(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-08
(45)【発行日】2023-09-19
(54)【発明の名称】生物学関連のデータを処理するためのシステムおよび方法ならびに顕微鏡
(51)【国際特許分類】
G06V 10/82 20220101AFI20230911BHJP
G06T 7/00 20170101ALI20230911BHJP
G16B 40/00 20190101ALI20230911BHJP
G16B 50/00 20190101ALI20230911BHJP
【FI】
G06V10/82
G06T7/00 630
G06T7/00 350C
G16B40/00
G16B50/00
(21)【出願番号】P 2021572432
(86)(22)【出願日】2019-06-07
(86)【国際出願番号】 EP2019064971
(87)【国際公開番号】W WO2020244776
(87)【国際公開日】2020-12-10
【審査請求日】2022-06-07
(73)【特許権者】
【識別番号】511079735
【氏名又は名称】ライカ マイクロシステムズ シーエムエス ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Leica Microsystems CMS GmbH
【住所又は居所原語表記】Ernst-Leitz-Strasse 17-37, D-35578 Wetzlar, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】コンスタンティン カッペル
【審査官】伊知地 和之
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0249548(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0232400(US,A1)
【文献】特表2016-517115(JP,A)
【文献】特開2013-201909(JP,A)
【文献】特開2018-125019(JP,A)
【文献】村本尚生他,ヒントワードを活用した画像キャプションの自動生成,情報知識学会誌,日本,情報知識学会,2019年05月25日,第29巻 第2号,pp.153-158
【文献】Caleb VUNUNU et al.,A Deep Feature Learning Scheme for Counting the Cells in Microscopy Data,2018 IEEE International Conference on Electronics and Communication Engineering(ICECE),IEEE,2018年,pp.22-26
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06T 7/00 - 7/90
G06V 10/00 - 20/90
G06V 30/418
G06V 40/16
G06V 40/20
G16B 5/00 - 99/00
CSDB(日本国特許庁)
IEEE Xplore
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つまたは複数のプロセッサ(110)と、1つまたは複数のストレージデバイス(120)と、を含むシステム(100,200)であって、前記システム(100,200)は、
生物学関連の画像ベースの入力データ(107)を取得し、
前記1つまたは複数のプロセッサ(110)によって実行されるトレーニングされた視覚認識機械学習アルゴリズム(220)によって、前記生物学関連の画像ベースの入力データ(107)の高次元表現(230)を生成し、前記高次元表現(230)は、それぞれ異なる値を有する少なくとも3つのエントリを含み、前記高次元表現(230)は、100を超える次元を含み、前記高次元表現(230)は、ベクトルであり、
前記1つまたは複数のストレージデバイス(120)によって、前記生物学関連の画像ベースの入力データ(107)の前記高次元表現(230)を、前記生物学関連の画像ベースの入力データ(107)と共に格納する、
ように構成されて
おり、
前記システム(100)は、前記1つまたは複数のプロセッサ(110)によって実行されるトレーニングされた言語認識機械学習アルゴリズム(250)のデコーダによって、前記高次元表現(230)に基づいて、前記生物学関連の言語ベースの出力データ(109)を決定するようにさらに構成されている、
システム(100,200)。
【請求項2】
前記生物学関連の言語ベースの出力データ(109)は、前記トレーニングされた言語認識機械学習アルゴリズム(250)によってトレーニングされた語彙のエントリである、
請求項1記載のシステム。
【請求項3】
1つまたは複数のプロセッサ(110)と、1つまたは複数のストレージデバイス(120)と、を含むシステム(100,200)であって、前記システム(100,200)は、
生物学関連の画像ベースの入力データ(107)を取得し、
前記1つまたは複数のプロセッサ(110)によって実行されるトレーニングされた視覚認識機械学習アルゴリズム(220)によって、前記生物学関連の画像ベースの入力データ(107)の高次元表現(230)を生成し、前記高次元表現(230)は、それぞれ異なる値を有する少なくとも3つのエントリを含み、前記高次元表現(230)は、100を超える次元を含み、前記高次元表現(230)は、ベクトルであり、
前記1つまたは複数のストレージデバイス(120)によって、前記生物学関連の画像ベースの入力データ(107)の前記高次元表現(230)を、前記生物学関連の画像ベースの入力データ(107)と共に格納する、
ように構成されており、
前記システム(100)は、
複数のトレーニングされた視覚認識機械学習アルゴリズムから、第1の高次元表現(230)を生成するための第1のトレーニングされた視覚認識機械学習アルゴリズム(220)を選択し、
前記複数のトレーニングされた視覚認識機械学習アルゴリズムから、第2のトレーニングされた視覚認識機械学習アルゴリズムを選択し、
前記1つまたは複数のプロセッサ(110)によって実行される前記第2のトレーニングされた視覚認識機械学習アルゴリズムによって、前記生物学関連の画像ベースの入力データ(107)の第2の高次元表現を生成し、前記第2の高次元表現は、それぞれ異なる値を有する少なくとも3つのエントリを含み、
前記1つまたは複数のストレージデバイス(120)によって、前記生物学関連の画像ベースの入力データ(107)の前記第2の高次元表現を、前記第1の高次元表現(230)および前記生物学関連の画像ベースの入力データ(107)と共に格納すること、または、前記第2の高次元表現に対応する、第1の生物学関連の言語ベースの出力データと第2の生物学関連の言語ベースの出力データとを出力すること、のうちの少なくとも1つを実施する、
ようにさらに構成されている、
システム(100,200)。
【請求項4】
前記生物学関連の画像ベースの入力データ(107)は、ヌクレオチド配列を含む生物学的構造、タンパク質配列を含む生物学的構造、生物学的分子、生物学的組織、特定の挙動を有する生物学的構造、または、特定の生物学的機能もしくは特定の生物学的活動を有する生物学的構造のうちの少なくとも1つの画像の画像データである、
請求項1から3までのいずれか1項記載のシステム。
【請求項5】
前記高次元表現(230)の1つまたは複数のエントリの値は、特定の生物学的機能または特定の生物学的活動が存在する尤度に比例する、
請求項1から4までのいずれか1項記載のシステム。
【請求項6】
前記生物学関連の言語ベースの出力データ(109)は、ヌクレオチド配列、タンパク質配列、生物学的分子もしくは生物学的構造の記述、生物学的分子もしくは生物学的構造の挙動の記述、または、生物学的機能もしくは生物学的活動の記述のうちの少なくとも1つである、
請求項1から5までのいずれか1項記載のシステム。
【請求項7】
前記システムは、生物学的標本の画像を撮影することによって前記生物学関連の画像ベースの入力データ(107)を取得するように構成された顕微鏡をさらに含む、
請求項1から6までのいずれか1項記載のシステム。
【請求項8】
前記高次元表現(230)は、数値表現である、
請求項1から7までのいずれか1項記載のシステム。
【請求項9】
前記高次元表現(230)のエントリの値の50%超は、0に等しくない、
請求項1から8までのいずれか1項記載のシステム。
【請求項10】
前記高次元表現(230)の5つを超えるエントリの値は、前記高次元表現(230)のエントリの最大絶対値の10%よりも大きい、
請求項1から9までのいずれか1項記載のシステム。
【請求項11】
前記システム(100)は、
複数の生物学関連の画像ベースのデータセットを取得し、
前記1つまたは複数のプロセッサ(110)によって実行される前記トレーニングされた視覚認識機械学習アルゴリズム(220)によって、前記複数の生物学関連の画像ベースのデータセットのうちのそれぞれの生物学関連の画像ベースの入力データセットごとに個々の高次元表現を生成し、
前記1つまたは複数のストレージデバイス(120)によって、前記個々の高次元表現を、それぞれ対応する生物学関連の画像ベースの入力データセットと共に格納すること、または
、前記個々の高次元表現に対応する生物学関連の言語ベースの出力データセットを出力すること
、のうちの少なくとも1つを実施する、
ように構成されている、
請求項1から10までのいずれか1項記載のシステム。
【請求項12】
請求項1から11までのいずれか1項記載のシステムを含む、顕微鏡。
【請求項13】
生物学関連の画像ベースの入力データを処理するための方法(400)であって、前記方法は、
生物学関連の画像ベースの入力データを取得するステップ(410)と、
トレーニングされた視覚認識機械学習アルゴリズムによって、前記生物学関連の画像ベースの入力データの高次元表現を生成するステップであって、前記高次元表現は、それぞれ異なる値を有する少なくとも3つのエントリを含み、前記高次元表現(230)は、100を超える次元を含み、前記高次元表現(230)は、ベクトルであるステップ(420)と、
前記生物学関連の画像ベースの入力データの前記高次元表現を、前記生物学関連の画像ベースの入力データと共に格納するステップと、
トレーニングされた言語認識機械学習アルゴリズム(250)のデコーダによって、前記高次元表現(230)に基づいて、前記生物学関連の言語ベースの出力データ(109)を決定するステップと、
を含む方法。
【請求項14】
生物学関連の画像ベースの入力データを処理するための方法(400)であって、前記方法は、
生物学関連の画像ベースの入力データを取得するステップ(410)と、
トレーニングされた視覚認識機械学習アルゴリズムによって、前記生物学関連の画像ベースの入力データの高次元表現を生成するステップであって、前記高次元表現は、それぞれ異なる値を有する少なくとも3つのエントリを含み、前記高次元表現(230)は、100を超える次元を含み、前記高次元表現(230)は、ベクトルであるステップ(420)と、
前記生物学関連の画像ベースの入力データの前記高次元表現を、前記生物学関連の画像ベースの入力データと共に格納するステップと、
複数のトレーニングされた視覚認識機械学習アルゴリズムから、第1の高次元表現(230)を生成するための第1のトレーニングされた視覚認識機械学習アルゴリズム(220)を選択するステップと、
前記複数のトレーニングされた視覚認識機械学習アルゴリズムから、第2のトレーニングされた視覚認識機械学習アルゴリズムを選択するステップと、
前記第2のトレーニングされた視覚認識機械学習アルゴリズムによって、前記生物学関連の画像ベースの入力データ(107)の第2の高次元表現を生成するステップであって、前記第2の高次元表現は、それぞれ異なる値を有する少なくとも3つのエントリを含むステップと、
前記生物学関連の画像ベースの入力データ(107)の前記第2の高次元表現を、前記第1の高次元表現(230)および前記生物学関連の画像ベースの入力データ(107)と共に格納するステップ、または、前記第2の高次元表現に対応する、第1の生物学関連の言語ベースの出力データと第2の生物学関連の言語ベースの出力データとを出力するステップのうちの少なくとも1つと、
を含む方法。
【請求項15】
プロセッサによって実行されるときに
請求項13または14記載の方法を実施するためのプログラムコードを有する、コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
各例は、生物学関連のデータの処理に関する。
【背景技術】
【0002】
多くの生物学的用途において、膨大な量のデータが生成される。例えば、莫大な量の生物学的構造から画像が撮影され、データベース内に格納される。生物学的データを手動で分析するのは、非常に時間および費用がかかる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
したがって、生物学関連のデータを処理するための改善されたコンセプトが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この要求は、請求項の主題によって満たすことができる。
【0005】
いくつかの実施形態は、1つまたは複数のストレージデバイスに結合された1つまたは複数のプロセッサを含むシステムに関する。当該システムは、生物学関連の画像ベースの入力データを取得し、1つまたは複数のプロセッサによって実行されるトレーニングされた視覚認識機械学習アルゴリズムによって、生物学関連の画像ベースの入力データの高次元表現を生成するように構成されている。高次元表現は、それぞれ異なる値を有する少なくとも3つのエントリを含む。さらに、当該システムは、1つまたは複数のストレージデバイスによって、生物学関連の画像ベースの入力データの高次元表現を、生物学関連の画像ベースの入力データと共に格納するように、かつ/または高次元表現に対応する生物学関連の言語ベースの出力データを出力するように構成されている。
【0006】
視覚認識機械学習アルゴリズムを使用することによって、画像を高次元表現にマッピングすることができる。高次元表現が(ワンホットエンコーディングされた表現とは対照的に)種々の異なる値を有するエントリを有することを可能にすることによって、意味論的に類似したコンテンツを有する画像を、類似した高次元表現にマッピングすることができる。これらの高次元表現を、画像の注釈またはタグとして格納または出力することができ、かつ/またはこれらの高次元表現を、画像のコンテンツを記述するテキスト情報にマッピングしてもよい。このようにして、既存のデータベース内の画像および/または実行中の実験の画像に対して、たとえこれらの画像が事前にラベル付けされていなかったとしても、注釈付けまたはタグ付けすることができる。データベース内の画像または実行中の実験の画像が、対応する高次元表現によってタグ付けされると、これらの画像を、テキスト・ツー・イメージ検索(例えば、テキスト検索用語が入力されて、データベース内に格納されている1つまたは複数の対応する画像が出力される)またはイメージ・ツー・イメージ検索(例えば、検索画像が入力されて、データベース内に格納されている1つまたは複数の類似の画像が出力される)によって検索することが可能となり得る。
【0007】
以下では、装置および/または方法のいくつかの例を、単なる例として、添付の図面を参照しながら説明する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】生物学関連の画像ベースの入力データを処理するためのシステムの概略図である。
【
図2】生物学関連の画像ベースの入力データにタグ付けするためのシステムの概略図である。
【
図3】顕微鏡を含む、生物学関連のデータを処理するためのシステムの概略図である。
【
図4】生物学関連の画像ベースの入力データを処理するための方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
次に、いくつかの例が示されている添付の図面を参照しながら、種々の例をより完全に説明する。図面において、線、層および/または領域の厚さは、見やすくするために誇張されている場合がある。
【0010】
したがって、さらなる例によって種々の修正形態および代替形態を実現することが可能であるが、そのうちのいくつかの特定の例が図面に示されており、続いて詳細に説明される。しかしながら、この詳細な説明は、さらなる例を、説明されている特定の形態に限定するものではない。さらなる例は、本開示の範囲内に含まれる全ての修正形態、均等形態および代替形態を網羅することができる。同一または同様の参照符号は、図面の説明全体にわたり同様または類似の要素を指しており、それらの要素を、互いに比較したとき、同一または類似の機能を提供しながら、同一または変更された形態で実現することができる。
【0011】
ある要素が別の要素と「接続されている」または「結合されている」と記載されている場合、これらの要素は、直接的に接続または結合されていてもよいし、または1つまたは複数の介在要素を介して接続または結合されていてもよいと理解される。2つの要素AおよびBが「または」を使用して組み合わされている場合、このことは、明示的または暗示的に別様に定義されていない限り、全ての可能な組み合わせ、すなわちAのみ、BのみならびにAおよびBが開示されているものと理解されたい。同じ組み合わせについての代替的な表現は、「AおよびBのうちの少なくとも1つ」または「Aおよび/またはB」である。同じことは、必要な変更を加えて、3つ以上の要素の組み合わせにも当てはまる。
【0012】
特定の例を説明する目的で本明細書において用いられる用語は、さらなる例を限定することを意図するものではない。“a”,“an”および“the”のような単数形が用いられ、単一の要素のみを用いることが必須であると明示的または暗示的に定義されていないときはいつでも、さらなる例が、複数の要素を用いて同じ機能を実現してもよい。同様に、ある機能が複数の要素を用いて実装されるものとして後で説明されている場合、さらなる例が、単一の要素または処理エンティティを用いて同じ機能を実現してもよい。さらに、“comprises(含む)”、“comprising(含んでいる)”、“includes(含む)”および/または“including(含んでいる)”という用語は、使用される場合、記載された特徴、整数、ステップ、操作、プロセス、動作、要素および/または構成要素の存在を指定するが、1つまたは複数の他の特徴、整数、ステップ、操作、プロセス、動作、要素、構成要素および/またはそれらの任意のグループの存在または追加を排除しないと理解される。
【0013】
別様に定義されていない限り、全ての用語(技術用語および科学用語を含む)は、本明細書において、各例が属する分野の通常の意味で使用されている。
【0014】
図1は、1つの実施形態による、生物学関連の画像ベースの入力データを処理するためのシステムの概略図を示す。システム100は、1つまたは複数のストレージデバイス120に結合された1つまたは複数のプロセッサ110を含む。システム100は、(第1の)生物学関連の画像ベースの入力データ107を取得し、1つまたは複数のプロセッサ110によって実行される(第1の)トレーニングされた視覚認識機械学習アルゴリズムによって、生物学関連の画像ベースの入力データ107の(第1の)高次元表現を生成するように構成されている。高次元表現は、それぞれ異なる値を有する少なくとも3つのエントリ(または互いに異なる値を有する少なくとも20個のエントリ、少なくとも50個のエントリ、または少なくとも100個のエントリ)を含む。さらに、システム100は、1つまたは複数のストレージデバイス120によって、生物学関連の画像ベースの入力データ107の高次元表現を、生物学関連の画像ベースの入力データ107と共に格納するように、かつ/または高次元表現に対応する(第1の)生物学関連の言語ベースの出力データ109を出力および/または格納するように構成されている。
【0015】
生物学関連の画像ベースの入力データ107は、ヌクレオチドもしくはヌクレオチド配列を含む生物学的構造、タンパク質もしくはタンパク質配列を含む生物学的構造、生物学的分子、生物学的組織、特定の挙動を有する生物学的構造および/または特定の生物学的機能もしくは特定の生物学的活動を有する生物学的構造の画像の画像データ(例えば、画像のピクセルデータ)であってもよい。生物学的構造は、分子、ウイロイドもしくはウイルス、人工もしくは天然の膜で包囲された小胞、(細胞小器官のような)細胞内構造、細胞、スフェロイド、オルガノイド、三次元細胞培養、生物学的組織、臓器スライス、または生体内もしくは生体外の臓器の一部であってもよい。例えば、生物学的構造の画像は、細胞内または組織内のタンパク質の位置の画像であってもよいし、または標識されたヌクレオチドプローブが結合する内因性ヌクレオチド(例えば、DNA)を有する細胞または組織の画像(例えば、in situハイブリダイゼーション)であってもよい。画像データは、画像のそれぞれの色次元(例えば、RGB表現の場合には3つの色次元)について、画像のそれぞれのピクセルに対するピクセル値を含むことができる。例えば、画像診断法に応じて、励起波長または発光波長、蛍光寿命、偏光、三空間次元でのステージ位置、種々異なる撮像角度に関連して、他のチャネルを適用してもよい。生物学関連の画像ベースの入力データセットは、XYピクセルマップ、体積測定データ(XYZ)、時系列データ(XY+T)、またはそれらの組み合わせ(XYZT)であってもよい。さらに、画像ソースの種類に応じて、チャネル(例えば、スペクトル発光帯)、励起波長、ステージ位置、マルチウェルプレートまたはマルチポジショニング実験および/またはミラーでのような論理的位置および/またはライトシート撮像でのような対物レンズ位置のような、追加的な次元を含むことができる。例えば、生物学関連の画像ベースの入力データ107は、(例えば、1つまたは複数のストレージデバイスによって格納されている)データベースから取得されてもよいし、または実行中の実験中に撮像装置(例えば、顕微鏡、カメラ)によって取得されてもよい。例えば、システム100は、生物学的標本の画像を撮影することによって生物学関連の画像ベースの入力データ107を取得するように構成された顕微鏡を含むことができる。
【0016】
高次元表現は、隠れ表現、潜在ベクトル、埋め込み、意味論的埋め込みおよび/またはトークン埋め込みであってもよく、かつ/または隠れ表現、潜在ベクトル、埋め込み、意味論的埋め込みおよび/またはトークン埋め込みとも称され得る。
【0017】
高次元表現は、(例えば、数値のみを含む)数値表現であってもよい。高次元表現は、100を超える次元(または300もしくは500を超える次元)を含むことができ、かつ/または10000未満の次元(または3000未満もしくは1000未満の次元)を含むことができる。高次元表現のそれぞれのエントリは、高次元表現の1つの次元であってもよい(例えば、100次元を有する高次元表現は、100個のエントリを含む)。例えば、300を超えて1000未満の次元を有する高次元表現を使用することにより、意味論的相関を有する生物学関連のデータのために適した表現が可能となり得る。高次元表現は、ベクトルであってもよい。高次元表現のエントリのためにベクトル表現が使用される場合には、効率的な比較および/または他の計算(例えば、正規化)を実施することができるが、他の表現(例えば、行列として)も可能であり得る。例えば、高次元表現は、正規化されたベクトルであってもよい。高次元表現は、トレーニングされた視覚認識機械学習アルゴリズムによって生成可能であり、このトレーニングされた視覚認識機械学習アルゴリズムは、損失関数によってトレーニングされたものであってもよく、この損失関数は、トレーニングされた視覚認識機械学習アルゴリズムに、正規化された高次元表現を出力させる。しかしながら、高次元表現の正規化のための他のアプローチを適用することも可能であり得る。
【0018】
例えば、高次元表現は、ワンホットエンコーディングされた表現とは対照的に、0に等しくない値を有する複数の異なるエントリ(少なくとも3つ)を含むことができる。0に等しくない値を有する複数の異なるエントリを有することができる高次元表現を使用することにより、高次元表現同士の間の意味論的な関係性に関する情報を再現することができる。例えば、高次元表現のエントリの値の50%超(または70%超もしくは90%超)は、0に等しくなくてもよい。ワンホットエンコーディングされた表現が、0に等しくない2つ以上のエントリを有することも時にはあるが、高い値を有するエントリは1つだけであり、その他の全てのエントリは、ノイズレベル(例えば、その1つの高い値の10%未満)の値を有する。対照的に、高次元表現の5つを超えるエントリ(または20を超えるエントリもしくは50を超えるエントリ)の値を、例えば、高次元表現のエントリの最大絶対値の10%よりも大きく(または20%よりも大きく、もしくは30%よりも大きく)することができる。例えば、高次元表現のそれぞれのエントリは、-1~1の間の値を含むことができる。
【0019】
トレーニングされたパラメータのセットを有するトレーニングされた視覚認識機械学習アルゴリズムの少なくとも一部(例えば、エンコーダ)を生物学関連の画像ベースの入力データ107に適用することによって、高次元表現を決定することができる。例えば、トレーニングされた視覚認識機械学習アルゴリズムによって高次元表現を生成することは、トレーニングされた視覚認識機械学習アルゴリズムのエンコーダによって高次元表現を生成することを意味していてもよい。トレーニングされた視覚認識機械学習アルゴリズムの、トレーニングされたパラメータのセットは、以下に説明するように、視覚認識機械学習アルゴリズムのトレーニング中に取得可能である。
【0020】
高次元表現の1つまたは複数のエントリの値は、特定の生物学的機能または特定の生物学的活動が存在する尤度に比例することができる。入力データセットの意味論的な類似性を維持する高次元表現を生成するマッピングを使用することにより、意味論的に類似した高次元表現同士は、意味論的に類似性の低い高次元表現同士よりも互いにより近い距離を有することができる。さらに、2つの高次元表現が、同じまたは類似した特定の生物学的機能または特定の生物学的活動を有する入力データセットを表現している場合には、これらの2つの高次元表現の1つまたは複数のエントリは、同じまたは類似した値を有することができる。意味論の維持により、高次元表現の1つまたは複数のエントリは、特定の生物学的機能または特定の生物学的活動の発生または存在を示すことができる。例えば、高次元表現の1つまたは複数のエントリの値が高くなればなるほど、これらの1つまたは複数のエントリと相関する生物学的機能または生物学的活動が存在する尤度がより高くなり得る。
【0021】
トレーニングされた視覚認識機械学習アルゴリズムは、画像認識モデルまたは視覚モデルとも称され得る。トレーニングされた視覚認識機械学習アルゴリズムは、トレーニングされた視覚認識ニューラルネットワークであってもよいし、またはトレーニングされた視覚認識ニューラルネットワークを含んでいてもよい。トレーニングされた視覚認識ニューラルネットワークは、20を超える層(または40もしくは80を超える層)および/または400未満の層(または200もしくは150未満の層)を含むことができる。トレーニングされた視覚認識ニューラルネットワークは、畳み込みニューラルネットワークまたはカプセルネットワークであってもよい。畳み込みニューラルネットワークまたはカプセルネットワークを使用することにより、生物学関連の画像ベースのデータのための高精度のトレーニングされた視覚認識機械学習アルゴリズムを提供することができる。しかしながら、他の視覚認識アルゴリズムを適用することも可能であり得る。例えば、トレーニングされた視覚認識ニューラルネットワークは、複数の畳み込み層および複数のプーリング層を含むことができる。しかしながら、カプセルネットワークが使用される場合、かつ/または例えば、畳み込みのためにストライド=1の代わりにストライド=2が使用される場合には、プーリング層を回避することができる。トレーニングされた視覚認識ニューラルネットワークは、正規化線形ユニット活性化関数を使用することができる。正規化線形ユニット活性化関数を使用することにより、生物学関連の画像ベースの入力データのための高精度のトレーニングされた視覚認識機械学習アルゴリズムを提供することができるが、他の活性化関数(例えば、ハードタン活性化関数、シグモイド活性化関数、またはタン活性化関数)を適用することも可能であり得る。例えば、トレーニングされた視覚認識ニューラルネットワークは、畳み込みニューラルネットワークを含んでいてもよく、かつ/または入力画像のサイズに応じた深さのResNetまたはDenseNetであってもよい。
【0022】
システム100は、生物学関連の画像ベースの入力データ107の高次元表現を、生物学関連の画像ベースの入力データ107と共に(例えば、1つまたは複数のストレージデバイスによって格納されている)データベース内に格納することができる。データベースは、複数の画像を、それぞれ対応する高次元表現と共に格納することができる。高次元表現は、生物学関連の画像ベースの入力データ107のための注釈、タグ、またはラベルとして使用可能である。データベース内の画像を、対応する高次元表現を介して検索することが可能となり得る。
【0023】
択一的または付加的に、システム100は、高次元表現に対応する生物学関連の言語ベースの出力データ109を、生物学関連の画像ベースの入力データ107と共に(例えば、ディスプレイ、スクリーンを介して)ユーザに、かつ/または生物学関連の言語ベースの出力データ109を格納するためのストレージデバイスに出力することができる。生物学関連の言語ベースの出力データ109は、高次元表現が生成されたときにその対象となった、画像内に表示されている生物学的構造の、生物学的構造、生物学的機能、生物学的挙動、または生物学的活動に関連するテキスト出力であってもよい。例えば、生物学関連の言語ベースの出力データ109は、ヌクレオチド配列、タンパク質配列、生物学的分子もしくは生物学的構造の記述、生物学的分子もしくは生物学的構造の挙動の記述および/または生物学的機能もしくは生物学的活動の記述であってもよい。テキスト出力は、実験またはデータセットの文脈での、生物学的分子(例えば、多糖類、ポリ/オリゴヌクレオチド、タンパク質、または脂質)またはその挙動を記述する自然言語であってもよい。例えば、生物学関連の言語ベースの出力データ109は、ヌクレオチド配列、タンパク質配列、または生物学的用語のグループのうちの粗視化された検索用語であってもよい。
【0024】
生物学的用語のグループは、同じ生物学的トピックに属する複数の粗視化された検索用語(またはいわゆる分子生物学的主題の見出し用語)を含むことができる。生物学的用語のグループは、触媒活性(例えば、抽出物および生成物を表す単語を使用する何らかの反応方程式として)、触媒経路(例えば、どの経路が関与しているか、例えば、糖分解)、触媒部位および/または触媒領域(例えば、結合部位、活性部位、ヌクレオチド結合部位)であってもよく、GO(遺伝子オントロジー)(例えば、分子機能、例えば、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドNAD結合、微小管結合)、GO生物学的機能(例えば、アポトーシス、グルコネオゲネシス)、酵素および/または経路データベース(例えば、BRENDA/EC番号またはUniPathwaysにおける、例えば、sic機能のための一意の識別子)であってもよく、細胞内局在(例えば、サイトゾル、核、細胞骨格)、ファミリーおよび/またはドメイン(例えば、翻訳後修飾のための、例えば、結合部位、モチーフ)であってもよく、オープンリーディングフレーム、一塩基多型、制限部位(例えば、制限酵素によって認識されるオリゴヌクレオチド)および/または生合成経路(例えば、脂質、多糖類、ヌクレオチド、またはタンパク質の生合成)であってもよい。例えば、生物学的用語のグループは、細胞内局在のグループであってもよく、粗視化された検索用語は、細胞質ゾル、核および細胞骨格であってもよい。
【0025】
生物学関連の言語ベースの出力データ109は、画像のコンテンツに関するテキスト情報であってもよく、このテキスト情報は、高次元表現に対応する。生物学関連の言語ベースの出力データ109は、高次元表現に基づいて(例えば、トレーニングされた言語認識機械学習アルゴリズムを使用することによって)決定可能である。例えば、システム100は、1つまたは複数のプロセッサ110によって実行されるトレーニングされた言語認識機械学習アルゴリズムのデコーダによって、高次元表現に基づいて、生物学関連の言語ベースの出力データ109を決定するように構成可能である。
【0026】
トレーニングされた言語認識機械学習アルゴリズムは、テクスチュアルモデル、テキストモデル、または言語モデルとも称され得る。言語認識機械学習アルゴリズムは、トレーニングされた言語認識ニューラルネットワークであってもよいし、またはトレーニングされた言語認識ニューラルネットワークを含んでいてもよい。トレーニングされた言語認識ニューラルネットワークは、30を超える層(または50もしくは80を超える層)および/または500未満の層(または300もしくは200未満の層)を含むことができる。トレーニングされた言語認識ニューラルネットワークは、リカレントニューラルネットワーク、例えば長短期記憶ネットワークであってもよい。リカレントニューラルネットワーク、例えば長短期記憶ネットワークを使用することにより、生物学関連の言語ベースのデータのための高精度の言語認識機械学習アルゴリズムを提供することができる。しかしながら、他の言語認識アルゴリズムを適用することも可能であり得る。例えば、トレーニングされた言語認識機械学習アルゴリズムは、可変長の出力データを扱うことができるアルゴリズムであってもよい。例えば、第1の生物学関連の言語ベースの出力データの長さは、第2の生物学関連の言語ベースの出力データの長さとは異なっていてもよい。例えば、タンパク質配列は、典型的に、数十から数百のアミノ酸の長さである(1つのアミノ酸は、タンパク質配列における1文字として表現される)。「意味論」、例えば(生物学ではポリペプチド、モチーフ、またはドメインと称される)配列からの部分文字列の生物学的機能は、長さに関して種々異なり得る。したがって、可変長の出力を提供することができるアーキテクチャを使用することができる。トレーニングされた言語認識機械学習アルゴリズムのデコーダは、トレーニングされた言語認識機械学習アルゴリズムの一部であってもよく、このトレーニングされた言語認識機械学習アルゴリズムの一部を使用して、言語認識機械学習アルゴリズムのトレーニング中に、隠れベクトル(高次元表現)に基づいて予測を生成することができる。
【0027】
生物学関連の言語ベースの出力データ109は、アルファベット文字のシーケンス(例えば、ヌクレオチド配列またはタンパク質配列)であってもよいし、または言語認識機械学習アルゴリズムがトレーニングされたときにその対象となったテキストであってもよい。例えば、生物学関連の言語ベースの出力データ109は、画像が撮影された生物学的構造に含まれていたヌクレオチド配列またはタンパク質配列であってもよい。択一的または付加的に、生物学関連の言語ベースの出力データ109は、トレーニングされた言語認識機械学習アルゴリズムによってトレーニングされた語彙のエントリ(例えば、粗視化された検索用語)であってもよい。
【0028】
システム100は、多数の画像に対して高次元表現を生成することができる。生物学関連の画像ベースの入力データ107は、データベース内に格納された、または実行中の実験によって生成された複数の生物学関連の画像ベースのデータセットのうちの1つの生物学関連の画像ベースのデータセットであってもよい。例えば、システム100は、複数の生物学関連の画像ベースのデータセットを取得し、トレーニングされた視覚認識機械学習アルゴリズムによって、複数の生物学関連の画像ベースのデータセットのうちのそれぞれの生物学関連の画像ベースの入力データセットごとに個々の高次元表現を生成することができる。さらに、システム100は、個々の高次元表現を、それぞれ対応する生物学関連の画像ベースの入力データセットと共に格納することができ、かつ/または個々の高次元表現に対応する生物学関連の言語ベースの出力データセットを出力することができる。このようにして、多数の画像に自動的に注釈付けすることができる。
【0029】
画像のための注釈を高次元表現の形態で生成することに加えて、システム100は、注釈付けされた画像の中から1つまたは複数の画像を検索するように構成可能である。例えば、システム100は、生物学関連の言語ベースの検索データを受信し、トレーニングされた言語認識機械学習アルゴリズムによって、生物学関連の言語ベースの検索データの高次元表現を生成することができる。生物学関連の言語ベースの検索データは、入力インターフェース(例えば、キーボード)を介してユーザによって入力可能である。生物学関連の言語ベースの検索データは、データベースが検索されるべきときにその対象となったコンテンツを表示している画像の画像データであってもよいし(例えば、類似の画像を検出するため;イメージ・ツー・イメージ検索)、またはデータベースが検索されるべきときにその対象となった検索用語のテキスト入力であってもよい(例えば、検索用語に対応する画像を検出するため;テキスト・ツー・イメージ検索)。トレーニングされた言語認識機械学習アルゴリズムは、生物学関連の言語ベースの出力データを生成するために使用されるものと同じ言語認識機械学習アルゴリズムであってもよいが、高次元表現を生成するために、デコーダの代わりに、トレーニングされた言語認識機械学習アルゴリズムのエンコーダを使用してもよい。
【0030】
さらに、システム100は、生物学関連の言語ベースの検索データの高次元表現を、複数の生物学関連の画像ベースのデータセットのうちの個々の高次元表現と比較することができる。2つの高次元表現の間の距離を計算することによって、生物学関連の言語ベースの検索データの高次元表現を、生物学関連の画像ベースのデータセットのうちの個々の高次元表現と比較することができる。2つの高次元表現がベクトル(例えば、正規化されたベクトル)によって表現されている場合には、2つの高次元表現の間の距離(例えば、ユークリッド距離またはアースムーバー距離)を、わずかな労力で計算することができる。複数の生物学関連の画像ベースのデータセットのうちのそれぞれの個々の高次元表現ごとに、距離の計算を繰り返すことができる。計算された距離に基づいて、システム100は、選択基準(例えば、最も近い距離を有するか、または距離しきい値の範囲内にある1つまたは複数の個々の高次元表現)に基づいて、複数の生物学関連の画像ベースのデータセットのうちの1つまたは複数の個々の高次元表現を選択することができる。例えば、システム100は、比較に基づいて、複数の生物学関連の画像ベースのデータセットのうち、生物学関連の言語ベースの検索データの高次元表現に最も近い個々の高次元表現を選択するように構成可能である。システム100は、比較に基づいて、複数の生物学関連の画像ベースのデータセットのうちの1つの生物学関連の画像ベースのデータセットを出力または格納することができる。例えば、システム100は、生物学関連の言語ベースの検索データの高次元表現に最も近い個々の高次元表現に対応する生物学関連の画像ベースのデータセットを出力および/または格納することができる。
【0031】
上述のように、生物学関連の画像ベースの入力データ107は、種々異なる種類のもの(例えば、ヌクレオチド配列もしくはタンパク質配列を含む生物学的構造の画像、または生物学的用語のグループのうちの粗視化された検索用語を表現する生物学的構造の画像)であってもよい。単一の視覚認識機械学習アルゴリズムは、1つの種類の入力のみを扱うようにトレーニング可能である。したがって、システム100は、生物学関連の画像ベースの入力データ107に基づいて、複数のトレーニングされた視覚認識機械学習アルゴリズムから、視覚言語認識機械学習アルゴリズムを選択するように構成可能である。例えば、複数のトレーニングされた視覚認識機械学習アルゴリズムは、1つまたは複数のストレージデバイス120によって格納可能であり、システム100は、生物学関連の画像ベースの入力データ107として受信した入力の種類に応じて、複数のトレーニングされた視覚認識機械学習アルゴリズムのうちの1つを選択することができる。例えば、トレーニングされた視覚認識機械学習アルゴリズムは、生物学関連の画像ベースの入力データ107を分類するように構成された分類アルゴリズム(例えば、視覚認識機械学習アルゴリズム)によって、複数のトレーニングされた視覚認識機械学習アルゴリズムから選択可能である。
【0032】
システム100は、同じ1つの画像に対して、複数の異なるトレーニングされた視覚認識機械学習アルゴリズムによって複数の注釈を決定することができる。例えば、システム100は、複数のトレーニングされた視覚認識機械学習アルゴリズムから、第1の高次元表現を生成するための第1のトレーニングされた視覚認識機械学習アルゴリズムを選択し、複数のトレーニングされた視覚認識機械学習アルゴリズムから、第2のトレーニングされた視覚認識機械学習アルゴリズムを選択することができる。さらに、システム100は、第2のトレーニングされた視覚認識機械学習アルゴリズムによって、生物学関連の画像ベースの入力データ107の第2の高次元表現を生成することができる。第2の高次元表現は、それぞれ異なる値を有する少なくとも3つのエントリ(または互いに異なる値を有する少なくとも20個のエントリ、少なくとも50個のエントリ、または少なくとも100個のエントリ)を含むことができる。複数のトレーニングされた視覚認識機械学習アルゴリズムのうちのそれぞれのトレーニングされた視覚認識機械学習アルゴリズムは、それぞれ異なる種類の注釈(例えば、ヌクレオチド配列、タンパク質配列、または粗視化された探索用語)に対してトレーニング可能であり、対応する高次元表現を生成することが可能であり得る。さらに、システム100は、1つまたは複数のストレージデバイス120によって、生物学関連の画像ベースの入力データ107の第2の高次元表現を、第1の高次元表現および生物学関連の画像ベースの入力データ107と共に格納することができ、かつ/または第2の高次元表現に対応する、第1の生物学関連の言語ベースの出力データと第2の生物学関連の言語ベースの出力データとを出力することができる。第2の生物学関連の言語ベースの出力データは、第2の視覚認識機械学習アルゴリズムと同じ種類の注釈に対してトレーニングされた、第2のトレーニングされた言語認識機械学習アルゴリズムによって決定可能である。例えば、生物学関連の画像ベースの入力データが、ヌクレオチド配列を含む生物学的構造の画像の画像データであってもよい場合には、第1の生物学関連の言語ベースの出力データ109は、テキストとしてのヌクレオチド配列(例えば、GATTACA)であってもよく、第2の生物学関連の言語ベースの出力データは、生物学的構造の生物学的機能または生物学的活性の記述であってもよい。
【0033】
システム100は、顕微鏡の動作を制御するように構成可能である。例えば、システム100は、標本のうち、システム100によって注釈付けされるべき画像が撮影されるべき位置への、顕微鏡の動きを制御することができる。
【0034】
システム100のさらなる詳細および態様は、提案されているコンセプトおよび/または上記または下記(例えば、
図2~
図4)の1つまたは複数の例に関連して言及される。システム100は、提案されているコンセプトおよび/または上記または下記の1つまたは複数の例の1つまたは複数の態様に対応する1つまたは複数の追加的なオプションの特徴を含むことができる。
【0035】
図2は、1つの実施形態による、生物学関連の画像ベースの入力データにタグ付けするためのシステムの概略図である。システム200は、
図1に関連して説明したシステムと同様に実装可能である。リポジトリ201内に格納されている画像は、事前にトレーニングされた視覚モデル220(トレーニングされた視覚認識機械学習アルゴリズム)を通過することができる。任意の数のこのようなモデル240、すなわち、画像注釈(またはタグ)のそれぞれの種類につき1つのモデル240を設けることができる。画像注釈の種類は、生物学的配列、自然言語、または上述の粗視化された探索用語のいずれかであってもよい。したがって、適切なモデル210を選択するためのメカニズムを適所に設けることができる。このメカニズムは、可能性のあるコンテンツと、このコンテンツのために利用可能な画像注釈と、を認識するルックアップテーブル、ユーザ提供リスト、または第1の事前にトレーニングされた視覚モデル自体であってもよい。例えば、第1のモデル210は、標識されたタンパク質または蛍光in-situハイブリダイゼーション(例えば、標識されたヌクレオチド)を画像が含んでいるかどうかを認識し、タンパク質またはヌクレオチド配列に適した機能的注釈を選択することができる。次いで、事前にトレーニングされた視覚モデル220,240によって計算された意味論的埋め込み230(高次元表現)をデータベース260内に格納することができ、ここで、これらの意味論的埋め込み230(高次元表現)は、将来の検索(例えば、テキスト・ツー・イメージ検索および/またはイメージ・ツー・テキスト検索)のために役立つことができる。最後のデータベース260は、第1のリポジトリ201と同等であってもよい(ただし、必須ではない)。埋め込みを対人可読なものにする目的で、以下に説明するような視覚モデルをトレーニングするための埋め込みを作成するために使用された同じそれぞれのテキストモデル250によって、これらの埋め込みを、テキストまたは粗視化された探索用語に変換することができ、データベース260に書き込むことができる。
【0036】
データベースに注釈を書き込むことに代えて、新たなクラスに対する機能的注釈の予測を、実行中の実験中にユーザに出力して、ユーザが現場で意思決定をするためのコンテキストを提供することができる。
【0037】
図2は、将来の検索クエリのためのスマートタグ付けのためのシステムを示すことができる。
【0038】
システム200のさらなる詳細および態様は、提案されているコンセプトおよび/または上記または下記(例えば、
図1または
図3~
図4)の1つまたは複数の例に関連して言及される。システム200は、提案されているコンセプトおよび/または上記または下記の1つまたは複数の例の1つまたは複数の態様に対応する1つまたは複数の追加的なオプションの特徴を含むことができる。
【0039】
図1~
図2のうちの1つに関連して説明したシステムは、コンピュータデバイス内に配置されている1つまたは複数のプロセッサおよび1つまたは複数のストレージデバイスを備えるコンピュータデバイス(例えば、パーソナルコンピュータ、ラップトップ、タブレットコンピュータ、または携帯電話)であってもよいし、またはこれを含んでいてもよい。あるいは、システムは、分散コンピューティングシステム(例えば、ローカルクライアントおよび1つまたは複数のリモートサーバファームおよび/またはデータセンター等の様々な場所に分散されている1つまたは複数のプロセッサおよび1つまたは複数のストレージデバイスを備えるクラウドコンピューティングシステム)であってもよい。システムは、システムの種々の構成要素を結合するためのシステムバスを含むデータ処理システムを含むことができる。システムバスは、システムの種々の構成要素間の通信リンクを提供することができ、シングルバスとして、複数のバスの組み合わせとして、または任意の他の適切な手法で実装可能である。システムバスには、電子アセンブリを結合することができる。電子アセンブリは、任意の回路または回路の組み合わせを含んでいてもよい。1つの実施形態では、電子アセンブリは、任意の種類のものとすることができる、プロセッサを含んでいる。本明細書で使用されるように、プロセッサは、例えば、顕微鏡または顕微鏡部品(例えば、カメラ)のマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、複合命令セットコンピューティング(CISC)マイクロプロセッサ、縮小命令セットコンピューティング(RISC)マイクロプロセッサ、超長命令語(VLIW)マイクロプロセッサ、グラフィックプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、マルチコアプロセッサ、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、または任意の他の種類のプロセッサまたは処理回路等のあらゆる種類の計算回路を意図していてもよいが、これらに限定されない。電子アセンブリに含まれ得る他の種類の回路は、カスタム回路、特定用途向け集積回路(ASlC)等であってもよく、例えばこれは、携帯電話、タブレットコンピュータ、ラップトップコンピュータ、双方向無線機および類似の電子システム等の無線装置において使用される1つまたは複数の回路(通信回路等)である。システムは、ランダムアクセスメモリ(RAM)の形態のメインメモリ等の特定の用途に適した1つまたは複数の記憶素子を含み得る1つまたは複数のストレージデバイス、1つまたは複数のハードドライブおよび/またはコンパクトディスク(CD)、フラッシュメモリカード、デジタルビデオディスク(DVD)等のリムーバブルメディアを扱う1つまたは複数のドライブ等を含んでいる。システムは、ディスプレイ装置、1つまたは複数のスピーカおよびキーボードおよび/またはマウス、トラックボール、タッチスクリーン、音声認識装置を含み得るコントローラ、またはシステムのユーザがシステムに情報を入力することおよびシステムから情報を受け取ることを可能にする任意の他の装置も含んでいてもよい。
【0040】
さらに、システムは、コンピュータデバイスまたは分散コンピューティングシステムに接続された顕微鏡を含むことができる。顕微鏡は、1つまたは複数の標本から画像を撮影することによって生物学関連の画像ベースの入力データセットを生成するように構成可能である。
【0041】
顕微鏡は、光学顕微鏡(例えば、超解像顕微鏡またはナノ顕微鏡のような、回折限界顕微鏡またはサブ回折限界顕微鏡)であってもよい。顕微鏡は、スタンドアロン顕微鏡であってもよいし、または付属の構成要素(例えば、共焦点スキャナ、追加的なカメラ、レーザ、気候室、自動装填機構、液体搬送システム、付属の光学構成要素、例えば、追加的な多光子光路、光ピンセットなど)を有する顕微鏡システムであってもよい。例えば、生物学的配列(例えば、タンパク質、核酸、脂質)または他の標本に関連するオブジェクトの画像を撮影することができる限り、他の画像ソースを使用することも可能である。例えば、上記または下記の実施形態による顕微鏡により、深部を発見する顕微鏡法が可能となり得る。
【0042】
システムのさらなる詳細および態様は、提案されているコンセプトおよび/または上記または下記(例えば、
図1~
図4)の1つまたは複数の例に関連して言及される。システムは、提案されているコンセプトおよび/または上記または下記の1つまたは複数の例の1つまたは複数の態様に対応する1つまたは複数の追加的なオプションの特徴を含むことができる。
【0043】
いくつかの実施形態は、
図1~
図2のうちの1つまたは複数に関連して説明したようなシステムを含む顕微鏡に関する。択一的に、顕微鏡は、
図1~
図2のうちの1つまたは複数に関連して説明したようなシステムの一部であってもよいし、またはこれに接続されていてもよい。
図3は、1つの実施形態による、データを処理するためのシステム300の概略図を示す。1つまたは複数の生物学的標本の画像を撮影するように構成された顕微鏡310は、生物学関連のデータを処理するように構成されたコンピュータデバイス320(例えば、パーソナルコンピュータ、ラップトップ、タブレットコンピュータ、または携帯電話)に接続されている。顕微鏡310およびコンピュータデバイス320は、
図1~
図2のうちの1つまたは複数に関連して説明したように実装可能である。
【0044】
図4は、1つの実施形態による、生物学関連の画像ベースの入力データを処理するための方法のフローチャートである。方法400は、生物学関連の画像ベースの入力データを取得すること410と、トレーニングされた視覚認識機械学習アルゴリズムによって、生物学関連の画像ベースの入力データの高次元表現を生成すること420と、を含む。高次元表現は、それぞれ異なる値を有する少なくとも3つのエントリを含む。さらに、方法400は、生物学関連の画像ベースの入力データの高次元表現を、生物学関連の画像ベースの入力データと共に格納すること430および/または高次元表現に対応する生物学関連の言語ベースの出力データを出力すること430を含む。
【0045】
視覚認識機械学習アルゴリズムを使用することによって、画像を高次元表現にマッピングすることができる。高次元表現が(ワンホットエンコーディングされた表現とは対照的に)種々の異なる値を有するエントリを有することを可能にすることによって、意味論的に類似したコンテンツを有する画像を、類似した高次元表現にマッピングすることができる。これらの高次元表現を、画像の注釈またはタグとして格納または出力することができ、かつ/またはこれらの高次元表現を、画像のコンテンツを記述するテキスト情報にマッピングしてもよい。このようにして、既存のデータベース内の画像および/または実行中の実験の画像に対して、たとえこれらの画像が事前にラベル付けされていなかったとしても、注釈付けまたはタグ付けすることができる。データベース内の画像または実行中の実験の画像が、対応する高次元表現によってタグ付けされると、これらの画像を、テキスト・ツー・イメージ検索(例えば、テキスト検索用語が入力されて、データベース内に格納されている対応する画像が出力される)またはイメージ・ツー・イメージ検索(例えば、検索画像が入力されて、データベース内に格納されている類似の画像が出力される)によって検索することが可能となり得る。
【0046】
方法400のさらなる詳細および態様は、提案されているコンセプトおよび/または上記または下記(例えば、
図1~
図3)の1つまたは複数の例に関連して言及される。方法400は、提案されているコンセプトおよび/または上記または下記の1つまたは複数の例の1つまたは複数の態様に対応する1つまたは複数の追加的なオプションの特徴を含むことができる。
【0047】
以下では、(例えば
図1~
図4のうちの1つまたは複数に関連して)上記の実施形態のうちの1つまたは複数に関する用途および/または実装の詳細のいくつかの例について説明する。
【0048】
1つの態様によれば、上記または下記のような画像からの意味論的埋め込みを予測するようにトレーニングされた視覚モデルは、データリポジトリ内の画像に、または実行中の顕微鏡実験中に生成された画像に、自動的に注釈付け(「タグ付け」)するために利用可能である。その場合、これらの画像を、テキストクエリ(例えば、生物学的配列、粗視化された検索用語)を使用することによって検索することが可能となり得る。このことは、これまで見たことのないオブジェクトのクラスに対しても機能することができる(「ゼロショット学習」)。
【0049】
上記および/または下記のスマートタグ付け機能は、事前に注釈付けされていない画像をデータベース内で検索可能にすることによって、値を生成することができる。顕微鏡のユーザは、自身のデータに能動的にラベル付けすることを目指してもよいが、どのような他のデータが後々の分析にとって重要となり得るかは、実験の時点では分からないことがよくある。さらに、生物学的発見のペースが高速であるということは、実験の時点では知られていなかった生物学的分子の新しい機能が、将来的に発見される可能性があるということを意味する。提案されているコンセプトのスマートタグ付け機能により、古い作業からのデータ、大規模な作業グループ、機関のリポジトリ内に、または公共のデータベース内に格納されているデータに対して、遡及的に注釈付けすることが可能となる。このようにして、データマイニング技術、機械学習および関連する分析の形態を用いて構築されたモデルにより、より高速な検索クエリ、検索クエリでのより具体的なフィルタ、より正確な予測が可能となり得る。このような分析の出力を用いて、顕微鏡の実行中のワークフローに関する決定および変更を行うことができる。
【0050】
(例えば、ワンホットエンコーディングされたベクトルの場合のような)目立たないラベルに依存する代わりに、提案されているコンセプトは、潜在ベクトルである意味論的埋め込みを出力することができる。したがって、タグは、たとえ完全には正確に予測されていなくても、正確なラベルに意味論的に近ければ依然として使用可能であり得る。出力としてワンホットエンコーディングされたカテゴリークラス変数を使用する他の技術であれば、一般的に、正しいかまたは間違っているかの予測を行い、間違っている場合には、通常、完全にオフにするだろう。後者は、ワンホットエンコーディングされたカテゴリークラス変数が、それぞれ異なるクラス同士を完全に無関係として扱うことに起因する可能性がある。
【0051】
提案されているコンセプトによって作成された意味論的埋め込みは、生物学的機能のプロキシとして機能することができ、このことは、データ本体を機能的グループへとグループ化するために役立つことができ、その場合、これらの機能的グループは、(下記のような)生物学的配列に基づいて、または生物学的機能の記述を提供する自然言語に基づいてトレーニングされた言語モデルを使用して作成されたものであり得るので、生物学の研究者にとってより重要であろう。
【0052】
1つの態様によるスマートタグ付けは、以下のステップに基づくことができる:
1.事前にトレーニングされた視覚モデルは、撮像装置またはデータベースから到来した画像の画像コンテンツを認識することができ、適切な第2のモデルを選択する。このモデル選択は、上述したように達成可能である。
2.第2の事前にトレーニングされた視覚モデルは、撮像装置またはデータベースから到来した一連の画像のそれぞれの埋め込みを生成することができる。
3.これらの意味論的埋め込みを、テキスト・ツー・イメージ検索またはイメージ・ツー・イメージ検索または他の検索のような将来の検索のためにデータベースに書き込むことができる。
4.オプションとして埋め込みを、適切なモデルによってテキストに、または(上記のような)粗視化された検索用語または他の対人可読形式に再変換することができる。
【0053】
意味論的埋め込みを予測するためのモデルを、以下のようにしてトレーニングすることができるが、別の異なる手法でトレーニングすることも可能である。
【0054】
ステップ1は、オプションであってもよい。タグ付けのための画像は、(同じまたは他の)撮像装置を用いた実験の結果であってもよい。タグ付けのための画像は、データベースから受信されてもよい(例えば、撮像装置または他の実験室装置による手動でのクエリまたは自動的なクエリ)。タグ付けのための画像は、撮像装置およびモデルによって生成された画像埋め込みの教師なしクラスタリングおよび/または算術的な組み合わせによって取得されてもよい。
【0055】
提案されたコンセプトによって一般化を可能にすることができ、この一般化は、モデルがトレーニングされたときにその基礎となった同じクラス内のこれまで見たことのない入力に対して、正確な予測を行うためのモデルの能力を指すことができる。ゼロショット学習は、モデルがトレーニングされたときにその基礎となったクラス外のこれまで見たことのない入力に対して、正確な予測を行うためのモデルの能力を指すことができる。後者は、生物学の分野において新しい能力を開くことができる。
【0056】
未知の画像がトレーニングセットに含まれていなかった場合、または必ずしもトレーニングクラスの一部ではなかった場合でさえも、提案されているコンセプトは、上述の粗視化された探索用語のような機能的注釈を予測することが可能となり得る。情報を、実行中の実験中にユーザに出力することができるか、または機能的注釈として画像データベースに書き込むことができる。後者は、事前に注釈付けまたはラベル付けされていない画像に関する有益な注釈を提供することができるスマートタグ付けメカニズムと同等であってもよい。
【0057】
例えば、大規模なデータセットにつながるあらゆる実験に対して、データ記録と並行して自動的に注釈付けすることができる。提案されたコンセプトによって生成された自動的な注釈を、機器データ、試料の調製を記述するデータ、使用された実験および化学物質の運用に関するデータ、実験室管理および情報システムからのデータのような、利用可能なメタデータと組み合わせることができる。このような実験の例として、広範囲の「オミクス」規模のスクリーニング、薬物スクリーニングまたは標的検証および毒物学的スクリーニングを挙げることができる。
【0058】
提案されているコンセプトは、手動で注釈付けするには過多である既存のデータ本体、または過度に異種遺伝子型である既存のデータ本体を、遡及的にタグ付けするためにも適用可能である。
【0059】
例えば、知識は、構造化された形式で表現可能であることが多い。生物学的分子の文脈において、一般的なカテゴリは、上述のような粗視化された検索用語と呼ばれ得る。これらの一般的なカテゴリは、クエリ用語として使用可能であってもよく、事前にトレーニングされた(下記と同様の手法でトレーニングされた)言語モデルから取得されるような、各自のそれぞれの意味論的埋め込みとしても表現可能である。
【0060】
トレーニングされた言語認識機械学習アルゴリズムおよび/またはトレーニングされた視覚認識機械学習アルゴリズムは、以下に説明するトレーニングによって取得可能である。生物学関連のデータを処理するための機械学習アルゴリズムをトレーニングするためのシステムは、1つまたは複数のプロセッサと、1つまたは複数のストレージデバイスと、を含むことができる。当該システムは、生物学関連の言語ベースの入力トレーニングデータを受信するように構成可能である。さらに、当該システムは、1つまたは複数のプロセッサによって実行される言語認識機械学習アルゴリズムによって、生物学関連の言語ベースの入力トレーニングデータの第1の高次元表現を生成するように構成可能である。第1の高次元表現は、それぞれ異なる値を有する少なくとも3つのエントリを含む。さらに、当該システムは、1つまたは複数のプロセッサによって実行される言語認識機械学習アルゴリズムによって、第1の高次元表現に基づいて、生物学関連の言語ベースの出力トレーニングデータを生成するように構成可能である。さらに、当該システムは、生物学関連の言語ベースの入力トレーニングデータと、生物学関連の言語ベースの出力トレーニングデータと、の比較に基づいて、言語認識機械学習アルゴリズムを調整するように構成可能である。さらに、当該システムは、生物学関連の言語ベースの入力トレーニングデータに関連付けられた生物学関連の画像ベースの入力トレーニングデータを受信するように構成可能である。さらに、当該システムは、1つまたは複数のプロセッサによって実行される視覚認識機械学習アルゴリズムによって、生物学関連の画像ベースの入力トレーニングデータの第2の高次元表現を生成するように構成可能である。第2の高次元表現は、それぞれ異なる値を有する少なくとも3つのエントリを含む。さらに、当該システムは、第1の高次元表現と第2の高次元表現との比較に基づいて、視覚認識機械学習アルゴリズムを調整するように構成可能である。
【0061】
生物学関連の言語ベースの入力トレーニングデータは、生物学的構造、生物学的機能、生物学的挙動、または生物学的活動に関連するテキスト入力であってもよい。例えば、生物学関連の言語ベースの入力トレーニングデータは、ヌクレオチド配列、タンパク質配列、生物学的分子もしくは生物学的構造の記述、生物学的分子もしくは生物学的構造の挙動の記述および/または生物学的機能もしくは生物学的活動の記述であってもよい。生物学関連の言語ベースの入力トレーニングデータは、トレーニンググループのうちの第1の生物学関連の言語ベースの入力トレーニングデータセット(例えば、入力文字のシーケンス、例えば、ヌクレオチド配列またはタンパク質配列)であってもよい。トレーニンググループは、複数の生物学関連の言語ベースの入力トレーニングデータセットを含むことができる。
【0062】
生物学関連の言語ベースの出力トレーニングデータは、オプションとして次の要素の予測を含む、生物学関連の言語ベースの入力トレーニングデータと同じ種類のものであってもよい。例えば、生物学関連の言語ベースの入力トレーニングデータは、生物学的配列(例えば、ヌクレオチド配列またはタンパク質配列)であってもよく、生物学関連の言語ベースの出力トレーニングデータも、生物学的配列(例えば、ヌクレオチド配列またはタンパク質配列)であってもよい。言語認識機械学習アルゴリズムは、生物学関連の言語ベースの出力トレーニングデータが、オプションとして生物学的配列の次の要素の予測を含む、生物学関連の言語ベースの入力トレーニングデータと等しくなるようにトレーニング可能である。別の例では、生物学関連の言語ベースの入力トレーニングデータは、粗視化された検索用語の生物学的クラスであってもよく、生物学関連の言語ベースの出力トレーニングデータも、粗視化された検索用語の生物学的クラスであってもよい。
【0063】
生物学関連の画像ベースの入力トレーニングデータは、ヌクレオチドもしくはヌクレオチド配列を含む生物学的構造、タンパク質もしくはタンパク質配列を含む生物学的構造、生物学的分子、生物学的組織、特定の挙動を有する生物学的構造および/または特定の生物学的機能もしくは特定の生物学的活動を有する生物学的構造の画像の画像トレーニングデータ(例えば、トレーニング画像のピクセルデータ)であってもよい。生物学関連の画像ベースの入力トレーニングデータは、トレーニンググループのうちの第1の生物学関連の画像ベースの入力トレーニングデータセットであってもよい。トレーニンググループは、複数の生物学関連の画像ベースの入力トレーニングデータセットを含むことができる。
【0064】
生物学関連の言語ベースの入力トレーニングデータは、トレーニンググループのうちの1つの生物学関連の言語ベースの入力トレーニングデータセット(例えば、入力文字のシーケンス、例えば、ヌクレオチド配列またはタンパク質配列)であってもよい。トレーニンググループは、複数の生物学関連の言語ベースの入力トレーニングデータセットを含むことができる。システムは、トレーニンググループのうちの複数の生物学関連の言語ベースの入力トレーニングデータセットの各々のために、第1の高次元表現を生成することを繰り返すことができる。さらに、システムは、それぞれの生成された第1の高次元表現ごとに、生物学関連の言語ベースの出力トレーニングデータを生成することができる。システムは、トレーニンググループのうちの複数の生物学関連の言語ベースの入力トレーニングデータセットの、生物学関連の言語ベースの入力トレーニングデータと、対応する生物学関連の言語ベースの出力トレーニングデータとのそれぞれの比較に基づいて、言語認識機械学習アルゴリズムを調整することができる。換言すれば、システムは、生物学関連の言語ベースの入力トレーニングデータセットのトレーニンググループのうちのそれぞれの生物学関連の言語ベースの入力トレーニングデータごとに、第1の高次元表現を生成することと、生物学関連の言語ベースの出力トレーニングデータを生成することと、言語認識機械学習アルゴリズムを調整することとを繰り返すように構成可能である。トレーニンググループは、トレーニング目標(例えば、しきい値を下回るように損失関数の出力を変化させること)を満たすことができるように十分な生物学関連の言語ベースの入力トレーニングデータセットを含むことができる。
【0065】
言語認識機械学習アルゴリズムのトレーニング中に生成された複数の全ての第1の高次元表現は、潜在空間または意味論的空間と称され得る。
【0066】
システムは、トレーニンググループのうちの複数の生物学関連の画像ベースの入力トレーニングデータセットの各々のために、第2の高次元表現を生成することを繰り返すことができる。さらに、システムは、第1の高次元表現と、対応する第2の高次元表現とのそれぞれの比較に基づいて、視覚認識機械学習アルゴリズムを調整することができる。換言すれば、システムは、生物学関連の画像ベースの入力トレーニングデータセットのトレーニンググループのうちのそれぞれの生物学関連の画像ベースの入力トレーニングデータごとに、第2の高次元表現を生成することと、視覚認識機械学習アルゴリズムを調整することとを繰り返すことができる。トレーニンググループは、トレーニング目標(例えば、しきい値を下回るように損失関数の出力を変化させること)を満たすことができるように十分な生物学関連の画像ベースの入力トレーニングデータセットを含むことができる。
【0067】
例えば、システム100は、言語認識機械学習アルゴリズムと、視覚認識機械学習アルゴリズム(例えば、視覚意味論的モデルとも称される)との組み合わせを使用する。言語認識機械学習アルゴリズムおよび/または視覚認識機械学習アルゴリズムは、深層学習アルゴリズムおよび/または人工知能アルゴリズムであってもよい。
【0068】
言語認識機械学習アルゴリズムをトレーニングするために交差エントロピー損失関数を使用することにより、トレーニングを高速に収束させることができ、かつ/または生物学関連のデータのために十分にトレーニングされたアルゴリズムを提供することができるが、他の損失関数を使用することも可能である。
【0069】
視覚認識機械学習アルゴリズムは、対応する入力トレーニングデータの、言語認識機械学習アルゴリズムによって生成された高次元表現と、視覚認識機械学習アルゴリズムによって生成された高次元表現と、の比較に基づいて、視覚認識機械学習アルゴリズムのパラメータを調整することによってトレーニング可能である。例えば、この比較に基づいて、視覚認識ニューラルネットワークのネットワーク重みを調整することができる。視覚認識機械学習アルゴリズムのパラメータ(例えば、ネットワーク重み)の調整は、損失関数を考慮して実施可能である。例えば、視覚認識機械学習アルゴリズムの調整のための、第1の高次元表現と第2の高次元表現との比較は、コサイン類似性損失関数に基づくことができる。視覚認識機械学習アルゴリズムをトレーニングするためにコサイン類似性損失関数を使用することにより、トレーニングを高速に収束させることができ、かつ/または生物学関連のデータのために十分にトレーニングされたアルゴリズムを提供することができるが、他の損失関数を使用することも可能である。
【0070】
例えば、視覚モデルは、意味論的埋め込み空間において(例えば、ベクトルとして)どのようにして画像を表現すべきかを学習することができる。したがって、予測A(第2の高次元表現)と、グラウンドトゥルースB(第1の高次元表現)とを表現することができる、2つのベクトルの距離に対する尺度を使用することができる。例えば、1つの尺度は、
【数1】
の形態で定義されるようなコサイン類似性であり、予測AとグラウンドトゥルースBとのドット積を、(例えば、L2-ノルムまたはユークリッドノルムのように)各自のそれぞれの絶対値のドット積で除算したものである。
【0071】
機械学習アルゴリズムをトレーニングするためのシステムの非トレーニング特有の態様に関するさらなる詳細は、提案されているコンセプトおよび/または上記または下記(例えば、
図1~
図4)の1つまたは複数の例に関連して言及される。
【0072】
実施形態は、機械学習モデルまたは機械学習アルゴリズムの使用に基づいていてもよい。機械学習は、モデルおよび推論に依存する代わりに、コンピュータシステムが、明示的な命令を使用することなく、特定のタスクを実行するために使用し得るアルゴリズムおよび統計モデルを参照してもよい。例えば、機械学習では、ルールに基づくデータ変換の代わりに、過去のデータおよび/またはトレーニングデータの分析から推論されるデータ変換が使用されてもよい。例えば、画像コンテンツは、機械学習モデルを用いて、または機械学習アルゴリズムを用いて分析されてもよい。機械学習モデルが画像コンテンツを分析するために、機械学習モデルは、入力としてのトレーニング画像と出力としてのトレーニングコンテンツ情報を用いてトレーニングされてもよい。多数のトレーニング画像および/またはトレーニングシーケンス(例えば単語または文)および関連するトレーニングコンテンツ情報(例えばラベルまたは注釈)によって機械学習モデルをトレーニングすることによって、機械学習モデルは、画像コンテンツを認識することを「学習」するので、トレーニングデータに含まれていない画像コンテンツが機械学習モデルを用いて認識可能になる。同じ原理が、同じように他の種類のセンサデータに対して使用されてもよい:トレーニングセンサデータと所望の出力を用いて機械学習モデルをトレーニングすることによって、機械学習モデルは、センサデータと出力との間の変換を「学習し」、これは、機械学習モデルに提供された非トレーニングセンサデータに基づいて出力を提供するために使用可能である。
【0073】
機械学習モデルは、トレーニング入力データを用いてトレーニングされてもよい。上記の例は、「教師あり学習」と称されるトレーニング方法を使用する。教師あり学習では、機械学習モデルは、複数のトレーニングサンプルを用いてトレーニングされ、ここで各サンプルは複数の入力データ値と複数の所望の出力値を含んでいてもよく、すなわち各トレーニングサンプルは、所望の出力値と関連付けされている。トレーニングサンプルと所望の出力値の両方を指定することによって、機械学習モデルは、トレーニング中に、提供されたサンプルに類似する入力サンプルに基づいてどの出力値を提供するのかを「学習」する。教師あり学習の他に、半教師あり学習が使用されてもよい。半教師あり学習では、トレーニングサンプルの一部は、対応する所望の出力値を欠いている。教師あり学習は、教師あり学習アルゴリズム、例えば分類アルゴリズム、回帰アルゴリズムまたは類似度学習アルゴリズムに基づいていてもよい。出力が、値の限られたセットに制限される場合、すなわち入力が値の限られたセットのうちの1つに分類される場合、分類アルゴリズムが使用されてもよい。出力が(範囲内の)任意の数値を有していてもよい場合、回帰アルゴリズムが使用されてもよい。類似度学習アルゴリズムは、分類アルゴリズムと回帰アルゴリズムの両方に類似していてもよいが、2つのオブジェクトがどの程度類似しているかまたは関係しているかを測定する類似度関数を用いた例からの学習に基づいている。教師あり学習または半教師あり学習の他に、機械学習モデルをトレーニングするために教師なし学習が使用されてもよい。教師なし学習では、入力データ(だけ)が供給される可能性があり、教師なし学習アルゴリズムは、例えば、入力データをグループ化またはクラスタリングすること、データに共通性を見出すことによって入力データにおいて構造を見出すために使用されてもよい。クラスタリングは、複数の入力値を含んでいる入力データを複数のサブセット(クラスター)に割り当てることであるので、同じクラスター内の入力値は1つまたは複数の(事前に定められた)類似度判断基準に従って類似しているが、別のクラスターに含まれている入力値と類似していない。
【0074】
強化学習は機械学習アルゴリズムの第3のグループである。換言すれば、強化学習は機械学習モデルをトレーニングするために使用されてもよい。強化学習では、1つまたは複数のソフトウェアアクター(「ソフトウェアエージェント」と称される)が、周囲において行動を取るようにトレーニングされる。取られた行動に基づいて、報酬が計算される。強化学習は、(報酬の増加によって明らかにされるように)累積報酬が増加し、与えられたタスクでより良くなるソフトウェアエージェントが得られるように行動を選択するように、1つまたは複数のソフトウェアエージェントをトレーニングすることに基づいている。
【0075】
さらに、いくつかの技術が、機械学習アルゴリズムの一部に適用されてもよい。例えば、特徴表現学習が使用されてもよい。換言すれば、機械学習モデルは、少なくとも部分的に特徴表現学習を用いてトレーニングされてもよい、かつ/または機械学習アルゴリズムは、特徴表現学習構成要素を含んでいてもよい。表現学習アルゴリズムと称され得る特徴表現学習アルゴリズムは、自身の入力に情報を保存するだけでなく、多くの場合、分類または予測を実行する前の前処理ステップとして、有用にするように情報の変換も行ってもよい。特徴表現学習は、例えば、主成分分析またはクラスター分析に基づいていてもよい。
【0076】
いくつかの例では、異常検知(すなわち、外れ値検知)が使用されてもよく、これは、入力またはトレーニングデータの大部分と著しく異なることによって疑念を引き起こしている入力値の識別を提供することを目的としている。換言すれば、機械学習モデルは、少なくとも部分的に異常検知を用いてトレーニングされてもよく、かつ/または機械学習アルゴリズムは、異常検知構成要素を含んでいてもよい。
【0077】
いくつかの例では、機械学習アルゴリズムは、予測モデルとして決定木を使用してもよい。換言すれば、機械学習モデルは、決定木に基づいていてもよい。決定木において、項目(例えば、入力値のセット)に関する観察は、決定木のブランチによって表されてもよく、この項目に対応する出力値は、決定木のリーフによって表されてもよい。決定木は、出力値として離散値と連続値の両方をサポートしてもよい。離散値が使用される場合、決定木は、分類木として表されてもよく、連続値が使用される場合、決定木は、回帰木として表されてもよい。
【0078】
相関ルールは、機械学習アルゴリズムにおいて使用され得る別の技術である。換言すれば、機械学習モデルは、1つまたは複数の相関ルールに基づいていてもよい。相関ルールは、大量のデータにおける変数間の関係を識別することによって作成される。機械学習アルゴリズムは、データから導出された知識を表す1つまたは複数の相関的なルールを識別してもよい、かつ/または利用してもよい。これらのルールは、例えば、知識を格納する、操作するまたは適用するために使用されてもよい。
【0079】
機械学習アルゴリズムは通常、機械学習モデルに基づいている。換言すれば、用語「機械学習アルゴリズム」は、機械学習モデルを作成する、トレーニングするまたは使用するために使用され得る命令のセットを表していてもよい。用語「機械学習モデル」は、例えば、機械学習アルゴリズムによって実行されるトレーニングに基づいて学習した知識を表すデータ構造および/またはルールのセットを表していてもよい。実施形態では、機械学習アルゴリズムの用法は、基礎となる1つの機械学習モデル(または基礎となる複数の機械学習モデル)の用法を意味していてもよい。機械学習モデルの用法は、機械学習モデルおよび/または機械学習モデルであるデータ構造/ルールのセットが機械学習アルゴリズムによってトレーニングされることを意味していてもよい。
【0080】
例えば、機械学習モデルは、人工ニューラルネットワーク(ANN)であってもよい。ANNは、網膜または脳において見出されるような、生物学的ニューラルネットワークによって影響を与えられるシステムである。ANNは、相互接続された複数のノードと、ノード間の、複数の接合部分、いわゆるエッジを含んでいる。通常、3種類のノードが存在しており、すなわち入力値を受け取る入力ノード、他のノードに接続されている(だけの)隠れノードおよび出力値を提供する出力ノードが存在している。各ノードは、人工ニューロンを表していてもよい。各エッジは、1つのノードから別のノードに、情報を伝達してもよい。ノードの出力は、その入力の和の(非線形)関数として定義されてもよい。ノードの入力は、入力を提供するエッジまたはノードの「重み」に基づく関数において使用されてもよい。ノードおよび/またはエッジの重みは、学習過程において調整されてもよい。換言すれば、人工ニューラルネットワークのトレーニングは、与えられた入力に対して所望の出力を得るために、人工ニューラルネットワークのノードおよび/またはエッジの重みを調整することを含んでいてもよい。
【0081】
択一的に、機械学習モデルは、サポートベクターマシン、ランダムフォレストモデルまたは勾配ブースティングモデルであってもよい。サポートベクターマシン(すなわち、サポートベクターネットワーク)は、例えば、分類または回帰分析においてデータを分析するために使用され得る、関連する学習アルゴリズムを伴う、教師あり学習モデルである。サポートベクターマシンは、2つのカテゴリのいずれかに属する複数のトレーニング入力値を伴う入力を提供することによってトレーニングされてもよい。サポートベクターマシンは、2つのカテゴリのいずれかに新しい入力値を割り当てるようにトレーニングされてもよい。択一的に、機械学習モデルは、確率有向非巡回グラフィカルモデルであるベイジアンネットワークであってもよい。ベイジアンネットワークは、有向非巡回グラフを用いて、確率変数とその条件付き依存性のセットを表していてもよい。択一的に、機械学習モデルは、検索アルゴリズムと自然淘汰の過程を模倣した発見的方法である遺伝的アルゴリズムに基づいていてもよい。
【0082】
本明細書で使用されるように、用語「および/または(かつ/または)」は、関連する記載項目のうちの1つまたは複数の項目のあらゆる全ての組み合わせを含んでおり、「/」として略記されることがある。
【0083】
いくつかの態様を装置の文脈において説明してきたが、これらの態様が、対応する方法の説明も表していることが明らかであり、ここではブロックまたは装置がステップまたはステップの特徴に対応している。同様に、ステップの文脈において説明された態様は、対応する装置の対応するブロックまたは項目または特徴の説明も表している。ステップの一部または全部は、例えば、プロセッサ、マイクロプロセッサ、プログラマブルコンピュータまたは電子回路等のハードウェア装置(またはハードウェア装置を使用すること)によって実行されてもよい。いくつかの実施形態では、極めて重要なステップのいずれか1つまたは複数が、そのような装置によって実行されてもよい。
【0084】
一定の実装要件に応じて、本発明の実施形態は、ハードウェアまたはソフトウェアで実装され得る。この実装は、非一過性の記録媒体によって実行可能であり、非一過性の記録媒体は、各方法を実施するために、プログラマブルコンピュータシステムと協働する(または協働することが可能である)、電子的に読取可能な制御信号が格納されている、デジタル記録媒体等であり、これは例えば、フロッピーディスク、DVD、ブルーレイ、CD、ROM、PROMおよびEPROM、EEPROMまたはFLASHメモリである。したがって、デジタル記録媒体は、コンピュータ読取可能であってもよい。
【0085】
本発明のいくつかの実施形態は、本明細書に記載のいずれかの方法が実施されるように、プログラマブルコンピュータシステムと協働することができる、電子的に読取可能な制御信号を有するデータ担体を含んでいる。
【0086】
一般的に、本発明の実施形態は、プログラムコードを備えるコンピュータプログラム製品として実装可能であり、このプログラムコードは、コンピュータプログラム製品がコンピュータ上で実行されるときにいずれかの方法を実施するように作動する。このプログラムコードは、例えば、機械可読担体に格納されていてもよい。例えば、コンピュータプログラムは、非一過性の記録媒体に格納されていてもよい。いくつかの実施形態は、実行されるときに提案されているコンセプトまたは上述した1つもしくは複数の例による方法を実施するための機械可読命令を含む、非一過性の記録媒体に関する。
【0087】
別の実施形態は、機械可読担体に格納されている、本明細書に記載のいずれかの方法を実施するためのコンピュータプログラムを含んでいる。
【0088】
したがって、換言すれば、本発明の実施形態は、コンピュータプログラムがコンピュータ上で実行されるときに本明細書に記載のいずれかの方法を実施するためのプログラムコードを有するコンピュータプログラムである。
【0089】
したがって、本発明の別の実施形態は、プロセッサによって実行されるときに本明細書に記載のいずれかの方法を実施するために、格納されているコンピュータプログラムを含んでいる記録媒体(またはデータ担体またはコンピュータ読取可能な媒体)である。データ担体、デジタル記録媒体または被記録媒体は、典型的に、有形である、かつ/または非一過性である。本発明の別の実施形態は、プロセッサと記録媒体とを含んでいる、本明細書に記載されたような装置である。
【0090】
したがって、本発明の別の実施形態は、本明細書に記載のいずれかの方法を実施するためのコンピュータプログラムを表すデータストリームまたは信号シーケンスである。データストリームまたは信号シーケンスは例えば、データ通信接続、例えばインターネットを介して転送されるように構成されていてもよい。
【0091】
別の実施形態は、処理手段、例えば、本明細書に記載のいずれかの方法を実施するように構成または適合されているコンピュータまたはプログラマブルロジックデバイスを含んでいる。
【0092】
別の実施形態は、本明細書に記載のいずれかの方法を実施するために、インストールされたコンピュータプログラムを有しているコンピュータを含んでいる。
【0093】
本発明の別の実施形態は、本明細書に記載のいずれかの方法を実施するためのコンピュータプログラムを(例えば、電子的にまたは光学的に)受信機に転送するように構成されている装置またはシステムを含んでいる。受信機は、例えば、コンピュータ、モバイル機器、記憶装置等であってもよい。装置またはシステムは、例えば、コンピュータプログラムを受信機に転送するために、ファイルサーバを含んでいてもよい。
【0094】
いくつかの実施形態では、プログラマブルロジックデバイス(例えば、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ)が、本明細書に記載された方法の機能の一部または全部を実行するために使用されてもよい。いくつかの実施形態では、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイは、本明細書に記載のいずれかの方法を実施するためにマイクロプロセッサと協働してもよい。一般的に、有利には、任意のハードウェア装置によって方法が実施される。
【符号の説明】
【0095】
100 生物学関連のデータを処理するためのシステム
107 生物学関連の画像ベースの入力データ
109 生物学関連の言語ベースの出力データ
110 1つまたは複数のプロセッサ
120 1つまたは複数のストレージデバイス
200 生物学関連のデータを処理するためのシステム
201 リポジトリ
210 第1のモデル
220 事前にトレーニングされた視覚モデル
230 意味論的埋め込み;高次元表現
240 事前にトレーニングされた視覚モデル;トレーニングされた視覚認識機械学習アルゴリズム
250 テキストモデル;トレーニングされた言語認識機械学習アルゴリズム
260 データベース
300 生物学関連のデータを処理するためのシステム
310 顕微鏡
320 コンピュータデバイス
400 生物学関連の画像ベースの入力データを処理するための方法
410 生物学関連の画像ベースの入力データを取得すること
420 高次元表現を生成すること
430 格納または出力のうちの少なくとも1つを実施すること