(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-08
(45)【発行日】2023-09-19
(54)【発明の名称】希土類マンガン/セリウム-ジルコニウムベースの複合化合物、その調製方法および用途
(51)【国際特許分類】
B01J 23/34 20060101AFI20230911BHJP
B01J 37/08 20060101ALI20230911BHJP
B01J 37/12 20060101ALI20230911BHJP
B01J 37/06 20060101ALI20230911BHJP
B01J 37/04 20060101ALI20230911BHJP
B01J 37/03 20060101ALI20230911BHJP
B01J 23/889 20060101ALI20230911BHJP
C01G 25/02 20060101ALI20230911BHJP
B01D 53/94 20060101ALI20230911BHJP
F01N 3/10 20060101ALI20230911BHJP
【FI】
B01J23/34 A
B01J37/08 ZAB
B01J37/12
B01J37/06
B01J37/04 102
B01J37/03 A
B01J23/889 A
C01G25/02
B01D53/94 222
F01N3/10 A
(21)【出願番号】P 2021538818
(86)(22)【出願日】2020-09-04
(86)【国際出願番号】 CN2020113455
(87)【国際公開番号】W WO2021043256
(87)【国際公開日】2021-03-11
【審査請求日】2021-07-01
(31)【優先権主張番号】201910833257.8
(32)【優先日】2019-09-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201910845391.X
(32)【優先日】2019-09-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】519229622
【氏名又は名称】有研稀土高技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】GRIREM HI-TECH CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】North of Gushan South Road And East Of Happiness Road,Hi-tech industrial zone,Yanjiao Town,Sanhe City, Langfang City, Hebei 065200, China
(73)【特許権者】
【識別番号】515330421
【氏名又は名称】有研稀土新材料股▲フン▼有限公司
(73)【特許権者】
【識別番号】521180371
【氏名又は名称】河北雄安稀土功能材料創新中心有限公司
【氏名又は名称原語表記】Rare Earth Functional Materials (Xiong’an) Innovation Center Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】No.97-1, Jianli Road, Gouxi Village, Chengguan Town, Rongcheng County, Baoding City, Hebei 071700, P.R.China
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】黄 小衛
(72)【発明者】
【氏名】張 永奇
(72)【発明者】
【氏名】李 紅衛
(72)【発明者】
【氏名】▲ざい▼ 志哲
(72)【発明者】
【氏名】鍾 強
(72)【発明者】
【氏名】張 赫
(72)【発明者】
【氏名】崔 梅生
(72)【発明者】
【氏名】侯 永可
(72)【発明者】
【氏名】王 昊
(72)【発明者】
【氏名】馮 宗玉
【審査官】安齋 美佐子
(56)【参考文献】
【文献】特表2001-522713(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第105289602(CN,A)
【文献】特開2015-208712(JP,A)
【文献】国際公開第2012/133526(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01J 21/00-38/74
C01G 25/02
B01D 53/86-53/90,53/94-53/96
F01N 3/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コアシェル構造を有し、その一般式はARE
cB
aO
b-(1-A)Ce
xZr
(1-x-y)M
yO
2-zであり、ここで0.1≦A≦0.3であり、
シェル層の主成分は希土類マンガン酸化物であり、その一般式は、RE
cB
aO
bであり、ここでREは1つまたは複数の希土類元素の組み合わせであり、
前記希土類マンガン酸化物には遷移金属元素がドープされ、前記遷移金属元素は、鉄、タングステン、モリブデン、ニッケル、コバルト、バナジウム、チタンからなる群から選択される1つまたは複数であり、BはMn
と前記遷移金属元素の組み合わせであり、1≦a≦8、2≦b≦18、0.25≦c≦4であり
、
コア主成分はセリウム-ジルコニウム複合酸化物であり、その一般式は、Ce
xZr
(1-x-y)M
yO
2-zであり、Mは非セリウム希土類元素、遷移金属元素中の少なくとも1つであり、ここで0.1≦x≦0.9、0≦y≦0.3、0.01≦z≦0.3である、ことを特徴とする希土類マンガン/セリウム-ジルコニウムベースの複合化合物。
【請求項2】
希土類マンガン/セリウム-ジルコニウムベースの複合化合物中のMn元素の総質量に対するシェル層中のMn元素の質量パーセントは70~98wt%である、ことを特徴とする請求項1に記載の希土類マンガン/セリウム-ジルコニウムベースの複合化合物。
【請求項3】
前記セリウム-ジルコニウム複合酸化物中のセリウムは3価および4価の複合原子価状態であり、4価セリウムはセリウム総量の60~90wt%を占める、ことを特徴とする請求項1または2に記載の希土類マンガン/セリウム-ジルコニウムベースの複合化合物。
【請求項4】
1≦a≦3、2≦b≦8であり、前記シェル層はムライト型構造化合物である、ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の希土類マンガン/セリウム-ジルコニウムベースの複合化合物。
【請求項5】
希土類マンガン/セリウム-ジルコニウムベースの複合化合物中のMn元素の総質量に対するシェル層中のMn元素の質量パーセントは70~95wt%である、ことを特徴とする請求項4に記載の希土類マンガン/セリウム-ジルコニウムベースの複合化合物。
【請求項6】
前記希土類マンガン酸化物中の希土類元素REは、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、サマリウム、ユーロピウム、ガドリニウム、イットリウムからなる群から選択される1つまたは複数を含み、
前記セリウム-ジルコニウム複合酸化物中のMは、ランタン、プラセオジム、ネオジム、イットリウム、サマリウム、ユーロピウム、ガドリニウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、ハフニウムからなる群から選択される1つまたは複数である、ことを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の希土類マンガン/セリウム-ジルコニウムベースの複合化合物。
【請求項7】
前記シェル層は、水酸化物、炭酸塩、塩基性炭酸塩からなる群から選択される1つまたは複数をさらに含み、含有量は0.01~1wt%である、ことを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の希土類マンガン/セリウム-ジルコニウムベースの複合化合物。
【請求項8】
前記
ドープされる遷移金属元素の質量は、希土類マンガン酸化物の質量の0.01%~10%であり、ここで遷移金属元素の質量は遷移金属元素自体の質量に基づき、前記希土類マンガン酸化物の質量は、遷移金属がドープされる前の希土類マンガン酸化物の質量に基づく、ことを特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載の希土類マンガン/セリウム-ジルコニウムベースの複合化合物。
【請求項9】
前記希土類マンガン/セリウム-ジルコニウムベースの複合化合物の酸素貯蔵容量は、800μmol-O
2/g以上である、ことを特徴とする請求項1~8のいずれか1項に記載の希土類マンガン/セリウム-ジルコニウムベースの複合化合物。
【請求項10】
粒子径D50は1~15μmである、ことを特徴とする請求項1~8のいずれか1項に記載の希土類マンガン/セリウム-ジルコニウムベースの複合化合物。
【請求項11】
請求項1~10のいずれか1項に記載の希土類マンガン/セリウム-ジルコニウムベースの複合化合物を調製する方法であって、
2価マンガン源、希土類源、セリウム-ジルコニウム複合酸化物を含む混合原料を反応させ、前記希土類マンガン/セリウム-ジルコニウムベースの複合化合物を得ることを含み、前記混合原料は、遷移金属元素を含み、前記遷移金属元素の質量は、希土類マンガン酸化物の質量の0.01%~10%であり、ここで遷移金属元素の質量は遷移金属元素自体の質量に基づき、前記希土類マンガン酸化物の質量は、遷移金属がドープされる前の希土類マンガン酸化物の質量に基づく、ことを特徴とする希土類マンガン/セリウム-ジルコニウムベースの複合化合物の調製方法。
【請求項12】
前記
2価マンガン源、希土類源、セリウム-ジルコニウム複合酸化物を含む混合原料を反応させることは、具体的に以下のステップを含み、
最終生成物の化学量論比に従って2価マンガン源、希土類源およびセリウム-ジルコニウム複合酸化物を調製し、
該2価マンガン源及び該希土類源を撹拌して、該2価マンガン源及び該希土類源を含有する混合溶液を得る工程、この混合溶液をセリウムジルコニウム複合酸化物の粉末に加えて攪拌した後に取り出して乾燥し、焼成後に取り出すことにより、前記希土類マンガン/セリウム-ジルコニウムベースの複合化合物を得る、ことを特徴とする請求項11に記載の希土類マンガン/セリウム-ジルコニウムベースの複合化合物の調製方法。
【請求項13】
前記混合溶液中の前記2価マンガン源の濃度は2~4mol/Lであり、ここで、前記2価マンガン源のモル重量はマンガン元素のモル重量に基づき、
前記混合溶液中の前記希土類源の濃度は0.5~2mol/Lであり、ここで、前記希土類源のモル重量は希土類元素のモル重量に基づく、ことを特徴とする請求項12に記載の希土類マンガン/セリウム-ジルコニウムベースの複合化合物の調製方法。
【請求項14】
前記2価マンガン源および希土類源を含む混合溶液の体積は、前記セリウム-ジルコニウム複合酸化物の細孔容積の70~150%である、ことを特徴とする請求項12または13に記載の希土類マンガン/セリウム-ジルコニウムベースの複合化合物の調製方法。
【請求項15】
前記反応の具体的な条件は以下を含み、
反応は攪拌下で行われ、
反応温度は15~45℃であり、
反応時間は5~20minである、ことを特徴とする請求項12~14のいずれか1項に記載の希土類マンガン/セリウム-ジルコニウムベースの複合化合物の調製方法。
【請求項16】
前記
2価マンガン源、希土類源、セリウム-ジルコニウム複合酸化物を含む混合原料を反応させることは、具体的に以下のステップを含み、
最終生成物の化学量論比に従って2価マンガン源、希土類源およびセリウム-ジルコニウム複合酸化物を調製し、
2価マンガン源、希土類源、セリウム-ジルコニウム複合酸化物を含む混合スラリー中に沈殿剤および酸化剤を順次加え反応させ、反応が完了した後、洗浄、乾燥、焼成、粉砕を行い、前記希土類マンガン/セリウム-ジルコニウムベースの複合化合物を得る、ことを特徴とする請求項
11に記載の希土類マンガン/セリウム-ジルコニウムベースの複合化合物の調製方法。
【請求項17】
前記沈殿剤は、水酸化ナトリウム、アンモニア水、重炭酸アンモニウムまたは水酸化カリウムから選択される少なくとも1つである、ことを特徴とする請求項16に記載の希土類マンガン/セリウム-ジルコニウムベースの複合化合物の調製方法。
【請求項18】
前記沈殿剤の物質量は、前記スラリー中のマンガン元素および希土類元素を沈殿させるのに必要な化学量論量の5~90%である、ことを特徴とする請求項16または17に記載の希土類マンガン/セリウム-ジルコニウムベースの複合化合物の調製方法。
【請求項19】
前記沈殿剤は沈殿剤溶液の形態で前記混合スラリーに添加され、
前記沈殿剤溶液中の沈殿剤の濃度は0.5~5mol/Lである、ことを特徴とする請求項16~18のいずれか1項に記載の希土類マンガン/セリウム-ジルコニウムベースの複合化合物の調製方法。
【請求項20】
前記酸化剤は、過酸化水素、酸素、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウムまたは過硫酸アンモニウムから選択される少なくとも1つである、ことを特徴とする請求項16~18のいずれか1項に記載の希土類マンガン/セリウム-ジルコニウムベースの複合化合物の調製方法。
【請求項21】
前記酸化剤の物質量は、前記スラリーに含まれるMn
2+物質の量の0.05~1倍である、ことを特徴とする請求項16~20のいずれか1項に記載の希土類マンガン/セリウム-ジルコニウムベースの複合化合物の調製方法。
【請求項22】
前記洗浄の具体的な条件は以下を含み、
脱イオン水を使用して洗浄し、洗浄終点の脱イオン水の導電率が40μs/cm未満である、ことを特徴とする請求項16~21のいずれか1項に記載の希土類マンガン/セリウム-ジルコニウムベースの複合化合物の調製方法。
【請求項23】
前記2価マンガン源、希土類源、セリウム-ジルコニウム複合酸化物を含む混合スラリーは、以下の方法によって調製され、
セリウム-ジルコニウム複合酸化物を水に加え、セリウム-ジルコニウム複合酸化物スラリーを得、
2価マンガン源および希土類源を含む混合溶液と前記セリウム-ジルコニウム複合酸化物スラリーを混合して、混合スラリーを得る、ことを特徴とする請求項16~22のいずれか1項に記載の希土類マンガン/セリウム-ジルコニウムベースの複合化合物の調製方法。
【請求項24】
前記セリウム-ジルコニウム複合酸化物スラリー中のセリウム-ジルコニウム複合酸化物の質量濃度は10~50%である、ことを特徴とする請求項23に記載の希土類マンガン/セリウム-ジルコニウムベースの複合化合物の調製方法。
【請求項25】
前記混合溶液中の前記2価マンガン源の濃度は0.5~2.5mol/Lであり、ここで、前記2価マンガン源のモル重量はマンガン元素のモル重量に基づき、
前記混合溶液中の前記希土類源の濃度は0.5~1.5mol/Lであり、ここで、前記希土類源のモル重量は希土類元素のモル重量に基づく、ことを特徴とする請求項23に記載の希土類マンガン/セリウム-ジルコニウムベースの複合化合物の調製方法。
【請求項26】
前記2価マンガン源はマンガンの可溶性金属塩であり、前記マンガンの可溶性金属塩は、マンガンの硝酸塩、マンガンの酢酸塩、マンガンの塩化物、マンガンの硫酸塩から選択される少なくとも1つであり、
前記希土類源は希土類の可溶性金属塩であり、前記希土類の可溶性金属塩は、希土類の硝酸塩、希土類の酢酸塩、希土類の塩化物、希土類の硫酸塩から選択される少なくとも1つである、ことを特徴とする請求項11に記載の希土類マンガン/セリウム-ジルコニウムベースの複合化合物の調製方法。
【請求項27】
前記焼成の具体的な条件は以下を含み、
焼成温度は500~900℃であり、
焼成時間は1~6hである、ことを特徴とする請求項16~25のいずれか1項に記載の希土類マンガン/セリウム-ジルコニウムベースの複合化合物の調製方法。
【請求項28】
請求項1~10のいずれか1項に記載の希土類マンガン/セリウム-ジルコニウムベースの複合化合物中の少なくとも1つを含む、ことを特徴とする自動車の排ガスNOの触媒酸化のための触媒。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
<関連出願の相互参照>
本願は、2019年9月4日に中国国家知識産権局に提出された、出願番号201910833257.8で、発明の名称「コアシェル構造の希土類マンガン/セリウム-ジルコニウム複合化合物、その調製方法および触媒」、および2019年9月4日に中国国家知識産権局に提出された、出願番号201910845391.Xで、発明の名称「希土類マンガン担持セリウム-ジルコニウム複合化合物および調製方法および触媒」の中国特許出願の優先権を主張し、その出願の全ての内容は参照により本願に組み込まれる。
【0002】
本発明の実施例は、酸素貯蔵材料の技術分野に関し、具体的には、希土類マンガン/セリウム-ジルコニウムベースの複合化合物、その調製方法、およびこの複合化合物を含む触媒に関する。
【背景技術】
【0003】
石油資源の不足の増加および地球温暖化傾向の激化に伴い、希薄燃焼エンジン(ディーゼルエンジンおよび希薄燃焼ガソリンエンジン)は、それらのより高い燃料経済性およびより低い温室効果ガス排出量のために広く注目されてきた。しかし、希薄燃焼エンジンの排気ガスには大量の窒素酸化物(NOx)が含まれているため、光化学スモッグや酸性雨などの顕著な環境問題を引き起こすだけでなく、人間の健康に深刻な害を及ぼす可能性がある。したがって、希薄燃焼エンジンの排気ガス中のNOxを効果的に除去する方法は、今日の環境における触媒作用の研究のホットスポットになっている。現段階では、ディーゼルエンジンの排気ガスの後処理には、主にDOC、SCR、DPF、SCRF/CDPF、およびASCが含まれる。DOCは、ディーゼルエンジン用の窒素酸化物(NOx)、炭化水素(HC)、一酸化炭素(CO)などのガス汚染物質を削減するためのディーゼル酸化触媒を指す。既存のディーゼル車の排気ガスでは、NO2の総NOxに占める割合は比較的小さいため、NO2の割合を増やすには、NOを効率的に酸化できる触媒と酸素貯蔵能力の高い触媒促進剤が必要である。現在、DOCで一般的に使用されている酸素貯蔵材料の酸素貯蔵容量は、通常600umol-O2/g未満である。しかしながら、より高いNO酸化性能を達成するためには、より高い酸素貯蔵容量および低温変換能力を有する材料が必要である。
【発明の概要】
【0004】
本願の一側面によれば、希土類マンガン/セリウム-ジルコニウムベースの複合化合物を提供し、
前記複合化合物はコアシェル構造を有し、その一般式は、AREcBaOb-(1-A)CexZr(1-x-y)MyO2-zとして表され、ここで0.1≦A≦0.3、好ましくは0.1≦A≦0.2であり、
シェル層の主成分は希土類マンガン酸化物であり、その一般式はREcBaObであり、ここでREは1つまたは複数の希土類元素の組み合わせであり、BはMnまたはMnと遷移金属元素の組み合わせであり、1≦a≦8、2<b≦18、0.25≦c≦4であり、
コア主成分はセリウム-ジルコニウム複合酸化物であり、その一般式はCexZr(1-x-y)MyO2-zであり、Mは非セリウム希土類元素、遷移金属元素中の少なくとも1つであり、ここで0.1≦x≦0.9、0≦y≦0.3、0.01≦z≦0.3である。
【0005】
選択可能な実施例では、複合化合物中のMn元素の総質量に対するシェル層中のMn元素の質量パーセントは70~98wt%、好ましくは90~98wt%である。
【0006】
具体的には、前記セリウム-ジルコニウム複合酸化物中のセリウムは3価および4価の複合原子価状態を有し、4価セリウムはセリウム総量の60~90wt%であり、より好ましくは70~80wt%である。
【0007】
選択可能な実施例では、1≦a≦3、2≦b≦8であり、好ましくは、前記シェル層はムライト型構造である。複合化合物中のMn元素の総質量に対するシェル層中のMn元素の質量パーセントは、好ましくは70~95wt%であり、より好ましくは80~90%である。
【0008】
具体的には、前記希土類マンガン酸化物中の希土類元素REは、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、サマリウム、ユーロピウムおよびイットリウムからなる群から選択される1つまたは複数である。
【0009】
具体的には、前記セリウム-ジルコニウム複合酸化物中のMは、ランタン、プラセオジム、ネオジム、イットリウム、サマリウム、ユーロピウム、ガドリニウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、ハフニウム、アルミニウム、バリウムからなる群から選択される1つまたは複数であり、好ましくはランタン、プラセオジム、ネオジム、イットリウム、サマリウムからなる群から選択される1つまたは複数である。
【0010】
具体的には、前記希土類マンガン酸化物には遷移金属元素がドープされ、前記遷移金属元素は鉄、タングステン、モリブデン、ニッケル、コバルト、バナジウム、チタンからなる群から選択される1つまたは複数であり、好ましくは鉄、ニッケル、バナジウム、チタンからなる群から選択される1つまたは複数であり、
前記遷移金属元素の質量は希土類マンガン酸化物の質量の0.01%~10%であり、好ましくは0.1%~3%であり、ここで遷移金属元素の質量は遷移金属元素自体の質量に基づき、前記希土類マンガン酸化物の質量は遷移金属がドープされる前の希土類マンガン酸化物の質量に基づく。
【0011】
具体的には、前記希土類マンガン/セリウム-ジルコニウムベースの複合化合物の酸素貯蔵容量は800umol-O2/g以上である。
【0012】
具体的には、前記希土類マンガン/セリウム-ジルコニウム複合化合物の粒子径D50は1~15μmであり、好ましくは2~10μmであり、より好ましくは3~10μmである。
【0013】
さらに、前記シェル層は、水酸化物、炭酸塩、塩基性炭酸塩からなる群から選択される1つまたは複数であり、含有量は0.01~1wt%である。
【0014】
本願の第2の側面は、上記のいずれか1つに記載の希土類マンガン/セリウム-ジルコニウム複合化合物の調製方法を提供し、この方法は以下を含む:
2価マンガン源、希土類源、セリウム-ジルコニウム複合酸化物を含む混合原料を反応させ、前記希土類マンガン/セリウム-ジルコニウムベースの複合化合物を得る。
選択可能な実施例では、前記含有マンガン源、希土類源、セリウム-ジルコニウム複合酸化物の混合原料を反応させることは、具体的に以下のステップを含む:
最終生成物の化学量論比に従って、2価マンガン源、希土類源およびセリウム-ジルコニウム複合酸化物を調製し、
2価マンガン源および希土類源を含む混合溶液を前記セリウム-ジルコニウム複合酸化物に添加して反応させ、反応が完了した後、乾燥、焼成、粉砕を行い、前記希土類マンガン/セリウム-ジルコニウム複合化合物を得る。
【0015】
具体的には、前記混合溶液中の前記2価マンガン源の濃度は2~4mol/Lであり、ここで、前記2価マンガン源のモル重量はマンガン元素のモル重量に基づき、
前記混合液中の前記希土類源の濃度は0.5~2mol/Lであり、ここで、前記希土類源のモル重量は希土類元素のモル重量に基づく。
【0016】
具体的には、前記2価マンガン源および希土類源を含む混合溶液の体積は前記セリウム-ジルコニウム複合酸化物の細孔容積の70~150%であり、好ましくは90~120%である。
【0017】
具体的には、前記反応の具体的な条件は以下のとおりである:
反応は攪拌下で行われ、
反応温度は15~75℃であり、
反応時間は5~20minである。
【0018】
別の選択可能な実施例では、前記マンガン源、希土類源、セリウム-ジルコニウム複合酸化物を含む混合原料を反応させることは、具体的に以下のステップを含む:
最終生成物の化学量論比に従って、2価マンガン源、希土類源およびセリウム-ジルコニウム複合酸化物を調製し、
2価マンガン源、希土類源、セリウム-ジルコニウム複合酸化物を含む混合スラリーに沈殿剤および酸化剤を順次添加して反応させ、反応が完了した後、洗浄、乾燥、焼成、粉砕を行い、前記希土類マンガン/セリウム-ジルコニウム複合化合物を得る。
【0019】
具体的には、前記沈殿剤は、水酸化ナトリウム、アンモニア水、重炭酸アンモニウムまたは水酸化カリウムから選択される1つであり、好ましくは水酸化ナトリウムである。
【0020】
具体的には、前記沈殿剤の物質量は、前記スラリー中のマンガン元素および希土類元素を沈殿させるのに必要な化学量論量の5~90%である。
【0021】
具体的には、前記沈殿剤は沈殿剤溶液の形態で前記混合スラリーに添加され、
前記沈殿剤溶液中の沈殿剤の濃度は0.5~5mol/Lであり、好ましくは1.0-3.0mol/Lである。
【0022】
具体的には、前記酸化剤は、過酸化水素、酸素、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウムまたは過硫酸アンモニウムから選択される1つであり、好ましくは過酸化水素である。
【0023】
具体的には、前記酸化剤は、前記スラリーに含まれるMn2+物質の量の0.05~1倍の物質量を有し、好ましくは0.1~0.5倍である。
【0024】
具体的には、前記洗浄の具体的な条件は以下のとおりである:
脱イオン水を使用して洗浄し、洗浄終点の脱イオン水の導電率は40us/cm未満であり、好ましくは20us/cm未満である。
【0025】
具体的には、前記2価マンガン源、希土類源、セリウム-ジルコニウム複合酸化物を含む混合スラリーは、以下の方法によって調製され:
セリウム-ジルコニウム複合酸化物を水に加え、セリウム-ジルコニウム複合酸化物スラリーを得る、
2価マンガン源および希土類源を含む混合溶液と前記セリウム-ジルコニウム複合酸化物スラリーを混合して、混合スラリーを得る。
【0026】
具体的には、前記セリウム-ジルコニウム複合酸化物スラリー中のセリウム-ジルコニウム複合酸化物の質量濃度は10~50%である。
【0027】
具体的には、前記混合溶液中の前記2価マンガン源の濃度は0.5~2.5mol/Lであり、ここで、前記2価マンガン源のモル重量はマンガン元素のモル重量に基づき、
前記混合液中の前記希土類源の濃度は0.5~1.5mol/Lであり、ここで、前記希土類源のモル重量は希土類元素のモル重量に基づく。
【0028】
具体的には、前記2価マンガン源はマンガンの可溶性金属塩であり、前記マンガンの可溶性金属塩は、マンガンの硝酸塩、マンガンの酢酸塩、マンガンの塩化物、マンガンの硫酸塩から選択される少なくとも1つであり、
前記希土類源は希土類の可溶性金属塩であり、前記希土類の可溶性金属塩は、希土類の硝酸塩、希土類の酢酸塩、希土類の塩化物、希土類の硫酸塩から選択される少なくとも1つである。
【0029】
具体的には、前記焼成の具体的な条件は以下のとおりである:
焼成温度は500~900℃であり、
焼成時間は1~6hである。
【0030】
好ましくは、焼成温度は700~850℃であり、
焼成時間は3~5hである。
【0031】
本発明の触媒は、上記のいずれか1つに記載の希土類マンガン/セリウム-ジルコニウム複合化合物、上記のいずれか1項に記載の調製方法によって調製された希土類マンガン/セリウム-ジルコニウム複合化合物の少なくとも1つを含む。
【0032】
本願の第4の側面は、上記のいずれか1つに記載の希土類マンガン/セリウム-ジルコニウム複合化合物、上記のいずれか1項に記載の調製方法によって調製された希土類マンガン/セリウム-ジルコニウム複合化合物中の少なくとも1つを触媒として自動車の排気ガスのNO接触酸化に使用される用途を提供する。
【0033】
本願は以下の有益な効果を達成することができる。
【0034】
(1)本調製方法によって得られた希土類マンガン/セリウム-ジルコニウムベースの複合化合物において、希土類マンガン酸化物はセリウム-ジルコニウムベース酸化物の表面に単層分散の形態で存在し、コアシェル構造のREcBaOb化合物を形成することができる。希土類マンガン酸化物は、セリウム-ジルコニウムベース酸化物と強く相互作用して、両者の物理的および化学的性能を変えることができる。
【0035】
(2)単層分散状態により、表面がより多くの活性部位を有することを可能にし、単層分散は、希土類マンガン酸化物とセリウム-ジルコニウムベース酸化物の酸素伝達チャンネルおよび酸素空孔を構築することができる界面効果を高め、気相酸素分子が酸素空孔に吸着されて表面に吸着される酸素を補充し、セリウム-ジルコニウム材料の酸素貯蔵性能を大幅に向上させる。
【0036】
(3)コアシェル構造の希土類マンガン/セリウム-ジルコニウム複合化合物は共沈法によって調製され、セリウム-ジルコニウムの表面にコアシェル構造を含むムライト構造のRECBaOb化合物が形成され、界面効果によりムライト構造酸化物とセリウム-ジルコニウム複合酸化物の酸素伝達チャンネルおよび酸素空孔を構築し、気相酸素分子が酸素空孔に吸着されて表面に吸着される酸素を補充し、セリウム-ジルコニウム材料の酸素貯蔵性能を大幅に向上させ、NOの低温変換率をさらに向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【
図1】本発明の具体的な実施例によって提供される希土類マンガン/セリウム-ジルコニウムベースの複合化合物の調製方法のフローチャートである。
【
図2】本発明の別の具体的な実施例によって提供される希土類マンガン/セリウム-ジルコニウムベースの複合化合物の調製方法のフローチャートである。
【
図3】本発明のさらに別の具体的な実施例によって提供される希土類マンガン/セリウム-ジルコニウムベースの複合化合物の調製方法のフローチャートである。
【
図4】本発明の実施例29によって提供される希土類マンガン/セリウム-ジルコニウムベースの複合化合物のX線回折図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
本発明の目的、技術的解決策、および利点のより明確な説明のために、本発明は、特定の実施形態と組み合わせて、添付の図面を参照して、以下でさらに詳細に説明される。これらの説明は単なる例示であり、本発明の範囲を限定することを意図するものではないことを理解されたい。さらに、本発明の概念を不必要に曖昧にすることを回避するために、以下の説明では、周知の構造および技術の説明を省略している。
【0039】
本願の一側面によれば、希土類マンガン/セリウム-ジルコニウム複合化合物を提供し、
前記複合化合物はコアシェル構造を有し、その一般式はAREcBaOb-(1-A)CexZr(1-x-y)MyO2-zであり、ここで0.1≦A≦0.3であり、最も活性な部位は一般に分散閾値付近であるため、外層の希土類マンガン酸化物の含有量が希土類マンガンのセリウム-ジルコニウムベース酸化物表面の単層分散閾値付近であることを保証するために、好ましくは0.1≦A≦0.2であり、
シェル層の主成分は希土類マンガン酸化物であり、その一般式はREcBaObであり、ここでREは1つまたは複数の希土類元素の組み合わせであり、BはMnまたはMnと遷移金属元素の組み合わせであり、1≦a≦8、2≦b≦18、0.25≦c≦4であり、この希土類元素を含む希土類マンガン酸化物は、NOに対してより高い酸化性能を示す特殊な相構造を持つ材料を形成することができる。
【0040】
コアの主成分はセリウム-ジルコニウム複合酸化物であり、その一般式はCexZr(1-x-y)MyO2-zであり、Mは非セリウム希土類元素、遷移金属元素中の少なくとも1つであり、ここで0.1≦x≦0.9、0≦y≦0.3、0.01≦z≦0.3である。好ましくは、xの範囲は0.2~0.7である。セリウム-ジルコニウムベース酸化物は優れた酸素貯蔵および放出能力、貴金属分散性能を有する。
【0041】
選択可能な実施例では、希土類マンガン酸化物はムライト構造であり、一般的に、ムライト構造はAB2O5であり、ここでAは希土類元素であり、Bは遷移金属元素であり、希土類元素は、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、サマリウム、ユーロピウム、イットリウムからなる群から選択される1つまたは複数であり、遷移金属元素はMn元素である。希土類元素を含むムライト構造の材料は、NOに対してより高い酸化性能を有する。
【0042】
シェル層中のMnの含有量が高いほど、活性部位が多くなり、触媒活性が高くなるため、複合化合物中のMn元素の総質量に対するシェル層中のMn元素の質量パーセントは、好ましくは70~98wt%であり、より好ましくは90~98wt%であり、残りはろ過されたセリウムまたはジルコニウムの化合物である。
【0043】
具体的には、セリウム-ジルコニウム中の4価セリウムは、相構造を安定化する役割を果たし、一部の3価セリウムの存在により格子欠陥が発生する可能性があり、酸素空孔の濃度が増加する。3価セリウムおよび4価セリウム間の相互変換により、活性酸素原子が迅速に放出/吸収され、酸素貯蔵および放出能力が改善され得る。本発明において、4価セリウムはセリウム総量の60~90wt%を占め、好ましくは、4価セリウムはセリウム総量の70~80wt%を占める。セリウム-ジルコニウム複合酸化物の材料はCeO2とZrO2の固溶体であり、優れた酸素貯蔵および放出能力、貴金属分散性能を有する。
【0044】
選択可能な実施例では、1≦a≦3、2≦b≦8である。したがって、シェル層中のMn元素の質量パーセントは、好ましくは70~95wt%であり、より好ましくは80~90%である。
【0045】
具体的には、前記希土類マンガン酸化物中の希土類元素REは、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、サマリウム、ユーロピウム、イットリウムからなる群から選択される1つまたは複数を含む。
【0046】
具体的には、前記セリウム-ジルコニウム複合酸化物中のMは、ランタン、プラセオジム、ネオジム、イットリウム、サマリウム、ユーロピウム、ガドリニウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、ハフニウム、アルミニウム、バリウムからなる群から選択される1つまたは複数であり、好ましくはランタン、プラセオジム、ネオジム、イットリウム、サマリウムの1つまたは複数である。一定の含有量内で希土類元素をドープすることでセリウム-ジルコニウム複合酸化物の高温焼結抵抗を高め、酸素貯蔵能力を向上させることができる。ドープされた希土類元素の質量パーセント含有量は、セリウム-ジルコニウム複合酸化物の30%未満である。
【0047】
具体的には、前記希土類マンガン酸化物には遷移金属元素がドープされ、前記遷移金属元素は、鉄、タングステン、モリブデン、ニッケル、コバルト、バナジウム、チタンからなる群から選択される1つまたは複数であり、好ましくは鉄、ニッケル、バナジウム、チタンからなる群から選択される1つまたは複数であり、
前記遷移金属元素の質量は、希土類マンガン酸化物の質量の0.01%~10%であり、好ましくは0.1%~3%であり、ここで遷移金属元素の質量は遷移金属元素自体の質量に基づき、前記希土類マンガン酸化物の質量は、遷移金属がドープされる前の希土類マンガン酸化物の質量に基づく。
【0048】
具体的には、セリウム-ジルコニウム複合酸化物の酸素貯蔵容量は、一般に600umol-O2/gより低く、外層シェル層の希土類マンガン酸化物の存在により表面酸素空孔の濃度が増加するため、酸素貯蔵容量が増加し、前記希土類マンガン/セリウム-ジルコニウム複合化合物の酸素貯蔵容量は800umol-O2/g以上である。
【0049】
具体的には、前記希土類マンガン/セリウム-ジルコニウム複合化合物の粒子径D50は1~15μmであり、好ましくは2~10μmであり、より好ましくは3~10μmである。
【0050】
さらに、前記シェル層は、水酸化物、炭酸塩、塩基性炭酸塩からなる群から選択される1つまたは複数をさらに含み、含有量は0.01~1wt%であり、細孔構造をある程度調整することができる。
【0051】
本願の第2の側面は、上記のいずれか1つに記載の希土類マンガン/セリウム-ジルコニウム複合化合物の調製方法を提供し、この方法は以下を含む:
2価マンガン源、希土類源、セリウム-ジルコニウム複合酸化物を含む混合原料を反応させ、前記希土類マンガン/セリウム-ジルコニウム複合化合物を得る。
【0052】
選択可能な実施例では、前記マンガン源、希土類源、セリウム-ジルコニウム複合酸化物を含む混合原料を反応させることは、具体的に以下のステップを含む:
最終生成物の化学量論比に従って2価マンガン源、希土類源およびセリウム-ジルコニウム複合酸化物を調製し、
2価マンガン源および希土類源を含む混合溶液を前記セリウム-ジルコニウム複合酸化物に添加して反応させ、反応が完了した後、乾燥、焼成、粉砕を行い、前記希土類マンガン/セリウム-ジルコニウム複合化合物を得る。
【0053】
具体的には、前記混合溶液中の前記2価マンガン源の濃度は2~4mol/Lであり、ここで、前記2価マンガン源のモル重量はマンガン元素のモル重量に基づき、
前記混合液中の前記希土類源の濃度は0.5~2mol/Lであり、ここで、前記希土類源のモル重量は希土類元素のモル重量に基づく。
【0054】
具体的には、前記2価マンガン源および希土類源を含む混合溶液の体積は、前記セリウム-ジルコニウム複合酸化物の細孔容積の70~150%であり、好ましくは90~120%である。
【0055】
具体的には、前記反応の具体的な条件は以下のとおりである:
反応は攪拌下で行われ、
反応温度は15~45℃であり、
反応時間は5~20minである。
【0056】
図1に示すように、1つの具体的な実施例では、前記希土類マンガン/セリウム-ジルコニウム複合化合物の調製方法は、以下を含む:
最終生成物に必要とされる化学量論量の2価マンガン塩溶液および1つまたは複数の希土類金属塩溶液の混合溶液を調製し、溶液濃度は4~6mol/Lであり、好ましくは4.5~5.5mol/Lであり、具体的には、可溶性の硝酸塩、酢酸塩、塩化物および/または硫酸塩を選択して希土類金属塩および2価マンガン塩の供給源として使用し、好ましくは硝酸マンガンを使用し、
セリウム-ジルコニウムベース酸化物および調製された希土類マンガン混合溶液を混合して、希土類マンガンを含む湿潤セリウム-ジルコニウム複合化合物を得、希土類マンガン混合溶液の体積はセリウム-ジルコニウムベース酸化物の細孔容積の70~150%であり、好ましくは90~120%であり、
前記希土類マンガンを含む湿潤セリウム-ジルコニウム複合化合物を、酸化雰囲気で乾燥し、低原子価マンガンの高原子価マンガンへの酸化を促進し、酸化状態のMn(III、IV、VII)を含む希土類マンガン酸化物を形成し、乾燥温度は80~250℃であり、好ましくは150~220℃であり、
乾燥された希土類マンガンを含むセリウム-ジルコニウム複合化合物を焼成し、焼成条件として、温度は500~900℃の範囲内で1~6時間維持し、好ましくは700℃~850℃の範囲内で3~5時間維持し、
前記焼成後の複合化合物を粉砕して、前記希土類マンガン/セリウム-ジルコニウム複合化合物を得、前記粉砕して得られた希土類マンガン担持セリウム-ジルコニウム複合化合物の粒子径D50は1~15umであり、好ましくは2~10umであり、選択された範囲の粒子径は、触媒の調製には容易に塗布を実現する。
【0057】
上記調製方法によって調製された希土類マンガン担持セリウム-ジルコニウム複合化合物は、セリウム-ジルコニウムベース酸化物とともにコアシェル構造のREMnaOb酸化物を形成することができ、その結果、セリウム-ジルコニウム材料の酸素貯蔵性能は界面効果によって改善され、NOの酸化速度を向上させる。本発明の実施例による希土類マンガン酸化物を調製するための上記調製プロセスでは廃水が生成されず、調製プロセスは環境に優しい。
【0058】
別の選択可能な実施例では、前記マンガン源、希土類源、セリウム-ジルコニウム複合酸化物を含む混合原料を反応させることは、具体的に以下のステップを含む:
最終生成物の化学量論比に従って2価マンガン源、希土類源およびセリウム-ジルコニウム複合酸化物を調製し、
2価マンガン源、希土類源、セリウム-ジルコニウム複合酸化物を含む混合スラリー中に、沈殿剤および酸化剤を順次加え反応させ、反応が完了した後、洗浄、乾燥、焼成、粉砕を行い、前記希土類マンガン/セリウム-ジルコニウム複合化合物を得る。
【0059】
具体的には、前記沈殿剤は、水酸化ナトリウム、アンモニア水、重炭酸アンモニウムまたは水酸化カリウムから選択される1つであり、好ましくは水酸化ナトリウムである。
【0060】
具体的には、前記沈殿剤の物質量は、前記スラリー中のマンガン元素および希土類元素を沈殿させるのに必要な化学量論量の5~90%である。
【0061】
具体的には、前記沈殿剤は、沈殿剤溶液の形態で前記混合スラリーに添加され、
前記沈殿剤溶液中の沈殿剤の濃度は0.5~5mol/Lであり、好ましくは1.0~3.0mol/Lである。
【0062】
具体的には、前記酸化剤は、過酸化水素、酸素、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウムまたは過硫酸アンモニウムから選択される1つであり、好ましくは過酸化水素である。
【0063】
具体的には、前記酸化剤の物質量は、前記スラリーに含まれるMn2+物質の量の0.05~1倍であり、好ましくは0.1~0.5倍である。
【0064】
具体的には、前記洗浄の具体的な条件は以下のとおりである:
脱イオン水を使用して洗浄し、洗浄終点の脱イオン水の導電率は40us/cm未満であり、好ましくは20us/cm未満である。
【0065】
具体的には、前記2価マンガン源、希土類源、セリウム-ジルコニウム複合酸化物を含む混合スラリーは、以下の方法によって調製され:
セリウム-ジルコニウム複合酸化物を水に加え、セリウム-ジルコニウム複合酸化物スラリーを得、
2価マンガン源および希土類源を含む混合溶液と前記セリウム-ジルコニウム複合酸化物スラリーを混合して、混合スラリーを得る。
【0066】
具体的には、前記セリウム-ジルコニウム複合酸化物スラリー中のセリウム-ジルコニウム複合酸化物の質量濃度は10~50%である。
【0067】
具体的には、前記混合溶液中の前記2価マンガン源の濃度は0.5~2.5mol/Lであり、ここで、前記2価マンガン源のモル重量はマンガン元素のモル重量に基づき、
前記混合液中の前記希土類源の濃度は0.5~1.5mol/Lであり、ここで、前記希土類源のモル重量は希土類元素のモル重量に基づく。
【0068】
具体的には、前記2価マンガン源はマンガンの可溶性金属塩であり、前記マンガンの可溶性金属塩は、マンガンの硝酸塩、マンガンの酢酸塩、マンガンの塩化物、マンガンの硫酸塩から選択される少なくとも1つであり、
前記希土類源は希土類の可溶性金属塩であり、前記希土類の可溶性金属塩は、希土類の硝酸塩、希土類の酢酸塩、希土類の塩化物、希土類の硫酸塩から選択される少なくとも1つである。
【0069】
具体的には、前記焼成の具体的な条件は以下のとおりである:
焼成温度は500~900℃であり、
焼成時間は1~6hである。
【0070】
好ましくは、焼成温度は700~850℃であり、
焼成時間は3~5hである。
【0071】
図2に示すように、別の具体的な実施例では、前記希土類マンガン/セリウム-ジルコニウム複合化合物の調製方法は、以下を含む:
最終生成物に必要とされる化学量論量の2価マンガン塩溶液および1つまたは複数の希土類金属塩溶液の混合溶液を調製し、溶液濃度は2~6mol/Lであり、具体的には、可溶性の硝酸塩、酢酸塩、塩化物および/または硫酸塩を選択して希土類金属塩および2価マンガン塩の供給源として使用し、好ましくは硝酸塩を使用する。
【0072】
前記マンガン塩溶液および1つまたは複数の希土類金属塩溶液の混合溶液を前記セリウム-ジルコニウム複合酸化物に加え、マンガンおよび希土類塩混合溶液を含むセリウム-ジルコニウム複合酸化物スラリーを得、スラリー濃度は5~40%であり、好ましくは10~30%であり、
選択可能な乾燥、焼成、および粉砕した後、前記希土類マンガン/セリウム-ジルコニウム複合化合物を得る。焼成条件として、温度は500~900℃の範囲内に1~6時間維持し、好ましくは700℃~850℃範囲内に3~5時間維持する。
図3に示すように、さらに別の具体的な実施例では、前記希土類マンガン/セリウム-ジルコニウム複合化合物の調製方法は、以下を含む:
まず、最終生成物に必要とされる化学量論量の2価マンガン塩溶液および1つまたは複数の希土類金属塩溶液の混合溶液を調製し、溶液濃度は0.5~4.0mol/Lであり、好ましくは1.0~2.5mol/Lであり、具体的には、可溶性の硝酸塩、酢酸塩、塩化物および/または硫酸塩を選択して希土類金属塩および2価マンガン塩の供給源として使用し、好ましくは硝酸塩を使用し、セリウム-ジルコニウム複合酸化物を脱イオン水に加えてスラリー化し、セリウム-ジルコニウム複合酸化物の固体粉末を水に均一に分散させ、セリウム-ジルコニウム複合酸化物スラリーを得、スラリー濃度は10~50%であり、好ましくは15~40%である。具体的には、この2価マンガン塩溶液および希土類金属塩溶液は、可溶性の硝酸塩、酢酸塩、塩化物および/または硫酸塩を原料供給源として使用し、例えば、Mn(NO
3)
2、Mn(CH
3(COO)
2)、MnCl
2、MnSO
4などを使用する。このセリウム-ジルコニウム複合酸化物は、ランタン、プラセオジム、ネオジム、ユーロピウム、イットリウム中の少なくとも1つを含む。
【0073】
次に、マンガン塩溶液および1つまたは複数の希土類金属塩溶液の混合溶液をセリウム-ジルコニウム複合酸化物スラリーに加え、マンガンおよび希土類塩混合溶液を含むセリウム-ジルコニウム複合酸化物スラリーを得る。マンガンおよび希土類塩を含む混合溶液はセリウム-ジルコニウムスラリーに均一に分散されるため、マンガンおよび希土類が均一な相でセリウム-ジルコニウム複合酸化物の粉末上に共沈させることができる。
【0074】
その後、上記スラリー中にアルカリ溶液を加え、セリウム-ジルコニウム複合酸化物の固体粉末上にムライト構造を有する水酸化物を沈殿させ、溶液のpH値を8以上に制御して、沈殿物を得る。具体的には、アルカリは、水酸化ナトリウム、アンモニア水、重炭酸アンモニウムまたは水酸化カリウムを含み、添加量は0.5mol/L~5mol/Lの範囲であり、好ましくは1.0~3.0mol/Lである。この沈殿物は、セリウム-ジルコニウム複合酸化物上に沈殿したMn(OH)2およびRE(OH)3の混合水酸化物を含む。具体的な反応式は次の通りである:
RE3++2Mn2++7OH-=RE(OH)3・2Mn(OH)2
続いて、沈殿物中に酸化剤を加え、酸化剤の物質量はMn2+物質の量の0.05~1倍であり、好ましくは0.1~0.5倍である。具体的には、酸化剤は、過酸化水素、酸素、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム中の1つを含む。
【0075】
例えば、過酸化水素の反応式は次の通りである:
Mn(OH)2+h2O2=MnO(OH)2+h2O
酸化剤が添加された沈殿物を濾過し、脱イオン水で洗浄し、洗浄終点の脱イオン水の導電率は40us/cm未満であり、好ましくは20us/cmである。K+、Na+、NH4
+などの可溶性の陽イオン、Cl-、SO4
2-、NO3
-などの可溶性の陰イオンなどの不純物イオンが洗浄によって除去され、不純物イオンが存在すると合成された複合化合物の高温焼結が起こりやすく、比表面積および酸素貯蔵性能が低下する。
【0076】
選択可能な乾燥の後、脱イオン水で洗浄された沈殿物を焼成し、粉砕してこのコアシェル構造の希土類マンガン/セリウム-ジルコニウム複合化合物を得る。前記焼成条件として、温度が500~900℃の範囲内に1~6時間維持し、好ましくは700℃~850℃範囲内に3~5時間維持する。材料の粒子径D50は1~15umであり、好ましくは3~10umである。
【0077】
上記調製方法によって調製されたコアシェル構造の希土類マンガン/セリウム-ジルコニウム複合化合物は、セリウム-ジルコニウム複合酸化物とともにムライト構造を含むコアシェル構造のRECBaOb酸化物を形成し、セリウム-ジルコニウム材料の酸素貯蔵性能が界面効果によって改善され、NOの酸化速度を向上させる。RECBaOb酸化物とセリウム-ジルコニウム材料の割合を、酸素貯蔵材料の酸素貯蔵容量、耐熱性能に関するディーゼル車の様々なDOC触媒の動作要件を満たすように調整することができる。
【0078】
本願の第3の側面は、上記のいずれか1つに記載の希土類マンガン/セリウム-ジルコニウム複合化合物、上記のいずれか1項に記載の調製方法によって調製された希土類マンガン/セリウム-ジルコニウム複合化合物中の少なくとも1つを触媒として自動車の排気ガスのNO接触酸化に使用される用途を提供する。この触媒は、ディーゼル車のDOC触媒で使用され、酸素貯蔵材料の酸素貯蔵容量を増加させ、NOの酸化を促進し、それによってNOのNO2への変換率を高める。
【0079】
特に説明しない限り、本願の実施例中の原料はすべて市販品である。
【0080】
ここで、各実施例で使用されるセリウム-ジルコニウム複合酸化物は、特許ZL201010294878.2に記載の方法に従って調製された。
【0081】
実施例1
0.10CeMn2O5-0.90Ce0.4Zr0.6O1.94;
5mLの濃度3mol/L Ce(NO3)3溶液および6mLの濃度5mol/L Mn(NO3)2溶液をそれぞれ量り、100mLビーカーに注ぎ、10min磁気的に攪拌して、Ce、Mn混合溶液を得た。組成Ce0.4Zr0.6O1.94のセリウム-ジルコニウム複合酸化物粉末を45g秤量して250mLビーカーに入れ、Ce、Mn混合溶液を攪拌しながらセリウム-ジルコニウム複合酸化物粉末に滴下し、液体の添加が完了した後、10min攪拌し、取り出し、160℃のオーブンで24h乾燥し、マッフル炉で750℃で5h焼成した後、取り出し、粉砕してD50=2umの生成物を得た。
【0082】
以上のように調製された複合化合物を、0.1gを量りChembet PULSAR TPR/TPD型化学吸着装置に入れ、酸素パルス法によってサンプルの酸素貯蔵および放出性能を測定した。具体的には、Heを使用してパージし150℃まで昇温し、継続的に800℃まで昇温した後10%H2/Arを使用して1h還元し、Heガス流で反応器の温度を500℃に下げ、残りのH2を完全にパージし、次に高純度O2を500℃で脈動的に導入した。消費されたO2ピーク面積から計算した総酸素貯蔵容量は821umol O2/gであった。
【0083】
実施例2
0.15YMn2O5-0.85Ce0.3Zr0.6La0.1O1.89:
9mLの濃度3mol/L Y(COOH)3溶液および12mLの濃度4.5mol/L Mn(COOH)3溶液をそれぞれ量り200mLビーカーに注ぎ、10min磁気的に攪拌し、Y、Mn混合溶液を得た。組成Ce0.3Zr0.6La0.1O1.89のセリウム-ジルコニウム複合酸化物粉末を42.5g秤量し250mLビーカーに注ぎ、Y、Mn混合溶液を攪拌しながらセリウム-ジルコニウム複合酸化物粉末に滴下し、液体の添加が完了した後、10min攪拌し、取り出し、170℃のオーブンで24h乾燥し、マッフル炉で770℃で5h焼成した後、取り出し、粉砕して、D50=3.6umの生成物を得た。
【0084】
以上のように調製された複合化合物について、実施例1と同じ酸素貯蔵容量測定方法を採用すると、消費されたO2ピーク面積から計算した総酸素貯蔵容量は857umol O2/gであった。
【0085】
実施例3
0.2LaMn2O5-0.8Ce0.4Zr0.5La0.05Pr0.05O1.92:
10.5mLの濃度3mol/L La(COOH)3溶液および14mLの濃度4.5mol/L Mn(COOH)2溶液をそれぞれ量り200mLビーカーに注ぎ、10min磁気的に攪拌し、La、Mn混合溶液を得た。組成Ce0.4Zr0.5La0.05Pr0.05O1.92のセリウム-ジルコニウム複合酸化物粉末を40g秤量し250mLビーカーに注ぎ、La、Mn混合溶液を攪拌しながらセリウム-ジルコニウム複合酸化物粉末に滴下し、液体の添加が完了した後、10min攪拌し、取り出し、180℃のオーブンで24h乾燥し、マッフル炉で900℃で1h焼成した後、取り出し、粉砕して、D50=15umの生成物を得た。
【0086】
以上のように調製された複合化合物について、実施例1と同じ酸素貯蔵容量測定方法を採用すると、消費されたO2ピーク面積から計算した総酸素貯蔵容量は894umol O2/gであった。
【0087】
実施例4
0.25SmMn2O5-0.75Ce0.2Zr0.7La0.03Nd0.07O1.9
12.5mLの濃度3mol/L Sm(NO3)3溶液および15mLの濃度5mol/L Mn(NO3)2溶液をそれぞれ量り200mLビーカーに注ぎ、10min磁気的に攪拌し、Sm、Mn混合溶液を得た。組成Ce0.2Zr0.7La0.03Nd0.07O1.9のセリウム-ジルコニウム複合酸化物粉末を37.5g秤量し250mLビーカーに注ぎ、Sm、Mn混合溶液を攪拌しながらセリウム-ジルコニウム複合酸化物粉末に滴下し、液体の添加が完了した後、10min攪拌し、取り出し、190℃のオーブンで24h乾燥し、マッフル炉で500℃で6h焼成した後、取り出し、粉砕して、D50=1.2umの生成物を得た。
【0088】
以上のように調製された複合化合物について、実施例1と同じ酸素貯蔵容量測定方法を採用すると、測定された総酸素貯蔵容量は924umol O2/gであった。
【0089】
実施例5
0.3La0.33Sm0.67Mn2O5-0.7Ce0.6Zr0.3La0.05Y0.05O1.94
5mLの濃度3mol/L LaNO3溶液および10mLの濃度3mol/L Sm(NO3)3溶液および18mLの濃度5mol/L Mn(NO3)2溶液をそれぞれ量り200mLビーカーに注ぎ、10min磁気的に攪拌し、La、Sm、Mn混合溶液を得た。組成Ce0.6Zr0.3La0.05Y0.05O1.94のセリウム-ジルコニウム複合酸化物粉末を35g秤量し250mLビーカーに注ぎ、La、Sm、Mn混合溶液を攪拌しながらセリウム-ジルコニウム複合酸化物粉末に滴下し、液体の添加が完了した後、10min攪拌し、取り出し、200℃のオーブンで24h乾燥し、マッフル炉で850℃で5h焼成した後、取り出し、粉砕して、D50=9.9umの生成物を得た。
【0090】
以上のように調製された複合化合物について、実施例1と同じ酸素貯蔵容量測定方法を採用すると、測定された総酸素貯蔵容量は957umol O2/gであった。
【0091】
実施例6
0.3La0.2Ce0.2Y0.6Mn2O5-0.7Ce0.4Zr0.5La0.02Nd0.05Y0.03O1.95
4mLの濃度3mol/L LaNO3溶液および4mLの濃度3mol/L Ce(NO3)3溶液および7mLの濃度5mol/L Mn(NO3)2溶液をそれぞれ量り100mLビーカーに注ぎ、10min磁気的に攪拌し、Ce、Y、Mn混合溶液を得た。組成Ce0.4Zr0.5La0.02Nd0.05Y0.03O1.95のセリウム-ジルコニウム複合酸化物粉末を35g秤量し250mLビーカーに注ぎ、Ce、Y、Mn混合溶液を攪拌しながらセリウム-ジルコニウム複合酸化物粉末に滴下し、液体の添加が完了した後、10min攪拌し、取り出し、210℃のオーブンで24h乾燥し、マッフル炉で810℃で3h焼成した後、取り出し、粉砕して、D50=4.3umの生成物を得た。
【0092】
以上のように調製された複合化合物について、実施例1と同じ酸素貯蔵容量測定方法を採用すると、測定された総酸素貯蔵容量は1067umol O2/gであった。
【0093】
実施例7
0.10Ce0.25MnO2-0.90Ce0.4Zr0.5Y0.1O1.94
2.5mLの濃度3mol/L Ce(NO3)3溶液および6mLの濃度5mol/L Mn(NO3)2溶液をそれぞれ量り100mLビーカーに注ぎ、10min磁気的に攪拌し、Ce、Mn混合溶液を得た。組成Ce0.4Zr0.5Y0.1O1.94のセリウム-ジルコニウム複合酸化物粉末を45g秤量し250mLビーカーに注ぎ、Ce、Mn混合溶液を攪拌しながらセリウム-ジルコニウム複合酸化物粉末に滴下し、液体の添加が完了した後、10min攪拌し、取り出し、210℃のオーブンで24h乾燥し、マッフル炉で820℃で4h焼成した後、取り出し、粉砕して、D50=5.6umの生成物を得た。
【0094】
以上のように調製された複合化合物について、実施例1と同じ酸素貯蔵容量測定方法を採用すると、測定された総酸素貯蔵容量は847umol O2/gであった。
【0095】
実施例8
0.15Y4Mn8O18-0.85Ce0.3Zr0.6La0.1O1.89:
9mLの濃度3mol/L Y(COOH)3溶液および12mLの濃度4.5mol/L Mn(COOH)3溶液をそれぞれ量り200mLビーカーに注ぎ、10min磁気的に攪拌し、Y、Mn混合溶液を得た。組成Ce0.3Zr0.6La0.1O1.89のセリウム-ジルコニウム複合酸化物粉末を42.5g秤量し250mLビーカーに注ぎ、Y、Mn混合溶液を攪拌しながらセリウム-ジルコニウム複合酸化物粉末に滴下し、液体の添加が完了した後、10min攪拌し、取り出し、220℃のオーブンで24h乾燥し、マッフル炉で830℃で5h焼成した後、取り出し、粉砕して、D50=3.5umの生成物を得た。
【0096】
以上のように調製された複合化合物について、実施例1と同じ酸素貯蔵容量測定方法を採用すると、消費されたO2ピーク面積から計算した総酸素貯蔵容量は857umol O2/gであった。
【0097】
実施例9
0.2LaSmMn3O6-0.8Ce0.4Zr0.5La0.05Pr0.05O1.92
7mLの濃度3mol/L La(COOH)3溶液および7mLの濃度3mol/LのSm(COOH)3溶液および14mLの濃度4.5mol/L Mn(COOH)2溶液をそれぞれ量り200mLビーカーに注ぎ、10min磁気的に攪拌し、La、Sm、Mn混合溶液を得た。組成Ce0.4Zr0.5La0.05Pr0.05O1.92のセリウム-ジルコニウム複合酸化物粉末を40g秤量し250mLビーカーに注ぎ、La、Sm、Mn混合溶液を攪拌しながらセリウム-ジルコニウム複合酸化物粉末に滴下し、液体の添加が完了した後、10min攪拌し、取り出し、220℃のオーブンで24h乾燥し、マッフル炉で840℃で5h焼成した後、取り出し、粉砕して、D50=2.5umの生成物を得た。
【0098】
以上のように調製された複合化合物について、実施例1と同じ酸素貯蔵容量測定方法を採用すると、消費されたO2ピーク面積から計算した総酸素貯蔵容量は928umol O2/gであった。
【0099】
実施例10
0.25EuMn4O7-0.75Ce0.2Zr0.7La0.03Nd0.07O1.9
6.25mLの濃度3mol/L Eu(NO3)2溶液および15mLの濃度5mol/L Mn(NO3)2溶液をそれぞれ量り200mLビーカーに注ぎ、10min磁気的に攪拌し、Sm、Mn混合溶液を得た。組成Ce0.2Zr0.7La0.03Nd0.07O1.9のセリウム-ジルコニウム複合酸化物粉末を37.5g秤量し250mLビーカーに注ぎ、Sm、Mn混合溶液を攪拌しながらセリウム-ジルコニウム複合酸化物粉末に滴下し、液体の添加が完了した後、10min攪拌し、取り出し、220℃のオーブンで24h乾燥し、マッフル炉で850℃で5h焼成した後、取り出し、粉砕して、D50=6.6umの生成物を得た。
【0100】
以上のように調製された複合化合物について、実施例1と同じ酸素貯蔵容量測定方法を採用すると、測定された総酸素貯蔵容量は1024umol O2/gであった。
【0101】
実施例11
0.3Pr3Mn5O12-0.7Ce0.6Zr0.3La0.05Y0.05O1.94
18mLの濃度3mol/L Pr(NO3)3溶液および18mLの濃度5mol/L Mn(NO3)2溶液をそれぞれ量り200mLビーカーに注ぎ、10min磁気的に攪拌し、Pr、Mn混合溶液を得た。組成Ce0.6Zr0.3La0.05Y0.05O1.94のセリウム-ジルコニウム複合酸化物粉末を35g秤量し250mLビーカーに注ぎ、Pr、Mn混合溶液を攪拌しながらセリウム-ジルコニウム複合酸化物粉末に滴下し、液体の添加が完了した後、10min攪拌し、取り出し、200℃のオーブンで24h乾燥し、マッフル炉で850℃で4h焼成した後、取り出し、粉砕して、D50=4.6umの生成物を得た。
【0102】
以上のように調製された複合化合物について、実施例1と同じ酸素貯蔵容量測定方法を採用すると、測定された総酸素貯蔵容量は897umol O2/gであった。
【0103】
実施例12
0.3LaYCeMn6O14-0.7Ce0.6Zr0.3La0.05Y0.05O1.94
5mLの濃度3mol/L La(NO3)3溶液、5mLの濃度3mol/L Y(NO3)3溶液、5mLの濃度3mol/L Ce(NO3)3溶液および18mLの濃度5mol/L Mn(NO3)2溶液をそれぞれ量り200mLビーカーに注ぎ、10min磁気的に攪拌し、La、Y、Ce、Mn混合溶液を得た。組成Ce0.6Zr0.3La0.05Y0.05O1.94のセリウム-ジルコニウム複合酸化物粉末を35g秤量し250mLビーカーに注ぎ、La、Y、Ce、Mn混合溶液を攪拌しながらセリウム-ジルコニウム複合酸化物粉末に滴下し、液体の添加が完了した後、10min攪拌し、取り出し、200℃のオーブンで24h乾燥し、マッフル炉で800℃で3h焼成した後、取り出し、粉砕してD50=7.6umの生成物を得た。
【0104】
以上のように調製された複合化合物相酸素貯蔵材料について、実施例1と同じ酸素貯蔵容量測定方法を採用すると、測定された総酸素貯蔵容量は987umol O2/gであった。
【0105】
実施例13
0.2CeY2Mn7O15-0.8Ce0.4Zr0.5La0.05Pr0.05O1.92
3mLの濃度3mol/L Ce(COOH)3溶液および6mLの濃度3mol/LのY(COOH)3溶液および14mLの濃度4.5mol/L Mn(COOH)2溶液をそれぞれ量り200mLビーカーに注ぎ、10min磁気的に攪拌し、Ce、Y、Mn混合溶液を得た。組成Ce0.4Zr0.5La0.05Pr0.05O1.92のセリウム-ジルコニウム複合酸化物粉末を40g秤量し250mLビーカーに注ぎ、Ce、YMn混合溶液を攪拌しながらセリウム-ジルコニウム複合酸化物粉末に滴下し、液体の添加が完了した後、10min攪拌し、取り出し、180℃のオーブンで24h乾燥し、マッフル炉で790℃で5h焼成した後、取り出し、粉砕してD50=8.2umの生成物を得た。
【0106】
以上のように調製された複合化合物について、実施例1と同じ酸素貯蔵容量測定方法を採用すると、消費されたO2ピーク面積から計算した総酸素貯蔵容量は874umol O2/gであった。
【0107】
実施例14
0.2LaCeNdMn8O16-0.8Ce0.4Zr0.5La0.02Y0.08O1.97
2.6mLの濃度3mol/L La(COOH)3溶液、2.6mLの濃度3mol/LのCe(COOH)3溶液、2.6mL濃度3mol/LのNd(COOH)3溶液および14mLの濃度4.5mol/L Mn(COOH)2溶液をそれぞれ量り200mLビーカーに注ぎ、10min磁気的に攪拌し、La、Ce、Nd、Mn混合溶液を得た。組成Ce0.4Zr0.5La0.02Y0.08O1.97のセリウム-ジルコニウム複合酸化物粉末を40g秤量し250mLビーカーに注ぎ、La、Ce、Nd、Mn混合溶液を攪拌しながらセリウム-ジルコニウム複合酸化物粉末に滴下し、液体の添加が完了した後、10min攪拌し、210℃のオーブンで24h乾燥し、マッフル炉で780℃で5h焼成した後、取り出し、粉砕してD50=3.6umの生成物を得た。
【0108】
以上のように調製された複合化合物について、実施例1と同じ酸素貯蔵容量測定方法を採用すると、消費されたO2ピーク面積から計算した総酸素貯蔵容量は994umol O2/gであった。
【0109】
以上の実施例から分かるように、本発明の実施例による希土類マンガン担持セリウム-ジルコニウム複合化合物の組成および調製方法によって調製された複合化合物は高い酸素貯蔵性能を有し、その酸素貯蔵容量はそれぞれ800umol O2/g以上であった。
【0110】
実施例15
0.10CeMn2O5-0.90Ce0.4Zr0.6O1.95:
10mLの濃度1.5mol/L CeCl3溶液および20mLの濃度1.5mol/L MnCl2溶液の2つの溶液をそれぞれ100mLビーカーに注ぎ、10min磁気的に攪拌し均一に混合した。組成Ce0.4Zr0.6O1.95のセリウム-ジルコニウム複合酸化物粉末を45g秤量し、405mL脱イオン水が入ったビーカーに注ぎ、30min磁気的に攪拌し、均一分散のスラリーを形成した。混合したセリウムマンガン溶液を上記スラリーに加え、10min磁気的に攪拌した。43mLの2.5mol/L NaOH溶液を、上記セリウムマンガン溶液を含むスラリーに1hかけて磁気的に攪拌しながら滴下した。NaOH溶液の添加が完了した後、継続的に10min攪拌し、30%のH2O2を4mL加え、継続的に30min攪拌した。上記沈殿物を濾過し、脱イオン水を使用して完全に洗浄し、160℃のオーブンで24h乾燥し、マッフル炉で750℃で5h焼成した後、取り出し、粉砕してD50=3.2umの生成物を得た。
【0111】
以上のように調製された複合化合物を、0.1gを量りChembet PULSAR TPR/TPD型化学吸着装置に入れ、酸素パルス法によってサンプルの酸素貯蔵および放出性能を測定した。具体的には、Heを使用してパージし150℃まで昇温し、継続的に800℃昇温した後10%H2/Arで1h還元し、Heガス流で反応器の温度を500℃に下げ、残りのH2を完全にパージし、次に高純度O2を500℃で脈動的に導入した。消費されたO2ピーク面積から計算した総酸素貯蔵容量は821umol O2/gであった。
【0112】
実施例16
0.15YMn2O5-0.85Ce0.3Zr0.6La0.1O1.92:
18mLの濃度1.5mol/L YCl3溶液および36mLの濃度1.5mol/L MnCl2溶液の2つの溶液をそれぞれ200mLビーカーに注ぎ、10min磁気的に攪拌し均一に混合した。組成Ce0.3Zr0.6La0.1O1.92のセリウム-ジルコニウム複合酸化物粉末を42.5g秤量し、240mL脱イオン水が入ったビーカーに注ぎ、30min磁気的に攪拌し、均一分散のスラリーを形成した。混合したイットリウムマンガン溶液を上記スラリーに加え、10min磁気的に攪拌した。80mLの2mol/L NaOH溶液を量り、上記イットリウムマンガン溶液を含むスラリーに1hかけて磁気的に攪拌しながら滴下した。NaOH溶液の添加が完了した後、継続的に10min攪拌し、30%のH2O2を6mL加え、継続的に30min攪拌した。上記沈殿物を濾過し、脱イオン水を使用して完全に洗浄し、170℃のオーブンで24h乾燥し、マッフル炉で800℃で5h焼成した後、取り出し、粉砕してD50=1.3umの生成物を得た。
【0113】
以上のように調製された複合化合物について、実施例1と同じ酸素貯蔵容量測定方法を採用すると、消費されたO2ピーク面積から計算した総酸素貯蔵容量は857umol O2/gであった。
【0114】
実施例17
0.2LaMn2O5-0.8Ce0.4Zr0.5La0.05Pr0.05O1.93:
21mLの濃度1.5mol/L LaCl3溶液および42mLの濃度1.5mol/L MnCl2溶液の2つの溶液をそれぞれ量り200mLビーカーに注ぎ、10min磁気的に攪拌し均一に混合した。組成Ce0.4Zr0.5La0.05Pr0.05O1.93のセリウム-ジルコニウム複合酸化物粉末を40g秤量し、160mL脱イオン水が入ったビーカーに注ぎ、30min磁気的に攪拌し、均一分散のスラリーを形成した。混合したランタンマンガン溶液を上記スラリーに加え、10min磁気的に攪拌した。100mLの1.5mol/L NaOH溶液を量り、上記ランタンマンガン溶液を含むスラリーに1hかけて磁気的に攪拌しながら滴下した。NaOH溶液の添加が完了した後、継続的に10min攪拌し、30%のH2O2を7mL加え、継続的に攪拌30minした。上記沈殿物を濾過し、脱イオン水を使用して完全に洗浄し、180℃のオーブンで24h乾燥し、マッフル炉で850℃で4h焼成した後、取り出し、粉砕してD50=4.5umの生成物を得た。
【0115】
以上のように調製された複合化合物について、実施例1と同じ酸素貯蔵容量測定方法を採用すると、消費されたO2ピーク面積から計算した総酸素貯蔵容量は894umol O2/gであった。
【0116】
実施例18
0.25SmMn2O5-0.75Ce0.2Zr0.7La0.03Nd0.07O1.94
25mLの濃度1.5mol/L SmCl3溶液および50mLの濃度1.5mol/L MnCl2溶液の2つの溶液をそれぞれ量り200mLビーカーに注ぎ、10min磁気的に攪拌し均一に混合した。組成Ce0.2Zr0.7La0.03Nd0.07O1.94のセリウム-ジルコニウム複合酸化物粉末を37.5g秤量し、115mL脱イオン水が入ったビーカーに注ぎ、30min磁気的に攪拌し、均一分散のスラリーを形成した。混合したサマリウムマンガン溶液を上記スラリーに加え、10min磁気的に攪拌した。150mLの1mol/L NaOH溶液を、上記サマリウムマンガン溶液を含むスラリーに1hかけて磁気的に攪拌しながら滴下した。NaOH溶液の添加が完了した後、継続的に10min攪拌し、30%のH2O2を8mL加え、継続的に30min攪拌した。上記沈殿物を濾過し、脱イオン水を使用して完全に洗浄し、180℃のオーブンで24h乾燥し、マッフル炉で750℃で3h焼成した後、取り出し、粉砕してD50=15.0umの生成物を得た。
【0117】
以上のように調製された複合化合物について、実施例1と同じ酸素貯蔵容量測定方法を採用すると、測定された総酸素貯蔵容量は924umol O2/gであった。
【0118】
実施例19
0.3La0.33Sm0.67Mn2O5-0.7Ce0.6Zr0.3La0.05Y0.05O1.96
10mLの濃度1.5mol/L LaNO3溶液および20mLの濃度1.5mol/L Sm(NO3)3溶液および60mLの濃度1.5mol/L Mn(NO3)2溶液の3つの溶液をそれぞれ量り200mLビーカーに注ぎ、10min磁気的に攪拌し均一に混合した。組成Ce0.6Zr0.3La0.05Y0.05O1.96のセリウム-ジルコニウム複合酸化物粉末を35g秤量し、150mL脱イオン水が入ったビーカーに注ぎ、30min磁気的に攪拌し、均一分散のスラリーを形成した。混合したランタンサマリウムマンガン溶液を上記スラリーに加え、10min磁気的に攪拌した。110mLの3mol/L NaOH溶液を上記ランタンサマリウムマンガン溶液を含むスラリーに1hかけて磁気的に攪拌しながら滴下した。NaOH溶液の添加が完了した後、継続的に10min攪拌し、30%のH2O2を10mL加え、継続的に30min攪拌した。上記沈殿物を濾過し、脱イオン水を使用して完全に洗浄し、190℃のオーブンで24h乾燥し、マッフル炉で500℃で6h焼成した後、取り出し、粉砕してD50=10.8umの生成物を得た。
【0119】
以上のように調製された複合化合物について、実施例1と同じ酸素貯蔵容量測定方法を採用すると、測定された総酸素貯蔵容量は957umol O2/gであった。
【0120】
実施例20
0.3La0.2Ce0.2Y0.6Mn2O5-0.7Ce0.4Zr0.5La0.02Nd0.05Y0.03O1.97
8mLの濃度1.5mol/L LaNO3溶液および8mLの濃度1.5mol/L Ce(NO3)3溶液および24mLの濃度1.5mol/L Mn(NO3)2溶液の3つの溶液をそれぞれ量り100mLビーカーに注ぎ、10min磁気的に攪拌し均一に混合した。組成Ce0.4Zr0.5La0.02Nd0.05Y0.03O1.97のセリウム-ジルコニウム複合酸化物粉末を35g秤量し、85mL脱イオン水が入ったビーカーに注ぎ、30min磁気的に攪拌し、均一分散のスラリーを形成した。混合したランタンセリウムイットリウムマンガン溶液を上記スラリーに加え、10min磁気的に攪拌した。84mLの5mol/L アンモニア水を上記ランタンセリウムイットリウムマンガン溶液を含むスラリーに1hかけて磁気的に攪拌しながら滴下した。NaOH溶液の添加が完了した後、継続的に10min攪拌し、30%のH2O2を13mL加え、継続的に30min攪拌した。上記沈殿物を濾過し、脱イオン水を使用して完全に洗浄し、190℃のオーブンで24h乾燥し、マッフル炉で900℃で1h焼成した後、取り出し、粉砕してD50=4.2umの生成物を得た。
以上のように調製された複合化合物について、実施例1と同じ酸素貯蔵容量測定方法を採用すると、測定された総酸素貯蔵容量は997umol O2/gであった。
【0121】
実施例21
0.3Y0.5MnO2.5-0.7Ce0.4Zr0.5La0.05Y0.05O1.92
15mLの濃度1.5mol/L YNO3溶液および24mLの濃度1.5mol/L Mn(NO3)2溶液の3つの溶液をそれぞれ量り100mLビーカーに注ぎ、10min磁気的に攪拌し均一に混合した。組成Ce0.4Zr0.5La0.05Y0.05O1.92のセリウム-ジルコニウム複合酸化物粉末を35g秤量し、65mL脱イオン水が入ったビーカーに注ぎ、30min磁気的に攪拌し、均一分散のスラリーを形成した。混合したイットリウムマンガン溶液を上記スラリーに加え、10min磁気的に攪拌した。840mLの0.5mol/L アンモニア水を上記イットリウムマンガン溶液を含むスラリーに1hかけて磁気的に攪拌しながら滴下した。NaOH溶液の添加が完了した後、継続的に10min攪拌し、30%のH2O2を13mL加え、継続的に30min攪拌した。上記沈殿物を濾過し、脱イオン水を使用して完全に洗浄し、200℃のオーブンで24h乾燥し、マッフル炉で800℃で5h焼成した後、取り出し、粉砕してD50=5.3umの生成物を得た。
【0122】
以上のように調製された複合化合物について、実施例1と同じ酸素貯蔵容量測定方法を採用すると、測定された総酸素貯蔵容量は1002umol O2/gであった。
【0123】
実施例22
0.25Ce0.5YMn3O7.5-0.75Ce0.2Zr0.7La0.05Nd0.05O1.94
17mLの濃度1.5mol/L CeCl3溶液および33mLの濃度1.5mol/LのYCl3溶液および50mLの濃度1.5mol/L MnCl2溶液の2つの溶液をそれぞれ200mLビーカーに注ぎ、10min磁気的に攪拌し均一に混合した。組成Ce0.2Zr0.7La0.05Nd0.05O1.94のセリウム-ジルコニウム複合酸化物粉末を37.5g秤量し、55mL脱イオン水が入ったビーカーに注ぎ、30min磁気的に攪拌し、均一分散のスラリーを形成した。混合したセリウムイットリウムマンガン溶液を上記スラリーに加え、10min磁気的に攪拌した。103mLの2.5mol/L NaOH溶液を上記セリウムイットリウムマンガン溶液を含むスラリーに1hかけて磁気的に攪拌しながら滴下した。NaOH溶液の添加が完了した後、継続的に10min攪拌し、30%のH2O2を8mL加え、継続的に30min攪拌した。上記沈殿物を濾過し、脱イオン水を使用して完全に洗浄し、200℃のオーブンで24h乾燥し、マッフル炉で810℃で4h焼成した後、取り出し、粉砕してD50=6.9umの生成物を得た。
【0124】
以上のように調製された複合化合物について、実施例1と同じ酸素貯蔵容量測定方法を採用すると、測定された総酸素貯蔵容量は921umol O2/gであった。
【0125】
実施例23
0.2La1.25Mn2.5O7.25-0.8Ce0.4Zr0.5La0.05Pr0.05O1.93:
21mLの濃度1.5mol/L LaCl3溶液および42mLの濃度1.5mol/L MnCl2溶液の2つの溶液をそれぞれ200mLビーカーに注ぎ、10min磁気的に攪拌し均一に混合した。組成Ce0.4Zr0.5La0.05Pr0.05O1.93のセリウム-ジルコニウム複合酸化物粉末を40g秤量し、45mL脱イオン水が入ったビーカーに注ぎ、30min磁気的に攪拌し、均一分散のスラリーを形成した。混合したランタンマンガン溶液を上記スラリーに加え、10min磁気的に攪拌した。105mLの2mol/L NaOH溶液を上記ランタンマンガン溶液を含むスラリーに1hかけて磁気的に攪拌しながら滴下した。NaOH溶液の添加が完了した後、継続的に10min攪拌し、30%のH2O2を7mL加え、継続的に30min攪拌した。上記沈殿物を濾過し、脱イオン水を使用して完全に洗浄し、210℃のオーブンで24h乾燥し、マッフル炉で820℃で5h焼成した後、取り出し、粉砕してD50=7.6umの生成物を得た。
【0126】
以上のように調製された複合化合物について、実施例1と同じ酸素貯蔵容量測定方法を採用すると、消費されたO2ピーク面積から計算した総酸素貯蔵容量は894umol O2/gであった。
【0127】
実施例24
0.15Ce0.4Sm0.4Mn1.6O4-0.85Ce0.3Zr0.6La0.1O1.92:
9mLの濃度1.5mol/L CeCl3溶液および9mLの濃度1.5mol/LのSmCl3溶液および36mLの濃度1.5mol/L MnCl2溶液の2つの溶液をそれぞれ200mLビーカーに注ぎ、10min磁気的に攪拌し均一に混合した。組成Ce0.3Zr0.6La0.1O1.92のセリウム-ジルコニウム複合酸化物粉末を42.5g秤量し、45mL脱イオン水が入ったビーカーに注ぎ、30min磁気的に攪拌し、均一分散のスラリーを形成した。混合したセリウムサマリウムマンガン溶液を上記スラリーに加え、10min磁気的に攪拌した。100mLの1.5mol/L NaOH溶液を上記セリウムサマリウムマンガン溶液を含むスラリーに1hかけて磁気的に攪拌しながら滴下した。NaOH溶液の添加が完了した後、継続的に10min攪拌し、30%のH2O2を6mL加え、継続的に30min攪拌した。上記沈殿物を濾過し、脱イオン水を使用して完全に洗浄し、210℃のオーブンで24h乾燥し、マッフル炉で820℃で3h焼成した後、取り出し、粉砕してD50=8.5umの生成物を得た。
【0128】
以上のように調製された複合化合物について、実施例1と同じ酸素貯蔵容量測定方法を採用すると、消費されたO2ピーク面積から計算した総酸素貯蔵容量は899umol O2/gであった。
【0129】
実施例25
0.10Ce0.5Y0.5Mn2O5-0.90Ce0.4Zr0.6O1.96
7.5mLの濃度2mol/L Ce(NO3)3溶液および7.5mLの濃度2mol/LのY(NO3)3溶液および15mLの濃度4.5mol/L Mn(NO3)2溶液をそれぞれ100mLビーカーに注ぎ、10min磁気的に攪拌し均一に混合した。組成0.90Ce0.4Zr0.6O1.96のセリウム-ジルコニウム複合酸化物粉末を90g秤量し250mLビーカーに注ぎ、Ce、Mn溶液を攪拌しながらセリウム-ジルコニウム複合酸化物粉末に滴下し、液体の添加が完了した後、10min攪拌し、そして220℃のオーブンで24h乾燥し、マッフル炉で850℃で5h焼成した後、取り出し、粉砕してD50=9.2umの生成物を得た。
【0130】
以上のように調製された複合化合物について、実施例1と同じ酸素貯蔵容量測定方法を採用すると、測定された総酸素貯蔵容量は987umol O2/gであった。
【0131】
実施例26
0.3La0.1Ce0.1Y0.8Mn2O5-Ce0.4Zr0.5La0.05Y0.05O1.89
2.5mLの濃度2mol/L La(NO3)3溶液および2.5mLの濃度2mol/LのCe(NO3)3溶液および10mLの濃度4mol/LのY(NO3)3溶液および23mLの濃度4.5mol/L Mn(NO3)2溶液をそれぞれ量り100mLビーカーに注ぎ、10min磁気的に攪拌し均一に混合した。組成Ce0.4Zr0.5La0.05Y0.05O1.89のセリウム-ジルコニウム複合酸化物粉末を35g秤量し250mLビーカーに注ぎ、La、Ce、Y、Mn溶液を攪拌しながらセリウム-ジルコニウム複合酸化物粉末に滴下し、液体の添加が完了した後、10min攪拌し、そして220℃のオーブンで24h乾燥し、マッフル炉で850℃で5h焼成した後、取り出し、粉砕してD50=3.6umの生成物を得た。
以上のように調製された複合化合物について、実施例1と同じ酸素貯蔵容量測定方法を採用すると、測定された総酸素貯蔵容量は1017umol O2/gであった。
【0132】
実施例27
0.25Ce0.5SmMn3O7.5-0.75Ce0.2Zr0.7La0.03Nd0.07O1.9
4mLの濃度3mol/LのCe(NO3)3溶液および8mLの濃度3mol/L Sm(NO3)3溶液および15mLの濃度5mol/L Mn(NO3)2溶液をそれぞれ量り200mLビーカーに注ぎ、10min磁気的に攪拌した。組成Ce0.2Zr0.7La0.03Nd0.07O1.9のセリウム-ジルコニウム複合酸化物粉末を37.5g秤量し250mLビーカーに注ぎ、Sm、Mn混合溶液を攪拌しながらセリウム-ジルコニウム複合酸化物粉末に滴下し、液体の添加が完了した後、10min攪拌し、180℃のオーブンで24h乾燥し、マッフル炉で750℃で5h焼成した後、取り出し、粉砕してD50=3.9umの生成物を得た。
【0133】
以上のように調製された複合化合物について、実施例1と同じ酸素貯蔵容量測定方法を採用すると、測定された総酸素貯蔵容量は1067umol O2/gであった。
【0134】
実施例28
0.3Pr3Mn5O12-0.7Ce0.6Zr0.3La0.05Y0.05O1.98
18mLの濃度3mol/L Pr(NO3)3溶液および18mLの濃度5mol/L Mn(NO3)2溶液をそれぞれ量り200mLビーカーに注ぎ、10min磁気的に攪拌し均一に混合した。組成Ce0.6Zr0.3La0.05Y0.05O1.98のセリウム-ジルコニウム複合酸化物粉末を35g秤量し250mLビーカーに注ぎ、Pr、Mn混合溶液を攪拌しながらセリウム-ジルコニウム複合酸化物粉末に滴下し、液体の添加が完了した後、10min攪拌し、取り出し、200℃のオーブンで24h乾燥し、マッフル炉で850℃で5h焼成した後、取り出し、粉砕してD50=4.6umの生成物を得た。
【0135】
以上のように調製された複合化合物について、実施例1と同じ酸素貯蔵容量測定方法を採用すると、測定された総酸素貯蔵容量は914umol O2/gであった。
【0136】
実施例29
18mLの濃度3mol/L Y(NO3)3溶液および18mLの濃度5mol/L Mn(NO3)2溶液をそれぞれ量り200mLビーカーに注ぎ、10min磁気的に攪拌し均一に混合した。組成Ce0.4Zr0.5La0.05Pr0.05O1.95のセリウム-ジルコニウム複合酸化物粉末を35g秤量し250mLビーカーに注ぎ、Y、Mn混合溶液を攪拌しながらセリウム-ジルコニウム複合酸化物粉末に滴下し、液体の添加が完了した後、10min攪拌し、取り出し、200℃のオーブンで24h乾燥し、マッフル炉で850℃で5h焼成した後、取り出し、粉砕してD50=4.8umの生成物を得た。
【0137】
以上のように調製された複合化合物について、実施例1と同じ酸素貯蔵容量測定方法を採用すると、測定された総酸素貯蔵容量は945umol O2/gであった。
【0138】
実施例30
18mLの濃度3mol/L Y(NO3)3溶液および17mLの濃度5mol/L Mn(NO3)2溶液、1mLの5mol/L Fe(NO3)2溶液をそれぞれ量り200mLビーカーに注ぎ、10min磁気的に攪拌し均一に混合した。組成Ce0.4Zr0.5La0.05Pr0.05O1.95のセリウム-ジルコニウム複合酸化物粉末を35g秤量し250mLビーカーに注ぎ、Y、Mn、Fe混合溶液を攪拌しながらセリウム-ジルコニウム複合酸化物粉末に滴下し、液体の添加が完了した後、10min攪拌し、取り出し、200℃のオーブンで24h乾燥し、マッフル炉で850℃で5h焼成した後、取り出し、粉砕してD50=4.7umの生成物を得た。
【0139】
以上のように調製された複合化合物について、実施例1と同じ酸素貯蔵容量測定方法を採用すると、測定された総酸素貯蔵容量は1324umol O2/gであった。
【0140】
以上の実施例から分かるように、本発明の実施例によるムライト構造の希土類マンガン-セリウム・ジルコニウム複合化合物の組成および調製方法によって調製された酸素貯蔵材料は高い酸素貯蔵性能を有し、その酸素貯蔵容量はそれぞれ800umol O2/g以上であった。
【0141】
実施例31
図4は、本発明方法によって調製された0.3YMn
2O
5-0.7Ce
40Zr
50La
5Pr
5O
1.95のX線回折図であり、図から分かるように、材料の内部はセリウム-ジルコニウム固溶体であり、外部にYMn
2O
5構造の化合物が堆積され、コアシェル構造を有する。
【0142】
他の実施例で得られた生成物はすべて同様の複合構造を有する。
【0143】
比較例1
Ce0.4Zr0.5La0.05Pr0.05O1.95について、実施例1と同様の酸素貯蔵容量の測定方法を採用すると、消費されたO2ピーク面積から計算した総酸素貯蔵容量は498umol O2/gであった。
【0144】
比較例2
LaMnO3
18mLの濃度3mol/L La(NO3)3溶液および18mLの濃度5mol/L Mn(NO3)2溶液の2つの溶液をそれぞれ200mLビーカーに注ぎ、10min磁気的に攪拌し均一に混合した。100mLの1.5mol/L NaOH溶液を上記イットリウムマンガン溶液に1hかけて磁気的に攪拌しながら滴下した。NaOH溶液の添加が完了した後、継続的に10min攪拌し、30%のH2O2を2mL加え、継続的に30min攪拌した。上記沈殿物を濾過し、脱イオン水を使用して完全に洗浄し、210℃のオーブンで24h乾燥し、マッフル炉で820℃で3h焼成した後、取り出し、粉砕してD50=8.5umの生成物を得た。
【0145】
以上のように調製された複合化合物について、実施例1と同じ酸素貯蔵容量測定方法を採用すると、消費されたO2ピーク面積から計算した総酸素貯蔵容量は693umol O2/gであった。
【0146】
実施例31
各実施例で得られた複合化合物をそれぞれ50mg量り、マイクロ反応器に入れ、触媒活性評価試験を実施し、対応する温度でNO、NO2およびNOxの含有量を赤外線ガス分析装置(MKS)によって記録し、NOの変換率を算出した。具体的な試験条件は次の通りである:反応ガスの体積組成:酸素10%、一酸化窒素100ppm、バランスガスは窒素:総流量150mL/minである。反応温度の設置:温度を室温から400℃に20℃/minの速度で上昇させ、反応時間は20minであった。測定結果を表1に示す。
【0147】
【0148】
表1から分かるように、本願の実施例によって提供される複合化合物がNOの酸化を触媒する場合、NOの最大変換率は88に達し、比較例1のそれより78%高く、比較例2のそれより30%高かった。
【0149】
上記に記載されているのは本願のいくつかの実施例であり、いかなる形態においても本願を限定することを意図するものではなく、本発明は好ましい実施形態で上記のように開示されているが、本発明を限定することを意図せず、本願の技術的解決策の範囲から逸脱することなく、上記に開示された技術的内容を使用して当業者によって行われたいくつかの変形や修正はすべて、同等の実施形態で行われるものと同等であり、技術的解決策に含まれるものとする。