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特許7346583電気外科手術機器用モジュール式ドッキングシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-08
(45)【発行日】2023-09-19
(54)【発明の名称】電気外科手術機器用モジュール式ドッキングシステム
(51)【国際特許分類】
   A61B 18/12 20060101AFI20230911BHJP
   H01R 13/642 20060101ALI20230911BHJP
【FI】
A61B18/12
H01R13/642
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2021549663
(86)(22)【出願日】2020-02-26
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-12
(86)【国際出願番号】 US2020019821
(87)【国際公開番号】W WO2020176578
(87)【国際公開日】2020-09-03
【審査請求日】2021-09-15
(31)【優先権主張番号】62/810,486
(32)【優先日】2019-02-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】500103074
【氏名又は名称】コンメッド コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】弁理士法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】フレーム ダン
(72)【発明者】
【氏名】クック ジョン
【審査官】菊地 康彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-110617(JP,A)
【文献】特開2007-123264(JP,A)
【文献】特開平06-178780(JP,A)
【文献】特開2010-063883(JP,A)
【文献】特表平11-503555(JP,A)
【文献】特開2001-104334(JP,A)
【文献】実開平04-108218(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 18/12-18/14
A61B 90/00-90/98
G06F 1/16
H01R 13/46
H01R 13/64-13/72
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気外科手術機器のためのドッキングシステムであって、
第一の電気外科手術装置と関連付けられた第一のドッキングインターフェースであって、前記第一の電気外科手術装置と関連付けられた第一のハウジングの前向き部分を横切る横断方向に延在する陥凹部を備え、前記陥凹部が、それを横切る横断方向に直線状に延在する電気接点の第一の組を含む、第一のドッキングインターフェースと、
第二の電気外科手術装置と関連付けられた第二のドッキングインターフェースであって、前記第二の電気外科手術装置と関連付けられた第二のハウジングの前向き部分を横切る横断方向に延在する隆起部分を備え、前記隆起部分が、それを横切る横断方向に直線状に延在する電気接点の第二の組を含む、第二のドッキングインターフェースと、を備え、
前記陥凹部が、前記隆起部分に対応する幾何学形状を有するように構成され、前記陥凹部と前記隆起部分とが接触する干渉関係において、前記隆起部分をその中に受容し、これにより前記第一のドッキングインターフェースおよび第二のドッキングインターフェースが一緒に位置付けられるときに、前記電気接点の第一の組が前記電気接点の第二の組と連結され、かつ前記電気接点の第二の組と電気連通し、
前記電気接点の第一の組が、直線状に配設され、前記陥凹部を横切る横断方向に延在し、
前記電気接点の第二の組が、直線状に配設され、前記隆起部分を横切る横断方向に延在し、
前記第一の電気外科手術装置が煙吸引器を備え、
前記陥凹部および前記電気接点の第一の組が、前記煙吸引器の上面上に位置付けられ、
前記第二の電気外科手術装置が電気外科手術ユニットを備え、
前記隆起部分および前記電気接点の第二の組が、前記電気外科手術ユニットの下面上に位置付けられ
前記電気接点の第一の組および前記電気接点の第二の組が各々、一対の接地接点と、一対の電力接点と、一連の通信接点とを備える、ドッキングシステム。
【請求項2】
前記煙吸引器が、前記第一のドッキングインターフェースおよび前記第二のドッキングインターフェースを介して前記電気外科手術ユニットから電力を受け取る、請求項に記載のドッキングシステム。
【請求項3】
前記煙吸引器が、前記第一のドッキングインターフェースおよび前記第二のドッキングインターフェースを介して前記電気外科手術ユニットと通信する、請求項に記載のドッキングシステム。
【請求項4】
第一のドッキングインターフェースが、前記煙吸引器の前記ハウジングの上面を横切って横断方向に延在する、請求項に記載のドッキングシステム。
【請求項5】
第二のドッキングインターフェースが、前記電気外科手術ユニットの前記ハウジングの下面を横切って横断方向に延在する、請求項に記載のドッキングシステム。
【請求項6】
前記煙吸引器の前記ハウジングの前記上面が、陥凹部を備える第三のドッキングインターフェースを含む、請求項に記載のドッキングシステム。
【請求項7】
前記電気外科手術ユニットの前記ハウジングの前記下面が、前記第三のドッキングインターフェースの前記陥凹部によって受容することができる隆起部分を備える第四のドッキングインターフェースを含む、請求項に記載のドッキングシステム。
【請求項8】
前記第一のドッキングインターフェースが、前記煙吸引器の前方部分を横切って延在し、前記第三のドッキングインターフェースが、前記煙吸引器の後方部分を横切って延在し、前記第二のドッキングインターフェースが、前記電気外科手術ユニットの前方部分を横切って延在し、かつ前記第四のドッキングインターフェースが、前記電気外科手術ユニットの後方部分を横切って延在する、請求項に記載のドッキングシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年2月26日に出願された米国仮特許出願第62/810,486号の優先権を主張する。
【0002】
発明の分野
本発明は、外科手術システムに関し、より具体的には、複雑さを低減し、かつスペースを最適化するための電気外科手術システムを相互接続するためのシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
関連技術の説明
革新的で新規の技術の追加が手術室内で必要とされ、かつ望まれる一方で、スペースや電力の制約などの物流上の問題がしばしば持ち上がり、そして新技術の導入を妨げる可能性がある。例えば、新しいモジュールまたは装置は、手術室内の貴重なスペースを占める可能性がある。加えて、手術室はまた、限られた数の場所に限られた数のコンセントしか有しない場合もあり、結果として、ユーザーは装置を理想的ではない場所に定置しなければならず、これは安全上の危険となる可能性がある。
【0004】
一例として、電気外科手術システムと組み合わせて使用される煙吸引器は、典型的に、専用の電源接続を必要とする大きいモジュールである。加えて、煙吸引器は、装置が通信エリアネットワーク(CAN)ケーブルを通して互いに通信できるように、電気外科手術ユニット(ESU)に比較的近接して位置付けなければならない。結果として、複数のシステムを電力、接地、および通信のために相互接続することを可能にするアプローチに対する現場におけるニーズがあり、それによって複雑さを低減し、物流上の問題を最少化する。
【発明の概要】
【0005】
本発明は、第一の電気外科手術装置と関連付けられた第一のハウジング内に陥凹部を備え、この陥凹部がそれを横切って延在する電気接点の第一の組を含む、第一のドッキングインターフェースと、第二の電気外科手術装置と関連付けられた第二のハウジング内に隆起部分を備え、この隆起部分がそれを横切って延在する電気接点の第一の組を含む、第二のドッキングインターフェースと、を有するドッキングシステムを使用して、手術室におけるフットプリントの低減およびより少ない配線を提供する。陥凹部は、第一のドッキングインターフェースと第二のドッキングインターフェースとが一緒に位置付けられ、これにより電気接点の第一の組が、電気接点の第二の組と連結され、かつ電気連通するときに、隆起部分をその中に受容するように構成される。電気接点の第一の組は、陥凹部を横切って直線状に配設され、また電気接点の第二の組は、隆起部分を横切って直線状に配設される。第一の電気外科手術装置は煙吸引器であってもよく、一方で第二の電気外科手術装置は電気外科手術ユニットであってもよい。電気接点の第一の組は、煙吸引器の上面上に位置付けられ、また電気接点の第二の組は、電気外科手術ユニットの下面上に位置付けられ、これにより電気外科手術ユニットを何らかの排出装置上に積み重ねることによって装置は相互接続される。電気接点の第一の組および電気接点の第二の組は各々、一対の接地接点、一対の電力接点、および一連の通信接点を備え、これにより煙吸引器を電気外科手術ユニットによって電力供給することができ、煙吸引器は第一のドッキングインターフェースおよび第二のドッキングインターフェースを介して電気外科手術ユニットと連通することになる。第一のドッキングインターフェースは、煙吸引器のハウジングの上面を横切って横断方向に延在し、また第二のドッキングインターフェースは、電気外科手術ユニットのハウジングの下面を横切って横断方向に延在する。煙吸引器のハウジングの上面は、第三のドッキングインターフェースの陥凹部によって受容することができる煙吸引器の上面上に隆起部分を含む第四のドッキングインターフェースに対応する陥凹部を備える第三のドッキングインターフェースを含んでもよい。それ故に、第一のドッキングインターフェースは、煙吸引器の前方部分を横切って延在してもよく、第三のドッキングインターフェースは、煙吸引器の後方部分を横切って延在してもよく、第二のドッキングインターフェースは、電気外科手術ユニットの前方部分を横切って延在してもよく、そして第四のドッキングインターフェースは、電気外科手術ユニットの後方部分を横切って延在してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0006】
本発明は、添付図面と併せて以下の発明を実施するための形態を読むことにより、より完全に理解され、かつ認識されるであろう。
【0007】
図1図1は、本発明による電気外科手術機器のためのモジュール式相互接続システムの斜視図である。
図2図2は、本発明による煙吸引器のためのモジュール式ドッキングインターフェースの斜視図である。
図3図3は、本発明による煙吸引器のためのモジュール式ドッキングインターフェースにおける電気相互接続器の斜視図である。
図4図4は、本発明による電気外科手術ユニットのためのモジュール式ドッキングインターフェースの斜視図である。
図5図5は、本発明による電気外科手術ユニット用のモジュール式ドッキングインターフェースにおける電気相互接続器の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図を参照すると、同様の参照番号は、全体を通して同様の部分を指し、図1には、電気外科手術ユニット12および煙吸引器14として示される、二つ以上の相互接続されたモジュールを有する電気外科手術システム10が示されている。電気外科手術ユニット12および煙吸引器14は、電気外科手術ユニット12の対応する下向きのドッキングインターフェース20と嵌合する、煙吸引器14の上向きに面するドッキングインターフェース16を使用して相互接続される。
【0009】
図2を参照すると、ドッキングインターフェース16は、煙吸引器14のハウジング30の陥凹した部分28内に位置付けられたオス型コネクターとして示される、一連の電力コネクター22、接地スタッド24、および通信ポート26を含む。より具体的には、ドッキングインターフェース16は、陥凹した部分28の対向する両端32および34に位置付けられた一対の接地スタッド24aおよび24bを備える。陥凹した部分28は、ハウジング30の上面38の前向き部分36を横切って横断方向に延在する。接地スタッド24aおよび24bは、電気的接続だけでなく、構造的な連結も提供する従来のバナナジャックプラグを備えてもよい。一対の電力コネクター22aおよび22b、ならびに一連の通信ポート26a、26b、26c、および26dは、接地スタッド24および24aとの間に、そして陥凹した部分28内に位置付けられ、かつ延在する。図3を参照すると、電力コネクター22aおよび22b、ならびに一連の通信ポート26a、26b、26c、および26dは、ハウジング30から外向きおよび上向きに延在する円筒状ポスト40を備えてもよく、各ポスト40は、慣習的に電子相互接続のために知られているように、電気接触面をその中に有する内側空洞42を画定する。
【0010】
電力コネクター22aおよび22b、接地スタッド24および24a、ならびに通信ポート26a、26b、26c、および26dは、直線状に配設され、かつハウジング30の前向き部分36を横切って横断方向に延在する。この向きは、電気外科手術ユニット12と煙吸引器14との間の相互接続に構造的安定性を提供するだけでなく、電気外科手術ユニット12と煙吸引器14が相互接続されたときに電気的接続も提供する。この向きは、現場での簡単な相互接続も可能にし、また電気外科手術ユニット12および煙吸引器14が凝縮されたフットプリント内に整列されて、電気外科手術ユニット12および煙吸引器14に必要なスペースの量を最少化することを確実にする。
【0011】
図4を参照すると、電気外科手術ユニット12のドッキングインターフェース20は、電気外科手術ユニット12のハウジング54に対して隆起部分50を備える。隆起部分50は、ハウジング54の下面の前向き部分52から下向きに延在する。ドッキングインターフェース20の幾何学的形状は、ドッキングインターフェース16の幾何学的形状に対応し、これによりドッキングインターフェース20は、ドッキングインターフェース16内に安定的に受容されてもよい。例えば、ドッキングインターフェース16は、ドッキングインターフェース16の周辺部を画定するわずかなテーパーおよび半径を有する概して長方形状として示される。ドッキングインターフェース20は、わずかなテーパーおよび半径を有する、対応する長方形状の形状を有し、これによりドッキングインターフェース16とドッキングインターフェース20とを、接合する関係でユーザーによって簡単に位置付けることができ、またこれによりドッキングインターフェース20をドッキングインターフェース16に取り付けたときに、それらが一緒に積み重ねられる際に、電気外科手術ユニット12と煙吸引器14との間に構造的安定性を提供するように、長方形状の表面間に接触がある。
【0012】
ドッキングインターフェース20は、電気外科手術ユニット12のハウジング54の隆起部分50内に位置付けられたメスコネクターとして、図4に示す一連の電力コネクター62、接地スタッドレシーバ64aおよび64b、ならびに通信ポート46を含む。接地スタッド24aおよび24bとしてのバナナジャックプラグの実施例では、接地スタッドレシーバ64aおよび64bは、バナナジャックソケットを備えてもよい。ドッキングインターフェース26と同様に、ドッキングインターフェース20は、隆起部分50の対向する両端72および74に位置付けられた一対の接地スタッドレシーバ64aおよび64bを含む。
【0013】
図5に示されるように、電力コネクター62aおよび62b、ならびに一連の通信ポート66a、66b、66c、および66dは、ハウジング54の中へと内向きに延在し、かつ電力コネクター22aおよび22b、ならびに通信ポート26a、26b、26c、および26dの内側空洞42との電気的係合のために、その中に支持される接触ピン82を有する円筒状レセプタクル80を備えてもよい。
【0014】
煙吸引器14が電気外科手術ユニット12上に位置付けられ、これによりドッキングインターフェース20がドッキングインターフェース16内に受容されるときに、電力コネクター62、接地コネクター64、および通信ポート66は、電力コネクター22、接地スタッド24、および通信コネクター26と係合し、かつそれらの間に電気的連続性を提供するために位置付けられる。結果として、煙吸引器14には、電気外科手術ユニット12から給電することができ、また外部電源ケーブルまたは通信インターフェースケーブルに対する必要性を有することなく、煙吸引器14を電気外科手術ユニット12との電気連通へと定置することができる。その代わりに、電力および通信相互接続性を提供するとともに、煙吸引器14を電気外科手術ユニット12の上に単に位置付ける。また、接続ポートと接地スタッドは、モジュールを一緒に保持するようにも作用するため、ユーザーがこれらを離そうとしない限り、これらは離れない。電力コネクター62、接地コネクター64、および通信ポート66と、電力コネクター22、接地スタッドレシーバ24、および通信ポート26との接合は、モジュールを一緒に保持するのにも役立つ。
【0015】
図1で見られるように、煙吸引器14は、追加的な接地接点24を含む後方部分90に位置付けられた追加的なレセプタクル16を含んでもよい。同様に、電気外科手術ユニット12は、下向きの表面の後方部分上に位置付けられた接地コネクター24のみを包含する追加的なドッキングインターフェース20を含んでもよい。図1でさらに見られるように、本発明によるドッキングインターフェースとともに装備する他の手術室機器への相互接続のために、追加的な上向きに面するドッキングインターフェース16が電気外科手術ユニット12の上面上に提供されてもよい。本発明のドッキングインターフェースを逆にすること、すなわち、陥凹部と隆起部分とを逆にすること、または電気外科手術ユニット12と煙吸引器14との位置付けを逆にし、ドッキングインターフェースをそれに応じて逆にすることが可能であることを認識すべきである。
図1
図2
図3
図4
図5