具体的に詳細が網羅された後述の別の図において明らかになろう。
【0046】
ここで特に図5aおよび図5bを参照する。同図は、装置100の好ましい実施形態のフレクサアーム110の展開図と、その組立図を示す。上述した図に示すように、装置100は、フレクサヘッド130の円筒部に沿って、径方向に接続され得る、1または複数のフレクサアーム110を特徴とし得る。各フレクサアーム110は、装置100の所望の機能を実施するため、さらなる構成部位を備え得る。図5aの分解状態と、図5bの組立状態とに示すように、フレクサアーム110のこれら好ましい構成部位の好ましい実施形態は、図の右から左に、フレクサアームベースコネクタ112、フレクサアーム内部コンプレッサロッド114、フレクサアームロック116、内部ばね111などのフレクサアーム付勢要素、フレクサアーム開口113およびフレクサアーム唇ホルダーアセンブリ118を含み得る。フレクサアーム唇ホルダーアセンブリ118はさらに、フレクサアーム抵抗調整ゲージ191と、フレクサアームケース119と、フレクサアーム唇ホルダー裏後端115およびフレクサアーム唇ホルダー上前端117を有するフレクサアーム湾曲唇ホルダー195の部位、コンポーネント、部分、および/または領域を含み得る。側面視でフレクサアーム唇ホルダーアセンブリ118は、一方側が他方側よりも高い、略J字状に見え得る。患者に対して要求される着け心地の良さおよび運動に応じて、高い側は、歯により近く、または唇の外側およびフレクサアーム110により近く配置され得るか、これら要求に対応するように、フレクサアーム110が回転可能となるように、フレクサアーム唇ホルダーアセンブリ118が製造され得る。図5bに示すように、組み立てられると、フレクサアーム内部コンプレッサロッド114はフレクサアームベースコネクタ112により固定され得、その後フレクサアームロック116に移動可能に接続され得る。フレクサアーム内部ばね111は、フレクサアーム開口113を通じて配置されると、フレクサアームケース119内に、そしてフレクサアームロック116に押し付けられるように嵌り得る。収縮時のフレクサアーム110内の抵抗は、患者の顔Fの唇部位がフレクサアーム湾曲唇ホルダー195に対して、そしてフレクサヘッド130に向かって圧力を生じることで、フレクサアーム内部ばね111により生成される力により提供され得る。したがって、フレクサアームロック116がフレクサアーム内部コンプレッサロッド114に沿って移動する可動接続が実現し、これにより、フレクサアーム内部ばね111を圧縮し、対応する力を生成させる。さらに、フレクサアーム抵抗調整ゲージ191の調整を通じて、フレクサアーム内部ばね111のばね力を上げる、または下げることを可能とするように機構が提供され得る。これに対応して、フレクサアーム唇ホルダーアセンブリ118をフレクサヘッド130に向かって動かすのに、フレクサアーム湾曲唇ホルダー195にかける必要のある圧力が増えるまたは減る。各フレクサアーム110は、その対応する唇部位に必要な運動に対応するように、個別に調整され得る。図5aおよび図5bに示す好ましい実施形態のフレクサアーム110および様々な構成部位は、多数の考えられる構成を含み得るか、それから製造され得る。例として、非限定的に、フレクサアーム湾曲唇ホルダー195は、医療用プラスチック、あるいはシリコン加工またはゴム加工材料など、患者の顔Fに着け心地良く装着され得る材料製であり得る。さらに、フレクサアーム唇ホルダーアセンブリ118は、多様な材料の内の1または複数を含み得、さらに必要があれば、単一のコンポーネントとして製造されてもよい。フレクサアーム内部ばね111の製造に好ましい耐久性材料は可撓性合金であり得るが、フレクサアーム内部ばね111は、ばねの製造に適した、当業者に公知の任意の数の材料から製造され得る。フレクサアーム110のその他コンポーネントはそれぞれ、金属またはプラスチック、あるいはその他適切な材料およびその組み合わせから製造され得る。フレクサアームロック116およびフレクサアーム唇ホルダーアセンブリ118、ならびにフレクサアーム内部コンプレッサロッド114およびフレクサアームベースコネクタ112が、単一コンポーネントとして形成され得、製造および/または組み立て時に分離不能に溶着され得ることが考えられる。さらに、フレクサアーム110のコンポーネントは、接着、雄雌ねじ切り、または当業者に公知のその他取り外し可能または分解不能組み立て方法、および/またはその組み合わせで接続、または組み立てられ得る。
【0047】
ここで特に図6aおよび図6bを参照する。同図には、装置100の好ましくなり得る実施形態の、フレクサヘッド130およびマウスピース固定具120の上斜視図が示される。図6aに示す好ましくなり得る実施形態のフレクサヘッド130は、上フレクサヘッド接続ポート135b、左フレクサヘッド接続ポート135a、右フレクサヘッド接続ポート135c、下フレクサヘッド接続ポート(不図示)、フレクサヘッド端キャップ139、フレクサヘッド端チャンバ132、およびフレクサヘッド抵抗調整ゲージパネル192を備え得る。フレクサヘッド130は全体的に、フレクサ端キャップ139が、フレクサ端チャンバ132の反対側を向く、略円筒形状を形成し得る。フレクサヘッド130の周りに径方向に、フレクサアーム110の収容および/または接続を可能とする1または複数の開口が存在し得る。これらの開口は、上フレクサヘッド接続ポート135b、左フレクサヘッド接続ポート135a、右フレクサヘッド接続ポート135c、下フレクサヘッド接続ポート(不図示)、フレクサヘッド端キャップ139を含み得る。各開口は、図示のねじ切りを含むがこれに限定されない、当業者に公知の様々な方法で1または複数のフレクサアーム110に接続され得る。フレクサヘッド130はさらに、後述し、図7により詳細に図示するように、マウスピース固定具120から外方への圧力を調整可能にし得る、フレクサヘッド抵抗調整ゲージパネル192をさらに有し得る。フレクサヘッド調整ゲージパネル192は、マウスピース固定具120およびフレクサヘッド130の間の力または圧力を監視可能とし得るか、それら間の力または圧力の調整に使用され得る。フレクサヘッド130と、その列挙されたコンポーネントと部位は、運動、医療または歯科現場に適切となるような、医療用合金またはプラスチックを含むが、それに限定されない当業者に公知の材料から製造され得、それぞれ別個の組立部品として存在し得、あるいは単一のコンポーネントとして製造され得、および/またはその組み合わせであり得る。図6bに示す好ましくなり得る実施形態のマウスピース固定具120は、マウスピース歯溝128、マウスピース歯支持部121、マウスピース右アーム124、マウスピース左アーム126、マウスピースフロントプレート125、およびマウスピースコネクタ122の領域、部位、部分、および/またはコンポーネントを含み得る。マウスピース固定具120はさらに、マウスピースコネクタ122が接続および/または固定され得る、マウスピースフロントプレート125から突出した小さい接続部を有し得る。マウスピース固定具120は、略U字状であり得、一般的な成人に対する最適な大きさおよび形状に対応するように製造され得る。あるいは、マウスピース固定具120は、様々な大きさおよび形状に製造され得、さらに型、成型歯型またはその他方法で成形された患者の歯型に基づいて、個別の患者に対してカスタムメイドされてもよい。これは、カスタム入れ歯または「見えない」歯列矯正が製造され得るのと同様である。これにより、使用時の装置100の固定が向上する。マウスピース歯溝128、マウスピース歯支持部121、マウスピース右アーム124、マウスピース左アーム126、マウスピースフロントプレート125、およびマウスピースコネクタ122を含み得る、マウスピース固定具120の領域、部位、部分、および/またはコンポーネントは、個別の部位で形成されて単一のユニットに組み立てられ得、装置100のコンポーネントの1つとして製造され得、および/またはその組み合わせであり得る。マウスピース固定具120とその列挙されたコンポーネントは、1または複数の適切な材料から製造され得る。当該材料としては、医療または歯科用プラスチック、シリコン加工、またはゴム加工材料を含み得るがこれに限定されない。これら材料は、使用時の患者の着け心地の良さおよび安定性を提供するため、製造に好ましくなり得る。フレクサヘッド端チャンバ132は、当業者には明らかであり得る様々な機構により、マウスピースコネクタ122におけるマウスピース固定具120を収容し、固定的にそれに接続されるように設計され得る。当該機構は、ねじ切りまたは押し込み回転式ロック機構を含むが、これに限られない。この場合、フレクサヘッド端チャンバ132内の径方向の雌切欠きが、マウスピースコネクタ122の、径方向に配置され突出する雄部を収容可能である。さらに、マウスピースコネクタ122の径方向に配置され突出する雄部よりも、フレクサヘッド端チャンバ132内の径方向の雌切欠きが多くなり得ることも考えられる。これにより、径方向に延在する1または複数のフレクサアーム110のより多様な配置が可能となる。即ち、例えば45度ずつ回転して取り外される。本明細書においては、フレクサヘッド130およびマウスピース固定具120が単一コンポーネントとして製造され得るか、組み立てられ得る2つまたはいくつかの下位構成コンポーネントを含み得ることが考えられる。本明細書の図示によると、フレクサヘッド130は略円筒形であるが、本明細書では、フレクサヘッド130が様々な三次元形状となり得ることが考えられる。同形状としては、三角柱、四角柱、またはその他多角柱状を含むが、これに限られない。さらに、本明細書でフレクサヘッド130が図では3つ、合計で4つのフレクサヘッド接続ポートを含むように図示されているが、当業者であれば、各種要因に応じて、より多くのまたはより少ないフレクサアーム110を取り付けるため、より多くのまたはより少ないポートが必要になることを理解し得るであろう。本開示は、図示提供の例、および対応する説明に限定されない。
【0048】
ここで特に図7を参照する。同図は、任意の実施形態の任意で含まれる特徴を露出するように、フレクサヘッド130から取り外された、マウスピース固定具120の任意の実施形態の展開図を示す。図7に示す任意の好ましい実施形態のフレクサヘッド130は、上フレクサヘッド接続ポート135b、左フレクサヘッド接続ポート135a、右フレクサヘッド接続ポート135c、下フレクサヘッド接続ポート(不図示)、フレクサヘッド端キャップ139、フレクサヘッド端チャンバ132、およびフレクサヘッド抵抗調整ゲージパネル192を備え得る。フレクサヘッド130は全体的に、フレクサヘッド端キャップ139が、フレクサ端チャンバ132の反対側を向く、略円筒形状を形成し得る。フレクサヘッド130の周りに径方向に、フレクサアーム110の収容および/または接続を可能とする1または複数の開口が存在し得る。これらの開口は、上フレクサヘッド接続ポート135b、左フレクサヘッド接続ポート135a、右フレクサヘッド接続ポート135c、下フレクサヘッド接続ポート(不図示)、フレクサヘッド端キャップ139を含み得る。各開口は、図6aに示すねじ切りを含むがこれに限定されない、当業者に公知の様々な方法で1または複数のフレクサアーム110に接続され得る。フレクサヘッド130はさらに、マウスピース固定具120か外方への圧力を調整可能にし得る、フレクサヘッド抵抗調整ゲージパネル192をさらに有し得る。マウスピース固定具120は、略U字状であり得、一般的な成人に対する最適な大きさおよび形状に対応するように製造され得る。あるいは、マウスピース固定具120は、様々な大きさおよび形状に製造され得、さらに型または患者の歯型に基づいて、個別の患者に対してカスタムメイドされ得る。これは、カスタム入れ歯または「見えない」歯列矯正が製造され得るのと同様である。これにより、使用時の装置100の固定が向上する。マウスピース固定具は、個別の部品から形成され、単一のユニットに組み立てら得る、または装置100の単一コンポーネントとして製造され得る、および/またはその組み合わせであり得る、マウスピースコネクタ122を含み得る。図7に示される好ましくなり得る実施形態において、フレクサヘッド130およびマウスピース固定具120の間にフレクサヘッドコネクタロッド134が存在し得る。フレクサヘッドコネクタロッド134は、組み立てられると、フレクサヘッドコネクタばね131内に嵌るか、それに押し付けられ得る。これにより、構成に応じて、マウスピース固定具120に向かって内側、またはマウスピース固定具120から離間するように外側の力が生成される。抵抗調整ゲージパネル192は、運動中に患者により生成された抵抗を監視するか、機構の抵抗を上げるまたは下げるように構成され得る。この任意の特徴により、患者は内向き、または外向きの力を利用し、それに抗することで、患者の顔Fの追加の筋肉および骨構造が運動する、追加の運動を行い得る。
【0049】
ここで特に図8を参照する。同図は、開示の運動方法の例示的実施形態のフローチャートを示す。開示の方法の各段階は、医療専門家、歯科専門家、インストラクター、監督者、または患者自身、および/またはその組み合わせにより実行され得る。運動の方法第1段階810で、本明細書に記載の装置100が患者に提供され得る。装置100は、1または複数のフレクサアーム110、フレクサヘッド130、およびマウスピース固定具120を備え得る。次に、方法の第2段階820で、患者にマウスピース固定具120を患者の顔Fの口内に挿入させることで、装置100が患者の口内に固定され得る。方法の第3段階830で、患者にマウスピース固定具120に対して噛み合わせるように指示することで、装置100の固定または安定化が達成され得る。このように固定されると、方法の第4段階840で、1または複数のフレクサアーム110が、患者の顔Fの少なくとも1つの唇の部位周りに嵌められ得る。最後に、方法の第5段階850で、患者に自身の唇または唇の部位を、フレクサヘッド130に向かって動かすことで、一連の抵抗運動を実行するように指示され得る。これにより、患者は開示の方法の顔の運動を実行し得る。
【0050】
上述の説明および図面は、例としての実施形態を構成している。このように例示的実施形態を説明してきたが、開示されたものは例示のみを目的としており、本開示の範囲内で様々な別の代替案、改変、および変形が可能となり得ることが当業者には自明である。ある方法の段階を特定の順序で列挙または採番していること自体が、その方法の段階の順序に関する限定を意味するものではない。上述の説明および関連する図面に提示された教示を受けて、本開示に関する当業者は多くの変形や他の実施形態を想達するであろう。本明細書に特定の用語が使用され得るが、これらは一般的かつ説明的な意味でのみ用いられており、限定の目的ではない。したがって、本開示は本明細書に例示された特定の実施形態に限定されるものではなく、以下の特許請求の範囲によってのみ限定される。
図1
図2
図3a
図3b
図4a
図4b
図5a
図5b
図6a
図6b
図7
図8