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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-08
(45)【発行日】2023-09-19
(54)【発明の名称】基板処理装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/304 20060101AFI20230911BHJP
   H01L 21/683 20060101ALI20230911BHJP
【FI】
H01L21/304 648Z
H01L21/304 651Z
H01L21/68 N
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2022007965
(22)【出願日】2022-01-21
(65)【公開番号】P2022153262
(43)【公開日】2022-10-12
【審査請求日】2022-01-21
(31)【優先権主張番号】10-2021-0040673
(32)【優先日】2021-03-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】520236767
【氏名又は名称】サムス カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】イ、サン ミン
(72)【発明者】
【氏名】オ、ソン フン
(72)【発明者】
【氏名】イム、ヨン チュン
(72)【発明者】
【氏名】ヤン、ヒョ ウォン
【審査官】今井 聖和
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-067863(JP,A)
【文献】特開2018-207103(JP,A)
【文献】特開2013-086622(JP,A)
【文献】特開2013-033815(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0114707(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/304
H01L 21/683
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに結合して内部に処理空間を形成する第1ボディと第2ボディを含む工程チャンバと、
前記第1ボディと前記第2ボディをクランプするクランピング部材と、
前記第1ボディ又は前記第2ボディに対して前記クランピング部材が接触する接触領域に設けられた溝に装着される摩擦防止部材と、を含
前記摩擦防止部材には貫通口が設けられ、前記貫通口を介して締結部材が前記接触領域に締結されることにより、前記摩擦防止部材を固定させ、
前記摩擦防止部材は前記溝の周辺部及び前記締結部材よりも突出し、
前記摩擦防止部材と前記溝の側壁との間に一定間隔が設けられる、基板処理装置。
【請求項2】
前記溝は、前記第1ボディに設けられた第1ボディ溝と、前記第2ボディに設けられた第2ボディ溝とを含む、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記溝は、前記クランピング部材における前記第1ボディに対応する領域に設けられた第1クランプ溝と、前記クランピング部材における前記第2ボディに対応する領域に設けられた第2クランプ溝とを含む、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項4】
前記摩擦防止部材は、PEEK(poly ether ether keton)、PI(polyimide)、ポリアラミド(poly-aramid)、PET(Polyethylene terephthalate)、ジルコニア、SiC、SiN及びアルミナ(Alumina)のうちの少なくとも一つで構成される、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項5】
前記摩擦防止部材は、表面に樹脂コーティング又はDLC(diamond-like
coating)処理された金属性ボディで構成される、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項6】
前記摩擦防止部材の表面積は前記溝の表面積よりも小さく構成される、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項7】
前記一定間隔は、前記摩擦防止部材に加わる圧力による変形量よりも大きく設定される、請求項6に記載の基板処理装置。
【請求項8】
基板が投入及び排出される基板ローディング部と、
前記基板を搬送する基板搬送部と、
前記基板に残っている異物を除去するための洗浄液を前記基板へ供給し、前記洗浄液を除去するためのリンス液を前記基板へ供給し、前記リンス液を乾燥させるための有機溶剤を前記基板へ供給する第1工程処理ユニットと、
前記基板に残っている有機溶剤を乾燥させる第2工程処理ユニットと、を含み、
前記第2工程処理ユニットは、
互いに結合して内部に処理空間を形成する第1ボディと第2ボディを含む工程チャンバと、
前記処理空間へ流体を供給する流体供給部と、
前記処理空間の温度を調節する温度調節部と、
前記第1ボディと前記第2ボディをクランプするクランピング部材と、
前記第1ボディ及び前記第2ボディに対して前記クランピング部材が接触する接触領域に設けられた溝に装着される摩擦防止部材と、を含み、
前記摩擦防止部材には貫通口が設けられ、前記貫通口を介して締結部材が前記接触領域に締結されることにより、前記摩擦防止部材を固定させ、
前記摩擦防止部材は前記溝の周辺部及び前記締結部材よりも突出し、
前記溝の側壁と前記摩擦防止部材の側面とが接触しないように構成される、基板処理設備。
【請求項9】
前記有機溶剤としてイソプロピルアルコール(isopropyl alcohol、IPA)が使用され、前記流体として二酸化炭素(CO2)が使用され、
前記第2工程処理ユニットは、前記二酸化炭素を超臨界状態に維持して前記基板上のイソプロピルアルコールを乾燥させるように構成される、請求項に記載の基板処理設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板処理装置に係り、より具体的には、高温及び高圧環境で基板を処理する半導体製造設備における物体間の摩擦による損傷を防止するための基板処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体(又はディスプレイ)製造工程は、基板(例えば、ウェーハ)上に半導体素子を製造するための工程であって、例えば露光、蒸着、エッチング、イオン注入、洗浄などを含む。特に、基板上には様々な有機及び無機異物が存在する。よって、製造歩留まりを向上させるためには、基板上の異物を効果的に除去することが非常に重要である。
【0003】
異物除去のために、処理液(洗浄液)を用いた洗浄工程が主に用いられる。洗浄工程は、基板を支持したスピンチャックを回転させながら基板の上面又は後面に処理液を供給して行われることができ、洗浄処理後には、リンス液を用いたリンス工程、乾燥気体を用いた乾燥工程が行われる。
【0004】
乾燥処理段階は、基板上に残留したリンス液を乾燥させるための工程であり、イソプロピルアルコール(IPA)のように表面張力がリンス液よりも低い有機溶剤で基板上のリンス液を置換し、その後、有機溶剤を除去する。しかしながら、基板に形成されたパターンとパターンとの距離が微細化するにつれて、それらのパターンの間の空間に残留する有機溶剤によってパターン同士が密着するパターンリーニング(pattern leaning)現象が発生する。
【0005】
そのため、最近、超臨界流体を用いて、基板上に残留する有機溶剤を除去する工程が導入されており、超臨界処理工程は、高温及び高圧の環境で行われる。このような高温及び高圧の環境を実現して基板を処理する基板処理装置が導入されている。高温及び高圧の環境を構成するために、2つのボディが互いに結合する構造を採用する場合、物体間の摩擦による損傷及びパーティクルが発生する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明の実施形態は、物体間の接触時に発生する衝撃による損傷及びパーティクルを低減させることができる基板処理装置を提供する。
【0007】
本発明の解決課題は、上述したものに限定されず、上述していない他の解決課題は、以降の記載から当業者に明確に理解できるだろう。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の実施形態による基板処理装置は、互いに結合して内部に処理空間を形成する第1ボディと第2ボディを含む工程チャンバと、前記第1ボディと前記第2ボディをクランピングするクランピング部材と、前記第1ボディと前記第2ボディに対して前記クランピング部材が接触する接触領域に設けられた溝に装着される摩擦防止部材と、を含む。
【0009】
本発明の一実施形態において、前記溝は、前記第1ボディに設けられた第1ボディ溝と、前記第2ボディに設けられた第2ボディ溝と、を含むことができる。
【0010】
本発明の一実施形態において、前記溝は、前記クランピング部材における前記第1ボディに対応する領域に設けられた第1クランピング溝と、前記クランピング部材における前記第2ボディに対応する領域に設けられた第2クランピング溝と、を含むことができる。
【0011】
本発明の一実施形態において、前記摩擦防止部材は、PEEK(poly ether ether keton)、PI(polyimide)、ポリアラミド、PET(Polyethylene terephthalate)、ジルコニア(zirconia)、SiC、SiN、及びアルミナ(Alumina)のうちの少なくとも一つで構成できる。
【0012】
本発明の一実施形態において、前記摩擦防止部材は、表面に樹脂コーティング又はDLC(diamond-like coating)処理された金属性ボディで構成できる。
【0013】
本発明の一実施形態において、前記摩擦防止部材の表面積は、前記溝の表面積よりも小さく構成できる。
【0014】
本発明の一実施形態において、前記摩擦防止部材と前記溝の側壁との間に一定間隔が設けられ、前記一定間隔は、前記摩擦防止部材に加わる圧力による変形量よりも大きく設定できる。
【0015】
本発明の一実施形態において、前記摩擦防止部材は、前記溝の周辺部よりも突出することができる。
【0016】
本発明の一実施形態において、前記摩擦防止部材には貫通口が設けられ、前記貫通口を介して締結部材が前記接触領域に締結されることにより、前記摩擦防止部材を固定させることができる。
【0017】
本発明の他の実施形態による基板処理装置は、一側に開口部が設けられたチャンバ形状の第1ボディと、前記開口部に対応する形状をし、前記開口部に結合することにより基板の処理空間を形成する第2ボディと、前記第2ボディと前記第1ボディを固定させるロック部材と、前記第2ボディに対して前記ロック部材が接触する接触領域に設けられた溝に装着される摩擦防止部材と、を含む。
【0018】
本発明の実施形態による基板処理設備は、基板が投入及び排出される基板ローディング部と、前記基板を搬送する基板搬送部と、前記基板に残っている異物を除去するための洗浄液を前記基板へ供給し、前記洗浄液を除去するためのリンス液を前記基板へ供給し、前記リンス液を乾燥させるための有機溶剤を前記基板へ供給する第1工程処理ユニットと、前記基板に残っている有機溶剤を乾燥させる第2工程処理ユニットと、を含む。前記第2工程処理ユニットは、互いに結合して内部に処理空間を形成する第1ボディと第2ボディを含む工程チャンバと、前記処理空間へ流体を供給する流体供給部と、前記処理空間の温度を調節する温度調節部と、前記第1ボディと前記第2ボディをクランプするクランピング部材と、前記第1ボディ及び前記第2ボディに対して前記クランピング部材が接触する接触領域に設けられた溝に装着される摩擦防止部材と、を含む。ここで、前記溝の側壁と前記摩擦防止部材の側面とが接触しないように構成される。
【発明の効果】
【0019】
本発明の実施形態による基板処理装置は、第1ボディ及び第2ボディとクランピング部材(又はロック部材)とが接触する接触領域に設けられた溝に装着される摩擦防止部材を備えることにより、接触時に発生する衝撃による損傷及びパーティクルを低減させることができる。
【0020】
本発明の効果は、上述したものに限定されず、上述していない他の効果は、以降の記載から当業者に明確に理解できるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】基板処理設備の概略構造を示す図である。
図2】超臨界流体を用いて基板上のリンス液を乾燥させる基板処理装置及び基板処理装置の動作手順の例を示す図である。
図3】超臨界流体を用いて基板上のリンス液を乾燥させる基板処理装置及び基板処理装置の動作手順の例を示す図である。
図4】超臨界流体を用いて基板上のリンス液を乾燥させる基板処理装置及び基板処理装置の動作手順の例を示す図である。
図5】超臨界流体を用いて基板上のリンス液を乾燥させる基板処理装置及び基板処理装置の動作手順の例を示す図である。
図6】超臨界流体を用いて基板上のリンス液を乾燥させる基板処理装置及び基板処理装置の動作手順の例を示す図である。
図7】本発明の実施形態による基板処理装置の構造を概略的に示す図である。
図8】本発明の実施形態による基板処理装置の構造を概略的に示す図である。
図9】本発明の実施形態による基板処理装置の構造を概略的に示す図である。
図10】本発明の一実施形態による基板処理装置において摩擦防止部材が挿入されたボディを示す図である。
図11】本発明の実施形態による摩擦防止部材が挿入された状態のボディの断面図である。
図12】本発明の実施形態による摩擦防止部材が挿入された状態のボディの断面図である。
図13】本発明の実施形態による摩擦防止部材が適用された基板処理装置の他の例を示す図である。
図14】本発明の実施形態による摩擦防止部材が適用された基板処理装置の他の例を示す図である。
図15】本発明の実施形態による摩擦防止部材が適用された基板処理装置の他の例を示す図である。
図16】本発明の実施形態による摩擦防止部材が適用された基板処理装置の他の例を示す図である。
図17】本発明の他の実施形態による摩擦防止部材が適用された基板処理装置を示す図である。
図18】本発明の他の実施形態による摩擦防止部材が適用された基板処理装置を示す図である。
図19】本発明の他の実施形態による摩擦防止部材が適用された基板処理装置を示す図である。
図20】本発明の別の実施形態による摩擦防止部材が適用された基板処理装置を示す図である。
図21】本発明の別の実施形態による摩擦防止部材が適用された基板処理装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施し得るように詳細に説明する。本発明は、様々に異なる形態で実現でき、ここで説明する実施形態に限定されない。
【0023】
本発明を明確に説明するために、説明と関係のない部分は省略し、明細書全体にわたって、同一又は類似の構成要素については同一の参照符号を付する。
【0024】
また、幾つかの実施形態において、同一の構成を有する構成要素については同一の符号を用いて代表的な実施形態でのみ説明し、それ以外の他の実施形態では、代表的な実施形態とは異なる構成についてのみ説明する。
【0025】
明細書全体にわたって、ある部分が他の部分と「連結(又は結合)」されているとするとき、これは、「直接的に連結(又は結合)」されている場合だけでなく、別の部材を挟んで「間接的に連結(又は結合)」されている場合も含む。また、ある部分がある構成要素を「含む」とするとき、これは、特に反対される記載がない限り、別の構成要素を除外するのではなく、別の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
【0026】
他に定義されない限り、技術的又は科学的な用語を含めてここで使用されるすべての用語は、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者によって一般的に理解されるのと同じ意味を持っている。一般的に使用される辞典に定義されている用語は、関連技術の文脈上持つ意味と一致する意味を持つものと解釈されるべきであり、本出願において明白に定義しない限り、理想的又は過度に形式的な意味で解釈されない。
【0027】
図1は基板処理設備1の概略構成を示す。基板処理設備1はインデックス部10及び工程処理部20を含む。
【0028】
インデックス部10はロードポート120及びインデックスチャンバ140を含む。図1に示すように、ロードポート120、インデックスチャンバ140、工程処理部20は順次一列に配列できる。以下、ロードポート120、インデックスチャンバ140及び工程処理部20が配列された方向を第1方向12という。そして、上方から見たとき、第1方向12に対して垂直な方向を第2方向14といい、第1方向12と第2方向14を含む平面に対して垂直な方向を第3方向16という。
【0029】
ロードポート120には、基板Wが収納されたキャリア18が装着される。ロードポート120は複数が設けられ、これらは第2方向14に沿って一列に配置されることができる。図1では、4つのロードポート120が提供されたことを示している。しかし、ロードポート120の数は、工程処理部20の工程効率及びフットプリントなどの条件に応じて増加又は減少することができる。キャリア18としては、前面開放一体型ポッド(FOUP:Front Opening Unified Pod)が使用できる。
【0030】
インデックスチャンバ140は、ロードポート120と工程処理部20との間に位置する。インデックスチャンバ140は、前面パネル、後面パネル及び両側面パネルを含む直方体の形状を有し、その内部には、ロードポート120に装着されたキャリア18とロードロックチャンバ220との間に基板Wを搬送するためのインデックスロボット144が設けられる。図示してはいないが、インデックスチャンバ140は、内部空間へパーティクルが流入するのを防止するために、ベント(vents)、層流システム(laminar flow system)などの制御された空気流動システムを含むことができる。
【0031】
インデックスレール142は、その長さ方向が第2方向14と並ぶように設けられる。インデックスロボット144は、インデックスレール142上に設置され、インデックスレール142に沿って第2方向14に直線移動する。インデックスロボット144は、ベース144a、ロボットボディ144b、及びインデックスアーム144cを有する。ベース144aは、インデックスレール142に沿って移動可能に設置される。ロボットボディ144bはベース144aに結合する。ロボットボディ144bは、ベース144a上で第3方向16に沿って移動可能に設けられる。また、ロボットボディ144bは、ベース144a上で回転可能に設けられる。インデックスアーム144cは、ロボットボディ144bに結合し、ロボットボディ144bに対して前進及び後進移動可能に設けられる。インデックスアーム144cは複数設けられ、それぞれ個別に駆動されるように提供される。インデックスアーム144cは、第3方向16に沿って互いに離隔した状態で積層されるように配置される。インデックスアーム144cの一部は、工程処理部20からキャリア18へ基板Wを搬送するときに使用され、インデックスアームの他の一部は、キャリア18から工程処理部20へ基板Wを搬送するときに使用され得る。これは、インデックスロボット144が基板Wを搬入及び搬出する過程で、工程処理前の基板Wから発生したパーティクルが工程処理後の基板Wに付着することを防止することができる。
【0032】
工程処理部20は、ロードロックチャンバ220、搬送チャンバ240、第1工程処理ユニット260、及び第2工程処理ユニット280を含むことができる。搬送チャンバ240は、その長さ方向が第1方向12と平行になるように配置されることができる。第2方向14に沿って搬送チャンバ240の一側に第1工程処理ユニット260が配置され、搬送チャンバの他側に第2工程処理ユニット280が配置されることができる。また、第1工程処理ユニット260と第2工程処理ユニット280とは、互いに積層されるように配置されることができる。
【0033】
ロードロックチャンバ220は、インデックスチャンバ140と搬送チャンバ240との間に配置される。ロードロックチャンバ220は、搬送チャンバ240とインデックスチャンバ140との間に基板Wが搬送される前に、基板Wを一時的に積載する空間を提供する。ロードロックチャンバ220は、その内部に基板Wが置かれるスロット(図示せず)が設けられ、スロット(図示せず)は、互いに第3方向16に沿って離隔するように複数設けられる。ロードロックチャンバ220における、インデックスチャンバ140に対向する面と、搬送チャンバ240に対向する面のそれぞれが開放された形態で提供できる。一方、インデックスチャンバ140、ロードロックチャンバ220及びメインロボット244は、基板搬送部と総称することができる。
【0034】
搬送チャンバ240は、ロードロックチャンバ220、第1工程処理ユニット260及び第2工程処理ユニット280の間で基板Wを搬送することができる。搬送チャンバ240には、ガイドレール242とメインロボット244が設けられることができる。ガイドレール242は、その長さ方向が第1方向12と平行になるように配置される。メインロボット244は、ガイドレール242上に設置され、ガイドレール242上で第1方向12に沿って直線移動できるように備えられる。
【0035】
以下、基板Wを搬送する構成を搬送ユニットと定義する。一例として、搬送ユニットには、搬送チャンバ240及びインデックスチャンバ140が含まれることができる。また、搬送ユニットには、搬送チャンバ240に設けられるメインロボット244及びインデックスロボット144が含まれることができる。
【0036】
第1工程処理ユニット260及び第2工程処理ユニット280は、一つの基板Wに対して順次工程を行うことができる。例えば、基板Wは、第1工程処理ユニット260でケミカル工程、リンス工程、及び一次乾燥工程が行われ、第2工程処理ユニット280で二次乾燥工程が行われることができる。この場合、一次乾燥工程は有機溶剤によって行われ、二次乾燥工程は超臨界流体によって行われることができる。有機溶剤としてはイソプロピルアルコール(IPA)液が使用され、超臨界流体としては二酸化炭素(CO)が使用され得る。これとは異なり、第1工程処理ユニット260における一次乾燥工程は省略可能である。
【0037】
すなわち、第1工程処理ユニット260は、基板W上に残っている異物を除去するための洗浄液を基板Wへ一次供給し、その後、洗浄液を除去するためのリンス液(例えば、純水)を基板Wへ二次供給し、その後、リンス液を乾燥させるための有機溶剤を基板Wへ三次供給することができる。その後、基板Wは、搬送ユニットによって第2工程処理ユニット280へ移送される。第2工程処理ユニット280は、基板W上に残っている有機溶剤を乾燥させるための流体を供給し、処理空間内の圧力及び温度を高温/高圧環境に造成して流体を超臨界相に維持する。すなわち、第2工程処理ユニット280は、超臨界相で基板W上に残っている有機溶剤を乾燥させることにより、パターンリーニングなどの工程不良を防止することができる。
【0038】
一実施形態によれば、有機溶剤としてイソプロピルアルコール(isopropyl alcohol、IPA)が使用され、流体として二酸化炭素(CO)が使用され、第2工程処理ユニット280は、二酸化炭素を超臨界状態に維持して基板W上のイソプロピルアルコールを乾燥させるように構成できる。
【0039】
以下では、第2工程処理ユニット280の一部として提供される基板処理装置に適用される本発明の実施形態について説明する。第2工程処理ユニット280には、基板Wの二次乾燥工程が行われる基板処理装置400が提供される。基板処理装置400は、有機溶剤が残っている基板Wを乾燥処理する。基板処理装置400は、超臨界流体を用いて基板Wを乾燥処理することができる。
【0040】
図2乃至図6は超臨界流体を用いて基板上のリンス液を乾燥させる基板処理装置及び基板処理装置の動作手順の例を示す。図2乃至図6を参照すると、基板処理装置400は、ハウジング402、工程チャンバ410、基板支持ユニット440、昇降部材450、加熱部材460、遮断部材480、排気ユニット470、流体供給ユニット490、クランピング部材500、移動部材550、及び制御器(図示せず)を含む。
【0041】
ハウジング402は、フレーム404及び中間板406を含む。フレーム404は、内部に空間を有する筒状に設けられる。例えば、フレーム404は、直方体形状に設けられることができる。フレーム404の上面には、流体が流動できる貫通孔405が設けられる。
【0042】
中間板406はフレーム404内に位置する。中間板406は、フレーム404の内部を上部空間408aと下部空間408bに区画する。中間板406は、中空を有する板状に設けられることができる。上部空間408aには工程チャンバ410及びクランピング部材500が位置し、下部空間408bには昇降部材450が位置することができる。移動部材550はハウジング402の上部に位置することができる。
【0043】
工程チャンバ410は、内部に基板Wを処理する処理空間412が設けられる。工程チャンバ410は、基板Wを処理する間にその処理空間412を外部から密閉させる。工程チャンバ410は第2ボディ420、第1ボディ430、及びシール部材414を含む。
【0044】
例えば、第2ボディ420は、略円筒状をすることができる。第2ボディ420は、昇降部材450によってフレーム404の上部空間408a及び下部空間408bに昇降移動可能である。第2ボディ420の底面には下部供給ポート422及び排気ポート426が設けられる。下部供給ポート422は、処理空間412へ超臨界流体を供給する流路として機能する。
【0045】
第1ボディ430は、第2ボディ420と組み合わされて内部に処理空間412を形成する。第1ボディ430は第2ボディ420の上部に位置する。第1ボディ430はハウジング402の上部空間408aに位置する。第1ボディ430は緩衝部材435によってフレーム404の天井面に結合する。第1ボディ430の側端は段差付いている。第1ボディ430は、上面の中央部がエッジ部よりも高く位置する形状をする。例えば、第1ボディ430は略円筒状とすることができる。第1ボディ430には上部供給ポート432が設けられる。上部供給ポート432は、処理空間412へ超臨界流体が供給される流路として機能する。一例によれば、第1ボディ430及び第2ボディ420のそれぞれは金属材質であり得る。上部供給ポート432と下部供給ポート422は流体供給部と総称することができる。
【0046】
本発明の一実施形態によれば、第1ボディ430及び第2ボディ420における、クランピング部材500に接触する接触領域に設けられた溝に摩擦防止部材730が装着できる。図2乃至図6は、摩擦防止部材730が第1ボディ430及び第2ボディ420に装着された場合を示す。一方、摩擦防止部材730はクランピング部材500に装着されることもできる。
【0047】
シール部材414は、第1ボディ430と第2ボディ420との間の隙間をシールする。シール部材414は、第1ボディ430と第2ボディ420との間に位置する。シール部材414は、環状のリング形状を有する。例えば、シール部材414は、Oリング414として提供されてもよい。シール部材414は、第1ボディ430の下端面又は第2ボディ420の上端面に設けられる。本実施形態では、シール部材414が第2ボディ420の上端面に設けられるものと説明する。第2ボディ420の上端面には、シール部材414が挿入されるシール溝が設けられる。シール部材414の一部はシール溝に挿入され、シール部材の他の一部はシール溝から突出する。シール部材414は、弾性を含む材質からなることができる。
【0048】
基板支持ユニット440は、処理空間412において基板Wを支持する。基板支持ユニット440は、基板Wの処理面が上向きとなるように基板Wを支持する。
【0049】
昇降部材450は、第1ボディ430と第2ボディ420との間で相対位置を調節する。昇降部材450は、第1ボディ430及び第2ボディ420のうちのいずれか一方が他方に対して近づくか或いは遠ざかるように昇降させる。昇降部材450は、工程チャンバ410が開位置又は閉位置に移動するように第1ボディ430及び第2ボディ420のうちのいずれか一つを昇降させる。ここで、開位置は、第1ボディ430と第2ボディ420とが互いに離隔する位置であり、閉位置は、第1ボディ430と第2ボディ420とが互いに密着して接触する位置である。すなわち、開位置で処理空間412が外部から開放され、閉位置で処理空間412が外部から密閉される。
【0050】
本明細書は、昇降部材450が下部空間408bにおいて第2ボディ420を昇降させ、第1ボディ430は位置が固定されるものと説明する。選択的に、第2ボディ420は固定され、第1ボディ430は第2ボディ420に対して昇降移動することができる。この場合、昇降部材450は、上部空間408aに位置することができる。
【0051】
昇降部材450は、支持板452、昇降軸454、及び駆動器456を含む。支持板452は、下部空間408bにおいて第2ボディ420を支持する。支持板452には第2ボディ420が固定結合される。支持板452は円形の板状をする。支持板452は、中空よりも大きい直径を持つように設けられる。これにより、第2ボディ420の下端は、閉位置においても下部空間408bに位置する。昇降軸454は、下部空間408bにおいて支持板452の底面を支持する。昇降軸454は支持板452に固定結合される。昇降軸454は複数設けられることができる。昇降軸454は、周方向に沿って配列されるように位置することができる。駆動器456はそれぞれの昇降軸454を昇降させる。駆動器456は複数設けられ、昇降軸454と一対一で対応するように結合する。駆動器456に駆動力が提供されると、第2ボディ420及び昇降軸454が昇降移動し、第1ボディ430及び第2ボディ420は、処理空間が密閉される閉位置に移動する。閉位置で駆動器456の駆動力が解除されると、第1ボディ430及び第2ボディ420は閉位置を維持することができる。それぞれの駆動器456は、同一に駆動力が提供されるか、或いは駆動力が同一に解除される。これにより、複数の昇降軸454は昇降中に同一の高さに位置し、支持板452及び第2ボディ420は水平を維持したまま昇降が可能である。例えば、駆動器456はシリンダ又はモータであり得る。
【0052】
選択的に閉位置で駆動器456の駆動力が解除されると、第2ボディ420及び昇降軸454は下降移動し、第1ボディ430及び第2ボディ420は、処理空間が開放される開位置に移動することができる。
【0053】
加熱部材460は処理空間412を加熱する。加熱部材460は、処理空間412に供給された超臨界流体を臨界温度以上に加熱して超臨界流体相に維持する。加熱部材460は複数のヒータを含むことができる。一方、加熱部材460は温度調節部と呼ばれることがある。
【0054】
加熱部材460は、互いに平行な長さ方向を有するバー状又は棒状に設けられる。加熱部材460は、クランプ510、520が移動する方向に対して垂直な長さ方向を有する。例えば、加熱部材460は、各ボディ420、430が移動する方向と平行な長さ方向を有する。これは、各ボディ420、430の側部がクランプされるので、加熱部材460を各ボディ420、430の側面から挿入させることが不可能である。第1ボディ430及び第2ボディ420のうちの少なくとも一つの壁内に埋め込まれて設置されることができる。例えば、ヒータは外部から電源を受けて熱を発生させることができる。本実施形態では、加熱部材460が第1ボディ430に設けられるものと説明したが、第1ボディ430及び第2ボディ420のそれぞれに設けられることができる。また、加熱部材460は、第1ボディ430に設けられず、第2ボディ420に設けられることができる。
【0055】
遮断部材480は遮断プレート482及び支持台484を含む。遮断プレート482は下部供給ポート422と基板支持ユニット440との間に位置する。遮断プレート482は円形の板状をする。遮断プレート482は、第2ボディ420の内径よりも小さい直径を有する。上方から見たとき、遮断プレート482は、下部供給ポート422及び排気ポート426の両方を覆う直径を有する。例えば、遮断プレート482は、基板Wの直径に対応するか、或いはこれよりも大きい直径を有するように設けられることができる。支持台484は遮断プレート482を支持する。支持台484は、複数設けられ、遮断プレート482の周方向に沿って配置される。それぞれの支持台484は、互いに一定間隔で離隔するように配列される。
【0056】
排気ユニット470は処理空間412の流体を排気する。処理空間412に発生した工程副産物は、排気ユニット470を介して排気される。排気は自然排気又は強制排気であり得る。また、排気ユニット470は、工程副産物を排気するとともに、処理空間412の圧力を調節することが可能である。排気ユニット470は排気ライン472及び圧力測定部材474を含む。排気ライン472は排気ポート426に接続される。排気ライン472に設置された排気弁476は、処理空間412の排気量を調節することが可能である。圧力測定部材474は、排気ライン472に設置され、排気ライン472の圧力を測定する。圧力測定部材474は、排気方向に対して排気弁476よりも上流に位置する。排気ユニット470によって、処理空間412は常圧、又は工程チャンバ410の外部に対応する圧力に減圧できる。
【0057】
流体供給ユニット490は、処理空間412へ処理流体を供給する。処理流体は、臨界温度及び臨界圧力によって超臨界状態で供給される。流体供給ユニット490は上部供給ライン492及び下部供給ライン494を含む。上部供給ライン492は上部供給ポート432に接続される。処理流体は、上部供給ライン492及び上部供給ポート432を順次経て処理空間412に供給される。上部供給ライン492には上部弁493が設置される。上部弁493は上部供給ライン492を開閉する。下部供給ライン494は、上部供給ライン492と下部供給ポート422とを互いに連結する。下部供給ライン494は、上部供給ライン492から分岐して下部供給ポート422に連結される。すなわち、上部供給ライン492及び下部供給ライン494のそれぞれから供給される処理流体は、同じ種類の流体であり得る。処理流体は、下部供給ライン494及び下部供給ポート422を順次経て処理空間412に供給される。下部供給ライン494には下部弁495が設置される。下部弁495は下部供給ライン494を開閉する。
【0058】
一例によれば、基板Wの非処理面に対向する下部供給ポート422から処理流体が供給され、その後、基板Wの処理面に対向する上部供給ポート432から処理流体が供給されることができる。よって、処理流体は、下部供給ライン494を介して処理空間412へ供給され、続いて上部供給ライン492を介して処理空間412へ供給されることができる。これは、初期に供給される処理流体が臨界圧力又は臨界温度に達していない状態で基板Wに供給されることを防止するためである。
【0059】
クランピング部材500は、閉位置に位置する第1ボディ430と第2ボディ420をクランプする。これにより、工程の進行時に処理空間内の圧力が上昇しても、第1ボディ430と第2ボディ420との間に隙間が発生することを防止することができる。また、クランピング部材500によって工程チャンバ410がクランプされる間に、駆動器456の駆動力が解除される。これにより、長時間にわたって駆動器456に強い力が作用し、駆動器456が損傷するのを防止することができる。
【0060】
クランピング部材500は、第1クランプ510及び第2クランプ520を含む。第1クランプ510及び第2クランプ520は工程チャンバ410の側部に位置する。一例によれば、第1クランプ510及び第2クランプ520のそれぞれは、工程チャンバ410を挟んで互いに対向するように位置する。第1クランプ510及び第2クランプ520のそれぞれは、工程チャンバ410を囲む形状に提供される。第1クランプ510及び第2クランプ520のそれぞれは、工程チャンバ410に面する内側面にクランプ溝が設けられる。クランプ溝には、閉位置に位置した第1ボディ430の縁部及び第2ボディ420の縁部が挿入可能である。クランピング部材500はロック位置又はロック解除位置に移動可能である。ここで、ロック位置は、第1クランプ510と第2クランプ520とが互いに近接して第1ボディ430及び第2ボディ420をクランプする位置であり、ロック解除位置は、第1クランプ510及び第2クランプ520が第1ボディ430及び第2ボディ420から離隔する位置であると定義する。第1クランプ510及び第2クランプ520は、ロック位置で互いに組み合わされて環状のリング形状を持つように提供される。例えば、第1クランプ510及び第2クランプ520のうちのいずれか一方の垂直断面は、「C」又は

字状を有し、他方の垂直断面は、垂直軸を基準にいずれか一つの垂直断面と対称になるように提供されることができる。
【0061】
移動部材550は、クランピング部材500をロック位置及びロック解除位置に移動させる。移動部材550は、クランピング部材500を工程チャンバ410の移動方向に対して垂直な方向に移動させる。移動部材550は、ガイドレール560、ブラケット570及び駆動部材580を含む。ガイドレール560はハウジング402の外部に位置する。ガイドレール560は、第1ボディ430が位置する上部空間408aに隣接して位置する。ガイドレール560はハウジング402の上面に設置される。ガイドレール560は工程チャンバ410の移動方向に対して垂直な長さ方向を有する。ガイドレール560は、複数設けられ、それぞれは同じ長さ方向を有する。一例によれば、ガイドレール560は貫通孔405と同じ個数で提供される。ガイドレール560は、貫通孔405と平行な長さ方向を有する。上方から見たとき、ガイドレール560は、貫通孔405とオーバーラップするように位置する。ブラケット570は、ガイドレール560とクランピング部材500とを互いに固定結合させる。ブラケット570は、ガイドレール560と同じ個数で設けられる。一例によれば、上方から見たとき、一側に位置するガイドレール560には第1クランプ510が連結され、他側に位置するガイドレールには第2クランプ520が連結されることができる。駆動部材580は、クランピング部材500がガイドレール560の長さ方向に沿ってロック位置又はロック解除位置に移動するようにガイドレール560を駆動させる。
【0062】
制御器は昇降部材450及び移動部材550を制御する。制御器は、工程チャンバ410が閉位置又は開位置に移動するように昇降部材450を制御し、クランピング部材500がロック位置又はロック解除位置に移動するように移動部材550を制御する。一例によれば、制御器は、工程チャンバ410が開位置から閉位置へ移動すると、クランピング部材500は、ロック解除位置からロック位置へ移動することができる。制御器は、工程チャンバ410がクランピング部材500によって閉じられると、駆動器456の駆動力が解除されるように昇降部材450を制御することができる。
【0063】
図2乃至図6は、基板Wを基板処理装置(第2処理ユニット280)に投入された後、基板Wの処理及び排出が行われる段階を示す。図2に示すように、第2ボディ420が下降して開状態で基板Wが投入されて基板支持ユニット440に装着される。その後、図3に示すように、第2ボディ420が昇降部材450によって上昇し、第1ボディ430と第2ボディ420とが接触して処理空間412を密閉させる。その後、図4に示すように、クランピング部材500が第1ボディ430及び第2ボディ420をクランプし、処理空間412へ処理流体が供給され、加熱部材460によって処理空間412へ熱エネルギーが供給される。一定レベルの圧力及び温度が形成されると、処理空間412の内部に超臨界流体が形成され、超臨界流体による処理工程が行われる。超臨界処理工程が完了すると、図5に示すようにクランピング部材500がクランプ解除位置へ移動し、その後、図6に示すように第2ボディ420が下降し、基板Wが外部へ排出されることができる。
【0064】
図2乃至図6に示すように、クランピング部材500は、水平移動を介して第1ボディ430及び第2ボディ420と接触し、処理空間412内の圧力とは反対の方向で第1ボディ430及び第2ボディ420を加圧して密着させる。
【0065】
処理空間412の内部を超臨界状態に維持するために、第1ボディ430と第2ボディ420は、内部圧力よりも大きな力でクランプされなければならない。このとき、第1ボディ430及び第2ボディ420がクランピング部材500と接触する部位で摩擦が発生し、これによりパーティクルが発生することができる。特に、第1ボディ430、第2ボディ420、クランピング部材500が金属材質からなる場合、基板Wに致命的な金属性パーティクルが発生して工程不良を引き起こすおそれがある。第1ボディ430及び第2ボディ420がクランピング部材500に接触する領域にフィルムなどを付着させる方法が考えられるが、フィルムの場合は、第1ボディ430及び第2ボディ420が移動する過程で剥がれるおそれがあり、フィルムの付着に使用される接着剤によって汚染が発生するおそれがある。
【0066】
したがって、本発明の実施形態は、第1ボディ430及び第2ボディ420に対してクランピング部材500が接触する接触領域に設けられた溝にパッド状の摩擦防止部材730を装着することにより、第1ボディ430及び第2ボディ420がクランピング部材500に接触して生じる損傷及びパーティクルを低減させることができる。
【0067】
一方、フィルムを付着させる場合と比較して、パッド状の摩擦防止部材730は、部品損傷及び付着不良発生の可能性が低いため、長寿命を有する。また、組立位置が構造的に決定されているので、別途の組立治具なしにも同じ位置に繰り返し設置することができるという利点がある。
【0068】
結論として、パッド状の摩擦防止部材730を導入することにより、基板処理装置のメンテナンスのためのコスト及び時間が減少し、全体的な設備稼働率が改善されることができる。以下、摩擦防止部材730が適用される基板処理装置の様々な実施形態について説明する。
【0069】
図7乃至図9は本発明の実施形態による基板処理装置の構造を概略的に示す。
【0070】
本発明の実施形態による基板処理装置は、互いに結合して内部に処理空間を形成する第1ボディ430及び第2ボディ420を含む工程チャンバ410と、第1ボディ430と第2ボディ420とが密着するように第1ボディ430と第2ボディ420をクランプするクランピング部材500と、第1ボディ430及び第2ボディ420に対してクランピング部材500が接触する接触領域に設けられた溝に装着される摩擦防止部材730と、を含む。
【0071】
図7は第1ボディ430及び第2ボディ420にボディ溝424、434がそれぞれ設けられ、ボディ溝424、434に摩擦防止部材730が挿入された場合を示す。本発明の実施形態によれば、摩擦防止部材730が装着される溝は、第1ボディ430に設けられた第1ボディ溝434と、第2ボディ420に設けられた第2ボディ溝424と、を含む。
【0072】
図8はクランピング部材500における第1ボディ430に接触する領域に第1クランプ溝532が設けられ、クランピング部材500において第2ボディ420に接触する領域に第2クランプ溝534が設けられ、摩擦防止部材730が第1クランプ溝532及び第2クランプ溝534に挿入された場合を示す。本発明の実施形態によれば、摩擦防止部材730が装着される溝は、クランピング部材500における第1ボディ430に対応する領域に設けられた第1クランプ溝532、及びクランピング部材500における第2ボディ420に対応する領域に設けられた第2クランプ溝534を含むことができる。
【0073】
図9は第1ボディ430、第2ボディ420及びクランピング部材500に溝が設けられて摩擦防止部材が装着される場合を示す。図9に示すように、第1ボディ430に設けられた第1ボディ溝434、第2ボディ420に設けられた第2ボディ溝424、クランピング部材500に設けられた第1クランプ溝532及び第2クランプ溝534に摩擦防止部材が挿入できる。
【0074】
本発明の実施形態によれば、摩擦防止部材730は、PEEK(poly ether ether keton)、PI(polyimide)、ポリアラミド(poly-aramid)、PET(Polyethylene terephthalate)、ジルコニア、SiC、SiN及びアルミナ(Alumina)のうちの少なくとも一つで構成できる。
【0075】
さらに、摩擦防止部材730は、表面に樹脂コーティング又はDLC(diamond-like coating)処理された金属性ボディで構成できる。
【0076】
本発明の実施形態によれば、摩擦防止部材730は、複数の摩擦防止パッドで構成できる。例えば、図10に示すように、第1ボディ430の溝に装着される摩擦防止部材730は、4つの摩擦防止パッドで構成できる。単一の円形パッドを構成する場合、第1ボディ430全体を分離して摩擦防止パッドを交換しなければならないが、図10に示すように複数個で摩擦防止パッドを構成する場合、第1ボディ430を分離しなくても摩擦防止パッドを交換することができるので、より容易に摩擦防止パッドを交換することができる。
【0077】
一方、摩擦防止部材730は、一つの摩擦防止パッドで構成されてもよく、2つ、3つ、4つなどの様々な形態の摩擦防止パッドで構成されてもよい。
【0078】
図11及び図12は本発明の実施形態による摩擦防止部材730が挿入された状態のボディの断面図である。
【0079】
本発明の実施形態によれば、摩擦防止部材730に貫通口が設けられ、貫通口を介して締結部材750が接触領域に締結されることにより、摩擦防止部材730を固定することができる。図11及び図12に示すように、第1ボディ430に設けられた第1ボディ溝434に摩擦防止部材730が挿入され、締結部材750を介して摩擦防止部材730が第1ボディ430に固定される。
【0080】
一方、摩擦防止部材730は、第1ボディ溝434の底面434Aに塗布された接着剤を介して第1ボディ430に固定されることもできる。
【0081】
本発明の実施形態によれば、摩擦防止部材730と溝434の側壁434Bとの間に一定間隔gが設けられることができる。すなわち、摩擦防止部材730の表面積は、溝434の表面積よりも小さく構成できる。例えば、処理空間412内の圧力によってクランピング部材500と第1ボディ430との接触領域に圧力が作用し、圧力によって摩擦防止部材730が変形する場合を考慮して、摩擦防止部材730と溝434の側壁434Bとの間に一定間隔gを構成することができる。そのため、一定間隔gは、摩擦防止部材730に加わる圧力による変形量よりも大きく設定できる。
【0082】
また、摩擦防止部材730は、溝434の周辺部よりも突出するように構成されることができる。圧力によって摩擦防止部材730が水平方向に変形する場合を考慮して、摩擦防止部材730が一定高さtだけ突出するように構成することにより、変形が発生しても摩擦防止機能を行うようにすることができる。
【0083】
上述した摩擦防止部材730は、図2乃至図6に示す基板処理装置400の一部として構成できる。本発明の実施形態による基板処理装置400は、互いに結合して内部に処理空間412を形成する第1ボディ430と第2ボディ420を含む工程チャンバ410と、処理空間412へ流体を供給する流体供給部432、422と、処理空間412の温度を調節する温度調節部(加熱部材460)と、第1ボディ430と第2ボディ420とが互いに密着するように第1ボディ430と第2ボディ420をクランプするクランピング部材500と、第1ボディ430及び第2ボディ420に対してクランピング部材500が接触する接触領域に設けられた溝に装着される摩擦防止部材730と、を含むことができる。
【0084】
一方、上述した摩擦防止部材730を含む基板処理装置400は、基板処理設備1の一部として提供できる。例えば、基板処理装置400は、第2工程処理ユニット280に含まれることができる。
【0085】
本発明の実施形態による基板処理設備1は、基板Wが投入及び排出されるロードポート120と、基板Wを搬送する基板搬送部140、220、244と、処理液を基板Wへ供給して処理する第1工程処理ユニット260と、基板Wに残っている処理液を乾燥させる第2工程処理ユニット280と、を含む。
【0086】
第2工程処理ユニット280は、互いに結合して内部に処理空間412を形成する第1ボディ430と第2ボディ420を含む工程チャンバ410と、処理空間412へ流体を供給する流体供給部432、422と、処理空間412の温度を調節する温度調節部(加熱部材460)と、第1ボディ430と第2ボディ420とが互いに密着するように第1ボディ430と第2ボディ420をクランプするクランピング部材500と、第1ボディ430及び前記第2ボディ420に対してクランピング部材500が接触する接触領域に設けられた溝に装着される摩擦防止部材730と、を含むことができる。
【0087】
一方、上述したように、溝の側壁434Bと摩擦防止部材730の側面とは互いに接触しないように構成できる。例えば、図11に示すように、摩擦防止部材730と溝434の側壁434Bとの間に一定間隔gが形成できる。
【0088】
図13乃至図16は本発明の実施形態による摩擦防止部材が適用された基板処理装置の他の例を示す。
【0089】
図13乃至図16を参照すると、一側に開口部が設けられたチャンバ状の第1ボディ1410、開口部に対応する形状をし、開口部に結合することにより基板Wの処理空間を形成する第2ボディ1425と、を含む。第2ボディ1425には、基板Wを支持する基板支持ユニット1420が設置され、第2ボディ1425は、駆動装置によって水平方向に移動して第1ボディ1410に結合することができる。また、第1ボディ1410と第2ボディ1425との結合によって内部に処理空間が形成され、第1ボディ1410と第2ボディ1425を固定するためのロック部材1440が提供される。一方、図13及び図14に示すように、基板Wを支持する基板支持ユニット1420が水平方向に移動して第1ボディ1410に進入した後、ロック部材1440の昇降によって第1ボディ1410と第2ボディ1425がクランプされる。
【0090】
その後、図15に示すように、処理空間が密閉された状態で流体供給部1430A、1430Bによって流体が供給され、温度調節部によって処理空間に熱エネルギーが加えられながら高温及び高圧環境が造成される。高温及び高圧環境で工程処理が完了すると、流体排出部1435を介して流体が排出され、ロック部材1440が下降し、基板Wが排出されることができる。
【0091】
本発明の実施形態によれば、第2ボディ1425とロック部材1440とが接触する接触領域に摩擦防止部材1450が形成できる。前述したのと同様に、摩擦防止部材1450は、接触領域に設けられた溝に装着できる。
【0092】
本発明の一実施形態によれば、図15に示すように、摩擦防止部材1450は、ロック部材1440の接触領域に設けられた溝に装着できる。また、図16に示すように、摩擦防止部材1450は、第2ボディ1425の接触領域に設けられた溝に装着できる。
【0093】
本発明の実施形態によれば、摩擦防止部材1450は、PEEK(poly ether ether keton)、PI(polyimide)、ポリアラミド(poly-aramid)、PET(Polyethylene terephthalate)、ジルコニア、SiC、SiN及びアルミナ(Alumina)のうちの少なくとも一つで構成できる。また、摩擦防止部材1450は、表面に樹脂コーティング又はDLC処理された金属性ボディで構成できる。
【0094】
本発明の実施形態によれば、摩擦防止部材1450と溝の側壁との間に一定間隔が形成できる。ここで、摩擦防止部材1450と溝との間隔は、摩擦防止部材1450に加わる圧力による変形量よりも大きく設定できる。また、摩擦防止部材1450は溝の周辺部よりも突出することができる。
【0095】
本発明の実施形態によれば、摩擦防止部材1450には貫通口が設けられ、貫通口を介して締結部材が接触領域(第2ボディ1425又はロック部材1440)に締結されることにより、摩擦防止部材1450を第2ボディ1425又はロック部材1440に固定させることができる。
【0096】
図17乃至図19は本発明の他の実施形態による摩擦防止部材が適用された基板処理装置を示す。先立って図2乃至図10を参照して説明した実施形態は、クランピング部材500によって、第1ボディ430と第2ボディ420との間隔が開かないようにクランプされる場合である。しかしながら、より簡単に設備を構成するために、クランピング装置なしに第1ボディ430と第2ボディ420とが結合し、昇降部材450(シリンダの油圧)によって第1ボディ430と第2ボディ420とが互いに開かないようにすることができる。この場合、図17乃至図19に示すように、第1ボディ430と第2ボディ420とが互いに接触する接触領域に摩擦防止部材730が位置することができる。
【0097】
例えば、図17に示すように、上部に位置する第1ボディ430に設けられた溝に摩擦防止部材730が装着できる。また、図18に示すように、下部に位置する第2ボディ420に設けられた溝に摩擦防止部材730が装着できる。一方、図19に示すように、第1ボディ430と第2ボディ420にそれぞれ溝が設けられて摩擦防止部材730が装着できる。
【0098】
図20及び図21は本発明の別の実施形態による摩擦防止部材が適用された基板処理装置を示す。図7乃至図12を参照して説明した実施形態のように第1ボディ430、第2ボディ420、又はクランピング部材500の中央部分に溝が設けられ、中央部分に設けられた溝に摩擦防止部材730が挿入されるのとは異なり、第1ボディ430、第2ボディ420、又はクランピング部材500のエッジ部分に溝が設けられ、エッジ部分に位置した溝に摩擦防止部材730が挿入されることができる。
【0099】
例えば、図20に示すように、クランピング部材500における、第1ボディ430及び第2ボディ420に接触する部分のエッジに溝が設けられ、エッジの溝に摩擦防止部材730が装着できる。また、図21に示すように、第1ボディ430及び第2ボディ420における、クランピング部材500に接触する部分のエッジに溝が設けられ、エッジの溝に摩擦防止部材730が装着されることができる。
【0100】
本実施形態及び本明細書に添付された図面は、本発明に含まれる技術的思想の一部を明確に示しているものに過ぎず、本発明の明細書及び図面に含まれている技術的思想の範囲内で当業者が容易に類推することができる変形例と具体的な実施形態はいずれも本発明の権利範囲に含まれることが自明であるというべきである。
【0101】
したがって、本発明の思想は、説明された実施形態に局限されて定められてはならず、後述する特許請求の範囲だけでなく、この特許請求の範囲と均等であるか或いは等価的変形があるすべてのものは、本発明の思想の範疇に属するというべきである。
図1
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