(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-08
(45)【発行日】2023-09-19
(54)【発明の名称】伝熱用途で使用するための1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンを含む組成物
(51)【国際特許分類】
C09K 5/04 20060101AFI20230911BHJP
F25B 1/00 20060101ALI20230911BHJP
F28D 15/02 20060101ALI20230911BHJP
【FI】
C09K5/04 C
C09K5/04 F
F25B1/00 396Z
F28D15/02 A
(21)【出願番号】P 2021518636
(86)(22)【出願日】2019-10-03
(86)【国際出願番号】 US2019054422
(87)【国際公開番号】W WO2020072731
(87)【国際公開日】2020-04-09
【審査請求日】2022-07-27
(32)【優先日】2018-10-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】515269383
【氏名又は名称】ザ ケマーズ カンパニー エフシー リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ルーク デイビッド シモーニ
(72)【発明者】
【氏名】バーバラ ハビランド マイナー
(72)【発明者】
【氏名】コンスタンティノス コントマリス
(72)【発明者】
【氏名】ヴィアチェスラフ エー.ペトロフ
【審査官】井上 恵理
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-141537(JP,A)
【文献】特開平03-209338(JP,A)
【文献】特開2015-229768(JP,A)
【文献】国際公開第2014/178352(WO,A1)
【文献】特開2013-237624(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09K 5/00- 5/20
F25B 1/00- 7/00
F28D15/00-15/06
C07C21/18
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
i)1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと
、
i
i)R-1336mzzZ
、R-1233zdE
、R-1336mzzE、R-1224ydZ、R-1234zeZ、R-1336yf及びR-1336zeEから選択される化合物と、
を含む、組成物。
【請求項2】
冷却を生じさせる方法であって、冷却される物体の近傍で請求項1に記載の組成物を蒸発させることと、その後、前記組成物を凝縮することと、を含む、方法。
【請求項3】
加熱を生じさせる方法であって、加熱される物体の近傍で請求項1に記載の組成物を凝縮することと、その後、前記組成物を蒸発させることと、を含む、方法。
【請求項4】
請求項1に記載の組成物を含む、冷蔵、空調又はヒートポンプ装置。
【請求項5】
冷蔵装置又は冷蔵システムにおける現用冷媒を代替するためのプロセスであって、前記現用冷媒を請求項1に記載の組成物で実質的に代替することを含む、プロセス。
【請求項6】
前記現用冷媒が、R-123、R-245fa、R-236fa、R-124、R-134a、R-22及びR-401Aから選択される、請求項5に記載のプロセス。
【請求項7】
冷却機装置を備える、請求項4に記載の冷蔵、空調又はヒートポンプ装置。
【請求項8】
高温ヒートポンプを備える、請求項4に記載の冷蔵、空調又はヒートポンプ装置。
【請求項9】
請求項1に記載の組成物を熱源からヒートシンクに輸送することを含む、熱を伝達する方法。
【請求項10】
前記熱の伝達が、ヒートパイプ内である、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
ヒートパイプにおける請求項1に記載の組成物の使用。
【請求項12】
前記熱の伝達が、投げ込みクーラ内である、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
投げ込みクーラにおける請求項1に記載の組成物の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレン(1,2-dichloro-1,2-difluoroethylene、すなわち、CFO-1112)及び追加成分を含む組成物を提供する。本明細書に記載される組成物は、例えば、伝熱用途(例えば、冷蔵及び/又は加熱用途)において有用であり得る。
【背景技術】
【0002】
多くの現在の市販の冷媒は、ヒドロクロロフルオロカーボン(hydrochlorofluorocarbon、「HCFC」)又はヒドロフルオロカーボン(hydrofluorocarbon、「HFC」)を用いる。HCFCは、オゾン層破壊の一因であり、モントリオール議定書の下で最終的な段階的廃止が予定されている。HFCは、オゾン層破壊の一因ではないが、地球温暖化の一因であり得、そのような化合物の使用は、環境規制機関による綿密な調査の対象となっている。したがって、オゾン層破壊係数(ozone depletion potential、ODP)が低く、地球温暖化に対する影響が低いことを特徴とする冷媒が必要とされている。本出願は、このニーズ及び他のニーズに対応する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本出願は、とりわけ、
i)1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレン(CFO-1112)と、
ii)R-245fa、R-1336mzzZ、n-ペンタン、R-1233zdE、i-ペンタン、R-1336mzzE、R-1224ydZ、R-1234zeZ、R-1336yf、R-1336zeE、R-1234zeE、R-32、R-134a、R-1234yf、トランス-1,2-ジクロロエチレン、R-152a、R-134、R-125及びR-1123から選択される化合物と、を含む、組成物を提供する。
【0004】
本出願は、冷却を生じさせるための方法を更に提供し、冷却される物体の近傍で、本明細書で提供される組成物1を蒸発させることと、その後、前述の組成物を凝縮することと、を含む。
【0005】
本出願は、加熱を生じさせるための方法を更に提供し、加熱される物体の近傍で、本明細書で提供される組成物を凝縮することと、その後、前述の組成物を蒸発させることと、を含む。
【0006】
本出願は、本明細書で提供される組成物を含む伝熱システム又は装置(例えば、冷蔵、空調又はヒートポンプ装置)を更に提供する。
【0007】
本出願は、伝熱装置(例えば、冷蔵装置又は冷蔵システム)における現用冷媒を代替するためのプロセスを更に提供し、前述の現用冷媒を本明細書で提供される組成物で実質的に代替することを含む。
【0008】
特に定義しない限り、本明細書で使用される全ての技術的及び科学的用語は、本発明の属する当該技術分野の当業者によって一般的に理解されるものと同一の意味を有する。本発明で使用するための方法及び材料が本明細書に記載されており、また、当該技術分野において既知の他の好適な方法及び材料を使用してもよい。材料、方法、及び実施例は、単なる例証であり、限定することを意図するものではない。本明細書で言及される全ての刊行物、特許出願、特許、配列、データベースエントリ、及び他の参考文献は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。矛盾が生じた場合には、定義を含め、本明細書が優先される。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示は、2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレン(すなわち、CFO-1112)と、本明細書に記載される追加成分とを含む、組成物(例えば、伝熱組成物及び/又は冷媒組成物)を提供する。本明細書で提供される組成物は、例えば、クロロフルオロカーボン(chlorofluorocarbon、「CFC」)化合物が以前に役に立っていた冷媒及び/又は伝熱用途において有用であり得る。
【0010】
定義及び略語
本明細書で使用するとき、「含む(comprises)」、「含む(comprising)」、「含む(includes)」、「含む(including)」、「有する(has)」、「有する(having)」という用語、又はこれらの他の任意の変化形は、非排他的な包含を網羅することを意図する。例えば、要素のリストを含むプロセス、方法、物品、又は装置は、これらの要素に必ずしも限定されるものではなく、そのようなプロセス、方法、物品、又は装置に対して明示的に記載されていない、又はこれらに固有のものではない、他の要素も含む場合がある。更に、明示的にこれに反する記載がない限り、「又は」は、包括的な「又は」を指し、排他的な「又は」を指すものではない。例えば、条件A又はBは、以下、すなわち、Aが真であり(又は存在し)かつBが偽である(又は存在しない)、Aが偽であり(又は存在しない)かつBが真である(又は存在する)、並びにA及びBの両方が真である(又は存在する)のいずれか1つにより満たされる。
【0011】
本発明で使用するとき、「から本質的になる」は、これらの追加的に含まれる材料、工程、特徴、成分、又は要素が、特許請求される発明の基本的及び新規の特徴(複数可)、特に本発明のプロセスのいずれかの所望の結果を達成するための作用機序に実質的に影響を及ぼさないことを条件に、文字どおり開示されているものに加えて、材料、工程、特徴、成分、又は要素を含む、組成物、方法を定義するために使用される。「から本質的になる(consists essentially of)」又は「から本質的になる(consisting essentially of)」という用語は、「含む」と「からなる」との間の中間の立場をとる。
【0012】
また、「a」又は「an」の使用は、本明細書に記載された要素及び成分を記述するために用いられる。これは、単に便宜上なされるものであり、及び本発明の範囲の一般的な意味を与えるためのものである。この記載は、1つ又は少なくとも1つを含むものと解釈されるべきであり、単数形は、別の意味を有することが明白でない限り、複数形も含む。
【0013】
本明細書で使用するとき、「約」という用語は、実験誤差による変動(例えば、示された値のプラスマイナス約10%)を考慮することを意味する。本明細書で報告される全ての測定値は、特に明記しない限り、「約」という用語が明示的に使用されているか否かに関わらず、「約」という用語によって修飾されるものと理解される。
【0014】
量、濃度、又は他の値若しくはパラメータが、ある範囲、好ましい範囲、又は好ましい上方値及び/若しくは好ましい下方値のリストのいずれかとして与えられている場合に、これらは、範囲が別個に開示されているかに関わらず、任意の範囲上限値又は好ましい上方値及び任意の範囲下限値又は好ましい下方値の任意の対から形成される全ての範囲を、具体的に開示するものとして、理解されるものとする。本明細書に数値範囲が記述されている場合、特に指示しない限り、この範囲は、その端点を包含し、かつその範囲内の全ての整数及び分数を包含することが意図される。
【0015】
地球温暖化係数(global warming potential、GWP)は、1キログラムの二酸化炭素の排出と比較して、1キログラムの特定の温室効果ガスの大気排出に起因する相対的な地球温暖化への関与を推定するための指数である。GWPは、様々な対象期間について計算することができ、所与のガスの大気寿命の影響を示す。対象期間を100年間とするGWPが、一般的に参照される値である。
【0016】
本明細書で使用するとき、「オゾン層破壊係数(ODP)」という用語は、「The Scientific Assessment of Ozone Depletion,2002,A report of the World Meteorological Association’s Global Ozone Research and Monitoring Project」のセクション1.4.4、ページ1.28~1.31(このセクションの最初の段落を参照)で定義されている。オゾン層破壊係数(ODP)は、フルオロトリクロロメタン(CFC-11)の質量に対する質量を基準とした化合物から予想される成層圏オゾン層破壊の度合いを表す。
【0017】
冷蔵能力(冷却能力と称されることもある)は、循環する冷媒又は作動流体の単位質量当たりの、蒸発器中の冷媒又は作動流体のエンタルピーの変化を定義する用語である。体積冷却能力は、蒸発器を出る冷媒蒸気の単位体積当たりの、冷媒又は作動流体によって除去された熱の量を指す。冷蔵能力は、冷媒、作動流体、又は伝熱組成物の冷却を生み出す能力の尺度である。したがって、作動流体の体積冷却能力が高いほど、所定の圧縮器で達成可能な最大体積流量を伴う蒸発器で生み出すことができる冷却率が大きくなる。冷却速度は、蒸発器内の冷媒によって除去される単位時間当たりの熱を指す。
【0018】
同様に、体積加熱能力は、圧縮器に入る冷媒又は作動流体蒸気の単位体積当たりの、凝縮器中の冷媒又は作動流体によって供給される熱の量を定義する用語である。冷媒又は作動流体の体積加熱能力が高いほど、所定の圧縮器で達成可能な最大体積流量を伴う凝縮器で生み出される加熱率が大きくなる。
【0019】
性能係数(cefficient of performance、COP)は、圧縮器を動作させるのに必要なエネルギーで割った、蒸発器で除去された熱の量である。COPが高いほど、エネルギー効率が高くなる。COPは、エネルギー効率比(energy efficiency ratio、EER)、すなわち特定の組の内部温度及び外部温度での冷蔵又は空調設備についての効率評定に直接的に関連する。
【0020】
本明細書で使用するとき、伝熱媒体は、熱源からヒートシンクまで熱を運ぶために使用される組成物を含む。例えば、冷却される物体から冷却機蒸発器へ、又は冷却機凝縮器から冷却塔、若しくは熱が周囲に放出され得る他の構成への熱。
【0021】
本明細書で使用するとき、作動流体又は冷媒は、あるサイクルで熱を伝達するように機能する化合物又は化合物の混合物(例えば、本明細書で提供される組成物)を含み、作動流体は、繰り返しサイクルで液体から気体へ、そして液体へ戻るという相変化を経る。
【0022】
過冷却は、液体が、その液体の所定の圧力での飽和点を下回る温度へ低下することである。飽和点は、蒸気組成物が完全に液体へと凝縮される温度である(泡立ち点とも称される)。しかし、過冷却は、所定の圧力において、液体をより低温の液体に冷却し続ける。液体を飽和温度を下回る温度に冷却することで、正味冷蔵能力が上昇し得る。それにより、過冷却は、システムの冷凍容量及びエネルギー効率を改善する。過冷却量は、飽和温度未満の冷却の量(度単位)、又は液体組成物がその飽和温度をどれだけ下回って冷却されるかである。
【0023】
「過熱」という用語は、蒸気組成物が、蒸気組成物の飽和蒸気温度をどれだけ上回って加熱されるかを定義する。飽和蒸気温度は、蒸気組成物が冷却される場合に、最初に液滴が形成される温度であり、「露点」とも称される。
【0024】
化学物質、略語、及び頭字語
HFC:ヒドロフルオロカーボン
HCFC:ヒドロクロロフルオロカーボン
HCFO:ヒドロクロロフルオロオレフィン
PFC:パーフルオロカーボン
CFO-1112:1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレン(異性体の混合物)
CFO-1112(E)又はCFO-1112E:E-1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレン
CFO-1112(Z)又はCFO-1112Z:Z-1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレン
R-245fa又はHFC-245fa:1,1,1,3,3-ペンタフルオロプロパン
R-1336mzz又はHFO-1336mzz:1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロブタ-2-エン(異性体の混合物)
R-1336mzzZ又はHFO-1336mzz(Z)又は(Z)-1336mzz:(Z)-1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロブタ-2-エン
R-1336mzzE又はHFO-1336mzz(E)又は(E)-1336mzz:(E)-1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロブタ-2-エン
R-1233zd:1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(異性体の混合物)
R-1233zdE:(E)-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン
R-1224yd:1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン
R-1224ydZ:(Z)-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン
R-1234ze:1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(異性体の混合物)
R-1234zeZ:(Z)-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン
R-1336yf:2,3,3,4,4,4-ヘキサフルオロブタ-1-エン(異性体の混合物)
R-1336ze:1,3,3,4,4,4-ヘキサフルオロブタ-1-エン(異性体の混合物)
R-1336zeE:(E)-1,3,3,4,4,4-ヘキサフルオロブタ-1-エン
R-1234ze:1,3,3,3-テトラフルオロプロパ-1-エン(異性体の混合物)
R-1234zeE:(E)-1,3,3,3-テトラフルオロプロパ-1-エン
R-32:ジフルオロメタン
R-125:ペンタフルオロエタン
R-134a:1,1,1,2-テトラフルオロエタン
R-1234yf:2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(異性体の混合物)
t-DCE:トランス-1,2-ジクロロエチレン
R-152a:1,1-ジフルオロエタン
R-134:1,1,1,2-テトラフルオロエタン
R-1123:1,1,2-トリフルオロエチレン
【0025】
組成物
本出願は、
i)1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレン(CFO-1112)と、任意に、
ii)R-245fa、R-1336mzzZ、n-ペンタン、R-1233zdE、i-ペンタン、R-1336mzzE、R-1224ydZ、R-1234zeZ、R-1336yf、R-1336zeE、R-1234zeE、R-32、R-134a、R-1234yf、トランス-1,2-ジクロロエチレン、R-152a、R-134、R-125及びR-1123から選択される化合物と、を含む、組成物を提供する。
【0026】
いくつかの実施形態では、組成物は、
i)1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレン(CFO-1112)と、任意に、
ii)R-245fa、R-1336mzzZ、n-ペンタン、R-1233zdE、i-ペンタン、R-1336mzzE、R-1224ydZ、R-1234zeZ、R-1336yf、R-1336zeE、R-1234zeE、R-32、R-134a、R-1234yf、トランス-1,2-ジクロロエチレン、R-152a及びR-134から選択される化合物と、を含む。
【0027】
いくつかの実施形態では、組成物は、
i)1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、任意に、
ii)R-245fa、R-1336mzzZ、n-ペンタン、R-1233zdE、i-ペンタン、R-1336mzzE、R-1224ydZ、R-1234zeZ、R-1336yf及びR-1336zeEから選択される化合物と、を含む。
【0028】
本出願は、
i)1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレン(CFO-1112)と、
ii)R-245fa、R-1336mzzZ、n-ペンタン、R-1233zdE、i-ペンタン、R-1336mzzE、R-1224ydZ、R-1234zeZ、R-1336yf、R-1336zeE、R-1234zeE、R-32、R-134a、R-1234yf、トランス-1,2-ジクロロエチレン、R-152a、R-134、R-125及びR-1123から選択される化合物と、を含む、組成物を提供する。
【0029】
いくつかの実施形態では、組成物は、
i)1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレン(CFO-1112)と、
ii)R-245fa、R-1336mzzZ、n-ペンタン、R-1233zdE、i-ペンタン、R-1336mzzE、R-1224ydZ、R-1234zeZ、R-1336yf、R-1336zeE、R-1234zeE、R-32、R-134a、R-1234yf、トランス-1,2-ジクロロエチレン、R-152a及びR-134から選択される化合物と、を含む。
【0030】
いくつかの実施形態では、組成物は、
i)1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、
ii)R-245fa、R-1336mzzZ、n-ペンタン、R-1233zdE、i-ペンタン、R-1336mzzE、R-1224ydZ、R-1234zeZ、R-1336yf及びR-1336zeEから選択される化合物と、を含む。
【0031】
いくつかの実施形態では、組成物は、1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンを含む。いくつかの実施形態では、組成物は、1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンから本質的になる。いくつかの実施形態では、組成物は、1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンからなる。
【0032】
いくつかの実施形態では、1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンは、(E)-1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンである。いくつかの実施形態では、1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンは、(Z)-1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンである。
【0033】
いくつかの実施形態では、1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンは、(E)-1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと(Z)-1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンとの混合物を含む。
【0034】
いくつかの実施形態では、1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンは、約60%~約70%のE-1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約30%~約40%のZ-1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、を含む。
【0035】
いくつかの実施形態では、1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンは、約60%のE-1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約40%のZ-1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、を含む。いくつかの実施形態では、1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンは、約70%のE-1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約30%のZ-1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、を含む。
【0036】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される組成物は、約1~約99重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレン、例えば、約1~約90、約1~約80、約1~約50、約1~約25、約1~約10、約10~約99、約10~約90、約10~約80、約10~約50、約10~約25、約25~約99、約25~約90、約25~約80、約25~約50、約50~約99、約50~約90、約50~約80、約80~約99、約80~約90、又は約90~約99重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンを含む。
【0037】
いくつかの実施形態では、組成物は、
約1~約99重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレン、又は
約95~約99重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレン、又は
約90~約99重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレン、又は
約85~約99重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレン、又は
約70~約99重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレン、又は
約60~約99重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレン、又は
約50~約99重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレン、又は
約1~約40重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレン、又は
約1~約25重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレン、又は
約1~約20重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレン、又は
約1~約15重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレン、又は
約1~約10重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンを含む。
【0038】
いくつかの実施形態では、組成物は、約1~約99重量パーセントのR-245fa、例えば、約1~約90、約1~約80、約1~約50、約1~約25、約1~約10、約10~約99、約10~約90、約10~約80、約10~約50、約10~約25、約25~約99、約25~約90、約25~約80、約25~約50、約50~約99、約50~約90、約50~約80、約80~約99、約80~約90、又は約90~約99重量パーセントのR-245faを含む。
【0039】
いくつかの実施形態では、組成物は、約1~約99重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約99~約1重量パーセントのR-245faと、を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、約1~約85重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約99~約15重量パーセントのR-245faと、を含む。
【0040】
いくつかの実施形態では、組成物は、約1~約40重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約99~約60重量パーセントのR-245faと、を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、約1~約25重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約99~約75重量パーセントのR-245faと、を含む。
【0041】
いくつかの実施形態では、組成物は、約34~約36重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約66~約64重量パーセントのR-245faと、を含む。
【0042】
いくつかの実施形態では、1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンとR-245faとを含む組成物は、約0.3K以下、例えば、約0.2K以下、約0.15K以下、約0.1K以下、又は約0.05K以下の温度勾配を有する。いくつかの実施形態では、1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンとR-245faとを含む組成物は、約0.3K未満の温度勾配を有する。
【0043】
いくつかの実施形態では、1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンとR-245faとを含む組成物は、約0.15K以下の温度勾配を有する。いくつかの実施形態では、1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンとR-245faとを含む組成物は、約0.15K未満の温度勾配を有する。
【0044】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される組成物は、1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレン及びR-245faから本質的になる。いくつかの実施形態では、本明細書で提供される組成物は、1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレン及びR-245faからなる。
【0045】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される組成物は、1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、R-1336mzzZ(すなわち、(Z)-1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロブタ-2-エン)と、を含む。
【0046】
いくつかの実施形態では、組成物は、約1~約99重量パーセントのR-1336mzzZ、例えば、約1~約90、約1~約80、約1~約50、約1~約25、約1~約10、約10~約99、約10~約90、約10~約80、約10~約50、約10~約25、約25~約99、約25~約90、約25~約80、約25~約50、約50~約99、約50~約90、約50~約80、約80~約99、約80~約90、又は約90~約99重量パーセントのR-1336mzzZを含む。
【0047】
いくつかの実施形態では、組成物は、約1~約99重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約99~約1重量パーセントのR-1336mzzZと、を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、約5~約40重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約95~約60重量パーセントのR-1336mzzZと、を含む。
【0048】
いくつかの実施形態では、組成物は、約1~約10重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約99~約90重量パーセントのR-1336mzzZと、を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、約50~約99重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約50~約1重量パーセントのR-1336mzzZと、を含む。
【0049】
いくつかの実施形態では、組成物は、約60~約99重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約40~約1重量パーセントのR-1336mzzZと、を含む。
【0050】
いくつかの実施形態では、組成物は、約20~約21重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約80~約79重量パーセントのR-1336mzzZと、を含む。
【0051】
いくつかの実施形態では、1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンとR-1336mzzZとを含む組成物は、約2K以下、例えば、約1.5K以下、約1K以下、又は約0.5K以下の温度勾配を有する。いくつかの実施形態では、1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンとR-1336mzzZとを含む組成物は、約2K未満の温度勾配を有する。
【0052】
いくつかの実施形態では、1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンとR-1336mzzZとを含む組成物は、約1K以下の温度勾配を有する。いくつかの実施形態では、1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンとR-1336mzzZとを含む組成物は、約1K未満の温度勾配を有する。
【0053】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される組成物は、1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレン及びR-1336mzzZから本質的になる。いくつかの実施形態では、本明細書で提供される組成物は、1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレン及びR-1336mzzZからなる。
【0054】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される組成物は、1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、n-ペンタンと、を含む。
【0055】
いくつかの実施形態では、組成物は、約1~約99重量パーセントのn-ペンタン、例えば、約1~約90、約1~約80、約1~約50、約1~約25、約1~約10、約10~約99、約10~約90、約10~約80、約10~約50、約10~約25、約25~約99、約25~約90、約25~約80、約25~約50、約50~約99、約50~約90、約50~約80、約80~約99、約80~約90、又は約90~約99重量パーセントのn-ペンタンを含む。
【0056】
いくつかの実施形態では、組成物は、約1~約99重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約99~約1重量パーセントのn-ペンタンと、を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、約5~約40重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約95~約60重量パーセントのn-ペンタンと、を含む。
【0057】
いくつかの実施形態では、組成物は、約1~約20重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約99~約80重量パーセントのn-ペンタンと、を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、約60~約99重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約40~約1重量パーセントのn-ペンタンと、を含む。
【0058】
いくつかの実施形態では、組成物は、約1~約10重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約99~約90重量パーセントのn-ペンタンと、を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、約70~約99重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約30~約1重量パーセントのn-ペンタンと、を含む。
【0059】
いくつかの実施形態では、組成物は、約93~約94重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約7~約6重量パーセントのn-ペンタンと、を含む。
【0060】
いくつかの実施形態では、1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、n-ペンタンと、を含む、組成物は、約3K以下、例えば、約2.5K以下、約2.0K以下、約1.5K以下、約1K以下、又は約0.5K以下の温度勾配を有する。いくつかの実施形態では、1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、n-ペンタンと、を含む、組成物は、約3K未満の温度勾配を有する。
【0061】
いくつかの実施形態では、1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、n-ペンタンと、を含む、組成物は、約2K以下の温度勾配を有する。いくつかの実施形態では、1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、n-ペンタンと、を含む、組成物は、約2K未満の温度勾配を有する。
【0062】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される組成物は、1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレン及びn-ペンタンから本質的になる。いくつかの実施形態では、本明細書で提供される組成物は、1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレン及びn-ペンタンからなる。
【0063】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される組成物は、1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンとR-1233zdEと、を含む。
【0064】
いくつかの実施形態では、組成物は、約1~約99重量パーセントのR-1233zdE、例えば、約1~約90、約1~約80、約1~約50、約1~約25、約1~約10、約10~約99、約10~約90、約10~約80、約10~約50、約10~約25、約25~約99、約25~約90、約25~約80、約25~約50、約50~約99、約50~約90、約50~約80、約80~約99、約80~約90、又は約90~約99重量パーセントのR-1233zdEを含む。
【0065】
いくつかの実施形態では、組成物は、約1~約99重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約99~約1重量パーセントのR-1233zdEと、を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、約1~約70重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約99~約30重量パーセントのR-1233zdEと、を含む。
【0066】
いくつかの実施形態では、組成物は、約1~約35重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約99~約65重量パーセントのR-1233zdEと、を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、約1~約25重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約99~約75重量パーセントのR-1233zdEと、を含む。
【0067】
いくつかの実施形態では、組成物は、約27~約28重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約73~約72重量パーセントのR-1233zdEと、を含む。
【0068】
いくつかの実施形態では、1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンとR-1233zdEとを含む組成物は、約0.05K以下、例えば、約0.025K以下、約0.02K以下、約0.015K以下、約0.01K以下、又は約0.005K以下の温度勾配を有する。いくつかの実施形態では、1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンとR-1233zdEとを含む組成物は、約0.05K未満の温度勾配を有する。
【0069】
いくつかの実施形態では、1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、R-1233zdEと、を含む、組成物は、約0.02K以下の温度勾配を有する。いくつかの実施形態では、1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、R-1233zdEと、を含む、組成物は、約0.02K未満の温度勾配を有する。
【0070】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される組成物は、1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレン及びR-1233zdEから本質的になる。いくつかの実施形態では、本明細書で提供される組成物は、1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレン及びR-1233zdEからなる。
【0071】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される組成物は、1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、i-ペンタンと、を含む。
【0072】
いくつかの実施形態では、組成物は、約1~約99重量パーセントのi-ペンタン、例えば、約1~約90、約1~約80、約1~約50、約1~約25、約1~約10、約10~約99、約10~約90、約10~約80、約10~約50、約10~約25、約25~約99、約25~約90、約25~約80、約25~約50、約50~約99、約50~約90、約50~約80、約80~約99、約80~約90、又は約90~約99重量パーセントのi-ペンタンを含む。
【0073】
いくつかの実施形態では、組成物は、約1~約65重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約99~約35重量パーセントのi-ペンタンと、を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、約20~約70重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約80~約30重量パーセントのi-ペンタンと、を含む。
【0074】
いくつかの実施形態では、組成物は、約70~約99重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約30~約1重量パーセントのi-ペンタンと、を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、約80~約90重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約20~約10重量パーセントのi-ペンタンと、を含む。
【0075】
いくつかの実施形態では、組成物は、約1~約20重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約99~約80重量パーセントのi-ペンタンと、を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、約55~約99重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約45~約1重量パーセントのi-ペンタンと、を含む。
【0076】
いくつかの実施形態では、組成物は、約1~約10重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約99~約90重量パーセントのi-ペンタンと、を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、約65~約99重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約35~約1重量パーセントのi-ペンタンと、を含む。
【0077】
いくつかの実施形態では、組成物は、約82~約83重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約18~約17重量パーセントのi-ペンタンと、を含む。
【0078】
いくつかの実施形態では、1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンとi-ペンタンとを含む組成物は、約1.5K以下、例えば、約1.25K以下、約1.0K以下、約0.5K以下、約0.25K以下、又は約0.1K以下の温度勾配を有する。いくつかの実施形態では、1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンとi-ペンタンとを含む組成物は、約1.5K未満の温度勾配を有する。
【0079】
いくつかの実施形態では、1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンとi-ペンタンとを含む組成物は、約1K以下の温度勾配を有する。いくつかの実施形態では、1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、i-ペンタンと、を含む、組成物は、約1K未満の温度勾配を有する。
【0080】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される組成物は、1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレン及びi-ペンタンから本質的になる。いくつかの実施形態では、本明細書で提供される組成物は、1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレン及びi-ペンタンからなる。
【0081】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される組成物は、1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、R-1336mzzE(すなわち、(E)-1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロブタ-2-エン)と、を含む。
【0082】
いくつかの実施形態では、組成物は、約1~約99重量パーセントのR-1336mzzE、例えば、約1~約90、約1~約80、約1~約50、約1~約25、約1~約10、約10~約99、約10~約90、約10~約80、約10~約50、約10~約25、約25~約99、約25~約90、約25~約80、約25~約50、約50~約99、約50~約90、約50~約80、約80~約99、約80~約90、又は約90~約99重量パーセントのR-1336mzzEを含む。
【0083】
いくつかの実施形態では、組成物は、約1~約99重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約99~約1重量パーセントのR-1336mzzEと、を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、約40~約90重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約60~約10重量パーセントのR-1336mzzEと、を含む。
【0084】
いくつかの実施形態では、組成物は、約1~約40重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約99~約60重量パーセントのR-1336mzzEと、を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、約85~約99重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約15~約1重量パーセントのR-1336mzzEと、を含む。
【0085】
いくつかの実施形態では、組成物は、約1~約25重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約99~約75重量パーセントのR-1336mzzEと、を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、約95~約99重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約5~約1重量パーセントのR-1336mzzEと、を含む。
【0086】
いくつかの実施形態では、1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、R-1336mzzEと、を含む、組成物は、約2K以下、例えば、約1.5K以下、約1.0K以下、約0.5K以下、約0.25K以下、又は約0.1K以下の温度勾配を有する。いくつかの実施形態では、1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、R-1336mzzEと、を含む、組成物は、約1.5K未満の温度勾配を有する。
【0087】
いくつかの実施形態では、1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、R-1336mzzEと、を含む、組成物は、約1K以下の温度勾配を有する。いくつかの実施形態では、1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、R-1336mzzEと、を含む、組成物は、約1K未満の温度勾配を有する。
【0088】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される組成物は、1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレン及びR-1336mzzEから本質的になる。いくつかの実施形態では、本明細書で提供される組成物は、1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレン及びR-1336mzzEからなる。
【0089】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される組成物は、1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、R-1224ydZと、を含む。
【0090】
いくつかの実施形態では、組成物は、約1~約99重量パーセントのR-1224ydZ、例えば、約1~約90、約1~約80、約1~約50、約1~約25、約1~約10、約10~約99、約10~約90、約10~約80、約10~約50、約10~約25、約25~約99、約25~約90、約25~約80、約25~約50、約50~約99、約50~約90、約50~約80、約80~約99、約80~約90、又は約90~約99重量パーセントのR-1224ydZを含む。
【0091】
いくつかの実施形態では、組成物は、約1~約99重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約99~約1重量パーセントのR-1224ydZと、を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、約1~約85重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約99~約15重量パーセントのR-1224ydZと、を含む。
【0092】
いくつかの実施形態では、組成物は、約1~約40重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約99~約60重量パーセントのR-1224ydZと、を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、約85~約99重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約15~約1重量パーセントのR-1224ydZと、を含む。
【0093】
いくつかの実施形態では、組成物は、約1~約25重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約99~約75重量パーセントのR-1224ydZと、を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、約95~約99重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約5~約1重量パーセントのR-1224ydZと、を含む。
【0094】
いくつかの実施形態では、1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンとR-1224ydZとを含む組成物は、約0.4K以下、例えば、約0.3K以下、約0.2K以下、約0.1K以下、又は約0.05K以下の温度勾配を有する。いくつかの実施形態では、1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンとR-1224ydZとを含む組成物は、約0.4K未満の温度勾配を有する。
【0095】
いくつかの実施形態では、1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、R-1224ydZと、を含む、組成物は、約0.2K以下の温度勾配を有する。いくつかの実施形態では、1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、R-1224ydZと、を含む、組成物は、約0.2K未満の温度勾配を有する。
【0096】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される組成物は、1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレン及びR-1224ydZから本質的になる。いくつかの実施形態では、本明細書で提供される組成物は、1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレン及びR-1224ydZからなる。
【0097】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される組成物は、1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、R-1234zeZと、を含む。
【0098】
いくつかの実施形態では、組成物は、約1~約99重量パーセントのR-1234zeZ、例えば、約1~約90、約1~約80、約1~約50、約1~約25、約1~約10、約10~約99、約10~約90、約10~約80、約10~約50、約10~約25、約25~約99、約25~約90、約25~約80、約25~約50、約50~約99、約50~約90、約50~約80、約80~約99、約80~約90、又は約90~約99重量パーセントのR-1234zeZを含む。
【0099】
いくつかの実施形態では、組成物は、約1~約99重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約99~約1重量パーセントのR-1234zeZと、を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、約25~約90重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約75~約10重量パーセントのR-1234zeZと、を含む。
【0100】
いくつかの実施形態では、組成物は、約1~約35重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約99~約65重量パーセントのR-1234zeZと、を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、約1~約25重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約99~約75重量パーセントのR-1234zeZと、を含む。
【0101】
いくつかの実施形態では、1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンとR-1234zeZとを含む組成物は、約0.5K以下、例えば、約0.4K以下、約0.3K以下、約0.2K以下、約0.1K以下、又は約0.05K以下の温度勾配を有する。いくつかの実施形態では、1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、R-1234zeZと、を含む、組成物は、約0.5K未満の温度勾配を有する。
【0102】
いくつかの実施形態では、1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、R-1234zeZと、を含む、組成物は、約0.2K以下の温度勾配を有する。いくつかの実施形態では、1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、R-1234zeZと、を含む、組成物は、約0.2K未満の温度勾配を有する。
【0103】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される組成物は、1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレン及びR-1234zeZから本質的になる。いくつかの実施形態では、本明細書で提供される組成物は、1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレン及びR-1234zeZからなる。
【0104】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される組成物は、1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、R-1336yfと、を含む。
【0105】
いくつかの実施形態では、組成物は、約1~約99重量パーセントのR-1336yf、例えば、約1~約90、約1~約80、約1~約50、約1~約25、約1~約10、約10~約99、約10~約90、約10~約80、約10~約50、約10~約25、約25~約99、約25~約90、約25~約80、約25~約50、約50~約99、約50~約90、約50~約80、約80~約99、約80~約90、又は約90~約99重量パーセントのR-1336yfを含む。
【0106】
いくつかの実施形態では、組成物は、約35~約99重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約65~約1重量パーセントのR-1336yfと、を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、約55~約95重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約45~約5重量パーセントのR-1336yfと、を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、約1~約5重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約95~約99重量パーセントのR-1336yfと、を含む。
【0107】
いくつかの実施形態では、組成物は、約1~約30重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約99~約70重量パーセントのR-1336yfと、を含む。
【0108】
いくつかの実施形態では、組成物は、約95~約99重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約5~約1重量パーセントのR-1336yfと、を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、約1~約20重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約99~約80重量パーセントのR-1336yfと、を含む。
【0109】
いくつかの実施形態では、1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、R-1336yfと、を含む、組成物は、約0.2K以下、例えば、約0.1K以下又は約0.05K以下の温度勾配を有する。いくつかの実施形態では、1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、R-1336yfと、を含む、組成物は、約0.2K未満の温度勾配を有する。
【0110】
いくつかの実施形態では、1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンとR-1336yfとを含む組成物は、約1K以下、例えば、約0.5K以下、約0.25K以下、約0.1K以下、又は約0.05K以下の温度勾配を有する。いくつかの実施形態では、1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンとR-1336yfとを含む組成物は、約1K未満の温度勾配を有する。
【0111】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される組成物は、1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレン及びR-1336yfから本質的になる。いくつかの実施形態では、本明細書で提供される組成物は、1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレン及びR-1336yfからなる。
【0112】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される組成物は、1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、R-1336zeEと、を含む。
【0113】
いくつかの実施形態では、組成物は、約1~約99重量パーセントのR-1336zeE、例えば、約1~約90、約1~約80、約1~約50、約1~約25、約1~約10、約10~約99、約10~約90、約10~約80、約10~約50、約10~約25、約25~約99、約25~約90、約25~約80、約25~約50、約50~約99、約50~約90、約50~約80、約80~約99、約80~約90、又は約90~約99重量パーセントのR-1336zeEを含む。
【0114】
いくつかの実施形態では、組成物は、約1~約99重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約99~約1重量パーセントのR-1336zeEと、を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、約20~約90重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約80~約10重量パーセントのR-1336zeEと、を含む。
【0115】
いくつかの実施形態では、組成物は、約1~約40重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約99~約60重量パーセントのR-1336zeEと、を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、約85~約99重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約15~約1重量パーセントのR-1336zeEと、を含む。
【0116】
いくつかの実施形態では、組成物は、約1~約25重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約99~約75重量パーセントのR-1336zeEと、を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、約90~約99重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約10~約1重量パーセントのR-1336zeEと、を含む。
【0117】
いくつかの実施形態では、1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンとR-1336zeEとを含む組成物は、約1.5K以下、例えば、約1K以下、約0.5K以下、約0.25K以下、又は約0.1K以下の温度勾配を有する。いくつかの実施形態では、1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレン及びR-1336zeEを含む組成物は、約1.5K未満の温度勾配を有する。
【0118】
いくつかの実施形態では、1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、R-1336zeEと、を含む、組成物は、約1K以下の温度勾配を有する。いくつかの実施形態では、1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、R-1336zeEと、を含む、組成物は、約1K未満の温度勾配を有する。
【0119】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される組成物は、1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレン及びR-1336zeEから本質的になる。いくつかの実施形態では、本明細書で提供される組成物は、1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレン及びR-1336zeEからなる。
【0120】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される組成物は、1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、R-1234zeEと、を含む。
【0121】
いくつかの実施形態では、組成物は、約1~約99重量パーセントのR-1234zeE、例えば、約1~約90、約1~約80、約1~約50、約1~約25、約1~約10、約10~約99、約10~約90、約10~約80、約10~約50、約10~約25、約25~約99、約25~約90、約25~約80、約25~約50、約50~約99、約50~約90、約50~約80、約80~約99、約80~約90、又は約90~約99重量パーセントのR-1234zeEを含む。
【0122】
いくつかの実施形態では、組成物は、約40~約70重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約60~約30重量パーセントのR-1234zeEと、を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、約40~約65重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約60~約35重量パーセントのR-1234zeEと、を含む。
【0123】
いくつかの実施形態では、組成物は、約1~約35重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約99~約65重量パーセントのR-1234zeEと、を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、約10~約30重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約90~約70重量パーセントのR-1234zeEと、を含む。
【0124】
いくつかの実施形態では、組成物は、約1~約20重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約99~約80重量パーセントのR-1234zeEと、を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、約90~約99重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約10~約1重量パーセントのR-1234zeEと、を含む。
【0125】
いくつかの実施形態では、組成物は、約1~約10重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約99~約90重量パーセントのR-1234zeEと、を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、約95~約99重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約5~約1重量パーセントのR-1234zeEと、を含む。
【0126】
いくつかの実施形態では、1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンとR-1234zeEとを含む組成物は、約8K以下、例えば、約7K以下、約6K以下、約5K以下、約4K以下、約3K以下、約2K以下、又は約1K以下の温度勾配を有する。いくつかの実施形態では、1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、R-1234zeEと、を含む、組成物は、約8K未満の温度勾配を有する。
【0127】
いくつかの実施形態では、1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、R-1234zeEと、を含む、組成物は、約5K以下の温度勾配を有する。いくつかの実施形態では、1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、R-1234zeEと、を含む、組成物は、約5K未満の温度勾配を有する。
【0128】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される組成物は、1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレン及びR-1234zeEから本質的になる。いくつかの実施形態では、本明細書で提供される組成物は、1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレン及びR-1234zeEからなる。
【0129】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される組成物は、1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、R-32と、を含む。
【0130】
いくつかの実施形態では、組成物は、約1~約99重量パーセントのR-32、例えば、約1~約90、約1~約80、約1~約50、約1~約25、約1~約10、約10~約99、約10~約90、約10~約80、約10~約50、約10~約25、約25~約99、約25~約90、約25~約80、約25~約50、約50~約99、約50~約90、約50~約80、約80~約99、約80~約90、又は約90~約99重量パーセントのR-32を含む。
【0131】
いくつかの実施形態では、組成物は、約90~約10重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約10~約90重量パーセントのR-32と、を含む。
【0132】
いくつかの実施形態では、組成物は、約95~約99重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約5~約1重量パーセントのR-32と、を含む。
【0133】
いくつかの実施形態では、組成物は、約80~約85重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約20~約15重量パーセントのR-32と、を含む。
【0134】
いくつかの実施形態では、組成物は、約45~約75重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約55~約25重量パーセントのR-32と、を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、約50~約65重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約50~約35重量パーセントのR-32と、を含む。
【0135】
いくつかの実施形態では、組成物は、約20~約40重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約80~約60重量パーセントのR-32と、を含む。
【0136】
いくつかの実施形態では、組成物は、約1~約15重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約99~約85重量パーセントのR-32と、を含む。
【0137】
いくつかの実施形態では、組成物は、約1~約10重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約99~約90重量パーセントのR-32と、を含む。
【0138】
いくつかの実施形態では、1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンとR-32とを含む組成物は、約8K以下、例えば、約7K以下、約6K以下、約5K以下、約4K以下、約3K以下、約2K以下、又は約1K以下の温度勾配を有する。いくつかの実施形態では、1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、R-32と、を含む、組成物は、約8K未満の温度勾配を有する。
【0139】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される組成物は、1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレン及びR-32から本質的になる。いくつかの実施形態では、本明細書で提供される組成物は、1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレン及びR-32からなる。
【0140】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される組成物は、1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、R-134aと、を含む。
【0141】
いくつかの実施形態では、組成物は、約1~約99重量パーセントのR-134a、例えば、約1~約90、約1~約80、約1~約50、約1~約25、約1~約10、約10~約99、約10~約90、約10~約80、約10~約50、約10~約25、約25~約99、約25~約90、約25~約80、約25~約50、約50~約99、約50~約90、約50~約80、約80~約99、約80~約90、又は約90~約99重量パーセントのR-134aを含む。
【0142】
いくつかの実施形態では、組成物は、約85~約99重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約15~約1重量パーセントのR-134aと、を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、約90~約95重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約10~約5重量パーセントのR-134aと、を含む。
【0143】
いくつかの実施形態では、組成物は、約55~約65重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約45~約35重量パーセントのR-134aと、を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、約60~約65重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約40~約35重量パーセントのR-134aと、を含む。
【0144】
いくつかの実施形態では、組成物は、約25~約50重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約75~約50重量パーセントのR-134aと、を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、約35~約50重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約65~約50重量パーセントのR-134aと、を含む。
【0145】
いくつかの実施形態では、組成物は、約1~約25重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約99~約75重量パーセントのR-134aと、を含む。
【0146】
いくつかの実施形態では、組成物は、約1~約15重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約99~約85重量パーセントのR-134aと、を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、約9~約99重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約91~約1重量パーセントのR-134aとを含む。
【0147】
いくつかの実施形態では、1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、R-134aと、を含む、組成物は、約8K以下、例えば、約7K以下、約6K以下、約5K以下、約4K以下、約3K以下、約2K以下、又は約1K以下の温度勾配を有する。いくつかの実施形態では、1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、R-134aと、を含む、組成物は、約8K未満の温度勾配を有する。
【0148】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される組成物は、1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレン及びR-134aから本質的になる。いくつかの実施形態では、本明細書で提供される組成物は、1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレン及びR-134aからなる。
【0149】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される組成物は、1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、R-1234yfと、を含む。
【0150】
いくつかの実施形態では、組成物は、約1~約99重量パーセントのR-1234yf、例えば、約1~約90、約1~約80、約1~約50、約1~約25、約1~約10、約10~約99、約10~約90、約10~約80、約10~約50、約10~約25、約25~約99、約25~約90、約25~約80、約25~約50、約50~約99、約50~約90、約50~約80、約80~約99、約80~約90、又は約90~約99重量パーセントのR-1234yfを含む。
【0151】
いくつかの実施形態では、組成物は、約80~約99重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約20~約1重量パーセントのR-1234yfと、を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、約90~約95重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約10~約5重量パーセントのR-1234yfと、を含む。
【0152】
いくつかの実施形態では、組成物は、約55~約75重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約45~約25重量パーセントのR-1234yfと、を含む。
【0153】
いくつかの実施形態では、組成物は、約20~約50重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約80~約50重量パーセントのR-1234yfと、を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、約30~約50重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約70~約50重量パーセントのR-1234yfと、を含む。
【0154】
いくつかの実施形態では、組成物は、約1~約20重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約99~約80重量パーセントのR-1234yfと、を含む。
【0155】
いくつかの実施形態では、組成物は、約1~約10重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約99~約90重量パーセントのR-1234yfと、を含む。
【0156】
いくつかの実施形態では、組成物は、約1~約15重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約99~約85重量パーセントのR-1234yfと、を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、約9~約99重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約91~約1重量パーセントのR-1234yfと、を含む。
【0157】
いくつかの実施形態では、1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンとR-1234yfとを含む組成物は、約8K以下、例えば、約7K以下、約6K以下、約5K以下、約4K以下、約3K以下、約2K以下、又は約1K以下の温度勾配を有する。いくつかの実施形態では、1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、R-1234yfと、を含む、組成物は、約8K未満の温度勾配を有する。
【0158】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される組成物は、1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレン及びR-1234yfから本質的になる。いくつかの実施形態では、本明細書で提供される組成物は、1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレン及びR-1234yfからなる。
【0159】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される組成物は、1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、トランス-1,2-ジクロロエチレンと、を含む。
【0160】
いくつかの実施形態では、組成物は、約1~約99重量パーセントのトランス-1,2-ジクロロエチレン、例えば、約1~約90、約1~約80、約1~約50、約1~約25、約1~約10、約10~約99、約10~約90、約10~約80、約10~約50、約10~約25、約25~約99、約25~約90、約25~約80、約25~約50、約50~約99、約50~約90、約50~約80、約80~約99、約80~約90、又は約90~約99重量パーセントのトランス-1,2-ジクロロエチレンを含む。
【0161】
いくつかの実施形態では、組成物は、約1~約99重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約99~約1重量パーセントのトランス-1,2-ジクロロエチレンと、を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、約55~約90重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約45~約10重量パーセントのトランス-1,2-ジクロロエチレンと、を含む。
【0162】
いくつかの実施形態では、組成物は、約1~約25重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約99~約75重量パーセントのトランス-1,2-ジクロロエチレンと、を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、約75~約99重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約25~約1重量パーセントのトランス-1,2-ジクロロエチレンと、を含む。
【0163】
いくつかの実施形態では、組成物は、約1~約10重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約99~約90重量パーセントのトランス-1,2-ジクロロエチレンと、を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、約90~約99重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約10~約1重量パーセントのトランス-1,2-ジクロロエチレンと、を含む。
【0164】
いくつかの実施形態では、1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンとトランス-1,2-ジクロロエチレンとを含む組成物は、約5K以下、例えば、約4K以下、約3K以下、約2K以下、又は約1K以下の温度勾配を有する。いくつかの実施形態では、1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、トランス-1,2-ジクロロエチレンと、を含む、組成物は、約5K未満の温度勾配を有する。
【0165】
いくつかの実施形態では、1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、トランス-1,2-ジクロロエチレンと、を含む、組成物は、約3K以下の温度勾配を有する。いくつかの実施形態では、1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、トランス-1,2-ジクロロエチレンと、を含む、組成物は、約3K未満の温度勾配を有する。
【0166】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される組成物は、1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレン及びトランス-1,2-ジクロロエチレンから本質的になる。いくつかの実施形態では、本明細書で提供される組成物は、1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレン及びトランス-1,2-ジクロロエチレンからなる。
【0167】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される組成物は、1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、R-152aと、を含む。
【0168】
いくつかの実施形態では、組成物は、約1~約99重量パーセントのR-152a、例えば、約1~約90、約1~約80、約1~約50、約1~約25、約1~約10、約10~約99、約10~約90、約10~約80、約10~約50、約10~約25、約25~約99、約25~約90、約25~約80、約25~約50、約50~約99、約50~約90、約50~約80、約80~約99、約80~約90、又は約90~約99重量パーセントのR-152aを含む。
【0169】
いくつかの実施形態では、組成物は、約85~約99重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約15~約1重量パーセントのR-152aと、を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、約90~約95重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約10~約5重量パーセントのR-152aと、を含む。
【0170】
いくつかの実施形態では、組成物は、約60~約80重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約40~約20重量パーセントのR-152aと、を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、約65~約80重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約35~約20重量パーセントのR-152aと、を含む。
【0171】
いくつかの実施形態では、組成物は、約25~約55重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約75~約45重量パーセントのR-152aと、を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、約35~約55重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約65~約45重量パーセントのR-152aと、を含む。
【0172】
いくつかの実施形態では、組成物は、約1~約25重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約99~約75重量パーセントのR-152aと、を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、約1~約10重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約99~約90重量パーセントのR-152aと、を含む。
【0173】
いくつかの実施形態では、組成物は、約1~約15重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約99~約85重量パーセントのR-152aと、を含む。
【0174】
いくつかの実施形態では、1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンとR-152aとを含む組成物は、約8K以下、例えば、約7K以下、約6K以下、約5K以下、約4K以下、約3K以下、約2K以下、又は約1K以下の温度勾配を有する。いくつかの実施形態では、1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、R-152aと、を含む、組成物は、約8K未満の温度勾配を有する。
【0175】
いくつかの実施形態では、1,2-ジクロロ-1,2-152aフルオロエチレンと、R-152aと、を含む、組成物は、約5K以下の温度勾配を有する。いくつかの実施形態では、1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、R-152aと、を含む、組成物は、約5K未満の温度勾配を有する。
【0176】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される組成物は、1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレン及びR-152aから本質的になる。いくつかの実施形態では、本明細書で提供される組成物は、1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレン及びR-152aからなる。
【0177】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される組成物は、1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、R-134と、を含む。
【0178】
いくつかの実施形態では、組成物は、約1~約99重量パーセントのR-134、例えば、約1~約90、約1~約80、約1~約50、約1~約25、約1~約10、約10~約99、約10~約90、約10~約80、約10~約50、約10~約25、約25~約99、約25~約90、約25~約80、約25~約50、約50~約99、約50~約90、約50~約80、約80~約99、約80~約90、又は約90~約99重量パーセントのR-134を含む。
【0179】
いくつかの実施形態では、組成物は、約80~約99重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約20~約1重量パーセントのR-134と、を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、約85~約95重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約15~約5重量パーセントのR-134と、を含む。
【0180】
いくつかの実施形態では、組成物は、約45~約75重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約55~約25重量パーセントのR-134と、を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、約50~約70重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約50~約30重量パーセントのR-134と、を含む。
【0181】
いくつかの実施形態では、組成物は、約10~約40重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約90~約60重量パーセントのR-134と、を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、約20~約40重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約80~約60重量パーセントのR-134と、を含む。
【0182】
いくつかの実施形態では、組成物は、約1~約10重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約99~約90重量パーセントのR-134と、を含む。
【0183】
いくつかの実施形態では、組成物は、約1~約20重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約99~約80重量パーセントのR-134と、を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、約90~約99重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約10~約1重量パーセントのR-134と、を含む。
【0184】
いくつかの実施形態では、組成物は、約1~約15重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約99~約85重量パーセントのR-134と、を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、約95~約99重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約5~約1重量パーセントのR-134と、を含む。
【0185】
いくつかの実施形態では、1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンとR-134とを含む組成物は、約8K以下、例えば、約7K以下、約6K以下、約5K以下、約4K以下、約3K以下、約2K以下、又は約1K以下の温度勾配を有する。いくつかの実施形態では、1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、R-134と、を含む、組成物は、約8K未満の温度勾配を有する。
【0186】
いくつかの実施形態では、1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、R-134と、を含む、組成物は、約5K以下の温度勾配を有する。いくつかの実施形態では、1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、R-134と、を含む、組成物は、約5K未満の温度勾配を有する。
【0187】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される組成物は、1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレン及びR-134から本質的になる。いくつかの実施形態では、本明細書で提供される組成物は、1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレン及びR-134からなる。
【0188】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される組成物は、1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、R-125と、を含む。
【0189】
いくつかの実施形態では、組成物は、約1~約99重量パーセントのR-125、例えば、約1~約90、約1~約80、約1~約50、約1~約25、約1~約10、約10~約99、約10~約90、約10~約80、約10~約50、約10~約25、約25~約99、約25~約90、約25~約80、約25~約50、約50~約99、約50~約90、約50~約80、約80~約99、約80~約90、又は約90~約99重量パーセントのR-125を含む。
【0190】
いくつかの実施形態では、組成物は、約90~約99重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約10~約1重量パーセントのR-125と、を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、約95~約99重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約5~約1重量パーセントのR-125と、を含む。
【0191】
いくつかの実施形態では、組成物は、約75~約85重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約25~約15重量パーセントのR-125と、を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、約80~約85重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約20~約15重量パーセントのR-125と、を含む。
【0192】
いくつかの実施形態では、組成物は、約55~約65重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約45~約35重量パーセントのR-125と、を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、約60~約65重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約40~約35重量パーセントのR-125と、を含む。
【0193】
いくつかの実施形態では、組成物は、約20~約50重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約80~約50重量パーセントのR-125と、を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、約25~約40重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約75~約60重量パーセントのR-125と、を含む。
【0194】
いくつかの実施形態では、組成物は、約1~約15重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約99~約85重量パーセントのR-125と、を含む。
【0195】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される組成物は、1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレン及びR-125から本質的になる。いくつかの実施形態では、本明細書で提供される組成物は、1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレン及びR-125からなる。
【0196】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される組成物は、1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、R-1123と、を含む。
【0197】
いくつかの実施形態では、組成物は、約1~約99重量パーセントのR-1123、例えば、約1~約90、約1~約80、約1~約50、約1~約25、約1~約10、約10~約99、約10~約90、約10~約80、約10~約50、約10~約25、約25~約99、約25~約90、約25~約80、約25~約50、約50~約99、約50~約90、約50~約80、約80~約99、約80~約90、又は約90~約99重量パーセントのR-1123を含む。
【0198】
いくつかの実施形態では、組成物は、約95~約99重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約5~約1重量パーセントのR-1123と、を含む。
【0199】
いくつかの実施形態では、組成物は、約85~約90重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約15~約10重量パーセントのR-1123と、を含む。
【0200】
いくつかの実施形態では、組成物は、約75~約80重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約25~約20重量パーセントのR-1123と、を含む。
【0201】
いくつかの実施形態では、組成物は、約45~約70重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約55~約30重量パーセントのR-1123と、を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、約50~約65重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約50~約35重量パーセントのR-1123と、を含む。
【0202】
いくつかの実施形態では、組成物は、約15~約40重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約85~約60重量パーセントのR-1123と、を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、約20~約35重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約80~約65重量パーセントのR-1123と、を含む。
【0203】
いくつかの実施形態では、組成物は、約1~約10重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約99~約90重量パーセントのR-1123と、を含む。
【0204】
使用方法
本明細書で提供される組成物は、熱源からヒートシンクに熱を運ぶために使用される作動流体として作用することができる。そのような伝熱組成物は、流体が相転移するサイクル、すなわち、流体が液体から気体に変化し、再び液体に戻る、又はその逆に変化するサイクルにおける冷媒としても有用であり得る。伝熱システムの例としては、空調機、冷凍庫、冷蔵庫、ヒートポンプ、冷水機、満液式蒸発器冷却機、直接膨張冷却機、ウォークインクーラ、高温ヒートポンプ、移動式冷蔵庫、移動式空調ユニット、浸漬冷却システム、データセンタ冷却システム、及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。したがって、本出願は、本明細書で提供される組成物を含む、本明細書に記載される伝熱システム(例えば、伝熱装置)を提供する。いくつかの実施形態では、本明細書で提供される組成物は、伝熱装置内の作動流体(例えば、冷蔵又は加熱用途のための作動流体)として有用である。いくつかの実施形態では、本明細書で提供される組成物は、高温ヒートポンプを含む装置又はシステムにおいて有用である。いくつかの実施形態では、高温ヒートポンプは、遠心圧縮器を含む。いくつかの実施形態では、本明細書で提供される組成物は、冷却機装置を含む装置又はシステムにおいて有用である。いくつかの実施形態では、本明細書で提供される組成物は、遠心冷却機装置を含む装置又はシステムにおいて有用である。いくつかの実施形態では、本明細書で提供される組成物は、遠心高温ヒートポンプにおいて有用である。
【0205】
機械的な蒸気-圧縮冷蔵、空調、及びヒートポンプシステムは、蒸発器、圧縮器、凝縮器、及び膨張機器を含む。冷蔵サイクルは、1つの工程において冷却効果を生み出し、かつ、異なる工程において加熱効果を生み出す、多重の工程において冷媒を再使用する。サイクルは、以下のように記述することができる:液体冷媒が、膨張機器を通って蒸発器に入り、液体冷媒が、低温で、環境から熱を奪うことによって蒸発器内で沸騰して、気体を形成し、冷却を生み出す。多くの場合、空気又は伝熱流体は、蒸発器の上を、又は周囲を流れ、蒸発器内の冷媒の蒸発によって生じる冷却効果を、冷却される物体まで伝達する。低圧の気体は、圧縮器へ入り、そこで気体は圧縮され、その圧力及び温度が上昇する。次いで、高圧の(圧縮された)気体状の冷媒は、凝縮器へ入り、そこで冷媒は凝縮され、その熱を環境へ放出する。冷媒は膨張機器に戻り、それを通じて液体は凝縮器におけるより高圧レベルから蒸発器における低圧レベルに膨張し、このようにして、サイクルを繰り返す。
【0206】
冷却される又は加熱される物体は、冷却又は加熱を提供することが望ましい任意の空間、場所、物又は物体として定義され得る。例としては、アパート建物、総合大学の寮、一軒家、若しくは他の付属の家屋若しくは単身者世帯住宅、病院、オフィスビル、スーパーマーケット、単科大学若しくは総合大学の教室若しくは管理棟、及び自動車又はトラックのパッセンジャ・コンパートメントなどの、部屋、アパート、又は建物などの、空調、冷却、又は加熱を必要とする(開放された若しくは閉鎖された)空間などが挙げられる。更に、冷却される物体としては、とりわけ、コンピュータ設備、中央処理ユニット(central processing unit、cpu)、データセンタ、サーババンク、及びパーソナルコンピュータなどの電子機器を挙げることができる。
【0207】
「付近」とは、蒸発器を介して移動される空気が、冷却される物体内又は周囲を移動するように、冷媒組成物を含有するシステムの蒸発器が、冷却される物体内又は物体に近接してのいずれかに位置されていることを意味する。加熱を生み出すプロセスでは、「付近」とは、蒸発器を介して移動される空気が、加熱される物体内又は周囲を移動するように、冷媒組成物を含有するシステムの凝縮器が、加熱される物体内又は物体に近接してのいずれかに位置されていることを意味する。いくつかの実施形態では、伝熱のために、「付近」とは、例えば、冷却される物体が、伝熱組成物に直接浸漬されるか、又は伝熱組成物を含有する管が、内部でその内若しくは周囲を流れ、例えば、電子設備から出ることを意味し得る。
【0208】
例示的な冷蔵システムとしては、商業用、工業用、又は住宅用冷蔵庫及び冷凍庫、製氷機、内蔵型クーラ及び冷凍庫、自動販売機、満液式蒸発器冷却機、直接膨張冷却機、冷水機、スクリュー冷却機、スクロール冷却機、遠心冷却機、ウォークイン及びリーチイン冷却機及び冷凍庫、並びに組み合わせシステムを含む設備が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、本明細書で提供される組成物は、スーパーマーケットの冷蔵システムにおいて使用され得る。更に、固定型用途は、1つの位置において、冷却を生み出す一次冷媒を使用し、この冷却を二次伝熱流体を介して遠隔地に移動させる、二次ループシステムを利用し得る。
【0209】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される組成物は、冷蔵、空調、又はヒートポンプシステム又は装置を含む移動式伝熱システムにおいて有用である。いくつかの実施形態では、上記の組成物は、冷却、空調又はヒートポンプシステム若しくは装置を含む固定式伝熱システムにおいて有用である。
【0210】
本明細書で使用するとき、移動式冷蔵、空調、又はヒートポンプシステムとは、道路、鉄道、海上、又は航空の輸送ユニットに組み込まれる、任意の冷蔵機器、空調機器、又はヒートポンプ機器を指す。移動式空調又はヒートポンプシステムは、自動車、トラック、列車、又は他の輸送システムに使用され得る。移動式冷蔵庫は、トラック、飛行機、又は列車の輸送用冷蔵庫を含み得る。加えて、「複合一貫輸送」システムとして知られている、任意の移動式キャリアに依存しないシステムに冷却を提供することを意味する装置は、本発明に含まれる。かかる複合一貫輸送システムとしては、「コンテナ」(海上/陸上複合輸送)、並びに「スワップボディ」(道路及び鉄道複合輸送)が挙げられる。
【0211】
本明細書で使用するとき、固定式空調又はヒートポンプシステムは、動作中に適所に固定されるシステムである。固定式空調又はヒートポンプシステムは、いずれかの様々な建物に関連付けられ得るか、又は取り付けられ得る。これらの固定式の用途としては、冷却機、住宅用及び高温ヒートポンプを含むヒートポンプ、住宅用、商業用、又は工業用空調システムを含み、かつダクトの有無に関わらず、屋上システムなどの建物に接続される窓付のパッケージ型端末及びそれらの外部を含むがこれらに限定されない、固定式空調及びヒートポンプであり得る。
【0212】
いくつかの実施形態では、本発明の組成物を伝熱流体として使用するための方法が提供される。本方法は、当該組成物を熱源からヒートシンクに輸送する工程を含む。
【0213】
固定式伝熱は、浸漬冷却システム、浸水冷却システム、相転移冷却システム、データセンタ冷却システム、又は単純に液体冷却システムなどの電子機器を冷却するためのシステムを指し得る。浸漬冷却システムを使用して、データセンタサーバ、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(insulated-gate bipolar transistor、IGBT)デバイス、テレコミュニケーションインフラストラクチャ、軍用電子機器、テレビ(television、TV)、携帯電話、モニタ、ドローン、自動車用バッテリ、電気自動車(electric vehicle、EV)用パワートレイン、アビオニクスデバイス、電源デバイス及びディスプレイなどの電子デバイスを冷却し得る。浸漬冷却システムは、圧縮器がない伝熱デバイスである。冷却される物は、容器内に収容された伝熱流体に少なくとも部分的に浸漬される(直接接触している)。いくつかの実施形態では、伝熱流体は、容器内で蒸発及び凝縮し得る。他の実施形態では、関与する相転移は存在しなくてもよい。
【0214】
固定式伝熱は、一定コンダクタンスヒートパイプ及びサーモサイフォンヒートパイプを含むヒートパイプシステムなど、電子デバイスを冷却するためのシステムを指し得る。ヒートパイプは、テレビ、携帯電話、コンピュータモニタなどのコンピュータディスプレイ、ラップトップコンピュータ及びハンドヘルドタブレット型デバイス、また自動車用バッテリ、電気自動車(EV)用パワートレイン、アビオニクス、電源デバイス及びディスプレイにも使用され得る。一般に、ヒートパイプは、圧縮器がない伝熱デバイスである。これらは、2つの領域を有する単純なデバイスであり、1つの領域では、伝熱流体が熱吸収により蒸発し、第2の領域では、伝熱流体の凝縮により熱が放出される。
【0215】
いくつかの実施形態では、冷却を生じさせるための方法が提供され、冷却される物体の近傍で本化合物又は組成物のいずれかを蒸発させることと、その後、前述の組成物を凝縮することと、を含む。
【0216】
いくつかの実施形態では、加熱を生じさせるための方法が提供され、加熱される物体の近傍で本組成物のいずれかを凝縮することと、その後、前述の組成物を蒸発させることと、を含む。
【0217】
いくつかの実施形態では、組成物は、伝熱において有用であり、作動流体は、伝熱成分である。
【0218】
いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、冷蔵又は空調において使用するためのものである。
【0219】
いくつかの実施形態では、冷媒又は空調組成物は、1,1,1-トリフルオロエタン(HFC-143a)、1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパン(HFC-227ea)、3,3,3-トリフルオロプロペン(HFO-1243zf)、(E)-1,2,3,3-テトラフルオロプロペン(E-HFO-1234ye)、(Z)-1,2,3,3-テトラフルオロプロペン(Z-HFO-1234ye)、(E)-1,1,1,4,4,5,5,5-オクタフルオロ-2-ペンテン(E-HFO-1438mzz)、(Z)-1,1,1,4,4,5,5,5-オクタフルオロ-2-ペンテン(Z-HFO-1438mzz)、(E)-1,3,4,4,4-ペンタフルオロ-3-(トリフルオロメチル)ブタ-1-エン(E-HFO-1438ezy)、(Z)-1,3,4,4,4-ペンタフルオロ-3-(トリフルオロメチル)ブタ-1-エン(Z-HFO-1438ezy)、1,1,1,3,3-ペンタフルオロプロパン(HFC-245fa)、1-メトキシヘプタフルオロプロパン(HFE-7000)、1,1,1,3,3-ペンタフルオロブタン(HFC-365mfc)、1,1,1,2,2,3,3,4,4-ノナフルオロ-4-メトキシブタン(HFE-7100)、2-ブロモ-1,1,1-トリフルオロ-2-プロペン、E-1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレン、Z-1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレン、パーフルオロエチルパーフルオロイソプロピルケトン(F-エチルイソプロピルケトン)、E-HFO-1,2,3,3,3-ペンタフルオロプロペン(E-HFO-1225ye)、Z-HFO-1,2,3,3,3-ペンタフルオロプロペン(Z-HFO-1225ye)、CF3I、二酸化炭素、窒素及びアルゴンから選択される1つ以上の化合物を更に含む。
【0220】
いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、本明細書で提供される可燃性冷媒(例えば、ジフルオロメタン、1,1-ジフルオロエタン、R-1234yf、R-1234zeE、2,3,3,3-テトラフルオロプロパ-1-エン、(E)-1,2,3,3-テトラフルオロプロペン(E-HFO-1234ye)、及び(Z)-1,2,3,3-テトラフルオロプロペン(Z-HFO-1234ye)の可燃性を低減又は排除するのに有用であり得る。いくつかの実施形態では、本明細書で提供される本出願は、可燃性冷媒の可燃性を低減するための方法であって、本明細書に開示される組成物を含む組成物を可燃性冷媒に添加することを含む。
【0221】
本明細書で提供される組成物は、数ある中でも、R-123(又はHFC-123、2,2-ジクロロ-1,1,1-トリフルオロエタン)、R-11(又はCFC-11、トリクロロフルオロメタン)、R-12(又はCFC-12、ジクロロジフルオロメタン)、R-22(クロロジフルオロメタン)、R-114(又はCFC-114、1,2-ジクロロ-1,1,2,2-テトラフルオロエタン)、R-236fa(又はHFC-236fa、1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン)、R-236ea(又はHFC-236ea、1,1,1,2,3,3-ヘキサフルオロプロパン)、R-124(又はHCFC-124、2-クロロ-1,1,1,2-テトラフルオロエタン)、R-245fa、R-134a、R-410A、R-407C、R-404Aを含むがこれらに限定されない、現在使用されている(現用)冷媒に対する代替品として有用であり得る。
【0222】
本明細書で使用するとき、「現用冷媒」という用語は、伝熱システムがそれに対して動作するように設計された冷媒、又は伝熱システム内に存在する冷媒を意味するものとして理解される。
【0223】
多くの場合、異なる冷媒用に、例えば、システム変更が最小から全くない状態で設計された最初の冷却設備において使用することができる場合には、代替冷媒は、最も有用である。多くの用途では、開示の組成物のいくつかの実施形態は、冷媒として有用であり、代替品が求められる冷媒として、少なくとも同等の冷却性能(冷却能力を意味する)を提供する。いくつかの実施形態では、本明細書で提供される代替冷媒(すなわち、本明細書で提供される組成物)は、現用冷媒の冷却能力の約±15%以内である冷却能力を示す。
【0224】
いくつかの実施形態では、現用冷媒は、R-123、R-245fa、R-236fa、R-124、R-134a、R-22及びR-401Aから選択される。
【0225】
いくつかの実施形態では、現用冷媒はR-123であり、代替冷媒は、以下を含む本明細書で提供される組成物から選択される:
1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレン及びR-1336mzzZ、又は
1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレン及びn-ペンタン、又は
1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレン及びi-ペンタン、又は
1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレン及びトランス-1,2-ジクロロエチレン。
【0226】
いくつかの実施形態では、代替冷媒は、R-123の冷却能力の約±15%以内である冷却能力を示す。
【0227】
いくつかの実施形態では、現用冷媒はR-245faであり、代替冷媒は、以下を含む本明細書で提供される組成物から選択される:
1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレン及びR-245fa、又は
1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレン及びR-1233zdE、又は
1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレン及びi-ペンタン、又は
1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレン及びR-1336mzzE、又は
1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレン及びR-1336zeE、又は
1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレン及びR-1224ydZ、又は
1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレン及びR-1234zeZ、又は
1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレン及びR-1234zeE、又は
1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレン及びR-1336yf、又は
1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレン及びR-32、又は
1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレン及びR-125、又は
1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレン及びR-134a、又は
1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレン及びR-1234yf、又は
1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレン及びR-152a、又は
1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレン及びR-134、又は
1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレン及びR-1123。
【0228】
いくつかの実施形態では、方法は、高温ヒートポンプ内のR-245faを、本明細書で提供される代替冷媒組成物で代替することを含む。いくつかの実施形態では、高温ヒートポンプは、遠心高温ヒートポンプである。
【0229】
いくつかの実施形態では、高温ヒートポンプは、約50℃超の温度で動作する凝縮器を備える。いくつかの実施形態では、高温ヒートポンプは、約100℃超の温度で動作する凝縮器を備える。いくつかの実施形態では、高温ヒートポンプは、約120℃超の温度で動作する凝縮器を備える。いくつかの実施形態では、高温ヒートポンプは、約150℃超の温度で動作する凝縮器を備える。
【0230】
いくつかの実施形態では、代替冷媒は、1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンとR-1234zeEとを含む。いくつかの実施形態では、代替冷媒は、約80~約85重量%の1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約20~約15重量%のR-1234zeEとを含む。いくつかの実施形態では、代替冷媒は、約81重量%の1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約19重量%のR-1234zeEとを含む。いくつかの実施形態では、代替冷媒は、R-245faの冷却能力の約±15%以内である冷却能力を示す。いくつかの実施形態では、代替冷媒は、R-245faの性能係数(COP)の約±5%以内である加熱COPを示す。いくつかの実施形態では、代替冷媒は、R-245faのCOPの約±3%以内であるCOPを示す。
【0231】
いくつかの実施形態では、代替冷媒は、1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンとR-245faとを含む。いくつかの実施形態では、代替冷媒は、約80~約85重量%の1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約20~約15重量%のR-245faとを含む。いくつかの実施形態では、代替冷媒は、約85重量%の1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約15重量%のR-245faとを含む。いくつかの実施形態では、代替冷媒は、R-245faの冷却能力の約±15%以内である冷却能力を示す。いくつかの実施形態では、代替冷媒は、R-245faの性能係数(COP)の約±5%以内である加熱COPを示す。いくつかの実施形態では、代替冷媒は、R-245faのCOPの約±3%以内であるCOPを示す。いくつかの実施形態では、代替冷媒は、R-245faのCOPにほぼ等しいCOPを示す。
【0232】
いくつかの実施形態では、現用冷媒はR-236faであり、代替冷媒は、以下を含む本明細書で提供される組成物から選択される:
1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレン及びR-1336yf、又は
1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレン及びR-1234zeE、又は
1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレン及びR-32、又は
1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレン及びR-125、又は
1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレン及びR-134a、又は
1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレン及びR-1234yf、又は
1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレン及びR-152a、又は
1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレン及びR-134、又は
1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレン及びR-1123。
【0233】
いくつかの実施形態では、代替冷媒は、R-236faの冷却能力の約±15%以内である冷却能力を示す。
【0234】
いくつかの実施形態では、現用冷媒はR-124であり、代替冷媒は、以下を含む本明細書で提供される組成物から選択される:
1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレン及びR-1234zeE、又は
1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレン及びR-32、又は
1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレン及びR-125、又は
1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレン及びR-134a、又は
1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレン及びR-1234yf、又は
1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレン及びR-152a、又は
1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレン及びR-134、又は
1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレン及びR-1123。
【0235】
いくつかの実施形態では、代替冷媒は、R-124の冷却能力の約±15%以内である冷却能力を示す。
【0236】
いくつかの実施形態では、現用冷媒はR-134aであり、代替冷媒は、以下を含む本明細書で提供される組成物から選択される:
1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレン及びR-32、又は
1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレン及びR-125、又は
1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレン及びR-134a、又は
1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレン及びR-1234yf、又は
1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレン及びR-152a、又は
1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレン及びR-134、又は
1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレン及びR-1123。
【0237】
いくつかの実施形態では、代替冷媒は、R-134aの冷却能力の約±15%以内である冷却能力を示す。
【0238】
いくつかの実施形態では、現用冷媒はR-22であり、代替冷媒は、以下を含む本明細書で提供される組成物から選択される:
1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレン及びR-32、又は
1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレン及びR-125、又は
1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレン及びR-1123。
【0239】
いくつかの実施形態では、代替冷媒は、R-22の冷却能力の約±15%以内である冷却能力を示す。
【0240】
いくつかの実施形態では、現用冷媒はR-410aであり、代替冷媒は、以下を含む本明細書で提供される組成物から選択される:
1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレン及びR-32、又は
1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレン及びR-1123。
【0241】
いくつかの実施形態では、代替冷媒は、R-410aの冷却能力の約±15%以内である冷却能力を示す。
【0242】
いくつかの実施形態では、本出願は、現用冷媒を含む伝熱システム又は装置のエネルギー効率を向上させるための方法を提供し、現用冷媒を、本明細書で提供される代替冷媒組成物で実質的に代替し、それによって伝熱システムの効率を向上させることを含む。いくつかの実施形態では、伝熱システムは、本明細書で提供される冷却機システム又は冷却機装置である。いくつかの実施形態では、代替冷媒組成物は、1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンを含む。いくつかの実施形態では、代替冷媒組成物は、1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンから本質的になる。いくつかの実施形態では、代替冷媒組成物は、1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンからなる。
【0243】
いくつかの実施形態では、方法は、R-123である現用冷媒を、本明細書で提供される代替冷媒組成物で実質的に代替し、それによって伝熱システムの効率を向上させることを含む。いくつかの実施形態では、代替冷媒組成物は、1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンを含む。いくつかの実施形態では、代替冷媒組成物は、1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンから本質的になる。いくつかの実施形態では、代替冷媒組成物は、1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンからなる。
【0244】
いくつかの実施形態では、方法は、R-1233zdEである現用冷媒を、本明細書で提供される代替冷媒組成物で実質的に代替し、それによって伝熱システムの効率を向上させることを含む。いくつかの実施形態では、代替冷媒組成物は、1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンを含む。いくつかの実施形態では、代替冷媒組成物は、1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンから本質的になる。いくつかの実施形態では、代替冷媒組成物は、1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンからなる。
【0245】
いくつかの実施形態では、方法は、R-1224ydZである現用冷媒を、本明細書で提供される代替冷媒組成物で実質的に代替し、それによって伝熱システムの効率を向上させることを含む。いくつかの実施形態では、代替冷媒組成物は、1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンを含む。いくつかの実施形態では、代替冷媒組成物は、1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンから本質的になる。いくつかの実施形態では、代替冷媒組成物は、1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンからなる。
【0246】
いくつかの実施形態では、空のシステムに本発明の組成物を充填することにより、又は現用冷媒を本発明の組成物で実質的に代替することにより、現用冷媒を用いて動作するように設計された伝熱システムを動作させる方法又は熱を伝導するための方法が提供される。
【0247】
本明細書で使用するとき、「実質的に代替する」という用語は、現用冷媒をシステムから排出させるか又は現用冷媒をシステムから圧送した後、システムに本発明の組成物を充填することを意味するものとして理解される。システムは、充填する前に1回以上の量の代替冷媒でフラッシングすることができる。いくつかの実施形態では、システムが本発明の組成物で充填された後にも幾分の少量の現用冷媒がシステム内に存在してもよい点は理解されるであろう。
【0248】
別の実施形態では、現用冷媒及び潤滑剤を含有する伝熱システムを再充填するための方法であって、潤滑剤の相当部分をシステム内に保持しつつ現用冷媒を伝熱システムから実質的に除去する工程と、本組成物の1つを伝熱システムに導入する工程と、を含む、方法が提供される。特定の実施形態では、システム内の潤滑剤は、部分的に代替される。
【0249】
いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、冷却機内の冷媒の補充に使用してよい。例えば、HCFC-123を使用する冷却機の性能が、冷媒の漏出により低下した場合、本来の仕様に性能を戻すために、本明細書に開示される組成物を添加することができる。
【0250】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される組成物のいずれかを含有する熱交換システムであって、空調装置、冷凍庫、冷蔵庫、ヒートポンプ、冷水機、満液式蒸発冷却機、直接膨張式冷却機、ウォークインクーラ、ヒートポンプ、可動式冷蔵庫、可動式空調ユニット、及びこれらの組み合わせを有するシステムからなる群から選択されるシステムが提供される。更に、本明細書で提供される組成物は、これらの組成物が一次冷媒として機能することで二次伝熱流体の冷却を提供し、この二次伝熱流体が遠隔地を冷却する二次ループシステムにおいて有用であり得る。
【0251】
本発明の組成物は、熱交換器内に温度勾配をいくらか有し得る。これにより、向流モード又は向流傾向を有する横流モードで熱交換器が動作している場合、システムは、より効率的に動作し得る。向流傾向とは、熱交換器が向流モードに可能な限り近づくほど、伝熱がより効率的であることを意味する。したがって、空調熱交換器、特に蒸発器は、向流特質のいくつかの態様を提供するように設計される。
【0252】
したがって、空調又はヒートポンプシステムが本明細書で提供され、このシステムは、向流モード又は向流傾向を呈する横流モードで動作する、1つ以上の熱交換器(蒸発器、凝縮器のいずれか又は両方)を含む。
【0253】
いくつかの実施形態では、冷蔵システムが本明細書で提供され、このシステムは、向流モード又は向流傾向を呈する横流モードで動作する、1つ以上の熱交換器(蒸発器、凝縮器のいずれか又は両方)を含む。
【0254】
いくつかの実施形態では、冷蔵、空調、又はヒートポンプシステムは、固定式冷蔵、空調、又はヒートポンプシステムである。いくつかの実施形態では、冷蔵、空調、又はヒートポンプシステムは、移動式冷蔵、空調、又はヒートポンプシステムである。
【0255】
更に、いくつかの実施形態では、開示される組成物は、水、食塩水溶液(例えば、塩化カルシウム)、グリコール、二酸化炭素、又はフッ素化炭化水素流体(HFC、HCFC、ヒドロフルオロオレフィン(「HFO(hydrofluoroolefin)」)、ヒドロクロロフルオロオレフィン(「HCFO(hydrochlorofluoroolefin)」)、クロロフルオロオレフィン(「CFO(chlorofluoroolefin)」)若しくはパーフルオロカーボン(「PFC(perfluorocarbon)」)を意味する)を含み得る二次伝熱流体の使用によって、遠隔地に冷却を提供する二次ループシステムにおいて一次冷媒として機能し得る。この場合、二次伝熱流体は、蒸発器に隣接しており、冷却される第2の遠隔物体に移動させる前に冷却されることから、冷却される物体である。他の実施形態では、開示される組成物は、二次伝熱流体として機能し、したがって遠隔地に冷却(又は加熱)を伝達又は提供することができる。
【0256】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される組成物は、潤滑剤、染料(紫外線染料を含む)、可溶化剤、相溶化剤、安定剤、トレーサ、パーフルオロポリエーテル、摩耗防止剤、極圧添加剤、腐食及び酸化防止剤、金属表面エネルギー還元剤(metal surface energy reducer)、金属表面不活性化剤、フリーラジカル捕捉剤、泡制御剤、粘度指数改善剤、流動点降下剤、洗剤、粘度調節剤、及びこれらの混合物からなる群から選択される1つ以上の非冷媒成分(本明細書では添加剤とも称される)を含む。実際に、これらの任意選択的な非冷媒成分の多くは、1つ以上のこれらの分類に適合し、それら自体が1つ以上の性能特徴の達成に役立つ品質を有し得る。
【0257】
いくつかの実施形態では、1つ以上の非冷媒成分は、組成物全体に対して少ない量で存在する。いくつかの実施形態では、開示の組成物における添加剤(類)の濃度の量は、全組成物の、約0.1重量パーセント未満~約5重量パーセントと同程度までである。本発明のいくつかの実施形態においては、添加剤は、開示の組成物において、全組成物の、約0.1重量パーセント~約5重量パーセントの量で、又は約0.1重量パーセント~約3.5重量パーセントの量で存在する。開示の組成物として選択される添加剤成分(類)は、実用性及び/又は個々の設備構成要素、若しくはシステムの要件に基づいて選択される。
【0258】
一実施形態では、潤滑剤は、鉱油、アルキルベンゼン、ポリオールエステル、ポリアルキレングリコール、ポリビニルエーテル、ポリカーボネート、パーフルオロポリエーテル、シリコーン、ケイ酸エステル、リン酸エステル、パラフィン、ナフテン、ポリアルファ-オレフィン、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0259】
本明細書に開示する潤滑剤は、市販の潤滑剤であってよい。例えば、潤滑剤は、BVM 100NとしてBVA Oilより販売されているパラフィン鉱油、商標名Suniso(登録商標)1GS、Suniso(登録商標)3GS及びSuniso(登録商標)5GSでCrompton Co.より販売されているナフテン系鉱油、商標名Sontex(登録商標)372LTでPennzoilにより販売されているナフテン系鉱油、商標名Calumet(登録商標)RO-30でCalumet Lubricantsにより販売されているナフテン系鉱油、商標名Zerol(登録商標)75、Zerol(登録商標)150及びZerol(登録商標)500でShrieve Chemicalsにより販売されている直鎖アルキルベンゼン、HAB22としてNippon Oilより販売されている分枝鎖アルキルベンゼン、商標名Castrol(登録商標)100でCastrol,United Kingdomにより販売されているポリオールエステル(POE)、Dow(Dow Chemical,Midland,Michigan)のRL-488Aなどのポリアルキレングリコール(PAG)、及びこれらの混合物(本章で開示される任意の混合物を意味する)であってもよい。
【0260】
本明細書に開示する組成物の上記重量比にも関わらず、いくつかの伝熱システムでは、本組成物が使用されている間、そのような伝熱システムの1つ以上の設備構成要素から追加の潤滑剤が得られる可能性があることが理解されている。例えば、いくつかの冷蔵システム、空調システム及びヒートポンプシステムでは、圧縮器及び/又は圧縮器潤滑サンプ内に潤滑剤を充填してもよい。このような潤滑剤は、任意の潤滑添加剤に加えて、このようなシステムの冷媒中に存在する。使用中、圧縮器内にあるとき、冷媒組成物は、ある量の設備潤滑剤を捕捉して、冷媒-潤滑剤組成物を出発比率から変更してもよい。
【0261】
本発明の組成物と共に使用される非冷媒成分は、少なくとも1つの染料を含んでいてよい。染料は、少なくとも1つの紫外線(ultra-violet、UV)染料であってもよい。本明細書で使用するとき、「紫外線」染料は、電磁スペクトルの紫外線又は「近」紫外線領域内の光を吸収する紫外線蛍光性組成物又はリン光性組成物として定義される。10ナノメートル~約775ナノメートルの範囲内の波長を有する、少なくともいくらかの放射線を放出する紫外線照射下において、紫外線蛍光染料によって生み出された蛍光が検出され得る。
【0262】
紫外線染料は、機器(例えば、冷蔵ユニット、空調器又はヒートポンプ)中での漏出点又は漏出点付近において染料の蛍光を観察することができることから、組成物の漏出を検出するにあたって有用な成分である。紫外線発光(例えば、染料からの蛍光)は、紫外線光下で観察されてもよい。したがって、こうした紫外線染料を含有する組成物が装置中の所与の点から漏出した場合、蛍光は、漏出点又は漏出点の近傍で検出され得る。
【0263】
いくつかの実施形態では、紫外線染料は、蛍光染料であってもよい。蛍光染料は、ナフタルイミド、ペリレン、クマリン、アントラセン、フェナントラセン(phenanthracene)、キサンテン、チオキサンテン、ナフトキサンテン、フルオレセイン及び当該染料の誘導体、並びにこれらの組み合わせ(本章で開示されている当該染料又はこれらの誘導体の任意の混合物を意味する)からなる群から選択されてもよい。
【0264】
本発明の組成物と共に使用され得る別の非冷媒成分は、本開示の組成物中において1つ以上の染料の溶解度を改善するために選択された少なくとも1つの可溶化剤を含めてもよい。いくつかの実施形態では、染料の可溶化剤に対する重量比は、約99:1~約1:1の範囲である。可溶化剤としては、炭化水素、炭化水素エーテル、ポリオキシアルキレングリコールエーテル(例えば、ジプロピレングリコールジメチルエーテル)、アミド、ニトリル、ケトン、クロロカーボン(例えば、塩化メチレン、トリクロロエチレン、クロロホルム、又はこれらの混合物)、エステル、ラクトン、芳香族エーテル、フルオロエーテル、及び1,1,1-トリフルオロアルカン、並びにこれらの混合物(本章で開示されている任意の可溶化剤の混合物を意味する)からなる群から選択される少なくとも1つの化合物が挙げられる。
【0265】
いくつかの実施形態では、非冷媒成分は、1つ以上の潤滑剤と開示する組成物との相溶性を改善するために少なくとも1つの相溶剤を含む。相溶剤は、炭化水素、炭化水素エーテル、ポリオキシアルキレングリコールエーテル(例えば、ジプロピレングリコールジメチルエーテル)、アミド、ニトリル、ケトン、クロロカーボン(例えば、塩化メチレン、トリクロロエチレン、クロロホルム又はこれらの混合物)、エステル、ラクトン、芳香族エーテル、フルオロエーテル、1,1,1-トリフルオロアルカン、及びこれらの混合物(本章で開示されている任意の相溶化剤の混合物を意味する)からなる群から選択してもよい。
【0266】
可溶化剤及び/又は相溶剤は、ジメチルエーテル(dimethyl ether、DME)など、炭素、水素及び酸素のみを含むエーテルからなる炭化水素エーテル、並びにこれらの混合物(本章で開示されている任意の炭化水素エーテルの混合物を意味する)からなる群から選択されてもよい。
【0267】
相溶剤は、3~15個の炭素原子を含有する直鎖又は環式脂肪族又は芳香族炭化水素相溶剤であり得る。相溶化剤は、中でも、プロピレン及びプロパンを含む少なくともプロパン、n-ブタン及びイソブテンを含むブタン、n-ペンタン、イソペンタン、ネオペンタン及びシクロペンタンを含むペンタン、ヘキサン、オクタン、ノナン、並びにデカンからなる群から選択され得る少なくとも1つの炭化水素であり得る。市販の炭化水素相溶化剤としては、これらに限定されるものではないが、Exxon Chemical(USA)から商標名Isopar(登録商標)Hで販売されているもの、ウンデカン(C11)とドデカン(C12)との混合物(高純度C11~C12イソ-パラフィン)、Aromatic 150(C9~C11芳香族)(Aromatic 200(C9~C15芳香族)及びNaptha 140(C5~C11パラフィン、ナフテン及び芳香族炭化水素の混合物)、及びそれらの混合物(本章で開示の任意の炭化水素の混合物を意味する)が挙げられる。
【0268】
相溶剤は、代替的に、少なくとも1つのポリマー性相溶剤であってもよい。ポリマー相溶剤は、フッ素化アクリレート及び非フッ素化アクリレートのランダムコポリマーであり得、このポリマーが、式CH2=C(R1)CO2R2、CH2=C(R3)C6H4R4、及びCH2=C(R5)C6H4XR6で表される少なくとも1つのモノマーの反復単位を含む(式中、Xが酸素又は硫黄であり、R1、R3、及びR5が、H及びC1~C4のアルキルラジカルからなる群から独立して選択され、並びにR2、R4、及びR6がC及びFを含有する炭素鎖系ラジカルからなる群から独立して選択され、チオエーテル、スルホキシド、又はスルホン基及びそれらの混合物の形態でH、Cl、エーテル酸素、若しくは硫黄を更に含有し得る)。そのようなポリマー相溶化剤の例としては、商標名Zonyl(登録商標)PHSでE.I.du Pont de Nemours and Company(Wilmington,DE,19898,USA)から市販されているようなものが挙げられる。Zonyl(登録商標)PHSは、40重量%のCH2=C(CH3)CO2CH2CH2(CF2CF2)mF(Zonyl(登録商標)フルオロメタクリレート又はZFMとも称される)であり、式中、mが、1~12、主に2~8であるものと、60重量%のラウリルメタクリレート(CH2=C(CH3)CO2(CH2)11CH3(LMAとも称される)とを重合することによって作製されたランダムコポリマーである。
【0269】
いくつかの実施形態では、相溶化剤成分は、潤滑剤の金属への粘着性を低下させる方法で、熱交換器中で見出される金属銅、アルミニウム、鋼、又は他の金属及びそれらの合金の表面エネルギーを低下させる(相溶化剤の総量に基づいて)約0.01~30重量%の添加剤を含有する。金属表面エネルギーを低下させる添加剤の例としては、商標名Zonyl(登録商標)FSA、Zonyl(登録商標)FSP及びZonyl(登録商標)FSJにてDuPontから市販されているものが挙げられる。
【0270】
本発明の組成物と共に使用され得る別の非冷媒成分は、金属表面不活性化剤であってもよい。金属表面不活性化剤には、アレオキサリル(areoxalyl)ビス(ベンジリデン)ヒドラジド(CAS登録番号6629-10-3)、N,N’-ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシヒドロシンナモイルヒドラジン(CAS登録番号32687-78-8)、2,2,-オキサミドビス-エチル-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシヒドロシンナマート(CAS登録番号70331-94-1)、N,N-(ジサリシクリデン(disalicyclidene))-1,2-ジアミノプロパン(CAS登録番号94-91-7)、及びエチレンジアミンテトラ-酢酸(CAS登録番号60-00-4)及びその塩、並びにそれらの混合物(本章に開示の任意の金属表面不活性化剤の混合物を意味する)からなる群から選択される。
【0271】
本発明の組成物と共に使用される非冷媒成分は、代替的には、ヒンダードフェノール、チオホスフェート、ブチル化トリフェニルホスホロチオネート、オルガノホスフェート又はホスファイト、アリールアルキルエーテル、テルペン、テルペノイド、エポキシド、フッ素化エポキシド、オキセタン、アスコルビン酸、チオール、ラクトン、チオエーテル、アミン、ニトロメタン、アルキルシラン、ベンゾフェノン誘導体、アリールスルフィド、ジビニルテレフタル酸、ジフェニルテレフタル酸、アセトアルデヒドジメチルヒドラゾンなどのヒドラゾン、イオン性液体、及びそれらの混合物(本章に開示されている任意の安定剤の混合物を意味する)からなる群から選択される安定剤であり得る。テルペン又はテルペノイド安定剤としては、ファルネセン、d-リモネン、a-ピネン、b-ピネン、a-テルピネン、又はこれらの混合物が挙げられ得る。ホスファイト安定剤は、ジフェニルホスフィイトを含んでもよい。
【0272】
安定剤は、以下からなる群から選択され得る:トコフェロール;ヒドロキノン;t-ブチルヒドロキノン;モノチオホスフェート、及びジチオホスフェート(Ciba Specialty Chemicals,Basel,Switzerland(以後「Ciba」)から商標名Irgalube(登録商標)63として市販);ジアルキルチオリン酸エステル(Cibaからそれぞれ商標名Irgalube(登録商標)353及びIrgalube(登録商標)350として市販);ブチル化トリフェニルホスホロチオネート(Cibaから商標名Irgalube(登録商標)232として市販);アミンホスフェート(Cibaから商標名Irgalube(登録商標)349(Ciba)として市販);ヒンダードホスファイト(CibaからIrgafos(登録商標)168として市販)、及びトリス-(ジ-tert-ブチルフェニル)ホスファイト(Cibaから商標名Irgafos(登録商標)OPHとして市販);(Di-n-オクチルホスファイト);及びイソ-デシルジフェニルホスファイト(CibaからIrgafos(登録商標)DDPPとして市販);トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリオクチルホスフェート、及びトリ(2-エチルヘキシル)ホスフェートなどのトリアルキルホスフェート;トリフェニルホスフェート、リン酸トリクレシル及びトリキシレニルホスフェートを含むトリアリールホスフェート、並びにイソプロピルフェニルホスフェート(IPPP)及びビス(t-ブチルフェニル)フェニルホスフェート(TBPP)を含む混合アルキルアリールホスフェート;Syn-O-Ad(登録商標)8784など、商標名Syn-O-Ad(登録商標)にて市販されているものなどのブチル化トリフェニルホスフェート;商標名Durad(登録商標)620として市販のものなどのtert-ブチル化トリフェニルホスフェート;商標名Durad(登録商標)220及びDurad(登録商標)110で市販されているものなどのイソプロピルトリフェニルホスフェート;アニソール;1,4-ジメトキシベンゼン;1,4-ジエトキシベンゼン;1,3,5-トリメトキシベンゼン;ミルセン、アロオシメン、リモネン(特にd-リモネン);レチナール;ピネン(α又はβ);メントール;ゲラニオール;ファルネソール;フィトール;ビタミンA;テルピネン(α又はβ);δ-3-カレン;テルピノレン;フェランドレン;フェンチェン;ジペンテン;リコピンなどのカラテノイド(caratenoids)、βカロチン、及びゼアキサンチンなどのキサントフィル;ヘパキサンチン及びイソトレチノインなどのレチノイド;ボルナン;1,2-プロピレンオキシド;1,2-ブチレンオキシド;n-ブチルグリシジルエーテル;トリフルオロメチルオキシラン;1,1-ビス(トリフルオロメチル)オキシラン;3-エチル-3-ヒドロキシメチル-オキセタン(例えば、OXT-101(Toagosei Co.,Ltd));3-エチル-3-((フェノキシ)メチル)-オキセタン(例えば、OXT-211(Toagosei Co.,Ltd));3-エチル-3-((2-エチル-ヘキシルオキシ)メチル)-オキセタン(例えば、OXT-212(Toagosei Co.,Ltd));アスコルビン酸;メタンチオール(メチルメルカプタン);エタンチオール(エチルメルカプタン);コエンザイムA;ジメルカプトコハク酸(DMSA);グレープフルーツメルカプタン((R)-2-(4-メチルシクロヘキサ-3-エニル)プロパン-2-チオール));システイン((R)-2-アミノ-3-スルファニル-プロパン酸);リポアミド(1,2-ジチオラン-3-ペンタンアミド);5,7-ビス(1,1-ジメチルエチル)-3-[2,3(又は3,4)-ジメチルフェニル]-2(3H)-ベンゾフラノン(Cibaから商標名Irganox(登録商標)HP-136として市販);ベンジルフェニルスルフィド;ジフェニルスルフィド;ジイソプロピルアミン;商標名Irganox(登録商標)PS802(Ciba)でCibaから市販されているジオクタデシル3,3’-チオジプロピオネート;ジドデシル3,3’-チオプロピオネート(Cibaから商標名Irganox(登録商標)PS800として市販);ジ-(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)セバケート(Cibaから商標名Tinuvin(登録商標)770として市販);ポリ-(N-ヒドロキシエチル-2,2,6,6-テトラメチル-4-ヒドロキシ-ピペリジルスクシネート(Cibaから商標名Tinuvin(登録商標)622LD(Ciba)として市販);メチルビスタローアミン;ビスタローアミン;フェノール-α-ナフチルアミン;ビス(ジメチルアミノ)メチルシラン(DMAMS);トリス(トリメチルシリル)シラン(TTMSS);ビニルトリエトキシシラン;ビニルトリメトキシシラン;2,5-ジフルオロベンゾフェノン;2’,5’-ジヒドロキシアセトフェノン;2-アミノベンゾフェノン;2-クロロベンゾフェノン;ベンジルフェニルスルフィド;ジフェニルスルフィド;ジベンジルスルフィド;イオン性液体並びにその混合物及びそれらの組み合わせ。
【0273】
本発明の組成物と共に使用される添加剤は、代替的にはイオン性液体安定剤であってもよい。イオン性液体安定剤は、室温(およそ25℃)で液体である有機塩からなる群から選択され得、それらの塩は、ピリジニウム、ピリダジニウム、ピリミジニウム、ピラジニウム、イミダゾリウム、ピラゾリウム、チアゾリウム、オキサゾリウム、及びトリアゾリウム、並びにそれらの混合物からなる群から選択された陽イオン;並びに[BF4]-、[PF6]-、[SbF6]-、[CF3SO3]-、[HCF2CF2SO3]-、[CF3HFCCF2SO3]-、[HCClFCF2SO3]-、[(CF3SO2)2N]-、[(CF3CF2SO2)2N]-、[(CF3SO2)3C]-、[CF3CO2]-、及びF-、並びにそれらの混合物からなる群から選択される陰イオンを含有する。いくつかの実施形態では、イオン性液体安定剤は次からなる群から選択される;emim BF4(1-エチル-3-メチルイミダゾリウムテトラフルオロホウ酸塩)、bmim BF4(1-ブチル-3-メチルイミダゾリウムテトラボラート);emim PF6(1-エチル-3-メチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェート);及びbmim PF6(1-ブチル-3-メチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェート)からなる群から選択され、これらの全ては、Fluka(Sigma-Aldrich)より入手可能である。
【0274】
いくつかの実施形態では、安定剤は、ヒンダードフェノールであり得、2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノール;2,6-ジ-tert-ブチル-4-エチルフェノール;2,4-ジメチル-6-tertブチルフェノール;トコフェロール;などt-ブチルヒドロキノン、ヒドロキノンの他の誘導体などを含むヒドロキノン及びアルキル化ヒドロキノン;など、4,4’-チオ-ビス(2-メチル-6-tert-ブチルフェノール)を含むヒドロキシル化チオジフェニルエーテル;4,4’-チオビス(3-メチル-6-tertブチルフェノール);2,2’-チオビス(4メチル-6-tert-ブチルフェノール);など、4,4’-メチレンビス(2,6-ジ-tert-ブチルフェノール)を含むアルキリデン-ビスフェノール;4,4’-ビス(2,6-ジ-tert-ブチルフェノール);2,2-、又は4,4-ビフェノールジオール誘導体;2,2’-メチレンビス(4-エチル-6-tertブチルフェノール);2,2’-メチレンビス(4-メチル-6-tertブチルフェノール);4,4-ブチリデンビス(3-メチル-6-tert-ブチルフェノール);4,4-イソプロピリデンビス(2,6-ジ-tert-ブチルフェノール);2,2’-メチレンビス(4-メチル-6-ノニルフェノール);2,2’-イソブチリデンビス(4,6-ジメチルフェノール;2,2’-メチレンビス(4-メチル-6-シクロヘキシルフェノール、2,2-又は4,4-ビフェニルジオール(2,2’-メチレンビス(4-エチル-6-tert-ブチルフェノール)など);ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT、又は2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノール)、(2,6-ジ-tert-アルファ-ジメチルアミノ-p-クレゾール、4,4-チオビス(6-tert-ブチル-m-クレゾール)を含むヘテロ原子を含むビスフェノール;など、アシルアミノフェノール;2,6-ジ-tert-ブチル-4(N,N’-ジメチルアミノメチルフェノール);以下などのスルフィド;ビス(3-メチル-4-ヒドロキシ-5-tert-ブチルベンジル)スルフィド;ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)スルフィド、並びにこれらの混合物(本項に開示されているフェノールのいずれかの混合物を意味する)など、1つ以上の置換又は環状直鎖又は分岐鎖脂肪族置換基を含むフェノールなどの任意の置換フェノール化合物である。
【0275】
本発明の組成物と共に使用される非冷媒成分は、代替的にトレーサであってもよい。トレーサは、同一の分類の化合物又は異なる分類の化合物の2つ以上のトレーサ化合物であってもよい。いくつかの実施形態では、トレーサは、全組成物の重量に基づいて、約50重量百万分率(ppm)~約1000ppmの合計濃度で組成物中に存在する。他の実施形態では、トレーサは、約50ppm~約500ppmの合計濃度で存在する。代替的には、トレーサが全濃度約100ppm~約300ppmにて存在する。
【0276】
トレーサは、クロロフルオロカーボン(CFC)、ヒドロクロロフルオロカーボン(HCFC)、ヒドロフルオロカーボン(HFC)、ヒドロクロロカーボン(HCC)、重水素化ヒドロフルオロカーボン、パーフルオロカーボン、フルオロエーテル、臭素化化合物、ヨウ素化化合物、アルコール、アルデヒド及びケトン、亜酸化窒素、並びにこれらの組み合わせからなる群から選択されてもよい。代替的に、トレーサは、クロロジフルオロメタン(HCFC-22)、トリフルオロメタン(HFC-23)、クロロメタン(HCC-40)、クロロペンタフルオロエタン(CFC-115)、フルオロエタン(HFC-161)、2-クロロ-1,1,1,2-テトラフルオロエタン(HCFC-124)、1,1,2,2-テトラフルオロエタン(HFC-134)、1-クロロ-2,2-ジフルオロエテン(HCFC-1122)、クロロトリフルオロエテン(CFC-1113)、1,1,1,2,2,3,3-ヘプタフルオロプロパン(HFC-227ca)、1,1,1,2,2,3-ヘキサフルオロプロパン(HFC-236cb)、1,1,1,2,3,3-ヘキサフルオロプロパン(HFC-236ea)、1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン(HFC-236fa)、1,1,1,2,2-ペンタフルオロプロパン(HFC-245cb)、1,1,1,2,3-ペンタフルオロプロパン(HFC-245eb)、1,1,2,2-テトラフルオロプロパン(HFC-254cb)、1,1,1,2-テトラフルオロプロパン(HFC-254eb)、1,1,1-トリフルオロプロパン(HFC-263fb)、2,2-ジフルオロプロパン(HFC-272ca)、2-フルオロプロパン(HFC-281ea)、1-フルオロプロパン(HFC-281fa)、1,1,1,2,2,3,3,4-ノナフルオロブタン(HFC-329p)、1,1,1-トリフルオロ-2-メチルプロパン(HFC-329mmz)、1,1,1,2,2,4,4,4-オクタフルオロブタン(HFC-338mf)、1,1,2,2,3,3,4,4-オクタフルオロブタン(HFC-338pcc)、1,1,1,2,2,3,3-ヘプタフルオロブタン(HFC-347s)、ヘキサフルオロエタン(パーフルオロエタン、PFC-116)、パーフルオロ-シクロプロパン(PFC-C216)、パーフルオロプロパン(PFC-218)、パーフルオロ-シクロブタン(PFC-C318)、パーフルオロブタン(PFC-31-10mc)、パーフルオロ-2-メチルプロパン(CF3CF(CF3)2)、パーフルオロ-1,3-ジメチルシクロブタン(PFC-C51-12mycm)、トランス-パーフルオロ-2,3-ジメチルシクロブタン(PFC-C51-12mym、トランス)、シス-パーフルオロ-2,3-ジメチルシクロブタン(PFC-C51-12mym、シス)、パーフルオロメチルシクロペンタン、パーフルオロメチルシクロヘキサン、パーフルオロジメチルシクロヘキサン(オルト、メタ又はパラ)、パーフルオロエチルシクロヘキサン、パーフルオロインダン、パーフルオロトリメチルシクロヘキサン及びその異性体、パーフルオロイソプロピルシクロヘキサン、シス-パーフルオロデカリン、トランス-パーフルオロデカリン、シス-又はトランス-パーフルオロメチルデカリン、並びにこれらの混合物からなる群から選択されてもよい。いくつかの実施形態では、トレーサは、2つ以上のヒドロフルオロカーボン、又は1つ以上のパーフルオロカーボンと組み合わされた1つのヒドロフルオロカーボンを含有するブレンドである。
【0277】
当該組成物の何らかの希釈、汚染、又は他の変更の検出を可能にするために、所定の量でトレーサが本発明の組成物に添加されてもよい。
【0278】
本発明の組成物と共に使用され得る添加剤は、代替的には、米国特許出願公開第2007/0284555号(その開示は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)に詳細に記述されているようにパーフルオロポリエーテルであってもよい。
【0279】
非冷媒成分に好適であると上で記載した特定の添加剤は、冷媒として可能性があるものとして特定されていることが理解されるであろう。しかしながら、本発明によれば、これらの添加剤が使用される場合、本発明の冷媒混合物の新規かつ基本的特徴に影響を及ぼし得る量では存在しない。
【0280】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される冷媒組成物は、当該技術分野において標準であるように、所望の量の個々の成分を混ぜ合わせるための任意の簡便な方法によって調製されてもよい。好ましい方法は、所望の成分量を計量し、その後、適切な容器内で成分を混ぜ合わせることである。必要に応じて、撹拌を用いてもよい。
【実施例】
【0281】
本開示を、以下の実施例において更に定義する。これらの実施例は、好ましい実施形態を示すが、例示目的で提供されるに過ぎないことを理解されたい。上述の考察及びこれらの実施形態から、当業者であれば、好ましい特徴を確認することができ、その趣旨及び範囲から逸脱することなく、様々な用途及び条件に適応するように様々な変更及び修正を行うことができる。
【0282】
(実施例1)
CFO-1112ブレンドとR-123の冷却及び加熱性能データ比較
R-123を含有する混合物についての冷却及び加熱性能と比較した、CFO-1112を含有する混合物についての冷却及び加熱性能を決定した。測定値には、蒸発器(evaporator、Evap)及び凝縮器(condenser、Cond)内の圧力、圧縮器吐出温度(discharge temperature、Disch T)、蒸発器及び凝縮器の平均温度勾配(Average Temperature Glide、Avg Temp Glide)、並びに圧縮器変位に対する0.1m3/分の質量流量が含まれていた。R-123と比較した、CFO-1112を含有する混合物の相対エネルギー効率(relative energy efficiency、COP)及び体積容量(volumetric capacity、Cap)も決定した。結果を以下の表1A~1Bに示す。
【0283】
データは、以下の条件に基づいていた。
【0284】
【0285】
【0286】
【0287】
【0288】
【0289】
【0290】
表1A~1Bの結果は、本実施例で分析されたCFO-1112混合物が、同様の冷却及び加熱容量並びにエネルギー効率(COP)を有する、R-123の良好な代替物であることを示す。低温勾配(<~1K)を有する混合物は、遠心冷却機での使用に特に好適である。高勾配を有する混合物は、向流又は逆流を有する熱交換器での使用に好適である。混合物及び純粋な流体の圧縮器吐出温度もR-123と同様であった。
【0291】
(実施例2)
CFO-1112ブレンドとR-245faの冷却及び加熱性能データ比較
R-245faを含有する混合物についての冷却及び加熱性能と比較した、CFO-1112を含有する混合物についての冷却及び加熱性能を決定した。測定値には、蒸発器(Evap)及び凝縮器(Cond)内の圧力、圧縮器吐出温度(Disch T)、蒸発器及び凝縮器の平均温度勾配(Avg Temp Glide)、並びに圧縮器変位に対する0.1m3/分の質量流量が含まれていた。R-245faと比較した、CFO-1112を含有する混合物の相対エネルギー効率COP)及び体積容量(Cap)も決定した。結果を以下の表2A~2Bに示す。
【0292】
データは、以下の条件に基づいていた。
【0293】
【0294】
【0295】
【0296】
【0297】
【0298】
【0299】
【0300】
【0301】
【0302】
【0303】
【0304】
表2A~2Bの結果は、本実施例で分析されたCFO-1112混合物が、同様の冷却及び加熱能力並びにエネルギー効率(COP)を有する、R-245faの良好な代替物であることを示す。低温勾配(<~1K)を有する混合物は、遠心冷却機での使用に特に好適である。高勾配を有する混合物は、向流又は逆流を有する熱交換器での使用に好適である。混合物及び純粋な流体の圧縮器吐出温度もR-245faと同様であった。
【0305】
(実施例3)
CFO-1112ブレンドとR-236faの冷却及び加熱性能データ比較
R-236faを含有する混合物についての冷却及び加熱性能と比較した、CFO-1112を含有する混合物についての冷却及び加熱性能を決定した。測定値には、蒸発器(Evap)及び凝縮器(Cond)内の圧力、圧縮器吐出温度(Disch T)、蒸発器及び凝縮器の平均温度勾配(Avg Temp Glide)、並びに圧縮器変位に対する0.1m3/分の質量流量が含まれていた。R-236faと比較した、CFO-1112を含有する混合物の相対エネルギー効率COP)及び体積容量(Cap)も決定した。結果を以下の表3A~3Bに示す。
【0306】
データは、以下の条件に基づいていた。
【0307】
【0308】
【0309】
【0310】
表3A~3Bの結果は、本実施例で分析されたCFO-1112混合物が、同様の冷却及び加熱能力並びにエネルギー効率(COP)を有する、R-236faの良好な代替物であることを示す。低温勾配(<~1K)を有する混合物は、遠心冷却機での使用に特に好適である。高勾配を有する混合物は、向流又は逆流を有する熱交換器での使用に好適である。混合物及び純粋な流体の圧縮器吐出温度もR-236faと同様であった。
【0311】
(実施例4)
CFO-1112ブレンドとR-124の冷却及び加熱性能データ比較
R-124を含有する混合物についての冷却及び加熱性能と比較した、CFO-1112を含有する混合物についての冷却及び加熱性能を決定した。測定値には、蒸発器(Evap)及び凝縮器(Cond)内の圧力、圧縮器吐出温度(Disch T)、蒸発器及び凝縮器の平均温度勾配(Avg Temp Glide)、並びに圧縮器変位に対する0.1m3/分の質量流量が含まれていた。R-124と比較した、CFO-1112を含有する混合物の相対エネルギー効率(COP)及び体積容量(Cap)も決定した。結果を以下の表4A~4Bに示す。
【0312】
データは、以下の条件に基づいていた。
【0313】
【0314】
【0315】
【0316】
表4A~4Bの結果は、本実施例で分析されたCFO-1112混合物が、同様の冷却及び加熱能力並びにエネルギー効率(COP)を有する、R-124の良好な代替物であることを示す。低温勾配(<~1K)を有する混合物は、遠心冷却機での使用に特に好適である。高勾配を有する混合物は、向流又は逆流を有する熱交換器での使用に好適である。混合物及び純粋な流体の圧縮器吐出温度もR-124と同様であった。
【0317】
(実施例5)
CFO-1112ブレンドとR-134aの冷却及び加熱性能データ比較
R-134aを含有する混合物についての冷却及び加熱性能と比較した、CFO-1112を含有する混合物についての冷却及び加熱性能を決定した。測定値には、蒸発器(Evap)及び凝縮器(Cond)内の圧力、圧縮器吐出温度(Disch T)、蒸発器及び凝縮器の平均温度勾配(Avg Temp Glide)、並びに圧縮器変位に対する0.1m3/分の質量流量が含まれていた。R-134aと比較した、CFO-1112を含有する混合物の相対エネルギー効率COP)及び体積容量(Cap)も決定した。結果を以下の表5A~5Bに示す。
【0318】
データは、以下の条件に基づいていた。
【0319】
【0320】
【0321】
【0322】
表5A~5Bの結果は、本実施例で分析されたCFO-1112混合物が、同様の冷却及び加熱能力並びにエネルギー効率(COP)を有する、R-134aの良好な代替物であることを示す。低温勾配(<~1K)を有する混合物は、遠心冷却機での使用に特に好適である。高勾配を有する混合物は、向流又は逆流を有する熱交換器での使用に好適である。混合物及び純粋な流体の圧縮器吐出温度もR-134aと同様であった。
【0323】
(実施例6)
CFO-1112ブレンドとR-22の冷却及び加熱性能データ比較
R-22を含有する混合物についての冷却及び加熱性能と比較した、CFO-1112を含有する混合物についての冷却及び加熱性能を決定した。測定値には、蒸発器(Evap)及び凝縮器(Cond)内の圧力、圧縮器吐出温度(Disch T)、蒸発器及び凝縮器の平均温度勾配(Avg Temp Glide)、並びに圧縮器変位に対する0.1m3/分の質量流量が含まれていた。R-22と比較した、CFO-1112を含有する混合物の相対エネルギー効率(COP)及び体積容量(Cap)も決定した。結果を以下の表6A~6Bに示す。
【0324】
データは、以下の条件に基づいていた。
【0325】
【0326】
【0327】
【0328】
表6A~6Bの結果は、本実施例で分析されたCFO-1112混合物が、同様の冷却及び加熱能力並びにエネルギー効率(COP)を有する、R-22の良好な代替物であることを示す。低温勾配(<~1K)を有する混合物は、遠心冷却機での使用に特に好適である。高勾配を有する混合物は、向流又は逆流を有する熱交換器での使用に好適である。混合物及び純粋な流体の圧縮器吐出温度もR-22と同様であった。
【0329】
(実施例7)
CFO-1112ブレンドとR-410Aの冷却及び加熱性能データ比較
R-410Aを含有する混合物についての冷却及び加熱性能と比較した、CFO-1112を含有する混合物についての冷却及び加熱性能を決定した。測定値には、蒸発器(Evap)及び凝縮器(Cond)内の圧力、圧縮器吐出温度(Disch T)、蒸発器及び凝縮器の平均温度勾配(Avg Temp Glide)、並びに圧縮器変位に対する0.1m3/分の質量流量が含まれていた。R-410Aと比較した、CFO-1112を含有する混合物の相対エネルギー効率(COP)及び体積容量(Cap)も決定した。結果を以下の表10に示す。
【0330】
データは、以下の条件に基づいていた。
【0331】
【0332】
【0333】
【0334】
表7A~8Bの結果は、本実施例で分析されたCFO-1112混合物が、同様の冷却及び加熱能力並びにエネルギー効率(COP)を有する、R-410Aの良好な代替物であることを示す。低温勾配(<~1K)を有する混合物は、遠心冷却機での使用に特に好適である。高勾配を有する混合物は、向流又は逆流を有する熱交換器での使用に好適である。混合物及び純粋な流体の圧縮器吐出温度もR-410Aと同様であった。
【0335】
(実施例8)
高温ヒートポンプにおけるHFC-245faの代替
HFC-245faは、高温ヒートポンプ用の作動流体として広く使用されている。CFO-1112を含有する低GWPブレンドは、既存の又は新しい高温ヒートポンプのいずれかにおいて、HFC-245faを代替するように配合され得る。表8は、HFC-245faの性能を、代表的な高温ヒートポンプ運転条件のセットとしての81重量%のCFO-1112を含有するR-1234ze-E/CFO-1112ブレンド(ブレンド8A)の性能及び85重量%CFO-1112を含有するR-134/CFO-1112ブレンド(ブレンド8B)の性能と比較する。
【0336】
ブレンド8Aでの体積加熱能力は、HFC-245faと一致したが、ブレンド8Aでのヒートポンプエネルギー効率(加熱性能係数の観点から表される)は、HFC-245faを3.1%上回る。
【0337】
ブレンド8Bでの体積加熱能力は、HFC-245faと一致したが、ブレンド8Bでのヒートポンプエネルギー効率(加熱性能係数の観点から表される)は、HFC-245faを4%上回る。
【0338】
【0339】
(実施例9)
冷却機内のHCFC-123の代替
本実施例は、HCFC-123(R-123)の代替としての冷却機内での使用が示唆された他の冷媒と比較した、CFO-1112を用いた冷却機性能を示す。表9A~9Bでは、Suct Pは、圧縮器入口における圧力であり、Disch Pは、圧縮器出口の圧力であり、先端速度は、遠心圧縮器が冷却機内で使用される場合、その先端の羽根車の速度であり、COPは、性能係数(エネルギー効率の尺度)であり、Capは、体積容量である。CFO-1112、R-1336mzzZ、R-1233zdE、R-245fa、R-1336mzzE及びR-1224ydZの性能を、全てHCFC-123と比較して、以下の条件で決定する。
【0340】
【0341】
【0342】
【0343】
データは、HCFC-123のCFO-1112での代替が実現可能であり、以前に提案された他の冷媒よりも良好な選択でさえあることを実証する。容量はHFCF-123よりも高いが、他の冷媒よりも近い。CFO-1112のCOPは、HCFC-123よりも高く、この改善されたエネルギー効率を示す表中の唯一の冷媒である。冷却機に遠心圧縮器を使用した場合、羽根車先端速度は10%以内であり、わずかな修正のみを必要とする。
【0344】
したがって、CFO-1112は、1233zdE又は1224ydZ.と比較して、冷却機内で使用するためのより高効率の冷媒を提供する。
【0345】
(実施例10)
遠心高温ヒートポンプにおけるHFC-245faの代替
HFC-245faは、高温ヒートポンプ用の作動流体として広く使用されている。CFO-1112を含有する低GWPブレンドは、既存の又は新しい高温ヒートポンプのいずれかにおいて、HFC-245faを代替するように配合され得る。表10は、HFC-245faの性能を、代表的な高温ヒートポンプ運転条件のセットとしての81重量%のCFO-1112を含有するR-1234zeE/CFO-1112ブレンド(ブレンド10A)の性能及び85重量%CFO-1112を含有するR-134/CFO-1112ブレンド(ブレンド10B)の性能と比較する。
【0346】
ブレンド10Aでの体積加熱能力は、HFC-245faと一致したが、ブレンド10Aでのヒートポンプエネルギー効率(加熱性能係数の観点から表される)は、HFC-245faを3.1%上回る。
【0347】
ブレンド10Bでの体積加熱能力は、HFC-245faと一致したが、ブレンド10Bでのヒートポンプエネルギー効率(加熱性能係数の観点から表される)は、HFC-245faを4%上回る。
【0348】
ブレンド10A及びブレンド10Bで圧縮器負荷を満たすために必要とされる羽根車先端速度は、HFC-245faと比較して1.77%及び3.56%だけ高い。
【0349】
【0350】
他の実施形態
1.いくつかの実施形態では、本出願は、
i)1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレン(CFO-1112)と、任意に、
ii)R-245fa、R-1336mzzZ、n-ペンタン、R-1233zdE、i-ペンタン、R-1336mzzE、R-1224ydZ、R-1234zeZ、R-1336yf、R-1336zeE、R-1234zeE、R-32、R-134a、R-1234yf、トランス-1,2-ジクロロエチレン、R-152a、R-134、R-125及びR-1123から選択される化合物と、を含む組成物を提供する。
2.いくつかの実施形態では、本出願は、
i)1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、任意に、
ii)R-245fa、R-1336mzzZ、n-ペンタン、R-1233zdE、i-ペンタン、R-1336mzzE、R-1224ydZ、R-1234zeZ、R-1336yf、R-1336zeE、R-1234zeE、R-32、R-134a、R-1234yf、トランス-1,2-ジクロロエチレン、R-152a及びR-134から選択される化合物と、を含む組成物を提供する。
3.いくつかの実施形態では、本出願は、
i)1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、任意に、
ii)R-245fa、R-1336mzzZ、n-ペンタン、R-1233zdE、i-ペンタン、R-1336mzzE、R-1224ydZ、R-1234zeZ、R-1336yf及びR-1336zeEから選択される化合物と、を含む組成物を提供する。
4.組成物が、約1~約40重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約99~約60重量パーセントのR-245faとを含む、実施形態1~3のいずれか1つに記載の組成物。
5.組成物が、約1~約25重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約99~約75重量パーセントのR-245faとを含む、実施形態1~3のいずれか1つに記載の組成物。
6.組成物が、約0.3K以下の温度勾配を有する、実施形態4又は5に記載の組成物。
7.組成物が、約1~約10重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約99~約10重量パーセントのR-1336mzzZとを含む、実施形態1~3のいずれか1つに記載の組成物。
8.組成物が、約50~約99重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約50~約1重量パーセントのR-1336mzzZとを含む、実施形態1~3のいずれか1つに記載の組成物。
9.組成物が、約1~約25重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約99~約75重量パーセントのR-1336mzzZとを含む、実施形態1~3のいずれか1つに記載の組成物。
10.組成物が、約2K以下の温度勾配を有する、実施形態1~3及び7~9のいずれか1つに記載の組成物。
11.組成物が、約1~約20重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約99~約80重量パーセントのn-ペンタンとを含む、実施形態1~3のいずれか1つに記載の組成物。
12.組成物が、約60~約99重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約1~約40重量パーセントのn-ペンタンとを含む、実施形態1~3のいずれか1つに記載の組成物。
13.組成物が、約1~約10重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約99~約90重量パーセントのn-ペンタンとを含む、実施形態1~3のいずれか1つに記載の組成物。
14.組成物が、約70~約99重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約30~約1重量パーセントのn-ペンタンとを含む、実施形態1~3のいずれか1つに記載の組成物。
15.組成物が、約3K以下の温度勾配を有する、実施形態1~3及び11~14のいずれか1つに記載の組成物。
16.組成物が、約1~約35重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約99~約65重量パーセントのR-1233zdEとを含む、実施形態1~3のいずれか1つに記載の組成物。
17.組成物が、約1~約25重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約99~約75重量パーセントのR-1233zdEとを含む、実施形態1~3のいずれか1つに記載の組成物。
18.組成物が、約0.05K以下の温度勾配を有する、実施形態1~3、16及び17のいずれか1つに記載の組成物。
19.組成物が、約1~約20重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約99~約80重量パーセントのi-ペンタンとを含む、実施形態1~3のいずれか1つに記載の組成物。
20.組成物が、約55~約99重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約45~約1重量パーセントのi-ペンタンとを含む、実施形態1~3のいずれか1つに記載の組成物。
21.組成物が、約1~約10重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約99~約90重量パーセントのi-ペンタンとを含む、実施形態1~3のいずれか1つに記載の組成物。
22.組成物が、約65~約99重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約45~約1重量パーセントのi-ペンタンとを含む、実施形態1~3のいずれか1つに記載の組成物。
23.組成物が、約1.5K以下の温度勾配を有する、実施形態1~3及び19~22のいずれか1つに記載の組成物。
24.組成物が、約1~約40重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約99~約60重量パーセントのR-1336mzzEとを含む、実施形態1~3のいずれか1つに記載の組成物。
25.組成物が、約85~約99重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約15~約1重量パーセントのR-1336mzzEとを含む、実施形態1~3のいずれか1つに記載の組成物。
26.組成物が、約1~約25重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約99~約75重量パーセントのR-1336mzzEとを含む、実施形態1~3のいずれか1つに記載の組成物。
27.組成物が、約95~約99重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約5~約1重量パーセントのR-1336mzzEとを含む、実施形態1~3のいずれか1つに記載の組成物。
28.組成物が、約2K以下の温度勾配を有する、実施形態1~3及び24~27のいずれか1つに記載の組成物。
29.組成物が、約1~約40重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約99~約60重量パーセントのR-1224ydZとを含む、実施形態1~3のいずれか1つに記載の組成物。
30.組成物が、約85~約99重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約15~約1重量パーセントのR-1224ydZとを含む、実施形態1~3のいずれか1つに記載の組成物。
31.組成物が、約1~約25重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約99~約75重量パーセントのR-1224ydZとを含む、実施形態1~3のいずれか1つに記載の組成物。
32.組成物が、約95~約99重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約5~約1重量パーセントのR-1224ydZとを含む、実施形態1~3のいずれか1つに記載の組成物。
33.組成物が、約0.4K以下の温度勾配を有する、実施形態1~3及び29~32のいずれか1つに記載の組成物。
34.組成物が、約1~約35重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約99~約65重量パーセントのR-1234zeZとを含む、実施形態1~3のいずれか1つに記載の組成物。
35.組成物が、約1~約25重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約99~約75重量パーセントのR-1234zeZとを含む、実施形態1~3のいずれか1つに記載の組成物。
36.組成物が、約0.5K以下の温度勾配を有する、実施形態1~3、34及び35のいずれか1つに記載の組成物。
37.組成物が、約1~約30重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約99~約70重量パーセントのR-1336yfとを含む、実施形態1~3のいずれか1つに記載の組成物。
38.組成物が、約95~約99重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約5~約1重量パーセントのR-1336yfとを含む、実施形態1~3のいずれか1つに記載の組成物。
39.組成物が、約1~約20重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約99~約80重量パーセントのR-1336yfとを含む、実施形態1~3のいずれか1つに記載の組成物。
40.組成物が、約0.2K以下の温度勾配を有する、実施形態1~3及び37~39のいずれか1つに記載の組成物。
41.組成物が、約1~約40重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約99~約60重量パーセントのR-1336zeEとを含む、実施形態1~3のいずれか1つに記載の組成物。
42.組成物が、約85~約99重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約15~約1重量パーセントのR-1336zeEとを含む、実施形態1~3のいずれか1つに記載の組成物。
43.組成物が、約1~約25重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約99~約75重量パーセントのR-1336zeEとを含む、実施形態1~3のいずれか1つに記載の組成物。
44.組成物が、約90~約99重量パーセントの1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約10~約1重量パーセントのR-1336zeEとを含む、実施形態1~3のいずれか1つに記載の組成物。
45.組成物が、約1.5K以下の温度勾配を有する、実施形態1~3及び41~44のいずれか1つに記載の組成物。
46.1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンが、約60%~約70%のE-1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと、約30%~約40%のZ-1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンとを含む、実施形態1~45のいずれか1つに記載の組成物。
47.いくつかの実施形態では、本出願は、冷却を生じさせるための方法を更に提供し、冷却される物体の近傍で実施形態1~46のいずれか1つに記載の組成物を蒸発させることと、その後、前述の組成物を凝縮することと、を含む。
48.いくつかの実施形態では、本出願は、加熱を生じさせるための方法を更に提供し、加熱される物体の近傍で実施形態1~46のいずれか1つに記載の組成物を凝縮することと、その後、前述の組成物を蒸発させることと、を含む。
49いくつかの実施形態では、本出願は、実施形態1~46のいずれか1つに記載の組成物を含む冷蔵、空調又はヒートポンプ装置を更に提供する。
50.ヒートポンプが、高温ヒートポンプである、実施形態49に記載の装置。
51.前述の高温ヒートポンプが、遠心圧縮器を備える、実施形態50に記載の装置。
52.遠心冷却機装置を備える、実施形態49~51のいずれか1つに記載の装置。
53.いくつかの実施形態では、本出願は、冷蔵装置又は冷蔵システムにおける現用冷媒を代替するためのプロセスを更に提供し、前述の現用冷媒を実施形態1~46のいずれか1つに記載の組成物で実質的に代替することを含む。
54.現用冷媒が、R-123、R-245fa、R-236fa、R-124、R-134a、R-22及びR-401Aから選択される、実施形態53に記載のプロセス。
55.代替冷媒組成物が、現用冷媒の冷却能力の約±15%以内である冷却能力を示す、実施形態53又は54に記載のプロセス。
56.いくつかの実施形態では、本出願は、遠心冷却機における1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンからなる冷媒を含む組成物の使用を提供する。
57.1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンが、(E)-1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレン、(Z)-1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレン、又はこれらの混合物からなる、実施形態56に記載の使用。
58.1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンが、約60~約70重量%の(E)-1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンと約40~30重量%の(Z)-1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンとの混合物からなる、実施形態56又は57に記載の使用。
59.現用冷媒を含む伝熱システム又は装置のエネルギー効率を向上させるための方法であって、現用冷媒を、実施形態1~46のいずれか1つに記載の代替冷媒組成物で実質的に代替し、それによって伝熱システムの効率を向上させることを含む、方法。
60.現用冷媒が、R-123、R-1233zeE及びR-1224ydZから選択される、実施形態59に記載の方法。
61.代替冷媒組成物が、1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンからなる、実施形態59又は60に記載の方法。
62.触媒を更に含む、実施形態1~46のいずれかに記載の組成物。
63.鉱油、アルキルベンゼン、ポリオールエステル、ポリアルキレングリコール、ポリビニルエーテル、ポリカーボネート、パーフルオロポリエーテル、シリコーン、ケイ酸エステル、リン酸エステル、パラフィン、ナフテン、ポリアルファ-オレフィン、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される潤滑剤を更に含む、実施形態1~46のいずれかに記載の組成物。
64.潤滑剤、染料(紫外線染料を含む)、可溶化剤、相溶化剤、安定剤、トレーサ、パーフルオロポリエーテル、摩耗防止剤、極圧添加剤、腐食及び酸化防止剤、金属表面エネルギー減少剤、金属表面不活性化剤、フリーラジカル捕捉剤、泡制御剤、粘度指数向上剤、流動点降下剤、洗剤、粘度調節剤、並びにそれらの混合物からなる群から選択される1つ以上の非冷媒成分を更に含む、実施形態1~46、62又は63のいずれかに記載の組成物。
65.安定剤を更に含む、実施形態1~46、62、63又は64のいずれかに記載の組成物。
66.ヒンダードフェノール、チオホスフェート、ブチル化トリフェニルホスホロチオネート、オルガノホスフェート又はホスファイト、アリールアルキルエーテル、テルペン、テルペノイド、エポキシド、フッ素化エポキシド、オキセタン、アスコルビン酸、チオール、ラクトン、チオエーテル、アミン、ニトロメタン、アルキルシラン、ベンゾフェノン誘導体、アリールスルフィド、ジビニルテレフタル酸、ジフェニルテレフタル酸、アセトアルデヒドジメチルヒドラゾンなどのヒドラゾン、イオン性液体、及びそれらの混合物からなる群から選択される安定剤を更に含む、実施形態1~46、62、63、64又は65のいずれかに記載の組成物。
67.d-リモネン、b-ピネン、BHT、及びニトロメタンからなる群から選択される安定剤を更に含む、実施形態1~46、62、63、64又は65のいずれかに記載の組成物。
68.実施形態1~46のいずれかに記載の組成物を熱源からヒートシンクに輸送することを含む、熱を伝達する方法。
69.熱の伝達が、ヒートパイプ内である、実施形態68に記載の方法。
70.熱の伝達が、一定コンダクタンスヒートパイプ又はサーモサイフォン内である、実施形態68に記載の方法。
71.ヒートパイプにおける1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンからなる組成物の使用。
72.ヒートパイプにおける実施形態1~46のいずれかに記載の組成物の使用。
73.熱の伝達が、投げ込みクーラ内である、実施形態68に記載の方法。
74.投げ込みクーラにおける1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレンからなる組成物の使用。
75.投げ込みクーラにおける実施形態1~46のいずれかに記載の組成物の使用。
【0351】
本発明をその詳細な説明と併せて説明してきたが、前述の説明は、添付の特許請求の範囲により規定される本発明の範囲を例示することを意図し、かつ限定するものではないことを理解すべきである。他の態様、利点、及び変更は、以下の特許請求の範囲内である。本発明が、本発明の任意の特定の態様及び/又は実施形態に関して本明細書に記載される特徴のいずれも、本明細書に記載される本発明の任意の他の態様及び/又は実施形態の他の特徴のいずれかのうちの1つ以上と組み合わせることができ、組み合わせの適合性を確実にするために適宜変更することができることが、当業者により理解されるべきである。このような組み合わせは、本開示により企図される本発明の一部であるとみなされる。