(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-08
(45)【発行日】2023-09-19
(54)【発明の名称】KRAS G12C阻害剤
(51)【国際特許分類】
C07D 471/04 20060101AFI20230911BHJP
C07D 519/00 20060101ALI20230911BHJP
C07D 471/10 20060101ALI20230911BHJP
A61K 31/519 20060101ALI20230911BHJP
A61K 31/5377 20060101ALI20230911BHJP
A61K 31/55 20060101ALI20230911BHJP
A61K 31/5383 20060101ALI20230911BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20230911BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20230911BHJP
A61P 35/02 20060101ALI20230911BHJP
A61P 11/00 20060101ALI20230911BHJP
【FI】
C07D471/04 116
C07D471/04 CSP
C07D519/00 311
C07D519/00 301
C07D471/10 101
A61K31/519
A61K31/5377
A61K31/55
A61K31/5383
A61P43/00 111
A61P35/00
A61P35/02
A61P11/00
(21)【出願番号】P 2021526287
(86)(22)【出願日】2019-05-14
(86)【国際出願番号】 US2019032249
(87)【国際公開番号】W WO2020101736
(87)【国際公開日】2020-05-22
【審査請求日】2022-05-10
(32)【優先日】2018-11-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518229401
【氏名又は名称】ミラティ セラピューティクス, インコーポレイテッド
(73)【特許権者】
【識別番号】504344509
【氏名又は名称】アレイ バイオファーマ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マークス,マシュー・アーノルド
(72)【発明者】
【氏名】ボビンスキー,トーマス・ピー
(72)【発明者】
【氏名】バーンズ,アーロン・クレイグ
(72)【発明者】
【氏名】ガウディーノ,ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ハース,ジュリア
(72)【発明者】
【氏名】ケッチャム,ジョン・マイケル
(72)【発明者】
【氏名】ローソン,ジョン・デビッド
(72)【発明者】
【氏名】ニューハウス,ブラッド
(72)【発明者】
【氏名】ペイジュク,スペンサー
(72)【発明者】
【氏名】スミス,クリストファー・ロナルド
(72)【発明者】
【氏名】タン,トニー・ピー
【審査官】安孫子 由美
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/201161(WO,A1)
【文献】特表2018-513853(JP,A)
【文献】特表2021-502993(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
A61K
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
【化1】
【化2】
【化3】
【化4】
【化5】
【化6】
【化7】
である、化合物。
【請求項2】
治療有効量の請求項1に記載の化合物および薬学的に許容される賦形剤を含む、医薬組成物。
【請求項3】
請求項1に記載の化合物を含む、細胞におけるKRas G12C活性を阻害するための方法
に使用するための医薬組成物であって、
前記方法は、KRas G12C活性の阻害が所望される前記細胞を、有効量の
前記化合物と接触させることを含む、
医薬組成物。
【請求項4】
請求項1に記載の化合物を含む、癌を治療するための方法に使用するための医薬組成物であって、前記方法は、治療有効量の
前記化合物を癌を有する患者に投与することを含む、
医薬組成物。
【請求項5】
前記方法は、1日当たり
0.01~100mg/kg
の前記化合物を投与することを含む、請求項4に記載の
医薬組成物。
【請求項6】
前記方法は、1日当たり
0.1~50mg/kg
の前記化合物を投与することを含む、請求項5に記載の
医薬組成物。
【請求項7】
前記癌が、
心臓癌、肺癌、消化管癌、尿生殖路癌、肝臓癌、胆管癌、骨癌、神経系癌、婦人科癌、血液癌、皮膚癌、および副腎癌からなる群から選択される、請求項4に記載の
医薬組成物。
【請求項8】
前記癌が、KRas G12Cに関連する癌である、請求項5に記載の
医薬組成物。
【請求項9】
前記癌が、非小細胞肺癌である、請求項8に記載の
医薬組成物。
【請求項10】
請求項1に記載の化合物を含む、癌の治療を必要とする患者において癌を治療するための方法
に使用するための医薬組成物であって、
前記方法は、(a)前記癌がKRas G12C変異に関連す
ることを決定することと、(b)治療有効量の
前記化合物を前記患者に投与することと、を含む、
医薬組成物。
【請求項11】
前記癌が、KRas G12Cに関連する癌である、請求項10に記載の医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
相互参照
本出願は、米国特許法第120条の下で2018年11月14日に出願された米国仮特許出願第16/191,190号に基づく優先権を主張し、米国特許法第119条(e)の下で2017年11月15日に出願された米国仮特許出願第62/586,775号に基づく優先権を主張し、これらの出願の各々の内容は全て、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、KRas G12Cを阻害する化合物に関する。特に、本発明は、KRas G12Cの活性を不可逆的に阻害する化合物、その化合物を含む医薬組成物、およびそれらの使用方法に関する。
【背景技術】
【0003】
Kirstenラット肉腫2ウイルス癌遺伝子ホモログ(「KRas」)は、低分子GTPaseであり、癌遺伝子のRasファミリーのメンバーである。KRasは、複数のチロシンキナーゼから受信される上流の細胞シグナルを下流のエフェクターに伝達して、細胞増殖を含む多種多様なプロセスを調節するために、不活性(GDP結合)状態と活性(GTP結合)状態との間を往復している分子スイッチとして機能する(例えば、Alamgeer et al.,(2013)Current Opin Pharmcol.13:394-401を参照のこと)。
【0004】
悪性度における活性型KRasの役割は、30年以上前に観察された(例えば、Santos et al.,(1984)Science 223:661-664を参照のこと)。KRasの異常な発現は、全ての癌の20%までを占め、GTP結合を安定化させ、KRasおよび下流シグナル伝達の恒常的活性化をもたらす発癌性KRas変異は、肺腺癌の25~30%で報告されている。(例えば、 Samatar and Poulikakos(2014)Nat Rev Drug Disc 13(12):928-942 doi:10.1038/nrd428を参照のこと)。KRas一次アミノ酸配列のコドン12および13におけるミスセンス変異をもたらす単一ヌクレオチド置換は、肺腺癌におけるこれらのKRasドライバー変異のおよそ40%を構成し、G12Cトランスバージョンは、最も一般的な活性化変異である(例えば、2012年9月26日にオンラインで公開されたDogan et al.,(2012)Clin Cancer Res.18(22):6169-6177、doi:10.1158/1078-0432.CCR-11-3265を参照のこと)。
【0005】
悪性度におけるKRAsのよく知られた役割および様々な腫瘍タイプにおけるKRasのこれらの頻繁な変異の発見により、KRasは、製薬業界の癌療法での非常に魅力的な標的となった。癌を治療するためのKRas阻害剤を開発しようとする30年間の大規模な発見努力にも関わらず、いかなるKRas阻害剤も規制当局の承認を取得するのに十分な安全性および/または有効性を実証しなかった(例えば、McCormick(2015)Clin Cancer Res.21(8):1797-1801を参照のこと)。
【0006】
グアニンヌクレオチド交換因子などのエフェクターを妨害するもの(例えば、Sun et al.,(2012)Agnew Chem Int Ed Engl.51(25):6140-6143 doi:10.1002/anie201201358を参照のこと)、ならびにKRas G12Cを標的とするもの(例えば、Ostrem et al.,(2013)Nature 503:548-551を参照のこと)を含む、KRas活性を阻害する化合物が、依然として、非常に望ましく、かつ調査されている。明らかに、KRasの阻害剤、特に、KRas G12Cを含む活性化KRas変異体の阻害剤を開発するという関心および試みが尚も継続している。
【0007】
したがって、KRas G12C媒介性癌を治療するのに十分な有効性、安定性、および/または安全性を示す新規なKRas G12C阻害剤を開発する必要性が存在する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0008】
【文献】Alamgeer et al.,(2013)Current Opin Pharmcol.13:394-401
【文献】Santos et al.,(1984)Science 223:661-664
【文献】Samatar and Poulikakos(2014)Nat Rev Drug Disc 13(12):928-942 doi:10.1038/nrd428
【文献】Dogan et al.,(2012)Clin Cancer Res.18(22):6169-6177、doi:10.1158/1078-0432.CCR-11-3265
【文献】McCormick(2015)Clin Cancer Res.21(8):1797-1801
【文献】Sun et al.,(2012)Agnew Chem Int Ed Engl.51(25):6140-6143 doi:10.1002/anie201201358
【文献】Ostrem et al.,(2013)Nature 503:548-551
【発明の概要】
【0009】
本発明の一態様では、KRas G12C活性を阻害する化合物が提供される。ある特定の実施形態では、化合物は、式(II)によって表される化合物
【化1】
またはその薬学的に許容される塩であり、
式中、
Xが、4~12員の飽和または部分飽和の単環式、架橋環またはスピロ環であり、飽和または部分飽和単環式環が、1個以上のR
8で任意に置換されており、
Yが、結合、O、S、またはNR
5であり、
R
1が、
【化2】
または
【化3】
であり、
R
2が、水素、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、ジヒドロキシアルキル、アルキルアミニルアルキル、ジアルキルアミニルアルキル、-Z-NR
5R
10、ヘテロシクリル、シクロアルキル、ヘテロシクリルアルキル、アリール、ヘテロアリール、またはヘテロアリールアルキルであり、Z、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、アリール、ヘテロアリール、およびヘテロアリールアルキルの各々が、1個以上のR
9で任意に置換されていてもよく、
各Zが、C1-C4アルキレンであり、
各R
3が、独立して、C1-C3アルキル、オキソ、ハロアルキル、ヒドロキシル、またはハロゲンであり、
Lが、結合、-C(O)-、またはC1-C3アルキレンであり、
R
4が、水素、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、アラルキル、またはヘテロアリールであり、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、アラルキル、およびヘテロアリールの各々が、1個以上のR
6、R
7、またはR
8で任意に置換されていてもよく、
各R
5が、独立して、水素またはC1-C3アルキルであり、
R
6が、シクロアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリールの各々が、1個以上のR
7で任意に置換されていてもよく、
各R
7が、独立して、ハロゲン、ヒドロキシル、C1-C6アルキル、シクロアルキル、アルコキシ、ハロアルキル、アミノ、シアノ、ヘテロアルキル、ヒドロキシアルキル、またはQ-ハロアルキルであり、式中、Qが、OまたはSであり、
R
8が、オキソ、C1-C3アルキル、C2-C4アルキニル、ヘテロアルキル、シアノ、-C(O)OR
5、-C(O)N(R
5)
2、-N(R
5)
2であり、C1-C3アルキルが、シアノ、ハロゲン、-OR
5、-N(R
5)
2、またはヘテロアリールで任意に置換されていてもよく、
各R
9が、独立して、水素、オキソ、アシル、ヒドロキシル、ヒドロキシアルキル、シアノ、ハロゲン、C1-C6アルキル、アラルキル、ハロアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、アルコキシ、アミノ、ジアルキルアミニル、ジアルキルアミドアルキル、ジアルキルアミニルアルキル、またはオキソであり、C1-C6アルキルは、シクロアルキルまたはシアノで任意に置換されていてもよく、
各R
10が、独立して、水素、アシル、C1-C3アルキル、ハロアルキル、ヘテロアルキル、またはヒドロキシアルキルであり、
R
11が、ハロアルキルであり、
R
Aが、不在、水素、重水素、シアノ、ハロゲン、C1-C3アルキル、ハロアルキル、ヘテロアルキル、-C(O)N(R
5)
2、またはヒドロキシアルキルであり、
各R
Bが、独立して、水素、重水素、シアノ、C1-C3アルキル、ヒドロキシアルキル、ヘテロアルキル、C1-C3アルコキシ、ハロゲン、ハロアルキル、-ZNR
5R
11、-C(O)N(R
5)
2、-NHC(O)C1-C3アルキル、-CH
2NHC(O)C1-C3アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ジアルキルアミニルアルキル、またはヘテロシクリルアルキルであり、ヘテロシクリル部分が、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシ、およびC1-C3アルキルから独立して選択される1個以上の置換基で置換されており、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキルのヘテロアリール部分が、1個以上のR
7で任意に置換されており、
あるいは
【化4】
が二重結合であり、pが2である場合、1個のR
Bは水素であり、R
Aおよび1個のR
Bならびにそれらが結合している炭素原子が、オキソで置換されている5~8員部分飽和シクロアルキルを形成し、
mが、ゼロであるか、または1~2の整数であり、
pが、1または2であり、
【化5】
が三重結合である場合、R
Aは存在せず、pは1であり、R
Bはヒドロキシアルキルであるか、
あるいは
【化6】
が二重結合である場合、R
Aは存在し、R
Bは存在し、pは2であり、R
Aが水素またはC1-C3アルキルである場合、少なくとも1個のR
Bは、重水素、シアノ、ハロゲン、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、-ZNR
5R
11、-C(O)N(R
5)
2、-NHC(O)C1-C3アルキル、-CH
2NHC(O)C1-C3アルキル、もしくはヘテロシクリルアルキルであり、ヘテロシクリル部分は、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシ、またはC1-C3アルキルから独立して選択される1個以上の置換基で置換されており、または各R
Bが水素である場合、R
Aは、重水素、シアノ、ハロゲン、ハロアルキル、-C(O)N(R
5)
2、ヒドロキシアルキル、もしくはヘテロアルキルである。
【0010】
また、式II-Aを有する式(II)の化合物も含まれ、
【化7】
式中、R
1、R
3、R
4、R
5、R
10、L、およびmは、式IIについて定義された通りであり、R
11は、水素、C1-C3アルキル、またはヒドロキシアルキルであり、ピペラジニル環は、R
8で任意に置換されており、R
8は、式IIについて定義された通りである。
【0011】
また、式II-Bを有する式(II)の化合物も含まれ、
【化8】
式中、R
1、R
3、R
4、R
8、L、およびmは、式IIについて定義された通りであり、R
2は、1個以上のR
9で任意に置換されているヘテロシクリルアルキルであり、ピペラジニル環は、R
8で任意に置換されており、R
8は、式IIについて定義された通りである。
【0012】
本発明の別の態様では、治療有効量の本発明の化合物またはその薬学的に許容される塩および薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物が提供される。
【0013】
本発明のさらに別の態様では、細胞におけるKRas G12C活性を阻害するための方法であって、この方法は、細胞を式(II)、式II-A、または式II-Bの化合物と接触させることを含む。一実施形態では、接触は、インビトロで行われる。一実施形態では、接触は、インビボで行われる。
【0014】
また、細胞増殖をインビトロまたはインビボで阻害する方法も本明細書に提供され、この方法は、細胞を有効量の本明細書で定義されるような式(II)、式II-A、もしくは式II-Bの化合物、またはそれらの薬学的に許容される塩、またはそれらの医薬組成物と接触させることを含む。
【0015】
また、患者において癌を治療するための方法であって、治療有効量の本発明の化合物もしくは医薬組成物またはそれらの薬学的に許容される塩を、それを必要とする患者に投与することを含む方法も提供される。
【0016】
また、KRas G12Cに関連する疾患または障害の治療を必要とする患者においてそれを治療する方法も本明細書に提供され、この方法は、治療有効量の本明細書で定義されるような式(II)、式II-A、もしくは式II-Bの化合物、またはそれらの薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物、またはそれらの医薬組成物を患者に投与することを含む。
【0017】
また、療法において使用するための、本明細書で定義されるような式(II)、式II-A、もしくは式II-Bの化合物、またはそれらの薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物、またはそれらの医薬組成物も本明細書に提供される。
【0018】
また、癌の治療において使用するための、本明細書で定義されるような式(II)、式II-A、もしくは式II-Bの化合物、またはそれらの薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物、またはそれらの医薬組成物も本明細書に提供される。
【0019】
また、KRas G12Cの阻害において使用するための、式(II)、式II-A、もしくは式II-Bの化合物、またはそれらの薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物も本明細書に提供される。
【0020】
また、KRas G12Cに関連する疾患または障害の治療において使用するための、本明細書で定義されるような式(II)、式II-A、もしくは式II-Bの化合物、またはそれらの薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物、またはそれらの医薬組成物も本明細書に提供される。
【0021】
また、癌の治療のための薬剤の製造における、本明細書で定義されるような式(II)、式II-A、もしくは式II-Bの化合物、またはそれらの薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物の使用も本明細書に提供される。
【0022】
また、KRas G12Cの活性の阻害のための薬剤の製造における、本明細書で定義されるような式(II)、式II-A、もしくは式II-Bの化合物、またはそれらの薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物の使用も本明細書に提供される。
【0023】
また、KRas G12Cに関連する疾患または障害の治療のための薬剤の製造における、本明細書で定義されるような式(II)、式II-A、もしくは式II-Bの化合物、またはそれらの薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物の使用も本明細書に提供される。
【0024】
また、癌の治療を必要とする患者においてそれを治療する方法も本明細書に提供され、この方法は、(a)癌がKRas G12C変異に関連する(すなわち、KRas G12Cに関連する癌)と判定することと、(b)治療有効量の式(II)、式II-A、もしくは式II-Bの化合物、またはそれらの薬学的に許容される塩、またはそれらの医薬組成物を患者に投与することと、を含む。
【0025】
また、式(II)、式II-A、もしくは式II-Bの化合物、またはそれらの薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物を調製するためのプロセスも本明細書に提供される。
【0026】
また、本明細書で定義されるような化合物を調製するプロセスによって取得される式(II)、式II-A、もしくは式II-Bの化合物、またはそれらの薬学的に許容される塩も本明細書に提供される。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明は、KRas G12Cの阻害剤に関する。特に、本発明は、KRas G12Cの活性を不可逆的に阻害する化合物、治療有効量の化合物を含む医薬組成物、およびそれらの使用方法に関する。
【0028】
定義
特に定義しない限り、本明細書で使用される全ての技術用語および科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書において参照される全ての特許、特許出願、および刊行物は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0029】
本明細書で使用する場合、「KRas G12C」は、アミノ酸位置12でのグリシンからシステインへのアミノ酸置換を含有する変異型の哺乳動物KRasタンパク質を指す。ヒトKRasのアミノ酸コドンおよび残基位置の割り当ては、ユニプロットKB/スイスプロットP01116:バリアントp.Gly12Cysにより同定されたアミノ酸配列に基づく。
【0030】
本明細書で使用する場合、「KRas G12C阻害剤」は、本明細書に記載されるような式(II)、式II-A、または式II-Bによって表される本発明の化合物を指す。これらの化合物は、KRas G12Cの酵素活性の全てまたは一部を負に調節するかまたは阻害することができる。本発明のKRas G12C阻害剤は、KRas G12Cと相互作用し、位置12のシステイン残基のスルフヒドリル側鎖と共有結合付加体を形成することによりこれに不可逆的に結合し、KRas G12Cの酵素活性を阻害する。
【0031】
本明細書で使用する場合、「KRas G12Cに関連する疾患または障害」は、KRas G12C変異に関連するか、またはそれにより媒介されるか、またはそれを有する疾患または障害を指す。KRas G12Cに関連する疾患または障害の非限定的な例は、KRas G12Cに関連する癌である。
【0032】
本明細書で使用する場合、「対象」、「個体」、または「患者」という用語は互換的に使用され、任意の動物を指し、マウス、ラット、その他のげっ歯動物、ウサギ、イヌ、ネコ、ブタ、牛、ヒツジ、ウマ、霊長類、およびヒトなどの哺乳動物が含まれる。いくつかの実施形態では、患者は、ヒトである。いくつかの実施形態では、対象は、治療および/または予防される疾患または障害の少なくとも1つの症状を経験および/または呈している。いくつかの実施形態では、対象は、KRas G12C変異を有する癌を有すると同定または診断されている(例えば、規制当局に承認された、例えば、FDAに承認された、アッセイまたはキットを使用して判定される)。いくつかの実施形態では、対象は、KRas G12C変異に対して陽性である腫瘍を有する(例えば、規制当局に承認されたアッセイまたはキットを使用して判定される)。対象は、KRas G12C変異に対して陽性である腫瘍(複数可)を有する対象であり得る(例えば、規制当局に承認された、例えば、FDAに承認された、アッセイまたはキットを使用して陽性であると同定される)。対象は、その腫瘍がKRas G12C変異を有する対象であり得る(例えば、腫瘍は、規制当局に承認された、例えば、FDAに承認された、キットまたはアッセイを使用してそのように同定される)。いくつかの実施形態では、対象は、KRas G12C遺伝子に関連する癌を有すると疑われている。いくつかの実施形態では、対象は、対象がKRas G12C変異を有する腫瘍を有することを示す、臨床記録を有する(および任意に、臨床記録は、対象が本明細書に提供される組成物のいずれかで治療されるべきであることを示す)。
【0033】
本明細書に記載される方法または使用のうちのいずれかのいくつかの実施形態では、患者(例えば、KRas G12Cに関連する癌を有すると疑われる患者、KRas G12Cに関連する癌の1つ以上の症状を有している患者、および/またはKRas G12Cに関連する癌を発症する危険性が高い患者)由来の試料(例えば、生物学的試料または生検試料(例えば、パラフィン包埋生検試料)を使用して、患者がKRas G12C変異を有しているかどうかを判定するために使用されるアッセイには、例えば、次世代シークエンシング、免疫組織化学的検査、蛍光顕微鏡法、break apart FISH分析、サザンブロッティング、ウェスタンブロッティング、FACS分析、ノーザンブロッティング、およびPCR系増幅(例えばRT-PCRおよび定量的リアルタイムRT-PCR)が含まれ得る。当該技術分野で周知の通り、このアッセイは通常、例えば、少なくとも1種の標識核酸プローブまたは少なくとも1種の標識抗体またはその抗原結合断片を用いて実施される。
【0034】
「規制当局」という用語は、その国で医薬品の医療上の使用を承認するための国の機関である。例えば、規制当局の非限定的な例は、米国食品医薬局(FDA)である。
【0035】
「アミノ」という用語は、-NH2を指す。
【0036】
「アシル」という用語は、-C(O)CH3を指す。
【0037】
本明細書で用いられる「アルキル」という用語は、1、2、または3個の置換基で任意に置換されている、1~12個の炭素原子、1~8個の炭素原子、1~6個の炭素原子、または1~3個の炭素原子を有する直鎖および分枝鎖脂肪族基を指す。アルキル基の例には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、およびヘキシルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0038】
「ハロアルキル」という用語は、1個以上の水素がハロゲンにより置き換えられているアルキル鎖を指す。ハロアルキルの例は、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、およびフルオロメチルである。
【0039】
「ハロアルキルオキシ」という用語は、-O-ハロアルキルを指す。
【0040】
「アルキレン」基は、上記で定義のアルキル基で、2つの他の化学基の間に位置し、それらを連結するように機能するアルキル基である。アルキレン基の例には、メチレン、エチレン、プロピレン、およびブチレンが挙げられるが、これらに限定されない。
【0041】
「アルコキシ」という用語は、-OC1-C6アルキルを指す。
【0042】
本明細書で用いられる「シクロアルキル」という用語には、3~12個の炭素、例えば、3~8個の炭素、さらなる例として、3~6個の炭素を有する飽和および部分不飽和環状炭化水素基が含まれ、シクロアルキル基は、さらに任意に置換されている。シクロアルキル基の例には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、シクロヘプチル、およびシクロオクチルが挙げられるが、これらに限定されない。「シクロアルキル」という用語は、ビシクロ[1.1.1]ペンタニルなどの架橋シクロアルキルも含む。
【0043】
「ヘテロアルキル」という用語は、本明細書で定義されたアルキル基で、鎖中の1個以上の炭素原子がO、S、およびNからなる群から選択されるヘテロ原子により置き換えられているアルキル基を指す。
【0044】
本明細書で使用する場合、「ヒドロキシアルキル」という用語は、-アルキル-OHを指す。
【0045】
「ジヒドロキシアルキル」という用語は、本明細書で定義されたアルキル基で、2個の炭素原子が各々、ヒドロキシル基で置換されているアルキル基を指す。
【0046】
「アルキルアミニル」という用語は、-NRx-アルキルを指し、Rxは、水素である。一実施形態では、Rxは、水素である。
【0047】
「ジアルキルアミニル」という用語は、-N(Ry)2を指し、各Ryは、C1-C3アルキルである。
【0048】
「アルキルアミニルアルキル」という用語は、-アルキル-NRx-アルキルを指し、Rxは、水素である。一実施形態では、Rxは、水素である。
【0049】
「ジアルキルアミニルアルキル」という用語は、-アルキル-N(Ry)2を指し、各Ryは、C1-C4アルキルであり、-アルキル-N(Ry)2のアルキルは、ヒドロキシまたはヒドロキシアルキルで任意に置換されていてもよい。
【0050】
「アリール」基は、任意に置換されている1~3個の芳香環を含むC6-C14芳香族部分である。一実施形態では、アリール基は、C6-C10アリール基である。アリール基の例には、フェニル、ナフチル、アントラセニル、フルオレニル、およびジヒドロベンゾフラニルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0051】
「アラルキル」または「アリールアルキル」基は、アルキル基に共有結合したアリール基を含み、これらのいずれも、独立して、任意に置換されてもまたは非置換であってもよい。アラルキル基の一例は、ベンジル、フェネチル、およびナフチルメチルが含まれるが、これらに限定されない、(C1-C6)アルキル(C6-C10)アリールである。置換アラルキルの一例は、アルキル基がヒドロキシアルキルで置換されているものである。
【0052】
「ヘテロシクリル」または「ヘテロ環」基は、約3~12個の原子、例えば、4~8個の原子を有する環構造であり、1個以上の原子がN、O、およびSからなる群から選択され、環原子の残りは炭素である。ヘテロシクリルは、単環式、二環式、スピロ環または架橋環系であってよい。ヘテロ環基は、1つ以上の位置の炭素環または窒素環上で、R7で任意に置換されており、R7は、式IIについて定義されている通りである。ヘテロ環基はまた、独立して、環窒素原子上で、アルキル、アリール、アラルキル、アルキルカルボニル、アルキルスルホニル、アリールカルボニル、アリールスルホニル、アルコキシカルボニル、アラルコキシカルボニルで任意に置換されているか、または硫黄上で、オキソもしくは低級アルキルで任意に置換されている。ヘテロ環基の例には、エポキシ、アゼチジニル、アジリジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、ピロリジニル、ピロリジノニル、ピペリジニル、ピペラジニル、イミダゾリジニル、チアゾリジニル、ジチアニル、トリチアニル、ジオキソラニル、オキサゾリジニル、オキサゾリジノニル、デカヒドロキノリニル、ピペリドニル、4-ピペリジノニル、キヌクリジニル、チオモルホリニル、チオモルホリニル1,1-ジオキシド、モルホリニル、アゼパニル、オキサゼパニル、アザビシクロヘキサン、アザビシクロヘプタン、アザビシクロオクタン、アザビシクロノナン(例えば、オクタヒドロインドリジニル)、アザスピロヘプタン、ジヒドロ-1H,3H,5H-オキサゾロ[3,4-c]オキサゾリル、テトラヒドロ-1’H,3’H-スピロ[シクロプロパン-1,2’-ピロリジン]、ヘキサヒドロ-1H-ピロロ[2,1-c][1,4]オキサジン、オクタヒドロインドリジニル、オキサアザスピロノナン、ジアザスピロノナン、およびオキサアザバイオシクロヘプタンが挙げられるが、これらに限定されない。この用語の範囲から特に排除されるのは、隣接する環状Oおよび/またはS原子を有する化合物である。
【0053】
「ヘテロシクリルアルキル」という用語は、本明細書で定義されたアルキル基を介して分子の残りの部分に連結された本明細書で定義されたヘテロシクリル基を指し、ヘテロシクリルアルキルのアルキル部分は、ヒドロキシまたはヒドロキシアルキルで任意に置換されていてもよい。
【0054】
本明細書で使用する場合、「ヘテロアリール」という用語は、5~14個の環原子、好ましくは5、6、9、または10個の環原子を有し、環状アレイ中に共有された6個、10個、または14個のπ電子を有し、および炭素原子に加えて、N、O、およびSからなる群から選択される環当たり1~3個のヘテロ原子を有する基を指す。ヘテロアリール基の例には、アクリジニル、アゾシニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフラニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾオキサゾリル、ベンズチアゾリル、ベンズトリアゾリル、ベンズテトラゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾイソチアゾリル、ベンゾイミダゾリニル、カルバゾリル、4aH-カルバゾリル、カルボリニル、クロマニル、クロメニル、シンノリニル、6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-a]イミダゾール、フラニル、フラザニル、イミダゾリニル、イミダゾリル、1H-インダゾリル、インドレニル、インドリニル、インドリジニル、インドリル、3H-インドリル、イソベンゾフラニル、イソクロマニル、イソインダゾリル、イソインドリニル、イソインドリル、イソキノリニル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、メチレンジオキシフェニル、ナフチリジニル、オクタヒドロイソキノリニル、オキサジアゾリル、1,2,3-オキサジアゾリル、1,2,4-オキサジアゾリル、1,2,5-オキサジアゾリル、1,3,4-オキサジアゾリル、オキサゾリジニル、オキサゾリル、オキサゾリジニル、ピリミジニル、フェナントリジニル、フェナントロリニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサチイニル、フェノキサジニル、フタラジニル、ピペロニル、プテリジニル、プリニル、ピラニル、ピラジニル、ピラゾリジニル、ピラゾリニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリドオキサゾール、ピリドイミダゾール、ピリドチアゾール、ピリジニル、ピリジル、ピリミジニル、ピロリニル、2H-ピロリル、ピロリル、キナゾリニル、キノリニル、4H-キノリジニル、キノキサリニル、キヌクリジニル、テトラヒドロイソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、テトラゾリル、6H-1,2,5-チアジアジニル、1,2,3-チアジアゾリル、1,2,4-チアジアゾリル、1,2,5-チアジアゾリル、1,3,4-チアジアゾリル、チアントレニル、チアゾリル、チエニル、チエノチアゾリル、チエノオキサゾリル、チエノイミダゾリル、チオフェニル、トリアジニル、1,2,3-トリアゾリル、1,2,4-トリアゾリル、1,2,5-トリアゾリル、1,3,4-トリアゾリル、およびキサンテニルが挙げられる。
【0055】
「ヘテロアリールアルキル」基は、本明細書で定義されたアルキル基に共有結合したヘテロアリール基を含み、ラジカルはアルキル基上にあり、これらのどちらも、独立して、任意に置換されているか、または非置換である。ヘテロアリールアルキル基の例には、C1-C6アルキル基に結合した5、6、9、または10個の環原子を有するヘテロアリール基が含まれる。ヘテロアラルキル基の例には、ピリジルメチル、ピリジルエチル、ピロリルメチル、ピロリルエチル、イミダゾリルメチル、イミダゾリルエチル、チアゾリルメチル、チアゾリルエチル、ベンゾイミダゾリルメチル、ベンゾイミダゾリルエチル キナゾリニルメチル、キノリニルメチル、キノリニルエチル、ベンゾフラニルメチル、インドリニルエチル イソキノリニルメチル、イソイノジルメチル、シンノリニルメチル、およびベンゾチオフェニルエチルが挙げられる。この用語の範囲から特に排除されるのは、隣接する環状Oおよび/またはS原子を有する化合物である。
【0056】
本明細書で使用する場合、「有効量」の化合物は、KRas G12Cの活性を負に調節するかまたは阻害するのに十分な量である。このような量は、一回用量として投与され得るか、または投与計画に従って投与され得、それにより、この量は効果的である。
【0057】
本明細書で使用する場合、「治療有効量」の化合物は、症状を緩和する、または症状を何らかの方法で減らす、または病態(condition)の進行を停止するかもしくは食い止める、またはKRas G12Cの活性を負に調節するかもしくは阻害するのに十分な量である。このような量は、一回用量として投与され得るか、または投与計画に従って投与され得、それにより、この量は効果的である。
【0058】
本明細書で使用する場合、治療は、病態(condition)、障害、または疾患の症状または病態(pathology)を緩和するかあるいは有利に変化させる任意の様式を指す。治療はまた、本明細書の組成物の任意の薬学的使用を包含する。
【0059】
本明細書で使用する場合、特定の医薬組成物の投与による特定の障害の症状の緩和は、永久的であっても一時的であっても、持続性であっても一過性であっても、組成物の投与に起因し得るかまたはその投与に関連し得る、何らかの軽減を指す。
【0060】
化合物
本発明の一態様では、式(II)により表される化合物、
【化9】
またはその薬学的に許容される塩が提供され、
式中、
Xが、4~12員の飽和または部分飽和の単環式、架橋環またはスピロ環であり、飽和または部分飽和単環式環が、1個以上のR
8で任意に置換されており、
Yが、結合、O、S、またはNR
5であり、
R
1が、
【化10】
または
【化11】
であり、
R
2が、水素、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、ジヒドロキシアルキル、アルキルアミニルアルキル、ジアルキルアミニルアルキル、-Z-NR
5R
10、ヘテロシクリル、シクロアルキル、ヘテロシクリルアルキル、アリール、ヘテロアリール、またはヘテロアリールアルキルであり、Z、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、アリール、ヘテロアリール、およびヘテロアリールアルキルの各々が、1個以上のR
9で任意に置換されていてもよく、
各Zが、C1-C4アルキレンであり、
各R
3が、独立して、C1-C3アルキル、オキソ、ハロアルキル、ヒドロキシル、またはハロゲンであり、
Lが、結合、-C(O)-、またはC1-C3アルキレンであり、
R
4が、水素、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、アラルキル、またはヘテロアリールであり、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、アラルキル、およびヘテロアリールの各々が、1個以上のR
6、R
7、またはR
8で任意に置換されていてもよく、
各R
5が、独立して、水素またはC1-C3アルキルであり、
R
6が、シクロアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリールの各々が、1個以上のR
7で任意に置換されていてもよく、
各R
7が、独立して、ハロゲン、ヒドロキシル、C1-C6アルキル、シクロアルキル、アルコキシ、ハロアルキル、アミノ、シアノ、ヘテロアルキル、ヒドロキシアルキル、またはQ-ハロアルキルであり、式中、Qが、OまたはSであり、
R
8が、オキソ、C1-C3アルキル、C2-C4アルキニル、ヘテロアルキル、シアノ、-C(O)OR
5、-C(O)N(R
5)
2、-N(R
5)
2であり、C1-C3アルキルが、シアノ、ハロゲン、-OR
5、-N(R
5)
2、またはヘテロアリールで任意に置換されていてもよく、
各R
9は、独立して、水素、オキソ、アシル、ヒドロキシル、ヒドロキシアルキル、シアノ、ハロゲン、C1-C6アルキル、アラルキル、ハロアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、アルコキシ、ジアルキルアミニル、ジアルキルアミドアルキル、またはジアルキルアミニルアルキルであり、C1-C6アルキルは、シクロアルキルまたはシアノで任意に置換されていてもよく、
各R
10が、独立して、水素、アシル、C1-C3アルキル、ハロアルキル、ヘテロアルキル、またはヒドロキシアルキルであり、
R
11が、ハロアルキルであり、
R
Aが、不在、水素、重水素、シアノ、ハロゲン、C1-C3アルキル、ハロアルキル、ヘテロアルキル、-C(O)N(R
5)
2、またはヒドロキシアルキルであり、
各R
Bが、独立して、水素、重水素、シアノ、C1-C3アルキル、ヒドロキシアルキル、ヘテロアルキル、C1-C3アルコキシ、ハロゲン、ハロアルキル、-ZNR
5R
11、-C(O)N(R
5)
2、-NHC(O)C1-C3アルキル、-CH
2NHC(O)C1-C3アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ジアルキルアミニルアルキル、またはヘテロシクリルアルキルであり、ヘテロシクリル部分が、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシ、およびC1-C3アルキルから独立して選択される1個以上の置換基で置換されており、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキルのヘテロアリール部分が、1個以上のR
7で任意に置換されており、
あるいは
【化12】
が二重結合であり、pが2である場合、1個のR
Bは水素であり、R
Aおよび1個のR
Bならびにそれらが結合している炭素原子が、オキソで置換されている4~8員部分飽和シクロアルキルを形成し、
mが、ゼロであるか、または1~2の整数であり、
pが、1または2であり、
【化13】
が三重結合である場合、R
Aは存在せず、pは1であり、R
Bはヒドロキシアルキルであるか、
あるいは
【化14】
が二重結合である場合、R
Aは存在し、R
Bは存在し、pは2であり、R
Aが水素またはC1-C3アルキルである場合、少なくとも1個のR
Bは、重水素、シアノ、ハロゲン、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、-ZNR
5R
11、-C(O)N(R
5)
2、-NHC(O)C1-C3アルキル、-CH
2NHC(O)C1-C3アルキル、もしくはヘテロシクリルアルキルであり、ヘテロシクリル部分は、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシ、またはC1-C3アルキルから独立して選択される1個以上の置換基で置換されており、または各R
Bが水素である場合、R
Aは、重水素、シアノ、ハロゲン、ハロアルキル、-C(O)N(R
5)
2、ヒドロキシアルキル、もしくはヘテロアルキルである。
【0061】
ある特定の実施形態では、R
1-Xは以下であり、
【化15】
式中、R
1は、式(II)について定義されており、ピペラジニル環は、R
8で任意に置換されており、R
8は、式(II)について定義された通りである。ある特定の実施形態では、R
8はC1-C3アルキルであり、アルキルは、シアノもしくはOR
5、または-C(O)N(R
5)
2で任意に置換されており、各R
5は独立して、水素またはC1-C3アルキルである。
【0062】
特定の実施形態では、R
1は、
【化16】
であり、R
A、R
B、およびpは、式(II)について定義された通りである。一実施形態では、R
1は
【化17】
であり、
【化18】
は三重結合であり、R
Aは存在せず、pは1であり、R
Bはヒドロキシアルキルである。
【0063】
一実施形態では、R
1は
【化19】
であり、
【化20】
は二重結合であり、R
Aは水素またはC1-C3アルキルであり、pは2であり、少なくとも1個のR
Bは、重水素、シアノ、C1-C3アルキル、ヒドロキシアルキル、ヘテロアルキル、C1-C3アルコキシ、ハロゲン、ハロアルキル、-ZNR
5R
11、-C(O)N(R
5)
2、-NHC(O)C1-C3アルキル、-CH
2NHC(O)C1-C3アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ジアルキルアミニルアルキル、またはヘテロシクリルアルキルであり、ヘテロシクリル部分は、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシ、およびC1-C3アルキルから独立して選択される1個以上の置換基で置換されており、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキルのヘテロアリール部分は、1個以上のR
7で任意に置換されている。一実施形態では、
【化21】
が二重結合である場合、二重結合はE配置である。一実施形態では、二重結合は、Z配置である。
【0064】
ある特定の実施形態では、一方のRBは、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシまたはC1-C3アルキルから独立して選択される1個以上の置換基で置換されているヘテロシクリルアルキルであり、他方のRBは水素である。一実施形態では、ヘテロシクリルアルキルのヘテロシクリル部分は、ハロゲンで置換されているアゼチジニルである。ある特定の実施形態では、ハロゲンは、フッ素である。一実施形態では、ヘテロシクリルアルキルのヘテロシクリル部分は、1個以上のハロゲンで置換されているピロリジニルである。ある特定の実施形態では、ハロゲン置換ピロリジニルは、フルオロピロリジニルまたはジフルオロピロリジニルである。
【0065】
ある特定の実施形態では、一方のRBはハロゲンであり、他方のRBは水素である。一実施形態では、ハロゲンは、塩素である。
【0066】
ある特定の実施形態では、一方のRBはハロアルキルであり、他方のRBは水素である。一実施形態では、ハロアルキルは、クロロメチル、フルオロメチル、ジフルオロメチルまたはトリフルオロメチルである。
【0067】
ある特定の実施形態では、一方のRBはヘテロアルキルであり、他方のRBは水素である。一実施形態では、ヘテロアルキルは、メトキシメチルである。
【0068】
ある特定の実施形態では、一方のRBは-ZNR5R11であり、Zはメチレンであり、R5はメチルであり、R11はトリフルオロメチルまたは2,2,2-トリフルオロエチルであり、他方のRBは水素である。
【0069】
ある特定の実施形態では、一方のRBはヒドロキシアルキルであり、他方のRBは水素である。
【0070】
ある特定の実施形態では、一方のRBは1個以上のR7で任意に置換されているヘテロアリールであり、他方のRBは水素である。一実施形態では、ヘテロアリールは、それぞれ1個以上のR7で置換されているピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニルまたはトリアジニルである。
【0071】
ある特定の実施形態では、一方のRBは1個以上のR7で任意に置換されているヘテロアリールアルキルであり、他方のRBは水素である。一実施形態では、ヘテロアリールアルキルのヘテロアリール部分は、それぞれ1個以上のR7で任意に置換されている、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニルまたはトリアジニルである。一実施形態では、1個以上のR7は、C1-C3アルキルである。
【0072】
ある特定の実施形態では、一方のRBは-C(O)N(R5)2であり、他方のRBは水素である。一実施形態では、各R5は、水素である。一実施形態では、各R5は、C1-C3アルキルである。
【0073】
ある特定の実施形態では、一方のRBは-NHC(O)C1-C3アルキルまたは-CH2NHC(O)C1-C3アルキルであり、他方のRBは水素である。一実施形態では、C1-C3アルキルは、メチルである。
【0074】
一実施形態では、R1は-C(O)C(RA)=C(RB)pであり、RAは、重水素、シアノ、ハロゲン、C1-C3アルキル、ハロアルキル、ヘテロアルキル、-C(O)N(R5)2またはヒドロキシアルキルであり、pは2であり、各RBは水素である。一実施形態では、RAは、ハロゲンである。一実施形態では、ハロゲンは、フッ素または塩素である。一実施形態では、RAは、ハロアルキルである。一実施形態では、ハロアルキルは、トリフルオロメチルである。一実施形態では、RAは、シアノである。一実施形態では、RAは、ヘテロアルキルである。一実施形態では、ヘテロアルキルは、メトキシである。一実施形態では、RAは、ヒドロキシアルキルである。
【0075】
一実施形態では、R
1は
【化22】
であり、
【化23】
は二重結合であり、R
Aは重水素であり、pは2であり、少なくとも1個のR
Bは重水素である。
【0076】
一実施形態では、R
1は
【化24】
であり、
【化25】
は二重結合であり、pは2であり、1個のR
Bは水素であり、R
Aおよび1個のR
Bならびにそれらが結合している炭素原子はオキソで置換されている5~8員部分飽和シクロアルキルを形成する。
【0077】
一実施形態では、R
1は
【化26】
であり、
【化27】
は二重結合であり、pは2であり、1個のR
Bは水素であり、第2のR
Bはジアルキルアミニルアルキルであり、R
Aはハロゲンである。
【0078】
一実施形態では、YはOまたはNR5であり、R2は1個以上のR9で任意に置換されているヘテロシクリルまたはヘテロシクリルアルキルである。R2がヘテロシクリルまたはヘテロシクリルアルキルである場合の、1個以上のR9の非限定的な例には、C1-C3アルキル、アシル、オキソ、シアノ、アルコキシ、シクロアルキル、シクロアルキルメチル、ハロゲン、およびヒドロキシルが挙げられる。1個以上のR9で任意に置換されているR2ヘテロシクリルの非限定的な例には、アゼチジニル、C1-C3アルキル置換アゼチジニル(例えば、メチルアゼチジニル)、ハロ置換アゼチジニル(例えば、ジフルオロアゼチジニル)、テトラヒドロピラン、ピロリジニル、C1-C3アルキル置換ピロリジニル(例えば、メチルピロリジニル、ジメチルピロリジニル、およびイソプロピルピロリジニル)、シクロアルキルアルキルピロリジニル、ヒドロキシピロリンジニル、ハロ置換ピロリジニル(例えば、フルオロピロリジニルおよびジフルオロピロリジニル)、ハロ置換N-メチルピロリジニル(例えば、N-メチルフルオロピロリジニルおよびN-メチルジフルオロピロリジニル)、メトキシエチルピロリジニル、アルコキシ置換N-メチルピロリジニル(例えば、(N-メチル)メトキシピロリジニル)、ピペラジニル、ジメチルアミニルピロリジニル、モルホリニル、メチルモルホリニル、1,4-オキサゼパニル、ピペリジニル、C1-C3アルキル置換ピペリジニル(例えば、メチルピペリジニル)、アシルピペリジニル、シアノピペリジニル、シクロアルキルピペリジニル、ハロピペリジニル(例えば、フルオロピペリジニル)、ジハロピペリジニル(例えば、ジフルオロピペリジニル)、アルコキシピペリジニル、ピロリドニル、ピペリドニル、チオモルホリニル-1,1-ジオキシド、3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサニル、オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-5-イル、およびアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イルが挙げられる。
【0079】
一実施形態では、ヘテロシクリルアルキルのヘテロシクリル部分は、N-メチルピロリジニルである。一実施形態では、ヘテロシクリルアルキルのヘテロシクリル部分は、3,3-ジフルオロ-1-メチルピロリジニルである。
【0080】
ある特定の他の実施形態では、R4は、アリールである。一実施形態では、R4は、フェニルおよびナフチルからなる群から選択され、1個以上のR6またはR7で任意に置換されている。R7置換基の例には、ハロゲン、ヒドロキシル、C1-C6アルキル(例えば、C1-C3アルキル)、シクロアルキル、ハロアルキル、Q-ハロアルキル、アミノ、シアノ、ヒドロキシアルキルおよびアルコキシが挙げられる。一実施形態では、アリールは、ハロゲン、ヒドロキシル、C1-C3アルキル、ハロアルキル、Q-ハロアルキル、およびアルコキシから独立して選択される1個以上のR7基で置換されているフェニルである。一実施形態では、アリールは、ハロゲン、ハロアルキル、メチル、イソプロピル、メトキシ、Q-ハロアルキル、およびヒドロキシルから独立して選択される1個以上のR7基で置換されているフェニルである。一実施形態では、アリールは、メチル、トリフルオロメチル、ヒドロキシル、フルオロおよびクロロから独立して選択される1個以上のR7基で置換されているフェニルである。一実施形態では、アリールは、メチル、ヒドロキシル、トリフルオロメチル、フッ素および塩素から独立して選択される1~3個のR7基で置換されているフェニルである。一実施形態では、アリールは、ヒドロキシルおよびC1-C3アルキルまたは2個のC1-C3アルキルで置換されているフェニルである。一実施形態では、アリールは、トリフルオロメチルおよびC1-C3アルキル、または2個のC1-C3アルキルで置換されているフェニルである。
【0081】
一実施形態では、R4はアリールであり、アリールは1個以上のR7で任意に置換されているナフチルである。一実施形態では、アリールは、ハロゲン、ヒドロキシル、C1-C3アルキル、ハロアルキル、Q-ハロアルキル、およびアルコキシから独立して選択される1個以上のR7基で置換されているナフチルである。一実施形態では、アリールは、ハロゲン、ハロアルキル、メチル、イソプロピル、メトキシ、Q-ハロアルキル、およびヒドロキシルから独立して選択される1個以上のR7基で置換されているナフチルである。一実施形態では、R4は、ヒドロキシル、ハロゲン、C1-C3アルキル、アミノ、およびハロアルキルから独立して選択される1個以上のR7置換基で任意に置換されているナフチルである。一実施形態では、R4は、ジフルオロメチル、メチル、ヒドロキシル、アミノ、フルオロ、およびクロロから独立して選択される1~3個のR7置換基で任意に置換されているナフチルである。一実施形態では、置換されているナフチルは、8-クロロナフチルまたは8-メチルナフチルである。
【0082】
一実施形態では、アリールは1個以上のハロゲンで任意に置換されているナフチルである。一実施形態では、アリールは、ヒドロキシルおよびトリフルオロメチルまたはC1-C3アルキルで置換されているナフチルである。一実施形態では、アリールは、ヒドロキシルで置換されているナフチルである。
【0083】
一実施形態では、R4は、1個以上のR6、R7またはR8で任意に置換されているヘテロアリールである。一実施形態では、R4は、ハロゲン、ヒドロキシル、C1-C3アルキル、ハロアルキル、Q-ハロアルキル、アルコキシ、およびアミノから独立して選択される1個以上のR7またはR8で任意に置換されているヘテロアリールである。一実施形態では、R4は、1個以上のR6、R7、またはR8で任意に置換されているインドイル、インダゾリル、キノリニル、イソキノリニル、ピリジニル、またはベンゾ[d]チアゾリルである。一実施形態では、R4は、オキソ、ハロゲン、ヒドロキシル、C1-C3アルキル、ハロアルキル、Q-ハロアルキル、アルコキシ、およびアミノから独立して選択される1個以上のR7またはR8で任意に置換されているインドイル、インダゾリル、キノリニル、イソキノリニル、ピリジニル、またはベンゾ[d]チアゾリルである。
【0084】
さらなる他の実施形態では、R4はヘテロアリール、任意にインドイルまたはインダゾリルであり、これらのそれぞれは、1個以上のR6、R7またはR8で置換されていてもよい。一実施形態では、R4は、ハロゲン、ヒドロキシル、C1-C3アルキル、ハロアルキル、Q-ハロアルキル、およびアルコキシからなる群より独立して選択される1個以上のR7またはR8置換基で任意に置換されているヘテロアリールである。一実施形態では、R4ヘテロアリールは、オキソ、トリフルオロメチル、アルコキシ、ハロアルキル、およびC1-C6アルキルから独立して選択される1個または2個のR7またはR8で任意に置換されているインダゾリルである。他の実施形態では、R4ヘテロアリールは、キノリニルまたはイソキノリニルであり、それぞれは1個以上のR7で任意に置換されている。一実施形態では、R4ヘテロアリールは、キノリニルまたはイソキノリニルであり、それぞれは、アミノ、ヒドロキシル、C1-C3アルキル、およびヒドロキシルから独立して選択される1個以上のR7で任意に置換されている。一実施形態では、R4ヘテロアリールは、キノリニルまたはイソキノリニルであり、それぞれは、ヒドロキシルおよびアミノから選択されるR7で任意に置換されている。一実施形態では、R4ヘテロアリールは、1個以上のR6、R7またはR8で任意に置換されているピリジニルである。一実施形態では、R4ヘテロアリールは、C1-C3アルキル、ハロゲンおよびハロアルキルから独立して選択される1個以上のR7で任意に置換されているピリジニルである。一実施形態では、R4ヘテロアリールは、1個以上のR6、R7またはR8で任意に置換されているインドリルである。一実施形態では、R4ヘテロアリールは、ヒドロキシル、トリフルオロメチルおよびC1-C3アルキルから独立して選択される1個または2個のR7で任意に置換されているインドリルである。
【0085】
一実施形態では、Lは結合である。
【0086】
一実施形態では、mは、ゼロである。
【0087】
一実施形態では、R8は、ヘテロアルキル、C2-C4アルキニル、または-OR5、シアノ、もしくはヘテロアリールで任意に置換されているC1-C3アルキルである。一実施形態では、R8は、メチル、シアノメチル、メトキシメチル、ヒドロキシメチルである。一実施形態では、R8はメチルである。一実施形態では、R8はシアノメチルである。一実施形態では、R8はヒドロキシメチルである。
【0088】
一実施形態では、式(II)は、式II-Aを有する化合物を含み、
【化28】
式中、R
1、R
3、R
4、R
5、R
10、L、およびmは、式(II)について定義された通りであり、R
11は、水素、メチル、またはヒドロキシアルキルであり、ピペラジニル環は、R
8で任意に置換されており、R
8は、式(II)について定義された通りである。
【0089】
特定の実施形態では、R
1は、
【化29】
であり、R
A、R
B、およびpは、式(II)について定義された通りである。一実施形態では、R
1は
【化30】
であり、
【化31】
は三重結合であり、R
Aは存在せず、pは1であり、R
Bはヒドロキシアルキルである。
【0090】
一実施形態では、R
1は
【化32】
であり、
【化33】
は二重結合であり、R
Aは水素またはC1-C3アルキルであり、pは2であり、少なくとも1個のR
Bは、重水素、シアノ、C1-C3アルキル、ヒドロキシアルキル、ヘテロアルキル、C1-C3アルコキシ、ハロゲン、ハロアルキル、-ZNR
5R
11、-C(O)N(R
5)
2、-NHC(O)C1-C3アルキル、-CH
2NHC(O)C1-C3アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、またはヘテロシクリルアルキルであり、ヘテロシクリル部分は、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシ、およびC1-C3アルキルから独立して選択される1個以上の置換基で置換されており、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキルのヘテロアリール部分は、1個以上のR
7で任意に置換されている。
【0091】
一実施形態では、R1は-C(O)C(RA)=C(RB)pであり、RAは、重水素、シアノ、ハロゲン、ハロアルキル、ヘテロアルキル、-C(O)N(R5)2またはヒドロキシアルキルであり、pは2であり、各RBは水素である。一実施形態では、RAは、ハロゲンである。一実施形態では、ハロゲンは、フッ素または塩素である。一実施形態では、RAは、ハロアルキルである。一実施形態では、ハロアルキルは、トリフルオロメチルである。一実施形態では、RAは、シアノである。一実施形態では、RAは、ヘテロアルキルである。一実施形態では、ヘテロアルキルは、メトキシメチルである。一実施形態では、RAは、ヒドロキシアルキルである。
【0092】
一実施形態では、R
1は
【化34】
であり、
【化35】
は二重結合であり、R
Aは重水素であり、pは2であり、少なくとも1個のR
Bは重水素である。
【0093】
一実施形態では、R
1は
【化36】
であり、
【化37】
は二重結合であり、pは2であり、1個のR
Bは水素であり、R
Aおよび1個のR
Bならびにそれらが結合している炭素原子はオキソで置換されている5~8員部分飽和シクロアルキルを形成する。
【0094】
一実施形態では、R
1は
【化38】
であり、
【化39】
は二重結合であり、pは2であり、1個のR
Bは水素であり、第2のR
Bはジアルキルアミニルアルキルであり、R
Aはハロゲンである。
【0095】
一実施形態では、Lは結合である。一実施形態では、R4はアリールまたはヘテロアリールであり、これらのそれぞれは、1個以上のR6、R7またはR8で任意に置換されている。一実施形態では、R4はアリールまたはヘテロアリールであり、これらのそれぞれは、1個以上のR7で任意に置換されている。一実施形態では、各R7またはR8は、オキソ、ヒドロキシル、アミノ、ハロゲン、C1-C3アルキル、ハロアルキル、Q-ハロアルキル、シクロアルキルおよびアルコキシから独立して選択される。一実施形態では、R5およびR10はそれぞれC1-C3アルキルである。一実施形態では、アリールは、ハロゲン、ヒドロキシル、C1-C3アルキル、ハロアルキル、Q-ハロアルキル、およびアルコキシから独立して選択される1個以上のR7基で置換されているフェニルである。一実施形態では、アリールは、ハロゲン、ハロアルキル、メチル、イソプロピル、メトキシ、Q-ハロアルキル、およびヒドロキシルから独立して選択される1個以上のR7基で置換されているフェニルである。一実施形態では、アリールは、メチル、トリフルオロメチル、2,2,2-トリフルオロエチル、ヒドロキシル、トリフルオロメトキシ、ヒドロキシル、フルオロ、クロロ、イソプロピル、シクロプロピルおよびトリフルオロメチルチオから独立して選択される1個以上のR7基で置換されているフェニルである。一実施形態では、アリールは、ヒドロキシル、フッ素および塩素から独立して選択される1~3個のR7基で置換されているフェニルである。一実施形態では、アリールは、ヒドロキシルおよびC1-C3アルキルまたは2個のC1-C3アルキルで置換されているフェニルである。一実施形態では、アリールは、Q-ハロアルキルおよびヒドロキシルまたはフッ素で置換されているフェニルである。一実施形態では、アリールは、ハロゲン、ヒドロキシル、C1-C3アルキル、ハロアルキル、Q-ハロアルキル、およびアルコキシから独立して選択される1個以上のR7基で置換されているナフチルである。一実施形態では、アリールは、ハロゲン、ハロアルキル、メチル、イソプロピル、メトキシ、Q-ハロアルキル、およびヒドロキシルから独立して選択される1個以上のR7基で置換されているナフチルである。一実施形態では、R4は、ヒドロキシル、ハロゲン、C1-C3アルキル、アミノ、およびハロアルキルから独立して選択される1個以上のR7置換基で任意に置換されているナフチルである。一実施形態では、R4は、ジフルオロメチル、メチル、ヒドロキシル、アミノ、フルオロ、およびクロロから独立して選択される1~3個のR7またはR8置換基で任意に置換されているナフチルである。一実施形態では、アリールは1個以上のハロゲンで任意に置換されているナフチルである。一実施形態では、アリールは、ヒドロキシルおよびトリフルオロメチルまたはC1-C3アルキルで置換されているナフチルである。一実施形態では、アリールは、ヒドロキシルで置換されているナフチルである。一実施形態では、R4はヘテロアリールであり、ヘテロアリールは、オキソ、アルコキシ、ハロアルキル、およびC1-C6アルキルから独立して選択される1個または2個のR7またはR8で任意に置換されているインダゾリルである。一実施形態では、R4はヘテロアリールであり、ヘテロアリールは、それぞれ1個以上のR7で任意に置換されているキノリニルまたはイソキノリニルである。一実施形態では、R4はヘテロアリールであり、ヘテロアリールは、それぞれアミノ、ヒドロキシル、C1-C3アルキル、およびヒドロキシルから独立して選択される1個以上のR7で任意に置換されているキノリニルまたはイソキノリニルである。一実施形態では、R4ヘテロアリールは、1個以上のR6、R7またはR8で任意に置換されているピリジニルである。一実施形態では、R4ヘテロアリールは、C1-C3アルキル、ハロゲンおよびハロアルキルから独立して選択される1個以上のR7で任意に置換されているピリジニルである。一実施形態では、R4ヘテロアリールは、1個以上のR7で任意に置換されているインドリルである。一実施形態では、R4ヘテロアリールは、ヒドロキシルおよびC1-C3アルキルから独立して選択される1個または2個のR7で任意に置換されているインドリルである。一実施形態では、R11はメチルである。一実施形態では、ピペラジニル環は非置換である。一実施形態では、ピペラジニル環はR8で置換されている。一実施形態では、R8は、シアノまたはヒドロキシルで任意に置換されているC1-C3アルキルである。一実施形態では、R8はメチル、シアノメチルまたはヒドロキシメチルである。一実施形態では、R8はメチルである。一実施形態では、R8はシアノメチルである。一実施形態では、R8はヒドロキシメチルである。別の実施形態では、R5およびR10は、それぞれC1-C3アルキルであり、R11はメチルであり、R8はメチル、シアノメチルまたはヒドロキシメチルであり、Lは結合であり、R4は、それぞれ1個以上のR6またはR7で任意に置換されているアリールまたはヘテロアリールである。
【0096】
一実施形態では、式(II)は、式II-Bを有する化合物を含み、
【化40】
式中、R
1、R
3、R
4、L、およびmは、式(II)について定義された通りであり、R
2は、1個以上のR
9で任意に置換されているヘテロシクリルアルキルであり、R
9は、式(II)について定義された通りであり、ピペラジニル環は、R
8で任意に置換されており、R
8は、式(II)について定義された通りである。
【0097】
特定の実施形態では、R
1は
【化41】
であり、R
A、R
B、およびpは、式(II)について定義された通りである。一実施形態では、R
1は
【化42】
であり、
【化43】
は三重結合であり、R
Aは存在せず、pは1であり、R
Bはヒドロキシアルキルである。
【0098】
一実施形態では、R
1は
【化44】
であり、
【化45】
は二重結合であり、R
Aは水素またはC1-C3アルキルであり、pは2であり、少なくとも1個のR
Bは、重水素、シアノ、C1-C3アルキル、ヒドロキシアルキル、ヘテロアルキル、C1-C3アルコキシ、ハロゲン、ハロアルキル、-ZNR
5R
11、-C(O)N(R
5)
2、-NHC(O)C1-C3アルキル、-CH
2NHC(O)C1-C3アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、またはヘテロシクリルアルキルであり、ヘテロシクリル部分は、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシ、およびC1-C3アルキルから独立して選択される1個以上の置換基で置換されており、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキルのヘテロアリール部分は、1個以上のR
7で任意に置換されている。
【0099】
一実施形態では、R1は-C(O)C(RA)=C(RB)pであり、RAは、重水素、シアノ、ハロゲン、ハロアルキル、ヘテロアルキル、-C(O)N(R5)2またはヒドロキシアルキルであり、pは2であり、各RBは水素である。一実施形態では、RAは、ハロゲンである。一実施形態では、ハロゲンは、フッ素または塩素である。一実施形態では、RAは、ハロアルキルである。一実施形態では、ハロアルキルは、トリフルオロメチルである。一実施形態では、RAは、シアノである。一実施形態では、RAは、ヘテロアルキルである。一実施形態では、ヘテロアルキルは、メトキシメチルである。一実施形態では、RAは、ヒドロキシアルキルである。
【0100】
一実施形態では、R
1は
【化46】
であり、
【化47】
は二重結合であり、R
Aは重水素であり、pは2であり、少なくとも1個のR
Bは重水素である。
【0101】
一実施形態では、R
1は
【化48】
であり、
【化49】
は二重結合であり、pは2であり、1個のR
Bは水素であり、R
Aおよび1個のR
Bならびにそれらが結合している炭素原子はオキソで置換されている5~8員部分飽和シクロアルキルを形成する。
【0102】
一実施形態では、R
1は
【化50】
であり、
【化51】
は二重結合であり、pは2であり、1個のR
Bは水素であり、第2のR
Bはジアルキルアミニルアルキルであり、R
Aはハロゲンである。
【0103】
一実施形態では、R2ヘテロシクリルアルキルのヘテロシクリル部分は、NおよびOから独立して選択される1個または2個の環ヘテロ原子を有する単環式、二環式、または架橋環系である。一実施形態では、R2ヘテロシクリルは、アゼチジニル、メチルアゼチジニル、ジフルオロアゼチジニル、テトラヒドロピラン、ピロリジニル、メチルピロリジニル、ジメチルピロリジニル、イソプロピルピロリジニル、シクロアルキルアルキルピロリジニル、ヒドロキシピロリンジニル、フルオロピロリジニル、ジフルオロピロリジニル、(N-メチル)フルオロピロリジニル、(N-メチル)ジフルオロピロリジニル、メトキシエチルピロリジニル、アルコキシ置換N-メチルピロリジニル(例えば、(N-メチル)メトキシピロリジニル)、ピペラジニル、ジメチルアミニルピロリジニル、モルホリニル、メチルモルホリニル、1,4-オキサゼパニル、ピペリジニル、メチルピペリジニルアシルピペリジニル、シアノピペリジニル、シクロアルキルピペリジニル、ハロピペリジニル、ジハロピペリジニル、フルオロピペリジニル、ジフルオロピペリジニル、アルコキシピペリジニル、ピロリドニル、ピペリジノニル、チオモルホリニル-1,1-ジオキシド、3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサニル、オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-5-イル、またはアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イルであり、任意に1個以上のR9で置換される。一実施形態では、各R9は、アシル、オキソ、ハロゲン、シアノ、C1-C3アルキル、アルコキシ、ヒドロキシアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アラルキルおよびジアルキルアミドアルキルから選択される。一実施形態では、Lは結合である。一実施形態では、R2ヘテロシクリルアルキルのヘテロシクリル部分は、3,3-ジフルオロ-1-メチルピロリジニルを含む(N-メチル)ジフルオロピロリジニルである。一実施形態では、R2ヘテロシクリルアルキルのヘテロシクリル部分は、N-メチルピロリジニルである。
【0104】
式II-Bの一実施形態では、R2は、1個以上のR9置換基で任意に置換されている二環式ヘテロシクリルである。式II-Bの一実施形態では、R2は、橋頭窒素原子を有し、1個以上のR9置換基で任意に置換されている二環式ヘテロシクリルである。一実施形態では、R2は、橋頭窒素原子を有し、ハロゲン、C1-C6アルキル、ハロアルキル、ヘテロアルキル、ヒドロキシアルキルおよびオキソから独立して選択される1個以上のR9置換基で任意に置換されている二環式ヘテロシクリルである。式II-Bの一実施形態では、R2は、ヘキサヒドロ-1H-ピロリジニルおよびオクタヒドロインドリジニルから選択される二環式ヘテロシクリルであり、これらは各々、ハロゲン、C1-C6アルキル、ハロアルキル、ヘテロアルキル、ヒドロキシアルキルおよびオキソから独立して選択される1個以上のR9置換基で任意に置換されている。
【0105】
式II-Bの一実施形態では、R1は-C(O)C(RA)=C(RB)pであり、RAはハロゲンであり、一方のRBは水素であり、他方のRBは水素、ハロアルキルまたはヘテロアルキルであり、ピペラジニル環は1個のR8で置換され、R8はシアノで置換されるC1-C3アルキルであり、Lは結合であり、R4は、ハロゲン、C1-C6アルキルおよびハロアルキルから独立して選択される1個以上のR9置換基で任意に置換されているアリールであり、R2は橋頭窒素原子を有し、ハロゲン、C1-C6アルキル、ハロアルキル、ヘテロアルキル、ヒドロキシアルキルおよびオキソから独立して選択される1個以上のR9置換基で任意に置換されている二環式ヘテロシクリルであり、mは0である。
【0106】
一実施形態では、R4はアリールまたはヘテロアリールであり、これらのそれぞれは、1個以上のR6、R7またはR8で任意に置換されている。一実施形態では、R4はアリールまたはヘテロアリールであり、これらのそれぞれは、1個以上のR7で任意に置換されている。一実施形態では、各R7は、ヒドロキシル、アミノ、ハロゲン、C1-C3アルキル、ハロアルキル、Q-ハロアルキル、シクロアルキルおよびアルコキシから独立して選択される。一実施形態では、アリールは、ハロゲン、ヒドロキシル、C1-C3アルキル、ハロアルキル、Q-ハロアルキル、およびアルコキシから独立して選択される1個以上のR7基で置換されているフェニルである。一実施形態では、アリールは、ハロゲン、ハロアルキル、メチル、イソプロピル、メトキシ、Q-ハロアルキル、およびヒドロキシルから独立して選択される1個以上のR7基で置換されているフェニルである。一実施形態では、アリールは、メチル、トリフルオロメチル、2,2,2-トリフルオロエチル、ヒドロキシル、トリフルオロメトキシ、ヒドロキシル、フルオロ、クロロ、イソプロピル、シクロプロピルおよびトリフルオロメチルチオから独立して選択される1個以上のR7基で置換されているフェニルである。一実施形態では、アリールは、ヒドロキシル、フッ素および塩素から独立して選択される1~3個のR7基で置換されているフェニルである。一実施形態では、アリールは、ヒドロキシルおよびC1-C3アルキルまたは2個のC1-C3アルキルで置換されているフェニルである。一実施形態では、アリールは、Q-ハロアルキルおよびヒドロキシルまたはフッ素で置換されているフェニルである。一実施形態では、アリールは、ハロゲン、ヒドロキシル、C1-C3アルキル、ハロアルキル、Q-ハロアルキル、およびアルコキシから独立して選択される1個以上のR7基で置換されているナフチルである。一実施形態では、アリールは、ハロゲン、ハロアルキル、メチル、イソプロピル、メトキシ、Q-ハロアルキル、およびヒドロキシルから独立して選択される1個以上のR7基で置換されているナフチルである。一実施形態では、R4は、ヒドロキシル、ハロゲン、C1-C3アルキル、アミノ、およびハロアルキルから独立して選択される1個以上のR7置換基で任意に置換されているナフチルである。一実施形態では、R4は、ジフルオロメチル、メチル、ヒドロキシル、アミノ、フルオロ、およびクロロから独立して選択される1~3個のR7置換基で任意に置換されているナフチルである。一実施形態では、アリールは1個以上のハロゲンで任意に置換されているナフチルである。一実施形態では、アリールは、ヒドロキシルおよびトリフルオロメチルまたはC1-C3アルキルで置換されているナフチルである。一実施形態では、アリールは、ヒドロキシルで置換されているナフチルである。一実施形態では、R4はヘテロアリールであり、ヘテロアリールは、アルコキシ、ハロアルキル、およびC1-C6アルキルから独立して選択される1個または2個のR7で任意に置換されているインダゾリルである。
【0107】
一実施形態では、R4はヘテロアリールであり、ヘテロアリールは、それぞれ1個以上のR6、R7またはR8で任意に置換されているキノリニルまたはイソキノリニルである。一実施形態では、R4はヘテロアリールであり、ヘテロアリールは、それぞれオキソ、アミノ、ヒドロキシル、C1-C3アルキル、およびヒドロキシルから独立して選択される1個以上のR6、R7またはR8で任意に置換されているキノリニルまたはイソキノリニルである。一実施形態では、R4ヘテロアリールは、1個以上のR6、R7またはR8で任意に置換されているピリジニルである。一実施形態では、R4ヘテロアリールは、C1-C3アルキル、ハロゲン、およびハロアルキルから独立して選択される1個以上のR7で任意に置換されているピリジニルである。一実施形態では、R4ヘテロアリールは、1個以上のR6、R7またはR8で任意に置換されているインドリルである。一実施形態では、R4ヘテロアリールは、ヒドロキシルおよびC1-C3アルキルから独立して選択される1個または2個のR7で任意に置換されているインドリルである。一実施形態では、R11はメチルである。一実施形態では、ピペラジニル環は非置換である。一実施形態では、式II-Bのピペラジニル環は、R8で置換されている。一実施形態では、R8は、シアノ、ヒドロキシルまたはメトキシで任意に置換されているC1-C3アルキルである。一実施形態では、R8はメチル、シアノメチル、ヒドロキシメチルまたはメトキシメチルである。
【0108】
式(II)、式II-A、および式II-Bの化合物の非限定的な例は、以下からなる群から選択される。
【化52-1】
【化52-2】
【化52-3】
【化52-4】
【化52-5】
【化52-6】
【化52-7】
【0109】
式(II)、式II-A、および式II-Bの化合物の追加の非限定的な例は、以下からなる群から選択される。
【化53-1】
【化53-2】
【化53-3】
【化53-4】
【化53-5】
【化53-6】
【化53-7】
【0110】
一実施形態では、式(II)の化合物には、上記化合物のトリフルオロ酢酸塩が含まれる。式(II)、式II-A、および式II-Bの化合物は、医薬組成物に製剤化され得る。
【0111】
医薬組成物
別の実施形態では、本発明は、本発明によるKRas G12C阻害剤および薬学的に許容される担体、賦形剤、または希釈剤を含む医薬組成物を提供する。本発明の化合物は、当該技術分野において周知の任意の方法により製剤化され得、非経口、経口、舌下、経皮、局所、鼻腔内、気管内、または直腸内を含むがこれらに限定されない任意の経路により投与するために調製され得る。ある特定の実施形態では、本発明の化合物は、病院で静脈内投与される。一実施形態では、投与は、経口経路によるものであり得る。
【0112】
担体の特徴は、投与経路に依存するであろう。本明細書で使用する場合、「薬学的に許容される」という用語は、細胞、細胞培養、組織、または生物などの生体系に適合可能であり、活性成分(複数可)の生物活性の有効性に干渉しない非毒性物質を指す。したがって、本発明による組成物は、阻害剤に加えて、希釈剤、充填剤、塩、緩衝剤、安定剤、可溶化剤、および当該技術分野において周知のその他の物質を含有し得る。薬学的に許容される製剤の調製は、例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences,18th Edition,ed.A.Gennaro,Mack Publishing Co.,Easton,Pa.,1990に記載されている。
【0113】
本明細書で使用する場合、用語の薬学的に許容される塩は、上記で特定した化合物の所望の生物活性を保持し、最小限の望ましくない毒性作用を示すか、または望ましくない毒性作用を示さない塩を指す。かかる塩の例としては、無機酸(例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、硝酸など)により形成される酸付加塩、ならびに酢酸、シュウ酸、酒石酸、コハク酸、リンゴ酸、アスコルビン酸、安息香酸、タンニン酸、パモ酸、アルギン酸、ポリグルタミン酸、ナフタレンスルホン酸、ナフタレンジスルホン酸、およびポリガラクツロ酸などの有機酸により形成される酸が挙げられるがこれらに限定されない。化合物はまた、当業者に既知である薬学的に許容される四級塩としても投与され得、これには特に式-NR+Z-の四級アンモニウム塩が含まれ、Rは、水素、アルキル、またはベンジルであり、Zは対イオンで、これには、クロリド、ブロミド、ヨージド、-O-アルキル、トルエンスルホネート、メチルスルホネート、スルホネート、ホスフェート、またはカルボキシレート(例えば、ベンゾエート、スクシネート、アセテート、グリコレート、マレエート、マレート、シトレート、タルトレート、アスコルベート、ベンゾエート、シンナモエート、マンデロエート、ベンジロエート、およびジフェニルアセテート)が含まれる。
【0114】
活性化合物は、治療される患者に深刻な毒性作用を引き起こすことなく治療有効量を患者に送達するのに十分な量で、薬学的に許容される担体または希釈剤中に含まれる。一実施形態では、全ての上記条件について、活性化合物の用量は、1日当たり約0.01~300mg/kg、例えば、1日当たり、0.1~100mg/kgの範囲であり、さらなる例としては、1日当たり、レシピエントのキログラム体重当たり0.5~約25mgの範囲である。典型的な局所投与量は、好適な担体中の0.01~3重量/重量%の範囲である。薬学的に許容される誘導体の有効投与量範囲は、送達される親化合物の重量を基準にして計算され得る。誘導体がそれ自体で活性を示す場合は、有効投与量は誘導体の重量を使用して上記のように推定され得、または当業者に公知の他の手段で推定され得る。
【0115】
本発明の化合物を含む医薬組成物は、本明細書に記載される使用方法で使用され得る。
【0116】
使用方法
さらに別の態様では、本発明は、細胞におけるKRas G12C活性を阻害するための方法を提供し、この方法は、KRas G12C活性の阻害が所望される細胞を、有効量の式(II)、式II-A、もしくは式II-Bの化合物、それらの薬学的に許容される塩、または化合物もしくはその薬学的に許容される塩を含有する医薬組成物と接触させることを含む。一実施形態では、接触は、インビトロで行われる。一実施形態では、接触は、インビボで行われる。
【0117】
本明細書で使用する場合、「接触させること」という用語は、インビトロ系またはインビボ系中で、示した部分を一緒にすることを指す。例えば、KRas G12Cを本明細書に提供される化合物と「接触させること」は、KRas G12Cを有するヒトなどの個体または患者への本明細書に提供される化合物の投与、ならびに、例えば、KRas G12Cを含有する細胞調製物または精製された調製物を含有する試料中に本明細書に提供される化合物を導入することを含む。
【0118】
一実施形態では、KRas G12C活性の阻害が所望される細胞を、有効量の式(II)、式II-Aまたは式II-Bの化合物と接触させて、KRas G12C活性を負に調節する。他の実施形態では、治療有効量の薬学的に許容される塩または式(II)、式II-A、または式II-Bの化合物を含有する医薬組成物が使用され得る。
【0119】
本明細書に記載される方法は、KRas G12Cの活性を負に調節することにより、細胞内の増強されたKRas G12C活性に起因する望ましくない細胞増殖を阻害するように設計される。細胞は、特定の治療計画に従って単一用量または複数用量で接触され、所望のKRas G12Cの負の調節を達成し得る。KRas G12Cの共有結合修飾の程度は、下記実施例Aに記載される方法を含む、周知の方法を使用してインビトロでモニタリングされ得る。さらに、細胞における例示的な化合物の阻害活性は、例えば、下記実施例Bに記載されるものを含む、ある量のリン酸化ERKのKRas G12C活性の阻害を測定し、治療の有効性を評価することによってモニタリングされ得、それに従って、投与量が主治医により調整され得る。
【0120】
別の態様では、癌の治療を必要とする患者においてそれを治療する方法であって、治療有効量の式(II)、式II-A、もしくは式II-Bの化合物、それらの薬学的に許容される塩、または化合物もしくはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を当該患者に投与することを含む方法が提供される。
【0121】
KRas G12Cに関連する癌の治療を必要とする患者においてそれを治療するために使用され得る、本明細書に提供される組成物および方法であって、治療有効量の式(II)、式II-A、もしくは式II-Bの化合物、それらの薬学的に許容される塩、または化合物もしくはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を当該患者に投与することを含む組成物および方法が提供される。一実施形態では、KRas G12Cに関連する癌は、肺癌である。
【0122】
本明細書に提供される組成物および方法は、例えば、肺癌、前立腺癌、乳癌、脳腫瘍、皮膚癌、子宮頸癌、精巣癌などの腫瘍を含む多種多様な癌の治療のために使用され得る。より具体的には、本発明の組成物および方法により治療され得る癌としては、星細胞腫、乳癌、子宮頸癌、結腸直腸癌、子宮内膜癌、食道癌、胃癌、頭頸部癌、肝細胞癌、喉頭癌、肺癌、口腔癌、卵巣癌、前立腺癌、および甲状腺癌ならびに肉腫などの腫瘍型が挙げられるが、これらに限定されない。より具体的には、これらの化合物は、心臓:肉腫(血管肉腫、線維肉腫、横紋筋肉腫、脂肪肉腫)、粘液腫、横紋筋腫、線維腫、脂肪腫、および奇形腫;肺:気管支原性癌(扁平上皮細胞、未分化小細胞、未分化大細胞、腺癌)、肺胞(細気管支)癌、気管支腺腫、肉腫、リンパ腫、軟骨性過誤腫、中皮腫;消化管:食道(扁平上皮癌、腺癌、平滑筋肉腫、リンパ腫)、胃(癌腫、リンパ腫、平滑筋肉腫)、膵臓(導管腺癌、インスリノーマ、グルカゴノーマ、ガストリノーマ、カルチノイド腫瘍、ビポーマ)、小腸(腺癌、リンパ腫、カルチノイド腫瘍、カポジ肉腫、平滑筋腫、血管腫、脂肪腫、神経線維腫、線維腫)、大腸(腺癌、管状腺腫、絨毛腺腫、過誤腫、平滑筋腫);尿生殖路:腎臓(腺癌、ウィルムス腫瘍(腎芽細胞腫)、リンパ腫、白血病)、膀胱および尿道(扁平上皮癌、移行上皮癌、腺癌)、前立腺(腺癌、肉腫)、精巣(精上皮腫、奇形腫、胎児性癌、奇形癌、絨毛癌、肉腫、間質細胞癌、線維腫、線維腺腫、類腺腫瘍、脂肪腫);肝臓:肝臓癌(肝細胞癌)、胆管癌、肝芽腫、血管肉腫、肝細胞腺腫、血管腫;胆管:胆嚢癌、乳頭部癌、胆管癌;骨:骨原性肉腫(骨肉腫)、線維肉腫、悪性線維性組織球腫、軟骨肉腫、ユーイング肉腫、悪性リンパ腫(細網肉腫)、多発性骨髄腫、悪性巨大細胞腫瘍脊索腫、骨軟骨腫(骨軟骨性外骨症)、良性軟骨腫、軟骨芽細胞腫、軟骨粘液線維腫、類骨腫、および巨細胞腫;神経系:頭蓋(骨腫、血管腫、肉芽腫、黄色腫、変形性骨炎)、髄膜(髄膜腫、髄膜肉腫、神経膠腫症)、脳(星状細胞腫、髄芽腫、神経膠腫、上衣腫、胚細胞腫(松果体腫)、多形膠芽腫、乏突起細胞腫、シュワン腫、網膜芽細胞腫、先天性腫瘍)、脊髄神経線維腫、髄膜腫、神経膠腫、肉腫);婦人科:子宮(子宮内膜癌)、頸部(子宮頸癌、前腫瘍子宮頸部異形成)、卵巣(卵巣癌(漿液性嚢胞腺癌、粘液性嚢胞腺癌、未分類癌腫)、顆粒膜卵胞膜細胞腫、セルトリ-ライディッヒ細胞腫、未分化胚細胞腫、悪性奇形腫)、外陰(扁平上皮癌、上皮内癌、腺癌、線維肉腫、黒色腫)、膣(明細胞癌、扁平上皮癌、ブドウ状肉腫(胎児性横紋筋肉腫)、卵管(癌腫);血液学的:血液(骨髄性白血病(急性および慢性)、急性リンパ性白血病、慢性リンパ性白血病、骨髄増殖性疾患、多発性骨髄腫、骨髄異形成症候群)、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫(悪性リンパ腫);皮膚:悪性黒色腫、基底細胞癌、扁平上皮癌、カポジ肉腫、異形成母斑、脂肪腫、血管腫、皮膚線維腫、ケロイド、乾癬;ならびに副腎:神経芽腫を治療するために使用することができる。ある特定の実施形態では、癌は、非小細胞肺癌である。
【0123】
投与濃度および患者への投与経路は、治療される癌に応じて異なるであろう。化合物、その薬学的に許容される塩、ならびにかかる化合物および塩を含む医薬組成物はまた、他の抗新生物化合物、例えば、化学療法剤と共に同時投与され得るか、または照射もしくは外科的介入などの他の治療と組み合わせて、術前または術後に補助剤として使用され得る。
【0124】
また、療法において使用するための、本明細書で定義されるような式(II)、式II-A、もしくは式II-Bの化合物、またはそれらの薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物、またはそれらの医薬組成物も本明細書に提供される。
【0125】
また、癌の治療において使用するための、本明細書で定義されるような式(II)、式II-A、もしくは式II-Bの化合物、またはそれらの薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物、またはそれらの医薬組成物も本明細書に提供される。
【0126】
また、KRas G12Cの阻害において使用するための、式(II)、式II-A、もしくは式II-Bの化合物、またはそれらの薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物も本明細書に提供される。
【0127】
また、KRas G12Cに関連する疾患または障害の治療において使用するための、本明細書で定義されるような式(II)、式II-A、もしくは式II-Bの化合物、またはそれらの薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物、またはそれらの医薬組成物も本明細書に提供される。
【0128】
また、癌の治療のための薬剤の製造における、本明細書で定義されるような式(II)、式II-A、もしくは式II-Bの化合物、またはそれらの薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物の使用も本明細書に提供される。
【0129】
また、KRas G12Cの活性の阻害のための薬剤の製造における、本明細書で定義されるような式(II)、式II-A、もしくは式II-Bの化合物、またはそれらの薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物の使用も本明細書に提供される。
【0130】
また、KRas G12Cに関連する疾患または障害の治療のための薬剤の製造における、本明細書で定義されるような式(II)、式II-A、もしくは式II-Bの化合物、またはそれらの薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物の使用も本明細書に提供される。
【0131】
また、癌の治療を必要とする患者においてそれを治療するための方法も本明細書に提供され、この方法は、(a)癌がKRas G12C変異に関連する(例えば、KRas G12Cに関連する癌である)ことを判定する(例えば、規制当局に承認された、例えば、FDAに承認された、アッセイまたはキットを使用して判定される)ことと、(b)治療有効量の式(II)、式II-A、もしくは式II-Bの化合物、またはそれらの薬学的に許容される塩、またはそれらの医薬組成物を患者に投与することと、を含む。
【0132】
当業者は、一般に許容される適切な既知の細胞および/または動物モデルを使用するインビボ試験およびインビトロ試験の両方により、試験化合物の所与の障害を治療または防止する能力が予測されることを理解するであろう。
【0133】
当業者は、健康な患者および/または所与の障害に罹患している患者におけるファースト・イン・ヒューマン試験、用量範囲探索試験および有効性試験を含むヒト臨床試験が、臨床分野および医療分野で周知の方法に従って完了され得ることをさらに理解するであろう。
【0134】
反応スキームおよび実施例
本発明の化合物は、本明細書に記載される合成方法および反応スキームを使用して市販の試薬から、または他の試薬および当業者に周知の従来的な方法を使用して調製され得る。
【0135】
例えば、本発明の化合物は、一般反応スキームIおよびIIに従って調製され得る。
【0136】
【化54】
LおよびYが結合であり、R
2が水素であり、R
4がアリールまたはヘテロアリールである式(II)の化合物は、スキームIに従って調製され得る。ステップAでは、適切に官能化したテトラヒドロピリドピリミジン(1)を、1つの求核性アミン種を含有するヘテロ環とカップリングさせ、他方を保護基に結合させて、化合物(2)を得る。このカップリングは、ジクロロメタンなどの溶媒中、トリエチルアミンまたはヒューニッヒ塩基などの塩基の存在下で進行する。ステップBでは、化合物(2)のBoc基が、当該技術分野において既知の条件を使用して、例えば、ジクロロメタンなどの溶媒中でトリフルオロ酢酸を用いて、除去され、化合物(3)が得られる。ステップCでは、好適な官能化アリールまたはヘテロアリール系、例えば、アリールトリフレートを使用して、ナトリウムtert-ブトキシドなどの塩基を加えたトルエンなどの溶媒中、Pd
2DBA
3/キサントホスなどのパラジウム触媒の存在下で、パラジウムカップリングにより置換基R
4を導入して、化合物(4)を得る。ステップDでは、例えば、EtOH/THFなどの極性溶媒中、H
2の存在下で、Pd/Cによる水素化分解により環X化合物(4)の保護基を除去して、化合物(5)を得る。最終ステップEでは、R
1を、例えば、式
【化55】
を有する酸塩化物、または式
【化56】
を有する無水物で処理することにより導入して、式(II)の化合物を得る。式中、R
A、R
B、およびpは、式(II)について定義された通りである。例えば、R
1がアクリロイル基の場合には、この反応は、例えば、塩化メチレンなどの溶媒中、塩化アクリロイルまたはアクリロイル無水物およびヒューニッヒ塩基などの塩基の存在下で進行する。場合によっては、化学種R
4はまた、保護基も含有することがあるが、これは、合成手順のその後のステップで除去できる。
【0137】
スキーム1について上記で示し、記載した化合物(1)、(2)、(3)、(4)および(5)は、式(II)の化合物を調製するための中間体として有用であり、本発明のさらなる態様として提供される。
【化57】
【0138】
Lが結合であり、-Y-R
2が水素以外であり、R
4がアリールまたはヘテロアリールである式(II)の化合物は、スキームIIに従って調製され得る。ステップAでは、適切に官能化したテトラヒドロピリドピリミジン(6)を、1つの求核性アミン種を含有するヘテロ環とカップリングさせ、他方を保護基に結合させて、化合物(7)を得る。このカップリングは、ジクロロメタンなどの溶媒中、トリエチルアミンまたはヒューニッヒ塩基などの塩基の存在下で進行する。ステップBでは、求核試薬、例えば、ジオキサンなどの極性溶媒中で(S)-1-(ジメチルアミノプロパン)-2-オールによる塩素の置換により置換基-Y-R
2を導入し、化合物(8)を得る。ステップCでは、Boc基が、当該技術分野において既知の条件を使用して、例えば、ジクロロメタンなどの溶媒中でトリフルオロ酢酸を用いて除去され、化合物(9)が得られる。ステップDでは、好適な官能化アリールまたはヘテロアリール系、例えば、アリールトリフレートを使用して、ナトリウムtert-ブトキシドなどの塩基を加えたトルエンなどの溶媒中、Pd
2DBA
3/BINAPなどのパラジウム触媒の存在下で、パラジウムカップリングにより置換基R
4を導入して、化合物(10)を得る。ステップEでは、例えば、EtOH/THFなどの極性溶媒中、H
2の存在下でPd/Cによる水素化分解により環Xの保護基を除去して、化合物(11)を得る。ステップFでは、R
1を、例えば、式
【化58】
を有する酸塩化物、または式
【化59】
を有する無水物で処理することにより導入して、式(II)の化合物を得る。式中、R
A、R
B、およびpは、式(II)について定義された通りである。例えば、R
1がアクリロイル基の場合には、この反応は、例えば、塩化メチレンなどの溶媒中、塩化アクリロイルアクリロイル無水物、およびヒューニッヒ塩基などの塩基の存在下で進行する。場合によっては、化学種R
4およびR
2はまた、保護基も含有し得るが、これは、合成手順のその後のステップで除去できる。
【0139】
スキーム2について上記で示し、記載した化合物(6)、(7)、(8)、(9)、(10)および(11)は、式(II)、式II-Aまたは式II-Bの化合物を調製するための中間体として有用であり、本発明のさらなる態様として提供される。
【0140】
したがって、式(II)の化合物を調製するためのプロセスも提供され、このプロセスは、
(a)式(II)(式中、Yが結合であり、R
2が水素である)の化合物について、式5
【化60】
(式中、X、R
3、およびR
4が、式(II)について定義された通りである)の化合物を、式
【化61】
を有する酸塩化物、または式
【化62】
(式中、R
A、R
B、およびpが、式(II)について定義された通りである)を有する無水物と、塩基の存在下で反応させること;あるいは
(b)式(II)(式中、Lが結合であり、-Y-R
2が水素以外である)の化合物について、式(11)
【化63】
(式中、Lが結合であり、-Y-R
2が水素以外であり、X、R
3、およびR
4が式(II)について定義された通りである)の化合物を、式
【化64】
を有する酸塩化物、または式
【化65】
(式中、R
A、R
B、およびpが、式(II)について定義された通りである)を有する無水物と、塩基の存在下で反応させること;および
任意に、その塩を形成することも含む。
【0141】
本発明の化合物は、1個以上のキラル中心を有し得、立体異性体混合物、同一の構成でそれらの原子の空間的配置が異なる異性体として合成され得る。化合物は、混合物として使用され得るか、または市販の試薬を使用して、および当業者によく知られた立体異性体およびエナンチオマーの従来の単離方法、例えば、CHIRALPAK(登録商標)(Sigma-Aldrich)またはCHIRALCEL(登録商標)(Diacel Corp)キラルクロマトグラフHPLCカラムを使用して、製造者の使用説明書に従って、個々の成分/異性体が分離され得る。あるいは、本発明の化合物は、個々の異性体またはエナンチオマーを調製するための光学的に純粋なキラル試薬および中間体を使用して合成され得る。特に明記しない限り、全てのキラル(エナンチオマーおよびジアステレオマー)およびラセミ体は、本発明の範囲内にある。特に明記しない限り、特許請求の範囲を含む本明細書が本発明の化合物に言及する際はいつでも、「化合物」という用語は、全てのキラル(エナンチオマーおよびジアステレオマー)およびラセミ体を包含するものと理解されるべきである。
【0142】
以下の中間体は、本発明のある特定の実施形態をさらに例示することを意図するものであり、本発明の範囲を限定することを意図するものではない。
【化66】
【0143】
3-ヒドロキシナフタレン-1-イルトリフルオロメタンスルホネート(13.101g、44.831mmol)をジクロロメタン(100mL)に溶解し、0℃で撹拌した。この溶液にクロロ(メトキシ)メタン(3.7456ml、49.315mmol)およびヒューニッヒ塩基(11.745mL、67.247mmol)を加えた。反応物を0℃で4時間撹拌した。反応物を1M HClで分配し、飽和重炭酸ナトリウムで洗浄した。合わせた有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥し、真空下で濃縮した。濃縮物質を120gのRediSep(登録商標)goldシリカゲルカラムにジクロロメタンと共にロードし、順相クロマトグラフィー(CombiFlash(登録商標)、溶出液:0%~20%酢酸エチル/ヘキサン)により精製して、3-(メトキシメトキシ)ナフタレン-1-イルトリフルオロメタンスルホネート(11.785g、35.045mmol、78.171%収率)を得た。
【化67】
【0144】
7-ブロモナフタレン-2-オール(2.0g、9.0mmol)のジメチルアセトアミド(40mL)中溶液に、クロロ(メトキシ)メタン(1.4g、18mmol)および炭酸セシウム(5.8g、18mmol)を加え、反応混合物を室温で一晩撹拌した。反応物を水で希釈し、水層を酢酸エチルで洗浄した。合わせた有機層を水およびブラインで洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、真空下で濃縮した。粗製物を、5~50%酢酸エチル/ヘキサンを溶出液として使用した順相クロマトグラフィーにより精製して、2-ブロモ-7-(メトキシメトキシ)ナフタレン(1.0g、3.7mmol、42%収率)を得た。
【化68】
【0145】
2-ブロモ-3-フルオロフェノール(1422mg、7.445mmol)の22mLのテトラヒドロフラン中、窒素下、室温での撹拌溶液に、未希釈NaH(327.6mg、8.190mmol)を固体として何度かに分けて加えた。15分後、溶液が形成された。クロロ(メトキシ)メタン(678.6μL、8.934mmol)をシリンジで加えた。2時間撹拌後、反応物を飽和塩化アンモニウム溶液でクエンチし、次いで、酢酸エチル(30mL)と水(30mL)との間で分配した。合わせた有機層を単離し、ブラインで洗浄し、MgSO
4上で乾燥し、濾過し、濃縮した。最小限のジクロロメタン中の粗生成物をヘキサンで予め濡らした40グラムRediSep(登録商標)カラムにロードし、酢酸エチル/ヘキサン勾配液(0%~20%酢酸エチル)で溶出した。生成物を含有する画分を合わせ、濃縮して、生成物を透明油として得た(1.45g、83%)。
【化69】
【0146】
3-ブロモ-4-フルオロフェノール(327mg、1.71mmol)の5.1mLのテトラヒドロフラン中、窒素下、室温での撹拌溶液に、未希釈NaH(75.3mg、1.88mmol)を固体として何度かに分けて加えた。15分後、溶液が形成された。クロロ(メトキシ)メタン(156μL、2.05mmol)をシリンジで加えた。2時間撹拌後、反応物を飽和塩化アンモニウム溶液でクエンチし、酢酸エチルと水との間で分配した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、MgSO
4上で乾燥し、濾過し、濃縮した。最小限のジクロロメタン中の粗生成物をヘキサンで予め濡らした24グラムRediSep(登録商標)カラムにロードし、酢酸エチル/ヘキサン勾配液(0%~20%酢酸エチル)で溶出した。生成物を含有する画分を合わせ、濃縮して、生成物を透明油として得た(120mg、29.8%)。
【化70】
【0147】
ジメチルアセトアミド(30mL)中の4-ブロモ-5-メチル-1H-インダゾール(0.7g、3.3mmol)の0℃に冷却した溶液に、NaH(0.19g、4.6mmol)を少しずつ分けて加え、反応混合物を、窒素によりパージした。反応物を20分間撹拌し、次いで、(2-(クロロメトキシ)エチル)トリメチルシラン(0.83g、5.0mmol)を加え、反応物を2時間撹拌し、その間に室温まで温めた。水中に注ぎ込むことにより、反応物をクエンチし、水層を酢酸エチル中に抽出した。合わせた有機層を水およびブラインで洗浄し、MgSO
4上で乾燥し、真空下で濃縮した。粗製物を、10~50%酢酸エチル/ヘキサンを溶出液として使用したクロマトグラフィーにより精製して、4-ブロモ-5-メチル-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-インダゾール(0.87g、79%)を得た。
【化71】
【0148】
シールドチューブ中で、R-(+)-プロピレンオキシド(3.69mL、52.7mmol)を-78℃に冷却し、次いで、無水ジメチルアミンにより数分間スパージした。反応混合物を70℃に16時間加熱した。反応物を冷却し、真空中で20分間濃縮し、(R)-1-(ピロリジン-1-イル)プロパン-2-オール(5.35g、41.4mmol、98.2%収率)を得た。
【化72】
【0149】
シールドチューブ中で、R-(+)-プロピレンオキシド(2.111mL、30.13mmol)およびモルホリン(1.490mL、17.22mmol)を、70℃に20時間加熱した。反応物を冷却し、真空中で濃縮し、(R)-1-モルホリノプロパン-2-オール(2.47g、17.01mmol、98.80%収率)を得た。
【化73】
【0150】
シールドチューブ中で、R-(+)-プロピレンオキシド(4.00g、55.5mmol)およびジメチルアミン(1.00g、22.2mmol)を、65℃に18時間加熱した。反応物を冷却し、真空下で濃縮した。得られた残留物をシリカゲル(DCM中0~12%MeOH)により精製して、(R)-1-(ジメチルアミノ)ブタン-2-オール(1.38g、11.8mmol、53.1%収率)を得た。
【化74】
【0151】
シールドチューブ中で、R-(3)-メトキシピロリジン塩酸塩(1.00g、7.27mmol)、TEA(2.03mL、14.5mmol)およびR-(+)-プロピレンオキシド(1.27mL、18.2mmol)を、65℃に18時間加熱した。反応物を冷却し、真空中で濃縮した。得られた残留物をシリカゲル(DCM中0~12%MeOH)により精製して、(R)-1-((R)-3-メトキシピロリジン-1-イル)プロパン-2-オール(775mg、4.87mmol、67.0%収率)を得た。
【化75】
【0152】
シールドチューブ中で、(S)-3-メトキシピロリジン塩酸塩(1.00g、7.27mmol)、TEA(2.03mL、14.5mmol)およびR-(+)-プロピレンオキシド(1.27mL、18.2mmol)を、65℃に18時間加熱した。反応物を冷却し、真空中で濃縮した。得られた残留物をシリカゲル(DCM中0~12%MeOH)により精製して、(R)-1-((S)-3-メトキシピロリジン-1-イル)プロパン-2-オール(781mg、4.90mmol、67.5%収率)を得た。
【化76】
【0153】
シールドチューブ中で、R-(+)-プロピレンオキシド(0.609mL、8.69mmol)および(S)-3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)ピロリジン(1.00g、4.97mmol)を、70℃に20時間加熱した。反応物を冷却し、真空中で濃縮して、(R)-1-((S)-3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)ピロリジン-1-イル)プロパン-2-オール(1.29g、4.20mmol、84.6%収率)を得た。
【化77】
【0154】
塩化リチウム(246mg、5.81mmol)および水素化ホウ素リチウム(126mg、5.81mmol)のエタノール(9mL)中の懸濁液に、窒素下、0℃で、1-(tert-ブチル)2-メチル4-メチルピペラジン-1,2-ジカルボキシレート(750mg、2.90mmol)の乾燥THF(6mL)中溶液を滴加した。反応物を一晩撹拌し、白色沈殿物を形成した。沈殿物を濾過し、エタノールで洗浄した。合わせた濾液および有機抽出物を濃縮し、白色残留物を得て、これを酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥して、真空中で濃縮した。残留物をクロマトグラフィー(無勾配のDCM中10%MeOH+0.2%NH
4OH)により精製して、tert-ブチル2-(ヒドロキシメチル)-4-メチルピペラジン-1-カルボキシレート(104mg、0.452mmol、15.6%収率)を得た。
【化78】
【0155】
(S)-2-メチルピペリジン(100mg、1.01mmol)、2-ブロモエタノール(78μL、139mg、1.11mmol、1.1当量)、ヨウ化ナトリウム(151mg、1当量)、炭酸カリウム(418mg、3当量)、およびアセトニトリル(1mL)の4mLのバイアル中混合物を、窒素によりパージし、密封して、室温で2日間撹拌した。反応混合物をジエチルエーテル(15mL)と水(2mL)との間で分配した。エーテル層をブライン(2mL)で洗浄し、TFAで酸性化後、高真空下で2日間乾燥した。残留物をエーテル(3mL)で洗浄し、水(0.5mL)希釈後、10MのNaOH(0.2mL)で塩基化した。層を分離させ、上層をNaOHで注意深く乾燥した。エーテル溶液を窒素下で留去し、粗製(S)-2-(2-メチルピペリジン-1-イル)エタン-1-オール(100mg、0.698mmol、69.24%収率)を無色油として得た。
【化79】
【0156】
(S)-2-メチルピペリジンの代わりに、(R)-2-メチルピペリジン(99mg、1mmol)を使用して、中間体13の方法に従って合成した。
【化80】
【0157】
(S)-2-メチルピペリジンの代わりに、(S)-3-メトキシピペリジン(173mg、1.50mmol)を使用して、中間体13の方法に従って合成した。
【化81】
【0158】
(S)-2-メチルピペリジンの代わりに、(R)-3-メトキシピペリジン(173mg、1.50mmol)を使用して、中間体13の方法に従って合成した。
【化82】
【0159】
ホモモルホリン(0.250g、2.472mmol)、アセトニトリル(4.943mL、2.472mmol)および3-ブロモ-1-プロパノール(0.2459mL、2.719mmol)をバイアルに加えた。炭酸カリウム(0.6832g、4.943mmol)を加え、混合物を50℃に温め、6時間撹拌した。混合物を周囲温度に冷却し、DCMで希釈し、濾過して、集めた固体をDCMで洗浄した。濾液を真空中で濃縮し、粗製油をカラムクロマトグラフィー(Biotage Isolera、12g Isco RediSep Gold、10~20%MeOH/DCM+0.2%NH
4OH)により精製して3-(1,4-オキサゼパン-4-イル)プロパン-1-オール(0.272g、1.708mmol)を無色油として得た。
【化83】
【0160】
ホモモルホリンの代わりに、(1S,4S)-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン(0.250g、2.522mmol)を使用して、中間体17の方法に従って合成した。
【化84】
【0161】
(S)-2-メチルピペリジンの代わりに、4-メトキシピペリジン(173mg、1.50mmol)を使用して、中間体13の方法に従って合成した。
【化85】
【0162】
(S)-2-メチルピペリジンの代わりに、4,4-ジフルオロピペリジン塩酸塩(173mg、1.50mmol)を使用して、中間体13の方法に従って合成した。
【化86】
【0163】
(S)-2-メチルピペリジンの代わりに、S-3-フルオロピペリジン塩酸塩(209mg、1.50mmol)を使用して、中間体13の方法に従って合成した。
【化87】
ステップA:tert-ブチル4-ヒドロキシ-2-(メチルチオ)-5,8-ジヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-7(6H)-カルボキシレート:1-tert-ブチル4-エチル3-オキソピペリジン-1,4-ジカルボキシレート(50.0g、184mmol、1.00当量)のMeOH(1.00L)中、窒素下、25℃での撹拌溶液に、NaOMe(49.8g、921mmol、5.00当量)、続いて、2-メチルイソチオ尿素(62.4g、331mmol、1.80当量、H
2SO
4)を固体として加えた。この反応混合物を25℃で16時間撹拌した。反応混合物をHCl(2M)でpH5に調整し、混合物を減圧下で濃縮してMeOHを除去した。残留物を300mLの酢酸エチルおよび300mLの水に懸濁させ、高速で撹拌した。懸濁液を濾過し、白色固体を集めた。濾液を分離させ、有機層を水(1×300mL)およびブライン(1×200mL)で洗浄した。合わせた有機層を単離し、Na
2SO
4上で乾燥し、濾過し、濃縮して、tert-ブチル4-ヒドロキシ-2-メチルスルファニル-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート(51.0g、138mmol、75.4%収率、81.0%純度)を白色固体として得て、これをさらに精製することなく次のステップで直接使用した。ESI MS m/z 298.2 [M+H]
+。
ステップB:tert-ブチル2-メチルスルファニル-4-(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート:tert-ブチル4-ヒドロキシ-2-メチルスルファニル-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート(51.0g、171mmol、1.00当量)のDCM(500mL)中の0℃での撹拌懸濁液に、DIEA(44.3g、343mmol、59.9mL、2.00当量)、続いて、トリフルオロメタンスルホン酸無水物(72.6g、257mmol、42.4mL、1.50当量)を窒素下で加えた。直ちに褐色の溶液が形成された。25℃で16時間撹拌後、反応物を濃縮して褐色油を得た。褐色油をカラムクロマトグラフィー(SiO
2、石油エーテル/酢酸エチル=1:0~10:1)により精製して、tert-ブチル2-メチルスルファニル-4-(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート(46.0g、107mmol、62.4%収率)を黄色固体として得た。ESI MS m/z 430.2[M+H]
+。
ステップC:tert-ブチル4-(4-ベンジルオキシカルボニルピペラジン-1-イル)-2-メチルスルファニル-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート:tert-ブチル2-メチルスルファニル-4-(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート(46.0g、107mmol、1.00当量)のDMF(500mL)中の撹拌溶液に、DIEA(27.7g、214mmol、37.4mL、2.00当量)、続いて、ベンジルピペラジン-1-カルボキシレート(25.9g、117mmol、22.7mL、1.10当量)を加えた。反応物を窒素雰囲気下、100℃に1時間加熱した。反応混合物を酢酸エチル(300mL)中に注ぎ込み、H
2O(300mL×3)およびブライン(200mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4上で乾燥し、濾過し、真空下で濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO
2、石油エーテル/酢酸エチル=1:0~5:1)により精製して、tert-ブチル4-(4-ベンジルオキシカルボニルピペラジン-1-イル)-2-メチルスルファニル-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート(51.0g、96.9mmol、90.5%収率、92.0%純度)を白色固体として得た。ESI MS m/z 500.3[M+H]
+。
ステップD:ベンジル4-(2-メチルスルファニル-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート:tert-ブチル4-(4-ベンジルオキシカルボニルピペラジン-1-イル)-2-メチルスルファニル-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート(25.0g、50.0mmol、1.00当量)のDCM(50.0mL)中溶液に、TFA(85.6g、750mmol、55.6mL、15.0当量)を加えた。25℃で1時間撹拌後、反応混合物を減圧下で濃縮した。残留物を300mLの酢酸エチルおよび300mLの水に溶解し、高速で撹拌した。混合物をNa
2CO
3でpH8に調節した。有機層を水(1×300mL)およびブライン(1×200mL)で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮してベンジル4-(2-メチルスルファニル-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート(19.0g、46.6mmol、93.2%収率、98.0%純度)を黄色油として得た。ESI MS m/z 400.2 [M+H]
+。
ステップE:ベンジル4-[7-(3-ベンジルオキシ-1-ナフチル)-2-メチルスルファニル-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-1-カルボキシレート:3-ベンジルオキシ-1-ブロモ-ナフタレン(16.3g、52.1mmol、1.30当量)、ベンジル4-(2-メチルスルファニル-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート(16.0g、40.1mmol、1.00当量)、Cs
2CO
3(32.6g、100mmol、2.50当量)、Pd
2(dba)
3(5.50g、6.01mmol、0.15当量)、および2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジイソプロポキシビフェニル(RuPhos)(3.74g、8.01mmol、0.20当量)のジオキサン(300mL)中混合物に、窒素により脱気およびパージを3回行った。混合物を窒素雰囲気下、85℃で5時間撹拌した。0℃で水(200mL)を加えることにより反応混合物をクエンチし、酢酸エチル(3×200mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(3×150mL)で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥し、濾過し、減圧下濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO
2、DCM/MeOH=10/1~5/1)により精製して、ベンジル4-[7-(3-ベンジルオキシ-1-ナフチル)-2-メチルスルファニル-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-1-カルボキシレート(16.0g、22.8mmol、56.9%収率、90.0%純度)を黄色固体として得た。ESI MS m/z 632.5[M+H]
+。
ステップF:ベンジル4-[7-(3-ベンジルオキシ-1-ナフチル)-2-メチルスルフィニル-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-1-カルボキシレート:ベンジル4-[7-(3-ベンジルオキシ-1-ナフチル)-2-メチルスルファニル-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-1-カルボキシレート(8.00g、12.7mmol、1.00当量)のDCM(200mL)中撹拌溶液に、m-CPBA(2.73g、12.7mmol、80.0%純度、1.00当量)を、窒素下、0℃で加えた。窒素雰囲気下、0℃で2時間撹拌後、0℃でNa
2S
2O
3(10.0mL)を加えることにより反応混合物をクエンチし、水(100mL)で希釈し、DCM(200mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(200mL)で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して残留物を得た。残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO
2、DCM/MeOH=1/0~10/1)により精製して、ベンジル4-[7-(3-ベンジルオキシ-1-ナフチル)-2-メチルスルフィニル-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-1-カルボキシレート(3.50g、4.92mmol、38.8%収率、91.0%純度)を黄色固体として得た。ESI MS m/z 648.5[M+H]
+。
【化88】
ステップA:1-[4-[(2R)-2-ヒドロキシプロピル]ピペラジン-1-イル]エタノン:(2R)-2-メチルオキシラン(1.00g、17.2mmol、1.20mL、1.00当量)および1-ピペラジン-1-イルエタノン(8.00g、62.4mmol、3.62当量)をマイクロ波チューブに入れた。シールドチューブを150℃で1時間マイクロ波下で加熱した。混合物をDCM(80.0mL)に溶解し、(Boc)
2O(3.62当量、13.6g)を加え、20℃で1時間撹拌した。残留物をカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH=100/1~10/1)により精製して、1-[4-[(2R)-2-ヒドロキシプロピル]ピペラジン-1-イル]エタノン(3.80g、13.5mmol、78.2%収率、66.0%純度)を黄色油として得た。
【化89】
ステップA:1-ベンジルオキシ-3,5-ジブロモベンゼン:3,5-ジブロモフェノール(1.50g、5.95mmol、1.00当量)およびK
2CO
3(2.47g、17.9mmol、3.00当量)のMeCN(30.0mL)中混合物に、ベンジルブロミド(1.07g、6.25mmol、742μL、1.05当量)を加え、反応混合物を80℃で2時間撹拌した。反応混合物を濾過し、濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO
2、石油エーテル/酢酸エチル=1:1)により精製して、1-ベンジルオキシ-3,5-ジブロモベンゼン(1.60g、4.68mmol、78.6%収率)を無色油として得た。
ステップB:1-ベンジルオキシ-3-ブロモ-5-シクロプロピルベンゼン:1-ベンジルオキシ-3,5-ジブロモベンゼン(1.20g、3.51mmol、1.00当量)およびシクロプロピルボロン酸(392mg、4.56mmol、1.30当量)のH
2O(4.00mL)およびジオキサン(20.0mL)中混合物に、Pd(dppf)Cl
2(513mg、702μmol、0.20当量)およびCs
2CO
3(2.29g、7.02mmol、2.00当量)を加えた。反応混合物を、N
2下、90℃で12時間撹拌した。反応混合物を水(20mL)に加え、酢酸エチル(2×15mL)で抽出した。合わせた有機層をNa
2SO
4上で乾燥し、濾過し、濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO
2、石油エーテル/酢酸エチル=1:1)により精製して、1-ベンジルオキシ-3-ブロモ-5-シクロプロピルベンゼン(270mg、890μmol、25.4%収率)を無色油として得た。
【化90】
ステップA:tert-ブチル4-(4-ベンジルオキシカルボニルピペラジン-1-イル)-2-(3-モルホリノプロポキシ)-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート:3-モルホリノプロパン-1-オール(5.46g、37.6mmol、2.00当量)のTHF(100mL)中混合物に、NaH(2.26g、56.4mmol、60.0%純度、3.00当量)を0℃で少しずつ分けて加えた。混合物を0℃で0.5時間撹拌後、tert-ブチル4-(4-ベンジルオキシカルボニルピペラジン-1-イル)-2-メチルスルホニル-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート(10.0g、18.8mmol、1.00当量)のTHF(100mL)中溶液を加え、反応混合物をN
2下、0℃で1.5時間撹拌した。混合物をNH
4Cl水溶液(300mL)中に注ぎ込み、DCM(2×200mL)で抽出した。合わせた有機層をNa
2SO
4上で乾燥し、濾過し、濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO
2、石油エーテル/酢酸エチル=50:1~10:1)により精製して、tert-ブチル4-(4-ベンジルオキシカルボニルピペラジン-1-イル)-2-(3-モルホリノプロポキシ)-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート(7.70g、12.8mmol、67.8%収率、98.8%純度)を黄色油として得た。ESI MS m/z 597.4[M+H]
+。
ステップB:ベンジル4-[2-(3-モルホリノプロポキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-1-カルボキシレート:tert-ブチル4-(4-ベンジルオキシカルボニルピペラジン-1-イル)-2-(3-モルホリノプロポキシ)-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート(7.70g、12.9mmol、1.00当量)のDCM(80.0mL)中混合物に、TFA(119g、1.04mol、76.9mL、80.6当量)を加え、反応混合物を15℃で1時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、次いでDCM(100mL)で希釈し、NaOH水溶液でpH8に調節した。有機層を分離し、Na
2SO
4上で乾燥し、濾過し、濃縮して、ベンジル4-[2-(3-モルホリノプロポキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-1-カルボキシレート(6.00g、11.2mmol、86.9%収率、92.8%純度)を黄色油として得た。ESI MS m/z 497.4[M+H]
+。
【化91】
【0164】
3-ブロモ-4-フルオロフェノール(4.00g、20.9mmol、1.00当量)およびK
2CO
3(8.68g、62.8mmol、3.00当量)のACN(80.0mL)中溶液に、ベンジルブロミド(3.65g、21.4mmol、2.54mL、1.02当量)を加え、反応混合物を60℃で2時間撹拌した。反応混合物を濾過し、真空下で濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル;勾配液1:0~10:1)により精製して、4-ベンジルオキシ-2-ブロモ-1-フルオロベンゼン(5.02g、17.0mmol、81.0%収率、95%純度)を白色固体として得た。
【化92】
ステップA:tert-ブチル3-フルオロピロリジン-1-カルボキシレート:tert-ブチル3-ヒドロキシピロリジン-1-カルボキシレート(10.0g、53.4mmol、1.00当量)のDCM(150.00mL)中溶液に、ジエチルアミノサルファートリフルオリド(DAST)(12.9g、80.1mmol、10.6mL、1.50当量)を窒素雰囲気下、-40℃で加えた。-40℃で2時間撹拌後、混合物を20℃に温め、16時間撹拌した。混合物を5%重炭酸ナトリウム水溶液(200mL)中に注ぎ込み、ジクロロメタン(2×100mL)で抽出した。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、真空下で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル 100:1~5:1)により精製した。所望の画分を集め、真空下で濃縮してtert-ブチル3-フルオロピロリジン-1-カルボキシレート(4.30g、22.7mmol、42.6%収率)を無色油として得た。
1H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ=5.27(t,J=3.6Hz,0.5H),5.13(t,J=3.6Hz,0.5H),3.77-3.38(m,4H),2.26-2.15(m,1H),2.08-1.85(m,1H),1.46(s,9H)。
ステップB:3-フルオロピロリジン:tert-ブチル3-フルオロピロリジン-1-カルボキシレート(4.30g、22.7mmol、1.00当量)のDCM(50.00mL)中溶液に、HCl/ジオキサン(4M、35.0mL、6.16当量)を0℃で滴加した。混合物を20℃に温め、1時間撹拌した。混合物を真空下で濃縮した。残留物をジイソプロピルエーテル(20mL)を使用してトリチュレートし、沈殿物を濾過し、真空下で乾燥して、3-フルオロピロリジン(2.70g、21.5mmol、94.6%収率、HCl)を白色固体として得た。
1H NMR(400MHz,メタノール-d
4)δ=5.51(t,J=3.6Hz,0.5H),5.38(t,J=3.6Hz,1H),3.66-3.27(m,5H),2.45-2.12(m,2H)。
ステップC:メチル2-(3-フルオロピロリジン-1-イル)アセテート:3-フルオロピロリジン(2.70g、21.5mmol、1.00当量、HCl)のDCM(27.00mL)中の懸濁液を、0℃に冷却した。トリエチルアミン(5.44g、53.8mmol、7.45mL、2.50当量)およびメチル2-ブロモ酢酸(3.62g、23.7mmol、2.23mL、1.10当量)を加え、反応混合物を20℃で16時間撹拌した。反応混合物をCH
2Cl
2(100mL)および水(50mL)で希釈した。有機層を5%クエン酸水溶液(1×50mL)で洗浄した。水層を飽和炭酸ナトリウム水溶液(20mL)で塩基化し、酢酸エチル(3×100mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥して、真空中で濃縮して、メチル2-(3-フルオロピロリジン-1-イル)アセテート(2.20g、13.7mmol、63.5%収率)を得た。
1H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ=5.22-5.02(m,1H),3.66(s,3H),3.35(s,2H),3.07-2.93(m,1H),2.91-2.77(m,2H),2.67(dt,J=5.2,8.4Hz,1H),2.21-1.93(m,2H)。
ステップD:2-(3-フルオロピロリジン-1-イル)エタノール:LiAlH
4(706mg、18.6mmol、1.50当量)のTHF(20mL)中溶液に、メチル2-(3-フルオロピロリジン-1-イル)アセテート(2.00g、12.4mmol、1.00当量)のTHF(10mL)中溶液を0℃で滴加した。混合物を20℃まで温め、3時間撹拌した。混合物を飽和硫酸ナトリウム水溶液(1mL)でクエンチした。混合物を濾過し、濾液を真空下で濃縮した。生成物をシリカゲルクロマトグラフィーにより、DMC中5%MeOHを使用して精製した。所望の画分を集め、真空下で濃縮して、2-(3-フルオロピロリジン-1-イル)エタノール(1.20g、9.01mmol、72.6%収率)を無色油として得た。
1H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ=5.28-5.05(m,1H),3.68-3.61(m,2H),2.99-2.73(m,4H),2.72-2.67(m,2H),2.58-2.45(m,1H),2.28-1.97(m,2H)。
【化93】
ステップA:メチルピペラジン-2-カルボキシレート:1-tert-ブチル2-メチルピペラジン-1.2-ジカルボキシレート(5.0g、22.6mmol、1.00当量)のMeOH(50.0mL)中混合物に、HCl/ジオキサン(4.0M、134mL)を加えた。反応混合物に、窒素により脱気およびパージを3回行い、混合物を、窒素雰囲気下、25℃で12時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮乾固して、メチルピペラジン-2-カルボキシレート(4.89g、2HCl、粗製)を白色固体として得て、これをさらに精製することなく次のステップに直接使用した。
ステップB:1-(tert-ブチル)3-メチルピペラジン-1,3-ジカルボキシレート:メチルピペラジン-2-カルボキシレート(4.30g、粗製)およびTEA(8.02g、79.2mmol、11.0mL)のMeOH(50.0mL)中溶液にジ-tert-ブチルジカルボネート(4.32g、19.8mmol、4.55mL)を加えた。25℃で12時間撹拌後、反応混合物を濾過し、減圧下で濃縮乾固した。残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO
2、DCM/MeOH=1:0~20:1)により精製して、1-(tert-ブチル)3-メチルピペラジン-1,3-ジカルボキシレート(4.80g、19.7mmol、2ステップで99.0%収率)を無色油として得た。
1H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ=4.10-3.85(m,1H),3.73(s,3H),3.71-3.65(m,1H),3.47-3.38(m,1H),3.10-2.98(m,2H),2.78-2.66(m,1H),2.17(s,1H),1.46(s,9H)。
【化94】
ステップA:2,4-ジブロモナフタレン-1-アミン:Br
2(246g、1.54mol、79.3mL、2.18当量)のAcOH(750mL)中溶液に、ナフタレン-1-アミン(101g、705mmol、99.0mL、1.00当量)のAcOH(500mL)中溶液を周囲温度で加え、反応物を70℃で1時間撹拌した。反応混合物を、室温で冷却し、濾過した。濾過ケーキをAcOH(300mL)で洗浄し、次いで20%のNaOH水溶液(1.2L)に加えた。混合物を20分間撹拌し、濾過した。単離した固体を水(1L)で洗浄し、真空下で乾燥して2,4-ジブロモナフタレン-1-アミン(200g、664mmol、94.2%収率)を灰色固体として得た。ESI MS m/z 301.9[M+H]
+。
ステップB:4-ブロモ-1-ジアゾニオ-ナフタレン-2-オレート:2,4-ジブロモナフタレン-1-アミン(60.0g、199mmol、1.00当量)のAcOH(900mL)およびプロピオン酸(150mL)中溶液に、NaNO
2(16.5g、239mmol、13.0mL、1.20当量)を5~8℃で30分間かけて何度かに分けて加え、反応混合物を5~8℃で30分間撹拌した。反応混合物を氷水(4000mL)中に注ぎ込み、得られた固体を集め、水(2×50mL)で洗浄して、4-ブロモ-1-ジアゾニオ-ナフタレン-2-オレート(150g、湿潤粗製)を灰色固体として得て、これを次のステップで直接使用した。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ8.12-8.10(d,J=8.4Hz,1H),7.62-7.58(t,J=7.6Hz,1H),7.41-7.37(t,J=7.6Hz,1H),7.31-7.29(d,J=8.0Hz,1H),7.20(s,1H)。
ステップC:4-ブロモナフタレン-2-オール:4-ブロモ-1-ジアゾニオ-ナフタレン-2-オレート(100g、402mmol、1.00当量)のEtOH(2.00L)中溶液に、NaBH
4(30.4g、803mmol、2.00当量)を13~15℃で1時間かけて何度かに分けて加え、反応混合物を15~18℃で3時間撹拌した。反応物を濾過し、濃縮乾固した。残留物をDCM(1000mL)に溶解し、水(500mL×2)で洗浄した。有機相をNa
2SO
4上で乾燥させて、濃縮乾固した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフにより、ジエチルエーテル/酢酸エチル(60:1~10:1)で溶出して精製した。単離した生成物を、逆相HPLCでさらに精製して、4-ブロモナフタレン-2-オール(40.0g、139mmol、17.3%収率、77.4%純度)を灰色固体として得た。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ8.07-8.05(d,J=8.0Hz,1H),7.60-7.58(d,J=7.6Hz,1H),7.41-7.36(m,3H),7.07(s,1H)。
ステップD:3-ベンジルオキシ-1-ブロモ-ナフタレン:4-ブロモナフタレン-2-オール(30.0g、134mmol、1.00当量)、ベンジルブロミド(25.3g、148mmol、17.6mL、1.10当量)およびK
2CO
3(55.7g、403mmol、3.00当量)のMeCN(500mL)中混合物を、80℃で1時間加熱した。反応混合物を濾過し、濃縮乾固した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより、ジエチルエーテル/酢酸エチル(100:1~60:1)で溶出して精製し、3-ベンジルオキシ-1-ブロモ-ナフタレン(40.0g、128mmol、95%収率)を黄色油として得た。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ8.19-8.17(d,J=8.0Hz,1H),7.75-7.32(d,J=8.8Hz,1H),7.64-7.63(d,J=2.4Hz,1H),7.52-7.37(m,7H),7.23-7.21(d,J=2.0Hz,1H),5.2(s,2H)。
【化95】
ステップA:3-メトキシナフタレン-1-オール:ナフタレン-1,3-ジオール(3.00g、18.7mmol、1.00当量)のMeOH(60.0mL)中溶液に、HCl/MeOH(4M、60.0mL、12.8当量)を0℃で加えた。混合物を25℃で60時間撹拌した。真空下で溶媒を除去した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(ジエチルエーテル:酢酸エチル=10:1~5:1)により精製して、3-メトキシナフタレン-1-オール(2.10g、12.1mmol、64.4%収率)を褐色固体として得た。
1H NMR(400MHz,CDCl
3-d
6)δ=8.10-8.08(d,J=8.4Hz,1H).7.73-7.71(d,J=8.4Hz,1H),7.47-7.45(m,1H),7.38-7.35(m,1H),6.80-6.79(d,J=2.0Hz,1H),6.56-6.55(d,J=2.4Hz,1H),3.92(s,3H)。
ステップB:(3-メトキシ-1-ナフチル)トリフルオロメタンスルホネート:3-メトキシナフタレン-1-オール(2.10g、12.0mmol、1.00当量)のDCM(40.0mL)中溶液に、DIEA(7.79g、60.3mmol、10.5mL、5.00当量)およびトリフルオロメタンスルホン酸無水物(5.10g、18.1mmol、2.98mL、1.50当量)を0℃で加えた。混合物を25℃で1時間撹拌した。混合物をDCM(30mL)および水(10mL)で希釈し、DCM(20mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(5mL)で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥し、真空下で濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(ジエチルエーテル:酢酸エチル=20:1~10:1)により精製して、(3-メトキシ-1-ナフチル)トリフルオロメタンスルホネート(3.00g、8.52mmol、70.7%収率、87.0%純度)を褐色油として得た。ESI MS m/z 307.1[M+H]
+。
【化96】
ステップA:7-ベンジル-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-2,4-ジオール:EtOH(600mL)に、Na(5.56g、241mmol、5.73mL、2.40当量)を少しずつ加えた。反応混合物を1時間撹拌した。この混合物に、エチル1-ベンジル-3-オキソ-ピペリジン-4-カルボキシレート(30.0g、100mmol、1.00当量、HCl)および尿素(14.5g、242mmol、13.0mL、2.40当量)を加えた。反応混合物を75℃で36時間撹拌し、次いで真空下で溶媒を除去した。残留物を水(50mL)に溶解し、HCl(120mL、2M)で酸性化した。溶液から沈殿した白色固体を濾過により集めた。濾過ケーキを真空下で乾燥し、7-ベンジル-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-2,4-ジオール(22.0g、83.8mmol、83.2%収率、98%純度)を白色固体として得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6)δ=10.97(br s,1H),10.66(br s,1H),7.55-6.95(m,5H),3.81-3.50(m,2H),3.26-2.91(m,2H),2.77-2.58(m,2H),2.34-2.09(m,2H)。
ステップB:7-ベンジル-2,4-ジクロロ-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン:DIEA(30.1g、233mmol、40.7mL、3.00当量)のPOCl
3(330g、2.15mol、200mL)中溶液に、7-ベンジル-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-2,4-ジオール(20.0g、77.7mmol、1.00当量)を加えた。反応混合物を110℃で5時間撹拌した。反応混合物を真空下で濃縮した。残留物をDCM(400mL)に溶解し、飽和NaHCO
3(200mL)中に注ぎ込んだ。混合物をDCM(2×400mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(100mL)で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥し、真空下で濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(ジエチルエーテル:DCM=10:1~0:1)により精製して、7-ベンジル-2,4-ジクロロ-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン(7.70g、26.2mmol、33.7%収率)を褐色油として得た。
1H NMR(300MHz,クロロホルム-d)δ=7.43-7.28(m,5H),3.73(s,2H),3.66(br s,2H),2.84(br s,4H)。
【化97】
ステップA:tert-ブチル4-ヒドロキシ-2-メチルスルファニル-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート:1-tert-ブチル4-エチル-3-オキソピペリジン-1,4-ジカルボキシレート(44.0g、162mmol、1.00当量)のMeOH(1.00mL)中、窒素下、25℃での撹拌溶液に、NaOMe(35.0g、649mmol、4.00当量)のMeOH(600mL)中溶液をシリンジで加え、続いて、2-メチルイソチオ尿素(61.1g、324mmol、2.00当量、H
2SO
4)を加えた。25℃で16時間撹拌後、反応混合物を減圧下で濃縮し、MeOHを除去した。残留物を500mLの酢酸エチルおよび500mLの水に懸濁させ、高速で撹拌した。反応混合物をHCl(2M)でpH5に調整した。沈殿物を濾過し、白色固体を酢酸エチルで洗浄し、真空下で乾燥して、tert-ブチル4-ヒドロキシ-2-メチルスルファニル-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート(33.0g、103mmol、63.8%収率、93.2%純度)を白色固体として得て、これをさらに精製することなく次のステップに直接使用した。
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ=4.19(s,2H),3.49(br s,2H),2.46(s,3H),2.35(br t,J=5.2Hz,2H),1.42(s,9H)。
ステップB:tert-ブチル2-メチルスルファニル-4-(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレートを得る:tert-ブチル4-ヒドロキシ-2-メチルスルファニル-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート(15.0g、50.4mmol、1.00当量)のDCM(200mL)中の撹拌懸濁液に、DIEA(26.1g、202mmol、35.2mL、4.00当量)を窒素下、0℃で加え、続いて、トリフルオロメタンスルホン酸無水物(28.5g、101mmol、16.6mL、2.00当量)をシリンジにより加えた。直ちに褐色の溶液が形成された。この反応混合物を25℃で12時間撹拌した。反応混合物をカラムクロマトグラフィー(SiO
2、石油エーテル/酢酸エチル=1:0~10:1)により精製して、tert-ブチル2-メチルスルファニル-4-(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート(16.7g、35.7mmol、70.9%収率、91.9%純度)を白色固体として得た。ESI MS m/z 374.0[M+H]
+。
ステップC:tert-ブチル4-(4-ベンジルオキシカルボニルピペラジン-1-イル)-2-メチルスルファニル-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート:tert-ブチル2-メチルスルファニル-4-(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート(16.7g、38.9mmol、1.00当量)のDMF(100mL)中撹拌溶液に、DIEA(10.0g、77.9mmol、2.00当量)およびベンジルピペラジン-1-カルボキシレート(9.41g、42.8mmol、1.10当量)を加えた。反応物を100℃に加熱し、窒素雰囲気下で1時間撹拌した。反応混合物を水(150mL)で希釈し、反応混合物をHCl(2M)でpH5に調整し、DCM(3×200mL)で抽出した。合わせた有機層を飽和NaHCO
3(3×150mL)、ブライン(3×150mL)およびH
2O(3×150mL)で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、tert-ブチル4-(4-ベンジルオキシカルボニルピペラジン-1-イル)-2-メチルスルファニル-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート(18.1g、36.2mmol、93.0%収率、94.1%純度)を黄色固体として得て、これをさらに精製することなく直接次のステップに使用した。ESI MS m/z 500.1[M+H]
+。
ステップD:tert-ブチル4-(4-ベンジルオキシカルボニルピペラジン-1-イル)-2-メチルスルホニル-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート:tert-ブチル4-(4-ベンジルオキシカルボニルピペラジン-1-イル)-2-メチルスルファニル-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート(14.4g、28.9mmol、1.00当量)のDCM(150mL)中の窒素下、0℃での撹拌溶液に、メタ-クロロペルオキシ安息香酸(17.4g、101mmol、3.50当量)を固体として加えた。窒素雰囲気下、0℃で2時間撹拌後、反応混合物を水(300mL)で希釈し、反応混合物を飽和NaHCO
3水溶液でpH8に調整し、DCM(3×200mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(3×200mL)で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮乾固した。残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル/酢酸エチル=10:1~1:2)により精製して、tert-ブチル4-(4-ベンジルオキシカルボニルピペラジン-1-イル)-2-メチルスルホニル-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート(11.0g、19.7mmol、68.6%収率、95.4%純度)を白色固体として得た。ESI MS m/z 532.1[M+H]
+。
【化98】
ステップA:1-ブロモイソキノリン-3-アミン(400mg、1.79mmol、1.00当量)およびtert-ブトキシカルボニルtert-ブチルカーボネート(3.91g、17.9mmol、4.12mL、10.0当量)の混合物を70℃で16時間撹拌した。残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO
2、ジエチルエーテル/酢酸エチル=5:1)により精製して、tert-ブチルN-(1-ブロモ-3-イソキノリル)カルバメート(400mg、1.24mmol、69.2%収率)を黄色固体として得た。ESI MS m/z 322.1、324.1[M+H]
+。
【化99】
ステップA:3-メトキシナフタレン-1-オール:ナフタレン-1,3-ジオール(40.0g、250mmol、1.00当量)のMeOH(800mL)中溶液に、HCl(4M、750mL、12.0当量、MeOH中の4M)を0℃で加えた。混合物を18℃まで温め、30時間撹拌した。混合物を真空下で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル 100/1~1/1)により精製した。所望の画分を集め、真空下で濃縮して、3-メトキシナフタレン-1-オール(17.7g、96.5mmol、38.6%収率、95%純度)を赤色油として得た。
1H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ=8.17(d,J=8.4Hz,1H),7.74(d,J=8.0Hz,1H),7.50(ddd,J=1.2,6.8,8.0Hz,1H),7.38(ddd,J=1.2,6.8,8.0Hz,1H),6.81(d,J=2.0Hz,1H),6.76(br s,1H),6.62(d,J=2.4Hz,1H),3.91(s,3H)。
ステップB:tert-ブチル-[(3-メトキシ-1-ナフチル)オキシ]-ジメチル-シラン:3-メトキシナフタレン-1-オール(20.0g、115mmol、1.00当量)およびイミダゾール(23.5g、344mmol、3.00当量)のTHF(400mL)中の溶液に、TBSCl(26.0g、172mmol、21.1mL、1.50当量)を0℃で滴加した。混合物を25℃まで温め、16時間撹拌した。混合物を石油エーテル(600mL)および酢酸エチル(200mL)で希釈し、次いで、水(1×200mL)およびブライン(1×200mL)で洗浄した。分離した有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、真空下で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル 100/1~10/1)により精製した。tert-ブチル-[(3-メトキシ-1-ナフチル)オキシ]-ジメチル-シラン(28.0g、97.1mmol、84.6%収率)を無色油として得た。
1H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ=8.01(d,J=8.4Hz,1H),7.61(d,J=8.0Hz,1H),7.35(dt,J=1.2,7.6Hz,1H),7.24(dt,J=1.2,7.6Hz,1H),6.71(d,J=2.0Hz,1H),6.48(d,J=2.4Hz,1H),3.82(s,3H),1.02(s,9H),0.23(s,6H)。
ステップC:tert-ブチル[[3-メトキシ-6-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1-ナフチル]オキシ]-ジメチル-シランおよびtert-ブチル((3-メトキシ-7-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ナフタレン-1-イル)オキシ)ジメチルシラン:tert-ブチル[(3-メトキシ-1-ナフチル)オキシ]-ジメチル-シラン(26.0g、90.1mmol、1.00当量)、4,4,5,5-テトラメチル-2-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1,3,2-ジオキサボロラン(45.8g、180mmol、2.00当量)、(1Z,5Z)-シクロオクタ-1,5-ジエン;2,4-ジメチル-ブラービシクロ[1.1.0]ブタン(2.39g、3.61mmol、0.04当量)および4-tert-ブチル-2-(4-tert-ブチル-2-ピリジル)ピリジン(1.45g、5.41mmol、0.06当量)のヘキサン(500mL)中混合物を、窒素雰囲気下、100℃で16時間撹拌した。混合物を、水(500mL)および酢酸エチル(1000mL)で希釈した。分離した有機層をブライン(1×500mL)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、真空下で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル 100/1~10/1)により精製した。所望の画分を集め、真空下で濃縮して、tert-ブチル[[3-メトキシ-6-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1-ナフチル]オキシ]-ジメチル-シランおよびtert-ブチル((3-メトキシ-7-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ナフタレン-1-イル)オキシ)ジメチルシランの混合物(38.0g、85.3mmol、94.6%収率、93%純度)を淡黄色油として得た。ESI MS m/z 415.5[M+H]
+。
ステップD:8-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ-6-メトキシ-ナフタレン-2-オール:tert-ブチル[[3-メトキシ-6-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1-ナフチル]オキシ]-ジメチル-シランおよびtert-ブチル((3-メトキシ-7-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ナフタレン-1-イル)オキシ)ジメチルシランの混合物(36.0g、86.9mmol、1.00当量)のアセトン(400mL)中の溶液に、オキソン(58.7g、95.6mmol、1.10当量)のH
2O(400mL)中の溶液を0℃で加えた。混合物を0℃で1時間撹拌した。混合物を5%チオ硫酸ナトリウム水溶液(50mL)でクエンチし、酢酸エチル(2×300mL)で抽出した。抽出物を合わせて、水(1×200mL)、ブライン(1×200mL)で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、濾過し、濾液を真空下で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル 200/1~20/1)により精製した。所望の画分を集め、真空下で濃縮して、8-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ-6-メトキシ-ナフタレン-2-オール(9.00g、28.4mmol、32.7%収率、96%純度)を無色油として、および5-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ-7-メトキシ-ナフタレン-2-オール(9.00g、29.0mmol、33.4%収率、98%純度)を白色固体として得た。ESI MS m/z 305.2[M+H]
+。
ステップE:[5-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ-7-メトキシ-2-ナフチル]トリフルオロメタンスルホネート:5-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ-7-メトキシ-ナフタレン-2-オール(11.0g、36.1mmol、1.00当量)およびDIEA(14.0g、108mmol、18.9mL、3.00当量)のDCM(150mL)中溶液に、Tf
2O(12.2g、43.4mmol、7.15mL、1.20当量)を-40℃で滴加した。混合物を1時間撹拌した。混合物をジクロロメタン(200mL)で希釈し、水(1×200mL)およびブライン(1×200mL)で洗浄した。分離した有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、真空下で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル 100/1~10/1)により精製した。所望の画分を集め、真空下で濃縮して、[5-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ-7-メトキシ-2-ナフチル]トリフルオロメタンスルホネート(13.0g、29.8mmol、82.4%収率、100%純度)を白色固体として得た。ESI MS m/z 436.9[M+H]
+。
ステップF:tert-ブチル[(3-メトキシ-6-メチル-1-ナフチル)オキシ]-ジメチル-シラン:[5-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ-7-メトキシ-2-ナフチル]トリフルオロメタンスルホネート(12.5g、28.6mmol、1.00当量)およびK
2CO
3(11.9g、85.9mmol、3.00当量)のジオキサン(160mL)中溶液に、Pd(PPh
3)
4(3.31g、2.86mmol、0.10当量)およびトリメチルボロキシン(14.4g、57.3mmol、16.0mL、2.00当量)を窒素雰囲気下で加えた。反応物を100℃に16時間加熱した。混合物を酢酸エチル(200mL)で希釈し、次いで水(1×200mL)およびブライン(1×200mL)で洗浄した。分離した有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、真空下で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル 100/1~5/1)により精製した。所望の画分を集め、真空下で濃縮して、tert-ブチル[(3-メトキシ-6-メチル-1-ナフチル)オキシ]-ジメチル-シラン(8.00g、24.6mmol、85.9%収率、93%純度)を無色油として赤色固体として得た。ESI MS m/z 303.2[M+H]
+。
ステップG:3-メトキシ-6-メチル-ナフタレン-1-オール:tert-ブチル-[(3-メトキシ-6-メチル-1-ナフチル)オキシ]-ジメチル-シラン(8.00g、26.5mmol、1.00当量)のTHF(100mL)中溶液に、TBAF(10.4g、39.7mmol、1.50当量)を0℃で加えた。混合物を0℃で3時間撹拌した。混合物を、水(100mL)および酢酸エチル(200mL)で希釈した。分離した有機層をブライン(1×100mL)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、真空下で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル 50/1~5/1)により精製した。所望の画分を集め、真空下で濃縮して、3-メトキシ-6-メチル-ナフタレン-1-オール(4.70g、25.0mmol、94.4%収率)を赤色固体として得た。ESI MS m/z 188.4[M+H]
+。
ステップH:3-メトキシ-6-メチル-1-ナフチルトリフルオロメタンスルホネート:3-メトキシ-6-メチル-ナフタレン-1-オール(4.70g、25.0mmol、1.00当量)およびDIEA(9.68g、74.9mmol、13.1mL、3.00当量)のDCM(3.00mL)中溶液に、Tf
2O(8.45g、30.0mmol、4.94mL、1.20当量)を-40℃で滴加した。混合物を1時間撹拌した。混合物をジクロロメタン(200mL)で希釈し、水(1×200mL)およびブライン(1×200mL)で洗浄した。分離した有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、真空下で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル 100/1~10/1)により精製した。3-メトキシ-6-メチル-1-ナフチルトリフルオロメタンスルホネート(7.70g、24.0mmol、96.2%収率、99.9%純度)を無色油として得た。ESI MS m/z 320.7 [M+H]
+。
【0165】
次の中間体は、2-ブロモ-3-フルオロフェノールを適切なフェノールで置換して、中間体3の調製に従って調製した。
【表1】
【化100】
ステップ1:3-フルオロ-4-メチルフェノール(1.016g、8.055mmol)を、Cs
2(3.9mL、64.44mmol)中に入れ、0
C℃に冷却した。Br
2(0.4150mL、8.055mmol)を加え、混合物を室温で2時間撹拌した。10%のNa
2S
2O
2を加え、混合物をDCMで抽出した。有機層を合わせ、乾燥し、濾過して、2-ブロモ-3-フルオロ-4-メチルフェノール(1.389g、6.775mmol、84.10%収率)を得て、これを次のステップに直接使用した。
ステップ2:2-ブロモ-3-フルオロフェノールの代わりに2-ブロモ-3-フルオロ-4-メチルフェノールを使用して、中間体8の手順に従って2-ブロモ-3-フルオロ-1-(メトキシメトキシ)-4-メチルベンゼンを調製した。
【化101】
ステップ1:4-イソプロポキシフェノール(1.00g、6.57mmol)およびTEA(1.83mL、13.1mmol)をDCM(25mL)中に入れた。アセチルクロリド(7.56mL、7.56mmol)を滴加し、反応物を室温で2時間撹拌した。水を加え、混合物をDCMで抽出した。有機層を乾燥し、濾過し、濃縮して、4-イソプロポキシフェニルアセテート(1.24g、6.38mmol、97.2%収率)を得て、これは次のステップにおいて直接であった。
ステップ2:4-イソプロポキシフェニルアセテート(1.24g、6.585mmol)をACN(20mL)中に入れ、N-ブロモスクシンイミド(1.173g、6.590mmol)を加えた。混合物を18時間撹拌した。水を加え、混合物をエーテルで抽出した。有機層を合わせ、乾燥し、濃縮して、3-ブロモ-4-イソプロポキシフェニルアセテート(1.584g、5.800mmol、88.00%収率)を得て、これは次のステップにおいて直接であった。
ステップ3:3-ブロモ-4-イソプロポキシフェニルアセテート(500mg、1.83mmol)をMeOH(7mL)中に入れた。KOH(111mg、1.98mmol)の水(2mL)中溶液を混合物に加え、室温で1時間撹拌した。反応混合物を1N HClを加えてpH3に調整した。混合物をDCMで抽出した。抽出物を合わせ、乾燥し、濾過し、濃縮して、粗製3-ブロモ-4-イソプロポキシフェノールを得て、これを直接次の反応に使用した。
ステップ4:2-ブロモ-3-フルオロフェノールの代わりに3-ブロモ-4-イソプロポキシフェノールを使用して、中間体8の手順に従って、2-ブロモ-1-イソプロポキシ-4-(メトキシメトキシ)ベンゼンを調製した。
【化102】
ステップ1:1-ブロモ-3-クロロ-2-イソプロピル-5-メトキシベンゼン(952mg、3.61mmol)をDCM(3mL)中に入れ、0℃に冷却した。BBr3(9030μL、9.03mmol)を加え、反応物を0℃で2時間撹拌した。水を加え、混合物をDCMで抽出した。抽出物を合わせ、濃縮した。得られた残留物をシリカゲル(ヘキサン中0~20%EtOAc)により精製して、3-ブロモ-5-クロロ-4-イソプロピルフェノール(575mg、2.30mmol、63.8%収率)を得た。
ステップ2:2-の代わりに3-ブロモ-5-クロロ-4-イソプロピルフェノールを使用して、中間体8の手順に従って、1-ブロモ-3-クロロ-2-イソプロピル-5-(メトキシメトキシ)ベンゼンを調製した。
【化103】
【0166】
4-ヨードナフタレン-2-オール(0.80g、3.0mmol)のDCM(20mL)中溶液に、N-エチル-N-イソプロピルプロパン-2-アミン(1.1mL、5.9mmol)およびクロロ(メトキシ)メタン(0.29g、3.6mmol)を加え、反応物を室温で4時間撹拌した。この撹拌中、2時間後に、追加のクロロ(メトキシ)メタン(0.15g)を加えた。反応物をブラインで洗浄し、真空中で濃縮した。物質を、0~10%EtOAc/ヘキサンの勾配液を溶出液として使用してクロマトグラフィーにより精製して、1-ヨード-3-(メトキシメトキシ)ナフタレン(0.80g、2.5mmol、86%収率)を得た。
【化104】
ステップA:2,4-ジブロモナフタレン-1-アミン:Br
2(246g、1.54mol、79.3mL)のAcOH(750mL)中溶液に、ナフタレン-1-アミン(101g、705mmol、99.0mL)のAcOH(500mL)中溶液を室温で加え、反応物を70℃で1時間撹拌した。反応混合物を、室温に冷却し、濾過した。濾過ケーキをAcOH(300mL)で洗浄した。次に、その固体を20%のNaOH水溶液(1.2L)中に懸濁させた。混合物を20分間撹拌し、濾過した。固体を水(1L)で洗浄し、真空下で乾燥して2,4-ジブロモナフタレン-1-アミン(200g、664mmol、94.2%収率)を灰色固体として得た。ES+APCI MS m/z 301.9 [M+H]
+。
【化105】
ステップB:4-ブロモ-1-ジアゾニオ-ナフタレン-2-オレート:2,4-ジブロモナフタレン-1-アミン(60.0g、199mmol)のAcOH(900mL)およびプロピオン酸(150mL)中溶液に、NaNO
2(16.5g、239mmol、13.0mL)を5~8℃で30分間かけて何度かに分けて加え、反応混合物を5~8℃で30分間撹拌した。反応混合物を氷水(4000mL)中に注ぎ込み、スラリーを濾過し、固体を水(2×50mL)で洗浄して、4-ブロモ-1-ジアゾニオ-ナフタレン-2-オレート(150g、湿潤粗製)を得て、これを次のステップで粗製物として直ちに使用した。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ8.12-8.10(d,J=8.4Hz,1H),7.62-7.58(t,J=7.6Hz,1H),7.41-7.37(t,J=7.6Hz,1H),7.31-7.29(d,J=8.0Hz,1H),7.20(s,1H)。
【化106】
ステップC:4-ブロモナフタレン-2-オール:4-ブロモ-1-ジアゾニオ-ナフタレン-2-オレート(100g、402mmol)のEtOH(2.00L)中溶液に、NaBH
4(30.4g、803mmol)を13~15℃で1時間かけて何度かに分けて加え、反応物を15~18℃で3時間撹拌した。反応物を濾過し、濃縮乾固した。残留物をDCM(1000mL)に溶解し、水(500mL×2)で洗浄した。有機成分をNa
2SO
4上で乾燥させて、濃縮乾固した。残留物を、石油エーテル/EtOAc(60/1~10/1)で溶出するクロマトグラフィーにより精製し、物質を逆相HPLCで再精製して、4-ブロモナフタレン-2-オール(40.0g、139mmol、17.3%収率、77.4%純度)を灰色固体として得た。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ8.07-8.05(d,J=8.0Hz,1H),7.60-7.58(d,J=7.6Hz,1H),7.41-7.36(m,3H),7.07(s,1H)。
【化107】
ステップD:3-ベンジルオキシ-1-ブロモ-ナフタレン:4-ブロモナフタレン-2-オール(30.0g、134mmol)、BnBr(25.3g、148mmol、17.6mL)およびK
2CO
3(55.7g、403mmol)のMeCN(500mL)中混合物を、80℃で1時間加熱した。反応混合物を濾過し、濃縮乾固した。残留物を、PE/EA(100/1~60/1)で溶出するシリカゲルカラムにより精製して、3-ベンジルオキシ-1-ブロモ-ナフタレン(40.0g、128mmol、95%収率)を得た。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ8.19-8.17(d,J=8.0Hz,1H),7.75-7.32(d,J=8.8Hz,1H),7.64-7.63(d,J=2.4Hz,1H),7.52-7.37(m,7H),7.23-7.21(d,J=2.0Hz,1H),5.2(s,2H)。
【化108】
ステップA:tert-ブチル4-ヒドロキシ-2-メチルスルファニル-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート:1-tert-ブチル4-エチル3-オキソピペリジン-1,4-ジカルボキシレート(50.0g、184mmol)のMeOH(1.00L)中溶液に、窒素下で、NaOMe(49.8g、921mmol)および2-メチルイソチオ尿素(62.4g、331mmol、H
2SO
4)を加えた。この反応混合物を25℃で16時間撹拌した。pHが約5になるまで、反応混合物にHCl(2M)を加え、次いで、混合物を減圧下で濃縮した。残留物を300mLの酢酸エチルおよび300mLの水に懸濁させた。懸濁液を濾過した。有機相を水(1×300mL)、ブライン(1×200mL)で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥し、濾過し、濃縮して、tert-ブチル4-ヒドロキシ-2-メチルスルファニル-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート(51.0g、138mmol、75.4%収率、81.0%純度)を得て、これを直接次の反応に使用した。ES+APCI MS m/z 298.2 [M+H]
+。
【化109】
ステップB:tert-ブチル2-メチルスルファニル-4-(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート:tert-ブチル4-ヒドロキシ-2-メチルスルファニル-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート(51.0g、171mmol)のDCM(500mL)中溶液に、DIEA(44.3g、343mmol、59.9mL)およびTf
2O(72.6g、257mmol、42.4mL)を、窒素下、0℃で順次加えた。反応混合物を25℃まで温め、16時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、残留物をEtOAc/石油 0~10%で溶出するカラムクロマトグラフィーにより精製して、tert-ブチル2-メチルスルファニル-4-(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート(46.0g、107mmol、62.4%収率)を得た。ES+APCI MS m/z 430.2 [M+H]
+。
【化110】
ステップC:tert-ブチル4-(4-ベンジルオキシカルボニルピペラジン-1-イル)-2-メチルスルファニル-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート:tert-ブチル2-メチルスルファニル-4-(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート(46.0g、107mmol)のDMF(500mL)中溶液に、DIEA(27.7g、214mmol、37.4mL)およびベンジルピペラジン-1-カルボキシレート(25.9g、117mmol、22.7mL)を加えた。反応物をN
2雰囲気下、100℃に1時間加熱した。反応混合物を酢酸エチル(300ml)に注ぎ込んだ。混合物をH
2O(300mL×3)で洗浄した。有機相をブライン(200mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4上で乾燥させ、真空中で濃縮した。残留物を、0~20%EtOAc/石油を溶出液として使用するカラムクロマトグラフィーにより精製して、tert-ブチル4-(4-ベンジルオキシカルボニルピペラジン-1-イル)-2-メチルスルファニル-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート(51.0g、96.9mmol、90.5%収率、92.0%純度)を得た。ES+APCI MS m/z 500.3[M+H]
+。
【化111】
ステップD:ベンジル4-(2-メチルスルファニル-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート:tert-ブチル4-(4-ベンジルオキシカルボニルピペラジン-1-イル)-2-メチルスルファニル-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート(25.0g、50mmol)のDCM(50mL)中溶液に、TFA(85.6g、750mmol、55.6mL)を加えた。混合物を25℃で1時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、残留物を300mLの酢酸エチルおよび300mLの水中に溶解し、pHが約8になるまでNa
2CO
3を加えた。有機層を水(1×300mL)、ブライン(1×200mL)で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、ベンジル4-(2-メチルスルファニル-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-カルボキシレートを得た。この生成物は、さらに精製することなく次のステップに直接使用した。ES+APCI MS m/z 400.2 [M+H]
+。
【化112】
ステップE:ベンジル4-[7-(3-ベンジルオキシ-1-ナフチル)-2-メチルスルファニル-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-1-カルボキシレート:3-ベンジルオキシ-1-ブロモ-ナフタレン(16.3g、52.1mmol)、ベンジル4-(2-メチルスルファニル-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート(16.0g、40.1mmol)、Cs
2CO
3(32.6g、100mmol)、Pd
2(dba)
3(5.50g、6.01mmol)およびRuPhos(3.74g、8.01mmol)のジオキサン(300mL)中混合物を、N
2により3回脱気し、混合物を、N
2雰囲気下、85℃で5時間撹拌した。0℃で水(200mL)を加えることにより反応混合物をクエンチし、EtOAc(3×200mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(3×150mL)で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物を、10~20%MeOH/DCMで溶出するカラムクロマトグラフィーにより精製して、ベンジル4-[7-(3-ベンジルオキシ-1-ナフチル)-2-メチルスルファニル-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-1-カルボキシレート(16.0g、22.8mmol、56.9%収率、90.0%純度)を得た。ES+APCI MS m/z 632.5[M+H]
+。
【化113】
ステップF:ベンジル4-[7-(3-ベンジルオキシ-1-ナフチル)-2-メチルスルフィニル-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-1-カルボキシレート:ベンジル4-[7-(3-ベンジルオキシ-1-ナフチル)-2-メチルスルファニル-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-1-カルボキシレート(8.00g、12.7mmol)のDCM(200mL)中溶液に、m-CPBA(2.73g、12.7mmol、80.0%純度)を、窒素雰囲気下、0℃で加えた。反応混合物を0℃で2時間撹拌した。0℃でNa
2S
2O
3(10mL)を加えることにより反応混合物をクエンチし、次いで、水(100mL)で希釈し、DCM(200mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(200mL)で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物を、0~10%MeOH/DCMで溶出するカラムクロマトグラフィーにより精製して、ベンジル4-[7-(3-ベンジルオキシ-1-ナフチル)-2-メチルスルフィニル-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-1-カルボキシレート(3.50g、4.92mmol、38.8%収率、91.0%純度)を得た。ES+APCI MS m/z 648.5[M+H]
+。
【化114】
ステップA:tert-ブチル4-(4-ベンジルオキシカルボニルピペラジン-1-イル)-2-メチルスルホニル-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート:tert-ブチル4-(4-ベンジルオキシカルボニルピペラジン-1-イル)-2-メチルスルファニル-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート(14.4g、28.9mmol)のDCM(150mL)中の撹拌溶液に、m-CPBA固体(17.4g、101mmol)を窒素下、0℃で加えた。0℃で2時間撹拌後、反応混合物を水(300mL)で希釈し、飽和NaHCO
3水溶液で約pH8に塩基化し、次いで、DCM(3×200mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(3×200mL)で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥し、濾過し、減圧下濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO
2、石油エーテル/酢酸エチル=10/1~1/2)により精製して、tert-ブチル4-(4-ベンジルオキシカルボニルピペラジン-1-イル)-2-メチルスルホニル-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート(11.0g、19.7mmol、68.6%収率、95.4%純度)を得た。ES+APCI MS m/z 532.1 [M+H]
+。
【化115】
ステップA:4-ブロモ-5-メチル-1-テトラヒドロピラン-2-イル-インダゾール:4-ブロモ-5-メチル-1H-インダゾール(3g、14.2mmol)および3,4-ジヒドロ-2H-ピラン(2.39g、28.4mmol、2.60mL)のDCM(30mL)中混合物に、TsOH
*H
2O(270mg、1.42mmol)を加え、混合物を15℃で2時間撹拌した。撹拌が完了したら、反応混合物を真空下で濃縮し、残留物を、5~20&EtOAc/石油エーテルを溶出液として使用するカラムクロマトグラフィーにより精製して、4-ブロモ-5-メチル-1-テトラヒドロピラン-2-イル-インダゾール(4g、13.6mmol、95.3%収率)を白色固体として得た。
1H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ8.01(s,1H),7.47(d,J=8.4Hz,1H),7.25(d,J=8.4Hz,1H),5.70(dd,J=2.8,9.2Hz,1H),4.05-3.96(m,1H),3.79-3.70(m,1H),2.66-2.44(m,4H),2.25-2.04(m,2H),1.84-1.56(m,3H)。
【化116】
【0167】
中間体51の後、ステップAで4-ブロモ-5-メチル-1H-インダゾールの代わりに4-ブロモ-5-メトキシ-1H-インダゾールを使用して、4-ブロモ-5-メトキシ-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾールを調製した。
1H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ8.00(s,1H),7.53(d,J=9.2Hz,1H),7.16(d,J=9.2Hz,1H),5.70(dd,J=2.8,9.2Hz,1H),4.04-3.98(m,1H),3.96(s,3H),2.55-2.49(m,1H),2.23-2.05(m,2H),1.83-1.69(m,3H)。
【化117】
ステップA:エチル2-メチル-3-オキソ-4-フェニル-ブタノエート。乾燥した250mlの三つ口フラスコに、エチル3-オキソ-4-フェニル-ブタノエート(4.00g、19.4mmol)、THF(50.0mL)、水素化ナトリウム(931mg、23.3mmol)を加え、反応物を0℃で0.5時間撹拌した。次に、ヨウ化メチル(3.03g、21.3)の溶液を滴加した。添加が完了したら、反応混合物を20℃に温め、20℃で2時間撹拌した。20℃で水(10.0mL)を加えることにより反応混合物をクエンチし、次いで酢酸エチル(20.0mL)で希釈し、層を分離させた。次に、水層を酢酸エチル(20.0mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(30.0mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して残留物を得た。残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル:酢酸エチル 20:1~10:1)により精製して、エチル2-メチル-3-オキソ-4-フェニル-ブタノエート(3.60g、16.3mmol、84.3%収率)を無色油として得た。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ=7.38-7.28(m,3H),7.25-7.19(m,2H),4.22-4.15(m,2H),3.87(d,J=2.0Hz,2H),3.65(q,J=7.2Hz,1H),1.34(d,J=7.2Hz,3H),1.30-1.26(m,3H)。
ステップB:2-メチルナフタレン-1,3-ジオール。エチル2-メチル-3-オキソ-4-フェニル-ブタノエート(3.60g、16.3mmol)の濃硫酸(19.9g、203mmol)中溶液を、15℃で12時間撹拌した。反応混合物を氷水(30.0mL)中に注ぎ込み、得られた固体を濾過により集め、真空下で乾燥して、2-メチルナフタレン-1,3-ジオール(1.80g、10.3mmol、63.2%収率)を赤色固体として得た。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ=8.02(d,J=8.0Hz,1H),7.65-7.54(m,1H),7.41(t,J=7.2Hz,1H),7.36-7.31(m,1H),6.80(s,1H),4.29-4.20(s,2H),2.41-2.24(s,3H)。
ステップC:3-メトキシ-2-メチル-ナフタレン-1-オール。2-メチルナフタレン-1,3-ジオール(1.70g、9.76mmol)を、HCl/MeOH(2M、35.0mL)に加え、得られた混合物を30℃で3日間撹拌した。反応物を真空中で濃縮し、残留物を分取TLC(石油エーテル:酢酸エチル 1:1)により精製して、3-メトキシ-2-メチル-ナフタレン-1-オール(800mg、4.25mmol、43.5%収率)を白色固体として得た。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ=8.02(d,J=8.4Hz,1H),7.69(d,J=8.4Hz,1H),7.44-7.38(m,1H),7.37-7.31(m,1H),6.79(s,1H),5.14(s,1H),3.94(s,3H),2.29(s,3H)。
ステップD:(3-メトキシ-2-メチル-1-ナフチル)トリフルオロメタンスルホネート。3-メトキシ-2-メチル-ナフタレン-1-オール(800mg、4.25mmol)およびピリジン(504mg、6.38mmol)のDCM(10.0mL)中混合物に、無水トリフルオロ酢酸(1.44g、5.10mmol)をN
2雰囲気下、0℃で滴加した。混合物を20℃に温め、さらに5時間撹拌した。真空下で溶媒を除去し、残留物を分取TLC(石油エーテル:酢酸エチル 1:1)により精製して、(3-メトキシ-2-メチル-1-ナフチル)トリフルオロメタンスルホネート(1.30g、4.06mmol、95.5%収率)を白色固体として得た。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ=7.97(d,J=7.6Hz,1H),7.79-7.74(m,1H),7.52-7.43(m,2H),7.14(s,1H),3.99(s,3H),2.42(s,3H)。
ステップE:1-ブロモ-3-メトキシ-2-メチル-ナフタレン:シールドチューブに、トルエン(10.0mL)中の、(3-メトキシ-2-メチル-1-ナフチル)トリフルオロメタンスルホネート(466mg、1.45mmol)、t-Bu-Brettphos(154mg、290μmol)、臭化カリウム(259mg、2.17mmol)、PEG-200(175mg)、2-ブタノン(157mg、2.17mmol)、およびPd
2(dba)
3(133mg、145μmol)を加え、混合物を、N2により5分間脱気した。次に、トリイソブチルアルミニウム(431mg、2.17mmol)を20℃で滴加した。混合物を100℃に24時間加熱した。反応混合物を水(30.0mL)中に注ぎ込み、水層を酢酸エチル(20.0mL×3)で抽出した。合わせた有機成分をブライン(30.0mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、真空中で濃縮して残留物を得て、これをカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル 10:1)で予備精製し、次いで、分取TLC(石油エーテル:酢酸エチル 10:1)により精製して、1-ブロモ-3-メトキシ-2-メチル-ナフタレン(700mg、2.79mmol、64.1%収率)を白色固体として得た。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ=8.26-8.17(m,1H),7.73-7.69(m,1H),7.47-7.40(m,2H),7.09(s,1H),3.98-3.95(m,3H),2.56(s,3H)。
ステップF:4-ブロモ-3-メチル-ナフタレン-2-オール:1-ブロモ-3-メトキシ-2-メチル-ナフタレン(580mg、2.31mmol)およびテトラブチルアンモニウムヨージド(2.13g、5.78mmol)のDCM(11.0mL)中の-78℃に冷却した溶液に、BCl
3(1M、5.78mL)の溶液をN
2下で10分かけて滴加した。反応混合物を0℃に温め、室温で2時間撹拌した。次に、真空下で溶媒を除去し、残留物を分取TLC(石油エーテル:酢酸エチル 5:1)により精製して、4-ブロモ-3-メチル-ナフタレン-2-オール(500mg、2.11mmol、91.3%収率)を白色固体として得た。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ=8.26-8.15(m,1H),7.63(dd,J=3.6,6.0Hz,1H),7.45-7.38(m,2H),7.11(s,1H),5.09(s,1H),2.60(s,3H),1.56(s,3H)。
ステップG:3-ベンジルオキシ-1-ブロモ-2-メチル-ナフタレン。4-ブロモ-3-メチル-ナフタレン-2-オール(265mg、1.12mmol)およびベンジルブロミド(201mg、1.18mmol)のアセトニトリル(3.00mL)中混合物に、炭酸カリウム(310mg、2.24mmol)をN
2下、20℃で1度に加えた。次に、混合物を60℃で2時間撹拌した。真空下で溶媒を除去し、残留物を分取TLC(石油エーテル:酢酸エチル 5:1)により精製して、3-ベンジルオキシ-1-ブロモ-2-メチルナフタレン(250mg、695μmol、31.0%収率、91.0%純度)を白色固体として得た。ES+APCI MS m/z 327.0、329.0 [M+H]
+。
【化118】
ステップA:(4-ブロモ-2-ナフチル)2,2-ジメチルプロパノエート。4-ブロモナフタレン-2-オール(10g、44.8mmol)およびTEA(9.07g、89.7mmol)のDCM(200mL)中溶液に、0℃で、2,2-ジメチルプロパノイルクロリド(8.11g、67.2mmol)を加えた。反応混合物を0℃で10分間撹拌した。水(50mL)を添加することによりT反応混合物をクエンチし、層を分離させた。有機層をブライン(30mL)で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥し、濾過し、真空下で濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(PE:EA=1:0~100:1)により精製して、(4-ブロモ-2-ナフチル)2,2-ジメチルプロパノエート(9g、29.3mmol、65.4%収率)を赤色油として得た。
1H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ=8.22(d,J=8.0Hz,1H),7.83-7.77(m,1H),7.63-7.49(m,4H),1.41(s,9H)。
【化119】
ステップA:7-ベンジル-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-2,4-ジオール。EtOH(600mL)に、Na(5.56g、241mmol)を少しずつ分けて加え、混合物を1時間撹拌した。この溶液に、エチル1-ベンジル-3-オキソ-ピペリジン-4-カルボキシレート(30.0g、100mmol)および尿素(14.5g、242mmol)を加え、反応混合物を75℃で36時間撹拌した。真空下で溶媒を除去し、残留物を水(50mL)に溶解し、HCl(120mL、2M)を加えて酸性化し、この時点で固体が沈殿した。その固体を濾過し、濾過ケーキを真空下で乾燥し、7-ベンジル-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-2,4-ジオール(22.0g、83.8mmol)を得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6)δ=10.97(br s,1H),10.66(br s,1H),7.55-6.95(m,5H),3.81-3.50(m,2H),3.26-2.91(m,2H),2.77-2.58(m,2H),2.34-2.09(m,2H)。
ステップB:7-ベンジル-2,4-ジクロロ-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン。DIEA(30.1g、233mmol)のPOCl
3(330g、2.15mol)中溶液に、7-ベンジル-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-2,4-ジオール(20.0g、77.7mmol)を加え、反応混合物を110℃で5時間撹拌した。撹拌が完了したら、反応混合物を真空下で濃縮した。残留物をDCM(400mL)に溶解し、飽和NaHCO
3(200mL)中に注ぎ込み、層を分離させた。水層をDCM(2×400mL)で抽出した。合わせた有機成分をブライン(100mL)で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥し、真空下で濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(PE/DCM=10/1~0/1)により精製して、7-ベンジル-2,4-ジクロロ-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン(7.70g、26.2mmol)を得た。
1H NMR(300MHz,クロロホルム-d)δ=7.43-7.28(m,5H),3.73(s,2H),3.66(br s,2H),2.84(br s,4H)。
ステップC:tert-ブチル4-(7-ベンジル-2-クロロ-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート。7-ベンジル-2,4-ジクロロ-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン(17.3g、58.8mmol)のDMSO(200mL)中溶液に、DIEA(19.0g、147mmol)およびtert-ブチルピペラジン-1-カルボキシレート(11.5g、61.7mmol)を加え、混合物を55℃で10時間撹拌した。反応混合物を酢酸エチル(200ml)に注ぎ込み、水(3×200mL)で洗浄した。合わせた有機成分をブライン(200mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4上で乾燥し、真空下で濃縮して残留物を得た。残留物をMTBE(200mL)でトリチュレートして精製し、tert-ブチル4-(7-ベンジル-2-クロロ-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート(24g、52.9mmol)を得た。ES+APCI MS m/z 444.2 [M+H]
+。
ステップD:tert-ブチル4-[7-ベンジル-2-(3-モルホリノプロポキシ)-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-1-カルボキシレート。3-モルホリノプロパン-1-オール(11.8g、81.1mmol)、tert-ブチル4-(7-ベンジル-2-クロロ-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート(18g、40.5mmol)、BINAP(5.05g、8.11mmol)、t-BuONa(9.74g、101mmol)、およびPd
2(dba)
3(3.71g、4.05mmol)のトルエン(300mL)中混合物に、N
2により脱気およびパージを3回行い、混合物を、N
2雰囲気下、110℃で3時間撹拌した。反応混合物をH
2O(200mL)中に注ぎ込み、水層を酢酸エチル(3×300mL)で抽出した。合わせた有機成分をブライン(200mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4上で乾燥し、真空下で濃縮して残留物を得た。残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル/酢酸エチル=100/1~5/1)により精製して、tert-ブチル4-[7-ベンジル-2-(3-モルホリノプロポキシ)-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-1-カルボキシレート(14g、22.5mmol)を得た。ES+APCI MS m/z 553.4 [M+H]
+。
ステップE:tert-ブチル4-[2-(3-モルホリノプロポキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-1-カルボキシレート。tert-ブチル4-[7-ベンジル-2-(3-モルホリノプロポキシ)-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-1-カルボキシレート(14g、25.3mmol)のMeOH(1L)中溶液に、乾燥Pd/C(3g、10%純度)をN
2下で加えた。この懸濁液に、H
2により真空脱気およびパージを数回行った。混合物をH
2(15psi)下、40℃で10時間撹拌した。混合物を濾過し、濾液を真空下で濃縮して、残留物を得た。残留物を逆相フラッシュ[水(0.1TFA)/アセトニトリル]により精製して、tert-ブチル4-[2-(3-モルホリノプロポキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-1-カルボキシレート(6.5g、13.9mmol)を得た。ES+APCI MS m/z 463.4 [M+H]
+。
【化120】
【0168】
ナフタレン-1-イルトリフルオロメタンスルホネート。三つ口フラスコ中で、α-ナフトール(4g、27.74mmol)をDCM(200mL)に溶解した。反応物を水浴で10℃に冷却した。N-エチル-N-イソプロピルプロパン-2-アミン(4.846ml、27.74mmol)およびトリフルオロメタンスルホン酸無水物(4.668ml、27.74mmol)をその溶液に滴加した。反応物を10℃で2時間撹拌した。TLC(25%EtOAc、UV vis)により反応が完了したことが示された。有機成分を水(2×)およびブライン(2×)で洗浄した。有機成分をMgSO4上で乾燥し、真空中で濃縮した。濃縮物をCombiFlashの順相クロマトグラフィー(0%~12% EtOAc:ヘキサン)を使用して精製した。純粋な生成物を含有する全画分を合わせ、真空中で濃縮して、ナフタレン-1-イルトリフルオロメタンスルホネート(6.77g、24.51mmol、88.34%収率)を得た。
【化121】
【0169】
(S)-1-Boc-2-ヒドロキシメチルピペラジン(1.0g、4.62mmol)のDCE(92.47mL、4.624mmol)中溶液に、ホルムアルデヒド(3.474ml、46.24mmol)(37%水溶液)を加え、続いて、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(4.9g、23.12mmol)を加えた。混合物を室温で2.5時間、強く撹拌した。混合物を飽和重炭酸ナトリウム(30mL)で処理し、10分間撹拌し、次いでDCM(3×10ml)で抽出した。合わせた有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、濃縮した。ES+APCI MS m/z 231.1 [M+H]
+。
【化122】
【0170】
(S)-1-Boc-2-ヒドロキシメチルピペラジンの代わりに、tert-ブチル(R)-2-(ヒドロキシメチル)ピペラジン-1-カルボキシレートを使用して、中間体57と同様に標記化合物を調製した。ES+APCI MS m/z 231.1[M+H]
+。
【化123】
【0171】
丸底フラスコに、THF(8.87ml、4.44mmol)、続いて、鉱物油中60%分散体の水素化ナトリウム、(0.213g、5.32mmol)を加えた。混合物を0℃に冷却し、次いで、3-ブロモ-5-クロロ-4-フルオロフェノール(1.0g、4.44mmol)を何度かに分けて加えた。泡立ちが止まったら、得られた暗色の混合物を0℃で30分間撹拌した。次いで、クロロメチルメチルエーテル(0.421ml、5.54mmol)を加え、混合物を周囲温度に温め、2時間撹拌した。飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、混合物をDCMで抽出した。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、濃縮した。粗製物をクロマトグラフ処理して(ヘキサン中の0~15%EtOAc)、生成物を透明油として得た。
【化124】
ステップA:4-ブロモ-1-テトラヒドロピラン-2-イル-5-(トリフルオロメチル)インダゾール:4-ブロモ-5-(トリフルオロメチル)-1H-インダゾール(500mg、1.89mmol、1当量)のDCM(10mL)中溶液に、3,4-ジヒドロ-2H-ピラン(476mg、5.66mmol、517μL、3当量)およびTsOH・H
2O(35.9mg、188μmol、0.1当量)を加えた。混合物を15℃で1時間撹拌した。混合物を濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO
2、PE:EA=10:1~1:1)により精製して、4-ブロモ-1-テトラヒドロピラン-2-イル-5-(トリフルオロメチル)インダゾール(480mg、1.37mmol、72.9%収率)を黄色油として得た。
1H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ8.20(s,1H),7.69-7.63(m,2H),5.70(dd,J=2.8,8.8Hz,1H),4.05-3.96(m,1H),3.79-3.70(m,1H),2.56-2.50(m,1H),2.27-2.04(m,2H),1.80-1.74(m,2H),1.60-1.54(m,1H)。
【化125】
【0172】
8-ブロモ-6-(メトキシメトキシ)キノリン:8-ブロモキノリン-6-オール(1.00g、4.46mmol)のDCM(20mL)中の撹拌懸濁液を、0℃に冷却し、ジイソプロピルエチルアミン(1.2mL、6.7mmol、1.5当量)を加え、続けてクロロ(メトキシ)メタン(0.41mL、5.4mmol、1.2当量)を滴加し、反応混合物を室温に一晩温めた。次に、濃アンモニア水溶液(0.5mL、約5mmol)を加え、得られた混合物を室温で1時間撹拌した。混合物を真空中で留去して、シリカゲル、RediSep 40gを用い、20%EtOAc/ヘキサンを溶出液として使用してクロマトグラフ処理し、無色粉末(0.52g、44%)を得た。ES+APCI MS m/z 268.0, [M+H]
+。
【化126】
【0173】
ブタ-3-エンニトリル(80.0g、1.19mol、96.4mL、1.00当量)のtert-ブタノール(130mL)および石油エーテル(480mL)中溶液に、Br2(191g、1.19mol、61.5mL、1.00当量)のtert-ブタノール(130mL)中溶液を加えた。混合物を10℃で4時間撹拌した。混合物は、いかなる後処理も行わずに次のステップで使用した。
【0174】
上記の混合物(274mL)に、N,N’-ジベンジルエタン-1,2-ジアミン(160g、445mmol、157mL、2HOAc)およびEt3N(178g、1.76mol、245mL)のトルエン(300mL)中溶液を加えた。110℃で2時間撹拌した後、混合物を濾過し、濾液を真空下で濃縮した。残留物を、カラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル/酢酸エチル=3/1)により精製して、2-(1,4-ジベンジルピペラジン-2-イル)アセトニトリル(75.0g、246mmol、2ステップで55.7%収率)を黄色固体として得た。LCMS[ESI,M+1]:306。
【0175】
1H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ=7.37-7.23(m,10H),3.80(d,J=13.2Hz,1H),3.60-3.42(m,3H),3.06-2.96(m,1H),2.95-2.83(m,1H),2.69-2.53(m,4H),2.52-2.35(m,3H)。
【0176】
2-(1,4-ジベンジルピペラジン-2-イル)アセトニトリル(160g、524mmol、1.00当量)のジクロロエタン(1.50L)中溶液に、1-クロロエチルカルボノクロリデート(300g、2.10mol、4.00当量)を15℃で加えた。85℃で48時間撹拌した後、混合物を真空下で濃縮した。次いで、残留物をメタノール(1.50L)に入れ、1時間加熱還流した。混合物を濃縮した。固体をメチルtert-ブチルエーテル(1.00L)で処理し、2-ピペラジン-2-イルアセトニトリル(中間体62、90.0g、454mmol、86.7%収率、2HCl)を白色固体として得、さらに精製することなく次のステップで使用した。
【0177】
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ=10.19(br s,2H),4.01-3.73(m、1H),3.69-3.41(m、4H),3.32(dt,J=2.8,13.2Hz,1H),3.27-3.10(m、3H)。
【化127】
【0178】
tert-ブチル(3R)-3-(ヒドロキシメチル)ピペラジン-1-カルボキシレート(80.0g、370mmol、1.0当量)の酢酸エチル(1400mL)中溶液に、NaHCO3(93.2g、1.11mol、43.2mL、3.0当量)、H2O(700mL)、およびベンジルカルボノクロリデート(82.0g、481mmol、68.4mL、1.30当量)を加えた。混合物を25℃で12時間撹拌した。撹拌が完了したら、有機相を分離し、水(500mL×2)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥し、濾過した。真空下で溶媒を除去し、残留物を得た。残留物を、カラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル/酢酸エチル=40/1~1/1)により精製した。生成物である1-ベンジル4-tert-ブチル(2R)-2-(ヒドロキシメチル)ピペラジン-1,4-ジカルボキシレート(85.0g、235mmol、64%収率、96%純度)を黄色油として得た。LCMS[ESI,M-99]:251。
【0179】
1-ベンジル4-tert-ブチル(2R)-2-(ヒドロキシメチル)ピペラジン-1,4-ジカルボキシレート(20.0g、57.1mmol、1.0当量)の2-メチルテトラヒドロフラン(240mL)中溶液に、TEA(17.3g、171.23mmol、23.8mL、3.0当量)およびメタンスルホニルクロリド(7.74g、67.6mmol、5.23mL、1.18当量)を加えた。混合物を20℃で1時間撹拌した。20℃で150mLのH2Oを加えることによって反応混合物をクエンチした。反応混合物を酢酸エチル(300mL×2)で抽出した。有機層を、H2O(100mL)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥し、濾過した。真空下で溶媒を除去した。1-ベンジル4-tert-ブチル(2R)-2-(メチルスルホニルオキシメチル)ピペラジン-1,4-ジカルボキシレート(22.0g、粗製)を黄色油として得た。この粗生成物を、さらに精製することなく次のステップに直接使用した。
【0180】
1-ベンジル4-tert-ブチル(2R)-2-(メチルスルホニルオキシメチル)ピペラジン-1,4-ジカルボキシレート(22.0g、51.3mmol)のDMA(150mL)中溶液に、NaCN(10.4g、211mmol)を加えた。混合物を60℃で12時間撹拌した。真空下で溶媒を除去し、残油を得た。残留物をH2O(40.0mL)で希釈し、酢酸エチル(50.0mL×3)で抽出した。合わせた有機層を、飽和ブライン(80.0mL)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、残留物を得た。残留物を、カラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル/酢酸エチル=40/1~5/1)により精製した。生成物である1-ベンジル4-tert-ブチル(2S)-2-(シアノメチル)ピペラジン-1,4-ジカルボキシレート(18.5g、46.4mmol,2ステップでの収率72%)を黄色油として得た。LCMS[ESI,M+1]:360。
【0181】
1-ベンジル4-tert-ブチル(2S)-2-(シアノメチル)ピペラジン-1,4-ジカルボキシレート(18.5g、43.3mmol、1.00当量)のジオキサン(40.0mL)中溶液に、HCl・ジオキサン(4M、54.1mL、5.0当量)を加えた。混合物を20℃で1時間撹拌した。次いで、反応混合物にNaHCO3をpH>7となるまで加え、減圧下で濃縮して、ジオキサンを除去した。残留物をH2O(50.0mL)で希釈し、酢酸エチル(50.0mL×3)で抽出した。合わせた有機層を、H2O(20.0mL)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、残留物を得た。生成物であるベンジル(2S)-2-(シアノメチル)ピペラジン-1-カルボキシレート(中間体63、11.5g、91.8%純度、95%収率)を黄色油として得た。LCMS[ESI,M+1]:260。
【0182】
1H NMR(400MHz、クロロホルム-d)δ=7.37-7.31(m,5H),5.14(s,2H),4.49(br,s,1H),3.93(br,s,1H),3.07-2.81(m,5H),2.78-2.54(m,2H)。
【化128】
【0183】
tert-ブチル2-メチルスルファニル-4-(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート(3.81g、8.87mmol、1.0当量)、ベンジル(2S)-2-(シアノメチル)ピペラジン-1-カルボキシレート(中間体63、2.30g、8.87mmol、1.0当量)、DIEA(3.44g、26.6mmol、4.63mL、3.0当量)のDMF(20.0mL)中混合物に、N2により脱気およびパージを3回行い、次いで、混合物を、N2雰囲気下、100℃で1時間撹拌した。撹拌が完了したら、溶媒を真空下で除去した。残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル/酢酸エチル=3/1~1:1)により精製して、tert-ブチル4-[(3S)-4-ベンジルオキシカルボニル-3-(シアノメチル)ピペラジン-1-イル]-2-メチルスルファニル-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート(3.6g、6.16mmol、69%収率、92.2%純度)を黄色固体として得た。LCMS[ESI,M+1]:539。
【0184】
tert-ブチル4-[(3S)-4-ベンジルオキシカルボニル-3-(シアノメチル)ピペラジン-1-イル]-2-メチルスルファニル-6,8-ジヒドロ-5Hピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート(6.0g、11.1mmol、1.0当量)、TFA(30.8g、270mmol、20.0mL、24.3当量)のDCM(20.0mL)中混合物に、N2により脱気およびパージを3回行い、次いで、混合物を、N2雰囲気下、20℃で1時間撹拌した。撹拌が完了したら、飽和NaHCO3溶液(500mL)で反応混合物をクエンチした。混合物を酢酸エチル(3×300mL)で抽出し、有機層をNa2SO4上で乾燥し、濾過した。真空下で溶媒を除去し、ベンジル(2S)-2-(シアノメチル)-4-(2-メチルスルファニル-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート(4.8g、粗製)を黄色固体として得、これをさらに精製することなく次のステップに使用した。
【0185】
ベンジル(2S)-2-(シアノメチル)-4-(2-メチルスルファニル-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート(4.8g)、1-ブロモナフタレン(3.8g、18.35mmol、2.55mL)、Pd2(dba)3(1.0g、1.09mmol)、RuPhos(1.02g、2.19mmol)、およびCs2CO3(12.0g、36.8mmol)のトルエン(30.0mL)中混合物に、N2により脱気およびパージを3回行い、次いで、混合物を、N2雰囲気下、100℃で12時間撹拌した。撹拌が完了したら、反応混合物を濾過した。有機溶媒を真空下で除去して、残油を得た。残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル/酢酸エチル=5/1~3:1)により精製して、ベンジル(2S)-2-(シアノメチル)-4-[2-メチルスルファニル-7-(1-ナフチル)-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-1-カルボキシレート(2.2g、3.31mmol、85.3%純度、2ステップでの収率30%)を黄色固体として得た。LCMS[ESI,M+1]:565。
【0186】
ベンジル(2S)-2-(シアノメチル)-4-[2-メチルスルファニル-7-(1-ナフチル)-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-1-カルボキシレート(2.8g、3.97mmol、1.0当量)、m-CPBA(1.05g、5.16mmol、1.3当量)のDCM(4.0mL)中混合物に、N
2により脱気およびパージを3回行い、次いで、混合物を、N
2雰囲気下、0℃で1時間撹拌した。撹拌が完了したら、飽和Na
2SO
3溶液(50mL)を加えることによって反応物をクエンチした。混合物を酢酸エチル(3×10mL)で抽出した。合わせた有機層をNa
2SO
4で乾燥し、濾過した。溶媒を除去して、残油を得た。残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO
2、メタノール/酢酸エチル=1/20~1:10)により精製して、ベンジル(2S)-2-(シアノメチル)-4-[2-メチルスルフィニル-7-(1-ナフチル)-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-1-カルボキシレート(中間体64、1.5g、2.35mmol、59%収率、90.8%純度)を黄色固体として得た。LCMS[ESI,M+1]:581。
【化129】
【0187】
tert-ブチル4-[(3S)-4-ベンジルオキシカルボニル-3-(シアノメチル)ピペラジン-1-イル]-2-メチルスルファニル-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート(24.3g、45.0mmol、1.0当量)の酢酸エチル(480mL)中溶液に、m-CPBA(8.69g、42.8mmol、85%純度、0.95当量)を0℃で何度かに分けて加えた。混合物を0℃で0.5時間撹拌した。撹拌が完了したら、混合物を、水(50.0mL)で希釈し、酢酸エチル(2×300mL)で抽出した。有機層をNa2SO4上で乾燥し、真空下で濃縮した。残留物を逆相フラッシュ[水(0.1%FA)/アセトニトリル]により精製した。混合物を飽和重炭酸ナトリウム溶液で中和し、真空下で濃縮してMeCNを除去し、酢酸エチル(3×1000mL)で抽出した。有機層をNa2SO4上で乾燥し、真空下で濃縮して、tert-ブチル4-[(3S)-4-ベンジルオキシカルボニル-3-(シアノメチル)ピペラジン-1-イル]-2-メチルスルフィニル-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート(22.8g、39.3mmol、87%収率、95.8%純度)を黄色固体として得た。
【0188】
1H NMR(400MHz、クロロホルム-d)δ7.37-7.23(m,5H),5.12(s,2H),4.75-4.41(m,3H),4.17-4.05(m,2H),3.86(d,J=11.6Hz,1H),3.81-3.62(m,1H),3.46-3.18(m,3H),3.10(d,J=3.6,12.0Hz,1H),2.81(d,J=3.2Hz,3H),2.77-2.56(m,4H),1.42(s,9H)。
【0189】
tert-ブチル4-[(3S)-4-ベンジルオキシカルボニル-3-(シアノメチル)ピペラジン-1-イル]-2-メチルスルフィニル-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート(5.0g、9.01mmol、1.0当量)および[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メタノール(1.82g、15.8mmol、1.88mL、1.75当量)のトルエン(50.0mL)中溶液に、t-BuONa(1.73g、18.0mmol、2.0当量)を加えた。混合物を0℃で0.5時間撹拌した。撹拌が完了したら、混合物に冷水(50.0mL)を加え、酢酸エチル(5×50.0mL)で抽出した。合わせた有機層をNa2SO4上で乾燥し、濾過し、濃縮した。得られた生成物をカラムクロマトグラフィー(SiO2、PE:EA=10:1~EA:MeOH=5:1)により精製して、tert-ブチル4-[(3S)-4-ベンジルオキシカルボニル-3-(シアノメチル)ピペラジン-1-イル]-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート(2.80g、4.62mmol、51.0%収率)を黄色固体として得た。
【0190】
1H NMR(400MHz、クロロホルム-d)δ7.44-7.35(m,5H),5.21(s,2H),4.73-4.54(m,2H),4.44-4.33(m,2H),4.22-4.10(m,2H),3.41-3.93(m,1H),3.82(br d,J=11.6Hz,2H),3.39-3.22(m,3H),3.11(br t,J=7.8Hz,1H),2.99(d,J=3.6,12.8Hz,1H),2.90-2.56(m,5H),2.49(s,3H),2.35-2.25(m,1H),2.07-2.02(m,1H),1.91-1.76(m,3H),1.50(s,9H)。
【0191】
tert-ブチル4-[(3S)-4-ベンジルオキシカルボニル-3-(シアノメチル)ピペラジン-1-イル]-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート(2.40g、3.96mmol、1.0当量)のDCM(8.0mL)中溶液に、TFA(13.9g、122mmol、9.0mL、30.7当量)を加えた。混合物を15℃で2時間撹拌した。撹拌が完了したら、混合物を濃縮した。残留物に、飽和NaHCO
3水溶液(20.0mL)を加え、DCM(5×10.0mL)で抽出した。有機層をNa
2SO
4で乾燥し、濾過し、濃縮した。生成物であるベンジル(2S)-2-(シアノメチル)-4-[2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-1-カルボキシレート(中間体65、1.40g、2.77mmol、70%収率)を黄色固体として得た。LCMS[ESI,M+1]:506。
【化130】
ステップA:7-ベンジル-4-クロロ-2-メチルスルファニル-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン(20.0g、65.4mmol、1当量)のDCE(200mL)中溶液に、1-クロロエチルカルボノクロリデート(28.1g、196mmol、3当量)を0℃で加えた。混合物を0℃で30分間、および70℃で15時間撹拌した。混合物を真空下で濃縮した。残留物をMeOH(200mL)に溶解し、70℃で0.5時間撹拌した。撹拌が完了したら、混合物を真空下で濃縮した。残留物をメチルtert-ブチルエーテル(60mL)でトリチュレートした。沈殿物を濾過により集め、メチルtert-ブチルエーテル(20mL)で洗浄し、真空下で乾燥して、4-クロロ-2-メチルスルファニル-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン(17.2g、粗製、HCl)を黄色固体として得、これをさらに精製することなく次のステップに直接使用した。
1H NMR(400MHz,メタノール-d
4)δ=4.35(s,2H),3.60(t,J=6.4Hz,2H),3.05(t,J=6.4Hz,2H),2.55(s,3H)。
ステップB:4-クロロ-2-メチルスルファニル-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン(16.5g、粗製、HCl)およびTEA(20.0g、196mmol、27.3mL)のTHF(400mL)中溶液に、ベンジルカルボノクロリデート(16.7g、98.1mmol、13.9mL)を0℃で滴加した。混合物を25℃で0.5時間撹拌した。撹拌が完了したら、混合物を水(80mL)で希釈し、有機層を分離した。水相をEtOAc(200mL)で抽出した。合わせた有機層をMgSO
4上で乾燥し、濾過し、真空下で濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(PE/EtOAc 80/1~5/1)により精製して、ベンジル4-クロロ-2-メチルスルファニル-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート(19.6g、50.4mmol、2ステップで86%収率、90%純度)を黄色油として得た。
1H NMR(300MHz,クロロホルム-d)δ=7.37(s,5H),5.18(s,2H),4.63(s,2H),3.877(d,J=8.0,2H),2.80(br s,2H),2.54(s,3H)。
ステップC:ベンジル4-クロロ-2-メチルスルファニル-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート(21.5g、55.3mmol、1.00当量)のDMF(400mL)中溶液に、DIEA(35.7g、277mmol、48.2mL、5.00当量)および2-[(2S)-ピペラジン-2-イル]アセトニトリル(6.92g、55.3mmol、1.00当量)を加えた。80℃で2時間撹拌した後、(Boc)
2O(60.4g、277mmol、63.5mL、5.00当量)を上記混合物に加え、80℃でさらに2時間撹拌した。撹拌が完了したら、混合物を水(800mL)で希釈し、EtOAc(2×400mL)で抽出した。有機層をブライン(300mL)で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥し、真空下で濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(PE/EtOAc 10/1~1/1)により精製して、ベンジル4-[(3S)-4-tert-ブトキシカルボニル-3-(シアノメチル)ピペラジン-1-イル]-2-メチルスルファニル-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート(24.3g、43.0mmol、78%収率、95%純度)を黄色固体として得た。
1H NMR(400MHz、クロロホルム-d)δ=7.43-7.29(m,5H),5.18(s,2H),4.76-4.54(m,2H),4.46(br d,J=18.4Hz,1H),4.08-3.69(m,4H),3.53-3.35(m,1H),3.34-3.03(m,2H),3.03-2.89(m,1H),2.81-2.55(m,4H),2.50(s,3H),1.51(s,9H)。
ステップD:ベンジル4-[(3S)-4-tert-ブトキシカルボニル-3-(シアノメチル)ピペラジン-1-イル]-2-メチルスルファニル-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート(24.3g、45.1mmol、1当量)のEtOAc(480mL)中溶液に、m-CPBA(8.70g、42.9mmol、85%純度、0.95当量)を0℃で何度かに分けて加えた。混合物を0℃で0.5時間撹拌した。撹拌が完了したら、混合物を水(800mL)で希釈した。pHをNaHCO
3でpH8に調整し、有機層を分離した。水相をEtOAc(2×400mL)で抽出した。有機層をNa
2SO
4上で乾燥し、真空下で濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(EtOAc/MeOH 100/1~10/1)により精製して、ベンジル4-[(3S)-4-tert-ブトキシカルボニル-3-(シアノメチル)ピペラジン-1-イル]-2-メチルスルフィニル-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート(20.9g、36.4mmol、81%収率、96%純度)を白色固体として得た。LCMS[ESI,M+1]:555。
ステップE:ベンジル4-[(3S)-4-tert-ブトキシカルボニル-3-(シアノメチル)ピペラジン-1-イル]-2-メチルスルフィニル-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート(20.9g、37.6mmol、1当量)および[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メタノール(8.67g、75.3mmol、8.94mL、2当量)のトルエン(400mL)中溶液に、t-BuONa(7.23g、75.3mmol、2当量)を0℃で加えた。0℃で10分間撹拌した後、混合物を真空下で濃縮した。残留物を水(200mL)で希釈し、EtOAc(2×400mL)で抽出した。有機層をNa
2SO
4上で乾燥し、真空下で濃縮した。残留物を逆相フラッシュ[水(0.1%FA)/アセトニトリル]により精製した。混合物は、飽和重炭酸ナトリウム溶液によって中和されて、真空下で濃縮してMeCNを除去し、EtOAc(2×1000mL)で抽出した。有機層をNa
2SO
4上で乾燥し、真空下で濃縮して、ベンジル4-[(3S)-4-tert-ブトキシカルボニル-3-(シアノメチル)ピペラジン-1-イル]-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート(13.5g、20.5mmol、54%収率、92%純度)を黄色固体として得た。LCMS[ESI,M+1]:606。
ステップF:ベンジル4-[(3S)-4-tert-ブトキシカルボニル-3-(シアノメチル)ピペラジン-1-イル]-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート(3.50g、5.78mmol、1当量)のMeOH(60.0mL)中溶液に、NH
3/MeOH(60.0mL)、Pd/C(1.00g、10%純度)をN
2下で加えた。この懸濁液に、H
2により真空脱気およびパージを数回行った。混合物をH
2(15psi)下、25℃で4時間撹拌した。撹拌が完了したら、触媒を濾過して取り除き、濾液を真空下で濃縮して、tert-ブチル(2S)-2-(シアノメチル)-4-[2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-1-カルボキシレート(中間体66、2.33g、4.55mmol、79%収率、92%純度)を黄色固体として得、これをさらに精製することなく次のステップに直接使用した。
【0192】
1H NMR(400MHz、クロロホルム-d)δ=4.58(br s,1H),4.34(dd,J=5.2,10.8Hz,1H),4.11(dd,J=6.8,10.8Hz,1H),4.08-3.88(m,4H),3.84(br d,J=12.8Hz,1H),3.25-3.03(m,4H),3.01-2.88(m,2H),2.82-2.51(m,5H),2.47(s,3H),2.27(dt,J=7.2,9.2Hz,1H),2.11-1.97(m,1H),1.92-1.75(m,3H),1.50(s,9H)。
【化131】
ステップA:tert-ブチル4-ヒドロキシ-2-メチルスルファニル-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート。1-tert-ブチル4-エチル3-オキソピペリジン-1,4-ジカルボキシレート(50.0g、184mmol、1.00当量)のMeOH(1.00L)中の窒素下、25℃での撹拌溶液に、NaOMe(49.8g、921mmol、5.00当量)を加え、続いて、2-メチルイソチオ尿素(62.4g、331mmol、1.80当量、H
2SO
4)を固形として加えた。反応混合物を25℃で16時間撹拌した。反応混合物を約pH5までHCl(2M)で酸性化し、次いで、混合物を減圧下で濃縮してMeOHを除去した。残留物を300mLの酢酸エチルおよび300mLの水に懸濁させ、高速で撹拌した。懸濁液を濾過し、白色固体を集めた。濾液を分離し、有機成分を水(1×300mL)およびブライン(1×200mL)で洗浄した。有機成分を単離し、Na
2SO
4上で乾燥し、濾過し、白色固体に濃縮した。tert-ブチル4-ヒドロキシ-2-メチルスルファニル-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート(51.0g、138mmol、75.4%収率、81%純度)を白色固体として得、さらに精製することなく次のステップに直接使用した。LCMS[M+1]:298。
1H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ=4.33(s,2H),3.61(t,J=5.6Hz,2H),2.68-2.49(m,5H),1.50(s,9H)。
ステップB:tert-ブチル2-メチルスルファニル-4-(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート。tert-ブチル4-ヒドロキシ-2-メチルスルファニル-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート(51.0g、171mmol、1.00当量)のDCM(500mL)中の0℃での撹拌懸濁液に、DIEA(44.3g、343mmol、59.9mL、2.00当量)を加え、続いて、窒素下でTf
2O(72.6g、257mmol、42.4mL、1.50当量)を加えた。直ちに褐色の溶液が形成された。25℃で16時間撹拌後、反応物を濃縮して褐色油を得た。褐色油をカラムクロマトグラフィー(SiO
2、石油エーテル/酢酸エチル=1/0~10/1)により精製した。標記化合物であるtert-ブチル2-メチルスルファニル-4-(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート(46.0g、107mmol、62%収率)を黄色固体として得た。LCMS[M+1]:430。
【化132】
ステップA:tert-ブチル4-[(3S)-4-ベンジルオキシカルボニル-3-(シアノメチル)ピペラジン-1-イル]-2-メチルスルファニル-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート。tert-ブチル2-メチルスルファニル-4-(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート(3.81g、8.87mmol、1.0当量)、ベンジル(2S)-2-(シアノメチル)ピペラジン-1-カルボキシレート(中間体63、2.30g、8.87mmol、1.0当量)、DIEA(3.44g、26.6mmol、4.63mL、3.0当量)のDMF(20.0mL)中混合物に、N
2により脱気およびパージを3回行い、次いで、混合物を、N
2雰囲気下、100℃で1時間撹拌した。撹拌が完了したら、溶媒を真空下で除去した。残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO
2、石油エーテル/酢酸エチル=3:1~1:1)により精製して、標記化合物であるtert-ブチル4-[(3S)-4-ベンジルオキシカルボニル-3-(シアノメチル)ピペラジン-1-イル]-2-メチルスルファニル-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート(3.6g、6.16mmol、69%収率、92.2%純度)を黄色固体として得た。
【化133】
ステップA:1-ブロモ-8-メチル-ナフタレン。1,8-ジブロモナフタレン(1g、3.50mmol、1当量)のTHF(20mL)中溶液に、MeLi(ジエチルエーテル中1.6M、2.62mL、1.2当量)を0℃で滴加した。0℃で30分間撹拌した後、ヨードメタン(3.38g、23.8mmol、1.48mL、6.81当量)を滴加した。混合物を25℃まで温め、さらに3時間撹拌した。反応混合物を水(20mL)でクエンチし、酢酸エチル(20mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(20mL)で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して残留物を得た。残留物を分取HPLC(カラム:Phenomenex Gemini C18 250
*50mm
*10μm;移動相:[水(0.05%水酸化アンモニウムv/v)-ACN];B%:45%~70%、28分;40%分)で精製した。標記化合物である1-ブロモ-8-メチルナフタレン(340mg、1.49mmol、43%収率、97%純度)を凍結乾燥後に黄色固体として得た。
【0193】
1H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ=7.75(dd,J=0.8,7.2Hz,1H),7.69(dd,J=0.8,8.0Hz,1H),7.66-7.59(m,1H),7.30-7.22(m,2H),7.13(t,J=8.0Hz,1H),3.05(s,3H)。
【化134】
ステップA:1H-ナフト[1,8-de][1,2,3]トリアジン。ナフタレン-1,8-ジアミン(100g、632mmol、1当量)のAcOH(200mL)およびEtOH(1000mL)中溶液に、冷水浴下で18~21℃に温度を制御しながら、亜硝酸イソアミル(72.6g、619mmol、83.4mL、0.98当量)を2時間かけて滴加した。添加後、得られた赤色懸濁液を25℃で16時間撹拌した。固体を濾過により集め、エタノール(2×500mL)で洗浄し、真空下で乾燥した。化合物である1H-ナフト[1,8-de][1,2,3]トリアジン(84g、496mmol、79%収率)を赤色結晶質固体として得、精製することなく次のステップに直接使用した。LCMS[ESI,M+1]:170。
ステップB:8-クロロナフタレン-1-アミン。1H-ナフト[1,8-de][1,2,3]トリアジン(84g、496mmol、1当量)のHCl(1.5L)中溶液に、Cu(2.10g、33.1mmol、234μL、0.0665当量)を加えた。混合物を25℃で12時間撹拌した。得られた混合物を水(500mL)で希釈し、85℃で30分間加熱した。得られたほぼ透明な水溶液を、濾過し、冷却し、アンモニア水で(リトマス試験紙が青色になるまで)塩基化し、溶液をエーテルアセテート(2×1000mL)で抽出した。合わせた抽出物をNa
2SO
4上で乾燥し、濾過し、真空下で濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO
2、石油エーテル/酢酸エチル=200/1~5/1)により精製した。化合物である8-クロロナフタレン-1-アミン(57g、259mmol、52%収率、81%純度)を赤色固体として得た。LCMS[ESI,M+1]:178。
ステップC:1-ブロモ-8-クロロ-ナフタレン。8-クロロナフタレン-1-アミン(57g、320mmol、1当量)およびTsOH・H
2O(219g、1.16mol、3.6当量)のMeCN(1000mL)中溶液に、NaNO
2(39.8g、577mmol、1.8当量)およびCuBr(138g、963mmol、29.3mL、3当量)のH
2O(120mL)中溶液を-5℃で加え、次いで、反応混合物を25℃で12時間撹拌した。反応混合物に飽和Na
2SO
3溶液(100mL)を加え、15分間撹拌し、次いで、酢酸エチル(1000mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(500mL)で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して残留物を得た。残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO
2、石油エーテル)により精製した。標記化合物である1-ブロモ-8-クロロ-ナフタレン(56g、229mmol、72%収率、99%純度)を白色固体として得た。
【0194】
1H NMR(400MHz、クロロホルム-d)δ=7.93(dd,J=1.2,7.6Hz,1H),7.82(dd,J=1.2,8.4,1H),7.79(dd,J=1.2,8.4,1H),7.67(dd,J=1.2,7.6Hz,1H),7.37(t,J=8.0Hz,1H),7.28(t,J=8.0Hz,1H)。
【化135】
ステップA:2-[(2S)-4-[7-(8-クロロ-1-ナフチル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-2-イル]アセトニトリル。tert-ブチル(2S)-4-[7-(8-クロロ-1-ナフチル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-2-(シアノメチル)ピペラジン-1-カルボキシレート(0.5g、791μmol、1当量)のジオキサン(5mL)中溶液に、HCl・ジオキサン(4M、5.00mL、25.3当量)を0℃で加えた。混合物を25℃で1時間撹拌した。撹拌が完了したら、混合物を真空下で濃縮して、不純生成物(500mg、粗製、HCl)を褐色固体として得た。60mgの不純生成物を分取HPLC(カラム:Phenomenex Gemini 150
*25mm
*10μm;移動相:[水(0.04%のNH
3・H
2O+10mMのNH
4HCO
3)-ACN];B%:50%~80%、10分)により精製した。所望の画分を集め、凍結乾燥して、標記化合物である2-[(2S)-4-[7-(8-クロロ-1-ナフチル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-2-イル]アセトニトリル(19.3mg、36.1μmol、34%精製収率、99.2%純度)をオフホワイトの固体として得た。LCMS[ESI,M+1]:532。
【0195】
1H NMR(400MHz、クロロホルム-d)δ=7.75(d,J=8.4Hz、1H),7.60(dd,J=1.6,8.0Hz,1H),7.52(dd,J=0.8,7.2Hz,1H),7.44(dt,J=3.6,7.6Hz,1H),7.36-7.29(m,1H),7.22(t,J=6.8Hz,1H),4.46-4.34(m,2H),4.15(td,J=6.4,10.6Hz,1H),4.04(br d,J=12.4Hz,0.5H),3.95-3.79(m,2H),3.74(br d,J=12.8Hz,0.5H),3.63-3.48(m,1H),3.40-2.99(m,7H),2.98-2.80(m,2H),2.73-2.61(m,1H),2.60-2.49(m,3H),2.47(d,J=2.4Hz,3H),2.32-2.23(m,1H),2.10-1.99(m,1H),1.82-1.68(m,3H)。
【化136】
ステップA:(2S)-2-(シアノメチル)-4-[7-(2,3-ジメチルフェニル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-1-カルボキシレート。ベンジル(2S)-2-(シアノメチル)-4-[2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-1-カルボキシレート(1.22g、1.98mmol、1.0当量)、1-ブロモ-2,3-ジメチル-ベンゼン(1.10g、5.93mmol、802μL、3.0当量)、Cs
2CO
3(1.93g、5.93mmol、3当量)、RuPhos(185mg、396μmol、0.2当量)、およびPd
2(dba)
3(181mg、198μmol、0.1当量)のトルエン(8mL)中混合物を脱気し、次いで、N
2下、90℃に12時間加熱した。撹拌が完了したら、混合物を真空下で濃縮した。残留物を水(20mL)で希釈し、EtOAc(3×30mL)で抽出した。有機層をNa
2SO
4上で乾燥し、濾過し、真空下で濃縮した。残留物を逆相フラッシュ[水(0.1%FA)/アセトニトリル]により精製した。集めた所望の画分を、飽和重炭酸ナトリウム水溶液で中和し、真空下で濃縮してMeCNを除去し、次いで、EtOAc(3×50mL)で抽出した。有機層をNa
2SO
4上で乾燥し、真空下で濃縮して、(2S)-2-(シアノメチル)-4-[7-(2,3-ジメチルフェニル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-1-カルボキシレート(380mg、623μmol、32%収率、100%純度)を黄色固体として得た。LCMS[ESI,M+1]:610。
ステップB:2-[(2S)-4-[7-(2,3-ジメチルフェニル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-2-イル]アセトニトリル。NH
3をMeOH(20mL)中に-70℃で30分間バブリングした。ベンジル(2S)-2-(シアノメチル)-4-[7-(2,3-ジメチルフェニル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-1-カルボキシレート(380mg、623μmol、1.0当量)の溶液に、上記溶液を加え、続いてN
2下でPd/C(200mg、10%純度)を加えた。この懸濁液に、H
2により真空脱気およびパージを数回行った。反応物をH
2(15psi)下、25℃で1時間撹拌した。撹拌が完了したら、触媒を濾過し、濾液を濃縮して、標記化合物である2-[(2S)-4-[7-(2,3-ジメチルフェニル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-2-イル]アセトニトリル(230mg、459μmol、74%収率、95%純度)を黄色固体として得た。
【0196】
1H NMR(400MHz、クロロホルム-d)δ=7.11(t,J=8.0Hz、1H),6.96(d,J=8.0Hz、2H),4.39(dd,J=4.8,10.4Hz,1H),4.14(dd,J=7.2,9.6Hz,1H),4.02-3.95(m,3H),3.84-3.78(m,1H),3.31-3.19(m,1H),3.17-3.04(m,5H),3.04-2.95(m,1H),2.89(dd,J=9.2,11.6Hz,1H),2.76-2.62(m,3H),2.58-2.50(m,2H),2.48(s,3H),2.30(s,3H),2.29-2.23(m,4H),2.12-2.00(m,1H),1.89-1.76(m,3H)。
【化137】
ステップA:tert-ブチル(2S)-2-(シアノメチル)-4-[7-(2,3-ジメチルフェニル)-2-メチルスルファニル-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-1-カルボキシレート。tert-ブチル(2S)-2-(シアノメチル)-4-(2-メチルスルファニル-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート(1.60g、3.96mmol、1.0当量)、1-ブロモ-2,3-ジメチル-ベンゼン(1.61g、8.70mmol、1.18mL、2.20当量)、Pd
2(dba)
3(362mg、395μmol、0.10当量)、RuPhos(369mg、791μmol、0.20当量)、およびCs
2CO
3(3.87g、11.9mmol、3.0当量)のトルエン(8.0mL)中混合物に、N
2により脱気およびパージを3回行い、次いで、混合物を、N
2雰囲気下、90℃で12時間撹拌した。有機溶媒を水(20.0mL)で洗浄した。水相を酢酸エチル(3×30.0mL)で抽出した。合わせた抽出物をブライン(80.0mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、次いで、溶媒を真空下で除去した。残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO
2、石油エーテル:酢酸エチル=3:1~酢酸エチル:メタノール=10:1)により精製した。化合物であるtert-ブチル(2S)-2-(シアノメチル)-4-[7-(2,3-ジメチルフェニル)-2-メチルスルファニル-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-1-カルボキシレート(900mg、1.59mmol、40%収率、90%純度)を黄色固体として得た。LCMS[ESI,M+1]:509。
1H NMR(400MHz、クロロホルム-d)δ7.11(t,J=15.6Hz,1H),6.95(d,J=8.0Hz,2H),4.63(br s,1H),4.10-3.93(m,4H),3.89(br d,J=4.8Hz,1H),3.27(dd,J=3.6Hz,J=13.6Hz,1H),3.24-3.05(m,3H),3.05-2.95(m,1H),2.89-2.67(m,4H),2.52(s,3H),2.30(s,3H),2.28(s,3H),1.52(s,9H)。
ステップB:tert-ブチル(2S)-2-(シアノメチル)-4-[7-(2,3-ジメチルフェニル)-2-メチルスルフィニル-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-1-カルボキシレート。tert-ブチル(2S)-2-(シアノメチル)-4-[7-(2,3-ジメチルフェニル)-2-メチルスルファニル-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-1-カルボキシレート(500mg、983μmol、1.0当量)、3-クロロベンゼンカルボペルオキソ酸(200mg、983μmol、1.0当量)のDCM(5.0mL)中混合物に、N
2により脱気およびパージを3回行い、次いで、混合物を、N
2雰囲気下、0℃で30分間撹拌した。有機溶媒を水(10.0mL)で洗浄した。水相を酢酸エチル(3×20.0mL)で抽出した。合わせた抽出物をブライン(50.0mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、次いで、溶媒を真空下で除去した。残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO
2、石油エーテル:酢酸エチル=3:1~酢酸エチル:メタノール=10:1)により精製した。化合物であるtert-ブチル(2S)-2-(シアノメチル)-4-[7-(2,3-ジメチルフェニル)-2-メチルスルフィニル-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-1-カルボキシレート(450mg、793μmol、81%収率、93%純度)を黄色固体として得た。LCMS[ESI,M+1]:525。
ステップC:tert-ブチル(2S)-2-(シアノメチル)-4-[7-(2,3-ジメチルフェニル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-1-カルボキシレート。tert-ブチル(2S)-2-(シアノメチル)-4-[7-(2,3-ジメチルフェニル)-2-メチルスルフィニル-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-1-カルボキシレート(800mg、1.52mmol、1.0当量)、[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メタノール(369mg、3.20mmol、380μL、2.10当量)、t-BuONa(293mg、3.05mmol、2.0当量)のトルエン(10.0mL)中混合物に、N
2により脱気およびパージを3回行い、次いで、混合物を、N
2雰囲気下、0℃で30分間撹拌した。反応物を水(20.0mL)でクエンチした。粗製混合物を酢酸エチル(3×30.0mL)で抽出した。合わせた抽出物をブライン(80.0mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、次いで、溶媒を真空下で除去した。残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO
2、石油エーテル:酢酸エチル=5:1~ジクロロメタン:メタノール=10:1)により精製した。標記化合物であるtert-ブチル(2S)-2-(シアノメチル)-4-[7-(2,3-ジメチルフェニル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-1-カルボキシレート(740mg、1.22mmol、80%収率、95%純度)を黄色固体として得た。LCMS[ESI,M+1]:576。
【0197】
1H NMR(400MHz、クロロホルム-d)δ7.10(t,J=15.2Hz、1H),6.95(d,J=8.0Hz、2H),4.61(br s,1H),4.39(dd,J=4.8Hz,J=9.6Hz,1H),4.13-4.00(m,4H),3.89(br d,J=12.4Hz 1H),3.27-3.13(m,3H),3.13-2.95(m,3H),2.87-2.65(m,5H),2.49(s,3H),2.30(s,3H),2.27(s,3H),2.09-2.06(m,1H),2.06-2.04(m,1H),1.93-1.62(m,4H),1.51(s,9H)。
【化138】
ステップA:1,1,2-トリメトキシエタン(30g、250mmol、32.2mL、1当量)のHCl(12M、1mL、0.48当量)およびH
2O(100mL)中混合物を40℃で5時間撹拌した。撹拌が完了したら、混合物にNaCl(10g)を加え、ジクロロメタン(2×50mL)で抽出した。混合物を70℃で蒸留して、2-メトキシアセトアルデヒド(6g、32%)を無色油として得た。
ステップB:エチル2-(ジエトキシホスホリル)-2-フルオロアセテート(24.5g、101mmol、20.6mL、1.5当量)のTHF(50mL)中溶液に、n-BuLi(2.5M、32.4mL、1.2当量)を-65℃で加えた。-65℃で0.5時間撹拌後、2-メトキシアセトアルデヒド(5g、67.5mmol、1.09mL、1当量)を混合物に加えた。混合物を-65℃で30分間撹拌し、次いで、混合物を-78℃で水(10mL)でクエンチした。混合物を酢酸エチル(2×20mL)で抽出し、合わせた有機層をブライン(20mL)で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥し、濾過し、真空中で濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(3/1、石油エーテル/酢酸エチル)により精製して、エチル(Z)-2-フルオロ-4-メトキシブタ-2-エノエート(6g、55%)を無色油として得た。R
f=0.82(3/1、石油エーテル/酢酸エチル)。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ=6.28-5.97(m,1H),4.41(dd,J=3.2,6.0Hz,2H),4.34-4.28(m,2H),3.36(s,3H),1.35(t,J=7.2Hz,3H)。
ステップC:エチル(Z)-2-フルオロ-4-メトキシブタ-2-エノエート(1g、6.17mmol、1当量)およびLiOH(591mg、24.7mmol、4当量)のTHF(4mL)およびH
2O(1mL)中混合物を、15℃で3時間撹拌した。撹拌が完了したら、1M HCl(水中)を加えてpHを1に調整した。混合物を酢酸エチル(2×10mL)で抽出し、Na
2SO
4上で乾燥し、濾過し、真空中で濃縮して、(Z)-2-フルオロ-4-メトキシブタ-2-エン酸(600mg、73%)を無色油として得た。
【0198】
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ=9.39(br s,1H),6.16(td,J=6.0,19.2Hz,1H),4.45(dd,J=3.2,6.0Hz,2H),3.40(s,3H)。
【化139】
ステップA:エチル2-(ジエトキシホスホリル)-2-フルオロアセテート(10.0g、41.3mmol、8.40mL、1.0当量)のTHF(60mL)中溶液に、n-BuLi(2.5M、19.8mL、1.2当量)をN
2下で-65℃で滴加し、混合物を-65℃で1時間撹拌した。混合物に2-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシアセトアルデヒド(8.64g、49.5mmol、9.44mL、1.2当量)を-65℃で加え、混合物を-65℃で1時間撹拌した。撹拌が完了したら、-65℃で飽和NH
4Cl(水溶液、2mL)を加えることによって反応混合物をクエンチし、次いで、室温に温めた。反応混合物を減圧下で35℃で濃縮して、THFを除去し、次いで、水(20mL)で希釈し、酢酸エチル(3×20mL)で抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、得られた残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO
2、石油エーテル/酢酸エチル=1/0~10/1)により精製して、エチル(Z)-4-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-2-フルオロブタ-2-エノエート(8.0g、74%収率)を黄色油として得た。R
f=0.80(石油エーテル/酢酸エチル=10/1)。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ6.03(td,J=5.6,20.0Hz,1H),4.75-4.57(m,2H),4.31(q,J=7.2Hz,2H),1.36(t,J=7.2Hz,3H),0.91(s,9H),0.15-0.05(m,6H)。
ステップB:エチル(Z)-4-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-2-フルオロブタ-2-エノエート(500mg、1.91mmol、1.0当量)のTHF(3mL)およびH
2O(3mL)中溶液に、25℃でLiOH・H
2O(959mg、22.9mmol、12.0当量)を加え、混合物を50℃で2時間撹拌した。撹拌が完了したら、反応混合物を減圧下で濃縮し、得られた残留物を水(5mL)で希釈し、メチルtert-ブチルエーテル(3×10mL)で抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮して、エチル(Z)-4-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-2-フルオロブタ-2-エノエート(500mg)を黄色固体として得、これをさらに精製することなく使用した。R
f=0.10(ジクロロメタン/メタノール=10/1)。
【0199】
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ5.78-5.62(m,1H),4.63-4.50(m,2H),0.89(s,9H),0.07(s,6H);LCMS[M-1]:233.2。
【化140】
【0200】
1-tert-ブチルアゼチジン-2-カルボン酸(2.50g、15.9mmol、1.0当量)のTHF (20.0mL)中混合物に、BH3-Me2S(9.54mL、6.00当量)を0℃で少しずつ分けて窒素下で加えた。混合物を25℃で12時間撹拌した。反応混合物を0℃でメタノール(25.0mL)を加えることによりクエンチし、続いてHCl水溶液(2M)でpHを2に調整し、撹拌しながら70℃で1時間加熱した。混合物のpHをNaOH水溶液(40%)で12に調整し、濾過し、減圧下で濃縮して、メタノールの大部分を除去した。水相を酢酸エチル(20.0mL×3)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、残留物(1-tert-ブチルアゼチジン-2-イル)メタノール(1.86g、13.0mmol)を無色油として得た。
【0201】
1H NMR(400MHz,CDCl
3):δ=3.66(dt,J=3.6,8.0Hz,1H),3.48(dd,J=3.6,10.8Hz,1H),3.29(br d,J=10.8Hz,1H),3.16(dt,J=6.8,8.4Hz,1H),3.06-2.98(m,1H),2.14-1.99(m,1H),1.88-1.77(m,1H),0.96(s,9H)。
【化141】
ステップA.1-ブロモ-2,4-ジフルオロ-3-メチルベンゼン(2.20g、10.6mmol、1.0当量)およびフラン(1.45g、21.2mmol、1.55mL、2.0当量)のトルエン(30.0mL)中混合物に、n-BuLi(2.5M、5.1mL、1.2当量)を窒素下で-20℃で滴加した。混合物を14時間かけて徐々に室温に温めた。混合物を飽和NH
4Cl水溶液(200mL)でクエンチし、次いで、酢酸エチル(100mL×3)で抽出した。合わせた有機層を減圧下40℃で濃縮乾固した。残留物を逆相フラッシュクロマトグラフィー[水(0.1%ギ酸)/アセトニトリル]により精製して、7-フルオロ-5-メチル-11-オキサトリシクロウンデカ-1,3,5(7),6(8)-テトラエン(448mg、2.54mmol、23.9%収率、100%純度)を黄色油として得た。LCMS[M+1]:177。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ=7.08-6.97(m,3H),6.60(dd,J=7.6,10.4Hz,1H),5.78(s,1H),5.69(d,J=0.8Hz,1H),2.25(d,J=1.6Hz,3H)。
ステップB.7-フルオロ-5-メチル-11-オキサトリシクロウンデカ-1,3,5(7),6(8)-テトラエン(550mg、3.12mmol、1.0当量)のエタノール(6.50mL)中溶液に、濃HCl(12.0M、3.50mL、13.4当量)を25℃で加えた。混合物を78℃で1時間撹拌し、続いて混合物を減圧下で45℃で濃縮した。粗生成物を逆相フラッシュクロマトグラフィー[水(0.1%ギ酸)/アセトニトリル]により精製して、7-フルオロ-8-メチル-ナフタレン-1-オール(500mg、2.84mmol、90.9%収率)を褐色固体として得た。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ=7.65(dd,J=5.6,8.8Hz,1H),7.44(d,J=8.0Hz,1H),7.30-7.21(m,2H),6.80(d,J=7.6Hz,1H),5.26(s,1H),2.90(d,J=2.8Hz,3H)。
ステップC.7-フルオロ-8-メチル-ナフタレン-1-オール(500mg、2.8mmol、1.0当量)、DIEA(1.1g、8.5mmol、1.48mL、3.0当量)および4Åモレキュラーシーブ(100mg)のジクロロメタン(10.0mL)中混合物を窒素雰囲気下で-40℃で20分間撹拌した。この溶液に、-40℃でTf
2O(801mg、2.84mmol、468μL、1.0当量)を滴加し、混合物をこの温度で40分間撹拌した。混合物を減圧下40℃で濃縮し、得られた残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO
2、石油エーテル/酢酸エチル=1:0~100:1)により精製して、(7-フルオロ-8-メチル-1-ナフチル)トリフルオロメタンスルホネート(900mg、粗製)を白色固体として得た。
【0202】
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ=7.84(dd,J=0.8,8.0Hz,1H),7.75(dd,J=5.6,9.2Hz,1H),7.53(d,J=7.6Hz,1H),7.47-7.40(m,1H),7.34(t,J=9.2Hz,1H),2.78(d,J=2.8Hz,3H)。
【化142】
ステップA:1-ブロモ-3-クロロ-2,4-ジフルオロベンゼン(20g、87.9mmol、1当量)およびフラン(12.0g、176mmol、12.8mL、2当量)のトルエン(400mL)中溶液に、ヘキサン中のn-BuLi(2.5M、42.2mL、1.2当量)を-15℃で0.5時間かけて滴加した。反応混合物を12時間かけて徐々に室温に温めた。反応混合物を水(100mL)でクエンチし、濾過した。水層を分離し、酢酸エチル(3×100mL)で抽出した。合わせた有機層をNa
2SO
4上で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物を逆相フラッシュ[水(0.1%ギ酸)/アセトニトリル]により精製して、7-クロロ-5-フルオロ-10-オキサトリシクロウンデカ-2,4(6),5(7)-テトラエン(7g、34.2mmol、39%収率、96%純度)を黄色油として得た。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ=7.11-7.07(m,2H),7.05(dd,J=4.0,8.0Hz,1H),6.74(dd,J=7.8,9.2Hz,1H),5.89(s,1H),5.75(s,1H)。
ステップB.7-クロロ-5-フルオロ-10-オキサトリシクロウンデカ-2,4(6),5(7)-テトラエン(7g、35.6mmol、1.0当量)の濃HCl(51.0g、503mmol、50mL、36%純度、14.1当量)およびEtOH(80mL)中反応混合物を、78℃で2時間加熱した。その後、反応混合物を減圧下で濃縮して、粗残留物を得た。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=1:0~50:1)により精製して、7gの粗生成物を得た。生成物を石油エーテル(20mL)でトリチュレートし、濾過した。濾過ケーキを真空下で乾燥し、8-クロロ-7-フルオロ-ナフタレン-1-オール(5.3g、26.6mmol、75%収率、98.8%純度)を白色固体として得た。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ=7.81(s,1H),7.65(dd,J=5.6,9.2Hz,1H),7.34-7.27(m,2H),7.23-7.17(m,1H),7.03-6.97(m,1H)。
ステップC.8-クロロ-7-フルオロ-ナフタレン-1-オール(1g、5.09mmol、1当量)およびDIEA(3.29g、25.4mmol、4.43mL、5.0当量)、4Åモレキュラーシーブ(1g)のDCM(20mL)中反応混合物を20℃で10分間撹拌した。混合物にTf
2O(1.87g、6.61mmol、1.09mL、1.3当量)を-40℃で加えた。反応混合物をこの温度で10分間撹拌した。続いて、反応物を水(1mL)でクエンチし、層を分離した。水層を酢酸エチル(2×3mL)で抽出した。合わせた有機層をNa
2SO
4上で乾燥し、真空下で濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=1:0~100:1)により精製して、(8-クロロ-7-フルオロ-1-ナフチル)トリフルオロメタンスルホネート(1.3g、3.96mmol、78%収率)を無色油として得た。
【化143】
ステップA:(3,4-ジフルオロフェニル)メタンアミン(5g、34.9mmol、4.13mL、1当量)およびNaHCO
3(5.87g、69.9mmol、2.72mL、2当量)の酢酸エチル(100mL)中溶液に、4-トルエンスルホニルクロリド(7.99g、42.0mmol、1.2当量)を5~10℃で加えた。反応混合物をこの温度で1時間、次いで20~25℃で16時間撹拌した。混合物を水(100mL)で洗浄した。水相を酢酸エチル(50mL)で抽出し、合わせた有機相をNa
2SO
4上で乾燥し、濃縮乾固した。残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO
2、石油エーテル/酢酸エチル=30/1~3/1)により精製して、N-(3,4-ジフルオロベンジル)-4-メチルベンゼンスルホンアミド(7.1g、23.9mmol、68%収率、100%純度)を黄色固体として得た。LCMS[M+1]:298。
ステップB:N-(3,4-ジフルオロベンジル)-4-メチルベンゼンスルホンアミド(7.1g、23.9mmol、1当量)のTHF(106mL)中溶液に、NaH(1.24g、31.0mmol、60%純度、1.3当量)を-5℃で30分後に加え、tert-ブチル2-ブロモ酢酸(6.99g、35.82mmol、5.29mL、1.5当量)を-5℃で加えた。反応混合物をー5℃で2時間撹拌した。混合物を飽和NH
4Cl水溶液(150mL)でクエンチし、次いで、酢酸エチル(100mL×2)で抽出した。合わせた有機層をNa
2SO
4上で乾燥し、濃縮乾固した。残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO
2、石油エーテル/酢酸エチル=50/1~5/1)により精製して、tert-ブチルN-(3,4-ジフルオロベンジル)-N-トシルグリシナート(9.09g、22.1mmol、93%収率、100%純度)をオフホワイト固体として得た。LCMS[M-55]:356。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ=7.75(d,J=8.4Hz,2H),7.32(d,J=8.0Hz,2H),7.16-7.06(m,2H),7.00(ddd,J=2.0,4.0,6.4Hz,1H),4.45(s,2H),3.81(s,2H),2.44(s,3H),1.34(s,9H)。
ステップC:tert-ブチルN-(3,4-ジフルオロベンジル)-N-トシルグリシナート(10.3g、25.0mmol、1当量)のTFA(50mL)中溶液を25℃で1時間撹拌した。混合物を真空中で濃縮し、粗生成物を25℃で20分間、MTBE(10mL)でトリチュレートし、N-(3,4-ジフルオロベンジル)-N-トシルグリシン(8.6g、24.1mmol、96%収率、99.7%純度)を黄色固体として得た。LCMS[M+1]:356。
ステップD:N-(3,4-ジフルオロベンジル)-N-トシルグリシン(4.5g、12.7mmol、1当量)の(COCl)
2(32.6g、257mmol、22.5mL、20.3当量)中溶液を55℃で2時間撹拌した。次いで、混合物をTLCでモニターした。撹拌が完了したら、混合物を真空中で濃縮し、残留物をDCM(45mL)に溶解した。混合物にAlCl
3(8.44g、63.3mmol、3.46mL、5.0当量)を0℃で加え、25℃で1.5時間撹拌した。0℃でHCl(1M、25mL)を加えることにより反応混合物をクエンチし、次いで水(150mL)で希釈し、酢酸エチル(2×200mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して残留物を得た。残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO
2、石油エーテル/酢酸エチル=50/1~2:1)により精製して、6,7-ジフルオロ-2-トシル-2,3-ジヒドロイソキノリン-4(1H)-オン(3.2g、8.42mmol、67%収率、88.8%純度)を白色固体として得た。LCMS[M+1]:338。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ=7.67(dd,J=8.0,10.0Hz,1H),7.62(d,J=8.4Hz,2H),7.27(s,2H),7.08(dd,J=7.2,9.6Hz,1H),4.49(s,2H),4.02(s,2H),2.40(s,3H)。
ステップE:6,7-ジフルオロ-2-トシル-2,3-ジヒドロイソキノリン-4(1H)-オン(5.08g、15.1mmol、1当量)のEtOH(450mL)中溶液に、NaHCO
3(21.0g、250mmol、9.72mL、16.6当量)のH
2O(250mL)中溶液を加え、混合物を100℃で16時間撹拌した。次いで、混合物を真空中で濃縮し、得られた残留物に水(150mL)を加えた。水層を酢酸エチル(500mL)で抽出し、有機層をNa
2SO
4上で乾燥し、濾過し、真空中で濃縮して、6,7-ジフルオロイソキノリン-4-オール(3.11g)を黄色固体として得た。粗生成物をさらに精製することなく使用した。LCMS[M+1]:182。
1H NMR(400MHz,CD
3OD)δ=8.68(s,1H),8.00-7.87(m,3H)。ステップF:6,7-ジフルオロイソキノリン-4-オール(1.50g、8.28mmol、1当量)、Et
3N(5.03g、49.7mmol、6.92mL、6当量)、および4Åモレキュラーシーブ(1.5g)のDCM(75mL)中混合物に、25℃で10分間撹拌した。次いで、混合物を-40℃に冷却し、トリフルオロメタンスルホン酸無水物(3.50g、12.4mmol、2.05mL、1.5当量)のDCM(10mL)中溶液を滴加した。混合物を-40℃で0.5時間撹拌した。反応混合物を水(50mL)でクエンチし、有機層を分離し、次いでブライン(90mL)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、残留物を得た。残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル/酢酸エチル=50/1~10/1)により精製して、6,7-ジフルオロイソキノリン-4-イルトリフルオロメタンスルホネート(668mg、1.94mmol、23%収率、90.8%純度)を黄色固体として得た。LCMS[M+1]:314。
【化144】
ステップA:エチル1-ベンジル-3-オキソ-ピペリジン-4-カルボキシレート(50g、168mmol、1.0当量、HCl)およびNaOMe(36.3g、672mmol、4.0当量)のMeOH(1000mL)中混合物に、2-メチルイソチオ尿素ヘミサルフェート塩(35.1g、252mmol、1.5当量)を加え、20℃で12時間撹拌した。撹拌が完了したら、混合物をHCl水溶液(1M、200mL)によってpH=6に酸性化した。混合物を濾過し、濾過ケーキを水(2×50mL)で洗浄し、真空中で乾燥して、7-ベンジル-2-(メチルチオ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-オール(40g、111mmol、66%収率、80%純度)を白色固体として得た。
ステップB:7-ベンジル-2-(メチルチオ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-オール(40g、139mmol、1.0当量)のCHCl
3(500mL)中溶液に、POCl
3(128g、835mmol、77.6mL、6.0当量)を加えた。反応混合物を80℃で12時間撹拌した。撹拌が完了したら、反応混合物を真空中で濃縮した。残留物を酢酸エチル(500mL)に溶解し、NaHCO
3飽和水溶液(1L)中に注ぎ込んだ。得られた混合物を分離し、水層を酢酸エチル(2×500mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(300mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、真空中で濃縮して、粗製物を得た。粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(5:1、石油エーテル/酢酸エチル)により精製して、7-ベンジル-4-クロロ-2-(メチルチオ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン(28g、90.6mmol、65%収率、99%純度)を黄色固体として得た。LCMS[M+1]:306。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ7.38-7.27(m,5H),3.71(s,2H),3.60(s,2H),2.80(s,4H),2.53(s,3H)。
ステップC:7-ベンジル-4-クロロ-2-(メチルチオ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン(23g、75.2mmol、1.0当量)およびDIEA(29.2g、226mmol、39.3mL、3.0当量)のDMAc(230mL)中溶液に、(S)-2-(ピペラジン-2-イル)アセトニトリル(11.3g、90.3mmol、1.2当量)を加えた。反応混合物を80℃で3時間撹拌した。この後、(Boc)
2O(49.2g、226mmol、51.8mL、3.0当量)を加え、混合物を80℃で1時間撹拌した。次いで、反応混合物を氷水(800mL)中に注ぎ込み、酢酸エチル(3×300mL)で抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮して、粗製物を得、これをシリカゲルクロマトグラフィー(3:1、石油エーテル:酢酸エチル)により精製して、tert-ブチル(S)-4-(7-ベンジル-2-(メチルチオ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)-2-(シアノメチル)ピペラジン-1-カルボキシレート(32.8g、65.7mmol、87%収率、99%純度)を黄色油として得た。LCMS[M+1]:495。
ステップD:(S)-4-(7-ベンジル-2-(メチルチオ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)-2-(シアノメチル)ピペラジン-1-カルボキシレート(35g、70.8mmol、1.0当量)およびDIEA(27.4g、212mmol、37.0mL、3.0当量)のDCE(700mL)中溶液に、1-クロロエチルカルボノクロリデート(25.3g、177mmol、2.5当量)を0℃で加えた。0~10℃で1時間撹拌後、混合物を真空中で濃縮した。残留物をMeOH(700mL)に溶解し、70℃で1時間撹拌した。撹拌が完了したら、反応混合物を真空中で濃縮し、ほとんどのMeOHを除去した。残留MeOH層を石油エーテル(5×30mL)で洗浄した。層を真空中で濃縮し、酢酸エチル(50mL)および水(20mL)で希釈した。混合物をNaHCO
3(飽和水溶液)でpH>7に塩基化し、酢酸エチル(2×100mL)で抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、真空下で濃縮し、粗製物を得た。粗製物をカラムクロマトグラフィー(SiO2、5:1、酢酸エチル/MeOH)により精製して、tert-ブチル(S)-2-(シアノメチル)-4-(2-(メチルチオ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート(24g、57.0mmol、80%収率、96%純度)を褐色固体として得た。LCMS[M+1]:405。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ4.52(br s,1H),4.32-4.20(m,1H),4.05-3.84(m,4H),3.75(br d,J=12.4Hz,1H),3.30-3.01(m,4H),2.99-2.88(m,1H),2.86-2.57(m,4H),2.43(s,3H),1.43(s,9H)。
ステップE:tert-ブチル(S)-2-(シアノメチル)-4-(2-(メチルチオ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート(2g、4.94mmol、1.0当量)、4ÅMS(5g、4.94mmol、1.0当量)およびCs
2CO
3(4.03g、12.4mmol、2.5当量)のトルエン(40mL)中反応混合物に、8-クロロ-7-フルオロナフタレン-1-イルトリフルオロメタンスルホネート(2.44g、7.42mmol、1.5当量)、キサントホスPd G3(469mg、494μmol、0.1当量)およびキサントホス(572mg、989μmol、0.2当量)を加えた。反応混合物を窒素雰囲気下、110℃で24時間撹拌した。撹拌が完了したら、反応混合物を濾過し、濾過ケーキを酢酸エチル(2×20mL)で洗浄した。濾液を真空中で濃縮して、粗製物を得て、これをシリカゲルクロマトグラフィー(4:1、石油/酢酸エチル)、続いて逆相カラムクロマトグラフィー[水(0.1%ギ酸)/アセトニトリル]により精製して、tert-ブチル(S)-4-(7-(8-クロロ-7-フルオロナフタレン-1-イル)-2-(メチルチオ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)-2-(シアノメチル)ピペラジン-1-カルボキシレート(1.8g、3.07mmol、62%収率、99.6%純度)を黄色固体として得た。LCMS[M+1]:583。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ7.77-7.73(m,1H),7.65-7.56(m,1H),7.46-7.38(m,1H),7.35-7.27(m,2H),4.63(br s,1H),4.41(dd,J=14.0,17.6Hz,1H),4.10-3.79(m,4H),3.61-3.52(m,1H),3.41-2.54(m,8H),2.52(d,J=2.0Hz,3H),1.52(s,9H)。
ステップF:tert-ブチル(S)-4-(7-(8-クロロ-7-フルオロナフタレン-1-イル)-2-(メチルチオ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)-2-(シアノメチル)ピペラジン-1-カルボキシレート(3.6g、6.17mmol、1.0当量)のDCM(80mL)中溶液に、m-CPBA(1.73g、8.03mmol、80%純度、1.3当量)を0℃で加えた。反応混合物を0℃で30分間撹拌した。撹拌が完了したら、反応混合物をNaHCO
3(飽和水溶液、3×50mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮して、tert-ブチル(2S)-4-(7-(8-クロロ-7-フルオロナフタレン-1-イル)-2-(メチルスルフィニル)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)-2-(シアノメチル)ピペラジン-1-カルボキシレート(3.7g、5.56mmol、90%収率、90%純度)を褐色固体として得た。LCMS[M+1]:599。
【化145】
ステップA:ベンジル4-ヒドロキシ-2-メチルスルファニル-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート(3.00g、9.05mmol、1.0当量)のジクロロメタン(45mL)中混合物に、DIEA(4.68g、36.2mmol、6.31mL、4.0当量)およびTf
2O(5.11g、18.1mmol、2.99mL、2.0当量)を-40℃で加えた。混合物を-40℃で1時間撹拌した。撹拌が完了したら、混合物を水(40mL)で希釈し、ジクロロメタン(2×30mL)で抽出した。合わせた有機層を飽和ブライン(30mL)で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥し、濾過し、真空下で濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO
2、石油エーテル/酢酸エチル=10/1)により精製して、ベンジル2-(メチルチオ)-4-(((トリフルオロメチル)スルホニル)オキシ)-5,8-ジヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-7(6H)-カルボキシレート(3.84g、7.36mmol、81%収率、88.8%純度)を褐色油として得た。LCMS[M+1]:464。
ステップB:ベンジル2-(メチルチオ)-4-(((トリフルオロメチル)スルホニル)オキシ)-5,8-ジヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-7(6H)-カルボキシレート(3.84g、8.29mmol、1.0当量)のDMAc(60mL)中混合物に、DIEA(2.14g、16.6mmol、2.89mL、2.0当量)およびtert-ブチル(S)-2-(シアノメチル)ピペラジン-1-カルボキシレート(1.68g、7.46mmol、0.9当量)を加えた。混合物を15℃で30分間撹拌した。この後、混合物を酢酸エチル(70mL)で希釈し、水(300mL)で洗浄し、分離した。水相を酢酸エチル(1×70mL)で抽出し、有機層を飽和ブライン(2×50mL)で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥し、濾過し、真空中で濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO
2、石油エーテル/酢酸エチル=3/1)により精製して、ベンジル(S)-4-(4-(tert-ブトキシカルボニル)-3-(シアノメチル)ピペラジン-1-イル)-2-(メチルチオ)-5,8-ジヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-7(6H)-カルボキシレート(3.93g、6.86mmol、83%収率、94.0%純度)を黄色油として得た。LCMS[M+1]:539。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ=7.41-7.31(m,5H),5.19(s,2H),4.74-4.56(m,2H),4.46(d,J=18.8Hz,1H),4.08-3.90(m,3H),3.84-3.71(m,1H),3.52-3.11(m,3H),3.05-2.91(m,2H),2.81-2.59(m,4H),2.50(s,3H),1.51(s,9H)。
ステップC:ベンジル(S)-4-(4-(tert-ブトキシカルボニル)-3-(シアノメチル)ピペラジン-1-イル)-2-(メチルチオ)-5,8-ジヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-7(6H)-カルボキシレート(3.90g、7.24mmol、1.0当量)のジクロロメタン(40mL)中混合物に、m-CPBA(1.56g、7.24mmol、80%純度、1.0当量)を0℃で加えた。混合物を0℃で1時間撹拌した。次いで、混合物を飽和Na
2CO
3(水中、2×40mL)およびブライン(1×30mL)で洗浄し、次いで、Na
2SO
4上で乾燥し、濾過し、真空中で濃縮して、ベンジル4-((S)-4-(tert-ブトキシカルボニル)-3-(シアノメチル)ピペラジン-1-イル)-2-(メチルスルフィニル)-5,8-ジヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-7(6H)-カルボキシレート(3.58g)を白色固体として得、これをさらに精製することなく使用した。LCMS[M+1]:555。
【0203】
以下の例は、本発明のある特定の実施形態をさらに例示することを意図するものであり、本発明の範囲を限定することを意図するものではない。
【0204】
実施例1
【化146】
2-クロロプロパ-2-エノイルクロリド。2-フルオロプロパ-2-エン酸(400mg、4.44mmol、1.0当量)のDCM(1.50mL)中溶液に、(COCl)
2(846mg、6.66mmol、583μL、1.50当量)およびDMF(32.5mg、444μmol、34.2μL、0.10当量)を加えた。混合物を25℃で2時間撹拌した。2-クロロプロパ-2-エノイルクロリド(400mg、粗製)を次のステップに直接使用した。
ステップA:2-[(2S)-4-[7-(2,3-ジメチルフェニル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-2-イル]アセトニトリル。tert-ブチル(2S)-2-(シアノメチル)-4-[7-(2,3-ジメチルフェニル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-1-カルボキシレート(200mg、347μmol、1.0当量)のDCM(2.0mL)中溶液に、TFA(3.08g、27.0mmol、2.0mL、77.8当量)を加えた。混合物を20℃で10分間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮して残留物を得た。生成物である2-[(2S)-4-[7-(2,3-ジメチルフェニル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-2-イル]アセトニトリル(200mg、粗製、TFA)を黄色固体として得、さらに精製することなく次のステップに使用した。
ステップB:2-[(2S)-4-[7-(2,3-ジメチルフェニル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-1-(2-フルオロプロパ-2-エノイル)ピペラジン-2-イル]アセトニトリル。2-[(2S)-4-[7-(2,3-ジメチルフェニル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-2-イル]アセトニトリル(200mg、339μmol、1.0当量、TFA)のDCM(2.0mL)中溶液に、DIEA(1.11g、8.61mmol、1.50mL、25.4当量)およびDCM(2.0mL)中の2-フルオロプロパ-2-エノイルクロリド(200mg、1.84mmol、5.43当量)を加えた。混合物を0℃で1時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮して残留物を得た。残留物を分取HPLC(カラム:Phenomenex Gemini 150
*25mm
*10μm;移動相:[水(0.05%水酸化アンモニウムv/v)-ACN];B%:55%~83%、12分)で精製した。標記化合物である2-[(2S)-4-[7-(2,3-ジメチルフェニル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-1-(2-フルオロプロパ-2-エノイル)ピペラジン-2-イル]アセトニトリル(実施例1、120mg、217μmol、2ステップで62%収率、98.9%純度)を黄色固体として得た。LCMS[ESI,M+1]:548。
【0205】
1H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ=7.11(t,J=7.8Hz,1H),7.01-6.91(m,2H),5.52-5.32(m,1H),5.26(dd,J=3.2,16.8Hz,1H),5.08-4.70(br s,1H),4.39(dd,J=5.2,10.4Hz,1H),4.25-4.02(m,5H),3.97(d,J=12.8Hz,1H),3.43-3.73(br s,1H)3.32(d,J=13.2Hz,1H),3.25-3.16(m,1H),3.15-3.02(m,3H),3.01-2.91(m,1H),2.90-2.80(m,2H)2.79-2.60(m,2H),2.49(s,3H),2.31-2.28(m,7H),2.13-1.97(m,1H),1.90-1.70(m,3H)。
【0206】
実施例2
【化147】
2-クロロアクリロイルクロリド。2-クロロプロパ-2-エン酸(400mg、3.76mmol、1.0当量)および(COCl)
2(715mg、5.63mmol、493μL、1.50当量)のDCM(1.0mL)中溶液を25℃で0.5時間撹拌した。撹拌が完了したら、反応混合物を分離せずに、次のステップに直接使用した。
ステップA:2-[(2S)-4-[7-(2,3-ジメチルフェニル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-2-イル]アセトニトリル。tert-ブチル(2S)-2-(シアノメチル)-4-[7-(2,3-ジメチルフェニル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-1-カルボキシレート(中間体73、400mg、695μmol、1.0当量)のDCM(0.50mL)中溶液に、TFA(3.08g、27.0mmol、2.0mL、38.9当量)を加えた。混合物を20℃で0.5時間撹拌した。撹拌が完了したら、混合物を濃縮し、飽和NaHCO
3水溶液でpH約7に調整し、次いで、DCM(5.0mL×3)で抽出した。有機層をNa
2SO
4上で乾燥し、濾過し、濃縮した。生成物である2-[(2S)-4-[7-(2,3-ジメチルフェニル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-2-イル]アセトニトリル(400mg、粗製)を黄色油として得、さらに精製することなく次のステップに使用した。
ステップB:2-[(2S)-1-(2-クロロプロパ-2-エノイル)-4-[7-(2,3-ジメチルフェニル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-2-イル]アセトニトリル。2-[(2S)-4-[7-(2,3-ジメチルフェニル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-2-イル]アセトニトリル(300mg、631μmol、1.0当量)およびDIEA(245mg、1.89mmol、330μL、3.0当量)のDCM(1.0mL)中溶液に、2-クロロプロパ-2-エノイルクロリド(236mg、1.89mmol、3.0当量)を-78℃で加えた。混合物を-78℃で0.5時間撹拌した。撹拌が完了したら、混合物に飽和NaHCO
3水溶液(2.0mL)を加え、EA(10.0mL×3)で抽出した。得られた生成物を、分取HPLC(カラム:Gemini 150
*25 5u;移動相:[水(0.05%水酸化アンモニウムv/v)-ACN];B%:53%~83%、12分)により精製して、標記化合物である2-[(2S)-1-(2-クロロプロパ-2-エノイル)-4-[7-(2,3-ジメチルフェニル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-2-イル]アセトニトリル(実施例2、4.72mg、8.35μmol、2ステップで1%収率、99.8%純度)を白色固体として得た。LCMS[ESI,M+1]:564。
【0207】
1H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ7.11(t,J=7.8Hz,1H),6.98-6.94(m,2H),5.86-5.78(m,1H),5.77-5.72(m,1H),5.15-4.78(m,1H),4.45-4.30(m,1H),4.21-4.12(m,1H),4.10-4.03(m,3H),3.96(br d,J=12.4Hz,2H),3.30(br dd,J=3.2,13.6Hz,1H),3.23-3.04(m,4H),3.04-2.54(m,6H),2.50(br s,3H),2.34-2.23(m,7H),2.12-2.02(m,1H),1.91-1.66(m,3H)。
【0208】
実施例3
【化148】
ステップA:ベンジル(2S)-2-(シアノメチル)-4-[2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-7-(1-ナフチル)-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-1-カルボキシレート。ベンジル(2S)-2-(シアノメチル)-4-[2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-1-カルボキシレート(中間体65、1g、1.58mmol、1当量)および1-ブロモナフタレン(655mg、3.16mmol、440μL、2当量)のトルエン(20mL)中混合物に、Pd
2(dba)
3(145mg、158μmol、0.1当量)、RuPhos(148mg、316μmol、0.2当量)、Cs
2CO
3(1.55g、4.75mmol、3当量)を1度に加えた。混合物に、N
2により脱気およびパージを3回行い、次いで、90℃まで加熱し、2時間撹拌した。反応混合物を水(15mL)で希釈し、酢酸エチル(50mL×3)で抽出した。合わせた有機層を水(50mL×1)で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して残留物を得た。残留物を逆相フラッシュ[水(0.1%TFA)/アセトニトリル]により精製した。所望の画分を集め、飽和NaHCO
3溶液(6mL)で中和し、酢酸エチル(100mL×2)で抽出した。分離した有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、真空下で濃縮した。化合物であるベンジル(2S)-2-(シアノメチル)-4-[2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-7-(1-ナフチル)-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-1-カルボキシレート(515mg、726μmol、45.9%収率、89.1%純度)を黄色固体として得た。LCMS[ESI,M+1]:632。
ステップB:2-[(2S)-4-[2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-7-(1-ナフチル)-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-2-イル]アセトニトリル。ベンジル(2S)-2-(シアノメチル)-4-[2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-7-(1-ナフチル)-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-1-カルボキシレート(1g、1.58mmol、1当量)のMeOH(60mL)中溶液に、Pd/C(500mg、10%純度)およびNH
3・MeOH(20%、50mL)をN
2下で加えた。この懸濁液に、H
2により真空脱気およびパージを3回行った。混合物をH
2(15psi)下、25℃で1時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮した。化合物である2-[(2S)-4-[2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-7-(1-ナフチル)-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-2-イル]アセトニトリル(680mg、1.26mmol、80%収率、92.3%純度)を黄色固体として得、さらに精製することなく次のステップに直接使用した。LCMS[ESI,M+1]:498。
【0209】
1H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ=8.26-8.19(m,1H),7.89-7.83(m,1H),7.60(d,J=8.4Hz,1H),7.53-7.47(m,2H),7.43(t,J=7.6Hz,1H),7.16-7.12(m,1H),4.41(dd,J=5.2,10.8Hz,1H),4.26(s,2H),4.16(dd,J=7.2,10.8Hz,1H),4.01(br d,J=12.4Hz,1H),3.95-3.82(m,1H),3.44-3.21(m,3H),3.18-2.97(m,4H),2.95-2.76(m,3H),2.74-2.63(m,1H),2.55(dd,J=1.2,5.6Hz,2H),2.51-2.46(m,3H),2.33-2.22(m,1H),2.12-1.99(m,1H),1.88-1.80(m,3H)。
ステップC:2-[(2S)-1-(4-ヒドロキシブタ-2-イノイル)-4-[2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-7-(1-ナフチル)-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-2-イル]アセトニトリル。4-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシブタ-2-イン酸(172mg、803μmol、2当量)およびDIEA(155mg、1.21mmol、210μL、3当量)のMeCN(5mL)中溶液に、MsCl(92.1mg、803μmol、62.2μL、2当量)を0℃で加えた。0℃で20分間撹拌した後、混合物に、2-[(2S)-4-[2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-7-(1-ナフチル)-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-2-イル]アセトニトリル(200mg、402μmol、1当量)を加え、混合物を25℃で2時間撹拌した。次いで、反応混合物を80℃まで加熱し、10時間撹拌した。反応混合物を水(20mL)で希釈し、酢酸エチル(20mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(20mL)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して残留物を得た。残留物を分取HPLC((カラム:Boston Green ODS 150*30 5u;移動相:[水(0.225%FA)-ACN];B%:25%~45%、10分)により精製し、分取HPLC(カラム:Phenomenex Gemini 150*25mm*10μm;移動相:[水(0.05%水酸化アンモニウムv/v)-ACN];B%:45%~75%、12分)によりさらに精製した。標記化合物である2-[(2S)-1-(4-ヒドロキシブタ-2-イノイル)-4-[2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-7-(1-ナフチル)-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-2-イル]アセトニトリル(実施例3、1.43mg、2.39μmol、1%収率、96.7%純度)を白色固体として得た。LCMS[ESI,M+1]:580。
【0210】
1H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ=8.22(d,J=6.8Hz,1H),7.90-7.82(m,1H),7.61(d,J=8.4Hz,1H),7.55-7.47(m,2H),7.44(t,J=7.6Hz,1H),7.15(d,J=7.2Hz,1H),5.26-4.89(m,1H),4.60-4.34(m,4H),4.33-4.16(m,3H),4.14-3.96(m,1H),3.95-3.80(m,1H),3.78-3.50(m,2H),3.50-3.28(m,2H),3.27-3.07(m,3H),3.06-2.82(m,3H),2.80-2.64(m,2H),2.51(d,J=12.4Hz,3H),2.38-2.24(m,1H),2.14-2.00(m,1H),1.97-1.85(m,2H)。
【0211】
実施例4
【化149】
ステップA:2-[(2S)-4-[2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-7-(1-ナフチル)-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-1-(2,3,3-トリジュウテリオプロパ-2-エノイル)ピペラジン-2-イル]アセトニトリル。ジュウテリオ2,3,3-トリジュウテリオプロパ-2-エノエート(68.8mg、904μmol、3当量)およびDIEA(234mg、1.81mmol、315μL、6当量)のMeCN(3mL)中溶液に、MsCl(69.1mg、603μmol、46.7μL、2当量)を5℃で0.5時間かけて加えた。得られた反応物に、2-[(2S)-4-[2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-7-(1-ナフチル)-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-2-イル]アセトニトリル(150mg、301μmol、1当量)を加えた。反応混合物を5℃で1時間撹拌した。次いで、反応混合物を12時間80℃まで加熱した。完了したら、反応混合物を水(0.5mL)でクエンチした。残留混合物を分取HPLC(カラム:Phenomenex Gemini 150
*25mm
*10μm;移動相:[水(0.05%水酸化アンモニウムv/v)-ACN];B%:50%~80%、12分)により精製して、標記化合物である2-[(2S)-4-[2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-7-(1-ナフチル)-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-1-(2,3,3-トリジュウテリオプロパ-2-エノイル)ピペラジン-2-イル]アセトニトリル(実施例4、34.2mg、60.2μmol、20%収率、97.7%純度)を白色固体として得た。LCMS[ESI,M+1]:555。
【0212】
1H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ=8.28-8.16(m,1H),7.91-7.83(m,1H),7.63(d,J=8.0Hz,1H),7.56-7.48(m,2H),7.45(t,J=7.6Hz,1H),7.16(d,J=7.2Hz,1H),5.28-4.94(m,1H),4.41(dd,J=5.2,10.8Hz,1H),4.36-4.24(m,2H),4.23-4.11(m,2H),4.04(br d,J=11.6Hz,2H),3.73-3.25(m,3H),3.22-2.74(m,7H),2.69(td,J=6.4,13.2Hz,1H),2.50(s,3H),2.36-2.24(m,1H),2.15-2.02(m,1H),1.83-1.77(m,3H)。
【0213】
実施例5
【化150】
挿入物:(E)-4-ブロモブタ-2-エノイルクロリド。(E)-4-ブロモブタ-2-エン酸(1.0g、6.06mmol、1.0当量)の(COCl)
2(14.5g、114mmol、10.0mL、18.9当量)およびDCM(10.0mL)中溶液を70℃で2時間撹拌した。撹拌が完了したら、混合物を真空下で濃縮した。生成物(E)-4-ブロモブタ-2-エノイルクロリド(1.0g、粗製)を黄色油として得た。粗製化合物をさらに精製することなく次のステップに直接使用した。
ステップA:2-[(2S)-4-[7-(2,3-ジメチルフェニル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-2-イル]アセトニトリル。tert-ブチル(2S)-2-(シアノメチル)-4-[7-(2,3-ジメチルフェニル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-1-カルボキシレート(中間体73、200mg、347μmol、1.0当量)のジオキサン(2.0mL)中溶液に、HCl・ジオキサン(4.0M、2.0mL、23.0当量)を加えた。混合物を25℃で0.5時間撹拌した。撹拌が完了したら、反応混合物を減圧下で濃縮して、残留物を得た。残留物を飽和NaHCO
3水溶液でpH=7に調整し、EA(5.0mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(10.0mL)で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して残留物を得た。生成物である2-[(2S)-4-[7-(2,3-ジメチルフェニル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-2-イル]アセトニトリル(160mg、粗製)を黄色固体として得、さらに精製することなく次のステップに使用した。
ステップB:2-[(2S)-1-[(E)-4-ブロモブタ-2-エノイル]-4-[7-(2,3-ジメチルフェニル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-2-イル]アセトニトリル。2-[(2S)-4-[7-(2,3-ジメチルフェニル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-2-イル]アセトニトリル(160mg、336μmol、1.0当量)のDCM(6.0mL)中溶液に、Py(532mg、6.73mmol、543μL、20.0当量)およびDCM(2.0mL)中の(E)-4-ブロモブタ-2-エノイルクロリド(246mg、1.35mmol、4.0当量)を加えた。混合物を0℃で1時間撹拌した。撹拌が完了したら、0℃でMeOH(5.0mL)を加えることによって反応混合物をクエンチし、次いで、減圧下で濃縮して残留物を得た。生成物である2-[(2S)-1-[(E)-4-ブロモブタ-2-エノイル]-4-[7-(2,3-ジメチルフェニル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-2-イル]アセトニトリル(200mg、粗製)を黄色油として得、さらに精製することなく次のステップに使用した。LCMS[ESI,M+1]:622。
ステップC:2-[(2S)-4-[7-(2,3-ジメチルフェニル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-1-[(E)-4-(3-フルオロピロリジン-1-イル)ブタ-2-エノイル]ピペラジン-2-イル]アセトニトリル。2-[(2S)-1-[(E)-4-ブロモブタ-2-エノイル]-4-[7-(2,3-ジメチルフェニル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-2-イル]アセトニトリル(200mg、321μmol、1.0当量)のDCM(3.0mL)中溶液に、K
2CO
3(88.8mg、642μmol、2.0当量)、KI(2.67mg、16.1μmol、0.05当量)、および3-フルオロピロリジン(403mg、3.21mmol、10.0当量、HCl塩)を加えた。混合物を0℃で1時間撹拌した。撹拌が完了したら、反応混合物を減圧下で濃縮して、残留物を得た。残留物を、飽和NaHCO
3水溶液でpH=7に調整し、EA(10.0mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(20.0mL)で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して残留物を得た。残留物を分取HPLC(カラム:Gemini 150
*25 5u;移動相:[水(0.04%NH3H2O)-ACN];B%:60%~84%、10分)により精製した。残留物を減圧下で濃縮し、次いで、凍結乾燥して、標記化合物である2-[(2S)-4-[7-(2,3-ジメチルフェニル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-1-[(E)-4-(3-フルオロピロリジン-1-イル)ブタ-2-エノイル]ピペラジン-2-イル]アセトニトリル(実施例5、123mg、193μmol、3ステップで56%収率、99.2%純度)を黄色固体として得た。LCMS[ESI,M+1]:631。
【0214】
1H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ7.16-7.07(m,1H),7.02-6.92(m,3H),6.59-6.41(m,1H),5.31-5.10(m,1H),5.09-4.46(m,1H),4.38(dd,J=4.8,10.4Hz,1H),4.26-3.83(m,6H),3.80-3.45(m,1H),3.42-3.24(m,3H),3.23-3.15(m,1H),3.14-3.03(m,3H),3.02-2.83(m,4H),2.82-2.62(m,4H),2.54-2.49(m,1H),2.47(s,3H),2.32-2.26(m,6H),2.25-2.17(m,1H),2.16-2.09(m,1H),2.08-2.02(m,1H),1.92-1.78(m,4H)。
【0215】
実施例6
【化151】
ステップA:2-[(2S)-4-[7-(8-クロロ-1-ナフチル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-1-(2,3,3-トリジュウテリオプロパ-2-エノイル)ピペラジン-2-イル]アセトニトリル。ジュウテリオ2,3,3-トリジュウテリオプロパ-2-エノエート(56.6mg、744μmol、3当量)およびDIEA(481mg、3.72mmol、648μL、15当量)のACN(3mL)中溶液に、MsCl(56.8mg、496μmol、38.4μL、2当量)を5℃で加え、混合物を5℃で0.5時間かけて撹拌した。次いで、混合物に、2-[(2S)-4-[7-(8-クロロ-1-ナフチル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-2-イル]アセトニトリル(中間体71、150mg、248μmol、1当量、2HCl)を加え、得られた混合物を5℃で1時間撹拌した。次いで、混合物を80℃まで加熱し、80℃で12時間撹拌した。混合物を水(0.5mL)でクエンチした。反応混合物を分取HPLC(カラム:Phenomenex Gemini 150
*25mm
*10μm;移動相:[水(0.05%水酸化アンモニウムv/v)-ACN];B%:50%~80%、10分)により精製して、標記化合物である2-[(2S)-4-[7-(8-クロロ-1-ナフチル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-1-(2,3,3-トリジュウテリオプロパ-2-エノイル)ピペラジン-2-イル]アセトニトリル(実施例6、13.0mg、21.6μmol、9%収率、98.2%純度)をオフホワイトの固体として得た。LCMS[ESI,M+1]:589。
【0216】
1H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ=7.76(br d,J=8.4Hz,1H),7.62(t,J=7.6Hz,1H),7.53(d,J=7.2Hz,1H),7.45(td,J=8.0,13.2Hz,1H),7.34(t,J=7.6Hz,1H),7.26-7.18(m,1H),5.10(br s,1H),4.49-4.33(m,2H),4.21-4.01(m,3H),3.96-3.79(m,2H),3.60(br d,J=6.8Hz,1H),3.44(br d,J=13.6Hz,1H),3.32-2.97(m,5H),2.88-2.53(m,4H),2.48(d,J=2.8Hz,3H),2.29(br d,J=8.8Hz,1H),2.11-2.00(m,1H),1.87-1.71(m,3H)。
【0217】
実施例7
【化152】
2-フルオロプロパ-2-エノイルクロリド。2-フルオロプロパ-2-エン酸(400mg、4.44mmol、1当量)のDCM(4mL)中溶液に、(COCl)
2(846mg、6.66mmol、583μL、1.5当量)およびDMF(32.5mg、444μmol、34.2μL、0.1当量)を加えた。混合物を25℃で2時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮して、溶媒の一部を除去し、DCM中の残留物を得た。化合物である2-フルオロプロパ-2-エノイルクロリド(400mg、粗製)を黄色の液体として得、さらに精製することなく次のステップに使用した。
ステップA:2-[(2S)-4-[7-(8-クロロ-1-ナフチル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-1-(2-フルオロプロパ-2-エノイル)ピペラジン-2-イル]アセトニトリル。2-[(2S)-4-[7-(8-クロロ-1-ナフチル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-2-イル]アセトニトリル(300mg、528μmol、1当量、HCl)のDCM(5mL)中溶液に、DIEA(1.73g、13.4mmol、2.33mL、25.4当量)およびDCM(5mL)中の2-フルオロプロパ-2-エノイルクロリド(286mg、2.64mmol、5当量)を加えた。混合物を0℃で1時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮して残留物を得た。残留物をカラムクロマトグラフィー(Al
2O
3、ジクロロメタン/メタノール=10/1~10/1)により精製した。残留物を分取HPLC(カラム:Gemini 150
*25 5u;移動相:[水(0.05%水酸化アンモニウムv/v)-ACN];B%:55%~85%、12分)で精製した。残留物を分取HPLC(カラム:Phenomenex Synergi C18 150
*30mm
*4μm;移動相:[水(0.225%FA)-ACN];B%:20%~50%、10.5分)により精製した。残留物を減圧下で濃縮してACNを除去し、次いで、凍結乾燥した。標記化合物である2-[(2S)-4-[7-(8-クロロ-1-ナフチル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-1-(2-フルオロプロパ-2-エノイル)ピペラジン-2-イル]アセトニトリル(実施例7、24.1mg、36.7μmol、7%収率、99.1%純度、FA)を褐色固体として得た。
【0218】
SFC条件:「AD-3S_3_5_40_3MLカラム:Chiralpak AD-3 100×4.6mm I.D.、3μm、移動相:5%~40%のCO2中メタノール(0.05%DEA)流速:3mL/分 波長:220nm」。
【0219】
1H NMR(400MHz,酢酸)δ=7.82(d,J=8.0Hz,1H),7.69(d,J=8.0Hz,1H),7.56(d,J=7.6Hz,1H),7.49(t,J=7.6Hz,1H),7.41-7.30(m,2H),5.58-5.25(m,2H),5.17-4.59(m,4H),4.57-4.28(m,3H),4.24-3.78(m,4H),3.67-3.13(m,7H),3.08(br d,J=2.4Hz,3H),2.98(br d,J=6.4Hz,1H),2.83-2.61(m,1H),2.45-2.29(m,1H),2.24-2.08(m,3H)。
【0220】
実施例8
【化153】
ステップA:エチル(E)-4-フルオロブタ-2-エノエート。エチル(E)-4-ブロモブタ-2-エノエート(2.00g、10.4mmol、1.43mL、1.00当量)およびAgF(3.94g、31.1mmol、674μL、3.00当量)のアセトニトリル(20.0mL)中混合物を、25℃で12時間撹拌した。混合物を濾過し、THF(10.0mL)で洗浄し、次いで、真空下で濃縮して、エチル(E)-4-フルオロブタ-2-エノエート(2.50g、粗製)を黄色油として得、これをさらに精製せずに次のステップに使用した。
1H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ=7.04-6.89(m,1H),6.12(qd,J=2.0,16.0Hz,1H),5.14-4.94(m,2H),4.22(q,J=6.8Hz,2H),1.30(t,J=6.8Hz,3H)。
ステップB:(E)-4-フルオロブタ-2-エン酸。エチル(E)-4-フルオロブタ-2-エノエート(0.10g、粗製)およびNaOH(121mg、3.03mmol)のTHF(1.00mL)およびH
2O(1.00mL)中混合物を、25℃で2時間撹拌した。pH値をHCl(1N、5.00mL)により1~3に調整し、酢酸エチル(3×10.0mL)で抽出し、有機層をNa
2SO
4上で乾燥し、濾過し、真空下で濃縮して、(E)-4-フルオロブタ-2-エン酸(0.02g、192mmol、2ステップで46%)を黄色油として得、これをさらに精製せずに次のステップに使用した。
1H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ=8.37-7.31(m,1H),7.15-7.01(m,1H),6.15(dd,J=1.6,16.0Hz,1H),5.22-4.96(m,2H)。
ステップC:2-[(2S)-4-[7-(8-クロロ-1-ナフチル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-1-[(E)-4-フルオロブタ-2-エノイル]ピペラジン-2-イル]アセトニトリル。(E)-4-フルオロブタ-2-エン酸(7.32mg、70.4μmol、2当量)およびPy(8.35mg、106μmol、8.52μL、3.00当量)のアセトニトリル(1.00mL)中溶液に、MsCl(8.06mg、70.4μmol、5.45μL、2.00当量)を0℃で加えた。0℃で1時間撹拌した後、2-[(2S)-4-[7-(8-クロロ-1-ナフチル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-2-イル]アセトニトリル(0.02g、35.2μmol、1.00当量、HCl)を混合物に加えた。混合物を25℃で12時間撹拌した。混合物を水(5.00mL)で希釈し、酢酸エチル(3×5.00mL)で抽出し、有機層をNa
2SO
4上で乾燥し、濾過し、真空下で濃縮した。残留物を分取HPLC(カラム:Gemini 150
*25 5u;移動相:[水(0.05%水酸化アンモニウムv/v)-ACN];B%:50%~80%、12分)で精製した。所望の画分を集め、凍結乾燥して、標記化合物である2-[(2S)-4-[7-(8-クロロ-1-ナフチル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-1-[(E)-4-フルオロブタ-2-エノイル]ピペラジン-2-イル]アセトニトリル(実施例8、3.01mg、4.82μmol、14%収率、98.9%純度)を褐色固体として得た。LCMS[ESI,M+1]:618。
【0221】
1H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ=7.76(br d,J=8.0Hz,1H),7.62(t,J=7.2Hz,1H),7.53(d,J=7.2Hz,1H),7.45(td,J=7.6,12.8Hz,1H),7.34(t,J=7.6Hz,1H),7.26-7.17(m,1H),7.09-6.91(m,1H),6.59(br d,J=15.6Hz,1H),5.19-5.05(m,2H),4.49-4.36(m,2H),4.22-3.79(m,5H),3.76-2.96(m,8H),2.92-2.55(m,4H),2.48(d,J=2.4Hz,3H),2.29(br d,J=9.6Hz,1H),2.06(br d,J=10.0Hz,1H),1.83-1.71(m,3H)。
【0222】
実施例9
【化154】
挿入物:(E)-4-ブロモブタ-2-エノイルクロリド。(E)-4-ブロモブタ-2-エン酸(930mg、5.64mmol、1.0当量)のDCM(2.0mL)中溶液に、(COCl)
2(2.90g、22.9mmol、2.0mL、4.05当量)を加えた。混合物を60℃で12時間撹拌した。撹拌が完了したら、混合物を真空下で濃縮した。生成物である(E)-4-ブロモブタ-2-エノイルクロリド(650mg、粗製)を黄色油として得、さらに精製することなく次のステップに直接使用した。
ステップA:2-[(2S)-1-[(E)-4-ブロモブタ-2-エノイル]-4-[7-(8-クロロ-1-ナフチル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-2-イル]アセトニトリル。2-[(2S)-4-[7-(8-クロロ-1-ナフチル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-2-イル]アセトニトリル(中間体71、150mg、282μmol、1.0当量)のDCM(3.0mL)中溶液に、Py(446mg、5.64mmol、455μL、20.0当量)およびDCM(1.0mL)中の(E)-4-ブロモブタ-2-エノイルクロリド(207mg、1.13mmol、4.0当量)を加えた。混合物を0℃で1時間撹拌した。撹拌が完了したら、反応混合物を減圧下で濃縮して、残留物を得た。生成物である2-[(2S)-1-[(E)-4-ブロモブタ-2-エノイル]-4-[7-(8-クロロ-1-ナフチル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-2-イル]アセトニトリル(150mg、粗製)を褐色油として得、さらに精製することなく次のステップに使用した。LCMS[ESI,M+1]:680。
ステップB:2-[(2S)-4-[7-(8-クロロ-1-ナフチル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-1-[(E)-4-(3-フルオロピロリジン-1-イル)ブタ-2-エノイル]ピペラジン-2-イル]アセトニトリル。2-[(2S)-1-[(E)-4-ブロモブタ-2-エノイル]-4-[7-(8-クロロ-1-ナフチル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-2-イル]アセトニトリル(150mg、221μmol、1.0当量)のDCM(10.0mL)中溶液に、K
2CO
3(366mg、2.65mmol、12.0当量)、KI(1.83mg、11.0μmol、0.05当量)、および3-フルオロピロリジン(277mg、2.21mmol、10.0当量、HCl)を加えた。混合物を0℃で0.5時間撹拌した。撹拌が完了したら、反応混合物を減圧下で濃縮して、残留物を得た。残留物を飽和NaHCO
3水溶液でpH約7に調整し、EA(3×10mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(20mL)で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して残留物を得た。残留物を分取HPLC(カラム:Gemini 150*25 5u;移動相:[水(0.04%NH
3・H
2O)-ACN];B%:60%~84%、10分)により精製した。残留物を減圧下で濃縮し、次いで、凍結乾燥した。標記化合物である2-[(2S)-4-[7-(8-クロロ-1-ナフチル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-1-[(E)-4-(3-フルオロピロリジン-1-イル)ブタ-2-エノイル]ピペラジン-2-イル]アセトニトリル(実施例9、9.67mg、14.0μmol、6%収率、99.2%純度)を黄色固体として得た。LCMS[ESI,M+1]:687。
【0223】
1H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ7.76(br d,J=8.0Hz,1H),7.62(t,J=7.8Hz,1H),7.26(br d,J=7.2Hz,1H),7.49-7.40(m,1H),7.34(t,J=7.8Hz,1H),7.27-7.17(m,1H),7.05-6.92(m,1H),6.57-6.42(m,1H),5.32-5.11(m,1H),5.10-4.50(m,1H),4.47-4.35(m,2H),4.19-4.00(m,2H),3.95-3.75(m,2H),3.65-3.55(m,1H),3.47-3.28(m,3H),3.24-3.05(m,4H),3.04-2.86(m,4H),2.85-2.71(m,2H),2.70-2.50(m,3H),2.47-2.45(m,3H),2.32-2.15(m,2H),2.14-2.02(m,2H),1.87-1.67(m,4H)。
【0224】
【0225】
挿入物:(E)-4-ブロモブタ-2-エノイルクロリド。(E)-4-ブロモブタ-2-エン酸(1g、6.06mmol、1.0当量)のDCM(5.0mL)中溶液に、シュウ酸ジクロリド(7.25g、57.1mmol、5.0mL、9.4当量)を加えた。混合物を60℃で12時間撹拌した。撹拌が完了したら、反応混合物を減圧下で濃縮して、(E)-4-ブロモブタ-2-エノイルクロリド(850mg、粗製)を黄色油として得、これをさらに精製することなく次のステップに使用した。
ステップA:中間体71、2-[(2S)-4-[7-(8-クロロ-1-ナフチル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-2-イル]アセトニトリル。tert-ブチル(2S)-4-[7-(8-クロロ-1-ナフチル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-2-(シアノメチル)ピペラジン-1-カルボキシレート(310mg、414μmol、1.0当量)のジオキサン(4.0mL)中溶液に、HCl/ジオキサン(4.0M、4.0mL、39.0当量)を25℃で加えた。混合物を25℃で0.5時間撹拌した。撹拌が完了したら、飽和NaHCO3水溶液(20.0mL)により反応混合物をクエンチし、次いで、EA(3×40.0mL)で抽出した。合わせた有機層を飽和NaCl水溶液(100.0mL)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥し、濾過し、濃縮して、残留物である2-[(2S)-4-[7-(8-クロロ-1-ナフチル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-2-イル]アセトニトリル(250mg、粗製)を黄色固体として得た。粗生成物をさらに精製することなく次のステップに使用した。LCMS[ESI,M+1]:532。
ステップB:2-[(2S)-4-[7-(8-クロロ-1-ナフチル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-1-[(E)-4-(3-フルオロアゼチジン-1-イル)ブタ-2-エノイル]ピペラジン-2-イル]アセトニトリル。2-[(2S)-4-[7-(8-クロロ-1-ナフチル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-2-イル]アセトニトリル(中間体71、150mg、282μmol、1.0当量、粗製)のDCM(6.0mL)中溶液に、Py(446mg、5.6mmol、455μL、20.0当量)およびDCM(1.0mL)中の(E)-4-ブロモブタ-2-エノイルクロリド(207mg、1.2mmol、4.0当量、粗製)を加えた。混合物を0℃で1時間撹拌した。次いで、K2CO3(779mg、5.6mmol、20.0当量)、KI(4.6mg、28.2μmol、0.1当量)、および3-フルオロアゼチジン(472mg、4.2mmol、15.0当量、HCl)を0℃で加えた。次いで、混合物を25℃で12時間撹拌した。撹拌が完了したら、混合物を濾過し、減圧下で濃縮した。残留物を分取HPLC(カラム:Phenomenex Gemini 150*25mm*10μm;移動相:[水(10.0mMのNH4HCO3)-ACN];B%:55%~85%、10分)および凍結乾燥により精製して、標記化合物である2-[(2S)-4-[7-(8-クロロ-1-ナフチル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-1-[(E)-4-(3-フルオロアゼチジン-1-イル)ブタ-2-エノイル]ピペラジン-2-イル]アセトニトリル(実施例10、10.8mg、15.7μmol、6%収率、98%純度)を黄色固体として得た。LCMS[ESI,M+1]:673。
【0226】
SFC条件:100%e.e.
1H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ7.77(d,J=8.0Hz,1H),7.63(t,J=7.8Hz,1H),7.54(d,J=7.2Hz,1H),7.50-7.43(m,1H),7.35(t,J=7.8Hz,1H),7.26-7.21(m,1H),6.89(d,J=15.2Hz,1H),6.42(d,J=14.8Hz,1H),5.26-4.62(m,1H),5.11(t,J=5.2Hz,1H),4.80-4.37(m,2H),4.20-4.08(m,2H),3.92(br d,J=17.6Hz,1H),3.86-3.71(m,3H),3.60(s,1H),3.52-3.47(m,1H),3.45-3.33(m,1H),3.28-3.21(m,3H),3.16-3.11(m,3H),3.03(dd,J=8.4,16.8Hz,1H),2.82-2.60(m,4H),2.49(d,J=2.8Hz,3H),2.37-2.25(m,1H),2.09-2.03(m,1H),1.86-1.83(m,1H),1.78-1.76(m,3H)。
【0227】
実施例11
【化156】
挿入物:(E)-4-ブロモブタ-2-エノイルクロリド。(E)-4-ブロモブタ-2-エン酸(600mg、3.64mmol、1.0当量)の(COCl)
2(10.2g、80.0mmol、7.0mL、22.0当量)およびDCM(7.0mL)中溶液を70℃で12時間撹拌した。撹拌が完了したら、反応混合物を濃縮して、(E)-4-ブロモブタ-2-エノイルクロリド(500mg、粗製)を黄色油として得た。粗生成物をさらに精製することなく次のステップに使用した。
ステップA:2-[(2S)-1-[(E)-4-ブロモブタ-2-エノイル]-4-[7-(8-クロロ-1-ナフチル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-2-イル]アセトニトリル。2-[(2S)-4-[7-(8-クロロ-1-ナフチル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-2-イル]アセトニトリル(100mg、188μmol、1.0当量)およびピリジン(119mg、1.50mmol、121μL、8.0当量)のDCM(2.0mL)中溶液に、(E)-4-ブロモブタ-2-エノイルクロリド(138mg、752μmol、4.0当量)を加えた。混合物を0℃で0.5時間撹拌した。撹拌が完了したら、反応混合物を濃縮して、2-[(2S)-1-[(E)-4-ブロモブタ-2-エノイル]-4-[7-(8-クロロ-1-ナフチル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-2-イル]アセトニトリル(130mg、粗製)を黄色油として得た。LCMS[ESI,M+1]:678、680。
ステップB:2-[(2S)-4-[7-(8-クロロ-1-ナフチル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-1-[(E)-4-[メチル(2,2,2-トリフルオロエチル)アミノ]ブタ-2-エノイル]ピペラジン-2-イル]アセトニトリル。2-[(2S)-1-[(E)-4-ブロモブタ-2-エノイル]-4-[7-(8-クロロ-1-ナフチル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-2-イル]アセトニトリル(128mg、189μmol、1.0当量)、K
2CO
3(130mg、943μmol、5.0当量)、およびKI(9.39mg、56.6μmol、0.30当量)のDCM(3.0mL)中溶液に、2,2,2-トリフルオロ-N-メチル-エタンアミン(213mg、1.88mmol、10.0当量)を少しずつ加えた。混合物を0~25℃で12時間撹拌した。撹拌が完了したら、混合物を真空下で濃縮した。得られた生成物を分取HPLC(カラム:Gemini 150
*25 5u;移動相:[水(0.04%のNH
3・H
2O)-ACN];B%:70%~100%、10分)により精製して、標記化合物である2-[(2S)-4-[7-(8-クロロ-1-ナフチル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-1-[(E)-4-[メチル(2,2,2-トリフルオロエチル)アミノ]ブタ-2-エノイル]ピペラジン-2-イル]アセトニトリル(実施例11、2.87mg、3.84μmol、2%収率、95%純度)を白色固体として得た。LCMS[ESI,M+1]:711。
【0228】
1H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ7.76(br d,J=7.6Hz,1H),7.62(t,J=7.6Hz,1H),7.53(d,J=7.2Hz,1H),7.49-7.40(m,1H),7.34(t,J=7.8Hz,1H),7.27-7.18(m,1H),6.95-6.79(m,1H),6.54-6.38(m,1H),5.12-4.50(m,1H),4.48-4.35(m,2H),4.24-3.99(m,3H),3.96-3.78(m,2H),3.77-3.64(m,1H),3.61-3.53(m,1H),3.52-3.34(m,3H),3.33-2.97(m,7H),2.92-2.76(m,1H),2.75-2.65(m,1H),2.63-2.55(m,1H),2.51(s,3H),2.49(br d,J=3.2Hz,3H),2.35-2.25(m,1H),2.13-1.99(m,1H),1.89-1.67(m,3H)。
【0229】
実施例12
【化157】
ステップA:2-[(2S)-4-[7-(8-クロロ-1-ナフチル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-1-(4-ヒドロキシブタ-2-イノイル)ピペラジン-2-イル]アセトニトリル。4-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシブタ-2-イン酸(129mg、564μmol、1.50当量)およびDIEA(194mg、1.50mmol、262μL、4.00当量)のDMF(2.00mL)中溶液に、HATU(214mg、564μmol、1.50当量)を0℃で加えた。0℃で10分間撹拌した後、2-[(2S)-4-[7-(8-クロロ-1-ナフチル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-2-イル]アセトニトリル(0.20g、376μmol、1.00当量)を混合物に加えた。25℃で12時間撹拌した後、混合物を酢酸エチル(10.0mL)で希釈し、ブライン(3×10.0mL)で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥し、濾過し、真空下で濃縮した。残留物を逆相フラッシュ[水(FA、0.10%)/アセトニトリル]により精製した。所望の画分を集め、飽和重炭酸ナトリウム(5.00mL)でpH>7に中和し、酢酸エチル(3×20.0mL)で抽出した。有機層をブライン(1×30.0mL)で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥し、濾過し、真空下で濃縮した。残留物を分取HPLCカラム:Phenomenex Synergi C18 150
*25
*10μm;移動相:[水(0.225%、FA)-ACN];B%:10%~40%、10分により精製した。所望の画分を集め、凍結乾燥して、標記化合物である2-[(2S)-4-[7-(8-クロロ-1-ナフチル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-1-(4-ヒドロキシブタ-2-イノイル)ピペラジン-2-イル]アセトニトリル(実施例12、10.1mg、15.3μmol、4.1%収率、99.6%純度、FA)を黄色固体として得た。LCMS[ESI,M+1]:614。
【0230】
1H NMR(400MHz,酢酸-d4)δ=7.82(d,J=8.4Hz,1H),7.69(d,J=8.4Hz,1H),7.56(d,J=7.6Hz,1H),7.49(t,J=7.6Hz,1H),7.42-7.31(m,2H),5.14-4.73(m,4H),4.70-4.23(m,5H),4.01-3.81(m,3H),3.80-3.51(m,3H),3.49-3.17(m,4H),3.09(m,5H),2.81-2.63(m,1H),2.45-2.34(m,1H),2.22-2.08(m,3H)。
【0231】
実施例13
【化158】
ステップ1:4,4-ジフルオロ-3-ヒドロキシ-ブタノエート。エチル4,4-ジフルオロ-3-オキソ-ブタノエート(5.00g、30.1mmol、1.00当量)のトルエン(150mL)中溶液に、NaBH
4(1.20g、31.7mmol、1.05当量)を0℃で加えた。25℃で4時間撹拌した後、混合物を水(50.0mL)により0℃で希釈し、酢酸エチル(3×100mL)で抽出した。抽出物をブライン(1×100mL)で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥し、濾過し、真空下で濃縮して、エチル4,4-ジフルオロ-3-ヒドロキシ-ブタノエート(4.30g、粗製)を黄色油として得、これをさらに精製せずに次のステップに使用した。
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ=6.05-5.87(m,1H),5.86-5.72(m,1H),4.11-4.01(m,2H),2.57(dd,J=4.0,15.6Hz,1H),2.38(dd,J=9.2,15.6Hz,1H),1.21-1.17(m,3H)。
ステップ2:エチル(E)-4,4-ジフルオロブタ-2-エノエート。エチル4,4-ジフルオロ-3-ヒドロキシ-ブタノエート(3.00g、粗製)のジクロロメタン(20.0mL)中溶液に、TEA(1.81g、17.8mmol、2.48mL)およびMsCl(3.68g、32.1mmol、2.49mL)を0℃で加えた。4時間撹拌した後、混合物に、TEA(3.61g、35.68mmol、4.97mL、2当量)を0℃で加えた。25℃まで温め、12時間撹拌した後、混合物を水(10.0mL)で希釈し、HCl(1N、1×20.0mL)およびブライン(1×20.0mL)で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥し、濾過し、真空下で濃縮して、エチル(E)-4,4-ジフルオロブタ-2-エノエート(1.40g、9.33mmol、2ステップで44%収率)を無色油として得、さらに精製して次のステップに使用した。
1H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ=6.81(m,1H),6.29(dt,J=2.8,1.6Hz,1H),6.23(dd,J=4.0,55.2Hz,1H),4.25(q,J=7.2Hz,2H),1.31(t,J=7.2Hz,3H)。
ステップ3:(E)-4,4-ジフルオロブタ-2-エン酸。エチル(E)-4,4-ジフルオロブタ-2-エノエート(1.30g、8.66mmol、1.00当量)およびNaOH(1.39g、34.6mmol、4.00当量)のTHF(5.00mL)およびH
2O(5.00mL)中混合物を25℃で2時間撹拌した。混合物をHCl(2N、20.0mL)によりpH=1~3に酸性化し、酢酸エチル(3×20.0mL)で抽出した。有機層をNa
2SO
4上で乾燥し、濾過し、真空下で濃縮して、(E)-4,4-ジフルオロブタ-2-エン酸(0.35g、2.87mmol、33%収率)を黄色固体として得、これをさらに精製せずに次のステップに使用した。
【0232】
1H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ=6.92(m,1H),6.32(dtd,J=0.8,2.8,16.8Hz,1H),6.27(dtd,J=1.2,54.8Hz,4.0,1H)。
ステップA:2-[(2S)-4-[7-(8-クロロ-1-ナフチル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-1-[(E)-4,4-ジフルオロブタ-2-エノイル]ピペラジン-2-イル]アセトニトリル。(E)-4,4-ジフルオロブタ-2-エン酸(68.8mg、564μmol、1.50当量)、EDCI(108mg、564μmol、1.50当量)、およびHOBt(50.8mg、376μmol、1.00当量)のPy(3mL)中混合物を0℃で15分間撹拌し、次いで、2-[(2S)-4-[7-(8-クロロ-1-ナフチル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-2-イル]アセトニトリル(中間体71、0.20g、376μmol、1.00当量)を混合物に加えた。0℃で1時間および25℃で1時間撹拌した後、混合物を水(10.0mL)で希釈し、酢酸エチル(1×10.0mL)で抽出した。抽出物をブライン(1×10.0mL)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥し、濾過し、真空下で濃縮した。残留物を逆相フラッシュ[水(FA、0.10%)/アセトニトリル]により精製した。所望の画分を集め、混合物を飽和重炭酸ナトリウム(5.00mL)で中和し、酢酸エチル(3×20.0mL)で抽出した。有機層をブライン(1×30.0mL)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥し、濾過し、真空下で濃縮した。残留物を分取HPLC(カラム:Gemini 150*25 5u;移動相:[水(0.05%水酸化アンモニウムv/v)-ACN];B%:55%~85%、12分)で精製した。所望の画分を集め、凍結乾燥して、標記化合物である2-[(2S)-4-[7-(8-クロロ-1-ナフチル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-1-[(E)-4,4-ジフルオロブタ-2-エノイル]ピペラジン-2-イル]アセトニトリル(実施例13、66.9mg、104μmol、28%収率、98.7%純度)を黄色固体として得た。LCMS[ESI,M+1]:636。
【0233】
1H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ=7.76(d,J=8.0Hz,1H),7.62(t,J=7.2Hz,1H),7.52(d,J=7.2Hz,1H),7.45(td,J=7.6,12.8Hz,1H),7.37-7.31(m,1H),7.27-7.18(m,1H),6.88-6.71(m,2H),6.45-6.12(m,1H),5.17-4.59(m,1H),4.55-4.41(m,1H),4.40-4.33(m,1H),4.21-3.69(m,5H),3.64-3.32(m,2H),3.31-2.97(m,5H),2.96-2.52(m,4H),2.47(d,J=1.6Hz,3H),2.33-2.23(m,1H),2.11-2.00(m,1H),1.90-1.77(m,3H)。
【0234】
実施例14
【化159】
ステップ1:1-(2-(エトキシカルボニル)アリル)-1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イウムブロミド。THF(5mL)中のエチル2-(ブロモメチル)プロパ-2-エノエート(15g、77.7mmol、1当量)に、DABCO(10.5g、93.6mmol、10.3mL、1.20当量)を加え、得られた混合物を25℃で2時間撹拌した。沈殿物を形成し、窒素雰囲気下で濾過した。濾過ケーキを集め、1-(2-(エトキシカルボニル)アリル)-1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イウムブロミド(15g、49.6mmol、64%収率)を淡黄色固体として得、これをさらに精製することなく次のステップに直接使用した。
ステップ2:エチル2-(メトキシメチル)プロパ-2-エノエート。1-(2-(エトキシカルボニル)アリル)-1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イウムブロミド(15g、49.6mmol、1当量)およびTEA(10.5g、104mmol、14.5mL、2.09当量)のMeOH(150mL)中混合物を25℃で16時間撹拌した。溶媒を真空下で留去した(25℃)。残留物をDCM(40ml)中に溶解し、次いで、5%クエン酸水溶液(1×40mL)および飽和重炭酸ナトリウム水溶液(1×40mL)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、25℃で真空下で濃縮して、エチル2-(メトキシメチル)プロパ-2-エノエート(5.3g、36.8mmol、74%収率)を黄色の液体として得、これをさらに精製することなく次のステップに直接使用した。
ステップ3:2-(メトキシメチル)プロパ-2-エン酸。エチル2-(メトキシメチル)プロパ-2-エノエート(5.1g、35.4mmol、1当量)のTHF(71mL)中溶液に、NaOH(5.66g、142mmol、4当量)のH
2O(71mL)中溶液を5℃で加えた。混合物を25℃で2時間撹拌した。撹拌が完了したら、THFを真空下で留去した。混合物を、1MのHClでpH3に調整し、EtOAc(3×70mL)で抽出した。有機層をNa
2SO
4上で乾燥し、真空下で濃縮して、2-(メトキシメチル)プロパ-2-エン酸(3.4g、26.4mmol、収率75%、90%純度)を淡黄色液体として得、これをさらに精製することなく次のステップに直接使用した。
【0235】
1H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ=6.45(d,J=1.2Hz,1H),5.98(q,J=1.6Hz,1H),4.16(t,J=1.2Hz,2H),3.42(s,3H)。
【0236】
ステップA:2-[(2S)-4-[7-(8-クロロ-1-ナフチル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-1-[2-(メトキシメチル)プロパ-2-エノイル]ピペラジン-2-イル]アセトニトリル。2-(メトキシメチル)プロパ-2-エン酸(175mg、1.50mmol、2当量)およびDIEA(389mg、3.01mmol、524μL、4当量)のDCM(8mL)中溶液に、HATU(429mg、1.13mmol、1.5当量)を-40℃で加えた。-40℃で10分間撹拌した後、2-[(2S)-4-[7-(8-クロロ-1-ナフチル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-2-イル]アセトニトリル(中間体71、400mg、752μmol、1当量)を混合物に加えた。混合物を、-40℃で20分間、0℃で0.5時間、および25℃で1時間撹拌した。撹拌が完了したら、混合物に水(10mL)を加え、DCM(2×20mL)で抽出した。合わせた有機層をNa2SO4上で乾燥し、濾過し、真空下で濃縮した。残留物をクロマトグラフィー(Al2O3、EtOAc/MeOH 100/1~40/1)により精製し、分取HPLC(カラム:Gemini 150*25 5u;移動相:[水(0.05%水酸化アンモニウムv/v)-ACN];B%:50%~80%、12分)により精製した。所望の画分を集め、凍結乾燥して、標記化合物である2-[(2S)-4-[7-(8-クロロ-1-ナフチル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-1-[2-(メトキシメチル)プロパ-2-エノイル]ピペラジン-2-イル]アセトニトリル(実施例14、73.0mg、116μmol、15%収率、98.9%純度)をオフホワイトの固体として得た。LCMS[ESI,M+1]:630。
【0237】
SFC条件:カラム:Chiralpak AS-3 100×4.6mm I.D.、3μm、移動相:5%~40%のCO2中メタノール(0.05%DEA)流速:3ml/分 波長:220nm。
【0238】
1H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ=7.76(br d,J=8Hz,1H),7.62(t,J=7.6Hz,1H),7.52(d,J=7.6Hz,1H),7.45(td,J=7.6,13.2Hz,1H),7.37-7.30(m,1H),7.26-7.17(m,1H),5.51(s,1H),5.32(br s,1H),5.19-4.58(m,1H),4.48-4.34(m,2H),4.23-4.07(m,4H),4.06-3.78(m,3H),3.64-3.55(m,1H),3.39(s,3H),3.36-2.72(m,8H),2.71-2.53(m,2H),2.47(s,3H),2.35-2.22(m,1H),2.14-1.98(m,1H),1.90-1.73(m,3H)。
【0239】
実施例15
【化160】
ステップA:2-tert-ブチル4-((S)-4-((ベンジルオキシ)カルボニル)-3-(シアノメチル)ピペラジン-1-イル)-2-(((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,8-ジヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-7(6H)-カルボキシレート丸底フラスコ中で、ジオキサン(94.87ml、9.487mmol)中のtert-ブチル(S)-4-(4-((ベンジルオキシ)カルボニル)-3-(シアノメチル)ピペラジン-1-イル)-2-クロロ-5,8-ジヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-7(6H)-カルボキシレート(5g、9.487mmol)の溶液を、アルゴンによりスパージし、(S)-(1-メチルピロリジン-2-イル)メタノール(3.278g、28.46mmol)、Cs
2CO
3(9.273g、28.46mmol)、メタンスルホナト(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジ-i-プロポキシ-1,1’-ビフェニル)(2’-メチルアミノ-1,1’-ビフェニル-2-イル)パラジウム(II)(0.8078g、0.9487mmol)をアルゴン下で順次加え、さらに5分間スパージした。反応混合物をキャッピングし、100℃で一晩加熱した。反応物をGF/F濾紙で濾過し、真空中で濃縮した。濃縮物をCombi Flash(2%NH
4OHを含有するDCM中の0~12%MeOH)上で精製して、tert-ブチル4-((S)-4-((ベンジルオキシ)カルボニル)-3-(シアノメチル)ピペラジン-1-イル)-2-(((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,8-ジヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-7(6H)-カルボキシレート(5.425g、8.508mmol、89.68%の収率)を得た。ESI+APCI MS m/z 606.4 [M+H]
+。
ステップB:ベンジル(S)-2-(シアノメチル)-4-(2-(((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート:tert-ブチル4-((S)-4-((ベンジルオキシ)カルボニル)-3-(シアノメチル)ピペラジン-1-イル)-2-(((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,8-ジヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-7(6H)-カルボキシレート(5.4g、8.915mmol)をジクロロメタン(89.15ml、8.915mmol)に溶解し、塩酸(1,4-ジオキサン中4.0Mの溶液)(11.14ml、44.57mmol)で処理した。反応物を室温で1時間撹拌した。反応物をより多くのDCMおよび1MのNaOHで希釈し、層を分離した。次に有機成分をブラインで洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥し、真空中で濃縮して、ベンジル(S)-2-(シアノメチル)-4-(2-(((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート(4.364g、8.631mmol、96.82%収率)を得た。ESI+APCI MS m/z 506.3 [M+H]
+。
ステップC:2-((S)-4-(7-(2,3-ジメチルフェニル)-2-(((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-2-イル)アセトニトリル:丸底フラスコ中で、ジオキサン(43.15ml、8.631mmol)中のベンジル(S)-2-(シアノメチル)-4-(2-(((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート(4.364g、8.631mmol)の溶液を、アルゴンにより5分間スパージした。1-ブロモ-2,3-ジメチルベンゼン(5.851ml、43.15mmol)、Cs
2CO
3(14.06g、43.15mmol)、およびメタンスルホナト(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジ-i-プロポキシ-1,1’-ビフェニル)(2’-メチルアミノ-1,1’-ビフェニル-2-イル)パラジウム(II)(0.7348g、0.8631mmol)を、アルゴン下で順次加え、さらに5分間スパージした。反応混合物をキャッピングし、100℃で加熱した。反応物を室温まで冷却する。酢酸エチルを加え、反応物をGF/F濾紙を通して濾過し、真空中で濃縮した。濃縮物を、2%NH
4OHを含有するDCM中0~15%のMeOHを溶出液として使用したCombiFlash上での順相クロマトグラフィーにより2回精製した。所望の生成物を含有する画分を集め、真空中で濃縮して、2-((S)-4-(7-(2,3-ジメチルフェニル)-2-(((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-2-イル)アセトニトリル(0.411g、0.8641mmol、100.1%収率)を得た。ESI+APCI MS m/z 476.3 [M+H]
+。
ステップD:2-((S)-4-(7-(2,3-ジメチルフェニル)-2-(((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)-1-((E)-4,4,4-トリフルオロブタ-2-エノイル)ピペラジン-2-イル)アセトニトリル:2-((S)-4-(7-(2,3-ジメチルフェニル)-2-(((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-2-イル)アセトニトリル(200mg、0.420mmol)、4,4,4-トリフルオロクロトン酸(118mg、0.841mmol)、DIEA(367μl、2.10mmol)のDCM(4205μl、0.420mmol)中溶液に、HATU(240mg、0.631mmol)を加え、得られた混合物を室温で5時間撹拌した。反応混合物はブラインで洗浄し、水層をDCM(2×)で抽出した。合わせた有機層をNa
2SO
4上で乾燥し、濃縮し、60:40のACN:H
2O中に希釈し、水/0.1%TFA中の5~95%のACN/0.1%TFAにより溶出するGilson(逆分取HPLC)上で精製した。生成物を含有する画分を合わせ、飽和重炭酸塩を用いて塩基を遊離させて、有機成分をDCMで抽出した。有機成分をNa
2SO
4上で乾燥し、真空中で濃縮して、標記化合物である2-((S)-4-(7-(2,3-ジメチルフェニル)-2-(((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)-1-((E)-4,4,4-トリフルオロブタ-2-エノイル)ピペラジン-2-イル)アセトニトリル(実施例15、28mg、0.0468mmol、11.1%収率)を得た。ESI+APCI MS m/z 598.3 [M+H]
+。
【0240】
実施例16
【化161】
2-((S)-4-(7-(2,3-ジメチルフェニル)-2-(((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)-1-(2-(トリフルオロメチル)アクリロイル)ピペラジン-2-イル)アセトニトリル:実施例15に従って、ステップDで、4,4,4-トリフルオロクロトン酸の代わりに2-(トリフルオロメチル)プロペン酸を使用して標記化合物を調製した。ESI+APCI MS m/z 598.3[M+H]
+。
【0241】
実施例17
【化162】
2-((S)-4-(7-(2,3-ジメチルフェニル)-2-(((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)-1-(2-(ヒドロキシメチル)アクリロイル)ピペラジン-2-イル)アセトニトリル:実施例15に従って、ステップDで、4,4,4-トリフルオロクロトン酸の代わりに2-(ヒドロキシメチル)プロパ-2-エン酸を使用して標記化合物を調製した。ESI+APCI MS m/z 560.3[M+H]
+。
【0242】
実施例18
【化163】
ステップA:2-((S)-4-(7-(2,3-ジメチルフェニル)-2-(((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)-1-((E)-4-メトキシブタ-2-エノイル)ピペラジン-2-イル)アセトニトリル:2-((S)-4-(7-(2,3-ジメチルフェニル)-2-(((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-2-イル)アセトニトリル(50mg、0.1051mmol)のDCM(1mL)中溶液に、(E)-4-メトキシブタ-2-エン酸(24.41mg、0.2102mmol)、N-エチル-N-イソプロピルプロパン-2-アミン(0.03662ml、0.2102mmol)、およびO-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウムPF
6(59.96mg、0.1577mmol)を加え、反応混合物を室温で4時間撹拌した。次に、水(1mL)を加え、反応混合物を5分間撹拌した。混合物を、EtOAc(10mL)と0.5MのNaHCO
3(5mL)との間で分配し(divided)、層を分離させた。有機成分をブライン(3mL)で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥し、真空中で留去した。残留物を、3%MeOH+0.3%NH
4OH~4%MeOH+0.4%NH
4OHを溶出液として使用してシリカゲルクロマトグラフィーにかけて、標記化合物(実施例18、26mg、43%)を得た。ESI+APCI MS m/z 574.4 [M+H]
+。
【0243】
実施例19
【化164】
ステップA:ベンジル(S)-4-(7-(8-クロロナフタレン-1-イル)-2-(((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)-2-(シアノメチル)ピペラジン-1-カルボキシレート:ベンジル(S)-2-(シアノメチル)-4-(2-(((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート(0.6g、1.2mmol)のジオキサン(10mL)中溶液に、1-ブロモ-8-クロロナフタレン(0.37g、1.5mmol)を加え、反応物を、Arにより15分間脱気し、続いて、Cs
2CO
3(1.2g、3.6mmol)、Pd
2(dba)
3(0.22g、0.24mmol)、および2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジ-i-プロポキシ-1,1’-ビフェニル(0.11g、0.24mmol)を加え、反応物を、100℃まで一晩加熱した。次に、反応物をGFF濾紙を通して濾過し、濾過し、真空中で濃縮した。次に、残留物を、1~10%(MeOH+2%NH
4OH)/DCMを使用してクロマトグラフ処理して、ベンジル(S)-4-(7-(8-クロロナフタレン-1-イル)-2-(((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)-2-(シアノメチル)ピペラジン-1-カルボキシレート(0.20g、0.30mmol、25%収率)を得た。ESI+APCI MS m/z 666.2 [M+H]
+。
ステップB:2-((S)-4-(7-(8-クロロナフタレン-1-イル)-2-(((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-2-イル)アセトニトリル:THF(30mL)中のベンジル(S)-4-(7-(8-クロロナフタレン-1-イル)-2-(((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)-2-(シアノメチル)ピペラジン-1-カルボキシレート(0.17g、0.255mmol)の溶液を、N
2によりパージし、続いて、Pd/C(0.0272g、0.255mmol)を加えた。反応物を真空で排気し、H
2で3回充填し、混合物を室温で3日間撹拌した。反応物をN
2により再びパージし、続いて、セライトを通して濾過し、濾液を真空中で濃縮した。物質を粗生成物として次の反応に使用した。ESI+APCI MS m/z 532.2 [M+H]
+。
ステップC:2-((S)-4-(7-(8-クロロナフタレン-1-イル)-2-(((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)-1-((E)-4,4,4-トリフルオロブタ-2-エノイル)ピペラジン-2-イル)アセトニトリル:2-((S)-4-(7-(8-クロロナフタレン-1-イル)-2-(((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-2-イル)アセトニトリル(0.055g、0.10mmol)のDCM(20mL)中溶液に、N-エチル-N-イソプロピルプロパン-2-アミン(0.040g、0.31mmol)、(E)-4,4,4-トリフルオロブタ-2-エン酸(0.017g、0.12mmol)、および1-プロパンホスホン酸環状無水物(0.033g、0.10mmol)を加え、反応物を室温で30分間撹拌した。次に、TEP3および酸(0.24mmol)を加え、反応物をさらに1時間。次に、有機成分を1N NaOH、ブラインで洗浄し、MgSO
4上で乾燥し、真空中で濃縮した。物質を、順相シリカ(1~10%(MeOH+2%NH
4OH)/DCM)上で2回クロマトグラフ処理し、続いて、0.1%のTFAを添加剤として含有する5~95%ACN/水を使用したgilson逆分取HPLCにより精製した。純粋な画分を、塩基性水中に注ぎ込み、EtOAc中に抽出した。有機成分をブラインで洗浄し、MgSO
4上で乾燥し、真空中で濃縮して、標記化合物である2-((S)-4-(7-(8-クロロナフタレン-1-イル)-2-(((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)-1-((E)-4,4,4-トリフルオロブタ-2-エノイル)ピペラジン-2-イル)アセトニトリル(実施例19、0.0094g、0.014mmol、14%収率)を得た。ESI+APCI MS m/z 654.2 [M+H]
+。
【0244】
実施例20
【化165】
ステップA:2-((S)-4-(7-(8-メチルナフタレン-1-イル)-2-(((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)-1-((E)-4,4,4-トリフルオロブタ-2-エノイル)ピペラジン-2-イル)アセトニトリル:N,N-ジメチルホルムアミド(2932μl、0.293mmol)を含有する25mLのRBFに、2-((S)-4-(7-(8-メチルナフタレン-1-イル)-2-(((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-2-イル)アセトニトリル(150mg、0.293mmol)およびヒューニッヒ塩基(102μl、0.586mmol)を0℃で加えた。(E)-4,4,4-トリフルオロブタ-2-エン酸(49.3mg、0.352mmol)を1度に加えると共に、反応混合物を強く撹拌した。次に、1-プロパンホスホン酸環状無水物(262μl、0.440mmol)を撹拌混合物にゆっくりと加えた。反応物を0℃で2時間撹拌した。反応物を塩基性水で処理し、水層をEtOAc(3×)で抽出した。合わせた有機成分を真空中で濃縮し、ACN:H
2Oの60:40の混合物中に再懸濁し、水/0.1%TFA中の5~95%のACN/0.1%TFAにより溶出するGilson(逆分取HPLC)上で精製した。生成物を含有する画分を合わせ、飽和重炭酸塩とDCMとの間で分配した。水層をさらに2回、DCMで抽出した。有機層を合わせ、Na
2SO
4上で乾燥し、真空中で濃縮して、標記化合物である2-((S)-4-(7-(8-メチルナフタレン-1-イル)-2-(((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)-1-((E)-4,4,4-トリフルオロブタ-2-エノイル)ピペラジン-2-イル)アセトニトリル(実施例20、74.5mg、0.118mmol、40.1%収率)を得た。ESI+APCI MS m/z 634.3 [M+H]
+。
【0245】
実施例21
【化166】
2-((S)-4-(7-(8-メチルナフタレン-1-イル)-2-(((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)-1-(2-(トリフルオロメチル)アクリロイル)ピペラジン-2-イル)アセトニトリル:実施例20に従って、ステップAで、(E)-4,4,4-トリフルオロブタ-2-エン酸の代わりに2-(トリフルオロメチル)アクリル酸を使用して標記化合物を調製した。ESI+APCI MS m/z 634.2[M+H]
+。
【0246】
実施例22
【化167】
2-((S)-4-(7-(8-メチルナフタレン-1-イル)-2-(((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)-1-((E)-3-(ピリジン-2-イル)アクリロイル)ピペラジン-2-イル)アセトニトリル:実施例20に従って、ステップAで、(E)-4,4,4-トリフルオロブタ-2-エン酸の代わりに3-(ピリジン-2-イル)アクリル酸を使用して標記化合物を調製した。ESI+APCI MS m/z 643.3[M+H]
+。
【0247】
実施例23
【化168】
2-((S)-1-((E)-3-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)アクリロイル)-4-(7-(8-メチルナフタレン-1-イル)-2-(((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-2-イル)アセトニトリル:実施例20に従って、ステップAで、(E)-4,4,4-トリフルオロブタ-2-エン酸の代わりに(2E)-3-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)アクリル酸を使用して標記化合物を調製した。ESI+APCI MS m/z 646.4[M+H]
+。
【0248】
実施例24
【化169】
2-((S)-1-((E)-4,4-ジフルオロブタ-2-エノイル)-4-(7-(8-メチルナフタレン-1-イル)-2-(((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-2-イル)アセトニトリル:実施例20に従って、ステップAで、(E)-4,4,4-トリフルオロブタ-2-エン酸の代わりに4,4-ジフルオロブタ-2-エン酸を使用して標記化合物を調製した。ESI+APCI MS m/z 616.3[M+H]
+。
【0249】
実施例25
【化170】
ステップA:2-((S)-4-(7-(8-メチルナフタレン-1-イル)-2-(((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-2-イル)アセトニトリル(0.12g、0.23mmol)のDCM(10mL)中溶液に、N-エチル-N-イソプロピルプロパン-2-アミン(0.13ml、0.70mmol)、(E)-3-(ピリジン-3-イル)アクリル酸(0.070g、0.47mmol)、および2,4,6-トリプロピル-1,3,5,2,4,6-トリオキサトリホスフィナン 2,4,6-三酸化物(0.30g、0.47mmol)、反応物を室温で3時間撹拌した。次に、反応物を1N NaOH中に注ぎ込み、層を分離した。次に、有機成分をブラインで洗浄し、MgSO4上で乾燥し、真空中で濃縮した。次に、物質を、調節剤として0.1%TFAを含有する5~95のACN/水により溶出するGilson逆分取HPLCにより精製した。生成物を含有する画分を1N NaOH中に注ぎ込み、水層をEtOAc(3×)で抽出した。合わせた有機成分をブラインで洗浄し、MgSO
4上で乾燥し、真空中で濃縮して、標記化合物である2-((S)-4-(7-(8-メチルナフタレン-1-イル)-2-(((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)-1-((E)-3-(ピリジン-3-イル)アクリロイル)ピペラジン-2-イル)アセトニトリル(実施例25、0.040g、0.062mmol、27%収率)を得た。ESI+APCI MS m/z 643.3 [M+H]
+。
【0250】
実施例26
【化171】
ステップA:2-((S)-4-(7-(8-メチルナフタレン-1-イル)-2-(((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)-1-(3-オキソシクロペンタ-1-エン-1-カルボニル)ピペラジン-2-イル)アセトニトリル:2-((S)-4-(7-(8-メチルナフタレン-1-イル)-2-(((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-2-イル)アセトニトリル(30mg、0.05863mmol)および3-オキソシクロペンタ-1-エンカルボン酸(9.612mg、0.07622mmol)をDMF(400μL)に希釈し、続いて、DIEA(20.48μl、0.1173mmol)および1-プロピルホスホン酸環状無水物(52.35μl、0.08795mmol)を加えた。12時間撹拌後、反応物を酢酸エチルおよび飽和重炭酸ナトリウムで希釈した。層を分離し、酢酸エチルをMgSO4上で乾燥し、濾過し、濃縮した。物質を、10%のメタノール/DCM(1%NH4OH)により溶出するシリカゲル上で精製して、標記化合物である2-((S)-4-(7-(8-メチルナフタレン-1-イル)-2-(((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)-1-(3-オキソシクロペンタ-1-エン-1-カルボニル)ピペラジン-2-イル)アセトニトリル(実施例26、2.3mg、0.003711mmol、6.329%収率)を得た。ESI+APCI MS m/z 620.3 [M+H]
+。
【0251】
実施例27
【化172】
ステップA:2-((S)-1-((E)-4-クロロブタ-2-エノイル)-4-(7-(8-メチルナフタレン-1-イル)-2-(((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-2-イル)アセトニトリル:2-((S)-4-(7-(8-メチルナフタレン-1-イル)-2-(((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-2-イル)アセトニトリル(30mg、0.05863mmol)およびγ-クロロクロトン酸(10.60mg、0.08795mmol)をDMF(400μL)で希釈し、続いて、DIEA(20.48μl、0.1173mmol)および1-プロピルホスホン酸環状無水物(55.84μl、0.09381mmol)を加えた。12時間撹拌後、反応物を酢酸エチルおよび飽和重炭酸ナトリウムで希釈した。層を分離し、酢酸エチルをMgSO4上で乾燥し、濾過し、濃縮した。物質を、10%のメタノール/DCM(1%NH4OH)により溶出するシリカゲル上で精製して、標記化合物である2-((S)-1-((E)-4-クロロブタ-2-エノイル)-4-(7-(8-メチルナフタレン-1-イル)-2-(((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-2-イル)アセトニトリル(実施例27、4.5mg、0.007327mmol、12.50%収率)を得た。ESI+APCI MS m/z 614.3 [M+H]
+。
【0252】
実施例28
【化173】
ステップA:エチル(E)-4-(ジメチルアミノ)-4-オキソブタ-2-エノエート:フマル酸モノエチルエステル(442mg、3.07mmol)をDCM(5mL)で希釈し、続いて、塩化オキサリル(1533μl、3.07mmol)および1滴のDMFを加えた。15分間撹拌後、ジメチルアミン(4600μl、9.20mmol)を加え、反応物を3時間撹拌した。反応物を酢酸エチルおよび水で希釈した。層を分離し、酢酸エチルをMgSO4上で乾燥し、濾過し、濃縮した。物質を、10~70%の酢酸エチル/ヘキサンにより溶出するシリカゲル上で精製して、エチル(E)-4-(ジメチルアミノ)-4-オキソブタ-2-エノエート(382mg、2.23mmol、72.8%の収率)を得た。ESI+APCI MS m/z 172.1 [M+H]
+。
ステップB:(E)-4-(ジメチルアミノ)-4-オキソブタ-2-エン酸:エチル(E)-4-(ジメチルアミノ)-4-オキソブタ-2-エノエート(382mg、2.23mmol)をメタノール(8mL)で希釈し、続いて、NaOH(4463μl、8.93mmol)を加えた。4時間撹拌後、反応物を2N HCl(4.5mL)で希釈し、酢酸エチルで抽出した。酢酸エチルをMgSO4上で乾燥し、濾過し、濃縮して、(E)-4-(ジメチルアミノ)-4-オキソブタ-2-エン酸を得た。
ステップC:(E)-4-((S)-2-(シアノメチル)-4-(7-(8-メチルナフタレン-1-イル)-2-(((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-イル)-N,N-ジメチル-4-オキソブタ-2-エナミド:2-((S)-4-(7-(8-メチルナフタレン-1-イル)-2-(((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-2-イル)アセトニトリル(30mg、0.05863mmol)をDMFで希釈し、続いて、(E)-4-(ジメチルアミノ)-4-オキソブタ-2-エン酸(10.07mg、0.07036mmol)、DIEA(20.48μl、0.1173mmol)、および1-プロピルホスホン酸環状無水物(52.35μl、0.08795mmol)を加えた。12時間撹拌後、反応物を酢酸エチルおよび飽和重炭酸ナトリウムで希釈した。層を分離し、酢酸エチルをMgSO4上で乾燥し、濾過し、濃縮した。物質を、10%のメタノール/DCM(1%NH4OH)により溶出するシリカゲル上で精製して、標記化合物である(E)-4-((S)-2-(シアノメチル)-4-(7-(8-メチルナフタレン-1-イル)-2-(((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-イル)-N,N-ジメチル-4-オキソブタ-2-エナミド(実施例28、3.7mg、0.005810mmol、9.910%収率)を得た。ESI+APCI MS m/z 637.3 [M+H]
+。
【0253】
実施例29
【化174】
ステップA:エチル(E)-3-シアノアクリレート:エチルシス(β-シアノ)アクリレート(1.0g、7.99mmol)をACN(30mL)で希釈し、窒素下に置き、3日間加熱還流した。反応物を放冷し、次いで、濃縮した。物質をヘキサンにより溶出するシリカゲル上で精製して、エチル(E)-3-シアノアクリレート(300mg、2.40mmol、30.0%収率)を得た。
ステップB:(E)-4-アミノ-4-オキソブタ-2-エン酸:エチル(E)-3-シアノアクリレート(300mg、2.40mmol)をHCl(3996μl、24.0mmol)で希釈した。反応物を窒素下に置き、100℃まで4時間加熱した。反応物を放冷し、次いで、濃縮して、(E)-4-アミノ-4-オキソブタ-2-エン酸(214mg、1.86mmol、77.6%収率)を得た。
ステップC:(E)-4-((S)-2-(シアノメチル)-4-(7-(8-メチルナフタレン-1-イル)-2-(((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-イル)-4-オキソブタ-2-エナミド:2-((S)-4-(7-(8-メチルナフタレン-1-イル)-2-(((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-2-イル)アセトニトリル(20mg、0.039mmol)、HATU(30mg、0.078mmol)、および(E)-4-アミノ-4-オキソブタ-2-エン酸(9.0mg、0.078mmol)をDMF(400μL)で希釈し、続いて、DIEA(14μl、0.078mmol)を加えた。12時間撹拌後、反応物を酢酸エチルおよび飽和重炭酸ナトリウムで希釈した。層を分離し、酢酸エチルをMgSO4上で乾燥し、濾過し、濃縮した。物質を、10%のメタノール/DCM(1%NH4OH)により溶出するシリカゲル上で精製して、標記化合物である(E)-4-((S)-2-(シアノメチル)-4-(7-(8-メチルナフタレン-1-イル)-2-(((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-イル)-4-オキソブタ-2-エナミド(実施例29、2.9mg、0.0048mmol、12%収率)を得た。ESI+APCI MS m/z 609.3 [M+H]
+。
【0254】
実施例30
【化175】
ステップA:エチル(E)-3-シアノアクリレート:エチルシス(β-シアノ)アクリレート(1.0g、7.99mmol)をACN(30mL)で希釈し、窒素下に置き、3日間加熱還流した。反応物を放冷し、次いで、濃縮した。物質をヘキサンにより溶出するシリカゲル上で精製して、エチル(E)-3-シアノアクリレート(300mg、2.40mmol、30.0%収率)を得た。
ステップB:(E)-3-シアノアクリル酸:エチル(E)-3-シアノアクリレート(10mg、0.080mmol)をHCl(133μl、0.80mmol)で希釈し、窒素下に置き、100℃まで加熱した。15分間撹拌後、反応物を濃縮して、(E)-3-シアノアクリル酸(7.5mg、0.077mmol、97%収率)を得た。
ステップC:(E)-4-((S)-2-(シアノメチル)-4-(7-(8-メチルナフタレン-1-イル)-2-(((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-イル)-4-オキソブタ-2-エンニトリル:2-((S)-4-(7-(8-メチルナフタレン-1-イル)-2-(((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-2-イル)アセトニトリル(20mg、0.03909mmol)および(E)-3-シアノアクリル酸(5.312mg、0.05472mmol)をDMF(400μL)で希釈し、続いて、DIEA(13.65μl、0.07817mmol)および1-プロピルホスホン酸環状無水物(34.90μl、0.05863mmol)を加えた。12時間撹拌後、反応物を酢酸エチルおよび飽和重炭酸ナトリウムで希釈した。層を分離し、酢酸エチルをMgSO4上で乾燥し、濾過し、濃縮した。物質を、10%のメタノール/DCM(1%NH4OH)により溶出するシリカゲル上で精製して、標記化合物である(E)-4-((S)-2-(シアノメチル)-4-(7-(8-メチルナフタレン-1-イル)-2-(((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-イル)-4-オキソブタ-2-エンニトリル(実施例30、3.5mg、0.005925mmol、15.16%収率)を得た。ESI+APCI MS m/z 591.3 [M+H]
+。
【0255】
実施例31
【化176】
ステップA:(Z)-3-シアノアクリル酸:エチルシス(β-シアノ)アクリレート(50mg、0.40mmol)をHCl(200μl、1.2mmol)で希釈し、窒素下に置き、100℃まで加熱した。1分間撹拌後、反応物を冷却し、濃縮して、(Z)-3-シアノアクリル酸(35mg、0.36mmol、90%収率)を得た。
ステップB:(Z)-4-((S)-2-(シアノメチル)-4-(7-(8-メチルナフタレン-1-イル)-2-(((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-イル)-4-オキソブタ-2-エンニトリル:2-((S)-4-(7-(8-メチルナフタレン-1-イル)-2-(((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-2-イル)アセトニトリル(20mg、0.03909mmol)および(Z)-3-シアノアクリル酸(6.071mg、0.06254mmol)をDMF(400μL)で希釈し、続いて、DIEA(13.65μl、0.07817mmol)および1-プロピルホスホン酸環状無水物(39.56μl、0.06645mmol)を加えた。12時間撹拌後、反応物を酢酸エチルおよび飽和重炭酸ナトリウムで希釈した。層を分離し、酢酸エチルをMgSO4上で乾燥し、濾過し、濃縮した。物質を、10%のメタノール/DCM(1%NH4OH)により溶出するシリカゲル上で精製して、標記化合物である(Z)-4-((S)-2-(シアノメチル)-4-(7-(8-メチルナフタレン-1-イル)-2-(((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-イル)-4-オキソブタ-2-エンニトリル(実施例31、2.1mg、0.003555mmol、9.095%収率)を得た。ESI+APCI MS m/z 591.3 [M+H]
+。
【0256】
実施例32
【化177】
ステップ1:(E)-4-[tert-ブトキシカルボニル(メチル)アミノ]-2-フルオロ-ブタ-2-エン酸。エチル2-ジエトキシホスホリル-2-フルオロ-アセテート(2g、8.26mmol、1.68mL、1当量)およびtert-ブチルN-メチル-N-(2-オキソエチル)カルバメート(2.15g、12.4mmol、1.5当量)のTHF(40mL)中溶液に、NaH(661mg、16.5mmol、60%純度、2当量)を加えた。混合物を25℃で1.5時間撹拌した。撹拌が完了したら、反応混合物を飽和NH
4Cl(8mL)によりクエンチし、真空下で濃縮した。残留物を分取HPLC(カラム:Phenomenex Synergi Max-RP 250
*50mm
*10μm;移動相:[水(0.225%FA)-ACN];B%:20ACN%~50ACN%、30分;50%分)により精製して、(E)-4-[tert-ブトキシカルボニル(メチル)アミノ]-2-フルオロ-ブタ-2-エン酸(820mg、3.16mmol、38.3%収率、90%純度)を褐色油として得た。
ステップA:tert-ブチルN-[(E)-4-[(2S)-4-[7-(8-クロロ-1-ナフチル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-2-(シアノメチル)ピペラジン-1-イル]-3-フルオロ-4-オキソ-ブタ-2-エニル]-N-メチル-カルバメート。2-[(2S)-4-[7-(8-クロロ-1-ナフチル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-2-イル]アセトニトリル(中間体71、300mg、564μmol、1当量)、(E)-4-[tert-ブトキシカルボニル(メチル)アミノ]-2-フルオロ-ブタ-2-エン酸(600mg、2.57mmol、4.56当量)、およびDIEA(729mg、5.64mmol、982μL、10当量)のDCM(10mL)中溶液に、HATU(643mg、1.69mmol、3当量)を0℃で加えた。反応混合物を25℃で1時間撹拌した。撹拌が完了したら、反応混合物を水(3mL)でクエンチし、DCM(3×8mL)で抽出した。合わせた有機層をNa
2SO
4上で乾燥し、真空下で濃縮した。残留物を逆フラッシュクロマトグラフィー(FA条件:水中の60%MeCN(0.1%FA))により精製して、tert-ブチルN-[(E)-4-[(2S)-4-[7-(8-クロロ-1-ナフチル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-2-(シアノメチル)ピペラジン-1-イル]-3-フルオロ-4-オキソ-ブタ-2-エニル]-N-メチル-カルバメート(330mg、404μmol、72%収率、91.5%純度)を褐色固体として得た。LCMS[ESI,M+1]:747。
ステップB:2-[(2S)-4-[7-(8-クロロ-1-ナフチル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-1-[(E)-2-フルオロ-4-(メチルアミノ)ブタ-2-エノイル]ピペラジン-2-イル]アセトニトリル。tert-ブチルN-[(E)-4-[(2S)-4-[7-(8-クロロ-1-ナフチル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-2-(シアノメチル)ピペラジン-1-イル]-3-フルオロ-4-オキソ-ブタ-2-エニル]-N-メチル-カルバメート(300mg、401μmol、1当量)のDCM(1mL)中溶液に、TFA(915mg、8.03mmol、594μL、20当量)を加えた。反応混合物を25℃で1時間撹拌した。撹拌が完了したら、反応混合物をDCM(10mL)により希釈し、飽和NaHCO
3(8mL)により塩基化した。混合物をDCM(3×10mL)で抽出した。合わせた有機層をNa
2SO
4上で乾燥し、真空下で濃縮して、2-[(2S)-4-[7-(8-クロロ-1-ナフチル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-1-[(E)-2-フルオロ-4-(メチルアミノ)ブタ-2-エノイル]ピペラジン-2-イル]アセトニトリル(240mg、356μmol、89%収率、95.9%純度)を褐色固体として得、これをさらに精製せずに次のステップに直接使用した。LCMS[ESI,M+1]:647。
ステップC:2-[(2S)-4-[7-(8-クロロ-1-ナフチル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-1-[(E)-4-(ジメチルアミノ)-2-フルオロ-ブタ-2-エノイル]ピペラジン-2-イル]アセトニトリル。2-[(2S)-4-[7-(8-クロロ-1-ナフチル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-1-[(E)-2-フルオロ-4-(メチルアミノ)ブタ-2-エノイル]ピペラジン-2-イル]アセトニトリル(120mg、185μmol、1当量)、およびパラホルムアルデヒド(83.5mg、927μmol、5当量)、HCOOH(26.7mg、556μmol、3当量)のMeOH(5mL)中溶液に、NaBH
3CN(35.0mg、556μmol、3当量)を加えた。この反応混合物を25℃で12時間撹拌した。撹拌が完了したら、反応混合物を水(0.5mL)でクエンチし、濾過した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(EA:MeOH:NH
3・H
2O=50:1:0~10:1:0.1)、次いで、分取HPLC(カラム:Phenomenex Gemini 150
*25mm
*10μm;移動相:[水(10mMのNH
4HCO
3)-ACN];B%:50%~100%、10分)により精製して、標記化合物である2-[(2S)-4-[7-(8-クロロ-1-ナフチル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-1-[(E)-4-(ジメチルアミノ)-2-フルオロ-ブタ-2-エノイル]ピペラジン-2-イル]アセトニトリル(実施例32、26.7mg、40.2μmol、22%収率、99.5%純度)を黄色固体として得た。LCMS[ESI,M+1]:661。
【0257】
1H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ=7.68(d,J=8.0Hz,1H),7.54(t,J=7.2Hz,1H),7.45(d,J=7.2Hz,1H),7.37(td,J=7.6,12.8Hz,1H),7.26(t,J=8.0Hz,1H),7.19-7.08(m,1H),5.81-5.60(m,1H),5.04-4.41(m,1H),4.40-4.25(m,2H),4.16-3.91(m,3H),3.88-3.71(m,2H),3.66-3.46(m,2H),3.36(br d,J=10.8Hz,1H),3.27-2.69(m,9H),2.64-2.56(m,1H),2.55-2.46(m,1H),2.40(d,J=2.4Hz,3H),2.27-2.15(m,7H),2.06-1.90(m,1H),1.85-1.72(m,3H)。
【0258】
実施例33
【化178】
ステップA:2-[(2S)-4-[7-(8-クロロ-1-ナフチル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-1-[2-(トリフルオロメチル)プロパ-2-エノイル]ピペラジン-2-イル]アセトニトリル。2-(トリフルオロメチル)プロパ-2-エン酸(39.5mg、282μmol、1.50当量)、2-[(2S)-4-[7-(8-クロロ-1-ナフチル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-2-イル]アセトニトリル(中間体71、0.10g、188μmol、1.00当量)、およびDIEA(48.6mg、376μmol、65.5μL、2.00当量)のジクロロメタン(0.20mL)中溶液に、HATU(107mg、282μmol、1.50当量)を0℃で加えた。0℃で0.5時間撹拌した後、混合物を水で希釈し、層を分離した。有機層をNa
2SO
4上で乾燥し、濾過し、真空下で濃縮した。残留物を逆相フラッシュ[水(FA、0.1%)/アセトニトリル]および分取HPLC(カラム:Gemini 150
*25 5u;移動相:[水(0.05%水酸化アンモニウムv/v)-ACN];B%:56%~86%、12分)により精製した。所望の画分を集め、凍結乾燥して、標記化合物である2-[(2S)-4-[7-(8-クロロ-1-ナフチル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-1-[2-(トリフルオロメチル)プロパ-2-エノイル]ピペラジン-2-イル]アセトニトリル(実施例33、13.1mg、19.6μmol、10.5%収率、97.9%純度)を白色固体として得た。LCMS[ESI,M+1]:654。
【0259】
SFC条件:カラム:Chiralcel OJ-3 50×4.6mm I.D.、3μm、移動相:5%~40%のCO2中メタノール(0.05%のDEA)、流速:3mL/分、波長:220nm。
【0260】
1H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ=7.76(d,J=8.4Hz,1H),7.65-7.59(m,1H),7.55-7.50(m,1H),7.45(td,J=7.6,10.0Hz,1H),7.34(t,J=7.6Hz,1H),7.26-7.18(m,1H),6.18(br s,1H),5.86(br s,1H),5.11(br s,1H),4.57-4.36(m,2H),4.33-4.10(m,2H),4.04(br d,J=12.8Hz,1H),3.97-3.79(m,2H),3.66-3.54(m,1H),3.50-3.33(m,1H),3.29-3.07(m,4H),3.04-2.72(m,4H),2.63-2.50(m,4H),2.45-2.32(m,1H),2.15-2.04(m,1H),1.90(br s,3H)。
【0261】
実施例34
【化179】
2-((S)-1-((Z)-3-クロロアクリロイル)-4-(7-(2,3-ジメチルフェニル)-2-(((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-2-イル)アセトニトリル:実施例18ステップAに従って、(E)-4-メトキシブタ-2-エン酸の代わりに(Z)-3-クロロアクリル酸を使用して調製した。ESI+APCI MS m/z 564.3 [M+H]
+。
【0262】
実施例35
【化180】
ステップA:2-((S)-1-((E)-4-フルオロブタ-2-エノイル)-4-(7-(8-メチルナフタレン-1-イル)-2-(((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-2-イル)アセトニトリル:N,N-ジメチルホルムアミド(3909μl、0.39mmol)を含有する25mLのRBFに、2-((S)-4-(7-(8-メチルナフタレン-1-イル)-2-(((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-2-イル)アセトニトリル(200mg、0.391mmol)およびトリエチルアミン(136μl、0.98mmol)を0℃で加えた。(E)-4-フルオロブタ-2-エン酸(61.0mg、0.59mmol)を1度に加えると共に反応混合物を強く撹拌した。次に、1-プロパンホスホン酸環状無水物(175μl、0.59mmol)を撹拌混合物にゆっくりと加えた。反応物を室温で18時間撹拌した。水を加え、混合物をEtOAc(3×15mL)で抽出した。抽出物を合わせ、水(1×10mL)で洗浄し、濃縮した。残留物をシリカゲル(0.25%NH
4OHを含有するDCM中の5~18%MeOH)により精製して、標記化合物である2-((S)-1-((E)-4-フルオロブタ-2-エノイル)-4-(7-(8-メチルナフタレン-1-イル)-2-(((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-2-イル)アセトニトリル(実施例35、89.3mg、0.15mmol、38%収率)を得た。ESI+APCI MS m/z 598.3 [M+H]
+。
【0263】
実施例36
【化181】
ステップA:2-((S)-1-(2-フルオロアクリロイル)-4-(7-(8-メチルナフタレン-1-イル)-2-(((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-2-イル)アセトニトリル:2-((S)-4-(7-(8-メチルナフタレン-1-イル)-2-(((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-2-イル)アセトニトリル(8g、15.63mmol)をDMF(78.17ml、15.63mmol)で希釈し、窒素下に置き、0℃まで冷却した。DIEA(6.827ml、39.09mmol)を加え、続いて、2-フルオロアクリル酸(2.112g、23.45mmol)を加え、1-プロパンホスホン酸環状無水物(9.307ml、15.63mmol)を滴加した。反応物を0℃で6時間撹拌し、さらに10時間撹拌させ、周囲温度まで温めた。反応物を5%の重炭酸ナトリウム溶液中に注ぎ込み、酢酸エチルで2回抽出した。酢酸エチルを水、ブラインで洗浄し、MgSO4上で乾燥し、濾過し、濃縮した。物質を、1~10%のメタノール/DCM(添加剤としての1%NH4OH)により溶出するシリカゲル上で精製して、標記化合物である2-((S)-1-(2-フルオロアクリロイル)-4-(7-(8-メチルナフタレン-1-イル)-2-(((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-2-イル)アセトニトリル(実施例36、6.6g、11.31mmol、72.32%収率)を得た。ESI+APCI MS m/z 584.3 [M+H]
+。
【0264】
実施例37
【化182】
2-((S)-1-(4-ヒドロキシブタ-2-イノイル)-4-(7-(8-メチルナフタレン-1-イル)-2-(((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-2-イル)アセトニトリル:実施例36、ステップAに従って、2-フルオロアクリル酸の代わりに4-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)ブト-2-イノイン酸を使用して調製した。ESI+APCI MS m/z 594.3 [M+H]
+。
【0265】
実施例38
【化183】
ステップA:(E)-4-(1H-ピラゾール-1-イル)ブタ-2-エン酸。4-ブロモクロトン酸(100mg、0.606mmol)およびピラゾール(37.1mg、0.546mmol)のアセトニトリル(1ml、19.1mmol)中溶液を、密閉したバイアル中で撹拌しながら48時間60℃に加熱した。得られた明緑色の溶液を、水(5mL)とEtOAc(15mL)との間で分配し、有機成分を分離し、有機層をブラインで洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥し、真空中で留去した。物質を、2~5%のMeOH/DCM+0.2%TFA中でシリカゲルクロマトグラフィーにかけた。得られた固体を、最小限量の6M HClに溶解し、緩慢なN
2流下で留去した。この物質をそれ以上精製せずに次のステップで使用した。
ステップB:2-((S)-1-((E)-4-(1H-ピラゾール-1-イル)ブタ-2-エノイル)-4-(7-(8-メチルナフタレン-1-イル)-2-(((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-2-イル)アセトニトリル。2-((S)-4-(7-(8-メチルナフタレン-1-イル)-2-(((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-2-イル)アセトニトリル(42.37mg、0.08281mmol)、(E)-4-(1H-ピラゾール-1-イル)ブタ-2-エン酸(12.6mg、0.08281mmol)、およびN,N-ジメチルホルムアミド(1mL、12.79mmol)の撹拌混合物を撹拌しながら氷塩浴上で冷却し、トリエチルアミン(0.03463mL、0.2484mmol)を1度に加え、続いて、EtOAc(0.07395mL、0.1242mmol)中50%の2,4,6-トリプロピル-1,3,5,2,4,6-トリオキサトリホスフィナン2,4,6-三酸化物を加えた。反応混合物を5分にわたって室温まで温め、室温で一晩撹拌した。反応混合物を0.5MのNa
2CO
3(5mL)とEtOAc(10mL)との間で分配し、有機成分を分離し、有機層を水およびブライン(各5mL)で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥し、真空中で留去した。生成物を、DCM中の5%MeOH+0.5%NH
4OHを使用したシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物を無色固体として得た(実施例38、11.46mg、23%)。ESI+APCI MS m/z 646.3 [M+H]
+。
【0266】
実施例39
【化184】
ステップA:(E)-4-ヒドロキシブタ-2-エン酸。4-ブロモクロトン酸(4824mg、29.24mmol)の水(48mL)中撹拌懸濁液に、水酸化カリウム(4.921g、87.72mmol)の2Mの溶液を滴加し、得られた溶液を5分間加熱還流した。反応混合物をN
2気流下に置き、冷却し、濃縮した。残留物をアイスバス上で冷却し、4MのH
2SO
4でpH1~2に酸性化し、得られた懸濁液を真空中で半分だけ留去し、次いで、EtOAc(3*60mL)で抽出した。合わせた抽出物をNa
2SO
4上で乾燥し、真空中で留去した。物質を、2~5%MeOH+0.2%TFAを使用したクロマトグラフィーにより精製して、目的の酸を無色結晶(2.165g、73%)として得た。
ステップB:2-((S)-1-((E)-4-ヒドロキシブタ-2-エノイル)-4-(7-(8-メチルナフタレン-1-イル)-2-(((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-2-イル)アセトニトリル。2-((S)-4-(7-(8-メチルナフタレン-1-イル)-2-(((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-2-イル)アセトニトリル(100mg、0.1954mmol)、(2E)-4-ヒドロキシブタ-2-エン酸(39.90mg、0.3909mmol)、およびN-エチル-N-イソプロピルプロパン-2-アミン(0.06809ml、0.3909mmol)のDCM(5mL)中撹拌溶液に、O-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(111.5mg、0.2932mmol)を1度に加え、反応混合物を室温で4時間撹拌した。水(1mL)を加え、反応混合物を5分間撹拌し、EtOAc(10mL)と飽和NaHCO
3(5mL)との間で分配した。有機層を分離し、NaHCO
3、ブライン(各5mL)で洗浄し、K
2CO
3上で乾燥し、真空中で留去した。残留物を、5%MeOH+0.5%NH
4OHでシリカゲルクロマトグラフィーにかけた。無色固体としての標記化合物(実施例39、29mg、25%)。ESI+APCI MS m/z 596.3 [M+H]
+。
【0267】
実施例40
【化185】
ステップA:2-((S)-1-((E)-4-メトキシブタ-2-エノイル)-4-(7-(8-メチルナフタレン-1-イル)-2-(((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-2-イル)アセトニトリル。2-((S)-4-(7-(8-メチルナフタレン-1-イル)-2-(((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-2-イル)アセトニトリル(250mg、0.4886mmol)、(E)-4-メトキシブタ-2-エン酸(85.10mg、0.7329mmol)、およびN,N-ジメチルホルムアミド(2mL、25.58mmol)の撹拌混合物を氷塩浴上で冷却し、トリエチルアミン(0.2043mL、1.466mmol)を1度に加え、続いて、EtOAc(0.4363mL、0.7329mmol)中50%の2,4,6-トリプロピル-1,3,5,2,4,6-トリオキサトリホスフィナン2,4,6-三酸化物を加えた。反応混合物を室温で5分にわたって温め、室温で2時間撹拌した。得られた溶液を0.5MのNa
2CO
3(10mL)とEtOAc(30mL)との間で分配し、有機層を分離し、水およびブライン(各10mL)で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥し、真空中で留去した。物質を、DCM中の5%MeOH+0.5%NH
4OHを使用したシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した。物質を、逆相クロマトグラフィー、Gilson、25~75%のMeCN/H
2O+0.1%TFAによりさらに精製した。目的の画分を過剰の2M Na
2CO
3で塩基化し、DCM(3*50mL)で抽出した。合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥し、真空中で留去した。淡黄色固体としての標記化合物(実施例40、123mg、41%)。ESI+APCI MS m/z 610.3 [M+H]
+。
【0268】
実施例41
【化186】
ステップA:メチル 2,2-ジメトキシプロパノエート。エチル2-オキソプロパノエート(4.00g、34.5mmol、3.81mL、1.00当量)およびトリメトキシメタン(4.75g、44.8mmol、4.91mL、1.30当量)のメタノール中(10.0mL)溶液に、H
2SO
4(33.8mg、344μmol、18.4μL、0.01当量)を加えた。65℃で4時間撹拌した後、KOH(20.0mLの水中120mg)によりpH値を>7に調整し、酢酸エチル(3×20.0mL)で抽出した。有機層をブライン(1×30.0mL)で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥し、濾過し、真空下で濃縮した。残留物を油ポンプ下、60℃で蒸留して、メチル 2,2-ジメトキシプロパノエート(4.00g、27.0mmol、78%収率)を無色油として得、これをさらに精製せずに次のステップに使用した。
1H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ=3.81(s,3H),3.28(s,6H),1.52(s,3H)。
ステップB:メチル 2-メトキシプロパ-2-エノエート。メチル2,2-ジメトキシプロパノエート(2.00g、13.5mmol、1.00当量)のDMF(20.0mL)中溶液に、P
2O
5(1.05g、7.42mmol、458μL、0.55当量)を少しずつ加えた。100℃に1時間加熱した後、混合物を飽和重炭酸ナトリウム(20.0mL)で希釈し、イソプロピルエーテル(3×30.0mL)で抽出し、ブライン(3×40.0mL)で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥し、濾過し、真空下で濃縮した。残留物を油ポンプ下で蒸留して、メチル 2-メトキシプロパ-2-エノエート(0.65g、5.60mmol、41%収率)を無色油として得、これをさらに精製せずに次のステップに使用した。
ステップC:2-メトキシプロパ-2-エン酸。メチル 2-メトキシプロパ-2-エノエート(0.60g、5.17mmol、1.00当量)およびNaOH(827mg、20.7mmol、4.00当量)のH
2O(5.00mL)およびTHF(5.00mL)中混合物を、60℃で1時間撹拌した。濃HCl(10.0mL)により混合物をpH<3に調整し、酢酸エチル(3×20.0mL)で抽出した。有機層をNa
2SO
4上で乾燥し、濾過し、真空下で濃縮して、2-メトキシプロパ-2-エン酸(0.40g、1.96mmol、38%収率、50%純度)を淡紅色油として得、これをさらに精製せずに次のステップに使用した。
1H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ=8.63(br s,1H),5.52(d,J=2.8Hz,1H),4.75(d,J=2.8Hz,1H),3.70(s,3H)。
ステップD:2-[(2S)-1-(2-メトキシプロパ-2-エノイル)-4-[7-(8-メチル-1-ナフチル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-2-イル]アセトニトリル。2-[(2S)-4-[7-(8-メチル-1-ナフチル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-2-イル]アセトニトリル(0.14g、274μmol、1.00当量)、2-メトキシプロパ-2-エン酸(112mg、1.09mmol、4.00当量)、およびDIEA(141mg、1.09mmol、191μL、4.00当量)のジクロロメタン(5.00mL)中溶液に、HATU(208mg、547μmol、2.00当量)を0℃で加えた。0℃で0.5時間撹拌後、混合物を水(3.00mL)で希釈した。有機層をNa
2SO
4上で乾燥し、濾過し、真空下で濃縮した。残留物を逆相フラッシュ[水(FA、0.10%)/アセトニトリル]および分取HPLC(カラム:Gemini 150
*25 5u;移動相:[水(0.05%水酸化アンモニウムv/v)-ACN];B%:60%~90%、12分)により精製した。所望の画分を集め、凍結乾燥して、標記化合物である2-[(2S)-1-(2-メトキシプロパ-2-エノイル)-4-[7-(8-メチル-1-ナフチル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-2-イル]アセトニトリル(実施例41、10.27mg、17.22μmol、6.3%収率、99.9%純度)をオフホワイトの固体として得た。LCMS[ESI,M+1]:596。
【0269】
SFC条件:「IC-3S_3_40_3ML カラム:Chiralpak IC-3 100×4.6mm I.D.、3μm、移動相:CO2中の40%メタノール(0.05%DEA)、流速:3mL/分、波長:220nm」。
【0270】
1H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ=7.72-7.61(m,2H),7.45-7.31(m,2H),7.27-7.17(m,2H),5.05-4.61(m,1H),4.48(br s,1H),4.37(td,J=4.4,10.0Hz,1H),4.30-3.98(m,4H),3.96-3.74(m,2H),3.69(br s,3H),3.59-3.28(m,2H),3.27-2.93(m,6H),2.92(s,3H),2.88-2.51(m,4H),2.47(d,J=3.2Hz,3H),2.33-2.23(m,1H),2.11-1.98(m,1H),1.89-1.74(m,3H)。
【0271】
実施例42
【化187】
ステップ1:エチル(E)-4-ヒドロキシブタ-2-エノエート。(E)-4-エトキシ-4-オキソ-ブタ-2-エン酸(1.0g、7.29mmol、1.0当量)のTHF(6.0mL)中溶液に、BH
3-Me
2S(10.0M、692μL、0.95当量)のTHF(8.0mL)中溶液を-10℃で1時間にわたって滴加した。反応混合物を25℃まで段階的に温め、17時間撹拌した。撹拌が完了したら、水(30.0mL)を加えることによって反応混合物をクエンチし、酢酸エチル(30.0mL×3)で抽出した。合わせた有機層を、ブライン(30.0mL×2)で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、残留物を得た。化合物であるエチル(E)-4-ヒドロキシブタ-2-エノエート(900mg、粗製)を無色油として得た。粗生成物をさらに精製することなく次のステップに直接使用した。
ステップ2:(E)-4-トリチルオキシブタ-2-エノエート。エチル(E)-4-ヒドロキシブタ-2-エノエート(900mg、粗製)、[クロロ(ジフェニル)メチル]ベンゼン(2.89g、10.4mmol)、DMAP(84.5mg、692μmol)、TEA(1.4g、13.8mmol、1.9mL)のDCM(5.0mL)中混合物に、N
2により脱気およびパージを3回行い、次いで、混合物を、N
2雰囲気下、25℃で1時間撹拌した。撹拌が完了したら、H
2O(10.0mL)を加えることによって反応混合物をクエンチし、酢酸エチル(10.0mL×3)で抽出した。合わせた有機層をNa
2SO
4上で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して残留物を得た。残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO
2、石油エーテル/酢酸エチル=20:1~15:1)により精製した。化合物であるエチル(E)-4-トリチルオキシブタ-2-エノエート(340mg、913μmol、13%収率)を無色油として得た。
1H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ7.38-7.35(m,6H),7.26-7.22(m,6H),7.18-7.15(m,3H),6.88(dt,J=15.6,3.6Hz,1H),6.29(dt,J=15.6,2.2Hz,1H),4.16(q,J=7.1Hz,2H),3.72(dd,J=2.4,2.0Hz,2H),1.25(t,J=7.0Hz,3H)。
ステップ3:(E)-4-トリチルオキシブタ-2-エン酸。エチル(E)-4-トリチルオキシブタ-2-エノエート(170mg、456μmol、1.0当量)のMeOH(1.0mL)中溶液に、NaOH(54.5mg、1.37mmol、3.0当量)のH
2O(0.5mL)中溶液を加え、次いで、混合物を、N
2雰囲気下、40℃で1時間撹拌した。撹拌が完了したら、0℃で1MのHClをpH=5まで加えることによって反応混合物をクエンチし、次いで、酢酸エチル(8.0mL×3)で抽出した。合わせた有機層をNa
2SO
4上で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して残留物を得た。残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO
2、石油エーテル/酢酸エチル=3:1~1:1)により精製した。化合物である(E)-4-トリチルオキシブタ-2-エン酸(113mg、328μmol、72%収率)を白色固体として得た。
1H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ7.38-7.36(m,6H),7.26-7.24(m,5H),7.20-7.16(m,4H),7.0(dt,J=15.6,3.6Hz,1H),6.32(dt,J=15.6,2.0Hz,1H),3.76(dd,J=3.2,2.4Hz,2H)。
ステップA:2-[(2S)-4-[7-(8-クロロ-1-ナフチル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-1-[(E)-4-トリチルオキシブタ-2-エノイル]ピペラジン-2-イル]アセトニトリル。2-[(2S)-4-[7-(8-クロロ-1-ナフチル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-2-イル]アセトニトリル(中間体71、60.0mg、113μmol、1.0当量)、(E)-4-トリチルオキシブタ-2-エン酸(77.8mg、226μmol、2.0当量)、およびDIEA(73.0mg、564μmol、98μL、5.0当量)のDCM(2.0mL)中溶液に、HATU(64mg、169μmol、1.5当量)を、N
2下、0℃で1度に加えた。混合物を25℃で1時間撹拌した。撹拌が完了したら、H
2O(8.0mL)を加えることによって反応混合物をクエンチし、次いで、酢酸エチル(10.0mL×3)で抽出した。合わせた有機層をNa
2SO
4上で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して残留物を得た。化合物である2-[(2S)-4-[7-(8-クロロ-1-ナフチル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-1-[(E)-4-トリチルオキシブタ-2-エノイル]ピペラジン-2-イル]アセトニトリル(150mg、粗製)を黄色固体として得、粗生成物をさらに精製することなく次のステップに直接使用した。LCMS[ESI,M+1]:858。
ステップB:2-[(2S)-4-[7-(8-クロロ-1-ナフチル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-1-[(E)-4-ヒドロキシブタ-2-エノイル]ピペラジン-2-イル]アセトニトリル。2-[(2S)-4-[7-(8-クロロ-1-ナフチル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-1-[(E)-4-トリチルオキシブタ-2-エノイル]ピペラジン-2-イル]アセトニトリル(150mg、粗製)のDCM(1.0mL)中溶液に、TFA(1.0ml、13.5mmol)を加えた。混合物を25℃で1時間撹拌した。撹拌が完了したら、0℃でNaHCO
3水溶液をpH=8まで加えることによって反応混合物をクエンチし、次いで、酢酸エチル(10.0mL×3)で抽出した。合わせた有機層をNa
2SO
4上で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して残留物を得た。残留物を分取HPLC(カラム:Phenomenex Gemini 150
*25mm
*10μm;移動相:[水(0.04%NH
3H
2O+10mMのNH
4HCO
3)-ACN];B%:48%~72%、10分)および凍結乾燥により精製した。標記化合物である2-[(2S)-4-[7-(8-クロロ-1-ナフチル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-1-[(E)-4-ヒドロキシブタ-2-エノイル]ピペラジン-2-イル]アセトニトリル(実施例42、8.21mg、13.3μmol、7.6%収率、99.8%純度)を白色固体として得た。LCMS[ESI,M+1]:616。
【0272】
SFC条件:100%e.e.
1H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ7.68(d,J=8.0Hz,1H),7.70-7.33(m,1H),7.49(dd,J=6.8,0.8Hz,1H),7.37(dt,J=11.98,7.82Hz,1H),7.26(t,J=11.8Hz,1H),7.19-7.11(m,1H),6.99(dt,J=14.8,3.4Hz,1H),6.56(br s,1H),5.02-4.57(m,1H),4.39-4.29(m,4H),4.12-4.06(m,1H),4.03-3.99(m,2H),3.85-3.72(m,2H),3.67-3.36(m,3H),3.24-3.09(m,2H),3.03-2.89(m,3H),2.73(br s,1H),2.63-2.61(m,1H),2.50(br s,1H),2.41(s,3H),2.25-2.19(m,1H),2.03-1.92(m,1H),1.70-1.60(m,3H)。
【0273】
実施例43
【化188】
ステップ1:メチル 2,2-ジメトキシプロパノエート。エチル2-オキソプロパノエート(4.00g、34.5mmol、3.81mL、1.00当量)およびトリメトキシメタン(4.75g、44.8mmol、4.91mL、1.30当量)のメタノール中(10.0mL)溶液に、H
2SO
4(33.8mg、344μmol、18.4μL、0.01当量)を加えた。65℃で4時間撹拌後、反応混合物をpH値に調整し、KOH水溶液(20.0mLの水中の120mg)により>7に調整し、酢酸エチル(3×20.0mL)で抽出した。有機層をブライン(1×30.0mL)で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥し、濾過し、真空下で濃縮した。残留物を真空下、60℃で蒸留し、メチル 2,2-ジメトキシプロパノエート(4.00g、27.0mmol、78%収率)を無色油として得た。
1H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ=3.81(s,3H),3.28(s,6H),1.52(s,3H)。
ステップ2:メチル2-メトキシプロパ-2-エノエート。メチル2,2-ジメトキシプロパノエート(2.00g、13.5mmol、1.00当量)のDMF(20.0mL)中溶液に、P
2O
5(1.05g、7.42mmol、458μL、0.55当量)を少しずつ加えた。100℃で1時間撹拌後、混合物を飽和重炭酸ナトリウム(20.0mL)で希釈し、イソプロピルエーテル(3×30.0mL)で抽出した。抽出物をブライン(3×40.0mL)で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥し、濾過し、真空下で濃縮した。残留物を真空下で蒸留して、メチル2-メトキシプロパ-2-エノエート(0.65g、5.60mmol、41%収率)を無色油として得、これをさらに精製することなく次のステップに使用した。
1H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ=5.36(d,J=2.8Hz,1H),4.63(d,J=2.8Hz,1H),3.81(s,3H),3.66(s,3H)。
ステップ3:2-メトキシプロパ-2-エン酸。メチル 2-メトキシプロパ-2-エノエート(0.60g、5.17mmol、1.00当量)およびNaOH(827mg、20.7mmol、4.00当量)のH
2O(5.00mL)およびTHF(5.00mL)中混合物を、60℃で1時間撹拌した。濃HCl(10.0mL)により混合物をpH<3に調整し、酢酸エチル(3×20.0mL)で抽出した。有機層をNa
2SO
4上で乾燥し、濾過し、真空下で濃縮して、2-メトキシプロパ-2-エン酸(0.40g、1.96mmol、38%収率、50%純度)を淡紅色油として得、これをさらに精製せずに次のステップに使用した。
1H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ=8.63(br s,1H),5.52(d,J=2.8Hz,1H),4.75(d,J=2.8Hz,1H),3.70(s,3H)。
ステップA:2-[(2S)-4-[7-(8-クロロ-1-ナフチル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-1-(2-メトキシプロパ-2-エノイル)ピペラジン-2-イル]アセトニトリル。2-[(2S)-4-[7-(8-クロロ-1-ナフチル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-2-イル]アセトニトリル(0.20g、376μmol、1.00当量)、2-メトキシプロパ-2-エン酸(153mg、1.50mmol、4.00当量)、およびDIEA(194mg、1.50mmol、262μL、4.00当量)のジクロロメタン(5.00mL)中溶液に、HATU(286mg、752μmol、2.00当量)を0℃で加えた。0℃で0.5時間撹拌した後、反応物を逆相フラッシュ[水(FA、0.1%)/アセトニトリル]、分取HPLC(カラム:Luna C18 150
*25 5u;移動相:[水(0.225%FA)-ACN];B%:25%~45%。7.8分)、およびさらなる分取HPLC(カラム:Waters Xbridge 150
*25 5u;移動相:[水(0.05%水酸化アンモニウムv/v)-ACN];B%:55%~79%、10分)により精製した。所望の画分を集め、凍結乾燥し、標記化合物である2-[(2S)-4-[7-(8-クロロ-1-ナフチル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-1-(2-メトキシプロパ-2-エノイル)ピペラジン-2-イル]アセトニトリル(実施例43、30.1mg、48.9μmol、13%収率、100%純度)を黄色固体として得た。LCMS[ESI,M+1]:616。
【0274】
SFC条件:「AS-3_MeOH(DEA)_5_40_3mL-35T カラム:Chiralpak AS-3 50×4.6mm I.D.、3μm 移動相:5%~40%のCO2中メタノール(0.05%DEA)流速:3mL/分 波長:220nm」。
【0275】
1H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ=7.76(br d,J=8.0Hz,1H),7.62(t,J=7.6Hz,1H),7.52(d,J=7.2Hz,1H),7.44(td,J=7.6,13.6Hz,1H),7.34(t,J=8.0Hz,1H),7.27-7.18(m,1H),5.07-4.63(m,1H),4.57-4.29(m,4H),4.21-3.96(m,3H),3.95-3.77(m,2H),3.69(br s,3H),3.59(br d,J=11.2Hz,1H),3.51-3.32(m,1H),3.30-3.02(m,5H),2.89-2.50(m,4H),2.47(d,J=2.0Hz,3H),2.32-2.23(m,1H),2.11-2.00(m,1H),1.89-1.72(m,3H)。
【0276】
実施例44
【化189】
ステップA:2-[(2S)-1-[(E)-4-ブロモブタ-2-エノイル]-4-[7-(8-メチル-1-ナフチル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-2-イル]アセトニトリル。2-[(2S)-4-[7-(8-メチル-1-ナフチル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-2-イル]アセトニトリル(150mg、293μmol、1.0当量)およびピリジン(186mg、2.35mmol、189μL、8.0当量)のジクロロメタン(4.0mL)中溶液に、(E)-4-ブロモブタ-2-エノイルクロリド(215mg、1.17mmol、4.0当量)を加えた。混合物を0℃で0.5時間撹拌した。撹拌が完了したら、反応混合物を濃縮して、生成物である2-[(2S)-1-[(E)-4-ブロモブタ-2-エノイル]-4-[7-(8-メチル-1-ナフチル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-2-イル]アセトニトリル(200mg、粗製)を黄色油として得た。生成物をさらに精製することなく次のステップに使用した。LCMS[ESI,M+1]:658。
ステップB:2-[(2S)-1-[(E)-4-(3-フルオロアゼチジン-1-イル)ブタ-2-エノイル]-4-[7-(8-メチル-1-ナフチル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-2-イル]アセトニトリル。2-[(2S)-1-[(E)-4-ブロモブタ-2-エノイル]-4-[7-(8-メチル-1-ナフチル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-2-イル]アセトニトリル(150mg、228μmol、1.0当量)およびK
2CO
3(315mg、2.28mmol、10.0当量)のアセトニトリル(2.0mL)中溶液に、3-フルオロアゼチジン(152mg、1.37mmol、6.0当量、HCl)を加えた。混合物を0℃で0.5時間撹拌した。撹拌が完了したら、反応混合物に水(5.0mL)を加え、酢酸エチル(5.0mL×4)で抽出した。有機層をNa
2SO
4上で乾燥し、濾過し、真空下で濃縮した。残留物を分取HPLC(カラム:Gemini 150
*25 5u;移動相:[水(0.05%水酸化アンモニウムv/v)-ACN];B%:60%~90%、12分)により精製して、標記化合物である2-[(2S)-1-[(E)-4-(3-フルオロアゼチジン-1-イル)ブタ-2-エノイル]-4-[7-(8-メチル-1-ナフチル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-2-イル]アセトニトリル(実施例44、45.0mg、66μmol、29%収率、96%純度)を白色固体として得た。LCMS[ESI,M+1]:653。
【0277】
1H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ7.70(br d,J=8.0Hz,1H),7.65(t,J=8.4Hz,1H),7.41(dd,J=7.6,15.2Hz,1H),7.34(t,J=7.6Hz,1H),7.27-7.18(m,2H),6.92-6.82(m,1H),6.52-6.31(m,1H),5.28-5.08(m,1H),5.07-4.46(m,1H),4.41-4.33(m,1H),4.32-4.01(m,4H),4.01-3.79(m,2H),3.79-3.56(m,3H),3.55-3.37(m,2H),3.36-3.31(m,2H),3.30-3.24(m,1H),3.23-3.18(m,2H),3.17-3.15(m,1H),3.14-3.06(m,2H),3.05-2.95(m,1H),2.92(s,3H),2.86-2.75(m,1H),2.71-2.57(m,2H),2.47(d,J=4.0Hz,3H),2.33-2.22(m,1H),2.11-1.99(m,1H),1.88-1.67(m,3H)。
【0278】
実施例45
【化190】
ステップA:tert-ブチル4-[(3S)-4-ベンジルオキシカルボニル-3-(シアノメチル)ピペラジン-1-イル]-2-[[(2R)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート。tert-ブチル4-[(3S)-4-ベンジルオキシカルボニル-3-(シアノメチル)ピペラジン-1-イル]-2-クロロ-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート(5.5g、10.4mmol、1当量)、[(2R)-1-メチルピロリジン-2-イル]メタノール(2.40g、20.9mmol、2.25mL、2当量)、Pd
2(dba)
3(1.91g、2.09mmol、0.2当量)、RuPhos(1.95g、4.17mmol、0.4当量)、およびCs
2CO
3(8.50g、26.1mmol、2.5当量)のトルエン(100mL)中混合物に、N
2により脱気およびパージを3回行い、次いで、混合物を、N
2雰囲気下、90℃で5時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮して残留物を得た。残留物を酢酸エチル(100mL)および水(50mL)で希釈した。次いで、混合物を1MのHCl水溶液でPH約4に酸性化した。水相を分離し、飽和Na
2CO
3水溶液でPH約8に塩基化し、次いで、混合物を酢酸エチル(50mL×2)で抽出した。合わせた有機層をブライン(30mL)で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。tert-ブチル4-[(3S)-4-ベンジルオキシカルボニル-3-(シアノメチル)ピペラジン-1-イル]-2-[[(2R)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート(4g、5.55mmol、53%収率、84%純度)を黄色固体として得、精製せずに次のステップに使用した。
1H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ=7.46-7.31(m,5H),5.23(s,2H),4.74-4.49(m,2H),4.43-4.27(m,2H),4.21-3.70(m,5H),3.42-3.17(m,3H),3.09(t,J=7.6Hz,1H),2.98(td,J=3.6,12.4Hz,1H),2.86-2.74(m,1H),2.74-2.54(m,4H),2.47(s,3H),2.35-2.21(m,1H),2.05-1.97(m,1H),1.90-1.74(m,3H),1.49(s,9H)。
ステップB:ベンジル(2S)-2-(シアノメチル)-4-[2-[[(2R)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-1-カルボキシレート。tert-ブチル4-[(3S)-4-ベンジルオキシカルボニル-3-(シアノメチル)ピペラジン-1-イル]-2-[[(2R)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート(3.7g、6.11mmol、1当量)のジオキサン(20mL)中溶液に、HCl/ジオキサン(4M、22.9mL、15当量)を加えた。混合物を0℃で1時間撹拌した。液体をデカントし、固体を集めた。固体残留物を水(50mL)およびジクロロメタン(100mL)で希釈し、混合物を飽和Na
2CO
3水溶液でpH約8に塩基化し、ジクロロメタン(100mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(50mL)で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。ベンジル(2S)-2-(シアノメチル)-4-[2-[[(2R)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-1-カルボキシレート(2.6g、4.89mmol、80%収率、95%純度)を黄色固体として得、精製することなく次のステップに使用した。LCMS[ESI,M+1]:506。
ステップC:ベンジル(2S)-2-(シアノメチル)-4-[7-(8-メチル-1-ナフチル)-2-[[(2R)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-1-カルボキシレート。ベンジル(2S)-2-(シアノメチル)-4-[2-[[(2R)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-1-カルボキシレート(2.3g、4.55mmol、1当量)、1-ブロモ-8-メチルナフタレン(中間体69、1.31g、5.91mmol、1.3当量)、Cs
2CO
3(3.71g、11.4mmol、2.5当量)、Pd
2(dba)
3(833mg、909μmol、0.2当量)、およびキサントホス(1.05g、1.82mmol、0.4当量)のトルエン(50mL)中混合物に、N
2により脱気およびパージを3回行い、次いで、混合物を、N
2雰囲気下、90℃で6時間撹拌した。反応混合物を水(100mL)で希釈し、酢酸エチル(200mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(100mL)で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して残留物を得た。残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO
2、酢酸エチル/メタノール=100/1~10/1)により精製した。ベンジル(2S)-2-(シアノメチル)-4-[7-(8-メチル-1-ナフチル)-2-[[(2R)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-1-カルボキシレート(1.6g、2.48mmol、54%収率)を黄色固体として得た。
ステップD:2-[(2S)-4-[7-(8-メチル-1-ナフチル)-2-[[(2R)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-2-イル]アセトニトリル。ベンジル(2S)-2-(シアノメチル)-4-[7-(8-メチル-1-ナフチル)-2-[[(2R)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-1-カルボキシレート(1.60g、2.48mmol、1.00当量)のMeOH(20.0mL)およびNH
3(MeOH中20%w/w、7mL)中混合物を、H
2(4.99mg、2.48mmol、1.00当量、15psi)下、25℃で触媒としてのPd/C(100mg、2.48mmol、10%純度、1.00当量)により3時間水素添加した。触媒をセライトパッドを通して濾過して取り除き、濾液を真空下で濃縮した。粗生成物をさらに精製することなく次のステップに直接使用した。2-[(2S)-4-[7-(8-メチル-1-ナフチル)-2-[[(2R)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-2-イル]アセトニトリル(1.20g、2.35mmol、95%収率)を淡黄色固体として得た。LCMS[ESI,M+1]:512。
ステップE:2-[(2S)-1-(2-フルオロプロパ-2-エノイル)-4-[7-(8-メチル-1-ナフチル)-2-[[(2R)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-2-イル]アセトニトリル。2-[(2S)-4-[7-(8-メチル-1-ナフチル)-2-[[(2R)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-2-イル]アセトニトリル(140mg、274μmol、1.00当量)および2-フルオロプロパ-2-エン酸(73.9mg、821μmol、3.00当量)のジクロロメタン(3.00mL)中混合物に、DIEA(212mg、1.64mmol、286μL、6.00当量)、HATU(312mg、821μmol、3.00当量)を、N
2下、0℃で1度に加えた。0℃で30分間撹拌後、反応混合物を水(10.0mL)で希釈し、ジクロロメタン(2×10.0mL)で抽出した。合わせた有機層を水(1×10.0mL)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、残留物を得た。残留物を分取HPLC(カラム:Phenomenex Gemini 150
*25mm*10μm;移動相:[水(0.04%NH
3H
2O+10mMのNH
4HCO
3)-ACN];B%:55%~85%、10分)により精製した。標記化合物である2-[(2S)-1-(2-フルオロプロパ-2-エノイル)-4-[7-(8-メチル-1-ナフチル)-2-[[(2R)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-2-イル]アセトニトリル(実施例45、48.7mg、82.1μmol、30%収率、98.4%純度)を白色固体として得た。
SFC条件:「カラム:Chiralcel OJ-3 50×4.6mm I.D.、3μm、移動相:5%~40%のCO
2中メタノール(0.05%DEA)、流速:3mL/分、波長:220nm」。
1H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ=7.73-7.62(m,2H),7.45-7.31(m,2H),7.27-7.17(m,2H),5.53-5.34(m,1H),5.26(dd,J=3.6,17.2Hz,1H),4.88(br s,1H),4.41-4.32(m,1H),4.31-4.22(m,1H),4.21-4.10(m,2H),4.10-4.02(m,1H),3.89(br d,J=18.0Hz,1H),3.78(d,J=18.4Hz,1H),3.59-3.40(m,2H),3.27-3.15(m,2H),3.14-3.04(m,2H),3.03-2.90(m,4H),2.90-2.73(m,2H),2.72-2.56(m,2H),2.47(d,J=4.8Hz,3H),2.33-2.23(m,1H),2.11-1.98(m,1H),1.90-1.74(m,3H)。
【0279】
実施例46
【化191】
ステップA:2-[(2S)-4-[7-(8-メチル-1-ナフチル)-2-[[(2R)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-1-[(E)-4-トリチルオキシブタ-2-エノイル]ピペラジン-2-イル]アセトニトリル。2-[(2S)-4-[7-(8-メチル-1-ナフチル)-2-[[(2R)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-2-イル]アセトニトリル(120mg、234μmol、1当量)、TEA(142mg、1.41mmol、195μL、6当量)、および(E)-4-トリチルオキシブタ-2-エン酸(96.9mg、281μmol、1.2当量)の酢酸エチル(2mL)中溶液に、T3P(448mg、703μmol、418μL、EtOAc中50%純度、3当量)を0℃で加えた。混合物を0℃で0.5時間撹拌した。反応混合物を水(5mL)で希釈し、酢酸エチル(10mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(10mL)で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して残留物を得た。残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO
2、酢酸エチル/メタノール=200/1~10/1)により精製した。2-[(2S)-4-[7-(8-メチル-1-ナフチル)-2-[[(2R)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-1-[(E)-4-トリチルオキシブタ-2-エノイル]ピペラジン-2-イル]アセトニトリル(90mg、103μmol、44%収率、96%純度)を黄色油として得た。LCMS[ESI,M+1]:838。
ステップB:2-[(2S)-1-[(E)-4-ヒドロキシブタ-2-エノイル]-4-[7-(8-メチル-1-ナフチル)-2-[[(2R)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-2-イル]アセトニトリル。2-[(2S)-4-[7-(8-メチル-1-ナフチル)-2-[[(2R)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-1-[(E)-4-トリチルオキシブタ-2-エノイル]ピペラジン-2-イル]アセトニトリル(80mg、95.5μmol、1当量)のジクロロメタン(200μL)中溶液に、TFA(218mg、1.91mmol、141μL、20当量)を加えた。混合物を0℃で1時間撹拌した。反応混合物を水(5mL)で希釈して、NaHCO
3水溶液(2mL)でpH約8に塩基化した。混合物をジクロロメタン(5mL×3)で抽出した。合わせた有機層を、ブライン(3mL)で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、残留物を得た。残留物を分取HPLC(カラム:Gemini 150
*25 5u;移動相:[水(0.05%水酸化アンモニウムv/v)-ACN];B%:50%~80%、12分)により精製した。混合物を集め、凍結乾燥した。標記化合物である2-[(2S)-1-[(E)-4-ヒドロキシブタ-2-エノイル]-4-[7-(8-メチル-1-ナフチル)-2-[[(2R)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-2-イル]アセトニトリル(実施例46、10.2mg、16.8μmol、18%収率、98.5%純度)をオフホワイトの固体として得た。LCMS[ESI,M+1]:596。
SFC条件:カラム:Chiralcel OD-3 50×4.6mm I.D.、3μm、移動相:CO
2中の40%メタノール(0.05%DEA)、流速:3mL/分、波長:220nm。
1H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ=7.73-7.61(m,2H),7.46-7.30(m,2H),7.27-7.16(m,2H),7.06(d,J=14.8Hz,1H),6.62(br d,J=13.6Hz,1H),5.25-4.53(m,1H),4.48-4.32(m,3H),4.30-3.95(m,4H),3.93-3.82(m,1H),3.81-3.61(m,1H),3.59-3.39(m,2H),3.30-2.96(m,5H),2.92(s,3H),2.87-2.53(m,4H),2.47(d,J=4.0Hz,3H),2.34-2.21(m,1H),2.13-1.99(m,1H),1.98-1.82(m,3H)。
【0280】
実施例47
【化192】
ステップ1:O1-tert-ブチルO2-メチル(2R,4R)-4-フルオロピロリジン-1,2-ジカルボキシレート。(2R,4R)-1-tert-ブトキシカルボニル-4-フルオロ-ピロリジン-2-カルボン酸(300mg、1.29mmol、1.0当量)およびK
2CO
3(533mg、3.86mmol、3.0当量)のDMF(2.0mL)中溶液に、MeI(4.80g、33.8mmol、2.11mL、26.3当量)を加えた。混合物を20℃で12時間撹拌した。撹拌が完了したら、反応混合物に水(5.0mL)を加え、酢酸エチル(10.0ml×2)で抽出した。有機層をNa
2SO
4上で乾燥し、濾過し、濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO
2、石油エーテル:酢酸エチル=10:1~1:1)により精製して、生成物であるO1-tert-ブチルO2-メチル(2R,4R)-4-フルオロピロリジン-1,2-ジカルボキシレート(300mg、1.21mmol、94%収率)を黄色油として得た。
1H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ5.30-5.10(m,1H),4.58-4.37(m,1H),3.94-3.76(m,1H),3.75(s,3H),3.72-3.55(m,1H),2.54-2.23(m,2H),1.52-1.40(m,9H)。
ステップ2:[(2R,4R)-4-フルオロ-1-メチル-ピロリジン-2-イル]メタノール:O1-tert-ブチルO2-メチル(2R,4R)-4-フルオロピロリジン-1,2-ジカルボキシレート(300mg、1.21mmol、1.0当量)のTHF(3.0mL)中溶液に、LiAlH
4(138mg、3.64mmol、3.0当量)を-40℃で加えた。混合物をこの温度で1時間撹拌し、次いで、70℃に加熱し、70℃で2時間撹拌した。撹拌が完了したら、反応混合物を飽和Na
2SO
4水溶液(0.30mL)でクエンチし、次いで、濾過した。母液を集め、真空下で濃縮して、生成物である[(2R,4R)-4-フルオロ-1-メチル-ピロリジン-2-イル]メタノール(130mg、976μmol、80%収率)を黄色油として得た。
1H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ5.18-4.98(m,1H),3.76-3.70(m,1H),3.54-3.43(m,1H),3.38-3.28(m,1H),2.51-2.44(m,1H),2.42-2.37(m,1H),2.35(s,3H),2.34-2.26(m,1H),2.21-2.09(m,1H)。
ステップA:ベンジル(2S)-2-(シアノメチル)-4-[2-[[(2R,4R)-4-フルオロ-1-メチル-ピロリジン-2-イル]メトキシ]-7-(8-メチル-1-ナフチル)-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-1-カルボキシレート。[(2R,4R)-4-フルオロ-1-メチル-ピロリジン-2-イル]メタノール(103mg、773μmol、2.0当量)およびt-BuONa(55.8mg、580μmol、1.50当量)のトルエン(2.0mL)中溶液に、ベンジル(2S)-2-(シアノメチル)-4-[7-(8-メチル-1-ナフチル)-2-メチルスルフィニル-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-1-カルボキシレート(230mg、387μmol、1.0当量)を加えた。混合物を0℃で0.5時間撹拌した。撹拌が完了したら、反応混合物に水(10.0mL)を加え、酢酸エチル(10.0mL×3)で抽出した。有機層をNa
2SO
4上で乾燥し、濾過し、濃縮した。残留物を逆相フラッシュHPLC(C18、水中0.1%FA、0~60%MeCN)により精製して、生成物であるベンジル(2S)-2-(シアノメチル)-4-[2-[[(2R,4R)-4-フルオロ-1-メチル-ピロリジン-2-イル]メトキシ]-7-(8-メチル-1-ナフチル)-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-1-カルボキシレート(210mg、316μmol、82%収率)を黄色固体として得た。LCMS[ESI,M+1]:664。
1H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ7.70(br d,J=8.4Hz,1H),7.65(t,J=8.6Hz,1H),7.45-7.32(m,7H),7.26-7.17(m,2H),5.24-5.02(m,3H),4.73-4.61(m,1H),4.53-4.42(m,1H),4.30-4.18(m,2H),4.11-3.96(m,2H),3.94-3.81(m,1H),3.81-3.67(m,1H),3.58-3.47(m,1H),3.46-3.29(m,2H),3.24-3.06(m,3H),3.05-2.96(m,1H),2.92(s,3H),2.82-2.71(m,2H),2.70-2.51(m,2H),2.50-2.47(m,4H),2.45-2.35(m,1H),2.12-2.05(m,1H)。
ステップB:2-[(2S)-4-[2-[[(2R,4R)-4-フルオロ-1-メチル-ピロリジン-2-イル]メトキシ]-7-(8-メチル-1-ナフチル)-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-2-イル]アセトニトリル。ベンジル(2S)-2-(シアノメチル)-4-[2-[[(2R,4R)-4-フルオロ-1-メチル-ピロリジン-2-イル]メトキシ]-7-(8-メチル-1-ナフチル)-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-1-カルボキシレート(200mg、301μmol、1.0当量)およびNH
3・MeOH(2.0mL、20%純度)のメタノール(4.0mL)中溶液に、Pd/C(80mg、10%純度)を加えた。混合物を、N
2により3回パージし、次いで、H
2(15Psi)雰囲気下、25℃で1時間撹拌した。撹拌が完了したら、反応混合物をセライトを通して濾過した。母液を真空下で濃縮して、生成物である2-[(2S)-4-[2-[[(2R,4R)-4-フルオロ-1-メチル-ピロリジン-2-イル]メトキシ]-7-(8-メチル-1-ナフチル)-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-2-イル]アセトニトリル(140mg、264μmol、88%収率)を黄色油として得た。生成物をさらに精製することなく次のステップに直接使用した。LCMS[ESI,M+1]:664。
ステップC:2-[(2S)-4-[2-[[(2R,4R)-4-フルオロ-1-メチル-ピロリジン-2-イル]メトキシ]-7-(8-メチル-1-ナフチル)-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-1-(2-フルオロプロパ-2-エノイル)ピペラジン-2-イル]アセトニトリル。2-[(2S)-4-[2-[[(2R,4R)-4-フルオロ-1-メチル-ピロリジン-2-イル]メトキシ]-7-(8-メチル-1-ナフチル)-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-2-イル]アセトニトリル(120mg、226μmol、1.0当量)、2-フルオロプロパ-2-エン酸(61.2mg、680μmol、3.0当量)、およびDIEA(176mg、1.36mmol、238μL、6.0当量)のDCM(3.0mL)中溶液に、HATU(258.44mg、679.69μmol、3当量)を加えた。混合物を0℃で0.5時間撹拌した。撹拌が完了したら、反応混合物に水(5.0mL)を加え、酢酸エチル(5.0mL×3)で抽出した。有機層をNa
2SO
4上で乾燥し、濾過し、真空下で濃縮した。残留物を分取HPLC(カラム:Gemini 150
*25 5u;移動相:[水(0.05%水酸化アンモニウムv/v)-ACN];B%:50%~80%、12分)により精製して、標記化合物である2-[(2S)-4-[2-[[(2R,4R)-4-フルオロ-1-メチル-ピロリジン-2-イル]メトキシ]-7-(8-メチル-1-ナフチル)-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-1-(2-フルオロプロパ-2-エノイル)ピペラジン-2-イル]アセトニトリル(実施例47、37.9mg、60.1μmol、27%収率、96%純度)を白色固体として得た。LCMS[ESI,M+1]:602。
1H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ7.70(br d,J=8.0Hz,1H),7.65(t,J=8.2Hz,1H),7.45-7.37(m,1H),7.34(t,J=7.6Hz,1H),7.27-7.18(m,2H),5.53-5.32(m,1H),5.30-5.22(m,1H),5.21-5.03(m,1H),4.97-4.68(m,1H),4.52-4.42(m,1H),4.29-4.20(m,2H),4.18-4.03(m,2H),3.95-3.68(m,2H),3.60-3.41(m,2H),3.39-3.30(m,1H),3.26-3.15(m,2H),3.15-2.95(m,2H),2.92(s,3H),2.90-2.54(m,4H),2.53-2.46(m,4H),2.45-2.35(m,1H),2.13-1.97(m,1H)。
【0281】
実施例48
【化193】
ステップ1:O1-tert-ブチルO2-メチル(2R,4R)-4-メトキシピロリジン-1,2-ジカルボキシレート。O1-tert-ブチルO2-メチル(2R,4R)-4-ヒドロキシピロリジン-1,2-ジカルボキシレート(2.1g、8.56mmol、1当量)のMeCN(42mL)中溶液に、Ag
2O(5.95g、25.7mmol、3当量)およびCH
3I(7.75g、54.6mmol、3.40mL、6.38当量)を加えた。この反応混合物を33℃で12時間撹拌した。反応混合物を濾過し、濾液を真空下で濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO
2、石油エーテル/酢酸エチル=8/1~5/1)により精製して、O1-tert-ブチルO2-メチル(2R,4R)-4-メトキシピロリジン-1,2-ジカルボキシレート(1.88g、6.89mmol、80%収率、95.0%純度)を無色油として得た。
1H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ=4.45-4.26(m,1H),3.96-3.89(m,1H),3.72(s,3H),3.68-3.55(m,1H),3.54-3.43(m,1H),3.27(s,3H),2.38-2.17(m,2H),1.51-1.37(m,9H)。
ステップ2:[(2R,4R)-4-メトキシ-1-メチル-ピロリジン-2-イル]メタノール。O1-tert-ブチルO2-メチル(2R,4R)-4-メトキシピロリジン-1,2-ジカルボキシレート(2.98g、11.5mmol、1当量)のTHF(60mL)中溶液に、LiAlH
4(872mg、23.0mmol、2当量)を0℃で加え、混合物を0℃で1時間撹拌した。次いで、反応混合物を80℃まで加熱し、2時間撹拌した。混合物を飽和Na
2SO
4水溶液(3mL)でクエンチし、次いで、濾過し、濾過ケーキをTHF(3×20mL)で洗浄した。濾液を真空下で濃縮して、[(2R,4R)-4-メトキシ-1-メチル-ピロリジン-2-イル]メタノール(1.53g、10.0mmol、87%収率、95.0%純度)を褐色油として得、これをさらに精製せずに次のステップに直接使用した。
1H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ=3.82-3.76(m,1H),3.69(dd,J=3.2,11.2Hz,1H),3.45(dd,J=1.6,10.8Hz,1H),3.29(s,3H),3.18(d,J=10.4Hz,1H),2.62(br s,1H),2.42(tdd,J=2.8,6.4,9.2Hz,1H),2.38-2.33(m,1H),2.32(s,3H),2.16(ddd,J=6.8,8.8,14.0Hz,1H),1.92(tdd,J=1.6,6.8,14.0Hz,1H)。
ステップA:ベンジル(2S)-2-(シアノメチル)-4-[2-[[(2R,4R)-4-メトキシ-1-メチル-ピロリジン-2-イル]メトキシ]-7-(8-メチル-1-ナフチル)-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-1-カルボキシレート。[(2R,4R)-4-メトキシ-1-メチル-ピロリジン-2-イル]メタノール(1.37g、9.42mmol、2.8当量)のトルエン(40mL)中溶液に、t-BuONa(970mg、10.1mmol、3当量)を0℃で加え、次いで、ベンジル(2S)-2-(シアノメチル)-4-[7-(8-メチル-1-ナフチル)-2-メチルスルフィニル-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-1-カルボキシレート(2g、3.36mmol、1当量)を0℃で加え、反応混合物を0℃で0.5時間撹拌した。水(20mL)を混合物に加えた。混合物をEtOAc(10mL)で希釈し、EtOAc(2×20mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(20mL)で洗浄した。合わせた有機層を無水Na
2SO
4上で乾燥し、濾過し、真空下で濃縮した。残留物を逆相フラッシュカラム(ACN/水(0.1%FA)=57%)により精製して、(ベンジル(2S)-2-(シアノメチル)-4-[2-[[(2R,4R)-4-メトキシ-1-メチル-ピロリジン-2-イル]メトキシ]-7-(8-メチル-1-ナフチル)-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-1-カルボキシレート(1.8g、2.53mmol、75%収率、95.0%純度))を黄色固体として得た。LCMS[ESI,M+1]:676。
1H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ=7.73-7.60(m,2H),7.47-7.31(m,7H),7.27-7.16(m,2H),5.21(s,2H),4.67(br s,1H),4.45(br dd,J=4.4,10.0Hz,1H),4.24-4.16(m,2H),4.10-3.96(m,2H),3.96-3.65(m,3H),3.59-3.40(m,2H),3.29(d,J=1.6Hz,3H),3.25-3.06(m,4H),3.00(dt,J=3.6,12.4Hz,1H),2.91(s,3H),2.81-2.55(m,4H),2.45(d,J=6.0Hz,3H),2.42-2.29(m,2H),1.88-1.68(m,2H)。
ステップB:2-[(2S)-4-[2-[[(2R,4R)-4-メトキシ-1-メチル-ピロリジン-2-イル]メトキシ]-7-(8-メチル-1-ナフチル)-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-2-イル]アセトニトリル。ベンジル(2S)-2-(シアノメチル)-4-[2-[[(2R,4R)-4-メトキシ-1-メチル-ピロリジン-2-イル]メトキシ]-7-(8-メチル-1-ナフチル)-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-1-カルボキシレート(2g、2.96mmol、1当量)およびNH
3・MeOH(20mL、20%純度)のMeOH(40mL)中溶液に、Pd/C(1g、10%純度)をN
2下で加えた。この懸濁液に、H
2により真空脱気およびパージを数回行った。混合物をH
2(15psi)下、20℃で0.5時間撹拌した。反応混合物を濾過し、濾液を真空下で濃縮して、2-[(2S)-4-[2-[[(2R,4R)-4-メトキシ-1-メチル-ピロリジン-2-イル]メトキシ]-7-(8-メチル-1-ナフチル)-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-2-イル]アセトニトリル(1.29g、2.26mmol、76%収率、95%純度)を黄色固体として得、これをさらに精製せずに次のステップに直接使用した。LCMS[ESI,M+1]:542。
ステップC:2-[(2S)-1-(2-フルオロプロパ-2-エノイル)-4-[2-[[(2R,4R)-4-メトキシ-1-メチル-ピロリジン-2-イル]メトキシ]-7-(8-メチル-1-ナフチル)-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-2-イル]アセトニトリル。2-[(2S)-4-[2-[[(2R,4R)-4-メトキシ-1-メチル-ピロリジン-2-イル]メトキシ]-7-(8-メチル-1-ナフチル)-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-2-イル]アセトニトリル(150mg、277μmol、1当量)、2-フルオロプロパ-2-エン酸(74.8mg、831μmol、3当量)、およびTEA(336mg、1.66mmol、462μL、50%純度、6当量)のEtOAc(3mL)中溶液に、T3P(264mg、831μmol、247μL、3当量)を0℃で加え、混合物を0℃で0.5時間撹拌した。水(4mL)を混合物に加えた。混合物をEtOAc(3×8mL)で抽出した。合わせた有機層を無水Na
2SO
4上で乾燥し、濾過し、真空下で濃縮した。残留物を逆相フラッシュカラム(ACN/水(0.1%FA)=32%)により精製した。次いで、残留物を分取HPLC(カラム:Gemini 150
*25 5u;移動相:[水(0.05%水酸化アンモニウムv/v)-ACN];B%:55%~85%、12分)により精製して、標記化合物である2-[(2S)-1-(2-フルオロプロパ-2-エノイル)-4-[2-[[(2R,4R)-4-メトキシ-1-メチル-ピロリジン-2-イル]メトキシ]-7-(8-メチル-1-ナフチル)-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-2-イル]アセトニトリル(実施例48、59.5mg、97.0μmol、35%収率、100%純度)を白色固体として得た。LCMS[ESI,M+1]:614。
1H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ=7.70(br d,J=8.4Hz,1H),7.65(t,J=8.0Hz,1H),7.45-7.38(m,1H),7.34(t,J=7.6Hz,1H),7.27-7.17(m,2H),5.53-5.33(m,1H),5.26(dd,J=3.6,16.8Hz,1H),4.88(br s,1H),4.50-4.41(m,1H),4.30-3.99(m,4H),3.96-3.71(m,3H),3.59-3.40(m,2H),3.30(s,3H),3.25-3.15(m,3H),3.14-2.94(m,2H),2.92(s,3H),2.90-2.74(m,2H),2.73-2.55(m,2H),2.45(d,J=5.6Hz,3H),2.42-2.29(m,2H),1.81(br dd,J=7.2,14.4Hz,1H)。
【0282】
実施例49
【化194】
ステップA:ベンジル(2S)-2-(シアノメチル)-4[2-[[(2S)-4,4-ジフルオロ-1-メチル-ピロリジン-2-イル]メトキシ]-7-(8-メチル-1-ナフチル)-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-1-カルボキシレート。[(2S)-4,4-ジフルオロ-1-メチル-ピロリジン-2-イル]メタノール(609.98mg、4.04mmol、3.0当量)およびt-BuONa(388mg、4.04mmol、3.0当量)のトルエン(2.0mL)中溶液に、ベンジル(2S)-2-(シアノメチル)-4-[7-(8-メチル-1-ナフチル)-2-メチルスルフィニル-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-1-カルボキシレート(800mg、1.35mmol、1.0当量)のトルエン(4.0mL)中溶液を0℃で滴加した。反応混合物を0℃で0.5時間撹拌した。撹拌が完了したら、反応混合物を水(15.0mL)で洗浄し、酢酸エチル(3×20.0mL)で抽出した。合わせた抽出物をブライン(50.0mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、濾過し、溶媒を真空下で除去した。残留物を逆相フラッシュHPLC[C18、水中0.1%のFA、0~80%MeCN]により精製した。次いで、得られた生成物を濃縮し、水相を酢酸エチル(3×50.0mL)で抽出し、合わせた有機層をNa
2SO
4上で乾燥し、濾過し、濃縮した。化合物であるベンジル(2S)-2-(シアノメチル)-4[2-[[(2S)-4,4-ジフルオロ-1-メチル-ピロリジン-2-イル]メトキシ]-7-(8-メチル-1-ナフチル)-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-1-カルボキシレート(750mg、1.08mmol、80.1%収率、98%純度)を黄色固体として得た。LCMS[ESI,M+1]:682。
ステップB:2-[(2S)-4-[2-[[(2S)-4,4-ジフルオロ-1-メチル-ピロリジン-2-イル]メトキシ]-7-(8-メチル-1-ナフチル)-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-2-イル]アセトニトリル。ベンジル(2S)-2-(シアノメチル)-4-[2-[[(2S)-4,4-ジフルオロ-1-メチル-ピロリジン-2-イル]メトキシ]-7-(8-メチル-1-ナフチル)-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-1-カルボキシレート(650mg、953μmol、1.0当量)、およびPd/C(200mg、10%純度)を、MeOH(8.0mL)およびNH
3・MeOH(8.0mL、20%純度)中に加え、次いで、混合物に、H
2により脱気およびパージを3回行い、次いで、混合物を、H
2(15psi)雰囲気下、20℃で0.5時間撹拌した。撹拌が完了したら、粗製混合物をセライトパッドで濾過した。ケーキをMeOH(50.0mL)で洗浄し、濾液を高真空下で乾燥した。化合物である2-[(2S)-4-[2-[[(2S)-4,4-ジフルオロ-1-メチル-ピロリジン-2-イル]メトキシ]-7-(8-メチル-1-ナフチル)-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-2-イル]アセトニトリル(420mg、736μmol、77.2%収率、96%純度)を黄色固体として得た。LCMS[ESI,M+1]:548。
ステップC:2-[(2S)-1-[(E)-4-ブロモブタ-2-エノイル]-4-[2-[[(2S)-4,4-ジフルオロ-1-メチル-ピロリジン-2-イル]メトキシ]-7-(8-メチル-1-ナフチル)-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-2-イル]アセトニトリル。2-[(2S)-4-[2-[[(2S)-4,4-ジフルオロ-1-メチル-ピロリジン-2-イル]メトキシ]-7-(8-メチル-1-ナフチル)-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-2-イル]アセトニトリル(420mg、822μmol、1.0当量)およびピリジン(520mg、6.57mmol、531μL、8.0当量)のDCM(6.0mL)中溶液に、(E)-4-ブロモブタ-2-エノイルクロリド(603mg、3.29mmol、4.0当量)を加えた。混合物を0℃で0.5時間撹拌した。撹拌が完了したら、混合物を真空下で濃縮した。生成物である2-[(2S)-1-[(E)-4-ブロモブタ-2-エノイル]-4-[2-[[(2S)-4,4-ジフルオロ-1-メチル-ピロリジン-2-イル]メトキシ]-7-(8-メチル-1-ナフチル)-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-2-イル]アセトニトリル(500mg、粗製)を黄色油として得た。粗生成物をさらに精製することなく次のステップに直接使用した。LCMS[ESI,M+1]:695。
ステップD:2-[(2S)-4-[2-[[(2S)-4,4-ジフルオロ-1-メチル-ピロリジン-2-イル]メトキシ]-7-(8-メチル-1-ナフチル)-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-1-[(E)-4-(3-フルオロアゼチジン-1-イル)ブタ-2-エノイル]ピペラジン-2-イル]アセトニトリル。2-[(2S)-1-[(E)-4-ブロモブタ-2-エノイル]-4-[2-[[(2S)-4,4-ジフルオロ-1-メチル-ピロリジン-2-イル]メトキシ]-7-(8-メチル-1-ナフチル)-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-2-イル]アセトニトリル(500mg、720μmol、1.0当量)およびK
2CO
3(995mg、7.20mmol、10.0当量)のMeCN(12.0mL)中溶液に、3-フルオロアゼチジン(482mg、4.32mmol、6.0当量、HCl)を0℃で加えた。混合物を20℃で1時間撹拌した。撹拌が完了したら、有機溶媒を水(10.0mL)で洗浄した。水相を酢酸エチル(3×10mL)で抽出した。合わせた抽出物をブライン(20.0mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、次いで、溶媒を真空下で除去した。残留物をカラムクロマトグラフィー(塩基性Al
2O
3、石油エーテル:酢酸エチル=3:1~酢酸エチル:メタノール=100:1)により精製し、次いで、粗生成物を濃縮し、分取HPLC(カラム:Waters Xbridge 150×25 5u;移動相:[水(0.05%水酸化アンモニウムv/v)-ACN];B%:55%~79%、10分];B%:45%~75%、12分)および凍結乾燥により精製した。標記化合物である2-[(2S)-4-[2-[[(2S)-4,4-ジフルオロ-1-メチル-ピロリジン-2-イル]メトキシ]-7-(8-メチル-1-ナフチル)-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-1-[(E)-4-(3-フルオロアゼチジン-1-イル)ブタ-2-エノイル]ピペラジン-2-イル]アセトニトリル(実施例49、45.8mg、66.5μmol、9.24%収率、100%純度)を黄色固体として得た。LCMS[ESI,M+1]:689。
1H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ=7.74-7.63(m,2H),7.47-7.32(m,2H),7.27-7.18(m,2H),6.88(br d,J=15.3Hz,1H),6.42(br d,J=15.4Hz,1H),5.27-5.05(m,1H),4.64(br s,1H),4.48-4.41(m,1H),4.31-4.18(m,2H),4.16-3.95(m,2H),3.94-3.84(m,1H),3.82-3.66(m,3H),3.54(br d,J=7.6Hz,1H),3.50-3.36(m,2H),3.34(br d,J=3.8Hz,2H),3.30-3.24(m,1H),3.24-3.08(m,4H),3.07-2.95(m,2H),2.92(s,3H),2.86-2.76(m,1H),2.76-2.57(m,3H),2.57-2.47(m,1H),2.46(d,J=4.5Hz,3H),2.34-2.17(m,1H)。
【0283】
実施例50
【化195】
ステップA:2-[(2S)-4-[7-(5,6-ジメチル-1H-インダゾール-4-イル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-2-イル]アセトニトリル。tert-ブチル(2S)-2-(シアノメチル)-4-[7-(5,6-ジメチル-1-テトラヒドロピラン-2-イル-インダゾール-4-イル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-1-カルボキシレート(720mg、1.03mmol、1当量)のDCM(1mL)中溶液に、TFA(4.62g、40.5mmol、3mL、39.4当量)を加えた。混合物を20℃で4時間撹拌した。撹拌が完了したら、混合物をDCM(10mL)で希釈し、飽和NaHCO
3水溶液で中和した。次いで、水相をEtOAc(2×30mL)で抽出した。合わせた有機層をNa
2SO
4上で乾燥し、真空下で濃縮して、2-[(2S)-4-[7-(5,6-ジメチル-1H-インダゾール-4-イル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-2-イル]アセトニトリル(880mg、粗製)を黄色固体として得、さらに精製することなく次のステップに直接使用した。
ステップB:2-[(2S)-4-[7-(5,6-ジメチル-1H-インダゾール-4-イル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-1-(2-フルオロプロパ-2-エノイル)ピペラジン-2-イル]アセトニトリル。2-[(2S)-4-[7-(5,6-ジメチル-1H-インダゾール-4-イル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-2-イル]アセトニトリル(500mg、粗製)、2-フルオロプロパ-2-エン酸(61.1mg、679μmol)、およびTEA(294mg、2.91mmol、405μL)のDMF(10mL)中溶液に、T3P(926mg、1.45mmol、865μL、EtOAc中50%純度)を-40℃で加えた。次いで、混合物を-40℃で0.5時間および0℃でさらに0.5時間撹拌した。撹拌が完了したら、混合物を水(20mL)で希釈し、EtOAc(2×40mL)で抽出した。有機層をブライン(50mL)で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥し、真空下で濃縮した。残留物を逆相フラッシュ[水(0.1%FA)/アセトニトリル]により精製した。所望の画分を集め、飽和NaHCO
3水溶液により中和し、EtOAc(2×70mL)で抽出した。有機層をNa
2SO
4上で乾燥し、真空下で濃縮した。残留物を分取HPLC(カラム:Phenomenex Synergi C18 150
*30mm
*4μm;移動相:[水(0.225%FA)-ACN];B%:10%~40%、12分)により精製した。所望の画分を集め、凍結乾燥して、標記化合物である2-[(2S)-4-[7-(5,6-ジメチル-1H-インダゾール-4-イル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-1-(2-フルオロプロパ-2-エノイル)ピペラジン-2-イル]アセトニトリル(実施例50、52.5mg、79.8μmol、2ステップ15%収率、96.4%純度、FA)を白色固体として得た。LCMS[ESI,M+1]:588。
SFC条件:カラム:Chiralcel OJ-3 100×4.6mm I.D.、3μm、移動相:5%~40%のCO
2中メタノール(0.05%DEA)、流速:3mL/分、波長:220nm。
1H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ=8.03(s,1H),7.15(s,1H),5.53-5.34(m,1H),5.25(br dd,J=3.2,16.8Hz,1H),5.02-4.61(m,3H),4.43(dd,J=4.8,11.6Hz,1H),4.27(s,2H),4.19(br d,J=13.2Hz,1H),4.01(br d,J=12.4Hz,1H),3.68-3.56(m,1H),3.55-3.50(m,2H),3.49-3.21(m,3H),3.14(br s,1H),2.98(br s,1H),2.91-2.61(m,7H),2.41(s,3H),2.34(s,3H),2.23(qd,J=8.4,12.4Hz,1H),2.14-1.95(m,3H)。
【0284】
実施例51
【化196】
ステップA:2-[(2S)-4-[2-[[(2R,4R)-4-フルオロ-1-メチル-ピロリジン-2-イル]メトキシ]-7-(8-メチル-1-ナフチル)-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-1-[(E)-4-トリチルオキシブタ-2-エノイル]ピペラジン-2-イル]アセトニトリル。2-[(2S)-4-[2-[[(2R,4R)-4-フルオロ-1-メチル-ピロリジン-2-イル]メトキシ]-7-(8-メチル-1-ナフチル)-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-2-イル]アセトニトリル(200mg、378μmol、1.0当量)、(E)-4-トリチルオキシブタ-2-エン酸(169mg、491μmol、1.3当量)、およびDIEA(293mg、2.27mmol、395μL、6.0当量)のDCM(3.0mL)中溶液に、HATU(431mg、1.13mmol、3.0当量)を加えた。混合物を0℃で0.5時間撹拌した。撹拌が完了したら、混合物に水(10mL)を加え、酢酸エチル(2×10.0mL)で抽出した。有機層をNa
2SO
4上で乾燥し、濾過し、濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO
2、石油エーテル/酢酸エチル=3/1~酢酸エチル:メタノール=20:1)により精製した。生成物である2-[(2S)-4-[2-[[(2R,4R)-4-フルオロ-1-メチル-ピロリジン-2-イル]メトキシ]-7-(8-メチル-1-ナフチル)-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-1-[(E)-4-トリチルオキシブタ-2-エノイル]ピペラジン-2-イル]アセトニトリル(290mg、339μmol、90%収率)を黄色固体として得た。
ステップB:2-[(2S)-4-[2-[[(2R,4R)-4-フルオロ-1-メチル-ピロリジン-2-イル]メトキシ]-7-(8-メチル-1-ナフチル)-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-1-[(E)-4-ヒドロキシブタ-2-エノイル]ピペラジン-2-イル]アセトニトリル。2-[(2S)-4-[2-[[(2R,4R)-4-フルオロ-1-メチル-ピロリジン-2-イル]メトキシ]-7-(8-メチル-1-ナフチル)-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-1-[(E)-4-トリチルオキシブタ-2-エノイル]ピペラジン-2-イル]アセトニトリル(290mg、339μmol、1.0当量)のジクロロメタン(1.5mL)中溶液に、TFA(2.31g、20.3mmol、1.5mL、59.8当量)を加え、混合物を20℃で0.5時間撹拌した。撹拌が完了したら、反応混合物を濃縮して、次いで、ジクロロメタン(10.0mL)を加え、有機層を飽和NaHCO
3水溶液(2×10.0mL)で洗浄し、有機層をNa
2SO
4上で乾燥し、濾過し、濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(塩基性Al
2O
3、石油エーテル/酢酸エチル=3/1~酢酸エチル:メタノール=20:1)により精製した。次いで、粗生成物を分取HPLC(カラム:Gemini 150
*25 5u;移動相:[水(0.05%水酸化アンモニウムv/v)-ACN];B%:45%~75%、12分)により再精製し、得られた生成物を濃縮し、凍結乾燥した。標記化合物である2-[(2S)-4-[2-[[(2R,4R)-4-フルオロ-1-メチル-ピロリジン-2-イル]メトキシ]-7-(8-メチル-1-ナフチル)-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-1-[(E)-4-ヒドロキシブタ-2-エノイル]ピペラジン-2-イル]アセトニトリル(実施例51、61.3mg、99.9μmol、29%収率、99%純度)を白色固体として得た。LCMS[ESI,M+1]:614。
1H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ7.73-7.61(m,2H),7.46-7.31(m,2H),7.27-7.18(m,2H),7.06(br d,J=14.8Hz,1H),6.62(br d,J=14.8Hz,1H),5.27-4.97(m,1H),4.74-4.55(m,1H),4.52-4.34(m,3H),4.31-4.16(m,2H),4.15-3.96(m,2H),3.94-3.58(m,3H),3.56-3.48(m,1H),3.46-3.41(m,1H),3.36-3.29(m,1H),3.26-3.07(m,3H),3.04-2.97(m,1H),2.92(s,3H),2.85-2.57(m,4H),2.49(d,J=4.8Hz,3H),2.45-2.34(m,1H),2.29-1.91(m,2H)。
【0285】
実施例52
【化197】
ステップA:2-[(2S)-4-[2-[[(2R,4R)-4-メトキシ-1-メチル-ピロリジン-2-イル]メトキシ]-7-(8-メチル-1-ナフチル)-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-1-[(E)-4-トリチルオキシブタ-2-エノイル]ピペラジン-2-イル]アセトニトリル。2-[(2S)-4-[2-[[(2R,4R)-4-メトキシ-1-メチル-ピロリジン-2-イル]メトキシ]-7-(8-メチル-1-ナフチル)-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-2-イル]アセトニトリル(200mg、369μmol、1当量)、(E)-4-トリチルオキシブタ-2-エン酸(254mg、738μmol、2当量)、およびTEA(374mg、3.69mmol、514μL、10当量)のEtOAc(4mL)中溶液に、T3P(705mg、1.11mmol、659μL、50%純度、3当量)を0℃で加え、混合物を0℃で0.5時間撹拌した。水(10mL)を混合物に加えた。混合物をEtOAc(5mL)で希釈し、EtOAc(15mL)で抽出した。有機層をブライン(10mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4上で乾燥させて、濾過し、真空下で濃縮した。残留物を逆相フラッシュカラム(ACN/水(0.1%FA)=70%)により精製して、2-[(2S)-4-[2-[[(2R,4R)-4-メトキシ-1-メチル-ピロリジン-2-イル]メトキシ]-7-(8-メチル-1-ナフチル)-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-1-[(E)-4-トリチルオキシブタ-2-エノイル]ピペラジン-2-イル]アセトニトリル(230mg、262μmol、71%収率、99%純度)を黄色固体として得た。
ステップB:2-[(2S)-1-[(E)-4-ヒドロキシブタ-2-エノイル]-4-[2-[[(2R,4R)-4-メトキシ-1-メチル-ピロリジン-2-イル]メトキシ]-7-(8-メチル-1-ナフチル)-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-2-イル]アセトニトリル。2-[(2S)-4-[2-[[(2R,4R)-4-メトキシ-1-メチル-ピロリジン-2-イル]メトキシ]-7-(8-メチル-1-ナフチル)-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-1-[(E)-4-トリチルオキシブタ-2-エノイル]ピペラジン-2-イル]アセトニトリル(230mg、265μmol、1当量)のDCM(2.3mL)中溶液に、TFA(3.54g、31.1mmol、2.3mL、117当量)を加え、混合物を15℃で1時間撹拌した。反応混合物を飽和NaHCO
3(30mL)によりPH=7~8に塩基化し、次いで、DCM(2×15mL)で抽出した。合わせた有機層を無水Na
2SO
4上で乾燥し、濾過し、真空下で濃縮した。残留物を逆相フラッシュカラム(ACN/水(0.1%FA)=32%)により精製した。次いで、残留物を分取HPLC(カラム:Gemini 150
*25 5u;移動相:[水(0.05%水酸化アンモニウムv/v)-ACN];B%:37%~67%、12分)により精製して、標記化合物である2-[(2S)-1-[(E)-4-ヒドロキシブタ-2-エノイル]-4-[2-[[(2R,4R)-4-メトキシ-1-メチル-ピロリジン-2-イル]メトキシ]-7-(8-メチル-1-ナフチル)-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-2-イル]アセトニトリル(実施例52、41.7mg、66.6μmol、25%収率、100%純度)を白色固体として得た。LCMS[ESI,M+1]:626。
1H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ=7.70(br d,J=8.4Hz,1H),7.65(t,J=8.0Hz,1H),7.45-7.38(m,1H),7.37-7.31(m,1H),7.27-7.17(m,2H),7.07(br d,J=14.8Hz,1H),6.62(br d,J=14.0Hz,1H),5.07(br s,1H),4.85-4.55(m,1H),4.51-4.37(m,3H),4.30-3.97(m,4H),3.94-3.65(m,2H),3.58-3.40(m,2H),3.29(d,J=1.6Hz,3H),3.25-2.96(m,5H),2.92(s,3H),2.86-2.54(m,4H),2.45(d,J=4.8Hz,3H),2.42-2.28(m,2H),1.81(br dd,J=8.9,13.6Hz、1H)。
【0286】
実施例53
【化198】
ステップA:2-((S)-4-(7-(8-クロロナフタレン-1-イル)-2-(((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)-1-((E)-4-メトキシブタ-2-エノイル)ピペラジン-2-イル)アセトニトリル:2-((S)-4-(7-(8-クロロナフタレン-1-イル)-2-(((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-2-イル)アセトニトリル(100mg、0.1879mmol)、(E)-4-メトキシブタ-2-エン酸(32.73mg、0.2819mmol)、およびN,N-ジメチルホルムアミド(1mL、12.79mmol)の撹拌混合物を、0℃まで冷却し、続いて、トリエチルアミン(0.07859mL、0.5638mmol)およびEtOAc(0.1678mL、0.2819mmol)中50%の2,4,6-トリプロピル-1,3,5,2,4,6-トリオキサトリホスフィナン2,4,6-三酸化物を加えた。反応混合物を室温に温めながら2時間撹拌した。混合物を0.5MのNa
2CO
3(5mL)とEtOAc(15mL)との間で分配し、有機成分を分離した。次に、有機成分を水およびブライン(各5mL)で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥し、真空中で留去した。次に、残留物を、4%MeOH+0.4%NH
4OH/DCMを溶出液として使用してシリカゲルクロマトグラフィーにかけて、不純物を含む物質を得、これを5~75%のACN+0.1%TFA/H
2O+0.1%TFAにより溶出するGilson逆分取HPLCによりさらに精製した。純粋な生成物を含有する画分を合わせ、DCMと飽和Na
2CO
3溶液との間で分配し、層を分離した。次に、有機成分をブラインで洗浄し、MgSO
4上で乾燥し、真空中で濃縮して、純粋な標記化合物(実施例53、33mg、28%)を得た。ESI+APCI MS m/z 630.3[M
+]。
【0287】
実施例54
【化199】
ステップA:N-(3-((S)-2-(シアノメチル)-4-(7-(8-メチルナフタレン-1-イル)-2-(((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-イル)-3-オキソプロパ-1-エン-2-イル)アセトアミド:0℃まで冷却したジクロロメタン(2932μl、0.2932mmol)を含有する25mL丸底フラスコに、2-((S)-4-(7-(8-メチルナフタレン-1-イル)-2-(((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-2-イル)アセトニトリル(150mg、0.2932mmol)およびヒューニッヒ塩基(307.2μl、1.759mmol)を加えた。2-アセトアミドアクリル酸(227.1mg、1.759mmol)を1度に加えると共に、反応混合物を強く撹拌した。次に、1-プロパンホスホン酸環状無水物(1047μl、1.759mmol)を撹拌混合物にゆっくりと加えた。反応物を0℃で2時間撹拌した。反応物を塩基性水で処理し、水層をEtOAc(3×)で抽出した。合わせた有機成分を真空中で濃縮し、5~95%ACN+0.1%TFA/水+0.1%TFAにより溶出するGilson(分取HPLC)上で精製した。生成物を含有する画分を合わせ、1MのNaOHにより塩基化し、水層をDCM(2×)で抽出した。有機成分をNa
2SO
4上で乾燥し、真空中で濃縮して、標記化合物であるN-(3-((S)-2-(シアノメチル)-4-(7-(8-メチルナフタレン-1-イル)-2-(((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-イル)-3-オキソプロパ-1-エン-2-イル)アセトアミド(実施例54、124.2mg、68.03%収率)を得た。ESI+APCI MS m/z 623.3 [M+H]
+。
【0288】
実施例55
【化200】
2-((S)-4-(7-(8-メチルナフタレン-1-イル)-2-(((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)-1-((E)-3-(ピリジン-4-イル)アクリロイル)ピペラジン-2-イル)アセトニトリル:実施例54に従って、ステップAで、2-アセトアミドアクリル酸の代わりにtrans-3-(4-ピリジル)アクリル酸を使用して標記化合物を調製した。ESI+APCI MS m/z 643.3[M+H]
+。
【0289】
実施例56
【化201】
1-ブロモ-5-フルオロ-3-メチル-2-(トリフルオロメチル)ベンゼン。1-ブロモ-5-フルオロ-2-ヨード-3-トルエン(2g、6.35mmol、1当量)のDMF(40mL)中溶液に、CuI(7.26g、38.1mmol、6当量)およびメチル 2,2-ジフルオロ-2-フルオロスルホニル-アセテート(7.32g、38.1mmol、4.85mL、6当量)を加えた。混合物を60℃で12時間撹拌した。反応混合物を酢酸エチル(20mL)で希釈し、水(20mLの×3)で洗浄した。有機層をブライン(20mL)で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して残留物を得た。残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO
2、石油エーテル/酢酸エチル=1/0~10/1)により精製した。1-ブロモ-5-フルオロ-3-メチル-2-(トリフルオロメチル)ベンゼン(1.3g、3.74mmol、59%収率、74%純度)を黄色油として得た。
【0290】
1H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ=7.33(dd,J=2.4,7.6Hz,1H),6.95(dd,J=2.0,8.8Hz,1H),2.54(q,J=3.6Hz,3H)。
【0291】
2-ブロモ-6-フルオロ-4-メチル-3-(トリフルオロメチル)ベンズアルデヒド。1-ブロモ-5-フルオロ-3-メチル-2-(トリフルオロメチル)ベンゼン(900mg、3.50mmol、1当量)のTHF(20mL)中混合物に、LDA(THF中2M、3.50mL、2当量)を窒素雰囲気下、-60℃で加えた。0.5時間撹拌後、混合物に、DMF(768mg、10.5mmol、808μL、3当量)を加えた。混合物を-60℃で1時間撹拌した。反応物を飽和NH4Cl水溶液(10mL)でクエンチし、次いで、酢酸エチル(50mL×3)で抽出した。合わせた有機相をブライン(10mL)で洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥させて、濾過し、真空中で濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル/酢酸エチル=200/1~5/1)により精製した。2-ブロモ-6-フルオロ-4-メチル-3-(トリフルオロメチル)ベンズアルデヒド(700mg、2.46mmol、70%収率)を黄色油として得た。
【0292】
1H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ=10.35(s,1H),7.08(d,J=10.4Hz,1H),2.66-2.58(m,3H)。
【0293】
4-ブロモ-6-メチル-5-(トリフルオロメチル)-1H-インダゾール。2-ブロモ-6-フルオロ-4-メチル-3-(トリフルオロメチル)ベンズアルデヒド(600mg、2.11mmol、1当量)およびヒドラジン一水和物(2.11g、42.1mmol、2.05mL、20当量)のDMSO(8mL)中溶液を60℃で2時間撹拌した。混合物を酢酸エチル(50mL)で希釈し、水(3×50mL)およびブライン(1×50mL)で洗浄した。分離した有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥した後、濾過し、真空下で濃縮した。残留物をさらに精製することなく次のステップに使用した。4-ブロモ-6-メチル-5-(トリフルオロメチル)-1H-インダゾール(550mg、1.97mmol、94%収率)を白色固体として得た。
【0294】
4-ブロモ-6-メチル-1-テトラヒドロピラン-2-イル-5-(トリフルオロメチル)インダゾール。4-ブロモ-6-メチル-5-(トリフルオロメチル)-1H-インダゾール(500mg、1.79mmol、1当量)のDCM(10mL)中溶液に、4-メチルベンゼンスルホン酸水和物(34.1mg、1791μmol、0.1当量)1を加え、続いて、DHP(603mg、7.17mmol、655μL、4当量)のCH3CN(2mL)中溶液を加えた。混合物を25℃で16時間撹拌した。混合物を酢酸エチル(100mL)で希釈し、水(2×100mL)およびブライン(1×50mL)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、真空下で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル 20/1~3/1)により精製した。所望の画分を集め、真空下で濃縮して、4-ブロモ-6-メチル-1-テトラヒドロピラン-2-イル-5-(トリフルオロメチル)インダゾール(600mg、1.54mmol、86%収率、93%純度)を淡黄色ゴムとして得た。LCMS[MSI,M+1]:363。
ステップA:tert-ブチル(2S)-2-(シアノメチル)-4-[2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-7-[6-メチル-1-テトラヒドロピラン-2-イル-5-(トリフルオロメチル)インダゾール-4-イル]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-1-カルボキシレート。tert-ブチル(2S)-2-(シアノメチル)-4-[2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-1-カルボキシレート(400mg、848μmol、1当量)、4-ブロモ-6-メチル-1-テトラヒドロピラン-2-イル-5-(トリフルオロメチル)インダゾール(431mg、1.19mmol、1.4当量)、Pd2(dba)3(155mg、170μmol、0.2当量)、RuPhos(158mg、339μmol、0.4当量)、およびCs2CO3(691mg、2.12mmol、2.5当量)のトルエン(20mL)中混合物に、N2により脱気およびパージを3回行い、次いで、混合物を、N2雰囲気下、100℃で16時間撹拌した。混合物に、H2O(20mL×1)および酢酸エチル(20mL×1)を加えた。有機相を分離し、濾過し、減圧下で濃縮して、残留物を得た。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル/メタノール=50/1~2/1)により精製した。tert-ブチル(2S)-2-(シアノメチル)-4-[2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-7-[6-メチル-1-テトラヒドロピラン-2-イル-5-(トリフルオロメチル)インダゾール-4-イル]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-1-カルボキシレート(500mg、535μmol、32%収率、80.7%純度)を黄色固体として得た。LCMS[MSI,M+1]:754。
ステップB:2-[(2S)-4-[2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-7-[6-メチル-5-(トリフルオロメチル)-1H-インダゾール-4-イル]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-2-イル]アセトニトリル。tert-ブチル(2S)-2-(シアノメチル)-4-[2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-7-[6-メチル-1-テトラヒドロピラン-2-イル-5-(トリフルオロメチル)インダゾール-4-イル]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-1-カルボキシレート(470mg、503μmol、1当量)のDCM(1mL)中溶液に、TFA(2.29g、20.1mmol、1.49mL、40当量)を加えた。混合物を25℃で1時間撹拌した。混合物にジクロロメタン(5mL)を加え、飽和NaHCO3水溶液によりpH=8~9に塩基化した。有機相を分離し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、2-[(2S)-4-[2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-7-[6-メチル-5-(トリフルオロメチル)-1H-インダゾール-4-イル]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-2-イル]アセトニトリル(420mg、453μmol、90%収率、61.4%純度)を黄色固体として得、これをさらに精製せずに次のステップに使用した。LCMS[MSI,M+1]:570。
ステップC:2-((S)-1-(2-フルオロアクリロイル)-4-(7-(6-メチル-5-(トリフルオロメチル)-1H-インダゾール-4-イル)-2-(((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-2-イル)アセトニトリル。2-[(2S)-4-[2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-7-[6-メチル-5-(トリフルオロメチル)-1H-インダゾール-4-イル]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-2-イル]アセトニトリル(380mg、410μmol、1当量)、2-フルオロプロパ-2-エン酸(18.4mg、205μmol、0.5当量)、およびTEA(124mg、1.23mmol、171μL、3当量)のDMF(8mL)中溶液に、T3P(391mg、614μmol、365μL、DMF中50%純度、1.5当量)を-40℃で加えた。次いで、混合物を-40℃で0.5時間および0℃でさらに0.5時間撹拌した。2-フルオロプロパ-2-エン酸(11mg)およびT3P(100μL)を加え、混合物を-40℃でさらに0.5時間撹拌した。混合物を水(15mL)で希釈し、EtOAc(2×40mL)で抽出した。有機層をブライン(50mL)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥し、真空下で濃縮した。残留物を分取HPLC(カラム:Luna C18 150*25 5u;移動相:[水(0.225%FA)-ACN];B%:22%~42%、7.8分)および(カラム:Phenomenex Gemini 150*25mm*10μm;移動相:[水(0.04%NH3H2O+10mMのNH4HCO3)-ACN];B%:50%~68%、12分)により精製した。所望の画分を集め、凍結乾燥して、標記化合物である2-((S)-1-(2-フルオロアクリロイル)-4-(7-(6-メチル-5-(トリフルオロメチル)-1H-インダゾール-4-イル)-2-(((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-2-イル)アセトニトリル(実施例56)を白色固体として得た。
【0295】
実施例57
【化202】
標記化合物を、実施例49に従って、中間体66のステップEで、(1-メチルピロリジン-2-イル)メタノールの代わりに(S)-(4,4-ジフルオロ-1-メチルピロリジン-2-イル)メタノールを使用することにより中間体66を修飾し、修飾された中間体66を中間体71のステップAの条件を使用して脱保護し、次いで、実施例49のステップAで中間体66の代わりに使用して調製した。
【0296】
実施例58
【化203】
実施例49、ステップDの条件を使用して、3-フルオロアゼチジンの代わりに(E)-4-フルオロブタ-2-エン酸を使用する実施例49に従って、標記化合物を調製する。
【0297】
実施例59
【化204】
実施例49、ステップDの条件を使用して、3-フルオロアゼチジンの代わりに2-フルオロプロパ-2-エノイルクロリドを使用する実施例49に従って、標記化合物を調製する。
【0298】
実施例60
【化205】
実施例49、ステップDの条件を使用して、3-フルオロアゼチジンの代わりに(メトキシメチル)プロプ-2-エン酸を使用する実施例49に従って、標記化合物を調製する。
【0299】
実施例61
【化206】
実施例49、ステップDの条件を使用して、3-フルオロアゼチジンを4-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシブタ-2-イン酸を使用する実施例49に従って、標記化合物を調製する。
【0300】
実施例62
【化207】
実施例50、ステップBの条件を使用して、2-フルオロプロパ-2-エン酸の代わりに(E)-4-フルオロブタ-2-エン酸を使用する実施例50に従って、標記化合物を調製する。
【0301】
実施例62
【化208】
実施例50、ステップBの条件を使用して、2-フルオロプロパ-2-エン酸の代わりに2-(メトキシメチル)プロパ-2-エン酸を使用する実施例50に従って、標記化合物を調製する。
【0302】
実施例63
【化209】
実施例50、ステップBの条件を使用して、2-フルオロプロパ-2-エン酸の代わりに4-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシブタ-2-イン酸を使用する実施例50に従って、標記化合物を調製する。
【0303】
実施例64
【化210】
実施例49、ステップAの条件を使用して、3-フルオロアゼチジンの代わりに2-フルオロプロパ-2-エノイルクロリドを使用する実施例57に従って、標記化合物を調製する。
【0304】
実施例65
【化211】
実施例49、ステップAの条件を使用して、3-フルオロアゼチジンの代わりに2-フルオロプロパ-2-エノイルクロリドを使用する実施例57に従って、標記化合物を調製する。
【0305】
実施例66
【化212】
実施例49、ステップAの条件を使用して、3-フルオロアゼチジンの代わりに(メトキシメチル)プロプ-2-エン酸を使用する実施例57に従って、標記化合物を調製する。
【0306】
実施例67
【化213】
実施例49、ステップAの条件を使用して、3-フルオロアゼチジンを4-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシブタ-2-イン酸を使用する実施例57に従って、標記化合物を調製する。
【0307】
実施例68
【化214】
実施例56、ステップCの条件を使用して、2-フルオロプロパ-2-エノイルクロリドの代わりに2-フルオロプロパ-2-エノイルクロリドを使用する実施例56に従って、標記化合物を調製する。
【0308】
実施例69
【化215】
実施例56、ステップCの条件を使用して、2-フルオロプロパ-2-エノイルクロリドの代わりに(メトキシメチル)プロプ-2-エン酸を使用する実施例56に従って、標記化合物を調製する。
【0309】
実施例70
【化216】
実施例56、ステップCの条件を使用して、2-フルオロプロパ-2-エノイルクロリドの代わりに4-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシブタ-2-イン酸を使用する実施例56に従って、標記化合物を調製する。
【0310】
実施例71
【化217】
ステップA:2-[(2S)-4-[2-[[(2R,4R)-4-フルオロ-1-メチル-ピロリジン-2-イル]メトキシ]-7-(8-メチル-1-ナフチル)-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-1-[(E)-4-メトキシブタ-2-エノイル]ピペラジン-2-イル]アセトニトリル。2-[(2S)-4-[2-[[(2R,4R)-4-フルオロ-1-メチル-ピロリジン-2-イル]メトキシ]-7-(8-メチル-1-ナフチル)-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-2-イル]アセトニトリル(200mg、378μmol、1.0当量)、(E)-4-メトキシブタ-2-エン酸(110mg、944μmol、2.5当量)のDMF(3.0mL)中溶液に、TEA(382mg、3.78mmol、526μL、10.0当量)およびT3P(721mg、1.13mmol、674μL、50%純度、3.0当量)を加えた。混合物を0℃で0.5時間撹拌した。撹拌が完了したら、有機溶媒を水(10.0mL)で洗浄した。水相を酢酸エチル(3×10.0mL)で抽出した。合わせた抽出物をブライン(20.0mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、濾過した。次いで、溶媒を真空下で除去した。残留物をカラムクロマトグラフィー(塩基性Al
2O
3、石油エーテル:酢酸エチル=10:1~1:1)により精製し、次いで、粗生成物を濃縮し、分取HPLC(カラム:Phenomenex Gemini 150×25mm×10μm;移動相:[水(0.05%水酸化アンモニウムv/v)-ACN];B%:48%~78%、9~10分)および凍結乾燥により再精製して、標記化合物である2-[(2S)-4-[2-[[(2R,4R)-4-フルオロ-1-メチル-ピロリジン-2-イル]メトキシ]-7-(8-メチル-1-ナフチル)-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-1-[(E)-4-メトキシブタ-2-エノイル]ピペラジン-2-イル]アセトニトリル(実施例71、50mg、79.6μmol、21%収率、99.9%純度)を黄色固体として得た。LCMS[ESI,M+1]:628。
【0311】
1H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ=7.73-7.62(m,2H),7.45-7.31(m,2H),7.27-7.18(m,2H),7.05-6.94(m,1H),6.55(br d,J=15.0Hz,1H),5.23-5.03(m,1H),4.66(br s,1H),4.52-4.42(m,1H),4.30-4.18(m,2H),4.18-3.94(m,4H),3.93-3.84(m,1H),3.83-3.65(m,1H),3.54(br d,J=6.7Hz,1H),3.44(s,3H),3.42-3.26(m,2H),3.25-3.15(m,2H),3.05(br dd,J=8.5,16.4Hz,2H),2.92(s,3H),2.88-2.58(m,4H),2.57-2.35(m,5H),2.14-1.96(m,1H)。
【0312】
実施例72
【化218】
ステップA:2-[(2S)-1-[(E)-4-メトキシブタ-2-エノイル]-4-[2-[[(2R,4R)-4-メトキシ-1-メチル-ピロリジン-2-イル]メトキシ]-7-(8-メチル-1-ナフチル)-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-2-イル]アセトニトリル。2-[(2S)-4-[2-[[(2R,4R)-4-メトキシ-1-メチル-ピロリジン-2-イル]メトキシ]-7-(8-メチル-1-ナフチル)-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-2-イル]アセトニトリル(150mg、277μmol、1当量)、(E)-4-メトキシブタ-2-エン酸(64.3mg、554μmol、2当量)、およびTEA(280mg、2.77mmol、385μL、10当量)のDMF(3mL)中溶液に、T3P(529mg、831μmol、494μL、50%純度、3当量)を0℃で加え、混合物を0℃で0.5時間撹拌した。水(10mL)を混合物に加えた。混合物をEtOAc(5mL)で希釈し、EtOAc(2×10mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(10mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4上で乾燥し、濾過し、真空下で濃縮した。残留物を逆相フラッシュカラム(ACN/水(0.1%FA)=35%)により精製した。次いで、残留物を分取HPLC(カラム:Waters Xbridge 150
*25 5u;移動相:[水(0.05%水酸化アンモニウムv/v)-ACN];B%:50%~74%、10分)により精製して、標記化合物である2-[(2S)-1-[(E)-4-メトキシブタ-2-エノイル]-4-[2-[[(2R,4R)-4-メトキシ-1-メチル-ピロリジン-2-イル]メトキシ]-7-(8-メチル-1-ナフチル)-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-2-イル]アセトニトリル(実施例72、37.1mg、57.2μmol、21%収率、98.7%純度)を白色固体として得た。LCMS[ESI,M+1]:640。
1H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ=7.72-7.61(m,2H),7.45-7.31(m,2H),7.27-7.17(m,2H),6.99(br d,J=14.8Hz,1H),6.55(br d,J=15.2Hz,1H),5.07(br s,1H),4.51-4.40(m,1H),4.31-4.04(m,5H),3.95-3.68(m,3H),3.63-3.47(m,2H),3.44(s,3H),3.42-3.35(m,1H),3.30(d,J=1.2Hz,3H),3.24-2.96(m,5H),2.92(s,3H),2.76(br dd,J=8.0,16.8Hz,1H),2.72-2.52(m,3H),2.45(d,J=5.2Hz,3H),2.41-2.27(m,2H),1.81(br dd,J=7.2,14.0Hz,1H)。
【0313】
実施例73
【化219】
ステップA:メチル 3-ヒドロキシ-4-メトキシ-ブタノエート。メチル4-メトキシ-3-オキソ-ブタノエート(20g、137mmol、1.0当量)のトルエン(300mL)中溶液に、NaBH
4(5.44g、144mmol、1.05当量)を0℃で加えた。次いで、混合物を20℃で4時間撹拌した。撹拌が完了したら、混合物を水(100mL)により0℃で希釈し、酢酸エチル(3×100mL)で抽出した。抽出物をブライン(200mL)で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥し、濾過し、真空下濃縮して、メチル3-ヒドロキシ-4-メトキシ-ブタノエート(7.5g、粗製)を黄色油として得、これをさらに精製せずに次のステップに使用した。
1H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ=4.23-4.15(m,1H),3.70(s,3H),3.44-3.38(m,2H),3.37(s,3H),3.04(br s,1H),2.51(d,J=6.4Hz,2H)。
ステップB:メチル(E)-4-メトキシブタ-2-エノエート。メチル3-ヒドロキシ-4-メトキシ-ブタノエート(7.5g、粗製)のDCM(50.0mL)中溶液に、TEA(5.12g、50.6mmol、7.05mL)およびMsCl(8.70g、75.9mmol、5.88mL)を0℃で加えた。4時間撹拌した後、混合物にTEA(10.2g、101mmol、14.1mL)を0℃で加えた。混合物を20℃まで温め、12時間撹拌した。撹拌が完了したら、混合物を水(50.0mL)で希釈し、HCl(1N、15.0mL)およびブライン(20.0mL)で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥し、濾過し、真空下で濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO
2、石油エーテル/酢酸エチル=1/0~50:1)により精製して、メチル(E)-4-メトキシブタ-2-エノエート(1.7g、11.8mmol、2ステップで8.6%収率、90%純度)を黄色油として得た。
1H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ=6.93(td,J=4.3,15.8Hz,1H),6.04(td,J=2.0,15.8Hz,1H),4.06(dd,J=2.0,4.3Hz,2H),3.72(s,3H),3.36(s,3H)。
ステップC:(E)-4-メトキシブタ-2-エン酸。メチル(E)-4-メトキシブタ-2-エノエート(300mg、2.31mmol、1.0当量)およびKOH(517mg、9.22mmol、4.0当量)のMeOH(2.0mL)およびH
2O(2.0mL)中混合物を、20℃で2時間撹拌した。撹拌が完了したら、混合物をHCl(2N、5.0mL)によりpH=1~3に酸性化し、酢酸エチル(2×20mL)で抽出した。有機層をNa
2SO
4上で乾燥し、濾過し、真空下で濃縮して、(E)-4-メトキシブタ-2-エン酸(200mg、1.55mmol、67.3%収率、90%純度)を黄色固体として得た。
1H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ=11.13(br s,1H),7.06(td,J=4.1,15.7Hz,1H),6.08(td,J=2.0,15.7Hz,1H),4.12(dd,J=2.0,4.1Hz,2H),3.40(s,3H)。
ステップD:2-[(2S)-1-[(E)-4-メトキシブタ-2-エノイル]-4-[7-(8-メチル-1-ナフチル)-2-[[(2R)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-2-イル]アセトニトリル。2-[(2S)-4-[7-(8-メチル-1-ナフチル)-2-[[(2R)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-2-イル]アセトニトリル(200mg、391μmol、1当量)、(E)-4-メトキシブタ-2-エン酸(113mg、977μmol、2.5当量)、TEA(395mg、3.91mmol、544μL、10当量)のDMF(4mL)中溶液に、T3P(746mg、1.17mmol、697μL、50%純度、3当量)を0℃で加えた。混合物を0℃で0.3時間撹拌した。反応混合物を酢酸エチル(20mL)で希釈し、水(10mL×3)で洗浄した。有機層をブライン(10mL)で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して残留物を得た。残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO
2、酢酸エチル/MeOH=100/1~10:1)により精製し、分取HPLC(カラム:Boston pH-lex 150
*25 10μm;移動相:[水(0.1%TFA)-ACN];B%:35%~59%、8分)によりさらに精製した。混合物を集め、凍結乾燥した。標記化合物である2-[(2S)-1-[(E)-4-メトキシブタ-2-エノイル]-4-[7-(8-メチル-1-ナフチル)-2-[[(2R)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-2-イル]アセトニトリル(実施例73、37.5mg、60.4μmol、15%収率、98.2%純度)を白色固体として得た。LCMS[ESI,M+1]:610。
1H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ=7.77-7.57(m,2H),7.46-7.37(m,1H),7.34(t,J=7.6Hz,1H),7.27-7.17(m,2H),6.99(br d,J=14.4Hz,1H),6.55(br d,J=14.8Hz,1H),5.24-4.49(m,1H),4.46-4.32(m,1H),4.32-3.74(m,7H),3.73-3.25(m,6H),3.25-2.94(m,5H),2.92(s,3H),2.86-2.54(m,4H),2.49(d,J=5.6Hz,3H),2.38-2.23(m,1H),2.11-2.00(m,1H),1.93-1.65(m,3H)。
【0314】
実施例74~129を表1に示す。
【表2-1】
【表2-2】
【表2-3】
【表2-4】
【表2-5】
【表2-6】
【0315】
実施例74の合成
【化220】
ステップA.tert-ブチル(2S)-2-(シアノメチル)-4-(7-(8-メチルナフタレン-1-イル)-2-(メチルスルフィニル)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート(200mg、357μmol、1.00当量)および(1-tert-ブチルアゼチジン-2-イル)メタノール(102mg、713μmol、2.0当量)のトルエン(20.0mL)中混合物に、t-BuONa(103mg、1.07mmol、3.0当量)を窒素下、0℃で少しずつ加えた。混合物を25℃で30分間撹拌した。反応混合物を酢酸エチル(30.0mL)で希釈し、0°Cで2MのHCl水溶液でpH8~9に調整し、次いで酢酸エチル(20.0mL×2)で抽出した。合わせた有機層を水(15.0mL)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物を逆相フラッシュクロマトグラフィー[水(0.1%ギ酸)/アセトニトリル]で精製した。所望の画分を集め、飽和NaHCO
3溶液(6.00mL)で中和し、酢酸エチル(50.0mLの×2)で抽出した。分離した有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、真空下で濃縮して、tert-ブチル(2S)-4-(2-((1-(tert-ブチル)アゼチジン-2-イル)メトキシ)-7-(8-メチルナフタレン-1-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)-2-(シアノメチル)ピペラジン-1-カルボキシレート(100mg、150μmol、42%収率、96%純度)を黄色固体として得た。LCMS[M+1]:640。
ステップB:tert-ブチル(2S)-4-(2-((1-(tert-ブチル)アゼチジン-2-イル)メトキシ)-7-(8-メチルナフタレン-1-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)-2-(シアノメチル)ピペラジン-1-カルボキシレート(50.0mg、78.2μmol、1.00当量)のMeCN(1.00mL)中混合物に、HCl/ジオキサン(4M、1.50mL、76.8当量)を加え、混合物を25℃で30分間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、残留物を得た。残留物を酢酸エチル(5.00mL)および飽和NaHCO
3溶液で希釈した。水層を分離し、酢酸エチル(5.00mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(3.00mL)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、粗製物を得た。残留物を分取HPLC(カラム:Waters Xbridge 150×25 5μm;移動相:[水(10mMのNH
4HCO
3-ACN];B%:42%~72%、10分)により精製して、2-((2S)-4-(2-((1-(tert-ブチル)アゼチジン-2-イル)メトキシ)-7-(8-メチルナフタレン-1-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-2-イル)アセトニトリル(10.4mg、19.0μmol、24%収率、99.2%純度)を白色固体として得た。LCMS[M+1]:540。
SFC条件:カラム:Chiralpak IC-3 50×4.6mm I.D.、3μm移動相:CO
2の場合はフェーズA、IPA+CAN(0.05%DEA)の場合はフェーズB、グラジエント溶出:CO
2中の50%IPA+ACN(0.05%DEA)流速:3mL/分、波長:220nm カラム温度:35℃、背圧:100バール。
1H NMR(400MHz,CDCl
3):δ=7.72-7.68(m,1H),7.67-7.62(m,1H),7.44-7.37(m,1H),7.37-7.31(m,1H),7.27-7.19(m,2H),4.50-4.39(m,1H),4.30-4.16(m,2H),4.04-3.72(m,4H),3.52-3.45(m,1H),3.37-3.28(m,1H),3.25-3.07(m,6H),3.06-2.96(m,2H),2.95-2.92(m,3H),2.61-2.49(m,3H),2.15-1.94(m,2H),1.06-0.96(m,9H)。
ステップC:2-((2S)-4-(2-((1-(tert-ブチル)アゼチジン-2-イル)メトキシ)-7-(8-メチルナフタレン-1-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-2-イル)アセトニトリル(80.0mg、148μmol、1.0当量)および2-フルオロプロパ-2-エン酸(40.1mg、445μmol、3.0当量)の酢酸エチル(3.00mL)中混合物に、TEA(120mg、1.19mmol、165μL、8.0当量)およびT3P(283mg、445μmol、264μL、50%純度、3.0当量)を窒素下、0℃で少しずつ加えた。混合物を25℃30分間撹拌した。反応混合物を0℃で水(2.00mL)を加えることによってクエンチし、次いで、酢酸エチル(5.00mL×3)で希釈した。合わせた有機層をブライン(3.00mL)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、残留物を得た。残留物を分取HPLC(カラム:Waters Xbridge 150×25 5μm;移動相:[水(10mMのNH
4HCO
3-ACN];B%:45%~75%、10分)により精製して、2-((2S)-4-(2-((1-(tert-ブチル)アゼチジン-2-イル)メトキシ)-7-(8-メチルナフタレン-1-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)-1-(2-フルオロアクリロイル)ピペラジン-2-イル)アセトニトリル(21.8mg、35.4μmol、24%収率、99.2%純度)を白色固体として得た。LCMS[M+1]:612。
SFC条件:カラム:Chiralcel OJ-3 50×4.6mm I.D.、3μm移動相:CO
2の場合はフェーズA、MeOH(0.05%DEA)の場合はフェーズB、グラジエント溶出:CO
2中のMeOH(0.05%DEA)5%~40%流速:3mL/分、波長:220nm カラム温度:20℃、背圧:100バール。
1H NMR(400MHz,CDCl
3):δ=7.73-7.67(m,1H),7.67-7.62(m,1H),7.46-7.38(m,1H),7.38-7.32(m,1H),7.27-7.17(m,2H),5.53-5.33(m,1H),5.31-5.16(m,1H),5.03-4.64(m,1H),4.53-4.37(m,1H),4.33-4.21(m,2H),4.20-3.99(m,3H),3.94-3.73(m,3H),3.60-3.40(m,2H),3.27-3.03(m,6H),2.95-2.89(m,3H),2.86-2.76(m,1H),2.68-2.54(m,1H),2.19-1.91(m,2H),1.06-0.92(m,9H)。
【0316】
実施例100、103および104のスペクトルデータを表2に示す。
【表3】
【0317】
実施例105の合成
【化221】
ステップA:tert-ブチル(2S)-4-(7-(8-クロロナフタレン-1-イル)-2-(メチルスルフィニル)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)-2-(シアノメチル)ピペラジン-1-カルボキシレート(200mg、344μmol、1.00当量)および(テトラヒドロ-1H-ピロリジン-7a(5H)-イル)メタノール(97.2mg、688μmol、2.00当量)のトルエン(2.00mL)中溶液を0℃で20分間撹拌した後、ナトリウムtert-ブトキシド(99.2mg、1.03mmol、3.00当量)を加えた。混合物を0℃で10分間撹拌し、反応混合物を水(10.0mL)で希釈し、酢酸エチル(20.0mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(50.0mL×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、残留物を得た。残留物を分取TLC(SiO
2、ジクロロメタン:メタノール=10:1)により精製して、tert-ブチル(S)-4-(7-(8-クロロナフタレン-1-イル)-2-((テトラヒドロ-1H-ピロリジン-7a(5H)-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)-2-(シアノメチル)ピペラジン-1-カルボキシレート(120mg、182μmol、53.0%収率)を赤色固体として得た。LCMS[M+1]:659.1。ステップB.tert-ブチル(S)-4-(7-(8-クロロナフタレン-1-イル)-2-((テトラヒドロ-1H-ピロリジン-7a(5H)-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)-2-(シアノメチル)ピペラジン-1-カルボキシレート(100mg、152μmol、1.00当量)のジクロロメタン(2.00mL)中溶液に、TFA(1.08g、9.45mmol、0.70mL、62.2当量)を加えた。混合物を15℃で1時間撹拌した。反応混合物を濾過し、減圧下で濃縮して残留物を得た。残留物を分取HPLC(中性条件)により精製して、(S)-2-(4-(7-(8-クロロナフタレン-1-イル)-2-((テトラヒドロ-1H-ピロリジン-7a(5H)-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-2-イル)アセトニトリル(60.0mg、105μmol、69.3%収率、97.9%純度)をオフホワイト固体として得た。LCMS[M+1]:558.2。
1H NMR(400MHz,MeOD):δ=7.82(d,J=7.8Hz,1H),7.67(d,J=8.0Hz,1H),7.53(dd,J=1.2,7.2Hz,1H),7.48(dt,J=2.4,7.6Hz,1H),7.37(t,J=8.0Hz,1H),7.34-7.30(m,1H),4.37-4.23(m,2H),4.17-4.07(m,2H),4.05-3.89(m,1H),3.73-3.62(m,1H),3.61-3.53(m,1H),3.28-3.23(m,1H),3.21-3.12(m,2H),3.11-2.95(m,5H),2.88-2.80(m,1H),2.74-2.65(m,4H),2.65-2.57(m,1H),2.09-1.99(m,2H),1.95-1.81(m,4H),1.75-1.65(m,2H)。ステップC.(S)-2-(4-(7-(8-クロロナフタレン-1-イル)-2-((テトラヒドロ-1H-ピロリジン-7a(5H)-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-2-イル)アセトニトリル(40.0mg、71.7μmol、1.00当量)および2-フルオロプロパ-2-エン酸(12.9mg、143μmol、2.00当量)のDMF(2.00mL)中溶液に、DIEA(37.5μL、215μmol、3.00の式)およびT3P(42.6μL、143μmol、2.00当量)を加えた。混合物を15℃で1時間撹拌した。反応混合物を水(10.0mL)で希釈し、酢酸エチル(20.0mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(40.0mL×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、残留物を得た。残留物を分取HPLC(中性条件)により精製して、(S)-2-(4-(7-(8-クロロナフタレン-1-イル)-2-((テトラヒドロ-1H-ピロリジン-7a(5H)-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)-1-(2-フルオロアクリロイル)ピペラジン-2-イル)アセトニトリル(11.6mg、17.3μmol、24.2%収率、94.4%純度)を白色固体として得た。LCMS[M+1]:630.4。
1H NMR(400MHz,MeOD)δ=7.82(dd,J=0.8,8.0Hz,1H),7.67(d,J=8.0Hz,1H),7.53(dd,J=1.2,7.6Hz,1H),7.51-7.46(m,1H),7.37(t,J=8.0Hz,1H),7.34-7.29(m,1H),5.41-5.23(m,2H),4.35-4.29(m,1H),4.21-4.08(m,4H),3.75-3.65(m,1H),3.63-3.57(m,1H),3.50-3.38(m,1H),3.29-3.27(m,1H),3.26-2.88(m,8H),2.75-2.62(m,3H),2.09-1.80(m,7H),1.75-1.65(m,2H)。
【0318】
実施例130
【化222】
ステップA:tert-ブチル(S)-4-(4-((ベンジルオキシ)カルボニル)-3-(シアノメチル)ピペラジン-1-イル)-2-(メチルスルホニル)-5,8-ジヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-7(6H)-カルボキシレート(225mg、394μmol、1.0当量)および1-テトラヒドロピラン-4-イルピペリジン-4-オール(110mg、591μmol、1.5当量)のトルエン(4mL)中混合物に、4Åモレキュラーシーブ(100mg)を加えた。0℃で0.5時間撹拌した後、t-BuONa(75.8mg、789μmol、2.0当量)を加え、混合物を0℃で0.5時間撹拌した。撹拌が完了したら、反応混合物を濾過し、酢酸エチル(12mL)および水(10mL)で希釈した。水相を分離し、酢酸エチル(2×10mL)で抽出した。合わせた有機層を飽和ブライン(10mL)で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO
2、石油エーテル/酢酸エチル=1/1~0/1)により精製して、tert-ブチル(S)-4-(4-((ベンジルオキシ)カルボニル)-3-(シアノメチル)ピペラジン-1-イル)-2-((1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)ピペリジン-4-イル)オキシ)-5,8-ジヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-7(6H)-カルボキシレート(216mg、278μmol、70%収率、86.8%純度)を黄色固体として得た。LCMS[M+1]:676。
【0319】
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ=7.41-7.36(m,5H),5.19(s,2H),4.95(br d,J=3.2Hz,1H),4.72-4.57(m,2H),4.34(br d,J=18.8Hz,1H),4.04(br dd,J=3.6,11.2Hz,2H),3.89-3.97(br m,1H),3.84-3.71(m,1H),3.34-3.26(m,5H),2.97(dt,J=3.2,12.4Hz,1H),2.91-2.78(m,3H),2.75-2.62(m,3H),2.61-2.42(m,4H),2.09-2.06(m,1H),2.05-2.01(m,1H),1.92-1.83(m,2H),1.77(br d,J=10.8Hz,2H),1.71-1.63(m,3H),1.49(s,9H)。
【0320】
tert-ブチル(S)-4-(4-((ベンジルオキシ)カルボニル)-3-(シアノメチル)ピペラジン-1-イル)-2-((1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)ピペリジン-4-イル)オキシ)-5,8-ジヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-7(6H)-カルボキシレート(380mg、562μmol、1.0当量)のアセトニトリル(2mL)中混合物に、HCl・ジオキサン(4.0M、4mL、29当量)を加えた。混合物を0~15℃で1時間撹拌した。撹拌が完了したら、混合物を減圧下で濃縮し、混合物を飽和NaHCO3水溶液で希釈した。水相をジクロロメタン/メタノール=10/1(3×2mL)で抽出し、有機層をNa2SO4上で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、ベンジル(S)-2-(シアノメチル)-4-(2-((1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)ピペリジン-4-イル)オキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート(307mg)を黄色固体として得、精製せずに次のステップに使用した。LCMS[M+1]:576。
【0321】
ベンジル(S)-2-(シアノメチル)-4-(2-((1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)ピペリジン-4-イル)オキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート(201mg、834μmol)、RuPhos(51.9mg、111μmol)、Cs2CO3(543mg、1.67mmol)のトルエン(6mL)中混合物に、Pd2(dba)3(50.9mg、55.6μmol)を窒素雰囲気下で加えた。混合物を100℃で3時間加熱した。混合物を室温に冷却し、酢酸エチル(8mL)および水(8mL)で希釈した。水相を酢酸エチル(2×7mL)で抽出し、合わせた有機層を飽和ブライン(10mL)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物を逆相フラッシュ[水(0.1%ギ酸)/アセトニトリル]により精製して、ベンジル(S)-4-(7-(8-クロロナフタレン-1-イル)-2-((1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)ピペリジン-4-イル)オキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)-2-(シアノメチル)ピペラジン-1-カルボキシレート(120mg、143μmol、2ステップで26%収率、87.5%純度)を褐色固体として得た。LCMS[M+1]:736。
ステップB:ベンジル(S)-4-(7-(8-クロロナフタレン-1-イル)-2-((1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)ピペリジン-4-イル)オキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)-2-(シアノメチル)ピペラジン-1-カルボキシレート(118mg、160μmol、1.0当量)および4Åモレキュラーシーブ(50mg)のアセトニトリル(2mL)中混合物に、NaI(384mg、2.56mmol、16当量)を加えた。混合物を0℃で0.5時間撹拌し、続いて0℃でTMSCl(261mg、2.40mmol、305μL、15当量)を加えた。混合物を15℃で16時間撹拌し、続いてアルミナプラグ(Al2O3、酢酸エチル/メタノール=10/1~0/1)に直接ロードした。この物質を逆相フラッシュ[水(0.1%ギ酸)/アセトニトリル]により精製して、(S)-2-(4-(7-(8-クロロナフタレン-1-イル)-2-((1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)ピペリジン-4-イル)オキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-2-イル)アセトニトリル(62.0mg、94.7μmol、59%収率、91.9%純度)を黄色固体として得た。LCMS[M+1]:602。
【0322】
(S)-2-(4-(7-(8-クロロナフタレン-1-イル)-2-((1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)ピペリジン-4-イル)オキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-2-イル)アセトニトリル(47.0mg、78.1μmol、1.0当量)、2-フルオロプロパ-2-エン酸(14.1mg、156μmol、2.0当量)、4Åモレキュラーシーブ(20mg)およびDIEA(40.4mg、312μmol、54.4μL、4.0当量)のジクロロメタン(2mL)中混合物に、HATU(59.4mg、156.10μmol、2.0当量)を0℃で加えた。混合物を0℃で30分間撹拌した。混合物をジクロロメタン(4mL)および(水3mL)で希釈した。水相を収集し、ジクロロメタン(2×3mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(5mL)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、粗残留物を得た。残留物をカラムクロマトグラフィー(Al2O3、酢酸エチル/メタノール=10/1)、続いて分取HPLC(カラム:Waters Xbridge 150*50 10μm;移動相:[水(0.05%水酸化アンモニアv/v)-ACN];B%:47%~77%、10分)により精製した。凍結乾燥により、(S)-2-(4-(7-(8-クロロナフタレン-1-イル)-2-((1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)ピペリジン-4-イル)オキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)-1-(2-フルオロアクリロイル)ピペラジン-2-イル)アセトニトリル(11.6mg、17.2μmol、22%収率、99%純度)をオフホワイト固体として得た。LCMS[M+1]:674。
【0323】
SFC条件:Chiralcel OD-3 50×4.6mm I.D.、3μm。移動相:CO2の場合はフェーズA、MeOH+ACN(0.05%DEA)の場合はフェーズB、グラジエント溶出:CO2中の40%MeOH+ACN(0.05%DEA)。流速:3mL/分、波長:220nm。カラム温度:35℃、背圧:100バール。
【0324】
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ=7.78-7.74(m,1H),7.62(t,J=7.6Hz,1H),7.55-7.51(d,J=7.6Hz,1H),7.45(dt,J=7.6,14.0Hz,1H),7.34(t,J=7.6Hz,1H),7.28-7.19(m,1H),5.52-5.34(m,1H),5.26(dd,J=3.2,16.4Hz,1H),5.03-4.62(m,2H),4.49-4.37(m,1H),4.24-3.77(m,6H),3.60(br dd,J=3.2,11.6Hz,1H),3.48-3.32(m,3H),3.30-2.67(m,8H),2.63-2.38(m,4H),2.13-2.01(m,2H),1.89(br d,J=8.6Hz,2H),1.82-1.71(m,2H),1.69-1.61(m,2H)。
【0325】
実施例131
【化223】
ステップA:tert-ブチル(S)-2-(シアノメチル)-4-(2-(((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート(335mg、1.09mmol、1.6当量)、キサントホス(78.5mg、136μmol、0.2当量)、キサントホスPd G3(129mg、136μmol、0.2当量)、4Åモレキュラーシーブ(200mg)およびCs
2CO
3(553mg、1.70mmol、2.5当量)のトルエン(10.0mL)中混合物を窒素下、100℃で16時間撹拌した。続いて、混合物を、Al
2O
3カラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=1:1~酢酸エチル/メタノール= 10:1)、続いて逆相フラッシュクロマトグラフィー[水(0.1%ギ酸)/アセトニトリル]により精製して、tert-ブチル(S)-2-(シアノメチル)-4-(7-(7-フルオロ-8-メチルナフタレン-1-イル)-2-(((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート(287mg、437μmol、64.5%収率、96%純度)を黄色固体として得た。LCMS[M+1]:630。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ=7.67(ddd,J=2.0,6.0,8.4Hz,1H),7.60(t,J=8.4Hz,1H),7.41-7.31(m,1H),7.27-7.18(m,2H),4.68-4.55(m,1H),4.44-4.33(m,1H),4.31-4.15(m,2H),4.09-3.73(m,4H),3.60-3.48(m,1H),3.40-3.29(m,1H),3.22-2.90(m,5H),2.84(d,J=3.2Hz,3H),2.80-2.56(m,4H),2.48(d,J=3.6Hz,3H),2.34-2.24(m,1H),2.05-1.99(m,1H),1.86-1.70(m,3H),1.52(s,9H)。
tert-ブチル(S)-2-(シアノメチル)-4-(7-(7-フルオロ-8-メチルナフタレン-1-イル)-2-(((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート(50.0mg、79.4μmol、1.0当量)のアセトニトリル(2.0mL)中溶液に、ジオキサン(4M、2.0mL、101当量)中のHClを0℃で加えた。混合物を0℃で0.5時間撹拌し、次いで40℃で減圧下で濃縮した。残留物に飽和Na
2CO
3水溶液(10mL)を加え、水層を酢酸エチル(5mL×3)で抽出した。合わせた有機層を無水Na
2SO
4で乾燥し、濾過した。濾液を40℃で減圧下で濃縮した。残留物を分取HPLC(基本条件;カラム:Waters Xbridge 150
*50 10μm;移動相:[水(0.05%水酸化アンモニアv/v-ACN];B%:50%~77%、10分)および凍結乾燥により精製して、2-((S)-4-(7-(7-フルオロ-8-メチルナフタレン-1-イル)-2-(((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-2-イル)アセトニトリル(14mg、26.4μmol、33.3%収率、99.9%純度)を黄色固体として得た。LCMS[M+1]:530。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ=7.67(dd,J=6.0,8.8Hz,1H),7.63-7.58(m,1H),7.36(dt,J=4.4,7.6Hz,1H),7.23(t,J=8.8Hz,2H),4.39(ddd,J=4.8,10.8,11.6Hz,1H),4.23(dd,J=6.4,18.0Hz,1H),4.14(td,J=7.2,10.4Hz,1H),4.08-3.90(m,1H),3.90-3.71(m,2H),3.59-3.44(m,1H),3.39-3.21(m,1H),3.21-2.88(m,7H),2.88-2.83(m,3H),2.73-2.62(m,1H),2.61-2.51(m,3H),2.47(d,J=2.8Hz,3H),2.33-2.23(m,1H),2.11-2.00(m,1H),1.90-1.75(m,3H)。
ステップB:2-((S)-4-(7-(7-フルオロ-8-メチルナフタレン-1-イル)-2-(((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-2-イル)アセトニトリル(80.0mg、151μmol、1.0当量)、4Åモレキュラーシーブ(50.0mg)および2-フルオロプロパ-2-エン酸(40.8mg、453μmol、3.0当量)の酢酸エチル(3.0mL)中混合物を、0℃で10分間撹拌した。この混合物に、TEA(61.1mg、604μmol、84.1μL、4.0当量)およびT3P(384mg、604μmol、359μL、EtOAc中の50%純度、4.0当量)を0℃で加えた。混合物を0℃で20分間撹拌し、その後、混合物を飽和水溶液NH
4Cl水溶液(100mL)でクエンチした。水層を酢酸エチル(60mL×3)で抽出し、合わせた有機層を無水Na
2SO
4で乾燥し、濾過し、濃縮した。残留物を分取HPLC(基本条件;カラム:Xtimate C18 150
*25mm
*5μm;移動相:[水(0.05%水酸化アンモニアv/v-ACN];B%:57%~87%、10分)および凍結乾燥により精製して、2-((S)-4-(7-(7-フルオロ-8-メチルナフタレン-1-イル)-2-(((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)-1-(2-フルオロアクリロイル)ピペラジン-2-イル)アセトニトリル(31mg、51.2μmol、33.9%収率、99.4%純度)をオフホワイト固体として得た。LCMS[M+1]:602。
SFC条件:カラム:Chiralcel OJ-3 50×4.6mm I.D.、3μm、移動相:5%~40%のCO
2中メタノール(0.05%DEA)、流速:3mL/分、波長:220nm。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ=7.67(dd,J=6.4,8.8Hz,1H),7.61(t,J=8.0Hz,1H),7.41-7.31(m,1H),7.27-7.18(m,2H),5.53-5.33(m,1H),5.26(dd,J=3.6,16.8Hz,1H),5.09-4.52(m,1H),4.42-4.33(m,1H),4.31-4.20(m,1H),4.19-4.10(m,2H),4.10-3.87(m,2H),3.87-3.72(m,1H),3.71-3.23(m,3H),3.23-2.94(m,5H),2.93-2.86(m,1H),2.85-2.82(m,3H),2.72-2.56(m,2H),2.47(d,J=3.2Hz,3H),2.34-2.22(m,1H),2.10-1.99(m,1H),1.88-1.74(m,3H)。
【0326】
一般反応スキーム、実施例130および131、ならびに本明細書に提供される例示的な中間体の教示に従って、実施例132~137を表3に示すように合成した。
【表4-1】
【表4-2】
【0327】
実施例138
【化224】
ステップA:(テトラヒドロ-1H-ピロリジン-7a(5H)-イル)メタノール(1.34g、9.48mmol)のTHF(30mL)中混合物に、NaH(474mg、11.9mmol、60%純度)を加えた。15℃で0.5時間撹拌した後、THF(20mL)中のベンジル4-((S)-4-(tert-ブトキシカルボニル)-3-(シアノメチル)ピペラジン-1-イル)-2-(メチルスルフィニル)-5,8-ジヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-7(6H)-カルボキシレート(2.63g、4.74mmol)を0℃で上記の混合物に加え、混合物を0℃で1時間撹拌した。撹拌が完了したら、混合物をH
2O(65mL)でクエンチし、分離した。水相を酢酸エチル(3×40mL)で抽出した。次いで、有機層を飽和ブライン(50mL)で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥し、濾過し、真空下で濃縮した。残留物を逆相フラッシュ[水(0.1%ギ酸)/アセトニトリル]により精製して、ベンジル(S)-4-(4-(tert-ブトキシカルボニル)-3-(シアノメチル)ピペラジン-1-イル)-2-((テトラヒドロ-1H-ピロリジン-7a(5H)-イル)メトキシ)-5,8-ジヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-7(6H)-カルボキシレート(1.9g、3.00mmol、2ステップで63%収率、>99.5%純度)を褐色固体として得た。LCMS[M+1]:632。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ=7.43-7.30(m,5H),5.18(s,2H),4.69(br d,J=19.2Hz,1H),4.58(br s,1H),4.45(d,J=18.8Hz,1H),4.09-3.74(m,6H),3.49-3.36(m,1H),3.31-3.04(m,4H),3.03-2.90(m,1H),2.81-2.55(m,6H),2.07(br s,1H),2.01(br s,1H),1.90-1.81(m,4H),1.69-1.62(m,2H),1.51(s,9H),1.27(t,J=7.2Hz,1H)。
ステップB:ベンジル(S)-4-(4-(tert-ブトキシカルボニル)-3-(シアノメチル)ピペラジン-1-イル)-2-((テトラヒドロ-1H-ピロリジン-7a(5H)-イル)メトキシ)-5,8-ジヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-7(6H)-カルボキシレート(1.90g、3.01mmol、1.0当量)のMeOH(84mL)中混合物に、Pd/C(190mg、10%純度)およびNH
3・MeOH(12mL、メタノール中の40%純度)を加えた。混合物をH
2の15psi下、30℃で2間撹拌した。撹拌が完了したら、反応混合物をセライトパッドを通して濾過し、真空中で濃縮し、tert-ブチル(S)-2-(シアノメチル)-4-(2-((テトラヒドロ-1H-ピロリジン-7a(5H)-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート(1.42g、2.85mmol、95%収率、>99.5%純度)を黄色固体として得、さらに精製せずに次のステップに使用した。LCMS[M+1]:498。
ステップC:tert-ブチル(S)-2-(シアノメチル)-4-(2-((テトラヒドロ-1H-ピロリジン-7a(5H)-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート(1.25g、2.51mmol、1.0当量)、8-クロロ-7-フルオロナフタレン-1-イルトリフルオロメタンスルホネート(1.24g、3.77mmol、1.5当量)、4Åモレキュラーシーブ(600mg)、RuPhos(234mg、502μmol、0.2当量)およびCs
2CO
3(2.46g、7.54mmol、3当量)のトルエン(25mL)中混合物に、Pd
2(DBA)
3(230mg、251μmol、0.1当量)をN
2下で加えた。混合物を脱気し、次いで、N
2下、95℃に6時間加熱した。撹拌が完了したら、混合物を濾過した。次いで、混合物を酢酸エチル(10mL)および水(25mL)で希釈し、分離した。水相を酢酸エチル(1×15mL)で抽出した。次いで、有機層を飽和ブライン(20mL)で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥し、濾過し、真空下で濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO
2、石油エーテル/酢酸エチル=1/1)および逆相フラッシュ[水(0.1%ギ酸)/アセトニトリル]により精製して、tert-ブチル(S)-4-(7-(8-クロロ-7-フルオロナフタレン-1-イル)-2-((テトラヒドロ-1H-ピロリジン-7a(5H)-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)-2-(シアノメチル)ピペラジン-1-カルボキシレート(0.95g、1.40mmol、56%収率、99.6%純度)を褐色固体として得た。LCMS[M+1,M/2+1]:676、339。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ=7.77-7.71(m,1H),7.60(t,J=8.0Hz,1H),7.46-7.36(m,1H),7.35-7.28(m,1H),7.23(d,J=7.6Hz,1H),4.61(br s,1H),4.46-4.33(m,1H),4.03(br s,4H),3.99-3.80(m,2H),3.59-3.49(m,1H),3.35(br dd,J=3.6,14.0Hz,1H),3.27-2.50(m,11H),2.16-2.06(m,2H),1.88(br d,J=5.2Hz,4H),1.72-1.63(m,2H),1.52(s,9H)。
tert-ブチル(S)-4-(7-(8-クロロ-7-フルオロナフタレン-1-イル)-2-((テトラヒドロ-1H-ピロリジン-7a(5H)-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)-2-(シアノメチル)ピペラジン-1-カルボキシレート(50.0mg、73.9μmol、1.0当量)のアセトニトリル(0.5mL)中混合物に、HCl(ジオキサン中4M、1.00mL、54当量)を加えた。混合物を15℃で0.5時間撹拌した。撹拌が完了したら、混合物を真空下で濃縮した。次いで、飽和Na
2CO
3溶液(1mL)でpH値を9に調整し、混合物をメタノール(2×5mL)で洗浄し、濾過し、真空下で濃縮した。残留物を分取HPLC(カラム:Waters Xbridge 150
*25mm
*5μm;移動相:[水(10mMのNH
4HCO
3)-ACN];B%:30%~60%、10分)により精製して、(S)-2-(4-(7-(8-クロロ-7-フルオロナフタレン-1-イル)-2-((テトラヒドロ-1H-ピロリジン-7a(5H)-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-2-イル)アセトニトリル(21.3mg、36.9μmol、49.96%収率、>99.5%)をオフホワイト固体として得た。LCMS[M+1,M/2+1]:576、289。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ=7.78-7.71(m,1H),7.63-7.57(m,1H),7.42(q,J=6.8Hz,1H),7.35-7.28(m,1H),7.24(br s,1H),4.39(br dd,J=6.4,17.8Hz,1H),4.10-4.00(m,2H),3.95-3.81(m,2H),3.79-3.27(m,2H),3.25-3.01(m,7H),2.99-2.82(m,2H),2.69-2.44(m,5H),2.15-2.02(m,2H),1.89-1.81(m,4H),1.69-1.59(m,2H)。
ステップD:(S)-2-(4-(7-(8-クロロ-7-フルオロナフタレン-1-イル)-2-((テトラヒドロ-1H-ピロリジン-7a(5H)-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-2-イル)アセトニトリル(534mg、927μmol、1.0当量)、2-フルオロプロパ-2-エン酸(167mg、1.85mmol、2.0当量)、DIEA(4.80g、3.71mmol、646μL、4.0当量)および4Åモレキュラーシーブ(250mg)のジクロロメタン(10mL)中混合物に、HATU(705mg、1.85mmol、2.0当量)を0℃で加えた。混合物を0℃で0.5時間撹拌した。撹拌が完了したら、混合物を濾過した。次いで、混合物をジクロロメタン(5mL)および水(10mL)で希釈し、分離した。水相をジクロロメタン(2×10mL)で抽出した。次いで、有機層を飽和ブライン(15mL)で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥し、濾過し、真空下で濃縮した。残留物を分取HPLC(カラム:WelchXtimate C18 100
*25mm
*3μm;移動相:[水(0.04%NH
3H
2O)-ACN];B%:30%~60%、11分)により精製し、(S)-2-(4-(7-(8-クロロ-7-フルオロナフタレン-1-イル)-2-((テトラヒドロ-1H-ピロリジン-7a(5H)-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)-1-(2-フルオロアクリロイル)ピペラジン-2-イル)アセトニトリル(272mg、414.20μmol、45%収率、98.7%純度)を褐色固体として得た。LCMS[M+1,M/2+1]:648、325。
SFC条件:Chiralcel OD-3 50×4.6mm I.D.、3μm、移動相:CO
2の場合はフェーズA、MeOH+ACN(0.05%DEA)の場合はフェーズB、グラジエント溶出:CO
2中の50%MeOH+ACN(0.05%DEA),流速:3mL/分、波長:220nm カラム温度:35℃、背圧:100バール。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ=7.74-7.68(m,1H),7.59-7.53(m,1H),7.43-7.35(m,1H),7.29(s,1H),7.26-7.21(m,1H),5.42-5.15(m,2H),4.98-4.60(m,1H),4.43-4.17(m,4H),4.16-3.91(m,2H),3.84(br t,J=17.7Hz,1H),3.53-3.35(m,4H),3.26-3.00(m,4H),2.97-2.75(m,4H),2.63-2.49(m,1H),2.25-2.10(m,2H),1.99-1.96(m,4H),1.86-1.74(m,2H)。
【0328】
実施例139
【化225】
ステップA:(1,2-ジメチルピロリジン-2-イル)メタノール(512mg、3.97mmol、2.0当量)のTHF(20mL)中混合物に、NaH(238mg、5.95mmol、60%純度、3.0当量)を加えた。0℃で30分間撹拌した後、THF(10mL)中のベンジル4-((S)-4-(tert-ブトキシカルボニル)-3-(シアノメチル)ピペラジン-1-イル)-2-(メチルスルフィニル)-5,8-ジヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-7(6H)-カルボキシレート(1.1g、1.98mmol、1当量)を0℃で上記の混合物に加え、混合物を0℃で1時間撹拌した。反応混合物を水(30mL)で希釈し、酢酸エチル(3×30mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(30mL)で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO
2、石油エーテル/酢酸エチル=3/1~0/1)により精製して残留物を得、逆相フラッシュ[水(0.1%ギ酸)/アセトニトリル]によりさらに精製して、ベンジル4-((S)-4-(tert-ブトキシカルボニル)-3-(シアノメチル)ピペラジン-1-イル)-2-((1,2-ジメチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,8-ジヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-7(6H)-カルボキシレート(410mg、33%収率、99.2%純度)を黄色固体として得た。
ステップB:4-((S)-4-(tert-ブトキシカルボニル)-3-(シアノメチル)ピペラジン-1-イル)-2-((1,2-ジメチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,8-ジヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-7(6H)-カルボキシレート(390mg、629μmol、1.0当量)のメタノール(8.0mL)中溶液に、乾燥Pd/C(50mg、10%純度)およびNH
3・MeOH(4.0mL、20%純度)をN
2下で加えた。この懸濁液に、H
2により真空脱気およびパージを数回行った。混合物をH
2(15psi)下、15℃で1時間撹拌した。懸濁液をセライトパッドに通して濾過し、パッドをエタノール(3×15mL)で洗浄した。合わせた濾液を濃縮して、tert-ブチル(2S)-2-(シアノメチル)-4-(2-((1,2-ジメチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート(220mg、70%収率、96.7%純度)を白色固体として得た。LCMS[M+1]:486。
ステップC:tert-ブチル(2S)-2-(シアノメチル)-4-(2-((1,2-ジメチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート(200mg、412μmol、1.0当量)、(8-クロロ-7-フルオロ-1-ナフチル)トリフルオロメタンスルホネート(203mg、618μmol、1.5当量)、4Åモレキュラーシーブ(100mg)、RuPhos(38.4mg、82.4μmol、0.2当量)およびCs
2CO
3(402mg、1.24mmol、3.0当量)のトルエン(4.0mL)中混合物に、Pd
2(dba)
3(37.7mg、41.2μmol、0.1当量)をN
2下で加えた。混合物を脱気し、次いで、N
2下、95℃に6時間加熱した。反応混合物を水(10mL)で希釈し、酢酸エチル(3×10mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(20mL)で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル/酢酸エチル=1/0~20/1)により精製した。残留物を逆相フラッシュカラムクロマトグラフィー[水(0.1%ギ酸)/アセトニトリル]により精製して、tert-ブチル(2S)-4-(7-(8-クロロ-7-フルオロナフタレン-1-イル)-2-((1,2-ジメチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)-2-(シアノメチル)ピペラジン-1-カルボキシレート(120mg、36%収率、81.8%純度)を黄色固体として得た。LCMS[M+1]:664。
tert-ブチル(2S)-4-(7-(8-クロロ-7-フルオロナフタレン-1-イル)-2-((1,2-ジメチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)-2-(シアノメチル)ピペラジン-1-カルボキシレート(60mg、90.3μmol、1.0当量)のアセトニトリル(1.0mL)中溶液に、HCl(ジオキサン中4M、2.0mL)を0℃で加え、混合物を0℃で30分間撹拌した。反応混合物を水(20mL)で希釈し、酢酸エチル(3×30mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(30mL)で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物を分取HPLC(カラム:Waters X bridge 150
*25mm
*5μm;移動相:[水(0.05%水酸化アンモニウムv/v)-ACN];B%:48%~68%、10分)により精製した。所望の画分を集め、真空下で濃縮した。混合物を凍結乾燥して、2-((2S)-4-(7-(8-クロロ-7-フルオロナフタレン-1-イル)-2-((1,2-ジメチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-2-イル)アセトニトリル(9.88mg、19%収率)を白色固体として得た。LCMS[M+1]:564。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ=7.75(dd,J=5.6,8.8Hz,1H),7.60(d,J=8.0Hz,1H),7.42(td,J=1.9,7.8Hz,1H),7.35-7.28(m,1H),7.27-7.24(m,1H),4.39(br d,J=17.6Hz,1H),4.31-4.00(m,2H),3.97-3.80(m,2H),3.80-3.69(m,1H),3.58-3.46(m,1H),3.40-2.84(m,8H),2.79-2.64(m,1H),2.61-2.48(m,3H),2.44(br s,3H),2.14-1.98(m,1H),1.94-1.79(m,3H),1.17(s,3H)。
ステップD:2-((2S)-4-(7-(8-クロロ-7-フルオロナフタレン-1-イル)-2-((1,2-ジメチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-2-イル)アセトニトリル(60mg、106μmol、1.0当量)および2-フルオロプロパ-2-エン酸(28.7mg、319μmol、3.0当量)の酢酸エチル(1.0mL)中溶液に、4Åモレキュラーシーブ(50mg)、Et
3N(86.1mg、851μmol、118μL、8.0当量)、T3P(203mg、319μmol、190μL、酢酸エチル中の50%純度、3.0当量)を加えた。混合物を0℃で30分間撹拌した。反応混合物を水(10mL)で希釈し、酢酸エチル(3×10mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(10mL)で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物を分取HPLC(カラム:Waters X bridge 150
*25mm
*5μm;移動相:[水(10mMのNH
4HCO
3)-ACN];B%:42%~72%、10分)により精製した。所望の画分を集め、真空下で濃縮した。次いで、混合物を凍結乾燥して、2-((2S)-4-(7-(8-クロロ-7-フルオロナフタレン-1-イル)-2-((1,2-ジメチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)-1-(2-フルオロアクリロイル)ピペラジン-2-イル)アセトニトリル(33.6mg、47%収率)を黄色固体として得た。LCMS[M+1]:636。
SFC条件:カラム:Chiralpak IC-3 50×4.6mm I.D.、3μm。移動相:CO
2の場合はフェーズA、MeOH+ACN(0.05%DEA)の場合はフェーズB、グラジエント溶出:CO
2中の60%MeOH+ACN(0.05%DEA)。流速:3mL/分、波長:220nm。カラム温度:35℃、背圧:100バール。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ=7.75-7.73(m,1H),7.61(t,J=6.8Hz,1H),7.48-7.38(m,1H),7.36-7.28(m,1H),7.26-7.23(m,1H),5.53-5.32(m,1H),5.31-5.19(m,1H),5.10-4.57(m,1H),4.48-4.34(m,1H),4.23-3.80(m,6H),3.64-3.36(m,2H),3.31-2.74(m,7H),2.72-2.52(m,2H),2.43-2.34(m,3H),2.10-1.98(m,1H),1.87-1.65(m,3H),1.19-1.11(m,3H)。
【0329】
一般反応スキーム、実施例138および139、ならびに本明細書に提供される例示的な中間体の教示に従って、実施例140~146を表4に示すように合成した。
【表5-1】
【表5-2】
【表5-3】
【0330】
実施例147
【化226】
ステップA:(S)-(1-イソプロピルピロリジン-2-イル)メタノール、tBuONa(217mg、2.25mmol、3.0当量)および4ÅMS(500mg)のトルエン(10mL)中の溶液に、トルエン(3.0mL)中のtert-ブチル(2S)-4-(7-(8-クロロ-7-フルオロナフタレン-1-イル)-2-(メチルスルフィニル)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)-2-(シアノメチル)ピペラジン-1-カルボキシレート(450mg、751μmol、1.0当量)を0℃で加えた。反応混合物を0℃で10分間撹拌した。撹拌が完了したら、反応混合物を酢酸エチル(20mL)および水(8mL)で希釈した。混合物を分離した。有機層をブライン(3×10mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、真空下で濃縮し、これを逆相フラッシュ[水(0.1%ギ酸)/アセトニトリル]により精製した。画分を真空下で濃縮し、飽和NaHCO
3(5mL)で塩基性化し、酢酸エチル(3×10mL)で抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮して、tert-ブチル(S)-4-(7-(8-クロロ-7-フルオロナフタレン-1-イル)-2-(((S)-1-イソプロピルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)-2-(シアノメチル)ピペラジン-1-カルボキシレート(200mg、38%収率、98%純度)を黄色固体として得た。LCMS[M+1]:678。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ7.69-7.65(m,1H),7.53(t,J=8.8Hz,1H),7.35(td,J=7.6,17.6Hz,1H),7.28-7.20(m,2H),4.61-4.48(m,1H),4.38-4.25(m,1H),4.23-4.15(m,1H),4.02-3.70(m,5H),3.54-3.42(m,1H),3.34-2.78(m,9H),2.70-2.58(m,1H),2.54-2.36(m,2H),1.85-1.65(m,4H),1.45(s,9H),1.07(d,J=6.4Hz,3H),0.99(d,J=6.4Hz,3H)。
ステップB:tert-ブチル(S)-4-(7-(8-クロロ-7-フルオロナフタレン-1-イル)-2-(((S)-1-イソプロピルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)-2-(シアノメチル)ピペラジン-1-カルボキシレートのMeCN(0.2mL)中溶液に、HCl(ジオキサン中4M、184μL、10当量)を25℃で加えた。反応混合物を25℃で0.5時間撹拌した。反応混合物を飽和Na
2CO
3水溶液でpH>8まで塩基性化し、酢酸エチル(3×5mL)で抽出し、合わせた有機層を真空下で濃縮し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、真空下で濃縮して、粗製物を得、これを分取HPLC(カラム:Waters Xbridge 150×25mm×5μm;移動相:[水(10mMのNH
4HCO
3)-ACN];B%:40%~70%、10分)により精製し、続いて凍結乾燥し、2-((S)-4-(7-(8-クロロ-7-フルオロナフタレン-1-イル)-2-(((S)-1-イソプロピルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-2-イル)アセトニトリル(15.8mg、37%収率)を得た。白色固体、LCMS[M+1]:578。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ7.77-7.73(m,1H),7.65-7.58(m,1H),7.43(dt,J=5.2,7.6Hz,1H),7.36-7.27(m,2H),4.37(dd,J=4.8,17.6Hz,1H),4.28(ddd,J=4.0,10.4,16.4Hz,1H),4.06-3.70(m,4H),3.58-3.47(m,1H),3.36-2.87(m,10H),2.60-2.45(m,4H),1.98-1.73(m,4H),1.15(dd,J=2.4,6.4Hz,3H),1.07(d,J=6.4Hz,3H)。
ステップC:2-((S)-4-(7-(8-クロロ-7-フルオロナフタレン-1-イル)-2-(((S)-1-イソプロピルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-2-イル)アセトニトリル(124mg、214μmol、1.0当量)、4ÅMS(120mg)および2-フルオロプロパ-2-エン酸(38.6mg、429μmol、2.0当量)の酢酸エチル(4mL)中反応混合物を、25℃で10分間撹拌した。この混合物に、TEA(407mg、4.03mmol、560μL、18.8当量)およびT3P(546mg、858μmol、510μL、50%純度、4.0当量)を0℃で加えた。反応混合物を25℃で0.5時間撹拌した。反応混合物を水(4mL)でクエンチし、酢酸エチル(3×6mL)で抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、真空下で濃縮して、粗製物質を得、これを分取HPLC(カラム:Waters Xbridge 150×25mm×5μm;移動相:[水(10mMのNH
4HCO
3)-ACN];B%:47%~77%、10分)により精製し、2-((S)-4-(7-(8-クロロ-7-フルオロナフタレン-1-イル)-2-(((S)-1-イソプロピルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)-1-(2-フルオロアクリロイル)ピペラジン-2-イル)アセトニトリル(45.9mg、32%収率)を黄色固体として得た。LCMS[M+1]:650。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ7.77-7.73(m,1H),7.65-7.58(m,1H),7.43(dt,J=5.2,7.6Hz,1H),7.36-7.27(m,2H),4.37(dd,J=4.8,17.6Hz,1H),4.28(ddd,J=4.0,10.4,16.4Hz,1H),4.06-3.70(m,4H),3.58-3.47(m,1H),3.36-2.87(m,10H),2.60-2.45(m,4H),1.98-1.73(m,4H),1.15(dd,J=2.4,6.4Hz,3H),1.07(d,J=6.4Hz,3H)。
SFC条件:Chiralcel OJ-3 50×4.6mm I.D.、3μm、移動相:CO
2の場合はフェーズA、MeOH(0.05%DEA)の場合はフェーズB、グラジエント溶出:CO
2中のMeOH(0.05%DEA)5%~40% 流速:3mL/分、波長:220nm カラム温度:35℃、背圧:100バール。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ7.77-7.73(m,1H),7.65-7.58(m,1H),7.46-7.38(m,1H),7.35-7.27(m,2H),5.53-5.33(m,1H),5.26(dd,J=3.6,16.8Hz,1H),5.03-4.71(m,1H),4.46-4.33(m,1H),4.32-4.24(m,1H),4.15-3.81(m,5H),3.63-3.50(m,1H),3.48-3.37(m,1H),3.31-2.75(m,9H),2.65-2.47(m,2H),1.94-1.73(m,4H),1.14(d,J=6.4Hz,3H),1.07(d,J=6.4Hz,3H)。
【0331】
実施例148
【化227】
ステップA:2-(メチル(2,2,2-トリフルオロエチル)アミノ)エタン-1-オール(524mg、3.34mmol、4.0当量)のトルエン(10mL)中溶液に、4Åモレキュラーシーブ(500mg)を15℃で加えた。反応混合物を15℃で30分間撹拌した。この後、反応混合物を0℃に冷却し、t-BuONa(481mg、5.01mmol、6.0当量)を加え、続いてtert-ブチル(2S)-4-(7-(8-クロロ-7-フルオロナフタレン-1-イル)-2-(メチルスルフィニル)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)-2-(シアノメチル)ピペラジン-1-カルボキシレート(500mg、834μmol、1.0当量)を0℃で何度かに分けて加えた。反応混合物を0℃で1時間撹拌した。撹拌が完了したら、反応混合物を0℃で水(10mL)でクエンチし、酢酸エチル(20mL)で希釈して、分離した。水層を酢酸エチル(10mL)で抽出した。合わせた有機層をNa
2SO
4上で乾燥し、減圧下で濃縮した。残留物を逆相フラッシュクロマトグラフィー[水(0.1%ギ酸)/アセトニトリル]により精製して、tert-ブチル(S)-4-(7-(8-クロロ-7-フルオロナフタレン-1-イル)-2-(2-(メチル(2,2,2-トリフルオロエチル)アミノ)エトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)-2-(シアノメチル)ピペラジン-1-カルボキシレート(250mg、43%収率)を得た。黄色固体、LCMS[M+1]:692。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ=7.79-7.72(m,1H),7.61(t,J=7.2Hz,1H),7.43(td,J=8.0,14.0Hz,1H),7.36-7.28(m,2H),4.62(br d,J=1.6Hz,1H),4.45-4.33(m,3H),4.11-3.77(m,4H),3.56(br dd,J=4.8,11.2Hz,1H),3.37(br dd,J=3.6,13.6Hz,1H),3.30-2.87(m,9H),2.82-2.67(m,2H),2.56(d,J=2.4Hz,3H),1.52(s,9H)。
ステップB:tert-ブチル(S)-4-(7-(8-クロロ-7-フルオロナフタレン-1-イル)-2-(2-(メチル(2,2,2-トリフルオロエチル)アミノ)エトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)-2-(シアノメチル)ピペラジン-1-カルボキシレート(230mg、332μmol、1.0当量)のMeCN(5mL)中溶液に、HCl(ジオキサン中4M、5mL、60当量)を15℃で加えた。反応混合物を15℃で30分間撹拌し、次いで、減圧下で濃縮した。残留物を酢酸エチル(15mL)およびNaHCO
3水溶液(10mL)で希釈し、次いで分離した。水層を酢酸エチル(15mL)で抽出し、合わせた有機層をNa
2SO
4上で乾燥し、減圧下で濃縮した。残留物を分取HPLC(カラム:Waters Xbridge 150
*25mm
*5μm;移動相:[水(0.05%水酸化アンモニアv/v)-ACN];B%:48%~75%、10分)により精製し、次いで凍結乾燥し、(S)-2-(4-(7-(8-クロロ-7-フルオロナフタレン-1-イル)-2-(2-(メチル(2,2,2-トリフルオロエチル)アミノ)エトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-2-イル)アセトニトリル(51.7mg、93%収率、98.9%純度)を白色固体として得た。LCMS[M+1]:592。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ=7.75(dd,J=5.6,8.8Hz,1H),7.64-7.57(m,1H),7.43(dt,J=3.2,8.0Hz,1H),7.35-7.27(m,2H),4.46-4.33(m,3H),4.13-3.71(m,3H),3.56-3.48(m,1H),3.39-3.07(m,8H),3.03(t,J=6.0Hz,2H),2.98-2.82(m,2H),2.55(s,3H),2.55-2.48(m,2H)。
ステップC:(S)-2-(4-(7-(8-クロロ-7-フルオロナフタレン-1-イル)-2-(2-(メチル(2,2,2-トリフルオロエチル)アミノ)エトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-2-イル)アセトニトリル(100mg、169μmol、1.0当量)および2-フルオロプロパ-2-エン酸(45.6mg、507μmol、3.0当量)の酢酸エチル(5mL)中溶液に、4Åモレキュラーシーブ(100mg)を15℃で加えた。反応混合物を15℃で0.5時間撹拌した。この後、反応物を-40℃に冷却し、TEA(154mg、1.52mmol、211μL、9.0当量)、続いてT3P(430mg、676μmol、402μL、50%純度、4.0当量)を混合物に加えた。混合物を-40℃で30分間撹拌し、次いで、0℃で水(3mL)でクエンチし、酢酸エチル(5mL×2)で抽出した。合わせた有機層をNa
2SO
4上で乾燥し、減圧下で濃縮し、濃縮乾固した。残留物を分取HPLC(カラム:Waters Xbridge 150
*25mm
*5μm;移動相:[水(0.05%水酸化アンモニアv/v)-ACN];B%:55%~80%、10分)により精製し、次いで凍結乾燥し、(S)-2-(4-(7-(8-クロロ-7-フルオロナフタレン-1-イル)-2-(2-(メチル(2,2,2-トリフルオロエチル)アミノ)エトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)-1-(2-フルオロアクリロイル)ピペラジン-2-イル)アセトニトリル(13.5mg、12%収率、98.2%純度)を白色固体として得た。LCMS[M+1]:664。
SFC条件:Cellucoat 50×4.6mm I.D.、3μm、移動相:CO
2の場合はフェーズA、MeOH(0.05%DEA)の場合はフェーズB、グラジエント溶出:CO
2中の40%MeOH(0.05%DEA)、流速:3mL/分、波長:220nm カラム温度:35℃、背圧:100バール。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ=7.75(ddd,J=1.6,5.6,9.2Hz,1H),7.61(t,J=6.8Hz,1H),7.43(td,J=7.6,12.0Hz,1H),7.35-7.27(m,2H),5.53-5.32(m,1H),5.26(dd,J=3.6,16.8Hz,1H),5.05-4.60(m,1H),4.47-4.33(m,3H),4.22-3.99(m,2H),3.95-3.77(m,2H),3.63-3.39(m,2H),3.32-2.99(m,8H),2.98-2.70(m,2H),2.66-2.58(m,1H),2.55(s,3H)。
【0332】
一般反応スキーム、実施例147および148、ならびに本明細書に提供される例示的な中間体の教示に従って、実施例149~205を表5に示すように合成した。
【表6-1】
【表6-2】
【表6-3】
【表6-4】
【表6-5】
【表6-6】
【表6-7】
【表6-8】
【表6-9】
【表6-10】
【表6-11】
【表6-12】
【表6-13】
【表6-14】
【表6-15】
【表6-16】
【表6-17】
【表6-18】
【表6-19】
【0333】
実施例206
【化228】
(S)-2-(4-(7-(8-クロロ-7-フルオロナフタレン-1-イル)-2-((テトラヒドロ-1H-ピロリジン-7a(5H)-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-2-イル)アセトニトリル(180mg、312μmol、1当量)、TEA(379mg、3.75mmol、522μL、12当量)、4Åモレキュラーシーブ(50mg)および(Z)-2-フルオロ-4-メトキシブタ-2-エン酸(83.8mg、625μmol、2当量)の酢酸エチル(5mL)中混合物に、T3P(1.19g、1.87mmol、1.11mL、酢酸エチル中の50%純度、6当量)を0℃で加えた。混合物を0℃で30分間撹拌し、次いで酢酸エチル(5.0mL)で希釈し、水(3.0mL)およびブライン(3.0mL)で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥し、濾過し、真空中で濃縮した。残留物を分取HPLC(カラム:Waters Xbridge 150
*25mm
*5μm;移動相:[水(10mMのNH
4HCO
3)-ACN];B%:38%~68%、10分)により精製し、(S,Z)-2-(4-(7-(8-クロロ-7-フルオロナフタレン-1-イル)-2-((テトラヒドロ-1H-ピロリジン-7a(5H)-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)-1-(2-フルオロ-4-メトキシブタ-2-エノイル)ピペラジン-2-イル)アセトニトリル(72mg、33%収率)を黄色固体として得た。LCMS[M+1]:692.4。
【0334】
SFC条件:カラム:Chiralpak IC-3 50×4.6mm I.D.、3μm。移動相:CO2の場合はフェーズA、MeOH+ACN(0.05%DEA)の場合はフェーズB、グラジエント溶出:CO2中の60%MeOH+ACN(0.05%DEA)。流速:3mL/分、波長:220nm。カラム温度:35℃、背圧:100バール。
【0335】
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ=7.79-7.71(m,1H),7.60(t,J=7.6Hz,1H),7.47-7.37(m,1H),7.35-7.28(m,2H),7.23(br d,J=7.2Hz,1H),5.99-5.72(m,1H),5.07-4.48(m,1H),4.40(br t,J=16.8Hz,1H),4.28-3.76(m,8H),3.71-3.29(m,5H),3.27-2.77(m,8H),2.69-2.51(m,3H),2.06(br dd,J=6.0,12.4Hz,2H),1.85(br s,4H),1.72-1.56(m,2H)。
【0336】
実施例207
【化229】
ステップA:(S)-2-(4-(7-(8-クロロ-7-フルオロナフタレン-1-イル)-2-((テトラヒドロ-1H-ピロリジン-7a(5H)-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-2-イル)アセトニトリル(120mg、208μmol、1.0当量)および(Z)-4-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-2-フルオロブタ-2-エン酸(146mg、625μmol、3.0当量)の酢酸エチル(2mL)中混合物に、4Åモレキュラーシーブ(200mg)を加え、0℃で30分間撹拌した。次いで、反応混合物にTEA(316mg、3.12mmol、435μL、15.0当量)およびT3P(530mg、833μmol、495μL、50%純度、4.0当量)を0℃で加え、混合物を0℃で30分間撹拌した。撹拌が完了したら、10℃で飽和NH
4Cl(水溶液、5mL)を加えることによって反応混合物をクエンチし、次いで、水(10mL)で希釈した後、酢酸エチル(3×15mL)で抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮して、(S,Z)-2-(1-(4-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-2-フルオロブタ-2-エノイル)-4-(7-(8-クロロ-7-フルオロナフタレン-1-イル)-2-((テトラヒドロ-1H-ピロリジン-7a(5H)-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-2-イル)アセトニトリル(190mg、粗製)を黄色固体として得た。R
f=0.30(ジクロロメタン/メタノール=10/1)。LCMS[M+1]:792。
ステップB:(S,Z)-2-(1-(4-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-2-フルオロブタ-2-エノイル)-4-(7-(8-クロロ-7-フルオロナフタレン-1-イル)-2-((テトラヒドロ-1H-ピロリジン-7a(5H)-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-2-イル)アセトニトリル(190mg、240μmol、1.0当量)のTHF(2.0mL)中溶液に、TBAF(1M、479μL、2.0当量)を加え、混合物を25℃で30分間撹拌した。次いで、混合物を酢酸エチル/エタノール(3/1、100mL)を含むAl
2O
3のパッドを通して濾過した。次いで、濾液を減圧下で濃縮し、粗生成物を逆相フラッシュクロマトグラフィー[水(0.1%ギ酸)/アセトニトリル]により精製して、(S,Z)-2-(4-(7-(8-クロロ-7-フルオロナフタレン-1-イル)-2-((テトラヒドロ-1H-ピロリジン-7a(5H)-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)-1-(2-フルオロ-4-ヒドロキシブタ-2-エノイル)ピペラジン-2-イル)アセトニトリル(80.0mg、49%収率)を黄色固体として得た。R
f=0.60(ジクロロメタン/メタノール=5/1)。LCMS[M+1]:678。
ステップC:(S,Z)-2-(4-(7-(8-クロロ-7-フルオロナフタレン-1-イル)-2-((テトラヒドロ-1H-ピロリジン-7a(5H)-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)-1-(2-フルオロ-4-ヒドロキシブタ-2-エノイル)ピペラジン-2-イル)アセトニトリル(80.0mg、118μmol、1.0当量)のジクロロメタン(1mL)中溶液に、DAST(57.0mg、354μmol、46.8μL、3.0当量)を0℃で加え、混合物を0℃で30分間撹拌した。撹拌が完了したら、0℃で飽和NaHCO
3(水溶液、10mL)を加えることによって反応混合物をクエンチし、次いで、水(5mL)で希釈した後、酢酸エチル(3×15mL)で抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過した。濾液を濃縮乾固し、残留物を分取TLC(SiO
2、ジクロロメタン/メタノール=10/1)により精製した。所望の画分を減圧下で濃縮し、残留物を分取HPLC(カラム:Waters Xbridge 150
*25mm
*5μm;移動相:[水(10mMのNH
4HCO
3-ACN];B%:35%~65%、10分)によりさらに精製して、(S,Z)-2-(4-(7-(8-クロロ-7-フルオロナフタレン-1-イル)-2-((テトラヒドロ-1H-ピロリジン-7a(5H)-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)-1-(2,4-ジフルオロブタ-2-エノイル)ピペラジン-2-イル)アセトニトリル(3.48mg、4%収率、92.7%純度)を白色固体として得た。R
f=0.20(ジクロロメタン/メタノール=10/1)。LCMS[M+1]:680.7。
SFC条件:Chiralpak IC-3カラム(50×4.6mm I.D.、3μm)、CO
2中の60%MeOH+ACN(0.05%DEA)、3mL/分、220nm;t
R:0.626分(メジャー)、0.816分(マイナー)。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ7.75(ddd,J=1.6,5.6,8.8Hz,1H),7.61(t,J=7.2Hz,1H),7.42(td,J=7.6,13.2Hz,1H),7.35-7.28(m,2H),6.17-5.72(m,1H),5.29-5.02(m,2H),4.48(br s,1H),4.45-4.34(m,1H),4.17-4.01(m,3H),3.99-3.63(m,3H),3.60-3.50(m,1H),3.49-3.33(m,1H),3.30-3.00(m,6H),2.98-2.77(m,2H),2.71-2.52(m,3H),2.09(br dd,J=6.0,12.4Hz,2H),1.87(br d,J=5.6Hz,4H),1.72-1.69(m,2H)。
【0337】
実施例208
【化230】
ステップA:tert-ブチル(S)-4,4-ジフルオロ-2-(ヒドロキシメチル)ピロリジン-1-カルボキシレート(713mg、3.00mmol、3.0当量)のトルエン(6mL)中溶液に、4Aモレキュラーシーブ(100mg)およびt-BuONa(193mg、2.00mmol、2.0当量)を加えた。添加後、混合物を0℃で30分間撹拌し、次いで、tert-ブチル(2S)-4-(7-(8-クロロ-7-フルオロナフタレン-1-イル)-2-(メチルスルフィニル)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)-2-(シアノメチル)ピペラジン-1-カルボキシレート(600mg、1.00mmol、1.0当量)を上記の混合物に-10℃で加えた。得られた混合物を-10℃で30分間撹拌した。撹拌が完了したら、反応混合物をH
2O(15mL)で希釈し、酢酸エチル(3×20mL)で抽出した。合わせた有機層を、飽和ブライン(80mL)で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、残留物を得た。残留物を逆相フラッシュカラムクロマトグラフィー[C18カラム、水中0.1%ギ酸、0~100%MeCN]により精製して、tert-ブチル(S)-4-(2-(((S)-1-(tert-ブトキシカルボニル)-4,4-ジフルオロピロリジン-2-イル)メトキシ)-7-(8-クロロ-7-フルオロナフタレン-1-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)-2-(シアノメチル)ピペラジン-1-カルボキシレート(370mg、41%収率)を黄色固体として得た。LCMS[M+1]:772。
ステップB:tert-ブチル(S)-4-(2-(((S)-1-(tert-ブトキシカルボニル)-4,4-ジフルオロピリミジン-2-イル)メトキシ)-7-(8-クロロ-7-フルオロナフタレン-1-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)-2-(シアノメチル)ピペラジン-1-カルボキシレート(60mg、66.0μmol、1.0当量)のMeCN(1mL)中溶液に、HCl・ジオキサン(4.0M、2mL)を加え、混合物を0℃で30分間撹拌した。撹拌が完了したら、反応混合物を飽和Na
2CO
3水溶液(6mL)で希釈し、酢酸エチル(3×10mL)で抽出した。合わせた有機層を、飽和ブライン(20mL)で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、残留物を得た。残留物を分取HPLC(カラム:Waters Xbridge 150
*25mm
*5μm;移動相:[水(10mMのNH
4HCO
3)-ACN];B%:36%~66%、10分)により精製し、凍結乾燥して、2-((S)-4-(7-(8-クロロ-7-フルオロナフタレン-1-イル)-2-(((S)-4,4-ジフルオロピリミジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-2-イル)アセトニトリル(8.25mg、22%収率)を白色固体として得た。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ7.76(dd,J=5.6,9.2Hz,1H),7.61(d,J=8.0Hz,1H),7.46-7.40(m,1H),7.36-7.27(m,2H),4.42-4.29(m,3H),4.15-3.72(m,4H),3.59-3.49(m,1H),3.41-3.06(m,7H),3.05-2.82(m,2H),2.59-2.48(m,3H),2.47-2.34(m,1H),2.24-2.04(m,1H)。LCMS[M+1]:572。
ステップC:2-((S)-4-(7-(8-クロロ-7-フルオロナフタレン-1-イル)-2-(((S)-4,4-ジフルオロピリミジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-2-イル)アセトニトリル(130mg、227μmol、1.0当量)およびDIEA(88.1mg、682μmol、119μL、3.0当量)のDCM(2mL)中溶液に、(Boc)
2O(44.6mg、204μmol、47.0、0.9当量)を加えた。混合物を0℃で30分間撹拌した。撹拌が完了したら、混合物に水(5mL)を加え、酢酸エチル(3×5mL)で抽出した。有機層をNa
2SO
4上で乾燥し、濾過し、濃縮した。残留物を逆相フラッシュカラムクロマトグラフィー[C18カラム、水中0.1%ギ酸、0~80%MeCN]により精製して、tert-ブチル(S)-2-(((7-(8-クロロ-7-フルオロナフタレン-1-イル)-4-((S)-3-(シアノメチル)ピペラジン-1-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-2-イル)オキシ)メチル)-4,4-ジフルオロピロリジン-1-カルボキシレート(50mg、30%収率、92.4%純度)を得た。黄色固体、LCMS[M+1]:672。
ステップD:tert-ブチル(S)-2-(((7-(8-クロロ-7-フルオロナフタレン-1-イル)-4-((S)-3-(シアノメチル)ピペラジン-1-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-2-イル)オキシ)メチル)-4,4-ジフルオロピロリジン-1-カルボキシレート(50mg、74.4μmol、1.0当量)の酢酸エチル(2mL)中溶液に、TEA(45.2mg、446μmol、62.1μL、6.0当量)、2-フルオロプロパ-2-エン酸(13.4mg、149μmol、2.0当量)およびT3P(189mg、298μmol、177μL、50%純度、4.0当量)を0℃で加えた。得られた混合物を0℃で30分間撹拌した。撹拌が完了したら、反応混合物をH
2O(10mL)で希釈し、酢酸エチル(3×10mL)で抽出した。合わせた有機層を飽和ブライン(20mL)で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、tert-ブチル(S)-2-(((7-(8-クロロ-7-フルオロナフタレン-1-イル)-4-((S)-3-(シアノメチル)-4-(2-フルオロアクリロイル)ピペラジン-1-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-2-イル)オキシ)メチル)-4,4-ジフルオロピロリジン-1-カルボキシレート(50mg、78%収率、86.6%純度)を黄色固体として得た。LCMS[M+1]:744。
ステップE:(S)-2-(((7-(8-クロロ-7-フルオロナフタレン-1-イル)-4-((S)-3-(シアノメチル)-4-(2-フルオロアクリロイル)ピペラジン-1-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-2-イル)オキシ)メチル)-4,4-ジフルオロピロリジン-1-カルボキシレート(50mg、58.4μmol、1.0当量)のMeCN(1mL)中溶液に、HCl(ジオキサン中4.0M、2mL)を加えた。混合物を0℃で30分間撹拌した。撹拌が完了したら、反応混合物を飽和Na
2CO
3水溶液(3mL)でクエンチし、酢酸エチル(3×5mL)で抽出した。合わせた有機層を、飽和ブライン(15mL)で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、残留物を得た。残留物を分取HPLC(カラム:Waters Xbridge 150
*25mm
*5μm;移動相:[水(10mMのNH
4HCO
3)-ACN];B%:46%~76%、10分)により精製し、凍結乾燥して、2-((S)-4-(7-(8-クロロ-7-フルオロナフタレン-1-イル)-2-(((S)-4,4-ジフルオロピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)-1-(2-フルオロアクリロイル)ピペラジン-2-イル)アセトニトリル(14.4mg、38%収率)を白色固体として得た。LCMS[M+1]:644。
SFC条件:カラム:Chiralcel OD-3 50×4.6mm I.D.、3μm、移動相:CO
2の場合はフェーズA、MeOH(0.05%DEA)の場合はフェーズB、グラジエント溶出:CO
2中の40%MeOH(0.05%DEA)、流速:3mL/分、波長:220nm カラム温度:35℃、背圧:100バール。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ7.78-7.73(m、1H)、7.65-7.60(m、1H)、7.47-7.40(m、1H)、7.36-7.24(m、2H)、5.54-5.34(m、1H)、5.26(dd、J=3.6、16.8Hz、1H)、5.05-4.63(m、1H)、4.46-4.31(m、3H)、4.27-3.71(m、5H)、3.62-3.53(m、1H)、3.50-2.74(m、9H)、2.65-2.55(m、1H)、2.48-2.35(m、1H)、2.24-2.06(m、1H)。
【0338】
一般反応スキーム、実施例208、ならびに本明細書に提供される例示的な中間体の教示に従って、実施例209~214を表6に示すように合成した。
【表7-1】
【表7-2】
【0339】
実施例215
【化231】
ステップA:2-(1H-イミダゾール-1-イル)シクロブタン-1-オール(166mg、1.20mmol、3当量)のDMF(6mL)中溶液に、NaH(48.1mg、1.20mmol、60%純度、3当量)を0℃で加え、30分間撹拌した。次いで、tert-ブチル(2S)-4-(7-(8-クロロ-7-フルオロナフタレン-1-イル)-2-(メチルスルフィニル)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)-2-(シアノメチル)ピペラジン-1-カルボキシレート(300mg、401μmol、1当量)を加え、混合物を20℃で30分間撹拌した。撹拌が完了したら、反応物を飽和NaHCO
3を加えることによりクエンチし、酢酸エチル(3×50mL)で抽出した。合わせた有機層を、飽和ブライン(50mL)で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、残留物を得た。残留物を分取TLC(DCM:MeOH=10:1)により精製して、tert-ブチル(2S)-4-(2-(2-(1H-イミダゾール-1-イル)シクロブトキシ)-7-(8-クロロ-7-フルオロナフタレン-1-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)-2-(シアノメチル)ピペラジン-1-カルボキシレート(300mg、356μmol、89%収率)を黄色油として得た。LCMS[M+1]:673.2。
ステップB:tert-ブチル(2S)-4-(2-(2-(1H-イミダゾール-1-イル)シクロブトキシ)-7-(8-クロロ-7-フルオロナフタレン-1-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)-2-(シアノメチル)ピペラジン-1-カルボキシレート(300mg、446μmol、1当量)のDCM(3mL)中溶液に、TFA(3mL)を加えた。混合物を20℃で30分間撹拌した。撹拌が完了したら、反応物を飽和NaHCO
3をpH約8.0に加えることによりクエンチし、酢酸エチル(3×50mL)で抽出した。合わせた有機層を、飽和ブライン(50mL)で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、粗生成物(150mg)を白色固体として得た。100mgの粗生成物を精製することなく次のステップに使用した。さらに50mgの粗生成物を分取HPLC(カラム:Waters Xbridge BEH C18 100
*25mm
*5μm;移動相:[水(10mMのNH
4HCO
3)-ACN];B%:35%~65%、8分)により精製して、2-((2S)-4-(2-(2-(1H-イミダゾール-1-イル)シクロブトキシ)-7-(8-クロロ-7-フルオロナフタレン-1-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-2-イル)アセトニトリル(5.66mg、9.85μmol、6.6%収率)を黄色固体として得た。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ7.75(dd,J=5.6,9.2Hz,1H),7.64-7.58(m,2H),7.47-7.40(m,1H),7.33(dt,J=2.0,8.8Hz,1H),7.26(br s,1H),7.09-6.99(m,2H),5.52-5.37(m,1H),4.73-4.63(m,1H),4.34-4.22(m,1H),4.05-3.56(m,3H),3.55-3.44(m,1H),3.24-2.98(m,5H),2.96-2.67(m,2H),2.66-2.39(m,5H),2.12-1.94(m,2H)。LCMS[M+1]:573。
ステップC:2-((2S)-4-(2-(2-(1H-イミダゾール-1-イル)シクロブトキシ)-7-(8-クロロ-7-フルオロナフタレン-1-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-2-イル)アセトニトリル(100mg、174μmol、1当量)および2-フルオロプロパ-2-エン酸(31.4mg、349μmol、2.0当量)の酢酸エチル(2mL)中溶液に、トリエチルアミン(35.3mg、349μmol、48.6μL、2当量)を加え、次いで、0℃に冷却し、続いてT3P(222mg、349μmol、207μL、50%純度、2当量)を加えた。反応物を飽和NaHCO
3を加えることによりクエンチし、酢酸エチル(3×50mL)で抽出した。合わせた有機層を、飽和ブライン(50mL)で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、残留物を得た。残留物を分取HPLC(カラム:Waters Xbridge BEH C18 100
*30mm
*10μm;移動相:[水(10mMのNH
4HCO
3)-ACN];B%:45%~65%、10分)により精製し、2-((2S)-4-(2-(2-(1H-イミダゾール-1-イル)シクロブトキシ)-7-(8-クロロ-7-フルオロナフタレン-1-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)-1-(2-フルオロアクリロイル)ピペラジン-2-イル)アセトニトリル(23.0mg、35.0μmol、20%収率)を白色固体として得た。LCMS[M+1]:645。
SFC条件:カラム:CD-PH 150×4.6mm I.D.、5μm 移動相A:0.375%TFAを含む水 B:0.1875%A/B=65/35ヲ含むアセトニトリル、流速:1.0mL/分 波長:220nm。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ7.80-7.71(m,1H),7.66-7.52(m,2H),7.48-7.39(m,1H),7.36-7.29(m,1H),7.27-7.21(m,1H),7.10-6.84(m,2H),5.62-5.32(m,2H),5.30-5.20(m,1H),5.06-4.58(m,2H),4.38-4.19(m,1H),4.14-3.86(m,2H),3.85-3.67(m,1H),3.65-3.46(m,2H),3.44-2.94(m,5H),2.92-2.74(m,2H),2.66-2.42(m,3H),2.23-1.95(m,2H)。
【0340】
実施例216
【化232】
ステップA:tert-ブチル(2S)-4-(7-(8-クロロ-7-フルオロナフタレン-1-イル)-2-(メチルスルフィニル)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)-2-(シアノメチル)ピペラジン-1-カルボキシレート(200mg、334μmol、1当量)および2-(アゼチジン-1-イル)シクロブタン-1-オール(127mg、1.0mmol、3当量)のトルエン(6mL)中溶液に、4Åモレキュラーシーブ(100mg)およびt-BuONa(48.1mg、500.7μmol、1.5当量)を0℃で加え、1時間撹拌した。反応物をH
2O(50mL)を加えることによりクエンチし、酢酸エチル(3×10mL)で抽出した。合わせた有機層を飽和NaCl10mLで洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、残留物を得た。残留物を分取TLC(ジクロロメタン:メタノール=10:1)により精製して、生成物tert-ブチル(2S)-4-(2-(2-(アゼチジン-1-イル)シクロブトキシ)-7-(8-クロロ-7-フルオロナフタレン-1-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)-2-(シアノメチル)ピペラジン-1-カルボキシレート(200mg、302.0μmol、90%収率)を黄色油として得た。LCMS[M+1]:662.2。
ステップB:tert-ブチル(2S)-4-(2-(2-(アゼチジン-1-イル)シクロブトキシ)-7-(8-クロロ-7-フルオロナフタレン-1-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)-2-(シアノメチル)ピペラジン-1-カルボキシレート(200mg、302μmol、1当量)のDCM(1mL)中溶液に、TFA(1mL)を加えた。混合物を20℃で1時間撹拌した。撹拌が完了したら、反応物を飽和NaHCO
3を加えることによりクエンチし、酢酸エチル(3×50mL)で抽出した。合わせた有機層を飽和NaCl(50mL)で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、粗生成物(150mg)を黄色固体として得た。100mgの粗生成物を精製することなく次のステップに使用した。さらに50mgの粗生成物を分取HPLC(カラム:Waters Xbridge BEH C18 100
*25mm
*5μm;移動相:[水(10mMのNH
4HCO
3)-ACN];B%:40%~65%、8分)により精製して、2-((2S)-4-(2-(2-(アゼチジン-1-イル)シクロブトキシ)-7-(8-クロロ-7-フルオロナフタレン-1-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-2-イル)アセトニトリル(7.6mg、13.5μmol、15%収率)を黄色固体として得た。LCMS[M+1]:562。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ=7.75(dd,J=5.6,9.2Hz,1H),7.60(d,J=8.0Hz,1H),7.46-7.39(m,1H),7.35-7.27(m,2H),5.09-4.99(m,1H),4.37(br d,J=17.6Hz,1H),4.13-3.89(m,1H),3.89-3.69(m,2H),3.58-3.47(m,1H),3.41-2.78(m,12H),2.58-2.44(m,4H),2.37-2.26(m,1H),2.10-1.98(m,2H),1.72-1.53(m,2H)。
ステップC:2-((2S)-4-(2-(2-(アゼチジン-1-イル)シクロブトキシ)-7-(8-クロロ-7-フルオロナフタレン-1-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-2-イル)アセトニトリル(100mg、178μmol、1当量)および2-フルオロプロパ-2-エン酸(32.0mg、356μmol、2当量)の酢酸エチル(2mL)溶液中に、TEA(36.0mg、356μmol、49.5μL、2当量)を加え、-40℃に冷却し、次いで、T3P(226mg、356μmol、212μL、50%純度、2当量)を-40℃で加え、1時間撹拌した。反応物を飽和NaHCO
3を加えることによりクエンチし、酢酸エチル(3×50mL)で抽出した。合わせた有機層を、飽和NaCl(50mL)で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、粗生成物(150mg)を得た。粗生成物を分取HPLC(カラム:Waters Xbridge BEH C18 100
*25mm
*5μm;移動相:[水(10mMのNH
4HCO
3)-ACN];B%:45%~70%、8分)により精製して、生成物2-((2S)-4-(2-(2-(アゼチジン-1-イル)シクロブトキシ)-7-(8-クロロ-7-フルオロナフタレン-1-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)-1-(2-フルオロアクリロイル)ピペラジン-2-イル)アセトニトリル(19.4mg、17%収率)を白色固体として得た。LCMS[M+1]:634。
SFC条件:カラム:CD-PH 150×4.6mm I.D.、5μm 移動相A:0.375%TFAを含む水 B:0.1875%A/B=65/35ヲ含むアセトニトリル、流速:1.0mL/分 波長:220nm。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ7.80-7.72(m,1H),7.61(t,J=7.6Hz,1H),7.43(td,J=7.6,12.0Hz,1H),7.36-7.27(m,2H),5.53-5.33(m,1H),5.26(br dd,J=3.2,16.8Hz,1H),5.11-4.74(m,2H),4.45-4.34(m,1H),4.20-4.00(m,2H),3.95-3.76(m,2H),3.63-3.52(m,1H),3.49-3.38(m,1H),3.34-3.04(m,9H),2.95-2.73(m,2H),2.65-2.44(m,2H),2.38-2.27(m,1H),2.11-1.98(m,2H),1.67-1.57(m,2H)。
【0341】
一般反応スキーム、および本明細書に提供される例示的な中間体の教示に従って、実施例217~228を表7に示すように合成することができる。
【表8-1】
【表8-2】
【0342】
実施例A
KRas G12C修飾アッセイ
この実施例は、例示的な本発明の化合物がKRas G12Cに共有結合することを、その例示的な化合物とKRas G12Cとの共有結合付加物を検出するためのLCMSアッセイを使用して示す。
【0343】
GDPをロードしたK-Ras(1~169)G12C、C51S、C80L、C118SおよびGTPをロードしたK-Ras(1~169)G12C、C51S、C80L、C118S,Q61Hのタンパク質濃度を、K-Rasアッセイ緩衝液(25mMのHEPES、150mMのNaCl、5mMのMgCl2、および10mMのオクチルβ-グルコピラノシド、pH7.5)中で2μMに調節した。次いで、各タンパク質溶液の10μLのアリコートを、384ウェルマイクロタイタープレートに移した。最初の化合物ストックは、DMSO中で所望の最終アッセイ濃度の50倍で調製した。
【0344】
例示的な式(II)の化合物をK-Rasアッセイ緩衝液中で25倍に希釈し、最終的にそれらの最終濃度の2倍とした。次いで、各希釈化合物溶液の10μLのアリコートを、ウェルマイクロタイタープレート中のタンパク質溶液の各々に加え、反応を開始した。典型的な、最終化合物濃度は、3.0、5.0および25.0μMとした。各時点で、20μLの25mMの酢酸溶液で反応物をクエンチした。通常のアッセイ終点は、15、180および1440分とした。全ての反応をクエンチしたら、プレートをヒートシールし、データ取得のために試料をLC/MSシステムに注入した。
【0345】
データ収集は、Agilent 6520 Q-TOF Accurate Mass Spectrometerで行った。試料を液相でC-3逆相カラムに注入し、アッセイ緩衝液を除去し、質量分析計用の試料を調製した。アセトニトリル勾配液を使用してタンパク質をカラムから溶出し、質量分析計に直接供給した。最初の生データ解析は、Agilent MassHunterソフトウェアによりデータ取得直後に行った。
【0346】
インタクトなタンパク質の生データ解析は、Mass Hunterに付属の最大エントロピーデコンボリューションを使用した、溶液中の各タンパク質の多価チャージ状態のデコンボリューションのみとした。複雑さを最小限にするために、限られた質量範囲を超えるデータのみを分析のために考慮し、1ダルトン質量ステップ間隔を最小とした。生データ解析中に特定された全ての質量の高さは、Spotfire(登録商標)データ解析ソフトウェアでさらに分析するために出力された。
【0347】
最終データ解析はSpotfire(登録商標)データ解析ソフトウェアパッケージにおける多段階プロセスであった。簡単に説明すると、各タンパク質質量は、その試料の総シグナルのパーセントとして計算され、そのパーセントは、次いで、反応性化合物の非存在下でのタンパク質のシグナルのパーセンテージに対し正規化された。これらの正規化シグナルは、正規化対照パーセント(POC)として報告された。増大したPOC値は、所与の条件で、同一条件下のその他の化合物に比較して、より高い程度の修飾を示す化合物を示す。5μMの濃度で3時間試験された、例示的な式(II)、式II-A、および式II-Bの化合物の結果を表8に示す。凡例:「A」≦25%POC;「B」>25%POC~≦50%POC;「C」>50%POC、およびND=測定せず。
【表9】
【0348】
実施例B
KRas G12C依存性細胞増殖の阻害
この実施例は、例示的な本発明の化合物がKRas G12Cを発現する腫瘍細胞株の増殖を阻害することを示す。
【0349】
例示的な本発明の化合物によるKRas G12Cの細胞阻害を、KRas活性の下流マーカーであるリン酸化ERK(「ホスホERK」)の量を測定することにより決定した。
【0350】
NCI-H358細胞(ATCC CRL-5807)は、KRas G12Cを発現しており、10%ウシ胎仔血清、ペニシリン/ストレプトマイシンおよび10mMのHEPESを補足したRPMI培地中で増殖させた。細胞をポリ-D-リシンコート96ウェルプレートに50,000細胞/ウェルの濃度で播き、8~12時間付着させた。次いで、0.5%DMSOの最終濃度の希釈した化合物を加えた。3時間後、培地を取り除き、150μLの4%ホルムアルデヒドを加え、プレートを20分間インキュベートした。プレートをPBSで洗浄し、150μLの氷冷した100%のメタノールを使用して10分間透過処理を行った。100μLのLicorブロッキング緩衝液(Li-Cor Biotechnology,Lincoln NE)を室温で1時間使用してプレートに対する非特異的抗体結合をブロックした。基本的には、陽性対照試料および細胞を含まない試料を、試験試料と並列処理した。
【0351】
ホスホERKの量は、リン酸化型のERKに特異的な抗体を使用して、GAPDHの量と比較して決定された。検出に使用される一次抗体は、以下のように添加された:1:500に希釈されたホスホERK(Cell Signalingのcs9101)およびLicor block+0.05%ツイーン20中で1:5000に希釈されたGAPDH(MilliporeのMAB374)。プレートを室温で2時間インキュベートした。プレートを、PBS+0.05%のツイーン20で洗浄した。
【0352】
一次抗体を可視化するために使用される二次抗体は、以下のように添加された:1:1000に希釈された抗ウサギ680、およびLicor block+0.05%ツイーン20で1:1000に希釈され、室温で1時間インキュベートされた抗マウス800。プレートを、PBS+0.05%のツイーン20で洗浄した。PBSの100μLのアリコートを各ウェルに加え、プレートをLICOR AERIUSプレートリーダーで読み取った。
【0353】
pERK(Thr202/Tyr204)シグナルをGAPDHシグナルで正規化し、DMSO対照値のパーセントを計算した。用量反応曲線の4パラメーターフィットを使用してIC
50値を生成した。例示的な式(II)の化合物の結果を表9に示す。凡例:「A」≧0.0001-≦1μM;「B」>1μM-≦10μm、およびND=測定せず。
【表10-1】
【表10-2】
【表10-3】
【0354】
本発明をその特定の実施形態と関連付けて説明してきたが、その実施形態はさらに修正が可能であり、本出願は、一般的に、本発明の原理に従った本発明の任意の変形、使用、または改変を包含することが意図され、本発明が属する技術内の既知のまたは日常的な実施の範囲に入り、上記に示されるおよび以下の添付の請求項の範囲に入る本質的な特徴に適用され得る本開示からの乖離を含むものと理解されよう。